説明

トリアジン誘導体、少なくとも1つの追加の光防護剤および安息香酸アリールアルキル誘導体を含む光防護組成物、これらの化粧用使用

【課題】光防護化粧用または皮膚科学的組成物に関し、特にケラチン物質を太陽光放射から防御することを意図した化粧用または皮膚科学的組成物の製造のための、該組成物の使用の提供。
【解決手段】光防護化粧用または皮膚科学的組成物は、 (i)少なくとも1つの1,3,5-トリアジン誘導体および (ii)少なくとも1つの安息香酸アリールアルキル誘導体および (iii)水溶性、脂溶性または通常使用される化粧用溶媒に不溶である少なくとも1つの追加の有機光防護剤および/または少なくとも1つの追加の無機光防護剤、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの1,3,5-トリアジン誘導体を、1つまたは複数の追加的光防護剤および安息香酸アリールアルキル誘導体と組み合わせて含む光防護組成物に関し、かつ組成物の種々の化粧用使用、特に皮膚および/または唇および/または外皮を紫外線放射、特に太陽光放射から防御するための使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
280nmと400nmの間の波長をする光の放射は、ヒト表皮のタンニングを可能にし、かつUV-B光線として知られる、280nmと320nmの間の波長を有する光線は、自然な小麦色とするのを妨げる皮膚の日焼けおよび紅斑を引き起こし、したがってこのUV-B光線は遮蔽されるべきであることが知られている。
【0003】
320nmと400nmの間の波長を有するUV-A光線は、皮膚のタンニングを引き起こし、特に敏感の皮膚の場合または太陽光放射に絶えず暴露している皮膚の場合、皮膚に悪影響をもたらす傾向がある。UV-A光線は、特に皮膚の弾力性の損失およびしわの出現を引き起こし、早期皮膚老化をもたらす。UV-A光線は、紅斑反応の誘発を促進しまたはある種の個人においては紅斑反応を増幅させ、かつ光毒性または光アレルギー反応を引き起こす可能性さえある。したがって、UV-A光線もまた、遮蔽されることが望ましい。
【0004】
皮膚の光防護(UV-Aおよび/またはUV-B)を意図した数多くの化粧用組成物が、現在までに提案されてきた。
【0005】
これらの日焼け防止組成物は、非常に多くの場合、有害なUV放射を選択的に吸収することができる1つまたは複数の慣例的な親油性および/または親水性有機スクリーニング剤を種々の濃度で含む、水中油型のエマルション(すなわち、連続性水性分散相と不連続性油性分散相とからなる化粧品に許容できる支持体)の形態であって、これらのスクリーニング剤(およびその量)は所望の日焼け防止指数により選択され、日焼け防止指数(SPF)は、UVスクリーニング剤無塗布時に紅斑形成閾値に達するのに必要なUV照射線量に対するUVスクリーニング剤塗布時に紅斑形成閾値に達するのに必要なUV照射線量の比率により数学的に表現される。
【0006】
1,3,5-トリアジン誘導体は、UV-B領域で非常に活性であり、含まれる置換基の性質によってはUV-A領域においてさえも活性なものがあるという事実により、特に日焼け防止化粧品において望ましい。さらに、1,3,5-トリアジン誘導体は、光安定性であり、すなわちUV放射の作用下で化学分解をほとんどまたは全く起こさない。1,3,5-トリアジン誘導体は、特に特許出願US 4 367 390、EP 863 145、EP 517 104、EP 570 838、EP 796 851、EP 775 698、EP 878 469およびEP 933 376に記載されており、かつ特に下記が知られている:
− 「Uvinul T 150」の商品名でBASF社により販売されている、2,4,6-トリス[(p-(2'-エチルヘキシル-1'-オキシカルボニル)アニリノ)]-1,3,5-トリアジンすなわち「Ethylhexyl Triazone(エチルヘキシルトリアゾン)」(INCI名)、
− 「Uvasorb HEB」の商品名でSigma 3Vにより販売されている、2-[(p-(tert-ブチルアミド)アニリノ)]-4,6-ビス[(p-(2'-エチルヘキシル-1'-オキシカルボニル)アニリノ)]-1,3,5-トリアジンすなわち「Diethylhexyl Butamido Triazone(ジエチルヘキブタミドトリアゾン)」(INCI名)、
− 「Tinosorb S」の商品名でCiba Specialty Chemicalsにより販売されている、2,4-ビス{[4-2-エチルヘキシルオキシ]}-2-ヒドロキシ}フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジンすなわち「bis-Ethylhexyloxyphenol Methoxyphenyl Triazone(ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアゾン)」(INCI名)。
【0007】
1,3,5-トリアジン誘導体タイプのUVスクリーニング剤は、水溶性、脂溶性または通常使用される化粧用溶媒に不溶である他の補完的な無機または有機光防護剤と組み合わせて、一般に日焼け防止処方に使用されている
【0008】
これら全てにかかわらず、1,3,5-トリアジン誘導体タイプのUVスクリーニング剤の処方中での光防護力は、油、例えばエステル、より特にC12〜C15アルキル安息香酸(Witcoの「Finsolv TN」)、またはトリグリセリド、特にC8〜C12脂肪酸トリグリセリド(Hulsの「Miglyol 812」)、または別法としてオキシエチレン化またはオキシプロピレン化脂肪酸モノアルコールまたは多価アルコール(Henkelの「Cetiol HE」またはWitcoの「Witconol AM」)、あるいは他にN-ラウロイルイソプロピルサルコシネート(Ajinomotoの「Eldew SL 205」)などのアミノ酸誘導体、を含む慣例的な化粧用ビヒクル中で、これらサンスクリーン剤の油中での不十分な溶解度のために、制限される。
【0009】
これら油の使用は結果として、
− 日焼け防止製品の化粧品としての品質、安定性および効果を損なう、時間経過に伴う処方中での結晶の出現または
− 十分に効果的な製品を得ることを不可能にする、処方中でのスクリーニング剤濃度の制限
をもたらす。
【特許文献1】特許出願US 4 367 390
【特許文献2】特許出願EP 863 145
【特許文献3】特許出願EP 517 104
【特許文献4】特許出願EP 570 838
【特許文献5】特許出願EP 796 851
【特許文献6】特許出願EP 775 698
【特許文献7】特許出願EP 878 469
【特許文献8】特許出願EP 933 376
【特許文献9】特許PL 55230
【特許文献10】特許EP-A-0 517 104
【特許文献11】特許EP-A-0 570 838
【特許文献12】US 4 724 137
【特許文献13】特許出願EP-A-0 775 698
【特許文献14】特許出願EP 507 691
【特許文献15】特許出願EP 507 692
【特許文献16】特許出願EP 790 243
【特許文献17】特許出願EP 944 624
【特許文献18】特許EP 669 323
【特許文献18】特許US 2 463 264
【特許文献19】特許出願US 5 237 071
【特許文献20】特許出願US 5 166 355
【特許文献21】特許出願GB 2 303 549
【特許文献22】特許出願DE 197 26 184
【特許文献23】特許出願EP 893 119
【特許文献24】特許出願EP 0 832 642
【特許文献25】特許出願EP 1 027 883
【特許文献26】特許出願EP 1 300 137
【特許文献27】特許出願DE 101 62 844
【特許文献28】特許出願WO 93/04665
【特許文献29】特許出願DE 198 55 649
【特許文献30】特許出願EP 0 967 200
【特許文献31】特許出願DE 197 46 654
【特許文献32】特許出願DE197 55 649
【特許文献33】特許出願EP-A-1 008 586
【特許文献34】特許出願EP 1 133 980
【特許文献35】特許出願EP 133 981
【非特許文献1】Cosmetics & Toiletries、February 1990、Vol.105、53〜64頁
【特許文献36】GB-A-2 206 339
【特許文献37】WO-A-92/06778
【非特許文献2】Bangham、Standish and Watkins、J. Mol. Biol.、13、238 (1965)
【特許文献38】FR 2 315 991
【特許文献39】FR 2 416 008
【特許文献40】特許US 4 077 441
【特許文献41】特許US 4 850 517
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって本発明の基礎をなす技術的課題は、1,3,5-トリアジン誘導体を他と組み合わせて含む組成物の光防護効果、化粧用特性および安定性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
驚いたことにかつ思いがけなく、出願者は前述の技術的課題は、他の追加の有機または無機光防護剤の存在下で、少なくとも1つのトリアジン誘導体を含む組成物に、安息香酸アリールアルキル誘導体を加えることによって解決されることを発見した。
【0012】
これらの安息香酸アリールアルキル誘導体は、1,3,5-トリアジン誘導体を含む先行技術の組成物よりも高い日焼け防止指数を有する、1,3,5-トリアジン誘導体を含む安定な日焼け防止組成物を得ることを可能にする。これらの組成物はまた、化粧品としての品質においても向上している。これらの組成物は、特に良好な皮膚の保湿性を可能にする。すなわち皮膚の乾燥およびべたつき感は全く観察されない。
【0013】
したがって、本発明の課題の1つは、
(i)少なくとも1つの1,3,5-トリアジン誘導体および
(ii)少なくとも1つの安息香酸アリールアルキル誘導体および
(iii)水溶性、脂溶性または通常使用される化粧用溶媒に不溶である少なくとも1つの追加の有機光防護剤および/または少なくとも1つの追加の無機光防護剤
を含むことを特徴とする、光防護化粧用または皮膚科学的組成物である。
【0014】
本発明のもう1つの課題は、特にケラチン物質を太陽光放射から防御することを意図した化粧用または皮膚科学的組成物の製造のための、このような組成物の使用からなる。
【0015】
本発明の課題はまた、本組成物の日焼け防止指数および/または化粧品としての品質および/または安定性を向上させることを目的とする、少なくとも1つの1,3,5-トリアジン誘導体ならびに水溶性、脂溶性または通常使用される化粧用溶媒に不溶である少なくとも1つの追加の有機光防護剤および/または少なくとも1つの追加の無機光防護剤を含む光防護化粧用または皮膚科学的組成物における、少なくとも1つの安息香酸アリールアルキル誘導体の、使用でもある。
【0016】
本発明の他の課題は、これ以降の記述および実施例を読めばやがて明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
表現「光防護組成物」は、吸収、反射または散乱の現象によりUV放射を遮蔽することができる、少なくとも1つの有機化合物および/または少なくとも1つの無機化合物を含むあらゆる組成物を意味する。
【0018】
「光防護剤」は、吸収、反射または散乱の現象によりUV放射を遮蔽することができるあらゆる物質である。
【0019】
本発明の安息香酸アリールアルキル誘導体は、好ましくは下記の式(1)または(2)の安息香酸アリールアルキル誘導体から選択される:
【0020】
【化1】

