説明

バイオマス誘導された抽出物、フレグランス濃縮物、およびオイル用の天然非刺激性溶剤としての生物誘導された1,3−プロパンジオールおよびその共役エステル

1,3−プロパンジオールと抽出生成物を含有する組成物を提供し、組成物中の1,3−プロパンジオールは生物学的に誘導される。ソースから抽出物を抽出する方法も提供する。これらの方法は、1,3−プロパンジオールのエステルを提供し、1,3−プロパンジオールエステルをソースと混合することを包含する。これは、ソースからエステルへと抽出物を抽出する役割を果たす。またこの方法はエステルと抽出物からソースを分離することを包含する。また、1,3−プロパンジオールのエステルと抽出生成物を含有する組成物を提供する。これらの組成物では、エステルは少なくとも3%の生物由来炭素を有することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は溶剤と抽出物を含有する組成物および材料から溶剤を用いて化合物を抽出する方法に関する。
【関連出願と相互参照】
【0002】
本願は米国仮特許出願第60/772,471号(2006年2月10日出願)、米国仮特許出願第60/772,194号(2006年2月10日出願)、米国仮特許出願第60/772,193号(2006年2月10日出願)、米国仮特許出願第60/772,111号(2006年2月10日出願)、米国仮特許出願第60/772,120号(2006年2月10日出願)、米国仮特許出願第60/772,110号(2006年2月10日出願)、米国仮特許出願第60/772,112号(2006年2月10日出願)、米国仮特許出願第60/846,948号(2006年9月25日出願)、米国仮特許出願第60/853,920号(2006年10月24日出願)、米国仮特許出願第60/859,264号(2006年11月15日出願)、米国仮特許出願第60/872,705号(2006年12月4日出願)および米国仮特許出願第60/880,824号(2007年1月17日出願)の利益を請求するものであり、その開示を明確にここにその全体を参照して挿入する。
【背景技術】
【0003】
消費者や製造者は全ての製品の環境への影響にますます関心を持っている。環境への影響の認識に向けた努力は、政府機関が認める世界的関心事である。現在156カ国が署名した気候変化についての国連の枠組みの総会(UNFCCC)への京都議定書修正案は、コストや効率を越えて、より環境的に安全な製造を奨励する地球規模の努力の一例である。特に、パーソナルケア、化粧品、治療品および薬用化粧品のような商品であれば、ますます消費者は、購入する製品の由来について敏感である。2004年の銀行組合の年次消費者倫理報告(www.co-operativebank.co.uk)では、倫理的に意味のある小売製品(環境的に安全で、有機的なフェアトレード商品についての一般分類)にお金をかける消費者が2003年から2004年の間で30.3%増加し、一方で消費者全体が同じ期間にかけたお金は3.7%しか上昇しなかったことが開示された。
【0004】
消費者にとって最も大きな環境的関心事の1つは、地球温暖化効果とその効果に寄与する温室効果ガスである。温室効果ガスは太陽光が自由に大気に侵入することを可能にするガスのことである。太陽光が地球表面に達すると、その幾分かは赤外線として宇宙空間へと反射され戻る。温室効果ガスはこの赤外線を吸収し大気中に熱を溜め込む。時間がたてば、太陽から地球表面へ送られるエネルギー量は宇宙空間に逆放射されるエネルギー量とほぼ同じで、地球表面温度はほぼ一定になるべきである。しかし、温室効果ガスの量が人類の産業化が進む前に存在していた量以上に増加したことが、地球表面上の保有熱を増加させ、ここ2世紀で観察された地球温暖化を生み出したものと考えられる。
【0005】
二酸化炭素は大気中に蓄積される温室効果ガスの最大成分として選ばれたものである。大気性二酸化炭素のレベルはここ200年で50%増加した。二酸化炭素が大気へこれ以上追加されれば、温室効果ガスの影響が地球温度の安定から加熱の方向へさらにシフトするものと考えられる。消費者および環境保護団体は、炭素のソースとして大気への炭素の工業的放出が温室効果につながると一様に認識してきた。再生可能なものに由来するソース、たとえば、植物性の砂糖およびでんぷんからの炭素分子からなる有機的製品および最終的に大気性の炭素だけが、石油や化石燃料由来の同じ有機分子に比べて、温室効果にさらに寄与しないと考えられる。
【0006】
プロパンジオールの現行の工業的製造方法は、大気に二酸化炭素を追加するだけでなく、汚染物質や廃棄生成物を製造し、その周辺には、硫酸、塩酸、フッ化水素酸、リン酸、酒石酸、酢酸、アルカリ金属、アルカリ土金属、遷移金属および重金属、たとえば、鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀、モリブデン、タングステン、バナジウム、クロム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、ルビジウム、および白金がある(米国特許第2,434,110号公報、5,034,134号公報、5,334,778号公報、および5,10,036号公報)。
【0007】
環境への影響を減らした製品を提供し、特に大気に投入される炭素を考慮することが全ての製造者に求められる。また、再生可能なものに基づくソースの製品を提供することが製造者にとって環境的に有益である。さらに、環境における現在の二酸化炭素レベルを全くまたはほとんど増加させずに製造されることが試験溶剤に求められる。
【0008】
公開された米国特許出願第2005/0069997号公報は、1,3−プロパンジオールを培養されたE.coli大腸菌の発酵ブロスから精製する方法を開示し、E.coli発酵ブロスは砂糖から1,3−プロパンジオールを生物工学的に合成するものである。基本的方法は発酵ブロス生成物ストリームの濾過、イオン交換および蒸留を伴い、好ましくは蒸留作業時に生成物を化学的に還元することを含む。また、高度に精製された1,3−プロパンジオール組成物をも提供する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
パーソナルケア、動物ケア、化粧品、治療品、調剤品、栄養補助食品、アロマセラピーおよびフレグランスおよび薬用化粧品の配合物は、組成物中のグリコールから、たとえば、界面活性剤、湿潤剤、溶剤、中和剤、乳化剤、防腐剤および/またはフレグランス増強剤および定着剤としての利益を享受している。典型的にパーソナルケア用途でのグリコール成分には、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールまたは2−メチル−1,3−プロパンジオールがある。製造コストの点と比較的純度が低いために、前述のグリコールと同程度か場合によっては劣る特性を有する常套の1,3−プロパンジオールは、一般にこのような組成物には使用されない。
【0010】
さらに、パーソナルケア、動物ケア、化粧品、治療品、調剤品、アロマセラピーおよびフレグランスおよび薬用化粧品の配合物に、植物、野菜、たんぱく質/ペプチド、海洋性、藻類または牛乳抽出物、またはフレグランス濃縮物またはオイルを取り入れたのだから、消費者は製品の品質や環境への影響に注意を払う。現在、植物、野菜、たんぱく質/ペプチド、海洋性、藻類または牛乳抽出物、およびフレグランス濃縮物は、化学的溶剤、たとえば、プロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、合成グリセリン、およびエタノールを抽出処理のために使用する。多くの場合、これらの化学的溶剤は互いに組み合わせて使用される。これらの化学物質は好適な溶剤であることは事実であるが、これらがなければ「全ての天然」製品であるにもかかわらず、これらが石油由来成分を表すために、本質的な不利益を有する。さらに、これらの溶剤の安全性評価は肌刺激を生じうるとの証明が与えられている。(プロピレングリコールおよびポリプロピレングリコールの安全評価における化粧品構成要素レビュー専門家調査委員会(Cosmetic Ingredient Review Expert Panel)(1994)最終報告、J.Am.カレッジ・トキシコール(College Toxicol.),13(6):437−491)。
【0011】
植物から抽出したエッセンシャルオイルは化粧品やパーソナルケア配合物に幅広く使用される。植物から抽出された色素は食品や非食品工場で使用される。医療用植物抽出物は各種疾患の治療用に使用される。フレーバー、フレグランス、色素および活性構成要素の抽出のために各種方法を使用することができるが、溶剤抽出は幅広く使用される方法の1つである。必要な構成要素の選択的抽出、抽出された構成要素の安定性、および構成要素の不所望な溶剤からの分離は抽出で鍵となる因子である。揮発性溶剤、たとえば、エタノールを活性構成要素の抽出に使用する場合には、配合物に構成要素を使用する前に溶剤を除去する必要がある。溶剤を除去すれば、活性構成要素の幾分かが不安定化し分解する場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
1,3−プロパンジオールおよび抽出生成物を含有する組成物を提供し、組成物中の1,3−プロパンジオールは生物学的に誘導される。また、ソースからの抽出物の抽出方法も提供する。これらの方法は、1,3−プロパンジオールのエステルを提供し、1,3−プロパンジオールエステルをソースと混合することを包含する。これは、ソースからエステルへと抽出物を抽出する役割を果たす。またこの方法はエステルと抽出物からソースを分離することを包含する。また、1,3−プロパンジオールのエステルと抽出生成物を含有する組成物を提供する。これらの組成物では、エステルは少なくとも3%の生物由来炭素を有することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
特に出願人は本開示で参照した全ての文献の全内容を挿入する。さらに、量、濃度、または他の値またはパラメータが、所定範囲、好ましい範囲または好ましい上限値と好ましい下限値のリストとして与えられている場合には、範囲が特に開示されていない限り、これは、何らかの上限範囲または好ましい値と何らかの下限範囲または好ましい値の何らかの対から形成される全ての範囲を特に開示するものと理解される。特に記載しない限り、ここで数値範囲が示される場合には、その範囲はその端点、その範囲内の全ての整数および分数を含むものと解釈される。発明の範囲は範囲を規定した場合に示される特定の値に限定されるものと解釈される。
【0014】
天然抽出物を希釈し抽出するための溶剤はしばしば合成の石油由来有機溶剤である。
植物、野菜、たんぱく質/ペプチド、海洋性、藻類および牛乳抽出物はエッセンシャルオイルとしても周知であり、これらは多くの組成物の中で魅力的な成分である。これらのエッセンシャルオイルは、芳香、活性構成要素、および他の官能性、たとえば、手触り、柔軟性、皮膚軟化性、ヒーリング性、冷却性、爽快性、抗菌性、収れん性、爪−強化性、健康な皮膚組織および髪の促進、クレンジング、刺激性、ホワイトニング、抗酸化剤および肌−スムージング特性の誘導性を製品へ与える。エッセンシャルオイルは植物/野菜、たんぱく質/ペプチド、脂質、海洋性、藻類または牛乳材料の揮発性オイルであり、蒸留か溶剤抽出のいずれかによって取り出される。
【0015】
生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールおよびその共役エステルを溶剤として用いて、エッセンシャルオイルおよび他の抽出物を抽出ソースから抽出することができる。生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールおよびその共役エステルを、10%〜100%の濃縮範囲で植物抽出物およびフレグランス濃縮物およびオイル用の溶剤システムとして使用することができる。
【0016】
さらに、生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールおよびその共役エステルを溶剤として用いて、組成物中に抽出物を希釈しまたは溶解させることができる。生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールおよびその共役エステルは、これらが天然誘導されることで溶剤として独特であり、したがって、合成の化学物質を避ける消費者にも魅力的である。
【0017】
生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールおよびその共役エステルは、植物、野菜、たんぱく質/ペプチド、海洋性、藻類、牛乳基質またはフレグランス濃縮物およびオイルの抽出および希釈用の非刺激性溶剤を提供する。本発明の見解では、溶剤は全て天然成分からなり、「全て天然」という用語は、ここで使用されるように、天然に生じる構成要素から製造される製品を言う。特に、生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールは非石油由来炭素を含有する。
【0018】
ここで議論される生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールの共役エステルには、生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールのモノおよびジエステルがある。
【0019】
