説明

ヌクレオシドポリメラーゼインヒビターと大環状プロテアーゼインヒビターの併用ならびにC型肝炎、肝臓線維症および肝臓機能障害の治療におけるその使用

本出願に開示される態様は、C型肝炎ウイルスポリメラーゼインヒビターまたはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグおよびC型肝炎ウイルスプロテアーゼインヒビターまたはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを含み得る組成物に関する。開示されるさらなる態様は、C型肝炎ウイルス感染、肝臓線維症および/または肝臓機能障害などの疾患状態を、C型肝炎ウイルスポリメラーゼインヒビターまたはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグおよびC型肝炎ウイルスプロテアーゼインヒビターまたはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグで治療する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
分野
本発明は、C型肝炎ウイルス感染、肝臓線維症、および肝臓機能障害などの疾患状態の治療のための組成物および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
説明
C型肝炎ウイルス(HCV)感染は、米国において最も一般的な慢性血液媒介性感染である。新たな感染の数は減少しているが、慢性感染の負担は相当であり、米疾病管理センターにより、米国では、感染者は390万人(1.8%)と推定されている。慢性肝臓疾患は、米国の成人の死亡原因の第10位であり、年間の死亡例は、ほぼ25,000例、あるいは全死亡例のほぼ1%を占める。試験により、慢性肝臓疾患の40%はHCV関連であることが示されており、毎年、死亡例は推定8,000〜10,000例となっている。HCV関連末期肝臓疾患は、成人の肝臓移植の最も多い適応症である。
【0003】
慢性C型肝炎の抗ウイルス療法は、ここ10年間で急速に進化しており、治療の有効性に有意な改善が見られる。そうは言うものの、ペグ化IFN-α+リバビリンの医療水準(SOC)併用療法を用いた場合であっても、患者の40%〜50%は治療が効かない、すなわち、非応答体または再発体である。これらの患者には、現在、有効な代替治療はない。特に、肝臓生検において進行した線維症または肝硬変を有する患者は、進行した肝臓疾患の合併症、例えば、腹水、黄疸、静脈瘤出血、脳障害、および進行性肝不全、ならびに肝細胞癌のリスクの著しい増大が発生する有意なリスクがある。
【0004】
慢性HCV感染の有病率が高いことは、米国における慢性肝臓疾患の将来的な負担に対する重要な公衆衛生の暗示を有する。米国民健康栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey)(NHANES III)によるデータは、1960年代後期から1980年代初期に、特に、20〜40歳の人で、新たなHCV感染率が大きく増大していることを示す。20年以上の長期持続性のHCV感染を有する人の数は、1990年から2015年までで、750,000人から300万人超へと4倍以上となっていると推定されている。30年ないし40年間感染している人の比例的増加は、さらに大きいと思われる。HCV関連の慢性肝臓疾患のリスクは、感染の持続期間と関連しており、肝硬変のリスクは、20年以上感染している人で進行的に増大するため、肝硬変関連の罹病率および死亡率の相当な増大は、おそらく、1965年〜1985年の間に感染した患者に起因している。
【0005】
HCVは、フラビウイルス科のエンベロープを有するプラス鎖RNAウイルスである。一本鎖HCV RNAゲノムは、ほぼ9500 ヌクレオチド長であり、約3000アミノ酸の単一の大きなポリタンパク質をコードする単一のオープンリーディングフレーム(ORF)を有する。感染細胞では、このポリタンパク質が多数の部位で細胞内のウイルスプロテアーゼによって切断され、ウイルスの構造および非構造(NS)タンパク質(NS2、NS3、NS4、NS4A、NS4B、NS5A、およびNS5B)が生じる。
【発明の概要】
【0006】
概要
本明細書に記載のいくつかの態様は、β-D-2’-デオキシ-2’-フルオロ-2’-C-メチルシチジン(化合物1)である第1の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグ;および(1S,4R,6S,14S,18R)-4-フルオロ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-カルボン酸14-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-シクロプロパンスルホニルアミノカルボニル-2,15-ジオキソ-3,16-ジアザ-トリシクロ[14.3.0.04,6]ノナデク-7-エン-18-イルエステル(化合物2)である第2の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを含み得る組成物に関する。
【0007】
本明細書に記載の他の態様は、本質的に、化合物1である第1の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグ;および化合物2である第2の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグからなる組成物に関する。
【0008】
本明細書に記載のある態様は、患者集団の疾患状態を改善もしくは治療するため、および/またはかかる疾患状態を改善もしくは治療するための医薬の調製のための、かかる組成物の使用に関する。例えば、該疾患状態は、C型肝炎ウイルス感染、肝臓線維症、および肝臓機能障害から選択され得る。一態様において、第1の化合物のプロドラッグは、β-D-2’-デオキシ-2’-フルオロ-2’-C-メチルシチジン(化合物1a)のジイソブチルエステルプロドラッグであり得る。いくつかの態様において、第2の化合物の塩は、1S,4R,6S,14S,18R)-4-フルオロ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-カルボン酸14-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-シクロプロパンスルホニルアミノカルボニル-2,15-ジオキソ-3,16-ジアザ-トリシクロ[14.3.0.04,6]ノナデク-7-エン-18-イルエステルのナトリウム塩(化合物2のナトリウム塩)であり得る。
【0009】
本明細書に記載の他の態様は、患者集団の疾患状態を改善もしくは治療するため、および/またはかかる疾患状態を改善もしくは治療するための医薬の調製のための、化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの使用に関し、ここで、化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグは、化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグと組み合わせて使用される、および/または組み合わせて使用されるために製造される。本明細書に記載の別の態様は、患者集団の疾患状態を改善もしくは治療するため、および/またはかかる疾患状態を改善もしくは治療するための医薬の調製のための、化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの使用に関し、ここで、化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグは、化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグと組み合わせて使用される、および/または組み合わせて使用されるために製造される。例えば、該疾患状態は、C型肝炎ウイルス感染、肝臓線維症、および肝臓機能障害から選択され得る。
【0010】
本明細書に記載の他の態様は、治療有効量の化合物1である第1の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグ;および治療有効量の化合物2である第2の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを、該疾患状態に苦しむ被験体に投与する工程を含み得る、患者集団の疾患状態を改善もしくは治療するための方法に関する。いくつかの態様において、該疾患状態は、C型肝炎ウイルス感染、肝臓線維症、および肝臓機能障害から選択され得る。一態様において、第1の化合物のプロドラッグは、β-D-2’-デオキシ-2’-フルオロ-2’-C-メチルシチジンのジイソブチルエステルプロドラッグ(化合物1a)であり得る。いくつかの態様において、第2の化合物の塩は、1S,4R,6S,14S,18R)-4-フルオロ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-カルボン酸14-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-シクロプロパンスルホニルアミノカルボニル-2,15-ジオキソ-3,16-ジアザ-トリシクロ[14.3.0.04,6]ノナデク-7-エン-18-イルエステルのナトリウム塩(化合物2のナトリウム塩)であり得る。
【0011】
これらおよび他の態様を以下に、より詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、β-D-2’-デオキシ-2’-フルオロ-2’-C-メチルシチジン(化合物1)、β-D-2’-デオキシ-2’-フルオロ-2’-C-メチルシチジンのジイソブチルエステルプロドラッグ(化合物1a)および(1S,4R,6S,14S,18R)-4-フルオロ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-カルボン酸14-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-シクロプロパンスルホニルアミノカルボニル-2,15-ジオキソ-3,16-ジアザ-トリシクロ[14.3.0.04,6]ノナデク-7-エン-18-イルエステル(化合物2)の構造を示す。
【図2】図2は、図1に示す化合物を用いた7つの治療計画の絵図を示す。
【図3】図3は、図1に示す化合物を用いた7つの治療計画の絵図を示す。
【図4】図4は、化合物1aおよび化合物2での14日間の治療での、血清アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)のレベルの変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
詳細説明
ある態様は、限定されないが、治療用組成物ならびにその疾患状態の治療および/または改善における使用を含む。いくつかの態様において、該疾患状態は、C型肝炎ウイルス感染、肝臓線維症、および/または肝臓機能障害から選択され得る。
【0014】
特に定義していない限り、本明細書で使用されるすべての科学技術用語は、該態様が属する技術分野の当業者に一般的に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書に挙げたすべての刊行物は、引用した刊行物と関連する方法および/または材料を開示および説明するために参照により本明細書に援用される。
【0015】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「and」および「the」は、本文中にそうでないと明白に記載していない限り、複数の対象物を含む。したがって、例えば、「方法」に対する言及は、複数のかかる方法を含み、「用量」に対する言及は、1つ以上の用量および当業者に公知のその当量に対する言及を含む、などである。
【0016】
値の範囲が示されている場合、間にある各値から本文中にそうでないと明白に記載していない限り下限の単位の10分の1まで、該範囲の上限と下限の間の各値、および該記載の範囲の任意の他の記載の値または間にある値が、該態様に包含されると理解されたい。これらのより小さい範囲の上限および下限(これらは、独立して、該より小さい範囲に含まれ得る)もまた、本発明に包含されるが、いずれかが、記載の範囲の具体的に除外される限界値である場合がある。記載の範囲が、限界値の一方または両方を含む場合、限界値に含まれるいずれかまたは両方が除外される範囲も、該態様に含まれる。
【0017】
用語「薬学的に許容され得る塩」は、投与対象の生物に有意な刺激を引き起こさず、化合物の生物学的活性および性質を無効にしない化合物の塩をいう。いくつかの態様において、塩は化合物の酸付加塩である。医薬用の塩は、化合物を、例えば、ハロゲン化水素酸(例えば、塩酸または臭化水素酸)、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸と反応させることにより得られ得る。また、医薬用の塩は、化合物を、脂肪族または芳香族カルボン酸またはスルホン酸、例えば、酢酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸もしくはナフタレンスルホン酸などの有機酸と反応させることにより得られ得る。また、医薬用の塩は、化合物を、塩基と反応させて、例えば、アンモニウム塩、ナトリウム塩もしくはカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩もしくはマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、ジシクロヘキシルアミン、N-メチル-D-グルカミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、C1〜C7アルキルアミン、シクロヘキシルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミンなどの有機塩基の塩、およびアルギニン、リジンなどのアミノ酸との塩などの塩を形成することにより得られ得る。化合物2のナトリウム塩は、薬学的に許容され得る塩の非限定的な例である。
【0018】
「プロドラッグ」は、インビボで親薬物に変換される薬剤をいう。プロドラッグは、しばしば、いくつかの状況において、親薬物よりも投与するのが容易であり得るため有用である。プロドラッグは、例えば、経口投与によって生物学的利用可能であり得るが、親薬物はそうではない。また、プロドラッグは、医薬組成物において親薬物よりも改善された可溶性を有し得る。限定されないが、プロドラッグの一例は、水溶性が移動性に有害である場合に細胞膜の透過を容易にするためにエステル(「プロドラッグ」)として投与されるが、その後、水溶性が有益な細胞内部に入ったら、カルボン酸である活性実体に代謝的に加水分解される化合物であり得る。プロドラッグのさらなる例は、酸基に結合された短いペプチド(ポリアミノ酸)であり得、この場合、該ペプチドが代謝され、活性部分が現れる。化合物1aは、プロドラッグ(この場合、化合物1のプロドラッグ)の非限定的な例である。適当なプロドラッグ誘導体の選択および調製のための従来の手順は、例えば、Design of Prodrugs,(H. Bundgaard編、Elsevier、1985)に記載されており、これは、適当なプロドラッグ誘導体の手順および調製の説明の目的のため、参照により本明細書に援用される。
【0019】
用語「有効量」は、指示された生物学的または医学的応答を誘発する活性化合物または医薬用薬剤の量を示すために使用される。例えば、化合物の有効量は、疾患の症状を予防、軽減もしくは改善するのに必要な量、または治療対象の被験体の生存を延ばすのに必要な量であり得る。この応答は、組織、系、動物またはヒトにおいて起こり得、治療対照の疾患の症状の軽減が挙げられる。有効量の決定は、特に、本明細書に示した詳細な開示に鑑みて、当業者の能力の範囲である。用量として必要とされる本明細書に開示した化合物の有効量は、投与経路、治療対象の動物の種類、例えばヒト、および考慮下の具体的な動物の身体的特徴に依存する。用量は、所望の効果を得るために調整され得るが、体重、食事、同時薬物療法などの因子および医学分野の当業者に認識される他の因子に依存する。一般に、本明細書に記載の組成物および任意に1種類以上のさらなる抗ウイルス剤の有効量は、ウイルス負荷を低減させるため、または治療に対する持続性ウイルス応答を得るために有効な量である。
【0020】
本明細書で使用される場合、用語「治療」、「治療する」などは、所望の薬理学的および/または生理学的効果を得ることをいう。該効果は、疾患もしくはその症状を完全に、もしくは一部予防する点で予防的であり得る、および/または疾患および/または該疾患に起因する有害効果の一部もしくは完全な治癒の点で治療的であり得る。「治療」は、本明細書で使用される場合、哺乳動物、特にヒトの疾患の任意の治療を包含し、(a)疾患に対して素因を有し得るが該疾患を有すると未だ診断されていない被験体の疾患の発症を予防すること;(b)疾患を抑止すること、すなわち、発症を停止させること;および(c)疾患を緩和すること、すなわち、疾患の後退を引き起こすことを含む。
【0021】
用語「個体」、「宿主」、「被験体」および「患者」は、本明細書において互換的に使用され、限定されないが、マウス、サル、ヒト、農業哺乳動物、競技用哺乳動物、およびペット哺乳動物などの哺乳動物をいう。
【0022】
本明細書で使用される場合、本明細書において「肝臓線維症(liver fibrosis)」と互換的に使用される用語「肝臓線維症(hepatic fibrosis)」は、慢性肝炎感染との関連において生じ得る肝臓の瘢痕組織の増殖をいう。
【0023】
本明細書で使用される場合、用語「肝臓機能」は、肝臓の通常の機能、例えば、限定されないが、合成機能、例えば限定されないが、血清タンパク質(例えば、アルブミン、凝固因子、アルカリホスファターゼ、アミノトランスフェラーゼ(例えば、アラニントランスアミナーゼ、アルパラギン酸トランスアミナーゼ)、5’-ヌクレオシダーゼ、γ-グルタミニルトランスペプチダーゼなど)などのタンパク質の合成、ビリルビンの合成、コレステロールの合成、および胆汁酸の合成;肝臓の代謝機能、例えば限定されないが、炭水化物代謝、アミノ酸およびアンモニア代謝、ホルモン代謝、および脂質代謝;外因性薬物の解毒;血行力学的機能、例えば、内臓および門脈の血行力学的;などをいう。
【0024】
用語「持続性ウイルス応答」(SVR;「持続性応答」または「永続的応答」とも称する)は、本明細書で使用される場合、血清HCV力価についての、HCV感染の治療計画に対する個体の応答をいう。例えば、「持続性ウイルス応答」は、治療の停止後、患者の血清中に見られる検出可能なHCV RNAが、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約2ヶ月、少なくとも約3ヶ月、少なくとも約4ヶ月、少なくとも約5ヶ月、および/または少なくとも約6ヶ月の期間、ないこと(例えば、血清1ミリリットルあたり約500未満、約200未満、または約100未満のゲノムコピー)をいう。
【0025】
化合物β-D-2’-デオキシ-2’-フルオロ-2’-C-メチルシチジン(以下、本明細書において「化合物1」)は、HCV複製の阻害に有効であることが示された。本発明は任意の特定の理論に限定されないが、化合物1は、C型肝炎ウイルスの複製に関与する酵素であるHCV RNAポリメラーゼを阻害することによりHCV複製を阻害すると考えられる。化合物1は、参照によりその全体が本明細書に援用される米国特許第7,419,572号に記載の方法などの当業者に公知の方法を用いて得られ得る。化合物1の薬学的に許容され得る塩およびプロドラッグを本明細書に記載の組成物に使用してもよい。例えば、図1に示す、β-D-2’-デオキシ-2’-フルオロ-2’-C-メチルシチジンのジイソブチルエステルプロドラッグ(化合物1a)は、増大した透過性を有することが示され、これが、血漿曝露の増大をもたらし、それにより抗ウイルス有効性の改善がもたらされる。
【0026】
化合物(1S,4R,6S,14S,18R)-4-フルオロ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-カルボン酸14-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-シクロプロパンスルホニルアミノカルボニル-2,15-ジオキソ-3,16-ジアザ-トリシクロ[14.3.0.04,6]ノナデク-7-エン-18-イルエステル(以下、本明細書において「化合物2」)は、HCV複製の阻害に有効であることが示された。前述の化合物は、当業者に公知の方法、例えば、参照によりその全体が本明細書に援用される米国特許第7,491,794号に開示された方法などを用いて得られ得る。本発明は任意の特定の理論に限定されないが、化合物2は、HCVプロテアーゼ、特にNS3/4Aプロテアーゼを阻害すると考えられる。化合物2の薬学的に許容され得る塩およびプロドラッグを本明細書に記載の組成物に使用してもよい。例えば、化合物2のナトリウム塩が本明細書に記載の組成物に含まれ得る。ナトリウム塩を作製するための構造および方法は、参照によりその全体が本明細書に援用される、2006年7月21日に出願された米国特許出願公開公報第2007-0054842号に記載されている。
【0027】
本明細書に記載の化合物について、各ステレオジェニック(stereogenic)炭素はRまたはS配置であり得る。本出願書類に例示した具体的な化合物は特定の配置で図示され得るが、特に記載のない限り、任意の所定のキラル中心の反対の立体化学を有する化合物またはその混合物のいずれかもまた構想され得る。化合物の塩またはプロドラッグにキラル中心が見られる場合、特に記載のない限り、該化合物は、すべての可能な立体異性体を包含すると理解されたい。また、EまたはZで定義され得る幾何異性体を生じる1つ以上の二重結合を有する本明細書に記載の任意の化合物において、各二重結合は、独立して、EまたはZその混合物であり得ると理解されたい。同様に、すべての互変異性形態も含まれることを意図する。
【0028】
本明細書に記載のいくつかの態様は、化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグ;および化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを含み得る組成物に関する。一態様において、化合物1のプロドラッグは化合物1aであり得る。いくつかの態様において、化合物2の塩はナトリウム塩であり得る。
