ネットワーク設計装置、ネットワーク設計プログラム及びネットワーク設計方法
【課題】各波長パスに要する光再生中継器の数を考慮しながら光伝送装置や光再生中継器の配置に要する総コストを低減できるネットワーク設計方法を提供する。
【解決手段】ネットワーク設計装置100は、光ネットワーク情報を取得する情報取得部120と、光ネットワークを線形区間に分割する区間分割部121と、各線形区間内に配置する光伝送装置の組み合わせ候補を決定する組み合わせ候補決定部125、127、128と、各波長パス上で許される雑音量上限値を決定する雑音量上限値決定部123と、光伝送装置及び各波長パスに対する光再生中継器のコストの合計を最小にする目的関数、組み合わせ候補から線形区間毎に光伝送装置の組み合わせを1つ選択する制約条件、並びに各波長パスに必要な光再生中継器数の条件をこの波長パスの累積雑音量と雑音量上限値とにより定める制約条件を有する整数計画問題を解く装置配置部129と、を備える。
【解決手段】ネットワーク設計装置100は、光ネットワーク情報を取得する情報取得部120と、光ネットワークを線形区間に分割する区間分割部121と、各線形区間内に配置する光伝送装置の組み合わせ候補を決定する組み合わせ候補決定部125、127、128と、各波長パス上で許される雑音量上限値を決定する雑音量上限値決定部123と、光伝送装置及び各波長パスに対する光再生中継器のコストの合計を最小にする目的関数、組み合わせ候補から線形区間毎に光伝送装置の組み合わせを1つ選択する制約条件、並びに各波長パスに必要な光再生中継器数の条件をこの波長パスの累積雑音量と雑音量上限値とにより定める制約条件を有する整数計画問題を解く装置配置部129と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ネットワークシステムを構成する各光伝送装置を局舎に配置するネットワーク設計装置、ネットワーク設計プログラム及びネットワーク設計方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、WDM(Wavelength Division Multiplexing:波長分割多重)ネットワークの分野においては、光信号のまま波長単位でトラフィックを分岐及び挿入し、及び経路の切り替えができるOADM(Optical Add Drop Multiplexer:光分岐挿入)装置や、たとえばWXC(Wavelength Cross Connect: 波長クロスコネクト)装置といった光ハブ装置が実現された。
これらの装置の実現によって、相互接続リングネットワークやメッシュネットワーク等の複雑なネットワークが構成可能となった。このように複雑化したネットワークにて伝送される光信号の雑音値やペナルティ値の設計及び光伝送装置の配置の最適化設計に対する要求が高まっている。
【0003】
WDMネットワークを設計する場合には、一般に、WDMシステムを構成する装置を配置可能な局舎に関する情報と局舎間を接続する光ファイバに関する情報とを含む光ネットワーク情報、およびWDMネットワークで伝送される波長パスに関する波長パス情報が与えられる。以下、WDMシステムを構成する光伝送装置のことを「WDM装置」と記載することがある。WDM装置は、たとえばOADM装置やILA(In-Line Amplifier:光増幅中継器)又は後述のバイパスなどを含む。
【0004】
波長パスの始点及び終点になる局舎にはOADM装置が配置され、その一方で他の局舎である中継局舎には、中継装置として使用するOADM装置や、ILAを配置することができる。OADM装置を中継装置として使用することにより、中継局舎において任意の波長パスを再生中継したり、WDM信号のチルト補償を行うことが可能となる。
また、中継局舎にOADM装置やILAを配置せずに光ファイバを単純接続するだけという運用も可能である。このように光ファイバが単純接続される局舎を、以下の説明において「バイパス局舎」と示すことがあり、また光ファイバを単純接続する中継手段のことを「バイパス」と示すことがある。
【0005】
一般に、局舎に配置するWDM装置のコストとこの局舎を経由するWDM信号の伝送品質とはトレードオフの関係にある。すなわちコストの高いWDM装置が配置されるとWDM信号の伝送品質が向上する。このため光ネットワーク上を伝送される各波長パスに必要な光再生中継器の数が減少する。一方で、コストが低いWDM装置の配置数を増やすと光再生中継器の数が増加する。
したがって、WDM装置と光再生中継器のコストの総和、すなわちネットワークを敷設する際の所要コストを最小化するネットワーク設計が必要とされる。
【0006】
従来のWDM装置の配置方法における具体的な手順は以下の通りである。
(1)ネットワークを、直線状或いはリング状のトポロジーを有する複数のサブネットワークへ分割する。
(2)各サブネットワーク毎にWDM装置のコストが最小となる配置を決定する。
【0007】
上述のとおり設計されたWDMネットワークではWDM装置の総コストが最小となる。
【0008】
なお、専用の迂回用光パスを設けず、障害が発生した光パスに流れていたトラヒックを他の現用光パスを用いて迂回させるように、整数計画法を用いて光ネットワークを設計する光ネットワークの設計法が提案されている。
また、複数の光伝送リンクが1つの光伝送装置を共用する光ネットワークにおいて、ネットワークコストを最小化する現用光パスと予備光パスの配備を、整数計画法を用いて決定する光ネットワーク設計法が提案されている。
【0009】
【特許文献1】特開2002−374283号公報
【特許文献2】特開2006−67067号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、上述した従来のWDM装置の配置方法によると、複数のサブネットワークにわたって経路が存在する波長パスが存在するとき、このような波長パスに対しても常にWDM装置が最適に配置されるわけではなく、WDM信号の品質劣化を補償するために光再生中継器の数を増やす必要がある。すなわち、従来のWDM装置の配置方法により決定した配置は、波長パスの分布状況によっては、ネットワーク全体の所要コストを最小にする配置にならない場合がある。
【0011】
ネットワーク全体の所要コストを最小にするように各局舎へ配置されるWDM装置の組み合わせを決定するには、各組み合わせについて、各波長パス毎に光再生中継器の必要数を適切に見積もる必要がある。しかし、この見積もりを適切に行うためには、OSNR(Optical Signal Noise Ratio:光信号対雑音比)に加え、PMD(Polarization Mode Dispersion:偏波モード分散)値やクロストーク値の影響といった伝送ペナルティが必要となる場合がある。OSNRや伝送ペナルティの値も、WDM装置の上記の組み合わせに依存するため、従来は、正確な光再生中継器数の見積もりが困難であった。
なお、ネットワーク中の各局舎へそれぞれ配置されるWDM装置の組み合わせ、すなわち各局舎へそれぞれWDM装置が配置された配置状態を「WDM装置構成」と示すことがある。
【0012】
一般に、ある局舎で受信した光信号について以下の式で与えられる受信OSNRが、光信号の信号種類に応じて定まる所定のOSNR耐力以上のときには、その光信号をその局舎へ伝送すること若しくはその局舎で受信することが可能である。
受信OSNR=OSNR−伝送ペナルティ
一方で、受信OSNRがOSNR耐力よりも小さいときは、伝送もしくは受信することができなくなるため、その光信号を伝送する前に光再生中継器により再生する必要がある。なお、OSNRの逆数である単位光パワー当たりの雑音量NOISEは線形値であり、あるOSNR[dB]が与えられると、
NOISE=10-(OSNR/10)
により表される。
【0013】
伝送ペナルティを考慮しない場合には、比較的容易に雑音量から光再生中継器の所要数を見積もることが可能であるが、伝送ペナルティを考慮したより精度が高い光再生中継器の所要数の見積もりは従来困難であった。
開示のネットワーク設計装置、ネットワーク設計プログラム及びネットワーク設計方法は、上記の問題点を解消するものであり、光ネットワークにおいて、光伝送装置と各波長パスに必要となる光再生中継器とを合わせた設置コストの総額を最適化したネットワーク設計を実現することを目的とする。
または、開示のネットワーク設計装置、ネットワーク設計プログラム及びネットワーク設計方法は、各波長パス毎に必要な光再生中継器の数を考慮しつつ、光伝送装置の配置を決定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、開示のネットワーク設計装置、ネットワーク設計プログラム及びネットワーク設計方法は、光ネットワークを線形区間に分割し、各線形区間内に配置される光伝送装置の種類の組み合わせ候補を決定し、各波長パス上で許される雑音量上限値を決定し、光ネットワークに配置される光伝送装置のコスト及び各波長パス毎に必要な数の光再生中継器に要するコストの合計を最小にする目的関数、線形区間毎に組み合わせ候補から光伝送装置の種類の組み合わせを1つずつ選択する制約条件、並びに各波長パスに必要な光再生中継器数の条件をその波長パス上で生じる累積雑音量とその波長パスの雑音量上限値とにより定める制約条件を有する整数計画問題を解くことにより、各線形区間内に配置される光伝送装置を決定する。
【発明の効果】
【0015】
開示のネットワーク設計装置、ネットワーク設計プログラム及びネットワーク設計方法により、光伝送装置と光再生中継器の配置に要する総コストを低減できるネットワーク設計が可能となる。また、各波長パスに要する光再生中継器の数を考慮したネットワーク設計が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付する図面を参照して実施例を説明する。図1は、設計対象となる光ネットワークを示す図である。図1に示す光ネットワーク200は、WDMシステムを構成するメッシュネットワークである。四角印は、光挿入分岐装置が配置される局舎を示している。光分岐挿入装置が配置される局舎は、たとえば波長パスの終端がある局舎である。丸印は、四角印にて示される局舎間でWDM光信号を中継する局舎を示している。点線両矢印は、光ネットワーク200における線形区間を示している。
【0017】
開示のネットワーク設計装置は、ネットワーク200における各線形区間を単位設計区間として、各単位設計区間の線形ネットワーク中の各局舎に配置される光伝送装置の組み合わせを決定する。
ネットワーク中の各局舎へそれぞれ配置される光伝送装置の組み合わせ、すなわち、これら各局舎への光伝送装置の配置のあり方やあり様のことを「光伝送装置構成」と示すことがある。
【0018】
点線矢印に示すように、線形区間は2つ以上の局舎が縦続に接続されることによって形成される区間であり、物理的に線形ではなく曲線的に接続されてもかまわない。たとえば線形区間202は局舎1〜4が縦続に接続されることによって形成され、線形区間203は局舎4〜6が縦続に接続されることによって形成され、線形区間204は局舎11〜18が縦続に接続されることによって形成されている。
線形区間202の始点及び終点である局舎1及び4、線形区間203の始点及び終点である局舎4及び6、線形区間204の始点及び終点である局舎11及び18には、光再生中継器を配置することができる光伝送装置が配置される。
【0019】
一点鎖線の矢印201で示される区間は、ネットワーク200上で伝送されるある波長パスの経路dが通過する区間を示す。波長パスdの始点及び終点はそれぞれ局舎1及び6であり、波長パスdの経路は、複数の線形区間202及び203に亘っている。
【0020】
図2は、各局舎に配置可能な光伝送装置の種類の一例を示す図である。図2の表300に示すように、各局舎に配置可能な光伝送装置の種類には、たとえばOADM310と、ILA320と、バイパス330と、がある。OADM310は、任意の波長信号に対して光再生中継器を配置可能な光伝送装置である。光再生中継器は、リアンプリフィケーション(Re Amplification)、リシェイピング(Re Shaping)及びリタイミング(Re Timing)を意味する3Rを行うことができる。
【0021】
ILA320およびバイパス330は、光再生中継器を配置することができない光伝送装置である。ILA320は、光信号を増幅するリアンプリフィケーションを意味する1Rのみを行うことができる。バイパス330は、光信号を通過させるのみの構成である。一般に、これら光伝送装置の設置に要するコストは、OADM310を配置するコストが最も高く、バイパス330を配置するコストが最も低く、ILA320を配置するコストは前二者の間である。
【0022】
一方、伝送品質については、バイパス330を配置した場合の伝送品質が最も悪く、OADM310を配置した場合の伝送品質が最も良く、ILA320を配置した場合の伝送品質は前二者の間である。したがって、原則として光伝送装置の設置に要するコストと伝送品質の間にはトレードオフの関係がある。
【0023】
図3は、図2に示すOADMの一例を示すブロック図である。図3に示すようにOADM400は、増幅器401と、分岐部402と、多重分離部403と、光再生中継器404及び405と、多重化部406と、WSS407と、増幅器408を備えている。増幅器401は、OADM400の外部から入力されたWDM光信号を増幅して分岐部402へ出力する。光再生中継器404は、必要に応じて、入力されたWDM光信号に含まれる波長パスのうち再生中継が必要な波長パスに対して設けられる。
【0024】
分岐部402は、増幅器401から出力されたWDM光信号を分岐して、分岐した各WDM光信号を多重分離部403及びWSS407へ出力する。多重分離部403は、分岐部402から出力されたWDM光信号を波長多重分離して、波長多重分離した各光信号をそれぞれ光再生中継器404及び405へ出力する。
【0025】
光再生中継器404及び405は、多重分離部403から出力された光信号を再生して多重化部406へ出力する。多重化部406は、光再生中継器404及び405からそれぞれ出力された各光信号を波長多重して、波長多重されたWDM光信号をWSS407へ出力する。
【0026】
WSS407(Wavelength Selective Switch:波長選択スイッチ)は、分岐部402から出力されたWDM光信号に含まれる各光信号と、多重化部406から出力されたWDM光信号に含まれる各光信号と、を選択及び合波して、選択及び合波により得られたWDM光信号を増幅器408へ出力する。またWSS407は、増幅器408へ出力するWDM光信号のレベル等化を行う機能も有する。増幅器408は、WSS407から出力されたWDM光信号を増幅してOADM400の外部へ出力する。
【0027】
図4は、図2に示すILAの一例を示すブロック図である。図4に示すようにILA500は、増幅器501と、VAT502と、増幅器503を、を備えている。ILA500は、入力されたWDM光信号に含まれる各光信号をまとめて増幅する。増幅器501には、ILA500の外部からWDM光信号が入力される。増幅器501は、外部から入力されたWDM光信号を増幅してVAT502へ出力する。
【0028】
VAT502(Variable Attenuator:光可変減衰器)は、増幅器501から出力されたWDM光信号を可変の減衰量によって減衰させることで、増幅器501から出力されたWDM光信号のパワーを制御する。VAT502は、パワーを制御したWDM光信号を増幅器503へ出力する。増幅器503は、VAT502から出力されたWDM光信号を増幅してILA500の外部へ出力する。
【0029】
図5は、図2に示すバイパスの一例を示すブロック図である。図5に示すように、バイパス600には、外部からWDM光信号が入力される。バイパス600は、WDM光信号が入力された光ファイバの出力端を、出力用の光ファイバの入力端に接続するコネクタ部601を備えている。これにより、バイパス600へ入力されたWDM光信号は、コネクタ部601を介して、そのままバイパス600の外部へ出力される。
なお、図3から図5では、図中左から右への1方路のみ示しているが、実際には同じ装置内に反対方向の方路のための同一の系がもう1つ存在する。
【0030】
図6は、CPUを用いて開示のネットワーク設計装置を実現した場合のハードウエア構成図である。ネットワーク設計装置100は、CPU101と、メモリ102と、ユーザからの操作やデータ入力を受け付けるキーボードやマウスなどであるユーザインタフェース103と、ディスプレイ装置などである表示部104と、ハードディスク105と、データ入力部106と、データ出力部107を備える。
【0031】
データ入力部106は、たとえばCD−ROMドライブ装置やDVD−ROMドライブ装置であってよい。またデータ入力部106及びデータ出力部107は、フレキシブルディスクドライブ装置、たとえばCD−Rドライブ装置や、DVD−Rドライブ装置、MOドライブ装置のようなリムーバブルディスクドライブ装置や、フラッシュメモリ装置へのアクセス装置又はネットワークインタフェース装置であってよい。
【0032】
データ入力部106は、後述する、ネットワーク設計装置100による光ネットワークの設計の処理に必要なWDM光ネットワーク情報を、ネットワーク設計装置100に入力するために使用される。
データ出力部107は、ネットワーク設計装置100による光ネットワークの設計の処理によって生成された設計データを出力するために使用される。
【0033】
ハードディスク105には、オペレーティングシステム(OS)110と、データ入力部106を介してインストールされたネットワーク設計プログラム112と、データ入力部106を介して入力されたWDM光ネットワーク情報113、各単位設計区間について後述するように生成された光伝送装置構成の候補を示すデータである装置構成候補データ114が格納される。
【0034】
図7は、図6に示すCPU101がネットワーク設計プログラム112を実行することにより実現されるネットワーク設計装置100のブロック図である。
図示するとおりネットワーク設計装置100は、情報取得部120、区間分割部121、パラメータ決定部123、装置構成決定部124、記憶部126、光再生中継器配置決定部115及び設計データ出力部116を備える。
なお、本実施例では、CPU101によるソフトウエア処理によってネットワーク設計装置100が実現される。しかし、ネットワーク設計装置100は、専用のハードウエア回路によって実現されてもよい。すなわち上記の情報取得部120、区間分割部121、パラメータ決定部123、装置構成決定部124、光再生中継器配置決定部115及び設計データ出力部116の一部又は全部は、それぞれ専用のハードウエア回路によって実現されてもよい。
【0035】
情報取得部120は、WDM光ネットワーク情報を取得する。WDM光ネットワーク情報は、ネットワークトポロジ情報、光伝送装置情報、スパン情報、波長パス情報を含む。
ネットワークトポロジ情報は、設計対象の光ネットワークを構成する局舎に関する情報や、各局舎間の接続の有無に関する情報を含む接続情報を含む。以下の説明において、ネットワーク設計装置100は、図1に示す光ネットワーク200を設計対象とすることとする。
光伝送装置情報は、各局舎に配置することができる光伝送装置の種類や機種に関する情報や、これらの光伝送装置の伝送路条件に関する情報や、各波長パスに用いる光再生中継器の機種に関する情報や、それらの装置の設置に要するコストに関する情報を含む。
光伝送装置の種類には、たとえばOADM装置やILA装置、バイパスを含む。また、伝送条件は、各光伝送装置を経由する光信号に生じる雑音量や伝送ペナルティ値を含む。伝送ペナルティ値には、たとえばPMD値やクロストーク値を含む。
【0036】
スパン情報は、隣接する局舎間を接続するファイバに依存する伝送路条件に関する情報を含む。伝送路条件は、たとえば隣接する局舎間を接続するファイバにより生じる雑音量や伝送ペナルティ値を含む。
波長パス情報は、光ネットワーク200を経由する波長パスに関する情報である。波長パス情報は、各波長パスの本数や、信号種類、始点及び終点となる局舎を指定する始点情報及び終点情報、経由する局舎を指定する経路情報を含む。各波長パスの信号種類は、たとえばビットレートである。
【0037】
区間分割部121は、ネットワークトポロジ情報によって与えられた光ネットワーク200を、線形区間である単位設計区間に分割する。
パラメータ決定部123は、開示のネットワーク設計方法で使用される各パラメータを決定する。このようなパラメータには、たとえば光ネットワーク200を経由する各波長パスに許容される雑音量上限値や伝送ペナルティ値の上限値が含まれる。これらパラメータの決定方法については後に説明する。
パラメータ決定部123は、特許請求の範囲に記載された雑音量上限値決定部に相当する。
【0038】
装置構成決定部124は、区間分割部121によって生成された各単位設計区間における光伝送装置構成の候補を決定する。装置構成決定部124は、光伝送装置構成の候補のうちから各単位設計区間毎に光伝送装置構成を1つずつ選択することによって、光ネットワーク200の光伝送装置構成を決定する。
【0039】
光再生中継器配置決定部115は、装置構成決定部124によって決定された光伝送装置構成内への光再生中継器の配置を決定する。光再生中継器配置決定部115は、装置構成決定部124によって決定された光伝送装置構成のうちの、光再生中継器を配置可能な光伝送装置のそれぞれに対して、必要な光再生中継器の配置を決定することによって、光ネットワーク200の光伝送装置構成及び光再生中継器の配置を定めた設計データを生成する。
設計データ出力部116は、装置構成決定部124によって決定された光伝送装置構成に関する情報と光再生中継器配置決定部115により決定された光再生中継器の配置に関する情報とを含む設計データを出力する。
【0040】
第1の実施例において装置構成決定部124は、光ネットワーク200の光伝送装置構成を決定する際に、光ネットワーク200に配置される光伝送装置のコスト及び光ネットワーク200上の波長パス毎に必要な数の光再生中継器に要するコストの合計を最小にする目的関数と、光伝送装置構成の候補の中から単位設計区間毎に1つずつ候補を選択するという制約条件と、並びに各波長パスに必要な光再生中継器数の条件を波長パス上で生じる累積雑音量と波長パスについて定めた雑音量上限値とにより定める制約条件と、を有する整数計画問題を解くことによって、光ネットワーク200の光伝送装置構成を決定する。
【0041】
すなわち装置構成決定部124は、次の式(1)により与えられる整数計画問題を解くことによって光ネットワーク200の光伝送装置構成を決定する。
【0042】
【数1】
【0043】
整数計画問題(1)の式(1−1)は、光ネットワーク200に配置される光伝送装置のコスト及び光ネットワーク200上の波長パス毎に必要な数の光再生中継器に要するコストの合計を最小にする目的関数に相当する。
また、式(1−2)は、光伝送装置構成の候補の中から単位設計区間毎に1つずつ候補を選択するという制約条件に相当する。
式(1−3)は、各波長パスに必要な光再生中継器数の条件を、波長パス上で生じる累積雑音量と波長パスについて定めた雑音量上限値とにより定める制約条件に相当する。
【0044】
式(1)において使用される各記号の意味は次のとおりである。
gh(h=1〜P)は、光ネットワーク200を分割して得られたP個の単位設計区間を示す。
【0045】
tiは、単位設計区間ghのいずれかについて決定された光伝送装置構成の候補を示す。光伝送装置構成の候補がM個決定されたとき、添字iは1、2…Mの値を有する。
si(i=1〜M)は、光伝送装置構成ti(i=1〜M)が光ネットワーク200の光伝送装置構成として選択されているか否かを示す2値変数である。光伝送装置構成tiが光ネットワーク200の光伝送装置構成として選択されているときsi=1であり、それ以外の場合にはsi=0である。
【0046】
dj(j=1〜N)は、光ネットワーク200上に構成される各波長パスを示す。jは、1、2…Nの値を有する。すなわち光ネットワーク200上に構成される波長パスdjは全部でN個である。
xj(j=1〜N)は、各波長パスdjに必要な光再生中継器の数を示す整数変数である。
【0047】
c(ti)は、光伝送装置構成tiの配置に要するコストを示す。
λ(dj)は、波長パスdjの本数を示す。
r(dj)は、波長パスdjの光再生中継器の配置に要する中継器1個当たりのコストを示す。
【0048】
T(gh,ti)は2値パラメータであり、光伝送装置構成tiが単位設計区間ghについて決定された光伝送装置構成の候補であるときT(gh,ti)=1であり,それ以外のときはT(gh,ti)=0である。
Nth(dj)は、波長パスdjについてパラメータ決定部123が定めた、雑音量上限値である。Nth(dj)は、波長パス情報によって与えられた各波長パスdjの信号種類に応じて定まるOSNR耐力に相当する雑音量である。
【0049】
n(dj,s1,s2,…sM)は、2値変数ベクトル(s1,s2,…sM)によって指定される各単位設計区間内の光伝送装置構成の選択状態に応じて、波長パスdjが経由する経路上に生じる累積雑音量であり、次の式(2)にて与えられる。
【0050】
【数2】
【0051】
式(2)において使用される各記号の意味は次のとおりである。
Re(dj,ti)は2値パラメータであり、光伝送装置構成tiを候補とする単位設計区間ghを波長パスdjが経由し、かつ単位設計区間ghについて予め定めた基準方向と波長パスdjの伝送方向が同じである場合にRe(dj,ti)=0となり、それ以外の場合にRe(dj,ti)=1となる。
I(dj,ti)は2値パラメータであり、光伝送装置構成tiを候補とする単位設計区間ghを波長パスdjが経由する場合にI(dj,ti)=1となり、それ以外の場合にI(dj,ti)=0となる。
【0052】
nf(ti)は、光伝送装置構成tiを候補とする単位設計区間ghの光伝送装置構成としてtiが選択された場合に、この単位設計区間ghを上記の基準方向と同じ方向に伝送する際に波長パスに生じる雑音量を示す。
nr(ti)は、光伝送装置構成tiを候補とする単位設計区間ghの光伝送装置構成としてtiが選択された場合に、この単位設計区間ghを上記の基準方向と反対方向に伝送する際に波長パスに生じる雑音量を示す。
nf(ti)及びnr(ti)の値は、スパン情報によって与えられた、隣接局舎間に生じる光信号強度の伝送損失量と、光伝送装置情報によって与えられた、光伝送装置構成tiを構成する各光伝送装置を経由する光信号に生じる雑音量と、によって決定される。
【0053】
第2の実施例において装置構成決定部124は、光ネットワーク200の光伝送装置構成を決定する際に、式(1)によって与えられる整数計画問題に、各波長パスに必要な光再生中継器数の条件を、波長パス上で生じる伝送ペナルティの累積値と波長パスについて定めた伝送ペナルティの上限値とにより定める制約条件を加えた、以下の整数計画問題(3)を解くことによって、光ネットワーク200の光伝送装置構成を決定する。
また、整数計画問題(1)において使用される雑音量上限値Nth(dj)の代わりに、伝送ペナルティを考慮した雑音量上限値Nth’(dj)を使用する。
【0054】
【数3】
【0055】
整数計画問題(3)の式(3−1)は、光ネットワーク200に配置される光伝送装置のコスト及び光ネットワーク200上の波長パス毎に必要な数の光再生中継器に要するコストの合計を最小にする目的関数に相当する。
また、式(3−2)は、光伝送装置構成の候補の中から単位設計区間毎に1つずつ候補を選択するという制約条件に相当する。
式(3−3)は、各波長パスに必要な光再生中継器数の条件を、波長パス上で生じる累積雑音量と波長パスについて定めた雑音量上限値とにより定める制約条件に相当する。
【0056】
式(3−41)、(3−42)〜(3−4R)は、各波長パスに必要な光再生中継器数の条件を、波長パス上で生じる伝送ペナルティの累積値と波長パスについて定めた伝送ペナルティの上限値とにより定める制約条件に相当する。
考慮すべき伝送ペナルティの種類は複数であってもよい。たとえば伝送ペナルティとして、PMD値とクロストーク値とからなる2種類の伝送ペナルティを考慮してもよい。制約条件(3−41)、(3−42)〜(3−4R)のうちk番目の制約条件(3−4k)は、R個ある考慮すべき伝送ペナルティの種類のうちの、第k番目の種類の伝送ペナルティついて定めた制約条件である。
【0057】
式(3)において使用される各記号の意味を以下に説明する。なお、式(1)及び(2)に現れる項と同じ項には同じ記号を使用している。式(1)及び(2)に現れる記号と同じ記号については説明を省略する。
【0058】
Pthk(dj)は、波長パスdjについてパラメータ決定部123が定めた、第k番目の種類の伝送ペナルティの上限値である。Pthk(dj)は、波長パス情報によって与えられた各波長パスdjの信号種類に応じて一意に定まる値である。
pk(dj,s1,s2,…sM)は、2値変数ベクトル(s1,s2,…sM)によって指定される各単位設計区間内の光伝送装置構成の選択状態に応じて、波長パスdjが経由する経路上に生じる、第k番目の種類の伝送ペナルティの累積値であり、次の式(4)にて与えられる。
【0059】
【数4】
【0060】
pfkj(ti)は、光伝送装置構成tiを候補とする単位設計区間ghの光伝送装置構成としてtiが選択された場合に、この単位設計区間ghを上記の基準方向と同じ方向に伝送する際に、波長パスdjの信号種類と同じ種類の波長パスに生じる、第k番目の種類の伝送ペナルティ量を示す。
prkj(ti)は、光伝送装置構成tiを候補とする単位設計区間ghの光伝送装置構成としてtiが選択された場合に、この単位設計区間ghを上記の基準方向と反対方向に伝送する際に、波長パスdjの信号種類と同じ種類の波長パスに生じる、第k番目の種類の伝送ペナルティ量を示す。
pfkj(ti)及びprkj(ti)の値は、波長パス情報によって与えられた各波長パスdjの信号種類と、スパン情報によって与えられた、波長パスdjの信号種類に対して隣接局舎間に生じる伝送ペナルティ量と、光伝送装置情報によって与えられた、光伝送装置構成tiを構成する各光伝送装置を経由する波長パスdjの信号種類の光信号に生じる伝送ペナルティ量と、によって決定される、単位設計区間ごとに線形加算可能な値である。たとえば、偏波モード分散PMDの場合、経路上で発生するTotal PMD[ps]の2乗が線形加算可能なパラメータである。
【0061】
Nth’(dj)は、波長パスdjについての雑音量上限値である。パラメータ決定部123は、以下の3種類の決定方法のうちいずれか1つによって雑音量上限値Nth’(dj)を決定する。
【0062】
(雑音量上限値Nth’(dj)の決定方法の第1例)
本決定方法では、パラメータ決定部123は、各種類毎の伝送ペナルティの上限値Pthk(dj)と、各波長パスdjの信号種類に応じて定まるOSNR耐力とに基づいて雑音量上限値Nth’(dj)を決定する。
パラメータ決定部123は、OSNR耐力に、伝送ペナルティの上限値Pthk(dj)から算出されるOSNRに対する劣化成分を加えて得られる次式(5)に示すOSNR下限値を決定し、OSNR下限値に相当する雑音量を、雑音量上限値Nth’(dj)として決定する。式(5)において、fkj(Pthk(dj))は、波長パスdjに対する第k番目の伝送ペナルティの上限値Pthk(dj)から、第k番目の種類の伝送ペナルティによる、OSNRに対する劣化成分を算出する関数である。
【0063】
【数5】
【0064】
(雑音量上限値Nth’(dj)の決定方法の第2例)
本決定方法では、パラメータ決定部123は、OSNR耐力と、各種類毎の伝送ペナルティの上限値Pthk(dj)と、各波長パスdj上において取りうる各種類毎の伝送ペナルティの累積値の最大値Pmaxk(dj)とに基づいて雑音量上限値Nth’(dj)を決定する。
パラメータ決定部123は、上限値Pthk(dj)及び最大値Pmaxk(dj)のうち小さい方から算出されるONSRに対する劣化成分を、OSNR耐力に加えて得られる次式(6)に示すOSNR下限値を決定し、OSNR下限値に相当する雑音量を雑音量上限値Nth’(dj)として決定する。
【0065】
【数6】
【0066】
(雑音量上限値Nth’(dj)の決定方法の第3例)
本決定方法では、パラメータ決定部123は、OSNR耐力と、各波長パスdjについて見積もられた光再生中継器の必要最小数REGmin(dj)と、各種類毎の伝送ペナルティの上限値Pthk(dj)と、各波長パスdj上において取りうる各種類毎の伝送ペナルティの累積値の最大値Pmaxk(dj)とに基づいて雑音量上限値Nth’(dj)を決定する。
【0067】
パラメータ決定部123は、各波長パスdj上において取りうる伝送ペナルティの累積値の最小値Pmink(dj)を伝送ペナルティの上限値Pthk(dj)で除した数より小さく、かつ最大の整数値
【0068】
【数7】
【0069】
のうち、R種類ある伝送ペナルティの間で最大の値
【0070】
【数8】
【0071】
を各波長パスdjについて見積もられた光再生中継器の必要最小数REGmin(dj)と、して決定する。
パラメータ決定部123は、光再生中継器の必要最小数REGmin(dj)に1を加えた値を、必要最小数の光再生中継器によって波長パスdjを分割した区間数(REGmin(dj)+1)と決定する。
【0072】
パラメータ決定部123は、次の式(7)に示すように、各波長パスdj上において取りうる伝送ペナルティの累積値の最大値Pmaxk(dj)を区間数(REGmin(dj)+1)で除した値と、伝送ペナルティの上限値Pthk(dj)のうち小さい方から算出されるONSRに対する劣化成分を、OSNR耐力に加えることにより、OSNR下限値を決定する。パラメータ決定部123は、このOSNR下限値に相当する雑音量を雑音量上限値Nth’(dj)として決定する。
【0073】
【数9】
【0074】
本決定方法によれば、光再生中継器で分割される最小数の区間に分配されたときの伝送ペナルティの各区間内の最大値が見積もられるため、より適切な雑音量上限値を見積もることができる。
【0075】
たとえば、伝送ペナルティとして、偏波モード分散による伝送ペナルティPMDと、クロストークによる伝送ペナルティXTとからなる2種類の伝送ペナルティを考慮すると仮定する。また、簡単のため、各伝送ペナルティ量[dB]が線形加算可能であり、fkj(Pthk(dj))=Pthk(dj)であると仮定する。
また、ある波長パスdj上におけるPMDの上限値が3[dB]であり、累積値の最大値が1[dB]であり、累積値の最小値が0[dB]であると仮定する。同様にこの波長パスdj上におけるXTの上限値が2[dB]であり、累積値の最大値が5[dB]であり、累積値の最小値が4.5[dB]であると仮定する。
そして、波長パスdjのOSNR耐力が16[dB]であると仮定する。
【0076】
雑音量上限値Nth’(dj)の決定方法の第1例によれば、OSNR下限値は16+3+2=21[dB]となり、21[dB]であるOSNR下限値に相当する雑音量が、雑音量上限値Nth’(dj)として決定される。
【0077】
雑音量上限値Nth’(dj)の決定方法の第2例によれば、OSNR下限値は16+1+2=19[dB]となり、19[dB]であるOSNR下限値に相当する雑音量が、雑音量上限値Nth’(dj)として決定される。
【0078】
雑音量上限値Nth’(dj)の決定方法の第3例によれば、光再生中継器の必要最小数REGmin(dj)は、最小値の値がより大きいXTの最小値4.5[dB]と上限値2[dB]によって、int(4.5/2)=2個となる。これによって波長パスdjは、再生中継器によって少なくとも3つの区間に分割される。
PMD及びXTの最大値を3で除した値1/3及び5/3は、いずれもそれぞれの上限値よりも小さいため、OSNR下限値は16+1/3+5/3=18[dB]となり、18[dB]であるOSNR下限値に相当する雑音量が、雑音量上限値Nth’(dj)として決定される。
【0079】
なお、第1の実施例においても、上記のとおり第2の実施例の制約式(3−3)にて使用した雑音量上限値Nth’(dj)を、制約式(1−3)の雑音量上限値Nth(dj)の代わりに使用して、上記の制約式(1−3)を定めてもよい。
また、第2の実施例においても、上記のとおり第1の実施例の制約式(1−3)にて使用した雑音量上限値Nth(dj)を、制約式(3−3)の雑音量上限値Nth’(dj)の代わりに使用して、上記の制約式(3−3)を定めてもよい。
【0080】
図7に示す装置構成決定部124は、次の手順により式(1)又は(3)により与えられる整数計画問題を解く。
(手順1)
式(1)又は(3)における2値変数si(i=1〜M)及び整数変数xj(j=1〜N)を実数変数とした緩和問題を解くことによって、制約条件(1−2)及び(1−3)、又は制約条件(3−2)、(3−3)及び(3−41)から(3−4R)に関する双対価格ベクトルを求める。
【0081】
制約条件(1−2)及び(3−2)に関する双対価格ベクトルをπg=(πg1,πg2…πgP)と記す。
制約条件(1−3)及び(3−3)に関する双対価格ベクトルをπn=(πn1,πn2…πnN)と記す。
制約条件(3−4k)に関する双対価格ベクトルをπpk=(πpk1,πpk2…πpkN)と記す(k=1〜R)。
【0082】
(手順2)
装置構成決定部124は、双対価格ベクトルの値に基づいて決定された被約費用の算出式にしたがって、各単位設計区間について、被約費用の値が負となる新たな光伝送装置構成の候補t’を探索する。
式(1)により与えられる整数計画問題を解く場合には、光伝送装置構成の候補t’についての被約費用RC(t’)は、次の式(8)により与えられる。
【0083】
【数10】
【0084】
なおπg'は、双対価格ベクトルπgにおける、光伝送装置構成t’を光伝送装置構成の候補とする単位設計区間g’に対する成分である。
また、式(3)により与えられる整数計画問題を解く場合には、光伝送装置構成の候補t’についての被約費用RC(t’)は、次の式(9)により与えられる。
【0085】
【数11】
【0086】
(手順3)
装置構成決定部124は、被約費用の値が負となる新たな光伝送装置構成の候補t’が見つからなくなったとき、それまでに発見された光伝送装置構成の候補について定めた式(1)又は(3)に示す整数計画問題を緩和しないで解決し、発見された光伝送装置構成の候補のうちから、各単位設計区間毎に1つずつ光伝送装置構成を選択することによって、光ネットワーク200の光伝送装置構成を決定する。
【0087】
図7に示す装置構成決定部124は、初期候補生成部125と、緩和問題解決部127と、追加候補探索部128と、整数計画問題解決部129を備える。
初期候補生成部125、緩和問題解決部127及び追加候補探索部128は、特許請求の範囲に記載される組み合わせ候補決定部に相当する。
整数計画問題解決部129は、特許請求の範囲に記載される装置配置部に相当する。
【0088】
緩和問題解決部127は、記憶部126に格納された装置構成候補データ114を読み込み、装置構成候補データ114が示す光伝送装置構成の候補について定めた式(1)又は(3)に示す整数計画問題の緩和問題を解決して、双対価格ベクトルを決定する。
【0089】
初期候補生成部125は、緩和問題解決部127による処理に先立って、各単位設計区間について、制約条件(1−3)又は(3−3)、(3−41)〜(3−4R)を満たす光伝送装置構成の候補を少なくとも1つ生成し、記憶部126に格納する。
追加候補探索部128は、緩和問題解決部127が決定した双対価格ベクトルの値に基づいて決定された被約費用の算出式にしたがって、各単位設計区間について、被約費用の値が負となる新たな光伝送装置構成の候補t’を探索する。追加候補探索部128は、発見した新たな候補t’を装置構成候補データ114に追加する。
整数計画問題解決部129は、記憶部126に格納された、初期候補生成部125及び追加候補探索部128により決定された候補を含む装置構成候補データ114を読み込み、装置構成候補データ114が示す光伝送装置構成の候補について定めた式(1)又は(3)に示す整数計画問題を緩和しないで解決することにより、光ネットワーク200の光伝送装置構成を決定する。
【0090】
以下、図7に示す各部の構成及び各部が行う処理について説明する。図8は、図7に示すパラメータ決定部123のブロック図である。
パラメータ決定部123は、ペナルティ上限値決定部130と、単位設計区間内ペナルティ上限値決定部131と、累積ペナルティ決定部132と、雑音量上限値決定部133と、単位設計区間内雑音量上限値決定部134を備える。
【0091】
ペナルティ上限値決定部130は、波長パス情報によって与えられる各波長パスdjの信号種類に応じて、各波長パスdj毎かつ各伝送ペナルティの種類k毎に、伝送ペナルティ上限値Pthk(dj)を決定する。
【0092】
単位設計区間内ペナルティ上限値決定部131は、ペナルティ上限値決定部130から伝送ペナルティ上限値Pthk(dj)を入力する。単位設計区間内ペナルティ上限値決定部131は、それぞれの単位設計区間を経由する波長パスdjについて決定された伝送ペナルティ上限値Pthk(dj)(j=1〜N)のうち、最も小さな値を、単位設計区間内ペナルティ上限値として、各単位設計区間毎かつR種類の伝送ペナルティ毎に選択する。
【0093】
単位設計区間内ペナルティ上限値決定部131は、単位区間の経路の伝送方向のそれぞれについて単位設計区間内ペナルティ上限値を決定する。すなわち局舎Aから局舎Bまで亘る単位区間に対して、単位設計区間内ペナルティ上限値決定部131は、局舎Aから局舎Bへの伝送路における単位設計区間内ペナルティ上限値と、局舎Bから局舎Aへの伝送路における単位設計区間内ペナルティ上限値とをそれぞれ決定する。
k番目の種類の伝送ペナルティについて、単位設計区間ghのそれぞれの伝送方向について決定された単位設計区間内ペナルティ上限値をPth1k(gh)及びPth2k(gh)(k=1〜R,h=1〜P)と記す。
【0094】
累積ペナルティ決定部132は、各波長パスdj上において取りうる伝送ペナルティの累積値の最大値Pmaxk(dj)、又は各波長パスdj上において取りうる伝送ペナルティの累積値の最大値Pmaxk(dj)及び最小値Pmink(dj)を決定する。累積ペナルティ決定部132による処理の内容は後述する。
【0095】
雑音量上限値決定部133は、上述の雑音量上限値Nth(dj)又はNth’を決定する。
雑音量上限値Nth(dj)を決定するときは、雑音量上限値決定部133は、波長パス情報によって与えられた各波長パスdjの信号種類に応じて定まるOSNR耐力に相当する雑音量を雑音量上限値Nth(dj)として決定する。
【0096】
