説明

ナビゲーション装置および充電施設検索方法

【課題】充電施設に到着する前に車載用バッテリの残容量がなくなり電欠を起こすリスクを低減することが可能な「ナビゲーション装置および充電施設検索方法」を提供する。
【解決手段】ユーザの自宅の位置を示す自宅情報と、車両の動力源となる車載用バッテリを充電するための充電施設の位置を示す充電施設情報を含む地図データとに基づいて、自宅が充電施設であるとみなし、自宅が検索結果に含まれるようにして充電施設を検索する。そして、充電施設の検索結果、自宅情報および地図データに基づいて、自車両の現在位置から、自宅も含めて検索結果として示される充電施設の位置までの距離をそれぞれ算出し、検索結果として示される充電施設を、算出した距離と共にディスプレイ160に表示することにより、車載用バッテリの電欠を防止するために自宅も含めたより有益な検索結果がユーザに提供されるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置および充電施設検索方法に関し、特に、ユーザによって指定された施設ジャンルに属する施設を検索する機能を有するナビゲーション装置に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、外部電源により充電可能な車載用バッテリを備えた電気自動車やプラグインハイブリッド車(以下、電気自動車等という)が、燃費や環境保護等の点から注目を集めている。ただし、電気自動車等においては、車載用バッテリの蓄電性能が発展途上の段階にあり、ガソリン車に比較して走行可能距離が短いため、車載用バッテリの充電を頻繁に行う必要がある。そのため、電気自動車等に搭載されるナビゲーション装置には、車載用バッテリの充電を行うことが可能な充電施設を検索する機能が必要不可欠な機能として求められる。この機能は、従来のナビゲーション装置が有するジャンル検索機能や周辺施設検索方法により提供される。
【0003】
ジャンル検索機能は、あらかじめ定めた複数種類の施設ジャンル(例えば、コンビニエンスストアや駐車場、ガソリンスタンド、銀行、公共施設等)のうち、ユーザによって指定された施設ジャンルに属する施設を検索する機能である。また、周辺施設検索機能は、ユーザによって指定された施設ジャンルに属する施設のうち自車両周辺にある施設を検索する機能である。すなわち、ユーザが複数ある施設ジャンルの中から所望の施設ジャンルを選択すると、ナビゲーション装置は、この選択された施設ジャンルに属する施設を検索して、その結果を画面上に表示するようになっている。施設ジャンルとして充電施設を選択して検索した場合には、その検索結果は例えば、自車位置から近い順に、充電施設名、自車位置からの距離および自車位置からの方位などが一覧リストとして表示される。
【0004】
なお、車載用バッテリの充電が行われた充電地点の位置情報を取得し、その充電地点を位置情報と関連付けて充電可能地点として地図データベースに登録する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。また、充電が行われたときの場所をカーナビゲーションシステムの常置場所とみなして登録する技術が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−101854号公報
【特許文献2】特開2002−62156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、車載用バッテリを充電するための充電施設の数は普及途上であり、まだまだ少ない。そのため、ジャンル検索機能や周辺施設検索機能により充電施設を検索しても、自車両の現在位置に近い充電施設が検索される可能性は高くない。それゆえ、検索された充電施設に到着する前に車載用バッテリの残容量がなくなり電欠を起こすリスクが高いという問題があった。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、充電施設に到着する前に車載用バッテリの残容量がなくなり電欠を起こすリスクを低減できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決するために、本発明では、ユーザの自宅の位置を示す自宅情報と、車両の動力源となる車載用バッテリを充電するための充電施設の位置を示す充電施設情報を含む地図データとに基づいて、自宅が充電施設であるとみなし、自宅が検索結果に含まれるようにして充電施設を検索する。そして、充電施設の検索結果、自宅情報および地図データに基づいて、自車両の現在位置から、自宅も含めて検索結果として示される充電施設の位置までの距離をそれぞれ算出し、検索結果として示される充電施設を、算出した距離と共に表示部に表示するようにしている。
【発明の効果】
【0009】
