説明

ネットワークスキャナ

【課題】 WSD(Web Services on Devices)スキャンサービスにおけるプッシュスキャンでは、PC103がMFP104からのサービスを享受するために登録要求を行う。この登録要求コマンドにはPC103のPC名が格納されており、ユーザがMFPからプッシュスキャンを実行する際にはスキャンデータの送信先としてPC名を選択することができる。しかし、この時点でMFP104はPC103のログオンユーザ名を認識できないため、ユーザがスキャンデータを誤送信する危険性がある。
【解決手段】 ユーザがMFP104の表示部から動作開始要求の要請コマンドの送信先となるPCを、前記操作部の操作により決定する前に動作開始要求の要請コマンドを前記情報端末装置に発行する。これにより前記PCから送信されてくるログオンユーザ名を含んだ動作開始要求コマンドから抽出した前記ログオンユーザ名を、前記表示部に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿に記載された画像を光学的に読取スキャナ装置、複写機を含む画像形成装置に関するものである。特に、例えば、ネットワークに接続されたPCのような情報端末装置とスキャナ機能を備えた多機能周辺機器(MFP:Multi Function Peripheral)のような画像形成装置とからなる情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ネットワーク上に接続される画像形成装置には、原稿を読み取って生成したデータ(以下、スキャンデータ、画像データ、或いは原稿データ)をPCなどの情報端末装置へ送信するいわゆるスキャナ機能を有するものがある。
【0003】
このスキャン機能には、プルスキャン機能とプッシュスキャン機能とがある。プルスキャン機能は、クライアントである情報端末装置側の操作によってサーバである画像形成装置のスキャナ機能が起動され、画像形成装置から情報端末装置へスキャンデータを送信する機能である。プッシュスキャン機能は、画像形成装置(サーバ)側の操作によってスキャンデータを送信する情報端末装置(クライアント)を決定し、スキャンデータを情報端末装置に送信する機能である。このプッシュスキャン機能に関しても、いくつかの技術が開示されている。本発明ではサーバからクライアントへとスキャン操作の開始希望を知らせるイベントを通知し、その情報を元にクライアントからプルスキャンを行うという方式のプッシュスキャンについて説明する。
【0004】
一般に、複数のクライアントとサーバとから構成され、且つ、特定のクライアントとサーバのとの通信が占有されていないネットワークシステムにおいて、サーバから特定のクライアントへのイベント通知を認識する為の方法が2つあった。
【0005】
1つは、クライアントがサーバに対してポーリングを行う方法である(ポーリング型プッシュスキャン)。即ち、クライアントであるPCとサーバであるMFPとからなるシステムにおいて、MFPでのイベント発生を検出する為に、PCがMFPに対してポーリングを行う方法である。
【0006】
具体的には、PCがMFPに対してUDP(User Datagram Protocol)通信でポーリング要求を行い、同時にMFPは通信しているPCのリスト情報を保持する。MFPはPCからのポーリング要求イベントが発生した際、イベントの対象となるPCに対するポーリング応答のみにイベントの発生を通知する。これによりそのPCがイベントの通知を認識しMFPに対してTCP(Transmission Control Protocol)通信を用いたサービスを要求する(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
特許文献1では、ポーリング型プッシュスキャンであり、クライアントからサーバへ送信される各種要求パケットフレームにスキャンデータの送信先情報としてPC名やログオンユーザ名等の識別情報格納されている。この方法は、動作は複雑だがサーバがクライアントの情報を容易に取得できる。
【0008】
もう1つは、サーバが全ての或いは特定のクライアントに対して、イベントの発生を通知する方法である(イベント型プッシュスキャン)。即ち、クライアントであるPCとサーバであるMFPとからなるシステムにおいて、MFPがPCに対してイベントの発生を通知する方法である。具体的には、MFP自身がUDP通信によるブロードキャストを使用してネットワーク上の全てのPCに対してイベント発生を通知する。その後、該当するPCのみがイベントの通知を認識して、MFPに対してTCP通信を用いたサービスを要求する。
【0009】
現在イベント型プッシュスキャンでは、Webサービス技術を使用することにより、サーバがクライアントにサービスを提供することが普及しつつある。このWebサービス技術では、サーバが、WSDL(Web Services Description Language)で記述されたファイルをSOAP(Simple Object Access Protocol)を用いてクライアントに提供する。クライアントはそのサービス記述情報を解析して、サーバがどのようなサービスを提供しているか、またはどのような手順及びプロトコルでサービスを受けるかを認識することができる。例えばWebサービススキャナ(WS−Scanner)システムにおけるプッシュスキャンでは、画像データの送信先情報を管理する画像読取装置(例えば、特許文献2参照)が考案されている。
【0010】
特許文献2は、イベント型プッシュスキャンに関する発明であり、画像読取装置内に保持している宛先情報に基づいて試みた通信が失敗した場合、該宛先情報を無効とする。
【特許文献1】特開2007−219956号公報
