説明

ナノインプリントにおける離型処理方法およびナノパターン形成方法

【課題】 モールドに対する離型処理を必要とせずにナノインプリントリソグラフィーを行う手法を提供する。
【解決手段】 モールドが有するナノ構造パターンをレジストに転写すべくレジスト上にモールドを押し付けるにあたり、モールドが押し付けられる前のレジスト上に離型剤を塗布する。その塗布は、スピンコートによって基板上にレジストの薄膜を形成する間に、当該レジストの表面に離型剤を噴霧するのが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願の発明は、ナノ構造パターンを有している金型(モールド)をレジスト上に押し付けることで、ナノパターンを転写することが可能なナノインプリントにおける離型処理方法と、その方法を用いてナノパターンを形成する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ナノインプリントリソグラフィー(NIL)はナノ構造デバイスを高生産性、低コストで作製できるため、現在用いられているフォトリソグラフィーに代わる技術として様々な分野から注目され、世界中で研究が行われている。NILではモールドを直接レジストに押し付けるため、レジストが付着しないようモールドには離型処理が施されている。モールド離型処理法として、フッ素含有の単分子自己組織化膜(self-assembled monolayer:SAM)等によりモールドを覆う方法が主流である。そのような離型処理については、たとえば下記の非特許文献に記載されている。また、離型膜の性状等については非特許文献2に記載がある。
【非特許文献1】Y. Hirai, S. Yoshida, A. Okamoto, Y. Tanaka, M. Endo, S. Irie, H. Nakagawa, and M. Sasago: J. Photopolym. Sci. Technol., 14 (2001) 457 "Mold Surface Treatment for Imprint Lithography"
【非特許文献2】Y.Tada, H.Yoshida, and A.Miyauchi: J. Photopolym, Sci. Technol., 20(2007)545 "Analysis on Deterioration Mechanism of Release Layer in Nanoimprint Process"
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のように、現在の離型処理法はモールドをフッ素含有SAMで覆うことで、NILを行うために必要な離型性をモールドに付加している(非特許文献1参照)。産業でNILを用いるためには、数万回もの繰り返しナノインプリントに耐えることが可能な離型処理を施さなければならない。上記の非特許文献2には、従来の離型処理では繰り返しインプリントによりモールドの離型性は失われてしまうことが報告されている。モールドを覆っているSAMが剥がれて離型性が失われてしまうと、ナノインプリントを行うことが不可能になる。
本発明は、上記状況に鑑みて、モールドに対する離型処理を必要とせずにNILを行う手法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明に係るナノインプリントにおける離型処理方法は、モールドが有するナノ構造パターンをレジストに転写すべくレジスト上にモールドを押し付けるにあたり、モールドが押し付けられる前のレジスト上に離型剤を塗布することを特徴とする。なお、ここにいう「塗布」は、離型剤を塗り広げることを含むとともに、スピンコートまたはスプレー等することを含む概念である。
レジスト上に塗布された離型剤は、レジストにおける表面とそれに近い浅い部分に存在し、レジストの表面自由エネルギーを減少させるとともに、モールドとの間の摩擦力および吸着力を低下させ、モールドに対するレジストの離型性を向上させる。そのため、この発明の離型処理方法によれば、モールド表面に離型処理を施さずにナノインプリントを行ってもモールド上のナノパターンがレジスト上に正しく転写され、しかも、レジストの一部がモールドの側へ付着することが防止される。
【0005】
発明の離型処理方法は、とくに、スピンコートによって基板上にレジストの薄膜を形成する間に、当該レジストの表面に離型剤を噴霧することとするのが好ましい。
