説明

ネットワークシステム、配信制御装置、配信ノード装置並びに配信方法及び配信用プログラム

【課題】秘密分散方式によってストリーミング配信されるコンテンツの秘匿性を更に向上させることが可能なネットワークシステムを提供する。
【解決手段】複数のノード装置2がネットワークを介して接続されてなる配信システムSに含まれるコンテンツをストリーミング配信するとき、配信されるべきストリームを分割した複数の部分ストリームSTT1乃至STT3毎に、それらの配信を担うノード装置2を決定し、その決定されたノード装置2毎に、それらが配信を担う部分ストリームSTT1乃至STT3を示す配信担当時間情報と、配信先のノード装置2を示す配信先情報と、配信元のノード装置2を示す配信元情報と、を含む配信スケジュール情報SCを生成し、その生成された各配信スケジュール情報SCを、対応する各ノード装置2に送信して配信に供させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、ネットワークシステム、配信制御装置、配信ノード装置並びに配信方法及び配信用プログラムの技術分野に属し、より詳細には、例えば映画等に相当する動画像情報等を配信するネットワークシステム、当該ネットワークシステム内にあって当該配信を制御する配信制御装置及び配信ノード装置並びに当該配信に係る配信方法及び配信用プログラムの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、著作権により保護されている上記動画像情報等(以下、当該動画像情報等を、単にコンテンツと称する)を、特定の有料会員契約等をした会員に対して配信する配信サービスが一般化しつつある。
【0003】
ここで、当該配信に当たっては、その配信対象であるコンテンツが著作権の対象となっているが故に、上記会員契約した会員以外の者が当該コンテンツを不正に視聴することを妨げる必要がある。
【0004】
従来、インターネット等の公開ネットワークを介して著作権により保護されているコンテンツを配信する際、上記不正視聴の防止方法として当該コンテンツを暗号化することで上記不正視聴を抑止してきたが、上述した如くコンテンツを暗号化しても、その暗号化に使用された暗号化鍵が漏洩する危険性や、或いは当該暗号化されたコンテンツのデータそのものが解読されてしまう危険性が存在しているため、著作権保護の観点で万能とは言えなかった。
【0005】
よって、これらの危険性を更に回避すべく、近年では、上記暗号化鍵に相当する鍵データ自体を分割して管理する方法や、或いは上記暗号化されたコンテンツのデータ自体を分割して配信する方法等が研究されている(ここで、当該暗号化鍵に相当する鍵データ自体を分割して管理する方法や、暗号化されたコンテンツのデータ自体を分割して配信する方法等を、一般に「秘密分散方式」と称する)。
【0006】
ここで、当該秘密分散方式のコンテンツ配信分野に関する応用事例としてより具体的には、例えば、配信元においてコンテンツデータを予め複数に分割して分割データとし、分割データ毎に異なる配信経路を経由させて視聴端末装置(すなわち、当該コンテンツデータに相当するコンテンツを視聴する者により操作されている端末装置)へ送信し、その視聴端末装置側では当該異なる配信経路を介して受信した各分割データを再生成して元のコンテンツを復元する。
【0007】
しかしながら、当該技術はコンテンツを予め複数のデータに分割することが前提となるため、いわゆるダウンロード型のコンテンツ配信方式の場合には好適な技術と言えるが、いわゆるストリーミング型のコンテンツ配信方式(すなわち、逐次配信されてくるコンテンツデータを、その配信時間軸(配信順序)でもって受信して視聴する配信方式)の場合には適用が困難である。
【0008】
この点に鑑み、例えば下記特許文献1に開示されている方法では、所定の時間幅で配信の時間軸に沿ってコンテンツデータを分割して得られる分割データをストリーミング配信し、視聴端末装置側では配信元から予め入手しておいたコンテンツ復元用の配列情報に基づいて上記ストリーミング配信されてくる分割データを逐次再生成して元のコンテンツを復元する方法を開示している。
【0009】
この特許文献1に開示されている方法により、情報量が大きい映画等の上記コンテンツをストリーミングする際にも、上述した秘密分散方式を適用することにより秘匿性を向上させることができる。
【特許文献1】特開2004−53968公報(図1等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記特許文献1に開示されている方法では、コンテンツの分割と復元に必要な情報を配列情報に記載しておき、その配列情報を視聴端末装置へ送信する構成とされている。この場合、当該配列情報自体が視聴端末装置へ伝送される途上で第三者に漏洩する危険性があり、仮に当該配列情報が第三者に漏洩した場合には当該配列情報を取得した第三者により、著作権法により保護されるべきコンテンツが不正に取得・視聴される可能性があるという問題点が生じる。
【0011】
そこで、本発明は上記の問題点に鑑みて為されたものであり、秘密分散方式によってストリーミング配信されるコンテンツの秘匿性を更に向上させることが可能なネットワークシステム、当該ネットワークシステム内にあって当該配信を制御する配信制御装置及び配信ノード装置並びに当該配信に係る配信方法及び配信用プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数のノード装置がネットワークを介して接続されてなるネットワークシステムに含まれる一の前記ノード装置である受信ノード装置に対して、他の複数の前記ノード装置である配信ノード装置から配信制御情報に基づいて配信情報を配信させる配信制御装置であって、配信されるべき前記配信情報を分割した複数の部分配信情報毎に、前記受信ノード装置への当該部分配信情報の配信を担う前記配信ノード装置を決定する決定手段と、前記決定された配信ノード装置毎に、当該決定された配信ノード装置から配信されるべき前記部分配信情報を示す部分配信情報識別情報と、当該配信されるべき部分配信情報の配信先となる前記受信ノード装置を示す受信ノード装置識別情報と、当該配信されるべき部分配信情報を前記受信ノード装置に配信するタイミングを示すタイミング情報と、を含む前記配信制御情報を生成する生成手段と、前記生成された各配信制御情報を、対応する各前記配信ノード装置に送信する送信手段と、を備える。
【0013】
よって、受信ノード装置に配信されるべきストリームSTを分割した部分配信情報毎に当該部分配信情報を配信する配信ノード装置を決定し、更に、部分配信情報識別情報、受信ノード装置識別情報及びタイミング情報を含む配信制御情報を当該決定された配信ノード装置毎に生成して送信するので、一つの配信情報全体に対応する配信制御情報が一度に不正に取得されることに起因する配信情報の漏洩を有効に防止して、当該配信情報の秘匿性を確保することができる。
【0014】
上記の課題を解決するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の配信制御装置において、前記決定手段は、予め設定された時間間隔毎且つ前記部分配信情報毎に、新たに前記受信ノード装置への当該部分配信情報の配信を担う前記配信ノード装置を決定し、前記生成手段は、当該決定し直された配信ノード装置毎且つ前記時間間隔毎に前記配信制御情報を生成し、更に前記送信手段は、前記生成し直された配信制御情報を、対応する各前記配信ノード装置に送信するように構成される。
【0015】
よって、一定の時間経過を契機として配信制御情報を生成し直して各配信ノード装置へ送信し、当該生成し直された(すなわち、直前のものとは異なった)配信制御情報に基づいて各配信ノード装置から部分配信情報を配信させるので、配信情報の秘匿性を更に高めることができる。
【0016】
上記の課題を解決するために、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の配信制御装置において、各前記部分配信情報は、前記配信情報を再生する際の再生経過時間に基づいて当該配信情報を分割した部分配信情報であり、更に前記部分配信情報識別情報は、当該部分配信情報が再生されるべきタイミングに相当する再生経過時間情報であるように構成される。
【0017】
よって、各部分配信情報が、配信情報を再生する際の再生経過時間に基づいて当該配信情報を分割した部分配信情報であり、更に部分配信情報識別情報が再生経過時間情報であるので、配信ノード装置において簡易な構成で部分配信情報の配信開始タイミングを認識することができる。
【0018】
上記の課題を解決するために、請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の配信制御装置において、前記配信情報は複数のパケットから構成されているものであり、各前記部分配信情報は、各前記パケットを示すパケット識別情報に基づいて当該配信情報を分割した部分配信情報であり、更に前記部分配信情報識別情報は、当該部分配信情報に含まれる前記パケットを示す前記パケット識別情報であるように構成される。
【0019】
よって、各部分配信情報が、配信情報を構成するパケットを示すパケット識別情報に基づいて分割されており、更に部分配信情報識別情報が対応する部分配信情報に含まれるパケットを示すパケット識別情報であるので、ネットワーク上において例えば伝送遅延が発生した場合でも、受信ノード装置においてパケット毎に部分配信情報を受信して元の配信情報を再生することができる。
【0020】
上記の課題を解決するために、請求項5に記載の発明は、複数のノード装置がネットワークを介して接続されてなるネットワークシステムに含まれる一の前記ノード装置である受信ノード装置に対して、配信制御情報に基づいて配信情報を配信する他の前記ノード装置である配信ノード装置において、前記配信制御情報には、配信されるべき前記配信情報を分割した部分配信情報であって前記配信ノード装置から配信されるべき部分配信情報を示す部分配信情報識別情報と、当該部分配信情報の配信先となる前記受信ノード装置を示す受信ノード装置識別情報と、当該部分配信情報を前記配信ノード装置から前記受信ノード装置に配信するタイミングを示すタイミング情報と、が含まれており、前記配信制御情報を取得する取得手段と、前記取得した配信制御情報に基づき、当該配信制御情報により示される前記分配信情報を前記受信ノード装置に対して配信する配信手段と、を備える。
【0021】
よって、配信情報を分割した部分配信情報に対応する分割配信情報識別情報、受信ノード装置識別情報及びタイミング情報を含んで配信ノード装置毎に生成された配信制御情報を当該配信ノード装置毎に取得し、当該配信制御情報により示される分割配信情報を受信ノード装置に夫々配信するので、一つの配信情報全体に対応する配信制御情報が一度に不正に取得されることに起因する配信情報の漏洩を有効に防止して、当該配信情報の秘匿性を確保することができる。
【0022】
上記の課題を解決するために、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の配信ノード装置において、前記配信制御情報は、予め設定された時間間隔毎に更新されるものであるように構成される。
【0023】
よって、一定の時間経過を契機として配信制御情報が更新されるので、順次更新された(すなわち、直前のものとは異なった)配信制御情報に基づいて分割配信情報を配信することで、配信情報の秘匿性を更に高めることができる。
【0024】
上記の課題を解決するために、請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載の配信ノード装置において、各前記部分配信情報は、前記配信情報を再生する際の再生経過時間に基づいて当該配信情報を分割した部分配信情報であり、更に前記部分配信情報識別情報は、当該部分配信情報が再生されるべきタイミングに相当する再生経過時間情報であるように構成される。
【0025】
よって、各部分配信情報が、配信情報を再生する際の再生経過時間に基づいて当該配信情報を分割した部分配信情報であり、更に部分配信情報識別情報が再生経過時間情報であるので、配信ノード装置として簡易な構成で部分配信情報の配信開始タイミングを認識することができる。
【0026】
上記の課題を解決するために、請求項8に記載の発明は、請求項5又は6に記載の配信ノード装置において、前記配信情報は複数のパケットから構成されているものであり、各前記部分配信情報は、各前記パケットを示すパケット識別情報に基づいて当該配信情報を分割した部分配信情報であり、更に前記部分配信情報識別情報は、当該部分配信情報に含まれる前記パケットを示す前記パケット識別情報であるように構成される。
【0027】
よって、各部分配信情報が、配信情報を構成するパケットを示すパケット識別情報に基づいて分割されており、更に部分配信情報識別情報が対応する部分配信情報に含まれるパケットを示すパケット識別情報であるので、ネットワーク上において例えば伝送遅延が発生した場合でも、受信ノード装置においてパケット毎に部分配信情報を受信して元の配信情報を再生することができる。
【0028】
上記の課題を解決するために、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の配信ノード装置において、当該配信ノード装置から前記部分配信情報の配信を受ける前記受信ノード装置が、予め設定された再生時間に相当する前記配信情報を一時的に蓄積した後に再生に供させる蓄積手段を備えている場合に、前記配信手段は、前記タイミング情報により示される前記パケットの配信タイミングを、前記予め設定された再生時間の範囲内において一又は複数の前記パケット毎にずらしつつ前記部分配信情報を配信するように構成される。
