説明

ハードディスクドライブアクチュエータ用転がり軸受

【課題】低トルクでトルク変動も少なく、アウトガスの発生も少なく、更に長期にわたり良好な潤滑性能を安定に維持できるHDDアクチュエータ用転がり軸受を提供する。
【解決手段】内輪と、外輪と、複数の転動体と、合成樹脂製で、かつ円環状の基部の円周方向に沿って立設された複数の突起及び突起間を連結して凹状をなす橋落部で形成される転動体保持用のポケットを有する保持器とを備え、前記保持器の前記橋落部上に、基油として40℃における動粘度が60〜120mm2/sである潤滑油、増ちょう剤として下記(I)式で表されるウレア化合物を含有するウレアグリースが保持されているとともに、前記内輪及び前記外輪の各軌道面並びに前記転動体の表面に前記基油を構成する潤滑油からなる油膜が成膜されているHDDアクチュエータ用転がり軸受。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードディスクドライブ(以下「HDD」と称する)の構成部品の一部であるアクチュエータ(特にスイングアーム)の往復揺動運動部分に組み込まれたり、ユニットとして使用されるHDD用転がり軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ関連産業は、他の産業分野に比較すると歴史の浅い業種であるにも関わらず技術革新のスピードが速い。特に、HDDは一つの機種の存在期間が短い上、新技術を導入した新機種(高信頼性、小電力化、高応答性、高精度化、コンパクト化等)が次々と開発されている。これに伴って、HDD用のアクチュエータとして往復揺動運動を支承する転がり軸受には、長期信頼性、低トルク化、低アウトガス化等が要求されている。特にノート型コンピュータにおいては、省電力化が進んでおり、モータの電流値を低減させる傾向にあるため、軸受の低トルク化は重要な課題となっている。
【0003】
しかし、HDD用アクチュエータの往復揺動運動部分に組み込まれる転がり軸受では、潤滑のために、転動体間の外輪内径部または内輪外径部の隙間(外輪または内輪軌道面溝最大径部)にグリースを充填した潤滑方式が主流となっており、例えばスイングアームに使用される転がり軸受では、内輪と外輪とが所定角度(一般的には約26°以下)の範囲内で繰り返し往復揺動するため、運転初期になじみ回転を行っても、グリースの攪拌抵抗のために低トルク化には限界がある。また、グリース潤滑方式では、グリースの引掛かり現象によるトルクの変動が生じるおそれもある。トルク変動は位置決め精度に影響するため、極力抑えることが要求されているが、この点でも不利といえる。
【0004】
そこで、潤滑油を注入する潤滑油潤滑方式も一部採られており、例えばフッ素油を注入することが行われている(特許文献1参照)。しかし、フッ素油は真空環境でも使用できるほど蒸気圧が低いため、低アウトガス化には有効であるものの、金属面への濡れ性が悪く、合成油や鉱油に比べて潤滑性や発塵性に劣るというデメリットも抱えている。また、蒸気圧の低い合成油を封入することにより、低トルク化や低アウトガス化とともに潤滑性の向上を図ることも行われているが(特許文献2参照)、長期的な耐久性を付与するためにはある程度の潤滑油量を確保することが必要であり、使用環境によっては軸受から流出するおそれがある。
【0005】
【特許文献1】特開2003−97573号公報
【特許文献2】特開2002−130304号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、HDD用アクチュエータに使用される転がり軸受では、低トルクでトルク変動も少なく、低アウトガスであり、更に潤滑寿命も長いことが要求されているが、これまでのグリース潤滑方式及び潤滑油潤滑方式では、共に十分とはいえない状況にある。更に、特にサーバクラスのHDDではアクチュエータユニットの軸に剛性を持たせるために軸受へのアキシアル予圧を高める傾向があり、軸受はフレッチング摩耗が起こりやすい環境下にあることから、より一層の耐久性も求められている。
【0007】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、低トルクでトルク変動も少なく、アウトガスの発生も少なく、更に長期にわたり良好な潤滑性能を安定に維持できるHDDアクチュエータ用転がり軸受を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明は下記のHDDアクチュエータ用転がり軸受を提供する。
(1)内輪と、外輪と、複数の転動体と、合成樹脂製で、かつ円環状の基部の円周方向に沿って立設された複数の突起及び突起間を連結して凹状をなす橋落部で形成される転動体保持用のポケットを有する保持器とを備えるハードディスクドライブアクチュエータ用転がり軸受において、前記保持器の前記橋落部上に、基油として40℃における動粘度が60〜120mm2/sである潤滑油、増ちょう剤として下記(I)式で表されるウレア化合物を含有するウレアグリースが保持されているとともに、前記内輪及び前記外輪の各軌道面並びに前記転動体の表面に前記基油を構成する潤滑油からなる油膜が成膜されていることを特徴とするハードディスクドライブアクチュエータ用転がり軸受。
