ドリル研磨装置及びその部品並びにドリル
【課題】従来よりも多数の切削加工を連続して行えるようにドリルの加工を行うためのドリル研磨装置を提供する。
【解決手段】本発明のドリル研磨装置は、すくい面を含むドリル切刃とこのドリル切刃と連なるチゼル切刃とが形成されたドリルを、回転する砥石1の研磨面に当接させることにより研磨加工する。研磨面は、前記ドリル切刃を研磨するためのドリル切刃研磨面11と、ドリル切刃研磨面11に連通して形成された逃げ面12とを有する。ドリル切刃研磨面11と逃げ面12とのなす傾斜角が20度〜26度の範囲内であり、逃げ面の長さが1.1[mm]以上である。回転するドリル切刃研磨面11にドリル切刃が当接され、逃げ面12にドリルのすくい面及びチゼル切刃が当接されることで、ドリル切刃とチゼル切刃とのなす角度を154度〜160度の範囲内に形成する。
【解決手段】本発明のドリル研磨装置は、すくい面を含むドリル切刃とこのドリル切刃と連なるチゼル切刃とが形成されたドリルを、回転する砥石1の研磨面に当接させることにより研磨加工する。研磨面は、前記ドリル切刃を研磨するためのドリル切刃研磨面11と、ドリル切刃研磨面11に連通して形成された逃げ面12とを有する。ドリル切刃研磨面11と逃げ面12とのなす傾斜角が20度〜26度の範囲内であり、逃げ面の長さが1.1[mm]以上である。回転するドリル切刃研磨面11にドリル切刃が当接され、逃げ面12にドリルのすくい面及びチゼル切刃が当接されることで、ドリル切刃とチゼル切刃とのなす角度を154度〜160度の範囲内に形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば板金を重ねてスポット溶接された構造物に穴明けのような切削加工を行うためのドリルの先端加工装置に関し、特に自動車等に用いられる高硬度の鋼板への切削加工に用いるドリルの先端の研磨加工に適した装置及びその部品並びにドリルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車のボディ等を分解する際には、金属板同士を重ね合わせてスポット溶接された部分(以下、「スポット溶接部」という)を切削加工により剥離して、金属板を分離することが行われている。切削加工には、ドリルを用いることが一般的である。ドリルの刃先は、使用し続けることで磨耗して、ついには切削加工ができない状態になる。そのために、磨耗したドリルの先端を再研磨する必要がある。特許文献1には、ドリルの先端を研磨加工するための従来のドリル研磨装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO99/28082号公報
【0004】
特許文献1のドリル研磨装置は、車両のボディ等に使用されるスポット溶接部の剥離に使用可能な、ローソク型ドリルを研磨加工するための装置である。このドリル研磨装置は、ドリル研削台にドリルを固定して、砥石のドリル切刃研磨面となる平行面によりドリルの切刃を研磨加工することができる。また、ドリルシンニング台にドリルを固定して、砥石の傾斜面及び第2平行面によりシンニング加工を行うことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ドリル研磨装置を用いて、従来よりも作業効率が上がるようなドリルに加工できることが望ましい。特に、近年の自動車のボディ等を構成する金属板は、薄板化を図るために張力が高い高張力鋼板が使用されている。高張力鋼板に対して、従来のドリルは、切刃の磨耗が激しく、連続して多数のスポット溶接部に切削加工を行うことが困難である。
【0006】
本願発明者らは、ドリル先端のチゼルの形状を工夫することで、高張力鋼板のように高硬度のスポット溶接部の切削を効率よく行えることを発見した。具体的には、チゼル切刃の切刃に対する角度及びチゼルの基端の幅を所定の範囲で形成することで、切削の効率が向上する。特許文献1のドリル研磨装置では、平行面(ドリル切刃研磨面)に対する逃げ面の傾斜角度が35度であり、チゼル切刃の切刃に対する角度を上記の所定の範囲内に形成することが困難である。
【0007】
本発明では、このような問題に鑑み、従来よりも多数の切削加工を連続して行えるようにドリルの加工を行うためのドリル研磨装置及びその部品並びにドリルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決する本発明のドリル研磨装置は、すくい面を含むドリル切刃とこのドリル切刃と連なるチゼル切刃とが形成されたドリルを、回転する砥石の研磨面に当接させることにより研磨加工するドリル研磨装置である。前記研磨面が、前記ドリル切刃を研磨するためのドリル切刃研磨面と、前記ドリル切刃研磨面に連通して形成された逃げ面とを有する。前記ドリル切刃研磨面と前記逃げ面とのなす傾斜角が20度〜26度の範囲内であり、前記逃げ面の長さが1.1[mm]以上である。回転する前記ドリル切刃研磨面に前記ドリル切刃が当接され、前記逃げ面に前記ドリルのすくい面及びチゼル切刃が当接されることで、前記ドリル切刃とチゼル切刃とのなす角度を154度〜160度の範囲内に形成する。
