説明

ネットワーク画像形成システム

【課題】消費電力を低減できるとともに、ディジタル複合機の設置場所に出向くことなく、その状態が把握でき、さらに、ディジタル複合機が省電力モードの場合はスタンバイモードへの切替えが可能なネットワーク画像形成システムを提供する。
【解決手段】ネットワーク画像形成システム1では、MFP11〜13の利用者は、PC21,22、携帯電話23またはPDA24から電子メールを送信することで、MFPのモードの状態確認、省電力モードからスタンバイモードへの切替え、スタンバイモードへの切替えまでの時間確認、及びスタンバイモードへの切替え完了通知を電子メールで受信することができる。また、MFP11〜13は、省電力モードの時にFAXデータは受信した場合、すぐにスタンバイモードへ切り替えてFAXデータの出力を行わずに、利用者がスタンバイモードへの切替えを指示した際にスタンバイモードへ切替えが完了するとFAXデータの出力を行う。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、端末装置から画像形成装置の状態確認及びモード切替え指示が可能なネットワーク画像形成システムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、省エネルギー対策として、利用者が画像形成装置を所定時間使用しないと、省電力モードに切り替えて電力消費量を抑制するように設定可能なものが、一般的になってきている。例えば、特開2000‐307750公報には、通信装置、受信装置及び送信装置に関する技術が開示されている。この公報に開示された通信装置、受信装置及び送信装置は、待機状態と通信状態とにおいて、本体部が電源オフ状態、通信制御部が電源オン状態となり、通信制御部は、本体部が動作状態に移る必要があるかどうか判断する。本体部が動作状態に移る必要があると判断した場合、本体部の電源をオンすることができるようになるので、待機状態中や通信状態中は、本体部の電源がオフされる。これによって、本体部の消費電力がゼロとなり、通信装置では通信制御部のみが電力を消費するので、通信装置の消費電力を極力抑えることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】省電力モード機能を有する画像形成装置が、利用者のいる場所から多少離れた場所に設置してあると、利用者は画像形成装置が設置してある場所に出向いてコピーなどの処理を行う。利用者がコピーを行う際に画像形成装置が省電力モードであると、利用者は画像形成装置をスタンバイモードに切り替えなければならない。また、画像形成装置は、準備時間が経過しないと画像形成を行わない。そのため、利用者は、スタンバイモードになるまで、画像形成装置の前で待つか、または、利用者の普段いる場所に一端戻り、再度画像形成装置の設置場所に出向く必要があり、時間が無駄となる。
【0004】また、上記公報の技術では、FAXデータ受信など不定期に発生するジョブの中では、微妙なタイミングで何度も省電力モードから復帰しなければならない。よって、電源オン時の突入電流などを考慮すると、結果的にある程度の電力を消費することになる。
【0005】さらに、利用可能な複数台の画像形成装置が異なる場所に設置されている場合、省電力モードのものと、スタンバイモードのものと、が混在し得る。この場合、利用者がコピーを行う際に、スタンバイモードの画像形成装置があったとしても、他の画像形成装置の状態は、普通わからない。そのため、利用者は、省電力モードの画像形成装置をスタンバイモードに切り替えて使用することとなり、消費電力の無駄が生じてしまうことがある。
【0006】そこで、本発明は、上記の問題を解決するために創作したものであり、その目的は、消費電力を低減できるとともに、画像形成装置の設置場所に出向くことなく、その状態が把握でき、さらに、画像形成装置が省電力モードの場合はスタンバイモードへの切替えが可能なネットワーク画像形成システムを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題を解決するための手段として、以下の構成を備えている。
【0008】(1) 情報を送受信する通信手段と、少なくとも2つのモードの切替えを行うモード管理手段と、を備えた画像形成装置と、情報を送受信する端末装置と、がネットワークを介して接続され、上記画像形成装置は、上記端末装置からモード切替え指示情報を受信した際に、上記画像形成装置の状態に応じて、モードの切替えを行うことを特徴とする。
【0009】この構成において、ネットワーク画像形成システムは、情報を送受信する通信手段と、少なくとも2つのモードの切替えを行うモード管理手段と、を備えた画像形成装置、及び、情報を送受信する端末装置が、ネットワークを介して接続された構成であり、モードの切替えを指示するモード切替え指示情報を端末装置から受信すると、画像形成装置は、画像形成装置の状態に応じて、モードの切替えを行う。したがって、画像形成装置が待機状態であったとしても、端末装置からモードの切替指示が可能となり、利用者は画像形成装置がすぐに画像形成可能な状態になるまで画像形成装置の前で待つ必要がなくなり、時間を有効活用できる。
