ネットワークコンピュータシステムとの対話装置、及びコンピュータシステム
【課題】好適なネットワークコンピュータシステムとの対話装置及びコンピュータシステムを得る。
【解決手段】対話装置は、青果物の貯蔵用および冷却用の機器と、前記機器に一体化されたプリンタデバイスとを含む。プリンタデバイスは、ネットワークコンピュータシステムと作動的に相互に接続可能で、ネットワークコンピュータシステムから配信された少なくとも1つのフォームを印刷するように動作可能で且つページ幅プリントヘッドを備えたプリンタモジュールを含み、ユーザにより動作された感知デバイスから指示データを受信するよう構成される。感知デバイスは、少なくとも1つのフォームに対して作動位置に配置されると指示データを感知し、指示データは、前記機器の動作を制御するための制御データを含み、プリンタデバイスは制御データを生成するため、前記機器の動作を監視するためのインタフェースを備える。
【解決手段】対話装置は、青果物の貯蔵用および冷却用の機器と、前記機器に一体化されたプリンタデバイスとを含む。プリンタデバイスは、ネットワークコンピュータシステムと作動的に相互に接続可能で、ネットワークコンピュータシステムから配信された少なくとも1つのフォームを印刷するように動作可能で且つページ幅プリントヘッドを備えたプリンタモジュールを含み、ユーザにより動作された感知デバイスから指示データを受信するよう構成される。感知デバイスは、少なくとも1つのフォームに対して作動位置に配置されると指示データを感知し、指示データは、前記機器の動作を制御するための制御データを含み、プリンタデバイスは制御データを生成するため、前記機器の動作を監視するためのインタフェースを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークコンピュータシステムとの対話を可能にする装置に関する。本発明の特別な応用は、ある表面にインタフェースを印刷して、インタフェース表面を作成するプリンタを採用するシステムに関する。
【0002】
本発明を開発した主な目的は、ユーザがネットワーク化された情報と対話できるインタフェース表面を作成し、高速ネットワークカラープリンタを経由して要望に応じて対話型の印刷物を獲得することである。本願明細書において、主としてこの使用を参照しながら本発明について記載するが、本発明がこの分野での使用に限定されるものではないことを理解されたい。
【0003】
[同時係属中の出願]
本発明の出願人または譲受人により本発明と同日に出願された以下の同時係属中の出願に、本発明に関連するさまざまな方法、システム、および装置が開示されている。
PCT/AU00/01442、PCT/AU00/01444、PCT/AU00/01446、PCT/AU00/01445、PCT/AU00/01450、PCT/AU00/01453、PCT/AU00/01448、PCT/AU00/01447、PCT/AU00/01459、PCT/AU00/01451、PCT/AU00/01454、PCT/AU00/01452、PCT/AU00/01443、PCT/AU00/01455、PCT/AU00/01456、PCT/AU00/01457、PCT/AU00/01458、PCT/AU00/01449。
【0004】
これらの同時係属中の出願の開示は、本願明細書に参照して組み入れる。
【0005】
本発明の出願人または譲受人により2000年10月20日に出願された以下の同時係属中の出願に、本発明に関連するさまざまな方法、システム、および装置が開示されている。
PCT/AU00/01273、PCT/AU00/01279、PCT/AU00/01288、PCT/AU00/01282、PCT/AU00/01276、PCT/AU00/01280、PCT/AU00/01274、PCT/AU00/01289、PCT/AU00/01275、PCT/AU00/01277、PCT/AU00/01286、PCT/AU00/01281、PCT/AU00/01278、PCT/AU00/01287、PCT/AU00/01285、およびPCT/AU00/01283。
【0006】
これらの同時係属中の出願の開示は、本願明細書に参照して組み入れる。
【0007】
本発明の出願人または譲受人により2000年9月15日に出願された以下の同時係属中の出願に、本発明に関連するさまざまな方法、システム、および装置が開示されている。
PCT/AU00/01108、PCT/AU00/01110およびPCT/AU00/01111。これらの同時係属中の出願の開示は、本願明細書に参照して組み入れる。
【0008】
本発明の出願人または譲受人により2000年5月24日に出願された以下の同時係属中の出願に、本発明に関連するさまざまな方法、システム、および装置が開示されている。
PCT/AU00/00762、PCT/AU00/00763、PCT/AU00/00761、PCT/AU00/00760、PCT/AU00/00759、PCT/AU00/00758、PCT/AU00/00764、PCT/AU00/00765、PCT/AU00/00766、PCT/AU00/00767、PCT/AU00/00768、PCT/AU00/00773、PCT/AU00/00774、PCT/AU00/00775、PCT/AU00/00776、PCT/AU00/00777、PCT/AU00/00770、PCT/AU00/00769、PCT/AU00/00771、PCT/AU00/00772、PCT/AU00/00754、PCT/AU00/00755、PCT/AU00/00756およびPCT/AU00/00757。
【0009】
これらの同時係属中の出願の開示は、本願明細書に参照して組み入れる。
【0010】
本発明の出願人または譲受人により2000年5月24日に出願された以下の同時係属中の出願に、本発明に関連するさまざまな方法、システム、および装置が開示されている。
PCT/AU00/00518、PCT/AU00/00519、PCT/AU00/00520、PCT/AU00/00521、PCT/AU00/00522、PCT/AU00/00523、PCT/AU00/00524、PCT/AU00/00525、PCT/AU00/00526、PCT/AU00/00527、PCT/AU00/00528、PCT/AU00/00529、PCT/AU00/00530、PCT/AU00/00531、PCT/AU00/00532、PCT/AU00/00533、PCT/AU00/00534、PCT/AU00/00535、PCT/AU00/00536、PCT/AU00/00537、PCT/AU00/00538、PCT/AU00/00539、PCT/AU00/00540、PCT/AU00/00541、PCT/AU00/00542、PCT/AU00/00543、PCT/AU00/00544、PCT/AU00/00545、PCT/AU00/00547、PCT/AU00/00546、PCT/AU00/00554、PCT/AU00/00556、PCT/AU00/00557、PCT/AU00/00558、PCT/AU00/00559、PCT/AU00/00560、PCT/AU00/00561、PCT/AU00/00562、PCT/AU00/00563、PCT/AU00/00564、PCT/AU00/00565、PCT/AU00/00566、PCT/AU00/00567、PCT/AU00/00568、PCT/AU00/00569、PCT/AU00/00570、PCT/AU00/00571、PCT/AU00/00572、PCT/AU00/00573、PCT/AU00/00574、PCT/AU00/00575、PCT/AU00/00576、PCT/AU00/00577、PCT/AU00/00578、PCT/AU00/00579、PCT/AU00/00581、PCT/AU00/00580、PCT/AU00/00582、PCT/AU00/00587、PCT/AU00/00588、PCT/AU00/00589、PCT/AU00/00583、PCT/AU00/00593、PCT/AU00/00590、PCT/AU00/00591、PCT/AU00/00592、PCT/AU00/00594、PCT/AU00/00595、PCT/AU00/00596、PCT/AU00/00597、PCT/AU00/00598、PCT/AU00/00516、PCT/AU00/00517およびPCT/AU00/00511。
これらの同時係属中の出願の開示は、本願明細書に参照して組み入れる。
【背景技術】
【0011】
現在、ネットワーク化されたコンピュータシステムのユーザがシステムと対話するには、典型的に、情報を表示するためのモニタと、キーボード、マウス、トラックボール、ジョイスティックなど、情報を入力しコンピュータシステムと対話するための制御デバイスを使用して、ローカルコンピュータターミナル(例えば、パーソナルコンピュータ)を経由する。このようなインタフェースは効率的であるが、比較的嵩張り携帯できない。紙に印刷された情報は、コンピュータモニタに表示される情報より読みやすく携帯性に優れている。しかしながら、キーボードやマウスと異なり、紙上のペンは、一般的に、コンピュータソフトウェアとの対話能力に欠ける。
【0012】
多数の応用において、典型的なタイプのターミナル装置は、多数の制限を課す。例えば、家庭環境の場合、面倒なことの1つに、ホームオフィスなど、ネットワークターミナルに対応するように特別に整えられた設備に、一般的に、ターミナルおよび付属機器(プリンタ、スキャナなど)を設置せざるをえないことが挙げられる。したがって、ターミナルにアクセスするために、オペレータは、専用の設備を利用するために、例えば、ホームオフィスに入るために、慎重な行動をとらなければならない。これでは、家庭用装置の他のより一般的な機能にコンピュータシステムを自然に統合化させることにならない。慎重にではなく付随的に、ユーザがネットワークターミナルと対話ができるようになることがさらに望まれている。
【0013】
さらに、コンピュータの補助機器の従来のネットワークターミナルおよびアイテムは、典型的に、デスクトップ型の利用に合わせられ、貴重な空間を無駄に使う傾向にある形にデザインされパッケージされている。
【特許文献1】米国特許第5,625,412号
【特許文献2】米国特許第5,661,506号
【特許文献3】米国特許第5,477,012号
【特許文献4】米国特許第5,852,434号
【特許文献5】国際特許出願第PCT/US98/20597号
【発明の開示】
【0014】
本発明の第1の態様によれば、ネットワークコンピュータシステムとの対話装置であって、
機器ユーザにより使用するための青果物の貯蔵用および冷却用機器と、
前記機器に一体化されたプリンタデバイスとを含み、プリンタデバイスは、前記ネットワークコンピュータシステムと作動的に相互に接続可能であり、前記ネットワークコンピュータシステムから配信された少なくとも1つのフォームを印刷するように動作可能なプリンタモジュールを含み、機器ユーザにより動作された感知デバイスから指示データを受信するように構成され、感知デバイスは、前記少なくとも1つのフォームに対して作動位置に配置されると指示データを感知し、前記プリンタデバイスにより受信された前記指示データは、前記ネットワークコンピュータシステム経由で前記機器の動作を制御するための制御データを含んでおり、前記プリンタデバイスは、前記制御データを生成するために、前記機器の動作を監視するためのセンサインタフェースを備える装置が提供される。このように、プリンタデバイスがセンサインタフェースを備え、プリンタデバイスにより受信された指示データには、ネットワークコンピュータシステム経由で前記機器の動作を制御するための制御データが含まれる、といった特異な構成が提供される。
【0015】
本発明の第2の態様によれば、一体型プリンタを含む、青果物の貯蔵用および冷却用機器が提供される。
【0016】
さらに、本発明により、家庭用冷蔵庫などの一般的に使用されているホスト機器にネットワークターミナル能力を組み込む手段が提供される。このような機器は、一般的に、家族の日々の活動の一環として、定期的および頻繁に利用されている。
【0017】
家庭内環境において、台所、さらに詳しく言えば、台所にある冷蔵庫は、活動の中心と見なすことができる。したがって、本発明は、この機器の物理的なサイズと中心的な位置を利用することができる。
【0018】
したがって、本発明は、コンピュータシステムと対話可能な1つ以上のフォームを利用するシステムおよび方法の使用に関する。この方法およびシステムは、特定の好適な形態において、単一のコンピュータシステムとともに使用されてよいが、インターネットなどのコンピュータネットワーク上で動作するようにデザインされる。
【0019】
物理エンティティとして、任意の適切な構造の表面媒体上に、対話型のフォームが配置される。しかしながら、好適な装置において、このフォームは、紙などのシート材料からなり、その上にコード化されたデータが印刷されることにより、コンピュータシステムとの対話が可能になる。コード化されたデータは、非排他的であるが、好適には、可視スペクトルの範囲外で検出可能なものであることにより、データは機械読み取り可能であるが、人間の目には実質的に見えないものである。また、フォームは、フォームの利用法や目的などの情報をユーザに提供する可視材料を含むものであってもよく、この可視情報は、関連する隠しコード化データとともに適所に記録または相互に関連されてよい。
【0020】
また、システムは、フォームからコンピュータシステムにデータを運び、場合によっては、追加データを与えるための感知デバイスを含む。感知デバイスは、さまざまな形態のものであってよいが、小型で携帯しやすいものが好ましい。特定の好適な装置において、感知デバイスは、対話型のフォームを物理的にマークできるとともに、フォームからのコード化データを選択的に読み取り、コンピュータシステムに送信できるようにデザインされたペンとして構成される。その後、コード化されたデータは、ユーザが指定することで、コンピュータシステムまたはネットワーク上で動くソフトウェアに命令を付与するように構成された制御情報を与える。
【0021】
各々がコンピュータシステムに寄与するフォームと感知デバイスとデータとの間の対話の性質は異なるものであってよい。1つの装置において、フォーム上のコード化データは、フォームの識別およびそのフォーム上の少なくとも1つの参照点を表す。別の実施形態において、対話型フォームは、フォームのパラメータを表すコード化データを含むのに対して、感知デバイスは、そのフォームに対する動きに関する情報を、フォームからのコード化データとともにコンピュータシステムに与えるように動作される。さらなる別の装置において、フォームは、フォームを少なくとも識別するコード化データを含み、感知デバイスは、フォームコード化データに基づいたデータと、さらに、デバイスのユーザを識別するデータに基づいたデータを、コンピュータシステムに与えるようにデザインされる。
【0022】
好適な装置において、システムおよび方法は、対話型フォームを印刷するための特別にデザインされたプリンタを採用する。さらに、これらのプリンタは、コンピュータシステムを構成するか、またはその一部を形成し、感知デバイスからデータを受信するようにデザインされる。上述したように、本発明のシステムおよび方法は、ネットワーク上での動作に理想的に適している。この装置において、プリンタは、ネットワークに完全に一体化されることで、要望に応じて対話型フォームを印刷できるとともに、マルチキャストおよびポイントキャスト通信プロトコルの混合を使用して、フォームを配布することができる。
【0023】
したがって、好適な形態において、本発明により、コンピュータシステムのインタフェースとして紙とペンをベースに使用する方法およびシステムが提供される。紙の利点は、情報の表示と記録にそれが幅広く使用されていることである。さらに、コンピュータ画面に表示される情報より、印刷された情報の方が読みやすい。さらに、紙は、バッテリーで動くものではなく、明るい光の中で読むことができ、コーヒーがこぼれた事態などを無理なく受け入れることができ、携帯性があり、使い捨てできる。さらに、このシステムにより、コンピュータのキーボードやマウスによる入力に比べ、非常に優れた表現を与える手描きおよび手書きを取り込むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、添付の図面を参照しながら、非制限的な例示的目的のみにより、本発明の好適な実施形態および他の実施形態について記載する。
【0025】
なお、Memjet(登録商標)は、オーストラリア、Silverbrook Research Pty Ltdの登録商標である。
【0026】
好適な実施形態において、本発明は、ネットページ・ネットワーク化されたコンピュータシステムとともに動作するように構成されており、詳細な概略は以下のとおりである。すべての実施形態が、基本的なシステムに関連して以下に記載する特定の詳細および拡張のすべて、またはそのほとんどを必ずしも具現化しているとは限らないことを認識されたい。しかしながら、本発明の好適な実施形態および態様が動作する状況の理解を試みる際に、他を参照する必要性を軽減するために、システムはほぼ完全な形態で記載されている。
【0027】
簡潔な要約において、ネットページシステムの好適な形態は、マッピングされた表面の形態をしたコンピュータインタフェース、すなわち、コンピュータシステムに維持される表面のマップの参照を含む物理的表面を用いる。マップ参照は、適切な感知デバイスにより照会されてよい。特定の実施形態に応じて、マップ参照は、可視または不可視にコード化されてよく、マッピングされた表面の局所的な照会により、そのマップ内および異なるマップ間との両方で、あいまいなマップ参照が生じるように規定されてよい。コンピュータシステムは、マッピングされた表面上の特徴に関する情報を含んでよく、このような情報は、マッピングされた表面とともに使用される感知デバイスにより供給されるマップ参照に基づいて引き出されてよい。したがって、引き出された情報は、オペレータと表面の特徴との対話に応答して、オペレータの代わりにコンピュータシステムにより始動されるアクションの形をとることができる。
【0028】
好適な形態において、ネットページシステムは、ネットページの生成と人間との対話に依存する。これらは、普通紙に印刷されたテキスト、グラフィック、および画像のページであるが、対話型ウェブページのように動作する。裸眼の人間の目にはほとんど見えないインクを使用して、各ページに情報がコード化される。しかしながら、インクと、それによりコード化されたデータは、光学的な撮像ペンにより感知されて、ネットページシステムに送信される。紙以外の基体が使用されてよい。好適な実施形態におけるコード化された情報は、赤外線吸収インキであるため、赤外線感知光センサが使用されてよい。必要に応じて、他の波長が使用されてよく、または、光感知以外の感知技術が使用されてよく、1つの代替は、磁気インクおよびセンサを使用することである。
【0029】
好適な形態において、各ページ上のアクティブボタンとハイパーリンクをペンでクリックして、ネットワークから情報を要求したり、ネットワークサーバに好みを信号で知らせたりすることができる。一実施形態において、ネットページ上に手で書いたテキストが自動的に認識され、ネットページシステムのコンピュータテキストに変換され、フォームに記入することができるようになる。他の実施形態において、ネットページ上に記録された署名が自動的に確認されて、電子商取引のトランザクションを安全に認証することができるようになる。
【0030】
図1に示すように、印刷されたネットページ1は、印刷ページ上に物理的に、さらに、ペンとネットページシステムとの通信を介して電気的に、ユーザが記入できる対話型の形態を表すことができる。この例は、名前および住所領域と提出ボタンとを含む「リクエスト」フォームを示す。ネットページは、ネットページは、可視インクを使用して印刷されたグラフィックデータ2と、不可視インクを使用してタグ4の集合体として印刷されたコード化データ3とからなる。ネットページ・ネットワークに格納された対応するページ記述5は、ネットページの個々の要素を記述する。さらに詳しく言えば、ネットページシステムがネットページを介して入力を正確に解釈できるように、各対話型要素(すなわち、この例では、テキスト領域またはボタン)のタイプと空間的範囲(ゾーン)を記述する。例えば、提出ボタン6は、対応するグラフィック8の空間的範囲に対応するゾーン7を有する。
【0031】
図2に示すように、ネットページペン101は、図8および図9に示し、以下にさらに詳細に記載する好適な形態であり、ネットページプリンタ601、家庭、オフィス、または移動使用のインターネット接続された印刷機器とともに動作する。ペンはワイヤレスであり、短距離無線リンク9を介して、ネットページプリンタと安全に通信する。必要に応じて、ペンは、ワイヤまたは赤外線送信機を利用してシステムに接続されてよいが、その両方により有用性が制限される。
【0032】
ネットページプリンタ601は、図11から図13に示し、以下にさらに詳細に記載する好適な形態であり、対話型ネットページとしてすべて高品質に印刷された、個別化した新聞、雑誌、カタログ、パンフレット、および他の刊行物を定期的にまたはオンデマンドで配信できる。パーソナルコンピュータとは異なり、ネットページプリンタは、例えば、ユーザの台所、朝食用のテーブル付近、または日々の家庭生活が始まる場所の付近など、朝のニュースを最初に見る場所の近くの壁に取り付けることができる機器である。これはまた、卓上、デスクトップ、携帯型、および小型版にもなる。
【0033】
消費場所で印刷されたネットページは、紙の使用しやすさと、対話型媒体の適時性および対話式利用性とを兼ね備えている。
【0034】
図2に示すように、ネットページペン101は、印刷されたネットページ1上のコード化されたデータと対話し、短距離無線リンク9を介して、その対話をネットページプリンタに伝達する。プリンタ601は、解釈するために、その対話を関連するネットページ・ページサーバ10に送信する。適切な環境において、ページサーバは、対応するメッセージを、ネットページ・アプリケーションサーバ13上で実行されるアプリケーションコンピュータソフトウェアに送信する。続いて、アプリケーションサーバは、元のプリンタで印刷された応答を送信してよい。
【0035】
ネットページシステムは、好適な実施形態において、高速マイクロ電気機械システム(MEMS)をベースにしたインクジェット(Memjet(登録商標))プリンタと併用することによりかなり利便性が良くなる。この技術の好適な形態において、消費者が比較的高速で高品質の印刷を手に入れやすくなっている。好適な形態において、ネットページ刊行物は、移動が容易で取り扱いやすいように綴じてある両面フルカラー印刷されたレターサイズの光沢紙セットなど、従来のニュース雑誌の物理的特徴を備える。
【0036】
ネットページプリンタは、広帯域インターネットアクセスの可用性が増大していることを利用している。ケーブルサービスは、米国の95%の家庭で利用可能であり、広帯域インターネットアクセスを提供するケーブルモデムサービスは、すでにこれらの20%で利用可能である。また、ネットページプリンタは、より低速な接続で動作することができるが、配信時間がより長くかかるか、画質がより悪くなるか、またはその両方が伴う。実際、ネットページシステムは、消費者の既存のインクジェットプリンタおよびレーザプリンタを使用して作動可能であるが、システムの動作速度はより遅くなるため、消費者の観点から言えば、あまり容認できるものではない。他の実施形態において、ネットページシステムは、プライベートイントラネット上でホストされる。さらなる他の実施形態において、ネットページシステムは、単一のコンピュータ、またはプリンタなどのコンピュータ使用可能デバイス上でホストされる。
【0037】
ネットページ・ネットワーク上のネットページ刊行物サーバ14は、ネットページプリンタに印字品質の刊行物を配信するように構成される。定期刊行物は、ポイントキャスティングおよびマルチキャスティングインターネットプロトコルを介して、自動的に加入ネットページプリンタに配信される。個別化された刊行物は、個々のユーザプロファイルに応じてフィルタリングされフォーマット化される。
【0038】
1台のネットページプリンタが、任意の数のペンをサポートするように構成されてよく、1本のペンが、任意の数のネットページプリンタとともに動作してよい。好適な実施形態において、各ネットページペンは、固有の識別子を有する。家庭では、家族の各々に1本ずつ割り当てられた色付きのネットページペンの集合体を有すことが可能である。これにより、割り当てられたペンが家族の構成員のそれぞれによりのみ使用されるとすれば、各ユーザが、ネットページ刊行物サーバまたはアプリケーションサーバに対して、別々のプロファイルを維持することができる。
【0039】
また、ネットページペンは、ネットページ登録サーバ11に登録され、1つ以上の支払カード口座にリンクされてよい。これにより、ネットページペンを使用して、電子商取引の支払いを安全に認証することができる。ネットページ登録サーバは、ネットページペンにより取り込まれた署名と以前に登録された署名を比較して、電子商取引サーバに対してユーザの識別を認証することができる。また、識別を確認するために、他の生体情報が使用されてもよい。別のネットページペンは、ネットページ登録サーバにより同様の方法で確認される指紋スキャニングを含む。
【0040】
ネットページプリンタは、ユーザが介入することなく、朝刊などの定期刊行物を配信してよいが、迷惑なジャンクメールを配信しないように構成することができる。好適な形態において、加入ソースまたは認証ソースからしか定期刊行物を配信しない。この点に関して、ネットページプリンタは、電話番号や電子メールアドレスを知るあらゆるジャンクメーラが見ることができるファックスマシンや電子メールアカウントとは異なる。この代わりとして、システム全体は、外部のユーザが見ることができるものにされてよく、または各ユーザに、外部のユーザに対して自分のプリンタを露出する機能が与えられてよい。これは、外部のユーザを選択することにより、ジャンクメールを送信するようにされてよい。
【0041】
1.ネットページシステムアーキテクチャ
統一モデリング言語(UML:UnifiedModeling Language)クラス図を使用して、システムの各オブジェクトモデルについて記載する。クラス図は、関係により接続されたオブジェクトクラスのセットからなり、ここでは、連想と一般化という2種類の関係に着目する。連想は、オブジェクト間、すなわち、クラスインスタンス間のある種の関係を表す。一般化は、実際のクラスを関係付け、以下のように理解することができる。すなわち、あるクラスが、そのクラスのすべてのオブジェクトのセットと考えられ、クラスAがクラスBの一般化であれば、Bは、単にAのサブセットである。
【0042】
各クラスは、そのクラスの名称でラベル付けされた矩形として描かれている。これは、横線によって名称から分離されているクラスの属性のリストと、横線によって属性リストから分離されているクラスのオペレーションのリストとを含む。しかしながら、以下のクラス図では、オペレーションがモデリングされていない。
【0043】
連想は、2つのクラスを結ぶ線として描かれており、いずれかの端において連想の多重度で選択的にラベル付けされている。デフォルト多重度は1である。アスタリスク(*)は、「多く」の多重度、すなわちゼロ以上を表す。各連想は、その名称で選択的にラベル付けされ、さらに、いずれかの端において対応するクラスの役割でも選択的にラベル付けされる。オープンダイアモンドは、集合連想(「is−part−of」)を表し、連想ラインアグレゲータの端に描かれている。
【0044】
一般化の関係(「is−a」)は、2つのクラスを結ぶ実線として描かれており、一般化の端において矢印(オープントライアングルの形)を有する。
【0045】
クラス図を複数の図に分割する場合、複製された任意のクラスは、それを定義する主要図を除いて、すべて破線で示されている。これは、それが定義される場合のみ属性が示されている。
【0046】
1.1 ネットページ
ネットページは、ネットページ・ネットワークが構築される基盤である。ネットページは、紙ベースのユーザインタフェースを刊行された情報と対話型サービスに与える。
【0047】
ネットページは、ページのオンライン記述に関して不可視にタグ付けされた印刷ページ(または他の表面領域)からなる。タグは、ページの表面上または表面内に印刷されてよく、ページのサブレイヤまたはその上に印刷されてよく、またはページに組み込まれてよい。オンラインページ記述は、ネットページ・ページサーバにより永続的に維持される。ページ記述は、テキスト、グラフィック、および画像を含む、ページの可視的レイアウトおよびコンテンツを記述する。また、ボタン、ハイパーリンク、および入力領域を含む、ページ上の入力要素も記述する。異なるネットページのページ記述は、画像などのコンポーネントを共有してよいが、ネットページ(および関連するページ記述)は、可視的に異なるものである。各ネットページのページ記述は、これらの共通のコンポーネントの参照を含んでよい。ネットページにより、その表面にネットページペンで作成されたマーキングを、ネットページシステムにより同時に取り込んで処理することができる。
【0048】
複数のネットページは、同じページ記述を共有できる。しかしながら、同一のページの入力を区別できるように、各ネットページには、固有のページ識別子が割り当てられる。このページIDは、使用環境において使用が予定されるすべてのネットページ間を区別できる精度を備えたものである。この使用環境が小規模であれば、環境が大規模の場合ほど高精度である必要はない。
【0049】
ページ記述の各参照は、印刷されたタグにおいてコード化される。タグは、タグが現れる固有のページを識別することにより、間接的にページ記述を識別する。好適な実施形態において、タグは、ページ上でのそれ自体の位置を識別する。タグの特徴は、以下にさらに詳細に記載する。
【0050】
タグは、普通紙など、赤外線反射性の任意の基材上に赤外線吸収インクで印刷される。近赤外線波長は、人間の目に見えないが、適切なフィルタを備えた固体画像センサにより容易に感知される。1以上の相対波長を感知するセンサが使用されてよく、その場合、フィルタは不要である。適切な基材およびセンサとともに、他の波長が使用されてよい。
【0051】
タグは、ネットページペンの領域画像センサにより感知され、復号され、タグによりコード化されたデータは、好ましくは、最も近いネットページプリンタを介して、ネットページシステムに送信される。ペンはワイヤレスであり、短距離無線リンクを介して、ネットページプリンタと通信する。タグは、ペンがページ上を1回クリックするだけで確実に少なくとも1つのタグを撮像できるように十分に小さく密に配設される。対話は実体のないものであるため、ペンは、ページと対話するたびに、タグを認識し、ページIDおよび位置を抽出することが重要である。
【0052】
ネットページ・ページサーバは、各印刷されたネットページに対して固有のページインスタンスを維持し、これにより、各印刷されたネットページのページ記述において、入力領域に対してユーザが供給した値の別々のセットを維持することができるようになる。
