トリプトファン及びニコチンアミドのインビボでのレベルの増大方法
芳香族アミノ酸またはニコチンアミドの前駆物質及びその使用に関する方法を含む、当該芳香族アミノ酸及び組成物の生合成の増大に関する新規な方法である。さらに、抗酸化治療の代わり(surrogate)または予測の判断材料(predictor)として、タンパク質チオールを測定することによって、抗酸化治療の治療効果を観察する方法が開示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2006年7月11日に出願した米国仮出願第60/819,524の優先権を主張する。本願は、2006年3月16日に出願した国際出願PCT/US2006/009394に関連しており、その全体が本願に引用される。
【0002】
技術分野
本発明は、芳香族アミノ酸、及び当該芳香族アミノ酸またはニコチンアミドの前駆物質を含有する組成物の生合成の増大方法、並びにその使用方法に関する。さらに、抗酸化治療の代わり(surrogate)または予測の判断材料(predictor)として、血清タンパク質のチオール量を測定することによって、このような抗酸化治療の治療効果を観察する方法が開示されている。
【背景技術】
【0003】
本発明の背景
キャッツクロー(Uncaria tomentosa)(以下、「キャッツクロー」と称する)の治療効果は、広く知られている。アシャニカ族のインディオ(Ashanika Indians)は、感染症, 炎症性疾患や精神状態でさえも制御する助けとするために、水に混ぜたキャッツクロー抽出物を使用している。治療効果を向上させるために、キャッツクローを、フチュフアシ・バーク(huchuhuasi bark)、カプサイチン、ゴボウ、ヒメスイバまたはスリッペリーエルム・バーク(slippery elm bark)のような他の原料と混ぜてもよい。キャッツクロー中の活性原料は、プロアントシアニジン、キノビン酸(quinovic acids)及びそれらのグリコシド、オキシインドール アルカロイド(プテリジン、イソプテリジン、ウンカリン(uncarine)、ミトラフィリン(mitraphylline)、イソミトラフィリン)、N−オキシド、ライノコフィリン(rhynocophylline)、カルボリンアルカロイド、ヒルスチン(hirustine)、N−オキシド トリテルペン、ポリフェノール、フィトステロール(スチグマステロール及びカンペステロール)を含む(Senatore, A., et al., Phytochemical and Biological Study of Uncaria tomentos, Boll Soc Ital Biol Sper. 1989; 65 (6):517-20 ))。
【0004】
本発明者であるRonald W Pero博士は、キャッツクローの熱水抽出物の主要な生理活性成分として、キナ酸のアナログを最初に同定した(Sheng, Y., Akesson, C , Holmgren, K., Bryngelsson, C , Giampapa, V., Pero, R .W., ャッツクローの水抽出物活性原料の活性原料。キナ酸の同定及び効果。Journal of Ethanopharmacology 96(3): 577-584, 2005)。米国特許第6,039,949号、6,238,675号及び6,361,805号明細書は、参照により本願に引用され、高い程度の抗腫瘍、炎症及び免疫促進活性を有する植物種であるキャッツクローの水可溶性抽出物を記載している。当該特許に記載されたキャッツクロー抽出物の調製は、様々な治療上の使用と関連し、C−Med−100(登録商標)として市販されているものを利用できる。C−Med−100(登録商標)は、キャッツクローの100%生物学的に利用可能な熱水抽出物である。同様の製剤も、AC−11(商標)及びProtectagen(商標)のような様々な商標名のものを利用可能である。
【0005】
米国の公開特許出願第2005−0176825号は、C−Med−100(登録商標)のインビボでの活性原料として、キナ酸及びキナ酸塩の分離、精製及び同定に関する方法を開示する。この特許出願も、免疫機構と関連した疾患を処置し、炎症反応を阻害し、炎症反応と関連した疾患を処置し、DNA修復過程を促進し、抗腫瘍反応を促進し、腫瘍を形成し成長させる反応と関連した疾患を処置するための、キナ酸並びにその塩及びキレート物質の使用を開示する。
【0006】
他の公知のキナ酸及びそのアナログの医学的な使用は、肌のしわの処置を開示している米国特許第5,656,665号及び米国特許第5,589,505号明細書、並びに神経アミダーゼ(neuroamidase)の阻害物質として風邪の処置を開示している米国特許第6,111,132号及び米国特許第6,225,341号明細書がある。
【0007】
胃腸管(GI tract)の微生物相は、安息香酸を介して、キナ酸を馬尿酸まで代謝しうる、機能的なシキミ酸経路を有する(Adamson, R .H., Bridges, J .W., Evans, M .E., Williams, R .T., インビボでのキナ酸の芳香族化における種差と腸バクテリアの役割、Biochem Jour 116:437-433, 1970)。紅茶(black tea)及び緑茶双方の消費により、馬尿酸の尿での排泄量が増加する。キナ酸代謝(すなわち馬尿酸)についての唯一知られた過去に実証された指標は、動物によって大きく変動し、この代謝物質を、キナ酸の信頼できない定量的評価にする。キナ酸は腸内で馬尿酸へと代謝されるが、馬尿酸の主要な代謝源は、肝臓であると考えられている(Krahenbuhl, L., Reichen, J., Talos, C , Krahenb uhl, S., 安息香酸代謝は、長期に亘って肝外胆汁うっ滞(extrahepatic cholestasis)するラットの肝臓のミトコンドリアの機能を反映する。Hepatology 25 (2) : 259-508, 1997)。
【0008】
上述の通り、高等動物は、一般に芳香族アミノ酸を合成できないことが明らかであり、このようなアミノ酸に対するアミノ酸の必要量を食事に頼らなければならない。したがって、高等動物における芳香族アミノ酸の所望の血清濃度を最適化しうる、新たな治療のアプローチが従来より求められている。
【発明の概要】
【0009】
本発明者らは、驚くべきことに、本願で特許請求される化合物の経口投与に続く、ヒトの抹消循環においてキナ酸上昇がないため、本発明の化合物は、胃腸(GI)管におけるトリプトファン及びニコチンアミドの生産に対する効果的な合成系の前駆物質であるということを見出した。シキミ酸経路を介した、上昇したトリプトファン及びニコチンアミドのレベルは、抗酸化、セロトニン媒介、ドーパミン媒介及びNAD媒介の活性のような健康上の利点に関して広範なスペクトルを媒介する。
【0010】
本発明の一態様は、下記の式を有する芳香族アミノ酸に対する前駆物質に向けられている:
【0011】
【化1】
【0012】
式中、Aは、
【0013】
【化2】
【0014】
【化3】
【0015】
【化4】
【0016】
【化5】
【0017】
【化6】
【0018】
並びにそれらのアニオン類、エステル類よりなる群から選択され、;その際、RはHまたはC1−C3のアルキルであり、Xは、塩または水酸化物またはアミンを形成しうる1価、2価、3価のアニオンよりなる群から選択され、「n」は整数または有理数であり、その際、l<n=10である。
【0019】
好ましい実施形態において、芳香族アミノ酸は、トリプトファン、フェニルアラニン、チロシン及びフェニレフェデリン(phenylephederine)よりなる群から選択される。
【0020】
本発明の他の態様は、(a)治療上効果的な量の、上記化合物(I);(II);(III);(IV)及び(V);
その際、RはHまたはC1−C3のアルキル;並びにそれらのアニオン類及びエステル類であり、及び
【0021】
【化7】
【0022】
その際、A、X及びnは上記と同様に規定される、よりなる群から選択される化合物;並びに、
(b)医学的に許容可能なビヒクル、を含む組成物に向けられている。
【0023】
更なる態様において、組成物は、治療上効果的な量の主要な抗酸化剤を含む。一実施形態において、主要な抗酸化剤はフラボノイドである。
【0024】
本発明の他の態様は、以下のステップを含む、芳香族アミノ酸の欠如を特徴とする疾病状態に対する効果的な抗酸化剤治療の方法を同定するための動物モデルの手法(methodology)に向けられている。
【0025】
(a)マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ブタ、サル及びヒトよりなる群から選択される哺乳類を得ること
(b)(尿のトリプトファン、ニコチンアミド、馬尿、キヌレインのレベル)/(組織または血液中のチオールのレベル)という、当該哺乳類についての基準値の比率を決定すること、
(c)芳香族アミノ酸の前駆物質を含む組成物を前記哺乳類に投与すること、
(d)抗酸化処置のサイクル後の当該哺乳類について、尿のトリプトファン、ニコチンアミド、馬尿、キヌレインのレベル/組織または血液中のレベルという比率に対する値を決定すること、
(e)ステップ(b)及び(d)で得られる値を比較すること、その際、基準値を超える増大は、前記治療方法が効果的であることを示す。
【0026】
本発明の他の態様は、以下を含む、必要な患者に対する、インビボでの酸化的ストレスを試験する方法に向けられている。
【0027】
(a)芳香族アミノ酸に対する前駆物質を含む組成物で前記患者を処置すること、
(b)当該患者に由来するタンパク質チオールのサンプルを得ること、
(c)前記サンプル中の前記タンパク質チオールのレベルを決定すること、
(d)トリプトファンまたはニコチンアミドの尿中レベルを測定すること、
(e)(d)/(c)で表されるステップ(d)で得られたトリプトファンまたはニコチンアミドの尿中レベルに関連して、ステップ(c)のサンプル中の前記チオールのレベルを分析すること、その際、当該比率の値の増大は、DNA修復についての低い酸化的ストレス及びダウンレギュレーションに関する予測の判断材料(predictor)である。
【0028】
本発明の他の態様は、以下を含む、酸化的ストレスの増大したレベルを特徴とする疾病に対する、患者の感受性を究明する方法に向けられている。
【0029】
(a)芳香族アミノ酸の前駆物質を含む組成物で前記患者を処置すること、
(b)タンパク質チオールのレベルを含む、当該患者に由来する体サンプルを得ること、
(c)前記サンプルについての前記タンパク質チオールのレベルを決定すること、
(d)トリプトファンまたはニコチンアミドの尿中レベルを測定すること、
(e)ステップ(d)におけるトリプトファンまたはニコチンアミドの尿中レベルに対する、ステップ(c)のサンプル中の前記チオールのレベルを分析すること、その際、当該疾病を患った人々から得られた所定の正規化値(normalized value)(d)/(c)に対し比較的高い値は、当該個体のDNA修復に関する酸化的ストレス及びダウンレギュレーションについての予測の判断材料(predictor)である。
【0030】
本発明の他の態様は、芳香族アミノ酸の前駆物質及び医学的に許容可能なビヒクルを投与することを含む、血清の芳香族アミノ酸のレベルの欠如を特徴とする状態を処置する方法に向けられている。本発明の本態様では、用いられた組成物は経口投与が好ましく、様々なタイプの食品、すなわちスナック、肉製品だけでなく飲料とも結合できる。
【0031】
本発明の他の態様は、芳香族アミノ酸を必要とする個体における芳香族アミノ酸の欠如を特徴とする疾病を進行させる危険性を決定する方法に向けられており、以下のステップを含む:
(a)個体の血清チオールのレベル及び尿のトリプトファン、ニコチンアミドまたは両方の組み合わせのレベルを得ること
(b)当該個体に対する、尿のトリプトファン、ニコチンアミドまたは両方の組み合わせ/血清チオールの比率の値を規定すること、
(c)ステップ(b)の値を、当該疾病に苦しむ人々から得られた同じもの(the same)についての所定の正規化(normalized)レベルに対して比較すること、その際、当該比較は、当該個体における、酸化的ストレスに対する基準値を示す。
【0032】
本手法はさらに、芳香族アミノ酸に対する前駆物質を含む組成物、並びに/または抗酸化剤を、処置サイクル中、前記個体に投与するステップ(d)、処置サイクルの終了後に、前記個体の血清タンパク質チオールのレベル及び尿のトリプトファン、ニコチンアミド、馬尿酸、または全てのレベルを得るステップ(e)、並びに当該処置サイクル後の、前記個体に対する、尿のトリプトファン、ニコチンアミドまたはそれらの組み合わせ/血清タンパク質チオールの比率の値を規定するステップ(f)を含みうる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】単一の高用量のキナ酸6000mgを蒸留水に溶かして経口投与し、その後、15分間以内で30mlの血清サンプルを示した回数で収集するという、ファーマコキネティクスを図示する。その主要な代謝物質である馬尿酸と相関のある血清のキナ酸の測定は、原料及び手段の欄(Material and Procedures section)に記載されているように、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて行った。取り込みの最長時間を視覚化するために、データは、最大の取り込みのパーセントとして表した:12.5時間で(4400μg/ml)、キナ酸=100%;7時間で(55μg/ml)、馬尿酸=100%。
【図2】3000mg/日のAqua Bimini(商標)(キナ酸アンモニウムキレート)で36日間処置し、その後、さらに8月間何らの処置も行わなかった後の主RPの尿のプロファイルを図示する。尿の馬尿及びキナ酸のレベル(mM)は、サンプリングの日数で評価した。
【図3】2006年5月1日〜31日の期間中、1500 mg/日のAqua Bimini(商標)(キナ酸アンモニウムキレート)で処置し、その後、さらに8月間何らの処置も行わなかった後の被験者HLの尿のプロファイルを図示する。馬尿及びキナ酸のレベル(mM)は、サンプリングの日数で評価した。
【図4】1500または3000mg/日のAqua Bimini(商標)(キナ酸アンモニウムキレート)で36日間処置し、その後、さらに30日間以上続行(followed-up)(処置なし)した後の、被験者HL及び被験者RPにおける馬尿酸の血清レベルを図示する。かかる期間中の総サンプリングポイント(Total sampling points)は:被験者RP:n=12、被験者HL:n=12、p<0.01である。
【図5】馬尿酸、すなわちキナ酸の主要な公知の代謝物質の尿中レベルの、未処置の個体、並びに1500mg/日及び3000mg/日のAqua Bimini(商標)(キナ酸アンモニウムキレート)で30日間処置し、それから処置後直ぐ、さらに8月間続行した被験者におけるキナ酸の尿中レベルへの依存性を図示する。これらのテータは、処置区(n=36)及びコントロール(n=9)の双方を含む、総サンプル(n=45)の直線回帰と統計学的に解析される。ここで、同時に同じ被験者における尿から収集されたキナ酸値に対する馬尿酸値より、y=0.0157x+0.1839、r=0.60、p<0.001という式が導出された。
【図6】経口投与前の83日を超える期間中、3000mg/日で36日間、Aqua Bimini(商標)(キナ酸アンモニウムキレート)を被験者HLに関して測定し、その後、未処置で8月間続行した、前記個体の基準(baseline)の血清タンパク質チオールの評価を図示する。
【図7】経口投与前に83日を超える期間中、1500mg/日で36日間、Aqua Bimini(商標)(キナ酸アンモニウムキレート)を被験者HLに関して測定し、その後、未処置で8月間続行した、前記個体基準の血清タンパク質チオールの評価を図示する。
【図8】Aqua Bimini(商標)(キナ酸アンモニウムキレート)を37日間経口投与した後、さらに32日の乾燥期間をかけて、血清タンパク質のチオールの抗酸化パラメータによって算出した場合の、実験の参加者のインビボでの抗酸化状態を促進させた旨を図示する。Aqua Bimini(商標)(キナ酸アンモニウムキレート)の用量は共に、ステューデント t−検定(p<0.001)によって解析された該当基準値とは統計学的に異なっている。
【図9】Aqua Bimini(商標)(キナ酸アンモニウムキレート)を36日間、3000mg/日で処置し、その後、さらに未処置で8月間続行した、被験者RPの尿のプロファイルを図示する。尿のトリプトファン及びニコチンアミドのレベル(μM)は、サンプリング日数で評価した。
【図10】Aqua Bimini(商標)を36日間、1500mg/日で処置し、その後、さらに未処置で8月間続行した、被験者HLの尿のプロファイルを図示する。尿のトリプトファン及びニコチンアミドのレベル(μM)は、サンプリング日数で評価した。
【図11】4mg/ml C−Med−100(登録商標)または2mg/mlキナ酸のいずれかで21日処置した後の血液細胞及び血清トリプトファンに関する、インビボでの動物の研究の評価を図示する。馬尿酸(<0.02μg/ml)及びキナ酸(<2mg/ml)のレベルも、同時に決定されるが、キナ酸は、マウスの飲料水中1mg/mlまたは約500mg/kgで投与された場合、HPLCの検出限界以下であったことが分かった。
【発明を実施するための形態】
【0034】
発明の詳細な説明
本発明は、シキミ酸経路中で効果的な量の前記前駆物質を投与することによって、血清及び/または尿及び/または哺乳類の生物組織中の、トリプトファン、チロシン及びフェニルアラニンのような芳香族アミノ酸、もしくはビタミン前駆物質であるニコチンアミドのレベルの増大を提供する。哺乳類の体中の血清及び/または生体応答性組織での、トリプトファン及び/またはニコチンアミドの上昇したレベルは、セロトニン、ドーパミン、NADを順々に上昇しうるか、または哺乳類の体中のDNA修復のレベルを促進する。
【0035】
高等動物では、芳香族アミノ酸は、動物性や植物性のタンパク質のような食生活の源から一般に得られる。本発明者らは、芳香族アミノ酸が経路、すなわちシキミ酸塩(またはシキミ酸)経路として一般に知られている経路を通じて、胃腸の細菌フローラで合成されうることを見出した。例えば、大腸菌のような胃腸の細菌は、エリトロース4−リン酸をシキミ酸塩、コリスミ酸、そして最終的にはフェニルアラニン、チロシンまたはトリプトファンまでに変換できる。
【0036】
一実施形態では、胃腸(GI)管内の芳香族アミノ酸に対する前駆物質は、シキミ酸経路を促進して、当該前駆物質を、トリプトファン、チロシン、フェニルアラニンのような芳香族アミノ酸、またはニコチンアミドのような他の必須ビタミンに変換する。ニコチンアミドはトリプトファンを介して合成されるということが以前から報告されている。(Satyanarayana, U , Narasinga, U., Rao, B .S., ラットのトリプトファン−NAD経路の幾つかの鍵となる酵素における、食生活の制限の効果。Jour. Nutrition 107 (12): 2213-2218, 1977; Satyanarayana, U., Rao, B .S., トリプトファン−NAD経路の幾つかの鍵となる酵素における、食生活上のタンパク質レベルの効果。Brit. Jour. Nutr. 38(1): 39-45, 1977を参照せよ)。芳香族アミノ酸及びビタミンは、セロトニン、ドーパミンにより制御される細胞の過程(cell processes)を媒介し、DNA修復において顕著な役割も果たす。例えば、NADは、DNAの修復過程を含む体中、500を超える生化学的反応において重要な共通の因子である(Okamoto, H., Ishikawa, A., Yoshitake, Y . et al ., ニコチンアミドのカタボライトについてのヒトの尿の排泄における日周変動:ニコチンアミドの代謝に関するストレスの効果。Amer . Jour. Clinical Nutrition 77(2): 406-410, 2003)。
【0037】
鍵となる生化学的な出来事は、これまで開示されていないが、ヒトのキナ酸のキレート物質25mg/kgという効果的な用量で、HPLC法の検出限界で、ヒトの血清中にキナ酸は発見されなかった(1mg/kg;すなわち、効果的な用量のわずか4%)。本発明者らは、このように、あらゆる理論によっても決定的でなく、キナ酸自体が直接作用する生理活性原料ではないと確信している。
【0038】
本願で使用されているように、「キレート物質」という用語は、遊離酸のイオン(例えば、アンモニウムイオンまたは他の医学的に許容可能なイオン)に対する比率を包含し、その際、前記比率における上記で示されたイオンは、総数、例えば、1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5及び1:1.6だけでなく、それらの間の値、例えば、1:1.54(アンモニウムイオンで飽和したキナ酸)ではない。だが、このような状況特に溶液のpHに依存して、キレート物質の比率は様々である。本願で論じられているように、ほぼ1:1.54という比率は好ましいが、本発明のキナ酸のキレート物質の組成物は、1:1.54というキナ酸のアンモニウムイオンに対する比率を有するものに決して制限されることはない。
【0039】
自然に発生するポリヒドロキシル化及びポリカルボキシル化した有機酸の、塩及びキレート物質に関する決定を、表1に示している。実験上のモル比率は、ナトリウム、カリウムまたはアンモニウムの水酸化物で、遊離のプロトン化有機酸(H+)をpH=7.5まで中和することから計算した。
【0040】
【表1】
【0041】
遊離酸(H+)の形態のキナ酸または(in situでキナ酸を放出する)キナ酸エステルの加水分解によって得られたキナ酸は、過剰なアンモニアで処置され(例えば10%のアンモニアで、例えば2時間で)、効果的なインビボとして本願に記載され、特徴付けられているように、キナ酸アンモニウムキレートを発生させる。
【0042】
本発明は、植物原料中のキナ酸の実質上あらゆる形態をキナ酸のキレート物質、特にキナ酸アンモニウムキレート、及び増大した生物学的効果及び減少した毒性を示す、向上した医学的な組成物についての関連した生産へと変換する過程にも進む。本発明の特に好ましい組成物は、本願に記載される生物学的な活性特性を示す少なくとも1つのキナ酸のキレート物質の相当量または少なくとも効果的な量を含む。
【0043】
本願で使用されているように、相当量は、キナ酸のキレート物質は、組成物に存在するキナ酸の全ての形態の5%超、好ましくは15%超、より好ましくは25%超を示す組成物を意味する。好ましくは、一以上のキナ酸のキレート物質は、前記組成物に存在するキナ酸の主要な形態である。本願で使用されているように、主要な形態は、キナ酸のキレート物質が前記組成物に存在する全ての形態のキナ酸のうち50%超、好ましくは60%超、そして最も好ましくは70%超を示す組成物を意味する。
【0044】
組成物は、一以上のキナ酸のキレート物質が、前記組成物に存在するキナ酸の実質的に主要な形態であることが好ましい。本願で使用されているように、実質的に主要な形態は、キナ酸のキレート物質が前記組成物に存在するキナ酸の全ての形態のうち、50%超、好ましくは60%超、最も好ましくは70%超を示す組成物に言及している。
【0045】
組成物は、例えば、キナ酸アンモニウムキレートが、前記組成物に存在する実質的に主要な形態のキナ酸であるか、またはキナ酸アンモニウムキレートが前記組成物に実質的に存在するキナ酸の唯一の形態であることが好ましい。実質的に存在する唯一の形態としてのキナ酸アンモニウムキレートは、本願で使用されているように、キナ酸のキレート物質が前記組成物に存在するキナ酸の全ての形態のうち、90%超、好ましくは95%超、そして最も好ましくは99%超を示す組成物に言及している。組成物は本願に記載されており、例えば、キナ酸アンモニウムキレートは、前記組成物中のキナ酸の実質的に唯一の形態として存在している。
【0046】
一実施形態の方法では、投与しない(基準の)レベルの少なくとも30%まで、またはセロトニン、ドーパミン及びNADの生産を顕著に促進するか、あるいは既存のバックグラウンドのレベルを超えてDNA修復を促進するレベルまで、キナ酸、シキミ酸及び/またはコリスミ酸塩、それらのキレート物質のような芳香族アミノ酸に対する前駆物質は、典型的には、哺乳類中の血清のトリプトファン及びニコチンアミドの濃度を増大させうる量で投与される。
【0047】
芳香族アミノ酸は、セロトニン、ドーパミン、NADによって制御される細胞過程、並びに潜在的な抗酸化効果を順次与えうるDNA修復を媒介する。例えば、NADは、DNA修復を含むがこれに制限されない、500を超える体中の生化学的反応中の重要な共通の因子である(Okamoto, H., Ishikawa, A., Yoshitake, Y., et al., ニコチンアミドのカタボライトに関するヒトの尿の排泄中の日周変動:ニコチンアミドの代謝におけるストレスの効果。Amer . Jour. Clinical Nutrition 77(2): 406- 410, 2003)。