上記のように構成した本発明によれば、自宅が充電施設であるとみなして検索された検索結果が、自車両の現在位置から充電施設(自宅も含む)の位置までの距離と共に表示される。そもそも電気自動車等を所有するユーザは自宅に充電施設を設置している可能性が高く、自車両の現在位置によっては、自宅以外の充電施設までの距離よりも自宅(充電施設)までの距離のほうが短い場合がある。この場合、ユーザは、表示結果を見ることによって、自宅以外の充電施設に向かうより自宅(充電施設)に向かった方が車載用バッテリの電気を使用せずに済むため、電欠を起こすリスクが少ないことを把握することができる。つまり、従来のナビゲーション装置と比べて、車載用バッテリの電欠を防止するためにより有益な情報をユーザに提供することが可能となり、充電施設に到着する前に車載用バッテリの残容量がなくなり電欠を起こすリスクを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態によるナビゲーション装置を備えたナビゲーションシステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態による充電施設検索結果画面の表示例を示す図である。
【図3】第1の実施形態のナビゲーション装置による充電施設検索動作の例を示すフローチャートである。
【図4】第2の実施形態によるナビゲーション装置を備えたナビゲーションシステムの構成例を示すブロック図である。
【図5】第2の実施形態のナビゲーション装置による充電施設検索動作の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、第1の実施形態によるナビゲーション装置100を備えたナビゲーションシステム120の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、ナビゲーションシステム120は、ナビゲーション装置100の他に、操作部140およびディスプレイ160(本発明の表示部に対応する)を備えて構成されている。
【0012】
操作部140は、ユーザがナビゲーション装置100に対して各種の情報を設定したり、各種の操作を行ったりするためのものであり、タッチパネルやリモコン等の入力装置で構成される。ディスプレイ160は、ナビゲーション装置100により生成された各種画面を表示する。
【0013】
次に、ナビゲーション装置100の機能構成について説明する。図1に示すように、ナビゲーション装置100は、操作受付部200、車種情報記憶部220、車種情報取得部240、自宅情報記憶制御部260、自宅情報記憶部280、地図データ記憶部300、現在位置検出部320、車種判定部340、充電施設検索部360、距離算出部380、充電施設検索結果画面生成部400および表示制御部420を備えて構成されている。
【0014】
操作受付部200は、操作部140を介して、自車両の種類を設定する操作を受け付ける。操作受付部200は、自車両の種類を設定する操作を受け付けた場合、自車両の種類を特定する車種情報を車種情報記憶部220に出力する。また、操作受付部200は、操作部140を介して、ユーザの自宅の位置を設定する操作を受け付ける。操作受付部200は、ユーザの自宅の位置を設定する操作を受け付けた場合、その旨を自宅情報記憶制御部260に通知する。また、操作受付部200は、操作部140を介して、外部電源により充電可能な車載用バッテリの充電を行うことが可能な充電施設の検索を要求する操作を受け付ける。操作受付部200は、充電施設の検索を要求する操作を受け付けた場合、その旨を車種情報取得部240および充電施設検索部360に通知する。
【0015】
車種情報記憶部220は、操作受付部200から出力された車種情報を記憶する。車種情報は、自車両がガソリン車、電気自動車およびプラグインハイブリッド車の何れに該当するかを特定する情報を含む。
【0016】
車種情報取得部240は、充電施設の検索を要求する操作を受け付けた旨の通知を操作受付部200から受けた場合、車種情報記憶部220から車種情報を取得して車種判定部340に出力する。
【0017】
自宅情報記憶制御部260は、ユーザの自宅の位置を設定する操作を受け付けた旨の通知を操作受付部200から受けた場合、当該自宅の位置を示す自宅情報を生成し、その生成した自宅情報を自宅情報記憶部280に記憶させる。
【0018】
地図データ記憶部300は、地図データを記憶している。地図データには、地図上の道路を表す道路データであって地図表示や経路探索等に使用する道路データの他に、道路に隣接する各種施設を表す施設データが含まれている。道路データは、道路や車線を細かく分割して表したリンクに関するデータと、各リンクの両端の点(交差点や分岐など複数の道路が交わる点を含む)に相当するノードに関するデータから成る。
【0019】
