説明

ネットワーク自律ワイヤレス位置検出システム

ローカル・ワイヤレス通信ネットワークへの相互接続なく、このネットワークの混乱を最小に抑えて、移動体デバイス(例えば、セル・フォン)の正確な位置検出を可能にするように、ネットワーク自律ワイヤレス位置検出システム(NAWLS)が設計されている。分散型無線ネットワーク・ワーク・モニタ(RNM)およびマネージド・ネットワーク・エミュレータ(NE)を用いて、移動体デバイスをサンプリングし、取得し、または捕獲する。一旦RNMまたはNEによってトリガされると、無制限ワイヤレス位置検出システム(U−WLS)を用いて、正確な位置を計算する。U−WLSは、移動体受信機サイトを含み、その各々が、自己位置検出が可能であり、NAWLSの他のコンポーネントと情報を交換し、移動体デバイスからの信号を受信または交換する。U−WLSは、配備された選択肢に応じて、種々のネットワークに基づくおよびハンドセットに基づくワイヤレス位置検出技法を利用する。加えて、NAWLSは、U−WLS、NE、およびRNMを相互接続するデータ・リンクも含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互引用
[0001] 本願は、2009年4月22日に出願された米国特許出願第12/428,325号の優先権を主張する。この特許出願をここで引用したことにより、その内容全体が本願にも含まれるものとする。
【0002】
この出願の主題は、2005年8月8日に出願された米国特許出願第11/198,996号、”Geo-Fencing in a Wireless Location System”(ワイヤレス位置検出システムにおけるジオフェンシング)に関係がある(その内容全体は、この出願をここで引用したことにより、本願にも含まれるものとする)。米国特許出願第11/198,996号は、”Advanced Triggers For Location-Based Service Applications in A Wireless Location System”(ワイヤレス位置検出システムにおける位置検出に基づくサービス応用のための高度トリガ)と題する米国特許出願第11/150,414号の継続出願である。米国特許出願第11/150,414号は、2004年1月29日に出願され"Monitoring of Call Information in a Wireless Location System" (ワイヤレス位置検出システムにおけるコール情報の監視)と題する米国特許出願第10/768,587号の一部継続出願であり、現在では米国特許第7,167,713となっている。米国特許出 願第10/768,587号は、2001年7月18日に出願され現在では米国特許第6,782,264B2号となっている"Monitoring of Call Information in a Wireless Location System"(ワイヤレス位置検出システムにおけるコール情報の監視)と題する米国特許出願第09/909,221号の継続出願である。米国特許出願第 09/909,221号は、2000年3月31日に出願され、現在では米国特許第6,317,604B1号となっている"Centralized Database for Wireless Location System" (ワイヤレス位置検出システム用集中データベース)と題する米国特許出願第09/539,352号の一部継続出願である。米国特許出願第09/539, 352号は、1999年1月8日に出願され、現在では米国特許第6,184,829B1号となっている"Calibration for Wireless Location System"(ワイヤレス位置検出システムの較正)と題する米国特許出願第09/227,764号の継続出願である。
技術分野
[0002] 本発明は、一般的には、アナログまたはディジタル・セルラ・システム、個人通信システム(PCS)、 強化特殊移動体無線機(ESMR)、およびその他の種類のワイヤレス通信システムにおいて用いられるような、移動局(MS)とも呼ばれるワイヤレス・デバイスの位置検出方法および装置に関する。更に特定すると、本発明は、基盤となるワイヤレス通信ネットワークに接続することなく、移動体デバイスの位置を検出することに関するが、これが全てではない。
【従来技術】
【0003】
[0003] 本発明の目標は、移動体デバイスを特定しその位置を検出することができる、アドホック・ネットワーク自律ワイヤレス位置検出システム(NAWLS:network-autonomous wireless location system)を提供することである。これらのネットワーク自律システムは、好ましくは、TMSI、IMEI、およびIMSI(即ち、それぞれ、一時的移動体加入者識別、国際移動局機器識別、および国際移動体加入者識別)のような、法律施行および災害復旧の目的でMS識別子を取得し、そして特定された移動体デバイスの位置を検出するために用いられる。本願の主題は、ワイヤレス位置検出および他の関連分野における種々のシステムに関する。この「背景技術」について、以下に簡単に纏めておく。
ネットワーク・ベース・ワイヤレス位置検出システム
[0004] ネットワーク・ベース・ワイヤレス位置検出システム(WLS)は、過去において、オーバーレイ・ネットワークとして配備されたり、またはワイヤレス・ネットワーク・インフラストラクチャに統合されている。これらの「ネットワーク内」ソリューションは、商用ワイヤレス・ネットワークにおける移動体デバイスの位置判定および広いエリアにおける調査を可能にする。「ネットワーク内」ソリューションは強力な情報処理(intelligence)能力および法律施行能力を提供するが、対象とするネットワークに対するハード・ワイヤ接続を常に有することができる訳ではない。何故なら、ワイヤレス・ネットワークが互換性のないシグナリング・トランスポートを用いたり、必要不可欠なトリガリング−タスクを課すこと−プロビジョニング・インターフェース(1つまたは複数)に欠けていたり、または単に協同しないからである。しかしながら、「ネットワーク内」位置検出ソリューションの位置検出能力の多くは、対象のワイヤレス・ネットワーク(1つまたは複数)へのハードワイヤ接続がなくても得ることができる。
【0004】
[0005] 早期のネットワーク・ベースWLSの一例が、1994年7月5日付け米国特許第5,327,144号"Cellular Telephone Location System"(セルラ電話位置検出システム)に記載されている。このTruePosition Inc.(トル−ポジション社)の特許は、1つ以上の移動体セルラ電話機の位置を記録するセルラ電話位置検出システムについて記載する。この開示されたシステムは、3つ以上のセル・サイト・システムを備えており、その各々がセルラ電話システムのセル・サイトに位置する。各セル・サイト・システムは、セルラ電話システムが用いるアンテナと同じタワーまたは建造物に取り付けることができるアンテナと、対応するセル・サイトの機器エンクロージャの中に収容することができる機器とを含む。セル・サイト・システムは、T1通信リンクを介して、中央サイトに結合されている。この中央サイトは、セルラ電話システムのMTSOと同じ場所に配置することができる。更に、中央サイトはデータベースにも結合されており、このデータベースは中央サイトから離れて位置し、加入者にも利用可能にすることができる。
【0005】
[0006] それよりも更に早期の別の例が、本出願人が所有する米国特許第4,728,959号、"Direction Finding Localization System"(方向発見位置判定システム)に記載されている。この特許は、無線信号の位相角度差の都市環境に内在する信号歪みに対する相対的不感性を、ディジタル処理技法と組み合わせて、セルラ電話ネットワークにおいて移動体電話の位置を検出する高精度で経済的な方法を産み出すシステムについて記載する。移動体送信局の方向の角度を示す、複数の陸上局の各々からの位相角度測定値を得て、これらを処理して確率密度関数を求める。この確率密度関数を組み合わせて、移動体送信局の位置を表す不確実性のエリアを求める。
移動体LMUを有するワイヤレス位置検出システム
[0007] 2006年12月27日に出願された公開米国特許出願第US20080158059A1号、"Portable, Iterative Geolocation of RF Emitters"(RFエミッタの可搬、繰り返しジオロケーション)は、TruePosition Inc.が所有し、TDOAの使用による静止RFエミッタの繰り返しジオロケーションが、1つの可搬型ジオロケーション・センサと、1対の可搬型ジオロケーション・センサと、3つ以上の可搬型ジオロケーション・センサの使用を含むとよいことを開示する。可搬型ジオロケーション・センサを繰り返しプロセスに追加することによって、位置検出すべき信号に対する制約が少なくなり、位置検出精度の改善を得るために必要な繰り返しの回数も減少させる。
高度トリガおよびジオフェンシング
[0008] 2005年8月8日に出願された公開米国特許出願第20060030333A1号、"Geo-fencing in a Wireless Location System"(ワイヤレス位置検出システムにおけるジオフェンシング)は、TruePosition Inc.が所有し、ワイヤレス通信システムによってサーブされる地理的エリアにおいて動作するワイヤレス・デバイスの位置を検出するためにWLSが用いる方法を開示する。方法の一例では、ジオフェンスされたエリアを定めることを含む。次いで、この方法は、ワイヤレス通信システムの1組の予め定められたシグナリング・リンクを監視し、ジオフェンスされたエリアに関して、移動体デバイスが以下の動作のうち任意のものを実行したことを検出することを含む。(1)ジオフェンス・エリアに入った、(2)ジオフェンス・エリアから出た、(3)ジオフェンス・エリア付近における、予め定められた近接度の範囲内に入った。次いで、移動体デバイスの地理的位置を判定するために、高精度位置検出機能をトリガすることができる。この出願では、オペレータ・ネットワークのビーコン設定を変更する手法を、GSMおよびUMTS移動体の検出および位置判定のためにジオフェンス・エリアを形成するための方法として記載している。基本的に、ネットワーク接続受信機技術(networked receiver technology)によって移動体送信機の位置を検出するには、ネットワークとの物理的/有線接続を必要としない。地理的に分散された受信機(1つまたは複数)がそれら自体の三次元位置、およびそれら自体の三次元速度を判定することができる限り、これらが対象信号(SOI)を取得および収集している間に動いた場合、送信側移動体デバイス(1つまたは複数)の位置を検出することができる。つまり、以下で本明細書において記載する種類のネットワーク自律アーキテクチャは、対象のネットワーク(1つまたは複数)に対する「ワイヤレスのみ」の接続という便利さ、ならびに可搬型および移動動作という二次的な利点を提供する。何故なら、ハードワイヤ・ネットワーク接続を必要としないからである。この便利さのために支払う代償は、ネットワーク内ワイヤレス位置検出ソリューションに比較すると、追加のハードウェアおよびソフトウェアで済む。
【0006】
[0009] 2005年6月10日付けの公開米国特許出願第US20060003775A1、"Advanced Triggers for Location-based Service Application in a Wireless Location System"(ワイヤレス位置検出システムにおける位置検出に基づくサービス適用のための高度トリガ)は、TruePosition Inc.が所有し、ワイヤレス通信システムの1組のシグナリング・リンクを監視し、予め定められたシグナリング・リンクのうち少なくとも1つにおいて発生した、少なくとも1つの予め定められたシグナリング・トランザクションを検出することを含む例示的な方法を開示する。次いで、少なくとも1つの予め定められたネットワーク・トランザクションの検出に応答して、少なくとも1つの予め定められた位置検出サービスがトリガされる。
ダウンリンク受信機を用いた自動構成
[0010] 2006年12月1日に出願された公開米国特許出願第US20080132247A1号、"System For Automatically Determining Cell Transmitter Parameters To Facilitate The Location Of Wireless Devices"(ワイヤレス・デバイスの位置検出を容易にするためにセル送信機パラメータを自動的に決定するシステム)は、TruePosition Inc.が所有し、ワイヤレス・デバイスの位置検出技法について記載する。この技法では、ワイヤレス・ネットワーク内において地理的に分散された基地局によって送信された信号の測定を、MSが行うことを含む。送信機の位置、送信信号電力、信号伝搬、および送信信号タイミングというような、これらの送信機について何らかの主要なサイト情報が分かっている場合、MSによるこれらの送信信号の測定を用いて、MSの位置を判定することができる。送信機を検出し、主要な送信機情報を特定し、基地局送信信号を利用して位置検出を行う自動方法が紹介されている。加えて、このシステムは、複数のワイヤレス・ネットワークの一部であるセル・サイト送信信号の使用を容易にする。
【0007】
[0011] 2006年12月27日に出願された公開米国特許出願第US20080132244A1号、"Subscriptionless Location Of Wireless Devices"(ワイヤレス・デバイスの無加入位置検出)は、 TruePosition Inc.が所有し、ワイヤレス・ネットワーク内に地理的に分散された基地局によって送信された信号の測定をワイヤレス・デバイスが行うことを含む、ワイヤレス位置検出技法について記載する。送信機の位置、送信信号電力、信号伝搬、および送信信号タイミングというような、これらの送信機について何らかの主要なサイト情報が分かっている場合、位置を検出すべきデバイスによるこれらの送信信号の測定値を用いて、このデバイスの位置を判定することができる。この例では、デバイスと位置検出ノードとの間における全ての情報交換は、位置推定プロセスにおいて用いられる信号を供給するワイヤレス・ネットワークによって提供されるのではないデータ・リンクによって容易に行われる。したがって、デバイスによって行われたダウンリンク信号測定に基づいて、これらのデバイスの位置を検出することができ、これらのデバイスはワイヤレス・ネットワークの一部ではなく、ネットワークによるワイヤレス・サービスを提供されず、信号をワイヤレス・ネットワークに送信する能力を所有しておらず、更にワイヤレス・ネットワークの通信リソースは、位置検出を容易にするためには消費されない。
IMSIキャッチャ
[0012] 2003年9月7日に公開された、Frick et al.のヨーロッパ特許EP1051053号”Method For Identifying A Mobile Phone User Or For Eavesdropping On Outgoing Calls”(移動体電話機ユーザを特定するまたは出立コールにおいて盗み聞きする方法)は、GSM無線通信ネットワークにおいて、仮想既知送受信局(VBTS)および計装(instrumented)検査移動体電話機を用いて、MSを特定する方法を開示する。この方法は、ターゲット移動体と同じブロードキャスト・チャネル(BCCH)情報を取得するために、VBTSおよび検査移動体がターゲット移動体に近接していなければならない。VBTSは、取得したBCCH情報を用いて、現在MSにサーブしているBTS以外のBTSをエミュレートする。MSは、新たな位置エリア・コード(LAC)によって、新たなもっと高い電力のビーコンを検出し、次いでVBTSに対して位置更新を実行し、既存のTMSI、IMEI、およびIMSIを収集することを可能にする。
【0008】
[0013] 2006年7月17日に出願された、Pridmore et al.の米国特許出願第11/966,230号、”Acquiring Identity Parameters by Emulating Base Stations”(基地局をエミュレートすることによる識別パラメータの取得)は、複数の基地局をエミュレートすることによって、複数のGSMまたは二重モードGSM/UMTSデバイスの識別(既存のTMSI、IMEI、MS−ISDN、およびIMSI)を取得する方法を開示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
[0014] 以上で述べた方法およびシステムは、移動体デバイスの識別を収集することを可能にするが、ローカル・ワイヤレス通信ネットワークの混乱をインテリジェントに極力抑えつつGSMまたは二重モードGSM/UMTSデバイスを特定しその位置を検出するのに適した広域システムは開示されていない。EP1051053に記載されているシステムは、質問先MSに近接する必要性があるために、質問先移動体の位置を保有することができるが、米国出願第11/996,230号(Pridmore et al) におけるシステムは、カバレッジ・エリアをマルチ・セル・エリアまで広げるので、干渉の効果が増大し、セル/セクタ・レベルよりも正確に質問先MSの位置を検出することができない。即ち、このシステムは、MSをGSMセル・グローバル識別子(CGI)またはUMTSセル識別(CI)レベルよりも正確に、MSの位置を検出することができないように思われる。
【0010】
[0015] 前述のように、ローカル・ワイヤレス・ネットワーク運営者の協同作業を行わなくても移動体デバイスを素早く特定しその位置を検出することができるアドホック・ネットワーク自律ワイヤレス位置検出システム(NAWLS)にアクセスすることができれば、法律施行および災害救援要員にとって都合が良いであろう。このようなシステムは、好ましくは、標準化された無線メッセージングを用い、TMSI、IMEI、MS−ISDNおよびIMSIのようなMS識別子を取得するために、基盤の無線ネットワークに更に接続する必要がない。本願は、これらの目標を達成するシステムについて記載する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
[0016] 以下の摘要は、本明細書において記載する本発明のシステムおよび方法の全体像を示すことを意図している。この摘要は、この明細書の最後にある特許請求の範囲の保護範囲を限定することは全く意図していない。
【0012】
[0017] 本発明の実施形態は、概して言うと、ローカル・ワイヤレス・ネットワークへの物理的または有線接続を必要とせずに、無線メッセージングによってワイヤレス・ネットワークにおいて移動体の位置を用いて、一時的および永続的識別子を含む移動体特定情報および加入者特定情報を収集することを可能にする。例えば、1組の地理的に分散されている受信機と、1つ以上のネットワーク・エミュレータ(NE)送受信機と結合されている移動体位置検出サーバとを備えているネットワーク自律、無制限(untethered)WLSを用いて、基盤通信ネットワークに接続することなく、移動体GSMおよびマルチモード移動体デバイスの識別および位置検出を、広範囲にわたって遂行することができる。この同じシステムは、ワイヤレス・ネットワークおよびエミュレート・ネットワーク(emulated network)を監視し、必要に応じて、エミュレート・ネットワークの送信およびパラメータを調節することによって、ローカル・ネットワークの混乱を極力抑えるように機能することができる。また、このシステムは、加入者サービスを制限することができる静穏ゾーン(quiet zone)を含む、アドホック・ジオフェンス・エリア(ad hoc geo-fenced area)を発生するために用いることもできる。例示する実施形態は、ワイヤレス・ネットワークの境界エリア、およびワイヤレス通信ネットワーク・カバレッジが失われているまたは間欠的であるエリアにおいても用いることができる。これらのアドホック・ネットワークは、特に建造物内部で張られた(erect)場合には、運営者の協同作業や認識を必要としなくてもよい。
【0013】
[0018] 本明細書において記載する本発明の技法および概念は、セルラ周波数再利用通信システムに適用される。これらのシステムは、一般に、時間および周波数分割多重化(TDMA/FDMA)無線通信システムであり、広く用いられている(GSM)、および直角周波数分割多元接続(OFDMA)ワイヤレス・システム(E−TRAN/LTEおよびWiMAX)、ならびにCDMA(IS−95、IS−2000のような符号分割無線通信システム、およびユニバーサル移動体電気通信システム(UTMS)を含む。そのうち後者はW−CDMAとして知られている。
【0014】
[0019] 本発明の他の特徴を以下に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
[0020] 以上の摘要、および以下の詳細な説明は、添付図面と合わせて読むと一層深く理解することができる。本発明を例示するために、本発明の例示的構造を図面に示す。しかしながら、本開示は示される具体的な方法や手段に限定されるのではない。以下の図面が含まれる。
【図1】図1は、無制限ワイヤレス位置検出システムの配備例である。
【図2a】図2aは、単一モード(例えば、GSM)ワイヤレス通信ネットワークにおけるネットワーク・コンポーネントおよびインターフェースのブロック模式図である。
【図2b】図2bは、マルチモード・モード(例えば、GSM、UMTS、およびLTE)ワイヤレス通信ネットワークにおけるネットワーク・コンポーネントおよびインターフェースのブロック模式図である。
【図2c】図2cは、U−WLS、分散されたNE、ならびに同じ位置に配置されたRNMおよびLMUコンポーネントと共に配備されたネットワーク自律ワイヤレス位置検出システムの代表例である。
【図3a】図3aは、移動体/携帯無制限ワイヤレス位置検出システムの配備のための、改良されたセルサイト・オン・ホイール(COW)である。
【図3b】図3bは、航空機または混合航空機/地上無制限ワイヤレス位置検出システムの配備のための、改良されたUAVである(側面図)。
【図3c】図3cは、航空機または混合航空機/地上無制限ワイヤレス位置検出システムの配備のための、改良されたUAVである(正面図)。
【図3d】図3dは、航空機または混合航空機/地上無制限ワイヤレス位置検出システムの配備のための、改良されたUAVである(上面図)。
【図4a】図4aは、位置更新における一時的移動体識別子および位置の受動収集の動作フロー・チャートである。
【図4b】図4bは、移動体発信および着信における一時的移動体識別子および位置の受動収集の動作フロー・チャートである。
【図5a】図5aは、一時的および永続的移動体および加入者識別子および高精度位置の能動的サンプリングの動作フロー・チャートである。
【図5b】図5bは、一時的および永続的移動体および加入者識別子および高精度位置の能動的収集の動作フロー・チャートである。
【図5c】図5cは、一時的および永続的移動体および加入者識別子および高精度位置の能動的捕獲の動作フロー・チャートである。
【図6】図6は、追加の移動体識別子の能動的収集の動作フロー・チャートである。
【図7】図7は、RNMおよびU−BTSを有する二重モードGSM/UMTSシステムである。
【図8a】図8aは、キャンペーン立案およびモデリングのためのローカル・ビーコン位置およびビーコン情報コンテンツの収集の動作フロー・チャートである。
【図8b】図8bは、キャンペーン立案およびモデリングのための移動体ネットワーク・トランザクションならびに移動体識別子および位置の受動的収集の動作フロー・チャートである。
【図8c】図8cは、キャンペーンの間におけるエミュレート・ネットワークのリアル・タイム調節および最適化のための、ローカル・ワイヤレス通信ネットワークおよびエミュレート・ネットワークの監視の動作フロー・チャートである。
【図9a】図9aは、エミュレート制御チャネルを用い、加入者識別子およびエミューレート・ネットワークに対する近接度に基づく、選択的加入者サービス拒否の実施態様の動作フロー・チャートである。