生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールまたはその共役エステルを、植物抽出物またはフレグランス濃縮物またはオイルの抽出または希釈用の化学溶剤として使用する。ソースから抽出物を抽出する方法は、(a)1,3−プロパンジオール、1,3−プロパンジオールのエステルまたはその混合物を提供し;(b)1,3−プロパンジオール、1,3−プロパンジオールのエステルまたはその混合物とソースを混合し、ソースからエステルへと抽出物を抽出し;(c)抽出物および1,3−プロパンジオール、1,3−プロパンジオールのエステルまたはその混合物からソースを分離することを包含する。
【0020】
抽出法は乾燥基質、たとえば、溶剤で浸軟させた植物材料の使用を含む。浸軟は、現在の香水産業において香料抽出するのに最も一般的で経済的に重要な技術である。この方法では、原材料を溶剤に浸し、溶剤は所望の香料または他の抽出化合物を溶解することができる。浸軟は1時間〜数ヶ月の期間続ける。浸軟をしばしば用いて木材または繊維材料、さらには動物ソースから芳香性化合物を抽出する。この技術は蒸留するには揮発性すぎるまたは熱によって容易に変質する香気物質を抽出するのにも有用である。
【0021】
場合によっては、十分に溶解性の材料がバイオマスまたは基質から溶け出るまで、溶剤を基質材料に浸透させてもよい。基質の残骸を裏ごし、濾過または遠心分離によって抽出物から分離する。
【0022】
化合物を原材料から抽出する別の技術は超臨界流体抽出である。この技術は低温加熱を用いて抽出化合物の変質を低減するものである。超臨界COをこの抽出技術に使用することができる。
【0023】
本発明によれば、抽出は蒸留を含む他の抽出技術によっても行うことができる。生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールおよびその共役エステルを、蒸留抽出において溶剤として使用することができる。植物、たとえば、オレンジの花およびバラから芳香性化合物を得るために一般的に使用されるこの技術では、原材料を加熱し、フレグランス化合物を蒸留蒸気の凝結を通じて再回収する。蒸留法には蒸気蒸留があり、蒸気蒸留では蒸気を用いて植物材料から揮発性フレグランス化合物を排出させ、ヒドロゾルと呼ばれる濃縮物を残す。また蒸留には、乾燥または分解蒸留があり、分解蒸留では原材料をキャリア溶剤なしに加熱する。この場合には、生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールおよびその共役エステルを、抽出後にフレグランス化合物を希釈するための溶剤として使用する。
【0024】
文献として周知のまた別の抽出法では、原材料を物理的に絞るまたは圧縮し押出されたオイルを回収する。この方法は抽出として周知であり、柑橘系のフルーツの皮から化合物を抽出するために最も一般的に行われる。なぜなら、これらのソースはこの方法を実行するのに十分なオイルを含んでいるからである。アンフリュラージュは生物学的に誘導された1,3−プロパンジオール、その共役エステルまたはその混合物を用いるのに適した別の抽出法である。
【0025】
生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールおよびその共役エステルは抽出用溶剤として、および植物抽出物を含有する組成物の成分として有用である。植物ソースには全ての植物、種子、茎、根、花、葉、花粉、香辛料、およびオイルがあるが、これに限定されない。抽出または蒸留に適したタイプの抽出物はハーバル抽出物である。
【0026】
ハーバル抽出物はハーブと溶剤の液体溶液である。乾燥させたまたは生のハーブを溶剤と混合し、次いで固形分を除去して、溶剤と混合したハーブのオイルのみを残す。この処理は抽出と呼ばれ、この処理はハーバル抽出物を生成する。
【0027】
ハーバル抽出物は食事のサプリメントとして、場合によっては医薬品として販売され、調理や料理におけるまたは飲料における香り付けに一般的に使用される。また、これらはパーソナルケア製品、たとえば、スキンケアおよびヘアケア製品にも使用される。
【0028】
大気中の少量の二酸化炭素は放射性である。窒素に紫外線が当たり中性子を生じたときに、このC14の二酸化炭素は生じる。窒素は陽子を失い分子量14の炭素を形成しこれは直ちに二酸化炭素に酸化する。この放射性同位体は少量であるが、測定可能な大気性炭素留分を示す。大気性二酸化炭素は、緑の植物が光合成として周知の処理の際に有機分子を生成することによって循環する。緑の植物または他の生命形態が有機分子を新陳代謝して、二酸化炭素を生成し、二酸化炭素を大気に再放出したときに、この循環は完了する。実際には、地球上の全ての生命形態は、この緑の植物が有機分子を生成して成長や再生を促進する化学エネルギーを生成することに依存している。したがって、大気中に存在する14Cは全ての生命形態およびその生物学的製品の一部となる。これらの再生可能なものに由来する有機分子がCOへと生物学的に減成することは、大気に放出される炭素をこれ以上増加させないので、地球温暖化に寄与しない。逆に、化石燃料由来の炭素は、大気性二酸化炭素の指標の放射性炭素比を有さない。
【0029】
材料中の再生可能なものに由来する炭素の評価は標準試験法を通じて行うことができる。放射性炭素および同位体比質量分光法を用いて、材料の生物由来含有量を同定することができる。アメリカン・ソサイエティ・フォー・テスティング・アンド・マテリアルズ(American Society for Testing and Materials)として正式に周知のASTMインターナショナル(International)は、材料の生物由来含有量を評価する標準的方法を確立している。ASTM法はASTM−D6866を指定する。
【0030】
「生物由来含有量」を導き出すためにASTM−D6866の使用は、年齢方程式を使用しないことを除けば、放射性炭素年代測定法と同じ概念の上に成り立っている。この分析は未知の試料内の放射性炭素(14C)量のモデム参考基準量に対する割合を導き出すことによって行われる。この割合は単位当たりのパーセント「pMC」(パーセント・モデム・カーボン)として報告される。分析した材料が現代の放射性炭素と化石の炭素(放射性炭素を含まない)の混合物である場合には、得られたpMC値は試料中に存在するバイオマス材料の量に直接的な相関関係を示す。
【0031】
放射性炭素年代測定法で使用されるモデム参考基準は、AD1950年とほぼ等しい周知の放射性炭素含有量を有するNIST(ナショナル・インスティチュート・オブ・スタンダーズ・アンド・テクノロジー(National Institute of Standards and Technology)基準である。AD1950年は、大量の過剰の放射性炭素が爆発を伴って大気中に投入された(「爆弾炭素」と言う)核融合兵器試験の前の時期であるので、この年が選ばれた。AD1950年レファレンスは100pMCを示す。
【0032】
大気中の「爆弾炭素」は試験中止の条約前で試験のピーク時の1963年ではほぼ2倍の通常レベルに達していた。大気内の分布は、見かけ上、AD1950年以来生存している植物および動物について100pMCより大きい値を示すので、これと近似した。時間を経て、徐々に減少し、今日の値はほぼ107.5pMCである。これは、生のバイオマス材料、たとえば、コーンは約107.5pMCの放射性炭素指標を与えることを意味する。
【0033】
材料中に化石炭素と現在の炭素を混合することは、現在のpMC含有量の希釈につながる。107.5pMCが現在のバイオマス材料を表し0pMCが石油誘導体を表すと仮定すると、ある材料についてのpMC測定値は2つの成分タイプの割合を反映することになる。現在の大豆から100%誘導される材料は約107.5pMCの放射性炭素指標を与える。材料が50%石油誘導体で希釈された場合には、54pMCの放射性炭素指標を与える。
【0034】
バイオマスの含有量結果は、100%=107.5pMC、0%=0pMCと決めることによって導き出される。この見解では、測定値99pMCの試料は生物由来含有量結果は93%と等しい。
【0035】
ここで記載される材料の評価はASTM−D6866に従って行った。本報告で引用した平均値は端部成分の放射性炭素指標における変動を考慮して6%の絶対範囲(生物由来含有量値の各側においてプラスマイナス3%)を含む。全ての材料は現在のものであるか化石由来であり、所望の結果は材料中に「存在する」生物由来成分の量であり、製造過程で「使用された」生物由来材料の量ではない。
【0036】
「実質的に精製された」とは、本発明の方法で製造される生物学的に製造された1,3−プロパンジオールを記載するために出願人が使用するように、次の特徴の少なくとも1つを有する1,3−プロパンジオールを含有する組成物を言う。1)220nmで約0.200未満の、250nmで約0.075未満の、および275nmで約0.075未満の紫外線吸収;または2)約0.15未満のL*a*b*「b*」色値および270nmで約0.075未満の吸収を有する組成物;または3)約10ppm未満の過酸化組成物;または4)約400ppm未満の全有機不純物濃度。
【0037】
「b*」値は、CIE L*a*b*測定ASTM D6290によって規定されるように、分光測光法で同定されるイエローブルー測定値である。略語「AMS」は加速器質量分析法を示す。
【0038】
略語「IRMS」は、高精密安定同位体比質量分析法によるCOの測定値を示す。
【0039】
「生物学的に生成される」とは、生存有機体の1以上の種または遺伝的特徴によって生成される有機化合物を意味し、特にバクテリア、イースト、菌類および他の微生物の遺伝的特徴を含む。「生物生成される」、「生物学的に誘導される」および「生物学的に生成される」はここでは同じ意味で使用する。このような有機化合物は緑の植物によって砂糖およびでんぷんに変換される大気性二酸化炭素からの炭素からなる。
【0040】
「生物学的なものに由来する」とは、有機化合物が生物学的に生成される有機成分から合成されることを意味する。さらに、ここで開示される合成法は他のモノエステルおよびジエステルを1,3−プロパンジオール以外の生物生成されたアルコールから効果的に合成することができることを意図しており、このようなアルコールには特に、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレンジオール、 トリプロピレンジオール、2−メチル1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコールおよびビスフェノールAがある。「生物由来」および「生物源」、「生物学的に誘導される」、および「生物誘導される」はここでは同じ意味で使用する。
【0041】
ここで使用されるように「大気由来の炭素」は、近年、ここ20、30年間に地球の大気中でフリーな二酸化炭素からの炭素原子を言う。マス中のこのような炭素は、ここで記載されるように、特定の放射性同位体の存在によって確認することができる。「緑の炭素」、「大気性炭素」、「環境に優しい炭素」、「生体循環炭素」、「非化石燃料由来炭素」「非石油由来炭素」、「大気由来の炭素」、および「生物由来炭素」はここでは同じ意味で使用する。
【0042】
「フレーバリング剤」は食品、飲料、化粧品、薬剤、または医薬品に添加されて味の質を改良する物質(このような組成物)である。オイル、たとえば、オレンジオイルはフレーバリング剤と考えられる。
【0043】
本発明による組成物は、1,3−プロパンジオールのエステルおよび抽出生成物を含有する組成物を含む。エステルはエステル化で使用される化合物に依存して生物由来炭素の量が変化しうる。生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールは生物由来炭素を含む。1,3−プロパンジオール中の3個全ての炭素原子は生物由来炭素である。共役エステルが全てが生物由来炭素のカルボン酸を用いて形成される場合には、得られるエステルも全て生物由来炭素を含有する。しかし、カルボン酸が非生物由来炭素、即ち、化石燃料ソースからの炭素を含有する場合には、得られるエステルは、生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールから与えられる3個の炭素と照らし合わせ、カルボン酸から与えられる炭素数に比例した割合(パーセント)の生物由来炭素を含有する。
【0044】
たとえば、ジステアレートプロパンジオールは39個の炭素原子を含有し、各ステアリン酸の炭素鎖から18個、1,3−プロパンジオールから3個である。したがって、ステアリン酸が非生物由来である場合には、ジステアレートプロパンジオール中の全39個のうちの36個の炭素は非生物由来炭素である。生物学的に誘導されたプロパンジオールおよび非生物学的に誘導されたステアリン酸から形成されたジステアレートプロパンジオールの予想生物由来含有量は7.7パーセントである。
【0045】
ASTM−D6866法を用いて行われる分析では、プロピレングリコールジベンゾエート(ベンゾフレックス(BENZOFLEX)(R)284、ベルシコール・ケム.(Velsicol Chem.)社、ローズモント、IL)が0%の生物由来炭素含有量を有することを見出した。生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールを用いて合成されたプロパンジオールジベンゾエートの同分析は、19%の生物由来炭素含有量を有していた。生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールから形成されたプロパンジオールジベンゾエートの予想される生物由来炭素含有量は17.6%であり、これはこの方法の標準偏差内である。
