説明

トリアゾール類の合成方法

本発明は、式(I)のトリアゾールを製造するための方法に関する。これらの化合物は、抗感染剤、抗増殖剤、抗炎症剤および運動促進剤として有用である。化合物(I)を製造するための方法は、式(II)で表される化合物(II)と、式(III)で表される化合物(III)とを、溶媒中、場合によっては銅触媒の存在下で組み合わせ、式(IV)で表される化合物(IV)を得るステップ1と化合物(IV)を、式(V)で表される化合物(V)と、溶媒中、還元剤の存在下で組合せ、式(VI)で表される化合物(VI)を得るステップ2とを含む。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗感染剤、抗増殖剤、抗炎症剤および運動促進剤を合成する方法に関する。特に、本発明は、そのような治療剤として有用なトリアゾール類を合成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
1920年代のペニシリンの発見および1940年代のストレプトマイシンの発見以来、多くの新しい化合物が発見され、あるいは抗生物質としての用途のために具体的に設計されてきている。かつては、感染症は、そのような治療剤を使用することにより、完全に制御でき、あるいは撲滅することができると信じられていた。しかし、そのような信仰は、現在有効な治療薬に耐性のある細胞株または微生物が発生し続けるという事実によって揺らいでいる。実際、臨床用途のため開発された抗生物質は実質上残らず、最終的に、耐性菌の危機を伴う問題に遭遇している。たとえば、グラム陽性菌の耐性株、たとえば、メチシリン耐性ブドウ球菌、ペニシリン耐性連鎖球菌およびバンコマイシン耐性腸球菌が開発されたが、そのような耐性菌が感染して、患者に深刻で致死的でさえある結果を起こす可能性がある。マクロライド系抗生物質に耐性のある細菌、すなわち14−〜16−員ラクトン環に基づく抗生物質が開発された。また、グラム陰性菌の耐性株、たとえば、インフルエンザ菌(H.influenzae)およびモラクセラ・カタラーリス(M.catarrhalis)が同定されている。たとえば、非特許文献1;および非特許文献2参照。
【0003】
耐性に関する問題は、癌の化学治療において使用される抗増殖剤に関しても起きているため、抗感染剤の分野に限定されない。したがって、耐性菌および癌細胞の耐性株の両方に対して効果的な、新しい抗感染剤および抗増殖剤に関する必要性が存在する。
【0004】
抗生物質の領域では、抗生物質耐性が増加するという問題があるにもかかわらず、リネゾリドとしても知られ、商品名ZYVOX(登録商標)の下で販売されている、オキサゾリジノン環含有抗生物質、Ν−[[(5S)−3−[3−フルオロ−4−(4−モルホリニル)フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチルアセタミドの2000年における合衆国での認可以来、臨床用のための抗生物質の新しい主要クラスは、開発されていない。非特許文献3参照。
【0005】
リネゾリドは、グラム陽性菌に対して活性な抗細菌薬としての用途が認可された。残念ながら、微生物のリネゾリド−耐性株は、すでに報告されている。非特許文献4;非特許文献5;Zurenkoら,Proceedings Of The 39th Annual Interscience Conference On Antibacterial Agents And Chemotherapy(ICAAC),San Francisco,CA,USA(1999年9月26〜29日)参照。リネゾリドは、臨床的に有効で、かつ商業的にも重要な抗菌剤であるため、研究者らは、他の効果的なリネゾリド誘導体を開発するために、研究している。
【非特許文献1】F.D.Lowry,「Antimicrobial Resistance:The Example of Staphylococcus aureus」J.Clin.Invest(2003)第111巻,no.9,p1265−1273
【非特許文献2】Gold,H.S.and Moellering,R.C.,Jr.,「Antimicrobial−Drug Resistance」N.Engl.J.Med.(1996)第335巻,p.1445−53
【非特許文献3】R.C.Moellering,Jr.,「Linezolid:The First Oxazolidinone Antimicrobial」,Annals of Internal Medicine(2003)第138巻,no.2,p.135−142
【非特許文献4】Tsiodrasら,Lancet(2001)第358巻,p.207
【非特許文献5】Gonzalesら,Lancet(2001)第357巻,p.1179
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
先に記載したことにもかかわらず、新しい抗感染剤および抗増殖剤に関する必要性は継続している。さらに、多くの抗感染剤および抗増殖剤は、抗炎症剤および運動促進剤としての有用性を持つため、抗炎症剤および運動促進剤として有用な新しい化合物の必要性も継続している。これらの治療薬のこれらの必要性のため、これらの化合物およびその合成における主要な中間体を製造するための方法の対応する必要性もある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、トリアゾール化合物、特に、1,2,3−トリアゾール化合物、すなわち、トリアゾール環の3個の窒素が、「1」、「2」および「3」位で隣り合う化合物を製造するための方法に関する。
【0008】
本発明の方法は、多様な官能基に耐性があるため、種々の置換された出発物質を使用することができる。該方法は、所望の場合は、化合物をさらに、その医薬的に許容しうる塩、エステルまたはプロドラッグに変換する場合もあるが、一般的に、全過程の最終または最終に近いところで、所望の最終トリアゾール化合物を提供する。
【0009】
前述のおよび他の本発明の態様および実施形態を、以下の詳細な記載および請求項を参照することによって、より深く理解することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、トリアゾール化合物、特に1,2,3−トリアゾール化合物、すなわちトリアゾール環の3個の窒素が隣接する「1」、「2」および「3」位にある化合物を製造するための方法に関する。本発明は、これらのトリアゾール化合物を製造するための中間体化合物にも関する。
【0011】
トリアゾール類は、分子の残存部に普通「4」位で、すなわち、トリアゾール環の残っている炭素原子の1つで結合する。この番号付けの規約は便宜上のもので、正確な番号付けは使用されている番号付け規約に依存するものであり、限定するものではないことに留意すべきである。本発明のトリアゾール類の重要な態様は、(a)トリアゾール環の窒素が隣接する、すなわち「1」、「2」および「3」配列であるということと、(b)トリアゾールが、トリアゾール環の残っている2個の炭素原子の1個を介して、分子の残存部に結合するということである。
【0012】
以下の例示により、この点をさらに説明し、トリアゾール環の番号付け方式の例を提供する。
【0013】
トリアゾール化合物Aの代表的な番号付けスキームは以下の通りである。
【0014】
【化134】

本発明のトリアゾール化合物の限定ではない例、化合物B(また、表1の化合物1)に関し、トリアゾール環が「4」位で該化合物の残存部と結合し、トリアゾール環の「5」位の残っている炭素原子は置換されていない、すなわち水素を有する、番号付け規約を、以下に示す。
【0015】
【化135】

トリアゾール環は5−員ヘテロ芳香族環であり、殆どの表示において描かれている2個の二重結合の配置は、描くことができる複数の構造の1つの任意の記述であり、便宜上使用されるものであり、限定ではないことを理解すべきである。実際、互変異性構造体とも呼ばれる、5種の異なる構造体を、1,2,3−トリアゾールを示すために描くことができる。これらの互変異性構造体は、各構造体間で双頭矢印によって示すことができ、そのように描かれた分子は、互いに均等であることを示す。限定ではない例示として、以下の構造体が、1,2,3−トリアゾールの化合物を示すために使用することができる。
【0016】
【化136】

たとえば、化合物Bに関し、以下の互変異性構造体を描くことができる。
【0017】
【化137】

本発明のトリアゾール化合物は、ヒトおよび動物、特にヒトおよび他の哺乳類を治療するための、医薬品、特に、抗感染剤および/または抗増殖剤として有用である。該化合物は、たとえば、抗癌剤、抗微生物剤、抗菌剤、抗真菌剤、抗寄生虫剤および/または抗ウィルス剤として使用することができるが、これらに限定されない。さらに、本発明は、抗炎症剤として(たとえば、慢性の炎症性気道疾患の治療における使用)および/または運動促進剤として(たとえば、逆流性食道炎、胃アトニー(糖尿病および手術後)、過敏性腸症候群および便秘症のような消化管運動障害の治療における使用)使用することができる(これらの用途に限定されない)化合物のファミリーを提供する。さらに、該化合物は、ナンセンス突然変異またはミスセンス突然変異によって起こるまたは媒介される哺乳類の疾患状態を治療または予防するために使用することができる。
【0018】
以下の合成で、治療有効量の1種以上の化合物を、ヒトまたは動物への投与のための医薬的に許容しうる担体と処方することができる。したがって、化合物または処方剤を、たとえば、経口、非経口または局所経路により投与し、有効量の化合物を付与することができる。代替実施形態では、本発明により製造した化合物を、医療機器、たとえばステントに、塗布または含浸して使用することができる。
【0019】
本発明の方法により合成された化合物は、哺乳類に、有効量の1種以上の本発明の化合物を投与することによって特定の障害の症状を改善するように、哺乳類、特にヒトにおける障害を治療するために使用してもよい。そのような障害は、皮膚感染症、院内肺炎、ウィルス感染後急性肺炎、腹部感染症、尿路感染症、菌血症、敗血症、心内膜炎、房室シャント感染症、血管進入路感染症、髄膜炎、外科予防、腹膜感染症、骨感染症、関節感染症、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症、バンコマイシン耐性腸球菌感染症、リネゾリド耐性生物感染症および結核から選択することができる。
【0020】
1.定義
本明細書で使用される用語「置換された」は、指定された原子上の1個以上の水素が、提示された群から選択されたものにより置き換わることを意味するが、ただし、指定される原子の通常の原子価を超えることなく、かつ置換の結果安定な化合物となる場合である。置換基がケト(すなわち、=O)の場合、原子上の2個の水素が置き換わる。ケト置換基は、芳香族部分には存在しない。本明細書で使用される環二重結合は、2個の隣接する環原子の間に形成される二重結合(たとえば、C=C、C=NまたはN=N)である。
【0021】
本発明は、本発明の化合物で見いだされる原子の全ての同位元素を含むものである。同位元素は、同じ原子番号であるが、異なる質量数を有する原子を含む。一般的な例示であって限定ではないが、水素の同位元素として、トリチウムおよびデュートリウムが挙げられる。炭素の同位元素として、C−13およびC−14が挙げられる。
【0022】
本明細書に記載される化合物は、不斉中心を有してもよい。非対照的に置換された原子を含む本発明の化合物は、光学的に活性に単離されてもよいし、ラセミ体であってもよい。光学的に活性な形態の製造の仕方、たとえば、ラセミ体分割、または光学的に活性な出発物質からの合成は当該分野ではよく知られている。多くのオレフィンの幾何異性体、C=N二重結合なども、本明細書で記載されている化合物において存在することができ、そのような異性体で安定なものは全て、本発明において意図されるものである。本発明の化合物のシスおよびトランス幾何異性体は、説明されており、異性体の混合物として、または分離された異性体型として単離してもよい。特定の立体化学の化合物または異性体型が具体的に提示されていない限り、ある構造の全てのキラル型、ジアステレオマー型、ラセミ型および幾何異性体型を意図する。示されたまたは記載された化合物の互変異性体は全て、本発明の一部であると考えられる。
【0023】
変更しうるもの(たとえば、R)のいずれかが、ある化合物の構造または式において、複数回現れる場合、各場所でのその規定は、他の場所でのその規定とは独立している。したがって、たとえば、ある基が、0〜2個のR部分で置換されていると示されている場合、該基は、場合によっては、2個までのR部分で置換され、Rの各出現において、Rの規定から独立して選択される。また、そのような組合せが安定な化合物となれば、置換基および/または変化しうるものの組合せも問題ない。
【0024】
置換基に対する結合が、環中の2個の原子を連結する結合を横切るように示されている場合、そのような置換基は、該環内のいかなる原子に結合してもよいことを示す。化合物のまたはある式の残りに結合する原子を示さずに、置換基が列挙されている場合、そのような置換基は、該置換基中の任意の原子を介して結合する。置換基および/または変化しうるものの組合せは、そのような組合せが安定な化合物を造る場合にのみ、許容される。
【0025】
原子または化学部分が、下付きの数字範囲を伴う(たとえば、C1−6)場合、本発明では、該範囲および全ての中間の範囲内の各数字を含むことを意味する。たとえば、「C1−6アルキル」は、1、2、3、4、5、6、1〜6、1〜5、1〜4、1〜3、1〜2、2〜6、2〜5、2〜4、2〜3、3〜6、3〜5、3〜4、4〜6、4〜5および5〜6個の炭素を有するアルキル基を含むことを意味する。
【0026】
本明細書で使用される「アルキル」は、特定された数の炭素原子を有する、分岐および直鎖飽和脂肪族炭化水素基を含むものである。たとえば、C1−6アルキルは、C、C、C、C、CおよびCアルキル基を含むものである。アルキルの例として、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、s−ペンチルおよびn−ヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
本明細書で使用される「アルケニル」は、直鎖または分岐状配置の炭化水素鎖であって、該鎖中の安定な任意の箇所に生じる1個以上の炭素−炭素二重結合を有する炭化水素鎖を含むものである。たとえば、C2−6アルケニルは、C、C、C、CおよびCアルケニル基を含むものである。アルケニルの例として、エテニルおよびプロペニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
本明細書で使用される「アルキニル」は、直鎖または分岐状配置の炭化水素鎖であって、該鎖中の安定な任意の箇所に生じる1個以上の炭素−炭素三重結合を有する炭化水素鎖を含むものである。たとえば、C2−6アルキニルは、C、C、C、CおよびCアルキニル基を含むものである。アルキニルの例として、エチニルおよびプロピニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
本明細書で使用される「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを言う。
【0030】
「対イオン」は、小さな、負に帯電した種、たとえば、塩化物、臭化物、水酸化物、酢酸塩、および硫酸塩を示すために使用される。
【0031】
本明細書で使用される「炭素環」または「炭素の環」は、特定の数の炭素を有する、任意の安定な、単環、二環または三環であって、どれも飽和、不飽和または芳香族であってもよい環を意味するものである。たとえば、C3−I4炭素環は、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14個の炭素原子を有する、単環、二環または三環を意味するものである。炭素環の例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘプテニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、アダマンチル、シクロオクチル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、フルオレニル、フェニル、ナフチル、インダニル、アダマンチルおよびテトラヒドロナフチルが挙げられるが、これらに限定されない。架橋環も炭素環の定義の中に含まれ、たとえば、[3.3.0]ビシクロオクタン、[4.3.0]ビシクロノナン、[4.4.0]ビシクロデカンおよび[2.2.2]ビシクロオクタンが挙げられる。架橋環は、1個以上の炭素原子が2個の隣接しない炭素原子に結合する場合に形成される。好ましい架橋は、1個または2個の炭素原子である。架橋は、常に、単環を三環に変換することが注目される。環が架橋される場合、環に関して挙げられる置換基は、架橋部分にも存在してもよい。縮合環(たとえば、ナフチルおよびテトラヒドロナフチル)およびスピロ環も含まれる。
【0032】
本明細書で使用される用語「ヘテロ環」または「ヘテロ環式」は、飽和、不飽和または芳香族の任意の安定な、単環、二環または三環であって、炭素原子と、窒素、酸素およびイオウから独立して選択される、1個以上の環ヘテロ原子、たとえば、1個または1〜2個、1〜3個、1〜4個、1〜5個、1〜6個のヘテロ原子とを含む環を意味するものである。二環または三環ヘテロ環は、1個の環内に配置される1個以上のヘテロ原子を有してもよく、あるいはヘテロ原子は、複数の環に配置されていてもよい。窒素およびイオウのヘテロ原子は、場合によっては、酸化されてもよい(すなわち、N→OおよびS(O)(式中、p=1または2))。窒素原子が環内に含まれる場合、それは、環内の二重結合に結合しているか否かによって、NまたはNHとなる(すなわち、窒素原子の3価を保つために必要であれば、水素が存在する)。窒素原子は、置換されても、あるいはされていなくてもよい(すなわち、NまたはNRであり、ここで、RはHまたは規定されるような他の置換基である)。ヘテロ環は、安定な構造となる、任意のヘテロ原子または炭素原子で、ペンダント基に結合してもよい。本明細書で記載されるヘテロ環は、得られる化合物が安定であれば、炭素または窒素原子が置換されてもよい。ヘテロ環内の窒素は、場合によっては、四級化されてもよい。ヘテロ環内のSおよびO原子の総数が、1を超える場合、これらのヘテロ原子は、他のものと隣接することはないのが好ましい。架橋環もヘテロ環の定義の中に含まれる。1個以上の原子(すなわち、C、O、NまたはS)が2個の隣接していない炭素または窒素原子に結合する場合、架橋環が形成される。架橋は、1個の炭素原子、2個の炭素原子、1個の窒素原子、2個の窒素原子および炭素−窒素基が含まれるが、これらに限定されない。架橋は、常に、単環を三環に変換することが注目される。環が架橋される場合、環に関して挙げられる置換基は、架橋部分にも存在してもよい。スピロ環および縮合環も含まれる。
【0033】
本明細書で使用される用語「芳香族ヘテロ環」または「ヘテロアリール」は、安定な、5、6または7−員単環または二環式芳香族ヘテロ環、または7、8、9、10、11または12−員二環芳香族ヘテロ環であって、炭素原子と、窒素、酸素およびイオウから独立して選択される、1個以上のヘテロ原子たとえば、1個または1〜2個、1〜3個、1〜4個、1〜5個、1〜6個のヘテロ原子とから構成される環を意味するものである。二環ヘテロ環式芳香族環の場合、両方芳香族環(たとえば、キノリン)であってもよいが、2個の環のうち1個だけは芳香族(たとえば、2,3−ジヒドロインドール)である必要がある。また、第二の環は、先に規定したように、ヘテロ環が縮合または架橋することもできる。窒素原子は、置換されても、されていなくてもよい(すなわち、NまたはNRであり、ここで、Rは、Hまたは規定するような他の置換基である)。窒素およびイオウのヘテロ原子は、場合によっては、酸化されていてもよい(すなわち、N→OおよびS(O)(ここで、p=1または2))。芳香族ヘテロ環中のSおよびO原子の総数は、1を超えることに注意すべきである。
【0034】
ヘテロ環の例として、アクリジニル、アゾシニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾキサゾリル、ベンゾキサゾリニル、ベンズチアゾリル、ベンズトリアゾリル、ベンズテトラゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズイミダゾリニル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3−b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H−インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドール、3H−インドール、イサチノイル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドール、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、メチレンジオキシフェニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキシインドール、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリドニル、4−ピペリドニル、ピペロニル、プテリジニル(pteridinyl)、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、2H−ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾリル、6H−1,2,5−チアジアジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,5−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、およびキサンテニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
本明細書で使用される用語「アミン保護基」は、アミン、アミドまたは他の窒素含有部分を、特定の化学反応の条件に対して実質的に不活性である異なる化学基に変換する官能基を意味するものである。アミン保護基は、分子の他の官能基に影響することない状態で高収率、容易かつ選択的に除去されるのが好ましい。アミン保護基の例として、ベンジル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチジルジフェニルシリル、t−ブチルオキシカルボニル、p−メトキシベンジル、メトキシメチル、トシル、トリフルオロアセチル、トリメチルシリル、フルオレニル−メチルオキシカルボニル、2−トリメチルシリル−エトキシカルボニル、1−メチル−1−(4−ビフェニリル)エトキシカルボニル、アリルオキシカルボニルおよびベンジルオキシカルボニルが挙げられるが、これらに限定されない。他の適切なアミン保護基は、当業者によって、簡単に確認され、たとえば、Green & Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,第3編(1999,John Wiley & Sons社)を参照。
【0036】
「安定な化合物」および「安定な構造体」は、単離に耐え、反応混合物から有益な程度の純度にし、効果のある治療剤を調製するのに十分頑強な化合物を示すことを意味する。
【0037】
本明細書で使用される語句「医薬的に許容しうる」は、妥当な医学的範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題や余病を起こすことなく、整合性のある合理的な利益/リスク比を持って、ヒトおよび動物の組織との接触に使用されるのに適する、化合物、材料、組成物、担体および/または剤形を言う。
【0038】
本明細書で使用される「医薬的に許容しうる塩」は、親化合物をその酸塩または塩基塩にすることによって変性された、開示された化合物の誘導体を言う。医薬的に許容しうる塩類の例として、アミン類のような塩基性残基の鉱酸塩類または有機酸塩類、カルボン酸のような酸性残基のアルカリまたは有機塩類などが挙げられるが、これらに限定されない。医薬的に許容しうる塩類は、たとえば、非毒性無機酸または有機酸から形成される親化合物の従来の非毒性塩類または第四級アンモニウム塩類を含む。たとえば、そのような従来の非毒性塩として、2−アセトキシ安息香酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、2,3,4,5−テトラヒドロキシヘキサン−1,6−ジカルボン酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、重炭酸、炭酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、ジスルホン酸、エタンスルホン酸、フマール酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、グリコリルアルサニル(glycollyarsanilic)酸、ヘキシルレゾルシン酸、ハイドラバム(hydrabamic)酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフトエ酸、ハイピュール(hyppuric)酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリルスルホン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ナプシル(napsylic)酸、ナフタレンジスルホン酸、硝酸、シュウ酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、ポリガラクツロン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、サブ酢酸(subacetic)、サクシン酸、スルファミン酸、スルファニル酸、硫酸、タンニン酸、およびトルエンスルホン酸(たとえば、p−トルエンスルホン酸)から選択される無機酸および有機酸から誘導されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0039】
本発明の医薬的に許容しうる塩は、従来の化学的方法によって、塩基性部分または酸性部分を含む親化合物から合成することができる。一般的に、そのような塩は、有機溶媒中、または2種の混合物中で、これらの化合物の遊離の酸または塩基形を、化学量論的な量の適切な塩基または酸と反応させることによって製造することができ、一般的に非水性溶媒、たとえば、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルが好ましい。Remington’s Pharmaceutical Sciences,第18編(Mack Publishing Company,1990)に、適切な塩のリストがある。たとえば、塩として、本発明の脂肪族アミン含有、ヒドロキシルアミン含有、およびイミン含有化合物の塩酸塩および酢酸塩を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0040】
また、本発明の化合物、および特に該化合物の塩類は、水和型または非水和型(無水物)の形態で、あるいは他の溶媒分子との溶媒和物として存在することができる。水和物の限定ではない例として、1水和物、2水和物などが挙げられる。溶媒和物の限定ではない例示として、エタノール溶媒和物、アセトン溶媒和物などが挙げられる。
【0041】
医薬的に許容しうるエステルは、本発明の化合物および中間体のエステル化したカルボン酸(すなわち、医薬的に許容しうるアルコールとエステル化したまたは反応した)部分、またはエステル化したヒドロキシル(すなわち、医薬的に許容しうるカルボン酸とエステル化したまたは反応した)部分を意味する。
【0042】
プロドラッグは、医薬品の数多くの望ましい品質(たとえば、溶解性、生物利用性、製造性など)を増強することが知られているため、本発明の化合物は、プロドラッグの形態で送達することができる。したがって、本発明は、現在クレームされている化合物のプロドラッグ、それを送達する方法、およびそれを含む組成物もカバーするものである。そのようなプロドラッグを哺乳類対象に投与した場合、「プロドラッグ」は、インビボで、本発明の活性な親薬物を放出する、共有結合した担体のいかなるものも含むものである。本発明のプロドラッグは、変性が、通常の操作またはインビボのいずれかで開裂し、親化合物になるような方法で、化合物中に存在する官能基を変性することによって製造する。プロドラッグとして、ヒドロキシ、アミノまたはスルヒドリル基が任意の基に結合し、該本発明のプロドラッグが哺乳類対象に投与された時、開裂し、それぞれ、遊離のヒドロキシ、遊離のアミノまたは遊離のスルヒドリル基を形成する本発明の化合物が含まれる。プロドラッグの例として、本発明の化合物中のアルコールおよびアミン官能基のアセテート、ホルメートおよびベンゾエートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
本発明の化合物およびそれらの中間体の医薬的に許容しうる塩類、エステル類、およびプロドラッグは、全て、本発明の範囲内であると想定する。
【0044】
本明細書で使用される全てのパーセンテージおよび比は、他に記載がない限り、重量基準である。
【0045】
本記載を通して、組成物が、特定の成分を有する、含有する、含むと記載されている場合、組成物は、本質的に列挙された成分からなる、または列挙された成分からなることを想定される。同様に、方法が、特定の方法ステップを有する、含有する、または含むと記載されている場合、該方法は、本質的に列挙された方法ステップからなる、または列挙された方法ステップからなることも想定される。さらに、方法ステップは、請求項または従属項のグループにおいては、便宜上、番号付けがされている。さらに、2以上のステップまたは作用は、同時に行われてもよい。加えて、本発明のステップの単一のステップまたはステップの全て未満、種々の入れ替えを行ってもよく、これも本発明の範囲内であると想定される。本発明の方法において標記されたステップおよび化合物番号は、便宜上記載されているもので、本発明の範囲を限定するものではないと理解すべきである。
2.本発明の方法
本発明の方法は、アジドおよびアルキンの環化付加反応によりトリアゾール部分(たとえば、ステップ1)を形成することを含む。一般的に、環化付加反応を通常の室温または僅かに高い温度、すなわち、通常の室温より僅かに上の温度で行う場合、反応は、完了せずあるいは全く反応しない場合もあるため、該反応は、高温、すなわち熱を加えて行われる。
【0046】
あるいは、環化付加反応(たとえば、ステップ1)は、銅触媒の存在下に行うこともでき、その場合、熱を加えることは必ずしも必要としない。銅触媒としては、銅(I)触媒が好ましく、好ましい銅触媒の例として、CuCl、CuBr、CuI、CuNOおよびCuSOが挙げられ、CuIが最も好ましい。しかし、銅触媒を用いる反応は、潜在的に、アジドの爆発的な分解を引き起こす可能性のある銅存在下でのアジドの持つ危険性のため、ある安全性への潜在的な心配がある。したがって、トリアゾールを形成するための環化付加反応は、銅触媒なしで行うのが好ましい。触媒なしで反応を行う場合、反応は加熱によって促進され、すなわち加熱条件下で行うことができるという利点がある。
【0047】
トリアゾール部分は、比較的反応性があるため、さらに化学的変換反応が分子の他の部分で起こりうるように、トリアゾール類を保護またはマスクすることが好ましい。言い換えれば、たとえ、非置換有機トリアゾールが、無機アジド、たとえば、アジ化ナトリウムとアルキンとの環化付加によって製造することができるとしても、次いでマスクをはずされる、または脱保護される、マスクしたまたは保護アジドを製造するのが好ましい。
【0048】
したがって、本発明の方法は、さらに分子の他の部分が反応し、ビアリール部分が生成される、マスクされたトリアゾール、すなわち保護トリアゾールの合成を含む。具体的には、本発明の方法では、ビアリール部分は、スズキ型カップリング反応によって製造されるのが好ましい(たとえば、ステップ3)。スズキ型カップリングで製造されたビアリール付加物は、次いで、該トリアゾールを脱離によって脱保護またはマスクを取ることができ、あるいは、先ず、さらなる化学的変換に供することもできる。
【0049】
一般的に、本発明は、式
【0050】
【化138】

