説明

ヌクレオシダーゼ阻害剤及びホスホリラーゼ阻害剤のアゼチジン類似体

一般式(I)を有するヌクレオシダーゼ阻害剤及びヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤のアゼチジン類似体、薬剤としてのこれらの化合物の使用、これらの化合物を含む医薬組成物、これらの化合物を使用してある種の疾患を治療する方法、これらの化合物を調製する方法、並びにこれらの化合物の調製に有用な中間体(式中、W及びXは、それぞれ独立に、水素、CHOH、CHOQ、及びCHSQから選択され;Y及びZは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、CHOH、CHOQ、CHSQ、SQ、OQ、及びQから選択され;Qは、各々がヒドロキシ、ハロゲン、メトキシ、アミノ、又はカルボキシから選択される1個又は複数の置換基で場合により置換されていてもよいアルキル、アラルキル、又はアリール基であり;Rは式(II)の基であるか、又はRは式(III)の基であり;Aは、N、CH、及びCRから選択され、Rは、ハロゲン、アルキル、アラルキル、アリール、OH、NH、NHR、NR、及びSRから選択され、R、R、及びRはそれぞれ、ヒドロキシ又はハロゲンで場合により置換されたアルキル、アラルキル、又はアリール基であり、Rは、Rがアルキル、アラルキル、又はアリールである場合、ヒドロキシ又はハロゲンで場合により置換されており;Bは、ヒドロキシ、NH、NHR、SH、水素、及びハロゲンから選択され、Rは、ヒドロキシ又はハロゲンで場合により置換されたアルキル、アラルキル、又はアリール基であり;Dは、ヒドロキシ、NH、NHR、水素、ハロゲン、及びSCHから選択され、Rは、ヒドロキシ又はハロゲンで場合により置換されたアルキル、アラルキル、又はアリール基であり;Eは、N及びCHから選択され;Gは、ヒドロキシ又はハロゲンで場合により置換されたC1〜4の飽和又は不飽和アルキル基であるか、或いはGは存在しない)、又はその互変異性体、又は薬剤として許容されるその塩、又はそのエステル、又はそのプロドラッグ。
[化1]


[化2]


[化3]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヌクレオシダーゼ阻害剤及びヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤のある種のアゼチジン類似体、薬剤としてのこれらの化合物の使用、これらの化合物を含む医薬組成物、これらの化合物を使用してある種の疾患を治療する方法、これらの化合物を調製する方法、並びにこれらの化合物の調製に有用な中間体に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNP)、メチルチオアデノシンホスホリラーゼ(MTAP)、5’−メチルチオアデノシンヌクレオシダーゼ(MTAN)、及びヌクレオシドヒドロラーゼの阻害剤の分野における最近の研究は、イムシリンとして知られる化合物クラスの設計を行っており、これらのうちのいくつかは、上記の酵素の1種又は複数の強力な阻害剤である。イムシリンは、分子の「糖」部分が「イミノ糖」部分で置き換えられているヌクレオシド類似体である。
【0003】
PNPは、グアニン及びヒポキサンチンのリボヌクレオシド及びデオキシリボヌクレオシドの加リン酸分解による切断を触媒して、対応する糖−1−リン酸と、グアニン、ヒポキサンチン、又は他のプリン塩基を生じる。
【0004】
PNPが欠損しているヒトは、Tリンパ球の刺激を妨げるdGTPの蓄積に起因する特異的なT細胞免疫不全を起こす。したがって、PNP阻害剤は、免疫抑制性であり、T細胞悪性腫瘍及びT細胞増殖性障害に対して有効である。
【0005】
米国特許第5,985,848号、米国特許第6,066,722号、及び米国特許第6,228,741号は、PNP及びプリンホスホリボシルトランスフェラーゼ(PPRT)の阻害剤であるイムシリンとして知られる化合物を記載している。これらのイムシリンは、寄生虫感染症、T細胞悪性腫瘍、自己免疫疾患、及び炎症性障害の治療に有用である。これらはまた、臓器移植における免疫抑制にも有用である。
【0006】
米国特許第6,693,193号及び米国特許第7,022,852号は、このクラスの化合物の合成に有用な別の経路を提供して、いくつかのイムシリン化合物を調製する方法を記載している。米国特許第7,109,331号はさらに、PNP及びPPRTの阻害剤であるイムシリンも開示している。
【0007】
イムシリン分子のイミノ糖部分は、C−1とC−4の間に位置する窒素原子を有して、1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−リビトール化合物を形成する。リビトール環中の窒素原子の位置は、酵素への結合に重要である可能性がある。さらに、イミノ糖部分とヌクレオシド塩基類似体の間の結合位置も、酵素阻害活性に重要である可能性がある。上述の化合物は、イミノ糖環のC−1にその結合を有する。
【0008】
DAD−Me−イムシリンとして知られる、別の関連するクラスのヌクレオシドホスホリラーゼ及びヌクレオシダーゼの阻害剤化合物が、開発されている。このクラスの化合物のイミノ糖環中の窒素原子の位置は変えられており、及び/又はイミノ糖部分はメチレン架橋によってヌクレオシド塩基類似体に結合している。DAD−Me−イムシリンは、米国出願第10/524,995号に記載されている。
【0009】
イムシリンのうちのいくつかはまた、MTAP及びMTANの強力な阻害剤として確認されている。これらは、米国出願第10/395,636号の主題である。MTAP及びMTANは、ポリアミン生合成経路、哺乳動物におけるプリンのサルベージ、及び細菌におけるクオラムセンシング経路において機能する。MTAPは、MTAからアデニン及び5−メチルチオ−α−D−リボース−1−リン酸(MTR−1P)への可逆的加リン酸分解を触媒する。MTANは、MTAからアデニン及び5−メチルチオ−α−D−リボースへの可逆的加水分解、並びにS−アデノシル−L−ホモシステイン(SAH)からアデニン及びS−リボシル−ホモシステイン(SRH)への可逆的加水分解を触媒する。その後、生成したアデニンは、再利用され、ヌクレオチドに変換される。ヒト細胞における唯一の遊離アデニン源は、これらの酵素の作用の結果である。その後、MTR−1Pは、一連の酵素作用によってメチオニンに変換される。
【0010】
MTAは、スペルミジンの生成中に起こる、脱カルボキシル化S−アデノシルメチオニンからプトレシンへのアミノプロピル基の転移を伴う反応の副生成物である。この反応は、スペルミジンシンターゼによって触媒される。同様に、スペルミンシンターゼは、スペルミジンからスペルミンへの転換を触媒し、同時に副生成物としてMTAが生成する。スペルミジンシンターゼは、MTAの蓄積による生成物阻害に対して感受性が非常に高い。したがって、MTAP又はMTANの阻害は、細胞におけるポリアミン生合成とアデニンのサルベージ経路とを厳しく制限する。
【0011】
MTAはまた、細菌がS−アデノシルメチオニン(SAM)とアシル−アシルキャリアタンパク質とからアシル化ホモセリンラクトンを合成する際の副生成物であり、この合成では、後続のラクトン化によって、MTA及びアシル化ホモセリンラクトンの放出が引き起こされる。アシル化ホモセリンラクトンは、ヒト組織に対する細菌毒性に関与する細菌中の細菌クオラムセンシング分子である。ホモセリンラクトン経路は、MTAの蓄積によってフィードバック阻害を受ける。
【0012】
遺伝子欠失に起因するMTAP欠損が、多くの悪性腫瘍で報告されている。これらの細胞におけるMTAP酵素機能の喪失は、密接に関連しているMTAP及びp16/MTS1腫瘍抑制遺伝子の第9染色体でのホモ接合性欠失に起因することが分かっている。p16/MTS1の不在がおそらく腫瘍の原因であるので、MTAP活性の欠如は遺伝子欠失の結果であって、癌の原因ではない。しかし、MTAPの不在は、これらの細胞がプリンの供給を主としてデノボ経路に依存することになるように、これらの細胞におけるプリン代謝を変化させる。
【0013】
MTAP阻害剤はまた、赤血球(RBC)に感染するマラリアなどの寄生虫感染症に対しても非常に有効であることが予想されている。というのは、こうした感染症が、プリン生合成用のデノボ経路を欠いているからである。寄生原虫は、その成長及び増殖をサルベージ経路によって産生されるプリンにもっぱら依存している。したがって、RBCは最終分化細胞であり、プリンを合成せず、ポリアミンを産生せず、増殖しないので、MTAP阻害剤は、宿主RBCに負の効果を全く及ぼすことなく、これらの寄生虫を殺す。
【0014】
MTAは癌細胞の分裂の際にアポトーシスを誘発するが、肝細胞などの正常細胞の分裂に対しては逆の抗アポトーシス効果を有することが示された(E.Ansorenaら、Hepatology、2002年、35:274〜280頁)。MTAPによるMTAの分解がMTAP阻害剤によって阻害される状況でMTAを投与すると、MTAの循環及び組織内レベルがより大きくなり、その結果、癌治療の効果が向上する。
【0015】
したがって、MTAP及びMTANの阻害剤は、癌、細菌感染症、又は原虫性寄生虫感染症など、MTAP又はMTANを阻害することが望ましい疾患の治療で使用することができる。こうした治療は、米国出願第10/395,636号及び米国出願第10/524,995号に記載されている。
【0016】
イムシリン及びDAD−Me−イムシリンはまた、ヌクレオシドヒドロラーゼ阻害剤としても有用である。これらの酵素は、ヌクレオシドの加水分解を触媒する。これらの酵素は哺乳動物では見られないが、いくつかの寄生原虫でのヌクレオシドサルベージに必要である。このために、ある寄生原虫は、ヌクレオシドヒドロラーゼの代わりにヌクレオシドホスホリラーゼを、又はヌクレオシドヒドロラーゼと同様にヌクレオシドホスホリラーゼも使用する。ヌクレオシドヒドロラーゼ及びホスホリラーゼの阻害剤は、寄生虫の代謝を妨害し、それ故に、寄生原虫に対して有用に使用されると予想することができる。
【0017】
結核菌(Mycobacterium tuberculosis)PNPに結合している阻害剤化合物の1種(DAD−Me−イムシリン−H)のX線結晶構造が記載されている(A.Lewandowicz、W.Shi、G.B.Evans、P.C.Tyler、R.H.Furneaux、L.A.Basso、D.S.Santos、S.C.Almo、及びV.L.Schramm、Biochemistry、42(2003年)6057〜6066頁)。この阻害剤のPNPとの複合体は、複合体中のほぼすべての水素結合ドナー−アクセプター部位への有利な水素結合を有する。ヒトと熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)PNPとの遷移状態類似体相互作用の精力的なマッピングによって実証されるように、わずかな構造変化でさえ、この有利な水素結合パターンを乱す恐れがある(A.Lewandowicz、E.A.T.Ringia、L.−M.Ting、K.Kim、P.C.Tyler、G.B.Evans、O.V.Zubkova、S.Mee、G.F.Painter、D.H.Lenz、R.H.Furneaux、及びV.L.Schramm、J.Biol Chem.、280(2005年)30320〜30328頁)。
【0018】
従来、水素結合の重要性及びドナー−アクセプター部位中の化学的部分の位置から見て、これらの酵素の阻害剤は、5員環を有するために、及びいくつかの位置にキラリティーを有するために、イミノ糖部分を必要とする可能性が高いと考えられていた。しかし、本出願人らは、新たな改善されたヌクレオシドホスホリラーゼ及びヌクレオシダーゼの阻害剤に関する継続中の研究において、イムシリン及びDAD−Me−イムシリンのアゼチジン類似体が、イミノ糖類似体として4員環を有し、そのアゼチジン類似体のいくつかはアキラルであり、驚くべきことにPNP、PPRT、MTAP、及びMTANのうちの少なくとも1種の強力な阻害剤であることを見出した。アゼチジンの4員環が、イムシリン及びDAD−Me−イムシリンに観察される強力な阻害に関与すると考えられる水素結合ネットワークに効果的に関与するのに十分近い配向にヒドロキシル基などの官能性置換基を配向させるとは予想されていなかったであろう。
【0019】
したがって、本発明の目的は、PNP、PPRT、MTAP、MTAN、及び/又はヌクレオシドヒドロラーゼの新規な阻害剤を提供すること、又は少なくとも有用な選択肢を提供することである。
【発明の説明】
【0020】
第1の態様では、本発明は、式(I)の化合物:
【化1】