【0029】
よって、部分配信情報の配信を受ける受信ノード装置が配信情報を一時的に蓄積する蓄積手段を備えている場合に、タイミング情報により示されるパケットの配信タイミングを、当該蓄積手段に対応する再生時間の範囲内において一又は複数のパケット毎にずらしつつ部分配信情報を配信するので、パケット毎に配信タイミングが異なることとなり、部分配信情報全体としての秘匿性を更に高めることができる。
【0030】
上記の課題を解決するために、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の配信ノード装置において、前記配信手段は、前記タイミング情報により示される前記パケットの配信タイミングを、前記予め設定された再生時間の範囲内において一又は複数の前記パケット毎にランダムにずらしつつ前記部分配信情報を配信するように構成される。
【0031】
よって、タイミング情報により示されるパケットの配信タイミングをランダムにずらしつつ部分配信情報を配信するので、パケット毎に配信タイミングがランダムに異なることとなり、部分配信情報全体としての秘匿性を更に高めることができる。
【0032】
上記の課題を解決するために、請求項11に記載の発明は、コンピュータを、請求項1から4のいずれか一項に記載の配信制御装置として機能させる。
【0033】
よって、当該コンピュータを請求項1に記載の配信制御装置として機能させる場合には、受信ノード装置に配信されるべき配信情報を分割した部分配信情報毎に配信ノード装置を決定し、更に、部分配信情報識別情報、受信ノード装置識別情報及びタイミング情報を含む配信制御情報を当該決定された配信ノード装置毎に生成して送信する用に当該コンピュータが機能するので、一つの配信情報全体に対応する配信制御情報が一度に不正に取得されることに起因する配信情報の漏洩を有効に防止して、当該配信情報の秘匿性を確保することができる。
【0034】
また、当該コンピュータを請求項2に記載の配信制御装置として機能させる場合には、当該コンピュータを請求項1に記載の配信制御装置として機能させる場合に加えて、一定の時間経過を契機として配信制御情報を生成し直して各配信ノード装置に送信する用に当該コンピュータが機能するので、当該生成し直された(すなわち、直前のものとは異なった)配信制御情報に基づいて各配信ノード装置から部分配信情報を配信させることで、配信情報の秘匿性を更に高めることができる。
【0035】
更に、当該コンピュータを請求項3に記載の配信制御装置として機能させる場合には、当該コンピュータを請求項1又は2に記載の配信制御装置として機能させる場合に加えて、各部分配信情報が、配信情報を再生する際の再生経過時間に基づいて当該配信情報を分割した部分配信情報であり、更に部分配信情報識別情報が再生経過時間情報であるので、配信ノード装置において簡易な構成で部分配信情報の配信開始タイミングを認識することができる。
【0036】
更にまた、当該コンピュータを請求項4に記載の配信制御装置として機能させる場合には、当該コンピュータを請求項1又は2に記載の配信制御装置として機能させる場合に加えて、各部分配信情報が、配信情報を構成するパケットを示すパケット識別情報に基づいて分割されており、更に部分配信情報識別情報が対応する部分配信情報に含まれるパケットを示すパケット識別情報であるので、ネットワーク上において例えば伝送遅延が発生した場合でも、受信ノード装置においてパケット毎に部分配信情報を受信して元の配信情報を再生することができる。
【0037】
上記の課題を解決するために、請求項12に記載の発明は、コンピュータを、請求項5から10のいずれか一項に記載の配信ノード装置として機能させる。
【0038】
よって、当該コンピュータを請求項5に記載の配信ノード装置として機能させる場合には、配信情報を分割した部分配信情報に対応する分割配信情報識別情報、受信ノード装置識別情報及びタイミング情報を含んで配信ノード装置毎に生成された配信制御情報を当該配信ノード装置毎に取得し、当該配信制御情報により示される分割配信情報を受信ノード装置に夫々配信するように当該コンピュータが機能するので、一つの配信情報全体に対応する配信制御情報が一度に不正に取得されることに起因する配信情報の漏洩を有効に防止して、当該配信情報の秘匿性を確保することができる。
【0039】
また、当該コンピュータを請求項6に記載の配信ノード装置として機能させる場合には、当該コンピュータを請求項5に記載の配信ノード装置として機能させる場合に加えて、一定の時間経過を契機として配信制御情報が更新されるように当該コンピュータが機能するので、順次更新された(すなわち、直前のものとは異なった)配信制御情報に基づいて分割配信情報を配信することで、配信情報の秘匿性を更に高めることができる。
【0040】
更に、当該コンピュータを請求項7に記載の配信ノード装置として機能させる場合には、当該コンピュータを請求項5又は6に記載の配信ノード装置として機能させる場合に加えて、各部分配信情報が、配信情報を再生する際の再生経過時間に基づいて当該配信情報を分割した部分配信情報であり、更に部分配信情報識別情報が再生経過時間情報であるので、配信ノード装置として簡易な構成で部分配信情報の配信開始タイミングを認識することができる。
【0041】
更にまた、当該コンピュータを請求項8に記載の配信ノード装置として機能させる場合には、当該コンピュータを請求項5又は6に記載の配信ノード装置として機能させる場合に加えて、各部分配信情報が、配信情報を構成するパケットを示すパケット識別情報に基づいて分割されており、更に部分配信情報識別情報が対応する部分配信情報に含まれるパケットを示すパケット識別情報であるので、ネットワーク上において例えば伝送遅延が発生した場合でも、受信ノード装置においてパケット毎に部分配信情報を受信して元の配信情報を再生することができる。
【0042】
また、当該コンピュータを請求項9に記載の配信ノード装置として機能させる場合には、当該コンピュータを請求項8に記載の配信ノード装置として機能させる場合に加えて、部分配信情報の配信を受ける受信ノード装置が配信情報を一時的に蓄積する蓄積手段を備えている場合に、タイミング情報により示されるパケットの配信タイミングを、当該蓄積手段に対応する再生時間の範囲内において一又は複数のパケット毎にずらしつつ部分配信情報を配信する当該コンピュータが機能するので、パケット毎に配信タイミングが異なることとなり、部分配信情報全体としての秘匿性を更に高めることができる。
【0043】
更に、当該コンピュータを請求項10に記載の配信ノード装置として機能させる場合には、当該コンピュータを請求項9に記載の配信ノード装置として機能させる場合に加えて、タイミング情報により示されるパケットの配信タイミングをランダムにずらしつつ部分配信情報を配信するように当該コンピュータが機能するので、パケット毎に配信タイミングがランダムに異なることとなり、部分配信情報全体としての秘匿性を更に高めることができる。
【0044】
上記の課題を解決するために、請求項13に記載の発明は、複数のノード装置がネットワークを介して接続されてなるネットワークシステムであって、一の前記ノード装置である受信ノード装置に対して配信制御情報に基づき配信情報を配信する他の複数の前記ノード装置である配信ノード装置と、当該各配信ノード装置からの前記配信情報の配信を制御する配信制御装置と、を含むネットワークシステムにおいて、前記配信制御装置は、配信されるべき前記配信情報を分割した複数の部分配信情報毎に、前記受信ノード装置への当該部分配信情報の配信を担う前記配信ノード装置を決定する決定手段と、前記決定された配信ノード装置毎に、当該決定された配信ノード装置から配信されるべき前記部分配信情報を示す部分配信情報識別情報と、当該配信されるべき部分配信情報の配信先となる前記受信ノード装置を示す受信ノード装置識別情報と、当該配信されるべき部分配信情報を前記受信ノード装置に配信するタイミングを示すタイミング情報と、を含む前記配信制御情報を生成する生成手段と、前記生成された各配信制御情報を、対応する各前記配信ノード装置に送信する送信手段と、を備え、各前記配信ノード装置は、前記配信制御情報を前記配信制御装置から取得する取得手段と、前記取得した配信制御情報に基づき、当該配信制御情報により示される前記分配信情報を前記受信ノード装置に対して配信する配信手段と、を備える。
【0045】
よって、受信ノード装置に配信されるべき配信情報を分割した部分配信情報毎に当該部分配信情報を配信する配信ノード装置を決定し、更に、部分配信情報識別情報、受信ノード装置識別情報及びタイミング情報を含む配信制御情報を当該決定された配信ノード装置毎に生成するので、一つの配信情報全体に対応する配信制御情報が一度に不正に取得されることに起因する配信情報の漏洩を有効に防止して、当該配信情報の秘匿性を確保することができる。
【0046】
上記の課題を解決するために、請求項14に記載の発明は、複数のノード装置がネットワークを介して接続されてなるネットワークシステムにおける一の前記ノード装置である受信ノード装置に対して配信情報を配信する配信方法において、配信されるべき前記配信情報を分割した複数の部分配信情報毎に、前記受信ノード装置への当該部分配信情報の配信を担う前記ノード装置を配信ノード装置として決定する決定工程と、前記決定された配信ノード装置毎に、当該決定された配信ノード装置から配信されるべき前記部分配信情報を示す部分配信情報識別情報と、当該配信されるべき部分配信情報の配信先となる前記受信ノード装置を示す受信ノード装置識別情報と、当該配信されるべき部分配信情報を前記受信ノード装置に配信するタイミングを示すタイミング情報と、を含む前記配信制御情報を生成する生成工程と、前記生成された各配信制御情報を、対応する各前記配信ノード装置に取得させる取得工程と、前記取得した配信制御情報に基づき、当該配信制御情報を取得した前記配信ノード装置から、当該配信制御情報により示される前記分配信情報を前記前記受信ノード装置に対して配信する配信工程と、を含む。
【0047】
よって、受信ノード装置に配信されるべき配信情報を分割した部分配信情報毎に当該部分配信情報を配信する配信ノード装置を決定し、更に、部分配信情報識別情報、受信ノード装置識別情報及びタイミング情報を含む配信制御情報を当該決定された配信ノード装置毎に生成するので、一つの配信情報全体に対応する配信制御情報が一度に不正に取得されることに起因する配信情報の漏洩を有効に防止して、当該配信情報の秘匿性を確保することができる。
【発明の効果】
【0048】
本発明によれば、配信情報を分割して複数の配信ノード装置から分散して配信する方法に関し、分割された配信情報を復元するために用いる配列情報を受信ノード装置へ送信する必要が無いのに加えて、蓋然的に決められた配信ノード装置から不規則な契機で部分配信情報が受信ノード装置へ送信されるので、配信経路上から不正に配信情報を取得する行為を困難にすることが可能となる。
【0049】
従って、コンテンツ配信システムにおける配信情報の秘匿性を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
次に、本発明を実施するための最良の形態について、図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、いわゆるツリー型のコンテンツ配信システム(以下、当該コンテンツ配信システムを単に「配信システム」と称する)に対して本発明を適用した場合の実施形態である。
【0051】
(I)配信システムの全体構成等
始めに、実施形態に係る配信システムの概要構成及び機能について、図1を用いて説明する。なお、図1は、実施形態に係る配信システムを構成する各装置の接続態様の一例を示す図である。
【0052】
実施形態に係る配信システムは、例えばインターネット等のネットワーク(現実世界のネットワーク)を用いて構成されるものである。このとき、当該現実世界のネットワーク10として具体的には、例えば図1の下部枠101内に示すように、IX(Internet eXchange)5、ISP(Internet Service Provider)6、DSL(Digital Subscriber Line)回線事業者(の装置)7、FTTH(Fiber To The Home)回線事業者(の装置)8、ルータ(図示せず)及び通信回線(例えば、電話回線や光ケーブル等)9等を含むネットワーク10を用いることができる。なおここで、図1の下部枠101内において、各通信回線9に対応する実線の太さは、各通信回線9の帯域の広さ(例えば、データ転送速度)を表している。
【0053】
一方、実施形態に係る配信システムSは、配信されるコンテンツにおける配信単位に相当する(連続する)パケットの配信元である放送局装置1と、複数のノード装置2a、2b、2c、2d、…と、を含んでおり、図1の下部枠101内に示すようなネットワーク10を基礎として図1の上部枠100内に示すように構成されており、放送局装置1を頂点(最上位)として、複数のノード装置2が複数の階層(図1の例では四階層)を形成しつつ通信経路を介してツリー状に接続され、上記連続する複数のパケットが、上流(上位階層)から下流(下位階層)の方向へ各ノード装置2により中継(転送)されつつ配信される。なお、以下の説明において、ノード装置2a、2b、2c、2d、…のうち何れかのノード装置を示す場合には、便宜上、ノード装置2という。
【0054】
