説明

ネットワームゲームシステム、サーバ、プログラム及び情報記憶媒体

【課題】プレーヤによるゲーム中の不適切なプレーを効果的に抑止すること。
【解決手段】プレーヤの操作する兵士キャラクタによる潜伏領域への潜伏が開始され、当該プレーヤが潜伏判定対象である場合には、潜伏時間のカウントが開始され、潜伏時間が“10”秒経過する毎に潜伏回数が“1”加算されていく。そして、累積された潜伏回数に応じた警告と罰則とがプレーヤに与えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレーヤによるゲームステージの選択と、当該選択されたゲームステージでのゲームの実行とを繰り返し行うネットワークゲームシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、プレーヤがキャラクタを操作し、コンピュータ制御(AI制御)された仮想プレーヤや、他のプレーヤを相手に対戦を行う対戦ゲームが数多く存在する。
【0003】
最近では、サーバに通信可能に接続されたゲーム端末を各々のプレーヤが利用し、全く面識の無いプレーヤ同士や仲の良いプレーヤ同士でチームを編成した上で、コンピュータチームや他のチームを対戦相手として戦闘や破壊工作を行いながらミッションを達成するようなネットワーク対戦型のゲームも開発されている。
【0004】
ところで、如何なる対戦ゲームにおいても、禁止されていないが不適切なプレーを行うプレーヤが必ずと言って良いほど存在する。例えば、対戦ゲームが格闘ゲームである場合、対戦相手が初心者と見るや否や、ひたすら同じ攻撃パターンを繰り返し、対戦相手に何もさせないままに勝利を収めようとするプレーヤ等のことである。この種の不適切なプレーを行うプレーヤは、ゲームに精通した上級者に見受けられることが多く、対戦相手であるプレーヤはゲームに面白味を感じなくなってしまうことが多い。
【0005】
このような事態を防止するために、プレーヤが不適切なプレーを行ったか否かを判定し、行ったと判定した場合に、当該プレーヤが不適切なプレーを行うプレーヤであることを示す情報(例えば、所定のマーク)を表示することで、他のプレーヤに注意を喚起するようなゲームシステムが考案されている(例えば、特許文献1。)。
【特許文献1】特開2001−9163号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に開示されているようなゲームシステムでは、情報を表示して注意を喚起したとしても、意地悪なプレーヤは懲りずに不適切なプレーを続ける場合がある。つまり、従来のゲームシステムは、プレーヤの不適切なプレーに対する抑止力が弱かった。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、プレーヤによるゲーム中の不適切なプレーを効果的に抑止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するための第1の発明は、
プレーヤによるゲームステージの選択と、当該選択されたゲームステージでのゲームの実行とを繰り返し行うネットワークゲームシステム(例えば、図1のネットワークゲームシステム1)であって、
ゲーム実行中に、禁止されていないが不適切なプレーとして予め設定された不適切プレーの発生を検出する不適切プレー検出手段(例えば、図1のゲーム端末300;図24のステップB11〜B15)と、
前記不適切プレー検出手段の検出に基づいて、次回以降の前記選択時における選択可能なゲームステージを規制する選択可能ステージ規制手段(例えば、図1のサーバ100;図23のステップH9)と、
を備えたネットワークゲームシステムである。
【0009】
この第1の発明によれば、ゲーム実行中の不適切プレーの発生を検出し、この検出に基づいて、次回以降に選択可能なゲームステージを規制することができる。従って、不適切プレーを行ったプレーヤに対して、選択可能なゲームステージを規制するといった罰則を与えることができるため、プレーヤによるゲーム中の不適切なプレーを効果的に抑止することができる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明のネットワークゲームシステムであって、
前記選択可能ステージ規制手段は、選択可能なゲームステージを所定種類のゲームステージに限る(例えば、図1のサーバ100;図23のステップH9)ことで前記規制を行うネットワークゲームシステムである。
【0011】
この第2の発明によれば、選択可能なゲームステージを所定種類のゲームステージに限定することでゲームステージの規制を行うことができる。
【0012】
第3の発明は、第1又は第2の発明のネットワークゲームシステムであって、
前記ゲームは、前記ゲームステージ中を移動可能なキャラクタ同士で対戦する対戦ゲームであり、
前記不適切プレー検出手段の検出回数に応じて、前記プレーヤのキャラクタの移動に制限をかける移動制限手段(例えば、図1のゲーム端末300;図19の罰則テーブル383、図24のステップB3、B21)を備える、
ことを特徴とするネットワームゲームシステムである。
【0013】
この第3の発明によれば、不適切プレーの検出回数に応じて、プレーヤのキャラクタの移動に制限をかけることができる。従って、プレーヤによる不適切プレーの検出回数に応じて、プレーヤのキャラクタの移動を制限するといった罰則を与えることができるため、プレーヤによるゲーム中の不適切なプレーを効果的に抑止することができる。
【0014】
第4の発明は、第1〜第3の何れか一の発明のネットワークゲームシステムであって、
前記ゲームは、前記ゲームステージ中を移動可能なキャラクタ同士で対戦する1人称視点の対戦ゲームであり、
前記不適切プレー検出手段の検出回数に応じて、前記プレーヤのキャラクタの視界に制限をかける視界制限手段(例えば、図1のゲーム端末300;図19の罰則テーブル383、図24のステップB3、B21)を備える、
ことを特徴とするネットワークゲームシステムである。
【0015】
この第4の発明によれば、不適切プレーの検出回数に応じて、プレーヤのキャラクタの視界に制限をかけることができる。従って、プレーヤによる不適切プレーの検出回数に応じて、プレーヤのキャラクタの視界を制限するといった罰則を与えることができるため、プレーヤによるゲーム中の不適切なプレーを効果的に抑止することができる。
【0016】
第5の発明は、第1〜第4の何れか一の発明のネットワークゲームシステムであって、
前記ゲームは、前記ゲームステージ中を移動可能なキャラクタ同士で対戦する対戦ゲームであり、
前記不適切プレー検出手段は、前記ゲームステージ中の所定の潜伏位置に所定期間潜伏するプレーを不適切プレーとして検出する潜伏プレー検出手段(例えば、図1のゲーム端末300;図24のステップB11〜B15)を有する、
ことを特徴とするネットワークゲームシステムである。
【0017】
この第5の発明によれば、ゲームステージ中の所定の潜伏位置に所定期間潜伏するプレーを不適切プレーとして検出することができる。
【0018】
第6の発明は、第1〜第5の何れか一の発明のネットワークゲームシステムであって、
前記不適切プレー検出手段は、前記不適切プレーの検出対象者を現在のゲーム進行状況に応じて変更する対象者変更手段(例えば、図1のゲーム端末300;図15の潜伏判定対象切替情報375、図25のステップC3)を有し、前記対象者変更手段によって変更された検出対象者による不適切プレーを検出することを特徴とするネットワークゲームシステムである。
【0019】
この第6の発明によれば、不適切プレーの検出対象者を現在のゲーム進行状況に応じて変更し、変更した検出対象者による不適切プレーを検出することができる。従って、プレーヤによる不適切プレーを、ゲームの進行状況に応じて柔軟に検出することができる。
【0020】
第7の発明は、
各プレーヤが参加するゲームステージの選択処理を行うことで、プレーヤのマッチング処理を行うネットワークゲームシステムのサーバ(例えば、図1のサーバ100)であって、
ゲーム実行中に、禁止されていないが不適切なプレーとして予め設定された不適切プレーを行ったプレーヤを検出する不適切プレーヤ検出手段と、
前記不適切プレーヤ検出手段の検出に基づいて、当該検出されたプレーヤに対する次回以降の前記選択処理における選択可能なゲームステージを規制する選択可能ステージ規制手段と、
を備えたサーバである。
【0021】
この第7の発明によれば、ゲーム実行中に不適切プレーを行ったプレーヤを検出し、検出したプレーヤが次回以降に選択可能なゲームステージを規制することができる。従って、不適切プレーを行ったプレーヤを検出した場合には、当該プレーヤが選択可能なゲームステージを規制するといった罰則を与えることができるため、プレーヤによるゲーム中の不適切なプレーを効果的に抑止することができる。
【0022】
第8の発明は、第7の発明のサーバであって、
前記選択可能ステージ規制手段は、選択可能なゲームステージを所定種類のゲームステージに限ることで前記規制を行うサーバである。
【0023】
この第8の発明によれば、選択可能なゲームステージを所定種類のゲームステージに限定することで、ゲームステージの規制を行うことができる。
【0024】
第9の発明は、第7又は第8の発明のサーバであって、
前記ゲームは、前記ゲームステージ中を移動可能なキャラクタ同士で対戦する対戦ゲームであり、
