説明

ハイブリッド建設機械の制御装置

【課題】第1,2メインポンプMP1,MP2のスタンバイ流量を利用して発電し、スタンバイ流量をエネルギーに変換する。
【解決手段】
パイロット流路11,22は上記開閉弁10,21の上流側に接続し、第1,2メインポンプMP1,MP2がスタンバイ流量を確保しているとき上記開閉弁10,21が閉じるとともに、コントローラCは、第1,2圧力センサー13,24からの圧力信号に基づいて第1,2メインポンプMP1,MP2がスタンバイ流量を吐出していることを判定するとともに、上記第1,2電磁弁58,59を開位置にする

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電動モータを駆動源として利用するハイブリッド建設機械の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パワーショベル等の建設機械におけるハイブリッド構造は、例えば、エンジンの余剰出力で発電機を回転して発電し、その電力をバッテリーに蓄電するとともに、そのバッテリーの電力で電動モータを駆動してアクチュエータを作動させるようにしている。また、アクチュエータの排出エネルギーで発電機を回転して発電し、同じくその電力をバッテリーに蓄電するとともに、そのバッテリーの電力で電動モータを駆動してアクチュエータを作動させるようにしている。
また、パワーショベルなどでは、作業機系のアクチュエータを停止しているときでも、エンジンを回転させたままの状態を保つ。このようなときにはエンジンとともにポンプも回転するので、当該ポンプは、いわゆるスタンバイ流量を吐出することになる。
【特許文献1】特開2002−275945号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記した従来の制御装置では、作業機系のアクチュエータを停止しているときにポンプから吐出されるいわゆるスタンバイ流量は、タンクに戻されるだけなので、そのほとんどがエネルギーロスになるという問題があった。
この発明の目的は、メインポンプのスタンバイ流量を利用して発電機能を発揮させるようにしてエネルギーの回生を図ったハイブリッド建設機械の制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の発明は、可変容量型のメインポンプと、このメインポンプに接続するとともに複数の操作弁を設けてなる回路系統と、この回路系統に設けた操作弁のすべてが中立位置を保っているときメインポンプの吐出油をタンクに導く中立流路と、最下流に位置する操作弁のさらに下流側における上記中立流路に設けたパイロット圧発生用の絞りと、上記最下流の操作弁と絞りとの間に発生する圧力を導くパイロット流路と、このパイロット流路に接続するとともにメインポンプの傾転角を制御するレギュレータと、上記パイロット流路の圧力を検出する圧力センサーとを備えた建設機械の制御装置において、最下流の操作弁とパイロット圧発生用の絞りとの間における中立流路に設け、通常は開位置を保ちパイロット流路のパイロット圧が設定圧以上になってメインポンプがスタンバイ流量を確保したときに閉位置に切り換る開閉弁と、メインポンプの吐出側に接続した可変容量型のサブポンプと、このサブポンプを回転させるための電動モータと、この電動モータを回転させるアシスト油圧モータと、メインポンプとアシスト油圧モータとの接続過程に設けるとともに開閉動作する電磁弁と、コントローラとを備えている。そして、上記パイロット流路は上記開閉弁の上流側に接続し、コントローラは圧力センサーからの圧力信号に基づいて、メインポンプがスタンバイ流量を吐出していると判定したときに、上記開閉弁を閉じるとともに、上記電磁弁を開位置にするものである。
【0005】
第2の発明は、上記メインポンプと電磁弁とはスタンバイ流路を介して接続するとともに、メインポンプと最上流に位置する操作弁との接続過程に、上記スタンバイ流路を接続している。
第3の発明は、上記サブポンプ、アシスト油圧モータ及び電動モータを同軸回転する構成にするとともに、電動モータに発電機としての機能を持たせたものである。
第4の発明は、上記アシスト油圧モータにアクチュエータの排出油や供給油を導入する構成にしたものである。
【発明の効果】
【0006】
第1の発明によれば、従来、無駄に排出されていたスタンバイ流量を発電エネルギーとして回生できるので、省エネルギーを達成することができる。
第2の発明によれば、スタンバイ流路に導く流体の圧力損失を少なくすることができる。
第3の発明によれば、電動モータは発電機兼用としたので、全体の構成を簡略化できる。
第4の発明によれば、アクチュエータの排出油や供給油の一部をアシスト油圧モータに導入できるようにしたので、アクチュエータが作動している場合にも、発電機能を発揮させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1に示した第1実施形態は、パワーショベルの制御装置で、エンジンEで駆動する可変容量型の第1,2メインポンプMP1,MP2を備えているが、これら第1,2メインポンプMP1、MP2は同軸回転するものである。なお、図中符号1はエンジンEに設けたジェネレータで、エンジンEの余力を利用して発電機能を発揮するものである。