【0029】
本明細書に記載の一態様は、本質的に、化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグ;および化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグからなる組成物に関する。いくつかの態様において、化合物1のプロドラッグは化合物1aであり得る。一態様において、化合物2の塩はナトリウム塩であり得る。
【0030】
いくつかの態様において、該組成物は、さらに、本明細書に記載のものなどの薬学的に許容され得る賦形剤、希釈剤および/または担体を含み得る。
【0031】
種々の量の化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグが、本明細書に記載の組成物に含まれ得る。いくつかの態様において、該組成物は、約9000mg〜約50mgの範囲の量の化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを含み得る。他の態様において、該組成物は、約5000mg〜約150mgの範囲の量の化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを含み得る。さらに他の態様において、該組成物は、約2000mg〜約300mgの範囲の量の化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを含み得る。またさらに他の態様において、該組成物は、約1000mg〜約450mgの範囲の量の化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを含み得る。一態様において、該組成物は、約1000mg〜約500mgの範囲の量の化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを含み得る。
【0032】
同様に、種々の量の化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグが、該組成物に含まれ得る。いくつかの態様において、該組成物は、約2000mg〜約2mgの範囲の量の化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを含み得る。他の態様において、該組成物は、約1600mg〜約25mgの範囲の量の化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを含み得る。さらに他の態様において、該組成物は、約500mg〜約50mgの範囲の量の化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを含み得る。一態様において、該組成物は、約200mg〜約100mgの範囲の量の化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを含み得る。
【0033】
化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを併用する潜在的な利点は、化合物1もしくは2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグ単独を用いた、該併用以外は同等の患者集団の単独療法治療と比べたときの、本明細書に開示した疾患状態(例えば、HCV)の治療に有効な1種類以上の化合物の必要量の低減であり得る。いくつかの態様において、組成物中の化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの量は、単独療法として投与した場合に同じウイルス負荷の低減を得るのに必要とされる化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの量と比べて少ない量であり得る。いくつかの態様において、組成物中の化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの量は、単独療法として投与した場合に同じウイルス負荷の低減を得るのに必要とされる化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの量と比べて少ない量であり得る。一態様において、化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの量と化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの量の合計は、HCVなどの疾患状態の治療のための、化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグ単独と化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグ単独の相加的併用に基づいて予測または予想される量より少ない。
【0034】
化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの併用を使用することのさらなる利点としては、化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグ間に交差抵抗性がほとんどないし全くないこと;化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの排除のための異なる経路;化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグ間に毒性の重複がほとんどないし全くないこと
;シトクロムP450に対して有意な効果がほとんどないし全くないこと;および/または化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグ間に薬物動態的相互作用がほとんどないし全くないことが挙げられ得る。
【0035】
また、組成物中に存在する化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの割合は異なり得る。例えば、いくつかの態様において、組成物は、組成物中の化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの量と化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの量の合計に対して約1%〜約99%(重量/重量)の範囲の量の化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを含み得る。さらなる態様としては、限定されないが、組成物中の化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの量と化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの量の合計に対して約5%〜約90%、約10%〜約80%、約20%〜約70%、約30%〜約60%および約40%〜約50%(重量/重量)の範囲の量の化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグが挙げられる。化合物2に関して、一態様において、組成物は、組成物中の化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの量と化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの量の合計に対して約1%〜約99%(重量/重量)の範囲の量の化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを含み得る。さらなる態様の例としては、限定されないが、組成物中の化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの量と化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの量の合計に対して約5%〜約90%、約10%〜約80%、約20%〜約70%、約30%〜約60%および約40%〜約50%(重量/重量)の範囲の量の化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグが挙げられる。
【0036】
また、さらなる治療剤を、化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを含む組成物に含めてもよい。いくつかの態様において、さらなる治療剤は抗ウイルス剤であり得る。一態様において、抗ウイルス剤はHCV抗ウイルス剤であり得る。適当な治療剤の例の非限定的なリストとしては、ヌクレオチドおよびヌクレオシドアナログ(アジドチミジン(AZT)(ジドブジン)など、ならびにそのアナログおよび誘導体;2’,3’-ジデオキシイノシン(DDI)(ジダノシン)、ならびにそのアナログおよび誘導体;2’,3’-ジデオキシシチジン(DDC)(ジデオキシシチジン)、ならびにそのアナログおよび誘導体;2’,3’-ジデヒドロ-2’,3’-ジデオキシチミジン(D4T)(スタブジン)、ならびにそのアナログおよび誘導体;コンビビル;アバカビル;アデホビル ジピボキシル;シドホビル;リバビリン;リバビリンアナログ;レボビリン、ビラミジン、イサトリビンなど)、ピルフェニドンまたはピルフェニドンアナログ、NS5B RNA依存性RNAポリメラーゼインヒビター、腫瘍壊死因子アンタゴニスト(エタネルセプト、インフリキシマブおよびアダリムマブなど)、チモシン-α(ZadaxinTM)、インターフェロン受容体アゴニスト(1種類または複数種)、α-グルコシダーゼインヒビター、TNF-αアンタゴニスト、NS3ヘリカーゼインヒビター、NS5B ポリメラーゼインヒビター、NS3プロテアーゼインヒビター(例えば、(VX-950)および(SCH 503034))、リトナビル(10-ヒドロキシ-2-メチル-5-(1-メチルエチル)-1-[2-(1-メチルエチル)-4-チアゾリル]-3,6-ジオキソ-8,11-ビス(フェニルメチル)-2,4,7,12-テトラアザトリデカン-13-酸、5-チアゾリルメチルエステル[5S-(5R*,8R*,10R*,11R*)]、Abbott Laboratoriesから入手可能)、ならびにHeptazymeTMなどのリボザイムおよびHCVタンパク質配列に相補的であり、かつウイルスコアタンパク質の発現を阻害するホスホロチオエートオリゴヌクレオチドが挙げられる。
【0037】
初期のインターフェロン(IFN)療法の制限の1つは、血液からの該タンパク質の急速なクリアランスであった。ポリエチレングリコール(PEG)でのIFNの化学的誘導体化により、実質的に改善された薬物動態特性を有するタンパク質がもたらされた。PEGASYS(登録商標) は、α-2aと40kDの分岐モノメトキシPEGのコンジュゲートであり、PEG-INTRON(登録商標)は、α-2bと12kDのモノメトキシPEGのコンジュゲートである。B.A. Luxon et al.,Clin. Therapy. 2002、24(9):13631-1383;およびA. Kozlowski and J.M Harris,J. Control. Release、2001、72:217-224。しかしながら、インターフェロン療法は、1つ以上の理由のため、例えば、自分で注射しなければならないこと、および/またはインターフェロン療法に関連する1種類以上の副作用のため、一部の患者には使用不可能であるか、被験体自身が受けたがらない。化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグは、さらに、I型インターフェロンアゴニストおよび/またはII型インターフェロンアゴニストなどのインターフェロン受容体アゴニストを含み得る。一態様において、II型インターフェロンアゴニストはインターフェロン-γ(IFN-γ)であり得る。一態様において、1型インターフェロンアゴニストは、インターフェロン-α(IFN-α)、例えば、モノPEG(30kD、線状)化(-ylate)コンセンサス、INFERGENコンセンサスIFN-α、インターフェロンα-2bの40kD分岐モノメトキシPEGコンジュゲートおよび/またはインターフェロンα-2bの12kDモノメトキシPEGコンジュゲートであり得る。いくつかの態様において、リバビリンもまた、化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを含む組成物に含まれ得る。他の態様において、化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを含む組成物は、インターフェロンアゴニストを含まない。例えば、インターフェロンアゴニストはI型インターフェロンアゴニストであり得る。一態様において、I型インターフェロンアゴニストは、本明細書に記載のものなどのペグ化I型インターフェロンアゴニストである。さらに他の態様において、化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを含む組成物はリバビリンを含まない。
【0038】
本明細書で使用される場合、用語「インターフェロン受容体アゴニスト」は、I型インターフェロン受容体アゴニスト、II型インターフェロン受容体アゴニスト、またはIII型インターフェロン受容体アゴニストのいずれかをいう。本明細書で使用される場合、用語「I型インターフェロン受容体アゴニスト」は、ヒトI型インターフェロン受容体の任意の天然に存在する、または天然に存在しない、該受容体に結合し、該受容体を介してシグナル伝達を引き起こすリガンドをいう。I型インターフェロン受容体アゴニストとしては、インターフェロン、例えば、天然に存在するインターフェロン、修飾インターフェロン、合成インターフェロン、ペグ化インターフェロン、インターフェロンと異種タンパク質を含む融合タンパク質、シャッフルインターフェロン;インターフェロン受容体に特異的な抗体;非ペプチド化学的アゴニスト;などが挙げられる。本明細書で使用される場合、用語「II型インターフェロン受容体アゴニスト」は、ヒトII型インターフェロン受容体の任意の天然に存在する、または天然に存在しない、該受容体に結合し、該受容体を介してシグナル伝達を引き起こすリガンドをいう。II型インターフェロン受容体アゴニストとしては、天然ヒトインターフェロン-γ、組換えIFN-γ種、グリコシル化IFN-γ種、ペグ化IFN-γ種、修飾またはバリアントIFN-γ種、IFN-γ融合タンパク質、該受容体に特異的な抗体アゴニスト、非ペプチドアゴニストなどが挙げられる。本明細書で使用される場合、用語「III型インターフェロン受容体アゴニスト」は、ヒトIL-28受容体α(「IL-28R」)(そのアミノ酸配列はSheppard,et al.(上掲)に記載されている)の任意の天然に存在する、または天然に存在しない、該受容体に結合し、該受容体を介してシグナル伝達を引き起こすリガンドをいう。
【0039】
適当なα-グルコシダーゼインヒビターとしては、任意の上記のイミノ-糖類、例えば、米国特許出願公開公報第2004/0110795号に開示されたイミノ糖類の長鎖アルキル鎖誘導体;小胞体結合α-グルコシダーゼのインヒビター;膜結合α-グルコシダーゼのインヒビター;ミグリトール(Glyset(登録商標))、ならびにその活性誘導体およびアナログ;ならびにアカルボース(Precose(登録商標))、ならびにその活性誘導体およびアナログが挙げられる。
【0040】
本明細書に記載の組成物は、ヒト患者にそのまま、または併用療法の場合のように他の活性成分と、あるいは担体、希釈剤、賦形剤もしくはその組合せと混合された組成物で投与され得、錠剤、カプセル、粉剤、顆粒剤、軟膏、液剤、坐剤、注射、吸入剤およびエーロゾルなどの固体、半固体、液体または気体の形態の調製物に製剤化され得る。適正な製剤は、選択される投与経路に依存する。本明細書に記載の組成物の製剤化および投与のための技術は当業者に公知である。薬学的に許容され得る賦形剤は当業者に公知であり、種々の刊行物、例えば、A. Gennaro(2000)“Remington:The Science and Practice of Pharmacy,” 第20版、Lippincott、Williams、& Wilkins;Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems(1999)H.C. Ansel et al.編,第7th版,Lippincott、Williams、& Wilkins;およびHandbook of Pharmaceutical Excipients(2000)A.H. Kibbe et al.編,第3版 Amer. Pharmaceutical Assoc.などに記載されている。
【0041】
本明細書に開示した組成物は、それ自体公知の様式で、例えば、従来の混合、溶解、造粒、糖衣作製、研和、乳化、カプセル化、封入または打錠プロセスによって製造され得る。さらに、活性成分は、意図された目的が達成されるのに有効な量で含まれる。本明細書に開示した組成物に使用される化合物の多くは、薬学的に適合性のある対イオンとの塩として提供され得る。
【0042】
いくつかの態様において、化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグ(例えば、化合物1、1aおよび2)は、水性バッファー中で製剤化される。適当な水性バッファーとしては、限定されないが、約5mM〜約100mMで強度が異なる酢酸、コハク酸、クエン酸およびリン酸バッファーが挙げられる。いくつかの態様において、水性バッファーとしては、等張性溶液をもたらす試薬が挙げられる。かかる試薬としては、限定されないが、塩化ナトリウム;および糖類、例えば、マンニトール、デキストロース、スクロースなどが挙げられる。いくつかの態様において、水性バッファーとしては、さらに、ポリソルベート20または80などの非イオン界面活性剤が挙げられる。任意に、製剤には、さらに保存料が含まれ得る。適当な保存料としては、限定されないが、ベンジルアルコール、フェノール、クロロブタノール、塩化ベンザルコニウムなどが挙げられる。多くの場合、製剤は約4℃で保存される。また、製剤を凍結乾燥してもよく、この場合、一般に、例えば、スクロース、トレハロース、ラクトース、マルトース、マンニトールなどの凍結防止剤が含まれる。凍結乾燥製剤は、周囲温度であっても長期間保存できる。
【0043】
適当な投与経路としては、例えば、経口、経直腸、局所経粘膜、または腸内投与;非経口送達、例えば、筋肉内、皮下、静脈内、骨髄内注射、ならびに髄腔内、直接脳室内、腹腔内、鼻腔内、眼内注射またはエーロゾル吸入剤としてが挙げられ得る。組成物は、一般的に、具体的に意図された投与経路に適合される。一態様において、本明細書に記載の組成物は、経口投与され得る。
【0044】
皮下投与は、標準的な方法およびデバイス、例えば、針とシリンジ、皮下注射ポート送達系などを用いて行なわれ得る。例えば、米国特許第3,547,119号;同第4,755,173号;同第4,531,937号;同第4,311,137号;および同第6,017,328号を参照のこと。皮下注射ポートと該ポートを介した患者への該態様の医薬組成物の投与のためのデバイスとの組合せを、本明細書において「皮下注射ポート送達系」と称する。多くの態様において、皮下投与は針およびシリンジによるボーラス送達によって行なわれる。
【0045】
経口調製物では、該化合物は、単独で、または錠剤、粉剤、顆粒剤もしくはカプセルを作製するための適切な添加剤、例えば、ラクトース、マンニトール、コーンスターチもしくはイモデンプンなどの従来の添加剤;結晶性セルロース、セルロース誘導体、アカシア、コーンスターチもしくはゼラチンなどの結合剤;コーンスターチ、イモデンプンもしくはカルボキシメチルセルロースナトリウムなどの崩壊剤;タルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤;および所望により、希釈剤、緩衝剤、湿潤剤、保存料および香味剤と組み合わせて使用され得る。
【0046】
該化合物は、植物油または他の同様の油、合成脂肪酸グリセリド、高級脂肪酸のエステルまたはプロピレングリコールなどの水性または非水性溶媒中に、所望により、可溶化剤、等張性剤、懸濁剤、乳化剤、安定剤および保存料などの従来の添加剤とともに溶解、懸濁または乳化することにより、注射用調製物に製剤化され得る。
【0047】
さらに、該化合物は、乳化基剤または水溶性基剤などの種々の基剤と混合することにより坐剤に作製され得る。該態様の化合物は坐剤によって経直腸投与され得る。坐剤は、ココアバター、カルボワックスおよびポリエチレングリコールなどの、体温で溶けるが、室温では固化されたビヒクルを含み得る。
【0048】
シロップ、エリキシルおよび懸濁剤などの経口または経直腸投与のための単位投薬形態が提供され得、この場合、各投薬単位、例えば、茶さじ1杯、テーブルスプーン1杯、錠剤または坐剤は、1種類以上のインヒビターを含む所定の量の該組成物を含む。同様に、注射または静脈内投与のための単位投薬形態は、該インヒビター(1種類または複数種)を組成物中に、滅菌水、通常の生理食塩水または別の薬学的に許容され得る担体中の溶液として含み得る。
【0049】
用語「単位投薬形態」は、本明細書で使用される場合、ヒトおよび動物被験体に対する単一の投薬量として適当な物理的に分離した単位をいい、各単位は、薬学的に許容され得る希釈剤、担体またはビヒクルと一緒に所望の効果がもたらされるのに充分な量の計算された所定の量の該態様の化合物を含む。該態様の新規な単位投薬形態の詳細は、使用される具体的な化合物、および達成すべき効果、ならびに宿主における各化合物に関連する薬力学に依存する。
【0050】
本明細書に記載の組成物は、経口、非経口または埋め込みレザーバーによって投与され得る。一態様において、該組成物は、経口投与され得るか、または注射によって投与され得る。
【0051】
また、該組成物を全身様式でなく、例えば、該組成物の感染領域への直接注射によって、しばしば、デポーまたは徐放製剤にて局所投与してもよい。さらに、該組成物を標的化薬物送達系で、例えば、組織特異的抗体でコーティングしたリポソームで投与してもよい。リポソームは、器官に標的化され、該器官に選択的に取り込まれる。
【0052】