【0021】
[式中、
Xは、O、SまたはNを示し、
nは1から10、より好ましくは2から6の整数であり、
R1およびR2は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ヒドロキシル基、直鎖または分枝状C1〜C4アルコキシ基(好ましくはメトキシまたはエトキシ)、ニトロ基、アミノ基、C6H6SO2基を示し、
R3、R4およびR5は、同一でも異なっていてもよく、式:
【0022】
【化2】

【0023】
(式中、
nは上述と同一の意味を有し、R6は、水素原子、ヒドロキシル基、直鎖または分枝状C1〜C4アルコキシ基(好ましくはメトキシまたはエトキシ)、ニトロ基、アミノ基、C6H6SO2基を示す)
の基を示す]。
【0024】
本発明の安息香酸アリールアルキル誘導体およびその合成は、以前より化学文献、特に特許PL 55230において知られている。
【0025】
前述の安息香酸アリールアルキル誘導体の中で、式:
【0026】
【化3】

【0027】
の安息香酸2-フェニルエチル、例えばISP社により販売されているX-Tend 226(登録商標)などの市販品、がより好ましくは用いられるであろう。
【0028】
本発明の安息香酸アリールアルキル誘導体は、それ自体またはそれら自体で(他の溶媒を使用することを必要とせずに)、組成物中に存在するトリアジンスクリーニング剤の全てを溶解するのに十分な量で存在する。
【0029】
安息香酸アリールアルキル誘導体は、本発明の組成物中に、組成物の全重量に対して0.1重量%から40重量%、より好ましくは0.1重量%から30重量%の範囲の濃度で存在する。
【0030】
1,3,5-トリアジン誘導体は下記の式(I)に相当する:
【0031】
【化4】

【0032】
[式中、A1、A2およびA3は、同一でも異なっていてもよく、下記の式(II)から(IX)の基から選択される:
【0033】
【化5】

【0034】
(式中、
Xa(基Xaはそれぞれ、同一でも異なっていてもよい)は、酸素または-NH-を表し、
Ra(基Raはそれぞれ、同一でも異なっていてもよい)は、水素、アルカリ金属、1つまたは複数の直鎖または分枝状C1〜C18アルキルあるいは直鎖または分枝状C1〜C18ヒドロキシアルキル基で任意選択で置換されたアンモニウム基、直鎖または分枝状C1〜C18、好ましくはC6〜C12アルキル基、1つまたは複数のC1〜C4アルキル基で任意選択で置換されたC5〜C12シクロアルキル基、1から6個のエチレンオキサイド単位を含み、端末OH基がメチル化されたポリオキシエチレン化された基、下記の式(X)、(XI)または(XII)の基:
【0035】
【化6】

【0036】
(式中、
R8は、水素またはメチル基であり、
R9は、C1〜C9アルキル基であり、
qは、0、1、2、3に等しい整数であり、
rは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10に等しい整数であり、
Aは、C4〜C8アルキル基またはC5〜C8シクロアルキル基であり、
Bは、直鎖または分枝状C1〜C8アルキル基、C5〜C8シクロアルキル基、1つまたは複数のC1〜C4アルキル基で任意選択で置換されたアリール基から選択され、
R1は、C3〜C18アルキル基、C2〜C18アルケニル基、T1が水素原子またはC1〜C8アルキル基である式-CH2-CH(OH)-CH2-OT1の残基、下記の式(XIII)の残基を示し:
【0037】
【化7】

【0038】
(式中、
R13は、共有結合、直鎖または分枝状C1〜C4アルキル基またはm1が1、2、3、4に等しい整数である式-Cm1H2m1-O-の基を示し、
p1は、0、1、2、3、4、5に等しい整数であり、
基R10、R11およびR12は、同一でも異なっていてもよく、C1〜C18アルキル基、C1〜C18アルコキシ基または次式の基を示し:
【0039】
【化8】

