説明

ネットワークシステム管理装置及びネットワークシステム管理方法並びにそのプログラム

【課題】ネットワークに接続されている制御対象の管理を容易に行うことができるネットワークシステム管理装置を提供する。
【解決手段】監視対象のシステム運用状況を検出し、システム運用状況が所定の状況となった場合に、当該システム運用状況を示す状況データと、監視対象に対応するメロディ音データを格納した状況通知情報を生成し、状況通知情報を管理者端末宛に送信する。そして、状況通知情報の送信に応じて管理者端末より受信した音声データを解析し、当該音声データに対応する監視対象を抽出し、抽出した音声データに対応するメロディ音データからなる確認情報を前記管理者端末へ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークシステムに接続された機器の管理を行うネットワークシステム管理装置及びネットワークシステム管理方法並びにそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ファイバチャネル等のSAN(Storage Area Network)のネットワークに接続される物理的なデバイスは、インタフェースのWWPN(World Wide Port Name)や、デバイスの論理ユニットのWWID(World Wide Identifier)の8バイトの識別子を用いて管理される。
なお、ネットワークに接続されたデバイスを管理する技術として特許文献1が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−63063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ネットワークの管理者は、ストレージ装置などのファイバチャネルのネットワークに接続される物理的なデバイスにおいて何らかの問題が発生した場合、これらの識別子の数字が報告されただけでは、直ちに問題の発生箇所(デバイス)を特定し、問題発生に基づいて影響が及ぶネットワーク内の範囲等を把握することは困難である。そして、近年、ネットワークには、非常に多数のストレージ装置等の物理デバイスの接続が行われるようになってきており、それらを一つずつ識別し管理する管理者の負担はより大きなものとなっている。
【0005】
そこでこの発明は、上述の課題を解決することのできるネットワークシステム管理装置及びネットワークシステム管理方法並びにそのプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、監視対象のシステム運用状況を検出し、前記システム運用状況が所定の状況となった場合に、当該システム運用状況を示す状況データと、前記監視対象に対応するメロディ音データを格納した状況通知情報を生成し、前記状況通知情報を管理者端末宛に送信し、前記状況通知情報の送信に応じて前記管理者端末より受信した音声データを解析し、当該音声データに対応する監視対象を抽出し、前記抽出した音声データに対応するメロディ音データからなる確認情報を前記管理者端末へ送信することを特徴とするネットワークシステム管理装置である。
【0007】
また本発明は、ネットワークシステム管理装置におけるネットワークシステム管理方法であって、監視対象のシステム運用状況を検出し、前記システム運用状況が所定の状況となった場合に、当該システム運用状況を示す状況データと、前記監視対象に対応するメロディ音データを格納した状況通知情報を生成し、前記状況通知情報を管理者端末宛に送信し、前記状況通知情報の送信に応じて前記管理者端末より受信した音声データを解析し、当該音声データに対応する監視対象を抽出し、前記抽出した音声データに対応するメロディ音データからなる確認情報を前記管理者端末へ送信することを特徴とするネットワークシステム管理方法である。
【0008】
また本発明は、ネットワークシステム管理装置のコンピュータを、監視対象のシステム運用状況を検出する手段、前記システム運用状況が所定の状況となった場合に、当該システム運用状況を示す状況データと、前記監視対象に対応するメロディ音データを格納した状況通知情報を生成する手段、前記状況通知情報を管理者端末宛に送信する手段、前記状況通知情報の送信に応じて前記管理者端末より受信した音声データを解析し、当該音声データに対応する監視対象を抽出する手段、前記抽出した音声データに対応するメロディ音データからなる確認情報を前記管理者端末へ送信する手段、として機能させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、管理者が音声によって指定した制御対象と制御内容が誤っていないかを、メロディ音によって確認することができるので、管理者が音声によって指定した入力内容の確認を、容易に行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】ネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】サーバ装置とFCスイッチとストレージ装置の接続構成を示す図である。
【図3】ネットワークに接続されているデバイス装置の識別子と、管理者が新たに設定するデバイス装置の定義名との関係を示す図である。
【図4】SANにおいて管理される経路情報の例を示す図である。
【図5】ネットワークシステム管理装置で管理されるネットワーク構成を示す第1の図である。
【図6】ネットワークシステム管理装置で管理されるネットワーク構成を示す第2の図である。
【図7】ネットワークシステム管理装置の処理フローを示す第1の図である。
【図8】ネットワークシステム管理装置の機能ブロック図である。
【図9】ネットワークシステム管理装置が備える経路管理部の機能ブロック図である。
【図10】経路データベースで記憶する経路情報のデータ例を示す図である。
【図11】信号処理部の機能ブロック図である。