【0010】(2) 前記画像形成装置は、前記モード管理手段で、すぐに動作可能なスタンバイモード、及び準備時間の経過後に動作可能な省電力モードの切替えを少なくとも行い、省電力モードからスタンバイモードへの切替えを指示するモード切替え指示情報を前記端末装置から受信した際に、省電力モードであると、省電力モードからスタンバイモードへモードの切替えを行うことを特徴とする。
【0011】この構成において、画像形成装置は、すぐに動作可能なスタンバイモード、及び準備時間の経過後に動作可能な省電力モードの切替えをモード管理手段で少なくとも行い、省電力モードのときに省電力モードからスタンバイモードへの切替えを指示するモード切替え指示情報を前記端末装置から受信すると、省電力モードからスタンバイモードへモードの切替えを行う。したがって、画像形成装置が省電力モードであったとしても、利用者は画像形成装置の設置場所に出向いて省電力モードからスタンバイモードへ切り替えなくてもよいので、時間を効率的に使うことが可能となる。
【0012】(3) 前記画像形成装置は、前記端末装置からモードの状態を確認する状態確認情報または前記モード切替え指示情報を受信すると、現在のモード情報を前記端末装置へ送信することを特徴とする。
【0013】この構成において、モードの状態を確認する状態確認情報、または省電力モードからスタンバイモードへの切替えを指示するモード切替え指示情報を、画像形成装置は端末装置から受信すると、現在のモード情報を端末装置へ送信する。したがって、画像形成装置の利用者は、画像形成装置の設置場所に出向くことなく現在のモード情報を確認することが可能となる。また、ネットワークに複数台の画像形成装置が接続されている場合、省電力モードの画像形成装置をスタンバイモードへ切り替えることなく、スタンバイモードの画像形成装置の設置場所に出向いて、その画像形成装置を利用することができるので、ネットワーク画像形成システム全体の消費電力を抑制することが可能となる。
【0014】(4) 前記画像形成装置は、モードを切り替える際のモード切替え実施情報を、前記端末装置へ送信することを特徴とする。
【0015】この構成において、モードを切り替える際のモード切替え実施情報を、前記画像形成装置は端末装置へ送信する。したがって、画像形成装置の利用者は、スタンバイモードへの切替えを指示した画像形成装置が、指示を受け付けたか否かを容易に判断することが可能となる。
【0016】(5) 前記画像形成装置は、モードの切替えが完了する時間情報を前記端末装置へ送信することを特徴とする。
【0017】この構成において、モードの切替えが完了する時間の情報を、画像形成装置は端末装置へ通知する。したがって、画像形成装置の利用者は、画像形成装置の設置場所へ出向くべき時間を把握でき、時間を有効活用することが可能となる。
【0018】(6) 前記画像形成装置は、モードの切替えを完了すると、その旨をモード切替え完了情報として、前記端末装置へ通知することを特徴とする。
【0019】この構成において、モードの切替えが完了したことを画像形成装置は端末装置へ通知する。したがって、画像形成装置の利用者は、この通知を受けてから画像形成装置の設置場所へ出向くことが可能となり、時間を有効に活用することが可能となる。
【0020】(7) 前記端末装置は、電子メールで、前記状態確認情報及び前記モード切替え指示情報を送信することを特徴とする。
【0021】この構成において、端末装置は、状態確認情報及びモード切替え指示情報を電子メールで送信する。したがって、画像形成装置の利用者は、状態確認情報及びモード切替え指示情報を容易に画像形成装置へ送信することが可能となる。
【0022】(8) 前記画像形成装置は、電子メールで、前記現在のモード情報、前記モード切替え実施情報、前記時間情報、及び前記モード切替え完了情報を送信することを特徴とする。
【0023】この構成において、画像形成装置は、現在のモード情報、モード切替え実施情報、時間情報、及びモード切替え完了情報を電子メールで送信する。したがって、画像形成装置の利用者は、画像形成装置のモード情報やモード切替え情報などを容易かつ確実に確認することが可能となる。
【0024】(9) 前記画像形成装置は、記憶手段及び画像形成手段を備え、省電力モードの時に前記通信手段でFAXデータを受信すると、受信した該FAXデータを上記記憶手段に格納し、スタンバイモードへ切替え後に該FAXデータの印刷を上記画像形成手段で行うことを特徴とする。
【0025】この構成において、省電力モードの時に通信手段でFAXデータを受信すると、画像形成装置は受信したFAXデータを記憶手段に格納し、スタンバイモード切替え後にFAXデータの印刷を画像形成手段で行う。したがって、利用者が画像形成装置の設置場所に出向いた時に、まとめてファクスの印刷データを受け取ることが可能となる。また、不必要に画像形成装置を省電力モードからスタンバイモードへ復帰させなくて済み、消費電力を抑制することが可能となる。
