ナビゲーション装置及びナビゲーション装置のための更新方法
第1レベル動作と第2レベル動作とが可能なナビゲーション装置(200)であって、使用時に動作環境(506)をサポートするように構成された処理資源(202)を備える。この装置はまた、処理資源(202)に動作可能に結合され、動作環境(506)によって用いられうる更新可能なデータ(750,752,754,756,758)を格納するように構成されたデータストア(214)を備える。この装置はさらに、加入が必要ない通信ネットワーク(704)との接続をサポートする通信ネットワークインタフェース(232)を備える。第1レベル動作は、第2レベル動作よりも少ない電力を消費し、処理資源(202)は、第1レベル動作から第2レベル動作への移行を引き起こすように構成されたアクティベーションモジュール(228)をサポートする。処理資源(202)はまた、第2レベル動作への移行に続いて、データをダウンロードするために、通信ネットワークインタフェース(232)を用いるように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばナビゲーション装置に格納されているデータを更新するためにファイルがダウンロードされることを必要とする種類の、ナビゲーション装置に関する。本発明はまた、例えばナビゲーション装置に格納されているデータを更新するためにデータがダウンロードされることを必要とする種類の方法である、このような種類のナビゲーション装置を更新する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
GPS(全地球測位システム)信号受信機能及び処理機能を含む、例えば可搬ナビゲーション装置(PND)のような可搬コンピューティング装置がよく知られており、車載の又は他の乗り物に搭載のナビゲーションシステムとして広く採用されている。
【0003】
一般的な用語として、現代のPNDはプロセッサと、メモリ(揮発性メモリと不揮発性メモリとの少なくとも1つであり、普通は双方)と、メモリに格納された地図データとを備える。プロセッサとメモリとは、ソフトウェア・オペレーティング・システムが確立されうる実行環境を提供するように協働する。また、PNDの機能が制御されることを可能とし、様々な他の機能を提供するために、1以上のさらなるソフトウェアプログラムが提供されることが普通である。
【0004】
典型的にはこれらの装置は、ユーザが装置と対話し、装置を制御することを可能とする1以上の入力インタフェースと、情報がユーザへと伝達されうる1以上の出力インタフェースと、をさらに備える。出力インタフェースの説明的な例には、ビジュアルディスプレイと、可聴出力のためのスピーカと、を含む。入力インタフェースの説明的な例には、装置のオン/オフ動作又は他の特徴を制御するための1以上の物理ボタン(このボタンは装置上にある必要はなく、装置が車両に取り付けられているのならばハンドル上にありうる)と、ユーザの話し言葉を検知するためのマイクロホンと、を含む。ある特定の構成においては、出力インタフェースディスプレイは、ユーザが触ることによって装置を操作することが可能な入力インタフェースをさらに提供するために、(接触感知オーバレイを用いた、又は他の方法による)接触感知ディスプレイとして構成されてもよい。
【0005】
この形式の装置はまた、電力及び任意的にはデータ信号が装置へと送信されることができかつ装置から受信されることができる1以上の物理コネクタインタフェースと、任意的にだが、セルラ遠距離電気通信、並びに例えばBluetooth(登録商標)、Wi−Fi、Wi−Max、GSM、UMTSなどの他の信号及びデータネットワークを介する通信を可能とする1以上の無線送信機/受信機とを、しばしば含む。
【0006】
この形式のPNDはまた、位置データを含む衛星報知信号が受信され、続けて装置の現在位置を決定するために処理されうる、GPSアンテナを含む。
【0007】
PNDはまた、現在の角加速度及び並進加速度を決定し、続けてGPS信号から得られた位置情報と組み合わせて装置の、ゆえに装置が取り付けられている車両の、速度と相対変位とを決定するために処理されうる信号を生成する電子ジャイロスコープと加速度計とを含んでもよい。典型的にはこのような特徴は最も一般的には乗物内ナビゲーションシステムに提供されるが、そうすることが有利であれば、PNDに提供されてもよい。
【0008】
このようなPNDの有効性は主に、第1の位置(典型的には開始位置又は現在位置)と、第2の位置(典型的には目的地)との間の経路を決定するその能力によって明らかにされる。これらの位置は、幅広い様々な方法のうち任意のものによって、例えば郵便番号、通りの名前及び番地、以前に格納されている「よく知られた」目的地(例えば有名な場所、市営の場所(例えば運動場又は屋内プール)、又は興味のある地点)、及びお気に入りの目的地若しくは最近訪れている目的地によって、デバイスのユーザによって入力されうる。
【0009】
典型的には、PNDは、開始アドレス位置と目的地アドレス位置との間の「最良の」又は「最適の」経路を地図データから計算するためのソフトウェアによって実現される。「最良の」又は「最適の」経路は所定の基準に基づいて決定され、必ずしも最も速い又は最も短い経路である必要はない。運転者をこれに沿って誘導するための経路の選択は非常に複雑なものであることができ、選択された経路は、現にある、予想される、動的に及び/又は無線で受信される、交通情報及び道路情報、道路の速度についての歴史的な情報、及び道路選択を決定する要素についての運転者自身の好みを考慮することができる(例えば運転者は経路が高速自動車道路又は有料道路を含むべきではないことを特定することができる)。
【0010】
さらに、この装置は継続的に道路状況及び交通状況を監視することができ、変化した状況のために、残りの移動がなされるであろう経路の変更を勧め、又は変更を選択してもよい。様々な技術(例えばモバイル電話データ交換、固定カメラ、GPS車両トラッキング)に基づいたリアルタイム交通監視システムが、交通の遅延を特定し、情報を通知システムへと送るために用いられている。
【0011】
この形式のPNDは、典型的には乗物のダッシュボード又はフロントガラスに据え付けられてもよいが、乗物ラジオのオンボードコンピュータの一部として、又は実際のところ乗物自体の制御システムの一部として形成されてもよい。ナビゲーション装置は、PDA(携帯情報端末)メディアプレイヤ、モバイル電話などの手持ちシステム又はその一部であってもよく、これらの場合、手持ちシステムの通常の機能は、経路計算と計算された経路に沿った誘導との双方を実行するために装置上にソフトウェアをインストールすることによって拡張される。
【0012】
経路計画機能及びナビゲーション機能は、適切なソフトウェアを実行するデスクトップ・コンピューティング・リソース又はモバイル・コンピューティング・リソースによって提供されてもよい。例えば、ロイヤル・オートモービル・クラブ(RAC)は、http://rac.co.ukにおいて、オンライン経路計画機能及びナビゲーション機能を提供し、このサービスは、ユーザが開始点と目的地とを入力することを可能とし、するとユーザのコンピューティング資源が通信しているサーバは経路を計算し(その態様はユーザによって特定されうる)、地図を生成し、ユーザを選択された開始点から選択された目的地へと誘導するため網羅的なナビゲーション指示のセットを生成する。このサービスはまた、計算された経路の疑似3次元レンダリングと、ユーザが経路に沿って移動するのをシミュレートしこれによって計算された経路のプレビューをユーザに提供する経路プレビュー機能とを提供する。
【0013】
PNDの関係においては、一度経路が計算されると、任意的には提案された経路のリストから、望ましい計算された経路を選択するために、ユーザはナビゲーション装置と対話する。任意的には、例えば特定の経路、道路、位置又は基準が避けられるべきであるか又は必須であることを特定の移動について特定することによって、ユーザは経路選択プロセスに介入し、又は経路選択プロセスを管理してもよい。PNDの経路計算という観点は1つの主要な機能を形成し、このような経路に沿ったナビゲーションはもう1つの主要な機能である。
【0014】
計算された経路に沿ったナビゲーションの間、経路の終点、すなわち望まれる到着地への選択された経路に沿ってユーザを導くために、このようなPNDは視覚的指示と聞き取り可能な指示との少なくとも一方を提供することが普通である。ナビゲーションの間に画面上に地図情報を表示することもまた、PNDにとって普通であり、表示される地図情報が装置の現在位置を表すように、したがって装置が車内でのナビゲーションのために用いられているのならばユーザ又はユーザの車両の現在位置と関連するように、このような情報は画面上で定期的に更新される。
【0015】
画面上に表示されるアイコンは、典型的には現在の装置の位置を表し、現在の装置の位置の近くにある現在の及び周りの道路、並びに同様に表示されている他の地図要素の中心に置かれる。さらに、ナビゲーション情報が、任意的には表示されている地図情報の上、下、又は一方の側にある状態バーに表示されてもよく、ナビゲーション情報の例は、現在の道路からのユーザが通る必要がある次の進路変更までの距離を含み、このような進路変更の特徴は、特定の進路変更の種類、例えば左折又は右折、を示唆するさらなるアイコンによって示されうる。ナビゲーション機能はまた、聞き取り可能な指示の内容、間隔及びタイミングを決定し、これらによってユーザは経路にそって誘導されうる。理解されうるように、「100mで左折」のような単純な指示でさえ、かなりの処理及び解析を必要とする。前に述べたように、装置とのユーザの対話はタッチスクリーンによるものであってよく、追加的に又は代わりに、遠隔制御装置に据え付けられた柱状体を操ること、声で作動させること、又は他の任意の適切な方法によるものであってもよい。
【0016】
装置によって提供されるさらなる重要な機能が、(偶発的に又は意図的に)ナビゲーションの間にユーザが以前に計算された経路から逸脱する場合、他の経路がより好都合であることをリアルタイムの交通状況が示しかつ装置がこのような状況を自動的に認識するように適切に対応している場合、又は何らかの理由のためにユーザが能動的に装置に経路再計算を行わせる場合、の自動経路再計算である。
【0017】
ユーザが定義した基準と一致するように経路が計算されることを可能とすることもまた知られている。例えば、ユーザは眺めのよい経路が装置によって計算されることを好むかもしれないし、交通渋滞がありそうか、予想されるか、あるいは現在広がっている、任意の道路を避けることを望むかもしれない。装置ソフトウェアはすると様々な経路を計算し、経路に沿って、例えば風景が美しいとタグ付けされた、最も多い数の興味のある点(POIとして知られる)を含む経路をより好ましく重み付けするか、又は、特定の道路において広がっている交通状況を示す格納された情報を用いて、ありそうな渋滞又はその渋滞による遅延の度合いの点から計算された経路を並べ替えるだろう。他のPOIに基づく、及び交通情報に基づく、経路計算及びナビゲーションの基準もまた可能である。
【0018】
経路計算及びナビゲーションの機能はPNDの総合的な有用性の基礎をなすにもかかわらず、現在の装置の位置に関連する地図情報のみが表示され、経路は計算されておらず、装置によって現在ナビゲーションが行われていないように、装置を純粋に情報表示のために用いる、すなわち「自由運転」のために用いることが可能である。このような動作モードは、ユーザが沿って移動することを望む経路をすでに知っており、ナビゲーションの補助を必要としない時に、しばしば適用可能である。
【0019】
上述の種類の装置、例えばTomTom International B.V.によって製造され供給される720Tモデルは、ある位置から他の位置へとユーザが進む(navigate)することを可能にする信頼できる手段を提供する。
【0020】
このような装置は、ユーザが進んでいる目的地への経路をユーザがよく知らない場合、非常に有用である。しかしながら、PNDを用いる際には、PNDのメモリに保持される情報が可能な限り最新であることが望ましい。この関係において、PNDによって格納され用いられる情報、例えば天気情報と、静的交通情報と、地図情報の更新と、例えば特定のPND装置、例えばTomTomモデル番号920,720,520,910,710,510及びONE(XL、サード及びセカンドエディション)についてTomTom International BVから取得可能ないわゆるQuickGPSfixデータのような衛星位置に関連する情報と、のうちの少なくとも1つへの更新をダウンロードすることが知られている。
【0021】
この関係において、上述の情報を保守するために、”TomTom Home”として知られているソフトウェアアプリケーションを介して、ある既知のダウンロード機能がTomTom International VBによって提供されている。TomTom Homeは、複数のサービス及びTomTom PNDのユーザの世界的規模のコミュニティへのアクセスを提供する。TomTom Homeアプリケーションを介して、ユーザはPNDを管理し、更新し、及び自分の好みに合わせて変更することができ、例えば、とりわけ地図コンテンツ、ソフトウェア更新、QuickGPSfixデータ、及び安全保護カメラ位置情報、並びに他のコンテンツをダウンロードしインストールする機能が提供される。TomTom Homeアプリケーションはまた、TomTom PNDの所有者が、例えば追加の通知音声、燃料価格データ及び静的交通情報のような特別コンテンツを購入することを可能とし、このようなコンテンツは一度購入されると、最新かつ有用であり続けるために、定期的な更新のダウンロードを必要とする。しかしながら、TomTom Homeアプリケーションの使用は、PNDへと更新データをダウンロードし、この更新データをインストールするために、PNDのユーザによって積極的な手続きがとられることを必要とする。いくつかの状況では、例えば汎用パケット無線サービス(GPRS)又は/及びエンハンスド・データ・レート・フォー・GSMエボリューション(EDGE)サービス、又はハイスピード・ダウンリンク・パケット・アクセス(HSDPA)サービスのような、セルラ通信ネットワークによってサポートされるデータサービスを用いて、PNDの使用中に、ある形式のデータは自動的にダウンロードされうる。しかしながら、このようなデータサービスは使用量ベースで支払いをするべきであり、加入者への課金はデータダウンロードのメガバイト毎になされ、データサービスについての初期月額料金には少ない初期データ許容量が含まれている。したがって、加入者は、及び典型的にはまたPNDのユーザは、PNDにダウンロードされたデータ量に基づいて課金される。よって、PND製造者又は他のサービス提供者によって提供される他の点では経済的なサービスは、このサービスに関連して提供されるデータを取得するために受ける高額なデータ課金のために、次第に高価なものとなる。さらに、PNDを遠隔サーバへと接続したユーザは、データサービスを介してうっかりデータをダウンロードするかもしれず、思いがけないデータ課金を受けるかもしれない。
【発明の概要】
【0022】
本発明の第1の態様によれば、第1レベル動作と第2レベル動作とが可能なナビゲーション装置であって、使用時に動作環境をサポートするように構成された処理資源と、前記処理資源に動作可能に結合され、前記動作環境によって用いられうる更新可能なデータを格納するように構成されたデータストアと、加入が必要ない(サブスクリプションフリーの)通信ネットワークとの接続をサポートする通信ネットワークインタフェースと、を備え、前記第1レベル動作は、前記第2レベル動作よりも少ない電力を消費し、前記処理資源は、前記第1レベル動作から前記第2レベル動作への移行を引き起こすように構成されたアクティベーションモジュールをサポートし、前記処理資源は、前記第2レベル動作への移行に続いて、データをダウンロードするために、前記通信ネットワークインタフェースを用いるように構成されていることを特徴とする装置が提供される。
【0023】
前記処理資源は、前記更新可能なデータの少なくとも一部を更新するために、前記ダウンロードされたデータの少なくとも一部を用いるように構成されていてもよい。
【0024】
処理資源はアクティベーションモジュールをサポートするプロセッサを含んでもよく、又はアクティベーションモジュールは処理資源の他の部分によってサポートされていてもよい。
【0025】
前記第1レベル動作は、例えばスタンバイ状態又は電源断状態のような休止状態であってもよい。前記第2レベル動作は、例えば電源入状態のようなアクティブ状態であってもよい。
【0026】
動作環境は、例えばナビゲーション、経路計画、位置決定、及び地図表示のうちの少なくとも1つをサポートするアプリケーションソフトウェアのような、アプリケーションソフトウェアによって提供されてもよい。
【0027】
前記加入が必要ない通信ネットワークは、他の通信ネットワークを介した通信をサポートすることが可能であってもよく、ここで前記データの前記ダウンロードは、前記加入が必要ない通信ネットワークと前記他の通信ネットワークとの双方を介する。前記他の通信ネットワークは加入ベースであってもよく、この他の通信ネットワークと関連する加入は、定額料金ベースの加入であってもよい。この他の通信ネットワークと関連する加入は、計量されなくてもよい。この他の通信ネットワークと関連する加入は、例えば約1GB又は2GBのようなダウンロード制限又は閾値を有してもよい。「計量されない」という用語を定義する目的のために、加入の計量されないという側面には、最大ダウンロード閾値に到達しているか否か又はこれを超えているか否かを決定するための測定を含まなくてもよい。
【0028】
この他の通信ネットワークと関連する加入は、家庭又は職場の「ブロードバンド」通信加入であってもよい。この家庭内ブロードバンド通信加入は、無線ブロードバンド・インターネット・サービス・プロバイダによって提供されてもよい。
【0029】
この加入が必要ない通信ネットワークは、例えば無線家庭内通信ネットワークのような、家庭内通信ネットワークであってもよい。
【0030】
この加入が必要ない通信ネットワークは、ローカル・エリア・ネットワークであってもよい。このローカル・エリア・ネットワークは、無線ローカル・エリア・ネットワークであってもよい。
【0031】
前記通信ネットワークインタフェースは、例えば無線ローカル・エリア・ネットワーク通信インタフェースのような、ローカル・エリア・ネットワーク通信インタフェースであってもよい。この通信ネットワークインタフェースはIEEE802.11x規格に従う通信をサポートしてもよく、ここでxは802.11規格ファミリから、例えばIEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11c、IEEE802.11g、又はIEEE802.11nのような、特定の規格を指定する。この通信ネットワークインタフェースは、例えばBluetooth規格によってサポートされる通信ネットワークのような、パーソナル・エリア・ネットワーク通信インタフェースであってもよい。
【0032】
このデータは、データのリモートソースからダウンロードされてもよい。このリモートソースは、サーバであってもよい。
【0033】
前記更新可能なデータは動的データであってもよい。この更新可能なデータは更新可能なコンテンツであってもよい。この動的データは、時間とともに内容において変化してもよい。この更新可能なデータは較正データ、例えばTomTom International B.V.から入手可能ないわゆるQuickGPSfixデータのような衛星の位置に関連するデータ、を含んでもよい。この更新可能なデータは環境データ、例えば天候に関連するデータのような気象データ、を含んでもよい。この更新可能なデータの少なくとも一部は、交通データに関連してもよい。この交通データは静的であってもよく、例えば時間に対して変化しなくてもよい。この更新可能なデータは地図データを含んでもよい。この更新可能なデータはセーフティデータ、例えばモバイルセーフティカメラの既知の最新の位置に関連するデータのようなセーフティカメラの位置に関連するデータを含んでもよい。