上記第1メインポンプMP1は第1回路系統S1に接続しているが、この第1回路系統S1は、その上流側から順に、旋回モータRMを制御する操作弁2、図示していないアームシリンダを制御する操作弁3、ブームシリンダBCを制御するブーム2速用の操作弁4、図示していない予備用アタッチメントを制御する操作弁5および図示していない左走行用である第1走行用モータを制御する操作弁6を接続している。
【0008】
上記各操作弁2〜6のそれぞれは、中立流路7およびパラレル通路8を介して第1メインポンプMP1に接続している。
上記中立流路7であって、第1走行モータ用操作弁6の下流側にはパイロット圧を発生させるための絞り9を設けている。この絞り9はそこを流れる流量が多ければ、その上流側に高いパイロット圧を生成し、その流量が少なければ低いパイロット圧を生成するものである。
また、上記中立流路7は、上記操作弁2〜6のすべてが中立位置もしくは中立位置近傍にあるとき、第1メインポンプMP1から吐出された油の全部または一部をタンクに導くが、このときには絞り9を通過する流量も多くなるので、上記したように高いパイロット圧が生成される。
【0009】
一方、上記操作弁2〜6がフルストロークの状態で切り換えられると、中立流路7が閉ざされて流体の流通がなくなる。したがって、この場合には、絞り9を流れる流量がほとんどなくなり、パイロット圧はゼロを保つことになる。
ただし、操作弁2〜6の操作量によっては、ポンプ吐出量の一部がアクチュエータに導かれ、一部が中立流路7からタンクに導かれることになるので、絞り9は、中立流路7に流れる流量に応じたパイロット圧を生成する。言い換えると、絞り9は、操作弁2〜6の操作量に応じたパイロット圧を生成することになる。
【0010】
上記のようにした中立流路7であって、最下流の操作弁6と上記絞り9との間には、開閉弁10を設けているが、この開閉弁10はそのソレノイド10aをコントローラCに接続している。言い換えると、開閉弁10はコントローラCの指令にともづいて開閉動作するものである。そして、開閉弁10がノーマル位置にあるとき、スプリング10bのバネ力で全開状態を保ち、ソレノイド10aが励磁したときスプリング10bのバネ力に抗して切り換り、閉状態を保つ。
また、上記中立流路7であって、操作弁6と開閉弁10との間にはパイロット流路11を接続しているが、このパイロット流路11は、第1メインポンプMP1の傾転角を制御するレギュレータ12に接続している。
【0011】
上記レギュレータ12は、パイロット圧と逆比例して第1メインポンプMP1の吐出量を制御する。したがって、操作弁2〜6をフルストロークして中立流路7の流れがゼロになってパイロット圧がゼロになったときに第1メインポンプMP1の吐出量が最大に保たれる。
上記のようにしたパイロット流路11には第1圧力センサー13を接続するとともに、この第1圧力センサー13で検出した圧力信号をコントローラCに伝達するようにしている。そして、パイロット流路11のパイロット圧は、操作弁の操作量に応じて変化するので、第1圧力センサー13が検出する圧力信号は、第1回路系統S1の要求流量に比例することになる。
【0012】
また、第1圧力センサー13の圧力信号が設定圧に達したら、コントローラCは、上記ソレノイド10aを励磁して開閉弁10を閉位置に切り換える。このように開閉弁10を閉位置に切り換えるタイミングは、操作弁2〜6をほとんど中立位置に保って絞り9の上流側の圧力が設定圧にまで上昇したときで、コントローラCは、この設定圧を予め記憶している。開閉弁10が上記のように閉位置に切り換ったときにも、パイロット流路11の圧力がレギュレータ12に作用して第1メインポンプMP1を必要な傾転角に保ち、当該ポンプMP1にスタンバイ流量を確保させる。
さらに、操作弁2〜6のいずれかを切り換えると、圧力センサー13の信号圧が低下する。そして、上記信号圧が予め設定された圧力に低下したとき、コントローラCは、ソレノイド10aを非励磁にし、開閉弁10をスプリング10bのバネ力で開位置に復帰させるとともに、電磁弁58を非励磁にして、通路55,57を遮断する。
【0013】
一方、上記第2メインポンプMP2は第2回路系統S2に接続しているが、この第2回路系統S2は、その上流側から順に、図示していない右走行用である第2走行用モータを制御する操作弁14、図示していないバケットシリンダを制御する操作弁15、ブームシリンダBCを制御する操作弁16および図示していないアームシリンダを制御するアーム2速用の操作弁17を接続している。なお、上記操作弁16には、その操作方向および操作量を検出するセンサーを設けるとともに、その操作信号をコントローラCに伝達するようにしている。
【0014】
上記各操作弁14〜17は、中立流路18を介して第2メインポンプMP2に接続するとともに、操作弁15および操作弁16はパラレル通路19を介して第2メインポンプMP2に接続している。