【0053】
図4に、ページ記述と、ページインスタンスと、印刷されたネットページとの間の関係を示す。好適な実施形態において、ページインスタンスは、それを印刷したネットページプリンタと、分かっていれば、それを要求したネットページユーザとの両方と関連付けされる。対応する物理ページを印刷したネットページプリンタか、それを要求するネットページユーザまたはページが印刷された対象となるネットページユーザのいずれかとページインスタンスを関連付けることは、本発明の実施の基本的な形態に必須のものではない。
【0054】
1.2 ネットページタグ
1.2.1 タグデータコンテンツ
好適な形態において、各タグは、それが出現する領域と、領域内のそのタグの位置とを識別する。また、領域全体またはタグに関係するフラグを含んでもよい。例えば、1以上のフラグビットは、感知デバイスが領域の記述を参照する必要なく、タグの中間領域と関連付けされた関数を表すフィードバックを提供するように、タグ感知デバイスに信号を送ってよい。例えば、ネットページペンは、ハイパーリンクのゾーンにあるとき、「アクティブ領域」LEDを照明してよい。
【0055】
以下にさらに明確に説明するように、好適な実施形態において、各タグは、容易に認識される不変構造を含み、これは、初期検出を補助し、表面または感知プロセスによって誘発されたあらゆるワープ効果を最小限に抑えることに役立つ。タグは、全ページをタイル張りすることが好ましく、ペンがページ上を1回クリックするだけで確実に少なくとも1つのタグを撮像できるように十分小さく密に配設される。対話は実体がないため、ペンが、ページと対話するたびに、ページIDと位置を認識することが重要である。
【0056】
好適な実施形態において、タグが参照する領域は、ページ全体と一致し、したがって、タグにコード化された領域IDは、タグが出現するページのページIDと同義である。他の実施形態において、タグが参照する領域は、ページの任意のサブ領域または他の表面であり得る。例えば、これは、対話型要素のゾーンと一致するものであってよく、この場合、領域IDは、対話型要素を直接識別することができる。
【0057】
各タグは、典型的に、16ビットのタグIDと、少なくとも90ビットの領域IDと、多数のフラグビットとを含む。最大タグ密度が64平方インチであると仮定すると、16ビットのタグIDは、最大1024平方インチの領域サイズをサポートする。隣接する領域とマップを単に使用することにより、タグIDの精度を上げることなく、より大きな領域を連続してマッピングすることができる。領域IDとタグIDとの区別は、主として、利便性の1つである。ほとんどの目的のために、これら2つの連鎖は、包括的に固有のタグIDと見なし得る。逆に、タグIDに構造を導入すること、例えば、タグのx軸とy軸を規定することが便利が良い場合もある。90ビットの領域IDにより、290(〜1027または千抒)の異なる領域を固有に識別できる。また、タグは、タイプ情報を含んでもよく、タグタイプの組み合わせで領域がタグ付けされてよい。例えば、x軸をコード化する1セットのタグと、それとインタリーブされ、y軸をコード化する別のセットで領域がタグ付けされてよい。領域IDとタグIDの精度は、システムが使用される環境に応じて、前述したものとほぼ同じ程度であってよいことを認識されたい。
【0058】
1.2.2 タグデータのコード化
一実施形態において、各タグは、120ビットの情報を含む。120ビットのタグデータは、(15.5)リードソロモン符号を使用して、冗長してコード化される。これにより、各々15の4ビット記号の6つのコードワードからなる360のコード化されたビットが生じる。(15,5)コードにより、最高で5つの信号エラーをコードワードごとに修正することができ、すなわち、1コードワード当たり最高で33%の記号エラー率に対して耐性がある。
【0059】
各4ビット記号は、タグにおいて、空間的にコヒーレントな方法で表され、6つのコードワードの記号は、タグ内で空間的にインタリーブされる。これにより、バーストエラー(複数の空間的に隣接するビットに影響を与えるエラー)が全体で最少数の記号と任意の1つのコードワードの最少数の記号にダメージを与えることで、バーストエラーを完全に修正できる可能性が最大化される。
【0060】
(15,5)リードソロモン符号の代わりに、任意の適切なエラーコードが使用可能であり、例えば、同一または異なる記号とコードワードサイズ、別のブロックコード、または畳み込みコードなどの異なる種類のコードを備えたある程度の冗長があるリードソロモン符号が使用されてよい(例えば、StephenB. Wickerの「ErrorControl Systemsfor DigitalCommunication and Storage」、Prentice−Hall1995を参照されたい。この内容全体は、相互参照により本願明細書に援用されたものとする。)
1.2.3 物理的なタグ構造
図5に示すタグの物理的な表示は、固定ターゲット構造15、16、17と、可変データ領域18とを含む。固定ターゲット構造により、ネットページペンなどの感知デバイスは、タグを検出して、センサに対する3次元配向を推測することができる。データ領域は、コード化タグデータの個々のビットの表示を含む。
【0061】
タグを適切に再生するために、タグは、256×256ドットの解像度でレンダリングされる。これにより、1インチ当たり1600ドットで印刷されたとき、直径が約4mmのタグが得られる。この解像度で、タグは、半径が16ドットの「静かな領域」により囲まれるようにデザインされる。また、静かな領域は、隣接するタグによっても寄与されるため、タグの有効直径に16ドットを追加するだけである。
【0062】
タグは、6つのターゲット構造を含む。検出リング15により、感知デバイスは最初にタグを検出することができる。リングは、回転不変であり、アスペクト比の簡単な補正で、透視ひずみの効果がほとんど除去されるので、検出が容易である。配向軸16により、感知デバイスは、センサの揺れによるタグのおよその平面配向を決定することができる。配向軸は、固有の配向をもたらすように斜めになっている。4つの透視ターゲット17により、感知デバイスは、タグの正確な2次元透視変形を推測することができるため、センサに対するタグの正確な3次元位置と配向を推測することができる。
【0063】
すべてのターゲット構造は、雑音に対する耐性を高めるために、冗長的に大きいものである。
【0064】
タグの形状全体は、円形である。これは、とりわけ、不規則な三角形の格子上でタグを最適にパッキングを支持し、例えば、任意の非平坦な表面をタイル張りするために要求される。しかしながら、タグは、必要に応じて、n個の頂点を有する任意の多角形の頂点に配設されてよく、この場合、nは3から無限大の範囲のものである。円形の検出リング15と組み合わせると、タグ内のデータビットの円形構成が最適にされる。このサイズを最大にするために、各データビットは、2つの半径方向の線と、半径方向の内孤と、半径方向の外孤とにより画定された領域の形をした半径方向ウェッジにより表される。各ウェッジは、1600dpiにおいて8ドットの最小寸法を有し、そのベース(すなわち、内孤)が、この最小寸法に少なくとも等しくなるようにデザインされる。ウェッジの半径方向の高さは、常に最小寸法に等しい。各4ビットデータの記号は、2×2ウェッジのアレイ518により表される。
【0065】
各々6つのコードワードの15の4ビットデータの記号は、インタリーブ方式で、図5に示す4つの同心円状の記号リング18aから18dに割り振られる。第1から第6のコードワード520〜525の記号が、タグの周りの円形の連続に割り当てられる。
【0066】
インタリービングは、同じコードワードの任意の2つの記号の間の平均空間距離を最大にするようにデザインされる。コードワードまたはそれらのデータ記号の他の構成が利用されてよい。
【0067】
タグの物理的レイアウトや各タグ内でのデータ記号の形状および/または配列は、本発明の実施に必須のものではない。各タグが、意図した使用に合わせて十分な情報をコード化することが必要なだけである。タグに冗長を使用することは好ましいが、基本的なレベルでは、実際のところ、本発明の実施に必須のものではない。このように、他のタグ配設が利用されてよい。上記特許文献1〜5において、他のタグ構造の例が記載されており、各々の内容全体は、参照により本願明細書に援用されたものとする。
【0068】
感知デバイスを介して、タグ付けされた領域と「シングルクリック」での対話を支援するために、感知デバイスは、どの領域にあっても、または感知デバイスがどの配向に配置されても、その視野において少なくとも1つのタグ全体を見ることができなければならない。したがって、感知デバイスの要求される視野の直径は、タグのサイズと間隔の関数となる。
【0069】
タグの形状が円形であると仮定すると、センサの視野の最小直径は、図6に示すように、タグが正三角形格子上でタイル張りされる場合に得られる。
1.2.4 タグ画像処理および復号化
図7に、ネットページペンなどの感知デバイスにより実行される図5のタグのタグ画像処理および復号化が示されている。取り込んだ画像を画像センサから取得している間、画像の動的範囲が決定される(20において)。次いで、この範囲の中心が画像21の2進数閾値として選択される。次いで、画像は、閾値処理され、接続されている画素領域(すなわち、形状23)にセグメント化される(22において)。タグのターゲット構造を表すには小さすぎる形状は破棄される。各形状のサイズと重心も計算される。
【0070】
次いで、各形状について、2進形状モーメント25が計算され(24において)、これらにより、後の特定するターゲット構造の基準が与えられる。中心形状モーメントは、本来、位置が不変であり、スケール、アスペクト比、および回転について容易に不変とすることができる。
【0071】
最初に特定されるのは、リングターゲット構造15である(26において)。リングは、透視ひずみであるとき、非常に良好に挙動するという利点を備える。各形状モーメントをアスペクト正規化および回転正規化することにより、整合が進む。2次モーメントが正規化されると、リングは、透視ひずみが著しいものであっても、容易に認識される。リングの元のアスペクトと回転27はともに、透視変換の有益な近似を与える。
【0072】
次に特定されるのは、軸ターゲット構造16である(28において)。各形状モーメントにリングの正規化を適用し、その結果得られるモーメントを回転正規化することにより、整合が進む。2次モーメントが正規化されると、軸ターゲットは容易に認識される。軸の2つの可能な配向からあいまいさを除くために、1つの3次モーメントが要求されることに留意されたい。これを可能にするために、形状は一方側に故意に傾斜している。また、透視ひずみは軸ターゲットの軸を隠すことがあるため、リングの正規化を適用した後にのみ、軸ターゲットを回転正規化することが可能であることに留意されたい。軸ターゲットの元の回転は、ペンの揺れ29によるタグの回転の有用な近似を与える。
【0073】
最後に特定するものは、4つの透視ターゲット構造17である(30において)。それらの位置の良好な推定値は、リングおよび軸ターゲットと、リングのアスペクトと回転と、軸の回転との既知の空間関係に基づいて計算される。各形状モーメントにリング正規化を適用することにより、整合が進む。2次モーメントが正規化されると、円形の透視ターゲットは容易に認識され、各推定位置に最も近いターゲットは整合していると見なされる。次いで、4つの透視ターゲットの元の重心は、タグ空間において、既知のサイズの正方向の透視ひずみ端31であると見なされ、4つのタグ空間と画像空間の点の対を関係付ける公知の式を解くことに基づいて、8自由度の透視変形33が推測される(32において)(Heckbert,P.の「Fundamentalsof TextureMapping andImage Warping,MastersThesis」、Dept.of EECS,U.of Californiaat Berkeley、TechnicalReport No.UCB/CSD 89/516、June1989を参照されたい。この内容全体は、相互参照により本願明細書に援用されたものとする。)推測した画像空間に対するタグ空間の透視変形を使用して、タグ空間の各既知のデータビットの位置を画像空間に射影し(36において)、そこで、実数値の位置を使用して、4つの関連する隣接画素を入力画像に双1次補間する(36において)。以前に計算した画像閾値21を使用して、その結果を閾値処理し、最終的にビット値37を生成する。
【0074】
このようにしてすべての360のデータビット37を獲得したら、6つの60ビットリードソロモンコードワードの各々が復号されて(38において)、20の復号されたビット39、または全部で120の復号されたビットを生じる。コードワード記号をコードワード順にサンプリングすることで、コードワードが、サンプリングプロセス中に、暗黙的にデインタリーブされることに留意されたい。
【0075】
上述したように、物理的なタグ構造またはコード化システムは、本発明に必須ものではなく、各タグの他の物理的配設が使用されてよい。コード化されたデータを引き出すために、タグ画像を認識し復号するためのプロセスは、タグの物理的構造と、データを冗長的にコード化するために使用されるシステムに依存することを理解されたい。
【0076】
リングターゲット15は、画像に対する関係が、リングが見つけられる場合に、それが完全なタグの一部であることを保証する画像のサブ領域においてのみ求められる。完全なタグが見つけられず、連続的に復号されなければ、現行フレームに対するペンの位置は記録されない。適切な処理能力と理想的には最小でない視野193が与えられた場合、代替となる方法は、現行画像に別のタグを探すことである。
【0077】
獲得されたタグデータは、タグを含む領域の識別と領域内でのタグの位置を示す。次いで、タグ上で観察された透視変形33、およびペンの物理的な軸とペンの光学的な軸との間の既知の空間関係から、領域におけるペンニブの正確な位置35と、ペンの全体的な配向35が推測される(34において)。
【0078】
1.2.5 代替タグ構造
前述したタグ構造は、平坦な表面の規則的なタイル張りと、非平坦な表面の不規則なタイル張りの両方が可能となるようにデザインされる。規則的なタイル張りは、一般的に、非平坦な表面に行うことはできない。タグの規則的なタイル張りが可能な平坦な表面のより一般的な場合、すなわち、紙などの表面の場合、タイル張りの規則的な性質を利用したより効率的なタグ構造を使用することができる。
【0079】
図6aに、規則的なタイル張りにより適した代替タグ構造を示す。代替タグ4は、正方形であり、4つの透視ターゲット17を有する。これは、Bennett等の米国特許第5051746号に記載したタグと構造的に類似している。タグは、全部で240ビットになる60の4ビットのリードソロモン記号47を表す。タグは、各1ビットをドット48として表し、各0ビットを対応するドットの欠如により表す。透視ターゲットは、図6aおよび図6cに示すように、隣接するタグとの間で共有されるようにデザインされる。図6bは、16のタグの正方形のタイル張りと、対応する最小視野193とを示し、これは、2つのタグの対角線に及ぶものでなければならない。図6cは、説明するためにすべて1ビットを含む9つのタグの正方形タイル張りを示す。
【0080】
(15,7)リードソロモン符号を使用することにより、112ビットのタグデータが冗長的にコード化されて、240のコード化ビットを生成する。4つのコードワードは、タグ内で空間的にインタリーブされて、バーストエラーに対する回復力を最大にする。前述したように、タグIDが16ビットであると仮定すると、これにより、最大92ビットの領域IDが可能になる。
【0081】
タグのデータ保有ドット48は、これらの近傍と重ならないようにデザインされるため、タグからなる群が、ターゲットに類似した構造を作り出すことができない。これにより、インクが節約される。したがって、透視ターゲットにより、タグを検出することができるため、さらなるターゲットが不要になる。ステップ26および28を省略したことを除けば、上記のセクション1.2.4に記載したように、タグ画像処理が進む。
【0082】
タグは、センサに対するタグの4つの可能な配向からあいまいさを除くことができるようにするための配向特徴を含んでよいが、タグデータに配向データを埋め込むことも可能である。例えば、4つのコードワードは、図6dに示すように、各タグ配向が、その配向に位置する1つのコードワードを含むように配設されてよく、同図において、コードワードの数(1〜4)と、コードワード内の記号の位置(A〜O)で各記号がラベル付けされている。タグの復号化は、各配向で1つのコードワードを復号することからなる。各コードワードは、それが最初にコードワードであるかを示す単一のビットと、それがどのコードワードであるかを示す2つのビットのいずれかを含み得る。後者のアプローチでは、例えば、1つのみのコードワードのデータコンテンツが要求されれば、所望のデータを獲得するためには、多くても2つのコードワードを復号するだけでよいという利点がある。これは、領域IDが、1ストローク内で変化するように予測されず、したがって、ストロークの開始時にのみ復号される場合であってよい。1ストローク内において、タグIDを含むコードワードのみが望まれる。さらに、感知デバイスの回転が、1ストローク内においてゆっくりと予測可能に変化するため、典型的に、1フレーム当たり1つのコードワードだけを復号すればよい。
【0083】
透視ターゲットをすべて不要にし、その代わりに、自己整合するデータ表示に依存することが可能である。この場合、各ビット値(またはマルチビット値)は、典型的に、明確な記号により表され、すなわち、記号の欠如により表されるビット値がないことになる。これにより、データ格子は良好にポピュレートされるため、格子を確実に識別でき、データサンプリング中に、その透視ひずみを検出して、引き続き修正できる。タグの境界を検出できるようにするために、各タグデータは、マーカパターンを含まなければならず、これらは、確実に検出できるように冗長的にコード化されなければならない。このようなマーカパターンのオーバヘッドは、明確な透視ターゲットのオーバヘッドに類似している。このような1つのスキームでは、異なる記号、ひいては、異なるマルチビット値をあらわすために、格子頂点に対するさまざまな点が配置されたドットが使用される(AnotoTechnology Description、Anoto April2000を参照)。
【0084】
1.2.6 タグマップ
タグを復号することにより、領域IDと、タグIDと、タグに対するペンの変形が得られる。タグIDとタグに対するペンの位置をタグ付けされた領域内の絶対位置に変換可能にする前に、領域内のタグの位置が分かっていなければならない。これは、タグ付けされた領域にある各タグIDを対応する位置にマッピングする関数である、タグマップにより与えられる。
【0085】
タグマップは、タグで表面領域をタイル張りするために使用されるスキームを反映したものであり、これは、表面のタイプに応じて異なるものであり得る。複数のタグ付けされた領域が同じタイル張りスキームおよび同一のタグ番号付けスキームを共有する場合、これらは、同一のタグマップも共有することができる。
【0086】
領域のタグマップは、領域IDを介して検索可能でなければならない。したがって、領域ID、タグID、およびペン変形が与えられた場合、タグマップは検索可能であり、タグIDは、領域内の絶対的なタグ位置に変換可能であり、タグに対するペンの位置は、タグの位置に追加されて、領域内での絶対的なペンの位置を得ることができる。
【0087】
1.2.7 タグ付けスキーム
2つの明確な表面コード化スキームに着目し、その両方において、このセクションの前の方に記載したタグ構造が使用される。好適なコード化スキームは、すでに記載したように、「位置指示」タグを使用する。代替コード化スキームは、「オブジェクト指示」タグを使用する。
【0088】
位置指示タグは、タグ付けされた領域と関連付けされたタグマップを介して変換される場合、領域内の固有のタグ位置をもたらすタグIDを含む。タグに対するペンの位置は、このタグ位置に追加されて、領域内でのペンの位置を得る。次に、これを使用して、領域と関連付けされたページ記述におけるユーザインタフェース要素に対するペンの位置を決定する。ユーザインタフェース要素自体が識別されるだけでなく、ユーザインタフェース要素に対する位置も識別される。したがって、位置指示タグは、特定のユーザインタフェース要素のゾーンにおける絶対的なペンの経路の取り込みを自明に支持する。
【0089】
オブジェクト指示タグは、領域と関連付けされたページ記述におけるユーザインタフェース要素を直接識別するタグIDを含む。ユーザインタフェース要素のゾーンにあるすべてのタグが、ユーザインタフェース要素を識別し、それらをすべて同一に、したがって、区別不可能にする。したがって、オブジェクト指示タグは、絶対的なペンの経路の取り込みを支持しない。しかしながら、相対的なペン経路の取り込みを支持する。位置のサンプリング周波数が遭遇したタグ周波数の2倍を超えるかぎり、1ストローク内における1つのサンプリングしたペンの位置から次までの変位を明確に決定することができる。
【0090】
いずれかのタグ付けスキームを用いることにより、タグデータが感知デバイスにより読み取られ、ネットページシステムに適切な応答を生成するように、適切な感知デバイスを使用して、ユーザが印刷されたページと対話できるという点で、タグは、ユーザ対話型要素としてネットページ上の関連する視覚的要素と協働して機能する。
【0091】
1.3 ネットページ・ネットワーク
好適な実施形態において、ネットページ・ネットワークは、図3に示すように、インターネットなどのネットワーク19を介して接続された、ネットページ・ページサーバ10と、ネットページ登録サーバ11と、ネットページIDサーバ12と、ネットページ・アプリケーションサーバ13と、ネットページ刊行物サーバ14と、ネットページプリンタ601との分散セットからなる。
【0092】
ネットページ登録サーバ11は、ユーザと、ペンと、プリンタと、アプリケーションと、刊行物との間の関係を記録することにより、さまざまなネットワーク活動を認可するサーバである。これは、ユーザを認証し、アプリケーション・トランザクションにおいて、認証されたユーザの代わりに署名プロキシとして作用する。また、必要に応じて、手書き認識サービスを提供する。上述したように、ネットページ・ページサーバ10は、ページ記述とページインスタンスに関する永続的な情報を維持する。ネットページ・ネットワークは、各々がページインスタンスのサブセットを取り扱う任意の数のページサーバを含む。ページサーバは、各ページインスタンスのユーザ入力値を維持するため、ネットページプリンタなどのクライアントは、適切なページサーバにネットページ入力を直接送信する。ページサーバは、対応するページの記述に対するこのような任意の入力を解釈する。
【0093】
ネットページIDサーバ12は、オンデマンドで文書ID51を割り振り、ID割振りスキームを介して、ページサーバの負荷を均衡させる。
【0094】
ネットページプリンタは、インターネット分散ネームシステム(DNS:DistributedName System)などを使用して、ネットページ・ページID50を、対応するページインスタンスを取り扱うネットページ・ページサーバのネットワークアドレスに分解する。
【0095】
ネットページ・アプリケーションサーバ13は、対話型ネットページ・アプリケーションのホストとして働くサーバである。ネットページ刊行物サーバ14は、ネットページ文書をネットページプリンタに刊行するアプリケーションサーバである。
【0096】
ネットページサーバは、IBM、Hewlett−Packard、Sunなどの製造業者のさまざまなネットワークサーバプラットフォームでホストとして働くことができる。複数のネットページサーバは、単一のホスト上で同時に稼動し、単一のサーバは、多数のホストに分散可能である。ネットページサーバにより提供される機能、特に、IDサーバとページサーバにより提供される機能のいくつかまたはすべてが、ネットページプリンタなどのネットページ機器、コンピュータワークステーション、またはローカルネットワークに直接提供することも可能である。
【0097】
1.4 ネットページプリンタ
ネットページプリンタ601は、ネットページシステムで登録され、加入することによりオンデマンドでネットページ文書を印刷する機器である。各プリンタは、固有のプリンタID62を有し、インターネットなどのネットワークを介して、理想的には、広帯域接続を介してネットページ・ネットワークに接続される。
【0098】
不揮発性メモリにある識別とセキュリティの設定のほかに、ネットページプリンタは、何ら永続的な記憶装置を含む必要はない。ユーザに関するかぎり、「ネットワークはコンピュータである」。ネットページは、特定のネットページプリンタとは関係なく、分散ネットページ・ページサーバ10の助けにより、時空間を超えて対話式に機能する。
【0099】
ネットページプリンタは、ネットページ刊行物サーバ14から加入ネットページ文書を受信する。各文書は、2つの部分、すなわち、ページレイアウトと、ページをポピュレートする実際のテキストおよび画像オブジェクトに分散される。個別化の理由から、通常、ページレイアウトは、特定の加入者に対して特有のものであるため、適切なページサーバを介して加入者のプリンタへポイントキャストされる。一方で、テキストおよび画像オブジェクトは、通常、他の加入者と共有されるため、すべての加入者のプリンタと適切なページサーバへマルチキャストされる。
【0100】
ネットページ刊行物サーバは、文書のコンテンツをポイントキャストおよびマルチキャストにセグメント化することを最適化する。文書のページレイアウトのポイントキャストを受信した後、プリンタは、存在するならば、どのマルチキャストに従うかを認識する。
【0101】
プリンタは、印刷すべき文書を定義する完全なページレイアウトおよびオブジェクトを受信すると、その文書を印刷することができる。
【0102】
プリンタは、奇数ページと偶数ページをラスタ化し、それを同時にシートの両面に印刷する。プリンタは、この目的のために、Memjet(登録商標)印字ヘッド350を利用する複式プリントエンジンコントローラ760およびプリントエンジンを含む。
【0103】
印刷プロセスは、2つの分解された段階、すなわち、ページ記述のラスタ化と、ページ画像の拡大および印刷とからなる。ラスタ画像プロセッサ(RIP)は、並行して実行される1つ以上の標準DSP757からなる。複式プリントエンジンコントローラは、ページ画像を実時間で拡大、ディザリング、および印刷するカスタムプロセッサからなり、プリントエンジンの印字ヘッドの動作と同期される。
【0104】
不可視IR印刷に対して不作動状態のプリンタは、IR吸収性の黒インクを使用してタグを印刷するオプションを有するが、これは、ページの空の領域にタグを制限する。このようなページは、不可視IR印刷ページよりも機能が制限されるが、依然としてネットページとして分類される。
【0105】
通常のネットページプリンタは、紙のシート上にネットページを印刷する。さらに特殊なネットページプリンタは、球体やプラスチックシートなどのより特殊な表面に対して印刷を行うものであってよい。各プリンタは、少なくとも1つの表面タイプに対応し、各表面タイプに対して、少なくとも1つのタグタイル張りスキーム、ひいてはタグマップに対応する。文書を印刷するために実際に使用されるタグタイル張りスキームを記述するタグマップ811は、文書のタグが正確に解釈されるように、文書と関連付けられるようになるため、文書のタグを正確に解釈することができる。
【0106】
図2は、ネットページ・ネットワーク上の登録サーバ11により維持されているプリンタ関連情報を反映した、ネットページプリンタのクラス図を示す。
【0107】
図11から16を参照しながら、以下のセクション6において、ネットページプリンタの好適な実施形態についてさらに詳細に記載する。
【0108】
1.4.1 Memjet(登録商標)印字ヘッド
ネットページシステムは、熱インクジェット、圧電インクジェット、レーザ電子写真などを含む、広範囲のディジタル印刷技術を用いて製造されたプリンタを用いて動作することができる。しかしながら、広範な消費者に受け入れるために、ネットページプリンタが以下の特徴を備えていることが望ましい。
・写真品質のカラー印刷
・高品質テキスト印刷
・高信頼性
・低プリンタコスト
・低インクコスト
・低用紙コスト
・簡単な動作
・ほぼ無音の印刷
・高印刷速度
・同時両面印刷
・コンパクトフォームファクタ
・低電力消費
これらの特徴をすべて満たす印刷技術を備えたプリンタは、現在のところ市販されていない。
【0109】
これらの特徴を備えたプリンタを製造できるように、本願出願人は、Memjet(登録商標)技術と呼ばれる新しい技術を発明した。Memjet(登録商標)は、マイクロ電気機械システム(MEMS)技術を用いて製造されたページ幅プリントヘッドを組み込んだドロップ・オン・デマンドのインクジェット技術である。図17は、Memjet(登録商標)印字ヘッドの単一印刷要素300を示す。ネットページウォールプリンタは、1600dpiページ幅複式プリンタを形成するために、168960印刷要素300を組み込む。このプリンタは、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックおよび赤外のインクと、ペーパーコンディショナとインク定着剤を同時に印刷する。
【0110】
印刷要素300の縦横の長さは、約110ミクロン×32ミクロンである。これらの印刷要素のアレイは、CMOS論理回路、データ転送、タイミング、および駆動回路(図示せず)を組み込んだシリコン基板301上に形成される。
【0111】
印刷要素300の主要要素は、ノズル302と、ノズルリム303と、ノズルチャンバ304と、流体シール305と、インクチャネルリム306と、レバーアーム307と、能動アクチュエータビーム対308と、受動アクチュエータビーム対309と、能動アクチュエータアンカ310と、受動アクチュエータアンカ311と、インク入口312である。
【0112】
能動アクチュエータビーム対308は、接合部319で受動アクチュエータビーム対309に機械的に接合される。両方のビーム対は、それぞれのアンカ点310および311で固定される。要素308、309、310、311、および319の組み合わせは、片持ち電熱式曲げアクチュエータ320を形成する。
【0113】
図18は、印刷要素300の断面315を含む、印刷要素300のアレイの小部分を示す。シリコンウェーハ301を貫通するインク入口312を明確に示すために、インクのない状態で断面315を示している。
【0114】
図19(a)、図19(b)、および図19(c)は、Memjet(登録商標)印刷要素300の動作サイクルを示す。
【0115】
図19(a)は、インク滴を印刷する前のインクメニスカス316の静止位置を示す。インクは、インクメニスカス316と、ノズルチャンバ304とインクチャネルリム306との間に形成された流体シール305により、ノズルチャンバに保持される。