【図12】ネットワークシステムにおける各装置の処理フローを示す第1の図である。
【図13】ネットワークシステムにおける各装置の処理フローを示す第2の図である。
【図14】ネットワークシステムにおける各装置の処理フローを示す第3の図である。
【図15】ネットワークシステムにおける各装置の処理フローを示す第4の図である。
【図16】ネットワークシステムにおける各装置の処理フローを示す第5の図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態によるネットワークシステム管理装置を図面を参照して説明する。
図1は第1の実施形態によるネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
この図において、符号1はファイバチャネルなどのSANのネットワークシステムに接続されたサーバ装置、2はファイバチャネルスイッチ(以下、FCスイッチとする)、3はストレージ装置である。これらサーバ装置1、FCスイッチ2、ストレージ装置3は、それぞれ複数存在してネットワークに接続されていてもよく、その場合、1つのサーバ装置1は複数のFCスイッチと接続され、1つのFCスイッチは複数のストレージ装置と接続されている。
【0012】
また、ネットワークシステムには、SANのネットワークシステムに接続されたデバイス装置(サーバ装置1、FCスイッチ2、ストレージ装置3など)を管理するネットワークシステム管理装置4、外部ネットワークと内部ネットワークとの間の相互通信接続を制御し所望の通信を遮断するファイアフォール5、外部からのSANのネットワークシステムへアクセスするユーザの認証を行う認証接続サーバ6、無線を介して他装置と接続する送受信器7が接続される。そして、本実施形態においては、当該ネットワークシステムへは、システム管理者が、自信で携帯する管理者端末8を利用してアクセスする場合の例を用いて説明する。
【0013】
図2はサーバ装置とFCスイッチとストレージ装置の接続構成を示す図である。
この図においては、サーバ装置1−A,1−Bおよび、FCスイッチ2−A,2−B、ストレージ装置3−A,3−BがSANのネットワークシステムに接続される場合の例について説明している。
図示するように、サーバ装置1−Aが、FCスイッチ2と接続するためのFCインタフェースa,b,c,dの4つのインタフェースを有するものとする。またストレージ装置3−Aが、FCスイッチ2と接続するためのFCインタフェースe,f,g,hを有するものとする。サーバ装置1−Bおよびストレージ装置3−BのFCインタフェースの説明については省略する。なお図2において、サーバ装置1−A,1−Bそれぞれと、FCスイッチ2−A,2−Bそれぞれとを接続する実線、およびFCスイッチ2−A,2−Bそれぞれと、ストレージ装置3−A,3−Bそれぞれとを接続する実線は、FCケーブルの物理線を示している。
また、FCスイッチ2−A,2−B内における点線は、当該点線で表されるインタフェース間においてアクセスが許可されるようにゾーニング(FCスイッチの外部と内部のインタフェース間の接続関係)が設定されていることを示している。またストレージ装置3−A,3−Bの内部において示す円筒形は、ストレージ装置3内に設けられた論理記憶デバイスを示している。当該論理記憶デバイスは、SANにおいてはLUN(論理ユニット番号)によって管理される。
【0014】
図3はネットワークに接続されているデバイス装置の識別子と、管理者が新たに設定するデバイス装置の定義名との関係を示す図である。
この図において上段は、サーバ装置1とストレージ装置3との間の経路の表記を示している。
WWPN(a)はサーバ装置1のHBA(ホストバスアダプタ)の識別子、WWPN(e)はターゲットとなるストレージ装置3のFCインタフェースの識別子である。またWWID(x)はストレージ装置3内の論理記憶デバイスの識別子である。なお、WWPNおよびWWIDは、ともに8バイトの識別子である。
【0015】
また図3において下段は、ネットワークに接続されているデバイ装置の識別子について、管理者が設定した新たな定義名(New Name)を示している。当該定義名の登録は、管理者が携帯する管理者携帯端末8より、定義名を音声で登録することにより行われる。
例えば、サーバ装置1−AのFCインタフェースのWWPN(a)には、ホスト名とインタフェースの物理的な位置を組み合わせた文字列が登録される。
また、ターゲットとなるストレージ装置3−AのFCインタフェースのWWPN(e)には、ストレージ装置3−Aのシステム名及びインタフェースの物理的な位置を表す番号を組み合わせた文字列が登録される。
また、ストレージ装置3−A内の論理記憶デバイスの識別子WWID(x)には、ストレージ装置のシステム名及び論理記憶デバイスの番号を組み合わせた文字列が登録される。
【0016】
図4はSANにおいて管理される経路情報の例を示す図である。
この図では、ネットワークシステム管理装置4において管理されているSANにおける経路情報を示す図である。1番目に登録されている経路情報は、サーバ装置1−Aとストレージ装置3−Aの論理記憶デバイスxとを接続するデフォルト経路のうちの1つを示しており、サーバ装置1−AのFCインタフェースのWWPN(a),ターゲットとなるストレージ装置3−AのFCインタフェースのWWPN(e),ストレージ装置3−A内の論理記憶デバイスの識別子WWID(x)が、SAN上のデバイス装置の識別子、および、新しく定義された定義名のそれぞれによって、関連付けられて登録されている。
また、2番目に登録されている経路情報は、サーバ装置1−Aとストレージ装置3−Aの論理記憶デバイスxとを接続するデフォルト経路のうちの1つを示しており、サーバ装置1−AのFCインタフェースのWWPN(a),ターゲットとなるストレージ装置3−AのFCインタフェースのWWPN(g),ストレージ装置3−A内の論理記憶デバイスの識別子WWID(x)が、SAN上のデバイス装置の識別子、および、新しく定義された定義名のそれぞれによって、関連付けられて登録されている。
