説明

バイオマス由来積層プラスチック成形体及びその製造方法

【課題】密閉されたボトルに掛かる荷重においては変形せず、一方耐衝撃性が高いバイオマス由来積層プラスチック成形体及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】ブロー成形された積層プラスチック成形体であって、少なくとも一層の構成成分の25wt%以上がバイオマス由来プラスチックであり、他の層がポリオレフィン樹脂であり、成形後、常温から5〜20℃/分で昇温し、85〜100℃の環境下にて3〜10分保持し、10〜15℃/分で徐冷するアニール処理を行ったことを特徴とするバイオマス由来積層プラスチック成形体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐熱性、耐衝撃性、表面の平滑性に優れたバイオマス由来積層プラスチック成形体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチックは、多くの分野で大量に使用されており、それらの廃棄物によって景観阻害、海洋生物への悪影響、及び地球環境の汚染等の深刻な環境問題を引き起こしている。
従来、汎用されてきた石油原料由来の樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート等が挙げられ、これらの樹脂は、焼却や埋立により処分されてきた。
【0003】
しかしながら、これらの処分方法は、環境の観点から問題視されている。例えば、焼却法においては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の樹脂は、燃焼カロリーが高いため、炉を痛め、炉の耐久寿命を短くしてしまうということが問題であった。また、ポリ塩化ビニルは、燃焼カロリーは低いものの焼却時に有害なガスを発生するという問題がある。
埋立法においても、上記のような石油原料由来の樹脂は、化学的安定性が高いため、原形をとどめたまま半永久的に残留してしまい、これは埋立地の不足の深刻化を招いている。
すなわち、上記のような石油原料由来の樹脂が自然環境中に廃棄された場合、これらは極めて安定性が高いため、長期間に亘って美観を損ねたり、海洋生物、鳥類等による誤食を招いたりし、環境破壊の原因となる。
【0004】
上述した問題の解決を図るために、近年、生分解性ポリマーの研究が盛んに行われている。実用化が検討されている生分解性プラスチックとしては、脂肪族ポリエステル、変性PVA(ポリビニルアルコール)、セルロースエステル化合物、デンプン変性体、及びこれらのブレンド体が挙げられる。
脂肪族ポリエステルとしては、半合成系重合体としてポリ乳酸系重合体が注目されている。
植物を主原料とする、いわゆるバイオマス原料由来の樹脂は、原料として石油をほとんど用いない点において環境面に優れており、バイオマス原料由来の樹脂の中でも、特にポリ乳酸は、優れた生分解性を有しているので、成形体の構成材料として注目されている。
【0005】
しかし、バイオマス原料由来の樹脂は、一般に強度が低く、また耐熱性も低いため、実用に寄与するためには改質が必要である。すなわち、バイオマス原料由来の樹脂は、融点やガラス転移温度が低く、その中間に位置する結晶化温度も低く、また、結晶化速度も遅い傾向がある。
例えばポリ乳酸は、融点が約170℃、結晶化温度が約110℃、ガラス転移温度が約57℃である。従って、ポリ乳酸は、成形加工性には優れているが、結晶化速度が極めて遅く、通常の成形加工工程ではほとんど結晶化しない。そのため、結晶性高分子でありながら、成形品の耐熱性はこれまでガラス転移温度以下であった。
【0006】
一方、ボトルは、通常使用される環境下において、−20℃〜50℃程度の温度変化にさらされる。ボトルは、内容物を保存するために外気の影響を受けないように密閉されているため、ボトル自体に剛性がない場合、その温度変化による内容物の熱膨張、熱収縮の影響を受け、変形してしまう。化粧品、薬品、又は食品の保存において、容器の変形は使用者に対し樹脂の内容物への溶出、あるいは密閉性が損なわれている事を連想させるものであり、商品として好ましくない。
バイオマス由来プラスチックの一つであるポリ乳酸をブロー成型によるボトルを製造した場合、密閉した条件だと外気の上昇に伴い内圧も上昇し、50℃・2時間の環境下では変形してしまう。
【0007】
バイオマス原料由来の樹脂は、結晶化を促進することにより、耐衝撃強度と耐熱温度の向上が図られることが知られている。この結晶化を促進する具体的な技術としては、以下のものが知られている。