【0116】
印刷中、印字ヘッドCMOS回路は、プリントエンジンコントローラから正しい印刷要素へデータを分散し、データをラッチし、データをバッファリングして、能動アクチュエータビーム対308の電極318を駆動する。これにより、約1マイクロ秒間、電流がビーム対308を流れて、ジュール熱を発生する。ジュール熱により温度が上昇し、ビーム対308が膨張する。受動アクチュエータビーム対309は加熱されないため膨張せず、2つのビーム対の間に応力の差が生じる。この応力の差は、基板301の方へ曲がる電熱式曲げアクチュエータ320の片持ち端により部分的に解消される。レバーアーム307は、この動きをノズルチャンバ304に伝達する。ノズルチャンバ304は、図19(b)に示す位置に約2ミクロン移動する。これにより、インク圧が増大し、ノズル302からインク321が出され、インクメニスカス316が膨らむ。ノズルリム303により、インクメニスカス316がノズルチャンバ304の表面で広がらないようにされる。
【0117】
ビーム対308および309の温度が等しくなるにつれ、アクチュエータ320は、元の位置に戻る。これは、図19(c)に示すように、ノズルチャンバにおいて、インク321からインク滴307を断ち切る助けになる。ノズルチャンバは、メニスカス316での表面張力の作用により再び充填される。
【0118】
図20は、印字ヘッド350の一部分を示す。ネットページプリンタにおいて、印字ヘッドの長さは、方向351における紙の幅全体(通常、210mm)である。図示した部分の長さは、0.4mmである(全印字ヘッドの約0.2%)。印刷する際、紙は、方向352に向かって固定された印字ヘッドを通過する。印字ヘッドは、互いにかみ合わせた6列の印刷要素300を有し、インク入口312によりにより供給される6色またはタイプのインクを印刷する。
【0119】
動作中に印字ヘッドの脆弱な表面を保護するために、印字ヘッド基板301にノズルガードウェーハ330が取り付けられる。各ノズル302に対して、対応するノズルガード孔331があり、そこを通ってインク滴が放出される。ノズルガード孔331が紙の繊維または他の細片によりふさがれないように、印刷中、フィルタリングされた空気が、空気入口332を通って、ノズルガード孔から吐出される。インク321が乾燥しないように、ノズルガードは、プリンタのアイドリング中、密閉される。
【0120】
1.5 ネットページペン
ネットページシステムの能動感知デバイスは、通常、ペン101であり、これは、埋め込まれたコントローラ134を使用して、イメージセンサを介してページからIR位置を取り込み、復号することができる。イメージセンサは、適切なフィルタを備えた固体デバイスであり、近赤外線波長においてのみ感知することが可能である。以下さらに詳細に記載するように、システムは、ニブが表面に接触するときを感知することができ、ペンは、人間の手書きを取り込むのに十分な速度でタグを感知することができる(すなわち、200dpi以上および100Hz以上)。ペンにより取り込まれた情報は、暗号化されて、ワイヤレスでプリンタ(または基地局)に送信され、プリンタまたは基地局は、(既知の)ページに対してデータを解釈するか、または、好適な実施形態において、解釈を行うためにネットページサーバに情報を送信する。
【0121】
ネットページペンの好適な実施形態は、マーキングインクペンおよび非マーキングスタイラスの両方として動作する。しかしながら、マーキングの特徴は、インターネットインタフェースとして使用される場合など、ブラウジングシステムとしてネットページシステムを使用するためには不要である。各ネットページペンは、ネットページシステムで登録され、固有のペンID61を有する。
【0122】
いずれかのニブがネットページと接触しているとき、ペンは、ページに対するニブの位置と配向を決定する。ニブは、力センサに取り付けられ、ニブにかかる力は、ペンが「上向き」か「下向き」かを示すために、閾値に対して解釈される。これにより、ページ上の対話型要素をペンニブで押して「クリック」することができ、例えば、ネットワークからの情報をリクエストすることができる。さらに、力は連続値として取り込まれて、例えば、署名の完全な動的変化を確認することができる。ニブは、書く際に通常付与される力より強い特定の力を受けると移動されてよい。ユーザは、「クリック」するために、ニブを動かすのに十分な力をかける。これにより、不動のニブにより与えられるものに比べ、より望ましいフィードバックがユーザに与えられてよい。
【0123】
ペンは、赤外線スペクトルにおいて、ニブの周辺におけるページの領域193を撮像することにより、ネットページ上のニブの位置および配向を決定する。これは、最も近いタグを復号し、撮像されたタグに関する観測された透視ひずみと、ペンの光学的特性の既知の幾何学的形状から、タグに対するニブの位置を計算する。ページ上のタグの密度はタグのサイズに反比例するため、タグの位置の解像度は低い可能性があるが、調節された位置の解像度は非常に高く、正確な手書き認識に必要な最小限の解像度を超える。
【0124】
ネットページに対するペンの動作は、一連のストロークとして取り込まれる。ストロークは、ペンを下げることにより開始され、その後ペンを上げることにより完了する、ページ上でのタイムスタンプされたペン位置のシーケンスからなる。また、ストロークは、ページIDが変化したときはいつでもネットページのページID50でタグ付けされ、通常の状況下において、これがストロークの開始点となる。
【0125】
各ネットページペンは、それに関連付けられている現行選択826を有し、これにより、ユーザは、コピーおよびペースト動作などを実行することができる。選択は、所定の時間期間後、システムがそれを破棄できるようにタイムスタンプされる。現行選択は、ページインスタンス領域を記述する。これは、ページのバックグラウンド領域に対してペンを介して取り込まれた最新のディジタルインクストロークからなる。これは、選択ハイパーリンク活性化を介してアプリケーションに提出されると、アプリケーションに特有の方式で解釈される。
【0126】
各ペンは、現行ニブ824を有する。これは、ペンがシステムに対して最後に通知したニブである。上述したデフォルトネットページペンの場合、マーキングインクニブまたは非マーキングスタイラスニブのいずれかが現行である。また、各ペンは、現行のニブスタイル825を有する。これは、例えば、ユーザがパレットから色を選択したことに応答して、アプリケーションにより最後にペンに関連付けられたニブスタイルである。ペンを介して取り込まれたストロークは、現行のニブスタイルでタグ付けされる。ストロークが後の再生される場合、ストロークがタグ付けされるニブスタイルで再生される。
【0127】
ペンが、通信可能なプリンタの範囲内にあるときはいつでも、ペンは、その「オンライン」LEDをゆっくりと点滅する。ペンがページに対するストロークを復号できないとき、ペンは、瞬時に「エラー」LEDを活性化する。ペンがページに対するストロークを復号することができたとき、ペンは、瞬時に「ok」LEDを活性化する。
【0128】
取り込まれたストロークのシーケンスは、ディジタルインクと呼ばれる。ディジタルインクは、図面と手書きをディジタル交換し、手書きをオンライン認識し、署名をオンライン確認するための基準を形成する。
【0129】
ペンはワイヤレスであり、短距離無線リンクを介して、ネットページプリンタにディジタルインクを送信する。送信されたディジタルインクは、プライバシーと安全のために暗号化され、効率的な送信を行うためにパケット化されるが、プリンタにおける適時な処理を確保するために、ペンを上げる際に常に点滅される。
【0130】
ペンがプリンタの範囲外にあるとき、ペンは、10分以上の連続的な手書きができる容量を有する内部メモリに、ディジタルインクをバッファリングする。ペンが再びプリンタの範囲内にあるとき、ペンは、バッファリングされたディジタルインクを転送する。バッファは、ある程度のバッファ容量を与えてよい。
【0131】
ペンは、任意の数のプリンタに登録することができるが、すべての状態データが、紙とネットワークとの両方のネットページに存在するため、任意の特定の時間にペンがどのプリンタと通信しているかは、あまり重要ではない。
【0132】
図8から図10を参照しながら、以下のセクション6において、ペンの好適な実施形態についてさらに詳細に記載する。
【0133】
1.6 ネットページ対話
ネットページプリンタ601は、ペンがネットページ1と対話するために使用されるとき、ペン101からストロークに関するデータを受信する。ストロークなどの動きを実行するためにペンが使用される場合、タグ4のコード化されたデータ3は、ペンにより読み取られる。このデータにより、特定のページと関連する対話型要素の識別を決定でき、ページに対するペンの相対的な位置の指示を獲得できる。指示データは、プリンタに送信され、そこで、プリンタは、DNSを介して、ストロークのページID50を、対応するページインスタンス830を維持するネットページ・ページサーバ10のネットワークアドレスに分解する。ついで、プリンタは、ストロークをページサーバに送信する。ページが以前のストロークにおいて最近識別されれば、プリンタは、キャッシュに関連するページサーバのアドレスをすでに有している場合がある。各ネットページは、ネットページ・ページサーバにより永続的に維持されているコンパクトなページレイアウトからなる(以下を参照)。ページレイアウトは、通常、ネットページ・ネットワークのいずれかに格納されている、画像、フォント、およびテキストなどのオブジェクトを指す。
【0134】
ページサーバは、ペンからストロークを受信するとき、ストロークが適用されるページ記述を引き出し、ストロークがページ記述のどの要素と交差しているかを決定する。ついで、ページサーバは、関係する要素のタイプの状況において、ストロークを解釈することができる。
【0135】
「クリック」は、ペンを下げた位置と、その後のペンを上げた位置との間の距離と時間の両方が、ある程度の小さな最大値未満であるストロークである。クリックにより活性化されるオブジェクトは、通常、クリックが活性化されるように要求し、したがって、より長いストロークは無視される。「雑な」クリックなどのペンの動作を登録できなかったことは、ペンの「ok」LEDからの応答がないことにより示される。しかしながら、ネットページがボタンを含む場合、「クリック」は、ペンの下げ位置とペンの上げ位置との両方がボタンの領域内にあるとき登録可能である。
【0136】
ネットページ・ページ記述には、2種類の入力要素、すなわち、ハイパーリンクおよびフォームフィールドとがある。フォームフィールドを介した入力によっても、関連付けられたハイパーリンクを活性化させることができる。
【0137】
1.7 ネットページの標準的な特徴
好適な形態において、各ネットページは、それがネットページであり、対話性を備えたものであることを示すために、下側にネットページのロゴを付けて印刷される。また、ロゴは、コピーボタンとしても作用する。ほとんどの場合、ロゴを「クリックする」ことで、ページのコピーが生成される。フォームの場合、ボタンは、フォーム全体のコピーを生成する。チケットやクーポンなどのセキュア文書の場合、ボタンは、説明的な注釈や広告ページを引き出す。
【0138】
デフォルト単一ページコピー機能は、関連するネットページ・ページサーバにより直接取り扱われる。特別なコピー機能は、ロゴボタンをアプリケーションにリンクすることにより取り扱われる。
【0139】
1.8 ユーザヘルプシステム
好適な実施形態において、ネットページプリンタは、「ヘルプ」とラベル付けされた単一のボタンを有する。それを押すと、
・プリンタ接続の状態
・プリンタ消耗品の状態
・トップレベルヘルプメニュー
・文書機能メニュー
・トップレベルネットページ・ネットワークディレクトリ
を含む情報の単一ページが引き出される。
【0140】
ヘルプメニューは、ネットページシステムの使用方法に関する階層的なマニュアルを提供する。
【0141】
文書機能メニューは、以下の機能を含む。
・文書の印刷
・フォームの白紙コピーの印刷
・文書の状態の印刷
文書の機能は、単にボタンを押した後、文書の任意のページに触れるだけで始動する。文書の状態は、それを発行した人、それをいつ誰に配信されたか、およびいつ誰にフォームとして後に提出されたかを示す。
【0142】
ネットページ・ネットワークディレクトリにより、ユーザは、ネットワーク上の刊行物およびサービスの階層を進むことができる。この代わりとして、ユーザは、ネットページ・ネットワーク「900」番の「イエローページ」に電話して、人間のオペレータと話すことができる。オペレータは、所望の文書の位置を特定し、それをユーザのプリンタにルーティングすることができる。文書のタイプに応じて、発行者またはユーザは、小額の「イエローページ」サービス料金を支払う。
【0143】
ヘルプページは、プリンタが印刷できない利用できないことは明らかである。この場合、「エラー」の光が点灯し、ユーザは、ネットワーク上で遠隔診断を要求することができる。
【0144】
2.ネットページプリンタの記述
2.1 プリンタの仕組み
図11および図12に、垂直方向に取り付けられるネットページウォールプリンタ601を完全に組み立てた状態を示す。図12、図35、および図30に最良に示すように、これは、複式81/2インチのMemjet(登録商標)プリントエンジン602および603を使用して、A4サイズの媒体にネットページを印刷する。これは、紙の直線経路を使用し、紙604は、フルカラーおよびフルブリードで、シートの両面に同時印刷する複式プリントエンジン602および603を通過する。マルチDSPラスタ画像プロセッサ(RIP)は、ページを内部メモリにラスタ化し、一対のカスタムプリントエンジンコントローラは、ページ画像を拡大、ディザリングし、複式印字ヘッドに実時間で印刷する。
【0145】
一体型バインディングアセンブリ605は、印刷された各シートの一辺に沿って接着剤のストリップを塗布することにより、それを先行シートに押し付けたときに接着させることができる。これで、厚さが1つのシートから数百のシートまで及ぶ最終的な製本された文書618が作成される。バインディングアセンブリについては、図26、図27、および図28を特に参照しながら、以下で詳細に考慮する。
【0146】
図11、図12、図35、図13、および図21から図23を参照すると、ウォールプリンタ601は、すべての主要な構成部品およびアセンブリを収容する主要なシャーシ606からなる。図23に最良に示すように、これは、正面モールディング608とハンドルモールディング609により覆われた正面上側部分に、旋回する媒体トレイ607を有する。正面モールディング608と、ハンドルモールディング609と、正面下側モールディング610は、消費者に対して製品をより魅力的なものにするために、色、質感、および仕上げが異なる場合がある。これらは、単にウォールプリンタ601の正面に留められているだけである。
【0147】
図24および図25は、ウォールプリンタの電気システムを単独で示す。柔軟な印刷回路基板(フレックスPCB)611は、媒体トレイ607から主要PCB612に進む。これは、4つのカラーLED613、614、615、および616と、プッシュボタン617を含む。LEDは、正面モールディングに沿って示され、「オン」613、「インク切れ」614、「紙切れ」615、「エラー」616を示す。プッシュボタン617は、使用法の説明、プリンタと消耗品状態の情報、およびネットページプリンタ上のリソースのディレクトリの形式で、印刷された「ヘルプ」を引き出す。
【0148】
印刷され製本された文書618は、ウォールプリンタ601の底部を通って、透明プラスチック製の取り外し可能な収集トレイ619に排出される。これについては、特に図28を参照しながら、以下でさらに詳細に記載する。
【0149】
ウォールプリンタ601は、内部110V/220V電源620により電力が供給され、4本のネジで壁面または安定した垂直表面に固定された金属製の取り付けプレート621を有する。金属プレート621にある陥没したキーホールスロットの細部622は、プレート上に留めるためのプリンタ背部上に取り付けられる4つの差込みを見込んでいる。媒体トレイ607の後方のある位置で、プレート621にシャーシモールディング606を設置するネジにより、ウォールプリンタ601が外れないようにされる。
【0150】
図21を参照すると、ウォールプリンタ601の側面は、プリンタをネットページ・ネットワークおよびローカルコンピュータまたはネットワークに接続できるようにするネットワークインタフェースモジュール625を収容するモジュールベイ624を含む。インタフェースモジュール625は、ユーザが要求するインタフェースを提供するために、工場または作業現場で選択されインストールされてよい。モジュールは、IEEE1394(ファイアワイア)接続、標準Centronicsプリンタポート接続、またはUSB2とイーサネット(登録商標)接続との組み合わせなど、一般的なコネクタオプションを含むものであってよい。これにより、消費者は、ウォールプリンタ601をコンピュータに接続でき、ネットワークプリンタとして使用することができる。他のタイプの接続が使用されてよい。インタフェースモジュールPCBは、(金のコンタクトエンジストリップで)エッジコネクタを介して主要なウォールプリンタPCB612に直接差し込まれる。ツールインサートを使用することにより、モジュールデザインに、異なるコネクタの構成が収容される。モジュール625の両側にある指幅のレセスにより、容易に手動による挿入または取り外しが可能となる。
【0151】
図30を参照すると、主要PCB612は、シャーシ606の背部に取り付けられている。回路版612は、シャーシモールディング606を介して、インタフェースモジュール625とのインタフェースとなる。また、PCB612は、必須の周辺電子部品をMemjet(登録商標)印字ヘッド705に導く。これは、揮発性メモリ(現在、2つの32MBDRAMが使用されている)、フラッシュメモリ、IEEE1394インタフェースチップ、モータコントローラ(現在、6つ)、さまざまなセンサコネクタ、インタフェースモジュールPCBエッジコネクタ、パワーマネージメント、内部/外部データコネクタ、およびQAチップを含む。
【0152】
図23は、紙604と、インクカートリッジ627への正面ハッチアクセスを示す。図29を参照すると、紙604は、ヒンジ式の上部トレイ607内に入れられ、ばね式のプラテン666に押し付けられている。トレイ607は、ヒンジ700によりシャーシ606に取り付けられている。各ヒンジは、底部と、ヒンジレバーと、ヒンジ側面とを有する。底部と紙/媒体トレイ607上のピボットは、供給ホース646をねじれさせないように紙/媒体トレイ607回転するように、レバーと側面を係合する。
【0153】
紙604は、エッジガイド667下に配置された後、ガイドが閉じられ、金属ばね部分668の作用によりトレイ607の一方の側面に自動的に位置合わせされる。インクカートリッジ627が、一連の自己密閉コネクタ629を介して、旋回するインクコネクタモールディング628内に接続する。コネクタ629は、インク、空気、接着剤をそれぞれ別の位置に送る。インクコネクタモールディング628は、インクカートリッジ上のQAチップを検出し、印刷前に識別を確認するセンサを含む。正面ハッチが閉じていると感知されるとき、解除機構により、ばね式プラテン666が、電力供給された媒体ピックアップローラアセンブリ626に対して紙604を押し付けることができる。
【0154】
図22は、取り外し可能なインクカートリッジ627の完全なアセンブリを示す。これは、定着剤644と、接着剤630と、シアン631、マゼンダ632、イエロー633、ブラック634、および赤外635インクを格納するブラダまたはチャンバを有する。また、カートリッジ627は、ベースモールディング637にマイクロエアフィルタ636を含む。図13に示すように、マイクロエアフィルタ636は、ホース639を介してプリンタないのエアポンプ638のインタフェースとなる。これは、ノズルを詰まらせる可能性のあるミクロ粒子がMemjet(登録商標)印字ヘッド705内に侵入するのを防止するために、フィルタリングした空気を印字ヘッド705に供給する。エアフィルタ636をカートリッジ627内に取り入れることにより、フィルタの動作寿命が、カートリッジの寿命と効果的に結び付けられる。これにより、必要な間隔でフィルタを掃除したり取り替えたりするために、ユーザに依存するのではなく、フィルタがカートリッジとともに取り替えられる。さらに、接着剤および赤外インクが可視インクおよびエアフィルタとともに補給されることにより、消耗材がなくなることでプリンタの動作を中断させる頻度が減少される。
【0155】
カートリッジ627は、薄壁ケーシング640を有する。インクブラダ631から635および定着剤ブラダ644は、カートリッジを一緒に留めるピン645により、ケーシング内に吊るされる。単一の接着剤ブラダ630は、ベースモールディング637に収容される。これは、3000ページ(1500シート)を印刷し接着するための能力を備えた完全に再生可能な製品である。
【0156】
図12、図35、図24、図25、および図30を参照すると、電力供給された媒体ピックアップローラアセンブリ626は、上部シートを、媒体トレイ607から第1のプリントエンジン602上の紙センサ(図示せず)を通過して、複式Memjet(登録商標)印字ヘッドアセンブリ内に直接押し込む。
【0157】
2つのMemjet(登録商標)プリントエンジン602および603は、紙の直線経路に沿って、対向するインライン連続構成内に設けられる。紙604は、一体式の電力供給されたピックアップローラ626により、第1のプリントエンジン602内に引き出される。紙604の位置とサイズが感知され、フルブリードの印刷が開始される。
【0158】
定着剤は、可能な最短時間内に乾燥しやすくるために同時に印刷される。
【0159】
図35に最良に示すようにMemjet(登録商標)プリントエンジン602および603は、ロータリーキャッピング、ブロッティングおよびプラテンデバイス669を含む。キャッピングデバイスは、Memjet(登録商標)を使用してないとき、これを密閉する。これは、慣例のプリンタ始動メンテナンス中に、印字ヘッド705から噴射されるインクを吸収するために使用される一体式ブロッタを生成するためにキャップを外し回転する。これは、Memjet(登録商標)印字ヘッド705内の内部キャッピングデバイスを同時に移動させ、これにより、空気が保護ノズルシールド領域内に流入できるようになる。デバイスの第3の回転により、プラテン表面が定位置に移動し、これにより、印刷中にシート604の一方の側面が支持される。
【0160】
紙は、ゴムで被覆したローラに対して作用する(紙の直線経路に沿って位置合わせされた)電力供給された出口スパイクホイールのセットを通って、第1のMemjet(登録商標)プリントエンジン602から排出される。これらのスパイクホイールは、「湿った」印刷表面と接触して、シート604を第2のMemjet(登録商標)プリントエンジン603内に供給し続ける。
【0161】
第2のプリントエンジン603は、シート604の下側を印刷するために、第1のものと反対に取り付けられる。
【0162】
図12、図35、図13、図26、および図27に示すように、紙604は、複式プリントエンジン602および603から、バインダアセンブリ605内に入れられる。印刷されるページは、繊維状の支持ローラを有する電力供給されたスパイクホイール軸670と、スパイクホイールおよび瞬間動作接着剤ホイール673を有する他の可動軸との間を通過する。可動軸/接着剤アセンブリ673は、金属支持ブラケットに取り付けられ、カムシャフト642の動作により電動軸670とのインタフェースになるように前方に移送される。別のモータ675が、このカムシャフトに動力を与える。モータ676の両方は、Memjet(登録商標)印字ヘッドにより制御される。
【0163】
接着剤ホイールアセンブリ673は、インクカートリッジ627からの接着剤供給ホース641用の回転カップリング680を有する部分的に中空の軸679からなる。この軸679は、放射状の穴による毛細管作用により接着剤を吸収する接着剤ホイール681に接続されている。成形ハウジングが、接着剤ホイール681を取り囲み、正面に開口を有する。旋回サイドモールディング683とばね式外側ドア684が、金属支持ブラケットに取り付けられており、アセンブリ673の残りの部分が前方に押し出されるとき、横向きにヒンジが外れる。この作用により、接着剤ホイール681は、成形ハウジングの正面から露出する。張力ばね685がアセンブリを閉鎖し、非活動期間中、接着剤ホイール681を効果的にキャッピングする。
【0164】
シート604が接着剤ホイールアセンブリ673内を通る際、バインディングアセンブリ605内に降下して移送されるとき、(文書の第1のシートから離れた)正面側の1つの垂直端に接着剤が塗布される。この構成により、印刷中に接着剤が各ページに塗布されるため、プリンタを通る紙の移動が、別個の接着ステーションで中断または停止されないということを理解されたい。これにより、プリンタの速度は上がるが、ページが「ポートレート」構成で(すなわち、長辺に平行な方向に)プリンタを移動する必要がある。これにより、紙トレイ、バインディングステーション、収集ステーションをポートレート構成にする必要がある。これでは、限られた空間の領域内に都合良く収めるには、プリンタ全体の長さが長くなりすぎる。これらの状況において、媒体トレイ、バインディングステーション、および収集ステーションを、「ランドスケープ」方向に配設して(短辺を紙の移動方向に平行にして)、プリンタの長さを短くすることができる。しかしながら、接着アセンブリ紙の長辺に沿って接着剤を塗布することができなければならない。このようなウォールプリンタ(図示せず)では、往復接着剤ストリップを用いて各ページの長辺に接着剤が塗布される。
【0165】
図26に、「ポートレート」バインダアセンブリ605を最良に示す。これは、金属支持シャーシ686と、4つの交差ロッド上を移動するばね式成形バインディングプラテン687と、シート604が移動した後に文書618を支持する成形された傾斜プラテン689と、支持ブラケット691を有する出口ハッチ690とを有する。印刷されたページ604は、出口ハッチ690上に載るまで送り込まれる。バインディングプラテン687は、ホイール692のループ式システムと、電力供給されたケーブルワインダシャフト694に取り付けられたばね式スチールケーブル693とを介して、高速で前方に推進される。ケーブルワインダシャフト694が回転すると、ケーブルループ693は短縮し、バインディングプラテン687を前方に移送する。この電力供給されたシャフト694は、スリップクラッチ機構を有し、シート604を前のシートの後部へと前方に押すのに必要な速度を与え、それを接着/結合して、戻りばね699の作用下で定位置に戻り、次の印刷シートを受け入れる。往復プラテンの単一の動作サイクルにかかる時間は2秒より短い。
【0166】
バインディングアセンブリ605は、1ページずつページを綴って製本された文書にすることにより、文書の別々のページを印刷するのにかかる時間を著しく長くすることなく、製本された文書を作成する。さらに、このアセンブリは、先行ページに押し付ける前に直接接着剤を塗布する。このことは、各ページの後部に接着剤を塗布し、連続して各ページを次のページに押し付けるよりも効果的であり、これは、紙の供給の補給などで印刷プロセスを中断すると、最後の接着ページに塗布された接着剤が劣化し、その効果を低減させてしまうからである。
【0167】
ケーブル693は、製本しやすいように、先行シートに正圧を印加できるようにばね式のものである。さらに、傾斜プラテン689は、文書618をオーバー軸構成で支持するために、底部より上部が浅くなっている。
【0168】
ステッパモータの制御部に作動可能に接続されたセンサ(図示せず)が、文書に綴られた最後のページの位置を決定し、プラテンがそれに次のページを正確に接着できるようにするために使用されてよい。
【0169】
紙タッパ643は、傾斜プラテン689に移動するとき、シート604をバインダ605の一方の側面に衝突させる。主要PCB612は、モータ695、696、および697を、ケーブルワインダシャフト694、タッパ643、および出口ハッチ690に対してそれぞれ制御する。
【0170】
文書618が製本され仕上げられると、電力供給された出口ハッチ690が開く。出口ハッチ690が閉じないように作用する文書の詰まりや他の妨害物を検出するために、タンパセンサ(図示せず)が設けられる。また、タッパ643は、バインダ605から収集トレイ619への排出中に、印刷された文書618を軽く叩いて位置合わせする。正面下方のモールディング610上のプラスチックフォイル698は、ハッチ690と協働して、仕上げられた文書618を収集トレイ619の背部に導き、既存の文書にぶつからないように、さらなる文書をトレイ内に供給する。異なるページサイズの文書を収容するために、それぞれが異なる長さをもつ複数の柔軟なフォイルが設けられてよい。収集トレイ619は、透明プラスチック内に成形され、一定の負荷をかけてソケットから取り出される。文書を取り出すためにアクセスは、3つの側面上に与えられる。
【0171】
2.2 Memjetベースの印刷
Memjet(登録商標)印字ヘッドは、1600dpiのバイレベルCMYKを生成する。低拡散紙上では、排出された各滴が、ほぼ完全に円形の22.5μm直径のドットを形成する。ドットは、個別に簡単に生成され、分散ドットディザリングを最大限に活用することができる。
【0172】
ページレイアウトは、画像、グラフィック、およびテキストの組み合わせを含んでよい。連続トーン(コントーン)画像およびグラフィックは、確率的分散ドットディザリングを使用して再生される。集合ドット(または振幅変調)ディザリングと異なり、分散ドット(または周波数変調)ディザリングは、目で空間的に一体化されるとき、フルカラー深度まで低い空間周波数を同時に再生しながら、ドット解像度のほぼ限界まで高い空間周波数(すなわち、画像細部)を再生する。確率的ディザリングマトリックスは、画像をタイル張りしたとき、不快な低周波数パターンがないように慎重にデザインされる。このようにして、このサイズは、通常、特定数の強度レベルに対応するために必要とされる最小サイズを超える(例えば、257強度レベルに対して16×16×8ビット)。
【0173】
人間のコントラスト感度は、視野角度当たり約3サイクルの空間周波数で頂点に達した後、対数的に低下し、1度当たり約40サイクルを超えると100だけ低下し、1度当たり60サイクルを超えると測定不能になる。12インチ(約300mm)の通常の目視距離で、これは、印刷されたページ上で概算で1インチ当たり200〜300サイクル(cpi)、またはナイキストの定理によると、1インチ当たり400〜600サンプルということになる。
【0174】
実際には、約300ppiを超えるコントーン解像度は、医療撮像などの特別の応用以外の制限された効用のものである。例えば、雑誌のオフセット印刷は、150〜300ppiの範囲のコントーン解像度を使用する。より高い解像度は、ディザリングによるカラーエラーにわずかに寄与する。
