説明

ノード管理システム及びノード管理プログラム

【課題】センサネットとカメラを連係動作させ、互いの短所を補完させることで、信頼性の高い入退場管理機能を提供する。
【解決手段】センサネット100を構成するセンサノード(101〜103)が得た状況変化情報をもとに、他のノードに信号発信指示を与えてからカメラ131からの撮像画像を取得する。また画像処理装置120はノードに発信指示した信号を撮像画像から検知することでそのノードのID及び詳細位置特定する。さらに、データベース174に格納された個人情報を基に、許可されていない行為を検知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線センサネットとカメラとを使用したセンシングシステムと、それを使用した入退場および在席管理システム、及びそれらのシステムを実行するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、入退場管理や異変検知の目的で、所定の位置に設置された監視カメラを画像解析し、個人認証等を実現するシステムがある。また、複数の移動物体の位置を特定するために個々の物体に発光機能等を付加するとともに、その物体を撮影した画像を解析し、物体のIDと位置を特定するシステムがある(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−115010号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多数のセンサノードからの情報を管理することで、その場所の状況を把握・管理する無線センサネットがある。が、無線センサノードが非常に広範囲の空間に分布していたり、天井・床下など機械的接触が困難な位置に配置されている場合は、各センサノードの設置・保守作業の手間を低減することの意味は大きく、無線センサノードは小型・低電力である要請があるためにノード側に複雑な処理を負担させることは好ましくない。よって、個々のセンサノードの詳細位置を特定することが困難である。センサノードと基地局との無線通信の可否や、その通信の際の電波強度を利用する手法の場合、基地局からの大まかな距離や位置関係を推測することしかできない。端末・基地局間において詳細な位置を特定するため、例えば、複数の基地局との無線通信における電波の到達遅延の情報を組み合わせ、三辺測量の原理を適用する手法が一般的であるが、マルチパスの影響で正確な最短距離が得られない等の不都合があり、環境が特定の条件を満たす必要がある。
【0005】
特許文献1では、任意の物体の位置を特定するために、物体固有のパターンで発光する発光部材をその物体に設置し、カメラでその発光パターンを撮影して画像処理することが開示されている。しかし、ユーザが位置情報要求を出すことを契機に撮影が行われるものであり、所定の既知の場所における人物の存在を自動的に検知した上でその人物を自動的に特定するという機能は実現できないという制約がある。
【0006】
一方、入退場管理等の用途で従来からカメラは使われてきたが、周囲環境や人物の外見の変化などに起因する様々な撮影条件の変動が原因で、十分に信頼性が高い解析結果が得られるとは限らないという問題がある。
【0007】
本発明は、センサネットとカメラを連係動作させ、互いの短所を補完させることで、信頼性の高い入退場管理機能を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本願で開示する発明の概要を説明すれば以下の通りである。
カメラと少なくとも1個以上のノードに接続され、上記接続されるノードを管理するノード管理部と、撮像画像を処理する画像処理部と、各部の処理を制御するシーケンス制御部とを有するノード管理システム。ノード管理部が第1の上記ノードで検知された情報が所定の条件を満たす旨検知すると、シーケンス部は上記条件に対応づけられるシーケンスに基いて第2の上記接続されるノードに信号発信開始の指示を出してから、上記カメラで撮像された撮像画像を取得し、画像処理部は上記撮像画像中の上記信号を解析して該ノードのIDを識別し、該撮像画像内の位置とともに該IDを出力する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、個々の無線センサノードの詳細位置を、カメラ画像を基に特定できる。その結果、複数のセンサネット基地局あるいは他のセンサノードとの無線通信を使用することなく、無線のマルチパスによる測距誤差の影響を受けることなく、センサノードの詳細位置を特定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を用いて本願で開示する発明の詳細を説明する。
図1は、本発明の一実施形態のセンサネットシステムの構成を示す図である。
本システムは、オフィスビルなどの不特定多数の人物が往来しうる建物において、特定の部屋へ入退室する人物の存在を検知し、その人物を特定することを目的とする。さらに、その人物に許可されていない行動が実行された場合にはその事実を検知し、必要に応じて検知内容を記録・表示あるいは保安関係者などへ通報することを目的とするシステムの例である。なお、以下の説明では、人物の出入りの対象となる特定の区画を部屋と表記するが、壁などで物理的に区切られている区画に限定されない。対象となる特定の区画へ入る行為を入室、その区画から出る行為を退室と表記する。
【0011】
オフィスビルには、無線センサネット100が1個以上ある。個々の無線センサネット100には、センサネット基地局110が1個以上接続されており、名札型ノード101と、入退室検知ノード102と、離着座検知ノード103の少なくともいずれかが1つ以上接続されている。
【0012】