前記ドリル切刃研磨面と前記逃げ面とのなす傾斜角は、例えば略22度である。
【0009】
ドリル切刃とチゼル切刃とのなす角度が154度〜160度の範囲内であれば、従来のドリルよりも切削加工を効率よく行うことを、発明者は実験により確認している。これは、切削加工の際にチゼル切刃から切刃にかけての角度変化により、従来よりも切刃への切削抵抗の増加、集中が無くなり、切刃の磨耗を抑制することができるためである。
【0010】
本発明の砥石は、すくい面を含むドリル切刃とこのドリル切刃と連なるチゼル切刃とが形成されたドリルを研磨加工するドリル研磨装置に離脱自在に嵌着され、使用時には回転して研磨面を提供する円盤状の砥石である。砥石は、その中心部に前記ドリル研磨装置に嵌着するための開口部が形成されており、その外周端部には、前記ドリル切刃を研磨するためのドリル切刃研磨面と、前記ドリル切刃研磨面に連通して前記開口部側に傾斜して形成される逃げ面とが形成される。前記ドリル切刃研磨面と前記逃げ面とのなす傾斜角が20度〜26度の範囲内であり、前記逃げ面の長さが1.1[mm]以上である。回転する前記ドリル切刃研磨面に前記ドリル切刃が当接され、前記逃げ面に前記ドリルのすくい面及びチゼル切刃が当接されることで、前記ドリル切刃とチゼル切刃とのなす角度を154度〜160度の範囲内に形成する。
【0011】
本発明のドリルは、すくい面が形成されて軸線周りに回転される略円柱状のドリル本体を有し、このドリル本体の先端の逃げ面から突出してチゼルが設けられており、前記すくい面及び前記逃げ面により形成されるドリル切刃と、このドリル切刃に連なるチゼル切刃とのなす角度が154度〜160度である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、砥石のドリル切刃研磨面と逃げ面とのなす傾斜角を20度〜26度の範囲内で形成することで、ドリルの切刃と前記チゼル切刃とのなす角を、154度〜160度の範囲内に形成することができる。この角度は、本願発明者の切削実験により、効率よくスポット溶接部を切削することができる形状である。本発明のドリル研磨装置は、このようなドリルの加工を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】砥石の断面図である。
【図2】図1の円内拡大図である。
【図3】ドリル研磨加工時のドリルと砥石との位置を説明する図である。
【図4】サンプル1,2及び既存品1のチゼル根元角θ及びチゼル根元幅Wの一覧図である。
【図5】ボール盤を用いた切削実験の結果を表す図である。
【図6】ボール盤を用いた切削実験の、1回当たりの切削加工に要した時間と切削点数をサンプル毎に表すグラフである。
【図7】ハンドドリルを用いた切削実験の結果を表す図である。
【図8】ハンドドリルを用いた切削実験の、1回当たりの切削加工に要した時間と切削点数をサンプル毎に表すグラフである。
【図9】サンプル3〜10及び既存品2のチゼル根元角θ及びチゼル根元幅Wの一覧図である。
【図10】チゼル根元角θと切削点数との関係を表すグラフである。
【図11】チゼル根元長Wと切削点数との関係を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。
本実施形態のドリル研磨装置には、特許文献1のドリル研磨装置を用いることができるが、砥石の形状、特に外周の研磨面の形状が異なる。
【0015】
図1は、本実施形態の砥石1の断面図であり、図2は、図1の円内拡大図である。
砥石1は、円盤状であり、その中心にドリル研磨装置に嵌着するための開口部10が設けられる。砥石1は、ドリル研磨装置に嵌着されて回転する。
砥石1の外周には研磨面が形成される。研磨面は、ドリル切刃を研磨するためのドリル切刃研磨面11と、このドリル切刃研磨面11に連通して形成された逃げ面12と、ドリル切刃研磨面11に連通して逃げ面12とは逆方向に傾斜して形成されたシンニング加工用の傾斜面13と、傾斜面13に連通してドリル切刃研磨面11から突起して形成された突起部14とを備えている。
【0016】
ドリル切刃研磨面11と逃げ面12とのなす傾斜角度θ1が20度〜26度の範囲内で形成されており、ドリル切刃研磨面11と傾斜面13とのなす傾斜角度θ2が例えば60度に設定されている。逃げ面12の長さdは、1.1[mm]以上に形成される。また、突起部14の後端部、即ち砥石1の最後部にはアールが施されている。
