説明

ナノ構造体生成方法および装置

本発明は、ナノ構造体またはナノ材料を形成する方法に関する。この方法は、基板(15)上に熱コントロールバリア(17)を提供するステップと、ナノ構造体またはナノ材料を形成するステップとを備える。この方法は、例えば、炭素含有ガスプラズマを使用するプラズマ化学気相堆積法によってカーボンナノチューブを形成するために使用されてもよい。基板(15)の温度は、カーボンナノチューブが形成される間350℃未満に維持されてもよい。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、低い基板温度でナノ構造体を製作する方法に関する。より具体的には、本発明は、熱コントロールバリアと、場合によっては、目標基板の表面を加熱する熱源とを使用する方法に関する。
【0002】
「ナノ構造体」(NS)という用語は、単一壁および多層壁のカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバ、カーボンナノフィラメント、カーボンナノロープ(カーボンナノチューブのロープ)、シリコンおよび酸化シリコンのナノワイヤ、窒化ゲルマニウムナノワイヤ、酸化亜鉛ナノワイヤなどの高アスペクト比を有する金属、半導体および絶縁性のナノ構造体をすべて包含する一般的用語として本明細書では使用している。熱源という用語は、抵抗、光学、プラズマなどをベースとした全ての加熱形態を表す一般的用語として本明細書では使用している。
【発明の背景】
【0003】
高アスペクト比のナノ構造体は多様な用途に大きな可能性を有している。量子閉じ込め、高アスペクト比、一意の電気的、光学的、機械的特性などをもたらすこれらの小型サイズは、配線、電極、センサ、ナノスケールレーザなどの用途に対して極めて望ましいものとなる。
【0004】
NSの存在は学術文献において詳しく記載されており、また広く研究されている。NSは多数の技術によって合成されると報告されている。一例としてはカーボンナノチューブであり、この場合合成技術がアーク放電、レーザ蒸発、電子ビームおよび触媒熱分解を含んでいる。他の既知の方法は、化学気相堆積法(CVD)およびプラズマCVD(PECVD)を使用することである。カーボンナノチューブについて論じる背景情報は、従来技術の文献「Nanotubes for electronics」in the December 2000 issue of Scientific Ametican(P.G.Collinsら)pp.38〜45に開示されている。本文献は、500℃〜1200℃程度の温度に加熱された真空の平坦または流れチューブに基板が配置され、かつメタンなどの炭素含有ガスが遷移金属含有触媒の存在下で任意に導入されると、とりわけ炭素蒸気に分解するCNT生成方法を開示している。炭素蒸気の一部はカーボンナノチューブとして形成または凝縮する。触媒プロセスは、シリコンナノワイヤなどの異なる材料からなる多様なナノワイヤを合成するために使用される技術に類似しており、この場合触媒はガリウムであり、供給ガスはシランであり(S.Sharma and M.K.Sunkara,Nanotechnology 15(2004)pp130〜134)、GaNナノワイヤはニッケルを触媒として、またガリウムおよびアンモニアを供給ガスとして使用している(F.Sammy,NNIN REU Research accomplishments(2004)pp112)。
【0005】
これらのナノ構造体の合成は、通常500℃以上の高温に制限されてきた。一例は、国際公開公報第99/65821号に開示されているカーボンナノチューブを成長させるための技術であり、ここではプラズマ化学気相堆積法(PECVD)を使用してガラス、シリカ、石英およびシリコンなどの材料にカーボンナノチューブを形成する方法が開示されている。この「ホットフィラメント」PECVD方法は、例えば666℃のひずみ点温度を有するガラス上にカーボンナノチューブを堆積するために、300℃〜700℃の高ガス温度を使用する。材料上の熱フィラメントは、カーボンナノチューブが堆積される材料を直接加熱し、この熱フィラメントは基板上にプラズマを生成するのに必要なエネルギーを提供し、ゆえに、炭化水素ガスを分離し、かつ触媒を使用してカーボンナノチューブを形成する機構を提供する。カーボンナノチューブが堆積されるガラスはそして、フラットパネルディスプレイの製造で使用可能である。
【0006】
単一壁および多層壁のカーボンナノチューブのパターン化および成長をコントロールする方法およびシステムが米国特許第6,858,197号より既知である。基板は、第1の選択金属の第1の層および触媒の第2の層でコーティングされる。第1の層の提供はカーボンナノチューブと関連した導電率を高め、また第2の層の触媒の基板からの持ち上がりを防止する助けとなる。ガス温度は通常800〜1100℃の範囲にある。
【0007】
代替のカーボンナノチューブ製作システムおよび方法は米国特許第2005/0109280号より既知である。ナノチューブは、温度調節チャックに支持されている基板に形成される。ナノチューブが形成された直後に、冷却サイクルが開始されて、基板の裏面を冷却する。
【0008】
現在の技術は実質的な基板温度を伴っており、これは用途開発に対して厳しい制約を強いるものである。最近の研究は、合成温度の低下に焦点を当てており、この一例は、国際公開公報第03/011755号に開示されている技術であり、ここでは、室温に至る基板温度でカーボンナノチューブを製作するステップが開示されている。国際公開公報第03/011755号の内容は全体を参照して本明細書に組み込まれている。
【0009】
国際公開公報第03/011755号の開示後に、2003 issue of New journal of Physics(S.Hofmann,B.Kleinsorge,C.Ducati and J.Robertson)pp153.1および2004 issue of Applied Physics Letter(T.M.Minea,S.Point,A.Granier and M.Touzeau)pp1244に報告されているのと類似の、300℃未満の低い基板温度による技術が報告されており、これら両技術は、低温に起因している思われる欠陥カーボンナノチューブを示している。
【0010】