【特許文献2】特開2008−034923号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1のようなポーリング型プッシュスキャンとは異なり、特許文献2のようなイベント型プッシュスキャンでは、サーバが識別できるクライアント情報は、プロトコルの制限を受けてしまう。例えばWINDOWS(登録商標) VISTAにおけるプロトコルであるWSD(Web Services on Devices)スキャンサービスにおけるプッシュスキャン(以後、WSDプッシュスキャンと称する)では、サーバであるMFPが識別可能なクライアントPC情報はPC名だけである。その為、MFPを操作しているユーザにとっては、データ送信先としてPC名は選択できるものの、ログオンユーザ名を確認できない、という問題があった。
【0012】
したがって、第1のユーザがMFPを操作しPCに対してプッシュスキャンを実行したところ、第2のユーザがPCを利用していた場合、第1のユーザのスキャンデータが第2のユーザに誤送信されるという問題が生じてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明は上記の目的を達成するため、本発明の画像処理システムは画像形成装置で生成した画像データを、ネットワーク上の情報端末装置に通信プロトコルに従って送信する画像処理モードを持つ画像処理システムであって、前記画像形成装置は前記画像処理モードを指定するモード指定手段と、前記通信プロトコルに従って接続が成立している情報端末装置の情報を表示する表示手段と、画像データを送信する前記情報端末装置を、前記表示手段に表示された情報端末装置から選択する選択手段と、画像データを前記選択手段で選択された情報端末装置に送信するモード実行手段を有するとともに、前記指定手段により前記画像処理モードが指定された後であって、前記選択手段により前記情報端末装置が選択されるより前に、動作開始要求のコマンドを前記情報端末装置に発行し、前記情報端末装置は、前記画像形成装置から受信した前記動作開始要求のコマンドに従って、前記情報端末装置の利用者識別情報を含むコマンドを前記画像形成装置に発行し、前記画像形成装置は、受信した前記コマンドから前記利用者識別情報を取得し、前記表示手段に反映させて表示することを特徴とする。
【0014】
本発明の画像読取方法は更に、画像形成装置で生成した画像データを、ネットワーク上の情報端末装置に通信プロトコルに従って送信する画像処理モードを持つ画像処理システムの制御方法であって、前記画像処理モードを指定するモード指定工程と、前記通信プロトコルに従い接続が成立している情報端末装置の情報を表示する表示工程と、画像データを送信する前記情報端末装置を、前記表示手段に表示された情報端末装置から選択する選択工程と、画像データを前記選択工程で選択された情報端末装置に送信するモード実行工程と、前記指定工程により前記画像処理モードが指定された後であって、前記選択工程により前記情報端末装置が選択されるより前に、動作開始要求のコマンドを前記情報端末装置に発行することで利用者識別情報を取得する工程とを有し、前記表示手段に前記利用者識別情報を反映させて表示させることを特徴とする。
【0015】
本発明の画像処理装置は更に、画像形成装置で生成した画像データを、ネットワーク上の情報端末装置に通信プロトコルに従って送信する画像処理モードを持ち、前記画像処理モードを指定するモード指定手段と、前記通信プロトコルに従って接続が成立している情報端末装置の情報を表示する表示手段と、画像データを送信する前記情報端末装置を、前記表示手段に表示された情報端末装置からから選択する選択手段と、画像データを前記選択手段で選択された情報端末装置に送信するモード実行手段と、前記指定手段により前記画像処理モードが指定された後であって、前記選択手段により前記情報端末装置が選択されるより前に、動作開始要求のコマンドを前記情報端末装置に発行することで利用者識別情報を取得する取得手段とを有し、前記表示手段に前記利用者識別情報を反映させて表示させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、WSDプロトコルを用いたプッシュスキャンにおいて、ユーザがスキャンデータの送信先を選択する際に、従来のPC名に加え前記PCにログオンしているログオンユーザ名を確認することができる。これにより、ユーザはスキャンデータの誤送信を回避することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【実施例】
【0018】
本発明の実施の形態としてネットワーク上における通信プロトコルの1つである、WSDプロトコルを用いたプッシュスキャンを行なう画像処理システムを例に詳細に説明する。
【0019】
図1は本発明の実施例に関わるネットワーク読取環境を示した概念図である。Local Area Network(LAN)101にルータ102、情報端末であるPC103、 ネットワークに対応した画像形成装置であるMulti Function Peripheral(MFP)104が接続されている。
【0020】
ルータ102はIPv6およびIPv4の両者で通信可能な一般に販売されている通信仲介装置であり、接続されているネットワーク内において、IPアドレスの解決などを行う。このルータ102には、無線通信機能を具備しアクセスポイントと称されるものもある。
【0021】
図1および以降の説明では有線LANケーブルであるLAN101から構成されるネットワークについて扱うが、発明の本質は無線LANであっても、有線LANと無線LANが混在するネットワークであっても同様である。なお、図1では1台のPCのみが図示されているが、複数のPCが1つのルータ102に接続可能であり、1つのMFP104をネットワーク上に存在し、WSDプロトコルにより接続が成立した複数のPCで共有して印刷および読取を行うことも可能である。本実施例ではPC103とMFP104とは、ルータ102によって適切なIPアドレスが割り当てられており、LAN101経由での通信が可能となっている。