で表される化合物を製造するための方法であって、
(ステップ1)
式:
【0051】
【化139】

で表される化合物(II)を、式:
【0052】
【化140】

で表される化合物(III)と、溶媒中、場合によっては銅触媒の存在下で組み合わせ、式:
【0053】
【化141】

で表される化合物(IV)を形成するステップと;
(ステップ2)
化合物(IV)を、式:
【0054】
【化142】

で表される化合物(V)と、溶媒中、還元剤の存在下で組み合わせ、式:
【0055】
【化143】

で表される化合物(VI)を形成するステップと;
(ステップ3)
化合物(VI)を、式:
【0056】
【化144】

で表される化合物(VII)と、溶媒中、塩基およびパラジウム触媒の存在下で組み合わせ、式:
【0057】
【化145】

で表される化合物(VIII)を形成するステップと;
(ステップ4)
化合物(VIII)を、溶媒中、酸の存在下で加熱し、次いで、中和剤を添加し、化合物(I)を形成するステップと;
を含み、
ここで、
Aは、フェニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニルおよびピリダジニルから選択され;
Bは、フェニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニルおよびピリダジニルから選択され;
Het−CH−Rは、
【0058】
【化146】

から選択され;
Qは、式:−BYで表されるボランであり;
(式中、
Yは、
各出現において、独立して、a)−OH、b)−OCI−6アルキル、c)−OC2−6アルケニル、d)−OC2−6アルキニル、e)−OC14飽和、不飽和または芳香族炭素環、f)C1−6アルキル、g)C2−6アルケニル、h)C2−6アルキニルおよびi)C1−I4飽和、不飽和または芳香族炭素環から選択され;
〔ここで、b)〜i)のいずれも、場合によっては、1個以上のハロゲンで置換され;あるいは、2個のY基が一緒になって、a)−OC(R)(R)C(R)(R)O−およびb)−OC(R)(R)CHC(R)(R)O−から選択される化学部分を含み;あるいは、Qは、BFアルカリ金属塩、BFアンモニウム塩、BFテトラアルキルアンモニウム塩、BFリン酸塩または9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナンである〕;
Xは、
a)−CH−フェニル、b)−SO−フェニル、c)−SO−フェニル、d)−CH−O−フェニル、e)−CH−O−CH−フェニル、f)−CH−O−R21、g)−Si−(R21およびh)−P(O)−(W)から選択され、
〔ここで、各Wは、独立して、C1−6アルキルまたはフェニルであり;各R21は、独立して、C1−6アルキルであり;a)、b)、c)、d)、e)またはh)中の各フェニルは、1個以上のR12で置換され、R12は、a)F、b)Cl、c)Br、d)I、e)−CF、f)−OR22、g)−CN、h)−NO、i)−NR2222、j)−C(O)R22、k)−C(O)OR22、l)−OC(O)R22、m)−C(O)NR2222、n)−NR22C(O)R22、o)−OC(O)NR2222、p)−NR22C(O)OR22、q)−NR22C(O)NR2222、r)−C(S)R22、s)−C(S)OR22、t)−OC(S)R22、u)−C(S)NR2222、v)−NR22C(S)R22、w)−OC(S)NR2222、x)−NR22C(S)OR22、y)−NR22C(S)NR2222、z)−C(NR22)R22、aa)−C(NR22)OR22、bb)−OC(NR22)R22、cc)−C(NR22)NR2222、dd)−NR22C(NR22)R22、ee)−OC(NR22)NR2222、ff)−NR22C(NR22)OR22、gg)−NR22C(NR22)NR2222、hh)−S(O)22、ii)−SONR2222およびjj)R22(ここで、各R22は、独立して、HまたはC1−6アルキル)からなる群から選択される〕;
Zは、a)I、b)Br、c)Cl、d)ROSO−およびe)NBFから選択され;
は、各出現において、独立して、a)F、b)Cl、c)Br、d)I、e)−CF、f)−OR、g)−CN、h)−NO、i)−NR、j)−C(O)R、k)−C(O)OR、l)−OC(O)R、m)−C(O)NR、n)−NRC(O)R、o)−OC(O)NR、p)−NRC(O)OR、q)−NRC(O)NR、r)−C(S)R、s)−C(S)OR、t)−OC(S)R、u)−C(S)NR、v)−NRC(S)R、w)−OC(S)NR、x)−NRC(S)OR、y)−NRC(S)NR、z)−C(NR)R、aa)−C(NR)OR、bb)−OC(NR)R、cc)−C(NR)NR、dd)−NRC(NR)R、ee)−OC(NR)NR、ff)−NRC(NR)OR、gg)−NRC(NR)NR、hh)−S(O)、ii)−SONRおよびjj)Rから選択され;
は、各出現において、独立して、a)F、b)Cl、c)Br、d)I、e)−CF、f)−OR、g)−CN、h)−NO、i)−NR、j)−C(O)R、k)−C(O)OR、l)−OC(O)R、m)−C(O)NR、n)−NRC(O)R、o)−OC(O)NR、p)−NRC(O)OR、q)−NRC(O)NR、r)−C(S)R、s)−C(S)OR、t)−OC(S)R、u)−C(S)NR、v)−NRC(S)R、w)−OC(S)NR、x)−NRC(S)OR、y)−NRC(S)NR、z)−C(NR)R、aa)−C(NR)OR、bb)−OC(NR)R、cc)−C(NR)NR、dd)−NRC(NR)R、ee)−OC(NR)NR、ff)−NRC(NR)OR、gg)−NRC(NR)NR、hh)−S(O)、ii)−SONRおよびjj)Rから選択され;
は、
a)−OR、b)−NR、c)−C(O)R、d)−C(O)OR、e)−OC(O)R、f)−C(O)NR、g)−NRC(O)R、h)−OC(O)NR、i)−NRC(O)OR、j)−NRC(O)NR、k)−C(S)R、l)−C(S)OR、m)−OC(S)R、n)−C(S)NR、o)−NRC(S)R、p)−OC(S)NR、q)−NRC(S)OR、r)−NRC(S)NR、s)−C(NR)R、t)−C(NR)OR、u)−OC(NR)R、v)−C(NR)NR、w)−NRC(NR)R、x)−OC(NR)NR、y)−NRC(NR)OR、z)−NRC(NR)NR、aa)−S(O)、bb)−SONRおよびcc)Rから選択され;
は、各出現において、独立して、
a)H、b)−OR、c)C1−6アルキル、d)C2−6アルケニル、e)C2−6アルキニル、f)C3−14飽和、不飽和または芳香族炭素環、g)3〜14員飽和、不飽和または芳香族ヘテロ環であって、窒素、酸素およびイオウから選択されるヘテロ原子を1個以上含むヘテロ環、h)−C(O)−C1−6アルキル、i)−C(O)−C2−6アルケニル、j)−C(O)−C2−6アルキニル、k)−C(O)−[C3−I4飽和、不飽和または芳香族炭素環]、l)−C(O)−[3〜14員飽和、不飽和または芳香族ヘテロ環であって、窒素、酸素およびイオウから選択されるヘテロ原子を1個以上含むヘテロ環]、m)−C(O)O−C1−6アルキル、n)−C(O)O−C2−6アルケニル、o)−C(O)O−C2−6アルキニル、p)−C(O)O−C3−I4飽和、不飽和または芳香族炭素環およびq)−C(O)O−3〜14員飽和、不飽和または芳香族ヘテロ環であって、窒素、酸素およびイオウから選択されるヘテロ原子を1個以上含むヘテロ環から選択され;
〔ここで、c)〜q)はどれも、場合によっては、1個以上のR基で置換される〕;
は、各出現において、独立して、
a)F、b)Cl、c)Br、d)I、e)=O、f)=S、g)=NR、h)=NOR、i)=N−NR、j)−CF、k)−OR、l)−CN、m)−NO、n)−NR、o)−C(O)R、p)−C(O)OR、q)−OC(O)R、r)−C(O)NR、s)−NRC(O)R、t)−OC(O)NR、u)−NRC(O)OR、v)−NRC(O)NR、w)−C(S)R、x)−C(S)OR、y)−OC(S)R、z)−C(S)NR、aa)−NRC(S)R、bb)−OC(S)NR、cc)−NRC(S)OR、dd)−NRC(S)NR、ee)−C(NR)R、ff)−C(NR)OR、gg)−OC(NR)R、hh)−C(NR)NR、ii)−NRC(NR)R、jj)−OC(NR)NR、kk)−NRC(NR)OR、ll)−NRC(NR)NR、mm)−S(O)、nn)−SONR、oo)−N、pp)−Si(CH、qq)−O−Si(CH、rr)−Si(CCH、ss)−O−Si(CCHおよびtt)Rから選択され;
は、各出現において、独立して、
a)H、b)−OR、c)C1−6アルキル、d)C2−6アルケニル、e)C2−6アルキニル、f)C3−14飽和、不飽和または芳香族炭素環、g)3〜14員飽和、不飽和または芳香族へテロ環であって、窒素、酸素およびイオウから選択されるヘテロ原子を1個以上含むへテロ環、h)−C(O)−C1−6アルキル、i)−C(O)−C2−6アルケニル、j)−C(O)−C2−6アルキニル、k)−C(O)−C3−I4飽和、不飽和または芳香族炭素環、l)−C(O)−3〜14員飽和、不飽和または芳香族ヘテロ環であって、窒素、酸素およびイオウから選択されるヘテロ原子を1個以上含むヘテロ環、m)−C(O)O−C1−6アルキル、n)−C(O)O−C2−6アルケニル、o)−C(O)O−C2−6アルキニル、p)−C(O)O−C3−I4飽和、不飽和または芳香族炭素環およびq)−C(O)O−3〜14員飽和、不飽和または芳香族ヘテロ環であって、窒素、酸素およびイオウから選択されるヘテロ原子を1個以上含むへテロ環から選択され;
〔ここで、c)〜q)はいずれも、場合によっては、1個以上のR基で置換されている〕;
は各出現において、独立して、
a)F、b)Cl、c)Br、d)I、e)=O、f)=S、g)=NR、h)=NOR、i)=N−NR、j)−CF、k)−OR、l)−CN、m)−NO、n)−NR、o)−C(O)R、p)−C(O)OR、q)−OC(O)R、r)−C(O)NR、s)−NRC(O)R、t)−OC(O)NR、u)−NRC(O)OR、v)−NRC(O)NR、w)−C(S)R、x)−C(S)OR、y)−OC(S)R、z)−C(S)NR、aa)−NRC(S)R、bb)−OC(S)NR、cc)−NRC(S)OR、dd)−NRC(S)NR、ee)−C(NR)R、ff)−C(NR)OR、gg)−OC(NR)R、hh)−C(NR)NR、ii)−NRC(NR)R、jj)−OC(NR)NR、kk)−NRC(NR)OR、ll)−NRC(NR)NR、mm)−S(O)、nn)−SONR、oo)C1−6アルキル、pp)C2−6アルケニル、qq)C2−6アルキニル、rr)C3−I4飽和、不飽和または芳香族炭素環およびss)3〜14員飽和、不飽和または芳香族ヘテロ環であって、窒素、酸素およびイオウから選択されるヘテロ原子を1個以上含むヘテロ環から選択され;
〔ここで、oo)〜ss)はいずれも、場合によっては、R、F、Cl、Br、I、−CF、−OR、−SR、−CN、−NO、−NR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)NR、−NRC(O)R、−OC(O)NR、−NRC(O)OR、−NRC(O)NR、−C(S)R、−C(S)OR、−OC(S)R、−C(S)NR、−NRC(S)R、−OC(S)NR、−NRC(S)OR、−NRC(S)NR、−C(NR)R、−C(NR)OR、−OC(NR)R、−C(NR)NR、−NRC(NR)R、−OC(NR)NR、−NRC(NR)OR、−NRC(NR)NR、−SONRおよび−S(O)から選択される1個以上の部分で置換される〕;
は、各出現において、独立して、
a)H、b)アミン保護基、c)C1−6アルキル、d)C2−6アルケニル、e)C2−6アルキニル、f)C3−14飽和、不飽和または芳香族炭素環、g)3〜14員飽和、不飽和または芳香族ヘテロ環であって、窒素、酸素およびイオウから選択されるヘテロ原子を1個以上含むへテロ環、h)−C(O)−C1−6アルキル、i)−C(O)−C2−6アルケニル、j)−C(O)−C2−6アルキニル、k)−C(O)−C3−I4飽和、不飽和または芳香族炭素環、l)−C(O)−3〜14員飽和、不飽和または芳香族ヘテロ環であって、窒素、酸素およびイオウから選択されるヘテロ原子を1個以上含むヘテロ環、m)−C(O)O−C1−6アルキル、n)−C(O)O−C2−6アルケニル、o)−C(O)O−C2−6アルキニル、p)−C(O)O−C3−14飽和、不飽和または芳香族炭素環およびq)−C(O)O−3〜14員飽和、不飽和または芳香族ヘテロ環であって、窒素、酸素およびイオウから選択されるヘテロ原子を1個以上含むから選択されヘテロ環から選択され;
〔ここで、c)〜q)のいずれも、場合によっては、F、Cl、Br、I、−CF、−OH、−OC1−6アルキル、−SH、−SC1−6アルキル、−CN、−NO、−NH、−NHC1−6アルキル、−N(C1−6アルキル)、−C(O)C1−6アルキル、−C(O)OC1−6アルキル、−C(O)NH、−C(O)NHC1−6アルキル、−C(O)N(C1−6アルキル)、−NHC(O)C1−6アルキル、−SONH−、−SONHC1−6アルキル、−SON(C1−6アルキル)および−S(O)1−6アルキルから選択される1以上の部分で置換される〕;
は、a)C1−6アルキル、b)フェニルおよびc)トルイルから選択され、〔ここで、a)〜c)のいずれも、場合によっては、F、Cl、BrおよびIから選択される1以上の部分で置換される〕;
10は、HおよびC1−8アルキルから選択され;
11は、HおよびC1−8アルキルから選択され;
mは、0、1、2、3または4であり、;
nは、0、1、2、3または4であり;
pは、各出現において、独立して、0、1または2であり;
sは、1、2、3、4、5または6であり;
tは、0、1、2、3、4、5または6であり、
ここで、−(CH−および−(CHは、tが0である場合以外は、場合によっては、そのいずれの原子も、a)C1−6アルキル、b)C1−6アルケニル、c)フェニル、d)ヒドロキシ、e)C1−6アルコキシ、f)F、g)Cl、h)Br、i)I、j)=Oおよびk)ベンジルから選択される1以上の部分によって置換される方法に関する。
【0059】
化合物(I)、(VIII)、(VIII−b−P)、(VIII−b)、(I−b)で使用されるBは、先に規定するように、変わりうる部分Bを示す。しかし、ボラン化合物Q(−BY)で使用されるBは、元素ボロンを示す。
【0060】
本発明において有用なアジド化合物(たとえば、ステップ1で利用される化合物(III))は、X−N3と示される。様々なアジド化合物が本発明では有用である。具体的には、Xは、a)−CH2−フェニル、b)−SO−フェニル、c)−SO2−フェニル、d)−CH2−O−フェニル、e)−CH2−O−CH2−フェニル、f)−CH2−O−R21、g)−Si−(R21)3およびh)−P(O)−(W)2(変わりうる部分の定義は前述を参照)から選択される。さらなる実施形態では、Xは、パラメトキシベンジル、パラトルエンスルホニル、トリメチルシリルおよびジフェニルホスホリルである。さらなる実施形態では、Xはパラメトキシベンジルである。
【0061】
ある実施形態では、本発明の方法は、さらに、化合物(I)を酸と組合せ、その塩を形成する(ステップ5)を含む。
【0062】
ある実施形態では、本発明のスズキカップリングステップに関し、基QおよびZを、さかさまにすることができる(たとえば、Qが化合物VIIに存在し、Zが化合物Vに存在する)。
【0063】
さらに本発明は、
式:
【0064】
【化147】

で表される化合物(I)の製造方法であって、
(ステップ1)
式:
【0065】
【化148】

で表される化合物(II)を、式:
【0066】
【化149】

で表される化合物(III)と、溶媒中、場合によっては、銅触媒の存在下で組み合わせ、式:
【0067】
【化150】

で表される化合物(IV)を形成するステップと;
(ステップ2)
化合物(IV)を、式:
【0068】
【化151】

で表される化合物(V−a)と、溶媒中、還元剤の存在下で組み合わせ、式:
【0069】
【化152】

で表される化合物(VI−a)を形成するステップと;
(ステップ3)
化合物(VI−a)を、式:
【0070】
【化153】

で表される化合物(VII−a)と、溶媒中、塩基およびパラジウム触媒の存在下で組み合わせ、式:
【0071】
【化154】

で表される化合物(VIII)を形成するステップと;
(ステップ4)
化合物(VIII)を溶媒中、酸の存在下で加熱し、次いで、中和剤を添加して化合物(I)を形成するステップと;
を含み、
A、B、Het−CH−R、Q、Z、R、R、R、R10、R11、m、n、p、sおよびtは先に規定する通りである方法に関する。
【0072】
ある実施形態では、この方法は、さらに、化合物(I)を酸と組合わせて、その塩を形成する(ステップ5)を含む。
【0073】
さらに、本発明は、式:
【0074】
【化155】

