説明

ナビゲーション装置、動作制御方法、およびコンピュータプログラム

【課題】走行中でも安全に運転者がナビゲーション装置の操作を行うことができ、かつ、機械類の小型化にも対応できるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置100が、ナビゲーション装置100の振動の振動態様(動の発生源となった叩かれた振動発生エリアや、振動回数など)と動作内容とが対応付けされた動作内容情報を記憶する動作内容管理テーブル21cを備え、ナビゲーション装置100の筐体がユーザによって叩かれたことによるナビゲーション装置100の振動を検知し、検知した振動の振動態様を判定し、動作内容情報を参照して、判定された振動態様に対応付けされている動作内容を選択し、選択した動作内容を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体の目的地までの推奨移動経路を導出し、導出した推奨移動経路を移動するように前記移動体を誘導するナビゲーション装置、ナビゲーション装置の動作制御方法、及びナビゲーション装置に動作制御させるためのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ナビゲーション装置は、ユーザによるナビゲーション装置の表示画面に表示されるメニューなどの操作に応じてその機能を発揮する。そのため、車両などの移動体に備えられるナビゲーション装置には、安全性の確保を目的として、車両の走行中はナビゲーション装置の操作ができないように設定されているものもあった。
【0003】
しかし、実際には、走行中であってもナビゲーション装置を使いたい場合や、すぐに停車することができない場合があり、ナビゲーション装置を有効に使えないという問題が生じていた。このような問題に対して、例えば特許文献1では、運転手以外の人、例えば助手席に座っている人などによる操作を可能とするナビゲーション装置が開示されている。
【0004】
また、例えば特許文献2では、ポータブルデバイスを簡単に操作する方法として、加速度計によりデバイスの移動を判定し、デバイスの移動に応じて処理を実行するものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許2988083号公報
【特許文献2】特許公表2007−525775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の装置は、移動体の走行中に運転手が安全にナビゲーション装置を操作することができないという問題を解決するものではない。
【0007】
また、近年の機械類の小型化に伴い、小型であっても走行中に簡単に操作することができるものが望まれている。
【0008】
本発明は、上述した問題を解消し、走行中でも安全にナビゲーション装置の操作を行うことができ、かつ、機械類の小型化にも対応できるナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のナビゲーション装置は、移動体の目的地までの推奨移動経路を導出し、導出した推奨移動経路を移動するように前記移動体を誘導するナビゲーション装置であって、 該ナビゲーション装置の振動の振動態様と動作内容とが対応付けされた動作内容情報を記憶する動作内容記憶手段と、前記ナビゲーション装置の筐体がユーザによって叩かれたことによる当該ナビゲーション装置の振動を検知する振動検知手段と、該振動検知手段が検知した振動の振動態様を判定する振動態様判定手段と、前記動作内容情報を参照して、前記振動態様判定手段によって判定された振動態様に対応付けされている動作内容を選択し、選択した動作内容を実行する動作内容実行手段とを含むことを特徴とする。
【0010】
上記の構成としたことで、走行中でも安全にナビゲーション装置の操作を行うことができ、かつ、機械類の小型化にも対応できるナビゲーション装置を提供することができるようになる。
【0011】
すなわち、筐体を叩くという簡単な操作で所定の動作内容を実行することができるので、ナビゲーション装置の画面表示を視認して操作を行う必要性を減少させることができる。また、振動検知手段として加速度センサなどを用いることで、スイッチの配置を考慮する必要性を回避することができる。