図1において、上部枠100内に示されるノード装置2は、配信システムSに参加しているノード装置2である。そして、当該配信システムSに参加するためには、未参加のノード装置が、接続先紹介サーバ3(図1下部枠101内参照)に対して参加要求メッセージを送信し、当該接続先紹介サーバ3により参加権限があることを認証される必要がある。この接続先紹介サーバ3は、配信システムSに参加している放送局装置1及び各ノード装置2の所在情報(例えば、IP(Internet Protocol)アドレス及びポート番号(待ち受けポート番号)等)と、配信システムSにおける放送局装置1とノード装置2及び各ノード装置2間のトポロジー(接続態様)を示すトポロジー情報とを、図示しないデータベースを用いて管理している。そして、当該接続先紹介サーバ3は、未参加のノード装置からの参加要求に対して上記認証を行った後、当該ノード装置に対して接続先となる既参加のノード装置2(ツリー状のトポロジーを考慮して選定される参加済のノード装置2)の所在情報を通知するようになっている。これにより、当該所在情報の通知を受けた(これから配信システムSに参加する)ノード装置は、当該所在情報に基づき、参加済のノード装置2との接続を確立し、これによって当該配信システムSに参加することになる。
【0055】
なお、配信システムSにおけるツリー状のトポロジーは、各ノード装置2に直接接続される下流のノード装置2の最大接続数、バランス(対称性)を考慮して決定されるものであるが、これらに加えて、例えばノード装置2間のローカリティ(ネットワーク10上における近接度(ホップ数(介在するルータ数)が少ないほど高い)等を考慮して決定されるものでもよい。
【0056】
また、参加済のノード装置2の電源がオフとなった場合又は当該ノード装置2に対する通信状態が不良等になった場合等においては、当該ノード装置2は配信システムSから脱退することとなり、これにより、当該脱退したノード装置2に直接接続されていた下流側のノード装置2等は、接続先紹介サーバ3から新たな接続先となる他の参加済のノード装置2の所在情報を取得して接続を確立する必要がある。
【0057】
更にまた、上記ツリー状のトポロジーは、放送局装置1毎、換言すれば、放送チャンネル毎に形成される(すなわち、図1の上部枠100内では、一つの放送チャンネルのみ示している)ようになっており(但し、一つの放送局装置1で複数の放送チャンネルによる放送を賄う場合もある)、例えば参加済のノード装置2においてそのユーザにより放送チャンネルが切り替えられた場合には、当該ノード装置2は、切り替え後の放送チャンネルにおける参加済のノード装置2の所在情報を接続先紹介サーバ3から取得して接続を確立する。
【0058】
(II)本発明に係る秘密分散方式による配信処理等の実施形態
次に、実施形態に係る配信システムSに対して、新たなノード装置がこれに参加するための処理、参加済のノード装置2のいずれかが、当該参加している配信システムSから脱退する際の処理、及び、実施形態に係る秘密分散方式による配信処理について、夫々図2乃至図7を用いて説明する。
【0059】
なお、上記各処理のうち、参加処理及び脱退処理については、従来と同様の処理が実行される。
【0060】
また、図2は配信システムSに対する上記参加処理を示す概念図であり、図3及び4は配信システムSからの上記脱退処理を夫々示す概念図であり、図5乃至図7は実施形態に係る秘密分散方式による配信処理を夫々示す図である。
【0061】
(A)参加処理
先ず、上記参加処理について、図2を用いて説明する。なお、図2に示す例では、放送局装置1を頂点として、ノード装置2a乃至2e並びに2g乃至2lがツリー上に接続されて配信システムSが構成されており、この配信システムSに対して、新たなノード装置2xxが接続先紹介サーバ3と連携して参加する場合を示している。
【0062】
上記参加処理においては、図2に例示するように、先ず新たに参加するノード装置2xxが、接続先紹介サーバ3に対して上流ノード装置紹介要求メッセージMG1を送信する。ここで、当該上流ノード装置とは、ノード装置2xxが配信システムSに参加した後に当該ノード装置2xxに対してコンテンツを配信する場合において、当該新たに参加したノード装置2xxに対してコンテンツに相当するパケットを直接配信することとなる直近上位のノード装置(図2に例示する場合にはノード装置2b)を言う。
【0063】
そして、上記上流ノード紹介要求メッセージMG1を受信した接続先紹介サーバ3は、それが管理しているトポロジ管理情報(接続先紹介サーバ3内の図示しないハードディスク等に蓄積されているトポロジのデータベース)内において、その下流側に他のノード装置2を接続することが可能なノード装置を検索し、その検索結果として発見された上流ノード装置となり得る一又は複数のノード装置2を示すノード装置識別情報等を含む上流ノード候補メッセージMG2を要求元のノード装置2xxへ返信する。
【0064】
次に、当該上流ノード候補メッセージMG2を受信したノード装置2xxは、接続先紹介サーバ3から取得した当該ノード装置識別情報等(すなわち、ノード装置2xxが接続可能なノード装置2の一覧表)の中から一つのノード装置(図2に示す場合はノード装置2b)を選択し、当該ノード装置2bに対して通信回線Lを介して接続要求メッセージMG3を送信する。
【0065】
これにより、当該接続要求メッセージMG3を受信したノード装置2bは、当該ノード装置2b内に蓄積されているノード管理情報(管理テーブル)に対して新たなノード装置2xxを示すノード装置識別情報等を追加し、更に当該ノード装置2xxに対して接続許可応答メッセージMG4を返信する。
【0066】
そして、当該接続許可応答メッセージMG4を受信したノード装置2xxは、最後にノード装置2bに対してストリーム開始要求メッセージMG5を送信する。これにより、当該ストリーム開始要求メッセージMG5を受信したノード装置2bは、その内部にストリーム中継用の例えばオブジェクトを準備し、ノード装置2xxに対してパケットを含むストリームSTの配信(すなわちストリーミング処理)を開始する。
【0067】
以上図を用いて例示しつつ説明した参加処理により、新たなノード装置2xxが配信システムSに参加し、コンテンツの配信を受けることができるようになる。
【0068】
(B)脱退処理
次に、上記脱退処理について、図3及び図4を用いて説明する。なお、図3及び図4に示す例では、放送局装置1を頂点として、ノード装置2a乃至2e並びに2g乃至2lがツリー上に接続されて配信システムSが構成されており、例えばその電源スイッチがオフとされたこと等の理由により、この配信システムSからノード装置2eが脱退する場合を示している。
【0069】
また、以下の説明では、脱退するノード装置2eの直近下流に接続されているノード装置2k及び2lに対する処理が異なる二種類の脱退処理について、夫々図3及び図4を用いて説明する。
【0070】
上記参加処理においては、図3及び図4に例示するように、脱退するノード装置2eは、当該ノード装置2eに対するストリームSTの供給元である上流ノード装置(ノード装置2b)に対して、ストリーム停止要求メッセージMG6及び接続解除要求メッセージMG7を夫々送信する。
【0071】
そして、当該二つの要求メッセージを夫々受信したノード装置2bは、今まで実行させていたストリーム中継用オブジェクトを停止(破棄)することにより、脱退するノード装置2eに対するストリームSTの配信を停止させると共に、これと並行してノード装置2b内のノード管理情報からノード装置2eに係る情報を削除することで、当該ノード装置2eとの接続を断とする。これにより、当該ノード装置2bから脱退するノード装置2eへのストリームSTの配信は停止されるが、ここで、脱退するノード装置2eの直近下流側に他のノード装置(図3及び図4に例示する場合は、ノード装置2k及び2l)が存在していた場合には、以下に説明する二つの方法のうちいずれかを用いて当該下流側のノード装置2に対するストリームSTの配信経路の再生処理を行う。
【0072】
すなわち、当該再生処理の第一例としては、いわゆるタイムアウト方式がある。このタイムアウト方式においては、配信システムSを構成している各ノード装置2(ノード装置2k及び2lを含む)は、それに対応する直近上流側に接続されているノード装置2からのストリームSTの配信状態を常時監視している。そして、予め設定された一定時間当該ストリームSTの配信が途絶したこと(図3において「×」マークにて示す)を契機として直近上流側のノード装置2(2e)が脱退したものと見なし、当該ノード装置2(2e)との接続を断とし、新たな他の上流ノード装置2との接続処理(図2参照)を開始する。
【0073】
次に、当該再生処理の第二例としては、いわゆるイベント通知方式がある。このイベント通知方式においては、配信システムSに参加している各ノード装置2は図3に例示するタイムアウト方式の如き監視処理は実行していない。そして、ノード装置2eが配信システムSとしてのトポロジから脱退する際、上記ストリーム停止要求メッセージMG6及び接続解除要求メッセージMG7を夫々送信すると共に、直近下流に接続されているノード装置2k及び2lに対して、自身が脱退する旨の脱退イベントメッセージMG8を夫々送信する。そして、当該ノード装置2k及び2lは、直近上流側にあったノード装置2eからの上記脱退イベントメッセージMG8を受信すると、当該ノード装置2eとの接続状態を断とし、新たな他の上流ノード装置2との接続処理(図2参照)を開始する。
【0074】
以上夫々説明した処理により、ノード装置2eが脱退した後も、その直近下流にあったノード装置2k及び2lに対するストリームSTの配信が継続されることとなる。
【0075】
(C)秘密分散方式による配信処理
次に、実施形態に係る秘密分散方式による配信処理について、図5乃至図7を用いて説明する。なお、図5に示す配信処理の例では、放送局装置1を頂点として、ノード装置2a乃至2j及び2xxがツリー上に接続されて配信システムSが構成されており、この配信システムSにおいて、ノード装置2xxに対して所望されるコンテンツに相当するストリームSTを上記秘密分散方式により配信する場合について説明する。
【0076】
実施形態に係る秘密分散方式による配信処理において、ノード装置2xxが所望のコンテンツに相当するストリームSTの配信を受ける場合、当該ノード装置2xxは、その直近上流のノード装置2eに対してストリーム開始要求メッセージMG10を出力する。
【0077】
これにより、ノード装置2eは、接続先紹介サーバ3に対して、ノード装置2xxに対するストリームSTの配信を上記秘密分散方式として担うノード装置2(以下、当該秘密分散方式を担うノード装置を、協力ノード装置と称する)の紹介を受けるための協力ノード紹介要求メッセージMG11を出力する。
【0078】
そして、接続先紹介サーバ3は、当該協力紹介要求メッセージMG11に対応して、ノード装置2xxに対してストリームSTの配信が可能な一又は複数のノード装置2を配信システムS内において協力ノード装置として探索し、その探索結果として探索されたノード装置2(図5に例示する場合はノード装置2f及び2j)に対応する所在情報を含む協力ノード候補メッセージMG12をノード装置2eに返信する。
【0079】
次に、ノード装置2eが当該ノード装置2f及び2jを示す所在情報を夫々取得したら、ノード装置2eが後述する方法により動的に生成した配信時刻Tの配信スケジュール情報SCを含む配信協力要求メッセージを、当該ノード装置2f及び2jに夫々送信する。
【0080】
ここで、実施形態に係る秘密分散方式による配信処理では、ノード装置2xxに対して配信すべきコンテンツに相当するストリームSTを時分割的に分割し、当該分割により得られる部分ストリームSTTを、相互に異なるノード装置2からノード装置2xxに配信することにより秘密分散方式を実現する。このため上記配信スケジュール情報SCには、直近上流のノード装置2e並びに各協力ノード装置2f及び2jが夫々ノード装置2xxに配信すべき部分ストリームSTTに含まれるべきパケットを示す情報又は当該パケットの配信タイミングについての情報が記述されており、各協力ノード装置2f及び2j並びにノード装置2e間で異なるものである。
【0081】
すなわち、ノード装置2xxに対しては、一連のストリームSTを分割して得られる各部分ストリームSTT1乃至STT3が、図5に例示するように夫々異なるノード装置2e並びに協力ノード装置2f及び2gから別個独立に送信されることとなる。
【0082】
これらにより、直近上流のノード装置2e並びに協力ノード装置2f及び2gは、夫々の配信スケジュール情報SCに基づき、当該ノード装置2e並びに協力ノード装置2f及び2g夫々が配信を受け持つこととされている部分ストリームSTT1乃至STT3を構成するパケットのみをノード装置2xxに配信する。
【0083】
次に、実施形態に係る配信スケジュール情報SCについて、図6を用いて具体的に説明する。なお、図6(a)は当該配信スケジュール情報SCの具体例を示す図であり、図6(b)は実施形態に係る配信スケジュール情報SCの更新について説明するタイミングチャートである。
【0084】
図5に例示する配信システムSにおけるノード装置2eが動的に生成する上記配信スケジュール情報SCは、図6(a)に例示するように、一つのコンテンツを分割した各部分コンテンツに相当する上記部分ストリームSTT毎の配信スケジュール情報SCである部分配信スケジュール情報40が、当該一つのコンテンツに相当する数だけ含まれて構成されている。
【0085】
そして、一つの部分配信スケジュール情報40は、夫々、配信担当時間情報41と、配信元アドレス情報42と、配信先アドレス情報43と、により構成されている。
【0086】
ここで、配信担当時間情報41は、上記部分コンテンツに相当する部分ストリームSTTを配信する各ノード装置2(そのIPアドレスが配信元アドレス情報42内に記述されている)毎の配信担当時間を示す時間情報である。そして、「配信担当時間」とは、そのノード装置2が配信を受け持つ上記部分ストリームSTTを当該コンテンツの再生時間で示すものである。