【0048】
典型的には、キナ酸、シキミ酸及び/またはコリスミ酸塩のキレート物質を含む芳香族アミノ酸に対する前駆物質が、ヒトに、飲料、カプセル、錠剤の形態で、500mg/日から5000mg/日まで、または約6.7から66.7mg/kgというシステマティックな用量で投与される。好ましい投薬形態は、液状(例えば、飲料)で経口投与されるか、カプセルまたは錠剤、あるいは他の食品または飲料とあらかじめ組み合わせたような製剤として、乾燥形態で経口投与される。
【0049】
本発明は、さらに、効果的な量のキナ酸のキレート物質、好ましくはキナ酸のアンモニウムイオンに対する約1:1.54という比率を有するアンモニウムのキレート物質を含む、分離された薬剤組成物の製造方法にも関する。
【0050】
芳香族アミノ酸に対する前駆物質は、下記式
【0051】
【化8】
【0052】
を有し、その際、Xは、塩または水酸化物またはアミンを形成しうる1価、2価、3価のアニオンよりなる群から選択され、「n」は、整数または有理数であり、その際、l<n=10である。Aは、本願で前から記載しているが、(I)−(V)構造、それらのアニオン、エステルを有し、その際、Rは、HまたはC1−C3のアルキルである。RがHである場合が好ましい。前記基であるXは、例えば、塩化アンモニウムまたは水酸化アンモニウム、塩化カリウムまたは水酸化カリウム物、塩化マグネシウムまたは水酸化マグネシウム、塩化亜鉛または水酸化亜鉛、塩化カルシウムもしくは水酸化カルシウムまたはそれらの医学的に許容可能な塩でありうる。このような基(ここでは、A−(X)n)の例は、特に制限されることはないが、例えば、キナ酸アンモニウムキレート、キナ酸カリウムのキレート物質、キナ酸亜鉛塩のキレート物質、キナ酸リチウム塩のキレート物質、キナ酸カルシウムのキレート物質を含む。
【0053】
他の実施形態では、前記基であるXは、ヒスチジン塩、リジン塩のようなアミノ酸でありうる。このような基(ここでは、A−(X)n)の例は、キナ酸のヒスチジン塩/キレート物質及びキナ酸のリジン塩/キレート物質を含む。さらに他の実施形態では、前記基であるXは、アミノエチルエタノールアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミンのようなアミン、またはEDTAまたはDETAのようなキレート剤でありうる。本分野に熟練した人間に知られている、医学的に許容可能なアミンもしくはアルカノールアミン及び/またはキレート剤は使用できる。
【0054】
一実施形態では、芳香族アミノ酸に対する前駆物質は、キナ酸誘導体であり得、前記キナ酸誘導体は(I)−(V)構造へと導きうる。他の実施形態では、前記前駆物質は、ラセミ化合物の混合物またはそれらの光学異性体でありうる。
【0055】
血清チオールは、酸化的ストレス及びDNA修復のキャパシティーの代わり(surrogate)の評価としてインビボで使用され、Peroによる米国特許第5,925,571号で開示されているように、総血清タンパク質のチオールとしてたいていの場合評価される。我々は、80%硫酸アンモニウムで沈殿した血清チオールの副分画を使用し、かかる評価は、Aqua Bimini(商標)(キナ酸アンモニウムキレート)の抗酸化効果を示す目的としては満足しうるものである(Banne, A., Amiri, A., Pero, R .W., 活発な疾病の診断による、患者での血清チオールの減少レベル。JAAM 6(4): 325-32, 2004; Pero, R .W., Giampapa, V., Vojdani, A., キャッツクローの抽出を促進するDNA修復の付加の有無による、広範なスペクトルの抗加齢の栄養補助剤についての比較。Anti-aging Med. 5(2): 345-353, 2002; Pero, R .W., Hoppe, C , Sheng, Y., DNA修復の代わり(surrogate)の評価としての血清チオールは、哺乳類の寿命に関連する。Jour Anti-aging Med 3(3): 241-249, 2000; Pero, R .W., Amiri, A., Welther, M., Rich, M., 栄養補助剤を増強させるDNA修復及び免疫の組み合わせに関する、製剤及び医学的評価。 Phytomedicine 12(4): 255, 2005)を参照せよ)。キナ酸のキレート物質は、PeroによるWO2006/101922号に記載されており、参照により、全体として本願に引用される。
【0056】
一実施形態では、尿中ニコチンアミドもしくはトリプトファンまたはそれらの組み合わせ(すなわち、ニコチンアミド+トリプトファン)のレベルの、血清タンパク質チオールに対する比率を得ることは、このような干渉(例えば、血清チオール/トリプトファンまたはニコチンアミドの比率を減少させる、キナ酸アンモニウムキレート)または疾病状態(すなわち、血清チオール/トリプトファンまたはニコチンアミドの比率の増大)の存在より、当業者に、抗酸化治療及び他の健康上の利益に関する効果を予測させるものである。
【0057】
本発明者らは、キナ酸は抹消循環に取り入れられないため、キナ酸それ自体がインビボで有利な効果を提供しないということを本願で決定付けている(図1を参照)。むしろ、望ましい臨床活性を与えるのは、シキミ酸経路への前駆物質の形態である(図2〜3を参照)。
【0058】
本願の発明者らは、キナ酸誘導体、シキミ酸及び/またはコリスミ酸塩を含む芳香族アミノ酸の前駆物質は、トリプトファンまたはニコチンアミドの血清レベルに関する効果によって示されているように、活性を有することを最近になって見出した。本発明者らは、キナ酸のキレート物質は、いかなる理論によっても明らかにはなっていないが、促進した生理活性を示し、芳香族アミノ酸の前駆物質のシキミ酸経路への導入に起因した、トリプトファンの上昇レベルに寄与するものと確信している。有効な効果を媒介する抹消循環中に存在するという直接の証拠が全くないため、キナ酸自体はインビボでの生理活性化合物ではないと信じられている。
【0059】
芳香族アミノ酸の前駆物質は、特徴的なことに、哺乳類における血清のトリプトファン及びニコチンアミドの濃度を増加させるだけの量、すなわち投与しない(基準の)10%増のレベル、好ましくは30%以上増加させる量で投与する。芳香族アミノ酸の前駆物質は、好ましくは、5000mg/日まで、好ましくは1000mg/日から5000mg/日まで、または約14.2から66.7mg/kgまでのシステマティックな用量でヒトに投与され、飲料、カプセル、錠剤、皮下注射、腹腔内注射、静脈注射で、または皮膚に対し局所的に運ばれる。一実施形態では、(Aqua Bimini(商標)として存在する)キナ酸のキレート物質が投与される。
【0060】
好ましい用量形態は、液状(例えば、飲料)で経口投与され、または乾燥状でカプセルまたは錠剤として、あるいは食事との組み合わせで経口投与される。
【0061】
実施形態の方法は、患者において、尿のトリプトファンもしくはニコチンアミドのいずれか、またはそれらの組み合わせ/患者の血清チオールという比率を決定することによって、インビボでの酸化的ストレスのレベルを決定することを含み、これは芳香族アミンの前駆物質の患者への投与後である。
【0062】
他の実施形態の方法は、処置サイクルの最終後に、個体の血清タンパク質チオールのレベル、及び尿のトリプトファン、ニコチンアミド、馬尿酸またはその他任意のもののレベルを得ることを含み、及び当該処置サイクル後に、前記個体に対する、尿のトリプトファン、ニコチンアミドもしくはそれらの組み合わせ/血清タンパク質チオールという比率に対する値を規定することを含む。
【0063】
一実施形態による方法では、基準、及び当該疾病に苦しむ人々についての所定の正規化レベルが、抗酸化治療の効果を証明するのに比較される。抗酸化治療の効果は、少なくとも約25%の増大、30%の増大、50%の増大、75%の増大、100%の増大、150%の増大、好ましくは約50%を超える増大によって決定される。
【0064】
これまで理解されることも開示されることもなかった、重要な生化学的出来事は、ヒトにおける25mg/kgという効果的な用量のキナ酸のキレート物質で、HPLC法の検出限界(1mg/kg;すなわち、効果的な用量のわずか4%)で、ヒトの血清中にキナ酸は全く発見されなかったということである。だが、キナ酸自体は、直接作用する生理活性原料ではないだろう。
【0065】
当業者は、本願のキナ酸製剤の経口投与は、ヒトにおけるキナ酸レベルの顕著な上昇の原因ではないと認識するであろう。したがって、当業者は、トリプトファン及びニコチンアミドの生産に対する芳香族アミノ酸の前駆物質の作用のメカニズムは、GI管の微生物相のシキミ酸経路を介するということを認識するだろう。従来技術は、マウス及びラット中の約250mg/kgのキナ酸が有効な効果を有したということだけをもたらしている。だが、かかる効果は、キナ酸に起因し、トリプトファンまたはニコチンアミドのような他の代謝物質には起因しないということを誤って結論付けたのである(Sheng, Y., Akesson, C , Holmgren, K., Bryngelsson, C , Giampapa, V., Pero, R .W., キャッツクローの水抽出物の活性原料:キナ酸の同定及び効果。Journal of Ethanopharmacology 96(3): 577-584; 2005)。従来技術の教示に反して、本発明者らは、有効な効果は、ヒトにおいて、500から5000mg/日まで、好ましくは 1500から5000mg/日まで、または6.7から66.7mg/kgまでという用量の範囲にあるということを決定した。
【0066】
本発明者らは、温血動物(すなわち、ヒトを含む哺乳類)に対する、芳香族アミノ酸の前駆物質の経口投与は、血清及び/または哺乳類の体中の生物学的な反応性組織における、トリプトファン及び/もしくはニコチンアミドレベルのレベルを上昇させるために使用されうることを見出している。医学的効果もキナ酸複合体及びシキミ酸/シキミ酸塩及びコリスミ酸塩、ビタミン、バイオフラボノイド、バイオフェノールのような他の抗酸化剤の混合投与によって達成されうると確信されている。本願発明の方法は、哺乳類の体中の血清、尿及び/または他の生物学的組織における、チロシンやフェニルアラニンのような芳香族アミノ酸のレベルを上昇させるために使用されうる。
【0067】
トリプトファン及びニコチンアミドのレベルを増大させるための、芳香族酸に対する本願の前駆物質の経口投与に関する他の利点は、補給(supplementation)という本形態が正常な胃腸管の代謝によって調節され、直接のトリプトファンの補給と関連した可能性のある毒性効果を回避することである。
【0068】
芳香族アミノ酸に対する前駆物質は、キコナ バーク(chichona bark)を商業的に精製することにより得られうる。というのは、例えばシグマ(Sigma)またはアクロス(Acros)より入手できるからである。本願発明の一以上の特徴は、芳香族アミノ酸に対する前駆物質を含有するか形成する食品または添加物を対象としているからである。
【0069】
キナ酸を含有する機能的食品も、このような製品は化学合成されないため、キナ酸にとって優れた源として提供しうる。だが、本願発明の少なくとも一態様では、本願の化合物は、天然の、精製され、分離され、または合成の形態中に、このような食品の製品に対して添加され得、それは当該製品中の望ましい芳香族アミノ酸の前駆物質の含有量を最適化するためである。0.5%より高いレベルのキナ酸の含有量を有し、使用しうる食品源は、以下に制限されることはないが、キャッツクロー、プルーン、キウィ、シーバックソーン(sea buckthorn)、コーヒー、クランベリー、コケモモ、ブルーベリー、ウォートルベリー(wortleberry)、赤/黄 タマリロ、及びスルタナを含みうる。このような源は付加的な化学的改良を何ら要求しないため、より好ましい。キナ酸含有量<0.5%を有する食品源も、使用可能である。このカテゴリー中、食品添加物であるキナ酸源の食品例は、マルメロ、サンフラワー、ネクタリン、ピーチ、西洋ナシ、プラム、ハチミツ、クロフサスグリ、セイヨウカリン、アプリコット、アスパラガス、マッシュルーム、及びグリーンオリーブである。
【0070】
通常は、キナ酸のキレート物質のような芳香族アミノ酸に対する前駆物質は、ヒトにおいて、500mg/日から5000mg/日または約6.7から66.7mg/kgまでというシステマティックな用量で投与され、飲料、カプセル、錠剤、皮下注射、腹腔内注射、静脈注射で、または皮膚に対し局所的に運ばれる。好ましい用量形態は、液状(例えば飲料)で経口投与され、カプセルもしくは錠剤または食品の製品と組み合わせて乾燥状で経口投与される。
【0071】
健康上の効果を媒介するトリプトファン及びニコチンアミドを上昇させることにより処置されうる健康上の疾患の例は、セロトニン、ドーパミン及びニコチンアミド/NAD受容体により変調されたものを含む。例えば、キャッツクローの水抽出物は、潰瘍性大腸炎(炎症反応)、変形性関節症/関節痛、腫瘍細胞の成長、体重の増量、オゾン病、DNAの損傷/細胞死、化学的治療が誘導する白血球減少症、及び認知症/アルツハイマー病を阻害し、または制御した。Sandoval-Chacon, M., Thompson, J .H., Zhang, X.J., Liu, X., Mannick, E .E., Sadowicka, H., Charbonet, R .M., Clark, D .A., Miller, M.J., キャッツクローの抗炎症作用:NF−カッパBの役割を参照せよ。消化管の薬理学的治療12: 1279-1289, 1998; Piscoya, J., Rodriguez, Z., Bustamente, S .A., Okuhama, N.N., Miller, M.J., 膝の変形性関節症における凍結乾燥したキャッツクローの効果及び安全性:キャッツクロー(Uncaria guianensis)という種の作用メカニズム。Inflammation Res 50: 442-448, 2001. Castillo and Snow 米国特許第6,346,280号、2002年2月発行。キャッツクロー(Uncaria tomentosa)新規の水可溶性抽出物であるC−Med−100(登録商標)が補充される、個体中の肺炎球菌のワクチンに対する持続性反応。Phytomedicine 8(4): 267- 274, 2001; Sheng, Y., Bryngelsson, C , Pero, R .W., 促進したDNA修復、免疫機能及びC−MED−100の減少した毒性、キャッツクロー(Uncaria tomentosa)に由来する新規の水抽出物。Journal of Ethnopharmacology 69:115-126, 2000; Sheng, Y., Li, L., Holmgren, K., Pero, R .W., ボランティア研究における、ヒトにおけるキャッツクロー(Uncaria tomentosa)の水抽出物のDNA修復促進。Phytomedicine 8(4): 275-282, 2001; Akesson, C , Pero, R .W., Ivars, F., C−Med−100(登録商標)、キャッツクロー(Uncaria tomentosa)の熱水抽出物は、インビボで白血球の生存を持続する。Phytomedicine 10: 25-33, 2003; Akesson, C , Lindgren, H., Pero, R .W., Leanderson, T., Ivars, F., 細胞分裂を阻害するキャッツクロー(Uncaria tomentosa)の抽出物、及び細胞死を誘導しないNF−B活性、International Immunopharmacology 3 : 1889-1900, 2003。これら文献の全てが、参照により本願に引用される。
【0072】
さらに、精神医学及び精神変性の疾患、鬱病、憂鬱、及びペラグラ(ビタミンB3の欠如)は、トリプトファン及び/もしくはニコチンアミド並びに/またはセロトニンレベルを増大させるのに十分な用量、及びこのような状態の症状を改善するのに十分な用量の芳香族アミノ酸の前駆物質で、首尾よく処置しうる。
【0073】
なかでも他の原料であるキャッツクローの抽出物の中には、様々な抗酸化剤、すなわち、フラボノイド及びポリフェノール、並びにキナ酸、アジマシリン、アクアミジン(akuammigine)、カンペステロール、カテキン、カルボキシルアルキルエステル、クロロゲン酸、シンコナイン、コリナンテイン、コリノキセイン、ダウコレステロール、エピカテキン、ハーマン、ハーステイン(hirsuteine)、イソプテロポジン、ロガン酸、リアロシド(lyaloside)、ミトラフィリン(mitraphylline)、オレアノール酸、パルミトレイン酸、プロシアニジン、プテロポジンキノブ酸グリコシド(プテロポジンキノブ酸グリコシド(pteropodine quinovic acid glycosides))、リンコフィリン、ルチン、シトステロール、スペシオフィリン(speciophylline)、スティグマステロール、ストリクトシジン、ウンカリン(uncarine)及びバクセン酸を含む他の化合物を含有しうるものもある。
【0074】
一実施形態では、芳香族アミノ酸に前駆物質を含有する製剤は、ケルセチン、ルチン、クリシン、ミリセチン、ゲニステン(genisten)、ヘスペリジン、ナリンギン及びそれらの混合物よりなる群から選択される、二次的な天然の、精製された、分離されたまたは合成の抗酸化剤を含みうる。
【0075】
一実施形態では、芳香族アミノ酸に前駆物質を含有する製剤は、コエンザイムQ、ピルビン酸塩、コエンザイムA、ユビキノール、NADH、NAD、NADP、NADPH、アデニン、アデノシン、ナイアシン、ニコチンアミド、カンペステロール、カテキン、クロロゲン酸、シンコナイン、コリナンテイン、コリノキセイン、ダウコレステロール、エピカテキン、ハーマン、ハーステイン(hirsuteine)、ハーステイン(hirsuteine)、イソプテロポジン、ロガン酸、リアロシド(lyaloside)、ミトラフィリン(mitraphylline)、オレアノール酸、パルミトレイン酸、プロシアニジン、プテロポジンキノブ酸グリコシド(pteropodine quinovic acid glycosides)、リンコフィリン、シトステロール、スペシオフィリン(speciophylline)、スティグマステロール、ストリクトシジン、ウンカリン(uncarine)及びバクセン酸よりなる群から選択される二次的な抗酸化剤も含みうる。
【0076】
好ましい実施形態では、芳香族アミノ酸に前駆物質を含有する製剤は、ニコチンアミド、ナイアシン、NAD、NADP、フラボノイド、ケイ皮酸もしくはその誘導体、アスコルビン酸もしくはその誘導体、トコフェラール(tocopheral)もしくはその誘導体、及びビタミンAもしくはDまたはそれらの誘導体よりなる群から選択される二次的な抗酸化化合物を含みうる。
【0077】
芳香族アミノ酸に前駆物質を含有する製剤は、任意の治療用原料をさらに含みうる医学的に許容可能なビヒクルをさらに含有しうる。これらの任意の原料は、抗腫瘍性製剤、抗感染薬、抗抑制薬、気分高揚剤及び抗炎症剤よりなる群から選択される。
【0078】
一実施形態では、抗腫瘍性製剤は、フッ化ピリミジン、シチジンアナログ、プリン系抗代謝物質、植物のアルカロイド、アルキル化剤、アントラセン誘導体、抗腫瘍の抗生物質、金属複合体、抗アミノリン脂質抗体、抗血管形成剤及び放射線治療剤よりなる群から選択される。
【0079】
他の実施形態では、前記任意の原料は、スルホンアミド、ペニシリン、セファロスポリン、アミノグリコシド、タンパク質合成阻害物質、抗カビ剤、抗ウィルス剤、抗結核剤よりなる群から選択される抗感染剤である。
【0080】
他の実施形態では、前記任意の原料は、三環系抗うつ薬及びセロトニンの再取り込み阻害物質よりなる群から選択される抗抑制剤である。
【0081】
さらに他の実施形態では、前記任意の原料は、ステロイド性の抗炎症剤及び非ステロイド性の抗炎症剤よりなる群から選択される抗炎症剤でありうる。
【0082】
他の実施形態では、分離された薬剤組成物の生産に対する好ましい過程は、約6.9から約7.6までのpHに達するのに十分な水溶液中で、実質的に純粋なキナ酸を水酸化アンモニウムと混合し、キナ酸のアンモニウムイオンに対する比率が約1:1.54である、キナ酸のアンモニウムのキレート物質を生成することを含む、効果的な量のキナ酸のキレート物質を付与することを含むと記載されている。水酸化アンモニウムの溶液は、約1%及び約10%以上の濃度で、約15分から約4時間までの時間で、溶液が約7.4から約7.6までのpHに達するのに十分な量で、100ml当たり約5gから約30gのキナ酸を含むキナ酸の水溶液に添加される過程が好ましい。
【0083】
本願に記載される実施形態の組成物は、例えば、約pH7から約pH7.5までの範囲で、水酸化アンモニウムを用いた水性媒体中、約1:1.6のモル比率で、実質的に純粋なD−キナ酸をアンモニウムのキレート物質に変換することによって生成される。約pH7.5が好ましい。だが、本願に記載されたキナ酸アンモニウムキレートは、例えば、pH6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5及び7.6並びにそれらの間の全てのpHの値で生成されてもよい。キナ酸のキレート物質を作る他の方法は、本願で分節された方法の精神及び範囲から逸脱しない限り、本技術分野における通常の知識を有する者によって採用されうる。
【0084】
実施形態である薬剤または栄養の組成物は、顕著且つ効果的な量のキナ酸のアンモニウムのキレート物質を含む。一実施形態では、アンモニアで処置したキナ酸が、生理的pHで、約1:1.6(実際には1:1.54)のモル比率で実質的に純粋なアンモニウムのキレート物質を形成できるQunimax(商標)を使用可能である。好ましくは、Quinmax(商標)は、水溶性アンモニアでpH=7.5まで中和された実質的に純粋なキナ酸である。
【実施例】
【0085】
原料及び手段
(a)サンプルの収集及び調製
12時間の絶食後のたいていの場合午前中(a.m.)に、バキュテナーを用いたベナル(venal)な穿刺(レッドトップ(red top)、10ml)により血液サンプルを収集した。10分間、1500×gでの遠心分離前に、卓上(bench top)での2時間のセッティング後、血液の塊から血清を分離した。本方法で調製された血清は、通常1〜30日以内の収集で、生化学的解析まで+4℃で貯蔵した。尿サンプルは、処置及びフォローアップ(8か月の処置後)の期間中、A.M.に、ランダムに50mlのサンプルとして収集した。尿を5000×gで15分間スピンし、1か月以内の収集で解析されるまで、上清を+4℃で貯蔵した。第1の解析後、全てのサンプルをさらに−200℃で貯蔵し、長期の反復測定に使用した。
【0086】
(b)試行の計画
Aqua Bimini(商標)(キナ酸アンモニウムキレート)の臨床評価に対する試行の計画を、ルンド(Lund)大学で2006年4月28日から実行した。HL及びRPとして保護された2人の被験者のIDコード(identity code)は、4週連続(36日間)で、それぞれ1500mg/日及び3000mg/日のペースでAqua Bimini(商標)を受けた。血清及び尿のサンプルを、試行期間中繰り返し収集し、その後6週前(基準)、4週間の診療(処置、36日)及び8月間のドライアウト(dry-out)(処置なし)として、解析のための集団中に統合した。
【0087】
準拠集団(reference group)は、正常な補給なしの個体との比較で規定した。それは、キナ酸をサプリメントとして全く摂取しなかった9個体からなる;12〜86歳の6名の男性及び3名の女性がいた。誰も喫煙しなかったが、9名のうち6名は、評価期間の前及び最中に微量栄養素のサプリメントを摂取していた。この非臨床の薬物動態の調査プログラムは、ヒトに対するヘルシンキ宣言(the Declaration of Helsinki)のガイドラインに従って行われた。さらに、インフォームドコンセントは、本研究への使用目的のみということで血液及び尿のサンプルを得るための個々の許可を含む全ての参加者から得られ、機関の再審査の承認も得られた。
【0088】
晒されていない(コントロール)及び栄養補給された集団の、キナ酸、馬尿酸、トリプトファンまたはニコチンアミドの尿中のレベルを表3に示す。補給された、及び晒されていないコントロールの双方を含む、各集団に対する尿の平均値を、Aqua Bimini(商標)の効果及び代謝を評価するために、t−検定の統計で比較した。
【0089】
