説明

ネットワークシステム及びノード装置

【課題】ユーザ機器に接続されたノード装置を用いたネットワークシステムにおいて、トラフィックの増加を解消する。
【解決手段】ネットワークシステム1は、ユーザ機器120と、ユーザ機器120に有線により接続される複数のノード装置110とを備え、PC120Aから出力された電文をノード装置110間での無線通信を介して計測機器120Bへ送信する。ノード装置110は、異なる種類のユーザ機器120を接続可能に構成され、ユーザ機器120のプロトコルを設定可能であり、プロトコルを変更することによって異なる種類のユーザ機器120からの電文を解析できるように構成されている。ノード装置110Aは、電文を受信したときに、プロトコルに基づいて電文を解析して送信先アドレスを割り出し、送信先アドレスに対応した特定のノード装置110Bに電文を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のノード装置を備えたネットワークシステム、及び当該ネットワークシステムに用いられるノード装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数のノード装置を備えたアドホックネットワークシステムが知られている。例えば、特許文献1には、センサ同士を無線で接続し、複数のセンサが自律的に中継処理することでネットワークを構築するセンサネットワークシステムが開示されている。このネットワークシステムの各ノードには、他のノードとの通信を可能とする無線通信部が設けられている。無線通信部は、当該ノード内のセンサ部と通信可能に接続されており、センサ部からの受信信号を他のノードと無線通信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−253359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、様々なユーザ機器をこのようなネットワークシステムに接続したいという要求がある。この要求を実現するためには、特許文献1に係るネットワークシステムにおいて、無線通信部とセンサ部とを切り離し可能に構成する必要がある。すなわち、互いにネットワークを構築する複数のノード装置を設け、ノード装置のそれぞれにユーザ機器を接続可能に構成する必要がある。この構成によれば、ノード装置に接続するユーザ機器を変えることによって、様々なユーザ機器をネットワークシステムに接続することができる。
【0005】
かかる構成においては、一のユーザ機器から他のユーザ機器への電文を送信する際には、該一のユーザ機器に接続されたノード装置から該電文が無線送信される。その際、特に、ノード装置の個数が多い場合にはトラフィックが増加してしまい、送受信に時間がかかってしまう。その結果、ノード装置の個数が制限されてしまったり、送受信率が低下してしまったりする虞がある。
【0006】
ここに開示された技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ユーザ機器に接続されたノード装置を用いたネットワークシステムにおいて、トラフィックの増加を解消することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ここに開示されたネットワークシステムは、複数のユーザ機器と、該ユーザ機器にそれぞれ有線により接続される複数のノード装置とを備え、一の該ユーザ機器から出力された電文を該ノード装置間での無線通信を介して他の該ユーザ機器へ送信する。そして、前記ノード装置は、異なる種類の前記ユーザ機器を接続可能であり、前記ユーザ機器のプロトコルを設定可能であり、該プロトコルを変更することによって該異なる種類のユーザ機器からの電文を解析できるように構成されており、前記電文を出力するユーザ機器に接続された前記ノード装置は、該電文を受信したときに、前記プロトコルに基づいて該電文を解析して該電文の送信先アドレスを割り出し、該送信先アドレスに対応した特定のノード装置に該電文を送信するものとする。
【0008】
前記の構成のように、ノード装置とユーザ機器とが別々に構成され、ノード装置に様々な種類のユーザ機器が接続可能な構成においては、ノード装置がユーザ機器と共通のプロトコルを有していなければ、ユーザ機器からの電文をノード装置で解析することはできない。共通のプロトコルを有していない場合には、該電文の送信先アドレスを割り出すことができないので、ノード装置は、送信先を特定することなく、該電文をブロードキャストする。その結果、トラフィックが増加してしまう。ここで、「ブロードキャスト」とは、宛先を特定することなくデータを送信することを意味する。
【0009】
それに対して、前記ノード装置は、接続されるユーザ機器に応じて該ユーザ機器のプロトコルを設定することができる。それにより、ノード装置は、該ユーザ機器からの電文を解析できるようになる。また、ノード装置に設定されているプロトコルを変更すれば、ノード装置は、様々なユーザ機器の電文を解析できる。そのため、ユーザ機器からの電文を解析できる構成でありながら、ノード装置の汎用性を向上させることができる。そして、前記ノード装置は、電文を解析して送信先アドレスを割り出すと、該送信先アドレスに対応する特定のノード装置に該電文を送信、即ち、ユニキャストする。その結果、トラフィックを低減することができる。ここで、「ユニキャスト」とは、宛先を特定してデータを送信することを意味する。
【0010】
ここに開示されたノード装置は、ユーザ機器に有線により接続可能である。このノード装置は、種類の異なる前記ユーザ機器を接続可能であって他のノード装置と無線通信可能であり、該ユーザ機器のプロトコルを設定可能であり、該プロトコルを変更することによって該異なる種類のユーザ機器からの電文を解析できるように構成されており、接続された前記ユーザ機器から電文を受信したときに、前記プロトコルに基づいて該電文を解析して該電文の送信先アドレスを割り出し、該送信先アドレスに対応した特定の他のノード装置に該電文を送信するものとする。