【0034】
前記通信ネットワークインタフェースは、前記第2レベル動作への移行に応答して用いられてもよい。アクティベーションモジュールはウェーク信号を生成してもよく、このウェーク信号に応答して第1動作レベルから第2動作レベルへの移行があってもよい。
【0035】
このアクティベーションモジュールは、第1レベル動作から第2レベル動作への移行を自動的に引き起こすように構成されていてもよい。
【0036】
前記アクティベーションモジュールは、所定の時刻に前記移行を引き起こすように構成されていてもよい。この所定の時刻はユーザによって、例えば動作環境を用いて設定されてもよい。
【0037】
前記処理資源が、ユーザが前記ナビゲーション装置を前記第1レベル動作から前記第2レベル動作へと移行させる、日中又は夜間のアクティベーション時刻、例えばナビゲーション装置の電源が入れられる時、を学習するように構成されていてもよい。前記処理資源が、前記ユーザによって引き起こされる前記移行が起こる複数の時刻を観測し、前記観測された複数の時刻から前記アクティベーション時刻を計算するように構成されていてもよい。
【0038】
この処理資源は、任意の実質的に例外的な時刻、又は複数の時刻からの時刻のクラスタリングから所定の時間閾値だけ逸脱している任意の時刻、の影響を考慮するか又は緩和するために、観測された複数の時刻を処理するように構成されていてもよい。この所定の時間閾値は、選択された値、又は例えば倍数又は割合のような関数でありうる。
【0039】
複数の時刻又は処理された複数の時刻は、アクティベーション時刻をもたらすために平均されてもよく、例えば、ユーザによって引き起こされた移行が起こった平均時刻、ユーザによって引き起こされた移行が起こったモード時刻、又は日中若しくは夜間における時点に対する、例えば真夜中のおよそ12時の後の、ユーザによって引き起こされた相対的に最も早い移行が起こった時刻を決定してもよい。
【0040】
プレアクティベーション時間間隔だけ前記アクティベーション時刻に先立つように、前記所定の時刻が決定されてもよい。このプレアクティベーション時間間隔は固定時間間隔であってもよい。この固定時間間隔は選択可能であってもよい。
【0041】
前記処理資源は、ダウンロードされる前記データのサイズを決定し、前記アクティベーション時刻の前に前記データをダウンロードするために十分な時間が残っている否かを判定するためにダウンロードされる前記データの前記サイズを用いるように構成されていてもよい。ダウンロードされる前記データが、別々にダウンロード可能な部分を有する場合、前記処理資源は、全ての前記別々にダウンロード可能な部分をダウンロードするのには不十分な時間しか前記アクティベーション時刻の前には利用可能ではないことに応答して、前記別々にダウンロード可能な部分のダウンロードを優先するように、及び/又は前記別々にダウンロード可能な部分のダウンロード可能な部分のダウンロードを延期するように構成されていてもよい。この別々にダウンロード可能な部分の優先化は、ユーザによって、例えば動作環境を介して選択されてもよい。
【0042】
この処理資源は、プレアクティベーション時間間隔を計算するように構成されていてもよい。前記処理資源が、ダウンロードされる前記データのサイズを決定し、前記プレアクティベーション時間間隔を決定するために前記ダウンロードされる前記データの前記サイズを用いるように構成されていてもよい。この処理資源は、例えばダウンロードされるデータについて予想される最大ダウンロード時間の倍数又は例えば午前2時頃と午前4時頃との間のようなナビゲーション装置が用いられそうにない設定時間であってもよい、アクティベーション時刻に先立つ所定の時間量だけ所定の時刻に先立って、ダウンロードされるデータのサイズを決定するように構成されていてもよい。この処理資源は、ダウンロードされるデータの少なくとも一部、例えば交通に関連するデータのような、ダウンロードされるデータのサイズを決定を試みる際に利用可能ではなかったダウンロードされるデータの一部、のサイズを推定するように構成されていてもよい。不確かさを避けるために、ダウンロードされるデータのうち利用可能でない部分の推定サイズが、ダウンロードされるデータのサイズを決定するために用いられてもよい。前記処理資源が、ダウンロードされる前記データの前記決定されたサイズと、獲得可能なダウンロード速度の知識と、を用いて前記プレアクティベーション時間間隔を決定するように構成されていてもよく、獲得可能なダウンロード速度はユーザによって動作環境を介して与えられてもよいし、例えば以前に獲得されたダウンロード速度の経験又はダウンロード速度テストを用いて、処理資源によって計算されてもよい。
【0043】
本発明の第2の態様によれば、第1レベル動作と第2レベル動作とが可能なナビゲーション装置を更新する方法であって、動作環境をサポートする工程と、前記動作環境によって用いられうる更新可能なデータを格納する工程と、加入が必要ない通信ネットワークとの接続をサポートする通信ネットワークインタフェースを提供する工程と、前記第1レベル動作から前記第2レベル動作への移行を引き起こすアクティベーションモジュールを提供する工程と、前記第2レベル動作への移行に続いて、データをダウンロードするために、前記通信ネットワークインタフェースを用いる工程と、を含み、前記第1レベル動作は、前記第2レベル動作よりも少ない電力を消費することを特徴とする方法が提供される。
【0044】
本発明の第3の態様によれば、本発明の第2の態様に従って述べられた方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムコード手段を備える、コンピュータプログラム要素が提供される。
【0045】
このコンピュータプログラム要素は、コンピュータ読み取り可能な媒体に実装されてもよい。
【0046】
本発明の第4の態様によれば、通信システムであって、本発明の第1の態様に関連して上述されたナビゲーション装置と、前記ナビゲーション装置と通信可能な第1の通信ネットワークと、前記第1の通信ネットワークと動作可能に結合され、前記ナビゲーション装置とデータのリモートソースとの間の通信を通過させることが可能な、第2の通信ネットワークとを備え、前記第1の通信ネットワークが加入を必要としないことを特徴とする、通信システムが提供される。
【0047】
この第2の通信ネットワークは、計量されない又は定額料金の関連付けられた加入を有してもよい。加入の計量されないという側面には、最大ダウンロード閾値に到達しているか否か又はこれを超えているか否かを決定するための測定を含まなくてもよい。
【0048】
これらの実施形態の利点がこれから述べられ、これらの実施形態のそれぞれのさらなる詳細及び特徴は、添付の従属請求項及び以下の詳細な説明のどこかで定義される。
【0049】
このように、ナビゲーション装置についての既存のダウンロード技術よりもより簡単な方法で、遠隔ソースからデータを取得するナビゲーション装置と、このナビゲーション装置を更新する方法とを提供することが可能である。さらに、データのダウンロードのための余分の容量を有する通信ネットワークへの既存の加入(サブスクリプション)を活用することにより、データのダウンロードに対する追加の課金を負うことなく、データはより費用対効果に優れた方法でダウンロードされ、これによってユーザと無線通信ネットワークへの加入者との少なくとも一方によって負われるデータ課金を削減する。さらに、更新可能なデータは、ユーザによってアドホックに更新されるのとは対照的に、定期的に更新され、PNDが格納しているデータが最新のものである可能性が向上する結果となる。
【0050】
これから、本発明の少なくとも1つの実施形態が、添付の図面を参照して、単なる例として、説明される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】ナビゲーション装置によって利用可能な全地球測位システム(GPS)の典型的な一部分の概略的な説明図である。
【図2】本発明の一実施形態を構成するナビゲーション装置の電子構成要素の概略的な説明図である。
【図3】ナビゲーション装置の概略図である。
【図4】ナビゲーション装置が無線通信チャネルを介して情報を受信するであろう方法の概略的な説明図である。
【図5】ナビゲーション装置によって採用されるアーキテクチャスタックの概略表現である。
【図6】図2のナビゲーション装置を設定する方法の流れ図である。
【図7】図2のナビゲーション装置を採用する通信システムの概略図である。
【図8】図2のナビゲーション装置のデータストアのコンテンツの一部の概略図である。
【図9】図2のナビゲーション装置とともに用いられるデータダウンロード方法の流れ図である。
【図10】図2のナビゲーション装置の処理資源の一部の概略図である。
【図11】本発明の他の実施形態の一部を構成する、アクティベーション時刻を収集する方法の流れ図である。
【図12】本発明の他の実施形態の他の一部を構成する、アクティベーション時刻を解析する方法の流れ図である。
【図13】本発明のさらなる実施形態を構成する、ダウンロード時間を決定する方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下の説明を通して、同一の参照番号は同様の部分を特定するために用いられるだろう。
【0053】
本発明の実施形態は、PNDに関連付けられた形で説明される。しかし、本発明はPNDに限定されるものではなく、経路計画及びナビゲーション機能を提供するようにナビゲーションソフトウェアを携帯可能な方法で実行するように構成された任意の処理装置に普遍的に適用できることは明らかである。したがって、本発明の文脈に沿って、本発明によるナビゲーション装置は、装置がPND、自動車のような乗物、又は実際経路計画ソフトウェア及びナビゲーションソフトウェアを実行する可搬コンピューティング資源、例えば可搬パーソナルコンピュータ(PC)、モバイル電話、又は携帯情報端末(PDA)など、として実現されるか否かに関わりなく、任意の経路計画装置及びナビゲーション装置を(限定されることなく)含むことが意図されている。
【0054】
ある地点からもう1つの地点までをどのように移動するのかに関する指示をユーザが求めるのではなく、単純に所与の場所の表示を提供されることを望む場合などでも、本発明の教示は有用であることは、下記の説明によって明らかになる。そのような場合は、ユーザによって選択された「目的地」は、ユーザがナビゲーションを開始することを望む対応する開始位置を有さなくてもよく、結果として、本明細書における「目的地」位置との言及、又は実際のところ「目的地」ビューとの言及は、経路の生成が必要であること、「目的地」への移動が起こらなければならないこと、又は、実際のところ目的地が存在することが対応する出発位置の指定が必要であることを意味するものとして解釈されるべきではない。
【0055】
上記のことを念頭において、図1の全地球測位システム(GPS)及び同様のものは、様々な目的に用いられる。一般的に、GPSは衛星無線ベースのナビゲーションシステムであり、制限されない数のユーザについて、連続的な位置、速度、時間、及び場合によっては方向情報を決定することが可能である。以前はNAVSTARという名前で知られていたGPSは、非常に正確な軌道で地球周りを回っている複数の人工衛星を含む。これらの正確な軌道に基づいて、GPS人工衛星は自らの位置を任意の数の受信ユニットに中継することができる。
【0056】
GPSデータを受信する能力を特別に備える装置がGPS衛星信号に対する無線周波数の走査を開始する場合、GPSシステムは実現される。GPS衛星から無線信号を受信すると、装置は、複数の異なる従来の方法のうちの1つを用いて、その衛星の正確な場所を判定する。殆どの例において、装置は、少なくとも3つの異なる衛星信号を取得するまで信号の走査を継続する(尚、位置は、通常は2つの信号のみでは判定されないが、他の三角測量技術を使用して2つの信号から判定することもできる)。幾何学的三角測量を実現する場合、受信機は、3つの既知の位置を利用して、衛星に対する自身の2次元位置を判定する。これは、周知の方法で行われる。更に、第4の衛星信号を取得することにより、受信装置は、同一の幾何学計算によって周知の方法でその3次元位置を計算できる。位置及び速度データは、無数のユーザにより連続的にリアルタイムで更新可能である。
【0057】
図1に示すように、GPSシステム100は、地球104の周囲を回る複数の衛星102を備える。GPS受信機106は、複数の衛星102からスペクトル拡散GPS衛星データ信号108を受信する。スペクトル拡散データ信号108は、各衛星102から連続的に送信され、送信されるスペクトル拡散データ信号108のそれぞれは、データストリームが発信されている特定の衛星102を特定する情報を含むデータストリームを含む。上述のようにGPS受信機106は一般には、二次元位置を算出することが可能となるためには、少なくとも3つの衛星102からのスペクトル拡散データ信号108を必要とする。4番目のスペクトル拡散データ信号を取得することは、GPS受信機106が、既知の技術を用いて、3次元位置を計算することを可能とする。
【0058】
図2を参照して、ナビゲーション装置200のブロック図は、ナビゲーション装置の全ての構成要素を含むものではなく、構成要素の多くの例を表すにすぎないことに留意すべきである。ナビゲーション装置200は、筐体(不図示)内に位置付けられる。ナビゲーション装置200は例えばプロセッサ202のような処理資源を含み、このプロセッサ202は、入力装置204と、例えば表示画面206のような表示装置とに動作可能に結合されている。本明細書においては単一の入力装置204に対して言及がなされているが、当業者ならば入力装置204は、キーボード装置、音声入力装置、タッチパネル、及び情報を入力するために利用される他の任意の周知の入力装置のうちの少なくとも1つを含む、任意の数の入力装置を表すことを理解するはずである。同様に表示画面206は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)等の任意の種類の表示画面を含むことができる。
【0059】
1つの構成において、入力装置204の1つの態様すなわちタッチパネルと、表示画面206とは、タッチパッド又はタッチスクリーン入力300(図3)を含む一体型入力表示装置を与えるように一体化され、こうしてユーザは、複数の表示選択肢のうちの1つを選択するか又は複数の仮想ボタン又は「ソフト」ボタンのうちの1つを作動させるために、表示画面206の一部分に接触するだけでよい。この点において、プロセッサ202はタッチスクリーンと協力して動作するグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)をサポートする。
【0060】
ナビゲーション装置200において、接続210を介してプロセッサ202は入力装置204へと動作可能に接続されかつ入力装置204から入力情報を受け取ることが可能であり、さらにプロセッサ202はそれぞれの出力接続212を介して表示画面206と出力装置208との少なくとも一方へと、これらに情報を出力するために動作可能に接続される。出力装置208は例えば、可聴出力装置(例えばスピーカを含む)である。出力装置208がナビゲーション装置200のユーザに向けて可聴情報を生成できるため、入力装置204は入力音声コマンドを受信するマイク及びソフトウェアを含むことができることが同様に理解されるべきである。プロセッサ202は、接続216を介してメモリ資源214へと動作可能に結合されており、接続220を介して入出力(I/O)ポート218との間で情報を送受信するように更に構成される。この場合、I/Oポート218は、ナビゲーション装置200の外部のI/O装置222に接続可能である。メモリ資源214には、例えば、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)のような揮発性メモリ、及び、例えばフラッシュメモリであるデジタルメモリのような不揮発性メモリを含む。外部I/O装置222は、例えばイヤホン等の外部聴音装置を含んでもよいが、これに限定されない。更に、I/O装置222への接続は、例えばハンズフリー動作と音声起動動作との少なくとも一方のため、イヤホン又はヘッドフォンへの接続のため、並びに/あるいは例えばモバイル電話への接続のための、カーステレオユニット等の他の任意の外部装置への有線接続又は無線接続であってもよい。この場合、モバイル電話接続は、ナビゲーション装置200とインターネット又は例えば他の任意のネットワークとの間のデータ接続を確立するためと、インターネット又は例えば他の任意のネットワークを介するサーバへの接続を確立するためとの少なくとも一方のために使用されてもよい。
【0061】
図2はさらに、プロセッサ202とアンテナ/受信機224との間の接続226を介した動作可能な接続を図示し、ここでアンテナ/受信機224は例えばGPSアンテナ/受信機でありうる。参照符号224で示されるアンテナ及び受信機は説明のために概略的に組み合わされているが、このアンテナ及び受信機は別々に位置する要素であってもよく、このアンテナは例えばGPSパッチアンテナ又はヘリカルアンテナであってもよいことが、理解されるだろう。
【0062】
本明細書において記載される機能をサポートするために、処理資源は、アクティベーションモジュール228をも含む。この例ではアクティベーションモジュール228は、例えば、計時回路(不図示)を有し、プロセッサ202のウェーク入力(wake input)203を介してプロセッサ202によって受信されうるウェーク信号を生成することが可能な、プログラム可能なウェークアップ回路(不図示)を、プロセッサ202とは別に実装される。しかしながら当業者なら、プロセッサ202の一部がプロセッサ202の他の一部とは異なる動作レベルで動作することが可能であるのなら、アクティベーションモジュール228の機能はこのプロセッサ202の一部に組み込まれうることを、理解するはずである。
【0063】
通信ネットワークインタフェース232がまた与えられ、プロセッサ202と動作可能に結び付けられる。この例では通信ネットワークインタフェース232は、無線通信送受信機(不図示)を備える通信回路(不図示)と動作可能に結び付けられた無線通信ネットワークインタフェース232である。しかしながら当業者ならば、この通信回路がナビゲーション装置200の内部にある必要はなく、例えば入力/出力ポート218と同様の形式の入力/出力ポートを介してナビゲーション装置200と結びつけられうることを、理解するはずである。
【0064】
さらに、もちろん、図2に示される電子構成要素が、1以上の電源(不図示)によって一般的な方法で電力を供給されることは、当業者には理解されるだろう。当業者には理解されるであろうように、図2に示される構成要素の異なる構成が意図されている。例えば、図2に示される構成要素は、有線接続と無線接続の少なくとも一方のようなもので、お互いに通信していてもよい。このように、本明細書で説明されるナビゲーション装置200の範囲は、可搬又は手持ちのナビゲーション装置200でありうる。
【0065】
さらに、図2の可搬又は手持ちのナビゲーション装置200は、既知の方法で、例えば二輪車、バイク、車、又はボートのような乗物へと接続又は「ドッキング」されることができる。このようなナビゲーション装置200はその時、可搬又は手持ちでのナビゲーションの使用のために、ドッキングされた位置から取り外されることができる。
【0066】
図3を参照すると、ナビゲーション装置200は、統合入力表示装置300及び図2の他の構成要素(内部GPS受信機224,マイクロプロセッサ202、電源(不図示)、メモリシステム214、などを含むがこれらには限定されない)を含むユニットであってもよい。
【0067】
