説明

トナー補給装置、及び画像形成装置

【課題】簡単な構成で、初期流れ込みやベタ流れ込みの発生を抑制して、現像装置内のトナー濃度を安定化できるとともに、トナー飛散による装置内汚染を抑制できるトナー補給装置を提供する。
【解決手段】交換可能なトナーボトル32から供給されたトナーを一旦貯蔵するサブホッパ48を備え、現像装置5にサブホッパ48に貯蔵したトナーを補給するトナー補給装置40において、次のようなトナー搬送経路を備える。サブホッパ48のトナー排出口79から現像装置5までのトナー搬送パイプ43に、トナー搬送パイプ43内径の中心が水平面上で、それぞれ所定の曲率半径をもって曲がる水平R部431や水平R部433などの水平R部を、少なくとも1箇所以上有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置で用いられるトナー補給装置、及びこのトナー補給装置を備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、潜像担持体である感光体ドラム等の表面上に形成された潜像をトナ像として可視像化する現像装置に、交換可能なトナー収納容器に収納されたトナーを補給するトナー補給装置を用いた画像形成装置が知られている。例えば、トナーとキャリアとからなる現像剤を用いる2成分現像装置においては、現像装置のトナーの消費に応じて、現像装置へトナー補給を行うトナー補給装置を用いた画像形成装置が知られている。
【0003】
また、交換可能なトナーの収納容器としても、様々な形状のトナーカートリッジが用いられている。例えば、円筒形のトナーボトルを備えたトナーカートリッジ等が知られている。そして、交換可能なトナーの収納容器を備えた画像形成装置の構成の多くは、トナーカートリッジに設けた搬送スクリュや、重力による自由落下によって現像装置へトナーを補給していた。
【0004】
近年、一部の画像形成装置では、画像形成装置の本体内部にトナー貯蔵部(以下、サブホッパという)を備え、トナーカートリッジからサブホッパにトナーを供給し、サブホッパから現像装置にトナー補給を行う方式が実用化されている。例えば、特許文献1には、トナーカートリッジ(トナー容器)から粉体ポンプを用いてサブホッパにトナーを供給し、サブホッパを介して現像装置にトナー補給を行う構成が記載されている。
【0005】
この特許文献1に記載されたサブホッパは、上部と下部とから構成されている。サブホッパの上部には、並行した2つのトナー収容部が、両端部に開口が形成された仕切り板で仕切られて設けられている。仕切られた2つのトナー収容部にはそれぞれ、トナー搬送方向が互いに異なる搬送スクリュを有している。また、サブホッパの下部には、搬送スクリュを有した1つのトナー収容部(以下、下部トナー収容部という)が設けられている。上部2つのトナー収容部は、粉体ポンプによりトナーが、その一端側に供給されるトナー収容部(以下、上流側トナー収容部という)と、上流側トナー収容部のトナー搬送方向下流側に形成された仕切り板の開口部からトナーが受け渡されるトナー収容部(以下、下流側トナー収容部という)である。ここで、上流側トナー収容部には、粉体ポンプによって搬送されてくるトナーを受入れる導入口が、上流側トナー収容部におけるトナー搬送方向上流側の上部に設けられている。また、下流側トナー収容部には、下部トナー収容部の一端部へトナーを落下させる連通口が、下流側トナー収容部におけるトナー搬送方向下流側の下部に設けられている。そして、下部トナー収容部には、下流側トナー収容部の連通口から一端側に落下したトナーを、現像装置に補給する排出口が、下部トナー収容部におけるトナー搬送方向下流側に設けられている。
【0006】
そして、トナーカートリッジから粉体ポンプにより上流側トナー収容部のトナー搬送方向上流側に供給されたトナーは、上流側トナー収容部の搬送スクリュで仕切り板の開口部まで搬送されて、下流側トナー収容部に受け渡される。下流側トナー収容部に受け渡されたトナーは、下流側トナー収容部の搬送スクリュで下流側トナー収容部の連通口まで搬送されて、下部トナー収容部に落下する。下部トナー収容部に落下したトナーは、下部トナー収容部の搬送スクリュで、排出口まで搬送されて現像装置に補給されることとなる。ここで、下流側トナー収容部から下部トナー収容部に落下しなかったトナーは、それぞれのスクリュの回転により、上流側トナー収容部と下流側トナー収容部とを循環する。
【0007】
このように画像形成装置の本体内部にサブホッパを持つことで、使用者が交換を行うトナーカートリッジ内のトナーが無くなっても、一定時間はサブホッパ内のトナーを使用することによって印刷が可能である。このことで、トナーカートリッジ内にトナーが無くなり、トナーカートリッジの交換が必要な場合でも、すぐに交換せずに、画像形成装置を利用していない時に交換することができ、画像形成装置のダウンタイムの低減に大きな効果をもたらす。
【0008】
また、サブホッパを備えていない構成のように、トナーカートリッジと現像装置との配置に制約が生じて、装置内での省スペースなレイアウトが行えず、画像形成装置の小型化が困難になるといった問題も回避可能である。さらに、画像形成装置の本体内部にサブホッパを設けてトナーを現像装置に補給する構成では、トナーカートリッジから直接現像装置に補給する構成よりも、高精度なトナーの補給を実現することも容易である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載された構成のようにサブホッパから現像装置にトナー補給を行う方式では、トナーが空気を大量に含み流動性が高くなると、粉体であるトナーが液体と同様な性質を持ってしまう。このような性質をトナーが持ってしまうと、サブホッパ内の各搬送部材が停止しても、搬送経路でもある各トナー収容部内をトナーが流れる。その結果、流動性が高くなった多量のトナーが現像装置に流れ込むことで、現像装置内のトナー濃度が過度に上昇してしまい、トナー濃度上昇やトナー飛散といった問題を引き起こしてしまうという現象が生じてしまう。
【0010】
このような現象は、特にトナーカートリッジを新たにセットした際に、流動化したトナーがサブホッパから搬送経路を通過して、意図せずに現像装置へ流入してしまう(以下、初期流れ込みという)場合や、高画像面積率の画像形成を連続して行って、サブホッパから現像装置へのトナー供給が頻繁に行われている場合(以下、ベタ流れ込みという)に発生し易い。また、サブホッパから現像装置への搬送経路を設け、その搬送経路内に下方へ傾斜した部分を有する場合にも発生し易い。
【0011】
搬送経路内に下方へ傾斜した部分を有する場合の、上述した現象の発生を抑制するために、従来から様々な方法が提案されてきた。例えば、特許文献2には、サブホッパから現像装置へトナーを搬送する、搬送手段であるコイルを設けた管状の搬送経路内の下方へ傾斜した直線部分(区間)に、トナーが通過する管内空間を規制する空間規制部材を設けた構成が記載されている。搬送経路内の管状空間の一部を空間規制部材することで、搬送経路内の管状空間を規制しない場合に比べて、管内の空気量を低減させて搬送経路内で空気とトナーとが混ざり合って、過度に流動性が高まることを抑制する。そして、搬送経路内でのトナーの過度な流動性上昇を抑制することで、搬送経路内をトナーが一気に流れ、現像装置に補給されることを防ぐというものである。
【0012】