(式中、W及びXは、それぞれ独立に、水素、CHOH、CHOQ、及びCHSQから選択され;
Y及びZは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、CHOH、CHOQ、CHSQ、SQ、OQ、及びQから選択され;
Qは、各々がヒドロキシ、ハロゲン、メトキシ、アミノ、又はカルボキシから選択される1個又は複数の置換基で場合により置換されていてもよいアルキル、アラルキル、又はアリール基であり;
は、式(II)の基であるか、
【化2】


又はRは、式(III)の基であり、
【化3】


Aは、N、CH、及びCRから選択され、Rは、ハロゲン、アルキル、アラルキル、アリール、OH、NH、NHR、NR、及びSRから選択され、R、R、及びRはそれぞれ、ヒドロキシ又はハロゲンで場合により置換されたアルキル、アラルキル、又はアリール基であり、Rは、Rがアルキル、アラルキル、又はアリールである場合、ヒドロキシ又はハロゲンで場合により置換されており;
Bは、ヒドロキシ、NH、NHR、SH、水素、及びハロゲンから選択され、Rは、ヒドロキシ又はハロゲンで場合により置換されたアルキル、アラルキル、又はアリール基であり;
Dは、ヒドロキシ、NH、NHR、水素、ハロゲン、及びSCHから選択され、Rは、ヒドロキシ又はハロゲンで場合により置換されたアルキル、アラルキル、又はアリール基であり;
Eは、N及びCHから選択され;
Gは、ヒドロキシ又はハロゲンで場合により置換されたC1〜4の飽和又は不飽和アルキル基であるか、或いはGは存在しない)
又はその互変異性体、又は薬剤として許容されるその塩、又はそのエステル、又はそのプロドラッグを提供する。
【0021】
好ましくは、Zは、水素、ハロゲン、CHOH、CHOQ、及びCHSQから選択される。より好ましくは、Zは、CHOHである。或いは、Zは、CHSQであることが好ましい。別の好ましい実施形態では、Zは、Qである。
【0022】
Gは、CHであることが好ましい。
【0023】
は、式(II)の基でも、或いは式(III)の基でもよい。
【0024】
本発明の好ましい化合物は、Y及びZの一方がCHOQであり、他方が水素であるものを含む。
【0025】
本発明の他の好ましい化合物は、Y及びZの一方がCHSQであり、他方が水素であるものを含む。
【0026】
Bは、好ましくはヒドロキシ又はNHである。Aは、好ましくはCH又はNである。Dは、好ましくはH又はNHである。また、Eは、Nであることが好ましい。
【0027】
Y、Z、B、及びDのいずれかがハロゲンである場合、各ハロゲンは、それぞれ独立に、塩素又はフッ素であることが好ましい。
【0028】
本発明の好ましい化合物として、以下のものが挙げられる。
i.メソ−7−((2,4−cis−2,4−ビス(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
ii.(±)7−((2,4−trans−2,4−ビス(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
iii.(+)7−((2,4−trans−2,4−ビス(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
iv.(−)7−((2,4−trans−2,4−ビス(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
v.7−((3,3−ビス(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
vi.(±)7−((2−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
vii.7−(((2R)−2−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
viii.7−(((2S)−2−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
ix.7−((3−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
x.7−((3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xi.(±)7−((2,3−cis−3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xii.(+)7−((2,3−cis−3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xiii.(−)7−((2,3−cis−3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xiv.(±)7−((2,3−trans−3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xv.(+)7−((2,3−trans−3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xvi.(−)7−((2,3−trans−3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xvii.メソ−2−アミノ−7−((2,4−cis−2,4−ビス(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xviii.(±)2−アミノ−7−((2,4−trans−2,4−ビス(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xix.(+)2−アミノ−7−((2,4−trans−2,4−ビス(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xx.(−)2−アミノ−7−((2,4−trans−2,4−ビス(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xxi.2−アミノ−7−((3,3−ビス(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xxii.(±)2−アミノ−7−((2−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
【0029】
xxiii.2−アミノ−7−(((2R)−2−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xxiv.2−アミノ−7−(((2S)−2−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xxv.2−アミノ−7−((3−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xxvi.2−アミノ−7−((3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xxvii.(±)2−アミノ−7−((2,3−trans−3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xxviii.(−)2−アミノ−7−((2,3−trans−3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xxix.(+)2−アミノ−7−((2,3−trans−3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xxx.(±)2−アミノ−7−((2,3−cis−3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xxxi.(+)2−アミノ−7−((2,3−cis−3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xxxii.(−)2−アミノ−7−((2,3−cis−3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xxxiii.(1−((4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)メチル)−3−(メチルチオメチル)アゼチジン−3−イル)メタノール;
xxxiv.1−((4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)メチル)−3−(メチルチオメチル)アゼチジン−3−オール;
xxxv.(±)−(2,4−trans−1−((4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)メチル)−4−(メチルチオメチル)アゼチジン−2−イル)メタノール;
xxxvi.(+)−(2,4−trans−1−((4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)メチル)−4−(メチルチオメチル)アゼチジン−2−イル)メタノール;
xxxvii.(−)−(2,4−trans−1−((4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)メチル)−4−(メチルチオメチル)アゼチジン−2−イル)メタノール;
xxxviii.メソ−(2,4−cis−1−((4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)メチル)−4−(メチルチオメチル)アゼチジン−2−イル)メタノール;
xxxix.7−(((2RS)−2−(メチルチオメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン;
xl.7−(((2R)−2−(メチルチオメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン;
xli.7−(((2S)−2−(メチルチオメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン;
xlii.7−((3−(メチルチオメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン;及び
xliii.(±)2,3−trans−1−((4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)メチル)−2−(メチルチオメチル)アゼチジン−3−オール。
xliv.(+)2,3−trans−1−((4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)メチル)−2−(メチルチオメチル)アゼチジン−3−オール。
xlv.(−)2,3−trans−1−((4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)メチル)−2−(メチルチオメチル)アゼチジン−3−オール。
xlvi.(±)2,3−cis−1−((4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)メチル)−2−(メチルチオメチル)アゼチジン−3−オール。
xlvii.(+)2,3−cis−1−((4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)メチル)−2−(メチルチオメチル)アゼチジン−3−オール。
xlviii.(−)2,3−cis−1−((4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)メチル)−2−(メチルチオメチル)アゼチジン−3−オール。
【0030】
本発明の別の態様によれば、薬剤として有効な量の式(I)の化合物を含む医薬組成物が提供される。
【0031】
好ましくは、この医薬組成物は、本発明の上記の好ましい化合物の1種を含む。
【0032】
本発明の別の態様では、薬剤として有効な量の式(I)の化合物を治療を必要としている患者に投与することを含む、PNPを阻害することが望ましい疾患又は状態を治療又は予防する方法が提供される。この疾患又は状態には、癌、細菌及び寄生虫感染症、並びに乾癬、狼瘡、関節炎、及び他の自己免疫疾患などのT細胞媒介性疾患がある。本発明のこの態様はまた、この化合物を臓器移植の免疫抑制のために使用することも含む。好ましくは、この化合物は、本発明の上記の好ましい化合物の1種である。
【0033】
寄生虫感染症には、ジアルジア属(Giardia)、トリコモナス属(Trichomonas)、リーシュマニア属(Leishmania)、トリパノソーマ属(Trypanosoma)、クリチジア属(Crithidia)、ヘルペトモナス属(Herpetomonas)、レプトモナス属(Leptomonas)、ヒストモナス属(Histomonas)、アイメリア属(Eimeria)、イソスポラ属(Isopora)、及びプラスモディウム属(Plasmodium)などの寄生原虫によって引き起こされるものがある。この方法は、有利には、酵素が局在する位置に本発明の化合物を有効濃度で提供できる量で投与したときに、本発明の化合物によって阻害される1種又は複数のヌクレオシドヒドロラーゼを含むどんな寄生虫にも適用することができる。
【0034】
別の態様では、本発明は、薬剤として有効な量の式(I)の化合物を治療を必要としている患者に投与することを含む、MTAPを阻害することが望ましい疾患又は状態を治療又は予防する方法を提供する。この疾患には、癌、例えば、前立腺及び頭頚部腫瘍がある。
【0035】
別の態様では、本発明は、薬剤として有効な量の式(I)の化合物を治療を必要としている患者に投与することを含む、MTANを阻害することが望ましい疾患又は状態を治療又は予防する方法を提供する。この疾患には細菌感染症がある。
