ナノ粒子の製造方法
【課題】ナノ粒子を内部に分散させたナノ粒子分散イオンゲルを提供する。
【解決手段】ナノ粒子の製造方法は、イオンゲルの内部に複数のナノ粒子が分散されたナノ粒子分散イオンゲルを製造する工程(ステップS10)と、ナノ粒子分散イオンゲルを溶解し、複数のナノ粒子が分散された液体を製造する工程(ステップS20)と、を含む。
【解決手段】ナノ粒子の製造方法は、イオンゲルの内部に複数のナノ粒子が分散されたナノ粒子分散イオンゲルを製造する工程(ステップS10)と、ナノ粒子分散イオンゲルを溶解し、複数のナノ粒子が分散された液体を製造する工程(ステップS20)と、を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノ粒子に係るものであり、例えばナノ粒子を含み該ナノ粒子が存在することにより現れる特性を有するもの及び該特性を有するものの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
数ナノメートルから数十ナノメートルの直径を有する金属や半導体のナノ粒子は、バルク材料とは異なり、サイズに依存した光学的電気化学的性質を示す。そのため、バイオセンシング、触媒、光学、電気化学などの分野において応用が期待されている。例えばバルク材料では触媒不活性であった金をナノ粒子化すると、高活性な触媒として作用することが知られており、ナノ粒子合成は、触媒分野において重要な技術となっている。
【0003】
金属ナノ粒子は、これまで多くの場合、溶液中において金属イオンや錯体を化学的に還元する液相化学還元法(ウェットプロセス)によって作製されてきた。例えば化学反応を利用して溶液中でナノ粒子を製造するウェットプロセスが特許文献1に記載されている。これらの手法では、チオールやポリマーなどの安定化剤を添加し、粒子どうしの凝集を抑制することにより、比較的粒径の揃った金属ナノ粒子を作製することが可能である。
【0004】
一方、金属ナノ粒子を作製する別の方法として、特許文献2に記載されている真空蒸着法のようなドライプロセスが挙げられる。この場合、金属析出初期ではサイズの揃ったナノ粒子が固体基板上に形成される。この手法では、副生成物の生成がほとんどなく、さらに安定化剤などが吸着していないクリーンな粒子表面を持つ金属ナノ粒子を作製することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−281781号公報
【特許文献2】特開平9−256140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来のウェットプロセスやドライプロセスには次のような問題点がある。まずウェットプロセスでは、比較的均一な粒径を有するナノ粒子を大量に製造可能であるが、得られたナノ粒子は溶液中で凝集しやすい。よって溶液中で良好な分散安定性を得るためには粒子表面を界面活性剤などの安定化剤で化学修飾する必要がある。このため、得られたナノ粒子は、高活性触媒などのように粒子表面を活性サイトとする用途には適さない。また反応溶液中には、副生成物、基質、安定化剤などが不純物として残存する。触媒などへの応用のためには、これらの不純物の混入は好ましくなく、得られる金属ナノ粒子の精製が必要となる場合がある。次に、ドライプロセスにおいては、ナノ粒子の表面は化学修飾されておらず、比較的単純な系で純粋なナノ粒子を製造可能なものの、得られたナノ粒子は粒径分布が広く、粒径の揃ったナノ粒子を得ることが困難である。また原料の使用量に比べて生成量が少なく、製造コストが高くなってしまう。さらに通常、析出時間の経過とともに個々の粒子サイズは増加し、バルク化又は薄膜化してしまうという欠点がある。さらに固体基板上への蒸着であるため、単分散な金属ナノ粒子を多量に作製することは困難である。このように得られるナノ粒子の性質や生産性などの面において、従来のウェットプロセスやドライプロセスよりも優れた新規な製造方法が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]イオンゲルの内部に複数のナノ粒子が分散されたナノ粒子分散イオンゲルを製造する工程と、前記ナノ粒子分散イオンゲルを溶解し、前記複数のナノ粒子が分散された液体を製造する工程と、を含むことを特徴とするナノ粒子の製造方法。
【0009】
この方法によれば、ナノ粒子分散イオンゲルを液中に溶解することを加熱、超音波処理、攪拌させて行うことができることから、ナノ粒子分散イオンゲルの溶解を容易に行うことができる。
【0010】
[適用例2]上記ナノ粒子の製造方法であって、前記複数のナノ粒子が分散された液体を遠心分離する工程をさらに含むことを特徴とするナノ粒子の製造方法。
【0011】
