説明

ナノ分散可能なベーマイトの製造方法および難燃性合成樹脂におけるその使用方法

本発明は、少なくとも部分的に解膠可能な、および少なくとも部分的に解膠されたベーマイト粒子の製造方法、少なくとも部分的に解膠可能な、および少なくとも部分的に解膠されたベーマイト粒子、ならびに合成樹脂を難燃性とするための少なくとも部分的に解膠されたベーマイト粒子の使用方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノ分散可能なベーマイト難燃剤の製造方法、それから製造されたナノ分散可能なベーマイト粒子、およびそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ベーマイトは、式AlO(OH)により一般に表される水酸化酸化アルミニウムであり、とりわけ、様々な合成樹脂中の難燃剤としての用途が見出される難燃剤フィラーである。ベーマイトの合成法は、当技術分野において周知である。例えば、WO2005/100245では、ベーマイトが水酸化アルミニウム、バイエライト/ギブサイト混合物の水熱処理により生成可能であることが教示されている。これらのベーマイトはプラスチック化合物の難燃性能を改善するが、これらのベーマイトフィラーの欠点は、より低い負荷で使用された場合であっても、化合物の透光性が失われることであり、これは良好な難燃性能および良好な透光性が望ましいある用途において欠点となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このように、個々に適したベーマイトグレードに対する要求が増加しており、現在の方法はこれらのグレードを製造することができない。そのため、優れたベーマイトグレードおよびそれらの製造方法に対する要求が増加している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、少なくとも水酸化アルミニウム粒子と、水酸化アルミニウム粒子の総重量に基づき、約1〜約40重量%の部分的に、好ましくは実質的に全体的に、解膠されたベーマイトとを含む混合物を、水および1つもしくは複数の塩基結晶成長調節剤の存在下、少なくとも約160℃の1つもしくは複数の温度まで加熱し、これにより、凝集ベーマイト粒子を生成させる工程を含む方法に関する。このように生成される凝集ベーマイト粒子は少なくとも部分的に、好ましくは実質的に全体的に、解膠可能である。
【0005】
本発明の実施に際して、加熱は大気圧より大きな圧力下で実施されるのが好ましい。
【0006】
好ましい実施形態では、このように生成される凝集ベーマイト粒子は、例えば、濾過により回収することができ、その後、乾燥処理され、これによりベーマイト生成物粒子が生成される。
【0007】
本発明の実施に際して、凝集ベーマイト粒子はまた、少なくとも部分的に解膠され、その後乾燥させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1−2】本発明によるベーマイト粒子を使用した場合のエチレンビニルアセテート化合物の透光性改善を示す図である。図1は実施例1で作製した本発明のフィラー75phrを添加したEVA化合物の透光性を示す。図2は実施例2で作製した本発明のフィラー75phrを添加したEVA化合物の透光性を示す。
【図3−4】比較ベーマイト粒子を使用した場合のエチレンビニルアセテート化合物の不透明性を示す図である。図3は実施例3で作製した比較フィラー75phrを充填したEVA化合物の不透明度を示す。図4は実施例4で作製した比較フィラー75phrを添加したEVA化合物の不透明性を示す。
【図5】市販の水酸化マグネシウムフィラーMagnifin(登録商標)H5 75phrを添加したエチレンビニルアセテート化合物の不透明性を示す図である。
【図6】市販の水酸化アルミニウムフィラーMartinal(登録商標)OL−104 LE 75phrを添加したエチレンビニルアセテート化合物の不透明性を示す図である。
【図7】本発明によるベーマイト粒子の形状を示すSEM写真である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
水酸化アルミニウム
水酸化アルミニウムは様々な代替名称、例えば、アルミニウム水和物、アルミニウム三水和物、などを有するが、通常ATHと呼ばれる。本発明の実施に際して、ATH粒子は、水および1つもしくは複数の結晶成長調節剤の存在下で処理される。
【0010】
本明細書で開示した全ての粒子直径測定値、すなわちd50値は、特記しない限り、Quantachrome社製のCilas 1064L型レーザ分光計を用いるレーザ回折により測定したことに注意すべきである。一般に、d50を測定するために本明細書で使用される手順は、最初に、適した水−分散剤溶液(調製は下記を参照されたい)を装置の試料−調製容器に導入することにより実施することができる。ソフトウエア“Particle Expert”では、予測される粒径分布に適用する装置−内部パラメータを意味する測定モデル“Range 1”が選択される。測定中、試料は典型的には、分散中および測定中、約60秒間、超音波に曝露されることに注意すべきである。バックグラウンド測定を実施した後、約75mgから約100mgの分析試料を、水/分散剤溶液を有する試料容器内に入れ、測定を開始させる。水/分散剤溶液は、BASFから入手可能なCAL Polysalt 3リットルを用いて、KMF Laborchemieから入手可能なCalgon 500gからの濃縮物を調製することにより調製することができる。この溶液を、脱イオン水を用いて10リットルとする。この元の10リットルのうちの100mlを取り、続いて、さらに脱イオン水で希釈して10リットルとし、この最終溶液を上記水−分散剤溶液として使用する。
【0011】
本発明の実施に際して使用されるATH粒子は、一般に、i)約1〜約100m/gの範囲のBET、ii)約0.1〜約60μmの範囲のd50、またはi)およびii)の組み合わせを有するものとして特徴づけることができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、本発明の実施に際して使用されるATH粒子は約10〜約60m/gの範囲、好ましくは約20〜約40m/gの範囲のBETを有する。例示的な実施形態では、本発明において使用されるATH粒子のBETは約25〜約35m/gの範囲である。
【0013】
いくつかの実施形態では、本発明の実施に際して使用されるATH粒子は約0.1〜約30μmの範囲、より好ましくは約0.1〜約10μmの範囲のd50を有する。例示的な実施形態では、d50は約0.1〜約4μmの範囲である。いくつかの実施形態では、本発明の実施に際して使用されるATH粒子は約0.5〜約4μmの範囲、より好ましくは約1〜約3μmの範囲、最も好ましくは約1.5〜約2.5μmの範囲のd50を有する。
【0014】
本発明の実施に際して使用されるATH粒子は好ましくはすでに、水性懸濁液中に存在する。当該ATH粒子が乾燥粒子である場合、水および/または分散剤、例えば、下記で記載したものを添加し、水性懸濁液を提供することができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、水性懸濁液中のATH粒子、または水性懸濁液を生成させる
ために使用されるATH粒子は、純粋ギブサイトまたはバイエライト/ギブサイト混合物であり、好ましくはバイエライト/ギブサイト混合物である。そのようなバイエライト/ギブサイト混合物中のそのようなバイエライト部分は典型的には少なくとも約50重量%、好ましくは少なくとも約70重量%、より好ましくは約80重量%であり、例示的な実施形態では、少なくとも約90重量%であり、全てバイエライト/ギブサイト混合物の総重量に基づく。バイエライト/ギブサイト混合物を使用する場合、ギブサイト部分は少なくとも約5重量%、残りはバイエライトとすることができ、場合によっては、約20〜約25重量%の範囲のギブサイトとすることができ、どちらもバイエライト/ギブサイト混合物の総重量に基づく。
【0016】
開始材料として使用されるバイエライトは、例えば、欧州特許第1 206 412B1号で記載されている方法にしたがい生成させることができ、特に、その文書の3ページの第21項での開示を参照されたい。必要であれば、ギブサイトを所望の量で添加し、BET表面積および粒径は、ギブサイトの結晶沈殿条件を適切に選択することにより、および、必要に応じて所望の範囲まで粉砕することにより、あらかじめ調整することができる。
【0017】
本発明において使用される水性懸濁液中に存在するATH粒子の量は一般に、懸濁液の総重量、すなわち水と水酸化アルミニウムに基づき、約1〜約30重量%の範囲、好ましくは約5〜約20重量%の範囲、より好ましくは約6〜約10重量%の範囲である。例示的な実施形態では、水性懸濁液は同じ基準で約7〜約9重量%の範囲のATH粒子を含む。
【0018】
部分的に解膠可能なベーマイト
本発明の実施に際して使用される少なくとも部分的に解膠されたベーマイトは、本発明のいくつかの実施形態では、シード粒子として機能し、任意の適した様式で、ATH粒子、典型的にはATH懸濁液と混合させることができる。少なくとも部分的に解膠されたベーマイトは典型的にはゾルの形態であり、このため、ゾルおよびATH懸濁液は任意の様式で混合することができ、例えば、ゾルはATH懸濁液と混合することができ、またはその逆が可能である。いくつかの実施形態では、例えば、少なくとも部分的に解膠されたベーマイトが実質的に完全に解膠された場合、ゾルは実質的に解膠されていないベーマイトは含まない。他の実施形態では、例えば、少なくとも部分的に解膠されたベーマイトが実質的に完全に解膠されていない場合、ゾルはまたある量の解膠されていないベーマイトを含む。ゾルの形態で、またはある量の解膠されていなベーマイトも含むゾルの形態で、ATH懸濁液に添加されるベーマイトの総量は、ATH粒子の総重量に基づき、約1〜約40重量%の範囲である。いくつかの実施形態では、ATH懸濁液に添加される少なくとも部分的に解膠可能なベーマイトの総量は、ATH粒子の総重量に基づき、約10〜約30重量%の範囲である。いくつかの実施形態では、ATH懸濁液に添加される少なくとも部分的に解膠可能なベーマイトの総量は、約5〜約30重量%の範囲、好ましくは約8〜約20重量%の範囲であり、どちらも、ATH粒子の総重量に基づく。