しかし、特許文献2に記載された構成では、管状の搬送経路に到達する前に、トナーの流動性が過度に高くなってしまっていた場合には、その効果は薄れてしまうものと考えられる。また、管状の搬送経路内に空間規制部材を設けることで、部品点数の増加によるコストアップ、及びサブホッパから現像装置へのトナーの単位時間当たりの搬送量の低下といった影響が出てしまう。
【0013】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、簡単な構成で、初期流れ込みやベタ流れ込みの発生を抑制して、現像装置内のトナー濃度を安定化できるとともに、トナー飛散による装置内汚染を抑制できるトナー補給装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、交換可能なトナー容器から供給されたトナーを一旦貯蔵するトナー貯蔵部を備え、潜像担持体上に形成された潜像をトナー像として可視像化する現像装置に、該トナー貯蔵部に貯蔵したトナーを補給するトナー補給装置において、前記トナー貯蔵部の排出口から前記現像装置までの管状の搬送経路内に、該搬送経路内径の中心が水平面上で所定の曲率半径をもって曲がる水平R部を、少なくとも1箇所以上設けたことを特徴とするものである。
本発明は、搬送経路内に少なくとも1箇所以上の水平R部を設けているので、この水平R部で流動化したトナーの速度が落ちて止まり易くなる。したがって、初期流れ込みやベタ流れ込みの発生を抑制することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、搬送経路内に、少なくとも1箇所以上、水平R部を設けることで、初期流れ込みやベタ流れ込みの発生を抑制することができる。
よって、簡単な構成で、初期流れ込みやベタ流れ込みの発生を抑制して、現像装置内のトナー濃度を安定化できるとともに、トナー飛散による装置内汚染を抑制できるトナー補給装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施形態に係るプリンタの概略構成図。
【図2】プロセスカートリッジ近傍の拡大図。
【図3】トナーボトル付近の側面図。
【図4】各トナー補給装置の図3中右側からの斜視説明図。
【図5】サブホッパの斜視説明図。
【図6】サブホッパの説明図。
【図7】実施例1のトナー補給装置の斜視説明図。
【図8】実施例1のトナー補給装置の平面説明図。
【図9】実験1におけるトナー搬送パイプの説明図。
【図10】実験2におけるトナー搬送パイプの平面説明図。
【図11】実験2から求めた曲率半径と流れ込みトナー量の関係を示すグラフ。
【図12】曲率半径とトナー搬送パイプの内径の半径との関係の説明図。
【図13】実験3におけるトナー搬送パイプの平面説明図。
【図14】実験3から求めた中心角と流れ込みトナー量の関係を示すグラフ。
【図15】実施例2のトナー搬送パイプの説明図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を適用した画像形成装置として、複数の感光体が並行配設されたタンデム型のカラーレーザープリンタ(以下、プリンタ100という)の一実施形態について、複数の実施例を挙げて説明する。まず、各実施例に共通する本実施形態の画像形成装置の概要から図を用いて説明する。図1は、本実施形態に係るプリンタ100の概略構成図、図2は、プロセスカートリッジ6M近傍の拡大図、図3は、トナーボトル32M付近の側面図である。また、図4は、各トナー補給装置40の図3中右側からの斜視説明図、図5は、サブホッパ48Mの斜視説明図、図6は、サブホッパ48Mの説明図であり、(a)が平面説明図、(b)が断面説明図である。
【0018】
まず、本プリンタ100の基本的な構成について説明する。図1に示すように、このプリンタ100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、M、C、Kと記す。)のトナー像を生成するための4つのプロセスカートリッジ6Y,M,C,Kを備えている。これらは、画像形成物質として、互いに異なる色のY,M,C,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。
【0019】
Mトナー像を生成するためのプロセスカートリッジ6Mを例にすると、図2に示すように、ドラム状の感光体1M、ドラムクリーニング装置2M、除電装置(不図示)、帯電装置4M、現像装置5M等を備えている。このプロセスカートリッジ6Mは、プリンタ100本体に脱着可能であり、一度に消耗部品を交換できるようになっている。
【0020】
帯電装置4Mは、駆動手段(不図示)によって図中時計回りに回転する感光体1Mの表面を一様帯電する。一様帯電した感光体1Mの表面は、レーザ光Lによって露光走査されてM用の静電潜像を担持する。このMの静電潜像は、Mトナーを用いる現像装置5MによってMトナー像に現像される。そして、中間転写ベルト8上に中間転写される。ドラムクリーニング装置2Mは、中間転写工程を経た後の感光体1M表面に残留したトナーを除去する。また、除電装置は、クリーニング後の感光体1Mの残留電荷を除電する。この除電により、感光体1Mの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。他のプロセスカートリッジ6Y,C,Kにおいても、同様にして感光体1Y,C,K上にY,C,Kトナー像が形成され、中間転写ベルト8上に中間転写される。
【0021】
図1に示すように、プロセスカートリッジ6Y,M,C,Kの図中下方には、露光装置7が配設されている。潜像形成手段である露光装置7は、画像情報に基づいて発したレーザ光Lを、プロセスカートリッジ6Y,M,C,Kにおけるそれぞれの感光体に照射して露光する。この露光により、感光体1Y,M,C,K上にY,M,C,K用の静電潜像が形成される。なお、露光装置7は、光源から発したレーザ光(L)を、モータによって回転駆動したポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。
【0022】
露光装置7の図中下側には、紙収容カセット26、これらに組み込まれた給紙ローラ27、レジストローラ対28など有する給紙手段が配置している。紙収容カセット26は、記録体である転写紙Pを複数枚重ねて収納しており、それぞれの一番上の転写紙Pには給紙ローラ27が当接している。給紙ローラ27が駆動手段(不図示)によって図中反時計回りに回転すると、一番上の転写紙Pがレジストローラ対28のローラ間に向けて給紙される。レジストローラ対28は、転写紙Pを挟み込むべく両ローラを回転駆動するが、挟み込んですぐに回転を一旦停止させる。そして、転写紙Pを適切なタイミングで後述の2次転写ニップに向けて送り出す。この構成の給紙手段では、給紙ローラ27と、タイミングローラ対であるレジストローラ対28との組合せによって搬送手段を構成している。この搬送手段は、転写紙Pを収容手段である紙収容カセット26から後述の2次転写ニップまで搬送する。
【0023】