【0040】
(式中、R14は、C1〜C5アルキル基であり、
R2は、水素原子、直鎖または分枝状C1〜C4アルキル基またはC1〜C4アルコキシ基を示し、
R3およびR4は、同一でも異なっていてもよく、直鎖または分枝状C1〜C20アルキル基を示し、
R5は、水素原子またはハロゲンもしくはC1〜C4アルキル基もしくはC1〜C4アルコキシ基で任意選択で置換されたフェニル基を表し、
R6は、直鎖または分枝状C1〜C8アルキル基またはC1〜C3アルコキシ基であり、後者の場合、同一の芳香族核で隣接する2個の基R6は一緒になって、アルキリデン基が1個または2個の炭素原子、OH、NHCOCH3またはNH2を含むアルキリデンジオキシ基を形成することができることが理解され、
R7は、水素原子、C1〜C10アルキル基、n1が1から16までの数である式-(CH2CHR5-O)n1R8の基、またはR8およびT1が上記と同一の意味を有する構造-CH2-CH-(OH)-CH2-OT1の基を示し、
Zは、酸素、イオウ、-NH-または直鎖または分枝状C1〜C20アルキル基を表すR3を有する-NR3-を表し、
pは、0、1、2または3であり、
A1はまた、ハロゲン、基-N(R3)2であってもよく、2個の基R3は一緒になって4または5個の炭素原子の環あるいは基-OR3を場合によって形成し、R3は上記と同一の定義を有する))))]。
【0041】
より特に好ましくかつ、特に文献EP-A-0 517 104に記載された1,3,5-トリアジン誘導体の第一の群は、
A1、A2およびA3が式(II)の通りであり下記の特徴全てを有する、式(I)に相当する1,3,5-トリアジン誘導体である:
基Xa-Raの1個が、1つまたは複数のC1〜C4アルキル基で任意選択で置換されたC5〜C12シクロアルキル基、上記式(X)、(XI)または(XII)
(式中、
Bは、C1〜C4アルキル基であり、
R9は、メチル基である)
の基から選択されるRaを有する基-NH-Raを表し、
他の2個の基Xa-Raは、同一でも異なっていてもよく、水素、アルカリ金属、1つまたは複数のアルキルまたはヒドロキシアルキル基で任意選択で置換されたアンモニウム基、直鎖または分枝状C1〜C18アルキル基、1つまたは複数のC1〜C4アルキル基で任意選択で置換されたC5〜C12シクロアルキル基、上記式(X)、(XI)または(XII)
(式中、
Bは、C1〜C4アルキル基であり、
R9は、メチル基である)
の基から選択されるRaを有する基-NH-Raを表す。
【0042】
より特に好ましくかつ、特に文献EP-A-0 570 838に記載された1,3,5-トリアジン誘導体の第二の群は、A1、A2およびA3が式(II)の通りであり下記の特徴全てを有する、式(I)に相当する1,3,5-トリアジン誘導体である:
1個または2個の基Xa-Raが、直鎖または分枝状C1〜C18アルキル基、1つまたは複数のC1〜C4アルキル基で任意選択で置換されたC5〜C12シクロアルキル基、式中BはC1〜C4アルキル基であり、R9はメチル基である、上記式(X)、(XI)または(XII)の基から選択されるRaを有する基-NH-Raを表し、
他の1個または2個の基Xa-Raは、同一でも異なっていてもよく、水素、アルカリ金属、1つまたは複数のアルキルまたはヒドロキシアルキル基で任意選択で置換されたアンモニウム基、直鎖または分枝状C1〜C18アルキル基、1つまたは複数のC1〜C4アルキル基で任意選択で置換されたC5〜C12シクロアルキル基、式中BはC1〜C4アルキル基であり、R9はメチル基である、上記式(X)、(XI)または(XII)の基から選択されるRaを有する-O-Raを表す。
【0043】
特に好ましいこの第二の群の1,3,5-トリアジン誘導体は、「Uvasorb HEB」の商品名でSigma 3Vにより販売されている、2-[(p-(tert-ブチルアミド)アニリノ)]-4,6-ビス[(p-(2'-エチルヘキシル-1'-オキシカルボニル)アニリノ)]-1,3,5-トリアジンすなわち「ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン」であり、下記の式に相当する:
【0044】
【化9】

【0045】
式中、R'は2-エチルヘキシル基を示し、Rは、tert-ブチル基を示す。
【0046】
本発明の状況において使用してよく、かつ特に文献US 4 724 137に記載されている組成物の第三の好ましい群は、式中、A1、A2およびA3が式(II)の通りであり下記の特徴全てを有する、式(I)に相当する1,3,5-トリアジン誘導体の群である:
Xaは、同一であり、酸素を表し、
Raは、同一でも異なっていてもよく、C6〜C12アルキル基または1から6個のエチレンオキサイド単位を含み、端末OH基がメチル化されたポリオキシエチレン化された基を表わす。
【0047】
特に好ましいこの第三の群の1,3,5-トリアジン誘導体は、「Uvinul T 150」の商品名でBASF社により販売されておりかつ、下記の式に相当する2,4,6-トリス[(p-(2'-エチルヘキシル-1'-オキシカルボニル)アニリノ)]-1,3,5-トリアジンすなわち「エチルヘキシルトリアゾン」である:
【0048】
【化10】

【0049】
式中、R'は2-エチルヘキシル基を示す。
【0050】
本発明の状況において使用してよく、かつ特に特許出願EP-A-0 775 698に記載されている組成物の第四の好ましい群は、式中、A1およびA2は式(III)の通りでありかつA3は式(IX)の通りであり、下記の特徴全てを有する、式(I)に相当する1,3,5-トリアジン誘導体の群である:R1は、同一でも異なっていてもよく、C3〜C18アルキル基、C2〜C18アルケニル基または、T1が水素原子またはC1〜C8アルキル基である式-CH2-CH(OH)-CH2-OT1の残基を示し、R7は、水素原子またはC1〜C10アルキル基を示す。
【0051】
特に好ましいこの第四の群の1,3,5-トリアジン誘導体は、「Tinosorb S」の商品名でCiba Specialty Chemicalsにより販売されている、2,4-ビス{[4-2-エチルヘキシルオキシ]}-2-ヒドロキシ}フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジンすなわち「アニソトリアジン」であり、かつ下記の式に相当する:
【0052】
【化11】

【0053】
式中、R'は2-エチルヘキシル基を示す。
【0054】
本発明の状況において使用してよく、かつ特に特許出願EP 507 691、EP 507 692、EP 790 243およびEP 944 624に記載され、その技術的内容が全体としてこの記述に組み込まれている組成物の第五の好ましい群は、式中、A1、A2およびA3が前述の式(VII)から(XI)の通りである、式(I)に相当する1,3,5-トリアジン誘導体の群である。
【0055】
使用されてよいこれら処方の化合物の例として、言及は、
2,4,6-トリス(4'-アミノベンザルマロン酸ジイソブチル)-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(4'-アミノベンザルマロン酸ビス(2-エチルヘキシル))-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(4'-アミノベンザルマロン酸ビス(2-エチルヘキシル))-6-クロロ-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(4'-アミノベンザルマロン酸ビス(2-エチルヘキシル))-6-(4'-アミノ安息香酸2-エチルヘキシル)-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(4'-アミノベンザルマロン酸ジイソブチル)-6-ブトキシ-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(4'-アミノベンザルマロン酸ジイソブチル)-6-(2-エチルヘキシルアミノ)-s-トリアジン、
2,4-ビス(4'-アミノベンジリデンカンファー)-6-(2-エチル-ヘキシルアミノ)-s-トリアジン、
2,4-ビス(4'-アミノベンジリデンカンファー)-6-(4'-アミノベンザルマロン酸ジイソブチル)-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(4'-アミノベンザルマロン酸ジエチル)-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(4'-アミノベンザルマロン酸ジイソプロピル)-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(4'-アミノベンザルマロン酸ジメチル)-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(α-シアノ-4-アミノケイ皮酸エチル)-s-トリアジン、
2,4,6-トリス[(3'-ベンゾトリアゾール-2-イル-2'-ヒドロキシ-5'-メチル)フェニルアミノ]-s-トリアジン、
2,4,6-トリス[(3'-ベンゾトリアゾール-2-イル-2'-ヒドロキシ-5'-tert-オクチル)フェニルアミノ]-s-トリアジン。
になされてよい。
【0056】
特に好ましいこの第五の群の1,3,5-トリアジン誘導体は、2,4,6-トリス(ジイソブチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジンであり、以下の式に相当する:
【0057】
【化12】