また、施設データは、それぞれの施設ごとに、施設の種類を示す施設種データと、施設の名称を示す施設名データと、施設の位置を示す施設位置データとを少なくとも含んでいる。施設の種類には、車両の動力源となる車載用バッテリを充電するための充電施設が含まれる。なお、施設データは、本発明の充電施設情報に対応する。
【0020】
現在位置検出部320は、ナビゲーション装置100に接続された自律航法センサやGPS受信機(図示せず)により取得された自車両の経度、緯度を示す情報と、地図データ記憶部300に記憶されている地図データとに基づいて、地図上における自車両の現在位置を検出する。
【0021】
車種判定部340は、車種情報取得部240から車種情報が出力された場合、その車種情報に基づいて、自車両が車載用バッテリを動力源とするか否かについて判定する。本実施形態では、車種判定部340は、自車両が電気自動車またはプラグインハイブリッド車に該当することを示す情報が車種情報に含まれている場合、自車両が車載用バッテリを動力源とすると判定する。また、車種判定部340は、自車両がガソリン車に該当することを示す情報が車種情報に含まれている場合、自車両が車載用バッテリを動力源としないと判定する。そして、車種判定部340は、自車両が車載用バッテリを動力源とするか否かについての判定結果を充電施設検索部360に通知する。
【0022】
充電施設検索部360は、充電施設の検索を要求する操作を受け付けた旨の通知を操作受付部200から受けた場合において、自車両が車載用バッテリを動力源とする旨の判定結果が車種判定部340から通知されているとき、自宅が充電施設であるとみなし、自宅情報および地図データに基づいて、自宅が検索結果に含まれるようにして充電施設を検索する。具体的には、充電施設検索部360は、地図データ記憶部300に記憶されている地図データに含まれる施設データに基づいて充電施設を検索する。そして、充電施設検索部360は、地図データに基づいて検索した充電施設に対して、自宅情報記憶部280に記憶されている自宅情報により示される自宅を加えて検索結果とする。そして、充電施設検索部360は、その検索結果を示す検索結果情報を距離算出部380および充電施設検索結果画面生成部400に出力する。
【0023】
一方、自車両が車載用バッテリを動力源としない旨の判定結果が車種判定部340から通知されているとき、充電施設検索部360は、地図データに基づいて検索した充電施設を検索結果とし、その検索結果を示す検索結果情報を距離算出部380および充電施設検索結果画面生成部400に出力する。
【0024】
距離算出部380は、充電施設検索部360から出力された検索結果情報、自宅情報記憶部280に記憶されている自宅情報および地図データ記憶部300に記憶されている地図データに基づいて、現在位置検出部320により検出された現在位置から、充電施設検索部360による検索結果として示される充電施設の位置までの距離をそれぞれ算出し、その算出した距離を示す距離情報を充電施設検索結果画面生成部400に出力する。なお、距離の算出に自宅情報を使うのは、充電施設検索部360による検索結果に自宅が加えられたときのみである。
【0025】
充電施設検索結果画面生成部400は、充電施設検索部360から出力された検索結果情報、自宅情報記憶部280に記憶されている自宅情報、地図データ記憶部300に記憶されている地図データおよび距離算出部380から出力された距離情報に基づいて、充電施設検索部360による検索結果として示される充電施設を距離算出部380により算出された距離と共に、現在位置からの距離が短い順にディスプレイ160にリスト表示させるための充電施設検索結果画面データを生成する。そして、充電施設検索結果画面生成部400は、生成した充電施設結果画面データを表示制御部420に出力する。表示制御部420は、充電施設検索結果画面生成部400から出力された充電施設結果画面データに基づく充電施設結果画面をディスプレイ160に表示するように制御する。
【0026】
図2は、第1の実施形態による充電施設検索結果画面500の表示例を示している。520,540,560,580,600は、充電施設検索部360による検索結果として示される充電施設を示す充電施設検索結果情報である。各充電施設検索結果情報には、充電施設の名称を示す充電施設名情報、現在位置から見た充電施設の方向を示す充電施設方向情報および現在位置から充電施設までの距離を示す充電施設距離情報が含まれる。充電施設検索結果情報520,540,560,580,600は、現在位置から充電施設までの距離が短い順にリスト表示される。620は充電施設の周辺地図であり、充電施設検索結果情報520,540,560,580,600のうち操作部140に対するユーザ操作により選択された充電施設検索結果情報(図2の例では、充電施設検索結果情報520)に対応する充電施設の周辺地図を示している。
【0027】