基板材料上へのカーボンナノチューブの低温合成を目的とするさらなるプロセスがCN1448334号より既知である。本文献は、多層基板上に直接カーボンナノチューブを成長させるステップについて開示している。3つの金属層は、基板上の金属キャリア層と被覆金属層間に挟持されている活性金属触媒層を含んでいる。活性金属触媒はFe、Co、Niまたはこれらの合金であり、金属キャリア層および被覆金属層はAu、Ag、Cu、Pd、Ptまたはこれらの合金であってもよく、これらの3つの層は、真空スパッタリング、化学気相堆積法、物理気相堆積法、スクリーンプリンティングまたは電気めっきによって形成されてもよい。
【0011】
本発明は、カーボンナノチューブの形成および成長のための改良型低温PECVDプロセスを提供するように考案および修正されてきた。
【発明の概要】
【0012】
第1の態様によると、本発明は、ナノ構造体またはナノ材料を形成する方法であって、熱コントロールバリアを基板上に提供するステップと、ナノ構造体またはナノ材料を形成するステップとを備える方法に関する。熱コントロールバリアは、基板の温度が比較的低温のままであることによって、基板を形成するのに使用可能な材料の範囲を広げることを保証する助けとなる。従って、熱コントロールバリアは基板上の加熱効果を削減する。基板の温度は、ナノ構造体またはナノ材料が形成される間、350℃未満であることが好ましい。
【0013】
少なくとも本発明の好ましい実施形態では、特にナノ構造体やナノ材料が既知の高温堆積方法と併用可能でない市販の重要な材料に適用される場合に、低温で基板上にナノ構造体やナノ材料を堆積しつつ、欠陥レベルを低く維持し、カーボンナノチューブ生成の商業的可能性を増大させることが可能である。本発明はまた、成長レートの増加によるNSの合成のより高い歩留まりおよびスループットを可能にする。
【0014】
ナノ構造体またはナノ材料は通常熱コントロールバリア上に形成する。
【0015】
熱コントロールバリアは、好ましくは実質的に連続している層に提供され、基板がこの表面全体で保護されることを保証する。熱コントロールバリアは任意の適切な技術を使用して適用可能である。しかしながら、好ましくは熱コントロールバリアは基板上に堆積される。例えば、熱コントロールバリアは基板上にスパッタリングされてもよい。
【0016】
熱コントロールバリアは、好ましくは実質的に均一な厚さを有している。熱コントロールバリアは、好ましくは、3nm、5nm、10nm、20nm、30nm、50nm、100nmまたは200nm以上の厚さを有する。熱コントロールバリアの厚さは、さらなる保護が必要とされる用途において増大されてもよい。熱コントロールバリアの厚さは500nm以上であってもよい。
【0017】
熱コントロールバリアは、好ましくは(チタンなどの)金属、半導体または誘電体材料である。
【0018】
本発明に従った方法は、好ましくは、ナノ構造体またはナノ材料の形成を容易にするために熱コントロールバリア上に触媒を提供するさらなるステップを備える。触媒は、ナノ構造体またはナノ材料が形成される前に、あるいはナノ構造体またはナノ材料の形成と同時に適用されてもよい。触媒は例えば、0.1μ〜1μmの粒子サイズを有する粉末形態で提供されてもよい。従来のリソグラフィ技術が触媒をパターニングするために用いられてもよい。
【0019】
触媒は、遷移金属などの金属であってもよい。触媒は例えば、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)および鉄(Fe)からなる群の金属または金属混合物であってもよい。当然、触媒は、所望のナノ構造体の形成を促進するように選択されてもよい。ニッケル(Ni)、鉄(Fe)およびコバルト(Co)は普通カーボンナノチューブ成長に使用されるのに対して、ガリウム(Ga)や金(Au)はシリコンナノワイヤに使用されてもよい。同様に、様々な材料がZnOナノワイヤに使用されてもよい。
【0020】
特定の実施形態では、熱コントロールバリアは基板の温度を350℃未満に維持するのに適している場合がある。しかしながら、基板を冷却するさらなるステップを実行することも適切である場合がある。これは、水やヘリウムガスなどの冷却剤を冷却ウェルに供給することによって実行されてもよい。熱コントロールバリアは基板の前面および冷却された基板の裏面に提供されてもよい。基板を冷却するステップは、好ましくは、ナノ構造体またはナノ材料が形成される間に実行される。最も好ましくは、基板を冷却するステップは、プロセス中に実質的に連続して実行される。冷却は、好ましくは、基板の実質的に均一な冷却を保証するようにコントロールされる。
【0021】
基板の温度は、ナノ構造体またはナノ材料が形成される間275℃、225℃、175℃または125℃未満であってもよい。基板の温度は、好ましくは、ナノ構造体またはナノ材料が形成中に最高になる。
【0022】
基板の冷却は、ナノ構造体またはナノ材料が形成された直後に開始されてもよい。しかしながら、好ましくは基板の冷却は、ナノ構造体またはナノ材料が形成される間に実行される。従って、熱コントロールバリアは、ナノ構造体またはナノ材料の形成を可能にする一方で比較的低温で基板を維持することができる。
【0023】
プラズマは熱コントロールバリアの表面および/または触媒を加熱させる。しかしながら、方法は、熱コントロールバリアおよび/または触媒の追加加熱を実行するステップを備えてもよい。追加加熱は、例えばレーザ、赤外線またはホットフィラメントによって実行されてもよい。
【0024】
熱コントロールバリアは光学反射性であってもよい。従って、バリアは、例えば赤外線ランプからの光を反射して、基板を冷却状態に維持し、またもしあれば触媒の加熱を促進してもよい。熱コントロールバリアは熱絶縁体であってもよい。当然、熱コントロールバリアは光学反射性であり、かつ熱絶縁体であってもよい。
【0025】
方法は、基板上に少なくとも1つのデバイスを提供するさらなるステップを備えてもよい。少なくとも1つのデバイスは例えば、トランジスタなどの電子コンポーネントであってもよい。熱コントロールバリアは、好ましくは少なくとも1つのデバイス上に提供される。少なくとも1つのデバイスは、好ましくは、熱コントロールバリアによって少なくとも実質的にカバーされる。ナノ構造体またはナノ材料は2つ以上のこのようなデバイスの配線を形成してもよい。1つ以上のコンタクト層が基板上に提供されて、ナノ構造体またはナノ材料を少なくとも1つのデバイスに接続させてもよい。
【0026】
基板は例えばプラスチック材料であってもよい。
