説明

ネットワーク制御システム、コンピュータープログラム

【課題】ネットワークに接続された複数の機器の制御に関する技術を提供する。
【解決手段】ネットワークに接続された複数の機器を制御するネットワーク制御システム10は、複数の機器(クライアント200とプリンター300)が起動した際、それら複数の機器の使用に関する情報に含まれる所定の事項が共通する場合に、それら複数の機器をグループ化し、グループ化を行ったそれら複数の機器が共通の対応をとるように制御するネットワーク制御システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークに接続された複数の機器を制御するネットワーク制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
情報セキュリティーの観点から、コンピューターの使用時に個人認証作業(以下「ログイン」と呼ぶ)を行うのが一般的である。近年においては、ネットワーク接続されたプリンターやスキャナー等の機器にもセキュリティーシステムを導入し、使用時に、これら各機器に対してログインを行うことも一般的となった。
【0003】
上記のセキュリティーシステムが整備された環境の下では、例えば、以下のような問題が生じる。1人のユーザーが、セキュリティーシステムの導入された複数のネットワーク接続機器を同時に使用した場合に、通常、各機器等は個々に節電モードの条件を判断しているので、ログインをしたユーザー(以下「ログインユーザー」と呼ぶ)が一定時間、コンピューター、プリンター、スキャナー等の機器(以下「機器等」と呼ぶ)を使用しないと、当該機器等は単独でセキュリティーロックの掛かった節電モードに移行してしまう。従って、ユーザーが、一方のコンピューターのディスプレイを閲覧しながら、他方のコンピューターで入力作業をしている場合、閲覧のみに使用しているコンピューターは、一定期間の経過後、使用がないと判断し、節電モードに移行する。よって、ユーザーは再度、当該コンピューターに対して、節電モードの解除作業を行わなければならないと言う問題が生じる。
【0004】
また、上記のセキュリティーシステムが整備された環境の下で、複数のユーザーが、各々にログインを行い、それらの機器を使用した場合に、当該セキュリティーシステムを利用して、種々の制御について、それら複数の機器を協調して制御するといった技術は未だ公に示されていない。
【0005】
ネットワーク接続された複数の機器等を協調して制御する技術としては、例えば、特許文献1に開示されたものが知られている。
【0006】
【特許文献1】特開平10−49267号公報
【0007】
上記技術は、複数のコンピューターが共通に使用している共通機器に対して、それら複数のコンピューターの動作に協調して制御するものに過ぎない。複数のコンピューターを同一のユーザーが使用する場合の協調制御や、複数のコンピューターを複数のユーザーが各々に使用する場合の協調制御等について、どのように制御するのが望ましいかは示されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、ネットワーク接続された複数の機器を互いに協調して制御することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するために、以下の形態または適用例を取ることが可能である。
【0010】
[適用例1]
ネットワークに接続された複数の機器を制御するネットワーク制御システムであって、前記複数の機器が起動した際、前記複数の機器の使用に関する情報に含まれる所定の事項が共通する場合に、前記複数の機器をグループ化し、前記グループ化を行った前記複数の機器が共通の対応をとるように制御するネットワーク制御システム。
【0011】
このネットワーク制御システムによれば、複数の機器を使用する際に、所定の事項が共通であればグループ化され、共通の対応をとるので、当該対応に関しては、ユーザーがそれら複数の機器を個々に制御しなくてよい。
【0012】
[適用例2]
前記所定の事項が共通するとは、使用者の共通、使用場所の共通、使用者の属性の共通のうち、少なくとも一つである適用例1記載のネットワーク制御システム。
【0013】
このネットワーク制御システムによれば、複数の機器を使用した際に、使用者、使用場所、使用者の属性の少なくとも一つが共通であれば、ユーザーが自らそれら複数の機器をグループ化する必要がない。
【0014】
[適用例3]
前記所定の事項が共通するとは、使用時間と使用場所とが共に共通である適用例1記載のネットワーク制御システム。
【0015】
このネットワーク制御システムによれば、複数の機器を使用した際に、使用時間と使用場所が共に共通であれば、ユーザーが自らそれら複数の機器をグループ化する必要がない。従って、例えば、会議等で複数のユーザーが、1カ所に集まって複数の機器を同時刻に使用する場合には、このネットワーク制御システムは自動でそれら複数の機器をグループ化する。
【0016】
[適用例4]
適用例1ないし3のいずれか記載のネットワーク制御システムであって、前記共通の対応とは、前記グループ化を行った前記複数の機器の節電に関する制御を、同一の制御によって行うことであるネットワーク制御システム。
【0017】
このネットワーク制御システムによれば、ユーザーが複数の機器を使用する場合に、それら複数の機器がグループ化されていれば、それら複数の機器の節電に関する制御を同一の制御によって行うので、ユーザーがそれら複数の機器の内の1台を使用していなくても、その1台だけが節電モードに移行することがない。
【0018】
[適用例5]
適用例1ないし3のいずれか記載のネットワーク制御システムであって、前記共通の対応とは、前記グループ化を行った前記複数の機器のディスプレイ表示に関する制御を、同一の制御によって行うことであるネットワーク制御システム。
【0019】
このネットワーク制御システムによれば、それら複数の機器がグループ化されていれば、それら複数の機器のディスプレイに同一の画像を表示することが可能である。
【0020】
[適用例6]
適用例1ないし3のいずれか記載のネットワーク制御システムであって、前記共通の対応とは、前記グループ化を行った前記複数の機器の電源に関する制御を、同一の制御によって行うことであるネットワーク制御システム。
【0021】
このネットワーク制御システムによれば、それら複数の機器がグループ化されていれば、それら複数の機器の1台で電源をオフにすれば、グループ内の他の機器の電源も同時に自動でオフにすることが可能である。
