説明

ニードル弁及びこのニードル弁を有する冷凍サイクル装置

【課題】可聴波長帯域の高周波の騒音が生じることを防止できるニードル弁を提供する。
【解決手段】ニードル弁1は弁箱10と弁体30を備えている。弁箱10には弁口12が形成された弁ポート24が設けられている。弁体30は弁ポート24に接離して開度を変更する。弁体30の流量調整部33は先細に形成されている。弁体30の軸芯を通る断面において流量調整部33のなす角度をθとし弁口12の内径をDとし弁口12の軸芯方向の全長をL1とすると、角度θが0度を超えてかつ45度以下である場合に、L1/Dが3.5以上でかつ5.0以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍サイクル装置などに用いられて、内側に冷媒などの流体を通すニードル弁及びこのニードル弁を有する冷凍サイクル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
冷凍サイクル装置などの流体を循環させる各種の装置では、各種のニードル弁(例えば、特許文献1参照)が用いられている。特許文献1に示されたニードル弁は、内側に冷媒などの流体を通す流路が形成された弁箱と、弁箱の弁座に接離自在に設けられた針状の弁体と、前記弁体を前記弁座に接離させる駆動部とを備えている。
【0003】
前述した特許文献1に示されたニードル弁は、駆動部のステータのコイルなどに電流が印加させることで、当該駆動部のロータを回転させることで、弁体を弁座に設けられた弁口に接離させて、開度を変更して、前述した流体の流量を適宜変更する。
【特許文献1】特開2006−97947号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した特許文献1に示されたニードル弁は、弁箱に形成された流路内を流れる流体の流れは、弁口の内縁ではがれて、弁口の内面からはがれたまま即ち所謂乱流のまま弁口内を通って、当該ニードル弁の下流に導かれる。このように、従来のニードル弁では、弁口口内を流体が所謂乱流のまま流れるので、特に、開度の少ない即ち弁口と弁体とが近接した状態で、弁箱内を流体が流れる際に、1kHzから20kHzの可聴波長帯域の高周波の音即ち高い音が生じてしまう。
【0005】
したがって、本発明の目的は、特に、可聴波長帯域の高周波の騒音が生じることを防止できるニードル弁及びこのニードル弁を有する冷凍サイクル装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の本発明のニードル弁は、内側に流体を通しかつ長手方向に内径が一定に形成された弁口が設けられた弁ポートと、前記弁ポートに接離自在に設けられかつ当該弁ポートに近づくのにしたがって先細となる針状に形成されているとともに、前記弁ポートに接離することで開度を変更する弁体と、を備えたニードル弁において、前記弁体の軸芯を通る断面において、当該弁体の先端部のなす角度をθとし、前記弁口の内径をDとし、前記弁口の軸芯方向の全長をL1とすると、前記角度θが0度を超えかつ45度以下である場合に、L1/Dが3.5以上でかつ5.0以下であるとともに、前記角度θが45度を越えて60度未満である場合に、L1/Dが2.0以上でかつ4.0以下であることを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載の本発明のニードル弁は、請求項1記載のニードル弁において、前記弁ポートの前記弁口が開口しかつ前記ニードル弁と相対する弁座には、当該弁座から凸でかつ前記弁口よりも内径が大きく形成されているとともに当該弁口と同軸状の円環状部が設けられていることを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載の本発明の冷凍サイクル装置は、請求項1又は請求項2記載のニードル弁を冷媒回路中に有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載された本発明のニードル弁は、弁口の内径Dと弁口の全長L1との関係が、弁体の先端部のなす角度θが0度を超えかつ45度以下である場合に、L1/Dが3.5以上でかつ5.0以下となる関係であり、かつ、角度θが45度を越えて60度未満である場合に、L1/Dが2.0以上でかつ4.0以下でなる関係である。即ち、弁口の内径Dに対して、弁口の全長L1を十分に長く形成して、弁口の内縁ではがれた流体の流れを再度、弁口の内面に付着させるようにしている。即ち、弁口内での流体の流れを層流に保っている。