射出成形材料のバイオマス原料由来の樹脂に、結晶核剤のタルク、シリカ、乳酸カルシウム等の粉末を添加する方法がある(例えば、下記特許文献1参照)。
また、射出成形において金型内で結晶化温度を保持することによって結晶化を促進する方法(例えば、下記特許文献2参照)、シート部材を真空・圧空成形の後に、成形品の結晶化を促進するために二次加工としてアニール処理する方法(例えば、下記特許文献3参照)である。
【0008】
さらに、射出成形後二次加工として結晶化を進めるためにアニール処理を行う発明として、樹脂組成物は、ポリ乳酸(PLA)と、重量平均分子量が10万以上のポリプロピレン(PP)と、無機充填剤とを用いて構成し、深み感のあるシルキー性とマット調とを有する高意匠性を具えた樹脂物の成形が可能な樹脂組成物を形成することである(例えば、特許文献4参照)。
【0009】
さらに、射出成形後二次加工として結晶化を進めるためにアニール処理を行う発明として、バイオマス原料由来の樹脂の結晶化温度未満で、かつガラス転移温度未満に保持された金型内5に、バイオマス原料由来の樹脂、又は石油原料由来の樹脂とバイオマス原料由来の樹脂とのブレンド樹脂を射出し、その後、冷却固化することにより得られるバイオマス原料由来の樹脂成形体の製造方法であって、前記金型5から離型して成形品1(ハウジング)を得る工程を行い、その後に、前記成形品1の形状寸法精度を必要とする箇所を支持した状態で結晶化させるアニール工程を行う方法である(例えば、特許文献5参照)。
【0010】
さらにまた、ポリ乳酸等を赤外線を利用して熱処理し、例えば従来のアニール処理に用いられる温風処理等と比較して、所望の耐熱性を得るための処理時間が飛躍的に短縮される方法である(例えば、特許文献6参照)。
【0011】
【特許文献1】特開平8−193165号公報
【特許文献2】特開2005−74791号公報
【特許文献3】特開平8−73628号公報
【特許文献4】特開2007−145912号公報
【特許文献5】特開2007−160653号公報
【特許文献6】特開2004−359763号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献1に開示された結晶核剤を添加する方法では、ある程度結晶化度も進み、低荷重下(ASTM D468に準ずる荷重たわみ試験:0.45MPa)では機能を果たすが、例えば密閉されたボトルに掛かる荷重においては変形を避けられない。
特許文献2に開示された金型内で結晶化させる方法では、最も結晶化を促進することができるが、衝撃にもろく、例えば家庭内での使用に耐えられるボトルを作ることはできない。
【0013】
ボトルのようなブロー成型品の場合、成型工程において樹脂が延伸されており残留応力があるため、特許文献3及び4のようなアニール処理を行うと、処理中に変形してしまう。
特許文献5の発明によれば、特許文献3及び4熱がかからないようにしているものであり、その部分においては結晶化が促進されず、耐熱性の向上は図れず、さらに、冷却時の変形を抑えるために、5℃/分以下の徐冷が必要であり、生産コストが高くなるという問題がある。
【0014】
また、特許文献1ないし5に開示された結晶化を促進させる方法は、いずれの場合も特許文献5にあるようにマット調の質感となってしまい、高光沢でつやのある質感にすることは不可能である。
【0015】
引用文献6においては、ポリ乳酸等を赤外線を利用して短時間で熱処理することができるが、ボトル等のブロー成形品は急激に加熱すると変形してしまう等の問題がある。
【0016】
一般に、ボトルなどのブロー成型品は、射出成型と異なり、その成型加工時において、パリソン(予備成形体)を冷却しながら、円周の長さで3倍前後(2〜5倍)の大きさに延伸する。そのため、
残留応力が残ること、及びエアーの吹込みによる延伸のため、製品の肉厚が均一にならないことが避けられない。この結果、2次加工においてアニール処理など再加熱をすると、不均一な変形を起してしまう問題がある。特に、化粧品、薬品、又は食品の保存に使用されるボトルの場合、その胴部の肉厚は0.2〜1.5mmと薄い物であるため、このようなブロー成型品をアニール処理すると、変形が発生する場合が多い。
【0017】
(発明の目的)
本発明は、従来のバイオマス由来積層プラスチック成形体及びその製造方法の上述した問題点に鑑みてなされたものであって、密閉されたボトルに掛かる荷重においては変形せず、一方耐衝撃性が高いバイオマス由来積層プラスチック成形体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0018】