【0022】
[適用例7]
適用例1ないし3のいずれか記載のネットワーク制御システムであって、前記共通の対応とは、前記グループ化を行った前記複数の機器のプログラム更新に関する制御を、同一の制御によって行うことであるネットワーク制御システム。
【0023】
このネットワーク制御システムによれば、それら複数の機器がグループ化されていれば、それら複数の機器の1台でプログラム更新を行えば、グループ内の他の機器に自動でプログラム更新を実行させることが可能である。
【0024】
[適用例8]
適用例1ないし3のいずれか記載のネットワーク制御システムであって、前記共通の対応とは、前記グループ化を行った前記複数の機器のアプリケーションに関する制御を、同一の制御によって行うことであるネットワーク制御システム。
【0025】
このネットワーク制御システムによれば、それら複数の機器がグループ化されていれば、それら複数の機器で同一のアプリケーションを使用している場合に、それら複数の機器が協働で1つのアプリケーション上での作業を行うことが可能である。
【0026】
[適用例9]
適用例1ないし8のいずれか記載のネットワーク制御システムであって、さらに、前記複数の機器をグループ化し制御する制御装置を備え、前記制御装置は、前記複数の機器の前記使用に関する情報を記憶する使用情報記憶部と、前記複数の機器の前記使用に関する情報から、共通する前記所定の事項を備える機器を検索する共通事項検索部と、前記複数の機器をグループ化するグループ化処理部とを備えるネットワーク制御システム。
【0027】
このネットワーク制御システムによれば、使用情報記憶部と共通事項検索部とグループ化処理部とを備える制御装置を備えるので、ネットワーク接続された他の機器が、これら機能部を備える必要がない。
【0028】
[適用例10]
適用例9記載のネットワーク制御システムであって、前記制御装置はさらに、前記グループ化を行った前記複数の機器に対して、共通の処理命令を送信することによって、前記共通の対応をとらせる同期制御部を備えるネットワーク制御システム。
【0029】
このネットワーク制御システムによれば、制御装置はさらに同期制御部を備えるので、ネットワーク接続された他の機器が、同期制御部を備える必要がない。
[適用例11]
コンピューターにより実行されるコンピュータープログラムであって、ネットワークを介して接続された複数の機器が起動した際、前記複数の機器の起動情報に含まれる所定の事項が共通する複数の機器をグループ化する機能と、前記グループ化した前記複数の機器が共通の対応をとるように制御する機能とをコンピューターに実行させるコンピュータープログラム。
【0030】
このコンピュータープログラムによれば、当該コンピュータープログラムをコンピューターにインストールすれば、そのコンピューターによって、ネットワークを介して接続された他の機器の、使用に関する情報に含まれる所定の事項が共通する場合に、それら機器をグループ化し、共通の対応をとるように制御することができる。
【0031】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、ネットワーク機器統御方法および装置、ネットワーク機器統御システム、それらの方法または装置の機能を実現するための集積回路、コンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを記録した記録媒体等の形態で実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
A.第1実施例:
(A1)ネットワーク制御システムの構成
(A2)サーバーの構成
(A3)クライアントコンピューターの構成
(A4)プリンターの構成
(A5)認証(ログイン)処理及びグループ化処理
(A6)節電モード同期制御
B.第2実施例:
(B1)ネットワーク制御システムの構成
(B2)グループ化処理
(B3)ディスプレイ表示同期制御
C.変形例:
【0033】
A.第1実施例:
(A1)ネットワーク制御システムの構成:
図1は、第1実施例におけるネットワーク制御システム10の構成を示す説明図である。本実施例のネットワーク制御システム10は、サーバー100と、クライアントコンピューター200(以下「クライアント200」と呼ぶ)と、プリンター300を備えている。サーバー100、クライアント200、プリンター300は、LAN(Local Area Network)を介して接続されている。LANには、さらに、他のクライアントコンピューター、スキャナー、プロジェクターなど、ネットワーク接続可能な機器を接続してもよい。また、本実施例では、図示するように、ネットワークとして、有線LANを使用するものとしたが、無線LANを使用するものとしてもよい。
【0034】
ネットワーク制御システム10はセキュリティーシステムを備えており、セキュリティー管理はサーバー100によって一括で行われている。具体的には、ユーザーがクライアント200及びプリンター300を使用する際に、クライアント200及びプリンター300に対して、ユーザーID及びパスワードを各々入力する処理(以下「ログイン処理」と呼ぶ)を行うと、ユーザーID及びパスワード(以下「ログイン情報」と呼ぶ)が、サーバー100に送信される。
【0035】
(A2)サーバーの構成:
図2は、サーバー100の概略構成を示す説明図である。サーバー100は、周知のCPU110、ROM120、ハードディスク(HDD)130、RAM140、ネットワークインターフェイス(以下「NT−IF」と呼ぶ)150を備え、相互にバス180で内部接続されている。サーバー100はNT−IF150に接続されたLANを介して、ネットワーク制御システム10内の他の機器との通信を行い、各種データのやり取りを行う。
【0036】
ROM120はサーバー100の起動に必要なBIOSプログラムを記憶している。サーバー100の起動時にCPU110はROM120にアクセスし、BIOSを実行する。BIOSの実行に伴い、HDD130の所定のトラックに記憶されたオペレーティングシステム(以下「サーバーOS」と呼ぶ)がRAM140にロードされ、CPU110によりサーバーOSは実行される。サーバーOSとしては、Linux(登録商標)、Solaris(登録商標)、NetWare(登録商標)、Windows NT/2000(登録商標)等のサーバーOSを用いることができる。また、ログイン認証専用のサーバーを別途用意してもよい。