【0087】
このとき、当該再生時間において連続する各部分配信スケジュール情報40間においては、夫々の配信担当時間情報41に記述されている配信担当時間の一部が重複する重複時間(図6(a)に例示する場合は1秒)が設けられている。これは、再生時間に基づいて部分ストリームSTTを生成して配信する場合、配信システムSの特性上、配信経路上のノード装置2の脱退等により部分ストリームSTTの配信が一時的に停止し、これにより再生時間で連続する部分ストリームSTT間でパケットの脱落が生じる可能性があることによる。このとき、上記重複時間があれば、当該パケットの脱落が生じても直前の再生時間に相当する部分ストリームSTT又は直後の再生時間に相当する部分ストリームSTTにより当該脱落が補完されることとなる。
【0088】
一方、配信元アドレス情報42は、上記部分ストリームSTTのノード装置2xxへの送出を行なうべきノード装置2(図5に例示する場合はノード装置2e並びに協力ノード2f及び2g)のIPアドレスを示す情報である。
【0089】
更に、配信先アドレス情報43は、各部分ストリームSTTの配信先となるノード装置2(図5に例示する場合はノード装置2xx)のIPアドレスを示す情報である。
【0090】
そして、上述した各部分配信スケジュール情報40が、同一の配信先アドレス情報42によりIPアドレスが示されているノード装置2毎に一纏まりとされ、夫々配信スケジュール情報SCとして当該配信先アドレス情報42によりIPアドレスが示されているノード装置2に送信される。
【0091】
他方、実施形態に係る配信スケジュールSCは、図6(b)に示すように、予め設定された一定の更新間隔T毎にその内容(すなわち、各部分配信スケジュール情報40を構成する各情報の内容)が更新され、その更新の都度協力ノード装置となっているノード装置2に再配布される。そして、連続する更新間隔TS,iとTS,i+1とにおける夫々の配信スケジュール情報SCの内容は、相互に異なるものとされる。
【0092】
より具体的には、図5に例示する直近上流のノード装置2eは、定期的に到来する配信スケジュール情報SCの更新タイミングTC(図6(b)参照)において、図6(a)に例示する配信スケジュール情報SCを動的に生成する。このとき、当該生成された配信スケジュール情報SCには、各更新間隔Tにおける各部分ストリームSTTの配信割り当てを示す部分配信スケジュール情報40が夫々記述されてので、ノード装置2xxへの部分ストリームSTTの配信を担当するノード装置2(図5に例示する場合はノード装置2e並びに協力ノード装置2f及び2j)は、当該更新された配信スケジュール情報SCに従って適切なタイミングに部分ストリームSTTの配信を実行する。
【0093】
ここで、上記更新間隔Tと配信担当時間情報41により示される配信担当時間との関係については、当該配信担当時間は、例えば更新間隔Tを等分して得られる時間とするのが望ましく、更にいずれかの配信担当時間の開始タイミングと上記更新タイミングTCとは一致していることが望ましい。
【0094】
次に、協力ノード装置となるノード装置2の選択に当たっては、ノード装置2xxは、接続先紹介サーバ3から当該協力ノード装置となり得るノード装置2の所在情報を上記協力ノード候補メッセージMG12により複数取得しておき、そのうちの一部を例えばランダムに選択し、上記協力ノード装置として用いる。
【0095】
より具体的には、ノード装置2eは、図7に例示するように、例えば上記配信スケジュール情報SCの更新タイミングTCにおいて、協力ノード候補メッセージMG12により複数取得したノード装置2(例えば図7において二重丸印で示すノード装置2d、2f、2i及び2j)の中からランダムに協力ノード装置(図5に例示する場合はノード装置2f及び2j)を決定する。このように配信スケジュール情報SCの更新タイミングTC毎に協力ノード装置が変更されることで、部分ストリームSTTの配信パターンを第三者が類推し難くすることができる。
【0096】
(III)本発明に係る秘密分散方式により配信処理の変形形態
次に、本発明に係る秘密分散方式による配信処理の変形形態について、図8乃至図10を用いて説明する。
【0097】
(A)第1変形形態
先ず、当該配信処理に係る第1変形形態について、図8を用いて説明する。なお、図8は当該第1変形形態に係る協力ノード装置の探索方法を示す概念図である。また、図8において、図7に示す配信システムSと同一の部材については、同一の部材番号を付して細部の説明は省略する。
【0098】
上述した実施形態においてノード装置2xxに対する部分ストリームSTTの配信処理を実行する協力ノード装置2f及び2jを探索する場合には、接続先紹介サーバ3に対して協力紹介要求メッセージMG11をノード装置2eから送信し、その返信として複数の協力ノード装置となり得るノード装置2の所在情報を取得する構成とした。
【0099】
これに対し、配信先ノード装置であるノード装置2xxの直近上位のノード装置2eが協力ノード装置を探索する他の方法としては、図8に例示するように、接続先紹介サーバ3へ上記協力紹介要求メッセージMG11を送信して問い合わせるのではなく、当該ノード装置2e自体がその時点で認識している他の近隣のノード装置2(例えば、図8において点線で示す範囲に存在しているノード装置2b及び2f等)を探索し、これらを協力ノード装置と独自に決定してもよい。
【0100】
ここで、当該近隣のノード装置2をノード装置2eが探索する具体的な方法としては、例えば、ホップ数制限付きのブロードキャストメッセージMG15を配信システムS内に送信することで、ノード装置2e自身の上流側に接続されているノード装置2や下流側に接続されているノード装置2を介して近隣に存在する他のノード装置2を探索することができる。このとき、上記ホップ数とは、当該ノード装置2eと対象となるノード装置2の間でデータやメッセージ等を授受するに当たって経由すべきルータ又は他のノード装置2の数を言う。
【0101】
(B)第2変形形態
次に、当該配信処理に係る第2変形形態について、図9を用いて説明する。なお、図9は当該第2変形形態に係る配信スケジュール情報の内容を例示する図である。また、図9において、図6に示す配信スケジュール情報SCと同一の部材については、同一の部材番号を付して細部の説明は省略する。
【0102】
上述した実施形態において、一つのコンテンツを分割して得られる部分コンテンツに相当する部分ストリームSTTに対応する部分配信スケジュール情報40同士は配信担当時間情報41により示される配信担当時間により区分されていたが、図9に例示するように、元のコンテンツに相当するストリームSTを構成する各パケットに付与されているパケット番号を用いて区分される部分配信スケジュール情報50により、当該コンテンツに対応する配信スケジュール情報SCPを構成しても良い。
【0103】
この場合、一つの部分配信スケジュール情報50としては、図6に例示する実施形態の場合と同様の配信元アドレス情報42及び配信先アドレス情報43に加えて、各部分配信スケジュール情報50が配布される協力ノード装置から配信されるべき部分ストリームSTTを構成すべきパケットのパケット番号(図9における「xxxx000〜xxxx199」等)を示す配信パケット番号情報51を含むこととなる。
【0104】
また、配信スケジュール情報SCPを更新するタイミングとの関係では、当該配信スケジュール情報SCPについての更新期間を更新期間Pとすると、当該更新期間Pに配信されるべき全パケットを例えば等分して得られるパケット群を、一つの部分配信スケジュール情報50により示されるパケット群とすることが望ましい。
【0105】
なお、図9に示す変形形態の場合は、パケット番号により部分配信スケジュール情報50が区別されているので、図6に例示する実施形態に係る場合の如き重複部分は不要である。
【0106】
(C)第3変形形態
最後に、当該配信処理に係る第3変形形態について、図10を用いて説明する。なお、図10は当該第3変形形態に係る各協力ノード装置からの配信開始タイミングを例示する図である。
【0107】
上述した実施形態においては、各部分配信スケジュール情報40により示される部分ストリームSTTを、当該部分配信スケジュール情報40内の配信担当時間情報41により示されるタイミングで対応する協力ノード装置2f又は2jから配信することとした。しかしながら、これに代えて、上記第2変形形態に係る配信スケジュールSCP(図9参照)を用いて部分ストリームSTTを配信する場合において、各部分ストリームSTTの配信先であるノード装置2xxが図9に例示する更新期間Pに相当するパケットをバッファリング(一時記憶)する機能を有するとき、直近上流のノード装置2及び協力ノード装置として機能するノード装置2が、ノード装置2xxに対して現在の再生タイミング(図10において符号「TPlay」で示される再生タイミング)が属する更新期間PS,iに後続する更新時間PS,i+1を超えない時間範囲内で、ランダムに夫々が担当する部分ストリームSTTの配信開始タイミングをずらして配信することも可能である。
【実施例】
【0108】
次に、上述した実施形態及び各変形形態に係る配信処理を実行する際の具体的な実施例について、放送局装置1、各ノード装置2及び接続先紹介サーバ3夫々の構成の実施例と共に、図11乃至図21を用いて説明する。
【0109】
(I)第1実施例
始めに、上述した実施形態に係る実施例について、具体的に図11乃至図16を用いて説明する。
【0110】
なお、図11は放送局装置1の細部構成例を示すブロック図であり、図12は各ノード装置2の細部構成例を示すブロック図であり、図13は接続先紹介サーバ3の細部構成例を示すブロック図である。また、図14乃至図16は実施形態に係る各ノード装置2夫々において実行される処理を示すフローチャートであり、図17は実施形態に係る接続先紹介サーバ3において実行される処理を示すフローチャートである。
【0111】
始めに、第1実施例に係る放送局装置1の概要構成及び概要動作について、図11を用いて説明する。
【0112】
図11に示すように、第1実施例に係る放送局装置1は、演算機能を有するCPU、作業用RAM並びに各種データ及びプログラム(OS(オペレーティングシステム)及び各種アプリケーションを含む)を記憶するROM等から構成された決定手段、生成手段及び配信手段としての制御部11と、上記部分ストリームSTT等のコンテンツデータ(パケット)を記憶保存するためのHDD等から構成された記憶部12と、暗号鍵を用いてコンテンツデータを暗号化するための暗号化用アクセラレータ13と、コンテンツデータを規定のデータ形式へ変換するエンコーダ部14と、通信回線L等を介してノード装置2等との間の情報の通信制御を行うための送信手段及び取得手段としての通信部15と、使用者(オペレータ)からの指示を受け付け当該指示に応じた指示信号を制御部11に対して与える入力部(例えば、キーボード、マウス等)16と、を備えて構成され、これらの構成要素は、バス17を介して相互に接続されている。
【0113】
この構成において、制御部11は、CPUが記憶部12等に記憶されたプログラムを実行することにより放送局装置1全体を統括制御し、記憶部12に記憶保存されたコンテンツデータのデータ形式をエンコード部14を用いて変換した後、暗号鍵を用いて暗号化用アクセラレータ13により暗号化させ、当該コンテンツデータを所定のデータ量に分割して連続する複数の上記パケットを生成し、これを通信部15を介してノード装置2(図1の上部枠100内の例では、ノード装置2a及び2b)に対してストリーム配信するようになっている。
【0114】
なお、各データパケットのペイロード部には、そのコンテンツデータの先頭から連続するパケット番号が記述されている。
【0115】
また、制御部11は、当該コンテンツデータの配信先を、記憶部12に記憶された接続態様テーブルを参照して決定する。この接続態様テーブルには、少なくとも、放送局装置1と接続されるノード装置2(言い換えれば、コンテンツデータの配信先であるノード装置2)のIPアドレス及びポート番号が記述されている。
【0116】
次に、第1実施例に係る各ノード装置2の概要構成及び概要動作について、図12を用いて説明する。
【0117】
図12に示すように、第1実施例に係るノード装置2は、演算機能を有するCPU、作業用RAM、各種データ及びプログラム(OS(オペレーティングシステム)及び各種アプリケーションを含む)を記憶するROM等から構成された制御部21と、各種データ及びプログラム等を記憶するHDD等から構成された記憶部22と、受信したコンテンツデータを一時的に蓄積(記憶)するバッファメモリ23と、バッファメモリ23に蓄積された暗号化されたコンテンツデータを復号鍵を用いて復号化するための復号化アクセラレータ24と、復号化されたコンテンツデータに含まれるビデオデータ及びオーディオデータ等をデコード(データ伸張等)して再生するデコーダ部25と、当該再生されたビデオデータ等に対して所定の描画処理を施し映像信号として出力する映像処理部26と、当該映像処理部26から出力された映像信号に基づき映像表示するCRT、液晶ディスプレイ等の表示部27と、上記再生されたオーディオデータをアナログ音声信号にD(Digital)/A(Analog)変換した後これをアンプにより増幅して出力する音声処理部28と、当該音声処理部28から出力された音声信号を音波として出力するスピーカ29と、通信回線L等を介して放送局装置1や他のノード装置2等との間の通信制御を行うための通信部29aと、使用者(視聴者)からの各種指示に対応する指示信号を制御部21に対して出力する入力部(例えば、マウス、キーボード、操作パネル或いはリモコン等)29bと、ICカード29eに対する情報の読み書きを行うICカードスロット29cと、を備えて構成され、制御部21、記憶部22、バッファメモリ23、復号化アクセラレータ24、デコーダ部25、通信部29a、入力部29b及びICカードスロット29cは、バス29eを介して相互に接続されている。なお、ノード装置2としては、例えば、STB(Set Top Box)やパーソナルコンピュータが適用可能である。