【0036】
別の態様では、本発明は、これらの疾患又は状態のうちの1種又は複数を治療するための医薬品の製造のための式(I)の化合物の使用を提供する。
【0037】
本発明の別の態様では、式(I)の化合物を調製する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】ヒトPNPとイムシリン−H及びDAD−Me−イムシリン−Hとの触媒部位を示す図である。
【図2】肺炎レンサ球菌(S.pneumoniae)MTAN及び大腸菌(E.coli)MTANとMT−イムシリン−Aとの触媒部位を示す図である。
【詳細な説明】
【0039】
定義
用語「アルキル」は、直鎖及び分枝鎖アルキル基の両方を含むことを意図している。この用語は、アラルキル基の非芳香族部分に適用される。アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、2−エチルプロピル基、n−ヘキシル基、及び1−メチル−2−エチルプロピル基が挙げられる。この用語は、飽和及び不飽和アルキル基の両方を含むことを意図している。
【0040】
用語「アリール」は、炭素原子を6〜18個有する芳香族基を意味し、複素環式芳香族基を含む。例としては、単環式基、並びに二環式基や三環式基などの縮合基が挙げられる。いくつかの例として、フェニル基、インデニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、シクロペンタシクロオクテニル基及びベンゾシクロオクテニル基、ピリジル基、ピロリル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、インドリジニル基、プリニル基、インダゾリル基、フリル基、ピラニル基、ベンゾフリル基、イソベンゾフリル基、チエニル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、オキサゾリル基、及びイソオキサゾリル基が挙げられる。
【0041】
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を含む。
【0042】
この化合物は、ヒト及び他の動物におけるある種の疾患及び障害の治療に有用である。したがって、本明細書で使用する用語「患者」は、ヒト及び他の動物の患者の両方を含む。
【0043】
本明細書で使用する用語「プロドラッグ」は、式(I)の化合物の薬理学上許容される誘導体を意味しており、この誘導体がin vivoで生体内変化することによって式(I)に定義される化合物が生じるようになっている。式(I)の化合物のプロドラッグは、修飾がin vivoで開裂して親化合物を生じるように式(I)の化合物中に存在する官能基を修飾することによって調製することができる。
【0044】
用語「薬剤として許容される塩」は、例えば以下に挙げる酸性塩を含む、無機酸又は有機酸から誘導される無毒な塩に適用されることを意図している:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パルモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、及びウンデカン酸塩。
【0045】
本明細書では、用語「スルホナート脱離基」は、メタンスルホナートやベンゼンスルホナートなどのアルキル若しくはアリールスルホナート、又はブロモベンゼンスルホナート、トリフルオロメタンスルホナート、若しくはp−トルエンスルホナートなどのそれらの置換形を意味する。
【0046】
本明細書では、用語「保護基」は、有機官能基の化学的性質を一時的にマスキングし、この官能基に影響を及ぼすことなく、分子中の他の部位を処理することを可能にする、有機官能基を選択的に保護する基を意味する。適切な保護基は、当業者に周知であり、例えば、Protective Groups in Organic Synthesis(第3版)、T.W.Greene及びP.G.M.Wuts、John Wiley&Sons Inc(1999年)に記載されている。
【0047】
阻害剤化合物の説明
PNP、MTAP、及びMTAなどの酵素に対する基質が一般にキラル化合物であり、さらにエナンチオマー形の一方のみが酵素と強く相互作用することはよく知られている。
【0048】
図1は、ヒトPNPと肺炎レンサ球菌及び大腸菌MTANとの触媒部位からのコンタクトマップを示している。ヒトPNPのX線結晶構造に基づき、触媒部位でのイムシリンの結合が、イミノ糖の2’及び3’ヒドロキシルの両方への有利な水素結合を含むことが知られている。触媒部位でMT−イムシリンAと結合する大腸菌MTANの場合、Met173とGlu174はどちらも、2’−ヒドロキシル基への2.7Åの非常に有利な結合を形成し、Glu174は、3’−ヒドロキシル基への2.7Åの非常に有利な結合を形成する。肺炎レンサ球菌MTANの触媒部位では、同様の水素結合が、Glu174と2’−及び3’−ヒドロキシル基との間で形成される。同様に、ヒトPNP、及びDAD−Me−イムシリン−Hとの複合体に関しては、3’−ヒドロキシルへのコンタクトは、Tyr88への2.9Åの結合を含むことが分かる。式(I)のアゼチジン化合物中のこれらの相互作用の喪失は、結合の喪失を引き起こすと予想されるであろう。しかし、本出願人らは、驚くべきことに、これらのアゼチジン化合物のいくつかは、重要な2’−及び3’−ヒドロキシル基に相当するヒドロキシル基を有さないが、依然としてナノモルからピコモルの親和性で結合していることを見出した。
【0049】
また、従来、触媒部位中のヒドロキシル基を他の基の十分近くに配置して水素結合相互作用による結合を可能にするために、イムシリンの5員環イミノ糖環の三次元構造が重要であると考えられていた。従来、4員環アゼチジン環類似体は、阻害活性に必要なこれらの立体的要件を満たさないであろうと考えられていた。
【0050】
それ故に、本発明のアゼチジン化合物が、PNP、MTAP、MTAN、及び/又はヌクレオシドヒドロラーゼの阻害剤であることは驚くべきもので、予想外のことである。したがって、本発明の化合物は、PNP、MTAP、MTAN、及び/又はヌクレオシドヒドロラーゼの阻害剤の新規なクラスを表すものである。したがって、これらは、癌、細菌感染症、寄生虫感染症、T細胞媒介性疾患、及び他の自己免疫疾患などの疾患及び状態の治療に、並びに臓器移植のための免疫抑制に有用である。癌は、頭部、頚部、膀胱、腸、皮膚、脳、CNS、乳房、子宮頚部、腎臓、喉頭、肝臓、食道、卵巣、膵臓、前立腺、肺、胃、精巣、甲状腺、子宮の癌、並びにメラノーマ、白血病、リンパ腫、骨肉腫、ホジキン病、グリオーマ、肉腫、及び結腸直腸、内分泌腺、消化管の癌を含むが、それらだけに限らないどんなタイプの癌も意味する。
【0051】
一般的態様
本発明の化合物は、遊離塩基の形と塩の形のどちらも有用である。
【0052】
式(I)の化合物(B及び/又はDはヒドロキシ基である)の表示は対応するアミドのエノール型互変異性体であり、これは主としてアミド形で存在することが理解されよう。エノール型互変異性表示の使用によって、より少数の構造式で本発明の化合物を簡単に表すことが可能になる。
【0053】
同様に、式(I)の化合物(Bはチオール基である)の表示は対応するチオアミドのチオエノール型互変異性体であり、これは主としてチオアミド形で存在することが理解されよう。チオエノール型互変異性表示の使用によって、より少数の構造式で本発明の化合物を簡単に表すことが可能になる。
【0054】
有効化合物は、経口、非経口、吸入スプレーによって、局所、直腸、経鼻、経頬、又は埋込型リザーバー経由を含めた様々な経路で患者に投与することができる。投与される化合物の量は、患者の性質、並びに治療すべき障害の性質及び程度によって大きく変わるであろう。一般に、成人の用量は、1〜1000mg未満の範囲にあり、好ましくは0.1〜100mgである。任意の特定の患者に必要な特異的な用量は、患者の年齢、体重、一般的健康状態、性別などを含めた様々な要因に依存するであろう。
【0055】
経口投与では、これらの化合物は、固体又は液体の製剤、例えば、錠剤、カプセル、散剤、液剤、懸濁剤、及び分散剤に製剤化することができる。こうした製剤は、ここに挙げなかった他の経口投薬法と共に当技術分野でよく知られている。錠剤形では、これらの化合物は、ラクトース、ショ糖、及びトウモロコシ澱粉などの従来の錠剤基剤と共に、結合剤、崩壊剤、及び潤滑剤と一緒にして錠剤化することができる。結合剤は、例えば、トウモロコシ澱粉でもゼラチンでもよく、崩壊剤は、ジャガイモ澱粉でもアルギン酸でもよく、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムでもよい。カプセル形状での経口投与では、ラクトースや乾燥トウモロコシ澱粉などの希釈剤を使用することができる。着色剤、甘味剤、又は香味剤などの他の成分を添加してもよい。
【0056】
経口用途用に水性懸濁剤が必要な場合には、有効成分を、水やエタノールなどの担体と組み合わせることができ、乳化剤、懸濁化剤、及び/又は界面活性剤を使用することができる。着色剤、甘味剤、又は香味剤を添加することもできる。
【0057】
化合物はまた、水や生理食塩水などの生理学的に許容される希釈剤中で注射によって投与することもできる。希釈剤は、エタノール、プロピレングリコール、油、又は製薬上許容される界面活性剤など1種又は複数の他の成分を含むことができる。
【0058】
化合物はまた、局所投与することもできる。化合物の局所投与用担体としては、鉱油、流動パラフィン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ろう、及び水が挙げられる。化合物は、皮膚又は粘膜への局所投与のためにローション又はクリーム中の成分として存在することができる。こうしたクリームは、1種又は複数の製薬上許容される担体中に懸濁又は溶解させた有効化合物を含むことができる。適切な担体としては、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリールアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、及び水が挙げられる。
【0059】
これらの化合物はさらに、徐放系によって投与することもできる。例えば、これらの化合物を、徐溶性の錠剤又はカプセルに組み込むことができる。
【0060】
阻害剤化合物の合成
これらの化合物は、適切なアゼチジンを合成し、続いて所望のプリン又は9−デアザプリンにリンカーによって結合させる標準的な方法を使用して調製することができる。実施例におけるスキーム1〜5は、調製に関する指示的で非限定的な方法を示す。
【実施例】
【0061】
以下の実施例はさらに、本発明を示すものである。本発明が実施例に限定されないことを理解されたい。
【0062】
一般
すべての試薬は供給されたまま使用し、無水溶媒は市販品を購入して入手した。別段の指示がない限り、空気に敏感な反応は、アルゴン下で実施した。有機溶液は、MgSOで乾燥させ、溶媒は、減圧下で蒸発させた。クロマトグラフィー溶媒は、使用する前に蒸留した。薄層クロマトグラフィー(t.l.c.)は、60F254シリカでコーティングされたガラス又はアルミニウム板上で行った。有機化合物は、紫外光の下で、又は硫酸セリウム(IV)(0.2%、w/v)とモリブデン酸アンモニウム(5%)とを含む硫酸(2M)のスプレー若しくはディップを使用して、I(0.2%)とKI(7%)との一方を含むHSO(M)のスプレー若しくはディップを使用して、又は窒素含有化合物では、p−(N,N−ジメチルアミノ)ベンズアルデヒド(1%)を含むHCl(37%)−MeOH、1:3(100ml)(エーリッヒ試薬)を使用して視覚化した。フラッシュカラムクロマトグラフィーは、Sorbsil C60 40/60シリカ、Scharlau又はMerckシリカゲル60(40〜60μm)で行った。融点は、Reichertホットステージ顕微鏡で記録し、補正は行わなかった。旋光度は、経路長が1dmのPerkin−Elmer241旋光計で記録し、単位が10−1deg cm−1であり;濃度は、単位がg/100mlである。
【0063】
NMRスペクトルは、Bruker AC300E分光計で記録した。300MHzでのHスペクトルを、CDCl、CDOD、又はCDCN(内部標準MeSi、δ0)中で測定し、75.5又は100.6MHzでの13Cスペクトルを、CDCl(標準、溶媒の中心線、δ77.0)、CDOD(標準、溶媒の中心線、δ49.0)、又はCDCN(標準、溶媒の中心線、δ118.7、CN)中で測定した。H及び13Cの共鳴の帰属は、2D(H−H DQF−COSY、H−13C HSQC)スペクトルに基づくものであり、DEPT実験から各炭素原子に結合したプロトンの数について明白なデータを得た。13C共鳴の帰属は、観察された多重度と一致していた。カップリング定数(J)は、単位Hzで示す。赤外スペクトルは、NaCl板上の薄膜を使用して、Perkin−Elmer1750IRフーリエ変換で記録した(薄膜法)。特徴的な吸収だけを示す。高解像度質量スペクトル(HRMS)のESデータは、Waters2790−Micromass LCT質量分析計を半値全幅(full width half height)が5000の分解能で操作して収集した。陽イオンエレクトロスプレーイオン化(ES+)スペクトルは、内部標準ロックマス(internal lock mass)として臭化テトラオクチルアンモニウムを含むPEGに対して較正した。陰イオンESスペクトルは、内部標準ロックマスとしてLeu−エンケファリンを含むポリ−DL−アラニンに対して較正した。陽イオン高速原子衝突イオン化(FAB+)HRMSは、グリセロールマトリクス中においてVG7070器機で測定し、陽イオン電子衝撃(EI+)HRMSは、VG70SE器機で測定した。微量分析は、キャンベル微量分析(Campbell Microanalytical)研究所、オタゴ大学によって実施した。
【0064】
スキーム1
【化4】