【図9b】図9bは、エミュレート・トラフィック・チャネルを用い、加入者識別子およびエミューレート・ネットワークに対する近接度に基づく、選択的加入者サービス拒否の実施態様の動作フロー・チャートである。
【図10a】図10aは、ネットワーク自律アドホック・ワイヤレス位置検出をサポートするための、ワイヤレス位置検出システム・ノード、相互接続、およびデータベース機構の図である。
【図10b】図10bは、無制限サービング移動体位置検出センタにおける位置計算リソースの図である。
【図11】図11は、無制限ワイヤレス位置検出システムの一時的制御の下において移動体ベース位置検出技術を用いるときの動作フロー・チャートである。
【図12】図12は、TDOA、移動体ベースGNSS技術、またはGNSSハイブリッドを有するTDOAによる、移動体位置を求めるための無使用(defunct)ワイヤレス・ネットワークの航空機ポーリングの図である。
【図13】図13は、ビーム形成による、移動体位置を求めるための無使用(defunct)ワイヤレス・ネットワークの航空機ポーリングの図である。
【図14】図14は、受動型ワイヤレス位置検出システムのブロック模式図である。
【図15】図15は、単一モードGSMワイヤレス通信ネットワークにおいて分散U−BTS送受信局を用いたTOA位置判定の図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[0048] GSM基地局(BTS)シミュレータおよび試験用機器を装備した(instrumented)検査用移動体が、GSM BTSシミュレータに近接して素早くサンプリングする(移動体に質問し特定する)方法を、警備および法律施行機関(agency)に提供するために何十年もの間用いられている。この技法は、結果的に生ずるローカル・ワイヤレス通信ネットワークとの干渉、および移動体位置の逸失により、より広いエリアへの拡大(scaling)には適していないことが分かった。
【0017】
[0049] ローカル通信ネットワーク(無制限ワイヤレス位置検出システムおよび無線ネットワーク・モニタの基本)への接続を行わずに位置検出能力を有する受信機の分散された1組を、一緒にネットワーク自律ワイヤレス位置検出システム(NAWLS)を構成するGSM基地局シミュレータ送受信機(ネットワーク・エミュレータ)と共に用いることによって、広い地理的エリアにおいて質問することが可能になる。受信機は、受信すること、およびローカル・ワイヤレス通信ネットワークの基地局の位置を検出することの双方が可能なので、送信された情報エレメント、およびGSM基地局シミュレータの送信電力を調整して、用いられるブロードキャスト電力を最適化しつつ、干渉を最小に抑えることができる。加えて、送信情報を調節することによって、通信ネットワークの影響を最小に抑えつつ、サンプリング・ネットワーク能力のバランスを取ることによって、移動体サンプリングのレートを最適化することができる。
【0018】
[0050] ワイヤレス通信ネットワークに対する影響が最小に抑えられる結果、新たな用途が利用可能になる。NAWLSが移動局をサンプリングし、エミュレート・ネットワークに収集すれば、能動的なローカル選択サービス制御を遂行することができる。連続的な追跡が要求される場合、NAWLSは、移動体を静穏トラフィック・チャネル(silent traffic channel)に置くことによって、移動体をサンプリング、収集、および確保し、その結果、サービス拒否が行われ、ワイヤレス位置検出システムに対する連続可視性が得られる。
【0019】
[0051] また、能動的ローカル選択サービス制御位置および追跡能力は、内蔵の移動体位置検出能力、例えば、とりわけGPS、EOTD、またはOTDOAを用いても遂行することができ、WLSおよび移動体は、エミュレート・ネットワークの無線接続を通じて協同する。あるいは、完全に受動的なサンプリング・システムが必要とされる場合、無制限(ネットワーク自律)WLS(U−WLS)を用いると、リアル・タイムの位置検出を行い、暗号化されたおよび暗号化されていない移動体識別情報を後に分析および抽出するために、地上波無線データ(over-the-air radio data)を記録することができる。
【0020】
[0052] U−WLSは、利用可能なリソースおよび位置検出サービス品質要件に応じて、複数の形態で実現することができる。受動型ネットワーク・ベース・ワイヤレス位置検出システムでは、移動体デバイスは標準的に動作して、ワイヤレス・ネットワークに登録し、コールを行いそしてコールを受け、メッセージの送信および受信を行い、データ・セッションを開始するかまたはそれに接続する。ネットワーク・ベース・ワイヤレス位置検出システムの動作には、移動体デバイスの回路やソフトウェアには何の変更も必要ない。
【0021】
[0053] 能動型ネットワーク・ベース・ワイヤレス位置検出システムでは、移動体デバイスは標準的に動作して、ワイヤレス・ネットワークに登録し、コールを行いそしてコールを受け、メッセージの送信および受信を行い、データ・セッションを開始するかまたはそれに接続する。ここでも同様に、ネットワーク・ベース・ワイヤレス位置検出システムの動作には、移動体デバイスの回路やソフトウェアには何の変更も必要ない。しかしながら、応答を誘発させるために、無線メッセージングを送信すること、または移動体デバイスと交換することができる。この応答は、移動体デバイスの登録、ページ応答、制御チャネル(または1組の制御チャネル)への移動体デバイスの配置、および/またはトラフィック(音声またはデータ)チャネルへの移動体デバイスの配置を含むことができる(2000年8月1日付けの米国特許第6,097,336号、"Method for Improving the Accuracy of Wireless Location System"(ワイヤレス位置検出システムの精度を高める方法)を参照のこと)。
【0022】
[0054] ネットワーク・ベース・ワイヤレス位置検出システムのトリガリングおよびタスキングは、緊急サービス(J−STD−036、「改良ワイヤレス9−1−1フェーズII」)および商用サービス(GSMについては、3GPP TS 43.059, "Functional stage 2 description of Location Services (LCS) in GERAN"(GERANにおける位置検出サービス(CS)の機能的段階2の説明)、そしてUMTSについては、 3GPP TS 25.305 "User Equipment (UE) positioning in Universal Terrestrial Radio Access Network (UTRAN); Stage 2"(ユニバーサル地上無線・アクセス・ネットワーク(UTRAN)におけるユーザ機器(UE)測位;段階2。LTE測位は、本願の出願時点では未だ標準化されていない)では標準化されている。
【0023】
[0055] トリガリングとは、位置推定を開始するイベントのことを言う(コールされた番号においてダイアルされた1列の数字の認識のようなイベント)。無線およびネットワーク・トリガリング・イベントならびに関連する無線情報の説明については、例えば、米国特許出願第11/150,414号、”Advanced Triggers For Public Security Applications in a Wireless Location System”(ワイヤレス位置検出システムにおける公衆安全用途のための高度トリガ)、および米国特許第6,119,000号、"Method And Apparatus For Tracking Identity-Code Changes In A Communications System"(通信システムにおいて識別−コードの変化を追跡する方法および装置)を参照のこと。
【0024】
[0056] タスキング(tasking)には、ネットワーク・ベースWLSへのネットワーク情報および無線情報の受け渡しが含まれる。到達時刻(TOA)、到達時間差(TDOA)、到達角度(AoA)、またはTDOA/AoA混成位置推定のためにサービス・エリアにおいて、電力に基づく測距位置推定値(power based ranging location estimate)を用いて低精度のセル−IDを計算するため、または地理的に配備された受信機(LMU)の使用を開始するために必要とされる。内蔵位置検出能力を有する移動体では、改良セル−ID(ECID)、改良観察時間差(EOTD)、観察到達時間差(OTDOA)、グローバル・ナビゲーション衛星システム(GNSS)測位、補助GNSS測位、および混成ハンドセット/ネットワーク・ベース測位をサポートするために、種々のサーバをエミュレートすることによって、U−WLSは、ハンドセットから位置情報を収集することができる。GNSSの現在における機能的例は、ナブスター汎地球測位システム(GPS)である。
図1
[0057] 図1は、改良セル・サイト・オン・ホイール(COWS:cell-site-on-wheels)のアドホック・ネットワークを用いて実現した場合の、U−WLSの例示的な実施形態を示す。移動体デバイス101は、アップリンク信号102をサービング・セル103に送信しているところが示されている。このアップリンク信号は、他のローカル・セル・サイト104との干渉を最小に抑えるように低電力であるが、ローカルU−WLS受信サイト105によって検出することができる。広帯域システム(IS−95、IS−2000、およびUMTS)では、サービング・セルは、スペクトル拡散システムのソフトまたはソフター(softer)ハンドオフ能力を用いた複数のセルであることもできる。
【0025】
[0058] この例では、U−WLSはGNSSコンスタレーション107を用いて、U−WLS受信サイト105毎に正確な位置、タイミング、および速度を判定するための無線信号を供給する(U−WLS受信機は、無線ネットワーク監視(RNM)受信機、位置測定(LMU)受信機、無制限BTS(U−BTS)送受信機としても知られている)。高品位テレビジョン(HDTV)または目的構築(purpose-built)正確タイミング無線ブロードキャストのような他のタイミングおよび周波数安定タイミング・ソース、あるいは有線システムであっても、GNSS受信機の代わりに、またはそれを補足するために用いることができる。この例では、U−WLSは通信衛星106を通じたノード間シグナリングを用いる。ノード間シグナリングは、他の無線パケット・データ・システムを用いることができ、他の無線パケット・データ・システムは、例として、商法ワイヤレス・データ・システム、未使用の無線帯域、無許諾のスペクトル無線送信、または光帯域送信までも含む。
【0026】
[0059] 航空機用コンポーネント(aerial component)108は、U−WLSサイト間において非衛星無線リレー・サービスを提供するため、または航空機搭載映像機能(airborne imaging)を提供するため、あるいはU−WLSネットワークに拡張カバレッジおよび三次元ダイバシティを提供するU−WLSプラットフォームとしての役割を果たすためにでも用いることができる。(2008年9月23日付けの米国特許第7,427,952号、"Augmentation Of Commercial Wireless Location System (WLS) With Moving And/Or Airborne Sensor For Enhanced Location Accuracy And Use Of Real-Time Overhead Imagery For Identification Of Wireless Device Locations"(位置検出精度向上、およびワイヤレス・デバイスの位置特定のためにリアル・タイム・オーバーヘッド画像を用いるための、移動および/または航空機搭載センサを有する商用ワイヤレス位置検出システム(WLS)の増強)を参照のこと。)航空機用コンポーネントの使用は、無人航空機、軽量飛行機(light plane)、ブリンプ(blimp)、バルーン、またはヘリコプタであっても、このシステム例では任意である。しかしながら、U−WLSは、所望される配備構成に応じて、完全に航空機用であってもよい。
図2a
[0060] 図2aは、ネットワーク自律ワイヤレス位置検出システムの配備の模式図を示す。示すのは、機能コンポーネント、ならびに有線およびワイヤレス双方の相互接続である。図2aでは、1つの無線エア・インターフェース(例えば、GSM)タイプの使用が示されている。
【0027】
[0061] 移動体デバイス201(移動局(MS)、ユーザ機器(ES)、またはハンドセットとしても知られている)は、無線エア・インターフェース202を通じて、ローカル・ワイヤレス通信ネットワーク(WCN)203と通信することができる。無線エア・インターフェース202は、無線エア・インターフェース・タイプ(例えば、GSM無線エア・インターフェース(Umインターフェース)は、ヨーロッパ電気通信標準協会(ESTI)によって定められ、現在ETSIの当局の元において第3世代パートナーシップ・プログラム(3GPP)による変更の最中である)に対して相互動作性規格(interoperability standards)において定められているように、アップリンクおよびダウンリンク通信チャネルを含む。
【0028】
[0062] ローカル・ワイヤレス通信ネットワーク(WCN)203は、無線アクセス・ネットワーク(RAN)204とコア・ネットワーク(CN)205とを備えている。無線アクセス・ネットワーク(RAN)204は、移動体201とコア・ネットワーク(CN205)との間で無線シグナリング202を提供する。CN205は、移動体ユーザ間および移動体と固定ネットワーク(陸線)ユーザとの間における移動性管理およびコールの切り替えを管理する。RAN204およびCN205が一緒になってワイヤレス通信ネットワーク(WCN)203を構成する。ワイヤレス通信ネットワーク(WCN)203は、スイッチング(回線交換型)およびルーティング(パケット交換型)による通信リンク、ならびに位置検出に基づくサービスを含む種々の電気通信サービスを移動体デバイス201に提供する。
【0029】
[0063] RAN204、CN205、ならびに他の外部有線およびワイヤレス・ネットワークの相互接続(図示せず)は、国内および国際電気通信相互動作規格において定められている通りである。
【0030】
[0064] NAWLS206は、3つの機能ノード、即ち、ネットワーク・エミュレータ(NE)207、無制限ワイヤレス位置検出システム(U−WLS)208、および無線ネットワーク・モニタ(RNM)209を備えている。これらの機能ノードは、物理的および電子的に組み合わせることもできる。
【0031】
[0065] NE207は、1つ以上の地理的に分散されている無制限基地局(U−BTS)と、制御機能とを備えており、独立したワイヤレス通信ネットワークを提供し、RANおよびCNネットワーク双方(GSM基地局サブシステム(BSS)およびGSMネットワーク交換サブシステム(NSS)のような)を必要に応じてエミュレートする。U−BTSの既存の例に、Rhode Schwarts GA900検査基地局がある。NE207は、エミュレート・エア・インターフェース210を設ける。エミュレート・エア・インターフェース210は、移動体デバイス201を能動的にサンプリング、取得(acquire)、または捕獲(capture)するために用いられるブロードキャスト・ビーコン(GSMにおけるBCCH)を含む。NE207が供給するエア・インターフェース210は、個々の移動体デバイス毎に、移動体デバイス201を特定する、位置検出する、または静穏にするためにトラフィック/データ・チャネルの割り当てが必要となる場合に、移動体デバイス201への移動体アップリンクおよび付随するダウンリンクを有する1組のエミュレート・デュプレクス・チャネルも含むことができる。 NE207は 、位置検出開始および受信機の同調のために、トリガリングおよびタスキング情報をU−WLSに提供する。また、NE207は、管理機能も実行し、NAWLSの活動(activities)を調整する。
【0032】
[0066] U−WLS208は、アップリンク移動体送信を用いて移動体電話機201の位置を検出するために、ネットワークに基づくアップリンク到達時間差(U−TDOA)、到達角度(AoA)、および/またはTDOA/AoA混成位置検出技術を提供する。このようなアップリンク送信は、WCNが供給するエア・インターフェース202またはエミュレート・エア・インターフェース210のいずれにおいてでも可能である。また、U−WLS208は、ハンドセットに基づく位置検出技法のために、改良観察時間差(E−OTD)、観察到達時間差(OTDOA)、およびA−GNSS(補助グローバル・ナビゲーション衛星システム、例えば、U.S.AFのNavstar汎地球測位システム)のような、位置検出サーバ能力(capacity)および機能も提供する。また、U−WLS208は、U−TDOA/A−GNSSのような混成技法も用いて、位置検出を最適化することができる。
【0033】
[0067] U−WLS208は、ディジタル・データ・リンク213を介して、NE207に接続されている。ディジタル・データ・リンク213は、NE207が位置検出を実行するためにU−WLS208をトリガするときに用いられる。また、ディジタル・データ・リンク213は、U−WLSがNE207に、位置検出が完了したこと(成功また失敗、理由コード)、移動体201の位置を検出するためには追加の電力が必要となること、RAT間ハンドオフが必要であること、および/またはトラフィック・チャネルに対する割り当てが必要であることを伝えるためにも用いられる。ディジタル・データ・リンク213は、ワイヤレス接続を含むことができる。また、データ・リンク213は、U−WLS208およびNE207が、移動体201にある内蔵位置検出技術(EOTD、GPS、OTDOA、A−GPS等)を用い、移動体の埋蔵位置検出技術を用いて位置を明らかにする(develop)ときにも用いることができる。
【0034】
[0068] 無線ネットワーク・モニタ(RNM)209は、アップリンクおよびダウンリンク送信(ブロードキャストを含む)を移動体デバイス201、RAN204、および/またはNE207から受信することができる受動型ソフトウェア定義無線受信機である。RNM209は、離散した1組の狭帯域および広帯域受信機のような、種々の様式で配備することができ、地理的に分散されているU−WLS208の受信機と同じ場所に配置することができ、ネットワーク・エミュレータの無制限基地局(U−BTS)送受信機(1つまたは複数)と同じ場所に配置することができ、あるいは共有回路およびアンテナを利用するために受信機または送受信機に組み込むこともできる。
【0035】
[0069] RNM209の早期バージョンについては、例えば、2005年6月10日に出願された、TruePosition社の米国特許出願第11/150,414号、"Advanced Triggers for Location-based Service Applications in a Wireless Location System"(ワイヤレス位置検出システムにおける位置検出に基づくサービスの応用のための高度トリガ)に記載されている。
【0036】
[0070] RNM209は、ディジタル・データ・リンク214を介して、U−WLS208に接続されており、RNM209が、ネットワーク・トランザクションに関与する移動体デバイス201の位置を検出するタスクをU−WLS208に課すことを可能にする。ディジタル・データ・リンク241は、ワイヤレス接続を含むことができる。ネットワーク・トランザクションは、移動体発信、移動体着信、位置更新、セル変更コマンド、常時質問(AnyTimeInterrogation)(特殊ページング)、SMS発信、およびSMS着信のためのメッセージングを含む。
【0037】
[0071] RNM209は、ディジタル・データ・リンク215を介して、NE207に接続されており、RNM209が、受信ビーコン(例えば、BCCH)周波数、電力レベル、および情報内容のような、WCN無線エア・インターフェース202の設定をNE207に伝えることを可能にする。ディジタル・データ・リンク215は、ワイヤレス接続を含むことができる。また、RNM209は、そのエミュレートBCCHダウンリンクならびにエミュレート・アップリンクおよびダウンリンク制御およびトラフィック・チャネルを用いて、NE207が供給するエミュレート無線エア・インターフェース210を監視して干渉を検出し、部分的にまたはアップリンクおよびダウンリンク・チャネルのうち任意の1つまたは1組において、NE207にブロードキャスト無線電力レベルを低下させ、無線エア・インターフェース210において用いられている電力を低減させることもできる。
【0038】
[0072] また、RNM209は、予めプログラミングされているトリガに基づいて、位置推定を実行するためにU−WLSをトリガすることもできる。これは、2005年6月10日に出願された、TruePosition社の米国特許出願第11/150,414号、"Advanced Triggers for Location-based Service Applications in a Wireless Location System"(ワイヤレス位置検出システムにおける位置検出に基づくサービスの応用のための高度トリガ)において詳細に記載されている。
図2b
[0073] 図2bは、マルチモードのシナリオにおけるネットワーク自律ワイヤレス位置検出システムの配備の模式表現を示し、複数のエア・インターフェース(GSMおよびUMTS、GSMおよびLTE、またはUMTSおよびLTEを有するGSMのようなエア・インターフェース)が移動体デバイス201に利用可能になっている。図示されているのは、機能コンポーネント、ならびに有線およびワイヤレス双方の相互接続である。
【0039】
[0074] 移動体デバイス201(移動局(MS)、ユーザ機器(UE)、またはハンドセットとしても知られている)は、第1無線エア・インターフェース202または第2無線エア・インターフェース211のいずれかを用いることによって、ローカル・ワイヤレス通信システム(WCN)203と通信することができる。第1および第2無線エア・インターフェース202、211は、無線エア・インターフェース・タイプ(例えば、GSM無線エア・インターフェース(Umインターフェース)は元々ヨーロッパ電気通信標準協会(ESTI)によって作成されたのであり、UMTS(Uuインターフェース)およびLTEエア・インターフェースは双方共、第3世代パートナーシップ・プログラム(3GPP)によって作成された)について設定されている相互動作規格において定められているように、アップリンクおよびダウンリンク通信チャネルを含む。
【0040】
[0075] ローカル・ワイヤレス通信システム(WCN)203は、無線アクセス・ネットワーク(RAN)204と、コア・ネットワーク(CN)205とを備えている。無線アクセス・ネットワーク(RAN)204は、移動体201とコア・ネットワーク(CN205)との間で無線シグナリング202を提供する。CN205は、移動体ユーザ間および移動体と固定ネットワーク(陸線)ユーザとの間における移動性管理およびコールの交換を管理する。RAN204およびCN205が一緒になってワイヤレス通信ネットワーク(WCN)203を構成する。ワイヤレス通信ネットワーク(WCN)203は、スイッチング(回線交換型)およびルーティング(パケット交換型)による通信連係、ならびに位置検出に基づくサービスを含む種々の電気通信サービスを移動体デバイス201に提供する。
【0041】
[0076] RAN204、CN205、ならびに他の外部有線およびワイヤレス・ネットワークの相互接続(図示せず)は、国内および国際電気通信相互動作規格において定められている通りである。
【0042】