前記不適切プレーヤ検出手段により不適切プレーを行ったプレーヤとして検出されたプレーヤの累積検出回数に基づいて、当該プレーヤのキャラクタの移動に制限をかける移動制限手段を備える、
ことを特徴とするサーバである。
【0025】
この第9の発明によれば、不適切プレーを行ったプレーヤの累積検出回数に基づいて、当該プレーヤのキャラクタの移動に制限をかけることができる。従って、プレーヤによる不適切プレーの累積検出回数に応じて、プレーヤのキャラクタの移動を制限するといった罰則を与えることができるため、プレーヤによるゲーム中の不適切なプレーを効果的に抑止することができる。
【0026】
第10の発明は、第7〜第9の何れか一の発明のサーバであって、
前記ゲームは、前記ゲームステージ中を移動可能なキャラクタ同士で対戦する対戦ゲームであり、
前記不適切プレーヤ検出手段により不適切プレーを行ったプレーヤとして検出されたプレーヤの累積検出回数に基づいて、当該プレーヤのキャラクタの視界に制限をかける視界制限手段を備える、
ことを特徴とするサーバである。
【0027】
この第10の発明によれば、不適切プレーを行ったプレーヤの累積検出回数に基づいて、当該プレーヤのキャラクタの視界に制限をかけることができる。従って、プレーヤによる不適切プレーの累積検出回数に応じて、プレーヤのキャラクタの視界を制限するといった罰則を与えることができるため、プレーヤによるゲーム中の不適切なプレーを効果的に抑止することができる。
【0028】
第11の発明は、第7〜第10の何れか一の発明のサーバであって、
前記ゲームは、前記ゲームステージ中を移動可能なキャラクタ同士で対戦する対戦ゲームであり、
前記不適切プレーヤ検出手段は、前記ゲームステージ中の所定の潜伏位置に所定期間潜伏するプレーを不適切プレーとして当該不適切プレーを行ったプレーヤを検出する潜伏プレー検出手段を有する、
ことを特徴とするサーバである。
【0029】
この第11の発明によれば、ゲームステージ中の所定の潜伏位置に所定期間潜伏するプレーを不適切プレーとして検出することができる。
【0030】
第12の発明は、第7〜第11の何れか一の発明のサーバであって、
前記不適切プレーヤ検出手段は、前記不適切プレーの検出対象者を現在のゲーム進行状況に応じて変更する対象者変更手段を有し、前記対象者変更手段によって変更された検出対象者を対象として前記不適切プレーを行ったプレーヤを検出することを特徴とするサーバである。
【0031】
この第12の発明によれば、不適切プレーの検出対象者を現在のゲーム進行状況に応じて変更し、変更した検出対象者を対象として不適切プレーを行ったプレーヤを検出することができる。従って、不適切プレーを行ったプレーヤを、ゲームの進行状況に応じて柔軟に検出することができる。
【0032】
第13の発明は、
各プレーヤが参加するゲームステージの選択処理を行うことで、プレーヤのマッチング処理を行うサーバ(例えば、図1のサーバ100)と、各プレーヤそれぞれのゲーム端末(例えば、図1のゲーム端末300)とが通信接続されたネットワークゲームシステムのサーバであって、
前記各ゲーム端末は、
自ゲーム端末のプレーヤが、禁止されていないが不適切なプレーとして予め設定された不適切プレーを行ったことを検出する不適切プレー検出手段(例えば、図11のゲーム演算部321;図24のステップB11〜B15)と、
前記不適切プレー検出手段による検出に応じて、前記サーバに不適切プレー検出を通知する検出通知手段(例えば、図11のゲーム演算部321;図23のステップA25)と、
を備えており、
前記検出通知手段からの不適切プレー検出の通知に基づいて、当該通知をしたゲーム端末のプレーヤに対する次回以降の前記選択処理における選択可能なゲームステージを規制する選択可能ステージ規制手段(例えば、図23のステップH9)を備えたことを特徴とするサーバである。
【0033】
この第13の発明によれば、自ゲーム端末のプレーヤが行った不適切プレーを検出すると共に、サーバに不適切プレー検出を通知し、この通知をしたゲーム端末のプレーヤの次回以降の選択可能なゲームステージを規制することができる。従って、自ゲーム端末のプレーヤにより不適切プレーが行われた場合には、当該プレーヤが選択可能なゲームステージを規制するといった罰則を与えることができるため、プレーヤによるゲーム中の不適切なプレーを効果的に抑止することができる。
【0034】
第14の発明は、第13の発明のサーバであって、
前記選択可能ステージ規制手段は、選択可能なゲームステージを所定種類のゲームステージに限る(例えば、図23のステップH9)ことで前記規制を行うサーバである。
【0035】
この第14の発明によれば、選択可能なゲームステージを所定種類のゲームステージに限定することで、ゲームステージの規制を行うことができる。
【0036】
第15の発明は、
各プレーヤが参加するゲームステージの選択処理を行うことで、プレーヤのマッチング処理を行うサーバ(例えば、図1のサーバ100)と通信接続されたプレーヤが操作入力を行うためのゲーム端末(例えば、図1のゲーム端末300)を、
自ゲーム端末のプレーヤが、禁止されていないが不適切なプレーとして予め設定された不適切プレーを行ったことを検出する不適切プレー検出手段(例えば、図24のステップB11〜B15)、
前記不適切プレー検出手段による検出に応じて、前記サーバに不適切プレー検出を通知する検出通知手段(例えば、図23のステップA25)、
として機能させるためのプログラムであって、
前記検出通知手段からの不適切プレー検出の通知に基づき、前記サーバによって当該通知をしたゲーム端末のプレーヤの次回以降の前記選択処理における選択可能なゲームステージの規制が行われる(例えば、図23のステップH9)プログラムである。
【0037】
この第15の発明によれば、自ゲーム端末のプレーヤが行った不適切プレーを検出すると共に、サーバに不適切プレー検出を通知し、この通知をしたゲーム端末のプレーヤの次回以降の選択可能なゲームステージを、サーバが規制することができる。従って、自ゲーム端末のプレーヤにより不適切プレーが行われた場合には、当該プレーヤが選択可能なゲームステージを規制するといった罰則を与えることができるため、プレーヤによるゲーム中の不適切なプレーを効果的に抑止することができる。
【0038】
第16の発明は、第15の発明のプログラムであって、
前記ゲームは、前記ゲームステージ中を移動可能なキャラクタ同士で対戦する対戦ゲームであり、
前記不適切プレー検出手段の検出回数に応じて、自ゲーム端末のプレーヤのキャラクタの移動に制限をかける移動制限手段(例えば、図19の罰則テーブル383、図24のステップB3、B21)として前記ゲーム端末を機能させるためのプログラムである。
【0039】
この第16の発明によれば、不適切プレーの検出回数に応じて、自ゲーム端末のプレーヤのキャラクタの移動に制限をかけることができる。従って、プレーヤによる不適切プレーの検出回数に応じて、プレーヤのキャラクタの移動を制限するといった罰則を与えることができるため、プレーヤによるゲーム中の不適切なプレーを効果的に抑止することができる。
【0040】
第17の発明は、第15又は第16の発明のプログラムであって、
前記ゲームは、前記ゲームステージ中を移動可能なキャラクタ同士で対戦する対戦ゲームであり、
前記不適切プレー検出手段の検出回数に応じて、自ゲーム端末のプレーヤのキャラクタの視界に制限をかける視界制限手段(例えば、図19の罰則テーブル383、図24のステップB3、B21)として前記ゲーム端末を機能させるためのプログラムである。
【0041】
この第17の発明によれば、不適切プレーの検出回数に応じて、自ゲーム端末のプレーヤのキャラクタの視界に制限をかけることができる。従って、プレーヤによる不適切プレーの検出回数に応じて、プレーヤのキャラクタの視界を制限するといった罰則を与えることができるため、プレーヤによるゲーム中の不適切なプレーを効果的に抑止することができる。
【0042】
第18の発明は、第15〜第17の何れか一の発明のプログラムであって、
前記ゲームは、前記ゲームステージ中を移動可能なキャラクタ同士で対戦する対戦ゲームであり、
前記不適切プレー検出手段が、前記ゲームステージ中の所定の潜伏位置に所定期間キャラクタを潜伏させるプレーを不適切プレーとして検出する潜伏プレー検出手段(例えば、図24のステップB11〜B15)を有するように前記ゲーム端末を機能させるためのプログラムである。
【0043】
この第18の発明によれば、ゲームステージ中の所定の潜伏位置に所定期間キャラクタを潜伏させるプレーを不適切プレーとして検出することができる。
【0044】
第19の発明は、第15〜第18の何れか一の発明のプログラムであって、
前記不適切プレー検出手段が、前記不適切プレーの検出対象者を現在のゲーム進行状況に応じて変更する対象者変更手段(例えば、図15の潜伏判定対象切替情報375、図25のステップC3)を有し、自ゲーム端末のプレーヤが前記対象者変更手段によって変更された検出対象者か否かに応じて不適切プレーを検出するように前記ゲーム端末を機能させるためのプログラムである。
【0045】
この第19の発明によれば、不適切プレーの検出対象者を現在のゲーム進行状況に応じて変更し、自ゲーム端末のプレーヤが検出対象者であるか否かに応じて不適切プレーを検出することができる。従って、プレーヤによる不適切プレーを、ゲームの進行状況に応じて柔軟に検出することができる。
【0046】