【0010】
したがって、弁口内での流体の流れを層流に保つので、弁口内での流体の流れの乱れによる騒音が発生することを防止できるとともに、下流に乱流のまま流体を導くことを防止できる。よって、特に、開度の少ない即ち弁口と弁体とが近接した状態で、流体が流れる際に、1kHzから20kHzの可聴波長帯域の高周波の音が発生することを防止できる即ち高い音が生じることを防止できる。
【0011】
請求項2に記載された本発明のニードル弁は、弁座に弁口と同軸でかつ弁口よりも内径の大きな円環状部が設けられているので、弁口内に導かれる流体が、円環状部内に導かれる際にその流量が一度制限される。このため、勿論、弁口内に導かれる流体の流量が制限される。
【0012】
さらに、弁口の内縁で流れがはがれる前に、流体が、円環状部の内縁でその流れがはがれる。このために、弁口の内縁ではがれる流体の流れの乱れが、直接弁口の内縁ではがれる場合よりも小さくなる。
【0013】
よって、弁口内に導かれる流体の流量が制限されるとともに、弁口の内縁で生じる流体の流れの乱れが小さくなるので、一旦乱流となった流体の流れを再度、弁口の内面に付着させることが確実にでき、弁口内での流体の流れを確実に層流に保つことができる。よって、特に、開度の少ない即ち弁口と弁体とが近接した状態で、流体が流れる際に、1kHzから20kHzの可聴波長帯域の高周波の音が発生することを防止できる即ち高い音が生じることを確実に防止できる。
【0014】
請求項3に記載された本発明の冷凍サイクル装置は、前述したニードル弁を備えているので、特に、ニードル弁の開度の少ない即ち弁口と弁体とが近接した状態で、流体が流れる際に、1kHzから20kHzの可聴波長帯域の高周波の音が発生することを防止できる即ち高い音が生じることを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明の一実施形態にかかるニードル弁を、図1及び図2を参照して説明する。
【0016】
図1に示すニードル弁1は、例えば、冷凍サイクル装置に用いられ、流体としての冷媒の流量を変化させる所謂膨張弁として用いられる。
【0017】
ニードル弁1は、図1に示すように、カップ状の金屑製あるいは合成樹脂製の弁箱10を有する。弁箱10は、弁室11と、弁室11の後述する弁体30と相対する弁座22に開口形成された丸穴形状の弁口12と、横継手13を接続され弁室11に直接連通する入ロポート14と、下継手15を接続され弁口12を経て弁室11に連通する出ロポート16とを有する。即ち、弁箱10は、その内側に入ロポート14と弁室11と弁口12と出ロポート16とに亘って、前述した冷媒を流す流路が形成されている。また、弁箱10の図1中の上端部内には、円筒状の弁ガイド部材34が取り付けられている。
【0018】
弁口12は、断面丸形で直線状に延在した孔であるとともに、その内径Dがその長手方向の全長に亘って一定に形成されて、その内側に流体としての冷媒を流す。また、弁箱10の前記弁座22及び弁口12を含み、かつ弁体30と間隔をあけて相対する部分は、特許請求の範囲に記載された弁ポート24をなしている。即ち、ニードル弁1は、弁口12が形成された弁ポート24を備えている。
【0019】
弁箱10の図1中の上部には、円筒状の蓋部材28が同軸的に取り付けられており、この蓋部材28の図1中の上部に取付板17によって固定支持部材(雌ねじ部材)18が固定されている。回定支持部材18にはガイド孔19が形成されている。ガイド孔19は弁口12と同心位置にあり、ガイド孔19には、円筒状の弁ホルダ20が軸芯方向(上下方向)、つまり弁開閉方向に摺動可能に嵌合している。これにより、弁ホルダ20は弁箱10内を軸芯方向に移動可能である。
【0020】
弁ホルダ20は、図1中の下端の内周に円環状の下側リップ部材21が取り付けられ、その図1中の上端の内周に円環状の上側リップ片23が一体に形成されている。下側リップ部材21の図1中の上面は、円環段差状に形成された上向きのストッパ面部25をなしている。なお、弁ホルダ20には、均圧孔105が形成されている。
【0021】