【0017】
また、3番目に登録されている経路情報は、サーバ装置1−Aとストレージ装置3−Aの論理記憶デバイスxとを接続するデフォルト経路のうちの1つを示しており、サーバ装置1−AのFCインタフェースのWWPN(b),ターゲットとなるストレージ装置3−AのFCインタフェースのWWPN(f),ストレージ装置3−A内の論理記憶デバイスの識別子WWID(x)が、SAN上のデバイス装置の識別子、および、新しく定義された定義名のそれぞれによって、関連付けられて登録されている。
また、4番目に登録されている経路情報は、サーバ装置1−Aとストレージ装置3−Aの論理記憶デバイスxとを接続するデフォルト経路のうちの1つを示しており、サーバ装置1−AのFCインタフェースのWWPN(b),ターゲットとなるストレージ装置3−AのFCインタフェースのWWPN(h),ストレージ装置3−A内の論理記憶デバイスの識別子WWID(x)が、SAN上のデバイス装置の識別子、および、新しく定義された定義名のそれぞれによって、関連付けられて登録されている。
【0018】
また、5番目に登録されている経路情報は、サーバ装置1−Aとストレージ装置3−Aの論理記憶デバイスxとを接続するデフォルト経路のうちの1つを示しており、サーバ装置1−AのFCインタフェースのWWPN(c),ターゲットとなるストレージ装置3−AのFCインタフェースのWWPN(e),ストレージ装置3−A内の論理記憶デバイスの識別子WWID(x)が、SAN上のデバイス装置の識別子、および、新しく定義された定義名のそれぞれによって、関連付けられて登録されている。
また、6番目に登録されている経路情報は、サーバ装置1−Aとストレージ装置3−Aの論理記憶デバイスxとを接続するデフォルト経路のうちの1つを示しており、サーバ装置1−AのFCインタフェースのWWPN(c),ターゲットとなるストレージ装置3−AのFCインタフェースのWWPN(g),ストレージ装置3−A内の論理記憶デバイスの識別子WWID(x)が、SAN上のデバイス装置の識別子、および、新しく定義された定義名のそれぞれによって、関連付けられて登録されている。
【0019】
また、7番目に登録されている経路情報は、サーバ装置1−Aとストレージ装置3−Aの論理記憶デバイスxとを接続するデフォルト経路のうちの1つを示しており、サーバ装置1−AのFCインタフェースのWWPN(d),ターゲットとなるストレージ装置3−AのFCインタフェースのWWPN(f),ストレージ装置3−A内の論理記憶デバイスの識別子WWID(x)が、SAN上のデバイス装置の識別子、および、新しく定義された定義名のそれぞれによって、関連付けられて登録されている。
また、8番目に登録されている経路情報は、サーバ装置1−Aとストレージ装置3−Aの論理記憶デバイスxとを接続するデフォルト経路のうちの1つを示しており、サーバ装置1−AのFCインタフェースのWWPN(d),ターゲットとなるストレージ装置3−AのFCインタフェースのWWPN(h),ストレージ装置3−A内の論理記憶デバイスの識別子WWID(x)が、SAN上のデバイス装置の識別子、および、新しく定義された定義名のそれぞれによって、関連付けられて登録されている。
なお、デバイス装置の識別子で示す経路の情報は、各デバイス装置の識別子それぞれが8バイトで3つに区分されて表記される。また新しく定義された定義名で示す経路の情報も、各デバイス装置の定義名それぞれの文字列が3つに区分されて表記される。
【0020】
図5はネットワークシステム管理装置で管理されるネットワーク構成を示す第1の図である。
ネットワークシステム管理装置4は、この図で示すような、ネットワークにおける経路情報を管理している。具体的には、図5で示すように、サーバ装置1のFCインタフェースの実体であるHBA、ターゲットとなるストレージ装置3のFCインタフェース、ストレージ装置3内の論理記憶デバイスのLUN(論理ユニット番号)、サーバ装置1のFCインタフェース、各要素の組み合わせによって、経路情報を管理している。経路情報で示されるそれぞれの要素は、論理記憶デバイスの記憶するデータへ、アクセスを行う目的で利用される。HBAおよびターゲットとなるストレージ装置3のFCインタフェースのそれぞれにWWPNが、またストレージ装置3内の論理記憶デバイスにWWIDが割り当てられる。
【0021】
図6はネットワークシステム管理装置で管理されるネットワーク構成を示す第2の図である。
この図では、ネットワークシステム管理装置4が管理する経路情報において、管理者がネットワークに接続されるデバイス装置に対して文字列により定義名を付与した場合の、例を示している。
つまり、HBAおよびターゲットとなるストレージ装置3のFCインタフェースのそれぞれに設定されているWWPNに対して文字列による定義名が登録され、ストレージ装置3内の論理記憶デバイスに設定されているWWID対して文字列による定義名が登録され、これをネットワーク管理装置4において記憶管理する。外部の装置(管理者端末8など)が、ストレージ装置3内の論理記憶デバイスにアクセスする場合において、文字列の定義名でアクセスされる場合には、ネットワークシステム管理装置4は、それぞれの要素に設定されているWWPNやWWID等の識別子に基づいて、その識別子に対応する文字列の定義名に変換された情報を記憶する経路データベース内の経路情報から取得して、要素に張られた関連をたどることにより、目的とする論理記憶デバイスへのアクセスを行う。また、経路IDは、後述のネットワークシステム管理装置4で経路に対して一意に割り当てられる値である。
【0022】
図7はネットワークシステム管理装置の処理フローを示す第1の図である。