第20の発明は、第15〜第19の何れか一の発明のプログラムを記憶したコンピュータ読取可能な情報記憶媒体(例えば、図3のメモリ30a)である。
【0047】
この第20の発明によれば、第15〜第19の何れか一の発明と同様の作用効果を奏する情報記憶媒体を実現することができる。
【発明の効果】
【0048】
本発明によれば、ゲーム実行中の不適切プレーを検出し、この検出に基づいて、次回以降に選択可能なゲームステージを規制することができる。従って、プレーヤにより不適切プレーが行われた場合には、選択可能なゲームステージを規制するといった罰則を与えることができるため、プレーヤによるゲーム中の不適切なプレーを効果的に抑止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
図1〜図28を参照して、本発明をネットワークゲームに適用した場合の実施形態について説明する。
【0050】
ネットワークゲームを実現するシステム構成としては、例えば、(1)別個独立したパソコンや家庭用/業務用ゲーム装置等のゲーム端末を、インターネット網や専用回線網等の有線/無線の通信回線を通じてサーバと接続する構成、(2)サーバを用いることなく複数のゲーム端末同士が通信回線を介して接続される構成、(3)複数のゲーム端末同士が通信回線を介して接続されるが、その内の1台がサーバ機能を有する構成、(4)複数のゲーム端末が物理的に結合し、全体として1台のシステム(例えば、業務用のゲームシステム)となっている構成等があり、本発明は何れのシステム構成に対しても適用可能であるが、以下では、(1)のシステム構成を例にとって説明する。詳細には、本実施形態のネットワークゲームシステムは、ゲームセンタやアミューズメント施設等で利用されるものとして説明する。
【0051】
〔ネットワークゲームシステムの構成〕
図1は、ネットワークゲームシステム1の概略構成図である。ネットワークゲームシステム1は、サーバ100と、サーバ100に通信回路Nを通じて通信可能に接続され、各店舗3に配置された複数のゲーム端末300とを備えて構成される。以下、1つの店舗内のシステムを「店舗ゲームシステム」という。
【0052】
通信回線Nとは、データ授受が可能な通信路を意味する。つまり、通信回線Nは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLANの他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、通信方法については有線/無線を問わない。
【0053】
サーバ100は、公知のサーバ装置によって構成され、ネットワークゲームシステム1を統括的に制御するものであり、図中では店舗外に設置されるとしているが、例えばゲーム提供事業者側に設置されたり、ゲーム端末300が配置された店舗内に設置される。尚、サーバ100は、1台のサーバ装置で実現されるものに限らず、複数台のサーバ装置によるサーバシステムとして実現されていても良い。また、サーバ100は、プレーヤのアカウント等の管理や、ゲームプレイ時の対戦相手(相手チーム)を組み付けるマッチング処理を行う機能を有している。
【0054】
店舗ゲームシステム3は、物理的に同一の場所、例えばゲームセンタといった店舗を単位として構成されるシステムであり、同一店舗内に設置されているゲーム端末300によって1つの店舗ゲームシステム3が形成される。この店舗ゲームシステム3の概略構成の一例を図2に示す。また、店舗ゲームシステム3に属する各端末は、店舗内に布設されたLAN(店舗LAN。図示略。)等の通信回路によって接続されていると共に、通信回路Nを介してサーバ100に接続されており、他のゲーム端末300(同一の店舗ゲームシステム3に属する/属さないを問わない)と接続して対戦を行うことができる。
【0055】
〔ゲーム端末の構成〕
図3は、ゲーム端末300の概略外観図である。ゲーム端末300は、基部12と、基部12上に設置される椅子14及び操作台16とを備えて構成される。
【0056】
基部12に設置される椅子14及び操作台16は、互いに対向するように設置され、操作台16は、キーボード18及びマウス20に配置されたテーブル部16aと、正面中央にディスプレイ22が配設された表示盤16bとを備える。
【0057】
表示盤16bの正面の上部両側には、ゲーム音等を出力するスピーカ24が配設され、表示盤16bの正面に向かって左側下部には、カードリーダ26が配設される。プレーヤは、店舗内でカードを購入することができ、購入したカードC1をカードリーダ26に挿入することで、プレーヤのレベルやゲームの進行状況等をセーブすることが可能となる。
【0058】
また、カードリーダ26の上方には、要員呼出ボタンとしての呼出ボタン28が配設される。プレーヤは、呼出ボタン28を押下することにより、店舗の従業員(要員)を呼び出すことができる。
【0059】
また、操作台16内部には、互いに内部バス(図示略)によって接続される制御基盤30が内蔵される。制御基盤30には、CPUや、ゲーム画像を生成する画像生成IC、ゲーム音を生成する音生成IC、各種処理を実行するプログラムやデータを格納するメモリ30aが実装される。
【0060】
プレーヤは、ディスプレイ22に表示されるゲーム画面を見ながら、キーボード18やマウス20を操作して操作対象であるキャラクタを操作し、他のゲーム端末300を操作するプレーヤとの対戦を楽しむ。
【0061】
〔ゲームの概要〕
次に、ゲームの概要について説明する。
本実施形態は、本発明をネットワーク対戦型の1人称視点のガンシューティングゲームに適用した実施形態である。各プレーヤはそれぞれ銃を備えた1体の兵士キャラクタを操作する。兵士キャラクタが撃たれ、死亡した場合には、当該プレーヤはその場でゲームから脱けることとなる。被弾した部位に応じてダメージが異なるが、例えば額を撃たれた場合には1発で死亡と判断される。従って、緊張感、緊迫感のあるゲーム性となっている。
【0062】
また、本実施形態のゲームは攻撃側と防御側との2つのチームに分かれて対戦するゲームである。勝敗は、予め定められた規定時間内に、予め定められた爆弾設置位置に攻撃側が時限爆弾を設置し、爆破させることができれば攻撃側のチームの勝利となり、規定時間内での爆破を阻むことができれば防御側のチームの勝利となる。また、攻撃側が時限爆弾を設置した後も、爆破作動前であれば防御側が爆弾を解除することができる。このため、設置した時限爆弾が解除された場合には、勝利するために、攻撃側は再度時限爆弾を設置する必要がある。
【0063】
但し、被弾し、死亡と判断された兵士キャラクタはゲームから離脱させられるため、参戦している兵士キャラクタは減少していく一方であり、兵士キャラクタが全滅したチームは敗北が確定する。よって、攻撃側/防御側のチームとして、どのように攻撃するか、どのように防御するかの戦略が重要となり、チームワークが勝敗を決する重要な要素となる。各プレーヤは、あたかも戦場で戦闘しているかのような緊張感溢れるエキサイティングなゲームを楽しむことができる。
【0064】
図4はゲーム端末300に表示されるゲーム画面の一例を示す図であり、兵士キャラクタDC1の視点(1人称視点)から見たゲーム空間の画像が表示されている。図5は図4のゲーム空間のマップを示す図であり、ゲーム空間全体を上から俯瞰した略図である。
【0065】
図5において、ゲーム空間は1つの閉空間であり、複数のコンテナCT1〜CT5と、柱PL1,PL2と、攻撃側の兵士キャラクタであるキャラクタAC1,AC2と、防御側の兵士キャラクタであるキャラクタDC1,DC2とが配置されている。各兵士キャラクタAC1,AC2,DC1,DC2は個々のプレーヤによりそれぞれのゲーム端末300で操作されている。また、ゲーム空間中には爆弾設置位置BSPが予め設定・明示されており、攻撃側がこの爆弾設置位置BSPに規定時間内に爆弾を設置し、爆破させることができれば攻撃側の勝利となり、規定時間内に爆破させることができなければ防御側の勝利となる。更に、ゲーム空間中において、三方が壁等によって遮蔽された領域は兵士キャラクタが潜伏可能な潜伏領域として定義される。図5においては、潜伏領域LA1及びLA2がそれである。
【0066】
また、図4は兵士キャラクタDC1を操作するプレーヤのゲーム端末300に表示されるゲーム画面である。他のプレーヤのゲーム端末300には、当該プレーヤが操作する兵士キャラクタの視点から見た、いわゆる1人称視点のゲーム空間の画像が表示される。すなわち、何れのゲーム端末300においても、当該兵士キャラクタの視点から見たゲーム空間の画像のみが表示される。従って、同一のゲーム空間を共有してゲームが進行するが、一のプレーヤにとっては、一のプレーヤが操作する兵士キャラクタの視点でしかゲーム空間の様子を伺い知ることができない。即ち、他の兵士キャラクタからゲーム空間がどのように見えているのか、他の兵士キャラクタから自分の兵士キャラクタが見えているのか、といったことは推測するしかない。このため、より実戦に近い戦闘が模擬されることとなる。
【0067】
ところで、コンテナCT1及び柱PL1の位置関係により形成される三方が遮蔽されたコの字型の潜伏領域LA1や、コンテナCT2及び柱PL2の位置関係により形成される三方が遮蔽されたコの字型の潜伏領域LA2は、何れのプレーヤにとっても死角となるため、この潜伏領域を利用することは戦略上重要である。例えば、攻撃側のプレーヤが爆弾設置位置BSPに爆弾を設置しようとしたが、爆弾設置位置BSPの近傍に防御側の兵士キャラクタが存在したとする。この場合、攻撃側のプレーヤは、自身の操作する兵士キャラクタを潜伏領域LA1に潜伏させて爆弾を設置する機会を伺い、隙を見て爆弾を設置することが考えられる。また、相手チームの兵士キャラクタが攻撃を仕掛けてきたために、一時的に退避する目的で潜伏領域LA1又はLA2に潜伏するといったことも考えられる。