砥石1としてはCBN#170電着砥石が好適に使用されるが、特にこれに限定されるものではない。
【0017】
砥石1は、開口部10によりドリル研磨装置に嵌着される。開口部10には、例えばモータの回転軸が装着されて、これが回転することにより、砥石1が回転して、ドリルの研磨加工が可能になる。図3は、ドリル2のドリル切刃23を研磨加工するときの、ドリル2と砥石1との位置を説明する図である。
【0018】
ドリル2は、これに限らないが好適には高速度工具鋼で構成されている。ドリル2は、外形が略円柱状をなして軸線を中心に回転されるドリル本体20と、ドリル本体20の後端に設けられ、工作機械の主軸端等に把持される図外のシャンク部とを備えている。
ドリル本体20の外周には、ドリル本体20の先端側から後端側にかけて軸線の周りに螺旋状に形成された2本のすくい面21が形成される。
ドリル本体20の先端側は、逃げ面22が設けられており、すくい面21と逃げ面22とによりドリル切刃23が形成されている。また、ドリル本体20の先端側には、軸線から見て略中央に逃げ面22から突出するように断面が山形のチゼル24が設けられている。
【0019】
チゼル24とすくい面21とにより、ドリル切刃23に連なって切刃(以下、「チゼル切刃」という。)25が形成される。チゼル切刃25は、ドリル切刃23に対して所定の角度(以下、「チゼル根元角θ」という。)で設けられている。また、山形のチゼル24の基端の幅(ドリル切刃23とチゼル切刃25との接続部間)を本明細書ではチゼル根元長といい「W」で表す。
【0020】
研磨加工時にドリル2は、シャンク部がドリルホルダに嵌挿されて、ドリル研削台に固定される。ドリル研削台に固定された状態で、ドリル2のドリル切刃23が、砥石1のドリル切刃研磨面1に当接する。また、ドリル2のチゼル切刃25が、逃げ面12に当接する。このようにドリル2と砥石1とを当接させて研磨加工が行われる。
本実施形態の砥石1の傾斜角θ1が20度〜26度であるために、研磨加工により、ドリル2のチゼル根元角θが154度〜160度になる。また、砥石1の逃げ面12の長さdが1.1[mm]以上であるために、チゼル根元長Wが2.2[mm]以上のドリルの研磨加工が可能である。好適には、逃げ面12の長さdが1.1[mm]〜2.5[mm]であり、チゼル根元長Wが2.2[mm]〜5.0[mm]に研磨加工である。
【0021】
チゼル24の切削抵抗が集中する部分は、シンニング加工が施されて、切削抵抗を少なくするように形成される。シンニング加工時には、ドリル2のシャンク部がドリルホルダに嵌挿されて、ドリルシンニング台に固定される。シンニング加工は、S形、N形、X形等で所定のシンニング量で行われる。シンニング加工は、ドリル2のチゼル24の切削抵抗が集中する部分が、傾斜面13及び突起部14に当接して行われる。
【0022】
このようにチゼル根元角θが154度〜160度に形成されたドリルにより、ボール盤及びハンドドリルを用いて、厚さ1.4[mm]の980[MPa]鋼板のスポット溶接部を、1箇所当たり15秒以下で続けて切削加工できる数(以下、「切削点数」という。)を測定した。
【0023】
図4は、切削実験に用いたドリルのチゼル根元角θ及びチゼル根元幅Wの一覧図である。実験に用いるドリルには、サンプル1、サンプル2、既存品1の3種類を用いる。サンプル1は、本実施形態のドリル研磨装置により加工したドリルであり、チゼル根元角が158度、チゼル根元長が3.6[mm]である。サンプル2は、本実施形態のドリル研磨装置により加工したドリルであり、チゼル根元角が158度、チゼル根元長が4.6[mm]である。既存品1は、既存のドリル研磨装置により加工したドリルであり、チゼル根元角が143度、チゼル根元長が2.8[mm]である。
【0024】
図5は、ボール盤を用いた切削実験の結果を表す図である。図6は、ボール盤を用いた切削実験の、1回当たりの切削加工に要した時間と切削点数をサンプル毎に表すグラフである。切削時間に15秒以上要した場合には、切削加工を終了する。
サンプル1のドリルでは切削点数が60点、サンプル2のドリルでは切削点数が68点、既存品1のドリルでは切削点数が20点となった。
【0025】
図7は、ハンドドリルを用いた切削実験の結果を表す図である。図8は、ハンドドリルを用いた切削実験の、1回当たりの切削加工に要した時間と切削点数をサンプル毎に表すグラフである。ボール盤使用時と同様に、切削時間に15秒以上要した場合には、切削加工を終了する。
サンプル1のドリルでは切削点数が46点、サンプル2のドリルでは切削点数が60点、既存品のドリルでは切削点数が7点となった。
【0026】