[0077] NAWLS206は、3つの機能ノード、即ち、ネットワーク・エミュレータ(NE)207、無制限ワイヤレス位置検出システム(U−WLS)208、および無線ネットワーク・モニタ(RNM)209を備えている。これらの機能ノードは、ハードウェアにおいて組み合わせること、または共通の計算および無線ハードウェアを共有するソフトウェア・アプリケーションとして組み合わせることもできる。
【0043】
[0078] NE207は、独立したワイヤレス通信ネットワークを提供し、(GSM基地局サブシステム(BSS)およびGSMネットワーク交換サブシステム(NSS)のような)RANおよびCNネットワーク双方を必要に応じてエミュレートする。NE207は、第1エミュレート・エア・インターフェース210および第2エミュレート・エア・インターフェース212を設ける。双方共、移動体デバイス201を能動的にサンプリング、取得(acquire)、または捕獲(capture)するために用いられるブロードキャスト・ビーコン(GSMにおけるBCCH、UMTSにおけるBC、LTEにおけるBCCH)を含む。また、NE207が供給する第1エミュレート・エア・インターフェース210は、個々の移動体デバイス毎に、移動体デバイス201を特定する、位置検出する、または静穏にするためにトラフィック/データ・チャネルの割り当てが必要となる場合に、移動体デバイス201への移動体アップリンクおよび付随するダウンリンクを有する1組のエミュレート・デュプレクス・チャネルも含むことができる。また、NE207は、コントローラの集中または分散ネットワークのいずれかを通じて管理機能も実行し、NAWLSの活動(activities)を調整する。ワイヤレス・ネットワークとして機能する場合、NE207は、ネットワーク・トランザクションに基づいて、移動体位置検出のためのトリガを設けることもできる。
【0044】
[0079] NE207は、コール接続イベントまたは無線インターフェース・イベント(「ネットワーク・トランザクション」と見なされる)の発生時にトリガするように設定することができる。これらのイベントは、1つのメッセージまたは一連のメッセージを伴うことがあり、各々、当該コール接続または無線イベントに関係する。代表例として用いられる単一モードのGSMネットワークおよび移動体デバイスでは、これらのイベントは、(1)ネットワーク測定報告の受信、(2)移動体から発信したコール、(3)移動体着信コールの受信、(4)移動体が発信したSMSの送信、(5)移動体着信SMSの受信、(6)ハンドオーバー(開始)、(7)ハンドオーバー(完了)、(8)位置更新、(9)RFチャネル割り当て、(10)IMSI取付、(11)IMSI取り外し、(12)移動体が発信したコールの切断、(13)移動体着信コールの切断、および(14)機器応答の特定、(15)コール失敗を含む。
【0045】
[0080] U−WLS208は、WCNが供給するエア・インターフェース202、211またはエミュレート・エア・インターフェース210、212において行われるアップリンク移動体送信を用いて移動体電話機201の位置を検出するために、ネットワークに基づく到達時刻(TOA)、アップリンク到達時間差(U−TDOA)、到達角度(AoA)、および/または種々のネットワークに基づく位置検出技術の混成を提供する。また、U−WLS208は、ハンドセットに基づく位置検出技法のために、改良観察時間差(E−OTD)、観察到達時間差(OTDOA)、およびA−GNSS(補助グローバル・ナビゲーション衛星システム、例えば、U.S.AFのNavstar汎地球測位システム)のような、位置検出サーバ能力(capacity)および機能も提供する。また、U−WLSは、U−TDOA/A−GNSSのような混成技法も用いて、位置検出を最適化することができる。
【0046】
[0081] U−WLS208は、ディジタル・データ・リンク213を介して、NE207に接続されている。また、ディジタル・データ・リンク213は、U−WLSがNE207に、位置検出が完了したこと(成功また失敗、理由コード)、移動体201の位置を検出するためには追加の電力が必要となること、RAT間ハンドオフが必要であること、および/またはトラフィック・チャネルに対する割り当てが必要であることを伝えるためにも用いられる。また、ディジタル・データ・リンク213は、場合によっては(移動体識別がトリガであるとき、またはハンドオーバーが行われたときというような場合)、NE207が、位置検出を実行するようにU−WLS208をトリガするために用いられる。また、データ・リンク213は、U−WLS208およびNE207が、移動体201にある内蔵位置検出技術(EOTD、GPS、OTDOA、A−GPS等)を用い、移動体の埋蔵位置検出技術を用いて位置検出を発展させる(develop)ときにも用いることができる。移動体に基づく技法(1つまたは複数)は、ネットワークに基づく技法(1つまたは複数)と組み合わせて、位置検出精度向上および/または歩留まり向上のために、混成位置推定値を判定することもできる。
【0047】
[0082] 無線ネットワーク・モニタ(RNM)209は、アップリンクおよびダウンリンク送信(ブロードキャストを含む)を移動体デバイス201、RAN204、および/またはNE207から受信することができる受動型ソフトウェア定義無線(SDR)受信機である。RNM209は、離散した1組の受信機のような、種々の様式で配備することができ、地理的に分散されているU−WLSの受信機と同じ場所に配置することができ、ネットワーク・エミュレータの無制限基地局(U−BTS)送受信機(1つまたは複数)と同じ場所に配置することができ、あるいは共有回路およびアンテナを利用するために受信機または送受信機に組み込むこともできる。
【0048】
[0083] RNM209の早期バージョンは、例えば、2005年6月10日に出願された、TruePosition社の米国特許出願第11/150,414号、"Advanced Triggers for Location-based Service Applications in a Wireless Location System"(ワイヤレス位置検出システムにおける位置検出に基づくサービスの応用のための高度トリガ)に、利用可能な無線およびネットワーク・トランザクション・トリガリング・メカニズムであるとして記載されている。
【0049】
[0084] 無線ネットワーク・モニタ(RNM)209は、ワイヤレス位置検出システムが、アップリンクおよびダウンリンク双方において移動体電話機とBTSとの間でトラフィックを受動的に監視することを可能にする。代表例として用いられる単一モードGSMネットワークおよび移動体デバイスでは、RNM209は、広帯域受信機、または対象エリア内に配置されている1群の狭帯域受信機として実現され、周波数、タイムスロット、コード、および/またはホッピング・シーケンスを走査して発見するか、あるいはこれらが予め設定されており、ランダム・アクセス・チャネル(RACH)、アクセス付与チャネル(AGCH)、および制御チャネル(GSM/GPRSにおけるSDCCH)を監視して、対象のメッセージを発見しようとする。この実施形態では、RNM209には暗号化された情報を解読する能力がないので、対象のGSMメッセージ・トランザクションは、(1)コール発信、(2)コール着信、(3)ショート・メッセージ・サービス(SMS)の発信、(4)SMS着信、(5)位置更新要求、および(6)識別要求に制限される。
【0050】
[0085] ワイヤレス・デバイスの位置は、ワイヤレス・キャリアのインフラストラクチャへの物理的接続がなくても、RNM209の使用によって、BTSからのアクセス付与チャネル(AGCH)をダウンリンク送信において受信し、その中に含まれているメッセージング情報にアクセスすることによって、検出することができる。メッセージング情報は、タイミング進み(TA)、チャネル参照番号、およびフレーム番号を含む。この情報を得るには、BTSのダウンリンク送信からの、暗号化されていないAGCHを検出し、復調し、デコードする。これは、ワイヤレス位置検出システムが、移動体デバイスからの後続のアップリンク送信をSDCCHにおいて受信することによって、UTDOAを用いてワイヤレス・デバイスの位置を検出することを可能にするための、ネットワーク自律トリガとして用いられる。また、ワイヤレス・デバイスの位置は、UTDOAまたはAoAよりも遙かに低い精度ではあるが、CGI+TAによって推定することもできる。CGI+TAは、AGCHからの他の情報、およびワイヤレス・ネットワークについての他の先験的情報によって改善することができる。移動体デバイスからの初期SDCCH送信を復調しデコードすることによって、移動体デバイスからの情報、特に、TMSIまたはIMSIを特定することができる。ワイヤレス・ネットワークにおいて暗号化がイネーブルされていない場合、ワイヤレス・デバイスからのSDCCH送信を更に復調およびデコードすることによって、IMEI、MSISDNのような他の識別情報や、発呼番号または被呼番号が得られる。
【0051】
[0086] RNM209は、ディジタル・データ・リンク214を介して、U−WLS208に接続されており、RNM209が、ネットワーク・トランザクションに関与する移動体デバイス201の位置を検出するタスクをU−WLS208に課すことを可能にする。ディジタル・データ・リンク214は、ワイヤレス接続を含むことができる。ネットワーク・トランザクションは、移動体発信、移動体着信、位置更新、セル変更コマンド、常時質問(AnyTimeInterrogation)(特殊ページング)、SMS発信、およびSMS着信のためのメッセージングを含む。
【0052】
[0087] RNM209は、ディジタル・データ・リンク215を介して、NE207に接続されており、RNM209が、受信ビーコン(例えば、BCCH)周波数、電力レベル、および情報内容のような、WCN無線エア・インターフェース202の設定をNE207に伝えることを可能にする。ディジタル・データ・リンク215は、ワイヤレス接続を含むことができる。また、RNM209は、そのエミュレート・ビーコン・ダウンリンクならびにエミュレート・アップリンクおよびダウンリンク制御およびトラフィック・チャネルを用いて、NE207が供給するエミュレート無線エア・インターフェース210,211を監視して干渉を検出し、部分的にあるいはアップリンクおよびダウンリンク・チャネルのうち任意の1つまたは1組において、NE207にブロードキャスト無線電力レベルを低下させ、無線エア・インターフェース210、211において用いられている電力を低減させることもできる。
図2c
[0088] 図2cは、別のサブシステムと共に配備した場合のNAWLSの代表例を示す。別のサブシステムは、分散型ネットワーク・エミュレータ(NE)ネットワークを有する無制限ワイヤレス位置検出システムと、同じ場所に配置されていえる無線ネットワーク・モニタ(RNM)および位置測定ユニット(LMU)のコンポーネントとを備えている。
【0053】
[0089] この配備構成例では、U−WLS208は、複数の受動型受信機(位置測定ユニット(LMU)とも呼ぶ)217、サービング移動体位置検出局(SMLC)219、および集中データベース220を備えている。この図2cの例では、U−WLS208は、LMU217と同じ場所に配置されている無線ネットワーク監視(RNM)209受信機も含む。LMU217は、地理的に分散されている受信機のネットワークを備えている。これらのLMU(早期のTruePosition社の米国特許においては、以前では信号収集システムと呼ばれていた)の早期の実施形態が、TruePosition社の2001年7月24日付け米国特許第6,266,013号、"Architecture For A Signal Collection System Of A Wireless Location System"(早期のTruePosition社の米国特許においては、以前では信号収集システムと呼ばれていた)に詳細に記載されている。LMUは、アップリンク(移動体から基地局)およびダウンリンク(基地局から移動体)双方の無線監視能力を有する。LMUは、正確な時間同期のために、無線タイミング受信機または高精度内部クロックを含む。
【0054】
[0090] 分散型RNM209は、ここではLMUのハードウェアおよびソフトウェアに含まれるように示されており、LMU217によって与えられるアップリンクおよびダウンリンク・アクセス、ならびに関連のあるアンテナを用いる。LMU217とRNM209(この配備では任意)との間の相互接続は、ディジタル・データ・リンク225を介して行われる。ディジタル・データ・リンク225は、有線またはワイヤレスであってもよい。
【0055】
[0091] あるいは、図2aおよび図2bに示すように、RNM209は、別のシステムであり、有線またはワイヤレス・データ・リンク214によって相互接続することもできる。
【0056】
[0092] 地理的に分散されているRNM209は、TruePosition社の米国特許出願第11/150,414号、"Advanced Triggers for Public Security Applications in a Wireless Location System"(ワイヤレス位置検出システムにおける公衆安全用途のための高度トリガ)において紹介され、詳細に記載されている。図2cのシステム配備例では、RNM209は、アップリンク(移動体からネットワーク)およびダウンリンク(ネットワークから移動体)双方の広帯域監視能力を設ける。RNM監視能力は、移動体が発信した送信、WCNが発信した送信、およびNEが発信した送信を検出するために用いられる。RNM209の受動監視能力は、基地局ブロードキャスト送信によって、ローカル無線アクセス・ネットワーク(RAN)204(例えば、ローカルGSM、CDMA、UMTS、および/またはLTEネットワーク)の基地局を検出し突き止めるために用いることができる。その詳細は、2007年11月30日に出願された米国特許出願第11/948,244号、"Automated Configuration of a Wireless Location System"(ワイヤレス位置検出システムの自動構成)に記載されている。
【0057】
[0093] 図2cの例において、SMLC219は、ワイヤレスまたは有線ディジタル・データ・リンク221を介してLMU217に接続されている1群のプロセッサとして示されている。他の実施態様では、有線または無線相互接続によって相互接続されている複数の分散型SMLCプロセッサも可能である。SMLC219は、通例、集中データベース220と同じ場所に配置されている。データベース220については、2001年11月13日付け米国特許第6,317,604号、"Centralized Database System For A Wireless Location System"(ワイヤレス位置検出システム用集中データベース・システム)、および米国特許出願第11/948,244号、Automated Configuration of a Wireless Location System"(ワイヤレス位置検出システムの自動構成)において、更に詳細に示されている。
【0058】
[0094] GSM無線アクセス・ネットワークにおいて機能するLMUおよびSMLCについて標準化された動作が、3GPP TS 43.059, "Functional stage 2 description of Location Services (LCS) in GERAN"(GERANにおける位置検出サービス(LCS)の機能的段階2の説明)、そしてUMTS無線アクセス・ネットワークにおける動作については、 3GPP TS 25.305 "Stage 2 functional specification of User Equipment (UE) positioning in UTRAN"(UTRANにおけるユーザ機器(UE)即位の段階2機能仕様書)に詳細に記載されている。これらの3GPP規格のOFDMに基づく長期発展(LTE)に対する成果は、本願の出願時点において未だ発展中である。
【0059】
[0095] 純粋に受動型のネットワーク自律システムの限界を克服するために、図2cのシステム例において示したNAWLSシステムは、ネットワーク・エミュレータ(NE)207も実装する。ネットワーク・エミュレータの一実施形態は、1つ以上の無制限基地送受信局(U−BTS)224と、コンピュータ・サーバに収容されている管理エンティティ(ME)223とを備えることができる。U−BTS(1つまたは複数)224は、ローカルRAN202におけるセルラ基地局の無線エア・インターフェースをエミュレートして、移動体デバイス201を一時的に引き寄せ、移動体の位置検出および識別を可能にする通信を誘発する。ME223は、U−BTS224およびME223が回路を共有しない場合、有線またはワイヤレス・ディジタル・リンク222にわたって、U−BTS(1つまたは複数)224をプロビジョニングする、起動する(activate)、およびそれ以外では制御する。また、ME224は、有線またはワイヤレス・データ・リンク213を跨がってプッシュされる、SMLC219からの位置情報を収集する。移動体の位置検出および/または識別を必要とする(NAWLSに対して)外部の位置検出アプリケーションをホストし、これらとインターフェースするのはME223サーバである。
【0060】
[0096] 移動体デバイス201からのアップリンク無線送信は、一時的にNE207の制御下にあるので、ME223は、国際移動局識別子(IMSI)、国際移動体機器識別子(IMEI)、および移動体加入者国際サービス・ディジタル番号(MS−IDSN)のような移動体識別情報を照会し収集することができる。また、ME223は、移動体デバイス201との通信を制御することができ、SMLC219が種々の移動体に基づく位置検出技法のための位置検出サーバとして機能することを可能にする。
図3a−図3b−図3c−図3d
[0097] 図3aに、改良されたCOW105が示されている。COW(または、ライト・トラック上のセル(COLT:Cell-on-Light-Truck))プラットフォーム301は、容易に利用可能であり、ワイヤレス通信ネットワークにおいてアドホック・カバレッジまたは容量を提供するために用いられる。COW105は、電気回路(LMU205を含み、SMLC206のコンポーネントを含むことができる)を収容するための全天候性ペイロード・ベイ302と、地上ベースNAWLSユニット105の電力蓄積または発電コンポーネントとを内蔵する。COW301は、COWの位置および速度を判定するためにGNSS(例えば、GPS)受信機303を保有し、静止中または移動中の使用に備えている。高品位テレビジョン(HDTV)または目的構築正確タイミング無線ブロードキャスト・システムのような他のタイミングおよび周波数安定タイミング・ソースを、GNSS受信機の代わりに、またはそれに補足して用いることもできる。アンテナ・システム304(示されているのは、引き込み可能な二柱構成である)は、COW搭載LMU205が、ワイヤレス通信システム(WCS)からアップリンクおよびダウンリンク双方のシグナリングを受信することを可能にする。バックホール・アンテナ305によって、バックホール・リンクが形成され維持される。この例では、バックホール・アンテナ305は衛星リレー・マイクロ波データ・リンクを設ける。ローカル通信システム(例えば、VHF無線機)のアンテナ306は、COWユニット間または低ビット・レートのユニット間通信における音声仲介調整に用いることができる。
【0061】
[0098] カバレッジ・エリアを拡大し、LMU受信機の配備を迅速化し、三次元ダイバシティを提供し、または航空機搭載リレーとして動作するために、NAWLSに航空機用コンポーネント108を装備することができる。図3bは、無人航空機(UAV)エアフレーム309において実装された航空機搭載NAWLSノード108の一例の側面図を示すが、航空機NAWLSノード108の配備は、軽量航空機、バルーン、または飛行船を含む、種々の有人または無人航空機を用いても行うことができる。地上ベースのNAWLS105と同様、航空機NAWLSノード108は、アップリンク・アンテナ304を含む。ここでは、アップリンク・アンテナ304は、電気機器ペイロード・ベイ302を方位するエアロダイナミック・フェアリングの中に示されている。アップリンク・アンテナ304は、ワイヤレス通信システムの帯域および帯域幅をサポートし、LMU205(ペイロード・ベイ302内部に収容されている)が任意の制御およびトラフィック・チャネルにおいてアップリンク・シグナリングを検出し突き止めることを可能にする。地上ベースのNAWLSと同様、GNSS受信機3303は、正確な測位、タイミング、および速度情報をLMUに提供する。光センサ308は、移動体デバイスの位置検出のためにサーチャーを補助するために、視覚的画像または多スペクトル画像を供給するために用いることができる。複数の航空機搭載NAWLSコンポーネント108、地上ベースNAWLSコンポーネント105、SMLC206、およびNAWLSコマンドおよび制御機能ノード(1つまたは複数)202間における高データ・レート・ディジタル・シグナリング・リンクが、追加の通信アンテナ305によって設けられる。ローカル通信システム(例えば、VHF無線)アンテナ310は、コマンドおよび制御エンティティ202との低ビット・レート通信に用いることができる。
【0062】
[0099] 図3cは、UAVベース航空機NAWLSノード310の正面図を示す。この図は、GNSS受信機のアンテナ303と、任意の光センサ・パッケージ308とを示す。また、航空機NAWLSコンポーネント108は、ローカル・ワイヤレス通信システムからのブロードキャスト情報およびタイミングをLMUに提供するために、ダウンリンク受信機アンテナ307もサポートする。腹面側に位置する電気機器ベイ302は、LMU205およびアップリンク受信機アンテナ304の双方を収容する。
【0063】
[0100] 図3dは、UAVベースの航空機NAWLSノード301の上面図を示す。この図は、GNSS受信機アンテナ303、ダウンリンク受信機アンテナ307の双方、およびディジタル通信リンク・アンテナ305(この例では、背面実装アンテナは、衛星通信送受信機であるが、他のアンテナおよび実装が他の実施態様において用いられる)を示す。腹面側に位置する電気機器ベイ302は、LMU205およびアップリンク受信機アンテナ304の双方を収容する。
【0064】
[0101] 地上105実装システムまたは航空機108実装システムとして示したが、人間が携行可能なもっと小さなNAWLSユニットや、バックパック・ベースのNAWLSユニットも可能である。ネットワーク・エミュレータによって用いられるU−BTS無線シグナリングを分散するために、漏れが多い同軸ケーブルのような分散型アンテナ・システム(DAS)を用いる建物内システムまたはキャンパス・システムも、配備の選択肢である。
図4a−S−DCCH LU監視による受動型位置検出
[0102] 図4aは、GSM位置更新手順例の間に移動体の位置を検出し特定する手順の例示的実施態様を示す。
【0065】
[0103] 受動型ネットワーク自律ジオロケーション・システムを図14に示す。NAWLSの対象エリア(カバレッジ・エリア)は、U−WLSおよびRNMの配備401によって制限される。U−WLSおよびRNMは、同じ場所に配置することができ、またはカバレッジが重複するように別個にすることができる。RNMは、ローカル無線帯域を監視するように設定されており、位置更新402においてU−WLSをトリガすることができる。NAWLSのカバレッジ・エリアは位置検出エリア(LA)の境界を含まない、または別個の位置検出エリアと連続していないこともあるので、位置更新手順は、対象エリア403内部で電力投入されている移動体デバイスについて移動体位置および移動体識別の双方を収集することしか保証されない。受動型ワイヤレス位置検出システムでは、対象エリア403は、受動型受信機ネットワークのカバレッジ・エリアとなる。対象エリア内部で電力投入した移動体について、移動体の位置を発生することができ、永続的な国際移動体加入者識別(IMSI)を得ることができる。
【0066】