【0065】
試薬:(a)TfO、ヒューニッヒ(Hunigs)塩基、アセトニトリル、−10℃→−20℃。(b)ベンジルアミン、ヒューニッヒ塩基、アセトニトリル、−10℃→70℃。(c)NaOH、MeOH、50℃。(d)水、還流。(e)LAH、THF、室温。(f)酸化ジブチルスズ、トルエン、還流。(g)MsCl、トルエン、室温。(h)NaSMe、DMF、室温。(i)HCl、MeOH、室温。(j)Pd/C、H(ガス)、MeOH、室温。(k)BocO、EtN、MeOH、室温。(l)BoC、EtN、MeOH、室温。(m)MsCl、ヒューニッヒ塩基、CHCl
【0066】
1−ベンジルアゼチジン−3,3−ジメタノール(4)
LiAlH(THF中で1.0M、65mL、65mmol)をジエチル1−ベンジルアゼチジン−3,3−ジカルボキシレート(1.0g、3.43mmol)のTHF(20mL)溶液に滴下した。得られた懸濁液を室温で一晩撹拌し、水(0.25mL)、15%NaOH水溶液(0.25mL)、及び水(0.75mL)でクエンチし、セライトでろ過し、真空下で濃縮した。得られた残渣をクロマトグラフィー(7NのNHを含むMeOH/CHCl=5:95→10:90)にかけて、4(450mg、63%)をオイルとして得た。H NMR(CDCl):δ 7.33〜7.20(m,5H)、3.74(s,4H)、3.65(s,2H)、3.12(s,4H)。13C NMR(CDCl):δ 137.4、129.02、128.8、127.7、66.8、63.3、58.7、41.0。C1217NO[M]のHRMS:計算値、207.1259;実測値、207.1259。
【0067】
アゼチジン−3,3−ジメタノール塩酸塩(5)
Pd(OH)(20%炭素担持、150mg、1.9mmol)を、4(400mg、1.9mmol)のMeOH(4mL)溶液に添加し、水素雰囲気下で室温で一晩撹拌放置した。反応物をセライト(Celite)(登録商標)でろ過し、真空下で濃縮した。得られた残渣をクロマトグラフィー(1,4−ジオキサン/NHOH=50:50)にかけて、5を無色のオイルとして得、キャラクタリゼーション用にそのHCl塩(200mg、68%)に変換した。H NMR(DO):δ 3.97(s,4H)、3.69(s,4H)。13C NMR(DO):δ 62.4、49.8。
【0068】
tert−ブチル3,3−ビス(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−カルボキシレート(6)
ジ−tert−ブチルジカルボナート(2.9g、16.40mmol)を、5(961mg、8.2mmol)のMeOH(20mL)溶液に室温で少しずつ添加した。1時間後、反応物を真空下で濃縮した。得られた残渣をクロマトグラフィー(MeOH/CHCl=5:95→10:90)にかけて、6(900mg、51%)をシロップとして得た。H NMR(CDCl):δ 3.81(s,4H)、3.67(s,4H)、1.43(s,9H)。13C NMR(CDCl):δ 157.2、80.3、66.2、54.1、39.8、28.8。C1019NO[MH]のHRMS:計算値、218.1392;実測値、218.1391。
【0069】
1−ベンジルアゼチジン−3−メタノール(7)
LiAlH(THF中で2.3M、10mL、23mmol)を、3(2をけん化及び脱炭酸して得た)(2.2g、11.50mmol)のTHF(30mL)懸濁液に室温で滴下し、得られた反応物を16時間撹拌放置した。反応物を水(0.7mL)、15%NaOH水溶液(0.7mL)、及び水(2.1mL)でクエンチし、30分間撹拌し、セライト(登録商標)でろ過し、真空下で濃縮した。得られた残渣をクロマトグラフィー(7NのNHを含むMeOH/CHCl=5:95→10:90)にかけて、7(1.6g、78%)を得た。H NMR(CDCl):δ 7.30〜7.17(m,5H)、3.63(d,J=6.2Hz,2H)、3.55(s,2H)、3.31(t,J=7.7Hz,2H)、3.00(t,J=6.1Hz,2H)、2.56(m,1H)。13C NMR(CDCl):δ 138.2、128.9、128.7、127.5、64.6、63.9、57.3、33.1。C1115NO[M]のHRMS:計算値、177.1154;実測値、177.1150。
【0070】
アゼチジン−3−メタノール塩酸塩(8)
Pd(OH)(20%炭素担持、600mg、7.90mmol)を、7(1.4g、7.90mmol)を含むMeOH(20mL、494mmol)の撹拌懸濁液に水素雰囲気下で少しずつ添加した。24時間後、反応物をセライト(登録商標)でろ過し、真空下で濃縮した。得られた残渣をHCl塩に変換して、8(820mg、84%)をシロップとして得た。これを追加の精製なしにキャラクタリゼーションを行った。H NMR(DO):δ 4.20(t,J=9.8Hz,2H)、3.98(m,2H)、3.75(d,J=5.4,2H)、3.11(m,1H)。13C NMR(DO):δ 61.7、48.8、48.8、33.6。CNO[M]のHRMS:計算値、87.0684;実測値、87.0683。
【0071】
tert−ブチル3−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−カルボキシレート(9)
EtN(1mL、7.1mmol)を、8(500mg、4.0mmol)を含むMeOH(5mL)の撹拌溶液に滴下した。5分後、ジ−tert−ブチルジカルボナート(846mg、5.0mmol)を添加し、反応物を16時間撹拌し、次いで、真空下で濃縮した。得られた残渣をクロマトグラフィー(MeOH/CHCl=5:95→10:80)にかけて、9を無色のオイル(560mg、74%)として得た。H NMR(CDCl):δ 3.97(t,J=8.5Hz,2H)、3.71(m,4H)、2.69(m,1H)、1.43(s,9H)。13C NMR(CDCl):δ 156.9、79.8、64.5、51.7、30.9、28.7。C1917NO[M]のHRMS:計算値、187.1208;実測値、187.1207。
【0072】
tert−ブチル3−(ヒドロキシメチル)−3−[(メタンスルホニルオキシ)メチル]アゼチジン−1−カルボキシレート(10)
酸化ジブチルスズ(1.24g、5.0mmol)を、6(900mg、4.1mmol)を含むトルエン(10mL)の撹拌懸濁液に添加し、1時間加熱還流した。反応物を室温に冷却し、次いで、塩化メタンスルホニル(0.39mL、5.0mmol)をその透明な溶液に滴下し、得られた反応物を16時間静置した。粗製溶液をクロマトグラフィー(MeOH/CHCl=5:95)にかけて、10をオイル(800mg、2709μmol、65%)として得た。H NMR(CDCl):δ 4.40(s,2H)、3.78(s,2H)、3.73(s,4H)、3.07(s,3H)、1.44(s,9H)。13C NMR(CDCl):δ 156.8、80.4、70.5、63.6、53.6、38.9、37.6、28.7。C1121NOS[MH]のHRMS:計算値、207.1259;実測値、207.1259。
【0073】
tert−ブチル3−(ヒドロキシメチル)−3−[(メタンスルホニルオキシ)メチル]アゼチジン−1−カルボキシレート(11)
ナトリウムチオメトキシド(285mg、4.1mmol)を、10(800mg、2.7mmol)を含むDMF(5mL)の撹拌溶液に室温で少しずつ添加した。3時間後、反応物をトルエン(100mL)で希釈し、水(25mL)及びブライン(25mL)で洗浄し、(MgSOで)乾燥させ、真空下で濃縮した。粗残渣をクロマトグラフィー(MeOH/CHCl=5:95)にかけて、11をオイル(450mg、67%)として得た。H NMR(CDCl):δ 3.75(s,2H)、3.74(d,J=8.8Hz,2H)、3.66(d,J=8.8Hz,2H)、2.87(s,2H)、2.16(s,3H)、1.44(s,9H)。13C NMR(CDCl):δ 156.9、80.0、65.8、56.1、40.1、39.9、28.7、17.5。C1121NOS[MH]のHRMS:計算値、247.1242;実測値、247.1246。
【0074】
3−(メチルチオメチル)アゼチジン−3−メタノール塩酸塩(12)
HCl(30%水溶液、1.5mL、49mmol)を、11(430mg、17mmol)のMeOH(4.5mL)溶液に滴下した。得られた溶液を室温で1時間放置し、真空下で濃縮して、12をシロップ(300mg、94%)として得、これを精製又はキャラクタリゼーションせずに次のステップで使用した。
【0075】
tert−ブチル3−(メチルチオメチル)アゼチジン−1−カルボキシレート(13)
塩化メタンスルホニル(0.53mL、6.8mmol)を、9(530mg、2.8mmol)とヒューニッヒ塩基(0.986mL、5.6mmol)とを含むCHCl(10mL)の撹拌溶液に滴下し、室温で一晩放置した。次いで、反応物をCHCl(100mL)で希釈し、水(25mL)、ブライン(25mL)で洗浄し、(MgSOで)乾燥させ、真空下で濃縮した。ナトリウムチオメトキシド(218mg、3109μmol)を、tert−ブチル3−(メタンスルホニルオキシメチル)アゼチジン−1−カルボキシレート(550mg、73%)と推定される残渣のDMF(5mL)溶液に少しずつ添加し、室温で一晩撹拌した。反応物をトルエン(100mL)で希釈し、水(25mL)、ブライン(25mL)で洗浄し、(MgSOで)乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をクロマトグラフィー(MeOH/CHCl=5:95)にかけて、13をオイル(120mg、27%)として得た。H NMR(CDCl):δ 3.98(m,2H)、3.54(m,2H)、2.65(brs,3H)、2.03(s,3H)、1.37(s,9H)。13C NMR(CDCl):δ 155.3、78.3、53.1、37.4、27.4、14.5。
【0076】
3−(メチルチオメチル)アゼチジン塩酸塩(14)
HCl(30%水溶液、1.5mL、49mmol)を、13(120mg、0.55mmol)のMeOH(4.5mL)溶液に滴下した。得られた溶液を室温で1時間放置し、真空下で濃縮して、14(76mg、90%)をシロップとして得、これを精製又はキャラクタリゼーションせずに次のステップで使用した。
【0077】
スキーム2
【化5】