これらの結果から、チゼル根元角θ及びチゼル根元長Wともに、大きい方が切削点数が多く、切削加工に適していることがわかる。また、サンプル1、2ともに、急激に性能が劣化しており、切削加工にかかる時間が急に大きくなったり、或いは切削できなくなる。
【0027】
図9は、チゼル根元角θ及びチゼル根元長Wの適正値の範囲を求めるための切削実験に用いたドリルのチゼル根元角θ及びチゼル根元幅Wの一覧図である。実験に用いるドリルには、サンプル3〜サンプル10、及び既存品2の9種類を用いる。サンプル3〜サンプル5及びサンプル8〜サンプル10は、チゼル根元角が154度〜160度、チゼル根元長が2.2[mm]〜5.0[mm]の範囲内にある。サンプル6、サンプル7は、それぞれ、チゼル根元角が146度、142度、チゼル根元長が2.1[mm]、2.7[mm]である。既存品2は、チゼル根元角が146度、チゼル根元長が2.8[mm]である。実験の条件は、図7、図8の実験と同じであり、サンプルのみが異なる。
【0028】
実験の結果、サンプル3のドリルでは切削点数が21点、サンプル4のドリルでは切削点数が25点、サンプル5のドリルでは切削点数が38点、サンプル6のドリルでは切削点数が0点、サンプル7のドリルでは切削点数が12点、サンプル8のドリルでは切削点数が19点、サンプル9のドリルでは切削点数が27点、サンプル10のドリルでは切削点数が44点、既存品2のドリルでは切削点数が3点となった。
【0029】
図10、チゼル根元角θと切削点数との関係を表すグラフである。図11は、チゼル根元長Wと切削点数との関係を表すグラフである。
これらのグラフから明らかなように、チゼル根元角θが154度〜160度の間で、またチゼル根元長Wは2.2[mm]〜5[mm]の間で、既存品に比べて大幅に切削点数が多くなっている。チゼル根元角θは、154度以上で、大きくなるにつれて切削点数が大きくなる傾向にある。
【0030】
このようにチゼル根元角θが154度〜160度の範囲内で形成され、チゼル根元長Wが2.2[mm]〜5[mm]の範囲内で形成されたドリルは、高張力鋼板であってもドリル切刃23の磨耗を抑制して、連続して従来よりも多数のスポット溶接部に短時間で切削加工を行うことが可能となる。そのために、切削加工を従来よりもはるかに効率よく行うことができ、作業者の労力を抑えることができる。
そのために、砥石1の傾斜角θ1が20度〜26度であり、逃げ面12の長さdが1.1[mm]以上でれば、このようなドリルに容易に加工できる。
【0031】
なお、切削実験に用いた各サンプルのチゼル根元角θ及びチゼル根元長Wは、加工精度の限界から正確に上記の値ではなく、バラツキを持っている。そのために、例えば図4でチゼル根元角θが158度であっても、実際には正確に158度ではない。また、同様の理由で、砥石1の傾斜角θ1も正確に22度ではなく略22度である。
【符号の説明】
【0032】
1…砥石、10…開口部、11…ドリル切刃研磨面、12…逃げ面、13…傾斜面、14…突起部、2…ドリル、20…ドリル本体、21…すくい面、22…逃げ面、23…ドリル切刃、24…チゼル、25…チゼル切刃
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば板金を重ねてスポット溶接された構造物に穴明けのような切削加工を行うためのドリルの先端加工装置に関し、特に自動車等に用いられる高硬度の鋼板への切削加工に用いるドリルの先端の研磨加工に適した装置及びその部品並びにドリルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車のボディ等を分解する際には、金属板同士を重ね合わせてスポット溶接された部分(以下、「スポット溶接部」という)を切削加工により剥離して、金属板を分離することが行われている。切削加工には、ドリルを用いることが一般的である。ドリルの刃先は、使用し続けることで磨耗して、ついには切削加工ができない状態になる。そのために、磨耗したドリルの先端を再研磨する必要がある。特許文献1には、ドリルの先端を研磨加工するための従来のドリル研磨装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO99/28082号公報
【0004】
特許文献1のドリル研磨装置は、車両のボディ等に使用されるスポット溶接部の剥離に使用可能な、ローソク型ドリルを研磨加工するための装置である。このドリル研磨装置は、ドリル研削台にドリルを固定して、砥石のドリル切刃研磨面となる平行面によりドリルの切刃を研磨加工することができる。また、ドリルシンニング台にドリルを固定して、砥石の傾斜面及び第2平行面によりシンニング加工を行うことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ドリル研磨装置を用いて、従来よりも作業効率が上がるようなドリルに加工できることが望ましい。特に、近年の自動車のボディ等を構成する金属板は、薄板化を図るために張力が高い高張力鋼板が使用されている。高張力鋼板に対して、従来のドリルは、切刃の磨耗が激しく、連続して多数のスポット溶接部に切削加工を行うことが困難である。