【0019】
本発明の実施に際して使用される少なくとも部分的に解膠されたベーマイトは、下記の解膠法にしたがい解膠される前、一般に、i)約70〜約400m/gの範囲のBET、ii)0.02μmを超えるd50、iii)下記方法により少なくとも約30%だけ解膠可能であること、またはi)、ii)、iii)の任意の組みあわせを有するものとして特徴づけることができる。例示的な実施形態では、少なくとも部分的に解膠されたベーマイトは、解膠される前に、i)、ii)およびiii)により特徴づけられる。
【0020】
いくつかの実施形態では、少なくとも部分的に解膠されたベーマイトのBETは約200〜約300m/gの範囲、好ましくは約250〜約300m/gの範囲である。例
示的な実施形態では、本発明において使用される少なくとも部分的に解膠可能なベーマイトのBETは約280〜約300m/gの範囲である。
【0021】
いくつかの実施形態では、少なくとも部分的に解膠可能なベーマイトは、少なくとも約50%だけ、好ましくは少なくとも約70%だけ、最も好ましくは少なくとも約90%だけ解膠可能である。例示的な実施形態では、少なくとも部分的に解膠されたベーマイトは実質的に完全に解膠可能、すなわち約100%解膠可能である。
【0022】
上記方法は、ベーマイトの解膠性を特徴づけるために硝酸を使用しているが、本発明による本発明のベーマイト生成物粒子の合成では、有機酸、無機および有機塩基もしくは塩のような当技術分野において公知の他の無機酸または化学製品を解膠のために使用することができる。他の無機酸の適した、非制限的例は、塩酸、リン酸などである。解膠のために硝酸以外の化学製品を使用する場合、解膠グレードは上記と同じ様式で決定される。7未満のpH値になる化学製品では、pHの下限は1に設定される。7を超えるpH値になる化学製品では、pH値の上限は12に設定される。適した有機酸の非制限的例としては、フミン酸、酢酸、クエン酸、などが挙げられる。いくつかの実施形態では、使用される有機酸は酢酸である。別の実施形態で、使用される無機酸は硝酸である。
【0023】
いくつかの実施形態では、本明細書において、シードとして使用される少なくとも部分的に解膠されたベーマイトは0.04μmを超えるd50を有する。いくつかの実施形態では、本明細書において、シードとして使用される少なくとも部分的に解膠されたベーマイトは約0.02μm〜約2μmの範囲、好ましくは約0.05μm〜約1μmの範囲、より好ましくは約0.08μm〜約0.5μmの範囲のd50を有する。本明細書で使用される少なくとも部分的に解膠されたベーマイトのd50測定値は、ISO 13320にしたがい、Beckman Coulter LS 13 320粒径分析器を用いるレーザ回折により適切に測定されることに注意すべきである。少なくとも部分的に解膠されたベーマイトのd50測定値を得る場合、下記手順に従う:解膠されたベーマイト粒子と同じpHの適した水−分散剤溶液でBeckman Coulter LS 13 320粒径分析器を満たし、バックグラウンド測定を実施する。約0.5gの少なくとも部分的に解膠されたベーマイトを、バックグラウンド測定値を得る際に使用した同じ水−分散剤溶液中に軽く分散させ、このように懸濁液を形成させる。この懸濁液を、製造者により与えられる最適測定濃度に到達するまで、ピペットにより装置内に導入する。アプリケーションソフトウエアでは、該試料に対する適切なパラメータ、すなわち、ナノ範囲に対するPIDS検出器を含む、屈折率および測定条件が選択される。5分の超音波処理を該懸濁液に適用する。その後、サイズ分布データを90秒間隔で収集し、Mie散乱理論にしたがい分析する。この手順を、各実行間で5分の超音波処理をしながら、粒径分布が超音波処理をさらに適用しても変化しなくなるまで繰り返す。解膠された粒子の場合、使用した分散溶液が解膠ゾルと同じpHを有することが必須であり、そのため、機器は解膠酸、例えば、硝酸または酢酸によりゾルと同じpHまで酸性化された水で満たされる。この場合、さらに分散剤を添加する必要はない。
【0024】
解膠とは、液体中の粒子への電解質の添加によるコロイド溶液(すなわち、ゾル)の形成を意味する。適した電解質は、例えば、酸、塩基または塩である。従って、本発明の実施に際しては、「解膠」は適した電解質のベーマイト含有スラリーへの添加を示す。ベーマイト含有スラリーは、ATH水性懸濁液について論じた際に以上で記載したように、任意の量のベーマイトを含むことができ、ベーマイト含有スラリーはまた、分散剤、例えば、下記で記載されているものを含むことができる。いくつかの実施形態では、ベーマイト含有スラリーは、下記で記載されるように、少なくとも部分的に解膠可能なベーマイト粒子、水、分散剤、または水と分散剤の混合物を混合することにより、生成される。いくつかの実施形態では、当該ベーマイト含有ゾルは、少なくとも部分的に解膠可能なベーマイ
ト粒子、水、分散剤、または水と分散剤の混合物を、酸、塩基、または塩、例えば、結晶成長調節剤について議論する際に下記で記載されたものなどと混合することにより、生成される。
【0025】
本発明の実施に際して、ベーマイトの解膠グレードは、濃硝酸を、脱イオン水に懸濁させた10重量%のベーマイト懸濁液に、室温で、撹拌機を用いて撹拌しながら添加することにより、測定することができる。定義により、懸濁液中の全てのベーマイト粒子を、室温、1以上のpH値でコロイド溶液に移動させることができる場合、ベーマイトの解膠グレードは100%である。pHが1に等しい場合であっても、ベーマイト粒子が解膠されていないままである場合、解膠グレードは100%より低い。そのため、解膠グレードは下記のように決定することができる:均一なスラリーを得るために、ビーカー中でゾルおよびベーマイト粒子懸濁液を含む、得られた溶液を撹拌しながら、スラリーの適した体積Vをビーカーからピペットにより取り出し、5000rpmで約10分間遠心分離させる。前記体積V中の総ベーマイト量(すなわち、解膠されたもの、および解膠されていないもの)の重量Wtotは、最初のベーマイト懸濁液が10重量%のベーマイトを含んでいたことを知っており、添加した硝酸体積を考慮すると、計算することができる。遠心分離後、ゾルをピペットにより、溶液の底に堆積したベーマイト粒子を除去せずに取り出す。解膠されていないベーマイト粒子を含むフラスコをその後、105℃のオーブンで24時間乾燥させる。乾燥させた、解膠されていないベーマイト粒子を含む乾燥フラスコと空のフラスコの重量差により、遠心分離前のフラスコ内のV体積のスラリー中に存在する解膠されていないベーマイト粒子の重量Wが得られる。解膠グレードPはその後、遠心分離前のフラスコ内の体積V中に存在する総ベーマイト量の重量Wtotと、解膠されていないベーマイト粒子の重量Wとの重量差を、総ベーマイト量の重量Wtotで割ることにより得られる:
P=(Wtot−W)・100%/Wtot (1)
【0026】
結晶成長調節剤
本発明の実施に際して、ATH粒子と少なくとも部分的に解膠されたベーマイトの混合物は水および1つもしくは複数の塩基結晶成長調節剤の存在下で処理され、これは、時として、本明細書では水熱処理と呼ばれる。本明細書で使用するのに適した塩基結晶成長調節剤は、当技術分野において公知の任意の塩基性結晶成長調節剤、例えば、アルカリもしくはアルカリ性酸化物または水酸化物などとすることができる。
【0027】
適した塩基結晶成長調節剤の非制限的例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、酸化ナトリウムおよび酸化マグネシウムが挙げられる。
【0028】
本明細書で使用される塩基結晶成長調節剤の量は、得られた溶液のpH値が約8〜約14、または約10〜約14、好ましくは約11〜約13の範囲にあるようなものとされる。
【0029】
水熱処理
本発明の実施に際して、ATH水性懸濁液、少なくとも部分的に解膠されたベーマイトおよび結晶成長調節剤は、水熱処理される。当該水熱処理は、少なくとも160℃の1つもしくは複数の温度、大気圧より高い1つもしくは複数の圧力、すなわち、1.01325barで、凝集ベーマイト粒子を生成させるのに十分な時間の間実施され、凝集ベーマイト粒子が下記で記載されるように乾燥され、下記で記載されるように、ベーマイト生成物粒子が生成される。
【0030】
好ましい実施形態では、当該水熱処理は約160℃〜約340℃の範囲の1つもしくは
複数の温度、より好ましくは約170℃〜約250℃の範囲の1つもしくは複数の温度で実施される。例示的な実施形態では、水熱処理は約160℃〜約215℃の範囲の1つもしくは複数の温度で実施される。
【0031】
いくつかの実施形態では、当該水熱処理は約1.01325〜約152barの範囲の1つもしくは複数の圧力、好ましくは約7〜約152barの範囲の1つもしくは複数の圧力、より好ましくは約9〜約43barの範囲の1つもしくは複数の圧力で実施される。例示的な実施形態では、水熱処理は、約7〜約23barの範囲の1つもしくは複数の圧力で実施される。
【0032】
いくつかの実施形態では、当該水熱処理は、最大約2日までの期間、実施される。いくつかの実施形態では、当該水熱処理は約10分、好ましくは約15分、より好ましくは約30分、最も好ましくは約1時間から約2日まで、好ましくは約24時間まで、より好ましくは約5時間までの範囲の期間の間実施される。別の実施形態では、当該処理は、a)約10分〜約2日間の範囲、b)約15分〜約24時間の範囲、c)約30分〜約24時間、またはd)約1時間〜約5時間の範囲の期間の間実施される。例示的な実施形態では、水熱処理は約1時間〜約5時間の範囲の期間の間実施される。
【0033】
当該水熱処理が完了した後、時として本明細書で、凝集ベーマイト粒子または凝集した少なくとも部分的に解膠可能なベーマイト粒子と呼ばれる、凝集体の形態の少なくとも部分的に解膠可能なベーマイト粒子を含む水性生成物懸濁液は、好ましくは室温まで、または凝集した少なくとも部分的に解膠可能なベーマイト粒子を水性生成物懸濁液から、例えば、濾過により回収することを可能にする温度まで、必要に応じて冷却され、または冷却させられる。回収された凝集ベーマイト粒子はその後、1回もしくは複数回水で洗浄され、必要に応じて、少なくとも部分的に解膠され、その後、乾燥され、下記で記載されるように、ベーマイト生成物粒子が生成する。敵した乾燥技術の非制限的な例としては、ミル乾燥、ベルト乾燥、噴霧乾燥などが挙げられる。