まず、ネットワークシステム管理装置4は、経路情報において出現するネットワーク上の経路の要素を、経路情報を記憶する記憶部から読み取り、当該要素について定義名が設定されているか否かを判定する(ステップS101)。そして、要素について定義名が設定されていなければ、管理者からの定義名の登録指示が登録されているかを判定する(ステップS102)。そして、登録指示が自装置の記憶部に記録されている場合には、当該登録指示で示される定義名の情報を、ネットワーク上の経路の要素の識別子(WWPNやWWIDなど)に対して設定する(ステップS103)。
【0023】
図8はネットワークシステム管理装置の機能ブロック図である。
この図が示すように、ネットワークシステム管理装置4は、他の装置との通信処理を行う通信処理部41、各種情報を記憶する記憶部42、ストレージ装置3へアクセスする際の経路情報を管理する経路管理部43、管理者端末8との間で音声信号による情報のやり取りを行う信号処理部44、管理者端末8からの制御またはサーバ装置1からの通知によって、管理者の指定した制御が行われているかどうかの状態を監視する制御ステータス管理部45である。
ここで、上述した経路情報は記憶部42の記憶する経路データベースに登録されている。
【0024】
図9は、ネットワークシステム管理装置が備える経路管理部の機能ブロック図である。
この図で示すように、経路管理部43は、経路データベース管理部431、定義入力部432、経路監視部433、経路照合部434を備えている。
ここで、経路データベース管理部431は、記憶部42の記憶する経路データベースの管理を行う処理部である。
また、定義入力部432は、管理者の指示に基づいて経路情報などの定義を入力し、経路データベース管理部431を介して、経路情報などの定義を変更する処理を行う。
また、経路監視部433は、サーバ装置1が監視するSANの経路の状況情報を取得して、記憶部42で記憶する経路情報に含まれるデバイス装置の状況を管理する処理部である。
また、経路照合部434は、照合要求のあったデバイス装置が経路データベースに存在するかを照合する処理部である。
【0025】
図10は経路データベースで記憶する経路情報のデータ例を示す図である。
この図が示すように、経路データベースで記録される経路情報には、経路ID、経路名、定義済みフラグ、監視対象フラグ、属性情報を対応付けて保持している。経路IDは、サーバ装置1から、ターゲットとなるストレージ装置3内の論理記憶デバイスへアクセスする際にSAN内で利用される経路の識別子を示すものである。また経路名は経路IDで示される経路の名称である。本実施形態において経路名は図10で示すように、経路上の要素となる複数のデバイス装置の定義名の文字列が連なるものである。定義済みフラグは、経路についての文字列による名称(定義名)が定義されたか否かを示すフラグである。ここで、経路上の各要素の各識別子(サーバ装置1のFCインタフェースのWWPN、ターゲットとなるストレージ装置3のFCインタフェースのWWPN、ストレージ装置3内の論理記憶デバイスの識別子WWID)に対する定義名が未設定なものについては、当該経路名は、それら経路上の各要素の識別子によって表される。また定義名が設定済みであるものについては、経路名は、当該経路上の各要素の定義名の文字列によって表される。
これらの経路情報は、定義入力部432が外部装置(管理者端末8など)から受け付けて、当該受け付けた情報に基づいて経路データベース管理部431が登録する。そして、その登録を行うと経路データベース管理部431は、定義済みフラグをONに設定する。また経路データベース管理部431は、定義入力部432が外部装置から受け付けた指示情報に基づいて、経路上の監視対象の有無を示す監視対象フラグや、属性情報を登録する。当該属性情報は、監視対象などの経路上のデバイス装置に何らかのイベントが発生した場合の動作(制御内容)を示している。
【0026】
図11は信号処理部の機能ブロック図である。
この図が示すように、信号処理部44は、制御部441、音声処理部442、外部制御管理部443、制御ステータス管理部444、イベント情報管理部445を備えている。
制御部441は、信号処理部44内の各処理部を制御する処理部である。
また音声処理部442は、入力が音声信号である場合には当該音声信号のデコーダ、出力が音声である場合にはエンコーダの処理を行う。音声処理部442は、デコード時には受信した音声信号に基づいて、内部での信号処理を行うためのデータをフォーマットに従い生成する。また、音声信号にエンコード処理する際には、データのフォーマットを音声信号に変換して管理者携帯端末8などの外部装置へ送信する。
【0027】
また外部制御管理部443は、外部の管理者端末8などから送信された情報に基づいて処理を行う処理部である。
また制御ステータス管理部444は、制御対象の制御状況を示すステータスを管理者端末8へ通知する処理部である。制御ステータス管理部444は、管理者端末8などの外部装置からの制御情報に基づいて、上述した信号処理部44内の各処理部において処理が進んでいるかの状況をモニタする処理部である。
またイベント情報管理部445は、SANのネットワークに接続されている監視対象のデバイス装置において発生したイベント情報を処理する処理部である。
【0028】
次に、ネットワークシステムに接続される各装置の処理の詳細について説明する。
図12はネットワークシステムにおける各装置の処理フローを示す第1の図である。
まず、管理者が管理者端末8を用いてネットワークシステム管理装置4にアクセスする際の認証処理について説明する。
管理者は、管理者端末8を用いてSANに接続されているネットワークシステム管理装置4へアクセスする操作を行う。この操作は、例えばネットワークシステム管理装置4に対して電話回線を介してアクセスするための電話番号を入力する(ステップS201)。これにより、管理者端末8はネットワークシステム管理装置4へ、入力された電話番号に基づいて回線接続を行う(ステップS202)。当該回線接続は認証接続サーバ6が、まず送受信器7を介して受信し、管理者端末8の認証処理を行う(ステップS203)。