充電施設検索結果情報520に含まれる充電施設名情報、充電施設方向情報および充電施設距離情報は、図2に示すように、それぞれ「自宅」、「↑(北方向)」および「70m」である。また、充電施設検索結果情報540に含まれる充電施設名情報、充電施設方向情報および充電施設距離情報は、図2に示すように、それぞれ「タイムズ●●●」、「←(西方向)」および「5km」である。
【0028】
また、充電施設検索結果情報560に含まれる充電施設名情報、充電施設方向情報および充電施設距離情報は、図2に示すように、それぞれ「○○臨時駐車場」、「↓(南方向)」および「10km」である。また、充電施設検索結果情報580に含まれる充電施設名情報、充電施設方向情報および充電施設距離情報は、図2に示すように、それぞれ「タイムズ□□□」、「→(東方向)」および「15km」である。また、充電施設検索結果情報600に含まれる充電施設名情報、充電施設方向情報および充電施設距離情報は、図2に示すように、それぞれ「タイムズ☆☆☆」、「↑(北方向)」および「25km」である。
【0029】
図2に示す充電施設検索結果画面500の表示により、ユーザは、自宅以外の充電施設に向かうより自宅(充電施設)に向かった方が車載用バッテリの電気を使用せずに済むため、電欠を起こすリスクが少ないことを把握することができる。そのため、充電施設に到着する前に車載用バッテリの残容量がなくなり電欠を起こすリスクを低減することができる。
【0030】
次に、第1の実施形態のナビゲーション装置100による充電施設検索動作について説明する。図3は、第1の実施形態のナビゲーション装置100による充電施設検索動作例を示すフローチャートである。図3におけるステップS100の処理は、操作部140に対するユーザ操作によって、ナビゲーション装置100の電源が起動することにより開始する。なお、自宅情報は自宅情報記憶部280に既に記憶されているものとする。
【0031】
まず、操作受付部200は、操作部140を介して、充電施設の検索を要求する操作を受け付けたか否かについて判定する(ステップS100)。もし、充電施設の検索を要求する操作を受け付けていないと操作受付部200にて判定した場合(ステップS100にてNO)、処理はステップS100に遷移する。
【0032】
一方、充電施設の検索を要求する操作を受け付けたと操作受付部200にて判定した場合(ステップS100にてYES)、操作受付部200は、その旨を車種情報取得部240および充電施設検索部360に通知する。次に、充電施設検索部360は、地図データ記憶部300に記憶されている地図データに含まれる施設データに基づいて充電施設を検索する(ステップS120)。
【0033】
次に、車種判定部340は、自車両が車載用バッテリを動力源とするか否かについて判定する(ステップS140)。そして、自車両が車載用バッテリを動力源とすると車種判定部340にて判定された場合(ステップS140にてYES)、充電施設検索部360は、自宅が充電施設であるとみなし、地図データに基づいて検索した充電施設に対して、自宅情報により示される自宅を加えて検索結果とする(ステップS160)。そして、充電施設検索部360は、その検索結果を示す検索結果情報を距離算出部380および充電施設検索結果画面生成部400に出力する。その後、処理はステップS180に遷移する。
【0034】
一方、自車両が車載用バッテリを動力源としないと車種判定部340にて判定された場合(ステップS140にてNO)、充電施設検索部360は、地図データに基づいて検索した充電施設を検索結果とし、その検索結果を示す検索結果情報を距離算出部380および充電施設検索結果画面生成部400に出力する。その後、処理はステップS180に遷移する。
【0035】
ステップS180では、距離算出部380は、充電施設検索部360から出力された検索結果情報、自宅情報(検索結果に自宅が加えられた場合のみ)および地図データに基づいて、現在位置検出部320により検出された現在位置から、充電施設検索部360による検索結果として示される充電施設の位置までの距離をそれぞれ算出し、その算出した距離を示す距離情報を充電施設検索結果画面生成部400に出力する。
【0036】
次に、充電施設検索結果画面生成部400は、充電施設検索部360から出力された検索結果情報、自宅情報記憶部280に記憶されている自宅情報、地図データ記憶部300に記憶されている地図データおよび距離算出部380から出力された距離情報に基づいて、充電施設検索部360による検索結果として示される充電施設を距離算出部380により算出された距離と共に、現在位置からの距離が短い順にディスプレイ160にリスト表示させるための充電施設検索結果画面データを生成する(ステップS200)。そして、充電施設検索結果画面生成部400は、生成した充電施設結果画面データを表示制御部420に出力する。
【0037】