【0022】
図2は本発明の実施例に関わるPC103の物理的構成の概略を示したブロック図である。
【0023】
CPU201は、ROM203のプログラム用ROMあるいは外部メモリ(DSK)213に記憶された文書処理プログラム等に基づいて、図形や、イメージ、文字、表(表計算等を含む)等が混在した文書処理を実行する。また、CPU201は、システムバス210に接続される各デバイスを総括的に制御する。
【0024】
ROM203のプログラム用ROMあるいはDSK223には、CPU201の制御プログラムであるOperation System program(OS)等が記憶されている。ROM203のフォント用ROMあるいはDSK223には、上記文書処理の際に使用するフォントデータ等が記憶されている。ROM203のデータ用ROMあるいはDKS223には、上記文書処理等を行う際に使用する各種データが記憶されている。
【0025】
RAM202は、CPU201の主メモリやワークエリア等として機能する。
【0026】
ディスクコントローラ(DKC)213は、DSK223とのアクセスを制御する。
【0027】
DSK223は、ブートプログラム、各種アプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、及びMFP制御コマンド生成プログラム(以下、MFPドライバと記す)等を記憶する。また、DSK223は、ハードディスク(HD)やフレキシブルディスク(FD)等で構成される。
【0028】
キーボードコントローラ(KBC)214は、キーボード(KB)224や不図示のポインティングデバイスからのキー入力を制御する。
【0029】
ディスプレイコントローラ(DSPC)215は、ディスプレイ(DSP)225の表示を制御する。
【0030】
プリンタコントローラ(PRTC)216は、USB Interface(I/F)212、USBコネクタ222、または、NWI/F211、NWコネクタ221を介して接続するプリンタとの通信制御処理を実行する。
【0031】
スキャナコントローラ(SRTC)217は、USB Interface(I/F)212、USBコネクタ222、または、NWI/F211、NWコネクタ221を介して接続するスキャナとの通信制御処理を実行する。
【0032】
USBI/F212は、USBコネクタ222に接続される非図示のUSBケーブルを介してMFP104と通信することができる。
【0033】
NWI/F211は、NWコネクタ221に接続される、非図時のPCMCIAカードタイプの無線LANカード或いはLANケーブルを介して、MFPとネットワーク経由で通信が出来る。前述した無線LAN通信に関連する部位がPCに内蔵されている構成であっても本発明の動作には影響ない。
【0034】
なお、CPU201は、例えばRAM202上に設定された表示情報のアウトラインフォントへの展開(ラスタライズ)処理を実行し、DSP225上でのWYSIWYGを可能としている。また、CPU201は、DSP225上に表示されるマウスカーソル等で指示されたコマンドに基づいて、登録された種々のウインドウを開き、種々のデータ処理を実行する。
【0035】
これによって、ユーザは印刷を実行する際、印刷の設定に関するウインドウを開き、MFP104の印刷部に関する設定や、印刷モードの選択を含むプリンタドライバに対する印刷処理方法の設定を行うことができる。同様にユーザは、読取を実行する際、読取に関するウインドウを開きMFP104の読取部に関する設定や、読取モードの選択を含む読取処理方法の設定を行うことができる。
【0036】
また、一般的にPCでは何らかのOSが動作していて、そのOS環境で印刷を行うためには印刷用ソフト(プリンタドライバ)や、読取を行う読取用ソフト(スキャナドライバ)が必要となる。プリンタドライバおよびスキャナドライバは、OSメーカーあるいはプリンタメーカーから提供され、予めPCにインストールされたり、CDなどの形式で提供されたりする。プリンタで印刷および読取を行うためには、何らかの形でプリンタドライバおよびスキャナドライバをインストールする必要があり、本実施例ではプリンタドライバおよびスキャナドライバがインストール済みである。
【0037】
図3は本発明の実施例に関わるネットワークMFPの物理的構成の概略を示したブロック図である。
【0038】
MFP用CPU301は、システムバス310に接続される印刷部(プリンタエンジン)324へ出力情報としての画像信号を、印刷部I/F314を経由して出力する。また、CPU301は、システムバス310に接続される読取部(スキャナエンジン)325から入力情報としての画像信号を、読取部I/F315を経由して入力する。CPU301はこれらの処理を、ROM303のプログラム用ROMに記憶された制御プログラム等あるいはDSK323に記憶された制御プログラム等に基づいて実行する。読取部325は非図示の原稿台或いはそれに準じた装置と接続されている。
【0039】
ROM303のプログラム用ROMには、CPU301の制御プログラム等が記憶されている。ROM303のフォント用ROMには、上記出力情報を生成する際に使用するフォントデータ等が記憶されている。ROM303のデータ用ROMには、ハードディスク等のDSK323を用いないMFP104の場合ではPC103上で利用されるプリンタ性能情報、デバイス識別情報等が記憶されている。
【0040】
CPU301は、MFP104内の情報等をPC103に通知可能に構成されている。RAM302はCPU301の主メモリやワークエリア等として機能する。またRAM302は図示しない増設ポートに接続されるオプションRAMによりメモリ容量を拡張することができるように構成されている。
【0041】