【0118】
ここで、ICカード29eは、耐タンパ性があり(つまり、非正規な手段による機密データの読み取りを防ぎ、簡単に解析できないようにタンパリング対策が施されており)、例えば、配信システムSの運営者等から各ノード装置2の使用者に配布されるものである。このICカード29eは、CPUからなるICカードコントローラ、耐タンパ性のある不揮発性メモリ(例えば、EEPROM)等を備えて構成されており、当該不揮発性メモリには、ユーザID、暗号化されたコンテンツデータを復号化するための復号鍵及びデジタル証明書等が記憶されている。ここで、当該デジタル証明書は、ノード装置2が配信システムSに参加する際に、上述した上流ノード装置紹介要求メッセージMG1(当該ノード装置2の所在情報が含まれる)と共に接続先紹介サーバ3に送信される。
【0119】
一方、バッファメモリ23は、例えばFIFO(First In First Out)形式のリングバッファメモリから構成されており、制御部21の制御下、受信ポインタにより示される記憶領域に通信部29aを通じて受信されたコンテンツデータを一時的に蓄積する。
【0120】
このとき、制御部21は、それに含まれるCPUが記憶部22等に記憶されたプログラムを読み出して実行することによりノード装置2全体を統括制御し、上流から配信されてきた複数のパケットを通信部29aを通じて受信してバッファメモリ23に書き込み、且つ、当該バッファメモリ23に蓄積されているパケット(一定時間過去に受信されたパケット)を読み出して通信部29aを通じて下流のノード装置2に送信(転送)する。これに加えて、バッファメモリ23は、再生ポインタにより示される当該バッファメモリ23の記憶領域に蓄積されているパケットを読み出し、バス29dを介して復号化アクセラレータ24やデコーダ部25に出力する。
【0121】
なお、上記プログラムは、例えば、ネットワーク10上の所定のサーバからダウンロードされるようにしてもよいし、例えば、CD−ROM等の記録媒体に記録されて当該記録媒体のドライブを介して読み込まれるようにしてもよい。
【0122】
最後に、第1実施例に係る接続先紹介サーバ3の概要構成及び概要動作について、図13を用いて説明する。
【0123】
図13に示すように、第1実施例に係る接続先紹介サーバ3は、演算機能を有するCPU,作業用RAM,各種データ及びプログラム(OS(オペレーティングシステム)及び各種アプリケーションを含む)を記憶するROM等から構成された制御部35と、各種データ等を記憶保存するためのHDD等から構成された記憶部36と、ネットワーク10を通じてノード装置2等との間の情報の通信制御を行うための通信部37と、を備えて構成され、これらの構成要素は、バス38を介して相互に接続されている。
【0124】
この構成において、記憶部36内には、配信システムSに参加している放送局装置1及び各ノード装置2の所在情報と、配信システムSにおける放送局装置1とノード装置2及び各ノード装置2間のトポロジー情報と、が記憶されたデータベースが蓄積・記憶されている。
【0125】
そして、制御部35は、それに含まれるCPUが記憶部36等に記憶されたプログラムを実行することにより接続先紹介サーバ3全体を統括制御し、未参加のノード装置(例えば、図2に例示するノード装置2xx)から上記上流ノード装置紹介要求メッセージMG1が送信されてきたとき、上述した認証処理、例えば参加要求に付加されたデジタル証明書の有効性の判定処理等を行い、有効であれば、当該ノード装置の所在情報とデジタル証明書のダイジェスト(例えば、デジタル証明書を所定のハッシュ関数でハッシュ化したハッシュ値)を上記データベースに記憶する。
【0126】
また、制御部35は、上記認証が有効であった場合に、上記上流ノード装置紹介要求メッセージMG1を送信して来たノード装置に対して、接続先候補となる複数の上流ノード装置の所在情報及び階層レベル情報(つまり、当該上流ノード装置が、第何階層に存在するかを示す情報)を含む上記上流ノード候補メッセージMG2を通信部37を通じて送信する。そして、当該上流ノード候補メッセージMG2を受信したノード装置においては、接続先候補となる複数の上流ノード装置の配信システムS内でのネットワーク近接度が比較され、最も近い位置に存在する上流ノード装置が選定されて、当該上流ノード装置に対して接続要求が行われ接続が確立されることになり、接続が確立された上流ノード装置の所在情報が接続先紹介サーバ3に対して送信(返信)される。これに対して、制御部35は、当該ノード装置に関するトポロジー情報を上記データベースに記憶する。
【0127】
次に、上述した構成を備えるノード装置2及び接続先紹介サーバ3における第1実施例に係る処理について、具体的に図14乃至図17を用いて説明する。なお、放送局装置1は、本発明においても従来の配信システム内における放送局装置1と同様の処理を行うため、ここでは説明を省略する。
【0128】
先ず、配信システムSに係るノード装置2における処理について、図14乃至図16を用いて説明する。ここで、第1実施例に係る各ノード装置2においては、全て、図14乃至図16に示す処理と同一の処理が夫々に実行されている。これにより、一つのノード装置2が、実施形態に係る部分ストリームSTTの配信先ノード装置、当該部分ストリームSTTの配信元となる直近上流のノード装置2又は協力ノード装置のいずれにもなり得るのである。
【0129】
また、図14においては、第1実施例に係る各ノード装置2において実行される上記参加処理(ステップS1乃至S9)から、受信したパケットの中継処理及び再生処理(ステップS10乃至S16)までを説明する。
【0130】
図14に示すように、第1実施例に係る各ノード装置2において、その電源スイッチがオンとされると、最初に当該ノード装置2内に記憶されているプログラムや各構成部材夫々が初期化される(ステップS1)。
【0131】
そして、当該初期化が完了すると、次に、当該ノード装置2が新たに配信システムSに参加するか否かが確認され(ステップS2)、新たに参加する場合には(ステップS2;YES)、上記参加処理を開始すべく上流ノード装置紹介要求メッセージMG1を接続先紹介サーバ2に出力する(ステップS3。図2参照)。
【0132】
その後、電源スイッチがオフとされたか否かを確認し(ステップS4)、オフとされているときは(ステップS4;YES)そのまま第1実施例に係る処理を停止し、一方未だオフとされていないときは(ステップS4;NO)、再度上記ステップS2の処理に戻る。
【0133】
次に、今回のステップS2の処理としては既に当該ノード装置2は配信システムSに参加しているので(ステップS2;NO)、次に、上記出力した上流ノード装置紹介要求メッセージMG1に対応する返信として、接続先紹介サーバ3から上記上流ノード候補メッセージMG2を受信したか否かを監視する(ステップS5)。
【0134】
そして、当該上流ノード候補メッセージMG2を受信した場合は(ステップS5;YES)、当該上流ノード候補メッセージMG2の中から接続対象となる他のノード装置2を選択し、その選択したノード装置2に対していわゆるNAT(Network Address Translation)越え処理を実行する(ステップS6)。
【0135】
ここで、当該NAT越え処理とは、異なるネットワークセグメント間でパケットの授受を実行するため、ネットワークセグメント毎に設定されているゲートウエイを越える処理を実行するものである。
【0136】
当該NAT越え処理が完了したら、次に、実際のパケットの配信を受けるべく、当該NAT越え処理の対象となったノード装置2に対して、上記接続要求メッセージMG3及びストリーム開始要求メッセージMG5を段階的に送信する(ステップS7、S8)。このとき、当該接続要求メッセージMG3及びストリーム開始要求メッセージMG5には、夫々、自らが属しているLAN(Local Area Network)におけるゲートウエイの例えばMAC(Media Access Control)アドレスと、当該ノード装置2がパケットを受信する際に用いられる暗号通信方式に関する情報等が添付されている。
【0137】
その後、接続先紹介サーバ3に対して配信システムSのトポロジに対する参加報告メッセージを送信し(ステップS9)、その後上記ステップS4の処理に移行する。
【0138】
一方、上記ステップS5の判定において、配信システムSに対する参加処理が完了しているときは(ステップS5;NO)、次に、当該参加後に新たなパケットを上流側の他のノード装置2から受信したか否かを確認する(ステップS10)。
【0139】
そして、当該上流側のノード装置2からパケットを受信していない場合(ステップS10;NO)は後述の図15に示す処理に移行し、受信した場合には(ステップS10;YES)、次に、当該ノード装置2に対して下流側に接続されている他のノード装置2が存在しているか否かを確認し(ステップS11)、当該下流側のノード装置2が存在している場合は(ステップS11;YES)、更に当該下流側のノード装置2が第1実施例に係る部分ストリームSTTの配信先であるか否かを、例えば自身が上記配信スケジュール情報SCの一部としての部分配信スケジュール情報40を受信しているか否か等により確認する(ステップS12)。
【0140】
これにより、下流側のノード装置2が部分ストリームSTTの配信先であるときは(ステップS12;YES)、上記部分配信スケジュール情報40に記述されているスケジュールに則って当該配信先のノード装置2に対して必要なパケットを転送する(ステップS13)。これに対し、下流側のノード装置2が部分ストリームSTTの配信先でない場合は(ステップS12;NO)、無条件に受信したパケットを転送する(ステップS17)。更に、下流側にノード装置2が存在しない場合には(ステップS11;NO)、上記ステップS12、S13及びS17の処理は夫々スキップされる。
【0141】
次に、上記各パケットの配信(ステップS13又はS17)を実行しつつ、当該下流側のノード装置2以外に部分ストリームSTTの配信対象である他のノード装置2があるか否かを確認する(ステップS14)。そして、当該他のノード装置2が存在する場合は(ステップS14;YES)、上記ステップS13の処理と同様に部分配信スケジュール情報40に記述されているスケジュールに則って当該他のノード装置2へパケットを転送する(ステップS15)。
【0142】
そして最後に、受信していたパケットを自らのデコーダ部25へ出力し、復号したコンテンツを映像処理部26及び音声処理部28を用いて再生し(ステップS16)、その後上記ステップS4の処理に移行する。なお、上記ステップS14の判定において、部分ストリームSTTの配信対象である他のノード装置2が存在しない場合は(ステップS14;NO)、そのまま上記ステップS16の処理に移行する。
【0143】
次に、上記ステップS10の処理において、上流側のノード装置2からパケットを受信していない場合(ステップS10;NO)以降の処理について、図15を用いて説明する。なお、図15においては、第1実施例に係る各ノード装置2において実行される上記脱退処理(ステップS20乃至S23)、当該ノード装置2の下流側において新たに参加する他のノード装置2の当該参加処理及び脱退処理(ステップS24乃至S27)並びに第1実施例に係る部分ストリームSTTの配信開始から終了までの処理(ステップS26乃至S37)について夫々説明する。
【0144】
図14に示すステップS10の判定において、パケットを受信していないときは(ステップS10;NO)、図15に示すように、パケット受信待ちの状態でノード装置2において配信システムSから脱退する旨の操作が為されたか否かを確認する(ステップS20)。
【0145】
ステップS20の監視処理中において当該脱退する旨の操作が為されたときは(ステップS20;YES)、その時点で接続されている直近上流のノード装置2に対してストリーム停止要求メッセージMG6及び接続解除要求メッセージMG7を夫々送信する(ステップS21、S22)。そして、接続先紹介サーバ3に対して配信システムSのトポロジから脱退した旨の脱退報告メッセージを送信して(ステップS23)、図14に示すステップS4の処理に移行する。
【0146】
一方、ステップS20の判定において、脱退する旨の操作が為されていないときは(ステップS20;NO)、次に、当該操作の監視中において下流側に接続されている他のノード装置2から新たな接続要求メッセージMG3又は接続解除要求メッセージMG7が送信されてきているか否かを夫々確認する(ステップS24、S26)。
【0147】
これにより、当該接続要求メッセージMG3が送信されて来ているときは(ステップS24;YES)、当該接続要求メッセージMG3に対応して当該下流側の他のノード装置2の所在情報をノード管理情報内に追加(登録)することで当該下流側の他のノード装置2に対する接続処理を実行して(ステップS25)、図14に示すステップS4の処理に移行する。
【0148】
一方、ステップS24の判定において、新たな接続要求メッセージMG3は受信していないが(ステップS24;NO)、新たな接続解除要求メッセージMG7を受信しているときは(ステップS26;YES)、当該接続解除要求メッセージMG7に対応して当該下流側の他のノード装置2の所在情報をノード管理情報から削除ことで当該下流側の他のノード装置2の削除処理を実行して(ステップS27)、図14に示すステップS4の処理に移行する。