最後に、表示制御部420は、充電施設検索結果画面生成部400から出力された充電施設結果画面データに基づく充電施設結果画面をディスプレイ160に表示するように制御する(ステップS220)。ステップS220の処理が完了することによって、ナビゲーション装置100は図3における処理を終了する。
【0038】
以上詳しく説明したように、第1の実施形態では、地図データに基づいて充電施設を検索し、それによって検索された充電施設に対して、自宅情報により示される自宅を加えて検索結果とする。そして、充電施設の検索結果、自宅情報および地図データに基づいて、自車両の現在位置から、自宅も含めて検索結果として示される充電施設の位置までの距離をそれぞれ算出し、検索結果として示される充電施設を、算出した距離と共にディスプレイ160に表示するようにしている。
【0039】
電気自動車等を所有するユーザは自宅に充電施設を設置している可能性が高く、自車両の現在位置によっては、自宅以外の充電施設までの距離よりも自宅(充電施設)までの距離のほうが短い場合がある。この場合、ユーザは、表示結果を見ることによって、自宅以外の充電施設に向かうより自宅(充電施設)に向かった方が車載用バッテリの電気を使用せずに済むため、電欠を起こすリスクが少ないことを把握することができる。つまり、車載用バッテリの電欠を防止するためにより有益な情報をユーザに提供することが可能となり、充電施設に到着する前に車載用バッテリの残容量がなくなり電欠を起こすリスクを低減することができる。
【0040】
さらに、外出先から自宅に帰る場面では、自宅(充電施設)までの距離よりも自宅以外の充電施設までの距離のほうが短い場合であっても、自宅(充電施設)に向かうことが可能な残容量であれば、自宅以外の充電施設に向かわず、充電施設である自宅に直接向かって充電することができるため、自宅以外の充電施設に向かうといった余計な寄り道をしなくても済む。
【0041】
また、第1の実施形態では、充電施設検索部360による検索結果として示される充電施設を距離算出部380により算出された距離と共に、現在位置からの距離が短い順にリスト表示するようにしている。これにより、ユーザは、リストの中から現在位置に近い充電施設を容易に探し出すことができる。
【0042】
また、第1の実施形態では、車種判定部340により自車両が車載用バッテリを動力源とすると判定された場合に限り、地図データに基づいて検索された充電施設に対して、自宅情報により示される自宅を加えて検索結果とするようにしている。これにより、自車両が車載用バッテリを動力源としないガソリン車である場合にまで不必要に、充電施設でない自宅が検索結果に含まれることを防止することができる。
【0043】
以下、本発明の第2の実施形態を図面に基づいて説明する。図4は、第2の実施形態によるナビゲーション装置100′を備えたナビゲーションシステム120の構成例を示すブロック図である。図4に示すように、ナビゲーション装置100′は、図1の充電施設検索部360に代えて、充電施設検索部360′を備えて構成されている。なお、この図4において、図1に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
【0044】
充電施設検索部360′は、自車両が車載用バッテリを動力源とする旨の判定結果が車種判定部340から通知されている場合、自宅が充電施設であるとみなす。具体的には、自宅情報記憶部280に記憶されている自宅情報に対して、「充電施設」の施設種データを一時的に付加する。そして、充電施設検索部360′は、施設種データが付加された自宅情報および地図データ記憶部300に記憶されている地図データに基づいて、充電施設であるとみなした自宅も含めて充電施設を検索し、それによって検索される充電施設を検索結果とする。そして、充電施設検索部360′は、その検索結果を示す検索結果情報を距離算出部380および充電施設検索結果画面生成部400に出力する。
【0045】
また、充電施設検索部360′は、自車両が車載用バッテリを動力源としない旨の判定結果が車種判定部340から通知されている場合、地図データ記憶部300に記憶されている地図データに基づいて充電施設を検索し、それによって検索される充電施設を検索結果とする。そして、充電施設検索部360′は、その検索結果を示す検索結果情報を距離算出部380および充電施設検索結果画面生成部400に出力する。
【0046】
次に、第2の実施形態のナビゲーション装置100′による充電施設検索動作について説明する。図5は、第2の実施形態のナビゲーション装置100′による充電施設検索動作例を示すフローチャートである。図5におけるステップS300の処理は、操作部140に対するユーザ操作によって、ナビゲーション装置100′の電源が起動することにより開始する。
【0047】