【0006】
本願発明者らは、ドリル先端のチゼルの形状を工夫することで、高張力鋼板のように高硬度のスポット溶接部の切削を効率よく行えることを発見した。具体的には、チゼル切刃の切刃に対する角度及びチゼルの基端の幅を所定の範囲で形成することで、切削の効率が向上する。特許文献1のドリル研磨装置では、平行面(ドリル切刃研磨面)に対する逃げ面の傾斜角度が35度であり、チゼル切刃の切刃に対する角度を上記の所定の範囲内に形成することが困難である。
【0007】
本発明では、このような問題に鑑み、従来よりも多数の切削加工を連続して行えるようにドリルの加工を行うためのドリル研磨装置及びその部品並びにドリルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決する本発明のドリル研磨装置は、すくい面を含むドリル切刃とこのドリル切刃と連なるチゼル切刃とが形成されたドリルを、回転する砥石の研磨面に当接させることにより研磨加工するドリル研磨装置である。前記研磨面が、前記ドリル切刃を研磨するためのドリル切刃研磨面と、前記ドリル切刃研磨面に連通して形成された逃げ面とを有する。前記ドリル切刃研磨面と前記逃げ面とのなす傾斜角が20度〜26度の範囲内であり、前記逃げ面の長さが1.1[mm]以上である。回転する前記ドリル切刃研磨面に前記ドリル切刃が当接され、前記逃げ面に前記ドリルのすくい面及びチゼル切刃が当接されることで、前記ドリル切刃とチゼル切刃とのなす角度を154度〜160度の範囲内に形成する。
前記ドリル切刃研磨面と前記逃げ面とのなす傾斜角は、例えば略22度である。
【0009】
ドリル切刃とチゼル切刃とのなす角度が154度〜160度の範囲内であれば、従来のドリルよりも切削加工を効率よく行うことを、発明者は実験により確認している。これは、切削加工の際にチゼル切刃から切刃にかけての角度変化により、従来よりも切刃への切削抵抗の増加、集中が無くなり、切刃の磨耗を抑制することができるためである。
【0010】
本発明の砥石は、すくい面を含むドリル切刃とこのドリル切刃と連なるチゼル切刃とが形成されたドリルを研磨加工するドリル研磨装置に離脱自在に嵌着され、使用時には回転して研磨面を提供する円盤状の砥石である。砥石は、その中心部に前記ドリル研磨装置に嵌着するための開口部が形成されており、その外周端部には、前記ドリル切刃を研磨するためのドリル切刃研磨面と、前記ドリル切刃研磨面に連通して前記開口部側に傾斜して形成される逃げ面とが形成される。前記ドリル切刃研磨面と前記逃げ面とのなす傾斜角が20度〜26度の範囲内であり、前記逃げ面の長さが1.1[mm]以上である。回転する前記ドリル切刃研磨面に前記ドリル切刃が当接され、前記逃げ面に前記ドリルのすくい面及びチゼル切刃が当接されることで、前記ドリル切刃とチゼル切刃とのなす角度を154度〜160度の範囲内に形成する。
【0011】
本発明のドリルは、すくい面が形成されて軸線周りに回転される略円柱状のドリル本体を有し、このドリル本体の先端の逃げ面から突出してチゼルが設けられており、前記すくい面及び前記逃げ面により形成されるドリル切刃と、このドリル切刃に連なるチゼル切刃とのなす角度が154度〜160度である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、砥石のドリル切刃研磨面と逃げ面とのなす傾斜角を20度〜26度の範囲内で形成することで、ドリルの切刃と前記チゼル切刃とのなす角を、154度〜160度の範囲内に形成することができる。この角度は、本願発明者の切削実験により、効率よくスポット溶接部を切削することができる形状である。本発明のドリル研磨装置は、このようなドリルの加工を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】砥石の断面図である。
【図2】図1の円内拡大図である。
【図3】ドリル研磨加工時のドリルと砥石との位置を説明する図である。
【図4】サンプル1,2及び既存品1のチゼル根元角θ及びチゼル根元幅Wの一覧図である。
【図5】ボール盤を用いた切削実験の結果を表す図である。
【図6】ボール盤を用いた切削実験の、1回当たりの切削加工に要した時間と切削点数をサンプル毎に表すグラフである。
【図7】ハンドドリルを用いた切削実験の結果を表す図である。
【図8】ハンドドリルを用いた切削実験の、1回当たりの切削加工に要した時間と切削点数をサンプル毎に表すグラフである。