【0034】
いくつかの実施形態では、凝集した少なくとも部分的に解膠可能なベーマイト粒子は、乾燥前に少なくとも部分的に解膠させることができる。このように、いくつかの実施形態では、生成物水溶液中の凝集ベーマイト粒子を少なくとも部分的に解膠させるために、少なくとも部分的に解膠可能なベーマイト粒子を回収する前に、水性生成物懸濁液に酸または塩基を添加する。これらの実施形態では、水性生成物懸濁液に添加される酸または塩基の量は、酸性化合物が使用される場合、約1〜約5の範囲、好ましくは約2〜約4の範囲のpHを達成し、および/または維持するのに十分な量である。塩基が使用される場合、使用される塩基の量は、得られた生成物水溶液のpH値が約10〜14の範囲、好ましくは約11〜約13の範囲にあるようなものとされる。これらのpH値を達成するために添加される酸または塩基の量は毎回異なり得ることに注意すべきであるが、というのも、得られた生成物水溶液のpH値は様々な因子、例えば、使用した酸または塩基濃度(典型的な濃度でさえも、各酸または塩基種に対し異なっている)、各酸または塩基に対し典型的に異なっている使用した酸または塩基強度、および酸または塩基が添加される生成物水溶液の開始pHにおける任意の変動に依存するからである。解膠後、その少なくとも部分的に解膠されたベーマイト生成物粒子は、ゾルから固体を回収することができる任意の適した濾過/回収技術により回収し、乾燥させることができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、当該少なくとも部分的に解膠可能なベーマイト粒子は、上記で記載したように、生成物水溶液から回収し、必要に応じて1回もしくは複数回水で洗浄し、水、分散剤、またはそれらの混合物を用い再スラリー化させることができる。その再スラリー化させた、凝集した少なくとも部分的に解膠可能なベーマイト粒子をその後、上記のように、酸または塩基を用いて少なくとも部分的に解膠させることができる。解膠後
、当該少なくとも部分的に解膠されたベーマイト生成物粒子を、上記のように、回収し、その後、下記で記載する技術のいずれかの技術にしたがい乾燥させることができる。凝集したベーマイト粒子が少なくとも部分的に解膠された後、当該少なくとも部分的に解膠されたベーマイト粒子の凝集度はその凝集したベーマイト粒子よりも低いことに注意すべきである。
【0036】
本明細書で使用される「ミル乾燥」および「ミル乾燥された」は、時として本明細書では単に回収されたベーマイト粒子と呼ばれる、水性懸濁液から回収されたベーマイト粒子、すなわち、乾燥前に凝集した粒子が少なくとも部分的に解膠された場合、凝集したベーマイト粒子または少なくとも部分的に解膠されたベーマイト粒子のいずれかが、ミル乾燥ユニット内の乱れた熱空気流中で乾燥されることを意味する。ミル乾燥ユニットは、高い円周速度で回転する固体軸上にしっかりと載置されたローターを備える。高い空気押出と関連する回転運動により、流入熱空気が非常に速い空気渦に変わり、これが回収されたベーマイト粒子を吸い込み、加速し、広げ、乾燥させる。完全に乾燥された後、ベーマイト生成物粒子は乱空気により、ミルから外へ輸送され、適したフィルタシステムを使用することにより熱空気および蒸気から分離される。本発明の別の実施形態では、完全に乾燥された後、ベーマイト生成物粒子は乱空気によりミルに一体化された空気分類器を通して輸送され、その後、乱空気によりミルから外へ輸送され、従来の適したフィルタシステムを使用することにより熱空気および蒸気から分離される。
【0037】
好ましい実施形態では、水性懸濁液から回収したベーマイト粒子、例えば、凝集粒子が乾燥前に少なくとも部分的に解膠される場合、凝集したベーマイト粒子または少なくとも部分的に解膠されたベーマイト粒子のいずれかは、噴霧乾燥される。噴霧乾燥は、ベーマイト製造において使用される技術である。この技術は一般に、ノズルおよび/または回転噴霧器の使用による、ベーマイト供給物、ここでは回収されたベーマイト粒子の噴霧化を含む。噴霧化された供給物はその後、高温ガス、典型的には空気と接触され、噴霧乾燥されたベーマイト生成物粒子はその後、高温ガス流から回収される。噴霧化された供給物の接触は、逆向き、または並流様式のいずれかで実施することができ、ガス温度、噴霧化、接触、ガスおよび/または噴霧化された供給物の流速は、下記で記載されるように、所望の生成物特性を有するベーマイト生成物粒子が生成されるように制御することができる。
【0038】
回収されたベーマイト粒子が噴霧乾燥される場合、回収されたベーマイト粒子は再スラリー化され、得られたスラリーが噴霧乾燥される。回収されたベーマイト粒子は、水、分散剤、またはこれらの任意の混合物の使用により再スラリー化することができる。回収されたベーマイト粒子が、水を使用して再スラリー化される場合、スラリーは一般に、スラリーの総重量に基づき、約1〜約40重量%の範囲、好ましくは約5〜約40重量%の範囲、より好ましくは約8〜約35重量%の範囲、最も好ましくは約8から約25重量%の範囲(全て同じ基礎に基づく)のベーマイト粒子を含む。回収されたベーマイト粒子が分散剤または分散剤もしくは水の混合物を用いて再スラリー化される場合、該スラリーは、分散剤効果のために、該スラリーの総重量に基づき、約50重量%までの回収されたベーマイト粒子を含み得る。この実施形態では、該スラリーの残り、すなわち、回収されたベーマイト粒子および分散剤以外は、典型的には水であるが、いくらかの試薬、汚染物質などが沈殿物から存在し得る。このように、この実施形態では、該スラリーは典型的には、スラリーの総重量に基づき、1〜約50重量%の範囲の回収されたベーマイト粒子を含み、好ましくは、該スラリーは、該スラリーの総重量に基づき、約10〜約50重量%の範囲、より好ましくは約20〜約50重量%の範囲、最も好ましくは約25〜約40重量%の範囲の回収されたベーマイト粒子を含む。本明細書で使用するのに適した分散剤の非制限的な例としては、ポリアクリレート、有機酸、ナフタレンスルホネート/ホルムアルデヒド縮合物、脂肪−アルコール−ポリグリコール−エーテル、ポリプロピレン−エチレンオキシド、ポリグリコール−エステル、ポリアミン−エチレンオキシド、ホスフェート、
ポリビニルアルコールが挙げられる。
【0039】
ベーマイト生成物粒子の回収は、濾過または、単に、「噴霧乾燥された」粒子を、それらが除去される噴霧乾燥機内に集まるように落下させるなどの回収技術の使用により達成することができるが、任意の適した回収技術を使用することができる。好ましい実施形態では、ベーマイト生成物粒子は噴霧乾燥機から、沈下させることにより回収され、らせん運搬機はそれを噴霧乾燥機から回収し、その後、圧縮空気によりパイプを通してサイロまで運搬する。
【0040】
噴霧乾燥条件は従来のものであり、下記で記載する、所望のベーマイト生成物粒子品質の知識を有する当業者により容易に選択される。一般に、これらの条件は典型的には250〜550℃の間の入口空気温度および典型的には105〜150℃の間の出口空気温度を含む。
【0041】
ベーマイト生成物粒子
本発明により生成されるベーマイト生成物粒子、すなわち、回収したベーマイト粒子を乾燥させた後に集めたベーマイト粒子は、一般に、i)DIN−66132により決定して、約20〜約300m/gの範囲のBET比表面積、ii)1200℃の温度での約20%の最大強熱減量(LOI)、iii)約250%以上の温度での2%の重量損失、および約330℃以上の温度での5%の重量損失、iv)少なくとも部分的に解膠可能、v)10〜25nmの間の結晶サイズを有する、vi)約2:1未満のアスペクト比、またはi)〜vi)の2つ以上の任意の組みあわせにより説明することができる。例示的な実施形態では、ベーマイト生成物粒子はi)〜vi)の全てにより説明される。
【0042】
本明細書で使用される重量損失は、乾燥ベーマイト粒子の水の放出を示し、熱重量分析(TGA)などのいくつかの熱分析法により直接評価することができ、本発明では、乾燥ベーマイト粒子の熱安定性はTGAにより測定した。その測定の前、ベーマイト生成物粒子試料をオーブンで4時間105℃で乾燥させ、表面水分を除去した。その後、TGA測定をMettler Toledo TGA/SDTA 851により、アルミナるつぼを用いて(約180mgの初期重量)、N(1分あたり25ml)下、1分あたり1℃の加熱速度で実施した。乾燥ベーマイト粒子(上記のように予め乾燥させた)のTGA温度を、乾燥ベーマイト粒子の重量に基づき、2重量%損失および5重量%損失で測定した。上記TGA測定はるつぼを覆うのに蓋を用いて実施したことに注意すべきである。
【0043】
いくつかの実施形態では、ベーマイト生成物粒子は約50〜約200m/gの範囲、好ましくは約70〜約180m/gの範囲のBET比表面積を有する。例示的な実施形態では、ベーマイト生成物粒子は、約80〜約150m/gの範囲のBET比表面積を有する。
【0044】
上記のように、いくつかの実施形態では、本発明により生成されるベーマイト生成物粒子は、少なくとも部分的に解膠可能であるとして特徴づけることができる。ベーマイト生成物粒子を説明するために使用する場合、少なくとも部分的に解膠可能とは、ベーマイト生成物粒子の解膠グレードまたは程度が、2以上のpH値の酢酸を使用して少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも70%、最も好ましくは少なくとも80%であることを意味する。解膠グレードを測定するための方法は一般に上記で記載されている。
【0045】
いくつかの実施形態では、本発明により生成されるベーマイト生成物粒子は、約10〜約22nmの範囲、より好ましくは約10〜約19nmの範囲の結晶サイズを有する。結晶サイズはX線回折(XRD)により下記のように決定される:X線粉末回折は、Bra
gg−Brentano集束を有するSiemens D500で、単色化のためにニッケルフィルタを備えた銅アノードを適用して、実施した。結晶サイズはScherrer式を用いて計算した:a=Kλ/βcosθ
a:結晶サイズ
λ:X線波長、CuKα=0.154nm
β:FWHM(半値全幅)
θ:反射角
K:係数、本発明者らはK=1と仮定する