[0104] 移動体がローミングして対象エリア内部の新たな位置検出エリアに入った場合、移動体の位置を計算することはできるが、殆どの場合、識別は一時的移動体加入者識別(TMSI)に制限される。
【0067】
[0105] 図4aに示すように、受動型ワイヤレス位置検出システム(NAWLS)は対象エリアに配備され、受動的に発見され監視されたアップリンク単体専用制御チャネル(S−DCCH)において発生した位置更新401のための位置検出試行をトリガするように、その受動型受信機ネットワークが配備され、無線ネットワーク・モニタ(RNM)が設定されている。一旦移動体デバイスが位置更新トランザクション402を開始すると、RNMはこのトランザクションをSDCCHメッセージングによって検出し、セル/セクタ識別(GSMにおけるセル・グローバル識別子(CGI)、UMTSにおけるセル識別(CI)、および使用中の移動体識別(IMSIまたはTMSI)403を収集する。RNMは、評価および格納404のために、収集した情報を位置検出アプリケーションに配信しつつ、ワイヤレス位置検出システムに、収集したサービング・セル/セクタおよびRFチャネル情報に基づいて、制御チャネルの位置検出を行うタスクを課す。WLSは、高精度TDOA、AoA、またはTDOA/AoA混成位置検出405を完了し、評価および格納407のために、位置推定値を位置検出アプリケーションに戻す。
【0068】
[0106] RNM、WLS、および位置検出アプリケーションの動作中、移動体デバイスは、その位置が検出されていることを知らず、位置更新を完了し、ローカル・ワイヤレス通信ネットワーク406においてアイドル状態となる。
図4b−受動型MO−MT
[0107] 図4bは、GSM移動体発信または着信イベントの例において、移動体の位置を検出し特定する手順の例示的な実施態様を示す。
【0069】
[0108] 図4bに示すように、受動型ワイヤレス位置検出システム(WLS)は、対象エリアに配備され、受動的に発見され監視されているアップリンク単体専用制御チャネル(S−DCCH)において発生した移動体発信および着信408に対して位置検出試行をトリガするように、その受動型受信機ネットワークが配備され、無線ネットワーク・モニタ(RNM)が設定されている。一旦移動体デバイスが移動体発信および着信を開始しS−DCCHに割り当てられると、RNMはSDCCHメッセージングによってこのトランザクションを検出し、セル/セクタ識別(GSMにおけるセル・グローバル識別子(CGI)、UMTSにおけるセル識別(CI)、および使用中の移動体識別(IMSIまたはTMSI)を収集する(410)。RNMは、評価および格納404のために、収集した情報を位置検出アプリケーションに配信しつつ、復調されているが未だ暗号化されたままのアップリンクおよびダウンリンク・メッセージ・ストリームを連続的に供給する。また、RNMは、ワイヤレス位置検出システムに、収集したサービング・セル/セクタおよびRFチャネル情報に基づいて、制御チャネルの位置検出を行う(412)タスクを課すために、RFチャネル情報を収集する。WLSは、高精度TDOA、AoA、またはTDOA/AoA混成位置検出を完了し(412)、評価および格納のために、位置検出アプリケーションに受け渡す。
【0070】
[0109] その間に、位置検出アプリケーションは、チャネル割り当てメッセージを解読し(415)、位置検出アプリケーションがWLSにタスクを課すことを可能にする。一方、WLSは、トラフィック・チャネルの位置検出を完了し、評価および格納417のために、新たな位置推定値を、収集された移動体識別およびセル/セクタと共に位置検出アプリケーションに戻す(416)。
【0071】
[0110] RNM、WLS、および位置検出アプリケーションの動作中、移動体デバイスは、その位置が検出されていることを知らず、そのセッションを継続する(414)。
図5a−能動的サンプリング
[0111] 図5aは、強制不完全GSM位置更新手順の一例の間に、移動体の位置を検出し特定する手順を示す。この手順を「能動的サンプリング」と呼ぶ。サンプリングは、NEに対する不完全な位置更新の使用を含み、移動体IDが収集され、移動体デバイスの現在地が、試験およびデータベース格納のために計算される。
【0072】
[0112] NEの管理エンティティ・コンポーネントの制御下にあるNEのU−BTS無線送受信コンポーネント(1つまたは複数)が、一意の位置検出エリア・コード(LAC)502が埋め込まれているビーコン(ブロードキャスト・チャネルおよび同期)をブロードキャストすることによって、一時的ジオフェンス・エリア502(ジオフェンスのエリアは、U−BTSの範囲、または分散型U−BTSのカバレッジ・エリアによって決定される)を作成するために用いられる。1つの地理的ジオフェンス・エリアを作成するために、1つのU−BTSを用いてNEを組み立てることができ、あるいは更に大きな連続的ジオフェンス・エリアまたは複数の別々のジオフェンス・エリアを与えるために、管理エンティティ(ME)によって複数のU−BTSを調整することができる。各U−BTSは、NEカバレッジ・エリアの一部をなし、一意のLACをブロードキャストすることができ、または1つ以上の他のU−BTSとLACを共有することができ、NEカバレッジ・エリア内部に更に小さなアクティブ・ジオフェンスを形成する。
【0073】
[0113] RNMは、位置更新および一意のLACに対してトリガするように設定されている(501)。ある時点において、アイドル状態の移動体が、移動によって、またはU−BTSの動作開始によって、あるいは移動体の電力投入によって、ジオフェンス・エリアに入る(503)。移動体は、新たな位置検出エリアを検出し(504)、位置更新手順を開始し(505)、U−BTSを候補基地局として扱い、ネットワーク・エミュレータ(NE)をローカル無線通信ネットワークとして扱う。NEは位置更新506に進む。
【0074】
[0114] RNMは、位置更新に設定された確定原因値(Establishment Cause value)を有する初期ランダム・アクセス・チャネル(RACH)チャネル要求、即座割り当てダウンリンク・メッセージ、または単体専用制御チャネル(S−DCCH)における後続の位置更新要求のいずれかを用いて、位置更新509を検出する。RNMは、移動体識別情報、サービング・セル、RFチャネル情報を抽出し、次いでこの情報を位置検出アプリケーション・データベース510およびNA−WLSに受け渡す。位置検出技術(タイミングに基づく測距によるセルID、電力に基づく測距によるセルID、TOA、ECID、TDOA、AoA、および/または混成)に応じて、NAWLSの一部として配備され、位置推定値を計算する(511)。
【0075】
[0115] 位置更新トランザクションの間、NEは移動体に質問して識別情報を求め(507)、移動体は、要求された識別子で応答する(508)。(識別質問の更なる詳細については、図6を参照のこと。)
[0116] 位置推定値および位置誤差情報は、評価、分析、および最終的な格納512のために、位置検出アプリケーションに受け渡される。次いで、移動体デバイスはその位置更新に失敗し、識別や位置検出動作が実行されたことを全く知らないローカルWCNにおいて、アイドル・モードに戻っている(または通常の電力投入時登録を完了する)(513)。
図5b−能動的取得
[0117] 図5bは、強制完全GSM位置更新手順例において移動体の位置を検出し特定する手順を示す。この手順を「能動的取得」と呼び、取得は、NEへの完全な位置更新の使用を含み、移動体IDが収集され、現在地が計算され、移動体に、ローカルWCNではなくNEの制御下でモックまたは偽制御チャネルが割り当てられ、意志による(at-will)位置再検出およびサービス拒否を可能にする。
【0076】
[0118] 能動的サンプリングと同様、NEのU−BTS(1つまたは複数)は、一意の位置検出エリア・コード(LAC)が埋め込まれたビーコン(ブロードキャスト・チャネルおよび同期)をブロードキャストする(502)ことによって、一時的ジオフェンス・エリア(ジオフェンスのエリアは、U−BTSの範囲または分散型U−BTSのカバレッジ・エリアによって決定される)を作成する(502)ために用いられる。1つのジオフェンス・エリアを作成するには1つのU−BTSを用いることができ、あるいはもっと大きなエリアまたは複数の別個のジオフェンス・エリアを設けるために、NEの管理エンティティ(ME)によって複数のU−BTSを調整することもできる。
【0077】
[0119] RNMは、位置更新および一意のLACに対してトリガするように設定されている(501)。ある時点において、アイドル状態の移動体が、移動によって、またはU−BTSの動作開始によって、あるいは移動体の電力投入によって、ジオフェンス・エリアに入る(503)。移動体は、新たな位置検出エリアを検出し(504)、位置更新手順を開始し(505)、U−BTSを候補基地局として扱い、ネットワーク・エミュレータ(NE)をローカル無線通信ネットワークとして扱う。NEは位置更新に進む(506)。あるいは、無線またはネットワーク・イベントのときにトリガするように、NEを設定することもできる。
【0078】
[0120] RNMは、位置更新に設定された確定原因値(Establishment Cause value)を有する初期ランダム・アクセス・チャネル(RACH)チャネル要求、または単体専用制御チャネル(S−DCCH)における後続の位置更新要求のいずれかを用いて、位置更新を検出する(509)。RNMは、移動体識別情報、サービング・セル、RFチャネル情報を抽出し、次いでこの情報を位置検出アプリケーション・データベースおよびNA−WLSに受け渡す(510)。NAWLSの一部として配備された位置検出技術(タイミングに基づく測距によるセルID、電力に基づく測距によるセルID、TOA、ECID、TDOA、AoA、および/または混成)に応じて、位置推定値を計算する(511)。
【0079】
[0121] 位置更新トランザクションの間、NEは移動体に質問して識別情報を求め(507)、移動体は要求された識別子で応答する(508)。(識別質問の更なる詳細については、図6を参照のこと。)
[0122] 位置推定値および位置誤差情報は、評価、分析、および最終的な格納512のために、位置検出アプリケーションに受け渡される。
【0080】
[0123] 移動体デバイスは、その位置更新を完了し、ネットワーク・エミュレータに登録されているがローカル・ワイヤレス通信ネットワーク(WCN)には登録されていないアイドル・モードに戻る(514)。この登録は、モック・アップリンクおよびダウンリンク制御チャネルの割り当てを含む。これらのチャネルは、ローカルWCNではなく、NEの制御下にあり、移動体がローカルWCNからメッセージングを受信するのを防止し、位置検出アプリケーションが任意の時点にNEを通じて追加の位置検出をトリガすることを可能にする。
図5c−能動的捕獲
[0124] 図5cは、アクティブなネットワーク・エミュレータによるサービス制御および移動体の位置検出の手順を示す。この手順は、移動体デバイスを「捕獲する」(capture)と見なされる。捕獲は、NEへの完全な位置更新の使用を含み、移動体IDが収集され、現在地が計算され、移動体に、連続的な位置検出およびサービス拒否を許容するためにモック制御チャネルおよびトラフィック・チャネル・リソースが割り当てられる。
【0081】
[0125] 図5cに詳細を示す取得手順を用いると、最初に移動体が取得される(515)。割り当てられたモック制御チャネルおよびネットワーク・エミュレータNEの能力を用いて、NEは、サービングU−BTSを通じて移動体デバイスにページングして、この電話機のユーザを呼び出したりまたは警告することなく、それをトラフィック・チャネルに置く。移動体電話機は、NEによって提供されたトラフィック・チャネルに同調し、NEのカバレッジ・エリアから出るまで、そのチャネルに留まり、ユーザはそのコールを切るか、またはNEがそのコールを解放する(518)。このコールの期間中、NEはこのコールを監視して、ローカルWCNへの逆ハンドオーバー要求、または電話機ユーザによるダイアリングを発見しようとする(519)。ダイアリングが検出された場合、NEはサービス・トーン(例えば、輻輳トーン)を再生し、ユーザにこのコールを着信させる。
【0082】
[0126] いかなる理由であっても、一旦トラフィック・チャネルが失われたかまたは解放されたなら、移動体電話機は、ローカルWCN520によって位置更新を実行する。任意に、RNMは、このローカルWCNとの位置更新トランザクションを検出し、移動体識別情報、セル/セクタ、およびRFチャネル情報521を受動的に収集するように設定することができ、WLS522による受動的位置検出、ならびにNEのカバレッジ・エリアを離れた後に最終的な高精度位置検出および速度推定を可能にする。
【0083】
[0127] 移動体デバイスは、そのローカルWCNとの位置更新を完了し、ローカル・ワイヤレス通信ネットワーク(WCN)523に登録されているアイドル・モードに戻る。
図6
[0128] 移動体識別が位置検出アプリケーションによって必要とされるが(601)、位置更新を強制することによって判定できない場合、識別要求手順に入る。NE(サービングU−BTS送受信機を通じて)および移動体デバイスは既にデュプレクス通信を開設しており、この場合U−BTSがGSM基地局をエミュレートする。NEは、U−BTSを介して、識別要求メッセージを移動体デバイス603に無線インターフェースを通じて送る。移動局は、この要求に対して、識別応答メッセージで応答する。この識別応答メッセージは、MSの国際移動体機器識別(IMEI)およびSIMの国際移動体加入者識別(IMSI)を含む。無線ネットワーク・モニタ(RNM)は、識別応答メッセージを無線エア・インターフェースにおいて受信および検出し、IMEI、IMSI、および入手可能であればTMSIを収集する(605)。また、U−BTSも識別応答を受信し、IMEI、IMSI、および入手可能であればTMSIを収集する(606)。NAWLSは、ソースには関係なく、IMEI、IMSI、および入手可能であればTMSIをローカル・メモリに格納する(607)。次いで、NAWLSは移動体識別情報を位置検出アプリケーションに転送する(608)。あるいは、NEは、予め設定されている無線またはネットワーク・イベントのときにNAWLSをトリガするように設定することができ、一方RNMは、ローカル無線帯域を監視し、NAWLSに無線チャネル・データを供給するために用いられる。
図7−マルチモードLTE/GSM/UMTSシステムおよびNAWLS
[0129] 図7は、GERAN/UTRAN/LTE/GANネットワークの簡略化を用いた、例示的なネットワーク規準モデル(NRM)のアーキテクチャを示す。このアーキテクチャは、当初3GPP技術報告23.882、"3GPP System Architecture Evolution:Report on Technical Options and Conclusions (Release 8)"(3GPPシステム・アーキテクチャの発展:技術的選択肢および結論についての報告(リリース8)において制定された。
【0084】
[0130] 図7において、ワイヤレス通信ネットワーク(WCN)701は、移動体デバイス(MD)702、無線アクセス・ネットワーク(RAN)720、コア・ネットワーク(CN)721によって構成されている。一方、WCN701は、外部交換回路ネットワーク718およびパケット・データ・ネットワーク719に接続されている。
【0085】
[0131] RAN720は、種々のRAN技術間において可能な無線アクセス間技術ハンドオーバーを備えたマルチ・モード・システムとして示されている。
【0086】
[0132] GSM RAN技術は、それ自体のUm703無線インターフェースを備えており、エービス・インターフェースを通じて相互接続されている基地送受信局708および基地局コントローラによってイネーブルされる。
【0087】
[0133] UTMS RAN技術は、それ自体のUu704無線インターフェースを備えており、Iubインターフェースを通じて相互接続されているノードB708および無線ネットワーク・コントローラ(RNC)711によってイネーブルされる。
【0088】
[0134] UMTSフェムトセル・ベースRAN技術は、移動体デバイス702とホーム・ノードB(HNB)712との間において、制約のある電力Uu−ベース705無線インターフェースの異形を用いており、ホーム・ノードBゲートウェイ(HNBGW)713を介してコア・ネットワークに接続されている。
【0089】
[0135] LTE(E−TRANとしても知られている)RAN技術は、それ自体のOFDMベース706無線インターフェースを備えており、コア・ネットワーク721のパケット・データ・コア717に直接接続するeNodeB714によってイネーブルされる。
【0090】
[0136] WLAN(WiMAXまたはHiperLAN無線ネットワークのような)RAN技術は、それ自体の無線通信リンク707を用い、コア・ネットワーク721のパケット・データ・コア717に直接接続する無線基地局(BS)715によってイネーブルされる。
【0091】
[0137] WCNネットワークに付属するのは、ネットワーク自律ワイヤレス位置検出ネットワーク(NAWLS)722である。NAWLSは、地理的に分散されたエレメント(RNM726、U−BTS725、およびLMU724)を含み、これらのエレメントはワイヤレスでリモート自律SMLC727に接続されている。更に、リモート自律SMLC727は、有線またはワイヤレス・リンク(図示せず)を介して外部LCSクライアント(図示せず)に接続することができる。
RNM
[0138] 無線ネットワーク・モニタ(RNM)726は、広帯域マルチチャネル無線受信機であり、事実上、アドホック同調可能な狭帯域受信機の1群を備えている。これらの受信機は、周波数帯域のどこででもアップリンク・チャネルおよびダウンリンク・チャネル双方に同調可能にすることができる。RNM726は、位置検出サービスの自律発生のためにRACHおよびSDCCHメッセージを受信することができる無線受信機の分散型ネットワークとして実現することが好ましい。RNM726は、指示された周波数に同調して、システムについてのデータを収集する。次いで、RNM726は、収集したデータをA−SMLC727に転送することができる。ネットワークにおける全てのRNM726は、汎地球測位衛星(GPS)コンスタレーション(図示せず)の使用によって、時間および周波数で同期されていることが好ましい。
【0092】
[0139] RNM726は、当初、LMU無線受信機プラットフォーム上に実装されていた(LMUは、TruePosition社の米国特許第6,782,264号に既に記載されているように、広帯域ソフトウェア定義無線機(SCS)として、または1群の同調可能な狭帯域無線受信機(LMU)として配備された)。RNM726は、その無線受信機を用いてシグナリングを収集し、ワイヤレス位置検出システムをトリガする。RNM726は、アップリンク(移動体デバイスからBTSまたはノードBまたはeNodeBまたはBSへ)およびダウンリンク双方の無線通信を検出し監視することができる。GSMアップリンクおよびダウンリンク無線エア・インターフェース703が必要とされるが、第2アップリンクおよびダウンリンク無線エア・インターフェース723は任意である。RNM726は、ワイヤレス通信システム内部におけるメッセージ・トラフィックを受動的に監視して、予め設定されている規準に基づいて、ワイヤレス位置検出システム(WLS)およびネットワーク・エミュレータ(NE)をトリガする。
【0093】
[0140] RNM726ならびにその動作、能力、および機能については、米国特許出願第11/150,414号、”Advanced Triggers For Location-Based Service Applications in A Wireless Location System”(ワイヤレス位置検出システムにおける位置検出に基づくサービス応用のための高度トリガ)に更に詳細に記載されている。
LMU
[0141] LMU724は、以前では信号収集システム(SCS)として知られており、移動体受信機サイトとしても知られているが、通常キャリアのセル・サイトに配備される主要なコンポーネントであるが、この場合、通例、付随するアンテナおよび機構を有し、可動または携帯可能な形態で収容される。LMU703は、指令された周波数に同調して、システムについてのデータを収集する。次いで、LMU703は、到達時間(TOA)、アップリンク到達時間差(TDOA)、到達角度(AoA)、信号強度測定(SSM)、到達電力差(PDOA)、または混成に基づく位置推定のために、収集したデータをSMLC712に転送する。ネットワークの中にあるLMU703同士は、汎地球測位システム(GPS)または相当の広域タイミング・ソース(図示せず)の使用により、または共通システム時間に予め設定された高安定性内部クロックを用いて、時間および周波数で同期されていることが好ましい。GPSまたは地上無線ブロードキャスト・タイミング信号の使用も、LMU703の位置を検出するために用いることができる。
SMLC
[0142] NAWLSネットワーク722は、更に、自律サービング移動体位置検出センタ(A−SMLC)727も含む。A−SMLC727は、高ボリューム位置検出処理プラットフォームであることが好ましい。SMLC727は、U−TDOA、AoA、FDOA、PDOA、ならびに位置、信頼間隔、速度、および移動方向を計算するためのマルチパス軽減アルゴリズムを内蔵する。また、A−SMLCは、U−BTS725が提供する移動体デバイス702とのワイヤレス通信リンクを介して、移動体に基づく位置検出技術の使用を可能にするために、ソフトウェア、データ構造、およびデータベースも内蔵する。これらの移動体に基づき、そして移動体が補助する位置検出技法には、ECID、OTDOA、A−GNSS(A−GPS)、およびEOTDのような、ジオ技法が含まれる。
【0094】
[0143] ネットワーク自律SMLC727の主要な機能は、RNM726からの信号検出についての報告を受けること、LMU724にタスクを課すこと、LMU724から信号およびタイミング情報を受信すること、位置検出処理を実行すること、および信号毎に位置推定値を計算することである。SMLC727は、LMU724およびRNM726ネットワーク(1つまたは複数)を管理し、位置検出記録に対するローカルまたはリモート・アクセスを与える。SMLC727は、位置検出記録の収集および配信の役割を担う。また、SMLC727は、構成情報を維持し、ネットワーク管理をサポートする。図示した例におけるA−SMLC727は、要求される無線シグナリングの送信を除いて、コマンド、制御、調整、データ処理、およびデータ収集のネットワーク・エミュレータ機能の全てを実行する。尚、図7に示した配備において、A−SMLC727がサービング移動体位置検出センタ、ネットワーク・エミュレータ管理エンティティ、GPS補助サーバ、およびOTDOAサーバの機能を設けることに注意されたい。
U−BTS
[0144] ネットワーク・エミュレータの一コンポーネントである無制限基地送受信局(U−BTS)725は、NAWLS727が移動体デバイス702を引きつけ、サンプリングし、取得し、または捕獲するためにNAWLS727によって用いられる無線送受信機である。U−BTS725は、A−SMLC727の制御下において、ローカルRAN720におけるセルラ基地局の無線エア・インターフェース(1つまたは複数)をエミュレートして一時的に移動体デバイス702を引きつけ、移動体の位置検出および特定を可能にする通信を誘発する。
MD
[0145] GSM、二重モードまたはマルチモード移動体デバイス(MD)702は、GSMネットワークにアクセスできてしかるべきであり、他のエア・インターフェース・タイプ(UMTS、LTE、および/またはWLAN)のうち任意のものにアクセスできるとよい。また、移動体デバイス702は、移動体、移動体電話機、移動局(MS)、ユーザ機器、または移動体加入者ユニット(UE)としても知られている。
CN
[0146] コア・ネットワーク721は、WCNのユーザに相互接続サービスを提供するだけでなく、ネットワーク運営者に管理能力を提供する。