【0068】
このような目的で潜伏領域が利用される場合は問題無いが、プレーヤによっては潜伏領域を利用して姑息なプレーを行う場合がある。例えば、攻撃側のプレーヤが、爆弾設置位置BSPに爆弾を設置した後に、設置した爆弾を解除するためにやって来る防御側の兵士キャラクタを潜伏領域LA1で待ち伏せし、現れたところを攻撃するといったプレーをただひたすら繰り返して防御側のチームを全滅させようとしたり、逆に、防御側のプレーヤが、攻撃側の兵士キャラクタが爆弾を設置するためにやって来るのを潜伏領域LA1で待ち伏せし、現れたところを攻撃することで、攻撃側のチームに爆弾を設置する機会を一切与えないようにするといった姑息なプレーである。このようなプレーが行われると、相手チームのプレーヤが初心者のみで構成されるような場合には、あっという間に全滅してしまうことも有り得る。
【0069】
また、上級者の中には、対戦が開始するや否や潜伏領域へ潜伏して戦場のイニシャティブを握り、他のプレーヤが操作する兵士キャラクタの移動を支配しようとするプレーヤもいるため、ゲームの進行が著しく遅延する場合もある。そこで、このような事態を回避するため、ゲームの進行状況に応じて適切に潜伏領域を利用させ、潜伏領域が適切に利用されなかった場合に、不適切な利用を行った当該プレーヤに対して警告と罰則とを与えることで、プレーヤによる不適切な潜伏プレーを効果的に抑止する。
【0070】
〔原理〕
本実施形態では、
潜伏領域には、通常潜伏領域と特別潜伏領域との2種類がある。
特別潜伏領域は、爆弾設置位置の近傍(例えば、爆弾設置位置を中心とした半径5m以内)に位置する潜伏領域である。通常潜伏領域は、特別潜伏領域以外の潜伏領域である。
図5における潜伏領域LA1は特別潜伏領域であり、潜伏領域LA2は通常潜伏領域である。
【0071】
ゲーム進行中において、プレーヤの操作する兵士キャラクタが潜伏領域内に位置した場合、潜伏時間のカウントが開始され、潜伏時間が“10”秒経過する毎に潜伏したと判定され、潜伏回数が“1”加算されていく。但し、この潜伏判定の対象者(以下、「潜伏判定対象」という。)は、潜伏領域の種類やゲームの進行状況に応じて異なる。
【0072】
(1)潜伏領域が通常潜伏領域である場合
潜伏領域が通常潜伏領域である場合には、攻撃側、防御側を問わず全てのプレーヤを潜伏判定対象とする。通常潜伏領域に長時間潜伏することは、ゲームの進行の遅延の要因となるからである。
【0073】
(2)潜伏領域が特別潜伏領域である場合
潜伏領域が特別潜伏領域である場合には、爆弾の設置の有無に基づいて潜伏判定対象を切り替える。
(2−1)攻撃側のチームによる爆弾の設置前
攻撃側のチームにより爆弾設置位置に爆弾が設置される前は、防御側のプレーヤを潜伏判定対象とする。防御側のプレーヤが、攻撃側の兵士キャラクタを特別潜伏領域で待ち伏せし、爆弾の設置のために現れた兵士キャラクタを攻撃するといった姑息なプレーを抑止するためである。
【0074】
(2−2)攻撃側のチームによる爆弾の設置後
攻撃側のチームにより爆弾設置位置に爆弾が設置された後は、攻撃側のプレーヤを潜伏判定対象とする。攻撃側のプレーヤが、防御側の兵士キャラクタを特別潜伏領域で待ち伏せし、爆弾の解除のために現れた兵士キャラクタを攻撃するといった姑息なプレーを抑止するためである。
【0075】
本実施形態では、累積された潜伏回数に応じた警告が表示されると共に、プレーヤに対して罰則が与えられる。また、潜伏回数が規定値(本実施形態では、「5」)を超えた場合には、当該プレーヤは潜伏プレーの常習者(以下、「潜伏プレーヤ」と呼ぶ。)であると認定され、更に厳しい罰則が与えられる。
【0076】
〔ゲーム画面〕
次に、実際のゲーム画面を参照して、プレーヤに与えられる警告と罰則の内容の一例を説明する。
図6は、爆弾設置位置への爆弾設置後に、攻撃側のプレーヤが操作する兵士キャラクタAC1が特別潜伏領域への潜伏を開始した場合に表示されるゲーム画面の一例を示す図である。ゲーム画面の左下部には、潜伏時間CW10が表示され、隣接して潜伏回数PW10が表示される。上述した通りに、爆弾設置後は攻撃側のプレーヤが潜伏判定対象となるため、潜伏を開始した時点から潜伏時間がカウントされる。
【0077】
図7は、潜伏回数が「1」となった場合に表示されるゲーム画面の一例を示す図である。図6の状態から“10”秒が経過したため、潜伏時間が「10”00」とされると共に、潜伏回数が“1”加算され、潜伏回数は「1」とされる。また、潜伏時間が長すぎることを示す警告がゲーム画面中央に表示される。潜伏回数が「1」の場合には、警告を与えるに留め、プレーヤに罰則は与えない。
【0078】
図8は、潜伏回数が「2」となった場合に表示されるゲーム画面の一例を示す図である。図7の状態から更に“10”秒が経過したため、潜伏時間が「20”00」とされると共に、潜伏回数が“1”加算され、潜伏回数は「2」とされる。この場合、警告が表示され、罰則として兵士キャラクタAC1の移動速度が低減化(具体的には、最高移動速度が50%低速化)される。
【0079】
図9は、潜伏回数が「3」となった場合に表示されるゲーム画面の一例を示す図である。図8の状態からプレーヤが潜伏を一旦中止し、再度潜伏を開始してから“10”秒が経過したため、潜伏時間「10”00」とされると共に、潜伏回数が“1”加算され、潜伏回数が「3」とされる。この場合、警告が表示され、罰則として兵士キャラクタAC1の視界に制限される(具体的には、当該プレーヤのゲーム端末に表示するゲーム画像を生成する際に、当該兵士キャラクタから5m以上離れたオブジェクトに所定のぼかし処理が施される。)。
【0080】
図10は、潜伏回数が規定値を超えた場合にゲーム終了時に表示される画面の一例を示す図である。図10では、攻撃側のチームによる爆弾の爆破が成功したことで、攻撃側のチームの勝利を演出する演出画面が表示されている。しかし、プレーヤの潜伏回数が規定値「5」を超える過度なものであったため、当該プレーヤは潜伏プレーヤに認定されると共に、警告が表示される。そして、罰則として、次回以降のゲームステージの選択時における選択可能なゲームステージに規制がかけられる。本実施形態では、選択可能なゲームステージを1つとし、事実上、ゲームステージの選択ができないこととしている。即ち、このゲームステージは潜伏プレーヤばかりがプレーするゲームステージとなる。
【0081】
〔機能構成〕
次に、機能構成について説明する。尚、以下説明において、ゲーム端末300を使用しているプレーヤを自プレーヤ、自プレーヤの操作対象となっているキャラクタを自キャラクタと呼ぶ。
【0082】
<ゲーム端末>
図11は、ゲーム端末300の機能構成を示すブロック図である。ゲーム端末300は、操作入力部310と、処理部320と、画像表示部330と、音出力部340と、通信部350と、記憶部360とを含む。
【0083】
操作入力部310は、プレーヤによる操作指示を受け付け、操作に応じた操作信号を処理部320に出力する。この機能は、ボタンスイッチ、レバー、ダイヤル、マウス、キーボード、コントローラ、各種センサ等によって実現されるものであり、図3のキーボード18及びマウス20に対応する。
【0084】
処理部320は、ゲーム端末300全体の制御やゲームの進行、画像生成等の各種演算を行う。この機能は、例えばCPU(CISC型、RISC型)、ASIC(ゲートアレイ等)等の演算装置や、その制御プログラムにより実現されるものであり、図3の制御基盤30に実装されているCPU等に対応する。
【0085】
また、処理部320は、ゲームの実行に係る各種演算を行い、主にゲーム空間の構築、自キャラクタの目の位置への仮想カメラの設置、及びゲームの進行制御を司るゲーム演算部321と、ゲーム演算部321によって構築されたゲーム空間を、同じくゲーム演算部321によって設定された仮想カメラから見た画像を生成する画像生成部324と、効果音やBGM等のゲーム音を生成する音生成部325とを含んでいる。また、ゲーム演算部321は、共有データ記録部322と、潜伏判定部323とを含んでいる。
【0086】
共有データ記録部322は、通信部350を介して他のゲーム端末300と通信を行って、ゲーム画像の生成やゲーム進行の基準となる各ゲーム端末300間で共有されるデータを毎インター(1/60秒)ごとに更新・管理する機能部である。自ゲーム端末を操作するプレーヤの操作によって発生したイベントや、自ゲーム端末を操作するプレーヤのキャラクタの位置等を定義するための情報は自ゲーム端末の操作入力に基づいて更新し、他のプレーヤの操作によって発生したイベントや他キャラクタの位置等を定義するための情報は各ゲーム端末300から取得することで更新する。
【0087】
共有データ377は、共有データ記録部322によって更新・管理されるデータであり、各ゲーム端末300間で共有され、ゲーム空間の画像を生成するための基準となるとともに、各ゲーム端末300間で同一のゲーム進行がなされるための基準となるデータである。共有データ377には種々のデータが含まれるが、本実施形態に特に関係するものとしてキャラデータ378と爆弾設置データ379とがある。