この方法によれば、ナノ粒子分散イオンゲルが溶解した液体を遠心分離することで、容易にナノ粒子を単離することができる。
【0012】
[適用例3]上記ナノ粒子の製造方法であって、前記ナノ粒子分散イオンゲルを製造する工程は、蒸着装置において減圧下で前記ナノ粒子に含まれる元素を含む蒸着源を前記イオンゲルに向けて蒸発させる工程を含むことを特徴とするナノ粒子の製造方法。
【0013】
この方法によれば、イオンゲル内部に複数のナノ粒子を分散させる工程を、内部気圧を大気圧よりも減圧させた蒸着装置を用いて行うことにより、容易に行うことができる。また、蒸着先がイオンゲルであることから、蒸着装置内部における蒸着源(ターゲットと呼ばれることがある)と蒸着先との位置関係の自由度が高いことから使用できる装置の幅を広くすることができる。例えば、蒸着先を蒸着源よりも高い位置に配置して行う蒸着装置でも使用することができる。蒸着装置としては、一般的なスパッタ蒸着装置や抵抗加熱蒸着装置などを用いることでよい。尚、以降の実施形態において、蒸着源をナノ粒子前駆体と記載することがある。
【0014】
[適用例4]上記ナノ粒子の製造方法であって、前記ナノ粒子分散イオンゲルを製造する工程は、イオン液体とゲル化剤とを含む混合液を攪拌する工程と、攪拌した前記混合液を乾燥させる工程と、を含むことを特徴とするナノ粒子の製造方法。
【0015】
この方法によれば、イオンゲルの作製をイオン液体とゲル化剤とを含む混合液を攪拌し乾燥させて行うことができることから、イオンゲルの作製を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態に係るナノ粒子の製造方法を示すフローチャート。
【図2】本実施形態に係るスパッタ蒸着装置を用いた場合のイメージ図。
【図3】本実施形態に係るイオンゲルの写真。
【図4】本実施形態に係るナノ粒子分散イオンゲルの写真。
【図5】本実施形態に係る透過型電子顕微鏡によるナノ粒子分散イオンゲル内部の写真。
【図6】本実施形態に係る透過型電子顕微鏡によるナノ粒子の写真。
【図7】本実施形態に係る透過型電子顕微鏡によるナノ粒子分散イオンゲルの回折光の写真。
【図8】本実施形態に係るナノ粒子分散イオンゲルの光吸収スペクトル図。
【図9】本実施形態に係る抵抗加熱蒸着装置を用いた場合のイメージ図。
【図10】本実施形態に係るナノ粒子分散イオンゲルを溶解・分散した溶液の写真。
【図11】本実施形態に係るナノ粒子分散イオンゲルを溶解・分散した溶液の光吸収スペクトル図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図を用いて本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るナノ粒子の製造方法を示すフローチャートである。本実施形態に係るナノ粒子の製造方法は、図1(A)に示すように、ステップS10に示すイオンゲルの内部に複数のナノ粒子が分散されたナノ粒子分散イオンゲルを製造する工程と、ステップS20に示すナノ粒子分散イオンゲルを溶解し、複数のナノ粒子が分散された液体を製造する工程と、ステップS30に示す複数のナノ粒子が分散された液体を遠心分離する工程と、を含んでいる。
【0018】
また、ナノ粒子分散イオンゲルを製造する工程(ステップS10)は、図1(B)に示すように、ステップS100に示すイオン液体とゲル化剤とを含む混合液を攪拌する工程と、ステップS110に示す攪拌した前記混合液を乾燥させ、イオンゲルを製造する工程と、ステップS120に示す蒸着装置において減圧下でナノ粒子に含まれる元素を含む蒸着源をイオンゲルに向けて蒸発させる工程と、を含んでいる。
【0019】
図2は、本実施形態に係るスパッタ蒸着装置を用いた場合のイメージ図であり、図3は、本実施形態に係るイオンゲルの写真であり、図4は、本実施形態に係るナノ粒子分散イオンゲルの写真である。
下記のようにして作製したイオンゲルにスパッタリングを行うことでナノ粒子分散イオンゲルを形成した。
【0020】
(イオンゲルの作製)
材料として次に挙げたイオン液体、ゲル化剤及び有機溶剤を使用した。
・イオン液体:EMIBF4
(1−ethyl−3−methylimidazolium tetrafluoroborate)
・ゲル化剤:フッ化ビニリデン−6フッ化プロピレン重合体(PVdF−HFP)
・有機溶剤(1):Propylene Carbonate
・有機溶剤(2):Methyl Pentanone
【0021】
イオン液体100mgとゲル化剤100mgとを混合する。これを、有機溶剤(1)360mgと有機溶剤(2)1mlとの混合液に溶かし、80℃で5時間攪拌する。攪拌した混合液を乾燥させることによりイオンゲルが作製される。作製されたイオンゲルの写真を図3として示す。
【0022】
