説明

トラフィック制御装置、トラフィック制御プログラム、プログラム記録媒体及びトラフィック制御方法

【課題】コストが低減され、且つトラフィックを正確に制御可能なトラフィック制御装置、トラフィック制御プログラム、プログラム記録媒体及びトラフィック制御方法を提供する。
【解決手段】IP網10上で送受される通話制御信号を抽出する信号抽出部2と、抽出された通話制御信号を解析し、端末11に対する単位時間あたりの呼の接続数及び不完了呼数を測定する信号解析部4と、測定された不完了呼数と所定の閾値とを比較し、比較結果に基づいて輻輳若しくは輻輳の兆候が発生しているか否かを判定し、輻輳が発生していると判定された場合、呼の接続数を制御するにあたっての接続制御量を決定し、接続制御量及び端末11を特定するための情報を含む輻輳制御情報を生成する輻輳判定部5と、輻輳制御情報を解析し、制御量に基づいて、端末11への呼に対して呼損処理を行うことにより呼の接続数を制御する呼接続制御部9とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IP網等の通信ネットワークにおける輻輳を解消若しくは防止するためにトラフィックを制御するトラフィック制御装置、トラフィック制御プログラム、プログラム記録媒体及びトラフィック制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
IP網等の通信ネットワークにおいては、特定の機器に通信要求が過剰に集中した際に輻輳が発生する。この輻輳は、通信ネットワークのトラフィックを制御することにより解消若しくは防止可能であり、そのための方法、装置が考案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−26981号公報(第6頁から第9頁、第5図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のような方法、装置においては、輻輳若しくはその兆候が発生しているかを判定するための手段をルータ(中継装置)等のネットワーク構成機器毎に設けなければならないため、施工、保守点検、改良作業等におけるコストの上昇を招き、当業者に負担を強いていた。
【0004】
このような事情に鑑み本発明は、コストが低減され、且つトラフィックを正確に制御可能なトラフィック制御装置、トラフィック制御プログラム、プログラム記録媒体及びトラフィック制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の本発明は、通信ネットワークにおける輻輳を解消するためにトラフィックを制御するトラフィック制御装置であって、前記通信ネットワーク上で送受される通話制御信号を抽出する信号抽出手段と、前記抽出された通話制御信号を解析し、加入者に対する単位時間あたりの呼の接続数及び不完了呼数を測定する信号解析手段と、前記測定された不完了呼数と所定の閾値とを比較し、該比較結果に基づいて輻輳が発生しているか否かを判定し、前記判定の結果、輻輳が発生していると判定された場合、呼の接続数を制御するにあたっての制御量を決定し、該制御量及び前記加入者を特定するための情報を含む輻輳制御情報を生成する輻輳判定手段と、前記輻輳制御情報を解析し、前記制御量に基づいて、前記加入者への呼に対して呼損処理を行うことにより呼の接続数を制御する少なくとも1個の呼接続制御手段とを有し、前記輻輳判定手段は、輻輳が複製発生している場合、優先的に解消若しくは防止すべき輻輳があるか否かを判定し、優先的に解消若しくは防止すべき輻輳がある場合、複数の輻輳の中での優先順位を決定し、当該優先順位の順に前記制御量を決定することを要旨とする。
【0006】
請求項2記載の本発明は、請求項1記載の発明において、前記呼接続制御手段を複数個有する場合、前記輻輳判定手段から前記輻輳制御情報を受信し、該輻輳制御情報に基づいて呼の接続数を制御させるべき呼接続制御手段を特定し、該特定された呼接続制御手段に前記輻輳制御情報を送信する輻輳制御管理手段を有することを要旨とする。
【0007】
請求項3記載の本発明は、通信ネットワークにおける輻輳を防止するためにトラフィックを制御するトラフィック制御装置であって、前記通信ネットワーク上で送受される通話制御信号を抽出する信号抽出手段と、前記抽出された通話制御信号を解析し、加入者に対する単位時間あたりの呼の接続数及び不完了呼数を測定する信号解析手段と、前記測定された不完了呼数と所定の閾値とを比較し、該比較結果に基づいて輻輳の兆候が発生しているか否かを判定し、前記判定の結果、輻輳の兆候が発生していると判定された場合、呼の接続数を制御するにあたっての制御量を決定し、該制御量及び前記加入者を特定するための情報を含む輻輳制御情報を生成する輻輳判定手段と、前記輻輳制御情報を解析し、前記制御量に基づいて、前記加入者への呼に対して呼損処理を行うことにより呼の接続数を制御する少なくとも1個の呼接続制御手段とを有し、前記輻輳判定手段は、輻輳の兆候が複製発生している場合、優先的に解消若しくは防止すべき輻輳の兆候があるか否かを判定し、優先的に解消若しくは防止すべき輻輳の兆候がある場合、複数の輻輳の兆候の中での優先順位を決定し、当該優先順位の順に前記制御量を決定することを要旨とする。
【0008】
請求項4記載の本発明は、請求項3記載の発明において、前記呼接続制御手段を複数個有する場合、前記輻輳判定手段から前記輻輳制御情報を受信し、該輻輳制御情報に基づいて呼の接続数を制御させるべき呼接続制御手段を特定し、該特定された呼接続制御手段に前記輻輳制御情報を送信する輻輳制御管理手段を有することを要旨とする。
【0009】