上式(5)に従って、雑音量上限値Nth’(dj)を決定するときは、雑音量上限値決定部133は、波長パス情報によって与えられた各波長パスdjの信号種類に応じて定まるOSNR耐力と、ペナルティ上限値決定部130が決定した伝送ペナルティ上限値Pthk(dj)に応じて雑音量上限値Nth’(dj)を決定する。
【0097】
上式(6)に従って、雑音量上限値Nth’(dj)を決定するときは、雑音量上限値決定部133は、波長パス情報によって与えられた各波長パスdjの信号種類に応じて定まるOSNR耐力と、ペナルティ上限値決定部130が決定した伝送ペナルティ上限値Pthk(dj)と、累積ペナルティ決定部132が決定した伝送ペナルティの累積値の最大値Pmaxk(dj)と、に応じて雑音量上限値Nth’(dj)を決定する。
【0098】
上式(7)に従って、雑音量上限値Nth’(dj)を決定するときは、雑音量上限値決定部133は、波長パス情報によって与えられた各波長パスdjの信号種類に応じて定まるOSNR耐力と、ペナルティ上限値決定部130が決定した伝送ペナルティ上限値Pthk(dj)と、累積ペナルティ決定部132が決定した伝送ペナルティの累積値の最大値Pmaxk(dj)及び最小値Pmink(dj)と、に応じて雑音量上限値Nth’(dj)を決定する。
【0099】
単位設計区間内雑音量上限値決定部134は、雑音量上限値決定部133から出力される雑音量上限値Nth(dj)又はNth’(dj)を入力する。単位設計区間内雑音量上限値決定部134は、各単位設計区間毎に、それぞれの単位設計区間を経由する波長パスdjについて決定された雑音量上限値のうち、最も小さな値を、単位設計区間内雑音両上限値として選択する。
【0100】
単位設計区間内雑音量上限値決定部134は、単位区間の経路の伝送方向のそれぞれについて単位設計区間内雑音量上限値を決定する。すなわち局舎Aから局舎Bまで亘る単位区間に対して、単位設計区間内雑音量上限値決定部134は、局舎Aから局舎Bへの伝送路における単位設計区間内雑音量上限値と、局舎Bから局舎Aへの伝送路における単位設計区間内雑音量上限値とをそれぞれ決定する。
単位設計区間ghのそれぞれの伝送方向について決定された単位設計区間内雑音量上限値をNth1(gh)及びNth2(gh)(h=1〜P)と記す。
【0101】
累積ペナルティ決定部132は、パス内グラフ生成部140と、パス内ノード探索部141と、累積値計算部142を備える。パス内グラフ生成部140は、情報所得部120から得た情報に基づいて、波長パスdjが経由する各局舎に配置される各種の光伝送装置の候補にそれぞれ対応する各ノードと、伝送ペナルティに対応付けられ各ノードを接続する各リンクと、からなるループのない有向のグラフ情報を生成する。
【0102】
パス内グラフ生成部140は、第1ノード候補生成部143と、第1リンク生成部144と、ペナルティ決定部145を備えている。第1ノード候補生成部143は、光伝送装置情報に基づいて、各局舎について、配置可能な各種の光伝送装置に対応する1つ以上のノードを生成する。
【0103】
たとえば、波長パスdjが経由する区間に局舎1及び局舎2が含まれていたとする。局舎1に光伝送装置Aまたは光伝送装置Bが配置可能な場合は、第1ノード候補生成部143は、局舎1に光伝送装置Aを配置する場合に対応するノード1Aと、局舎1に光伝送装置Bを配置する場合に対応するノード1Bと、を生成する。
【0104】
また、局舎2に光伝送装置Aのみが配置可能な場合は、第1ノード候補生成部143は、局舎2に光伝送装置Aを配置する場合に対応するノード2Aを生成する。第1ノード候補生成部143は、生成した各ノードを第1リンク生成部144へ出力する。このように第1ノード候補生成部143は、波長パスdjが経由する区間内の各局舎にそれぞれ対応する1つ以上のノードを生成する。
【0105】
第1リンク生成部144は、第1ノード候補生成部143から出力された各ノードについて、当該ノードに対応する局舎よりも前段の局舎に対応するノードからの入力リンクを生成する。たとえば局舎1に対応するノード1A及びノード1Bと、局舎1の後段の局舎2に対するノード2Aと、があった場合には、第1リンク生成部144は、ノード1Aからノード2Aへの入力リンクと、ノード1Bからノード2Aへの入力リンクとを生成する。
【0106】
第1リンク生成部144は、第1ノード候補生成部143から出力された各ノードと、生成した各入力リンクと、をペナルティ決定部145へ出力する。
ペナルティ決定部145は、波長パス情報によって与えられた各波長パスdjの信号種類と、スパン情報によって与えられた、波長パスdjの信号種類に対して隣接局舎間に生じる伝送ペナルティ量と、光伝送装置情報によって与えられた、各種の光伝送装置を経由する波長パスdjの信号種類の光信号に生じる伝送ペナルティ量と、に基づいて、第1リンク生成部144から出力された各入力リンクについて、それぞれの入力リンクを選択した場合に波長パスdjに生じる伝送ペナルティ量を、伝送ペナルティの種類毎に決定する。
【0107】
ペナルティ決定部145は、たとえば、ノード1Aからノード2Aへの入力リンクについて、この入力リンクを選択した場合に波長パスdjに生じる伝送ペナルティ量を算出する。
また、ペナルティ決定部145は、ノード1Bからノード2Aへの入力リンクについて、この入力リンクを選択した場合に波長パスdjに生じる伝送ペナルティ量を算出する。
ペナルティ決定部145は、第1ノード候補生成部143から出力された各ノードと、第1リンク生成部144から出力された各入力リンクと、算出した各伝送ペナルティ量を、パス内ノード探索部141へ出力する。
【0108】
累積ペナルティ決定部132が伝送ペナルティの累積値の最大値Pmaxk(dj)を決定するとき、パス内ノード探索部141は、パス内グラフ生成部140から出力されたグラフ情報において、伝送ペナルティの累積値が最大となる配置に対応する経路を、伝送ペナルティの種類毎に探索する。
また、累積ペナルティ決定部132が伝送ペナルティの累積値の最小値Pmink(dj)、を決定するとき、パス内ノード探索部141は、パス内グラフ生成部140から出力されたグラフ情報において、伝送ペナルティの累積値が最小となる配置に対応する経路を、伝送ペナルティの種類毎に探索する。
【0109】
パス内ノード探索部141は、第1リンク選択部146と、第1ノード決定部147を備える。第1リンク選択部146は、パス内グラフ生成部140から出力された各ノードについての入力リンクを選択する。第1リンク選択部146は、第1ノード候補生成部143によって生成された各ノードについて、当該ノードに対して第1リンク生成部144によって生成された各入力リンクのうちのいずれかを選択する。
【0110】
累積ペナルティ決定部132が伝送ペナルティの累積値の最大値Pmaxk(dj)、を決定する場合には、第1リンク選択部146は、その入力リンクを選択した場合に対象ノードまでに累積される伝送ペナルティが最大となる入力リンクを選択する。
一方で、累積ペナルティ決定部132が伝送ペナルティの累積値の最小Pmink(dj)を決定する場合には、第1リンク選択部146は、その入力リンクを選択した場合に当該ノードまでに累積される伝送ペナルティが最小となる入力リンクを選択する。
【0111】
たとえば、当該ノード2Aへの入力リンクが、ノード1Aからの入力リンク(1A,2A)及びノード1Bからの入力リンク(1B,2A)であり、ノード1A及びノード1Bまでに累積される伝送ペナルティが、それぞれPNacc(1A)及びPNacc(1B)であり、入力リンク(1A,2A)及び入力リンク(1B,2A)を選択した場合に生じる伝送ペナルティがPN(1A,2A)、PN(1B,2A)であったとする。
【0112】
この場合は、第1リンク選択部146は、当該ノード2Aについて、入力リンク(1A,2A)を選択した場合にノード2Aまでに累積されるPNacc(1A)+PN(1A,2A)と、入力リンク(1B,2A)を選択した場合にノード2Aまでに累積されるPNacc(1B)+PN(1B,2A)を比較する。
累積ペナルティ決定部132が最大値Pmaxk(dj)を決定する場合には、第1リンク選択部146は、前者が大きければ入力リンク(1A,2A)を選択し、後者が大きければ入力リンク(1B,2A)を選択する。
一方で、累積ペナルティ決定部132が最小Pmink(dj)を決定する場合には、第1リンク選択部146は、前者が小さければ入力リンク(1A,2A)を選択し、後者が小さければ入力リンク(1B,2A)を選択する。
【0113】
第1リンク選択部146は、ペナルティ決定部145が算出した各伝送ペナルティ量と、各ノードについて選択した入力リンクを第1ノード決定部147に出力する。
【0114】
第1ノード決定部147は、第1リンク選択部146から出力された各入力リンクの始点ノードに基づいて、波長パスdjが経由する区間内の各局舎に対する各種の光伝送装置の配置を決定する。たとえば、第1リンク選択部146から出力された各入力リンクのそれぞれの始点ノードがノード1A,ノード2B,ノード3A…であった場合は、第1ノード決定部147は、各局舎に対する各種の光伝送装置の配置を、ノード1A,ノード2B,ノード3A…に対応する光伝送装置の配置に決定する。
【0115】
第1ノード決定部147は、決定した各ノードと、ペナルティ決定部145が算出した各伝送ペナルティ量とを累積値計算部142へ出力する。
累積値計算部142は、第1ノード決定部147が決定した各ノードを通過する経路に沿って累積する伝送ペナルティを、伝送ペナルティの種類毎に決定し、雑音量上限値決定部133に出力する。
【0116】
図9は、図7に示す初期候補生成部125のブロック図である。初期候補生成部125は、第1単位設計区間内グラフ生成部150と、第1単位設計区間内ノード探索部151とを備える。
第1単位設計区間内グラフ生成部150は、情報所得部120から得た情報と、区間分割部121がネットワーク200を分割して生成した各単位設計区間ghに関する情報に基づいて、各単位設計区間ghに配置される各種の光伝送装置の候補にそれぞれ対応する各ノードと、伝送ペナルティに対応付けられ各ノードを接続する各リンクと、からなるループのない有向のグラフ情報を生成する。
【0117】
第1単位設計区間内グラフ生成部150は、第2ノード候補生成部152と、第2リンク生成部153と、コスト決定部154と、伝送劣化量決定部155、を備えている。
第2ノード候補生成部152は、光伝送装置情報に基づいて、各単位設計区間ghの各局舎について、配置可能な各種の光伝送装置に対応する1つ以上のノードを生成する。
【0118】
たとえば、単位設計区間ghに局舎1および局舎2が含まれているとする。局舎1に光伝送装置Aまたは光伝送装置Bが配置可能な場合は、第2ノード候補生成部152は、局舎1に光伝送装置Aを配置する場合に対応するノード1Aと、局舎Aに光伝送装置Bを配置する場合に対応するノード1Bと、を生成する。
【0119】
また、局舎2に光伝送装置Aのみが配置可能な場合は、第2ノード候補生成部152は、局舎2に光伝送装置Aを配置する場合に対応するノード2Aを生成する。第2ノード候補生成部152は、生成した各ノードを第2リンク生成部153へ出力する。
【0120】
第2リンク生成部153は、第2ノード候補生成部152から出力された各ノードについて、当該ノードに対応する局舎よりも前段の局舎に対応するノードからの入力リンクを生成する。たとえば局舎1に対応するノード1A及びノード1Bと、局舎1の後段の局舎2に対するノード2Aと、があった場合には、第2リンク生成部153は、ノード1Aからノード2Aへの入力リンクと、ノード1Bからノード2Aへの入力リンクとを生成する。
第2リンク生成部153は、第2ノード候補生成部152から出力された各ノードと、生成した各入力リンクと、をコスト決定部154及び伝送劣化量決定部155へ出力する。
【0121】
コスト決定部154は、光伝送装置情報によって与えられた各種の光伝送装置のコストに基づいて、第2リンク生成部153から出力された各入力リンクについて、各入力リンクを選択した場合のコストを算出する。たとえば算出されるコストは、各局舎に配置する光伝送装置のコストとしてよい。
【0122】
コスト決定部154は、たとえば、ノード1Aからノード2Aへの入力リンクについて、この入力リンクを選択した場合に生じるコストを算出する。またコスト決定部154は、ノード1Bからノード2Aへの入力リンクについて、この入力リンクを選択した場合に生じるコストを算出する。
【0123】
伝送劣化量決定部155は、スパン情報によって与えられた隣接局舎間に生じる雑音量及び伝送ペナルティ量と、光伝送装置情報によって与えられた、各種の光伝送装置を経由する光信号に生じる雑音量及び伝送ペナルティ量に基づいて、第2リンク生成部153から出力された各入力リンクについて、それぞれの入力リンクを選択した場合に生じる、伝送劣化量、すなわち、雑音量と伝送ペナルティの種類毎の伝送ペナルティ量を決定する。
【0124】
伝送劣化量決定部155は、たとえば、ノード1Aからノード2Aへの入力リンクについて、この入力リンクを選択した場合に生じる雑音量及び伝送ペナルティをそれぞれ算出する。また伝送劣化量決定部155は、ノード1Bからノード2Aへの入力リンクについて、この入力リンクを選択した場合に生じる雑音量及び伝送ペナルティをそれぞれ算出する。
【0125】
伝送劣化量決定部155は、入力リンクの入力方向の順方向と逆方向のそれぞれについて雑音量と伝送ペナルティ量を決定する。局舎Aから局舎Bへ入力する入力リンクに対して、伝送劣化量決定部155は、局舎Aから局舎Bへの経路上で生じる雑音量及び伝送ペナルティ量と、局舎Bから局舎Aへの経路上で生じる雑音量及び伝送ペナルティ量とをそれぞれ決定する。
【0126】
伝送劣化量決定部155は、第2ノード候補生成部152から出力された各ノードと、第2リンク生成部153から出力された各入力リンクと、算出した伝送劣化量を、第1単位設計区間内ノード探索部151へ出力する。
またコスト決定部154は、算出したコストを第1単位設計区間内ノード探索部151へ出力する。
【0127】
第1単位設計区間内ノード探索部151は、第1単位設計区間内グラフ生成部150から出力されたグラフ情報において、光再生中継器を配置可能な装置が配置された隣接局者間の伝送劣化量がそれぞれの上限値以下となり、コストが最小となる配置に対応する経路を探索する。第1単位設計区間内ノード探索部151は、第2リンク選択部156と、第2ノード決定部157を有する。第2リンク選択部156は、第1単位設計区間内グラフ生成部150から出力された各ノードについて入力リンクを選択する。
【0128】
第2リンク選択部156は、第2ノード候補生成部152によって生成された各ノードについて、対象のノードに対応して第2リンク生成部153によって生成された各入力リンクのうちのいずれかを選択する。このとき、第2リンク選択部156は、その入力リンクを選択した場合に対象のノードまでに累積されるコストが最小となる入力リンクを選択する。
【0129】
たとえば、対象のノード2Aへの入力リンクがノード1Aからの入力リンク(1A,2A)およびノード1Bからの入力リンク(1B,2A)であり、ノード1Aおよびノード1Bまでに累積される各コストがCOSTacc(1A)およびCOSTacc(1B)であり、入力リンク(1A,2A)および入力リンク(1B,2A)を選択した場合の各コストがCOST(1A,2A)およびCOST(1B,2A)であるとする。
【0130】
この場合は、第2リンク選択部156は、対象のノード2Aについて、入力リンク(1A,2A)を選択した場合にノード2Aまでに累積されるCOSTacc(1A)+COST(1A,2A)と、入力リンク(1B,2A)を選択した場合にノード2Aまでに累積されるCOSTacc(1B)+COST(1B,2A)と、を比較し、前者が小さければ入力リンク(1A,2A)を選択し、後者が小さければ入力リンク(1B,2A)を選択する。
【0131】
また、第2リンク選択部156は、対象のノードについて第1単位設計区間内グラフ生成部150から出力された各入力リンクのうちの、その入力リンクを選択した場合に、対象のノードに対応する局舎より後段の局舎に対応する各ノードのうちの光再生中継器を配置可能な光伝送装置に対応するノード(以下、「後段光再生ノード」という)までに累積される各伝送劣化量がすべて閾値以下となる入力リンクから、コストが最小となる入力リンクを選択する。
【0132】
たとえば、ノード2Aに対応する局舎2の後段に局舎3があり、局舎3に対応するノード3Aおよびノード3Bのうちの、ノード3Aが光再生中継器を配置可能な光伝送装置である場合は、第2リンク選択部156は、ノード3Aを後段光再生ノードとする。そして、第2リンク選択部156は、ノード3Aまでに累積される伝送劣化量が閾値以下となる入力リンクから、コストが最小となる入力リンクを選択する。
【0133】
また、ノード2Aについて後段光再生ノードが複数ある場合は、複数の後段光再生ノードのうちのノード2Aからの伝送劣化量が最小となるノードまでに累積される伝送劣化量が閾値以下となる入力リンクから、コストが最小となる入力リンクを選択する。
【0134】
また、第2リンク選択部156は、対象のノードの後段光再生ノードまでに累積される伝送劣化量として、その入力リンクの始点ノードまでに累積される伝送劣化量と、その入力リンクを選択したときの伝送劣化量と、対象のノードから対象のノードの後段光再生ノードまでの伝送劣化量の最小値と、の合計値を用いる。
【0135】
たとえば、伝送劣化量として順方向の雑音量に関する処理を説明すると、ノード1Aおよびノード1Bまでに累積される伝送劣化量をそれぞれNOISEacc(1A)およびNOISEacc(1B)とし、入力リンク(1A,2A)および入力リンク(1B,2A)について伝送劣化量決定部155によって決定された雑音量をそれぞれNOISE(1A,2A)およびNOISE(1B,2A)とし、ノード2Aから後段光再生ノード(ノード3A)までの伝送劣化量の最小値をNOISEminとし、単位設計区間内雑音量上限値決定部134が決定した順方向の単位設計区間内雑音量上限値を雑音量の閾値NOISEthとする。
【0136】
この場合は、第2リンク選択部156は、ノード2Aについて、入力リンク(1A,2A)に対応するNOISEacc(1A)+NOISE(1A,2A)+NOISEminと、入力リンク(1B,2A)に対応するNOISEacc(1B)+NOISE(1B,2A)+NOISEminと、をそれぞれ算出し、各算出結果とNOISEthと、をそれぞれ比較する。第2リンク選択部156は、算出結果がNOISEthより大きくなる入力リンクを除外し、残った入力リンクのうちのコストが最小となる入力リンクを選択する。
【0137】
また、第2リンク選択部156は、対象のノードが光再生中継器を配置可能な光伝送装置に対応するノードである場合は、対象のノードから後段光再生ノードまでの伝送劣化量の最小値NOISEmin0とする。また、この場合、入力リンク選択後、第2リンク選択部156は、対象のノードが光再生中継器を配置可能な光伝送装置に対応するノードである場合は、対象のノードまでに累積される伝送劣化量を0とする。
【0138】
たとえば、ノード2Aが光再生中継器を配置可能な光伝送装置に対応するノードである場合は、第2リンク選択部156は、ノード2Aについて、NOISEacc(1A)+NOISE(1A,2A)+0と、NOISEacc(1B)+NOISE(1B,2A)+0と、をそれぞれ算出する。また、入力リンク選択後、第2リンク選択部156は、ノード2Aまでに累積される伝送劣化量NOISEacc(2A)を0とする。なお、ノード2Aまでに累積される伝送劣化量は、局舎2の直後の局舎3に対応する各ノードの入力リンクの選択に用いられる。
【0139】
第2リンク選択部156は、伝送劣化量が逆方向の雑音量である場合についても、同様の処理によって、累積される雑音量を決定して、算出結果が閾値より大きくなる入力リンクを除外する。
また第2リンク選択部156は、伝送劣化量が各方向の各伝送ペナルティである場合についても、同様の処理によって、累積される伝送ペナルティを決定して、算出結果が閾値より大きくなる入力リンクを除外する。伝送劣化量を各伝送ペナルティとするときは、第2リンク選択部156は、単位設計区間内ペナルティ上限値決定部131が決定した各伝送方向の伝送ペナルティ上限値を、伝送ペナルティの閾値として使用する。
【0140】
第2ノード決定部157は、第2リンク選択部156から出力された各入力リンクの始点ノードに基づいて、線形区間内の各局舎に対する各種の光伝送装置の配置、すなわち光伝送装置構成の1つの候補を決定する。たとえば、第2リンク選択部156から出力された各入力リンクのそれぞれの始点ノードがノード1A,ノード2B,ノード3A…であった場合は、第2ノード決定部157は、各局舎に対する各種の光伝送装置の配置を、ノード1A,ノード2B,ノード3A…に対応する光伝送装置の配置に決定する。第2ノード決定部157は、決定した光伝送装置構成の候補を記憶部126に格納する。
【0141】
以上のとおり構成された初期候補生成部125によって光伝送装置構成が選択された単位設計区間では、光再生中継器を配置可能な装置が配置された隣接局舎間の雑音量が、その単位設計区間を経由する各波長パスについて決定された雑音上限値の最小値よりも小さくなる。
【0142】
また、以上のとおり構成された初期候補生成部125によって光伝送装置構成が選択された単位設計区間では、光再生中継器を配置可能な装置が配置された隣接局舎間の伝送ペナルティが、当該単位設計区間を経由する各波長パスについて決定された伝送ペナルティの上限値の最小値よりも小さくなる。
【0143】
図10は、図7に示す追加候補探索部128のブロック図である。追加候補探索部128は、図7に示す緩和問題解決部127が決定した双対価格ベクトルの値に基づいて決定された被約費用の算出式にしたがって、各単位設計区間について、被約費用の値が負となる新たな光伝送装置構成の候補t’を探索する。
【0144】
追加候補探索部128は、第2単位設計区間内グラフ生成部160と、第2単位設計区間内ノード探索部161と、被約費用決定部168と、追加可否判定部169を備える。
第2単位設計区間内グラフ生成部160及び第2単位設計区間内ノード探索部161は、図9に示す初期候補生成部125の第1単位設計区間内グラフ生成部150及び第1単位設計区間内ノード探索部151と類似する構成を有する。
【0145】
第2単位設計区間内グラフ生成部160が有する第3ノード候補生成部162、第3リンク生成部163及び伝送劣化量決定部165は、第1単位設計区間内グラフ生成部150が有する第2ノード候補生成部152、第2リンク生成部153及び伝送劣化量決定部155と同様の機能を有する。
第2単位設計区間内ノード探索部161が有する第3リンク選択部166及び第3ノード決定部167は、第1単位設計区間内ノード探索部151が有する第2リンク選択部156及び第2ノード決定部157と同様の機能を有する。
【0146】
ただし、第2単位設計区間内グラフ生成部160は、第1単位設計区間内グラフ生成部150がコスト決定部154を有するのに代えて、被約費用変化決定部164を備える。
被約費用変化決定部164は、コスト決定部154が各入力リンクを選択した場合のコストを決定するのに代えて、各入力リンクを選択した場合における当該単位設計区間の被約費用の変化量ΔRCを決定する。
また、第1単位設計区間内ノード探索部151の第2リンク選択部156が、その入力リンクを選択した場合に対象のノードまでに累積されるコストが最小となる入力リンクを選択するのに代えて、第3リンク選択部166は、その入力リンクを選択した場合に対象のノードまでに累積される被約費用の変化量ΔRCが最小となる入力リンクを選択する。
また、上述したように第2リンク選択部156により選択された入力リンクにより接続される光再生中継器を配置可能な局舎の間に生じる雑音量及び各ペナルティ値が上記の各閾値以下となるのと同様に、第3リンク選択部166により選択された入力リンクにより接続される光再生中継器を配置可能な局舎の間に生じる雑音量及び各ペナルティ値もまた上記の閾値以下となる。
【0147】
装置構成決定部124が、式(1)により与えられる整数計画問題を解く場合には、被約費用変化決定部164は、光伝送装置情報によって与えられた各種の光伝送装置のコストと各種の光伝送装置を経由する光信号に生じる雑音量、及びスパン情報によって与えられた隣接局舎間に生じる雑音量に基づいて、各入力リンクを選択した場合に増加する装置コストΔc並びに雑音量Δnf及びΔnrを決定する。
【0148】
Δnfは、当該入力リンクを選択した場合に、当該単位設計区間をその基準方向と同じ方向に伝送する波長パスに生じる雑音量の変化量であり、Δnrは、当該入力リンクを選択した場合に、当該単位設計区間をその基準方向と反対方向に伝送する波長パスに生じる雑音量の変化量である。
【0149】
被約費用変化決定部164は、緩和問題解決部127が決定した双対価格ベクトルの値に基づいて決定された被約費用の算出式(10)に従って、各入力リンクを選択した場合における当該単位設計区間の被約費用の変化量ΔRCを決定する。
【0150】
【数12】
【0151】
装置構成決定部124が、式(3)により与えられる整数計画問題を解く場合には、被約費用変化決定部164は、光伝送装置情報によって与えられた各種の光伝送装置のコストと各種の光伝送装置を経由する光信号に生じる雑音量及び伝送ペナルティ量、及びスパン情報によって与えられた隣接局舎間に生じる雑音量及び伝送ペナルティ量に基づいて、各入力リンクを選択した場合に増加する装置コストΔc、雑音量Δnf及びΔnr、並びに伝送ペナルティ量Δpfkj及びΔprkjを決定する。
【0152】
Δpfkjは、当該入力リンクを選択した場合に、当該単位設計区間をその基準方向と同じ方向に伝送する波長パスdjに生じる、第k番目の種類の伝送ペナルティ量の変化量である。またΔprkjは、当該入力リンクを選択した場合に、当該単位設計区間をその基準方向と反対方向に伝送する波長パスdjに生じる、第k番目の種類の伝送ペナルティ量の変化量である。
【0153】
被約費用変化決定部164は、緩和問題解決部127が決定した双対価格ベクトルの値に基づいて決定される、以下の被約費用の算出式(11)に従って、各入力リンクを選択した場合における当該単位設計区間の被約費用の変化量ΔRCを決定する。
【0154】
【数13】
【0155】
以上のとおり構成された第2単位設計区間内グラフ生成部160及び第2単位設計区間内ノード探索部161によって選択された光伝送装置構成は、当該単位設計区間において最小の被約費用を生じる光伝送装置構成となる。
【0156】
被約費用決定部168は、第2単位設計区間内グラフ生成部160及び第2単位設計区間内ノード探索部161によって選択された光伝送装置構成により生じる被約費用RCを決定する。被約費用決定部168は、たとえば、選択された光伝送装置構成において単位設計区間に亘って累積する被約費用の変化量ΔRCの累積値に、緩和問題解決部127が決定した双対価格ベクトルπgのうち当該単位設計区間に対する成分を減じることによって被約費用RCを決定する。
【0157】
追加可否決定部169は、被約費用決定部168により決定された被約費用RCが0より小さいか否かを判定し、判定結果を緩和問題解決部127及び整数計画問題解決部129へ通知する。追加可否決定部169は、被約費用RCが0より小さい場合には、決定した光伝送装置構成の候補を記憶部126に格納する。
【0158】
緩和問題解決部127は、追加可否決定部169による判定結果に従って、追加候補探索部128が被約費用RCが負である構成を発見できるか否かを判定する。緩和問題解決部127は、追加候補探索部128が被約費用RCが負である構成を発見できなくなるまで、追加候補探索部128により新たに候補が追加された装置構成候補データ114を読み込み、整数計画問題の緩和問題を解決して双対価格ベクトルを更新する。
【0159】
整数計画問題解決部129は、追加可否決定部169による判定結果に従って、追加候補探索部128が被約費用RCが負である構成を発見できるか否かを判定する。追加候補探索部128が、被約費用RCが負である構成を発見できなくなったとき、その時点で装置構成候補データ114を読み込み、整数計画問題を緩和しないで解決することにより、光ネットワーク200の光伝送装置構成を決定する。
【0160】
図11は、開示のネットワーク設計方法の全体フローチャートである。
ステップS1において、図7に示す情報取得部120は、WDM光ネットワーク情報を取得する。
ステップS2において、区間分割部121は、WDM光ネットワーク情報中のネットワークトポロジ情報によって与えられた光ネットワーク200を、線形区間である単位設計区間に分割する。
【0161】
ステップS3において、図8に示すパラメータ決定部123は、雑音量上限値Nth又はNth’、及び伝送ペナルティの上限値Pthk(dj)を決定する。
さらに、パラメータ決定部123は、単位設計区間内雑音量上限値Nth1(gh)及びNth2(gh)並びに単位設計区間内ペナルティ上限値Pth1k(gh)及びPth2k(gh)を決定する。
【0162】
上述のとおり、パラメータ決定部123が、上述の決定方法の第2例又は第3例によって雑音量上限値Nth’を決定する場合、図8に示す累積ペナルティ決定部132は、各波長パスdj上において取りうる伝送ペナルティの累積値の最小値Pmink(dj)及び/又は最大値Pmaxk(dj)を決定する。以下、累積ペナルティ決定部132による、伝送ペナルティの累積値の最小値Pmink(dj)及び最大値Pmaxkの決定方法を説明する。
【0163】
図12は、図8に示すパス内グラフ生成部140が生成するグラフ情報の例を示す図(その1)である。図12に示す局舎1〜6は、図1において波長パスdが経由する単位設計区間202及び203における局舎1〜6である。ノード1A〜6Aおよびノード2B、3B及び5Bは、第1ノード候補生成部143が生成した各ノードを示している。局舎1〜局舎6に配置可能な光伝送装置のうちの光再生中継器を配置可能な光伝送装置としてOADM(たとえば図3のOADM400)を用いる。
【0164】
また、局舎1〜局舎6に配置可能な光伝送装置のうちの光再生中継器を配置できない光伝送装置としてILA(たとえば、図4のILA500)を用いる。局舎1〜局舎6のうちの、始端局舎である局舎1と、終端局舎である局舎6には、光再生中継器を配置可能なOADMのみが配置可能である。局舎2と局舎3、局舎5にはOADM、ILAまたはバイパス(たとえば、図5のバイパス600)が配置可能である。また、局舎4にはILAを配置不可としている。
【0165】
第1ノード候補生成部143は、局舎1〜6について、各局舎に配置可能なOADMを示すノード1A〜ノード6Aをそれぞれ生成する。また、第1ノード候補生成部143は、局舎2、3及び5について、各局舎に配置可能なILAを示すノード2B、3B及びノード5Bをそれぞれ生成する。図12において、矢印は、第1リンク生成部144によって生成された各ノード間の各入力リンクを示している。以下の説明において、ノードYのノードXからの入力リンクを入力リンク(X,Y)と表記する。
【0166】
第1ノード候補生成部143によって生成されたノード1Aは始端局舎に対応するノードであるため、第1リンク生成部144はノード1Aへの入力リンクは生成しない。第1リンク生成部144は、ノード2Aについて、ノード2Aに対応する局舎2より前段の局舎1に対応するノード1Aからの入力リンク(1A,2A)を生成する。また、第1リンク生成部144は、ノード2Bについて、ノード2Bに対応する局舎2より前段の局舎1に対応するノード1Aからの入力リンク(1A,2B)を生成する。
【0167】
また、第1リンク生成部144は、ノード3Aについて、ノード3Aに対応する局舎3より前段の局舎2に対応するノード2Aからの入力リンク(2A,3A)およびノード2Bからの入力リンク(2B,3A)を生成する。また、第1リンク生成部144は、ノード3Bについて、ノード3Bに対応する局舎3より前段の局舎2に対応するノード2Aからの入力リンク(2A,3B)およびノード2Bからの入力リンク(2B,3B)を生成する。
【0168】
また、第1リンク生成部144は、ノード4Aについて、ノード4Aに対応する局舎4より前段の局舎3に対応するノード3Aからの入力リンク(3A,4A)およびノード3Bからの入力リンク(3B,4A)を生成する。
【0169】
また、第1リンク生成部144は、ノード5Aについて、ノード5Aに対応する局舎5より前段の局舎4に対応するノード4Aからの入力リンク(4A,5A)を生成する。また、第1リンク生成部144は、ノード5Bについて、ノード5Bに対応する局舎5より前段の局舎4に対応するノード4Aからの入力リンク(4A,5B)を生成する。
【0170】
また、第1リンク生成部144は、ノード6Aについて、ノード6Aに対応する局舎6より前段の局舎5に対応するノード5Aからの入力リンク(5A,6A)およびノード5Bからの入力リンク(5B、6A)を生成する。
【0171】
以下、ペナルティ決定部145が決定した伝送ペナルティ量の例を示す。図12において、各入力リンクに隣接して表示される数字は、各入力リンクについてペナルティ決定部145によって算出された伝送ペナルティを示す。ペナルティ決定部145は、第1リンク生成部144によって生成された入力リンク(1A,2A)を選択した場合の伝送ペナルティを「1」と決定する。また、ペナルティ決定部145は、入力リンク(1A,2B)を選択した場合の伝送ペナルティを「2」と決定する。
【0172】
ペナルティ決定部145は、入力リンク(2A,3A)を選択した場合の伝送ペナルティを「1」と決定する。また、ペナルティ決定部145は、入力リンク(2B,3A)を選択した場合の伝送ペナルティを「2」と決定する。また、ペナルティ決定部145は、入力リンク(2A,3B)を選択した場合の伝送ペナルティを「2」と決定する。また、ペナルティ決定部145は、入力リンク(2B,3B)を選択した場合の伝送ペナルティを「3」と決定する。
【0173】
ペナルティ決定部145は、入力リンク(3A,4A)を選択した場合の伝送ペナルティを「1」と決定する。また、ペナルティ決定部145は、入力リンク(3B,4A)を選択した場合の伝送ペナルティを「2」と決定する。
ペナルティ決定部145は、入力リンク(4A,5A)を選択した場合の伝送ペナルティを「1」と決定する。ペナルティ決定部145は、入力リンク(4A,5B)を選択した場合の伝送ペナルティを「2」と決定する。
【0174】
ペナルティ決定部145は、入力リンク(5A,6A)を選択した場合の伝送ペナルティを「1」と決定する。また、ペナルティ決定部145は、入力リンク(5B,6A)を選択した場合の伝送ペナルティを「2」と決定する。これにより、局舎1〜6に配置するOADM,ILAに対応する各ノードと、伝送ペナルティ量に対応付けられかつ各ノードを接続する各リンクと、からなるグラフ情報が生成される。
【0175】
図13は、図8に示すパス内グラフ生成部140が生成するグラフ情報の例を示す図(その2)である。図13において、図12に示した伝送ペナルティ量は図示を省略している。図12においては、第1リンク生成部144が、各ノードについて、各ノードの直前のノードからの入力リンクのみを生成する場合について説明したが、第1リンク生成部144は、各ノードの直前のノードからの入力リンクに加えて、各ノードの2つ以上前のノードからの入力リンクを生成してもよい。
【0176】
ここでは、第1リンク生成部144は、ノード3Bについて、入力リンク(2A,3B)および入力リンク(2B,3B)に加えて、ノード3Aに対応する局舎3より前段の局舎1に対応するノード1Aからの入力リンク(1A,3B)を生成する。ノード3Bにおいて、入力リンク(1A,3B)を選択した場合は、局舎2にはバイパスを配置する。
【0177】
また、第1リンク生成部144は、ノード4Aについて、入力リンク(3A,4A)および入力リンク(3B,4A)に加えて、ノード4Aに対応する局舎4より前段の局舎1に対応するノード1Aからの入力リンク(1A,4A)を生成する。ノード4Aにおいて、入力リンク(1A,4A)を選択した場合は、局舎2及び3にはバイパスを配置する。
【0178】
このように、入力リンク(1A,3B)及び入力リンク(1A,4A)をバイパスリンクとして生成する。ペナルティ決定部145は、入力リンク(1A,3B)を選択した場合の伝送ペナルティ量を「7」と決定する。また、ペナルティ決定部145は、入力リンク(1A,4A)を選択した場合の伝送ペナルティ量を「2」と決定する。
以下の説明では、簡単のため、図12に示した各入力リンクと、これらのバイパスリンクのみを生成する場合について説明する。
【0179】
図14は、図8に示す第1リンク選択部146による入力リンクの選択処理の説明図である。図14において、図12および図13に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。ここでは、ノード3Bへの入力リンクの選択について説明する。ノード3Bへの各入力リンクを太矢印で示し、他の入力リンクは細矢印で示している。第1リンク選択部146は、第1リンク生成部144によって生成されたノード3Bへの3つの入力リンク(2A,3B)、入力リンク(2B,3B)および入力リンク(1A,3B)から一つの入力リンクを選択する。
【0180】
ノード3Bへの入力リンク(2A,3B)、入力リンク(2B,3B)および入力リンク(1A,3B)から一つの入力リンクを選択することで、局舎3にILAを配置する場合の、局舎3の直前にOADMまたはILAが配置される局舎までの各配置が第1ノード決定部147によって決定される。第1リンク選択部146によって入力リンク(2A,3B)が選択されたときは、局舎3にILAを配置する場合に、局舎2にはOADMが配置されることが第1ノード決定部147によって決定される。
【0181】
また、第1リンク選択部146によって入力リンク(2B,3B)が選択されたときは、局舎3にILAを配置する場合に、局舎2にはILAが配置されることが第1ノード決定部147によって決定される。また、第1リンク選択部146によって入力リンク(1A,3B)が選択されたときは、局舎3にILAを配置する場合に、局舎2にはバイパスが配置され、局舎1にはOADMが配置されることが第1ノード決定部147によって決定される。
【0182】
ここでは、第1リンク選択部146がノード3Bへの各入力リンクから一つの入力リンクを選択する場合について説明したが、第1リンク選択部146は、各ノード2A〜6A,2B及び5Bについても同様に、各入力リンクから一つの入力リンクを選択することによって、局舎1〜6を経由する波長パスに生じる伝送ペナルティの累積値が最小又は最大となる配置に対応する経路を探索する。
【0183】
図15は、図8に示す第1リンク選択部146による選択処理の例を示すフローチャートである。図15は、累積ペナルティ決定部132が、各波長パスdj上において取りうる伝送ペナルティの累積値の最大値Pmaxk(dj)を決定する場合の処理を示す。
ステップS10では、第1リンク選択部146は、第1ノード候補生成部143によって生成された各ノードNx(x=1〜q)を取得する。
ステップS11では、第1リンク選択部146は、取得した各ノードNxのいずれかを参照するノード番号xを1に設定する。
【0184】
ステップS12では、第1リンク選択部146は、ノードNxへの各入力リンクli(i=1〜r)を取得する。
ステップS13では、第1リンク選択部146は、ノードNxへの各入力リンクli(i=1〜r)のうち、各入力リンクliの始点ノードNiまでの累積される伝送ペナルティ量PNacc(Ni)と、入力リンクliの伝送ペナルティ量PN(li)と、の合計値が最大となる入力リンクliを、ノードNxへの入力リンクLとして選択する。
【0185】
なお、累積ペナルティ決定部132が最小値Pmink(dj)を決定する場合には、ステップS13において、第1リンク選択部146は、ノードNxへの各入力リンクli(i=1〜m)のうち、各入力リンクliの始点ノードNiまでの累積される伝送ペナルティ量PNacc(Ni)と、入力リンクliの伝送ペナルティ量PN(li)と、の合計値が最小となる入力リンクliを、ノードNxへの入力リンクLとして選択する。
【0186】
ステップS14において第1リンク選択部146は、ノードNxまでの累積された伝送ペナルティ量PNacc(Nx)=PNTacc(Npre)+PN(L)を算出する。PNacc(Npre)は、ステップS13によって選択された入力リンクLの始点ノードNpreまでの累積された伝送ペナルティ量である。また、PN(L)は、入力リンクLを選択したときの伝送ペナルティ量である。
【0187】
ステップS15において第1リンク選択部146は、ノード番号xが最後の番号qであるか否かを判断する。ノード番号xが最後の番号qでない場合には、第1リンク選択部146はノード番号xをx+1に変更し(ステップS16)、ステップS12へ戻って処理を続行する。ノード番号xが最後の番号qである場合は、第1リンク選択部146は入力リンクの選択処理を終了する。
【0188】
図12〜図14に示した例において図15の各ステップを適用した場合について説明する。図16は、図8に示す第1リンク選択部146による入力リンクの選択処理の結果を示す図である。図16において、図12〜図14に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0189】
また、図16において、矢印は、図15に示した各ステップによって選択された入力リンクLを示している。また、各ノードとともに、ステップS12〜S16によって算出される累積された伝送ペナルティを図示している。
【0190】
ノード2Aへの入力リンクLの決定について説明する。入力リンク(1A,2A)を選択したときの伝送ペナルティ量の合計値は、PNacc(1A)+PN(1A,2A)=0+1=1となる。ここでは、残っている入力リンクが入力リンク(1A,2A)のみであるので、入力リンク(1A,2A)がノード2Aへの入力リンクLとして選択される。
【0191】
ノード2Bへの入力リンクLの決定について説明する。入力リンク(1A,2B)を選択したときの伝送ペナルティ量の合計値は、PNacc(1A)+PN(1A,2B)=0+2=2となる。ここでは、残っている入力リンクが入力リンク(1A,2B)のみであるので、入力リンク(1A,2B)がノード2Bへの入力リンクLとして選択される。
【0192】
ノード3Aへの入力リンクLの決定について説明する。入力リンク(2A,3A)を選択したときの伝送ペナルティ量の合計値は、PNacc(2A)+PN(2A,3A)=1+1=2となる。入力リンク(2B,3A)を選択したときの伝送ペナルティ量の合計値は、PNacc(2B)+PN(2B,3A)=2+2=4となる。したがって、伝送ペナルティ量の合計値が最大となる入力リンク(2B,3A)がノード3Aへの入力リンクLとして選択される。
【0193】