組成物は、所望により、活性成分を含む1つ以上の単位投薬形態を含み得るパックまたはディスペンサーデバイスにて提示され得る。パックは、例えば、ブリスターパックなど、金属またはプラスチックのホイルを含み得る。パックまたはディスペンサーデバイスは、投与の使用説明書を伴い得る。また、パックまたはディスペンサーは、医薬品の製造、使用または販売を規制する政府機関により指示されたフォームでの容器に関する注意書を伴い得、該注意書は、薬物のヒトまたは獣医学的投与のための形態の該機関による承認を反映する。かかる注意書は、例えば、処方薬物に対する米食品医薬品局によって承認されたラベル表示、または承認された製品添付文書であり得る。また、適合性のある医薬用担体にて製剤化された本明細書に開示された化合物を含む組成物が調製され、適切な容器に入れられ、指示された状態の治療のためのラベル表示がなされ得る。
【0053】
本明細書に記載のいくつかの態様は、ある量の化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグ、およびある量の化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを投与する工程を含み得、該疾患状態がC型肝炎ウイルス感染、肝臓線維症および/または肝臓機能障害であり得る、疾患状態を改善もしくは治療するための方法に関する。一態様において、化合物1のプロドラッグは化合物1aであり得る。
【0054】
化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグ、および/または化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの種々の投薬形態を用いて、疾患状態が改善および/または治療され得る。いくつかの場合において、化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグは、本明細書に記載の組成物などの同じ投薬形態中に存在し得る。他の場合では、化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグは、別々の投薬形態として投与され得る。例えば、化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグは1つの錠剤で投与され得、化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグは、第2の錠剤で投与され得る。化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグが別々の投薬形態に含まれている場合、投薬形態は同じ(例えば、両方とも丸剤)であってもよく、異なっていてもよい(例えば、一方の化合物は丸剤に製剤化され得、他方の化合物は注射用剤として製剤化され得る)。
【0055】
化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグおよび化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの投与は異なり得る。化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグが別々の投薬形態に含まれている場合、該投薬形態は同時または逐次投与され得る。いくつかの態様において、化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを含む投薬形態は、化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを含む投薬形態の前に投与され得る。他の態様において、化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを含む投薬形態は、化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを含む投薬形態の後に投与され得る。さらに他の態様において、化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを含む投薬形態は、化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを含む投薬形態とほぼ同時に投与され得る。
【0056】
いくつかの態様において、化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグは、同時投与され得る。使用される場合、用語「同時」は、有効濃度の両方の化合物が被験体内に存在することを意味する。同時投与される場合、化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグは、同じ投薬形態または別々の投薬形態で投与され得る。他の態様において、化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグは、逐次投与され得る。本明細書で使用される場合、用語「逐次」は、1つの化合物を第1の期間投与し、次いで、第2の化合物を第2の期間投与することを意味し、ここで、第1の期間と第2の期間は重複しない。
【0057】
また、疾患状態を有する被験体に、さらなる治療剤を投与してもよい。さらなる治療剤の非限定的なリストとしては、本明細書において先に記載のものが挙げられる。1種類以上のさらなる治療剤が使用される場合、該さらなる薬剤(1種類または複数種)は、化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグ、および/または 化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグと同じ投薬形態で投与され得る。例えば、さらなる薬剤(1種類または複数種)は、化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを含み、化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを含まない組成物;または化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを含み、化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを含まない組成物;または本明細書に記載の組成物(例えば、化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを含む組成物)に含まれ得る。代替的に、さらなる治療剤(1種類または複数種)は、1つ以上の別々の投薬形態で投与され得る。1つ以上の別々の投薬形態として投与される場合、1種類以上のさらなる治療剤を含む各投薬形態は、化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを含む投薬形態、および/または 化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを含む投薬形態と同じであってもよく、化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを含む投薬形態、および/または 化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを含む投薬形態と異なっていてもよい。
【0058】
1種類以上のさらなる治療剤が1つ以上の別々の投薬形態中にある場合、1種類以上のさらなる治療剤を含む投薬形態は、化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグ、および/または 化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの前、後、合間、同時または逐次に投与され得る。いくつかの態様において、さらなる治療剤は、インターフェロン受容体アゴニスト、例えば、I型インターフェロン受容体アゴニストおよび/またはII型インターフェロン受容体アゴニストであり得る。一態様において、II型インターフェロンアゴニストはインターフェロン-γ(IFN-γ)であり得る。一態様において、1型インターフェロンアゴニストはインターフェロン-α(IFN-α)であり得る。いくつかの態様において、I型インターフェロンアゴニストは、モノPEG(30kD、線状)化コンセンサス、INFERGENコンセンサスIFN-α、インターフェロンα-2bの40kD分岐モノメトキシPEGコンジュゲート、およびインターフェロンα-2bの12kD モノメトキシPEGコンジュゲートから選択され得る。一態様において、さらなる治療剤はリバビリンであり得る。いくつかの態様において、化合物1および2は、インターフェロン受容体アゴニストおよび/またはリバビリンなどの1種類以上のさらなる治療剤の投与なしで投与され得る。一態様において、インターフェロン受容体アゴニストは、ペグ化1型インターフェロン受容体アゴニストなどの1型インターフェロン受容体アゴニストであり得る。
【0059】
1種類以上のさらなる治療剤は、化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグおよび化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの投与後に投与され得る。例えば、1種類以上のさらなる治療剤は、化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグおよび化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグでの治療計画の終了後に投与され得る。いくつかの態様において、さらなる治療剤は、I型インターフェロン受容体アゴニストなどのインターフェロン受容体アゴニストであり得る。一態様において、I型インターフェロン受容体アゴニストはペグ化I型インターフェロン受容体アゴニストであり得る。いくつかの態様において、さらなる治療剤はリバビリンであり得る。
【0060】
主題の方法がHCV感染の治療に有効であるかどうかは、種々の様式で、例えば、ウイルス負荷の低減、セロコンバージョン(患者の血清中にウイルスが検出不可能)までの時間の減少、治療に対する持続性ウイルス応答速度の増大、臨床結果における罹病率もしくは死亡率の低下、または疾患応答のインジケータによって決定され得る。したがって、主題の方法がHCV感染の治療に有効であるかどうかは、ウイルス負荷を測定すること、またはHCV感染に関連するパラメータ、例えば限定されないが、肝臓線維症、血清トランスアミナーゼレベルの上昇、および肝臓における壊死性炎症活性を測定することにより決定され得る。
【0061】
いくつかの態様において、化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの組合せでの投与および/または使用により、ウイルス負荷が、実質的に同じ量の化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグ単独の投与によって達成されるウイルス負荷の低減より大きく低減され得る。例えば、化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの組合せにより、ウイルス負荷が、単独療法として投与される実質的に同じ量の化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグによって達成されるHCVウイルス負荷の低減と比べて少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、もしくは少なくとも約90%、またはそれ以上低減され得る。いくつかの態様において、化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの組合せでの投与および/または使用により、ウイルス負荷が、実質的に同じ量の化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグ単独の投与によって達成されるウイルス負荷の低減より大きく低減され得る。一例として、化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの組合せにより、ウイルス負荷が、単独療法として投与される実質的に同じ量の化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグによって達成されるHCVウイルス負荷の低減と比べて少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、もしくは少なくとも約90%、またはそれ以上低減され得る。
【0062】
いくつかの態様において、化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの量および化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの量は相乗作用量である。本明細書で使用される場合、「相乗的組合せ」または「相乗作用量」は、HCV感染の治療的または予防的治療において、(i)単独療法と同じ投薬量で投与された場合の化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの治療的または予防的恩恵と、(ii)単独療法と同じ投薬量で投与された場合の化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの治療的または予防的恩恵の単なる相加的組合せから予想または予測され得る治療結果の改善増加分より有効な併用投薬量である。また、用語「相乗的組合せ」または「相乗作用量」は、HCV感染の治療的または予防的治療において、(i)化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの治療的または予防的恩恵と、(ii)化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの治療的または予防的恩恵の組合せから、複合則に基づいて予想または予測され得るものより有効な併用投薬量をいうために使用され得る。したがって、いくつかの態様において、化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの組合せにより、ウイルス負荷が、複合則あるいは化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグおよび化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの投与のウイルス負荷の低減の相加的組合せから予想または予測されるHCVウイルス負荷の低減と比べて少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、もしくは少なくとも約90%、またはそれ以上低減され得る。いくつかの態様において、ウイルス負荷の低減の前述のレベルは、被験体集団に基づいた平均である。HCVウイルス負荷およびウイルス負荷の低減は、当該技術分野で公知の方法によって測定され得る。例えば、HCVウイルス負荷は、逆転写酵素PCRアッセイなどの適当なアッセイを用いてHCV RNAレベルを測定することにより測定され得る。一態様において、アッセイは、COBAS(登録商標) AmpilPrep/COBAS(登録商標) Taqman(登録商標) HCV Test RUOである。
【0063】
化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの組合せにより、被験体が治療に対する持続性ウイルス応答を獲得するにかかる期間が短縮され得る。例えば、化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの組合せにより、被験体が治療に対する持続性ウイルス応答を獲得するにかかる期間が、実質的に同じ量の化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独療法として投与された被験体が持続性ウイルス応答を獲得するにかかる期間と比べて短縮され得る。同様に、または代替例において、化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの組合せにより、被験体が治療に対する持続性ウイルス応答を獲得するにかかる期間が、実質的に同じ量の化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独療法として投与された被験体が治療に対する持続性ウイルス応答を獲得するにかかる期間と比べて短縮され得る。一態様において、化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの組合せにより、被験体が治療に対する持続性ウイルス応答を獲得するのにかかる期間が、実質的に同じ量の化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独療法として投与された被験体が治療に対する持続性ウイルス応答を獲得するのにかかる期間、および実質的に同じ量の化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独療法として投与された被験体が治療に対する持続性ウイルス応答を獲得するのにかかる期間から予測または予想される複合則または相加的組合せに基づいて予測されるものと比べて少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、もしくは少なくとも約90%、またはそれ以上短縮され得る。いくつかの態様において、持続性ウイルス応答が獲得される期間は被験体集団に基づいた平均である。
【0064】
上記のように、主題の方法がHCV感染の治療に有効であるかどうかは、肝臓線維症などのHCV感染と関連するパラメータを測定することにより決定され得る。肝臓線維症の程度の測定方法は、当業者に公知である。いくつかの態様において、肝臓線維症の血清マーカーのレベルは肝臓線維症の程度を示す。
【0065】
非限定的な例として、血清アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)のレベルが、標準的なアッセイを用いて測定される。一般に、約45国際単位未満のALTレベルが正常とみなされる。いくつかの態様において、化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの組合せにより、肝臓線維症のマーカーの血清レベルが、単独療法を受けている(例えば、実質的に同じ量の化合物1もしくは2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグ単独を投与されている)被験体におけるマーカーのレベルと比べて少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、もしくは少なくとも約80%、またはそれ以上低減される。他の態様において、化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの組合せにより、肝臓線維症のマーカーの血清レベルが、複合則あるいは実質的に同じ量の化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを用いた肝臓線維症のマーカーの血清レベルの低減のレベルの相加的組合せに基づいて予測されるものと比べて少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、もしくは少なくとも約80%、またはそれ以上低減される。いくつかの態様において、肝臓線維症のマーカーの血清レベルの低減は被験体集団に基づいた平均である。
【0066】
疾患状態について治療されている被験体は、1種類以上の治療剤(例えば、化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグ、および/または 化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグ)に対する抵抗性を経験し得る。用語「抵抗性」は、本明細書で使用される場合、治療剤(1種類または複数種)の応答の遅延、軽減および/または非存在を示す被験体をいう。例えば、抗ウイルス薬またはその組合せに抵抗性になったHCVを有する被験体のウイルス負荷は、抗ウイルス薬またはその組合せに抵抗性になる前の被験体によって示されるウイルス負荷の低減量、および/または測定された正常平均ウイルス負荷の低減と比べて少ない程度まで低減され得る。いくつかの態様において、治療に対する疾患状態の抵抗性のレベルは、実質的に同じ量の化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独療法として投与された被験体において測定される抵抗性のレベルと比べて減少され得る。いくつかの態様において、治療に対する疾患状態の抵抗性のレベルは、実質的に同じ量の化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独療法として投与された被験体において測定される抵抗性のレベルと比べて減少され得る。他の態様において、化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの組合せにより、複合則または、実質的に同じ量の化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを用いた抵抗性のレベルの相加的組合せに基づいて予測されるものと比べて少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、もしくは少なくとも約80%、またはそれ以上、治療に対する疾患状態の抵抗性のレベルが低減される。いくつかの態様において、抵抗性のレベルは被験体集団に基づいた平均である。
【0067】