入退室検知ノード102は、例えばドアに取り付けられたスイッチが接続されたセンサノードであり、ドアの開閉状態の変化を検知することで、人の入退室を検知する。また、例えば足踏みマットの様態のスイッチを入退室検知ノード102としてもよい。離着座検知ノード103は、例えば椅子の座面に取り付けられたスイッチが接続されたセンサノードであり、座面に加えられた荷重の変化を検知することで、人の離着座を検知する。つまり、本実施例においては入退室検知ノード102および離着座検知ノード103は、オフィスビル内の特定の位置または小区域の状態変化を検知するノードである。本実施例においてはこの具体的な例として上記2種類を採用するが、所定の状態変化をセンシングするノードであればシーケンスを開始させる状態変化検知のセンサノードとして本システムに適応可能である。一方、名札型ノード101は、往来する個々の人物が常に携行することを前提としたセンサノードであるため、位置は固定されず携帯者の位置に付随する。その結果、名札型ノード101が直接無線通信できるセンサネット基地局110は、その名札型ノードの持ち主の位置とともに変化する。このように本発明では、大別して位置が固定されている基地局と、ある所定の条件を検知するセンサノードと、人物等とともに移動する可動ノードとでその役割を分担する。そして、所定のルールに従ってそれらの処理を組み合わせることで、信頼性と応答性が高い監視機能を実現できる。なお、通信に関与する全ての装置には固有のIDが割り当てられており、通信の際に送信元のIDを受信先へ伝達できる。尚、シーケンスを開始させる状態変化検知のセンサノードは上記に限らず、予めそのセンシングデータに対して所定の信号発信行うべきノードと監視すべき場所とがシーケンスの中で対応付けられていれば良い。所定の状態変化を検知することが可能であれば、名札型ノードのような可動ノードであってもよい。
【0013】
ここでセンサーノードの物理的構成の一例について図8を用いて説明する。図8Aは本発明の一実施形態の名札型ノード101の正面図である。名札型ノード101の正面には、LED109、太陽電池401、RF基板402及びアンテナ403が設置されている。
【0014】
図8Bは、本発明の一実施形態の名札型ノード101の背面図である。名札型ノード101の背面には、LCD404、操作用スイッチ405、リセットスイッチ406、ブザー407、二次電池408、電源スイッチ409、充電端子410、マイコン411及びセンサ412が設置されている。太陽電池401は、太陽光から電力を取り出すことによって発電する。なお、名札型ノード101は、太陽電池401の代わりに、他の方法で発電する発電装置を備えていてもよい。
【0015】
RF基板402は、無線通信のための回路を搭載する。そして、RF基板402は、アンテナ403を介して、基地局110と無線通信する。LCD404は、各種情報を表示する液晶ディスプレイである。なお、名札型ノード101は、LCD404の代わりに、他のディスプレイを備えていてもよい。
【0016】
操作用スイッチ405は、ユーザによって操作されるスイッチである。ユーザは、操作用スイッチ405を操作することによって、名札型ノード101に各種情報を入力する。リセットスイッチ406は、ユーザによって操作されると、名札型ノード101をリセットする。ブザー407は、所定の条件を満たすと発音する。例えば、ブザー407は、名札型ノード101が、センサネット処理サーバ160から情報を受信すると発音する。これによって、ブザー407は、情報の受信をユーザに通知できる。
【0017】
二次電池408は、名札型ノード101に電力を供給する。二次電池408は、例えばリチウムイオン電池である。リチウムイオン電池は、単位体積あたりの容量が大きく、かつ、充電時のメモリ効果がないので、二次電池408に最適である。電源スイッチ409は、名札型ノード101の電源の入/切を切り替える。充電端子410は、外部の電源に接続されると、二次電池408を充電する。マイコン411は、名札型ノード101の全体を制御する。マイコン411は、例えば5秒という所定の周期で起動し、それ以外のときはスリープ状態となり、電力の消費を抑える。マイコン411は、所定の周期でセンサ412により各種情報を測定し、測定値を自身のIDとともに基地局110へ伝達し、基地局からの指示を受信する。基地局110から伝達された指示がLED点滅開始指示の場合は、マイコン411は所定の点滅パターンでLED109を発光させる。センサ412は、温度、湿度、又は加速度などの各種情報を測定する。全てのセンサネット基地局110は、通信網150に接続している。また、通信網150にはセンサネット処理サーバ160と、アプリクライアント170が接続している。
【0018】
センサネット処理サーバ160は、データベース161、ノード管理部162、シーケンス制御部163を含む計算機である。データベース161には、図10で後述するID通知履歴リスト500や、図11で後述するルールテーブル510が格納されている。ノード管理部162は、名札型ノード101、入退室検知ノード102及び離着座検知ノード103から伝達されたセンシングデータの加工・記録などの処理や、各ノードの位置の管理、とくに各基地局110の配下にある名札型ノード101の増減の監視を実施する。シーケンス制御部163は、システム全体の処理の進行を、ルールテーブル510の内容に従って制御する。
【0019】
アプリクライアント170は、データベース174、顔画像抽出部175、マップ管理部176、権限判定部177を含む計算機である。また、アプリクライアント170は、表示装置171、スピーカ172、入力装置173が接続されており、ユーザーインターフェースの機能を実現する。
【0020】
データベース174には、名札型ノード101のIDに対応する人物名や入室権限情報等を示す人員情報テーブル520(図12)が格納されている。
【0021】
顔画像抽出部175は、静止画像データを解析して、不特定の人物の顔とその近傍の小区画の画像を抽出することができる。以下の説明では、この抽出結果を顔画像と呼ぶ。なお、この抽出結果から、その人物の向きの情報も得られる。すなわち、抽出に成功した場合は正面、抽出に失敗した場合は背面、という情報である。
【0022】
マップ管理部176は、表示装置に表示するフロアマップのデータを管理する。
【0023】
権限判定部177は、図12で後述する人員情報テーブル520に格納された情報を基に、特定の人物による特定の行為に関する権限の有無を判定する。
【0024】
各センサネット基地局が、自身と無線通信可能な名札型ノード101のIDを、センサネット処理サーバ160に逐次伝達することで、名札型ノード101の位置を、センサネット基地局の単位でサーバ160内に保持することが可能である。また、サーバ160からアプリクライアント170へ、名札型ノード101の位置の情報を伝達することで、例えばフロアマップ上の人物アイコンの形式で、表示装置171上に、その名札型ノード101を保持する人物の位置を表示できる。
【0025】