【図9】サンプル3〜10及び既存品2のチゼル根元角θ及びチゼル根元幅Wの一覧図である。
【図10】チゼル根元角θと切削点数との関係を表すグラフである。
【図11】チゼル根元長Wと切削点数との関係を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。
本実施形態のドリル研磨装置には、特許文献1のドリル研磨装置を用いることができるが、砥石の形状、特に外周の研磨面の形状が異なる。
【0015】
図1は、本実施形態の砥石1の断面図であり、図2は、図1の円内拡大図である。
砥石1は、円盤状であり、その中心にドリル研磨装置に嵌着するための開口部10が設けられる。砥石1は、ドリル研磨装置に嵌着されて回転する。
砥石1の外周には研磨面が形成される。研磨面は、ドリル切刃を研磨するためのドリル切刃研磨面11と、このドリル切刃研磨面11に連通して形成された逃げ面12と、ドリル切刃研磨面11に連通して逃げ面12とは逆方向に傾斜して形成されたシンニング加工用の傾斜面13と、傾斜面13に連通してドリル切刃研磨面11から突起して形成された突起部14とを備えている。
【0016】
ドリル切刃研磨面11と逃げ面12とのなす傾斜角度θ1が20度〜26度の範囲内で形成されており、ドリル切刃研磨面11と傾斜面13とのなす傾斜角度θ2が例えば60度に設定されている。逃げ面12の長さdは、1.1[mm]以上に形成される。また、突起部14の後端部、即ち砥石1の最後部にはアールが施されている。
砥石1としてはCBN#170電着砥石が好適に使用されるが、特にこれに限定されるものではない。
【0017】
砥石1は、開口部10によりドリル研磨装置に嵌着される。開口部10には、例えばモータの回転軸が装着されて、これが回転することにより、砥石1が回転して、ドリルの研磨加工が可能になる。図3は、ドリル2のドリル切刃23を研磨加工するときの、ドリル2と砥石1との位置を説明する図である。
【0018】
ドリル2は、これに限らないが好適には高速度工具鋼で構成されている。ドリル2は、外形が略円柱状をなして軸線を中心に回転されるドリル本体20と、ドリル本体20の後端に設けられ、工作機械の主軸端等に把持される図外のシャンク部とを備えている。
ドリル本体20の外周には、ドリル本体20の先端側から後端側にかけて軸線の周りに螺旋状に形成された2本のすくい面21が形成される。
ドリル本体20の先端側は、逃げ面22が設けられており、すくい面21と逃げ面22とによりドリル切刃23が形成されている。また、ドリル本体20の先端側には、軸線から見て略中央に逃げ面22から突出するように断面が山形のチゼル24が設けられている。
【0019】
チゼル24とすくい面21とにより、ドリル切刃23に連なって切刃(以下、「チゼル切刃」という。)25が形成される。チゼル切刃25は、ドリル切刃23に対して所定の角度(以下、「チゼル根元角θ」という。)で設けられている。また、山形のチゼル24の基端の幅(ドリル切刃23とチゼル切刃25との接続部間)を本明細書ではチゼル根元長といい「W」で表す。
【0020】
研磨加工時にドリル2は、シャンク部がドリルホルダに嵌挿されて、ドリル研削台に固定される。ドリル研削台に固定された状態で、ドリル2のドリル切刃23が、砥石1のドリル切刃研磨面1に当接する。また、ドリル2のチゼル切刃25が、逃げ面12に当接する。このようにドリル2と砥石1とを当接させて研磨加工が行われる。
本実施形態の砥石1の傾斜角θ1が20度〜26度であるために、研磨加工により、ドリル2のチゼル根元角θが154度〜160度になる。また、砥石1の逃げ面12の長さdが1.1[mm]以上であるために、チゼル根元長Wが2.2[mm]以上のドリルの研磨加工が可能である。好適には、逃げ面12の長さdが1.1[mm]〜2.5[mm]であり、チゼル根元長Wが2.2[mm]〜5.0[mm]に研磨加工である。
【0021】
チゼル24の切削抵抗が集中する部分は、シンニング加工が施されて、切削抵抗を少なくするように形成される。シンニング加工時には、ドリル2のシャンク部がドリルホルダに嵌挿されて、ドリルシンニング台に固定される。シンニング加工は、S形、N形、X形等で所定のシンニング量で行われる。シンニング加工は、ドリル2のチゼル24の切削抵抗が集中する部分が、傾斜面13及び突起部14に当接して行われる。
【0022】
このようにチゼル根元角θが154度〜160度に形成されたドリルにより、ボール盤及びハンドドリルを用いて、厚さ1.4[mm]の980[MPa]鋼板のスポット溶接部を、1箇所当たり15秒以下で続けて切削加工できる数(以下、「切削点数」という。)を測定した。
【0023】