さらに、非臨床の薬物動態の評価を含む、この基準をコントロールとする試行もまた、補給前(すなわち基準)の血清サンプルを補給中(4〜5週)までの血清サンプルと比較し、なお、前記血清サンプルは、同じ個体に対し、ドライアウトの値に対して比較された(8月間の処置なし後直ぐに)。個体の血清タンパク質チオールの値の合計は、図7及び8に示されたように、後述のように観察し、評価できる。このような手法では、これらの生化学的パラメータにおける個体間の多様性は、プロトコールから離れてランダムなものとなる。なぜなら、抗酸化試験のパラメータ(血清タンパク質チオール)における個体の多様性は、処置の開始前の個体の基準値における相違を制御することによって、計画から外れたものとなるからである。
【0090】
【表2】
【0091】
(c)血清タンパク質チオールの、インビボでの抗酸化指標としての評価
下記の詳細な説明は、DNA修復のキャパシティーを評価するために過去に使用された、血清タンパク質チオールのインビボでのレベルの評価を標準化(正規化)するために計画された。血液サンプルを収集し、血清を分離する場合、血清タンパク質チオールのレベルは、既存のインビボでの酸化環境と順次、平衡状態になるタンパク質構造中に存在する、チオールとジスルフィドとの間の濃度の評価である。このように、血清タンパク質チオール解析は、DNA修復により順次調節される個体の抗酸化状態に関するインビボでの評価である。
【0092】
(d)タンパク質チオールの定量的測定に対する標準的なチオール感受性曲線の証明
比色分析剤である5,5’−ジチオ−ビス−(2−ニトロ安息香酸(DTNB)の原液を、9.5mg/mlの固体状DTNB、0.1MのK2HPO4及び17.5mMbのEDTAを用いて調製した。pHを7.5に調節し、その後望ましい量まで希釈した。実際に使用できるDTNB溶液は、DTNB原液を生理食塩水と1:50で希釈することにより調製した。L−システインの溶液を調製し、標準曲線を所望のものとなるように0−100μMの範囲で構築した。原液を要求通りに希釈し、吸光度を96穴の平底のマイクロタイタープレートを用いて測定した。200μlの実際に使用できるDTNB溶液を伴う50μlのL−システイン溶液をウェル(穴)ごとに配置させた。濃度当たり2または3の複製を製作した。
【0093】
DTNBのブランク(50μlの生理食塩水+200μlのDTNB)を製作した。吸光度の値は、マイクロタイタープレートのスキャナ分光光度計を用いて412nmで測定した。全ての濃度の平均を計算し、DTNBのブランクを全ての値から差し引いた。標準的なシステイン溶液との比較による、濃度(x−軸)対吸光度(y−軸)のプロットを用いて、システイン濃度を決定した。
【0094】
(e)血清タンパク質チオールの測定
飽和した硫酸アンモニウム溶液を調製した。全てのサンプルに対して200μlの血清を用いて、血清を800μlの飽和した硫酸アンモニウムで沈殿させた。1.5mlのバイアル中、12,000Gで15分間、室温でサンプルを遠心分離した。バイアルの底が固体のペレットを含有する場合に、前記底を乱すことなくその上清を捨てた(約800μl)。その後、ペレットを600μlの生理食塩水中で再懸濁した。透明な96穴の平底のマイクロタイタープレートを解析に使用した。1の複製を下記のように調製した:(i)1ウェル中、200μlの実際に使用できるDTNBを伴う、50μlという一定分量の血清、及び(ii)別の1ウェル中、200μlの生理食塩水を伴う50μlの一定分量を配置させることによる、血清のバックグラウンド。これを全てのサンプルに対して3回繰り返した。DTNBのブランクを作り(50μlの実際に使用できるDTNB+200μlの生理食塩水)、生理食塩水のブランク(250μlの生理食塩水)も3つの複製において作った。前記ウェル中の泡を確実に避けつつ、マイクロタイタープレートのスキャナセットにおける、412nmでの吸光度を測定した。
【0095】
(f)システインの標準曲線からの血清タンパク質チオールの評価
平均は、DTNBのブランク及び生理食塩水のブランクを計算した。全ての複製に対して、DTNBのブランクを全てのサンプル値から差し引いた(補正後サンプル)。また、生理食塩水のブランクを全ての血清値から差し引いた(補正後血清)。計算を示した、下記の表2に示された例を参照せよ。
【0096】
その後、補正された血清値を補正されたサンプル値から差し引いた。この値は、410nmでの吸光度として表された、最終の血清チオール値であった。与えられた例に示されているように、この平均値は全ての複製に対して計算され、表2で与えられる。
【0097】
【表3】
【0098】
表2に示された平均値は、該当するシステインのモル濃度の決定に対する標準曲線中に取り入れられた。このように、値は、システインのモル当量として表される血清チオールのモル濃度である。血清を沈殿させ、遠心分離でスピンさせた後、ペレットを600μlの生理食塩水中で再懸濁した。ペレットの量の増加に伴い、最終量は800μlとなった;200μlの純粋な血清を始めに分離した。これは、このように4倍希釈であった。サンプルの血清はその後、ウエルに配置され、5倍に希釈された(250μl中50μl)。
【0099】
同時に、これは20倍希釈(4×5=20)であった。このように、標準曲線から読み取れるチオール値は、20倍されるべきである。さらに、我々のデータを文書化され登録されたデータと比較できるようにするために、0.722という係数でかけることが必要となる。これは、過去に使用された係数に起因した。チオールは、ここではnmoles/0.72mlで測定された。
【0100】
g)高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)の通常条件
馬尿酸、キナ酸、ニコチンアミド及びトリプトファンのHPLC解析は、Perkin Elmerの、UV検出器785Aを備えた200LCポンプを用いて行われた。HPLCで評価される各化合物の同定も、薄層クロマトグラフィー(TLC)解析で独立に確かめられた。カラムは、C18 150×4.6mmもしくはC18 80×4.6mmのPerkin Elmer−Brownlee(Pecosphere part 第0258−0196もしくは0258−0166)のいずれか、または、Perkin Elmer C18 30×4.6mmのBrownlee precolumnと併せて、である。1500〜5000psiで1ml/分、カラムを通って移動相を送り出した。UV検出器を、検出されている化合物に応じて200nm〜230nmの波長でセットした。
【0101】
20μlの注入ループを、全ての実験で使用した。データを蓄積し、PE Nelson Turbochrom 4(S270−0052)を用いて再処理した。C18カラムを、下記の一連の溶剤:アセトニトリル:メタノール(30:70、v/v/)、100%メタノール、メタノール:水(50:50)、メタノール:0.2%TFA、及び100% 0.2%TFAを用いて、1ml/分、30分の洗浄で再生した。あらゆるケースにおいて、定量評価は、分析グレードの純度の商業上利用可能な標準化合物を用いて、ピーク高さの計算に基づいた。全てのHPLC解析に適用されるこれらの通常条件は、本研究で実行した。
【0102】
(h)血清中のキナ酸を定量化するためのHPLCサンプル及び標準曲線の条件
0.2及び30mlの血清サンプルを血液から収集し、エタノールまたはトリクロロ酢酸(TCA)のいずれかを用いて沈殿させた。洗浄(clean-up)後、上清を乾燥し(エタノール沈殿した)、または直接使用した。蒸留水に溶解したキナ酸(Sigma)を用いて、標準曲線を調製し、方程式y=6012.8x−24698に従った;0〜25mg/mlの間の溶液20μl注入を用いた。
【0103】
(i)単一の高用量のキナ酸の時間の研究
65歳の見かけでは健康なボランティアが、15分超の時間中300mlの水で溶解した6gmのキナ酸アンモニウムキレート(Quinmax(商標))を飲用した。サンプルを収集し、その後、約40mlの末梢の血液(4−red topped バキュテナー)は室温で凝固させ、血清サンプルを遠心分離で調製した。血清のサンプリング点は、0.7時間、1.7時間、2.7時間、3.7時間、10.5時間、12.5時間、22時間、28時間及び44時間であった。30mlの血清サンプルを50%エタノールで沈殿させ、気流の下で乾燥させ、同時にキナ酸及び馬尿酸のHPLC解析を行うために、1mlのメタノールで再溶解した。データより、30mlの血清にキナ酸が存在するということが分かった。この実験で使用されたカラムは、C18 150×4.6mmであった。前記移動相は0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)であった。UV検出器は220nmでセットされ、キナ酸は2.26分間の保持で溶出し、馬尿酸は8.3分間であった。本方法の感度は、約1/30=0.033mgのキナ酸/mlの血清であった。
【0104】
(j)1日当たり1500mg及び3000mgの反復した用量の、6週超の期間、血清で分析されたキナ酸
2名のヒトのボランティアである被験者HL(20歳)及び被験者RP(65歳)が、1日当たり1500mgまたは1日当たり3000mgの日用量を摂取し、並びに5月8日、5月15日、5月18日、5月23日、5月29日及び6月1日に血清サンプルを採取した。
【0105】
これらのサンプルは、2Mのトリクロロ酢酸(TCA)を用いた沈殿後に、200μlの血清中で、キナ酸の含有量をそれぞれ分析した。これらの実験に使用されたカラムは、C18 80×4.6mmであった。移動相は、0.2%のトリフルオロ酢酸(TFA):メタノールが85:15であった。UV検出器は215nmでセットされ、キナ酸が1.40〜1.5分の保持時間で溶出した。この方法の検出感度は、約1mgのキナ酸/ml血清、または本研究において本願で使用されているように、21〜42mg/kgではなく、ヒトにおいて、70mg/kgという検出可能な用量であった。このように、4〜5週の期間中、反復した日々の投与後に、血清中のキナ酸レベルが蓄積するならば、このプロトコールは評価できる。
【0106】
(k)血清中の馬尿酸のHPLC解析
血清サンプルを+4℃で貯蔵し、1か月以内の採取で解析した。血清サンプル(200μl)は、2MのTCA(25MのTCAの場合、25μl)で沈殿させることにより、解析のための調製を行った。TCAの上清のHPLCへの20μl注入は、36日間のAqua Bimini(商標)の補給及び30日のフォローアップ(処置なし)の間、採取された血清サンプルに関してなされた。血清は、C18 80×4.6mmを用いたHPLC及び0.2%トリフルオロ酢酸(TFA):メタノールが75:25の移動相によって解析された。
【0107】
UV検出器は228nmでセットされ、馬尿酸は4.0〜4.25分の保持時間で溶出した。標準曲線は、蒸留水で溶解された様々な濃度の馬尿酸(Sigma)を用いて調製した。0〜0.15mg/mlの間の溶液の20μlを注入した後、プロット前にμMに変換し、方程式y=511x+6616によって表された。この標準曲線は、血清中の馬尿酸のレベルを検出し定量化するのに十分であった。それは、HPLCによるキナ酸1mg/mlと比較した、約0.01mg/mlである増大した感度のためである。
【0108】
(l)HPLC解析に対する尿サンプルの予備的な洗浄(clean-up)
尿サンプルは、10分間激しく振盪させながら、水性の尿:95%エタノール:酢酸エチルを1:2:4 v/v/vで混合した。酢酸エチルの層は、室温下、重力で分離し、その後、それはピペットで除去され、気流で脱気され、真空フード中で乾燥した。この手法で、1〜2mlの尿を、水またはエタノール0.2ml中に戻した。これは、5〜10倍の(サンプルの)濃度を示した。代謝物質の抽出というこの方法を用いた回収は:キナ酸=53%、馬尿酸=53%、ニコチンアミド=54%、及びトリプトファン=66%であった。
【0109】
(m)尿中のキナ酸及びニコチンアミドのHPLCによる同時検出
尿サンプルをエタノール及び酢酸エチルで、1:2:4 v/v/vに希釈し、その後、酢酸エチル画分を乾燥し、0.2mlの水で可溶化し、C18 80×4.6mmに直接、20μlの注入を伴うHPLC解析を用いた。移動相は8:8:84(v/v/v)の比率で、0.2%トリフルオロ酢酸(TFA):メタノール:アセトニトリル(70:30):水であった。UV検出器は215nmでセットされ、キナ酸は0.97〜1.05分の保持で溶出し、ニコチンアミドは2.6〜2.9分であった。尿中の検出限界は、キナ酸で約1.5mg/mlであり、ニコチンアミドで0.015 mg/mlであった。0〜17.5mg/mlの間のキナ酸で、用量反応は、y=53.52x+33.55と表され、0〜0.2mg/mlの間のニコチンアミドで、用量反応はy=4748x−0.1174という線形回帰直線を与えた。
【0110】
(n)尿中のトリプトファン及び馬尿のHPLCによる同時検出
尿サンプルをエタノール及び酢酸エチルで、1:2:4 v/v/vとなるように希釈し、その後、酢酸エチル画分を乾燥し、0.2mlの水で可溶化し、C18 80×4.6mmに直接、20μl注入を伴うHPLC解析を用いた。移動相は、0.2%TFA:30%メタノールが70:30 v/vであった。UV検出器を225nmにセットした。トリプトファンは5.2〜5.4分後に溶出し、馬尿酸は3.1〜3.4分後に溶出した。尿中のトリプトファン及び馬尿酸の検出限界は、それぞれ0.01mg/ml及び0.02mg/mlであった。0〜0.06mg/mlの範囲内の用量で、トリプトファンはy=3557x+3.345という線形回帰を生じ、0〜0.15mg/mlという用量範囲は、馬尿酸に対して、y=4592x−72.46という類似の直線関係を与えた。
【0111】
例1:ヒトの被験者におけるキナ酸代謝の特性解析
6000mgという単一の高用量を被験者に経口で投与し、その後、30mlの血清サンプルを投与(exposure)後0.7〜44時間で取られた全血サンプルから調製した。血清サンプルがエタノールで沈殿し、1mlの水で再溶解すると、これは、各血液サンプル中に存在するキナ酸の30倍増の濃度を可能にし、前記方法を、少量のキナ酸でさえ極めて微妙な差を検知できるようにした。そのデータを図1に示す。
【0112】
(i)キナ酸の馬尿酸への最大限の変換と殆ど同時に、10.5時間後のキナ酸の血清中への最大限の取り込み(約7時間後のシステマティックな循環における、すなわち血清における)が観察された。経口投与された4.4mg/mlの6000mgだけが、血液の流れに蓄積した。総用量である6000mgのうち4.4mgのみが、血清中に取り込まれた(すなわち0.073%)。これは、キナ酸の99.9%が、44時間の期間内に排出されるか、または代謝されたことを示唆している。
【0113】
図1中のデータは、1500mgまたは3000mgのいずれかのキナ酸のキレート物質(Aqua Bimini(商標))の、6週間という日々の投与及びフォローアップ後に、血清を分析することによって確認され、拡張された。血液サンプルが取られ、血清は、反復したAqua Bimini(商標)の経口投与後に、10日目から37日目までで6倍に調製され、これらのサンプルはその後、キナ酸で解析された。被験者がいかに長期間、日々のキナ酸のキレート物質の用量で処置されたにもかかわらず、血液の血清サンプル中にはキナ酸は発見されなかった。結論として、27という反復したAqua Bimini(商標)の用量(37日−10日=27日)後でさえ前記方法の実証された感度によって解析された場合、反復した日々の投与後でも、キナ酸は血液の流れを蓄積しなかった(すなわち、それぞれ40,500mgまたは81,000mgに等しいキナ酸の総用量)。
【0114】
(ii)キナ酸の99.9%は血清中で発見されなかったので、尿中に排出されたか、またはおそらく他の化合物に代謝されたかが疑問となった。(36日及び8か月のフォローアップ(すなわち処置なし)中、)3000mg/日または1500mg/日でAqua Bimini(商標)の日々の経口の処置を連続4〜5週間採取した尿サンプルは、キナ酸について解析された(表3、図2〜3)。全体の評価期間に対する尿中のキナ酸の平均レベルは、それぞれ約184mM±103(n=19)及び65±49mM(n=17)であると分かった。これらの平均値の標準偏差は、時間と共に尿のキナ酸の大きな変動を示す。それらが、9か月後も依然として上昇し、身体的補給基地からの代謝移動を反映しているにもかかわらず、である。1日当たり1.5リットルまで生産された多量の尿を用いて、1日の尿中のキナ酸当たり、3000mg/日の経口用量後の約184mM、または(1日当たり53,039mg/1.5リットルの総尿量まで変換する)184mmole/リットルの検出が得られた。
【0115】
尿中の65mMのキナ酸を生じた、1500mg/日という経口用量に対する似た計算は、1日当たり18,737mg/1.5リットルの総尿量を与えた。これらのデータを表3に要約し、投与された総用量56%及び40%は、9か月の評価期間後に代謝されないキナ酸として排出されるという解析を支持するものである。
【0116】
キナ酸は、ドライアウト(dryout)の期間(すなわち、処置後の8か月間)中、尿中で検出されうるので、キナ酸は反復した投薬からGI管中に蓄積しうるということは理路整然としていた。さもなければ、経口補給後に、8か月のフォローアップ(処置なし)に対する尿中へ排出することなどどうして分かるのだろうか(表3、図2〜3参照)。3000mg/日または1500mg/日のAqua Bimini(商標)のいずれかの経口投与前またはその後すぐの、尿中で発見されるキナ酸の代謝物質のレベルを表3に提供する。
【0117】
これは、キナ酸または必須アミノ酸またはビタミンのいずれかのさらなる補給を欠く場合でさえ、芳香族アミノ酸の持続的生産を可能にする、まさに好ましい栄養学的意義を強く示唆するものである。
【0118】
例2:ヒトの被験者におけるキナ酸代謝としての馬尿酸の特性解析
4月28日から6月1日までの経口投与期間中1500mg/日及び3000mg/日のAqua Bimini(商標)(キナ酸アンモニウムキレート)の経口用量後の馬尿酸源として、2006年6月2日から2007年1月20日までの追加的なドライアウト(dryout)の期間(8か月間処置なし)からは、含まれたサンプルと併せて、経口投与後の馬尿酸源として、キナ酸も評価された。
【0119】
ヒトを含む動物は、5%から70%の間の用量のキナ酸を、1〜8日以内に、安息香酸及びその後は馬尿酸まで代謝できるということがよく知られている。このように、馬尿酸は、キナ酸投与(exposure)に由来すると特徴付けられる、過去に知られた代謝物質にすぎない。
【0120】
【表4】
【0121】
ここで、我々は、馬尿酸尿の存在を、尿と血清の両方について分析している。尿中、馬尿酸のmMが見出された(表3、図2〜3)。例えば、尿は、3412mgの馬尿酸/1.5リットルを示した、12.7mM以下の馬尿酸を生じた。キナ酸アンモニウムキレート/70kgの人間としての、日々の総用量である3000mgのAqua Bimini(商標)は、43mg/kgに等しいか、または約43mg/リットル=64.5mg/1.5リットルに等しい。ヒトの体の総水量は、0.7リットル/kgであると評価された(Aqua Bimini(商標)は、水及び尿中に等しく分配されると仮定した場合);その後、3000mgが溶解した、0.7リットル×70kg リットル=49リットルは、3000mg/49リットル=91.8mg/1.5リットルに等しく、これは、キナ酸が完全に吸収されて排出されないならば、存在したはずの量である。
【0122】
このように、これらの計算は、91.8 mg/1.5 リットルで除される64.5mg/1.5リットルまたはおよそわずか70.3%の日々投与された用量のAqua Bimini(商標)(すなわち、3000mg/mlのキナ酸)が日々、馬尿酸として尿中へと排出され、残る29.7%のAqua Bimini(商標)が馬尿酸としてシステマティックな循環中へと吸収されるか、または他の化合物までさらに代謝されたということをサポートする。
【0123】
だが、わずかmM量の馬尿が尿中に見出された−<20μMという極めて低いレベルの馬尿酸が血清中に見出されたに過ぎない(図4を参照せよ)。馬尿酸は、この用量範囲内では血清中でほとんど検出不可能であり、このように、このような結果は、キナ酸のシステマティックな分配へのわずかな吸収、及びそこでの馬尿酸への変換と相関があるということに当業者は注目しうる。さらに、少なくとも血清濃度(すなわち、<0.02mM、図4)及び3000mg/日というAqua Bimini(商標)投与後の馬尿酸の尿レベルにおける相違(0.49〜12.7mM、図2、表3及びテキスト計算)は、少なくともキナ酸が他の化合物まで代謝され、馬尿酸として排出されないことを証明するものである。
【0124】
これらの低レベルであっても、処置に対する用量反応が観察された血清の馬尿酸でさえ、これらは、この原料について見られるAqua Bimini(商標)の処置に対する用量反応であった(図4)。血清及び尿についてのこれらのデータを考慮すると、キナ酸/馬尿酸のレベルは、システマティックな循環中でキナ酸がほとんど見出されないということを示しており(投与された用量が<0.1%、図1及びテキスト計算を参照せよ)、キナ酸がまさにシステマティックな取り込み代謝を受けるということを血清及び尿の両方が証明するとしても、馬尿酸は検出されうるが、投与量の約70.3%が変化しないまま尿中に排出される(図2及びテキスト計算を参照せよ)。
【0125】
尿中で行方が不明である残り29.7%のAqua Bimini(商標)のうち、わずか痕跡量のみが血清中に馬尿酸として同定され、このように、血清中でのキナ酸及び馬尿酸の薬物動態のデータに匹敵している(表3及び図1〜4も参照せよ)。わずか痕跡量のみであるキナ酸または馬尿酸のいずれかが血清中に見出されたので、潜在的には、Aqua Bimini(商標)の日々の投与用量のうち、たった29.7%が、システマティックな循環またはGI管中の他の化合物へと変換しうる。
【0126】
この薬物動態の解析は、過去に文書化されたキナ酸の有効な効果は、キナ酸自体に起因しているというよりもむしろ、シキミ酸経路に活性のある前駆物質の化合物に起因しているということを示唆している。
【0127】
例3:尿中のキナ酸の相当するレベルにおける、尿中の馬尿酸レベルの依存性
本研究では、キナ酸、馬尿酸、トリプトファン及びニコチンアミドに対する尿の値の基準値は、同様に、12〜86歳の年齢の間(n=9)という広範に亘る準拠集団で決せられた。キナ酸及び馬尿酸に対するデータは、図2〜3に存在する個体のキナ酸で処置された尿の値を伴う、表3に要約された。キナ酸及び馬尿酸の尿のレベルの間でコントロール(晒されていない)及び反復的に抽出されたAqua Bimini(商標)(キナ酸)で処置された個体(n=45)についての、全体の抽出された人間の集団に基づく、真にかなり顕著な直線状の相関性があった(p<0.001)。このことは、馬尿酸は主に着色性の果物及び野菜中のキナ酸と関連した食生活上の因子によって影響を受けており、ベンゼンまたはトルエンのような環境的な毒性のある芳香族の投与(exposure)を反映していなかったという強い証拠と捉えられた。
【0128】
例4:個体の抗酸化状態に関するインビボでの評価としての血清タンパク質チオールの解析
ここで報告されたキナ酸及び馬尿酸についての薬物動態のデータの後、明らかなことに、過去に使用されたキナ酸の経口用量は、キナ酸自体によっては直接的に何らの効果媒介にも関与しなかった;すなわち、それはシステマティックな循環中では検出できないためであり、キナ酸用量の約40〜60%は、たとえ9か月(表4及びテキスト計算)を超えていたとしても、代謝されずに尿中に排出された。初期の報告は、(i)ドキソルビシンの科学的な治療の処置からの回復及び(ii)細胞死及び細胞生存のない成長の捕捉を含む、様々な臨床の評価項目(endpoints)に対して評価されたが、我々は、これらの出来事が共に酸化還元(酸化/還元)のバランス及びDNA修復に非常に依存するということを示している。結果として、ここでは、我々は、抗酸化の有効な効果という指標として、血清タンパク質チオールの状態を使用している。
【0129】
1か月の処置 及び8か月のフォローアップ(処置なし)を含む、ヒトにおける9か月という期間を超える、Aqua Bimini(商標)(キナ酸アンモニウムキレート)の代謝の運命は、表4に与えられている。
【0130】
血清タンパク質チオールのデータは、図6〜8において要約的に示されている。まず、図6〜7は、6月2日〜8月31日という短期のドライアウトの期間、及びさらに長期のドライアウトの期間(2006年9月〜2007年1月20日)の双方を含む診療後の値から、(基準の)血清チオール前の値を識別する、個体データの点を示す。
【0131】
【表5】
【0132】