通信網150には、画像処理装置120が接続している。画像処理装置120内には、センサネット処理サーバ160と通信を行うためのセンサネットインターフェース121があり、センサネット基地局110の一種として画像処理装置120を扱うことも可能である。
【0026】
画像処理装置120には、カメラ131と、映像分配器132が接続されている。カメラ131は、チルト・パン・ズーム機能を備える。画像処理装置120は、カメラ131に対して、画角やズーム率を変更するための各種命令を伝達することができ、カメラ131が撮影した映像信号は、映像分配器132で分配され、画像処理装置120と、映像エンコーダ133へ、常時伝達される。
【0027】
映像エンコーダ133に入力された映像信号は、デジタル映像ストリームデータへと圧縮変換され、通信網150を経由してアプリクライアント170へ伝達される。これにより、表示装置171上に、カメラ131が撮影した映像をほぼ遅延無く表示できる。
【0028】
画像処理装置120内には、静止画像生成部123があり、センサネット処理サーバ160から伝達された静止画像生成指示を受信した際に、映像分配器132から入力された映像信号を基に、静止画像データが生成され、アプリクライアント170へ伝達する。前記のデジタル映像ストリームデータは、圧縮変換の過程で画質が劣化する場合が多いが、本機能により本来の画質の静止画像データを生成することができるため、図3で後述するLED認識状態302における顔画像抽出処理に適した入力データを供給できる。
【0029】
また、画像処理装置120内には、LED点滅認識部122があり、映像分配器132から入力された映像内のLED点滅パターンを時系列的に解析し、予め定義されている複数の点滅パターンと比較し、点滅パターンを特定できる。また、名札型ノード101は、LED109を備えており、センサネット基地局110から伝達されるLED点滅開始指示を受信した際に、所定の点滅パターンを発光することができる。この点滅パターンは、名札型ノード101のIDに固有のパターンとして定義されてもよく、必要に応じてセンサネット処理サーバ160が動的に定義した上で名札型ノード101に伝達してもよい。点滅パターンと名札型ノード101のIDとの対応関係は画像処理装置120にも予め記憶されているか、動的にセンサネット処理サーバ160から伝達される。これによって、LED点滅認識部122は、撮影されている名札型ノードのIDを特定できる。なお、LED109は、通常は消灯させ、必要な場合にのみ点滅させる。その結果、常時点滅させる場合と比較して、名札型ノード101の電力消費量を抑え、名札型ノード101の充電をユーザに要求する機会を低減させる効果がある。
【0030】
具体的には、入退室検知ノード102及び離着座検知ノード103は、通常は電源オフあるいはマイコンのスリープ状態となっており、ドアの開閉や離着座をスイッチが検知等予め設定された条件を満たすセンシングがなされた際に電源オンあるいはマイコンの稼働状態へ直ちに移行する。そして、センシングや無線通信などの必要な処理が完了した後、再び電源オフあるいはマイコンのスリープ状態へ戻る。これにより、各ノードの電力消費量を抑え、ノードの充電をユーザに要求する機会を低減させる効果がある。多数のノードを連携させ、空間的に密な情報を収集し有意な情報を得ることは、センサネットにおける大きな利点である。従って、多数存在するセンサノードの充電頻度を低減することは、センサネットシステム全体の運用コストの大幅な削減効果を生む重要な要素であって、各ノードの低電力を図ることのできる本願構成はメリットがある。又、タイマーにより定期的にセンシングし無線通信をする方法に比べ、監視対象の変化が起こることと即時連動してそのセンシングに対応づけられた一連の処理が実行されるためにセンシング情報が基地局へ伝達され処理されるまでの時間が短い。特に、ドアの開閉や離着座など日常的な生活中での利用者の動きを利用者に特定の行為を要求せずに把握することはセンサネットにおける大きな利点である。よって、迅速な処理を行うことは非常に重要である。
【0031】
尚、センサネット処理サーバ160、アプリクライアント170、画像処理装置120は、同一の装置において実現されるものであってもよい。各装置、サーバの各部処理はプログラムをコンピュータが読み込むことで実行されてもよいし、ハードウェアとの協調処理によって実現されるものであっても良い。
【0032】
図2は、本発明の一実施形態のセンサネットシステムを設置した場合の説明図である。
【0033】
本設置例では、オフィスビル内の隣接する部屋A(200A)および部屋B(200B)が、廊下200Hに接している。部屋AはドアA(201A)により、部屋BはドアB(201B)により、廊下200Hとの間で入退室できる。
【0034】
部屋B内には座席Qと座席Rがあり、座席Qは机202Qと椅子203Qにより構成され、座席Rは机202Rと椅子203Rにより構成されている。椅子203Qおよび203Rにはそれぞれ離着座検知ノード103Qおよび103Rが設置され、各椅子に不特定の人間が離着座した事実を検知できる。
【0035】
部屋B内にはカメラ131Bが天井あるいは壁面上部に設置されており、通常は巡回動作により部屋B内全体を周期的に撮影している。カメラ131Bには、予め決められたチルト・パン角であるプリセット情報が複数記憶されている。ズーム率が更に設定されていても良い。それらのうちプリセットPを用いると、図2中の点線220Pで示された方向にカメラ131Bが向くことで、ドアBにより入退室する人物の姿を撮影できる。同様に、プリセットQおよびRを用いると、それぞれ点線220Qおよび220Rの方向にカメラ131Bが向くことで、座席QおよびRの位置にいる人物の姿を撮影できる。
【0036】
ドアBには、入退室検知ノード102Bが設置されており、ドアの開閉を検知して不特定の人間が入退室した事実を検知できる。
【0037】
部屋B内部には、スピーカ172Bが設置されており、アプリクライアント170から出力される音声データを音声として発することができる。また、表示装置171Bと入力装置173Bが机202Rの上に設置されており、ユーザーインターフェースの役割を果たす。更に、部屋B内には基地局110Bが設置されており、その無線通信可能範囲は点線210Bで示された範囲である。部屋B内部の全てのセンサノードと無線通信できるので、無線センサネット100を構成できる。
【0038】