ナビゲーション装置200はアーム302上に位置してもよく、アーム302自体が吸着カップを用いて車両のダッシュボード/窓/などに固定されてもよい。このアーム302は、ナビゲーション装置200が結合されうる、ドッキングステーションの1つの例である。ナビゲーション装置200は、例えばナビゲーション装置200をアーム302へとスナップ接続することによって、ドッキングステーションのアーム302へと結合されることができ、あるいは接続されることができる。ナビゲーション装置200はそして、アーム302の上で回転可能であってもよい。ナビゲーション装置200とドッキングステーションとの間の接続を外すために、例えば、ナビゲーション装置200上のボタン(不図示)が押されてもよい。ナビゲーション装置200をドッキングステーションへと結合し及び結合を解除するための他の同等に好適な構成は、当業者にはよく知られている。
【0068】
ここで図4を参照すると、ナビゲーション装置200は、例えばモバイル電話、PDA、及びモバイル電話技術を備える任意の装置のうちの少なくとも1つのようなモバイル装置(不図示)を介して、例えば既知のBluetooth技術を介するデジタル接続のようなデジタル接続を確立するために、「モバイル」ネットワーク又は遠距離電気通信ネットワークのネットワークハードウェアとのデータセッションを確立してもよい。そうして、そのネットワークサービスプロバイダを介して、モバイル装置は、サーバ400とのネットワーク接続を(例えば、インターネットを介して)確立できる。そのため、「モバイル」ネットワーク接続は、情報に対する「リアルタイム」又は少なくとも非常に「最新」のゲートウェイを提供するために、ナビゲーション装置200(単体時、及び車載走行時の少なくとも一方において移動可能であり且つ多くの場合移動している)とサーバ400との間に確立されうる。
【0069】
例えばインターネットを使用して、モバイル装置とサーバ400等の別の装置との間に(サービスプロバイダを介する)ネットワーク接続を確立することは、既知の方法で行われうる。この点において、例えばTCP/IP層プロトコルのような、任意の数の適切なデータ通信プロトコルが採用されうる。さらにモバイル装置は、CDMA2000、GSM、IEEE802.11a/b/c/g/n等の任意の数の通信規格を利用できる。
【0070】
そのため、例えばモバイル電話又はナビゲーション装置200内のモバイル電話技術を介するデータ接続を介して達成されうるインターネット接続が利用されてもよいことがわかるだろう。
【0071】
もちろんナビゲーション装置200は、ナビゲーション装置200自身の中に、自身のモバイル電話技術を含んでもよい(例えばアンテナを含み、又は任意的にナビゲーション装置200の内部アンテナが用いられてもよい)。ナビゲーション装置200内のモバイル電話技術は、上述のような内部構成要素を含むことができ、且つ/又は例えば必要なモバイル電話技術とアンテナとの少なくとも一方を備える挿入可能なカード(例えば加入者識別モジュール(SIM)カード)を含むことができる。そのため、ナビゲーション装置200内のモバイル電話技術は、任意のモバイル装置の方法と同様の方法で、例えばインターネットを介して、ナビゲーション装置200とサーバ400との間にネットワーク接続を同様に確立できる。
【0072】
GRPS電話設定の場合、モバイル電話の機種、製造業者等の多様な範囲に関して正しく動作するために、Bluetooth対応のナビゲーション装置が使用されてもよく、機種/製造業者専用設定は、例えばナビゲーション装置200に格納されてもよい。この情報のために格納されたデータは更新されうる。
【0073】
図4において、ナビゲーション装置200は、複数の様々な構成のうち任意のものによって実現されうる汎用通信チャネル402を介して、サーバ400と通信しているものとして描かれている。通信チャネル402は、ナビゲーション装置200とサーバ400とを接続する伝搬媒体又は経路を一般的に表す。通信チャネル402を介する接続がサーバ400とナビゲーション装置200との間に確立される場合、サーバ400とナビゲーション装置200とは通信可能である(尚、そのような接続は、モバイル装置を介するデータ接続、インターネットを介するパーソナルコンピュータを介する直接接続等でありうる)。
【0074】
通信チャネル402は、特定の通信技術に限定されない。更に、通信チャネル402は、単一の通信技術に限定されない。すなわち、チャネル402は、種々の技術を使用する複数の通信リンクを含んでもよい。例えば、通信チャネル402は、電気通信、光通信、及び電磁通信のうちの少なくとも1つ等のためのパスを提供するように構成されることができる。そのため、通信チャネル402は、電気回路、ワイヤ及び同軸ケーブル等の電気導体、光ファイバケーブル、コンバータ、無線周波数(rf)波、大気、空間等のうちの1つ又はそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。更に、通信チャネル402は例えば、ルータ、リピータ、バッファ、送信機及び受信機等の中間装置を含むことができる。
【0075】
1つの説明的な構成において、通信チャネル402は、電話及びコンピュータネットワークを含む。更に通信チャネル402は、例えば赤外線通信のような無線通信、例えばマイクロ波周波数通信のような無線周波数通信などに適応できてもよい。更に通信チャネル402は衛星通信に適応できる。
【0076】
通信チャネル402を介して送信される通信信号は、所定の通信技術に必要とされるか又は望まれる信号を含むが、それらに限定されない。例えば信号は、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(Global System for Mobile Communications)(GSM)等の、様々なアクセス体系とセルラ通信技術との少なくとも一方に関係して、用いられるように構成されてもよい。デジタル信号及びアナログ信号の双方が通信チャネル402を介して送信できる。これらの信号は、通信技術にとって望ましい変調信号、暗号化信号、及び圧縮信号のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0077】
サーバ400は、図示されていないかもしれない他の要素に加えて、メモリ406と動作可能に接続され、さらに有線接続又は無線接続408を介して大容量データ格納装置410へと動作可能に接続された、プロセッサ404を含む。大容量データ格納装置410は、ナビゲーションデータ及び地図情報のストアを格納し、さらに、サーバ400とは別の装置でありうるし、又はサーバ400へと組み込まれうる。プロセッサ404はさらに、通信チャネル402を介してナビゲーション装置200へと情報を送信し、及びナビゲーション装置200から情報を受信するための、送信機412及び受信機414へと動作可能に接続される。送受信される信号は、データ、通信、及び他の伝搬信号のうちの少なくとも1つを含んでもよい。送信機412及び受信機414は、ナビゲーションシステム200の通信設計において用いられる通信要件及び通信技術に従って、選択又は設計されてもよい。さらに、送信機412及び受信機414が単一の送受信機へと組み合わせられてもよいことに、留意すべきである。
【0078】
上述のように、ナビゲーション装置200は通信チャネル402を介してサーバ400と通信するように構成され、図2に関して前述されたようにプロセッサ、メモリ等を含み、同様に通信チャネル402を介して信号とデータとの少なくとも一方を送受信するための送信機416及び受信機418を含むが、これらの装置はさらにサーバ400以外の装置と通信するために用いられうることに留意する。さらに、図2に関連して上述したように、送信機416及び受信機418はナビゲーションシステム200の通信設計において用いられる通信要件及び通信技術に従って、選択又は設計されてもよく、送信機416及び受信機418は単一の送受信機へと組み合わせられてもよい。
【0079】
サーバメモリ406に格納されたソフトウェアはプロセッサ404に対する命令を提供し、サーバ400がナビゲーション装置200へのサービスを提供することを可能とする。サーバ400によって提供される1つのサービスには、ナビゲーション装置200からの要求を処理し、大容量データ格納装置410からのナビゲーションデータをナビゲーション装置200へと送信することを含む。サーバ400によって提供される他のサービスには、所望のアプリケーションについての様々なアルゴリズムを用いてナビゲーションデータを処理し、これらの計算結果をナビゲーション装置200へと送ることを含む。
【0080】
サーバ400は、無線チャネルを介してナビゲーション装置200によりアクセス可能なデータの遠隔ソースを含む。サーバ400は、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、仮想プライベートネットワーク(VPN)等に位置するネットワークサーバを含んでもよい。
【0081】
サーバ400は、デスクトップ又はラップトップコンピュータ等のパーソナルコンピュータを含んでもよく、通信チャネル402は、パーソナルコンピュータとナビゲーション装置200との間に接続されるケーブルであってもよい。あるいは、パーソナルコンピュータは、ナビゲーション装置200とサーバ400との間に接続されて、サーバ400とナビゲーション装置200との間にインターネット接続を確立してもよい。
【0082】
ナビゲーション装置200は、情報ダウンロードを介してサーバ400から情報を与えられてもよい。情報は、自動的に、若しくはユーザがナビゲーション装置200をサーバ400に接続した時に、周期的に更新されてもよく、且つ/又は例えば無線モバイル接続装置及びTCP/IP接続を介してサーバ400とナビゲーション装置200との間に接続がより継続して又は頻繁に確立される場合には更に動的に更新されてもよい。多くの動的計算のために、サーバ400内のプロセッサ404が大量の処理要求を処理するために使用されてもよい。しかし、ナビゲーション装置200のプロセッサ202も同様に、多くの場合においてはサーバ400への接続に関係なく、多くの処理及び計算を処理できる。
【0083】
図2に関連して上述したように、ナビゲーション装置200はプロセッサ202、入力装置204、及び表示画面206を含む。入力装置204及び表示画面206は、例えばタッチパネルスクリーンを介して情報(直接入力、メニュー選択など)を入力すること及び情報を表示することとの両方を可能にするために、一体型入力表示装置に統合される。このようなスクリーンは、当業者には周知のものであるように、例えばタッチ入力LCDスクリーンであってもよい。更に、ナビゲーション装置200は、例えばオーディオ入力/出力装置などの、更なる任意の入力装置204と更なる任意の出力装置との少なくとも一方を有しても良い。
【0084】
図5に目を向けると、ナビゲーション装置200のメモリ資源214は、機能ハードウェア要素500による実行のために、メモリ資源214から、アプリケーションソフトウェア506が実行可能な環境を提供するオペレーティングシステム504を読み出すために、プロセッサ202によって実行されるブート・ローダ・プログラム(不図示)を格納している。オペレーティングシステム504は機能ハードウェア要素500を制御するために働き、アプリケーションソフトウェア506と機能ハードウェア要素500との間に位置する。アプリケーションソフトウェア506は、例えば地図閲覧、経路計画、ナビゲーション機能及びこれらに関連する任意の他の機能のような、ナビゲーション装置200の中心機能をサポートするGUIを含む動作環境を提供する。
【0085】
サーバ400との通信を容易とするために、この例では、アプリケーションソフトウェア506はファイル転送プロトコル(FTP)モジュール508を含む。さらに、ナビゲーション装置200の製造中に又は最初のセットアップ時に、FTPモジュール508は、サーバ400に関連付けられたユニバーサル・リソース・ロケータ(URL)を与えられる。
【0086】
図6を参照し、ナビゲーション装置200が新しくて未設定であるか、又は再設定を必要としていると仮定すると、ユーザはナビゲーション装置200の電源を入れ(ステップ600)、設定メニューオプションにアクセスするために動作環境のGUIによって表示されるメニュー構造をナビゲートするために、与えられた動作環境を用いる(ステップ602)。
【0087】
この例において設定メニューオプションは、ユーザに所定の時間を設定する能力を与え、例えば夜遅く又は朝早くの期間、朝5時頃及び朝6時頃の間のような、装置が使われない可能性が高い時間についてのユーザの知識に基づいて、ユーザは所定の時間を設定する(ステップ604)。このような関係において、ナビゲーション装置200は複数の動作レベルを有する。ナビゲーション装置200は、ナビゲーション装置200が完全に電源が入っていないか又はスタンバイ状態若しくは実質的に休止状態にある、第1レベル動作が可能である。ナビゲーション装置200はまた、ナビゲーション装置200の少なくとも一部が活動状態にある、例えば電源が入った状態であって通常の動作が可能である、第2レベル動作が可能である。第1レベル動作はそれゆえ、第2レベル動作よりも少ない電力しか消費しない。
【0088】
典型的には、ユーザがナビゲーション装置200の使用を終了すると、例えばナビゲーション装置200が車両から盗まれることを避けるために、一日の終わりには、ナビゲーション装置200は例えば家700(図7)のような家庭環境へと持ち運ばれる。家700においてユーザは、ユーザが加入者となっているインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)によって提供されるブロードバンドインターネット接続へのアクセスを有する。ISP702への加入は月ごとの料金に基づき、いくつかのISPはデータダウンロードについて例えば1GB又は2GBのような上限を有し、定期的にデータダウンロードが濫用された場合にISP702によって追加課金を徴収されるものの、データ転送はデータ量を基準としてはISP702によって課金されない。したがって、ISP702を介するデータダウンロードは、課金という観点からは、実質的には計量されない(unmetered)。本明細書においては、最大ダウンロード閾値に到達したか又はこれを超えたか否かについての判断は、計量とはみなされない。この例において、ブロードバンド接続は有線ベースで与えられる。この例においてISPによって提供される通信ネットワークは、例えばギガビット・イーサネット(登録商標)・ネットワークのような、イーサネットベースのネットワークである。代わりに、採用される技術は非対称デジタル加入者線(ADSL)又は対称デジタル加入者線(SDSL)でありうる。さらに、ISP702によって提供されるサービスレベルは家庭向けサービスレベルに限られる必要はなく、ビジネス向けサービスレベルが用いられてもよい。同様に、この例は家700の関係において説明されるが、ナビゲーション装置200は職場又はビジネス環境で「休憩する」こともできる。
【0089】
家700において、加入(サブスクリプション)を必要としない通信ネットワークが、例えば無線ルータ704によって提供される。この加入を必要としない通信ネットワークは、家庭内通信ネットワークを構成する。この例において、加入を必要としない通信ネットワークは、例えば無線LANのようなローカル・エリア・ネットワーク(LAN)である。通信ネットワークインタフェース232、及びゆえに無線ネットワークインタフェース232に動作可能に連結された無線通信送受信機(不図示)は無線LANにおいて動作することが可能である。さらに、当業者ならば例えばIEEE802.11規格ファミリのIEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11c、又はIEEE802.11g規格のような任意の適切な無線規格がこの加入を必要としない通信ネットワークをサポートするために採用されうることを理解するはずであるが、この例において、無線LANはIEEE802.11nに準拠する無線LANである。
【0090】
無線ルータ704はISP702に動作可能に結合されており、ISP702はインターネット706へのアクセスを提供する。サーバ400はそれゆえ、家700からアクセス可能である。
【0091】
サーバ400に目を向けると、サーバ400はナビゲーション装置200によるダウンロードが可能であるデータを格納する。この関係において、ダウンロードされるデータは複数の更新データファイルでありうる。複数のデータファイルは、例えばいわゆるZIPファイルのような圧縮された形式である1つのファイルとしてまとめることができる。この複数のファイルは、更新サービスの一部としてナビゲーション装置200によるダウンロードが可能であるデータを含む。ナビゲーション装置200は、メモリ214に、この複数の更新データファイルの少なくとも一部を用いて更新されることが可能な、対応する更新可能データを格納する。この更新可能データは、時間に従って変化しうる内容を構成する動的データであるが、リアルタイムに変化する「生の」データではない。
【0092】
図8に目を向けると、メモリ214に格納されている更新可能データは、ナビゲーション装置200の動作について様々な目的で働く複数のデータファイルを含む。特にメモリ214は、例えばQuickGPSfixデータ750のような衛星の位置に関連するデータである、較正データを格納する。メモリ214はまた、例えば天候に関連するデータ752のような気象データである、環境データを格納する。メモリ214はさらに、交通データ754を格納する。この例において交通データ754は静的であり、例えば交通のスナップショットであってそれゆえ時間に対して変化しない。この更新可能データはまた地図データ756と、例えばモバイルセーフティカメラの既知の最新の位置に関連するデータのようなセーフティカメラの位置に関連するデータである、セーフティデータ758との少なくとも一方を含む。もちろん当業者なら、この更新可能データが、上述のデータファイルのうちの全て又はいくつかと、他の形式のデータとを含んでもよいことを理解するはずである。
【0093】
動作(図9)において、アクティベーションモジュール228は、ユーザによって用いられるためにナビゲーション装置200が電源を入れられる時刻である、ユーザに既知のアクティベーション時刻に所定の時間だけ先立って覚醒するように、上述の方法で動作環境を介して設定されている。ユーザはナビゲーション装置200を、ナビゲーション装置200が通常動作の間と比較してナビゲーション装置200の必須機能のみに電力を供給するために最小限の電力量しか消費しない、第1レベル動作を構成するスタンバイモード又は休止モードにしている(ステップ650)。この点について、アクティベーションモジュール228は電力を必要とする必須機能の1つを構成し、何にしても、アクティベーションモジュール228は電力消費を最小限とするように構成されている。
【0094】
アクティベーションモジュール228は、ユーザによって設定された起きる時刻に到達したか否かを判定するために、定期的にクロック回路の出力を監視する(ステップ652)。アクティベーションモジュールは、ユーザによって設定された所定の時刻に達するまで、クロック回路の監視を続ける。所定の時刻に到達すると、アクティベーションモジュール228は、プロセッサ202のウェーク入力230によって受け取られるウェーク信号を生成する(ステップ654)。ウェーク信号の受信は、プロセッサ202の起動を引き起こし、データダウンロード及びインストールをサポートするために必要なナビゲーション装置200のその他の部分、例えば無線ルータ704と通信する無線通信インタフェース232、を起動させる。続けてナビゲーション装置の各部、又は必要ならばナビゲーション装置200の全ての回路は、第1レベル動作から第2レベル動作へと移行する。動作環境はそれゆえ、起動するか又は最後に格納された状態を復元し、動作環境はさらに、ナビゲーション装置200によってメモリ214に既に格納されている更新よりもより新しい更新に関連するファイルをサーバ400が持っているかをまず確認するために、サーバ400が無線LAN及びISP702によって提供されるネットワークを介してサーバ400とのFTP接続を確立する(ステップ658)ために、FTPモジュール508を無線通信インタフェース232と協同させることによって、プロセッサ202によるウェーク信号の受信に応答する。