まず、操作受付部200は、操作部140を介して、充電施設の検索を要求する操作を受け付けたか否かについて判定する(ステップS300)。もし、充電施設の検索を要求する操作を受け付けていないと操作受付部200にて判定した場合(ステップS300にてNO)、処理はステップS300に遷移する。
【0048】
一方、充電施設の検索を要求する操作を受け付けたと操作受付部200にて判定した場合(ステップS300にてYES)、操作受付部200は、その旨を車種情報取得部240および充電施設検索部360′に通知する。次に、車種判定部340は、自車両が車載用バッテリを動力源とするか否かについて判定する(ステップS320)。そして、充電施自車両が車載用バッテリを動力源とすると車種判定部340にて判定された場合(ステップS320にてYES)、充電施設検索部360′は、自宅が充電施設であるとみなし、自宅情報および地図データに基づいて、充電施設であるとみなした自宅も含めて充電施設を検索する。そして、それによって検索される充電施設を検索結果とした検索結果情報を距離算出部380および充電施設検索結果画面生成部400に出力する(ステップS340)。その後、処理はステップS380に遷移する。
【0049】
一方、自車両が車載用バッテリを動力源としないと車種判定部340にて判定された場合(ステップS320にてNO)、充電施設検索部360′は、地図データに基づいて充電施設を検索し、それによって検索される充電施設を検索結果とした検索結果情報を距離算出部380および充電施設検索結果画面生成部400に出力する(ステップS360)。その後、処理はステップS380に遷移する。
【0050】
ステップS380では、距離算出部380は、充電施設検索部360′から出力された検索結果情報、自宅情報記憶部280に記憶されている自宅情報(自宅を充電施設とみなした場合のみ)および地図データ記憶部300に記憶されている地図データに基づいて、現在位置検出部320により検出された現在位置から、充電施設検索部360′による検索結果として示される充電施設の位置までの距離をそれぞれ算出し、その算出した距離を示す距離情報を充電施設検索結果画面生成部400に出力する。
【0051】
次に、充電施設検索結果画面生成部400は、充電施設検索部360′から出力された検索結果情報、自宅情報記憶部280に記憶されている自宅情報、地図データ記憶部300に記憶されている地図データおよび距離算出部380から出力された距離情報に基づいて、充電施設検索部360′による検索結果として示される充電施設を距離算出部380により算出された距離と共に、現在位置からの距離が短い順にディスプレイ160にリスト表示させるための充電施設検索結果画面データを生成する(ステップS400)。そして、充電施設検索結果画面生成部400は、生成した充電施設結果画面データを表示制御部420に出力する。
【0052】
最後に、表示制御部420は、充電施設検索結果画面生成部400から出力された充電施設結果画面データに基づく充電施設結果画面をディスプレイ160に表示するように制御する(ステップS420)。ステップS420の処理が完了することによって、ナビゲーション装置100′は図5における処理を終了する。
【0053】
以上詳しく説明したように、第2の実施形態では、自車両が車載用バッテリを動力源とすると判定された場合、自宅情報および地図データに基づいて、充電施設であるとみなした自宅も含めて充電施設を検索し、それによって検索される充電施設を検索結果とするようにしている。このように構成した第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0054】
なお、上記第2の実施形態において、地図データの施設データに、「充電施設」の施設種データを付加した自宅情報を含めるようにしても良い。この場合、自車両が車載用バッテリを動力源とすると判定された場合、施設データのみに基づいて、充電施設であるとみなした自宅も含めて充電施設を検索することができる。そのため、充電施設検索部360′のアクセス先が1つ減り、充電施設検索部360′による充電施設の検索処理をより簡易にすることができる。
【0055】
また、上記第1および第2の実施形態では、車種情報取得部240は、車種情報記憶部220から車種情報を取得する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、車種情報取得部240は、CAN(Controller Area Network)、FlexRay、LIN(Local Interconnect Network)等の車載LANを介して、ECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)の内部メモリ(図示せず)に記憶されている車種情報を取得するようにしても良い。
【0056】