図2の例では、人物J(240J)が、名札型ノード101Jを携行し、ドアBを開けてカメラ131Bの方向を向いている。ドアから入室する際に、入室者を正面から撮影できる位置に、カメラ131Bは設置されている。なお、人物の顔とLED109とを同時に撮影できるような位置にノードは保持される。例えば、名札型ノード101は、首から下げるための紐や、胸ポケットへ固定するためのクリップなどを用いて人物の胸の近辺に保持される。
【0039】
図3は、図2のドアBの入退室検知ノード102Bが入退室を検知した場合の、システム全体の挙動を示すオートマトン図である。
【0040】
定常状態300では、カメラ131Bは予め決められた巡回動作により部屋B全体を周期的に撮影している。入退室検知ノード102Bにより入退室が検知されると、検知した旨が入退室検知ノード102Bから無線センサネット100、センサネット基地局110、通信網150を介してセンサネット処理サーバ160へ伝達される。これを受け、シーケンス制御部163が、ルールテーブル510を検索し、本説明に例示する状態511及び条件512に適合するルール519Aを探し出す。
【0041】
図11は、データベース161に格納されるルールテーブル510の例を示す図である。ルールテーブル510は、シーケンス制御の手順を示すルール519の集合である。本願において一連のトリガーとなりうるセンサーノードからの状態変化検知に対して、処理すべき一連の処理が関連づけられている。各ルールテーブル510は、予め記憶されている。1組のルール519は、状態511、条件512、処理内容513を含む。全体的な構成として、具体的には、所定のノードからの情報検知に対して(例えば519Aの512)、応答して処理を開始すべきノード、その処理内容、又、カメラの撮像角度などの設定情報・処理等が処理内容513が時系列で定義づけられている。シーケンス制御部163は、現在の状態および条件をもとに、対応するルール519をルールテーブル510から検索し、その処理内容513を実行する。処理内容513は、複数の小項目に分かれていてもよい。これらルール519に基づき、図3乃至図7を用いて説明した各処理が実行される。ルール519Aの処理内容513は、入退室時撮影状態301への移行であり、シーケンス制御部163はこれを実行する。このように、シーケンス制御部163が、状況の変化を示す情報を受け、新しい状況に応じた処理を検索・実行することで、システム全体の処理が自動的に進む。すなわち、本発明によれば、センサから入手した情報を単独で、あるいは組み合わせて用いることで、監視者の能動的な操作を必要とすることなく状況を特定することができるため、状況に応じた適切な画角やズーム率をカメラに指定できる。その結果、カメラの死角における情況変化をリアルタイムに察知して迅速にカメラ撮影等の必要なシーケンスを開始することが可能となるので、異変の見逃しや、監視者の思い込みによる誤判断の可能性を抑制できる。
【0042】
なお、以下の説明では、シーケンス制御部163による検索・処理実行に関する記述は省略する。
【0043】
入退室時撮影状態301では、ルール519Bに示すように、まずサーバ160が画像処理装置120を介してカメラ131Bに対し、プリセットPの適用を指示する。また、サーバ160は、アプリクライアント170に対し、入退室検知ノード102Bにより入退室が検知された旨を伝達する。認証中である旨を伝える音声メッセージの発音指示も出してメッセージをスピーカ172から出力してもよい。これらの処理が完了すると、LED認識状態302へ移行する。
【0044】
LED認識状態302では、まずサーバ160から画像処理装置120に対し、静止画像生成指示が伝達され、それを受けて静止画像生成部123は静止画像データを生成し、アプリクライアント170へ伝達する。この静止画像データを基に、顔画像抽出部175が顔画像を抽出する。また、サーバ160は、画像処理装置120に対し、LED点滅パターンの認識を開始するよう指示を伝達すると同時に、入退室が検知されたドアBの近傍に直接無線通信が可能なセンサネット基地局110Bに対し、LED点滅開始の指示を伝達し、それを受けて基地局110Bは、自身の配下にある全ての名札型ノード101に対し、LED点滅開始指示を伝達する。その結果、基地局110B配下の各名札型ノード101は、自身に割り当てられた点滅パターンで、自身が備えるLED109を発光させる。点滅パターンの詳細は、図9で後述する。なお、この時点で、カメラ131BはプリセットPが適用されているため、カメラ131Bが撮影している名札型ノード101は、ドアBの位置にいる入室者240Jが保持しているノード101Jに限定されている。LED点滅認識部122により得られた認識結果は、認識成功または認識失敗という情報の形で、サーバ160へ伝達される。認識が成功した場合は、認識された点滅パターンを示す番号が、前記認識結果に含まれる。認識が成功した場合は、入室権限照合状態303へ移行し、認識が失敗した場合は人向き検知状態308へ移行する。このように、本発明によれば、センサネットによるセンシングとカメラ画像の解析を、様々な形で連携できる。その結果、センサネット単独、あるいは、カメラ画像単独では入手困難な情報を、迅速に提供できる。
【0045】
入室権限照合状態303では、センサネット処理サーバ160が、前記の認識された点滅パターンを示す番号を、名札型ノードID502に変換する。この名札型ノードID502は、サーバ160からアプリクライアント170へ伝達される。それを受け、権限判定部177が、この名札型ノードID502を基に、データベース174内に記憶されている人員情報管理テーブル520を検索し、1組の個人情報529を探し出す。
図12は、データベース174に格納される人員情報テーブル520の例を示す図である。人員情報テーブル520は、個人情報529の集合であり。1組の個人情報529は、一人の人物に対応しており、人物ID521、人物名522、所属523、名札型ノードID502、権限の有無525を含む。権限の有無525は、行為ごとに記されるため、複数存在してもよい。各個人情報529は、予め記憶されている。人物ID521と個々の行為に関する権限の有無525を基に権限判定部177は、入室権限の有無を判定し、その判定結果はサーバ160へ伝達される。この後、入室権限ありの場合は、正常入室処理状態304へ移行し、入室権限なしの場合は、越権入室者対応状態307へ移行する。
【0046】