で表される化合物(I)を製造するための方法であって、
(ステップ4)
式:
【0075】
【化156】

で表される化合物(VIII)を、溶媒中、酸の存在下で加熱し、次いで、中和剤の添加によって化合物(I)を形成するステップを含み、A、B、Het−CH−R、Q、Z、R、R、R、R10、R11、m、n、p、sおよびtは、先に規定する通りである方法に関する。この方法は、さらに、化合物(I)を酸と組合わせて、その塩を形成する(ステップ5)を含みうる。
【0076】
さらに、本発明は、式:
【0077】
【化157】

で表される化合物(I−b)を製造するための方法であって、
(ステップ1)
式:
【0078】
【化158】

で表される化合物(II−b)を、式:
【0079】
【化159】

で表される化合物(III)と、溶媒中、場合によっては銅触媒の存在下で組み合わせ、式:
【0080】
【化160】

で表される化合物(IV−b)を形成するステップと;
(ステップ2)
化合物(IV−b)を、式:
【0081】
【化161】

で表される化合物(V)と、溶媒中、還元剤の存在下で組み合わせ、式:
【0082】
【化162】

で表される化合物(VI−b)を形成するステップと;
(ステップ2−1)
化合物(VI−b)を保護基試薬と溶媒中、塩基の存在下で組み合わせ、式:
【0083】
【化163】

で表される保護化合物(VI−b−P)を形成するステップと;
(ステップ3)
化合物(VI−b−P)を、式:
【0084】
【化164】

で表される化合物(VII)と、溶媒中、塩基およびパラジウム触媒の存在下で組み合わせ、式:
【0085】
【化165】

で表される化合物(VIII−b−P)を形成するステップと;
(ステップ3−1)
化合物(VIII−b−P)を、溶媒中で脱保護し、式:
【0086】
【化166】

で表される化合物(VIII−b)またはその塩を形成するステップと;
(ステップ4)
化合物(VIII−b)を、溶媒中、酸の存在下で加熱し、ついで中和剤の添加によって、化合物(I−b)を形成するステップと;
を含み、
A、B、Het−CH−R、Q、Z、R、R、R、R10、R11、m、n、p、sおよびtは、先に規定する通りである方法に関する。ある実施形態では、この方法は、さらに、化合物(I−b)を酸と組合せ、その塩を形成する(ステップ5)を含む。
【0087】
さらに、本発明は、式:
【0088】
【化167】

で表される化合物(I−b)を製造するための方法であって、
(ステップ1)
式:
【0089】
【化168−1】

で表される化合物(II−b)を、式:
【0090】
【化168−2】

で表される化合物(III)と、溶媒中、場合によっては銅触媒の存在下で組み合わせ、式:
【0091】
【化169】

で表される化合物(IV−b)を形成するステップと;
(ステップ2)
化合物(IV−b)を、式:
【0092】
【化170】

で表される化合物(V)と、溶媒中、還元剤の存在下で組み合わせ、式:
【0093】
【化171】

で表される化合物(VI−b)を形成するステップと;
(ステップ2−1)
化合物(VI−a)を保護基試薬と溶媒中、塩基の存在下で組み合わせ、式:
【0094】
【化172】

で表される保護化合物(VI−b−P)を形成するステップと;
(ステップ3)
化合物(VI−b−P)を、式:
【0095】
【化173】

で表される化合物(VII−a)と、溶媒中、塩基およびパラジウム触媒の存在下で組み合わせ、式:
【0096】
【化174】

で表される化合物(VIII−b−P)を形成するステップと;
(ステップ3−1)
化合物(VIII−b−P)を、溶媒中で脱保護し、式:
【0097】
【化175】

で表される化合物(VIII−b)またはその塩を形成するステップと;
(ステップ4)
化合物(VIII−b)を、溶媒中、酸の存在下で加熱し、ついで中和剤の添加によって、化合物(I−b)を形成するステップと;
を含み、
A、B、Het−CH−R、Q、Z、R、R、R、R10、R11、m、n、p、sおよびtは、先に規定する通りである方法に関する。この方法は、さらに、化合物(I−b)を酸と組合わせて、その塩を形成する(ステップ5)を含みうる。
【0098】
さらに、本発明は、式:
【0099】
【化176】

で表される化合物を製造するための方法であって、
(ステップ1)
式:
【0100】
【化177】

で表される化合物(II)を、式
【0101】
【化178】

で表される化合物(III)と、溶媒中、場合によっては、銅触媒の存在下で組合せ、化合物(IV)を形成するステップを含み、X、R11およびsは、先に規定する通りである方法に関する。
【0102】
ある実施形態では、ステップ4の反応を、約40℃〜約100℃から選択される温度に維持する。ある実施形態では、ステップ4の反応温度は、60℃と70℃との間である。たとえば、反応は、60℃と65℃(両端を含む)との間、または65℃と70℃(両端を含む)との間でありうる。
【0103】
ある実施形態では、ステップ4の反応を、中和剤の添加の前に、60℃と70℃(両端を含む)との間の温度で12〜20時間(両端を含む)維持する。ある実施形態では、反応を、60℃と65℃(両端を含む)の間で約20時間実施し、他の実施形態では、反応を、65℃と70℃(両端を含む)との間で約12時間実施する。
【0104】
先の記載において、もし存在する場合、置換基「X」は、トリアゾール環上の可能性のある位置にあることを示し、これは、ステップ1で形成され、および他のステップによって実施され、結果として得られる中間体トリアゾールにおいて、2種の異なる異性体化合物が生成しうることを表す意味であることに注意すべきである。中間体トリアゾール中の「X」置換基は、次いで、ステップ4で除去され、一般的に単一の化合物を形成する。
【0105】
さらに、本発明の化合物には、トリアゾール部分ばかりでなく、ビアリール部分もあるため、本発明の方法は、溶媒中、塩基およびパラジウム触媒の存在下、アリールボラン化合物(たとえば、アリールホウ素酸、アリールホウ素酸エステル、アリールホウ素酸ハライドまたは有機ボラン)と、電気陰性置換基を有するアリール化合物(たとえば、アリールハライドまたはスルホン酸アリール)との間での、スズキ型カップリング反応、すなわちステップ3を含む。たとえば、Miyauraら,Tetrahedron Letters,3437(1979)、およびMiyaura & Suzuki,Chem.Comm.,866(1979)参照。たとえば、PCT出願、国際公開第2005/012271号パンフレット、Rib−X Pharmaceuticals Inc.、2005年2月10日公開;およびSuzuki & Brown,Organic Synthesis Via Boranes 第3巻:Suzuki Coupling,(Aldrich,2003)参照。
【0106】
ある実施形態では、R11はHであり、すなわち、アミン出発物質は第一アミンである。これらの実施形態では、本発明の方法は、化合物上でスズキ型カップリングを行い、ビアリール構造を形成する前に、ステップ(2)の後で得られる第二アミンを保護する、追加で任意のステップを含む。本発明の方法が第二アミンの保護を含む場合、該保護基は、後に、普通スズキ型カップリングが完了した後に、除去され、反応の残ったステップを行うことができる。適切なアミン保護基の例として、ベンジル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチジルジフェニルシリル、t−ブチルオキシカルボニル、p−メトキシベンジル、メトキシメチル、トシル、トリフルオロアセチル、トリメチルシリル、フルオレニル−メチルオキシカルボニル、2−トリメチルシリル−エトキシカルボニル、1−メチル−1−(4−ビフェニリル)エトキシカルボニル、アリルオキシカルボニルおよびベンジルオキシカルボニルが挙げられる。追加のおよびその後の保護基の除去は、一般的に、よく知られた保護基前駆体、試薬および反応条件を用いて実施される。T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,第3編,John Wiley & Sons,New York,NY(1999);およびP.J.Kocienski and Georg Thieme,Protecting Groups,Verlag,New York,NY(1994)参照。
【0107】
本発明の化合物のある例では、Z基は、ハロゲンまたはスルホネートであってもよい。適切なスルホネートの例として、メタンスルホネート(「メシレート」)。トリフルオロメタンスルホネート(「トリフレート」)、およびp−トルエンスルホネート(「トシレート」)が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい実施形態では、Z基は、Iである。Q基として、たとえば、−B(OH)、−BF・KFおよび
【0108】
【化179】

が挙げられる。
【0109】
前記方法のいずれにおいても、塩基は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属フッ化物、トリアルキルアミンおよびこれらの混合物から選択することができる。適切な塩基の例として、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、フッ化カリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンおよびこれらの混合物が挙げられる。ある実施形態では、化合物(I)、(IV)、(V)、(V−a)、(VIII)、(VII−a)、(IX)または(XII)の当量に対する塩基の当量の比は、約3:1である。
【0110】
(ステップ3)で使用される触媒は、パラジウム触媒、たとえば、リガンド配位パラジウム(0)触媒(たとえば、テトラキス(トリアルキルホスフィン)パラジウム(0)またはテトラキス(トリアリールホスフィン)パラジウム(0)触媒)、リガンド配位パラジウム(II)触媒がある。適切な触媒として、たとえば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、パラジウム(II)アセテートおよびパラジウム(II)クロライドが挙げられる。特定の実施形態では、触媒は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)であり、化合物の当量に対する触媒の当量の比は約1:20である。
【0111】
溶媒は、水性溶媒または水と有機溶媒との混合物でもよく、有機溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、第2ブタノール、第3ブタノール、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、1,2−ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジイソプロピルエーテル、メチル第三ブチルエーテル、メトキシメチルエーテル、2−メトキシエチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソランおよびこれらの混合物から選択される。特定の実施形態では、溶媒は、水、トルエンおよびエタノールの、たとえば、約1:3:1の容量比の混合物である。
【0112】
該方法は、約20℃〜約100℃の温度で行うことができる。ある実施形態では、方法は、溶媒の還流温度で行われる。
【0113】
本発明のスズキ型カップリング反応の他の反応条件は、当業者によって認識され、たとえば、Suzuki & Brown, Organic Synthesis Via Boranes 第3巻:Suzuki Coupling,(Aldrich,2003)が参照される。
【0114】
【化180】

ある実施形態では、本発明の方法は、化合物(ここで、Aは、フェニルおよびピリジルから選択され;Bは、フェニルおよびピリジルから選択され;mは、0、1または2であり;nは、0、1または2である)を含む。
【0115】
たとえば、本発明の方法は、化合物(ここで、Aは、フェニルおよびピリジルから選択され;Bはフェニルであり;mは0であり;nは、0、1または2である)を含む。
【0116】
ある実施形態では、Rは、−NHC(O)Rである。
【0117】
ある実施形態では、Rは、−CH、−CHCl、−CFH、−CHCl、−CFH、−CFHCl、−CClおよび−CFから選択される。たとえば、Rは、−CH、−CFHまたは−CClHでありうる。
【0118】
本発明の方法は、化合物(ここで、Rは、トリアゾール、テトラゾール、オキサゾール、およびイソキサゾールから選択される)に関する。たとえば、Rはトリアゾールでありうる。Rは、[1,2,3]トリアゾール−1−イルでありうる。
【0119】
ある実施形態では、R10はHであり、tは0である。
【0120】
ある実施形態では、sは1でありうる。
【0121】
ある実施形態では、R11はHでありうる。
【0122】
ある実施形態では、Zは、I、トリフルオロメタンスルホネートおよびp−トルエンスルホネートから選択される。たとえば、ZはIでありうる。
【0123】
ある実施形態では、Qは−B(OH)である。他の実施形態では、Qは
【0124】
【化181】

である。さらなる実施形態では、Qは−BF・KFである。
【0125】
本発明のある実施形態では、Xは、パラメトキシベンジル、パラトルエンスルホニル、トリメチルシリルおよびジフェニルホスホリルから選択される。たとえば、Xは、パラメトキシベンジルでありうる。
【0126】
(ステップ1)の溶媒は、たとえば、トルエン、ジメチルホルムアミド、ジオキサンまたはテトラヒドロフランでありうる。たとえば、(ステップ1)の溶媒はトルエンである。
【0127】
(ステップ1)は、たとえば、約60℃と約130℃との間の温度で実施することができる。たとえば、(ステップ1)は、約80℃と約120℃との間の温度で実施する。(ステップ1)は、約100℃の温度で実施することができる。
【0128】
ある実施形態では、(ステップ1)は、銅触媒の存在下、約25℃の温度で実施される。たとえば、銅触媒は、銅(I)触媒であってもよい。該銅(I)触媒は、CuCl、CuBr、CuI、CuOAcおよびCuSO4、およびこれらの混合物から選択することができる。ある実施形態では、(ステップ1)の銅触媒はCuIである。
【0129】
(ステップ2)の還元剤は、ホウ素還元剤またはパラジウム触媒と水素との組合せであってもよい。一実施形態では、(ステップ2)の還元剤はホウ素還元剤であり、これは、水酸化ホウ素ナトリウム、ナトリウムシアノボロハイドライド、ナトリウムアセテートホロハイドライド、またはこれらの混合物であってもよい。たとえば、(ステップ2)のホウ素還元剤は、ナトリウムアセテートボロハイドライドである。他の実施形態では、(ステップ2)の還元剤は、パラジウム触媒と水素との組合せである。たとえば、(ステップ2)のパラジウム触媒は、パラジウム(0)触媒である。(ステップ2)のパラジウム(0)触媒は炭素上のパラジウム(0)触媒でありうる。
【0130】
(ステップ2)または(ステップ2−1)の溶媒は、たとえば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、第2ブタノール、第3ブタノール、ジクロロメタン、1,1−ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドまたはこれらの混合物でありうる。たとえば、(ステップ2)または(ステップ2−1)の溶媒はテトラヒドロフランでありうる。
【0131】
(ステップ2−1)の塩基は、たとえば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、フッ化カリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、またはこれらの混合物でありうる。たとえば、(ステップ2−1)の塩基は炭酸カリウムでありうる。
【0132】
(ステップ3)の塩基は、たとえば、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属フッ化物、トリアルキルアミンおよびこれらの混合物から選択することができる。たとえば、(ステップ3)の塩基は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、フッ化カリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンおよびこれらの混合物から選択することができる。たとえば、(ステップ3)の塩基は、炭酸カリウムでありうる。一実施形態では、化合物(VI)または化合物(VI−a)の当量に対する(ステップ3)の塩基の当量は、約3:1である。
【0133】
(ステップ3)のパラジウム触媒は、リガンド配位パラジウム(0)触媒でありうる。たとえば、(ステップ3)のパラジウム触媒は、テトラキス(トリアルキルホスフィン)パラジウム(0)またはテトラキス(トリアリールホスフィン)パラジウム(0)触媒でありうる。たとえば、(ステップ3)のパラジウム触媒は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)でありうる。一実施形態では、(ステップ3)において、化合物(VI)または化合物(VI−a)の当量に対する配位パラジウム(0)触媒(たとえば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0))の当量の比は、約1:20である。
【0134】
(ステップ3)の溶媒は、水性溶媒を含むことができる。たとえば、(ステップ3)の溶媒は、水と有機溶媒との混合物を含むことができ、該有機溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、第2ブタノール、第3ブタノール、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、1,2−ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジイソプロピルエーテル、メチル第三ブチルエーテル、メトキシメチルエーテル、2−メトキシエチルエーテル、1,4−ジオキサンおよび1,3−ジオキソラン、またはこれらの混合物から選択される。(ステップ3)の溶媒は、水、トルエンおよびエタノールの混合物を含むことができる。たとえば、(ステップ3)の溶媒は、水、トルエンおよびエタノールの容量比約1:3:1の混合物を含むことができる。
【0135】
(ステップ3)は、約20℃と約100℃との間の温度で実施することができる。たとえば、(ステップ3)を、溶媒の還流温度で実施する。
【0136】
(ステップ3−1)の酸として、たとえば、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、クエン酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,3,4,5−テトラヒドロキシヘキサン−1,6−ジカルボン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ベンゼンスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、グルコン酸、グルタミン酸、馬尿酸、塩酸、グルコン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、ナフタレン−1−スルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1,2−ジスルホン酸、シュウ酸、リン酸、クエン酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、またはこれらの混合物がありうる。たとえば、(ステップ3−1)の酸は塩酸でありうる。
【0137】
(ステップ3−1)の溶媒として、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、第2ブタノール、第3ブタノール、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、1,2−ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジイソプロピルエーテル、メチル第三ブチルエーテル、メトキシメチルエーテル、2−メトキシエチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、酢酸エチル、ジクロロメタン、1,1−ジクロロエタン、またはこれらの混合物がありうる。たとえば、(ステップ3−1)の溶媒として、酢酸エチルおよびメタノールの混合物がありうる。
【0138】
(ステップ4)の酸として、たとえば、トリフルオロ酢酸がありうる。
【0139】
(ステップ5)の酸として、たとえば、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、クエン酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,3,4,5−テトラヒドロキシヘキサン−1,6−ジカルボン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ベンゼンスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、グルコン酸、グルタミン酸、馬尿酸、塩酸、グルコン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、ナフタレン−1−スルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1,2−ジスルホン酸、シュウ酸、リン酸、クエン酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、またはこれらの混合物がありえる。たとえば、(ステップ5)の酸として、塩酸がありうる。
【0140】
(ステップ2−1)の保護基試薬は、化合物(VI−a−P)の−N−保護基が、a)N−ベンジル、b)N−t−ブチルジメチルシリル、c)N−t−ブチジルジフェニルシリル、d)N−t−ブチルオキシカルボニル、e)N−p−メトキシベンジル、f)N−メトキシメチル、g)N−トシル、h)N−トリフルオロアセチル、i)N−トリメチルシリル、j)N−フルオレニル−メチルオキシカルボニル、k)N−2−トリメチルシリル−エトキシカルボニル、l)N−1−メチル−1−(4−ビフェニリル)エトキシカルボニル、m)N−アリルオキシカルボニルおよびn)N−ベンジルオキシカルボニルから選択されるように、選択される。たとえば、(ステップ2−1)の保護基試薬は、ジ−tert−ブチルカルボネートでありうる。
【0141】
本発明のある実施形態では、化合物(VII)は、
【0142】
【化182】

から選択される。
【0143】
本発明のある実施形態では、化合物(VII−a)は、
【0144】
【化183】

から選択される。
【0145】
ある実施形態では、化合物(V)は、式:
【0146】
【化184】

で表される。
【0147】
ある実施形態では、化合物(V−a)は、式:
【0148】
【化185】

で表される。
【0149】
さらなる実施形態では、本発明は、本発明の方法において有用な中間体化合物にも関し、それも含むものである。
【0150】
本発明は、構造
【0151】
【化186】

(式中、各R20は、独立して、C〜Cアルキルまたは−O−(C−Cアルキル)である)に対応する化合物、またはその医薬的に許容しうる塩に関する。
【0152】
一実施形態では、R20はメチルである。
【0153】
表1は、本発明に方法に従って合成することができる代表的な化合物を含む。
【0154】
【化187】

【0155】
【化188】

【0156】
【化189】

【0157】
【化190】

【0158】
【化191】

【0159】
【化192】

前記表において、太字の結合は、キラル中心で特定の立体化学を表すことを示すものである。キラル中心からの太字ではない結合は、該置換基は、エナンチオマー、すなわちRまたはSでも、その両方の混合物でもよいことを示す。さらに、便宜のために、化学名が各化合物の下に記載されているが、これらは提示された化学構造体を限定するものではない。化学名と化合物の構造との間に矛盾点がある場合、化合物の構造が優先する。また、規約および利用可能な選択によって、複数の化学名が1つの特定の化学構造体に与えられることがある。限定ではない例示として、化合物8は、オキサゾリジノン環上のメチルアセタミド置換基に関して提示される立体化学で描かれるが、トリアゾール環に結合するメチレン基のキラル中心上のメチル置換基および分子の残存部のNに関しては、立体化学は提示されない。化合物8は、アセタミド置換基が結合するキラル炭素中心で「5S」立体化学を示すように命名される。しかし、化合物8は、立体化学が定義されない、あるいは化合物が立体化学が示されていないメチル置換基に関して、ラセミ体であることを示す、「(R/S)」称呼でも命名される。
【0160】
表2に、種々の化学的成分、すなわち、表1の化合物の合成に使用される、アミノアルキン化合物、オキサゾリジノン化合物およびアルデヒド化合物を示す。
【0161】
【化193】