【0037】
CPU110は、ログイン監視部111、グループ化処理部112、同期制御部113を備えている。同期制御部113はさらに、節電モード同期制御部114、ディスプレイ表示同期制御部115を備えている。CPU110が備えるこれら各部の働きは、HDD130に記憶されたプログラムを実行することで機能する。これらの機能部の詳細については、後述する。
【0038】
HDD130は、磁気によってデータを記憶する記憶装置で、前述のサーバーOSやプログラムを記憶している。また、ネットワーク制御システム10を使用するユーザーの、ユーザーID、パスワード、所属部署等のユーザー情報が記録されたIDファイル131を記憶している。
【0039】
RAM140はCPU110における主記憶を構成している。CPU110は必要なプログラムを、この主記憶にロードして実行する。またRAM140はログイン状態記憶部141を備えている。ログイン状態記憶部141は、ログイン監視部111がログインを許可した機器、及びユーザーの、ユーザーID、IPアドレス、ログイン時間、ログイン場所等のログインユーザー情報を記憶するものである。また、グループ化処理部112がグループ化を行った機器の情報(以下「グループ化情報」と呼ぶ)も加えて記憶する。このログイン状態記憶部141は、特許請求の範囲に記載の使用情報記憶部に該当する。
【0040】
(A3)クライアントコンピューターの構成:
図3は、クライアントコンピューター200(以下「クライアント200」と呼ぶ)の構成を示す説明図である。クライアント200は周知のCPU210、ROM220、ハードディスク(HDD)230、RAM240、NT−IF250、光学ディスクドライブ260、外部入出力インターフェイス(以下「I/O−IF」と呼ぶ)270を備え、相互にバス280によって内部接続されている。クライアント200はNT−IF250に接続されたLANを介して、ネットワーク制御システム10内の他の機器との通信を行い、各種データのやり取りを行う。
【0041】
ROM220はクライアント200の起動に必要なBIOSプログラムを記憶している。クライアント200の起動時にCPU210はROM220にアクセスし、BIOSを実行する。BIOSの実行に伴い、HDD230の所定のトラックに記憶されたオペレーティングシステム(以下「OS」呼ぶ)がRAM240にロードされ、CPU210によりOSは実行される。
【0042】
CPU210はログイン制御部211、同期制御部213を備えている。同期制御部213はさらに、節電モード同期制御部214と、ディスプレイ表示同期制御部215とを備える。CPU210が備えるこれら各部の働きは、HDD230に記憶されたプログラムを実行することで機能する。これらの機能部の詳細については、後述する。
【0043】
HDD230は、磁気によってデータを記憶する記憶装置で、前述のOSやプログラムを記憶している。その他、アプリケーションプログラムや、ユーザーがこれらのアプリケーションプログラムを用いて生成したファイル等のデータを記憶する。
【0044】
I/O−IF270には、ディスプレイ271、キーボード272、マウス273、IDカードリーダー274が接続されている。ユーザーは、IDカードリーダー274に、ユーザーが所持しているIDカードを挿入することによって、クライアント200にユーザーIDを入力する。ユーザーのパスワードは、キーボード272を用いて入力する。
【0045】
(A4)プリンターの構成:
図4はプリンター300の概略構成を示した説明図である。プリンター300は、周知のCPU310、ROM320、RAM340、NT−IF350、I/O−IF370、プリンターエンジン390を備え、相互にバス380で内部接続されている。プリンター300はNT−IF350に接続されたLANを介して、ネットワーク制御システム10内の他の機器との通信を行い、各種データのやり取りを行う。
【0046】
ROM320は、プリンター300の動作を全般的に制御するための制御プログラムが記憶されている。CPU310は、ログイン制御部311、同期制御部313、印刷制御部316を備える。同期制御部313はさらに、節電モード同期制御部314を備える。CPU310が備えるこれら各部の働きは、ROM320、及びRAM340に記憶されたプログラムを実行することで機能する。
【0047】
印刷制御部316は、LANを介して接続された機器等から送信される画像データを読み込む。読み込んだ画像データと、後述する操作パネル372を用いて指定された印刷用紙サイズとに基づいて、プリンターエンジン390を制御して印刷を実行させる。
【0048】
プリンターエンジン390は、インクカートリッジを搭載したキャリッジ(図示省略)や、キャリッジを駆動するモーターを備えている。プリンターエンジン390は、印刷制御部316からの制御により、実際に印刷を実行する機能部である。
【0049】
I/O−IF370には、液晶ディスプレイ371、操作パネル372、IDカードリーダー374が接続されている。液晶ディスプレイ371は、各種メニュー画面を表示する機能部である。操作パネル372は、ユーザーが各種設定を行うために用いる操作ボタン(図示省略)を備えている。ユーザーはIDカードリーダー374に、ユーザーが所持しているIDカードを挿入することによって、プリンター300にユーザーIDを入力する。また、ユーザーは、操作パネル372を介して、パスワードをプリンター300に入力する。
【0050】
(A5)認証(ログイン)処理及びグループ化処理:
ネットワーク制御システム10が、サーバー100、クライアント200、プリンター300との協働により実施するグループ化処理の手順を、図5ないし図8を併用して説明する。本実施例のグループ化処理においては、クライアント200と、プリンター300とは同一の処理を行なうので、図5、図7においては、1つの機器としてまとめて記載した。なお、同一ユーザーが先にクライアント200にログイン処理を行なった後に、プリンター300のログイン処理を行う場合を想定して説明する。
【0051】
クライアント200、プリンター300が行なうグループ化処理の手順を、図5に示した。サーバー100が行なうグループ化処理の手順を図6に示した。また図7は、サーバー100、クライアント200、プリンター300が、グループ化処理実行時に、相互間で行う情報のやりとりを示すチャート図である。
【0052】