本発明はまた、残留応力が無くあるいは極めて少なく、製造中に変形することがないバイオマス由来積層プラスチック成形体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明はさらに、成形体全体が結晶化され、結晶化されないところがなく、さらに、マット調の質感とならず、高光沢でつやのある質感を得ることができるバイオマス由来積層プラスチック成形体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0019】
本発明はさらに、柔軟性を保持したまま耐熱性を有するバイオマス由来積層プラスチック成形体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、ブロー成形された積層プラスチック成形体であって、少なくとも一層の構成成分の25wt%以上がバイオマス由来プラスチックであり、他の層がポリオレフィン樹脂であり、成形後、常温から5〜20℃/分で昇温し、85〜100℃の環境下にて3〜10分保持し、10〜15℃/分で徐冷するアニール処理を行ったことを特徴とするバイオマス由来積層プラスチック成形体である。
本発明はまた、積層プラスチック成形体をブロー成形し、少なくとも一層の構成成分の25wt%以上がバイオマス由来プラスチックであり、他の層がポリオレフィン樹脂であり、成形後、常温から5〜20℃/分で昇温し、85〜100℃の環境下にて3〜10分保持し、10〜15℃/分で徐冷するアニール処理を行うことを特徴とするバイオマス由来積層プラスチック成形体の製造方法である。
【発明の効果】
【0021】
本発明のバイオマス由来積層プラスチック成形体及びその製造方法によれば、密閉されたボトルに掛かる荷重においても変形せず、一方耐衝撃性が高いバイオマス由来積層プラスチック成形体及びその製造方法を構成することができる。
本発明のバイオマス由来積層プラスチック成形体及びその製造方法によればまた、残留応力が無くあるいは極めて少なく、製造中に変形することがないバイオマス由来積層プラスチック成形体及びその製造方法を構成することができる。
本発明のバイオマス由来積層プラスチック成形体及びその製造方法によれば、成形体全体が結晶化され、結晶化されない部分がなく、さらに、マット調の質感とならず、高光沢でつやのある質感を得ることができるバイオマス由来積層プラスチック成形体及びその製造方法を構成することができる。
【0022】
本発明のバイオマス由来積層プラスチック成形体及びその製造方法によればさらに、柔軟性を保持したまま耐熱性を有するバイオマス由来積層プラスチック成形体及びその製造方法を構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、本発明の実施の形態のバイオマス由来積層プラスチック成形体の製造方法を図面に基づいて説明する。
本バイオマス由来積層プラスチック成形体の製造方法は、第1に、パリソンPすなわち予備成形体を準備する。パリソンPは、図1に示すように、押し出し成形されて、パイプ状である。パリソンPの下端部は塞がれ、上端部は開放されている。第1形態のパリソンPの断面は、図2に示すように、外側層のポリ乳酸層10と、中間層の接着層12と、内側層のポリエチレン層14との3層構造である。接着層12は、変性ポリオレフィン、酢酸ビニール等の接着性樹脂である。パリソンPのパイプ状部分の厚さは、例えば2mmである。
【0024】
第2形態のパリソン1のP断面は、図3に示すように、外側層のポリ乳酸層20と、中間外側層の接着層22と、中中間層のガスバリヤ層24と、中間内側層の接着層26と、内側層のポリエチレン層28との5層構造である。ガスバリヤ層24は、エチレン・ビニルアルコール共重合体である。接着層22、接着層26は、変性ポリオレフィン、酢酸ビニール等の接着性樹脂である。パリソンPのパイプ状部分の厚さは、例えば2mmである。
【0025】
パリソンPは、図4に示すように、20℃位に冷却されて開かれた金型30、32の間に配置される。後、金型30、32は、図5に示すように、閉じられる。続いて、図5の矢印40で示すように、パリソンPの上端開口からエアーを吹き込む。
【0026】
続いて、金型30、32を開いて、図6に示すプラスチック成形体Mを取り出す。プラスチック成形体Mは、例えば、外径60mm、高さ150mmである。
【0027】
(成形品の特性)