【0149】
他方、ステップS26の判定において、新たな接続解除要求メッセージMG7も受信していないときは(ステップS26;NO)、次に、下流側に接続されている他のノード装置2から上記ストリーム開始要求メッセージMG5を受信しているか否かを確認する(ステップS28)。
【0150】
そして、当該ストリーム開始要求メッセージMG5を受信しているときは(ステップS28;YES)、当該ストリーム開始要求メッセージMG5に含まれていた当該他のノード装置2に対応するゲートウエイのMACアドレス及び暗号通信方式に関する情報等に基づき、当該他のノード装置2に対して第1実施例に係る部分ストリームSTTの配信を実施する際の実施レベル、すなわち、一つのコンテンツに相当するストリームSTを分割して第1実施例に係る秘密分散方式の配信処理を実行する際の分割数を決定する(ステップS29)。
【0151】
ここで、本発明において上記「分割数」とは、一つのコンテンツに相当するストリームSTを分割した後に得られる部分ストリームSTTの数を言い、例えば本発明に係る秘密分散方式の配信処理において上記ストリームSTを二分割する場合、当該分割数は「2」となり、当該ストリームSTを三分割する場合、当該分割数は「3」となる。なお、当該秘密分散方式の配信処理を実行しない(すなわち、ストリームSTを分割しない)場合の当該分割数は「1」である。
【0152】
次に、第1実施例に係る分散ストリーミングを実施するか否か(すなわち、上記ステップS27の処理における分割数が「1」か、又は「2」以上か)を確認し(ステップS30)、当該分散ストリーミングを実施する場合には(ステップS30;YES)、上記上流ノード装置紹介要求メッセージMG1を接続先紹介サーバ3に送信して(ステップS31)図14に示すステップS4の処理に移行する。一方、ステップS30の判定において、分散ストリーミングを行わない、すなわち、ストリームSTを分割しないときは(ステップS30;NO)、通常のストリームSTとしてパケットを下流側の他のノード装置2に配信して(ステップS35)、図14に示すステップS4の処理に移行する。
【0153】
他方、ステップS28の判定において、ストリーム開始要求メッセージMG5を受信していないときは(ステップS28;NO)、次に、上記上流ノード装置紹介要求メッセージMG1に対する返信としての上記協力ノード候補メッセージMG12を接続先紹介サーバ3から受信しているか否かを確認する(ステップS32)。
【0154】
そして、当該協力ノード候補メッセージMG12を受信しているときは(ステップS32;YES)、その協力ノード候補メッセージMG12に含まれている協力ノード装置の候補となるノード装置2の中から複数のノード装置2を当該協力ノード装置として選び(図5参照)、後ほど詳述する処理により第1実施例に係る配信スケジュール情報SCを生成する(ステップS33)。
【0155】
次に、当該生成した配信スケジュール情報SCの一部としての部分配信スケジュール情報40を一又は複数含む上記配信協力要求メッセージをステップS33の処理において選択されている協力ノード装置としてのノード装置2に送信し(ステップS34)、第1実施例に係る秘密分散方式のパケット配信(部分ストリームSTTとしての配信)を開始して(ステップS35)図14に示すステップS4の処理に移行する。
【0156】
更に、ステップS32の判定において、協力ノード候補メッセージMG12も受信していないときは(ステップS32;NO)、次に、下流側の他のノード装置2から上記ストリーム停止要求メッセージMG6を受信しているか否かを確認する(ステップS36)。そして、当該ストリーム停止要求メッセージMG6も受信していないときは(ステップS36;NO)、後述の図16に示す処理に移行し、一方当該ストリーム停止要求メッセージMG6を受信した場合には(ステップS36;YES)、次に現在部分ストリームSTTの配信中であるか否かを判定し(ステップS37)、当該配信中である場合には(ステップS37;YES)、当該部分ストリームSTTを配信中の他の協力ノード装置に対して配信停止要求メッセージを送信する(ステップS38)。そして、下流側の他のノード装置2に対する配信停止して(ステップS39)図14に示すステップS4の処理に移行する。
【0157】
なお、ステップS37の判定において、部分ストリームSTTの配信中でないときは(ステップS37;NO)、そのまま上記ステップS39へ移行する。
【0158】
次に、上記ステップS36の判定においてストリーム停止要求メッセージMG6も受信していない場合(ステップS36;NO)以降の処理について、図16(a)を用いて説明する。なお、図16(a)においては、第1実施例に係る配信スケジュール情報SCの更新処理(ステップS40乃至S42)並びに部分ストリームSTTの配信開始及び停止に係る処理(ステップS43乃至S48)について、夫々説明する。
【0159】
図15に示すステップS36の判定において、ストリーム停止要求メッセージMG6も受信していないときは(ステップS36;NO)、図16に示すように、部分ストリームSTTの配信中において、図6(b)に示す更新タイミングTCが到来したか否かを確認する(ステップS40)。
【0160】
そして、当該更新タイミングTCが到来したときは(ステップS40;YES)、その度に上記ステップS33と同様の方法(後述)を用いて新たな配信スケジュール情報SCを生成し(ステップS41)、当該新たに生成した配信スケジュール情報SCを構成する各部分配信スケジュール情報40を、当該各部分配信スケジュール情報40に基づいて部分ストリームSTTを配信すべき現在の協力ノード装置に配信し(ステップS42)、図14に示すステップS4の処理に移行する。なおこのとき、当該更新された部分配信スケジュール情報40を受信した協力ノード装置は、今まで使用していた部分配信スケジュール情報40を、その新たな部分配信スケジュール情報40に差し替えて(後記ステップS48参照)以後の部分ストリームSTTの配信に用いる。
【0161】
一方、未だ更新タイミングTCが到来していないときは(ステップS40;NO)、次に、上記配信協力要求メッセージを受信したか否かを確認する(ステップS43)。そして、当該配信協力要求メッセージを受信しており且つ自身が協力ノード装置になり得る機能を有している(より具体的には、自身がストリームSTとしてのパケットの配信を受けている)ときは(ステップS43;YES)、自身が配信を担当する部分ストリームSTTに相当する部分配信スケジュール情報40内に記述されている配信先となるノード装置2に係る所在情報を自身のノード管理情報内に記述し(ステップS44)、図14に示すステップS4の処理に移行する。
【0162】
他方、ステップS43の判定において、配信協力要求メッセージを受信していないときは(ステップS43;NO)、次に、配信停止要求メッセージを受信したか否かを確認する(ステップS45)。そして、当該配信停止要求メッセージを受信したときは(ステップS45;YES)、現在の部分ストリームSTTの配信先となっているノード装置2に係る所在情報を自身のノード管理情報から削除し(ステップS46)、図14に示すステップS4の処理に移行する。
【0163】
更に、ステップS45の判定において、配信停止要求メッセージも受信していないときは(ステップS45;NO)、最後に、新たな配信スケジュール情報SC(部分配信スケジュール情報40)を受信したか否かを確認する(ステップS47)。そして、当該配信スケジュール情報SC(部分配信スケジュール情報40)を受信したときは(ステップS47;YES)、今まで使用していた部分配信スケジュール情報40を新たな部分配信スケジュール情報40で差し替え(ステップS48)以後の部分ストリームSTTの配信に用いつつ図14に示すステップS4の処理に移行する。なお、ステップS47の判定において、当該配信スケジュール情報SCも受信していないときは(ステップS47;NO)、そのまま図14に示すステップS4の処理に移行する。
【0164】
次に、各ノード装置2における処理の説明の最後として、図15に示すステップS31及び図16(a)に示すステップS41において実行される配信スケジュール情報SCの生成処理について、具体的に図16(b)を用いて説明する。
【0165】
図16(b)に示すように、当該配信スケジュール情報SCの生成処理としては、先ず、更新間隔Tを決定する(ステップS50)。
【0166】
次に、部分ストリームSTTの配信を担当する直近上流側のノード装置2と、協力ノード装置となるノード装置2と、に対して、上記更新間隔Tの時間範囲内で上記更新タイミングTCを何回割り振れるか(すなわち、何回スケジューリングできるか)を示す更新回数Rを決定する(ステップS51)。ここで、当該更新間隔T及び更新回数Rは、いずれも例えばランダムに決定することができる。
【0167】
そして、更新間隔T及び更新回数Rが夫々決定されたならば、次に、更新間隔Tを{(協力ノード数装置の数+1)×R}で分割し、上記更新間隔Tを分割した分割スロット(すなわち、一つの部分配信スケジュール情報40に相当する分割スロット)を生成する(ステップS52)。
【0168】
次に、当該生成された各分割スロットに対して、当該分割スロットに対応する部分配信スケジュール情報40により配信スケジュールが示される部分ストリームSTTの配信を担うノード装置2(すなわち、協力ノード装置としてのノード装置2及び上記直近上流側のノード装置2)を割り当て(ステップS53)、当該割り当てられた個々のノード装置2毎の部分配信スケジュール情報40を生成して配信スケジュール情報SCを完成させる(ステップS54)。
【0169】
次に、第1実施例に係る接続先紹介サーバ3における処理について、具体的に図17を用いて説明する。
【0170】
当該第1実施例に係る接続先紹介サーバ3においては、図17に示すように、当該接続先紹介サーバ3としての電源スイッチがオンとされると、最初に当該接続先紹介サーバ3内に記憶されているプログラムや各構成部材夫々が初期化され、各ノード装置2や放送局装置1からのメッセージ受信を可能とする(ステップS60)。
【0171】
そして、当該初期化が完了すると、次に、新たな放送局装置1からの登録要求メッセージ又は配信システムS内に既存の放送局装置1からの削除要求メッセージを受信したか否かを確認し(ステップS61)、いずれかを受信すると(ステップS61;YES)、新たな放送局装置1の登録の場合はその所在情報を上記データベース内に登録し、更に新しいチャンネルの情報等をトポロジのデータベース内に登録する。既存の放送局装置1の削除の場合は、当該放送局装置1の所在情報等を上記データベース内から削除し、更に該当するチャンネル情報をトポロジのデータベース内から削除する(ステップS62、S63)。
【0172】
その後、接続先紹介サーバ3としてのサービスを停止するか否かを確認し(ステップS64)、停止する場合は(ステップS64;YES)そのまま接続先紹介サーバ3の電源をオフとして処理を終了する。一方、ステップS64の判定において、引き続き当該サービスを継続する場合は(ステップS64;NO)、上記ステップS61に戻って上述した処理を繰り返す。
【0173】
他方、上記ステップS61の判定において、放送局装置1からの登録要求メッセージ及び削除要求メッセージのいずれも受信していないときは(ステップS61;NO)、次に、新たに配信システムSに参加するノード装置から上記上流ノード紹介要求メッセージMG1を受信したか否かを確認する(ステップS65)。
【0174】
これにより、当該上流ノード紹介要求メッセージMG1を受信しているときは(ステップS65;YES)、蓄積されているトポロジのデータベースから当該上流ノード紹介要求メッセージMG1を送信してきたノード装置をその下流側に接続することが可能なノード装置2(例えば、図2の例ではノード装置2b)の候補を検索し(ステップS66)、検索された候補に該当するノード装置2の所在情報等を、上記上流ノード候補メッセージMG2として要求元のノード装置へ返信し(ステップS67)、上記ステップS64の処理に移行する。
【0175】
これに対し、ステップS65の判定において、上流ノード紹介要求メッセージMG1を受信していないときは(ステップS65;NO)、次に、いずれかのノード装置2から上記参加報告メッセージ(図14ステップS9参照)又は脱退報告メッセージ(図15ステップS23参照)を受信したか否かを確認する(ステップS67)。
【0176】
そして、当該参加報告メッセージ又は脱退報告メッセージを受信したときは(ステップS67;YES)、当該受信した報告メッセージの内容に基づいてトポロジの変更があったと判断し、夫々の当該内容に基づいてトポロジのデータベースを更新し(ステップS69)、上記ステップS64の処理に移行する。
【0177】
最後に、上記ステップS68の判定において、参加報告メッセージ又は脱退報告メッセージのいずれも受信していないときは(ステップS68;NO)、更に上記協力ノード紹介要求メッセージMG11を受信したか否かを確認する(ステップS70)。
【0178】
そして、当該協力ノード紹介要求メッセージMG11を受信したときは(ステップS70;YES)、自身のトポロジのデータベースの中において部分ストリームSTTの下流側への配信が可能なノード装置2の候補を複数検索し(ステップS71)、検索された候補に該当するノード装置2の所在情報等を、上記協力ノード候補メッセージMG12として要求元のノード装置2(配信先のノード装置2に対して直近上流側にあるノード装置2)へ返信し(ステップS72)、上記ステップS64の処理に移行する。なお、ステップS70の判定において、協力ノード紹介要求メッセージMG11も受信していないときは(ステップS70;NO)、そのまま上記ステップS64の処理に移行する。