(イオンゲル内部へのナノ粒子の分散の第1の実施形態)
上記イオンゲルをスパッタ蒸着装置(JFC−1500、日本電子株式会社製)内に設置し、ターゲット材(ナノ粒子前駆体)として金板を装着して、金のスパッタリングを5分間行った。作製されたナノ粒子分散イオンゲルの写真を図4として示す。
【0023】
本実施形態におけるイメージを図2に示す。図2には、スパッタ蒸着装置100を示している。スパッタ蒸着装置100は、試料処理室10を有し、試料処理室10内の上部には陰極12が、下部には陽極13が取り付けられている。陰極12には高電圧部11が接続されている。また、試料処理室10内部を減圧するために排出管15には真空ポンプ(図示していない)が取り付けられている。また、Arガスなどを導入するための導入管14が設けられている。
【0024】
ナノ粒子前駆体17は陰極12に取り付けられ、イオンゲル18は陽極13上に置かれる。本実施形態においては、ナノ粒子前駆体17は金板である。この状態で陰極12に高電圧を印加するとナノ粒子前駆体17から金の原子が飛び出して放電プラズマ領域19を形成し、金の原子がイオンゲル18内部に入り込んでナノ粒子を形成し保持される。これによりナノ粒子分散イオンゲルが作製される。
【0025】
作製されたナノ粒子分散イオンゲルの透過型電子顕微鏡写真を図5〜図7に示す。
図5は、本実施形態に係る透過型電子顕微鏡によるナノ粒子分散イオンゲル内部の写真であり、イオンゲルとイオンゲル内部に分散された金のナノ粒子の像である。黒く見える粒子が金のナノ粒子である。図6は、本実施形態に係る透過型電子顕微鏡によるナノ粒子の写真であり、ナノ粒子単体の高分解透過型電子顕微鏡写真を示す。図6のナノ粒子の粒径は約25nmであり、金のfcc構造の(111)面における面間隔0.235nmに帰属する格子縞が見て取れる。
【0026】
図7は、本実施形態に係る透過型電子顕微鏡によるナノ粒子分散イオンゲルの回折光の写真である。また、図7はナノ粒子分散イオンゲルの電子線回折パターンであり、この回折パターンからもイオンゲル中の金ナノ粒子の結晶構造はバルク結晶と同じfcc構造であることがわかる。
【0027】
図8は、本実施形態に係るナノ粒子分散イオンゲルの光吸収スペクトル図である。図8に示したのは、作製されたナノ粒子分散イオンゲルにおける光吸収スペクトルの測定結果である。540nm付近に金のナノ粒子の表面プラズモンに由来するピークを見ることができる。これは、生成された金のナノ粒子の粒子径の多くが25nm程度であることに符合する測定結果である。
【0028】
以上、透過型電子顕微鏡による観察結果及び光吸収スペクトルの測定結果から、イオンゲルに金板をターゲット(ナノ粒子前駆体)としてスパッタリングを行うことで、金のナノ粒子を有するナノ粒子分散イオンゲルが作製されたことが確認された。
【0029】
(イオンゲル内部へのナノ粒子の分散の第2の実施形態)
図9は、本実施形態に係る抵抗加熱蒸着装置を用いた場合のイメージ図である。本実施形態は、イオンゲル内部へのナノ粒子の分散の工程に電子線加熱蒸着装置200を用いた場合の例である。図9に、本実施形態のイメージ図を示す。尚、イオンゲルは第1の実施形態と同じであり、ナノ粒子前駆体として金を用いることも第1の実施形態と同じである。
【0030】
電子線加熱蒸着装置200は試料処理室21を有し、試料処理室21内には電子線放出部22、蒸着源保持部24及び試料を保持する台座25が設けられている。蒸着源保持部24は凹部を有し、該凹部に蒸着源(金)26(ナノ粒子前駆体)が保持される。電子線放出部22は、蒸着源(金)26から飛び出した粒子の蒸着がないように、蒸着源保持部24の下方向に設けられている。また、台座25は蒸着源保持部24の上方向に設けられ、イオンゲル28は蒸着源保持部24の方向に保持される。尚、試料処理室21内部を減圧するために、排出管23は真空ポンプ(図示していない)に接続されている。
【0031】
電子線放出部22における電子線の放出は、熱フィラメントに電流を通して加熱することにより行われる。放出された電子線は、4〜10kV程度の高電圧により加速され、磁場によって収束されて電子線放出部22の出力である電子線30として出力される。電子線放出部22から出力された電子線30は、磁場をかけて偏向させられ、蒸着源(金)26に照射される。
【0032】
電子線30が照射された蒸着源(金)26は局所的に高温になり蒸発する(図9の矢印31)。蒸発した蒸着源(金)27がイオンゲル28に入り込み金のナノ粒子が形成され、ナノ粒子分散イオンゲルを作製することができる。
【0033】
(イオンゲル内部へのナノ粒子の分散の第3の実施形態)