ユーザーはクライアント200(図3)の使用に際し、IDカードをIDカードリーダー274に挿入することによってユーザーIDを入力する。また、キーボード272を用いてパスワードを入力する。これらログイン情報をクライアント200に入力することによってログイン処理を行う。CPU210は、入力されたユーザーのログイン情報と、ログイン要求とをサーバー100に送信する(図5:ステップS102)。これがログイン制御部211の機能に該当する。また、クライアント200によるログイン情報と、ログイン要求との送信は、図7のRQ1に対応する。
【0053】
サーバー100(図2)は、ログイン情報、及びログイン要求を受信する(図6:ステップS202)。サーバー100のCPU110は、ログイン監視部111に相当する処理として、HDD130からIDファイル131を読み出し、受信したログイン情報と、IDファイル131に記録されているユーザー情報とを照合する(ステップS204)。ログイン監視部111は、照合の結果、ログイン情報が正しいと判断すると、ログイン許可(図7のACK1に該当する)をクライアント200に送信する(ステップS206)。仮に、照合の結果、受信したログイン情報が正しくないと判断した場合は、ログイン監視部111はクライアント200に対して、再度のユーザー情報入力を要求する。
【0054】
図5において、クライアント200のCPU210が、ログイン制御部211に相当する処理としてログイン許可を受信する(ステップS104)。ログイン許可の受信により、クライアント200は起動を開始する(ステップS106)。
【0055】
図6において、サーバー100のCPU110は、ログイン監視部111に相当する処理として、ログイン許可(図7:ACK1)を送信した後、RAM140内のログイン状態記憶部141に、ログインユーザーのユーザーID、ログイン時間、クライアント200のIPアドレス等のログインユーザー情報を記憶し、ログインユーザー情報を更新する(ステップS208)。ログインユーザー情報の一例を図8に示す。
【0056】
ログインユーザー情報の更新と共に、CPU110は、全ログインユーザー情報を検索し、ユーザーID、ログイン時間、ログイン場所等の事項において、互いに共通する事項を有するログイン機器がないか検索をする(ステップS210)。この検索処理は、CPU110内のグループ化処理部112に相当する機能として行われる。また、この検索処理機能は、特許請求の範囲に記載の共通事項検索部に該当する。本実施例の場合、当該ユーザーが、クライアント200へのログインより先に他の機器等にログインはしておらず、互いに共通する事項を有する他の機器もなかったものとする。従って、グループ化処理部112は検索処理の結果、「共通事項無し」と判断し(ステップS212:No)、サーバー100のグループ化処理は終了する。
【0057】
一方、図5において、クライアント200のグループ化処理は、ステップS108において、サーバー100から節電モード同期コマンドの受信をするまで待機状態となる。
【0058】
次に、クライアント200にログインしたユーザーが、プリンター300にログイン処理を行なう。なお、プリンター300が行なうグループ化処理は、起動の時点(図5:ステップS106)までは、クライアント200のグループ化処理と手順が同じである。
【0059】
ユーザーは、プリンター300に対して、IDカードをIDカードリーダー374(図4)に挿入することによってユーザーIDを入力する。また、操作パネル372を用いてパスワードを入力する。これらログイン情報をプリンター300に入力することによってログイン処理を行う。ログイン制御部311は、ユーザーのログイン情報と、ログイン要求とをサーバー100に送信する(ステップS102)。サーバー100は、ログイン情報、及びログイン要求を受信する(図7:RQ1)。以下、ユーザーがクライアント200にログインを行った際と同様の処理として、サーバー100内のCPU110(図2)は、HDD130からIDファイル131を読み出し、受信したログイン情報と、IDファイル131に記録されているユーザー情報とを照合する。ログイン監視部111は、照合の結果、ログイン情報が正しいと判断すると(図6:ステップS204)、ログイン許可をプリンター300に送信する(ステップS206)。
【0060】
図5において、プリンター300のCPU310が、ログイン制御部311に相当する処理としてログイン許可を受信する(ステップS104)。ログイン許可の受信により、プリンター300は起動を開始する(ステップS106)。
【0061】
サーバー100内のCPU110は、ログインユーザー情報の更新(ステップS208)、及びログインユーザー情報の検索を行なう(ステップS210)。
【0062】
図6において、CPU110によるログインユーザー情報の検索の結果(ステップS212)、本実施例の場合、先に同一ユーザーがクライアント200にログイン処理を行っているので、グループ化処理部112は、「共通事項有り」(ステップS212:Yes)と判断する。本実施例では、「ユーザー」が共通事項となる。
【0063】
ステップS212において、CPU110は、「共通事項有り」と判断すると、クライアント200とプリンター300を一つのグループとして扱う(以下「グループ化」と呼ぶ)。CPU110は、ログイン状態記憶部141にアクセスし、ログインユーザー情報(図8参照)にクライアント200とプリンター300が、一つのグループである旨のグループ化情報を記憶する(ステップS214)。これらの処理はCPU110が、グループ化処理部112に相当する機能として行う。
【0064】
グループ化処理部112が、ログインユーザー情報に、クライアント200とプリンター300とが同一グループである旨を記憶した後、CPU110は、同期制御部113に相当する機能として、クライアント200及びプリンター300に対して、節電モード同期コマンド(図7:RQ2)を送信する(ステップS216)。
【0065】
クライアント200は、サーバー100から節電モード同期コマンドを受信すると、クライアント200自体の節電モードの制御を、同期制御部213における節電モード同期制御部214によって制御する(図5:ステップS110)。同じく、プリンター300は、サーバー100から節電モード同期コマンドを受信すると、プリンター300自体の節電モードの制御を、同期制御部313における節電モード同期制御部314によって制御する。同時に、クライアント200,プリンター300は、節電モードの同期制御の完了(図7:ACK2)をサーバー100に送信する。その後、クライアント200、及びプリンター300におけるグループ化処理は終了する。
