説明

ドア取付用位置決め治具

【課題】小型化を図ると共にドアの取付精度を向上させることができるドア取付用位置決め治具を提供すること。
【解決手段】車体側ヒンジアーム41とドア側ヒンジアーム42とが支軸51を介して回動可能に連結されたドアヒンジ5,6を設け、車体側ヒンジアーム41を予め車体2に固定し、ドア側ヒンジアーム42にドア3を取り付ける際に、ドアヒンジ側取付孔49とドア側取付孔32とをセンタリングするドア取付用位置決め治具12であって、ガイドプレート65と、ドアヒンジ側取付孔49に貫通するガイドピン69と、ガイドプレート65と支軸51との間に向けて進退移動可能に設けられるストッパ64とを備え、ガイドピン69をドアヒンジ側取付孔49に貫通させた状態で、ストッパ64をガイドプレート65と支軸51との間に進出させ、ガイドピン69を貫通状態に保持するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドア取付用位置決め治具に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の生産ラインでは、車体組立工程においてドアを仮止めしてから車体の塗装を行い、塗装工程後の艤装工程においてこのドアは一旦外される。そして、エンジンの搭載,懸架装置及び内装品等の取り付け艤装を行った後、次のドア取付工程においてドアを最終的に取り付けるようにする方法が用いられる場合がある。そこでのドア取付工程には、ドアを車体に取り付けるためのドア保持装置が設けられている。
【0003】
このドア保持装置は、吊り下げ支持したドアを、シリンダ等を用いて回動及び移動させることにより、傾きや高さの調整を行い、車体に取り付けられたドアヒンジに対して所定の位置に保持するものである。これにより、ドアに余計な応力や変形を生じさせることなく、作業者に負担を掛けずに容易にドアを車体に取り付けることができる。
【0004】
このような、従来のドア保持装置は、例えば、特許文献1に開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開平10−45066号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、上述した生産ラインで組み立てられる車体には、ドアとドアヒンジとを締結するための座金組込みボルトが使用されている。この座金組込みボルトの座金部分をドアヒンジに溶接することによって、艤装工程でのドア一時取外し時における座金組込ボルトの脱落を防止している。この場合、次のドア取付工程においてドアを最終的に取り付ける際には、座金組込みボルトを目標として、ヒンジドア側部材に設けられたヒンジ側取付孔と、ドアに設けられたドア側取付孔とをセンタリングするように、上述したドア保持装置等を用いてドアの位置調整をしながら取り付けを行うことになる。
【0007】
しかしながら、座金組込みボルトでドアを仮止めしてから車体の塗装を行うと、座金組込みボルトの頭部も同時に塗装されてしまう。そして、艤装工程でのドア一時取外し時や次のドア取付工程でのドア最終取付時において、座金組込みボルトを緩めたり締めたりすると、ボルト頭部の塗装にキズがついたり、一部が剥がれ落ちたりするおそれがある。これにより、生産工場から出荷したばかりの新しい車であっても、ドアを取り替えた事故車もしくは不良品と誤解される場合があり商品性に問題を生じてしまう。
【0008】
この問題の対応として、座金部分がドアヒンジに溶接された座金組込みボルトを使用せずに、艤装工程でのドア一時取外し時においてドアと共にボルトもドアヒンジから外し、次のドア取付工程でのドア最終取付時において新しいボルトを使用してドアを取り付けることが考えられる。しかし、この場合、上述したドア保持装置によるドアの位置調整をする際に、ボルトという目標物を失い、ドアの位置調整が困難となりドアの取り付け作業性を悪化させてしまう。
【0009】
また、従来のドア保持装置では、大きなシリンダを用いてドアの傾きや高さを調整するようにしており、このような構成では微調整を行うことは困難であり、必ずしも、ドアとドアヒンジとを高精度に取り付けることができないおそれがある。つまり、従来のドア保持装置においては、装置の小型化やドアの取付精度に関し、まだ改善の余地があると考えられる。
【0010】
従って、本発明は上記課題を解決するものであって、小型化を図ると共にドアの取付精度を向上させることができるドア取付用位置決め治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決する第1の発明に係るドア取付用位置決め治具は、
ヒンジ車体側部材とヒンジドア側部材とが支軸を介して回動可能に連結されたドアヒンジを設け、
前記ヒンジ車体側部材を予め車体に固定し、前記ヒンジドア側部材にドアを取り付ける際に、前記ヒンジドア側部材に形成されるヒンジ側孔と前記ドアに形成されるドア側孔とをセンタリングするドア取付用位置決め治具であって、
ベース部材と、
前記ベース部材に設けられると共に前記ヒンジ側孔に貫通するガイドピンと、