【0026】(10) (1)または(7) の構成において、前記端末装置は、情報を送受信する端末通信手段と、前記画像形成装置へ送信する情報を入力または選択可能な端末操作手段と、情報を表示する端末表示手段と、を備えたとすることができる。
【0027】この構成において、情報を送受信する端末通信手段と、画像形成装置へ送信する情報を入力または選択可能な端末操作手段と、情報を表示する端末表示手段と、を端末装置は備えている。したがって、利用者は画像形成装置へ容易に各種の情報を送ることが可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態に係るネットワーク画像形成システムについて詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係るネットワーク画像形成システムの構成を示したブロック図である。ここで、ネットワーク画像形成システム1では、画像形成装置としてディジタル複合機を用いた場合を例に説明する。ネットワーク画像形成システム1は、ディジタル複合機であるマルチファンクションプリンタ(以下、MFPと称する。)11〜13、並びに端末装置であるパソコン(以下、PCと称する。)21,22、携帯電話23、及び携帯端末(以下、PDAと称する。)24によって構成される。各機器は、ネットワーク31介してそれぞれ接続されている。なお、ネットワーク31には、携帯電話23及びPDA24と通信を行うための通信装置32が接続されている。
【0029】MFP11は、通信手段である通信部41、制御手段である制御部42、操作手段である操作部43、モード管理手段である省電力モード管理部44、電源手段である電源45、機能部46、及び記憶手段である記憶部47によって構成される。また、MFP12,13は、MFP11と同様の構成である。
【0030】通信部41は、ネットワーク31を介してネットワーク31に接続された他の機器と情報の送受信を行うためのものである。制御部42は、MFP11を構成する各部の制御を行うためのものである。操作部43は、MFP11の各種操作を行うためのものである。省電力モード管理部44は、MFP11の使用状況に応じて、すぐに画像形成などの動作が可能なスタンバイモードと、電力の消費を抑えるために最低限必要な部分にのみ電力供給を行うので、電力供給を行っていなかった部分の暖機などを行うための準備時間が経過後に画像形成などの動作が可能な省電力モードと、の切替えを行うためのものである。電源45は、MFP11を構成する各部に電源を供給するためのものである。機能部46は、MFP11が備える機能であるコピー、スキャナ、プリンタ、及びFAXの各機能を切り替えて、各機能を実行するためのものであり、画像形成手段及び画像読み取り手段を備えている。
【0031】なお、省電力モードの場合、通信部41、省電力モード管理部44、及び電源45のみが動作するように設定するとよい。また、スタンバイモード及び省電力モード以外に別のモードを設定して、省電力モード管理部44で、MFPの使用状況に応じて切替えを行うように設定してもよい。例えば、省電力モードよりも電力消費量は大きいが、スタンバイモードよりも電力消費量が小さい待機モードを設けると、消費電力削減には効果的である。
【0032】PC21は、端末通信手段である通信部51、端末制御手段である制御部52、端末操作手段である操作部53、及び端末表示手段である表示部54を備えた構成である。なお、PC22は、PC21と同様の構成である。
【0033】通信部51は、ネットワーク31を介してネットワーク31に接続された他の機器と情報の送受信を行うためのものである。制御部52は、PC21を構成する各部の制御を行うためのものである。操作部53は、PC21の操作を行うためのものである。表示部54は、情報の表示を行うためのものである。
【0034】なお、通信部51は、所定の周波数の電波または光線によって、通信装置32と情報の送受信を行い、通信装置32及びネットワーク31を介してネットワーク31に接続された他の機器と情報の送受信を行うように設定してもよい。
【0035】携帯電話23は、端末通信手段である通信部61、端末制御手段である制御部62、端末操作手段である操作部63、及び端末表示手段である表示部64を備えた構成である。
【0036】通信部61は、所定の周波数の電波または光線によって、通信装置32と情報の送受信を行い、通信装置32及びネットワーク31を介してネットワーク31に接続された他の機器と、情報の送受信を行うためのものである。制御部62は、PC21を構成する各部の制御を行うためのものである。操作部63は、PC21の操作を行うためのものである。表示部64は、情報の表示を行うためのものである。なお、PDA24は、携帯電話23と同様の構成である。