プロセスカートリッジ6Y,M,C,Kの図中上方には、中間転写体である中間転写ベルト8を張架しながら無端移動させる中間転写ユニット15を配置している。この中間転写ユニット15は、中間転写ベルト8の他、4つの1次転写バイアスローラ9Y,M,C,K、ベルトクリーニング装置10などを備えている。また、2次転写バックアップローラ12、クリーニングバックアップローラ13、テンションローラ14等も備えている。中間転写ベルト8は、これら3つのローラに張架されながら、少なくとも何れか1つのローラの回転駆動によって図中反時計回りに無端移動される。1次転写バイアスローラ9Y,M,C,Kは、このように無端移動する中間転写ベルト8を感光体1Y,M,C,Kとの間に挟み込んでそれぞれ1次転写ニップを形成している。これらは中間転写ベルト8の裏面(内周面)にトナーとは逆極性(例えばプラス)の転写バイアスを印加する方式のものである。1次転写バイアスローラ9Y,M,C,Kを除くローラは、全て電気的に接地されている。中間転写ベルト8は、その無端移動にともなってY,M,C,K用の1次転写ニップを順次通過していく過程で、感光体1Y,M,C,K上のY,M,C,Kトナー像が重ね合わされて1次転写される。これにより、中間転写ベルト8上に、4色重ね合わされたトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
【0024】
上述した2次転写バックアップローラ12は、2次転写ローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んで2次転写ニップを形成している。中間転写ベルト8上に形成された4色トナー像は、この2次転写ニップで転写紙Pに転写される。2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト8には、転写紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着しており、ベルトクリーニング装置10によってクリーニングされることとなる。
【0025】
2次転写ニップにおいては、転写紙Pが互いに順方向に表面移動する中間転写ベルト8と2次転写ローラ19との間に挟まれて、レジストローラ対28側とは反対方向に搬送される。2次転写ニップから送り出された転写紙Pは、定着装置20のローラ間を通過する際に熱と圧力とにより、表面に転写された4色トナー像が定着される。その後、転写紙Pは、排紙ローラ対29のローラ間を経て機外へと排出される。そして、プリンタ100本体の上面には、スタック部30が形成されており、排紙ローラ対29によって機外に排出された転写紙Pは、このスタック部30に順次スタックされることとなる。
【0026】
各プロセスカートリッジの構成は、用いるトナーが異なるだけで、基本的構成は同様であるので、プロセスカートリッジ6M内の現像装置5Mの構成について説明する。現像装置5Mは、内部に磁界発生手段を備え、磁性粒子とトナーを含む二成分系現像剤を表面に担持して搬送する現像剤担持体としての現像スリーブ51Mと、現像スリーブ51M上に担持されて搬送される現像剤の層厚を規制する現像剤規制部材としてのドクター52Mとを備えている。ここで現像スリーブ51を収容する場所を現像スリーブ収容部53Mとする。また、現像スリーブ収容部53Mに隣接し、現像剤を収容する場所を現像剤収容部54Mとする。現像スリーブ51と現像剤収容部54Mとには、現像剤を撹拌搬送するための現像剤搬送スクリュ55Mをそれぞれ備えている。また、現像装置5Mは、現像剤収容部54M内の現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度センサとしての濃度検知センサ56Mをそなえている。そして、濃度検知センサ56Mの検知結果に基づいて補給されるトナーを現像剤収容部54Mに取り込むためのトナー補給口(不図示)を備えている。
【0027】
次に、この現像装置5Mの動作について説明する。現像剤は、現像剤搬送スクリュ55Mが回転することにより攪拌搬送され現像剤収容部54M内と現像スリーブ収容部53M内とを循環し、攪拌搬送されることにより現像剤中のトナーは、キャリアとの摩擦帯電により帯電する。現像スリーブ収容部53M内の帯電したトナーを含む現像剤は、内部に磁極を有する現像スリーブ51Mの表面に供給され、磁力により担持される。現像スリーブ51Mに担持された現像剤層は、現像スリーブ51Mの回転にともない図中矢印方向に搬送される。現像スリーブ51Mに担持された現像剤層は、搬送される途中、ドクター52Mで現像剤層の層厚を規制されたのち、感光体1Mと対向する現像領域まで搬送される。現像領域では、感光体1M上に形成された潜像に基づく現像が行われる。現像領域を通過し、現像スリーブ51M上に残った現像剤層は現像スリーブ51Mの回転にともない、搬送され、現像スリーブ51Mの内部の磁極配置による反発磁力によって現像スリーブ51Mから離脱する。そして、現像スリーブ収容部53Mの下部である現像剤搬送スクリュ55Mが設けられている部分で撹拌搬送されている現像剤とともに収容されることとなる。
【0028】
図1に示すように、中間転写ユニット15と、これよりも上方にあるスタック部30との間には、トナーボトルベース31を設けている。このトナーボトルベース31は、Y,M,C,Kトナーを内包するトナー容器として機能するトナーカートリッジであるトナーボトル32Y,M,C,Kを収容している。トナーボトル32Y,M,C,Kは、トナーボトルベース31上にトナー各色毎に上から置くようにして設置する。トナーボトル32Y,M,C,K内のY,M,C,Kトナーは、それぞれ後述するトナー補給装置により、プロセスカートリッジ6Y,M,C,Kの現像装置5Y,M,C,Kに適宜補給される。これらのトナーボトル32Y,M,C,Kは、プロセスカートリッジ6Y,M,C,Kとは独立してプリンタ100本体に着脱可能である。
【0029】
図3に示すように、トナーボトル32Mは、ボトル本体33Mの先端部に樹脂ケース34Mが設けられている。また、この樹脂ケース34Mには把手35Mが一体で形成されている。また、ボトル本体33Mの樹脂ケース34M側には、ボトル本体33Mと一体で回転するボトル回転ギア(不図示)が設けられている。
【0030】
トナーボトル32Mをプリンタ100本体に取り付ける場合は、先ずスタック部30を上方に開放してトナーボトルベース31を露出させる。そして、トナーボトル32Mをトナーボトルベース31上に載置した後、把手35Mを図中奥側へ回転させる。すると把手35Mとの回転と連動して、樹脂ケース34Mの下端部に設けられたシャッタ(不図示)が開いてトナー落下口(不図示)が開放されると同時に、樹脂ケース34Mとトナーボトルベース31とが連結し固定される。一方、トナーボトル32Mをプリンタ100本体から取り外すには、把手35Mを逆方向に回転させることで、樹脂ケース34Mとトナーボトルベース31との連結が解除され、同時にシャッタが閉じてトナー落下口が閉鎖される。そして、そのまま把手35Mを掴んだ状態でトナーボトル32Mをプリンタ100本体から取り出すことができる。このように、トナーボトル32Mをプリンタ100本体の上側から載置して脱着できるので、トナーボトル32Mの交換作業が判り易く、しかも簡単に行うことができる。また、樹脂ケース34Mには把手35Mが形成しているので、トナーボトルベース31への固定が容易に行える。ここで、トナーボトル32Mをプリンタ100本体から取り外した状態では、樹脂ケース34Mの把手35Mを回転させても、シャッタは開かないように構成している。これにより、トナーボトル32Mの交換作業の際に誤ってシャッタが開いてしまい、内部のトナーがこぼれるのを防止することができる。
【0031】