【0066】
また、サーバー100は、図6において節電モードの同期制御の完了を受信し(ステップS218)、グループ化処理を終了する。
【0067】
本実施例においては、複数のログインをしている機器等のグループ化の判断を、「ユーザー」が同一と言う判断に基づいて行ったが、これに限らず、ログイン時間が同一であることでグループ化を行ったり、ログイン場所が同一であることでグループ化を行ったり、ユーザー同一、ログイン時間同一、ログイン場所同一の三つの条件を全て満たした場合にグループ化を行うようにしてもよい。
【0068】
(A6)節電モード同期制御:
サーバー100、クライアント200、プリンター300の間で行われる、節電モード同期制御について、図9、図10、図11を用いて説明する。図9は、クライアント200及びプリンター300の節電モード同期制御部214,314が行う、節電モード同期制御処理を示すフローチャートである。図10は、サーバー100の節電モード同期制御部114が行う、節電モード同期制御処理を示すフローチャートである。また図11は、サーバー100、クライアント200、プリンター300が、節電モード同期制御の実行時に、相互間で行う情報のやりとりを示すチャート図である。
【0069】
クライアント200、及びプリンター300の各節電モード同期制御部214,314は、ユーザーが各機器を最後に使用した時点から、ユーザーが各機器を次に使用するまでの時間(以下、「不使用時間」と呼ぶ)のカウントを開始する(図9:ステップS302)。ここで、使用とは、各機器に対して、何らかの処理を行わせることを言う。具体的には、クライアント200においては、キーボード272による入力や、マウス273の操作、光学ディスクドライブ260によるディスクの読み込み等を言う。プリンター300においては、クライアント200からの印刷処理命令の受信、及び印刷処理等を言う。
【0070】
不使用時間が所定の時間を超えると、各機器の節電モード同期制御部214,314は、節電条件が成立したと判断する(ステップS304)。この所定の時間の値は、各機器に予め設定されている。また、この所定の時間の経過前にユーザーが各機器を使用すると、不使用時間のカウントはリセットされる。節電モード同期制御部は、再度、ユーザーが各機器を使用しなくなった時点から不使用時間のカウントを開始する。
【0071】
ステップS304(図9)において、節電モード同期制御部214,314が、節電条件が成立したと判断すると、サーバー100に対して、節電要求を送信する(ステップS306)。この節電要求の送信は図11のRQ3、及びRQ4に該当する。本実施例の場合、先にクライアント200において節電条件が成立する(図11参照)。節電要求の送信後、各機器はサーバー100から節電許可を受信するまで、待機状態となる(ステップS310)。待機状態の期間に、ユーザーが各機器を使用した場合、節電モード同期制御部214,314は、節電条件を解消し(ステップS308)、再びステップS202に移行し、不使用時間のカウントを開始する。またこの時、節電モード同期制御部214,314は、サーバー100に対して、節電要求解消のコマンドを送信する。
【0072】
節電モード同期制御部214,314は、ステップS306においてサーバー100に節電要求を送信後に、ユーザーよる各機器の使用がなく(ステップS308)、サーバー100から節電許可(図11のACK3,及びACK4)を受信すると(ステップS310)、各機器を節電モードへと移行し(ステップS312)、節電モード同期制御処理は終了する。
【0073】
次に、図10を用いて、サーバー100における節電モード同期制御処理を説明する。当該節電モード同期制御処理は、CPU110が節電モード同期制御部114に該当する機能として実行する。
【0074】
上述したように、サーバー100のCPU110は、グループ化を行ったクライアント200とプリンター300に対して、節電モード同期コマンドを送信する。その後、節電モード同期コマンドを送信した各機器から節電要求が送信されるまで、節電モード同期制御は待機状態となる(図10:ステップS402)。クライアント200及びプリンター300のいずれかの機器で節電条件が成立し、当該機器から節電要求(本実施例では、図11のRQ3)が送信されると、CPU110は、節電モード同期制御部114に相当する機能として、当該節電要求を受信する。節電要求を受信後、節電モード同期制御部114は、節電要求の送信元である機器と同一グループ内の他の全ての機器から節電要求(本実施例では、図11のRQ4)が送信されてくるのを待つ(ステップS404)。この時、節電要求を受信した機器から、節電条件解消のコマンドが送信されてくると、当該機器の節電要求を取り消す。
【0075】
グループ内の全ての機器の節電要求(本実施例では、RQ3とRQ4)が揃うと、節電モード同期制御部114は、グループ内の全ての機器(本実施例では、クライアント200とプリンター300)に対して節電許可コマンド(図11:ACK3とACK4)を送信する(ステップS406)。本実施例においては、節電モード同期制御部114は、クライアント200に対して節電許可コマンド(図11のACK3)を、プリンター300に対しては節電許可コマンド(図11のACK4)をそれぞれ送信する。節電許可コマンドの送信後、CPU110における節電モード同期制御処理は終了する。
【0076】
以上説明したように、ユーザーがログイン処理を行った際に、サーバー100はログイン状態記憶部141にログインユーザー情報を記憶する。CPU110は、全ログインユーザー情報から、互いに共通する事項を有するログイン機器がないか検索する。CPU110が共通する事項を有するログイン機器を見つけた場合、それらの機器を1つのグループとし、節電モードの制御において同期して制御する。本実施例においては、共通するユーザーIDにより、ログインされている機器同士のグループ化を行った。グループ化が行われることにより、同一ユーザーが使用しているグループ内の複数の機器が、同期して節電モード制御を行う。したがって、ユーザーがそれら複数の機器の内、少なくとも1つを使用していれば、同一ユーザーが使用している他の機器も節電モードには移行しない。よって、ユーザーが、不要な節電モードの解除処理を行うことを回避できる。
【0077】
