説明

トランジスタインバータの構造

【課題】 小型軽量化,低コスト化を図りつつ、トランジスタインバータに発生するノイズを低減する。
【解決手段】 直流電源の正負PN極間に直列に接続される上側,下側半導体スイッチQ1,Q2のうち、例えばQ1のコレクタ面を冷却体1に直接接続し、Q2のコレクタ面を絶縁物2を介して同じ冷却体1に熱的に結合することで、Q2のコレクタからケースまたは接地までの漂遊容量を低減し、ノイズの伝播を抑制する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、誘導加熱用,可変速駆動用,スイッチング電源用等として好適なトランジスタインバータの構造、特にノイズ低減、すなわち雑音端子電圧や、放射ノイズレベルの低減を図ったトランジスタインバータの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、パワーエレクトロニクス分野でパワートランジスタがスイッチングするとき、トランジスタの冷却フィンを介してノイズが伝播することが知られている。この点について、図13を参照して以下に説明する。図13(a)は従来の構造および回路を示すもので、2つの冷却体11,12は構造的に、スイッチQ1,Q2などは回路図的に示している。従来、Q2の冷却体からケースまたは接地までに漂遊する静電容量、すなわちストレイキャパシタンスCssは約30pFあり、これがノイズに大きく影響する。なお、具体的な数値は、装置の容量が数kWのものの例である。
【0003】図13(b)に電源からスイッチまでの一般的な回路例を示す。すなわち、ダイオードDで整流し、平滑コンデンサCDで平滑した直流電圧源をPN間に得、PからNに向かって上下アームに2つの半導体スイッチQ1,Q2を直列に設け、その中点Oを出力点として、方形波電圧出力を得るようにしたもので、従来例というよりは極一般的な回路方式である。ここでは、スイッチングノイズが電源側に伝播するのを抑制するために、約2nFの接地コンデンサCY1,ノイズフィルタF,約1nFの接地コンデンサCY2などが設けられている。
【0004】図13(c)は各部波形例を示し、300Vの電圧源で、約30kHzで運転中の例である。■は出力点Oに生じる方形波例をON間電圧VQ2として示しており、スイッチング時Q2オフの急峻な300Vの立ち上がり、Q1オフの立下りが見え、それぞれの直後の3MHz数十Vの振動が見える。■はスイッチング時にCY2に発生するノイズ電圧例であるVCY2を示し、およそ、CssとCY2の容量でVQ2の高周波ノイズ成分が分圧された値として現れ、約300KHz,数十V程度となる。数式で表現すると、次式のようになる。
VCY2=Css*VQ2/CY2■は雑音端子電圧として観測,計測されるVCY1を示し、VCY2からノイズフィルタを通過して減衰してくる30kHz〜数百kHzの成分と、空間伝播してくる1MHz以上,30MHz以下の成分とがあり、数百mV,数mVが問題となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来は、Q2の冷却体がノイズを沢山含んだO点の電位にあり、Cssが大きいことからVCY2に大きなノイズ電圧を発生し、FCC(Federal Communications Commission)やCISPR(International Special Committee on RadioInterference)などの規格に合格するには大きなノイズフィルタを必要とする(大型化,コストアップ)。また、Q2の冷却体が大きなアンテナとなって空間に高調波ノイズを放射するので、ノイズフィルタFを飛び越えて電源側に数MHz以上のノイズが観測され、電源端子部分を静電シールド金属容器で覆ったりする必要がある(大型化,コストアップ)。