請求項5記載の本発明は、通信ネットワークにおける輻輳を解消するためにトラフィックを制御するトラフィック制御装置で用いられるトラフィック制御プログラムであって、前記トラフィック制御装置を、前記通信ネットワーク上で送受される通話制御信号を抽出する信号抽出手段と、前記抽出された通話制御信号を解析し、加入者に対する単位時間あたりの呼の接続数及び不完了呼数を測定する信号解析手段と、前記測定された不完了呼数と所定の閾値とを比較し、該比較結果に基づいて輻輳が発生しているか否かを判定し、前記判定の結果、輻輳が発生していると判定された場合、呼の接続数を制御するにあたっての制御量を決定し、該制御量及び前記加入者を特定するための情報を含む輻輳制御情報を生成する輻輳判定手段と、前記輻輳制御情報を解析し、前記制御量に基づいて、前記加入者への呼に対して呼損処理を行うことにより呼の接続数を制御する少なくとも1個の呼接続制御手段として機能させるものであり、前記輻輳判定手段を、輻輳が複製発生している場合、優先的に解消若しくは防止すべき輻輳があるか否かを判定し、優先的に解消若しくは防止すべき輻輳がある場合、複数の輻輳の中での優先順位を決定し、当該優先順位の順に前記制御量を決定するものとして機能させることを要旨とする。
【0010】
請求項6記載の本発明は、請求項5記載の発明において、前記トラフィック制御装置が前記呼接続制御手段を複数個有する場合、該トラフィック制御装置を、前記輻輳判定手段から前記輻輳制御情報を受信し、該輻輳制御情報に基づいて呼の接続数を制御させるべき呼接続制御手段を特定し、該特定された呼接続制御手段に前記輻輳制御情報を送信する輻輳制御管理手段として機能させることを要旨とする。
【0011】
請求項7記載の本発明は、通信ネットワークにおける輻輳を防止するためにトラフィックを制御するトラフィック制御装置で用いられるトラフィック制御プログラムであって、前記トラフィック制御装置を、前記通信ネットワーク上で送受される通話制御信号を抽出する信号抽出手段と、前記抽出された通話制御信号を解析し、加入者に対する単位時間あたりの呼の接続数及び不完了呼数を測定する信号解析手段と、前記測定された不完了呼数と所定の閾値とを比較し、該比較結果に基づいて輻輳の兆候が発生しているか否かを判定し、前記判定の結果、輻輳の兆候が発生していると判定された場合、呼の接続数を制御するにあたっての制御量を決定し、該制御量及び前記加入者を特定するための情報を含む輻輳制御情報を生成する輻輳判定手段と、前記輻輳制御情報を解析し、前記制御量に基づいて、前記加入者への呼に対して呼損処理を行うことにより呼の接続数を制御する少なくとも1個の呼接続制御手段として機能させるものであり、前記輻輳判定手段を、輻輳の兆候が複製発生している場合、優先的に解消若しくは防止すべき輻輳の兆候があるか否かを判定し、優先的に解消若しくは防止すべき輻輳の兆候がある場合、複数の輻輳の兆候の中での優先順位を決定し、当該優先順位の順に前記制御量を決定するものとして機能させることを要旨とする。
【0012】
請求項8記載の本発明は、請求項7記載の発明において、前記トラフィック制御装置が前記呼接続制御手段を複数個有する場合、該トラフィック制御装置を、前記輻輳判定手段から前記輻輳制御情報を受信し、該輻輳制御情報に基づいて呼の接続数を制御させるべき呼接続制御手段を特定し、該特定された呼接続制御手段に前記輻輳制御情報を送信する輻輳制御管理手段として機能させることを要旨とする。
【0013】
請求項9記載の本発明は、通信ネットワークにおける輻輳を解消するためにトラフィックを制御するトラフィック制御装置で用いられるトラフィック制御プログラムを記録したプログラム記録媒体であって、前記トラフィック制御装置を、前記通信ネットワーク上で送受される通話制御信号を抽出する信号抽出手段と、前記抽出された通話制御信号を解析し、加入者に対する単位時間あたりの呼の接続数及び不完了呼数を測定する信号解析手段と、前記測定された不完了呼数と所定の閾値とを比較し、該比較結果に基づいて輻輳が発生しているか否かを判定し、前記判定の結果、輻輳が発生していると判定された場合、呼の接続数を制御するにあたっての制御量を決定し、該制御量及び前記加入者を特定するための情報を含む輻輳制御情報を生成する輻輳判定手段と、前記輻輳制御情報を解析し、前記制御量に基づいて、前記加入者への呼に対して呼損処理を行うことにより呼の接続数を制御する少なくとも1個の呼接続制御手段として機能させ、前記輻輳判定手段を、輻輳が複製発生している場合、優先的に解消若しくは防止すべき輻輳があるか否かを判定し、優先的に解消若しくは防止すべき輻輳がある場合、複数の輻輳の中での優先順位を決定し、当該優先順位の順に前記制御量を決定するものとして機能させるものとして機能させるトラフィック制御プログラムを記録したことを要旨とする。
【0014】
請求項10記載の本発明は、請求項9記載の発明において、前記トラフィック制御装置が前記呼接続制御手段を複数個有する場合、該トラフィック制御装置を、前記輻輳判定手段から前記輻輳制御情報を受信し、該輻輳制御情報に基づいて呼の接続数を制御させるべき呼接続制御手段を特定し、該特定された呼接続制御手段に前記輻輳制御情報を送信する輻輳制御管理手段として機能させるトラフィック制御プログラムを記録したことを要旨とする。
【0015】
請求項11記載の本発明は、通信ネットワークにおける輻輳を防止するためにトラフィックを制御するトラフィック制御装置で用いられるトラフィック制御プログラムを記録したプログラム記録媒体であって、前記トラフィック制御装置を、前記通信ネットワーク上で送受される通話制御信号を抽出する信号抽出手段と、前記抽出された通話制御信号を解析し、加入者に対する単位時間あたりの呼の接続数及び不完了呼数を測定する信号解析手段と、前記測定された不完了呼数と所定の閾値とを比較し、該比較結果に基づいて輻輳の兆候が発生しているか否かを判定し、前記判定の結果、輻輳の兆候が発生していると判定された場合、呼の接続数を制御するにあたっての制御量を決定し、該制御量及び前記加入者を特定するための情報を含む輻輳制御情報を生成する輻輳判定手段と、前記輻輳制御情報を解析し、前記制御量に基づいて、前記加入者への呼に対して呼損処理を行うことにより呼の接続数を制御する少なくとも1個の呼接続制御手段として機能させるものであり、前記輻輳判定手段を、輻輳の兆候が複製発生している場合、優先的に解消若しくは防止すべき輻輳の兆候があるか否かを判定し、優先的に解消若しくは防止すべき輻輳の兆候がある場合、複数の輻輳の兆候の中での優先順位を決定し、当該優先順位の順に前記制御量を決定するものとして機能させるトラフィック制御プログラムを記録したことを要旨とする。