ピークのブロード化に対する機器および物理的影響に対するさらなる較正は適用しなかった。
【0046】
いくつかの実施形態では、本発明のベーマイト生成物粒子は、約1:1〜約2:1の範囲のアスペクト比を有する。アスペクト比は、最長結晶寸法の最長結晶寸法に垂直な結晶の最大長に対する比率を意味する。例えば、完全な球のアスペクト比は、球の直径が本質的に全ての測定で同じである、例えば、最長結晶寸法が、この場合直径が、最長結晶寸法に垂直な結晶の最大長(これもまた直径である)と同じであるので、1:1である。故に、本発明のベーマイト生成物粒子は球に近く、またはほぼ球状であり、故に2:1未満のアスペクト比を有するということができる。当業者であれば、本発明のベーマイト粒子全てが全く同じアスペクト比を有するわけではない、すなわち、ほとんど球形であるが、完全な球ではない粒子もあれば、ほとんど完全な球、すなわち、1:1に非常に近いか1:1であるアスペクト比を有する粒子もあることを理解することに注意すべきである。ベーマイト生成物粒子は球に近いので、明確な結晶面を有さず、このため、二次アスペクト比は適用されないこともまた注意すべきである。
【0047】
ベーマイト粒子の使用
本発明により生成されるベーマイト生成物粒子は、様々な合成樹脂において難燃剤フィラーとしての用途を見出している。それ故、いくつかの実施形態では、本発明は難燃性ポリマ調合物に関する。これらの実施形態では、難燃性ポリマ調合物は、難燃性付与量の、上記ベーマイト粒子を含む。難燃性付与量のベーマイト粒子とは、100部の樹脂あたり約0.1〜約250部(「phr」)の範囲、好ましくは約5〜約150phrの範囲を一般に意味する。より好ましい実施形態では、難燃性付与量は、約10〜約120phrの範囲である。最も好ましい実施形態では、難燃性付与量は約15〜約80phrの範囲である。
【0048】
難燃性付与量の、本発明によるベーマイト粒子は、単独で、または他の難燃性添加物と組み合わせて使用することができる。そのような難燃性添加物の非制限的例は水酸化アルミニウム(ATH)、水酸化マグネシウム(MDH)、ハント石、ハイドロマグネサイト、層状複水酸化物、有機改質粘土(すなわちナノ粘土)を含む粘土、ハロゲン含有難燃剤、リンまたは有機リン化合物、窒素含有難燃剤(例えば、メラミンシアヌレート)などである。他の難燃性フィラーもまた使用される場合、それらの量は一般に、合成樹脂100部(phr)に対し、約249.9〜約0.1部(phr)の範囲である。
【0049】
本発明の難燃性ポリマ調合物はまた、少なくとも1つの、時としてただ一つの合成樹脂を含む。合成樹脂の非制限的例としては、熱可塑性樹脂、エラストマーおよび熱硬化性樹脂(未硬化、または必要に応じて硬化される)が挙げられる。好ましい実施形態では、該合成樹脂は熱可塑性樹脂である。ベーマイト生成物粒子が使用される熱可塑性樹脂の非制限的例としては、ポリエチレン、エチレン−プロピレンコポリマ、C〜Cオレフィン(α−オレフィン)のポリマおよびコポリマ、例えば、ポリブテン、ポリ(4−メチルペンテン−1)など、これらのオレフィンとジエンのコポリマ、エチレン−アクリレートコポリマ、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル樹脂(例えばPB
T)、ABS樹脂、AAS樹脂、AS樹脂、MBS樹脂、エチレン−塩化ビニルコポリマ樹脂、エチレン−酢酸ビニルコポリマ樹脂、エチレン−塩化ビニル−酢酸ビニルグラフトポリマ樹脂、塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩化ビニル−プロピレンコポリマ、酢酸ビニル樹脂、フェノキシ樹脂などが挙げられる。適した合成樹脂の別の例としては、熱硬化性樹脂、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂および尿素樹脂が挙げられ、天然または合成ゴム、例えば、EPDM、ブチルゴム、イソプレンゴム、SBR、NIR、ウレタンゴム、ポリブタジエンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フルオロ−エラストマー、NBRおよびクロロスルホン化ポリエチレンもまた含まれる。さらにポリマ懸濁液(格子)が含まれる。
【0050】
いくつかの好ましい実施形態では、少なくとも1つの合成樹脂は、ポリエチレン系樹脂、例えば高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、EVA(エチレン−酢酸ビニル樹脂)、EEA(エチレン−エチルアクリレート樹脂)、EMA(エチレン−メチルアクリレートコポリマ樹脂)、EAA(エチレン−アクリル酸コポリマ樹脂)および超高分子量ポリエチレン、ならびにC〜Cオレフィン(α−オレフィン)のポリマおよびコポリマ、例えば、ポリブテンおよびポリ(4−メチルペンテン−1)、ポリ塩化ビニルおよびゴムである。より好ましい実施形態では、該合成樹脂はポリエチレン系樹脂である。
【0051】
本発明の難燃性ポリマ調合物はまた、当技術分野で普通に使用される他の添加物を含むことができる。本発明の難燃性ポリマ調合物において使用するのに適した他の添加物の非制限的例としては、押出促進剤、例えば、ポリエチレンワックス、Si−系押出促進剤、脂肪酸、カップリング剤、例えばアミノ−、ビニル−もしくはアルキルシランまたはマレイン酸グラフトポリマ、ステアリン酸ナトリウムまたはステアリン酸カルシウム、オルガノペルオキシド、染料、顔料、フィラー、発泡剤、脱臭剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、補強剤、金属捕集剤または金属不活性化剤、衝撃改質剤、加工助剤、離型剤、潤滑剤、ブロッキング防止剤、他の難燃剤、いくつかの実施形態では、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、リン難燃剤、またはハロゲン難燃剤、UV安定剤、可塑剤、流動促進剤などが挙げられる。所望であれば、核形成剤、例えばケイ酸カルシウムまたはインジゴを難燃性ポリマ調合物中に含有させることもできる。他の必要に応じて用いられる添加物の割合は従来のものであり、任意のある状況の要求を満たすように変動させることができる。
【0052】
難燃性ポリマ調合物の成分の混入および添加法は、本発明にとって重要ではなく、選択した方法が実質的に均一な成分混合を含む限り、任意の公知のものとすることができる。例えば、上記成分の各々、および使用される場合、任意で必要に応じて使用される添加物は、Buss Ko−混練機、内部ミキサー、Farrel連続ミキサまたは二軸押出機または、場合よっては、一軸押出機または2つのロールミルを用いても、混合することができる。難燃性ポリマ調合物をそれから、後の処理工程において、そのような望まれる場合、成形させることができる。いくつかの実施形態では、成分を完全に混合し、難燃性ポリマ調合物を形成させ、また、該難燃性ポリマ調合物から物品を成形する装置を使用することができる。さらに、難燃性ポリマ調合物の成形物品は、作製後、延伸加工、エンボス加工、コーティング、印刷、めっき、穴開けまたは切断などの用途に使用することができる。該成形物品はまた、本発明の難燃性ポリマ調合物以外の材料、例えば、石こうボード、木材、ベニヤ板、金属材料または石に取り付けることもできる。しかしながら、混練混合物はまた、インフレーション成形、射出成形、押出成形、吹込成形、プレス成形、回転成形、またはカレンダ成形させることができる。
【0053】
押出成形物品の場合、上記合成樹脂混合物で有効であることが知られている任意の押出
技術を使用することができる。1つの例示的な技術では、合成樹脂、ベーマイト粒子、および、選択された場合必要に応じて用いられる成分を、配合機内で配合させ、上記のように難燃性樹脂調合物を形成させる。難燃性樹脂調合物をその後、押出成形機内で溶融状態となるまで加熱し、溶融した難燃性樹脂調合物をその後、選択したダイを通して押し出し、押出成形物品を形成させ、または、例えばデータ伝送のために使用される金属ワイヤまたはガラスファイバを被覆する。
【0054】
上記説明は、本発明のいくつかの実施形態に向けられたものである。当業者であれば、本発明の精神を実施するために、同様に有効である他の手段が考案されることを認識するであろう。本発明の好ましい実施形態は、本明細書で記載した全ての範囲は、任意のより低い量から任意のより高い量までの範囲を含むことを企図していることもまた注意すべきである。
【実施例】
【0055】
以下の実施例は、本発明を説明するものであり、いかなる意味においても制限することを意図しない。
【0056】
実施例1(発明)
下記実施例で使用される水中の水性バイエライト/ギブサイト懸濁液は、98g/lの固体量を有した。BET比表面は27.2m/gであり、メジアンd50粒径は1.88μmであった。d50値は上記のように決定した。
【0057】
室温で、擬ベーマイト588gを、激しく撹拌しながら、脱イオン水5292gと混合し、水中の10重量%の擬ベーマイト懸濁液を得た。該擬ベーマイトが100%解膠され、ゾルとなるまで、硝酸(濃)10gを滴下した。得られたゾルのpH値は2であった。50リットルのオートクレーブに、水中バイエライト/ギブサイト懸濁液30リットルを注ぎ入れた。懸濁液の固体量は98g/lであり、該懸濁液中のATH粒子の総量は2940gであった。水と硝酸を含むベーマイトゾルの総量を該オートクレーブに添加すると、588g/2940gのベーマイトゾル/ATH比が得られたが、これは20%に対応する。結晶成長調節剤として、濃水酸化ナトリウム溶液500gを、12.5のpH値が得られるまで添加した。その後、該懸濁液を撹拌機を使用して撹拌しながら、約3℃/分の加熱速度で200℃の温度まで加熱し、その温度で1時間維持した。該オートクレーブ内の圧力は自然発生とした。該懸濁液を撹拌しながら約50℃まで、約10℃/分の冷却速度で冷却させた。その後、該懸濁液を容器に注ぎ入れ、さらに室温まで冷却させた。室温まで冷却した後、ベーマイト粒子懸濁液10リットルを、濾紙を用いて濾過した。このように得られた濾過ケーキをその後、2度、脱イオン水15リットルに再懸濁させ、再び濾過した。洗浄したフィルタケーキを使用して、10重量%の固体量を有する水性懸濁液を生成させた。その後、酢酸約200gを撹拌しながら、3.5のpH値が得られるまで滴下した。3.5のpH値が達成された後10分間、撹拌機を用いて約5000rpmで撹拌を維持した。ベーマイトゾル、最終的には解膠されていないベーマイト粒子、水、および酢酸を含む得られた懸濁液2リットルをその後、Buchi Company製の「B−290」型噴霧乾燥機を用いて噴霧乾燥させ、これにより、乾燥ベーマイト粒子を生成させた。噴霧乾燥機のスループットは約50g/h固体であり、入口空気温度は約220℃であり、出口空気温度は約73℃であった。