正常入室処理状態304では、サーバ160は、アプリクライアント170に対し、認証が完了した旨を伝える表示を指示し、それを受けてマップ管理部176は、入室権限照合状態303において検索された個人情報529と顔画像をフロアマップ上に在室者情報として追加し、表示装置171上の表示を更新する。また、サーバ160は、アプリクライアント170に対し、認証が完了した旨を伝える音声メッセージの発音指示を出し、メッセージをスピーカ172から出力してもよい。これらの処理が完了すると、正常入室処理が完了した旨が、アプリクライアント170からサーバ160へ伝達され、入退室時対応完状態305へ移行する。
【0047】
入退室時対応完状態305では、サーバ160は画像処理装置120を介してカメラ131Bに対し、通常の巡回動作を再開するよう指示する。この後、定常状態300へ移行する。
【0048】
越権入室者対応状態307では、サーバ160は、アプリクライアント170に対し、入室権限が無い旨を伝える表示を指示し、それを受けてマップ管理部176が表示装置171上の表示を更新する。サーバ160は、アプリクライアント170に対し、入室権限が無い旨を伝える音声メッセージの発音指示を出し、メッセージをスピーカ172から出力してもよい。越権入室者対応状態307の後、不審者対応状態310へ移行する。
【0049】
人向き検知状態308では、サーバ160からアプリクライアント170に対し、人向き検知処理が指示される。アプリクライアント170は、LED認識状態302における顔画像抽出の結果得られている人物の向きの情報を基に、人物が入室方向に向いているか、退室方向に向いているかを判定し、結果をサーバ160へ伝達する。入室方向の場合は名札無効者対応状態309へ移行し、退室方向の場合は正常退室処理状態312へ移行する。
【0050】
名札無効者対応状態309では、サーバ160は、アプリクライアント170に対し、名札が無効である旨を伝える表示を指示し、それを受けてマップ管理部176が表示装置171上の表示を更新する。サーバ160は、アプリクライアント170に対し、名札が無効である旨を伝える音声メッセージの発音指示を出し、メッセージをスピーカ172から出力してもよい。名札無効者対応状態309の後、不審者対応状態310へ移行する。
【0051】
不審者対応状態310では、サーバ160は、アプリクライアント170に対し、不審者警告出力を指示する。それを受けてアプリクライアント170は、不審者が入室している旨の音声メッセージをスピーカ172から出力開始するとともに、LED認識状態302において得られている顔画像ならびに警告メッセージを、表示装置171上に表示する。入力装置173上で特定のキーを押下するなど、ユーザが解除操作を行った場合は、解除操作が行われた旨がアプリクライアント170からサーバ160へ伝達され、不審者対応完状態311へ移行する。
【0052】
不審者対応完状態311では、サーバ160は、アプリクライアント170に対し、不審者警告出力解除を指示する。それを受けてアプリクライアント170は、不審者対応状態310で発生開始された音声メッセージの出力を停止し、通常のフロアマップを表示装置171上に表示する。これらの処理が終了した後、不審者対応が完了した旨がアプリクライアント170からサーバ160に伝達され、入退室時対応完状態305へ移行する。
【0053】
正常退室処理状態312では、サーバ160は、アプリクライアント170に対し、正常な退室が行われた旨を伝える表示を指示し、それを受けてマップ管理部176が表示装置171上の表示を更新する。サーバ160は、アプリクライアント170に対し、正常な退室が行われた旨を伝える音声メッセージの発音指示を出し、メッセージをスピーカ172から出力してもよい。正常退室処理が完了した旨が、アプリクライアント170からサーバ160へ伝達され、入退室時対応完状態305へ移行する。
【0054】
図4は、図2の座席Qまたは座席Rの離着座検知ノード103が着座を検知した場合の、システム全体の挙動を示すオートマトン図である。以下の説明では、座席Qの場合を示す。
【0055】
定常状態300で離着座検知ノード103Qにより着座が検知されると、検知した旨が入退室検知ノード102Bからセンサネット処理サーバ160へ伝達され、着座時撮影状態321へ移行する。
【0056】
着座時撮影状態321では、サーバ160が、画像処理装置120を介してカメラ131Bに対し、プリセットQの適用を指示する。また、サーバ160は、アプリクライアント170に対し、座席Qが着座状態になった旨を伝達する。それを受けて、マップ管理部176は、フロアマップ上の座席Qの位置にある離着座状態を表すアイコンを着座状態に変更し、表示装置171上の表示を更新する。入力装置173上で特定のキーを押下するなど、ユーザが解除操作を行った場合は、解除操作が行われた旨がアプリクライアント170からサーバ160へ伝達され、着座時撮影完状態322へ移行する。
【0057】
着座時撮影完状態322では、サーバ160は画像処理装置120を介してカメラ131Bに対し、通常の巡回動作を再開するよう指示する。この後、定常状態300へ移行する。
【0058】
以上、着座が検知された場合の具体的なシーケンスを例示したが、図3で説明した入退室検知の場合と同様に、着座時撮影状態321以降において、LEDの点滅並びにそのパターンの画像解析処理を実施して、着座した人物を特定し、表示装置171上に表示したり、着座行為に関する権限の判定を行い必要に応じて警告を発してもよい。
【0059】
図5は、図2の座席Qまたは座席Rの離着座検知ノード103が離座を検知した場合の、システム全体の挙動を示すオートマトン図である。以下の説明では、座席Qの場合を示す。
【0060】
定常状態300で離着座検知ノード103Qにより離座が検知されると、検知した旨が入退室検知ノード102Bからセンサネット処理サーバ160へ伝達され、離座時対応状態331へ移行する。
【0061】
離座時対応状態331では、サーバ160が、アプリクライアント170に対し、座席Qが離座状態になった旨を伝達する。それを受けて、マップ管理部176は、フロアマップ上の座席Qの位置にある離着座状態を表すアイコンを離座状態に変更し、表示装置171上の表示を更新する。これらの処理が終了した後、離座時対応が完了した旨がアプリクライアント170からサーバ160に伝達され、この後、定常状態300へ移行する。