試薬:(a)NaCNBH、MeOH、室温。(b)HCl、MeOH、還流。
【0078】
1−[(7−ベンジルオキシメチル−4−tert−ブトキシ−9−デアザプリン−9−イル)メチル]アゼチジン−3,3−ジメタノール(16)
7−ベンジルオキシメチル−6−tert−ブトキシ−9−デアザプリン−9−カルバルデヒド(15)(219mg、645μmol)を、5.HCl(90mg、586μmol)のメタノール(5mL)懸濁液に添加し、得られた懸濁液を5分間撹拌した。次いで、NaBHCN(55.2mg、879μmol)を添加し、得られた反応物を室温で一晩撹拌した。粗製反応物をシリカに吸収させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をクロマトグラフィー(MeOH/CHCl=10:90→20:80)にかけて、16をシロップ(180mg、70%)として得た。H NMR(CDCl)8.42(s,1H)、7.81(s,1H)、7.23〜7.14(m,5H)、5.74(s,2H)、4.54(brs,2H)、4.51(s,2H)、4.16(brs,4H)、3.67(brs,4H)、1.66(s,9H)。13C NMR(CDCl)156.8、150.8、149.4、137.5、135.8、128.7、128.1、127.8、117.2、104.6、84.3、78.1、70.0、62.4、57.2、48.5、42.5、28.9。C2432[MH]のHRMS:計算値、441.2502;実測値、441.2509。
【0079】
1−[(9−デアザヒポキサンチン−9−イル)メチル]アゼチジン−3,3ジメタノール(18)
濃HCl(1.5mL、49mmol)を16(98mg、222μmol)のMeOH(1.5mL)溶液に添加し、得られた溶液を2.5時間加熱還流した。反応物を室温に冷却し、真空下で濃縮した。クロマトグラフィー(CHCl/MeOH/NHOH=50:40:10)をかけて、18をシロップ(52mg、収率88%)として得、キャラクタリゼーション用にそのHCl塩に変換した。H NMR(DO):δ 8.00(s,1H)、7.70(s,1H)、4.41(s,2H)、4.04(q,J=10.9Hz,4H)、3.68(s,2H)、3.50(s,2H)。13C NMR(DO):δ 155.3、114.3、143.4、131.7、118.1、105.02、62.3、61.6、55.8、47.4、41.3。C1216[MH]のHRMS:計算値、265.1301;実測値、265.1308。Anal.(C1216.3HCl) C、H、N。
【0080】
1−[(7−ベンジルオキシメチル−6−tert−ブトキシ−9−デアザプリン−9−イル)メチル]アゼチジン−3−メタノール(17)
7−ベンジルオキシメチル−6−tert−ブトキシ−9−デアザプリン−9−カルバルデヒド(15)(272mg、0.80mmol)を、8(90mg、0.73mmol)を含むMeOH(5mL)の撹拌懸濁液に添加し、5分間撹拌した。次いで、NaBHCN(68.6mg、1.1mmol)を添加し、得られた反応物を室温で一晩撹拌した。粗製反応物をシリカに吸収させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をクロマトグラフィー(MeOH/CHCl=5:95→20:80)にかけて、17をシロップ(135mg、45%)として得た。H NMR(CDCl):δ 8.35(s,1H)、7.72(s,1H)、7.20〜7.08(m,5H)、5.68(s,2H)、4.44(s,2H)、4.43(s,2H)、4.17(t,J=10.0Hz,2H)、4.06(t,J=6.3Hz,2H)、3.64(d,J=2.9Hz,2H)、2.90(m,1H)、1.60(s,9H)。13C NMR(CDCl):δ 156.7、150.9、149.7、137.4、135.5、128.8、128.1、127.8、117.2、104.8、84.2、78.1、70.8、60.4、55.4、48.2、31.4、28.9。C2330[MH]のHRMS:計算値、411.2396;実測値、411.2409。
【0081】
1−[(9−デアザヒポキサンチン−9−イル)メチル]アゼチンジン(azetindine)−3−メタノール(19)
化合物17(95mg、231μmol)を濃HCl(5mL、1.63mmol)に溶解させ、2時間加熱還流し、次いで、反応物を真空下で濃縮した。得られた残渣をクロマトグラフィー(CHCl/MeOH/NHOH=5:4:1)にかけて、19を白色固体(28mg、48%)として得た。H NMR(DO)δ 7.82(1H,s)、7.28(2H,s)、4.70(1H,s)、3.71(2H,s)、3.54(d,J=6.3Hz,2H)、3.48(t,J=8.5Hz,2H)、3.17(t,J=7.8Hz,2H)、2.61(七重線,J=7.1Hz,1H)。13C NMR(DO)δ 157.4、144.7、144.06、129.1、117.8、109.52、63.2、55.3、55.3、49.6、31.3。C1116[MH]のHRMS:計算値、235.1196;実測値、235.1194。Anal.(C1116)C、H、N。
【0082】
スキーム3
【化6】


試薬:(a)HCHO、NaOAc、1,4−ジオキサン、HO、95℃。
【0083】
1−[(9−デアザアデニン−9−イル)メチル]−3−メチルチオメチルアゼチジン−3−メタノール塩酸塩(21)
NaOAc(134mg、1633μmol)を12.HCl(300mg、1.6mmol)を含む水(4mL)と1,4−ジオキサン(2mL)との溶液に添加し、得られた懸濁液を室温で5分間撹拌した。次いで、ホルムアルデヒド溶液(0.131mL、1.6mmol)を滴下し、続いて9−デアザアデニン(20)(241mg、1.8mmol)を滴下し、得られた懸濁液を95℃(浴温度)に加熱した。2時間後、粗製反応物をシリカに吸収させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をクロマトグラフィー(NHOH/MeOH/CHCl=2:48:50)にかけて、21をシロップ(180mg、33.4%)として得た。H NMR(DO)δ 7.88(brs,1H)、7.29(brs,1H)、3.81(s,2H)、3.46(s,2H)、3.37(dd,J=17.5,9.8Hz,4H)、2.46(s,2H)、2.55(m,2H)、1.83(s,3H)。13C NMR(DO)δ 150.5、150.2、145.2、130.5、113.8、106.2、64.2、57.8、48.3、39.8、38.6、16.5。C1319OS[MH]のHRMS:計算値、294.1388;実測値、294.1388。Anal.(C1319OS)C、H、N。
【0084】
1−[(9−デアザアデニン−9−イル)メチル]−3−メチルチオメチルアゼチジン(22)
NaOAc(0.048g、0.586mmol)を14.HCl(0.09g、0.586mmol)の水溶液(2mL)に添加し、15分間撹拌した。ホルムアルデヒド溶液(0.047mL、0.586mmol)、9−デアザアデニン(20)(86mg、0.644mmol)、及び1,4−ジオキサン(1mL)を連続して添加し、得られた懸濁液を95℃で3時間撹拌した。粗製反応物をシリカに吸収させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をクロマトグラフィー(NHOH/MeOH/CHCl=2:48:50)にかけて、酢酸アンモニウムが混入した生成物を得た。アンバーリスト15を使用してさらにクロマトグラフィー(HO→2%NHOH水溶液)にかけて、22をシロップ(80mg、52%)として得た。H NMR(DO):δ 8.06(s,1H)、7.34(s,1H)、3.71(s,2H)、3.40(m,2H)、2.95(m,2H)、2.55(m,3H)、1.93(s,3H)。13C NMR(DO):δ 152.5、151.4、147.2、129.8、115.6、112.4、60.2、60.2、52.4、39.1、31.7、15.7。C1217S[MH]のHRMS:計算値、264.1283;実測値、264.1288。Anal.(C1217S.2/3HO)C、H、N。
【0085】
スキーム4
【化7】