1種類以上の治療剤について抵抗性を示す、または抵抗性有するHCVについて治療されている一部の被験体は、ウイルス負荷跳ね返りを経験する。用語ウイルス負荷跳ね返り」は、本明細書で使用される場合、ウイルス負荷の治療終了前の底より上の持続性≧0.5 log IU/ml増加をいい、この場合、底は、ベースラインからの≧0.5 log IU/ml減少である。いくつかの態様において、化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグおよび化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの共投与により、化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグ、あるいは化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグでの単独療法と比べて、ウイルス負荷跳ね返りを経験する被験体が少なくなる。いくつかの態様において、化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの共投与により、単独療法、例えば、化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグおよび化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグでの単独療法と比べて少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、もしくは少なくとも約80%、またはそれ以上、ウイルス負荷跳ね返りの回数を経験する被験体の数が減少する。いくつかの態様において、化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの共投与により、ウイルス負荷跳ね返りを経験する患者集団が、約75%未満、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、または約5%未満になる。他の態様において、化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの組合せにより、ウイルス負荷跳ね返りを経験する患者集団の割合が、複合則に基づいて予測されるものと比べて少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、もしくは少なくとも約80%、またはそれ以上減少する。
【0068】
1種類以上の治療剤について抵抗性を示す、または抵抗性を有する、HCVについて治療されている一部の被験体は、非応答体であるか、非応答体になる。用語「非応答体」は、本明細書で使用される場合、治療中、≦0.5log IU/mlのウイルス負荷の減少をいう。いくつかの態様において、化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグおよび化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの共投与により、化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグ、あるいは化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの単独療法と比べて、非応答体である被験体が少なくなる。いくつかの態様において、化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの共投与により、単独療法と比べて、非応答体である患者の数が、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、もしくは少なくとも約80%、またはそれ以上、少なくなる。いくつかの態様において、化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの共投与により、非応答体である患者集団が、約75%未満、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、または約5%未満になる。他の態様において、化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの組合せにより、非応答体である患者集団の割合が、複合則に基づいて予測されるものと比べて少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、もしくは少なくとも約80%、またはそれ以上低減される。
【0069】
また、あるいは代替例では、いくつかの態様において、治療に対する疾患状態の抵抗性の開始は、抵抗性の開始が実質的に同じ量の化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独療法として投与された被験体において起こる場合と比べて遅延され得る。いくつかの態様において、治療に対する疾患状態の抵抗性の開始は、抵抗性の開始が実質的に同じ量の化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独療法として投与された被験体において起こる場合と比べて遅延され得る。一態様において、化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグにより、化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグに対する抵抗性の開始が遅延され得る。例えば、化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグにより、化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグに対するHCV抵抗性の開始が遅延され得、これは、HCVレプリコンアッセイによって示される。本明細書で使用される場合、語句「抵抗性の開始」は、被験体が1種類以上の治療化合物に対する抵抗性を示す時点である。一態様において、疾患はHCVであり得る。いくつかの態様において、化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの組合せは、抵抗性の開始が、複合則、または実質的に同じ量の化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの相加的組合せに基づいて予想または予測される抵抗性の開始と比べて少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、もしくは少なくとも約90%、またはそれ以上遅延され得る相乗的組合せであり得る。いくつかの態様において、抵抗性の開始時点は、被験体集団に基づいた平均である。
【0070】
しばしば、抗ウイルス化合物などの治療剤で治療された被験体は、1つ以上の副作用を経験する。いくつかの場合において、副作用は、薬剤での治療が実行可能となり得ないか、または推奨され得ず、そのため、治療が一部の被験体に対して選択肢にならない、または治療を中止しなければならない程度のものであり得る。副作用の数および/または重症度が低減または減少することにより、被験体の治療のコンプライアンスが増大し得る。いくつかの態様において、化合物1またはその医薬用の塩もしくはプロドラッグと化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの共投与と関連する副作用の数は、実質的に同じ量の化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを唯一の活性剤として投与された被験体によって示される副作用の数より少なくなり得る。いくつかの態様において、化合物1またはその医薬用の塩もしくはプロドラッグと化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの共投与と関連する副作用の数は、実質的に同じ量の化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを唯一の活性剤として投与された被験体によって示された副作用の数より少なくなり得る。他の態様において、化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの組合せを投与された被験体は、複合則、または実質的に同じ量の化合物1および2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを投与された被験体が経験する副作用の相加的組合せに基づいて予想または予測されるよりも、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、または少なくとも約80%少ない副作用を示し得る。いくつかの態様において、副作用の数は、被験体集団に基づいた平均である。
【0071】
前述のように、活性化合物での単独療法と関連する1つ以上の副作用の重症度が減少することにより、抗ウイルス治療に対する被験体によるコンプライアンスも増大し得る。いくつかの態様において、化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグと化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの組合せと関連する副作用の重症度は、化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独療法として投与された被験体が経験する副作用の重症度と比べて減少する。一態様において、化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグと化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの組合せと関連する副作用の重症度は、化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独療法として投与された被験体が経験する副作用の重症度と比べて減少する。いくつかの態様において、化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグと化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの組合せと関連する副作用の重症度は、複合則、または実質的に同じ量の化合物1またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグと実質的に同じ量の化合物2またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグと関連する副作用の重症度の相加的組合せに基づいて予想または予測される副作用の重症度と比べて少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、または少なくとも約80%減少し得る。いくつかの態様において、副作用の重症度は、被験体集団に基づいた平均である。
【0072】
当業者に容易に自明のように、投与される有用なインビボ投薬量および具体的な投与様式は、年齢、重量、罹患の重症度、および治療対象の哺乳動物種、使用される具体的な化合物、ならびにこれらの化合物が使用される具体的な用途に応じて異なる(例えば、“The Pharmacological Basis of Therapeutics”のFingl et al. 1975を参照のこと、これは、参照によりその全体が本明細書に援用され、特に、第1章、第1頁を参照のこと)。所望の結果を達成するのに必要な投薬量レベルである有効投薬量レベルの決定は、通常の薬理学的方法を用いて当業者により行なわれ得る。典型的に、製品のヒト臨床適用は低い投薬量レベルで開始され、投薬量レベルは所望の効果が達成されるまで増大される。代替的に、確立された薬理学的方法を用いて本発明の方法によって同定される組成物の有用な用量および投与経路を確立するため、許容され得るインビトロ試験が使用され得る。
【0073】
正確な投薬量はそれぞれの薬物ごとに決定されるが、ほとんどの場合、投薬量に関してある程度の一般化が行なわれ得る。投薬量は、単回のものであってもよく、被験体の必要に応じて1日以上の過程で投与される一連の2回以上のものであってもよい。いくつかの態様において、化合物は、連続治療期間、例えば、1週間以上または数ヶ月もしくは数年間投与される。
【0074】
少なくともいくつかの状態について化合物に対するヒト投薬量が確立されている場合では、同投薬量、または確立されたヒト投薬量の約0.1%〜500%、より好ましくは約25%〜250%の投薬量が使用される。新たに発見された医薬組成物の場合のように、ヒト投薬量が確立されていない場合、適当なヒト投薬量は、動物における毒性試験および有効性試験によって示されるように、ED50もしくはID50値、またはインビトロもしくはインビボ試験から誘導される他の適切な値から推定され得る。
【0075】
薬学的に許容され得る塩の投与の場合、投薬量は遊離塩基として計算され得る。当業者によって理解されるように、特定の状況では、有効に、または集中的に特に急速進行性の疾患または感染を治療するため、上記の好ましい投薬量範囲を超える量、またははるかに超える量の本明細書に開示した化合物を投与することが必要であり得る。
【0076】
投薬量および投薬期間は、調整効果を維持するのに充分な活性部分の血漿レベル、または最小有効濃度(MEC)をもたらすために個々に調整され得る。MECは各化合物で異なるが、インビトロデータから推定され得る。MECを達成するのに必要な投薬量は、個体の特徴および投与経路に依存する。しかしながら、血漿濃度の測定には、HPLCアッセイまたはバイオアッセイが使用され得る。
【0077】
投薬期間もMEC値を用いて決定され得る。組成物は、期間の10〜90%、好ましくは30〜90%、最も好ましくは50〜90%、血漿レベルがMECより上に維持される計画を用いて投与されるべきである。局所投与または選択的取込みの場合では、薬物の有効な局所濃度は血漿濃度に関連しないことがあり得る。
【0078】
担当医師は、毒性または臓器機能不全により、どのようにして、およびいつ投与を中止、中断または調整するかを知っているであろうことに注意されたい。逆に、担当医師はまた、臨床応答が充分でない場合は(毒性を除く)治療を高レベルに調整することを知っているであろう。対象の障害の管理における投与用量の大きさは、治療対象の状態の重症度および投与経路により異なる。状態の重症度は、例えば、一部、標準的な予後評価方法によって評価され得る。さらに、用量およびおそらく投与頻度もまた、年齢、体重および個々の患者の応答に応じて異なる。上記のものと同等のプログラムが、獣医学において使用され得る。
【0079】
非ヒト動物試験において、潜在的生成物の適用は、高い用量レベルで開始され、該用量は、所望の効果がもはや達成されなくなるまで、または有害な副作用が消えるまで低減される。該用量は、所望の効果および治療の指標に応じて広い範囲に及び得る。代替的には、用量は、当業者に理解されるように、患者の表面積に基づいて計算され得る。
【0080】
本明細書に開示される化合物は、公知の方法を使用して効果および毒性について評価され得る。例えば、特定の化学部分を共有する特定の化合物の毒物学または該化合物のサブセットの毒物学は、哺乳動物、好ましくはヒト細胞株などの細胞株に対する毒性をインビトロで測定することにより確認され得る。かかる試験の結果は、しばしば動物、例えば哺乳動物、より具体的にはヒトにおける毒性の予測となる。代替的には、マウス、ラット、ウサギまたはサルなどの動物モデルにおける特定の化合物の毒性は、公知の方法を使用して決定され得る。特定の化合物の効果は、インビトロ法、動物モデルまたはヒト臨床試験などの認識されるいくつかの方法を使用して確認され得る。同様に、許容される動物モデルを使用して、かかる状態を治療するための化学物質の効果を確認し得る。効果を決定するためのモデルを選択する場合、当業者は、当該技術水準により、適切なモデル、用量、ならびに投与経路および計画を選択するように誘導され得る。当然のことながら、ヒトにおける化合物または組成物の効果を決定するために、ヒト臨床試験も使用され得る。
【0081】
本明細書に記載される組成物および方法のいずれかが、HCV感染を有すると診断された個体に投与され得る。本明細書に記載された組成物および方法のいずれかは、HCV感染のための事前治療が失敗した個体(「治療失敗(failure)患者」、例えば非応答体および再発体)に投与され得る。
【0082】
HCVに感染すると臨床的に診断された個体は、多くの態様において特別な対象である。HCVに感染している個体は、血中にHCV RNAを有する、および/または血清中に抗HCV抗体を有するものと確認される。かかる個体としては、抗HCV ELISA陽性個体および組み換えイムノブロットアッセイ(RIBA)陽性の個体が挙げられる。かかる個体はまた、必ずしもその必要はないが、高い血清ALTレベルを有する。
【0083】
HCVに感染していると臨床的に診断される個体としては、未経験個体(例えば、HCVについて以前に治療を受けたことがない個体、特にIFN-α系および/またはリバビリン系治療を以前に受けたことがない個体)およびHCVについての以前の治療を失敗した個体(「治療失敗」患者)が挙げられる。治療失敗患者としては、非応答体(すなわち、HCV力価が以前のHCVについての治療、例えば前IFN-α単独療法、前IFN-αおよびリバビリン併用療法、または前ペグ化IFN-αおよびリバビリン併用療法により、有意にまたは充分に低くならなかった個体);および再発体(すなわち、HCVについて以前に治療された、例えば前IFN-α単独療法、前IFN-αおよびリバビリン併用療法、または前ペグ化IFN-αおよびリバビリン併用療法を受けて、HCV力価が低減し、その後増加した個体)が挙げられる。
【0084】
一態様において、HCV陽性個体は、血清1ミリリットル当たり少なくとも約105、少なくとも約5x105、または少なくとも約106、または少なくとも約2x106のHCVのゲノムコピーのHCV力価を有する。該患者は、任意のHCV遺伝子型(遺伝子型1、例えば1aおよび1b、2、3、4、6などおよびサブタイプ(例えば、2a、2b、3aなど))に感染し得、HCV遺伝子型1および特にHCVサブタイプおよび類似種(quasispecies)は治療が特に困難である。
【0085】
いくつかの態様において、HCV陽性個体は、(上述のように)慢性HCV感染のために、重度の線維症または初期肝硬変(非代償不全、チャイルドピュー分類A以下)、またはより進行した肝硬変(代償不全、チャイルドピュー分類BまたはC)を示す個体であり、IFN-α系療法による抗ウイルス治療前にも関わらずウイルス血症であるか、またはIFN-α系療法に耐えられないか、またはかかる療法に対して禁忌である個体である。一態様において、本明細書に記載される組成物および方法による治療には、METAVIRスコアリングシステムに従って病期3または4の肝臓線維症を有するHCV陽性個体が適当である。他の態様において、本明細書に記載される組成物および方法による治療に適当な個体は、臨床的発現を有する代償不全肝硬変を有する患者、例えばかなり進行した肝硬変を有する患者、例えば肝臓移植を待っている患者である。さらに他の態様において、本明細書に記載される組成物および方法による治療に適当な個体としては、中程度の線維症を有する患者、例えば初期線維症(METAVIR、LudwigおよびScheuerスコアリングシステムにおける病期1および2;またはIshakスコアリングシステムにおける病期1、2または3)を有する患者が挙げられる。
【実施例】
【0086】
諸態様は、以下の実施例においてさらに詳細に開示され、特許請求の範囲の限定を何ら意図しない。
【0087】
実施例1
治療プロトコル
化合物1aおよび化合物2の無作為化され、二重盲検化され、プラシーボで対照を取った用量変化試験を、慢性C型肝炎遺伝子型1を有する成人患者で行なった。遺伝子型1のHCV感染を有する、以前にインターフェロンまたは観察HCV治療剤で治療されたことがない18〜65歳(両端含む)の約54名の治療未経験男性および女性を登録した。現在の標準的な治療での治療に失敗した(無効、部分応答体および再発体)およそ20名の追加の治療患者を登録した。慢性C型肝炎であるが肝硬変は有さない被験体は、最初の投薬の24ヶ月以内に肝臓生検または非侵襲性(例えばFibroscan)手順を有した。F0またはF1疾患を示す5年以内の肝臓生検も許容した。肝硬変もしくは不完全/一過的肝硬変、または他の形態の肝臓疾患、貧血、HIVもしくはHBV感染、肝細胞癌、心臓疾患または腎臓疾患を有する被験体、および妊娠または授乳期の女性、子供を出産する可能性のある女性、ならびに妊娠もしくは授乳期の女性のパートナーの男性は、この特定のプロトコルから除外した。子供を出産する可能性のない女性は、閉経後(少なくとも1年間自発的な月経周期がないことをFSHおよびLH実験結果で確認した);外科的不妊(少なくとも6ヶ月間子宮摘出または卵管結紮後の状態である);および/または自然不妊(少なくとも1年間無月経である)と規定される。
【0088】
7つの群、群I、II、III、IV、V、VIおよびVIIの被験体を試験した。薬物動態学パラメーター、例えばTmax、Cmax、Kel、T1/2、AUC、CL/F、Vd/Fおよび蓄積速度を決定する時点で血液試料を回収した。
【0089】
群I、II、III、IV、V、VIおよびVIIの詳細を以下の表1に、模式図付きで図2および3に示す。群Iは、集団1に8名の被験体および集団2に8名の被験体を有する2つの集団を含んだ。集団1では、全7日間化合物1aを投与し、7日間の後半分に化合物2を投与した。集団2では、全7日間化合物2を投与し、7日間の後半分に化合物1aを投与した。群IIでは、全部で10名の被験体を登録した。被験体は、化合物1aおよび2のいずれか、またはプラシーボを全14日間投与された。群Iおよび群IIは、連続して完了させた。
【0090】
群IIIおよびIVについて、被験体は、全14日間化合物1aおよび2またはプラシーボを投与された。群IIIには18名の被験体を登録し、500mg(化合物1a)および200mg(化合物2)、1000mg(化合物1a)および100mg(化合物2)、または化合物1aおよび2のプラシーボのいずれかを投与した。群IVには12名の被験体を登録した。群IVの8名の被験体は、1000mg(化合物1a)および200mg(化合物2)を投与され、4名の被験体は、プラシーボを投与された。群IIIおよびIVは、群IおよびIIについての安全性データを取得した後、連続して完了させた。
【0091】
群V、VIおよびVIIでは、被験体は、全14日間化合物1aおよび2またはプラシーボを投与された。群Vには、治療失敗、非ヌル(non-null)であると分類された10名の被験体を登録した。群Vにおいて8名の被験体に1000mg(化合物1a)および600mg(化合物2)を投与し、群Vでは2名の被験体に化合物1aおよび2のプラシーボを投与した。群VIには治療ヌルと分類された10名の被験体を登録した。群VIでは、8名の被験体に1000mg(化合物1a)および900mg(化合物2)を投与し、2名の被験体に化合物1aおよび2のプラシーボを投与した。群VIIには10名の被験体を登録した。群VIIの8名の被験体に1000mg(化合物1a)および900mg(化合物2)を投与し、群VIIの2名の被験体に化合物1aおよび2のプラシーボを投与した。
【0092】