【0162】
【化194】

【0163】
【化195】

【0164】
【化196】

【0165】
【化197】

【0166】
【化198】

【0167】
【化199】

【0168】
【化200】

【0169】
【化201】

【実施例】
【0170】
本発明の実施形態を、以下の実施例で記載するが、これらの実施例は、本発明の範囲および特性を説明するためのもので、限定のためのものではない。
【0171】
核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、Bruker Avance300またはAvance500スペクトルメーターで得、あるいはある場合は、GE−Nicolet300スペクトルメーターで得た。通常の反応溶媒は、他に記載がない限り、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)グレードまたは米国化学協会(ACS)グレードであり、製造者から入手したままの無水物を使用した。「クロマトグラフィー」または「シリカゲルにより精製された」は、他に記載がない限り、シリカゲル(EM Merck,Silica Gel60,230〜400メッシュ)を使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーを言う。
【0172】
実施例の合成の以下の実験の詳細において使用される略語のいくつかは、以下のように規定される。
hr=時間(複数を含む)
min=分(複数を含む)
mol=モル(複数を含む)
mmol=ミリモル(複数を含む)
M=モルの
μM=マイクロモルの
g=グラム(複数を含む)
μg=マイクログラム(複数を含む)
rt=室温
L=リットル(複数を含む)
mL=ミリリットル(複数を含む)
EtO=ジエチルエーテル
THF=テトラヒドロフラン
DMSO=ジメチルスルホキシド
EtOAc=酢酸エチル
EtN=トリエチルアミン
i−PrNEt=ジイソプロピルエチルアミン
CHCl=塩化メチレン
CHCl=クロロホルム
CDCl=重水化クロロホルム
CCl=四塩化炭素
MeOH=メタノール
CDOD=重水化メタノール
EtOH=エタノール
DMF=ジメチルホルムアミド
BOC=t−ブトキシカルボニル
CBZ=ベンジルオキシカルボニル
LCMS=液体クロマトグラフィー質量分光器
TBS=t−ブチルジメチルシリル
TBSCl=t−ブチルジメチルシリルクロライド
TFA=トリフルオロ酢酸
TMS=トリメチルシリル(化学構造体中の置換基の場合)またはテトラメチルシラン
DBU=ジアザビシクロウンデセン
TBDPSCl=t−ブチルジフェニルクロロシラン
ヒューニッヒ塩基=N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMAP=4−ジメチルアミノピリジン
CuI=ヨウ化銅(I)
MsCl=メタンスルホニルクロライド
NaN=アジ化ナトリウム
NaSO=硫酸ナトリウム
NaHCO=炭酸水素ナトリウム
NaOH=水酸化ナトリウム
MgSO=硫酸マグネシウム
CO=炭酸カリウム
KOH=水酸化カリウム
NHOH=水酸化アンモニウム
NHCl=塩化アンモニウム
SiO=シリカ
Pd−C=炭素上のパラジウム
Pd(dppf)Cl =ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)。
【0173】
(実施例1:化合物1の合成)
化合物1およびその塩酸塩を以下のスキームに従って合成する。
【0174】
【化202】

4−メトキシベンジルアジド1001 4−メトキシベンジルクロライド1000(51.8g,331.0mmol)の無水DMF(200mL)溶液を、25℃で、固形アジ化ナトリウム(21.5g,331.0mmol,1.0当量)で処理し、得られた混合物を25℃で24時間撹拌した。TLCおよびHPLC/MSが反応の完了を示した時、反応混合物を、室温で、HO(400mL)および酢酸エチル(EtOAc,400mL)を使用してクエンチした。2つの層を分離し、水性層をEtOAc(200mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、HO(2×200mL)および飽和NaCl水溶液(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空濃縮した。粗4−メトキシベンジルアジド(51.2g,理論値:53.95g,収率:94.9%)を、無色油状物として得た。HPLCおよびH NMRにより、これは実質的に純粋であることがわかり、さらに精製することなく、後続の反応に直接使用した。4−メトキシベンジルアジド1001に関し:
【0175】
【化203】

C−[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル]−メチルアミンおよびC−[3−(4−メトキシベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル]−メチルアミン(1003および1004) 4−メトキシベンジルアジド1001(61.2g,375.5mmol)のトルエン(188mL)溶液を、25℃で、プロパルギルアミン1002(市販品,30.97g,38.6mL,563.0mmol,1.5当量)を使用して処理し、得られた反応混合物を暖め、100〜110℃で21時間穏やかに還流した。TLCおよびHPLC/MSが反応の完了を示した時、反応混合物を室温まで冷却し、その後真空濃縮し、過剰量のプロパルギルアミンおよび溶媒を除去した。次いで、油状残渣を30%酢酸エチル−ヘキサン(v/v,260mL)で処理し、得られた混合物を還流温度まで暖め、還流温度で30分撹拌し、その後1時間で室温まで冷却した。次いで、淡黄色固体をろ過により集め、30%酢酸エチル−ヘキサン(v/v,2×100mL)で洗浄し、40℃で一晩真空乾燥し、粗環状付加生成物(78.8g,理論値:81.75g,96.4%)を、2つの位置異性体、C−[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル]−メチルアミンおよびC−[3−(4−メトキシ−ベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル]−メチルアミン(1003および1004)の、比が1.2〜1(H NMRによる)の混合物として得た。該粗環状付加生成物は、実質的に純粋で、2つの位置異性体は分離せず、さらに精製することなく、後続の反応に直接使用した。1003および1004に関し:
【0176】
【化204】

4−({tert−ブトキシカルボニル−[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−アミノ}−メチル)−フェニルホウ素酸および4−({tert−ブトキシカルボニル[3−(4−メトキシ−ベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−アミノ}−メチル)−フェニルホウ素酸(1008および1009)
方法A 位置異性体、C−[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル]−メチルアミンおよびC−[3−(4−メトキシ−ベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル]−メチルアミン(1003および1004,20.0g,91.74mmol)の1,2−ジクロロエタン(DCE,280mL)溶液を、室温で、4−ホルミルフェニルホウ素酸1005(市販品,12.39g,82.57mmol,0.9当量)を使用して処理し、得られた反応混合物を室温で10分撹拌した。次いで、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム(NaB(OAc)H,29.2g,137.6mmol,1.5当量)を反応混合物に、室温で、1.5時間の間に3回に分けて加え、得られた反応混合物を室温でさらに3.5時間撹拌した。TLCおよびHPLC/MSが還元アミノ化反応の完了を示した時、反応混合物を真空濃縮した。位置異性体混合物、4−({[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−アミノ}−メチル)−フェニルホウ素酸および4−({[3−(4−メトキシ−ベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−アミノ}−メチル)−フェニルホウ素酸を還元アミノ化生成物として(1006および1007)含む残渣を、テトラヒドロフラン(TΗF,100mL)および水(HO,100mL)で使用した。続けて、得られた溶液を、室温で、固形炭酸カリウム(KCO,37.98g,275.2mmol,3.0当量)およびジ−tert−ブチルジカーボネート(BOCO,20.02g,91.74mmol,1.0当量)を使用して処理し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。TLCおよびHPLC/MSがN−BOC保護反応の完了を示した時、反応混合物を、酢酸エチル(EtOAc,150mL)および水(HO,100mL)で処理した。2つの層を分離し、水性層を酢酸エチル(50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、HO(50mL)、1.5ΝのHCl水溶液(2×100mL)、HO(100mL)およびNaCl飽和水溶液(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空濃縮した。粗位置異性体、4−({tert−ブトキシカルボニル[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−アミノ}−メチル)−フェニルホウ素酸および4−({tert−ブトキシカルボニル[3−(4−メトキシ−ベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−アミノ}−メチル)−フェニルホウ素酸(1008および1009,35.98g,37.32g,96.4%)を淡黄色油状物として得た。これは、室温で真空下に放置すると固化した。この粗物質を、さらに生成することなく、直接後続の反応に使用した。1008および1009に関し:
【0177】
【化205】

方法B 位置異性体C−[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル]−メチルアミンおよびC−[3−(4−メトキシ−ベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル]−メチルアミン(1003および1004,20.06g,92.0mmol)のテトラヒドロフラン(TΗF,300mL)溶液を、室温で、4−ホルミルフェニルホウ素酸(13.11g,87.4mmol,0.95当量)を使用して処理し、得られた反応混合物を、室温で10分撹拌した。トリアセトキシホウ水素化ナトリウム(NaB(OAc)H,29.25g,138.0mmol,1.5当量)を反応混合物に、室温で1.5時間の時間で3回に分けて加え、得られた反応混合物を室温でさらに3.5時間撹拌した。TLCおよびHPLC/MSが、還元アミノ化反応の完了を示した時、還元アミノ化生成物として、位置異性体混合物4−({[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−アミノ}−メチル)−フェニルホウ素酸および4−({[3−(4−メトキシ−ベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−アミノ}−メチル)−フェニルホウ素酸(1006および1007)を含む反応混合物を、水(HO,200mL)で処理した。続けて、得られた水溶液を、室温で、固形炭酸カリウム(KCO,38.0g,276mmol,3.0当量)およびジ−tert−ブチルジカルボネート(BOCO,20.08g,92mmol,1.0当量)を使用して処理し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。TLCおよびHPLC/MSが、N−BOC保護反応の完了を示した時、反応混合物を、酢酸エチル(EtOAc,150mL)および水(HO,100mL)で処理した。2つの層を分離し、水性層を酢酸エチル(50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、HO(50mL)、1.5NのHCl水溶液(2×100mL)、HO(100L)およびNaCl飽和水溶液(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空濃縮した。粗4−({tert−ブトキシカルボニル[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−アミノ}−メチル)−フェニルホウ素酸および4−(tert−ブトキシカルボニル[3−(4−メトキシ−ベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−アミノ}−メチル)−フェニルホウ素酸(1008および1009,38.45g,39.50g,97.3%)を淡黄色油状物として得た。これは、室温で真空下放置すると固化した。この粗物質は、各比較態様において、方法Aから得た物質と本質的に同一であることがわかった。これは、さらに精製することなく、後続の反応に直接使用した。
(5S)−{4’−[5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル}−[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルおよび(5S)−{4’−[5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル}−[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−5−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1011および1012)
4−({tert−ブトキシカルボニル[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−アミノ}−メチル)−フェニルホウ素酸および4−({tert−ブトキシカルボニル[3−(4−メトキシ−ベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−アミノ}−メチル)−フェニルホウ素酸(1008および1009,37.62g,83.23mmol)の粗位置異性体混合物、ならびにN−[3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル]−アセタミド(1010,28.32g,74.9mmol,0.90当量)のトルエン(150mL)懸濁物を、25℃で、粉末KCO(34.45g,249.7mol,3.0当量)、EtOH(50mL)およびHO(50mL)を使用して処理し、得られた混合物を、25℃で、アルゴンの一定したストリーム下、3回脱ガスした。続けて、Pd(PPh(866mg,0.749mmol,0.01当量)を反応混合物に加え、得られた反応混合物を、25℃で、アルゴンの一定したストリーム下、3回脱ガスし、その後暖め、18時間穏やかに還流した。TLCおよびHPLC/MSがカップリング反応の完了を示した時、反応混合物を室温に冷却し、その後、HO(100mL)および酢酸エチル(100mL)で処理した。次いで、2つの層を分離し、水性層をEtOAc(100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、HO(50mL)、1.5ΝのHCl水溶液(2×150mL)、HO(100mL)およびNaCl飽和水溶液(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空濃縮した。残った油状物を、真空下室温で放置して固化し、粗(5S)−{4’−[5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル}−[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−カルバミン酸ブチルエステル(1011)および(5S)−{4’−[5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−5−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1012)を位置異性体混合物として得た。この粗生成物(43.36g,理論値:49.28g,88%)を、さらに精製することなく、後続の反応に直接使用した。1011および1012の混合物に関し:
【0178】
【化206】

(5S)−N−{3−[2−フルオロ−4’−({[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−アミノ}−メチル)−ビフェニル−4−イル]−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル}−アセタミド塩酸塩(1013)および(5S)−N−{3−[2−フルオロ−4’−({[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−5−イルメチル]−アミノ}−メチル)−ビフェニル−4−イル]−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル}−アセタミド塩酸塩(1014) (5S)−{4’−[5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル}−[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルおよび(5S)−{4’−[5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル}−[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−5−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1011および1012,37.28g,56.65mmol)の位置異性体混合物の酢酸エチル(EtOAc,150mL)およびメタノール(MeOH,30mL)溶液を、室温で、4Nの塩化水素の1,4−ジオキサン溶液(113.3mL,453.2mmol,8.0当量)を使用して処理し、得られた反応混合物を、室温で12時間撹拌した。TLCおよびΗPLC/MSが、N−BOCの脱保護反応の完了を示した時、溶媒を真空除去した。次いで、残渣を、アセトニトリル(CHCN)中、250mLの5%メタノール(MeOH)に懸濁し、得られたスラリーを室温で1時間撹拌した。次いで、固形物をろ過によって集め、トルエン(2×100mL)およびアセトニトリル(2×50mL)中の5%メタノールで洗浄し、真空乾燥し、粗(5S)−N−{3−[2−フルオロ−4’−({[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−アミノ}−メチル)−ビフェニル−4−イル]−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル}−アセタミド塩酸塩および(5S)−N−{3−[2−フルオロ−4’−({[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−5−イルメチル]−アミノ}−メチル)−ビフェニル−4−イル]−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル}−アセタミド塩酸塩(1013および1014,30.0g,理論値:33.68g,収率:89.1%)の1.2〜1の比の位置異性体混合物を、オフホワイト結晶として得た。この物質は、H NMRおよびHPLC/MSにより、本質的に純粋であることがわかり、さらに精製することなく、後続の反応に直接使用した。1013および1014の位置異性体混合物に関し:
【0179】
【化207】

(5S)−N−[3−(2−フルオロ−4’−{[(1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル)−アミノ]−メチル}−ビフェニル−4−イル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル]−アセタミド塩酸塩(1塩酸塩) (5S)−N−{3−[2−フルオロ−4’−({[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−アミノ}−メチル)−ビフェニル−4−イル]−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル}−アセタミド塩酸塩および(5S)−N−{3−[2−フルオロ−4’−({[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−5−イルメチル]−アミノ)−メチル)−ビフェニル−4−イル]−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル}−アセタミド塩酸塩(1013および1014,29.17g,49.07mmol)の粗位置異性体混合物のトリフルオロ酢酸(TFA,150mL)溶液を、65〜70℃に暖め、得られた反応混合物を、65〜70℃で12時間撹拌した。TLCおよびΗPLC/MSが、脱保護反応の完了を示した時、溶媒を真空除去した。次いで、残った固形物を酢酸エチル(EtOAc,100mL)およびHO(150mL)で処理し、その後室温で、炭酸ナトリウムの飽和水溶液(30mL)で処理した。次いで、得られた混合物を、室温で1時間撹拌し、その後固形物をろ過で集め、EtOAc(2×50mL)およびHO(2×50mL)で洗浄し、40〜45℃で真空乾燥し、粗(5S)−N−[3−(2−フルオロ−4’−{[(1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル)−アミノ]−メチル]−ビフェニル−4−イル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル]−アセタミド(遊離塩基として1,18.9g,理論値:21.49g,87.9%)を、オフホワイト粉末として得た。これは、ΗPLC/MSおよびH ΝMRにより、純粋な位置異性体の1つであるとわかり、この位置異性体は、同じ方法によって1013単独の脱保護により得られた物質と同一であることがわかった。遊離塩基として1に関し:
【0180】
【化208】

1の遊離塩基(18.0g,41.1mmol)の酢酸エチル(EtOAc,80mL)およびメタノール(MeOH,20mL)懸濁物を、室温で、4.0Nの塩化水素の1,4−ジオキサン(41.1mL,164.4mmol,4.0当量)溶液で処理し、得られた混合物を、室温で8時間撹拌した。次いで、溶媒を、真空除去し、残渣をさらに真空乾燥し、その後、アセトニトリル(80mL)中の10%メタノール混合物で処理した。固形物をろ過により集め、10%MeOH/アセトニトリル(2×40mL)で洗浄し、真空乾燥し、1の塩酸塩(18.13g,理論値:19.50g,収率:93%)をオフホワイト結晶として得た。
【0181】
1の粗塩酸塩は、必要であれば、以下の手順により、アセトニトリルおよび水から結晶化することができる。1の粗塩酸塩(50.0g)のアセトニトリル(1250mL)懸濁物を、還流温度に暖め、その後、蒸留水(HO,280mL)を、前記混合物に徐々に導入した。次いで、得られた透明の黄色〜薄茶色溶液を、還流温度で10分撹拌し、その後45〜55℃に冷却した。次いで、溶液を45〜55℃でセライト床を通してろ過し、ろ液を徐々に室温に冷却し、その後、さらに氷浴中1時間で0〜5℃に冷却した。次いで、固形物を、ろ過により集め、アセトニトリル(2×50mL)で洗浄し、40℃で24時間、真空乾燥し、再結晶1の塩酸塩(42.5g,理論値:50.0g,回収:85%)をオフホワイト結晶として得た。1に関し:
【0182】
【化209】

オキサゾリジノン化合物1010の合成
オキサゾリジノン化合物1010を、以下の合成スキームに従って製造する。
【0183】
【化210】

(3−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸ベンジルエステル(1016) 3−フルオロ−フェニルアミン(1015,18.7g,168.3mmol)のテトラヒドロフラン(THF,150mL)溶液を、炭酸カリウム(KCO,46.45g,336.6mmol,2.0当量)およびHO(150mL)で処理し、その後、クロロギ酸ベンジル(CBZCl,31.58g,185.1mmol,26.1mL,1.1当量)のTHF(50mL)溶液を、室温でN下、反応混合物に滴下した。得られた反応混合物を室温で2時間撹拌した。TLCが反応の完了を示した時、反応混合物を、HO(100mL)および酢酸エチル(EtOAc,100mL)で処理した。2つの層を分離し、水性層をEtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、HO(2×100mL)およびNaCl飽和水溶液(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空濃縮した。残渣をさらに真空乾燥し、粗(3−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸ベンジルエステル(2,39.2g,理論値:41.23g,95%)を淡黄色油状物として得た。これは、本質的に純粋であることがわかり、さらに精製することなく、後続の反応に直接使用した。1016に関し:
【0184】
【化211】

(5R)−3−(3−フルオロ−フェニル)−5−ヒドロキシメチル−オキサゾリジン−2−オン(1018) (3−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸ベンジルエステル(1016,39.2g,160.0mmol)の無水テトラヒドロフラン(THF,300mL)溶液を、乾燥氷アセトン浴中で、−78℃に冷却し、その後、n−ブチルリチウム(n−BuLi,2.5Mへキサン溶液ヘキサン,70.4mL,176mmol,1.1当量)のヘキサン溶液を、−78℃でN下滴下した。得られた反応混合物を、続けて、−78℃で1時間撹拌し、その後、(R)−(−)−グリシジルブチレート1017(25.37g,24.6mL,176mmol,1.1当量)の無水THF(100mL)溶液を、反応混合物に、−78℃でN下、滴下した。得られた反応混合物を、−78℃で30分撹拌し、その後、N下12時間で室温まで徐々に暖めた。TLCおよびHPLC/MSが、反応の完了を示した時、反応混合物を、HO(200mL)でクエンチし、得られた混合物を、室温で1時間撹拌し、その後、酢酸エチル(EtOAc,200mL)を加えた。2つの層を分離し、水性層をEtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、HO(2×100mL)およびNaCl飽和水溶液(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空濃縮した。溶媒の殆どを蒸発させた時、白色結晶が、濃縮溶液から析出した。次いで、残渣を、20%EtOAc−ヘキサン(100mL)で処理し、得られたスラリーをさらに室温で30分撹拌した。次いで、固形物をろ過により集め、20%EtOAc−ヘキサン(2×50mL)で洗浄し、粗(5R)−(3−(3−フルオロ−フェニル)−5−ヒドロキシメチル−オキサゾリジン−2−オン(1018,24.4g,理論値:33.76g,72.3%)を白色結晶として得た。これは、本質的に純粋であることがわかり、さらに精製することなく、後続の反応に直接使用した。1018に関し:
【0185】
【化212】

(5R)−3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−5−ヒドロキシメチル−オキサゾリジン−2−オン(1019) (5R)−(3−(3−フルオロ−フェニル)−5−ヒドロキシメチル−オキサゾリジン−2−オン(1018,10.74g,50.9mmol)のトリフルオロ酢酸(TFA,50mL)溶液を、25℃で、N−ヨードスクシンイミド(ΝIS,12.03g,53.45mmol,1.05当量)で処理し、得られた反応混合物を、25℃で2時間撹拌した。TLCおよびHPLC/MSが、反応の完了を示した時、反応混合物を真空濃縮した。次いで、残渣を、25℃で、HO(100mL)および20%EtOAc−ヘキサン(100mL)で処理し、得られた混合物を、25℃で30分撹拌し、その後、0〜5℃に2時間で冷却した。白色固形物を、ろ過により集め、HO(2×25mL)および20%EtOAc−ヘキサン(2×25mL)で洗浄し、真空乾燥し、粗(5R)−3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−5−ヒドロキシメチル−オキサゾリジン−2−オン(1019,15.1g,理論値:17.15g,88%)をオフホワイト粉末として得た。これは、本質的に純粋であることがわかり、さらに精製することなく、後続の反応に直接使用した。1019に関し:
【0186】
【化213】

(5R)−メタンスルホン酸3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチルエステル(1020) (5R)−3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−5−ヒドロキシメチル−オキサゾリジン−2−オン(1019,25.2g,74.8mmol)の塩化メチレン(CHCl,150mL)溶液を、25℃で、トリエチルアミン(TEA,15.15g,20.9mL,150mmol,2.0当量)を使用して処理し、得られた混合物を0〜5℃に冷却し、その後、メタンスルホニルクロライド(MsCl,10.28g,6.95mL,89.7mmol,1.2当量)を、0〜5℃でN下、反応混合物に滴下した。得られた反応混合物を、続けて、0〜5℃で1時間N下で撹拌した。TLCおよびHPLC/MSが反応の完了を示した時、反応混合物をHO(100mL)およびCHCl(100mL)でクエンチした。2つの層を分離し、水性層をCHCl(100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、HO(2×100mL)およびNaCl飽和水溶液(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空濃縮した。残渣をさらに真空乾燥し、粗(5R)−メタンスルホン酸3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチルエステル(1020,30.71g,理論値:31.04g,98.9%)をオフホワイト粉末として得た。これは、本質的に純粋であることがわかり、さらに精製することなく、後続の反応に直接使用した。1020に関し:
【0187】
【化214】