発明者らの試験によると、このように噴霧する方法によってもレジストの離型性を十分に高めることができ、離型処理を施さないモールドによっても円滑にナノインプリントを行える。しかも、このようにレジストの薄膜を形成する間に当該レジストの表面に離型剤を塗布すると、レジスト薄膜の形成とそれへの離型処理とをほぼ同時に行えるため、ナノインプリントを能率的に行うことができる。また、レジストに対する離型処理を離型剤の噴霧によって行うと、離型処理がきわめて簡単になり、それに必要な機器も簡単かつ低コストのもので足りることになる。
【0006】
上記の離型剤は、上記レジストの表面における深さ10nm程度の範囲(たとえば5〜15nmの範囲)にのみ浸透させるのが有利である。
発明者らの試験によれば、そのような範囲に離型剤を浸透させた場合に十分な離型効果が得られ、ナノインプリントを円滑に実施することができる。離型剤の浸透深さを過分に深くすることは、離型剤の使用量を多くしてコスト上の無駄を招くほか、レジストの性状を変化させ劣化させる可能性も含んでいるので、上記のように浸透深さを制限するのが好ましい。
【0007】
上記の離型剤として、フッ素を含んだシランカップリング剤を使用するとよい。
そのような離型剤を使用することにより、発明者らは、すぐれた離型効果を得て円滑なナノインプリントを実現することができた。
【0008】
上記レジストとして、とくに、HSQ(ハイドロゲンシルセスキオキサン)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)、ZEP-520A(電子線レジスト)またはNEB-22(化学増幅型レジスト)を使用するのが好ましい。
HSQは室温ナノインプリントの場合に使用し、PMMA、ZEP-520AおよびNEB-22は、熱ナノインプリントを行う場合にレジストとして使用する。発明者らは、このようなレジストに対し、モールドが押し付けられる前の表面上に離型剤を塗布することによって、すぐれた離型効果を得て円滑なナノインプリントを実現することができた。
【0009】
上記の離型処理方法は、レジスト上への離型剤の塗布を行ったうえレジスト上にモールドを押し付けること(つまりナノインプリント)を繰り返すことにより、モールドの表面に離型剤(の一部)を転移させるのがさらに好ましい。
上記の繰り返しによってモールド表面に離型剤を部分的に転移させると、モールド表面の表面エネルギーが減少することでモールドの接触角は上昇し、ナノインプリント離型にとくに有利な状態になる。すなわち、モールドの離型効果消失をきわめて確実に防ぐことが可能になり、レジスト上への離型剤塗布の繰り返し頻度をやや低下させることも差し支えなくなる。
【0010】
発明に係るナノパターン形成方法は、上記いずれかの離型処理方法を行ったうえ上記レジスト上にモールドを押し付けることによって、モールドが有するナノパターンをレジストに転写することを特徴とする。
上記の離型処理方法を行うのであるから、発明のナノパターン形成方法によれば、モールド表面に離型処理を施さずにナノインプリントを行っても、モールド上のナノパターンがレジスト上に正しく転写され、しかも、レジストの一部がモールドの側へ付着することが防止される。なお、発明の離型処理方法またはナノパターン形成方法においては、モールド側に離型処理をなす必要はないが、モールドの表面に併せて離型処理を施すこととしても差し支えはない。
【発明の効果】
【0011】
発明に係るナノインプリントにおける離型処理方法およびナノパターン形成方法によれば、モールド表面に離型処理を施さなくともレジストの一部がモールドの側へ付着することが防止され、モールド上のナノパターンがレジスト上に正確に転写される。とくに、スピンコートにて基板上にレジストの薄膜を形成する間にレジスト上に離型剤を噴霧することにすると、ナノインプリントの能率を高めるとともに離型処理に要するコストを低下させられる効果がある。離型剤の浸透深さを適切に制限すると、コスト面およびレジストの劣化防止の点で有益である。また、レジスト上への離型剤の塗布を行ったうえレジスト上にモールドを押し付けることを繰り返してモールドの表面に離型剤を転移させると、モールドの劣化が起こらない限り離型性が上昇するため、ナノインプリント離型にとくに有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