【0029】
認証接続サーバ6は、音声自動応答機能(Interactive Voice Response機能)を有しており(以下、IVR機能とする)、当該認証処理においては、認証接続サーバ6のIVR機能が、管理者IDと管理者暗証番号の入力を促す音声信号を順次、管理者端末8へ送信する(ステップS204,206)。すると、管理者端末8から出力される音声に基づいて、管理者は、まず管理者IDをキーボタンを用いて入力し、また管理者暗証番号をキーボタンを用いて入力する。これにより、管理者端末8は管理者IDを示すDTMF(Dual-Tone Multi-Frequency)信号を認証接続サーバ6へ送信し(ステップS205)、また管理者暗証番号示すDTMF信号を認証接続サーバ6へ送信する(ステップS207)。
【0030】
管理者IDと管理者暗証番号を受信すると、次に認証接続サーバ6は、IVR機能を用いて、管理装置IDと管理装置暗証番号の入力を促す音声信号を順次、管理者端末8へ送信する(ステップS208,210)。すると、管理者端末8から出力される音声に基づいて、管理者は、まず管理装置IDをキーボタンを用いて入力し、また管理装置暗証番号をキーボタンを用いて入力する。これにより、管理者端末8は管理装置IDを示すDTMF信号を認証接続サーバ6へ送信し(ステップS209)、また管理装置暗証番号示すDTMF信号を認証接続サーバ6へ送信する(ステップS211)。
【0031】
次に、認証接続サーバ6は、受信した管理者ID,管理者暗証番号、および、管理装置ID,管理装置暗証番号を格納した接続要求を、ネットワークシステム管理装置4へ送信する(ステップS212)。すると、ネットワークシステム管理装置4の通信処理部41は、接続要求に含まれる管理者IDと管理者暗証番号の組み合わせおよび、管理装置IDと管理装置暗証番号の組み合わせが、記憶部42に記録されているかを判定する。そして、管理者IDと管理者暗証番号の組み合わせおよび、管理装置IDと管理装置暗証番号の組み合わせがともに記憶部42に記録されていれば、通信処理部41は認証成功と判定する(ステップS213)。そして、ネットワークシステム管理装置4の通信処理部41は、認証許可を示す情報を、認証接続サーバ6へ送信する(ステップS214)。そして、認証接続サーバ6は、管理者端末8からのネットワークシステム管理装置4へのアクセスを許可し、接続許可を示す信号を管理者端末8へ送信する(ステップS215)。
【0032】
また、ステップS215において認証許可を示す情報を受信した場合には、認証接続サーバは、ファイアウォール5へ通知する。これにより、ファイアウォール5において、管理者端末8からのアクセスを通過させる処理を行い管理者端末8とサーバ装置1との間において通信が開始される。なお、ファイアウォール5は、管理者端末8から送信された操作情報や音声信号のデータや、ネットワークシステム管理装置4から送信された情報や音声信号のデータを相互に転送するよう予め設定されているものとする。
【0033】
図13はネットワークシステムにおける各装置の処理フローを示す第2の図である。
認証成功によりアクセスが許可された場合、管理者端末8は、ネットワークシステム管理装置4と通信を行う。ここで、ネットワークシステム管理装置4の信号処理部44において、当該信号処理部44内の音声処理部442は、IVR機能を有している。そして、音声処理部42は、管理者端末8からの通信を受け付けると、当該IVR機能によって制御対象の指定入力を促す音声信号を管理者端末8へ送信し(ステップS301)、管理者端末8からの信号の受信を待機する。ここで、管理者端末8からは、キーボタンの押下によるDTMF信号や、音声信号によって、SANに接続されているサーバ装置1のHBAのFCインタフェース、ストレージ装置3内の論理記憶デバイス、HBAから論理記憶デバイスまでの経路、等の制御対象種別の何れかについて制御を行うことができる。そして、管理者は、管理者端末8から出力される音声に従って、制御対象の番号を、キーボタンを用いて入力する。すると、管理者端末8は押下されたキーボタンに対応する制御対象を示すDTMF信号をネットワークシステム管理装置4へ送信する(ステップS302)。するとネットワーク管理装置4の信号処理部44において、音声処理部442が、制御対象を示すDTMF信号を解析し(ステップS303)、管理者の指定した制御対象種別を検出する(ステップS304)。
【0034】
次に音声処理部442は、IVR機能を用いて、検出した制御対象種別によって特定される複数の制御対象の指定入力を促す音声信号を管理者端末8へ送信し(ステップS305)、管理者端末8からの信号の受信を待機する。ここで、制御対象の指定は、制御対象に対して既に管理者が登録した定義名を、管理者が音声入力することによって行う。なお定義名は、制御対象種別がHBAであればそのHBAのFCインタフェースに対して登録された定義名であり、または制御対象種別が論理記憶デバイスであればその論理記憶デバイスのLUNに割り当てられた定義名であり、制御対象種別が経路であればその経路に含まれる制御対象(HBAのFCインタフェース、ターゲットとなるストレージ装置3のFCインタフェース、そのストレージ装置3における論理記憶デバイスのLUN)のそれぞれに対して割り当てられた定義名全てである。
管理者は、管理者端末8において、指定した制御対象種別によって特定される1つまたは複数の制御対象のうち、制御したい制御対象の定義名を音声入力し、管理者端末8が音声入力を受け付ける(ステップS306)。すると、管理者端末8は、入力された音声を示す音声信号をネットワークシステム管理装置4へ送信する(ステップS307)。
【0035】