R1−NHCONH−R2−NHCONH−R3 ・・・(I)
〔式中、R2は炭素数6〜15の芳香族系炭化水素基を表し、R1,R3はそれぞれ炭素数8〜18の直鎖アルキル基を表し、かつ、同一でも異なっていても良い。〕
(2)前記転動体がセラミックス製であることを特徴とする上記(1)記載のHDDアクチュエータ用転がり軸受。
【発明の効果】
【0009】
本発明のHDDアクチュエータ用転がり軸受では、内輪軌道面、外輪軌道面及び転動体表面に油膜を成膜したため、グリース潤滑に比べて、低トルク化及びトルク変動の抑制を大幅に図ることができる。更に、保持器の転動体を保持する各突起間の橋落部上にグリースを保持させることで、徐々に転走面に潤滑油を供給するオイルリザーバ機能が付加されており、長期にわたり良好な潤滑性を安定に維持できる。しかも、グリースとして特定動粘度の基油及び特定ウレア化合物からなる増ちょう剤を含有するため、低トルク化、低トルク変動、潤滑寿命がより向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明のHDDアクチュエータ用転がり軸受について図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
本発明において、HDDアクチュエータ用転がり軸受の構造自体は制限されるものではなく、例えば図1に断面図で示される玉軸受1を例示することができる。この玉軸受1は、外周面に内輪軌道面1を有する内輪2と、内周面に外輪軌道面3を有する外輪4とを同心に配し、内輪軌道面1と外輪軌道面3との間に複数個の転動体である玉5を保持器7により転動自在に保持し、シール部材6により密封して概略構成される。また、保持器7は、ポリアミド等のベース樹脂にガラス繊維等の補強材や各種添加剤を配合した合成樹脂製で、その形状は例えば図2に斜視図で示されるように、全体が略円環状の基部8の円周方向に沿って立設された複数の突起9と、隣接する突起9を連結して凹状をなす橋落部10で形成される転動体保持用のポケットPとを有する。
【0012】
本発明では、各橋落部10の上面10aに、ウレアグリース(図示せず)を保持させる。ここで、ウレアグリースの基油には、低トルクや低トルク変動、低アウトガスを目的として、40℃における動粘度が60〜120mm2/s、好ましくは65〜100mm2/sのものを用いる。40℃における動粘度が60mm2/s未満の基油では低級の炭化水素がアウトガスとして発生しやすく、120mm2/sを超える基油ではトルクが大きくなる。
【0013】
尚、基油を構成する潤滑油としては、上記の動粘度を満たす限り制限はないが、鉱油やポリα−オレフィン油、エステル油(芳香族系三塩基酸と分岐アルコールとの反応で得られるトリエステル油、多価アルコールと一塩基酸との反応で得られるヒンダードエステル油、多価アルコールと二塩基酸・一塩基酸の混合脂肪酸とのオリゴエステルであるコンプレックスエステル油等)、エーテル油(C12〜C20のアルキル鎖が誘導されたアルキルポリフェニルエーテル油、アルキル類が誘導されたアルキルナフタレン等)を好適に使用できる。中でも、1−デセンを原料とするポリα−オレフィン油は、アウトガスも少なく、HDDで使用される他の樹脂部材との相性にも問題が無く、好ましい。
【0014】
また、増ちょう剤には、下記(I)式で表されるウレア化合物を用いる。式中、R2は炭素数6〜15の芳香族系炭化水素基を表す。また、R1,R3はそれぞれ炭素数8〜18の直鎖アルキル基を表し、同一でも異なっていても良い。
R1−NHCONH−R2−NHCONH−R3 ・・・(I)
【0015】
上記ウレア化合物は、脂肪族アミンとイソシアネートとを反応させて得られる脂肪族ウレア化合物であるが、脂肪脂環式ウレア化合物や芳香族ウレア化合物に比べて、同じ混和ちょう度に仕上げる場合に配合量が少なくて済むことから、グリースとしたときも攪拌抵抗が小さく、低トルク及び低トルク変動を図ることができる。具体的は、ウレア化合物の含有量は、グリース全量の10〜15質量%で十分であり、一般的なグリース中の増ちょう剤に比べて少なくてすむ。また、HDDアクチュエータでは揺動運動するためフレッチング摩耗が生じやすいが、脂肪族ウレア化合物はせん断応力を受けると流動しやすい特性も兼ね備えるため、耐フレッチング摩耗性にも優れる。更に、ウレア化合物は一般に金属石けんの増ちょう剤に比べて金属表面に潤滑膜を形成しやすいことから、金蔵部材である軸受部材同士の接触を抑える効果もある。
【0016】
また、ウレアグリースには、必要に応じて、通常添加される各種添加剤を適量添加してもよい。
【0017】