【0037】本発明のネットワーク画像形成システム1では、ディジタル複合機であるMFP11〜13のいずれかを使用したい利用者は、端末装置であるPC21,22、携帯電話23またはPDA24のいずれかを用いて、MFPのモードの状態を電子メールで確認することができる。また、MFP11〜13が省電力モードの場合、省電力モードからスタンバイモードへの切替えを電子メールで行うことができる。さらに、PC21,22、携帯電話23またはPDA24のいずれかは、MFP11〜13がスタンバイモードへの切替えが完了して動作可能になるまでの時間、及びスタンバイモードへの切替え完了の通知を、電子メールで受信することができる。加えて、MFP11〜13は、省電力モードの時にFAXデータは受信した場合、すぐにスタンバイモードへ切り替えてFAXデータの出力を行わずに、利用者がスタンバイモードへの切替えを指示した際にスタンバイモードへ切替えが完了するとFAXデータの出力を行うことができる。
【0038】まず、ネットワーク画像形成システム1で使用する電子メールの内容について説明する。図2は、端末装置からディジタル複合機への問い合わせ画面の一例である。図3は、ディジタル複合機から端末装置への応答画面の一例である。
【0039】ネットワーク画像形成システム1において、PC21,22、携帯電話23またはPDA24のいずれかからMFP11〜13のモードの状態を確認する場合、図2に示したような定型文の電子メールを送信する。図2に示した例は、研究所に設置されたディジタル複合機(MFP)のモードの状態を確認する電子メールの内容である。もちろん、同時にMFP3台のモードの状態を確認する電子メールを送信するようにしてもよい。また、モードの状態を確認するとともに、省電力モードの場合にスタンバイモードへ切り替えるように指示を行うようにしてもよい。この方法は、特にネットワーク31に接続されたMFPが1台の場合に有効である。
【0040】モードの状態を確認するために端末装置から送信された電子メールは、ネットワーク31を介してディジタル複合機に送られる。ディジタル複合機は、この電子メールを受信すると、例えば、図3に示したように、現在のモードの状態を通知する電子メールを、電子メールを送信してきた端末装置に返信する。
【0041】これにより、利用者が同時に複数台のディジタル複合機のモード状態を確認した場合、どのディジタル複合機がスタンバイモードかを把握できるので、すぐにコピーや印刷などを行うことができる。また、省電力モードのディジタル複合機をスタンバイモード切り替えることなく、コピーや印刷などを行うことができるので、電力の消費量を抑えることができる。
【0042】次に、ディジタル複合機が省電力モードである場合に、FAXデータを受信した際の処理について説明する。本発明のディジタル複合機では、省電力モードの場合に受信したFAXデータは、記憶部47に格納しておく。そして、利用者がコピーや印刷をしたい場合に、前もってスタンバイモードにしておき、コピーや印刷が可能な状態となった時に、まとめて印刷を行うように設定する。
【0043】これにより、利用者がディジタル複合機の設置場所に出向いた時にまとめてファクスの印刷データを受け取れるほか、不必要にディジタル複合機を省電力モードからスタンバイモードへ復帰させなくて済む。よって、結果的に消費電力を抑えることができる。
【0044】次に、ネットワーク画像形成システム1の処理ステップについて説明する。図4及び図5は、ネットワーク画像形成システムの処理ステップを説明するためのフローチャートである。MFP11の場合を例に挙げて説明する。MFP11の制御部42は、通信部41がFAXデータを受信したか否かを判定する(ステップ101)。通信部41がFAXデータを受信した場合、省電力モードであると(ステップ102)、受信したFAXデータを記憶部47に格納する(ステップ103)。一方、ステップ102において省電力モードでない場合、制御部42は機能部46の画像形成手段でFAXデータを印刷出力する(ステップ113)。
【0045】ステップ101において、FAXデータを受信していない場合、制御部42は、通信部41が電子メールを受信したか否かを判定する(ステップ104)。電子メールを受信した場合、MFP11のモードの状態確認メールか否かを確認する(ステップ105)。モードの状態確認メールの場合は、現在のモードの状態を通知する電子メールをPC21に送信する(ステップ114)。
【0046】一方、ステップ105において状態確認メールでない場合は、省電力モードからスタンバイモードへの切替え指示の電子メールか否かを判定する(ステップ106)。モード切替えの指示メールの場合、省電力モードであると(ステップ107)、省電力モード管理部44は、省電力モードを解除してスタンバイモードに切替えを行う(ステップ108)。また、制御部42は、画像形成がすぐに実行可能になるスタンバイモード切替え完了時間についての電子メールを通信部41によってPC21へ送信し(ステップ109)、ステップ110を実行する。また、ステップ107において、省電力モードでない場合も、ステップ110を実行する。