(5R)−2−[3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル]−イソインド−ル−1,3−ジオン(1021) (5R)−メタンスルホン酸3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチルエステル(1020,26.38g,63.57mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(DMF,120mL)溶液を、25℃で、固形カリウムパチルイミド(pathilimide)(12.95g,70.0mmol,1.1当量)を使用して処理し、得られた反応混合物を2時間で70℃に暖めた。TLCおよびHPLCが反応の完了を示した時、反応混合物を室温に冷却し、その後、HO(400mL)でクエンチし、得られた混合物を室温で10分撹拌し、その後、1時間で0〜5℃に冷却した。次いで、白色析出物をろ過により集め、水(3×100mL)で洗浄し、真空乾燥し、粗(5R)−2−[3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル]−イソインド−ル−1,3−ジオン(1021,27.85g,理論値:29.64g,94%)をオフホワイト粉末として得た。これは、本質的に純粋であることがわかり、さらに精製することなく、後続の反応に直接使用した。1021に関し:
【0188】
【化215】

(5S)−5−アミノメチル−3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−オキサゾリジン−2−オン(1022) (5R)−2−[3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル]−イソインド−ル−1,3−ジオン(1021,23.3g,50.0mmol)のエタノール(EtOH,150mL)溶液を、25℃で、ヒドラジン1水和物(12.52g,12.1mL,250mmol,5.0当量)を使用して処理し、得られた反応混合物を、2時間で還流温度に暖めた。反応混合物を還流中に、白色析出物が形成した。TLCおよびHPLCが、反応の完了を示した時、反応混合物を室温に冷却し、その後、HO(100mL)でクエンチした。水を反応混合物に導入すると、白色析出物全体が溶解し、均質な溶液が生成した。次いで、水溶液を、CHCl(3×200mL)で抽出し、合わせた有機抽出物を、HO(2×100mL)およびNaCl飽和水溶液(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空濃縮した。残渣をさらに真空乾燥し、粗(5S)−5−アミノメチル−3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−オキサゾリジン−2−オン(1022,16.0g,理論値:16.8g,95.2%)を、白色粉末として得た。これは、本質的に純粋であることがわかり、さらに精製することなく、後続の反応に直接使用した。1022に関し:
【0189】
【化216】

(5S)−N−[3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル]−アセタミド(1010) (5S)−5−アミノメチル−3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−オキサゾリジン−2−オン(1022,16.0g,47.6mmol)のCHCl(150mL)懸濁物を、25℃で、トリエチルアミン(TEA,9.62g,13.2mL,95.2mmol,2.0当量)を使用して処理し、得られた反応混合物を0〜5℃に冷却し、その後、0〜5℃でN下、無水酢酸(AcO,7.29g,6.75mL,71.4mmol,1.5当量)および4−N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP,58mg,0.5mmol,0.01当量)を使用して処理した。得られた反応混合物を、続けて、0〜5℃で2時間撹拌した。TLCおよびHPLCが、反応の完了を示した時、反応混合物を、HO(100mL)でクエンチした。2つの層を分離し、次いで、水性層を、CHCl(2×50mL)で抽出し、合わせた有機抽出物を、HO(2×100mL)およびNaCl飽和水溶液(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空濃縮した。残渣を、さらに真空乾燥し、粗(5S)−N−[3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル]−アセタミド(1010,17.36g,理論値:17.99g,96.5%)を白色粉末として得た。これは、本質的に純粋であることがわかり、さらに精製することなく、後続の反応に直接使用した。1010に関し:
【0190】
【化217】

(実施例2:化合物2の合成)
化合物1の反応スキームと類似した反応スキームを使用し、ヨウ化物1010の代わりにオキサゾリジノン化合物1025を使用して、化合物2を製造する。
オキサゾリジノン化合物1025の合成
オキサゾリジノン化合物1025を、オキサゾリジノン化合物1010の合成のために使用したスキームに類似する、以下に示す反応スキームに従って製造する。
【0191】
【化218】

(5R)−メタンスルホン酸3−(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチルエステル(1020) (5R)−3−(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5−ヒドロキシメチル−オキサゾリジン−2−オン(1019,11.66g,34.6mmol)の塩化メチレン(CHCl,80mL)溶液を、25℃で、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(ヒューニッヒ塩基,DIEA,8.95g,12.1mL,69.2mmol,2.0当量)を使用して処理し、得られた混合物を0〜5℃に冷却し、その後、メタンスルホニルクロライド(MsCl,4.36g,2.95mL,38.1mmol,1.1当量)を、0〜5℃でN下、反応混合物に滴下した。得られた反応混合物を、続けて、0〜5℃で1時間、N下で撹拌した。TLCおよびHPLC/MSが反応の完了を示した時、反応混合物をHO(60mL)およびCHCl(60mL)でクエンチした。2つの層を分離し、水性層をCHCl(60mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、HO(2×60mL)およびNaCl飽和水溶液(40mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空濃縮した。残渣をさらに、真空乾燥し、粗(5R)−メタンスルホン酸3−(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチルエステル(1020,14.0g,理論値:14.36g,97.5%)を、オフホワイト粉末として得た。これは、本質的に純粋であることがわかり、さらに精製することなく、後続の反応に直接使用した。1020に関し:
【0192】
【化219】

(5R)−5−アジドメチル−3−(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)−オキサゾリジン−2−オン(1023) (5R)−メタンスルホン酸3−(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチルエステル(1020,14.0g,33.7mmol)の無水DMF(50mL)溶液を、25℃で、アジ化ナトリウム(NaN,4.4g,67.5mmol,2.0当量)を使用して処理し、続けて、得られた混合物を、4時間で、70〜75℃に暖めた。TLCおよびHPLC/MSが、反応の完了を示した時、反応混合物を室温に冷却し、その後、HO(100mL)およびEtOAc(100mL)で処理した。次いで、2つの層を分離し、水性層をEtOAc(2×50mL)で抽出した。次いで、合わせた有機抽出物を、水(2×50mL)およびNaCl飽和水溶液(50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空濃縮した。残渣をさらに真空乾燥し、粗(5R)−5−アジドメチル−3−(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)−オキサゾリジン−2−オン(1023,12.08g,理論値:12.2g,99%)を白色粉末として得た。1023に関し:
【0193】
【化220】

(5R)−3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−5−(4−トリメチルシラニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル)−オキサゾリジン−2−オン(1024) (5R)−5−アジドメチル−3−(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)−オキサゾリジン−2−オン(1023,11.60g,32.0mmol)の無水DMF(50mL)溶液を、室温で、トリメチルシリルアセチレン(4.70g,6.77mL,48.0mmol,1.5当量)を使用して処理し、得られた反応混合物を、20時間で、90〜100℃に暖めた。TLCおよびHPLC/MSが、環化付加反応の完了を示した時、反応混合物を室温に冷却し、その後、真空濃縮した。残渣をさらに、真空乾燥し、粗(5R)−3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−5−(4−トリメチルシラニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル)−オキサゾリジン−2−オン(1024,14.72g,理論値:14.72g,100%)を茶色の油状物として得た。これを、さらに精製することなく、その後の反応に直接使用した。1024に関し:
【0194】
【化221】

(5R)−3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−5−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル−オキサゾリジン−2−オン(1025) 粗(5R)−3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−5−(4−トリメチルシラニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル)−オキサゾリジン−2−オン(1024,14.72g,32.0mmol)をテトラブチルアンモニウムフルオライドのTHF 1M溶液(TBAF,128mL,128mmol,4.0当量)に溶解した溶液を、室温で、酢酸(HOAc,5mL)を使用して処理し、得られた反応混合物を、室温で24時間撹拌した。TLCおよびHPLC/MSが反応の完了を示した時、溶媒を真空除去した。残渣を、室温で、HO(300mL)を使用して処理し、得られた混合物を室温で1時間撹拌した。固形物をろ過により集め、HO(2×100mL)および20%EtOAc/ヘキサン(2×100mL)で洗浄し、真空乾燥した。粗(5R)−3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−5−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル−オキサゾリジン−2−オン(1025,11.65g,理論値:12.416g,93.8%)をオフホワイト粉末として得た。HPLC/MSおよびH NMRによって、これは本質的に純粋であることがわかり、さらに精製することなく、その後の反応に直接使用した。1025に関し:
【0195】
【化222】

化合物2の代替合成
化合物2を、先に記載した反応スキームに類似した反応スキームを使用し、ヨウ化物1025の代わりに、TMS−置換ヨウ化化合物1024を使用して、代替的に製造する。TMS基は、後のステップで除去し、化合物2を得る。化合物1024は、2つの異性体化合物、1024iおよび1024iiとして存在することができ、得られた中間体は、それに対応して、異性体化合物として生成されることに注意すべきである。
【0196】
一般的反応スキームおよび合成は、以下の通りである。
【0197】
【化223】

(3−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸ベンジルエステル(1016) 3−フルオロ−フェニルアミン(1015,18.7g,168.3mmol)のテトラヒドロフラン(THF,150mL)溶液を、炭酸カリウム(KCO,46.45g,336.6mmol,2.0当量)およびHO(150mL)で処理し、その後、クロロギ酸ベンジル(CBZCl,31.58g,185.1mmol,26.1mL,1.1当量)のTHF(50mL)溶液を、室温でN下、反応混合物に滴下した。得られた反応混合物を、室温で2時間撹拌した。TLCが、反応の完了を示した時、反応混合物をHO(100mL)および酢酸エチル(EtOAc,100mL)で処理した。2つの層を分離し、水性層をEtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、HO(2×100mL)およびNaCl飽和水溶液(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空濃縮した。残渣をさらに真空乾燥し、所望の粗(3−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸ベンジルエステル(1016,39.2g,理論値:41.23g,95%)を淡黄色油状物として得た。これは、本質的に純粋であることがわかり、さらに精製することなく、後続の反応に直接使用した。1016に関して:
【0198】
【化224】

(5R)−3−(3−フルオロ−フェニル)−5−ヒドロキシメチル−オキサゾリジン−2−オン(1018) (3−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸ベンジルエステル(1016,39.2g,160.0mmol)の無水テトラヒドロフラン(THF,300mL)溶液を、乾燥氷アセトン浴中で、−78℃に冷却し、その後、n−ブチルリチウム(n−BuLi,2.5Mのヘキサン溶液,70.4mL,176mmol,1.1当量)のヘキサン溶液を、−78℃でN下、滴下した。得られた反応混合物を、続けて、−78℃で1時間撹拌し、その後、(R)−(−)−グリシジルブチレート(25.37g,24.6mL,176mmol,1.1当量)の無水THF(100mL)溶液を、−78℃、N下で、反応混合物に滴下した。得られた反応混合物を−78℃で30分撹拌し、その後、N下で12時間かけて室温に徐々に温めた。TLCおよびHPLC/MSが反応の完了を示した時、反応混合物を、HO(200mL)でクエンチし、得られた混合物を室温で1時間撹拌し、その後、酢酸エチル(EtOAc,200mL)を加えた。2つの層を分離し、水性層をEtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、HO(2×100mL)およびNaCl飽和水溶液(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空濃縮した。殆どの溶媒が蒸発した時、白色結晶が濃縮溶液から析出した。次いで、残渣を、20%EtOAc−ヘキサン(100mL)で処理し、得られたスラリーをさらに室温で30分撹拌した。次いで、固形物を、ろ過で集め、20%EtOAc−ヘキサン(2×50mL)で洗浄し、所望の粗(5R)−(3−(3−フルオロ−フェニル)−5−ヒドロキシメチル−オキサゾリジン−2−オン(1018,24.4g,理論値:33.76g,72.3%)を、白色結晶として得た。これは、本質的に純粋であることがわかり、さらに精製することなく、後続の反応に直接使用した。1018に関して:
【0199】
【化225】

(5R)−3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−5−ヒドロキシメチル−オキサゾリジン−2−オン(1019) (5R)−(3−(3−フルオロ−フェニル)−5−ヒドロキシメチル−オキサゾリジン−2−オン(1018,10.74g,50.9mmol)のトリフルオロ酢酸(TFA,50mL)溶液を、25℃で、N−ヨードスクシンイミド(NIS,12.03g,53.45mmol,1.05当量)を使用して処理し、得られた反応混合物を、25℃で2時間撹拌した。TLCおよびHPLC/MSが反応の完了を示した時、反応混合物を真空濃縮した。次いで、残渣を、25℃で、HO(100mL)および20%EtOAc−ヘキサン(100mL)を使用して処理し、得られた混合物を25℃で30分撹拌し、その後、2時間で0〜5℃に冷却した。白色固形物をろ過により集め、HO(2×25mL)および20%EtOAc−ヘキサン(2×25mL)で洗浄し、真空乾燥し、所望の粗(5R)−3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−5−ヒドロキシメチル−オキサゾリジン−2−オン(1019,15.1g,理論値:17.15g,88%)を、オフホワイト粉末として得た。これは、本質的に純粋であることがわかり、さらに精製することなく、後続の反応に直接使用した。1019に関して:
【0200】
【化226】

(5R)−メタンスルホン酸3−(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチルエステル(1020) (5R)−3−(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5−ヒドロキシメチル−オキサゾリジン−2−オン(1019,269.6g,0.8mol)の塩化メチレン(CHCl,1200mL)溶液を、25℃で、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(ヒューニッヒ塩基,DIEA,206.8g,279mL,1.6mol,2.0当量)を使用して処理し、得られた混合物を0〜5℃に冷却し、その後、メタンスルホニルクロライド(MsCl,109.97g,74.3mL,0.96mol,1.2当量)を、0〜5℃、N下で、反応混合物に滴下した。得られた反応混合物を、続けて、0〜5℃で1時間撹拌し、次いで、N下、4時間で室温まで徐々に暖めた。TLCおよびHPLC/MSが反応の完了を示した時、反応混合物をHO(500mL)でクエンチした。次いで、得られた混合物を、室温で30分撹拌し、その後、真空濃縮し、塩化メチレンを除去した。殆ど全ての塩化メチレンを真空除去し、残渣をHO(1000mL)で処理した。得られたスラリーを室温でさらに1時間撹拌した。次いで、固形物をろ過により集め、HO(2×500mL)で洗浄し、40℃で24時間真空乾燥し、所望の粗(5R)−メタンスルホン酸3−(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチルエステル(1020,290.0g,理論値:332.0g,87.3%)を、オフホワイト粉末として得た。これは、本質的に純粋であることがわかり、さらに精製することなく、後続の反応に直接使用した。1020に関して:
【0201】
【化227】

(5R)−5−アジドメチル−3−(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)−オキサゾリジン−2−オン(1023) (5R)−メタンスルホン酸3−(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチルエステル(5,290.0g,698.8mmol)の無水DMF(700mL)溶液を、25℃で、アジ化ナトリウム(NaN,90.84g,1.4mol,2.0当量)を用いて処理し、続けて、得られた混合物を、6時間で70〜75℃に暖めた。TLCおよびHPLC/MSが反応の完了を示した時、反応混合物を室温に冷却し、その後、HO(1500mL)で処理し、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、固形物をろ過により集め、HO(2×500mL)で洗浄し、40℃で24時間真空乾燥し、所望の粗(5R)−5−アジドメチル−3−(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)−オキサゾリジン−2−オン(1023,248.0g,理論値:252.97g,98%)を白色粉末として得た。これは、本質的に純粋であることがわかり、さらに精製することなく、後続の反応に直接使用した。1023に関して:
【0202】
【化228】

(5R)−3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−5−(4−トリメチルシラニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル)−オキサゾリジン−2−オン(1024) (5R)−5−アジドメチル−3−(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)−オキサゾリジン−2−オン(1023,248.0g,685.0mmol)の無水THF(600mL)溶液を、室温で、トリメチルシリルアセチレン(100.9g,145.2mL,1027.6mmol,1.5当量)を使用して処理し、得られた反応混合物を12時間で還流温度に暖めた。TLCおよびHPLC/MSが環化付加反応の完了を示した時、反応混合物を室温に冷却し、その後真空濃縮した。残渣をさらに真空乾燥し、所望の粗(5R)−3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−5−(4−トリメチルシラニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル)−オキサゾリジン−2−オン(1024,315.1g,理論値:315.1g,100%)を茶色の油状物として得た。これを、さらに精製することなく、その後の反応に直接使用した。1024に関して:
【0203】
【化229】

【0204】
【化230】

4−メトキシベンジルアジド1001 4−メトキシベンジルクロライド1000(51.8g,331.0mmol)の無水DMF(200mL)溶液を、25℃で、固形アジ化ナトリウム(21.5g,331.0mmol,1.0当量)を使用して処理し、得られた混合物を25℃で24時間撹拌した。TLCおよびHPLC/MSが反応の完了を示した時、反応混合物を、室温で、HO(400mL)および酢酸エチル(EtOAc,400mL)を使用してクエンチした。2つの層を分離し、水性層をEtOAc(200mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、HO(2×200mL)およびNaCl飽和水溶液(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空濃縮した。粗4−メトキシベンジルアジド(51.2g,理論値:53.95g,収率:94.9%)を、無色油状物として得た。これは、HPLCおよびH NMRにより、本質的に純粋であることがわかり、さらに精製することなく、その後の反応に直接使用した。4−メトキシベンジルアジド1001に関して:
【0205】
【化231】

C−[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル]−メチルアミンおよびC−[3−(4−メトキシ−ベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル]−メチルアミン(1003および1004) 4−メトキシベンジルアジド1001(61.2g,375.5mmol)のトルエン(188mL)溶液を、25℃で、プロパルギルアミン1002(市販品,30.97g,38.6mL,563.0mmol,1.5当量)を使用して処理し、得られた反応混合物を暖め、100〜110℃で21時間穏やかに還流した。TLCおよびHPLC/MSが反応の完了を示した時、反応混合物を室温に冷却し、その後、真空濃縮して、過剰量のプロパルギルアミンおよび溶媒を除去した。次いで、油状残渣を30%酢酸エチル−ヘキサン(v/v,260mL)で処理し、得られた混合物を還流温度に暖め、還流温度で30分撹拌し、その後、1時間で室温に冷却した。次いで、淡黄色固形物をろ過により集め、30%酢酸エチル−ヘキサン(v/v,2×100mL)で洗浄し、40℃で一晩真空乾燥し、粗環状付加生成物(78.8g,理論値:81.75g,96.4%)を、位置異性体、C−[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル]−メチルアミンおよびC−[3−(4−メトキシ−ベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル]−メチルアミン(1003および1004)の2つの異性体の1.2〜1の混合物(H NMRによる)として得た。該粗環状付加生成物は、本質的に純粋であることがわかり、該2つの位置異性体を分離せずに、その後精製することなく、その後の反応に直接使用した。1003および1004に関して:
【0206】
【化232】

4−({tert−ブトキシカルボニル−[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−アミノ}−メチル)−フェニルホウ素酸および4−({tert−ブトキシカルボニル[3−(4−メトキシ−ベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−アミノ}−メチル)−フェニルホウ素酸(1008および1009)
方法A 位置異性体、C−[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル]−メチルアミンおよびC−[3−(4−メトキシ−ベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル]−メチルアミン(1003および1004,20.0g,91.74mmol)の1,2−ジクロロエタン(DCE,280mL)溶液を、室温で、4−ホルミルフェニルホウ素酸1005(市販品,12.39g,82.57mmol,0.9当量)を使用して処理し、得られた反応混合物を、室温で10分撹拌した。次いで、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム(NaB(OAc)H,29.2g,137.6mmol,1.5当量)を、室温で1.5時間の間に3回で、反応混合物に加え、得られた反応混合物を、室温でさらに3.5時間撹拌した。TLCおよびHPLC/MSが還元アミノ化反応の完了を示した時、反応混合物を真空濃縮した。次いで、4−({[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−アミノ)−メチル)−フェニルホウ素酸および4−({[3−(4−メトキシ−ベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−アミノ)−メチル)−フェニルホウ素酸の位置異性体混合物を還元アミノ化生成物(1006および1007)として含む残渣を、テトラヒドロフラン(TΗF,100mL)および水(HO,100mL)で処理した。続けて、得られた溶液を、室温で、固形炭酸カリウム(KCO,37.98g,275.2mmol,3.0当量)およびジ−tert−ブチルジカルボネート(BOCO,20.02g,91.74mmol,1.0当量)を使用して処理し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。TLCおよびHPLC/MSがN−BOC保護反応の完了を示した時、反応混合物を、酢酸エチル(EtOAc,150mL)および水(HO,100mL)で処理した。2つの層を分離し、水性層を酢酸エチル(50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、HO(50mL)、1.5ΝのHCl水溶液(2×100mL)、HO(100mL)およびNaCl飽和水溶液(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空濃縮した、粗位置異性体、4−({tert−ブトキシカルボニル−[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−アミノ}−メチル)−フェニルホウ素酸および4−({tert−ブトキシカルボニル[3−(4−メトキシ−ベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−アミノ}−メチル)−フェニルホウ素酸(1008および1009,35.98g,37.32g,96.4%)を、淡黄色油状物として得、真空下、室温で放置すると固化した。この粗物質を、さらに精製することなく、その後の反応に直接使用した。1008および1009に関して:
【0207】
【化233】