【0058】
乾燥ベーマイト粒子の解膠グレードを測定するために、10重量%の乾燥ベーマイト粒子を含む懸濁液をビーカー中で、撹拌機を使用し、脱イオン水1リットルを用いて作製した。その後、3.5のpH値が得られるまで、酢酸を撹拌しながら滴下した。撹拌機を使用して、約5000rpmで10分間撹拌を維持した。ベーマイトゾル、解膠されていないベーマイト粒子および酢酸を含む得られた懸濁液から、1リットルの懸濁液あたりのg
で表される新規総ベーマイト量を、添加した酢酸量を考慮することにより計算することができる。ベーマイトゾル、解膠されていないベーマイト粒子および酢酸を含む得られた懸濁液から、40mlをビーカーからピペットにより取り出し、フラスコに注ぎ入れ、遠心分離機中、約5000rpmで10分間遠心分離した。遠心分離後、ピペットにより、溶液の底に堆積した解膠されていないベーマイト粒子を取らずに、ゾルを除去する。解膠されていないベーマイト粒子を含むフラスコをその後、オーブン内、105℃で24時間乾燥させた。乾燥させた解膠されていないベーマイト粒子を含む乾燥フラスコと、空のフラスコとの間の重量差により、フラスコ内の40mlの懸濁液中に存在する解膠されていないベーマイト粒子重量が得られる。解膠グレードPはその後、フラスコ内の40mlの体積中に存在するベーマイト粒子の総重量と解膠されていないベーマイト粒子の重量との重量差を40mlの体積中の総ベーマイト粒子の重量で割ることにより得られる。本実施例では、85%の解膠グレードが得られた。
【0059】
下記表1は本発明のベーマイトグレードの特性をまとめたものである。
【表1】

【0060】
実施例1のベーマイト粒子の結晶形態はほぼ球状であった。
【0061】
実施例2(発明)
室温で、擬ベーマイト588gを、激しく撹拌しながら、脱イオン水5292gと混合し、水中の10重量%の擬ベーマイト懸濁液を得た。擬ベーマイトが100%解膠され、ゾルとなるまで、硝酸(濃)10gを滴下した。得られたゾルのpH値は2であった。50リットルのオートクレーブに、水中バイエライト/ギブサイト懸濁液30リットルを注ぎ入れた。該懸濁液の固体量は98g/lであり、該懸濁液中のATH粒子の総量は2940gであった。水と硝酸を含むベーマイトゾルの総量を該オートクレーブに添加すると、588g/2940gのベーマイトゾル/ATH比が得られたが、これは20%に対応する。結晶成長調節剤として、濃水酸化ナトリウム溶液500gを、12.5のpH値が得られるまで添加した。その後、該懸濁液を、撹拌機を使用して撹拌しながら、約3℃/分の加熱速度で200℃の温度まで加熱し、その温度で1時間維持した。該オートクレーブ内の圧力は自然発生とした。該懸濁液を撹拌しながら約50℃まで、約10℃/分の冷却速度で冷却させた。その後、該懸濁液を容器に注ぎ入れ、さらに室温まで冷却させた。室温まで冷却した後、ベーマイト粒子懸濁液10リットルを、濾紙を用いて濾過した。このように得られた濾過ケーキをその後、2度、脱イオン水15リットルに再懸濁させ、再び濾過した。洗浄したフィルタケーキを使用して、10重量%の固体量を有する水性懸濁液を生成させた。得られた懸濁液2リットルをその後、Buchi Company製の「B−290」型噴霧乾燥機を用いて噴霧乾燥させ、これにより、乾燥ベーマイト粒子を生成させた。噴霧乾燥機のスループットは約50g/h固体であり、入口空気温度は約220℃であり、出口空気温度は約73℃であった。
【0062】
乾燥ベーマイト粒子の解膠グレードを測定するために、10重量%の乾燥ベーマイト粒子を含む懸濁液をビーカー中で、撹拌機を使用し、脱イオン水1リットルを用いて作製し
た。その後、3.5のpH値が得られるまで、酢酸を撹拌しながら滴下した。撹拌機を使用して、約5000rpmで10分間撹拌を維持した。ベーマイトゾル、解膠されていないベーマイト粒子および酢酸を含む得られた懸濁液から、1リットルの懸濁液あたりのgで表される新規総ベーマイト量を、添加した酢酸量を考慮することにより計算することができる。ベーマイトゾル、解膠されていないベーマイト粒子および酢酸を含む得られた懸濁液から、40mlをビーカーからピペットにより取り出し、フラスコに注ぎ入れ、遠心分離機中、約5000rpmで10分間遠心分離した。遠心分離後、ピペットにより、溶液の底に堆積した解膠されていないベーマイト粒子を取らずに、ゾルを除去する。解膠されていないベーマイト粒子を含むフラスコをその後、オーブン内、105℃で24時間乾燥させた。乾燥させた解膠されていないベーマイト粒子を含む乾燥フラスコと、空のフラスコとの間の重量差により、フラスコ内の40mlの懸濁液中に存在する解膠されていないベーマイト粒子重量が得られる。解膠グレードPはその後、フラスコ内の40mlの体積中に存在するベーマイト粒子の総重量と解膠されていないベーマイト粒子の重量との重量差を40mlの体積中の総ベーマイト粒子の重量で割ることにより得られる。本実施例では、81%の解膠グレードが得られた。
【0063】
下記表2は本発明のベーマイトグレードの特性をまとめたものである。
【表2】

【0064】
実施例2のベーマイト粒子の結晶形態はほぼ球状であった。
【0065】
実施例3(比較)
室温で、擬ベーマイト588gを、激しく撹拌しながら、脱イオン水5292gと混合し、水中の10重量%の擬ベーマイト懸濁液を得た。50リットルのオートクレーブに、水中バイエライト/ギブサイト懸濁液30リットルを注ぎ入れた。該懸濁液の固体量は98g/lであり、該懸濁液中のATH粒子の総量は2940gであった。解膠されていない擬ベーマイトと水を含むベーマイト懸濁液の総量を該オートクレーブに添加すると、588g/2940gのベーマイト/ATH比が得られたが、これは20%に対応する。結晶成長調節剤として、濃水酸化ナトリウム溶液200gを、12.5のpH値が得られるまで添加した。その後、懸濁液を、撹拌機を使用して撹拌しながら、約3℃/分の加熱速度で200℃の温度まで加熱し、その温度で1時間維持した。該オートクレーブ内の圧力は自然発生とした。該懸濁液を撹拌しながら約50℃まで、約10℃/分の冷却速度で冷却させた。その後、該懸濁液を容器に注ぎ入れ、さらに室温まで冷却させた。室温まで冷却した後、ベーマイト粒子懸濁液10リットルを、濾紙を用いて濾過した。このように得られた濾過ケーキをその後、2度、脱イオン水15リットルに再懸濁させ、再び濾過した。洗浄したフィルタケーキを使用して、10重量%の固体量を有する水性懸濁液を生成させた。酢酸をその後、3.5のpH値が得られるまで撹拌しながら滴下した。撹拌機を使用して約5000rpmで10分間撹拌を維持した。ベーマイトゾル、最終的に解膠されていないベーマイト粒子、水および酢酸を含む得られた懸濁液2リットルをその後、Buchi Company製の「B−290」型噴霧乾燥機を用いて噴霧乾燥させ、これにより、乾燥ベーマイト粒子を生成させた。噴霧乾燥機のスループットは約50g/h固体
であり、入口空気温度は約220℃であり、出口空気温度は約73℃であった。
【0066】
該乾燥ベーマイト粒子の解膠グレードを測定するために、10重量%の乾燥ベーマイト粒子を含む懸濁液をビーカー中で、撹拌機を使用し、脱イオン水1リットルを用いて作製した。その後、3.5のpH値が得られるまで、酢酸を撹拌しながら滴下した。撹拌機を使用して、約5000rpmで10分間撹拌を維持した。ベーマイトゾル、解膠されていないベーマイト粒子および酢酸を含む得られた懸濁液から、1リットルの懸濁液あたりのgで表される新規総ベーマイト量を、添加した酢酸量を考慮することにより計算することができる。ベーマイトゾル、解膠されていないベーマイト粒子および酢酸を含む得られた懸濁液から、40mlをビーカーからピペットにより取り出し、フラスコに注ぎ入れ、遠心分離機中、約5000rpmで10分間遠心分離した。遠心分離後、ピペットにより、溶液の底に堆積した解膠されていないベーマイト粒子を取らずに、該ゾルを除去する。解膠されていないベーマイト粒子を含むフラスコをその後、オーブン内、105℃で24時間乾燥させた。乾燥させた解膠されていないベーマイト粒子を含む乾燥フラスコと、空のフラスコとの間の重量差により、フラスコ内の40mlの懸濁液中に存在する解膠されていないベーマイト粒子重量が得られる。解膠グレードPはその後、フラスコ内の40mlの体積中に存在するベーマイト粒子の総重量と解膠されていないベーマイト粒子の重量との重量差を40mlの体積中の総ベーマイト粒子の重量で割ることにより得られる。本実施例では、5%の解膠グレードが得られた。
【0067】
下記表3は発明ではないベーマイトグレードの特性をまとめたものである。
【表3】

【0068】
実施例3のベーマイト粒子の結晶形態は不規則な板状であった。
【0069】
実施例4(比較)
50リットルのオートクレーブに、水中バイエライト/ギブサイト懸濁液37リットルを注ぎ入れた。該懸濁液の固体量は98g/lであり、該懸濁液中のATH粒子の総量は3626gであった。結晶成長調節剤として、濃水酸化ナトリウム溶液200gを、12.5のpH値が得られるまで添加した。その後、該懸濁液を、撹拌機を使用して撹拌しながら、約3℃/分の加熱速度で200℃の温度まで加熱し、その温度で1時間維持した。該オートクレーブ内の圧力は自然発生とした。該懸濁液を撹拌しながら約50℃まで、約10℃/分の冷却速度で冷却させた。その後、該懸濁液を容器に注ぎ入れ、さらに室温まで冷却させた。室温まで冷却した後、ベーマイト粒子懸濁液10リットルを、濾紙を用いて濾過した。このように得られた濾過ケーキをその後、2度、脱イオン水15リットルに再懸濁させ、再び濾過した。洗浄したフィルタケーキを使用して、10重量%の固体量を有する水性懸濁液を生成させた。得られた懸濁液2リットルをその後、Buchi Company製の「B−290」型噴霧乾燥機を用いて噴霧乾燥させた。噴霧乾燥機のスループットは約50g/h固体であり、入口空気温度は約220℃であり、出口空気温度は約73℃であった。