NWI/F311は、NWコネクタ321に接続される、非図時のPCMCIAカードタイプの無線LANカード或いはLANケーブルを介して、PCとNW経由で通信が出来る。前述した無線LAN通信に関連する部位がMFPに内蔵されている構成であっても本発明の動作には影響ない。
【0042】
USBI/F312は、USBコネクタ322に接続される非図示のUSBケーブルを介してPC103と通信することができる。
【0043】
RAM302は、出力情報展開領域や、環境データ格納領域、MFP104の各種情報の一時記憶用領域等に用いられる。ハードディスク(HD)や、ICカード等のDSK323は、メモリコントローラ(MC)313によりアクセスを制御される。DSK323は、オプションとして接続され、フォントデータや、エミュレーションプログラム、フォームデータ等を記憶する。さらに、操作パネル330には、操作のためのスイッチ及びLED表示器等が配されている。
【0044】
また、DSK323は、少なくとも1個以上備えられ、内蔵フォントに加えてオプションフォントカード、言語系の異なるMFP制御言語を解釈するプログラムを格納した外部メモリを複数接続できるように構成されていても良い。さらに、図示しない不揮発性であるNVRAMを有し、操作パネル330からのMFPの動作モード設定情報を記憶するようにしても良い。
【0045】
<<WSDプッシュスキャン>>
まず、WSDスキャンサービスにおけるプッシュスキャン(WSDプッシュスキャン)について概要を説明する。
【0046】
図4は、WSDプッシュスキャンの、概略シーケンスを示した図である。
【0047】
WSDプッシュスキャンを利用するに先立ち、予めクライアントPC103はサーバMFP104に対して登録要求(Subscribe)を行う(S401)。この登録要求コマンドにはPC103のPC名が含まれており、MFP104は該PC名を認識することが出来る。登録要求コマンドは、PC103がMFP104とネットワーク通信が可能になった時点でのみ発行される。
【0048】
MFP104はPC103の登録を完了すると、登録完了(SubscribeResponse)コマンドをPC103に対して返却する(S402)。この状態になると、PC103はMFP104が提供するWSDスキャンサービスを享受できるようになる。
【0049】
さて、ユーザがMFP104の設置場所へ行き、図3に非図示の原稿台にスキャン対象として例えば雑誌を置き、操作パネル330の操作によりプッシュスキャンを実行する為のボタンを押下する。該ボタン押下により、MFP104はスキャン開始要求の要請(ScanAvailableEvent)コマンドをPC103へ発行する(S403)。
【0050】
PC103はスキャン開始要求の要請コマンドを受信するとMFP104に対してスキャン事前確認(ValidateScanTicket)コマンドを発行する。このコマンドはPC103が期待するスキャンパラメータの組合せ、及び、PC103にログオンしているログオンユーザ名などが格納されている(S404)。
【0051】
MFP104はスキャン事前確認コマンドに格納された情報に基づきスキャンが可能か否かを確認し、スキャンが可能であればスキャン事前確認応答(ValidateScanTicketResponse)コマンドにてOK応答を返却する。また、スキャン不能であればNG応答を返却する(S405)。
【0052】
S405でOK応答を受信したPC103は、スキャン開始要求(CreateScanJob)コマンドを発行する。(S406)。スキャン開始要求コマンドもPC103にログオンしているログオンユーザ名が格納されている。S405でNG応答を受信した場合は、PC103はS406の処理および以降の処理を中断し、結果としてスキャンは実行されない。
【0053】
スキャン開始要求を受信したMFP104は、スキャンを開始できる状態であればスキャン開始応答(CreateScanJobResponse)コマンドを返却する(S407)。
【0054】
その後PC103はMFP104に対してデータ要求(RetrieveImage)コマンドを発行する(S408)。
【0055】
MFP104はデータ応答(RetrieveImageResponse)コマンドを返却し、PC103に対してスキャンデータを送信する(S409)。
【0056】
図5は本発明の実施例に関わるネットワークMFPの論理的構成の概略を示したブロック図である。図3に示す操作パネル330は図5に示す操作/表示部51の機能を果たす。操作/表示部51は、本実施例が適用される画像処理モードであるスキャンモード指示ボタン、送信先表示ボタン、プッシュスキャンモード実行開始ボタン、ならびに各種情報を表示する表示画面を備えている。
【0057】
スキャンモード移行ボタンは、プッシュスキャン実行用モードに移行するためのボタンである。送信先表示ボタンは、プッシュスキャンの送信先を表示画面に表示するためのボタンである。プッシュスキャンモード実行開始ボタンは、スキャンにより生成された画像データの送信開始を指示するためのボタンである。
【0058】
CPU301、RAM302、ROM303は、ジョブ/エンジン管理部52、ジョブ制御部53、エンジン制御部54、送信先管理部55、送信先記憶部56の各機能を果たす。NWI/F311は通信制御部57の機能を果たす。
【0059】
ジョブ/エンジン管理部はジョブ制御部53およびエンジン制御部54と通信可能であり、MFP104の読取エンジンの能力把握を始め、スキャン動作全体を管理する。
【0060】
ジョブ制御部53は、MFP104における実行ジョブを制御しており、例えばスキャン操作の為にMFP104の関連リソースをスキャン用に排他的に占有するなどの制御を行う。
【0061】
エンジン制御部54は、読取部I/F314を経由して読取部325と通信可能であり、スキャンデータの作成を制御する。通信制御部57は、PC103とのネットワーク通信を全て仲介する。
【0062】