【0093】
薬物動態学評価
4mLの血液試料を以下のように採取した:
群I
・化合物1a
1日目、試験薬の最初の投薬前および12時間での化合物1aの投薬の直前
3日目、投薬前ならびに投薬の0.5、1、2、3、4、8および12時間後
4日目、朝の投薬前
7日目、投薬前ならびに投薬の0.5、1、2、3、4、8および12時間後
・化合物2
1日目、試験薬の最初の投薬前および8時間での化合物2の投薬の直前
3日目、投薬前ならびに投薬の0.5、1、1.5、2、3、4および8時間後
4日目、朝の投薬前
7日目、投薬前ならびに投薬の0.5、1、1.5、2、3、4および8時間後
群II、IIIおよびIV
・化合物1a
1日目、試験薬の最初の投薬前および12時間での化合物1aの投薬直前
4日目、朝の投薬前
7日目、投薬前ならびに投薬の0.5、1、2、3、4、8および12時間後
14日目、投薬前
・化合物2
1日目、試験薬の最初の投薬前および8時間での化合物2の投薬直前
4日目、朝の投薬前
7日目、投薬前ならびに投薬の0.5、1、1.5、2、3、4および8時間後
14日目、投薬前
群V、VIおよびVII
・化合物1a
1日目、試験薬の最初の投薬前および12時間での化合物1aの投薬直前
4日目、朝の投薬前
7日目、投薬前ならびに投薬の0.5、1、2、3、4、8および12時間後
10日目、投薬前
14日目、投薬前
・化合物2
1日目、試験薬の最初の投薬前および12時間での化合物1aの投薬直前
4日目、朝の投薬前
7日目、投薬前ならびに投薬の0.5、1、2、3、4、8および12時間後
10日目、投薬前
14日目、投薬前
【0094】
化合物1(および適用可能な場合はその代謝物)ならびに化合物2の血漿濃度を有効な液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析(LC-MS/MS)法により測定した。それぞれの化合物についての薬物動態パラメーターを、標準的な方法を使用したWinNonlin(Version 5.2、Pharsight Co.)を使用して、標準的な非コンパートメント法を使用して推定した。
【0095】
HCV RNAウイルス負荷測定およびウイルス抵抗性評価
HCV RNA評価(抗ウイルス活性±抵抗性)のために血液試料を、治療および以下の追跡期間を通じて回収した:
群I
・スクリーニング
・1日目、朝の投薬前の1時間以内ならびに朝の投薬の4および12時間後
・5、6および7日目、朝の投薬前の1時間以内
・8、14、35および91日目
群II、IIIおよびIV
・スクリーニング
・1日目、朝の投薬前の1時間以内ならびに朝の投薬の4および12時間後
・2、3および4日目、朝の投薬前の1時間以内および朝の投薬の12時間後
・5、6、7、10、13および14日目、朝の投薬前の1時間以内
・15、21、42および98日目
群V、VIおよびVII
・スクリーニング
・1日目、朝の投薬前の1時間以内ならびに朝の投薬の4、12および16時間後
・2および14日目、朝の投薬前の1時間以内および朝の投薬の12時間後
・3および4日目、朝の投薬前の1時間以内ならびに朝の投薬の12および16時間後
・5、6、7、10および13日目、朝の投薬前の1時間以内
・21、42および98日目
【0096】
投薬前試料は投薬の1時間以内に採取した。約10mLの血液をHCV RNAウイルス負荷測定およびウイルス抵抗性評価の両方に使用した。HCV RNAレベルを、COBAS(登録商標)AmpilPrep/COBAS(登録商標)Taqman(登録商標)HCV Test RUOで測定した。これはリアルタイムPCR法である。HCVおよびRNAの測定値は指定の時点で採取した。ウイルス負荷データの平均および個々のプロット(絶対値およびベースラインからの変化)は、各群の各集団から得た。ベースラインからの個々の変化の一覧表(listing)を決定した。各公称(nominal)時点でのHCV RNA測定値のまとめは治療集団によってもたらされる。
【0097】
ウイルス負荷測定のために回収された選択血液試料を表現型解析および配列解析に使用して、化合物1および/または化合物2で治療しながらもウイルス負荷跳ね返りまたは非応答のいずれかを経験した被験体における化合物1および化合物2に対する抵抗性の発生をモニタリングした。
【0098】
全ベースライン試料のHCV NS5Bポリメラーゼおよび/またはNS3/4Aの完全コーディング配列の集団配列決定は、標準的な配列決定技術を使用して行なった。ウイルス負荷跳ね返りを経験した被験体について、(a)ベースラインおよび(b)ウイルス負荷跳ね返り後の最初の試料で、集団NS5Bコーディング配列を決定しようと試みた。ウイルス負荷跳ね返り後の試料中のアミノ酸置換を、それぞれの選択された被験体についてのそれぞれのベースライン配列と比較して決定した。第2の解析には、全HCVゲノムの配列決定、ウイルス学的応答を有する被験体由来の試料の配列決定、および少数の類似種の配列決定を含んだ。(a)および(b)において概説された試料の化合物1および化合物2に対する抵抗性をモニタリングするための表現型試験を行い、これにはウイルス学的応答を有する被験体由来の試料の解析が含まれた。他のHCVインヒビターに対する交差抵抗性の評価および配列解析を選択された試料で行ったが、これにはHCVゲノム由来の配列の増幅およびサブクローニングが必要な場合がある。
【0099】
表2に、群I、集団1および2、ならびに治療の7日後の化合物1aまたは化合物2での単独療法治療についてのウイルス動態結果を示す。結果は、HCV RNAポリメラーゼのベースラインからの平均対数変化を示す(IU/mL)。
【0100】