【0070】
10重量%のベーマイト粒子を含む懸濁液をビーカー中で、撹拌機を使用し、脱イオン水1リットルおよび乾燥ベーマイト粒子を用いて作製した。その後、3.5のpH値が得られるまで、酢酸を撹拌しながら滴下した。撹拌機を使用して、約5000rpmで10分間撹拌を維持した。ベーマイトゾル、ベーマイト粒子および酢酸を含む得られた溶液から、1リットルの溶液あたりのgで表される新規総ベーマイト量を、添加した酢酸量を考慮することにより計算することができる。ベーマイトゾル、ベーマイト粒子および酢酸を含む得られた溶液から、40mlをビーカーからピペットにより取り出し、フラスコに注ぎ入れ、遠心分離機中、約5000rpmで10分間遠心分離した。遠心分離後、ピペットにより、溶液の底に堆積したベーマイト粒子を取らずに、該ゾルを除去する。解膠されていないベーマイト粒子を含むフラスコをその後、オーブン内、105℃で24時間乾燥させた。乾燥させた解膠されていないベーマイト粒子を含む乾燥フラスコと、空のフラスコとの間の重量差により、フラスコ内の40mlの懸濁液中に存在する解膠されていないベーマイト粒子重量が得られる。解膠グレードPはその後、フラスコ内の40mlの体積中に存在するベーマイト粒子の総重量と解膠されていないベーマイト粒子の重量との重量差を40mlの体積中の総ベーマイト粒子の重量で割ることにより得られる。本実施例では、2%の解膠グレードが得られた。
【0071】
下記表4は発明ではないベーマイトグレードの特性をまとめたものである。
【表4】

【0072】
実施例4のベーマイト粒子の結晶形態は不規則な板状であった。
【0073】
実施例5(応用−発明)
100phr(約284.5g)のエチレンビニルアセテート(EVA)、Exxon
Mobil社のEscorene(商標)Ultra UL00119を、約20分間、Collin Companyの2ロールミル、W150Mで、実施例1で生成させた発明のベーマイトフィラー75phr(約213.4g)と混合させた。2ロールミルでの混合は、酸化防止剤であるAlbemarle CorporationのEthanox(登録商標)310の0.75phr(約2.1g)と共に、当業者によく知られた普通の様式で実施した。2つのロールの温度は130℃に設定した。用意ができた化合物をミルから取り出し、室温まで冷却した後、さらに、サイズを減少させ、2段プレスでの圧縮成形に適した、またはさらに評価するための押出成形ストリップを得るための研究室用押出成形機に送るのに適した、顆粒を得た。難燃性樹脂調合物の機械特性を決定するために、該顆粒を、Haake Rheomex押出成形機を備えたHaake Polylab Systemを用いて押出成形し2mmの厚さのテープにした。
【0074】
図1は実施例1で生成させた本発明のベーマイトフィラー75phrを添加した、このEVA化合物の3mmの厚さの板の透光性を示す。
【0075】
この実験の機械特性および難燃性は、下記の表5に含められる。
【0076】
実施例6(応用−発明)
100phr(約284.5g)のエチレンビニルアセテート(EVA)、Exxon
Mobil社のEscorene(商標)Ultra UL00119を、約20分間、Collin Companyの2ロールミル、W150Mで、実施例2で生成させた発明のベーマイトフィラー75phr(約213.4g)と混合させた。2ロールミルでの混合は、酸化防止剤であるAlbemarle CorporationのEthanox(登録商標)310の0.75phr(約2.1g)と共に、当業者によく知られた普通の様式で実施した。2つのロールの温度は130℃に設定した。用意ができた化合物をミルから取り出し、室温まで冷却した後、さらに、サイズを減少させ、2段プレスでの圧縮成形に適した、またはさらに評価するための押出成形ストリップを得るための研究室用押出成形機に送るのに適した、顆粒を得た。難燃性樹脂調合物の機械特性を決定するために、該顆粒を、Haake Rheomex押出成形機を備えたHaake Polylab Systemを用いて押出成形し2mmの厚さのテープにした。
【0077】
図2は実施例2で生成させた本発明のベーマイトフィラー75phrを添加した、このEVA化合物の3mmの厚さの板の透光性を示す。
【0078】
この実験の機械特性および難燃性は、下記の表5に含められる。
【0079】
実施例7(応用−比較)
100phr(約284.5g)のエチレンビニルアセテート(EVA)、Exxon
Mobil社のEscorene(商標)Ultra UL00119を、約20分間、Collin Companyの2ロールミル、W150Mで、実施例3で生成させた比較ベーマイトフィラー75phr(約213.4g)と混合させた。2ロールミルでの混合は、酸化防止剤であるAlbemarle CorporationのEthanox(登録商標)310の0.75phr(約2.1g)と共に、当業者によく知られた普通の様式で実施した。2つのロールの温度は130℃に設定した。用意ができた化合物をミルから取り出し、室温まで冷却した後、さらに、サイズを減少させ、2段プレスでの圧縮成形に適した、またはさらに評価するための押出成形ストリップを得るための研究室用押出成形機に送るのに適した、顆粒を得た。難燃性樹脂調合物の機械特性を決定するために、該顆粒を、Haake Rheomex押出成形機を備えたHaake Polylab Systemを用いて押出成形し2mmの厚さのテープにした。
【0080】
図3は実施例3で生成させた比較ベーマイトフィラー75phrを添加した、このEVA化合物の3mmの厚さの板の不透明性を示す。
【0081】
この実験の機械特性および難燃性は、下記の表5に含められる。
【0082】
実施例8(応用−比較)
100phr(約284.5g)のエチレンビニルアセテート(EVA)、Exxon
Mobil社のEscorene(商標)Ultra UL00119を、約20分間、Collin Companyの2ロールミル、W150Mで、実施例4で生成させた比較ベーマイトフィラー75phr(約213.4g)と混合させた。2ロールミルでの混合は、酸化防止剤であるAlbemarle CorporationのEthanox(登録商標)310の0.75phr(約2.1g)と共に、当業者によく知られた普通の様式で実施した。2つのロールの温度は130℃に設定した。用意ができた化合物をミルから取り出し、室温まで冷却した後、さらに、サイズを減少させ、2段プレスでの圧縮成形に適した、またはさらに評価するための押出成形ストリップを得るための研究室用押出成形機に送るのに適した、顆粒を得た。難燃性樹脂調合物の機械特性を決定するために、該顆粒を、Haake Rheomex押出成形機を備えたHaake Polyl
ab Systemを用いて押出成形し2mmの厚さのテープにした。
【0083】
図4は実施例4で生成させた比較ベーマイトフィラー75phrを添加した、このEVA化合物の3mmの厚さの板の不透明性を示す。
【0084】
実施例9(応用−比較)
100phr(約284.5g)のエチレンビニルアセテート(EVA)、Exxon
Mobil社のEscorene(商標)Ultra UL00119を、約20分間、Collin Companyの2ロールミル、W150Mで、比較の市販の水酸化マグネシウムフィラー、Martinswerk GmbH社のMagnifin H5の75phr(約213.4g)と混合した。2ロールミルでの混合は、酸化防止剤であるAlbemarle CorporationのEthanox(登録商標)310の0.75phr(約2.1g)と共に、当業者によく知られた普通の様式で実施した。2つのロールの温度は130℃に設定した。用意ができた化合物をミルから取り出し、室温まで冷却した後、さらに、サイズを減少させ、2段プレスでの圧縮成形に適した、またはさらに評価するための押出成形ストリップを得るための研究室用押出成形機に送るのに適した、顆粒を得た。難燃性樹脂調合物の機械特性を決定するために、該顆粒を、Haake
Rheomex押出成形機を備えたHaake Polylab Systemを用いて押出成形し2mmの厚さのテープにした。
【0085】
図5は市販の水酸化マグネシウムフィラー、Magnifin H5 75phrを添加した、このEVA化合物の3mmの厚さの板の不透明性を示す。
【0086】
実施例10(応用−比較)
100phr(約284.5g)のエチレンビニルアセテート(EVA)、Exxon
Mobil社のEscorene(商標)Ultra UL00119を、約20分間、Collin Companyの2ロールミル、W150Mで、比較の市販の水酸化アルミニウムフィラー、Martinswerk GmbHのMartinal OL 104 LEの75phr(約213.4g)と混合した。2ロールミルでの混合は、酸化防止剤であるAlbemarle CorporationのEthanox(登録商標)310の0.75phr(約2.1g)と共に、当業者によく知られた普通の様式で実施した。2つのロールの温度は130℃に設定した。用意ができた化合物をミルから取り出し、室温まで冷却した後、さらに、サイズを減少させ、2段プレスでの圧縮成形に適した、またはさらに評価するための押出成形ストリップを得るための研究室用押出成形機に送るのに適した顆粒、を得た。難燃性樹脂調合物の機械特性を決定するために、該顆粒を、Haake Rheomex押出成形機を備えたHaake Polylab Systemを用いて押出成形し2mmの厚さのテープにした。
【0087】
図6は市販の水酸化アルミニウムフィラー、Martinal OL−104 LE、75phrを添加した、このEVA化合物の3mmの厚さの板の不透明性を示す。
【表5】

【0088】
引張強度および破断点伸びはDIN 53504およびEN ISO 527にしたがい測定し、コーン熱量測定は3mmの厚さの圧縮成形板において、ASTM E1354にしたがい、35kW/mで実施した。表5で示したピーク熱放出速度(PHRR)は、コーン熱量計における試料の燃焼中に放出される熱の最大値である。PHRR値が低いほど、良好な難燃性が示される。表5における点火時間(TTI)値は、試料がコーン熱量計中で熱に曝露されたことにより点火する時間である。防火性能指数FPIは、点火時間値とピーク熱放出速度の割合として規定され、このように両方の量を結合させている。FPIに対する値が高いほど、良好な難燃性を示すことは明らかである。