明らかなことに、Aqua Bimini(商標)の補給は、処置及びフォローアップの期間と通じて上昇したままでさえある、タンパク質に存在している、減少したチオール(−SH)の顕著な増大と関連していた。これは、酸化還元バランスが酸化状態から移行したという直接の証拠であると考えられてきた。血清タンパク質は、シグナル伝達タンパク質を含有するため、これは、Aqua Bimini(商標)を伴った補給中、及び驚くべきことに少なくとも9か月の評価期間中、インビボで生じる抗酸化状態の主要な移行についての強力な証拠であった。
【0133】
結論として、Aqua Bimini(商標)は強力な抗酸化剤であったが、変換する抗酸化効果を媒介しうる他の化合物へ変換されることにより、前代謝物質としてのこれらの効果の原因となるに違いない。その論理は単に、36日間及び更に処置のない8か月のフォローアップ期間という、Aqua Bimini(商標)の反復的な投薬の後でさえ、血清中でのキナ酸のシステマティックな蓄積がなかったため、8か月間もさらなる補給が無かった場合に、キナ酸自体がどのくらい血清チオールを上昇させることができるかというものであった(図6〜7参照)。
【0134】
図8は、おそらく遺伝的及び環境学的な要因のために、次から次へと個体が変化した、個体の基準の血清チオールをさらに分類化する。だが、Aqua Bimini(商標)(キナ酸アンモニウムキレート)が経口投与された場合、バックグラウンドレベル(すなわち、基準のチオール状態)とは独立した、血清のチオールレベルにおける個体内の増大があった。
【0135】
結果として、結局のところ、Aqua Bimini(商標)についての抗酸化の有効な効果は、明白に存在しており、だが、キナ酸自体ではなくそれが誘導した他の代謝が原因となっていなかった。
【0136】
例5:微生物/植物のシキミ酸経路と関連した代謝物質についての尿の解析
キナ酸は、経口で投与される場合、尿サンプル中の馬尿酸として同定されるため、少なくともキナ酸を馬尿酸まで代謝できる腸内の微生物相が十分に証明されているが、キナ酸が腹腔内注入で投される場合、馬尿酸への変換は全くなかった。
【0137】
ヒトのGI管中に存在している機能的なシキミ酸経路についての馬尿酸の証拠にもかかわらず、キナ酸は、シキミ酸塩からコリスミ酸塩への、トリプトファンへの、そしてニコチンアミドへの代謝経路に従って生成した化合物の増大した生産にはなりえないということを実証する、報告された研究はこれまでのところ全くない。初めて、我々は,トリプトファン及びニコチンアミドの尿レベルがAqua Bimini(商標)(キナ酸アンモニウムキレート)のような芳香族アミノ酸の前駆物質への投与(exposure)により誘導されたということを実証した。
【0138】
GI管は、最も重要な体の中の器官の機構の一つであり、細胞成長及び健康上の維持に対する適切な栄養を維持するのに必要なタンパク質、脂肪及び糖類の破壊及び再合成に関与する。主要な栄養源の中には、体で合成されないものもあるが、シグナル伝達(例えば、セロトニンやドーパミンを介して)及び構築タンパク質(building protein)に多く必要とされるのが、芳香族アミノ酸であるトリプトファン、フェニルアラニン及びチロシンである。それらは全て、ニコチンアミド及びNADといった主要なエネルギー源とともに、シキミ酸経路で生産される。
【0139】
表3及び図9〜10に示されたデータ解析は、トリプトファン及びニコチンアミドの尿レベルを2名の被験者、すなわち33日間(すなわち処置期間)連続で1500mg/日を受ける者と3000mg/を受けるもう一方の者において測定した場合、コントロール(unexposed)と比較すると、双方の用量は尿のトリプトファン及びニコチンアミドについての顕著に上昇したレベルを有したことを示している。サンプルが8か月後のフォローアップの解析に含まれた場合でさえ、トリプトファン及びニコチンアミドの尿中レベルは依然として上昇したままであった。尿中のトリプトファン及びニコチンアミドは、体の残り部分におけるこれらの栄養の状態に関する良く知られた強力な指標であり、そのため、結局のところ、キナ酸の補給は、GI管中の馬尿酸の合成を増大させるだけでなく、トリプトファン及びニコチンアミドの合成も増大させる。
【0140】
さらに、トリプトファン及びニコチンアミドは共に、8か月のフォローアップ期間を通じて尿中で上昇し続け、同期間中に増大した血清チオールによって証拠付けられたように、抗酸化のシステマティックな効果を媒介する際の、それらの関与に対するサポートであった(図6〜8を参照)。
【0141】
例7:血清チオールに関連したトリプトファン、ニコチンアミドの解析
血清チオールによって見積もられた、トリプトファン/ニコチンアミド及びシステマティックな抗酸化レベルの間の関係をより良く実証しようとするために、我々は、さらに、マイクロモルレベルの血清チオールに関連した、尿中のトリプトファンまたはニコチンアミドのモル比率を分析することを考慮した。表5は、血清中の増大したマイクロモルレベルのチオール(システマティックな循環への取り込み)と比較した、トリプトファンまたはニコチンアミドの尿(排泄)中での増大したレベルの比率を明白に示しており、キナ酸の経口補給に対する強力な用量反応があった。
【0142】
顕著に、これらの比率は、(キナ酸アンモニウムキレート)消費と関連した個体の抗酸化状態の代謝コントロールを評価した。理論的には、用量補給の相違は、Aqua Bimini(商標)は、1日当たり3000mg/1日当たり1500mg=2.0の比率;トリプトファンとして表5より実験的に計算されたのは、1.94/0.81=2.4の比率であった;ニコチンアミドとして表3より実験的に計算されたのは、4.29/2.32=1.85の比率であった。
【0143】
ニコチンアミド及びトリプトファンの血清タンパク質チオール代謝に対する関係を表5に与える。データは、図6〜8及び表3から計算されている。少なくとも30%という有利な増大が好ましい。
【0144】
【表6】
【0145】
例8.キヌレインで測定した場合のインドールジアミンのオキシゲナーゼの活性
トリプトファン合成が一旦シキミ酸経路によって刺激されると、インドールジアミンオキシゲナーゼ(IDO)を介したキヌレイン及び/またはヒドロキシトリプトファン−セロトニン及び/またはキノリン−ドーパミンもしくはニコチンアミド−NAD(エネルギー)への異化代謝によって、さらに変更される。インビボでのキナ酸の投与(exposure)によるIDO活性の阻害は、免疫抑制活性の減少を助ける。
【0146】
IDO活性は、高圧液体クロマトグラフ(HPLC)により、200μlという一定分量の2MのTCAで沈殿した血清中、トリプトファンのキヌレインに対するモル比率の決定によって計算された。前記HPLCの方法は、装置がHP1100シリーズで、カラムがXTERRA MSC18(3.5cm長、4.6mm×50 mm)である点以外はあらゆる詳細について既に発行されている(Laich, A , Neurauter, G , Widner, B , Fuchs, D .トリプトファン及びキュレニン(kyurenine)のHPLCによる同時測定に対するより迅速な方法。Clinical Chemistry 48 (3) : 579-580, 2002)。
【0147】
キナ酸の効果は、さらにシキミ酸経路の最終生成物に関して特徴があった。したがって、キナ酸の補給が、トリプトファン及びキヌレインの同時検出を通じたIDO活性に対して解析された。トリプトファン/キヌレインの高比率は、免疫抑制である (Bauer, TM, Jiga, LP, Chuang, J-J, Randazzo, M , Opelz, G , Terness, P.インドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼの免疫抑制の役割に関する研究:トリプトファンの代謝物質が、インビトロ及びインビボでの、ラットの同種異系のT細胞の反応を抑制する。Transplant International 18 (2005) 95- 100, 2004)。トリプトファンのレベルは、キヌレインの代謝により減少するよりもむしろ上昇するため、キナ酸はIDO活性を阻害する。これらのデータは、キナ酸自体がキナ酸活性の効果的な形態ではないことを示唆している。
【0148】
例9:動物の研究
C57BL/6雌マウスに、21日間オートクレーブした水道水で溶かした4mg/mlのC−Med−100(登録商標)または2mg/mlのキナ酸を給餌した。その動物を犠牲にし、脾臓が除去され、血液が採取された。細胞サンプルはSysmex KX−21N(Sysmx Corporation、神戸、日本)で分析され、血漿/血清サンプルはキナ酸及びトリプトファンに対するHPLCによる化学的解析で調製された。
【0149】
表6を見れば分かるように、マウスの血清のトリプトファンレベルと同等程度に、増大した芳香族酸を有する前駆物質の21日間の補給後、様々なリンパ球がマウスの抹消の血液サンプルに大切である。
【0150】
図11は、21日間の処置後の血液細胞及び血清トリプトファンについてのインビボでの評価を示し、馬尿酸(<0.02μg/ml)及びキナ酸(<2mg/ml)のレベルも同時に測定されたが、マウスの飲料1mg/mlないし約500mg/kgで、キナ酸が投与されると、HPLC検出を下回るものであることが分かった。キナ酸の投与は、マウスにおいてインビボで測定された血清トリプトファンレベルを増大させることとなったが、キナ酸は全く検出不可能であり、ただ使用は依然として免疫刺激反応の原因であったのは、表6及び図11より明らかである。
【0151】
完全な説明を行ってきた本願で示されているように、キナ酸のキレート物質は芳香族アミノ酸のインビボでの生産を促進する。下記の表7は、ヒトを含む動物において治療の値を有すると既に知られている、経口投与したAqua Bimini(商標)のトリプトファン用量との直接的な薬物動態の比較を与える。このような比較は、芳香族アミノ酸の前駆物質が経口で使用される場合、芳香族アミノ酸レベルの予期せぬ増大をもたらす。
【0152】
【表7】
【0153】
【表8】
【0154】
即時の開示で引用された、全ての特許及び非特許文献は、全ての文献がそれぞれ参照により引用されるかのように、同じ効果で参照による開示で引用される。
【0155】
本発明は、本願でこれらの実施形態は、本発明の原理及び用途の例証をほとんどしていない。膨大な改変が例示した実施形態に対してなされてもよく、下記のクレームによって規定されたような本発明の精神及び範囲から逸脱しない限りにおいて他の修正は考案されうるということが理解できるはずである。
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2006年7月11日に出願した米国仮出願第60/819,524の優先権を主張する。本願は、2006年3月16日に出願した国際出願PCT/US2006/009394に関連しており、その全体が本願に引用される。
【0002】
技術分野
本発明は、芳香族アミノ酸、及び当該芳香族アミノ酸またはニコチンアミドの前駆物質を含有する組成物の生合成の増大方法、並びにその使用方法に関する。さらに、抗酸化治療の代わり(surrogate)または予測の判断材料(predictor)として、血清タンパク質のチオール量を測定することによって、このような抗酸化治療の治療効果を観察する方法が開示されている。
【背景技術】
【0003】
本発明の背景
キャッツクロー(Uncaria tomentosa)(以下、「キャッツクロー」と称する)の治療効果は、広く知られている。アシャニカ族のインディオ(Ashanika Indians)は、感染症, 炎症性疾患や精神状態でさえも制御する助けとするために、水に混ぜたキャッツクロー抽出物を使用している。治療効果を向上させるために、キャッツクローを、フチュフアシ・バーク(huchuhuasi bark)、カプサイチン、ゴボウ、ヒメスイバまたはスリッペリーエルム・バーク(slippery elm bark)のような他の原料と混ぜてもよい。キャッツクロー中の活性原料は、プロアントシアニジン、キノビン酸(quinovic acids)及びそれらのグリコシド、オキシインドール アルカロイド(プテリジン、イソプテリジン、ウンカリン(uncarine)、ミトラフィリン(mitraphylline)、イソミトラフィリン)、N−オキシド、ライノコフィリン(rhynocophylline)、カルボリンアルカロイド、ヒルスチン(hirustine)、N−オキシド トリテルペン、ポリフェノール、フィトステロール(スチグマステロール及びカンペステロール)を含む(Senatore, A., et al., Phytochemical and Biological Study of Uncaria tomentos, Boll Soc Ital Biol Sper. 1989; 65 (6):517-20 ))。
【0004】
本発明者であるRonald W Pero博士は、キャッツクローの熱水抽出物の主要な生理活性成分として、キナ酸のアナログを最初に同定した(Sheng, Y., Akesson, C , Holmgren, K., Bryngelsson, C , Giampapa, V., Pero, R .W., ャッツクローの水抽出物活性原料の活性原料。キナ酸の同定及び効果。Journal of Ethanopharmacology 96(3): 577-584, 2005)。米国特許第6,039,949号、6,238,675号及び6,361,805号明細書は、参照により本願に引用され、高い程度の抗腫瘍、炎症及び免疫促進活性を有する植物種であるキャッツクローの水可溶性抽出物を記載している。当該特許に記載されたキャッツクロー抽出物の調製は、様々な治療上の使用と関連し、C−Med−100(登録商標)として市販されているものを利用できる。C−Med−100(登録商標)は、キャッツクローの100%生物学的に利用可能な熱水抽出物である。同様の製剤も、AC−11(商標)及びProtectagen(商標)のような様々な商標名のものを利用可能である。
【0005】
米国の公開特許出願第2005−0176825号は、C−Med−100(登録商標)のインビボでの活性原料として、キナ酸及びキナ酸塩の分離、精製及び同定に関する方法を開示する。この特許出願も、免疫機構と関連した疾患を処置し、炎症反応を阻害し、炎症反応と関連した疾患を処置し、DNA修復過程を促進し、抗腫瘍反応を促進し、腫瘍を形成し成長させる反応と関連した疾患を処置するための、キナ酸並びにその塩及びキレート物質の使用を開示する。
【0006】
他の公知のキナ酸及びそのアナログの医学的な使用は、肌のしわの処置を開示している米国特許第5,656,665号及び米国特許第5,589,505号明細書、並びに神経アミダーゼ(neuroamidase)の阻害物質として風邪の処置を開示している米国特許第6,111,132号及び米国特許第6,225,341号明細書がある。
【0007】
胃腸管(GI tract)の微生物相は、安息香酸を介して、キナ酸を馬尿酸まで代謝しうる、機能的なシキミ酸経路を有する(Adamson, R .H., Bridges, J .W., Evans, M .E., Williams, R .T., インビボでのキナ酸の芳香族化における種差と腸バクテリアの役割、Biochem Jour 116:437-433, 1970)。紅茶(black tea)及び緑茶双方の消費により、馬尿酸の尿での排泄量が増加する。キナ酸代謝(すなわち馬尿酸)についての唯一知られた過去に実証された指標は、動物によって大きく変動し、この代謝物質を、キナ酸の信頼できない定量的評価にする。キナ酸は腸内で馬尿酸へと代謝されるが、馬尿酸の主要な代謝源は、肝臓であると考えられている(Krahenbuhl, L., Reichen, J., Talos, C , Krahenb uhl, S., 安息香酸代謝は、長期に亘って肝外胆汁うっ滞(extrahepatic cholestasis)するラットの肝臓のミトコンドリアの機能を反映する。Hepatology 25 (2) : 259-508, 1997)。
【0008】
上述の通り、高等動物は、一般に芳香族アミノ酸を合成できないことが明らかであり、このようなアミノ酸に対するアミノ酸の必要量を食事に頼らなければならない。したがって、高等動物における芳香族アミノ酸の所望の血清濃度を最適化しうる、新たな治療のアプローチが従来より求められている。
【発明の概要】
【0009】
本発明者らは、驚くべきことに、本願で特許請求される化合物の経口投与に続く、ヒトの抹消循環においてキナ酸上昇がないため、本発明の化合物は、胃腸(GI)管におけるトリプトファン及びニコチンアミドの生産に対する効果的な合成系の前駆物質であるということを見出した。シキミ酸経路を介した、上昇したトリプトファン及びニコチンアミドのレベルは、抗酸化、セロトニン媒介、ドーパミン媒介及びNAD媒介の活性のような健康上の利点に関して広範なスペクトルを媒介する。
【0010】
本発明の一態様は、下記の式を有する芳香族アミノ酸に対する前駆物質に向けられている:
【0011】
【化1】
【0012】
式中、Aは、
【0013】
【化2】
【0014】
【化3】
【0015】
【化4】
【0016】
【化5】
【0017】
【化6】
【0018】
並びにそれらのアニオン類、エステル類よりなる群から選択され、;その際、RはHまたはC1−C3のアルキルであり、Xは、塩または水酸化物またはアミンを形成しうる1価、2価、3価のアニオンよりなる群から選択され、「n」は整数または有理数であり、その際、l<n=10である。
【0019】
好ましい実施形態において、芳香族アミノ酸は、トリプトファン、フェニルアラニン、チロシン及びフェニレフェデリン(phenylephederine)よりなる群から選択される。
【0020】
本発明の他の態様は、(a)治療上効果的な量の、上記化合物(I);(II);(III);(IV)及び(V);
その際、RはHまたはC1−C3のアルキル;並びにそれらのアニオン類及びエステル類であり、及び
【0021】
【化7】
【0022】
その際、A、X及びnは上記と同様に規定される、よりなる群から選択される化合物;並びに、
(b)医学的に許容可能なビヒクル、を含む組成物に向けられている。
【0023】
更なる態様において、組成物は、治療上効果的な量の主要な抗酸化剤を含む。一実施形態において、主要な抗酸化剤はフラボノイドである。
【0024】
本発明の他の態様は、以下のステップを含む、芳香族アミノ酸の欠如を特徴とする疾病状態に対する効果的な抗酸化剤治療の方法を同定するための動物モデルの手法(methodology)に向けられている。
【0025】
(a)マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ブタ、サル及びヒトよりなる群から選択される哺乳類を得ること
(b)(尿のトリプトファン、ニコチンアミド、馬尿、キヌレインのレベル)/(組織または血液中のチオールのレベル)という、当該哺乳類についての基準値の比率を決定すること、
(c)芳香族アミノ酸の前駆物質を含む組成物を前記哺乳類に投与すること、
(d)抗酸化処置のサイクル後の当該哺乳類について、尿のトリプトファン、ニコチンアミド、馬尿、キヌレインのレベル/組織または血液中のレベルという比率に対する値を決定すること、
(e)ステップ(b)及び(d)で得られる値を比較すること、その際、基準値を超える増大は、前記治療方法が効果的であることを示す。
【0026】
本発明の他の態様は、以下を含む、必要な患者に対する、インビボでの酸化的ストレスを試験する方法に向けられている。
【0027】
(a)芳香族アミノ酸に対する前駆物質を含む組成物で前記患者を処置すること、
(b)当該患者に由来するタンパク質チオールのサンプルを得ること、
(c)前記サンプル中の前記タンパク質チオールのレベルを決定すること、
(d)トリプトファンまたはニコチンアミドの尿中レベルを測定すること、
(e)(d)/(c)で表されるステップ(d)で得られたトリプトファンまたはニコチンアミドの尿中レベルに関連して、ステップ(c)のサンプル中の前記チオールのレベルを分析すること、その際、当該比率の値の増大は、DNA修復についての低い酸化的ストレス及びダウンレギュレーションに関する予測の判断材料(predictor)である。
【0028】
本発明の他の態様は、以下を含む、酸化的ストレスの増大したレベルを特徴とする疾病に対する、患者の感受性を究明する方法に向けられている。
【0029】
(a)芳香族アミノ酸の前駆物質を含む組成物で前記患者を処置すること、
(b)タンパク質チオールのレベルを含む、当該患者に由来する体サンプルを得ること、
(c)前記サンプルについての前記タンパク質チオールのレベルを決定すること、
(d)トリプトファンまたはニコチンアミドの尿中レベルを測定すること、
(e)ステップ(d)におけるトリプトファンまたはニコチンアミドの尿中レベルに対する、ステップ(c)のサンプル中の前記チオールのレベルを分析すること、その際、当該疾病を患った人々から得られた所定の正規化値(normalized value)(d)/(c)に対し比較的高い値は、当該個体のDNA修復に関する酸化的ストレス及びダウンレギュレーションについての予測の判断材料(predictor)である。
【0030】
本発明の他の態様は、芳香族アミノ酸の前駆物質及び医学的に許容可能なビヒクルを投与することを含む、血清の芳香族アミノ酸のレベルの欠如を特徴とする状態を処置する方法に向けられている。本発明の本態様では、用いられた組成物は経口投与が好ましく、様々なタイプの食品、すなわちスナック、肉製品だけでなく飲料とも結合できる。
【0031】
本発明の他の態様は、芳香族アミノ酸を必要とする個体における芳香族アミノ酸の欠如を特徴とする疾病を進行させる危険性を決定する方法に向けられており、以下のステップを含む:
(a)個体の血清チオールのレベル及び尿のトリプトファン、ニコチンアミドまたは両方の組み合わせのレベルを得ること
(b)当該個体に対する、尿のトリプトファン、ニコチンアミドまたは両方の組み合わせ/血清チオールの比率の値を規定すること、
(c)ステップ(b)の値を、当該疾病に苦しむ人々から得られた同じもの(the same)についての所定の正規化(normalized)レベルに対して比較すること、その際、当該比較は、当該個体における、酸化的ストレスに対する基準値を示す。
【0032】
本手法はさらに、芳香族アミノ酸に対する前駆物質を含む組成物、並びに/または抗酸化剤を、処置サイクル中、前記個体に投与するステップ(d)、処置サイクルの終了後に、前記個体の血清タンパク質チオールのレベル及び尿のトリプトファン、ニコチンアミド、馬尿酸、または全てのレベルを得るステップ(e)、並びに当該処置サイクル後の、前記個体に対する、尿のトリプトファン、ニコチンアミドまたはそれらの組み合わせ/血清タンパク質チオールの比率の値を規定するステップ(f)を含みうる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】単一の高用量のキナ酸6000mgを蒸留水に溶かして経口投与し、その後、15分間以内で30mlの血清サンプルを示した回数で収集するという、ファーマコキネティクスを図示する。その主要な代謝物質である馬尿酸と相関のある血清のキナ酸の測定は、原料及び手段の欄(Material and Procedures section)に記載されているように、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて行った。取り込みの最長時間を視覚化するために、データは、最大の取り込みのパーセントとして表した:12.5時間で(4400μg/ml)、キナ酸=100%;7時間で(55μg/ml)、馬尿酸=100%。
【図2】3000mg/日のAqua Bimini(商標)(キナ酸アンモニウムキレート)で36日間処置し、その後、さらに8月間何らの処置も行わなかった後の主RPの尿のプロファイルを図示する。尿の馬尿及びキナ酸のレベル(mM)は、サンプリングの日数で評価した。
【図3】2006年5月1日〜31日の期間中、1500 mg/日のAqua Bimini(商標)(キナ酸アンモニウムキレート)で処置し、その後、さらに8月間何らの処置も行わなかった後の被験者HLの尿のプロファイルを図示する。馬尿及びキナ酸のレベル(mM)は、サンプリングの日数で評価した。
【図4】1500または3000mg/日のAqua Bimini(商標)(キナ酸アンモニウムキレート)で36日間処置し、その後、さらに30日間以上続行(followed-up)(処置なし)した後の、被験者HL及び被験者RPにおける馬尿酸の血清レベルを図示する。かかる期間中の総サンプリングポイント(Total sampling points)は:被験者RP:n=12、被験者HL:n=12、p<0.01である。