ノード3Bへの入力リンクLの決定について説明する。入力リンク(2A,3B)を選択したときの伝送ペナルティ量の合計値は、PNacc(2A)+PN(2A,3B)=1+2=3となる。入力リンク(2B,3B)を選択したときの伝送ペナルティ量の合計値は、PNacc(2B)+PN(2B,3B)=2+3=5となる。入力リンク(1A,3B)を選択したときの伝送ペナルティ量の合計値は、PNacc(1A)+PN(1A,3B)=0+7=7となる。したがって、伝送ペナルティ量の合計値が最大となる入力リンク(1A,3B)がノード3Bへの入力リンクLとして選択される。
【0194】
ノード4Aへの入力リンクLの決定について説明する。入力リンク(3A,4A)を選択したときの伝送ペナルティ量の合計値は、PNacc(3A)+PN(3A,4A)=4+1=5となる。入力リンク(3B,4A)を選択したときの伝送ペナルティ量の合計値は、PNacc(3B)+PN(3B,4A)=7+2=9となる。入力リンク(1A,4A)を選択したときの伝送ペナルティ量の合計値は、PNacc(1A)+PN(1A,4A)=0+2=2となる。したがって、伝送ペナルティ量の合計値が最大となる入力リンク(3B,4A)がノード4Aへの入力リンクLとして選択される。
【0195】
ノード5Aへの入力リンクLの決定について説明する。入力リンク(4A,5A)を選択したときの伝送ペナルティ量の合計値は、PNacc(4A)+PN(4A,5A)=9+1=10となる。ここでは、残っている入力リンクが入力リンク(4A,5A)のみであるので、入力リンク(4A,5A)がノード5Aへの入力リンクLとして選択される。
【0196】
ノード5Bへの入力リンクLの決定について説明する。入力リンク(4A,5B)を選択したときの伝送ペナルティ量の合計値は、PNacc(4A)+PN(4A,5B)=9+2=11となる。ここでは、残っている入力リンクが入力リンク(4A,5B)のみであるので、入力リンク(4A,5B)がノード5Bへの入力リンクLとして選択される。
【0197】
ノード6Aへの入力リンクLの決定について説明する。入力リンク(5A,6A)を選択したときの伝送ペナルティ量の合計値は、PNacc(5A)+PN(5A,6A)=10+1=11となる。入力リンク(5B,6A)を選択したときの伝送ペナルティ量の合計値は、PNacc(5B)+PN(5B,6A)=11+2=13となる。したがって、伝送ペナルティ量の合計値が最大となる入力リンク(5B,6A)がノード6Aへの入力リンクLとして選択される。これにより、各ノードへの入力リンクLがそれぞれ選択される。
【0198】
図17は、図8に示す第1ノード決定部147による経由ノードの決定処理の例を示すフローチャートである。
ステップS20において第1ノード決定部147は、第1ノード候補生成部143によって生成された各ノードNx(x=1〜q)を取得する。
ステップS21において第1ノード決定部147は、ステップS20によって取得された各ノードNxのいずれかを参照するノード番号xをqに設定する。ここで、ノード番号qは、設計対象の単位設計区間における終端局舎に配置する光伝送装置のノードを示す。
【0199】
ステップS22において第1ノード決定部147は、ノードNqを経由ノードとして保持する。
ステップS23において第1ノード決定部147は、図15におけるステップS13によって選択された各入力リンクLのうちの、ノードNxへの入力リンクLを取得する。
ステップS24において第1ノード決定部147は、ステップS23によって取得された入力リンクLの始点ノードNpreを取得する。
【0200】
ステップS25において第1ノード決定部147は、始点ノードNpreを経由ノードとして保持する。
ステップS26において第1ノード決定部147は、ステップS25にて取得された始点ノードNpreの番号preが番号1であるか否かを判断する。ここで、番号1は、設計対象の単位設計区間における始端局舎に配置する光伝送装置のノードの番号である。
【0201】
始点ノードNpreの番号preが番号1でない場合に第1ノード決定部147は、ステップS27においてノードNxの番号xを始点ノードNpreの番号preに変更し、ステップS23へ戻って処理を続行する。始点ノードNpreの番号preが番号1である場合に第1ノード決定部147は、一連の経由ノード決定動作を終了する。
【0202】
以上の各ステップにおいて、ステップS22およびステップS25によって保持された各経由ノードが、設計対象の線形区間内の各局舎に対する各種の光伝送装置の配置を示す情報となる。つぎに、図12〜図14,図16に示した例において、図17に示した各ステップを適用した場合について説明する。
【0203】
図18は、図8に示す第1ノード決定部147による経由ノードの決定処理の結果を示す図である。図18において、図12〜図14,図16に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。また、図18において、太矢印は、図17に示した各ステップによって遷移したノードの経路を示している。また、グラフの下段に、各ステップによって決定された光伝送装置の種類を図示している。黒丸印はバイパスを示している。
【0204】
まず、ノード6Aの番号が設定され(ステップS21)、ノード6Aが経由ノードの一つとして保持される(ステップS22)。また、ノード6Aへの入力リンクLとして入力リンク(5B,6A)が取得される(ステップS23)。また、入力リンク(5B,6A)の始点ノードNpreとしてノード5Bが取得され(ステップS24)、ノード5Bが経由ノードの一つとして保持される(ステップS25)。
つぎに、ノード5Bの番号が設定され(ステップS27)、ノード5Bへの入力リンクLとして入力リンク(4A,5B)が取得される(ステップS23)。また、入力リンク(4A,5B)の始点ノードNpreとしてノード4Aが取得され(ステップS24)、ノード4Aが経由ノードの一つとして保持される(ステップS25)。
【0205】
つぎに、ノード4Aの番号が設定され(ステップS27)、ノード4Aへの入力リンクLとして入力リンク(3B,4A)が取得される(ステップS23)。また、入力リンク(3B,4A)の始点ノードNpreとしてノード3Bが取得され(ステップS24)、ノード3Bが経由ノードの一つとして保持される(ステップS25)。
【0206】
つぎに、ノード3Bの番号が設定され(ステップS27)、ノード3Bへの入力リンクLとして入力リンク(1A,3B)が取得される(ステップS23)。また、入力リンク(1A,3B)の始点ノードNpreとしてノード1Aが取得され(ステップS24)、ノード1Aが経由ノードの一つとして保持される(ステップS25)。
【0207】
ノード1Aのノード番号は、設計対象の線形区間201における始端局舎である局舎1に配置する光伝送装置のノードの番号であるため、ここで経由ノード決定動作が終了する。このように、ノード6Aからノード1Aまで入力リンクLをたどりながら遡ることで、第1ノード決定部147は、ノード6A、ノード5B、ノード4A、ノード3B、ノード1Aの順に経由ノードが保持される。
【0208】
累積値計算部142は、第1ノード決定部147によって保持された経由ノードを通過する経路に沿って累積する伝送ペナルティを、各経由ノードを接続する入力リンクの伝送ペナルティに基づいて決定し、雑音量上限値決定部133に出力する。
【0209】
図11のステップS4において、図7に示す装置構成決定部124は、区間分割部121によって生成された各単位設計区間における光伝送装置構成の候補を決定する。 図19は、装置構成決定部124が各単位設計区間の光伝送装置構成を決定する決定方法の一例を示すフローチャートである。
【0210】
ステップS30において初期候補生成部125は、緩和問題解決部127による処理に先立って、各単位設計区間について、制約条件(1−3)、又は(3−3)及び(3−41)〜(3−4R)を満たす光伝送装置構成の候補を少なくとも1つ生成し、記憶部126に格納する。
【0211】
ステップS31において緩和問題解決部127は、記憶部126に格納された装置構成候補データ114を読み込み、装置構成候補データ114が示す光伝送装置構成の候補について定めた式(1)又は(3)に示す整数計画問題の緩和問題を解決して、双対価格ベクトルを決定する。
【0212】
ステップS32において追加候補探索部128は、緩和問題解決部127が決定した双対価格ベクトルの値に基づいて決定された被約費用の算出式にしたがって、各単位設計区間について、被約費用の値が負となる新たな光伝送装置構成の候補t’を探索する。
ステップS33において追加候補探索部128は、新たな光伝送装置構成の候補t’が発見されるか否かを判定する。
新たな光伝送装置構成の候補t’が発見された場合には装置構成候補データ114に追加して、処理をS31に戻す。
新たな光伝送装置構成の候補t’が発見されない場合には、ステップS34において整数計画問題解決部129は、記憶部126に格納された、初期候補生成部125及び追加候補探索部128により決定された候補を含む装置構成候補データ114を読み込み、装置構成候補データ114が示す光伝送装置構成の候補について定めた式(1)又は(3)に示す整数計画問題を緩和しないで解決することにより、光ネットワーク200の光伝送装置構成を決定する。
【0213】
以下、ステップS30において初期候補生成部125が、光伝送装置構成の候補を決定する処理を説明する。図20は、図9に示す初期候補生成部125の第1単位設計区間内グラフ生成部150が生成するグラフ情報の例を示す図(その1)である。
図20に示す局舎11〜18は、図2の線形区間204における局舎11〜18である。ノード11A〜18Aおよびノード12B〜17Bは、第2ノード候補生成部152が生成した各ノードを示している。
【0214】
ここでは、説明の簡単のため、伝送劣化量として順方向の雑音量のみを例示して説明するが、実際には逆方向の雑音量も同様の処理によって考慮される。また、各種の伝送ペナルティも、雑音量と同様の処理によって考慮される。
雑音量の閾値NOISEthを7とする。局舎11〜局舎18に配置可能な光伝送装置のうちの光再生中継器を配置可能な光伝送装置としてOADM(たとえば図3のOADM400)を用いる。
【0215】
また、局舎11〜局舎18に配置可能な光伝送装置のうちの光再生中継器を配置できない光伝送装置としてILA(たとえば、図4のILA500)を用いる。局舎11〜局舎18のうちの、始端局舎である局舎11と、終端局舎である局舎18には、光再生中継器を配置可能なOADMのみが配置可能である。局舎12〜局舎17にはOADM、ILAまたはバイパス(たとえば、図5のバイパス600)が配置可能である。
【0216】
第2ノード候補生成部152は、局舎11〜18について、各局舎に配置可能なOADMを示すノード11A〜ノード18Aをそれぞれ生成する。また、第2ノード候補生成部152は、局舎12〜17について、各局舎に配置可能なILAを示すノード12B〜ノード17Bをそれぞれ生成する。図20において、矢印は、第2リンク生成部153によって生成されたノード11A〜18A,12B〜17B間の各入力リンクを示している。以下の説明において、ノードYのノードXからの入力リンクを入力リンク(X,Y)と表記する。
【0217】
第2リンク生成部153は、第2ノード候補生成部152によって生成されたノード11Aは始端局舎に対応するノードであるため、ノード11Aへの入力リンクは生成しない。また、第2リンク生成部153は、ノード12Aについて、ノード12Aに対応する局舎12より前段の局舎11に対応するノード11Aからの入力リンク(11A,12A)を生成する。また、第2リンク生成部153は、ノード12Bについて、ノード12Bに対応する局舎12より前段の局舎11に対応するノード11Aからの入力リンク(11A,12B)を生成する。
【0218】
また、第2リンク生成部153は、ノード13Aについて、ノード13Aに対応する局舎13より前段の局舎12に対応するノード12Aからの入力リンク(12A,13A)およびノード12Bからの入力リンク(12B,13A)を生成する。また、第2リンク生成部153は、ノード13Bについて、ノード13Bに対応する局舎13より前段の局舎12に対応するノード12Aからの入力リンク(12A,13B)およびノード12Bからの入力リンク(12B,13B)を生成する。
【0219】
また、第2リンク生成部153は、ノード14Aについて、ノード14Aに対応する局舎14より前段の局舎13に対応するノード13Aからの入力リンク(13A,14A)およびノード13Bからの入力リンク(13B,14A)を生成する。また、第2リンク生成部153は、ノード14Bについて、ノード14Bに対応する局舎14より前段の局舎13に対応するノード13Aからの入力リンク(13A,14B)およびノード13Bからの入力リンク(13B,14B)を生成する。
【0220】
また、第2リンク生成部153は、ノード15Aについて、ノード15Aに対応する局舎15より前段の局舎14に対応するノード14Aからの入力リンク(14A,15A)およびノード14Bからの入力リンク(14B,15A)を生成する。また、第2リンク生成部153は、ノード15Bについて、ノード15Bに対応する局舎15より前段の局舎14に対応するノード14Aからの入力リンク(14A,15B)およびノード14Bからの入力リンク(14B,15B)を生成する。
【0221】
また、第2リンク生成部153は、ノード16Aについて、ノード16Aに対応する局舎16より前段の局舎15に対応するノード15Aからの入力リンク(15A,16A)およびノード15Bからの入力リンク(15B,16A)を生成する。また、第2リンク生成部153は、ノード16Bについて、ノード16Bに対応する局舎16より前段の局舎15に対応するノード15Aからの入力リンク(15A,16B)およびノード15Bからの入力リンク(15B,16B)を生成する。
【0222】
また、第2リンク生成部153は、ノード17Aについて、ノード17Aに対応する局舎17より前段の局舎16に対応するノード16Aからの入力リンク(16A,17A)およびノード16Bからの入力リンク(16B,17A)を生成する。また、第2リンク生成部153は、ノード17Bについて、ノード17Bに対応する局舎17より前段の局舎16に対応するノード16Aからの入力リンク(16A,17B)およびノード16Bからの入力リンク(16B,17B)を生成する。
【0223】
また、第2リンク生成部153は、ノード18Aについて、ノード18Aに対応する局舎18より前段の局舎17に対応するノード17Aからの入力リンク(17A,18A)およびノード17Bからの入力リンク(17B,18A)を生成する。
【0224】
以下、図9に示すコスト決定部154及び伝送劣化量決定部155が決定するコストおよび雑音量の例を示す。図20において、各入力リンクとともに、各入力リンクについてコスト決定部154及び伝送劣化量決定部155によって算出されたコストおよび雑音量を(コスト,雑音量)として図示している。コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、第2リンク生成部153によって生成された入力リンク(11A,12A)を選択した場合のコストおよび雑音量を(2,1)と決定する。また、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(11A,12B)を選択した場合のコストおよび雑音量を(1,2)と決定する。
【0225】
コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(12A,13A)を選択した場合のコストおよび雑音量を(2,1)と決定する。また、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(12B,13A)を選択した場合のコストおよび雑音量を(4,2)と決定する。また、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(12A,13B)を選択した場合のコストおよび雑音量を(2,2)と決定する。また、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(12B,13B)を選択した場合のコストおよび雑音量を(2,3)と決定する。
【0226】
コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(13A,14A)を選択した場合のコストおよび雑音量を(2,1)と決定する。また、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(13B,14A)を選択した場合のコストおよび雑音量を(2,2)と決定する。また、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(13A,14B)を選択した場合のコストおよび雑音量を(1,2)と決定する。また、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(13B,14B)を選択した場合のコストおよび雑音量を(2,3)と決定する。
【0227】
コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(14A,15A)を選択した場合のコストおよび雑音量を(2,10)と決定する。また、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(14B,15A)を選択した場合のコストおよび雑音量を(3,10)と決定する。ここで、入力リンク(14A,15A)および入力リンク(14B,15A)を選択したときの雑音量は、これだけで閾値NOISEthの7を超えるため、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(14A,15A)、入力リンク(14B,15A)、入力リンク(15A,16A)および入力リンク(15A,16B)を削除する。
【0228】
コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(14A,15B)を選択した場合のコストおよび雑音量を(2,2)と決定する。また、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(14B,15B)を選択した場合のコストおよび雑音量を(2,3)と決定する。また、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(15B,16A)を選択した場合のコストおよび雑音量を(3,2)と決定する。また、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(15B,16B)を選択した場合のコストおよび雑音量を(2,3)と決定する。
【0229】
コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(16A,17A)を選択した場合のコストおよび雑音量を(2,1)と決定する。また、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(16B,17A)を選択した場合のコストおよび雑音量を(3,2)と決定する。また、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(16A,17B)を選択した場合のコストおよび雑音量を(1,2)と決定する。また、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(16B,17B)を選択した場合のコストおよび雑音量を(2,3)と決定する。
【0230】
コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(17A,18A)を選択した場合のコストおよび雑音量を(2,1)と決定する。また、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(17B,18A)を選択した場合のコストおよび雑音量を(2,2)と決定する。これにより、局舎11〜18に配置するOADM,ILAに対応する各ノードと、伝送劣化量および雑音量と対応付けられ、各ノードを接続する各リンクと、からなるグラフ情報が生成される。
【0231】
図21は、図9に示す第1単位設計区間内グラフ生成部150が生成するグラフ情報の例を示す図(その2)である。図21において、図20に示したコスト決定部154及び伝送劣化量決定部155によって算出されたコストおよび雑音量は図示を省略している。図20においては、第2リンク生成部153が、各ノードについて、各ノードの直前のノードからの入力リンクのみを生成する場合について説明したが、第2リンク生成部153は、各ノードの直前のノードからの入力リンクに加えて、各ノードの2つ以上前のノードからの入力リンクを生成してもよい。
【0232】
ここでは、第2リンク生成部153は、ノード13Aについて、入力リンク(12A,13A)および入力リンク(12B,13A)に加えて、ノード13Aに対応する局舎13より前段の局舎11に対応するノード11Aからの入力リンク(11A,13A)を生成する。ノード13Aにおいて、入力リンク(11A,13A)を選択した場合は、局舎12にはバイパスを配置する。
【0233】
また、第2リンク生成部153は、ノード13Bについて、入力リンク(12A,13B)および入力リンク(12B,13B)に加えて、ノード13Bに対応する局舎13より前段の局舎11に対応するノード11Aからの入力リンク(11A,13B)を生成する。ノード13Bにおいて、入力リンク(11A,13B)を選択した場合は、局舎12にはバイパスを配置する。
【0234】
また、第2リンク生成部153は、ノード14Aについて、入力リンク(13A,14A)および入力リンク(13B,14A)に加えて、ノード14Aに対応する局舎14より前段の局舎11に対応するノード11Aからの入力リンク(11A,14A)を生成する。ノード14Aにおいて、入力リンク(11A,14A)を選択した場合は局舎12および局舎13にはバイパスを配置する。
【0235】
また、第2リンク生成部153は、ノード14Bについて、入力リンク(13A,14B)および入力リンク(13B,14B)に加えて、ノード14Bに対応する局舎14より前段の局舎11に対応するノード11Aからの入力リンク(11A,14B)と、局舎14より前段の局舎12に対応するノード2Aからの入力リンク(12A,14B)と、を生成する。
【0236】
ノード14Bにおいて、入力リンク(11A,14B)を選択した場合は、局舎12および局舎13にはバイパスを配置する。また、入力リンク(12A,14B)を選択した場合は、局舎13にはバイパスを配置する。このように、入力リンク(11A,13A)、入力リンク(11A,13B)、入力リンク(11A,14A)、入力リンク(11A,14B)および入力リンク(12A,14B)をバイパスリンクとして生成する。
【0237】
コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(11A,13A)を選択した場合のコストおよび雑音量を(10,4)と決定する。また、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(11A,13B)を選択した場合のコストおよび雑音量を(10,5)と決定する。また、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(11A,14A)を選択した場合のコストおよび雑音量を(10,5)と決定する。
【0238】
また、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(11A,14B)を選択した場合のコストおよび雑音量を(10,6)と決定する。また、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(12A,14B)を選択した場合のコストおよび雑音量を(2,2)と決定する。なお、バイパスリンクは他にも生成し得るが、以下の説明では、簡単のため、図20に示した各入力リンクと、これらのバイパスリンクのみを生成する場合について説明する。また、グラフを生成した結果、ノード15Aに対する入力リンクは存在しないため、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155はノード15Aを削除する。
【0239】
図22は、図9に示す第2リンク選択部156による入力リンクの選択処理の説明図である。図22において、図20および図21に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。ここでは、ノード13Aへの入力リンクの選択について説明する。ノード13Aへの各入力リンクを太矢印で示し、他の入力リンクは細矢印で示している。第2リンク選択部156は、第2リンク生成部153によって生成されたノード13Aへの3つの入力リンク(12A,13A)、入力リンク(12B,13A)および入力リンク(11A,13A)から一つの入力リンクを選択する。
【0240】
ノード13Aへの入力リンク(12A,13A)、入力リンク(12B,13A)および入力リンク(11A,13A)から一つの入力リンクを選択することで、局舎13にOADMを配置する場合の、局舎13の直前にOADMまたはILAが配置される局舎までの各配置が第2ノード決定部157によって決定される。第2リンク選択部156によって入力リンク(12A,13A)が選択されたときは、局舎13にOADMを配置する場合に、局舎12にはOADMが配置されることが第2ノード決定部157によって決定される。
【0241】
また、第2リンク選択部156によって入力リンク(12B,13A)が選択されたときは、局舎13にOADMを配置する場合に、局舎12にはILAが配置されることが第2ノード決定部157によって決定される。また、第2リンク選択部156によって入力リンク(11A,13A)が選択されたときは、局舎13にOADMを配置する場合に、局舎12にはバイパスが配置され、局舎11にはOADMが配置されることが第2ノード決定部157によって決定される。
【0242】
ここでは、第2リンク選択部156がノード13Aへの各入力リンクから一つの入力リンクを選択する場合について説明したが、第2リンク選択部156は、各ノード12A〜14A,16A〜18A,12B〜17Bについても同様に、各入力リンクから一つの入力リンクを選択することで、伝送劣化量が閾値以下となり、コストが最小となる配置に対応する経路を探索する。
【0243】
図23および図24は、図9に示す第2リンク選択部156による選択処理の例を示すフローチャートである。図23および図24においては、伝送劣化量として、雑音量及び各種の伝送ペナルティのそれぞれの順方向成分及び逆方向成分を用いる場合について説明する。
【0244】
ステップS40において第2リンク選択部156は、第2ノード候補生成部152によって生成された各ノードNx(x=1〜q)を取得する。
ステップS41において第2リンク選択部156は、ステップS40で取得された各ノードNxのいずれかを参照するノード番号xを1に設定する。
ステップS42において第2リンク選択部156は、ノードNxが光再生中継器を配置可能なノードであるか否かを判断する。
【0245】
ステップS42においてノードNxが光再生中継器を配置可能なノードである場合は、ステップS43において第2リンク選択部156は、雑音量の最小値NOISEminを0に設定する。最小値NOISEminは、ノードNxから後段光再生ノードまでの雑音量の最小値である。またステップS44において第2リンク選択部156は、伝送ペナルティの最小値PENALTYminを0に設定にし、ステップS48へ処理を移行する。最小値PENALTYminは、ノードNxから後段光再生ノードまでの伝送ペナルティ量の最小値である。
【0246】
最小値NOISEminの値は、雑音量の順方向成分及び反対方向成分のそれぞれについて設定される。
また、最小値PENALTYminの値は、各伝送ペナルティの種類毎に、伝送ペナルティ量の順方向成分及び反対方向成分のそれぞれについて設定される。
【0247】
ステップS42においてノードNxが光再生中継器を適用可能なノードでない場合は、ステップS45において第2リンク選択部156は、ノードNxのつぎの後段光再生ノードまでの雑音最小経路を探索する。ノードNxのつぎの後段光再生ノードまでの雑音最小経路とは、ノードNxの後段光再生ノードのうちの、ノードNxまでの入力リンクの雑音量の合計が最小となる後段光再生ノードまでの経路である。
【0248】
ステップS46において第2リンク選択部156は、順方向成分及び反対方向成分のそれぞれについて雑音量の最小値NOISEminを、ステップS45によって探索した雑音最小経路の雑音量に設定する。
ステップS47において第2リンク選択部156は、各伝送ペナルティの種類毎かつ順方向成分及び反対方向成分のそれぞれについて、伝送ペナルティの最小値PENALTYminを、ステップS45によって探索した雑音最小経路の伝送ペナルティに設定する。
【0249】
ステップS48において第2リンク選択部156は、ノードNxへの各入力リンクli(i=1〜r)を取得する。ここでは、PENALTYminを雑音最小経路上の値としているが、別途伝送ペナルティの最小経路を探索し、その経路上の値としてもよい。
【0250】
ステップS49において第2リンク選択部156は、ステップS48によって取得した各入力リンクliを参照する入力リンク番号iを1に設定する。
ステップS50において第2リンク選択部156は、順方向成分及び反対方向成分のそれぞれについて、入力リンクliの始点ノードNiまでの累積雑音NOISEacc(Ni)と、入力リンクliを選択したときの雑音NOISE(li)と、ステップS43またはステップS46によって設定した雑音量の最小値NOISEminと、の合計値が雑音閾値NOISEth以下か否かを判断する。
第2リンク選択部156は、雑音閾値NOISEthとして、単位設計区間内雑音量上限値決定部134が決定した単位設計区間内雑音量上限値Nth1(gh)及びNth2(gh)を使用する。
【0251】
ステップS50において順方向成分及び反対方向成分の双方について、合計値が雑音閾値NOISEth以下である場合は、処理はステップS51へ進む。
ステップS51において第2リンク選択部156は、各伝送ペナルティの種類毎に、かつ順方向成分及び反対方向成分のそれぞれについて、入力リンクliの始点ノードNiまでの累積伝送ペナルティPENALTYacc(Ni)と、入力リンクliを選択したときの伝送ペナルティPENALTY(li)と、ステップS44またはステップS47によって設定した伝送ペナルティの最小値PENALTYminと、の合計値が伝送ペナルティ閾値PENALTYth以下か否かを判断する。
第2リンク選択部156は、伝送ペナルティ閾値PENALTYthとして、単位設計区間内ペナルティ上限値決定部131が決定した単位設計区間内ペナルティ上限値Pth1k(gh)及びPth2k(gh)を使用する。
【0252】
ステップS50において、順方向成分及び反対方向成分のいずれかについて、合計値が雑音閾値NOISEthより大きい場合には、処理はステップS52へ進む。
また、ステップS51において、各種類の伝送ペナルティのいずれかについて、順方向成分及び反対方向成分のいずれかの合計値が伝送ペナルティ閾値PENALTYthより大きい場合には、処理はステップS52へ進む。
ステップS52において第2リンク選択部156は、ステップS48によって取得した各入力リンクから入力リンクliを削除し、処理をステップS53へ進める。
【0253】
ステップS51において、各種類の伝送ペナルティのいずれかについても、順方向成分及び反対方向成分の合計値の双方が、伝送ペナルティ閾値PENALTYth以下である場合は、ステップS53において第2リンク選択部156は、入力リンク番号iが最後の番号rであるか否かを判断する。
入力リンク番号iが最後の番号rでない場合は、ステップS54において第2リンク選択部156は、入力リンク番号iをi+1に変更し、ステップS50へ戻って処理を続行する。
【0254】
ステップS53において入力リンク番号iが最後の番号rである場合は、処理は図24のステップS55へ進む(符号A)。
ステップS55において第2リンク選択部156は、ステップS48によって取得され、ステップS52によって削除されていない入力リンクliのうちの、始点ノードNiまでの累積コストCOSTacc(Ni)と、入力リンクliのコストCOST(li)と、の合計値が最小となる入力リンクliを、ノードNxへの入力リンクLとして選択する。
【0255】
ステップS56において第2リンク選択部156は、ノードNxまでの累積コストCOSTacc(Nx)=COSTacc(Npre)+COST(L)を算出する。COSTacc(Npre)は、ステップS55によって選択された入力リンクLの始点ノードNpreまでの累積コストである。また、COST(L)は、入力リンクLを選択したときのコストである。
【0256】
ステップS57において第2リンク選択部156は、ノードNxが光再生中継器を配置可能なノードであるか否かを判断する(ステップS57)。光再生中継器を適用可能なノードである場合、ステップS58において第2リンク選択部156は、順方向成分及び反対方向成分の双方についてノードNxまでの累積雑音NOISEacc(Nx)を0に設定する。続くステップS59において第2リンク選択部156は、各伝送ペナルティの種類毎かつ順方向成分及び反対方向成分のそれぞれについて、ノードNxまでの累積伝送ペナルティPENALTYacc(Nx)を0に設定する。その後、処理はステップS62へ進む。
【0257】
ステップS57の判定においてノードNxが光再生中継器を配置可能なノードでない場合は、ステップS60において第2リンク選択部156は、順方向成分及び反対方向成分の双方について、ノードNxまでの累積雑音NOISEacc(Nx)を、ノードNpreまでの累積雑音NOISEacc(Npre)と、入力リンクLの雑音NOISE(L)と、の合計値に設定する。
【0258】
続くステップS61において第2リンク選択部156は、各伝送ペナルティの種類毎かつ順方向成分及び反対方向成分のそれぞれについて、ノードNxまでの累積伝送ペナルティPENALTYacc(Nx)を、PENALTYacc(Npre)+PENALTY(L)に設定する。PENALTYacc(Npre)は、ノードNpreまでの累積伝送ペナルティである。PENALTY(L)は、入力リンクLの伝送ペナルティである。
【0259】
ステップS62において第2リンク選択部156は、ノード番号xが最後の番号qであるか否かを判断する。ステップS62においてノード番号xが最後の番号qでない場合は、ノード番号xをx+1に変更し、図23のステップS42へ戻って(符号B)処理を続行する。ノード番号xが最後の番号qである場合は、入力リンク選択動作を終了する。
【0260】
以上の各ステップによって、第2ノード候補生成部152によって生成された各ノードNxへの入力リンクLがそれぞれ選択される。つぎに、図20〜図22に示した例において図23および図24の各ステップを適用した場合について説明する。簡単のため、伝送劣化量の代表として順方向の雑音量のみを用いて説明する。したがって、図23及び図24のステップS44、S47、S51、S59及びS61については説明を省略する。
【0261】
図25は、図9に示す第2リンク選択部156による入力リンクの選択処理の結果を示す図である。図25において、図20〜図22に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。また、図25において、矢印は、図23及び図24に示した各ステップによって選択された入力リンクLを示している。また、各ノードとともに、ステップS55〜S61によって算出される累積コストCOSTaccおよび累積雑音NOISEaccを(累積コスト,累積雑音量)として図示している。
【0262】
ノード12Aへの入力リンクLの決定について説明する。ノード12AはOADMに対応するノードであるため、雑音量の最小値NOISEminは0となる(ステップS43)。また、ノード12Aへの各入力リンクとして入力リンク(11A,12A)のみが取得される(ステップS48)。
【0263】
入力リンク(11A,12A)を選択したときの雑音量の合計値はNOISEacc(11A)+NOISE(11A,12A)+NOISEmin=0+1+0=1となる(ステップS50)。この合計値は雑音閾値NOISEthの7以下であるため、入力リンク(11A,12A)は削除されない(ステップS52)。
【0264】
入力リンク(11A,12A)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(11A)+COST(11A,12A)=0+2=2となる(ステップS55)。ここでは、残っている入力リンクが入力リンク(11A,12A)のみであるので、入力リンク(11A,12A)がノード12Aへの入力リンクLとして選択される(ステップS55)。
【0265】
ノード12Aまでの累積コストCOSTacc(12A)は、COSTacc(11A)+COST(11A,12A)=0+2=2となる(ステップS56)。ノード12AはOADMに対応するノードであるため、ノード12Aまでの累積雑音NOISEacc(12A)は0となる(ステップS58)。
【0266】
ノード12Bへの入力リンクLの決定について説明する。ノード12BはILAに対応するノードであるため、ノード12Bの後段光再生ノードまでの雑音最小経路としてノード12Bからノード13Aまでの経路が探索され(ステップS45)、雑音量の最小値NOISEminは2となる(ステップS46)。また、ノード12Bへの各入力リンクとして、入力リンク(11A,12B)のみが取得される(ステップS48)。
【0267】
入力リンク(11A,12B)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(11A)+NOISE(11A,12B)+NOISEmin=0+2+2=4となる(ステップS50)。この入力リンク(11A,12B)を選択したときの雑音量の合計値は雑音閾値NOISEthの7以下であるため、入力リンク(11A,12B)は削除されない(ステップS52)。
【0268】
入力リンク(11A,12B)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(11A)+COST(11A,12B)=0+1=1となる(ステップS55)。ここでは、残っている入力リンクが入力リンク(11A,12B)のみであるので、入力リンク(11A,12B)がノード12Bへの入力リンクLとして選択される(ステップS55)。
【0269】
ノード12Bまでの累積コストCOSTacc(12B)は、COSTacc(11A)+COST(11A,12B)=0+1=1となる(ステップS56)。ノード12BはILAに対応するノードであるため、ノード12Bまでの累積雑音NOISEacc(12B)は、NOISEacc(11A)+NOISE(11A,12B)=0+2=2となる(ステップS60)。
【0270】
つぎに、ノード13Aへの入力リンクLの決定について説明する。ノード13AはOADMに対応するノードであるため、雑音量の最小値NOISEminは0となる(ステップS43)。また、ノード13Aへの各入力リンクとして、入力リンク(12A,13A)と、入力リンク(12B,13A)と、入力リンク(11A,13A)と、が取得される(ステップS48)。
【0271】
入力リンク(12A,13A)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(12A)+NOISE(12A,13A)+NOISEmin=0+1+0=1となる(ステップS50)。また、入力リンク(12B,13A)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(12B)+NOISE(12B,13A)+NOISEmin=2+2+0=4となる(ステップS50)。
【0272】
また、入力リンク(11A,13A)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(11A)+NOISE(11A,13A)+NOISEmin=0+4+0=4となる(ステップS50)。これらの合計値は雑音閾値NOISEthの7以下であるため、入力リンク(12A,13A)、入力リンク(12B,13A)および入力リンク(11A,13A)はいずれも削除されない(ステップS52)。
【0273】
入力リンク(12A,13A)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(12A)+COST(12A,13A)=2+2=4となる。また、入力リンク(12B,13A)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(12B)+COST(12B,13A)=1+4=5となる。また、入力リンク(11A,13A)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(11A)+COST(11A,13A)=0+10=10となる。したがって、コストの合計値が最小となる入力リンク(12A,13A)がノード13Aへの入力リンクLとして選択される(ステップS55)。
【0274】
ノード13Aまでの累積コストCOSTacc(13A)は、COSTacc(12A)+COST(12A,13A)=2+2=4となる(ステップS56)。ノード13AはOADMに対応するノードであるため、ノード13Aまでの累積雑音NOISEacc(13A)は0となる(ステップS58)。
【0275】
ノード13Bへの入力リンクLの決定について説明する。ノード13BはILAに対応するノードであるため、雑音最小経路としてノード13Bからノード14Aまでの経路が探索され(ステップS45)、雑音量の最小値NOISEminは2となる(ステップS46)。また、ノード13Bへの各入力リンクとして、入力リンク(12A,13B)と、入力リンク(12B,13B)と、入力リンク(11A,13B)と、が取得される(ステップS48)。
【0276】
入力リンク(12A,13B)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(12A)+NOISE(12A,13B)+NOISEmin=0+2+2=4となる(ステップS50)。また、入力リンク(12B,13B)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(12B)+NOISE(12B,13B)+NOISEmin=2+3+2=7となる(ステップS50)。