【0058】
本発明の組成物は、好ましくは、生理的に許容できる媒体中に、前記組成物の全重量に対して、0.05重量%から15重量%、好ましくは0.1重量%から10重量%の1,3,5-トリアジン誘導体を含む。
【0059】
前記本発明の組成物は、好ましくは、有機スクリーニング剤としての1,3,5-トリアジン誘導体に加え、水溶性、脂溶性または通常使用される化粧用溶媒に不溶である少なくとも1つの他の追加の有機スクリーニング剤および/または少なくとも1つの他の追加の無機スクリーニング剤を含む化粧用組成物である。
【0060】
本発明の組成物はまた、水溶性、脂溶性または通常使用される化粧用溶媒に不溶である他の追加のUVA-活性および/またはUVB-活性の有機または無機光防護剤をも含む。
【0061】
追加の有機光防護剤は、特許EP 669 323およびUS 2 463 264に記載されているような、アントラニルレート、ケイ皮酸誘導体、サリチル酸誘導体、カンファー誘導体、ベンゾフェノン誘導体、β,β'-ジフェニルアクリル酸誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、ベンザルマロネート誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、イミダゾリン、ビスベンザゾリル誘導体;p-アミノ安息香酸(PABA)誘導体;特許出願US 5 237 071、US 5 166 355GB 2 303 549DE 197 26 184EP 893 119に記載されているような、メチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)誘導体;特許出願EP 0 832 642、EP 1 027 883、EP 1 300 137およびDE 101 62 844に記載されているような、ベンゾキサゾール誘導体;特に特許出願WO 93/04665に記載されているような、スクリーニングポリマーおよびスクリーニングシリコーン;特許出願DE 198 55 649に記載されているような、α-アルキルスチレン由来のダイマー;特許出願EP 0 967 200、DE 197 46 654、DE197 55 649、EP-A-1 008 586、EP 1 133 980およびEP 133 981に記載されているような、4,4-ジアリールブタジエン、ならびにこれらの混合物から特に選択される。
【0062】
追加の有機スクリーニング剤の例として、言及は以下にINCI名により示したものになされてよい:
(para-アミノ安息香酸誘導体)
PABA、
Ethyl PABA(エチルPABA)、
Ethyl dihidroxypropyl PABA(エチルジヒドロキシプロピルPABA)、
特に「Escalol 507」の名称でISPにより販売されているEthylhexyl dimethyl PABA(エチルヘキシルジメチルPABA)、
Glyceryl PABA(グリセリルPABA)、
「Uvinul P25」の名称でBASFにより販売されているPEG-25 PABA。
(サリチル酸誘導体)
「Eusolex HMS」の名称でRona/EM Industriesにより販売されているHomosalate(ホモサレート)、
「Neo Heliopan OS」の名称でHaarmann and Reimerにより販売されているEthylhexyl salicylate(エチルヘキシルサリチル酸)、
「Dipsal」の名称でScherにより販売されているDipropylene glycol salicylate(サリチル酸ジプロピレングリコール)、
「Neo Heliopan TS」の名称でHaarmann and Reimerにより販売されているTEA salicylate(サリチル酸TEA)。
(ケイ皮酸誘導体)
特に「Parasol MCX」の商品名でHoffmann LaRocheにより販売されているEthylhexyl methoxycinnamate(メトキシケイ皮酸エチルヘキシル)、
Isopropyl methoxycinnamate(メトキシケイ皮酸イソプロピル)、
「Neo Heliopan E 1000」の商品名でHaarmann and Reimerにより販売されているIsoamyl methoxycinnamate(メトキシケイ皮酸イソアミル)、
Cinoxate(シノキサート)、
DEA methoxycinnamate(メトキシケイ皮酸DEA)、
Diisopropyl methylcinnamate(メトキシケイ皮酸ジイソプロピル)、
Glyceryl ethylhexanoate dimethoxycinnamate(ジメトキシケイ皮酸エチルへキサン酸グリセリル)。
(β,β-ジフェニルアクリル酸誘導体)
「Uvinul N539」の商品名でBASFにより販売されているOctocrylene(オクトクリレン)、
「Uvinul N35」の商品名でBASFにより販売されているEtocrylene(エトクリレン)。
(ベンゾフェノン誘導体)
「Uvinul 400」の商品名でBASFにより販売されているBenzophenone-1(ベンゾフェノン-1)、
「Uvinul D50」の商品名でBASFにより販売されているBenzophenone-2(ベンゾフェノン-2)、
「Uvinul M40」の商品名でBASFにより販売されているBenzophenone-3(ベンゾフェノン-3)またはOxybenzone(オキシベンゾン)、
「Uvinul MS40」の商品名でBASFにより販売されているBenzophenone-4(ベンゾフェノン-4)、
Benzophenone-5(ベンゾフェノン-5)、
「Helisorb 11」の商品名でNorquayにより販売されているBenzophenone-6(ベンゾフェノン-6)、
「Spectra-Sorb UV-24」の商品名でAmerican Cyanamidにより販売されているBenzophenone-8(ベンゾフェノン-8)、
「Uvinul DS-49」の商品名でBASFにより販売されているBenzophenone-9(ベンゾフェノン-9)、
Benzophenone-12(ベンゾフェノン-12)、
n-hexyl 2-(4-diethylamino-2-hydroxybenzoyl)benzoate(n-ヘキシル2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸。
(ベンジリデンカンファー誘導体)
「Mexoryl SD」の名称でChimexにより製造されている3-Benzylidenecamphor(3-ベンジリデンカンファー)、
「Eusolex 6300」の名称でMerckにより販売されている4-Methylbenzylidenecamphor(4-メチルベンジリデンカンファー)、
「Mexoryl SL」の名称でChimexにより製造されているBenzylidenecamphorsulfonic acid(ベンジリデンカンファースルホン酸)、
「Mexoryl SO」の名称でChimexにより製造されているCamphor benzalkonium methosulfate(カンファーメト硫酸ベンザルコニウム)、
「Mexoryl SX」の名称でChimexにより製造されているTerephtalylidenedicamphorsulfonic acid(テレフタリリデンジカンファースルホン酸)、
「Mexoryl SW」の名称でChimexにより製造されているPolyacrylamidomethylbenzylidenecamphor(ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー)。
(フェニルベンズイミダゾール誘導体)
特に「Eusolex 232」の商品名でMerckにより販売されているPhenylbenzimidazolesulfomic acid(フェニルベンズイミダゾールスルホン酸)、
「Neo Heliopan AP」の商品名でHaarmann and Reimerにより販売されているDisodium phenyldibenzimidazoletetrasulfonate(フェニルベンズイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム)。
(フェニルベンゾトリアゾール誘導体)
「Silatrizole」の名称でRhodia Chimieにより販売されているDrometrizole trisiloxiane(ドロメトリゾールポリシロキサン)、
「MIXXIM BB/100」の商品名でFairmount Chemicalにより販売されているMethylenebis(benzotriazolyl)tetramethylbutylphenol(メチレンビス(ベンゾトリアゾリル)テトラメチルブチルフェノール)、または「Tinosorb M」の商品名でCiba Specialty Chemicalsにより水性ディスパージョンとして販売されている微粒子形態のもの。
(アントラニル酸誘導体)
「Neo Heliopan MA」の商品名でHaarmann and Reimerにより販売されているMenthyl anthranilate(アントラニル酸メチル)。
(イミダゾリン誘導体)
Ethylhexyldimethoxybenzylidenedioxoimidazoline propionate(プロピオン酸エチルヘキシルジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリン)。
(ベンザルマロネート誘導体)
ベンザルマロネート官能基を含むポリオルガノシロキサン、例えば「Parasol SLX」の商品名でHoffmann LaRocheにより販売されているPolysilicone-15(ポリシリコーン-15)。
(4,4-ジアリールブタジエン誘導体)
1,1-Dicarboxy(2,2'-dimethylpropyl)-4,4-diphenylbutadiene(1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン)。
(ベンゾキサゾール誘導体)
Uvasorb K2Aの名称でSigma 3Vにより販売されている2,4-bis[5-1(dimethylpropyl)benzoxazol-2-yl(4-phenyl)imino]-6-(2-ethylhexyl)imino-1,3,5-triazine(2,4-ビス[5-1(ジメチルプロピル)ベンゾキサゾール-2-イル(4-フェニル)イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン)。
およびこれらの混合物。
【0063】