前記ベース部材と前記支軸との間に向けて進退移動可能に設けられる移動部材とを備え、
前記ガイドピンを前記ヒンジ側孔に貫通させた状態で、前記移動部材を前記ベース部材と前記支軸との間に進出させ、前記ガイドピンを貫通状態に保持する
ことを特徴とする。
【0012】
上記課題を解決する第2の発明に係るドア取付用位置決め治具は、
第1の発明に係るドア取付用位置決め治具において、
前記ベース部材に前記ガイドピンよりも短く形成されると共に前記ヒンジ側孔に嵌入するピンを備え、
前記ヒンジドア側部材に複数の前記ヒンジ側孔を形成し、
前記ガイドピンをいずれかの前記ヒンジ側孔に貫通させると共に、前記ピンをそれ以外の前記ヒンジ側孔に嵌入させた状態で、前記移動部材を前記ベース部材と前記支軸との間に進出させ、前記ガイドピンを貫通状態に保持すると共に、前記ピンを嵌入状態に保持する
ことを特徴とする。
【0013】
上記課題を解決する第3の発明に係るドア取付用位置決め治具は、
第1または2の発明に係るドア取付用位置決め治具において、
前記ベース部材に開口される貫通孔を備え、
前記ヒンジ側孔と前記ドア側孔とは、前記ドアヒンジのヒンジ側取付孔と前記ドアのドア側取付孔とであって、
前記ヒンジドア側部材に複数の前記ヒンジ側取付孔を形成し、
前記ガイドピンをいずれかの前記ヒンジ側取付孔に貫通させると共に、前記貫通孔をそれ以外の前記ヒンジ側取付孔に対面させた状態で、前記移動部材を前記ベース部材と前記支軸との間に進出させ、前記ガイドピンを貫通状態に保持すると共に、前記貫通孔を対面状態に保持する
ことを特徴とする。
【0014】
上記課題を解決する第4の発明に係るドア取付用位置決め治具は、
第1乃至3のいずれかの発明に係るドア取付用位置決め治具において、
前記ベース部材は前記ヒンジドア側部材に係合する係合手段を備える
ことを特徴とする。
【0015】
上記課題を解決する第5の発明に係るドア取付用位置決め治具は、
第1乃至4のいずれかの発明に係るドア取付用位置決め治具において、
前記移動部材を進出位置及び後退位置において保持する位置保持手段を備える
ことを特徴とする。
【0016】
上記課題を解決する第6の発明に係るドア取付用位置決め治具は、
第1乃至5のいずれかの発明に係るドア取付用位置決め治具において、
前記移動部材は、前記ガイドピンと前記ピンとの略中間部分の前記ベース部材、または、前記ガイドピンと前記貫通孔との略中間部分の前記ベース部材に設けられる
ことを特徴とする。
【0017】
上記課題を解決する第7の発明に係るドア取付用位置決め治具は、
第1乃至6のいずれかの発明に係るドア取付用位置決め治具において、
前記移動部材は前記支軸の軸線方向に対して略垂直方向にスライドする
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
第1の発明に係るドア取付用位置決め治具によれば、ヒンジ車体側部材とヒンジドア側部材とが支軸を介して回動可能に連結されたドアヒンジを設け、前記ヒンジ車体側部材を予め車体に固定し、前記ヒンジドア側部材にドアを取り付ける際に、前記ヒンジドア側部材に形成されるヒンジ側孔と前記ドアに形成されるドア側孔とをセンタリングするドア取付用位置決め治具であって、ベース部材と、前記ベース部材に設けられると共に前記ヒンジ側孔に貫通するガイドピンと、前記ベース部材と前記支軸との間に向けて進退移動可能に設けられる移動部材とを備え、前記ガイドピンを前記ヒンジ側孔に貫通させた状態で、前記移動部材を前記ベース部材と前記支軸との間に進出させ、前記ガイドピンを貫通状態に保持することにより、治具の小型化を図ると共にドアの取付精度を向上させることができる。
【0019】
第2の発明に係るドア取付用位置決め治具によれば、第1の発明に係るドア取付用位置決め治具において、前記ベース部材に前記ガイドピンよりも短く形成されると共に前記ヒンジ側孔に嵌入するピンを備え、前記ヒンジドア側部材に複数の前記ヒンジ側孔を形成し、前記ガイドピンをいずれかの前記ヒンジ側孔に貫通させると共に、前記ピンをそれ以外の前記ヒンジ側孔に嵌入させた状態で、前記移動部材を前記ベース部材と前記支軸との間に進出させ、前記ガイドピンを貫通状態に保持すると共に、前記ピンを嵌入状態に保持することにより、治具の着脱を容易に行うことができる。
【0020】
第3の発明に係るドア取付用位置決め治具によれば、第1または2の発明に係るドア取付用位置決め治具において、前記ベース部材に開口される貫通孔を備え、前記ヒンジ側孔と前記ドア側孔とは、前記ドアヒンジのヒンジ側取付孔と前記ドアのドア側取付孔とであって、前記ヒンジドア側部材に複数の前記ヒンジ側取付孔を形成し、前記ガイドピンをいずれかの前記ヒンジ側取付孔に貫通させると共に、前記貫通孔をそれ以外の前記ヒンジ側取付孔に対面させた状態で、前記移動部材を前記ベース部材と前記支軸との間に進出させ、前記ガイドピンを貫通状態に保持すると共に、前記貫通孔を対面状態に保持することにより、治具を取り付けたまま、ドアの取り付けを行うことができる。
【0021】