【0011】
前記の構成のように、ノード装置がユーザ機器と別々に構成され、ノード装置に様々な種類のユーザ機器が接続可能な構成においては、ノード装置がユーザ機器と共通のプロトコルを有していなければ、ユーザ機器からの電文をノード装置で解析することはできない。共通のプロトコルを有していない場合には、該電文の送信先アドレスを割り出すことができないので、ノード装置は、送信先を特定することなく、該電文をブロードキャストする。その結果、トラフィックが増加してしまう。
【0012】
それに対して、前記ノード装置は、接続されるユーザ機器に応じて該ユーザ機器のプロトコルを設定することができる。それにより、ノード装置は、該ユーザ機器からの電文を解析できるようになる。また、ノード装置に設定されているプロトコルを変更すれば、ノード装置は、様々なユーザ機器の電文を解析できる。そのため、ユーザ機器からの電文を解析できる構成でありながら、ノード装置の汎用性を向上させることができる。そして、前記ノード装置は、ユーザ機器からの電文を解析して送信先アドレスを割り出すと、該送信先アドレスに対応する特定のノード装置に該電文を送信、即ち、ユニキャストする。その結果、トラフィックを低減することができる。
【発明の効果】
【0013】
前記ネットワークシステムによれば、電文を解析して、送信先アドレスに対応した特定のノード装置に該電文を送信できるため、トラフィックを軽減することができる。それに加えて、ノード装置には様々なユーザ機器のプロトコルを設定可能であるため、ノード装置は、様々なユーザ機器に対して、電文解析を行ってトラフィックの軽減を図ることができる。
【0014】
前記ノード装置によれば、電文を解析して、送信先アドレスに対応した特定のノード装置に該電文を送信できるため、トラフィックを軽減することができる。それに加えて、ノード装置には様々なユーザ機器のプロトコルを設定可能であるため、ノード装置は、様々なユーザ機器に対して、電文解析を行うってトラフィックの軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態に係るネットワークシステムの概略図である。
【図2】ノード装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0017】
−システムの概要−
図1は、本発明の例示的実施形態を用いたネットワークシステム100の概略図である。システム100は、無線アドホックネットワークである。このシステム100は、近接する小型無線端末が自律的にネットワークを構築するよう構成される。システム100は、複数のノード装置110,110,…と、ユーザ機器120,120,…とを備えている。各ノード装置110には、ユーザ機器120が接続されている。ユーザ機器としては、PC(パーソナルコンピュータ)120A、計測機器120B等が含まれる(以下、各ユーザ機器を区別しないときには、単に、「ユーザ機器120」と称する)。
【0018】
複数のユーザ機器においては、PC120Aがマスタ機器として機能し、それ以外の計測機器120B,120B,…がスレーブ機器として機能する。つまり、PC120Aが、計測機器120B,120B,…を一方的に制御する。以下、PC120Aをマスタユーザ機器120Aと、計測機器120Bをスレーブユーザ機器120Bとも称する。また、マスタユーザ機器120Aに接続されたノード装置110を基地局ノード装置110Aと、スレーブユーザ機器120Bに接続されたノード装置110を子ノード装置110Bとも称する。尚、各ノード装置を区別しないときには、単に、「ノード装置110」と称する。
【0019】
各ノード装置110は、固有のノードIDを有している。基地局ノード装置110AのノードIDは、「0」であり、子ノード装置110BのノードIDは、「0」以外の数字である。また、各計測機器120Bも、固有の機器IDを有している。計測機器120Bの機器IDは、それに接続された子ノード装置110BのノードIDと同じ数字に設定されている。例えば、ノードIDが「1」の子ノード装置110Bには、機器IDが「1」の計測機器120Bが接続されている。
【0020】
複数のノード装置110,110間は、無線で結合される。このノード装置110,110間の無線リンクは、例えば、2.4GHz帯を用いたIEEE802.15.4に準拠する短距離無線ネットワークであり得る。このIEEE802.15.4は、PAN(Personal Area Network)又はWPAN(Wireless Personal Area Network)と呼ばれる無線通信規格の一つであり、低コスト・低消費電力で、高い信頼性とセキュリティを持つ。また、無線リンクは、上述の特定の無線ネットワークに限定されず、典型的にはパケットの形で情報をやりとりできる任意の適切なネットワークであり得る。
【0021】
また、ノード装置110は、自動中継機能を有し、通信環境を察知して自律的にネットワークを構成し得る。例示的なネットワークは、真メッシュであり、ホップ数も実質的に無制限である。換言すれば本発明の実施形態は、マルチホップの無線ネットワークを使用可能である。こうして、一対のノード装置110とユーザ機器120とを1つの無線端末として、無線アドホックネットワークが構築される。
【0022】
ノード装置110は、基板上に取り付けられた、半導体素子を含む回路要素群によって典型的には実現され得る。典型的には、ノード装置110は、ユーザ機器からのアナログ信号、及び無線ネットワークのための高周波信号を扱うアナログ回路と、MCUを主要素とするデジタル回路との組み合わせによって実現され得る。