【0179】
(II)第2実施例
次に、上述した第1変形形態に係る実施例である第2実施例について、具体的に図18及び図19を用いて説明する。
【0180】
なお、図18及び図19は、第2実施例に係るノード装置2において実行される処理の一部を示すフローチャートであり、夫々、上記第1実施例に係るノード装置2の処理における図15に示すフローチャート(図18)及び図16(a)に示すフローチャート(図19)に相当するフローチャートである。また、図18及び図19においては、対応する図15及び図16(a)に示すフローチャートと同様の処理については、同様のステップ番号を付して細部の説明は省略する。
【0181】
第1変形形態に係るノード装置2(図8参照)においては、上述したように、直近上流側に接続されているノード装置2自体が、その時点で認識している他の近隣のノード装置2(例えば、図8において点線で示す範囲に存在しているノード装置2b及び2f等)を探索し、これらを協力ノード装置と独自に決定する点に特徴がある。
【0182】
このため、第2実施例に係るノード装置2においては、第1実施例と同様の図14に示すステップS10の判定において、パケットを受信していないときは(ステップS10;NO)、第1実施例に係るステップS20乃至S30と同様の処理を実行する(図15参照)。
【0183】
ここで、ステップ30に着目し、部分ストリームSTTの配信を開始する場合には(ステップS30;YES)、次に、自身と既に接続済みの他のノード装置2(上流側に接続されている他のノード装置2及び下流側に接続されている他のノード装置2を含む)に対して接続可否問診メッセージを送信しつつ(ステップS75)、制御部21内の図示しない接続可能応答メッセージ受信タイマを起動する(ステップS76)。
【0184】
そして、当該タイマの起動後において、他のノード装置2から上記接続可否問診メッセージに対応する接続可能応答メッセージを受信したか否かを確認し(ステップS77)、当該接続可能応答メッセージを受信したときは(ステップS77;YES)、当該接続可能応答メッセージを送信してきた他のノード装置2を協力ノード装置の候補として登録しておく(ステップS78)。
【0185】
一方、ステップS77の判定において、接続可能応答メッセージを受信していないときは(ステップS77;NO)、上記ステップS76の処理において起動したタイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS79)。そして、当該タイマがタイムアウトしていない場合は(ステップS79;NO)、そのまま上記ステップS36の処理に移行し、一方タイムアウトしたときは(ステップS79;YES)、登録済み(ステップS78参照)の協力ノードの候補の中から実際に利用する協力ノード装置を絞り込み(ステップS80)、当該絞り込んだノード装置群に対応して必要となる配信スケジュール情報SC(部分配信スケジュール情報40)を生成する(ステップS33)。これ以後は、当該協力ノード装置となるノード装置2に対して上記配信協力要求メッセージを送信して部分ストリームSTTの配信を開始させる(ステップS34、S35)。
【0186】
一方、図19に移行して、図18に示すステップS36の判定においてストリーム停止要求メッセージMG6も受信していないときは(ステップS36;NO)、第1実施例に係るステップS40乃至S48と同様の処理を実行する(図16参照)。
【0187】
そして、ステップS47の判定において、配信スケジュール情報SCも受信していないときは(ステップS47;NO)、次に、他のノード装置2から上記接続可否問診メッセージを受信したか否かを確認する(ステップS85)。
【0188】
そして、当該接続可否問診メッセージを受信した場合は(ステップS85;YES)、自身の下流側に新たにノード装置2を接続できるか否かを判定し(ステップS86)、接続が可能であるならば(ステップS86;YES)、上記接続可否問診メッセージの発信元のノード装置2に対して上記接続可能応答メッセージを送信して(ステップS87)以後のステップS88の処理に移行する。
【0189】
一方、ステップS86の判定において、通信帯域の不足により下流側に新たなノード装置2を接続する余力が無い場合には(ステップS86;NO)、そのまま上記接続可能応答メッセージを送信することなくステップS88の処理に移行する。
【0190】
次に、上記接続可否問診メッセージのペイロード部分に記述されているホップカウンタを参照し、現在のカウンタ値が予め設定されている閾値未満であるか否かを確認する(ステップS88)。そして、当該カウンタ値が当該閾値未満であるならば(ステップS88;YES)、そのカウンタ値を「1」だけインクリメントした後(ステップS89)、当該接続可否問診メッセージを近隣の他のノード装置2へ送信する(ステップS90)。なお、ステップS88の判定において、当該カウンタ値が上記閾値以上である場合は(ステップS88;NO)、自身が協力ノード装置となるにはネットワーク上の距離が遠過ぎるとして、受信した接続可否問診メッセージを廃棄する。
【0191】
以上説明した第2実施例に係るノード装置2の処理により、当該ノード装置2自体が、その時点で認識している他の近隣のノード装置2を探索して協力ノード装置を決定することができる。
【0192】
(III)第3実施例
次に、上述した第2変形形態に係る実施例である第3実施例について、具体的に図20を用いて説明する。なお、図20は、第3実施例に係るノード装置2において実行される配信スケジュール情報SCPの生成処理を示すフローチャートである。
【0193】
第2変形形態に係るノード装置2(図9参照)においては、上述したように、元のコンテンツに相当するストリームSTを構成する各パケットに付与されているパケット番号を用いて区分される部分配信スケジュール情報50により、当該コンテンツに対応する配信スケジュール情報SCPを構成する。
【0194】
このため、当該配信スケジュール情報SCPの生成処理としては、図20に示すように、先ず、更新間隔Pを決定する(ステップS95)。
【0195】
次に、部分ストリームSTTの配信を担当する直近上流側のノード装置2と、協力ノード装置となるノード装置2と、に対して、上記更新間隔Pの時間範囲内で上記更新回数Rを決定する(ステップS96)。
【0196】
そして、更新間隔P及び更新回数Rが夫々決定されたならば、次に、更新間隔Pを{(協力ノード数装置の数+1)×R}で分割し、上記更新間隔Pを分割した分割スロット(すなわち、一つの部分配信スケジュール情報50に相当する分割スロット)を生成する(ステップS97)。
【0197】
次に、当該生成された各分割スロットに対して、当該分割スロットに対応する部分配信スケジュール情報50により配信スケジュールが示される部分ストリームSTTの配信を担うノード装置2を割り当て(ステップS98)、当該割り当てられた個々のノード装置2毎の部分配信スケジュール情報50を生成して配信スケジュール情報SCPを完成させる(ステップS99)。
【0198】
以上説明した第3実施例に係る配信スケジュール情報SCPの生成処理により、各パケットに付与されているパケット番号を用いて区分される部分配信スケジュール情報50により配信スケジュール情報SCPを構成することが可能となる。
【0199】
(IV)第4実施例
最後に、上述した第3変形形態に係る実施例である第4実施例について、具体的に図21を用いて説明する。
【0200】
なお、図21は、第4実施例に係るノード装置2において実行される処理の一部を示すフローチャートであり、上記第1実施例に係るノード装置2の処理における図14に示すフローチャートに相当するフローチャートである。また、図21においては、対応する図14に示すフローチャートと同様の処理については、同様のステップ番号を付して細部の説明は省略する。
【0201】
第3変形形態に係るノード装置2(図10参照)においては、上述したように、上記第2変形形態に係る配信スケジュールSCP(図9参照)を用いて部分ストリームSTTを配信する場合において、その配信を担う直近上流のノード装置2及び協力ノード装置として機能するノード装置2が、配信先であるノード装置2に対して現在の再生タイミングが属する更新期間PS,iに後続する更新時間PS,i+1を超えない時間範囲内で、ランダムに夫々が担当する部分ストリームSTTの配信開始タイミングをずらして配信する。
【0202】
このため、第4実施例に係るノード装置2においては、第1実施例と同様の図14に示すステップS1乃至9が実行され、更にステップS5の判定において、配信システムSに対する参加処理が完了しているときは(ステップS5;NO)、次に、当該参加後に新たなパケットを上流側の他のノード装置2から受信したか否かを確認する(ステップS10)。
【0203】
そして、当該上流側のノード装置2からパケットを受信していない場合(ステップS10;NO)は上記図15に示す処理に移行し、受信した場合には(ステップS10;YES)、次に、当該受信したパケットをバッファメモリ23内に蓄積し(ステップS100)、更に当該ノード装置2に対して下流側に接続されている他のノード装置2が存在しているか否かを確認し(ステップS11)、当該下流側のノード装置2が存在している場合は(ステップS11;YES)、更に当該下流側のノード装置2が第4実施例に係る部分ストリームSTTの配信先であるか否かを確認する(ステップS12)。
【0204】
これにより、下流側のノード装置2が部分ストリームSTTの配信先であるときは(ステップS12;YES)、上記部分配信スケジュール情報50に記述されているスケジュールに則って当該配信先のノード装置2に対してバッファメモリ23内にバッファリングされているパケットのうち必要なパケットを転送する(ステップS101)。これに対し、下流側のノード装置2が部分ストリームSTTの配信先でない場合は(ステップS12;NO)、無条件にバッファリングされているパケットを転送する(ステップS102)。更に、下流側にノード装置2が存在しない場合には(ステップS11;NO)、上記ステップS12、S101及びS102の処理は夫々スキップされる。
【0205】
次に、上記各パケットの配信(ステップS101又はS102)を実行しつつ、当該下流側のノード装置2以外に部分ストリームSTTの配信対象である他のノード装置2があるか否かを確認する(ステップS14)。そして、当該他のノード装置2が存在する場合は(ステップS14;YES)、上記ステップS13の処理と同様に部分配信スケジュール情報50に記述されているスケジュールに則って当該他のノード装置2へバッファリングされているパケットを転送する(ステップS103)。
【0206】
そして最後に、上記ステップS16の処理を行い、その後上記ステップS4の処理に移行する。
【0207】
以上夫々説明したように、実施形態及び各変形形態並びに各実施例に係る配信システムSの動作によれば、配信先のノード装置2に配信されるべきストリームSTを分割した部分ストリームSTT毎に当該部分ストリームSTTを配信するノード装置2を決定し、更に、配信担当時間情報41(又は配信パケット番号情報51)、配信先アドレス情報43及び配信元アドレス情報42を含む配信スケジュール情報SC(又はSCP)を当該決定された配信を担う各ノード装置2毎に生成して送信するので、一つのストリームST全体に対応する配信スケジュール情報SC(又はSCP)が一度に不正に取得されることに起因するストリームSTの漏洩を有効に防止して、当該ストリームSTの秘匿性を確保することができる。
【0208】
また、一定間隔の更新タイミングTCの到来を契機として配信スケジュール情報SC(又はSCP)を生成し直して配信を担う各ノード装置2に送信するので、当該生成し直された(すなわち、直前のものとは異なった)配信スケジュール情報SC(又はSCP)に基づいて配信を担う各ノード装置2から部分ストリームSTTを配信させることで、ストリームSTの秘匿性を更に高めることができる。
【0209】
更に、各部分ストリームSTTが、ストリームSTを再生する際の再生経過時間に基づいて当該ストリームSTを分割した部分ストリームSTTであるので、配信を担うノード装置2において簡易な構成で部分ストリームSTTの配信開始タイミングを認識することができる。
【0210】
更にまた、第3変形形態及び第4実施例に係る配信システムの動作によれば、部分ストリームSTTの配信を受ける配信先のノード装置2がストリームSTを一時的に蓄積するバッファメモリ23を備えている場合に、配信パケット番号情報51により示されるパケットの配信タイミングを、当該バッファメモリ23に対応する再生時間の範囲内において一又は複数のパケット毎にずらしつつ部分ストリームSTTを配信するので、パケット毎に配信タイミングが異なることとなり、部分ストリームSTT全体としての秘匿性を更に高めることができる。
【0211】
また、第3変形形態及び第4実施例に係る配信システムの動作によれば、配信パケット番号情報51により示されるパケットの配信タイミングをランダムにずらしつつ部分ストリームSTTを配信するので、パケット毎に配信タイミングがランダムに異なることとなり、部分ストリームSTT全体としての秘匿性を更に高めることができる。
【0212】
更に、第3変形形態及び第4実施例に係る配信システムの動作によれば、各部分ストリームSTTが、ストリームSTを構成するパケットを示すパケット番号に基づいて分割されているので、ネットワーク上において例えば伝送遅延が発生した場合でも、配信先のノード装置2においてパケット毎に部分ストリームSTTを受信して元のストリームSTを再生することができる。