第4の発明に係るドア取付用位置決め治具によれば、第1乃至3のいずれかの発明に係るドア取付用位置決め治具において、前記ベース部材は前記ヒンジドア側部材に係合する係合手段を備えることにより、治具の位置決め精度を更に向上させることができる。
【0022】
第5の発明に係るドア取付用位置決め治具によれば、第1乃至4のいずれかの発明に係るドア取付用位置決め治具において、前記移動部材を進出位置及び後退位置において保持する位置保持手段を備えることにより、ドアの取り付けによる衝撃が発生しても、治具の脱落を防止することができる。
【0023】
第6の発明に係るドア取付用位置決め治具によれば、第1乃至5のいずれかの発明に係るドア取付用位置決め治具において、前記移動部材は、前記ガイドピンと前記ピンとの略中間部分の前記ベース部材、または、前記ガイドピンと前記貫通孔との略中間部分の前記ベース部材に設けられることにより、前記ガイドピンと前記ピン、または、前記ガイドピンと前記貫通孔とに、均等に押圧力を加えることができ、治具のセット性を向上させることができると共に、治具の脱落を防止することができる。
【0024】
第7の発明に係るドア取付用位置決め治具によれば、第1乃至6のいずれかの発明に係るドア取付用位置決め治具において、前記移動部材は前記支軸の軸線方向に対して略垂直方向にスライドすることにより、前記支軸を基点に確実に押圧力を発生させることができ、治具のセット性を向上させることができると共に、治具の脱落を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明に係るドア取付用位置決め治具を図面を用いて詳細に説明する。図1は車両の生産ラインにおけるドア取付工程を示す斜視図、図2は図1のA−A矢視断面図であってドアの取付構造を示す概略図、図3は図2のB−B矢視断面図、図4は図2のC−C矢視図、図5は本発明の第1実施例に係るドア取付用位置決め治具の正面図、図6は本発明の第1実施例に係るドア取付用位置決め治具の平面図、図7は本発明の第1実施例に係るドア取付用位置決め治具の側断面図、図8は本発明の第1実施例に係るドア取付用位置決め治具の裏面図、図9はドア取付用位置決め治具のガイドピン及びピンをドア側ヒンジアームのドア側取付孔の孔位置にセットする状態を示した図、図10(a)はドア取付用位置決め治具を下部ドアヒンジにロックした状態を示した図、同図(b)はストッパがスライドした様子を示した図、図11はドア取付用位置決め治具のガイドピンにドアをセットする状態を示した図、図12はフランジ付きボルトの締結の様子を示した図、図13は本発明の第2実施例に係るドア取付用位置決め治具の側断面図、図14は本発明の第2実施例に係るドア取付用位置決め治具の裏面図、図15は図14のD−D矢視断面図、図16はドア取付用位置決め治具を下部ドアヒンジにロックした状態を示した図、図17は図16のE矢視図、図18は本発明の第3実施例に係るドア取付用位置決め治具の正面図、図19は本発明の第3実施例に係るドア取付用位置決め治具の裏面図である。
【0026】
図1乃至12を用いて本発明の第1実施例に係るドア取付用位置決め治具について説明する。
【0027】
図1は車両生産ラインのドア取付工程1を示すものである。このドア取付工程1には、車体2が搬送装置(図示省略)により所定位置に搬送されており、ドア保持装置4に保持されたドア3を、この車体2の側方から近づけることで、作業者によりドア3の車体2への取り付けが行われる。この車体2には、前工程の車体組立工程において、予め上部ドアヒンジ5及び下部ドアヒンジ6が取り付けられており、ドア3はこのドアヒンジ5,6を介して車体2に開閉可能に取り付けられる。そして、このドア取付時におけるドア3とドアヒンジ5,6との位置決めは、後述するドア取付用位置決め治具12(図5乃至8参照)を用いて行われる。なお、ドア取付工程1では、先の塗装工程においてドアの仮止めに使用された仮止めボルトは、ドアヒンジ5,6から取り外されている。
【0028】
また、ドア3は助手席側のドアであって、上述したドア取付工程1、もしくは、その前後工程においては、運転席側のドア及び両リヤドアの取り付けも行われ、車体2のこれらのドアに対向した位置には上記のドアヒンジ5,6が取り付けられている。以下に示す本実施例では、助手席側のドア3の取り付け構造及び取付方法について説明するが、勿論、これらのドアにも同様の取り付け構造及び取付方法が適用される。
【0029】
先ず、図2乃至4を用いてドア3の車体2への取付構造について説明する。
【0030】
図2乃至4に示すように、下部ドアヒンジ6は、車体2を形成する車体パネル21に取り付けられる車体側ヒンジアーム41と、ドア3を形成するドアパネル31に取り付けられるドア側ヒンジアーム42とにより構成されている。
【0031】
車体側ヒンジアーム41(ヒンジ車体側部材)は車体側取付部43と車体側支持部44とを有している。車体側取付部43には車体側取付孔45が開口されており、車体側取付部43はこの車体側取付孔45に貫通されたボルト7により車体パネル21に取り付けられている。そして、ボルト7は車体パネル21より車体内側に配設されるナット8と螺合されている。また、車体側支持部44は車体側取付部43の両側部から車体外側に向けて延設したものであり、この互いの先端には同心の車体側支持孔46が開口されている。