【0012】
前記振動態様は、前記筐体におけるあらかじめ定められた複数のエリアのうち何れのエリアが叩かれたことによる振動であるかを示す振動発生エリアを含み、前記動作内容情報は、振動発生エリア毎に異なる種類の動作内容が対応付けされた情報である構成とされていてもよい。
【0013】
前記振動態様は、前記筐体が連続して何回叩かれたことによる振動であるかを示す振動発生回数を含み、前記動作内容情報は、振動発生回数毎に異なる種類の動作内容が対応付けされた情報である構成とされていてもよい。
【0014】
前記動作内容は、自宅までの経路探索及び経路誘導、近隣エリアの情報検索及び検索情報の表示、進行方向あるいは誘導経路上の渋滞情報の表示、表示されている地図の縮尺変更のうち少なくとも1つを含む構成とされていてもよい。
【0015】
移動体が移動している道路の種類と振動検知レベルとが対応付けされた振動検知レベル情報を記憶する振動検知レベル情報記憶手段と、移動体が移動している道路の種類を判定する道路種類判定手段とを含み、前記振動検知手段は、前記振動検知レベル情報を参照し、前記道路種類判定手段が判定した道路の種類に対応付けされている振動検知レベル以上の振動を前記筐体がユーザによって叩かれたことによる振動として検知する構成とされていてもよい。
【0016】
また、本発明のナビゲーション装置の動作方法は、移動体の目的地までの推奨移動経路を導出し、導出した推奨移動経路を移動するように前記移動体を誘導するナビゲーション装置の動作制御方法であって、前記ナビゲーション装置の筐体がユーザによって叩かれたことによる当該ナビゲーション装置の振動を検知する振動検知処理と、該振動検知処理にて検知した振動の振動態様を判定する振動態様判定処理と、該ナビゲーション装置の振動の振動態様と動作内容とが対応付けされた動作内容情報を記憶する動作内容記憶手段に記憶された当該動作内容情報を参照して、前記振動態様判定処理にて判定した振動態様に対応付けされている動作内容を選択し、選択した動作内容を実行する動作内容実行処理とを含むことを特徴とする。
【0017】
さらに、本発明のナビゲーション装置に動作制御させるためのコンピュータプログラムは、移動体の目的地までの推奨移動経路を導出し、導出した推奨移動経路を移動するように前記移動体を誘導するナビゲーション装置に動作制御させるためのコンピュータプログラムであって、前記ナビゲーション装置に、前記ナビゲーション装置の筐体がユーザによって叩かれたことによる当該ナビゲーション装置の振動を検知する振動検知処理と、該振動検知処理にて検知した振動の振動態様を判定する振動態様判定処理と、該ナビゲーション装置の振動の振動態様と動作内容とが対応付けされた動作内容情報を記憶する動作内容記憶手段に記憶された当該動作内容情報を参照して、前記振動態様判定処理にて判定した振動態様に対応付けされている動作内容を選択し、選択した動作内容を実行する動作内容実行処理とを実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、走行中でも安全にナビゲーション装置の操作を行うことができ、かつ、機械類の小型化にも対応できるナビゲーション装置を提供することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係るナビゲーション装置の一実施の形態を示す構成図である。
【図2】閾値情報管理テーブルの格納状態の例を示す説明図である。
【図3】動作内容管理テーブルの格納状態の例を示す説明図である。
【図4】本発明のナビゲーション装置の表示画面の例を示す説明図である。
【図5】特別操作処理の例を示すフローチャートである。
【図6】他の実施例の表示画面の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施の形態を示すナビゲーション装置100の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、ナビゲーション装置100は、情報処理部10と、入力部11と、センサ部12と、画面表示部13と、音声出力部14と、外部情報取得部20と、記憶部21とを含む。本例のナビゲーション装置100は、例えば車両などの移動体における操縦者(運転者)の近傍(例えば自動車であれば運転席と助手席の間の前方)に着脱可能に固定設置される。