【0046】
上の例でステアリン酸が生物由来である場合には、得られたジステアレートプロパンジオールは100%の生物由来含有量を有する。したがって、生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールの共役エステルはエステルを形成するのに使用された酸の生物由来含有量に比例した生物由来含有量値を有する。したがって、エステルは少なくとも3%の生物由来炭素、少なくとも6%の生物由来炭素、少なくとも10%の生物由来炭素、少なくとも25%の生物由来炭素、少なくとも50%の生物由来炭素、少なくとも75%の生物由来炭素、および100%の生物由来炭素の生物由来含有量を有することができる。
【0047】
抽出物および1,3−プロパンジオールの共役エステルを含有する組成物は約0.1%〜約5%のエステル、約0.5%〜約25%のエステル、約25%〜約50%のエステル、約50%〜約75%のエステル、約75%〜約99%のエステル、99%〜約100%のエステルでありうる。
【0048】
また、本発明による組成物は1,3−プロパンジオールおよび抽出物を含有する組成物を含む。これらの組成物の1,3−プロパンジオールは少なくとも95%の生物由来炭素を有し、場合によっては1,3−プロパンジオールは100%の生物由来炭素を有する。抽出物および1,3−プロパンジオールを含有する組成物は約0.1%〜約5%の1,3−プロパンジオール、約0.5%〜約25%の1,3−プロパンジオール、約25%〜約50%の1,3−プロパンジオール、約50%〜約75%の1,3−プロパンジオール、約75%〜約99%の1,3−プロパンジオールでありうる。
【0049】
また、本発明による組成物は抽出物と共に1,3−プロパンジオールと1,3−プロパンジオールの共役エステルを両方含有する組成物を含む。これらの組成物の1,3−プロパンジオールは少なくとも95%の生物由来炭素を有し、場合によっては1,3−プロパンジオールは100%の生物由来炭素を有する。抽出物と、1,3−プロパンジオールおよび1,3−プロパンジオールの共役エステルの混合物とを含有する組成物は、約0.1%〜約5%の混合物、約0.5%〜約25%の混合物、約25%〜約50%の混合物、約50%〜約75%の混合物、約75%〜約99%の混合物でありうる。
【0050】
グリコールとエステルの混合物は抽出に非常に効果的であり、混合物はいずれかの溶剤単独よりもより多くの活性構成要素を取り出すことができる。エステル(特にジエステル)は無極性であり、逆にグリコール成分は極性であるので、溶剤混合物を用いて植物材料からより多くの活性物質を抽出する。したがって、親油性構成要素はエステルグリコール混合物を用いて植物から容易に取り出すことができる。いくつかの場合には、エステル濃度をグリコール濃度よりかなり高くすることができ、浸軟処理後、「ケーク」(エステルの抽出物)は容易に固化しグリコール相から分離することができる。さらに、エステルは揮発性化合物であり、抽出ではエステルは容易に気化して、固形物、フレグランスオイル、アブソリュートまたはアンフリュラージュを得ることができる。
【0051】
1,3−プロパンジオール、1,3−プロパンジオールの共役エステルおよびその混合物は、水を含む他の好適な溶剤と組み合わせた場合に、溶剤および希釈剤として効果的でありうる。
【0052】
生物学的に誘導された1,3−プロパンジオール
本発明は、植物、野菜、たんぱく質/ペプチド、海洋性、藻類または牛乳抽出物、またはフレグランス濃縮物またはオイルを含有する組成物に関し、ここで生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールまたはその共役エステルを、植物、野菜、たんぱく質/ペプチド、海洋性、藻類または牛乳抽出物、またはフレグランス濃縮物またはオイルの抽出または希釈用の化学溶剤として使用する。「生物学的に誘導される」とは、1,3−プロパンジオールが生存有機体の1以上の種または遺伝的特徴によって合成されることを意味し、特にバクテリア、イースト、菌類および他の微生物の遺伝的特徴を含む。ここで開示される生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールは、シャンプーまたはボディウォッシュ組成物に有用である。
【0053】
生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールは高純度の形態で回収される。このような1,3−プロパンジオールは次の特徴の少なくとも1つを有する:1)220nmで約0.200未満の、250nmで約0.075未満の、および275nmで約0.075未満の紫外線吸収;または2)約0.15未満のL*a*b*「b*」色値および270nmで約0.075未満の吸収を有する組成物;または3)約10ppmの過酸化組成物;または4)約400ppm未満の全有機不純物濃度。「b*」値は、CIE L*a*b*測定ASTM D6290によって規定されるように、分光測光法で同定されるイエローブルー測定値である。
【0054】
1,3−プロパンジオールの純度レベルは多くの異なる方法で特徴付けることができる。たとえば、汚染有機不純物の残留レベルを測定することは1つの有効な測定である。生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールは約400ppm未満、好ましくは約300ppm未満、最も好ましくは約150ppm未満の全有機汚染物質の純度レベルを有することができる。ppm全有機純度という用語は、ガスクロマトグラフィーによって測定されるように、(1,3−プロパンジオール以外の)炭素含有化合物の100万レベル当たりの割合を言う。
【0055】
生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールは多くの他のパラメータ、たとえば、変化する波長に対する紫外光吸収度を用いて特徴付けることもできる。波長220nm、240nmおよび270nmは組成物の純度レベルを同定するのに有効であることを見出した。生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールは、220nmでのUV吸収が約0.200未満、240nmで約0.075未満、270nmで約0.075未満である場合に所定の純度レベルを有することができる。
【0056】
生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールは約0.15未満のb*色値(CIE L*a*b*)を有することができる。
【0057】
生物学的に誘導された1,3−プロパンジオール組成物の純度は過酸化物のレベルを測定することによって意味ある方法で評価することもできる。生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールは約10ppm未満の過酸化物濃度を有することができる。
【0058】
生物学的に誘導された精製1,3−プロパンジオール(米国特許出願第2005/0069997号公報に開示される方法と同様のまたはそれに匹敵する方法を使用)についての前述の純度レベルパラメータは、このような組成物を、石油ソースから誘導される化学的に精製された1,3−プロパンジオールから調製された1,3−プロパンジオール組成物から区別するものと考えられる。
【0059】
発酵を介して生物学的に生成された1,3−プロパンジオールは、たとえば、米国特許第5,686,276号公報、米国特許第6,358,716号公報、および米国特許第6,136,576号公報で周知であり、これらは組換え設計されたバクテリアを用いた方法を開示しており、このバクテリアは安価な緑の炭素ソース、たとえば、植物からのグルコースまたは他の砂糖を用いて発酵時に1,3−プロパンジオールを合成することができる。これらの特許を特にここで参照して挿入する。生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールは、米国特許第5,686,276号公報に開示されるように、遺伝学的に設計されたアシェリシア(Eschericia)大腸菌(E.Coli)によって生じた発酵ブロスの使用に基づいて得ることができる。他の単独の有機体、または有機体の組み合わせを用いて(業界で周知の方法に従って遺伝学的に設計された有機体を用いて)生物学的に1,3−プロパンジオールを生成してもよい。「発酵」は基質と他の栄養分間の反応を生物触媒の使用を通じて触媒し生成するシステムを言う。生物触媒は全ての有機体、個々の酵素、またはいずれかの組み合わせまたは酵素活性のあるその成分であってもよい。生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールを生成し精製するのに有用な発酵システムはたとえば、公開された米国特許出願第2005/0069997号公報に開示され、ここに参照して挿入する。
【0060】
グリセロールデヒドラターゼ酵素をエンコードしたクレブシェラゲノムの一部を含むコスミドpKP1を含有する形質転換E.coliDH5αを1995年4月18日にATCCにブダペスト条約の合意の下に供託し、ATCCナンバーATCC69789と識別する。ジオールデヒドラターゼ酵素をエンコードしたクレブシェラゲノムの一部を含むコスミドpKP4を含有する形質転換E.coliDH5αを1995年4月18日にATCCにブダペスト条約の合意の下に供託し、ATCCナンバーATCC69790と識別する。ここで使用されるように、「ATCC」はマナッサス、VA、20110 2209、U.S.A.の10801ボーレバード大学に設置されたアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection)国際貯蔵所を言う。
【0061】
ここで記載される方法で生成され、本発明で使用する生物学的に誘導された1,3−プロパンジオール(生物PDO)は、植物によって取り入れられた大気からの炭素を含有し、この炭素が生物PDO生成の原料となる。このようにして、生物PDOは再生可能な炭素のみを含有し、化石燃料由来、または石油由来炭素を含まない。したがって、生物PDOおよびその共役エステルの使用は、プロパンジオールが減少している化石燃料を消耗しないので、環境への影響を減らす。生物PDOおよびその共役エステルの使用は、大気へさらに二酸化炭素を追加しないので、温室効果ガス放出に寄与しない。したがって、本発明は、石油由来グリコールを含む同様の組成物より自然で環境への影響が少ないことを特徴とすることができる。
【0062】
さらに、本発明の組成物中に使用される生物PDOの純度は化学的に合成されたPDOおよび他のグリコールより高いので、刺激を招きうる不純物の混入リスクを、その使用によって、一般的に使用されるグリコール(たとえば、プロピレングリコール)以上に減らす。
【0063】
本発明の実施の形態では、1,3−プロパンジオールと抽出生成物を含有する組成物を提供し、1,3−プロパンジオールは生物学的に誘導される。生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールは、上述のようにASTM−D6866を適用して評価したときに、少なくとも85%の生物由来炭素、少なくとも95%の生物由来炭素、または100%の生物由来炭素を有することができる。
【0064】
生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールの試料はASTM法D6866−05を用いて分析した。アイオア州立大学から受け取った結果は上記試料は生物由来含有量が100%であることを示していた。また、ASTM−D6866法を用いて行った別の分析では、化学物質、または石油由来1,3−プロパンジオール(シェル(SHELL)から購入)は生物由来含有量が0%であることを見出した。プロピレングリコール(アルドリッチ(ALDRICH)からのUSPグレード)は生物由来含有量が0%であることを見出した。
【0065】
他の再生可能なものに由来するまたは生物学的に誘導されるグリコール、たとえば、エチレングリコールまたは1,2−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等を本発明の抽出または組成物に使用することができることをここでは意図している。
【0066】
本発明の抽出または抽出物組成物は生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールおよび1以上の非生物学的に誘導されたグリコール成分、たとえば、化学的に合成された1,3−プロパンジオールの組み合わせを含有してもよい。このような状況では、グリコール成分の生物由来炭素含有量を計算する以外に、グリコール組成物のどれくらいの割合が生物学的に誘導されるかを同定することは、不可能でなくても、困難であるかもしれない。この見解では、本発明の抽出溶剤および抽出組成物において、溶剤として使用されるまたは1,3−プロパンジオールエステルを形成するために使用される1,3−プロパンジオールは、少なくとも生物由来炭素含有量約1%〜生物由来炭素含有量100%およびその間のいずれかのパーセントを含有することができる。
【0067】
生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールの共役エステル