本実施形態は、イオンゲル内部へのナノ粒子の分散の工程に抵抗加熱蒸着装置を用いた場合の例である。抵抗加熱蒸着装置(図示せず)は、図9を流用して簡単に説明すると、電子線放出部22を取り除き、台座25を加熱させることで蒸着源を加熱し蒸発させるタイプの蒸着装置である。蒸着源に金を用い、蒸着先を上述したイオンゲルとすることで、金のナノ粒子分散イオンゲルを作製することができる。
【0034】
以上、本発明にかかるふたつの実施形態の説明を行ったが、ナノ粒子分散イオンゲル内部に分散保持されているナノ粒子は、ナノ粒子表面にナノ粒子の活性を妨げるための修飾はなされていない。このため、ナノ粒子分散イオンゲルはナノ粒子を保存することに利用することができ、また、ナノ粒子分散イオンセルは固体として扱うことが可能であることからこれ自身の保存・運搬も容易に行えるようになる。また、ナノ粒子分散イオンゲルの内部に分散されたナノ粒子は、ナノ粒子特有の振る舞いをすることから、ナノ粒子分散イオンゲルそのままの状態でセンサーなどの各種の装置に用いることが可能である。ナノ粒子分散イオンゲルは、ナノ粒子の取扱いを非常に簡便にするものであるといえる。
【0035】
尚、上述した実施形態においてはイオン液体としてEMIBF4を用いたが、本発明に適応可能であれば親水性であっても疎水性であってもよく、その種類は特に限定されるものではない。例えば、使用可能なイオン液体としては、脂肪族系イオン液体、イミダゾリウム系イオン液体、若しくは、ピリジニウム系イオン液体などが挙げられる。
【0036】
また、ナノ粒子前駆体は、純物質であってもよいし混合物でもよい。純物質は単体であっても化合物でもよい。ナノ粒子前駆体の種類も限定するものではない。また、イオンゲルは固体して扱うことができることから、蒸着装置における扱いが容易である。
【0037】
(金属ナノ粒子の単離)
図10は、本実施形態に係るナノ粒子分散イオンゲルを溶解・分散した溶液の写真であり、図11は、本実施形態に係るナノ粒子分散イオンゲルを溶解・分散した溶液の光吸収スペクトル図である。
上述の第2の実施形態、第3の実施形態で作製した金ナノ粒子を含むイオンゲル200mgを、有機溶剤(1)2mlと有機溶剤(2)2mlの混合液に溶かし、超音波攪拌を1時間、スターラーによる攪拌を80℃で5時間実施する。ナノ粒子分散イオンゲルを溶解・分散した溶液の写真を図10に示す。また、この溶液の光吸収スペクトルの測定結果を図11に示す。図8に示したイオンゲルの吸収スペクトル同様、540nm付近に金のナノ粒子の表面プラズモンに由来するピークを見ることができる。これは、ナノ粒子分散イオンゲルの溶解・攪拌処理により、ナノ粒子が溶液中に粒径を保ったまま分散したことを示している。この溶液を、遠心分離器(KUBOTA 小型遠心分離機 M−4200CE)により、回転数4500rpmで30分間遠心分離することにより、液相中の金ナノ粒子を沈殿させた。
【0038】
上記の本発明は上記の内容に限定されるものでなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で広く適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明のナノ粒子の製造方法は、高活性光触媒やオプトエレクトロニクス素子、生体分子マーカーなどの材料を製造するのに利用可能である。
【符号の説明】
【0040】
10…試料処理室、11…高電圧部、12…陰極、13…陽極、14…導入管、15…排出管、17…ナノ粒子前駆体、18…イオンゲル、19…放電プラズマ領域、21…試料処理室、22…電子線放出部、23…排出管、24…蒸着源保持部、25…台座、26…蒸着源(金)(ナノ粒子前駆体)、27…蒸発した蒸着源(金)、28…イオンゲル、30…電子線、31…矢印、100…スパッタ蒸着装置、200…電子線加熱蒸着装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノ粒子に係るものであり、例えばナノ粒子を含み該ナノ粒子が存在することにより現れる特性を有するもの及び該特性を有するものの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
数ナノメートルから数十ナノメートルの直径を有する金属や半導体のナノ粒子は、バルク材料とは異なり、サイズに依存した光学的電気化学的性質を示す。そのため、バイオセンシング、触媒、光学、電気化学などの分野において応用が期待されている。例えばバルク材料では触媒不活性であった金をナノ粒子化すると、高活性な触媒として作用することが知られており、ナノ粒子合成は、触媒分野において重要な技術となっている。
【0003】
金属ナノ粒子は、これまで多くの場合、溶液中において金属イオンや錯体を化学的に還元する液相化学還元法(ウェットプロセス)によって作製されてきた。例えば化学反応を利用して溶液中でナノ粒子を製造するウェットプロセスが特許文献1に記載されている。これらの手法では、チオールやポリマーなどの安定化剤を添加し、粒子どうしの凝集を抑制することにより、比較的粒径の揃った金属ナノ粒子を作製することが可能である。