弁ホルダ20に取り付けられた下側リップ部材21に、金属製あるいは合成樹脂製の弁体30が軸芯方向に変位可能に取り付けられている。弁体30は、円柱状の針状に形成され、下側リップ部材21の内側に形成された開口26に遊嵌合、つまり、弁ホルダ20に対して径方向に変位できるよう所定の径方向間隙を有する状態で通されて、そして、図1中の上端部から凸に設けられた環段差部(肩部)32の下底面が下側リップ部材21の上面に係合することにより、弁ホルダ20より回転可能に吊り下げ支持されている。
【0022】
さらに、弁体30は、弁ガイド部材34内に通されて、その軸芯に沿って移動自在に当該弁ガイド部材34に支持されている。弁体30は、図1中の下側に位置しかつ弁座22即ち弁ポート24と相対する先端部が円錐形をした流量調整部33をなしており、流量調整部33は。下側リップ部材21の内側の開口26より弁口12へ向けて突出している。このように、弁体30は、軸芯方向に移動自在とされることで、弁ポート24に接離自在に設けられ、その流量調整部33が弁ポート24に近づくのにしたがって先細となるように形成されている。
【0023】
弁体30は、流量調整部33の弁口12に対する進入度(軸芯方向位置)に応じて、冷媒の定量的な流量制御を行い、流量調整部33が弁口12の周りの弁座22に当接着座することにより、弁口12を閉じる(閉塞する)全閉状態になる。
【0024】
弁ホルダ20には、後述するステッピングモータ70のロータ軸をなす雄ねじ軸73の下端部74が、弁ホルダ20の上側リップ片23の内側の開口27を遊嵌合状態で貫通している。この遊嵌合状態とは、弁ホルダ20と雄ねじ軸73とが相対的に径方向に変位できることを云う。
【0025】
雄ねじ軸73の下端部74、つまり、雄ねじ軸73と、弁体30との間には、リテーナ部材35が配置されている。リテーナ部材35は、円柱状に形成され、勿論、弁ホルダ20内に収容されており、その図1中の上端には、ばねリテーナを兼ねたフランジ状の吊下係合部75がその全周に亘って凸に一体形成されている。吊下係合部75は、図1中の上面側にて、フッ素樹脂等の高滑性プラスチックをコーテイングしたもの、あるいは高滑性プラスチックからなるワッシヤ29,31を挟んで弁ホルダ20の上側リップ片23に回転可能に係合している。この係合により、弁ホルダ20が雄ねじ軸73より回転可能に吊り下げ支持される。
【0026】
リテーナ部材35に設けられた吊下係合部75と、弁体30の環段差部(肩部)32との間には、内側にリテーナ部材35を通した圧縮コイルばね36が所定の予荷重を与えられた状態で取り付けられている。
【0027】
雄ねじ軸73の外周面には、雄ねじ部37が形成されている。雄ねじ部37は固定支持部材18に形成された雌ねじ部(雌ねじ孔)38にねじ係合している。このねじ係合により、雄ねじ軸73は、回転に伴って軸芯方向、つまり、弁開閉方向に移動する。この雄ねじ部37と雌ねじ部38とのねじ係合によって送りねじ機構が構成され、送りねじ機構は、雄ねじ軸73の回転運動を弁開閉方向の直線運動に変換する。
【0028】
蓋部材28の図1中の上部には、ステッビングモータ70のキャン状のロータケース71が溶接等によって気密に固定されている。ロータケース71内には、外周面部72Aを多板前磁されたヨーク72が回転可能に設けられている。ヨーク72にはヨーク軸を兼ねている雄ねじ軸73の図1中の中央部が固定連結されている。
【0029】
ロータケース71の外側には、ステータコイルユニット77が差し込み装着されている。ステータコイルユニット77は、詳細を図示されていないが、ステッピングモータ用のものとして、内部に、磁極歯、巻線部、電気配線部を有する周知の気密モールド構造のものである。
【0030】
ロータケース71内には、ロータケース71の天井部より垂下固定されたガイド支持筒78と、ガイド支持筒78の外周部に装着された螺旋ガイド線体79と、ガイド支持筒78の上端部に形成された固定ストッパ部80と、螺旋ガイド線体79に螺合した可動ストッパ部材81と、可動ストッパ部材81と係合してこれを蹴り回すヨーク72の突起部82とがあり、これらによって、弁開あるいは弁閉のストッパが構成されている。また、ガイド支持筒78は、雄ねじ軸73の図1中の上端部76を内側に通して、当該雄ねじ軸73を回転自在に支持している。
【0031】