【0006】図13(a)のようなシールド20を設けるとすると、余分に大きな部品を追加することになるが、風の通路を開放するなどの配慮のため、Cssの減少,ノイズ低減効果は僅か1/2程度、つまり−6dB程度しかない。また、CY1,CY2は対地の漏れ電流を抑えるため、数nF以上にはできない。したがって、この発明の課題は小型,低コストの低ノイズ型トランジスタインバータを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決するため、請求項1の発明では、直流電源の正負極間に上下アームとして直列接続される上側,下側半導体スイッチ素子のうち、電位が変動しない側の半導体スイッチ素子のコレクタ面を冷却体に直接接合し、電位が変動する側の半導体スイッチ素子のコレクタ面を絶縁物を介して冷却体に熱的に結合することを特徴としている。この請求項1の発明においては、前記上側,下側半導体スイッチ素子の冷却体は共通とすることができ(請求項2の発明)、または、前記上側,下側半導体スイッチ素子の冷却体は個別とし、各冷却体間を低インピーダンスで結合することができる(請求項3の発明)。
【0008】請求項4の発明では、直流電源の正負極間に上下アームとして直列接続される上側,下側半導体スイッチ素子をそれぞれ絶縁して個別の冷却体に接合し、冷却体のそれぞれを低インピーダンスで正電極または負電極に結合することを特徴としている。請求項5の発明では、直流電源の正負極間に上下アームとして直列接続される上側,下側半導体スイッチ素子を絶縁して金属ベースに接合して構成されるトランジスタモジュールを冷却体に設置し、この冷却体を低インピーダンスで正電極または負電極のいずれか一方に接合したことを特徴としている。請求項6の発明では、直流電源の正負極間に上下アームとして直列接続される上側,下側半導体スイッチモールド成形部品のうち、電位が変動しない側の半導体スイッチモールド成形部品のコレクタ面を冷却体に直接半田付けし、電位が変動する側の半導体スイッチモールド成形部品のコレクタ面を冷却体面に絶縁して設けられた回路パターンに半田付けすることを特徴としている。
【0009】請求項7の発明では、直流電源の正負極間に上下アームとして直列接続される上側,下側半導体スイッチ素子チップのうち、電位が変動しない側の半導体スイッチ素子チップのコレクタ面を冷却体に直接半田付けし、電位が変動する側の半導体スイッチ素子チップのコレクタ面を冷却体面に絶縁して設けられた回路パターンに半田付けし、前記回路パターンと半導体スイッチ素子チップ相互間を電気的に接続し、樹脂封止したことを特徴としている。請求項8の発明では、直流電源の正負極間に上下アームとして直列接続される上側,下側半導体スイッチ素子のうち、電位が変動しない側の半導体スイッチ素子のコレクタ面を金属ベースに直接接合し、電位が変動する側の半導体スイッチ素子のコレクタ面を絶縁物を介して金属ベースに接合し、かつ、この金属ベースを他の絶縁物を介して冷却体に接合することを特徴としている。
【0010】上記請求項1ないし3または6ないし8のいずれかの発明では、前記電位が変動する側の半導体スイッチ素子の面積またはチップ数を、前記電位が変動しない側の半導体スイッチ素子のそれよりも大とすることができる(請求項9の発明)。請求項10の発明では、直流電源の正負極間に上下アームとして直列接続される上側,下側半導体スイッチ素子を絶縁して金属ベースに接合して構成されるトランジスタモジュールを絶縁物を介して冷却体に設置し、前記金属ベースを低インピーダンスで正電極または負電極のいずれか一方に接合したことを特徴としている。この請求項10の発明においては、前記トランジスタモジュールを絶縁物を介して他の金属ベースに接合したのち前記冷却体に設置することができる(請求項11の発明)。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の第1の実施の形態を説明する説明図で、同(a)は構造断面図、同(b)はその平面図(裏面側から見た平面図)、同(c)はその構造および回路図である。同(a),(b)からも明らかなように、冷却体1を一つにしてQ2を絶縁シート等の絶縁物2により絶縁し、ネジ3で主回路基板4に取り付けるようにしたものである。Q2は絶縁物2の熱抵抗が増加し、通電能力がダウンするので、同(b),(c)に示すように2個並列にしている。Q2は2個以上とすることができ、複数個とする代りにその面積を大きくすることもできる。このようにするのはQ1,Q2の一方のみを絶縁する場合に共通である。Q1は1つで、伝熱グリース5を介してネジ3で直接その冷却体1に取り付けられ、その結果、冷却体1はここではP電位に低インピーダンスで接続される。なお、図示の如き形状の一般的なトランジスタ,TO3P,TO220型などでは、冷却体1への取り付け面が金属ベースで、コレクタ電位となっている。最近は絶縁形もあるので、2種類を使い分けることで、絶縁する方も絶縁シートなしでそのまま利用することができる。