【0027】
さらなる態様によると、本発明は、ナノ構造体またはナノ材料を形成する方法であって、基板上に提供されている少なくとも1つのデバイスに熱コントロールバリアを提供するステップと、ナノ構造体またはナノ材料を形成するステップとを備える方法に関する。ナノ構造体またはナノ材料は通常、熱コントロールバリア上に形成される。
【0028】
基板の温度は、好ましくは、ナノ構造体またはナノ材料が形成される間は350℃未満である。熱コントロールバリアは、基板を積極的に冷却せずに、基板の温度を350℃未満に維持するのに十分な保護を提供することができる。特定の実施形態では、しかしながら方法は、基板を冷却するステップを備えてもよい。基板は、好ましくは、ナノ構造体またはナノ材料が形成される間は冷却される。基板は、好ましくは均一に冷却される。
【0029】
方法は、熱コントロールバリアを加熱するステップを含んでもよい。ナノ構造体またはナノ材料を形成するのに使用されるプラズマは加熱をもたらすが、追加加熱が適切である場合もある。
【0030】
熱コントロールバリアは、好ましくは実質的に連続した層に提供される。熱コントロールバリアは任意の適切な技術を使用して適用されてもよいが、好ましくは熱コントロールバリア上にスパッタリングされる。熱コントロールバリアは、好ましくは、3nm、5nm、10nm、20nm、30nm、50nm、100nmまたは200nm以上の厚さを有している。熱コントロールバリアは例えばチタン層であってもよい。
【0031】
基板上に提供された少なくとも1つのデバイスは、好ましくは、熱コントロールバリアによって少なくとも実質的にカバーされている。少なくとも1つのデバイスは、好ましくは、トランジスタなどの電子コンポーネントである。
【0032】
さらに別の態様によると、本発明は、ナノ構造体またはナノ材料を形成する方法であって、基板の第1の表面に熱コントロールバリアを提供するステップと、ナノ構造体またはナノ材料を形成するステップとを備える方法に関し、基板の第2の表面は、ナノ構造体またはナノ材料が形成される間は冷却される。ナノ構造体またはナノ材料は通常熱コントロールバリア上に形成される。
【0033】
基板の第2の表面の冷却は、好ましくは表面の全体に均一に実行される。これは、ナノ構造体やナノ材料の均一な形成を保証する助けとなる。
【0034】
基板の温度は、ナノ構造体またはナノ材料が形成される間は、好ましくは350℃未満である。熱コントロールバリアは、基板を積極的に冷却せずに、基板の温度を350℃未満に維持するのに十分な保護を提供することができる。
【0035】
特定の実施形態では、しかしながら方法は、基板を冷却するステップを備えてもよい。基板は、好ましくは、ナノ構造体やナノ材料が形成される間は冷却される。第2の表面は、好ましくは、冷却剤を冷却ウェルに導入することによって冷却される。方法は、第2の表面と、基板が支持されている表面との界面にガスを導入するさらなるステップを含んでもよい。ガスは水素またはヘリウムであってもよい。
【0036】
方法は、熱コントロールバリアを加熱するさらなるステップを含んでもよい。ナノ構造体やナノ材料を形成するのに使用されたプラズマは加熱をもたらすが、追加加熱が適切な場合もある。
【0037】
少なくとも1つのデバイスが好ましくは基板の第1の側に提供される。少なくとも1つのデバイスは、好ましくは、熱コントロールバリアによって少なくとも実質的にカバーされる。少なくとも1つのデバイスは、好ましくは、トランジスタなどの電子コンポーネントである。
【0038】
さらなる態様によると、本発明は、ナノ構造体またはナノ材料を形成する方法に関し、方法は、基板の第1の表面にナノ構造体またはナノ材料を形成するステップと、基板の第2の表面を冷却するステップとを備えており、ガスが第2の表面と、基板が支持されている表面との界面に導入される。界面に導入されるガスは、好ましくは水素である。
【0039】
基板が支持されている表面は、好ましくは、基板の第2の表面の冷却をもたらすように冷却される。表面は、冷却剤を冷却ウェルに導入することによって冷却されてもよい。好ましくは、第2の表面は、ナノ構造体またはナノ材料が形成される間冷却される。
【0040】
本明細書に説明されている方法は、触媒を熱コントロールバリアに適用するさらなるステップを備えてもよい。触媒は、ナノ構造体またはナノ材料の形成と同時に適用されてもよく、あるいは、ナノ構造体またはナノ材料が形成される前に適用されてもよい。
【0041】
さらなる態様によると、本発明は、基板および熱コントロールバリアを備えるナノ構造体またはナノ材料を形成するアセンブリまたは構造体に関する。熱コントロールバリアは、好ましくは、3nm、5nm、10nm、20nmまたは30nm以上の厚さを有している。
【0042】
電子コンポーネントなどの少なくとも1つのデバイスが基板上に提供されてもよい。
【0043】
さらに別の態様によると、本発明は、ナノ構造体またはナノ材料を形成するアセンブリに関し、アセンブリは基板および少なくとも1つのデバイスを備えており、熱コントロールバリアは基板および少なくとも1つのデバイスを少なくとも実質的にカバーする。
【0044】
少なくとも1つのデバイスは、トランジスタなどの電子コンポーネントであってもよい。アセンブリはさらに、ナノ構造体またはナノ材料を形成する触媒を備えてもよい。
【0045】
本明細書に説明されているプロセスは、マイクロプロセッサなどの多層構造体を構築するために反復されてもよい。中間研磨ステップは、さらなるナノ構造体またはナノ材料が形成されてもよいさらなる熱コントロールバリアを提供するのに適切な表面を提供するように実行されてもよい。
【0046】
本発明の好ましい実施形態によると、炭素含有ガスプラズマを使用するプラズマ化学気相堆積法によってカーボンナノチューブを形成する方法が提供されており、カーボンナノチューブは350℃以上の温度では基板上に形成されない。炭素含有ガスは成長環境のex−situで分解されてもよいが、成長プロセスを容易にするように、励起または「ホットプラズマ」状態の成長領域に入る。炭素ソースはまたプラズマビーム、プラズマアーク、あるいは励起炭素イオンまたはラジカルによる分子蒸気の形態であってもよい。明らかに、選択エリアおよび材料構造両方への熱コントロールが達成可能な本発明は、多数の他の材料および用途に拡張可能である。
【0047】