第1実施形態のパリソンPを使用して、ブロー成型により3層のボトル(容量:300ml、ブロー比:約3倍、胴部平均肉厚:0.7mm)を、一般的なオレフィン系樹脂と同様の条件にて成型した。
層構成としては、
外層:ポリ乳酸を70wt%以上、スチレン系樹脂を30wt%以下からなるプラスチック
中間層:接着性樹脂
内層:ポリエチレン
である。
【0028】
前記プラスチック成形体Mを、下記条件によりそれぞれ恒温層によるアニール処理をした。
(表1)
昇温速度 最高温度 最高温度保持時間 冷却速度
A 5℃/分 75℃ 10分 5℃/分
B 5℃/分 80℃ 10分 5℃/分
C 5℃/分 85℃ 10分 5℃/分
D 5℃/分 90℃ 10分 5℃/分
E 5℃/分 95℃ 10分 5℃/分
F 5℃/分 100℃ 10分 5℃/分
G 5℃/分 105℃ 10分 5℃/分
H 5℃/分 110℃ 10分 5℃/分
【0029】
上記アニール処理の結果、G、Hに変形、すなわち延伸加工の残留応力による物と思われる凹みが見られた。A〜Fについては、水道水275mlを入れキャップにより密閉し、50℃の恒温層にて48時間の耐熱試験を行った結果、A,Bには変形、すなわちボトル底部、肩部が膨張し、正立できないことが見られた。C,D,E,Fは、外観上、及び機能的に問題となる変形は見られなかった。
これらの結果により、ブロー成型ボトル(ブロー比:約3倍、胴部平均肉厚:0.7mm)のアニール処理すなわち結晶化に適している温度は85〜100℃と判断された。
【0030】
次に、最適な最高温度保持時間を特定するために以下のアニール処理を行った。前記プラスチック成形体Mを、下記条件によりそれぞれ恒温層によるアニール処理をした。
(表2)
昇温速度 最高温度 最高温度保持時間 冷却速度
A 5℃/分 90℃ 1分 5℃/分
B 5℃/分 90℃ 3分 5℃/分
C 5℃/分 90℃ 5分 5℃/分
D 5℃/分 90℃ 7分 5℃/分
E 5℃/分 90℃ 10分 5℃/分
F 5℃/分 90℃ 15分 5℃/分
【0031】
A〜Fいずれのサンプルもアニール処理による変形は見られなかった。A〜Fについて、水道水275mlを入れキャップにより密閉。50℃の恒温層にて48時間の耐熱試験を行った結果、Aには変形、すなわちボトル底部、肩部が膨張し、正立できない状態になった。B,C,D,E,Fは、外観上及び機能的に問題となる変形は見られなかった。
C,D、E,Fについて、さらに落下による耐衝撃試験(水道水を満注量入れ、キャップにより密閉。1mの高さからコンクリートフロアに落下)をしたところ、Fのみ成立状態での落下時に、底部に割れが発生した。
これらの結果により、ブロー成型ボトルにおいて耐熱性、耐衝撃性、生産性を勘案しアニール処理をする場合、最高温度の保持時間は3〜10分と判断された。
【0032】
次に最適な昇温速度を特定するために次のアニール処理を行った。
(表3)
昇温速度 最高温度 最高温度保持時間 冷却速度
A 5℃/分 90℃ 5分 5℃/分
B 10℃/分 90℃ 5分 5℃/分
C 20℃/分 90℃ 5分 5℃/分
D 30℃/分 90℃ 5分 5℃/分
E 40℃/分 90℃ 5分 5℃/分
F 60℃/分 90℃ 5分 5℃/分
【0033】
A、B、Cについては、アニール処理による変形は見られなかった。D、Eについては、外観上の若干の変形、Fについては外観上明らかな変形、すなわち延伸加工の残留応力による物と思われる凹みが現れた。
A、B、Cについて、水道水275mlを入れキャップにより密閉。50℃の恒温層にて48時間の耐熱試験を行った結果、A、B、C共に外観上、及び機能的に問題となる変形は見られなかった。耐衝撃試験においても、A、B、C共に割れは発生しなかった。
これらの結果から、最適な昇温速度は5〜20℃/分と判断された。
【0034】
次に最適な冷却速度を特定するために次のアニール処理を行った。
(表4)
昇温速度 最高温度 最高温度保持時間 冷却速度
A 10℃/分 90℃ 5分 1℃/分
B 10℃/分 90℃ 5分 5℃/分
C 10℃/分 90℃ 5分 10℃/分
D 10℃/分 90℃ 5分 15℃/分
E 10℃/分 90℃ 5分 20℃/分
F 10℃/分 90℃ 5分 水道水による急速冷却
【0035】
A〜Fに全てにおいて、アニール処理による変形は見られなかった。A〜Fについて、水道水275mlを入れキャップにより密閉し、50℃の恒温層にて48時間の耐熱試験を行った。A、B、C、Dについては外観上、及び機能的に問題となる変形は見られなかった。E、Fは変形した。