【0016】
請求項12記載の本発明は、請求項11記載の発明において、前記トラフィック制御装置が前記呼接続制御手段を複数個有する場合、該トラフィック制御装置を、前記輻輳判定手段から前記輻輳制御情報を受信し、該輻輳制御情報に基づいて呼の接続数を制御させるべき呼接続制御手段を特定し、該特定された呼接続制御手段に前記輻輳制御情報を送信する輻輳制御管理手段として機能させるトラフィック制御プログラムを記録したことを要旨とする。
【0017】
請求項13記載の本発明は、通信ネットワークにおける輻輳を解消するためにトラフィックを制御するトラフィック制御装置を用いるトラフィック制御方法であって、前記トラフィック制御装置が、前記通信ネットワーク上で送受される通話制御信号を抽出する信号抽出ステップと、前記抽出された通話制御信号を解析し、加入者に対する単位時間あたりの呼の接続数及び不完了呼数を測定する信号解析ステップと、前記測定された不完了呼数と所定の閾値とを比較し、該比較結果に基づいて輻輳が発生しているか否かを判定し、前記判定の結果、輻輳が発生していると判定された場合、呼の接続数を制御するにあたっての制御量を決定し、該制御量及び前記加入者を特定するための情報を含む輻輳制御情報を生成する輻輳判定ステップと、前記輻輳制御情報を解析し、前記制御量に基づいて、前記加入者への呼に対して呼損処理を行うことにより呼の接続数を制御する少なくとも1個の呼接続制御ステップとを実行し、前記輻輳判定ステップでは、輻輳が複製発生している場合、優先的に解消若しくは防止すべき輻輳があるか否かを判定し、優先的に解消若しくは防止すべき輻輳がある場合、複数の輻輳の中での優先順位を決定し、当該優先順位の順に前記制御量を決定することを要旨とする。
【0018】
請求項14記載の本発明は、請求項13記載の発明において、前記トラフィック制御装置が前記呼接続制御ステップを実行する呼接続制御手段を複数個有する場合、前記トラフィック制御装置が、前記輻輳制御情報を受信し、該輻輳制御情報に基づいて呼の接続数を制御させるべき呼接続制御手段を特定し、該特定された呼接続制御手段に前記輻輳制御情報を送信する輻輳制御管理ステップを実行することを要旨とする。
【0019】
請求項15記載の本発明は、通信ネットワークにおける輻輳を解消するためにトラフィックを制御するトラフィック制御装置を用いるトラフィック制御方法であって、前記トラフィック制御装置が、前記通信ネットワーク上で送受される通話制御信号を抽出する信号抽出ステップと、前記抽出された通話制御信号を解析し、加入者に対する単位時間あたりの呼の接続数及び不完了呼数を測定する信号解析ステップと、前記測定された不完了呼数と所定の閾値とを比較し、該比較結果に基づいて輻輳の兆候が発生しているか否かを判定し、前記判定の結果、輻輳の兆候が発生していると判定された場合、呼の接続数を制御するにあたっての制御量を決定し、該制御量及び前記加入者を特定するための情報を含む輻輳制御情報を生成する輻輳判定ステップと、前記輻輳制御情報を解析し、前記制御量に基づいて、前記加入者への呼に対して呼損処理を行うことにより呼の接続数を制御する少なくとも1個の呼接続制御ステップとを実行し、前記輻輳判定ステップでは、輻輳の兆候が複製発生している場合、優先的に解消若しくは防止すべき輻輳の兆候があるか否かを判定し、優先的に解消若しくは防止すべき輻輳の兆候がある場合、複数の輻輳の兆候の中での優先順位を決定し、当該優先順位の順に前記制御量を決定することを要旨とする。
【0020】
請求項16記載の本発明は、請求項15記載の発明において、前記トラフィック制御装置が前記呼接続制御ステップを実行する呼接続制御手段を複数個有する場合、前記トラフィック制御装置が、前記輻輳制御情報を受信し、該輻輳制御情報に基づいて呼の接続数を制御させるべき呼接続制御手段を特定し、該特定された呼接続制御手段に前記輻輳制御情報を送信する輻輳制御管理ステップを実行することを要旨とする。
【発明の効果】
【0021】
上記のとおり、呼接続制御手段は、輻輳制御情報を解析し、接続制御量に基づいて、加入者への呼に対して呼損処理を行うことにより呼の接続数を制御するため、輻輳の解消若しくは防止が可能となる。
【0022】
また、信号抽出手段が通信ネットワーク上で送受される通話制御信号を抽出し、輻輳判定手段が一括して判定を行うため、輻輳若しくはその兆候が発生しているかを判定するための手段をネットワーク構成機器其々に設ける必要がなく、コストの低減が可能となる。
【0023】
したがって、コストが低減され、且つトラフィックを正確に制御可能なトラフィック制御装置、トラフィック制御プログラム、プログラム記録媒体及びトラフィック制御方法を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を用いつつ本発明のトラフィック制御装置、トラフィック制御プログラム、プログラム記録媒体、及びトラフィック制御方法についての説明を行う。
【0025】
なお、以下の実施の形態は、あくまでも本発明の説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であれば、これらの各要素又は全要素を含んだ各種の実施の形態を採用することが可能であるが、これらの実施の形態も本発明の範囲に含まれる。
【0026】
また、実施の形態を説明するための全図において、同一要素のものは同一符号を付与し、これらに関する反復説明は省略する。
【0027】
図1は本発明の一実施の形態に係るトラフィック制御装置の構成を示すブロック図である。
【0028】
トラフィック制御装置は、信号抽出装置1に設けられた信号抽出部2と、輻輳検知装置3に設けられた信号解析部4及び輻輳判定部5と、輻輳制御管理装置6に設けられた輻輳制御管理部7と、呼接続制御装置8aに設けられた呼接続制御部9aと、呼接続制御装置8bに設けられた呼接続制御部9bとを有する。