【0032】
一方、ドア側ヒンジアーム42(ヒンジドア側部材)はドア側取付部47とドア側支持部48とを有している。ドア側取付部47には上下に複数のドアヒンジ側取付孔49が開口されており、ドア側取付部47はこのドアヒンジ側取付孔49に貫通されたフランジ付きボルト9によりドアパネル31に取り付けられている。なお、フランジ付きボルト9の替わりにボルトとワッシャーとの組み合わせにしてもよい。そして、このフランジ付きボルト9は、フランジ部9aがドア側取付部47に当接すると共に、ドアパネル31に開口されるドア側取付孔32を貫通し、ドア側ヒンジアーム42とドアパネル31とが対面する面とは反対側の面に配設されるナット10と螺合されている。また、ドア側支持部48はドア側取付部47の略中央部において凸状に形成されたものであり、この側壁には同心のドア側支持孔50が開口されている。
【0033】
そして、ドア側支持部48は車体側支持部44の内側に嵌め込まれるように設けられており、互いの支持孔46,50には支軸51が貫通されている。つまり、ヒンジアーム41,42は、この支軸51を介して回転可能に支持されており、これにより、ドア3は車体2に対して開閉可能に支持されることになる。また、ドア3の端部には、ドア3の閉扉時において車室内への雨水、ほこり、騒音等の侵入を防止するウェザーストリップ11がドア3の外縁に沿って設けられている。
【0034】
なお、上記の説明では、下部ドアヒンジ6の取付構造について説明したが、上部ドアヒンジ5の取付構造も同様であるため説明は省略する。
【0035】
次に、図5乃至8を用いてドア取付用位置決め治具12の構成について説明する。
【0036】
図5乃至8に示すように、ドア取付用位置決め治具12の基端側にはハンドル61が設けられており、このハンドル61の先端には連結部材62を介してストッパブラケット63が連結されている。そして、ストッパブラケット63の上面には退避側嵌合孔63a及び進出側嵌合孔63bが形成される一方、その下面にはストッパ(移動部材)64が固定されている。ストッパ64は、ストッパブラケット63に支持されるスライド部64aと、このスライド部64aの先端から下方に段状に形成された段部64bとを有している。
【0037】
一方、ドア取付用位置決め治具12の先端側には平面がコ字型をなすガイドプレート(ベース部材)65が設けられており、このガイドプレート65の上面には、ガイドプレート65の外形よりも小さいコ字型をなすブラケット66が固定されている。ブラケット66にはガイドプレート65の上面を底面とするガイド孔67が開口されており、このガイド孔67にはストッパブラケット63及びストッパ64がスライド可能に支持されている。つまり、ストッパ64のスライド部64aはガイド孔67内に配置される一方、その段部64bはガイドプレート65及びブラケット66の開口部内に配置されている。
【0038】
そして、ブラケット66の上面には、このガイド孔67に貫通すると共に下方に付勢支持されるプランジャー68が設けられている。つまり、このプランジャー68は、ストッパブラケット63のドア取付用位置決め治具12の長手方向のスライドに伴い、退避側嵌合孔63a及び進出側嵌合孔63bに嵌合するものである。ここで、上述したストッパブラケット63及びプランジャー68等は位置保持手段を構成するものである。
【0039】
なお、図6はプランジャー68が進出側嵌合孔63bと嵌合した状態、即ち、後述するストッパ64がスライドした進出状態(位置)を示すものである。また、図7,8はプランジャー68が退避側嵌合孔63aと嵌合した状態、即ち、後述するストッパ64が退避した退避状態(位置)を示すものであり、二点鎖線で示すストッパ64は進出状態を示すものである。
【0040】
更に、ガイドプレート65の先端下面にはガイドピン69とピン70とが設けられている。ガイドピン69の長さ及び径は、ピン70のそれよりも長く且つ小径に形成されている。
【0041】
次に、図9乃至12を用いてドア取付用位置決め治具12を用いたドア3の車体2への取付方法について説明する。
【0042】
先ず、図1に示すように、車体2を搬送装置により所定位置に搬送させた後、ドア3を保持したドア保持装置4を車体2側の所定位置に移動させる。このとき、車体2には前工程においてドアヒンジ5,6が予め取り付けられている。なお、ドア取付工程1では、先の塗装工程においてドアの仮止めに使用された仮止めボルトは、ドアヒンジ5,6から取り外されている。
【0043】
次いで、図9に示すように、ドア取付用位置決め治具12の表面側が車体側ヒンジアーム41側に対向すると共に、その裏面側がドア側ヒンジアーム42側に対向するように、ドア取付用位置決め治具12を下部ドアヒンジ6側に移動させる。そして、ガイドプレート65(ブラケット66)の開口部内に支持部44,48が配置すると共に、ストッパ64が支軸51と対向するように、ガイドピン69及びピン70をドア側ヒンジアーム42のドアヒンジ側取付孔49の孔位置と一致するようにセットする。