【0022】
情報処理部10は、例えばCPU(中央処理装置)により構成され、記憶部21に記憶されたコンピュータプログラム(ナビゲーション装置に動作制御させるためのコンピュータプログラム)に従い、ナビゲーション装置100を構成する各要素を統括制御し、経路探索機能、経路誘導機能、サービス情報(ガソリンスタントやコンビニエンスストア、ラーメン店、ホテル・旅館といった店舗情報や、有名な施設情報、行楽地情報といったPOI(Point Of Interest)情報)を検索する情報検索機能を含む各種の処理を実行するための各種の機能を有する。なお、これらの各種の機能は、一般のナビゲーション装置が備える公知の技術によって実現される。
【0023】
入力部11は、例えばタッチパネルやボタンなどによって構成され、ユーザの操作に応じて、情報処理部10に対して操作信号を出力する機能を有する。
【0024】
センサ部12は、例えば加速度センサによって構成され、ナビゲーション装置100に生じる振動と加速度を検出し、振動情報および加速度情報として情報処理部10に通知する機能を有する。本例のナビゲーション装置100は、ナビゲーション装置100に定常的に生じている振動が生じている場合には、センサ部12と情報処理部10とが連動して、定常振動として扱う機能を有する。センサ部12は、例えば、ナビゲーション装置100における筐体において動作指示のために叩くエリアとされるエリアの数に応じて複数個設けられ(同じエリア(例えば後述する図4に示す右上部分のエリア)について後述するタッチ方向によって振動を区別する場合には、そのエリアについて1つ設けるようにすればよい)、それぞれ対応するエリアの近傍に設けられる。なお、振動と加速度の検出は、公知の技術を利用することにより行うこととする。
【0025】
画面表示部13は、例えば液晶表示装置によって構成され、情報処理部10の制御に応じた画面を表示する機能を有する。
【0026】
音声出力部14は、例えばスピーカであり、情報処理部10の制御に応じた音声を出力する機能を有する。本例においては、ナビゲーション装置100は、画面表示部13と音声出力部14によって、ユーザの操作に応じた動作内容を報知する。
【0027】
外部情報取得部20は、装置100の外部から各種の情報を取得するための装置であり、例えば、GPS(Global Positioning System)受信機と、無線通信ネットワークを介したデータの送受信を行う機能を有する通信装置とを含む。本例では、外部情報取得部20は、外部からGPS信号を取得したり、渋滞情報を取得したりする処理を行う。
【0028】
記憶部21は、例えばROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等で構成され、各種のデータを記憶する記憶媒体である。本例においては、記憶部21は、地図情報記憶部21aと、閾値情報管理テーブル21bと、動作内容管理テーブル21cとを含む。
【0029】
地図情報記憶部21aは、地図情報を記憶する記憶媒体である。なお、一般にナビゲーション装置で利用される地図情報は、一定の経度幅と緯度幅で区切られた矩形状の範囲に分割された状態で記憶される。また、地図情報は、記憶部21内にあらかじめ記憶しておくようにしてもよいし、例えば、インターネットなどの通信ネットワークを介してダウンロードするようにしてもよく、USBメモリなどの各種記録媒体に格納された構成としてもよい。
【0030】
閾値情報管理テーブル21bは、後述する特別操作処理において、特別加速度の扱いに対するエンジンや路面の凹凸により生じる車両の振動の影響を排除するために用いられる閾値情報が設定されるテーブルである。図2は、閾値情報管理テーブル21bにおける閾値情報の格納状態の例を示す説明図である。図2に示すように、閾値情報は、高速道路や国道などの道路種別と閾値が対応付けられた情報である。例えば、国道などの整備された道路である場合には、路面の凹凸による振動が少ないため、感度が低くなるように閾値が定められる。また、高速で走行する高速道路は、道路は整備されているが走行による振動は大きめとなるため、感度を中程度とするようにすればよい。そして、山道などの路面の凹凸による振動が大きいと考えられる道路については、感度が高くなるように閾値が定められる。なお、閾値は、道路種別でなく、現在の移動速度(走行速度)などの走行状況を示す他の走行状況情報と対応付けされるようにしてもよい。また、複数種類の走行状況情報が閾値に対応付けされるようにしてもよい。また、閾値の大きさをユーザが設定できるような構成とされていてもよい。