次に、トナー搬送手段について説明する。図3に示すように、ボトル本体33Mの図中上部が手前側下方へ移動するような回転によりトナー補給装置40Mのサブホッパ48Mへのトナー搬送を行い、サブホッパ48Mからトナー搬送パイプ43Mを経て矢印の方向に進んだトナーが現像装置5Mに移動する。詳しくは後述するが、本実施形態のトナー搬送パイプ43Mの搬送経路内には、搬送経路内径の中心が、水平面上で所定の曲率半径をもって曲がる水平R部と、鉛直面上で所定の曲率半径をもって曲がる鉛直R部とを設けている。ただし、トナーカートリッジの形状や位置関係、トナー搬送の手段等についてはこの図に限定されない。
【0032】
トナー補給装置40Y,M,C,Kの構成も、プロセスカートリッジ6Y,M,C,Kと同様に、基本的な構成は同一なので、Mトナー搬送用のトナー補給装置40Mを、図4、5、6を用いて説明する。トナー補給装置40Mは、図4、5に示すように、トナー貯蔵部であるサブホッパ48M、その内部にトナー補給搬送部材を有したトナー搬送経路であるトナー搬送パイプ43M、及び駆動モータM(不図示)から主に構成されている。なお、トナーボトル32M側にもボトル本体33Mを回転させる複数の駆動伝達ギア等を有した樹脂ケース34Mを設けており、トナーボトル32Mからサブホッパ48M内にトナーを供給する構成でもある。
【0033】
図6(a)、(b)に示すように、サブホッパ48M内には、トナーを受入れる第1トナー収容部81と、トナーを排出するトナー排出口79Mを有する第2トナー収容部82とを、それぞれの底部の円弧状内壁面から立ち上がり上方が連通している仕切り部80を設けて形成している。第1トナー収容部81Mには、板状弾性部材であるパドル74Mを設けた第1回転軸73Mからなる第1回転部材71Mが設けられており、この第1回転部材71Mには、サブホッパ48のケース外で、第1歯車46Mが設けられている。また、第2トナー収容部82Mには、第2回転軸76Mの回りに螺旋状のスクリュ77Mが形成された第2回転部材72Mが設けられており、この第2回転部材72Mには、サブホッパ48のケース外で、第2歯車47Mが設けられている。そして、駆動モータMには、図5中破線で記載した補給駆動伝達ギア45Mが接続されている。また、図6(b)に示すように、第2トナー収容部82に設けた第2回転部材72の回転中心の高さを、仕切り部80の上端部の高さとほぼ同じ高さにするとともに、第1トナー収容部81に設けた第1回転部材71の回転中心の高さよりも高くした。
【0034】
駆動モータMが回転駆動されると、補給駆動伝達ギア45Mは時計回りに回転し、これに噛み合う第2回転部材72Mに設けられた第2歯車47Mが反時計回りに回転し、スクリュ77Mが回転する。また、第2歯車47Mは2段に構成されており、ケース外壁に近い側の歯車部分に噛み合う攪拌側の第1歯車46Mが時計回りに回転し、第1トナー収容部81M内の第1回転部材71Mに設けられたパドル74Mが回動する。このパドル74Mが回動することで、第1トナー収容部81M内にトナーボトル32Mから供給されたトナーは撹拌されるとともに、仕切り部80Mの上端部を乗り越えて、第2トナー収容部82M側にも搬送される。そして、第2トナー収容部82M内のスクリュ77Mが反時計回りに回転することで、第2トナー収容部82Mのトナー排出口79Mに接続されたトナー搬送パイプ43M内に向けトナーを搬送する。ここで、スクリュ77Mの最外周部には溝が形成されており、図6(a)に示すように、トナー搬送パイプ43M内に設けられるトナー搬送コイル78Mがスクリュ77Mの溝に嵌め込まれ接着されて、スクリュ77Mとともに回転駆動される。このようにトナー搬送パイプ43M内のトナーの搬送を行うことで、図3に示すようにトナー搬送パイプ43Mが装置のレイアウトの制約により直線状にできない場合でも容易にトナーを搬送することが可能になる。
【0035】
トナー搬送パイプ43Mは、上述したようにサブホッパ48M内の第2トナー収容部82Mのトナー排出口79Mに接続され、その内部には搬送部材である樹脂製のトナー搬送コイル78Mが設けられている。そして、第2回転部材72Mに形成されたスクリュ77Mの回転とともに、回転してトナーを現像装置5Mのトナー補給口に搬送する。ここで、トナー排出口79Mを、スクリュ77Mやトナー搬送コイル78Mの外径よりも僅かに大きい円形にするとともに、その中心が第2回転部材72Mの回転中心と同軸となるように設けている。
【0036】
また、トナーボトル32M側には、樹脂ケース34Mに設けられている補給駆動伝達ギア45Mと同軸の駆動伝達ギア(不図示)と、複数の駆動伝達ギア(不図示)と、ボトル本体33Mに一体に取り付けられた回転ギア(不図示)とを備えている。そして、駆動モータMが回転すると、駆動モータMに接続された図5中破線で図示した補給駆動伝達ギア45Mが時計回りに回転駆動されると、補給駆動伝達ギア45Mと同軸の駆動伝達ギアも時計回りに回転する。そして、補給駆動伝達ギア45Mと同軸の駆動伝達ギアの回転駆動が、複数の駆動ギアを介してトナーボトル32Mのボトル回転ギアM(不図示)と一体で回転するボトル本体33Mを反時計周りに回転させる。ボトル本体33Mの内壁内面には螺旋状の現像剤案内溝38Mが形成されているため、回転により内部のトナーがボトル本体33M奥側から先端の樹脂ケース34M側に搬送される。樹脂ケース34M側に搬送されたトナーは、樹脂ケース34M内のトナー搬送路(不図示)を通って、トナー落下口からサブホッパ48M内の第1トナー収容部81M内に落下することとなる。
【0037】
また、サブホッパ48Mの第1トナー収容部81Mの第2トナー収容部82Mから離れた側の側壁、つまりトナー搬送方向上流側の側壁には、図6(b)に示すように、圧電式のトナー検知センサ60Mを設けている。そして、このトナー検知センサ60Mでトナーボトル32Mのトナーニアエンドやトナーエンドを検知する。このトナー検知センサ60Mは、センサ検知面61でのトナーの有無を検知するもので、パドル74Mが回動しトナーが撹拌されている状態で、センサ検知面61の中心高さ近傍までトナーで覆われている場合に、トナー有りと判断するように制御している。
【0038】
このように、現像装置5Mに補給されるトナーは、トナー搬送方向上流側から、ボトル本体33M、樹脂ケース34M、第1トナー収容部81M、第2トナー収容部82M、及びトナー搬送パイプ43Mを搬送されることとなる。そして、各回転体の回転駆動は、図2で図示した現像装置5Mの濃度検知センサ56Mが現像剤収容部54Mでトナー濃度の不足を検知すると、制御部57Mからの補給信号により、駆動モータMが回転することにより、同時に行われる。このようにして、現像装置5M内のトナー濃度が調整されるとともに、トナーボトル32M内のトナーが枯渇しない限り、通常はサブホッパ48内のトナーも所定量以上満たされた状態が維持される。
【0039】
なお、トナー搬送パイプ43M内のトナー搬送コイル78Mを金属で構成すると、金属製搬送コイルの外周面とトナー搬送パイプの内周面とが擦れた際に、トナーの凝集核を発生させてしまうことがる。そして、このトナーの凝集核の影響で白抜け等の異常画像が発生する場合があった。そこで、本実施形態のトナー補給装置40Mでは、樹脂製の搬送コイルを用い、搬送コイルの外周面がトナー搬送パイプの内周面と擦た場合の摩擦を小さくし、トナーの凝集核の発生がなく、白抜け等の異常画像の発生を抑制するようにした。ここで、本実施形態では、トナー搬送パイプ43M内のトナーの搬送のために、トナー搬送コイル78Mを用いているが、コイル状のものに限定されるものではなく、例えば、軸が柔らかく柔軟性が高い樹脂製のスクリュを用いても良い。
【0040】