【0004】
一方、金属ナノ粒子を作製する別の方法として、特許文献2に記載されている真空蒸着法のようなドライプロセスが挙げられる。この場合、金属析出初期ではサイズの揃ったナノ粒子が固体基板上に形成される。この手法では、副生成物の生成がほとんどなく、さらに安定化剤などが吸着していないクリーンな粒子表面を持つ金属ナノ粒子を作製することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−281781号公報
【特許文献2】特開平9−256140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来のウェットプロセスやドライプロセスには次のような問題点がある。まずウェットプロセスでは、比較的均一な粒径を有するナノ粒子を大量に製造可能であるが、得られたナノ粒子は溶液中で凝集しやすい。よって溶液中で良好な分散安定性を得るためには粒子表面を界面活性剤などの安定化剤で化学修飾する必要がある。このため、得られたナノ粒子は、高活性触媒などのように粒子表面を活性サイトとする用途には適さない。また反応溶液中には、副生成物、基質、安定化剤などが不純物として残存する。触媒などへの応用のためには、これらの不純物の混入は好ましくなく、得られる金属ナノ粒子の精製が必要となる場合がある。次に、ドライプロセスにおいては、ナノ粒子の表面は化学修飾されておらず、比較的単純な系で純粋なナノ粒子を製造可能なものの、得られたナノ粒子は粒径分布が広く、粒径の揃ったナノ粒子を得ることが困難である。また原料の使用量に比べて生成量が少なく、製造コストが高くなってしまう。さらに通常、析出時間の経過とともに個々の粒子サイズは増加し、バルク化又は薄膜化してしまうという欠点がある。さらに固体基板上への蒸着であるため、単分散な金属ナノ粒子を多量に作製することは困難である。このように得られるナノ粒子の性質や生産性などの面において、従来のウェットプロセスやドライプロセスよりも優れた新規な製造方法が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]イオンゲルの内部に複数のナノ粒子が分散されたナノ粒子分散イオンゲルを製造する工程と、前記ナノ粒子分散イオンゲルを溶解し、前記複数のナノ粒子が分散された液体を製造する工程と、を含むことを特徴とするナノ粒子の製造方法。
【0009】
この方法によれば、ナノ粒子分散イオンゲルを液中に溶解することを加熱、超音波処理、攪拌させて行うことができることから、ナノ粒子分散イオンゲルの溶解を容易に行うことができる。
【0010】
[適用例2]上記ナノ粒子の製造方法であって、前記複数のナノ粒子が分散された液体を遠心分離する工程をさらに含むことを特徴とするナノ粒子の製造方法。
【0011】
この方法によれば、ナノ粒子分散イオンゲルが溶解した液体を遠心分離することで、容易にナノ粒子を単離することができる。
【0012】
[適用例3]上記ナノ粒子の製造方法であって、前記ナノ粒子分散イオンゲルを製造する工程は、蒸着装置において減圧下で前記ナノ粒子に含まれる元素を含む蒸着源を前記イオンゲルに向けて蒸発させる工程を含むことを特徴とするナノ粒子の製造方法。
【0013】
この方法によれば、イオンゲル内部に複数のナノ粒子を分散させる工程を、内部気圧を大気圧よりも減圧させた蒸着装置を用いて行うことにより、容易に行うことができる。また、蒸着先がイオンゲルであることから、蒸着装置内部における蒸着源(ターゲットと呼ばれることがある)と蒸着先との位置関係の自由度が高いことから使用できる装置の幅を広くすることができる。例えば、蒸着先を蒸着源よりも高い位置に配置して行う蒸着装置でも使用することができる。蒸着装置としては、一般的なスパッタ蒸着装置や抵抗加熱蒸着装置などを用いることでよい。尚、以降の実施形態において、蒸着源をナノ粒子前駆体と記載することがある。
【0014】
[適用例4]上記ナノ粒子の製造方法であって、前記ナノ粒子分散イオンゲルを製造する工程は、イオン液体とゲル化剤とを含む混合液を攪拌する工程と、攪拌した前記混合液を乾燥させる工程と、を含むことを特徴とするナノ粒子の製造方法。
【0015】
この方法によれば、イオンゲルの作製をイオン液体とゲル化剤とを含む混合液を攪拌し乾燥させて行うことができることから、イオンゲルの作製を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態に係るナノ粒子の製造方法を示すフローチャート。
【図2】本実施形態に係るスパッタ蒸着装置を用いた場合のイメージ図。