方法B 位置異性体、C−[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル]−メチルアミンおよびC−[3−(4−メトキシ−ベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル]−メチルアミン(1003および1004,20.06g,92.0mmol)のテトラヒドロフラン(TΗF,300mL)溶液を、室温で、4−ホルミルフェニルホウ素酸(13.11g,87.4mmol,0.95当量)を使用して処理し、得られた反応混合物を室温で10分撹拌した。次いで、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム(NaB(OAc)H,29.25g,138.0mmol,1.5当量)を、室温で、1.5時間の間に3回で、反応混合物に加え、得られた反応混合物を、室温でさらに3.5時間撹拌した。TLCおよびHPLC/MSが還元アミノ化反応の完了を示した時、4−({[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−アミノ}−メチル)−フェニルホウ素酸および4−({[3−(4−メトキシ−ベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−アミノ}−メチル)−フェニルホウ素酸の位置異性体混合物を還元アミノ化生成物(1006および1007)として含む反応混合物を、水(HO,200mL)で処理した。続けて、得られた水溶液を、室温で、固形炭酸カリウム(KCO,38.0g,276mmol,3.0当量)およびジ−tert−ブチルジカルボネート(BOCO,20.08g,92mmol,1.0当量)を使用して処理し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。TLCおよびHPLC/MSが、N−BOC保護反応の完了を示した時、反応混合物を、酢酸エチル(EtOAc,150mL)および水(HO,100mL)で処理した。2つの層を分離し、水性層を酢酸エチル(50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、HO(50mL)、1.5NのHCl水溶液(2×100mL)、HO(100mL)およびNaCl飽和水溶液(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空濃縮した。粗4−({tert−ブトキシカルボニル[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−アミノ}−メチル)−フェニルホウ素酸および4−({tert−ブトキシカルボニル[3−(4−メトキシ−ベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−アミノ}−メチル)−フェニルホウ素酸(1008および1009,38.45g,39.50g,97.3%)を淡黄色油状物として得、これは真空下室温で放置すると固化した。この粗物質は、方法Aから得られた物質と各比較態様において本質的に同一であることがわかり、さらに精製することなく、その後の反応に直接使用した。
【0208】
{2’−フルオロ−4’−[2−オキソ−5−(4−トリメチルシラニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル)−オキサゾリジン−3−イル]−ビフェニル−4−イルメチル}−[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1Η−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(SC−167−63−1) 4−({tert−ブトキシカルボニル[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−アミノ)−メチル)−フェニルホウ素酸および4−({tert−ブトキシカルボニル[3−(4−メトキシ−ベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−アミノ}−メチル)−フェニルホウ素酸(1008および1009,0.40g,0.89mmol)の粗位置異性体混合物、ならびにN−[3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル]−アセタミド(1024,0.37g,0.80mmol,0.90当量)のトルエン(3mL)懸濁物を、25℃で、粉末KCO(0.365g,5.31mol,3.0当量)、EtOH(1mL)およびHO(1mL)を使用して処理し、得られた混合物を、25℃で、アルゴンの一定したストリーム下、3回脱ガスした。続けて、Pd(PPh(51mg,0.09mmol,0.05当量)を反応混合物に加え、得られた反応混合物を、再び、25℃で、アルゴンの一定したストリーム下、3回脱ガスし、その後、暖め、18時間穏やかに還流した。TLCおよびHPLC/MSがカップリング反応の完了を示した時、反応混合物を室温に冷却し、その後、HO(20mL)および酢酸エチル(20mL)で処理した。次いで、2層を分離し、水性層をEtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、HO(20mL)、1.5NのHCl水溶液(2×20mL)、HO(20mL)およびNaCl飽和水溶液(20mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空濃縮した。真空下、室温で放置すると、残渣油状物が固化し、粗{2’−フルオロ−4’−[2−オキソ−5−(4−トリメチルシラニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル)−オキサゾリジン−3−イル]−ビフェニル−4−イルメチル}−[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(SC−167−63−1)を、位置異性体混合物として得た。この粗生成物(0.484g,理論値:0.592g,82%)を、さらに精製することなく、続く反応に直接使用した。SC−167−63−1に関して:
【0209】
【化234】

(5R)−3−[2−フルオロ−4’−({[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−アミノ}−メチル)−ビフェニル−4−イル]−5−(4−トリメチルシラニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル)−オキサゾリジン−2−オン塩酸塩(SC−167−63−2) {2’−フルオロ−4’−[2−オキソ−5−(4−トリメチルシラニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル)−オキサゾリジン−3−イル]−ビフェニル−4−イルメチル}−[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルSC−167−63−1、0.18g,0.24mmol)の位置異性体混合物のジクロロメタン(CHCl,10mL)溶液を、室温で、4Nの塩化水素の1,4−ジオキサン(0.5mL,1.9mmol,8.0当量)溶液を使用して処理し、得られた反応混合物を、室温で6時間撹拌した。TLCおよびHPLC/MSがN−BOC脱保護反応の完了を示した時、溶媒を真空除去した。次いで、残渣を、アセトニトリル(CHCN)中、20mLの5%メタノール(MeOH)に懸濁し、得られたスラリーを室温で1時間撹拌した。次いで、固形物をろ過により集め、トルエン(2×20mL)およびアセトニトリル(2×20mL)中の5%メタノールで洗浄し、真空乾燥し、粗(5R)−3−[2−フルオロ−4’−({[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−アミノ}−メチル)−ビフェニル−4−イル]−5−(4−トリメチルシラニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル)−オキサゾリジン−2−オン塩酸塩(SC−167−63−2,0.14g,理論値:0154g,収率:90.9%)の位置異性体混合物を、オフホワイト結晶として得た。H NMRおよびHPLC/MSにより、この物質は、本質的に純粋であることがわかり、さらに精製することなく、続く反応に直接使用した。SC−167−63−2に関して:
【0210】
【化235】

(5R)−3−[2−フルオロ−4’−({[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−アミノ}−メチル)−ビフェニル−4−イル]−5−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル−オキサゾリジン−2−オン 3−[2−フルオロ−4’−(([1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−アミノ}−メチル)−ビフェニル−4−イル]−5−(4−トリメチルシラニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル)−オキサゾリジン−2−オン塩酸塩(SC−167−63−2,0.22g,0.343mmol)を、テトラブチルアンモニウムフロライドの1MのTHF溶液(TBAF,1.4mL,1.4mmol,4.0当量)に溶解した溶液を、室温で、酢酸(HOAc,5.0mL)を使用して処理し、得られた反応混合物を、室温で24時間撹拌した。TLCおよびHPLC/MSが反応の完了を示した時、溶媒を真空除去した。残渣を、室温で、HO(30mL)を使用して処理し、得られた混合物を、室温で1時間撹拌した。固形物をろ過により集め、HO(2×10mL)および20%EtOAc/ヘキサン(2×20mL)で洗浄し、真空乾燥した。所望の粗(5R)−3−[2−フルオロ−4’−({[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−アミノ}−メチル)−ビフェニル−4−イル]−5−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル−オキサゾリジン−2−オン(SC−167−71,0.17g,理論値:0.195g,87%)を、オフホワイト粉末として得た。HPLC/MSおよびH NMRにより、これは、本質的に純粋であることがわかり、さらに精製することなく、続く反応に直接使用した。SC−167−71に関して:
【0211】
【化236】

(5R)−3−(2−フルオロ−4’−{[(1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル)−アミノ]−メチル}−ビフェニル−4−イル)−5−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル−オキサゾリジン−2−オン塩酸塩(化合物2塩酸塩) (5R)−3−[2−フルオロ−4’−({[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−アミノ}−メチル)−ビフェニル−4−イル]−5−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル−オキサゾリジン−2−オン(SC−167−71,0.30g,0.528mmol)の粗位置異性体混合物のトリフルオロ酢酸(TFA,10mL)溶液を、65〜70℃に温め、得られた反応混合物を、65〜70℃で12時間撹拌した。TLCおよびHPLC/MSが脱保護反応の完了を示した時、溶媒を真空除去した。次いで、残渣固形物を、酢酸エチル(EtOAc,10mL)およびHO(15mL)で処理し、その後、室温で、炭酸ナトリウム(30mL)の飽和水溶液を使用して処理した。次いで、得られた混合物を室温で1時間撹拌し、その後、固形物をろ過により集め、EtOAc(2×20mL)およびHO(2×20mL)で洗浄し、40〜45℃で真空乾燥し、粗(5R)−3−(2−フルオロ−4’−{[(1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル)−アミノ]−メチル}−ビフェニル−4−イル)−5−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル−オキサゾリジン−2−オン(遊離塩基としての化合物2,0.18g,理論値:0.24g,75%)をオフホワイト粉末として得た。HPLC/MSおよびH NMRにより、これは、1つの純粋な位置異性体であることがわかった。遊離塩基としての化合物2に関して:
【0212】
【化237】

【0213】
【化238】

化合物2の遊離塩基(0.18g,0.40mmol)の酢酸エチル(EtOAc,80mL)およびメタノール(MeOH,20mL)懸濁物を、室温で、4.0Nの塩化水素の1,4−ジオキサン溶液を使用して処理し、得られた混合物を室温で8時間撹拌した。次いで、溶媒を真空除去し、残渣をさらに真空乾燥し、その後、アセトニトリル(20mL)中10%メタノール混合物で処理した。固形物をろ過により集め、10%MeOH/アセトニトリル(2×10mL)で洗浄し、真空乾燥し、化合物2塩酸塩(0.19g,理論値:0.194g,収率:98%)を、オフホワイト結晶として得た。
【0214】
粗化合物2塩酸塩は、必要であれば、以下の手順により、アセトニトリルおよび水から再結晶することができる。粗1塩酸塩(2.0g)のアセトニトリル(150mL)懸濁物を、還流温度に暖め、蒸留水(HO,10mL)を混合物にゆっくり導入した。次いで、得られた透明の黄色〜薄茶色溶液を、還流温度で10分撹拌し、その後45〜55℃に冷却した。次いで、溶液を45〜55℃でセライト床を通してろ過し、ろ液を徐々に室温に冷却し、その後、さらに氷浴で1時間で0〜5℃に冷却した。次いで、固形物を、ろ過により集め、アセトニトリル(2×50mL)で洗浄し、40℃で24時間、真空乾燥し、再結晶化合物2の塩酸塩(1.58g,理論値:2.0g,回収:79%)をオフホワイト結晶として得た。化合物2HCl塩に関して:
【0215】
【化239】

(実施例3:化合物3の合成)
化合物3を、化合物1の反応スキームと類似の反応スキームを使用し、オキサゾリジノン化合物1010の代わりに、オキサゾリジノン化合物1026を使用して製造する。
オキサゾリジノン化合物1026の合成
オキサゾリジノン化合物1026を、オキサゾリジオン化合物1010の合成に使用した反応スキームと類似の以下の反応スキームに従って製造する。
【0216】
【化240】

(5S)−2,2−ジフルオロ−N−[3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル]−アセタミド(1026) (5S)−5−アミノメチル−3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−オキサゾリジン−2−オン(1022,5.0g,14.88mmol)の塩化メチレン(CHCl,50mL)懸濁物を、ジフルオロ酢酸(2.14g,1.41mL,22.32mmol,1.5当量)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIEAあるいはヒューニッヒ塩基,3.85g,5.18mL,29.76mmol,2.0当量)で処理し、得られた反応混合物を、0〜5℃に冷却し、その後、0〜5℃で、EDCI(4.30g,22.32mmol,1.5当量)を使用して処理した。続けて、反応混合物を、0〜5℃で1時間撹拌し、その後、12時間で徐々に室温に暖めた。TLCおよびHPLC/MSが反応の完了を示した時、反応混合物を、HO(50mL)およびCHCl(50mL)でクエンチした。次いで、2つの層を分離し、水性層をCHCl(2×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、HO(50mL)およびNaCl飽和水溶液(50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空濃縮して、粗(5S)−2,2−ジフルオロ−N−[3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル]−アセタミド(1026,5.64g,理論値:6.16g,91.6%)を、オフホワイト粉末として得た。HPLC/MSおよびH ΝMRにより、これは本質的に純粋であることがわかり、さらに精製することなく、続く反応に直接使用した。1026に関して:
【0217】
【化241】

【0218】
【化242】

(実施例4:化合物4の合成)
化合物4は、化合物1の反応スキームに類似した反応スキームを使用し、オキサゾリジノン化合物1010の代わりに、オキサゾリジノン化合物1027を使用して製造することができる。
【0219】
オキサゾリジノン化合物1027の合成
オキサゾリジノン化合物1027は、化合物1022を、ジクロロ酢酸またはジクロロ無水酢酸と反応させ、オキサゾリジノン化合物1027を生成する、オキサゾリジノン化合物1026の反応スキームに類似の反応スキームを使用して製造することができる。
【0220】
(実施例5:化合物5の合成)
化合物5は、化合物1の反応スキームに類似した反応スキームを使用し、プロパルギルアミン1002の代わりに1−アミノ−4−ペンチン1028を使用して製造することができる。
【0221】
1028の合成
化合物1028は、標準化学操作法を使用し、1−ヒドロキシ−4−ペンチン(Aldrich社からの市販品)から出発し、このヒドロキシル化合物をそのメシレート(塩化メシル,ヒューニッヒ塩基,ジクロロメタン)に変換し、該メシレートをアジド(アジ化ナトリウム,テトラヒドロフラン/ジメチルホルムアミド)に変換し、アジドの還元によりアミン(トリフェニルホスフィン,テトラヒドロフラン)にすることにより、製造することができる。
【0222】
(実施例6:化合物6の合成)
化合物6は、化合物1の反応スキームに類似した反応スキームを使用し、プロパルギルアミン1002の代わりに、1−アミノ−3−ブチン(AB Chemicals社からの市販品)1029を使用して製造することができる。
【0223】
(実施例7:化合物7の合成)
化合物7は、化合物1の反応スキームに類似した反応スキームを使用し、プロパルギルアミン1002の代わりに、N−メチル−1−アミノ−2−プロピン(N−メチル−プロパルギルアミンとしても知られる(Aldrich社からの市販品)1030を使用して製造することができる。
【0224】
(実施例8:化合物8の合成)
化合物8は、化合物1の反応スキームに類似した反応スキームを使用し、プロパルギルアミン1002の代わりに、1−アミノ−1−メチル−2−プロピン1031(AB Chem社からの市販品)を使用して製造することができる。
【0225】
(実施例9:化合物9の合成)
化合物9は、化合物1の反応スキームに類似した反応スキームを使用し、4−ホルミルフェニルホウ素酸1005の代わりに、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン)−フェニルアセトアルデヒド1032(これは、対応するカルボン酸の還元によって製造することができる)を使用して製造することができる。
【0226】
(実施例10:化合物10の合成)
化合物10は、化合物1の反応スキームに類似した反応スキームを使用し、プロパルギルアミン1002の代わりに1−アミノ−3−ブチン(AB Chemicals社からの市販品)1029を、および4−ホルミルフェニルホウ素酸1005の代わりに4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン)−フェニルアセトアルデヒド1032(これは対応するカルボン酸の還元によって製造することができる)を使用して製造することができる。
【0227】
(実施例11:化合物11の合成)
化合物11は、化合物1の反応スキームに類似した反応スキームを使用し、オキサゾリジノン化合物1010の代わりに、オキサゾリジノン化合物1033(PCT出願、国際公開第99/10342号、Zeneca Limited、1999年3月4日公開に記載された合成)を使用して製造することができる。
【0228】
(実施例12:化合物12の合成)
化合物12は、化合物1の反応スキームに類似した反応スキームを使用し、オキサゾリジノン化合物1010の代わりに、オキサゾリジノン化合物1034を使用して製造することができる。オキサゾリジノン化合物1034は、オキサゾリジノン1025と類似の方法で、3−フルオロフェニルアミン1015の代わりに、3,5−ジフルオロフェニルアミンを使用して製造することができる。
【0229】
(実施例13:化合物13の合成)
化合物13は、化合物1の反応スキームに類似した反応スキームを使用し、オキサゾリジノン化合物1010の代わりに、オキサゾリジノン化合物1035を使用して製造することができる。オキサゾリジノン化合物1035は、オキサゾリジノン1026と類似の方法で、3−フルオロフェニルアミン1015の代わりに、3,5−ジフルオロフェニルアミンを使用して製造することができる。
【0230】
(実施例14:化合物14の合成)
化合物14は、化合物1の反応スキームに類似した反応スキームを使用し、オキサゾリジノン化合物1010の代わりに、オキサゾリジノン化合物1036を使用して製造することができる。オキサゾリジノン化合物1036は、オキサゾリジノン1027と類似の方法で、3−フルオロフェニルアミン1015の代わりに、3,5−ジフルオロフェニルアミンを使用して製造することができる。
【0231】
(実施例15:化合物15の合成)
化合物15は、化合物1の反応スキームに類似した反応スキームを使用し、プロパルギルアミン1002の代わりに1−アミノ−4−ペンチン1028を、およびオキサゾリジノン化合物1010の代わりにオキサゾリジノン化合物1033(PCT出願、国際公開第99/10342号、Zeneca Limited、1999年3月4日公開に記載された合成)を使用して製造することができる。
【0232】
(実施例16:化合物16の合成)
化合物16は、化合物1の反応スキームに類似した反応スキームを使用し、プロパルギルアミン1002の代わりに1−アミノ−3−ブチン(AB Chemicals社からの市販品)1029、およびオキサゾリジノン化合物1010の代わりにオキサゾリジノン化合物1033(PCT出願、国際公開第99/10342号、Zeneca Limited、1999年3月4日公開に記載された合成)を使用して製造することができる。
【0233】
(実施例17:化合物17の合成)
化合物17は、化合物1の反応スキームに類似した反応スキームを使用し、プロパルギルアミン1002の代わりにN−メチル−1−アミノ−2−プロピン(N−メチル−プロパルギルアミンとしても知られている(Aldrich社からの市販品)1030を、およびオキサゾリジノン化合物1010の代わりにオキサゾリジノン化合物1033(PCT出願、国際公開第99/10342号、Zeneca Limited、1999年3月4日公開に記載された合成)を使用して製造することができる。
【0234】
(実施例18:化合物18の合成)
化合物18は、化合物1の反応スキームに類似した反応スキームを使用し、プロパルギルアミン1002の代わりに1−アミノ−1−メチル−2−プロピン1031を、およびオキサゾリジノン化合物1010の代わりにオキサゾリジノン化合物1033(PCT出願、国際公開第99/10342号、Zeneca Limited、1999年3月4日公開に記載された合成)を使用して製造することができる。
【0235】
(実施例19:化合物19の合成)
化合物19は、化合物1の反応スキームに類似した反応スキームを使用し、オキサゾリジノン化合物1010の代わりにオキサゾリジノン化合物1033(PCT出願、国際公開第99/10342号、Zeneca Limited、1999年3月4日公開に記載された合成)を、および4−ホルミルフェニルホウ素酸1005の代わりに4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン)−フェニルアセトアルデヒド1032(これは対応するカルボン酸の還元によって製造することができる)を使用して製造することができる。
【0236】
(実施例20:化合物20の合成)
化合物20は、化合物1の反応スキームに類似した反応スキームを使用し、プロパルギルアミン1002の代わりに1−アミノ−3−ブチン(AB Chemicals社からの市販品)1029を、オキサゾリジノン化合物1010の代わりにオキサゾリジノン化合物1033(PCT出願、国際公開第99/10342号、Zeneca Limited、1999年3月4日公開に記載された合成)を、および4−ホルミルフェニルホウ素酸1005の代わりに4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン)−フェニルアセトアルデヒド1032(これは対応するカルボン酸の還元によって製造することができる)を使用して製造することができる。
【0237】
実施例21〜30に関しては、スズキカップリング反応ステップ、すなわち、本発明のステップ3が、より一般的に行われ、ここでは、「Q」および「Z」置換基は、実施例1〜20の「Q」および「Z」置換基とは逆になる。
【0238】
(実施例21:化合物21の合成)
化合物21は、化合物1の反応スキームに類似した反応スキームを使用し、オキサゾリジノン1010の代わりにホウ素酸エステルオキサゾリジノン化合物1037を、およびアルデヒド化合物1005の代わりにピリジルブロモアルデヒド1038を使用して製造することができる。化合物1037は、化合物1010から、PCT出願、国際公開第2005/012271号、Rib−X Pharmaceuticals Inc.、2005年2月10日公開、に記載の手順を使用して製造することができる。
【0239】
ホウ素酸エステル1037の合成
(5S)−N−[3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル]−アセタミド1010(20.0g,52.8mmol,前記実施例1に記載のように製造)の無水1,4−ジオキサン(130mL)懸濁物を、室温で、4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン(10.2g,11.6mL,80.0mmol,1.5当量)およびトリエチルアミン(16.0g,22.4mL,158.4mmol,3.0当量)を使用して処理した。得られた反応混合物を、アルゴンの一定したストリーム下、3回脱ガスし、その後、室温で、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)(Pd(dppf)Cl,1.32g,1.6mmol,0.03当量)を使用して処理した。得られた反応混合物を、アルゴンの一定したストリーム下、3回脱ガスし、その後、7時間で還流温度に暖めた。HPLC/MSが反応の完了を示した時、反応混合物を室温に冷却し、その後水(100mL)および酢酸エチル(100mL)で処理した。2つの層を分離し、水性層を酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、水(2×50mL)およびNaCl飽和水溶液(50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空濃縮した。残ったっ茶色の油状物をさらに真空乾燥し、(5S)−N−{3−[3−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル}アセタミド1037(18.8g,94%)を茶色の固形物として得た。この生成物を、さらに精製することなく、続く反応に直接使用した。
【0240】
【化243】

化合物1038の合成
2,5−ジブロモ−ピリジン(22.2g,93.7mmol,1.0当量)のトルエン(1.2L)溶液を、−78℃で、液滴状nBuLi(70.25ml,112.4mmol,1.2当量)を使用して処理した。得られた溶液を−78℃で約30分撹拌し、DMF(11ml,141mmol,1.5当量)を加えた。反応溶液を徐々にRTまで暖め、次いで一晩撹拌した。TLCおよびMSが反応の完了を示した時、反応混合物を真空濃縮し、残渣を直接カラムクロマトグラフィー(SiO,10〜30%EtOAc/ヘキサン勾配溶離)により精製し、5−ブロモ−ピリジン−2−カルバルデヒド(1038,5.45g,収率:31%)を黄白色固形物として得た。1038に関して:
【0241】
【化244】