図6は、図2の点線210Bで示された無線通信可能範囲にある名札型ノード101が、定期的に自身のIDをセンサネット基地局110Bへ伝達することで、基地局110Bの配下にあることを通知した場合の、システム全体の挙動を示すオートマトン図である。以下の説明では、人物J(240J)が保持する名札型ノード101Jの場合を示す。
なお、名札型ノード101は、携行者の移動に伴い、直接無線通信可能な基地局が変化するため、ノード管理部162は、各名札型ノードとの通信経路となりうる基地局110のIDを、動的な情報として管理する必要がある。その経路情報を更新する目的で、各名札型ノード101は、自身のIDを基地局110へ伝達することを定期的に試みる。名札型ノード101Jは、定期的に基地局110との通信を試みる。例えば最後に成功した通信相手が基地局110Bである場合は、同じ基地局110Bとの通信を試み、仮にそれが失敗した場合は、他の任意の基地局との通信を試みる。いずれかの基地局との通信が成功した場合、その通信内容には、名札型ノードのIDが含まれている。本説明の例では、この通信を基地局110Bが受信し、名札型ノード101JのIDが、基地局110Bからセンサネット処理サーバ160へ伝達され、ノードID通知状態341へ移行する。
【0062】
ノードID通知状態341では、伝達されたIDと現在時刻を基に、ノード管理部162が新たなID通知記録509を生成し、データベース161内のID通知履歴リスト500に追加する。この後、定常状態300へ移行する。図10は、データベース161に格納されるID通知履歴リスト500の例を示す図である。ID通知履歴リスト500は、ID通知記録509の集合であり、1組のID通知記録509は、時刻501、名札型ノードID502、基地局ID503を含む。ID通知記録509は、ノードID通知状態341でノード管理部162が生成する(図6)。
【0063】
図7は、図2に示すオフィスビルにおいて、各基地局の配下にある名札型ノード101のIDを集計するために定期的に実行される処理を示すオートマトン図である。本処理は、ノードID通知状態341で記録されたID通知記録509を参照し、基地局110と名札型ノード101との直接通信の可否の変化を検知することを目的としている。この変化を利用すると、各名札型ノード101の携行者の大まかな位置、すなわち基地局の無線通信可能範囲単位の位置の変化を検知することができる。その結果、例えばオフィスビル内の他の階や、ビルの外部へ携行者が移動した事実を、フロアマップへ表示することもでき、人員所在管理上の利点である。
【0064】
センサネット処理サーバ160には、例えば10秒間隔のように、定期的に信号を発するタイマーが内蔵されており、その信号をきっかけに、ノードID集計状態351へ移行する。
【0065】
ノードID集計状態351では、ノード管理部162がID通知履歴リスト500を参照し、各名札型ノード101に関して、それを配下に置いている基地局110を特定する。前回のノードID集計状態において得られた同様の情報を今回の情報と比較し、変化があった場合は移動ノード対応状態352へ移行し、変化がない場合は定常状態300へ移行する。
【0066】
移動ノード対応状態352では、変化があった名札型ノード101のIDと、それに対応する基地局110のIDとを、サーバ160がアプリクライアント170へ伝達する。それを受けてマップ管理部176はフロアマップ上の名札型ノード101の位置を表すアイコンを変更し、表示装置171上の表示を更新する。これらの処理が終了した後、移動ノード対応が完了した旨がアプリクライアント170からサーバ160に伝達され、この後、定常状態300へ移行する。
【0067】
なお、ノードID通知状態341の処理が終了した後に、定常状態300の代わりにノードID集計状態351へ移行してもよい。ただし、全ての基地局が、全く名札型ノードと無線通信できなくなった場合、すなわち、ビル内の全ての従業員が帰宅したような場合、その事実を検知するきっかけは、ノードID通知状態341に期待できないため、上記のタイマーが発する信号等が併用されることが望ましい。
【0068】
図9は、本発明の一実施形態のセンサネットシステムのLEDの点滅パターンを示すタイミングチャートである。図9の例では、4種類の点滅パターンが定義されている。点滅パターンは、カメラ131が撮影する映像を解析することで、点滅パターンを示す番号へと復号されるので、点灯が維持される時間、および消灯が維持される時間は、カメラがフレーム単位で撮影する間隔を下回らない。点滅パターンは、点灯消灯の2値構成に限定されず、多段階の輝度の違いや、発光色の違い、発光点の個数、発光素子の形状や、それらを組合せたものでもよい。
【0069】
点滅パターンは、名札型ノード101のIDに固定されたものでもよい。この方法では、サーバ160から基地局110を介して各名札ノードに伝達されるLED点滅開始指示は、点滅パターンを示す情報を含まないので、伝達に要する時間が短時間である。また、サーバ160が個々の名札ノード101のための点滅パターンを割り当てる処理が省略できる。
【0070】
又、点滅パターンは、名札型ノード101のIDとは無関係に、サーバ160が動的に割り当ててもよい。図9Bは、サーバ160が点滅パターンを動的に割り当てる場合の一例を示すタイミングチャートである。予め点滅パターンが4種類定義されていて、センサネット基地局110が2個と名札型ノード101が8個ある。ノードA〜Gは、基地局Bの配下にあり、ノードHは基地局Aの配下にある、この事実は図6及び7のシーケンスによってノード管理部162で把握している。図2において、ドアB(201B)の近傍では基地局B(110B)とのみ無線通信可能である。ドアBを通って部屋Bへ入室中の名札型ノード101を特定することを目的とする。サーバ160は、まず4種類の点滅パターンを、基地局Bの配下にあるノードA〜Gに割り当てた上で、点滅開始指示を伝達する(601)。この際に、各パターンに対応するノード個数に偏りが生じないように割り当て、IDとそれに対応する点滅パターンとをノードに指示する。この割り当てに従って各名札型ノード101が点滅し(602)、その結果カメラ131による認識結果が点滅パターン2であるならば、カメラ131が撮影した名札型ノード101は、図9B中のノードBあるいはノードFであることが特定される。次に、ノードBおよびFのみについて、再びサーバ160が異なる点滅パターンを割り当てた上で、点滅開始指示を伝達する(603)。これに従って点滅が実行され(604)、カメラ131による認識結果が得られれば、最終的に1個の名札型ノード101を特定することができる。この方法では、割り当て・点滅・認識の処理を必要な回数繰り返すことで、予め定義された点滅パターン数を上回る個数の名札型ノード101の中から、撮影対象である1個を特定することができる。