また、第1実施例では、クライアント200とプリンター300とをグループ化し、節電モードを同期して制御するのもであったが、それに限らず、クライアント200とクライアント200、クライアント200と複数のプリンター300、複数のクライアント200と1または複数のプリンター300など様々な態様でグループ化及び節電モードの同期制御が可能である。
【0078】
B.第2実施例:
(B1)ネットワーク制御システムの構成:
図12は、第2実施例におけるネットワーク制御システム20の構成を示す説明図である。ネットワーク制御システム20は、サーバー100、同一の場所に設置された複数のクライアントコンピューター200(以下「クライアント200」と呼ぶ)を備えている。サーバー100、及びクライアント200の各機器の構成は第1実施例と同様の構成であるので、本実施例では説明を省略する。また、サーバー100と、複数のクライアント200とは互いにLANを介して接続されている。
【0079】
ネットワーク制御システム20は、第1実施例と同様に、セキュリティーシステムを備えており、セキュリティー管理はサーバー100によって一括で行われている。従って、ユーザーが複数台のクライアント200に対してユーザーIDとパスワードを入力し、サーバー100からログインの許可を受信すると、クライアント200は起動を開始する。
【0080】
第1実施例では、同一のユーザーが複数のネットワーク接続された機器にログイン処理を行った場合に、それら複数の機器をグループ化し、節電モードを共通の処理によって制御するものであった。第2実施例では、会議室に複数人のユーザーが集まり、一人のユーザーがプレゼンテーションを行うものとする。したがって、複数人のユーザーが、会議室に設置された各クライアント200に対して、それぞれにログイン処理を行う。
【0081】
(B2)グループ化処理:
本実施例では複数のクライアント200が同一場所に設置されている。複数のユーザーが時間を近接して、各クライアント200にログイン処理を行う。本実施例では、各ユーザーが各クライアント200に対してログイン処理を行い、各クライアント200が起動するまでの工程が、クライアント200におけるグループ化処理となる。その工程は、第1実施例のクライアント200のグループ化処理(図5:ステップS102からステップS106)と同一であるので、図示及び説明は省略する。
【0082】
図13は、サーバー100が行なうグループ化処理の流れを示すフローチャートである。本実施例におけるサーバー100のCPU110は、ステップS512までは、第1実施例と同様のグループ化処理(図6:ステップS202からステップS210)を実行する。本実施例の場合、複数のクライアント200にログイン処理が次々と行われ、CPU110はログイン状態記憶部141(図2)内のログインユーザー情報を更新する。ステップ512(図13)において、グループ化処理部112によって、更新されたログインユーザー情報を検索の結果、ログイン時間、ログイン場所が同一である複数のクライアント200のログインユーザー情報が見つかる。CPU110は、それら複数のクライアント200を、ログイン状態記憶部141のログインユーザー情報にグループ化情報として記憶し、複数のクライアント200のグループ化を行なう(ステップS514)。本実施例におけるサーバー100のグループ化処理はここで終了する。
【0083】
ログイン時間の検索方法においては、ログイン時間が近接、例えば先のログインから5分以内に後のログインしていれば、ログイン時間同一と判断する。先のログインから5分以上経過した後に、ユーザーがログインを行った場合でも、別途、グループ化情報を修正し、所定の処理を行うことにより、あとからグループに参加できる。ログイン場所の検索方法においては、各機器のIPアドレスと設置場所との対応データに基づいて、ログイン処理を行ったクライアント200のIPアドレスからログイン場所を検出し、ログイン場所の検索を行う。各機器のIPアドレスと設置場所との対応データは、予め、サーバー100のHDD130に記憶している。各機器のIPアドレスと設置場所との対応データの一例として図14に示した。
【0084】
(B3)ディスプレイ表示同期制御:
第2実施例におけるディスプレイ表示同期制御は、サーバー100と、複数のクライアント200とによって行われる(図12参照)。図15は、クライアント200が行うディスプレイ表示同期制御処理を示すフローチャートである。図16は、サーバー100が行うディスプレイ表示同期制御処理を示すフローチャートである。図17は後述するメインクライアント、サブクライアント、及びサーバー100の相互間で行う情報のやりとりを示すチャート図である。図15、図16、図17を併用しディスプレイ表示同期制御を説明する。
【0085】
グループ化が行われた複数のクライアント200の内、プレゼンテーションを行うユーザーがログイン処理を行ったクライアント200(以下「メインクライアント」と呼ぶ)において、ユーザーによってディスプレイ表示同期モードの選択操作がされることにより、ディスプレイ表示同期制御処理は開始される(図15:ステップ602)。また説明上、図12に示すように、本実施例においてグループ化を行ったクライアント200の内、メインクライアント以外の複数のクライアント200をサブクライアントと呼ぶ。さらに、メインクライアントを構成する要素の符号には語尾に(m)(例えば、「ディスプレイ271(m)」のように表記)を、サブクライアントを構成する要素の符号の語尾には(s)を付けて説明する。
【0086】
メインクライアントにおいて、ディスプレイ表示同期モードが選択されると(ステップ602:Yes)、メインクライアントのディスプレイ表示同期制御部215(m)は、サーバー100に対して、ディスプレイ表示同期要求(図17:RQ5)を送信する(ステップS604)。
【0087】
メインクライアントによるディスプレイ表示同期要求の送信後、サーバー100とサブクライアントの間で、後述するディスプレイ表示同期の処理が行われる。メインクライアントは、サーバー100から、当該処理の完了(図17:ACK5)を受信することにより、ディスプレイ表示同期制御処理を完了する。
【0088】
図16において、サーバー100のCPU110は、メインクライアントからディスプレイ表示同期要求(図17:RQ5)を受信すると(ステップS702)、ディスプレイ表示同期コマンド(図17:RQ6)を複数のサブクライアントに送信する(ステップS704)。この処理はCPU110が、ディスプレイ表示同期制御部115に相当する機能として行う。