【0044】
次いで、図10(a)に示すように、ガイドピン69及びピン70をドア側ヒンジアーム42のドアヒンジ側取付孔49に嵌入させる。このとき、ガイドピン69は下部のドアヒンジ側取付孔49に嵌入される一方、ピン70は上部のドアヒンジ側取付孔49に嵌入される(図3参照)。そして、ハンドル61を治具12の先端側へ押し込むみ、プランジャー68を退避側嵌合孔63aから進出側嵌合孔63bに嵌合させる。これにより、図10(b)に示すように、ストッパ64が退避位置から進出位置に移動される。このように、ストッパ64が進出位置に移動されると、段部64bの上面が支軸51に当接することになり、ガイドピン69が下部のドアヒンジ側取付孔49から突出した状態で、ドア取付用位置決め治具12が下部ドアヒンジ6にロックされる。
【0045】
次いで、図11に示すように、突出したガイドピン69がドアパネル31のドア側取付孔32に嵌入するようにドア3を移動させる。なお、このドア移動時におけるガイドピン69とドア側取付孔32との位置調整はドア保持装置4により行われ、この位置調整方法は従来のものと変わらないので、説明は省略する。従って、ドア3と下部ドアヒンジ6とが位置決めされることになるので、上部ドアヒンジ5の2つのドアヒンジ側取付孔49と、この各ドアヒンジ側取付孔49用のドアパネル31の上方に形成される2つのドア側取付孔32とが対向される。
【0046】
次いで、図12に示すように、上部ドアヒンジ5の上部のドアヒンジ側取付孔49にフランジ付きボルト9を貫通させ、ドア3と上部ドアヒンジ5とを固定する。その後、ハンドル61を治具12の基端側へ引き出すことによりストッパ64のロックを解除させ、ドア取付用位置決め治具12を下部ドアヒンジ6から取り外す。そして、下部ドアヒンジ6の下部のドアヒンジ側取付孔49にフランジ付きボルト9を締結させた後、上部ドアヒンジ5の下部のドアヒンジ側取付孔49及び下部ドアヒンジ6の上部のドアヒンジ側取付孔49にフランジ付きボルト9を締結させる。これにより、ドア3の車体2への取付作業が完了し、ドア保持装置4は車体2から離間される。また、上述した取付作業は、運転席側のドア及び両リヤドアにおいても同時あるいは順に行われる。
【0047】
なお、ガイドピン69は、ドア側取付孔32,ドアヒンジ側取付孔49及びナット10を十分に貫通する長さに形成される一方、ピン70はガイドピン69よりも短く、ドアヒンジ側取付孔49に嵌入する程度の長さで、ナット10内に侵入しないような長さに形成されている。従って、ガイドピン69はナット10の内径よりも小径に形成される一方、ピン70はドアヒンジ側取付孔49の内径よりも小径に形成されている。
【0048】
従って、本発明に係るドア取付用位置決め治具によれば、ガイドピン69をナット10、ドア側取付孔32及びドアヒンジ側取付孔49に貫通させると共に、ピン70をドアヒンジ側取付孔49に嵌入させた後、ストッパ64を支軸51に当接させ、ガイドピン69及びピン70をそれぞれ貫通状態及び嵌入状態に保持させることにより、ガイドピン69を目標にして、それぞれの取付孔32,49同士をセンタリングすることができるので、ドア3とドアヒンジ5,6との位置調整及び位置決めを容易に行うことができる。
【0049】
また、締結時において、車体2、ドア3、ドア保持装置4、ドアヒンジ5,6、フランジ付きボルト9の全てに変形が生じることがないので、精度良くドアの取り付けを行うことができる。そして、1本目のフランジ付きボルト9の締結後においては、ドア側取付孔32とドアヒンジ側取付孔49との孔位置のずれがないので、2本目以降の締結時には、孔位置合わせをする必要がなくなり、作業性の向上を図ることができる。
【0050】
更に、ガイドピン69をナット10、ドア側取付孔32及びドアヒンジ側取付孔49に貫通させているので、締結時における衝撃が発生しても、ドア取付用位置決め治具12が外れることなく位置決めを行うことができる。一方、ピン70をドアヒンジ側取付孔49だけに嵌入させているので、ドア取付用位置決め治具12の着脱が容易に行うことができる。
【0051】
なお、上述したセンタリングに使用する孔を、ヒンジドア側部材に設けられた孔とドアに設けられたドア側取付孔とにしているが、これに限られることはなく、取付孔とは別に、位置決め用の孔(ロケーション孔)をヒンジドア側部材及びドアに設け、この孔をセンタリング用の孔に使用しても構わない。
【0052】
図13乃至17を用いて本発明の第2実施例に係るドア取付用位置決め治具について説明する。なお、第1実施例において説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して説明を省略する。
【0053】
先ず、図13乃至15を用いてドア取付用位置決め治具13の構成について説明する。
【0054】