図6は、WSDプッシュスキャンの基本シーケンスを示した図である。
【0063】
図7は、操作/表示部51に表示する送信先選択画面の一例(PC名のみ)を示した図である。
【0064】
図6では、図5で示した操作表示部51、ジョブ/エンジン管理部52、送信先管理部55、通信制御部57、操作表示部51を操作するユーザ61、PC103のNWI/F211により実現される通信制御部62を用いて説明する。
【0065】
本実施例ではPC―A、PC―B、PC―Cの3台のPCが接続されており、各々が登録を完了させているものとし、以下の実施例ではPC―AをPC103として説明する。
【0066】
また、PC−Aのログオンユーザ名はTaro、PC−Bのログオンユーザ名はJiro、PC−Cのログオンユーザ名はSaburoであるとし、Taroをユーザ61として説明する。
【0067】
まず、ユーザ61が、MFP104とPC103の各々について、ネットワーク配線を確認し電源をONする。その後MFP104とPC103との間でNW通信が確立されると、PC103はPC103の通信制御部62(以降、PC103と称する)を経由してMFP104に対して登録要求を発行する(S601)。
【0068】
登録要求コマンドはMFP104の通信制御部57にて受信され、送信先管理部55に送信される(S602)。
【0069】
図4を用いて説明した通り、該登録要求コマンドには送信先情報としてPC103のPC名が格納されている。送信先管理部55は、送信先情報を送信先管理部55を経由して、送信先記憶部56に記憶する。その際PC情報として、PC名、IPアドレスが関連付けて登録される。送信先管理部55はPC情報の登録を完了すると、PC103に対して登録完了を返却する(S603〜S604)。
【0070】
続いてユーザ61はプッシュスキャンを実行する為、操作/表示部51を操作し、スキャンモード指定ボタンを押下する(S605)。操作/表示部51はスキャン用操作画面を表示する。
【0071】
さらにユーザ61が送信先情報を操作/表示部51の送信先表示ボタンを押下することで、送信先情報要求コマンドが送信先管理部55へ通知される(S606〜S607)。
【0072】
送信先管理部55は送信先記憶部56から送信先情報を取得し、ユーザが識別できる形式で表示する(S608〜S609)。この時、送信先記憶部56はPC名しか情報を保持していない為、操作/表示部51の表示画面には、図7のように表示される。
【0073】
さらにユーザ61が操作/表示部51の操作を進め、送信先PCとして「PC―A」を選択し、スキャンモード実行ボタンを押下すると、画像処理として本実施例の場合にはスキャン動作開始要求の要請がPC103へと通知される(S610〜S613)。
【0074】
スキャン開始要求の要請を受信したPC103は、スキャン事前確認コマンドを発行し、所望のパラメータでのスキャンが可能か否かを問い合わせる(S614〜S615)。このスキャン事前確認コマンドには、前述の通りPC103へのログオンユーザ名が格納されており、MPF104はここで初めてPC103のログオンユーザ名が「Taro」であることを認識できる。
【0075】
スキャン事前確認コマンドを受信したジョブ/エンジン管理部52は要求されているパラメータでのスキャンが可能か否かを判断する。スキャンが可能ならOKを不可能ならNGをPC103へ応答する(S616〜S617)。
【0076】
PC103はスキャン事前確認応答でOKを受信したら、スキャン開始要求コマンドを発行する。(S618〜S619)。このスキャン開始要求コマンドにもPC103の利用者識別情報である、ログオンユーザ名のTaroが格納されている。スキャン事前確認応答でNGを受信した場合は、以降の処理を中断し、スキャンは実行されない。
【0077】
スキャン開始要求コマンドを受信したジョブ/エンジン管理部52は、ジョブ制御部53からMFP104の稼動状態を取得し、スキャン動作が可能であるか否かを判断する。スキャンが可能なら、読取エンジン54をスキャン開始要求で指定されたスキャンジョブ用に排他占有を試みる。排他占有が成功した場合は、引き続きスキャン動作が可能である為PC103にOKを、何かしらの理由によりスキャン動作が不可能であればNGをPC103へ応答する(S620〜S621)。
【0078】
PC103はスキャン開始応答でOKを受信したら、データ要求コマンドを発行し、MFP104へスキャンデータを要求する(S622〜S623)。スキャン開始応答でNGを受信した場合は、以降の処理を中断し、スキャンは実行されない。
【0079】
スキャンデータ要求を受信したジョブ/エンジン管理部52は、読取エンジン制御部54へスキャンデータの作成を要求し、作成されたスキャンデータを逐次PC103へと応答する(S624〜S625)。なお、本実施例ではスキャンデータを逐次送信しているが、スキャン開始要求、或いは、データ要求を受けた時点でスキャンデータを1ページ分作成してしまい、該データをまとめてPC103に返却してもよいが、本発明の趣旨から外れるので割愛する。
【0080】
通信制御部57は、PC103へのデータ転送を完了するとジョブ/エンジン管理部52を経由して操作/表示部51へスキャン完了を通知する(S626〜S627)。
【0081】
操作/表示部51は、スキャンの完了をユーザが識別できる形式で表示する(S628)。
【0082】
しかしながら、前述のシーケンスにおいて以下に記す通り誤送信のおそれがある。
【0083】
一般にユーザ61とPC103のログオンユーザは同一人物である。即ち、TaroがPC103にログオンし、PC103とMFP104とがネットワーク経由で通信可能であることを確認する。その上でスキャンしたい雑誌などを持ってMPF104へ移動し、プッシュスキャン操作を実行することが想定されている。
【0084】