以下、本発明の特徴部であるトナー補給装置40の構成について、実施例を挙げ、さらに詳しく説明する。ここで、サブホッパ48Y,M,C,K、及びトナー搬送パイプ43Y,M,C,K、の構成は、いずれも基本的に同一なので、以下の実施例の説明では、符号Y,M,C,Kは適宜省略して説明する。また、同一の部材や、同様な箇所間の寸法を表す符号については、適宜、同一の符号を用いて説明する。また、本実施形態の画像形成装置の概要で説明した、各実施例に共通するトナー補給装置40に係る構成及びその動作については、適宜省略して説明する。
【0041】
(実施例1)
まず、本実施形態に係るトナー補給装置40の第1の実施例である実施例1について、図を用いて説明する。図7は、本実施例のトナー補給装置40の斜視説明図、図8は、本実施例のトナー補給装置40の平面説明図である。図9は、実験1におけるトナー搬送パイプ43の説明図であり、(a)が、水平R部のみ設けた場合の平面図、(b)が鉛直R部のみ設けた場合の側面図である。図10は、実験2におけるトナー搬送パイプ43の平面説明図であり、(a)が、水平R部を設けた場合、(b)が水平R部を設けなかった場合の説明図である。図11は、実験1から求めた曲率半径と流れ込みトナー量の関係を示すグラフ、図12は、曲率半径とトナー搬送パイプ43の内径の半径との関係の説明図である。図13は、実験3におけるトナー搬送パイプ43の平面説明図、図14は、実験3から求めた中心角と流れ込みトナー量の関係を示すグラフである。
【0042】
通常、図3の側面図に示すように、装置のレイアウトの制約により直線状にできない場合には、トナー搬送パイプ43のトナー搬送経路内に鉛直R部や下方へ傾斜した部分を設けざるを得ない。例えば、図7に示すように、トナー搬送パイプ43のトナー搬送経路内に、トナー搬送方向下流側の鉛直な直線部436にトナーを搬送する鉛直R部435を設ける必要がある。また、鉛直な直線部436から搬送されたトナーを、現像装置5のトナー補給口へ供給するジョイント部438へ搬送する鉛直R部435を設ける必要がある。そして、各鉛直R部及び鉛直な直線部436では、トナーが加速し、初期流れ込みやベタ流れ込みといったトナーの流れ込みを引き起こしやすい。
【0043】
そこで、本実施例では、図7に示すように、トナー搬送パイプ43の鉛直R部や下方へ傾斜した部分のトナー搬送方向上流側に、水平R部を2箇所設けた。具体的には、鉛直R部435に達するトナー搬送方向上流側に、水平R部431及び水平R部433を設けた。このトナー搬送パイプ43の水平なトナー搬送経路は、図8の平面説明図に示すように構成されている。サブホッパ48のトナー排出口79から、水平な直線部430、図中左側へ曲がる水平R部431、水平な直線部432、図中右側へ曲がる水平R部433、及び水平な直線部434である。水平な直線部430は、トナー排出口79が設けられたサブホッパ48の第2トナー収容部82の壁面から長さ:L1で形成され、水平R部431はこの直線部430から、その内径の中心が曲率半径:R1で、中心角θ1だけ水平面上を図中左側へ曲がっている。直線部432は長さL2に形成され、水平R部431とトナー搬送方向下流側の水平R部433とを接続し、水平R部433は、直線部432から、その内径の中心が曲率半径:R2で、中心角θ2だけ水平面上を図中右側へ曲がっている。そして、水平R部433のトナー搬送方向下流側端部には、長さL3の直線部434が形成され、鉛直R部435に接続される。
【0044】
このようにトナー搬送パイプ43のトナー搬送経路内に、トナー搬送パイプ43内径の中心が水平面上で所定の曲率半径をもって曲がる水平R部を、少なくとも1箇所以上設けることで、この水平R部で流動化したトナーの速度が落ちて止まり易くなる。したがって、トナー補給装置40を停止した状態で、鉛直R部435に到達するトナー量を少なくでき、初期流れ込みやベタ流れ込みの発生を抑制することができる。つまり、トナーは水平R部において止まりやすくなるため、流れ込み防止に大きな効果を果たす。よって、簡単な構成で、初期流れ込みやベタ流れ込みの発生を抑制して、現像装置5内のトナー濃度を安定化できるとともに、トナー飛散による装置内汚染を抑制できるトナー補給装置を提供することができる。また、この効果を検証するため、発明者は、初期流れ込み量を水平R部のみを設けた構成と鉛直R部のみを設けた構成とで比較する実験1を行った。
【0045】
(実験1)
本実験では、図9(a)の平面図に示すように水平R部431及び水平R部433の水平R部を設けた初期流れ込み量と、図9(b)の側面図に示すように鉛直R部435及び鉛直R部437の鉛直R部を設けた初期流れ込み量とを計測して比較した。また、ベタ流れ込みについての評価も行った。まず、本検証実験における実験条件を説明する。
(水平R部のみ)
図9(a)に示すように、水平R部のみを設けたトナー搬送パイプ43では、水平な直線部430は、サブホッパ48の第2トナー収容部82の壁面からの長さ:L1を6.9[mm]とした。図中トナー搬送方向へ向かって左側へ曲がる水平R部431、及び図中右側へ曲がる水平R部433の中心角:θ1、θ2をいずれも72°、曲率半径:R1、R2も、いずれも20[mm]とした。各水平R部を接続する直線部432の長さ:L2は7.9[mm]とした。また、水平R部433のトナー搬送方向下流側に水平な直線部434を形成してジョイント部438を接続し、水平R部433の下流端からジョイント部438のトナー補給口と連通する開口上流端までの距離:L3を36.4[mm]とした。このように構成したトナー搬送パイプ43の経路全長(中心線長)は、101.5[mm]である。また、各トナー搬送経路部の内径:φは7.3[mm]である。
【0046】
(鉛直R部のみ)
図9(b)に示すように、鉛直R部のみを設けたトナー搬送パイプ43では、水平な直線部430は、サブホッパ48の第2トナー収容部82の壁面から長さ:L1を6.9[mm]とした。図中トナー搬送方向へ向かって下方へ曲がる鉛直R部435、及び図中鉛直方向から水平方向へ曲がる鉛直R部437の中心角:θ3、θ4はいずれも90°、曲率半径:R3、R4も、いずれも20[mm]とした。各鉛直R部を接続する直線部436の長さ:L4は40.2[mm]とした。また、鉛直R部437のトナー搬送方向下流側に水平なジョイント部438を接続し、鉛直R部437の下流端からジョイント部438のトナー補給口と連通する開口上流端までの距離:L5を25.2[mm]とした。このように構成したトナー搬送パイプ43の経路全長(中心線長)は、135.1[mm]である。また、各トナー搬送経路部の内径:φは7.3[mm]である。
【0047】
(初期流れ込み計測)
上記実験条件下で、まず、サブホッパ48内及びトナー搬送経路内のトナーを除去する。トナー除去した後に、トナーがフル充填されたトナーボトル32を良く振ってトナーを充分に流動化させた後、サブホッパ48の各スクリュやトナー搬送コイル78等を停止した状態で取り付ける。このように取り付けを行うと、サブホッパ48内は、第1トナー収容部81ばかりではなく、第2トナー収容部82も流動化したトナーでほぼ満たれた状態となり、ジョイント部438の開口からトナーが流れ出す。この流れ出すトナー重量を計測を10回行った。
【0048】
(評価)
発明者の評価では、図9(b)の構成のトナー搬送パイプ43では初期流れ込みが、10回の測定で1〜4[g]程度(平均2.12[g])発生した。それに対し、ほぼ同様の経路全長である図9(a)の構成のトナー搬送パイプ43では、10回の測定で初期流れ込みは0.2[g]以下(平均0.08[g]、最大0.18[g])であった。また、ベタ流れ込みに対しても、図9(b)の構成では補給時間の割合が50%を越えると発生し、単位時間当たりの補給量が最大2.5倍に達するのに対して、図9(a)の構成では補給時間の割合が80%でも発生することはなかった。このように、本実施例の構成により流れ込み現象に対して大きな効果があることが確認できた。