【0095】
サーバ400からダウンロードされるファイルが一度特定されると、ダウンロードデータをダウンロードするためにFTPセッションが用いられる(ステップ660)。一度ダウンロードされるとFTPセッションは切断され、ダウンロードされたデータファイルは、必要ならば中身を取り出され、例えば「アンジップ」され、メモリ214に格納されている対応するファイルを置き換えるために用いられる。必要ならば、ダウンロードされたデータがインストール処理の一部として用いられることが必要である場合、例えば新しい地図更新データがダウンロードされ既存の地図データに統合されることを必要とする場合、任意の必要なインストール処理が実行される(処理662)。もちろん、ナビゲーション装置200のメモリ214に既に格納されているデータ部分を特定することなく、単純に全てのダウンロードデータがダウンロードされてもよい。
【0096】
一度ダウンロードデータがダウンロードされ、任意の必要な後処理が実行されると動作環境は、第1レベル動作に戻るために、完全に電源を切るか、又はスタンバイ状態若しくは休止状態に入るように、ナビゲーション装置200の覚醒されている部分に命令する。
【0097】
他の実施形態において、動作環境を介してユーザが所定の時刻を設定する代わりに、ユーザによるナビゲーション装置200の使用状態から、動作環境はアクティベーション時刻を学習することができる。
【0098】
図10を参照するとプロセッサ202は、時刻プロセッサモジュール782と通信する事が可能な、時刻監視モジュール780をサポートする。図11に目を向けると、時刻監視モジュール780は、ナビゲーション装置200を用いるためにユーザがナビゲーション装置200の電源を入れる時刻を記録する。この関係において、ナビゲーション装置200が起動する時、時刻監視モジュールは割り当てられたメモリスペースが一杯ではないことを確認するために、割り当てられたメモリスペースを確認する(ステップ800)。もし割り当てられたメモリスペースが一杯なら、時刻監視モジュール780は、メモリ214に装置の起動時刻を記録する(ステップ804)前に、割り当てられたメモリ内の最も古い時刻エントリを消去する(ステップ802)。時刻プロセッサモジュール782はすると、格納された時刻データを解析するために格納された時刻にアクセスするために、メモリ214に定期的にアクセスする(ステップ820−図12)。この点について時刻プロセッサモジュール782は、例えばナビゲーション装置がユーザの命令によって第2レベル動作へと移行した時刻についての平均時刻、モード(最頻)時刻、又は最も早い時刻を求めるような、統計解析を行う(ステップ822)ように構成されている。第2レベル動作への移行が起こることが観測される最も早い時刻は、日中又は夜間における固定点、例えば真夜中の12時ごろ、に対する相対的なものでありうる。上述の時刻データの処理結果は、用いられるアクティベーション時刻として格納される(ステップ824)。
【0099】
上述の技術の向上策として、観測された実質的に例外的なアクティベーション時刻の影響を考慮するか又は緩和するために、例えばアクティベーション時刻のクラスタを決定し、このアクティベーション時刻のクラスタに関して観測された最大時刻を時刻閾値以上に超えているアクティベーション時刻を計算に入れない又は無視することにより、時刻プロセッサモジュール782は、格納されたデータをさらに処理することもできる。この閾値は、例えば時間の倍数又は時間の割合のような関数によって、決定されうる。
【0100】
一度用いられるアクティベーション時刻が決定されると、決定されたアクティベーション時刻を所定のプレアクティベーション時間間隔だけ超える時刻を計算することにより、所定の時刻は決定される。このプレアクティベーション時間間隔は、この例においては、例えば1時間のような固定時間間隔である。しかしながらプレアクティベーション時間間隔は、動作環境を介してユーザによって、又はサーバ400によって、選択可能でありうる。一度この所定の時刻が計算されると、前の実施形態に関連して上述した方法に類似の方法で、第1レベル動作から第2レベル動作への移行を引き起こすために、この所定の時刻は用いられる。
【0101】
さらなる実施形態においては、プロセッサ202は、サーバ400からダウンロードされるデータ量を決定し、このダウンロードデータをダウンロードするために必要とされる時間の量を判定するための、ダウンロード時間計算機モジュール784をサポートする。
【0102】
動作において、前述のようにナビゲーション装置200の関連する部分が一度第2レベル動作へと移行していると、ダウンロード時間計算機モジュール784は、FTPモジュール508と協同して、ダウンロードされるダウンロードデータのサイズを判定する。上述のように、ダウンロードデータは別々のデータのユニットとして格納されることができ、別々にダウンロードされうる。
【0103】
ダウンロードデータの合計サイズが所定の時刻とアクティベーション時刻との間の時間差を超える場合にも要求を満たすために、ダウンロード時間計算機モジュール784は、全てのダウンロードデータをダウンロードするために必要とされる時間量を計算し、同様にダウンロードデータの個別にダウンロード可能な部分のそれぞれをダウンロードするために必要とされる時間量を計算する。ダウンロード時間計算機モジュール784は、ISP702を介して一般に達成可能なダウンロード速度に関する利用可能な情報を用いる。このダウンロード速度情報は、前もって、動作環境を介してユーザによって提供されてもよいし、又は、経験した以前のダウンロード速度を判定する、若しくはダウンロード速度テストを行うことによる、ダウンロード時間計算機モジュール784の別の機能によって提供されてもよい。
【0104】
ダウンロード時間計算機モジュール784はすると、ダウンロードデータの最も重要な部分、例えばセーフティデータと交通データとの少なくとも一方、のダウンロードを優先する。動作環境を介してユーザがデータ種類を選択することにより、全てのダウンロードデータをダウンロードするには不十分な時間しか利用可能ではない時に、最初にダウンロードされるべきデータが優先されることができる。
【0105】
すると、ダウンロードについてより重要ではないダウンロードデータの態様は、より多くの時間が利用可能であるか、より速いダウンロード速度が達成可能であるか、の少なくとも一方である時にダウンロードされるように、延期される。予防手段として、ダウンロード時間計算機モジュール784は、ダウンロード速度の変動及び接続における一時的な途絶を補償するために、計算されたダウンロード時間に遅延に対する余裕を含めるように構成されうる。
【0106】
さらに他の実施形態においては、ダウンロード時間計算機モジュール784によって計算されるダウンロード時間は、上述のプレアクティベーション時間間隔を決定するために用いられうる。図13を参照すると、この機能を乗せるために、アクティベーションモジュール228は、ナビゲーション装置200のアクティベーション時刻に十分に先立つ初期時刻に、ナビゲーション装置200を覚醒させる(ステップ850)ようにプログラムされる。例えば、アクティベーション時刻に先立つ時間量は、予想されるダウンロード時間、又はナビゲーション装置200が用いられそうにない例えば午前2時頃と午前4時頃との間のような設定時間を超える、最大の時間量でありうる。この時刻は任意的には、例えば夜間勤務するユーザのような、ユーザの使用習慣に適合するように、動作環境を介してユーザによって設定されうる。
【0107】
覚醒されると時間計算機モジュール784は、例えば交通データファイルのような何れかのファイルが、まだダウンロードのためには利用でないかどうかを判定する(ステップ852)。もし全てのファイルがダウンロードのために利用可能であれば、すると、ダウンロード時間計算機モジュール784は利用可能なファイルについてのダウンロードファイルを計算する(ステップ854)。そうでなければダウンロード時間計算機モジュール784は、利用可能ではないファイルをダウンロードするのに必要とされる時間量を酌量し(ステップ856)、そして、プレアクティベーション時間間隔を得るために、計算されたダウンロード時間に対して推定時間を加える(ステップ858)前に、ダウンロードのために利用可能なファイルについてのダウンロード時間を計算する(ステップ854)。するとプレアクティベーション時間間隔は、ユーザによって予め設定されたアクティベーション時刻又は学習されたアクティベーション時刻を用いて所定の時間を計算するために、以前の実施形態に関連して上述された方法において用いられる。任意的には、サーバ400と通信している間に、ナビゲーション装置200は利用可能なダウンロードデータをダウンロードすることができる。
【0108】
上述の実施形態に関連して、現代の無線ルータ及び類似の装置の有効距離のために、この有効距離は、例えば自動車のような乗物内に位置するナビゲーション装置にカバレージを提供するのに十分でありうることが、理解されるはずである。このような状況において、このようなナビゲーション装置は乗物に統合されることができ、ユーザによって乗物の外へと持ち運び可能ではなくてもよい。
【0109】
本明細書においてはデータファイルに対して言及がなされたが、当業者なら「データ」は実行可能なコードでありうることを理解するはずである。
【0110】
本発明の様々な態様および実施形態がこれまで説明されてきたが、本発明の範囲は本明細書で述べられた特定の構成に限定されるものではなく、添付の請求の範囲に含まれる、全ての構成とこれらの構成に対する修正および変更を含むように拡張されることもまた、理解されるだろう。
【0111】
例えば上述の実施形態は、無線LANである、加入を必要としない通信ネットワークの文脈において説明されたが、この加入を必要としない通信ネットワークは、例えばBluetooth(登録商標)通信規格に従って動作するBluetooth(登録商標)基地局によってサポートされる通信ネットワークのような、他の技術によってサポートされるパーソナル・エリア・ネットワーク(PAN)でありうる。
【0112】
例えば、上述の詳細な説明で説明された実施形態はGPSに関連していたが、ナビゲーション装置はGPSの代わりに(又は実際にはGPSに加えて)すべての位置検出技術を用いうることが、留意されるべきである。例えば、このナビゲーション装置は他のグローバルナビゲーション衛星システム、例えばヨーロッパのガリレオシステム、を利用してもよい。同様に、ナビゲーション装置は衛星ベースには限定されず、地上ベースのビーコンを用いて、又は装置が自身の地理的位置を決定することを可能とする任意の他の種類のシステムを用いて、容易に動作することができる。
【0113】
本発明の他の実施形態は、コンピュータシステムとともに用いられるコンピュータプログラム製品として実装されることができ、このコンピュータプログラム製品は例えば、ディスケット、CD−ROM、ROM、若しくは固定ディスクのような有形的なデータ記憶媒体に格納されるか、又は例えばマイクロ波若しくは赤外線のような無線媒体を介して送信されるコンピュータデータ信号として具体化される、一連のコンピュータ命令である。一連のコンピュータ命令は、上述の機能の全部又は一部を構成することができ、任意の、例えば半導体メモリ装置、磁気メモリ装置、光学メモリ装置、又は他のメモリ装置のような、揮発性の又は不揮発性のメモリ装置にも格納されることができる。
【0114】
また、好適な実施形態は、ソフトウェアを用いて特定の機能を実装するが、機能はハードウェア単独で(例えば、1つ以上のASIC(application specific integrated circuit)を用いて)同様に実装されることもでき、さらにハードウェアとソフトウェアとの組み合わせによって実装されることもできることもまた、当業者によく理解されるだろう。このように、本願の範囲は、ソフトウェアにおいて実装される場合のみに限定されるものと解釈するべきではない。
【0115】
最後に、本明細書で述べられた特徴の特定の組み合わせを添付の請求の範囲は記述するが、本発明の範囲は後にクレームされる特定の組み合わせには限られず、むしろ、本明細書に開示される特徴又は実施形態のあらゆる組み合わせを含むように、その特定の組み合わせが添付の請求の範囲に今回具体的に列挙されているかに関わらず、拡張されることに、留意するべきである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばナビゲーション装置に格納されているデータを更新するためにファイルがダウンロードされることを必要とする種類の、ナビゲーション装置に関する。本発明はまた、例えばナビゲーション装置に格納されているデータを更新するためにデータがダウンロードされることを必要とする種類の方法である、このような種類のナビゲーション装置を更新する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
GPS(全地球測位システム)信号受信機能及び処理機能を含む、例えば可搬ナビゲーション装置(PND)のような可搬コンピューティング装置がよく知られており、車載の又は他の乗り物に搭載のナビゲーションシステムとして広く採用されている。
【0003】
一般的な用語として、現代のPNDはプロセッサと、メモリ(揮発性メモリと不揮発性メモリとの少なくとも1つであり、普通は双方)と、メモリに格納された地図データとを備える。プロセッサとメモリとは、ソフトウェア・オペレーティング・システムが確立されうる実行環境を提供するように協働する。また、PNDの機能が制御されることを可能とし、様々な他の機能を提供するために、1以上のさらなるソフトウェアプログラムが提供されることが普通である。
【0004】
典型的にはこれらの装置は、ユーザが装置と対話し、装置を制御することを可能とする1以上の入力インタフェースと、情報がユーザへと伝達されうる1以上の出力インタフェースと、をさらに備える。出力インタフェースの説明的な例には、ビジュアルディスプレイと、可聴出力のためのスピーカと、を含む。入力インタフェースの説明的な例には、装置のオン/オフ動作又は他の特徴を制御するための1以上の物理ボタン(このボタンは装置上にある必要はなく、装置が車両に取り付けられているのならばハンドル上にありうる)と、ユーザの話し言葉を検知するためのマイクロホンと、を含む。ある特定の構成においては、出力インタフェースディスプレイは、ユーザが触ることによって装置を操作することが可能な入力インタフェースをさらに提供するために、(接触感知オーバレイを用いた、又は他の方法による)接触感知ディスプレイとして構成されてもよい。
【0005】
この形式の装置はまた、電力及び任意的にはデータ信号が装置へと送信されることができかつ装置から受信されることができる1以上の物理コネクタインタフェースと、任意的にだが、セルラ遠距離電気通信、並びに例えばBluetooth(登録商標)、Wi−Fi、Wi−Max、GSM、UMTSなどの他の信号及びデータネットワークを介する通信を可能とする1以上の無線送信機/受信機とを、しばしば含む。
【0006】
この形式のPNDはまた、位置データを含む衛星報知信号が受信され、続けて装置の現在位置を決定するために処理されうる、GPSアンテナを含む。
【0007】
PNDはまた、現在の角加速度及び並進加速度を決定し、続けてGPS信号から得られた位置情報と組み合わせて装置の、ゆえに装置が取り付けられている車両の、速度と相対変位とを決定するために処理されうる信号を生成する電子ジャイロスコープと加速度計とを含んでもよい。典型的にはこのような特徴は最も一般的には乗物内ナビゲーションシステムに提供されるが、そうすることが有利であれば、PNDに提供されてもよい。
【0008】
このようなPNDの有効性は主に、第1の位置(典型的には開始位置又は現在位置)と、第2の位置(典型的には目的地)との間の経路を決定するその能力によって明らかにされる。これらの位置は、幅広い様々な方法のうち任意のものによって、例えば郵便番号、通りの名前及び番地、以前に格納されている「よく知られた」目的地(例えば有名な場所、市営の場所(例えば運動場又は屋内プール)、又は興味のある地点)、及びお気に入りの目的地若しくは最近訪れている目的地によって、デバイスのユーザによって入力されうる。
【0009】
典型的には、PNDは、開始アドレス位置と目的地アドレス位置との間の「最良の」又は「最適の」経路を地図データから計算するためのソフトウェアによって実現される。「最良の」又は「最適の」経路は所定の基準に基づいて決定され、必ずしも最も速い又は最も短い経路である必要はない。運転者をこれに沿って誘導するための経路の選択は非常に複雑なものであることができ、選択された経路は、現にある、予想される、動的に及び/又は無線で受信される、交通情報及び道路情報、道路の速度についての歴史的な情報、及び道路選択を決定する要素についての運転者自身の好みを考慮することができる(例えば運転者は経路が高速自動車道路又は有料道路を含むべきではないことを特定することができる)。
【0010】
さらに、この装置は継続的に道路状況及び交通状況を監視することができ、変化した状況のために、残りの移動がなされるであろう経路の変更を勧め、又は変更を選択してもよい。様々な技術(例えばモバイル電話データ交換、固定カメラ、GPS車両トラッキング)に基づいたリアルタイム交通監視システムが、交通の遅延を特定し、情報を通知システムへと送るために用いられている。
【0011】
この形式のPNDは、典型的には乗物のダッシュボード又はフロントガラスに据え付けられてもよいが、乗物ラジオのオンボードコンピュータの一部として、又は実際のところ乗物自体の制御システムの一部として形成されてもよい。ナビゲーション装置は、PDA(携帯情報端末)メディアプレイヤ、モバイル電話などの手持ちシステム又はその一部であってもよく、これらの場合、手持ちシステムの通常の機能は、経路計算と計算された経路に沿った誘導との双方を実行するために装置上にソフトウェアをインストールすることによって拡張される。
【0012】
経路計画機能及びナビゲーション機能は、適切なソフトウェアを実行するデスクトップ・コンピューティング・リソース又はモバイル・コンピューティング・リソースによって提供されてもよい。例えば、ロイヤル・オートモービル・クラブ(RAC)は、http://rac.co.ukにおいて、オンライン経路計画機能及びナビゲーション機能を提供し、このサービスは、ユーザが開始点と目的地とを入力することを可能とし、するとユーザのコンピューティング資源が通信しているサーバは経路を計算し(その態様はユーザによって特定されうる)、地図を生成し、ユーザを選択された開始点から選択された目的地へと誘導するため網羅的なナビゲーション指示のセットを生成する。このサービスはまた、計算された経路の疑似3次元レンダリングと、ユーザが経路に沿って移動するのをシミュレートしこれによって計算された経路のプレビューをユーザに提供する経路プレビュー機能とを提供する。
【0013】
PNDの関係においては、一度経路が計算されると、任意的には提案された経路のリストから、望ましい計算された経路を選択するために、ユーザはナビゲーション装置と対話する。任意的には、例えば特定の経路、道路、位置又は基準が避けられるべきであるか又は必須であることを特定の移動について特定することによって、ユーザは経路選択プロセスに介入し、又は経路選択プロセスを管理してもよい。PNDの経路計算という観点は1つの主要な機能を形成し、このような経路に沿ったナビゲーションはもう1つの主要な機能である。
【0014】
計算された経路に沿ったナビゲーションの間、経路の終点、すなわち望まれる到着地への選択された経路に沿ってユーザを導くために、このようなPNDは視覚的指示と聞き取り可能な指示との少なくとも一方を提供することが普通である。ナビゲーションの間に画面上に地図情報を表示することもまた、PNDにとって普通であり、表示される地図情報が装置の現在位置を表すように、したがって装置が車内でのナビゲーションのために用いられているのならばユーザ又はユーザの車両の現在位置と関連するように、このような情報は画面上で定期的に更新される。