【0047】制御部42は、スタンバイモードへの切替えが完了したか否かを判定する(ステップ110)。スタンバイモードへの切替えが完了すると、その旨を記載した電子メールを通信部41からPC21へ送信する(ステップ111)。さらに、制御部42は、記憶部47にはFAXデータが格納されているか否かを確認する(ステップ112)。記憶部47にFAXデータが格納されている場合、制御部42は、機能部46でFAXデータを印刷出力し(ステップ113)、次にステップ121を行う。
【0048】また、ステップ104において電子メールを受信しなかった場合、ステップ114において電子メールを送信した場合、ステップ106においてモード切替えの指示メールでない場合、及びステップ112において記憶部47にFAXデータが格納されていない場合、MFP11の制御部42は、次に利用者が操作部43を操作したか否かを確認する(ステップ121)。
【0049】ステップ121において、利用者が操作部43を操作した場合、制御部42はMFP11が省電力モードか否かを確認する(ステップ122)。省電力モードであると、省電力モード管理部44は、省電力モードを解除してスタンバイモードへ切り替える(ステップ123)。一方、ステップ122において省電力モードでない場合、制御部42はスタンバイモードへの切替えが完了したか否かを判定する(ステップ124)。また、制御部42はスタンバイモードへの切替えが完了するまで待機し、スタンバイモードへの切替えが完了すると、利用者の操作に応じた処理を行う(ステップ125)。そして、再度ステップ121を実行する。
【0050】一方、ステップ121において、利用者が操作部43を操作していない場合、制御部42は、予め設定した所定の時間が経過したか否かを判定する(ステップ126)。所定の時間が経過していない場合は、次にステップ101を行う。一方、所定の時間が経過した場合、省電力モード管理部44は、スタンバイモードから省電力モードへ切り替える(ステップ120)。そして、次にステップ101を行う。
【0051】以上のように、本発明のネットワーク画像形成システムを利用することで、利用者は時間を有効活用でき、また、ディジタル複合機の消費電力を抑制することができる。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0053】(1) ネットワーク画像形成システムは、情報を送受信する通信手段と、少なくとも2つのモードの切替えを行うモード管理手段と、を備えた画像形成装置、及び、情報を送受信する端末装置が、ネットワークを介して接続された構成であり、モードの切替えを指示するモード切替え指示情報を端末装置から受信すると、画像形成装置は、画像形成装置の状態に応じて、モードの切替えを行うので、画像形成装置が待機状態であったとしても、端末装置からモードの切替指示ができ、利用者は画像形成装置がすぐに画像形成可能な状態になるまで画像形成装置の前で待つ必要がなくなり、時間を有効活用できる。
【0054】(2) 画像形成装置は、すぐに動作可能なスタンバイモード、及び準備時間の経過後に動作可能な省電力モードの切替えをモード管理手段で少なくとも行い、省電力モードのときに省電力モードからスタンバイモードへの切替えを指示するモード切替え指示情報を前記端末装置から受信すると、省電力モードからスタンバイモードへモードの切替えを行うので、画像形成装置が省電力モードであったとしても、利用者は画像形成装置の設置場所に出向いて省電力モードからスタンバイモードへ切り替えなくてもよいので、時間を効率的に使うことができる。
【0055】(3) モードの状態を確認する状態確認情報、または省電力モードからスタンバイモードへの切替えを指示するモード切替え指示情報を、画像形成装置は端末装置から受信すると、現在のモード情報を端末装置へ送信するため、画像形成装置の利用者は、画像形成装置の設置場所に出向くことなく現在のモード情報を確認することができる。また、ネットワークに複数台の画像形成装置が接続されている場合、省電力モードの画像形成装置をスタンバイモードへ切り替えることなく、スタンバイモードの画像形成装置の設置場所に出向いて、その画像形成装置を利用することができるので、ネットワーク画像形成システム全体の消費電力を抑制できる。
【0056】(4) モードを切り替える際のモード切替え実施情報を、前記画像形成装置は端末装置へ送信することにより、画像形成装置の利用者は、スタンバイモードへの切替えを指示した画像形成装置が、指示を受け付けたか否かを容易に判断することができる。
【0057】(5) モードの切替えが完了する時間の情報を、画像形成装置は端末装置へ通知するので、画像形成装置の利用者は、画像形成装置の設置場所へ出向くべき時間を把握でき、時間を有効活用できる。
【0058】(6) モードの切替えが完了したことを画像形成装置は端末装置へ通知するので、画像形成装置の利用者は、この通知を受けてから画像形成装置の設置場所へ出向くことが可能となり、時間を有効に活用することができる。
【0059】(7) 端末装置は、状態確認情報及びモード切替え指示情報を電子メールで送信するため、画像形成装置の利用者は、状態確認情報及びモード切替え指示情報を容易に画像形成装置へ送信できる。