交換回路コア
[0147] 交換回路コア716は、回路に基づく音声およびデータ接続の相互接続を、ワイヤレス・ユーザ間で行うこと、および陸側を拠点とするユーザと行うことを可能にする。ワイヤレス・インテリジェント・ネットワーク能力による種々のコールに基づくサービスも、CN721のこのセクションに存在する。
パケット・データ・コア
[0148] パケット・データ・コア717は、パケットに基づく音声およびデータ接続の相互接続を、ワイヤレス・ユーザ間で行うこと、および陸側に基づくユーザと行うことを可能にする。パケット・データ・コアは、基本的なルーティングおよびブリッジング機能、ならびに種々のネットワーク・サービスを提供する。
配備−BTS、ノードBマッピング
[0149] U−WLSが最初にあるエリアに配備されたか、またはその後の任意の時点で配備された場合、RNM206のダウンリンク監視機構を用いて、ローカル・ビーコン(BCCH、BCH)を求めて走査する。TruePosition社の米国特許出願第11/948,244号、"Automated Configuration of a Wireless Location System"(ワイヤレス位置検出システムの自動構成)に記載されているように、WLSは、ダウンリンクTDOAを用いて、これらのビーコンの位置を地理的に検出し、ビーコンの周波数、アンテナの地理的位置、およびブロードキャストされた情報の内容をSMLCデータベースに格納することができる。U−WLSは、NE(1つまたは複数)の配備を計画し、干渉を最小に抑えるようにNE送信機の電力を設定するため、そしてECID、E−OTD、OTDOA、およびA−GPSのようなハンドセットに基づく技法を伴う位置検出計算において、BTS/ノードBの地理的位置を用いることができる。
A.NEビーコン調節
[0150] ネットワーク・エミュレータ(NE)ノードは、基地局ビーコンを真似て、NE送信の範囲内にある移動体に、NEに登録するように促す。ビーコン・ブロードキャストを変更することにより(先行技術では、NEビーコンは、変更した位置検出エリア・コード(LAC)を有する近接ビーコンの複製である)、移動体のNEとのアップリンク通信は、同じ地理的エリア内にいる無制限ワイヤレス位置検出システム(U−WLS)にとって一層可視化することができる。
【0095】
[0151] 2003年9月7日に公開された、Frick et al.のヨーロッパ特許EP1051053号”Method for identifying a mobile phone user or for eavesdropping on outgoing calls”(移動体電話機ユーザを特定するまたは出立コールにおいて盗み聞きする方法)、および2006年7月17日に出願された、Pridmore et al.の米国特許出願第11/966,230号、”Acquiring Identity Parameters by Emulating Base Stations”(基地局をエミュレートすることによる識別パラメータの取得)に記載されているように、検査用移動体を用いてローカル・ビーコンを走査し、次いで、移動体が位置登録を試行するように、「仮想基地局」または「シミュレーションの基地局」が、位置検出エリア(システム情報−位置検出エリア識別パラメータ・ブロックにおいてブロードキャストされる)を変更することによって、ローカル基地局をエミュレートし、位置更新要求を、現在割り当てられているTMSIと共にNEに送信する。
【0096】
[0152] GSMシステムでは、アイドル状態の移動体によるセル再選択、または丁度電力を投入したばかりの移動体によるNEに対するセル選択には、位置更新が必要となる。UMTS移動体では、NEに対する位置更新の後に、NEが、当該NEによって提供されるGSMセルに対してセル再選択を開始する。NEが開始したセル再選択は、UEを接続モード(cell_dch)に移動させ、次いでCELL CHANGE ORDERコマンド(3GPP TS25.931、第7.13.5章)を発行することによって行われる。
【0097】
[0153] NEは、取得エリアを整形するため、そしてローカル基地局との干渉を回避するための双方に、指向性アンテナを用いることができる。取得エリアの整形は、登録しようとする移動体の数を制限するため、または特定のエリアに対するビーコン電力を増加するために行うことができる。
Al.能動的ビーコン・ブロードキャスト電力設定
[0154] NAWLSは、RANビーコン送信およびNEビーコン双方のリアル・タイム監視を維持することができる。地理的に分散されているRNM受信機、履歴情報、ネットアーク伝搬モデリング、および地上マッピングを用いて、NAWLSは、コチャネル干渉を抑えるために、NE(1つまたは複数)の送信電力を能動的に調節することができる。また、NAWLSは、移動体デバイスの識別および位置検出においてNEまたはU−WLSの過剰負荷を防止するために、NEランダム・アクセス・チャネルにアクセスしようとする移動体デバイスの数を能動的に抑えるために、ビーコン送信電力を調節することもできる。
ビーコン情報エレメント
[0155] セルラ、周波数再利用、ワイヤレス通信ネットワークでは、基地局ブロードキャスト・ネットワークおよびセル情報が、ワイヤレス通信システムにアクセスするために、移動体デバイスによって必要とされる。このブロードキャストは、一般にビーコンとして知られている。
【0098】
[0156] GSMシステムでは、4つの異なるシステム情報ブロック(番号1から4)がBCCHにおいて送信され、一方ブロック5および6は、一旦無線接続が適正になされたなら、ダウンリンク低速関連制御チャネル(SACCH)を通じて送られる。GSMのシステム情報ブロックの詳細については、ETSI仕様書04.08、”GSM Mobile radio interface layer 3 specification"(GSM移動体無線インターフェース・レイヤー3仕様書)において見いだすことができる。GERANベース(EDGE)システム、ならびにUTRAN(UMTS)およびE−UTRANベース(LTE)システムのネットワーク・ブロードキャスト・システム情報は、3GPP技術仕様書(TS)24.008,”Mobile radio interface Layer 3 specification; Core network protocols; Stage 3"(移動体無線インターフェース・レイヤー3仕様書;コア・ネットワーク・プロトコル;段階3)において見いだすことができる。
【0099】
[0157] 先行技術では(2003年9月7日に公開された、Frick et al.のヨーロッパ特許EP1051053号)、仮想基地局(VBTS)が、BCCHから基地局のブロードキャスト割り当て(BA)リストを得て、計器が装備された移動体デバイスを用いて、これらのシステム情報ブロックをローカル・ネットワーク基地局ビーコン・ブロードキャストからコピーして、ローカル・ネットワークに登録していた。VBTが位置更新手順によって移動体デバイスを収集するために、ビーコンが再ブロードキャストされる前に、受信した位置検出エリア識別子(位置検出エリア・コード(LAC))を変更する。
【0100】
[0158] 新たに考えられたNAWLSでは、分散されたRNMが、ローカル・ワイヤレス通信ネットワークに登録することなく、ローカル基地局からビーコン情報を収集し、次いでNEが、収集されたビーコンから得られたシステム情報ブロックの中にあるパラメータを変更し、移動体アップリンクをワイヤレス位置検出システムにとって一層可視化するようにし、ローカル・ネットワークに対する影響を最小に抑え、U−WLSおよび関連のあるコンポーネントの過剰負荷を防止する。移動体デバイスは、エミュレート・ビーコンの送信によって取得されるので、WLSの精度および歩留まりが向上するように、ビーコン・パラメータを変更することができる。
1)緊急コール(EC)制御手順
[0159] 移動体識別および位置検出走査の影響を低下させるために、NEに向けるビーコンには、緊急コールを禁止するために設定される緊急コール用RACH制御パラメータ・エレメントを設定することができる。
【0101】
[0160] システム情報−緊急コールをディスエーブルするために設定されるRACH制御パラメータ緊急コール(EC)フラグに加えて、アクセス・クラス11から15のGSM移動体に対して、NEにおいて登録することを阻止することもできる。何故なら、移動体アクセス制御グループ11から15は、ECフラグが設定されているときに禁止されないからである。
2)ビーコン設定−コール再接続
[0161] システム情報−RACH制御パラメータに加えて、再接続(re-establishment)を許可しないために、コール再接続フラグを設定することもできる。
3)ビーコン設定−アクセス制御
[0162] 全てのGSM移動体は、10個のランダムに割り当てられた移動体集合グループ(population group)の内の1つのメンバーであり、これらのグループは、最初にGSM仕様書02.11において定められたように、アクセス・クラス(AC)0から9として定められた。ある種のGSM移動体は、高い優先度のアクセスを許可する追加のアクセス・クラスを有することもできる。アクセス・クラス11から15は、特定の高優先度ユーザに割り当てられる。
【0102】
11−ネットワーク運営者の使用(例えば、検査用移動体)、
12−セキュリティ・サービス
13−公共ユーティリティ(水道/電気/ガス等)
14−緊急サービス
15−ネットワーク運営者の使用(例えば、従業員の電話)
[0163] 分散型RNMを用いて操作して移動体登録、発信(origination)、および着信(termination)を発見しようとする場合、キャリア・ネットワークに影響を及ぼすことなく、ローカル・ネットワーク・トラフィックのヒストグラムを作成することができる。このコール密度マップを用いて、U−BTSが発生したビーコン電力、およびNEに登録することを許可されたアクセス・クラスを、ビーコン・ブロードキャスト情報エレメントに対する変更を通じて制御し、ワイヤレス・ネットワークに対する影響を最小に抑え、NEのリソースの使用を最大に高めることができる。
【0103】
[0164] 例えば、大きなセル(田舎)および低いトラフィック密度(RNMによって生ずるような)があるエリアでは、NEが高電力のU−BTSブロードキャストを使用することが許可され、サンプル期間を短縮するために、全てのアクセス・クラスが許可される。小さなセルおよび高いトラフィック密度(この場合も、RNMによって生ずるような)があるエリアでは、NEは個々のU−BTSアンテナ電力設定を低く調節し、システム情報−RACH制御パラメータ・データ・ブロックにおいてアクセス・クラスを変更することにより、各クラスを順番に許可する。
【0104】
[0165] 潜在的に隠れたNEの本質(nature)を維持しようとして、アクセス・クラス11から15を常時阻止することもできる。
4)セル選択肢
[0166] NEは、NAWLSに利益を与えるように、模擬したビーコンにおいてシステム情報ブロック3を変更することができる。SIB3ブロックは、セル選択肢パラメータを含む。セル選択肢パラメータ内部には、情報エレメントPWRCおよびDTXがある。
【0105】
[0167] PWRCは電力制御である。TDOA、AoA、または混成ワイヤレス位置検出システムは、移動体のブロードキャスト電力が最も高いときに、一層正確になる。したがって、電力制御をディスエーブルするように、PWRCをNEによって設定する。
【0106】
[0168] DTXは、不連続送信である。TDOA、AoA、または混成ワイヤレス位置検出システムは、送信が連続であるときに、一層正確になるので、U−BTSと通信するときに移動体がDTXを用いてはならないように、NEによってDTXを設定する。
SACCHにおいて
[0169] 一旦移動体デバイスがサンプリングされ、NEによってエミュレート・ネットワークに登録されたなら、低速関連制御チャネル(SACCH)によって追加情報を配信することができる。システム情報ブロック4を用いて、移動体に、新たなセル選択パラメータを配信することができる。これらのパラメータには、セル−再選択−ヒステリシス・エレメントが含まれ、これは14dBまで再設定することができる。また、SACCHにおいて、新たな近隣セル記述パラメータを送信して移動体のハンドオーバーおよび再選択の可能性を抑えるため、システム情報ブロック5を配信することができる。
【0107】
[0170] 図8aは、ネットワーク自律ワイヤレス位置検出システム(NAWLS)において用いるためのローカル・ワイヤレス通信ネットワークについての情報を収集する手順を示すために用いられる。一旦NAWLSが対象の地理的エリアに配備されたなら(801)、無線ネットワーク・モニタ(RNM)を用いて既知の周波数帯域を走査して、BCCH(GSM)およびBCH(UMTS)ビーコン・ブロードキャストを探す(802)。RNM受信機は、各ビーコンから、関連のある周波数、帯域、およびチャネル情報を含むブロードキャスト情報を収集する(803)。次いで、RNMは、SMLCに各ビーコンの位置を検出するタスクを課し、収集した信号およびブロードキャスト内容情報をSMLCに受け渡す(804)。U−WLSのSMLCは、その関連のあるLMUのダウンリンク受信能力(RNMと共有することもできる)を、TDOAおよび/またはTDOA/AoA位置検出能力と共に用いて、全てのビーコンの位置を検出し、位置情報およびブロードキャスト内容情報をWLSデータベースに格納する(805)。NEの管理エンティティ(ME)は、収集されたビーコン位置、ビーコン内容情報、および無線信号特性を、マップ、伝搬モデル、そしておそらくは検査コール情報と共に用いて、移動局密度および位置情報を収集することができるキャンペーンを定式化する(806)。
【0108】
[0171] 図8bにおいて、移動体取得および位置検出キャンペーンをより良く定式化するために、受動的監視ネットワーク・トランザクションからコール・トラフィック・マップが作成される。NAWLSを対象のローカル地理的エリアに配備しなければならない(801)。無線ネットワーク・モニタは、ステップ803において収集された収集ビーコン情報を用いて、移動体発信、着信、登録のような移動体対ネットワーク制御チャネル・トランザクションを走査し、これらのイベントと関連付けられている一時的移動体識別子を収集する(808)。U−WLSのSMLCは、各制御チャネル・イベントにおいてタスクを課され、次いでこれらの制御チャネル・イベントの位置を検出し(TruePosition社の1994年7月5日付け米国特許第5,327,144号、"Cellular Telephone Location System"(セルラ電話位置検出システム)、および1997年3月4日付けの米国特許第5,698,410号、"System For Locating a Source of Bursty Transmissions"(バースト状送信の発信源の位置を検出するシステム)に詳細に記載されているように)、その結果および関連情報をWLSデータベース810に格納する。MEは、次いで、個々に特定された移動体位置およびビーコンの位置を、付随情報と共に用いて、ローカル・ワイヤレス通信ネットワーク(WCN)をモデル化する。
【0109】
[0172] 図8cは、無線ネットワーク・モニタおよび無線伝搬モデルを用いて、NEリソース利用および移動体取得レートを最大に高めつつ干渉を最小に抑えるように、エミュレート・ネットワークからのブロードキャスト(1つまたは複数)を管理する手順を示すために用いられる。ステップ811から開始して、全てのNAWLSシステム・コンポーネントを適所に配し、初期ビーコン、チャネル無線強度、およびビーコン内容集合(beacon contents set)を用いて、キャンペーンを開始する。RNMを用いて、エミュレート・ネットワークおよびローカル・ワイヤレス通信ネットワーク双方のビーコン送信を監視する。信号情報は、以前に作成されたモデル811と突き合わせて分析するために、管理エンティティに受け渡される(813)。MEは、ローカル・ワイヤレス・ネットワークとの干渉レベルを最低に抑えるため、そして移動体を取得および収集するときのNEリソース使用を最大に高めるための双方のために、NRブロードキャストを調節する(814)。また、MEは、調節された電力レベルにおける取得レートを維持するために、NEによってブロードキャストされた情報を調節する。
図9a
[0173] 図9aは、U−WLSを用いて、エミュレート・モック制御チャネル・リソースを用いて、加入者サービスを選択的に拒否することができるアドホック・ジオフェンス・エリアを形成する手順を示すために用いられる。一旦NAWLSが地理的エリアに配備され(901)、キャンペーンならびにカバレッジ計画およびモデリングが行われた(902)なら、全てのアイドル状態の移動体を取得し(903)、次いでこれらの偽制御チャネル904を割り当てることによってこれらを収集するように、ネットワーク・エミュレータ(EN)を設定する。収集された移動体IDは、MEによって、許可された(ホワイト・リスト)もの、許可されない(ブラック・リスト)もの、または条件付きで許可された(グレー・リスト、一日の時間のような条件付きロジック、許可された発呼/被呼番号、優先レベル等を含む)ものについて予め設定されているデータと突き合わせてチェックされる。禁止されている移動体デバイスからの出立(移動体が発信する)コールを阻止するために、NEは、U−BTS送受信局を通じて、RACHチャネルおよびSDCCHをエミュレートし、輻輳ネットワークをエミュレートすることによって、迅速な切断を可能にする(ダウンリンクS−DCCHにおける、原因値#42”交換機器輻輳バイナリー(0101010)を有するDISCONNECTメッセージ)(905)。NEのビーコンには、システム情報タイプ1情報ワードのRACH制御パラメータ・ブロックにおいて緊急コール・フラグが設定されているので、緊急サービス・コールは、移動体に、現在設営(camp)されているNEを選択せず、位置更新を実行させ、次いで最も強いビーコン信号で、ローカル・ワイヤレス・ネットワーク・セルにおいて移動体発信を行わせる。MEは、無線ネットワーク・モニタによってローカル無線トラフィックを監視して、収集された移動体906からの位置更新要求メッセージを通じたNEクラスタ外部のセル再選択906を発見しようとしつつ、その間に位置検出に基づくサービス・アプリケーションによる必要に応じて、U−WLSへの位置検出要求を開始する。移動体がジオフェンス・エリアから離れても、ローカル・ネットワークによってTMSIが変更されるまでは、移動体ネットワーク・トランザクションについての識別および位置(発信、着信、Any_Time_Interrogation、SMS)は可能なままである。
図9b
[0174] 図9bは、U−WLSを用いて、エミュレート・トラフィック・チャネル・リソースを用いて加入者サービスを選択的に拒否することができるアドホック・ジオフェンス・エリアを形成するために手順を示すために用いられる。一旦NAWLSが地理的エリアに配備され(901)、キャンペーンならびにカバレッジ計画およびモデリングが行われた(902)なら、ネットワーク・エミュレータ(NE)は、全てのアイドル状態の移動体を取得し(903)、次いでこれらを偽制御チャネルに割り当てることによって、これらを収集する(904)。収集された移動体IDは、MEによって、許可された(ホワイト・リスト)もの、許可されない(ブラック・リスト)もの、または条件付きで許可された(グレー・リスト、一日の時間のような条件付きロジック、許可された発呼/被呼番号、優先レベル等を含む)ものについて格納されているデータと突き合わせてチェックされる。指定されている不許可移動体(disallowed mobile)に対して、NEはU−BTSのエミュレート制御チャネル・リソースを用いて、変更移動体着信コール(modified Mobile-Terminated call)を実行する。このコールでは、移動体電話機の呼び出し(ringing)が抑制されるが、トラフィック・チャネルは割り当てられる(907)。変更移動体着信コールの間、チャネルを通じてNEによって輻輳トーンが再生される。MEはNEおよび収集された移動体を監視してハンドオーバーを発見しようとし、位置検出に基づくサービス・アプリケーションによって、必要に応じてU−WLSに位置検出要求を開始する(908)。ハンドオーバーの試行がNEクラスタの一部ではないセルに向けられている場合、MEはこのコールを直ちに終了させ、それ以外の場合、分散クラスタにおける他のネットワーク・エミュレータ・ノードにハンドオーバーすることを、このコールに許可する。コール終了後、移動体はローカル・ワイヤレス通信ネットワークによって、位置更新を実行する。移動体がジオフェンス・エリアから離れても、ローカル・ネットワークによってTMSIが変更されるまでは、移動体ネットワーク・トランザクションについての識別および位置(発信、着信、Any_Time_Interrogation)は可能なままである。
【0110】
[0175] 図10aは、現在配備されているオーバーレイ・ワイヤレス位置検出システムを示す。このシステムは、LMU1001、GPS受信アンテナ1002、ダウンリンク受信アンテナ1003、LMU1001を安全に外部設置アンテナ1002、1003にインターフェースするために必要な接地1004および入力保護1004を備えている。現在配備されているものとして図示するが、ネットワーク自律システムは、ワイヤレス・リンクを用いることが好ましく、更に広範なSMLCデータベース1009(図示せず)を必要とする。図10aに示すように、LMU1001は、有線またはワイヤレス接続1007を通じて、SMLC1008に接続されており、この接続1007はTCP/IPパケット・ベース通信を伝えることができる。SMLC1008は、WLSデータベース1009をホストする。WLSデータベース1009は、ネットワーク・セル識別子、ネットワーク・アンテナ識別子、ネットワーク・アンテナ位置、LMU位置LMU識別子、ワイヤレス・ネットワーク・セル位置、ワイヤレス・ネットワーク・セル識別情報、ならびに履歴位置データおよび他のワイヤレス・ネットワーク・データを記憶する。LMUのダウンリンク受信アンテナ・サブシステムを用いることによって、LMUは、周辺のセルおよびセクタからのビーコン・ブロードキャストを検出し復調することが可能になる。本来、常駐セルおよびセクタのビーコン、LMUに近接する非常駐セルおよびセクタのビーコンを受信および復調し、こうしてCGI、BSIC、および各ビーコンのフレーム・タイミング・オフセットを収集するために用いられるが、LMUのダウンリンク受信アンテナ・サブシステムは、ネットワーク基地局および移動デバイス双方の受動的位置検出のために、無線ネットワーク・モニタと統合することもできる。
【0111】
[0176] アドホックU−WLSでは、ダウンリンク受信アンテナ・サブシステムは、基盤のワイヤレス通信ネットワークの地理的に近接するセルおよびセクタのビーコンを受信および復調するために用いられる。また。LMUのダウンリンク受信機サブシステムも、LMUによって検出された各CGI/CIのTDOAに基づく位置推定のための信号収集に用いられる。
【0112】
[0177] U−WLSの初期化の間、配備エリアのセルおよびセクタからの全ての検出可能なビーコンが、SMLCにアップロードされたCGIまたはCIおよびCGI/CIのリストを通じて特定される。SMLCの指揮の下で、ワイヤレス位置検出システム(WLS)は、セルまたはセクタ・ダウンリンク送信アンテナ毎に、TDOA位置計算を実行する。生成されたCGI/CI値およびCGI/CIアンテナ位置の表は、ローカル基地局(1つまたは複数)U−BTSによってブロードキャストされたワイヤレス・システム情報と共に、SMLCをプロビジョニングするために用いられる。
【0113】
[0178] ダウンリンク受信機サブシステムによる検出可能なビーコンの周期的またはアドホック走査は、ローカル・ワイヤレス通信システムの構成における変化を検出するために用いることができる。キャンペーンの期間によっては、これが必要でない場合もある。