【0049】
次に、水平R部の形状、つまり、曲率半径:Rについて比較検討するために、次の実験2を行った。
【0050】
(実験2)
本実験では、図10(a)に示すように、トナー搬送パイプ43に水平R部431を1箇所設け、この水平R部431の曲率半径:R1と、初期流れ込みトナー量、つまりトナー搬送パイプ43からのトナーの流出量との関係を計測した。また、比較対称として、図10(b)に示すように、ほぼ同様な経路全長を有し、水平R部431を有さない直線状のトナー搬送パイプ43についても計測を行った。
【0051】
以下に、本実験における実験条件を説明する。
(水平R部1箇所)
図10(a)に示すように、水平な直線部430は、サブホッパ48の第2トナー収容部82の壁面からの長さ:L1を20[mm]とし、図中右側へ曲がる水平R部431の中心角:θ1を72°、曲率半径:R1を20[mm]とした。また、水平R部431のトナー搬送方向下流側に水平な直線部432を形成してジョイント部438を接続し、水平R部431の下流端からジョイント部438のトナー補給口と連通する開口上流端までの距離:L3を40[mm]とした。また、各トナー搬送経路部の内径:φは7.3[mm]である。そして、曲率半径:R1を16.0〜40.0[mm]の範囲で変化させて計測を行った。このように構成したトナー搬送パイプ43の経路全長(中心線長)は、80.1〜110.3[mm]である。
【0052】
(水平R部なし)
図10(b)に示すように、水平な直線部430は、そのトナー搬送方向下流側に水平なジョイント部438を接続し、サブホッパ48の第2トナー収容部82の壁面からジョイント部438のトナー補給口と連通する開口上流端までの距離、つまり、トナー搬送パイプ43の経路全長(中心線長)を120.0[mm]としている。また、各トナー搬送経路部の内径:φは7.3[mm]である。
【0053】
上記実験条件下で、まず、サブホッパ48内及びトナー搬送経路内のトナーを除去する。トナー除去した後に、トナーがフル充填されたトナーボトル32を良く振ってトナーを充分に流動化させた後、サブホッパ48の各スクリュやトナー搬送コイル78等を停止した状態で取り付ける。このように取り付けを行うと、サブホッパ48内は、第1トナー収容部81ばかりではなく、第2トナー収容部82も流動化したトナーでほぼ満たれた状態となり、ジョイント部438の開口からトナーが流れ出す。この流れ出すトナー重量を計測を、水平R部を設けた図10(a)の構成では、各曲率半径:R1毎に10回行った。そして、計測した値の平均値をプロットした結果が図11に示すグラフである。
【0054】
この結果から水平R部の形状は曲率半径が小さくなるほど流れ込みに対して有利になるが、特に25[mm]以下となった場合に、初期流れ込み量が許容値である0.5[g]未満になることが確認できた。この許容値は、次の理由により本実施例のトナー補給装置40では規定している。トナー補給装置40のジョイント部438の開口から出た補給トナーは現像装置5に流入し、次回の現像装置5の駆動時に攪拌される。通常のトナー補給動作では1回当たりのトナー補給は0.1〜0.2[g]程度であり、この程度であれば攪拌可能となるよう現像装置5は設計されている。このため、流れ込み量が0.5g以上になると攪拌不良によるトナー飛散や地汚れ等の不具合が発生する可能性が高まるためである。ここで、この現象はトナーを補給する現像装置が小さいほど影響が大きくなる。
【0055】
また、水平R部を設けていない図10(b)の構成でも、流れ出すトナー重量を計測を10回行い、その平均値を求めたところ、平均値2.20[g]を得た。また、本実験では、曲率半径:R1を40.0[mm]までしか計測していない。しかし、図10(b)の構成の結果から曲率半径をさらに大きくすると図11のグラフに破線で示したように、図11のグラフに実線で記載した中上記水平R部を設けていない場合の平均値2.20[g]に近い値に収束するものと考えられる。
【0056】
ここで、上述したように、トナー搬送経路の内径はいずれもφ7.3[mm](半径3.65、以下rという)ですべて評価を行っている。水平R部の曲率半径:R(R1)を大きくする上での制約ないが、図12に示すようにトナー搬送経路の内側の曲率半径はR−rとなり、この値が0の場合、トナー搬送経路は直角まがることになる。このため曲率半径はRとrとの関係は、R>rを満たす必要がある。また、実際のトナー補給時の搬送においてRが小さすぎると、水平R部で、トナーが詰まったり、トナー搬送経路内に設けたトナー搬送コイル78が回転不能になったりする可能性が高まる。また、曲率半径:Rが小さすぎると、水平R部の内側でトナーが過剰なストレスを受け、トナー凝縮等の悪影響をうける可能性も高まる。このように曲率半径:Rが小さすぎると、トナー補給装置40の性能に影響するため、少なくともr=3.65では、R>10[mm]程度は現実的に必要となる(R<10では搬送に支障が出る)。これらのことから、R>r+6[mm]程度の条件が必要になる。したがって、曲率半径:Rは、以下の式に示す範囲が好適であり、初期流れ込みの発生を抑制する効果を最大限に発揮できることが確認できた。また、ベタ流れ込みについても、初期流れ込みの発生を抑制する構成であれば抑制できることが過去に行った実験等から分かっている。
r+6<R≦25[mm]
つまり、曲率半径:Rの範囲を、上記式の範囲内に設定することで、初期流れ込みやベタ流れ込みの発生を抑制する効果を最大限に発揮できる。
【0057】
次に、水平R部の中心角度、つまり、複数の水平R部を設けたトナー搬送パイプ43にあっては、その中心角の合計と初期流れ込み量について比較検討するために、次の実験3を行った。
(実験3)
本実験では、図13に示すようにトナー搬送パイプ43に水平R部を水平R部431及び水平R部433の2箇所設け、水平R部431の中心角:θ1と水平R部433の中心角:θ2との合計中心角度を変化させた。そして、初期流れ込みトナー量、つまり、トナー搬送パイプ43からのトナーの流出量との関係を計測した。
【0058】
まず、本実験における実験条件を説明する。
図13に示すように、水平な直線部430は、サブホッパ48の第2トナー収容部82の壁面から長さ:L1を3.5[mm]としている。図中トナー搬送方向へ向かって左側へ曲がる水平R部431、及び図中右側へ曲がる水平R部433の中心角:θ1、θ2をいずれも同じ角度、曲率半径:R1、R2も、いずれも20[mm]とした。つまり、水平R部431の中心角:θ1及び曲率半径:R1と、水平R部433の中心角:θ2及び曲率半径:R2とを、θ1=θ2、R1=R2=20[mm]としている。各水平R部を接続する直線部432の長さ:L2は7.8[mm]とした。また、水平R部433のトナー搬送方向下流側に水平な直線部434を形成してジョイント部438を接続し、水平R部433の下流端からジョイント部438のトナー補給口と連通する開口上流端までの距離:L3を36.4[mm]とした。また、各トナー搬送経路部の内径:φは7.3[mm]である。そして、合計中心角度:θ1+θ2を60°〜180°の範囲で変化させて計測を行った。このように構成したトナー搬送パイプ43の経路全長(中心線長)は、68.6〜110.5[mm]である。