【0023】
ノード装置110の制御は、典型的にはソフトウェアによって実現され得る。すなわち、ノード装置110の制御は、典型的にはコンピュータで読み取り可能な媒体に記憶されたソフトウェアによって実現され得る。コンピュータで読み取り可能な媒体には、ハードディスクドライブ、半導体メモリ等がある。代替として、ノード装置110の制御は、ソフトウェア及びハードウェアの組み合わせ、又はハードウェアのみによって実現され得る。
【0024】
計測機器120Bは、各種の物理量(温度、湿度、電流、電圧、電力等)を計測・検出するものであって、任意の適切な計測機器であり得る。例えば、計測機器120Bは、電力量計であり得る。また、計測機器120Bは、PC120Aからの電文を受け取って、該電文に応じた様々な処理を実行する。例えば、計測機器120Bは、要求電文を受け取ったときには、該要求電文に応じた応答電文を返信するように構成されている。
【0025】
計測機器120Bは、子ノード装置110Bに有線で結合される。子ノード装置110B及び計測機器120Bは、共通の通信規格(本実施形態では、RS485)のインタフェースを有している。すなわち、計測機器120Bは、RS485ケーブルを介して子ノード装置110Bに接続されている。尚、通信規格は、RS485に限られるものではなく、RS422、RS232C、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)等であってもよい。
【0026】
尚、PC120Aは、計測機器120Bの通信規格に対応させるべく、基地局ノード装置110Aと、USB−RS485コンバータを介して有線で接続される。尚、基地局ノード装置110Aに接続されるユーザ機器120が、他のユーザ機器120と共通の通信規格を本来的に有する場合には、USB−RS485コンバータのような変換装置をユーザ機器120に設ける必要はない。
【0027】
また、一つの無線ネットワークを構築しているノード装置110,110,…に接続されたPC120A及び計測機器120B,120B,…は、共通のプロトコルを有している。そのため、PC120A及び計測機器120B,120B,…は、互いに電文のやりとりを行うことができる。
【0028】
詳しくは、PC120Aは、計測機器120Bに対する種々の電文を出力する。PC120Aからの電文は、ノード装置110,110,…で構築された無線ネットワークを介して、計測機器120Bへ送信される。また、PC120Aは、ノード装置110,110,…で構築された無線ネットワークを介して、計測機器120Bからの応答電文を受信する。
【0029】
ノード装置110は、電文を送信するときには、該電文を含むパケットを生成し、該パケットを変調して送信する。また、ノード装置110は、パケットを受信したときには、該パケットを復調して、該パケットから電文を読み出す。ノード装置110の無線信号の符号化及び変調・復調のための方式には様々なものがある。本実施形態では、上述のIEEE802.15.4に準拠した方式が用いられる。
【0030】
PC120Aは、例えば、GUI(グラフィカルユーザインタフェース)を備えるソフトウェアを用いて、計測機器120Bから受け取られたデータを視覚的に表示したり、統計的に処理したりできる。そのようなソフトウェアは、例えば通信状態の確認、データの数値表示、グラフ表示、値の分布カラーマッピング、データの記録、データのエクスポート、端末設定の変更等を行うことができる。
【0031】
−ノード装置のハードウェア構成−
図2は、本発明の例示的実施形態のために用いられるノード装置110のブロック図である。
【0032】
ノード装置110は、RFユニット410及びアンテナ430を備える。RFユニット410には、ユーザ機器120からのデータが入力される。RFユニット410は、ユーザ機器120が出力した計測データを無線信号に変換して、アンテナ430から他のノード装置110、例えば上流ノード(基地局ノード装置110A等)へ送信する。
【0033】
RFユニット410は、インタフェース440、DC(直流)電源445、MCU(Micro Controller Unit)450、ROM(読み出し専用メモリ)452、RAM(ランダムアクセスメモリ)454、タイマ456、無線送受信部458、RFインタフェース460、及び切替スイッチ470を有する。インタフェース440は、ユーザ機器120によって出力された信号をMCU450が処理できる適当な信号(例えば10ビットデジタル信号)に変換する。このインタフェース440は、ユーザ機器120の通信規格と共通のインタフェースであり、本実施形態では、RS485インタフェースである。DC電源445は、RFユニット410の各機能ブロックに直流電源を供給する。DC電源445は、例えば直流3Vを供給するリチウム電池であり得る。
【0034】
MCU450は、ノード装置110の機能を実現するのに用いられるマイクロプロセッサである。MCU450は、ノード装置110の機能を実現するのに必要なプログラム及びデータをROM452又はRAM454に記憶する。タイマ456は、例えば電源をオフにするタイミングを計測し、所定時間が経過したときに、DC電源445からの電源供給を断つようMCU450をトリガする。MCU450は、ROM452、RAM454、及びタイマ456などの周辺素子をその中に含んでもよい。この場合、ROMなどを独立した部品として搭載する場合に比べて、システム構築のためのコストを抑えることができる。
【0035】