【0114】
[0179] GSMシステムは、ブロードキャスト制御チャネルまたはBCCH、ダウンリンク(BTSから移動体デバイス)チャネルを用いて、CGI毎にビーコン機能を伝える。UMTSネットワークは、ブロードキャスト・チャネル、セルおよびシステム情報をCI毎にブロードキャストするために用いられるダウンリンクUMTSトランスポート・チャネルを用いる。GSMまたはUMTSシステムの選択およびアクセスのために移動局(MS)またはユーザ機器(UE)による使用のためにブロードキャストされた利用可能な情報は、CGI/CI毎に中央データベースに格納される。
【0115】
[0180] 図10bにおいて、SMLC位置計算リソースおよびインターフェースの表現が図示されている。SMLC1008は、SMLC1008は、汎用計算プラットフォームまたはそのようなプラットフォームのクラスタである。そのプログラミングの中に、複数の位置検出技法およびこれらの技法の混成を用いた位置計算のためのアルゴリズムおよびデータ構造(以後、「エンジン」または「サーバ」と見なす)を内蔵する。ワイヤレス位置検出方法による使用に利用可能なネットワーク・ベース受信機、移動体ベース受信機、または衛星ベース受信機に応じて、SMLC1008は、アップリンク到達時間差(U−TDOA)エンジン1010、到達角度エンジン1013、単体補助サーバ(SAS)1011、SUPLサーバ1014、改良到達時間差(EOTD)および観察時間差エンジン1012、ならびに到達電力差(PDOA)および改良セル−ID(ECID)エンジン1015、およびセル−IDエンジン1016(ここでは、セル−IDは、タイミングに基づく測距機能(ranging)および/または電力に基づく測距機能(例えば、CGI+TA、CI+RTT、CGI+RSSI等)によるセルIDを含む)を、(ユーザの選択に応じて)内蔵することができる。
【0116】
[0181] SMLC1008は、TruePosition社の米国特許第5,327,144号、"Cellular Telephone Location System"(セルラ電話位置検出システム)において紹介されているような、TruePosition社の制約加重最小二乗アルゴリズムを、混成化エンジン1021の一部として用いて、利用可能な位置検出偽鬱を用いて最も高い歩留まりで、最も高い精度の位置推定値を求める。
【0117】
[0182] SMLC1008は、U−TDOAおよび/またはAoA受信機(位置測定ユニット(LMU))の分散型ネットワークと二重モード1017で通信して、チャネル情報を受信機ネットワークに配信し、タスクを課された受信機から対象信号のデータを受信する。追加のLMUネットワーク・ハウスキーピング、管理、およびプロビジョニング・メッセージは、同じ二重リンク1017を用いる。
【0118】
[0183] SMLC1008は、GNSS受信機からタイミング情報、天体位置データ、および天体歴データを、SASサーバ1011またはSUPLサーバ1014がSASサーバ1011によってイネーブルされた移動体に基づくGNSS技法および移動体補助GNSS技法によって用いられる補助データ・パッケージを作成するときに用いるために、パケット・データ・リンク1018を介して受信する。
【0119】
[0184] ネットワーク・エミュレータ(NE)との二重パケット・データ・リンク1019は、SMLC1008によって維持される。SMLC−NEリンク1019は、NEによって捕獲された移動体と通信するためにSMLCによって用いられ、RNMによって収集されSMLCデータベース1009に格納されているローカル無線通信ネットワーク・データと合わせて、移動体に基づく位置検出技法(ETOD、OTDOA、PDOA、ECID、セル−ID)を使用することを可能にする。
【0120】
[0185] SMLC1008は、無線ネットワーク監視(RNM)システムへのパケット・データ・リンク1020を維持する。このリンク1020は、RNMによって収集された無線信号情報を、ローカル・ワイヤレス通信ネットワークおよびネットワーク・エミュレータから伝えるために用いられる。追加のRNMシステム・ハウスキーピング、管理、およびプロビジョニング・メッセージは、同じ二重リンク1020を用いる。
【0121】
[0186] 図11において、U−WLSがどのように移動体の内蔵位置検出能力を利用できるかの一例を、移動体の測位に用いることができる。U−WLSが所望のエリアに配備され(1101)、キャンペーンおよびカバレッジ・エリアが決定された(1102)後、ネットワーク・エミュレータ(1つまたは複数)を用いて、アイドル状態にあるローカル移動局を取得し収集する(1103)。NEは、移動体に1組の偽制御チャネルを割り当て、測位を完了することができる前にこの移動体がハンドオフすることを防止するために、近隣リストを制限する。
【0122】
[0187] 一旦ネットワーク・エミュレータが移動体デバイスを取得したなら、移動体の内蔵位置検出能力(があれば)は、NEが移動体デバイスの位置を検出するときに用いるために利用可能になる。
【0123】
[0188] 取得および収集プロセスの一部として、管理エンティティ(ME)は、移動局の位置検出能力(3GPP 24.008v7.0.0において定められている移動局クラスマーク・タイプ3(Mobile Station Classmark Type 3)の一部)に注目する。移動体のLCS能力、および粗い位置検出(セル/セクタ、セル/セクタおよびタイミング進み、またはセル/セクタおよび経路損失)は、MEが優先度、周期性、およびサービスの精度品質によって位置検出計画を決定するために用いられる。この位置検出計画は、関連する無線チャネル、デバイス能力、および粗い位置情報と共にSMLCに送信される(1106)。
【0124】
[0189] MEが移動体に基づく位置推定を選択した場合、SMLCは、以前に収集されたローカル・ネットワーク情報(ビーコン識別およびアンテナ位置)を用いて、更に必要であれば、LMUまたはRNMベースGPS受信機によって収集されたGPS規準信号を用いて、その技術(EOTD、OTDOA、PGS、A−GPS、SUPL)に合わせて位置検出サーバをエミュレートする。SMLCは、移動体に、ネットワーク開始位置検出要求について、NEが供給した無線チャネルを通じて伝え、一緒に、移動体補助または移動体ベース位置推定値を求める(1109)。
【0125】
[0190] MEがネットワークに基づく位置推定を選択した場合、SMLCはLMU配備の能力に基づいて、U−TDOAまたはAoA位置検出のタスクをLMUネットワークに課す(1112)。ワイヤレス位置検出システム(LMUネットワークおよびSMLC)は、無線信号を収集し位置を計算する(1113)。
【0126】
[0191] MEが混成移動体−ネットワーク位置検出を選択した場合、SMLCは、要求された移動体に基づく技術に合わせて位置検出サーバをエミュレートし、LMUネットワークにタスクを課す(1110)。SMLCは、移動体およびLMUネットワーク双方から信号情報を収集し、利用可能な全ての信号および 付随(マップ・データまたは伝搬モデルのようなデータ。WLSに有用な付随情報の更なる詳細については、米国特許第6,108,555号および第6,119,013号を参照のこと。これらは双方共"Enhanced Time-Difference Localization System"(改良時間差位置判定システム)と題する)情報に基づいて、混成位置を計算する(1111)。TDOA/A−GPS混成ワイヤレス位置検出システムの一例が、2008年10月21日付け米国特許第7,440,762号、"TDOA/GPS Hybrid Wireless Location System"(TDOA/GPS混成ワイヤレス位置検出システム)において見いだすことができる。この特許をここで引用したことにより、その内容が本願にも含まれるものとする。用いられるのが移動体位置検出技法か、ネットワーク位置検出技法か、または混成ワイヤレス位置検出技法かには関係なく、SMLCは位置推定値および関連情報(図10に示すような情報)を格納し、例えば、MEサーバに基づいて、リアル・タイムで、あるいは要求時に、または周期的に、その位置を位置検出アプリケーションに配信することができる。
移動体位置検出能力−ECIDの使用
[0192] NAWLSが、TDOAまたはAoA位置検出技法を用いないことを選択した場合、全てのGSM対応移動体デバイスには、改良セル−ID(ECID)が利用可能となる。ECIDは、移動体を取得しその移動体を静粛トラフィック・チャネルに同調させるためにNEを用いるときに、ジオフェンス・アプリケーションにおける長期間の連続位置検出(location series)に特に有用である。
【0127】
[0193] 米国特許出願第11/150,414号、”Advanced Triggers For Location-Based Service Applications in A Wireless Location System”(ワイヤレス位置検出システムにおける位置検出に基づくサービス応用のための高度トリガ)に詳細に記載されているように、測定報告(MR)をGSM移動体によって、アクティブな音声またはデータ・セッションの間に周期的に送ることができ、そして移動体・デバイスが制御チャネルにある間に送ることができる。MRは、移動体デバイスがワイヤレス・ネットワークに、移動体デバイスのハンドオーバーに対する潜在的必要性を伝えるために用いられ、近隣送信機(セクタ・アンテナまたは全方向性セル・アンテナ)についてのダウンリンク(基地局から移動体へ向かう方向)測定値を含む。
【0128】
[0194] 全てのディジタル・セルラ・ワイヤレス・ネットワークについて、音声またはデータ・セッションの間、移動体デバイスはアイドル時間を用いて、近隣の基地局アンテナのロードキャスト・チャネル(ビーコンとしても知られている)を監視するためにその受信機に戻る。サービング・セルまたは主要なセルについて、移動体は、ビーコン受信レベルおよび受信品質の双方を測定し、測定報告にある全ての他の近隣については、通常受信レベルのみが入手可能である。スペクトル拡散技術の中には、受信ビーコン強度ではなく、経路損失測定値が戻される場合もある。
【0129】
[0195] GSMでは、測定要求は、FACCHにおけるアクティブな(暗号化された)セッションの間しか利用可能ではなく、このため、キー共有を行わなければ、RNM209を用いることは通常できない。しかしながら、NE207によって取得された移動体は、NEセッションの期間中暗号化(ciphering)を抑制して、RNM209にMRを取得させることができ、またはNEが、ECID位置検出において用いるために、MRをU−WLS208に直接伝達することができる。
【0130】
[0196] ECIDハンドセットに基づく位置検出技法は、複数の潜在的なハンドオーバー候補/近隣セルの電力レベル(RXLev)を記録する移動体デバイスの能力を拠り所にしている。この技法は、CGI+TAに基づく位置推定値を改良しようとして、既存のGSM測定報告(MR)から得られる到達電力差(PDOA)測定値を追加する。
【0131】
[0197] PDOA値は、移動体がサービング・セルおよび少なくとも3つの近隣セルについて収集した受信信号レベル(RXELV)に基づく。PDOAデータの収集には、3つ以上の近隣セル・サイトを見ることができることが必要となるので、歩留まりは100%未満となる。RFマルチパスの効果、移動体受信機の品質、および7ビットRxLEV測定値の粒度が、位置検出精度を低下させるように作用する。
【0132】
[0198] ECIDはPDOAマルチラテレーション(multi-lateration)を用いるので、近隣セルの地理的レイアウトも、正確さの地理的希釈によって、位置検出の品質に影響を与える。MRの中にある近隣セルRxLEV測定値を6つのみに制限すると、サイト選択によって潜在的なGDOPが制限されることによって、精度が低下する。NEはBCCHにおいてブロードキャストされる近隣リストを制御することができるので。NEはMR報告を移動体デバイスから収集することができるので、TDOAまたはAoA位置検出が入手不可能である場合、またはNEが移動体デバイスをトラフィック/データ・チャネルに割り当てた場合に、位置判定のためにECID技法を用いることができる。
移動体位置検出能力−E−OTDの使用
[0199] NE207が、取得された移動体がE−OTD(改良観察時間差)能力(3GPP TS03.71に記載されているような能力)を保有していると判断した場合、NE207は、MS201に位置検出要求を発行し、応答して位置推定値または測定結果を受信することによって、このような位置検出試行を実行するように移動体に通知することができる。MS−ベースまたはMS−補助E−OTDを、NE207によって選択することができる。
移動体位置検出能力−GNSSの使用
[0200] NE207が、取得された移動体がGNSS能力を保有していると判断した場合、データ・リンク213を通じてU−WLSに知らせる。U−WLS208は、3GPP TS25.305、"UE positioning in UTRAN - Stage 2"(UTRANにおけるUEの測位−段階2)において定められているように、3GPPが定める単体補助サーバ(Standalone-Assistance Server)(単体SMLCとしても知られている)をエミュレートし、次いでダウンリンク213、NE207、ならびに第2移動体アップリンクおよびダウンリンク211を通じて、移動体デバイス201に位置検出要求を発行することを選択することができる。
【0133】
[0201] 単体GPS受信機は、(a)衛星信号をサーチし、その位置を計算する前に、衛星ナビゲーション・メッセージをデコードしなければならない。これは、強い信号および追加の処理時間を要するタスクである。セルラ電話ネットワークは、(b)受信機の初期近似位置、ならびにデコードされた衛星天体位置およびクロック情報を提供することによって、GPS受信機を補助することができる。したがって、受信機は、より弱い信号を利用して、その位置を更に素早く判定することができる。
移動体位置検出能力−A−GNSSの使用
[0202] NE207が、取得された移動体がA−GNSS能力を保有すると判断した場合、WLSにデータ・リンク213を通じて知らせる。WLSは、3GPPが定める単体補助サーバ(SAS)をエミュレートし、次いでデータリンク213、NE207、ならびに第2移動体アップリンクおよびダウンリンク211を通じて、移動体デバイス201に位置検出要求を発行することを選択することができる。U−WLS208は、単体補助サーバ(SAS)をエミュレートし、GNSS受信機に、正確なGNSS衛星軌道およびクロック情報、初期位置および時間推定値、衛星選択、範囲(range)、ならびに範囲レート情報(range-rate information)を提供する。
【0134】
[0203] 好ましいMS補助モードでは、U−WLS208は、ネットワーク・エミュレータを通じて、補助データをハンドセットのA−GPSエンジンに、ラジオ・リンクを介して供給する。次いで、ハンドセットは、視野におけるGPS衛星からの見かけ上の距離を測定し、このデータをU−WLS208に送る。U−WLS208は、電話機の位置を計算する。補助モードは、移動体のGNSS受信機にかかる負荷を軽減し、GNSS受信機は、単に範囲測定値を収集し、エミュレート・ネットワーク無線接続を介してこれらをWLSに送信するのみとなる。
移動体位置検出能力−SUPLの使用
[0204] NE207が、取得した移動体がA−GNSS能力を保有すると判断した場合、WLSにデータ・リンク213を介して知らせる。U−WLS208は、OMAが定めたSUPLサーバをエミュレートし、次いでデータリンク213、NE207、ならびに第2移動体アップリンクおよびダウンリンク211を通じて、移動体デバイス201に位置検出要求を発行することを選択することができる。
【0135】
[0205] エミュレートSUPL A−GNSSサーバ208は、完全にOMAに準拠した位置検出ソリューションである。OMA規格は、NE207が提供するパケット・データ・リンクを用いて、移動体ハンドセット201(GNSSを装備した移動体電話機であり、SUPL対応端末またはSETとして知られている)とSMLC内部でエミュレートA−GNSSサーバとの間でデータを伝送して、位置検出をサポートする。エミュレートSUPLシステム208は、ショート・メッセージ・サービス(SMS)、交換回路データ、およびGPRSというような、NE207が提供したデータ通信およびサービスを用いる。エミュレートSUPLシステム208は、移動局(MS)ベース・モードおよびMS−補助A−GNSSモードの双方をサポートする。記載しているシステムでは、ネットワークが開始する位置検出手順のみがサポートされ、移動体デバイス201の位置をネットワークによって検出することを可能にする。
移動体の位置検出能力−OTDOAの使用
[0206] NE207が、取得された移動体デバイスがOTDOA能力を保有すると判断した場合、WLSにデータ・リンク213を介して知らせる。U−WLS208は、UMTSサービングSMLCをエミュレートし、次いでデータリンク213、NE207、ならびに第2移動体アップリンクおよびダウンリンク211を通じて、移動体デバイス201に位置検出要求を発行することを選択することができる。WLSにおいて、相対的な時間オフセットの正規化が行われる。OTDOAは、RANネットワークにおける異なるノードBと関連付けられている共通パイロット・チャネル(CPICH)の相対的タイミング/オフセットを用いる。各OTDOA測定値は、差が一定の線(双曲線)を記述し、この線に沿ってEUの位置を検出することができる。UEの位置は、少なくとも3対のノードBに対する双曲線の交点によって決定される。この場合、ノードBは、ローカルUMTSワイヤレス通信ネットワークと、潜在的にNE207とに関連付けられている。ローカル・ノードBのCPICH間における時間差は、RNM209によって決定され、データ・リンク214を介して使用のためにU−WLS208に受け渡される。
【0136】
[0207] 独特な特徴として、U−WLS208およびRNM209がネットワーク運営者毎に全てのローカル・ノードBの位置を検出しているので、NE207は、移動体デバイス(UMTSにおけるUE)201に、各ローカル・ネットワークのCPICHを発見することを強制することができ、最良の信号強度およびトポロジを有する最適な構成を、位置判定において用いることができる。
【0137】
[0208] 同じNE207の下にある複数のNE207または複数のU−BTS224が、(GPSから得られるシステム時間、同期前の非常に安定した内部クロック、または地上無線タイミング信号用受信機のような)共通クロックを有するエリアに配備される場合、NE207がエミュレートしたBCH210のCPICHを用いて、絶対タイミング・オフセットを決定することができる。
【0138】
[0209] TDOAは、マルチラテレーションとしても知られており、1対の地理的に分散されている受信機サイト間において信号の伝搬時間の差を測定し、相関処理によって位置を判定するときの基準となる。U−TDOA(アップリンク到達時間差)は、セル信号が複数(3つ以上)の位置測定ユニット(LMU)に到達した時刻を比較することによって、移動体電話機の位置を判定する。LMUは、通常運営者の基地局に設置されている。無制限モードでは、U−TDOA LMU受信機が、対象エリア内およびその周囲に分散されている。U−TDOAの位置検出精度は、受信機の配備密度およびLMUのネットワーク・レイアウトによる影響を受けるので、無制限アドホック・ワイヤレス位置検出システムのU−TDOA精度は、受信機アンテナを最も都合の良い位置に置くことによって最適化することができる。
【0139】
[0210] U−TDOAは移動体電話のアップリンク(移動体から基地局に向かう)送信を拠り所とするので、U−TDOAは移動体電話に対する変更を必要としない。ネットワークに基づく技術と同様、U−TDOAは、移動体電話機が位置検出のために送信すること、つまり、制御チャネルおよびトラフィック(データ/音声)チャネル双方の位置検出が可能であることだけを必要とする。
【0140】
[0211] アップリンク到達角度位置検出方法は、多エレメント・アレイを含むアンテナを用い、各AOA(到達角度)エレメントの正しい位置が正確に分かる。各エレメントは小さく、別々の信号を受信することができる。アレイの各エレメントにおける信号強度、到達時刻、および位相を測定することにより、送信機から受信機までの見通し線経路を計算することが可能である。同じアンテナ構成を有する他の受信機を異なる位置に置くことにより、このプロセスを繰り返すことが可能になる。2つの見通し線経路の交点が、送信側移動電話機の位置を表す。
【0141】
[0212] U−TDOAと同様、AoAは、既存のセル・タワーにある指向性アンテナ・アレイの構造に加えて、基地局において特殊受信機を用いる。無制限配備では、AoA LMU受信機は対象エリア内およびその周辺に分散されている。AoAの位置検出精度は、受信機配備密度およびLMUのネットワーク・レイアウトによる影響を受けるので、無制限アドホック・ワイヤレス位置検出システムのAoA精度は、受信機アンテナを最も都合のよい位置に置くことによって最適化することができる。
移動体の混成位置検出
[0213] 無制限ワイヤレス位置検出システム(U−WLS)は、複数の同時測位技術をサポートするように設計することができる。各位置検出技術には、強みも弱点もある。複数の技術の強みを組み合わせることによって、混成ソリューションは、ハンドセットまたは環境には関係なく、高い位置検出性能を確保する。混成位置検出ソリューションは、用途の必要性を満たすために、異なるタイプのハンドセットおよびネットワークに基づく位置検出技術(セルID(CID)、改良セルID(E−CID)、到達時刻(TOA)、到達電力差(PDOA)、時間または電力に基づく単一サイト測距、到達角度(AOA)、アップリンク到達時間差(U−TDOA)、ならびに補助汎地球測位システム(A−GPS)のような技術)で構成することができるが、精度、レイテンシ、および歩留まりに関して最適なバージョンは、A−GPSをU−TDOAと組み合わせることである。
【0142】
[0214] 混成位置検出ソリューションのA−GPSおよびU−TDOAバージョンは、2つの異なる方法で動作することができる。フォールバック・モード(fallback mode)では、A−GPSおよびU−TDOAの位置検出は、直列構成または並列構成で行われ、環境条件によって一方の方法の性能が劣化したときに、位置検出システムは他方の方法を要求する。例えば、U−TDOAは、A−GPSが殆ど結果が得られないまたは全く機能しない都市エリアおよび屋内において動作する方法である。逆に、A−GPSは、極度に田舎のエリアにおいて選択され、非常に精度高い結果を得ることができる。この技術の選択には、判断において予測データまたは履歴データを用いることができ、あるいは2つの技術が並列に動作して最良の結果を戻すことができる。米国特許第6,603,428号、"Multiple Pass Location Processing"(多重経路位置検出処理)、第6,873,290号、"Multiple pass location processor"(多重経路位置検出プロセッサ)、および第7,023,383号"Multiple pass location processor)(多重経路位置検出プロセッサ)を参照のこと。
【0143】
[0215] 第2に、A−GPSおよびU−TDOAのような2つの位置検出技術は、同時に動作することができ、その結果を数学的に組み合わせて、改良された結果が得られる。位置検出計算を組み合わせることによって、A−GPSまたはU−TDOA単独の場合よりも遙かに高い精度で、位置推定値が得られる。米国特許第7,440,762号、"TDOA/GPS Hybrid Wireless Location System"(TODA/GPS混成ワイヤレス位置検出システム)、および2008年8月14日に出願された米国特許出願第12/192,057号、"Hybrid GNSS and TDOA Wireless Location System"(混成GNSSおよびTDOAワイヤレス位置検出システム)を参照のこと。複数の位置検出技術を組み合わせて各々の利点を利用することにより、TruePosition社の混成位置検出ソリューションは、他のいずれの単独位置検出技術よりも高い精度および一貫性を獲得することができる。