生物学的に誘導された1,3−プロパンジオール「生物PDO」のエステルは生物PDOを有機酸と接触させることによって合成することができる。有機酸は何らかの源に由来、好ましくは生物ソースに由来するかまたは化石ソースから合成されうる。最も好ましくは、有機酸は天然ソースまたは式R−COOHを有する生物由来のものから誘導される。ここで置換基において、Rは1〜40の鎖長さを有する飽和または不飽和、置換または非置換、脂肪族または芳香族、線形または分岐炭化水素またはその塩またはアルキルエステルであってもよい。ここで置換基において、RはHまたはCOOHであってもよい。炭化水素鎖は1以上の官能基、たとえば、アルケン、アミド、アミン、カルボニル、カルボン酸、ハライド、ヒドロキシル基を有することもできる。天然に生じる有機酸は、全てが生物由来炭素を含有するエステルを生成する。これらの天然に生じる有機酸、特に生物学的有機体によって生成されたものは、生物生成されたものとして分類され、得られたエステルまたはジエステルもしたがって、生物生成されたものとして分類される。このような天然に生じる脂肪酸ソースには、ココナッツオイル、各種動物油、ラノリン、魚油、蜜蝋、椰子油、ピーナッツオイル、オリーブオイル、コットン種子油、大豆油、コーンオイル、菜種油がある。必要なら、常套の官能化および/または加水分解技術を用いて、このような材料から脂肪酸を得ることができる。
【0068】
生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールのエステルを生成するのに好適なカルボン酸は一般的に次のものを含む:(1)C1〜C3炭素含有モノカルボン酸、たとえば、蟻酸および酢酸;(2)脂肪酸、たとえば、4個以上の炭素原子を含有する酸;(3)飽和脂肪酸、たとえば、酪酸、カプロン酸、吉草酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、およびベヘン酸;(4)不飽和脂肪酸、たとえば、オレイン酸、リノール酸、ユーリシン酸;(5)ポリ不飽和脂肪酸、たとえば、アルファ−リノレン酸、ステアリドン酸(またはモロクチン酸)、エイコサテトラエン酸、オメガ−6脂肪酸、アラキドン酸、およびオメガ−3脂肪酸、エイコサペンタエン酸(またはチムノドン酸)、ドコサペンタエン酸(またはクルパノドン酸)、およびドコサヘキサエン酸(またはセルボン酸);(6)ヒドロキシ脂肪酸、たとえば、2−ヒドロキシリノール酸、およびレシノール酸;フェニルアルカン脂肪酸、たとえば、11−フェニルウンデカン酸、13−フェニルトリデカノイド酸、および15−フェニルトリデカノイド酸;および(7)シクロヘキシル脂肪酸、たとえば、11−シクロヘキシルウンデカン酸、および13−シクロヘキシルトリデカン酸。
【0069】
次の酸およびその塩またはアルキルエステルは特に有用である。酢酸、酪酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、アジピン酸、安息香酸、カプリル酸、マレイン酸、パルミチン酸、セバシン酸、アルキドン酸、ユーシン酸、パルミトレイン酸、ペンタデカン酸、ヘプタデカン酸、ノンデカン酸、オクタデカテトラエン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、テトラコサペンタエン酸、テトラヘキサエン酸、ドコサヘキセン酸、(アルファ)−リノレン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、リノール酸、アラキドン酸、オレイン酸、エルシン酸、蟻酸、プロピオン酸、吉草酸、カプロン酸、カプリン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメル酸、スベリン酸、アゼライン酸、酒石酸、クエン酸、サリチル酸、アセチル−サリチル酸、ペラルゴン酸、ベヘン酸、セロチン酸、マーガリン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラセロン酸、セロメリシン酸、ゲディン酸、セロプラスチン酸、ウンデシレン酸、リシノレン酸、およびエラエオステアリン酸さらにはこのような酸の混合物。好適な有機酸のより好ましいリストは、酢酸、アジピン酸、安息香酸、マレイン酸、セバシン酸およびこのような酸の混合物である。本発明で有用な炭素鎖中に8〜40個の炭素を含有する一般的に酸を意味する好適な「脂肪酸」のより好ましいリストは、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、セロチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、マーガリン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラセロン酸、セロメリシン酸、ゲディン酸、セロプラスチン酸、およびこのような酸の混合物を含む。
これらの酸の中で、最も好ましいこれらの酸およびその塩およびアルキルエステルは、ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、2−エチルヘキサノン酸および12−ヒドロキシステアリン酸およびこのような酸の混合物である。
【0070】
生成されるエステルは、記載の有機酸を用いた1,3−プロパンジオールの全ての好適な共役モノおよびジエステルを含む。生成されるいくつかのエステルには、特に、プロパンジオールジステアレートおよびモノステアレート、プロパンジオールジラウレートおよびモノラウレート、プロパンジオールジオレエートおよびモノオレエート、プロパンジオールジバレレートおよびモノバレレート、プロパンジオールジカプリレートおよびモノカプリレート、プロパンジオールジミリステートおよびモノミリステート、プロパンジオールジパルミテートおよびモノパルミテート、プロパンジオールジベヘネートおよびモノベヘネート、プロパンジオールアジペート、プロパンジオールマレエート、プロパンジオールジベンゾエート、プロパンジオールジアセテート、およびその全混合物がある。
【0071】
特に、生成されるエステルには、プロパンジオールジステアレートおよびモノステアレート、プロパンジオールジオレエートおよびモノオレエート、プロパンジオールジカプリレートおよびモノカプリレート、プロパンジオールジミリステートおよびモノミリステート、およびその全混合物がある。
【0072】
一般的に1,3−プロパンジオールを、好ましくは不活性ガスの存在中で、脂肪酸または脂肪酸の混合物または脂肪酸の塩と、触媒または2以上の触媒混合物なしにまたはその存在中で、25℃〜400℃の範囲の温度で、接触させ反応させることができる。
【0073】
接触時、水が形成され、これを不活性ガスストリーム中にまたは真空下で除去して反応完了を推進することができる。何らかの揮発性副生成物も同様に除去することができる。反応が完了したら、加熱を止め冷却することができる。
【0074】
触媒は好ましくは脱イオン水に溶解し取り出すことによって除去することができる。触媒を脱イオン水を用いて処理することによって除去することができる場合には、反応混合物を酸または塩基の水溶液で処理して塩を形成し、この塩を洗浄または濾過によって取り出す。
【0075】
好ましくは薬剤用途用に、高純度脂肪エステルを得るためのさらなる精製を、高温および最低限の低温で脂肪エステルを容易に溶解する溶剤に溶解し、低温で追加の溶剤を用いてまたは用いずに再結晶することによって行うことができる。
【0076】
触媒は比限定的な例として、硫酸またはp−トルエンスルホン酸のような酸であってもよい。触媒は比限定的な例として、水酸化物ナトリウムのような塩基であってもよい。触媒は比限定的な例として、酢酸カリウムのような塩であってもよい。触媒は比限定的な例として、チタンテトライソプロポキシドのようなアルコキシドであってもよい。触媒は不均等な触媒であってもよく、比限定的な例として:ゼオライト、ヘテロポリ酸、アンバーリスト、またはイオン交換樹脂がある。触媒は金属塩であってもよく、比限定的な例として:塩化錫、または塩化銅がある。触媒は業界で周知のもののような酵素であってもよい。触媒は有機酸であってもよく、比限定的な例として蟻酸がある。最後に、触媒は有機金属化合物であってもよく、比限定的な例としてn−ブチル錫酸がある。
【0077】
この処理は溶剤の存在中でまたは溶剤なしで行うことができる。脂肪エステルの生成を促進するのに溶剤が必要でないなら、この処理は溶剤なしで行うことが好ましい。
【0078】
この処理は大気圧でまたは真空下でまたは加圧条件下で行うことができる。
【化1】

ここで、RおよびRは好ましくは約1〜約40の炭素鎖長を有する炭化水素である。このような炭化水素は飽和でも不飽和でも、置換でも非置換でも、線状でも分岐でもよい。
Mは水素、アルカリ金属またはアルキル基である。
【化2】

ここで、Rは好ましくは約1〜約40の炭素鎖長を有する炭化水素である。このような炭化水素は飽和でも不飽和でも、置換でも非置換でも、線状でも分岐でもよい。
Mは水素、アルカリ金属またはアルキル基である。
【0079】
本発明による組成物はエステルを含有し、ここで、Rはアルケン、アミド、アミン、カルボニル、カルボン酸、ハライド、ヒドロキシル基、エーテル、アルキルエーテル、スルフェートおよびエーテルスルフェートからなる群から選択される1以上の官能基を有する。エステルは式R−C(=O)−O−CH−CH−CH−O−C(=O)−Rを有することができ、ここで、RおよびRは共に約1〜約40個の炭素鎖長の線状または分岐炭素鎖である。RおよびRはアルケン、アミド、アミン、カルボニル、カルボン酸、ハライド、ヒドロキシル基、エーテル、アルキルエーテル、スルフェートおよびエーテルスルフェートからなる群から選択される1以上の官能基を有することができる。さらに、ジエステルの場合にはRおよびRは同じ炭素鎖であることができる。
【0080】
ジオールのジカルボン酸またはその塩またはそのエステルに対するいずれのモル比をも使用することができる。ジオールのジカルボン酸に対する好ましい範囲は約1:3〜約2:1である。この比を調節してモノエステル生成からジエステル生成に反応の都合をシフトさせることができる。一般的にジエステル生成を促進するためには僅かに約1:2以上の比を用い、逆にモノエステル生成を促進するためには約1:1の比を用いる。一般的に、モノエステル以上にジエステル生成物が望まれる場合には、ジオールのジカルボン酸に対する比は約1.01:2〜約1.1:2の範囲にすることができるが、モノエステルが望まれる場合には、約1.01:1〜約2:1の範囲の比を用いる。
【0081】
反応のための触媒の含有量は反応混合物の1ppm〜60重量%、好ましくは10ppm〜10重量%、より好ましくは反応混合物の50ppm〜2重量%であってもよい。
【0082】
生成物はジエステル、モノエステルまたはジエステルとモノエステルの組み合わせおよび反応条件に依存して少ないパーセントの未反応酸およびジオールを含有する場合がある。未反応ジオールは脱イオン水で洗浄することによって除去することができる。未反応酸は脱イオン水または塩基を有する水溶液で洗浄することによってまたは再結晶時に除去することができる。
【0083】
本発明によれば、いずれの1,3−プロパンジオールのエステルをも生成し使用することができる。1,3−プロパンジオールの短鎖、中鎖および長鎖のモノエステルおよびジエステルを生成することができる。特にアルキル鎖中に約1〜約36個の炭素を含有するこれらの酸を生成することができる。より特別には次のモノエステルおよびジエステルを生成することができる:プロパンジオールジステアレート(モノステアレートおよびその混合物)、プロパンジオールジラウレート(モノラウレートおよびその混合物)、プロパンジオールジオレエート(モノオレエートおよびその混合物)、プロパンジオールジバレレート(モノバレレートおよびその混合物)、プロパンジオールジカプリレート(モノカプリレートおよびその混合物)、プロパンジオールジミリステート(モノミリステートおよびその混合物)、プロパンジオールジパルミテート(モノパルミテートおよびその混合物)、プロパンジオールジベヘネート(モノベヘネートおよびその混合物)、プロパンジオールアジペート、プロパンジオールマレエート、プロパンジオールジベンゾエート、およびプロパンジオールジアセテート。
【0084】
抽出物と、1,3−プロパンジオール、1,3−プロパンジオールの共役エステル、またはその混合物とを含有する組成物にとって、抽出物はソース材料から抽出された化合物または化合物群でありうる。いくつかの用途では、抽出物は天然ソース、たとえば、植物ソースから抽出される。好適な天然抽出物の例には植物抽出物、野菜抽出物、たんぱく質抽出物、脂質抽出物、海洋性抽出物、藻類抽出物、牛乳抽出物がある。
【0085】
抽出物用の植物ソースには次のリストの科の植物および木がある:
アカント科、アセル科、アカリ科、アカトカープ科、アコル科、アクチニジ科、アクチニオプテリド科、アジアント科、アドックス科、アエギセラト科、アエトキシク科、アガブ科、アグデスチド科、アイトニ科、アイゾ科、アカニ科、アランギ科、アリスマト科、アリー科、アルセウオスミ科、アルストロエメリ科、アルチンギ科、アルザテ科、アマラント科、アマリリド科、アンボレル科、アンペリド科、アナカージ科、アナルトリ科、アンシストロクラド科、アンドロスタシド科、アネミ科、アンギオプテリド科、アンソフィル科、アノン科、アンテリック科、アントニ科、アフィラント科、アピ科、アポシン科、アポノゲトン科、アポスタシ科、アキホリ科、アル科、アラリ科、アラウガ科、アリ科、アレク科、アリストロシ科、アスレピアド科、アスパラジ科、アスホデル科、アスピジ科、アスペニ科、アステリ科、アステル科、アステラント科、アステラント科、アステラント科、アステラント科、オーカブ科、オーストロバイリー科、アビセニ科、アゾール科、バラノップ科、バラノファ科、バルサミン科、バンバセア、バリントニ科、バセル科、バト科、ベゴニ科、ベルベリド科、ベツル科、ビグノニ科、ビスコフィ科、ビックス科、ブレフ科、ボンバック科、ボンネッチ科、ボラギン科、ボトリチ科、ブラシック科、ブルニ科、ブルノニ科、ブッドレッジ科、ブルマニ科、ブルセル科、ブトン科、ブックス科、バイブリッド科、バイトネリ科、カボム科、カクト科、カエサルピニ科、カリトリック科、カリカント科、カリセル科、カンパヌル科、カネル科、カナビット科、カン科、カノチ科、カッパリド科、カプリホリ科、カーディオプテリド科、カーリク科、カーレマニ科、カリオカ科、カリオフィル科、カスアリン科、カイセル科、セクロピ科、セラストル科、セントローレピド科、セファロット科、セファロタックス科、セラトフィル科、セルシジフィル科、チェイプレウリ科、チェノポジ科、クロアント科、クロラント科、クリステンセニ科、クリソバラン科、シスト科、クレサー科、クルシ科、ネオル科、コクロスペルム科、コルメリ科、コンブレット科、コメリン科、コンポジターエ、コナル科、コノセファル科、コンボルブル科、コリアリ科、コーン科、コリノカープ科、コスト科、クラスル科、クロスオソマット科、クライプテロニ科、クライプトグラム科、ククルビット科、クルシット科、クノニ科、クプレス科、シアナストル科、シアト科、シカド科、シクラント科、シクロセイル科、シモドセ科、シノモリ科、シペル科、シプリペジ科、シリル科、ダナエ科、ダフニフィル科、ダティスコ科、ダバリ科、ダビドソニ科、デゲネリ科、デンスタエドチ科、ジアリペタラント科、ジアペンシ科、ディッカペタル科、ディックソニ科、ディクラスチリド科、ジジエレ科、ジジメル科、ジエゴデンドル科、ジレニ科、ディオスコレ科、ディプサック科、ディプテリド科、ディプテロカープ科、ドラカエン科、ドロセル科、ドライオプテリド科、ダイスファニ科、ダイスファニ科、エベン科、エクデイオコール科、エラエアグン科、エラエオカープ科、エラホグロス科、エラチン科、エンペトル科、エパクリド科、エフェドル科、エキセット科、エリック科、エリオカール科、エリスロパル科、エリスロキシル科、エスカロニ科、ユーコミ科、ユークリフィ科、ユーホルビ科、ユーポマット科、ユープテレ科、ファブ科、ファグ科、フラコルチ科、フラゲラリ科、フォーキエリ科、フランケニ科、フマリ科、ガリー科、ゲイソロマット科、ゲンシャン科、ゲオシリド科、ゲラニ科、ゲスネリ科、ギンゴ科、グレイシェニ科、グロブラリ科、ネット科、ゴエツ科、ゴモルテ科、グーデニ科、グーピ科、グラミネアエ、グラミット科、グラミチド科、グルビ科、ガンナー科、ガチフェラエ、ジロステモン科、ハエモドル科、ハロラグ科、ハロラギド科、ハマメリド科、ヘリコニ科、ヘルミントスタチ科、ヘミオニチド科、ヘルナンジ科、ヘテロピキシド科、ヒマンタンド科、ヒッポカスタン科、ヒッポクレート科、ヒップリド科、ホプレスチグマット科、ホスト科、ヒューミリ科、ハイドノル科、ハイドラング科、ハイドロカリット科、ハイドロコチル科、ハイドロフィル科、ハイドロスタチ科、ヒメノフィル科、ヒメノフィロシド科、ヒペリック科、ヒポレピド科、ヒポキシド科、イカシン科、イジオスペルム科、アイリシ科、イリド科、アイソート科、イキソナント科、ジャグランド科、ジャリアニ科、ジュンク科、ジュンカギン科、コエベリニ科、クラメリ科、ラビアテアエ、ラシステマット科、ラクトリド科、ラミ科、ラルジザバル科、ラウル科、レシチド科、リー科、レグミノーサ、レイトニリ科、レムン科、レノ科、レンチブラリ科、リラエ科、リリー科、リナント科、リノカリト科、リン科、リンドサ科、リッソカープ科、ローズ科、ロベリ科、ロガニ科、ロマリオシッド科、ロホソリ科、ロラント科、ロイ科、ロクソグラム科、ロクソム科、ルナラリ科、ルズリア科、リコポジ科、リゴジ科、リトル科、マグノリ科、マレセブリ科、マルピヒ科、マルブ科、マラント科、マラティ科、マルクグラビ科、マーチャンチ科、マルシール科、マルチニ科、マトーニ科、マイアック科、メダサジン科、メダサンドル科、メラストマット科、メリ科、メリアント科、メニスペルム科、メニアント科、メタキシ科、ミソス科、ミソデンドル科、モニミ科、モル科、モル科、モリング科、マス科、ミオポア科、ミリック科、ミリスチック科、ミロタム科、ミルシン科、ミルト科、ナジャド科、ネグリプテリド科、ネルンボン科、ネペント科、ネフロレピッド科、ノラン科、ニクタギン科、ニムファ科、ニス科、オーキン科、オクトクネン科、オラック科、オーレ科、オレーンドル科、オリニ科、オナグル科、オンコテック科、オノクル科、オフィオグラス科、オピリ科、オーキッド科、オロバンク科、オスマンド科、オキサリド科、ピーオニ科、パンド科、パンダン科、パパベル科、パーケリ科、パシフロー科、ペダリ科、ペニー科、ペンタフラグマット科、ペンタフィラック科、ペペロミ科、パー科、ペラネム科、ペリプロック科、ペトロサビ科、フィレシ科、フィリドル科、フォルミ科、フリム科、フィトラック科、ピン科、ピッパー科、ピットスポー科、プラギオジリ科、プランタギン科、プラタン科、プラチゾマット科、プラムバギン科、ポー科、ポドカープ科、ポドフィル科、ポドステム科、ポレモリ科、ポリガル科、ポリゴン科、ポリポジ科、ポンテデリ科、ポーツラック科、ポタリ科、ポタモゲトン科、プリムル科、プロート科、シロット科、テリド科、パニック科、ピロール科、クイーン科、ラフレシ科、ラナンキュール科、ラパーテ科、レボウリ科、レセド科、レッション科、ラーム科、リゾファー科、ロイプテール科、ロイプテール科、ロパロカープ科、ロリダル科、ロス科、ルビ科、ルック科、ルット科、サビ科、サシホリ科、サリック科、サルバドール科、サルビニ科、サンタール科、サピンド科、サポット科、サルコリーン科、サルコスパーマット科、サラセニ科、ソールル科、サキシフラッグ科、ソイゼリ科、シサンドル科、シザー科、スクロフラリ科、シホステギ科、シトペタール科、セラギン科、セラギネル科、シマローブ科、シノプテリド科、シミラック科、ソラン科、ソンネラチ科、スパーガニ科、スフィーロセパール科、スフェノステモン科、スタチュール科、スタックハウシ科、スタフィール科、ステモン科、ステルキューリ科、ストラスバーゲリ科、ストレリツ科、ストロマトプテリド科、ストリシン科、スチラック科、シンプロック科、タック科、タエニチド科、ターマリック科、タックス科、タキソジ科、テコフィラエ科、テプイアント科、テトラセントル科、テトラゴニ科、テトラメリスト科、ジー科、ジリゴン科、ジリプテリド科、ジオフラスト科、スンベルギ科、スルニ科、シメリー科、シルソプテリド科、チコデンドル科、チリ科、メシプテリド科、トバリ科、トラップ科、トレマンドル科、トリゴニ科、トリリ科、トリュリド科、トロコデンドル科、トロピオール科、ターナー科、タイフ科、ウアパック科、ウルム科、ウルチック科、バッシーニ科、バリ科、バレリアン科、ベロジ科、ベルベン科、ビオール科、ビット科、ビッタリ科、ビビアニ科、ボチシ科、ベルビッシ科、ウインター科、キサントロー科、キシリド科、ザミ科、ジンギバー科、ゾスター科、ジゴフィル科。(Acanthaceae、Aceraceae、Achariaceae、Achatocarpaceae、Acoraceae、Actinidiaceae、Actiniopteridaceae、Adiantaceae、Adoxaceae、Aegicerataceae、Aetoxicaceae、Agavaceae、Agdestidaceae、Aitoniaceae、Aizoaceae、Akaniaceae、Alangiaceae、Alismataceae、Alliaceae、Alseuosmiaceae、Alstroemeriaceae、Altingiaceae、Alzateaceae、Amaranthaceae、Amaryllidaceae、Amborellaceae、Ampelidaceae、Anacardiaceae、Anarthriaceae、Ancistrocladaceae、Androstachydaceae、Anemiaceae、Angiopteridaceae、Anisophylleaceae、Annonaceae、Anthericaceae、Antoniaceae、Aphyllanthaceae、Apiaceae、Apocynaceae、Aponogetonaceae、Apostasiaceae、Aquifoliaceae、Araceae、Araliaceae、Araucariaceae、Arecaceae、Aristolochiaceae、Asclepiadaceae、Asparagaceae、Asphodelaceae、Aspidiaceae、Aspleniaceae、Asteliaceae、Asteraceae、Asteranthaceae、Asteranthaceae、Asteranthaceae、Asteranthaceae、Aucubaceae、Austrobaileyaceae、Avicenniaceae、Azollaceae、Balanopaceae、Balanophoraceae、Balsaminaceae、Bambuseae、Barringtoniaceae、Basellaceae、Bataceae、Begoniaceae、Berberidaceae、Betulaceae、Bignoniaceae、Bischofiaceae、Bixaceae、Blechnaceae、Bombacaceae、Bonnetiaceae、Boraginaceae、Botrychiaceae、Brassicaceae、Bruniaceae、Brunoniaceae、Buddlejaceae、Burmanniaceae、Burseraceae、Butomaceae、Buxaceae、Byblidaceae、Byttneriaceae、Cabombaceae、Cactaceae、Caesalpiniaceae、Callitrichaceae、Calycanthaceae、Calyceraceae、Campanulaceae、Canellaceae、Cannabidaceae、Cannaceae、Canotiaceae、Capparidaceae、Caprifoliaceae、Cardiopteridaceae、Caricaceae、Carlemanniaceae、Caryocaraceae、Caryophyllaceae、Casuarinaceae、Cayceraceae、Cecropiaceae、Celastraceae、Centrolepidaceae、Cephalotaceae、Cephalotaxaceae、Ceratophyllaceae、Cercidiphyllaceae、Cheiropleuriaceae、Chenopodiaceae、Chloanthaceae、Chloranthaceae、Christenseniaceae、Chrysobalanaceae、Cistaceae、Clethraceae、Clusiaceae、Cneoraceae、Cochlospermaceae、Columelliaceae、Combretaceae、Commelinaceae、Compositae、Connaraceae、Conocephalaceae、Convolvulaceae、Coriariaceae、Cornaceae、Corynocarpaceae、Costaceae、Crassulaceae、Crossosomataceae、Crypteroniaceae、Cryptogrammaceae、Cucurbitaceae、Culcitaceae、Cunoniaceae、Cupressaceae、Cyanastraceae、Cyatheaceae、Cycadaceae、Cyclanthaceae、Cyclocheilaceae、Cymodoceaceae、Cynomoriaceae、Cyperaceae、Cypripediaceae、Cyrillaceae、Danaeaceae、Daphniphyllaceae、Datiscaceae、Davalliaceae、Davidsoniaceae、Degeneriaceae、Dennstaedtiaceae、Dialypetalanthaceae、Diapensiaceae、Dichapetalaceae、Dicksoniaceae、Dicrastylidaceae、Didiereaceae、Didymelaceae、Diegodendraceae、Dilleniaceae、Dioscoreaceae、Dipsacaceae、Dipteridaceae、Dipterocarpaceae、Dracaenaceae、Droseraceae、Dryopteridaceae、Dysphaniaceae、Dysphaniaceae、Ebenaceae、Ecdeiocoleaceae、Elaeagnaceae、Elaeocarpaceae、Elaphoglossaceae、Elatinaceae、Empetraceae、Epacridaceae、Ephedraceae、Equisetaceae、Ericaceae、Eriocaulaceae、Erythropalaceae、Erythroxylaceae、Escalloniaceae、Eucommiaceae、Eucryphiaceae、Euphorbiaceae、Eupomatiaceae、Eupteleaceae、Fabaceae、Fagaceae、Flacourtiaceae、Flagellariaceae、Fouquieriaceae、Frankeniaceae、Fumariaceae、Garryaceae、Geissolomataceae、Gentianaceae、Geosiridaceae、Geraniaceae、Gesneriaceae、Ginkgoaceae、Gleicheniaceae、Globulariaceae、Gnetaceae、Goetzeaceae、Gomortegaceae、Goodeniaceae、Goupiacea