試薬:a)i)Br、hν、ii)EtOH、HSO;b)BnNH、C;c)LiAlH、EtO;d)H、Pd(OH)/C、BocO;e)i)HCl MeOH/HO;f)NaBHCN、EtOH;g)濃HCl、還流。
【0086】
メソ−tert−ブチル2,4−cis−2,4−ビス(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−カルボキシレート(29)
2,4−cis−1−ベンジル−2,4−ビス(ヒドロキシメチル)アゼチジン(27)(G.Guanti、R.Riva、Tetrahedron−Asymmetry、2001年、12(4)、605〜618頁)(1.16g、5.60mmol)を、EtOH(10mL)に溶解させ、ジ−tert−ブチルジカルボナート(2.44g、11.2mmol)を添加し、続いて20%Pd(OH)/C(200mg)を添加した。連続的に真空にして雰囲気を水素と置き換え、次いで、水素バルーンを反応容器に取り付けた。反応混合物を一晩撹拌し、次いで、懸濁液をセライト(登録商標)でろ過し、揮発性物質を減圧下で除去し、残渣をシリカのフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン60:40→100:0)によって精製して、29を無色のオイル(915mg、75%)として得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ 4.27〜4.16(m,2H)、4.20〜3.05(br s,2H)、3.77(br d,J=11.4Hz,2H)、3.61(br dd,J=11.4,5.4Hz,2H)、2.18(ddd,J=11.4,8.7,8.7Hz,1H)、1.98(ddd,J=11.4 6.7,6.7Hz,1H)、1.43(s,9H);13C NMR(75MHz,CDCl)δ 157.4、80.8、64.5、60.3、28.2、19.7;C1019Na[M+Na]のESI−HRMS:計算値、240.1212;実測値、240.1218;Anal.C1019.(0.2HO) C、H、N。
【0087】
メソ−2,4−cis−2,4−ビス(ヒドロキシメチル)アゼチジン塩酸塩(31)
29(480mg、2.20mmol)の2:1MeOH/濃HCl(10mL)溶液を20分間撹拌し、次いで、減圧下で濃縮した。何回かアセトニトリルを添加及び蒸発させることによって生成物を共沸乾燥させて、高真空下で乾燥させた後、31を無色の吸湿性固体(344mg、100%)として得た。H NMR(300MHz,DO)δ 4.62〜4.50(m,2H)、3.83(d,J=4.8Hz,4H)、2.50(dt,J=12.0,9.0Hz,1H)、2.37(dt,J=12.0,9.0Hz,1H);13C NMR(75MHz,DO)δ 60.9、58.2、22.5。
【0088】
(±)tert−ブチル2,4−trans−2,4−ビス(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−カルボキシレート(30)
(±)N−ベンジル2,4−trans−2,4−ビス(ヒドロキシメチル)アゼチジン(28)(G.Guanti、R.Riva、Tetrahedron−Asymmetry、2001年、12(4)、605〜618頁)(570mg、2.75mmol)を含むEtOH(10mL)の撹拌溶液に、ジ−tert−ブチルジカルボナート(1.2g、5.5mmol)を添加し、次いで20%Pd(OH)/C(400mg)を添加した。連続的に真空にして雰囲気を水素と置き換え、水素バルーンを反応容器に取り付けた。反応混合物を一晩撹拌し、次いで、セライト(登録商標)でろ過した。混合物を減圧下で濃縮し、生成物をシリカのフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc)によって精製して、30を無色のオイル(490mg、82%)として得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ 4.58〜4.23(m,3H)、3.93〜3.62(m,4H)、2.32(br s,1H)、2.15〜1.85(br m,2H)、1.47(s,9H);13C NMR(75MHz,CDCl)δ 156.5、81.4、67.0、64.8、61.7、61.5、28.3、20.8;C1019Na[M+Na]のESI−HRMS:計算値、240.1212;実測値、240.1213。
【0089】
(±)2,4−trans−2,4−ビス(ヒドロキシメチル)アゼチジン塩酸塩(32)
30(480mg、2.20mmol)の2:1MeOH/濃HCl(10mL)溶液を20分間撹拌し、次いで、減圧下で濃縮した。何回かアセトニトリルを添加及び蒸発させることによって生成物を共沸乾燥させて、32を無色の吸湿性固体(339mg、99%)として得た。H NMR(300MHz,DO)δ 4.50〜4.39(m,2H)、3.91〜3.87(m,4H)、2.44(t,J=8.1Hz,2H);13C NMR(75MHz,CDCl)δ 61.0、59.0、22.3。
【0090】
メソ−2,4−cis−1−[(7−ベンジルオキシメチル−9−デアザ−6−メトキシ−プリン−9−イル)メチル]アゼチジン−2,4−ジメタノール塩酸塩(34)
アルデヒド33(277mg、0.93mmol)を含むEtOH(3mL)の撹拌溶液に31.HCl(143mg、0.93mmol)を周囲温度で添加し、続いて5分後にNaBHCN(88mg、0.48mmol)を添加した。反応物を一晩撹拌放置した後、出発物のアルデヒドすべてが溶解していた。反応混合物をシリカゲルに吸収させ、揮発性物質を減圧下で除去し、生成物をフラッシュクロマトグラフィー(CHCl/MeOH=95:5→80:20)によって精製して、無色の結晶を得た。これを水に溶解させ、濃HClを添加し、次いで、減圧下で濃縮乾燥して、34(70mg、54%)を得た。H NMR(300MHz,DO)δ 8.61(s,1H)、8.02(s,1H)、7.25〜7.07(m,5H)、5.90(s,2H)、4.68(s,2H)、4.58(s,2H)、4.54〜4.43(m,2H)、4.24(s,3H)、3.72(dd,J=13.2,5.7Hz,2H)、3.61(dd,J=13.2,3.2Hz,2H)、2.47(dt,J=12.1,9.0Hz,1H)、2.28(dt,J=9.6,9.0Hz,1H);13C NMR(75MHz,DO)δ 159.4、148.4、142.5、139.9、137.0、128.8、128.6、128.2、116.7、102.6、78.7、72.0、66.6、60.2、56.5、47.3、20.4;C2127[M+H]のESI−HRMS:計算値、399.2032;実測値、399.2046。
【0091】
メソ−[(9−デアザヒポキサンチン−9−イル)メチル]アゼチジン−2,4−ジメタノール塩酸塩(36)
34(114mg、0.26mmol)の濃HCl(3mL)溶液を、還流下で3時間加熱し、次いで、室温に冷却した。混合物を減圧下で蒸発乾固させ、何回かアセトニトリルを添加及び蒸発させることによって残留HClを除去した。残渣をシリカに吸収させ、フラッシュクロマトグラフィー(2−プロパノール/HO/NHOH=9:1:1)によって精製して、無色のゴム状物を得た。濃HClを添加及び蒸発させることによって、これをキャラクタリゼーション用のその塩酸塩に変換して、2−プロパノールでトリチュレートした後に36を無色の固体(53mg、67%)として得た。HPLC純度99.5%(220nm)。H NMR(300MHz,DO)δ 8.21〜8.15(m,1H)、7.75〜7.72(m,1H)、4.57(s,2H)、4.50(dddd,J=9.0,9.0,5.5,3.6Hz,2H)、3.69(13.3,5.5Hz,2H)、3.58(dd,J=13.3,3.6Hz,2H)、2.48〜2.36(m,1H)、2.28(dt,J=12.1,9.0,Hz,1H);13C NMR(75MHz,DO,遊離塩基)δ 155.9、144.2、142.9、130.2、117.5、111.5、64.5、62.7、49.1、24.0;C1217[M+H]のESI−HRMS計算値、265.1301;実測値、265.1316;Anal.C1216.(2.6HO)、C、H、N。
【0092】
(±)2,4−trans−1−[(7−ベンジルオキシメチル−9−デアザ−6−メトキシ−プリン−9−イル)メチル]アゼチジン−2,4−ジメタノール塩酸塩(35)
アルデヒド33(210mg、0.70mmol)を含むEtOH(7mL)の撹拌溶液に、32.HCl(100mg、0.65mmol)を周囲温度で添加し、続いて5分後にNaBHCN(67mg、1.0mmol)を添加した。反応物を一晩撹拌放置した後、出発物のアルデヒドのほとんどが溶解していた。反応混合物を減圧下でシリカゲルに吸収させ、生成物をフラッシュクロマトグラフィー(CHCl/MeOH=95:5→80:20)によって精製して、無色の結晶を得た。これを水に溶解させ、濃HClを添加し、次いで、混合物を減圧下で濃縮して、35を無色の吸湿性固体(235mg、83%)として得た。H NMR(300MHz,DO)δ 8.78(s,1H)、8.13(s,1H)、7.20〜7.04(m,5H)、5.86(s,2H)、4.62(s,2H)、4.62〜4.47(m,3H)、4.27(s,3H)、4.26〜4.04(m,2H)、3.57(br d,J=10.5Hz,1H)、3.30(br d,J=10.5Hz,1H)、2.46(t,J=8.1Hz,2H);13C NMR(75MHz,DO)δ 160.0、147.4、140.2、140.1、136.9、128.9、128.7、128.3、116.8、102.3、78.8、72.1、68.4、65.0、60.2、58.8、57.0、42.2、20.8;C2127[M+H]のESI−HRMS:計算値、399.2032;実測値、399.2014。
【0093】
(±)2,4−trans−[(9−デアザヒポキサンチン−9−イル)メチル]アゼチジン−2,4−ジメタノール塩酸塩(37)
アゼチジン35(60mg、0.13mmol)の溶液を濃HCl(5mL)中で加熱還流した。3時間後、混合物を減圧下で濃縮し、残渣をシリカの連続フラッシュクロマトグラフィー(2−プロパノール/HO/NHOH(9:1:1)、次いでCHCl/MeOH/HO/NHOH(65:35:7:1))によって精製した。単離した生成物を1MのHCl(2mL)に溶解させ、再度真空下で濃縮して、37を吸湿性の無色のゴム状物(35mg、84%)として得た。HPLC純度96%(290nm)。H NMR(300MHz,DO)δ 8.57(s,1H)、7.72(s,1H)、4.65(d,J=6.9Hz,2H)、4.60〜4.48(m,2H)、4.21(dd,J=14.2,6.4Hz,1H)、14.2,3.0Hz,1H)、3.52(dd,J=13.2,4.6Hz,1H)、3.22(dd,J=13.2,3.4Hz,1H)、2.54〜2.37(m,2H);13C NMR(75MHz,DO)δ 154.2、144.7、137.7、132.4、118.6、104.1、67.8、64.7、60.0、58.8、42.5、20.6;C1217[M+H]のESI−HRMS:計算値、265.1301;実測値、265.1316。
【0094】
スキーム5
【化8】