【0277】
また、入力リンク(11A,13B)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(11A)+NOISE(11A,13B)+NOISEmin=0+5+2=7となる(ステップS50)。これらの合計値は雑音閾値NOISEthの7以下であるため、入力リンク(12A,13B)、入力リンク(12B,13B)および入力リンク(11A,13B)はいずれも削除されない(ステップS52)。
【0278】
入力リンク(12A,13B)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(12A)+COST(12A,13B)=2+2=4となる。また、入力リンク(12B,13B)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(12B)+COST(12B,13B)=1+2=3となる。また、入力リンク(11A,13B)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(11A)+COST(11A,13B)=0+10=10となる。したがって、コストの合計値が最小となる入力リンク(12B,13B)がノード13Bへの入力リンクLとして選択される(ステップS55)。
【0279】
ノード13Bまでの累積コストCOSTacc(13B)は、COSTacc(12B)+COST(12B,13B)=1+2=3となる(ステップS56)。ノード13BはILAに対応するノードであるため、ノード13Bまでの累積雑音NOISEacc(13B)は、NOISEacc(12B)+NOISE(12B,13B)=2+3=5となる(ステップS60)。
【0280】
つぎに、ノード14Aへの入力リンクLの決定について説明する。ノード14AはOADMに対応するノードであるため、雑音量の最小値NOISEminは0となる(ステップS43)。また、ノード14Aへの各入力リンクとして、入力リンク(13A,14A)と、入力リンク(13B,14A)と、入力リンク(11A,14A)と、が取得される(ステップS48)。
【0281】
入力リンク(13A,14A)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(13A)+NOISE(13A,14A)+NOISEmin=0+1+0=1となる(ステップS50)。また、入力リンク(13B,14A)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(13B)+NOISE(13B,14A)+NOISEmin=5+2+0=7となる(ステップS50)。
【0282】
また、入力リンク(11A,14A)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(11A)+NOISE(11A,14A)+NOISEmin=0+5+0=5となる(ステップS50)。これらの雑音量の合計値はいずれも雑音閾値NOISEthの7以下であるため、入力リンク(13A,14A)、入力リンク(13B,14A)および入力リンク(11A,14A)はいずれも削除されない(ステップS52)。
【0283】
入力リンク(13A,14A)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(13A)+COST(13A,14A)=4+2=6となる。また、入力リンク(13B,14A)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(13B)+COST(13B,14A)=3+2=5となる。また、入力リンク(11A,14A)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(11A)+COST(11A,14A)=0+10=10となる。したがって、コストの合計値が最小となる入力リンク(13B,14A)がノード14Aへの入力リンクLとして選択される(ステップS55)。
【0284】
ノード14Aまでの累積コストCOSTacc(14A)は、COSTacc(13B)+COST(13B,14A)=3+2=5となる(ステップS56)。ノード14AはOADMに対応するノードであるため、ノード14Aまでの累積雑音NOISEacc(14A)は0となる(ステップS58)。
【0285】
ノード14Bへの入力リンクLの決定について説明する。ノード14BはILAに対応するノードであるため、ノード14Bの後段光再生ノードまでの雑音最小経路としてノード14Bからノード6Aまでの経路が探索され(ステップS45)、雑音量の最小値NOISEminは3+2=5となる(ステップS46)。また、ノード14Bへの各入力リンクとして、入力リンク(13A,14B)と、入力リンク(13B,14B)と、入力リンク(11A,14B)と、入力リンク(12A,14B)と、が取得される(ステップS48)。
【0286】
入力リンク(13A,14B)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(13A)+NOISE(13A,14B)+NOISEmin=0+2+5=7となる(ステップS50)。また、入力リンク(13B,14B)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(13B)+NOISE(13B,14B)+NOISEmin=5+3+5=13となる(ステップS50)。また、入力リンク(11A,14B)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(11A)+NOISE(11A,14B)+NOISEmin=0+6+5=11となる(ステップS50)。
【0287】
また、入力リンク(12A,14B)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(12A)+NOISE(12A,14B)+NOISEmin=0+2+5=7となる(ステップS50)。雑音量の合計値が、雑音閾値NOISEthの7よりも大きい入力リンク(13B,14B)および入力リンク(11A,14B)は削除される(ステップS52)。
【0288】
入力リンク(13A,14B)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(13A)+COST(13A,14B)=4+1=5となる(ステップS55)。また、入力リンク(12A,14B)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(12A)+COST(12A,14B)=2+2=4となる。したがって、コストの合計値が最小となる入力リンク(12A,14B)がノード14Bへの入力リンクLとして選択される(ステップS55)。
【0289】
ノード14Bまでの累積コストCOSTacc(14B)は、COSTacc(12A)+COST(12A,14B)=2+2=4となる(ステップS56)。ノード14BはILAに対応するノードであるため、ノード14Bまでの累積雑音NOISEacc(14B)は、NOISEacc(12A)+NOISE(12A,14B)=0+2=2となる(ステップS60)。
【0290】
つぎに、ノード15Bへの入力リンクLの決定について説明する。ノード15BはILAに対応するノードであるため、ノード15Bの後段光再生ノードまでの雑音最小経路としてノード15Bからノード6Aまでの経路が探索され(ステップS45)、雑音量の最小値NOISEminが2となる(ステップS46)。また、ノード15Bへの各入力リンクとして、入力リンク(14A,15B)と、入力リンク(14B,15B)と、が取得される(ステップS48)。
【0291】
入力リンク(14A,15B)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(14A)+NOISE(14A,15B)+NOISEmin=0+2+2=4となる(ステップS50)。また、入力リンク(14B,15B)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(14B)+NOISE(14B,15B)+NOISEmin=2+3+2=7となる。これらの合計値はいずれも雑音閾値NOISEthの7以下であるため、入力リンク(14A,15B)および入力リンク(14B,15B)は削除されない(ステップS52)。
【0292】
入力リンク(14A,15B)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(14A)+COST(14A,15B)=5+2=7となる(ステップS55)。また、入力リンク(14B,15B)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(14B)+COST(14B,15B)=4+2=6となる。したがって、コストの合計値が最小となる入力リンク(14B,15B)がノード15Bへの入力リンクLとして選択される(ステップS55)。
【0293】
ノード15Bまでの累積コストCOSTacc(15B)は、COSTacc(14B)+COST(14B,15B)=4+2=6となる(ステップS56)。ノード15BはILAに対応するノードであるため、ノード15Bまでの累積雑音NOISEacc(15B)は、NOISEacc(14B)+NOISE(14B,15B)=2+3=5となる(ステップS60)。
【0294】
つぎに、ノード16Aへの入力リンクLの決定について説明する。ノード16AはOADMに対応するノードであるため、雑音量の最小値NOISEminは0となる(ステップS43)。また、ノード16Aへの各入力リンクとして、入力リンク(15B,16A)のみが取得される(ステップS48)。
【0295】
入力リンク(15B,16A)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(15B)+NOISE(15B,16A)+NOISEmin=5+2+0=7となる(ステップS50)。この入力リンク(15B,16A)を選択したときの雑音量の合計値は雑音閾値NOISEthの7以下であるため、入力リンク(15B,16A)は削除されない(ステップS52)。
【0296】
入力リンク(15B,16A)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(15B)+COST(15B,16A)=6+3=9となる(ステップS55)。ここでは、残っている入力リンクが入力リンク(15B,16A)のみであるので、入力リンク(15B,16A)がノード16Aへの入力リンクLとして選択される(ステップS55)。
【0297】
ノード16Aまでの累積コストCOSTacc(16A)は、COSTacc(15B)+COST(15B,16A)=6+3=9となる(ステップS56)。ノード16AはOADMに対応するノードであるため、ノード16Aまでの累積雑音NOISEacc(16A)は0となる(ステップS58)。
【0298】
つぎに、ノード16Bへの入力リンクLの決定について説明する。ステップS42において、ノード16BはILAに対応するノードであるため、ノード17Aまでの経路が探索され(ステップS45)、雑音量の最小値NOISEminが2となる(ステップS46)。また、ノード16Bへの各入力リンクとして、入力リンク(15B,16B)のみが取得される(ステップS48)。
【0299】
入力リンク(15B,16B)を選択したときの雑音量の合計値はNOISEacc(15B)+NOISE(15B,16B)+NOISEmin=5+3+2=10となる(ステップS50)。この合計値は雑音閾値NOISEthの7よりも大きいため、入力リンク(15B,16B)は削除される(ステップS52)。
【0300】
ここでは、ステップS48によって取得した各入力リンクのすべてが削除されたため、ノード16BについてはステップS55以降の処理を行わない。また、第2リンク生成部153によって生成された各入力リンクから、ノード16Bを始点ノードとする入力リンク(16B,17A)および入力リンク(16B,17B)を削除する。
【0301】
つぎに、ノード17Aへの入力リンクLの決定について説明する。ノード17AはOADMに対応するノードであるため、雑音量の最小値NOISEminは0となる(ステップS43)。また、ノード17Aへの各入力リンクとして、入力リンク(16A,17A)のみが取得される(ステップS48)。
【0302】
入力リンク(16A,17A)を選択したときの雑音量の合計値はNOISEacc(16A)+NOISE(16A,17A)+NOISEmin=0+1+0=1となる(ステップS50)。この合計値は雑音閾値NOISEthの7以下であるため、入力リンク(16A,17A)は削除されない(ステップS52)。
【0303】
入力リンク(16A,17A)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(16A)+COST(16A,17A)=9+2=11となる(ステップS55)。ここでは、残っている入力リンクが入力リンク(16A,17A)のみであるので、入力リンク(16A,17A)がノード17Aへの入力リンクLとして選択される(ステップS55)。
【0304】
ノード17Aまでの累積コストCOSTacc(17A)は、COSTacc(16A)+COST(16A,17A)=9+2=11となる(ステップS56)。ノード17AはOADMに対応するノードであるため、ノード17Aまでの累積雑音NOISEacc(17A)は0となる(ステップS58)。
【0305】
つぎに、ノード17Bへの入力リンクLの決定について説明する。ノード17BはILAに対応するノードであるため、ノード17Bの後段で光再生中継器を適用可能なノードまでの雑音最小経路としてノード17Bからノード8Aまでの経路が探索され(ステップS45)、雑音量の最小値NOISEminが2となる(ステップS46)。また、ノード17Bへの各入力リンクとして、入力リンク(16A,17B)のみが取得される(ステップS48)。
【0306】
入力リンク(16A,17B)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(16A)+NOISE(16A,17B)+NOISEmin=0+2+2=4となる(ステップS50)。この入力リンク(16A,17B)を選択したときの雑音量の合計値は雑音閾値NOISEthの7以下であるため、入力リンク(16A,17B)は削除されない(ステップS52)。
【0307】
入力リンク(16A,17B)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(16A)+COST(16A,17B)=9+1=10となる(ステップS55)。ここでは、残っている入力リンクが入力リンク(16A,17B)のみであるので、入力リンク(16A,17B)がノード17Bへの入力リンクLとして選択される(ステップS55)。
【0308】
ノード17Bまでの累積コストCOSTacc(17B)は、COSTacc(16A)+COST(16A,17B)=9+1=10となる(ステップS56)。ノード17BはILAに対応するノードであるため、ノード17Bまでの累積雑音NOISEacc(17B)は、NOISEacc(16A)+NOISE(16A,17B)=0+2=2となる(ステップS60)。
【0309】
ノード18Aへの入力リンクLの決定について説明する。ノード18Aは光再生中継器を適用可能なOADMであるため、雑音量の最小値NOISEminは0となる(ステップS43)。また、ノード18Aへの各入力リンクとして、入力リンク(17A,18A)と、入力リンク(17B,18A)と、が取得される(ステップS48)。
【0310】
入力リンク(17A,18A)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(17A)+NOISE(17A,18A)+NOISEmin=0+1+0=1となる(ステップS50)。また、入力リンク(17B,18A)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(17B)+NOISE(17B,18A)+NOISEmin=2+2+0=4となる(ステップS50)。これらの合計値は雑音閾値NOISEthの7以下であるため、入力リンク(17A,18A)および入力リンク(17B,18A)は削除されない(ステップS52)。
【0311】
入力リンク(17A,18A)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(17A)+COST(17A,18A)=11+2=13となる(ステップS55)。入力リンク(17B,18A)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(17B)+COST(17B,18A)=10+2=12となる(ステップS55)。したがって、コストの合計値が最小となる入力リンク(17B,18A)がノード18Aへの入力リンクLとして選択される(ステップS55)。
【0312】
ノード18Aまでの累積コストCOSTacc(18A)は、COSTacc(17B)+COST(17B,18A)=10+2=12となる(ステップS56)。ノード18AはOADMに対応するノードであるため、ノード18Aまでの累積雑音NOISEacc(18A)は0となる(ステップS58)。これにより、各ノードへの入力リンクLがそれぞれ選択される。
【0313】
図9に示す第2ノード決定部157は、第2リンク選択部156から出力された各入力リンクの始点ノードに基づいて、第2ノード候補生成部152が生成したノードのいずれかを選択することによって設計単位区間内の各局舎に対する各種の光伝送装置の配置の1つの候補を決定する。第2ノード決定部157によるノードの選択処理は、図17に示したフローチャートと同様である。
【0314】
図26は、図9に示す第2ノード決定部157による経由ノードの決定処理の結果を示す図である。図26において図20〜図22,図25に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。また、図26において、太矢印は、図17に示した各ステップによって遷移したノードの経路を示している。また、グラフの下段に、各ステップによって決定された光伝送装置の種類を図示している。黒丸印はバイパスを示している。
【0315】
まず、単位設計区間204の終端局舎18に対応するノード18Aの番号が設定され(ステップS21)、ノード18Aが経由ノードの一つとして保持される(ステップS22)。また、ノード18Aへの入力リンクLとして入力リンク(17B,18A)が取得される(ステップS23)。また、入力リンク(17B,18A)の始点ノードNpreとしてノード17Bが取得され(ステップS24)、ノード17Bが経由ノードの一つとして保持される(ステップS25)。
【0316】
つぎに、ノード17Bの番号が設定され(ステップS27)、ノード17Bへの入力リンクLとして入力リンク(16A,17B)が取得される(ステップS23)。また、入力リンク(16A,17B)の始点ノードNpreとしてノード16Aが取得され(ステップS24)、ノード16Aが経由ノードの一つとして保持される(ステップS25)。
【0317】
つぎに、ノード16Aの番号が設定され(ステップS27)、ノード16Aへの入力リンクLとして入力リンク(15B,16A)が取得される(ステップS23)。また、入力リンク(15B,16A)の始点ノードNpreとしてノード15Bが取得され(ステップS24)、ノード15Bが経由ノードの一つとして保持される(ステップS25)。
【0318】
つぎに、ノード15Bの番号が設定され(ステップS27)、ノード15Bへの入力リンクLとして入力リンク(14B,15B)が取得される(ステップS23)。また、入力リンク(14B,15B)の始点ノードNpreとしてノード14Bが取得され(ステップS24)、ノード14Bが経由ノードの一つとして保持される(ステップS25)。
【0319】
つぎに、ノード14Bの番号が設定され(ステップS27)、ノード14Bへの入力リンクLとして入力リンク(12A,14B)が取得される(ステップS23)。また、入力リンク(12A,14B)の始点ノードNpreとしてノード12Aが取得され(ステップS24)、ノード12Aが経由ノードの一つとして保持される(ステップS25)。
【0320】
つぎに、ノード12Aの番号が設定され(ステップS27)、ノード12Aへの入力リンクLとして入力リンク(1A,12A)が取得される(ステップS23)。また、入力リンク(11A,12A)の始点ノードNpreとしてノード11Aが取得され(ステップS24)、ノード11Aが経由ノードの一つとして保持される(ステップS25)。
【0321】
ノード11Aのノード番号は、単位設計区間204における始端局舎である局舎11に配置する光伝送装置のノードの番号であるため、ここで経由ノード決定動作が終了する。このように、ノード18Aからノード11Aまで入力リンクLをたどりながら遡ることで、ノード18A→ノード17B→ノード16A→ノード15B→ノード14B→ノード12A→ノード11Aの順に経由ノードが保持される。
【0322】
第2ノード決定部157は、図17に示す処理によって決定した各経由ノードの種類に従って各局舎11〜18に配置する各光伝送装置を決定する。第2ノード決定部157は、ノード11Aに基づいて局舎11にOADMを配置する。また第2ノード決定部157は、ノード12Aに基づいて局舎12にOADMを配置する。
【0323】
また、第2ノード決定部157は、局舎12に対応するノードが存在しないため、局舎12にバイパスを配置する。第2ノード決定部157は、ノード14Bに基づいて局舎14にILAを配置する。第2ノード決定部157は、ノード15Bに基づいて局舎15にILAを配置する。第2ノード決定部157は、ノード16Aに基づいて局舎16にOADMを配置する。第2ノード決定部157は、ノード17Bに基づいて局舎17にILAを配置する。第2ノード決定部157は、決定した光伝送装置構成を、単位設計区間204の光伝送装置構成の候補として記憶部126に記憶する。
【0324】
図19に示すステップS32では、追加候補探索部128は、新たな光伝送装置構成の候補t’を探索する。追加候補探索部128が光伝送装置構成の候補t’の探索する処理は、図20〜26を参照して説明した初期候補生成部125が光伝送装置構成を決定する処理と同様である。
ただし、追加候補探索部128の第3リンク選択部166は、ステップS55において、始点ノードNiまで累積された被約費用の変化量ΔRCと、入力リンクの被約費用の変化量ΔRCとの合計値が最小となる入力リンクを、ノードNxへの入力リンクLとして選択する。
【0325】
また第3リンク選択部166は、ステップS56において、ノードNxまでの累積された被約費用の変化量ΔRCacc(Nx)を、ΔRCacc(Nx)=ΔRCacc(Npre)+ΔRC(L)によって算出する。ΔRCacc(Npre)は、ステップS55によって選択された入力リンクLの始点ノードNpreまでの累積された被約費用の変化量ΔRCである。また、ΔRC(L)は、入力リンクLを選択したときの被約費用の変化量ΔRCである。
【0326】
図11のステップS5において、図7に示す光再生中継器配置決定部115は、装置構成決定部124によって決定された光伝送装置構成内への光再生中継器の配置を決定する。設計データ出力部116は、装置構成決定部124によって決定された光伝送装置構成に関する情報と光再生中継器配置決定部115により決定された光再生中継器の配置に関する情報とを含む設計データを出力する。
【0327】
以上の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0328】
(付記1)
光ネットワークのトポロジー情報、前記光ネットワーク上の各前記局舎に配置可能な光伝送装置の種類に関する装置情報、前記トポロジー情報上で互いに隣接する局舎間における伝送路条件を示すスパン情報、及び前記光ファイバネットワーク上を伝送する各波長パスに関する波長パス情報を取得する情報取得部と、
前記トポロジー情報により表されるネットワークを線形区間に分割する区間分割部と、
各前記線形区間内に配置される光伝送装置の種類の組み合わせ候補を決定する組み合わせ候補決定部と、
前記波長パス情報において指定される、各前記波長パス上で許される雑音量上限値に対応する所定条件に応じて該雑音量上限値を決定する雑音量上限値決定部と、
前記光ネットワークに配置される光伝送装置のコスト及び各前記波長パス毎に必要な数の光再生中継器に要するコストの合計を最小にする目的関数、前記線形区間毎に前記組み合わせ候補から光伝送装置の種類の組み合わせを1つずつ選択する制約条件、並びに各前記波長パスに必要な光再生中継器数の条件を前記スパン情報において指定される前記伝送路条件に応じて決定される該波長パス上で生じる前記累積雑音量と該波長パスの前記雑音量上限値とにより定める制約条件を有する整数計画問題を解くことにより、各前記線形区間内に配置される光伝送装置を決定する装置配置部と、
を備えるネットワーク設計装置。
【0329】
(付記2)
前記整数計画問題は、各前記波長パスに必要な光再生中継器数の条件を、前記スパン情報において指定される前記伝送路条件に応じて決定される該波長パス上で生じる伝送ペナルティの累積値と、該波長パスの信号種類に応じて定まる伝送ペナルティの上限値と、により定める制約条件をさらに有する付記1に記載のネットワーク設計装置。
【0330】
(付記3)
前記雑音量上限値決定部は、前記波長パス情報において指定される前記所定条件に応じて定まる該波長パスのOSNR耐力に応じて前記雑音量上限値を定める付記1又は2に記載のネットワーク設計装置。
【0331】
(付記4)
前記雑音量上限値決定部は、前記波長パスの信号種類に応じて定まる伝送ペナルティの上限値と、前記波長パス情報において指定される前記所定条件に応じて定まる該波長パスのOSNR耐力と、に応じて前記雑音量上限値を定める付記1又は2に記載のネットワーク設計装置。
【0332】
(付記5)
前記波長パス上で生じうる伝送ペナルティの累積値の最大値を決定する累積ペナルティ最大値決定部を備え、
前記雑音量上限値決定部は、前記波長パスの信号種類に応じて定まる伝送ペナルティの上限値及び前記最大値のうち小さい方と、前記波長パス情報において指定される前記所定条件に応じて定まる該波長パスのOSNR耐力と、に応じて前記雑音量上限値を定める付記1又は2に記載のネットワーク設計装置。
【0333】
(付記6)
前記波長パス上で生じうる伝送ペナルティの累積値の最大値及び最小値を決定する累積ペナルティ決定部と、
前記最小値の伝送ペナルティが累積する波長パスにおいて信号の再生に要する光再生中継器の最小数を決定する最小光再生中継器数決定部と、を備え、
前記雑音量上限値決定部は、前記最小数の光再生中継器により分割された該波長パス上に生じ得る伝送ペナルティの最大値及び前記波長パスの信号種類に応じて定まる伝送ペナルティの上限値のうち小さい方と、前記波長パス情報において指定される前記所定条件に応じて定まる該波長パスのOSNR耐力とに応じて前記雑音量上限値を定める付記1又は2に記載のネットワーク設計装置。
【0334】
(付記7)
コンピュータを、
光ネットワークのトポロジー情報、前記光ネットワーク上の各前記局舎に配置可能な光伝送装置の種類に関する装置情報、前記トポロジー情報上で互いに隣接する局舎間における伝送路条件を示すスパン情報、及び前記光ファイバネットワーク上を伝送する各波長パスに関する波長パス情報を取得する情報取得手段、
前記トポロジー情報により表されるネットワークを線形区間に分割する区間分割手段、
各前記線形区間内に配置される光伝送装置の種類の組み合わせ候補を決定する組み合わせ候補決定手段、
前記波長パス情報において指定される、各前記波長パス上で許される雑音量上限値に対応する所定条件に応じて該雑音量上限値を決定する雑音量上限値決定手段、
前記光ネットワークに配置される光伝送装置のコスト及び各前記波長パス毎に必要な数の光再生中継器に要するコストの合計を最小にする目的関数、前記線形区間毎に前記組み合わせ候補から光伝送装置の種類の組み合わせを1つずつ選択する制約条件、並びに各前記波長パスに必要な光再生中継器数の条件を前記スパン情報において指定される前記伝送路条件に応じて決定される該波長パス上で生じる前記累積雑音量と該波長パスの前記雑音量上限値とにより定める制約条件を有する整数計画問題を解くことにより、各前記線形区間内に配置される光伝送装置を決定する装置配置手段、として機能させるネットワーク設計プログラム。
【0335】
(付記8)
前記整数計画問題は、各前記波長パスに必要な光再生中継器数の条件を、前記スパン情報において指定される前記伝送路条件に応じて決定される該波長パス上で生じる伝送ペナルティの累積値と、該波長パスの信号種類に応じて定まる伝送ペナルティの上限値と、により定める制約条件をさらに有する付記7に記載のネットワーク設計プログラム。
【0336】
(付記9)
前記雑音量上限値決定手段は、前記波長パス情報において指定される前記所定条件に応じて定まる前記波長パスのOSNR耐力に応じて前記雑音量上限値を定める付記7又は8に記載のネットワーク設計プログラム。
【0337】
(付記10)
前記雑音量上限値決定手段は、前記波長パスの信号種類に応じて定まる伝送ペナルティの上限値と、前記波長パス情報において指定される前記所定条件に応じて定まる該波長パスのOSNR耐力と、に応じて前記雑音量上限値を定める付記7又は8に記載のネットワーク設計プログラム。
【0338】
(付記11)
前記ネットワーク設計プログラムは、前記コンピュータを、前記波長パス上で生じうる伝送ペナルティの累積値の最大値を決定する累積ペナルティ最大値決定手段として機能させ、
前記雑音量上限値決定手段は、前記波長パスの信号種類に応じて定まる伝送ペナルティの上限値及び前記最大値のうち小さい方と、前記波長パス情報において指定される前記所定条件に応じて定まる該波長パスのOSNR耐力と、に応じて前記雑音量上限値を定める付記7又は8に記載のネットワーク設計プログラム。
【0339】
(付記12)
前記ネットワーク設計プログラムは、前記コンピュータを、
前記波長パス上で生じうる伝送ペナルティの累積値の最大値及び最小値を決定する累積ペナルティ決定手段、及び
前記最小値の伝送ペナルティが累積する波長パスにおいて信号の再生に要する光再生中継器の最小数を決定する最小光再生中継器数決定手段、として機能させ、
前記雑音量上限値決定手段は、前記最小数の光再生中継器により分割された該波長パス上に生じ得る伝送ペナルティの最大値、及び前記波長パスの信号種類に応じて定まる伝送ペナルティの上限値のうち小さい方と、前記波長パス情報において指定される前記所定条件に応じて定まる該波長パスのOSNR耐力と、に応じて前記雑音量上限値を定める付記7又は8に記載のネットワーク設計プログラム。
【0340】
(付記13)
光ネットワークのトポロジー情報、前記光ネットワーク上の各前記局舎に配置可能な光伝送装置の種類に関する装置情報、前記トポロジー情報上で互いに隣接する局舎間における伝送路条件を示すスパン情報、及び前記光ファイバネットワーク上を伝送する各波長パスに関する波長パス情報が、コンピュータに入力され、
前記コンピュータは、
前記トポロジー情報により表されるネットワークを線形区間に分割し、
各前記線形区間内に配置される光伝送装置の種類の組み合わせ候補を決定し、
前記波長パス情報において指定される、各前記波長パス上で許される雑音量上限値に対応する所定条件に応じて該雑音量上限値を決定し、
前記光ネットワークに配置される光伝送装置のコスト及び各前記波長パス毎に必要な数の光再生中継器に要するコストの合計を最小にする目的関数、前記線形区間毎に前記組み合わせ候補から光伝送装置の種類の組み合わせを1つずつ選択する制約条件、並びに各前記波長パスに必要な光再生中継器数の条件を前記スパン情報において指定される前記伝送路条件に応じて決定される該波長パス上で生じる前記累積雑音量と該波長パスの前記雑音量上限値とにより定める制約条件を有する整数計画問題を解くことにより、各前記線形区間内に配置される光伝送装置を決定する、ネットワーク設計方法。
【0341】
(付記14)
前記整数計画問題は、前記整数計画問題は、各前記波長パスに必要な光再生中継器数の条件を、前記スパン情報において指定される前記伝送路条件に応じて決定される該波長パス上で生じる伝送ペナルティの累積値と、該波長パスの信号種類に応じて定まる伝送ペナルティの上限値と、により定める制約条件をさらに有する付記13に記載のネットワーク設計方法。
【0342】
(付記15)
前記コンピュータは、前記波長パス情報において指定される前記所定条件に応じて定まる該波長パスのOSNR耐力に応じて前記雑音量上限値を定める付記13又は14に記載のネットワーク設計方法。
【0343】
(付記16)
前記コンピュータは、前記波長パスの信号種類に応じて定まる伝送ペナルティの上限値と、前記波長パス情報において指定される前記所定条件に応じて定まる該波長パスのOSNR耐力と、に応じて前記雑音量上限値を定める付記13又は14に記載のネットワーク設計方法。
【0344】
(付記17)
前記コンピュータは、
前記波長パス上で生じうる伝送ペナルティの累積値の最大値を決定し、
前記波長パスの信号種類に応じて定まる伝送ペナルティの上限値及び前記最大値のうち小さい方と、前記波長パス情報において指定される前記所定条件に応じて定まる該波長パスのOSNR耐力に応じて前記雑音量上限値を定める付記13又は14に記載のネットワーク設計方法。
【0345】
(付記18)
前記コンピュータは、
前記波長パス上で生じうる伝送ペナルティの累積値の最大値及び最小値を決定し、
前記最小値の伝送ペナルティが累積する波長パスにおいて信号の再生に要する光再生中継器の最小数を決定し、
前記最小数の光再生中継器により分割された該波長パス上に生じ得る伝送ペナルティの最大値、及び前記波長パスの信号種類に応じて定まる伝送ペナルティの上限値のうち小さい方と、前記波長パス情報において指定される前記所定条件に応じて定まる該波長パスのOSNR耐力と、に応じて前記雑音量上限値を定める付記13又は14に記載のネットワーク設計方法。
【図面の簡単な説明】
【0346】
【図1】設計対象となる光ネットワークを示す図である。
【図2】各局舎に配置可能な光伝送装置の種類の一例を示す図である。
【図3】図2に示すOADMの一例を示すブロック図である。
【図4】図2に示すILAの一例を示すブロック図である。
【図5】図2に示すバイパスの一例を示すブロック図である。
【図6】CPUを用いて開示のネットワーク設計装置を実現した場合のハードウエア構成図である。
【図7】図6に示すCPUがネットワーク設計プログラムを実行することにより実現されるネットワーク設計装置のブロック図である。
【図8】図7に示すパラメータ決定部のブロック図である。
【図9】図7に示す初期候補生成部のブロック図である。
【図10】図7に示す追加候補探索部のブロック図である。
【図11】開示のネットワーク設計方法の全体フローチャートである。
【図12】図8に示すパス内グラフ生成部が生成するグラフ情報の例を示す図(その1)である。
【図13】図8に示すパス内グラフ生成部が生成するグラフ情報の例を示す図(その2)である。
【図14】図8に示す第1リンク選択部による入力リンクの選択処理の説明図である。
【図15】図8に示す第1リンク選択部による選択処理の例を示すフローチャートである。
【図16】図8に示す第1リンク選択部による入力リンクの選択処理の結果を示す図である。
【図17】図8に示す第1ノード決定部による経由ノードの決定処理の例を示すフローチャートである。
【図18】図8に示す第1ノード決定部による経由ノードの決定処理の結果を示す図である。
【図19】各単位設計区間の光伝送装置構成を決定する決定方法の一例を示すフローチャートである。
【図20】図9に示す第1単位設計区間内グラフ生成部が生成するグラフ情報の例を示す図(その1)である。
【図21】図9に示す第1単位設計区間内グラフ生成部が生成するグラフ情報の例を示す図(その2)である。
【図22】図9に示す第2リンク選択部による入力リンクの選択処理の説明図である。
【図23】図9に示す第2リンク選択部による選択処理の例を示すフローチャート(その1)である。
【図24】図9に示す第2リンク選択部による選択処理の例を示すフローチャート(その2)である。
【図25】図9に示す第2リンク選択部による入力リンクの選択処理の結果を示す図である。
【図26】図9に示す第2ノード決定部による経由ノードの決定処理の結果を示す図である。
【符号の説明】
【0347】
1、4、6、11、28 OADM装置が配置される局舎
2、3、5、12〜17 中継局舎
100 ネットワーク設計装置
120 情報取得部
121 区間分割部
123 パラメータ決定部
124 装置構成決定部
200 光ネットワーク
201 波長パスの区間
202〜204 線形区間
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ネットワークシステムを構成する各光伝送装置を局舎に配置するネットワーク設計装置、ネットワーク設計プログラム及びネットワーク設計方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、WDM(Wavelength Division Multiplexing:波長分割多重)ネットワークの分野においては、光信号のまま波長単位でトラフィックを分岐及び挿入し、及び経路の切り替えができるOADM(Optical Add Drop Multiplexer:光分岐挿入)装置や、たとえばWXC(Wavelength Cross Connect: 波長クロスコネクト)装置といった光ハブ装置が実現された。
これらの装置の実現によって、相互接続リングネットワークやメッシュネットワーク等の複雑なネットワークが構成可能となった。このように複雑化したネットワークにて伝送される光信号の雑音値やペナルティ値の設計及び光伝送装置の配置の最適化設計に対する要求が高まっている。
【0003】
WDMネットワークを設計する場合には、一般に、WDMシステムを構成する装置を配置可能な局舎に関する情報と局舎間を接続する光ファイバに関する情報とを含む光ネットワーク情報、およびWDMネットワークで伝送される波長パスに関する波長パス情報が与えられる。以下、WDMシステムを構成する光伝送装置のことを「WDM装置」と記載することがある。WDM装置は、たとえばOADM装置やILA(In-Line Amplifier:光増幅中継器)又は後述のバイパスなどを含む。
【0004】
波長パスの始点及び終点になる局舎にはOADM装置が配置され、その一方で他の局舎である中継局舎には、中継装置として使用するOADM装置や、ILAを配置することができる。OADM装置を中継装置として使用することにより、中継局舎において任意の波長パスを再生中継したり、WDM信号のチルト補償を行うことが可能となる。
また、中継局舎にOADM装置やILAを配置せずに光ファイバを単純接続するだけという運用も可能である。このように光ファイバが単純接続される局舎を、以下の説明において「バイパス局舎」と示すことがあり、また光ファイバを単純接続する中継手段のことを「バイパス」と示すことがある。
【0005】
一般に、局舎に配置するWDM装置のコストとこの局舎を経由するWDM信号の伝送品質とはトレードオフの関係にある。すなわちコストの高いWDM装置が配置されるとWDM信号の伝送品質が向上する。このため光ネットワーク上を伝送される各波長パスに必要な光再生中継器の数が減少する。一方で、コストが低いWDM装置の配置数を増やすと光再生中継器の数が増加する。
したがって、WDM装置と光再生中継器のコストの総和、すなわちネットワークを敷設する際の所要コストを最小化するネットワーク設計が必要とされる。
【0006】
従来のWDM装置の配置方法における具体的な手順は以下の通りである。
(1)ネットワークを、直線状或いはリング状のトポロジーを有する複数のサブネットワークへ分割する。
(2)各サブネットワーク毎にWDM装置のコストが最小となる配置を決定する。
【0007】
上述のとおり設計されたWDMネットワークではWDM装置の総コストが最小となる。
【0008】
なお、専用の迂回用光パスを設けず、障害が発生した光パスに流れていたトラヒックを他の現用光パスを用いて迂回させるように、整数計画法を用いて光ネットワークを設計する光ネットワークの設計法が提案されている。
また、複数の光伝送リンクが1つの光伝送装置を共用する光ネットワークにおいて、ネットワークコストを最小化する現用光パスと予備光パスの配備を、整数計画法を用いて決定する光ネットワーク設計法が提案されている。
【0009】
【特許文献1】特開2002−374283号公報
【特許文献2】特開2006−67067号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、上述した従来のWDM装置の配置方法によると、複数のサブネットワークにわたって経路が存在する波長パスが存在するとき、このような波長パスに対しても常にWDM装置が最適に配置されるわけではなく、WDM信号の品質劣化を補償するために光再生中継器の数を増やす必要がある。すなわち、従来のWDM装置の配置方法により決定した配置は、波長パスの分布状況によっては、ネットワーク全体の所要コストを最小にする配置にならない場合がある。
【0011】
ネットワーク全体の所要コストを最小にするように各局舎へ配置されるWDM装置の組み合わせを決定するには、各組み合わせについて、各波長パス毎に光再生中継器の必要数を適切に見積もる必要がある。しかし、この見積もりを適切に行うためには、OSNR(Optical Signal Noise Ratio:光信号対雑音比)に加え、PMD(Polarization Mode Dispersion:偏波モード分散)値やクロストーク値の影響といった伝送ペナルティが必要となる場合がある。OSNRや伝送ペナルティの値も、WDM装置の上記の組み合わせに依存するため、従来は、正確な光再生中継器数の見積もりが困難であった。
なお、ネットワーク中の各局舎へそれぞれ配置されるWDM装置の組み合わせ、すなわち各局舎へそれぞれWDM装置が配置された配置状態を「WDM装置構成」と示すことがある。
【0012】
一般に、ある局舎で受信した光信号について以下の式で与えられる受信OSNRが、光信号の信号種類に応じて定まる所定のOSNR耐力以上のときには、その光信号をその局舎へ伝送すること若しくはその局舎で受信することが可能である。