【0029】
また、呼接続制御装置8a(呼接続制御部9a)は信号抽出装置1(信号抽出部2)及びIP(Internet Protocol)網10aを介してIP電話端末(以下、“端末”とする)11a、11b及び11cと接続され、呼接続制御装置8b(呼接続制御部9b)は信号抽出装置1(信号抽出部2)及びIP網10bを介して端末11d、11e及び11fと接続されている。
【0030】
なお、本実施の形態においては、呼接続制御装置と呼接続制御部を其々2個有する構成としたが、これに限定されず、其々を1個あるいは3個以上有する構成とすることもできる。
【0031】
また、呼接制御装置8a及び8bを適宜“呼接続制御装置8”、呼接続制御部9a及び9bを適宜“呼接続制御部9”、IP網10a及び10bを適宜“IP網10”、端末11a、11b、11c、11d、11e及び11fを適宜“端末11”と総称する。
【0032】
また、本図においては、説明を容易にするため、ソフトスイッチ等のIP電話網を実現するための機器の記載は省略している。
【0033】
信号抽出部2は、IP網10を介して端末11間で送受される通話制御信号を抽出し、信号解析部4は、抽出された通話制御信号を解析し、端末11に対する単位時間あたりの呼の接続数、つまり完了呼数と、接続されなかった呼の数、つまり不完了呼数(以下、適宜“あふれ呼数”と呼称する)を測定する。
【0034】
輻輳判定部5は、測定された不完了呼数と所定の閾値とを比較し、比較結果に基づいて輻輳若しくは輻輳の兆候が発生しているか否かを判定し、判定の結果、輻輳若しくは輻輳の兆候が発生していると判定された場合、呼の接続数を制御するにあたっての接続制御量を決定し、接続制御量及び呼が集中している端末(例えば11a)を特定するための情報(電話番号等)を含む輻輳制御情報(制御依頼)を生成する。
【0035】
輻輳制御管理部7は、輻輳制御管理部から輻輳制御情報を受信し、輻輳制御情報に基づいて呼の接続数を制御させるべき呼接続制御部(本図においては呼接続制御部9a)を特定し、呼接続制御部9aに輻輳制御情報を送信する。なお、呼の接続数を制御する呼接続制御部を“制御元”と呼ぶ。
【0036】
呼接続制御部9は、輻輳制御情報を解析し、接続制御量に基づいて、加入者への呼に対して呼損処理を行うことにより呼の接続数を制御する。これにより輻輳の解消若しくは防止が可能となる。
【0037】
また、信号抽出部がIP網上で送受される通話制御信号を抽出し、輻輳判定部5が一括して判定を行うため、輻輳若しくはその兆候が発生しているかを判定するための手段をネットワーク構成機器其々に設ける必要がなく、コストの低減が可能となる。
【0038】
なお、上記の動作は所定の周期に則り、反復して行われる。
【0039】
図2は、図1の信号抽出部2の構成を示すブロック図であり、信号抽出部2は、通話制御信号を中継する通話制御信号中継部21と、通話制御信号を複製する通話制御信号複製部22と、複製された通話制御信号を信号解析部4に送信する。
【0040】
つまり、この信号抽出部2の動作は、図7に示すとおり、通話制御信号のみを抽出し、これを複製し、信号解析部に送信する。
【0041】
図3は、図1の信号解析部4の構成を示すブロック図であり、信号解析部4は、信号抽出部2より通話制御信号を受信する通話制御信号受信部41と、受信された通話制御信号を解析し、あふれ呼数を測定するあふれ呼数測定部42と、接続呼数を測定する接続呼数測定部43と、あふれ呼数測定部42及び接続呼数測定部43の測定結果を輻輳判定部5に送信する測定結果送信部44を有する。
【0042】
前記のあふれ呼数測定部42により測定されるあふれ呼数は、下記の式(1)により表される。
【数1】

【0043】
上記の式(1)におけるy1は、あふれ呼数を指し、x1は個々の端末におけるあふれ呼(不完了呼)数を指し、t0はあふれ呼数の測定周期の起点(但し、測定の初回はあふれ呼の発生した時刻)を指し、t1はあふれ呼数測定周期の終点を指す。
【0044】
つまり、測定されるあふれ呼数は、監視対象である端末におけるあふれ呼数の単位時間あたりの総量である。
【0045】
前記の接続呼数測定部43により測定される接続呼数は、下記の式(2)により表される。
【数2】

【0046】
上記の式(2)におけるy2は、接続呼数を指し、x2は個々の端末における接続呼(完了呼)数を指し、t0は接続呼数の測定周期の起点を指し、t1は接続呼数測定周期の終点を指す。
【0047】
つまり、測定される接続呼数は、監視対象である端末における接続呼数の単位時間あたりの総量である。
【0048】
図4は、図1の輻輳判定部5の構成を示すブロック図である。
【0049】
測定結果受信部51は、信号解析部4より測定結果を受信し、判定実行部52は、受信された測定結果に基づいて、輻輳若しくは輻輳の兆候が発生しているか否かを判定する。
【0050】
優先順位決定部53は、輻輳若しくは輻輳の兆候が複数存在しており、且つ優先して解消又は防止すべき輻輳が定められている場合、以降の処理の優先順位を決定する。
【0051】
接続制御量決定部54は、前述の輻輳制御量を決定する。これにあたっては、優先順位決定部53により定められた優先順位も反映される。
【0052】
輻輳制御情報生成部55は、輻輳制御量と呼が集中している端末の電話番号等を含む輻輳制御情報を生成し、輻輳制御情報送信部56は、生成された輻輳制御情報を輻輳制御管理部7に送信する。
【0053】
なお、制御状況情報受信部57及び制御状況情報蓄積部58については後述する。
【0054】
また、前記の輻輳判定は、あふれ呼数の測定結果(測定周期単位の累計値)に基づいて行われ、端末のあふれ呼数が前述の閾値より大であれば輻輳若しくは輻輳の兆候が発生していると判定される。
【0055】
但し、すでに接続制御中の端末については、接続制御が解除されるまで、判定は行われない。
【0056】
また、接続制御量は、制御コード総量(呼数/分)で表され、この制御コード総量は、候補A、候補B及び候補Cの最大値である。