図4は、切削実験に用いたドリルのチゼル根元角θ及びチゼル根元幅Wの一覧図である。実験に用いるドリルには、サンプル1、サンプル2、既存品1の3種類を用いる。サンプル1は、本実施形態のドリル研磨装置により加工したドリルであり、チゼル根元角が158度、チゼル根元長が3.6[mm]である。サンプル2は、本実施形態のドリル研磨装置により加工したドリルであり、チゼル根元角が158度、チゼル根元長が4.6[mm]である。既存品1は、既存のドリル研磨装置により加工したドリルであり、チゼル根元角が143度、チゼル根元長が2.8[mm]である。
【0024】
図5は、ボール盤を用いた切削実験の結果を表す図である。図6は、ボール盤を用いた切削実験の、1回当たりの切削加工に要した時間と切削点数をサンプル毎に表すグラフである。切削時間に15秒以上要した場合には、切削加工を終了する。
サンプル1のドリルでは切削点数が60点、サンプル2のドリルでは切削点数が68点、既存品1のドリルでは切削点数が20点となった。
【0025】
図7は、ハンドドリルを用いた切削実験の結果を表す図である。図8は、ハンドドリルを用いた切削実験の、1回当たりの切削加工に要した時間と切削点数をサンプル毎に表すグラフである。ボール盤使用時と同様に、切削時間に15秒以上要した場合には、切削加工を終了する。
サンプル1のドリルでは切削点数が46点、サンプル2のドリルでは切削点数が60点、既存品のドリルでは切削点数が7点となった。
【0026】
これらの結果から、チゼル根元角θ及びチゼル根元長Wともに、大きい方が切削点数が多く、切削加工に適していることがわかる。また、サンプル1、2ともに、急激に性能が劣化しており、切削加工にかかる時間が急に大きくなったり、或いは切削できなくなる。
【0027】
図9は、チゼル根元角θ及びチゼル根元長Wの適正値の範囲を求めるための切削実験に用いたドリルのチゼル根元角θ及びチゼル根元幅Wの一覧図である。実験に用いるドリルには、サンプル3〜サンプル10、及び既存品2の9種類を用いる。サンプル3〜サンプル5及びサンプル8〜サンプル10は、チゼル根元角が154度〜160度、チゼル根元長が2.2[mm]〜5.0[mm]の範囲内にある。サンプル6、サンプル7は、それぞれ、チゼル根元角が146度、142度、チゼル根元長が2.1[mm]、2.7[mm]である。既存品2は、チゼル根元角が146度、チゼル根元長が2.8[mm]である。実験の条件は、図7、図8の実験と同じであり、サンプルのみが異なる。
【0028】
実験の結果、サンプル3のドリルでは切削点数が21点、サンプル4のドリルでは切削点数が25点、サンプル5のドリルでは切削点数が38点、サンプル6のドリルでは切削点数が0点、サンプル7のドリルでは切削点数が12点、サンプル8のドリルでは切削点数が19点、サンプル9のドリルでは切削点数が27点、サンプル10のドリルでは切削点数が44点、既存品2のドリルでは切削点数が3点となった。
【0029】
図10、チゼル根元角θと切削点数との関係を表すグラフである。図11は、チゼル根元長Wと切削点数との関係を表すグラフである。
これらのグラフから明らかなように、チゼル根元角θが154度〜160度の間で、またチゼル根元長Wは2.2[mm]〜5[mm]の間で、既存品に比べて大幅に切削点数が多くなっている。チゼル根元角θは、154度以上で、大きくなるにつれて切削点数が大きくなる傾向にある。
【0030】
このようにチゼル根元角θが154度〜160度の範囲内で形成され、チゼル根元長Wが2.2[mm]〜5[mm]の範囲内で形成されたドリルは、高張力鋼板であってもドリル切刃23の磨耗を抑制して、連続して従来よりも多数のスポット溶接部に短時間で切削加工を行うことが可能となる。そのために、切削加工を従来よりもはるかに効率よく行うことができ、作業者の労力を抑えることができる。
そのために、砥石1の傾斜角θ1が20度〜26度であり、逃げ面12の長さdが1.1[mm]以上でれば、このようなドリルに容易に加工できる。
【0031】
なお、切削実験に用いた各サンプルのチゼル根元角θ及びチゼル根元長Wは、加工精度の限界から正確に上記の値ではなく、バラツキを持っている。そのために、例えば図4でチゼル根元角θが158度であっても、実際には正確に158度ではない。また、同様の理由で、砥石1の傾斜角θ1も正確に22度ではなく略22度である。
【符号の説明】
【0032】
1…砥石、10…開口部、11…ドリル切刃研磨面、12…逃げ面、13…傾斜面、14…突起部、2…ドリル、20…ドリル本体、21…すくい面、22…逃げ面、23…ドリル切刃、24…チゼル、25…チゼル切刃
【特許請求の範囲】
【請求項1】
すくい面を含むドリル切刃とこのドリル切刃と連なるチゼル切刃とが形成されたドリルを、回転する砥石の研磨面に当接させることにより研磨加工するドリル研磨装置であって、
前記研磨面が、