保持器7の橋落部10におけるウレアグリースの保持量は、多いほど基油を構成する潤滑油の供給能力も高まり好ましいが、橋落部10の上面10aの形状や寸法により実質的に決まる。一般的な冠型保持器では、合計で軸受内部空間容積の0.5〜5体積%とすることが好ましい。
【0018】
また、本発明のHDDアクチュエータ用転がり軸受では、保持器7の橋落部10にウレアグリースを保持させることに加え、内輪軌道面1、外輪軌道面3及び玉5の表面に、ウレアグリースの基油を構成する潤滑油と同一の潤滑油からなる油膜が成膜されている。成膜量は、潤滑寿命を考慮すると、合計で軸受内部空間容積の0.1〜5体積%が好ましい。
【0019】
本発明のHDDアクチュエータ用転がり軸受を製造するには、制限されるものではないが、例えば以下の工程に従えばよい。
【0020】
軸受を組み立てた後、先ず、内輪軌道面1、外輪軌道面3及び玉5の表面に上記の油膜を成膜する。成膜方法としては、軸受内部に潤滑油を直接注入する方法を採ることが好ましい。軸受を潤滑油に浸漬する方法も可能であるが、直接注入することにより軸受の外表面に潤滑油が付着することがなくなるため、べとつきが無く取り扱い性が良好であり、またHDDアクチュエータに軸受を組込む際の外輪を接着するための拭取り作業を省略することができ、更にはHDD中の磁気ディスクを汚染するおそれもない。また、浸漬方式に比べてより多量の潤滑油を内輪軌道面1、外輪軌道面3及び玉5の表面に供給できるため、より厚膜の潤滑油膜を成膜できるという利点もある。
【0021】
尚、潤滑油を軸受内部に直接注入する方法は制限されるものではないが、潤滑油膜の膜厚を均等にするために、潤滑油の注入量を制御できる方法を採用する必要がある。例えば、軸受を一方の側面を下にしてシール板を介在させて水平面上に置き、上方より保持器7の各ポケットPにノズルを差し入れ、各ノズルから規定量を均等に供給する方法を採用することができる。
【0022】
次いで、軸受を、突起9が上方を向くように水平状態に維持して、上方より保持器7の各ポケットPにグリースノズルを差し入れ、各グリースノズルから玉5と内輪2の外径部または外輪4の内径部との隙間にグリースが流下しないように規定量を均等に供給する。
【0023】
本発明のHDDアクチュエータ用転がり軸受は、種々の変更が可能である。HDDアクチュエータユニットはアウトガスの発生を防ぐために、防錆油を塗らずにステンレス鋼製の部材をそのまま使用しており、特に揺動運動を繰り返し行うスイングアーム用の転がり軸受ではフレッチング摩耗を起こしやく、また金属材料同士の接触ではあることから凝着摩耗も発生しやすい。そこで、転動体である玉5を、窒化珪素等のセラミックス製とすることが好ましい。
【実施例】
【0024】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
【0025】
〔試験−1〕
単列深溝玉軸受(非接触スチールシール(Z形)、軸受呼び番号:MR74(日本精工(株)製)、寸法:内径4mm、外径7mm、幅2mm)に、表1に示す潤滑剤仕様にてグリース及び潤滑油を適用した。グリースは保持器の突起間橋落部(表中のグリース充填位置の欄に「A」で示す)、または玉と外輪内径溝最大径との隙間(表中のグリース充填位置の欄に「B」で示す)に保持させた。また、全ての軸受の内輪軌道面、外輪軌道面及び玉表面には、グリースの基油を構成する潤滑油と同一の潤滑油を塗布して油膜を成膜した。
【0026】
【表1】

【0027】
(1)初期トルク試験
実施例4の潤滑剤仕様に従い、グリース保持量及び油膜量(何れも軸受空間容積に対する値)を表2に示す如く変えて軸受A〜Cを作製した。また、比較例5の潤滑仕様に従いグリース保持量を5体積%、油膜量を10体積%として軸受Dを、比較例6の潤滑仕様に従いグリース保持量を5体積%、油膜量を10体積%として軸受Eを、比較例2の潤滑仕様に従いグリース保持量を5体積%、油膜量を10体積%として軸受Fを作製した。そして、軸受A〜Fをピボット軸受ユニットとし、周波数90Hz、アキシアル荷重3.9N、揺動角度±10°で揺動させたときの初期電流を測定し、初期トルクとした。結果を図3に示すが、軸受D(比較例5)の測定値を1とする相対値で示してある。
【0028】
【表2】

【0029】
(2)耐久試験
実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、比較例1、比較例2、比較例3、比較例4、比較例7の各潤滑仕様に従い、何れもグリース保持量を3体積%、油膜量を5体積%として軸受G〜Oを作製した。そして、軸受を90℃の恒温槽中で、周波数90Hz、アキシアル荷重3.9N、揺動角度±10°で5億回揺動させたときのトルクを測定し、初期トルクを1としたときの変動値を求めた。結果を図4に示す。
【0030】