代替実施形態
[0216] 以上で説明した実施形態の代案として、完全に受動的な位置検出システムを用いることができ、1組の地理的に分散された無線ネットワーク・モニタによってアップリンクおよびダウンリンク制御チャネル送信を受信および復調し、TOA、UTDOA、AoA、CGI、CGI+TA、ECID、またはその任意の組み合わせによって移動体デバイスの位置を検出し、更なる分析のためにこの情報をデータベースに格納することによって、移動体デバイスの識別を後の時点で行うことができる。商用GSMネットワークにおいて動作する移動体デバイスは、これらがワイヤレス・ネットワークに直接接続せずに、ワイヤレス・ネットワークにアクセスしたときに、位置を検出することができる。ローカルGSMネットワークが複数のGSM BTSを有し、これらが地理的エリアに分散されてワイヤレス通信カバレッジを提供する場合を考える。このGSMワイヤレス・ネットワークにアクセスする移動体のジオロケーションは、GSMネットワークへの直接的な物理接続がなくても、相互接続された無線ネットワーク・モニタ(RNM)のネットワークを同じ近似カバレッジ・エリアにわたって配備することによって、遂行することができる(2005年6月10日に出願された、TruePosition社の米国特許出願第11/150,414号、"Advanced Triggers for Location-based Service Applications in a Wireless Location System"(ワイヤレス位置検出システムにおける位置検出に基づくサービスの応用のための高度トリガ)において導入されているように遂行することができる)。これらのRNMは、ネットワークの中にあるBTSからのダウンリンク送信を監視することによって、ネットワークと関連のあるアクセス付与チャネル(AGCH)の全てを発見する。移動体は、RACHバーストを近隣のBTSに送信することによって、ネットワークにアクセスしようとする。成功した場合、BTSはそのダウンリンクにおいて、AGCHにおける即座割り当てコマンドを用いて移動体に応答する。このダウンリンク送信は、移動体およびRNMの1つ以上によって受信され復調される。この即座割り当てコマンドの中にある情報によって、位置検出システムは単体専用制御チャネル(SDCCH)において移動体のアップリンク送信を受信し、複数の技法を用いて移動体の位置を検出することが可能になる。
【0144】
[0217] TruePosition, Inc.(本願の譲受人)が所有する種々の特許において既に記載されているほぼリアル・タイムの位置推定技術を用いると、AoAまたはUTDOA技術によるジオロケーションは、暗号化の影響を受けない。移動体デバイスのセルIDおよびECIDのようなセルラ・システムの技法による特定および位置検出は、移動体と基地局との間におけるアップリンクおよびダウンリンクSDCCH送信を、複数のRNMサイトにおいて受信したものとして記録することによって行われる。この情報は、更なる分析のためにデータベースに格納され、移動体デバイスのU−TDOAまたはAoA位置検出と関連付けられる。
【0145】
[0218] 他の代替実施形態は、RNMにデータベースおよび解読機構が装備されているので、移動体デバイスの位置および解読された識別情報をほぼリアル/タイムで関連付けることができ、その後、トラフィック・チャネルの位置検出を行うことができる場合である。典型的なGSMネットワークでは、BTSおよび移動体からの送信のうち一部しか暗号化されない。一旦移動体がBTSとの暗号化手順をやり遂げたなら、それ以降移動体が送る情報の全てが暗号化される。具体的には、移動体の一意の識別子、IMSI、およびトラフィック・チャネル情報が暗号化される。この情報を解読することができるが、解読プロセスでは、一般に多少のレイテンシ即ち時間遅延が生ずる。一旦情報が解読されたなら、移動体をトラフィック・チャネル(TCH)に追従させることができ、この場合も種々の位置検出技法によってその位置を検出することができる。この場合も、この情報は、更なる分析のために、データベースに格納することができる。
動作していないワイヤレス通信ネットワークにおけるネットワーク自律位置検出
[0219] 2001年9月、TruePosition社の技術は、2001年9月11日の攻撃に続いて、ニューヨークにおいてその最初の災害対策の適用を得た。この作業では、TruePosition社のTDOA機器を用いて、Verizon AMPSおよびCDMAネットワークにおいて移動体電話機およびデバイスの位置を検出した。
【0146】
[0220] ワールド・トレード・センタの現場で犠牲者を捜索する緊急援助隊と一緒に作業したTruePosition社の人員は、TruePosition社のTDOAシステムを用いて、1,600個のセル・フォンの位置を検出し、ワールド・トレード・センタの真ん中に一時的受信アンテナおよび受信機を設置した。そのとき以来、TruePosition社は、携帯、移動体、または航空機受信局から移動体デバイスの位置を検出するシステムおよび方法を開示している。TruePosition社の米国特許第7,427,952号、"Augmentation Of Commercial Wireless Location System (WLS) With Moving And/Or Airborne Sensors For Enhanced Location Accuracy And Use Of Real-Time Overhead Imagery For Identification Of Wireless Device Locations"(位置検出精度向上、およびワイヤレス・デバイスの位置特定のためにリアル・タイム・オーバーヘッド画像を用いるための、移動および/または航空機搭載センサを有する商用ワイヤレス位置検出システム(WLS)の増強)は、そのようなシステムおよび方法を教示するものであり、ここで引用したことによりその内容が本願にも含まれるものとする。
【0147】
[0221] このネットワーク自律WLSによって提供される高度な能力によって、基盤ネットワークが部分的または全体的に動作しているとき(2005年の台風カタリーナまたは2008年の台風イケの事件におけるように)に、改良されたネットワーク自律緊急位置検出システムを提供することができる。基地局は、FCCFによって8時間のバックアップ電力を有するように要求されることもあるが(連邦通信委員会のORDER ON RECONSIDERATION, #FCC 07-177, "Recommendations of the Independent Panel Reviewing the Impact of Hurricane Katrina on communications Networks"(台風カトリーナの通信ネットワークに対する衝撃を検証する独立委員会の推奨)、2007年10月2日採択、を参照のこと)、移動体電話機はスタンバイ状態で何日分ものまたは何週間分もの電力でさえ有することができる。これが意味するのは、アイドル状態にある移動体は、当該移動体にポールしその位置を検出するために、ネットワーク自律ワイヤレス位置検出を用いた位置検出に利用可能であるということである。
【0148】
[0222] 以下の例は、本明細書において既に説明したような、LMU、RNM、およびNEコンポーネントの航空機用バージョンを用いるが、携帯用、永続的、および航空機用LMU、RNM、およびNEコンポーネントも用いることができる。エミュレート・ダウンリンク・ビーコン最適化(キャンペーン計画として知られる)の一部として、ワイヤレス通信ネットワーク周波数計画の、協同ワイヤレス・ネットワーク運営者のデータベースからのネットワーク・エミュレータへのプロビジョニングを行うことができ、ダウンリンク・ビーコン内においてネットワーク・エミュレータによって送信される周波数、セル識別子、位置検出エリア・コードの動的な設定を可能にする。
【0149】
[0223] 図12において、航空機プラットフォーム1201はビーコン(ビーコンの内容は、応答アップリンク信号を誘発するように最適化されている)を協同ワイヤレス通信ネットワーク1203によってカバーされている地上に向けてブロードキャストし、その結果カバレッジ無線フットプリント1204が得られる。この無線フットプリントの内部にある移動体デバイス1205は、エミュレート・ネットワークに登録しようとする。この登録は、NE1201を支持するユニットだけでなく、協同ユニット1202によっても検出される。全てのユニットにおけるLMU受信機は、そのように装備され範囲1201、1202の内部にあり、TDOA、AoA、または混成方法を用いて、位置推定を実行する。
【0150】
[0224] 図13に示す代替例では、ビーム形成能力を有する航空機プラットフォーム1301が用いられる。このビーム形成能力は、ダウンリンク(ビーコン)送信サブシステム、アップリンク受信機、または送信機および受信機双方の一部であってもよい。ビーコン送信にビーム形成を用いると、無線フットプリント1303内部にある各ビームにおいて異なるビーコンを用いることができるだけでなく、個々のビーム・フットプリント1306を、移動体デバイス1304から無線応答1305の位置を判定するために用いることができる。ビーム形成フットプリント位置判定は、FDOA、TDOA、またはAoA技法のいずれとでも用いることができ、あるいはRNM受信機の位置検出トリガリング機能、ならびに受信機アンテナの位置、速度、方位、および高度と結びつければ、これらの代わりに用いることができる。これら2つの例においてエミュレート・ビーコンまたは複数のエミュレート・ビーコンは、使用されていないワイヤレス・ネットワーク1302によってカバーされる地理的エリア内にある移動体デバイスから応答を、誘発するように最適化されている。例えば、キャリアが提供する無線ネットワーク・トポロジ・マップまたは設定表を用いたキャンペーン計画を、誘発するように最適化されている。
【0151】
[0225] ワイヤレス・ネットワーク・ブロードキャストを拠り所としない内蔵位置検出システムを有する移動体デバイス(GNSSシステム、例えば、GPSの1つ以上のような)を伴う他の実施形態では、ネットワーク・エミュレータは、無線データ通信の代用に用いることができ、SMLCは、陸側サーバ・コンポーネントをエミュレートするために用いることができ、移動体の内蔵GNSS受信機の位置検出のための使用を可能にする。
受動型ネットワーク自律ジオロケーション・システム
[0226] 図14は、完全に受動型のネットワーク自律ジオロケーション・システムの例示的実施形態を示す。アンテナ/RFサブシステム1401は、ワイヤレス・ネットワークのダウンリンクおよびアップリンク信号の受信のためのアンテナと、しかるべきRF帯域におけるバンドパス・フィルタリングおよびロー・ノイズ増幅器と、更には無線ネットワーク監視サブシステム1403およびワイヤレス位置検出システム1404における受信機への受信信号の配信部1402とを保有する。
【0152】
[0227] 無線ネットワーク監視(RNM)サブシステム1403は、ワイヤレス・ネットワークのRF帯域(1つまたは複数)を走査してダウンリンク周波数を求めようとする。一旦検出されたなら、ダウンリンク周波数を監視して、ワイヤレス位置検出システム1404によって移動体の位置を検出するトリガリング情報を得ようとする。無制限ワイヤレス位置検出システム1404は、UTDOAおよびCGI+TAを用いて、無線ネットワーク監視サブシステムおよび/または位置検出アプリケーション・サーバ1410によって提供されるトリガリング情報から移動体の位置を検出する。配備されている技術に応じて、AoAまたは混成TDOA/AoA位置検出技法を、ワイヤレス位置検出システムによって利用することができる。
【0153】
[0228] 図14に別々に示す、無線ネットワーク監視サブシステム1403およびワイヤレス位置検出システム1404は、共通アンテナおよび回路を共有して配備することができる。RNM1403およびU−WLS1404の組み合わせ1405は、好ましい配備の選択肢である。
【0154】
[0229] バックホール・サブシステムは、離れて配置されたネットワーク・エレメントへのデータ伝送、および離れて配置されたネットワーク・エレメントからのデータ伝送を行う。バックホールは、有線またはワイヤレス・データ通信、あるいはその組み合わせから成ることができる。図14に示すように、RNMバックホール・リンク1406は、WLSバックホール・リンク1407とは別個にしてもよいが、1つの共有バックホール通信リンクも妨げられない。
【0155】
[0230] データベース1409は、無線ネットワーク監視サブシステムによって捕獲されたネットワーク・イベント、およびワイヤレス位置検出システムによって計算された位置のレポジトリとしての役割を果たす。これは、ダウンリンク・ビーコン送信から明るみに出たローカル・ワイヤレス通信ネットワークにおける基地局の位置を含む。位置情報を利用するアプリケーションは、位置検出アプリケーション・サーバ1410に存在する。例えば、データベースの中に補間されている位置情報の分析を行って、特定の移動体を発見すること、リアル・タイムの位置情報を表示すること等ができる。
【0156】
[0231] リモート・アクセス・ゲートウェイ1411は、リモート端末からのシステムへのアクセスを可能にする。配備に応じて、アクセス制御を適用することもできる。OMA&Pサブシステム1412は、異なるネットワーク・エレメントの構成設定およびプロビジョニング、ネットワーク・エレメントの状態(health)監視、ならびに警報状態の表示を可能にする。
【0157】
[0232] パケット・データ・ネットワーク1408は、受動型ネットワーク自律ジオロケーション・システムの配備に応じて、ローカル・エリア・ネットワークまたはワイド・エリア/ネットワークであってもよい。
図15
[0233] 対象の移動体(MOI)の一意の位置は、MOIから3つ以上のU−BTSからの距離を判定することができれば、LMUを使用することなく、到達時刻(TOA)技術によって得ることができる。NAWLSのRNMコンポーネントは、物理的および電子的U−BTSシャーシの中に組み込まれることが望ましいが、隔離されて減衰が多い屋内環境、または隠されていない配備(non-covert deployment)では、RNMをNAWLSから削除することができる。RNMを削除すると、NEに全ての位置検出トリガリングを供給させることになる。
【0158】
[0234] TOA位置推定は、ネットワーク・エミュレータ(NE)を分散型U−BTS送受信機のグループと共に用いることによって、 ネットワーク自律様式で行うことができる。サンプリング、取得、および/または捕獲の仮定において、MOIは時分割多元接続技法(TDMA)、例えば、GSMを利用し、NEはMOIにそのタイミングをU−BTS TDMAフレーミングに一致させるように命令する。GSMでは、これは、タイミング進み(TA)パラメータによって、NEからU−BTSを経由してMOIに送られる即座割り当てコマンド(IMM_ASS_CMD)を用いて行われる。U−BTSが決定しMOIに供給するTA値は、本質的に、NEからMOIへの量子化距離測定値である。
【0159】
[0235] 技術仕様書ETSI TS 05.10および3GPP TS 45.010は、TA値調節手順について説明している。TA値は、通常0と63との間であり、各ステップが1シンボル期間(約3.69マイクロ秒)の進みを表す。毎秒約300,000,000メートルで進行する無線波(即ち、毎マイクロ秒300メートル)では、1TAステップは、約1,100メートルの往復距離(伝搬距離の2倍)を表す。これが意味するのは、移動体と基地局との間の距離が550メートル変化する毎に、TA値が変化するということである。
【0160】
[0236] UMTSネットワークにおいて動作する対象移動体(MOI)の位置は、MOIから3つ以上のノードBまでの距離を判定することができれば、到達時刻(TOA)技法によって得ることができる。これは、ネットワーク自律様式で、ノードBをエミュレートすることができる分散NEのグループを用いることによって行うことができる。ノードBのセクタから移動体までの距離の測定は、往復時間(RTT)報告を通じた、UMTSネットワークにおける標準的なプロセスである。RTTは、標準的なノードBの測定であり、UMTSにおける専用物理チャネル(DPCH)において行われる。ノードBは、ダウンリンク(DL)(例えば、DPCHまたはCPICH)フレーム送信の開始と、最初に検出された経路からの対応するアップリンク(UL)専用物理制御チャネル(DPCCH)/専用物理データ・チャネル(DPDCH)フレームとの間における時間差を測定する。RTT測定には、UEのレイテンシが含まれ、これを考慮しなければならない。これを考慮するには、Rx−Tx時間差を測定する。この時間差は、UEによって測定され、SRNCに報告され、RTT測定値から減算される。
【0161】
[0237] MOIは、商用ネットワークから、分散NEのグループの中にあるNEの1つによって捕獲される。このNEは、最初のRTT測定を行う。2回目のRTT測定は、捕獲されたMOIに他のNEへのハード・ハンドオーバーを行うことを強制することによって行うことができ、あるいはMOIが他のNEとのソフト、またはソフター・ハンドオーバー(softer handover)を行っているのであれば、より多くのRTT測定値を得ることができる。一旦3回以上のRTT測定が、分散NEのグループの中にある3つ以上のNEから行われたなら、MOの位置を判定することができる。
【0162】
[0238] 技術仕様書3GPP25.215"Technical Specification Group Radio Access Network; Physical Layer - Measurements (FDD)" section 5.2.8(技術仕様グループ無線アクセス・ネットワーク;物理レイヤー−測定(FDD))は、往復時間(RTT)を定めており、一方技術仕様書3GPP TS 25.305 "3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; Stage 2 functional specification of User Equipment (UE) positioning in UTRAN" section 8(第3世代パートナーシップ・プロジェクト;技術仕様グループ無線アクセス・ネットワーク;段階2UTRANにおけるユーザ機器(UE)測位の段階2機能的使用」第8章)は、セルID(CI)と共にRTTを用いて、UMTSワイヤレス通信システムにおける移動体(UMTS用語ではUE)の位置を判定する方法について記載している。UMTS(UTRAN) W−CDMAエア・インターフェースの帯域幅は、5MHzであり、W−CDMAは3.84Mcps/秒という高いチップ・レートで動作し、これによって、GSMと比較して、タイミング測定の分解能の改良が可能になる。UMTSにおけるRTT測定値の基本的タイミング分解能(3GPP TS 25.133, "Requirements for support of radio resource management (FDD)" Section 9.2.8(無線リソース管理(FDD)のサポートに対する要件)において定められている)は、チップ当たり1サンプルでは、260ナノ秒となり、これは〜78mの無線伝搬距離粒度に対応する。オーバーサンプリングの使用は、RTT測定ステップの内在的な低精度を低減するために用いることができる。例えば、チップ・レートの2倍のオーバーサンプリング・レート(2×3.84Mcps/秒)によって、130ナノ秒という改良されたタイミング分解能が得られ、これは〜39mの伝搬距離粒度に対応する。
【0163】
[0239] 一旦1つ以上のNEの下にある分散U−BTSのグループにおける1つのU−BTSがMOIを取得したなら、このMOIを、異なるが分かっている位置にある他のU−BTSにハンドオーバーすることができ、そしてこのU−BTSはMOIにしかるべきTA値も供給する。このプロセスを3つ以上のU−BTSで繰り返すと、最小二乗ソリューションによってMOIの一意の位置を判定するのに十分な数の距離測定値が得られる。
【0164】
[0240] 図15では、単一モードのGSMワイヤレス通信ネットワークにおけるNEの分散U−BTS送受信局を用いて、TOA位置判定を行う代表例が示されている。移動体デバイス(MD)1501は、NEによってGSM位置更新手順を通じて取得および捕獲される。一旦移動体デバイス1501が捕獲され、トラフィック・チャネルがサービングU−BTS1502に割り当てられると、NEはハンドオーバー手順を用いる。各ハンドオーバーの過程で、各U−BTSは飛行推定値(flight estimate)(GSMではタイミング進みとして知られている)の無線時間を明るみに出す。地理用語では、TAはU−BTS周囲に環体を形成する。
【0165】
[0241] ハンドオーバー手順は、少なくとも3つのU−BTSサイトに対して、最初に取得したBTSにほぼ近接して配備されたU−BTSの総数まで行われる。例えば、図5では、移動体デバイス1501はU−BTS1502によって取得され、タイミング進み1505が明るみに出される。次に、捕獲された移動体は第2U−BTS1503にハンドオーバーされ、第2のタイミング進み1506が明るみに出される。次いで、第3U−BTS1504とのハンドオフが行われ、第3のタイミング進み1507が明るみに出される。
【0166】
[0242] 最小二乗法を用いて、確率分布関数を組み立て、設定された確率の範囲内でMOI1501に対する、可能な限り最も小さいサーチ・エリアを決定する。この図(図15)の例では、円形の誤差確率エリア1508として示されている。
【0167】
[0243] マルチモード・ネットワーク(例えば、GSMおよびUMTS)では、マルチモード・ネットワーク・エミュレータを装備されているNAWLSが、周知の位置更新手順によって特定またはGSMにハンドオーバーされた移動体を、特定のために捕獲および収集することができ、次いで、模擬されたGSMネットワークにおいてトラフィック・チャネルを割り当てるか、または模擬されたUMTSネットワークにハンドオーバーすることができる。LMUを用いないNAWLS配備では、説明した複数のハンドオーバーおよびハンドオフ手順を用いるシステムを、マルチ・モード移動体デバイスの位置を判定するために用いることができる。
結論
[0244] 本発明の真の範囲は、本明細書において開示した現時点における好ましい実施形態に限定されるのではない。例えば、ワイヤレス位置検出システムの現時点において好ましい実施形態の前述した開示では、説明用の用語を用いているが、以下の特許請求の範囲の保護範囲を限定するように解釈してはならず、あるいはNAWLSの発明的態様が、開示された特定の方法および装置に限定されることを含意するように解釈してはならない。更に、当業者には言うまでもないであろうが、本明細書において開示した発明的態様の多くは、U−TDOA、セルID、およびA_GPSのような現在標準化されている技法に基づいていない位置検出システムにおいて適用することができる。例えば、本発明は、先に説明したように組み立てられた受信機を採用するシステムに限定されるのではない。受信機、ネットワーク・エミュレータ、ネットワーク・コントローラ、および無線ネットワーク・モニタは、本質的に、プログラム可能なデータ収集および処理デバイスであり、本明細書において開示した発明的概念から逸脱することなく、種々の形態および組み合わせを採用することができる。ディジタル信号処理および他の処理機能のコストが急激に低下していることを考えると、例えば、当該システムの発明的動作を変化させることなく、特定の機能のための処理を、本明細書において記載した機能要素の1つから他の機能要素に移すことは容易に可能である。ある種の場合には、本明細書において記載した機能要素の特定の実施態様が、単に設計者の好みであり、厳しい要件ではないこともある。したがって、明示的に限定されていると思われる場合を除いて、以下の特許請求の範囲の保護範囲は、以上で説明した特定の実施形態に限定されることは意図しないこととする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体デバイスの位置を検出するように構成されたネットワーク自律ワイヤレス位置検出システム(NAWLS)であって、前記移動体デバイスが、ワイヤレス通信ネットワーク(WCN)と通信するワイヤレス通信送受信機を有し、前記NAWLSが、