ただし、TaroがMPF104の操作/表示部51のスキャンモード移行ボタンを押下する(S605)前に、Hanakoという別のユーザがPC103にログオンしてしまうケースが考えられる。
【0085】
この場合、Taroが自分自身へ送ろうと思っていたスキャンデータがHanakoに送られてしまうといった誤送信が生じてしまう。
【0086】
さらに、多数のPCを帳簿上で管理する為にPC名に英数字が割り当てられていた場合、例えばPC名には「ASDF−293849」のような文字列が割り当てられる。その状況において、もし操作/表示部に別のPC名として「ASDF−293649」といった非常に良く似た文字または数字列で表記されたPC名が表示されている場合、両PC名の区別は困難であり、やはり誤送信のおそれが生じる。
【0087】
<<本発明の特徴>>
上記の誤送信を回避する為の、本発明の特徴となるシーケンスを説明する。
【0088】
図8は、WSDプッシュスキャンに関する本発明のシーケンスを示した図である。
【0089】
図9は、操作/表示部51に表示する送信先選択画面の一例(PC名およびログオン名)を示した図である。
【0090】
図8では、図6と比べて特徴的な部分を中心に説明する。
【0091】
まず、PC103はMFP104に対して登録を完了する(S801〜S804)。これはS601からS604と同様である。
【0092】
次にユーザ61はプッシュスキャンを実行する為、操作/表示部51を操作し、スキャンモード移行ボタンを押下する(S805)。操作/表示部51はスキャン用操作画面を表示する。これはS605と同じであるが、以下の手順が図6のシーケンスとは異なる。
【0093】
まず、操作/表示部51はスキャンモード指定ボタンを押下された時点で、送信先管理部55に対して送信先詳細情報作成要求を発行する(S806)。
【0094】
送信先管理部55は送信先記憶部56に記憶されているPC宛に、スキャン動作開始要求の要請コマンドを発行する(S807〜S808)。ここで用いるスキャン動作開始要求の要請コマンドは正規のものであり、S613や後述するS820と同一コマンドである。
【0095】
スキャン動作開始要求の要請を受信したPC103は、スキャン事前確認コマンドを発行し、所望のパラメータでのスキャンが可能か否かを問い合わせる(S809〜S810)。このスキャン事前確認コマンドには、前述の通りPC103への利用者識別情報であるログオンユーザ名が格納されており、MPF104はここで初めてPC103のログオンユーザ名が「Taro」であることを認識できる。送信先管理部55は送信先記憶部56の該当PC情報にログオンユーザ名「Taro」を追加で関連付け、「PC−A Taro」のように記憶する。
【0096】
また、スキャン事前確認コマンドを受信したジョブ/エンジン管理部52は、要求されているパラメータでのスキャンが可能か否かを判断せずに、スキャン動作開始が不可能を意味する拒否応答(NG応答)をPC103へ応答する(S811〜S812)。
【0097】
PC103はスキャン事前確認応答でNGを受信する為、スキャン開始応答コマンドを含め、以降のコマンド発行は行わないため、スキャンは実行されない。
【0098】
さて、ユーザ61がS805のスキャンモード指定ボタン押下に続いて、操作/表示部51の送信先表示ボタンを押下することで、送信先情報要求コマンドが送信先管理部55へ通知される(S813〜S814)。
【0099】
送信先管理部55は送信先記憶部56から送信先情報を取得し、ユーザが識別できる形式で表示する(S815〜S816)。この時、送信先記憶部56はPC名に加えてログオンユーザ名を保持している為、操作/表示部51の表示画面には、図9のようにログオンユーザ名が反映されて表示される。
【0100】
この結果、ユーザ61は送信先としてPC名に加えてログオンユーザー名を確認することができ、正しい送信先を選択することができる。
【0101】
さらにユーザ61は操作/表示部51の操作を進め、送信先PCとして「PC―A Taro」を選択し、プッシュスキャンモード実行開始ボタンを押下すると、スキャン開始要求の要請がPC103へと通知される(S817〜S820)。これはS610からS613と同様である。また、S820におけるスキャン開始要求の要請コマンドは、前述のS808と同等のものである。
【0102】
以降は、スキャン事前確認および応答、スキャン開始要求および応答、データ要求および応答、スキャン完了通知が実行され、プッシュスキャンが完了する(S821〜S835)。これはS614からS628と同様である。
【0103】
ここで、仮に、TaroがMPF104の操作/表示部51のスキャンモード指定ボタンを押下する(S805)前に、Hanakoという別のユーザがPC103にログオンしたケースを考える。
【0104】
Taroが操作/表示部51の送信先表示ボタンを押下すると、前述の通りPC103へスキャン開始要求の要請コマンドが通知され(S805〜S808)、スキャン事前確認コマンドが送信先管理部55に通知される(S809〜S810)。
【0105】
このスキャン事前確認コマンドにはPC103のログオンユーザ名として「Hanako」が格納されている為、送信先記憶部56には「PC―A」と「Hanako」が関連付けられて記憶される。
【0106】
その後、Taroが操作/表示部51の送信先表示ボタンを押下すると、送信先管理部55は送信先情報応答として「PC−A Hanako」を返却する(S814〜S815)。
【0107】
操作/表示部51の表示画面には「PC−A Hanako」が表示される為、Taroは送信先のPCのログオンユーザが自分自身でないことに気付き、誤送信を回避することが出来る。
【0108】
<<その他の実施例>>
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨から逸脱することなく以下の実施例を実現することが可能である。
【0109】
1.