前記ドリル切刃を研磨するためのドリル切刃研磨面と、
前記ドリル切刃研磨面に連通して形成された逃げ面とを有し、
前記ドリル切刃研磨面と前記逃げ面とのなす傾斜角が20度〜26度の範囲内であり、
前記逃げ面の長さが1.1[mm]以上であり、
回転する前記ドリル切刃研磨面に前記ドリル切刃が当接され、前記逃げ面に前記ドリルのすくい面及びチゼル切刃が当接されることで、前記ドリル切刃とチゼル切刃とのなす角度を154度〜160度の範囲内に形成する、
ドリル研磨装置。
【請求項2】
前記ドリル切刃研磨面と前記逃げ面とのなす傾斜角が略22度である、
請求項1記載のドリル研磨装置。
【請求項3】
すくい面を含むドリル切刃とこのドリル切刃と連なるチゼル切刃とが形成されたドリルを研磨加工するドリル研磨装置に離脱自在に嵌着され、使用時には回転して研磨面を提供する円盤状の砥石であって、
その中心部に前記ドリル研磨装置に嵌着するための開口部が形成されており、
その外周端部には、前記ドリル切刃を研磨するためのドリル切刃研磨面と、前記ドリル切刃研磨面に連通して前記開口部側に傾斜して形成される逃げ面とが形成されており、
前記ドリル切刃研磨面と前記逃げ面とのなす傾斜角が20度〜26度の範囲内であり、
前記逃げ面の長さが1.1[mm]以上であり、
回転する前記ドリル切刃研磨面に前記ドリル切刃が当接され、前記逃げ面に前記ドリルのすくい面及びチゼル切刃が当接されることで、前記ドリル切刃とチゼル切刃とのなす角度を154度〜160度の範囲内に形成する、
ドリル研磨装置用砥石。
【請求項4】
すくい面が形成されて軸線周りに回転される略円柱状のドリル本体を有し、
このドリル本体の先端の逃げ面から突出してチゼルが設けられており、
前記すくい面及び前記逃げ面により形成されるドリル切刃と、このドリル切刃に連なるチゼル切刃とのなす角度が154度〜160度である、
ドリル。
【請求項1】
すくい面を含むドリル切刃とこのドリル切刃と連なるチゼル切刃とが形成されたドリルを、回転する砥石の研磨面に当接させることにより研磨加工するドリル研磨装置であって、
前記研磨面が、
前記ドリル切刃を研磨するためのドリル切刃研磨面と、
前記ドリル切刃研磨面に連通して形成された逃げ面とを有し、
前記ドリル切刃研磨面と前記逃げ面とのなす傾斜角が20度〜26度の範囲内であり、
前記逃げ面の長さが1.1[mm]以上であり、
回転する前記ドリル切刃研磨面に前記ドリル切刃が当接され、前記逃げ面に前記ドリルのすくい面及びチゼル切刃が当接されることで、前記ドリル切刃とチゼル切刃とのなす角度を154度〜160度の範囲内に形成する、
ドリル研磨装置。
【請求項2】
前記ドリル切刃研磨面と前記逃げ面とのなす傾斜角が略22度である、
請求項1記載のドリル研磨装置。
【請求項3】
すくい面を含むドリル切刃とこのドリル切刃と連なるチゼル切刃とが形成されたドリルを研磨加工するドリル研磨装置に離脱自在に嵌着され、使用時には回転して研磨面を提供する円盤状の砥石であって、
その中心部に前記ドリル研磨装置に嵌着するための開口部が形成されており、
その外周端部には、前記ドリル切刃を研磨するためのドリル切刃研磨面と、前記ドリル切刃研磨面に連通して前記開口部側に傾斜して形成される逃げ面とが形成されており、
前記ドリル切刃研磨面と前記逃げ面とのなす傾斜角が20度〜26度の範囲内であり、
前記逃げ面の長さが1.1[mm]以上であり、
回転する前記ドリル切刃研磨面に前記ドリル切刃が当接され、前記逃げ面に前記ドリルのすくい面及びチゼル切刃が当接されることで、前記ドリル切刃とチゼル切刃とのなす角度を154度〜160度の範囲内に形成する、
ドリル研磨装置用砥石。
【請求項4】
すくい面が形成されて軸線周りに回転される略円柱状のドリル本体を有し、
このドリル本体の先端の逃げ面から突出してチゼルが設けられており、
前記すくい面及び前記逃げ面により形成されるドリル切刃と、このドリル切刃に連なるチゼル切刃とのなす角度が154度〜160度である、
ドリル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−49098(P2013−49098A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−186849(P2011−186849)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000145150)株式会社自研センター (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000145150)株式会社自研センター (3)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]