【図3】本実施形態に係るイオンゲルの写真。
【図4】本実施形態に係るナノ粒子分散イオンゲルの写真。
【図5】本実施形態に係る透過型電子顕微鏡によるナノ粒子分散イオンゲル内部の写真。
【図6】本実施形態に係る透過型電子顕微鏡によるナノ粒子の写真。
【図7】本実施形態に係る透過型電子顕微鏡によるナノ粒子分散イオンゲルの回折光の写真。
【図8】本実施形態に係るナノ粒子分散イオンゲルの光吸収スペクトル図。
【図9】本実施形態に係る抵抗加熱蒸着装置を用いた場合のイメージ図。
【図10】本実施形態に係るナノ粒子分散イオンゲルを溶解・分散した溶液の写真。
【図11】本実施形態に係るナノ粒子分散イオンゲルを溶解・分散した溶液の光吸収スペクトル図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図を用いて本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るナノ粒子の製造方法を示すフローチャートである。本実施形態に係るナノ粒子の製造方法は、図1(A)に示すように、ステップS10に示すイオンゲルの内部に複数のナノ粒子が分散されたナノ粒子分散イオンゲルを製造する工程と、ステップS20に示すナノ粒子分散イオンゲルを溶解し、複数のナノ粒子が分散された液体を製造する工程と、ステップS30に示す複数のナノ粒子が分散された液体を遠心分離する工程と、を含んでいる。
【0018】
また、ナノ粒子分散イオンゲルを製造する工程(ステップS10)は、図1(B)に示すように、ステップS100に示すイオン液体とゲル化剤とを含む混合液を攪拌する工程と、ステップS110に示す攪拌した前記混合液を乾燥させ、イオンゲルを製造する工程と、ステップS120に示す蒸着装置において減圧下でナノ粒子に含まれる元素を含む蒸着源をイオンゲルに向けて蒸発させる工程と、を含んでいる。
【0019】
図2は、本実施形態に係るスパッタ蒸着装置を用いた場合のイメージ図であり、図3は、本実施形態に係るイオンゲルの写真であり、図4は、本実施形態に係るナノ粒子分散イオンゲルの写真である。
下記のようにして作製したイオンゲルにスパッタリングを行うことでナノ粒子分散イオンゲルを形成した。
【0020】
(イオンゲルの作製)
材料として次に挙げたイオン液体、ゲル化剤及び有機溶剤を使用した。
・イオン液体:EMIBF4
(1−ethyl−3−methylimidazolium tetrafluoroborate)
・ゲル化剤:フッ化ビニリデン−6フッ化プロピレン重合体(PVdF−HFP)
・有機溶剤(1):Propylene Carbonate
・有機溶剤(2):Methyl Pentanone
【0021】
イオン液体100mgとゲル化剤100mgとを混合する。これを、有機溶剤(1)360mgと有機溶剤(2)1mlとの混合液に溶かし、80℃で5時間攪拌する。攪拌した混合液を乾燥させることによりイオンゲルが作製される。作製されたイオンゲルの写真を図3として示す。
【0022】
(イオンゲル内部へのナノ粒子の分散の第1の実施形態)
上記イオンゲルをスパッタ蒸着装置(JFC−1500、日本電子株式会社製)内に設置し、ターゲット材(ナノ粒子前駆体)として金板を装着して、金のスパッタリングを5分間行った。作製されたナノ粒子分散イオンゲルの写真を図4として示す。
【0023】
本実施形態におけるイメージを図2に示す。図2には、スパッタ蒸着装置100を示している。スパッタ蒸着装置100は、試料処理室10を有し、試料処理室10内の上部には陰極12が、下部には陽極13が取り付けられている。陰極12には高電圧部11が接続されている。また、試料処理室10内部を減圧するために排出管15には真空ポンプ(図示していない)が取り付けられている。また、Arガスなどを導入するための導入管14が設けられている。
【0024】
ナノ粒子前駆体17は陰極12に取り付けられ、イオンゲル18は陽極13上に置かれる。本実施形態においては、ナノ粒子前駆体17は金板である。この状態で陰極12に高電圧を印加するとナノ粒子前駆体17から金の原子が飛び出して放電プラズマ領域19を形成し、金の原子がイオンゲル18内部に入り込んでナノ粒子を形成し保持される。これによりナノ粒子分散イオンゲルが作製される。
【0025】
作製されたナノ粒子分散イオンゲルの透過型電子顕微鏡写真を図5〜図7に示す。
図5は、本実施形態に係る透過型電子顕微鏡によるナノ粒子分散イオンゲル内部の写真であり、イオンゲルとイオンゲル内部に分散された金のナノ粒子の像である。黒く見える粒子が金のナノ粒子である。図6は、本実施形態に係る透過型電子顕微鏡によるナノ粒子の写真であり、ナノ粒子単体の高分解透過型電子顕微鏡写真を示す。図6のナノ粒子の粒径は約25nmであり、金のfcc構造の(111)面における面間隔0.235nmに帰属する格子縞が見て取れる。