【0031】
動作内容管理テーブル21cは、後述する特別操作処理において用いられる動作内容情報が設定されるテーブルである。図3は、動作内容管理テーブル21cにおける動作内容情報の例を示す説明図である。図3に示すように、動作内容情報は、各動作内容のIDと、対応する動作内容の使用頻度(あるいは使用回数)と、対応する動作内容を実行可能な時間帯と、対応する動作内容を実行可能な曜日と、対応する動作内容を実行可能な車両の速度範囲や移動方向などの走行情報と、ナビゲーション装置100の筐体におけるユーザが叩く位置(以下、タッチ位置と呼ぶ。)および叩く方向(以下、タッチ方向と呼ぶ。)と、動作内容とが対応付けされた情報である。動作内容としては、例えば、画面表示部13に表示した地図の縮尺変更や、現在位置から自宅への移動経路の検索と誘導の開始など、様々なものが考えられる。なお、タッチ位置とタッチ方向に対応する動作内容は、ユーザが設定できる構成とされていてもよい。この場合、ナビゲーション装置100は、動作内容設定用の画面をユーザに提供し、その画面上で各タッチ位置とタッチ方向に対応する動作内容の設定を受け付けるようにすればよい。
【0032】
ここで、本例におけるタッチ位置とタッチ方向について図を用いて説明する。図4は、画面表示部13に表示される表示画面の例を示す説明図である。図4に示すように、画面表示部13が表示する表示画面Gの各所には、その近傍を叩いて振動を与えることにより、所定の動作内容が実行されることをユーザに報知するための特別操作報知アイコンT1〜T4が表示される。本例では、画面表示部13が表示する表示画面Gの中心座標を基準にして、中央上側部分のエリア(ナビゲーション装置100の筐体Kの該当エリア、以下同じ。)を下方向に向けて叩くことで周辺検索を実行することを示す特別操作報知アイコンT1と、右上部分のエリアを下方向に叩くことで地図を広域表示に切り替える処理(ズームアウト処理)を実行することを示す特別操作報知アイコンT2と、右上部分のエリアを左方向に叩くことで地図を詳細表示に切り替える処理(ズームイン処理)を実行することを示す特別操作報知アイコンT3と、右下部分のエリアを左方向に叩くことで渋滞情報を表示する処理を実行することを示す特別操作報知アイコンT4とが表示されている。すなわち、4種類の動作内容が設定されているものとする。なお、本例においては、筐体Kの右上部分を叩く際に叩く方向により実行される動作内容が異なることをプレイヤに報知するために、それぞれ対応する位置に特別操作報知アイコンT2,T3が表示されることとする。
【0033】
次に、本例のナビゲーション装置100の動作について説明する。
図5は、ナビゲーション装置100がセンサ部12からの振動検知の通知に基づいて実行する特別操作処理の例を示すフローチャートである。特別操作処理では、検出した加速度が、ナビゲーション装置100に所定の動作をさせることを目的にユーザがナビゲーション装置100を叩いたことにより発生したものであるか否かを判断し、ユーザが叩いたことによるものだと判断した場合には、叩いた位置と方向に応じて所定の動作内容を実行するための処理が行われる。
【0034】
本例におけるナビゲーション装置100は、センサ部12によって検知された振動(加速度)のうち、エンジンの動作や路面の凹凸により定常的に生じるナビゲーション装置100の振動を定常振動として取り扱う。すなわち、ナビゲーション装置10は、センサ部12によって検知された加速度が、定常振動と異なる所定値以上の加速度(以下、特別加速度)であるか否かを確認する(ステップS100)。特別加速度を検出すると(ステップS100のY)、情報処理部10は、外部情報取得部20により取得されているGPS信号を用いて現在位置を測位し、地図情報記憶部21aに記憶されている地図情報を参照して現在位置の道路が何れの道路種別であるか判定し(ステップS101)、閾値情報管理テーブル21bを参照して閾値を決定する(ステップS102)。