【0057】
候補Aは、デフォルトの値(呼数/制御処理周期)であり、候補Bは、前述の式(2)により得られた値と所定の制御量算出係数の積(呼数/制御処理周期)であり、候補Cは、前制御周期に適用した接続制御量である。
【0058】
但し、まだ一度たりとも制御依頼が行われていない、つまり輻輳制御情報が送信されていない場合は、候補Cは存在せず、候補A及びBのみを用いて制御コード総量が算出される。
【0059】
図5は、輻輳制御管理部7の構成を示すブロック図である。
【0060】
測定結果受信部71は、輻輳判定部5より輻輳制御情報を受信し、制御元決定部72は、どの端末がどの呼接続制御部に接続されているか、つまりどの端末を管理下においているかを把握しており、輻輳制御情報に含まれる電話番号から接続制御すべき呼接続制御部、つまり制御元(図1に示した例においては、呼接続制御部9a)を特定する。
【0061】
接続制御指示信号生成部73は、制御元が特定されると、受信された輻輳制御情報に基づいて接続制御指示信号を生成し、接続制御指示信号送信部74は、生成された接続制御指示信号を特定された制御元に送信する。
【0062】
なお、制御元決定部72を設けず、つまり、制御元を特定せず、接続制御指示信号を全ての呼接続制御部(図1に示した例においては、呼接続制御部9a及び9b)に送信し、呼接続制御部の其々が接続制御指示信号を解析し、この結果、接続制御の対象となる端末が管理下にあれば、その対象に対する接続制御を行う。
【0063】
なお、指示応答信号受信部75、トラフィック情報受信部76、制御状況情報生成部77及び制御状況情報送信部78については後述する。
【0064】
図6は、図1の呼接続制御部9の構成を示すブロック図である。
【0065】
接続制御指示信号受信部91は、輻輳制御管理部7から接続制御指示信号を受信し、接続制御実行部92は、受信された接続制御指示信号に基づいて、つまり接続制御量に基づいて接続制御を行う。この接続制御量に定められた所定の接続数を維持するために、余剰分の呼の接続は行われない。これを呼損処理という。
【0066】
指示応答信号生成部93は、接続制御実行部により接続制御が行われると、その旨を記した指示応答信号を生成し、指示応答信号送信部94は、生成された指示応答信号を輻輳制御管理部7に送信する。
【0067】
また、トラフィック監視部95は、IP網10におけるトラフィックを監視し、トラフィック情報生成部96は、トラフィックの監視結果を示すトラフィック情報を生成し、トラフィック情報送信部97は、生成されたトラフィック情報を輻輳制御管理部7に送信する。
【0068】
上記の動作は、全ての呼接続制御部9(図1に示した場合においては、呼接続制御部9a及び9b)により実行される。
【0069】
呼接続制御部9から送信された指示応答信号は、図5の指示応答信号受信部75により受信され、同じく呼接続制御部9から送信されたトラフィック情報は、図5のトラフィック情報受信部76により受信される。
【0070】
図5の制御状況情報生成部77は、受信された指示応答信号とトラフィック情報とに基づいて制御状況情報を生成する。この制御状況情報を、前述の2種類の情報から生成することにより、制御の履歴と、この制御によるトラフィックの変化量、つまり制御の成否の両方を得ることができる。
【0071】
制御状況情報送信部78は、生成された制御状況情報を輻輳判定部5に送信する。
【0072】
上記のように輻輳制御管理部7から送信された制御状況情報は、図4の制御状況情報受信部57により受信され、受信された制御状況情報は、制御状況情報蓄積部58に蓄積される。
【0073】
なお、前述の判定実行部52は、判定を行うにあたって、この制御状況情報を用いる。
【0074】
図8は、上記のトラフィック制御装置の作用を示すシーケンス図である。
【0075】
信号抽出部2により通話制御信号が複製され(S1)、送信されると(S2)、信号解析部4により受信され(S3)、あふれ呼数が測定され(S4)、さらに接続呼数が測定され(S5)、測定結果が送信される(S6)。
【0076】
送信された測定結果は、輻輳判定部5により受信され(S7)、判定が行われる(S8)、輻輳(本図においては輻輳の兆候も含む)が発生していると判定されると(S8:Yes)、輻輳が複数発生しているかが確認され(S9)、輻輳が複製発生している場合(S9:Yes)、優先的に解消若しくは防止すべき輻輳、換言すれば優先サービスがあるかが確認され(S10)、優先サービスが存在する場合(S10:Yes)、優先順位が決定され(S11)、接続制御量が決定される(S12)。
【0077】
接続制御量が決定されると、輻輳制御情報が生成され(S13)、生成された輻輳制御情報が送信される(S14)。
【0078】
なお、輻輳が発生していないと判定された場合(S8:No)は、測定結果の受信が行われ、輻輳が複数発生していない場合(S9:No)は、直ちに接続制御量が決定され(S12)、優先サービスが存在しない場合(S10:No)においても直ちに接続制御量が決定される(S12)。
【0079】
なお、接続呼数の測定の後にあふれ呼数が測定される構成としても良い。
【0080】
S14において送信された輻輳制御情報は、輻輳制御管理部7により受信され(S15)、制御元が決定され(S16)、接続制御指示信号が生成され(S17)、生成された接続制御指示信号が送信される(S18)。
【0081】
送信された接続制御指示信号は、呼接続制御部9により受信され(S19)、接続制御が行われる(S20)。
【0082】
また、上記のトラフィック制御装置がSIP(Session Initiation Protocol)が用いられる通話制御信号を処理対象とする場合、あふれ呼及び接続呼を測定するにあたっては、図9の示す手順(S101からS111)がふまれ、図中の応答コードにより各判定が行われる。
【0083】