無線送受信部458は、MCU450からのデータを他のノード装置110へ送る応答パケットに変換したり、他のノード装置110から受け取られた要求パケットをデータに変換したりする。RFインタフェース460は、無線送受信部458から出力されたパケットをRF信号に変換し、アンテナに出力したり、アンテナで受け取られたRF信号からパケットを再生し、無線送受信部458に出力したりする。
【0036】
切替スイッチ470は、ノード装置110のノードIDを設定するためのダイヤル式のスイッチである。ノードIDを「0」に設定されたノード装置110が基地局ノード装置として機能する。一方、ノードIDが「0」以外に設定されたノード装置110は、子ノード装置として機能する。
【0037】
尚、機能ブロック群の一部又は全ては、適宜、結合されることによって一体化されて実現されてもよい。例えば、RFユニット410は、ハイブリッドIC(集積回路)として実現されてもよい。さらには、RFユニット410及びアンテナ430を一つの基板に一体化して実現されてもよい。
【0038】
−ネットワークの構築−
ノード装置110は、上述の如く、自律的にネットワークを構築する。詳しくは、子ノード装置110Bは、電源がオンされると、ルーティングを開始する。ノード装置110は、隣接するノード装置110にビーコンメッセージ(ルーティングパケットとも呼ばれる)を送信する等して、通信状態が良好なノード装置110との間で通信経路を構築する。各ノード装置110は、それ自身と通信経路を構築する上流側(1つだけ)と下流側のノード装置110(複数の可能性あり)とを記憶している。本実施形態では、PC120A側を上流とし、PC120Aとは反対側を下流としている。さらに、各ノード装置110は、下流側に接続される全てのノード装置110と該ノード装置110のそれぞれへパケットを伝達するために次に中継すべきノード装置110とを記憶している。ノード装置110は、電源をオンにした直後だけでなく、前記ビーコンメッセージを定期的に送信して、通信状態が良好な通信経路を更新している。
【0039】
さらに、基地局ノード装置110Aは、各計測機器120Bが何れの子ノード装置110Bに接続されているかという対応接続関係を記憶している。すなわち、基地局ノード装置110Aは、或る機器IDの計測機器120Bにパケットを伝達するためには、最終的にどのノードIDの子ノード装置110Bにパケットを到達させればよいかを把握している。
【0040】
−パラメータの設定−
ノード装置110は、ネットワーク設定(例えば、通信仕様やプロトコル仕様)を適宜設定することによって、様々な種類のユーザ機器120,120,…に対応可能(即ち、接続可能且つ通信可能)に構成されている。つまり、ユーザ機器120は、ノード装置110と通信規格が共通である必要があるが、通信規格が共通であってもネットワーク設定が異なるものは数多く存在する。例えば、RS485に対応したユーザ機器120であっても、その詳細なネットワーク設定は様々であり、必ずしも共通ではない。そのため、ある種類のユーザ機器120,120,…をノード装置110,110,…を介してネットワークシステムに接続する場合には、各ノード装置110のネットワーク設定をユーザ機器120に対応させる必要がある。換言すれば、ノード装置110は、ネットワーク設定を適宜変更可能であるため、各種のユーザ機器120,120,…に対応可能であって、汎用的に構成されている。
【0041】
具体的には、ノード装置110は、各種の設定パラメータを有しており、これらの設定パラメータを変更することによって、各種のユーザ機器120と通信が可能となるように構成されている。設定パラメータには、ユーザ機器120の通信仕様に関する通信パラメータと、ユーザ機器120のプロトコル仕様に関するプロトコルパラメータとが含まれる。通信パラメータには、ボーレート(4800bps/9600bps/19200bps/…)、データビット(8ビット/7ビット)、パリティ(なし/奇数/偶数)、ストップビット(1ビット/2ビット)等が含まれる。プロトコルパラメータには、スタートコード(01〜FF)、エンドコード(01〜FF)、エンドコードからパケット終端までのオフセット(0〜9)、先頭から送信先アドレスまでのオフセット(1〜99)、送信先アドレスの長さ(0〜6)、送信先アドレスの表現形式(10進ASCII/16進ASCII/LEバイナリ/BEバイナリ)等が含まれる。
【0042】
以下に、設定パラメータの設定方法について説明する。
【0043】
まず、ユーザは、基地局ノード装置110Aに接続されたPCを介して、基地局ノード装置110Aに設定パラメータを入力する。この設定パラメータの入力用のPCは、前記PC120Aでもよいし、PC120Aとは別のPCでもよい。入力用のPCは、例えば、GUIを備えるソフトウェアを用いて、ユーザに設定パラメータの入力を促し、ユーザからの入力を受け入れ、入力に応じた信号を基地局ノード装置110Aに出力する。基地局ノード装置110Aは、PCからの入力に応じて設定パラメータを設定する。
【0044】
次に、子ノード装置110Bは、設定パラメータを要求する要求パケットを基地局ノード装置110Aに送信する。詳しくは、子ノード装置110Bは、電源がオンされた後に、ネットワークが構築されたことを確認すると、要求パケットを基地局ノード装置110Aへ送信する。基地局ノード装置110Aは、要求パケットを受信すると、設定パラメータを子ノード装置110Bへ送信する。子ノード装置110Bは、基地局ノード装置110Aからの設定パラメータを受信すると、該設定パラメータをそれ自身の設定パラメータとして設定する。尚、子ノード装置110Bは、基地局ノード装置110Aからの応答が無い場合には、所定時間経過後に要求パケットを再度送信する。このように、子ノード装置110Bは、ユーザから直接、設定パラメータが入力されるのではなく、基地局ノード装置110Aから設定済みの設定パラメータを読み込んで、自らの設定パラメータとして設定する。こうして、基地局ノード装置110Aと子ノード装置110Bとの設定パラメータが同一に設定される。