e、Gramineae、Grammitaceae、Grammitidaceae、Grubbiaceae、Gunneraceae、Guttiferae、Gyrostemonaceae、Haemodoraceae、Haloragaceae、Haloragidaceae、Hamamelidaceae、Heliconiaceae、Helminthostachyaceae、Hemionitidaceae、Hernandiaceae、Heteropyxidaceae、Himantandraceae、Hippocastanaceae、Hippocrateaceae、Hippuridaceae、Hoplestigmataceae、Hostaceae、Humiriaceae、Hydnoraceae、Hydrangeaceae、Hydrocharitaceae、Hydrocotylaceae、Hydrophyllaceae、Hydrostachyaceae、Hymenophyllaceae、Hymenophyllopsidaceae、Hypericaceae、Hypolepidaceae、Hypoxidaceae、Icacinaceae、Idiospermaceae、Illiciaceae、Iridaceae、Isoetaceae、Ixonanthaceae、Juglandaceae、Julianiaceae、Juncaceae、Juncaginaceae、Koeberliniaceae、Krameriaceae、Labiatae、Lacistemataceae、Lactoridaceae、Lamiaceae、Lardizabalaceae、Lauraceae、Lecythidaceae、Leeaceae、Leguminosae、Leitneriaceae、Lemnaceae、Lennoaceae、Lentibulariaceae、Lilaeaceae、Liliaceae、Limnanthaceae、Limnocharitaceae、Linaceae、Lindsaeaceae、Lissocarpaceae、Loasaceae、Lobeliaceae、Loganiaceae、Lomariopsidaceae、Lophosoriaceae、Loranthaceae、Lowiaceae、Loxogrammaceae、Loxsomaceae、Lunulariaceae、Luzuriagaceae、Lycopodiaceae、Lygodiaceae、Lythraceae、Magnoliaceae、Malesherbiaceae、Malpighiaceae、Malvaceae、Marantaceae、Marattiaceae、Marcgraviaceae、Marchantiaceae、Marsileaceae、Martyniaceae、Matoniaceae、Mayacaceae、Medusagynaceae、Medusandraceae、Melastomataceae、Meliaceae、Melianthaceae、Menispermaceae、Menyanthaceae、Metaxyaceae、Mimosaceae、Misodendraceae、Monimiaceae、Moraceae、Moraceae、Moringaceae、Musaceae、Myoporaceae、Myricaceae、Myristicaceae、Myrothamnaceae、Myrsinaceae、Myrtaceae、Najadaceae、Negripteridaceae、Nelumbonaceae、Nepenthaceae、Nephrolepidaceae、Nolanaceae、Nyctaginaceae、Nymphaeaceae、Nyssaceae、Ochnaceae、Octoknemaceae、Olacaceae、Oleaceae、Oleandraceae、Oliniaceae、Onagraceae、Oncothecaceae、Onocleaceae、Ophioglossaceae、Opiliaceae、Orchidaceae、Orobanchaceae、Osmundaceae、Oxalidaceae、Paeoniaceae、Pandaceae、Pandanaceae、Papaveraceae、Parkeriaceae、Passifloraceae、Pedaliaceae、Penaeaceae、Pentaphragmataceae、Pentaphylacaceae、Peperomiaceae、Peraceae、Peranemaceae、Periplocaceae、Petrosaviaceae、Philesiaceae、Philydraceae、Phormiaceae、Phrymaceae、Phytolaccaceae、Pinaceae、Piperaceae、Pittosporaceae、Plagiogyriaceae、Plantaginaceae、Platanaceae、Platyzomataceae、Plumbaginaceae、Poaceae、Podocarpaceae、Podophyllaceae、Podostemaceae、Polemoniaceae、Polygalaceae、Polygonaceae、Polypodiaceae、Pontederiaceae、Portulacaceae、Potaliaceae、Potamogetonaceae、Primulaceae、Proteaceae、Psilotaceae、Pteridaceae、Punicaceae、Pyrolaceae、Quiinaceae、Rafflesiaceae、Ranunculaceae、Rapateaceae、Rebouliaceae、Resedaceae、Restionaceae、Rhamnaceae、Rhizophoraceae、Rhoipteleaceae、Rhoipteleaceae、Rhopalocarpaceae、Roridulaceae、Rosaceae、Rubiaceae、Ruscaceae、Rutaceae、Sabiaceae、Saccifoliaceae、Salicaceae、Salvadoraceae、Salviniaceae、Santalaceae、Sapindaceae、Sapotaceae、Sarcolaenaceae、Sarcospermataceae、Sarraceniaceae、Saururaceae、Saxifragaceae、Scheuchzeriaceae、Schisandraceae、Schizaeaceae、Scrophulariaceae、Scyphostegiaceae、Scytopetalaceae、Selaginaceae、Selaginellaceae、Simaroubaceae、Sinopteridaceae、Smilacaceae、Solanaceae、Sonneratiaceae、Sparganiaceae、Sphaerosepalaceae、Sphenostemonaceae、Stachyuraceae、Stackhousiaceae、Staphyleaceae、Stemonaceae、Sterculiaceae、Strasburgeriaceae、Strelitziaceae、Stromatopteridaceae、Strychnaceae、Styracaceae、Symplocaceae、Taccaceae、Taenitidaceae、Tamaricaceae、Taxaceae、Taxodiaceae、Tecophilaeaceae、Tepuianthaceae、Tetracentraceae、Tetragoniaceae、Tetrameristaceae、Theaceae、Theligonaceae、Thelypteridaceae、Theophrastaceae、Thunbergiaceae、Thurniaceae、Thymelaeaceae、Thyrsopteridaceae、Tichodendraceae、Tiliaceae、Tmesipteridaceae、Tovariaceae、Trapaceae、Tremandraceae、Trigoniaceae、Trilliaceae、Triuridaceae、Trochodendraceae、Tropaeolaceae、Turneraceae、Typhaceae、Uapacaceae、Ulmaceae、Urticaceae、Vacciniaceae、Vahliaceae、Valerianaceae、Velloziaceae、Verbenaceae、Violaceae、Vitaceae、Vittariaceae、Vivianiaceae、Vochysiaceae、Welwitschiaceae、Winteraceae、Xanthorrhoeaceae、Xyridaceae、Zamiaceae、Zingiberaceae、Zosteraceae、Zygophyllaceae)。
【0086】
好ましい植物および木の科にはアナカージ科、アル科、バラノップ科、バルサミン科、ベゴニ科、ボラギン科、ブックス科、カリック科、ククビット科、クルシ科、ダフニフィル科、エリック科、ユーホルビ科、ファブ科、ファグ科、ヒッポカスタン科、ホスト科、ハイドラング科、ラビアテアエ、リラエ科、マグノリ科、モリング科、ミリスチック科、ミルト科、オレ科、オーキッド科、ペペロミ科、ピン科、プリムル科、およびルット科(Anacardiaceae、Araceae、Balanopaceae、Balsaminaceae、Begoniaceae、Boraginaceae、Buxaceae、Caricaceae、Cucurbitaceae、Clusiaceae、Daphniphyllaceae、Ericaceae、Euphorbiaceae、Fabaceae、Fagaceae、Hippocastanaceae、Hostaceae、Hydrangeaceae、Labiateae、Lilaeaceae、Magnoliaceae、Moringaceae、Myristicaceae、Myrtaceae、Oleaceae、Orchidaceae、Peperomiaceae、Pinaceae、Primulaceae、およびRutaceae)がある。
【0087】
抽出物ソース用の好ましい植物および木の種には、アチレアミレホリウム、アエスクルスチネンシス、アリウムサチバム、アーテミシアアピアセア、アストロキャリウムムルムル、バクトリスガシパエス、ベニンカサヒスピダ、セラストラスパニクラタス、セトラリアアイランディカ、ケノポディウムキノア、シンコナサシルブラ、シトラスベルガミア、シトラスシネンシス、コリアンドラムサチバム、コディウムトメントサム、コミホラモルモル、クラタエガスクニータ、ククミスサチバス、ユーカリプタスグロブラス、グレディシアシネンシス、グネタムアマゾニカム、ヒビスカスローザシネンシス、ジャスミナンオフィシナール、ロニセラカプリホリウム、ロニセラジャポニカ、リコパーシコンエスカレンタム、マルスプミラ、マトリカリアレクチタ、マキシミリアナマリパ、メラレウカヒペリシホリア、メラフィスシネンシス、メンタピペリタ、モウリリアピランガ、ナスタルチウムオフィシナール、ネルンボニューシフェラ、オエノテラビーニス、オフィオポゴンジャポニカス、パーシーアメリカーナ、パフィアパニキュラータ、フェロデンドロンアミュレンズ、フィランタスエンブリカ、ピサムサチバム、ポテンチラエレクタ、プテロカルパスサンタリナス、レーマニアシネンシス、レセダルテオラ、リベスニグラム、ローザセンチフォリア、ルーバスサンベルギー、スポンジアスアマラ、スチラックスベンゾインおよびチマスバルガリス(Achillea millefolium、Aesculus chinensis、Allium sativum、Artemisia apiacea、Astrocaryum murumuru、Bactris gasipaes、Benincasa hispida、Celastrus paniculatus、Cetraria islandica、Chenopodium quinoa、Cinchona succirubra、Citrus bergamia、Citrus sinensis、Coriandrum sativum、Codium tomentosum、Commiphora molmol、Crataegus cuneata、Cucumis sativus、Eucalyptus globulus、Gleditsia sinensis、Gnetum amazonicum、Hibiscus rosa-sinensis、Jasminum officinale、Lonicera caprifolium、Lonicera japonica、Lycopersicon esculentum、Malus pumila、Matricaria recutita、Maximiliana maripa、Melaleuca hypericifolia、Melaphis chinensis、Mentha piperita、Mouriri apiranga Nasturtium officinale、Nelumbo nucifera、Oenothera biennis、Ophiopogon japonicus、Persea americana、Paffia paniculata、Phellodendron amurense、Phyllanthus emblica、Pisum sativum、Potentilla erecta、Pterocarpus santalinus、Rehmannia chinensis、Reseda luteola、Ribes nigrum 、Rosa centifolia、Rubus thunbergii、Spondias amara、Styrax benzoin、およびThymus vulgaris)がある。