【0088】
キャラデータ378は、各キャラクタの現在位置、向き及び体力値を記憶したデータである。データ構成の一例を図12に示す。図12において、例えば、キャラクタ「C5」の現在位置はゲーム空間の座標系の「(x5,y5,z5)」、向きは移動ベクトルとしてゲーム空間の座標系で定義された「(x51,y51,z51)」、体力値は「100」である。
【0089】
爆弾設置データ379は、攻撃側のチームのプレーヤにより設置される時限爆弾の設置有無と、設置時刻とが対応付けられたデータであり、そのデータ構成の一例を図13に示す。図13においては、爆弾の設置有無は「有」であり、その設置時刻は「5:20」である。尚、爆弾の設置有無が「無」の場合は、設置時刻は「無」とされる。
【0090】
潜伏判定部323は、ゲーム端末300を使用しているプレーヤが操作するキャラクタが潜伏領域に潜伏しているか否かを判定する機能部である。
【0091】
画像生成部324は、ゲーム演算部321によって自キャラクタの目の位置に設定された仮想カメラに基づいて、ゲーム空間のレンダリング処理を行って1人称視点のゲーム画像(3DCG画像)を生成し、生成した画像の画像信号を画像表示部330に出力する。
【0092】
画像表示部330は、画像生成部324からの画像信号に基づいて、1インター(1/60秒)毎に画面を再描画しながらゲーム画面を表示する。この機能は、例えばCRT、LCD、ELD、PDP、HMD等のハードウェアによって実現されるものであり、図3のディスプレイ22に対応する。
【0093】
音生成部325は、ゲーム中に使用される効果音やBGM等のゲーム音を生成し、生成したゲーム音の音信号を音出力部340に出力する。
【0094】
音出力部340は、音生成部325からの音信号に基づいて、効果音やBGM等のゲーム音を出力する。この機能は、例えばスピーカ等により実現されるものであり、図3のスピーカ24に対応する。
【0095】
通信部350は、所定の通信回線(通信回線Nや店舗LAN等)に接続して外部装置(主に、他のゲーム端末300やサーバ100)とのデータ通信を行う。この機能は、Bluetooth(登録商標)やIrDA等の無線通信モジュール、モデム、TA、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。尚、通信部350が通信時に供するプロトコル等に係る情報は、例えば記憶部360に記憶されており、適宜読み出されて利用される。
【0096】
記憶部360は、処理部320にゲーム端末300を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、ゲームを実行させるために必要なプログラムやデータ等を記憶すると共に、処理部320の作業領域として用いられ、処理部320が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作入力部310から入力される入力データ等を一時的に記憶する。この機能は、例えば各種ICメモリやハードディスク、CD−ROM、DVD、MO、RAM、VRAM等によって実現されるものであり、図3の制御基盤30に実装されるメモリ30aに対応する。
【0097】
また、記憶部360は、処理部320をゲーム演算部321として機能させるためのゲームプログラム361を記憶し、データとして、ステージデータ370と、キャラクタモデルデータ376と、共有データ377と、チーム編成データ380と、潜伏データ381と、警告テーブル382と、罰則テーブル383とを含む。また、ゲームプログラム361には、ゲーム演算部321を共有データ記録部322として機能させるための共有データ記録プログラム362と、潜伏判定部323として機能させるための潜伏判定プログラム363が含まれる。
【0098】
ステージデータ370は、ガンシューティングゲームにおけるゲームステージ(ゲーム空間)を構築するためのデータを格納している。例えば、ゲーム空間に配置するコンテナや柱等のオブジェクトに係るオブジェクトデータ371と、ゲーム空間を上から俯瞰したマップの情報であるマップデータ372と、攻撃側のチームが爆弾を設置する爆弾設置位置373と、潜伏領域の設定に係る情報である潜伏領域設定情報374と、潜伏判定対象に係る情報である潜伏判定対象切替情報375とを含む。ステージデータ370には、ステージに応じた複数種類のものが用意される。
【0099】
潜伏領域設定情報374は、ゲーム空間中の潜伏領域に設定された範囲を定義する位置情報と、当該潜伏領域が通常潜伏領域、特別潜伏領域の何れであるかを示す通常/特別フラグが対応付けられた情報であり、その一例を図14に示す。例えば、No.“2”の潜伏領域は、ゲーム空間中の「(x201,y201,z201)−(x202,y202,z202)」の範囲として定義され、特別潜伏領域として設定されている。
【0100】
潜伏判定対象切替情報375は、潜伏判定対象となるプレーヤを示す情報であり、その一例を図15に示す。潜伏領域が通常潜伏領域である場合には、「防」で示される防御側のプレーヤ、「攻」で示される攻撃側のプレーヤが共に潜伏判定対象となり、潜伏領域が特別潜伏領域である場合には、爆弾設置前は防御側のプレーヤ、爆弾設置後は攻撃側のプレーヤがそれぞれ潜伏判定対象となる。
【0101】
キャラクタモデルデータ376は、各々のプレーヤが使用する兵士キャラクタについてのモデルデータであり、画像生成部324が各キャラクタをモデリングする際に利用され、モーションデータやテクスチャデータを含む。
【0102】
チーム編成データ380は、各々のゲーム端末300を識別する識別情報に、ゲーム端末300を使用しているプレーヤのプレーヤ名と、使用キャラクタと、チーム編成とが対応付けられたデータであり、そのデータ構成の一例を図16に示す。例えば、識別情報が「G2」で示されるゲーム端末300を使用しているプレーヤのプレーヤ名は「ken」であり、その使用キャラクタは「C5」、属するチームは「防」で示される防御側のチームである。
【0103】
潜伏データ381は、ゲーム端末300を使用しているプレーヤの潜伏カウンタと潜伏回数とが対応付けられたデータであり、そのデータ構成の一例を図17に示す。
【0104】
警告テーブル382は、警告発動条件と画面に表示される警告内容とが対応付けられたテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図18に示す。例えば、潜伏回数が“3”に対応する警告内容は「潜伏回数が3回となったため視界を制限します」である。
【0105】
罰則テーブル383は、潜伏回数と罰則内容とが対応付けられたテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図19に示す。例えば、潜伏回数が“4”である場合には、プレーヤが操作する兵士キャラクタの移動最高速度が50%低速化、自キャラクタから5m超に位置するオブジェクトのぼかしが行われると共に、体力値が50%低減化される。
【0106】
<サーバ>
図20は、サーバ100の機能構成を示すブロック図である。サーバ100は、操作入力部110と、処理部120と、表示部130と、音出力部140と、通信部150と、記憶部160とを含む。
【0107】
操作入力部110は、サーバ100の管理者による操作指示を受け付け、操作に応じた操作信号を処理部120に出力する。この機能は、例えばボタンスイッチやレバー、ダイヤル、マウス、キーボード、コントローラ、各種センサ等により実現される。
【0108】
処理部120は、サーバ100全体の制御や、画像生成等の各種演算処理を行う。この機能は、例えばCPU(CISC型、RISC型)、ASIC(ゲートアレイ等)等の演算装置やその制御プログラムにより実現される。また、処理部120は、プレーヤ管理部121と、マッチング部122とを含む。
【0109】
プレーヤ管理部121は、登録されているプレーヤ毎に、プレーヤ名やパスワードといった登録(アカウント)に関する情報と、ゲームに係る各種情報とをプレーヤ管理データ171として管理する。また、現在進行中の対戦に係るデータを対戦プレーヤデータ172として管理する。
【0110】
プレーヤ管理データ171は、プレーヤのプレーヤ名と、パスワードと、使用キャラクタと、ログインの有無と、潜伏プレーヤ認定フラグと、潜伏回数とが対応付けられたデータであり、そのデータ構成の一例を図21に示す。潜伏プレーヤ認定フラグは、プレーヤが潜伏プレーヤとして認定された場合にONに設定されるフラグである。潜伏回数は、プレーヤが潜伏したと判定された通算回数である。例えば、プレーヤ名が「イッチー」であるプレーヤのパスワードは「fkas34」、使用キャラクタは「C5」、ログインの有無は「有」であると共に、当該プレーヤは潜伏プレーヤでは無いが、その潜伏回数は「3」である。
【0111】
対戦プレーヤデータ172は、現在進行中の対戦に係るデータであり、攻撃側のチーム及び防御側のチームに属するそれぞれのプレーヤのプレーヤ名と、対戦が行われているステージとが格納される。図22にそのデータ構成の一例を示す。
【0112】
〔処理の流れ〕
次に、処理の流れについて説明する。
【0113】
<ゲーム処理>
先ず、ゲーム処理の流れについて説明する。
【0114】
図23は、ゲーム処理の流れを示すフローチャートである。同図において、左側はゲーム端末300の処理を示し、右側はサーバ100の処理を示す。