上記中立流路18であって、操作弁17の下流側には絞り20を設けているが、この絞り20は、第1回路系統S1の絞り9と全く同様に機能するものである。
そして、上記中立流路18であって、最下流の操作弁17と上記絞り20との間には、開閉弁21を設けているが、この開閉弁21も第1回路系統S1の開閉弁10と同じ構成にしている。すなわち、開閉弁21はそのソレノイド21aをコントローラCに接続し、開閉弁21はコントローラCの指令にともづいて開閉動作するようにしている。そして、開閉弁21がノーマル位置にあるとき、スプリング21bのバネ力で全開状態を保ち、ソレノイド21aが励磁したときスプリング21bのバネ力に抗して切り換り、閉状態を保つ。
【0015】
また、上記中立流路18であって、操作弁17と開閉弁21との間にはパイロット流路22を接続しているが、このパイロット流路22は、第2メインポンプMP2の傾転角を制御するレギュレータ23に接続している。
上記レギュレータ23は、パイロット圧と逆比例して第2メインポンプMP2の吐出量を制御する。したがって、操作弁14〜17をフルストロークして中立流路18の流れがゼロになってパイロット圧がゼロになったときに第2メインポンプMP2の吐出量が最大に保たれる。
上記のようにしたパイロット流路22には第2圧力センサー24を接続するとともに、この第2圧力センサー24で検出した圧力信号をコントローラCに伝達するようにしている。そして、パイロット流路22のパイロット圧は、操作弁の操作量に応じて変化するので、第2圧力センサー24が検出する圧力信号は、第2回路系統S2の要求流量に比例することになる。
【0016】
また、第2圧力センサー24の圧力信号が設定圧に達したら、コントローラCは、上記ソレノイド21aを励磁して開閉弁21を閉位置に切り換える。このように開閉弁21を閉位置に切り換えるタイミングは、操作弁14〜17をほとんど中立位置に保って絞り20の上流側の圧力が設定圧にまで上昇したときで、コントローラCは、この設定圧を予め記憶している。開閉弁21が上記のように閉位置に切り換ると、そのときのパイロット流路22の圧力がレギュレータ23に作用して第2メインポンプMP2を必要な傾転角に保ち、当該ポンプMP2にスタンバイ流量を確保させる。
さらに、操作弁14〜17のいずれかを切り換えると、圧力センサー24の信号圧が低下する。そして、上記信号圧が予め設定された圧力に低下したとき、コントローラCは、ソレノイド21aを非励磁にし、開閉弁21をスプリング21bのバネ力で開位置に復帰させるとともに、電磁弁59を非励磁にして、通路56,57を遮断する。
【0017】
なお、上記エンジンEに設けたジェネレータ1はバッテリーチャージャー25に接続し、ジェネレータ1が発電した電力は、バッテリーチャージャー25を介してバッテリー26に充電される。
また、上記バッテリーチャージャー25は、通常の家庭用の電源27に接続した場合にも、バッテリー26に電力を充電できるようにしている。つまり、このバッテリーチャージャー25は、当該装置とは別の独立系電源にも接続可能にしたものである。
【0018】
一方、第1回路系統S1に接続した旋回モータ用の操作弁2のアクチュエータポートには、旋回モータRMに連通する通路28,29を接続するとともに、両通路28,29,のそれぞれにはブレーキ弁30,31を接続している。そして、旋回モータ用の操作弁2を中立位置に保っているときには、上記アクチュエータポートが閉じられて旋回モータRMは停止状態を維持する。
上記の状態から旋回モータ用の操作弁2をいずれか一方の方向に切り換えると、一方の通路28が第1メインポンプMP1に接続され、他方の通路29がタンクに連通する。したがって、通路28から圧油が供給されて旋回モータRMが回転するとともに、旋回モータRMからの戻り油が通路29を介してタンクに戻される。
旋回モータ用の操作弁2を上記とは反対方向に切り換えると、今度は、通路29にポンプ吐出油が供給され、通路28がタンクに連通し、旋回モータRMは逆転することになる。
【0019】
上記のように旋回モータRMを駆動しているときには、上記ブレーキ弁30あるいは31がリリーフ弁の機能を発揮し、通路28,29が設定圧以上になったとき、ブレーキ弁30,31が開弁して、上記通路28,29の圧力を設定圧に保つ。また、旋回モータRMを回転している状態で、旋回モータ用の操作弁2を中立位置に戻せば、当該操作弁2のアクチュエータポートが閉じられる。このように操作弁2のアクチュエータポートが閉じられても、旋回モータRMはその慣性エネルギーで回転し続けるが、旋回モータRMが慣性エネルギーで回転することによって、当該旋回モータRMがポンプ作用をする。この時には、通路28,29、旋回モータRM、ブレーキ弁30あるいは31で閉回路が構成されるとともに、ブレーキ弁30あるいは31によって、上記慣性エネルギーが熱エネルギーに変換されることになる。
【0020】