【0015】
画面上に表示されるアイコンは、典型的には現在の装置の位置を表し、現在の装置の位置の近くにある現在の及び周りの道路、並びに同様に表示されている他の地図要素の中心に置かれる。さらに、ナビゲーション情報が、任意的には表示されている地図情報の上、下、又は一方の側にある状態バーに表示されてもよく、ナビゲーション情報の例は、現在の道路からのユーザが通る必要がある次の進路変更までの距離を含み、このような進路変更の特徴は、特定の進路変更の種類、例えば左折又は右折、を示唆するさらなるアイコンによって示されうる。ナビゲーション機能はまた、聞き取り可能な指示の内容、間隔及びタイミングを決定し、これらによってユーザは経路にそって誘導されうる。理解されうるように、「100mで左折」のような単純な指示でさえ、かなりの処理及び解析を必要とする。前に述べたように、装置とのユーザの対話はタッチスクリーンによるものであってよく、追加的に又は代わりに、遠隔制御装置に据え付けられた柱状体を操ること、声で作動させること、又は他の任意の適切な方法によるものであってもよい。
【0016】
装置によって提供されるさらなる重要な機能が、(偶発的に又は意図的に)ナビゲーションの間にユーザが以前に計算された経路から逸脱する場合、他の経路がより好都合であることをリアルタイムの交通状況が示しかつ装置がこのような状況を自動的に認識するように適切に対応している場合、又は何らかの理由のためにユーザが能動的に装置に経路再計算を行わせる場合、の自動経路再計算である。
【0017】
ユーザが定義した基準と一致するように経路が計算されることを可能とすることもまた知られている。例えば、ユーザは眺めのよい経路が装置によって計算されることを好むかもしれないし、交通渋滞がありそうか、予想されるか、あるいは現在広がっている、任意の道路を避けることを望むかもしれない。装置ソフトウェアはすると様々な経路を計算し、経路に沿って、例えば風景が美しいとタグ付けされた、最も多い数の興味のある点(POIとして知られる)を含む経路をより好ましく重み付けするか、又は、特定の道路において広がっている交通状況を示す格納された情報を用いて、ありそうな渋滞又はその渋滞による遅延の度合いの点から計算された経路を並べ替えるだろう。他のPOIに基づく、及び交通情報に基づく、経路計算及びナビゲーションの基準もまた可能である。
【0018】
経路計算及びナビゲーションの機能はPNDの総合的な有用性の基礎をなすにもかかわらず、現在の装置の位置に関連する地図情報のみが表示され、経路は計算されておらず、装置によって現在ナビゲーションが行われていないように、装置を純粋に情報表示のために用いる、すなわち「自由運転」のために用いることが可能である。このような動作モードは、ユーザが沿って移動することを望む経路をすでに知っており、ナビゲーションの補助を必要としない時に、しばしば適用可能である。
【0019】
上述の種類の装置、例えばTomTom International B.V.によって製造され供給される720Tモデルは、ある位置から他の位置へとユーザが進む(navigate)することを可能にする信頼できる手段を提供する。
【0020】
このような装置は、ユーザが進んでいる目的地への経路をユーザがよく知らない場合、非常に有用である。しかしながら、PNDを用いる際には、PNDのメモリに保持される情報が可能な限り最新であることが望ましい。この関係において、PNDによって格納され用いられる情報、例えば天気情報と、静的交通情報と、地図情報の更新と、例えば特定のPND装置、例えばTomTomモデル番号920,720,520,910,710,510及びONE(XL、サード及びセカンドエディション)についてTomTom International BVから取得可能ないわゆるQuickGPSfixデータのような衛星位置に関連する情報と、のうちの少なくとも1つへの更新をダウンロードすることが知られている。
【0021】
この関係において、上述の情報を保守するために、”TomTom Home”として知られているソフトウェアアプリケーションを介して、ある既知のダウンロード機能がTomTom International VBによって提供されている。TomTom Homeは、複数のサービス及びTomTom PNDのユーザの世界的規模のコミュニティへのアクセスを提供する。TomTom Homeアプリケーションを介して、ユーザはPNDを管理し、更新し、及び自分の好みに合わせて変更することができ、例えば、とりわけ地図コンテンツ、ソフトウェア更新、QuickGPSfixデータ、及び安全保護カメラ位置情報、並びに他のコンテンツをダウンロードしインストールする機能が提供される。TomTom Homeアプリケーションはまた、TomTom PNDの所有者が、例えば追加の通知音声、燃料価格データ及び静的交通情報のような特別コンテンツを購入することを可能とし、このようなコンテンツは一度購入されると、最新かつ有用であり続けるために、定期的な更新のダウンロードを必要とする。しかしながら、TomTom Homeアプリケーションの使用は、PNDへと更新データをダウンロードし、この更新データをインストールするために、PNDのユーザによって積極的な手続きがとられることを必要とする。いくつかの状況では、例えば汎用パケット無線サービス(GPRS)又は/及びエンハンスド・データ・レート・フォー・GSMエボリューション(EDGE)サービス、又はハイスピード・ダウンリンク・パケット・アクセス(HSDPA)サービスのような、セルラ通信ネットワークによってサポートされるデータサービスを用いて、PNDの使用中に、ある形式のデータは自動的にダウンロードされうる。しかしながら、このようなデータサービスは使用量ベースで支払いをするべきであり、加入者への課金はデータダウンロードのメガバイト毎になされ、データサービスについての初期月額料金には少ない初期データ許容量が含まれている。したがって、加入者は、及び典型的にはまたPNDのユーザは、PNDにダウンロードされたデータ量に基づいて課金される。よって、PND製造者又は他のサービス提供者によって提供される他の点では経済的なサービスは、このサービスに関連して提供されるデータを取得するために受ける高額なデータ課金のために、次第に高価なものとなる。さらに、PNDを遠隔サーバへと接続したユーザは、データサービスを介してうっかりデータをダウンロードするかもしれず、思いがけないデータ課金を受けるかもしれない。
【発明の概要】
【0022】
本発明の第1の態様によれば、第1レベル動作と第2レベル動作とが可能なナビゲーション装置であって、使用時に動作環境をサポートするように構成された処理資源と、前記処理資源に動作可能に結合され、前記動作環境によって用いられうる更新可能なデータを格納するように構成されたデータストアと、加入が必要ない(サブスクリプションフリーの)通信ネットワークとの接続をサポートする通信ネットワークインタフェースと、を備え、前記第1レベル動作は、前記第2レベル動作よりも少ない電力を消費し、前記処理資源は、前記第1レベル動作から前記第2レベル動作への移行を引き起こすように構成されたアクティベーションモジュールをサポートし、前記処理資源は、前記第2レベル動作への移行に続いて、データをダウンロードするために、前記通信ネットワークインタフェースを用いるように構成されていることを特徴とする装置が提供される。
【0023】
前記処理資源は、前記更新可能なデータの少なくとも一部を更新するために、前記ダウンロードされたデータの少なくとも一部を用いるように構成されていてもよい。
【0024】
処理資源はアクティベーションモジュールをサポートするプロセッサを含んでもよく、又はアクティベーションモジュールは処理資源の他の部分によってサポートされていてもよい。
【0025】
前記第1レベル動作は、例えばスタンバイ状態又は電源断状態のような休止状態であってもよい。前記第2レベル動作は、例えば電源入状態のようなアクティブ状態であってもよい。
【0026】
動作環境は、例えばナビゲーション、経路計画、位置決定、及び地図表示のうちの少なくとも1つをサポートするアプリケーションソフトウェアのような、アプリケーションソフトウェアによって提供されてもよい。
【0027】
前記加入が必要ない通信ネットワークは、他の通信ネットワークを介した通信をサポートすることが可能であってもよく、ここで前記データの前記ダウンロードは、前記加入が必要ない通信ネットワークと前記他の通信ネットワークとの双方を介する。前記他の通信ネットワークは加入ベースであってもよく、この他の通信ネットワークと関連する加入は、定額料金ベースの加入であってもよい。この他の通信ネットワークと関連する加入は、計量されなくてもよい。この他の通信ネットワークと関連する加入は、例えば約1GB又は2GBのようなダウンロード制限又は閾値を有してもよい。「計量されない」という用語を定義する目的のために、加入の計量されないという側面には、最大ダウンロード閾値に到達しているか否か又はこれを超えているか否かを決定するための測定を含まなくてもよい。
【0028】
この他の通信ネットワークと関連する加入は、家庭又は職場の「ブロードバンド」通信加入であってもよい。この家庭内ブロードバンド通信加入は、無線ブロードバンド・インターネット・サービス・プロバイダによって提供されてもよい。
【0029】
この加入が必要ない通信ネットワークは、例えば無線家庭内通信ネットワークのような、家庭内通信ネットワークであってもよい。
【0030】
この加入が必要ない通信ネットワークは、ローカル・エリア・ネットワークであってもよい。このローカル・エリア・ネットワークは、無線ローカル・エリア・ネットワークであってもよい。
【0031】
前記通信ネットワークインタフェースは、例えば無線ローカル・エリア・ネットワーク通信インタフェースのような、ローカル・エリア・ネットワーク通信インタフェースであってもよい。この通信ネットワークインタフェースはIEEE802.11x規格に従う通信をサポートしてもよく、ここでxは802.11規格ファミリから、例えばIEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11c、IEEE802.11g、又はIEEE802.11nのような、特定の規格を指定する。この通信ネットワークインタフェースは、例えばBluetooth規格によってサポートされる通信ネットワークのような、パーソナル・エリア・ネットワーク通信インタフェースであってもよい。
【0032】
このデータは、データのリモートソースからダウンロードされてもよい。このリモートソースは、サーバであってもよい。
【0033】
前記更新可能なデータは動的データであってもよい。この更新可能なデータは更新可能なコンテンツであってもよい。この動的データは、時間とともに内容において変化してもよい。この更新可能なデータは較正データ、例えばTomTom International B.V.から入手可能ないわゆるQuickGPSfixデータのような衛星の位置に関連するデータ、を含んでもよい。この更新可能なデータは環境データ、例えば天候に関連するデータのような気象データ、を含んでもよい。この更新可能なデータの少なくとも一部は、交通データに関連してもよい。この交通データは静的であってもよく、例えば時間に対して変化しなくてもよい。この更新可能なデータは地図データを含んでもよい。この更新可能なデータはセーフティデータ、例えばモバイルセーフティカメラの既知の最新の位置に関連するデータのようなセーフティカメラの位置に関連するデータを含んでもよい。
【0034】
前記通信ネットワークインタフェースは、前記第2レベル動作への移行に応答して用いられてもよい。アクティベーションモジュールはウェーク信号を生成してもよく、このウェーク信号に応答して第1動作レベルから第2動作レベルへの移行があってもよい。
【0035】
このアクティベーションモジュールは、第1レベル動作から第2レベル動作への移行を自動的に引き起こすように構成されていてもよい。
【0036】
前記アクティベーションモジュールは、所定の時刻に前記移行を引き起こすように構成されていてもよい。この所定の時刻はユーザによって、例えば動作環境を用いて設定されてもよい。
【0037】
前記処理資源が、ユーザが前記ナビゲーション装置を前記第1レベル動作から前記第2レベル動作へと移行させる、日中又は夜間のアクティベーション時刻、例えばナビゲーション装置の電源が入れられる時、を学習するように構成されていてもよい。前記処理資源が、前記ユーザによって引き起こされる前記移行が起こる複数の時刻を観測し、前記観測された複数の時刻から前記アクティベーション時刻を計算するように構成されていてもよい。
【0038】
この処理資源は、任意の実質的に例外的な時刻、又は複数の時刻からの時刻のクラスタリングから所定の時間閾値だけ逸脱している任意の時刻、の影響を考慮するか又は緩和するために、観測された複数の時刻を処理するように構成されていてもよい。この所定の時間閾値は、選択された値、又は例えば倍数又は割合のような関数でありうる。
【0039】
複数の時刻又は処理された複数の時刻は、アクティベーション時刻をもたらすために平均されてもよく、例えば、ユーザによって引き起こされた移行が起こった平均時刻、ユーザによって引き起こされた移行が起こったモード時刻、又は日中若しくは夜間における時点に対する、例えば真夜中のおよそ12時の後の、ユーザによって引き起こされた相対的に最も早い移行が起こった時刻を決定してもよい。
【0040】
プレアクティベーション時間間隔だけ前記アクティベーション時刻に先立つように、前記所定の時刻が決定されてもよい。このプレアクティベーション時間間隔は固定時間間隔であってもよい。この固定時間間隔は選択可能であってもよい。
【0041】
前記処理資源は、ダウンロードされる前記データのサイズを決定し、前記アクティベーション時刻の前に前記データをダウンロードするために十分な時間が残っている否かを判定するためにダウンロードされる前記データの前記サイズを用いるように構成されていてもよい。ダウンロードされる前記データが、別々にダウンロード可能な部分を有する場合、前記処理資源は、全ての前記別々にダウンロード可能な部分をダウンロードするのには不十分な時間しか前記アクティベーション時刻の前には利用可能ではないことに応答して、前記別々にダウンロード可能な部分のダウンロードを優先するように、及び/又は前記別々にダウンロード可能な部分のダウンロード可能な部分のダウンロードを延期するように構成されていてもよい。この別々にダウンロード可能な部分の優先化は、ユーザによって、例えば動作環境を介して選択されてもよい。
【0042】
この処理資源は、プレアクティベーション時間間隔を計算するように構成されていてもよい。前記処理資源が、ダウンロードされる前記データのサイズを決定し、前記プレアクティベーション時間間隔を決定するために前記ダウンロードされる前記データの前記サイズを用いるように構成されていてもよい。この処理資源は、例えばダウンロードされるデータについて予想される最大ダウンロード時間の倍数又は例えば午前2時頃と午前4時頃との間のようなナビゲーション装置が用いられそうにない設定時間であってもよい、アクティベーション時刻に先立つ所定の時間量だけ所定の時刻に先立って、ダウンロードされるデータのサイズを決定するように構成されていてもよい。この処理資源は、ダウンロードされるデータの少なくとも一部、例えば交通に関連するデータのような、ダウンロードされるデータのサイズを決定を試みる際に利用可能ではなかったダウンロードされるデータの一部、のサイズを推定するように構成されていてもよい。不確かさを避けるために、ダウンロードされるデータのうち利用可能でない部分の推定サイズが、ダウンロードされるデータのサイズを決定するために用いられてもよい。前記処理資源が、ダウンロードされる前記データの前記決定されたサイズと、獲得可能なダウンロード速度の知識と、を用いて前記プレアクティベーション時間間隔を決定するように構成されていてもよく、獲得可能なダウンロード速度はユーザによって動作環境を介して与えられてもよいし、例えば以前に獲得されたダウンロード速度の経験又はダウンロード速度テストを用いて、処理資源によって計算されてもよい。
【0043】
本発明の第2の態様によれば、第1レベル動作と第2レベル動作とが可能なナビゲーション装置を更新する方法であって、動作環境をサポートする工程と、前記動作環境によって用いられうる更新可能なデータを格納する工程と、加入が必要ない通信ネットワークとの接続をサポートする通信ネットワークインタフェースを提供する工程と、前記第1レベル動作から前記第2レベル動作への移行を引き起こすアクティベーションモジュールを提供する工程と、前記第2レベル動作への移行に続いて、データをダウンロードするために、前記通信ネットワークインタフェースを用いる工程と、を含み、前記第1レベル動作は、前記第2レベル動作よりも少ない電力を消費することを特徴とする方法が提供される。
【0044】
本発明の第3の態様によれば、本発明の第2の態様に従って述べられた方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムコード手段を備える、コンピュータプログラム要素が提供される。
【0045】
このコンピュータプログラム要素は、コンピュータ読み取り可能な媒体に実装されてもよい。
【0046】
本発明の第4の態様によれば、通信システムであって、本発明の第1の態様に関連して上述されたナビゲーション装置と、前記ナビゲーション装置と通信可能な第1の通信ネットワークと、前記第1の通信ネットワークと動作可能に結合され、前記ナビゲーション装置とデータのリモートソースとの間の通信を通過させることが可能な、第2の通信ネットワークとを備え、前記第1の通信ネットワークが加入を必要としないことを特徴とする、通信システムが提供される。
【0047】
この第2の通信ネットワークは、計量されない又は定額料金の関連付けられた加入を有してもよい。加入の計量されないという側面には、最大ダウンロード閾値に到達しているか否か又はこれを超えているか否かを決定するための測定を含まなくてもよい。
【0048】
これらの実施形態の利点がこれから述べられ、これらの実施形態のそれぞれのさらなる詳細及び特徴は、添付の従属請求項及び以下の詳細な説明のどこかで定義される。
【0049】
このように、ナビゲーション装置についての既存のダウンロード技術よりもより簡単な方法で、遠隔ソースからデータを取得するナビゲーション装置と、このナビゲーション装置を更新する方法とを提供することが可能である。さらに、データのダウンロードのための余分の容量を有する通信ネットワークへの既存の加入(サブスクリプション)を活用することにより、データのダウンロードに対する追加の課金を負うことなく、データはより費用対効果に優れた方法でダウンロードされ、これによってユーザと無線通信ネットワークへの加入者との少なくとも一方によって負われるデータ課金を削減する。さらに、更新可能なデータは、ユーザによってアドホックに更新されるのとは対照的に、定期的に更新され、PNDが格納しているデータが最新のものである可能性が向上する結果となる。
【0050】
これから、本発明の少なくとも1つの実施形態が、添付の図面を参照して、単なる例として、説明される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】ナビゲーション装置によって利用可能な全地球測位システム(GPS)の典型的な一部分の概略的な説明図である。
【図2】本発明の一実施形態を構成するナビゲーション装置の電子構成要素の概略的な説明図である。
【図3】ナビゲーション装置の概略図である。
【図4】ナビゲーション装置が無線通信チャネルを介して情報を受信するであろう方法の概略的な説明図である。
【図5】ナビゲーション装置によって採用されるアーキテクチャスタックの概略表現である。
【図6】図2のナビゲーション装置を設定する方法の流れ図である。
【図7】図2のナビゲーション装置を採用する通信システムの概略図である。
【図8】図2のナビゲーション装置のデータストアのコンテンツの一部の概略図である。
【図9】図2のナビゲーション装置とともに用いられるデータダウンロード方法の流れ図である。