【0115】
先ず、ゲーム端末300においてプレーヤのログインがなされる(ステップA1)。即ち、ゲーム演算部321が、プレーヤ名及びパスワードを入力するためのログイン画面を画像表示部330に表示させ、入力されたプレーヤ名及びパスワードをサーバ100に送信する。そして、サーバ100において、プレーヤ管理部121がプレーヤ管理データ171を参照して、受信したプレーヤ名及びパスワードが正確であるか否かを確認し、プレーヤの認証を行う(ステップH3)。
【0116】
プレーヤの認証がなされ、ログインが完了すると、サーバ100はプレーヤ管理データ171を参照して、ログインしたプレーヤの潜伏回数をゲーム端末300に送信する(ステップH4)。潜伏回数を受信したゲーム端末300(ステップA6)は、受信した潜伏回数を潜伏データ381に格納する。
【0117】
次いで、サーバ100は、ログイン中のプレーヤの潜伏プレーヤ認定フラグがONであるか否かを判定し(ステップH5)、ONではないと判定した場合には(ステップH5;No)、通常のステージ選択処理を行い(ステップH6)、選択可能な全てのゲームステージを選択候補としてゲーム端末300に指定する。ゲーム端末300は、サーバ100から指定されたゲームステージを一覧に表示して、プレーヤの操作入力に従ってステージの選択を行う(ステップA11)。
【0118】
一方、ステップH5において潜伏プレーヤ認定フラグがONであると判定した場合には(ステップH5;Yes)、サーバ100は、ステージの限定処理を行う(ステップH9)。具体的には、潜伏プレーヤ用のゲームステージを自動的に選択した上でゲームステージの選択画面の表示を省略する指示をゲーム端末300に送信し、ゲーム端末300においてプレーヤがゲームステージを当該ゲームステージしか選択できないようにする。
【0119】
ゲーム端末300のステップA11においてゲームステージの選択がなされると、サーバ100は、メンバーを募集して自プレーヤの属するチームの編成を行うと共に、マッチング部122は、対戦相手となる相手チームを募集して決定する通常マッチング処理を行う(ステップH13)。そして、マッチングした攻撃側のチームと防御側のチームとで対戦プレーヤデータ172を更新する。
【0120】
一方、サーバ100のステップH9においてステージの限定処理が行われた場合には、
サーバ100は、潜伏プレーヤに認定されたプレーヤの中からメンバーを募集して自プレーヤの属するチームの編成を行うと共に、マッチング部122は、潜伏プレーヤに認定されたプレーヤで構成される相手チームを募集して決定する潜伏プレーヤ用マッチング処理を行う(ステップH15)。そして、マッチングした攻撃側のチームと防御側のチームとで対戦プレーヤデータ172を更新する。
【0121】
次に、ゲーム端末300では、ゲーム演算部321がゲームの準備処理を行う(ステップA17)。具体的には、自チーム及び相手チームに所属する各々のプレーヤが使用しているゲーム端末300間の通信接続を確立すると共に、自プレーヤの操作する自キャラクタを決定し、チーム編成データ380を作成する。
【0122】
そして、ゲーム端末300では、ゲーム演算部321がゲーム進行処理を実行して、ゲームの進行を開始する(ステップA19)。
【0123】
図24は、ゲーム進行処理の流れを示すフローチャートである。ゲーム進行処理のループAの処理は、ゲーム終了まで毎インター(1/60秒)行われる処理である(ステップB4〜B29)。
【0124】
先ず、ゲーム演算部321は、ゲームの初期設定を行う(ステップB1)。具体的には、選択されたゲームステージのデータを記憶部360から読み出し、読み出したステージデータ370に基づいてゲーム空間である仮想三次元空間にゲームステージを構築すると共に、オブジェクトデータ371に基づいてコンテナ、柱等のオブジェクトを当該ゲームステージの所定位置に配置する。また、キャラクタモデルデータ376に基づいてキャラクタを配置し、視点が1人称視点となるように、自キャラクタの目の位置に仮想カメラを配置する。
【0125】
そして、対戦時間として、例えば、“600”秒を設定する。
次いで、ゲーム演算部321は、潜伏データ381に格納されている潜伏回数が、罰則テーブル383に格納されている罰則を適用する回数に達しているか否かを判定し(ステップB2)、罰則すべきと判定した場合、即ち潜伏回数が“2”以上の場合には(ステップB2;Yes)、潜伏回数に対応する罰則処理を行う(ステップB3)。
【0126】
そして、ゲーム終了まで毎インター、ループAの処理を繰り返し実行する。
ループAでは、先ず共有データ記録部322が、プレーヤの操作入力に基づいて共有データ377の自キャラクタの情報を更新する(ステップB5)。即ち、自キャラクタの現在位置、向き及び体力値に基づいてキャラデータ378を更新し、爆弾が設置された場合には、その設置時刻に基づいて爆弾設置データ379を更新する。そして、ゲーム演算部321は、現在対戦中の自チーム及び相手チームそれぞれのゲーム端末300と通信を行って各ゲーム端末300間で共有データ377の通信・更新処理を行う(ステップB7)。
【0127】
次いで、画像生成部324は、仮想カメラに基づくゲーム画像を生成し(ステップB9)、潜伏判定部323が、潜伏判定処理を行う(ステップB11)。
【0128】
図25は、潜伏判定処理の流れを示すフローチャートである。
先ず、潜伏判定部323は、潜伏領域設定情報374及びキャラデータ378を参照することにより、自キャラクタの現在位置が潜伏領域に設定された範囲内にあるか否かを判定し(ステップC1)、潜伏領域内であると判定した場合には(ステップC1;Yes)、潜伏判定対象切替情報375を参照し、自プレーヤが潜伏判定対象であるか否かを判定する(ステップC3)。
【0129】
ステップC3において、自プレーヤが潜伏判定対象であると判定した場合には(ステップC3;Yes)、潜伏判定部323は、潜伏のカウントが動作中であるか否かを判定し(ステップC4)、動作中であると判定した場合には(ステップC4;Yes)、潜伏判定処理を終了し、動作中でないと判定した場合には(ステップC4;No)、潜伏データ381の潜伏カウンタを“0”に設定し、潜伏のカウントを開始する(ステップC5)。
【0130】
ステップC1において自キャラクタの現在位置が潜伏領域内ではないと判定した場合(ステップC1;No)、又はステップC3において自プレーヤが潜伏判定対象ではないと判定した場合には(ステップC3;No)、潜伏判定部323は、潜伏のカウントが動作中であるか否かを判定する(ステップC7)。
【0131】
ステップC7において、潜伏のカウントが動作中ではないと判定した場合には(ステップC7;No)、潜伏判定部323は、潜伏判定処理を終了し、動作中であると判定した場合には(ステップC7;Yes)、潜伏のカウントを中止して(ステップC9)、潜伏判定処理を終了する。
【0132】
図24のゲーム進行処理に戻り、潜伏判定処理が実行されると(ステップB11)、ゲーム演算部321は、潜伏データ381を参照することで、潜伏カウンタが所定値となったか否か、即ち“10”秒の正の整数倍を示す数値である“10”,“20”,“30”,・・・となったか否かを判定し(ステップB13)、所定値となっていないと判定した場合には(ステップB13;No)、ステップB23へと処理を移行する。
【0133】
ステップB13において、潜伏カウンタが所定値となったと判定した場合には(ステップB13;Yes)、ゲーム演算部321は、潜伏データ381の潜伏回数を“1”加算し(ステップB15)、警告テーブル382の警告発動条件が成立したか否かを判定する(ステップB17)。
【0134】
ステップB17において、警告発動条件が成立していないと判定した場合には(ステップ17;No)、ゲーム演算部321は、ステップB21へと処理を移行し、警告発動条件が成立したと判定した場合には(ステップB17;Yes)、警告テーブル382の警告内容に従って警告を画像表示部330に表示させる(ステップB19)。
【0135】
そして、ゲーム演算部321は、罰則テーブル383を参照して、潜伏回数に応じた罰則を自プレーヤに与える罰則処理を行う(ステップB21)。
【0136】
次いで、ゲーム演算部321は、爆弾の爆発条件が成立したか否かを判定し(ステップB23)、成立しなかったと判定した場合には(ステップB23;No)、対戦時間が終了したか否かを判定する(ステップB25)。
【0137】
ステップB25において、対戦時間が終了していないと判定した場合には(ステップB25;No)、ゲーム演算部321は、ステップB29へと処理を移行する。
【0138】
ステップB23において爆弾の爆発条件が成立したと判定した場合には(ステップB23;Yes)、ゲーム演算部321は、設置された爆弾の爆発を演出する爆発演出処理を実行し(ステップB27)、ゲーム進行処理を終了する。
【0139】
また、ステップB25において対戦時間が終了したと判定した場合にも(ステップB25;Yes)、ゲーム演算部321は、ゲーム進行処理を終了する。
【0140】
図23のゲーム処理に戻り、ゲーム進行処理が実行されると、ゲーム端末300は、潜伏データ381に格納された潜伏回数及び自プレーヤのプレーヤ名をサーバ100に送信する(ステップA20)。一方、サーバ100のプレーヤ管理部121は、潜伏回数を送信したゲーム端末のプレーヤをプレーヤ名から特定して、プレーヤ管理データ171に格納されている特定したプレーヤの潜伏回数を、送信されてきた潜伏回数で更新する(ステップH21)。