【図5】馬尿酸、すなわちキナ酸の主要な公知の代謝物質の尿中レベルの、未処置の個体、並びに1500mg/日及び3000mg/日のAqua Bimini(商標)(キナ酸アンモニウムキレート)で30日間処置し、それから処置後直ぐ、さらに8月間続行した被験者におけるキナ酸の尿中レベルへの依存性を図示する。これらのテータは、処置区(n=36)及びコントロール(n=9)の双方を含む、総サンプル(n=45)の直線回帰と統計学的に解析される。ここで、同時に同じ被験者における尿から収集されたキナ酸値に対する馬尿酸値より、y=0.0157x+0.1839、r=0.60、p<0.001という式が導出された。
【図6】経口投与前の83日を超える期間中、3000mg/日で36日間、Aqua Bimini(商標)(キナ酸アンモニウムキレート)を被験者HLに関して測定し、その後、未処置で8月間続行した、前記個体の基準(baseline)の血清タンパク質チオールの評価を図示する。
【図7】経口投与前に83日を超える期間中、1500mg/日で36日間、Aqua Bimini(商標)(キナ酸アンモニウムキレート)を被験者HLに関して測定し、その後、未処置で8月間続行した、前記個体基準の血清タンパク質チオールの評価を図示する。
【図8】Aqua Bimini(商標)(キナ酸アンモニウムキレート)を37日間経口投与した後、さらに32日の乾燥期間をかけて、血清タンパク質のチオールの抗酸化パラメータによって算出した場合の、実験の参加者のインビボでの抗酸化状態を促進させた旨を図示する。Aqua Bimini(商標)(キナ酸アンモニウムキレート)の用量は共に、ステューデント t−検定(p<0.001)によって解析された該当基準値とは統計学的に異なっている。
【図9】Aqua Bimini(商標)(キナ酸アンモニウムキレート)を36日間、3000mg/日で処置し、その後、さらに未処置で8月間続行した、被験者RPの尿のプロファイルを図示する。尿のトリプトファン及びニコチンアミドのレベル(μM)は、サンプリング日数で評価した。
【図10】Aqua Bimini(商標)を36日間、1500mg/日で処置し、その後、さらに未処置で8月間続行した、被験者HLの尿のプロファイルを図示する。尿のトリプトファン及びニコチンアミドのレベル(μM)は、サンプリング日数で評価した。
【図11】4mg/ml C−Med−100(登録商標)または2mg/mlキナ酸のいずれかで21日処置した後の血液細胞及び血清トリプトファンに関する、インビボでの動物の研究の評価を図示する。馬尿酸(<0.02μg/ml)及びキナ酸(<2mg/ml)のレベルも、同時に決定されるが、キナ酸は、マウスの飲料水中1mg/mlまたは約500mg/kgで投与された場合、HPLCの検出限界以下であったことが分かった。
【発明を実施するための形態】
【0034】
発明の詳細な説明
本発明は、シキミ酸経路中で効果的な量の前記前駆物質を投与することによって、血清及び/または尿及び/または哺乳類の生物組織中の、トリプトファン、チロシン及びフェニルアラニンのような芳香族アミノ酸、もしくはビタミン前駆物質であるニコチンアミドのレベルの増大を提供する。哺乳類の体中の血清及び/または生体応答性組織での、トリプトファン及び/またはニコチンアミドの上昇したレベルは、セロトニン、ドーパミン、NADを順々に上昇しうるか、または哺乳類の体中のDNA修復のレベルを促進する。
【0035】
高等動物では、芳香族アミノ酸は、動物性や植物性のタンパク質のような食生活の源から一般に得られる。本発明者らは、芳香族アミノ酸が経路、すなわちシキミ酸塩(またはシキミ酸)経路として一般に知られている経路を通じて、胃腸の細菌フローラで合成されうることを見出した。例えば、大腸菌のような胃腸の細菌は、エリトロース4−リン酸をシキミ酸塩、コリスミ酸、そして最終的にはフェニルアラニン、チロシンまたはトリプトファンまでに変換できる。
【0036】
一実施形態では、胃腸(GI)管内の芳香族アミノ酸に対する前駆物質は、シキミ酸経路を促進して、当該前駆物質を、トリプトファン、チロシン、フェニルアラニンのような芳香族アミノ酸、またはニコチンアミドのような他の必須ビタミンに変換する。ニコチンアミドはトリプトファンを介して合成されるということが以前から報告されている。(Satyanarayana, U , Narasinga, U., Rao, B .S., ラットのトリプトファン−NAD経路の幾つかの鍵となる酵素における、食生活の制限の効果。Jour. Nutrition 107 (12): 2213-2218, 1977; Satyanarayana, U., Rao, B .S., トリプトファン−NAD経路の幾つかの鍵となる酵素における、食生活上のタンパク質レベルの効果。Brit. Jour. Nutr. 38(1): 39-45, 1977を参照せよ)。芳香族アミノ酸及びビタミンは、セロトニン、ドーパミンにより制御される細胞の過程(cell processes)を媒介し、DNA修復において顕著な役割も果たす。例えば、NADは、DNAの修復過程を含む体中、500を超える生化学的反応において重要な共通の因子である(Okamoto, H., Ishikawa, A., Yoshitake, Y . et al ., ニコチンアミドのカタボライトについてのヒトの尿の排泄における日周変動:ニコチンアミドの代謝に関するストレスの効果。Amer . Jour. Clinical Nutrition 77(2): 406-410, 2003)。
【0037】
鍵となる生化学的な出来事は、これまで開示されていないが、ヒトのキナ酸のキレート物質25mg/kgという効果的な用量で、HPLC法の検出限界で、ヒトの血清中にキナ酸は発見されなかった(1mg/kg;すなわち、効果的な用量のわずか4%)。本発明者らは、このように、あらゆる理論によっても決定的でなく、キナ酸自体が直接作用する生理活性原料ではないと確信している。
【0038】
本願で使用されているように、「キレート物質」という用語は、遊離酸のイオン(例えば、アンモニウムイオンまたは他の医学的に許容可能なイオン)に対する比率を包含し、その際、前記比率における上記で示されたイオンは、総数、例えば、1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5及び1:1.6だけでなく、それらの間の値、例えば、1:1.54(アンモニウムイオンで飽和したキナ酸)ではない。だが、このような状況特に溶液のpHに依存して、キレート物質の比率は様々である。本願で論じられているように、ほぼ1:1.54という比率は好ましいが、本発明のキナ酸のキレート物質の組成物は、1:1.54というキナ酸のアンモニウムイオンに対する比率を有するものに決して制限されることはない。
【0039】
自然に発生するポリヒドロキシル化及びポリカルボキシル化した有機酸の、塩及びキレート物質に関する決定を、表1に示している。実験上のモル比率は、ナトリウム、カリウムまたはアンモニウムの水酸化物で、遊離のプロトン化有機酸(H+)をpH=7.5まで中和することから計算した。
【0040】
【表1】
【0041】
遊離酸(H+)の形態のキナ酸または(in situでキナ酸を放出する)キナ酸エステルの加水分解によって得られたキナ酸は、過剰なアンモニアで処置され(例えば10%のアンモニアで、例えば2時間で)、効果的なインビボとして本願に記載され、特徴付けられているように、キナ酸アンモニウムキレートを発生させる。
【0042】
本発明は、植物原料中のキナ酸の実質上あらゆる形態をキナ酸のキレート物質、特にキナ酸アンモニウムキレート、及び増大した生物学的効果及び減少した毒性を示す、向上した医学的な組成物についての関連した生産へと変換する過程にも進む。本発明の特に好ましい組成物は、本願に記載される生物学的な活性特性を示す少なくとも1つのキナ酸のキレート物質の相当量または少なくとも効果的な量を含む。
【0043】
本願で使用されているように、相当量は、キナ酸のキレート物質は、組成物に存在するキナ酸の全ての形態の5%超、好ましくは15%超、より好ましくは25%超を示す組成物を意味する。好ましくは、一以上のキナ酸のキレート物質は、前記組成物に存在するキナ酸の主要な形態である。本願で使用されているように、主要な形態は、キナ酸のキレート物質が前記組成物に存在する全ての形態のキナ酸のうち50%超、好ましくは60%超、そして最も好ましくは70%超を示す組成物を意味する。
【0044】
組成物は、一以上のキナ酸のキレート物質が、前記組成物に存在するキナ酸の実質的に主要な形態であることが好ましい。本願で使用されているように、実質的に主要な形態は、キナ酸のキレート物質が前記組成物に存在するキナ酸の全ての形態のうち、50%超、好ましくは60%超、最も好ましくは70%超を示す組成物に言及している。
【0045】
組成物は、例えば、キナ酸アンモニウムキレートが、前記組成物に存在する実質的に主要な形態のキナ酸であるか、またはキナ酸アンモニウムキレートが前記組成物に実質的に存在するキナ酸の唯一の形態であることが好ましい。実質的に存在する唯一の形態としてのキナ酸アンモニウムキレートは、本願で使用されているように、キナ酸のキレート物質が前記組成物に存在するキナ酸の全ての形態のうち、90%超、好ましくは95%超、そして最も好ましくは99%超を示す組成物に言及している。組成物は本願に記載されており、例えば、キナ酸アンモニウムキレートは、前記組成物中のキナ酸の実質的に唯一の形態として存在している。
【0046】
一実施形態の方法では、投与しない(基準の)レベルの少なくとも30%まで、またはセロトニン、ドーパミン及びNADの生産を顕著に促進するか、あるいは既存のバックグラウンドのレベルを超えてDNA修復を促進するレベルまで、キナ酸、シキミ酸及び/またはコリスミ酸塩、それらのキレート物質のような芳香族アミノ酸に対する前駆物質は、典型的には、哺乳類中の血清のトリプトファン及びニコチンアミドの濃度を増大させうる量で投与される。
【0047】
芳香族アミノ酸は、セロトニン、ドーパミン、NADによって制御される細胞過程、並びに潜在的な抗酸化効果を順次与えうるDNA修復を媒介する。例えば、NADは、DNA修復を含むがこれに制限されない、500を超える体中の生化学的反応中の重要な共通の因子である(Okamoto, H., Ishikawa, A., Yoshitake, Y., et al., ニコチンアミドのカタボライトに関するヒトの尿の排泄中の日周変動:ニコチンアミドの代謝におけるストレスの効果。Amer . Jour. Clinical Nutrition 77(2): 406- 410, 2003)。
【0048】
典型的には、キナ酸、シキミ酸及び/またはコリスミ酸塩のキレート物質を含む芳香族アミノ酸に対する前駆物質が、ヒトに、飲料、カプセル、錠剤の形態で、500mg/日から5000mg/日まで、または約6.7から66.7mg/kgというシステマティックな用量で投与される。好ましい投薬形態は、液状(例えば、飲料)で経口投与されるか、カプセルまたは錠剤、あるいは他の食品または飲料とあらかじめ組み合わせたような製剤として、乾燥形態で経口投与される。
【0049】
本発明は、さらに、効果的な量のキナ酸のキレート物質、好ましくはキナ酸のアンモニウムイオンに対する約1:1.54という比率を有するアンモニウムのキレート物質を含む、分離された薬剤組成物の製造方法にも関する。
【0050】
芳香族アミノ酸に対する前駆物質は、下記式
【0051】
【化8】
【0052】
を有し、その際、Xは、塩または水酸化物またはアミンを形成しうる1価、2価、3価のアニオンよりなる群から選択され、「n」は、整数または有理数であり、その際、l<n=10である。Aは、本願で前から記載しているが、(I)−(V)構造、それらのアニオン、エステルを有し、その際、Rは、HまたはC1−C3のアルキルである。RがHである場合が好ましい。前記基であるXは、例えば、塩化アンモニウムまたは水酸化アンモニウム、塩化カリウムまたは水酸化カリウム物、塩化マグネシウムまたは水酸化マグネシウム、塩化亜鉛または水酸化亜鉛、塩化カルシウムもしくは水酸化カルシウムまたはそれらの医学的に許容可能な塩でありうる。このような基(ここでは、A−(X)n)の例は、特に制限されることはないが、例えば、キナ酸アンモニウムキレート、キナ酸カリウムのキレート物質、キナ酸亜鉛塩のキレート物質、キナ酸リチウム塩のキレート物質、キナ酸カルシウムのキレート物質を含む。
【0053】
他の実施形態では、前記基であるXは、ヒスチジン塩、リジン塩のようなアミノ酸でありうる。このような基(ここでは、A−(X)n)の例は、キナ酸のヒスチジン塩/キレート物質及びキナ酸のリジン塩/キレート物質を含む。さらに他の実施形態では、前記基であるXは、アミノエチルエタノールアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミンのようなアミン、またはEDTAまたはDETAのようなキレート剤でありうる。本分野に熟練した人間に知られている、医学的に許容可能なアミンもしくはアルカノールアミン及び/またはキレート剤は使用できる。
【0054】
一実施形態では、芳香族アミノ酸に対する前駆物質は、キナ酸誘導体であり得、前記キナ酸誘導体は(I)−(V)構造へと導きうる。他の実施形態では、前記前駆物質は、ラセミ化合物の混合物またはそれらの光学異性体でありうる。
【0055】
血清チオールは、酸化的ストレス及びDNA修復のキャパシティーの代わり(surrogate)の評価としてインビボで使用され、Peroによる米国特許第5,925,571号で開示されているように、総血清タンパク質のチオールとしてたいていの場合評価される。我々は、80%硫酸アンモニウムで沈殿した血清チオールの副分画を使用し、かかる評価は、Aqua Bimini(商標)(キナ酸アンモニウムキレート)の抗酸化効果を示す目的としては満足しうるものである(Banne, A., Amiri, A., Pero, R .W., 活発な疾病の診断による、患者での血清チオールの減少レベル。JAAM 6(4): 325-32, 2004; Pero, R .W., Giampapa, V., Vojdani, A., キャッツクローの抽出を促進するDNA修復の付加の有無による、広範なスペクトルの抗加齢の栄養補助剤についての比較。Anti-aging Med. 5(2): 345-353, 2002; Pero, R .W., Hoppe, C , Sheng, Y., DNA修復の代わり(surrogate)の評価としての血清チオールは、哺乳類の寿命に関連する。Jour Anti-aging Med 3(3): 241-249, 2000; Pero, R .W., Amiri, A., Welther, M., Rich, M., 栄養補助剤を増強させるDNA修復及び免疫の組み合わせに関する、製剤及び医学的評価。 Phytomedicine 12(4): 255, 2005)を参照せよ)。キナ酸のキレート物質は、PeroによるWO2006/101922号に記載されており、参照により、全体として本願に引用される。
【0056】
一実施形態では、尿中ニコチンアミドもしくはトリプトファンまたはそれらの組み合わせ(すなわち、ニコチンアミド+トリプトファン)のレベルの、血清タンパク質チオールに対する比率を得ることは、このような干渉(例えば、血清チオール/トリプトファンまたはニコチンアミドの比率を減少させる、キナ酸アンモニウムキレート)または疾病状態(すなわち、血清チオール/トリプトファンまたはニコチンアミドの比率の増大)の存在より、当業者に、抗酸化治療及び他の健康上の利益に関する効果を予測させるものである。
【0057】
本発明者らは、キナ酸は抹消循環に取り入れられないため、キナ酸それ自体がインビボで有利な効果を提供しないということを本願で決定付けている(図1を参照)。むしろ、望ましい臨床活性を与えるのは、シキミ酸経路への前駆物質の形態である(図2〜3を参照)。
【0058】
本願の発明者らは、キナ酸誘導体、シキミ酸及び/またはコリスミ酸塩を含む芳香族アミノ酸の前駆物質は、トリプトファンまたはニコチンアミドの血清レベルに関する効果によって示されているように、活性を有することを最近になって見出した。本発明者らは、キナ酸のキレート物質は、いかなる理論によっても明らかにはなっていないが、促進した生理活性を示し、芳香族アミノ酸の前駆物質のシキミ酸経路への導入に起因した、トリプトファンの上昇レベルに寄与するものと確信している。有効な効果を媒介する抹消循環中に存在するという直接の証拠が全くないため、キナ酸自体はインビボでの生理活性化合物ではないと信じられている。
【0059】
芳香族アミノ酸の前駆物質は、特徴的なことに、哺乳類における血清のトリプトファン及びニコチンアミドの濃度を増加させるだけの量、すなわち投与しない(基準の)10%増のレベル、好ましくは30%以上増加させる量で投与する。芳香族アミノ酸の前駆物質は、好ましくは、5000mg/日まで、好ましくは1000mg/日から5000mg/日まで、または約14.2から66.7mg/kgまでのシステマティックな用量でヒトに投与され、飲料、カプセル、錠剤、皮下注射、腹腔内注射、静脈注射で、または皮膚に対し局所的に運ばれる。一実施形態では、(Aqua Bimini(商標)として存在する)キナ酸のキレート物質が投与される。
【0060】
好ましい用量形態は、液状(例えば、飲料)で経口投与され、または乾燥状でカプセルまたは錠剤として、あるいは食事との組み合わせで経口投与される。
【0061】
実施形態の方法は、患者において、尿のトリプトファンもしくはニコチンアミドのいずれか、またはそれらの組み合わせ/患者の血清チオールという比率を決定することによって、インビボでの酸化的ストレスのレベルを決定することを含み、これは芳香族アミンの前駆物質の患者への投与後である。
【0062】
他の実施形態の方法は、処置サイクルの最終後に、個体の血清タンパク質チオールのレベル、及び尿のトリプトファン、ニコチンアミド、馬尿酸またはその他任意のもののレベルを得ることを含み、及び当該処置サイクル後に、前記個体に対する、尿のトリプトファン、ニコチンアミドもしくはそれらの組み合わせ/血清タンパク質チオールという比率に対する値を規定することを含む。
【0063】
一実施形態による方法では、基準、及び当該疾病に苦しむ人々についての所定の正規化レベルが、抗酸化治療の効果を証明するのに比較される。抗酸化治療の効果は、少なくとも約25%の増大、30%の増大、50%の増大、75%の増大、100%の増大、150%の増大、好ましくは約50%を超える増大によって決定される。
【0064】
これまで理解されることも開示されることもなかった、重要な生化学的出来事は、ヒトにおける25mg/kgという効果的な用量のキナ酸のキレート物質で、HPLC法の検出限界(1mg/kg;すなわち、効果的な用量のわずか4%)で、ヒトの血清中にキナ酸は全く発見されなかったということである。だが、キナ酸自体は、直接作用する生理活性原料ではないだろう。
【0065】
当業者は、本願のキナ酸製剤の経口投与は、ヒトにおけるキナ酸レベルの顕著な上昇の原因ではないと認識するであろう。したがって、当業者は、トリプトファン及びニコチンアミドの生産に対する芳香族アミノ酸の前駆物質の作用のメカニズムは、GI管の微生物相のシキミ酸経路を介するということを認識するだろう。従来技術は、マウス及びラット中の約250mg/kgのキナ酸が有効な効果を有したということだけをもたらしている。だが、かかる効果は、キナ酸に起因し、トリプトファンまたはニコチンアミドのような他の代謝物質には起因しないということを誤って結論付けたのである(Sheng, Y., Akesson, C , Holmgren, K., Bryngelsson, C , Giampapa, V., Pero, R .W., キャッツクローの水抽出物の活性原料:キナ酸の同定及び効果。Journal of Ethanopharmacology 96(3): 577-584; 2005)。従来技術の教示に反して、本発明者らは、有効な効果は、ヒトにおいて、500から5000mg/日まで、好ましくは 1500から5000mg/日まで、または6.7から66.7mg/kgまでという用量の範囲にあるということを決定した。
【0066】
本発明者らは、温血動物(すなわち、ヒトを含む哺乳類)に対する、芳香族アミノ酸の前駆物質の経口投与は、血清及び/または哺乳類の体中の生物学的な反応性組織における、トリプトファン及び/もしくはニコチンアミドレベルのレベルを上昇させるために使用されうることを見出している。医学的効果もキナ酸複合体及びシキミ酸/シキミ酸塩及びコリスミ酸塩、ビタミン、バイオフラボノイド、バイオフェノールのような他の抗酸化剤の混合投与によって達成されうると確信されている。本願発明の方法は、哺乳類の体中の血清、尿及び/または他の生物学的組織における、チロシンやフェニルアラニンのような芳香族アミノ酸のレベルを上昇させるために使用されうる。
【0067】
トリプトファン及びニコチンアミドのレベルを増大させるための、芳香族酸に対する本願の前駆物質の経口投与に関する他の利点は、補給(supplementation)という本形態が正常な胃腸管の代謝によって調節され、直接のトリプトファンの補給と関連した可能性のある毒性効果を回避することである。
【0068】
芳香族アミノ酸に対する前駆物質は、キコナ バーク(chichona bark)を商業的に精製することにより得られうる。というのは、例えばシグマ(Sigma)またはアクロス(Acros)より入手できるからである。本願発明の一以上の特徴は、芳香族アミノ酸に対する前駆物質を含有するか形成する食品または添加物を対象としているからである。
【0069】
キナ酸を含有する機能的食品も、このような製品は化学合成されないため、キナ酸にとって優れた源として提供しうる。だが、本願発明の少なくとも一態様では、本願の化合物は、天然の、精製され、分離され、または合成の形態中に、このような食品の製品に対して添加され得、それは当該製品中の望ましい芳香族アミノ酸の前駆物質の含有量を最適化するためである。0.5%より高いレベルのキナ酸の含有量を有し、使用しうる食品源は、以下に制限されることはないが、キャッツクロー、プルーン、キウィ、シーバックソーン(sea buckthorn)、コーヒー、クランベリー、コケモモ、ブルーベリー、ウォートルベリー(wortleberry)、赤/黄 タマリロ、及びスルタナを含みうる。このような源は付加的な化学的改良を何ら要求しないため、より好ましい。キナ酸含有量<0.5%を有する食品源も、使用可能である。このカテゴリー中、食品添加物であるキナ酸源の食品例は、マルメロ、サンフラワー、ネクタリン、ピーチ、西洋ナシ、プラム、ハチミツ、クロフサスグリ、セイヨウカリン、アプリコット、アスパラガス、マッシュルーム、及びグリーンオリーブである。
【0070】
通常は、キナ酸のキレート物質のような芳香族アミノ酸に対する前駆物質は、ヒトにおいて、500mg/日から5000mg/日または約6.7から66.7mg/kgまでというシステマティックな用量で投与され、飲料、カプセル、錠剤、皮下注射、腹腔内注射、静脈注射で、または皮膚に対し局所的に運ばれる。好ましい用量形態は、液状(例えば飲料)で経口投与され、カプセルもしくは錠剤または食品の製品と組み合わせて乾燥状で経口投与される。
【0071】
健康上の効果を媒介するトリプトファン及びニコチンアミドを上昇させることにより処置されうる健康上の疾患の例は、セロトニン、ドーパミン及びニコチンアミド/NAD受容体により変調されたものを含む。例えば、キャッツクローの水抽出物は、潰瘍性大腸炎(炎症反応)、変形性関節症/関節痛、腫瘍細胞の成長、体重の増量、オゾン病、DNAの損傷/細胞死、化学的治療が誘導する白血球減少症、及び認知症/アルツハイマー病を阻害し、または制御した。Sandoval-Chacon, M., Thompson, J .H., Zhang, X.J., Liu, X., Mannick, E .E., Sadowicka, H., Charbonet, R .M., Clark, D .A., Miller, M.J., キャッツクローの抗炎症作用:NF−カッパBの役割を参照せよ。消化管の薬理学的治療12: 1279-1289, 1998; Piscoya, J., Rodriguez, Z., Bustamente, S .A., Okuhama, N.N., Miller, M.J., 膝の変形性関節症における凍結乾燥したキャッツクローの効果及び安全性:キャッツクロー(Uncaria guianensis)という種の作用メカニズム。Inflammation Res 50: 442-448, 2001. Castillo and Snow 米国特許第6,346,280号、2002年2月発行。キャッツクロー(Uncaria tomentosa)新規の水可溶性抽出物であるC−Med−100(登録商標)が補充される、個体中の肺炎球菌のワクチンに対する持続性反応。Phytomedicine 8(4): 267- 274, 2001; Sheng, Y., Bryngelsson, C , Pero, R .W., 促進したDNA修復、免疫機能及びC−MED−100の減少した毒性、キャッツクロー(Uncaria tomentosa)に由来する新規の水抽出物。Journal of Ethnopharmacology 69:115-126, 2000; Sheng, Y., Li, L., Holmgren, K., Pero, R .W., ボランティア研究における、ヒトにおけるキャッツクロー(Uncaria tomentosa)の水抽出物のDNA修復促進。Phytomedicine 8(4): 275-282, 2001; Akesson, C , Pero, R .W., Ivars, F., C−Med−100(登録商標)、キャッツクロー(Uncaria tomentosa)の熱水抽出物は、インビボで白血球の生存を持続する。Phytomedicine 10: 25-33, 2003; Akesson, C , Lindgren, H., Pero, R .W., Leanderson, T., Ivars, F., 細胞分裂を阻害するキャッツクロー(Uncaria tomentosa)の抽出物、及び細胞死を誘導しないNF−B活性、International Immunopharmacology 3 : 1889-1900, 2003。これら文献の全てが、参照により本願に引用される。