受信OSNR=OSNR−伝送ペナルティ
一方で、受信OSNRがOSNR耐力よりも小さいときは、伝送もしくは受信することができなくなるため、その光信号を伝送する前に光再生中継器により再生する必要がある。なお、OSNRの逆数である単位光パワー当たりの雑音量NOISEは線形値であり、あるOSNR[dB]が与えられると、
NOISE=10-(OSNR/10)
により表される。
【0013】
伝送ペナルティを考慮しない場合には、比較的容易に雑音量から光再生中継器の所要数を見積もることが可能であるが、伝送ペナルティを考慮したより精度が高い光再生中継器の所要数の見積もりは従来困難であった。
開示のネットワーク設計装置、ネットワーク設計プログラム及びネットワーク設計方法は、上記の問題点を解消するものであり、光ネットワークにおいて、光伝送装置と各波長パスに必要となる光再生中継器とを合わせた設置コストの総額を最適化したネットワーク設計を実現することを目的とする。
または、開示のネットワーク設計装置、ネットワーク設計プログラム及びネットワーク設計方法は、各波長パス毎に必要な光再生中継器の数を考慮しつつ、光伝送装置の配置を決定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、開示のネットワーク設計装置、ネットワーク設計プログラム及びネットワーク設計方法は、光ネットワークを線形区間に分割し、各線形区間内に配置される光伝送装置の種類の組み合わせ候補を決定し、各波長パス上で許される雑音量上限値を決定し、光ネットワークに配置される光伝送装置のコスト及び各波長パス毎に必要な数の光再生中継器に要するコストの合計を最小にする目的関数、線形区間毎に組み合わせ候補から光伝送装置の種類の組み合わせを1つずつ選択する制約条件、並びに各波長パスに必要な光再生中継器数の条件をその波長パス上で生じる累積雑音量とその波長パスの雑音量上限値とにより定める制約条件を有する整数計画問題を解くことにより、各線形区間内に配置される光伝送装置を決定する。
【発明の効果】
【0015】
開示のネットワーク設計装置、ネットワーク設計プログラム及びネットワーク設計方法により、光伝送装置と光再生中継器の配置に要する総コストを低減できるネットワーク設計が可能となる。また、各波長パスに要する光再生中継器の数を考慮したネットワーク設計が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付する図面を参照して実施例を説明する。図1は、設計対象となる光ネットワークを示す図である。図1に示す光ネットワーク200は、WDMシステムを構成するメッシュネットワークである。四角印は、光挿入分岐装置が配置される局舎を示している。光分岐挿入装置が配置される局舎は、たとえば波長パスの終端がある局舎である。丸印は、四角印にて示される局舎間でWDM光信号を中継する局舎を示している。点線両矢印は、光ネットワーク200における線形区間を示している。
【0017】
開示のネットワーク設計装置は、ネットワーク200における各線形区間を単位設計区間として、各単位設計区間の線形ネットワーク中の各局舎に配置される光伝送装置の組み合わせを決定する。
ネットワーク中の各局舎へそれぞれ配置される光伝送装置の組み合わせ、すなわち、これら各局舎への光伝送装置の配置のあり方やあり様のことを「光伝送装置構成」と示すことがある。
【0018】
点線矢印に示すように、線形区間は2つ以上の局舎が縦続に接続されることによって形成される区間であり、物理的に線形ではなく曲線的に接続されてもかまわない。たとえば線形区間202は局舎1〜4が縦続に接続されることによって形成され、線形区間203は局舎4〜6が縦続に接続されることによって形成され、線形区間204は局舎11〜18が縦続に接続されることによって形成されている。
線形区間202の始点及び終点である局舎1及び4、線形区間203の始点及び終点である局舎4及び6、線形区間204の始点及び終点である局舎11及び18には、光再生中継器を配置することができる光伝送装置が配置される。
【0019】
一点鎖線の矢印201で示される区間は、ネットワーク200上で伝送されるある波長パスの経路dが通過する区間を示す。波長パスdの始点及び終点はそれぞれ局舎1及び6であり、波長パスdの経路は、複数の線形区間202及び203に亘っている。
【0020】
図2は、各局舎に配置可能な光伝送装置の種類の一例を示す図である。図2の表300に示すように、各局舎に配置可能な光伝送装置の種類には、たとえばOADM310と、ILA320と、バイパス330と、がある。OADM310は、任意の波長信号に対して光再生中継器を配置可能な光伝送装置である。光再生中継器は、リアンプリフィケーション(Re Amplification)、リシェイピング(Re Shaping)及びリタイミング(Re Timing)を意味する3Rを行うことができる。
【0021】
ILA320およびバイパス330は、光再生中継器を配置することができない光伝送装置である。ILA320は、光信号を増幅するリアンプリフィケーションを意味する1Rのみを行うことができる。バイパス330は、光信号を通過させるのみの構成である。一般に、これら光伝送装置の設置に要するコストは、OADM310を配置するコストが最も高く、バイパス330を配置するコストが最も低く、ILA320を配置するコストは前二者の間である。
【0022】
一方、伝送品質については、バイパス330を配置した場合の伝送品質が最も悪く、OADM310を配置した場合の伝送品質が最も良く、ILA320を配置した場合の伝送品質は前二者の間である。したがって、原則として光伝送装置の設置に要するコストと伝送品質の間にはトレードオフの関係がある。
【0023】
図3は、図2に示すOADMの一例を示すブロック図である。図3に示すようにOADM400は、増幅器401と、分岐部402と、多重分離部403と、光再生中継器404及び405と、多重化部406と、WSS407と、増幅器408を備えている。増幅器401は、OADM400の外部から入力されたWDM光信号を増幅して分岐部402へ出力する。光再生中継器404は、必要に応じて、入力されたWDM光信号に含まれる波長パスのうち再生中継が必要な波長パスに対して設けられる。
【0024】
分岐部402は、増幅器401から出力されたWDM光信号を分岐して、分岐した各WDM光信号を多重分離部403及びWSS407へ出力する。多重分離部403は、分岐部402から出力されたWDM光信号を波長多重分離して、波長多重分離した各光信号をそれぞれ光再生中継器404及び405へ出力する。
【0025】
光再生中継器404及び405は、多重分離部403から出力された光信号を再生して多重化部406へ出力する。多重化部406は、光再生中継器404及び405からそれぞれ出力された各光信号を波長多重して、波長多重されたWDM光信号をWSS407へ出力する。
【0026】
WSS407(Wavelength Selective Switch:波長選択スイッチ)は、分岐部402から出力されたWDM光信号に含まれる各光信号と、多重化部406から出力されたWDM光信号に含まれる各光信号と、を選択及び合波して、選択及び合波により得られたWDM光信号を増幅器408へ出力する。またWSS407は、増幅器408へ出力するWDM光信号のレベル等化を行う機能も有する。増幅器408は、WSS407から出力されたWDM光信号を増幅してOADM400の外部へ出力する。
【0027】
図4は、図2に示すILAの一例を示すブロック図である。図4に示すようにILA500は、増幅器501と、VAT502と、増幅器503を、を備えている。ILA500は、入力されたWDM光信号に含まれる各光信号をまとめて増幅する。増幅器501には、ILA500の外部からWDM光信号が入力される。増幅器501は、外部から入力されたWDM光信号を増幅してVAT502へ出力する。
【0028】
VAT502(Variable Attenuator:光可変減衰器)は、増幅器501から出力されたWDM光信号を可変の減衰量によって減衰させることで、増幅器501から出力されたWDM光信号のパワーを制御する。VAT502は、パワーを制御したWDM光信号を増幅器503へ出力する。増幅器503は、VAT502から出力されたWDM光信号を増幅してILA500の外部へ出力する。
【0029】
図5は、図2に示すバイパスの一例を示すブロック図である。図5に示すように、バイパス600には、外部からWDM光信号が入力される。バイパス600は、WDM光信号が入力された光ファイバの出力端を、出力用の光ファイバの入力端に接続するコネクタ部601を備えている。これにより、バイパス600へ入力されたWDM光信号は、コネクタ部601を介して、そのままバイパス600の外部へ出力される。
なお、図3から図5では、図中左から右への1方路のみ示しているが、実際には同じ装置内に反対方向の方路のための同一の系がもう1つ存在する。
【0030】
図6は、CPUを用いて開示のネットワーク設計装置を実現した場合のハードウエア構成図である。ネットワーク設計装置100は、CPU101と、メモリ102と、ユーザからの操作やデータ入力を受け付けるキーボードやマウスなどであるユーザインタフェース103と、ディスプレイ装置などである表示部104と、ハードディスク105と、データ入力部106と、データ出力部107を備える。
【0031】
データ入力部106は、たとえばCD−ROMドライブ装置やDVD−ROMドライブ装置であってよい。またデータ入力部106及びデータ出力部107は、フレキシブルディスクドライブ装置、たとえばCD−Rドライブ装置や、DVD−Rドライブ装置、MOドライブ装置のようなリムーバブルディスクドライブ装置や、フラッシュメモリ装置へのアクセス装置又はネットワークインタフェース装置であってよい。
【0032】
データ入力部106は、後述する、ネットワーク設計装置100による光ネットワークの設計の処理に必要なWDM光ネットワーク情報を、ネットワーク設計装置100に入力するために使用される。
データ出力部107は、ネットワーク設計装置100による光ネットワークの設計の処理によって生成された設計データを出力するために使用される。
【0033】
ハードディスク105には、オペレーティングシステム(OS)110と、データ入力部106を介してインストールされたネットワーク設計プログラム112と、データ入力部106を介して入力されたWDM光ネットワーク情報113、各単位設計区間について後述するように生成された光伝送装置構成の候補を示すデータである装置構成候補データ114が格納される。
【0034】
図7は、図6に示すCPU101がネットワーク設計プログラム112を実行することにより実現されるネットワーク設計装置100のブロック図である。
図示するとおりネットワーク設計装置100は、情報取得部120、区間分割部121、パラメータ決定部123、装置構成決定部124、記憶部126、光再生中継器配置決定部115及び設計データ出力部116を備える。
なお、本実施例では、CPU101によるソフトウエア処理によってネットワーク設計装置100が実現される。しかし、ネットワーク設計装置100は、専用のハードウエア回路によって実現されてもよい。すなわち上記の情報取得部120、区間分割部121、パラメータ決定部123、装置構成決定部124、光再生中継器配置決定部115及び設計データ出力部116の一部又は全部は、それぞれ専用のハードウエア回路によって実現されてもよい。
【0035】
情報取得部120は、WDM光ネットワーク情報を取得する。WDM光ネットワーク情報は、ネットワークトポロジ情報、光伝送装置情報、スパン情報、波長パス情報を含む。
ネットワークトポロジ情報は、設計対象の光ネットワークを構成する局舎に関する情報や、各局舎間の接続の有無に関する情報を含む接続情報を含む。以下の説明において、ネットワーク設計装置100は、図1に示す光ネットワーク200を設計対象とすることとする。
光伝送装置情報は、各局舎に配置することができる光伝送装置の種類や機種に関する情報や、これらの光伝送装置の伝送路条件に関する情報や、各波長パスに用いる光再生中継器の機種に関する情報や、それらの装置の設置に要するコストに関する情報を含む。
光伝送装置の種類には、たとえばOADM装置やILA装置、バイパスを含む。また、伝送条件は、各光伝送装置を経由する光信号に生じる雑音量や伝送ペナルティ値を含む。伝送ペナルティ値には、たとえばPMD値やクロストーク値を含む。
【0036】
スパン情報は、隣接する局舎間を接続するファイバに依存する伝送路条件に関する情報を含む。伝送路条件は、たとえば隣接する局舎間を接続するファイバにより生じる雑音量や伝送ペナルティ値を含む。
波長パス情報は、光ネットワーク200を経由する波長パスに関する情報である。波長パス情報は、各波長パスの本数や、信号種類、始点及び終点となる局舎を指定する始点情報及び終点情報、経由する局舎を指定する経路情報を含む。各波長パスの信号種類は、たとえばビットレートである。
【0037】
区間分割部121は、ネットワークトポロジ情報によって与えられた光ネットワーク200を、線形区間である単位設計区間に分割する。
パラメータ決定部123は、開示のネットワーク設計方法で使用される各パラメータを決定する。このようなパラメータには、たとえば光ネットワーク200を経由する各波長パスに許容される雑音量上限値や伝送ペナルティ値の上限値が含まれる。これらパラメータの決定方法については後に説明する。
パラメータ決定部123は、特許請求の範囲に記載された雑音量上限値決定部に相当する。
【0038】
装置構成決定部124は、区間分割部121によって生成された各単位設計区間における光伝送装置構成の候補を決定する。装置構成決定部124は、光伝送装置構成の候補のうちから各単位設計区間毎に光伝送装置構成を1つずつ選択することによって、光ネットワーク200の光伝送装置構成を決定する。
【0039】
光再生中継器配置決定部115は、装置構成決定部124によって決定された光伝送装置構成内への光再生中継器の配置を決定する。光再生中継器配置決定部115は、装置構成決定部124によって決定された光伝送装置構成のうちの、光再生中継器を配置可能な光伝送装置のそれぞれに対して、必要な光再生中継器の配置を決定することによって、光ネットワーク200の光伝送装置構成及び光再生中継器の配置を定めた設計データを生成する。
設計データ出力部116は、装置構成決定部124によって決定された光伝送装置構成に関する情報と光再生中継器配置決定部115により決定された光再生中継器の配置に関する情報とを含む設計データを出力する。
【0040】
第1の実施例において装置構成決定部124は、光ネットワーク200の光伝送装置構成を決定する際に、光ネットワーク200に配置される光伝送装置のコスト及び光ネットワーク200上の波長パス毎に必要な数の光再生中継器に要するコストの合計を最小にする目的関数と、光伝送装置構成の候補の中から単位設計区間毎に1つずつ候補を選択するという制約条件と、並びに各波長パスに必要な光再生中継器数の条件を波長パス上で生じる累積雑音量と波長パスについて定めた雑音量上限値とにより定める制約条件と、を有する整数計画問題を解くことによって、光ネットワーク200の光伝送装置構成を決定する。
【0041】
すなわち装置構成決定部124は、次の式(1)により与えられる整数計画問題を解くことによって光ネットワーク200の光伝送装置構成を決定する。
【0042】
【数1】
【0043】
整数計画問題(1)の式(1−1)は、光ネットワーク200に配置される光伝送装置のコスト及び光ネットワーク200上の波長パス毎に必要な数の光再生中継器に要するコストの合計を最小にする目的関数に相当する。
また、式(1−2)は、光伝送装置構成の候補の中から単位設計区間毎に1つずつ候補を選択するという制約条件に相当する。
式(1−3)は、各波長パスに必要な光再生中継器数の条件を、波長パス上で生じる累積雑音量と波長パスについて定めた雑音量上限値とにより定める制約条件に相当する。
【0044】
式(1)において使用される各記号の意味は次のとおりである。
gh(h=1〜P)は、光ネットワーク200を分割して得られたP個の単位設計区間を示す。
【0045】
tiは、単位設計区間ghのいずれかについて決定された光伝送装置構成の候補を示す。光伝送装置構成の候補がM個決定されたとき、添字iは1、2…Mの値を有する。
si(i=1〜M)は、光伝送装置構成ti(i=1〜M)が光ネットワーク200の光伝送装置構成として選択されているか否かを示す2値変数である。光伝送装置構成tiが光ネットワーク200の光伝送装置構成として選択されているときsi=1であり、それ以外の場合にはsi=0である。
【0046】
dj(j=1〜N)は、光ネットワーク200上に構成される各波長パスを示す。jは、1、2…Nの値を有する。すなわち光ネットワーク200上に構成される波長パスdjは全部でN個である。
xj(j=1〜N)は、各波長パスdjに必要な光再生中継器の数を示す整数変数である。
【0047】
c(ti)は、光伝送装置構成tiの配置に要するコストを示す。
λ(dj)は、波長パスdjの本数を示す。
r(dj)は、波長パスdjの光再生中継器の配置に要する中継器1個当たりのコストを示す。
【0048】
T(gh,ti)は2値パラメータであり、光伝送装置構成tiが単位設計区間ghについて決定された光伝送装置構成の候補であるときT(gh,ti)=1であり,それ以外のときはT(gh,ti)=0である。
Nth(dj)は、波長パスdjについてパラメータ決定部123が定めた、雑音量上限値である。Nth(dj)は、波長パス情報によって与えられた各波長パスdjの信号種類に応じて定まるOSNR耐力に相当する雑音量である。
【0049】
n(dj,s1,s2,…sM)は、2値変数ベクトル(s1,s2,…sM)によって指定される各単位設計区間内の光伝送装置構成の選択状態に応じて、波長パスdjが経由する経路上に生じる累積雑音量であり、次の式(2)にて与えられる。
【0050】
【数2】
【0051】
式(2)において使用される各記号の意味は次のとおりである。
Re(dj,ti)は2値パラメータであり、光伝送装置構成tiを候補とする単位設計区間ghを波長パスdjが経由し、かつ単位設計区間ghについて予め定めた基準方向と波長パスdjの伝送方向が同じである場合にRe(dj,ti)=0となり、それ以外の場合にRe(dj,ti)=1となる。
I(dj,ti)は2値パラメータであり、光伝送装置構成tiを候補とする単位設計区間ghを波長パスdjが経由する場合にI(dj,ti)=1となり、それ以外の場合にI(dj,ti)=0となる。
【0052】
nf(ti)は、光伝送装置構成tiを候補とする単位設計区間ghの光伝送装置構成としてtiが選択された場合に、この単位設計区間ghを上記の基準方向と同じ方向に伝送する際に波長パスに生じる雑音量を示す。
nr(ti)は、光伝送装置構成tiを候補とする単位設計区間ghの光伝送装置構成としてtiが選択された場合に、この単位設計区間ghを上記の基準方向と反対方向に伝送する際に波長パスに生じる雑音量を示す。
nf(ti)及びnr(ti)の値は、スパン情報によって与えられた、隣接局舎間に生じる光信号強度の伝送損失量と、光伝送装置情報によって与えられた、光伝送装置構成tiを構成する各光伝送装置を経由する光信号に生じる雑音量と、によって決定される。
【0053】
第2の実施例において装置構成決定部124は、光ネットワーク200の光伝送装置構成を決定する際に、式(1)によって与えられる整数計画問題に、各波長パスに必要な光再生中継器数の条件を、波長パス上で生じる伝送ペナルティの累積値と波長パスについて定めた伝送ペナルティの上限値とにより定める制約条件を加えた、以下の整数計画問題(3)を解くことによって、光ネットワーク200の光伝送装置構成を決定する。
また、整数計画問題(1)において使用される雑音量上限値Nth(dj)の代わりに、伝送ペナルティを考慮した雑音量上限値Nth’(dj)を使用する。
【0054】
【数3】
【0055】
整数計画問題(3)の式(3−1)は、光ネットワーク200に配置される光伝送装置のコスト及び光ネットワーク200上の波長パス毎に必要な数の光再生中継器に要するコストの合計を最小にする目的関数に相当する。
また、式(3−2)は、光伝送装置構成の候補の中から単位設計区間毎に1つずつ候補を選択するという制約条件に相当する。
式(3−3)は、各波長パスに必要な光再生中継器数の条件を、波長パス上で生じる累積雑音量と波長パスについて定めた雑音量上限値とにより定める制約条件に相当する。
【0056】
式(3−41)、(3−42)〜(3−4R)は、各波長パスに必要な光再生中継器数の条件を、波長パス上で生じる伝送ペナルティの累積値と波長パスについて定めた伝送ペナルティの上限値とにより定める制約条件に相当する。
考慮すべき伝送ペナルティの種類は複数であってもよい。たとえば伝送ペナルティとして、PMD値とクロストーク値とからなる2種類の伝送ペナルティを考慮してもよい。制約条件(3−41)、(3−42)〜(3−4R)のうちk番目の制約条件(3−4k)は、R個ある考慮すべき伝送ペナルティの種類のうちの、第k番目の種類の伝送ペナルティついて定めた制約条件である。
【0057】
式(3)において使用される各記号の意味を以下に説明する。なお、式(1)及び(2)に現れる項と同じ項には同じ記号を使用している。式(1)及び(2)に現れる記号と同じ記号については説明を省略する。
【0058】
Pthk(dj)は、波長パスdjについてパラメータ決定部123が定めた、第k番目の種類の伝送ペナルティの上限値である。Pthk(dj)は、波長パス情報によって与えられた各波長パスdjの信号種類に応じて一意に定まる値である。
pk(dj,s1,s2,…sM)は、2値変数ベクトル(s1,s2,…sM)によって指定される各単位設計区間内の光伝送装置構成の選択状態に応じて、波長パスdjが経由する経路上に生じる、第k番目の種類の伝送ペナルティの累積値であり、次の式(4)にて与えられる。
【0059】
【数4】
【0060】
pfkj(ti)は、光伝送装置構成tiを候補とする単位設計区間ghの光伝送装置構成としてtiが選択された場合に、この単位設計区間ghを上記の基準方向と同じ方向に伝送する際に、波長パスdjの信号種類と同じ種類の波長パスに生じる、第k番目の種類の伝送ペナルティ量を示す。
prkj(ti)は、光伝送装置構成tiを候補とする単位設計区間ghの光伝送装置構成としてtiが選択された場合に、この単位設計区間ghを上記の基準方向と反対方向に伝送する際に、波長パスdjの信号種類と同じ種類の波長パスに生じる、第k番目の種類の伝送ペナルティ量を示す。
pfkj(ti)及びprkj(ti)の値は、波長パス情報によって与えられた各波長パスdjの信号種類と、スパン情報によって与えられた、波長パスdjの信号種類に対して隣接局舎間に生じる伝送ペナルティ量と、光伝送装置情報によって与えられた、光伝送装置構成tiを構成する各光伝送装置を経由する波長パスdjの信号種類の光信号に生じる伝送ペナルティ量と、によって決定される、単位設計区間ごとに線形加算可能な値である。たとえば、偏波モード分散PMDの場合、経路上で発生するTotal PMD[ps]の2乗が線形加算可能なパラメータである。
【0061】
Nth’(dj)は、波長パスdjについての雑音量上限値である。パラメータ決定部123は、以下の3種類の決定方法のうちいずれか1つによって雑音量上限値Nth’(dj)を決定する。
【0062】
(雑音量上限値Nth’(dj)の決定方法の第1例)
本決定方法では、パラメータ決定部123は、各種類毎の伝送ペナルティの上限値Pthk(dj)と、各波長パスdjの信号種類に応じて定まるOSNR耐力とに基づいて雑音量上限値Nth’(dj)を決定する。
パラメータ決定部123は、OSNR耐力に、伝送ペナルティの上限値Pthk(dj)から算出されるOSNRに対する劣化成分を加えて得られる次式(5)に示すOSNR下限値を決定し、OSNR下限値に相当する雑音量を、雑音量上限値Nth’(dj)として決定する。式(5)において、fkj(Pthk(dj))は、波長パスdjに対する第k番目の伝送ペナルティの上限値Pthk(dj)から、第k番目の種類の伝送ペナルティによる、OSNRに対する劣化成分を算出する関数である。
【0063】
【数5】
【0064】
(雑音量上限値Nth’(dj)の決定方法の第2例)
本決定方法では、パラメータ決定部123は、OSNR耐力と、各種類毎の伝送ペナルティの上限値Pthk(dj)と、各波長パスdj上において取りうる各種類毎の伝送ペナルティの累積値の最大値Pmaxk(dj)とに基づいて雑音量上限値Nth’(dj)を決定する。
パラメータ決定部123は、上限値Pthk(dj)及び最大値Pmaxk(dj)のうち小さい方から算出されるONSRに対する劣化成分を、OSNR耐力に加えて得られる次式(6)に示すOSNR下限値を決定し、OSNR下限値に相当する雑音量を雑音量上限値Nth’(dj)として決定する。
【0065】
【数6】
【0066】
(雑音量上限値Nth’(dj)の決定方法の第3例)
本決定方法では、パラメータ決定部123は、OSNR耐力と、各波長パスdjについて見積もられた光再生中継器の必要最小数REGmin(dj)と、各種類毎の伝送ペナルティの上限値Pthk(dj)と、各波長パスdj上において取りうる各種類毎の伝送ペナルティの累積値の最大値Pmaxk(dj)とに基づいて雑音量上限値Nth’(dj)を決定する。
【0067】
パラメータ決定部123は、各波長パスdj上において取りうる伝送ペナルティの累積値の最小値Pmink(dj)を伝送ペナルティの上限値Pthk(dj)で除した数より小さく、かつ最大の整数値
【0068】
【数7】
【0069】
のうち、R種類ある伝送ペナルティの間で最大の値
【0070】
【数8】
【0071】
を各波長パスdjについて見積もられた光再生中継器の必要最小数REGmin(dj)と、して決定する。
パラメータ決定部123は、光再生中継器の必要最小数REGmin(dj)に1を加えた値を、必要最小数の光再生中継器によって波長パスdjを分割した区間数(REGmin(dj)+1)と決定する。
【0072】
パラメータ決定部123は、次の式(7)に示すように、各波長パスdj上において取りうる伝送ペナルティの累積値の最大値Pmaxk(dj)を区間数(REGmin(dj)+1)で除した値と、伝送ペナルティの上限値Pthk(dj)のうち小さい方から算出されるONSRに対する劣化成分を、OSNR耐力に加えることにより、OSNR下限値を決定する。パラメータ決定部123は、このOSNR下限値に相当する雑音量を雑音量上限値Nth’(dj)として決定する。
【0073】
【数9】
【0074】
本決定方法によれば、光再生中継器で分割される最小数の区間に分配されたときの伝送ペナルティの各区間内の最大値が見積もられるため、より適切な雑音量上限値を見積もることができる。
【0075】
たとえば、伝送ペナルティとして、偏波モード分散による伝送ペナルティPMDと、クロストークによる伝送ペナルティXTとからなる2種類の伝送ペナルティを考慮すると仮定する。また、簡単のため、各伝送ペナルティ量[dB]が線形加算可能であり、fkj(Pthk(dj))=Pthk(dj)であると仮定する。
また、ある波長パスdj上におけるPMDの上限値が3[dB]であり、累積値の最大値が1[dB]であり、累積値の最小値が0[dB]であると仮定する。同様にこの波長パスdj上におけるXTの上限値が2[dB]であり、累積値の最大値が5[dB]であり、累積値の最小値が4.5[dB]であると仮定する。
そして、波長パスdjのOSNR耐力が16[dB]であると仮定する。
【0076】
雑音量上限値Nth’(dj)の決定方法の第1例によれば、OSNR下限値は16+3+2=21[dB]となり、21[dB]であるOSNR下限値に相当する雑音量が、雑音量上限値Nth’(dj)として決定される。
【0077】
雑音量上限値Nth’(dj)の決定方法の第2例によれば、OSNR下限値は16+1+2=19[dB]となり、19[dB]であるOSNR下限値に相当する雑音量が、雑音量上限値Nth’(dj)として決定される。
【0078】
雑音量上限値Nth’(dj)の決定方法の第3例によれば、光再生中継器の必要最小数REGmin(dj)は、最小値の値がより大きいXTの最小値4.5[dB]と上限値2[dB]によって、int(4.5/2)=2個となる。これによって波長パスdjは、再生中継器によって少なくとも3つの区間に分割される。
PMD及びXTの最大値を3で除した値1/3及び5/3は、いずれもそれぞれの上限値よりも小さいため、OSNR下限値は16+1/3+5/3=18[dB]となり、18[dB]であるOSNR下限値に相当する雑音量が、雑音量上限値Nth’(dj)として決定される。
【0079】
なお、第1の実施例においても、上記のとおり第2の実施例の制約式(3−3)にて使用した雑音量上限値Nth’(dj)を、制約式(1−3)の雑音量上限値Nth(dj)の代わりに使用して、上記の制約式(1−3)を定めてもよい。
また、第2の実施例においても、上記のとおり第1の実施例の制約式(1−3)にて使用した雑音量上限値Nth(dj)を、制約式(3−3)の雑音量上限値Nth’(dj)の代わりに使用して、上記の制約式(3−3)を定めてもよい。
【0080】
図7に示す装置構成決定部124は、次の手順により式(1)又は(3)により与えられる整数計画問題を解く。
(手順1)
式(1)又は(3)における2値変数si(i=1〜M)及び整数変数xj(j=1〜N)を実数変数とした緩和問題を解くことによって、制約条件(1−2)及び(1−3)、又は制約条件(3−2)、(3−3)及び(3−41)から(3−4R)に関する双対価格ベクトルを求める。
【0081】
制約条件(1−2)及び(3−2)に関する双対価格ベクトルをπg=(πg1,πg2…πgP)と記す。
制約条件(1−3)及び(3−3)に関する双対価格ベクトルをπn=(πn1,πn2…πnN)と記す。
制約条件(3−4k)に関する双対価格ベクトルをπpk=(πpk1,πpk2…πpkN)と記す(k=1〜R)。
【0082】
(手順2)
装置構成決定部124は、双対価格ベクトルの値に基づいて決定された被約費用の算出式にしたがって、各単位設計区間について、被約費用の値が負となる新たな光伝送装置構成の候補t’を探索する。
式(1)により与えられる整数計画問題を解く場合には、光伝送装置構成の候補t’についての被約費用RC(t’)は、次の式(8)により与えられる。
【0083】
【数10】
【0084】
なおπg'は、双対価格ベクトルπgにおける、光伝送装置構成t’を光伝送装置構成の候補とする単位設計区間g’に対する成分である。
また、式(3)により与えられる整数計画問題を解く場合には、光伝送装置構成の候補t’についての被約費用RC(t’)は、次の式(9)により与えられる。
【0085】
【数11】
【0086】
(手順3)
装置構成決定部124は、被約費用の値が負となる新たな光伝送装置構成の候補t’が見つからなくなったとき、それまでに発見された光伝送装置構成の候補について定めた式(1)又は(3)に示す整数計画問題を緩和しないで解決し、発見された光伝送装置構成の候補のうちから、各単位設計区間毎に1つずつ光伝送装置構成を選択することによって、光ネットワーク200の光伝送装置構成を決定する。
【0087】
図7に示す装置構成決定部124は、初期候補生成部125と、緩和問題解決部127と、追加候補探索部128と、整数計画問題解決部129を備える。
初期候補生成部125、緩和問題解決部127及び追加候補探索部128は、特許請求の範囲に記載される組み合わせ候補決定部に相当する。
整数計画問題解決部129は、特許請求の範囲に記載される装置配置部に相当する。
【0088】
緩和問題解決部127は、記憶部126に格納された装置構成候補データ114を読み込み、装置構成候補データ114が示す光伝送装置構成の候補について定めた式(1)又は(3)に示す整数計画問題の緩和問題を解決して、双対価格ベクトルを決定する。
【0089】
初期候補生成部125は、緩和問題解決部127による処理に先立って、各単位設計区間について、制約条件(1−3)又は(3−3)、(3−41)〜(3−4R)を満たす光伝送装置構成の候補を少なくとも1つ生成し、記憶部126に格納する。
追加候補探索部128は、緩和問題解決部127が決定した双対価格ベクトルの値に基づいて決定された被約費用の算出式にしたがって、各単位設計区間について、被約費用の値が負となる新たな光伝送装置構成の候補t’を探索する。追加候補探索部128は、発見した新たな候補t’を装置構成候補データ114に追加する。
整数計画問題解決部129は、記憶部126に格納された、初期候補生成部125及び追加候補探索部128により決定された候補を含む装置構成候補データ114を読み込み、装置構成候補データ114が示す光伝送装置構成の候補について定めた式(1)又は(3)に示す整数計画問題を緩和しないで解決することにより、光ネットワーク200の光伝送装置構成を決定する。
【0090】
以下、図7に示す各部の構成及び各部が行う処理について説明する。図8は、図7に示すパラメータ決定部123のブロック図である。
パラメータ決定部123は、ペナルティ上限値決定部130と、単位設計区間内ペナルティ上限値決定部131と、累積ペナルティ決定部132と、雑音量上限値決定部133と、単位設計区間内雑音量上限値決定部134を備える。
【0091】
ペナルティ上限値決定部130は、波長パス情報によって与えられる各波長パスdjの信号種類に応じて、各波長パスdj毎かつ各伝送ペナルティの種類k毎に、伝送ペナルティ上限値Pthk(dj)を決定する。
【0092】
単位設計区間内ペナルティ上限値決定部131は、ペナルティ上限値決定部130から伝送ペナルティ上限値Pthk(dj)を入力する。単位設計区間内ペナルティ上限値決定部131は、それぞれの単位設計区間を経由する波長パスdjについて決定された伝送ペナルティ上限値Pthk(dj)(j=1〜N)のうち、最も小さな値を、単位設計区間内ペナルティ上限値として、各単位設計区間毎かつR種類の伝送ペナルティ毎に選択する。
【0093】
単位設計区間内ペナルティ上限値決定部131は、単位区間の経路の伝送方向のそれぞれについて単位設計区間内ペナルティ上限値を決定する。すなわち局舎Aから局舎Bまで亘る単位区間に対して、単位設計区間内ペナルティ上限値決定部131は、局舎Aから局舎Bへの伝送路における単位設計区間内ペナルティ上限値と、局舎Bから局舎Aへの伝送路における単位設計区間内ペナルティ上限値とをそれぞれ決定する。
k番目の種類の伝送ペナルティについて、単位設計区間ghのそれぞれの伝送方向について決定された単位設計区間内ペナルティ上限値をPth1k(gh)及びPth2k(gh)(k=1〜R,h=1〜P)と記す。
【0094】
累積ペナルティ決定部132は、各波長パスdj上において取りうる伝送ペナルティの累積値の最大値Pmaxk(dj)、又は各波長パスdj上において取りうる伝送ペナルティの累積値の最大値Pmaxk(dj)及び最小値Pmink(dj)を決定する。累積ペナルティ決定部132による処理の内容は後述する。
【0095】
雑音量上限値決定部133は、上述の雑音量上限値Nth(dj)又はNth’を決定する。
雑音量上限値Nth(dj)を決定するときは、雑音量上限値決定部133は、波長パス情報によって与えられた各波長パスdjの信号種類に応じて定まるOSNR耐力に相当する雑音量を雑音量上限値Nth(dj)として決定する。
【0096】
上式(5)に従って、雑音量上限値Nth’(dj)を決定するときは、雑音量上限値決定部133は、波長パス情報によって与えられた各波長パスdjの信号種類に応じて定まるOSNR耐力と、ペナルティ上限値決定部130が決定した伝送ペナルティ上限値Pthk(dj)に応じて雑音量上限値Nth’(dj)を決定する。
【0097】
上式(6)に従って、雑音量上限値Nth’(dj)を決定するときは、雑音量上限値決定部133は、波長パス情報によって与えられた各波長パスdjの信号種類に応じて定まるOSNR耐力と、ペナルティ上限値決定部130が決定した伝送ペナルティ上限値Pthk(dj)と、累積ペナルティ決定部132が決定した伝送ペナルティの累積値の最大値Pmaxk(dj)と、に応じて雑音量上限値Nth’(dj)を決定する。
【0098】
上式(7)に従って、雑音量上限値Nth’(dj)を決定するときは、雑音量上限値決定部133は、波長パス情報によって与えられた各波長パスdjの信号種類に応じて定まるOSNR耐力と、ペナルティ上限値決定部130が決定した伝送ペナルティ上限値Pthk(dj)と、累積ペナルティ決定部132が決定した伝送ペナルティの累積値の最大値Pmaxk(dj)及び最小値Pmink(dj)と、に応じて雑音量上限値Nth’(dj)を決定する。
【0099】
単位設計区間内雑音量上限値決定部134は、雑音量上限値決定部133から出力される雑音量上限値Nth(dj)又はNth’(dj)を入力する。単位設計区間内雑音量上限値決定部134は、各単位設計区間毎に、それぞれの単位設計区間を経由する波長パスdjについて決定された雑音量上限値のうち、最も小さな値を、単位設計区間内雑音両上限値として選択する。
【0100】
単位設計区間内雑音量上限値決定部134は、単位区間の経路の伝送方向のそれぞれについて単位設計区間内雑音量上限値を決定する。すなわち局舎Aから局舎Bまで亘る単位区間に対して、単位設計区間内雑音量上限値決定部134は、局舎Aから局舎Bへの伝送路における単位設計区間内雑音量上限値と、局舎Bから局舎Aへの伝送路における単位設計区間内雑音量上限値とをそれぞれ決定する。
単位設計区間ghのそれぞれの伝送方向について決定された単位設計区間内雑音量上限値をNth1(gh)及びNth2(gh)(h=1〜P)と記す。
【0101】
累積ペナルティ決定部132は、パス内グラフ生成部140と、パス内ノード探索部141と、累積値計算部142を備える。パス内グラフ生成部140は、情報所得部120から得た情報に基づいて、波長パスdjが経由する各局舎に配置される各種の光伝送装置の候補にそれぞれ対応する各ノードと、伝送ペナルティに対応付けられ各ノードを接続する各リンクと、からなるループのない有向のグラフ情報を生成する。
【0102】
パス内グラフ生成部140は、第1ノード候補生成部143と、第1リンク生成部144と、ペナルティ決定部145を備えている。第1ノード候補生成部143は、光伝送装置情報に基づいて、各局舎について、配置可能な各種の光伝送装置に対応する1つ以上のノードを生成する。
【0103】
たとえば、波長パスdjが経由する区間に局舎1及び局舎2が含まれていたとする。局舎1に光伝送装置Aまたは光伝送装置Bが配置可能な場合は、第1ノード候補生成部143は、局舎1に光伝送装置Aを配置する場合に対応するノード1Aと、局舎1に光伝送装置Bを配置する場合に対応するノード1Bと、を生成する。
【0104】
また、局舎2に光伝送装置Aのみが配置可能な場合は、第1ノード候補生成部143は、局舎2に光伝送装置Aを配置する場合に対応するノード2Aを生成する。第1ノード候補生成部143は、生成した各ノードを第1リンク生成部144へ出力する。このように第1ノード候補生成部143は、波長パスdjが経由する区間内の各局舎にそれぞれ対応する1つ以上のノードを生成する。
【0105】
第1リンク生成部144は、第1ノード候補生成部143から出力された各ノードについて、当該ノードに対応する局舎よりも前段の局舎に対応するノードからの入力リンクを生成する。たとえば局舎1に対応するノード1A及びノード1Bと、局舎1の後段の局舎2に対するノード2Aと、があった場合には、第1リンク生成部144は、ノード1Aからノード2Aへの入力リンクと、ノード1Bからノード2Aへの入力リンクとを生成する。
【0106】
第1リンク生成部144は、第1ノード候補生成部143から出力された各ノードと、生成した各入力リンクと、をペナルティ決定部145へ出力する。
ペナルティ決定部145は、波長パス情報によって与えられた各波長パスdjの信号種類と、スパン情報によって与えられた、波長パスdjの信号種類に対して隣接局舎間に生じる伝送ペナルティ量と、光伝送装置情報によって与えられた、各種の光伝送装置を経由する波長パスdjの信号種類の光信号に生じる伝送ペナルティ量と、に基づいて、第1リンク生成部144から出力された各入力リンクについて、それぞれの入力リンクを選択した場合に波長パスdjに生じる伝送ペナルティ量を、伝送ペナルティの種類毎に決定する。
【0107】
ペナルティ決定部145は、たとえば、ノード1Aからノード2Aへの入力リンクについて、この入力リンクを選択した場合に波長パスdjに生じる伝送ペナルティ量を算出する。
また、ペナルティ決定部145は、ノード1Bからノード2Aへの入力リンクについて、この入力リンクを選択した場合に波長パスdjに生じる伝送ペナルティ量を算出する。
ペナルティ決定部145は、第1ノード候補生成部143から出力された各ノードと、第1リンク生成部144から出力された各入力リンクと、算出した各伝送ペナルティ量を、パス内ノード探索部141へ出力する。
【0108】
累積ペナルティ決定部132が伝送ペナルティの累積値の最大値Pmaxk(dj)を決定するとき、パス内ノード探索部141は、パス内グラフ生成部140から出力されたグラフ情報において、伝送ペナルティの累積値が最大となる配置に対応する経路を、伝送ペナルティの種類毎に探索する。
また、累積ペナルティ決定部132が伝送ペナルティの累積値の最小値Pmink(dj)、を決定するとき、パス内ノード探索部141は、パス内グラフ生成部140から出力されたグラフ情報において、伝送ペナルティの累積値が最小となる配置に対応する経路を、伝送ペナルティの種類毎に探索する。
【0109】
パス内ノード探索部141は、第1リンク選択部146と、第1ノード決定部147を備える。第1リンク選択部146は、パス内グラフ生成部140から出力された各ノードについての入力リンクを選択する。第1リンク選択部146は、第1ノード候補生成部143によって生成された各ノードについて、当該ノードに対して第1リンク生成部144によって生成された各入力リンクのうちのいずれかを選択する。
【0110】
累積ペナルティ決定部132が伝送ペナルティの累積値の最大値Pmaxk(dj)、を決定する場合には、第1リンク選択部146は、その入力リンクを選択した場合に対象ノードまでに累積される伝送ペナルティが最大となる入力リンクを選択する。
一方で、累積ペナルティ決定部132が伝送ペナルティの累積値の最小Pmink(dj)を決定する場合には、第1リンク選択部146は、その入力リンクを選択した場合に当該ノードまでに累積される伝送ペナルティが最小となる入力リンクを選択する。
【0111】