次に、ネットワークシステム管理装置4の音声処理部442は、管理者端末8より受信した音声信号をIVR機能を用いて解析して音声を認識し(ステップS308)、その音声認識によって特定した文字列を結合した音声データを生成する(ステップS309)。そして音声処理部442は、その音声データを音声信号に変換し(ステップS310)、当該音声信号と、音声認識が正しいかどうかの入力を促すガイダンスの音声信号とを管理者端末8へ送信する(ステップS311)。そして、管理者端末8において音声認識の結果の音声が出力され(ステップS312)、その音声認識の結果に間違いがない場合には、管理者は音声ガイダンスに応じて音声認識が正しいことを入力するためのキーボタンを押下する(ステップS313)。音声認識に誤りがあればその旨を入力するためのキーボタンが押下される。すると、管理者端末8は、入力されたキーボタンに対応するDTMF信号をネットワーク管理者端末4へ送信する(ステップS314)。
【0036】
ネットワーク管理装置4の音声処理部442は、管理者端末8から受信したDTMF信号によって、音声認識が正しく行われたかを検出し(ステップS315)、正しく行われたと管理者によって指定されたことを検出した場合には、当該音声認識の結果の音声に対応する文字列を経路データベース管理部4312へ通知する。すると経路データベース管理部431は、音声から認識された文字列によって定義名を特定し(ステップS316)、当該定義名に対応付けられて記憶部42内の経路データベースに記録されている制御対象の識別子を読取り(ステップS317)、外部制御管理部443へ出力する。なお、音声処理部442は、管理者端末8から受信したDTMF信号によって、音声認識が誤っていると管理者によって指定されたことを検出した場合には、制御対象の音声による指定入力を促す音声信号を再度、管理者端末8へ送信する、または管理者からの制御受付を終了するなどの処理を行う。また、音声認識の結果の音声に対応する文字列に対応する定義名が経路データベースに記録されていないと経路データベース管理部431から通知を受けた場合にも、制御対象の音声による指定入力を促す音声信号を再度、管理者端末8へ送信する、または管理者からの制御受付を終了するなどの処理を行う。
【0037】
音声処理部442における音声認識の結果の文字列に対応する制御対象の識別子が、経路データベースで記録されている場合には、外部制御管理部443が、音声処理部442から取得した識別子によって特定される制御対象に対する制御内容の入力を促すガイダンス音声の音声信号を管理者端末8へ送信する(ステップS318)。そして、管理者端末8において、管理者が指定した制御対象に対する制御のための音声ガイダンスが出力される(ステップS319)。この音声ガイダンスにおいては、制御内容とその番号がアナウンス形式で管理者端末8のスピーカから順次出力される。制御内容としては、制御対象の状態の報告要求、制御対象の属性の報告要求、制御対象の利用可否報告要求、などである。管理者が所望の制御内容に対応する番号のキーボタンを押下すると、管理者端末8は、入力された番号を含んだ制御要求を示すDTMF信号をネットワークシステム管理装置4へ送信する(ステップS320)。これによりネットワークシステム管理装置4は、管理者から指定された制御対象を制御する。
【0038】
図14はネットワークシステムにおける各装置の処理フローを示す第3の図である。
次に、ネットワークシステム管理装置4において、管理者から指定された制御対象を制御する際の処理について説明する。
ネットワークシステム管理装置4の音声処理部442は、上述のステップS320により制御要求を示すDTMF信号を受信すると(ステップS401)、その受信したDTMF信号を解析して管理者が指定した制御内容を示す番号を認識する(ステップS402)。そして、その番号を外部制御管理部443へ通知する。すると外部制御管理部443は、指定された制御内容を示す番号を格納した制御データをサーバ装置1へ送信する(ステップS403)。そして、制御対象を監視するサーバ装置1が制御データを受信し、当該制御内容に基づく制御を行って(ステップS404)、その制御結果をネットワークシステム管理装置4へ送信する(ステップS405)。
【0039】
例えば、制御内容が制御対象の状態の報告要求であれば、サーバ装置1は、制御対象の識別子で特定される制御対象と通信を行い、制御対象の状態情報(例えば一例としては、HBAであれば単位時間当たりの通信量、論理記憶デバイスであれば残り記憶容量、ストレージ装置のFCインタフェースであればそのFCインタフェースにおける単位時間当たりの通信量など)を取得し、それをネットワークシステム管理装置4へ送信する。
また、制御内容が制御対象の属性の報告要求であれば、サーバ装置1は、制御対象の識別子で特定される制御対象と通信を行い、制御対象の属性情報(例えば一例としては、HBAのFCインタフェースに割り当てられた定義名、ストレージ装置3のFCインタフェースに割り当てられた定義名、論理記憶デバイスに割り当てられた定義名など)を取得、それをネットワークシステム管理装置4へ送信する。
また、制御内容が制御対象の利用可否報告要求であれば、サーバ装置1は、制御対象の識別子で特定される制御対象と通信を行い、制御対象の利用可否情報(制御対象と通信可能かどうかの情報)を取得、それをネットワークシステム管理装置4へ送信する。
【0040】
なお、制御対象が経路であれば、その経路上の各制御対象の要素の、各制御内容で示される情報が取得される。また、制御内容の情報は、ネットワークシステム管理装置4が制御対象と直接通信して当該制御対象から取得する場合のほか、ネットワークシステム管理装置4が制御対象を管理するサーバ装置1へ制御内容と制御対象の情報とを通知し、当該サーバ装置1が制御内容と制御対象の情報に基づいて情報を取得し、その情報をネットワークシステム管理装置4へ通知するようにしてもよい。
【0041】