【0045】
各ノード装置110は、前述の如く、基地局ノード装置として機能するか、子ノード装置として機能するかが切替スイッチ470によって切り替えられる。つまり、基地局ノード装置として設定されたノード装置110は、ユーザからの入力を受けて設定パラメータを設定する入力モードとなる。一方、子ノード装置として設定されたノード装置110は、基地局ノード装置110Aの設定パラメータを読み込んで該設定パラメータを自らの設定パラメータとして設定する読込モードとなる。すなわち、切替スイッチ470によってノードIDが0に設定されたノード装置110は、入力モードとなり、ユーザからの設定パラメータの入力を待機する。切替スイッチ470によってノードIDが0以外に設定されたノード装置110は、読込モードとなり、ネットワークの構築を確認した後に、基地局ノード装置110へ要求パケットを送信する。このノード装置110のモードの設定は、基本的には、ノード装置110がユーザ機器120に接続される前など、ノード装置110,110,…がネットワークを構築する前に行われる。
【0046】
尚、子ノード装置110Bは、読込モードであっても、ユーザからの入力を受付可能な状態となっている。つまり、子ノード装置110Bは、基本的には、基地局ノード装置110Aの設定パラメータを自律的に読み込むが、ユーザが設定パラメータを直接、入力することもできる。設定パラメータがユーザから設定された子ノード装置110Bは、それ以降は、基地局ノード装置110Aの設定パラメータの読み込みを行わないようになる。例えば、該子ノード装置110Bは、設定パラメータがユーザから入力されることによって、読込モードから入力モードへ切り替わる。
【0047】
このように、ノード装置110は、そのインタフェース440と共通の通信規格を有するユーザ機器120であれば、当該通信規格を前提とした通信仕様やプロトコル仕様等の詳細なネットワーク設定を適宜設定することによって、通信可能に接続することができる。つまり、ノード装置110を汎用的に構成して、様々なユーザ機器をネットワークシステムに接続することができる。
【0048】
そして、このようなノード装置110,110,…を用いてネットワークシステムを構成する際には、複数のノード装置110のうちの基地局ノード装置110Aに、ユーザ機器120に対応した設定パラメータを設定すれば、あとは、子ノード装置110B,110B,…が自律的に基地局ノード装置110Aから設定パラメータを読み込んで、自らの設定パラメータとして設定していく。つまり、複数のノード装置110の全てに対して、設定パラメータを設定する必要がなく、ノード装置110,110,…の設定を簡便に行うことができる。よって、ノード装置110を各種のユーザ機器120,120,…に対応可能に汎用的に構成しつつ、そのノード装置110,110,…を用いてネットワークシステムを構成する場合であっても、汎用的であるが故に必要な、ノード装置110のネットワーク設定を簡便に行うことができる。
【0049】
−電文解析−
このように構成されたノード装置110は、ユーザ機器120に対応させて設定する設定パラメータとして、プロトコルパラメータを含んでいる。すなわち、ノード装置110は、接続されるユーザ機器120のプロトコルを適宜設定することによって、様々なユーザ機器120からの電文を解析することができる。例えば、ノード装置110は、接続されたユーザ機器120からの電文を解析して、該電文の送信先アドレスを割り出すように構成されている。そして、電文の送信先アドレスがわかると、ノード装置110は、該送信先アドレスに対応した特定のノード装置110に該電文を送信する。すなわち、ノード装置110は、該電文をブロードキャストではなく、ユニキャストする。
【0050】
以下に、図1に示すネットワークシステム100において、PC120Aから機器IDが「14」の計測機器120Bへ計測データを要求する場合を例に説明する。以下、特定のノードIDの子ノード装置110Bについて言及するときには、符号「110A」,「110B」,「110」の後にノードIDを括弧書きで付す。例えば、子ノード装置110BのノードIDが「1」の場合は、子ノード装置110B(1)のように表す。同様に、特定の機器IDの計測機器120Bについて言及するときには、符号「120B」,「120」の後に機器IDを括弧書きで付す。
【0051】
計測機器120B(14)は、子ノード装置110B(14)に接続されている。基地局ノード装置110Aと子ノード装置110B(14)との間には、子ノード装置110B(1)と子ノード装置110B(9)とが中継ノードとして存在している。
【0052】
まず、PC120Aは、要求電文を生成し、該要求電文を基地局ノード装置110Aへ送信する。基地局ノード装置110Aは、PC120Aから要求電文を受信すると、設定されたプロトコルに基づいて該要求電文を解析して、送信先アドレス(即ち、送信先となる計測機器120Bの機器ID)を割り出す。
【0053】
ここで、基地局ノード装置110Aは、前述の如く、各計測機器120Bとそれに接続される子ノード装置110Bとの対応接続関係を記憶している。基地局ノード装置110Aは、該対応接続関係と送信先アドレスとに基づいて、送信先計測機器120Bが接続された子ノード装置110Bを特定する。この例では、子ノード装置110B(14)が特定される。
【0054】