【0101】
表2の結果から示されるように、化合物1aと2を併用して治療した被験体は、化合物1aまたは化合物2を単独療法として用いて治療した被験体と比較してウイルス負荷の低下を示した。
【0102】
表3および4には、群I〜VIIについてのウイルス学結果を示す。化合物1aと化合物2を併用して、ペグ化インターフェロンまたはリバビリンを用いずに治療した被験体は、全ての計画および試験した患者集団において-4.8〜-4.6log10IU/mLの中位のウイルスレベルの低下を示した。さらに、治療標準に切替えた場合、患者のウイルス負荷は検出できなくなった。
【0103】

【0104】

【0105】
血清ALTの測定
標準的な血液検査(1つまたは複数)を使用して血清ALT活性を測定した。ベースライン値は最初の投薬前に得た。基準範囲外の値および顕著な異常はRocheの標準的な規定に従って印をつけた(flagged)。値およびベースラインからの変化を個々の被験体でプロットし、データ評価を補助した。データの変換を行なった。群IIについての血清ALTのベースラインからの平均変化を図4に示す。図4に示されるように、化合物1aと2の併用により、血清ALT活性が低下する。
【0106】
安全性および許容性
化合物1aと2を使用して、ペグ化インターフェロンおよび/またはリバビリンありおよびなしでの併用治療についての安全性および許容性の結果を表5に示す。表5の結果に示されるように、化合物1aと2の併用治療は安全で充分に許容される。
【0107】

【0108】
本出願の精神を逸脱することなく、多くの、種々の変更がなされ得ることは当業者に理解されよう。したがって、本出願の形式は例示のみであり、本出願の範囲を限定することを意図しないことが明確に理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグおよび第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを含む組成物であって、第一の化合物が


であり;第二の化合物が


である、組成物。
【請求項2】
実質的に、第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグおよび第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグからなる組成物であって、第一の化合物が


であり;第二の化合物が


である、組成物。
【請求項3】
第一の化合物のプロドラッグが、構造:


を有する、請求項1または2記載の組成物。
【請求項4】
薬学的に許容され得る賦形剤、希釈剤または担体をさらに含む、請求項1〜3いずれか記載の組成物。
【請求項5】
約9000mg〜約50mgの範囲の第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの量を含む、請求項1〜4いずれか記載の組成物。
【請求項6】
約5000mg〜約150mgの範囲の第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの量を含む、請求項1〜4いずれか記載の組成物。
【請求項7】
約2000mg〜約300mgの範囲の第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの量を含む、請求項1〜4いずれか記載の組成物。
【請求項8】
約1000mg〜約450mgの範囲の第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの量を含む、請求項1〜4いずれか記載の組成物。
【請求項9】
約1000mg〜約500mgの範囲の第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの量を含む、請求項1〜4いずれか記載の組成物。
【請求項10】
約2000mg〜約2mgの範囲の第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの量を含む、請求項1〜9いずれか記載の組成物。
【請求項11】
約1600mg〜約25mgの範囲の第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの量を含む、請求項1〜9いずれか記載の組成物。
【請求項12】
約500mg〜約50mgの範囲の第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの量を含む、請求項1〜9いずれか記載の組成物。
【請求項13】
約200mg〜約100mgの範囲の第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの量を含む、請求項1〜9いずれか記載の組成物。
【請求項14】
組成物中、第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの総量および第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの総量の合計に対して約1%〜約99%(重量/重量)の範囲の第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの総量を含む、請求項1〜4いずれか記載の組成物。
【請求項15】
組成物中、第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの総量および第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの総量の合計に対して約5%〜約90%(重量/重量)の範囲の第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの総量を含む、請求項1〜4いずれか記載の組成物。
【請求項16】
組成物中、第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの総量および第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの総量の合計に対して約10%〜約80%(重量/重量)の範囲の第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの総量を含む、請求項1〜4いずれか記載の組成物。
【請求項17】
組成物中、第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの総量および第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの総量の合計に対して約20%〜約70%(重量/重量)の範囲の第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの総量を含む、請求項1〜4いずれか記載の組成物。
【請求項18】
組成物中、第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの総量および第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの総量の合計に対して約30%〜約60%(重量/重量)の範囲の第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの総量を含む、請求項1〜4いずれか記載の組成物。
【請求項19】
組成物中、第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの総量および第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの総量の合計に対して約40%〜約50%(重量/重量)の範囲の第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの総量を含む、請求項1〜4いずれか記載の組成物。
【請求項20】
組成物中、第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの総量および第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの総量の合計に対して約1%〜約99%(重量/重量)の範囲の第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの総量を含む、請求項14〜19いずれか記載の組成物。
【請求項21】
組成物中、第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの総量および第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの総量の合計に対して約5%〜約90%(重量/重量)の範囲の第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの総量を含む、請求項14〜19いずれか記載の組成物。
【請求項22】
組成物中、第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの総量および第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの総量の合計に対して約10%〜約80%(重量/重量)の範囲の第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの総量を含む、請求項14〜19いずれか記載の組成物。
【請求項23】
組成物中、第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの総量および第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの総量の合計に対して約20%〜約70%(重量/重量)の範囲の第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの総量を含む、請求項14〜19いずれか記載の組成物。
【請求項24】
組成物中、第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの総量および第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの総量の合計に対して約30%〜約60%(重量/重量)の範囲の第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの総量を含む、請求項14〜19いずれか記載の組成物。
【請求項25】
組成物中、第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの総量および第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの総量の合計に対して約40%〜約50%(重量/重量)の範囲の第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの総量を含む、請求項14〜19いずれか記載の組成物。
【請求項26】
組成物中の第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの量が、第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独療法として投与した場合と実質的に同じウイルス負荷減少を達成するのに必要な第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの量よりも少ない、請求項1〜25いずれか記載の組成物。
【請求項27】
組成物中の第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの量が、第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独療法として投与した場合と実質的に同じウイルス負荷減少を達成するのに必要な第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの量よりも少ない、請求項1〜26いずれか記載の組成物。
【請求項28】
1つ以上のさらなる治療剤をさらに含む、請求項1〜27いずれか記載の組成物。
【請求項29】
1つ以上のさらなる治療剤が、ヌクレオシドアナログ、ピルフェニドン、ピルフェニドンアナログ、NS5B RNA依存性RNAポリメラーゼインヒビター、腫瘍壊死因子アンタゴニスト、チモシン-α、インターフェロン-ガンマ(IFN-γ)、インターフェロン-アルファ(IFN-α)、3'-アジドチミジン、2',3'-ジデオキシイノシン、2',3'-ジデオキシシチジン、2-,3-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシチミジン、コンビビル、アバカビル、アデホビルジピボキシル、シドホビル、リトナビル、イノシンモノホスフェートデヒドロゲナーゼインヒビター、インターフェロン、さらなるNS3プロテアーゼインヒビター、NS5BポリメラーゼインヒビターおよびNS3ヘリカーゼインヒビターからなる群より選択される、請求項28記載の組成物。
【請求項30】
ヌクレオシドアナログが、リバビリン、レボビリン(levovirin)、ビラミジン(viramidine)、L-ヌクレオシド、およびイサトリビン(isatoribine)からなる群より選択される、請求項29記載の組成物。
【請求項31】
腫瘍壊死因子アンタゴニストが、エタネルセプト、インフリキシマブおよびアダリムマブからなる群より選択される、請求項29記載の組成物。
【請求項32】
チモシン-α が約1.0mg〜約1.6mgの範囲の量である、請求項29記載の組成物。
【請求項33】
IFN-γが約10μg〜約300μgの範囲の量である、請求項29記載の組成物。
【請求項34】
IFN-αがモノPEG(30kD、直鎖)化コンセンサスである、請求項29記載の組成物。
【請求項35】
IFN-α が、インターフェロンα-2bの40kD分岐モノ-メトキシPEGコンジュゲートおよびインターフェロンα-2bの12kDモノ-メトキシPEGコンジュゲートからなる群より選択される、請求項29記載の組成物。
【請求項36】
IFN-αがINFERGENコンセンサスIFN-αである、請求項29記載の組成物。
【請求項37】
さらなるNS3プロテアーゼインヒビターが、


(VX-950)
および


(SCH 503034)
から選択される、請求項29記載の組成物。
【請求項38】
リバビリンを含まない、請求項1〜27いずれか記載の組成物。
【請求項39】
インターフェロンを含まない、請求項1〜27および38いずれか記載の組成物。
【請求項40】
インターフェロンがペグ化インターフェロンである、請求項39記載の組成物。
【請求項41】
治療有効量の請求項1〜40いずれか記載の1つ以上の組成物を疾患状態に苦しむ被験体に投与する工程を含む、患者集団における疾患状態を改善または治療する方法であって、該疾患状態が、C型肝炎ウイルス感染、肝臓線維症および肝臓機能障害からなる群より選択される、方法。
【請求項42】
治療有効量の第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグおよび治療有効量の第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを疾患状態に苦しむ被験体に投与する工程を含む、患者集団における疾患状態を改善または治療する方法であって、第一の化合物が


であり;第二の化合物が


であり、該疾患状態が、C型肝炎ウイルス感染、肝臓線維症および肝臓機能障害からなる群より選択される、方法。
【請求項43】
第一の化合物のプロドラッグが、構造:


を有する、請求項42記載の方法。
【請求項44】
第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグが、第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの前に投与される、請求項42または43記載の方法。
【請求項45】
第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグが、第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの後に投与される、請求項42または43記載の方法。
【請求項46】
第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグが、第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグとほぼ同時に投与される、請求項42または43記載の方法。
【請求項47】
第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグおよび第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグが共に一投薬形態中にある、請求項42または43記載の方法。
【請求項48】
第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグおよび第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグが別々の投薬形態中にある、請求項42〜46いずれか記載の方法。
【請求項49】
該疾患状態がC型肝炎ウイルス感染である、請求項41〜48いずれか記載の方法。
【請求項50】
患者集団が、第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独で、実質的に同じ量で投与されたこと以外は同等の患者集団が経験する平均ウイルス負荷と比較して、低下した平均ウイルス負荷を経験する、請求項41〜49いずれか記載の方法。
【請求項51】
患者集団が、第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独で、実質的に同じ量で投与されたこと以外は同等の患者集団が経験する平均ウイルス負荷と比較して、低下した平均ウイルス負荷を経験する、請求項41〜49いずれか記載の方法。
【請求項52】
患者集団が、第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独で、実質的に同じ量で投与されたこと以外は同等の集団が経験する副作用の平均数と比較して、副作用の平均数の低下を経験する、請求項41〜51いずれか記載の方法。
【請求項53】
患者集団が、第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独で、実質的に同じ量で投与されたこと以外は同等の集団が経験する副作用の平均数(number or side effect)と比較して、副作用の平均数の低下を経験する、請求項41〜51いずれか記載の方法。
【請求項54】
患者集団が、第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独で、実質的に同じ量で投与されたこと以外は同等の集団が経験する同じ副作用の平均重症度と比較して、副作用の平均重症度の低下を経験する、請求項41〜53いずれか記載の方法。
【請求項55】
患者集団が、第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独で、実質的に同じ量で投与されたこと以外は同等の集団が経験する同じ副作用の平均重症度と比較して、副作用の平均重症度の低下を経験する、請求項41〜53いずれか記載の方法。
【請求項56】
患者集団が、第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独で、実質的に同じ量で投与されたこと以外は同等の集団に含まれるウイルス負荷跳ね返りを経験する被験体の平均数と比較して、ウイルス負荷跳ね返りを経験する被験体の平均数の低下を含む、請求項41〜55いずれか記載の方法。
【請求項57】
患者集団が、第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独で、実質的に同じ量で投与されたこと以外は同等の集団に含まれるウイルス負荷跳ね返りを経験する被験体の平均数と比較して、ウイルス負荷跳ね返りを経験する被験体の平均数の低下を含む、請求項41〜55いずれか記載の方法。
【請求項58】
患者集団が、第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独で、実質的に同じ量で投与されたこと以外は同等の集団に含まれる非応答体の平均数と比較して、非応答体の平均数の低下を含む、請求項41〜57いずれか記載の方法。
【請求項59】
患者集団が、第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独で、実質的に同じ量で投与されたこと以外は同等の集団に含まれる非応答体の平均数と比較して、非応答体の平均数の低下を含む、請求項41〜57いずれか記載の方法。
【請求項60】
患者集団が、第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独で、実質的に同じ量で投与されたこと以外は同等の集団が経験する抵抗性の開始の平均時よりも遅い平均時での抵抗性の開始を経験する、請求項41〜59いずれか記載の方法。
【請求項61】
患者集団が、第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独で、実質的に同じ量で投与されたこと以外は同等の集団が経験する抵抗性の開始の平均時よりも遅い平均時での抵抗性の開始を経験する、請求項41〜59いずれか記載の方法。
【請求項62】
患者集団が、第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独で、実質的に同じ量で投与された集団が経験する第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグに対する抵抗性の平均レベルと比較して、第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグに対する抵抗性の平均レベルの低下を経験する、請求項41〜61いずれか記載の方法。
【請求項63】
患者集団が、第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独で、実質的に同じ量で投与されたこと以外は同等の集団が経験する第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグに対する抵抗性の平均レベルと比較して、第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグに対する抵抗性の平均レベルの低下を経験する、請求項41〜61いずれか記載の方法。
【請求項64】
有効量のさらなるヌクレオシドアナログを投与する工程をさらに含む、請求項41〜63いずれか記載の方法。
【請求項65】
さらなるヌクレオシドアナログが、リバビリン、レボビリン、ビラミジン、L-ヌクレオシドおよびイサトリビンからなる群より選択される、請求項64記載の方法。
【請求項66】
有効量のピルフェニドンまたはピルフェニドンアナログを投与する工程をさらに含む、請求項41〜65いずれか記載の方法。
【請求項67】
有効量のNS5B RNA依存性RNAポリメラーゼインヒビターを投与する工程をさらに含む、請求項41〜66いずれか記載の方法。
【請求項68】
エタネルセプト、インフリキシマブおよびアダリムマブからなる群より選択される腫瘍壊死因子アンタゴニストの有効量を投与する工程をさらに含む、請求項41〜67いずれか記載の方法。
【請求項69】
有効量のチモシン-αを投与する工程をさらに含む、請求項41〜68いずれか記載の方法。
【請求項70】
チモシン-αが約1.0mg〜約1.6mgの範囲の量である、請求項69記載の方法。
【請求項71】
有効量のインターフェロン-ガンマ(IFN-γ)を投与する工程をさらに含む、請求項41〜70いずれか記載の方法。
【請求項72】
IFN-γが、 約10μg〜約300μgの範囲の量で皮下投与される、請求項71記載の方法。
【請求項73】
有効量のインターフェロン-アルファ(IFN-α)を投与する工程をさらに含む、請求項41〜72いずれか記載の方法。
【請求項74】
IFN-αが8日毎〜14日毎の範囲の投薬間隔で投与されるモノPEG (30kD、直鎖)化コンセンサスである、請求項73記載の方法。
【請求項75】
IFN-αが7日毎に1回の投薬間隔で投与されるモノPEG (30kD、直鎖)化コンセンサスIFN-αである、請求項73記載の方法。
【請求項76】
IFN-α が、インターフェロンα-2bの40kD分岐モノ-メトキシPEGコンジュゲートおよびインターフェロンα-2bの12kDモノ-メトキシPEGコンジュゲートからなる群より選択される、請求項73記載の方法。
【請求項77】
IFN-αがINFERGENコンセンサスIFN-αである、請求項73記載の方法。
【請求項78】
3'-アジドチミジン、2',3'-ジデオキシイノシン、2',3'-ジデオキシシチジン、2-,3-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシチミジン、コンビビル、アバカビル、アデホビルジピボキシル、シドホビル、リトナビルおよびイノシンモノホスフェートデヒドロゲナーゼインヒビターから選択される薬剤の有効量を投与する工程をさらに含む、請求項41〜77いずれか記載の方法。
【請求項79】
インターフェロン、さらなるNS3プロテアーゼインヒビター、NS5BポリメラーゼインヒビターまたはNS3ヘリカーゼインヒビターの有効量を投与する工程をさらに含む、請求項41〜78いずれか記載の方法。
【請求項80】
さらなるNS3プロテアーゼインヒビターが