本明細書にて説明する方法は、熱源からの選択的加熱と有効熱収支コントロールに対する熱コントロールバリアを使用する熱の含有とを任意に使用して、NSの合成が実行されることを見込んでいる。プロセスは、金属、半導体または絶縁性の材料からなるナノチューブおよびナノワイヤなどのすべての形態のナノ材料およびナノ構造体の成長について一般的なものである。この方法は、センサおよび集積回路を製造するのに適している。しかし、本明細書に定義されている本発明は、これらの特定の用途に制限されると解釈されるべきではない。
【0048】
本明細書に説明されている方法に従って生成されたナノ構造体は例えば、炭素含有ガスプラズマを使用するプラズマ化学気相堆積法によって形成されたカーボンナノチューブまたはカーボンナノワイヤであってもよい。
【0049】
さらなる態様によると、本発明は、ナノ構造体またはナノ材料を形成する装置に関し、この装置は、プラズマチャンバと、少なくとも1つの熱源と、基板を搭載するためのチャックとを備えており、チャックは交換可能である。
【0050】
さらに別の態様によると、本発明は、ナノ構造体またはナノ材料を形成する装置に関し、この装置はプラズマチャンバと、少なくとも1つの熱源と、基板を搭載するためのチャックとを備えており、冷却ウェルが基板を均一に冷却するために提供される。冷却ウェルは、好ましくは、ナノ構造体またはナノ材料が形成される間、基板の均一な冷却を提供するように適合される。この装置はまた好ましくは、チャックと、チャックに搭載されている基板との界面にガスを供給するための出口を備える。水素またはヘリウムなどのガスの供給が好ましくは提供される。
【0051】
この装置は、好ましくは、チャックに選択的に電力を供給するためのRFおよびDC電源を具備している。スイッチが、適切な電源が選択されるように提供されてもよい。
【0052】
ここで使用されている熱コントロールバリアおよび熱バリアという用語は同じ意味である。
【0053】
本発明はさらに、本明細書に説明されている方法に従って製作されたコンポーネント/アセンブリ/装置に関する。
【0054】
本発明が図示され、当業者によってより容易に認識され、かつ容易に実践されるように、この実施形態について次に、添付の図面を参照して非制限的実施例のみによって説明する。
【好ましい実施形態の詳細説明】
【0055】
[第1の実施形態の説明]
本実施形態では、本発明は、具体的にではないが、350℃未満の低い基板温度で欠陥レベルが低いカーボンナノチューブの堆積を可能にする。本発明が他の材料に拡張可能なことは当業者にとって明らかであろう。
【0056】
まず図1を参照すると、ホーム構築直流PECVDシステム3のプラズマチャンバ1が示されているように使用される。真空チャンバハウジングは、真空ポンプ入口5でマニュアル漏洩バルブ(図示せず)によってコントロールされる圧力による排気が可能である。チャンバは、必要なガスやガス混合物、通常はアセチレンCなどの炭化水素ガスの流れを受け取るためのガス入口7を有している。任意の炭素含有ガスが使用可能である点は当業者にとり明らかであろう。
【0057】
アース電極(陽極)9はまた、チャンバ1の上部に提供されているシャワーヘッドの一部であるのに対して、電源投入された(ネガティブバイアスされた)電極(陰極)11は、チャンバの下部に提供されて、適切な電源13に接続される。本実施形態では、使用されている電源は600WのGlassman電源ユニット(PSU)である。
【0058】
基板15は、図2の(A)に示されているように、500nmのチタン熱バリア層17、続いてニッケル薄膜層19によってスパッタリングコーティングされる。ニッケル膜層19はNT形成用の触媒である。基板15は1000nmの厚さを有しており、触媒19は10nmの厚さを有している。(本実施形態ではチタン層の形態の)熱コントロールバリア17は、低い熱伝導率特性を利用するものである。本実施形態で使用されている基板15はシリコン基板であるが、他の基板も使用可能である点が当業者には明らかである。触媒19および熱バリア層17の選択は、当業者に明らかであるように、ニッケルおよびチタンに制限されない。
【0059】
基板15は下部電極(陰極)11に配置され、チャンバ1は排気される。アセチレン、窒素および水素ガスは、質量流コントローラなどの適切なデバイスを使用して、それぞれ3、100および100sccm(cm/分)のレートでチャンバ1に流入することができる。
【0060】
直流電力は、プラズマに衝突するために500Vの電圧設定でスイッチオンされる。プラズマが衝突された後、ガス流量は、およそ5トールの動作圧力を提供するように調整され、また直流電源は、一定の550Vで動作してプラズマを維持するように調整される。ある程度の潜在的な相違は、カーボンナノチューブの成長および整列の方向を判断する。
【0061】
チャンバ1において必要なガス反応を生成するのに必要なエネルギーを提供することによって、PECVDシステムが解離炭化水素種および炭素イオンを基板に輸送し、かつCNT成長を触媒から開始させるのはプラズマの極めて高い温度である。同様に、基板の加熱はプラズマのみに制限されず、当業者には明らかであるように、ホットフィラメント、赤外線ランプ、レーザなどの形態であってもよい。
【0062】
本実施形態のプラズマ中の電極9,11上の基板15の温度は350℃未満である。この低い基板温度は、様々な未使用基板がカーボンナノチューブ堆積に使用されることを見込んでいる。本実施形態の基板は精密な冷却に付されない。従って、適切な冷却機構によって、基板温度が図2の(B)に図示されているように室温以下にされてもよいことは当業者には明らかである。
【0063】
様々なプロセスが実行されている間、250〜420℃の範囲の種々の温度が使用された。より高いまたはより低い温度も使用可能である点が当業者には明らかである。また、10〜30分の種々のプロセス時間が使用された。1〜10トールの一般的な動作圧力を使用した。しかし、これは、当業者によって用途に適するように変更されてもよい。
【0064】
形成されたナノチューブの特徴化がHitachi S−4000電界放出走査電子顕微鏡(SEM)およびPhillips CM200透過電子顕微鏡(TEM)で実行された。TEMで研究されたサンプルは、メタノールにおいて「as成長」サンプルの超音波分散によって用意され、懸濁液の液が、銅グリッド上に支持されている穴の開いた炭素膜上に堆積された。そしてサンプルは乾燥可能であった。