試薬:a)Br、PBr;b)BnNH、NEt、CHCN;c)LiAlH、EtO;d)H、Pd(OH)/C、BocO;e)i)HCl、MeOH/HO;ii)NaBHCN、EtOH;f)濃HCl、還流。
【0095】
エチル2,4−ジブロモブタノアート(39)
(H.H.Wassermanら、J Org Chem.1981年、46(15)、2991〜2999頁)。110℃に加熱したγ−ブチロラクトン(38)(22.4g、0.26mol)と三臭化リン(0.5g、1.8mmol)との混合物に、臭素(41.6g、0.26mol)を30分かけてゆっくり添加した。反応混合物からの臭素色の消失によって、反応の進行をモニターした。反応をさらにこの温度で15分間維持し、次いで、氷で冷却し、注意深くエタノール(100ml)を添加した。次いで、反応混合物を硫酸(1ml)で酸性化し、2時間加熱還流し、次いで、室温に冷却し、COが発生しなくなるまで固体NaHCOで中和した。混合物を減圧下で濃縮し、次いで、水及びCHClで希釈した。層を分離し、次いで、水層をCHClで抽出した。一緒にした有機層を乾燥させ、次いで、減圧下で濃縮して、淡褐色のオイルを得、これを蒸留して、39を無色のオイル(40.9g、57%)として得た。沸点62℃、0.3mmHg。H NMR(300MHz,CDCl)δ 4.49(dd,J=7.9,6.2Hz,1H)、4.30〜4.20(m,2H)、3.54(t,J=6.2Hz,2H)、2.56〜2.46(m,2H)、1.31(t,J=6.9Hz,3H)。
【0096】
(±)エチル1−ベンジルアゼチジン−2−カルボキシレート(40)
(H.H.Wassermanら、J Org Chem.1981年、46(15)、2991〜2999頁)。(±)エチル2,4−ジブロモブタノアート(39)(15g、54.8mmol)とトリエチルアミン(16.6g、164mmol)とベンジルアミン(5.87g、54.8mmol)との混合物を、3時間加熱還流し、次いで、減圧下で濃縮して、固体懸濁液を得た。次いで、水(150ml)を添加し、混合物をエーテル(2×100ml)で抽出した。有機相を乾燥させ、次いで、減圧下で濃縮し、残渣をシリカのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン、次いで酢酸エチル/ヘキサン(1:3))によって精製して、40を淡黄色のオイル(6.3g、53%)として得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ 7.37〜7.27(m,5H)、4.16〜4.03(m,2H)、3.82(d,J=12.6Hz,1H)、3.73(dd,J=8.4,8.4Hz,1H)、3.61(d,J=12.8Hz,1H)、3.34(ddd,J=7.4,7.4,2.0Hz,1H)、2.95(ddd,J=7.4,7.4,7.4Hz,1H)、2.44〜2.31(m,1H)、2.27〜2.16(m,1H)、1.20(t,J=7.2Hz,3H);13C NMR(75MHz,CDCl)δ 172.5、137.1、129.0、128.7、128.2、127.1、64.5、62.4、60.5、50.8、21.5、14.0。
【0097】
(±)tert−ブチル2−ヒドロキシメチルアゼチジン−1−カルボキシレート(41)
(M.A.Abreoら、J Med Chem.1996年、39(4)、817〜825頁)。4℃に冷却した(±)エチル1−ベンジルアゼチジン−2−カルボキシレート(40)(3.67g、16.7mmol)を含む乾燥ジエチルエーテル(50ml)の撹拌溶液に、水素化リチウムアルミニウムのジエチルエーテル溶液(1.0M、16ml、16.0mmol)をゆっくり添加した。反応物を周囲温度で1時間撹拌し、次いで、酢酸エチル、続いて2MのNaOH(4ml)で注意深くクエンチした。反応混合物を1時間撹拌し、次いで、アルミン酸塩をろ過によって除去し、ろ液を減圧下で濃縮して、無色のオイルを得た。このオイルをエタノール(20ml)に溶解させ、次いで、ジ−tert−ブチルジカルボナート(5.24g、24mmol)及び20%Pd(OH)/C(500mg)を添加した。連続的に真空にして雰囲気を水素と置き換え、次いで、水素バルーンを反応容器に取り付け、一晩撹拌した。水素雰囲気をArで置き換え、次いで、懸濁液をセライト(登録商標)に通してろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、41を無色のオイル(850mg、28%)として得た。R0.50(EtOAc/ヘキサン(2:1))。H NMR(300MHz,CDCl)δ 4.52〜4.38(m,1H)、3.94〜3.63(m,4H)、2.25〜2.12(m,1H)、2.02〜1.87(m,1H)、1.46(s,9H)。
【0098】
(±)(1−((5−(ベンジルオキシメチル)−4−メトキシ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)メチル)アゼチジン−2−イル)メタノール(42)
アゼチジン41(162mg、0.86mmol)を溶解したメタノール(2ml)の撹拌溶液に、濃HCl(1ml)を添加した。反応混合物を20分間撹拌し、次いで、減圧下で濃縮した。何回かアセトニトリルを添加及び蒸発させることによって、残留HClを除去した。ゴム様の塩酸塩中間体をエタノール(10ml)に溶解させ、アルデヒド33(197mg、0.66mmol)を添加し、続いてシアノ水素化ホウ素ナトリウム(63mg、0.99mmol)を添加した。反応混合物を一晩撹拌し、次いで、濃HClを使用してpH1に酸性化した。この時点で少量のHCNが発生した。反応混合物を減圧下でシリカに吸収させ、生成物をフラッシュクロマトグラフィー(CHCl/MeOH/NEt(90:10:0.5))によって精製して、42を無色の固体(170mg、69%)として得た。融点214〜216℃。H NMR(300MHz,CDCl)δ 8.52(s,1H)、7.33(s,1H)、7.31〜7.20(m,5H)、5.70(s,2H)、4.45(s,2H)、4.09(s,3H)、3.97(d,J=13.5Hz,1H)、3.80(d,J=13.5Hz,1H)、3.68(br s,1H)、3.55〜3.46(m,1H)、3.45〜3.42(m,2H)、3.34(ddd,J=8.8,6.9,2.5Hz,1H)、3.01(ddd,J=8.7,8.7,7.3Hz,1H)、2.14〜2.00(m,1H)、1.90(dddd,J=10.1,8.1,8.1,2.4Hz,1H);13C NMR(75MHz,CDCl)δ 156.2、149.9、149.8、136.7、131.5、128.3、127.8、127.5、115.8、114.0、76.8、70.0、66.6、64.0、53.5、51.3、50.6、18.7;C2025(M+H、ESI)のHRMS;計算値:369.1927;実測値:369.1948。
【0099】
(±)7−((2−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オール(43)
アゼチジン42(68mg、0.18mmol)の溶液を濃HCl(3ml)中で2時間加熱還流した。混合物を減圧下で濃縮し、次いで、アセトニトリルを添加及び蒸発させることによって共沸乾燥した。残渣をシリカのフラッシュクロマトグラフィー(CHCl/MeOH/HO/NHOH(65:35:7:1))によって精製して、21を非晶質の白色固体(33mg、76%)として得た。融点213〜216℃。HPLC純度98.9%、220nm(シナジー(Synergi)(商標)Polar−RP、MeOH/0.1%TFA(30分かけて0:100から100:0)を含むHO);H NMR(300MHz,60:40 CDOD/DO)δ 8.03(s,1H)、7.60(s,1H)、4.23(d,J=13.8Hz,1H)、4.08(d,J=13.5Hz,1H)、4.10〜3.98(m,1H)、3.65〜3.49(m,4H)、2.27〜2.11(m,2H);13C NMR(75MHz,60:40 CDOD/DO)δ 156.1、144.9、143.6、130.8、118.7、109.9、68.3、63.4、51.1、49.4、20.0;C1115(M+H、ESI)のHRMS;計算値:235.1195;実測値:235.1196。
【0100】
酵素阻害アッセイ
PNPのアッセイでは、イノシン及び阻害剤の濃度を、それぞれ7.1mM−1cm−1(pH6)のε260[Dawsonら、Data for Biochemical Research、第3版、1986年、Clarendon Press、オックスフォード、英国]及び9.54mM−1cm−1(pH7)のε261[M.−I.Lim;Y.−Y.Ren;B.A.Otter;R.S.Klein、J.Org.Chem.1983年、48、780〜788頁]を使用して、分光光度法で決定した。MTAN/MTAPのアッセイでは、メチルチオアデノシン及び阻害剤の濃度を、それぞれ14.9mM−1cm−1(pH6)のε260[Dawsonら、上記と同様]及び8.5mM−1cm−1(pH7)のε275、[J.Org.Chem.1983年、48、780〜788頁]を使用して決定した。PNP及びMTAN/MTAPの活性は、既に記載されている通りに[Biochemistry、2006年、45、12929〜12941頁;Biochemistry、1998年、37、8615〜8621頁]、キサンチンオキシダーゼ結合アッセイによってモニターした。すべての場合で、阻害剤濃度は、遅発性強結合阻害の簡単な分析の必要に応じて、酵素濃度より少なくとも10倍大きくした[J.F.Morrison;C.T.Walsh、Adv.Enzymol.Relat.Areas Mol.Biol.、1988年、61、201〜301頁]。データフィッティング中に使用するミカエリス定数は、以下の通りとした:イノシンとヒトPNP、ウシPNP、及び熱帯熱マラリア原虫PNPとでは、それぞれ40μM、34μM、及び5μM、MTAとヒトMTAP、大腸菌MTAN、及び肺炎レンサ球菌MTANとでは、それぞれ5μM、0.43μM、及び23μM。
【0101】
生物学データ
【表1】