図3及び図4から、本発明に従い、前記保持器の前記橋落部上に、40℃における動粘度が60〜120mm2/sの基油に脂肪族ウレア化合物を配合したウレアグリースを保持器の突起部の橋落部に保持し、更に内輪及び外輪の各軌道面並びに玉表面に基油を構成する潤滑油からなる油膜を成膜することで、低トルクで、耐フレッチング摩耗性にも優れ耐久性が改善されることがわかる。
【0031】
〔試験−2〕
単列深溝玉軸受(非接触スチールシール(Z形)、軸受呼び番号:MR74(日本精工(株)製、寸法:内径4mm、外径7mm、幅2mm)に、表3に示す潤滑剤仕様でグリース及び潤滑油を適用した。グリースの保持部分は試験−1と同様であり、全ての軸受に同様に油膜を成膜した。また、表記のように、転動体には窒化珪素製またはステンレス鋼製とした。
【0032】
【表3】

【0033】
(1)初期トルク試験
実施例8の潤滑剤仕様に従い、グリース保持量及び油膜量を表3に示す如く変えて軸受a〜cを作製した。また、比較例12の潤滑仕様に従いグリース保持量を5体積%、油膜量を10体積%として軸受dを、比較例13の潤滑仕様に従いグリース保持量を5体積%、油膜量を10体積%として軸受eを、比較例9の潤滑仕様に従いグリース保持量を5体積%、油膜量を10体積%として軸受fを作製した。そして、軸受a〜fをピボット軸受ユニットとし、周波数90Hz、アキシアル荷重3.9N、揺動角度±10°で揺動させたときの初期電流を測定し、初期トルクとした。結果を図5に示すが、軸受d(比較例12)の測定値を1とする相対値で示してある。
【0034】
【表4】

【0035】
(2)耐久試験
実施例5、実施例6、実施例7、実施例8、比較例9、比較例10、比較例11、比較例14、比較例15の各潤滑仕様に従い、何れもグリース保持量を3体積%、油膜量を5体積%として軸受g〜pを作製した。そして、軸受を90℃の恒温槽中で、周波数90Hz、アキシアル荷重3.9N、揺動角度±10°で5億回揺動させたときのトルクを測定し、初期トルクを1としたときの変動値を求めた。結果を図6に示す。
【0036】
図5及び図6に示すように、試験−1と同様の試験結果が得られているが、窒化珪素製の玉を用いることで、図6に示すようにトルク変動値が全体的に低下している。このことから、転動体を金属製からセラミックス製に代えることで、耐久性がより高まることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明のHDDアクチュエータ用転がり軸受の一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1に示すHDDアクチュエータ用転がり軸受の保持器を示す斜視図である。
【図3】試験−1において、(1)初期トルク試験で得られた潤滑剤総量と初期トルクとの関係を示すグラフである。
【図4】試験−1において、(2)耐久試験で得られたトルク変動値を示すグラフである。
【図5】試験−2において、(1)初期トルク試験で得られた潤滑剤総量と初期トルクとの関係を示すグラフである。
【図6】試験−2において、(2)耐久試験で得られたトルク変動値を示すグラフである。
【符号の説明】
【0038】
1 内輪軌道面
2 内輪
3 外輪軌道面
4 外輪
5 玉
6 シール部材
7 保持器
8 基部
9 突起
10 橋落部
P ポケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内輪と、外輪と、複数の転動体と、合成樹脂製で、かつ円環状の基部の円周方向に沿って立設された複数の突起及び突起間を連結して凹状をなす橋落部で形成される転動体保持用のポケットを有する保持器とを備えるハードディスクドライブアクチュエータ用転がり軸受において、
前記保持器の前記橋落部上に、基油として40℃における動粘度が60〜120mm2/sである潤滑油、増ちょう剤として下記(I)式で表されるウレア化合物を含有するウレアグリースが保持されているとともに、前記内輪及び前記外輪の各軌道面並びに前記転動体の表面に前記基油を構成する潤滑油からなる油膜が成膜されていることを特徴とするハードディスクドライブアクチュエータ用転がり軸受。
R1−NHCONH−R2−NHCONH−R3 ・・・(I)
〔式中、R2は炭素数6〜15の芳香族系炭化水素基を表し、R1,R3はそれぞれ炭素数8〜18の直鎖アルキル基を表し、かつ、同一でも異なっていても良い。〕
【請求項2】
前記転動体がセラミックス製であることを特徴とする請求項1記載のハードディスクドライブアクチュエータ用転がり軸受。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−115991(P2008−115991A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−301597(P2006−301597)
【出願日】平成18年11月7日(2006.11.7)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】