説明

ナースコール子機

【課題】呼気や接触操作がおこなわれるセンサ部分以外(ナースコール子機のアーム自体)の操作を検出することにより、センサ操作の困難な非常時であっても容易に呼出を可能とするナースコール子機を構築する。
【解決手段】ベッドサイド等の病床に設置し、呼気スイッチや接触センサなどのセンサ部21を有するナースコール子機において、センサ部は、アーム22を介してナースコール子機1の本体に接続されているとともに、ナースコール子機には、アーム全体の一定以上の振動、またはセンサ部の入力を検知してナースコール呼出を行なう検出部11と、検出結果をナースコール子機に接続される廊下灯、ナースコール親機等の外部機器に子機I/F13を介して送信する制御をおこなう子機CPU12とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はナースコール子機に係り、特に、呼気や接触等で呼び出しをおこなう特殊なナースコール子機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種のナースコール子機は、呼気や接触等、ボタン押下以外の方法で呼出操作を行うものとして、特殊子機と呼ばれるものが存在していた。
このような特殊子機を用いれば、手が使えない人や体を動かしにくい人でもナースコールすることができる。
また、従来は呼気呼出、接触呼出等でナースコール子機を別々の装置としていたが、近年ではそれらの特殊な呼出が一つの装置でできるように一体化したものも開発されている(例えば特許文献1)。このように一体化すれば製造コストを削減できるし、使用者の状態に合わせた呼び出しをおこなうことが可能となる。
【特許文献1】特開2005−15247号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来例のナースコール子機において、特殊子機の操作は比較的難しく、呼気の度合い、接触の量などにより呼出ができなかったりすることもある。これは、誤報を防ぐためのものであり、非常時にこのような複雑な状態を考慮して操作することは困難であり、緊急呼出が遅れてしまう虞があった。
【0004】
本発明は、上述の難点を解消するためになされたもので、呼気や接触操作がおこなわれるセンサ部分以外(ナースコール子機のアーム自体)の操作を検出することにより、センサ操作の困難な非常時であっても容易に呼出を可能とするナースコール子機を構築することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するため、本発明の請求項1のナースコール子機は、ベッドサイド等の病床に設置し、呼気スイッチや接触センサなどのセンサ部を有するナースコール子機において、センサ部は、アームを介してナースコール子機の本体に接続されているとともに、ナースコール子機には、アーム全体の一定以上の振動、またはセンサ部の入力を検知してナースコール呼出を行なう検出部と、検出結果をナースコール子機に接続される廊下灯、ナースコール親機等の外部機器に子機I/Fを介して送信する制御をおこなう子機CPUとを備えたことを特徴とする。
【0006】
また、請求項2のナースコール子機は、請求項1において検知部は、センサ部の検知及びアーム全体の振動それぞれで別々の種別の呼出を行なうことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1のナースコール子機によれば、子機のアーム部に一定以上の力がかかった場合にも、患者が一定以上の力でナースコール子機を操作しようとしていることから、検出部で当該操作を検出した子機は、患者に呼出の意思があるとみなして呼出操作を行なうことができる。
【0008】
請求項2のナースコール子機によれば、子機のアーム部に一定以上の力がかかった場合と、センサ部に入力があった場合とで呼出内容を変えるため、たとえば、患者がセンサ部を操作できるということは体調が極めて悪い場合は考えられないため通常のナースコール呼出でよいが、アーム部を直接操作した場合には何らかの異常事態が発生した可能性もあり、緊急呼出を行なうことによって看護師は患者のベッドに迅速に駆けつけることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明のナースコール子機を適用した好ましい形態の実施例について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施例によるナースコール子機の構成図である。
図1に示すナースコール子機1は、後述するアーム全体の一定以上の振動、または後述するセンサ部の入力を検知してナースコール呼出を行なう検出部11、ナースコール子機1全体の各部を制御するCPU12、検出結果をナースコール子機に接続される廊下灯、ナースコール親機等の外部機器に送信するための子機I/F13、当該外部機器と通話するためのマイク14、スピーカ15を内蔵するナースコール子機1の筐体と、呼気センサ、タッチセンサ、音量センサ等のセンサ部21とをアーム22で接続している。
【0010】
患者が、センサ部21に触れる、息を吹き掛ける等の呼出行為を行なうと、当該動作を検知部11により検知し、CPU12が子機I/F13を介してナースステーションに設置された図示しないナースコール親機に介して呼出信号を送信する。
これにより、体が不自由な人であってもナースコール親機に対して呼出をおこなうことができる。
【0011】
また、患者がアーム22を強い力で押したり、倒そうとして異常な方向に力がかかったりした場合、当該動作を検知部11により検知したCPU12は、何らかの異常事態が発生した可能性を認識し、ナースステーションに設置された図示しないナースコール親機に子機I/F13を介して緊急呼出信号を送信する。
このように、アーム22での呼出をセンサ部21に触れる、息を吹き掛ける等の呼出と分けて呼出信号として送信するのでアーム22での呼出を緊急として扱うことが可能となりすぐに対応することができる。
【0012】
このようにして呼出信号、または緊急呼出信号を受信したナースコール親機近傍にいる看護師は、ナースコール子機1に内蔵されたマイク14、スピーカ15、あるいはナースコール子機近傍に設置された図示しないマイク、スピーカを用いてナースコール子機1を操作した患者と会話することができる。
なお、マイク14はセンサ部21に設置しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の実施例によるナースコール子機を示す外観図である。
【符号の説明】
【0014】
1・・・ナースコール子機
11・・・検出部
12・・・CPU
13・・・子機I/F
21・・・センサ部
22・・・アーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッドサイド等の病床に設置し、呼気スイッチや接触センサなどのセンサ部(21)を有するナースコール子機(1)において、
前記センサ部は、アーム(22)を介して前記ナースコール子機の本体に接続されているとともに、前記ナースコール子機には、前記アーム全体の一定以上の振動、または前記センサ部の入力を検知してナースコール呼出を行なう検出部(11)と、検出結果を前記ナースコール子機に接続される廊下灯、ナースコール親機等の外部機器に子機I/F(13)を介して送信する制御をおこなう子機CPU(12)とを備えたことを特徴とするナースコール子機。
【請求項2】
前記検知部は、前記センサ部の検知及び前記アーム全体の振動それぞれで別々の種別の呼出を行なうことを特徴とする請求項1記載のナースコール子機。



【図1】
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【公開番号】特開2010−104530(P2010−104530A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−278991(P2008−278991)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(000100908)アイホン株式会社 (777)
【Fターム(参考)】