好ましい追加の有機UVスクリーニング剤は、
ホモサラート、
サリチル酸エチルヘキシル、
メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、
オクトクリレン、
フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、
ベンゾフェノン-3、
ベンゾフェノン-4、
ベンゾフェノン-5、
2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸n-ヘキシル、
4-メチルベンジリデンカンファー、
テレフタリリデンジカンファースルホン酸、
フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム、
メチレンビス(ベンゾトリアゾリル)テトラメチルブチルフェノール、
ドロメトリゾールトリシロキサン、
ポリシリコーン-15、
1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン、
2,4-ビス[5-1(ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル(4-フェニル)イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン、
およびこれらの混合物、
から選択される。
【0064】
追加の無機光防護剤は、顔料、さらにより好ましくは、例えば、(非晶質またはルチルおよび/またはアナターゼ型の結晶である)酸化チタンのナノ顔料、または酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムまたは酸化セリウムのナノ顔料などの、処理または無処理の金属酸化物のナノ顔料(一次粒子の平均サイズ:一般に5nmと100nmの間、好ましくは10nmと50nmの間)から選択される。
【0065】
処理ナノ顔料は、例えば、Cosmetics & Toiletries、February 1990、Vol.105、53〜64頁に記載されているような、アミノ酸、ミツロウ、脂肪酸、脂肪アルコール、アニオン界面活性剤、レシチン、脂肪酸のナトリウム、カリウム、亜鉛、鉄またはアルミニウム塩、金属(チタニウムまたはアルミニウム)アルコキシド、ポリエチレン、シリコーン、タンパク質(コラーゲンまたはエラスチン)、アルカノールアミン、酸化ケイ素、金属酸化物、ヘキサメタリン酸ナトリウム、アルミナまたはグリセリンなどの化合物による化学的、電気的、メカノケミカルおよび/または機械的性質の1つまたは複数の表面処理を受けた顔料である。
【0066】
処理ナノ顔料は、より好ましくは、
− Tayca社の製品「Microtitanium Dioxide MT 100 SA」および「Microtitanium Dioxide MT 500 SA」、ならびにTioxide社の製品「Tioveil Fin」、「Tioveil OP」、「Tioveil MOTG」および「Tioveil IPM」などのシリカおよびアルミナ、
− Tayca社の製品「Microtitanium Dioxide MT 100 T」などの、アルミナおよびステアリン酸アルミニウム、
− Tayca社の製品「Microtitanium Dioxide MT 100 S」などの、アルミナおよびラウリン酸アルミニウム、
− Tayca社の製品「Microtitanium Dioxide MT 100 F」などの、鉄およびステアリン酸鉄、
− Tayca社の製品「Microtitanium Dioxide MT 100 SAS」、「Microtitanium Dioxide MT 600 SAS」および「Microtitanium Dioxide MT 500 SAS」などの、シリカ、アルミナおよびシリコーン、
− Tayca社の製品「Microtitanium Dioxide MT 150 W」などの、ヘキサメタリン酸ナトリウム、
− Degussa社の製品「T-805」などの、オクチルトリメチルシラン、
− Kemira社の製品「UVT-M160」などのアルミナおよびステアリン酸、
− Kemira社の製品「UVT-M212」などのアルミナおよびグリセリン、
− Kemira社の製品「UVT-M262」などのアルミナおよびシリコーン、
で処理された酸化チタンであってよい。
【0067】
シリコーン処理された他の酸化チタンは、好ましくは、「T 805」の商品名でDegussa Silices社により販売されている製品など、オクチルトリメチルシランで処理され、かつ基本粒子のサイズが25と40nmの間であるTiO2、「70250 Cardre UF TiO2SI3」の商品名でCardre社により販売されている製品など、ポリジメチルシロキサンで処理され、かつ基本粒子のサイズが21nmであるTiO2、「Microtitanium Dioxide USP Grade Hydrophobic」の商品名でColour Techniques社により販売されている製品など、ポリジメチルハイドロジェンシロキサンで処理され、かつ基本粒子のサイズが25nmであるアナターゼ/ルチルTiO2である。
【0068】
無被覆酸化チタンナノ顔料は、例えば、「Microtitanium Dioxide MT 500 B」または「Microtitanium Dioxide MT 600 B」の商品名でTayca社により、「P 25」の名称でDegussa社により、「Oxyde de titane transparent PW」の名称でWackher社により、「UFTR」の名称でMiyoshi Kaseiにより、「ITS」の名称でTomen社により、および「Tioveil AQ」の名称でTioxide社により、販売されている。
【0069】
無被覆の酸化亜鉛ナノ顔料は、例えば、
− 「Z-Cote」の名称でSunsmart社により販売されているもの、
− 「Nanox」の名称でElementis社により販売されているもの、
− 「Nanogard WCD 2025」の名称でNanophase Technologies社により販売されているもの、
である。
【0070】
被覆酸化亜鉛ナノ顔料は、例えば、
− 「Zinc Oxide CS-5」の名称でToshibi社により販売されているもの(ポリジメチルハイドロジェンシロキサンで被覆されたZnO)、
− 「Nanogard Zinc Oxide FN」の名称でNanophase Technologies社により販売されているもの(Finsolv TN、C12〜C15アルキル安息香酸中40%ディスパージョンとして)
− 「Daitopersion ZN-30」および「Daitopersion ZN-50」の名称でDaito社により販売されているもの(30%または50%のシリカおよびポリメチルハイドロジェンシロキサンで被覆されたナノ酸化亜鉛を含む、シクロポリメチルシロキサン/オキシエチレン化ポリジメチルシロキサンへのディスパージョン)、
− 「NFD Ultrafine ZNO」の名称でDaikin社により販売されているもの(シクロペンタシロキサンへのディスパージョンとしてのパーフルオロアルキルリン酸で被覆されたZnOおよびパーフルオロアルキルエチル系コポリマー)、
− 「SPD-Z1」の名称でShin-Etsu社により販売されているもの(シクロジメチルシロキサンに分散したシリコーングラフト化アクリルポリマーで被覆されたZnO)、
− 「Escalol Z100」の名称でISP社により販売されているもの(メトキシケイ皮酸エチルヘキシル/PVP-ヘキサデセンコポリマー/メチコン混合物に分散したアルミナ処理ZnO)、
− 「Fuji ZNO-SMS-10」の名称でFuji Pigment社により販売されているもの(シリカおよびポリメチルシルセスキオキサンで被覆されたZnO)、
− 「Nanox Gel TN」の名称でElementis社により販売されているもの(C12〜C15アルキル安息香酸とヒドロキシステアリン酸との重縮合物中に55%濃度で分散したZnO)、
である。
【0071】
無被覆酸化セリウムナノ顔料は、「Colloidal Cerium Oxide」の名称でRhone-Poulenc社により販売されている。
【0072】
無被覆酸化鉄ナノ顔料は、例えば、「Nanogard WCD 2002 (FE 45B)」および「Nanogard Iron FE 45 BL AQ」、「Nanogard FE 45R AQ」、「Nanogard WCD 2006 (FE 45R)」の名称でArnaud社により、または「TY-200」の名称でMitsubishi社により販売されている。
【0073】
被覆酸化鉄ナノ顔料は、例えば、「Nanogard WCD 2008 (FE 45B FN)」、「Nanogard WCD 2009 (FE 45B 556)」、「Nanogard FE 45 BL 345」、「Nanogard FE 45 BL」の名称でArnaud社により、または「Transparent Iron Oxide」の名称でBASF社により販売されている。
【0074】
言及はまた、金属酸化物、特に、「Sunveil A」の名称でIkeda社により販売されている、二酸化チタンと二酸化セリウムのシリカ被覆の同重量混合物を含む、二酸化チタンおよび二酸化セリウムの混合物、ならびにまた、「M 261」の名称でKemira社により販売されている製品など、二酸化チタンと二酸化セリウムのアルミナ、シリカおよびシリコーン被覆混合物、または「M 211」の名称でKemira社により販売されている製品など、二酸化チタンと二酸化セリウムのアルミナ、シリカおよびグリセリン被覆混合物になされてもよい。
【0075】
ナノ顔料は、非修飾形態でまたは顔料ペーストの形態で、すなわち、例えば、文献GB-A-2 206 339に記載されているように、分散剤との混合物として、本発明の組成物に導入されてよい。
【0076】
追加の光防護剤は、一般に本発明の組成物中に、組成物の全重量に対して0.01重量%から20重量%の範囲、好ましくは組成物の全重量に対して0.1重量%から10重量%の範囲の比率で存在する。
【0077】
本発明の組成物はまた、皮膚の人工的タンニングおよび/またはブラウニング(セルフタンニング剤)およびより特にジヒドロキシアセトン(DHA)をも含んでよい。これらは、好ましくは組成物の全重量に対して、0.1重量%から10重量%の範囲の量で存在する。
【0078】
本発明の組成物はまた、特に脂肪物質、有機溶媒、イオン性または非イオン性の、親水性または親油性増粘剤、柔軟剤、湿潤剤、乳白剤、安定化剤、エモリエント、シリコーン、消泡剤、香料、防腐剤、アニオン性、カチオン性、非イオン性、双極性または両性界面活性剤、活性剤、フィラー、ポリマー、噴射剤、酸性化剤または塩基性化剤あるいは化粧品および/または皮膚科学において通常使用される他のあらゆる成分から選択される標準的な化粧用アジュバントをも含んでよい。