一方、操作弁16を中立位置から一方の方向に切り換えると、第2メインポンプMP2からの圧油は、通路32を経由してブームシリンダBCのピストン側室33に供給されるとともに、そのロッド側室34からの戻り油は通路35を経由してタンクに戻され、ブームシリンダBCは伸長することになる。
操作弁16を上記とは反対方向に切り換えると、第2メインポンプMP2からの圧油は、通路35を経由してブームシリンダBCのロッド側室34に供給されるとともに、そのピストン側室33からの戻り油は通路32を経由してタンクに戻され、ブームシリンダBCは収縮することになる。なお、ブーム2速用の操作弁3は、上記操作弁16と連動して切り換るものである。
上記のようにしたブームシリンダBCのピストン側室33と操作弁16とを結ぶ通路32には、コントローラCで開度が制御される比例電磁弁36を設けている。なお、この比例電磁弁36はそのノーマル状態で全開位置を保つようにしている。
【0021】
次に、第1,2メインポンプMP1,MP2の出力をアシストする可変容量型のサブポンプSPについて説明する。
上記可変容量型のサブポンプSPは、発電機兼用の電動モータMGの駆動力で回転するが、この電動モータMGの駆動力によって、可変容量型のアシスト油圧モータAMも同軸回転する構成にしている。そして、上記電動モータMGには、バッテリー26に接続したインバータIを接続するとともに、このインバータIをコントローラCに接続し、このコントローラCで電動モータMGの回転数等を制御できるようにしている。
また、上記のようにしたサブポンプSPおよびアシスト油圧モータAMの傾転角は傾角制御器37,38で制御されるが、この傾角制御器37,38は、コントローラCの出力信号で制御されるものである。
【0022】
上記サブポンプSPには吐出通路39を接続しているが、この吐出通路39は、第1メインポンプMP1の吐出側に合流する第1アシスト流路40と、第2メインポンプMP2の吐出側に合流する第2アシスト流路41とに分岐するとともに、これら第1,2アシスト流路40,41のそれぞれには、コントローラCの出力信号で開度が制御される第1,2電磁比例絞り弁42,43を設けている。
なお、図中符号44,45は上記第1,2アシスト流路40,41に設けたチェック弁で、サブポンプSPから第1,2メインポンプMP1,MP2への流通のみを許容するものである。
【0023】
一方、アシスト油圧モータAMには接続用通路46を接続しているが、この接続用通路46は、導入通路47およびチェック弁48,49を介して、旋回モータRMに接続した通路28,29に接続している。しかも、上記導入通路47にはコントローラCで開閉制御される電磁切換弁50を設けるとともに、この電磁切換弁50とチェック弁48,49との間に、旋回モータRMの旋回時の圧力あるいはブレーキ時の圧力を検出する圧力センサー51を設け、この圧力センサー51の圧力信号をコントローラCに入力するようにしている。
【0024】
また、導入通路47であって、旋回モータRMから接続用通路46への流れに対して、上記電磁切換弁50よりも下流側となる位置には、安全弁52を設けているが、この安全弁52は、例えば電磁切換弁50など、通路46系統に故障が生じたとき、通路28,29の圧力を維持して旋回モータRMがいわゆる逸走するのを防止するものである。
さらに、上記ブームシリンダBCと上記比例電磁弁36との間には、接続用通路46に連通する導入通路53を設けるとともに、この導入通路53にはコントローラCで制御される電磁開閉弁54を設けている。
【0025】
上記のようにしたアシスト油圧モータAMは、第1,2メインポンプMP1,MP2にも接続しているが、その接続経路は次のようにしている。すなわち、第1,2メインポンプMP1,MP2の吐出側であって、最上流に位置する操作弁2,14の上流側にはスタンバイ流路55,56を接続するとともに、このスタンバイ流路55,56は、合流通路57を介して前記接続用通路46に接続している。そして、上記スタンバイ流路55,56には第1,2電磁弁58,59を設けているが、これら第1,2電磁弁58,59は、その一方にスプリング58a,59aを設け、他方にソレノイド58b,59bを設けるとともに、ソレノイド58b,59bをコントローラCに接続している。上記第1,2電磁弁58,59は、通常は、スプリング58a,59aのばね力で閉位置を保ち、コントローラCからの信号でソレノイド58b,59bが励磁されたとき開位置に切り換るものである。
上記のようにスタンバイ流路55,56を、第1,2メインポンプMP1,MP2の吐出側であって、最上流に位置する操作弁2,14の上流側に接続したのは、スタンバイ流路55,56に導かれる流体の圧力損失を少なくするためである。
なお、図中符号60は合流通路57に設けたチェック弁で、第1,2電磁弁58,59及びスタンバイ流路55,56を経由した圧油を、接続用通路46に流通させるものである。
【0026】
以下には、この第1実施形態の作用を説明する。