NILは大きく分けて、熱ナノインプリント、光ナノインプリント、室温ナノインプリントがある。熱ナノインプリントの場合は、レジストとして熱可塑性樹脂を用い、モールド及びレジストをレジストのガラス転移温度以上に昇温し、モールドを押し付け、モールド上のナノ構造パターンをレジストに転写する。光ナノインプリントの場合は、透明な石英などのモールドを用いて光硬化性樹脂上に押し付け、紫外線を照射することで樹脂を硬化させ、パターンを転写する。室温ナノインプリントの場合は、ハイドロゲンシルセスキオキサン(HSQ)などのゾルゲル系材料をレジストとして用い、室温下でモールドを押し付け、パターンを転写する。いずれのナノインプリントの場合においてもモールドは離型処理されて用いられる。
【0013】
以下で述べる新たな離型処理方法では、離型剤として、フッ素を含んだシランカップリング剤であるOPTOOLDSX(ダイキン工業(株))を用いた。従来の離型処理方法では、まず離型剤にモールドを1分浸した後、湿気雰囲気下で1時間放置する。そして、離型剤の溶媒にモールドを浸してリンスを行う。このようにして、モールドに離型効果を付加させた後、ナノインプリントを行う。本発明は、上記のようなモールドの離型処理を行わず、レジスト側に離型剤を塗布することでナノインプリントを行う方法である。
【0014】
図1に従来のナノインプリント方法と本発明によるナノインプリント方法の概略図を示す。従来の方法ではモールド1を離型処理したのちナノインプリントを行う。本発明ではレジスト3上に離型剤3aをコートしたのち、ナノインプリントを行う。ナノインプリントではSiなどの基板2上にレジスト3をスピンコートすることでレジスト薄膜を作製している。本発明ではこのレジスト3のスピンコート最中に離型剤を噴霧することでレジスト3の全面に離型剤3aをコートする。そして、この基板2を用いてナノインプリントを行う。
【0015】
図2に離型剤がコートされたレジスト基板作製の概略図を示す。HSQとしてFox-16(ダウコーニング(株))を用いた。室温ナノインプリントに用いられるHSQを用いて、HSQをSi基板上にスピンコートした物と上記の方法によって作製された離型剤3aがコートされたHSQ基板2を作製し、それぞれの基板の表面化学結合状態を調べるため、X線光電子分光法(XPS)を行った。
【0016】
図3にHSQ基板と離型剤塗布HSQ基板のワイドスキャンスペクトルを示す。HSQ基板のスペクトルにはHSQに含まれているOとSiのピークが現れているのに対し、離型剤塗布HSQ基板のスペクトルではOとSiのピークに加え、Fのピークが現れている。
【0017】
また、XPSを用いて離型剤塗布HSQ基板のディプスプロファイルを測定した。ディプスプロファイルを測定するため、C60を用いたイオンエッチングによりレジスト表面を削った。この時、削る前の離型剤塗布HSQ基板表面のFの原子濃度はおよそ10%であった。図4に離型剤塗布HSQ基板のディプスプロファイルを示す。グラフが示すように10nm程度削ったところで、Fが検出されなくなった。
【0018】
以上、XPSにより離型剤塗布HSQ基板の表面化学結合状態を調べた結果、離型剤をHSQのスピンコート最中に噴霧してもHSQ表面に存在しており、尚且つ、10nm程度しかHSQ内部に浸透していないことが確認された。
【0019】
次に離型剤塗布HSQ基板の離型性を調べるため、表面自由エネルギー及び走査型プローブ顕微鏡(SPM)による摩擦力、吸着力測定を行った。
表面自由エネルギーは水、ホルムアミド、ヨウ化メチレンの接触角から計算により求めた。離型剤塗布HSQ基板の表面自由エネルギーは11mJ/m2であった。この値はフッ素含有のSAMで覆ったSi基板上の値と同じであった。この事から、マクロな領域でHSQ上に塗布された離型剤は離型効果を発揮していることが確認された。
【0020】
SPMによる摩擦力、吸着力はそれぞれフリクショナルカーブ、フォースカーブから得た。図5にSPMによる摩擦力、吸着力の測定方法及びフリクショナルカーブ、フォースカーブの例を示す。摩擦力を測定する場合、カンチレバーを基板上で1往復走査する。この時、基板の摩擦が大きければカンチレバーは大きくねじれ、摩擦が小さければカンチレバーはほとんどねじれない。カンチレバーがねじれる時に発生する電子信号をプロットしたものがフリクショナルカーブである。フリクショナルカーブの上辺は往路、下辺は復路を現している。摩擦力はこのフリクショナルカーブの上辺と下辺の差分により評価した。差分が大きいほど摩擦力が大きく、差分が小さいほど摩擦力が小さいことを表す。