(実施例22:化合物22の合成)
化合物22は、化合物1の反応スキームに類似した反応スキームを使用し、オキサゾリジノン1010の代わりにホウ素酸エステルオキサゾリジノン化合物1039を、およびアルデヒド化合物1005の代わりにピリジルブロモアルデヒド1038を使用して製造することができる。化合物1039は、化合物1010から化合物1037を製造する手順と類似の手順を使用して、化合物1025から製造することができる。
【0242】
(実施例23:化合物23の合成)
化合物23は、化合物1の反応スキームに類似した反応スキームを使用し、オキサゾリジノン1010の代わりにホウ素酸エステルオキサゾリジノン化合物1040を、およびアルデヒド化合物1005の代わりにピリジルブロモアルデヒド1038を使用して製造することができる。化合物1040は、化合物1010から化合物1037を製造する手順と類似の手順を使用して、化合物1026から製造することができる。
【0243】
(実施例24:化合物24の合成)
化合物24は、化合物1の反応スキームに類似した反応スキームを使用し、オキサゾリジノン1010の代わりにホウ素酸エステルオキサゾリジノン化合物1041を、アルデヒド化合物1005の代わりにピリジルブロモアルデヒド1038を使用して製造することができる。化合物1041は、化合物1010から化合物1037を製造する手順と類似の手順を使用して、化合物1027から製造することができる。
【0244】
(実施例25:化合物25の合成)
化合物25は、化合物1の反応スキームに類似した反応スキームを使用し、プロパルギルアミン1002の代わりに1−アミノ−4−ペンチン1028、オキサゾリジノン1010の代わりにホウ素酸エステルオキサゾリジノン化合物1037を、およびアルデヒド化合物1005の代わりにブロモアルデヒド1038を使用して製造することができる。
【0245】
(実施例26:化合物26の合成)
化合物26は、化合物1の反応スキームに類似した反応スキームを使用し、プロパルギルアミン1002の代わりに1−アミノ−3−ブチン(AB Chemicals社からの市販品)1029を、オキサゾリジノン1010の代わりにホウ素酸エステルオキサゾリジノン化合物1037を、およびアルデヒド化合物1005の代わりにピリジルブロモアルデヒド1038を使用して製造することができる。
【0246】
(実施例27:化合物27の合成)
化合物27は、化合物1の反応スキームに類似した反応スキームを使用し、プロパルギルアミン1002の代わりにN−メチル−1−アミノ−2−プロピン(N−メチル−プロパルギルアミンとしても知られる(Aldrich社からの市販品)1030を、オキサゾリジノン1010の代わりにホウ素酸エステルオキサゾリジノン化合物1037を、およびアルデヒド化合物1005の代わりにピリジルブロモアルデヒド1038を使用して製造することができる。
【0247】
(実施例28:化合物28の合成)
化合物28は、化合物1の反応スキームに類似した反応スキームを使用し、プロパルギルアミン1002の代わりに1−アミノ−1−メチル−2−プロピン1031を、オキサゾリジノン1010ホウ素酸エステルオキサゾリジノン化合物1037を、およびアルデヒド化合物1005の代わりにピリジルブロモアルデヒド1042を使用して製造した。
【0248】
(実施例29:化合物29の合成)
化合物29は、化合物1の反応スキームに類似した反応スキームを使用し、オキサゾリジノン1010の代わりにホウ素酸エステルオキサゾリジノン化合物1037およびアルデヒド化合物1005の代わりにピリジルブロモベンズアルデヒド1042を使用して製造した。
【0249】
化合物1042の合成
ピリジルブロモベンズアルデヒド1042は、2,5−ジブロモピリジンと1−アミノ−l−メチル−2−プロピン1031を反応させ、その後、DIBALで還元することによって製造することができる。
【0250】
(実施例30:化合物30の合成)
化合物30は、化合物1の反応スキームに類似した反応スキームを使用し、プロパルギルアミン1002の代わりに1−アミノ−3−ブチン(AB Chemicals社からの市販品)1029を、オキサゾリジノン1010の代わりにホウ素酸エステルオキサゾリジノン化合物1037を、およびアルデヒド化合物1005の代わりにピリジルブロモベンズアルデヒド1042を使用して製造することができる。
【0251】
スズキカップリング反応の成分の反転
実施例1〜30の前記化合物は、全て、スズキカップリングの成分が反転したように、ステップ3に関する「Q」および「Z」置換基を反転して製造することができる。
【0252】
参照による組み込み
本明細書で引用している、補正書、特許出願文献を含む特許文献、科学記事、政府報告書、ウェブサイト、および他の参考文献のそれぞれの全開示は、全ての目的のために、その全体が参照によって組み込まれる。
【0253】
均等
本発明の精神または本質的な特徴を逸脱しない限り、本発明は、他の具体的な形態で実施することができる。したがって、前記実施形態は、全て、ここで記載している発明を限定するというより、説明のためにあると考えるべきである。このように、本発明の範囲は、先の記載によってではなく、添付の請求項によって示されるものであり、請求項と均等の意味および範囲内での変更は全て、本発明に包含されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

で表される化合物(I)を製造するための方法であって、
(ステップ1)
式:
【化2】

で表される化合物(II)を、式:
【化3】

で表される化合物(III)と、溶媒中、場合によっては銅触媒の存在下で組み合わせ、式:
【化4】

で表される化合物(IV)を形成するステップと;
(ステップ2)
化合物(IV)を、式:
【化5】

で表される化合物(V)と、溶媒中、還元剤の存在下で組み合わせ、式:
【化6】

で表される化合物(VI)を形成するステップと;
(ステップ3)
化合物(VI)を、式:
【化7】

で表される化合物(VII)と、溶媒中、塩基およびパラジウム触媒の存在下で組み合わせ、式:
【化8】

で表される化合物(VIII)を形成するステップと;
(ステップ4)
化合物(VIII)を、溶媒中、酸の存在下で加熱し、次いで、中和剤を添加し、化合物(I)を形成するステップと;
を含み、
ここで、
Aは、フェニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニルおよびピリダジニルから選択され;
Bは、フェニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニルおよびピリダジニルから選択され;
Het−CH−Rは、
【化9】

から選択され;
Qは、式:−BYで表されるボランであり、ここで
Yは、
各出現において、独立して、a)−OH、b)−OCI−6アルキル、c)−OC2−6アルケニル、d)−OC2−6アルキニル、e)−OC14飽和、不飽和または芳香族炭素環、f)C1−6アルキル、g)C2−6アルケニル、h)C2−6アルキニルおよびi)C1−I4飽和、不飽和または芳香族炭素環から選択され、ここで、b)〜i)のいずれも、場合によっては、1個以上のハロゲンで置換されるか、
あるいは、2個のY基が一緒になって、a)−OC(R)(R)C(R)(R)O−およびb)−OC(R)(R)CHC(R)(R)O−から選択される化学部分を構成するか、
あるいは、Qは、BFアルカリ金属塩、BFアンモニウム塩、BFテトラアルキルアンモニウム塩、BFリン酸塩または9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナンであり;
Xは、
a)−CH−フェニル、b)−SO−フェニル、c)−SO−フェニル、d)−CH−O−フェニル、e)−CH−O−CH−フェニル、f)−CH−O−R21、g)−Si−(R21およびh)−P(O)−(W)から選択され、
ここで、各Wは、独立して、C1−6アルキルまたはフェニルであり;各R21は、独立して、C1−6アルキルであり;a)、b)、c)、d)、e)またはh)中の各フェニルは、必要に応じて1個以上のR12で置換され、R12は、a)F、b)Cl、c)Br、d)I、e)−CF、f)−OR22、g)−CN、h)−NO、i)−NR2222、j)−C(O)R22、k)−C(O)OR22、l)−OC(O)R22、m)−C(O)NR2222、n)−NR22C(O)R22、o)−OC(O)NR2222、p)−NR22C(O)OR22、q)−NR22C(O)NR2222、r)−C(S)R22、s)−C(S)OR22、t)−OC(S)R22、u)−C(S)NR2222、v)−NR22C(S)R22、w)−OC(S)NR2222、x)−NR22C(S)OR22、y)−NR22C(S)NR2222、z)−C(NR22)R22、aa)−C(NR22)OR22、bb)−OC(NR22)R22、cc)−C(NR22)NR2222、dd)−NR22C(NR22)R22、ee)−OC(NR22)NR2222、ff)−NR22C(NR22)OR22、gg)−NR22C(NR22)NR2222、hh)−S(O)22、ii)−SONR2222およびjj)R22からなる群から選択され、ここで、各R22は、独立して、HまたはC1−6アルキルであり;
Zは、a)I、b)Br、c)Cl、d)ROSO−およびe)NBFから選択され;
は、各出現において、独立して、a)F、b)Cl、c)Br、d)I、e)−CF、f)−OR、g)−CN、h)−NO、i)−NR、j)−C(O)R、k)−C(O)OR、l)−OC(O)R、m)−C(O)NR、n)−NRC(O)R、o)−OC(O)NR、p)−NRC(O)OR、q)−NRC(O)NR、r)−C(S)R、s)−C(S)OR、t)−OC(S)R、u)−C(S)NR、v)−NRC(S)R、w)−OC(S)NR、x)−NRC(S)OR、y)−NRC(S)NR、z)−C(NR)R、aa)−C(NR)OR、bb)−OC(NR)R、cc)−C(NR)NR、dd)−NRC(NR)R、ee)−OC(NR)NR、ff)−NRC(NR)OR、gg)−NRC(NR)NR、hh)−S(O)、ii)−SONRおよびjj)Rから選択され;
は、各出現において、独立して、a)F、b)Cl、c)Br、d)I、e)−CF、f)−OR、g)−CN、h)−NO、i)−NR、j)−C(O)R、k)−C(O)OR、l)−OC(O)R、m)−C(O)NR、n)−NRC(O)R、o)−OC(O)NR、p)−NRC(O)OR、q)−NRC(O)NR、r)−C(S)R、s)−C(S)OR、t)−OC(S)R、u)−C(S)NR、v)−NRC(S)R、w)−OC(S)NR、x)−NRC(S)OR、y)−NRC(S)NR、z)−C(NR)R、aa)−C(NR)OR、bb)−OC(NR)R、cc)−C(NR)NR、dd)−NRC(NR)R、ee)−OC(NR)NR、ff)−NRC(NR)OR、gg)−NRC(NR)NR、hh)−S(O)、ii)−SONRおよびjj)Rから選択され;
は、a)−OR、b)−NR、c)−C(O)R、d)−C(O)OR、e)−OC(O)R、f)−C(O)NR、g)−NRC(O)R、h)−OC(O)NR、i)−NRC(O)OR、j)−NRC(O)NR、k)−C(S)R、l)−C(S)OR、m)−OC(S)R、n)−C(S)NR、o)−NRC(S)R、p)−OC(S)NR、q)−NRC(S)OR、r)−NRC(S)NR、s)−C(NR)R、t)−C(NR)OR、u)−OC(NR)R、v)−C(NR)NR、w)−NRC(NR)R、x)−OC(NR)NR、y)−NRC(NR)OR、z)−NRC(NR)NR、aa)−S(O)、bb)−SONRおよびcc)Rから選択され;
は、各出現において、独立して、
a)H、b)−OR、c)C1−6アルキル、d)C2−6アルケニル、e)C2−6アルキニル、f)C3−14飽和、不飽和または芳香族炭素環、g)3〜14員飽和、不飽和または芳香族ヘテロ環であって、窒素、酸素およびイオウから選択されるヘテロ原子を1個以上含むヘテロ環、h)−C(O)−C1−6アルキル、i)−C(O)−C2−6アルケニル、j)−C(O)−C2−6アルキニル、k)−C(O)−[C3−I4飽和、不飽和または芳香族炭素環]、l)−C(O)−[3〜14員飽和、不飽和または芳香族ヘテロ環であって、窒素、酸素およびイオウから選択されるヘテロ原子を1個以上含むヘテロ環]、m)−C(O)O−C1−6アルキル、n)−C(O)O−C2−6アルケニル、o)−C(O)O−C2−6アルキニル、p)−C(O)O−C3−I4飽和、不飽和または芳香族炭素環およびq)−C(O)O−3〜14員飽和、不飽和または芳香族ヘテロ環であって、窒素、酸素およびイオウから選択されるヘテロ原子を1個以上含むヘテロ環から選択され、ここで、c)〜q)はどれも、場合によっては、1個以上のR基で置換され;
は、各出現において、独立して、a)F、b)Cl、c)Br、d)I、e)=O、f)=S、g)=NR、h)=NOR、i)=N−NR、j)−CF、k)−OR、l)−CN、m)−NO、n)−NR、o)−C(O)R、p)−C(O)OR、q)−OC(O)R、r)−C(O)NR、s)−NRC(O)R、t)−OC(O)NR、u)−NRC(O)OR、v)−NRC(O)NR、w)−C(S)R、x)−C(S)OR、y)−OC(S)R、z)−C(S)NR、aa)−NRC(S)R、bb)−OC(S)NR、cc)−NRC(S)OR、dd)−NRC(S)NR、ee)−C(NR)R、ff)−C(NR)OR、gg)−OC(NR)R、hh)−C(NR)NR、ii)−NRC(NR)R、jj)−OC(NR)NR、kk)−NRC(NR)OR、ll)−NRC(NR)NR、mm)−S(O)、nn)−SONR、oo)−N、pp)−Si(CH、qq)−O−Si(CH、rr)−Si(CCH、ss)−O−Si(CCHおよびtt)Rから選択され;
は、各出現において、独立して、a)H、b)−OR、c)C1−6アルキル、d)C2−6アルケニル、e)C2−6アルキニル、f)C3−14飽和、不飽和または芳香族炭素環、g)3〜14員飽和、不飽和または芳香族へテロ環であって、窒素、酸素およびイオウから選択されるヘテロ原子を1個以上含むへテロ環、h)−C(O)−C1−6アルキル、i)−C(O)−C2−6アルケニル、j)−C(O)−C2−6アルキニル、k)−C(O)−C3−I4飽和、不飽和または芳香族炭素環、l)−C(O)−3〜14員飽和、不飽和または芳香族ヘテロ環であって、窒素、酸素およびイオウから選択されるヘテロ原子を1個以上含むヘテロ環、m)−C(O)O−C1−6アルキル、n)−C(O)O−C2−6アルケニル、o)−C(O)O−C2−6アルキニル、p)−C(O)O−C3−I4飽和、不飽和または芳香族炭素環およびq)−C(O)O−3〜14員飽和、不飽和または芳香族ヘテロ環であって、窒素、酸素およびイオウから選択されるヘテロ原子を1個以上含むへテロ環から選択され、ここで、c)〜q)はいずれも、場合によっては、1個以上のR基で置換され;
は各出現において、独立して、a)F、b)Cl、c)Br、d)I、e)=O、f)=S、g)=NR、h)=NOR、i)=N−NR、j)−CF、k)−OR、l)−CN、m)−NO、n)−NR、o)−C(O)R、p)−C(O)OR、q)−OC(O)R、r)−C(O)NR、s)−NRC(O)R、t)−OC(O)NR、u)−NRC(O)OR、v)−NRC(O)NR、w)−C(S)R、x)−C(S)OR、y)−OC(S)R、z)−C(S)NR、aa)−NRC(S)R、bb)−OC(S)NR、cc)−NRC(S)OR、dd)−NRC(S)NR、ee)−C(NR)R、ff)−C(NR)OR、gg)−OC(NR)R、hh)−C(NR)NR、ii)−NRC(NR)R、jj)−OC(NR)NR、kk)−NRC(NR)OR、ll)−NRC(NR)NR、mm)−S(O)、nn)−SONR、oo)C1−6アルキル、pp)C2−6アルケニル、qq)C2−6アルキニル、rr)C3−I4飽和、不飽和または芳香族炭素環およびss)3〜14員飽和、不飽和または芳香族ヘテロ環であって、窒素、酸素およびイオウから選択されるヘテロ原子を1個以上含むヘテロ環から選択され、ここで、oo)〜ss)はいずれも、場合によっては、R、F、Cl、Br、I、−CF、−OR、−SR、−CN、−NO、−NR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)NR、−NRC(O)R、−OC(O)NR、−NRC(O)OR、−NRC(O)NR、−C(S)R、−C(S)OR、−OC(S)R、−C(S)NR、−NRC(S)R、−OC(S)NR、−NRC(S)OR、−NRC(S)NR、−C(NR)R、−C(NR)OR、−OC(NR)R、−C(NR)NR、−NRC(NR)R、−OC(NR)NR、−NRC(NR)OR、−NRC(NR)NR、−SONRおよび−S(O)から選択される1個以上の部分で置換され;
は、各出現において、独立して、a)H、b)アミン保護基、c)C1−6アルキル、d)C2−6アルケニル、e)C2−6アルキニル、f)C3−14飽和、不飽和または芳香族炭素環、g)3〜14員飽和、不飽和または芳香族ヘテロ環であって、窒素、酸素およびイオウから選択されるヘテロ原子を1個以上含むへテロ環、h)−C(O)−C1−6アルキル、i)−C(O)−C2−6アルケニル、j)−C(O)−C2−6アルキニル、k)−C(O)−C3−I4飽和、不飽和または芳香族炭素環、l)−C(O)−3〜14員飽和、不飽和または芳香族ヘテロ環であって、窒素、酸素およびイオウから選択されるヘテロ原子を1個以上含むヘテロ環、m)−C(O)O−C1−6アルキル、n)−C(O)O−C2−6アルケニル、o)−C(O)O−C2−6アルキニル、p)−C(O)O−C3−14飽和、不飽和または芳香族炭素環およびq)−C(O)O−3〜14員飽和、不飽和または芳香族ヘテロ環であって、窒素、酸素およびイオウから選択されるヘテロ原子を1個以上含むから選択されヘテロ環から選択され、ここで、c)〜q)のいずれも、場合によっては、F、Cl、Br、I、−CF、−OH、−OC1−6アルキル、−SH、−SC1−6アルキル、−CN、−NO、−NH、−NHC1−6アルキル、−N(C1−6アルキル)、−C(O)C1−6アルキル、−C(O)OC1−6アルキル、−C(O)NH、−C(O)NHC1−6アルキル、−C(O)N(C1−6アルキル)、−NHC(O)C1−6アルキル、−SONH−、−SONHC1−6アルキル、−SON(C1−6アルキル)および−S(O)1−6アルキルから選択される1以上の部分で置換され;
は、a)C1−6アルキル、b)フェニルおよびc)トルイルから選択され、ここで、a)〜c)のいずれも、場合によっては、F、Cl、BrおよびIから選択される1以上の部分で置換され;
10は、HおよびC1−8アルキルから選択され;
11は、HおよびC1−8アルキルから選択され;
mは、0、1、2、3または4であり、;
nは、0、1、2、3または4であり;
pは、各出現において、独立して、0、1または2であり;
sは、1、2、3、4、5または6であり;
tは、0、1、2、3、4、5または6であり、
ここで、−(CH−および−(CHは、tが0である場合以外は、場合によっては、そのいずれの原子も、a)C1−6アルキル、b)C1−6アルケニル、c)フェニル、d)ヒドロキシ、e)C1−6アルコキシ、f)F、g)Cl、h)Br、i)I、j)=Oおよびk)ベンジルから選択される1以上の部分によって置換される、方法。
【請求項2】
式:
【化10】

で表される化合物(I)の製造方法であって、
(ステップ1)
式:
【化11】

で表される化合物(II)を、式:
【化12】

で表される化合物(III)と、溶媒中、場合によっては、銅触媒の存在下で組み合わせ、式:
【化13】

で表される化合物(IV)を形成するステップと;
(ステップ2)
化合物(IV)を、式:
【化14】

で表される化合物(V)と、溶媒中、還元剤の存在下で組み合わせ、式:
【化15】

で表される化合物(VI)を形成するステップと;
(ステップ3)
化合物(VI)を、式:
【化16】

で表される化合物(VII)と、溶媒中、塩基およびパラジウム触媒の存在下で組み合わせ、式:
【化17】

で表される化合物(VIII)を形成するステップと;
(ステップ4)
化合物(VIII)を溶媒中、酸の存在下で加熱し、次いで、中和剤を添加して化合物(I)を形成するステップと;
(ステップ5)
化合物(I)を酸と組合せ、その塩を形成するステップと;
を含み、
ここで、A、B、Het−CH−R、Q、X、Z、R、R、R、R10、R11、m、n、p、sおよびtは請求項1に規定する通りである方法。
【請求項3】
式:
【化18】

で表される化合物(I)を製造するための方法であって、
(ステップ4)
式:
【化19】

で表される化合物(VIII)を、溶媒中、酸の存在下で加熱し、次いで、中和剤の添加によって化合物(I)を形成するステップを含み、
ここで、A、B、Het−CH−R、X、Q、Z、R、R、R、R10、R11、m、n、p、sおよびtは、請求項1に規定する通りである、方法。
【請求項4】
式:
【化20】

で表される化合物(I)を製造するための方法であって、
(ステップ4)
式:
【化21】

で表される化合物(VIII)を、溶媒中、酸の存在下で加熱し、次いで中和剤の添加によって化合物(I)を形成するステップと;
(ステップ5)
化合物(I)を酸と組合せ、その塩を形成するステップと;
を含み、
ここで、A、B、Het−CH−R、Q、Z、R、R、R、R10、R11、m、n、p、sおよびtは請求項1に規定する通りである、方法。
【請求項5】
Aは、フェニルおよびピリジルから選択され;
Bは、フェニルおよびピリジルから選択され;
mは、0、1または2であり;
nは、0、1または2である請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
Aは、フェニルおよびピリジルから選択され;
Bはフェニルであり;
mは0であり;
nは0、1または2である請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
は、トリアゾール、テトラゾール、オキサゾールおよびイソキサゾールから選択される請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
Xは、a)パラ−メトキシベンジル、b)パラ−トルエンスルホニル、c)トリメチルシリルおよびd)ジフェニルホスホリルから選択される請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
Xは、パラ−メトキシベンジルである請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
(ステップ1)の溶媒は、トルエン、ジメチルホルムアミド、ジオキサンおよびテトラヒドロフランから選択される請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
(ステップ1)は、約60℃と約130℃との間の温度で実施される請求項1、2または5〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
(ステップ1)は、銅触媒の存在下、約25℃の温度で実施される請求項1、2または5〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
Het−CH−Rは、
【化22】