【0089】
表5から、透光性および最高FPI値は、発明のフィラーに対してのみ得られるということになる。比較応用例9および10はまた、新規発明のベーマイトグレードはより効果的な難燃剤であること、FPIは市販の水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムグレードで最も低くなることを示す。
【0090】
実施例11
化合物の透光性
本発明による方法および生成物の使用により達成することができる利益のいくつかをよりよく示すために、前記実施例において生成させたいくつかの化合物の透光性を、DIN
53147にしたがい、Datacolor社製のElrepho 2000(電気反射率光度計)を用いた透光性の測定により定量化した。2mmの厚さ、フィラーレベル75phr(43%)の板に対する値を表6に示す。
【表6】

【0091】
本明細書またはこの特許請求の範囲のどこかで化学名または化学式により言及されてい
る構成要素は、化学名または化学型により言及されている他の物質(例えば、別の構成要素、溶媒、など)と接触する前に存在しているので、単数で言及されていようと、複数で言及されていようと、特定される。もしあったとしても、何の化学変化、変換および/または反応が得られた混合物または溶液中で起きたかは重要ではなく、というのは、そのような変化、変換および/または反応は、この開示に従って要求される条件下で、特定の構成要素を一緒にした自然の結果であるからである。故に当該構成要素は、所望の操作の実施に関連して、または所望の組成物の形成において一緒にされる成分として特定される。また、以下の特許請求の範囲が現在時制で物質、構成要素および/または成分に言及したとしても(「含む」、「である」など)、本開示による、1つもしくは複数の他の物質、構成要素および/または成分と最初に接触され、ブレンドされまたは混合される直前に存在する物質、構成要素または成分への言及である。物質、構成要素または成分は、接触、ブレンドまたは混合操作中、化学反応または変換により、それが本開示にしたがい、および化学者の普通の技術にしたがい実施された場合、その元の識別性を損失し得るという事実は、故に、実際の関心事ではない。
【0092】
本明細書で記載し、主張した本発明は、これらの実施例および実施形態が、本発明のいくつかの態様の説明として意図されるので、本明細書で開示した特定の例および実施形態による範囲に制限されるものではない。いずれの等価な実施形態も、本発明の範囲内にあるものと意図される。実際、本明細書で示し、記載したものに加えて本発明の様々な改変が前記説明により当業者には明らかになるであろう。そのような改変もまた添付の特許請求の範囲内にあるものと意図される。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも水酸化アルミニウム粒子(「ATH」)と、前記水酸化アルミニウム粒子の総重量に基づき、約1〜約40重量%の少なくとも部分的に解膠されたベーマイトとを含む混合物を、水および1つもしくは複数の塩基結晶成長調節剤の存在下、少なくとも約160℃の1つもしくは複数の温度まで最大約2日までの期間加熱し、これにより、少なくともベーマイト生成物粒子を含む水性生成物懸濁液を生成させる工程を含み、前記ベーマイト生成物粒子が約2:1未満のアスペクト比を有する、方法。
【請求項2】
前記混合物中の前記塩基結晶成長調節剤の量が、約10〜約14の範囲のpHをもたらす、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記混合物中の前記塩基結晶成長調節剤の量が、約11〜約13の範囲のpHをもたらす、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記ATH粒子が約1〜約100m/gの範囲のBETを有する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記ATH粒子が約0.1〜約60μmの範囲のd50を有する、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記ATH粒子が、i)約1〜約100m/gの範囲のBETおよび約0.1〜約4μmの範囲のd50、ii)約10〜約60m/gの範囲のBETおよび約0.5〜約4μmの範囲のd50、iii)約20〜約40m/gの範囲のBETおよび約1〜約3μmの範囲のd50、またはiv)約25〜約35m/gの範囲のBETおよび約1.5〜約2.5μmの範囲のd50を有する、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記ATH粒子が、前記水性懸濁液の総重量に基づき、約1〜約30重量%の範囲のATH粒子を含む水性懸濁液中に存在する、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記ATH粒子が純粋ギブサイトまたはバイエライト/ギブサイト混合物である、請求項6または7記載の方法。
【請求項9】
前記ATH粒子がバイエライト/ギブサイト混合物であり、そのようなバイエライト/ギブサイト混合物中の前記バイエライト部分が、前記バイエライト/ギブサイト混合物の総重量に基づき、少なくとも約50重量%である、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記バイエライト/ギブサイト混合物が、前記バイエライト/ギブサイト混合物の総重量に基づき、少なくとも約5重量%のギブサイトを含む、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記水性懸濁液が、前記水性懸濁液の総重量に基づき、約7重量%〜約9重量%の範囲のATH粒子を含む、請求項7記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも部分的に解膠可能なベーマイトが、解膠される前、約70〜約400m/gの範囲のBETを有し、少なくとも約30%だけ解膠可能であり、0.02μmを超えるd50を有するものとして特徴づけられる、請求項6記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも部分的に解膠可能なベーマイトが、解膠される前、約280〜約300m/gの範囲のBETを有し、実質的に完全に解膠可能であり、0.04μmを超えるd50を有するものとして特徴づけられる、請求項6記載の方法。
【請求項14】
前記混合物が、約160℃〜約340℃の範囲の1つもしくは複数の温度まで、大体大気圧より高い1つもしくは複数の圧力で加熱される、請求項9記載の方法。
【請求項15】
前記混合物が、約160℃〜約215℃の範囲の1つもしくは複数の温度まで、約7〜約23barの範囲の1つもしくは複数の圧力で加熱される、請求項12記載の方法。
【請求項16】
前記水性生成物懸濁液を冷却する、または冷却してもよい、請求項1記載の方法。
【請求項17】
前記水性生成物懸濁液を少なくとも室温まで冷却させ、または冷却し、その後、前記冷却された水性生成物懸濁液から少なくとも一部のベーマイト生成物粒子を回収する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項18】
前記回収されたベーマイト生成物粒子を1回もしくは複数回水で洗浄し、その後、乾燥させ、ベーマイト生成物粒子を生成させる、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記水性生成物懸濁液に、乾燥前に、酸または塩基を添加し、前記生成物水溶液中の前記ベーマイト生成物粒子を少なくとも部分的に解膠させ、前記水性生成物懸濁液に添加される酸の量が、前記生成物水溶液のpH値を約1〜約5の範囲内に達成させ、および/または、維持するのに十分な量であり、または、前記水性生物懸濁液に添加される塩基の量が、前記生成物水溶液のpH値を約10〜約14の範囲内に達成させ、および/または、維持するのに十分な量である、請求項18記載の方法。
【請求項20】
a)前記ベーマイト生成物粒子を水、分散剤、またはそれらの混合物を用い再スラリー化させ、これにより、第1のベーマイト生成物粒子懸濁液を生成させ、前記ベーマイト生成物粒子懸濁液に酸または塩基を添加し、これにより少なくとも部分的に解膠されたベーマイト生成物粒子を含む第2のベーマイト生成物粒子懸濁液を生成させる工程であって、前記第1のベーマイト生成物粒子懸濁液に添加される酸の量が、約1〜約5の範囲のpHを達成し、および/または、維持するのに十分な量であり、または使用される塩基の量は、第2のベーマイト生成物粒子懸濁液の得られるpH値が約10〜14の範囲内にあるようなものとされる、工程と、
b)前記少なくとも部分的に解膠されたベーマイト生成物粒子を回収し、必要に応じて乾燥させる工程と
をさらに含む、請求項17または19記載の方法。
【請求項21】
前記ベーマイト生成物粒子が、
a)DIN−66132により決定された約20〜約300m/gの範囲のBET比表面積、1200℃の温度での約20%の最大強熱減量(LOI)、10〜25nmの間の結晶サイズ、および約2:1未満のアスペクト比、または
b)約50〜約200m/gの範囲のBET比表面積、TGAにより決定された約250℃以上の温度での2%の重量損失および約330℃以上の温度での5%の重量損失、1200℃の温度での20%の最大強熱減量(LOI)、10〜22nmの間の結晶サイズ、ならびに約1:1〜約2:1の範囲のアスペクト比、または
c)約70〜約180m/gの範囲のBET比表面積、TGAにより決定された約250℃以上の温度での2%の重量損失および約330℃以上の温度での5%の重量損失、1200℃の温度での20%の最大強熱減量(LOI)、10〜22nmの間の結晶サイズ、ならびに約1:1〜約2:1の範囲のアスペクト比、または
d)約80〜約150m/gの範囲のBET比表面積、TGAにより決定された約250℃以上の温度での2%の重量損失および約330℃以上の温度での5%の重量損失、1200℃の温度での20%の最大強熱減量(LOI)、10〜19nmの間の結晶サイ
ズ、ならびに約1:1〜約2:1の範囲のアスペクト比
により特徴づけられる、請求項1記載の方法。