次に、基地局ノード装置110Aは、要求パケットを生成する。パケットは、少なくともヘッダとペイロードデータとを含んでいる。ペイロードデータには、要求電文が含まれている。ヘッダには、該パケットを生成したノード装置(以下、「生成ノード装置」ともいう)110のノードID、最終地点となるノード装置(以下、「最終ノード装置」ともいう)110のノードID、該パケットの送信元となるノード装置(以下、「送信元ノード装置」ともいう)110のノードID、該パケットの次の送信先(即ち、中継先)となる子ノード装置(以下、「送信先ノード装置」ともいう)110のノードIDが少なくとも含まれている。この例では、生成ノード装置110のノードIDは「0」であり、最終ノード装置110のノードIDは「14」であり、送信元ノード装置110のノードIDは「0」であり、送信先ノード装置110のノードIDは「1」である。
【0055】
基地局ノード装置110Aは、要求パケットを変調して、送信する。このように、基地局ノード装置110Aは、ヘッダにおいて送信先となるノード装置110を特定して要求パケットを送信する。すなわち、基地局ノード装置110Aは、要求パケットをユニキャストする。
【0056】
こうして送信された要求パケットは、子ノード装置110B,110B,…に受信される。要求パケットを受信した子ノード装置110Bは、要求パケットを復調し、ヘッダを確認する。そして、要求パケットのヘッダで特定された送信先ノード装置以外の子ノード装置110Bは、それ以上の処理を行わない。一方、要求パケットのヘッダにおいて送信先ノード装置として特定された子ノード装置110B(1)は、該要求パケットを受信すると、要求パケットのヘッダから最終ノード装置110B(14)のノードIDを読み出す。子ノード装置110B(1)は、前述の如く、下流側に接続されるノード装置110へパケットを伝達するために次に中継すべきノード装置110を記憶しているので、最終ノード装置110B(14)までの通信経路における次の中継先となる子ノード装置110BをRAM等の記憶装置から読み出す。この例では、次の中継先は、ノード装置110B(9)となる。そして、子ノード装置110B(1)は、受け取った要求パケットのヘッダ中の送信元ノード装置110BのノードIDを「1」に、送信先ノード装置110BのノードIDを「9」に更新して、該要求パケットをユニキャストする。
【0057】
続いて、該要求パケットは、子ノード装置110B(9)に受信される。子ノード装置110B(9)は、子ノード装置110B(1)と同様の処理を行う。すなわち、受け取った要求パケットのヘッダ中の送信元ノード装置110BのノードIDを「9」に、送信先ノード装置110BのノードIDを「14」に更新して、該要求パケットをユニキャストする。
【0058】
こうして、該要求パケットは、子ノード装置110B(14)に到達する。子ノード装置110B(14)は、要求パケットのヘッダから最終ノード装置110のノードIDを読み出し、自身が最終ノード装置110Bであることを認識する。すると、子ノード装置110B(14)は、パケットのペイロードデータの中から要求電文を読み出し、該要求電文を該子ノード装置110B(14)に接続された計測機器120B(14)に有線で送信する。
【0059】
計測機器120B(14)は、要求電文中の送信先アドレスが自身の機器IDと一致することを確認した上で、要求電文に応答して、計測データを電文形式の信号に符号化し、該応答電文を子ノード装置110B(14)へ返信する。
【0060】
子ノード装置110B(14)は、該応答電文を受信すると、応答パケットを生成する。応答パケットには、応答電文がペイロードデータとして含まれる。また、応答パケットのヘッダには、要求パケットと同様に、生成ノード装置110BのノードID「14」、最終ノード装置110のノードID「0」、送信元ノード装置110のノードID「14」、送信先ノード装置110のノードID「9」が少なくとも含まれている。
【0061】
応答パケットは、要求パケットとは逆の流れで、子ノード装置110B(9)と子ノード装置110B(1)とを経由して基地局ノード装置110Aまで送信される。
【0062】
基地局ノード装置110Aは、応答パケットのヘッダから自身が最終ノード装置110であることを認識する。すると、基地局ノード装置110Aは、応答パケットのペイロードデータの中から応答電文を読み出し、該応答電文をPC120Aに有線で送信する。
【0063】
PC120Aは、応答電文を受信すると、該応答電文を復号化して、計測データを得る。こうして、PC120Aから計測機器120B(14)へ計測データを要求する一連の処理が終了する。
【0064】
したがって、本実施形態によれば、ネットワークシステム100は、複数のユーザ機器120,120,…と、該ユーザ機器120,120,…に有線により接続される複数のノード装置110,110,…とを備え、ユーザ機器の1つであるPC120Aから出力された電文を該ノード装置110,110,…間での無線通信を介して、別のユーザ機器である計測機器120Bへ送信する。そして、ノード装置110は、異なる種類のユーザ機器120を接続可能であり、ユーザ機器120のプロトコルを設定可能であり、該プロトコルを変更することによって該異なる種類のユーザ機器120からの電文を解析できるように構成されている。電文を出力するPC120Aに接続された基地局ノード装置110Aは、該電文を受信したときに、前記プロトコルに基づいて該電文を解析して該電文の送信先アドレスを割り出し、該送信先アドレスに対応した特定の子ノード装置110Bに該電文を送信する。
【0065】
すなわち、ノード装置110は、種類の異なるユーザ機器120,120,…に有線により接続可能であって他のノード装置110と無線通信可能であり、該ユーザ機器120のプロトコルを設定可能であり、該プロトコルを変更することによって該異なる種類のユーザ機器120からの電文を解析できるように構成されており、接続されたユーザ機器120から電文を受信したときに、前記プロトコルに基づいて該電文を解析して該電文の送信先アドレスを割り出し、該送信先アドレスに対応した特定の他のノード装置110に該電文を送信する。