【0088】
抽出物ソースには藻類もある。抽出物ソースとして使用される藻類の科には、アクロカエチック科、チャー科、コディ科、フック科、ラミナリ科、レマーネ科、ウルブ科、およびパマリ科(Acrochaeticaceae、Characeae、Codiaceae、Fucaceae、Laminariaceae、Lemaneaceae、Ulvaceae、およびPamariaceae)がある。好ましい藻類種にはレマネアフルビアチリス(Lemanea fluviatilis)(赤色藻類)(L)、アスコフィリウムノドサム(Ascophyllum nodosum)(茶色藻類)、レマネアフルビアチリス、レマネアフシナ(Lemanea fluviatilis、Lemanea fucina)(赤色藻類)、ウルバラクツカ(Ulva lactuca)(緑藻類)、レミナリアジギタタ、レミナリアオクロレウカ(Laminaria digitata、Laminaria ochroleuca)がある。
【0089】
また、抽出物ソースは菌類分野の一種も含む。抽出のために、ホモバシジオミセテス(Homobasidiomycetes)類(または本物のキノコ)を用いることができる。いくつかの代表的なキノコ科には:メリピル科(Meripilaceae)、トリコロマット科(Tricholomataceae)、およびガノデルマット科(Ganodermataceae)(まいたけ(maitake)、しいたけ(shiitake)、レイシー(reishi)といったキノコ)がある。特定の種には:アガリクスビスポラス、アガリクスカンペストリーズ、フラムリナベルチップス、ヒプシジガステスレイタス、レンチナスエドデス、フェリナスリンテウス、プレウロータスコーヌコピアエ、プレウロータスオストレアタス、トレメラフシフォーミス、スパラシスクリスパ、チューバーマグナタムおよびボルバリエラボルバセア(Agaricus bisporus、Agaricus campestris、Flammulina velutipes、Hypsizygus tessulatus、Lentinus edodes、Phellinus linteus、Pleurotus cornucopiae、Pleurotus ostreatus、Tremella fuciformis、Sparassis crispa、Tuber magnatum、およびVolvariella volvacea)がある。
【0090】
(コケを含む)植物分野のセンタイ類の門からの種を抽出物ソースとして使用することができ、地衣類のいくつかの種を抽出物用に使用することもできる。
【0091】
海洋性のソース、たとえば、植物、藻類、プランクトン、および魚を用いて抽出物を生成する。たんぱく質および脂質抽出物ソースには、植物、動物、魚および人(たとえば、プラセンタ)材料がある。牛乳を抽出物ソースとして用いて、たんぱく質、ペプチド、および脂質を単離し濃縮することができる。
【0092】
ここで開示され請求される組成物および方法は全て本開示に照らして不必要な実験をすることなく生成され実施することができる。本開示の組成物および方法は好ましい実施の形態の項に記載したが、本発明の概念、精神、および範囲を逸脱することなく、ここで記載される組成物および方法および方法の工程または工程シーケンスに変更を施してもよいことは当業者にとって自明であろう。より特別には、化学的に関係のあるある種薬剤をここで記載される薬剤に置き換えても、同じまたは同様の結果に達するであろうことは自明であろう。当業者に自明であるこのような同様の置き換えおよび変更は全て添付の請求の範囲で定義されるように本発明の精神、範囲、および概念の範囲内であると見なされる。
【実施例】
【0093】
本発明はさらに、次の実施例で規定される。これらの実施例は本発明の好ましい実施の形態を示すが、単なる例示でしかないと理解されるべきである。上での議論およびこれらの実施例から、当業者は、その精神および範囲から逸脱することなく本発明の本質的特徴を理解することができ、各種用途および条件に合わせて本発明を様々に変化および変更させることができる。
【0094】
以下の実施例で記載されるパーソナルケア組成物の調製に使用される全ての構成要素は記載しない限り市販入手可能である。
【0095】
使用される略語の意味は次の通りである。「重量%」は重量によるパーセントを意味し、「qs」は充分であることを意味し、「EDTA」はエチレンジアミンテトラアセテートを意味し、「℃」は摂氏温度を意味し、「°F」は華氏温度であり、「生物PDO」は生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールを意味し、「ppm」は100万当たりの割合であり、「AU」は吸収単位であり、「nm」はナノメートルであり、「GC」はガスクロマトグラフィーであり、「APHA」はアメリカン・パブリック・ヘルス・アソシエーションであり、「cps」はセンチポアズであり、「f/t」は凍結/解凍であり、「mPa・s」はミリパスカル秒であり、「D.I.」は脱イオン化である。
【0096】
(一般的方法)
実施例で使用される標準的組換えDNAおよび分子クローニング技術は業界で周知であり、サムブルック(Sambrook),J.、フリッシュ(Fritsch),E.F.およびマニアテイ(Maniatis),T.、分子クローニング:研究室マニュアル、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス(Cold Spring Harbor Laboratory Press)、コールド・スプリング・ハーバー(Cold Spring Harbor)、N.Y.、1989によって、T.J.シルヘビー(Silhavy)、M.L.ベナン(Bennan)、およびL.W.エンキスト(Enquist)、遺伝子融合実験、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス(Cold Spring Harbor LaboratoryPress)、コールド・スプリング・ハーバー(Cold Spring Harbor)、N.Y.、1984によって、およびオースベル(Ausubel),F.M.ら、分子生物学における現代のプロトコール、グリーン・パブリッシング・アソシ.アンド・ウィレイ−インターサイエンス(Greene Publishing Assoc. and Wiley-Interscience)、N.Y.、1987によって、記載される。
【0097】
バクテリア培養株の維持および成長に好適な材料および方法も業界で周知である。以下の実施例での使用に好適な技術は、一般的細菌学のための方法マニュアル、フィリップ・ゲハード(Phillipp Gerhardt)、R.G.E.ムーレイ(Murray)、ラルフ(Ralph)N.コスチロー(Costilow)、ユーゲネ(Eugene)W.ネスター(Nester)、ウィルス(Willis)A.ウッド(Wood)、ノエル(Noel)R.クリーグ(Krieg)およびG.ブリッグス・フィリップス(Briggs Phillips)編集、アメリカン・ソサイエティ・フォー・ミクロバイオロジー(American Society for Microbiology)、ワシントン、DC.、1994に、またはトーマス(Thomas)D.ブロック(Brock)によるバイオテクノロジー:工業的ミクロバイオロジーの教本、第2編、シナウアー・アソシエーツ社(Sinauer Associates,Inc.)、サンダーランド、MA、1989に見出すことができる。
【0098】
細菌細胞の成長および維持に使用される試薬、制限酵素および材料は特別でない限り、全てアルドリッチ・ケミカルズ(ミルウォーキー、WI)、BDディアゴノスティック・システムズ(Diagnostic Systems)(スパークス、MD)、ライフ・テクノロジーズ(Life Technologies)(ロックビル、MD)、またはシグマ・ケミカル社(Sigma Chemical Company)(セントルイス、MO)から得た。
【0099】
1,3−プロパンジオールの生成に使用されるグリセロールはJ.T.ベーカー・グリセリン(Baker Glycerin)USPグレード、ロットJ25608およびG19657から得た。
【0100】
示差走査熱量計:DSCサーモグラムは10℃/分の加熱および冷却速度で窒素の一定ストリーム下でユニバーサルV3 1A TA装置を用いて記録した。
【0101】
NMR:1H NMRスペクトルはブラッカー(Bruker)DRX 500にXWINNMRバージョン3.5ソフトウェアを用いて記録した。データは90°パルス(p1)および30秒リサイクルディレイ(d1)を用いて入手した。試料は重水素を含むクロロホルムに溶解し重水素を含まないクロロホルムを内部標準として使用した。
【0102】
(生物PDOの単離および確認)
グリセロールの生物PDOへの変換はHPLCによって監視した。分析はクロマトグラフィーの当業者に利用可能な標準的技術および材料を用いて行った。ある好適な方法は、UV(210nm)およびRI検出を用いたウオーターズ・マキシマ(Waters Maxima)820HPLCシステムを使用するものであった。試料を、ショーデックス(Shodex)SH−1011Pプレカラム(6mm x 50mm)を備えるショーデックス(Shodex)SH−1011カラム(8mm x 300mm、ウオーターズ、ミルフォード、MAより購入)に、50℃に制御された温度で、移動相として0.01NのHSOを用いて0.5mL/分の流速で注入した。定量分析が必要なら、試料を周知の量のトリメチル酢酸を外標準として使用して調製した。典型的に、グリセロール(RI検出)、1,3−プロパンジオール(RI検出)、およびトリメチル酢酸(UVおよびRI検出)の滞留時間はそれぞれ20.67分、26.08分および35.03分であった。
【0103】
生物PDOの生成はGC/MSによって同定した。分析はGC/MSの当業者に利用可能な標準的技術および材料を用いて行った。ある好適な方法は、ヒューレット・パッカード5971シリーズのマスセレクティブ検出器(EI)およびHP−INNOWaxカラム(30m長さ、0.25mmi.d.0.25ミクロンフィルム厚さ)に接続されたヒューレット・パッカード5890シリーズIIガスクロマトグラフを用いるものであった。グリセロールから生じた1,3−プロパンジオールの滞留時間およびマススペクトルを本物の1,3−プロパンジオールの滞留時間およびマススペクトル(m/e:57,58)と比較した。
【0104】
(生物生成された1,3−プロパンジオールからの生物由来モノエステルおよびジエステルの生成)
生物生成された1,3−プロパンジオールのモノエステルおよびジエステルは、生物PDOと有機酸を混合することによって生成してもよい。この混合は、加熱下での乾燥条件で選ばれた触媒と共に長く攪拌することで行われる。生成されるモノエステルのジエステルに対する比は酸の生物PDOに対するモル比および触媒の選択に従って変化する。
【0105】
エステルの生成はH核磁気共鳴を用いて確認した。分析はH NMRの当業者に利用可能な標準的技術および材料を用いて行った。
【0106】
プロトン核磁気共鳴(H NMR)スペクトルは未知の有機化合物の構造の同定に使用される有効な方法である。これは:分子中に存在する異なるタイプの水素の数、異なるタイプの水素の電気的環境およびある水素が有する「隣接する」水素の数に関する情報を提供する。
【0107】
求電子性基に取り付けられた炭素に結合する水素はTMS、テトラメチルシラン、通常NMR標準より高周波数で共鳴する傾向にある。TMSに関して特定の水素原子がどこで共鳴するかその位置をその化学シフト(δ)と呼ぶ。脂肪エステルの典型的な化学シフトは次の通りである。
δ=0.88(末端CHついて)
δ=1.26、1.61および1.97(それぞれ(-CH-C-CH)、(C-CH−C=O)および(O−CH-C-CH−O)のメチレン基について)
δ=2.28(エステル(C−C=O)に隣接するメチレン基について
δ=4.15(エステル(C(=O)−O−C-)について)。
プロトンNMRは、末端基(C−OH)(δ=3.7)に相当するプロトンを中間のエステル基(C−O−C(=O)−)(δ=4.15および4.24、それぞれジエステルおよびモノエステルについて)のプロトンと区別することができ、したがって、これら2つのピークの積分面積を比較することによってエステルを識別し反応を監視することができる。
【数1】

【0108】
実施例1
(発酵条件下でのD−グルコースの1,3−プロパンジオールへの変換)
K.プニューモニア(pneumoniae)dhaレギュロン・コスミドpKP1またはpKP2、K.プニューモニア・pduオペロンpKP4またはスーパーコス・ベクター(Supercos vector)単独を含有するE.Coli大腸菌株ECL707をグルコースから1,3−プロパンジオールを生成するために5Lのアプリコン(Applikon)発酵槽で成長させる。
【0109】