a)2つ以上の無線エア・インターフェースを受動的に監視するように構成された無線ネットワーク・モニタ(RNM)と、
b)1つ以上のWCNをエミュレートするように構成されたネットワーク・エミュレータ(NE)であって、前記1つ以上のWCNが1つ以上の無線エア・インターフェースを保有する、ネットワーク・エミュレータ(NE)と、
c)無制限ワイヤレス位置検出システム(U−WLS)であって、該U−WLSが複数の移動体受信機サイトを含み、前記移動体受信機サイトの各々が、前記移動体デバイスからのアップリンク無線信号を受信するように構成された受信機と、前記移動体受信機サイトについて正確な位置および速度を判定する手段とを含み、前記U−WLSが、前記複数の移動体受信機サイトによって受信された無線信号情報から、前記移動体デバイスの正確な位置および速度を判定するように構成された、無制限ワイヤレス位置検出システム(U−WLS)と、
を含む、ネットワーク自律ワイヤレス位置検出システム。
【請求項2】
請求項1記載のシステムにおいて、前記正確な位置が、経度と、緯度と、高度とを含む、システム。
【請求項3】
請求項1記載のシステムにおいて、前記無線エア・インターフェースが、第1および第2ダウンリンク・ビーコンを含み,前記第1および第2ダウンリンク・ビーコンが、ブロードキャスト制御チャネル(BCCH)ビーコンを含む、システム。
【請求項4】
請求項1記載のシステムにおいて、前記移動体受信機サイトの正確な位置および速度を判定する前記手段の各々が、GNSS信号を受信するように構成されたグローバル・ナビゲーション衛星システム(GNSS)受信機を含む、システム。
【請求項5】
請求項1記載のシステムにおいて、前記移動体受信機サイトが、更に、時間同期の目的のためにGNSS信号を受信するように構成されたアンテナと受信機とを含む、システム。
【請求項6】
請求項1記載のシステムにおいて、前記移動体受信機サイトが、更に、周波数同期の目的のためにGNSS信号を受信するように構成されたアンテナと受信機とを含む、システム。
【請求項7】
請求項1記載のシステムにおいて、前記移動体受信機サイトが、更に、前記移動体受信機サイトの位置を判定する目的のためにGNSS信号を受信するように構成されたアンテナと受信機とを含む、システム。
【請求項8】
請求項1記載のシステムにおいて、前記移動体受信機サイトの正確な位置および速度を判定する前記手段の各々が、地上無線ブロードキャスト・タイミング信号を受信するように構成された無線受信機を含む、システム。
【請求項9】
請求項1記載のシステムにおいて、前記移動体受信機サイトが、更に、時間同期の目的のために無線ブロードキャスト・タイミング信号を受信するように構成されたアンテナと受信機とを含む、システム。
【請求項10】
請求項1記載のシステムにおいて、前記移動体受信機サイトが、更に、周波数同期の目的のために無線ブロードキャスト・タイミング信号を受信するように構成されたアンテナと受信機とを含む、システム。
【請求項11】
請求項1記載のシステムにおいて、前記移動体受信機サイトが、更に、該移動体受信機サイトの位置を判定する目的のために無線ブロードキャスト・タイミング信号を受信するように構成されたアンテナと受信機とを含む、システム。
【請求項12】
請求項1記載のシステムにおいて、前記無線エア・インターフェースが、第1無線アクセス・ネットワーク(RAN)技術と、第2RAN技術とを含む、システム。
【請求項13】
請求項1記載のシステムにおいて、前記無線エア/インターフェースが、第1無線アクセス・ネットワーク(RAN)技術と、第2RAN技術と、エミュレート無線エア・インターフェースとを含む、システム。
【請求項14】
請求項13記載のシステムにおいて、前記エミュレート無線エア・インターフェースが、第1無線アクセス・ネットワーク(RAN)技術と、第2RAN技術とを含む、システム。
【請求項15】
請求項3記載のシステムにおいて、前記第1ダウンリンク・ビーコンが、第1無線アクセス・ネットワーク(RAN)技術を含み、前記第2ダウンリンク・ビーコンが第2RAN技術を含む、システム。
【請求項16】
請求項15記載のシステムにおいて、前記第1RAN技術が、GSMを含み、前記第2RAN技術が、UMTS、LTE、WiMAX、およびCDMAのうち少なくとも1つを含む、システム。
【請求項17】
請求項1記載のシステムにおいて、前記NEが、独立したワイヤレス通信ネットワークを提供するように構成されており、前記RANおよびCNネットワーク双方をエミュレートする、システム。
【請求項18】
請求項17記載のシステムにおいて、前記NEが、更に、エミュレート・ダウンリンク・ビーコンを供給するように構成された、システム。
【請求項19】
請求項18記載のシステムにおいて、前記エミュレート・ダウンリンク・ビーコンが、前記移動体デバイスを能動的に取得するように構成された、システム。
【請求項20】
請求項1記載のシステムにおいて、前記NEが、個々の移動体デバイス毎に、該移動体デバイスを特定するため、位置を検出するため、または静粛にするためにトラフィック/データ・チャネルの割り当てが必要となる場合に、前記移動体デバイスへの第2移動体のアップリンクおよびダウンリンクのシグナリング経路を供給するように構成された、システム。
【請求項21】
請求項1記載のシステムにおいて、前記U−WLSが、前記移動体デバイスからのアップリンク送信を用いて当該移動体デバイスの位置を検出するために、到達時刻(TOA)、アップリンク到達時間差(U−TDOA)、到達角度(AoA)、および混成TDOA/AoA、の位置検出技術のうち少なくとも1つを提供する、システム。
【請求項22】
請求項21記載のシステムにおいて、前記U−WLSが、更に、ハンドセットに基づく位置検出技法のために、位置検出サーバ機能を提供するように構成された、システム。
【請求項23】
請求項22記載のシステムにおいて、前記ハンドセットに基づく位置検出技法が、改良観察時間差(E−OTD)、観察到達時間差(OTDOA)、A−GNSS(補助グローバル・ナビゲーション衛星システム)、およびU−TDOA/A−GNSSを含む混成技法、のグループのうちの少なくとも1つを含む、システム。
【請求項24】
請求項23記載のシステムにおいて、前記A−GNSSが、Navstar汎地球測位システムである、システム。
【請求項25】
請求項1記載のシステムにおいて、前記U−WLSが、ディジタル・データ・リンクを介して前記NEに接続されており、前記U−WLSが、前記データ・リンクを用いて、位置検出が完了したこと、前記移動体デバイスの位置を検出するために追加の電力が必要となること、RAT(無線アクセス技術)間ハンドオフが必要となること、および/またはトラフィック・チャネルへの割り当てが必要となること、を前記NEに伝えるように構成された、システム。
【請求項26】
請求項1記載のシステムにおいて、前記ネットワーク・エミュレータが、ディジタル・データ・リンクを介して前記U−WLSに接続されており、前記NEが、前記データ・リンクを用いて、ネットワーク・トランザクション・トリガに基づいて位置検出を実行するように、前記U−WLSをトリガしタスクを課すように構成された、システム。
【請求項27】
請求項26記載のシステムにおいて、前記ディジタル・データ・リンクが、更に、前記移動体デバイスに存在する内蔵位置検出技術を用いるために、U−WLSおよびNEによる使用を可能にするように構成された、システム。
【請求項28】
請求項1記載のシステムにおいて、前記RNMが、前記移動体デバイス、前記RAN、および前記NEからアップリンクおよびダウンリンクの送信を受信するように構成された、受動型ソフトウェア定義無線受信機を含む、システム。
【請求項29】
請求項1記載のシステムにおいて、前記RNMが、1組の受信機を含み、ディジタル・データ・リンクを介して前記U−WLSに接続されており、前記移動体デバイスが無線トランザクションに関与するとき、前記移動体デバイスの位置を検出するために前記RNMが前記U−WLSにタスクを課すことを可能にする、システム。
【請求項30】
請求項1記載のシステムにおいて、前記NEが、1組の送受信機とサーバとを含み、ディジタル・データ・リンクを介して前記U−WLSに接続されており、前記移動体デバイスがネットワーク・トランザクションに関与するとき、前記移動体デバイスの位置を検出するために前記NEが前記U−WLSにタスクを課すことを可能にする、システム。
【請求項31】
請求項30記載のシステムにおいて、前記ディジタル・データ・リンクが、ワイヤレス接続を含み、前記ネットワーク・トランザクションが、移動体発信、移動体着信、位置更新、セル変更コマンド、常時質問、SMS発信、SMS着信、周期的登録、および識別要求、のグループのうち少なくとも1つに対するメッセージングを含む、システム。
【請求項32】
請求項1記載のシステムにおいて、前記RNMがディジタル・データ・リンクを介して前記NEに接続されており、ブロードキャスト制御チャネル(BCCH)周波数、電力レベル、および情報内容を前記RNMがNEに知らせることを可能にする、システム。
【請求項33】
請求項32記載のシステムにおいて、前記RNMが、更に、干渉を検出するため、および前記NEにブロードキャスト無線電力レベルを低減させるため、更にエミュレート・アップリンクおよびダウンリンク信号の電力レベルを低減させるために、NE−エミュレート・ダウンリンク・ビーコン、ならびに第2移動体アップリンクおよびダウンリンク信号を監視するように構成された、システム。
【請求項34】
請求項1記載のシステムであって、移動体セル・サイト間において無線リレー・サービスを提供する航空機用コンポーネントを含む、システム。
【請求項35】
請求項34記載のシステムにおいて、前記航空機用コンポーネントが、更に、航空機搭載映像機能を提供する、システム。
【請求項36】
請求項34記載のシステムにおいて、前記航空機用コンポーネントが、更に、拡張カバレッジ、および位置検出計算のための三次元受信機ダイバシティを提供する移動体セル・サイト・プラットフォームとして作用する、システム。
【請求項37】
請求項34記載のシステムにおいて、前記航空機用コンポーネントが、更に、拡張カバレッジ、ならびに位置検出および速度計算のための三次元受信機ダイバシティを提供する移動体セル・サイト・プラットフォームとして作用する、システム。
【請求項38】
請求項1記載のシステムであって、更に、ブロードキャスト・パワーを最適化しつつ、干渉を最小に抑えるために、前記NEの送信電力を調節する手段を含む、システム。
【請求項39】
請求項38記載のシステムであって、更に、送信される情報を調節する手段を含む、システム。
【請求項40】
請求項39記載のシステムにおいて、前記送信される情報を調節する前記手段が、通信ネットワークの衝撃を最小に抑えつつサンプリング・ネットワーク能力の均衡を取ることによって、移動体デバイスの信号サンプリングのレートの最適化を可能にする、システム。
【請求項41】
ローカル・ワイヤレス通信ネットワークと通信するためのワイヤレス通信送受信機を有する移動体デバイスの位置を検出する方法であって、前記ローカル・ワイヤレス通信ネットワークが無線アクセス・ネットワーク(RAN)とコア・ネットワーク(CN)とを含み、前記方法が、
ネットワーク自律ワイヤレス位置検出システムを用いて、前記ローカル・ワイヤレス通信ネットワークへの有線接続を用いずに、無線メッセージングによって、一時的識別子および永続的識別子を含む移動体特定情報を収集するステップと、
前記移動体デバイスによって送信されたアップリンク信号を用いて、前記移動体デバイスの位置を検出するステップと、
を含む、方法。
【請求項42】
請求項41記載の方法において、前記NAWLSが、相互接続ネットワーク・エミュレータ(NE)のネットワークを含み、該相互接続ネットワーク・エミュレータ(NE)のネットワークが、動作中の商用GSMネットワークからGSM移動体を前記ネットワークをエミュレートすることによって捕獲し、該捕獲したGSM移動体の第1NEからの距離を前記タイミング進み(TA)パラメータによって判定し、前記捕獲したGSM移動体を第2NEにハンドオーバーし、前記捕獲したGSM移動体の前記第2NEからの距離を前記TAパラメータによって判定し、前記捕獲したGSM移動体を第3NEにハンドオーバーし、前記捕獲したGSM移動体の前記第3NEからの距離を前記TAパラメータから判定し、到達時刻(TOA)ジオロケーション技法によって、前記捕獲した移動体の位置を判定することによって、構成された、方法。
【請求項43】
請求項41載の方法において、前記NAWLSが、相互接続ネットワーク・エミュレータ(NE)のネットワークを含み、該相互接続ネットワーク・エミュレータ(NE)のネットワークが、動作中のGSMネットワークからUMTS移動体を前記ネットワークをエミュレートすることによって捕獲し、前記捕獲されたUMTS移動体の第1NEからの距離を、前記捕獲したUMTS移動体からのRx−Tx時間だけ修正された往復時間(RTT)パラメータによって判定し、前記捕獲したUMTS移動体がソフト・ハンドオーバーの最中であるかまたは第2NEにハンドオーバーされるとき、前記捕獲したUMTS移動体の前記第2NEからの距離を、他のRTTパラメータから判定し、前記捕獲したUMTS移動体がソフト・ハンドオーバーの最中であるかまたは第3NEにハンドオーバーされるとき、前記捕獲したUMTS移動体の前記第3NEからの距離を、他のRTTパラメータから判定し、TOA位置検出技法によって、前記捕獲したUMTS移動体の位置を判定するように構成された、方法。
【請求項44】
請求項41記載の方法において、前記NAWLSが、無制限WLS(U−WLS)を含み、該無制限WLS(U−WLS)が、1組の地理的に分散された受信機と、1つ以上のネットワーク・エミュレータ(NE)送受信機に結合された移動体位置検出サーバとを含み、前記U−WLSが、前記ローカル・ワイヤレス通信ネットワークへの物理的接続なく、移動体GSMおよびマルチモード移動体デバイスの識別および位置を判定するために用いられる、方法。
【請求項45】
請求項41記載の方法において、前記NAWLSが、前記ワイヤレス通信ネットワークおよびNEを監視し、NEの送信およびパラメータを必要に応じて調節することによって、前記ローカル・ワイヤレス通信ネットワークの混乱を最小に抑えるように動作させられる、方法。
【請求項46】
請求項41記載の方法において、前記NAWLSが、アドホック・ジオフェンス・エリアを発生するように用いられる、方法。
【請求項47】
請求項41記載の方法であって、更に、加入者サービスが制限または拒否されるアドホック静穏ゾーンを発生するステップを含む、方法。
【請求項48】
請求項41記載の方法であって、更に、動作中の商用GSMワイヤレス・ネットワークからGSM移動体電話機を前記ネットワークをエミュレートしすることによって捕獲し、位置更新を成功させ、偽ページング・チャネルおよび近隣セル情報を提供しつつ、前記移動体電話機の位置更新制御チャネル送信においてジオロケーションすることによって前記GSM移動体電話機の位置を判定するステップを含む、方法。
【請求項49】
請求項41記載の方法であって、更に、動作中の商用GSMワイヤレス・ネットワークからGSM移動体電話機を前記ネットワークをエミュレートすることによって取得し、前記移動体電話機の位置更新制御チャネル送信においてジオロケーションすることによって前記GSM移動体電話機の位置、速度、および方位を判定するステップを含む、方法。
【請求項50】
請求項41記載の方法であって、更に、動作中の商用GSMワイヤレス・ネットワークからGSM移動体電話機を前記ネットワークをエミュレートすることによって取得し、Iden_Reqメッセージの使用によって前記移動体電話機の識別、TMSI、IMSI、およびIMEIを判定するステップを含む、方法。
【請求項51】
請求項41記載の方法であって、更に、動作中の商用GSMワイヤレス・ネットワークからGSM移動体電話機へのワイヤレス・サービスを拒否するステップを含み、該ステップは、前記ネットワークをエミュレートし、前記移動体電話機を捕獲し、前記移動体電話機の識別を判定し、それを静穏トラフィック・チャネルに割り当てることによって行う、、方法。
【請求項52】
請求項41記載の方法であって、更に、動作中前記GSMワイヤレス・ネットワークからGSM移動体電話機へのワイヤレス・サービスを拒否するステップを含み、該ステップは、前記ネットワークをエミュレートし、前記移動体電話機を捕獲し、前記移動体電話機の位置を判定し、前記移動体電話機が、定められたコールド・ゾーン地理的エリア内にあると判定し、それを静穏トラフィック・チャネルに載せることによって行う、方法。
【請求項53】
請求項41記載の方法であって、更に、動作中のGSMワイヤレス・ネットワークからGSM移動体電話機へのワイヤレス・サービスを拒否すべきか否か判定するステップを含み、該ステップは、前記ネットワークをエミュレートし、前記移動体電話機を捕獲し、その位置を判定し、それがコールド・ゾーンに位置することを検証し、その識別を判定し、その識別情報が許可リスト上にあるか否か確かめるためにチェックし、その識別情報が許可リスト上にない場合それを静穏トラフィック・チャネルに載せることによって行う、方法。
【請求項54】
請求項41記載の方法であって、更に、動作中の商用GSMワイヤレス・ネットワークによってサービスされているトラフィック・チャネル(TCH)におけるGSM移動体電話機の位置を、前記GSMネットワークへの直接物理的接続なく検出するステップを含み、該ステップは、前記ネットワークをエミュレートし、前記移動体電話機を捕獲し、それを静穏トラフィック・チャネルに割り当て、TOA、POA、U−TDOA、AoA、ECID、PDOA、CGI+TA、またはその任意の組み合わせを用いて前記トラフィック・チャネルにおいてその位置を判定することによって行う、方法。
【請求項55】
請求項41記載の方法であって、更に、GPSまたはAGPS受信機を内部に保有する前記GSMネットワークにおいて動作中のGSM移動体電話機の位置を検出するステップを含み、該ステップは、前記ネットワークをエミュレートし、前記移動体を捕獲し、それに静穏トラフィック・チャネルを割り当て、その内部GPS受信機からの前記移動体電話機の位置を要求することによって行う、方法。
【請求項56】
請求項41記載の方法であって、更に、商用UMTSネットワークにおいて動作している移動体電話機の位置を、前記ネットワークへの直接物理的接続なく判定するステップを含み、該ステップは、前記ネットワークをエミュレートし、前記移動体電話機の位置更新制御チャネル送信においてジオロケーションすることによって前記移動体の位置を判定することによって行う、方法。
【請求項57】
請求項41記載の方法であって、更に、前記UMTSネットワークにおいて動作しているUMTS/GSM移動体電話機の識別を、前記UMTSネットワークへの物理的接続なく判定するステップを含み、該ステップは、前記UMTSネットワークをエミュレートし、前記移動体電話機を捕獲し、前記エミュレートGSMネットワークに移るようにそれに命令し、識別要求(Iden_Req)コマンドによってその移動体識別を判定することによって行う、方法。
【請求項58】
請求項41記載の方法であって、更に、動作中の商用UMTSワイヤレス・ネットワークからUMTS/GSM移動体電話機へのワイヤレス・サービスを、任意のワイヤレス・ネットワークへの物理的接続なく拒否するステップを含み、該ステップは、前記ネットワークをエミュレートし、前記移動体電話機を捕獲し、前記エミュレートGSMネットワークに移るように前記移動体電話機に命令し、前記移動体電話機の識別を判定し、それを静穏トラフィック・チャネルに割り当てることによって行う、方法。
【請求項59】
請求項41記載の方法であって、更に、商用UMTSネットワークにおいて動作している移動体電話機の位置を、前記ネットワークへの直接物理的接続なく判定するステップを含み、該ステップは、前記ネットワークをエミュレートし、前記移動体電話機の位置更新制御チャネル送信においてジオロケーションすることによって前記移動体電話機の位置を判定し、エミュレートGSMネットワークに移るように前記移動体電話機に命令し、前記移動体電話機をGSMトラフィック・チャネルに移らせ、再度それをジオロケーションすることによって行う、方法。
【請求項60】
請求項41記載の方法であって、更に、GPS受信機またはAGPS受信機を内部に保有するUMTSネットワークにおいて動作しているUMTS/GSM移動体電話機の位置を検出するステップを含み、該ステップは、前記UMTSネットワークをエミュレートし、前記移動体電話機を捕獲し、エミュレートGSMネットワークに移るようにそれに命令し、静穏トラフィック・チャネルにそれを割り当て、その内部GPS受信機からの前記移動体電話機の位置を要求することによって行う、方法。
【請求項61】
請求項41記載の方法であって、更に、GSMネットワークにおいて動作しているワイヤレス・デバイスから、暗号化されていないアップリンク送信および暗号化されているアップリンク送信双方を受信し復調し、更なる分析のために高速データベースにこれらを格納するステップを含む、方法。
【請求項62】
請求項41記載の方法であって、更に、GSMネットワーク内のトラフィック・チャネルにおけるGSM移動体電話機の位置を、前記ネットワークへの物理接続が全くない状態で検出するステップを含み、該ステップは、前記移動体電話機および前記GSMネットワークからアップリンクおよびダウンリンク送信を受信し復調し、データベースに格納し、しかるべき復調した送信を解読し、解読した情報を用いて、TOA、POA、U−TDOA、AoA、ECID、PDOA、CGI+TA、またはその任意の組み合わせによって、前記移動体電話機の位置を検出することによって行う、方法。

【図1】
image rotate

【図2a】
image rotate

【図2b】
image rotate

【図2c】
image rotate

【図3a】
image rotate

【図3b】
image rotate

【図3c】
image rotate

【図3d】
image rotate

【図4a】
image rotate

【図4b】
image rotate

【図5a】
image rotate

【図5b】
image rotate

【図5c】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8a】
image rotate

【図8b】
image rotate

【図8c】
image rotate

【図9a】
image rotate

【図9b】
image rotate

【図10a】
image rotate

【図10b】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公表番号】特表2012−524901(P2012−524901A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507233(P2012−507233)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/028951
【国際公開番号】WO2010/123655
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(500532540)トゥルーポジション・インコーポレーテッド (48)
【Fターム(参考)】