【0026】
図7は、本実施形態に係る透過型電子顕微鏡によるナノ粒子分散イオンゲルの回折光の写真である。また、図7はナノ粒子分散イオンゲルの電子線回折パターンであり、この回折パターンからもイオンゲル中の金ナノ粒子の結晶構造はバルク結晶と同じfcc構造であることがわかる。
【0027】
図8は、本実施形態に係るナノ粒子分散イオンゲルの光吸収スペクトル図である。図8に示したのは、作製されたナノ粒子分散イオンゲルにおける光吸収スペクトルの測定結果である。540nm付近に金のナノ粒子の表面プラズモンに由来するピークを見ることができる。これは、生成された金のナノ粒子の粒子径の多くが25nm程度であることに符合する測定結果である。
【0028】
以上、透過型電子顕微鏡による観察結果及び光吸収スペクトルの測定結果から、イオンゲルに金板をターゲット(ナノ粒子前駆体)としてスパッタリングを行うことで、金のナノ粒子を有するナノ粒子分散イオンゲルが作製されたことが確認された。
【0029】
(イオンゲル内部へのナノ粒子の分散の第2の実施形態)
図9は、本実施形態に係る抵抗加熱蒸着装置を用いた場合のイメージ図である。本実施形態は、イオンゲル内部へのナノ粒子の分散の工程に電子線加熱蒸着装置200を用いた場合の例である。図9に、本実施形態のイメージ図を示す。尚、イオンゲルは第1の実施形態と同じであり、ナノ粒子前駆体として金を用いることも第1の実施形態と同じである。
【0030】
電子線加熱蒸着装置200は試料処理室21を有し、試料処理室21内には電子線放出部22、蒸着源保持部24及び試料を保持する台座25が設けられている。蒸着源保持部24は凹部を有し、該凹部に蒸着源(金)26(ナノ粒子前駆体)が保持される。電子線放出部22は、蒸着源(金)26から飛び出した粒子の蒸着がないように、蒸着源保持部24の下方向に設けられている。また、台座25は蒸着源保持部24の上方向に設けられ、イオンゲル28は蒸着源保持部24の方向に保持される。尚、試料処理室21内部を減圧するために、排出管23は真空ポンプ(図示していない)に接続されている。
【0031】
電子線放出部22における電子線の放出は、熱フィラメントに電流を通して加熱することにより行われる。放出された電子線は、4〜10kV程度の高電圧により加速され、磁場によって収束されて電子線放出部22の出力である電子線30として出力される。電子線放出部22から出力された電子線30は、磁場をかけて偏向させられ、蒸着源(金)26に照射される。
【0032】
電子線30が照射された蒸着源(金)26は局所的に高温になり蒸発する(図9の矢印31)。蒸発した蒸着源(金)27がイオンゲル28に入り込み金のナノ粒子が形成され、ナノ粒子分散イオンゲルを作製することができる。
【0033】
(イオンゲル内部へのナノ粒子の分散の第3の実施形態)
本実施形態は、イオンゲル内部へのナノ粒子の分散の工程に抵抗加熱蒸着装置を用いた場合の例である。抵抗加熱蒸着装置(図示せず)は、図9を流用して簡単に説明すると、電子線放出部22を取り除き、台座25を加熱させることで蒸着源を加熱し蒸発させるタイプの蒸着装置である。蒸着源に金を用い、蒸着先を上述したイオンゲルとすることで、金のナノ粒子分散イオンゲルを作製することができる。
【0034】
以上、本発明にかかるふたつの実施形態の説明を行ったが、ナノ粒子分散イオンゲル内部に分散保持されているナノ粒子は、ナノ粒子表面にナノ粒子の活性を妨げるための修飾はなされていない。このため、ナノ粒子分散イオンゲルはナノ粒子を保存することに利用することができ、また、ナノ粒子分散イオンセルは固体として扱うことが可能であることからこれ自身の保存・運搬も容易に行えるようになる。また、ナノ粒子分散イオンゲルの内部に分散されたナノ粒子は、ナノ粒子特有の振る舞いをすることから、ナノ粒子分散イオンゲルそのままの状態でセンサーなどの各種の装置に用いることが可能である。ナノ粒子分散イオンゲルは、ナノ粒子の取扱いを非常に簡便にするものであるといえる。
【0035】
尚、上述した実施形態においてはイオン液体としてEMIBF4を用いたが、本発明に適応可能であれば親水性であっても疎水性であってもよく、その種類は特に限定されるものではない。例えば、使用可能なイオン液体としては、脂肪族系イオン液体、イミダゾリウム系イオン液体、若しくは、ピリジニウム系イオン液体などが挙げられる。
【0036】
また、ナノ粒子前駆体は、純物質であってもよいし混合物でもよい。純物質は単体であっても化合物でもよい。ナノ粒子前駆体の種類も限定するものではない。また、イオンゲルは固体して扱うことができることから、蒸着装置における扱いが容易である。
【0037】
(金属ナノ粒子の単離)