【0065】
直流PECVDで350℃に維持された基板上に成長されたカーボンナノチューブのSEM顕微鏡写真が図3に提供される。カーボンナノチューブは束になって支持するが、適用電圧によって整列がコントロール可能であることは当業者には明らかである。
【0066】
TEM研究は生成されたナノチューブの束を示した。直流PECVD生成ナノチューブの一般的なTEMが図4の(A)に示されている。図4の(B)は、カーボンナノチューブの高拡大画像を示しており、チューブ軸に沿って整列されたナノチューブの多層グラフェン壁を表している。CNT軸に沿ったグラフェンシートに一般的な0.34nmの層間間隔が見られた。生成されたカーボンナノチューブの一般的な長さは0.5から5μmまで変化し、直径は5〜15nmの範囲となった。堆積時間、ガス流、触媒粒子条件、ガス濃度などのプロセスパラメータの調整は、カーボンナノチューブの長さおよび厚さを変えることがある。
【0067】
上述の方法から、直流プラズマがカーボンナノチューブを生成可能であり、これは、低い欠陥レベルを維持しつつ、350℃未満の温度に維持され、場合によっては室温まで低下された基板15上で成長することが分かっている。この低温プラズマCVD方法は、金属触媒効果を使用することによってきちんと整列されたカーボンナノチューブを選択的に成長させるのに適しており、この場合、カーボンナノチューブ成長の時点の温度は感温性基板の使用を許容し、あるいは欠陥レベルが低いカーボンナノチューブが所望される。
【0068】
セットアップは本実施形態で説明されているセットアップに制限されないこともまた当業者には明らかであるはずである。図5は、冷却機構25からなる一方でプラズマ加熱を提供するために複数の電源21、23が展開されている修正セットアップを示している。本実施形態では説明されていない他の可能なセットアップでは、エネルギー源もまた光学形態(例えば、レーザ、ハロゲンランプなど)、抵抗加熱(例えば、フィラメントなど)および他の形態で提供可能である。
【0069】
[第2の実施形態の説明]
第2の実施形態に係る本発明は、マイクロエレクトロニクスで使用されている配線27の適用において350℃未満の低い基板温度で欠陥レベルが低いカーボンナノチューブの堆積を可能にする。配線は、高い電流密度を伝導する集積回路で使用される。適切な金属は、高電流に対して低い抵抗率をもたらす過剰なエレクトロマイグレーション、高電流搬送能力および弾道電子輸送能力に従わない共有結合構造ゆえにカーボンナノチューブである。ミクロ電子プロセスはしばしば、シリコンの隙間の生成の増加によるドーパントの過剰な拡散を防止するために基板温度が450℃未満に維持されることを必要とする。
【0070】
図6は、トランジスタなどの隣接するデバイス29から加熱を分離するための低熱伝導性材料の使用を示している。配線27の配置は既存のリソグラフィ技術によって定義可能である。
【0071】
熱バリア層17は標準堆積技術を使用して配置可能であり、保護されるエリアを効果的にカバーする。触媒19は、カーボンナノチューブが堆積される場所に配置される。
【0072】
プラズマまたは上部加熱技術が、カーボンナノチューブを合成するのに用いられる。熱バリア層17は、過剰な熱が隣接するデバイスに達するのを防止する熱勾配を生成する。
【0073】
カーボンナノチューブが成長された後、上部表面は、上部コンタクト層のさらなる堆積のために(もし必要ならば)化学的機械的研磨によって除去可能である。混合カーボンナノチューブ・金属配線も、当業界の現状から導電プロセスを高めるために使用可能である。これは、整列されたカーボンナノチューブが成長されると達成され、適切な金属の裏面充填が堆積されて、さらに導電の助けとなる。単一の集積回路上の層間の「電子」と連通するための配線27もまた想定可能である。この場合、カーボンナノチューブは所定のビア(銅などの金属で一般的に充填されたホール)に成長され、この場合まずバリア層がこの上部に堆積されて、低温でのカーボンナノチューブの成長を容易にするための触媒層が堆積される。この金属成長は、電着などの溶解プロセス、あるいはスパッタリングまたは蒸発などの物理的プロセスを介するものでもよい。適切な長さのカーボンナノチューブが成長されると、CMPなどの機械的研磨が、表面を平坦化するのに必要とされる場合がある。さらなる金属層もまた、集積回路上の所望の金属トラックにナノチューブを接続するのに必要とされる場合がある。
【0074】
[第3の実施形態の説明]
第3の実施形態に係る本発明は、検知プラットフォームの用途において350℃未満の低い基板温度で層28でのカーボンナノチューブまたは代替ナノワイヤの堆積を可能にする。カーボンナノチューブまたは他のナノワイヤは、一意の特性および(表面積の増加をもたらす)高アスペクト比ゆえに化学的、機械的なセンサの材料として利用される。本実施形態では、プラスチックなどの感温性基板15が使用される。複数のデバイス29が基板15上に提供される。感温性材料の使用が基板に制限されず、この用途で使用されている有機トランジスタなどのアクティブデバイスに拡張可能である。
【0075】
図7を参照すると、熱バリア層17はデバイス領域を囲むものとして説明可能である。触媒は必要な領域に配置され、NTが第1の実施形態と類似の技術を使用して堆積される。コンタクト層18は、基板15上に提供されたデバイス29に接続するために提供される。
【0076】
トップダウン加熱および底部冷却方法は、デバイス領域および基板の両方を効果的に保護する。このように堆積されたNTは次に、この現在の形態で、または化学プロセスによる表面の機能化によって利用可能である。適切な機能化によって、ウイルス、抗体またはガスを検出するために使用されてもよい。これはまた、化学バッテリの周囲環境を介するエネルギーの取得、または適切なコーティング層による太陽エネルギーの取得に使用されてもよい。NTの変形と関連した信号に作用する圧力変換器もまた製作されてもよい。NTはまた、RF信号を送信するために使用されたり、いわゆるEEGまたはECGデバイスの精密バイオポテンシャルセンサとして作用したりしてもよい。当業者は、このプラットフォーム技術を多数の用途に利用する多くのデバイス構造を創案可能である。
【0077】
熱バリア層17の使用は、センサの効率を効果的に高めるNTの大面積堆積を可能にする。
【0078】
[第4の実施形態の説明]