【0012】図1(b)に示すように、整流ダイオードDもその冷却体1に取り付けられている。トランジスタとダイオードの口出し端子は素子の間近で直角に曲げられ、主回路基板4に最短で半田付けされる。主回路基板4のネジ3には、ネジの頭が十分通る大きな穴が明けられ、ネジ3の着脱ができるようになっている。図1(c)は負荷が加熱コイルLの例を示し、ノイズの多いO点は渦巻きの中心側につなぎ、できるだけノイズを放射しないようにしている。冷却体との静電容量Ccfは、薄い絶縁体で密着されるので、約100pFと大きなものになるが、問題のCssは約3pFと1/10に激減する。
【0013】スイッチング素子として、上記ではIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)を想定しているが、FETや他のトランジスタ等を用いることができる。また、図1のQ1,Q2をトランジスタとして見たときは、いわゆるNPN形ということになるが、例えば図2のようなPNP形のものを用いるとすれば、Q1のコレクタが絶縁体を介して冷却体に接合されることになる。すなわち、電位が変動する側(O点)の半導体スイッチ素子のコレクタ面を絶縁物を介して冷却体に接合する。
【0014】図1,図2のようにすることにより、下記1)〜4)のような効果を期待できる。
1)Cssの値が一桁小さくなることで、VCY2のノイズ電圧レベルが一桁小さく;−20dBとなり、ノイズフィルタを小さくできる。Cssが小さくなっても、モータ駆動などのように出力導体Oが長大となるものについては、結果としてCssが小さくならないので効果が少ない。したがって、出力導体の短いまたは無い、電磁調理器やスイッチング電源などに効果が大である。
2)冷却体はノイズの少ない電位に接続され、Q2のコレクタはその冷却体と主回路基板に覆われてノイズを放射することができなくなる。トランジスタから負荷に至る、出力導体Oの配線がノイズを放射するのを防止すれば、放射ノイズの影響も1/10以下にすることができる。
3)Ccfは等価的に、図13(b)のPO間にあるCoss(Q1内の寄生容量)と同じ効果を持つものとなり、結果として、VQ2の立ち上がり,立下りの傾斜を緩め、ノイズの低減に有効な容量となる。
4)冷却体が1つとなり、主回路基板に平面的に多数の点で安定して半田付け支持されるので、特別な冷却体の支持部品が不要となり、部品点数の削減,軽量化,低コスト化となる。この効果は、各図の上下アーム1組;ハーフブリッジのみでなく、2組のフルブリッジ、3組の3相ブリッジなどの各種インバータ回路にも及び、それぞれ1つの冷却体で構成できる利点がある。
【0015】図3はこの発明の第2の実施の形態を示す構成図で、冷却体が11,12と2分割されている場合である。このような場合に冷却体11,12間を図示の如く低インピーダンス接続7で接続する。図4はこの発明の第3の実施の形態を示す構成図で、これも冷却体が11,12と2分割されている場合であり、図示の如く冷却体11をP電位、冷却体12をN電位に接続する。図4では冷却体11をP電位、冷却体12をN電位に接続したが、冷却体11をN電位、冷却体12をP電位に接続することもできる。図3,図4のようにする効果は、図1の場合と全く同様である。このとき、絶縁した冷却体を従来と同様にケース,接地電位などに接続するとかえってノイズを増やすことになるので、注意が肝要である。
【0016】図5はこの発明の第4の実施の形態を示す構成図である。これは、標準構造のトランジスタモジュールMの例を示し、金属ベース8はトランジスタ回路から絶縁されている。そして、絶縁された冷却体1は、従来は、ケースに接続するか、接地または開放とするものであった。このため、いずれの場合も大きなノイズを電源に伝えるノイズ伝達構造となっている。そこで、図示のように、冷却体1を例えばN電位に低インピーダンスで接続することにより、ノイズを低減するものである。このとき、内部結合S1と外部結合S2があるが、接続モジュールの内部で接続する内部結合S1の方が、より低インピーダンス構造となる。なお、ここでは冷却体1をN電位に接続したが、P電位に接続しても良いのは勿論である。この例では、冷却体とケースの絶縁があらためて必要であるが、ノイズフィルタの小型化,低コスト化が図られる。