【0035】
閾値を決定すると、情報処理部10は、特別加速度の大きさが閾値以上であるか否かを判断する(ステップS103)。特別加速度の大きさが閾値よりも小さいと判断すると(ステップS103のN)、情報処理部10は、ユーザがナビゲーション装置100を叩いたことにより発生した振動でないものと判断し、特別操作処理を終了する。
【0036】
一方、特別加速度の大きさが閾値以上だと判断すると(ステップS103のY)、情報処理部10は、ユーザがナビゲーション装置100を叩いたことにより発生した振動であると判定し、加速度情報からタッチ位置とタッチ方向を決定する(ステップS104)。なお、加速度センサだけでなく、角速度センサ(ジャイロセンサ)を併用することで、タッチ位置とタッチ方向の検出精度を向上させることが好ましい。
【0037】
タッチ位置とタッチ方向を決定すると、情報処理部10は、動作内容管理テーブル21cを参照し、タッチ位置とタッチ方向に対応する動作内容を決定する(ステップS105)。ここでは、情報処理部10は、例えば、加速度情報を通知してきたセンサ部12(加速度を検知したセンサ部)がいずれのセンサ部であるか(どのエリアに対応して設置されているセンサ部であるか)と、その加速度情報の内容とからタッチ位置とタッチ方向を特定し、特定したタッチ位置とタッチ方向に対応する動作内容を決定する。
【0038】
なお、本例においては、動作内容管理テーブル21cにおいて、動作内容に対して、タッチ位置とタッチ方向の他、使用頻度なども対応付けされている。これにより、情報処理部10は、よりユーザの意図に近い動作内容を選択することが可能となる。すなわち、タッチ位置とタッチ方向が明確に判断できない場合や、同じタッチ位置とタッチ方向の組み合わせに複数の動作内容が設定されている場合には、情報処理部10は、例えば、使用頻度の高い動作内容を優先的に選択する構成となっている。なお、使用頻度と同様に、所定のエリアを動作内容に対応付けするようにしてもよい。この場合、同じタッチ位置とタッチ方向の組み合わせに複数の動作内容が設定されている場合に、移動体の現在位置が含まれているエリア(例えば、富士山など)に対応付けされている動作内容(例えば装置100に搭載されているカメラのシャッターを押す動作)を優先的に選択するようにすればよい。
【0039】
そして、情報処理部10は、動作内容を決定し、決定した動作内容を実行するための処理を行う(ステップS106)。さらに、情報処理部10は、動作内容管理テーブル21cにおける動作内容情報のうち所定の情報(例えば使用履歴など)を更新し(ステップS107)、特別操作処理を終了する。
【0040】
以上に説明したように、上述した一実施の形態では、移動体(例えば、車両)の目的地までの推奨移動経路を導出し、導出した推奨移動経路を移動するように移動体を誘導するナビゲーション装置100が、ナビゲーション装置100の振動の振動態様(例えば、タッチ位置とタッチ方向から判定される例えば筐体側面、上面、あるいは底面上のうち何れのエリアであって、振動の発生源となった叩かれた振動発生エリアや、振動回数などを含む。)と動作内容とが対応付けされた動作内容情報を記憶する動作内容管理テーブル21cを備え、ナビゲーション装置100の筐体がユーザによって叩かれたことによるナビゲーション装置100の振動を検知し、検知した振動の振動態様を判定し、動作内容情報を参照して、判定された振動態様に対応付けされている動作内容を選択し、選択した動作内容を実行する構成としたので、走行中でも安全に運転者がナビゲーション装置の操作を行うことができるようになり、かつ、機械類の小型化にも対応できるナビゲーション装置を提供することができるようになる。
【0041】