【0175】
黒のテキストおよびグラフィックは、バイレベルのブラックドットを使用して直接再生されるため、印刷される前にはアンチエイリアス化されない(すなわち、低パスフィルタリングされる)。したがって、テキストは、上述した知覚限界を超えてスーパーサンプルされ、目で空間的に一体化されるときにより滑らかなエッジを生成する。約1200dpiまでのテキスト解像度は、知覚されたテキストのシャープさに寄与し続ける(当然ながら、低拡散紙と仮定して)。
【0176】
ネットページプリンタは、267ppiのコントーン解像度(すなわち、1600dpi/6)と、800dpiの黒のテキストおよびグラフィック解像度を使用する。
2.3 文書データフロー
Memjet(登録商標)印字ヘッドのページ幅の性質から、可視アーチファクトを作成しないように、一定の速度で各ページが印刷されなければならない。すなわち、印刷速度は、入力データ速度に適合するように変更することができない。したがって、文書のラスタ化および文書の印刷が切り離されて、印字ヘッドへのデータの一定供給が確保される。ページは、すべてラスタ化されるまで印刷されない。これは、各ラスタ化ページ画像の圧縮したものをメモリに格納することにより達成される。
【0177】
また、このような切り離しにより、単純なページをラスタ化するときプリンタより前にラスタ画像プロセッサ(RIP)を実行して、より複雑なページをラスタ化するための時間を得ることができる。
【0178】
コントーンカラー画像は、確率的ディザリングにより再生されるが、黒のテキストおよびライングラフィックは、ドットを使用して直接再生されるため、圧縮されたページ画像フォーマットは、別個のフォアグラウンドバイレベルのブラック層とバックグラウンドコントーンカラー層とを含む。ブラック層は、コントーン層がディザリングされた後、コントーン層の上で複合される。
【0179】
ネットページタグは、別の層にレンダリングされ、最終的に赤外線吸収性インクを使用して印刷される。
【0180】
267ppiで、コントーンCMYKデータのレターサイズページは、25MBのサイズを有する。JPEG(ISO/IEC19018−1:1994、「Information technology −Digital compressionand codingof continuous−tonestill images:Requirements and guidelines、1994」、この内容は、相互参照により本願明細書に援用されたものとする)などの損失のあるコントーン圧縮アルゴリズムを使用すると、コントーン画像は、顕著な品質の損失なく最大10:1の比率で圧縮し、2.5MBの圧縮されたページのサイズを与える。損失のない圧縮アルゴリズムが使用されてよいが、これらを使用すると、一般に、損失のある圧縮アルゴリズムと比較して、高い圧縮率が得られない。
【0181】
800dpiで、バイレベルデータのレターサイズのページは、7MBのサイズを有する。テキストなどのコヒーレントなデータは、非常に良好に圧縮される。グループ4ファクシミリ(ANSI/EIA538−1988、「Facsimile Coding Schemesand CodingControl Functionsfor Group4 FacsimileEquipment」、August 1988、この内容は、相互参照により本願明細書に援用されたものとする)などの損失のないバイレベル圧縮アルゴリズムを使用すると、テンポイントのテキストは、約10:1の比率で圧縮し、0.8MBの圧縮されたページサイズを与える。
【0182】
ディザリングされると、CMYKコントーン画像データのレターサイズのページは、114MBのバイレベルデータからなる。このデータに損失のないバイレベル圧縮アルゴリズムを使用することは、最適なディザリングが確率的であるため、すなわち、圧縮困難な不規則性を導入するということから、まったく無意味である。
【0183】
したがって、2層の圧縮されたページ画像フォーマットは、損失のあるJPEGコントーン画像圧縮と損失のないバイレベルのテキスト圧縮の相対強度を利用する。このフォーマットは、記憶効率的であるために十分コンパクトであり、印刷中に実時間による簡単な拡大を行うために十分単純なものである。
【0184】
テキストと画像は、通常、重なり合わないため、通常の最悪のページ画像サイズは2.5MB(すなわち、画像のみ)であるのに対して、通常の最良のページ画像サイズは0.8MB(すなわち、テキストのみ)である。絶対的な最悪のページ画像サイズは3.3MB(すなわち、画像上のテキスト)である。平均的なページの4分の1が画像を含むとすると、平均的なページ画像サイズは1.2MBである。
【0185】
2.4 プリンタコントローラアーキテクチャ
図14のブロック図に示すように、ネットページプリンタコントローラは、制御プロセッサ750と、工場設置式または作業現場設置式のネットワークインタフェースモジュール625と、無線トランシーバ(トランシーバコントローラ753、ベースバンド回路754、RF回路755、およびRF共振器およびインダクタ756)と、2重ラスタ画像プロセッサ(RIP)DSP757と、複式プリントエンジンコントローラ760aおよび760bと、フラッシュメモリ658と、DRAM657(現在、64MB)とからなる。
【0186】
制御プロセッサは、ネットワーク19と、ローカルワイヤレスネットページペン101との通信を取り扱い、ヘルプボタン617を感知し、ユーザインタフェースLED613〜616を制御し、RIPDSP757およびプリントエンジンコントローラ760を供給および同期化する。これは、中程度の性能の汎用マイクロプロセッサからなる。制御プロセッサ750は、高速シリアルバス659を介してプリントエンジンコントローラ760と通信する。
【0187】
RIP DSPは、ページ記述をラスタ化し、それをネットページプリンタの圧縮されたページフォーマットに圧縮する。各プリントエンジンコントローラは、ページ画像を拡大、ディザリングして、実時間で(すなわち、1分当たり30ページ以上で)、関連するMemjet(登録商標)印字ヘッド350に印刷する。複式プリントエンジンコントローラは、シートの両面を同時に印刷する。
【0188】
マスタプリントエンジンコントローラ760aは、紙の移送を制御し、マスタQAチップ665およびインクカートリッジQAチップ761と連携して、インクの使用をモニタする。
【0189】
プリンタコントローラのフラッシュメモリ658は、プロセッサ750とDSP757の両方のソフトウェアとともに、構成データを保有する。これは、ブート時間にメインメモリ657にコピーされる。
【0190】
プロセッサ750、DSP757、ディジタルトランシーバ構成部品(トランシーバコントローラ753およびベースバンド回路754)は、単一のコントローラASIC656に統合される。アナログRF構成部品(RF回路755およびRF共振器およびインダクタ756)は、別のRFチップ762に設けられる。ネットページプリンタにより、ネットワーク接続を工場選択式または作業現場選択式にすることができるため、ネットワークインタフェースモジュール625は別々である。また、フラッシュメモリ658および2×256Mbit(64MB)DRAM657もオフチップである。プリントエンジンコントローラ760は、別のASICに設けられる。
【0191】
各々がネットページ・ネットワークインタフェース751を提供し、オプションとして、ローカルコンピュータまたはネットワークインタフェース(図示せず)を提供する、さまざまなネットワークインタフェースモジュール625が提供される。ネットページ・ネットワークインターネットインタフェースは、POTSモデムと、HybridFiber−Coax(HFC)ケーブルモデムと、ISDNモデムと、DSLモデムと、衛星トランシーバと、現世代および次世代携帯電話トランシーバと、ワイヤレスローカルループ(WLL)トランシーバとを含む。ローカルインタフェースは、IEEE1284(パラレルポート)と、10Base−Tおよび100Base−Tイーサネット(登録商標)と、USBおよびUSB2.0と、IEEE1394(ファイアワイア)と、さまざまな出現しつつあるホームネットワークインタフェースとを含む。インターネット接続がローカルネットワークで利用可能であれば、ローカルネットワークインタフェースは、ネットページ・ネットワークインタフェースとして使用可能である。
【0192】
無線トランシーバ753は、通常、コードレス電話により使用される許可の必要のない900MHzバンドか、またはこの代わりとして、許可の必要のない2.4GHzの産業科学医療(ISM)バンドにおいて通信し、周波数ホッピングと衝突検出を使用して、干渉のない通信を提供する。
【0193】
プリンタコントローラは、ネットページカメラなどのデバイスから「噴出した」データを受信するための赤外線データ通信標準化団体(IrDA)インタフェースを選択的に組み込む。代替実施形態において、プリンタは、適切に構成されたネットページペンと短距離通信するために、IrDAインタフェースを使用する。
【0194】
2.4.1 ラスタ化および印刷
主要プロセッサ750は、(550において)文書のページレイアウトおよびページオブジェクトを受信および確認し、(551において)メモリ657に入れた後、DSP757上で、適切なRIPソフトウェアを実行する。
【0195】
DSP757は、(552において)各ページ記述をラスタ化し、(553において)ラスタ化されたページ画像を圧縮する。主要プロセッサは、(554において)各圧縮されたページ画像をメモリ657に格納する。複数のDSPの負荷を均衡するための最も簡単な方法は、各DSPに別々のページをラスタ化させることである。一般に、任意の数のラスタ化されたページをメモリに格納することができるため、DSPは、常にビジー状態にされる。この方法では、短い文書をラスタ化するとき、潜在的に劣悪なDSP使用のみをもたらす。
【0196】
ページ記述の透かし領域は、無視できるサイズに損失なく圧縮され、圧縮されたページ画像の一部を形成するコントーン解像度バイレベルビットマップにラスタ化される。
【0197】
印刷されたページの赤外(IR)層は、1インチ当たり約6つの密度のコード化されたネットページタグを含む。各タグは、ページIDと、タグIDと、制御ビットとをコード化し、各タグのデータコンテンツは、ラスタ化中に生成され、圧縮されたページ画像に格納される。
【0198】
主要プロセッサ750は、背中合わせのページ画像を複式プリントエンジンコントローラ760に渡す。各プリントエンジンコントローラ760は、圧縮されたページ画像をローカルメモリ769に格納し、ページの拡大および印刷のパイプラインを開始する。114MBバイレベルCMYK+IRページ画像全体をメモリに格納することは実用的でないため、ページ拡大と印刷はパイプライン化される。
【0199】
プリントエンジンコントローラは、(555において)圧縮されたページ画像を拡大し、(556において)拡大されたコントーンカラーデータをバイレベルドットにディザリングし、(557において)ディザリングされたコントーン層上で拡大されたバイレベルブラック層を複合し、(558において)拡大されたネットページタグデータをレンダリングし、(559において)最終的に完全にレンダリングされたページを印刷して、印刷されたネットページ1を生成する。
【0200】
2.4.2 プリントエンジンコントローラ
プリントエンジンコントローラ760のページ拡大および印刷のパイプラインは、図16のブロック図に示すように、高速IEEE1394シリアルインタフェース659と、標準JPEGデコーダ763と、標準グループ4ファックスデコーダ764と、カスタムハーフトナー/コンポジタユニット765と、カスタムタグエンコーダ766と、ラインローダ/フォーマッタユニット767と、Memjet(登録商標)印字ヘッド350とのカスタムインタフェース768とからなる。
【0201】
プリントエンジンコントローラ360は、2重バッファ方式で動作する。1ページが高速シリアルインタフェース659を介してDRAM769内にロードされる間、以前にロードされたページは、DRAM769から読み取られ、プリントエンジンコントローラパイプラインを通過する。ページが印刷を終了した後、他のページをロードしながら、ロードしたばかりのページが印刷される。
【0202】
パイプラインの第1段階は、(763において)JPEG圧縮されたコントーンCMYK層を拡大し、(764において)グループ4ファックス圧縮されたバイレベルブラック層を拡大し、(766において)セクション1.2で定義したタグフォーマットに従って、バイレベルネットページタグ層をレンダリングし、すべてパラレルに行う。第2段階は、(765において)コントーンCMYK層をディザリングし、(765において)その結果得られるバイレベルCMYK層上でバイレベルブラック層を複合する。その結果のバイレベルCMYK+IRドットデータは、(767において)ラインバッファのセットを介してMemjet(登録商標)印字ヘッド350上に印刷するために、バッファリングされフォーマットされる。これらのラインバッファのほとんどは、オフチップDRAMに格納される。最終段階は、印字ヘッドインタフェース768を介して、6チャネルのバイレベルドットデータ(定着剤を含む)をMemjet(登録商標)印字ヘッド350に印刷する。
【0203】
いくつかのプリントエンジンコントローラ760を、複式構成のように同時に使用する場合、これらは、共有ライン同期信号770を介して同期化される。外部マスタ/スレーブピン771を介して選択された1つのプリントエンジン760のみが、ライン同期信号770を共有ラインに生成する。
【0204】
プリントエンジンコントローラ760は、ページ拡大およびレンダリングのパイプラインを同期化するための低速プロセッサ772を含み、低速シリアルバス773を介して印字ヘッド350を構成し、ステッパモータ675、676を制御する。
【0205】
ネットページプリンタの8 1/2インチバージョンでは、2つのプリントエンジンの各々は、ページの長辺の長さ(11インチ)に沿って、1600dpiで8.8kHzのライン速度を与えながら、1分当たり30レターページを印刷する。ネットページプリンタの12インチバージョンでは、2つのプリントエンジンの各々は、ページの短辺(81/2インチ)に沿って、10.2kHzのライン速度を与えながら、1分当たり45レターページを印刷する。これらのライン速度は、十分に、現行のデザインで30kHzを超えるMemjet(登録商標)印字ヘッドの動作周波数内にある。
【0206】
2.5 ネットページ冷蔵庫
本発明の特定の装置は、冷蔵庫のような電気機器と、対話式プリンタデバイスとの能力を組み合わせた家庭用途または工業用途のシステムである。簡潔にするために、以下、この装置を「ネットページ冷蔵庫」と呼び、ネットページシステムに関連して記載する。しかしながら、他の適切な家庭用機器が同様の方法で装備されてよく、冷蔵庫や他の機器と作動的に対話するように、別のコンピュータシステムが用いられてよいことを理解されたい。
【0207】
本発明のネットページプリンタは、遠隔対話式のものであるため(一般に、ネットページペンからプリンタデバイスへワイヤレス伝送を介して)、プリンタの使用と冷蔵庫そのものの使用との間での衝突の危険性がほとんどない。さらに、冷蔵庫はすでに電力供給されており、ネットワーク接続で容易に増強でき、そのドアは、縦長浅薄であるというネットページプリンタには理想的な形状因子を備えている。
【0208】
図31、図32、および図33に、ネットページ冷蔵庫を完全に組み立てた状態が示されており、図34に、その断面図が示されている。ネットページ冷蔵庫1001には、青果物の貯蔵と冷蔵に適した内部区分を画定する壁を有し、第1の環境制御室として働く矩形状の上側囲い1034と、青果物の貯蔵と冷凍に適した第2の環境制御室として働く矩形状の下側囲い1036とがある。さらに、図34の断面図には、冷蔵庫熱交換パイプ1030と、システムコンプレッサポンプ・モータアセンブリ1032が示されている。この機器の貯蔵区分1034、1036へは、上側ドア1012と下側ドア1014のそれぞれを介してアクセスされ、これは、対話式プリンタデバイスの機能に対応するための機械的構造を与える役割も担う。このような機械的な配置により、操作とメンテナンスの目的で対話式プリンタ機能に都合良くアクセスでき、人間工学のデザイン原理を満たすものである。
【0209】
図32は、消耗品アクセスハッチ1016、すなわち、一般的に、紙やインクなど、定期的な交換を要する部品を補充するためにアクセスするためのハッチのアクセスのしやすさを示す。このアクセスハッチ1016は、ネットページ冷蔵庫1001の上側ドア1012にヒンジ付きアセンブリとして設けられ、ユーザがアクセスしやすいように、下方外向きに折り曲がるように取り付けられる。定期的なアクセスを必要としない対話式プリンタのこれらの構成部品は、ドアアセンブリ内に整然と隠され、必要なとき、メンテナンスオペレータによりアクセス可能にされる。図34の断面図は、媒体トレイ607と、PCB612と、紙供給区分と、可視的および不可視的にコード化された印刷情報の両方を生成するためのプリントエンジン602、603と、必要に応じて、製本されたマルチページ文書618を生成するための、出口ハッチ690により下側端部が閉じられたバインディングアセンブリ605とを含むプリンタデバイスの機能要素の相対位置を示す。ネットページ冷蔵庫1001の下側ドア1014において、ネットページプリンタの印刷出力へのアクセスを便利にする排出トレイアセンブリが設けられる。排出トレイアセンブリは、バインディングアセンブリ605の出口ハッチから重力により供給される出力を受け取る収集トレイ619を含み、この排出トレイは、印刷された製本文書618を取り出すことができるように容易にアクセス可能なものである。
【0210】
好適な実施形態において、ネットページ冷蔵庫1001は、上記および以前および同時に出願された特許出願に詳細に記載したネットページ・ネットワーク化コンピュータシステムとともに動作するように構成される。したがって、ネットページ冷蔵庫は、ネットページシステムに登録され、上述したプロセスおよび本願出願人による先行特許出願PCT/AU00/00561に詳細に記載されたプロセスにしたがって、オンデマンドでまたは加入することによりネットページ文書を印刷する。各ネットページ冷蔵庫は固有のIDを有し、理想的には広帯域接続を介して、インターネットなどのネットワークを介してネットページシステムに接続される。ネットワークの相互接続は、ネットページ冷蔵庫の一部分をなすネットワークインタフェースを介して支持される。ネットページペンからの信号を受信するための受信機が、ネットページ冷蔵庫の上側ドアにあるプリンタデバイスに組み込まれる。図33は、2本のリード線1022、1028を略図的に示し、これらは、冷蔵庫の上側ドア1012と、冷蔵庫の上側ドアヒンジ機構と、冷蔵庫キャビネットの上側部分の側壁とを通って機器の背面に現れ、ネットページプリンタデバイスに電力を供給するための主要電源1026と、インターネットと接続するための居住用の電話線などのネットワークライン1024のそれぞれとの接続を与える。
【0211】
ネットページ冷蔵庫の好適な形態において、冷蔵庫の機能と対話式プリンタの機能は相互に依存する。すなわち、対話式プリンタ機能のある特定の能力が、冷蔵庫の機能の特定の機能的特徴と不変にリンクされる。したがって、冷蔵庫が本来備えている能力以外に、ネットページ冷蔵庫は、機器の固有の能力を補充する固有の追加の能力を備える。さらなる機能的な能力は以下のものを含むが、これらに限定されるものではない。
a:自動在庫モニタリングおよび制御
b:デバイス制御
c:故障の診断および報告
2.5.1 自動在庫モニタリングおよび制御
ネットページペンなどの外部感知デバイスとともに、ネットページ冷蔵庫は、貯蔵区分に出し入れする際の在庫のモニタする能力を備える。この機能により、補充を促し、使用期限日をモニタし、利用できる材料を使ったレシピを提案する能力を機器が備えるようになる。ユーザのネットページペンは、バーコード走査に対応するように容易に補強でき、ネットページシステムにより、バーコード入力を適切なショピングカートの更新に変換する機器が与えられる。考慮されるように、ネットページシステム自体が、製品タイプセットの各々に対する各ユーザのお気に入りの利用を記録することができる。
【0212】
2.5.2 デバイス制御
ネットページ冷蔵庫は、温度制御など、冷蔵庫を制御する能力とともに、ホームシアターシステム、空気調節装置、セキュリティシステムなどの他のネットワーク作動可能な機器を制御するための能力を備える。ネットページ冷蔵庫は、遠隔制御デバイスの形をした印刷された制御ボタンを生成することができ、これは、適切な機器の正常な機能を制御するために後に使用することができる。ネットページ冷蔵庫は、通常、容易にアクセス可能である中央の位置に設けられるため、デバイス制御能力を組み込むのに適したシステムである。
【0213】
2.5.3 故障の診断および報告
ネットページ冷蔵庫の貯蔵区分内に位置し、対話式プリンタデバイス機能内に埋め込まれたセンサインタフェースを介してモニタされる1つ以上の熱センサ1018とともに、ネットページ冷蔵庫は、故障の診断および報告の能力を備える。例えば、ある一定の閾値レベルを超えた温度が検出された場合、ネットページ冷蔵庫は、1つまたは他の貯蔵区分内の温度が所定の閾値レベルを超えたことを示すために、印刷報告書を作成する。同様に、電源において冷蔵庫への電力供給停止が検出されれば、ネットページ冷蔵庫は、機器のユーザに情報を与えるために供給の中断に関する詳細な報告書を作成する。
【0214】
結論
好適な実施形態および多数の特有の代替実施形態を参照しながら、本発明について記載した。しかしながら、当業者であれば、特別に記載したものとは異なる多数の他の実施形態も、本発明の趣旨および範囲内のものであることを理解するであろう。したがって、本発明は、相互参照により適切なものとして援用された文献を含め、本発明に記載した特有の実施形態に限定されることを意図したものではないことを理解されたい。本発明の範囲は、特許請求の範囲によりのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【0215】
【図1】サンプルの印刷済みのネットページとそのオンラインページ記述との関係の略図である。
【図2】ネットページペンと、ネットページプリンタと、ネットページ・ページサーバと、ネットページ・アプリケーションサーバとの対話の略図である。
【図3】ネットワークを介して相互に接続されたネットページサーバとプリンタの集合体を示す図である。
【図4】印刷されたネットページとそのオンラインページ記述のハイレベル構造を示す略図である。
【図5】ネットページタグの構造を説明するための図である。
【図6】ネットページタグの別の構造を説明するための図である。
【図7】タグ画像処理復号アルゴリズムの流れ図である。
【図8】ネットページペンと、それに関連するタグ感知視野円錐体の斜視図である。
【図9】図8に示すネットページペンの拡大斜視図である。
【図10】図8および図9に示すネットページペン用のペンコントローラの略図的なブロック図である。
【図11】壁取付け型のネットページプリンタの斜視図である。
【図12】図11のネットページプリンタの長さに沿った断面図である。
【図13】図11および図12のネットページプリンタのインクカートリッジ、インク、空気と接着剤の経路、およびプリントエンジンの詳細図である。
【図14】図11および図12に示すネットページプリンタ用のプリンタコントローラの略図的なブロック図である。
【図15】図14に示すプリンタコントローラと関連する複式プリントエンジンコントローラおよびMemjet(登録商標)印字ヘッドの略図的なブロック図である。
【図16】図14および図15に示すプリントエンジンコントローラの略図的なブロック図である。
【図17】例えば、図10から図12のネットページプリンタで使用する場合の、単一のMemjet(登録商標)印刷要素の斜視図である。
【図18】Memjet(登録商標)印刷要素のアレイのわずかな部分の斜視図である。
【図19】図13に示すMemjet(登録商標)印刷要素の動作サイクルを示す一連の斜視図である。
【図20】ページ幅Memjet(登録商標)印字ヘッドの短いセグメントの斜視図である。
【図21】ウォールプリンタの簡易拡大図である。
【図22】インクカートリッジの拡大図である。
【図23】開いた状態の媒体トレイの前部4分の3図である。
【図24】プリンタの電気システムの前部4分の3図である。
【図25】電気システムの後部4分の3図である。
【図26】バインダアセンブリに沿った断面図である。
【図27】開いた状態の接着剤ホイールアセンブリの後部4分の3図である。
【図28】バインダアセンブリと出口ハッチに沿った断面図である。
【図29】媒体トレイの上部4分の3図である。
【図30】プリンタの上部に沿った断面図である。
【図31】本発明によるネットページプリンタを組み込んだ冷蔵庫の斜視図である。
【図32】開いた状態の消耗品アクセスハッチを備えた図31の冷蔵庫の斜視図である。
【図33】熱センサと、ネットワークおよび電力接続とを示す図31の冷蔵庫の斜視図である。
【図34】図31の冷蔵庫の断面図である。
【図35】複式プリントエンジンと接着剤ホイールアセンブリの断面を示す図12の拡大部分である。
【符号の説明】
【0216】
618 マルチページ文書
619 収集トレイ
1001 ネットページ冷蔵庫
1012 上側ドア
1014 下側ドア
1016 消耗品アクセスハッチ
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークコンピュータシステムとの対話を可能にする装置に関する。本発明の特別な応用は、ある表面にインタフェースを印刷して、インタフェース表面を作成するプリンタを採用するシステムに関する。
【0002】
本発明を開発した主な目的は、ユーザがネットワーク化された情報と対話できるインタフェース表面を作成し、高速ネットワークカラープリンタを経由して要望に応じて対話型の印刷物を獲得することである。本願明細書において、主としてこの使用を参照しながら本発明について記載するが、本発明がこの分野での使用に限定されるものではないことを理解されたい。
【0003】
[同時係属中の出願]
本発明の出願人または譲受人により本発明と同日に出願された以下の同時係属中の出願に、本発明に関連するさまざまな方法、システム、および装置が開示されている。
PCT/AU00/01442、PCT/AU00/01444、PCT/AU00/01446、PCT/AU00/01445、PCT/AU00/01450、PCT/AU00/01453、PCT/AU00/01448、PCT/AU00/01447、PCT/AU00/01459、PCT/AU00/01451、PCT/AU00/01454、PCT/AU00/01452、PCT/AU00/01443、PCT/AU00/01455、PCT/AU00/01456、PCT/AU00/01457、PCT/AU00/01458、PCT/AU00/01449。
【0004】
これらの同時係属中の出願の開示は、本願明細書に参照して組み入れる。
【0005】
本発明の出願人または譲受人により2000年10月20日に出願された以下の同時係属中の出願に、本発明に関連するさまざまな方法、システム、および装置が開示されている。
PCT/AU00/01273、PCT/AU00/01279、PCT/AU00/01288、PCT/AU00/01282、PCT/AU00/01276、PCT/AU00/01280、PCT/AU00/01274、PCT/AU00/01289、PCT/AU00/01275、PCT/AU00/01277、PCT/AU00/01286、PCT/AU00/01281、PCT/AU00/01278、PCT/AU00/01287、PCT/AU00/01285、およびPCT/AU00/01283。
【0006】
これらの同時係属中の出願の開示は、本願明細書に参照して組み入れる。
【0007】
本発明の出願人または譲受人により2000年9月15日に出願された以下の同時係属中の出願に、本発明に関連するさまざまな方法、システム、および装置が開示されている。
PCT/AU00/01108、PCT/AU00/01110およびPCT/AU00/01111。これらの同時係属中の出願の開示は、本願明細書に参照して組み入れる。
【0008】
本発明の出願人または譲受人により2000年5月24日に出願された以下の同時係属中の出願に、本発明に関連するさまざまな方法、システム、および装置が開示されている。
PCT/AU00/00762、PCT/AU00/00763、PCT/AU00/00761、PCT/AU00/00760、PCT/AU00/00759、PCT/AU00/00758、PCT/AU00/00764、PCT/AU00/00765、PCT/AU00/00766、PCT/AU00/00767、PCT/AU00/00768、PCT/AU00/00773、PCT/AU00/00774、PCT/AU00/00775、PCT/AU00/00776、PCT/AU00/00777、PCT/AU00/00770、PCT/AU00/00769、PCT/AU00/00771、PCT/AU00/00772、PCT/AU00/00754、PCT/AU00/00755、PCT/AU00/00756およびPCT/AU00/00757。
【0009】
これらの同時係属中の出願の開示は、本願明細書に参照して組み入れる。
【0010】
本発明の出願人または譲受人により2000年5月24日に出願された以下の同時係属中の出願に、本発明に関連するさまざまな方法、システム、および装置が開示されている。
PCT/AU00/00518、PCT/AU00/00519、PCT/AU00/00520、PCT/AU00/00521、PCT/AU00/00522、PCT/AU00/00523、PCT/AU00/00524、PCT/AU00/00525、PCT/AU00/00526、PCT/AU00/00527、PCT/AU00/00528、PCT/AU00/00529、PCT/AU00/00530、PCT/AU00/00531、PCT/AU00/00532、PCT/AU00/00533、PCT/AU00/00534、PCT/AU00/00535、PCT/AU00/00536、PCT/AU00/00537、PCT/AU00/00538、PCT/AU00/00539、PCT/AU00/00540、PCT/AU00/00541、PCT/AU00/00542、PCT/AU00/00543、PCT/AU00/00544、PCT/AU00/00545、PCT/AU00/00547、PCT/AU00/00546、PCT/AU00/00554、PCT/AU00/00556、PCT/AU00/00557、PCT/AU00/00558、PCT/AU00/00559、PCT/AU00/00560、PCT/AU00/00561、PCT/AU00/00562、PCT/AU00/00563、PCT/AU00/00564、PCT/AU00/00565、PCT/AU00/00566、PCT/AU00/00567、PCT/AU00/00568、PCT/AU00/00569、PCT/AU00/00570、PCT/AU00/00571、PCT/AU00/00572、PCT/AU00/00573、PCT/AU00/00574、PCT/AU00/00575、PCT/AU00/00576、PCT/AU00/00577、PCT/AU00/00578、PCT/AU00/00579、PCT/AU00/00581、PCT/AU00/00580、PCT/AU00/00582、PCT/AU00/00587、PCT/AU00/00588、PCT/AU00/00589、PCT/AU00/00583、PCT/AU00/00593、PCT/AU00/00590、PCT/AU00/00591、PCT/AU00/00592、PCT/AU00/00594、PCT/AU00/00595、PCT/AU00/00596、PCT/AU00/00597、PCT/AU00/00598、PCT/AU00/00516、PCT/AU00/00517およびPCT/AU00/00511。