【0017】図6,図7はこの発明の第5の実施の形態を示す構成図で、冷却体1に例えばモールド成形された半導体スイッチモールド成形部品Q1のコレクタを半田付け9をするようにした例を示す。半田付け9は冷却体を銅合金にすることで対処可能であるし、アルミに無電解メッキをすることでも可能である。半導体スイッチモールド成形部品Q2側はQ1に合わせて、半田付けが可能な絶縁取り付け構造とすることが望ましい。なお、図6R>6は主回路基板4で主回路配線をした例であり、図7は冷却体表面で主回路配線の一部を施した例を示す。また、30は絶縁回路パターンまたはDBC(Direct Bonding Copper)基板を示している。図6,図7の例によれば、部品を冷却体に取り付けるためのネジが不要となり、さらなる部品点数の削減が可能となる。ネジがなくなることで冷却体の肉厚を極限まで薄くでき、例えば1mm以下の超軽量冷却体ができる。また、半田付けにより、電気,熱の結合も良くなる。
【0018】図8,図9はこの発明の第6の実施の形態を示す構成図である。これは、トランジスタ半導体チップそのものを冷却体に直接半田付け9をし、ワイヤボンド10などで主回路配線をした例で、上記半導体モールド成形部品を半導体チップに置き換えれば、図6,図7と殆ど同様である。なお、図9は冷却体が水冷式の例である。図8,図9の例によれば、図6,図7の例よりもさらに小型軽量化を図ることができる。
【0019】これまでの例は、冷却体が主回路電位に接続されるようになっていて、接地することができなかったが、以下のように二重絶縁にすることで、冷却体をケースや大地または人体などの自由な電位に接続または接触させることができる。このとき、二重絶縁に挟まれる金属板はインバータ内の電位が変動しないPまたはN電位に、低インピーダンスで接続されることが、ノイズ低減のために重要である。図10は図1に絶縁物21と金属ベース81を付加したもので、冷却体1が接地可能となる例である。図11は図5の標準構造のトランジスタモジュールMと冷却体1との間に絶縁物21を挿入し、金属ベース8をN電位に結合Sした例である。P電位に結合してもよいのは勿論である。図12は図5の標準構造のトランジスタモジュールM内を二重絶縁構造にし、内部で金属ベース8をN電位に結合Sした特殊モジュールの例である。ノイズを低減した上で、どこにでも自由に取り付けられる、取り扱いやすいモジュールとなっており、冷却体1は金属ベース81の上に設置される。金属ベース8をP電位に結合しても良いのは図11の場合と同様である。
【0020】
【発明の効果】この発明によれば、トランジスタインバータのスイッチング時に発生するノイズを小型軽量化,低コスト化を図りつつ低減し得るという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態を説明する説明図である。
【図2】図1でスイッチ素子の型が異なる場合の説明図である。
【図3】この発明の第2の実施の形態を示す概要図である。
【図4】この発明の第3の実施の形態を示す概要図である。
【図5】この発明の第4の実施の形態を示す概要図である。
【図6】この発明の第5の実施の形態を説明する説明図である。
【図7】図6の変形例を説明する説明図である。
【図8】この発明の第6の実施の形態を説明する説明図である。
【図9】図8の変形例を示す概要図である。
【図10】この発明の第7の実施の形態を説明する説明図である。
【図11】この発明の第8の実施の形態を示す概要図である。
【図12】図11の変形例を示す概要図である。