ステッピングモータ70は、ロータ72によって雄ねじ軸73を回転駆動し、回転に伴う雄ねじ軸73の軸芯方向移動によって弁ホルダ20と共に弁体30を弁開閉方向に直線移動させる。これにより、弁体30の流量調整部33の弁口12に対する軸芯方向位置(弁開閉方向の直線移動位置)が変わり、その軸芯方向位置に応じて弁口12の実効開口面積が増減し、冷媒の定量的な流量制御が行われる。このように、弁体30は、弁口12が設けられた弁ポート24に接離することで、冷媒の流量を変更即ちニードル弁1の開度を変更する。
【0032】
弁体30の弁開閉方向の図1中の下方に向かう降下移動により、弁口12の実効開口面積が徐々に低減し、これに応じて弁口12を流れる流体の流量が徐々に低減する。弁体30が弁開閉方向に所定量降下移動すると、弁体30の流量調整部33が弁座22に当接着座することにより、弁口12が閉塞される全開状態になる。
【0033】
また、本実施形態のニードル弁1では、図2に示すように、弁体30の軸芯を通る断面において当該弁体30の流量調整部33即ち先端部の外周面同士のなす角度をθとし、弁口12の内径をDとし、弁口12の軸芯方向の全長をL1とすると、角度が0度を超えかつ45度以下の場合に、L1/Dが3.5以上でかつ5.0以下となっている。図示例では、角度θが、約35度でL1/Dが3.5となっている。
【0034】
前述した構成のニードル弁1は、図6に示された冷凍サイクル装置の冷媒回路中に設けられて、当該冷凍サイクル装置の膨張弁として機能する。
【0035】
この冷凍サイクル装置は、図6に示すように、圧縮機101と、凝縮器(室外熱交換器)102と、膨張弁として用いられる前述したニードル弁1と、蒸発器(室内熱交換器)104と、これらをループ接続する冷媒通路105〜108とを有する。
【0036】
この冷凍サイクル装置は、空気調和装置(冷房)や冷凍・冷蔵庫等で使用される。なお、上述したこのニードル弁1が適用される冷凍サイクル装置は、図6に示されているような基本的な冷凍サイクル装置に限られることはなく、四方弁の組み込みにより、冷媒回路における冷媒流れ方向を逆転できる冷房・暖房用の空気調和装置や、室内機に二つの熱交換器が直列接続され、その二つの熱交換器間に追加の膨張弁を有する冷暖房・除湿可能な空気調和装置等、あらゆる冷凍サイクル装置にも適用可能である。
【0037】
本実施形態によれば、弁口12の内径Dと弁口12の全長L1との関係が、弁体30の先端のなす角度θが0度を超えかつ45度以下である場合に、L1/Dが3.5以上でかつ5.0以下となる関係である。即ち、弁口12の内径Dに対して、弁口12の全長L1を十分に長く形成して、弁口12の内縁ではがれた流体としての冷媒の流れを再度、弁口12の内面に付着させるようにしている。即ち、弁口12内での流体の流れを層流に保っている。
【0038】
したがって、弁口12内での流体としての冷媒の流れを層流に保つので、弁口12内での流体としての冷媒の流れの乱れによる騒音が発生することを防止できるとともに、下流に乱流のまま流体としての冷媒を導くことを防止できる。よって、特に、開度の少ない即ち弁口12と弁体30とが近接した状態で、流体としての冷媒が流れる際に、1kHzから20kHzの可聴波長帯域の高周波の音が発生することを防止できる即ち高い音が生じることを防止できる。
【0039】
前述した実施形態では、角度θが0度を超えかつ45度以下である場合に、L1/Dが3.5以上でかつ5.0以下となっている。しかしながら、本発明では、図5に示すように、前記角度θが45度を越えて60度未満である場合に、L1/Dが2.0以上でかつ4.0以下でなっていても良い。なお、図5に示された例では、角度θが、約45度でL1/Dが2.5となっている。この場合も、前述した実施形態と同様に、弁口12の内径Dに対して、弁口12の全長L1を十分に長く形成して、弁口12の内縁ではがれた流体としての冷媒の流れを再度、弁口12の内面に付着させるようにして、特に、高い騒音の発生を防止できる。
【0040】
また、本発明では、図3及び図4に示すように、弁箱10の弁ポート24に円環状部39を一体に設けても良い。なお、図3及び図4において、前述した実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。円環状部39は、その内径が弁口12の内径Dよりも大きい円環状に形成され、かつ弁座22から弁体30に向かって凸に形成されているとともに、弁口12と同軸に配置されている。なお、図3では、弁体30の外径が円環状部39の内径よりも大きな場合を示し、図4は、弁体30の外径が円環状部39の内径よりも小さな場合を示している。