すなわち、筐体を叩くという簡単な操作で対応する所定の動作内容を実行する構成としたので、ナビゲーション装置の画面表示を視認して操作を行う必要性を減少させることができ、走行中でも安全に運転者がナビゲーション装置の操作を行うことができるようになる。また、振動検知手段として加速度センサなどを用いることで、表示画面上や筐体に多くのスイッチを配置する必要性を回避することができるようになり、機械類の小型化に対応できるようになる。さらに、ユーザが叩いたことによる振動の振動検知により動作指示を受け付けるようにしているので、例えば車両の運転席に設置するリモートコントロールスイッチなどを用いることなく、走行中に運転者が簡単に動作指示を行うことが可能となる。
【0042】
例えば、上述した実施の形態では、移動体である車両の走行中に、運転者がナビゲーション装置100の筐体の所定エリアを叩くことによって、対応する動作内容の処理、すなわち、ナビゲーション装置100に画面表示部13の表示画面に表示されている地図の縮尺を変更する処理を実行させたり、現在位置から自宅までの経路探索及び経路誘導処理を実行させたり、進行方向(経路誘導中であれば誘導経路上)で近い場所にあるパーキングやトイレ(コンビニエンスストア、ガソリンスタンド、公共施設など使用可能なトイレがある店舗や施設を含む)などのサービス情報を検索して表示させる処理を実行させたり、進行方向(経路誘導中であれば誘導経路上)渋滞情報を表示させる処理を実行させたりすることが可能となる。
【0043】
従って、高速道路上などの車両を停止させることができない場合や、路肩のない細い道などの車両を停止させることが困難な場合であっても、車両を停止させることなく簡単かつ安全に運転者がナビゲーション装置100に所望の動作を実行させることが可能となる。
【0044】
また、上述した実施の形態では、振動態様は、筐体におけるあらかじめ定められた複数のエリア(例えば、画面表示部13によって表示される表示画面の中心を基準にして、中央上側、右上部分、右下部分。)のうち何れのエリアが叩かれたことによる振動であるかを示す振動発生エリアを含み、動作内容情報は、動発生エリア毎に異なる種類の動作内容が対応付けされた情報である構成としているので、ユーザに複数の選択肢を提供することができるようになる。
【0045】
また、上述した実施の形態では特に言及していないが、振動態様は、筐体が連続して何回叩かれたことによる振動であるかを示す振動発生回数を含み、動作内容情報は、振動発生回数毎に異なる種類の動作内容が対応付けされた情報である構成としてもよい。この場合、例えばセンサ部12が、ナビゲーション装置100の振動を開始してから一定時間追加的振動が発生しないか監視する構成とすればよい。このような構成とすることで、さらに、ユーザに多数の選択肢を提供することができるようになる。
【0046】
また、上述した実施の形態において、動作内容は、自宅までの経路探索及び経路誘導、近隣エリアの情報検索及び検索情報の表示、進行方向(移動体の進行方向。具体的には、高速道路における進行方向上の道路であって現在位置から所定距離(例えば50Km)先までの道路)あるいは誘導経路(例えば、経路誘導を行っている場合における誘導経路上の道路であって現在位置から所定距離(例えば50Km)先までの道路)上の渋滞情報の表示、表示されている地図の縮尺変更を含む構成とした場合には、一般に、走行中のユーザにとって有効なナビゲーション装置の機能を、移動体である車両等の運転操作の妨げとなることなく発揮させることが可能となる。
【0047】
また、上述した実施の形態では、移動体が移動している道路の種類と振動検知レベル(例えば、閾値)とが対応付けされた振動検知レベル情報を記憶し、移動体が移動している道路の種類を判定し、振動検知レベル情報(例えば、閾値情報)を参照し、判定した道路の種類に対応付けされている振動検知レベル以上の振動を筐体がユーザによって叩かれたことによる振動として検知する構成とされていてもよい。このような構成とすることにより、走行中に道路の凹凸などによる振動をナビゲーション装置の動作内容実行トリガとして検出してしまうことを防止することができる。さらに、ユーザによる振動検知レベルの設定が可能である構成とされていてもよい。このような構成とすれば、個々のユーザの運転環境に応じて、ナビゲーション装置の誤動作をより有効に防止することが可能となる。
【0048】