今、第1,2回路系統S1,S2の操作弁2〜6,14〜17を中立位置に保っていると、第1,2メインポンプMP1,MP2の吐出油全量が、中立流路7,18から絞り9,20を経由してタンクに導かれる。このようにポンプ吐出油の全量が絞り9,20を経由してタンクに導かれると、絞り9,20の上流側の圧力が上昇するとともに、このときの圧力がパイロット流路11,22を経由してレギュレータ12,23に導かれる。したがって、レギュレータ12,23は、上記のように上昇したパイロット圧の作用で、第1,2メインポンプMP1,MP2の傾転角を小さくしてスタンバイ流量を維持する。
【0027】
そして、パイロット流路11,22のパイロット圧が設定圧に達したとき、コントローラCは、その圧力を第1,2圧力センサー13,24の圧力信号で感知するとともに、開閉弁10,21を閉位置に切り換える。開閉弁10,21が閉位置に切り換ったときにも、パイロット流路11,22の圧力がレギュレータ12,23に作用し、第1,2メインポンプMP1,MP2はスタンバイ流量を吐出する。また、このときには、コントローラCが第1,2電磁弁58,59のソレノイド58b,59bを励磁して、当該電磁弁を閉位置から開位置に切り換える。
したがって、第1,2メインポンプMP1,MP2から吐出されるスタンバイ流量は、スタンバイ流路55,56、第1,2電磁弁58,59、合流通路57およびチェック弁60を経由してアシスト油圧モータAMに供給される。
【0028】
また、上記のようにして第1,2メインポンプMP1,MP2のスタンバイ流量をアシスト油圧モータAMに導くときには、コントローラCは、傾角制御器38を介してアシスト油圧モータAMの傾転角を予め記憶している設定傾転角に維持し、傾角制御器37を介してサブポンプSPの傾転角をゼロに設定するとともに、インバータIを介して電動モータMGを回生状態に保つ。
したがって、発電機兼用の電動モータMGは、アシスト油圧モータAMの駆動力で回転すれば発電機能を発揮する。つまり、この実施形態では、第1,2メインポンプMP1,MP2のスタンバイ流量を利用して、電動モータMGに発電機としての機能を発揮させられる。このようにして発電された電力はバッテリー26に蓄電されるとともに、このバッテリー26に蓄電された電力は、電動モータMGの動力源として使用することができる。
【0029】
なお、上記の説明の中では、両第1,2回路系統S1,S2の操作弁2〜6,14〜17の全てが中立位置に保たれていることを前提にしたが、第1,2回路系統S1,S2のいずれか一方の操作弁2〜6あるいは14〜17が中立位置にあるときにもスタンバイ流量でアシスト油圧モータAMを回転させられる。この場合には、コントローラCが、いずれか一方の圧力センサー13あるいは24の圧力信号に基づいていずれか一方の電磁弁58あるいは59を開位置に切り換え、いずれか他方の電磁弁59あるいは58を閉位置に保つ。したがって、第1,2メインポンプMP1,MP2のいずれか一方のポンプのスタンバイ流量がアシスト油圧モータAMに供給されるとともに、このアシスト油圧モータAMの回転力で電動モータMGに発電機能を発揮させることができる。
【0030】
次に、サブポンプSPのアシスト力を利用する場合について説明するが、この第1実施形態では、サブポンプSPのアシスト流量を予め設定しておき、その中で、コントローラCが、サブポンプSPの傾転角、アシスト油圧モータAMの傾転角、電動モータMGの回転数などをどのように制御したら最も効率的かを判断してそれぞれの制御を実施するようにしている。
【0031】
そして、第1回路系統S1あるいは第2回路系統S2のいずれかの操作弁を切り換えたとき、開閉弁10,21が閉位置を保っていれば、コントローラCは、これら開閉弁10,21を開位置に切り換える。開閉弁10,21が開位置に保たれれば、パイロット流路11,22のパイロット圧が低くなるので、その低くなったパイロット圧信号が、第1,2センサー13,24を介してコントローラCに入力されるとともに、コントローラCは、第1,2電磁弁58,59を図示の閉位置に切り換える。したがって、第1,2メインポンプMP1,MP2は低くなったパイロット圧にともなってその吐出量を増大させるとともに、その全吐出量が、第1,2回路系統S1,S2に接続したアクチュエータに供給される。
【0032】
また、上記のように第1メインポンプMP1あるいは第2メインポンプMP2の吐出量を増大するときには、コントローラCは、電動モータMGを常に回転した状態に保つ。この電動モータMGの駆動源は、バッテリー26に蓄電した電力であるが、上記したようにこの電力の一部は、第1,2メインポンプMP1,MP2のスタンバイ流量を利用して蓄電したものなので、エネルギー効率が非常によいものになる。
上記電動モータMGの駆動力でサブポンプSPが回転すれば、サブポンプSPからアシスト流量が吐出されるが、コントローラCは、第1,2圧力センサー13,24からの圧力信号に応じて、第1,2比例電磁絞り弁42,43の開度を制御し、サブポンプSPの吐出量を按分して、第1,2回路系統S1,S2に供給する。
【0033】