【0072】
さらに、精神医学及び精神変性の疾患、鬱病、憂鬱、及びペラグラ(ビタミンB3の欠如)は、トリプトファン及び/もしくはニコチンアミド並びに/またはセロトニンレベルを増大させるのに十分な用量、及びこのような状態の症状を改善するのに十分な用量の芳香族アミノ酸の前駆物質で、首尾よく処置しうる。
【0073】
なかでも他の原料であるキャッツクローの抽出物の中には、様々な抗酸化剤、すなわち、フラボノイド及びポリフェノール、並びにキナ酸、アジマシリン、アクアミジン(akuammigine)、カンペステロール、カテキン、カルボキシルアルキルエステル、クロロゲン酸、シンコナイン、コリナンテイン、コリノキセイン、ダウコレステロール、エピカテキン、ハーマン、ハーステイン(hirsuteine)、イソプテロポジン、ロガン酸、リアロシド(lyaloside)、ミトラフィリン(mitraphylline)、オレアノール酸、パルミトレイン酸、プロシアニジン、プテロポジンキノブ酸グリコシド(プテロポジンキノブ酸グリコシド(pteropodine quinovic acid glycosides))、リンコフィリン、ルチン、シトステロール、スペシオフィリン(speciophylline)、スティグマステロール、ストリクトシジン、ウンカリン(uncarine)及びバクセン酸を含む他の化合物を含有しうるものもある。
【0074】
一実施形態では、芳香族アミノ酸に前駆物質を含有する製剤は、ケルセチン、ルチン、クリシン、ミリセチン、ゲニステン(genisten)、ヘスペリジン、ナリンギン及びそれらの混合物よりなる群から選択される、二次的な天然の、精製された、分離されたまたは合成の抗酸化剤を含みうる。
【0075】
一実施形態では、芳香族アミノ酸に前駆物質を含有する製剤は、コエンザイムQ、ピルビン酸塩、コエンザイムA、ユビキノール、NADH、NAD、NADP、NADPH、アデニン、アデノシン、ナイアシン、ニコチンアミド、カンペステロール、カテキン、クロロゲン酸、シンコナイン、コリナンテイン、コリノキセイン、ダウコレステロール、エピカテキン、ハーマン、ハーステイン(hirsuteine)、ハーステイン(hirsuteine)、イソプテロポジン、ロガン酸、リアロシド(lyaloside)、ミトラフィリン(mitraphylline)、オレアノール酸、パルミトレイン酸、プロシアニジン、プテロポジンキノブ酸グリコシド(pteropodine quinovic acid glycosides)、リンコフィリン、シトステロール、スペシオフィリン(speciophylline)、スティグマステロール、ストリクトシジン、ウンカリン(uncarine)及びバクセン酸よりなる群から選択される二次的な抗酸化剤も含みうる。
【0076】
好ましい実施形態では、芳香族アミノ酸に前駆物質を含有する製剤は、ニコチンアミド、ナイアシン、NAD、NADP、フラボノイド、ケイ皮酸もしくはその誘導体、アスコルビン酸もしくはその誘導体、トコフェラール(tocopheral)もしくはその誘導体、及びビタミンAもしくはDまたはそれらの誘導体よりなる群から選択される二次的な抗酸化化合物を含みうる。
【0077】
芳香族アミノ酸に前駆物質を含有する製剤は、任意の治療用原料をさらに含みうる医学的に許容可能なビヒクルをさらに含有しうる。これらの任意の原料は、抗腫瘍性製剤、抗感染薬、抗抑制薬、気分高揚剤及び抗炎症剤よりなる群から選択される。
【0078】
一実施形態では、抗腫瘍性製剤は、フッ化ピリミジン、シチジンアナログ、プリン系抗代謝物質、植物のアルカロイド、アルキル化剤、アントラセン誘導体、抗腫瘍の抗生物質、金属複合体、抗アミノリン脂質抗体、抗血管形成剤及び放射線治療剤よりなる群から選択される。
【0079】
他の実施形態では、前記任意の原料は、スルホンアミド、ペニシリン、セファロスポリン、アミノグリコシド、タンパク質合成阻害物質、抗カビ剤、抗ウィルス剤、抗結核剤よりなる群から選択される抗感染剤である。
【0080】
他の実施形態では、前記任意の原料は、三環系抗うつ薬及びセロトニンの再取り込み阻害物質よりなる群から選択される抗抑制剤である。
【0081】
さらに他の実施形態では、前記任意の原料は、ステロイド性の抗炎症剤及び非ステロイド性の抗炎症剤よりなる群から選択される抗炎症剤でありうる。
【0082】
他の実施形態では、分離された薬剤組成物の生産に対する好ましい過程は、約6.9から約7.6までのpHに達するのに十分な水溶液中で、実質的に純粋なキナ酸を水酸化アンモニウムと混合し、キナ酸のアンモニウムイオンに対する比率が約1:1.54である、キナ酸のアンモニウムのキレート物質を生成することを含む、効果的な量のキナ酸のキレート物質を付与することを含むと記載されている。水酸化アンモニウムの溶液は、約1%及び約10%以上の濃度で、約15分から約4時間までの時間で、溶液が約7.4から約7.6までのpHに達するのに十分な量で、100ml当たり約5gから約30gのキナ酸を含むキナ酸の水溶液に添加される過程が好ましい。
【0083】
本願に記載される実施形態の組成物は、例えば、約pH7から約pH7.5までの範囲で、水酸化アンモニウムを用いた水性媒体中、約1:1.6のモル比率で、実質的に純粋なD−キナ酸をアンモニウムのキレート物質に変換することによって生成される。約pH7.5が好ましい。だが、本願に記載されたキナ酸アンモニウムキレートは、例えば、pH6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5及び7.6並びにそれらの間の全てのpHの値で生成されてもよい。キナ酸のキレート物質を作る他の方法は、本願で分節された方法の精神及び範囲から逸脱しない限り、本技術分野における通常の知識を有する者によって採用されうる。
【0084】
実施形態である薬剤または栄養の組成物は、顕著且つ効果的な量のキナ酸のアンモニウムのキレート物質を含む。一実施形態では、アンモニアで処置したキナ酸が、生理的pHで、約1:1.6(実際には1:1.54)のモル比率で実質的に純粋なアンモニウムのキレート物質を形成できるQunimax(商標)を使用可能である。好ましくは、Quinmax(商標)は、水溶性アンモニアでpH=7.5まで中和された実質的に純粋なキナ酸である。
【実施例】
【0085】
原料及び手段
(a)サンプルの収集及び調製
12時間の絶食後のたいていの場合午前中(a.m.)に、バキュテナーを用いたベナル(venal)な穿刺(レッドトップ(red top)、10ml)により血液サンプルを収集した。10分間、1500×gでの遠心分離前に、卓上(bench top)での2時間のセッティング後、血液の塊から血清を分離した。本方法で調製された血清は、通常1〜30日以内の収集で、生化学的解析まで+4℃で貯蔵した。尿サンプルは、処置及びフォローアップ(8か月の処置後)の期間中、A.M.に、ランダムに50mlのサンプルとして収集した。尿を5000×gで15分間スピンし、1か月以内の収集で解析されるまで、上清を+4℃で貯蔵した。第1の解析後、全てのサンプルをさらに−200℃で貯蔵し、長期の反復測定に使用した。
【0086】
(b)試行の計画
Aqua Bimini(商標)(キナ酸アンモニウムキレート)の臨床評価に対する試行の計画を、ルンド(Lund)大学で2006年4月28日から実行した。HL及びRPとして保護された2人の被験者のIDコード(identity code)は、4週連続(36日間)で、それぞれ1500mg/日及び3000mg/日のペースでAqua Bimini(商標)を受けた。血清及び尿のサンプルを、試行期間中繰り返し収集し、その後6週前(基準)、4週間の診療(処置、36日)及び8月間のドライアウト(dry-out)(処置なし)として、解析のための集団中に統合した。
【0087】
準拠集団(reference group)は、正常な補給なしの個体との比較で規定した。それは、キナ酸をサプリメントとして全く摂取しなかった9個体からなる;12〜86歳の6名の男性及び3名の女性がいた。誰も喫煙しなかったが、9名のうち6名は、評価期間の前及び最中に微量栄養素のサプリメントを摂取していた。この非臨床の薬物動態の調査プログラムは、ヒトに対するヘルシンキ宣言(the Declaration of Helsinki)のガイドラインに従って行われた。さらに、インフォームドコンセントは、本研究への使用目的のみということで血液及び尿のサンプルを得るための個々の許可を含む全ての参加者から得られ、機関の再審査の承認も得られた。
【0088】
晒されていない(コントロール)及び栄養補給された集団の、キナ酸、馬尿酸、トリプトファンまたはニコチンアミドの尿中のレベルを表3に示す。補給された、及び晒されていないコントロールの双方を含む、各集団に対する尿の平均値を、Aqua Bimini(商標)の効果及び代謝を評価するために、t−検定の統計で比較した。
【0089】
さらに、非臨床の薬物動態の評価を含む、この基準をコントロールとする試行もまた、補給前(すなわち基準)の血清サンプルを補給中(4〜5週)までの血清サンプルと比較し、なお、前記血清サンプルは、同じ個体に対し、ドライアウトの値に対して比較された(8月間の処置なし後直ぐに)。個体の血清タンパク質チオールの値の合計は、図7及び8に示されたように、後述のように観察し、評価できる。このような手法では、これらの生化学的パラメータにおける個体間の多様性は、プロトコールから離れてランダムなものとなる。なぜなら、抗酸化試験のパラメータ(血清タンパク質チオール)における個体の多様性は、処置の開始前の個体の基準値における相違を制御することによって、計画から外れたものとなるからである。
【0090】
【表2】
【0091】
(c)血清タンパク質チオールの、インビボでの抗酸化指標としての評価
下記の詳細な説明は、DNA修復のキャパシティーを評価するために過去に使用された、血清タンパク質チオールのインビボでのレベルの評価を標準化(正規化)するために計画された。血液サンプルを収集し、血清を分離する場合、血清タンパク質チオールのレベルは、既存のインビボでの酸化環境と順次、平衡状態になるタンパク質構造中に存在する、チオールとジスルフィドとの間の濃度の評価である。このように、血清タンパク質チオール解析は、DNA修復により順次調節される個体の抗酸化状態に関するインビボでの評価である。
【0092】
(d)タンパク質チオールの定量的測定に対する標準的なチオール感受性曲線の証明
比色分析剤である5,5’−ジチオ−ビス−(2−ニトロ安息香酸(DTNB)の原液を、9.5mg/mlの固体状DTNB、0.1MのK2HPO4及び17.5mMbのEDTAを用いて調製した。pHを7.5に調節し、その後望ましい量まで希釈した。実際に使用できるDTNB溶液は、DTNB原液を生理食塩水と1:50で希釈することにより調製した。L−システインの溶液を調製し、標準曲線を所望のものとなるように0−100μMの範囲で構築した。原液を要求通りに希釈し、吸光度を96穴の平底のマイクロタイタープレートを用いて測定した。200μlの実際に使用できるDTNB溶液を伴う50μlのL−システイン溶液をウェル(穴)ごとに配置させた。濃度当たり2または3の複製を製作した。
【0093】
DTNBのブランク(50μlの生理食塩水+200μlのDTNB)を製作した。吸光度の値は、マイクロタイタープレートのスキャナ分光光度計を用いて412nmで測定した。全ての濃度の平均を計算し、DTNBのブランクを全ての値から差し引いた。標準的なシステイン溶液との比較による、濃度(x−軸)対吸光度(y−軸)のプロットを用いて、システイン濃度を決定した。
【0094】
(e)血清タンパク質チオールの測定
飽和した硫酸アンモニウム溶液を調製した。全てのサンプルに対して200μlの血清を用いて、血清を800μlの飽和した硫酸アンモニウムで沈殿させた。1.5mlのバイアル中、12,000Gで15分間、室温でサンプルを遠心分離した。バイアルの底が固体のペレットを含有する場合に、前記底を乱すことなくその上清を捨てた(約800μl)。その後、ペレットを600μlの生理食塩水中で再懸濁した。透明な96穴の平底のマイクロタイタープレートを解析に使用した。1の複製を下記のように調製した:(i)1ウェル中、200μlの実際に使用できるDTNBを伴う、50μlという一定分量の血清、及び(ii)別の1ウェル中、200μlの生理食塩水を伴う50μlの一定分量を配置させることによる、血清のバックグラウンド。これを全てのサンプルに対して3回繰り返した。DTNBのブランクを作り(50μlの実際に使用できるDTNB+200μlの生理食塩水)、生理食塩水のブランク(250μlの生理食塩水)も3つの複製において作った。前記ウェル中の泡を確実に避けつつ、マイクロタイタープレートのスキャナセットにおける、412nmでの吸光度を測定した。
【0095】
(f)システインの標準曲線からの血清タンパク質チオールの評価
平均は、DTNBのブランク及び生理食塩水のブランクを計算した。全ての複製に対して、DTNBのブランクを全てのサンプル値から差し引いた(補正後サンプル)。また、生理食塩水のブランクを全ての血清値から差し引いた(補正後血清)。計算を示した、下記の表2に示された例を参照せよ。
【0096】
その後、補正された血清値を補正されたサンプル値から差し引いた。この値は、410nmでの吸光度として表された、最終の血清チオール値であった。与えられた例に示されているように、この平均値は全ての複製に対して計算され、表2で与えられる。
【0097】
【表3】
【0098】
表2に示された平均値は、該当するシステインのモル濃度の決定に対する標準曲線中に取り入れられた。このように、値は、システインのモル当量として表される血清チオールのモル濃度である。血清を沈殿させ、遠心分離でスピンさせた後、ペレットを600μlの生理食塩水中で再懸濁した。ペレットの量の増加に伴い、最終量は800μlとなった;200μlの純粋な血清を始めに分離した。これは、このように4倍希釈であった。サンプルの血清はその後、ウエルに配置され、5倍に希釈された(250μl中50μl)。
【0099】
同時に、これは20倍希釈(4×5=20)であった。このように、標準曲線から読み取れるチオール値は、20倍されるべきである。さらに、我々のデータを文書化され登録されたデータと比較できるようにするために、0.722という係数でかけることが必要となる。これは、過去に使用された係数に起因した。チオールは、ここではnmoles/0.72mlで測定された。
【0100】
g)高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)の通常条件
馬尿酸、キナ酸、ニコチンアミド及びトリプトファンのHPLC解析は、Perkin Elmerの、UV検出器785Aを備えた200LCポンプを用いて行われた。HPLCで評価される各化合物の同定も、薄層クロマトグラフィー(TLC)解析で独立に確かめられた。カラムは、C18 150×4.6mmもしくはC18 80×4.6mmのPerkin Elmer−Brownlee(Pecosphere part 第0258−0196もしくは0258−0166)のいずれか、または、Perkin Elmer C18 30×4.6mmのBrownlee precolumnと併せて、である。1500〜5000psiで1ml/分、カラムを通って移動相を送り出した。UV検出器を、検出されている化合物に応じて200nm〜230nmの波長でセットした。
【0101】
20μlの注入ループを、全ての実験で使用した。データを蓄積し、PE Nelson Turbochrom 4(S270−0052)を用いて再処理した。C18カラムを、下記の一連の溶剤:アセトニトリル:メタノール(30:70、v/v/)、100%メタノール、メタノール:水(50:50)、メタノール:0.2%TFA、及び100% 0.2%TFAを用いて、1ml/分、30分の洗浄で再生した。あらゆるケースにおいて、定量評価は、分析グレードの純度の商業上利用可能な標準化合物を用いて、ピーク高さの計算に基づいた。全てのHPLC解析に適用されるこれらの通常条件は、本研究で実行した。
【0102】
(h)血清中のキナ酸を定量化するためのHPLCサンプル及び標準曲線の条件
0.2及び30mlの血清サンプルを血液から収集し、エタノールまたはトリクロロ酢酸(TCA)のいずれかを用いて沈殿させた。洗浄(clean-up)後、上清を乾燥し(エタノール沈殿した)、または直接使用した。蒸留水に溶解したキナ酸(Sigma)を用いて、標準曲線を調製し、方程式y=6012.8x−24698に従った;0〜25mg/mlの間の溶液20μl注入を用いた。
【0103】
(i)単一の高用量のキナ酸の時間の研究
65歳の見かけでは健康なボランティアが、15分超の時間中300mlの水で溶解した6gmのキナ酸アンモニウムキレート(Quinmax(商標))を飲用した。サンプルを収集し、その後、約40mlの末梢の血液(4−red topped バキュテナー)は室温で凝固させ、血清サンプルを遠心分離で調製した。血清のサンプリング点は、0.7時間、1.7時間、2.7時間、3.7時間、10.5時間、12.5時間、22時間、28時間及び44時間であった。30mlの血清サンプルを50%エタノールで沈殿させ、気流の下で乾燥させ、同時にキナ酸及び馬尿酸のHPLC解析を行うために、1mlのメタノールで再溶解した。データより、30mlの血清にキナ酸が存在するということが分かった。この実験で使用されたカラムは、C18 150×4.6mmであった。前記移動相は0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)であった。UV検出器は220nmでセットされ、キナ酸は2.26分間の保持で溶出し、馬尿酸は8.3分間であった。本方法の感度は、約1/30=0.033mgのキナ酸/mlの血清であった。
【0104】
(j)1日当たり1500mg及び3000mgの反復した用量の、6週超の期間、血清で分析されたキナ酸
2名のヒトのボランティアである被験者HL(20歳)及び被験者RP(65歳)が、1日当たり1500mgまたは1日当たり3000mgの日用量を摂取し、並びに5月8日、5月15日、5月18日、5月23日、5月29日及び6月1日に血清サンプルを採取した。
【0105】
これらのサンプルは、2Mのトリクロロ酢酸(TCA)を用いた沈殿後に、200μlの血清中で、キナ酸の含有量をそれぞれ分析した。これらの実験に使用されたカラムは、C18 80×4.6mmであった。移動相は、0.2%のトリフルオロ酢酸(TFA):メタノールが85:15であった。UV検出器は215nmでセットされ、キナ酸が1.40〜1.5分の保持時間で溶出した。この方法の検出感度は、約1mgのキナ酸/ml血清、または本研究において本願で使用されているように、21〜42mg/kgではなく、ヒトにおいて、70mg/kgという検出可能な用量であった。このように、4〜5週の期間中、反復した日々の投与後に、血清中のキナ酸レベルが蓄積するならば、このプロトコールは評価できる。
【0106】
(k)血清中の馬尿酸のHPLC解析
血清サンプルを+4℃で貯蔵し、1か月以内の採取で解析した。血清サンプル(200μl)は、2MのTCA(25MのTCAの場合、25μl)で沈殿させることにより、解析のための調製を行った。TCAの上清のHPLCへの20μl注入は、36日間のAqua Bimini(商標)の補給及び30日のフォローアップ(処置なし)の間、採取された血清サンプルに関してなされた。血清は、C18 80×4.6mmを用いたHPLC及び0.2%トリフルオロ酢酸(TFA):メタノールが75:25の移動相によって解析された。
【0107】
UV検出器は228nmでセットされ、馬尿酸は4.0〜4.25分の保持時間で溶出した。標準曲線は、蒸留水で溶解された様々な濃度の馬尿酸(Sigma)を用いて調製した。0〜0.15mg/mlの間の溶液の20μlを注入した後、プロット前にμMに変換し、方程式y=511x+6616によって表された。この標準曲線は、血清中の馬尿酸のレベルを検出し定量化するのに十分であった。それは、HPLCによるキナ酸1mg/mlと比較した、約0.01mg/mlである増大した感度のためである。
【0108】
(l)HPLC解析に対する尿サンプルの予備的な洗浄(clean-up)
尿サンプルは、10分間激しく振盪させながら、水性の尿:95%エタノール:酢酸エチルを1:2:4 v/v/vで混合した。酢酸エチルの層は、室温下、重力で分離し、その後、それはピペットで除去され、気流で脱気され、真空フード中で乾燥した。この手法で、1〜2mlの尿を、水またはエタノール0.2ml中に戻した。これは、5〜10倍の(サンプルの)濃度を示した。代謝物質の抽出というこの方法を用いた回収は:キナ酸=53%、馬尿酸=53%、ニコチンアミド=54%、及びトリプトファン=66%であった。
【0109】
(m)尿中のキナ酸及びニコチンアミドのHPLCによる同時検出
尿サンプルをエタノール及び酢酸エチルで、1:2:4 v/v/vに希釈し、その後、酢酸エチル画分を乾燥し、0.2mlの水で可溶化し、C18 80×4.6mmに直接、20μlの注入を伴うHPLC解析を用いた。移動相は8:8:84(v/v/v)の比率で、0.2%トリフルオロ酢酸(TFA):メタノール:アセトニトリル(70:30):水であった。UV検出器は215nmでセットされ、キナ酸は0.97〜1.05分の保持で溶出し、ニコチンアミドは2.6〜2.9分であった。尿中の検出限界は、キナ酸で約1.5mg/mlであり、ニコチンアミドで0.015 mg/mlであった。0〜17.5mg/mlの間のキナ酸で、用量反応は、y=53.52x+33.55と表され、0〜0.2mg/mlの間のニコチンアミドで、用量反応はy=4748x−0.1174という線形回帰直線を与えた。
【0110】
(n)尿中のトリプトファン及び馬尿のHPLCによる同時検出
尿サンプルをエタノール及び酢酸エチルで、1:2:4 v/v/vとなるように希釈し、その後、酢酸エチル画分を乾燥し、0.2mlの水で可溶化し、C18 80×4.6mmに直接、20μl注入を伴うHPLC解析を用いた。移動相は、0.2%TFA:30%メタノールが70:30 v/vであった。UV検出器を225nmにセットした。トリプトファンは5.2〜5.4分後に溶出し、馬尿酸は3.1〜3.4分後に溶出した。尿中のトリプトファン及び馬尿酸の検出限界は、それぞれ0.01mg/ml及び0.02mg/mlであった。0〜0.06mg/mlの範囲内の用量で、トリプトファンはy=3557x+3.345という線形回帰を生じ、0〜0.15mg/mlという用量範囲は、馬尿酸に対して、y=4592x−72.46という類似の直線関係を与えた。
【0111】
例1:ヒトの被験者におけるキナ酸代謝の特性解析
6000mgという単一の高用量を被験者に経口で投与し、その後、30mlの血清サンプルを投与(exposure)後0.7〜44時間で取られた全血サンプルから調製した。血清サンプルがエタノールで沈殿し、1mlの水で再溶解すると、これは、各血液サンプル中に存在するキナ酸の30倍増の濃度を可能にし、前記方法を、少量のキナ酸でさえ極めて微妙な差を検知できるようにした。そのデータを図1に示す。
【0112】
(i)キナ酸の馬尿酸への最大限の変換と殆ど同時に、10.5時間後のキナ酸の血清中への最大限の取り込み(約7時間後のシステマティックな循環における、すなわち血清における)が観察された。経口投与された4.4mg/mlの6000mgだけが、血液の流れに蓄積した。総用量である6000mgのうち4.4mgのみが、血清中に取り込まれた(すなわち0.073%)。これは、キナ酸の99.9%が、44時間の期間内に排出されるか、または代謝されたことを示唆している。
【0113】