そして、ネットワークシステム管理装置4の外部制御管理部443は、サーバ装置1より取得した制御結果の情報を音声処理部442へ通知して音声信号の生成を要求する。すると音声処理部442は、外部制御管理部424が制御内容と制御対象の情報に基づいて取得した制御結果の情報を文字列に変換した上で音声信号に変換し(ステップS406)、当該音声信号を管理者端末8へ送信する(ステップS407)。これにより、管理者端末8においては音声によって、管理者が指定した制御対象に対する制御内容の結果が出力される。管理者は、自信が指定した制御対象に対する制御内容の結果を把握することが可能となる。
【0042】
ネットワークシステム管理装置4は、その後、他の制御対象と制御内容の指定入力を促す音声信号を繰り返す。そして、管理者端末8から制御対象がこれ以上無い旨を通知する番号のDTMF信号を受信した場合には、処理を終了管理者端末8との間の通信を接続する。
【0043】
以上の処理によれば、管理者は、管理者端末8のマイクに向かって話すことにより音声での制御の指定入力を行い、また、音声ガイダンスに従ってキーボタンの番号を押下することにより、ネットワークシステムに接続された監視対象に対する制御を行うことができるようになる。また、制御対象についての情報が管理者端末8に通知される場合には、管理者が制御対象に対して登録した定義名が音声により通知される。これにより、管理者の制御対象に対する制御操作の労力と、制御対象の把握とが容易となり、ネットワークシステムに接続された制御対象に対する管理者の管理の負担を軽減することが可能となる。
【0044】
<第2の実施形態>
図15はネットワークシステムにおける各装置の処理フローを示す第4の図である。
次に、サーバ装置1が監視対象を監視して異常などの状態情報を検出して管理者端末へ通報し、当該通報に基づいて管理者が管理者端末を操作して通報を受けた監視対象に対する所望の制御を行う場合の例について説明する。
まず、サーバ装置1は、HBAのFCインタフェース、ストレージ装置3内の論理記憶デバイス、およびストレージ装置3内の論理記憶デバイスへアクセスする経路上の要素を監視しているものとする。当該監視は、例えば一例として、サーバ装置1が各監視対象に対して定期的に通信を行い、通信が正常に行えるかどうかによって、各監視対象の異常または正常の判定の監視を行う。または、監視対象毎に、その単位時間当たりの通信量や、記憶容量が閾値を超えたかどうかを示す監視を行うようにしてもよい。そして、サーバ装置1は、ある監視対象について異常と判定した場合(ステップS501)、またはある監視対象の状況が閾値を超えた場合などにおいて、ネットワークシステム管理装置4へ監視対象の識別子とその状況情報(異常・正常など)を送信する(ステップS502)。なお、サーバ装置1は単に、監視によって取得した情報をネットワークシステム管理装置4へ送信し、ネットワークシステム管理装置4のイベント情報管理部445が、監視対象が異常かどうかの判定や、監視対象の状況が閾値を越えたかどうかを判定する処理を行うようにしてもよい。
【0045】
すると、ネットワークシステム管理装置4のイベント情報管理部445は、通知を受けた監視対象の識別子に対応する定義名の文字列を記憶部42内の経路データベースから読み取り、また、状況情報に対応する文字列を記憶部42から読み取る。そしてイベント情報管理部445は、それら監視対象の定義名の文字列と、状況情報を示す文字列とを音声処理部442へ出力する。音声処理部442は、監視対象の定義名の文字列と、状況情報を示す文字列とを認識して音声信号へ変換し(ステップS503)、IVRの機能を用いて、当該変換後の音声信号を含むガイダンス音声を管理者端末3へ送信する(ステップS504)。
【0046】
すると、管理者端末3は、ガイダンス音声によって音声信号に含まれる監視対象の定義名と、状況情報を音声によって出力する(ステップS505)。これにより、管理者は、ネットワークシステムに接続されている監視対象の状況を把握する。例えば、HBAや論理記憶デバイスの故障や、論理記憶デバイスの容量がFULLであるなどの把握や、サーバ装置1からストレージ装置3内の論理記憶デバイスまでの経路上の通信障害などを把握することができる。
そして、管理者は、監視対象において異常などが発生した場合には、上述の第1の実施形態で説明したものと同様に、ネットワークシステム管理装置4へ電話番号を用いてアクセスし、制御を行う。
【0047】
なお、ネットワークシステム管理装置4から送信される音声信号の代わりにメールによって、管理者端末8へ監視対象の定義名と、その監視対象の状況情報が通知されるようにしてもよい。この場合、イベント情報管理部445は、監視対象の定義名の文字列と、状況情報を示す文字列とを本文に記載したメールデータを生成し、当該メールデータの宛先として管理者端末8を指定して、メールデータを送信する。当該メールデータには、ネットワークシステム管理装置4にアクセスするための電話番号やURLなどが記載されるようにしてもよい。
【0048】
<第3の実施形態>
図16はネットワークシステムにおける各装置の処理フローを示す第5の図である。
上述の第2の実施形態の処理において、ネットワークシステム管理装置4が管理者端末8に対して、監視対象の定義名やその監視対象の状況情報を通知するにあたり、管理者が、どの監視対象に対する状況情報であるかを容易に認識できるようにするため、メロディを付与して送信するようにしてもよい。
監視対象の定義名とその監視対象の状況情報がメールで通知される場合において、イベント情報管理部445は、そのメールを作成するにあたり(ステップS601)、監視対象に対応するメロディデータを記憶部42から読取り、当該メロディデータをメールに添付して(ステップS602)、管理者端末8へ送信する(ステップS603)。メールを受信した管理者端末8においては、自動で、または管理者の操作によって、メールに添付されたメロディデータの実行に基づくメロディ音を出力する(ステップS604)。