吸着力を測定する場合、カンチレバーを基板表面に近づけていくと、あるところでカンチレバーは基板に吸着する。そして、そのままカンチレバーを指定した圧力がかかるまで押し付けていき、指定した圧力に達したところでカンチレバーを引き上げていく。その際、カンチレバーと基板の間の吸着力が大きければカンチレバーは大きくしなってから基板から脱離し、吸着力が小さければ少ししかしならずに基板から脱離する。この一連の動作で生じるカンチレバー先端にかかる圧力を縦軸に、カンチレバーと基板との距離を横軸にとったものがフォースカーブである。吸着力はこのフォースカーブの頂点の座標により評価した。
SPMによる測定の場合、実験環境によって測定結果は左右されてしまう。今回の実験では環境制御型SPMを用いて、80%湿気雰囲気下においてばね定数0.15N/mのSiカンチレバーを使用して接触力0.6nNで測定を行った。
【0021】
離型剤塗布HSQ基板とHSQ基板表面の摩擦力、吸着力を測定し、比較を行った。離型剤塗布HSQ基板とHSQ基板の摩擦力はそれぞれ10mVと30mVであり、吸着力はそれぞれ3nNと4nNであった。摩擦力、吸着力共に離型剤塗布HSQ基板の方がHSQ基板に比べ減少し、特に摩擦力は1/3まで減少した。SPMによる測定結果からナノメートルスケールにおいてもHSQ上に塗布された離型剤は離型効果を発揮していることが確認された。
【0022】
以上に記したように、XPS、表面自由エネルギー、SPMの測定により、HSQのスピンコート最中に噴霧された離型剤は、HSQに深く浸透することなく表面に存在し、尚且つ、マクロ領域、ナノ領域で離型性を発揮していることが確認された。
【0023】
これらの結果を踏まえ、離型剤塗布HSQ基板上に離型処理していないSiO2/Siモールドを用いて室温ナノインプリントを行った。モールドは電子ビームリソグラフィーと反応性イオンエッチングにより作製した。
まず、離型処理していないモールドを使用して、離型処理せずにHSQをスピンコートしたSi基板上にナノインプリントを行った。その結果、予想通り、モールドと基板がHSQにより接着してしまい、モールドを基板から剥がすことができなかった。
次に、離型剤塗布HSQ基板上に離型処理していないモールドを用いてナノインプリントを行った。図6(a)と6(b)はそれぞれSiO2/Siモールド上のパターンと離型剤塗布HSQ上のインプリントパターンの電子顕微鏡(SEM)写真である。写真に示すように、パターンはHSQ上にきれいに転写され、尚且つ、モールド側へのレジストの付着は見られなかった。
【0024】
図7に示すように、ナノインプリント後モールドの水の接触角を測定すると、接触角は急激に上昇し、さらに、繰り返しインプリントすることで110°付近まで上昇し、その値が保たれることが確認された。
そこで、ナノインプリント前後におけるモールド表面の化学結合状態をXPSにより測定した。図8にそれぞれのワイドスキャンスペクトルを示す。インプリント前モールドのスペクトルではSiとOのピークしか現れていないのに対し、インプリント後モールドのスペクトルではそれらのピークに加え強いFのピークが現れた。
上記したように、離型剤塗布HSQ表面には離型剤が存在している。以上を踏まえると、離型剤塗布HSQ基板へのナノインプリントによりHSQ表面の離型剤が部分的にモールド側へ転移(図1における本発明の場合の(3)を参照)し、モールドの離型性を高めていると考えられる。この結果から、離型処理されたモールドを用いて離型剤塗布レジスト上へナノインプリントを行った場合、繰り返しナノインプリントによるモールド側のSAMの劣化を防ぐことが可能であると考えられる。
以上のように離型剤塗布HSQ基板を用いることで、モールドを離型処理することなく室温ナノインプリントを行うことが可能であることを実証した。
【0025】
次に、熱ナノインプリントに用いる熱可塑性樹脂に対しても同様の方法でナノインプリントを行った。用いたレジストはPMMA(OEBR-1000; 東京応化工業(株))、ZEP-520A(日本ゼオン(株))、NEB-22(住友化学(株))である。HSQの場合と同様にSi基板上でのレジストのスピンコート最中に離型剤を噴霧し、離型剤塗布レジスト基盤を作成した。そして、離型処理していないSiO2/Siモールドを用いてそれぞれの基板上に熱ナノインプリントを行った。
図9(a) から9(d)にそれぞれモールド上のパターン、PMMA、ZEP-520A、NEB-22上のインプリントパターンを示す。図に示すようにいずれの場合も、きれいにナノインプリントを行うことができ、さらに、モールド側へのレジストの付着も起こらなかった。