なお、図中の応答コード180は「Ringing(呼び出し中)」、応答コード200は「OK」、応答コード401は「Unauthorized (認可されていない)」、応答コード407は「Proxy Authentication Required(プロキシ認証が必要)」、応答コード503は「Service Unavailable(サービスを利用できない)」旨を示す。
【0084】
また、上記の応答コードは、百の位でその意味が分類されており、図中の4xx(400番台)は「リクエスト失敗応答」、5xx(500番台)は「サーバでの失敗応答」、6xx(600番台)は「グローバル失敗応答」を示す。
【0085】
上記のようなトラフィック制御装置としては、CPU(Central Processing Unit)、ハードディスクドライブ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、キーボード、ディスプレイ、フレキシブルディスクドライブ、通信ネットワークに接続して通信を行うための通信部等を有したコンピュータを用いることが可能である。これにあたっては、コンピュータに前述の各部を機能を実行させるためのトラフィック制御プログラムを読み取らせ、実行させる。
【0086】
したがって、上記のトラフィック制御プログラムと、このプログラムを記録したフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、PCカード等のコンピュータで読み取り可能なプログラム記録媒体も本発明の範囲に含まれる。
【0087】
また、このようなトラフィック制御装置を用いるトラフィック制御方法も本発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明のトラフィック制御装置の構成の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の信号抽出部の構成を示すブロック図である。
【図3】図1の信号解析部の構成を示すブロック図である。
【図4】図1の輻輳判定部の構成を示すブロック図である。
【図5】図1の輻輳制御管理部の構成を示すブロック図である。
【図6】図1の呼接続制御部の構成を示すブロック図である。
【図7】図1の信号抽出部による通話信号抽出を説明する図である。
【図8】図1のトラフィック制御装置の作用を示す図である。
【図9】SIPが用いられた呼の状態遷移を示す図である。
【符号の説明】
【0089】
1 信号抽出装置
2 信号抽出部
3 輻輳検知装置
4 信号解析部
5 輻輳判定部
6 輻輳制御管理装置
7 輻輳制御管理部
8a、8b 呼接続制御装置 9a、9b 呼接続制御部
10a、10b IP網
11a、11b、11c、11d、11e、11f 端末
21 通話制御信号中継部
22 通話制御信号複製部
23 通話制御信号送信部
41 通話制御信号受信部
42 あふれ呼数測定部
43 接続呼数測定部
44 測定結果送信部
51 測定結果受信部
52 判定実行部
53 優先順位決定部
54 接続制御量決定部
55 輻輳制御情報生成部
56 輻輳制御情報受信部
57 制御状況情報受信部
58 制御状況情報蓄積部
71 輻輳制御情報受信部
72 制御元決定部
73 接続制御指示信号生成部
74 接続制御指示信号送信部
75 指示応答信号受信部
76 トラフィック情報受信部
77 制御状況情報生成部
78 制御状況情報送信部
91 接続制御指示信号受信部
92 接続制御実行部
93 指示応答信号生成部
94 指示応答信号送信部
95 トラフィック監視部
96 トラフィック情報生成部
97 トラフィック情報送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークにおける輻輳を解消するためにトラフィックを制御するトラフィック制御装置であって、
前記通信ネットワーク上で送受される通話制御信号を抽出する信号抽出手段と、
前記抽出された通話制御信号を解析し、加入者に対する単位時間あたりの呼の接続数及び不完了呼数を測定する信号解析手段と、
前記測定された不完了呼数と所定の閾値とを比較し、該比較結果に基づいて輻輳が発生しているか否かを判定し、前記判定の結果、輻輳が発生していると判定された場合、呼の接続数を制御するにあたっての制御量を決定し、該制御量及び前記加入者を特定するための情報を含む輻輳制御情報を生成する輻輳判定手段と、
前記輻輳制御情報を解析し、前記制御量に基づいて、前記加入者への呼に対して呼損処理を行うことにより呼の接続数を制御する少なくとも1個の呼接続制御手段と
を有し、
前記輻輳判定手段は、輻輳が複製発生している場合、優先的に解消若しくは防止すべき輻輳があるか否かを判定し、優先的に解消若しくは防止すべき輻輳がある場合、複数の輻輳の中での優先順位を決定し、当該優先順位の順に前記制御量を決定する
ことを特徴とするトラフィック制御装置。
【請求項2】
前記呼接続制御手段を複数個有する場合、
前記輻輳判定手段から前記輻輳制御情報を受信し、該輻輳制御情報に基づいて呼の接続数を制御させるべき呼接続制御手段を特定し、該特定された呼接続制御手段に前記輻輳制御情報を送信する輻輳制御管理手段を有することを特徴とする請求項1記載のトラフィック制御装置。
【請求項3】
通信ネットワークにおける輻輳を防止するためにトラフィックを制御するトラフィック制御装置であって、
前記通信ネットワーク上で送受される通話制御信号を抽出する信号抽出手段と、
前記抽出された通話制御信号を解析し、加入者に対する単位時間あたりの呼の接続数及び不完了呼数を測定する信号解析手段と、
前記測定された不完了呼数と所定の閾値とを比較し、該比較結果に基づいて輻輳の兆候が発生しているか否かを判定し、前記判定の結果、輻輳の兆候が発生していると判定された場合、呼の接続数を制御するにあたっての制御量を決定し、該制御量及び前記加入者を特定するための情報を含む輻輳制御情報を生成する輻輳判定手段と、
前記輻輳制御情報を解析し、前記制御量に基づいて、前記加入者への呼に対して呼損処理を行うことにより呼の接続数を制御する少なくとも1個の呼接続制御手段と
を有し、