たとえば、当該ノード2Aへの入力リンクが、ノード1Aからの入力リンク(1A,2A)及びノード1Bからの入力リンク(1B,2A)であり、ノード1A及びノード1Bまでに累積される伝送ペナルティが、それぞれPNacc(1A)及びPNacc(1B)であり、入力リンク(1A,2A)及び入力リンク(1B,2A)を選択した場合に生じる伝送ペナルティがPN(1A,2A)、PN(1B,2A)であったとする。
【0112】
この場合は、第1リンク選択部146は、当該ノード2Aについて、入力リンク(1A,2A)を選択した場合にノード2Aまでに累積されるPNacc(1A)+PN(1A,2A)と、入力リンク(1B,2A)を選択した場合にノード2Aまでに累積されるPNacc(1B)+PN(1B,2A)を比較する。
累積ペナルティ決定部132が最大値Pmaxk(dj)を決定する場合には、第1リンク選択部146は、前者が大きければ入力リンク(1A,2A)を選択し、後者が大きければ入力リンク(1B,2A)を選択する。
一方で、累積ペナルティ決定部132が最小Pmink(dj)を決定する場合には、第1リンク選択部146は、前者が小さければ入力リンク(1A,2A)を選択し、後者が小さければ入力リンク(1B,2A)を選択する。
【0113】
第1リンク選択部146は、ペナルティ決定部145が算出した各伝送ペナルティ量と、各ノードについて選択した入力リンクを第1ノード決定部147に出力する。
【0114】
第1ノード決定部147は、第1リンク選択部146から出力された各入力リンクの始点ノードに基づいて、波長パスdjが経由する区間内の各局舎に対する各種の光伝送装置の配置を決定する。たとえば、第1リンク選択部146から出力された各入力リンクのそれぞれの始点ノードがノード1A,ノード2B,ノード3A…であった場合は、第1ノード決定部147は、各局舎に対する各種の光伝送装置の配置を、ノード1A,ノード2B,ノード3A…に対応する光伝送装置の配置に決定する。
【0115】
第1ノード決定部147は、決定した各ノードと、ペナルティ決定部145が算出した各伝送ペナルティ量とを累積値計算部142へ出力する。
累積値計算部142は、第1ノード決定部147が決定した各ノードを通過する経路に沿って累積する伝送ペナルティを、伝送ペナルティの種類毎に決定し、雑音量上限値決定部133に出力する。
【0116】
図9は、図7に示す初期候補生成部125のブロック図である。初期候補生成部125は、第1単位設計区間内グラフ生成部150と、第1単位設計区間内ノード探索部151とを備える。
第1単位設計区間内グラフ生成部150は、情報所得部120から得た情報と、区間分割部121がネットワーク200を分割して生成した各単位設計区間ghに関する情報に基づいて、各単位設計区間ghに配置される各種の光伝送装置の候補にそれぞれ対応する各ノードと、伝送ペナルティに対応付けられ各ノードを接続する各リンクと、からなるループのない有向のグラフ情報を生成する。
【0117】
第1単位設計区間内グラフ生成部150は、第2ノード候補生成部152と、第2リンク生成部153と、コスト決定部154と、伝送劣化量決定部155、を備えている。
第2ノード候補生成部152は、光伝送装置情報に基づいて、各単位設計区間ghの各局舎について、配置可能な各種の光伝送装置に対応する1つ以上のノードを生成する。
【0118】
たとえば、単位設計区間ghに局舎1および局舎2が含まれているとする。局舎1に光伝送装置Aまたは光伝送装置Bが配置可能な場合は、第2ノード候補生成部152は、局舎1に光伝送装置Aを配置する場合に対応するノード1Aと、局舎Aに光伝送装置Bを配置する場合に対応するノード1Bと、を生成する。
【0119】
また、局舎2に光伝送装置Aのみが配置可能な場合は、第2ノード候補生成部152は、局舎2に光伝送装置Aを配置する場合に対応するノード2Aを生成する。第2ノード候補生成部152は、生成した各ノードを第2リンク生成部153へ出力する。
【0120】
第2リンク生成部153は、第2ノード候補生成部152から出力された各ノードについて、当該ノードに対応する局舎よりも前段の局舎に対応するノードからの入力リンクを生成する。たとえば局舎1に対応するノード1A及びノード1Bと、局舎1の後段の局舎2に対するノード2Aと、があった場合には、第2リンク生成部153は、ノード1Aからノード2Aへの入力リンクと、ノード1Bからノード2Aへの入力リンクとを生成する。
第2リンク生成部153は、第2ノード候補生成部152から出力された各ノードと、生成した各入力リンクと、をコスト決定部154及び伝送劣化量決定部155へ出力する。
【0121】
コスト決定部154は、光伝送装置情報によって与えられた各種の光伝送装置のコストに基づいて、第2リンク生成部153から出力された各入力リンクについて、各入力リンクを選択した場合のコストを算出する。たとえば算出されるコストは、各局舎に配置する光伝送装置のコストとしてよい。
【0122】
コスト決定部154は、たとえば、ノード1Aからノード2Aへの入力リンクについて、この入力リンクを選択した場合に生じるコストを算出する。またコスト決定部154は、ノード1Bからノード2Aへの入力リンクについて、この入力リンクを選択した場合に生じるコストを算出する。
【0123】
伝送劣化量決定部155は、スパン情報によって与えられた隣接局舎間に生じる雑音量及び伝送ペナルティ量と、光伝送装置情報によって与えられた、各種の光伝送装置を経由する光信号に生じる雑音量及び伝送ペナルティ量に基づいて、第2リンク生成部153から出力された各入力リンクについて、それぞれの入力リンクを選択した場合に生じる、伝送劣化量、すなわち、雑音量と伝送ペナルティの種類毎の伝送ペナルティ量を決定する。
【0124】
伝送劣化量決定部155は、たとえば、ノード1Aからノード2Aへの入力リンクについて、この入力リンクを選択した場合に生じる雑音量及び伝送ペナルティをそれぞれ算出する。また伝送劣化量決定部155は、ノード1Bからノード2Aへの入力リンクについて、この入力リンクを選択した場合に生じる雑音量及び伝送ペナルティをそれぞれ算出する。
【0125】
伝送劣化量決定部155は、入力リンクの入力方向の順方向と逆方向のそれぞれについて雑音量と伝送ペナルティ量を決定する。局舎Aから局舎Bへ入力する入力リンクに対して、伝送劣化量決定部155は、局舎Aから局舎Bへの経路上で生じる雑音量及び伝送ペナルティ量と、局舎Bから局舎Aへの経路上で生じる雑音量及び伝送ペナルティ量とをそれぞれ決定する。
【0126】
伝送劣化量決定部155は、第2ノード候補生成部152から出力された各ノードと、第2リンク生成部153から出力された各入力リンクと、算出した伝送劣化量を、第1単位設計区間内ノード探索部151へ出力する。
またコスト決定部154は、算出したコストを第1単位設計区間内ノード探索部151へ出力する。
【0127】
第1単位設計区間内ノード探索部151は、第1単位設計区間内グラフ生成部150から出力されたグラフ情報において、光再生中継器を配置可能な装置が配置された隣接局者間の伝送劣化量がそれぞれの上限値以下となり、コストが最小となる配置に対応する経路を探索する。第1単位設計区間内ノード探索部151は、第2リンク選択部156と、第2ノード決定部157を有する。第2リンク選択部156は、第1単位設計区間内グラフ生成部150から出力された各ノードについて入力リンクを選択する。
【0128】
第2リンク選択部156は、第2ノード候補生成部152によって生成された各ノードについて、対象のノードに対応して第2リンク生成部153によって生成された各入力リンクのうちのいずれかを選択する。このとき、第2リンク選択部156は、その入力リンクを選択した場合に対象のノードまでに累積されるコストが最小となる入力リンクを選択する。
【0129】
たとえば、対象のノード2Aへの入力リンクがノード1Aからの入力リンク(1A,2A)およびノード1Bからの入力リンク(1B,2A)であり、ノード1Aおよびノード1Bまでに累積される各コストがCOSTacc(1A)およびCOSTacc(1B)であり、入力リンク(1A,2A)および入力リンク(1B,2A)を選択した場合の各コストがCOST(1A,2A)およびCOST(1B,2A)であるとする。
【0130】
この場合は、第2リンク選択部156は、対象のノード2Aについて、入力リンク(1A,2A)を選択した場合にノード2Aまでに累積されるCOSTacc(1A)+COST(1A,2A)と、入力リンク(1B,2A)を選択した場合にノード2Aまでに累積されるCOSTacc(1B)+COST(1B,2A)と、を比較し、前者が小さければ入力リンク(1A,2A)を選択し、後者が小さければ入力リンク(1B,2A)を選択する。
【0131】
また、第2リンク選択部156は、対象のノードについて第1単位設計区間内グラフ生成部150から出力された各入力リンクのうちの、その入力リンクを選択した場合に、対象のノードに対応する局舎より後段の局舎に対応する各ノードのうちの光再生中継器を配置可能な光伝送装置に対応するノード(以下、「後段光再生ノード」という)までに累積される各伝送劣化量がすべて閾値以下となる入力リンクから、コストが最小となる入力リンクを選択する。
【0132】
たとえば、ノード2Aに対応する局舎2の後段に局舎3があり、局舎3に対応するノード3Aおよびノード3Bのうちの、ノード3Aが光再生中継器を配置可能な光伝送装置である場合は、第2リンク選択部156は、ノード3Aを後段光再生ノードとする。そして、第2リンク選択部156は、ノード3Aまでに累積される伝送劣化量が閾値以下となる入力リンクから、コストが最小となる入力リンクを選択する。
【0133】
また、ノード2Aについて後段光再生ノードが複数ある場合は、複数の後段光再生ノードのうちのノード2Aからの伝送劣化量が最小となるノードまでに累積される伝送劣化量が閾値以下となる入力リンクから、コストが最小となる入力リンクを選択する。
【0134】
また、第2リンク選択部156は、対象のノードの後段光再生ノードまでに累積される伝送劣化量として、その入力リンクの始点ノードまでに累積される伝送劣化量と、その入力リンクを選択したときの伝送劣化量と、対象のノードから対象のノードの後段光再生ノードまでの伝送劣化量の最小値と、の合計値を用いる。
【0135】
たとえば、伝送劣化量として順方向の雑音量に関する処理を説明すると、ノード1Aおよびノード1Bまでに累積される伝送劣化量をそれぞれNOISEacc(1A)およびNOISEacc(1B)とし、入力リンク(1A,2A)および入力リンク(1B,2A)について伝送劣化量決定部155によって決定された雑音量をそれぞれNOISE(1A,2A)およびNOISE(1B,2A)とし、ノード2Aから後段光再生ノード(ノード3A)までの伝送劣化量の最小値をNOISEminとし、単位設計区間内雑音量上限値決定部134が決定した順方向の単位設計区間内雑音量上限値を雑音量の閾値NOISEthとする。
【0136】
この場合は、第2リンク選択部156は、ノード2Aについて、入力リンク(1A,2A)に対応するNOISEacc(1A)+NOISE(1A,2A)+NOISEminと、入力リンク(1B,2A)に対応するNOISEacc(1B)+NOISE(1B,2A)+NOISEminと、をそれぞれ算出し、各算出結果とNOISEthと、をそれぞれ比較する。第2リンク選択部156は、算出結果がNOISEthより大きくなる入力リンクを除外し、残った入力リンクのうちのコストが最小となる入力リンクを選択する。
【0137】
また、第2リンク選択部156は、対象のノードが光再生中継器を配置可能な光伝送装置に対応するノードである場合は、対象のノードから後段光再生ノードまでの伝送劣化量の最小値NOISEmin0とする。また、この場合、入力リンク選択後、第2リンク選択部156は、対象のノードが光再生中継器を配置可能な光伝送装置に対応するノードである場合は、対象のノードまでに累積される伝送劣化量を0とする。
【0138】
たとえば、ノード2Aが光再生中継器を配置可能な光伝送装置に対応するノードである場合は、第2リンク選択部156は、ノード2Aについて、NOISEacc(1A)+NOISE(1A,2A)+0と、NOISEacc(1B)+NOISE(1B,2A)+0と、をそれぞれ算出する。また、入力リンク選択後、第2リンク選択部156は、ノード2Aまでに累積される伝送劣化量NOISEacc(2A)を0とする。なお、ノード2Aまでに累積される伝送劣化量は、局舎2の直後の局舎3に対応する各ノードの入力リンクの選択に用いられる。
【0139】
第2リンク選択部156は、伝送劣化量が逆方向の雑音量である場合についても、同様の処理によって、累積される雑音量を決定して、算出結果が閾値より大きくなる入力リンクを除外する。
また第2リンク選択部156は、伝送劣化量が各方向の各伝送ペナルティである場合についても、同様の処理によって、累積される伝送ペナルティを決定して、算出結果が閾値より大きくなる入力リンクを除外する。伝送劣化量を各伝送ペナルティとするときは、第2リンク選択部156は、単位設計区間内ペナルティ上限値決定部131が決定した各伝送方向の伝送ペナルティ上限値を、伝送ペナルティの閾値として使用する。
【0140】
第2ノード決定部157は、第2リンク選択部156から出力された各入力リンクの始点ノードに基づいて、線形区間内の各局舎に対する各種の光伝送装置の配置、すなわち光伝送装置構成の1つの候補を決定する。たとえば、第2リンク選択部156から出力された各入力リンクのそれぞれの始点ノードがノード1A,ノード2B,ノード3A…であった場合は、第2ノード決定部157は、各局舎に対する各種の光伝送装置の配置を、ノード1A,ノード2B,ノード3A…に対応する光伝送装置の配置に決定する。第2ノード決定部157は、決定した光伝送装置構成の候補を記憶部126に格納する。
【0141】
以上のとおり構成された初期候補生成部125によって光伝送装置構成が選択された単位設計区間では、光再生中継器を配置可能な装置が配置された隣接局舎間の雑音量が、その単位設計区間を経由する各波長パスについて決定された雑音上限値の最小値よりも小さくなる。
【0142】
また、以上のとおり構成された初期候補生成部125によって光伝送装置構成が選択された単位設計区間では、光再生中継器を配置可能な装置が配置された隣接局舎間の伝送ペナルティが、当該単位設計区間を経由する各波長パスについて決定された伝送ペナルティの上限値の最小値よりも小さくなる。
【0143】
図10は、図7に示す追加候補探索部128のブロック図である。追加候補探索部128は、図7に示す緩和問題解決部127が決定した双対価格ベクトルの値に基づいて決定された被約費用の算出式にしたがって、各単位設計区間について、被約費用の値が負となる新たな光伝送装置構成の候補t’を探索する。
【0144】
追加候補探索部128は、第2単位設計区間内グラフ生成部160と、第2単位設計区間内ノード探索部161と、被約費用決定部168と、追加可否判定部169を備える。
第2単位設計区間内グラフ生成部160及び第2単位設計区間内ノード探索部161は、図9に示す初期候補生成部125の第1単位設計区間内グラフ生成部150及び第1単位設計区間内ノード探索部151と類似する構成を有する。
【0145】
第2単位設計区間内グラフ生成部160が有する第3ノード候補生成部162、第3リンク生成部163及び伝送劣化量決定部165は、第1単位設計区間内グラフ生成部150が有する第2ノード候補生成部152、第2リンク生成部153及び伝送劣化量決定部155と同様の機能を有する。
第2単位設計区間内ノード探索部161が有する第3リンク選択部166及び第3ノード決定部167は、第1単位設計区間内ノード探索部151が有する第2リンク選択部156及び第2ノード決定部157と同様の機能を有する。
【0146】
ただし、第2単位設計区間内グラフ生成部160は、第1単位設計区間内グラフ生成部150がコスト決定部154を有するのに代えて、被約費用変化決定部164を備える。
被約費用変化決定部164は、コスト決定部154が各入力リンクを選択した場合のコストを決定するのに代えて、各入力リンクを選択した場合における当該単位設計区間の被約費用の変化量ΔRCを決定する。
また、第1単位設計区間内ノード探索部151の第2リンク選択部156が、その入力リンクを選択した場合に対象のノードまでに累積されるコストが最小となる入力リンクを選択するのに代えて、第3リンク選択部166は、その入力リンクを選択した場合に対象のノードまでに累積される被約費用の変化量ΔRCが最小となる入力リンクを選択する。
また、上述したように第2リンク選択部156により選択された入力リンクにより接続される光再生中継器を配置可能な局舎の間に生じる雑音量及び各ペナルティ値が上記の各閾値以下となるのと同様に、第3リンク選択部166により選択された入力リンクにより接続される光再生中継器を配置可能な局舎の間に生じる雑音量及び各ペナルティ値もまた上記の閾値以下となる。
【0147】
装置構成決定部124が、式(1)により与えられる整数計画問題を解く場合には、被約費用変化決定部164は、光伝送装置情報によって与えられた各種の光伝送装置のコストと各種の光伝送装置を経由する光信号に生じる雑音量、及びスパン情報によって与えられた隣接局舎間に生じる雑音量に基づいて、各入力リンクを選択した場合に増加する装置コストΔc並びに雑音量Δnf及びΔnrを決定する。
【0148】
Δnfは、当該入力リンクを選択した場合に、当該単位設計区間をその基準方向と同じ方向に伝送する波長パスに生じる雑音量の変化量であり、Δnrは、当該入力リンクを選択した場合に、当該単位設計区間をその基準方向と反対方向に伝送する波長パスに生じる雑音量の変化量である。
【0149】
被約費用変化決定部164は、緩和問題解決部127が決定した双対価格ベクトルの値に基づいて決定された被約費用の算出式(10)に従って、各入力リンクを選択した場合における当該単位設計区間の被約費用の変化量ΔRCを決定する。
【0150】
【数12】
【0151】
装置構成決定部124が、式(3)により与えられる整数計画問題を解く場合には、被約費用変化決定部164は、光伝送装置情報によって与えられた各種の光伝送装置のコストと各種の光伝送装置を経由する光信号に生じる雑音量及び伝送ペナルティ量、及びスパン情報によって与えられた隣接局舎間に生じる雑音量及び伝送ペナルティ量に基づいて、各入力リンクを選択した場合に増加する装置コストΔc、雑音量Δnf及びΔnr、並びに伝送ペナルティ量Δpfkj及びΔprkjを決定する。
【0152】
Δpfkjは、当該入力リンクを選択した場合に、当該単位設計区間をその基準方向と同じ方向に伝送する波長パスdjに生じる、第k番目の種類の伝送ペナルティ量の変化量である。またΔprkjは、当該入力リンクを選択した場合に、当該単位設計区間をその基準方向と反対方向に伝送する波長パスdjに生じる、第k番目の種類の伝送ペナルティ量の変化量である。
【0153】
被約費用変化決定部164は、緩和問題解決部127が決定した双対価格ベクトルの値に基づいて決定される、以下の被約費用の算出式(11)に従って、各入力リンクを選択した場合における当該単位設計区間の被約費用の変化量ΔRCを決定する。
【0154】
【数13】
【0155】
以上のとおり構成された第2単位設計区間内グラフ生成部160及び第2単位設計区間内ノード探索部161によって選択された光伝送装置構成は、当該単位設計区間において最小の被約費用を生じる光伝送装置構成となる。
【0156】
被約費用決定部168は、第2単位設計区間内グラフ生成部160及び第2単位設計区間内ノード探索部161によって選択された光伝送装置構成により生じる被約費用RCを決定する。被約費用決定部168は、たとえば、選択された光伝送装置構成において単位設計区間に亘って累積する被約費用の変化量ΔRCの累積値に、緩和問題解決部127が決定した双対価格ベクトルπgのうち当該単位設計区間に対する成分を減じることによって被約費用RCを決定する。
【0157】
追加可否決定部169は、被約費用決定部168により決定された被約費用RCが0より小さいか否かを判定し、判定結果を緩和問題解決部127及び整数計画問題解決部129へ通知する。追加可否決定部169は、被約費用RCが0より小さい場合には、決定した光伝送装置構成の候補を記憶部126に格納する。
【0158】
緩和問題解決部127は、追加可否決定部169による判定結果に従って、追加候補探索部128が被約費用RCが負である構成を発見できるか否かを判定する。緩和問題解決部127は、追加候補探索部128が被約費用RCが負である構成を発見できなくなるまで、追加候補探索部128により新たに候補が追加された装置構成候補データ114を読み込み、整数計画問題の緩和問題を解決して双対価格ベクトルを更新する。
【0159】
整数計画問題解決部129は、追加可否決定部169による判定結果に従って、追加候補探索部128が被約費用RCが負である構成を発見できるか否かを判定する。追加候補探索部128が、被約費用RCが負である構成を発見できなくなったとき、その時点で装置構成候補データ114を読み込み、整数計画問題を緩和しないで解決することにより、光ネットワーク200の光伝送装置構成を決定する。
【0160】
図11は、開示のネットワーク設計方法の全体フローチャートである。
ステップS1において、図7に示す情報取得部120は、WDM光ネットワーク情報を取得する。
ステップS2において、区間分割部121は、WDM光ネットワーク情報中のネットワークトポロジ情報によって与えられた光ネットワーク200を、線形区間である単位設計区間に分割する。
【0161】
ステップS3において、図8に示すパラメータ決定部123は、雑音量上限値Nth又はNth’、及び伝送ペナルティの上限値Pthk(dj)を決定する。
さらに、パラメータ決定部123は、単位設計区間内雑音量上限値Nth1(gh)及びNth2(gh)並びに単位設計区間内ペナルティ上限値Pth1k(gh)及びPth2k(gh)を決定する。
【0162】
上述のとおり、パラメータ決定部123が、上述の決定方法の第2例又は第3例によって雑音量上限値Nth’を決定する場合、図8に示す累積ペナルティ決定部132は、各波長パスdj上において取りうる伝送ペナルティの累積値の最小値Pmink(dj)及び/又は最大値Pmaxk(dj)を決定する。以下、累積ペナルティ決定部132による、伝送ペナルティの累積値の最小値Pmink(dj)及び最大値Pmaxkの決定方法を説明する。
【0163】
図12は、図8に示すパス内グラフ生成部140が生成するグラフ情報の例を示す図(その1)である。図12に示す局舎1〜6は、図1において波長パスdが経由する単位設計区間202及び203における局舎1〜6である。ノード1A〜6Aおよびノード2B、3B及び5Bは、第1ノード候補生成部143が生成した各ノードを示している。局舎1〜局舎6に配置可能な光伝送装置のうちの光再生中継器を配置可能な光伝送装置としてOADM(たとえば図3のOADM400)を用いる。
【0164】
また、局舎1〜局舎6に配置可能な光伝送装置のうちの光再生中継器を配置できない光伝送装置としてILA(たとえば、図4のILA500)を用いる。局舎1〜局舎6のうちの、始端局舎である局舎1と、終端局舎である局舎6には、光再生中継器を配置可能なOADMのみが配置可能である。局舎2と局舎3、局舎5にはOADM、ILAまたはバイパス(たとえば、図5のバイパス600)が配置可能である。また、局舎4にはILAを配置不可としている。
【0165】
第1ノード候補生成部143は、局舎1〜6について、各局舎に配置可能なOADMを示すノード1A〜ノード6Aをそれぞれ生成する。また、第1ノード候補生成部143は、局舎2、3及び5について、各局舎に配置可能なILAを示すノード2B、3B及びノード5Bをそれぞれ生成する。図12において、矢印は、第1リンク生成部144によって生成された各ノード間の各入力リンクを示している。以下の説明において、ノードYのノードXからの入力リンクを入力リンク(X,Y)と表記する。
【0166】
第1ノード候補生成部143によって生成されたノード1Aは始端局舎に対応するノードであるため、第1リンク生成部144はノード1Aへの入力リンクは生成しない。第1リンク生成部144は、ノード2Aについて、ノード2Aに対応する局舎2より前段の局舎1に対応するノード1Aからの入力リンク(1A,2A)を生成する。また、第1リンク生成部144は、ノード2Bについて、ノード2Bに対応する局舎2より前段の局舎1に対応するノード1Aからの入力リンク(1A,2B)を生成する。
【0167】
また、第1リンク生成部144は、ノード3Aについて、ノード3Aに対応する局舎3より前段の局舎2に対応するノード2Aからの入力リンク(2A,3A)およびノード2Bからの入力リンク(2B,3A)を生成する。また、第1リンク生成部144は、ノード3Bについて、ノード3Bに対応する局舎3より前段の局舎2に対応するノード2Aからの入力リンク(2A,3B)およびノード2Bからの入力リンク(2B,3B)を生成する。
【0168】
また、第1リンク生成部144は、ノード4Aについて、ノード4Aに対応する局舎4より前段の局舎3に対応するノード3Aからの入力リンク(3A,4A)およびノード3Bからの入力リンク(3B,4A)を生成する。
【0169】
また、第1リンク生成部144は、ノード5Aについて、ノード5Aに対応する局舎5より前段の局舎4に対応するノード4Aからの入力リンク(4A,5A)を生成する。また、第1リンク生成部144は、ノード5Bについて、ノード5Bに対応する局舎5より前段の局舎4に対応するノード4Aからの入力リンク(4A,5B)を生成する。
【0170】
また、第1リンク生成部144は、ノード6Aについて、ノード6Aに対応する局舎6より前段の局舎5に対応するノード5Aからの入力リンク(5A,6A)およびノード5Bからの入力リンク(5B、6A)を生成する。
【0171】
以下、ペナルティ決定部145が決定した伝送ペナルティ量の例を示す。図12において、各入力リンクに隣接して表示される数字は、各入力リンクについてペナルティ決定部145によって算出された伝送ペナルティを示す。ペナルティ決定部145は、第1リンク生成部144によって生成された入力リンク(1A,2A)を選択した場合の伝送ペナルティを「1」と決定する。また、ペナルティ決定部145は、入力リンク(1A,2B)を選択した場合の伝送ペナルティを「2」と決定する。
【0172】
ペナルティ決定部145は、入力リンク(2A,3A)を選択した場合の伝送ペナルティを「1」と決定する。また、ペナルティ決定部145は、入力リンク(2B,3A)を選択した場合の伝送ペナルティを「2」と決定する。また、ペナルティ決定部145は、入力リンク(2A,3B)を選択した場合の伝送ペナルティを「2」と決定する。また、ペナルティ決定部145は、入力リンク(2B,3B)を選択した場合の伝送ペナルティを「3」と決定する。
【0173】
ペナルティ決定部145は、入力リンク(3A,4A)を選択した場合の伝送ペナルティを「1」と決定する。また、ペナルティ決定部145は、入力リンク(3B,4A)を選択した場合の伝送ペナルティを「2」と決定する。
ペナルティ決定部145は、入力リンク(4A,5A)を選択した場合の伝送ペナルティを「1」と決定する。ペナルティ決定部145は、入力リンク(4A,5B)を選択した場合の伝送ペナルティを「2」と決定する。
【0174】
ペナルティ決定部145は、入力リンク(5A,6A)を選択した場合の伝送ペナルティを「1」と決定する。また、ペナルティ決定部145は、入力リンク(5B,6A)を選択した場合の伝送ペナルティを「2」と決定する。これにより、局舎1〜6に配置するOADM,ILAに対応する各ノードと、伝送ペナルティ量に対応付けられかつ各ノードを接続する各リンクと、からなるグラフ情報が生成される。
【0175】
図13は、図8に示すパス内グラフ生成部140が生成するグラフ情報の例を示す図(その2)である。図13において、図12に示した伝送ペナルティ量は図示を省略している。図12においては、第1リンク生成部144が、各ノードについて、各ノードの直前のノードからの入力リンクのみを生成する場合について説明したが、第1リンク生成部144は、各ノードの直前のノードからの入力リンクに加えて、各ノードの2つ以上前のノードからの入力リンクを生成してもよい。
【0176】
ここでは、第1リンク生成部144は、ノード3Bについて、入力リンク(2A,3B)および入力リンク(2B,3B)に加えて、ノード3Aに対応する局舎3より前段の局舎1に対応するノード1Aからの入力リンク(1A,3B)を生成する。ノード3Bにおいて、入力リンク(1A,3B)を選択した場合は、局舎2にはバイパスを配置する。
【0177】
また、第1リンク生成部144は、ノード4Aについて、入力リンク(3A,4A)および入力リンク(3B,4A)に加えて、ノード4Aに対応する局舎4より前段の局舎1に対応するノード1Aからの入力リンク(1A,4A)を生成する。ノード4Aにおいて、入力リンク(1A,4A)を選択した場合は、局舎2及び3にはバイパスを配置する。
【0178】
このように、入力リンク(1A,3B)及び入力リンク(1A,4A)をバイパスリンクとして生成する。ペナルティ決定部145は、入力リンク(1A,3B)を選択した場合の伝送ペナルティ量を「7」と決定する。また、ペナルティ決定部145は、入力リンク(1A,4A)を選択した場合の伝送ペナルティ量を「2」と決定する。
以下の説明では、簡単のため、図12に示した各入力リンクと、これらのバイパスリンクのみを生成する場合について説明する。
【0179】
図14は、図8に示す第1リンク選択部146による入力リンクの選択処理の説明図である。図14において、図12および図13に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。ここでは、ノード3Bへの入力リンクの選択について説明する。ノード3Bへの各入力リンクを太矢印で示し、他の入力リンクは細矢印で示している。第1リンク選択部146は、第1リンク生成部144によって生成されたノード3Bへの3つの入力リンク(2A,3B)、入力リンク(2B,3B)および入力リンク(1A,3B)から一つの入力リンクを選択する。
【0180】
ノード3Bへの入力リンク(2A,3B)、入力リンク(2B,3B)および入力リンク(1A,3B)から一つの入力リンクを選択することで、局舎3にILAを配置する場合の、局舎3の直前にOADMまたはILAが配置される局舎までの各配置が第1ノード決定部147によって決定される。第1リンク選択部146によって入力リンク(2A,3B)が選択されたときは、局舎3にILAを配置する場合に、局舎2にはOADMが配置されることが第1ノード決定部147によって決定される。
【0181】
また、第1リンク選択部146によって入力リンク(2B,3B)が選択されたときは、局舎3にILAを配置する場合に、局舎2にはILAが配置されることが第1ノード決定部147によって決定される。また、第1リンク選択部146によって入力リンク(1A,3B)が選択されたときは、局舎3にILAを配置する場合に、局舎2にはバイパスが配置され、局舎1にはOADMが配置されることが第1ノード決定部147によって決定される。
【0182】
ここでは、第1リンク選択部146がノード3Bへの各入力リンクから一つの入力リンクを選択する場合について説明したが、第1リンク選択部146は、各ノード2A〜6A,2B及び5Bについても同様に、各入力リンクから一つの入力リンクを選択することによって、局舎1〜6を経由する波長パスに生じる伝送ペナルティの累積値が最小又は最大となる配置に対応する経路を探索する。
【0183】
図15は、図8に示す第1リンク選択部146による選択処理の例を示すフローチャートである。図15は、累積ペナルティ決定部132が、各波長パスdj上において取りうる伝送ペナルティの累積値の最大値Pmaxk(dj)を決定する場合の処理を示す。
ステップS10では、第1リンク選択部146は、第1ノード候補生成部143によって生成された各ノードNx(x=1〜q)を取得する。
ステップS11では、第1リンク選択部146は、取得した各ノードNxのいずれかを参照するノード番号xを1に設定する。
【0184】
ステップS12では、第1リンク選択部146は、ノードNxへの各入力リンクli(i=1〜r)を取得する。
ステップS13では、第1リンク選択部146は、ノードNxへの各入力リンクli(i=1〜r)のうち、各入力リンクliの始点ノードNiまでの累積される伝送ペナルティ量PNacc(Ni)と、入力リンクliの伝送ペナルティ量PN(li)と、の合計値が最大となる入力リンクliを、ノードNxへの入力リンクLとして選択する。
【0185】
なお、累積ペナルティ決定部132が最小値Pmink(dj)を決定する場合には、ステップS13において、第1リンク選択部146は、ノードNxへの各入力リンクli(i=1〜m)のうち、各入力リンクliの始点ノードNiまでの累積される伝送ペナルティ量PNacc(Ni)と、入力リンクliの伝送ペナルティ量PN(li)と、の合計値が最小となる入力リンクliを、ノードNxへの入力リンクLとして選択する。
【0186】
ステップS14において第1リンク選択部146は、ノードNxまでの累積された伝送ペナルティ量PNacc(Nx)=PNTacc(Npre)+PN(L)を算出する。PNacc(Npre)は、ステップS13によって選択された入力リンクLの始点ノードNpreまでの累積された伝送ペナルティ量である。また、PN(L)は、入力リンクLを選択したときの伝送ペナルティ量である。
【0187】
ステップS15において第1リンク選択部146は、ノード番号xが最後の番号qであるか否かを判断する。ノード番号xが最後の番号qでない場合には、第1リンク選択部146はノード番号xをx+1に変更し(ステップS16)、ステップS12へ戻って処理を続行する。ノード番号xが最後の番号qである場合は、第1リンク選択部146は入力リンクの選択処理を終了する。
【0188】
図12〜図14に示した例において図15の各ステップを適用した場合について説明する。図16は、図8に示す第1リンク選択部146による入力リンクの選択処理の結果を示す図である。図16において、図12〜図14に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0189】
また、図16において、矢印は、図15に示した各ステップによって選択された入力リンクLを示している。また、各ノードとともに、ステップS12〜S16によって算出される累積された伝送ペナルティを図示している。
【0190】
ノード2Aへの入力リンクLの決定について説明する。入力リンク(1A,2A)を選択したときの伝送ペナルティ量の合計値は、PNacc(1A)+PN(1A,2A)=0+1=1となる。ここでは、残っている入力リンクが入力リンク(1A,2A)のみであるので、入力リンク(1A,2A)がノード2Aへの入力リンクLとして選択される。
【0191】
ノード2Bへの入力リンクLの決定について説明する。入力リンク(1A,2B)を選択したときの伝送ペナルティ量の合計値は、PNacc(1A)+PN(1A,2B)=0+2=2となる。ここでは、残っている入力リンクが入力リンク(1A,2B)のみであるので、入力リンク(1A,2B)がノード2Bへの入力リンクLとして選択される。
【0192】
ノード3Aへの入力リンクLの決定について説明する。入力リンク(2A,3A)を選択したときの伝送ペナルティ量の合計値は、PNacc(2A)+PN(2A,3A)=1+1=2となる。入力リンク(2B,3A)を選択したときの伝送ペナルティ量の合計値は、PNacc(2B)+PN(2B,3A)=2+2=4となる。したがって、伝送ペナルティ量の合計値が最大となる入力リンク(2B,3A)がノード3Aへの入力リンクLとして選択される。
【0193】
ノード3Bへの入力リンクLの決定について説明する。入力リンク(2A,3B)を選択したときの伝送ペナルティ量の合計値は、PNacc(2A)+PN(2A,3B)=1+2=3となる。入力リンク(2B,3B)を選択したときの伝送ペナルティ量の合計値は、PNacc(2B)+PN(2B,3B)=2+3=5となる。入力リンク(1A,3B)を選択したときの伝送ペナルティ量の合計値は、PNacc(1A)+PN(1A,3B)=0+7=7となる。したがって、伝送ペナルティ量の合計値が最大となる入力リンク(1A,3B)がノード3Bへの入力リンクLとして選択される。
【0194】
ノード4Aへの入力リンクLの決定について説明する。入力リンク(3A,4A)を選択したときの伝送ペナルティ量の合計値は、PNacc(3A)+PN(3A,4A)=4+1=5となる。入力リンク(3B,4A)を選択したときの伝送ペナルティ量の合計値は、PNacc(3B)+PN(3B,4A)=7+2=9となる。入力リンク(1A,4A)を選択したときの伝送ペナルティ量の合計値は、PNacc(1A)+PN(1A,4A)=0+2=2となる。したがって、伝送ペナルティ量の合計値が最大となる入力リンク(3B,4A)がノード4Aへの入力リンクLとして選択される。
【0195】
ノード5Aへの入力リンクLの決定について説明する。入力リンク(4A,5A)を選択したときの伝送ペナルティ量の合計値は、PNacc(4A)+PN(4A,5A)=9+1=10となる。ここでは、残っている入力リンクが入力リンク(4A,5A)のみであるので、入力リンク(4A,5A)がノード5Aへの入力リンクLとして選択される。
【0196】
ノード5Bへの入力リンクLの決定について説明する。入力リンク(4A,5B)を選択したときの伝送ペナルティ量の合計値は、PNacc(4A)+PN(4A,5B)=9+2=11となる。ここでは、残っている入力リンクが入力リンク(4A,5B)のみであるので、入力リンク(4A,5B)がノード5Bへの入力リンクLとして選択される。
【0197】
ノード6Aへの入力リンクLの決定について説明する。入力リンク(5A,6A)を選択したときの伝送ペナルティ量の合計値は、PNacc(5A)+PN(5A,6A)=10+1=11となる。入力リンク(5B,6A)を選択したときの伝送ペナルティ量の合計値は、PNacc(5B)+PN(5B,6A)=11+2=13となる。したがって、伝送ペナルティ量の合計値が最大となる入力リンク(5B,6A)がノード6Aへの入力リンクLとして選択される。これにより、各ノードへの入力リンクLがそれぞれ選択される。
【0198】
図17は、図8に示す第1ノード決定部147による経由ノードの決定処理の例を示すフローチャートである。
ステップS20において第1ノード決定部147は、第1ノード候補生成部143によって生成された各ノードNx(x=1〜q)を取得する。
ステップS21において第1ノード決定部147は、ステップS20によって取得された各ノードNxのいずれかを参照するノード番号xをqに設定する。ここで、ノード番号qは、設計対象の単位設計区間における終端局舎に配置する光伝送装置のノードを示す。
【0199】
ステップS22において第1ノード決定部147は、ノードNqを経由ノードとして保持する。
ステップS23において第1ノード決定部147は、図15におけるステップS13によって選択された各入力リンクLのうちの、ノードNxへの入力リンクLを取得する。
ステップS24において第1ノード決定部147は、ステップS23によって取得された入力リンクLの始点ノードNpreを取得する。
【0200】
ステップS25において第1ノード決定部147は、始点ノードNpreを経由ノードとして保持する。
ステップS26において第1ノード決定部147は、ステップS25にて取得された始点ノードNpreの番号preが番号1であるか否かを判断する。ここで、番号1は、設計対象の単位設計区間における始端局舎に配置する光伝送装置のノードの番号である。
【0201】
始点ノードNpreの番号preが番号1でない場合に第1ノード決定部147は、ステップS27においてノードNxの番号xを始点ノードNpreの番号preに変更し、ステップS23へ戻って処理を続行する。始点ノードNpreの番号preが番号1である場合に第1ノード決定部147は、一連の経由ノード決定動作を終了する。
【0202】
以上の各ステップにおいて、ステップS22およびステップS25によって保持された各経由ノードが、設計対象の線形区間内の各局舎に対する各種の光伝送装置の配置を示す情報となる。つぎに、図12〜図14,図16に示した例において、図17に示した各ステップを適用した場合について説明する。
【0203】
図18は、図8に示す第1ノード決定部147による経由ノードの決定処理の結果を示す図である。図18において、図12〜図14,図16に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。また、図18において、太矢印は、図17に示した各ステップによって遷移したノードの経路を示している。また、グラフの下段に、各ステップによって決定された光伝送装置の種類を図示している。黒丸印はバイパスを示している。
【0204】
まず、ノード6Aの番号が設定され(ステップS21)、ノード6Aが経由ノードの一つとして保持される(ステップS22)。また、ノード6Aへの入力リンクLとして入力リンク(5B,6A)が取得される(ステップS23)。また、入力リンク(5B,6A)の始点ノードNpreとしてノード5Bが取得され(ステップS24)、ノード5Bが経由ノードの一つとして保持される(ステップS25)。
つぎに、ノード5Bの番号が設定され(ステップS27)、ノード5Bへの入力リンクLとして入力リンク(4A,5B)が取得される(ステップS23)。また、入力リンク(4A,5B)の始点ノードNpreとしてノード4Aが取得され(ステップS24)、ノード4Aが経由ノードの一つとして保持される(ステップS25)。
【0205】
つぎに、ノード4Aの番号が設定され(ステップS27)、ノード4Aへの入力リンクLとして入力リンク(3B,4A)が取得される(ステップS23)。また、入力リンク(3B,4A)の始点ノードNpreとしてノード3Bが取得され(ステップS24)、ノード3Bが経由ノードの一つとして保持される(ステップS25)。
【0206】
つぎに、ノード3Bの番号が設定され(ステップS27)、ノード3Bへの入力リンクLとして入力リンク(1A,3B)が取得される(ステップS23)。また、入力リンク(1A,3B)の始点ノードNpreとしてノード1Aが取得され(ステップS24)、ノード1Aが経由ノードの一つとして保持される(ステップS25)。
【0207】
ノード1Aのノード番号は、設計対象の線形区間201における始端局舎である局舎1に配置する光伝送装置のノードの番号であるため、ここで経由ノード決定動作が終了する。このように、ノード6Aからノード1Aまで入力リンクLをたどりながら遡ることで、第1ノード決定部147は、ノード6A、ノード5B、ノード4A、ノード3B、ノード1Aの順に経由ノードが保持される。
【0208】
累積値計算部142は、第1ノード決定部147によって保持された経由ノードを通過する経路に沿って累積する伝送ペナルティを、各経由ノードを接続する入力リンクの伝送ペナルティに基づいて決定し、雑音量上限値決定部133に出力する。