一方、上記第1回路系統S1に接続した旋回モータRMを駆動するために、旋回モータ用の操作弁2を例えば一方の方向に切り換えると、一方の通路28が第1メインポンプMP1に連通し、他方の通路29がタンクに連通して、旋回モータRMを回転させるが、このときの旋回圧はブレーキ弁30の設定圧に保たれる。また、上記操作弁2を上記とは反対方向に切り換えれば、上記他方の通路29が第1メインポンプMP1に連通し、上記一方の通路28がタンクに連通して、旋回モータRMを回転させるが、このときの旋回圧もブレーキ弁31の設定圧に保たれる。
また、旋回モータRMが旋回している最中に旋回モータ用の操作弁2を中立位置に切り換えると、前記したように通路28,29間で閉回路が構成されるとともに、ブレーキ弁30あるいは31が当該閉回路のブレーキ圧を維持して、慣性エネルギーを熱エネルギーに変換する。
【0034】
そして、圧力センサー51は上記旋回圧あるいはブレーキ圧を検出するとともに、その圧力信号をコントローラCに入力する。コントローラCは、旋回モータRMの旋回あるいはブレーキ動作に影響を及ぼさない範囲内であって、ブレーキ弁30,31の設定圧よりも低い圧力を検出したとき、電磁切換弁50を閉位置から開位置に切り換える。このように電磁切換弁50が開位置に切り換れば、旋回モータRMに導かれた圧油は、導入通路47に流れるとともに安全弁52および接続用通路46を経由してアシスト油圧モータAMに供給される。
このときコントローラCは、圧力センサー51からの圧力信号に応じて、アシスト油圧モータAMの傾転角を制御するが、それは次のとおりである。
【0035】
すなわち、通路28あるいは29の圧力は、旋回動作あるいはブレーキ動作に必要な圧力に保たれていなければ、旋回モータRMを旋回させたり、あるいはブレーキをかけたりできなくなる。
そこで、上記通路28あるいは29の圧力を、上記旋回圧あるいはブレーキ圧に保つために、コントローラCはアシスト油圧モータAMの傾転角を制御しながら、この旋回モータRMの負荷を制御するようにしている。つまり、コントローラCは、圧力センサー51で検出される圧力が上記旋回モータRMの旋回圧あるいはブレーキ圧とほぼ等しくなるように、アシスト油圧モータAMの傾転角を制御する。
【0036】
上記のようにしてアシスト油圧モータAMが回転力を得れば、その回転力は、同軸回転する電動モータMGに作用するが、このアシスト油圧モータAMの回転力は、電動モータMGに対するアシスト力として作用する。したがって、アシスト油圧モータAMの回転力の分だけ、電動モータMGの消費電力を少なくすることができる。
また、上記アシスト油圧モータAMの回転力でサブポンプSPの回転力をアシストすることもできるが、このときには、アシスト油圧モータAMとサブポンプSPとが相まって圧力変換機能を発揮する。
【0037】
つまり、接続用通路46に流入する圧力はポンプ吐出圧よりも低いことが多い。この低い圧力を利用して、サブポンプSPに高い吐出圧を維持させるために、アシスト油圧モータAMおよびサブポンプSPとによって増圧機能を発揮させるようにしている。
すなわち、上記アシスト油圧モータAMの出力は、1回転当たりの押しのけ容積Qとそのときの圧力Pの積で決まる。また、サブポンプSPの出力は1回転当たりの押しのけ容積Qと吐出圧Pの積で決まる。そして、この実施形態では、アシスト油圧モータAMとサブポンプSPとが同軸回転するので、Q×P=Q×Pが成立しなければならない。そこで、例えば、アシスト油圧モータAMの上記押しのけ容積Qを上記サブポンプSPの押しのけ容積Qの3倍すなわちQ=3Qにしたとすれば、上記等式が3Q×P=Q×Pとなる。この式から両辺をQで割れば、3P=Pが成り立つ。
したがって、サブポンプSPの傾転角を変えて、上記押しのけ容積Qを制御すれば、アシスト油圧モータAMの出力で、サブポンプSPに所定の吐出圧を維持させることができる。言い換えると、旋回モータRMからの油圧を増圧してサブポンプSPから吐出させることができる。
【0038】
ただし、アシスト油圧モータAMの傾転角は、上記したように通路28,29の圧力を旋回圧あるいはブレーキ圧に保つように制御される。したがって、旋回モータRMからの圧油を利用する場合には、アシスト油圧モータAMの傾転角は必然的に決められることになる。このようにアシスト油圧モータAMの傾転角が決められた中で、上記した圧力変換機能を発揮させるためには、サブポンプSPの傾転角を制御することになる。
なお、上記通路46系統の圧力が何らかの原因で、旋回圧あるいはブレーキ圧よりも低くなったときには、圧力センサー51からの圧力信号に基づいてコントローラCは、電磁切換弁50を閉じて、旋回モータRMに影響を及ぼさないようにする。
また、接続用通路46に圧油の漏れが生じたときには、安全弁52が機能して通路28,29の圧力が必要以上に低くならないようにして、旋回モータRMの逸走を防止する。
【0039】
次に、ブームシリンダBCを制御する場合について説明する。
ブームシリンダBCを作動させるために、操作弁16を切り換えると、その操作弁16に設けたセンサー(図示していない)によって、上記操作弁16の操作方向とその操作量が検出されるとともに、その操作信号がコントローラCに入力される。
【0040】