図10は、本実施形態に係るナノ粒子分散イオンゲルを溶解・分散した溶液の写真であり、図11は、本実施形態に係るナノ粒子分散イオンゲルを溶解・分散した溶液の光吸収スペクトル図である。
上述の第2の実施形態、第3の実施形態で作製した金ナノ粒子を含むイオンゲル200mgを、有機溶剤(1)2mlと有機溶剤(2)2mlの混合液に溶かし、超音波攪拌を1時間、スターラーによる攪拌を80℃で5時間実施する。ナノ粒子分散イオンゲルを溶解・分散した溶液の写真を図10に示す。また、この溶液の光吸収スペクトルの測定結果を図11に示す。図8に示したイオンゲルの吸収スペクトル同様、540nm付近に金のナノ粒子の表面プラズモンに由来するピークを見ることができる。これは、ナノ粒子分散イオンゲルの溶解・攪拌処理により、ナノ粒子が溶液中に粒径を保ったまま分散したことを示している。この溶液を、遠心分離器(KUBOTA 小型遠心分離機 M−4200CE)により、回転数4500rpmで30分間遠心分離することにより、液相中の金ナノ粒子を沈殿させた。
【0038】
上記の本発明は上記の内容に限定されるものでなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で広く適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明のナノ粒子の製造方法は、高活性光触媒やオプトエレクトロニクス素子、生体分子マーカーなどの材料を製造するのに利用可能である。
【符号の説明】
【0040】
10…試料処理室、11…高電圧部、12…陰極、13…陽極、14…導入管、15…排出管、17…ナノ粒子前駆体、18…イオンゲル、19…放電プラズマ領域、21…試料処理室、22…電子線放出部、23…排出管、24…蒸着源保持部、25…台座、26…蒸着源(金)(ナノ粒子前駆体)、27…蒸発した蒸着源(金)、28…イオンゲル、30…電子線、31…矢印、100…スパッタ蒸着装置、200…電子線加熱蒸着装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオンゲルの内部に複数のナノ粒子が分散されたナノ粒子分散イオンゲルを製造する工程と、
前記ナノ粒子分散イオンゲルを溶解し、前記複数のナノ粒子が分散された液体を製造する工程と、
を含むことを特徴とするナノ粒子の製造方法。
【請求項2】
前記複数のナノ粒子が分散された液体を遠心分離する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のナノ粒子の製造方法。
【請求項3】
前記ナノ粒子分散イオンゲルを製造する工程は、蒸着装置において減圧下で前記ナノ粒子に含まれる元素を含む蒸着源を前記イオンゲルに向けて蒸発させる工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のナノ粒子の製造方法。
【請求項4】
前記ナノ粒子分散イオンゲルを製造する工程は、イオン液体とゲル化剤とを含む混合液を攪拌する工程と、攪拌した前記混合液を乾燥させる工程と、を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のナノ粒子の製造方法。
【請求項1】
イオンゲルの内部に複数のナノ粒子が分散されたナノ粒子分散イオンゲルを製造する工程と、
前記ナノ粒子分散イオンゲルを溶解し、前記複数のナノ粒子が分散された液体を製造する工程と、
を含むことを特徴とするナノ粒子の製造方法。
【請求項2】
前記複数のナノ粒子が分散された液体を遠心分離する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のナノ粒子の製造方法。
【請求項3】
前記ナノ粒子分散イオンゲルを製造する工程は、蒸着装置において減圧下で前記ナノ粒子に含まれる元素を含む蒸着源を前記イオンゲルに向けて蒸発させる工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のナノ粒子の製造方法。
【請求項4】
前記ナノ粒子分散イオンゲルを製造する工程は、イオン液体とゲル化剤とを含む混合液を攪拌する工程と、攪拌した前記混合液を乾燥させる工程と、を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のナノ粒子の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−236150(P2012−236150A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−106982(P2011−106982)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]