【図13】従来例を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1,11,12…冷却体、2,21…絶縁物、3…ネジ、4…主回路基板、5…伝熱グリース、6…ケース、7…低インピーダンス接続、8,81…金属ベース、9…半田付け、10…ワイヤボンディング、20…シールド、30…絶縁回路パターン(またはDBC)、M…標準トランジスタモジュール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 直流電源の正負極間に上下アームとして直列接続される上側,下側半導体スイッチ素子のうち、電位が変動しない側の半導体スイッチ素子のコレクタ面を冷却体に直接接合し、電位が変動する側の半導体スイッチ素子のコレクタ面を絶縁物を介して冷却体に熱的に結合することを特徴とするトランジスタインバータの構造。
【請求項2】 前記上側,下側半導体スイッチ素子の冷却体は共通とすることを特徴とする請求項1に記載のトランジスタインバータの構造。
【請求項3】 前記上側,下側半導体スイッチ素子の冷却体は個別とし、各冷却体間を低インピーダンスで結合することを特徴とする請求項1に記載のトランジスタインバータの構造。
【請求項4】 直流電源の正負極間に上下アームとして直列接続される上側,下側半導体スイッチ素子をそれぞれ絶縁して個別の冷却体に接合し、冷却体のそれぞれを低インピーダンスで正電極または負電極に結合することを特徴とするトランジスタインバータの構造。
【請求項5】 直流電源の正負極間に上下アームとして直列接続される上側,下側半導体スイッチ素子を絶縁して金属ベースに接合して構成されるトランジスタモジュールを冷却体に設置し、この冷却体を低インピーダンスで正電極または負電極のいずれか一方に接合したことを特徴とするトランジスタインバータの構造。
【請求項6】 直流電源の正負極間に上下アームとして直列接続される上側,下側半導体スイッチモールド成形部品のうち、電位が変動しない側の半導体スイッチモールド成形部品のコレクタ面を冷却体に直接半田付けし、電位が変動する側の半導体スイッチモールド成形部品のコレクタ面を冷却体面に絶縁して設けられた回路パターンに半田付けすることを特徴とするトランジスタインバータの構造。
【請求項7】 直流電源の正負極間に上下アームとして直列接続される上側,下側半導体スイッチ素子チップのうち、電位が変動しない側の半導体スイッチ素子チップのコレクタ面を冷却体に直接半田付けし、電位が変動する側の半導体スイッチ素子チップのコレクタ面を冷却体面に絶縁して設けられた回路パターンに半田付けし、前記回路パターンと半導体スイッチ素子チップ相互間を電気的に接続し、樹脂封止したことを特徴とするトランジスタインバータの構造。するトランジスタインバータの構造。
【請求項8】 直流電源の正負極間に上下アームとして直列接続される上側,下側半導体スイッチ素子のうち、電位が変動しない側の半導体スイッチ素子のコレクタ面を金属ベースに直接接合し、電位が変動する側の半導体スイッチ素子のコレクタ面を絶縁物を介して金属ベースに接合し、かつ、この金属ベースを他の絶縁物を介して冷却体に接合することを特徴とするトランジスタインバータの構造。
【請求項9】 前記電位が変動する側の半導体スイッチ素子の面積またはチップ数を、前記電位が変動しない側の半導体スイッチ素子のそれよりも大とすることを特徴とする請求項1ないし3または6ないし8のいずれかに記載のトランジスタインバータの構造。
【請求項10】 直流電源の正負極間に上下アームとして直列接続される上側,下側半導体スイッチ素子を絶縁して金属ベースに接合して構成されるトランジスタモジュールを絶縁物を介して冷却体に設置し、前記金属ベースを低インピーダンスで正電極または負電極のいずれか一方に接合したことを特徴とするトランジスタインバータの構造。
【請求項11】前記トランジスタモジュールを絶縁物を介して他の金属ベースに接合したのち前記冷却体に設置することを特徴とする請求項10に記載のトランジスタインバータの構造。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図1】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2000−260937(P2000−260937A)
【公開日】平成12年9月22日(2000.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−61363
【出願日】平成11年3月9日(1999.3.9)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】