図13乃至15に示すように、ドア取付用位置決め治具13の基端側にはハンドル81が設けられており、このハンドル81の先端には連結部材82を介してストッパブラケット83が連結されている。そして、ストッパブラケット83の上面には退避側嵌合孔83a及び進出側嵌合孔83bが形成される一方、その下面にはストッパ(移動部材)84が固定されている。ストッパ84は、ストッパブラケット83に支持されるスライド部84aと、このスライド部84aの先端から下方に段状に形成された段部84bとを有している。
【0055】
一方、ドア取付用位置決め治具13の先端側には平面がコ字型をなすガイドプレート(ベース部材)85が設けられている。このガイドプレート85は、スライド部84aがその上面をスライドするスライド支持部86と、このスライド支持部86の各端部から延設する係合部(係合手段)87及びピン支持部88とを有している。係合部87には、フランジ付きボルト9及びフランジ付きボルト締付装置の先端101が貫通できる程の径を有するボルト貫通孔87aと、その先端において表面から裏面方向に延設する爪部87bとが形成されている。一方、ピン支持部88の裏面にはガイドピン92が設けられている。
【0056】
また、ガイドプレート85の上面にはブラケット89が固定されている。このブラケット89にはスライド支持部86の上面を底面とするガイド孔90が開口されており、このガイド孔90にはストッパブラケット83及びストッパ84がスライド可能に支持されている。つまり、ストッパ84のスライド部84aはガイド孔90内に配置される一方、その段部84bはガイドプレート85の開口部内に配置されている。
【0057】
そして、ブラケット89の上面には、このガイド孔90に貫通すると共に下方に付勢支持されるプランジャー91が設けられている。つまり、このプランジャー91は、ストッパブラケット83のドア取付用位置決め治具13の長手方向のスライドに伴い、退避側嵌合孔83a及び進出側嵌合孔83bに嵌合するものである。ここで、上述したストッパブラケット83及びプランジャー91等は位置保持手段を構成するものである。
【0058】
なお、図13,14はプランジャー91が退避側嵌合孔83aと嵌合した状態、即ち、後述するストッパ84が退避した退避状態(位置)を示すものであり、二点鎖線で示すストッパ84は進出状態(位置)を示すものである。
【0059】
次に、図16及び17を用いてドア取付用位置決め治具13を用いたドア3の車体2への取付方法について説明する。
【0060】
先ず、ドア取付用位置決め治具13の表面側が車体側ヒンジアーム41側に対向すると共に、その裏面側がドア側ヒンジアーム42側に対向するように、ドア取付用位置決め治具13を下部ドアヒンジ6側に移動させる。そして、ガイドプレート85の開口部内に支持部44,48が配置すると共に、ストッパ84が支軸51と対向するように、ガイドピン92及びボルト貫通孔87aをドア側ヒンジアーム42のドアヒンジ側取付孔49の孔位置と一致するようにセットする。
【0061】
次いで、図16、17に示すように、ガイドピン92をドア側ヒンジアーム42のドアヒンジ側取付孔49に嵌入させる。このとき、ガイドピン92は下部のドアヒンジ側取付孔49に嵌入される一方、ボルト貫通孔87aは上部のドアヒンジ側取付孔49と面すると共に爪部87bはドア側取付部47の外縁に係合される。そして、ハンドル81を治具13の先端側へ押し込むみ、プランジャー91を退避側嵌合孔83aから進出側嵌合孔83bに嵌合させる。これにより、ストッパ84が退避位置から進出位置に移動される。このように、ストッパ84が進出位置に移動されると、段部84bの上面が支軸51に当接することになり、ガイドピン92が下部のドアヒンジ側取付孔49から突出した状態で、ドア取付用位置決め治具13が下部ドアヒンジ6にロックされる。
【0062】
次いで、突出したガイドピン92がドアパネル31のドア側取付孔32に嵌入するようにドア保持装置4によりドア3を移動させる。従って、ドア3と下部ドアヒンジ6とが位置決めされることになるので、上部ドアヒンジ5の2つのドアヒンジ側取付孔49と、この各ドアヒンジ側取付孔49用のドアパネル31の上方に形成される2つのドア側取付孔32とが対向される。
【0063】
そして、ボルト貫通孔87aを介して下部ドアヒンジ6の上部のドアヒンジ側取付孔49にフランジ付きボルト9を貫通させ、ドア3と下部ドアヒンジ6とを固定する。次いで、上部ドアヒンジ5の上部のドアヒンジ側取付孔49にフランジ付きボルト9を締結させた後、上部ドアヒンジ5の下部のドアヒンジ側取付孔49にフランジ付きボルト9を締結させる。その後、ハンドル81を治具13の基端側へ引き出すことによりストッパ84のロックを解除させ、ドア取付用位置決め治具13を下部ドアヒンジ6から取り外す。次いで、下部ドアヒンジ6の下部のドアヒンジ側取付孔49にフランジ付きボルト9を締結させる。これにより、ドア3の車体2への取付作業が完了し、ドア保持装置4は車体2から離間される。また、上述した取付作業は、運転席側のドア及び両リヤドアにおいても同時あるいは順に行われる。
【0064】