第4の実施形態に係る本発明は、具体的にではないが、350℃未満の低い基板温度で欠陥レベルが低いカーボンナノチューブの堆積を可能にする。本発明は他の材料に拡張可能であることは当業者には明らかであるはずである。1つ以上の赤外線ランプの形態の光学熱源が本実施形態で用いられる。
【0079】
図8を参照すると、PECVDシステムは、システムのコンポーネントを収容するチャンバ31を備える。チャンバ31の壁はプロセス要件に応じて加熱または冷却可能である(33)。システムは主としてガス入口35および出口37を備える。プロセスガスは入口35を介して入り、シャワーヘッド39を介して均一に分布される。プロセス圧力はそして、ポンプシステムの前のガス出口37にあるスロットルバルブ41の使用によって維持される。ガス分布均一性はさらに、プロセスチャンバのマニホルドポンプによって改良可能である。
【0080】
サンプルが冷却ステージに熱的に取り付けられるようにする電極43を介して電力がプラズマに送られる。送られた電力はRF45またはDC47サプライの形態であってもよく、これは電力スイッチ49によってコントロールされる。冷却ステージは任意の冷却ガスまたは液体によって駆動可能であるため、基板温度は冷却剤の流れ51によってコントロールされる。基板から冷却ステージへの熱の転送はさらに、水素53などの熱界面ガスのコントロールによって最適化可能である。熱源は、赤外線(IR)ランプ55によって提供される光学加熱の形態である。光学加熱はさらに、IRをサンプルに向けるための反射器57を使用して最適化可能である。光源波長は最適な加熱を提供するようにチューニング可能であることは当業者に明らかであろう。
【0081】
光学熱源は本実施形態ではシャワーヘッドに一体化されている。プラズマは、シャワーヘッドアセンブリ59、シールド61またはチャンバ31のいずれかを陽極として使用して生成可能である。本例のプラズマはナノチューブの整列に使用される。
【0082】
本実施形態の熱コントロールバリアは、熱伝導率、あるいは放射率や吸収などの光学特性に基づくものである。バリア膜を使用する熱コントロールの選択が熱源に付されることは当業者には明らかであるはずである。この特定の実施形態のバリア膜は従って、基板への熱の転送を(光学的に)反射または遅らせる一方で触媒への熱吸収を最適化することができる。
【0083】
基板15は、図9に示されているように、第1および第2のクランプ部材63、65によってチャック61に固定的に搭載される。チャック61は、入口69および出口71を有する冷却ウェル67を具備している。冷却流体73は入口69を介して冷却ウェル67に導入され、出口71を介して出て、基板15の均一なコントロール可能な裏面冷却を提供する。チャック61は、好ましくは他のチャック(図示せず)と交換可能である。
【0084】
上述のように、基板からチャック61への熱の転送はさらに、熱界面ガス53を提供することによって最適化可能である。本実施形態では、熱界面ガスは、ガス供給導管75を介して基板15とチャック61間の領域に供給される水素53である。熱界面ガス53は、好ましくは基板15の中央領域に供給され、また基板15の外縁でチャンバ31に換気可能である。熱界面ガス53は通常、チャンバ31内のプロセス圧力の1.5倍以上の圧力で供給される。
【0085】
少なくとも1つの温度センサ77が、基板15の下部表面の温度を測定するために設けられる。
【0086】
種々の変更および修正が、本発明の範囲や主旨から逸脱することなく、本明細書に説明されている装置およびプロセスに対してなされてもよいことが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の実施形態に従った、基板上にカーボンナノチューブを形成および成長させるのに適切な直流プラズマチャンバの概略図である。
【図2】(A)は本発明の実施形態に従った、チタン熱バリア層上のニッケル触媒の概略図である。(B)はバリア厚さの効果としての熱バリアの温度含有効果のシミュレーションのグラフである。
【図3】本発明の実施形態に従った、Ni触媒粒子上の直流アセチレン/窒素/水素プラズマにおいて350℃未満の温度で生成されたカーボンナノチューブの一般的な走査電子顕微鏡写真(SEM)である。
【図4】(A)は本発明の実施形態に従って生成された直流PECVD生成ナノチューブの一般的な透過電子顕微鏡写真(TEM)である。(B)は本発明の実施形態に従って生成された、ナノチューブ軸に沿った整列グラフェン層を示す直流PECVD生成ナノチューブの一般的なTEMである。
【図5】複数の電源を備えるPECVDシステムの代替セットアップの概略図を示している。
【図6】カーボンナノチューブをマイクロエレクトロニクスにおいて「クロスウェーハ」ビア(配線)として使用し、熱層がデバイスを過剰な温度から分離している概略図である。
【図7】ナノ構造体が検知プラットフォームおよび駆動デバイスとして使用され、かつ基板が熱バリア層によって保護されている実施例の概略図である。
【図8】本発明の実施形態に従った、基板上にカーボンナノチューブを形成および成長させるための集積光学熱源を有する適切なプラズマチャンバの概略図である。
【図9】図8に示されているプラズマチャンバのチャックの概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノ構造体またはナノ材料を形成する方法であって、熱コントロールバリアを基板上に提供するステップと、前記ナノ構造体または前記ナノ材料を形成するステップとを備える方法。
【請求項2】