前記輻輳判定手段は、輻輳の兆候が複製発生している場合、優先的に解消若しくは防止すべき輻輳の兆候があるか否かを判定し、優先的に解消若しくは防止すべき輻輳の兆候がある場合、複数の輻輳の兆候の中での優先順位を決定し、当該優先順位の順に前記制御量を決定する
ことを特徴とするトラフィック制御装置。
【請求項4】
前記呼接続制御手段を複数個有する場合、
前記輻輳判定手段から前記輻輳制御情報を受信し、該輻輳制御情報に基づいて呼の接続数を制御させるべき呼接続制御手段を特定し、該特定された呼接続制御手段に前記輻輳制御情報を送信する輻輳制御管理手段を有することを特徴とする請求項3記載のトラフィック制御装置。
【請求項5】
通信ネットワークにおける輻輳を解消するためにトラフィックを制御するトラフィック制御装置で用いられるトラフィック制御プログラムであって、
前記トラフィック制御装置を、
前記通信ネットワーク上で送受される通話制御信号を抽出する信号抽出手段と、
前記抽出された通話制御信号を解析し、加入者に対する単位時間あたりの呼の接続数及び不完了呼数を測定する信号解析手段と、
前記測定された不完了呼数と所定の閾値とを比較し、該比較結果に基づいて輻輳が発生しているか否かを判定し、前記判定の結果、輻輳が発生していると判定された場合、呼の接続数を制御するにあたっての制御量を決定し、該制御量及び前記加入者を特定するための情報を含む輻輳制御情報を生成する輻輳判定手段と、
前記輻輳制御情報を解析し、前記制御量に基づいて、前記加入者への呼に対して呼損処理を行うことにより呼の接続数を制御する少なくとも1個の呼接続制御手段
として機能させるものであり、
前記輻輳判定手段を、輻輳が複製発生している場合、優先的に解消若しくは防止すべき輻輳があるか否かを判定し、優先的に解消若しくは防止すべき輻輳がある場合、複数の輻輳の中での優先順位を決定し、当該優先順位の順に前記制御量を決定するもの
として機能させることを特徴とするトラフィック制御プログラム。
【請求項6】
前記トラフィック制御装置が前記呼接続制御手段を複数個有する場合、
該トラフィック制御装置を、前記輻輳判定手段から前記輻輳制御情報を受信し、該輻輳制御情報に基づいて呼の接続数を制御させるべき呼接続制御手段を特定し、該特定された呼接続制御手段に前記輻輳制御情報を送信する輻輳制御管理手段として機能させることを特徴とする請求項5記載のトラフィック制御プログラム。
【請求項7】
通信ネットワークにおける輻輳を防止するためにトラフィックを制御するトラフィック制御装置で用いられるトラフィック制御プログラムであって、
前記トラフィック制御装置を、
前記通信ネットワーク上で送受される通話制御信号を抽出する信号抽出手段と、
前記抽出された通話制御信号を解析し、加入者に対する単位時間あたりの呼の接続数及び不完了呼数を測定する信号解析手段と、
前記測定された不完了呼数と所定の閾値とを比較し、該比較結果に基づいて輻輳の兆候が発生しているか否かを判定し、前記判定の結果、輻輳の兆候が発生していると判定された場合、呼の接続数を制御するにあたっての制御量を決定し、該制御量及び前記加入者を特定するための情報を含む輻輳制御情報を生成する輻輳判定手段と、
前記輻輳制御情報を解析し、前記制御量に基づいて、前記加入者への呼に対して呼損処理を行うことにより呼の接続数を制御する少なくとも1個の呼接続制御手段
として機能させるものであり、
前記輻輳判定手段を、輻輳の兆候が複製発生している場合、優先的に解消若しくは防止すべき輻輳の兆候があるか否かを判定し、優先的に解消若しくは防止すべき輻輳の兆候がある場合、複数の輻輳の兆候の中での優先順位を決定し、当該優先順位の順に前記制御量を決定するもの
として機能させることを特徴とするトラフィック制御プログラム。
【請求項8】
前記トラフィック制御装置が前記呼接続制御手段を複数個有する場合、 該トラフィック制御装置を、前記輻輳判定手段から前記輻輳制御情報を受信し、該輻輳制御情報に基づいて呼の接続数を制御させるべき呼接続制御手段を特定し、該特定された呼接続制御手段に前記輻輳制御情報を送信する輻輳制御管理手段として機能させることを特徴とする請求項7記載のトラフィック制御プログラム。
【請求項9】
通信ネットワークにおける輻輳を解消するためにトラフィックを制御するトラフィック制御装置で用いられるトラフィック制御プログラムを記録したプログラム記録媒体であって、
前記トラフィック制御装置を、
前記通信ネットワーク上で送受される通話制御信号を抽出する信号抽出手段と、
前記抽出された通話制御信号を解析し、加入者に対する単位時間あたりの呼の接続数及び不完了呼数を測定する信号解析手段と、
前記測定された不完了呼数と所定の閾値とを比較し、該比較結果に基づいて輻輳が発生しているか否かを判定し、前記判定の結果、輻輳が発生していると判定された場合、呼の接続数を制御するにあたっての制御量を決定し、該制御量及び前記加入者を特定するための情報を含む輻輳制御情報を生成する輻輳判定手段と、
前記輻輳制御情報を解析し、前記制御量に基づいて、前記加入者への呼に対して呼損処理を行うことにより呼の接続数を制御する少なくとも1個の呼接続制御手段
として機能させ、
前記輻輳判定手段を、輻輳が複製発生している場合、優先的に解消若しくは防止すべき輻輳があるか否かを判定し、優先的に解消若しくは防止すべき輻輳がある場合、複数の輻輳の中での優先順位を決定し、当該優先順位の順に前記制御量を決定するものとして機能させるもの
として機能させるトラフィック制御プログラムを記録したことを特徴とするプログラム記録媒体。
【請求項10】
前記トラフィック制御装置が前記呼接続制御手段を複数個有する場合、
該トラフィック制御装置を、前記輻輳判定手段から前記輻輳制御情報を受信し、該輻輳制御情報に基づいて呼の接続数を制御させるべき呼接続制御手段を特定し、該特定された呼接続制御手段に前記輻輳制御情報を送信する輻輳制御管理手段として機能させるトラフィック制御プログラムを記録したことを特徴とする請求項9記載のプログラム記録媒体。
【請求項11】