【0209】
図11のステップS4において、図7に示す装置構成決定部124は、区間分割部121によって生成された各単位設計区間における光伝送装置構成の候補を決定する。 図19は、装置構成決定部124が各単位設計区間の光伝送装置構成を決定する決定方法の一例を示すフローチャートである。
【0210】
ステップS30において初期候補生成部125は、緩和問題解決部127による処理に先立って、各単位設計区間について、制約条件(1−3)、又は(3−3)及び(3−41)〜(3−4R)を満たす光伝送装置構成の候補を少なくとも1つ生成し、記憶部126に格納する。
【0211】
ステップS31において緩和問題解決部127は、記憶部126に格納された装置構成候補データ114を読み込み、装置構成候補データ114が示す光伝送装置構成の候補について定めた式(1)又は(3)に示す整数計画問題の緩和問題を解決して、双対価格ベクトルを決定する。
【0212】
ステップS32において追加候補探索部128は、緩和問題解決部127が決定した双対価格ベクトルの値に基づいて決定された被約費用の算出式にしたがって、各単位設計区間について、被約費用の値が負となる新たな光伝送装置構成の候補t’を探索する。
ステップS33において追加候補探索部128は、新たな光伝送装置構成の候補t’が発見されるか否かを判定する。
新たな光伝送装置構成の候補t’が発見された場合には装置構成候補データ114に追加して、処理をS31に戻す。
新たな光伝送装置構成の候補t’が発見されない場合には、ステップS34において整数計画問題解決部129は、記憶部126に格納された、初期候補生成部125及び追加候補探索部128により決定された候補を含む装置構成候補データ114を読み込み、装置構成候補データ114が示す光伝送装置構成の候補について定めた式(1)又は(3)に示す整数計画問題を緩和しないで解決することにより、光ネットワーク200の光伝送装置構成を決定する。
【0213】
以下、ステップS30において初期候補生成部125が、光伝送装置構成の候補を決定する処理を説明する。図20は、図9に示す初期候補生成部125の第1単位設計区間内グラフ生成部150が生成するグラフ情報の例を示す図(その1)である。
図20に示す局舎11〜18は、図2の線形区間204における局舎11〜18である。ノード11A〜18Aおよびノード12B〜17Bは、第2ノード候補生成部152が生成した各ノードを示している。
【0214】
ここでは、説明の簡単のため、伝送劣化量として順方向の雑音量のみを例示して説明するが、実際には逆方向の雑音量も同様の処理によって考慮される。また、各種の伝送ペナルティも、雑音量と同様の処理によって考慮される。
雑音量の閾値NOISEthを7とする。局舎11〜局舎18に配置可能な光伝送装置のうちの光再生中継器を配置可能な光伝送装置としてOADM(たとえば図3のOADM400)を用いる。
【0215】
また、局舎11〜局舎18に配置可能な光伝送装置のうちの光再生中継器を配置できない光伝送装置としてILA(たとえば、図4のILA500)を用いる。局舎11〜局舎18のうちの、始端局舎である局舎11と、終端局舎である局舎18には、光再生中継器を配置可能なOADMのみが配置可能である。局舎12〜局舎17にはOADM、ILAまたはバイパス(たとえば、図5のバイパス600)が配置可能である。
【0216】
第2ノード候補生成部152は、局舎11〜18について、各局舎に配置可能なOADMを示すノード11A〜ノード18Aをそれぞれ生成する。また、第2ノード候補生成部152は、局舎12〜17について、各局舎に配置可能なILAを示すノード12B〜ノード17Bをそれぞれ生成する。図20において、矢印は、第2リンク生成部153によって生成されたノード11A〜18A,12B〜17B間の各入力リンクを示している。以下の説明において、ノードYのノードXからの入力リンクを入力リンク(X,Y)と表記する。
【0217】
第2リンク生成部153は、第2ノード候補生成部152によって生成されたノード11Aは始端局舎に対応するノードであるため、ノード11Aへの入力リンクは生成しない。また、第2リンク生成部153は、ノード12Aについて、ノード12Aに対応する局舎12より前段の局舎11に対応するノード11Aからの入力リンク(11A,12A)を生成する。また、第2リンク生成部153は、ノード12Bについて、ノード12Bに対応する局舎12より前段の局舎11に対応するノード11Aからの入力リンク(11A,12B)を生成する。
【0218】
また、第2リンク生成部153は、ノード13Aについて、ノード13Aに対応する局舎13より前段の局舎12に対応するノード12Aからの入力リンク(12A,13A)およびノード12Bからの入力リンク(12B,13A)を生成する。また、第2リンク生成部153は、ノード13Bについて、ノード13Bに対応する局舎13より前段の局舎12に対応するノード12Aからの入力リンク(12A,13B)およびノード12Bからの入力リンク(12B,13B)を生成する。
【0219】
また、第2リンク生成部153は、ノード14Aについて、ノード14Aに対応する局舎14より前段の局舎13に対応するノード13Aからの入力リンク(13A,14A)およびノード13Bからの入力リンク(13B,14A)を生成する。また、第2リンク生成部153は、ノード14Bについて、ノード14Bに対応する局舎14より前段の局舎13に対応するノード13Aからの入力リンク(13A,14B)およびノード13Bからの入力リンク(13B,14B)を生成する。
【0220】
また、第2リンク生成部153は、ノード15Aについて、ノード15Aに対応する局舎15より前段の局舎14に対応するノード14Aからの入力リンク(14A,15A)およびノード14Bからの入力リンク(14B,15A)を生成する。また、第2リンク生成部153は、ノード15Bについて、ノード15Bに対応する局舎15より前段の局舎14に対応するノード14Aからの入力リンク(14A,15B)およびノード14Bからの入力リンク(14B,15B)を生成する。
【0221】
また、第2リンク生成部153は、ノード16Aについて、ノード16Aに対応する局舎16より前段の局舎15に対応するノード15Aからの入力リンク(15A,16A)およびノード15Bからの入力リンク(15B,16A)を生成する。また、第2リンク生成部153は、ノード16Bについて、ノード16Bに対応する局舎16より前段の局舎15に対応するノード15Aからの入力リンク(15A,16B)およびノード15Bからの入力リンク(15B,16B)を生成する。
【0222】
また、第2リンク生成部153は、ノード17Aについて、ノード17Aに対応する局舎17より前段の局舎16に対応するノード16Aからの入力リンク(16A,17A)およびノード16Bからの入力リンク(16B,17A)を生成する。また、第2リンク生成部153は、ノード17Bについて、ノード17Bに対応する局舎17より前段の局舎16に対応するノード16Aからの入力リンク(16A,17B)およびノード16Bからの入力リンク(16B,17B)を生成する。
【0223】
また、第2リンク生成部153は、ノード18Aについて、ノード18Aに対応する局舎18より前段の局舎17に対応するノード17Aからの入力リンク(17A,18A)およびノード17Bからの入力リンク(17B,18A)を生成する。
【0224】
以下、図9に示すコスト決定部154及び伝送劣化量決定部155が決定するコストおよび雑音量の例を示す。図20において、各入力リンクとともに、各入力リンクについてコスト決定部154及び伝送劣化量決定部155によって算出されたコストおよび雑音量を(コスト,雑音量)として図示している。コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、第2リンク生成部153によって生成された入力リンク(11A,12A)を選択した場合のコストおよび雑音量を(2,1)と決定する。また、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(11A,12B)を選択した場合のコストおよび雑音量を(1,2)と決定する。
【0225】
コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(12A,13A)を選択した場合のコストおよび雑音量を(2,1)と決定する。また、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(12B,13A)を選択した場合のコストおよび雑音量を(4,2)と決定する。また、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(12A,13B)を選択した場合のコストおよび雑音量を(2,2)と決定する。また、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(12B,13B)を選択した場合のコストおよび雑音量を(2,3)と決定する。
【0226】
コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(13A,14A)を選択した場合のコストおよび雑音量を(2,1)と決定する。また、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(13B,14A)を選択した場合のコストおよび雑音量を(2,2)と決定する。また、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(13A,14B)を選択した場合のコストおよび雑音量を(1,2)と決定する。また、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(13B,14B)を選択した場合のコストおよび雑音量を(2,3)と決定する。
【0227】
コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(14A,15A)を選択した場合のコストおよび雑音量を(2,10)と決定する。また、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(14B,15A)を選択した場合のコストおよび雑音量を(3,10)と決定する。ここで、入力リンク(14A,15A)および入力リンク(14B,15A)を選択したときの雑音量は、これだけで閾値NOISEthの7を超えるため、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(14A,15A)、入力リンク(14B,15A)、入力リンク(15A,16A)および入力リンク(15A,16B)を削除する。
【0228】
コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(14A,15B)を選択した場合のコストおよび雑音量を(2,2)と決定する。また、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(14B,15B)を選択した場合のコストおよび雑音量を(2,3)と決定する。また、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(15B,16A)を選択した場合のコストおよび雑音量を(3,2)と決定する。また、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(15B,16B)を選択した場合のコストおよび雑音量を(2,3)と決定する。
【0229】
コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(16A,17A)を選択した場合のコストおよび雑音量を(2,1)と決定する。また、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(16B,17A)を選択した場合のコストおよび雑音量を(3,2)と決定する。また、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(16A,17B)を選択した場合のコストおよび雑音量を(1,2)と決定する。また、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(16B,17B)を選択した場合のコストおよび雑音量を(2,3)と決定する。
【0230】
コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(17A,18A)を選択した場合のコストおよび雑音量を(2,1)と決定する。また、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(17B,18A)を選択した場合のコストおよび雑音量を(2,2)と決定する。これにより、局舎11〜18に配置するOADM,ILAに対応する各ノードと、伝送劣化量および雑音量と対応付けられ、各ノードを接続する各リンクと、からなるグラフ情報が生成される。
【0231】
図21は、図9に示す第1単位設計区間内グラフ生成部150が生成するグラフ情報の例を示す図(その2)である。図21において、図20に示したコスト決定部154及び伝送劣化量決定部155によって算出されたコストおよび雑音量は図示を省略している。図20においては、第2リンク生成部153が、各ノードについて、各ノードの直前のノードからの入力リンクのみを生成する場合について説明したが、第2リンク生成部153は、各ノードの直前のノードからの入力リンクに加えて、各ノードの2つ以上前のノードからの入力リンクを生成してもよい。
【0232】
ここでは、第2リンク生成部153は、ノード13Aについて、入力リンク(12A,13A)および入力リンク(12B,13A)に加えて、ノード13Aに対応する局舎13より前段の局舎11に対応するノード11Aからの入力リンク(11A,13A)を生成する。ノード13Aにおいて、入力リンク(11A,13A)を選択した場合は、局舎12にはバイパスを配置する。
【0233】
また、第2リンク生成部153は、ノード13Bについて、入力リンク(12A,13B)および入力リンク(12B,13B)に加えて、ノード13Bに対応する局舎13より前段の局舎11に対応するノード11Aからの入力リンク(11A,13B)を生成する。ノード13Bにおいて、入力リンク(11A,13B)を選択した場合は、局舎12にはバイパスを配置する。
【0234】
また、第2リンク生成部153は、ノード14Aについて、入力リンク(13A,14A)および入力リンク(13B,14A)に加えて、ノード14Aに対応する局舎14より前段の局舎11に対応するノード11Aからの入力リンク(11A,14A)を生成する。ノード14Aにおいて、入力リンク(11A,14A)を選択した場合は局舎12および局舎13にはバイパスを配置する。
【0235】
また、第2リンク生成部153は、ノード14Bについて、入力リンク(13A,14B)および入力リンク(13B,14B)に加えて、ノード14Bに対応する局舎14より前段の局舎11に対応するノード11Aからの入力リンク(11A,14B)と、局舎14より前段の局舎12に対応するノード2Aからの入力リンク(12A,14B)と、を生成する。
【0236】
ノード14Bにおいて、入力リンク(11A,14B)を選択した場合は、局舎12および局舎13にはバイパスを配置する。また、入力リンク(12A,14B)を選択した場合は、局舎13にはバイパスを配置する。このように、入力リンク(11A,13A)、入力リンク(11A,13B)、入力リンク(11A,14A)、入力リンク(11A,14B)および入力リンク(12A,14B)をバイパスリンクとして生成する。
【0237】
コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(11A,13A)を選択した場合のコストおよび雑音量を(10,4)と決定する。また、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(11A,13B)を選択した場合のコストおよび雑音量を(10,5)と決定する。また、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(11A,14A)を選択した場合のコストおよび雑音量を(10,5)と決定する。
【0238】
また、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(11A,14B)を選択した場合のコストおよび雑音量を(10,6)と決定する。また、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155は、入力リンク(12A,14B)を選択した場合のコストおよび雑音量を(2,2)と決定する。なお、バイパスリンクは他にも生成し得るが、以下の説明では、簡単のため、図20に示した各入力リンクと、これらのバイパスリンクのみを生成する場合について説明する。また、グラフを生成した結果、ノード15Aに対する入力リンクは存在しないため、コスト決定部154及び伝送劣化量決定部155はノード15Aを削除する。
【0239】
図22は、図9に示す第2リンク選択部156による入力リンクの選択処理の説明図である。図22において、図20および図21に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。ここでは、ノード13Aへの入力リンクの選択について説明する。ノード13Aへの各入力リンクを太矢印で示し、他の入力リンクは細矢印で示している。第2リンク選択部156は、第2リンク生成部153によって生成されたノード13Aへの3つの入力リンク(12A,13A)、入力リンク(12B,13A)および入力リンク(11A,13A)から一つの入力リンクを選択する。
【0240】
ノード13Aへの入力リンク(12A,13A)、入力リンク(12B,13A)および入力リンク(11A,13A)から一つの入力リンクを選択することで、局舎13にOADMを配置する場合の、局舎13の直前にOADMまたはILAが配置される局舎までの各配置が第2ノード決定部157によって決定される。第2リンク選択部156によって入力リンク(12A,13A)が選択されたときは、局舎13にOADMを配置する場合に、局舎12にはOADMが配置されることが第2ノード決定部157によって決定される。
【0241】
また、第2リンク選択部156によって入力リンク(12B,13A)が選択されたときは、局舎13にOADMを配置する場合に、局舎12にはILAが配置されることが第2ノード決定部157によって決定される。また、第2リンク選択部156によって入力リンク(11A,13A)が選択されたときは、局舎13にOADMを配置する場合に、局舎12にはバイパスが配置され、局舎11にはOADMが配置されることが第2ノード決定部157によって決定される。
【0242】
ここでは、第2リンク選択部156がノード13Aへの各入力リンクから一つの入力リンクを選択する場合について説明したが、第2リンク選択部156は、各ノード12A〜14A,16A〜18A,12B〜17Bについても同様に、各入力リンクから一つの入力リンクを選択することで、伝送劣化量が閾値以下となり、コストが最小となる配置に対応する経路を探索する。
【0243】
図23および図24は、図9に示す第2リンク選択部156による選択処理の例を示すフローチャートである。図23および図24においては、伝送劣化量として、雑音量及び各種の伝送ペナルティのそれぞれの順方向成分及び逆方向成分を用いる場合について説明する。
【0244】
ステップS40において第2リンク選択部156は、第2ノード候補生成部152によって生成された各ノードNx(x=1〜q)を取得する。
ステップS41において第2リンク選択部156は、ステップS40で取得された各ノードNxのいずれかを参照するノード番号xを1に設定する。
ステップS42において第2リンク選択部156は、ノードNxが光再生中継器を配置可能なノードであるか否かを判断する。
【0245】
ステップS42においてノードNxが光再生中継器を配置可能なノードである場合は、ステップS43において第2リンク選択部156は、雑音量の最小値NOISEminを0に設定する。最小値NOISEminは、ノードNxから後段光再生ノードまでの雑音量の最小値である。またステップS44において第2リンク選択部156は、伝送ペナルティの最小値PENALTYminを0に設定にし、ステップS48へ処理を移行する。最小値PENALTYminは、ノードNxから後段光再生ノードまでの伝送ペナルティ量の最小値である。
【0246】
最小値NOISEminの値は、雑音量の順方向成分及び反対方向成分のそれぞれについて設定される。
また、最小値PENALTYminの値は、各伝送ペナルティの種類毎に、伝送ペナルティ量の順方向成分及び反対方向成分のそれぞれについて設定される。
【0247】
ステップS42においてノードNxが光再生中継器を適用可能なノードでない場合は、ステップS45において第2リンク選択部156は、ノードNxのつぎの後段光再生ノードまでの雑音最小経路を探索する。ノードNxのつぎの後段光再生ノードまでの雑音最小経路とは、ノードNxの後段光再生ノードのうちの、ノードNxまでの入力リンクの雑音量の合計が最小となる後段光再生ノードまでの経路である。
【0248】
ステップS46において第2リンク選択部156は、順方向成分及び反対方向成分のそれぞれについて雑音量の最小値NOISEminを、ステップS45によって探索した雑音最小経路の雑音量に設定する。
ステップS47において第2リンク選択部156は、各伝送ペナルティの種類毎かつ順方向成分及び反対方向成分のそれぞれについて、伝送ペナルティの最小値PENALTYminを、ステップS45によって探索した雑音最小経路の伝送ペナルティに設定する。
【0249】
ステップS48において第2リンク選択部156は、ノードNxへの各入力リンクli(i=1〜r)を取得する。ここでは、PENALTYminを雑音最小経路上の値としているが、別途伝送ペナルティの最小経路を探索し、その経路上の値としてもよい。
【0250】
ステップS49において第2リンク選択部156は、ステップS48によって取得した各入力リンクliを参照する入力リンク番号iを1に設定する。
ステップS50において第2リンク選択部156は、順方向成分及び反対方向成分のそれぞれについて、入力リンクliの始点ノードNiまでの累積雑音NOISEacc(Ni)と、入力リンクliを選択したときの雑音NOISE(li)と、ステップS43またはステップS46によって設定した雑音量の最小値NOISEminと、の合計値が雑音閾値NOISEth以下か否かを判断する。
第2リンク選択部156は、雑音閾値NOISEthとして、単位設計区間内雑音量上限値決定部134が決定した単位設計区間内雑音量上限値Nth1(gh)及びNth2(gh)を使用する。
【0251】
ステップS50において順方向成分及び反対方向成分の双方について、合計値が雑音閾値NOISEth以下である場合は、処理はステップS51へ進む。
ステップS51において第2リンク選択部156は、各伝送ペナルティの種類毎に、かつ順方向成分及び反対方向成分のそれぞれについて、入力リンクliの始点ノードNiまでの累積伝送ペナルティPENALTYacc(Ni)と、入力リンクliを選択したときの伝送ペナルティPENALTY(li)と、ステップS44またはステップS47によって設定した伝送ペナルティの最小値PENALTYminと、の合計値が伝送ペナルティ閾値PENALTYth以下か否かを判断する。
第2リンク選択部156は、伝送ペナルティ閾値PENALTYthとして、単位設計区間内ペナルティ上限値決定部131が決定した単位設計区間内ペナルティ上限値Pth1k(gh)及びPth2k(gh)を使用する。
【0252】
ステップS50において、順方向成分及び反対方向成分のいずれかについて、合計値が雑音閾値NOISEthより大きい場合には、処理はステップS52へ進む。
また、ステップS51において、各種類の伝送ペナルティのいずれかについて、順方向成分及び反対方向成分のいずれかの合計値が伝送ペナルティ閾値PENALTYthより大きい場合には、処理はステップS52へ進む。
ステップS52において第2リンク選択部156は、ステップS48によって取得した各入力リンクから入力リンクliを削除し、処理をステップS53へ進める。
【0253】
ステップS51において、各種類の伝送ペナルティのいずれかについても、順方向成分及び反対方向成分の合計値の双方が、伝送ペナルティ閾値PENALTYth以下である場合は、ステップS53において第2リンク選択部156は、入力リンク番号iが最後の番号rであるか否かを判断する。
入力リンク番号iが最後の番号rでない場合は、ステップS54において第2リンク選択部156は、入力リンク番号iをi+1に変更し、ステップS50へ戻って処理を続行する。
【0254】
ステップS53において入力リンク番号iが最後の番号rである場合は、処理は図24のステップS55へ進む(符号A)。
ステップS55において第2リンク選択部156は、ステップS48によって取得され、ステップS52によって削除されていない入力リンクliのうちの、始点ノードNiまでの累積コストCOSTacc(Ni)と、入力リンクliのコストCOST(li)と、の合計値が最小となる入力リンクliを、ノードNxへの入力リンクLとして選択する。
【0255】
ステップS56において第2リンク選択部156は、ノードNxまでの累積コストCOSTacc(Nx)=COSTacc(Npre)+COST(L)を算出する。COSTacc(Npre)は、ステップS55によって選択された入力リンクLの始点ノードNpreまでの累積コストである。また、COST(L)は、入力リンクLを選択したときのコストである。
【0256】
ステップS57において第2リンク選択部156は、ノードNxが光再生中継器を配置可能なノードであるか否かを判断する(ステップS57)。光再生中継器を適用可能なノードである場合、ステップS58において第2リンク選択部156は、順方向成分及び反対方向成分の双方についてノードNxまでの累積雑音NOISEacc(Nx)を0に設定する。続くステップS59において第2リンク選択部156は、各伝送ペナルティの種類毎かつ順方向成分及び反対方向成分のそれぞれについて、ノードNxまでの累積伝送ペナルティPENALTYacc(Nx)を0に設定する。その後、処理はステップS62へ進む。
【0257】
ステップS57の判定においてノードNxが光再生中継器を配置可能なノードでない場合は、ステップS60において第2リンク選択部156は、順方向成分及び反対方向成分の双方について、ノードNxまでの累積雑音NOISEacc(Nx)を、ノードNpreまでの累積雑音NOISEacc(Npre)と、入力リンクLの雑音NOISE(L)と、の合計値に設定する。
【0258】
続くステップS61において第2リンク選択部156は、各伝送ペナルティの種類毎かつ順方向成分及び反対方向成分のそれぞれについて、ノードNxまでの累積伝送ペナルティPENALTYacc(Nx)を、PENALTYacc(Npre)+PENALTY(L)に設定する。PENALTYacc(Npre)は、ノードNpreまでの累積伝送ペナルティである。PENALTY(L)は、入力リンクLの伝送ペナルティである。
【0259】
ステップS62において第2リンク選択部156は、ノード番号xが最後の番号qであるか否かを判断する。ステップS62においてノード番号xが最後の番号qでない場合は、ノード番号xをx+1に変更し、図23のステップS42へ戻って(符号B)処理を続行する。ノード番号xが最後の番号qである場合は、入力リンク選択動作を終了する。
【0260】
以上の各ステップによって、第2ノード候補生成部152によって生成された各ノードNxへの入力リンクLがそれぞれ選択される。つぎに、図20〜図22に示した例において図23および図24の各ステップを適用した場合について説明する。簡単のため、伝送劣化量の代表として順方向の雑音量のみを用いて説明する。したがって、図23及び図24のステップS44、S47、S51、S59及びS61については説明を省略する。
【0261】
図25は、図9に示す第2リンク選択部156による入力リンクの選択処理の結果を示す図である。図25において、図20〜図22に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。また、図25において、矢印は、図23及び図24に示した各ステップによって選択された入力リンクLを示している。また、各ノードとともに、ステップS55〜S61によって算出される累積コストCOSTaccおよび累積雑音NOISEaccを(累積コスト,累積雑音量)として図示している。
【0262】
ノード12Aへの入力リンクLの決定について説明する。ノード12AはOADMに対応するノードであるため、雑音量の最小値NOISEminは0となる(ステップS43)。また、ノード12Aへの各入力リンクとして入力リンク(11A,12A)のみが取得される(ステップS48)。
【0263】
入力リンク(11A,12A)を選択したときの雑音量の合計値はNOISEacc(11A)+NOISE(11A,12A)+NOISEmin=0+1+0=1となる(ステップS50)。この合計値は雑音閾値NOISEthの7以下であるため、入力リンク(11A,12A)は削除されない(ステップS52)。
【0264】
入力リンク(11A,12A)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(11A)+COST(11A,12A)=0+2=2となる(ステップS55)。ここでは、残っている入力リンクが入力リンク(11A,12A)のみであるので、入力リンク(11A,12A)がノード12Aへの入力リンクLとして選択される(ステップS55)。
【0265】
ノード12Aまでの累積コストCOSTacc(12A)は、COSTacc(11A)+COST(11A,12A)=0+2=2となる(ステップS56)。ノード12AはOADMに対応するノードであるため、ノード12Aまでの累積雑音NOISEacc(12A)は0となる(ステップS58)。
【0266】
ノード12Bへの入力リンクLの決定について説明する。ノード12BはILAに対応するノードであるため、ノード12Bの後段光再生ノードまでの雑音最小経路としてノード12Bからノード13Aまでの経路が探索され(ステップS45)、雑音量の最小値NOISEminは2となる(ステップS46)。また、ノード12Bへの各入力リンクとして、入力リンク(11A,12B)のみが取得される(ステップS48)。
【0267】
入力リンク(11A,12B)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(11A)+NOISE(11A,12B)+NOISEmin=0+2+2=4となる(ステップS50)。この入力リンク(11A,12B)を選択したときの雑音量の合計値は雑音閾値NOISEthの7以下であるため、入力リンク(11A,12B)は削除されない(ステップS52)。
【0268】
入力リンク(11A,12B)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(11A)+COST(11A,12B)=0+1=1となる(ステップS55)。ここでは、残っている入力リンクが入力リンク(11A,12B)のみであるので、入力リンク(11A,12B)がノード12Bへの入力リンクLとして選択される(ステップS55)。
【0269】
ノード12Bまでの累積コストCOSTacc(12B)は、COSTacc(11A)+COST(11A,12B)=0+1=1となる(ステップS56)。ノード12BはILAに対応するノードであるため、ノード12Bまでの累積雑音NOISEacc(12B)は、NOISEacc(11A)+NOISE(11A,12B)=0+2=2となる(ステップS60)。
【0270】
つぎに、ノード13Aへの入力リンクLの決定について説明する。ノード13AはOADMに対応するノードであるため、雑音量の最小値NOISEminは0となる(ステップS43)。また、ノード13Aへの各入力リンクとして、入力リンク(12A,13A)と、入力リンク(12B,13A)と、入力リンク(11A,13A)と、が取得される(ステップS48)。
【0271】
入力リンク(12A,13A)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(12A)+NOISE(12A,13A)+NOISEmin=0+1+0=1となる(ステップS50)。また、入力リンク(12B,13A)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(12B)+NOISE(12B,13A)+NOISEmin=2+2+0=4となる(ステップS50)。
【0272】
また、入力リンク(11A,13A)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(11A)+NOISE(11A,13A)+NOISEmin=0+4+0=4となる(ステップS50)。これらの合計値は雑音閾値NOISEthの7以下であるため、入力リンク(12A,13A)、入力リンク(12B,13A)および入力リンク(11A,13A)はいずれも削除されない(ステップS52)。
【0273】
入力リンク(12A,13A)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(12A)+COST(12A,13A)=2+2=4となる。また、入力リンク(12B,13A)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(12B)+COST(12B,13A)=1+4=5となる。また、入力リンク(11A,13A)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(11A)+COST(11A,13A)=0+10=10となる。したがって、コストの合計値が最小となる入力リンク(12A,13A)がノード13Aへの入力リンクLとして選択される(ステップS55)。
【0274】
ノード13Aまでの累積コストCOSTacc(13A)は、COSTacc(12A)+COST(12A,13A)=2+2=4となる(ステップS56)。ノード13AはOADMに対応するノードであるため、ノード13Aまでの累積雑音NOISEacc(13A)は0となる(ステップS58)。
【0275】
ノード13Bへの入力リンクLの決定について説明する。ノード13BはILAに対応するノードであるため、雑音最小経路としてノード13Bからノード14Aまでの経路が探索され(ステップS45)、雑音量の最小値NOISEminは2となる(ステップS46)。また、ノード13Bへの各入力リンクとして、入力リンク(12A,13B)と、入力リンク(12B,13B)と、入力リンク(11A,13B)と、が取得される(ステップS48)。
【0276】
入力リンク(12A,13B)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(12A)+NOISE(12A,13B)+NOISEmin=0+2+2=4となる(ステップS50)。また、入力リンク(12B,13B)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(12B)+NOISE(12B,13B)+NOISEmin=2+3+2=7となる(ステップS50)。
【0277】
また、入力リンク(11A,13B)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(11A)+NOISE(11A,13B)+NOISEmin=0+5+2=7となる(ステップS50)。これらの合計値は雑音閾値NOISEthの7以下であるため、入力リンク(12A,13B)、入力リンク(12B,13B)および入力リンク(11A,13B)はいずれも削除されない(ステップS52)。
【0278】
入力リンク(12A,13B)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(12A)+COST(12A,13B)=2+2=4となる。また、入力リンク(12B,13B)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(12B)+COST(12B,13B)=1+2=3となる。また、入力リンク(11A,13B)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(11A)+COST(11A,13B)=0+10=10となる。したがって、コストの合計値が最小となる入力リンク(12B,13B)がノード13Bへの入力リンクLとして選択される(ステップS55)。
【0279】
ノード13Bまでの累積コストCOSTacc(13B)は、COSTacc(12B)+COST(12B,13B)=1+2=3となる(ステップS56)。ノード13BはILAに対応するノードであるため、ノード13Bまでの累積雑音NOISEacc(13B)は、NOISEacc(12B)+NOISE(12B,13B)=2+3=5となる(ステップS60)。
【0280】
つぎに、ノード14Aへの入力リンクLの決定について説明する。ノード14AはOADMに対応するノードであるため、雑音量の最小値NOISEminは0となる(ステップS43)。また、ノード14Aへの各入力リンクとして、入力リンク(13A,14A)と、入力リンク(13B,14A)と、入力リンク(11A,14A)と、が取得される(ステップS48)。
【0281】
入力リンク(13A,14A)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(13A)+NOISE(13A,14A)+NOISEmin=0+1+0=1となる(ステップS50)。また、入力リンク(13B,14A)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(13B)+NOISE(13B,14A)+NOISEmin=5+2+0=7となる(ステップS50)。
【0282】
また、入力リンク(11A,14A)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(11A)+NOISE(11A,14A)+NOISEmin=0+5+0=5となる(ステップS50)。これらの雑音量の合計値はいずれも雑音閾値NOISEthの7以下であるため、入力リンク(13A,14A)、入力リンク(13B,14A)および入力リンク(11A,14A)はいずれも削除されない(ステップS52)。
【0283】
入力リンク(13A,14A)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(13A)+COST(13A,14A)=4+2=6となる。また、入力リンク(13B,14A)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(13B)+COST(13B,14A)=3+2=5となる。また、入力リンク(11A,14A)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(11A)+COST(11A,14A)=0+10=10となる。したがって、コストの合計値が最小となる入力リンク(13B,14A)がノード14Aへの入力リンクLとして選択される(ステップS55)。
【0284】
ノード14Aまでの累積コストCOSTacc(14A)は、COSTacc(13B)+COST(13B,14A)=3+2=5となる(ステップS56)。ノード14AはOADMに対応するノードであるため、ノード14Aまでの累積雑音NOISEacc(14A)は0となる(ステップS58)。
【0285】
ノード14Bへの入力リンクLの決定について説明する。ノード14BはILAに対応するノードであるため、ノード14Bの後段光再生ノードまでの雑音最小経路としてノード14Bからノード6Aまでの経路が探索され(ステップS45)、雑音量の最小値NOISEminは3+2=5となる(ステップS46)。また、ノード14Bへの各入力リンクとして、入力リンク(13A,14B)と、入力リンク(13B,14B)と、入力リンク(11A,14B)と、入力リンク(12A,14B)と、が取得される(ステップS48)。
【0286】
入力リンク(13A,14B)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(13A)+NOISE(13A,14B)+NOISEmin=0+2+5=7となる(ステップS50)。また、入力リンク(13B,14B)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(13B)+NOISE(13B,14B)+NOISEmin=5+3+5=13となる(ステップS50)。また、入力リンク(11A,14B)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(11A)+NOISE(11A,14B)+NOISEmin=0+6+5=11となる(ステップS50)。
【0287】
また、入力リンク(12A,14B)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(12A)+NOISE(12A,14B)+NOISEmin=0+2+5=7となる(ステップS50)。雑音量の合計値が、雑音閾値NOISEthの7よりも大きい入力リンク(13B,14B)および入力リンク(11A,14B)は削除される(ステップS52)。
【0288】
入力リンク(13A,14B)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(13A)+COST(13A,14B)=4+1=5となる(ステップS55)。また、入力リンク(12A,14B)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(12A)+COST(12A,14B)=2+2=4となる。したがって、コストの合計値が最小となる入力リンク(12A,14B)がノード14Bへの入力リンクLとして選択される(ステップS55)。
【0289】