前記基板の温度が、前記ナノ構造体または前記ナノ材料が形成される間、350℃未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記熱コントロールバリアが実質的に連続している層に提供される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記熱コントロールバリアが前記基板上に堆積される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記熱コントロールバリアが、3nm、5nm、10nm、20nmまたは30nm以上の厚さを有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記熱コントロールバリアが、金属、半導体または誘電性の材料の層である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記熱コントロールバリア上に触媒を提供するステップをさらに備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記触媒が金属または金属の混合物である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記基板を均一に冷却するステップをさらに備える、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記基板が、前記ナノ構造体または前記ナノ材料が形成される間、冷却される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記基板を冷却するために冷却流体を冷却ウェルに供給するステップをさらに備える、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記熱コントロールバリアおよび/または前記触媒を加熱するステップをさらに備える、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記熱コントロールバリアおよび/または前記触媒が上方から加熱される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記熱コントロールバリアおよび/または前記触媒を加熱する前記ステップが、レーザ、赤外線またはホットフィラメントによって実行される、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記熱コントロールバリアが光学反射性である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記熱コントロールバリアが熱絶縁体である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記基板上に少なくとも1つのデバイスを提供するステップをさらに備える、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記熱コントロールバリアが前記少なくとも1つのデバイス上に提供される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つのデバイスが前記熱コントロールバリアによって少なくとも実質的にカバーされる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記デバイスが、トランジスタなどの電子コンポーネントである、請求項17〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記ステップが多層構造体を形成するために反復される、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記基板がプラスチック材料である、請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
ナノ構造体またはナノ材料を形成する方法であって、基板上に提供された少なくとも1つのデバイスに熱コントロールバリアを提供するステップと、前記ナノ構造体または前記ナノ材料を形成するステップとを備える方法。
【請求項24】
前記基板の温度が、前記ナノ構造体または前記ナノ材料が形成される間、350℃未満である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記基板を均一に冷却するステップをさらに備える、請求項23または24に記載の方法。
【請求項26】
前記基板が、前記ナノ構造体または前記ナノ材料が形成される間、冷却される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記熱コントロールバリア上に触媒を提供するステップをさらに備える、請求項23〜26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記熱コントロールバリアおよび/または前記触媒を加熱するステップをさらに備える、請求項23〜27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記熱コントロールバリアおよび/または前記触媒が上方から加熱される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記熱コントロールバリアおよび/前記触媒を加熱する前記ステップが、レーザ、赤外線またはホットフィラメントによって実行される、請求項28または29に記載の方法。
【請求項31】
前記熱コントロールバリアが実質的に連続している層に提供される、請求項23〜30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記熱コントロールバリアが前記熱コントロールバリア上に堆積される、請求項23〜31のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記熱コントロールバリアが、3nm、5nm、10nm、20nmまたは30nm以上の厚さを有する、請求項23〜32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記熱コントロールバリアが、金属、半導体または誘電性の材料の層である、請求項23〜33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記少なくとも1つのデバイスが前記熱コントロールバリアによって少なくとも実質的にカバーされる、請求項23〜34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記少なくとも1つのデバイスが、トランジスタなどの電子コンポーネントである、請求項23〜35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
ナノ構造体またはナノ材料を形成する方法であって、前記基板の第1の表面に熱コントロールバリアを提供するステップと、前記ナノ構造体または前記ナノ材料を形成するステップとを備えており、前記基板の第2の表面が、前記ナノ構造体または前記ナノ材料が形成される間、冷却される、方法。
【請求項38】