【0059】
(初期流れ込み計測)
上記実験条件下で、まず、サブホッパ48内及びトナー搬送経路内のトナーを除去する。トナー除去した後に、トナーがフル充填されたトナーボトル32を良く振ってトナーを充分に流動化させた後、サブホッパ48の各スクリュやトナー搬送コイル78等を停止した状態で取り付ける。このように取り付けを行うと、サブホッパ48内は、第1トナー収容部81ばかりではなく、第2トナー収容部82も流動化したトナーでほぼ満たれた状態となり、ジョイント部438の開口からトナーが流れ出す。この流れ出すトナー重量を各合計中心角度:θ1+θ2毎に計測を10回行った。そして、計測した値の平均値をプロットした結果が図14に示すグラフである。
【0060】
この結果から水平R部の合計中心角度:θ1+θ2が大きくなるほど流れ込みに対して有利になるが、特に90度以上となった場合に、初期流れ込み量が許容値である0.5[g]未満になることが確認できた。この許容値は、上述した実験2で説明した理由と同様な理由により、本実施例のトナー補給装置40では規定している。したがって、水平R部の合計中心角度:θ1+θ2の範囲は、90度以上が好適であり、初期流れ込みの発生を抑制する効果を最大限に発揮できることが確認できた。また、ベタ流れ込みについても、初期流れ込みの発生を抑制する構成であれば抑制できることが過去に行った実験等から分かっている。
つまり、水平R部の合計中心角度:θ1+θ2の範囲を、90度以上とすることで、初期流れ込みやベタ流れ込みの発生を抑制する効果を最大限に発揮できる。
【0061】
さらに、トナー流れ込みを抑制する箇所が水平R部であるため、サブホッパ48から水平R部431の距離が近いほど、流れ込みやすい流動化したトナーが少なくなる。また、トナー搬送経路の下流側にトナーが存在しにくくなるため、画像形成装置であるプリンタ100の動作開始時にトナー供給が安定化し、使用開始直後の現像装置5内のトナー濃度制御を高精度に行うことが可能となる。そこで、本実施例では、図13のトナー補給装置40のように、水平R部431に繋がる水平な直線部430の、サブホッパ48の第2トナー収容部82の壁面から長さ:L1を3.5[mm]、つまり5.0[mm]以下とすることとした。このようにトナー搬送パイプ43を構成することで、トナー搬送パイプ43の下流側にトナーのない領域を作ることで、プリンタ100の動作開始直後のトナー濃度制御を高精度に行うことが可能となる。
【0062】
また、先に図6(b)を用いて説明したように本実施例のトナー補給装置40では、サブホッパ48の第1トナー収容部81の第2トナー収容部82から離れた側の側壁、つまりトナー搬送方向上流側の側壁にトナー検知センサ60を設けている。そして、このトナー検知センサ60により、トナーの有無を判定することができるようになっている。通常、トナー検知センサの出力により、トナーボトルのトナーエンドやニアエンドの判定に利用するが、通常のトナー検知センサの位置では、センサ検知面にトナーが接触しないため充填完了のタイミングを適切に判定できなかった。しかし、本実施例のサブホッパ48では、上述したようにサブホッパ48のトナー搬送方向上流側の側壁に圧電式のトナー検知センサ60を設けているので、適切にサブホッパ48へのトナー充填完了を判定することが可能となった。よって、サブホッパ48の第1トナー収容部81へのトナーの初期充填の完了をより高精度に行うことが可能となる。
【0063】
(実施例2)
次に、本実施形態に係るトナー補給装置40の第2の実施例である実施例2について、図を用いて説明する。図15は、本実施例のトナー搬送パイプ43の説明図であり、(a)は斜視説明図、(b)はトナー搬送パイプ43におけるトナー搬送方向下流側からの正面図、(c)はサブホッパ48の第2トナー収容部82側からの側面図でる。ここで、上述した実施例1と本実施例とでは、2箇所設けた水平R部間の経路である直線部432に登り傾斜を有する点のみが異なる。その他の構成・動作に関わる点は上述した実施例1のトナー補給装置40と同様であるので、同様な点は適宜省略して説明する。
【0064】
本実施例では、図15(a)、(b)、(c)に示すようにトナー搬送パイプ43に、水平R部431及び水平R部433の2箇所の水平R部を設けている。そして、水平R部431と水平R部433との間の直線部432に、トナー搬送方向下流側へ向かって上り傾斜を有している。ここで、合計中心角度が同じであっても、水平R部の箇所が1箇所よりも本実施例の構成のように2箇所、さらに2箇所よりも3箇所というように、水平R部の箇所が増加するほど流れ込み防止の機能は向上する。このように複数箇所の水平R部を設ける場合、各水平R部間の直線部の形状を登り傾斜とすることで、この直線部においても流動化したトナーの速度を抑制でき、容易な成型による流れ込み防止の効果が高い搬送経路が可能になる。すなわち、水平R部間の直線部に登り傾斜を与えることで、型形状の作成が容易でありながら流れ込みに対する効果を、登り傾斜を与えていない実施例1の構成よりも、さらに効果的に高めることが可能となる。
【0065】
以上、本実施形態では、トナー補給装置40のサブホッパ48のトナー貯蔵部が、第1トナー収容部81と第2トナー収容部82の2箇所に分かれた構成について説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。例えば、サブホッパ48のトナー貯蔵部が、3箇所以上に分けられた構成にも適用可能である。また、本実施形態では、図7に示すように、2箇所の水平R部と2箇所の鉛直R部とが設けられたトナー搬送パイプ43を備えたトナー補給装置40について説明したが、本発明は、このような構成に限定されるものではない。例えば、実験1で用いた図9(a)に示した、2箇所の水平R部と2箇所の水平な直線部、及びジョイント部を設けた構成にも適用できる。また、実施例2で説明した構成を除き、実験2で用いた図10(a)に示した、1箇所の水平R部と2箇所の水平な直線部、及びジョイント部を設けた構成にも適用できる。
【0066】
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
交換可能なトナーボトル32などのトナー容器から供給されたトナーを一旦貯蔵するサブホッパ48などのトナー貯蔵部を備え、感光体1などの潜像担持体上に形成された潜像をトナー像として可視像化する現像装置5などの現像装置に、該トナー貯蔵部に貯蔵したトナーを補給するトナー補給装置において、前記トナー貯蔵部のトナー排出口79などの排出口から前記現像装置までのトナー搬送パイプ43などの搬送経路内に、トナー搬送パイプ43内径の中心が水平面上で所定の曲率半径をもって曲がる水平R部431や水平R部433などの水平R部を、少なくとも1箇所以上設けたことを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例1について説明したように、初期流れ込みやベタ流れ込みの発生を抑制して、現像装置5などの現像装置内のトナー濃度を安定化できるとともに、トナー飛散によるプリンタ100などの装置内汚染を抑制できるトナー補給装置40などのトナー補給装置を提供できる。
(態様B)
(態様A)において、トナー搬送パイプ43などの前記搬送経路の内径の半径をrとし、水平R部431や水平R部433などの前記水平R部の曲率半径をRとした場合に、前記水平R部の曲率半径が、r+6<R≦25[mm]であることを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例1について説明したように、水平方向の水平R部431や水平R部433などの水平R部を有することでの初期流れ込みやベタ流れ込みの発生を抑制する効果を最大限に発揮できる。