なお、上述した実施の形態では、検知した特別加速度の大きさが事前に設定されている振動検知レベル以上の振動を筐体がユーザによって叩かれたことによる振動として検知する構成としていたが、検知した特別加速度の大きさがユーザによって叩かれたことによる振動として想定される値よりも大きな値を上限振動検知レベルとして設定し、検知した特別加速度の大きさが上記の振動検知レベル(ここでは下限振動検知レベル)から上限振動検知レベルまでの範囲に入っている場合にユーザがナビゲーション装置100を叩いたことにより発生した振動であると判定するようにしてもよい。すなわち、上述したステップS103にて、情報処理部10が、検知した特別加速度の大きさが事前に設定されている所定の振動レベル範囲(下限振動検知レベルから上限振動検知レベルまでの範囲)に入っている場合に、ユーザがナビゲーション装置100を叩いたことにより発生した振動であると判定するようにしてもよい。
【0049】
また、上述した実施の形態では、ナビゲーション装置100の筐体(例えば、画面表示部13)が、ユーザによって叩かれたことによるナビゲーション装置100の振動の振動態様を判定するときに、叩かれた位置と叩いた方向との両方から判定する構成としていたが、叩かれた位置のみから振動態様を判定する構成としてもよい。このような構成とすることにより、センサ部12のコストを低減することが可能となる。このように構成した場合であっても、動作内容が設定された箇所が少なければ正確に判定することができる。
【0050】
すなわち、例えば、画面表示部13の表示画面の中心を基準にして、上側を叩くことと、側面を叩くこととに、それぞれ動作内容が設定可能である構成とすることにより、タッチ方向を検出する負荷を回避することができる。この場合、例えば図6に示すように、表示画面Gにおけるユーザが叩く筐体Kのエリア付近に、その近傍を叩いて振動を与えることにより、所定の動作内容が実行されることをユーザに報知するための特別操作報知アイコンT11〜T13を表示するようにすればよい。なお、ユーザによって叩かれるエリアをどのエリアにするかについては、図6に示した例に限らず、どのように定められていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明によれば、走行中でも安全にナビゲーション装置の操作を行うことができ、かつ、機械類の小型化にも対応できるナビゲーション装置を提供するのに有用である。
【符号の説明】
【0052】
10 情報処理部
11 入力部
12 センサ部
13 画面表示部
14 音声出力部
20 外部情報取得部
21 記憶部
T1〜T4 特別操作報知アイコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の目的地までの推奨移動経路を導出し、導出した推奨移動経路を移動するように前記移動体を誘導するナビゲーション装置であって、
該ナビゲーション装置の振動の振動態様と動作内容とが対応付けされた動作内容情報を記憶する動作内容記憶手段と、
前記ナビゲーション装置の筐体がユーザによって叩かれたことによる当該ナビゲーション装置の振動を検知する振動検知手段と、
該振動検知手段が検知した振動の振動態様を判定する振動態様判定手段と、
前記動作内容情報を参照して、前記振動態様判定手段によって判定された振動態様に対応付けされている動作内容を選択し、選択した動作内容を実行する動作内容実行手段とを含む
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記振動態様は、前記筐体におけるあらかじめ定められた複数のエリアのうち何れのエリアが叩かれたことによる振動であるかを示す振動発生エリアを含み、
前記動作内容情報は、振動発生エリア毎に異なる種類の動作内容が対応付けされた情報である
請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記振動態様は、前記筐体が連続して何回叩かれたことによる振動であるかを示す振動発生回数を含み、
前記動作内容情報は、振動発生回数毎に異なる種類の動作内容が対応付けされた情報である
請求項1または請求項2記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記動作内容は、自宅までの経路探索及び経路誘導、近隣エリアの情報検索及び検索情報の表示、進行方向あるいは誘導経路上の渋滞情報の表示、表示されている地図の縮尺変更のうち少なくとも1つを含む