【図10】図2のナビゲーション装置の処理資源の一部の概略図である。
【図11】本発明の他の実施形態の一部を構成する、アクティベーション時刻を収集する方法の流れ図である。
【図12】本発明の他の実施形態の他の一部を構成する、アクティベーション時刻を解析する方法の流れ図である。
【図13】本発明のさらなる実施形態を構成する、ダウンロード時間を決定する方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下の説明を通して、同一の参照番号は同様の部分を特定するために用いられるだろう。
【0053】
本発明の実施形態は、PNDに関連付けられた形で説明される。しかし、本発明はPNDに限定されるものではなく、経路計画及びナビゲーション機能を提供するようにナビゲーションソフトウェアを携帯可能な方法で実行するように構成された任意の処理装置に普遍的に適用できることは明らかである。したがって、本発明の文脈に沿って、本発明によるナビゲーション装置は、装置がPND、自動車のような乗物、又は実際経路計画ソフトウェア及びナビゲーションソフトウェアを実行する可搬コンピューティング資源、例えば可搬パーソナルコンピュータ(PC)、モバイル電話、又は携帯情報端末(PDA)など、として実現されるか否かに関わりなく、任意の経路計画装置及びナビゲーション装置を(限定されることなく)含むことが意図されている。
【0054】
ある地点からもう1つの地点までをどのように移動するのかに関する指示をユーザが求めるのではなく、単純に所与の場所の表示を提供されることを望む場合などでも、本発明の教示は有用であることは、下記の説明によって明らかになる。そのような場合は、ユーザによって選択された「目的地」は、ユーザがナビゲーションを開始することを望む対応する開始位置を有さなくてもよく、結果として、本明細書における「目的地」位置との言及、又は実際のところ「目的地」ビューとの言及は、経路の生成が必要であること、「目的地」への移動が起こらなければならないこと、又は、実際のところ目的地が存在することが対応する出発位置の指定が必要であることを意味するものとして解釈されるべきではない。
【0055】
上記のことを念頭において、図1の全地球測位システム(GPS)及び同様のものは、様々な目的に用いられる。一般的に、GPSは衛星無線ベースのナビゲーションシステムであり、制限されない数のユーザについて、連続的な位置、速度、時間、及び場合によっては方向情報を決定することが可能である。以前はNAVSTARという名前で知られていたGPSは、非常に正確な軌道で地球周りを回っている複数の人工衛星を含む。これらの正確な軌道に基づいて、GPS人工衛星は自らの位置を任意の数の受信ユニットに中継することができる。
【0056】
GPSデータを受信する能力を特別に備える装置がGPS衛星信号に対する無線周波数の走査を開始する場合、GPSシステムは実現される。GPS衛星から無線信号を受信すると、装置は、複数の異なる従来の方法のうちの1つを用いて、その衛星の正確な場所を判定する。殆どの例において、装置は、少なくとも3つの異なる衛星信号を取得するまで信号の走査を継続する(尚、位置は、通常は2つの信号のみでは判定されないが、他の三角測量技術を使用して2つの信号から判定することもできる)。幾何学的三角測量を実現する場合、受信機は、3つの既知の位置を利用して、衛星に対する自身の2次元位置を判定する。これは、周知の方法で行われる。更に、第4の衛星信号を取得することにより、受信装置は、同一の幾何学計算によって周知の方法でその3次元位置を計算できる。位置及び速度データは、無数のユーザにより連続的にリアルタイムで更新可能である。
【0057】
図1に示すように、GPSシステム100は、地球104の周囲を回る複数の衛星102を備える。GPS受信機106は、複数の衛星102からスペクトル拡散GPS衛星データ信号108を受信する。スペクトル拡散データ信号108は、各衛星102から連続的に送信され、送信されるスペクトル拡散データ信号108のそれぞれは、データストリームが発信されている特定の衛星102を特定する情報を含むデータストリームを含む。上述のようにGPS受信機106は一般には、二次元位置を算出することが可能となるためには、少なくとも3つの衛星102からのスペクトル拡散データ信号108を必要とする。4番目のスペクトル拡散データ信号を取得することは、GPS受信機106が、既知の技術を用いて、3次元位置を計算することを可能とする。
【0058】
図2を参照して、ナビゲーション装置200のブロック図は、ナビゲーション装置の全ての構成要素を含むものではなく、構成要素の多くの例を表すにすぎないことに留意すべきである。ナビゲーション装置200は、筐体(不図示)内に位置付けられる。ナビゲーション装置200は例えばプロセッサ202のような処理資源を含み、このプロセッサ202は、入力装置204と、例えば表示画面206のような表示装置とに動作可能に結合されている。本明細書においては単一の入力装置204に対して言及がなされているが、当業者ならば入力装置204は、キーボード装置、音声入力装置、タッチパネル、及び情報を入力するために利用される他の任意の周知の入力装置のうちの少なくとも1つを含む、任意の数の入力装置を表すことを理解するはずである。同様に表示画面206は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)等の任意の種類の表示画面を含むことができる。
【0059】
1つの構成において、入力装置204の1つの態様すなわちタッチパネルと、表示画面206とは、タッチパッド又はタッチスクリーン入力300(図3)を含む一体型入力表示装置を与えるように一体化され、こうしてユーザは、複数の表示選択肢のうちの1つを選択するか又は複数の仮想ボタン又は「ソフト」ボタンのうちの1つを作動させるために、表示画面206の一部分に接触するだけでよい。この点において、プロセッサ202はタッチスクリーンと協力して動作するグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)をサポートする。
【0060】
ナビゲーション装置200において、接続210を介してプロセッサ202は入力装置204へと動作可能に接続されかつ入力装置204から入力情報を受け取ることが可能であり、さらにプロセッサ202はそれぞれの出力接続212を介して表示画面206と出力装置208との少なくとも一方へと、これらに情報を出力するために動作可能に接続される。出力装置208は例えば、可聴出力装置(例えばスピーカを含む)である。出力装置208がナビゲーション装置200のユーザに向けて可聴情報を生成できるため、入力装置204は入力音声コマンドを受信するマイク及びソフトウェアを含むことができることが同様に理解されるべきである。プロセッサ202は、接続216を介してメモリ資源214へと動作可能に結合されており、接続220を介して入出力(I/O)ポート218との間で情報を送受信するように更に構成される。この場合、I/Oポート218は、ナビゲーション装置200の外部のI/O装置222に接続可能である。メモリ資源214には、例えば、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)のような揮発性メモリ、及び、例えばフラッシュメモリであるデジタルメモリのような不揮発性メモリを含む。外部I/O装置222は、例えばイヤホン等の外部聴音装置を含んでもよいが、これに限定されない。更に、I/O装置222への接続は、例えばハンズフリー動作と音声起動動作との少なくとも一方のため、イヤホン又はヘッドフォンへの接続のため、並びに/あるいは例えばモバイル電話への接続のための、カーステレオユニット等の他の任意の外部装置への有線接続又は無線接続であってもよい。この場合、モバイル電話接続は、ナビゲーション装置200とインターネット又は例えば他の任意のネットワークとの間のデータ接続を確立するためと、インターネット又は例えば他の任意のネットワークを介するサーバへの接続を確立するためとの少なくとも一方のために使用されてもよい。
【0061】
図2はさらに、プロセッサ202とアンテナ/受信機224との間の接続226を介した動作可能な接続を図示し、ここでアンテナ/受信機224は例えばGPSアンテナ/受信機でありうる。参照符号224で示されるアンテナ及び受信機は説明のために概略的に組み合わされているが、このアンテナ及び受信機は別々に位置する要素であってもよく、このアンテナは例えばGPSパッチアンテナ又はヘリカルアンテナであってもよいことが、理解されるだろう。
【0062】
本明細書において記載される機能をサポートするために、処理資源は、アクティベーションモジュール228をも含む。この例ではアクティベーションモジュール228は、例えば、計時回路(不図示)を有し、プロセッサ202のウェーク入力(wake input)203を介してプロセッサ202によって受信されうるウェーク信号を生成することが可能な、プログラム可能なウェークアップ回路(不図示)を、プロセッサ202とは別に実装される。しかしながら当業者なら、プロセッサ202の一部がプロセッサ202の他の一部とは異なる動作レベルで動作することが可能であるのなら、アクティベーションモジュール228の機能はこのプロセッサ202の一部に組み込まれうることを、理解するはずである。
【0063】
通信ネットワークインタフェース232がまた与えられ、プロセッサ202と動作可能に結び付けられる。この例では通信ネットワークインタフェース232は、無線通信送受信機(不図示)を備える通信回路(不図示)と動作可能に結び付けられた無線通信ネットワークインタフェース232である。しかしながら当業者ならば、この通信回路がナビゲーション装置200の内部にある必要はなく、例えば入力/出力ポート218と同様の形式の入力/出力ポートを介してナビゲーション装置200と結びつけられうることを、理解するはずである。
【0064】
さらに、もちろん、図2に示される電子構成要素が、1以上の電源(不図示)によって一般的な方法で電力を供給されることは、当業者には理解されるだろう。当業者には理解されるであろうように、図2に示される構成要素の異なる構成が意図されている。例えば、図2に示される構成要素は、有線接続と無線接続の少なくとも一方のようなもので、お互いに通信していてもよい。このように、本明細書で説明されるナビゲーション装置200の範囲は、可搬又は手持ちのナビゲーション装置200でありうる。
【0065】
さらに、図2の可搬又は手持ちのナビゲーション装置200は、既知の方法で、例えば二輪車、バイク、車、又はボートのような乗物へと接続又は「ドッキング」されることができる。このようなナビゲーション装置200はその時、可搬又は手持ちでのナビゲーションの使用のために、ドッキングされた位置から取り外されることができる。
【0066】
図3を参照すると、ナビゲーション装置200は、統合入力表示装置300及び図2の他の構成要素(内部GPS受信機224,マイクロプロセッサ202、電源(不図示)、メモリシステム214、などを含むがこれらには限定されない)を含むユニットであってもよい。
【0067】
ナビゲーション装置200はアーム302上に位置してもよく、アーム302自体が吸着カップを用いて車両のダッシュボード/窓/などに固定されてもよい。このアーム302は、ナビゲーション装置200が結合されうる、ドッキングステーションの1つの例である。ナビゲーション装置200は、例えばナビゲーション装置200をアーム302へとスナップ接続することによって、ドッキングステーションのアーム302へと結合されることができ、あるいは接続されることができる。ナビゲーション装置200はそして、アーム302の上で回転可能であってもよい。ナビゲーション装置200とドッキングステーションとの間の接続を外すために、例えば、ナビゲーション装置200上のボタン(不図示)が押されてもよい。ナビゲーション装置200をドッキングステーションへと結合し及び結合を解除するための他の同等に好適な構成は、当業者にはよく知られている。
【0068】
ここで図4を参照すると、ナビゲーション装置200は、例えばモバイル電話、PDA、及びモバイル電話技術を備える任意の装置のうちの少なくとも1つのようなモバイル装置(不図示)を介して、例えば既知のBluetooth技術を介するデジタル接続のようなデジタル接続を確立するために、「モバイル」ネットワーク又は遠距離電気通信ネットワークのネットワークハードウェアとのデータセッションを確立してもよい。そうして、そのネットワークサービスプロバイダを介して、モバイル装置は、サーバ400とのネットワーク接続を(例えば、インターネットを介して)確立できる。そのため、「モバイル」ネットワーク接続は、情報に対する「リアルタイム」又は少なくとも非常に「最新」のゲートウェイを提供するために、ナビゲーション装置200(単体時、及び車載走行時の少なくとも一方において移動可能であり且つ多くの場合移動している)とサーバ400との間に確立されうる。
【0069】
例えばインターネットを使用して、モバイル装置とサーバ400等の別の装置との間に(サービスプロバイダを介する)ネットワーク接続を確立することは、既知の方法で行われうる。この点において、例えばTCP/IP層プロトコルのような、任意の数の適切なデータ通信プロトコルが採用されうる。さらにモバイル装置は、CDMA2000、GSM、IEEE802.11a/b/c/g/n等の任意の数の通信規格を利用できる。
【0070】
そのため、例えばモバイル電話又はナビゲーション装置200内のモバイル電話技術を介するデータ接続を介して達成されうるインターネット接続が利用されてもよいことがわかるだろう。
【0071】
もちろんナビゲーション装置200は、ナビゲーション装置200自身の中に、自身のモバイル電話技術を含んでもよい(例えばアンテナを含み、又は任意的にナビゲーション装置200の内部アンテナが用いられてもよい)。ナビゲーション装置200内のモバイル電話技術は、上述のような内部構成要素を含むことができ、且つ/又は例えば必要なモバイル電話技術とアンテナとの少なくとも一方を備える挿入可能なカード(例えば加入者識別モジュール(SIM)カード)を含むことができる。そのため、ナビゲーション装置200内のモバイル電話技術は、任意のモバイル装置の方法と同様の方法で、例えばインターネットを介して、ナビゲーション装置200とサーバ400との間にネットワーク接続を同様に確立できる。
【0072】
GRPS電話設定の場合、モバイル電話の機種、製造業者等の多様な範囲に関して正しく動作するために、Bluetooth対応のナビゲーション装置が使用されてもよく、機種/製造業者専用設定は、例えばナビゲーション装置200に格納されてもよい。この情報のために格納されたデータは更新されうる。
【0073】
図4において、ナビゲーション装置200は、複数の様々な構成のうち任意のものによって実現されうる汎用通信チャネル402を介して、サーバ400と通信しているものとして描かれている。通信チャネル402は、ナビゲーション装置200とサーバ400とを接続する伝搬媒体又は経路を一般的に表す。通信チャネル402を介する接続がサーバ400とナビゲーション装置200との間に確立される場合、サーバ400とナビゲーション装置200とは通信可能である(尚、そのような接続は、モバイル装置を介するデータ接続、インターネットを介するパーソナルコンピュータを介する直接接続等でありうる)。
【0074】
通信チャネル402は、特定の通信技術に限定されない。更に、通信チャネル402は、単一の通信技術に限定されない。すなわち、チャネル402は、種々の技術を使用する複数の通信リンクを含んでもよい。例えば、通信チャネル402は、電気通信、光通信、及び電磁通信のうちの少なくとも1つ等のためのパスを提供するように構成されることができる。そのため、通信チャネル402は、電気回路、ワイヤ及び同軸ケーブル等の電気導体、光ファイバケーブル、コンバータ、無線周波数(rf)波、大気、空間等のうちの1つ又はそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。更に、通信チャネル402は例えば、ルータ、リピータ、バッファ、送信機及び受信機等の中間装置を含むことができる。
【0075】
1つの説明的な構成において、通信チャネル402は、電話及びコンピュータネットワークを含む。更に通信チャネル402は、例えば赤外線通信のような無線通信、例えばマイクロ波周波数通信のような無線周波数通信などに適応できてもよい。更に通信チャネル402は衛星通信に適応できる。
【0076】
通信チャネル402を介して送信される通信信号は、所定の通信技術に必要とされるか又は望まれる信号を含むが、それらに限定されない。例えば信号は、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(Global System for Mobile Communications)(GSM)等の、様々なアクセス体系とセルラ通信技術との少なくとも一方に関係して、用いられるように構成されてもよい。デジタル信号及びアナログ信号の双方が通信チャネル402を介して送信できる。これらの信号は、通信技術にとって望ましい変調信号、暗号化信号、及び圧縮信号のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0077】
サーバ400は、図示されていないかもしれない他の要素に加えて、メモリ406と動作可能に接続され、さらに有線接続又は無線接続408を介して大容量データ格納装置410へと動作可能に接続された、プロセッサ404を含む。大容量データ格納装置410は、ナビゲーションデータ及び地図情報のストアを格納し、さらに、サーバ400とは別の装置でありうるし、又はサーバ400へと組み込まれうる。プロセッサ404はさらに、通信チャネル402を介してナビゲーション装置200へと情報を送信し、及びナビゲーション装置200から情報を受信するための、送信機412及び受信機414へと動作可能に接続される。送受信される信号は、データ、通信、及び他の伝搬信号のうちの少なくとも1つを含んでもよい。送信機412及び受信機414は、ナビゲーションシステム200の通信設計において用いられる通信要件及び通信技術に従って、選択又は設計されてもよい。さらに、送信機412及び受信機414が単一の送受信機へと組み合わせられてもよいことに、留意すべきである。
【0078】
上述のように、ナビゲーション装置200は通信チャネル402を介してサーバ400と通信するように構成され、図2に関して前述されたようにプロセッサ、メモリ等を含み、同様に通信チャネル402を介して信号とデータとの少なくとも一方を送受信するための送信機416及び受信機418を含むが、これらの装置はさらにサーバ400以外の装置と通信するために用いられうることに留意する。さらに、図2に関連して上述したように、送信機416及び受信機418はナビゲーションシステム200の通信設計において用いられる通信要件及び通信技術に従って、選択又は設計されてもよく、送信機416及び受信機418は単一の送受信機へと組み合わせられてもよい。
【0079】
サーバメモリ406に格納されたソフトウェアはプロセッサ404に対する命令を提供し、サーバ400がナビゲーション装置200へのサービスを提供することを可能とする。サーバ400によって提供される1つのサービスには、ナビゲーション装置200からの要求を処理し、大容量データ格納装置410からのナビゲーションデータをナビゲーション装置200へと送信することを含む。サーバ400によって提供される他のサービスには、所望のアプリケーションについての様々なアルゴリズムを用いてナビゲーションデータを処理し、これらの計算結果をナビゲーション装置200へと送ることを含む。
【0080】
サーバ400は、無線チャネルを介してナビゲーション装置200によりアクセス可能なデータの遠隔ソースを含む。サーバ400は、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、仮想プライベートネットワーク(VPN)等に位置するネットワークサーバを含んでもよい。
【0081】