ノード14Bまでの累積コストCOSTacc(14B)は、COSTacc(12A)+COST(12A,14B)=2+2=4となる(ステップS56)。ノード14BはILAに対応するノードであるため、ノード14Bまでの累積雑音NOISEacc(14B)は、NOISEacc(12A)+NOISE(12A,14B)=0+2=2となる(ステップS60)。
【0290】
つぎに、ノード15Bへの入力リンクLの決定について説明する。ノード15BはILAに対応するノードであるため、ノード15Bの後段光再生ノードまでの雑音最小経路としてノード15Bからノード6Aまでの経路が探索され(ステップS45)、雑音量の最小値NOISEminが2となる(ステップS46)。また、ノード15Bへの各入力リンクとして、入力リンク(14A,15B)と、入力リンク(14B,15B)と、が取得される(ステップS48)。
【0291】
入力リンク(14A,15B)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(14A)+NOISE(14A,15B)+NOISEmin=0+2+2=4となる(ステップS50)。また、入力リンク(14B,15B)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(14B)+NOISE(14B,15B)+NOISEmin=2+3+2=7となる。これらの合計値はいずれも雑音閾値NOISEthの7以下であるため、入力リンク(14A,15B)および入力リンク(14B,15B)は削除されない(ステップS52)。
【0292】
入力リンク(14A,15B)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(14A)+COST(14A,15B)=5+2=7となる(ステップS55)。また、入力リンク(14B,15B)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(14B)+COST(14B,15B)=4+2=6となる。したがって、コストの合計値が最小となる入力リンク(14B,15B)がノード15Bへの入力リンクLとして選択される(ステップS55)。
【0293】
ノード15Bまでの累積コストCOSTacc(15B)は、COSTacc(14B)+COST(14B,15B)=4+2=6となる(ステップS56)。ノード15BはILAに対応するノードであるため、ノード15Bまでの累積雑音NOISEacc(15B)は、NOISEacc(14B)+NOISE(14B,15B)=2+3=5となる(ステップS60)。
【0294】
つぎに、ノード16Aへの入力リンクLの決定について説明する。ノード16AはOADMに対応するノードであるため、雑音量の最小値NOISEminは0となる(ステップS43)。また、ノード16Aへの各入力リンクとして、入力リンク(15B,16A)のみが取得される(ステップS48)。
【0295】
入力リンク(15B,16A)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(15B)+NOISE(15B,16A)+NOISEmin=5+2+0=7となる(ステップS50)。この入力リンク(15B,16A)を選択したときの雑音量の合計値は雑音閾値NOISEthの7以下であるため、入力リンク(15B,16A)は削除されない(ステップS52)。
【0296】
入力リンク(15B,16A)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(15B)+COST(15B,16A)=6+3=9となる(ステップS55)。ここでは、残っている入力リンクが入力リンク(15B,16A)のみであるので、入力リンク(15B,16A)がノード16Aへの入力リンクLとして選択される(ステップS55)。
【0297】
ノード16Aまでの累積コストCOSTacc(16A)は、COSTacc(15B)+COST(15B,16A)=6+3=9となる(ステップS56)。ノード16AはOADMに対応するノードであるため、ノード16Aまでの累積雑音NOISEacc(16A)は0となる(ステップS58)。
【0298】
つぎに、ノード16Bへの入力リンクLの決定について説明する。ステップS42において、ノード16BはILAに対応するノードであるため、ノード17Aまでの経路が探索され(ステップS45)、雑音量の最小値NOISEminが2となる(ステップS46)。また、ノード16Bへの各入力リンクとして、入力リンク(15B,16B)のみが取得される(ステップS48)。
【0299】
入力リンク(15B,16B)を選択したときの雑音量の合計値はNOISEacc(15B)+NOISE(15B,16B)+NOISEmin=5+3+2=10となる(ステップS50)。この合計値は雑音閾値NOISEthの7よりも大きいため、入力リンク(15B,16B)は削除される(ステップS52)。
【0300】
ここでは、ステップS48によって取得した各入力リンクのすべてが削除されたため、ノード16BについてはステップS55以降の処理を行わない。また、第2リンク生成部153によって生成された各入力リンクから、ノード16Bを始点ノードとする入力リンク(16B,17A)および入力リンク(16B,17B)を削除する。
【0301】
つぎに、ノード17Aへの入力リンクLの決定について説明する。ノード17AはOADMに対応するノードであるため、雑音量の最小値NOISEminは0となる(ステップS43)。また、ノード17Aへの各入力リンクとして、入力リンク(16A,17A)のみが取得される(ステップS48)。
【0302】
入力リンク(16A,17A)を選択したときの雑音量の合計値はNOISEacc(16A)+NOISE(16A,17A)+NOISEmin=0+1+0=1となる(ステップS50)。この合計値は雑音閾値NOISEthの7以下であるため、入力リンク(16A,17A)は削除されない(ステップS52)。
【0303】
入力リンク(16A,17A)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(16A)+COST(16A,17A)=9+2=11となる(ステップS55)。ここでは、残っている入力リンクが入力リンク(16A,17A)のみであるので、入力リンク(16A,17A)がノード17Aへの入力リンクLとして選択される(ステップS55)。
【0304】
ノード17Aまでの累積コストCOSTacc(17A)は、COSTacc(16A)+COST(16A,17A)=9+2=11となる(ステップS56)。ノード17AはOADMに対応するノードであるため、ノード17Aまでの累積雑音NOISEacc(17A)は0となる(ステップS58)。
【0305】
つぎに、ノード17Bへの入力リンクLの決定について説明する。ノード17BはILAに対応するノードであるため、ノード17Bの後段で光再生中継器を適用可能なノードまでの雑音最小経路としてノード17Bからノード8Aまでの経路が探索され(ステップS45)、雑音量の最小値NOISEminが2となる(ステップS46)。また、ノード17Bへの各入力リンクとして、入力リンク(16A,17B)のみが取得される(ステップS48)。
【0306】
入力リンク(16A,17B)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(16A)+NOISE(16A,17B)+NOISEmin=0+2+2=4となる(ステップS50)。この入力リンク(16A,17B)を選択したときの雑音量の合計値は雑音閾値NOISEthの7以下であるため、入力リンク(16A,17B)は削除されない(ステップS52)。
【0307】
入力リンク(16A,17B)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(16A)+COST(16A,17B)=9+1=10となる(ステップS55)。ここでは、残っている入力リンクが入力リンク(16A,17B)のみであるので、入力リンク(16A,17B)がノード17Bへの入力リンクLとして選択される(ステップS55)。
【0308】
ノード17Bまでの累積コストCOSTacc(17B)は、COSTacc(16A)+COST(16A,17B)=9+1=10となる(ステップS56)。ノード17BはILAに対応するノードであるため、ノード17Bまでの累積雑音NOISEacc(17B)は、NOISEacc(16A)+NOISE(16A,17B)=0+2=2となる(ステップS60)。
【0309】
ノード18Aへの入力リンクLの決定について説明する。ノード18Aは光再生中継器を適用可能なOADMであるため、雑音量の最小値NOISEminは0となる(ステップS43)。また、ノード18Aへの各入力リンクとして、入力リンク(17A,18A)と、入力リンク(17B,18A)と、が取得される(ステップS48)。
【0310】
入力リンク(17A,18A)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(17A)+NOISE(17A,18A)+NOISEmin=0+1+0=1となる(ステップS50)。また、入力リンク(17B,18A)を選択したときの雑音量の合計値は、NOISEacc(17B)+NOISE(17B,18A)+NOISEmin=2+2+0=4となる(ステップS50)。これらの合計値は雑音閾値NOISEthの7以下であるため、入力リンク(17A,18A)および入力リンク(17B,18A)は削除されない(ステップS52)。
【0311】
入力リンク(17A,18A)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(17A)+COST(17A,18A)=11+2=13となる(ステップS55)。入力リンク(17B,18A)を選択したときのコストの合計値は、COSTacc(17B)+COST(17B,18A)=10+2=12となる(ステップS55)。したがって、コストの合計値が最小となる入力リンク(17B,18A)がノード18Aへの入力リンクLとして選択される(ステップS55)。
【0312】
ノード18Aまでの累積コストCOSTacc(18A)は、COSTacc(17B)+COST(17B,18A)=10+2=12となる(ステップS56)。ノード18AはOADMに対応するノードであるため、ノード18Aまでの累積雑音NOISEacc(18A)は0となる(ステップS58)。これにより、各ノードへの入力リンクLがそれぞれ選択される。
【0313】
図9に示す第2ノード決定部157は、第2リンク選択部156から出力された各入力リンクの始点ノードに基づいて、第2ノード候補生成部152が生成したノードのいずれかを選択することによって設計単位区間内の各局舎に対する各種の光伝送装置の配置の1つの候補を決定する。第2ノード決定部157によるノードの選択処理は、図17に示したフローチャートと同様である。
【0314】
図26は、図9に示す第2ノード決定部157による経由ノードの決定処理の結果を示す図である。図26において図20〜図22,図25に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。また、図26において、太矢印は、図17に示した各ステップによって遷移したノードの経路を示している。また、グラフの下段に、各ステップによって決定された光伝送装置の種類を図示している。黒丸印はバイパスを示している。
【0315】
まず、単位設計区間204の終端局舎18に対応するノード18Aの番号が設定され(ステップS21)、ノード18Aが経由ノードの一つとして保持される(ステップS22)。また、ノード18Aへの入力リンクLとして入力リンク(17B,18A)が取得される(ステップS23)。また、入力リンク(17B,18A)の始点ノードNpreとしてノード17Bが取得され(ステップS24)、ノード17Bが経由ノードの一つとして保持される(ステップS25)。
【0316】
つぎに、ノード17Bの番号が設定され(ステップS27)、ノード17Bへの入力リンクLとして入力リンク(16A,17B)が取得される(ステップS23)。また、入力リンク(16A,17B)の始点ノードNpreとしてノード16Aが取得され(ステップS24)、ノード16Aが経由ノードの一つとして保持される(ステップS25)。
【0317】
つぎに、ノード16Aの番号が設定され(ステップS27)、ノード16Aへの入力リンクLとして入力リンク(15B,16A)が取得される(ステップS23)。また、入力リンク(15B,16A)の始点ノードNpreとしてノード15Bが取得され(ステップS24)、ノード15Bが経由ノードの一つとして保持される(ステップS25)。
【0318】
つぎに、ノード15Bの番号が設定され(ステップS27)、ノード15Bへの入力リンクLとして入力リンク(14B,15B)が取得される(ステップS23)。また、入力リンク(14B,15B)の始点ノードNpreとしてノード14Bが取得され(ステップS24)、ノード14Bが経由ノードの一つとして保持される(ステップS25)。
【0319】
つぎに、ノード14Bの番号が設定され(ステップS27)、ノード14Bへの入力リンクLとして入力リンク(12A,14B)が取得される(ステップS23)。また、入力リンク(12A,14B)の始点ノードNpreとしてノード12Aが取得され(ステップS24)、ノード12Aが経由ノードの一つとして保持される(ステップS25)。
【0320】
つぎに、ノード12Aの番号が設定され(ステップS27)、ノード12Aへの入力リンクLとして入力リンク(1A,12A)が取得される(ステップS23)。また、入力リンク(11A,12A)の始点ノードNpreとしてノード11Aが取得され(ステップS24)、ノード11Aが経由ノードの一つとして保持される(ステップS25)。
【0321】
ノード11Aのノード番号は、単位設計区間204における始端局舎である局舎11に配置する光伝送装置のノードの番号であるため、ここで経由ノード決定動作が終了する。このように、ノード18Aからノード11Aまで入力リンクLをたどりながら遡ることで、ノード18A→ノード17B→ノード16A→ノード15B→ノード14B→ノード12A→ノード11Aの順に経由ノードが保持される。
【0322】
第2ノード決定部157は、図17に示す処理によって決定した各経由ノードの種類に従って各局舎11〜18に配置する各光伝送装置を決定する。第2ノード決定部157は、ノード11Aに基づいて局舎11にOADMを配置する。また第2ノード決定部157は、ノード12Aに基づいて局舎12にOADMを配置する。
【0323】
また、第2ノード決定部157は、局舎12に対応するノードが存在しないため、局舎12にバイパスを配置する。第2ノード決定部157は、ノード14Bに基づいて局舎14にILAを配置する。第2ノード決定部157は、ノード15Bに基づいて局舎15にILAを配置する。第2ノード決定部157は、ノード16Aに基づいて局舎16にOADMを配置する。第2ノード決定部157は、ノード17Bに基づいて局舎17にILAを配置する。第2ノード決定部157は、決定した光伝送装置構成を、単位設計区間204の光伝送装置構成の候補として記憶部126に記憶する。
【0324】
図19に示すステップS32では、追加候補探索部128は、新たな光伝送装置構成の候補t’を探索する。追加候補探索部128が光伝送装置構成の候補t’の探索する処理は、図20〜26を参照して説明した初期候補生成部125が光伝送装置構成を決定する処理と同様である。
ただし、追加候補探索部128の第3リンク選択部166は、ステップS55において、始点ノードNiまで累積された被約費用の変化量ΔRCと、入力リンクの被約費用の変化量ΔRCとの合計値が最小となる入力リンクを、ノードNxへの入力リンクLとして選択する。
【0325】
また第3リンク選択部166は、ステップS56において、ノードNxまでの累積された被約費用の変化量ΔRCacc(Nx)を、ΔRCacc(Nx)=ΔRCacc(Npre)+ΔRC(L)によって算出する。ΔRCacc(Npre)は、ステップS55によって選択された入力リンクLの始点ノードNpreまでの累積された被約費用の変化量ΔRCである。また、ΔRC(L)は、入力リンクLを選択したときの被約費用の変化量ΔRCである。
【0326】
図11のステップS5において、図7に示す光再生中継器配置決定部115は、装置構成決定部124によって決定された光伝送装置構成内への光再生中継器の配置を決定する。設計データ出力部116は、装置構成決定部124によって決定された光伝送装置構成に関する情報と光再生中継器配置決定部115により決定された光再生中継器の配置に関する情報とを含む設計データを出力する。
【0327】
以上の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0328】
(付記1)
光ネットワークのトポロジー情報、前記光ネットワーク上の各前記局舎に配置可能な光伝送装置の種類に関する装置情報、前記トポロジー情報上で互いに隣接する局舎間における伝送路条件を示すスパン情報、及び前記光ファイバネットワーク上を伝送する各波長パスに関する波長パス情報を取得する情報取得部と、
前記トポロジー情報により表されるネットワークを線形区間に分割する区間分割部と、
各前記線形区間内に配置される光伝送装置の種類の組み合わせ候補を決定する組み合わせ候補決定部と、
前記波長パス情報において指定される、各前記波長パス上で許される雑音量上限値に対応する所定条件に応じて該雑音量上限値を決定する雑音量上限値決定部と、
前記光ネットワークに配置される光伝送装置のコスト及び各前記波長パス毎に必要な数の光再生中継器に要するコストの合計を最小にする目的関数、前記線形区間毎に前記組み合わせ候補から光伝送装置の種類の組み合わせを1つずつ選択する制約条件、並びに各前記波長パスに必要な光再生中継器数の条件を前記スパン情報において指定される前記伝送路条件に応じて決定される該波長パス上で生じる前記累積雑音量と該波長パスの前記雑音量上限値とにより定める制約条件を有する整数計画問題を解くことにより、各前記線形区間内に配置される光伝送装置を決定する装置配置部と、
を備えるネットワーク設計装置。
【0329】
(付記2)
前記整数計画問題は、各前記波長パスに必要な光再生中継器数の条件を、前記スパン情報において指定される前記伝送路条件に応じて決定される該波長パス上で生じる伝送ペナルティの累積値と、該波長パスの信号種類に応じて定まる伝送ペナルティの上限値と、により定める制約条件をさらに有する付記1に記載のネットワーク設計装置。
【0330】
(付記3)
前記雑音量上限値決定部は、前記波長パス情報において指定される前記所定条件に応じて定まる該波長パスのOSNR耐力に応じて前記雑音量上限値を定める付記1又は2に記載のネットワーク設計装置。
【0331】
(付記4)
前記雑音量上限値決定部は、前記波長パスの信号種類に応じて定まる伝送ペナルティの上限値と、前記波長パス情報において指定される前記所定条件に応じて定まる該波長パスのOSNR耐力と、に応じて前記雑音量上限値を定める付記1又は2に記載のネットワーク設計装置。
【0332】
(付記5)
前記波長パス上で生じうる伝送ペナルティの累積値の最大値を決定する累積ペナルティ最大値決定部を備え、
前記雑音量上限値決定部は、前記波長パスの信号種類に応じて定まる伝送ペナルティの上限値及び前記最大値のうち小さい方と、前記波長パス情報において指定される前記所定条件に応じて定まる該波長パスのOSNR耐力と、に応じて前記雑音量上限値を定める付記1又は2に記載のネットワーク設計装置。
【0333】
(付記6)
前記波長パス上で生じうる伝送ペナルティの累積値の最大値及び最小値を決定する累積ペナルティ決定部と、
前記最小値の伝送ペナルティが累積する波長パスにおいて信号の再生に要する光再生中継器の最小数を決定する最小光再生中継器数決定部と、を備え、
前記雑音量上限値決定部は、前記最小数の光再生中継器により分割された該波長パス上に生じ得る伝送ペナルティの最大値及び前記波長パスの信号種類に応じて定まる伝送ペナルティの上限値のうち小さい方と、前記波長パス情報において指定される前記所定条件に応じて定まる該波長パスのOSNR耐力とに応じて前記雑音量上限値を定める付記1又は2に記載のネットワーク設計装置。
【0334】
(付記7)
コンピュータを、
光ネットワークのトポロジー情報、前記光ネットワーク上の各前記局舎に配置可能な光伝送装置の種類に関する装置情報、前記トポロジー情報上で互いに隣接する局舎間における伝送路条件を示すスパン情報、及び前記光ファイバネットワーク上を伝送する各波長パスに関する波長パス情報を取得する情報取得手段、
前記トポロジー情報により表されるネットワークを線形区間に分割する区間分割手段、
各前記線形区間内に配置される光伝送装置の種類の組み合わせ候補を決定する組み合わせ候補決定手段、
前記波長パス情報において指定される、各前記波長パス上で許される雑音量上限値に対応する所定条件に応じて該雑音量上限値を決定する雑音量上限値決定手段、
前記光ネットワークに配置される光伝送装置のコスト及び各前記波長パス毎に必要な数の光再生中継器に要するコストの合計を最小にする目的関数、前記線形区間毎に前記組み合わせ候補から光伝送装置の種類の組み合わせを1つずつ選択する制約条件、並びに各前記波長パスに必要な光再生中継器数の条件を前記スパン情報において指定される前記伝送路条件に応じて決定される該波長パス上で生じる前記累積雑音量と該波長パスの前記雑音量上限値とにより定める制約条件を有する整数計画問題を解くことにより、各前記線形区間内に配置される光伝送装置を決定する装置配置手段、として機能させるネットワーク設計プログラム。
【0335】
(付記8)
前記整数計画問題は、各前記波長パスに必要な光再生中継器数の条件を、前記スパン情報において指定される前記伝送路条件に応じて決定される該波長パス上で生じる伝送ペナルティの累積値と、該波長パスの信号種類に応じて定まる伝送ペナルティの上限値と、により定める制約条件をさらに有する付記7に記載のネットワーク設計プログラム。
【0336】
(付記9)
前記雑音量上限値決定手段は、前記波長パス情報において指定される前記所定条件に応じて定まる前記波長パスのOSNR耐力に応じて前記雑音量上限値を定める付記7又は8に記載のネットワーク設計プログラム。
【0337】
(付記10)
前記雑音量上限値決定手段は、前記波長パスの信号種類に応じて定まる伝送ペナルティの上限値と、前記波長パス情報において指定される前記所定条件に応じて定まる該波長パスのOSNR耐力と、に応じて前記雑音量上限値を定める付記7又は8に記載のネットワーク設計プログラム。
【0338】
(付記11)
前記ネットワーク設計プログラムは、前記コンピュータを、前記波長パス上で生じうる伝送ペナルティの累積値の最大値を決定する累積ペナルティ最大値決定手段として機能させ、
前記雑音量上限値決定手段は、前記波長パスの信号種類に応じて定まる伝送ペナルティの上限値及び前記最大値のうち小さい方と、前記波長パス情報において指定される前記所定条件に応じて定まる該波長パスのOSNR耐力と、に応じて前記雑音量上限値を定める付記7又は8に記載のネットワーク設計プログラム。
【0339】
(付記12)
前記ネットワーク設計プログラムは、前記コンピュータを、
前記波長パス上で生じうる伝送ペナルティの累積値の最大値及び最小値を決定する累積ペナルティ決定手段、及び
前記最小値の伝送ペナルティが累積する波長パスにおいて信号の再生に要する光再生中継器の最小数を決定する最小光再生中継器数決定手段、として機能させ、
前記雑音量上限値決定手段は、前記最小数の光再生中継器により分割された該波長パス上に生じ得る伝送ペナルティの最大値、及び前記波長パスの信号種類に応じて定まる伝送ペナルティの上限値のうち小さい方と、前記波長パス情報において指定される前記所定条件に応じて定まる該波長パスのOSNR耐力と、に応じて前記雑音量上限値を定める付記7又は8に記載のネットワーク設計プログラム。
【0340】
(付記13)
光ネットワークのトポロジー情報、前記光ネットワーク上の各前記局舎に配置可能な光伝送装置の種類に関する装置情報、前記トポロジー情報上で互いに隣接する局舎間における伝送路条件を示すスパン情報、及び前記光ファイバネットワーク上を伝送する各波長パスに関する波長パス情報が、コンピュータに入力され、
前記コンピュータは、
前記トポロジー情報により表されるネットワークを線形区間に分割し、
各前記線形区間内に配置される光伝送装置の種類の組み合わせ候補を決定し、
前記波長パス情報において指定される、各前記波長パス上で許される雑音量上限値に対応する所定条件に応じて該雑音量上限値を決定し、
前記光ネットワークに配置される光伝送装置のコスト及び各前記波長パス毎に必要な数の光再生中継器に要するコストの合計を最小にする目的関数、前記線形区間毎に前記組み合わせ候補から光伝送装置の種類の組み合わせを1つずつ選択する制約条件、並びに各前記波長パスに必要な光再生中継器数の条件を前記スパン情報において指定される前記伝送路条件に応じて決定される該波長パス上で生じる前記累積雑音量と該波長パスの前記雑音量上限値とにより定める制約条件を有する整数計画問題を解くことにより、各前記線形区間内に配置される光伝送装置を決定する、ネットワーク設計方法。
【0341】
(付記14)
前記整数計画問題は、前記整数計画問題は、各前記波長パスに必要な光再生中継器数の条件を、前記スパン情報において指定される前記伝送路条件に応じて決定される該波長パス上で生じる伝送ペナルティの累積値と、該波長パスの信号種類に応じて定まる伝送ペナルティの上限値と、により定める制約条件をさらに有する付記13に記載のネットワーク設計方法。
【0342】
(付記15)
前記コンピュータは、前記波長パス情報において指定される前記所定条件に応じて定まる該波長パスのOSNR耐力に応じて前記雑音量上限値を定める付記13又は14に記載のネットワーク設計方法。
【0343】
(付記16)
前記コンピュータは、前記波長パスの信号種類に応じて定まる伝送ペナルティの上限値と、前記波長パス情報において指定される前記所定条件に応じて定まる該波長パスのOSNR耐力と、に応じて前記雑音量上限値を定める付記13又は14に記載のネットワーク設計方法。
【0344】
(付記17)
前記コンピュータは、
前記波長パス上で生じうる伝送ペナルティの累積値の最大値を決定し、
前記波長パスの信号種類に応じて定まる伝送ペナルティの上限値及び前記最大値のうち小さい方と、前記波長パス情報において指定される前記所定条件に応じて定まる該波長パスのOSNR耐力に応じて前記雑音量上限値を定める付記13又は14に記載のネットワーク設計方法。
【0345】
(付記18)
前記コンピュータは、
前記波長パス上で生じうる伝送ペナルティの累積値の最大値及び最小値を決定し、
前記最小値の伝送ペナルティが累積する波長パスにおいて信号の再生に要する光再生中継器の最小数を決定し、
前記最小数の光再生中継器により分割された該波長パス上に生じ得る伝送ペナルティの最大値、及び前記波長パスの信号種類に応じて定まる伝送ペナルティの上限値のうち小さい方と、前記波長パス情報において指定される前記所定条件に応じて定まる該波長パスのOSNR耐力と、に応じて前記雑音量上限値を定める付記13又は14に記載のネットワーク設計方法。
【図面の簡単な説明】
【0346】
【図1】設計対象となる光ネットワークを示す図である。
【図2】各局舎に配置可能な光伝送装置の種類の一例を示す図である。
【図3】図2に示すOADMの一例を示すブロック図である。
【図4】図2に示すILAの一例を示すブロック図である。
【図5】図2に示すバイパスの一例を示すブロック図である。
【図6】CPUを用いて開示のネットワーク設計装置を実現した場合のハードウエア構成図である。
【図7】図6に示すCPUがネットワーク設計プログラムを実行することにより実現されるネットワーク設計装置のブロック図である。
【図8】図7に示すパラメータ決定部のブロック図である。
【図9】図7に示す初期候補生成部のブロック図である。
【図10】図7に示す追加候補探索部のブロック図である。
【図11】開示のネットワーク設計方法の全体フローチャートである。
【図12】図8に示すパス内グラフ生成部が生成するグラフ情報の例を示す図(その1)である。
【図13】図8に示すパス内グラフ生成部が生成するグラフ情報の例を示す図(その2)である。
【図14】図8に示す第1リンク選択部による入力リンクの選択処理の説明図である。
【図15】図8に示す第1リンク選択部による選択処理の例を示すフローチャートである。
【図16】図8に示す第1リンク選択部による入力リンクの選択処理の結果を示す図である。
【図17】図8に示す第1ノード決定部による経由ノードの決定処理の例を示すフローチャートである。
【図18】図8に示す第1ノード決定部による経由ノードの決定処理の結果を示す図である。
【図19】各単位設計区間の光伝送装置構成を決定する決定方法の一例を示すフローチャートである。
【図20】図9に示す第1単位設計区間内グラフ生成部が生成するグラフ情報の例を示す図(その1)である。
【図21】図9に示す第1単位設計区間内グラフ生成部が生成するグラフ情報の例を示す図(その2)である。
【図22】図9に示す第2リンク選択部による入力リンクの選択処理の説明図である。
【図23】図9に示す第2リンク選択部による選択処理の例を示すフローチャート(その1)である。
【図24】図9に示す第2リンク選択部による選択処理の例を示すフローチャート(その2)である。
【図25】図9に示す第2リンク選択部による入力リンクの選択処理の結果を示す図である。
【図26】図9に示す第2ノード決定部による経由ノードの決定処理の結果を示す図である。
【符号の説明】
【0347】
1、4、6、11、28 OADM装置が配置される局舎
2、3、5、12〜17 中継局舎
100 ネットワーク設計装置
120 情報取得部
121 区間分割部
123 パラメータ決定部
124 装置構成決定部
200 光ネットワーク
201 波長パスの区間
202〜204 線形区間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ネットワークのトポロジー情報、前記光ネットワーク上の各前記局舎に配置可能な光伝送装置の種類に関する装置情報、前記トポロジー情報上で互いに隣接する局舎間における伝送路条件を示すスパン情報、及び前記光ファイバネットワーク上を伝送する各波長パスに関する波長パス情報を取得する情報取得部と、
前記トポロジー情報により表されるネットワークを線形区間に分割する区間分割部と、
各前記線形区間内に配置される光伝送装置の種類の組み合わせ候補を決定する組み合わせ候補決定部と、
前記波長パス情報において指定される、各前記波長パス上で許される雑音量上限値に対応する所定条件に応じて該雑音量上限値を決定する雑音量上限値決定部と、
前記光ネットワークに配置される光伝送装置のコスト及び各前記波長パス毎に必要な数の光再生中継器に要するコストの合計を最小にする目的関数、前記線形区間毎に前記組み合わせ候補から光伝送装置の種類の組み合わせを1つずつ選択する制約条件、並びに各前記波長パスに必要な光再生中継器数の条件を前記スパン情報において指定される前記伝送路条件に応じて決定される該波長パス上で生じる前記累積雑音量と該波長パスの前記雑音量上限値とにより定める制約条件を有する整数計画問題を解くことにより、各前記線形区間内に配置される光伝送装置を決定する装置配置部と、
を備えるネットワーク設計装置。
【請求項2】
前記整数計画問題は、各前記波長パスに必要な光再生中継器数の条件を、前記スパン情報において指定される前記伝送路条件に応じて決定される該波長パス上で生じる伝送ペナルティの累積値と、該波長パスの信号種類に応じて定まる伝送ペナルティの上限値と、により定める制約条件をさらに有する請求項1に記載のネットワーク設計装置。
【請求項3】
前記雑音量上限値決定部は、前記波長パス情報において指定される前記所定条件に応じて定まる該波長パスのOSNR耐力に応じて前記雑音量上限値を定める請求項1又は2に記載のネットワーク設計装置。
【請求項4】
前記雑音量上限値決定部は、前記波長パスの信号種類に応じて定まる伝送ペナルティの上限値と、前記波長パス情報において指定される前記所定条件に応じて定まる該波長パスのOSNR耐力と、に応じて前記雑音量上限値を定める請求項1又は2に記載のネットワーク設計装置。
【請求項5】
前記波長パス上で生じうる伝送ペナルティの累積値の最大値を決定する累積ペナルティ最大値決定部を備え、
前記雑音量上限値決定部は、前記波長パスの信号種類に応じて定まる伝送ペナルティの上限値及び前記最大値のうち小さい方と、前記波長パス情報において指定される前記所定条件に応じて定まる該波長パスのOSNR耐力と、に応じて前記雑音量上限値を定める請求項1又は2に記載のネットワーク設計装置。
【請求項6】
前記波長パス上で生じうる伝送ペナルティの累積値の最大値及び最小値を決定する累積ペナルティ決定部と、
前記最小値の伝送ペナルティが累積する波長パスにおいて信号の再生に要する光再生中継器の最小数を決定する最小光再生中継器数決定部と、を備え、
前記雑音量上限値決定部は、前記最小数の光再生中継器により分割された該波長パス上に生じ得る伝送ペナルティの最大値及び前記波長パスの信号種類に応じて定まる伝送ペナルティの上限値のうち小さい方と、前記波長パス情報において指定される前記所定条件に応じて定まる該波長パスのOSNR耐力とに応じて前記雑音量上限値を定める請求項1又は2に記載のネットワーク設計装置。
【請求項7】
コンピュータを、
光ネットワークのトポロジー情報、前記光ネットワーク上の各前記局舎に配置可能な光伝送装置の種類に関する装置情報、前記トポロジー情報上で互いに隣接する局舎間における伝送路条件を示すスパン情報、及び前記光ファイバネットワーク上を伝送する各波長パスに関する波長パス情報を取得する情報取得手段、
前記トポロジー情報により表されるネットワークを線形区間に分割する区間分割手段、
各前記線形区間内に配置される光伝送装置の種類の組み合わせ候補を決定する組み合わせ候補決定手段、
前記波長パス情報において指定される、各前記波長パス上で許される雑音量上限値に対応する所定条件に応じて該雑音量上限値を決定する雑音量上限値決定手段、
前記光ネットワークに配置される光伝送装置のコスト及び各前記波長パス毎に必要な数の光再生中継器に要するコストの合計を最小にする目的関数、前記線形区間毎に前記組み合わせ候補から光伝送装置の種類の組み合わせを1つずつ選択する制約条件、並びに各前記波長パスに必要な光再生中継器数の条件を前記スパン情報において指定される前記伝送路条件に応じて決定される該波長パス上で生じる前記累積雑音量と該波長パスの前記雑音量上限値とにより定める制約条件を有する整数計画問題を解くことにより、各前記線形区間内に配置される光伝送装置を決定する装置配置手段、として機能させるネットワーク設計プログラム。
【請求項8】
光ネットワークのトポロジー情報、前記光ネットワーク上の各前記局舎に配置可能な光伝送装置の種類に関する装置情報、前記トポロジー情報上で互いに隣接する局舎間における伝送路条件を示すスパン情報、及び前記光ファイバネットワーク上を伝送する各波長パスに関する波長パス情報が、コンピュータに入力され、
前記コンピュータは、
前記トポロジー情報により表されるネットワークを線形区間に分割し、
各前記線形区間内に配置される光伝送装置の種類の組み合わせ候補を決定し、
前記波長パス情報において指定される、各前記波長パス上で許される雑音量上限値に対応する所定条件に応じて該雑音量上限値を決定し、
前記光ネットワークに配置される光伝送装置のコスト及び各前記波長パス毎に必要な数の光再生中継器に要するコストの合計を最小にする目的関数、前記線形区間毎に前記組み合わせ候補から光伝送装置の種類の組み合わせを1つずつ選択する制約条件、並びに各前記波長パスに必要な光再生中継器数の条件を前記スパン情報において指定される前記伝送路条件に応じて決定される該波長パス上で生じる前記累積雑音量と該波長パスの前記雑音量上限値とにより定める制約条件を有する整数計画問題を解くことにより、各前記線形区間内に配置される光伝送装置を決定する、ネットワーク設計方法。
【請求項1】
光ネットワークのトポロジー情報、前記光ネットワーク上の各前記局舎に配置可能な光伝送装置の種類に関する装置情報、前記トポロジー情報上で互いに隣接する局舎間における伝送路条件を示すスパン情報、及び前記光ファイバネットワーク上を伝送する各波長パスに関する波長パス情報を取得する情報取得部と、
前記トポロジー情報により表されるネットワークを線形区間に分割する区間分割部と、
各前記線形区間内に配置される光伝送装置の種類の組み合わせ候補を決定する組み合わせ候補決定部と、
前記波長パス情報において指定される、各前記波長パス上で許される雑音量上限値に対応する所定条件に応じて該雑音量上限値を決定する雑音量上限値決定部と、
前記光ネットワークに配置される光伝送装置のコスト及び各前記波長パス毎に必要な数の光再生中継器に要するコストの合計を最小にする目的関数、前記線形区間毎に前記組み合わせ候補から光伝送装置の種類の組み合わせを1つずつ選択する制約条件、並びに各前記波長パスに必要な光再生中継器数の条件を前記スパン情報において指定される前記伝送路条件に応じて決定される該波長パス上で生じる前記累積雑音量と該波長パスの前記雑音量上限値とにより定める制約条件を有する整数計画問題を解くことにより、各前記線形区間内に配置される光伝送装置を決定する装置配置部と、
を備えるネットワーク設計装置。
【請求項2】
前記整数計画問題は、各前記波長パスに必要な光再生中継器数の条件を、前記スパン情報において指定される前記伝送路条件に応じて決定される該波長パス上で生じる伝送ペナルティの累積値と、該波長パスの信号種類に応じて定まる伝送ペナルティの上限値と、により定める制約条件をさらに有する請求項1に記載のネットワーク設計装置。
【請求項3】
前記雑音量上限値決定部は、前記波長パス情報において指定される前記所定条件に応じて定まる該波長パスのOSNR耐力に応じて前記雑音量上限値を定める請求項1又は2に記載のネットワーク設計装置。
【請求項4】
前記雑音量上限値決定部は、前記波長パスの信号種類に応じて定まる伝送ペナルティの上限値と、前記波長パス情報において指定される前記所定条件に応じて定まる該波長パスのOSNR耐力と、に応じて前記雑音量上限値を定める請求項1又は2に記載のネットワーク設計装置。
【請求項5】
前記波長パス上で生じうる伝送ペナルティの累積値の最大値を決定する累積ペナルティ最大値決定部を備え、
前記雑音量上限値決定部は、前記波長パスの信号種類に応じて定まる伝送ペナルティの上限値及び前記最大値のうち小さい方と、前記波長パス情報において指定される前記所定条件に応じて定まる該波長パスのOSNR耐力と、に応じて前記雑音量上限値を定める請求項1又は2に記載のネットワーク設計装置。
【請求項6】
前記波長パス上で生じうる伝送ペナルティの累積値の最大値及び最小値を決定する累積ペナルティ決定部と、
前記最小値の伝送ペナルティが累積する波長パスにおいて信号の再生に要する光再生中継器の最小数を決定する最小光再生中継器数決定部と、を備え、
前記雑音量上限値決定部は、前記最小数の光再生中継器により分割された該波長パス上に生じ得る伝送ペナルティの最大値及び前記波長パスの信号種類に応じて定まる伝送ペナルティの上限値のうち小さい方と、前記波長パス情報において指定される前記所定条件に応じて定まる該波長パスのOSNR耐力とに応じて前記雑音量上限値を定める請求項1又は2に記載のネットワーク設計装置。
【請求項7】
コンピュータを、
光ネットワークのトポロジー情報、前記光ネットワーク上の各前記局舎に配置可能な光伝送装置の種類に関する装置情報、前記トポロジー情報上で互いに隣接する局舎間における伝送路条件を示すスパン情報、及び前記光ファイバネットワーク上を伝送する各波長パスに関する波長パス情報を取得する情報取得手段、
前記トポロジー情報により表されるネットワークを線形区間に分割する区間分割手段、
各前記線形区間内に配置される光伝送装置の種類の組み合わせ候補を決定する組み合わせ候補決定手段、
前記波長パス情報において指定される、各前記波長パス上で許される雑音量上限値に対応する所定条件に応じて該雑音量上限値を決定する雑音量上限値決定手段、
前記光ネットワークに配置される光伝送装置のコスト及び各前記波長パス毎に必要な数の光再生中継器に要するコストの合計を最小にする目的関数、前記線形区間毎に前記組み合わせ候補から光伝送装置の種類の組み合わせを1つずつ選択する制約条件、並びに各前記波長パスに必要な光再生中継器数の条件を前記スパン情報において指定される前記伝送路条件に応じて決定される該波長パス上で生じる前記累積雑音量と該波長パスの前記雑音量上限値とにより定める制約条件を有する整数計画問題を解くことにより、各前記線形区間内に配置される光伝送装置を決定する装置配置手段、として機能させるネットワーク設計プログラム。
【請求項8】
光ネットワークのトポロジー情報、前記光ネットワーク上の各前記局舎に配置可能な光伝送装置の種類に関する装置情報、前記トポロジー情報上で互いに隣接する局舎間における伝送路条件を示すスパン情報、及び前記光ファイバネットワーク上を伝送する各波長パスに関する波長パス情報が、コンピュータに入力され、
前記コンピュータは、
前記トポロジー情報により表されるネットワークを線形区間に分割し、
各前記線形区間内に配置される光伝送装置の種類の組み合わせ候補を決定し、
前記波長パス情報において指定される、各前記波長パス上で許される雑音量上限値に対応する所定条件に応じて該雑音量上限値を決定し、
前記光ネットワークに配置される光伝送装置のコスト及び各前記波長パス毎に必要な数の光再生中継器に要するコストの合計を最小にする目的関数、前記線形区間毎に前記組み合わせ候補から光伝送装置の種類の組み合わせを1つずつ選択する制約条件、並びに各前記波長パスに必要な光再生中継器数の条件を前記スパン情報において指定される前記伝送路条件に応じて決定される該波長パス上で生じる前記累積雑音量と該波長パスの前記雑音量上限値とにより定める制約条件を有する整数計画問題を解くことにより、各前記線形区間内に配置される光伝送装置を決定する、ネットワーク設計方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2010−66823(P2010−66823A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−230122(P2008−230122)
【出願日】平成20年9月8日(2008.9.8)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月8日(2008.9.8)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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