請求項1から請求項3のうちいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
移動体が移動している道路の種類と振動検知レベルとが対応付けされた振動検知レベル情報を記憶する振動検知レベル情報記憶手段と、
移動体が移動している道路の種類を判定する道路種類判定手段とを含み、
前記振動検知手段は、前記振動検知レベル情報を参照し、前記道路種類判定手段が判定した道路の種類に対応付けされている振動検知レベル以上の振動を前記筐体がユーザによって叩かれたことによる振動として検知する
請求項1から請求項4のうちいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
移動体の目的地までの推奨移動経路を導出し、導出した推奨移動経路を移動するように前記移動体を誘導するナビゲーション装置の動作制御方法であって、
前記ナビゲーション装置の筐体がユーザによって叩かれたことによる当該ナビゲーション装置の振動を検知する振動検知処理と、
該振動検知処理にて検知した振動の振動態様を判定する振動態様判定処理と、
該ナビゲーション装置の振動の振動態様と動作内容とが対応付けされた動作内容情報を記憶する動作内容記憶手段に記憶された当該動作内容情報を参照して、前記振動態様判定処理にて判定した振動態様に対応付けされている動作内容を選択し、選択した動作内容を実行する動作内容実行処理とを含む
ことを特徴とするナビゲーション装置の動作制御方法。
【請求項7】
前記振動態様は、前記筐体におけるあらかじめ定められた複数のエリアのうち何れのエリアが叩かれたことによる振動であるかを示す振動発生エリアを含み、
前記動作内容情報は、振動発生エリア毎に異なる種類の動作内容が対応付けされた情報である
請求項6記載のナビゲーション装置の動作制御方法。
【請求項8】
前記振動態様は、前記筐体が連続して何回叩かれたことによる振動であるかを示す振動発生回数を含み、
前記動作内容情報は、振動発生回数毎に異なる種類の動作内容が対応付けされた情報である
請求項6または請求項7記載のナビゲーション装置の動作制御方法。
【請求項9】
移動体が移動している道路の種類を判定する道路種類判定処理を含み、
前記振動検知処理では、移動体が移動している道路の種類と振動検知レベルとが対応付けされた振動検知レベル情報を記憶する振動検知レベル情報記憶手段に記憶されている当該振動検知レベル情報を参照し、前記道路種類判定処理にて判定した道路の種類に対応付けされている振動検知レベル以上の振動を前記筐体がユーザによって叩かれたことによる振動として検知する
請求項6から請求項8のうちいずれかに記載のナビゲーション装置の動作制御方法。
【請求項10】
移動体の目的地までの推奨移動経路を導出し、導出した推奨移動経路を移動するように前記移動体を誘導するナビゲーション装置に動作制御させるためのコンピュータプログラムであって、
前記ナビゲーション装置に、
前記ナビゲーション装置の筐体がユーザによって叩かれたことによる当該ナビゲーション装置の振動を検知する振動検知処理と、
該振動検知処理にて検知した振動の振動態様を判定する振動態様判定処理と、
該ナビゲーション装置の振動の振動態様と動作内容とが対応付けされた動作内容情報を記憶する動作内容記憶手段に記憶された当該動作内容情報を参照して、前記振動態様判定処理にて判定した振動態様に対応付けされている動作内容を選択し、選択した動作内容を実行する動作内容実行処理とを
実行させるためのコンピュータプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図4】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−230446(P2010−230446A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−77559(P2009−77559)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(507052430)キャンバスマップル株式会社 (77)
【Fターム(参考)】