これらの同時係属中の出願の開示は、本願明細書に参照して組み入れる。
【背景技術】
【0011】
現在、ネットワーク化されたコンピュータシステムのユーザがシステムと対話するには、典型的に、情報を表示するためのモニタと、キーボード、マウス、トラックボール、ジョイスティックなど、情報を入力しコンピュータシステムと対話するための制御デバイスを使用して、ローカルコンピュータターミナル(例えば、パーソナルコンピュータ)を経由する。このようなインタフェースは効率的であるが、比較的嵩張り携帯できない。紙に印刷された情報は、コンピュータモニタに表示される情報より読みやすく携帯性に優れている。しかしながら、キーボードやマウスと異なり、紙上のペンは、一般的に、コンピュータソフトウェアとの対話能力に欠ける。
【0012】
多数の応用において、典型的なタイプのターミナル装置は、多数の制限を課す。例えば、家庭環境の場合、面倒なことの1つに、ホームオフィスなど、ネットワークターミナルに対応するように特別に整えられた設備に、一般的に、ターミナルおよび付属機器(プリンタ、スキャナなど)を設置せざるをえないことが挙げられる。したがって、ターミナルにアクセスするために、オペレータは、専用の設備を利用するために、例えば、ホームオフィスに入るために、慎重な行動をとらなければならない。これでは、家庭用装置の他のより一般的な機能にコンピュータシステムを自然に統合化させることにならない。慎重にではなく付随的に、ユーザがネットワークターミナルと対話ができるようになることがさらに望まれている。
【0013】
さらに、コンピュータの補助機器の従来のネットワークターミナルおよびアイテムは、典型的に、デスクトップ型の利用に合わせられ、貴重な空間を無駄に使う傾向にある形にデザインされパッケージされている。
【特許文献1】米国特許第5,625,412号
【特許文献2】米国特許第5,661,506号
【特許文献3】米国特許第5,477,012号
【特許文献4】米国特許第5,852,434号
【特許文献5】国際特許出願第PCT/US98/20597号
【発明の開示】
【0014】
本発明の第1の態様によれば、ネットワークコンピュータシステムとの対話装置であって、
機器ユーザにより使用するための青果物の貯蔵用および冷却用機器と、
前記機器に一体化されたプリンタデバイスとを含み、プリンタデバイスは、前記ネットワークコンピュータシステムと作動的に相互に接続可能であり、前記ネットワークコンピュータシステムから配信された少なくとも1つのフォームを印刷するように動作可能なプリンタモジュールを含み、機器ユーザにより動作された感知デバイスから指示データを受信するように構成され、感知デバイスは、前記少なくとも1つのフォームに対して作動位置に配置されると指示データを感知し、前記プリンタデバイスにより受信された前記指示データは、前記ネットワークコンピュータシステム経由で前記機器の動作を制御するための制御データを含んでおり、前記プリンタデバイスは、前記制御データを生成するために、前記機器の動作を監視するためのセンサインタフェースを備える装置が提供される。このように、プリンタデバイスがセンサインタフェースを備え、プリンタデバイスにより受信された指示データには、ネットワークコンピュータシステム経由で前記機器の動作を制御するための制御データが含まれる、といった特異な構成が提供される。
【0015】
本発明の第2の態様によれば、一体型プリンタを含む、青果物の貯蔵用および冷却用機器が提供される。
【0016】
さらに、本発明により、家庭用冷蔵庫などの一般的に使用されているホスト機器にネットワークターミナル能力を組み込む手段が提供される。このような機器は、一般的に、家族の日々の活動の一環として、定期的および頻繁に利用されている。
【0017】
家庭内環境において、台所、さらに詳しく言えば、台所にある冷蔵庫は、活動の中心と見なすことができる。したがって、本発明は、この機器の物理的なサイズと中心的な位置を利用することができる。
【0018】
したがって、本発明は、コンピュータシステムと対話可能な1つ以上のフォームを利用するシステムおよび方法の使用に関する。この方法およびシステムは、特定の好適な形態において、単一のコンピュータシステムとともに使用されてよいが、インターネットなどのコンピュータネットワーク上で動作するようにデザインされる。
【0019】
物理エンティティとして、任意の適切な構造の表面媒体上に、対話型のフォームが配置される。しかしながら、好適な装置において、このフォームは、紙などのシート材料からなり、その上にコード化されたデータが印刷されることにより、コンピュータシステムとの対話が可能になる。コード化されたデータは、非排他的であるが、好適には、可視スペクトルの範囲外で検出可能なものであることにより、データは機械読み取り可能であるが、人間の目には実質的に見えないものである。また、フォームは、フォームの利用法や目的などの情報をユーザに提供する可視材料を含むものであってもよく、この可視情報は、関連する隠しコード化データとともに適所に記録または相互に関連されてよい。
【0020】
また、システムは、フォームからコンピュータシステムにデータを運び、場合によっては、追加データを与えるための感知デバイスを含む。感知デバイスは、さまざまな形態のものであってよいが、小型で携帯しやすいものが好ましい。特定の好適な装置において、感知デバイスは、対話型のフォームを物理的にマークできるとともに、フォームからのコード化データを選択的に読み取り、コンピュータシステムに送信できるようにデザインされたペンとして構成される。その後、コード化されたデータは、ユーザが指定することで、コンピュータシステムまたはネットワーク上で動くソフトウェアに命令を付与するように構成された制御情報を与える。
【0021】
各々がコンピュータシステムに寄与するフォームと感知デバイスとデータとの間の対話の性質は異なるものであってよい。1つの装置において、フォーム上のコード化データは、フォームの識別およびそのフォーム上の少なくとも1つの参照点を表す。別の実施形態において、対話型フォームは、フォームのパラメータを表すコード化データを含むのに対して、感知デバイスは、そのフォームに対する動きに関する情報を、フォームからのコード化データとともにコンピュータシステムに与えるように動作される。さらなる別の装置において、フォームは、フォームを少なくとも識別するコード化データを含み、感知デバイスは、フォームコード化データに基づいたデータと、さらに、デバイスのユーザを識別するデータに基づいたデータを、コンピュータシステムに与えるようにデザインされる。
【0022】
好適な装置において、システムおよび方法は、対話型フォームを印刷するための特別にデザインされたプリンタを採用する。さらに、これらのプリンタは、コンピュータシステムを構成するか、またはその一部を形成し、感知デバイスからデータを受信するようにデザインされる。上述したように、本発明のシステムおよび方法は、ネットワーク上での動作に理想的に適している。この装置において、プリンタは、ネットワークに完全に一体化されることで、要望に応じて対話型フォームを印刷できるとともに、マルチキャストおよびポイントキャスト通信プロトコルの混合を使用して、フォームを配布することができる。
【0023】
したがって、好適な形態において、本発明により、コンピュータシステムのインタフェースとして紙とペンをベースに使用する方法およびシステムが提供される。紙の利点は、情報の表示と記録にそれが幅広く使用されていることである。さらに、コンピュータ画面に表示される情報より、印刷された情報の方が読みやすい。さらに、紙は、バッテリーで動くものではなく、明るい光の中で読むことができ、コーヒーがこぼれた事態などを無理なく受け入れることができ、携帯性があり、使い捨てできる。さらに、このシステムにより、コンピュータのキーボードやマウスによる入力に比べ、非常に優れた表現を与える手描きおよび手書きを取り込むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、添付の図面を参照しながら、非制限的な例示的目的のみにより、本発明の好適な実施形態および他の実施形態について記載する。
【0025】
なお、Memjet(登録商標)は、オーストラリア、Silverbrook Research Pty Ltdの登録商標である。
【0026】
好適な実施形態において、本発明は、ネットページ・ネットワーク化されたコンピュータシステムとともに動作するように構成されており、詳細な概略は以下のとおりである。すべての実施形態が、基本的なシステムに関連して以下に記載する特定の詳細および拡張のすべて、またはそのほとんどを必ずしも具現化しているとは限らないことを認識されたい。しかしながら、本発明の好適な実施形態および態様が動作する状況の理解を試みる際に、他を参照する必要性を軽減するために、システムはほぼ完全な形態で記載されている。
【0027】
簡潔な要約において、ネットページシステムの好適な形態は、マッピングされた表面の形態をしたコンピュータインタフェース、すなわち、コンピュータシステムに維持される表面のマップの参照を含む物理的表面を用いる。マップ参照は、適切な感知デバイスにより照会されてよい。特定の実施形態に応じて、マップ参照は、可視または不可視にコード化されてよく、マッピングされた表面の局所的な照会により、そのマップ内および異なるマップ間との両方で、あいまいなマップ参照が生じるように規定されてよい。コンピュータシステムは、マッピングされた表面上の特徴に関する情報を含んでよく、このような情報は、マッピングされた表面とともに使用される感知デバイスにより供給されるマップ参照に基づいて引き出されてよい。したがって、引き出された情報は、オペレータと表面の特徴との対話に応答して、オペレータの代わりにコンピュータシステムにより始動されるアクションの形をとることができる。
【0028】
好適な形態において、ネットページシステムは、ネットページの生成と人間との対話に依存する。これらは、普通紙に印刷されたテキスト、グラフィック、および画像のページであるが、対話型ウェブページのように動作する。裸眼の人間の目にはほとんど見えないインクを使用して、各ページに情報がコード化される。しかしながら、インクと、それによりコード化されたデータは、光学的な撮像ペンにより感知されて、ネットページシステムに送信される。紙以外の基体が使用されてよい。好適な実施形態におけるコード化された情報は、赤外線吸収インキであるため、赤外線感知光センサが使用されてよい。必要に応じて、他の波長が使用されてよく、または、光感知以外の感知技術が使用されてよく、1つの代替は、磁気インクおよびセンサを使用することである。
【0029】
好適な形態において、各ページ上のアクティブボタンとハイパーリンクをペンでクリックして、ネットワークから情報を要求したり、ネットワークサーバに好みを信号で知らせたりすることができる。一実施形態において、ネットページ上に手で書いたテキストが自動的に認識され、ネットページシステムのコンピュータテキストに変換され、フォームに記入することができるようになる。他の実施形態において、ネットページ上に記録された署名が自動的に確認されて、電子商取引のトランザクションを安全に認証することができるようになる。
【0030】
図1に示すように、印刷されたネットページ1は、印刷ページ上に物理的に、さらに、ペンとネットページシステムとの通信を介して電気的に、ユーザが記入できる対話型の形態を表すことができる。この例は、名前および住所領域と提出ボタンとを含む「リクエスト」フォームを示す。ネットページは、ネットページは、可視インクを使用して印刷されたグラフィックデータ2と、不可視インクを使用してタグ4の集合体として印刷されたコード化データ3とからなる。ネットページ・ネットワークに格納された対応するページ記述5は、ネットページの個々の要素を記述する。さらに詳しく言えば、ネットページシステムがネットページを介して入力を正確に解釈できるように、各対話型要素(すなわち、この例では、テキスト領域またはボタン)のタイプと空間的範囲(ゾーン)を記述する。例えば、提出ボタン6は、対応するグラフィック8の空間的範囲に対応するゾーン7を有する。
【0031】
図2に示すように、ネットページペン101は、図8および図9に示し、以下にさらに詳細に記載する好適な形態であり、ネットページプリンタ601、家庭、オフィス、または移動使用のインターネット接続された印刷機器とともに動作する。ペンはワイヤレスであり、短距離無線リンク9を介して、ネットページプリンタと安全に通信する。必要に応じて、ペンは、ワイヤまたは赤外線送信機を利用してシステムに接続されてよいが、その両方により有用性が制限される。
【0032】
ネットページプリンタ601は、図11から図13に示し、以下にさらに詳細に記載する好適な形態であり、対話型ネットページとしてすべて高品質に印刷された、個別化した新聞、雑誌、カタログ、パンフレット、および他の刊行物を定期的にまたはオンデマンドで配信できる。パーソナルコンピュータとは異なり、ネットページプリンタは、例えば、ユーザの台所、朝食用のテーブル付近、または日々の家庭生活が始まる場所の付近など、朝のニュースを最初に見る場所の近くの壁に取り付けることができる機器である。これはまた、卓上、デスクトップ、携帯型、および小型版にもなる。
【0033】
消費場所で印刷されたネットページは、紙の使用しやすさと、対話型媒体の適時性および対話式利用性とを兼ね備えている。
【0034】
図2に示すように、ネットページペン101は、印刷されたネットページ1上のコード化されたデータと対話し、短距離無線リンク9を介して、その対話をネットページプリンタに伝達する。プリンタ601は、解釈するために、その対話を関連するネットページ・ページサーバ10に送信する。適切な環境において、ページサーバは、対応するメッセージを、ネットページ・アプリケーションサーバ13上で実行されるアプリケーションコンピュータソフトウェアに送信する。続いて、アプリケーションサーバは、元のプリンタで印刷された応答を送信してよい。
【0035】
ネットページシステムは、好適な実施形態において、高速マイクロ電気機械システム(MEMS)をベースにしたインクジェット(Memjet(登録商標))プリンタと併用することによりかなり利便性が良くなる。この技術の好適な形態において、消費者が比較的高速で高品質の印刷を手に入れやすくなっている。好適な形態において、ネットページ刊行物は、移動が容易で取り扱いやすいように綴じてある両面フルカラー印刷されたレターサイズの光沢紙セットなど、従来のニュース雑誌の物理的特徴を備える。
【0036】
ネットページプリンタは、広帯域インターネットアクセスの可用性が増大していることを利用している。ケーブルサービスは、米国の95%の家庭で利用可能であり、広帯域インターネットアクセスを提供するケーブルモデムサービスは、すでにこれらの20%で利用可能である。また、ネットページプリンタは、より低速な接続で動作することができるが、配信時間がより長くかかるか、画質がより悪くなるか、またはその両方が伴う。実際、ネットページシステムは、消費者の既存のインクジェットプリンタおよびレーザプリンタを使用して作動可能であるが、システムの動作速度はより遅くなるため、消費者の観点から言えば、あまり容認できるものではない。他の実施形態において、ネットページシステムは、プライベートイントラネット上でホストされる。さらなる他の実施形態において、ネットページシステムは、単一のコンピュータ、またはプリンタなどのコンピュータ使用可能デバイス上でホストされる。
【0037】
ネットページ・ネットワーク上のネットページ刊行物サーバ14は、ネットページプリンタに印字品質の刊行物を配信するように構成される。定期刊行物は、ポイントキャスティングおよびマルチキャスティングインターネットプロトコルを介して、自動的に加入ネットページプリンタに配信される。個別化された刊行物は、個々のユーザプロファイルに応じてフィルタリングされフォーマット化される。
【0038】
1台のネットページプリンタが、任意の数のペンをサポートするように構成されてよく、1本のペンが、任意の数のネットページプリンタとともに動作してよい。好適な実施形態において、各ネットページペンは、固有の識別子を有する。家庭では、家族の各々に1本ずつ割り当てられた色付きのネットページペンの集合体を有すことが可能である。これにより、割り当てられたペンが家族の構成員のそれぞれによりのみ使用されるとすれば、各ユーザが、ネットページ刊行物サーバまたはアプリケーションサーバに対して、別々のプロファイルを維持することができる。
【0039】
また、ネットページペンは、ネットページ登録サーバ11に登録され、1つ以上の支払カード口座にリンクされてよい。これにより、ネットページペンを使用して、電子商取引の支払いを安全に認証することができる。ネットページ登録サーバは、ネットページペンにより取り込まれた署名と以前に登録された署名を比較して、電子商取引サーバに対してユーザの識別を認証することができる。また、識別を確認するために、他の生体情報が使用されてもよい。別のネットページペンは、ネットページ登録サーバにより同様の方法で確認される指紋スキャニングを含む。
【0040】
ネットページプリンタは、ユーザが介入することなく、朝刊などの定期刊行物を配信してよいが、迷惑なジャンクメールを配信しないように構成することができる。好適な形態において、加入ソースまたは認証ソースからしか定期刊行物を配信しない。この点に関して、ネットページプリンタは、電話番号や電子メールアドレスを知るあらゆるジャンクメーラが見ることができるファックスマシンや電子メールアカウントとは異なる。この代わりとして、システム全体は、外部のユーザが見ることができるものにされてよく、または各ユーザに、外部のユーザに対して自分のプリンタを露出する機能が与えられてよい。これは、外部のユーザを選択することにより、ジャンクメールを送信するようにされてよい。
【0041】
1.ネットページシステムアーキテクチャ
統一モデリング言語(UML:UnifiedModeling Language)クラス図を使用して、システムの各オブジェクトモデルについて記載する。クラス図は、関係により接続されたオブジェクトクラスのセットからなり、ここでは、連想と一般化という2種類の関係に着目する。連想は、オブジェクト間、すなわち、クラスインスタンス間のある種の関係を表す。一般化は、実際のクラスを関係付け、以下のように理解することができる。すなわち、あるクラスが、そのクラスのすべてのオブジェクトのセットと考えられ、クラスAがクラスBの一般化であれば、Bは、単にAのサブセットである。
【0042】
各クラスは、そのクラスの名称でラベル付けされた矩形として描かれている。これは、横線によって名称から分離されているクラスの属性のリストと、横線によって属性リストから分離されているクラスのオペレーションのリストとを含む。しかしながら、以下のクラス図では、オペレーションがモデリングされていない。
【0043】
連想は、2つのクラスを結ぶ線として描かれており、いずれかの端において連想の多重度で選択的にラベル付けされている。デフォルト多重度は1である。アスタリスク(*)は、「多く」の多重度、すなわちゼロ以上を表す。各連想は、その名称で選択的にラベル付けされ、さらに、いずれかの端において対応するクラスの役割でも選択的にラベル付けされる。オープンダイアモンドは、集合連想(「is−part−of」)を表し、連想ラインアグレゲータの端に描かれている。
【0044】
一般化の関係(「is−a」)は、2つのクラスを結ぶ実線として描かれており、一般化の端において矢印(オープントライアングルの形)を有する。
【0045】
クラス図を複数の図に分割する場合、複製された任意のクラスは、それを定義する主要図を除いて、すべて破線で示されている。これは、それが定義される場合のみ属性が示されている。
【0046】
1.1 ネットページ
ネットページは、ネットページ・ネットワークが構築される基盤である。ネットページは、紙ベースのユーザインタフェースを刊行された情報と対話型サービスに与える。
【0047】
ネットページは、ページのオンライン記述に関して不可視にタグ付けされた印刷ページ(または他の表面領域)からなる。タグは、ページの表面上または表面内に印刷されてよく、ページのサブレイヤまたはその上に印刷されてよく、またはページに組み込まれてよい。オンラインページ記述は、ネットページ・ページサーバにより永続的に維持される。ページ記述は、テキスト、グラフィック、および画像を含む、ページの可視的レイアウトおよびコンテンツを記述する。また、ボタン、ハイパーリンク、および入力領域を含む、ページ上の入力要素も記述する。異なるネットページのページ記述は、画像などのコンポーネントを共有してよいが、ネットページ(および関連するページ記述)は、可視的に異なるものである。各ネットページのページ記述は、これらの共通のコンポーネントの参照を含んでよい。ネットページにより、その表面にネットページペンで作成されたマーキングを、ネットページシステムにより同時に取り込んで処理することができる。
【0048】
複数のネットページは、同じページ記述を共有できる。しかしながら、同一のページの入力を区別できるように、各ネットページには、固有のページ識別子が割り当てられる。このページIDは、使用環境において使用が予定されるすべてのネットページ間を区別できる精度を備えたものである。この使用環境が小規模であれば、環境が大規模の場合ほど高精度である必要はない。
【0049】
ページ記述の各参照は、印刷されたタグにおいてコード化される。タグは、タグが現れる固有のページを識別することにより、間接的にページ記述を識別する。好適な実施形態において、タグは、ページ上でのそれ自体の位置を識別する。タグの特徴は、以下にさらに詳細に記載する。
【0050】
タグは、普通紙など、赤外線反射性の任意の基材上に赤外線吸収インクで印刷される。近赤外線波長は、人間の目に見えないが、適切なフィルタを備えた固体画像センサにより容易に感知される。1以上の相対波長を感知するセンサが使用されてよく、その場合、フィルタは不要である。適切な基材およびセンサとともに、他の波長が使用されてよい。
【0051】
タグは、ネットページペンの領域画像センサにより感知され、復号され、タグによりコード化されたデータは、好ましくは、最も近いネットページプリンタを介して、ネットページシステムに送信される。ペンはワイヤレスであり、短距離無線リンクを介して、ネットページプリンタと通信する。タグは、ペンがページ上を1回クリックするだけで確実に少なくとも1つのタグを撮像できるように十分に小さく密に配設される。対話は実体のないものであるため、ペンは、ページと対話するたびに、タグを認識し、ページIDおよび位置を抽出することが重要である。
【0052】
ネットページ・ページサーバは、各印刷されたネットページに対して固有のページインスタンスを維持し、これにより、各印刷されたネットページのページ記述において、入力領域に対してユーザが供給した値の別々のセットを維持することができるようになる。
【0053】
図4に、ページ記述と、ページインスタンスと、印刷されたネットページとの間の関係を示す。好適な実施形態において、ページインスタンスは、それを印刷したネットページプリンタと、分かっていれば、それを要求したネットページユーザとの両方と関連付けされる。対応する物理ページを印刷したネットページプリンタか、それを要求するネットページユーザまたはページが印刷された対象となるネットページユーザのいずれかとページインスタンスを関連付けることは、本発明の実施の基本的な形態に必須のものではない。
【0054】
1.2 ネットページタグ
1.2.1 タグデータコンテンツ
好適な形態において、各タグは、それが出現する領域と、領域内のそのタグの位置とを識別する。また、領域全体またはタグに関係するフラグを含んでもよい。例えば、1以上のフラグビットは、感知デバイスが領域の記述を参照する必要なく、タグの中間領域と関連付けされた関数を表すフィードバックを提供するように、タグ感知デバイスに信号を送ってよい。例えば、ネットページペンは、ハイパーリンクのゾーンにあるとき、「アクティブ領域」LEDを照明してよい。
【0055】
以下にさらに明確に説明するように、好適な実施形態において、各タグは、容易に認識される不変構造を含み、これは、初期検出を補助し、表面または感知プロセスによって誘発されたあらゆるワープ効果を最小限に抑えることに役立つ。タグは、全ページをタイル張りすることが好ましく、ペンがページ上を1回クリックするだけで確実に少なくとも1つのタグを撮像できるように十分小さく密に配設される。対話は実体がないため、ペンが、ページと対話するたびに、ページIDと位置を認識することが重要である。
【0056】
好適な実施形態において、タグが参照する領域は、ページ全体と一致し、したがって、タグにコード化された領域IDは、タグが出現するページのページIDと同義である。他の実施形態において、タグが参照する領域は、ページの任意のサブ領域または他の表面であり得る。例えば、これは、対話型要素のゾーンと一致するものであってよく、この場合、領域IDは、対話型要素を直接識別することができる。
【0057】
各タグは、典型的に、16ビットのタグIDと、少なくとも90ビットの領域IDと、多数のフラグビットとを含む。最大タグ密度が64平方インチであると仮定すると、16ビットのタグIDは、最大1024平方インチの領域サイズをサポートする。隣接する領域とマップを単に使用することにより、タグIDの精度を上げることなく、より大きな領域を連続してマッピングすることができる。領域IDとタグIDとの区別は、主として、利便性の1つである。ほとんどの目的のために、これら2つの連鎖は、包括的に固有のタグIDと見なし得る。逆に、タグIDに構造を導入すること、例えば、タグのx軸とy軸を規定することが便利が良い場合もある。90ビットの領域IDにより、290(〜1027または千抒)の異なる領域を固有に識別できる。また、タグは、タイプ情報を含んでもよく、タグタイプの組み合わせで領域がタグ付けされてよい。例えば、x軸をコード化する1セットのタグと、それとインタリーブされ、y軸をコード化する別のセットで領域がタグ付けされてよい。領域IDとタグIDの精度は、システムが使用される環境に応じて、前述したものとほぼ同じ程度であってよいことを認識されたい。
【0058】
1.2.2 タグデータのコード化
一実施形態において、各タグは、120ビットの情報を含む。120ビットのタグデータは、(15.5)リードソロモン符号を使用して、冗長してコード化される。これにより、各々15の4ビット記号の6つのコードワードからなる360のコード化されたビットが生じる。(15,5)コードにより、最高で5つの信号エラーをコードワードごとに修正することができ、すなわち、1コードワード当たり最高で33%の記号エラー率に対して耐性がある。
【0059】
各4ビット記号は、タグにおいて、空間的にコヒーレントな方法で表され、6つのコードワードの記号は、タグ内で空間的にインタリーブされる。これにより、バーストエラー(複数の空間的に隣接するビットに影響を与えるエラー)が全体で最少数の記号と任意の1つのコードワードの最少数の記号にダメージを与えることで、バーストエラーを完全に修正できる可能性が最大化される。
【0060】
(15,5)リードソロモン符号の代わりに、任意の適切なエラーコードが使用可能であり、例えば、同一または異なる記号とコードワードサイズ、別のブロックコード、または畳み込みコードなどの異なる種類のコードを備えたある程度の冗長があるリードソロモン符号が使用されてよい(例えば、StephenB. Wickerの「ErrorControl Systemsfor DigitalCommunication and Storage」、Prentice−Hall1995を参照されたい。この内容全体は、相互参照により本願明細書に援用されたものとする。)
1.2.3 物理的なタグ構造
図5に示すタグの物理的な表示は、固定ターゲット構造15、16、17と、可変データ領域18とを含む。固定ターゲット構造により、ネットページペンなどの感知デバイスは、タグを検出して、センサに対する3次元配向を推測することができる。データ領域は、コード化タグデータの個々のビットの表示を含む。
【0061】
タグを適切に再生するために、タグは、256×256ドットの解像度でレンダリングされる。これにより、1インチ当たり1600ドットで印刷されたとき、直径が約4mmのタグが得られる。この解像度で、タグは、半径が16ドットの「静かな領域」により囲まれるようにデザインされる。また、静かな領域は、隣接するタグによっても寄与されるため、タグの有効直径に16ドットを追加するだけである。
【0062】
タグは、6つのターゲット構造を含む。検出リング15により、感知デバイスは最初にタグを検出することができる。リングは、回転不変であり、アスペクト比の簡単な補正で、透視ひずみの効果がほとんど除去されるので、検出が容易である。配向軸16により、感知デバイスは、センサの揺れによるタグのおよその平面配向を決定することができる。配向軸は、固有の配向をもたらすように斜めになっている。4つの透視ターゲット17により、感知デバイスは、タグの正確な2次元透視変形を推測することができるため、センサに対するタグの正確な3次元位置と配向を推測することができる。
【0063】
すべてのターゲット構造は、雑音に対する耐性を高めるために、冗長的に大きいものである。
【0064】
タグの形状全体は、円形である。これは、とりわけ、不規則な三角形の格子上でタグを最適にパッキングを支持し、例えば、任意の非平坦な表面をタイル張りするために要求される。しかしながら、タグは、必要に応じて、n個の頂点を有する任意の多角形の頂点に配設されてよく、この場合、nは3から無限大の範囲のものである。円形の検出リング15と組み合わせると、タグ内のデータビットの円形構成が最適にされる。このサイズを最大にするために、各データビットは、2つの半径方向の線と、半径方向の内孤と、半径方向の外孤とにより画定された領域の形をした半径方向ウェッジにより表される。各ウェッジは、1600dpiにおいて8ドットの最小寸法を有し、そのベース(すなわち、内孤)が、この最小寸法に少なくとも等しくなるようにデザインされる。ウェッジの半径方向の高さは、常に最小寸法に等しい。各4ビットデータの記号は、2×2ウェッジのアレイ518により表される。