【0066】
前記実施形態では、基地局ノード装置110Aは、PC120Aからの電文を解析して、送信先アドレスに対応した特定の子ノード装置110Bに電文をユニキャストする。これにより、トラフィックを軽減することができる。その結果、電文の送受信に要する時間を短縮することができ、また、送受信率を向上させて、ネットワークシステム100の信頼性を向上させることができ、さらに、ネットワークシステム100に接続できるノード装置110の台数制限を緩和することができる。
【0067】
それに加えて、ノード装置110は、PC120A及び計測機器120Bのプロトコルを任意に設定することができるため、様々な種類のPC120A及び計測機器120Bをノード装置110に接続することができるだけでなく、様々な種類のPC120A及び計測機器120Bからの電文を解析して上記ユニキャストを実現することができる。つまり、ノード装置110の汎用性を向上させつつ、種類の異なるPC120A又は計測機器120Bが接続されても電文解析を行ってユニキャストを行うことができる。
【0068】
特に、前記ノード装置110の通信規格はRS485であるため、同じ通信規格を有するユーザ機器は、他の通信規格に比べて、多種多様である。つまり、ノード装置110に接続されるユーザ機器のプロトコルも、多種多様となる。そのため、前記ノード装置110のようにプロトコルを適宜設定できる構成でなければ、ノード装置はユーザ機器からの電文をブロードキャストするしかない。それに対して、前記ノード装置110は、プロトコルを任意に設定可能であるため、多種多様のユーザ機器120をノード装置110に接続する場合であっても、それに対応したプロトコルを設定して電文解析を可能とすることができる。つまり、ノード装置110の通信規格がRS485である場合には、ノード装置110にプロトコルを任意に設定でき且つ電文解析を実施可能な構成が非常に有効である。
【0069】
また、前記実施形態では、ネットワークシステム100に接続されているユーザ機器、即ち、PC120A及び計測機器120B,120B,…は、共通のプロトコルを有するため、ノード装置110は、該共通のプロトコルを設定、即ち、1種類のプロトコルを設定すればよい。これにより、ノード装置110は、複数のプロトコルを使い分ける必要がなく、設定された1種類のプロトコルに応じて電文を処理すればよいため、その処理を簡略化することができる。
【0070】
尚、前記実施形態では、PC120Aが複数の計測機器120B,120B,…の計測データを収集することを目的としているため、計測機器120Bからの計測データ、即ち、応答電文を返信する最終ノード装置は基地局ノード装置110Aである。つまり、子ノード装置110Bが計測データを含む応答パケットを返信する際には、最終ノード装置が常に決まっているので、応答電文の送信先アドレスを解析しなくても、ユニキャストを行うことができる。したがって、ユーザ機器120のプロトコルが設定可能であって、該プロトコルに応じて電文を解析して送信先アドレスを割り出す機能は、少なくとも基地局ノード装置110Aが有していればよい。
【0071】
《その他の実施形態》
本発明は、前記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0072】
前記ネットワークシステム100は、6つのノード装置110,110,…と、6つのユーザ機器120,120,…とを含んでいるが、これに限られるものではない。ノード装置やユーザ機器は、任意の個数とすることができる。また、各ノード装置110には、必ず、ユーザ機器120が接続されているが、これに限られるものではない。基地局ノード装置110Aと子ノード装置110Bとの間の無線通信を中継するためだけのノード装置110、即ち、には、ユーザ機器120が接続されていないノード装置110を設けてもよい。さらに、ネットワークシステム100は、無線ネットワークシステムの一部に、有線によるネットワークを含むものであってもよい。例えば、ネットワークシステム100は、いくつかの無線ネットワークシステムを有線で互いに接続した構成であってもよい。
【0073】
また、前記ノード装置110とユーザ機器120との接続関係は、1対1となっているが、これに限られるものではない。すなわち、1つのノード装置110に複数のユーザ機器120,…が接続される構成であってもよい。
【0074】
前記ユーザ機器は、PC120A及び計測機器120Bを含んでいるが、これに限られるものではない。例えば、ユーザ機器120は、温度センサ、湿度センサ、加速度(衝撃)センサ、光センサ等のセンサであってもよい。
【0075】
また、前記の構成では、PC120Aがマスタ機として機能しているが、これに限られるものではない。マスタ機は、必ずしも、PCである必要はなく、計測機器の何れかであってもよく、PC以外のユーザ機器であってもよい。
【0076】
さらに、前記ネットワークシステム100においては、マスタスレーブ関係が成立しているが、これに限られるものではない。
【0077】
前記実施形態では、PC120Aからの電文を計測機器120Bへ送信する場合について説明しているが、これに限られるものではない。計測機器120Bで生成した電文を他の計測機器120B又はPC120Aに送信する場合であっても、該電文を生成した計測機器120Bが接続された子ノード装置110Bが電文解析を行って、ユニキャストを行ってもよい。
【0078】