【0079】
脂肪物質は、油またはワックスまたはこれらの混合物からなってよい。用語「油」は、室温で液体である化合物を意味する。用語「ワックス」は、室温で固体またはほとんど固体である化合物で、融点が一般に35℃超であるものを意味する。
【0080】
言及されてよい油は、鉱油(パラフィン)、植物油(スイートアーモンド油、マカデミア油、ブドウ種子油またはホホバ油)、合成油、例えばペルヒドロスクワレン、脂肪アルコール、脂肪酸または脂肪酸エステル(例えば「Finsolv TN」の商品名でWitcoにより販売されているC12〜C15アルキル安息香酸、パルミチン酸オクチル、ラノリン脂肪酸イソプロピルおよびトリ(カプリル酸/カプリン酸)トリグリセリドを含むトリグリセリド)、オキシエチレン化またはオキシプロピレン化脂肪酸エステルおよびエーテル、シリコーン油(シクロメチコンおよびポリジメチルシロキサン、すなわちPDMS)またはフッ素油、およびポリアルキレンを含む。
【0081】
言及されてよいワックス化合物は、パラフィン、カルナウバロウ、ミツロウおよび水添ヒマシ油を含む。
【0082】
言及されてよい有機溶媒は、低級アルコールおよび多価アルコールである。これらの多価アルコールは、グリコールおよびグリコールエーテル、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコールまたはジエチレングリコールから選択されてよい。
【0083】
言及されてよい親水性増粘剤は、Carbopol製品(カルボマー)およびPemulen製品(アクリル酸/アクリル酸アルキルC10〜C30コポリマー)などのカルボキシビニルポリマー;ポリアクリルアミド、例えばSepigel 305(CTFA名:polyacrylamide/C13-14 isoparaffin/Laureth 7)(ポリアクリルアミド/C13-14イソパラフィン/ラウレス7)またはSimulgel 600(CTFA名:acrylamide/sodium acryloyldimethyltaurate copolymer/isohexadecane/polysorbate 80)(アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー/イソヘキサデカン/ポリソルベート80)の名称でSEPPIC社により販売されている架橋コポリマー;任意選択で架橋および/または中和されている、2-アクリルアミノ-2-メチルプロパンスルホン酸ポリマーおよびコポリマー、例えば「Hostacerin AMPS」(CTFA名: ammonium polyarcyldimethyltauramide)(アンモニウムポリアクリルジメチルタウラミド)の商品名でHoechst社により販売されているポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸);ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース系誘導体;多糖類、特にキサンタンガムなどのガム類、ならびにこれらの混合物を含む。
【0084】
言及されてよい親油性増粘剤は、ヘクトライトおよびその誘導体などの修飾クレイ、例えばBentoneの名称で販売されている製品を含む。
【0085】
活性剤の中で言及されてよいものは、
− 汚染防止剤および/またはフリーラジカル捕捉剤、
− 脱色剤および/またはプロピグメント剤、
− 糖化防止剤、
− NO-シンターゼ阻害剤、
− 真皮または表皮高分子の合成促進および/またはその分解防止のための作用物質、
− 線維芽細胞増殖を促進するための作用物質、
− ケラチノサイト増殖を促進するための作用物質、
− 筋弛緩剤、
− 緊張剤、
− 落屑促進剤、
− 保湿剤、
− 抗炎症剤、
− 細胞のエネルギー代謝に作用する薬剤、
− 昆虫忌避剤、
− サブスタンスPまたはCGRP拮抗剤、
である。
【0086】
言うまでもなく、当業者であれば、本発明の組成物に本来付随する優位性が、想定される添加によって悪影響を全く、または実質上受けることがないように、前述の任意選択の追加的化合物、および/またはその量を選択するよう注意するであろう。
【0087】
本発明の組成物は、当業者によく知られた技術、具体的には水中油または油中水型のエマルションを調製を意図した技術、に基づき調製されてよい。組成物は具体的には、クリームまたはミルクなどの、単一または複合エマルション(O/W、W/O、O/W/OまたはW/O/W型エマルション)の形態、ゲルまたはクリーム-ゲルの形態、あるいはローション、パウダーまたは固体スティックの形態であってよく、任意選択でエアロゾルとして充填されてもよく、かつムースまたはスプレーの形態であってもよい。
【0088】
本発明の組成物は、好ましくは水中油型または油中水型エマルションの形態である。
【0089】
エマルションは一般に、両性、アニオン性、カチオン性および非イオン性乳化剤から選択される少なくとも1つの乳化剤で、単独または混合物として使用され乳化剤を含む。乳化剤は得ようとするエマルション(W/OまたはO/W)に応じて適切に選択される。
【0090】
W/O型エマルションの調製のために使用してよい乳化界面活性剤として、言及されてよい例は、ソルビタン、グリセリンまたは糖アルキルエステルまたはエーテル;シリコーン界面活性剤、例えば、「DC 5225 C」の名称でDow Corning社により販売されているシクロメチコンとジメチコンコポリオールの混合物などのジメチコンコポリオール、および「Dow Corning 5200 Formulation Aid」の名称でDow Corning社により販売されているラウリルメチコンコポリオールなどのアルキルメチコンコポリオール;Abil EM 90Rの名称でGoldschmidt社により販売されている製品などのセチルジメチコンコポリオール、ならびにAbil WE 09の名称でGoldschmidt社により販売されている、セチルジメチコンコポリマー、イソステアリン酸ポリグリセリル(4モル)およびラウリン酸ヘキシルの混合物を含む。1つまたは複数の乳化補助剤もまたさらに加えてよく、これらは有利には多価アルコールアルキルエステルを含む群から選択される。特に言及されてよい多価アルコールアルキルエステルは、グリセリンおよび/またはソルビタンエステル、例えばIsolan GI 34の名称でGoldschmidt社により販売されている製品などのイソステアリン酸ポリグリセリル、Arlacel 987の名称でICI社により販売されている製品などのイソステアリン酸ソルビタン、Arlacel 986の名称でICI社により販売されている製品などのソルビタンイソステアリン酸グリセリル、ならびにこれらの混合物を含む。
【0091】
O/W型エマルションに関して、言及されてよい乳化剤の例は、オキシアルキレン化(より特にはポリオキシエチレン化)されたグリセリンの脂肪酸エステル; オキシアルキレン化されたソルビタンの脂肪酸エステル;オキシアルキレン化(オキシエチレン化および/またはオキシプロピレン化)された脂肪酸エステル;オキシアルキレン化(オキシエチレン化および/またはオキシプロピレン化)された脂肪アルキルエステル;糖エステル、例えばステアリン酸スクロース;糖の脂肪アルキルエステル、特に、例えばそれぞれPlantaren 2000およびPlantaren 1200の名称でHenkel社により販売されているデシルグルコシドおよびラウリルグルコシドなどのアルキルポリグルコシド(APG)、例えば、Montanov 68の名称でSEPPIC社により、Tegocare CG90の名称でGoldschmidt社によりかつEmulgade KE330の名称でHenkel社により販売されている、任意選択でセトステアリルアルコールとの混合物としてのセトステアリルグルコシド、およびまた、例えばアラキジルアルコール、ベヘニルアルコールおよびアラキジルグルコシドとの混合物の形態で、Montanov202の名称でSEPPIC社により販売されているアラキジルグルコシドをも含む。本発明の特定の一実施形態に基づき、上に定義したようなアルキルポリグルコシドの対応する脂肪アルコールとの混合物は、例えば文献WO-A-92/06778に記載されているような自己乳化組成物の形態であってよい。
【0092】
エマルションである場合、このエマルションの水相は、既知のプロセス(Bangham、Standish and Watkins、J. Mol. Biol.、13、238 (1965)、FR 2 315 991およびFR 2 416 008)によって調製された非イオン性小胞性ディスパージョンを含んでよい。
【0093】
本発明の組成物は、特に皮膚、唇および/または頭髪を保護するためおよび/またはケアするため、および/または皮膚および/または唇をメークアップするために、数多くの処理、特に皮膚、唇および頭髪を含む毛髪の美容的処理にその応用を見出す。
【0094】
本発明のもう1つの課題は、皮膚、唇、爪、毛髪、睫毛、眉毛および/または頭皮を美容的に処理する製品、特にケア製品およびメークアップ製品を製造するための上に定義した本発明の組成物の使用である。
【0095】
本発明の化粧用組成物は、例えば、ミルク、程度の差はあれリッチなクリーム、クリーム-ゲルおよびペーストなどの液体から半液体の粘稠性を有する、フェイスおよび/またはボディ用のケア製品および/または日焼け防止製品として、使用されてよい。組成物は、任意選択でエアロゾルとして充填されてもよく、かつムースまたはスプレーの形態であってもよい。
【0096】
本発明の蒸発性液体ローションの形態の本発明の化粧用組成物は、与圧装置を用いて微粒子の形態で皮膚または毛髪に適用される。本発明の装置は、当業者にはよく知られており、非エアロゾルポンプすなわち「アトマイザー」、噴射剤を含むエアロゾル容器および噴射剤として圧縮空気を用いるエアロゾルポンプをもまた含む。後者のポンプは、特許US 4 077 441およびUS 4 850 517(記載内容の不可欠な部分を形成)に記載されている。
【0097】
本発明のエアロゾル形態に充填された組成物は、一般に慣例的な噴射剤、例えばハイドロフルオロ化合物、ジクロロジフルオロメタン、ジフルオロエタン、ジメチルエーテル、イソブタン、n-ブタン、プロパンまたはトリクロロフルオロメタンを含む。噴射剤は、好ましくは、組成物の全重量に対し、15重量%から50重量%の範囲の量で存在する。
【実施例】
【0098】
本発明を例証する具体的なしかし全く限定的ではない実施例を次に示す。
【0099】
下記の日焼け防止組成物を調製した。量は重量%で表示されている。
【0100】
【表1】