【0213】
なお、上述した実施形態及び各変形形態並びに各実施例においては、ツリー方の配信システムSに対して本発明を適用した場合について説明したが、これ以外に、例えば、クライアント/サーバ形式のCDN(Contents Delivery Network)システムや、いわゆるグリッド技術(すなわち、ネットワークを介して複数のノード装置を結び、仮想的に高性能コンピュータを構成する技術)を応用したコンテンツ共有方式の配信システムに適用することも可能である。
【0214】
更に、上述した図14乃至図21に夫々示すフローチャートに対応するプログラムを、フレキシブルディスク又はハードディスク等の情報記録媒体に記録しておき、又はインターネット等を介して取得して記録しておき、これらを汎用のコンピュータで読み出して実行することにより、当該コンピュータを実施形態に係るノード装置2内の制御部21として機能させることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0215】
以上夫々説明したように、本発明はネットワークを介したコンテンツの配信の分野に利用することが可能であり、特にいわゆるストリーミング形式によるコンテンツの配信の分野に適用すれば特に顕著な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0216】
【図1】実施形態並びに各変形形態に係る配信システムの概要構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態に係る配信システムにおける参加処理を示す概念図である。
【図3】実施形態に係る配信システムにおける脱退処理を示す概念図(I)である。
【図4】実施形態に係る配信システムにおける脱退処理を示す概念図(II)である。
【図5】実施形態に係る配信システムにおける配信処理を示す概念図(I)である。
【図6】実施形態に係る配信スケジュール情報を示す図であり、(a)はその構成例を示す図であり、(b)はその更新タイミングを示すタイミングチャートである。
【図7】実施形態に係る配信システムにおける配信処理を示す概念図(II)である。
【図8】第1変形形態に係る配信システムにおける配信処理を示す概念図である。
【図9】第2変形形態に係る配信スケジュール情報の構成例を示す図である。
【図10】第3変形形態に係る配信スケジュール情報におけるパケット配信タイミングを例示する図である。
【図11】各実施例に係る放送局装置の概要構成を示すブロック図である。
【図12】各実施例に係るノード装置の概要構成を示すブロック図である。
【図13】各実施例に係る接続先紹介サーバの概要構成を示すブロック図である。
【図14】第1実施例に係るノード装置における処理を示すフローチャート(I)である。
【図15】第1実施例に係るノード装置における処理を示すフローチャート(II)である。
【図16】第1実施例に係るノード装置における処理を示すフローチャート(III)であり、(a)は当該ノード装置における配信スケジュール情報の更新処理等を示すフローチャートであり、(b)は当該ノード装置における配信スケジュール情報の生成処理を示すフローチャートである。
【図17】第1実施例に係る接続先紹介サーバにおける処理を示すフローチャートである。
【図18】第2実施例に係るノード装置における処理を示すフローチャート(I)である。
【図19】第2実施例に係るノード装置における処理を示すフローチャート(II)である。
【図20】第3実施例に係るノード装置における配信スケジュール情報の生成処理を示すフローチャートである。
【図21】第4実施例に係るノード装置における処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0217】
S 配信システム
1 放送局装置
2、2a、2b、2c、2d、2e、2f、2g、2h、2i、2j、2k、2l、2m、2n、2o、2p、2q、2r、2s、2t、2u、2v、2w、2x、2y、2z、2aa、2ab、2ac、2ad、2xx ノード装置
3 接続先紹介サーバ
21 制御部
23 バッファメモリ
40、50 部分配信スケジュール情報
41 配信担当時間情報
42 配信元アドレス情報
43 配信先アドレス情報
51 配信パケット番号情報
TC 更新タイミング
MG1 上流ノード装置紹介要求メッセージ
MG2 上流ノード候補メッセージ
MG3 接続要求メッセージ
MG4 接続許可応答メッセージ
MG5 ストリーム開始要求メッセージ
MG6 ストリーム停止要求メッセージ
MG7 接続解除要求メッセージ
MG8 脱退イベントメッセージ
MG10 ストリーム開始要求メッセージ
MG11 協力ノード紹介要求メッセージ
MG12 協力ノード候補メッセージ
MG15 ブロードキャストメッセージ
L 通信回線L
ST ストリーム
SC、SCP 配信スケジュール情報
STT1、STT2、STT3、STT4 部分ストリーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のノード装置がネットワークを介して接続されてなるネットワークシステムに含まれる一の前記ノード装置である受信ノード装置に対して、他の複数の前記ノード装置である配信ノード装置から配信制御情報に基づいて配信情報を配信させる配信制御装置であって、
配信されるべき前記配信情報を分割した複数の部分配信情報毎に、前記受信ノード装置への当該部分配信情報の配信を担う前記配信ノード装置を決定する決定手段と、
前記決定された配信ノード装置毎に、当該決定された配信ノード装置から配信されるべき前記部分配信情報を示す部分配信情報識別情報と、当該配信されるべき部分配信情報の配信先となる前記受信ノード装置を示す受信ノード装置識別情報と、当該配信されるべき部分配信情報を前記受信ノード装置に配信するタイミングを示すタイミング情報と、を含む前記配信制御情報を生成する生成手段と、
前記生成された各配信制御情報を、対応する各前記配信ノード装置に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする配信制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の配信制御装置において、
前記決定手段は、予め設定された時間間隔毎且つ前記部分配信情報毎に、新たに前記受信ノード装置への当該部分配信情報の配信を担う前記配信ノード装置を決定し、
前記生成手段は、当該決定し直された配信ノード装置毎且つ前記時間間隔毎に前記配信制御情報を生成し、
更に前記送信手段は、前記生成し直された配信制御情報を、対応する各前記配信ノード装置に送信することを特徴とする配信制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の配信制御装置において、
各前記部分配信情報は、前記配信情報を再生する際の再生経過時間に基づいて当該配信情報を分割した部分配信情報であり、
更に前記部分配信情報識別情報は、当該部分配信情報が再生されるべきタイミングに相当する再生経過時間情報であることを特徴とする配信制御装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の配信制御装置において、
前記配信情報は複数のパケットから構成されているものであり、
各前記部分配信情報は、各前記パケットを示すパケット識別情報に基づいて当該配信情報を分割した部分配信情報であり、
更に前記部分配信情報識別情報は、当該部分配信情報に含まれる前記パケットを示す前記パケット識別情報であることを特徴とする配信制御装置。
【請求項5】
複数のノード装置がネットワークを介して接続されてなるネットワークシステムに含まれる一の前記ノード装置である受信ノード装置に対して、配信制御情報に基づいて配信情報を配信する他の前記ノード装置である配信ノード装置において、
前記配信制御情報には、配信されるべき前記配信情報を分割した部分配信情報であって前記配信ノード装置から配信されるべき部分配信情報を示す部分配信情報識別情報と、当該部分配信情報の配信先となる前記受信ノード装置を示す受信ノード装置識別情報と、当該部分配信情報を前記配信ノード装置から前記受信ノード装置に配信するタイミングを示すタイミング情報と、が含まれており、
前記配信制御情報を取得する取得手段と、
前記取得した配信制御情報に基づき、当該配信制御情報により示される前記分配信情報を前記受信ノード装置に対して配信する配信手段と、
を備えることを特徴とする配信ノード装置。
【請求項6】
請求項5に記載の配信ノード装置において、
前記配信制御情報は、予め設定された時間間隔毎に更新されるものであることを特徴とする配信ノード装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の配信ノード装置において、
各前記部分配信情報は、前記配信情報を再生する際の再生経過時間に基づいて当該配信情報を分割した部分配信情報であり、
更に前記部分配信情報識別情報は、当該部分配信情報が再生されるべきタイミングに相当する再生経過時間情報であることを特徴とする配信ノード装置。
【請求項8】
請求項5又は6に記載の配信ノード装置において、
前記配信情報は複数のパケットから構成されているものであり、
各前記部分配信情報は、各前記パケットを示すパケット識別情報に基づいて当該配信情報を分割した部分配信情報であり、
更に前記部分配信情報識別情報は、当該部分配信情報に含まれる前記パケットを示す前記パケット識別情報であることを特徴とする配信ノード装置。
【請求項9】
請求項8に記載の配信ノード装置において、
当該配信ノード装置から前記部分配信情報の配信を受ける前記受信ノード装置が、予め設定された再生時間に相当する前記配信情報を一時的に蓄積した後に再生に供させる蓄積手段を備えている場合に、
前記配信手段は、前記タイミング情報により示される前記パケットの配信タイミングを、前記予め設定された再生時間の範囲内において一又は複数の前記パケット毎にずらしつつ前記部分配信情報を配信することを特徴とする配信ノード装置。
【請求項10】
請求項9に記載の配信ノード装置において、
前記配信手段は、前記タイミング情報により示される前記パケットの配信タイミングを、前記予め設定された再生時間の範囲内において一又は複数の前記パケット毎にランダムにずらしつつ前記部分配信情報を配信することを特徴とする配信ノード装置。
【請求項11】
コンピュータを、請求項1から4のいずれか一項に記載の配信制御装置として機能させることを特徴とする配信制御用プログラム。
【請求項12】
コンピュータを、請求項5から10のいずれか一項に記載の配信ノード装置として機能させることを特徴とする配信用プログラム。
【請求項13】
複数のノード装置がネットワークを介して接続されてなるネットワークシステムであって、一の前記ノード装置である受信ノード装置に対して配信制御情報に基づき配信情報を配信する他の複数の前記ノード装置である配信ノード装置と、当該各配信ノード装置からの前記配信情報の配信を制御する配信制御装置と、を含むネットワークシステムにおいて、
前記配信制御装置は、
配信されるべき前記配信情報を分割した複数の部分配信情報毎に、前記受信ノード装置への当該部分配信情報の配信を担う前記配信ノード装置を決定する決定手段と、
前記決定された配信ノード装置毎に、当該決定された配信ノード装置から配信されるべき前記部分配信情報を示す部分配信情報識別情報と、当該配信されるべき部分配信情報の配信先となる前記受信ノード装置を示す受信ノード装置識別情報と、当該配信されるべき部分配信情報を前記受信ノード装置に配信するタイミングを示すタイミング情報と、を含む前記配信制御情報を生成する生成手段と、
前記生成された各配信制御情報を、対応する各前記配信ノード装置に送信する送信手段と、
を備え、
各前記配信ノード装置は、
前記配信制御情報を前記配信制御装置から取得する取得手段と、
前記取得した配信制御情報に基づき、当該配信制御情報により示される前記分配信情報を前記受信ノード装置に対して配信する配信手段と、
を備えることを特徴とするネットワークシステム。
【請求項14】
複数のノード装置がネットワークを介して接続されてなるネットワークシステムにおける一の前記ノード装置である受信ノード装置に対して配信情報を配信する配信方法において、
配信されるべき前記配信情報を分割した複数の部分配信情報毎に、前記受信ノード装置への当該部分配信情報の配信を担う前記ノード装置を配信ノード装置として決定する決定工程と、
前記決定された配信ノード装置毎に、当該決定された配信ノード装置から配信されるべき前記部分配信情報を示す部分配信情報識別情報と、当該配信されるべき部分配信情報の配信先となる前記受信ノード装置を示す受信ノード装置識別情報と、当該配信されるべき部分配信情報を前記受信ノード装置に配信するタイミングを示すタイミング情報と、を含む前記配信制御情報を生成する生成工程と、
前記生成された各配信制御情報を、対応する各前記配信ノード装置に取得させる取得工程と、
前記取得した配信制御情報に基づき、当該配信制御情報を取得した前記配信ノード装置から、当該配信制御情報により示される前記分配信情報を前記前記受信ノード装置に対して配信する配信工程と、
を含むことを特徴とする配信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2008−140049(P2008−140049A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−324712(P2006−324712)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】