MFP104が複数のPCと接続されている場合、S807およびS808において複数のPC宛にスキャン開始要求の要請コマンドを発行することになる。その場合、ログオンユーザ名を取得する為の一連の処理(S809〜S812)が完了する前に、ユーザ61が操作/表示部51の送信先表示ボタンを押下してしまう(S813〜S814)状況が想定される。
それに備え、上記MFP104において、送信先管理部55は、S814の送信先情報要求を受信した時点での最新情報を操作/表示部51に返却しても良い。或いは、送信先管理部55は、接続された全てのPCからのログオンユーザ名の取得処理(S810〜S811)が完了するまで操作/表示部51への送信先情報応答(S815)を遅らせても良い。
【0110】
2.
上記MFP104において、S822のスキャン事前確認コマンドより取得したログオンユーザ名をジョブ/エンジン管理部52で一時的に保存しておいても良い。そして、その後、S826で受信するスキャン開始要求コマンドに格納されているログオンユーザ名と比較しても良い。
仮に両ログオンユーザが異なる場合は、S826で受信したスキャン開始要求コマンドに格納されているログオンユーザ名で操作/表示部51を更新し、スキャン処理の継続をユーザ61に対して問い合わせるようにしても良い。
操作/表示部51に、スキャン処理を継続させる為の処理継続ボタン、スキャン処理を中止させる為の中止ボタンを設けることで、ユーザ61は継続処理の是非を選択/指示することも可能である。
【0111】
3.
上記MFP104において、送信先管理部55自身が定期的に、ログオンユーザ名取得の為のスキャン開始要求の要請コマンドを発行するようにしても良い。
或いは、ジョブ/エンジン管理部52が、MFP104がアイドル状態であると判断した場合に、送信先管理部55に対してログオンユーザ名取得の為のスキャン開始要求の要請コマンドを発行するよう指示を与えるようにしても良い。
これらより、送信先管理部55は送信先情報を最新の状態に保つことが出来る。
【0112】
4.
上記MFP104において、操作/表示部51が送信先詳細情報作成要求コマンドを発行するタイミングを、ユーザ61が操作/表示部51送信先表示ボタンを押下したタイミングに変更しても良い。即ち、送信先情報要求S814が送信先詳細情報作成要求S806を兼ねることで、ログオンユーザ名取得処理(S807〜S812)を送信先情報要求S814と送信先情報応答S815との間に実行しても良い。
いずれにせよ、操作/表示部51がユーザ61に表示する送信先選択画面にログオンユーザ名を表示することで、本発明の目的を達成することが可能である。
【0113】
5.