【0101】
成分全てを含む水相(B相)をウォーターバス中で80℃まで加熱する。成分全てを含む脂肪相(A相)をウォーターバス中で80℃まで加熱する。ローターステータ型(Moritz社の装置)で攪拌しながらAをBに乳化させる。C相を配合し、混合物を穏やかに攪拌しながら室温まで冷却する。pHを所望の値にあわせるために、製造の最後に、トリエタノールアミンを加える。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)少なくとも1つの1,3,5-トリアジン誘導体、および
(ii)少なくとも1つの安息香酸アリールアルキル誘導体、および
(iii)水溶性、脂溶性または通常使用される化粧用溶媒に不溶である少なくとも1つの追加の有機光防護剤および/または少なくとも1つの追加の無機光防護剤、
を含むことを特徴とする、光防護化粧用または皮膚科学的組成物。
【請求項2】
安息香酸アリールアルキル誘導体が、下記の式(1)または(2):
【化1】

[式中、
Xは、O、SまたはNを示し、
nは1から10、より好ましくは2から6の整数であり、
R1およびR2は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ヒドロキシル基、直鎖または分枝状C1〜C4アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、C6H6SO2基を示し、
R3、R4およびR5は、同一でも異なっていてもよく、式:
【化2】

(式中、
nは上述と同一の意味を有し、R6は、水素原子、ヒドロキシル基、直鎖または分枝状C1〜C4アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、C6H6SO2基を示す)
の基を示す]
の化合物から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
安息香酸アリールアルキル誘導体が、式:
【化3】

の安息香酸2-フェニルエチルである、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
安息香酸アリールアルキル誘導体が、組成物の全重量に対して、0.1重量%から40重量%、より好ましくは1重量%から30重量%の範囲の濃度で存在する、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
1,3,5-トリアジン誘導体が下記の式(I):
【化4】

[式中、
基A1、A2およびA3は、同一でも異なっていてもよく、下記の式(II)から(IX):
【化5】

{式中、
− Xa(基Xaはそれぞれ、同一でも異なっていてもよい)は、酸素または-NH-を表し、
− Ra(基Raはそれぞれ、同一でも異なっていてもよい)は、水素、アルカリ金属、1つまたは複数の直鎖または分枝状C1〜C18アルキルあるいは直鎖または分枝状C1〜C18ヒドロキシアルキル基で場合によって置換されたアンモニウム基、直鎖または分枝状C1〜C18、好ましくはC6〜C12アルキル基、1つまたは複数のC1〜C4アルキル基で場合によって置換されたC5〜C12シクロアルキル基、1から6個のエチレンオキサイド単位を含み、端末OH基がメチル化されたポリオキシエチレン化された基、下記の式(X)、(XI)または(XII)の基:
【化6】

(式中、
− R8は、水素またはメチル基であり、
− R9は、C1〜C9アルキル基であり、
− qは、0、1、2、3に等しい整数であり、
− rは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10に等しい整数であり、
− Aは、C4〜C8アルキル基またはC5〜C8シクロアルキル基であり、
− Bは、直鎖または分枝状C1〜C8アルキル基、C5〜C8シクロアルキル基、1つまたは複数のC1〜C4アルキル基で場合により置換されたアリール基から選択される)から選択され、
− R1は、C3〜C18アルキル基、C2〜C18アルケニル基、T1が水素原子またはC1〜C8アルキル基である式-CH2-CH(OH)-CH2-OT1の残基、下記の式(XIII):
【化7】

(式中、
− R13は、共有結合、直鎖または分枝状C1〜C4アルキル基またはm1が1、2、3、4に等しい整数である式-Cm1H2m1-O-の基を示し、
− p1は、0、1、2、3、4、5に等しい整数であり、
− 基R10、R11およびR12は、同一でも異なっていてもよく、C1〜C18アルキル基、C1〜C18アルコキシ基または次式の基:
【化8】

(式中、R14は、C1〜C5アルキル基である) を表す)の残基を示し、
− R2は、水素原子、直鎖または分枝状C1〜C4アルキル基またはC1〜C4アルコキシ基を示し、
− R3およびR4は、同一でも異なっていてもよく、直鎖または分枝状C1〜C20アルキル基を示し、
− R5は、水素原子またはハロゲンもしくはC1〜C4アルキル基もしくはC1〜C4アルコキシ基で場合により置換されたフェニル基を表し、
− R6は、直鎖または分枝状C1〜C8アルキル基またはC1〜C3アルコキシ基であり、後者の場合、同一の芳香族核で隣接する2個の基R6は、アルキリデン基が1個または2個の炭素原子、OH、NHCOCH3またはNH2を含むアルキリデンジオキシ基一緒になってを形成することができることが理解され、
− R7は、水素原子、C1〜C10アルキル基、n1が1から16までの数である式-(CH2CHR5-O)n1R8の基、またはR8およびT1が上記と同一の意味を有する構造-CH2-CH-(OH)-CH2-OT1の基を示し、
− Zは、酸素、イオウ、-NH-または直鎖または分枝状C1〜C20アルキル基を表すR3を有する-NR3-を表し、
− pは、0、1、2または3である}の群から選択され、
A1はまた、ハロゲン、基-N(R3)2であってもよく、2個の基R3は一緒になって4または5個の炭素原子の環を場合によって形成し、あるいは基-OR3であってよく、R3は上記と同一の定義を有する]
に相当する、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
1,3,5-トリアジン誘導体が式(I):
[式中、A1、A2およびA3は、式(II)の通りであり、下記の特徴:
− 基Xa-Raの1個が、1つまたは複数のC1〜C4アルキル基で場合により置換されたC5〜C12シクロアルキル基、上記式(X)、(XI)または(XII):
(式中、
− Bは、C1〜C4アルキル基であり、
− R9は、メチル基である)
の基から選択されるRaを有する基-NH-Raを表し、
− 他の2個の基Xa-Raは、同一でも異なっていてもよく、水素、アルカリ金属、1つまたは複数のアルキルまたはヒドロキシアルキル基で場合により置換されたアンモニウム基、直鎖または分枝状C1〜C18アルキル基、1つまたは複数のC1〜C4アルキル基で場合により置換されたC5〜C12シクロアルキル基、上記式(X)、(XI)または(XII):
(式中、
− Bは、C1〜C4アルキル基であり、
− R9は、メチル基である)
の基から選択されるRaを有する基-O-Raを表す、
の全てを有する]
に相当する、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
1,3,5-トリアジン誘導体が式(I):
[式中、A1、A2およびA3は、式(II)の通りであり、下記の特徴:
− 1個または2個の基Xa-Raが、直鎖または分枝状C1〜C18アルキル基、1つまたは複数のC1〜C4アルキル基で任意選択で置換されたC5〜C12シクロアルキル基、上記式(X)、(XI)または(XII)
(式中、
− Bは、C1〜C4アルキル基であり、
− R9は、メチル基である)
の基から選択されるRaを有する基-NH-Raを表し、
他の1個または2個の基Xa-Raは、同一でも異なっていてもよく、水素、アルカリ金属、1つまたは複数のアルキルまたはヒドロキシアルキル基で任意選択で置換されたアンモニウム基、直鎖または分枝状C1〜C18アルキル基、1つまたは複数のC1〜C4アルキル基で任意選択で置換されたC5〜C12シクロアルキル基、上記式(X)、(XI)または(XII)
(式中、
− Bは、C1〜C4アルキル基であり、
− R9は、メチル基である)
の基から選択されるRaを有する基-O-Raである、
の全てを有する]
に相当する、請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
1,3,5-トリアジン誘導体が下記の式:
【化9】