【請求項22】
前記ベーマイト生成物粒子が、
a)DIN−66132により決定された約20〜約300m/gの範囲のBET比表面積、1200℃の温度での20%の最大強熱減量(LOI)、10〜25nmの間の結晶サイズ、および約2:1未満のアスペクト比、または
b)約50〜約200m/gの範囲のBET比表面積、TGAにより決定された約250℃以上の温度での2%の重量損失および約330℃以上の温度での5%の重量損失、1200℃の温度での20%の最大強熱減量(LOI)、10〜22nmの間の結晶サイズ、ならびに約1:1〜約2:1の範囲のアスペクト比、または
c)約70〜約180m/gの範囲のBET比表面積、TGAにより決定された約250℃以上の温度での約2%の重量損失および約330℃以上の温度での5%の重量損失、1200℃の温度での20%の最大強熱減量(LOI)、10〜22nmの間の結晶サイズ、ならびに約1:1〜約2:1の範囲のアスペクト比、または
d)約80〜約150m/gの範囲のBET比表面積、TGAにより決定された約250℃以上の温度での2%の重量損失および約330℃以上の温度での5%の重量損失、1200℃の温度での20%の最大強熱減量(LOI)、10〜19nmの間の結晶サイズ、ならびに約1:1〜約2:1の範囲のアスペクト比
により特徴づけられる、請求項17〜19のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
前記ベーマイト生成物粒子が、2以上のpH値の酢酸を用い、10重量%の固体量を含む水溶液中で、少なくとも30%だけ解膠可能であると特徴づけられる、請求項21記載の方法。
【請求項24】
前記ベーマイト生成物粒子が、2以上のpH値の酢酸を用い、10重量%の固体量を含む水溶液中で、少なくとも30%だけ解膠されていると特徴づけられる、請求項22記載の方法。
【請求項25】
前記ベーマイト生成物粒子が、ほぼ球状である、請求項1記載の方法。
【請求項26】
少なくとも水酸化アルミニウム粒子(「ATH」)と、前記水酸化アルミニウム粒子の総重量に基づき、約1〜約40重量%の少なくとも部分的に解膠されたベーマイトとを含む混合物を、水および1つもしくは複数の塩基結晶成長調節剤の存在下、少なくとも約160℃の1つもしくは複数の温度まで最大約2日までの期間加熱し、これにより、少なくともベーマイト生成物粒子を含む水性生成物懸濁液を生成させる工程を含み、前記ベーマイト生成物粒子がほぼ球状である、方法
【請求項27】
2:1未満のアスペクト比を有し、2以上のpH値の酢酸を用いることにより少なくとも30%だけ解膠可能であり、さらに
a)DIN−66132により決定された約20〜約300m/gの範囲のBET比表面積、1200℃の温度での約20%の最大強熱減量(LOI)、および10〜25nmの間の結晶サイズ、または
b)約50〜約200m/gの範囲のBET比表面積、TGAにより決定された約250℃以上の温度での2%の重量損失および約330℃以上の温度での5%の重量損失、1200℃の温度での20%の最大強熱減量(LOI)、および10〜22nmの間の結晶サイズ、または
c)約70〜約180m/gの範囲のBET比表面積、TGAにより決定された約250℃以上の温度での2%の重量損失および約330℃以上の温度での5%の重量損失、1200℃の温度での20%の最大強熱減量(LOI)、および10〜22nmの間の結
晶サイズ、または
d)約80〜約150m/gの範囲のBET比表面積、TGAにより決定された約250℃以上の温度での2%の重量損失および約330℃以上の温度での5%の重量損失、1200℃の温度での20%の最大強熱減量(LOI)、および10〜19nmの間の結晶サイズ
により特徴づけられる、ベーマイト粒子。
【請求項28】
10重量%の固体量を含む水溶液中で、i)2以上のpH値の酢酸を用いて少なくとも50%、ii)2以上のpH値の酢酸を用いて少なくとも70%、またはiii)2以上のpH値の酢酸を用いて少なくとも80%だけ解膠可能である、請求項27記載のべーマイト粒子。
【請求項29】
前記ベーマイト粒子がほぼ球状である、請求項27記載のベーマイト粒子。
【請求項30】
約1:1〜約2:1の範囲のアスペクト比を有し、2以上のpH値の酢酸を用いて少なくとも30%だけ解膠され、さらに
a)DIN−66132により決定された約20〜約300m/gの範囲のBET比表面積、1200℃の温度での約20%の最大強熱減量(LOI)、および10〜25nmの間の結晶サイズ、または
b)約50〜約200m/gの範囲のBET比表面積、TGAにより決定された約250℃以上の温度での2%の重量損失および約330℃以上の温度での5%の重量損失、1200℃の温度での20%の最大強熱減量(LOI)、および10〜22nmの間の結晶サイズ、または
c)約70〜約180m/gの範囲のBET比表面積、TGAにより決定された約250℃以上の温度での2%の重量損失および約330℃以上の温度での5%の重量損失、1200℃の温度での20%の最大強熱減量(LOI)、および10〜22nmの間の結晶サイズ、または
d)約80〜約150m/gの範囲のBET比表面積、TGAにより決定された約250℃以上の温度での2%の重量損失および約330℃以上の温度での5%の重量損失、1200℃の温度での20%の最大強熱減量(LOI)、および10〜19nmの間の結晶サイズ
により特徴づけられる、ベーマイト粒子。
【請求項31】
10重量%以下の固体量を含む水溶液中で、i)2以上のpH値の酢酸を用いて少なくとも50%、ii)2以上のpH値の酢酸を用いて少なくとも70%、またはiii)2以上のpH値の酢酸を用いて少なくとも80%だけ解膠される、請求項30記載のべーマイト粒子。
【請求項32】
前記ベーマイト粒子がほぼ球状である、請求項30記載のベーマイト粒子。
【請求項33】
a)約2:1未満のアスペクト比を有し、10重量%の固体量を含む水溶液中で2以上のpH値の酢酸を用いて少なくとも30%だけ解膠可能であり、さらに、
b)DIN−66132により決定された約20〜約300m/gの範囲のBET比表面積、1200℃の温度での約20%の最大強熱減量(LOI)、および10〜25nmの間の結晶サイズ、または
c)約50〜約200m/gの範囲のBET比表面積、TGAにより決定された約250℃以上の温度での2%の重量損失および約330℃以上の温度での5%の重量損失、1200℃の温度での20%の最大強熱減量(LOI)、および10〜22nmの間の結晶サイズ、または
d)約70〜約180m/gの範囲のBET比表面積、TGAにより決定された約2
50℃以上の温度での2%の重量損失および約330℃以上の温度での5%の重量損失、1200℃の温度での20%の最大強熱減量(LOI)、および10〜22nmの間の結晶サイズ、または
e)約80〜約150m/gの範囲のBET比表面積、TGAにより決定された約250℃以上の温度での2%の重量損失および約330℃以上の温度での5%の重量損失、1200℃の温度での20%の最大強熱減量(LOI)、および10〜19nmの間の結晶サイズ
により特徴づけられる、難燃性付与量のベーマイト粒子と、
f)少なくとも1つの合成樹脂と、必要に応じて、
g)追加の難燃剤、押出促進剤、カップリング剤、ステアリン酸ナトリウムまたはステアリン酸カルシウム、オルガノペルオキシド、染料、顔料、フィラー、発泡剤、脱臭剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、補強剤、金属捕集剤または金属不活性化剤、衝撃改質剤、加工助剤、離型剤、潤滑剤、ブロッキング防止剤、他の難燃剤、いくつかの実施形態では、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、リン難燃剤、またはハロゲン難燃剤、UV安定剤、可塑剤、流動促進剤などから選択される1つもしくは複数の添加物と、
を含む、難燃性調合物。
【請求項34】
前記難燃性付与量のベーマイト粒子が100部の樹脂あたり約0.1〜約250部(「phr」」の範囲である、請求項33記載の難燃性調合物。
【請求項35】
1つもしくは複数の前記必要に応じて用いられる添加物を含む、請求項33記載の難燃性調合物。
【請求項36】
前記1つもしくは複数の必要に応じて用いられる添加物が、押出促進剤、カップリング剤、ステアリン酸ナトリウムまたはステアリン酸カルシウム、オルガノペルオキシド、染料、顔料、フィラー、発泡剤、脱臭剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、補強剤、金属捕集剤または金属不活性化剤、衝撃改質剤、加工助剤、離型剤、潤滑剤、ブロッキング防止剤、他の難燃剤、いくつかの実施形態では、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、リン難燃剤、またはハロゲン難燃剤、UV安定剤から選択される、請求項35記載の難燃性調合物。
【請求項37】
前記少なくとも1つの合成樹脂が、熱可塑性樹脂、エラストマーおよび熱硬化性樹脂から選択される、請求項33記載の難燃性調合物。
【請求項38】
前記ベーマイト粒子が、10重量%の固体量を含む水溶液中で、i)2以上のpH値の酢酸を用いて少なくとも50%、ii)2以上のpH値の酢酸を用いて少なくとも70%、またはiii)2以上のpH値の酢酸を用いて少なくとも80%だけ解膠可能である、請求項33記載の難燃性調合物。
【請求項39】
請求項33記載の難燃性調合物から作製される成形物品または押出物品。
【請求項40】
請求項33記載の難燃性調合物から作製される押出ワイヤまたはケーブル。

【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−515307(P2011−515307A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−546243(P2010−546243)
【出願日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際出願番号】PCT/EP2009/000801
【国際公開番号】WO2009/103430
【国際公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(508375653)
【Fターム(参考)】