【0065】
各々6つのコードワードの15の4ビットデータの記号は、インタリーブ方式で、図5に示す4つの同心円状の記号リング18aから18dに割り振られる。第1から第6のコードワード520〜525の記号が、タグの周りの円形の連続に割り当てられる。
【0066】
インタリービングは、同じコードワードの任意の2つの記号の間の平均空間距離を最大にするようにデザインされる。コードワードまたはそれらのデータ記号の他の構成が利用されてよい。
【0067】
タグの物理的レイアウトや各タグ内でのデータ記号の形状および/または配列は、本発明の実施に必須のものではない。各タグが、意図した使用に合わせて十分な情報をコード化することが必要なだけである。タグに冗長を使用することは好ましいが、基本的なレベルでは、実際のところ、本発明の実施に必須のものではない。このように、他のタグ配設が利用されてよい。上記特許文献1〜5において、他のタグ構造の例が記載されており、各々の内容全体は、参照により本願明細書に援用されたものとする。
【0068】
感知デバイスを介して、タグ付けされた領域と「シングルクリック」での対話を支援するために、感知デバイスは、どの領域にあっても、または感知デバイスがどの配向に配置されても、その視野において少なくとも1つのタグ全体を見ることができなければならない。したがって、感知デバイスの要求される視野の直径は、タグのサイズと間隔の関数となる。
【0069】
タグの形状が円形であると仮定すると、センサの視野の最小直径は、図6に示すように、タグが正三角形格子上でタイル張りされる場合に得られる。
1.2.4 タグ画像処理および復号化
図7に、ネットページペンなどの感知デバイスにより実行される図5のタグのタグ画像処理および復号化が示されている。取り込んだ画像を画像センサから取得している間、画像の動的範囲が決定される(20において)。次いで、この範囲の中心が画像21の2進数閾値として選択される。次いで、画像は、閾値処理され、接続されている画素領域(すなわち、形状23)にセグメント化される(22において)。タグのターゲット構造を表すには小さすぎる形状は破棄される。各形状のサイズと重心も計算される。
【0070】
次いで、各形状について、2進形状モーメント25が計算され(24において)、これらにより、後の特定するターゲット構造の基準が与えられる。中心形状モーメントは、本来、位置が不変であり、スケール、アスペクト比、および回転について容易に不変とすることができる。
【0071】
最初に特定されるのは、リングターゲット構造15である(26において)。リングは、透視ひずみであるとき、非常に良好に挙動するという利点を備える。各形状モーメントをアスペクト正規化および回転正規化することにより、整合が進む。2次モーメントが正規化されると、リングは、透視ひずみが著しいものであっても、容易に認識される。リングの元のアスペクトと回転27はともに、透視変換の有益な近似を与える。
【0072】
次に特定されるのは、軸ターゲット構造16である(28において)。各形状モーメントにリングの正規化を適用し、その結果得られるモーメントを回転正規化することにより、整合が進む。2次モーメントが正規化されると、軸ターゲットは容易に認識される。軸の2つの可能な配向からあいまいさを除くために、1つの3次モーメントが要求されることに留意されたい。これを可能にするために、形状は一方側に故意に傾斜している。また、透視ひずみは軸ターゲットの軸を隠すことがあるため、リングの正規化を適用した後にのみ、軸ターゲットを回転正規化することが可能であることに留意されたい。軸ターゲットの元の回転は、ペンの揺れ29によるタグの回転の有用な近似を与える。
【0073】
最後に特定するものは、4つの透視ターゲット構造17である(30において)。それらの位置の良好な推定値は、リングおよび軸ターゲットと、リングのアスペクトと回転と、軸の回転との既知の空間関係に基づいて計算される。各形状モーメントにリング正規化を適用することにより、整合が進む。2次モーメントが正規化されると、円形の透視ターゲットは容易に認識され、各推定位置に最も近いターゲットは整合していると見なされる。次いで、4つの透視ターゲットの元の重心は、タグ空間において、既知のサイズの正方向の透視ひずみ端31であると見なされ、4つのタグ空間と画像空間の点の対を関係付ける公知の式を解くことに基づいて、8自由度の透視変形33が推測される(32において)(Heckbert,P.の「Fundamentalsof TextureMapping andImage Warping,MastersThesis」、Dept.of EECS,U.of Californiaat Berkeley、TechnicalReport No.UCB/CSD 89/516、June1989を参照されたい。この内容全体は、相互参照により本願明細書に援用されたものとする。)推測した画像空間に対するタグ空間の透視変形を使用して、タグ空間の各既知のデータビットの位置を画像空間に射影し(36において)、そこで、実数値の位置を使用して、4つの関連する隣接画素を入力画像に双1次補間する(36において)。以前に計算した画像閾値21を使用して、その結果を閾値処理し、最終的にビット値37を生成する。
【0074】
このようにしてすべての360のデータビット37を獲得したら、6つの60ビットリードソロモンコードワードの各々が復号されて(38において)、20の復号されたビット39、または全部で120の復号されたビットを生じる。コードワード記号をコードワード順にサンプリングすることで、コードワードが、サンプリングプロセス中に、暗黙的にデインタリーブされることに留意されたい。
【0075】
上述したように、物理的なタグ構造またはコード化システムは、本発明に必須ものではなく、各タグの他の物理的配設が使用されてよい。コード化されたデータを引き出すために、タグ画像を認識し復号するためのプロセスは、タグの物理的構造と、データを冗長的にコード化するために使用されるシステムに依存することを理解されたい。
【0076】
リングターゲット15は、画像に対する関係が、リングが見つけられる場合に、それが完全なタグの一部であることを保証する画像のサブ領域においてのみ求められる。完全なタグが見つけられず、連続的に復号されなければ、現行フレームに対するペンの位置は記録されない。適切な処理能力と理想的には最小でない視野193が与えられた場合、代替となる方法は、現行画像に別のタグを探すことである。
【0077】
獲得されたタグデータは、タグを含む領域の識別と領域内でのタグの位置を示す。次いで、タグ上で観察された透視変形33、およびペンの物理的な軸とペンの光学的な軸との間の既知の空間関係から、領域におけるペンニブの正確な位置35と、ペンの全体的な配向35が推測される(34において)。
【0078】
1.2.5 代替タグ構造
前述したタグ構造は、平坦な表面の規則的なタイル張りと、非平坦な表面の不規則なタイル張りの両方が可能となるようにデザインされる。規則的なタイル張りは、一般的に、非平坦な表面に行うことはできない。タグの規則的なタイル張りが可能な平坦な表面のより一般的な場合、すなわち、紙などの表面の場合、タイル張りの規則的な性質を利用したより効率的なタグ構造を使用することができる。
【0079】
図6aに、規則的なタイル張りにより適した代替タグ構造を示す。代替タグ4は、正方形であり、4つの透視ターゲット17を有する。これは、Bennett等の米国特許第5051746号に記載したタグと構造的に類似している。タグは、全部で240ビットになる60の4ビットのリードソロモン記号47を表す。タグは、各1ビットをドット48として表し、各0ビットを対応するドットの欠如により表す。透視ターゲットは、図6aおよび図6cに示すように、隣接するタグとの間で共有されるようにデザインされる。図6bは、16のタグの正方形のタイル張りと、対応する最小視野193とを示し、これは、2つのタグの対角線に及ぶものでなければならない。図6cは、説明するためにすべて1ビットを含む9つのタグの正方形タイル張りを示す。
【0080】
(15,7)リードソロモン符号を使用することにより、112ビットのタグデータが冗長的にコード化されて、240のコード化ビットを生成する。4つのコードワードは、タグ内で空間的にインタリーブされて、バーストエラーに対する回復力を最大にする。前述したように、タグIDが16ビットであると仮定すると、これにより、最大92ビットの領域IDが可能になる。
【0081】
タグのデータ保有ドット48は、これらの近傍と重ならないようにデザインされるため、タグからなる群が、ターゲットに類似した構造を作り出すことができない。これにより、インクが節約される。したがって、透視ターゲットにより、タグを検出することができるため、さらなるターゲットが不要になる。ステップ26および28を省略したことを除けば、上記のセクション1.2.4に記載したように、タグ画像処理が進む。
【0082】
タグは、センサに対するタグの4つの可能な配向からあいまいさを除くことができるようにするための配向特徴を含んでよいが、タグデータに配向データを埋め込むことも可能である。例えば、4つのコードワードは、図6dに示すように、各タグ配向が、その配向に位置する1つのコードワードを含むように配設されてよく、同図において、コードワードの数(1〜4)と、コードワード内の記号の位置(A〜O)で各記号がラベル付けされている。タグの復号化は、各配向で1つのコードワードを復号することからなる。各コードワードは、それが最初にコードワードであるかを示す単一のビットと、それがどのコードワードであるかを示す2つのビットのいずれかを含み得る。後者のアプローチでは、例えば、1つのみのコードワードのデータコンテンツが要求されれば、所望のデータを獲得するためには、多くても2つのコードワードを復号するだけでよいという利点がある。これは、領域IDが、1ストローク内で変化するように予測されず、したがって、ストロークの開始時にのみ復号される場合であってよい。1ストローク内において、タグIDを含むコードワードのみが望まれる。さらに、感知デバイスの回転が、1ストローク内においてゆっくりと予測可能に変化するため、典型的に、1フレーム当たり1つのコードワードだけを復号すればよい。
【0083】
透視ターゲットをすべて不要にし、その代わりに、自己整合するデータ表示に依存することが可能である。この場合、各ビット値(またはマルチビット値)は、典型的に、明確な記号により表され、すなわち、記号の欠如により表されるビット値がないことになる。これにより、データ格子は良好にポピュレートされるため、格子を確実に識別でき、データサンプリング中に、その透視ひずみを検出して、引き続き修正できる。タグの境界を検出できるようにするために、各タグデータは、マーカパターンを含まなければならず、これらは、確実に検出できるように冗長的にコード化されなければならない。このようなマーカパターンのオーバヘッドは、明確な透視ターゲットのオーバヘッドに類似している。このような1つのスキームでは、異なる記号、ひいては、異なるマルチビット値をあらわすために、格子頂点に対するさまざまな点が配置されたドットが使用される(AnotoTechnology Description、Anoto April2000を参照)。
【0084】
1.2.6 タグマップ
タグを復号することにより、領域IDと、タグIDと、タグに対するペンの変形が得られる。タグIDとタグに対するペンの位置をタグ付けされた領域内の絶対位置に変換可能にする前に、領域内のタグの位置が分かっていなければならない。これは、タグ付けされた領域にある各タグIDを対応する位置にマッピングする関数である、タグマップにより与えられる。
【0085】
タグマップは、タグで表面領域をタイル張りするために使用されるスキームを反映したものであり、これは、表面のタイプに応じて異なるものであり得る。複数のタグ付けされた領域が同じタイル張りスキームおよび同一のタグ番号付けスキームを共有する場合、これらは、同一のタグマップも共有することができる。
【0086】
領域のタグマップは、領域IDを介して検索可能でなければならない。したがって、領域ID、タグID、およびペン変形が与えられた場合、タグマップは検索可能であり、タグIDは、領域内の絶対的なタグ位置に変換可能であり、タグに対するペンの位置は、タグの位置に追加されて、領域内での絶対的なペンの位置を得ることができる。
【0087】
1.2.7 タグ付けスキーム
2つの明確な表面コード化スキームに着目し、その両方において、このセクションの前の方に記載したタグ構造が使用される。好適なコード化スキームは、すでに記載したように、「位置指示」タグを使用する。代替コード化スキームは、「オブジェクト指示」タグを使用する。
【0088】
位置指示タグは、タグ付けされた領域と関連付けされたタグマップを介して変換される場合、領域内の固有のタグ位置をもたらすタグIDを含む。タグに対するペンの位置は、このタグ位置に追加されて、領域内でのペンの位置を得る。次に、これを使用して、領域と関連付けされたページ記述におけるユーザインタフェース要素に対するペンの位置を決定する。ユーザインタフェース要素自体が識別されるだけでなく、ユーザインタフェース要素に対する位置も識別される。したがって、位置指示タグは、特定のユーザインタフェース要素のゾーンにおける絶対的なペンの経路の取り込みを自明に支持する。
【0089】
オブジェクト指示タグは、領域と関連付けされたページ記述におけるユーザインタフェース要素を直接識別するタグIDを含む。ユーザインタフェース要素のゾーンにあるすべてのタグが、ユーザインタフェース要素を識別し、それらをすべて同一に、したがって、区別不可能にする。したがって、オブジェクト指示タグは、絶対的なペンの経路の取り込みを支持しない。しかしながら、相対的なペン経路の取り込みを支持する。位置のサンプリング周波数が遭遇したタグ周波数の2倍を超えるかぎり、1ストローク内における1つのサンプリングしたペンの位置から次までの変位を明確に決定することができる。
【0090】
いずれかのタグ付けスキームを用いることにより、タグデータが感知デバイスにより読み取られ、ネットページシステムに適切な応答を生成するように、適切な感知デバイスを使用して、ユーザが印刷されたページと対話できるという点で、タグは、ユーザ対話型要素としてネットページ上の関連する視覚的要素と協働して機能する。
【0091】
1.3 ネットページ・ネットワーク
好適な実施形態において、ネットページ・ネットワークは、図3に示すように、インターネットなどのネットワーク19を介して接続された、ネットページ・ページサーバ10と、ネットページ登録サーバ11と、ネットページIDサーバ12と、ネットページ・アプリケーションサーバ13と、ネットページ刊行物サーバ14と、ネットページプリンタ601との分散セットからなる。
【0092】
ネットページ登録サーバ11は、ユーザと、ペンと、プリンタと、アプリケーションと、刊行物との間の関係を記録することにより、さまざまなネットワーク活動を認可するサーバである。これは、ユーザを認証し、アプリケーション・トランザクションにおいて、認証されたユーザの代わりに署名プロキシとして作用する。また、必要に応じて、手書き認識サービスを提供する。上述したように、ネットページ・ページサーバ10は、ページ記述とページインスタンスに関する永続的な情報を維持する。ネットページ・ネットワークは、各々がページインスタンスのサブセットを取り扱う任意の数のページサーバを含む。ページサーバは、各ページインスタンスのユーザ入力値を維持するため、ネットページプリンタなどのクライアントは、適切なページサーバにネットページ入力を直接送信する。ページサーバは、対応するページの記述に対するこのような任意の入力を解釈する。
【0093】
ネットページIDサーバ12は、オンデマンドで文書ID51を割り振り、ID割振りスキームを介して、ページサーバの負荷を均衡させる。
【0094】
ネットページプリンタは、インターネット分散ネームシステム(DNS:DistributedName System)などを使用して、ネットページ・ページID50を、対応するページインスタンスを取り扱うネットページ・ページサーバのネットワークアドレスに分解する。
【0095】
ネットページ・アプリケーションサーバ13は、対話型ネットページ・アプリケーションのホストとして働くサーバである。ネットページ刊行物サーバ14は、ネットページ文書をネットページプリンタに刊行するアプリケーションサーバである。
【0096】
ネットページサーバは、IBM、Hewlett−Packard、Sunなどの製造業者のさまざまなネットワークサーバプラットフォームでホストとして働くことができる。複数のネットページサーバは、単一のホスト上で同時に稼動し、単一のサーバは、多数のホストに分散可能である。ネットページサーバにより提供される機能、特に、IDサーバとページサーバにより提供される機能のいくつかまたはすべてが、ネットページプリンタなどのネットページ機器、コンピュータワークステーション、またはローカルネットワークに直接提供することも可能である。
【0097】
1.4 ネットページプリンタ
ネットページプリンタ601は、ネットページシステムで登録され、加入することによりオンデマンドでネットページ文書を印刷する機器である。各プリンタは、固有のプリンタID62を有し、インターネットなどのネットワークを介して、理想的には、広帯域接続を介してネットページ・ネットワークに接続される。
【0098】
不揮発性メモリにある識別とセキュリティの設定のほかに、ネットページプリンタは、何ら永続的な記憶装置を含む必要はない。ユーザに関するかぎり、「ネットワークはコンピュータである」。ネットページは、特定のネットページプリンタとは関係なく、分散ネットページ・ページサーバ10の助けにより、時空間を超えて対話式に機能する。
【0099】
ネットページプリンタは、ネットページ刊行物サーバ14から加入ネットページ文書を受信する。各文書は、2つの部分、すなわち、ページレイアウトと、ページをポピュレートする実際のテキストおよび画像オブジェクトに分散される。個別化の理由から、通常、ページレイアウトは、特定の加入者に対して特有のものであるため、適切なページサーバを介して加入者のプリンタへポイントキャストされる。一方で、テキストおよび画像オブジェクトは、通常、他の加入者と共有されるため、すべての加入者のプリンタと適切なページサーバへマルチキャストされる。
【0100】
ネットページ刊行物サーバは、文書のコンテンツをポイントキャストおよびマルチキャストにセグメント化することを最適化する。文書のページレイアウトのポイントキャストを受信した後、プリンタは、存在するならば、どのマルチキャストに従うかを認識する。
【0101】
プリンタは、印刷すべき文書を定義する完全なページレイアウトおよびオブジェクトを受信すると、その文書を印刷することができる。
【0102】
プリンタは、奇数ページと偶数ページをラスタ化し、それを同時にシートの両面に印刷する。プリンタは、この目的のために、Memjet(登録商標)印字ヘッド350を利用する複式プリントエンジンコントローラ760およびプリントエンジンを含む。
【0103】
印刷プロセスは、2つの分解された段階、すなわち、ページ記述のラスタ化と、ページ画像の拡大および印刷とからなる。ラスタ画像プロセッサ(RIP)は、並行して実行される1つ以上の標準DSP757からなる。複式プリントエンジンコントローラは、ページ画像を実時間で拡大、ディザリング、および印刷するカスタムプロセッサからなり、プリントエンジンの印字ヘッドの動作と同期される。
【0104】
不可視IR印刷に対して不作動状態のプリンタは、IR吸収性の黒インクを使用してタグを印刷するオプションを有するが、これは、ページの空の領域にタグを制限する。このようなページは、不可視IR印刷ページよりも機能が制限されるが、依然としてネットページとして分類される。
【0105】
通常のネットページプリンタは、紙のシート上にネットページを印刷する。さらに特殊なネットページプリンタは、球体やプラスチックシートなどのより特殊な表面に対して印刷を行うものであってよい。各プリンタは、少なくとも1つの表面タイプに対応し、各表面タイプに対して、少なくとも1つのタグタイル張りスキーム、ひいてはタグマップに対応する。文書を印刷するために実際に使用されるタグタイル張りスキームを記述するタグマップ811は、文書のタグが正確に解釈されるように、文書と関連付けられるようになるため、文書のタグを正確に解釈することができる。
【0106】
図2は、ネットページ・ネットワーク上の登録サーバ11により維持されているプリンタ関連情報を反映した、ネットページプリンタのクラス図を示す。
【0107】
図11から16を参照しながら、以下のセクション6において、ネットページプリンタの好適な実施形態についてさらに詳細に記載する。
【0108】
1.4.1 Memjet(登録商標)印字ヘッド
ネットページシステムは、熱インクジェット、圧電インクジェット、レーザ電子写真などを含む、広範囲のディジタル印刷技術を用いて製造されたプリンタを用いて動作することができる。しかしながら、広範な消費者に受け入れるために、ネットページプリンタが以下の特徴を備えていることが望ましい。
・写真品質のカラー印刷
・高品質テキスト印刷
・高信頼性
・低プリンタコスト
・低インクコスト
・低用紙コスト
・簡単な動作
・ほぼ無音の印刷
・高印刷速度
・同時両面印刷
・コンパクトフォームファクタ
・低電力消費
これらの特徴をすべて満たす印刷技術を備えたプリンタは、現在のところ市販されていない。
【0109】
これらの特徴を備えたプリンタを製造できるように、本願出願人は、Memjet(登録商標)技術と呼ばれる新しい技術を発明した。Memjet(登録商標)は、マイクロ電気機械システム(MEMS)技術を用いて製造されたページ幅プリントヘッドを組み込んだドロップ・オン・デマンドのインクジェット技術である。図17は、Memjet(登録商標)印字ヘッドの単一印刷要素300を示す。ネットページウォールプリンタは、1600dpiページ幅複式プリンタを形成するために、168960印刷要素300を組み込む。このプリンタは、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックおよび赤外のインクと、ペーパーコンディショナとインク定着剤を同時に印刷する。
【0110】
印刷要素300の縦横の長さは、約110ミクロン×32ミクロンである。これらの印刷要素のアレイは、CMOS論理回路、データ転送、タイミング、および駆動回路(図示せず)を組み込んだシリコン基板301上に形成される。
【0111】
印刷要素300の主要要素は、ノズル302と、ノズルリム303と、ノズルチャンバ304と、流体シール305と、インクチャネルリム306と、レバーアーム307と、能動アクチュエータビーム対308と、受動アクチュエータビーム対309と、能動アクチュエータアンカ310と、受動アクチュエータアンカ311と、インク入口312である。
【0112】
能動アクチュエータビーム対308は、接合部319で受動アクチュエータビーム対309に機械的に接合される。両方のビーム対は、それぞれのアンカ点310および311で固定される。要素308、309、310、311、および319の組み合わせは、片持ち電熱式曲げアクチュエータ320を形成する。
【0113】
図18は、印刷要素300の断面315を含む、印刷要素300のアレイの小部分を示す。シリコンウェーハ301を貫通するインク入口312を明確に示すために、インクのない状態で断面315を示している。
【0114】
図19(a)、図19(b)、および図19(c)は、Memjet(登録商標)印刷要素300の動作サイクルを示す。
【0115】
図19(a)は、インク滴を印刷する前のインクメニスカス316の静止位置を示す。インクは、インクメニスカス316と、ノズルチャンバ304とインクチャネルリム306との間に形成された流体シール305により、ノズルチャンバに保持される。
【0116】
印刷中、印字ヘッドCMOS回路は、プリントエンジンコントローラから正しい印刷要素へデータを分散し、データをラッチし、データをバッファリングして、能動アクチュエータビーム対308の電極318を駆動する。これにより、約1マイクロ秒間、電流がビーム対308を流れて、ジュール熱を発生する。ジュール熱により温度が上昇し、ビーム対308が膨張する。受動アクチュエータビーム対309は加熱されないため膨張せず、2つのビーム対の間に応力の差が生じる。この応力の差は、基板301の方へ曲がる電熱式曲げアクチュエータ320の片持ち端により部分的に解消される。レバーアーム307は、この動きをノズルチャンバ304に伝達する。ノズルチャンバ304は、図19(b)に示す位置に約2ミクロン移動する。これにより、インク圧が増大し、ノズル302からインク321が出され、インクメニスカス316が膨らむ。ノズルリム303により、インクメニスカス316がノズルチャンバ304の表面で広がらないようにされる。
【0117】
ビーム対308および309の温度が等しくなるにつれ、アクチュエータ320は、元の位置に戻る。これは、図19(c)に示すように、ノズルチャンバにおいて、インク321からインク滴307を断ち切る助けになる。ノズルチャンバは、メニスカス316での表面張力の作用により再び充填される。
【0118】
図20は、印字ヘッド350の一部分を示す。ネットページプリンタにおいて、印字ヘッドの長さは、方向351における紙の幅全体(通常、210mm)である。図示した部分の長さは、0.4mmである(全印字ヘッドの約0.2%)。印刷する際、紙は、方向352に向かって固定された印字ヘッドを通過する。印字ヘッドは、互いにかみ合わせた6列の印刷要素300を有し、インク入口312によりにより供給される6色またはタイプのインクを印刷する。
【0119】
動作中に印字ヘッドの脆弱な表面を保護するために、印字ヘッド基板301にノズルガードウェーハ330が取り付けられる。各ノズル302に対して、対応するノズルガード孔331があり、そこを通ってインク滴が放出される。ノズルガード孔331が紙の繊維または他の細片によりふさがれないように、印刷中、フィルタリングされた空気が、空気入口332を通って、ノズルガード孔から吐出される。インク321が乾燥しないように、ノズルガードは、プリンタのアイドリング中、密閉される。
【0120】
1.5 ネットページペン
ネットページシステムの能動感知デバイスは、通常、ペン101であり、これは、埋め込まれたコントローラ134を使用して、イメージセンサを介してページからIR位置を取り込み、復号することができる。イメージセンサは、適切なフィルタを備えた固体デバイスであり、近赤外線波長においてのみ感知することが可能である。以下さらに詳細に記載するように、システムは、ニブが表面に接触するときを感知することができ、ペンは、人間の手書きを取り込むのに十分な速度でタグを感知することができる(すなわち、200dpi以上および100Hz以上)。ペンにより取り込まれた情報は、暗号化されて、ワイヤレスでプリンタ(または基地局)に送信され、プリンタまたは基地局は、(既知の)ページに対してデータを解釈するか、または、好適な実施形態において、解釈を行うためにネットページサーバに情報を送信する。
【0121】
ネットページペンの好適な実施形態は、マーキングインクペンおよび非マーキングスタイラスの両方として動作する。しかしながら、マーキングの特徴は、インターネットインタフェースとして使用される場合など、ブラウジングシステムとしてネットページシステムを使用するためには不要である。各ネットページペンは、ネットページシステムで登録され、固有のペンID61を有する。
【0122】
いずれかのニブがネットページと接触しているとき、ペンは、ページに対するニブの位置と配向を決定する。ニブは、力センサに取り付けられ、ニブにかかる力は、ペンが「上向き」か「下向き」かを示すために、閾値に対して解釈される。これにより、ページ上の対話型要素をペンニブで押して「クリック」することができ、例えば、ネットワークからの情報をリクエストすることができる。さらに、力は連続値として取り込まれて、例えば、署名の完全な動的変化を確認することができる。ニブは、書く際に通常付与される力より強い特定の力を受けると移動されてよい。ユーザは、「クリック」するために、ニブを動かすのに十分な力をかける。これにより、不動のニブにより与えられるものに比べ、より望ましいフィードバックがユーザに与えられてよい。
【0123】
ペンは、赤外線スペクトルにおいて、ニブの周辺におけるページの領域193を撮像することにより、ネットページ上のニブの位置および配向を決定する。これは、最も近いタグを復号し、撮像されたタグに関する観測された透視ひずみと、ペンの光学的特性の既知の幾何学的形状から、タグに対するニブの位置を計算する。ページ上のタグの密度はタグのサイズに反比例するため、タグの位置の解像度は低い可能性があるが、調節された位置の解像度は非常に高く、正確な手書き認識に必要な最小限の解像度を超える。
【0124】
ネットページに対するペンの動作は、一連のストロークとして取り込まれる。ストロークは、ペンを下げることにより開始され、その後ペンを上げることにより完了する、ページ上でのタイムスタンプされたペン位置のシーケンスからなる。また、ストロークは、ページIDが変化したときはいつでもネットページのページID50でタグ付けされ、通常の状況下において、これがストロークの開始点となる。
【0125】
各ネットページペンは、それに関連付けられている現行選択826を有し、これにより、ユーザは、コピーおよびペースト動作などを実行することができる。選択は、所定の時間期間後、システムがそれを破棄できるようにタイムスタンプされる。現行選択は、ページインスタンス領域を記述する。これは、ページのバックグラウンド領域に対してペンを介して取り込まれた最新のディジタルインクストロークからなる。これは、選択ハイパーリンク活性化を介してアプリケーションに提出されると、アプリケーションに特有の方式で解釈される。
【0126】
各ペンは、現行ニブ824を有する。これは、ペンがシステムに対して最後に通知したニブである。上述したデフォルトネットページペンの場合、マーキングインクニブまたは非マーキングスタイラスニブのいずれかが現行である。また、各ペンは、現行のニブスタイル825を有する。これは、例えば、ユーザがパレットから色を選択したことに応答して、アプリケーションにより最後にペンに関連付けられたニブスタイルである。ペンを介して取り込まれたストロークは、現行のニブスタイルでタグ付けされる。ストロークが後の再生される場合、ストロークがタグ付けされるニブスタイルで再生される。
【0127】
ペンが、通信可能なプリンタの範囲内にあるときはいつでも、ペンは、その「オンライン」LEDをゆっくりと点滅する。ペンがページに対するストロークを復号できないとき、ペンは、瞬時に「エラー」LEDを活性化する。ペンがページに対するストロークを復号することができたとき、ペンは、瞬時に「ok」LEDを活性化する。
【0128】
取り込まれたストロークのシーケンスは、ディジタルインクと呼ばれる。ディジタルインクは、図面と手書きをディジタル交換し、手書きをオンライン認識し、署名をオンライン確認するための基準を形成する。
【0129】