なお、ガイドピン92は、ドア側取付孔32,ドアヒンジ側取付孔49及びナット10を十分に貫通する長さに形成されている。また、係合部87は、ボルト貫通孔87aがフランジ付きボルト9及びフランジ付きボルト締結装置の先端101を貫通させる程度に開口されている分、ピン支持部88よりも幅広に形成されると共に、爪部87bがドア側取付部47の外縁に係合する分、ピン支持部88よりも長く形成されている。
【0065】
従って、本発明に係るドア取付用位置決め治具によれば、ガイドピン92をナット10、ドア側取付孔32及びドアヒンジ側取付孔49に貫通させると共に、ボルト貫通孔87aをドアヒンジ側取付孔49に対面させる一方、爪部87bをドア側取付部47の外縁に係合させた後、ストッパ84を支軸51に当接させ、ガイドピン92を貫通状態、ボルト貫通孔87aを対面状態、及び爪部87bをロック状態に保持させることにより、ガイドピン92を目標にして、それぞれの取付孔32,49同士をセンタリングすることができるので、ドア3とドアヒンジ5,6との位置調整及び位置決めを容易に行うことができる。
【0066】
また、締結時において、車体2、ドア3、ドア保持装置4、ドアヒンジ5,6、フランジ付きボルト9の全てに変形が生じることがないので、精度良くドアの取り付けを行うことができる。そして、1本目のフランジ付きボルト9の締結後においては、ドア側取付孔32とドアヒンジ側取付孔49との孔位置のずれがないので、2本目以降の締結時には、孔位置合わせをする必要がなくなり、作業性の向上を図ることができる。
【0067】
また、ガイドピン92をナット10、ドア側取付孔32及びドアヒンジ側取付孔49に貫通させているので、締結時における衝撃が発生しても、ドア取付用位置決め治具13が外れることなく位置決めを行うことができる。一方、爪部87bをドア側取付部47の外縁に係合させているので、ドア取付用位置決め治具13の着脱が容易に行うことができる。しかも、位置決めを行うガイドピン92及び爪部87bの近傍に形成されるボルト貫通孔87aを介して締結させることができるので、精度良く取り付けを行うことができる。
【0068】
更に、ボルト貫通孔87aをフランジ付きボルト9及びフランジ付きボルト締付装置の先端101が貫通する程度に開口させることにより、ドア取付用位置決め治具13をセットしたままで、ドア取付用位置決め治具13がセットされるドアヒンジ5,6とドア3との締結を行うことができるので、より精度良く取り付けを行うことができる。
【0069】
なお、上述した第1,2実施例においては、位置決め後(ロック後)のフランジ付きボルト9の締結順序は適宜変更してもよい。つまり、ドア取付用位置決め治具12,13がロックされた状態において、フランジ付きボルト9が締結可能なドアヒンジ側取付孔49から締結し始めて、その後、ドア取付用位置決め治具12,13を取り外した後に、残りのドアヒンジ側取付孔49の締結を行えばよく、締結順序が変更されても、本願発明の効果を得ることができる。また、第2実施例においては、ドアヒンジ5,6に対して、同時に2本のドア取付用位置決め治具13を使用して取付作業を行うことも可能である。
【0070】
図18及び19を用いて本発明の第3実施例に係るドア取付用位置決め治具について説明する。なお、第1実施例において説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して説明を省略する。
【0071】
図18及び19に示すドア取付用位置決め治具14は、上述した第1実施例におけるピン70の替わりにガイドピン69を設けたものである。このような構成のドア取付用位置決め治具14においても、双方のガイドピン69をナット10、ドア側取付孔32及びドアヒンジ側取付孔49に貫通させた後、ストッパ64を支軸51に当接させ、ガイドピン69を貫通状態に保持させることにより、双方のガイドピン69を目標にして、それぞれの取付孔32,49同士をセンタリングすることができるので、ドア3とドアヒンジ5,6との位置調整及び位置決めをより精度よく容易に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
ヒンジを介して開閉可能に支持されるドアの取付時に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】車両の生産ラインにおけるドア取付工程を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A矢視断面図であってドアの取付構造を示す概略図である。
【図3】図2のB−B矢視断面図である。
【図4】図2のC−C矢視図である。
【図5】本発明の第1実施例に係るドア取付用位置決め治具の正面図である。
【図6】本発明の第1実施例に係るドア取付用位置決め治具の平面図である。
【図7】本発明の第1実施例に係るドア取付用位置決め治具の側断面図である。
【図8】本発明の第1実施例に係るドア取付用位置決め治具の裏面図である。
【図9】ドア取付用位置決め治具のガイドピン及びピンをドア側ヒンジアームのドア側取付孔の孔位置にセットする状態を示した図である。
【図10】(a)はドア取付用位置決め治具を下部ドアヒンジにロックした状態を示した図、同図(b)はストッパがスライドした様子を示した図である。