【0089】
図15において、上述したように、複数のクライアント200の内、メインクライアント以外のクライアント200、つまりユーザーがディスプレイ表示同期モードを選択操作しなかったクライアント200は(ステップ602:No)、サーバー100からディスプレイ表示同期コマンドを受信するまでは待機状態となる(ステップS606)。
【0090】
メインクライアント以外のクライアント200は、サーバー100より、ディスプレイ表示同期コマンド(図17:RQ6)を受信すると、サブクライアントとして動作し、ディスプレイ表示同期制御部215(s)は、ディスプレイ271(s)への画像表示を、サーバー100から送信されてくるディスプレイ画像データに基づいて表示するように、ディスプレイ271(s)の入力ソースを切替える(図15:ステップS608)。ディスプレイ271(s)の入力ソースの切替えが完了すると、サブクライアントは、ディスプレイ表示完了(図17:ACK6)を、サーバー100に送信し、ディスプレイ表示同期制御処理を終了する。
【0091】
図16において、サーバー100は、サブクライアントから、ディスプレイ表示同期完了(図17:ACK6)を受信すると(ステップS706)、メインクライアントにディスプレイ表示同期処理の完了(図17:ACK5)を送信する(ステップS708)。ACK5の送信後、サーバー100はディスプレイ表示同期制御処理を終了する。
【0092】
ディスプレイ表示同期制御処理の終了後、メインクライアントは、プレゼンテーションを行うユーザーの操作により、ディスプレイ271(m)にプレゼンテーション用の画像を表示する。当該画像のデータは、ディスプレイ表示同期制御部215(m)によって、サーバー100のディスプレイ表示同期制御部115を介して、サブクライアントに送信される。サブクライアントのディスプレイ表示同期制御部215(s)は、受信した画像データをディスプレイ271(s)に表示する。
【0093】
以上説明したように、複数のクライアント200に対して、異なるユーザーがログイン処理を行った場合も、第1実施例と同様に、サーバー100は、ログイン状態記憶部141に記憶した全ログインユーザー情報から、互いに共通する事項を有するログイン機器がないか検索をする。本実施例においては、ログイン時間とログイン場所が共通するログイン機器を見つけ出し、それら機器のグループ化を行った。
【0094】
グループ内の複数のクライアント200の内の1台において、ユーザーがディスプレイ表示同期モードを選択操作することにより、複数のサブクライアントのディスプレイ表示を、メインクライアンのトディスプレイ表示に同期した。
【0095】
したがって、複数のユーザーが1つの会議等に集まり、プレゼンテーションを行う際に、各ユーザーが各クライアント200にログイン処理を行うと、自動でクライアント200のグループ化が行われる。そして、プレゼンテーションを行うユーザーが、メインクライアントのディスプレイ表示同期モードを選択操作することで、サブクライアントのディスプレイ表示は自動でメインクライアントのディスプレイ表示に同期制御される。よって、プレゼンテーションの聴講をするユーザーは、プレゼンテーションを行うユーザーが使用するクライアント200のディスプレイ表示を、各サブクライアント200のディスプレイ271(s)で、リアルタイムに閲覧することが可能となる。
【0096】
C.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0097】
C1.変形例1:
上記実施例では、ユーザー同一、及び、ログイン時間同一、ログイン場所同一と言う条件で、ログイン機器同士のグループ化を行ったが、ログインユーザーの所属部署同一、と言う条件で検索を行い、ログインユーザーの所属部署が共通するログイン機器同士に対してグループ化を行うようにしてもよい。
【0098】
また、「ログイン場所同一」の判断方法については、ユーザーがGPS端末を所持し、若しくは使用機器等にGPS機能を備えさせ、当該GPSの機能により検出した場所の情報に基づいて、ログイン場所が同一とみなしうるか否かの判断をしてもよい。この他、同一ログイン場所の判断方法として、オフィスや会議室等に無線LANのアクセスポイントを設置し、どのアクセスポイントを介してユーザーがログインを行ったかを特定することにより、ログイン場所が同一とみなしうるか否かを判断してもよい。
【0099】
C2.変形例2:
上記実施例では、グループ化を行った機器に対して、節電モードの同期制御、及びディスプレイ表示の同期制御を行ったが、この他に、機器の電源のオフ制御、プログラム更新の制御、及びアプリケーションの制御を、同期して制御するようにしてもよい。機器の電源のオフの同期制御は、節電モードの同期制御と同様に、グループ内の全ての機器が使用されていないと判断した場合に、グループ内の全機器の電源をオフにする制御である。
【0100】
プログラム更新の同期制御は、例えばOSのプログラム更新処理等は、一般に、そのOSを備える機器であれば、同時期に更新処理を行う。よって、グループ内の一つの機器でプログラム更新処理を行った場合に、グループ内の他の機器も同期して、自動でプログラム更新処理を行うように制御すれば、ユーザーはグループ内の複数の機器に対して、1度でプログラム更新処理を行うことができる。
【0101】
アプリケーションの同期制御は、例えば図面作成用アプリケーションプログラム上で、図面を作成する場合を想定する。図面作成用アプリケーションプログラムをグループ内の機器で同期制御することで、グループ内の複数のユーザーが、同時に一つの図面の作成を、各ログイン機器から行うことができる。よって、一つの図面作成を、複数のユーザーが同時に、各ログイン機器を使用して、分担して行うことができる。
【0102】
C3.変形例3:
上記実施例においてソフトウェアで実現されている機能の一部をハードウェアで実現してもよく、あるいは、ハードウェアで実現されている機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】第1実施例におけるネットワーク制御システム10の構成を示す説明図である。
【図2】第1実施例におけるサーバー100の構成を示す説明図である。
【図3】第1実施例におけるクライアントコンピューター200の構成を示す説明図である。
【図4】第1実施例におけるプリンター300の構成を示す説明図である。
【図5】第1実施例における、クライアント200、プリンター300が行なうグループ化処理を示すフローチャートである。