【0049】
そして、管理者は、上述の第1の実施形態で説明したものと同様に、ネットワークシステム管理装置4へ電話番号を用いてアクセスし、メールで通信された状況に応じた制御対象の指定の処理が行われる。
【0050】
ここで、管理者端末8からの制御を管理するネットワークシステム管理装置4は、管理者端末8から音声の入力によって指定された制御対象種別と制御対象と制御内容とが確定すると、制御対象に対する制御を行う前に、その制御対象を特定するメロディデータを記憶部42から読取り(ステップS605)、IVR機能により当該メロディの音声信号(確認情報)を管理者端末8へ送信する(ステップS606)。これにより、管理者端末8においてはメロディをスピーカから出力する(ステップS607)。
【0051】
管理者は、メールに添付されたメロディデータによるメロディ音と、IVR機能によって着信したメロディの音出力によるメロディ音とを聞き比べ、同じメロディかどうかを判定する。そして、メロディ音が一致すれば、管理者は、自信が音声によって指定した制御対象が間違いなく制御されることを認識できる。
そして、管理者は、制御実行を示す番号のキーボタンを押下し、管理者端末8がその番号のDTMF信号をネットワークシステム管理装置4へ送信する(ステップS608)。すると、ネットワークシステム管理装置4の音声処理部442が、DTMF信号を解析して番号を抽出し、その番号が、制御実行可を示す番号であるかを判定する(ステップS609)。そして、制御実行可である場合には、管理者が管理者端末8を用いて音声によって指定した制御対象に対する制御内容を処理する(ステップS610)。制御内容の処理が行われた後の処理は、第1の実施形態の処理と同様である。
【0052】
この処理によれば、管理者が音声によって指定した制御対象と制御内容が誤っていないかを、メロディ音によって確認することができるので、管理者が音声によって指定した入力内容の確認を、容易に行うことができるようになる。
【0053】
なお、上述のネットワークシステムに接続された各装置や管理者端末は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0054】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0055】
1・・・サーバ装置
2・・・FCスイッチ
3・・・ストレージ装置
4・・・ネットワークシステム管理装置
5・・・ファイアウォール
6・・・認証接続サーバ
7・・・送受信器
8・・・管理者端末
41・・・通信処理部
42・・・記憶部
43・・・経路管理部
44・・・信号処理部
45・・・制御ステータス管理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象のシステム運用状況を検出し、
前記システム運用状況が所定の状況となった場合に、当該システム運用状況を示す状況データと、前記監視対象に対応するメロディ音データを格納した状況通知情報を生成し、
前記状況通知情報を管理者端末宛に送信し、
前記状況通知情報の送信に応じて前記管理者端末より受信した音声データを解析し、当該音声データに対応する監視対象を抽出し、
前記抽出した音声データに対応するメロディ音データからなる確認情報を前記管理者端末へ送信する
ことを特徴とするネットワークシステム管理装置。
【請求項2】
前記監視対象に対する制御指示を前記管理者端末より音声信号により受け付けて、当該制御指示に基づく制御を行う
ことを特徴とする請求項1に記載のネットワークシステム管理装置。
【請求項3】
ストレージエリアネットワークに接続されており、
前記監視対象は、ストレージエリアネットワークに接続されたネットワーク機器であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のネットワークシステム管理装置。
【請求項4】
前記ネットワーク機器は、自装置のホストバスアダプタ、または、前記ストレージエリアネットワークに接続されたストレージ装置である
ことを特徴とする請求項3に記載のネットワークシステム管理装置。
【請求項5】
ネットワークシステム管理装置におけるネットワークシステム管理方法であって、
監視対象のシステム運用状況を検出し、
前記システム運用状況が所定の状況となった場合に、当該システム運用状況を示す状況データと、前記監視対象に対応するメロディ音データを格納した状況通知情報を生成し、
前記状況通知情報を管理者端末宛に送信し、
前記状況通知情報の送信に応じて前記管理者端末より受信した音声データを解析し、当該音声データに対応する監視対象を抽出し、
前記抽出した音声データに対応するメロディ音データからなる確認情報を前記管理者端末へ送信する
ことを特徴とするネットワークシステム管理方法。
【請求項6】
ネットワークシステム管理装置のコンピュータを、
監視対象のシステム運用状況を検出する手段、
前記システム運用状況が所定の状況となった場合に、当該システム運用状況を示す状況データと、前記監視対象に対応するメロディ音データを格納した状況通知情報を生成する手段、
前記状況通知情報を管理者端末宛に送信する手段、
前記状況通知情報の送信に応じて前記管理者端末より受信した音声データを解析し、当該音声データに対応する監視対象を抽出する手段、
前記抽出した音声データに対応するメロディ音データからなる確認情報を前記管理者端末へ送信する手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−59210(P2012−59210A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−204619(P2010−204619)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】