【0141】
次いで、ゲーム端末300のゲーム演算部321は、ゲームの結果を演出する結果演出処理を行う(ステップA22)。具体的には、対戦で勝利したチームの勝利を演出する演出画面を画像表示部330に表示させる。
【0142】
また、ゲーム演算部321は、潜伏データ381を参照し、自プレーヤの潜伏回数が規定値である“5”を超えたか否かを判定し(ステップA23)、超えていないと判定した場合には(ステップA23;No)、ステップA33へと処理を移行する。
【0143】
ステップA23において、潜伏回数が“5”を超えたと判定した場合には(ステップA23;Yes)、ゲーム演算部321は、自プレーヤのプレーヤ名をサーバに送信する(ステップA25)。
【0144】
プレーヤ名が送信されると、サーバ100において、プレーヤ管理部121がプレーヤ管理データ171における、受信したプレーヤ名の潜伏プレーヤ認定フラグをONに設定する(ステップH27)。
【0145】
一方、ゲーム端末300では、ゲーム演算部321が、警告テーブル382に従って警告を画像表示部330に表示させる(ステップA31)。そして、自プレーヤによって次の対戦に移行する操作入力がなされえたか否かを判定し(ステップA33)、移行すると判定した場合には(ステップA33;Yes)、サーバ100によるステップH5〜H9の処理、及びゲーム端末300によるステップA11の処理へ戻る。
【0146】
また、ステップA33において次の対戦に移行しないと判定した場合には(ステップA33;No)、ゲーム処理は終了となる。
【0147】
以上の通りに、本実施形態によれば、プレーヤが不適切な潜伏プレーを行ったか否かを判定し、行ったと判定した場合に、その潜伏プレーの回数に応じた警告と罰則とを与えることができる。特に、潜伏プレーヤに認定したプレーヤに対しては、次回からゲームステージを選択させないようにする厳しい罰則を与えることができる。従って、ゲーム中のプレーヤの不適切な潜伏プレーを効果的に抑止することができる。
【0148】
〔変形例〕
(A)ネットワークゲームシステム1
(A−1)装置構成
本実施形態では、サーバ100をゲーム提供事業者側に、ゲーム端末300を各店舗に設置する場合について説明したが、サーバ100とゲーム端末300とが、同一の店舗内に設置されるものとしても構わない。
【0149】
更に、ネットワークゲームシステムを実現する装置構成を、複数のゲーム端末が物理的に結合した、全体として1台のシステムになっている構成としても良い。図26は、この場合におけるゲームシステム1300の概略外観図を示す図である。図26に示すゲームシステムでは、4人のプレーヤが同時にプレーをすることが可能である。各プレーヤは、それぞれスピーカ1320から出力されるゲーム音を聞きながらスティック1340及びボタン1360を操作し、ディスプレイ1310上に表示されるゲーム画面を見ながらゲームを楽しむ。尚、サーバについての図示を省略しているが、小型のサーバ装置やいわゆるブレードサーバ等としてゲームシステム1300内に設置される構成としてよい。
【0150】
(A−2)店舗ゲームシステム3
また、店舗を単位とする店舗ゲームシステム3を形成するのではなく、図27に示すように、各家庭に設置されたPC(パーソナル・コンピュータ)や家庭用ゲーム装置でなる複数のゲーム端末300が、サーバ100と接続される構成としても良い。
【0151】
(A−3)サーバ100
本実施形態では、プレーヤの潜伏行動の判定処理や、プレーヤに対して罰則を与える処理は、各々のゲーム端末300が実行するものとして説明した。しかし、これらの処理は、サーバ100が実行することにしても良い。図28は、この場合のサーバ100の機能構成を示すブロック図である。処理部120には、潜伏の判定を行う潜伏判定部323が更に含まれ、記憶部160には、潜伏判定対象切替情報375と、共有データ377と、警告テーブル382と、罰則テーブル383とが更に含まれる。ゲーム実行中は、各々のゲーム端末300により共有データ377が書き換えられる。そして、サーバ100の潜伏判定部323が、書き換えられた共有データ377に基づいて、各々のゲーム端末300を使用しているプレーヤによる潜伏領域への潜伏を監視する。そして、潜伏を行うプレーヤを検出した場合には、警告テーブル382と罰則テーブル383とを参照し、当該プレーヤのゲーム端末に対して、その潜伏回数に応じた警告と罰則とを与える処理を行わせる。
【0152】
(B)潜伏領域
本実施形態では、三方が遮蔽されたコの字型の領域を潜伏領域の代表例として説明したが、潜伏領域はこれに限られるわけではない。例えば、薄暗い領域や、高い/低い場所に位置する領域など、他のプレーヤの死角になる領域であれば潜伏領域として良いことは勿論である。
【0153】
(C)潜伏判定対象
本実施形態では、潜伏領域の種類及び爆弾の設置前後といったゲームの進行状況に応じて潜伏判定対象を切り替えるものとして説明したが、潜伏プレーを一切許容しないこととし、条件を問わず常時全てのプレーヤを潜伏判定対象にするとしても良い。
【0154】
また、ゲームを始めたばかりの初心者は、潜伏プレーを頻繁に行わないと一方的に攻撃を受け、あっという間にやられてしまうようなこともあり得る。そこで、プレーヤのレベルや過去の対戦履歴等の情報を参照し、初心者であると認定したプレーヤは潜伏判定対象とせず、潜伏プレーを許容することにしても良い。
【0155】
(D)警告
プレーヤへの警告は、例えばブザー等による音出力であっても良い。
【0156】
(E)罰則
プレーヤに対して与える罰則は上述した実施形態のものに限らない。例えば、プレーヤのキャラクタの移動の制限として、停止することを許さず、最低速度(例えば、0.1m/秒)以上で移動する状態としてもよい。具体的にはプレーヤによる停止の操作がなされた場合に、キャラクタを停止させずに最低速度で移動させることとする。また、移動時には移動速度に関わらず必ず音が出るように制限をかけるとしてもよい。本実施形態のゲームは、1人称視点のガンシューティングゲームであるため、音の発生により自キャラクタの位置が相手方に知れ、結果的に不利となる。また、キャラクタの視界の制限として、10m以上先の事物を全て一定色(例えば薄暗い部屋としてゲームステージが設定されている場合には黒色、明るい部屋としてゲームステージが設定されている場合には白色等)としてもよい。また、視界の中央部分、即ち視点方向から所定角度以内の事物のみ明瞭な画像とし、中央部分から外れる程、即ち視点方向との成す角度が所定角度以上大きくなればなるほどぼけた画像を生成するように画像生成を行ってもよい。この結果、ゲーム画像中の中央部分は明瞭な画像となるが、端部にいくに従ってぼやけた画像となる。1人称視点のゲームであるため、視界は重要な手がかりであり、この視界が制限されることは効果的な罰則となる。
【0157】
更に、潜伏回数が5回を超えた場合に潜伏プレーヤとして認定するとしたが、これに限らない。例えば、1回でも潜伏と判定した場合には、当該潜伏を行ったプレーヤを潜伏プレーヤとして認定してもよい。
【0158】
(F)救済措置
上述した実施形態では、潜伏回数は増加する一方であり、潜伏プレーヤとして認定された場合には、通常のプレーヤに戻る機会が与えられない。つまり、潜伏プレーヤに認定されると当該プレーヤはゲームステージを選択できなくなるが、以後ゲームステージを選択する機会を全く与えないのはあまりに酷である。そこで、例えば、潜伏プレーヤに認定されて後、潜伏プレーヤばかりがプレーするゲームステージでのプレーを所定回数行った場合には、潜伏回数を“0”とし、潜伏プレーヤの認定をOFFにする救済措置を行うこととしてもよい。また、上述した実施形態では、潜伏回数は通算で積算されることとしたが、1回の対戦毎に潜伏回数をリセットすることとしてもよい。この場合には、1回の対戦中、潜伏回数が5回以内であれば、次回も潜伏回数が“0”から開始される。
【0159】
(G)潜伏プレーヤのゲームステージ
上述した実施形態では、潜伏プレーヤとして認定されたプレーヤは、1つのゲームステージしか選択できなくなることとして説明したが、当該プレーヤが選択可能なゲームステージを複数としてもよい。また、潜伏プレーヤ用のゲームステージとして、全く隠れるところのないゲームステージや、ゲーム空間の隅々に到るまで明るいゲームステージといった、潜伏に不向きなゲームステージとして分類されるゲームステージを用意し、これらの種類のゲームステージに対してのみ選択が可能となるとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】ネットワークゲームシステムの概略構成図。
【図2】店舗ゲームシステムの概略構成図。
【図3】ゲーム端末の概略外観図。
【図4】ゲーム空間を示す図。
【図5】ゲーム空間を俯瞰したマップを示す図。
【図6】ゲーム画面の一例を示す図。
【図7】ゲーム画面の一例を示す図。
【図8】ゲーム画面の一例を示す図。
【図9】ゲーム画面の一例を示す図。
【図10】ゲーム画面の一例を示す図。
【図11】ゲーム端末の機能構成を示すブロック図。
【図12】キャラデータのデータ構成の一例を示す図。
【図13】爆弾設置データのデータ構成の一例を示す図。
【図14】潜伏領域設定情報の一例を示す図。
【図15】潜伏判定対象切替情報の一例を示す図。
【図16】チーム編成データのデータ構成の一例を示す図。