(式中、R'は2-エチルヘキシル基を示し、Rは、tert-ブチル基を示す)
の2-[(p-(tert-ブチルアミド)アニリノ)]-4,6-ビス[(p-(2'-エチルヘキシル-1'-オキシカルボニル)アニリノ)]-1,3,5-トリアジンである、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
1,3,5-トリアジン誘導体が式(I):
[式中、A1、A2およびA3は式(II)の通りであり、下記の特徴:
− Xaは、同一であり、酸素を表し、
− Raは、同一でも異なっていてもよく、C6〜C12アルキル基または1から6個のエチレンオキサイド単位を含み、端末OH基がメチル化されたポリオキシエチレン化された基を表す、
の全てを有する]
に相当する、請求項5に記載の組成物。
【請求項10】
1,3,5-トリアジン誘導体が下記の式:
【化10】

(式中、R'は2-エチルヘキシル基を示す)
の2,4,6-トリス[p(2'-エチルヘキシル-1'-オキシカルボニル)アニリノ
]-1,3,5-トリアジンである、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
1,3,5-トリアジン誘導体が式(I):
[式中、A1およびA2は式(III)の通りであり、かつA3は式(IX)の通りであり、下記の特徴:
R1は、同一でも異なっていてもよく、C3〜C18アルキル基、C2〜C18アルケニル基、T1が水素原子またはC1〜C8アルキル基である式-CH2-CH(OH)-CH2-OT1の残基を示し、R7は、水素原子またはC1〜C10アルキル基を示す、
の全てを有する]
に相当する、請求項5に記載の組成物。
【請求項12】
1,3,5-トリアジン誘導体が下記の式:
【化11】

(式中、R'は2-エチルヘキシル基を示す)
の2,4-ビス{[4-2-エチルヘキシルオキシ)]-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジンである、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
1,3,5-トリアジン誘導体が式(I):
[式中、A1、A2およびA3は式(VII)から式(XI)の通りである]
に相当する、
請求項5に記載の組成物。
【請求項14】
1,3,5-トリアジン誘導体が、
2,4,6-トリス(4'-アミノベンザルマロン酸ジイソブチル)-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(4'-アミノベンザルマロン酸ビス(2-エチルヘキシル))-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(4'-アミノベンザルマロン酸ビス(2-エチルヘキシル))-6-クロロ-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(4'-アミノベンザルマロン酸ビス(2-エチルヘキシル))-6-(4'-アミノ安息香酸2-エチルヘキシル)-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(4'-アミノベンザルマロン酸ジイソブチル)-6-ブトキシ-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(4'-アミノベンザルマロン酸ジイソブチル)-6-(2-エチルヘキシルアミノ)-s-トリアジン、
2,4-ビス(4'-アミノベンジリデンカンファー)-6-(2-エチル-ヘキシルアミノ)-s-トリアジン、
2,4-ビス(4'-アミノベンジリデンカンファー)-6-(4'-アミノベンザルマロン酸ジイソブチル)-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(4'-アミノベンザルマロン酸ジエチル)-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(4'-アミノベンザルマロン酸ジイソプロピル)-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(4'-アミノベンザルマロン酸ジメチル)-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(α-シアノ-4-アミノケイ皮酸エチル)-s-トリアジン、
2,4,6-トリス[(3'-ベンゾトリアゾール-2-イル-2'-ヒドロキシ-5'-メチル)フェニルアミノ]-s-トリアジン、
2,4,6-トリス[(3'-ベンゾトリアゾール-2-イル-2'-ヒドロキシ-5'-tert-オクチル)フェニルアミノ]-s-トリアジン。
から選択される、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
1,3,5-トリアジン誘導体が、前記組成物の全重量に対して、0.05重量%から15重量%、好ましくは0.1重量%から10重量%の範囲の濃度で存在する、請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
追加の有機光防護剤が、アントラニルレート、ケイ皮酸誘導体、サリチル酸誘導体、カンファー誘導体、ベンゾフェノン誘導体、β,β'-ジフェニルアクリル酸誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、ベンザルマロネート誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、イミダゾリン、ビスベンザゾリル誘導体、p-アミノ安息香酸(PABA)誘導体、メチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)誘導体、ベンゾキサゾール誘導体、スクリーニングポリマーおよびスクリーニングシリコーン、α-アルキルスチレン由来のダイマー、4,4-ジアリールブタジエン、ならびにこれらの混合物から選択される、請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
追加の有機スクリーニング剤が、
ホモサラート、
サリチル酸エチルヘキシル、
メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、
オクトクリレン、
フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、
ベンゾフェノン-3、
ベンゾフェノン-4、
ベンゾフェノン-5、
2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸n-ヘキシル、
4-メチルベンジリデンカンファー、
テレフタリリデンジカンファースルホン酸、
フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム、
メチレンビス(ベンゾトリアゾリル)テトラメチルブチルフェノール、
ドロメトリゾールトリシロキサン、
ポリシリコーン-15、
1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン、
2,4-ビス[5-1(ジメチルプロピル)ベンゾキサゾール-2-イル(4-フェニル)イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン、
およびこれらの混合物、
から選択される、請求項17に記載の組成物。
【請求項18】
追加の無機光防護剤が、被覆または無被覆の金属酸化物の顔料またはナノ顔料から選択される、請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
追加の無機スクリーニング剤が、非晶質またはルチルおよび/またはアナターゼ型の結晶である酸化チタンのナノ顔料、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムまたは酸化セリウムのナノ顔料である、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
追加の光防護剤が、本発明の組成物中に、組成物の全重量に対して0.01重量%から20重量%の範囲、好ましくは組成物の全重量に対して0.1重量%から10重量%の範囲の比率で存在することを特徴とする、請求項1から19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
皮膚の人工的タンニングおよび/またはブラウニングのための少なくとも1つの作用物質も含むことを特徴とする、請求項1から20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
脂肪物質、有機溶媒、イオン性または非イオン性の、親水性または親油性増粘剤、柔軟剤、湿潤剤、乳白剤、安定化剤、エモリエント、シリコーン、消泡剤、香料、防腐剤、アニオン性、カチオン性、非イオン性、双極性または両性界面活性剤、活性剤、フィラー、ポリマー、噴射剤および酸性化剤または塩基性化剤から選択される少なくとも1つのアジュバントも含むことを特徴とする、請求項1から21のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】
安息香酸アリールアルキル誘導体がそれ自身で、組成物中に存在するトリアジンスクリーニング剤の全てを溶解するのに十分な量で存在する、請求項1から22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
皮膚、唇、爪、毛髪、睫毛、眉毛および/または頭皮を美容的に処理する製品を製造するための、請求項1から23のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項25】
皮膚、唇、爪、毛髪および/または頭皮をケアする製品を製造するための、請求項1から23のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項26】
メークアップ製品を製造するための、請求項1から23のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項27】
本組成物の日焼け防止指数および/または化粧品としての品質および/または安定性を向上させることを目的とする、少なくとも1つの1,3,5-トリアジン誘導体ならびに水溶性、脂溶性または通常使用される化粧用溶媒に不溶である少なくとも1つの追加の有機光防護剤および/または少なくとも1つの追加の無機光防護剤を含む光防護化粧用または皮膚科学的組成物における、少なくとも1つの安息香酸アリールアルキル誘導体の使用。


【公開番号】特開2006−16398(P2006−16398A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−194387(P2005−194387)
【出願日】平成17年7月1日(2005.7.1)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】