(態様C)
(態様A)又は(態様B)において、水平R部431や水平R部433などの前記水平R部の中心角の合計が、前記搬送経路内の全体で90度以上であることを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例1について説明したように、水平方向の水平R部431や水平R部433などの水平R部の合計中心角度を90度以上とすることでの初期流れ込みやベタ流れ込みの発生を抑制する効果を最大限に発揮できる。
(態様D)
(態様A)乃至(態様C)のいずれか一において、水平R部431などの前記水平R部は、サブホッパ48などの前記トナー貯蔵部のトナー排出口79などの排出口の近傍、少なくとも5[mm]以下の位置に存在し、かつ、前記排出口と前記水平R部との間の直線部430などの搬送経路が水平であることを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例1について説明したように、トナー搬送パイプ43などの搬送経路の下流側にトナーのない領域を作ることでプリンタ100などの画像形成装置の動作開始直後のトナー濃度制御を高精度に行うことが可能となる。
(態様E)
(態様A)乃至(態様D)のいずれか一において、2箇所以上の水平R部431や水平R部433などの水平R部を有し、各水平R部間の直線部432などの経路が登り傾斜を有することを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例2について説明したように、トナー搬送パイプ43などのトナー搬送経路の成型用の型形状の作成が容易でありながら流れ込みに対する効果を(態様A)乃至(態様D)よりも、さらに効果的に高めることが可能となる。
(態様F)
(態様A)乃至(態様E)のいずれか一において、サブホッパ48などの前記トナー貯蔵部のトナー搬送方向上流側の側壁にトナー検知センサ60などの圧電式のセンサを配置し、トナー貯蔵部内のトナーの有無を判定することを特徴とするものである。
これによれば、上記実施形態について説明したように、サブホッパ48などのトナー貯蔵部へのトナーの初期充填の完了をより高精度に行うことが可能となる。
(態様G)
感光体1などの潜像担持体上に形成された潜像をトナー像として可視像化する現像装置5などの現像装置に、トナーを補給するトナー補給装置40などのトナー補給装置として、(態様A)乃至(態様F)のいずれか一のトナー補給装置を備えたことを特徴とするものである。
これによれば、(態様A)乃至(態様F)のいずれか一のトナー補給装置40などのトナー補給装置の効果を得ることができるプリンタ100などの画像形成装置を提供できる。つまり、トナーボトル32などのトナー容器からトナーがなくなってもしばらく印刷可能で、現像装置5などの現像装置内のトナー濃度を安定化できるとともに、トナー飛散によるプリンタ100などの装置内汚染を抑制できるプリンタ100などの画像形成装置を提供できる。
【符号の説明】
【0067】
1 感光体
2 ドラムクリーニング装置
4 帯電装置
5 現像装置
6 プロセスカートリッジ
7 露光装置
8 中間転写ベルト
9 1次転写バイアスローラ
10 ベルトクリーニング装置
12 2次転写バックアップローラ
13 クリーニングバックアップローラ
14 テンションローラ
15 中間転写ユニット
19 2次転写ローラ
20 定着装置
26 紙収容カセット
27 給紙ローラ
28 レジストローラ対
29 排紙ローラ対
30 スタック部
31 トナーボトルベース
32 トナーボトル
33 ボトル本体
34 樹脂ケース
35 把手
38 現像剤案内溝
40 トナー補給装置
43 トナー搬送パイプ
45 補給駆動伝達ギア
46 第1歯車
47 第2歯車
48 サブホッパ
51 現像スリーブ
52 ドクター
53 現像スリーブ収容部
54 現像剤収容部
55 現像剤搬送スクリュ
56 濃度検知センサ
57 制御部
60 トナー検知センサ
61 センサ検知面
71 第1回転部材
72 第2回転部材
73 第1回転軸
74 パドル
76 第2回転軸
77 スクリュ
78 トナー搬送コイル
79 トナー排出口
80 仕切り部
81 第1トナー収容部
82 第2トナー収容部
100 プリンタ
430、432、434、436 直線部
431、433 水平R部
435、437 鉛直R部
438 ジョイント部
L レーザ光
P 転写紙
【先行技術文献】
【特許文献】
【0068】
【特許文献1】特許第4006215号公報
【特許文献2】特開2010−032988号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交換可能なトナー容器から供給されたトナーを一旦貯蔵するトナー貯蔵部を備え、潜像担持体上に形成された潜像をトナー像として可視像化する現像装置に、該トナー貯蔵部に貯蔵したトナーを補給するトナー補給装置において、
前記トナー貯蔵部の排出口から前記現像装置までの管状の搬送経路内に、該搬送経路内径の中心が水平面上で所定の曲率半径をもって曲がる水平R部を、少なくとも1箇所以上設けたことを特徴とするトナー補給装置。
【請求項2】
請求項1に記載のトナー補給装置において、
前記搬送経路の内径の半径をrとし、
前記水平R部の曲率半径をRとした場合に、
前記水平R部の曲率半径が、r+6<R≦25[mm]であることを特徴とするトナー補給装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のトナー補給装置において、
前記水平R部の中心角の合計が、前記搬送経路内の全体で90度以上であることを特徴とするトナー補給装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一に記載のトナー補給装置において、
前記水平R部は、前記トナー貯蔵部の排出口の近傍、少なくとも5[mm]以下の位置に存在し、かつ、前記排出口と前記水平R部との間の搬送経路が水平であることを特徴とするトナー補給装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一に記載のトナー補給装置において、
2箇所以上の水平R部を有し、各水平R部間の経路に登り傾斜を有することを特徴とするトナー補給装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一に記載のトナー補給装置において、
前記トナー貯蔵部のトナー搬送方向上流側の側壁に圧電式のセンサを配置し、トナー貯蔵部内のトナーの有無を判定することを特徴とするトナー補給装置。
【請求項7】
潜像担持体上に形成された潜像をトナー像として可視像化する現像装置に、トナーを補給するトナー補給装置として、請求項1乃至6のいずれか一に記載のトナー補給装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−37314(P2013−37314A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175610(P2011−175610)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】