サーバ400は、デスクトップ又はラップトップコンピュータ等のパーソナルコンピュータを含んでもよく、通信チャネル402は、パーソナルコンピュータとナビゲーション装置200との間に接続されるケーブルであってもよい。あるいは、パーソナルコンピュータは、ナビゲーション装置200とサーバ400との間に接続されて、サーバ400とナビゲーション装置200との間にインターネット接続を確立してもよい。
【0082】
ナビゲーション装置200は、情報ダウンロードを介してサーバ400から情報を与えられてもよい。情報は、自動的に、若しくはユーザがナビゲーション装置200をサーバ400に接続した時に、周期的に更新されてもよく、且つ/又は例えば無線モバイル接続装置及びTCP/IP接続を介してサーバ400とナビゲーション装置200との間に接続がより継続して又は頻繁に確立される場合には更に動的に更新されてもよい。多くの動的計算のために、サーバ400内のプロセッサ404が大量の処理要求を処理するために使用されてもよい。しかし、ナビゲーション装置200のプロセッサ202も同様に、多くの場合においてはサーバ400への接続に関係なく、多くの処理及び計算を処理できる。
【0083】
図2に関連して上述したように、ナビゲーション装置200はプロセッサ202、入力装置204、及び表示画面206を含む。入力装置204及び表示画面206は、例えばタッチパネルスクリーンを介して情報(直接入力、メニュー選択など)を入力すること及び情報を表示することとの両方を可能にするために、一体型入力表示装置に統合される。このようなスクリーンは、当業者には周知のものであるように、例えばタッチ入力LCDスクリーンであってもよい。更に、ナビゲーション装置200は、例えばオーディオ入力/出力装置などの、更なる任意の入力装置204と更なる任意の出力装置との少なくとも一方を有しても良い。
【0084】
図5に目を向けると、ナビゲーション装置200のメモリ資源214は、機能ハードウェア要素500による実行のために、メモリ資源214から、アプリケーションソフトウェア506が実行可能な環境を提供するオペレーティングシステム504を読み出すために、プロセッサ202によって実行されるブート・ローダ・プログラム(不図示)を格納している。オペレーティングシステム504は機能ハードウェア要素500を制御するために働き、アプリケーションソフトウェア506と機能ハードウェア要素500との間に位置する。アプリケーションソフトウェア506は、例えば地図閲覧、経路計画、ナビゲーション機能及びこれらに関連する任意の他の機能のような、ナビゲーション装置200の中心機能をサポートするGUIを含む動作環境を提供する。
【0085】
サーバ400との通信を容易とするために、この例では、アプリケーションソフトウェア506はファイル転送プロトコル(FTP)モジュール508を含む。さらに、ナビゲーション装置200の製造中に又は最初のセットアップ時に、FTPモジュール508は、サーバ400に関連付けられたユニバーサル・リソース・ロケータ(URL)を与えられる。
【0086】
図6を参照し、ナビゲーション装置200が新しくて未設定であるか、又は再設定を必要としていると仮定すると、ユーザはナビゲーション装置200の電源を入れ(ステップ600)、設定メニューオプションにアクセスするために動作環境のGUIによって表示されるメニュー構造をナビゲートするために、与えられた動作環境を用いる(ステップ602)。
【0087】
この例において設定メニューオプションは、ユーザに所定の時間を設定する能力を与え、例えば夜遅く又は朝早くの期間、朝5時頃及び朝6時頃の間のような、装置が使われない可能性が高い時間についてのユーザの知識に基づいて、ユーザは所定の時間を設定する(ステップ604)。このような関係において、ナビゲーション装置200は複数の動作レベルを有する。ナビゲーション装置200は、ナビゲーション装置200が完全に電源が入っていないか又はスタンバイ状態若しくは実質的に休止状態にある、第1レベル動作が可能である。ナビゲーション装置200はまた、ナビゲーション装置200の少なくとも一部が活動状態にある、例えば電源が入った状態であって通常の動作が可能である、第2レベル動作が可能である。第1レベル動作はそれゆえ、第2レベル動作よりも少ない電力しか消費しない。
【0088】
典型的には、ユーザがナビゲーション装置200の使用を終了すると、例えばナビゲーション装置200が車両から盗まれることを避けるために、一日の終わりには、ナビゲーション装置200は例えば家700(図7)のような家庭環境へと持ち運ばれる。家700においてユーザは、ユーザが加入者となっているインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)によって提供されるブロードバンドインターネット接続へのアクセスを有する。ISP702への加入は月ごとの料金に基づき、いくつかのISPはデータダウンロードについて例えば1GB又は2GBのような上限を有し、定期的にデータダウンロードが濫用された場合にISP702によって追加課金を徴収されるものの、データ転送はデータ量を基準としてはISP702によって課金されない。したがって、ISP702を介するデータダウンロードは、課金という観点からは、実質的には計量されない(unmetered)。本明細書においては、最大ダウンロード閾値に到達したか又はこれを超えたか否かについての判断は、計量とはみなされない。この例において、ブロードバンド接続は有線ベースで与えられる。この例においてISPによって提供される通信ネットワークは、例えばギガビット・イーサネット(登録商標)・ネットワークのような、イーサネットベースのネットワークである。代わりに、採用される技術は非対称デジタル加入者線(ADSL)又は対称デジタル加入者線(SDSL)でありうる。さらに、ISP702によって提供されるサービスレベルは家庭向けサービスレベルに限られる必要はなく、ビジネス向けサービスレベルが用いられてもよい。同様に、この例は家700の関係において説明されるが、ナビゲーション装置200は職場又はビジネス環境で「休憩する」こともできる。
【0089】
家700において、加入(サブスクリプション)を必要としない通信ネットワークが、例えば無線ルータ704によって提供される。この加入を必要としない通信ネットワークは、家庭内通信ネットワークを構成する。この例において、加入を必要としない通信ネットワークは、例えば無線LANのようなローカル・エリア・ネットワーク(LAN)である。通信ネットワークインタフェース232、及びゆえに無線ネットワークインタフェース232に動作可能に連結された無線通信送受信機(不図示)は無線LANにおいて動作することが可能である。さらに、当業者ならば例えばIEEE802.11規格ファミリのIEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11c、又はIEEE802.11g規格のような任意の適切な無線規格がこの加入を必要としない通信ネットワークをサポートするために採用されうることを理解するはずであるが、この例において、無線LANはIEEE802.11nに準拠する無線LANである。
【0090】
無線ルータ704はISP702に動作可能に結合されており、ISP702はインターネット706へのアクセスを提供する。サーバ400はそれゆえ、家700からアクセス可能である。
【0091】
サーバ400に目を向けると、サーバ400はナビゲーション装置200によるダウンロードが可能であるデータを格納する。この関係において、ダウンロードされるデータは複数の更新データファイルでありうる。複数のデータファイルは、例えばいわゆるZIPファイルのような圧縮された形式である1つのファイルとしてまとめることができる。この複数のファイルは、更新サービスの一部としてナビゲーション装置200によるダウンロードが可能であるデータを含む。ナビゲーション装置200は、メモリ214に、この複数の更新データファイルの少なくとも一部を用いて更新されることが可能な、対応する更新可能データを格納する。この更新可能データは、時間に従って変化しうる内容を構成する動的データであるが、リアルタイムに変化する「生の」データではない。
【0092】
図8に目を向けると、メモリ214に格納されている更新可能データは、ナビゲーション装置200の動作について様々な目的で働く複数のデータファイルを含む。特にメモリ214は、例えばQuickGPSfixデータ750のような衛星の位置に関連するデータである、較正データを格納する。メモリ214はまた、例えば天候に関連するデータ752のような気象データである、環境データを格納する。メモリ214はさらに、交通データ754を格納する。この例において交通データ754は静的であり、例えば交通のスナップショットであってそれゆえ時間に対して変化しない。この更新可能データはまた地図データ756と、例えばモバイルセーフティカメラの既知の最新の位置に関連するデータのようなセーフティカメラの位置に関連するデータである、セーフティデータ758との少なくとも一方を含む。もちろん当業者なら、この更新可能データが、上述のデータファイルのうちの全て又はいくつかと、他の形式のデータとを含んでもよいことを理解するはずである。
【0093】
動作(図9)において、アクティベーションモジュール228は、ユーザによって用いられるためにナビゲーション装置200が電源を入れられる時刻である、ユーザに既知のアクティベーション時刻に所定の時間だけ先立って覚醒するように、上述の方法で動作環境を介して設定されている。ユーザはナビゲーション装置200を、ナビゲーション装置200が通常動作の間と比較してナビゲーション装置200の必須機能のみに電力を供給するために最小限の電力量しか消費しない、第1レベル動作を構成するスタンバイモード又は休止モードにしている(ステップ650)。この点について、アクティベーションモジュール228は電力を必要とする必須機能の1つを構成し、何にしても、アクティベーションモジュール228は電力消費を最小限とするように構成されている。
【0094】
アクティベーションモジュール228は、ユーザによって設定された起きる時刻に到達したか否かを判定するために、定期的にクロック回路の出力を監視する(ステップ652)。アクティベーションモジュールは、ユーザによって設定された所定の時刻に達するまで、クロック回路の監視を続ける。所定の時刻に到達すると、アクティベーションモジュール228は、プロセッサ202のウェーク入力230によって受け取られるウェーク信号を生成する(ステップ654)。ウェーク信号の受信は、プロセッサ202の起動を引き起こし、データダウンロード及びインストールをサポートするために必要なナビゲーション装置200のその他の部分、例えば無線ルータ704と通信する無線通信インタフェース232、を起動させる。続けてナビゲーション装置の各部、又は必要ならばナビゲーション装置200の全ての回路は、第1レベル動作から第2レベル動作へと移行する。動作環境はそれゆえ、起動するか又は最後に格納された状態を復元し、動作環境はさらに、ナビゲーション装置200によってメモリ214に既に格納されている更新よりもより新しい更新に関連するファイルをサーバ400が持っているかをまず確認するために、サーバ400が無線LAN及びISP702によって提供されるネットワークを介してサーバ400とのFTP接続を確立する(ステップ658)ために、FTPモジュール508を無線通信インタフェース232と協同させることによって、プロセッサ202によるウェーク信号の受信に応答する。
【0095】
サーバ400からダウンロードされるファイルが一度特定されると、ダウンロードデータをダウンロードするためにFTPセッションが用いられる(ステップ660)。一度ダウンロードされるとFTPセッションは切断され、ダウンロードされたデータファイルは、必要ならば中身を取り出され、例えば「アンジップ」され、メモリ214に格納されている対応するファイルを置き換えるために用いられる。必要ならば、ダウンロードされたデータがインストール処理の一部として用いられることが必要である場合、例えば新しい地図更新データがダウンロードされ既存の地図データに統合されることを必要とする場合、任意の必要なインストール処理が実行される(処理662)。もちろん、ナビゲーション装置200のメモリ214に既に格納されているデータ部分を特定することなく、単純に全てのダウンロードデータがダウンロードされてもよい。
【0096】
一度ダウンロードデータがダウンロードされ、任意の必要な後処理が実行されると動作環境は、第1レベル動作に戻るために、完全に電源を切るか、又はスタンバイ状態若しくは休止状態に入るように、ナビゲーション装置200の覚醒されている部分に命令する。
【0097】
他の実施形態において、動作環境を介してユーザが所定の時刻を設定する代わりに、ユーザによるナビゲーション装置200の使用状態から、動作環境はアクティベーション時刻を学習することができる。
【0098】
図10を参照するとプロセッサ202は、時刻プロセッサモジュール782と通信する事が可能な、時刻監視モジュール780をサポートする。図11に目を向けると、時刻監視モジュール780は、ナビゲーション装置200を用いるためにユーザがナビゲーション装置200の電源を入れる時刻を記録する。この関係において、ナビゲーション装置200が起動する時、時刻監視モジュールは割り当てられたメモリスペースが一杯ではないことを確認するために、割り当てられたメモリスペースを確認する(ステップ800)。もし割り当てられたメモリスペースが一杯なら、時刻監視モジュール780は、メモリ214に装置の起動時刻を記録する(ステップ804)前に、割り当てられたメモリ内の最も古い時刻エントリを消去する(ステップ802)。時刻プロセッサモジュール782はすると、格納された時刻データを解析するために格納された時刻にアクセスするために、メモリ214に定期的にアクセスする(ステップ820−図12)。この点について時刻プロセッサモジュール782は、例えばナビゲーション装置がユーザの命令によって第2レベル動作へと移行した時刻についての平均時刻、モード(最頻)時刻、又は最も早い時刻を求めるような、統計解析を行う(ステップ822)ように構成されている。第2レベル動作への移行が起こることが観測される最も早い時刻は、日中又は夜間における固定点、例えば真夜中の12時ごろ、に対する相対的なものでありうる。上述の時刻データの処理結果は、用いられるアクティベーション時刻として格納される(ステップ824)。
【0099】
上述の技術の向上策として、観測された実質的に例外的なアクティベーション時刻の影響を考慮するか又は緩和するために、例えばアクティベーション時刻のクラスタを決定し、このアクティベーション時刻のクラスタに関して観測された最大時刻を時刻閾値以上に超えているアクティベーション時刻を計算に入れない又は無視することにより、時刻プロセッサモジュール782は、格納されたデータをさらに処理することもできる。この閾値は、例えば時間の倍数又は時間の割合のような関数によって、決定されうる。
【0100】
一度用いられるアクティベーション時刻が決定されると、決定されたアクティベーション時刻を所定のプレアクティベーション時間間隔だけ超える時刻を計算することにより、所定の時刻は決定される。このプレアクティベーション時間間隔は、この例においては、例えば1時間のような固定時間間隔である。しかしながらプレアクティベーション時間間隔は、動作環境を介してユーザによって、又はサーバ400によって、選択可能でありうる。一度この所定の時刻が計算されると、前の実施形態に関連して上述した方法に類似の方法で、第1レベル動作から第2レベル動作への移行を引き起こすために、この所定の時刻は用いられる。
【0101】
さらなる実施形態においては、プロセッサ202は、サーバ400からダウンロードされるデータ量を決定し、このダウンロードデータをダウンロードするために必要とされる時間の量を判定するための、ダウンロード時間計算機モジュール784をサポートする。
【0102】
動作において、前述のようにナビゲーション装置200の関連する部分が一度第2レベル動作へと移行していると、ダウンロード時間計算機モジュール784は、FTPモジュール508と協同して、ダウンロードされるダウンロードデータのサイズを判定する。上述のように、ダウンロードデータは別々のデータのユニットとして格納されることができ、別々にダウンロードされうる。
【0103】
ダウンロードデータの合計サイズが所定の時刻とアクティベーション時刻との間の時間差を超える場合にも要求を満たすために、ダウンロード時間計算機モジュール784は、全てのダウンロードデータをダウンロードするために必要とされる時間量を計算し、同様にダウンロードデータの個別にダウンロード可能な部分のそれぞれをダウンロードするために必要とされる時間量を計算する。ダウンロード時間計算機モジュール784は、ISP702を介して一般に達成可能なダウンロード速度に関する利用可能な情報を用いる。このダウンロード速度情報は、前もって、動作環境を介してユーザによって提供されてもよいし、又は、経験した以前のダウンロード速度を判定する、若しくはダウンロード速度テストを行うことによる、ダウンロード時間計算機モジュール784の別の機能によって提供されてもよい。
【0104】
ダウンロード時間計算機モジュール784はすると、ダウンロードデータの最も重要な部分、例えばセーフティデータと交通データとの少なくとも一方、のダウンロードを優先する。動作環境を介してユーザがデータ種類を選択することにより、全てのダウンロードデータをダウンロードするには不十分な時間しか利用可能ではない時に、最初にダウンロードされるべきデータが優先されることができる。
【0105】
すると、ダウンロードについてより重要ではないダウンロードデータの態様は、より多くの時間が利用可能であるか、より速いダウンロード速度が達成可能であるか、の少なくとも一方である時にダウンロードされるように、延期される。予防手段として、ダウンロード時間計算機モジュール784は、ダウンロード速度の変動及び接続における一時的な途絶を補償するために、計算されたダウンロード時間に遅延に対する余裕を含めるように構成されうる。
【0106】
さらに他の実施形態においては、ダウンロード時間計算機モジュール784によって計算されるダウンロード時間は、上述のプレアクティベーション時間間隔を決定するために用いられうる。図13を参照すると、この機能を乗せるために、アクティベーションモジュール228は、ナビゲーション装置200のアクティベーション時刻に十分に先立つ初期時刻に、ナビゲーション装置200を覚醒させる(ステップ850)ようにプログラムされる。例えば、アクティベーション時刻に先立つ時間量は、予想されるダウンロード時間、又はナビゲーション装置200が用いられそうにない例えば午前2時頃と午前4時頃との間のような設定時間を超える、最大の時間量でありうる。この時刻は任意的には、例えば夜間勤務するユーザのような、ユーザの使用習慣に適合するように、動作環境を介してユーザによって設定されうる。
【0107】
覚醒されると時間計算機モジュール784は、例えば交通データファイルのような何れかのファイルが、まだダウンロードのためには利用でないかどうかを判定する(ステップ852)。もし全てのファイルがダウンロードのために利用可能であれば、すると、ダウンロード時間計算機モジュール784は利用可能なファイルについてのダウンロードファイルを計算する(ステップ854)。そうでなければダウンロード時間計算機モジュール784は、利用可能ではないファイルをダウンロードするのに必要とされる時間量を酌量し(ステップ856)、そして、プレアクティベーション時間間隔を得るために、計算されたダウンロード時間に対して推定時間を加える(ステップ858)前に、ダウンロードのために利用可能なファイルについてのダウンロード時間を計算する(ステップ854)。するとプレアクティベーション時間間隔は、ユーザによって予め設定されたアクティベーション時刻又は学習されたアクティベーション時刻を用いて所定の時間を計算するために、以前の実施形態に関連して上述された方法において用いられる。任意的には、サーバ400と通信している間に、ナビゲーション装置200は利用可能なダウンロードデータをダウンロードすることができる。