また、ノード装置110には、1種類のプロトコルが設定されているが、これに限られるものではない。例えば、ノード装置110には、複数のプロトコルが設定されていてもよい。そして、ノード装置110は、電文を受信したときに、該電文に対応するプロトコルを保持しているプロトコルの中から選択し、該プロトコルに基づいて該電文から送信先アドレスを割り出すように構成されていてもよい。また、そのような場合には、1つのネットワークを構築するノード装置110,110,…に接続されるユーザ機器120,120,…のプロトコルは共通でなくてもよい。すなわち、プロトコルの異なるユーザ機器120,120,…が1つのネットワークに接続されていてもよい。
【0079】
また、基地局ノード装置110Aへの設定パラメータの設定は、PCからの入力に限られるものではない。基地局ノード装置110Aに設定パラメータを入力できる限り、任意の構成を採用することができる。さらに、前記実施形態では、基地局ノード装置110Aの設定パラメータをソフト的に入力しているが、ノード装置110に設けられたディップスイッチ等でハード的に設定する構成であってもよい。
【0080】
さらに、前記の構成では、ノード装置110の入力モードと読込モードとの切替を基地局ノード装置110Aか子ノード装置110Bかに基づいて行っているが、これに限られるものではない。例えば、読込モードのON/OFFを設定パラメータのユーザからの入力の有無で切り替えるように構成してもよい。具体的には、ノード装置110を、基本的には読込モードに設定しつつユーザからの設定パラメータの入力を受付可能な状態としておき、ユーザからの設定パラメータの入力があったときに、読込モードから入力モード(即ち、読込を行わないモード)に切り替わるように構成してもよい。
【0081】
また、前記の構成では、基地局ノード装置110Aに対して設定パラメータのユーザ設定が行われ、子ノード装置110B,110B,…は、基地局ノード装置110Aの設定パラメータを読み込んでいるが、これに限られるものではない。例えば、基地局ノード装置110A及び子ノード装置110B,110B,…が存在するネットワークにおいて、子ノード装置110B,110B,…の何れか1つの子ノード装置110Bに対して設定パラメータのユーザ設定が行われ、その設定パラメータをそれ以外の子ノード装置110B,110B,…及び基地局ノード装置110Aが読み込むように構成されていてもよい。
【0082】
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
【0083】
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書には何ら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0084】
以上説明したように、本発明は、複数のノード装置を備えたネットワークシステム、及び当該ネットワークシステムに用いられるノード装置について有用である。
【符号の説明】
【0085】
100 ネットワークシステム
110 ノード装置
120 ユーザ機器
120A PC(マスタユーザ機器)
120B 計測機器(スレーブユーザ機器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザ機器と、該ユーザ機器にそれぞれ有線により接続される複数のノード装置とを備え、一の該ユーザ機器から出力された電文を該ノード装置間での無線通信を介して他の該ユーザ機器へ送信するネットワークシステムであって、
前記ノード装置は、異なる種類の前記ユーザ機器を接続可能であり、前記ユーザ機器のプロトコルを設定可能であり、該プロトコルを変更することによって該異なる種類のユーザ機器からの電文を解析できるように構成されており、
前記電文を出力するユーザ機器に接続された前記ノード装置は、該電文を受信したときに、前記プロトコルに基づいて該電文を解析して該電文の送信先アドレスを割り出し、該送信先アドレスに対応した特定のノード装置に該電文を送信するネットワークシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のネットワークシステムにおいて、
一のネットワークを構築する複数の前記ノード装置に接続された前記ユーザ機器は、共通のプロトコルを有しているネットワークシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のネットワークシステムにおいて、
前記複数のユーザ機器は、マスタ機として機能するマスタユーザ機器と、スレーブ機として機能するスレーブユーザ機器とを含み、
前記マスタユーザ機器が接続されたノード装置は、前記プロトコルに基づいて該マスタユーザ機器からの電文を解析して該電文の送信先アドレスを割り出し、前記送信先アドレスに対応する前記スレーブユーザ機器が接続されたノード装置に該電文を送信するネットワークシステム。
【請求項4】
ユーザ機器に有線により接続可能なノード装置であって、
種類の異なる前記ユーザ機器を接続可能であって他のノード装置と無線通信可能であり、該ユーザ機器のプロトコルを設定可能であり、該プロトコルを変更することによって該異なる種類のユーザ機器からの電文を解析できるように構成されており、
接続された前記ユーザ機器から電文を受信したときに、前記プロトコルに基づいて該電文を解析して該電文の送信先アドレスを割り出し、該送信先アドレスに対応した特定の他のノード装置に該電文を送信するノード装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−74356(P2013−74356A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210140(P2011−210140)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000183369)住友精密工業株式会社 (336)
【Fターム(参考)】