図1中のデータは、1500mgまたは3000mgのいずれかのキナ酸のキレート物質(Aqua Bimini(商標))の、6週間という日々の投与及びフォローアップ後に、血清を分析することによって確認され、拡張された。血液サンプルが取られ、血清は、反復したAqua Bimini(商標)の経口投与後に、10日目から37日目までで6倍に調製され、これらのサンプルはその後、キナ酸で解析された。被験者がいかに長期間、日々のキナ酸のキレート物質の用量で処置されたにもかかわらず、血液の血清サンプル中にはキナ酸は発見されなかった。結論として、27という反復したAqua Bimini(商標)の用量(37日−10日=27日)後でさえ前記方法の実証された感度によって解析された場合、反復した日々の投与後でも、キナ酸は血液の流れを蓄積しなかった(すなわち、それぞれ40,500mgまたは81,000mgに等しいキナ酸の総用量)。
【0114】
(ii)キナ酸の99.9%は血清中で発見されなかったので、尿中に排出されたか、またはおそらく他の化合物に代謝されたかが疑問となった。(36日及び8か月のフォローアップ(すなわち処置なし)中、)3000mg/日または1500mg/日でAqua Bimini(商標)の日々の経口の処置を連続4〜5週間採取した尿サンプルは、キナ酸について解析された(表3、図2〜3)。全体の評価期間に対する尿中のキナ酸の平均レベルは、それぞれ約184mM±103(n=19)及び65±49mM(n=17)であると分かった。これらの平均値の標準偏差は、時間と共に尿のキナ酸の大きな変動を示す。それらが、9か月後も依然として上昇し、身体的補給基地からの代謝移動を反映しているにもかかわらず、である。1日当たり1.5リットルまで生産された多量の尿を用いて、1日の尿中のキナ酸当たり、3000mg/日の経口用量後の約184mM、または(1日当たり53,039mg/1.5リットルの総尿量まで変換する)184mmole/リットルの検出が得られた。
【0115】
尿中の65mMのキナ酸を生じた、1500mg/日という経口用量に対する似た計算は、1日当たり18,737mg/1.5リットルの総尿量を与えた。これらのデータを表3に要約し、投与された総用量56%及び40%は、9か月の評価期間後に代謝されないキナ酸として排出されるという解析を支持するものである。
【0116】
キナ酸は、ドライアウト(dryout)の期間(すなわち、処置後の8か月間)中、尿中で検出されうるので、キナ酸は反復した投薬からGI管中に蓄積しうるということは理路整然としていた。さもなければ、経口補給後に、8か月のフォローアップ(処置なし)に対する尿中へ排出することなどどうして分かるのだろうか(表3、図2〜3参照)。3000mg/日または1500mg/日のAqua Bimini(商標)のいずれかの経口投与前またはその後すぐの、尿中で発見されるキナ酸の代謝物質のレベルを表3に提供する。
【0117】
これは、キナ酸または必須アミノ酸またはビタミンのいずれかのさらなる補給を欠く場合でさえ、芳香族アミノ酸の持続的生産を可能にする、まさに好ましい栄養学的意義を強く示唆するものである。
【0118】
例2:ヒトの被験者におけるキナ酸代謝としての馬尿酸の特性解析
4月28日から6月1日までの経口投与期間中1500mg/日及び3000mg/日のAqua Bimini(商標)(キナ酸アンモニウムキレート)の経口用量後の馬尿酸源として、2006年6月2日から2007年1月20日までの追加的なドライアウト(dryout)の期間(8か月間処置なし)からは、含まれたサンプルと併せて、経口投与後の馬尿酸源として、キナ酸も評価された。
【0119】
ヒトを含む動物は、5%から70%の間の用量のキナ酸を、1〜8日以内に、安息香酸及びその後は馬尿酸まで代謝できるということがよく知られている。このように、馬尿酸は、キナ酸投与(exposure)に由来すると特徴付けられる、過去に知られた代謝物質にすぎない。
【0120】
【表4】
【0121】
ここで、我々は、馬尿酸尿の存在を、尿と血清の両方について分析している。尿中、馬尿酸のmMが見出された(表3、図2〜3)。例えば、尿は、3412mgの馬尿酸/1.5リットルを示した、12.7mM以下の馬尿酸を生じた。キナ酸アンモニウムキレート/70kgの人間としての、日々の総用量である3000mgのAqua Bimini(商標)は、43mg/kgに等しいか、または約43mg/リットル=64.5mg/1.5リットルに等しい。ヒトの体の総水量は、0.7リットル/kgであると評価された(Aqua Bimini(商標)は、水及び尿中に等しく分配されると仮定した場合);その後、3000mgが溶解した、0.7リットル×70kg リットル=49リットルは、3000mg/49リットル=91.8mg/1.5リットルに等しく、これは、キナ酸が完全に吸収されて排出されないならば、存在したはずの量である。
【0122】
このように、これらの計算は、91.8 mg/1.5 リットルで除される64.5mg/1.5リットルまたはおよそわずか70.3%の日々投与された用量のAqua Bimini(商標)(すなわち、3000mg/mlのキナ酸)が日々、馬尿酸として尿中へと排出され、残る29.7%のAqua Bimini(商標)が馬尿酸としてシステマティックな循環中へと吸収されるか、または他の化合物までさらに代謝されたということをサポートする。
【0123】
だが、わずかmM量の馬尿が尿中に見出された−<20μMという極めて低いレベルの馬尿酸が血清中に見出されたに過ぎない(図4を参照せよ)。馬尿酸は、この用量範囲内では血清中でほとんど検出不可能であり、このように、このような結果は、キナ酸のシステマティックな分配へのわずかな吸収、及びそこでの馬尿酸への変換と相関があるということに当業者は注目しうる。さらに、少なくとも血清濃度(すなわち、<0.02mM、図4)及び3000mg/日というAqua Bimini(商標)投与後の馬尿酸の尿レベルにおける相違(0.49〜12.7mM、図2、表3及びテキスト計算)は、少なくともキナ酸が他の化合物まで代謝され、馬尿酸として排出されないことを証明するものである。
【0124】
これらの低レベルであっても、処置に対する用量反応が観察された血清の馬尿酸でさえ、これらは、この原料について見られるAqua Bimini(商標)の処置に対する用量反応であった(図4)。血清及び尿についてのこれらのデータを考慮すると、キナ酸/馬尿酸のレベルは、システマティックな循環中でキナ酸がほとんど見出されないということを示しており(投与された用量が<0.1%、図1及びテキスト計算を参照せよ)、キナ酸がまさにシステマティックな取り込み代謝を受けるということを血清及び尿の両方が証明するとしても、馬尿酸は検出されうるが、投与量の約70.3%が変化しないまま尿中に排出される(図2及びテキスト計算を参照せよ)。
【0125】
尿中で行方が不明である残り29.7%のAqua Bimini(商標)のうち、わずか痕跡量のみが血清中に馬尿酸として同定され、このように、血清中でのキナ酸及び馬尿酸の薬物動態のデータに匹敵している(表3及び図1〜4も参照せよ)。わずか痕跡量のみであるキナ酸または馬尿酸のいずれかが血清中に見出されたので、潜在的には、Aqua Bimini(商標)の日々の投与用量のうち、たった29.7%が、システマティックな循環またはGI管中の他の化合物へと変換しうる。
【0126】
この薬物動態の解析は、過去に文書化されたキナ酸の有効な効果は、キナ酸自体に起因しているというよりもむしろ、シキミ酸経路に活性のある前駆物質の化合物に起因しているということを示唆している。
【0127】
例3:尿中のキナ酸の相当するレベルにおける、尿中の馬尿酸レベルの依存性
本研究では、キナ酸、馬尿酸、トリプトファン及びニコチンアミドに対する尿の値の基準値は、同様に、12〜86歳の年齢の間(n=9)という広範に亘る準拠集団で決せられた。キナ酸及び馬尿酸に対するデータは、図2〜3に存在する個体のキナ酸で処置された尿の値を伴う、表3に要約された。キナ酸及び馬尿酸の尿のレベルの間でコントロール(晒されていない)及び反復的に抽出されたAqua Bimini(商標)(キナ酸)で処置された個体(n=45)についての、全体の抽出された人間の集団に基づく、真にかなり顕著な直線状の相関性があった(p<0.001)。このことは、馬尿酸は主に着色性の果物及び野菜中のキナ酸と関連した食生活上の因子によって影響を受けており、ベンゼンまたはトルエンのような環境的な毒性のある芳香族の投与(exposure)を反映していなかったという強い証拠と捉えられた。
【0128】
例4:個体の抗酸化状態に関するインビボでの評価としての血清タンパク質チオールの解析
ここで報告されたキナ酸及び馬尿酸についての薬物動態のデータの後、明らかなことに、過去に使用されたキナ酸の経口用量は、キナ酸自体によっては直接的に何らの効果媒介にも関与しなかった;すなわち、それはシステマティックな循環中では検出できないためであり、キナ酸用量の約40〜60%は、たとえ9か月(表4及びテキスト計算)を超えていたとしても、代謝されずに尿中に排出された。初期の報告は、(i)ドキソルビシンの科学的な治療の処置からの回復及び(ii)細胞死及び細胞生存のない成長の捕捉を含む、様々な臨床の評価項目(endpoints)に対して評価されたが、我々は、これらの出来事が共に酸化還元(酸化/還元)のバランス及びDNA修復に非常に依存するということを示している。結果として、ここでは、我々は、抗酸化の有効な効果という指標として、血清タンパク質チオールの状態を使用している。
【0129】
1か月の処置 及び8か月のフォローアップ(処置なし)を含む、ヒトにおける9か月という期間を超える、Aqua Bimini(商標)(キナ酸アンモニウムキレート)の代謝の運命は、表4に与えられている。
【0130】
血清タンパク質チオールのデータは、図6〜8において要約的に示されている。まず、図6〜7は、6月2日〜8月31日という短期のドライアウトの期間、及びさらに長期のドライアウトの期間(2006年9月〜2007年1月20日)の双方を含む診療後の値から、(基準の)血清チオール前の値を識別する、個体データの点を示す。
【0131】
【表5】
【0132】
明らかなことに、Aqua Bimini(商標)の補給は、処置及びフォローアップの期間と通じて上昇したままでさえある、タンパク質に存在している、減少したチオール(−SH)の顕著な増大と関連していた。これは、酸化還元バランスが酸化状態から移行したという直接の証拠であると考えられてきた。血清タンパク質は、シグナル伝達タンパク質を含有するため、これは、Aqua Bimini(商標)を伴った補給中、及び驚くべきことに少なくとも9か月の評価期間中、インビボで生じる抗酸化状態の主要な移行についての強力な証拠であった。
【0133】
結論として、Aqua Bimini(商標)は強力な抗酸化剤であったが、変換する抗酸化効果を媒介しうる他の化合物へ変換されることにより、前代謝物質としてのこれらの効果の原因となるに違いない。その論理は単に、36日間及び更に処置のない8か月のフォローアップ期間という、Aqua Bimini(商標)の反復的な投薬の後でさえ、血清中でのキナ酸のシステマティックな蓄積がなかったため、8か月間もさらなる補給が無かった場合に、キナ酸自体がどのくらい血清チオールを上昇させることができるかというものであった(図6〜7参照)。
【0134】
図8は、おそらく遺伝的及び環境学的な要因のために、次から次へと個体が変化した、個体の基準の血清チオールをさらに分類化する。だが、Aqua Bimini(商標)(キナ酸アンモニウムキレート)が経口投与された場合、バックグラウンドレベル(すなわち、基準のチオール状態)とは独立した、血清のチオールレベルにおける個体内の増大があった。
【0135】
結果として、結局のところ、Aqua Bimini(商標)についての抗酸化の有効な効果は、明白に存在しており、だが、キナ酸自体ではなくそれが誘導した他の代謝が原因となっていなかった。
【0136】
例5:微生物/植物のシキミ酸経路と関連した代謝物質についての尿の解析
キナ酸は、経口で投与される場合、尿サンプル中の馬尿酸として同定されるため、少なくともキナ酸を馬尿酸まで代謝できる腸内の微生物相が十分に証明されているが、キナ酸が腹腔内注入で投される場合、馬尿酸への変換は全くなかった。
【0137】
ヒトのGI管中に存在している機能的なシキミ酸経路についての馬尿酸の証拠にもかかわらず、キナ酸は、シキミ酸塩からコリスミ酸塩への、トリプトファンへの、そしてニコチンアミドへの代謝経路に従って生成した化合物の増大した生産にはなりえないということを実証する、報告された研究はこれまでのところ全くない。初めて、我々は,トリプトファン及びニコチンアミドの尿レベルがAqua Bimini(商標)(キナ酸アンモニウムキレート)のような芳香族アミノ酸の前駆物質への投与(exposure)により誘導されたということを実証した。
【0138】
GI管は、最も重要な体の中の器官の機構の一つであり、細胞成長及び健康上の維持に対する適切な栄養を維持するのに必要なタンパク質、脂肪及び糖類の破壊及び再合成に関与する。主要な栄養源の中には、体で合成されないものもあるが、シグナル伝達(例えば、セロトニンやドーパミンを介して)及び構築タンパク質(building protein)に多く必要とされるのが、芳香族アミノ酸であるトリプトファン、フェニルアラニン及びチロシンである。それらは全て、ニコチンアミド及びNADといった主要なエネルギー源とともに、シキミ酸経路で生産される。
【0139】
表3及び図9〜10に示されたデータ解析は、トリプトファン及びニコチンアミドの尿レベルを2名の被験者、すなわち33日間(すなわち処置期間)連続で1500mg/日を受ける者と3000mg/を受けるもう一方の者において測定した場合、コントロール(unexposed)と比較すると、双方の用量は尿のトリプトファン及びニコチンアミドについての顕著に上昇したレベルを有したことを示している。サンプルが8か月後のフォローアップの解析に含まれた場合でさえ、トリプトファン及びニコチンアミドの尿中レベルは依然として上昇したままであった。尿中のトリプトファン及びニコチンアミドは、体の残り部分におけるこれらの栄養の状態に関する良く知られた強力な指標であり、そのため、結局のところ、キナ酸の補給は、GI管中の馬尿酸の合成を増大させるだけでなく、トリプトファン及びニコチンアミドの合成も増大させる。
【0140】
さらに、トリプトファン及びニコチンアミドは共に、8か月のフォローアップ期間を通じて尿中で上昇し続け、同期間中に増大した血清チオールによって証拠付けられたように、抗酸化のシステマティックな効果を媒介する際の、それらの関与に対するサポートであった(図6〜8を参照)。
【0141】
例7:血清チオールに関連したトリプトファン、ニコチンアミドの解析
血清チオールによって見積もられた、トリプトファン/ニコチンアミド及びシステマティックな抗酸化レベルの間の関係をより良く実証しようとするために、我々は、さらに、マイクロモルレベルの血清チオールに関連した、尿中のトリプトファンまたはニコチンアミドのモル比率を分析することを考慮した。表5は、血清中の増大したマイクロモルレベルのチオール(システマティックな循環への取り込み)と比較した、トリプトファンまたはニコチンアミドの尿(排泄)中での増大したレベルの比率を明白に示しており、キナ酸の経口補給に対する強力な用量反応があった。
【0142】
顕著に、これらの比率は、(キナ酸アンモニウムキレート)消費と関連した個体の抗酸化状態の代謝コントロールを評価した。理論的には、用量補給の相違は、Aqua Bimini(商標)は、1日当たり3000mg/1日当たり1500mg=2.0の比率;トリプトファンとして表5より実験的に計算されたのは、1.94/0.81=2.4の比率であった;ニコチンアミドとして表3より実験的に計算されたのは、4.29/2.32=1.85の比率であった。
【0143】
ニコチンアミド及びトリプトファンの血清タンパク質チオール代謝に対する関係を表5に与える。データは、図6〜8及び表3から計算されている。少なくとも30%という有利な増大が好ましい。
【0144】
【表6】
【0145】
例8.キヌレインで測定した場合のインドールジアミンのオキシゲナーゼの活性
トリプトファン合成が一旦シキミ酸経路によって刺激されると、インドールジアミンオキシゲナーゼ(IDO)を介したキヌレイン及び/またはヒドロキシトリプトファン−セロトニン及び/またはキノリン−ドーパミンもしくはニコチンアミド−NAD(エネルギー)への異化代謝によって、さらに変更される。インビボでのキナ酸の投与(exposure)によるIDO活性の阻害は、免疫抑制活性の減少を助ける。
【0146】
IDO活性は、高圧液体クロマトグラフ(HPLC)により、200μlという一定分量の2MのTCAで沈殿した血清中、トリプトファンのキヌレインに対するモル比率の決定によって計算された。前記HPLCの方法は、装置がHP1100シリーズで、カラムがXTERRA MSC18(3.5cm長、4.6mm×50 mm)である点以外はあらゆる詳細について既に発行されている(Laich, A , Neurauter, G , Widner, B , Fuchs, D .トリプトファン及びキュレニン(kyurenine)のHPLCによる同時測定に対するより迅速な方法。Clinical Chemistry 48 (3) : 579-580, 2002)。
【0147】
キナ酸の効果は、さらにシキミ酸経路の最終生成物に関して特徴があった。したがって、キナ酸の補給が、トリプトファン及びキヌレインの同時検出を通じたIDO活性に対して解析された。トリプトファン/キヌレインの高比率は、免疫抑制である (Bauer, TM, Jiga, LP, Chuang, J-J, Randazzo, M , Opelz, G , Terness, P.インドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼの免疫抑制の役割に関する研究:トリプトファンの代謝物質が、インビトロ及びインビボでの、ラットの同種異系のT細胞の反応を抑制する。Transplant International 18 (2005) 95- 100, 2004)。トリプトファンのレベルは、キヌレインの代謝により減少するよりもむしろ上昇するため、キナ酸はIDO活性を阻害する。これらのデータは、キナ酸自体がキナ酸活性の効果的な形態ではないことを示唆している。
【0148】
例9:動物の研究
C57BL/6雌マウスに、21日間オートクレーブした水道水で溶かした4mg/mlのC−Med−100(登録商標)または2mg/mlのキナ酸を給餌した。その動物を犠牲にし、脾臓が除去され、血液が採取された。細胞サンプルはSysmex KX−21N(Sysmx Corporation、神戸、日本)で分析され、血漿/血清サンプルはキナ酸及びトリプトファンに対するHPLCによる化学的解析で調製された。
【0149】
表6を見れば分かるように、マウスの血清のトリプトファンレベルと同等程度に、増大した芳香族酸を有する前駆物質の21日間の補給後、様々なリンパ球がマウスの抹消の血液サンプルに大切である。
【0150】
図11は、21日間の処置後の血液細胞及び血清トリプトファンについてのインビボでの評価を示し、馬尿酸(<0.02μg/ml)及びキナ酸(<2mg/ml)のレベルも同時に測定されたが、マウスの飲料1mg/mlないし約500mg/kgで、キナ酸が投与されると、HPLC検出を下回るものであることが分かった。キナ酸の投与は、マウスにおいてインビボで測定された血清トリプトファンレベルを増大させることとなったが、キナ酸は全く検出不可能であり、ただ使用は依然として免疫刺激反応の原因であったのは、表6及び図11より明らかである。
【0151】
完全な説明を行ってきた本願で示されているように、キナ酸のキレート物質は芳香族アミノ酸のインビボでの生産を促進する。下記の表7は、ヒトを含む動物において治療の値を有すると既に知られている、経口投与したAqua Bimini(商標)のトリプトファン用量との直接的な薬物動態の比較を与える。このような比較は、芳香族アミノ酸の前駆物質が経口で使用される場合、芳香族アミノ酸レベルの予期せぬ増大をもたらす。
【0152】
【表7】
【0153】
【表8】
【0154】
即時の開示で引用された、全ての特許及び非特許文献は、全ての文献がそれぞれ参照により引用されるかのように、同じ効果で参照による開示で引用される。
【0155】
本発明は、本願でこれらの実施形態は、本発明の原理及び用途の例証をほとんどしていない。膨大な改変が例示した実施形態に対してなされてもよく、下記のクレームによって規定されたような本発明の精神及び範囲から逸脱しない限りにおいて他の修正は考案されうるということが理解できるはずである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式:
【化1】
ここで、Aは、
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
;及び、
【化6】
並びにそれらのアニオン類、エステル類よりなる群から選択され;その際、RはH、C1〜C3のアルキルであり、
Xは、塩または水酸化物またはアミンを形成可能な1価、2価、3価のいずれかのアニオンよりなる群から選択され、
“n”は整数または有理数であり、その際、l<n=10である、
を有する芳香族アミノ酸に対する前駆物質。
【請求項2】
(a)
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
ここで、RはHまたはC1〜C3のアルキルである;並びにそれらのアニオン類及びエステル類よりなる群から選択される治療上効果的な量の化合物、並びに
【化12】
ここで、A、X及びnは請求項1で規定されたものと同一であり;並びに、
(b)医学的に許容可能なビヒクルを含む組成物。
【請求項3】
前記組成物は、(c)治療上効果的な量のニコチンアミド、ナイアシン、フラボノイド、ケイ皮酸もしくはその誘導体、アスコルビン酸もしくはその誘導体、トコフェラール(tocopheral)もしくはその誘導体、及びビタミンAもしくはDまたはそれらの誘導体よりなる群から選択される主要な(primary)抗酸化剤;並びに(d)抗腫瘍性製剤、抗感染薬、抗抑
【請求項4】
芳香族アミノ酸に対する前駆物質の治療上効果的な量は、約250mg/日から約5000mg/日の範囲内である、請求項2に記載の組成物。
制薬、気分高揚剤、抗炎症剤、免疫モジュレータ及び二次的な抗酸化剤よりなる群から選択される任意の原料をさらに含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
前記芳香族アミノ酸は、トリプトファン、フェニルアラニン、チロシン及びフェニレフェデリン(phenylephederine)よりなる群から選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項6】
当該主要な(primary)抗酸化剤は、ケルセチン、ルチン、クリシン、ミリセチン、ゲニステン(genisten)、ヘスペリジン、ナリンギン及びそれらの混合物よりなる群から選択されるフラボノイドである、請求項3に記載の組成物。
【請求項7】
当該任意の原料は、二次的な抗酸化剤であり、コエンザイムQ、ピルビン酸塩、コエンザイムA、ユビキノール、NADH、NAD、NADP、NADPH、アデニン、アデノシン、ナイアシン、ニコチンアミド、カンペステロール、カテキン、クロロゲン酸、シンコナイン、コリナンテイン、コリノキセイン、ダウコレステロール、エピカテキン、ハーマン、ハーステイン(hirsuteine)、ハースチン(hirsutine)、イソプテロポジン, ロガン酸、リアロシド(lyaloside)、ミトラフィリン(mitraphylline)、オレアノール酸、パルミトレイン酸、プロシアニジン、プテロポジン、キノブ酸グリコシド(pteropodine、quinovic acid glycosides)、リンコフィリン、シトステロール、スペシオフィリン(speciophylline)、スティグマステロール、ストリクトシジン、ウンカリン(uncarine)及びバクセン酸よりなる群から選択される、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
当該任意の原料が存在し、抗腫瘍性製剤、抗感染薬、抗抑制薬、気分高揚剤及び抗炎症剤よりなる群から選択される、請求項3に記載の組成物。
【請求項9】
当該抗腫瘍性製剤は、フッ化ピリミジン、シチジンアナログ、プリン抗代謝物質、植物のアルカロイド、アルキル化剤、アントラセン誘導体、抗腫瘍の抗生物質、金属複合体、抗アミノリン脂質の抗体、抗血管形成剤及び放射線治療剤よりなる群から選択される、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
当該任意の原料は、スルホンアミド、ペニシリン、セファロスポリン、アミノグリコシド、タンパク質合成阻害物質、抗カビ剤、抗ウィルス剤、抗抗結核剤よりなる群から選択される抗感染薬である、請求項3に記載の組成物。
【請求項11】