【図17】潜伏データのデータ構成の一例を示す図。
【図18】警告テーブルのテーブル構成の一例を示す図。
【図19】罰則テーブルのテーブル構成の一例を示す図。
【図20】サーバの機能構成を示すブロック図。
【図21】プレーヤ管理データのデータ構成の一例を示す図。
【図22】対戦プレーヤデータのデータ構成の一例を示す図。
【図23】ゲーム処理の流れを示すフローチャート。
【図24】ゲーム進行処理の流れを示すフローチャート。
【図25】潜伏判定処理の流れを示すフローチャート。
【図26】ネットワークゲームシステムの変形例を示す図。
【図27】店舗ゲームシステムの変形例を示す図。
【図28】サーバの変形例を示す図。
【符号の説明】
【0161】
1 ネットワークゲームシステム
3 店舗ゲームシステム
100 サーバ
110 操作部
120 処理部
130 表示部
140 音出力部
150 通信部
160 記憶部
300 ゲーム端末
310 操作入力部
320 処理部
330 画像表示部
340 音出力部
350 通信部
360 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレーヤによるゲームステージの選択と、当該選択されたゲームステージでのゲームの実行とを繰り返し行うネットワークゲームシステムであって、
ゲーム実行中に、禁止されていないが不適切なプレーとして予め設定された不適切プレーの発生を検出する不適切プレー検出手段と、
前記不適切プレー検出手段の検出に基づいて、次回以降の前記選択時における選択可能なゲームステージを規制する選択可能ステージ規制手段と、
を備えたネットワークゲームシステム。
【請求項2】
前記選択可能ステージ規制手段は、選択可能なゲームステージを所定種類のゲームステージに限ることで前記規制を行う請求項1に記載のネットワークゲームシステム。
【請求項3】
前記ゲームは、前記ゲームステージ中を移動可能なキャラクタ同士で対戦する対戦ゲームであり、
前記不適切プレー検出手段の検出回数に応じて、前記プレーヤのキャラクタの移動に制限をかける移動制限手段を備える、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のネットワークゲームシステム。
【請求項4】
前記ゲームは、前記ゲームステージ中を移動可能なキャラクタ同士で対戦する1人称視点の対戦ゲームであり、
前記不適切プレー検出手段の検出回数に応じて、前記プレーヤのキャラクタの視界に制限をかける視界制限手段を備える、
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のネットワークゲームシステム。
【請求項5】
前記ゲームは、前記ゲームステージ中を移動可能なキャラクタ同士で対戦する対戦ゲームであり、
前記不適切プレー検出手段は、前記ゲームステージ中の所定の潜伏位置に所定期間潜伏するプレーを不適切プレーとして検出する潜伏プレー検出手段を有する、
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のネットワークゲームシステム。
【請求項6】
前記不適切プレー検出手段は、前記不適切プレーの検出対象者を現在のゲーム進行状況に応じて変更する対象者変更手段を有し、前記対象者変更手段によって変更された検出対象者による不適切プレーを検出することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のネットワークゲームシステム。
【請求項7】
各プレーヤが参加するゲームステージの選択処理を行うことで、プレーヤのマッチング処理を行うネットワークゲームシステムのサーバであって、
ゲーム実行中に、禁止されていないが不適切なプレーとして予め設定された不適切プレーを行ったプレーヤを検出する不適切プレーヤ検出手段と、
前記不適切プレーヤ検出手段の検出に基づいて、当該検出されたプレーヤに対する次回以降の前記選択処理における選択可能なゲームステージを規制する選択可能ステージ規制手段と、
を備えたサーバ。
【請求項8】
前記選択可能ステージ規制手段は、選択可能なゲームステージを所定種類のゲームステージに限ることで前記規制を行う請求項7に記載のサーバ。
【請求項9】
前記ゲームは、前記ゲームステージ中を移動可能なキャラクタ同士で対戦する対戦ゲームであり、
前記不適切プレーヤ検出手段により不適切プレーを行ったプレーヤとして検出されたプレーヤの累積検出回数に基づいて、当該プレーヤのキャラクタの移動に制限をかける移動制限手段を備える、
ことを特徴とする請求項7又は8に記載のサーバ。
【請求項10】
前記ゲームは、前記ゲームステージ中を移動可能なキャラクタ同士で対戦する対戦ゲームであり、
前記不適切プレーヤ検出手段により不適切プレーを行ったプレーヤとして検出されたプレーヤの累積検出回数に基づいて、当該プレーヤのキャラクタの視界に制限をかける視界制限手段を備える、
ことを特徴とする請求項7〜9の何れか一項に記載のサーバ。
【請求項11】
前記ゲームは、前記ゲームステージ中を移動可能なキャラクタ同士で対戦する対戦ゲームであり、
前記不適切プレーヤ検出手段は、前記ゲームステージ中の所定の潜伏位置に所定期間潜伏するプレーを不適切プレーとして当該不適切プレーを行ったプレーヤを検出する潜伏プレー検出手段を有する、
ことを特徴とする請求項7〜10の何れか一項に記載のサーバ。
【請求項12】
前記不適切プレーヤ検出手段は、前記不適切プレーの検出対象者を現在のゲーム進行状況に応じて変更する対象者変更手段を有し、前記対象者変更手段によって変更された検出対象者を対象として前記不適切プレーを行ったプレーヤを検出することを特徴とする請求項7〜11の何れか一項に記載のサーバ。
【請求項13】
各プレーヤが参加するゲームステージの選択処理を行うことで、プレーヤのマッチング処理を行うサーバと、各プレーヤそれぞれのゲーム端末とが通信接続されたネットワークゲームシステムのサーバであって、
前記各ゲーム端末は、
自ゲーム端末のプレーヤが、禁止されていないが不適切なプレーとして予め設定された不適切プレーを行ったことを検出する不適切プレー検出手段と、
前記不適切プレー検出手段による検出に応じて、前記サーバに不適切プレー検出を通知する検出通知手段と、
を備えており、
前記検出通知手段からの不適切プレー検出の通知に基づいて、当該通知をしたゲーム端末のプレーヤに対する次回以降の前記選択処理における選択可能なゲームステージを規制する選択可能ステージ規制手段を備えたことを特徴とするサーバ。
【請求項14】
前記選択可能ステージ規制手段は、選択可能なゲームステージを所定種類のゲームステージに限ることで前記規制を行う請求項13に記載のサーバ。
【請求項15】
各プレーヤが参加するゲームステージの選択処理を行うことで、プレーヤのマッチング処理を行うサーバと通信接続されたプレーヤが操作入力を行うためのゲーム端末を、
自ゲーム端末のプレーヤが、禁止されていないが不適切なプレーとして予め設定された不適切プレーを行ったことを検出する不適切プレー検出手段、
前記不適切プレー検出手段による検出に応じて、前記サーバに不適切プレー検出を通知する検出通知手段、
として機能させるためのプログラムであって、
前記検出通知手段からの不適切プレー検出の通知に基づき、前記サーバによって当該通知をしたゲーム端末のプレーヤの次回以降の前記選択処理における選択可能なゲームステージの規制が行われるプログラム。
【請求項16】
前記ゲームは、前記ゲームステージ中を移動可能なキャラクタ同士で対戦する対戦ゲームであり、
前記不適切プレー検出手段の検出回数に応じて、自ゲーム端末のプレーヤのキャラクタの移動に制限をかける移動制限手段として前記ゲーム端末を機能させるための請求項15に記載のプログラム。
【請求項17】
前記ゲームは、前記ゲームステージ中を移動可能なキャラクタ同士で対戦する対戦ゲームであり、
前記不適切プレー検出手段の検出回数に応じて、自ゲーム端末のプレーヤのキャラクタの視界に制限をかける視界制限手段として前記ゲーム端末を機能させるための請求項15又は16に記載のプログラム。
【請求項18】
前記ゲームは、前記ゲームステージ中を移動可能なキャラクタ同士で対戦する対戦ゲームであり、
前記不適切プレー検出手段が、前記ゲームステージ中の所定の潜伏位置に所定期間キャラクタを潜伏させるプレーを不適切プレーとして検出する潜伏プレー検出手段を有するように前記ゲーム端末を機能させるための請求項15〜17の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項19】
前記不適切プレー検出手段が、前記不適切プレーの検出対象者を現在のゲーム進行状況に応じて変更する対象者変更手段を有し、自ゲーム端末のプレーヤが前記対象者変更手段によって変更された検出対象者か否かに応じて不適切プレーを検出するように前記ゲーム端末を機能させるための請求項15〜18の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項20】
請求項15〜19の何れか一項に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読取可能な情報記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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