ペンはワイヤレスであり、短距離無線リンクを介して、ネットページプリンタにディジタルインクを送信する。送信されたディジタルインクは、プライバシーと安全のために暗号化され、効率的な送信を行うためにパケット化されるが、プリンタにおける適時な処理を確保するために、ペンを上げる際に常に点滅される。
【0130】
ペンがプリンタの範囲外にあるとき、ペンは、10分以上の連続的な手書きができる容量を有する内部メモリに、ディジタルインクをバッファリングする。ペンが再びプリンタの範囲内にあるとき、ペンは、バッファリングされたディジタルインクを転送する。バッファは、ある程度のバッファ容量を与えてよい。
【0131】
ペンは、任意の数のプリンタに登録することができるが、すべての状態データが、紙とネットワークとの両方のネットページに存在するため、任意の特定の時間にペンがどのプリンタと通信しているかは、あまり重要ではない。
【0132】
図8から図10を参照しながら、以下のセクション6において、ペンの好適な実施形態についてさらに詳細に記載する。
【0133】
1.6 ネットページ対話
ネットページプリンタ601は、ペンがネットページ1と対話するために使用されるとき、ペン101からストロークに関するデータを受信する。ストロークなどの動きを実行するためにペンが使用される場合、タグ4のコード化されたデータ3は、ペンにより読み取られる。このデータにより、特定のページと関連する対話型要素の識別を決定でき、ページに対するペンの相対的な位置の指示を獲得できる。指示データは、プリンタに送信され、そこで、プリンタは、DNSを介して、ストロークのページID50を、対応するページインスタンス830を維持するネットページ・ページサーバ10のネットワークアドレスに分解する。ついで、プリンタは、ストロークをページサーバに送信する。ページが以前のストロークにおいて最近識別されれば、プリンタは、キャッシュに関連するページサーバのアドレスをすでに有している場合がある。各ネットページは、ネットページ・ページサーバにより永続的に維持されているコンパクトなページレイアウトからなる(以下を参照)。ページレイアウトは、通常、ネットページ・ネットワークのいずれかに格納されている、画像、フォント、およびテキストなどのオブジェクトを指す。
【0134】
ページサーバは、ペンからストロークを受信するとき、ストロークが適用されるページ記述を引き出し、ストロークがページ記述のどの要素と交差しているかを決定する。ついで、ページサーバは、関係する要素のタイプの状況において、ストロークを解釈することができる。
【0135】
「クリック」は、ペンを下げた位置と、その後のペンを上げた位置との間の距離と時間の両方が、ある程度の小さな最大値未満であるストロークである。クリックにより活性化されるオブジェクトは、通常、クリックが活性化されるように要求し、したがって、より長いストロークは無視される。「雑な」クリックなどのペンの動作を登録できなかったことは、ペンの「ok」LEDからの応答がないことにより示される。しかしながら、ネットページがボタンを含む場合、「クリック」は、ペンの下げ位置とペンの上げ位置との両方がボタンの領域内にあるとき登録可能である。
【0136】
ネットページ・ページ記述には、2種類の入力要素、すなわち、ハイパーリンクおよびフォームフィールドとがある。フォームフィールドを介した入力によっても、関連付けられたハイパーリンクを活性化させることができる。
【0137】
1.7 ネットページの標準的な特徴
好適な形態において、各ネットページは、それがネットページであり、対話性を備えたものであることを示すために、下側にネットページのロゴを付けて印刷される。また、ロゴは、コピーボタンとしても作用する。ほとんどの場合、ロゴを「クリックする」ことで、ページのコピーが生成される。フォームの場合、ボタンは、フォーム全体のコピーを生成する。チケットやクーポンなどのセキュア文書の場合、ボタンは、説明的な注釈や広告ページを引き出す。
【0138】
デフォルト単一ページコピー機能は、関連するネットページ・ページサーバにより直接取り扱われる。特別なコピー機能は、ロゴボタンをアプリケーションにリンクすることにより取り扱われる。
【0139】
1.8 ユーザヘルプシステム
好適な実施形態において、ネットページプリンタは、「ヘルプ」とラベル付けされた単一のボタンを有する。それを押すと、
・プリンタ接続の状態
・プリンタ消耗品の状態
・トップレベルヘルプメニュー
・文書機能メニュー
・トップレベルネットページ・ネットワークディレクトリ
を含む情報の単一ページが引き出される。
【0140】
ヘルプメニューは、ネットページシステムの使用方法に関する階層的なマニュアルを提供する。
【0141】
文書機能メニューは、以下の機能を含む。
・文書の印刷
・フォームの白紙コピーの印刷
・文書の状態の印刷
文書の機能は、単にボタンを押した後、文書の任意のページに触れるだけで始動する。文書の状態は、それを発行した人、それをいつ誰に配信されたか、およびいつ誰にフォームとして後に提出されたかを示す。
【0142】
ネットページ・ネットワークディレクトリにより、ユーザは、ネットワーク上の刊行物およびサービスの階層を進むことができる。この代わりとして、ユーザは、ネットページ・ネットワーク「900」番の「イエローページ」に電話して、人間のオペレータと話すことができる。オペレータは、所望の文書の位置を特定し、それをユーザのプリンタにルーティングすることができる。文書のタイプに応じて、発行者またはユーザは、小額の「イエローページ」サービス料金を支払う。
【0143】
ヘルプページは、プリンタが印刷できない利用できないことは明らかである。この場合、「エラー」の光が点灯し、ユーザは、ネットワーク上で遠隔診断を要求することができる。
【0144】
2.ネットページプリンタの記述
2.1 プリンタの仕組み
図11および図12に、垂直方向に取り付けられるネットページウォールプリンタ601を完全に組み立てた状態を示す。図12、図35、および図30に最良に示すように、これは、複式81/2インチのMemjet(登録商標)プリントエンジン602および603を使用して、A4サイズの媒体にネットページを印刷する。これは、紙の直線経路を使用し、紙604は、フルカラーおよびフルブリードで、シートの両面に同時印刷する複式プリントエンジン602および603を通過する。マルチDSPラスタ画像プロセッサ(RIP)は、ページを内部メモリにラスタ化し、一対のカスタムプリントエンジンコントローラは、ページ画像を拡大、ディザリングし、複式印字ヘッドに実時間で印刷する。
【0145】
一体型バインディングアセンブリ605は、印刷された各シートの一辺に沿って接着剤のストリップを塗布することにより、それを先行シートに押し付けたときに接着させることができる。これで、厚さが1つのシートから数百のシートまで及ぶ最終的な製本された文書618が作成される。バインディングアセンブリについては、図26、図27、および図28を特に参照しながら、以下で詳細に考慮する。
【0146】
図11、図12、図35、図13、および図21から図23を参照すると、ウォールプリンタ601は、すべての主要な構成部品およびアセンブリを収容する主要なシャーシ606からなる。図23に最良に示すように、これは、正面モールディング608とハンドルモールディング609により覆われた正面上側部分に、旋回する媒体トレイ607を有する。正面モールディング608と、ハンドルモールディング609と、正面下側モールディング610は、消費者に対して製品をより魅力的なものにするために、色、質感、および仕上げが異なる場合がある。これらは、単にウォールプリンタ601の正面に留められているだけである。
【0147】
図24および図25は、ウォールプリンタの電気システムを単独で示す。柔軟な印刷回路基板(フレックスPCB)611は、媒体トレイ607から主要PCB612に進む。これは、4つのカラーLED613、614、615、および616と、プッシュボタン617を含む。LEDは、正面モールディングに沿って示され、「オン」613、「インク切れ」614、「紙切れ」615、「エラー」616を示す。プッシュボタン617は、使用法の説明、プリンタと消耗品状態の情報、およびネットページプリンタ上のリソースのディレクトリの形式で、印刷された「ヘルプ」を引き出す。
【0148】
印刷され製本された文書618は、ウォールプリンタ601の底部を通って、透明プラスチック製の取り外し可能な収集トレイ619に排出される。これについては、特に図28を参照しながら、以下でさらに詳細に記載する。
【0149】
ウォールプリンタ601は、内部110V/220V電源620により電力が供給され、4本のネジで壁面または安定した垂直表面に固定された金属製の取り付けプレート621を有する。金属プレート621にある陥没したキーホールスロットの細部622は、プレート上に留めるためのプリンタ背部上に取り付けられる4つの差込みを見込んでいる。媒体トレイ607の後方のある位置で、プレート621にシャーシモールディング606を設置するネジにより、ウォールプリンタ601が外れないようにされる。
【0150】
図21を参照すると、ウォールプリンタ601の側面は、プリンタをネットページ・ネットワークおよびローカルコンピュータまたはネットワークに接続できるようにするネットワークインタフェースモジュール625を収容するモジュールベイ624を含む。インタフェースモジュール625は、ユーザが要求するインタフェースを提供するために、工場または作業現場で選択されインストールされてよい。モジュールは、IEEE1394(ファイアワイア)接続、標準Centronicsプリンタポート接続、またはUSB2とイーサネット(登録商標)接続との組み合わせなど、一般的なコネクタオプションを含むものであってよい。これにより、消費者は、ウォールプリンタ601をコンピュータに接続でき、ネットワークプリンタとして使用することができる。他のタイプの接続が使用されてよい。インタフェースモジュールPCBは、(金のコンタクトエンジストリップで)エッジコネクタを介して主要なウォールプリンタPCB612に直接差し込まれる。ツールインサートを使用することにより、モジュールデザインに、異なるコネクタの構成が収容される。モジュール625の両側にある指幅のレセスにより、容易に手動による挿入または取り外しが可能となる。
【0151】
図30を参照すると、主要PCB612は、シャーシ606の背部に取り付けられている。回路版612は、シャーシモールディング606を介して、インタフェースモジュール625とのインタフェースとなる。また、PCB612は、必須の周辺電子部品をMemjet(登録商標)印字ヘッド705に導く。これは、揮発性メモリ(現在、2つの32MBDRAMが使用されている)、フラッシュメモリ、IEEE1394インタフェースチップ、モータコントローラ(現在、6つ)、さまざまなセンサコネクタ、インタフェースモジュールPCBエッジコネクタ、パワーマネージメント、内部/外部データコネクタ、およびQAチップを含む。
【0152】
図23は、紙604と、インクカートリッジ627への正面ハッチアクセスを示す。図29を参照すると、紙604は、ヒンジ式の上部トレイ607内に入れられ、ばね式のプラテン666に押し付けられている。トレイ607は、ヒンジ700によりシャーシ606に取り付けられている。各ヒンジは、底部と、ヒンジレバーと、ヒンジ側面とを有する。底部と紙/媒体トレイ607上のピボットは、供給ホース646をねじれさせないように紙/媒体トレイ607回転するように、レバーと側面を係合する。
【0153】
紙604は、エッジガイド667下に配置された後、ガイドが閉じられ、金属ばね部分668の作用によりトレイ607の一方の側面に自動的に位置合わせされる。インクカートリッジ627が、一連の自己密閉コネクタ629を介して、旋回するインクコネクタモールディング628内に接続する。コネクタ629は、インク、空気、接着剤をそれぞれ別の位置に送る。インクコネクタモールディング628は、インクカートリッジ上のQAチップを検出し、印刷前に識別を確認するセンサを含む。正面ハッチが閉じていると感知されるとき、解除機構により、ばね式プラテン666が、電力供給された媒体ピックアップローラアセンブリ626に対して紙604を押し付けることができる。
【0154】
図22は、取り外し可能なインクカートリッジ627の完全なアセンブリを示す。これは、定着剤644と、接着剤630と、シアン631、マゼンダ632、イエロー633、ブラック634、および赤外635インクを格納するブラダまたはチャンバを有する。また、カートリッジ627は、ベースモールディング637にマイクロエアフィルタ636を含む。図13に示すように、マイクロエアフィルタ636は、ホース639を介してプリンタないのエアポンプ638のインタフェースとなる。これは、ノズルを詰まらせる可能性のあるミクロ粒子がMemjet(登録商標)印字ヘッド705内に侵入するのを防止するために、フィルタリングした空気を印字ヘッド705に供給する。エアフィルタ636をカートリッジ627内に取り入れることにより、フィルタの動作寿命が、カートリッジの寿命と効果的に結び付けられる。これにより、必要な間隔でフィルタを掃除したり取り替えたりするために、ユーザに依存するのではなく、フィルタがカートリッジとともに取り替えられる。さらに、接着剤および赤外インクが可視インクおよびエアフィルタとともに補給されることにより、消耗材がなくなることでプリンタの動作を中断させる頻度が減少される。
【0155】
カートリッジ627は、薄壁ケーシング640を有する。インクブラダ631から635および定着剤ブラダ644は、カートリッジを一緒に留めるピン645により、ケーシング内に吊るされる。単一の接着剤ブラダ630は、ベースモールディング637に収容される。これは、3000ページ(1500シート)を印刷し接着するための能力を備えた完全に再生可能な製品である。
【0156】
図12、図35、図24、図25、および図30を参照すると、電力供給された媒体ピックアップローラアセンブリ626は、上部シートを、媒体トレイ607から第1のプリントエンジン602上の紙センサ(図示せず)を通過して、複式Memjet(登録商標)印字ヘッドアセンブリ内に直接押し込む。
【0157】
2つのMemjet(登録商標)プリントエンジン602および603は、紙の直線経路に沿って、対向するインライン連続構成内に設けられる。紙604は、一体式の電力供給されたピックアップローラ626により、第1のプリントエンジン602内に引き出される。紙604の位置とサイズが感知され、フルブリードの印刷が開始される。
【0158】
定着剤は、可能な最短時間内に乾燥しやすくるために同時に印刷される。
【0159】
図35に最良に示すようにMemjet(登録商標)プリントエンジン602および603は、ロータリーキャッピング、ブロッティングおよびプラテンデバイス669を含む。キャッピングデバイスは、Memjet(登録商標)を使用してないとき、これを密閉する。これは、慣例のプリンタ始動メンテナンス中に、印字ヘッド705から噴射されるインクを吸収するために使用される一体式ブロッタを生成するためにキャップを外し回転する。これは、Memjet(登録商標)印字ヘッド705内の内部キャッピングデバイスを同時に移動させ、これにより、空気が保護ノズルシールド領域内に流入できるようになる。デバイスの第3の回転により、プラテン表面が定位置に移動し、これにより、印刷中にシート604の一方の側面が支持される。
【0160】
紙は、ゴムで被覆したローラに対して作用する(紙の直線経路に沿って位置合わせされた)電力供給された出口スパイクホイールのセットを通って、第1のMemjet(登録商標)プリントエンジン602から排出される。これらのスパイクホイールは、「湿った」印刷表面と接触して、シート604を第2のMemjet(登録商標)プリントエンジン603内に供給し続ける。
【0161】
第2のプリントエンジン603は、シート604の下側を印刷するために、第1のものと反対に取り付けられる。
【0162】
図12、図35、図13、図26、および図27に示すように、紙604は、複式プリントエンジン602および603から、バインダアセンブリ605内に入れられる。印刷されるページは、繊維状の支持ローラを有する電力供給されたスパイクホイール軸670と、スパイクホイールおよび瞬間動作接着剤ホイール673を有する他の可動軸との間を通過する。可動軸/接着剤アセンブリ673は、金属支持ブラケットに取り付けられ、カムシャフト642の動作により電動軸670とのインタフェースになるように前方に移送される。別のモータ675が、このカムシャフトに動力を与える。モータ676の両方は、Memjet(登録商標)印字ヘッドにより制御される。
【0163】
接着剤ホイールアセンブリ673は、インクカートリッジ627からの接着剤供給ホース641用の回転カップリング680を有する部分的に中空の軸679からなる。この軸679は、放射状の穴による毛細管作用により接着剤を吸収する接着剤ホイール681に接続されている。成形ハウジングが、接着剤ホイール681を取り囲み、正面に開口を有する。旋回サイドモールディング683とばね式外側ドア684が、金属支持ブラケットに取り付けられており、アセンブリ673の残りの部分が前方に押し出されるとき、横向きにヒンジが外れる。この作用により、接着剤ホイール681は、成形ハウジングの正面から露出する。張力ばね685がアセンブリを閉鎖し、非活動期間中、接着剤ホイール681を効果的にキャッピングする。
【0164】
シート604が接着剤ホイールアセンブリ673内を通る際、バインディングアセンブリ605内に降下して移送されるとき、(文書の第1のシートから離れた)正面側の1つの垂直端に接着剤が塗布される。この構成により、印刷中に接着剤が各ページに塗布されるため、プリンタを通る紙の移動が、別個の接着ステーションで中断または停止されないということを理解されたい。これにより、プリンタの速度は上がるが、ページが「ポートレート」構成で(すなわち、長辺に平行な方向に)プリンタを移動する必要がある。これにより、紙トレイ、バインディングステーション、収集ステーションをポートレート構成にする必要がある。これでは、限られた空間の領域内に都合良く収めるには、プリンタ全体の長さが長くなりすぎる。これらの状況において、媒体トレイ、バインディングステーション、および収集ステーションを、「ランドスケープ」方向に配設して(短辺を紙の移動方向に平行にして)、プリンタの長さを短くすることができる。しかしながら、接着アセンブリ紙の長辺に沿って接着剤を塗布することができなければならない。このようなウォールプリンタ(図示せず)では、往復接着剤ストリップを用いて各ページの長辺に接着剤が塗布される。
【0165】
図26に、「ポートレート」バインダアセンブリ605を最良に示す。これは、金属支持シャーシ686と、4つの交差ロッド上を移動するばね式成形バインディングプラテン687と、シート604が移動した後に文書618を支持する成形された傾斜プラテン689と、支持ブラケット691を有する出口ハッチ690とを有する。印刷されたページ604は、出口ハッチ690上に載るまで送り込まれる。バインディングプラテン687は、ホイール692のループ式システムと、電力供給されたケーブルワインダシャフト694に取り付けられたばね式スチールケーブル693とを介して、高速で前方に推進される。ケーブルワインダシャフト694が回転すると、ケーブルループ693は短縮し、バインディングプラテン687を前方に移送する。この電力供給されたシャフト694は、スリップクラッチ機構を有し、シート604を前のシートの後部へと前方に押すのに必要な速度を与え、それを接着/結合して、戻りばね699の作用下で定位置に戻り、次の印刷シートを受け入れる。往復プラテンの単一の動作サイクルにかかる時間は2秒より短い。
【0166】
バインディングアセンブリ605は、1ページずつページを綴って製本された文書にすることにより、文書の別々のページを印刷するのにかかる時間を著しく長くすることなく、製本された文書を作成する。さらに、このアセンブリは、先行ページに押し付ける前に直接接着剤を塗布する。このことは、各ページの後部に接着剤を塗布し、連続して各ページを次のページに押し付けるよりも効果的であり、これは、紙の供給の補給などで印刷プロセスを中断すると、最後の接着ページに塗布された接着剤が劣化し、その効果を低減させてしまうからである。
【0167】
ケーブル693は、製本しやすいように、先行シートに正圧を印加できるようにばね式のものである。さらに、傾斜プラテン689は、文書618をオーバー軸構成で支持するために、底部より上部が浅くなっている。
【0168】
ステッパモータの制御部に作動可能に接続されたセンサ(図示せず)が、文書に綴られた最後のページの位置を決定し、プラテンがそれに次のページを正確に接着できるようにするために使用されてよい。
【0169】
紙タッパ643は、傾斜プラテン689に移動するとき、シート604をバインダ605の一方の側面に衝突させる。主要PCB612は、モータ695、696、および697を、ケーブルワインダシャフト694、タッパ643、および出口ハッチ690に対してそれぞれ制御する。
【0170】
文書618が製本され仕上げられると、電力供給された出口ハッチ690が開く。出口ハッチ690が閉じないように作用する文書の詰まりや他の妨害物を検出するために、タンパセンサ(図示せず)が設けられる。また、タッパ643は、バインダ605から収集トレイ619への排出中に、印刷された文書618を軽く叩いて位置合わせする。正面下方のモールディング610上のプラスチックフォイル698は、ハッチ690と協働して、仕上げられた文書618を収集トレイ619の背部に導き、既存の文書にぶつからないように、さらなる文書をトレイ内に供給する。異なるページサイズの文書を収容するために、それぞれが異なる長さをもつ複数の柔軟なフォイルが設けられてよい。収集トレイ619は、透明プラスチック内に成形され、一定の負荷をかけてソケットから取り出される。文書を取り出すためにアクセスは、3つの側面上に与えられる。
【0171】
2.2 Memjetベースの印刷
Memjet(登録商標)印字ヘッドは、1600dpiのバイレベルCMYKを生成する。低拡散紙上では、排出された各滴が、ほぼ完全に円形の22.5μm直径のドットを形成する。ドットは、個別に簡単に生成され、分散ドットディザリングを最大限に活用することができる。
【0172】
ページレイアウトは、画像、グラフィック、およびテキストの組み合わせを含んでよい。連続トーン(コントーン)画像およびグラフィックは、確率的分散ドットディザリングを使用して再生される。集合ドット(または振幅変調)ディザリングと異なり、分散ドット(または周波数変調)ディザリングは、目で空間的に一体化されるとき、フルカラー深度まで低い空間周波数を同時に再生しながら、ドット解像度のほぼ限界まで高い空間周波数(すなわち、画像細部)を再生する。確率的ディザリングマトリックスは、画像をタイル張りしたとき、不快な低周波数パターンがないように慎重にデザインされる。このようにして、このサイズは、通常、特定数の強度レベルに対応するために必要とされる最小サイズを超える(例えば、257強度レベルに対して16×16×8ビット)。
【0173】
人間のコントラスト感度は、視野角度当たり約3サイクルの空間周波数で頂点に達した後、対数的に低下し、1度当たり約40サイクルを超えると100だけ低下し、1度当たり60サイクルを超えると測定不能になる。12インチ(約300mm)の通常の目視距離で、これは、印刷されたページ上で概算で1インチ当たり200〜300サイクル(cpi)、またはナイキストの定理によると、1インチ当たり400〜600サンプルということになる。
【0174】
実際には、約300ppiを超えるコントーン解像度は、医療撮像などの特別の応用以外の制限された効用のものである。例えば、雑誌のオフセット印刷は、150〜300ppiの範囲のコントーン解像度を使用する。より高い解像度は、ディザリングによるカラーエラーにわずかに寄与する。
【0175】
黒のテキストおよびグラフィックは、バイレベルのブラックドットを使用して直接再生されるため、印刷される前にはアンチエイリアス化されない(すなわち、低パスフィルタリングされる)。したがって、テキストは、上述した知覚限界を超えてスーパーサンプルされ、目で空間的に一体化されるときにより滑らかなエッジを生成する。約1200dpiまでのテキスト解像度は、知覚されたテキストのシャープさに寄与し続ける(当然ながら、低拡散紙と仮定して)。
【0176】
ネットページプリンタは、267ppiのコントーン解像度(すなわち、1600dpi/6)と、800dpiの黒のテキストおよびグラフィック解像度を使用する。
2.3 文書データフロー
Memjet(登録商標)印字ヘッドのページ幅の性質から、可視アーチファクトを作成しないように、一定の速度で各ページが印刷されなければならない。すなわち、印刷速度は、入力データ速度に適合するように変更することができない。したがって、文書のラスタ化および文書の印刷が切り離されて、印字ヘッドへのデータの一定供給が確保される。ページは、すべてラスタ化されるまで印刷されない。これは、各ラスタ化ページ画像の圧縮したものをメモリに格納することにより達成される。
【0177】
また、このような切り離しにより、単純なページをラスタ化するときプリンタより前にラスタ画像プロセッサ(RIP)を実行して、より複雑なページをラスタ化するための時間を得ることができる。
【0178】
コントーンカラー画像は、確率的ディザリングにより再生されるが、黒のテキストおよびライングラフィックは、ドットを使用して直接再生されるため、圧縮されたページ画像フォーマットは、別個のフォアグラウンドバイレベルのブラック層とバックグラウンドコントーンカラー層とを含む。ブラック層は、コントーン層がディザリングされた後、コントーン層の上で複合される。
【0179】
ネットページタグは、別の層にレンダリングされ、最終的に赤外線吸収性インクを使用して印刷される。
【0180】
267ppiで、コントーンCMYKデータのレターサイズページは、25MBのサイズを有する。JPEG(ISO/IEC19018−1:1994、「Information technology −Digital compressionand codingof continuous−tonestill images:Requirements and guidelines、1994」、この内容は、相互参照により本願明細書に援用されたものとする)などの損失のあるコントーン圧縮アルゴリズムを使用すると、コントーン画像は、顕著な品質の損失なく最大10:1の比率で圧縮し、2.5MBの圧縮されたページのサイズを与える。損失のない圧縮アルゴリズムが使用されてよいが、これらを使用すると、一般に、損失のある圧縮アルゴリズムと比較して、高い圧縮率が得られない。
【0181】
800dpiで、バイレベルデータのレターサイズのページは、7MBのサイズを有する。テキストなどのコヒーレントなデータは、非常に良好に圧縮される。グループ4ファクシミリ(ANSI/EIA538−1988、「Facsimile Coding Schemesand CodingControl Functionsfor Group4 FacsimileEquipment」、August 1988、この内容は、相互参照により本願明細書に援用されたものとする)などの損失のないバイレベル圧縮アルゴリズムを使用すると、テンポイントのテキストは、約10:1の比率で圧縮し、0.8MBの圧縮されたページサイズを与える。
【0182】
ディザリングされると、CMYKコントーン画像データのレターサイズのページは、114MBのバイレベルデータからなる。このデータに損失のないバイレベル圧縮アルゴリズムを使用することは、最適なディザリングが確率的であるため、すなわち、圧縮困難な不規則性を導入するということから、まったく無意味である。
【0183】
したがって、2層の圧縮されたページ画像フォーマットは、損失のあるJPEGコントーン画像圧縮と損失のないバイレベルのテキスト圧縮の相対強度を利用する。このフォーマットは、記憶効率的であるために十分コンパクトであり、印刷中に実時間による簡単な拡大を行うために十分単純なものである。
【0184】
テキストと画像は、通常、重なり合わないため、通常の最悪のページ画像サイズは2.5MB(すなわち、画像のみ)であるのに対して、通常の最良のページ画像サイズは0.8MB(すなわち、テキストのみ)である。絶対的な最悪のページ画像サイズは3.3MB(すなわち、画像上のテキスト)である。平均的なページの4分の1が画像を含むとすると、平均的なページ画像サイズは1.2MBである。
【0185】
2.4 プリンタコントローラアーキテクチャ
図14のブロック図に示すように、ネットページプリンタコントローラは、制御プロセッサ750と、工場設置式または作業現場設置式のネットワークインタフェースモジュール625と、無線トランシーバ(トランシーバコントローラ753、ベースバンド回路754、RF回路755、およびRF共振器およびインダクタ756)と、2重ラスタ画像プロセッサ(RIP)DSP757と、複式プリントエンジンコントローラ760aおよび760bと、フラッシュメモリ658と、DRAM657(現在、64MB)とからなる。
【0186】
制御プロセッサは、ネットワーク19と、ローカルワイヤレスネットページペン101との通信を取り扱い、ヘルプボタン617を感知し、ユーザインタフェースLED613〜616を制御し、RIPDSP757およびプリントエンジンコントローラ760を供給および同期化する。これは、中程度の性能の汎用マイクロプロセッサからなる。制御プロセッサ750は、高速シリアルバス659を介してプリントエンジンコントローラ760と通信する。
【0187】
RIP DSPは、ページ記述をラスタ化し、それをネットページプリンタの圧縮されたページフォーマットに圧縮する。各プリントエンジンコントローラは、ページ画像を拡大、ディザリングして、実時間で(すなわち、1分当たり30ページ以上で)、関連するMemjet(登録商標)印字ヘッド350に印刷する。複式プリントエンジンコントローラは、シートの両面を同時に印刷する。
【0188】
マスタプリントエンジンコントローラ760aは、紙の移送を制御し、マスタQAチップ665およびインクカートリッジQAチップ761と連携して、インクの使用をモニタする。
【0189】
プリンタコントローラのフラッシュメモリ658は、プロセッサ750とDSP757の両方のソフトウェアとともに、構成データを保有する。これは、ブート時間にメインメモリ657にコピーされる。
【0190】
プロセッサ750、DSP757、ディジタルトランシーバ構成部品(トランシーバコントローラ753およびベースバンド回路754)は、単一のコントローラASIC656に統合される。アナログRF構成部品(RF回路755およびRF共振器およびインダクタ756)は、別のRFチップ762に設けられる。ネットページプリンタにより、ネットワーク接続を工場選択式または作業現場選択式にすることができるため、ネットワークインタフェースモジュール625は別々である。また、フラッシュメモリ658および2×256Mbit(64MB)DRAM657もオフチップである。プリントエンジンコントローラ760は、別のASICに設けられる。
【0191】