当該任意の原料は、三環系抗うつ薬、及びセロトニンの再取り込み阻害物質よりなる群から選択される抗抑制薬である、請求項3に記載の組成物。
【請求項12】
当該任意の原料は、ステロイド性の抗炎症剤、及び非ステロイド性の抗炎症剤よりなる群から選択される抗炎症剤である、請求項3に記載の組成物。
【請求項13】
当該組成物は、経口投与用のカプセル、錠剤、シロップ、液体、エマルション、エリキシル剤の形態である、請求項2に記載の組成物。
【請求項14】
以下のステップ:
(a)マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ブタ、サル及びヒトよりなる群から選択される哺乳類を得ること、
(b)当該哺乳類の、(尿のトリプトファン、ニコチンアミド、馬尿、キヌレインのレベル)/(組織または血液のチオールレベル)の基準値である比率を決定すること、
(c)芳香族アミノ酸の前駆物質を含む組成物を前記哺乳類に投与すること、
(d)抗酸化剤処置のサイクル後の当該哺乳類の、尿のトリプトファン、ニコチンアミド、馬尿、キヌレインのレベル/組織または血液チオールのレベルの比率の値を決定すること、
(e)ステップ(b)及び(d)で得られる値を比較すること、その際、前記基準値を30%超えた増大は、前記治療の方法が効果的であることを示すこと、
を含む、芳香族アミノ酸の欠如を特徴とする疾病状態に対する効果的な抗酸化治療の方法を同定するための動物モデルの手法。
【請求項15】
前記組織のチオールサンプルは、血漿タンパク質、血液タンパク質、血清タンパク質、または血漿タンパク質、血液タンパク質及び血清タンパク質の30%〜80%の飽和硫酸アンモニウムで沈殿した画分よりなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記動物はヒトの症状に似た疾病を示す、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
ステップ(b)及び(d)で得られる値は、当該哺乳類の、尿のトリプトファン、ニコチンアミド、キヌレイン/血清タンパク質のチオールの比率である、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
(a)芳香族アミノ酸に対する前駆物質を含む組成物で、必要としている患者を処置すること、
(b)当該患者よりタンパク質チオールのサンプルを得ること、
(c)前記サンプル中のタンパク質チオールのレベルを決定すること、
(d)トリプトファンまたはニコチンアミドの尿中のレベルを測定すること、
(e)(d)/(c)として表される、ステップ(d)で得られるトリプトファンまたはニコチンアミドの尿中のレベルに関連するステップ(c)のサンプル中のチオールレベルを分析すること、その際、当該比率の値の増大は、低酸化的ストレス及びDNA修復のダウンレギュレーションについての予測の判断材料(predictor)であること、
を含む、必要としている患者におけるインビボでの酸化的ストレスを試験する方法。
【請求項19】
タンパク質チオールのサンプルは、血漿、血液及び血清のサンプルよりなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
(a)芳香族アミノ酸の前駆物質を含む組成物で、酸化的ストレスの増大したレベルを特徴とする疾病に感受性のある患者を処置すること、
(b)当該患者より、タンパク質チオールのレベルを含む体サンプルを得ること、
(c)前記サンプル中の前記タンパク質チオールのレベルを決定すること、
(d)トリプトファンまたはニコチンアミドのレベルについての尿中のレベルを測定すること、
(e)ステップ(d)で得られるトリプトファンまたはニコチンアミドの尿中のレベルに対するステップ(c)のサンプル中の前記チオールレベルを分析すること、その際、当該疾病に羅患している人口集団から得られる、所定の正規化値よりも高い値は、酸化的ストレス及びDNA修復のダウンレギュレーションに対する当該個体の予測の判断材料(predictor)であること、
を含む、酸化的ストレスの増大したレベルを特徴とする疾病に対する患者の感受性を究明する方法。
【請求項21】
タンパク質チオールを含む体サンプルは、血漿サンプル、血液サンプル、血清サンプルよりなる群から選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
請求項2に記載の組成物を投与することを含む、血清の芳香族アミノ酸のレベルの欠如を特徴とする状態を予防的に処置するための方法。
【請求項23】
前記状態は、全身的な虚弱、低エネルギー、焦点障害及び意識障害の症状を示すことを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記状態は、うつ病、心的疾患、アルツハイマー症、認知症、パーキンソン疾病、記憶障害、ADHDよりなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記状態は、白血球減少症、甲状腺機能低下、充血した目、白内障よりなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記状態は、クローン(crohns)疾病、炎症性腸疾患、関節リウマチ、変形性関節症、全身性湿疹、乾癬、白斑及び受精能の低下よりなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
当該組成物は食物と併用される、請求項22に記載の方法。
【請求項28】
当該組成物は、血清チオールの状態によって測定される場合に、>25%の抗酸化活性の増大となる、アミノ酸の前駆物質の治療量を含有する食物である、請求項22に記載の方法。
【請求項29】
以下のステップ:
(a)必要としている個体の血清チオールのレベル、及び尿のトリプトファン、ニコチンアミドもしくは組み合わせのレベル、または両方を得ること、
(b)当該個体に対する、血清チオール/尿のトリプトファン、ニコチンアミドまたは組み合わせの比率についての値を規定すること、
(c)当該疾病に苦しむ人口集団より得られる同じものの所定の正規化レベルに対して、ステップ(b)の値を比較すること、その際、当該比較は当該個体における酸化的ストレスに対する基準値を示すこと、
を含む、必要としている個体における芳香族アミノ酸の欠如を特徴とする疾病を発展させる危険性を決定するための方法。
【請求項30】
前記血清チオールは血清タンパク質チオールである、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
処置サイクル中、芳香族アミノ酸に対する前駆物質を含む組成物を前記個体に投与するステップ(d)をさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
以下のステップ:
(e)処置サイクルの終了後に、前記個体の血清タンパク質チオールのレベル、及び尿のトリプトファン、ニコチンアミド、馬尿酸または全てのレベルを得ること、及び
(f)当該処置サイクル後に、前記個体に対する、尿のトリプトファン、ニコチンアミドまたはそれらの組み合わせ/血清タンパク質チオールの比率に対する値を規定すること、をさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記抗酸化治療の効果を証明するための当該疾病に苦しむ人口集団についての、基準の及び所定の正規化レベルと、ステップ(f)の値を比較するステップ(g)をさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記抗酸化治療の効果は、ステップ(c)で得られる値において、少なくとも25%の増大で決する、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記抗酸化治療の効果は、ステップ(c)で得られる値において、少なくとも30%の増大で決する、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
ステップ(a)〜(g)は、追加的な処置サイクルに対して反復しうる、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記組成物は、二次的な抗酸化化合物及び任意の原料をさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項38】
前記二次的な抗酸化化合物は、ニコチンアミド、ナイアシン、NAD、NADP、フラボノイド、ケイ皮酸もしくはその誘導体、アスコルビン酸もしくはその誘導体、トコフェラール(tocopheral)もしくはその誘導体、及びビタミンAもしくはDまたはそれらの誘導体;医学的に許容可能なビヒクルよりなる群から選択される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記組成物は、抗腫瘍性製剤、抗感染薬、抗抑制薬、気分高揚剤、抗炎症剤、免疫 モジュレータ及び二次的な抗酸化剤またはそれらの混合物よりなる群から選択される任意の原料をさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項40】
前記疾病は、うつ病、全身的な虚弱、全身的な痛み、自己免疫疾患、ガン、糖尿病及び高齢よりなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項41】
疾病に含まれる前記処置サイクルの範囲は、うつ病、全身的な虚弱、全身的な痛み、自己免疫疾患、ガン、糖尿病及び高齢よりなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項1】
下記式:
【化1】
ここで、Aは、
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
;及び、
【化6】
並びにそれらのアニオン類、エステル類よりなる群から選択され;その際、RはH、C1〜C3のアルキルであり、
Xは、塩または水酸化物またはアミンを形成可能な1価、2価、3価のいずれかのアニオンよりなる群から選択され、
“n”は整数または有理数であり、その際、l<n=10である、
を有する芳香族アミノ酸に対する前駆物質。
【請求項2】
(a)
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
ここで、RはHまたはC1〜C3のアルキルである;並びにそれらのアニオン類及びエステル類よりなる群から選択される治療上効果的な量の化合物、並びに
【化12】
ここで、A、X及びnは請求項1で規定されたものと同一であり;並びに、
(b)医学的に許容可能なビヒクルを含む組成物。
【請求項3】
前記組成物は、(c)治療上効果的な量のニコチンアミド、ナイアシン、フラボノイド、ケイ皮酸もしくはその誘導体、アスコルビン酸もしくはその誘導体、トコフェラール(tocopheral)もしくはその誘導体、及びビタミンAもしくはDまたはそれらの誘導体よりなる群から選択される主要な(primary)抗酸化剤;並びに(d)抗腫瘍性製剤、抗感染薬、抗抑
【請求項4】
芳香族アミノ酸に対する前駆物質の治療上効果的な量は、約250mg/日から約5000mg/日の範囲内である、請求項2に記載の組成物。
制薬、気分高揚剤、抗炎症剤、免疫モジュレータ及び二次的な抗酸化剤よりなる群から選択される任意の原料をさらに含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
前記芳香族アミノ酸は、トリプトファン、フェニルアラニン、チロシン及びフェニレフェデリン(phenylephederine)よりなる群から選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項6】
当該主要な(primary)抗酸化剤は、ケルセチン、ルチン、クリシン、ミリセチン、ゲニステン(genisten)、ヘスペリジン、ナリンギン及びそれらの混合物よりなる群から選択されるフラボノイドである、請求項3に記載の組成物。
【請求項7】
当該任意の原料は、二次的な抗酸化剤であり、コエンザイムQ、ピルビン酸塩、コエンザイムA、ユビキノール、NADH、NAD、NADP、NADPH、アデニン、アデノシン、ナイアシン、ニコチンアミド、カンペステロール、カテキン、クロロゲン酸、シンコナイン、コリナンテイン、コリノキセイン、ダウコレステロール、エピカテキン、ハーマン、ハーステイン(hirsuteine)、ハースチン(hirsutine)、イソプテロポジン, ロガン酸、リアロシド(lyaloside)、ミトラフィリン(mitraphylline)、オレアノール酸、パルミトレイン酸、プロシアニジン、プテロポジン、キノブ酸グリコシド(pteropodine、quinovic acid glycosides)、リンコフィリン、シトステロール、スペシオフィリン(speciophylline)、スティグマステロール、ストリクトシジン、ウンカリン(uncarine)及びバクセン酸よりなる群から選択される、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
当該任意の原料が存在し、抗腫瘍性製剤、抗感染薬、抗抑制薬、気分高揚剤及び抗炎症剤よりなる群から選択される、請求項3に記載の組成物。
【請求項9】
当該抗腫瘍性製剤は、フッ化ピリミジン、シチジンアナログ、プリン抗代謝物質、植物のアルカロイド、アルキル化剤、アントラセン誘導体、抗腫瘍の抗生物質、金属複合体、抗アミノリン脂質の抗体、抗血管形成剤及び放射線治療剤よりなる群から選択される、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
当該任意の原料は、スルホンアミド、ペニシリン、セファロスポリン、アミノグリコシド、タンパク質合成阻害物質、抗カビ剤、抗ウィルス剤、抗抗結核剤よりなる群から選択される抗感染薬である、請求項3に記載の組成物。
【請求項11】
当該任意の原料は、三環系抗うつ薬、及びセロトニンの再取り込み阻害物質よりなる群から選択される抗抑制薬である、請求項3に記載の組成物。
【請求項12】
当該任意の原料は、ステロイド性の抗炎症剤、及び非ステロイド性の抗炎症剤よりなる群から選択される抗炎症剤である、請求項3に記載の組成物。
【請求項13】
当該組成物は、経口投与用のカプセル、錠剤、シロップ、液体、エマルション、エリキシル剤の形態である、請求項2に記載の組成物。
【請求項14】
以下のステップ:
(a)マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ブタ、サル及びヒトよりなる群から選択される哺乳類を得ること、
(b)当該哺乳類の、(尿のトリプトファン、ニコチンアミド、馬尿、キヌレインのレベル)/(組織または血液のチオールレベル)の基準値である比率を決定すること、
(c)芳香族アミノ酸の前駆物質を含む組成物を前記哺乳類に投与すること、
(d)抗酸化剤処置のサイクル後の当該哺乳類の、尿のトリプトファン、ニコチンアミド、馬尿、キヌレインのレベル/組織または血液チオールのレベルの比率の値を決定すること、
(e)ステップ(b)及び(d)で得られる値を比較すること、その際、前記基準値を30%超えた増大は、前記治療の方法が効果的であることを示すこと、
を含む、芳香族アミノ酸の欠如を特徴とする疾病状態に対する効果的な抗酸化治療の方法を同定するための動物モデルの手法。
【請求項15】
前記組織のチオールサンプルは、血漿タンパク質、血液タンパク質、血清タンパク質、または血漿タンパク質、血液タンパク質及び血清タンパク質の30%〜80%の飽和硫酸アンモニウムで沈殿した画分よりなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記動物はヒトの症状に似た疾病を示す、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
ステップ(b)及び(d)で得られる値は、当該哺乳類の、尿のトリプトファン、ニコチンアミド、キヌレイン/血清タンパク質のチオールの比率である、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
(a)芳香族アミノ酸に対する前駆物質を含む組成物で、必要としている患者を処置すること、
(b)当該患者よりタンパク質チオールのサンプルを得ること、
(c)前記サンプル中のタンパク質チオールのレベルを決定すること、
(d)トリプトファンまたはニコチンアミドの尿中のレベルを測定すること、
(e)(d)/(c)として表される、ステップ(d)で得られるトリプトファンまたはニコチンアミドの尿中のレベルに関連するステップ(c)のサンプル中のチオールレベルを分析すること、その際、当該比率の値の増大は、低酸化的ストレス及びDNA修復のダウンレギュレーションについての予測の判断材料(predictor)であること、
を含む、必要としている患者におけるインビボでの酸化的ストレスを試験する方法。
【請求項19】
タンパク質チオールのサンプルは、血漿、血液及び血清のサンプルよりなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
(a)芳香族アミノ酸の前駆物質を含む組成物で、酸化的ストレスの増大したレベルを特徴とする疾病に感受性のある患者を処置すること、
(b)当該患者より、タンパク質チオールのレベルを含む体サンプルを得ること、
(c)前記サンプル中の前記タンパク質チオールのレベルを決定すること、
(d)トリプトファンまたはニコチンアミドのレベルについての尿中のレベルを測定すること、
(e)ステップ(d)で得られるトリプトファンまたはニコチンアミドの尿中のレベルに対するステップ(c)のサンプル中の前記チオールレベルを分析すること、その際、当該疾病に羅患している人口集団から得られる、所定の正規化値よりも高い値は、酸化的ストレス及びDNA修復のダウンレギュレーションに対する当該個体の予測の判断材料(predictor)であること、
を含む、酸化的ストレスの増大したレベルを特徴とする疾病に対する患者の感受性を究明する方法。
【請求項21】
タンパク質チオールを含む体サンプルは、血漿サンプル、血液サンプル、血清サンプルよりなる群から選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
請求項2に記載の組成物を投与することを含む、血清の芳香族アミノ酸のレベルの欠如を特徴とする状態を予防的に処置するための方法。
【請求項23】
前記状態は、全身的な虚弱、低エネルギー、焦点障害及び意識障害の症状を示すことを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記状態は、うつ病、心的疾患、アルツハイマー症、認知症、パーキンソン疾病、記憶障害、ADHDよりなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記状態は、白血球減少症、甲状腺機能低下、充血した目、白内障よりなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記状態は、クローン(crohns)疾病、炎症性腸疾患、関節リウマチ、変形性関節症、全身性湿疹、乾癬、白斑及び受精能の低下よりなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
当該組成物は食物と併用される、請求項22に記載の方法。
【請求項28】
当該組成物は、血清チオールの状態によって測定される場合に、>25%の抗酸化活性の増大となる、アミノ酸の前駆物質の治療量を含有する食物である、請求項22に記載の方法。
【請求項29】
以下のステップ:
(a)必要としている個体の血清チオールのレベル、及び尿のトリプトファン、ニコチンアミドもしくは組み合わせのレベル、または両方を得ること、
(b)当該個体に対する、血清チオール/尿のトリプトファン、ニコチンアミドまたは組み合わせの比率についての値を規定すること、
(c)当該疾病に苦しむ人口集団より得られる同じものの所定の正規化レベルに対して、ステップ(b)の値を比較すること、その際、当該比較は当該個体における酸化的ストレスに対する基準値を示すこと、
を含む、必要としている個体における芳香族アミノ酸の欠如を特徴とする疾病を発展させる危険性を決定するための方法。
【請求項30】
前記血清チオールは血清タンパク質チオールである、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
処置サイクル中、芳香族アミノ酸に対する前駆物質を含む組成物を前記個体に投与するステップ(d)をさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
以下のステップ:
(e)処置サイクルの終了後に、前記個体の血清タンパク質チオールのレベル、及び尿のトリプトファン、ニコチンアミド、馬尿酸または全てのレベルを得ること、及び
(f)当該処置サイクル後に、前記個体に対する、尿のトリプトファン、ニコチンアミドまたはそれらの組み合わせ/血清タンパク質チオールの比率に対する値を規定すること、をさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記抗酸化治療の効果を証明するための当該疾病に苦しむ人口集団についての、基準の及び所定の正規化レベルと、ステップ(f)の値を比較するステップ(g)をさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記抗酸化治療の効果は、ステップ(c)で得られる値において、少なくとも25%の増大で決する、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記抗酸化治療の効果は、ステップ(c)で得られる値において、少なくとも30%の増大で決する、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
ステップ(a)〜(g)は、追加的な処置サイクルに対して反復しうる、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記組成物は、二次的な抗酸化化合物及び任意の原料をさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項38】
前記二次的な抗酸化化合物は、ニコチンアミド、ナイアシン、NAD、NADP、フラボノイド、ケイ皮酸もしくはその誘導体、アスコルビン酸もしくはその誘導体、トコフェラール(tocopheral)もしくはその誘導体、及びビタミンAもしくはDまたはそれらの誘導体;医学的に許容可能なビヒクルよりなる群から選択される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記組成物は、抗腫瘍性製剤、抗感染薬、抗抑制薬、気分高揚剤、抗炎症剤、免疫 モジュレータ及び二次的な抗酸化剤またはそれらの混合物よりなる群から選択される任意の原料をさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項40】
前記疾病は、うつ病、全身的な虚弱、全身的な痛み、自己免疫疾患、ガン、糖尿病及び高齢よりなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項41】
疾病に含まれる前記処置サイクルの範囲は、うつ病、全身的な虚弱、全身的な痛み、自己免疫疾患、ガン、糖尿病及び高齢よりなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2009−544587(P2009−544587A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−519651(P2009−519651)
【出願日】平成19年7月11日(2007.7.11)
【国際出願番号】PCT/US2007/073261
【国際公開番号】WO2008/008837
【国際公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(509013585)リンピート トレーディング 6 (ピーティーワイ) リミテッド トレーディング アズ ジェネティック ヘルス エンタープライゼス (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月11日(2007.7.11)
【国際出願番号】PCT/US2007/073261
【国際公開番号】WO2008/008837
【国際公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(509013585)リンピート トレーディング 6 (ピーティーワイ) リミテッド トレーディング アズ ジェネティック ヘルス エンタープライゼス (1)
【Fターム(参考)】
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