【0102】
【表2】

【0103】
本発明を実施例を挙げて説明してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく改変又は変更を行い得ることを理解されたい。さらに、特定の特徴に対して既知の等価物が存在する場合、こうした等価物は、本明細書に具体的に言及されている場合と同じ程度に、組み込まれる。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明のイムシリン及びDAD−Me−イムシリンのアゼチジン類似体は、PNP、PPRT、MTAP、及びMTANのうちの少なくとも1種の潜在的又は実際的な阻害剤であり、このことは、それらが、癌、細菌感染症、寄生虫感染症、又はT細胞媒介性疾患などの疾患又は状態を治療できる治療剤として有用であることを意味している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】


(式中:
W及びXは、それぞれ独立に、水素、CHOH、CHOQ、及びCHSQから選択され;
Y及びZは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、CHOH、CHOQ、CHSQ、SQ、OQ、及びQから選択され;
Qは、各々がヒドロキシ、ハロゲン、メトキシ、アミノ、又はカルボキシから選択される1個又は複数の置換基で場合により置換されていてもよいアルキル、アラルキル、又はアリール基であり;
は、式(II)の基であるか、
【化2】


又はRは、式(III)の基であり、
【化3】


Aは、N、CH、及びCRから選択され、Rは、ハロゲン、アルキル、アラルキル、アリール、OH、NH、NHR、NR、及びSRから選択され、R、R、及びRはそれぞれ、ヒドロキシ又はハロゲンで場合により置換されたアルキル、アラルキル、又はアリール基であり、Rは、Rがアルキル、アラルキル、又はアリールである場合、ヒドロキシ又はハロゲンで場合により置換されており;
Bは、ヒドロキシ、NH、NHR、SH、水素、及びハロゲンから選択され、Rは、ヒドロキシ又はハロゲンで場合により置換されたアルキル、アラルキル、又はアリール基であり;
Dは、ヒドロキシ、NH、NHR、水素、ハロゲン、及びSCHから選択され、Rは、ヒドロキシ又はハロゲンで場合により置換されたアルキル、アラルキル、又はアリール基であり;
Eは、N及びCHから選択され;
Gは、ヒドロキシ又はハロゲンで場合により置換されたC1〜4の飽和又は不飽和アルキル基であるか、或いはGは存在しない)
又はその互変異性体、又は薬剤として許容されるその塩、又はそのエステル、又はそのプロドラッグ。
【請求項2】
Wが、CHOH又はCHSQである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Wが、CHSCHである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
Xが、CHOH又はCHSQである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
Wが、CHSCHである、請求項2に記載の化合物。
【請求項6】
Zが、水素、ハロゲン、CHOH、CHOQ、及びCHSQから選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
Y又はZが、CHOHである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
Y又はZが、CHSQ又はCHOQである、請求項6に記載の化合物。
【請求項9】
Y又はZのいずれか又は両方が、Qである、請求項6に記載の化合物。
【請求項10】
Y又はZのいずれか又は両方が、CHOHである、請求項6に記載の化合物。
【請求項11】
W及びXの両方が、水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
Y又はZのいずれか又は両方が、CHOHである、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
Y又はZのいずれか又は両方が、CHSQである、請求項11に記載の化合物。
【請求項14】
Y及びZの両方が、水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
Y又はZのいずれか又は両方が、CHOHである、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
Gが、CHである、請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
が、式(II)の基である、前記請求項のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項18】
が、式(III)の基である、前記請求項のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項19】
Bが、ヒドロキシ又はNHである、請求項1〜18のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項20】
Aが、CH又はNである、請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項21】
Dが、H又はNHである、請求項1〜20のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項22】
Eが、Nである、請求項1〜21のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項23】
Y、Z、B、及びDのいずれかがハロゲンである場合、各ハロゲンが、それぞれ独立に、塩素又はフッ素である、請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項24】
以下のものである、請求項1に記載の化合物。
i.メソ−7−((2,4−cis−2,4−ビス(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
ii.(±)7−((2,4−trans−2,4−ビス(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
iii.(+)7−((2,4−trans−2,4−ビス(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
iv.(−)7−((2,4−trans−2,4−ビス(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
v.7−((3,3−ビス(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
vi.(±)7−((2−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
vii.7−(((2R)−2−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
viii.7−(((2S)−2−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
ix.7−((3−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
x.7−((3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xi.(±)7−((2,3−cis−3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xii.(+)7−((2,3−cis−3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xiii.(−)7−((2,3−cis−3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xiv.(±)7−((2,3−trans−3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xv.(+)7−((2,3−trans−3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xvi.(−)7−((2,3−trans−3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xvii.メソ−2−アミノ−7−((2,4−cis−2,4−ビス(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xviii.(±)2−アミノ−7−((2,4−trans−2,4−ビス(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xix.(+)2−アミノ−7−((2,4−trans−2,4−ビス(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xx.(−)2−アミノ−7−((2,4−trans−2,4−ビス(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xxi.2−アミノ−7−((3,3−ビス(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xxii.(±)2−アミノ−7−((2−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xxiii.2−アミノ−7−(((2R)−2−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xxiv.2−アミノ−7−(((2S)−2−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xxv.2−アミノ−7−((3−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xxvi.2−アミノ−7−((3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xxvii.(±)2−アミノ−7−((2,3−trans−3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xxviii.(−)2−アミノ−7−((2,3−trans−3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xxix.(+)2−アミノ−7−((2,3−trans−3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xxx.(±)2−アミノ−7−((2,3−cis−3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xxxi.(+)2−アミノ−7−((2,3−cis−3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xxxii.(−)2−アミノ−7−((2,3−cis−3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン;
xxxiii.(1−((4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)メチル)−3−(メチルチオメチル)アゼチジン−3−イル)メタノール;
xxxiv.1−((4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)メチル)−3−(メチルチオメチル)アゼチジン−3−オール;
xxxv.(±)−(2,4−trans−1−((4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)メチル)−4−(メチルチオメチル)アゼチジン−2−イル)メタノール;
xxxvi.(+)−(2,4−trans−1−((4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)メチル)−4−(メチルチオメチル)アゼチジン−2−イル)メタノール;
xxxvii.(−)−(2,4−trans−1−((4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)メチル)−4−(メチルチオメチル)アゼチジン−2−イル)メタノール;
xxxviii.メソ−(2,4−cis−1−((4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)メチル)−4−(メチルチオメチル)アゼチジン−2−イル)メタノール;
xxxix.7−(((2RS)−2−(メチルチオメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン;
xl.7−(((2R)−2−(メチルチオメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン;
xli.7−(((2S)−2−(メチルチオメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン;
xlii.7−((3−(メチルチオメチル)アゼチジン−1−イル)メチル)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン;及び
xliii.(±)2,3−trans−1−((4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)メチル)−2−(メチルチオメチル)アゼチジン−3−オール。
xliv.(+)2,3−trans−1−((4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)メチル)−2−(メチルチオメチル)アゼチジン−3−オール。
xlv.(−)2,3−trans−1−((4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)メチル)−2−(メチルチオメチル)アゼチジン−3−オール。
xlvi.(±)2,3−cis−1−((4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)メチル)−2−(メチルチオメチル)アゼチジン−3−オール。
xlvii.(+)2,3−cis−1−((4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)メチル)−2−(メチルチオメチル)アゼチジン−3−オール。
xlviii.(−)2,3−cis−1−((4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)メチル)−2−(メチルチオメチル)アゼチジン−3−オール。
【請求項25】
請求項1〜24のいずれか一項に記載の化合物、及び製薬上有効な賦形剤、希釈剤、又は担体を含む医薬組成物。
【請求項26】
請求項24に記載の化合物を含む、請求項25に記載の医薬組成物。
【請求項27】
薬剤として有効な量の請求項1〜24のいずれか一項に記載の化合物を治療を必要としている患者に投与することを含む、PNPを阻害することが望ましい疾患又は状態のリスクを治療、予防、又は軽減する方法。
【請求項28】
前記疾患又は状態が、癌、細菌感染症、寄生虫感染症、又はT細胞媒介性疾患である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記T細胞媒介性疾患が、乾癬、狼瘡、又は関節炎である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記疾患又は状態が、臓器移植のための免疫抑制である、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記寄生虫感染症が、寄生原虫感染症である、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
寄生原虫感染症が、ジアルジア属(Giardia)、トリコモナス属(Trichomonas)、リーシュマニア属(Leishmania)、トリパノソーマ属(Trypanosoma)、クリチジア属(Crithidia)、ヘルペトモナス属(Herpetomonas)、レプトモナス属(Leptomonas)、ヒストモナス属(Histomonas)、アイメリア属(Eimeria)、イソスポラ属(Isopora)、及びプラスモディウム属(Plasmodium)の寄生原虫によって引き起こされる、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
薬剤として有効な量の請求項1〜24のいずれか一項に記載の化合物を治療を必要としている患者に投与することを含む、MTAPを阻害することが望ましい疾患又は状態のリスクを治療、予防、又は軽減する方法。
【請求項34】
前記疾患が、癌である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記癌が、前立腺癌、又は頭頚部腫瘍である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
薬剤として有効な量の請求項1〜24のいずれか一項に記載の化合物を治療を必要としている患者に投与することを含む、MTANを阻害することが望ましい疾患又は状態のリスクを治療、予防、又は軽減する方法。
【請求項37】
前記疾患又は状態が、細菌感染症である、請求項36に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−513477(P2010−513477A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−542692(P2009−542692)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【国際出願番号】PCT/NZ2007/000387
【国際公開番号】WO2008/079028
【国際公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(506364927)インダストリアル リサーチ リミテッド (12)
【出願人】(303065887)アルバート・アインシュタイン・カレッジ・オブ・メディシン・オブ・イエシヴァ・ユニバーシティー (3)
【Fターム(参考)】