【0071】
この方法では、予め定義すべきパターンの種類数が少なくて済むので、一回の発光・認識処理の所要時間が短い。また、候補から外れたノードはそれ以降点滅させる必要がなくなるので、名札型ノードのLED発光に伴う不必要な電力消費を抑制できる。とくに、オフィスビルの従業員数すなわち名札型ノードの総数が多い場合には、IDに点滅パターンが固定された場合に比べ、リアルタイム性や消費電力の面で有利である。したがって、利用条件に応じて、2つの方法を適切に選択するとよい。更に、ステップ601において、点滅パターンを割り当てる名札型ノード101を、基地局Bの配下にある7個のノードに限定しているが、このように、基地局との無線通信の可否の情報を用いて、候補となる名札型ノード101の個数を少なくすると、LED点滅認識により1個のノードを特定するための所要時間を短縮することができる。また、例えば、ドアB(210B)の近傍では基地局A(110A)と無線通信が不可能であることを利用して、基地局B(110B)の配下にある名札型ノード101のうち、基地局A(110A)とも無線通信可能なノードを、予め除外することで、さらに候補となる名札型ノード101の個数を少なくしてもよい。さらに、例えば、過去に部屋Bへの入室が終了し、退室が検知されていない名札型ノードを除外してもよい。
【0072】
以上の図2及び図3を用いた説明において、ドアB(201B)を通過する人物を、名札型ノード101のLED109とチルト・パン・ズーム機能が付いたカメラ131Bとの組合せで特定する方法について述べたが、カメラ131は姿勢角やズーム率が固定されたカメラであってもよい。例えば、魚眼レンズなどを登載したカメラをカメラ131Bとして用いれば、常に部屋全体を撮影することができる。その場合、ドアB近傍以外の名札型ノード101がLED点滅した事実も、LED認識状態302において、カメラ131Bによって撮影される可能性があるので、点滅パターン解析処理だけでは、ドアB近傍の名札型ノード101のIDを特定することはできない。しかし、画像処理の過程でLEDの画面内での位置を特定することにより、そのLEDの部屋内の位置を算出することができる。 図9A及び図9Bを用いた説明において、LED109の点滅パターンを時系列的に解析することで、点滅パターンの番号を特定することによって、名札型ノード101を特定する方法について述べたが、割り当てる点滅パターンとしてLEDが発光するべき時刻の範囲すなわちタイムスロットをサーバ160が各名札型ノードに割り当ることもできる。この場合には、カメラ131でLED発光が検知された時刻を基に、名札型ノードを特定してもよい。この方法を用いれば、名札型ノードは複雑なパターンによる点滅処理を省略でき、点灯から消灯までの間に他の処理に専念することも可能となる。
【0073】
また、本実施の形態では、名札型ノード101の詳細位置を特定するために、LEDの発光を利用しているが、赤外線等の可視光以外の光線や、例えば光源を持たないLCDの表示パターンのように、画像処理によって信号を解析することができる他の原理を用いた装置を使用してもよい。
【0074】
更に、上記実施例においては、シーケンスを開始するノードとそれを契機に信号発信を開始するノードは異なるものであった。が、シーケンス開始のきっかけを検知するノードとそれを契機に信号発信を開始するノードが同一であってもよい。例えば、ドアに設置するような、位置がほぼ固定されるセンサノードに名札型ノードと同様のLEDのような信号発信機能を備えていてもよい。この場合ノードは取り付けがなされたことを検知する機構を有し、設置されるとその設置された事実を基地局に伝え、該通知を踏まえてセンサ処理サーバ160は例えば基地局内ノードに発光命令を出して予め設定されているノード設置予定箇所の撮像画像を取得する。これによって設置されたノードのIDと位置を自動的に対応づけて記録することが可能になる。こうしたシーケンスを例えば設置時の処理を示すルール519としてデータベース160に予め記述することで、そのセンサノードの設置作業の際に設置位置を特定できるので、それ以降の保守作業の利便性を高めることができる。
【0075】
本発明は、事務所、作業所、学校、病院、展示会場、講演会場、博物館、交通機関、管理区域などの、不特定多数の人物の往来の機会がある場所における監視・認証システムとして利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の一実施形態におけるセンサネットシステムの構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態におけるセンサネットシステムを設置した場合の説明図である。
【図3】本発明の一実施形態における入退室が検知された場合のオートマトン図である。
【図4】本発明の一実施形態における着座が検知された場合のオートマトン図である。
【図5】本発明の一実施形態における離座が検知された場合のオートマトン図である。
【図6】本発明の一実施形態における名札型ノードID通知処理のオートマトン図である。
【図7】本発明の一実施形態におけるID集計処理のオートマトン図である。
【図8A】本発明の一実施形態におけるの名札型ノードの正面図である。
【図8B】本発明の一実施形態におけるの名札型ノードの背面図である。
【図9A】本発明の一実施形態におけるLED点滅パターンのタイミングチャートである。
【図9B】本発明の一実施形態における名札型ノードIDを特定する処理の説明図である。
【図10】本発明の一実施形態におけるID通知履歴リストの説明図である。
【図11】本発明の一実施形態におけるルールテーブルの説明図である。
【図12】本発明の一実施形態における人員情報テーブルの説明図である。
【符号の説明】
【0077】
100…無線センサネット
101、101J…名札型ノード
102、102B…入退室検知ノード
103、103Q、103R…離着座検知ノード
109…LED
110、110A、110B…センサネット基地局
120…画像処理装置
121…センサネットインターフェース
122…LED点滅認識部
123…静止画像生成部
131、131B…カメラ
132…映像分配器
133…映像エンコーダ
150…通信網