前記第2の表面が均一に冷却される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記第2の表面が、冷却剤を冷却ウェルに導入することによって冷却される、請求項37または38に記載の方法。
【請求項40】
前記第2の表面と、前記基板が支持されている表面との界面にガスを導入するステップをさらに備える、請求項37〜39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記ガスが水素である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記基板の温度が、前記ナノ構造体または前記ナノ材料が形成される間、350℃未満である、請求項37〜41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記熱コントロールバリア上に触媒を提供するステップをさらに備える、請求項37〜42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記熱コントロールバリアおよび/または触媒を加熱するステップをさらに備える、請求項37〜43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記熱コントロールバリアおよび/または前記触媒が上方から加熱される、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記熱コントロールバリアおよび/または前記触媒を加熱する前記ステップが、レーザ、赤外線またはホットフィラメントによって実行される、請求項44または45に記載の方法。
【請求項47】
少なくとも1つのデバイスが前記基板の前記第1の側に提供される、請求項37〜46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記少なくとも1つのデバイスが前記熱コントロールバリアによって少なくとも実質的にカバーされる、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記少なくとも1つのデバイスが、トランジスタなどの電子コンポーネントである、請求項47または48に記載の方法。
【請求項50】
前記ナノ構造体が、炭層含有ガスプラズマを使用するプラズマ化学気相堆積法によって形成されたカーボンナノチューブまたはカーボンナノワイヤである、請求項1〜49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
ナノ構造体またはナノ材料を形成する方法であって、前記ナノ構造体または前記ナノ材料を基板の第1の表面に形成するステップと、前記基板の第2の表面を冷却するステップとを備えており、ガスが、前記第2の表面と、前記基板が支持されている表面との界面に導入される、方法。
【請求項52】
前記ガスが水素である、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記第2の表面が、前記ナノ構造体または前記ナノ材料が形成される間、冷却される、請求項51または52に記載の方法。
【請求項54】
前記ナノ構造体または前記ナノ材料を整列させるために前記基板全体の電界をコントロールするステップをさらに備える、請求項1〜53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
ガスプラズマを使用するプラズマ化学気相堆積法によってナノ構造体またはナノ材料を形成する方法であって、前記ナノ構造体または前記ナノ材料が350℃以上の温度では基板に形成されない方法。
【請求項56】
請求項1〜55のうちのいずれか一項に記載の方法に従って製作された構造体またはアセンブリ。
【請求項57】
基板および熱コントロールバリアを備えるナノ構造体またはナノ材料を形成するアセンブリまたは構造体。
【請求項58】
前記熱コントロールバリアが、3nm、5nm、10nm、20nmまたは30nm以上の厚さを有する、請求項57に記載のアセンブリまたは構造体。
【請求項59】
少なくとも1つのデバイスをさらに備える、請求項57または58に記載のアセンブリまたは構造体。
【請求項60】
ナノ構造体またはナノ材料を形成するアセンブリであって、基板および少なくとも1つのデバイスを備えており、熱コントロールバリアが前記基板および前記少なくとも1つのデバイスを少なくとも実質的にカバーするアセンブリ。
【請求項61】
前記少なくとも1つのデバイスが、トランジスタなどの電子コンポーネントである、請求項59または60に記載のアセンブリ。
【請求項62】
ナノ構造体またはナノ材料を形成する触媒をさらに備える、請求項57〜61のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項63】
ナノ構造体またはナノ材料を形成する装置であって、プラズマチャンバと、少なくとも1つの熱源と、基板を搭載するチャックとを備えており、前記チャックが交換可能である装置。
【請求項64】
ナノ構造体またはナノ材料を形成する装置であって、プラズマチャンバと、少なくとも1つの熱源と、基板を搭載するチャックとを備えており、冷却ウェルが前記基板を均一に冷却するために提供される装置。
【請求項65】
前記冷却ウェルが、前記ナノ構造体または前記ナノ材料が形成される間前記基板の均一な冷却を提供するように適合されている、請求項64に記載の装置。
【請求項66】
前記チャックに電力を選択的に供給するRFおよびDC電源をさらに備える、請求項63〜65のうちのいずれか一項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−540313(P2008−540313A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−510641(P2008−510641)
【出願日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際出願番号】PCT/GB2006/001726
【国際公開番号】WO2006/120449
【国際公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(507374170)サレイ ナノシステムズ リミテッド (3)
【Fターム(参考)】