である請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
Het−CH−Rは、
【化23】

【化24】

から選択される請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
(ステップ2)の還元剤は、ホウ素還元剤またはパラジウム触媒と水素との組合せである請求項1、2または5〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
(ステップ2)の溶媒は、a)メタノール、b)エタノール、c)プロパノール、d)イソプロパノール、e)ブタノール、f)イソブタノール、g)第2ブタノール、h)第3ブタノール、i)ジクロロメタン、j)1,1,−ジクロロエタン、k)テトラヒドロフランおよびl)ジメチルホルムアミド、ならびにこれらの混合物からなる群より選択される請求項1、2または5〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
(ステップ3)の塩基は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属フッ化物、トリアルキルアミンおよびこれらの混合物から選択される請求項1、2または5〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
(ステップ3)の塩基の当量の化合物(VI)の当量に対する比が約3:1である請求項17に記載の方法。
【請求項19】
(ステップ3)のパラジウム触媒は、リガンド配位パラジウム(0)触媒である請求項1、2または5〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
(ステップ3)において、t配位パラジウム(0)触媒の当量の化合物(VI)の当量に対する比が約1:20である請求項19記載の方法。
【請求項21】
(ステップ3)の溶媒は、水性溶媒を含む請求項1、2または5〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
(ステップ3)は、約20℃と約100℃との間の温度で実施される請求項1、2または5〜21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
(ステップ4)の酸は、トリフルオロ酢酸である請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
(ステップ5)の酸は、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、クエン酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,3,4,5−テトラヒドロキシヘキサン−1,6−ジカルボン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ベンゼンスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、グルコン酸、グルタミン酸、馬尿酸、塩酸、グルコン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、ナフタレン−1−スルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1,2−ジスルホン酸、シュウ酸、リン酸、クエン酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸およびこれらの混合物から選択される請求項2または4〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
式:
【化25】

で表される化合物(I)を製造するための方法であって、
(ステップ1)
式:
【化26】

で表される化合物(II)を、式:
【化27】

で表される化合物(III)と、溶媒中、場合によっては銅触媒の存在下で組み合わせ、式:
【化28】

で表される化合物(IV)を形成するステップと;
(ステップ2)
化合物(IV)を、式:
【化29】

で表される化合物(V−a)と、溶媒中、還元剤の存在下で組み合わせ、式:
【化30】

で表される化合物(VI−a)を形成するステップと;
(ステップ3)
化合物(VI−a)を、式:
【化31】

で表される化合物(VII−a)と、溶媒中、塩基およびパラジウム触媒の存在下で組み合わせ、式:
【化32】

で表される化合物(VIII)を形成するステップと;
(ステップ4)
化合物(VIII)を、溶媒中、酸の存在下で加熱し、次いで中和剤の添加によって化合物(I)を形成するステップと;
を含み、
ここで、A、B、Het−CH−R、Q、Z、R、R、R、R10、R11、m、n、p、sおよびtは、請求項1で規定した通りである方法。
【請求項26】
式:
【化33】

で表される化合物(I)を製造するための方法であって、
(ステップ1)
式:
【化34】

で表される化合物(II)を、式:
【化35】

で表される化合物(III)と、溶媒中、場合によっては銅触媒の存在下で組み合わせ、式:
【化36】

で表される化合物(IV)を形成するステップと;
(ステップ2)
化合物(IV)を、式:
【化37】

で表される化合物(V−a)と、溶媒中、還元剤の存在下で組合せ、式:
【化38】

で表される化合物(VI−a)を形成するステップと;
(ステップ3)
化合物(VI−a)を、式:
【化39】

で表される化合物(VII−a)と、溶媒中、塩基およびパラジウム触媒の存在下で組み合わせ、式:
【化40】

で表される化合物(VIII)を形成するステップと;
(ステップ4)
化合物(VIII)を、溶媒中、酸の存在下で加熱し、次いで中和剤の添加により、化合物(I)を形成するステップと;
(ステップ5)
化合物(I)を、酸と組合せ、その塩を形成するステップと;
を含み、
ここで、A、B、Het−CH−R、Q、Z、R、R、R、R10、R11、m、n、p、sおよびtは、請求項1に規定する通りである方法。
【請求項27】
式:
【化41】

で表される化合物(I)を製造するための方法であって、
(ステップ4)
式:
【化42】

で表される化合物(VIII)を、溶媒中、酸の存在下で加熱し、次いで中和剤の添加により化合物(I)を形成するステップを含み、
ここで、A、B、Het−CH−R、Q、Z、R、R、R、R10、R11、m、n、p、sおよびtは、請求項1に規定する通りである方法。
【請求項28】
さらに、化合物(I)を酸と組合せ、その塩を形成する(ステップ5)を含む請求項27記載の方法。
【請求項29】
式:
【化43】

で表される化合物(I−b)を製造するための方法であって、
(ステップ1)
式:
【化44】

で表される化合物(II−b)を、式:
【化45】

で表される化合物(III)と、溶媒中、場合によっては銅触媒の存在下で組み合わせ、式:
【化46】

で表される化合物(IV−b)を形成するステップと;
(ステップ2)
化合物(IV−b)を、式:
【化47】

で表される化合物(V)と、溶媒中、還元剤の存在下で組み合わせ、式:
【化48】

で表される化合物(VI−b)を形成するステップと;
(ステップ2−1)
化合物(VI−b)を保護基試薬と溶媒中、塩基の存在下で組み合わせ、式:
【化49】

で表される保護化合物(VI−b−P)を形成するステップと;
(ステップ3)
化合物(VI−b−P)を、式:
【化50】

で表される化合物(VII)と、溶媒中、塩基およびパラジウム触媒の存在下で組み合わせ、式:
【化51】

で表される化合物(VIII−b−P)を形成するステップと;
(ステップ3−1)
化合物(VIII−b−P)を、溶媒中で脱保護し、式:
【化52】

で表される化合物(VIII−b)またはその塩を形成するステップと;
(ステップ4)
化合物(VIII−b)を、溶媒中、酸の存在下で加熱し、ついで中和剤の添加によって、化合物(I−b)を形成するステップと;
を含み、
ここで、A、B、Het−CH−R、Q、Z、R、R、R、R10、R11、m、n、p、sおよびtは、請求項1に規定する通りである方法。
【請求項30】
さらに、化合物(I−b)を酸と組合せ、その塩を形成する(ステップ5)を含む請求項29記載の方法。
【請求項31】
(ステップ2−1)の保護基試薬は、化合物(VI−a−P)の−N−保護基が、
a)N−ベンジル、b)N−t−ブチルジメチルシリル、c)N−t−ブチジルジフェニルシリル、d)N−t−ブチルオキシカルボニル、e)N−p−メトキシベンジル、f)N−メトキシメチル、g)N−トシル、h)N−トリフルオロアセチル、i)N−トリメチルシリル、j)N−フルオレニル−メチルオキシカルボニル、k)N−2−トリメチルシリル−エトキシカルボニル、l)N−1−メチル−1−(4−ビフェニリル)エトキシカルボニル、m)N−アリルオキシカルボニルおよびn)N−ベンジルオキシカルボニルから選択されるように、選択される請求項29または30記載の方法。
【請求項32】
(ステップ2−1)の塩基は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、フッ化カリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンおよびこれらの混合物から選択される請求項29〜31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
(ステップ3−1)の酸は、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、クエン酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,3,4,5−テトラヒドロキシヘキサン−1,6−ジカルボン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ベンゼンスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、グルコン酸、グルタミン酸、馬尿酸、塩酸、グルコン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、ナフタレン−1−スルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1,2−ジスルホン酸、シュウ酸、リン酸、クエン酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸およびこれらの混合物から選択される請求項29〜32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
(ステップ3−1)の溶媒は、a)メタノール、b)エタノール、c)プロパノール、d)イソプロパノール、e)ブタノール、f)イソブタノール、g)第2ブタノール、h)第3ブタノール、i)ベンゼン、j)トルエン、k)テトラヒドロフラン、l)ジメチルホルムアミド、m)1,2−ジエチルエーテル、n)ジメトキシエタン、o)ジイソプロピルエーテル、p)メチル第三ブチルエーテル、q)メトキシメチルエーテル、r)2−メトキシエチルエーテル、s)1,4−ジオキサン、t)1,3−ジオキソラン、u)酢酸エチル、v)ジクロロメタン、w)1,1−ジクロロエタンおよびこれらの混合物から選択される請求項29〜33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
式:
【化53】

で表される化合物(I−b)を製造するための方法であって、
(ステップ1)
式:
【化54】

で表される化合物(II−b)を、式
【化55】

で表される化合物(III)と、溶媒中、場合によっては銅触媒の存在下で組み合わせて、式:
【化56】

で表される化合物(IV−b)を形成するステップと;
(ステップ2)
化合物(IV−b)を、式:
【化57】

で表される化合物(V)と、溶媒中、還元剤の存在下で組み合わせて、式:
【化58】

で表される化合物(VI−b)を形成するステップと;
(ステップ2−1)
化合物(VI−a)を保護基試薬と溶媒中、塩基の存在下で組み合わせて、式:
【化59】

で表される保護化合物(VI−b−P)を形成するステップと;
(ステップ3)
化合物(VI−b−P)を、式:
【化60】

で表される化合物(VII−a)と、溶媒中、塩基およびパラジウム触媒の存在下で組み合わせて、式:
【化61】

で表される化合物(VIII−b−P)を形成するステップと;
(ステップ3−1)
化合物(VIII−b−P)を溶媒中、酸の存在下で脱保護して、式:
【化62】

で表される化合物(VIII−b)を形成するステップと;
(ステップ4)
化合物(VIII−b)を溶媒中、酸の存在下で加熱し、ついで中和剤の添加によって、化合物(I−b)を形成するステップと;
を含み、
ここで、A、B、Het−CH−R、Q、Z、R、R、R、R10、R11、m、n、p、sおよびtは、請求項1に規定する通りである方法。
【請求項36】
さらに、化合物(I−b)を酸と組合せ、その塩を形成する(ステップ5)を含む請求項35に記載の方法。
【請求項37】
化合物(1):
【化63】

を製造するための方法であって、
(ステップ1)
化合物(1002):
【化64】

を化合物(1001)
【化65】

と、トルエン中、約100℃で組合わせて、化合物(1003)および(1004):
【化66】

【化67】

の混合物を形成するステップと;
(ステップ2)
該化合物(1003)および(1004)の混合物を、式(1005):
【化68】

の化合物と、
THFおよびDCEから選択される溶媒中、ホウ素還元剤の存在下で組み合わせ、化合物(1006)および(1007):
【化69】

の混合物を形成するステップと;
(ステップ2−1)
該式(1006)および(1007)の化合物の混合物を、炭酸ジ−t−ブチルと、溶媒中、塩基の存在下で組み合わせ、保護化合物(1008)および(1009):
【化70】

の混合物を形成するステップと;
(ステップ3)
式(1008)および(1009)の化合物の混合物を、式(1010):
【化71】

の化合物と、溶媒中、塩基およびパラジウム触媒の存在下で組み合わせて、式(1011)および(1012):
【化72】

【化73】

の化合物の混合物を形成するステップと;
(ステップ3−1)
式(1011)および(1012)の化合物の混合物を、溶媒中、酸の存在下で脱保護して、式(1013)および(1014):
【化74】

の化合物またはその塩の混合物を形成するステップと;
(ステップ4)
式(1013)および(1014)の化合物またはその塩の混合物を、溶媒中、酸の存在下で加熱し、次いで中和剤の添加によって、化合物(1)を形成するステップと;
を含む方法。
【請求項38】
化合物(1):
【化75】

を製造するための方法であって、
(ステップ4)
式(1013)および(1014)
【化76】

の化合物またはその塩の混合物を、溶媒中、酸の存在下で加熱し、次いで中和剤の添加によって化合物(1)を形成するステップを含む方法。
【請求項39】
さらに、化合物(1)を酸と組合せ、その塩を形成するステップ(ステップ5)を含む請求項37または38記載の方法。
【請求項40】
化合物(2):
【化77】

を製造するための方法であって、
(ステップ1)
化合物(1002):
【化78】

を化合物(1001):
【化79】

と、トルエン中、約100℃で組合せ、化合物(1003)および(1004):
【化80】

の化合物の混合物を形成するステップと;
(ステップ2)
該化合物(1003)および(1004)の混合物を、式(1005):
【化81】

の化合物と、THFおよびDCEから選択される溶媒中、ホウ素還元剤の存在下で組み合わせ、化合物(1006)および(1007):
【化82】

の混合物を形成するステップと;
(ステップ2−1)
式(1006)および(1007)の化合物の混合物を、炭酸ジ−t−ブチルと、溶媒中、塩基の存在下で組合せ、保護化合物(1008)および(1009):
【化83】

の混合物を形成するステップと;
(ステップ3)
該式(1008)および(1009)の化合物の混合物を、式(1025):
【化84】

の化合物と、溶媒中、塩基およびパラジウム触媒の存在下で組み合わせ、式(2−i−P)および(2−ii−P)
【化85】

の化合物の混合物を形成するステップと;
(ステップ3−1)
式(2−i−P)および(2−ii−P)の化合物の混合物を、溶媒中、酸の存在下で脱保護し、式(2−i)および(2−ii):
【化86】

【化87】

の化合物またはその塩の混合物を形成するステップと;
(ステップ4)
式(2−i)および(2−ii)の化合物またはその塩の混合物を、溶媒中、酸の存在下で加熱し、次いで中和剤の添加によって、化合物(2)を形成するステップと;
を含む方法。
【請求項41】
化合物(2):
【化88】

を製造するための方法であって、
(ステップ4)
式(2−i)および(2−ii):
【化89】

の化合物またはその塩の混合物を、溶媒中、酸の存在下で加熱し、次いで中和剤の添加によって、化合物(2)を形成するステップを含む方法。
【請求項42】
さらに、化合物(2)を酸と組合わせてその塩を形成するステップ(ステップ5)を含む請求項40または41に記載の方法。
【請求項43】
化合物(3):
【化90】

を製造するための方法であって、
(ステップ1)
化合物(1002):
【化91】

を化合物(1001):
【化92】

と、トルエン中、約100℃で組合わせて、化合物(1003)および(1004):
【化93】

【化94】

の混合物を形成するステップと;
(ステップ2)
該化合物(1003)および(1004)の混合物を、式(1005):
【化95】

の化合物と、THFおよびDCEから選択される溶媒中、ホウ素還元剤の存在下で組み合わせて、化合物(1006)および(1007):
【化96】

の混合物を形成するステップと;
(ステップ2−1)
式(1006)および(1007)の化合物の混合物を、炭酸ジ−t−ブチルと、溶媒中、塩基の存在下で組み合わせ、保護化合物(1008)および(1009):
【化97】

の混合物を形成するステップと;
(ステップ3)
式(1008)および(1009)の化合物の混合物を、式(1026):
【化98】

の化合物と、溶媒中、塩基およびパラジウム触媒の存在下で組み合わせ、式(3−i−P)および(3−ii−P):
【化99】

【化100】

の化合物の混合物を形成するステップと;
(ステップ3−1)
式(3−i−P)および(3−ii−P)の化合物の混合物を、溶媒中、酸の存在下で脱保護し、式(3−i)および(3−ii):
【化101】

の化合物またはその塩の混合物を形成するステップと;
(ステップ4)
式(3−i)および(3−ii)の化合物またはその塩の混合物を、溶媒中、酸の存在下で加熱し、次いで中和剤の添加によって化合物(3)を形成するステップと;
を含む方法。
【請求項44】
化合物(3):
【化102】

を製造するための方法であって、
(ステップ4)
式(3−i)および(3−ii):
【化103】

の化合物の混合物を、溶媒中、酸の存在下で加熱し、次いで、中和剤の添加により、化合物(3)を形成するステップを含む方法。
【請求項45】
さらに、化合物(3)を酸と組合わせて、その塩を形成するステップ(ステップ5)を含む請求項43または44記載の方法。
【請求項46】
化合物(4):
【化104】

を製造するための方法であって、
(ステップ1)
化合物(1002):
【化105】

を、化合物(1001):
【化106】

と、トルエン中、約100℃で組合わせて、化合物(1003)および(1004):
【化107】

の混合物を形成するステップと;
(ステップ2)
該化合物(1003)および(1004)の混合物を、式(1005):
【化108】

の化合物と、THFおよびDCEから選択される溶媒中、ホウ素還元剤の存在下で組み合わせ、化合物(1006)および(1007):
【化109】

の混合物を形成するステップと;
(ステップ2−1)
式(1006)および(1007)の化合物の混合物を、炭酸ジ−t−ブチルと、溶媒中、塩基の存在下で組み合わせ、保護化合物(1008)および(1009):
【化110】

の混合物を形成するステップと;
(ステップ3)
式(1008)および(1009)の化合物の混合物を、式(1027):
【化111】

の化合物と、溶媒中、塩基およびパラジウム触媒の存在下で組み合わせ、式(4−i−P)および(4−ii−P):
【化112】

の化合物の混合物を形成するステップと;
(ステップ3−1)
式(4−i−P)および(4−ii−P)の化合物の混合物を、溶媒中、酸の存在下で脱保護し、式(4−i)および(4−ii):
【化113】

の化合物またはその塩の混合物を形成するステップと;
(ステップ4)
式(4−i)および(4−ii)の化合物またはその塩の混合物を、溶媒中、酸の存在下で加熱し、次いで中和剤の添加によって、化合物(4)を形成するステップと;
を含む方法。
【請求項47】
化合物(4):
【化114】

を製造するための方法であって、
(ステップ4)
式(4−i)および(4−ii)
【化115】

の化合物またはその塩の混合物を、溶媒中、酸の存在下で加熱し、次いで中和剤の添加によって、化合物(4)を形成するステップを含む方法。
【請求項48】
さらに、化合物(4)を酸と組合せ、その塩を形成するステップ(ステップ5)を含む請求項46または47記載の方法。
【請求項49】
化合物(2):
【化116】

を製造するための方法であって、
(ステップ1)
化合物(1002):
【化117】

を、化合物(1001):
【化118】

と、トルエン中、約100℃で組合せ、化合物(1003)および(1004):
【化119】

の混合物を形成するステップと;
(ステップ2)
該化合物(1003)および(1004)の混合物を、式(1005):
【化120】

の化合物と、THFおよびDCEから選択された溶媒中、ホウ素還元剤の存在下で組み合わせ、化合物(1006)および(1007):
【化121】

【化122】

の混合物を形成するステップと;
(ステップ2−1)
式(1006)および(1007)の化合物の混合物を、炭酸ジ−t−ブチルと、溶媒中、塩基の存在下で組み合わせて、化合物(1008)および(1009):
【化123】

の混合物を形成するステップと;
(ステップ3)
式(1008)および(1009)の化合物の混合物を、式(1024−i)または(1024−ii):
【化124】

の化合物と、溶媒中、塩基およびパラジウム触媒の存在下で組み合わせて、式(2−ia−P)または(2−ib−P)、および(2−iia−P)または(2−iib−P):
【化125】

の化合物の混合物を形成するステップと;
(ステップ3−1)
式(2−ia−P)または(2−ib−P)、および(2−iia−P)または(2−iib−P)の化合物の混合物を、溶媒中、酸の存在下で脱保護し、式(2−ia)または(2−ib)、および(2−iia)または(2−iib):
【化126】

の化合物またはそれらの塩の混合物を形成するステップと;
(ステップ4)
式(2−ia)または(2−ib)、および(2−iia)または(2−iib)の化合物の、あるいはそれらの塩の混合物を、溶媒中、酸の存在下で加熱し、次いで中和剤の添加によって、化合物(2)を形成するステップと;
を含み、
各R20は、独立して、C−Cアルキル、または−O−(C−Cアルキル)である方法。
【請求項50】
化合物(2):
【化127】

を製造するための方法であって、
(ステップ4)
式(2−ia)または(2−ib)、および(2−iia)または(2−iib):
【化128】

【化129】

の化合物、またはそれらの塩の混合物を、溶媒中、酸の存在下で加熱し、次いで中和剤の添加により、化合物(2)を形成するステップを含み、
20は、C−Cアルキルまたは−O−(C−Cアルキル)である方法。
【請求項51】
さらに、化合物(2)を、酸と組合せ、その塩を形成するステップ(ステップ5)を含む請求項49または50に記載の方法。
【請求項52】
構造:
【化130】

に対応する化合物、またはその医薬的に許容しうる塩であって、
ここで、各R20は、独立して、C−Cアルキルまたは−O−(C−Cアルキル)である、
化合物。
【請求項53】
各R20はメチルである請求項49、50、51または52のいずれか1つに記載の方法または化合物。
【請求項54】
式:
【化131】

で表される化合物を製造するための方法であって、
(ステップ1)
式:
【化132】

で表される化合物(II)を、式:
【化133】

で表される化合物(III)と、溶媒中、場合によっては銅触媒の存在下で組合わせて、化合物(IV)を形成するステップを含み、
X、R11およびsは請求項1に記載の通りである方法。

【公表番号】特表2008−545798(P2008−545798A)
【公表日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515957(P2008−515957)
【出願日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際出願番号】PCT/US2006/022424
【国際公開番号】WO2006/133397
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(502427253)リブ−エックス ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド (22)
【氏名又は名称原語表記】Rib−X Pharmaceuticals, Inc.
【住所又は居所原語表記】New Haven, Connecticut,U.S.A.
【Fターム(参考)】