【0060】(8) 画像形成装置は、現在のモード情報、モード切替え実施情報、時間情報、及びモード切替え完了情報を電子メールで送信するので、画像形成装置の利用者は、画像形成装置のモード情報やモード切替え情報などを容易かつ確実に確認できる。
【0061】(9) 省電力モードの時に通信手段でFAXデータを受信すると、画像形成装置は受信したFAXデータを記憶手段に格納し、スタンバイモード切替え後にFAXデータの印刷を画像形成手段で行うため、利用者が画像形成装置の設置場所に出向いた時に、まとめてファクスの印刷データを受け取ることができる。また、不必要に画像形成装置を省電力モードからスタンバイモードへ復帰させなくて済み、消費電力を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るネットワーク画像形成システムの構成を示したブロック図である。
【図2】端末装置からディジタル複合機への問い合わせ画面の一例である。
【図3】ディジタル複合機から端末装置への応答画面の一例である。
【図4】ネットワーク画像形成システムの処理ステップを説明するためのフローチャートである。
【図5】ネットワーク画像形成システムの処理ステップを説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1−ネットワーク画像形成システム
11〜13−MFP(マルチファンクションプリンタ)
21,22−PC(パソコン)
23−携帯電話
24−PDA(携帯端末)

【特許請求の範囲】
【請求項1】 情報を送受信する通信手段と、少なくとも2つのモードの切替えを行うモード管理手段と、を備えた画像形成装置と、情報を送受信する端末装置と、がネットワークを介して接続され、上記画像形成装置は、上記端末装置からモード切替え指示情報を受信した際に、上記画像形成装置の状態に応じて、モードの切替えを行うことを特徴とするネットワーク画像形成システム。
【請求項2】 前記画像形成装置は、前記モード管理手段で、すぐに動作可能なスタンバイモード、及び準備時間の経過後に動作可能な省電力モードの切替えを少なくとも行い、省電力モードからスタンバイモードへの切替えを指示するモード切替え指示情報を前記端末装置から受信した際に、省電力モードであると、省電力モードからスタンバイモードへモードの切替えを行うことを特徴とする請求項1に記載のネットワーク画像形成システム。
【請求項3】 前記画像形成装置は、前記端末装置からモードの状態を確認する状態確認情報または前記モード切替え指示情報を受信すると、現在のモード情報を前記端末装置へ送信することを特徴とする請求項1または2に記載のネットワーク画像形成システム。
【請求項4】 前記画像形成装置は、モードを切り替える際のモード切替え実施情報を、前記端末装置へ送信することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のネットワーク画像形成システム。
【請求項5】 前記画像形成装置は、モードの切替えが完了する時間情報を前記端末装置へ送信することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のネットワーク画像形成システム。
【請求項6】 前記画像形成装置は、モードの切替えを完了すると、その旨をモード切替え完了情報として前記端末装置へ通知することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のネットワーク画像形成システム。
【請求項7】 前記端末装置は、電子メールで、前記状態確認情報及び前記モード切替え指示情報を送信することを特徴とする請求項3に記載のネットワーク画像形成システム。
【請求項8】 前記画像形成装置は、電子メールで、前記現在のモード情報、前記モード切替え実施情報、前記時間情報、及び前記モード切替え完了情報を送信することを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載のネットワーク画像形成システム。
【請求項9】 前記画像形成装置は、記憶手段及び画像形成手段を備え、省電力モードの時に前記通信手段でFAXデータを受信すると、受信した該FAXデータを上記記憶手段に格納し、スタンバイモードへ切替え後に該FAXデータの印刷を上記画像形成手段で行うことを特徴とする請求項2に記載のネットワーク画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2003−22174(P2003−22174A)
【公開日】平成15年1月24日(2003.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−209367(P2001−209367)
【出願日】平成13年7月10日(2001.7.10)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】