【図6】第1実施例における、サーバー100が行なうグループ化処理を示すフローチャートである。
【図7】グループ化処理時に、サーバー100、クライアント200、プリンター300の相互間で行う情報のやりとりを示すチャート図である。
【図8】第1実施例における、ログインユーザー情報の一例を示す説明図である。
【図9】第1実施例における、クライアント200、プリンター300が行う節電モード同期制御処理を示すフローチャートである。
【図10】第1実施例における、サーバー100が行う節電モード同期制御処理を示すフローチャートである。
【図11】節電モード同期制御時に、サーバー100、クライアント200、プリンター300の相互間で行う情報のやりとりを示すチャート図である。
【図12】第2実施例における、ネットワーク制御システム20の構成を示す説明図である。
【図13】第2実施例における、サーバー100が行うグループ化処理を示すフローチャートである。
【図14】第2実施例における、各機器のIPアドレスと設置場所との対応データの一例を示す図である。
【図15】第2実施例における、クライアント200が行うディスプレイ表示同期制御処理を示すフローチャートである。
【図16】第2実施例における、サーバー100が行うディスプレイ表示同期制御処理を示すフローチャートである。
【図17】メインクライアント、サブクライアント、サーバー100の相互間で行う情報のやりとりを示すチャート図である。
【符号の説明】
【0104】
100…サーバー
110,210,310…CPU
111,211,311…ログイン監視部
112…グループ化処理部
113,213,313…同期制御部
114,214,314…節電モード同期制御部
115…ディスプレイ表示同期制御部
120,220,320…ROM
130,230…ハードディスク
131…IDファイル
140,240,340…RAM
141…ログイン状態記憶部
150,250,350…NT−IF
180,280,380…バス
200…クライアントコンピューター
215…ディスプレイ表示同期制御部
260…光学ディスクドライブ
270,370…I/O−IF
271…ディスプレイ
272…キーボード
273…マウス
274…IDカードリーダー
300…プリンター
316…印刷制御部
371…液晶ディスプレイ
372…操作パネル
390…プリンターエンジン
10…ネットワーク制御システム(第1実施例)
20…ネットワーク制御システム(第2実施例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続された複数の機器を制御するネットワーク制御システムであって、
前記複数の機器が起動した際、前記複数の機器の使用に関する情報に含まれる所定の事項が共通する場合に、前記複数の機器をグループ化し、
前記グループ化を行った前記複数の機器が共通の対応をとるように制御する
ネットワーク制御システム。
【請求項2】
前記所定の事項が共通するとは、
使用者の共通、使用場所の共通、使用者の属性の共通のうち、少なくとも一つである
請求項1記載のネットワーク制御システム。
【請求項3】
前記所定の事項が共通するとは、
使用時間と使用場所とが共に共通である
請求項1記載のネットワーク制御システム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか記載のネットワーク制御システムであって、
前記共通の対応とは、
前記グループ化を行った前記複数の機器の節電に関する制御を、同一の制御によって行うことである
ネットワーク制御システム。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれか記載のネットワーク制御システムであって、
前記共通の対応とは、
前記グループ化を行った前記複数の機器のディスプレイ表示に関する制御を、同一の制御によって行うことである
ネットワーク制御システム。
【請求項6】
請求項1ないし3のいずれか記載のネットワーク制御システムであって、
前記共通の対応とは、
前記グループ化を行った前記複数の機器の電源に関する制御を、同一の制御によって行うことである
ネットワーク制御システム。
【請求項7】
請求項1ないし3のいずれか記載のネットワーク制御システムであって、
前記共通の対応とは、
前記グループ化を行った前記複数の機器のプログラム更新に関する制御を、同一の制御によって行うことである
ネットワーク制御システム。
【請求項8】
請求項1ないし3のいずれか記載のネットワーク制御システムであって、
前記共通の対応とは、
前記グループ化を行った前記複数の機器のアプリケーションに関する制御を、同一の制御によって行うことである
ネットワーク制御システム。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか記載のネットワーク制御システムであって、
さらに、前記複数の機器の前記グループ化と前記制御とを行う制御装置を備え、
前記制御装置は、
前記複数の機器の前記使用に関する情報を記憶する使用情報記憶部と、
前記複数の機器の前記使用に関する情報から、共通する前記所定の事項を備える機器を検索する共通事項検索部と、
前記複数の機器をグループ化するグループ化処理部とを備える
ネットワーク制御システム。
【請求項10】
請求項9記載のネットワーク制御システムであって、
前記制御装置はさらに、
前記グループ化を行った前記複数の機器に対して、共通の処理命令を送信することによって、前記共通の対応をとらせる同期制御部を備える
ネットワーク制御システム。
【請求項11】
コンピューターにより実行されるコンピュータープログラムであって、
ネットワークを介して接続された複数の機器が起動した際、前記複数の機器の使用に関する情報に含まれる所定の事項が共通する場合に、前記複数の機器をグループ化する機能と、
前記グループ化した前記複数の機器が共通の対応をとるように制御する機能とを
コンピューターに実行させるコンピュータープログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−170307(P2010−170307A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−11887(P2009−11887)
【出願日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】