【図11】ドア取付用位置決め治具のガイドピンにドアをセットする状態を示した図である。
【図12】フランジ付きボルトの締結の様子を示した図である。
【図13】本発明の第2実施例に係るドア取付用位置決め治具の側断面図である。
【図14】本発明の第2実施例に係るドア取付用位置決め治具の裏面図である。
【図15】図14のD−D矢視断面図である。
【図16】ドア取付用位置決め治具を下部ドアヒンジにロックした状態を示したである。
【図17】図16のE矢視図である。
【図18】本発明の第3実施例に係るドア取付用位置決め治具の正面図である。
【図19】本発明の第3実施例に係るドア取付用位置決め治具の裏面図である。
【符号の説明】
【0074】
2 車体
3 ドア
5 上部ドアヒンジ
6 下部ドアヒンジ
9 フランジ付きボルト
12,13,14 ドア取付用位置決め治具
32 ドア側取付孔
41 車体側ヒンジアーム
42 ドア側ヒンジアーム
49 ドアヒンジ側取付孔
51 支軸
63,83 ストッパブラケット
64,84 ストッパ
65,85 ガイドプレート
68,91 プランジャー
69,92 ガイドピン
70 ピン
87 係合部
87a ボルト貫通孔
87b 爪部
88 ピン支持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒンジ車体側部材とヒンジドア側部材とが支軸を介して回動可能に連結されたドアヒンジを設け、
前記ヒンジ車体側部材を予め車体に固定し、前記ヒンジドア側部材にドアを取り付ける際に、前記ヒンジドア側部材に形成されるヒンジ側孔と前記ドアに形成されるドア側孔とをセンタリングするドア取付用位置決め治具であって、
ベース部材と、
前記ベース部材に設けられると共に前記ヒンジ側孔に貫通するガイドピンと、
前記ベース部材と前記支軸との間に向けて進退移動可能に設けられる移動部材とを備え、
前記ガイドピンを前記ヒンジ側孔に貫通させた状態で、前記移動部材を前記ベース部材と前記支軸との間に進出させ、前記ガイドピンを貫通状態に保持する
ことを特徴とするドア取付用位置決め治具。
【請求項2】
請求項1に記載のドア取付用位置決め治具において、
前記ベース部材に前記ガイドピンよりも短く形成されると共に前記ヒンジ側孔に嵌入するピンを備え、
前記ヒンジドア側部材に複数の前記ヒンジ側孔を形成し、
前記ガイドピンをいずれかの前記ヒンジ側孔に貫通させると共に、前記ピンをそれ以外の前記ヒンジ側孔に嵌入させた状態で、前記移動部材を前記ベース部材と前記支軸との間に進出させ、前記ガイドピンを貫通状態に保持すると共に、前記ピンを嵌入状態に保持する
ことを特徴とするドア取付用位置決め治具。
【請求項3】
請求項1または2に記載のドア取付用位置決め治具において、
前記ベース部材に開口される貫通孔を備え、
前記ヒンジ側孔と前記ドア側孔とは、前記ドアヒンジのヒンジ側取付孔と前記ドアのドア側取付孔とであって、
前記ヒンジドア側部材に複数の前記ヒンジ側取付孔を形成し、
前記ガイドピンをいずれかの前記ヒンジ側取付孔に貫通させると共に、前記貫通孔をそれ以外の前記ヒンジ側取付孔に対面させた状態で、前記移動部材を前記ベース部材と前記支軸との間に進出させ、前記ガイドピンを貫通状態に保持すると共に、前記貫通孔を対面状態に保持する
ことを特徴とするドア取付用位置決め治具。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のドア取付用位置決め治具において、
前記ベース部材は前記ヒンジドア側部材に係合する係合手段を備える
ことを特徴とするドア取付用位置決め治具。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のドア取付用位置決め治具において、
前記移動部材を進出位置及び後退位置において保持する位置保持手段を備える
ことを特徴とするドア取付用位置決め治具。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれかに記載のドア取付用位置決め治具において、
前記移動部材は、前記ガイドピンと前記ピンとの略中間部分の前記ベース部材、または、前記ガイドピンと前記貫通孔との略中間部分の前記ベース部材に設けられる
ことを特徴とするドア取付用位置決め治具。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載のドア取付用位置決め治具において、
前記移動部材は前記支軸の軸線方向に対して略垂直方向にスライドする
ことを特徴とするドア取付用位置決め治具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2007−186146(P2007−186146A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−7109(P2006−7109)
【出願日】平成18年1月16日(2006.1.16)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】