前述の通り、本実施例の説明では、送信先管理部55はスキャン事前確認コマンドに格納されているログオンユーザ名(以下、事前確認ユーザ名と称する)を取得している。この代わりにスキャン開始要求コマンドに格納されているログオンユーザ名(以下、開始要求ユーザ名と称する)名を取得するようにしても良い。
この場合、S811およびS812におけるスキャン事前確認応答でOKを返却することで、PC103は引き続きスキャン開始要求コマンドを発行してくる。送信先管理部55は、スキャン開始要求コマンドから「開始要求ユーザ名」を取得し、PC103に対してスキャン開始応答でNGを返却する。これにより、PC103からのスキャン処理は中止される。前述の処理は、S812の直後に実行される。
また、その後S814で送信先情報要求コマンドを受信した送信先管理部55は、前述の通りに取得した「開始要求ユーザ名」をS815の送信先情報応答で返却する。
【0114】
上記の通り、前述の実施例の説明と同等の効果が得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明の実施例に関わる、ネットワーク読取環境を示した概念図である。
【図2】本発明の実施例に関わる、PCの物理的構成の概略を示したブロック図である。
【図3】本発明の実施例に関わる、ネットワークMFPの物理的構成の概略を示したブロック図である。
【図4】本発明の実施例に関わる、WSDScanサービスにおけるプッシュスキャンの、概略シーケンスを示した図である。
【図5】本発明の実施例に関わる、ネットワークMFPの論理的構成の概略を示したブロック図である。
【図6】本発明の実施例に関わる、WSDScanサービスにおけるプッシュスキャンの、基本シーケンスを示した図である。
【図7】本発明の実施例に関わる、操作/表示部に表示する送信先選択画面の一例(PC名のみ)を示した図である。
【図8】本発明の実施例に関わる、WSDScanサービスにおけるプッシュスキャンに関する本発明のシーケンスを示した図である。
【図9】本発明の実施例に関わる、操作/表示部に表示する送信先選択画面の一例(PC名およびログオン名)を示した図である。
【符号の説明】
【0116】
101 Local Area Network(LAN)
102 ルータ
103 PC
104 Network Multi−Function Peripheral(NWMFP)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置で生成した画像データを、ネットワーク上の情報端末装置に通信プロトコルに従って送信する画像処理モードを持つ画像処理システムにおいて、
前記画像形成装置は、
前記画像処理モードを指定するモード指定手段と、
前記通信プロトコルに従って接続が成立している情報端末装置の情報を表示する表示手段と、
画像データを送信する前記情報端末装置を、前記表示手段に表示された情報端末装置から選択する選択手段と、
画像データを前記選択手段で選択された情報端末装置に送信するモード実行手段を有するとともに、
前記指定手段により前記画像処理モードが指定された後であって、前記選択手段により前記情報端末装置が選択されるより前に、動作開始要求のコマンドを前記情報端末装置に発行し、
前記情報端末装置は、前記画像形成装置から受信した前記動作開始要求のコマンドに従って、前記情報端末装置の利用者識別情報を含むコマンドを前記画像形成装置に発行し、
前記画像形成装置は、受信した前記コマンドから前記利用者識別情報を取得し、
前記表示手段に反映させて表示することを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
前記利用者識別情報は情報端末装置にログオンしているログオンユーザー名であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記選択手段により画像データを送信する情報端末装置を選択する前に発行される前記動作開始要求のコマンドは、前記画像形成装置から前記モード実行手段に基づいて画像データを前記選択手段で選択された情報端末装置に送信する動作の動作開始要求のコマンドと同一コマンドである事を特徴とする、前記請求項1乃至2項に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記画像形成装置は、前記選択手段により画像データを送信する情報端末装置を選択する前に発行した動作開始要求のコマンドに対して、前記情報端末装置が発行したコマンドを受信し、受信したコマンドから利用者識別情報を取得した後に、前記情報端末装置に対して動作開始の拒否を示すコマンドを発行する事を特徴とする前記請求項1乃至3いずれか1項に記載の画像処理システム。
【請求項5】
前記画像形成装置は、前記選択手段により画像データを送信する情報端末装置を選択する前に発行した動作開始要求のコマンドを発行することで取得した第一の利用者識別情報を保存する保存手段を更に有し、
前記操作手段からの指示によって発行された動作開始要求のコマンドを発行することで取得した第二の利用者識別情報と比較し、それぞれの利用者識別情報が異なる場合には、第二の利用者識別情報を用いて前記表示手段を更新することを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項6】
前記画像形成装置は、前記操作手段からの指示によって発行された動作開始要求のコマンドに応じて接続された全ての前記情報端末装置からの利用者識別情報を含むコマンドの受信が完了するまで前記表示手段を表示させない事を特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項7】
画像形成装置で生成した画像データを、ネットワーク上の情報端末装置に通信プロトコルに従って送信する画像処理モードを持つ画像処理システムの制御方法において、
前記画像処理モードを指定するモード指定工程と、
前記通信プロトコルに従い接続が成立している情報端末装置の情報を表示する表示工程と、
画像データを送信する前記情報端末装置を、前記表示手段に表示された情報端末装置から選択する選択工程と、
画像データを前記選択工程で選択された情報端末装置に送信するモード実行工程と、
前記指定工程により前記画像処理モードが指定された後であって、前記選択工程により前記情報端末装置が選択されるより前に、動作開始要求のコマンドを前記情報端末装置に発行することで利用者識別情報を取得する工程とを有し、
前記表示手段に前記利用者識別情報を反映させて表示させることを特徴とする画像処理システムの制御方法。
【請求項8】
画像形成装置で生成した画像データを、ネットワーク上の情報端末装置に通信プロトコルに従って送信する画像処理モードを持つ画像処理装置において、
前記画像処理モードを指定するモード指定手段と、
前記通信プロトコルに従って接続が成立している情報端末装置の情報を表示する表示手段と、
画像データを送信する前記情報端末装置を、前記表示手段に表示された情報端末装置からから選択する選択手段と、
画像データを前記選択手段で選択された情報端末装置に送信するモード実行手段と、
前記指定手段により前記画像処理モードが指定された後であって、前記選択手段により前記情報端末装置が選択されるより前に、動作開始要求のコマンドを前記情報端末装置に発行することで利用者識別情報を取得する取得手段とを有し、
前記表示手段に前記利用者識別情報を反映させて表示させることを特徴とする画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−124124(P2010−124124A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−294595(P2008−294595)
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】