各々がネットページ・ネットワークインタフェース751を提供し、オプションとして、ローカルコンピュータまたはネットワークインタフェース(図示せず)を提供する、さまざまなネットワークインタフェースモジュール625が提供される。ネットページ・ネットワークインターネットインタフェースは、POTSモデムと、HybridFiber−Coax(HFC)ケーブルモデムと、ISDNモデムと、DSLモデムと、衛星トランシーバと、現世代および次世代携帯電話トランシーバと、ワイヤレスローカルループ(WLL)トランシーバとを含む。ローカルインタフェースは、IEEE1284(パラレルポート)と、10Base−Tおよび100Base−Tイーサネット(登録商標)と、USBおよびUSB2.0と、IEEE1394(ファイアワイア)と、さまざまな出現しつつあるホームネットワークインタフェースとを含む。インターネット接続がローカルネットワークで利用可能であれば、ローカルネットワークインタフェースは、ネットページ・ネットワークインタフェースとして使用可能である。
【0192】
無線トランシーバ753は、通常、コードレス電話により使用される許可の必要のない900MHzバンドか、またはこの代わりとして、許可の必要のない2.4GHzの産業科学医療(ISM)バンドにおいて通信し、周波数ホッピングと衝突検出を使用して、干渉のない通信を提供する。
【0193】
プリンタコントローラは、ネットページカメラなどのデバイスから「噴出した」データを受信するための赤外線データ通信標準化団体(IrDA)インタフェースを選択的に組み込む。代替実施形態において、プリンタは、適切に構成されたネットページペンと短距離通信するために、IrDAインタフェースを使用する。
【0194】
2.4.1 ラスタ化および印刷
主要プロセッサ750は、(550において)文書のページレイアウトおよびページオブジェクトを受信および確認し、(551において)メモリ657に入れた後、DSP757上で、適切なRIPソフトウェアを実行する。
【0195】
DSP757は、(552において)各ページ記述をラスタ化し、(553において)ラスタ化されたページ画像を圧縮する。主要プロセッサは、(554において)各圧縮されたページ画像をメモリ657に格納する。複数のDSPの負荷を均衡するための最も簡単な方法は、各DSPに別々のページをラスタ化させることである。一般に、任意の数のラスタ化されたページをメモリに格納することができるため、DSPは、常にビジー状態にされる。この方法では、短い文書をラスタ化するとき、潜在的に劣悪なDSP使用のみをもたらす。
【0196】
ページ記述の透かし領域は、無視できるサイズに損失なく圧縮され、圧縮されたページ画像の一部を形成するコントーン解像度バイレベルビットマップにラスタ化される。
【0197】
印刷されたページの赤外(IR)層は、1インチ当たり約6つの密度のコード化されたネットページタグを含む。各タグは、ページIDと、タグIDと、制御ビットとをコード化し、各タグのデータコンテンツは、ラスタ化中に生成され、圧縮されたページ画像に格納される。
【0198】
主要プロセッサ750は、背中合わせのページ画像を複式プリントエンジンコントローラ760に渡す。各プリントエンジンコントローラ760は、圧縮されたページ画像をローカルメモリ769に格納し、ページの拡大および印刷のパイプラインを開始する。114MBバイレベルCMYK+IRページ画像全体をメモリに格納することは実用的でないため、ページ拡大と印刷はパイプライン化される。
【0199】
プリントエンジンコントローラは、(555において)圧縮されたページ画像を拡大し、(556において)拡大されたコントーンカラーデータをバイレベルドットにディザリングし、(557において)ディザリングされたコントーン層上で拡大されたバイレベルブラック層を複合し、(558において)拡大されたネットページタグデータをレンダリングし、(559において)最終的に完全にレンダリングされたページを印刷して、印刷されたネットページ1を生成する。
【0200】
2.4.2 プリントエンジンコントローラ
プリントエンジンコントローラ760のページ拡大および印刷のパイプラインは、図16のブロック図に示すように、高速IEEE1394シリアルインタフェース659と、標準JPEGデコーダ763と、標準グループ4ファックスデコーダ764と、カスタムハーフトナー/コンポジタユニット765と、カスタムタグエンコーダ766と、ラインローダ/フォーマッタユニット767と、Memjet(登録商標)印字ヘッド350とのカスタムインタフェース768とからなる。
【0201】
プリントエンジンコントローラ360は、2重バッファ方式で動作する。1ページが高速シリアルインタフェース659を介してDRAM769内にロードされる間、以前にロードされたページは、DRAM769から読み取られ、プリントエンジンコントローラパイプラインを通過する。ページが印刷を終了した後、他のページをロードしながら、ロードしたばかりのページが印刷される。
【0202】
パイプラインの第1段階は、(763において)JPEG圧縮されたコントーンCMYK層を拡大し、(764において)グループ4ファックス圧縮されたバイレベルブラック層を拡大し、(766において)セクション1.2で定義したタグフォーマットに従って、バイレベルネットページタグ層をレンダリングし、すべてパラレルに行う。第2段階は、(765において)コントーンCMYK層をディザリングし、(765において)その結果得られるバイレベルCMYK層上でバイレベルブラック層を複合する。その結果のバイレベルCMYK+IRドットデータは、(767において)ラインバッファのセットを介してMemjet(登録商標)印字ヘッド350上に印刷するために、バッファリングされフォーマットされる。これらのラインバッファのほとんどは、オフチップDRAMに格納される。最終段階は、印字ヘッドインタフェース768を介して、6チャネルのバイレベルドットデータ(定着剤を含む)をMemjet(登録商標)印字ヘッド350に印刷する。
【0203】
いくつかのプリントエンジンコントローラ760を、複式構成のように同時に使用する場合、これらは、共有ライン同期信号770を介して同期化される。外部マスタ/スレーブピン771を介して選択された1つのプリントエンジン760のみが、ライン同期信号770を共有ラインに生成する。
【0204】
プリントエンジンコントローラ760は、ページ拡大およびレンダリングのパイプラインを同期化するための低速プロセッサ772を含み、低速シリアルバス773を介して印字ヘッド350を構成し、ステッパモータ675、676を制御する。
【0205】
ネットページプリンタの8 1/2インチバージョンでは、2つのプリントエンジンの各々は、ページの長辺の長さ(11インチ)に沿って、1600dpiで8.8kHzのライン速度を与えながら、1分当たり30レターページを印刷する。ネットページプリンタの12インチバージョンでは、2つのプリントエンジンの各々は、ページの短辺(81/2インチ)に沿って、10.2kHzのライン速度を与えながら、1分当たり45レターページを印刷する。これらのライン速度は、十分に、現行のデザインで30kHzを超えるMemjet(登録商標)印字ヘッドの動作周波数内にある。
【0206】
2.5 ネットページ冷蔵庫
本発明の特定の装置は、冷蔵庫のような電気機器と、対話式プリンタデバイスとの能力を組み合わせた家庭用途または工業用途のシステムである。簡潔にするために、以下、この装置を「ネットページ冷蔵庫」と呼び、ネットページシステムに関連して記載する。しかしながら、他の適切な家庭用機器が同様の方法で装備されてよく、冷蔵庫や他の機器と作動的に対話するように、別のコンピュータシステムが用いられてよいことを理解されたい。
【0207】
本発明のネットページプリンタは、遠隔対話式のものであるため(一般に、ネットページペンからプリンタデバイスへワイヤレス伝送を介して)、プリンタの使用と冷蔵庫そのものの使用との間での衝突の危険性がほとんどない。さらに、冷蔵庫はすでに電力供給されており、ネットワーク接続で容易に増強でき、そのドアは、縦長浅薄であるというネットページプリンタには理想的な形状因子を備えている。
【0208】
図31、図32、および図33に、ネットページ冷蔵庫を完全に組み立てた状態が示されており、図34に、その断面図が示されている。ネットページ冷蔵庫1001には、青果物の貯蔵と冷蔵に適した内部区分を画定する壁を有し、第1の環境制御室として働く矩形状の上側囲い1034と、青果物の貯蔵と冷凍に適した第2の環境制御室として働く矩形状の下側囲い1036とがある。さらに、図34の断面図には、冷蔵庫熱交換パイプ1030と、システムコンプレッサポンプ・モータアセンブリ1032が示されている。この機器の貯蔵区分1034、1036へは、上側ドア1012と下側ドア1014のそれぞれを介してアクセスされ、これは、対話式プリンタデバイスの機能に対応するための機械的構造を与える役割も担う。このような機械的な配置により、操作とメンテナンスの目的で対話式プリンタ機能に都合良くアクセスでき、人間工学のデザイン原理を満たすものである。
【0209】
図32は、消耗品アクセスハッチ1016、すなわち、一般的に、紙やインクなど、定期的な交換を要する部品を補充するためにアクセスするためのハッチのアクセスのしやすさを示す。このアクセスハッチ1016は、ネットページ冷蔵庫1001の上側ドア1012にヒンジ付きアセンブリとして設けられ、ユーザがアクセスしやすいように、下方外向きに折り曲がるように取り付けられる。定期的なアクセスを必要としない対話式プリンタのこれらの構成部品は、ドアアセンブリ内に整然と隠され、必要なとき、メンテナンスオペレータによりアクセス可能にされる。図34の断面図は、媒体トレイ607と、PCB612と、紙供給区分と、可視的および不可視的にコード化された印刷情報の両方を生成するためのプリントエンジン602、603と、必要に応じて、製本されたマルチページ文書618を生成するための、出口ハッチ690により下側端部が閉じられたバインディングアセンブリ605とを含むプリンタデバイスの機能要素の相対位置を示す。ネットページ冷蔵庫1001の下側ドア1014において、ネットページプリンタの印刷出力へのアクセスを便利にする排出トレイアセンブリが設けられる。排出トレイアセンブリは、バインディングアセンブリ605の出口ハッチから重力により供給される出力を受け取る収集トレイ619を含み、この排出トレイは、印刷された製本文書618を取り出すことができるように容易にアクセス可能なものである。
【0210】
好適な実施形態において、ネットページ冷蔵庫1001は、上記および以前および同時に出願された特許出願に詳細に記載したネットページ・ネットワーク化コンピュータシステムとともに動作するように構成される。したがって、ネットページ冷蔵庫は、ネットページシステムに登録され、上述したプロセスおよび本願出願人による先行特許出願PCT/AU00/00561に詳細に記載されたプロセスにしたがって、オンデマンドでまたは加入することによりネットページ文書を印刷する。各ネットページ冷蔵庫は固有のIDを有し、理想的には広帯域接続を介して、インターネットなどのネットワークを介してネットページシステムに接続される。ネットワークの相互接続は、ネットページ冷蔵庫の一部分をなすネットワークインタフェースを介して支持される。ネットページペンからの信号を受信するための受信機が、ネットページ冷蔵庫の上側ドアにあるプリンタデバイスに組み込まれる。図33は、2本のリード線1022、1028を略図的に示し、これらは、冷蔵庫の上側ドア1012と、冷蔵庫の上側ドアヒンジ機構と、冷蔵庫キャビネットの上側部分の側壁とを通って機器の背面に現れ、ネットページプリンタデバイスに電力を供給するための主要電源1026と、インターネットと接続するための居住用の電話線などのネットワークライン1024のそれぞれとの接続を与える。
【0211】
ネットページ冷蔵庫の好適な形態において、冷蔵庫の機能と対話式プリンタの機能は相互に依存する。すなわち、対話式プリンタ機能のある特定の能力が、冷蔵庫の機能の特定の機能的特徴と不変にリンクされる。したがって、冷蔵庫が本来備えている能力以外に、ネットページ冷蔵庫は、機器の固有の能力を補充する固有の追加の能力を備える。さらなる機能的な能力は以下のものを含むが、これらに限定されるものではない。
a:自動在庫モニタリングおよび制御
b:デバイス制御
c:故障の診断および報告
2.5.1 自動在庫モニタリングおよび制御
ネットページペンなどの外部感知デバイスとともに、ネットページ冷蔵庫は、貯蔵区分に出し入れする際の在庫のモニタする能力を備える。この機能により、補充を促し、使用期限日をモニタし、利用できる材料を使ったレシピを提案する能力を機器が備えるようになる。ユーザのネットページペンは、バーコード走査に対応するように容易に補強でき、ネットページシステムにより、バーコード入力を適切なショピングカートの更新に変換する機器が与えられる。考慮されるように、ネットページシステム自体が、製品タイプセットの各々に対する各ユーザのお気に入りの利用を記録することができる。
【0212】
2.5.2 デバイス制御
ネットページ冷蔵庫は、温度制御など、冷蔵庫を制御する能力とともに、ホームシアターシステム、空気調節装置、セキュリティシステムなどの他のネットワーク作動可能な機器を制御するための能力を備える。ネットページ冷蔵庫は、遠隔制御デバイスの形をした印刷された制御ボタンを生成することができ、これは、適切な機器の正常な機能を制御するために後に使用することができる。ネットページ冷蔵庫は、通常、容易にアクセス可能である中央の位置に設けられるため、デバイス制御能力を組み込むのに適したシステムである。
【0213】
2.5.3 故障の診断および報告
ネットページ冷蔵庫の貯蔵区分内に位置し、対話式プリンタデバイス機能内に埋め込まれたセンサインタフェースを介してモニタされる1つ以上の熱センサ1018とともに、ネットページ冷蔵庫は、故障の診断および報告の能力を備える。例えば、ある一定の閾値レベルを超えた温度が検出された場合、ネットページ冷蔵庫は、1つまたは他の貯蔵区分内の温度が所定の閾値レベルを超えたことを示すために、印刷報告書を作成する。同様に、電源において冷蔵庫への電力供給停止が検出されれば、ネットページ冷蔵庫は、機器のユーザに情報を与えるために供給の中断に関する詳細な報告書を作成する。
【0214】
結論
好適な実施形態および多数の特有の代替実施形態を参照しながら、本発明について記載した。しかしながら、当業者であれば、特別に記載したものとは異なる多数の他の実施形態も、本発明の趣旨および範囲内のものであることを理解するであろう。したがって、本発明は、相互参照により適切なものとして援用された文献を含め、本発明に記載した特有の実施形態に限定されることを意図したものではないことを理解されたい。本発明の範囲は、特許請求の範囲によりのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【0215】
【図1】サンプルの印刷済みのネットページとそのオンラインページ記述との関係の略図である。
【図2】ネットページペンと、ネットページプリンタと、ネットページ・ページサーバと、ネットページ・アプリケーションサーバとの対話の略図である。
【図3】ネットワークを介して相互に接続されたネットページサーバとプリンタの集合体を示す図である。
【図4】印刷されたネットページとそのオンラインページ記述のハイレベル構造を示す略図である。
【図5】ネットページタグの構造を説明するための図である。
【図6】ネットページタグの別の構造を説明するための図である。
【図7】タグ画像処理復号アルゴリズムの流れ図である。
【図8】ネットページペンと、それに関連するタグ感知視野円錐体の斜視図である。
【図9】図8に示すネットページペンの拡大斜視図である。
【図10】図8および図9に示すネットページペン用のペンコントローラの略図的なブロック図である。
【図11】壁取付け型のネットページプリンタの斜視図である。
【図12】図11のネットページプリンタの長さに沿った断面図である。
【図13】図11および図12のネットページプリンタのインクカートリッジ、インク、空気と接着剤の経路、およびプリントエンジンの詳細図である。
【図14】図11および図12に示すネットページプリンタ用のプリンタコントローラの略図的なブロック図である。
【図15】図14に示すプリンタコントローラと関連する複式プリントエンジンコントローラおよびMemjet(登録商標)印字ヘッドの略図的なブロック図である。
【図16】図14および図15に示すプリントエンジンコントローラの略図的なブロック図である。
【図17】例えば、図10から図12のネットページプリンタで使用する場合の、単一のMemjet(登録商標)印刷要素の斜視図である。
【図18】Memjet(登録商標)印刷要素のアレイのわずかな部分の斜視図である。
【図19】図13に示すMemjet(登録商標)印刷要素の動作サイクルを示す一連の斜視図である。
【図20】ページ幅Memjet(登録商標)印字ヘッドの短いセグメントの斜視図である。
【図21】ウォールプリンタの簡易拡大図である。
【図22】インクカートリッジの拡大図である。
【図23】開いた状態の媒体トレイの前部4分の3図である。
【図24】プリンタの電気システムの前部4分の3図である。
【図25】電気システムの後部4分の3図である。
【図26】バインダアセンブリに沿った断面図である。
【図27】開いた状態の接着剤ホイールアセンブリの後部4分の3図である。
【図28】バインダアセンブリと出口ハッチに沿った断面図である。
【図29】媒体トレイの上部4分の3図である。
【図30】プリンタの上部に沿った断面図である。
【図31】本発明によるネットページプリンタを組み込んだ冷蔵庫の斜視図である。
【図32】開いた状態の消耗品アクセスハッチを備えた図31の冷蔵庫の斜視図である。
【図33】熱センサと、ネットワークおよび電力接続とを示す図31の冷蔵庫の斜視図である。
【図34】図31の冷蔵庫の断面図である。
【図35】複式プリントエンジンと接着剤ホイールアセンブリの断面を示す図12の拡大部分である。
【符号の説明】
【0216】
618 マルチページ文書
619 収集トレイ
1001 ネットページ冷蔵庫
1012 上側ドア
1014 下側ドア
1016 消耗品アクセスハッチ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークコンピュータシステムとの対話を可能とする装置であって、
機器ユーザにより使用するための青果物の貯蔵用および冷却用機器と、
前記機器に一体化されたプリンタデバイスとを含み、
前記プリンタデバイスは、前記ネットワークコンピュータシステムと作動的に相互に接続可能であり、前記プリンタデバイスは、前記ネットワークコンピュータシステムから配信された少なくとも1つのフォームを印刷するように動作可能であり且つページ幅プリントヘッドを備えたプリンタモジュールを含み、前記プリンタデバイスは、機器ユーザにより動作された感知デバイスから指示データを受信するように構成され、前記感知デバイスは、前記少なくとも1つのフォームに対して作動位置に配置されると指示データを感知し、
前記プリンタデバイスにより受信された前記指示データは、前記ネットワークコンピュータシステム経由で前記機器の動作を制御するための制御データを含んでおり、前記プリンタデバイスは、前記制御データを生成するために、前記機器の動作を監視するためのセンサインタフェースを備える、装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのフォームは、前記機器ユーザに伝達される情報と、フォームの識別とフォームの少なくとも1つの参照点とを表すコード化データとを含み、前記感知データは、フォームに対して作動位置に配置されると、例えば、フォームに対する位置を感知するために、少なくともいくつかのコード化データを使用して指示データを感知する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのフォームは、前記機器ユーザに伝達される情報と、フォームの識別を表すコード化データとを含み、前記感知データは、フォームに対して作動位置に配置されると、少なくともいくつかのコード化データを使用して指示データを感知し、フォームに対する感知デバイスの位置に関するデータを生成する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのフォームは、フォームの識別を表すコード化データを含み、前記感知デバイスは、前記機器ユーザの識別に関するデータを含み、少なくともいくつかのコード化データを使用してフォームの識別に関するデータを感知する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記感知デバイスを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記感知デバイスは、マーキングニブを含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記感知デバイスは、感知デバイスに固有の識別を与え、感知デバイスが特定の機器ユーザと関連付けられていることを識別する識別手段を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記感知デバイスおよび前記プリンタデバイスは、それらの間で前記指示データをワイヤレス通信するように構成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
前記プリンタモジュールは、前記機器ユーザが容易にアクセス可能な位置にある前記機器のドア内に統合される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記プリンタモジュールは、フォームの印刷と同時にコード化データを印刷する、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
コード化データは、可視スペクトルで実質的に不可視である、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
複数ページに印刷されたフォームを提供するために、プリンタモジュールは、ページを綴じるためのバインディング手段を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記機器は、動作パラメータを測定するための少なくとも1つのセンサを含み、前記少なくとも1つのセンサと前記プリンタデバイスとは、前記プリンタデバイスが備えた前記センサインタフェースにより相互接続可能とされている、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つのフォームは、機器の使用に関する情報を含み、前記コンピュータシステムは、指示データから、機器の使用に関する少なくとも1つのパラメータを識別する手段を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
機器の使用に関する前記少なくとも1つのパラメータは、フォームの少なくとも1つのゾーンと関連付けられる、請求項15に記載の装置。
【請求項16】
機器の使用に関する前記少なくとも1つのパラメータは、機器の使用の制御パラメータである、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記機器は、上側貯蔵区分および下側貯蔵区分を含み、各貯蔵区分は、ヒンジ付きドアによりアクセス可能であり、前記プリンタモジュールは、上側貯蔵区分のドアに設けられ、前記下側貯蔵区分のドアは、前記ドアの両方が閉鎖位置にあるとき、前記プリンタモジュールから排出される印刷文書を受け取るようにされたコレクタを与える、請求項9に記載の装置。
【請求項18】
請求項1に記載の少なくとも1つの装置を含むコンピュータシステム。
【請求項1】
ネットワークコンピュータシステムとの対話を可能とする装置であって、
機器ユーザにより使用するための青果物の貯蔵用および冷却用機器と、
前記機器に一体化されたプリンタデバイスとを含み、
前記プリンタデバイスは、前記ネットワークコンピュータシステムと作動的に相互に接続可能であり、前記プリンタデバイスは、前記ネットワークコンピュータシステムから配信された少なくとも1つのフォームを印刷するように動作可能であり且つページ幅プリントヘッドを備えたプリンタモジュールを含み、前記プリンタデバイスは、機器ユーザにより動作された感知デバイスから指示データを受信するように構成され、前記感知デバイスは、前記少なくとも1つのフォームに対して作動位置に配置されると指示データを感知し、
前記プリンタデバイスにより受信された前記指示データは、前記ネットワークコンピュータシステム経由で前記機器の動作を制御するための制御データを含んでおり、前記プリンタデバイスは、前記制御データを生成するために、前記機器の動作を監視するためのセンサインタフェースを備える、装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのフォームは、前記機器ユーザに伝達される情報と、フォームの識別とフォームの少なくとも1つの参照点とを表すコード化データとを含み、前記感知データは、フォームに対して作動位置に配置されると、例えば、フォームに対する位置を感知するために、少なくともいくつかのコード化データを使用して指示データを感知する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのフォームは、前記機器ユーザに伝達される情報と、フォームの識別を表すコード化データとを含み、前記感知データは、フォームに対して作動位置に配置されると、少なくともいくつかのコード化データを使用して指示データを感知し、フォームに対する感知デバイスの位置に関するデータを生成する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのフォームは、フォームの識別を表すコード化データを含み、前記感知デバイスは、前記機器ユーザの識別に関するデータを含み、少なくともいくつかのコード化データを使用してフォームの識別に関するデータを感知する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記感知デバイスを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記感知デバイスは、マーキングニブを含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記感知デバイスは、感知デバイスに固有の識別を与え、感知デバイスが特定の機器ユーザと関連付けられていることを識別する識別手段を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記感知デバイスおよび前記プリンタデバイスは、それらの間で前記指示データをワイヤレス通信するように構成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
前記プリンタモジュールは、前記機器ユーザが容易にアクセス可能な位置にある前記機器のドア内に統合される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記プリンタモジュールは、フォームの印刷と同時にコード化データを印刷する、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
コード化データは、可視スペクトルで実質的に不可視である、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
複数ページに印刷されたフォームを提供するために、プリンタモジュールは、ページを綴じるためのバインディング手段を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記機器は、動作パラメータを測定するための少なくとも1つのセンサを含み、前記少なくとも1つのセンサと前記プリンタデバイスとは、前記プリンタデバイスが備えた前記センサインタフェースにより相互接続可能とされている、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つのフォームは、機器の使用に関する情報を含み、前記コンピュータシステムは、指示データから、機器の使用に関する少なくとも1つのパラメータを識別する手段を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
機器の使用に関する前記少なくとも1つのパラメータは、フォームの少なくとも1つのゾーンと関連付けられる、請求項15に記載の装置。
【請求項16】
機器の使用に関する前記少なくとも1つのパラメータは、機器の使用の制御パラメータである、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記機器は、上側貯蔵区分および下側貯蔵区分を含み、各貯蔵区分は、ヒンジ付きドアによりアクセス可能であり、前記プリンタモジュールは、上側貯蔵区分のドアに設けられ、前記下側貯蔵区分のドアは、前記ドアの両方が閉鎖位置にあるとき、前記プリンタモジュールから排出される印刷文書を受け取るようにされたコレクタを与える、請求項9に記載の装置。
【請求項18】
請求項1に記載の少なくとも1つの装置を含むコンピュータシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図2】
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【図11】
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【図22】
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【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【公開番号】特開2007−317172(P2007−317172A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−116008(P2007−116008)
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【分割の表示】特願2002−545403(P2002−545403)の分割
【原出願日】平成12年11月27日(2000.11.27)
【出願人】(303024600)シルバーブルック リサーチ ピーティワイ リミテッド (150)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【分割の表示】特願2002−545403(P2002−545403)の分割
【原出願日】平成12年11月27日(2000.11.27)
【出願人】(303024600)シルバーブルック リサーチ ピーティワイ リミテッド (150)
【Fターム(参考)】
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