以上の結果により、ブロー成型ボトルにおいて、耐熱性、耐衝撃性、生産性を勘案しアニール処理をする場合、最適冷却速度は10〜15℃/分と判断された。
【0036】
これらの結果から、バイオマス由来プラスチックによるブロー成型ボトルにて、耐衝撃性を確保したまま耐熱性を向上させるには、常温から5〜20℃/分で昇温し、85〜100℃の環境下にて3〜10分保持し、10〜15℃/分で徐冷するという条件でアニール処理することが望ましいということが知見された。
【0037】
通常、結晶性高分子は結晶化すると、表面の平滑性が損なわれ、特許文献5にあるようにマット調の質感となってしまい光沢がなくなるが、本発明によるアニール処理をした場合、表面の平滑性が増し、加工前に比べて光沢が増した。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施形態のパリソンの斜視図である。
【図2】本発明の実施形態のパリソンの第1形態の断面図である。
【図3】本発明の実施形態のパリソンの第2形態の断面図である。
【図4】本発明の実施形態の成形前の開いた状態の金型の斜視図である。
【図5】本発明の実施形態の閉じた状態の金型の斜視図である。
【図6】本発明の実施形態の成形後の開いた状態の金型の斜視図である。
【図7】本発明の実施形態のプラスチック成形体の斜視図である。
【符号の説明】
【0039】
P パリソン
M プラスチック成形体
10 ポリ乳酸層
12 接着層
14 ポリエチレン層
20 ポリ乳酸層
22 接着層
24 ガスバリヤ層
26 接着層
28 ポリエチレン層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロー成形された積層プラスチック成形体であって、少なくとも一層の構成成分の25wt%以上がバイオマス由来プラスチックであり、他の層がポリオレフィン樹脂であり、成形後、常温から5〜20℃/分で昇温し、85〜100℃の環境下にて3〜10分保持し、10〜15℃/分で徐冷するアニール処理を行ったことを特徴とするバイオマス由来積層プラスチック成形体。
【請求項2】
前記積層プラスチック成形体が、内層と外層を有し、前記外層の構成成分の25wt%以上がバイオマス由来プラスチックであり、前記内層がポリオレフィン樹脂であり、成形後、常温から5〜20℃/分で昇温し、85〜100℃の環境下にて3〜10分保持し、10〜15℃/分で徐冷するアニール処理を行ったことを特徴とする請求項1に記載のバイオマス由来積層プラスチック成形体。
【請求項3】
前記バイオマス由来プラスチックが、ポリ乳酸、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンサクシネート/アジペート、ポリブチレンアジペート/テレフタレート、ポリヒドロキシ酪酸等のポリヒドロキシアルカノエート、澱粉樹脂、酢酸セルロース及びこれらの2種以上の混合物からなる群から選ばれたものであることを特徴とする請求項1または請求項2記載のバイオマス由来積層プラスチック成形体。
【請求項4】
前記ポリオレフィン樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリエチレン−プロピレンであることを特徴とする請求項1または請求項2記載のバイオマス由来積層プラスチック成形体。
【請求項5】
前記バイオマス由来積層プラスチック成形体が、ボトルであることを特徴とする請求項1または請求項2記載のバイオマス由来積層プラスチック成形体。
【請求項6】
積層プラスチック成形体をブロー成形し、少なくとも一層の構成成分の25wt%以上がバイオマス由来プラスチックであり、他の層がポリオレフィン樹脂であり、成形後、常温から5〜20℃/分で昇温し、85〜100℃の環境下にて3〜10分保持し、10〜15℃/分で徐冷するアニール処理を行うことを特徴とするバイオマス由来積層プラスチック成形体の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2009−214405(P2009−214405A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−60035(P2008−60035)
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【出願人】(592135786)株式会社平和化学工業所 (6)
【Fターム(参考)】