上記センサーの操作信号に応じて、コントローラCは、オペレータがブームシリンダBCを上昇させようとしているのか、あるいは下降させようとしているのかを判定する。ブームシリンダBCを上昇させるための信号がコントローラCに入力すれば、コントローラCは比例電磁弁36をノーマル状態に保つ。言い換えると、比例電磁弁36を全開位置に保つ。このときには、コントローラCは、電磁開閉弁54を図示の閉位置に保つとともに、電動モータMGの回転数やサブポンプSPの傾転角を制御する。
【0041】
一方、ブームシリンダBCを下降させる信号が上記センサーからコントローラCに入力すると、コントローラCは、操作弁16の操作量に応じて、オペレータが求めているブームシリンダBCの下降速度を演算するとともに、比例電磁弁36を閉じて、電磁開閉弁54を開位置に切り換える。
上記のように比例電磁弁36を閉じて電磁開閉弁54を開位置に切り換えれば、ブームシリンダBCの戻り油の全量がアシスト油圧モータAMに供給される。しかし、アシスト油圧モータAMで消費する流量が、オペレータが求めた下降速度を維持するために必要な流量よりも少なければ、ブームシリンダBCはオペレータが求めた下降速度を維持できない。このようなときには、コントローラCは、上記操作弁16の操作量、アシスト油圧モータAMの傾転角や電動モータMGの回転数などをもとにして、アシスト油圧モータAMが消費する流量以上の流量をタンクに戻すように比例電磁弁36の開度を制御し、オペレータが求めるブームシリンダBCの下降速度を維持する。
【0042】
一方、アシスト油圧モータAMに圧油が供給されると、アシスト油圧モータAMが回転するとともに、その回転力は、同軸回転する電動モータMGに作用するが、このアシスト油圧モータAMの回転力は、電動モータMGに対するアシスト力として作用する。したがって、アシスト油圧モータAMの回転力の分だけ、消費電力を少なくすることができる。
一方、電動モータMGに対して電力を供給せず、上記アシスト油圧モータAMの回転力だけで、サブポンプSPを回転させることもできるが、このときには、アシスト油圧モータAMおよびサブポンプSPが、上記したのと同様にして圧力変換機能を発揮する。
【0043】
さらに、旋回モータRMの旋回作動とブームシリンダBCの下降作動とを同時に行う場合について説明する。
上記のように旋回モータRMを旋回させながら、ブームシリンダBCを下降させるときには、旋回モータRMからの圧油と、ブームシリンダBCからの戻り油とが、接続用通路46で合流してアシスト油圧モータAMに供給される。
このとき、導入通路47の圧力が上昇すれば、それにともなって導入通路47側の圧力も上昇するが、その圧力が旋回モータRMの旋回圧あるいはブレーキ圧よりも高くなったとしても、チェック弁48,49があるので、旋回モータRMには影響を及ぼさない。
また、前記したように接続用通路46側の圧力が旋回圧あるいはブレーキ圧よりも低くなれば、コントローラCは、圧力センサー51からの圧力信号に基づいて電磁切換弁50を閉じる。
【0044】
したがって、旋回モータRMの旋回動作とブームシリンダBCの下降動作とを上記のように同時に行うときには、上記旋回圧あるいはブレーキ圧にかかわりなく、ブームシリンダBCの必要下降速度を基準にしてアシスト油圧モータAMの傾転角を決めればよい。
いずれにしても、アシスト油圧モータAMの出力で、サブポンプSPの出力をアシストできるとともに、サブポンプSPから吐出された流量を、第1,2比例電磁絞り弁42,43で按分して、第1,2回路系統S1,S2に供給することができる。
【0045】
一方、アシスト油圧モータAMを駆動源として電動モータMGを発電機として使用するときには、サブポンプSPの傾転角をゼロにしてほぼ無負荷状態にし、アシスト油圧モータAMには、電動モータMGを回転させるために必要な出力を維持しておけば、アシスト油圧モータAMの出力を利用して、電動モータMGに発電機能を発揮させることができる。
また、この実施形態では、エンジンEの出力を利用してジェネレータ1で発電したり、アシスト油圧モータAMを利用して電動モータMGに発電させたりできる。そして、このように発電した電力をバッテリー24に蓄電するが、この実施形態では家庭用の電源25を利用してバッテリー26に蓄電できるようにしているので、電動モータMGの電力を多岐にわたって調達することができる。
【0046】
さらに、チェック弁44,45を設けるとともに、電磁切換弁50および電磁開閉弁54あるいは第1,2電磁弁58,59を設けたので、例えば、サブポンプSPおよびアシスト油圧モータAM系統が故障した場合に、第1,2メインポンプMP1,MP2系統と、サブポンプSPおよびアシスト油圧モータAM系統とを油圧的には切り離すことができる。特に、電磁切換弁50、電磁開閉弁54及び第1,2電磁弁58,59は、それらがノーマル状態にあるとき、図面に示すようにスプリングのバネ力で閉位置を保つとともに、上記比例電磁弁36も全開位置であるノーマル位置を保つので、電気系統が故障したとしても、上記のように第1,2メインポンプMP1,MP2系統と、サブポンプSPおよびアシスト油圧モータAM系統とを油圧的に切り離すことができる。