【0041】
これらの場合には、弁座22に弁口12と同軸でかつ弁口12よりも内径の大きな円環状部39が設けられているので、弁口12内に導かれる流体としての冷媒が、円環状部39内に導かれる際にその流量が一度制限される。このため、勿論、弁口12内に導かれる流体としての冷媒の流量が制限される。
【0042】
さらに、弁口12の内縁で流れがはがれる前に、流体としての冷媒が、円環状部39の内縁でその流れがはがれる。このために、弁口12の内縁ではがれる流体としての冷媒の流れの乱れが、直接弁口12の内縁ではがれる場合よりも小さくなる。
【0043】
よって、弁口12内に導かれる流体としての冷媒の流量が制限されるとともに、弁口12の内縁で生じる流体としての冷媒の流れの乱れを小さくなるので、一旦乱流となった流体としての冷媒の流れを再度、弁口12の内面に付着させることが確実にでき、弁口12内での流体としての冷媒の流れを確実に層流に保つことができる。よって、特に、開度の少ない即ち弁口12と弁体30とが近接した状態で、流体としての冷媒が流れる際に、1kHzから20kHzの可聴波長帯域の高周波の音が発生することを防止できる即ち高い音が生じることを確実に防止できる。
【0044】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、前述した実施形態では、冷凍サイクル装置を構成する膨張弁をなすニードル弁1を示している。
【0045】
しかしながら、本発明のニードル弁1は、冷凍サイクル装置以外の装置を構成する各種の用途に用いられても良い。要するに、本発明のニードル弁1は、各種の流体の流量を制御しても良い。また、本発明のニードル弁1は、角度θと内径Dと全長L1とが前述した関係を満たしていれば、各部の寸法を適宜変更しても良いことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施形態のニードル弁の断面図である。
【図2】図1に示されたニードル弁の要部を拡大して示す断面図である。
【図3】図2に示されたニードル弁の変形例の要部の断面図である。
【図4】図2に示されたニードル弁の他の変形例の要部の断面図である。
【図5】図2に示されたニードル弁の更に他の変形例の要部の断面図である。
【図6】図1に示されたニードル弁を備えた冷凍サイクル装置の冷媒回路図である。
【符号の説明】
【0047】
1 ニードル弁
12 弁口
22 弁座
24 弁ポート
30 弁体
33 流量調整部(先端部)
39 円環状部
θ 角度
L1 全長
D 内径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側に流体を通しかつ長手方向に内径が一定に形成された弁口が設けられた弁ポートと、
前記弁ポートに接離自在に設けられかつ当該弁ポートに近づくのにしたがって先細となる針状に形成されているとともに、前記弁ポートに接離することで開度を変更する弁体と、を備えたニードル弁において、
前記弁体の軸芯を通る断面において、当該弁体の先端部のなす角度をθとし、前記弁口の内径をDとし、前記弁口の軸芯方向の全長をL1とすると、
前記角度θが0度を超えかつ45度以下である場合に、L1/Dが3.5以上でかつ5.0以下であるとともに、
前記角度θが45度を越えて60度未満である場合に、L1/Dが2.0以上でかつ4.0以下であることを特徴とするニードル弁。
【請求項2】
前記弁ポートの前記弁口が開口しかつ前記ニードル弁と相対する弁座には、当該弁座から凸でかつ前記弁口よりも内径が大きく形成されているとともに当該弁口と同軸状の円環状部が設けられていることを特徴とする請求項1記載のニードル弁。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のニードル弁を冷媒回路中に有することを特徴とする冷凍サイクル装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−232290(P2008−232290A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−73408(P2007−73408)
【出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【出願人】(000143949)株式会社鷺宮製作所 (253)
【Fターム(参考)】