通信ネットワークにおける輻輳を防止するためにトラフィックを制御するトラフィック制御装置で用いられるトラフィック制御プログラムを記録したプログラム記録媒体であって、
前記トラフィック制御装置を、
前記通信ネットワーク上で送受される通話制御信号を抽出する信号抽出手段と、
前記抽出された通話制御信号を解析し、加入者に対する単位時間あたりの呼の接続数及び不完了呼数を測定する信号解析手段と、
前記測定された不完了呼数と所定の閾値とを比較し、該比較結果に基づいて輻輳の兆候が発生しているか否かを判定し、前記判定の結果、輻輳の兆候が発生していると判定された場合、呼の接続数を制御するにあたっての制御量を決定し、該制御量及び前記加入者を特定するための情報を含む輻輳制御情報を生成する輻輳判定手段と、
前記輻輳制御情報を解析し、前記制御量に基づいて、前記加入者への呼に対して呼損処理を行うことにより呼の接続数を制御する少なくとも1個の呼接続制御手段
として機能させるものであり、
前記輻輳判定手段を、輻輳の兆候が複製発生している場合、優先的に解消若しくは防止すべき輻輳の兆候があるか否かを判定し、優先的に解消若しくは防止すべき輻輳の兆候がある場合、複数の輻輳の兆候の中での優先順位を決定し、当該優先順位の順に前記制御量を決定するもの
として機能させるトラフィック制御プログラムを記録したことを特徴とするプログラム記録媒体。
【請求項12】
前記トラフィック制御装置が前記呼接続制御手段を複数個有する場合、
該トラフィック制御装置を、前記輻輳判定手段から前記輻輳制御情報を受信し、該輻輳制御情報に基づいて呼の接続数を制御させるべき呼接続制御手段を特定し、該特定された呼接続制御手段に前記輻輳制御情報を送信する輻輳制御管理手段として機能させるトラフィック制御プログラムを記録したことを特徴とする請求項11記載のプログラム記録媒体。
【請求項13】
通信ネットワークにおける輻輳を解消するためにトラフィックを制御するトラフィック制御装置を用いるトラフィック制御方法であって、
前記トラフィック制御装置が、
前記通信ネットワーク上で送受される通話制御信号を抽出する信号抽出ステップと、
前記抽出された通話制御信号を解析し、加入者に対する単位時間あたりの呼の接続数及び不完了呼数を測定する信号解析ステップと、
前記測定された不完了呼数と所定の閾値とを比較し、該比較結果に基づいて輻輳が発生しているか否かを判定し、前記判定の結果、輻輳が発生していると判定された場合、呼の接続数を制御するにあたっての制御量を決定し、該制御量及び前記加入者を特定するための情報を含む輻輳制御情報を生成する輻輳判定ステップと、
前記輻輳制御情報を解析し、前記制御量に基づいて、前記加入者への呼に対して呼損処理を行うことにより呼の接続数を制御する少なくとも1個の呼接続制御ステップと
を実行し、
前記輻輳判定ステップでは、輻輳が複製発生している場合、優先的に解消若しくは防止すべき輻輳があるか否かを判定し、優先的に解消若しくは防止すべき輻輳がある場合、複数の輻輳の中での優先順位を決定し、当該優先順位の順に前記制御量を決定する
ことを特徴とするトラフィック制御方法。
【請求項14】
前記トラフィック制御装置が前記呼接続制御ステップを実行する呼接続制御手段を複数個有する場合、
前記トラフィック制御装置が、前記輻輳制御情報を受信し、該輻輳制御情報に基づいて呼の接続数を制御させるべき呼接続制御手段を特定し、該特定された呼接続制御手段に前記輻輳制御情報を送信する輻輳制御管理ステップを実行することを特徴とする請求項13記載のトラフィック制御方法。
【請求項15】
通信ネットワークにおける輻輳を解消するためにトラフィックを制御するトラフィック制御装置を用いるトラフィック制御方法であって、
前記トラフィック制御装置が、
前記通信ネットワーク上で送受される通話制御信号を抽出する信号抽出ステップと、
前記抽出された通話制御信号を解析し、加入者に対する単位時間あたりの呼の接続数及び不完了呼数を測定する信号解析ステップと、
前記測定された不完了呼数と所定の閾値とを比較し、該比較結果に基づいて輻輳の兆候が発生しているか否かを判定し、前記判定の結果、輻輳の兆候が発生していると判定された場合、呼の接続数を制御するにあたっての制御量を決定し、該制御量及び前記加入者を特定するための情報を含む輻輳制御情報を生成する輻輳判定ステップと、
前記輻輳制御情報を解析し、前記制御量に基づいて、前記加入者への呼に対して呼損処理を行うことにより呼の接続数を制御する少なくとも1個の呼接続制御ステップと
を実行し、
前記輻輳判定ステップでは、輻輳の兆候が複製発生している場合、優先的に解消若しくは防止すべき輻輳の兆候があるか否かを判定し、優先的に解消若しくは防止すべき輻輳の兆候がある場合、複数の輻輳の兆候の中での優先順位を決定し、当該優先順位の順に前記制御量を決定する
ことを特徴とするトラフィック制御方法。
【請求項16】
前記トラフィック制御装置が前記呼接続制御ステップを実行する呼接続制御手段を複数個有する場合、
前記トラフィック制御装置が、前記輻輳制御情報を受信し、該輻輳制御情報に基づいて呼の接続数を制御させるべき呼接続制御手段を特定し、該特定された呼接続制御手段に前記輻輳制御情報を送信する輻輳制御管理ステップを実行することを特徴とする請求項15記載のトラフィック制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−105930(P2009−105930A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−318768(P2008−318768)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【分割の表示】特願2003−97016(P2003−97016)の分割
【原出願日】平成15年3月31日(2003.3.31)
【出願人】(397065480)エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社 (187)
【Fターム(参考)】