【0108】
上述の実施形態に関連して、現代の無線ルータ及び類似の装置の有効距離のために、この有効距離は、例えば自動車のような乗物内に位置するナビゲーション装置にカバレージを提供するのに十分でありうることが、理解されるはずである。このような状況において、このようなナビゲーション装置は乗物に統合されることができ、ユーザによって乗物の外へと持ち運び可能ではなくてもよい。
【0109】
本明細書においてはデータファイルに対して言及がなされたが、当業者なら「データ」は実行可能なコードでありうることを理解するはずである。
【0110】
本発明の様々な態様および実施形態がこれまで説明されてきたが、本発明の範囲は本明細書で述べられた特定の構成に限定されるものではなく、添付の請求の範囲に含まれる、全ての構成とこれらの構成に対する修正および変更を含むように拡張されることもまた、理解されるだろう。
【0111】
例えば上述の実施形態は、無線LANである、加入を必要としない通信ネットワークの文脈において説明されたが、この加入を必要としない通信ネットワークは、例えばBluetooth(登録商標)通信規格に従って動作するBluetooth(登録商標)基地局によってサポートされる通信ネットワークのような、他の技術によってサポートされるパーソナル・エリア・ネットワーク(PAN)でありうる。
【0112】
例えば、上述の詳細な説明で説明された実施形態はGPSに関連していたが、ナビゲーション装置はGPSの代わりに(又は実際にはGPSに加えて)すべての位置検出技術を用いうることが、留意されるべきである。例えば、このナビゲーション装置は他のグローバルナビゲーション衛星システム、例えばヨーロッパのガリレオシステム、を利用してもよい。同様に、ナビゲーション装置は衛星ベースには限定されず、地上ベースのビーコンを用いて、又は装置が自身の地理的位置を決定することを可能とする任意の他の種類のシステムを用いて、容易に動作することができる。
【0113】
本発明の他の実施形態は、コンピュータシステムとともに用いられるコンピュータプログラム製品として実装されることができ、このコンピュータプログラム製品は例えば、ディスケット、CD−ROM、ROM、若しくは固定ディスクのような有形的なデータ記憶媒体に格納されるか、又は例えばマイクロ波若しくは赤外線のような無線媒体を介して送信されるコンピュータデータ信号として具体化される、一連のコンピュータ命令である。一連のコンピュータ命令は、上述の機能の全部又は一部を構成することができ、任意の、例えば半導体メモリ装置、磁気メモリ装置、光学メモリ装置、又は他のメモリ装置のような、揮発性の又は不揮発性のメモリ装置にも格納されることができる。
【0114】
また、好適な実施形態は、ソフトウェアを用いて特定の機能を実装するが、機能はハードウェア単独で(例えば、1つ以上のASIC(application specific integrated circuit)を用いて)同様に実装されることもでき、さらにハードウェアとソフトウェアとの組み合わせによって実装されることもできることもまた、当業者によく理解されるだろう。このように、本願の範囲は、ソフトウェアにおいて実装される場合のみに限定されるものと解釈するべきではない。
【0115】
最後に、本明細書で述べられた特徴の特定の組み合わせを添付の請求の範囲は記述するが、本発明の範囲は後にクレームされる特定の組み合わせには限られず、むしろ、本明細書に開示される特徴又は実施形態のあらゆる組み合わせを含むように、その特定の組み合わせが添付の請求の範囲に今回具体的に列挙されているかに関わらず、拡張されることに、留意するべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1レベル動作と第2レベル動作とが可能なナビゲーション装置であって、
使用時に動作環境をサポートするように構成された処理資源と、
前記処理資源に動作可能に結合され、前記動作環境によって用いられうる更新可能なデータを格納するように構成されたデータストアと、
加入が必要ない通信ネットワークとの接続をサポートする通信ネットワークインタフェースとを備え、
前記第1レベル動作は、前記第2レベル動作よりも少ない電力を消費し、
前記処理資源は、前記第1レベル動作から前記第2レベル動作への移行を引き起こすように構成されたアクティベーションモジュールをサポートし、
前記処理資源は、前記第2レベル動作への移行に続いて、データをダウンロードするために、前記通信ネットワークインタフェースを用いるように構成されている
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記処理資源は、前記更新可能なデータの少なくとも一部を更新するために、前記ダウンロードされたデータの少なくとも一部を用いるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1レベル動作が休止状態であることを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記第2レベル動作がアクティブ状態であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記加入が必要ない通信ネットワークは、他の通信ネットワークを介した通信をサポートすることが可能であり、前記データの前記ダウンロードは、前記加入が必要ない通信ネットワークと前記他の通信ネットワークとの双方を介することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記他の通信ネットワークが加入ベースであることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記通信ネットワークインタフェースが、無線ローカル・エリア・ネットワーク通信インタフェースであることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記更新可能なデータが動的データであることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記更新可能なデータが較正データを含むことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記更新可能なデータの少なくとも一部が交通データに関連することを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記更新可能なデータが地図データを含むことを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記通信ネットワークインタフェースが、前記第2レベル動作への移行に応答して用いられることを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記アクティベーションモジュールが、所定の時刻に前記移行を引き起こすように構成されていることを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記処理資源が、ユーザが前記ナビゲーション装置を前記第1レベル動作から前記第2レベル動作へと移行させる、日中又は夜間のアクティベーション時刻を学習するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至13の何れか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記処理資源が、前記ユーザによって引き起こされる前記移行が起こる複数の時刻を観測し、前記観測された複数の時刻から前記アクティベーション時刻を計算するように構成されていることを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記アクティベーション時刻をもたらすために、前記複数の時刻が平均されることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
プレアクティベーション時間間隔だけ前記アクティベーション時刻よりも早いように、前記所定の時刻が決定されることを特徴とする請求項13に従属する請求項14に記載の装置。
【請求項18】
前記処理資源は、ダウンロードされる前記データのサイズを決定し、前記アクティベーション時刻の前に前記データをダウンロードするために十分な時間が残っている否かを判定するためにダウンロードされる前記データの前記サイズを用いるように構成されていることを特徴とする請求項14乃至17の何れか1項に記載の装置。
【請求項19】
ダウンロードされる前記データは、別々にダウンロード可能な部分を有し、
前記処理資源は、全ての前記別々にダウンロード可能な部分をダウンロードするのには不十分な時間しか前記アクティベーション時刻の前には利用可能ではないことに応答して、前記別々にダウンロード可能な部分のダウンロードを優先するように、及び/又は前記別々にダウンロード可能な部分のダウンロード可能な部分のダウンロードを延期するように構成されていることを特徴とする請求項14乃至18の何れか1項に記載の装置。
【請求項20】
前記処理資源が、ダウンロードされる前記データのサイズを決定し、前記プレアクティベーション時間間隔を決定するために前記ダウンロードされる前記データの前記サイズを用いるように構成されていることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項21】
前記処理資源が、ダウンロードされる前記データの前記決定されたサイズと、獲得可能なダウンロード速度の知識と、を用いて前記プレアクティベーション時間間隔を決定するように構成されていることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項22】
通信システムであって、
請求項1乃至21の何れか1項に記載のナビゲーション装置と、
前記ナビゲーション装置と通信可能な第1の通信ネットワークと、
前記第1の通信ネットワークと動作可能に結合され、前記ナビゲーション装置とデータのリモートソースとの間の通信を通過させることが可能な、第2の通信ネットワークとを備え、
前記第1の通信ネットワークが加入を必要としないことを特徴とする通信システム。
【請求項23】
第1レベル動作と第2レベル動作とが可能なナビゲーション装置を更新する方法であって、
動作環境をサポートする工程と、
前記動作環境によって用いられうる更新可能なデータを格納する工程と、
加入が必要ない通信ネットワークとの接続をサポートする通信ネットワークインタフェースを提供する工程と、
前記第1レベル動作から前記第2レベル動作への移行を引き起こすアクティベーションモジュールを提供する工程と、
前記第2レベル動作への移行に続いて、データをダウンロードするために、前記通信ネットワークインタフェースを用いる工程とを含み、
前記第1レベル動作は、前記第2レベル動作よりも少ない電力を消費する
ことを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムコード手段を備えるコンピュータプログラム。
【請求項25】
コンピュータ読み取り可能な媒体に実装された請求項24に記載のコンピュータプログラム。
【請求項1】
第1レベル動作と第2レベル動作とが可能なナビゲーション装置であって、
使用時に動作環境をサポートするように構成された処理資源と、
前記処理資源に動作可能に結合され、前記動作環境によって用いられうる更新可能なデータを格納するように構成されたデータストアと、
加入が必要ない通信ネットワークとの接続をサポートする通信ネットワークインタフェースとを備え、
前記第1レベル動作は、前記第2レベル動作よりも少ない電力を消費し、
前記処理資源は、前記第1レベル動作から前記第2レベル動作への移行を引き起こすように構成されたアクティベーションモジュールをサポートし、
前記処理資源は、前記第2レベル動作への移行に続いて、データをダウンロードするために、前記通信ネットワークインタフェースを用いるように構成されている
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記処理資源は、前記更新可能なデータの少なくとも一部を更新するために、前記ダウンロードされたデータの少なくとも一部を用いるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1レベル動作が休止状態であることを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記第2レベル動作がアクティブ状態であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記加入が必要ない通信ネットワークは、他の通信ネットワークを介した通信をサポートすることが可能であり、前記データの前記ダウンロードは、前記加入が必要ない通信ネットワークと前記他の通信ネットワークとの双方を介することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記他の通信ネットワークが加入ベースであることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記通信ネットワークインタフェースが、無線ローカル・エリア・ネットワーク通信インタフェースであることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記更新可能なデータが動的データであることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記更新可能なデータが較正データを含むことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記更新可能なデータの少なくとも一部が交通データに関連することを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記更新可能なデータが地図データを含むことを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記通信ネットワークインタフェースが、前記第2レベル動作への移行に応答して用いられることを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記アクティベーションモジュールが、所定の時刻に前記移行を引き起こすように構成されていることを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記処理資源が、ユーザが前記ナビゲーション装置を前記第1レベル動作から前記第2レベル動作へと移行させる、日中又は夜間のアクティベーション時刻を学習するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至13の何れか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記処理資源が、前記ユーザによって引き起こされる前記移行が起こる複数の時刻を観測し、前記観測された複数の時刻から前記アクティベーション時刻を計算するように構成されていることを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記アクティベーション時刻をもたらすために、前記複数の時刻が平均されることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
プレアクティベーション時間間隔だけ前記アクティベーション時刻よりも早いように、前記所定の時刻が決定されることを特徴とする請求項13に従属する請求項14に記載の装置。
【請求項18】
前記処理資源は、ダウンロードされる前記データのサイズを決定し、前記アクティベーション時刻の前に前記データをダウンロードするために十分な時間が残っている否かを判定するためにダウンロードされる前記データの前記サイズを用いるように構成されていることを特徴とする請求項14乃至17の何れか1項に記載の装置。
【請求項19】
ダウンロードされる前記データは、別々にダウンロード可能な部分を有し、
前記処理資源は、全ての前記別々にダウンロード可能な部分をダウンロードするのには不十分な時間しか前記アクティベーション時刻の前には利用可能ではないことに応答して、前記別々にダウンロード可能な部分のダウンロードを優先するように、及び/又は前記別々にダウンロード可能な部分のダウンロード可能な部分のダウンロードを延期するように構成されていることを特徴とする請求項14乃至18の何れか1項に記載の装置。
【請求項20】
前記処理資源が、ダウンロードされる前記データのサイズを決定し、前記プレアクティベーション時間間隔を決定するために前記ダウンロードされる前記データの前記サイズを用いるように構成されていることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項21】
前記処理資源が、ダウンロードされる前記データの前記決定されたサイズと、獲得可能なダウンロード速度の知識と、を用いて前記プレアクティベーション時間間隔を決定するように構成されていることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項22】
通信システムであって、
請求項1乃至21の何れか1項に記載のナビゲーション装置と、
前記ナビゲーション装置と通信可能な第1の通信ネットワークと、
前記第1の通信ネットワークと動作可能に結合され、前記ナビゲーション装置とデータのリモートソースとの間の通信を通過させることが可能な、第2の通信ネットワークとを備え、
前記第1の通信ネットワークが加入を必要としないことを特徴とする通信システム。
【請求項23】
第1レベル動作と第2レベル動作とが可能なナビゲーション装置を更新する方法であって、
動作環境をサポートする工程と、
前記動作環境によって用いられうる更新可能なデータを格納する工程と、
加入が必要ない通信ネットワークとの接続をサポートする通信ネットワークインタフェースを提供する工程と、
前記第1レベル動作から前記第2レベル動作への移行を引き起こすアクティベーションモジュールを提供する工程と、
前記第2レベル動作への移行に続いて、データをダウンロードするために、前記通信ネットワークインタフェースを用いる工程とを含み、
前記第1レベル動作は、前記第2レベル動作よりも少ない電力を消費する
ことを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムコード手段を備えるコンピュータプログラム。
【請求項25】
コンピュータ読み取り可能な媒体に実装された請求項24に記載のコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2011−523042(P2011−523042A)
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−508859(P2011−508859)
【出願日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際出願番号】PCT/EP2009/054530
【国際公開番号】WO2009/138307
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(307043223)トムトム インターナショナル ベスローテン フエンノートシャップ (144)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際出願番号】PCT/EP2009/054530
【国際公開番号】WO2009/138307
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(307043223)トムトム インターナショナル ベスローテン フエンノートシャップ (144)
【Fターム(参考)】
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