【0026】
上記のように、本発明により、
(1) モールドを離型処理することなくナノインプリントを行うことが可能である。
(2) レジスト上に塗布された離型剤は、ほとんどレジスト内部に浸透することなくレジスト表面に存在している。そのため、ナノインプリントを行うことでモールド側への離型剤の部分的な転移が起こる。その結果、繰り返しナノインプリントにより、モールドの接触角は上昇し、その結果、繰り返しナノインプリントにより、モールド表面の表面エネルギーが減少することで、モールドの接触角は上昇し、ナノインプリント離型に有利である。
【0027】
さらに、ナノインプリントにおいて、レジスト及び離型剤は上記した物だけではない。本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】従来のナノインプリント方法と本発明を用いたナノインプリント方法の概略図である。
【図2】本発明の離型剤塗布レジスト基板作製概略図である。
【図3】HSQ基板と離型剤塗布HSQ基板のXPSによるワイドスキャンスペクトルである。
【図4】離型剤塗布HSQ基板のXPSによるディプスプロファイルである。
【図5】SPMを用いた摩擦力、吸着力測定方法、及びフリクショナルカーブとフォースカーブの例である。
【図6】SiO2/Siモールド上のパターンと本発明を用いて作製したHSQ上のパターンである。
【図7】本発明を用いたナノインプリント回数とモールドの水接触角との関係である。
【図8】本発明を用いたナノインプリント前後におけるモールドのXPSによるワイドスキャンスペクトルである。
【図9】SiO2/Siモールド上のパターンと本発明を用いて作製したPMMA、ZEP-520A、NEB-22上のパターンである。
【符号の説明】
【0029】
1 モールド
2 基板
3 レジスト
3a 離型剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モールドが有するナノ構造パターンをレジストに転写すべくレジスト上にモールドを押し付けるにあたり、モールドが押し付けられる前のレジスト上に離型剤を塗布することを特徴とするナノインプリントにおける離型処理方法。
【請求項2】
スピンコートによって基板上にレジストの薄膜を形成する間に、当該レジストの表面に離型剤を噴霧することを特徴とする請求項1に記載したナノインプリントにおける離型処理方法。
【請求項3】
上記の離型剤を、上記レジストの表面における深さ10nm程度の範囲にのみ浸透させることを特徴とする請求項1または2に記載したナノインプリントにおける離型処理方法。
【請求項4】
上記の離型剤として、フッ素を含んだシランカップリング剤を使用することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載したナノインプリントにおける離型処理方法。
【請求項5】
上記レジストとして、HSQ、PMMA、ZEP-520AまたはNEB-22を使用することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載したナノインプリントにおける離型処理方法。
【請求項6】
上記の離型処理方法を行ったうえレジスト上にモールドを押し付けることを繰り返すことにより、モールドの表面に離型剤を転移させることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載したナノインプリントにおける離型処理方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載したナノインプリントにおける離型処理方法を行い、
上記レジスト上にモールドを押し付けることによって、モールドが有するナノパターンをレジストに転写することを特徴とするナノパターン形成方法。

【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−45092(P2010−45092A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−206684(P2008−206684)
【出願日】平成20年8月11日(2008.8.11)
【出願人】(592216384)兵庫県 (258)
【出願人】(597138508)明昌機工株式会社 (11)
【Fターム(参考)】