また、上記第1および第2の実施形態では、車種判定部340により自車両が車載用バッテリを動力源とすると判定された場合に、自宅が検索結果に含まれるようにして充電施設を検索する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、自宅が検索結果に含まれるようにして充電施設を検索するか否かをユーザが事前に設定しておけるようにし、その設定の有無に応じて充電施設の検索方法を変更するようにしても良い。
【0057】
その他、上記第1および第2の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0058】
100,100′ ナビゲーション装置
160 ディスプレイ(表示部)
220 車種情報記憶部
240 車種情報取得部
280 自宅情報記憶部
300 地図データ記憶部
320 現在位置検出部
340 車種判定部
360,360′ 充電施設検索部
380 距離算出部
420 表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの自宅の位置を示す自宅情報を記憶する自宅情報記憶部と、
車両の動力源となる車載用バッテリを充電するための充電施設の位置を示す充電施設情報を含む地図データを記憶する地図データ記憶部と、
前記地図データに基づいて、自車両の現在位置を検出する現在位置検出部と、
前記自宅が前記充電施設であるとみなし、前記自宅情報および前記地図データに基づいて、前記自宅が検索結果に含まれるようにして充電施設を検索する充電施設検索部と、
前記充電施設検索部による検索結果、前記自宅情報および前記地図データに基づいて、前記現在位置検出部により検出された前記現在位置から、前記自宅も含めて前記検索結果として示される充電施設の位置までの距離をそれぞれ算出する距離算出部と、
前記充電施設検索部による検索結果として示される充電施設を、前記距離算出部により算出された距離と共に表示部に表示するように制御する表示制御部とを備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記充電施設検索部は、前記地図データに基づいて充電施設を検索し、それによって検索された充電施設に対して、前記自宅情報により示される自宅を加えて前記検索結果とすることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記充電施設検索部は、前記自宅情報および前記地図データに基づいて、充電施設であるとみなした自宅も含めて充電施設を検索し、それによって検索される充電施設を前記検索結果とすることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記表示制御部は、前記充電施設検索部による検索結果として示される充電施設を前記距離算出部により算出された距離と共に、前記現在位置からの距離が短い順にリスト表示するように制御することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記自車両の種類を特定する車種情報を取得する車種情報取得部と、
前記車種情報取得部により取得された前記車種情報に基づいて、前記自車両が前記車載用バッテリを動力源とするか否かについて判定する車種判定部とを更に備え、
前記充電施設検索部は、前記車種判定部により前記自車両が前記車載用バッテリを動力源とすると判定された場合に限り、前記自宅が検索結果に含まれるようにして充電施設を検索することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
ナビゲーション装置の充電施設検索部が、ユーザの自宅の位置を示す自宅情報と、車両の動力源となる車載用バッテリを充電するための充電施設の位置を示す充電施設情報を含む地図データとに基づいて、前記自宅が前記充電施設であるとみなし、前記自宅が検索結果に含まれるようにして充電施設を検索する第1のステップと、
前記ナビゲーション装置の距離算出部が、前記第1のステップによる検索結果、前記自宅情報および前記地図データに基づいて、自車両の現在位置から、前記自宅も含めて前記検索結果として示される充電施設の位置までの距離をそれぞれ算出する第2のステップと、
前記ナビゲーション装置の表示制御部が、前記第1のステップによる検索結果として示される充電施設を、前記第2のステップにより算出された距離と共に表示部に表示するように制御する第3のステップとを有することを特徴とする充電施設検索方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−127777(P2012−127777A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−279024(P2010−279024)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】