160…サーバ
161…データベース
162…ノード管理部
163…シーケンス制御部
170…アプリクライアント
171、171B…表示装置
172、172B…スピーカ
173、173B…入力装置
174…データベース
175…顔画像抽出部
176…マップ管理部
177…権限判定部
200A、200B…部屋
200H…廊下
201A、201B…ドア
202Q、202R…机
203Q、203R…椅子
210A、210B…無線通信可能範囲
220P、220Q、220R…プリセット撮影方向
240J…人物
300…定常状態
301…入退室時撮影状態
302…LED認識状態
303…入室権限照合状態
304…正常入室処理状態
305…入退室時対応完状態
307…越権入室者対応状態
308…人向き検知状態
309…名札無効者対応状態
310…不審者対応状態
311…不審者対応完状態
312…正常退室処理状態
321…着座時撮影状態
322…着座時撮影完状態
331…離座時対応状態
341…ノードID通知状態
351…ノードID集計状態
352…移動ノード対応状態
401…太陽電池
402…RF基板
403…アンテナ
404…LCD
405…操作用スイッチ
406…リセットスイッチ
407…ブザー
408…二次電池
409…電源スイッチ
410…充電端子
411…マイコン
412…センサ
500…ID通知履歴リスト
501…時刻
502…名札型ノードID
503…基地局ID
509…ID通知記録
510…ルールテーブル
511…状態
512…条件
513…処理内容
519、519A、519B…ルール
520…人員情報管理テーブル
521…人物ID
522…人物名
523…所属
525…権限の有無
529…個人情報
601、603…パターン割り当て及び点滅開始指示
602、604…点滅。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラと少なくとも1個以上のノードに接続され、
上記接続されるノードを管理するノード管理部と、
上記カメラを介して取得された撮像画像を処理する画像処理部と、
上記各部の処理を制御するシーケンス制御部とを有し、
上記ノード管理部が上記ノードで検知された情報が所定の条件を満たす旨検知すると、
上記シーケンス部は上記条件に対応づけられるシーケンスに基いて上記ノード又は他の第2の上記接続されるノードに信号発信開始の指示を出してから、上記カメラで撮像された撮像画像を取得し、
上記画像処理部は上記撮像画像中の上記信号を解析して該ノードのIDを識別し、該撮像画像内の位置とともに該IDを出力することを特徴とするノード管理システム。
【請求項2】
上記第2のノードは人物に付されていることを特徴とする請求項1記載のノード管理システム。
【請求項3】
上記シーケンス部は上記シーケンスに基いて上記カメラの撮像方向を該条件に対応づけられる所定の方向に回転制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のノード管理システム。
【請求項4】
上記第1のノードで検知される情報は該ノードのセンサによるドア開の検知であって、上記カメラの撮像方向は該ドアの方向であることを特徴とする請求項2記載のノード管理システム。
【請求項5】
利用者の入室権限含む個人情報に基いて権限判定を行う権限部を有し、
上記権限判定部は上記識別されたノードIDに対応付けられる人物の該検知された条件についての権限があるかを判定し、
上記権限ないと判断した場合にはその旨を表示画面に出力することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のノード管理システム。
【請求項6】
上記画像処理部が上記ノードのID識別に失敗した場合には、上記撮像画像から顔画像を抽出して入室退室の何れを行っているか判定し、
上記入室である場合にはID識別できないものの存在を表示画面に出力することを特徴とする請求項4又は5に記載のノード管理システム。
【請求項7】
上記信号は上記ノード固有の発光パターンであることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のノード管理サーバ。
【請求項8】
上記信号発信開始の指示は接続される上記ノードそれぞれに固有のパターンを割り当てるものであって、
上記画像処理部は該撮像画像から解析されたパターンと上記割り当てたパターンとを比較することで上記IDを出力することを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載のノード管理システム。
【請求項9】
接続される第1の上記ノードで検知されたセンシングデータを受信し、
該受信したセンシングデータが所定の条件を満たすか判定し、
該条件を満たす場合には、該条件に対応付けられるシーケンスに検索し、
該検索されたシーケンスに定義される第2のノードに信号出力開始指示、及び、接続される撮像部からの映像を取得し、
該映像を解析して上記信号出力開始指示に従って出力される信号を検知し、
該信号に基いて該信号を出力する第2のノードのID及びその位置を検知し、出力するノード管理プログラム。
【請求項10】
上記信号は発光パターンであることを特徴とする請求項9記載のノード管理プログラム。
【請求項11】
接続される撮像部からの映像を取得前に、該撮像部に上記検索されたシーケンスに基いた撮像方向設定指示を出すことを特徴とする請求項9又は10に記載のノード管理プログラム。
【請求項12】
上記ID特定に失敗した場合には、上記撮像部からの映像を解析して該第のノードを有する利用者の顔画像を解析することを特徴とする請求項9乃至11の何れかに記載のノード管理プログラム。
【請求項13】
表示部に上記撮像部の撮像する領域の地図を表示し、該地図に重畳して上記出力された位置に上記第2のノードの存在を表示することを特徴とする請求項9乃至12の何れかに記載のノード管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−122528(P2007−122528A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−315624(P2005−315624)
【出願日】平成17年10月31日(2005.10.31)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】