(VX-950)
および


(SCH 503034)
から選択される、請求項79記載の方法。
【請求項81】
患者集団が、第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグおよび第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの投与が完了した後にペグ化インターフェロンを投与される、請求項41〜80いずれか記載の方法。
【請求項82】
患者集団が、第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグおよび第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの投与が完了した後にリバビリンを投与される、請求項41〜81いずれか記載の方法。
【請求項83】
さらなる薬剤の投与工程を含まない、請求項41〜63いずれか記載の方法。
【請求項84】
さらなる薬剤がリバビリンである、請求項83記載の方法。
【請求項85】
さらなる薬剤がインターフェロンである、請求項83記載の方法。
【請求項86】
インターフェロンがペグ化インターフェロンである、請求項85記載の方法。
【請求項87】
疾患状態の改善または治療における使用のための請求項1〜40いずれか記載の治療組成物であって、該疾患状態が、C型肝炎ウイルス感染、肝臓線維症および肝臓機能障害からなる群より選択される、組成物。
【請求項88】
患者集団における疾患状態を改善または治療するための、医薬の調製における請求項1〜40いずれか記載の治療組成物の使用であって、該疾患状態が、C型肝炎ウイルス感染、肝臓線維症および肝臓機能障害からなる群より選択される、使用。
【請求項89】
患者集団における疾患状態を改善または治療するための、医薬の製造のための第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの使用であって、第一の化合物は


であり;第一の化合物は、第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグとの併用のために製造され、第二の化合物は


であり;該疾患状態は、C型肝炎ウイルス感染、肝臓線維症および肝臓機能障害からなる群より選択される、使用。
【請求項90】
第一の化合物のプロドラッグが、構造:


を有する、請求項88または89記載の使用。
【請求項91】
第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグが、第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの前に投与される、請求項88または89記載の使用。
【請求項92】
第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグが、第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの後に投与される、請求項88または89記載の使用。
【請求項93】
第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグが、第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグとほぼ同時に投与される、請求項88または89記載の使用。
【請求項94】
第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグおよび第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグが共に、一投薬形態中にある、請求項88または89記載の使用。
【請求項95】
第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグおよび第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグが別々の投薬形態中にある、請求項88〜93いずれか記載の使用。
【請求項96】
疾患状態がC型肝炎ウイルス感染である、請求項88〜95いずれか記載の使用。
【請求項97】
患者集団が、第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独で、実質的に同じ量で投与されたこと以外は同等の患者集団が経験する平均ウイルス負荷と比較して、低下した平均ウイルス負荷を経験する、請求項88〜96いずれか記載の使用。
【請求項98】
患者集団が、第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独で、実質的に同じ量で投与されたこと以外は同等の患者集団が経験する平均ウイルス負荷と比較して、低下した平均ウイルス負荷を経験する、請求項88〜96いずれか記載の使用。
【請求項99】
患者集団が、第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独で、実質的に同じ量で投与されたこと以外は同等の患者集団が経験する副作用の平均数と比較して、副作用の平均数の低下を経験する、請求項88〜98いずれか記載の使用。
【請求項100】
患者集団が、第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独で、実質的に同じ量で投与されたこと以外は同等の患者集団が経験する副作用の平均数と比較して、副作用の平均数の低下を経験する、請求項88〜98いずれか記載の使用。
【請求項101】
患者集団が、第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独で、実質的に同じ量で投与されたこと以外は同等の患者集団が経験する同じ副作用の平均重症度と比較して、副作用の平均重症度の低下を経験する、請求項88〜100いずれか記載の使用。
【請求項102】
患者集団が、第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独で、実質的に同じ量で投与されたこと以外は同等の患者集団が経験する同じ副作用の平均重症度と比較して、副作用の平均重症度の低下を経験する、請求項88〜100いずれか記載の使用。
【請求項103】
患者集団が、第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独で、実質的に同じ量で投与されたこと以外は同等の患者集団に含まれるウイルス負荷跳ね返りを経験する被験体の平均数と比較して、ウイルス負荷跳ね返りを経験する被験体の平均数の低下を含む、請求項88〜102いずれか記載の使用。
【請求項104】
患者集団が、第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独で、実質的に同じ量で投与されたこと以外は同等の患者集団に含まれるウイルス負荷跳ね返りを経験する被験体の平均数と比較して、ウイルス負荷跳ね返りを経験する被験体の平均数の低下を含む、請求項88〜102いずれか記載の使用。
【請求項105】
患者集団が、第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独で、実質的に同じ量で投与されたこと以外は同等の患者集団に含まれる非応答体の平均数と比較して、非応答体の平均数の低下を含む、請求項88〜104いずれか記載の使用。
【請求項106】
患者集団が、第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独で、実質的に同じ量で投与されたこと以外は同等の患者集団に含まれる非応答体の平均数と比較して、非応答体の平均数の低下を含む、請求項88〜104いずれか記載の使用。
【請求項107】
患者集団が、第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独で、実質的に同じ量で投与されたこと以外は同等の患者集団が経験する抵抗性の開始の平均時よりも遅い平均時での抵抗性の開始を経験する、請求項88〜106いずれか記載の使用。
【請求項108】
患者集団が、第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独で、実質的に同じ量で投与されたこと以外は同等の患者集団が経験する抵抗性の開始の平均時よりも遅い平均時での抵抗性の開始を経験する、請求項88〜106いずれか記載の使用。
【請求項109】
患者集団が、第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独で、実質的に同じ量で投与されたこと以外は同等の患者集団が経験する第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグに対する抵抗性の平均レベルと比較して、第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグに対する抵抗性の平均レベルの低下を経験する、請求項88〜108いずれか記載の使用。
【請求項110】
患者集団が、第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを単独で、実質的に同じ量で投与されたこと以外は同等の患者集団が経験する第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグに対する抵抗性の平均レベルと比較して、第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグに対する抵抗性の平均レベルの低下を経験する、請求項88〜108いずれか記載の使用。
【請求項111】
第一の化合物が有効量のさらなるヌクレオシドアナログとの併用のためのものであるか、または併用のために製造される、請求項88〜110いずれか記載の使用。
【請求項112】
さらなるヌクレオシドアナログが、リバビリン、レボビリン、ビラミジン、L-ヌクレオシドおよびイサトリビンからなる群より選択される、請求項111記載の使用。
【請求項113】
第一の化合物が有効量のピルフェニドンまたはピルフェニドンアナログとの併用のためのものであるか、または該併用のために製造される、請求項88〜112いずれか記載の使用。
【請求項114】
第一の化合物が有効量のNS5B RNA依存性RNAポリメラーゼインヒビターとの併用のためのものであるか、または該併用のために製造される、請求項88〜113いずれか記載の使用。
【請求項115】
第一の化合物がエタネルセプト、インフリキシマブおよびアダリムマブからなる群より選択される腫瘍壊死因子アンタゴニストの有効量との併用のためのものであるか、または該併用のために製造される、請求項88〜114いずれか記載の使用。
【請求項116】
第一の化合物が有効量のチモシン-αとの併用のためのものであるか、または該併用のために製造される、請求項88〜115いずれか記載の使用。
【請求項117】
チモシン-αが、約1.0mg〜約1.6mgの範囲の量での使用のためのものであるか、または該使用のために製造される、請求項116記載の使用。
【請求項118】
第一の化合物が有効量のインターフェロン-ガンマ(IFN-γ)との併用のためのものであるか、または該併用のために製造される、請求項88〜117いずれか記載の使用。
【請求項119】
IFN-γが、約10μg〜約300μgの範囲の量での皮下投与における使用のためのものであるか、または該皮下投与における使用のために製造される、請求項118記載の使用。
【請求項120】
第一の化合物が有効量のインターフェロン-アルファ(IFN-α)との併用のためのものであるか、または該併用のために製造される、請求項88〜117いずれか記載の使用。
【請求項121】
IFN-αが、8日毎〜14日毎の範囲の投薬間隔での使用のためのモノPEG (30kD、直鎖)化コンセンサスであるか、または8日毎〜14日毎の範囲の投薬間隔での使用のために製造されるモノPEG (30kD、直鎖)化コンセンサスである、請求項120記載の使用。
【請求項122】
IFN-αが、7日毎に1回の投薬間隔での使用のためのモノPEG (30kD、直鎖)化コンセンサスIFN-αであるか、または7日毎に1回の投薬間隔での使用のために製造されるモノPEG (30kD、直鎖)化コンセンサスIFN-αである、請求項120記載の使用。
【請求項123】
IFN-αが、インターフェロンα-2bの40kD分岐モノ-メトキシPEGコンジュゲートおよびインターフェロンα-2bの12kDモノ-メトキシPEGコンジュゲートからなる群より選択される、請求項120記載の使用。
【請求項124】
IFN-αがINFERGENコンセンサスIFN-αである、請求項120記載の使用。
【請求項125】
第一の化合物が、3'-アジドチミジン、2',3'-ジデオキシイノシン、2',3'-ジデオキシシチジン、2-,3-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシチミジン、コンビビル、アバカビル、アデホビルジピボキシル、シドホビル、リトナビルおよびイノシンモノホスフェートデヒドロゲナーゼインヒビターから選択される薬剤の有効量との併用のためであるか、または併用のために製造される、請求項88〜124いずれか記載の使用。
【請求項126】
第一の化合物が、インターフェロン、さらなるNS3プロテアーゼインヒビター、NS5BポリメラーゼインヒビターまたはNS3ヘリカーゼインヒビターの有効量との併用のためのものであるか、併用のために製造される、請求項88〜125いずれか記載の使用。
【請求項127】
さらなるNS3プロテアーゼインヒビターが、


(VX-950)
および


(SCH 503034)
から選択される、請求項126記載の使用。
【請求項128】
第一の化合物が、第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグおよび第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの投与が完了した後の使用のためまたは該使用のために製造されるペグ化インターフェロンとの併用のためのものであるか、または該併用のために製造される、請求項88〜127いずれか記載の使用。
【請求項129】
第一の化合物が、第一の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグおよび第二の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの投与が完了した後の使用のためまたは該使用のために製造されるリバビリンとの併用のためのものであるか、または該併用のために製造される、請求項88〜128いずれか記載の使用。
【請求項130】
第一の化合物が、さらなる薬剤との併用のためのものでなく、併用のために製造されない、請求項88〜110いずれか記載の使用。
【請求項131】
さらなる薬剤がリバビリンである、請求項130記載の使用。
【請求項132】
さらなる薬剤がインターフェロンである、請求項130記載の使用。
【請求項133】
インターフェロンがペグ化インターフェロンである、請求項130記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−519181(P2012−519181A)
【公表日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552194(P2011−552194)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/025611
【国際公開番号】WO2010/099458
【国際公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(511207785)エフ.ホフマン−ラ ロシュ エルティーディー (2)
【出願人】(508281608)ロシュ パロ アルト エルエルシー (1)
【氏名又は名称原語表記】ROCHE PALO ALTO LLC
【出願人】(511207718)ファーマセット,インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】