【0047】
図2に示した第2実施形態は、第1実施形態の第1,2電磁弁58,59を一体化した電磁弁61を用いたものである。つまり、第1,2メインポンプMP1,MP2に接続したスタンバイ流路55,56を一つの電磁弁61に接続するとともに、この電磁弁61は、その一方にスプリング61aを設け、他方にソレノイド61bを設けるとともに、このソレノイド61bをコントローラCに接続している。そして、この電磁弁61は、通常は、スプリング61aのバネ力で図示の閉位置を保ち、両スタンバイ流路55,56と合流通路57との連通を遮断する。
また、コントローラCの信号によってソレノイド61bが励磁して電磁弁61が閉位置から開位置に切り換るタイミングは、圧力センサー13,24の両方の圧力信号が高くなって、開閉弁10,21が閉じたときである。このように電磁弁61が閉位置から開位置に切り換れば、両スタンバイ流路55,56が同時に合流通路57に連通する。
【0048】
上記のようにした第2実施形態は、両回路系統S1,S2の操作弁2〜6及び14〜17のすべてを中立位置に保っている場合にのみ第1,2メインポンプMP1,MP2のスタンバイ流量を利用してアシスト油圧モータAMを回転して、電動モータMGに発電機能を発揮させることができるものである。
その他の構成及び作用は、第1実施形態と同様である。
【0049】
なお、上記第1,2実施形態の開閉弁10,21はオンオフ制御をするものであるが、コントローラCの制御信号に応じて開度を可変にできるようにしてもよい。
また、上記開閉弁10,21はコントローラCの制御信号で開閉動作するようにしたが、中立流路7,18の圧力をパイロット圧として開閉制御させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】第1実施形態を示す回路図である。
【図2】第2実施形態を示す回路図である。
【符号の説明】
【0051】
MP1 第1メインポンプ
MP2 第2メインポンプ
S1 第1回路系統
S2 第2回路系統
2〜6 操作弁
10,21 開閉弁
11,22 パイロット流路
12,23 レギュレータ
13 第1圧力センサー
C コントローラ
14〜17 操作弁
24 第2圧力センサー
SP サブポンプ
AM アシスト油圧モータ
MG 発電機兼用の電動モータ
58 第1電磁弁
59 第2電磁弁
61 電磁弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変容量型のメインポンプと、このメインポンプに接続するとともに複数の操作弁を設けてなる回路系統と、この回路系統に設けた操作弁のすべてが中立位置を保っているときメインポンプの吐出油をタンクに導く中立流路と、最下流に位置する操作弁のさらに下流側における上記中立流路に設けたパイロット圧発生用の絞りと、上記最下流の操作弁と絞りとの間に発生する圧力を導くパイロット流路と、このパイロット流路に接続するとともにメインポンプの傾転角を制御するレギュレータと、上記パイロット流路の圧力を検出する圧力センサーとを備えた建設機械の制御装置において、最下流の操作弁とパイロット圧発生用の絞りとの間における中立流路に設け、通常は開位置を保ちパイロット流路のパイロット圧が設定圧以上になってメインポンプがスタンバイ流量を確保したときに閉位置に切り換る開閉弁と、メインポンプの吐出側に接続した可変容量型のサブポンプと、このサブポンプを回転させるための電動モータと、この電動モータを回転させるアシスト油圧モータと、メインポンプとアシスト油圧モータとの接続過程に設けるとともに開閉動作する電磁弁と、コントローラとを備えるとともに、上記パイロット流路は上記開閉弁の上流側に接続し、コントローラは圧力センサーからの圧力信号に基づいて、メインポンプがスタンバイ流量を吐出していると判定したときに、上記開閉弁を閉じるとともに、上記電磁弁を開位置にするハイブリッド建設機械の制御装置。
【請求項2】
上記メインポンプと電磁弁とはスタンバイ流路を介して接続するとともに、メインポンプと最上流に位置する操作弁との接続過程に、上記スタンバイ流路を接続してなる請求項1記載のハイブリッド建設機械の制御装置。
【請求項3】
上記サブポンプ、アシスト油圧モータ及び電動モータを同軸回転する構成にするとともに、電動モータに発電機としての機能を持たせた請求項1又は2記載のハイブリッド建設機械の制御装置。
【請求項4】
上記アシスト油圧モータにアクチュエータの排出油や供給油を導入可能にした請求項1又は2記載のハイブリッド建設機械の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−287745(P2009−287745A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−143410(P2008−143410)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(000000929)カヤバ工業株式会社 (2,151)
【Fターム(参考)】