使用する媒体は、50〜100mMのリン酸カリウム緩衝液(pH7.5)、40mMの(NH)SO、0.1%(w/v)のイースト抽出物、10μMのCoCl、6.5μMのCuCl、100μMのFeCl、18μMのFeSO、5μMのHBO、50μMのMnCl、0.1μMのNaMoO、25μMのZnCl、0.82mMのMgSO、0.9mMのCaCl、および10〜20g/Lのグルコースを含有する。追加のグルコースを投入して、残留グルコースが過剰な状態にしておく。温度は37℃に制御しpHは5NのKOHまたはNaOHで7.5に制御する。適当な抗生物質をプラスミド維持のために含有させる。嫌気性発酵のために、0.1vvmの窒素を反応容器に散布するが;dOセットポイントが5%の場合には、1vvmの空気を反応容器に散布し媒体にビタミンB12を補う。
【0110】
1,3−プロパンジオールの測定濃度(g/L)は8.1〜10.9の範囲である。生物PDOの収率(g/g)は4%〜17%の範囲である。
【0111】
実施例2
(生物由来の1,3−プロパンジオールの精製)
公開された米国特許出願第2005/0069997号公報は、培養E.Coli大腸菌の発酵ブロスから1,3−プロパンジオールを精製する方法を開示し、生物工学的に1,3−プロパンジオールを砂糖から合成している。基本的方法は発酵ブロス生成物ストリームの濾過、イオン交換および蒸留を伴い、好ましくは蒸留作業時に生成物を化学的に還元することを含む。
【0112】
実施例1に述べたように生成された1,3−プロパンジオールは、ブロス浄化、ロータリエバポレーション、陰イオン交換および上澄みの複数蒸留を含む多工程法によって精製された。
【0113】
発酵の終了時に、細胞分離のために、ブロスを遠心分離とメンブラン濾過の組み合わせを用いて浄化し、その後1000MWを通じて超濾過を行った。浄化したブロスは大規模なロータリエバポレータで処理した。約46ポンドの原材料(21,000g)を濃縮シロップへ処理した。シロップの一部の60mlを1”直径の蒸留カラムのスチルポットに入れた。蒸留は25インチ水銀真空で行った。約1の還流比を蒸留全体にわたって用いた。幾分かの蒸留物留分を取り、その中央はさらなる処理を受けた。材料を同体積の水で希釈し、この材料を陰イオン交換カラム(混合ベッド、80gのNM−60樹脂)にかけて、水洗した。水は2ml/分の速度で汲み上げられ、9分毎に留分を回収した。奇数番号の留分を分析し留分3〜9は3Gを含有していた。3G含有留分を回収しミクロ蒸留を施し数グラムの純粋な1,3−プロパンジオールモノマーを回収した(これを実施例2〜8に記載される方法に従ってモノおよびジエステルへと重合した)。
【0114】
実施例3
(触媒としてP−トルエンスルホン酸を用いたプロパンジオールジステアレートの生成)
生物ソースの1,3−プロパンジオールおよびステアリン酸からプロパンジオールジステアレートを調製するために、生物ソースの1,3−プロパンジオールを実施例1および2でのような方法を用いて精製した。2.58g(0.033モル)の生物ソースの1,3−プロパンジオール、19.45g(0.065モル)のステアリン酸(アルドリッチ、95%)および0.2125g(0.001モル)のp−トルエンスルホン酸(アルドリッチ、98.5%)を機械的なスチーラーを取り付けたガラスの反応容器に充填し、空気と水分を除去するために15分間反応容器に乾燥窒素ガスを流した。次に、反応温度を100℃に上げ、その間窒素流下で反応混合物を全体的に攪拌しこれを210分間続けた。
【0115】
反応完了後、反応混合物を約35℃にまで冷却し生成物をビーカーに移した。生成物は、100mLの水を添加し、エマルジョンを形成させるために15分間45〜60℃で全体的に攪拌することによって精製した。混合物を冷却して固体のプロパンジオールジステアレートを濾過によって分離した。
【0116】
生成物は1H NMR(核磁気共鳴)スペクトル(CDCl(重水素を含むクロロホルム))によって特徴付けた:δ=0.88(t,C−CH,6H)、1.26(t,CH−C−CH,28H)、1.61(t,C−CH−C=O,4H)、1.97(t,−O−CH−C−CH−O,2H)、2.28(t,C−C=O,4H)、4.15(t,C(=O)−O−C- 4H)およびDSC(Tm=66.4℃およびTc=54.7℃)。
【0117】
実施例4
(生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールの純度特性)
以下の表1では、(公開された米国特許出願第2005/0069997号公報に記載されるように生成および精製された)生物学的に誘導された1,3−プロパンジオール(「生物PDO」)を、2つの別々に市販入手した化学的に生成された1,3−プロパンジオールの配合(ソースAおよびB)と、いくつかの純度の観点から比較する。
【表1】

【0118】
公開された米国特許出願第2005/0069997号公報に開示される方法によって精製された生物学的に生成された1,3−プロパンジオールの試料について、純度の観点の典型的なプロファイルを以下の表2に示す。
【表2】

【0119】
全有機不純物の単位ppmは、フレーム電離検出器を用いたガスクロマトグラフィーによって測定されるように、最終配合物中の1,3−プロパンジオール以外の全有機化合物100万当たりの割合を意味する。結果はピーク面積で報告する。フレーム電離検出器は水に鈍感であるので、全純度は(1,3−プロパンジオールを含む)全面積%の合計と比べた1,3−プロパンジオールでない全有機性ピーク(面積%)の合計である。「有機材料」という用語は炭素を含有する汚染物質を言う。
【0120】
表は、開示の精製方法が、市販入手した化学的に生成された1,3−プロパンジオールの配合に比べて、高純度の生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールを提供することを示している。
【0121】
実施例5
(生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールの肌刺激性および過敏特性)
約100の課題を有する人肌パッチ試験において、5、25、および50%のPDOは刺激性および過敏性のいずれの肌反応も示さなかった。2回目の人肌パッチ試験は、25、50、および75%のPDO濃度でpH7、または75%のPDOでpH4および9の濃度を用いたが、いずれも臨床的に顕著な皮膚の刺激または過敏反応は生じなかった。これらの研究に基づいて、PDOは人肌刺激性および過敏性ではないと思われる。2回目の人肌パッチ試験ではプロピレングリコール(1,2−プロパンジオールまたはPG)も25、50、および75%(pH7)で試験したが、3つ全ての濃度のPGは人肌に対してパッチ試験刺激性および累積的刺激性であった。
【0122】
実施例6〜8は予測的であり、D’アメリオ(Amelio)、フランク(Frank)S Sr.;植物:植物性化粧品のデスクリファレンス;CRCプレス(Press)1999、pg. 299-304からの記載に基づいている。
実施例6
(毎日使用するための天然、高発泡性のジェントルシャンプー)
【表3】

注釈1:ローム&ハース(Rohm & Haas)、2:ヘンケル(Henkel)、3:リポ・ケミカルズ社(Lipo Chemicals, Inc.)、4:アメルコール(Amerchol)
【0123】
記:5:1生物PDOは5部の生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールと1部の脱水植物として定義される。(20%の1:1抽出物)
【0124】
手順:
1.シーケンス1構成要素を室温で、空気混入を防ぐために、適度にゆっくりと混合しながら均一になるまで混ぜる。
2.シーケンス2構成要素を用いて9.2にpHを調節する。
3.シーケンス3をゆっくりと添加しポリマーが完全に分散するまで混合を続ける。
4.シーケンス4構成要素をゆっくりと添加し均一になるまで混合する。
5.シーケンス5構成要素を用いて5.5にpHを調節する。
6.シーケンス6をゆっくりと添加し均一になるまで混合する。
7.シーケンス7をゆっくりと添加し均一になるまで混合する。
実施例7
(全て天然の乳白色バスオイル)
【表4】

注釈5:リポ・ケミカルズ社(Lipo Chemicals, Inc.)、6:ロッシュ・ビタミン・アンド・ファイン・ケミカルズ(Roche Vitamins and Fine Chemicals)
記:5:1生物PDOは5部の生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールと1部の脱水植物として定義される。(20%の1:1抽出物)
【0125】
手順:
1.プロピルパラベンが完全に溶解するまで、シーケンス1構成要素を激しく攪拌しながら混合し557℃まで加熱する。30℃に冷却する。
2.30℃でシーケンス2の構成要素をバッチに添加し25℃に冷却する。
3.25℃で所望の色合いが得られるまでシーケンス3を添加する。
実施例8
(保湿剤における高湿潤性、水性スプレイ)
【表5】

注釈7:リポ・ケミカルズ社(Lipo Chemicals, Inc.)、8:バイオボタニカ(BioBotanica)/リポ・ケミカルズ社(Lipo Chemicals, Inc.)
記:5:1生物PDOは5部の生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールと1部の脱水植物として定義される。(20%の1:1抽出物)
【0126】
手順:
バッチが透明で均一になるまで、構成要素を室温で激しく攪拌しながら混合する。
【0127】
実施例9
(生物PDOおよび生物PDOエステル混合物によるカモミールフラワー粉末の抽出)
生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールに基づくエステルを、米国仮特許出願第60/772,112号公報(2006年2月10日出願)に記載されるように(ここに参照して挿入する)合成し、精製し特徴付けた。
【0128】
生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールおよび1,3−プロパンジオール共役エステルをカモミールフラワー粉末の抽出のために使用した(エジプト原産マートリカリアレクチタ、販売者−マウンテン・ローズ・ハーブス(Mountain Rose Herbs)、OR)。
【0129】
カモミール粉末を1,3−プロパンジオールと混合し、30分間振動台で浸軟させ、次に1,3−プロパンジオールエステルを混合物に添加し温度を90℃に上げ、浸軟をさらに2時間続けた。材料を0.2μmGHPメンブランを通じて濾過し濾液をLC/MSによって分析したところ、抽出された化合物を含有することを示した。
【0130】
実施例10
(生物PDOエステルによるカモミールフラワー粉末の抽出)
生物学的に誘導された1,3−プロパンジオール共役エステルを実施例9に記載したように合成し、このエステル(生物PDOビス−エチルヘキサノエート)をカモミールフラワー粉末の抽出のために使用した(マウンテン・ローズ・ハーブス(Mountain Rose Herbs)、OR)。
【0131】
カモミール粉末をエステルと混合し、2、4、6時間振動台で浸軟させた。材料を0.2μmGHPメンブランを通じて濾過し濾液をUV/VIS(UV/Visスペクトロフォトメータ、バリアン(Varian)(オーストラリア)、モデル:キャリー(Cary)5000)によって分析したところ、スペクトルは、抽出化合物の効果は浸軟に用いた時間に比例することを示した。
【0132】
実施例11
(生物PDOエステルによるレッドローズの抽出)
生物学的に誘導された1,3−プロパンジオール共役エステルを実施例9に記載したように合成し、このエステル(生物PDOビス−エチルヘキサノエート)を乾燥レッドローズの抽出のために使用した(ローザセンチフォリア、マウンテン・ローズ・ハーブス(Mountain Rose Herbs)、OR)。
【0133】
乾燥ローズをエステルと混合し、2、4、6時間振動台で浸軟させた。材料を0.2μmGHPメンブランを通じて濾過し濾液をUV/VISによって分析した。
【0134】
実施例12
(生物PDOエステルによる海藻の抽出)
生物学的に誘導された1,3−プロパンジオール共役エステルを実施例9に記載したように合成し、このエステル(生物PDOビス−エチルヘキサノエート)を乾燥海藻の抽出のために使用した(地方農家の市場)。
【0135】
乾燥海藻をエステルと混合し、2、4、6時間振動台で浸軟させた。材料を0.2μmGHPメンブランを通じて濾過し濾液をUV/VISによって分析した。
【0136】
実施例13
(生物PDO/メタノール混合物を用いた植物抽出)
手順:5gのジャスミンフラワー(ジャスミニウムオフィシナール、マウンテン・ローズ・ハーブス(Mountain Rose Herbs)、OR)を生物PDO/メタノール混合物(70%:30%)に浸漬し24時間浸軟させた。材料を0.2μmGHPメンブランを通じて濾過し濾液をLC/MSによって分析した。LC/MSスペクトルは活性構成要素の効果的な抽出を示した。
【0137】
実施例14
(生物PDO/脱イオン水混合物を用いたスイカズラフラワー抽出)
手順:5gの乾燥スイカズラフラワー(ロニセラジャポニカ、中国由来、販売者マウンテン・ローズ・ハーブス(Mountain Rose Herbs)、OR)を生物PDO/脱イオン水混合物(50%:50%)に浸漬し24時間浸軟させた。材料を0.2μmGHPメンブランを通じて濾過し濾液をLC/MSによって分析した。LC/MSスペクトルは活性構成要素の効果的な抽出を示した。
【0138】
実施例15
(生物PDO/脱イオン水混合物を用いたユーカリリーフ抽出)
手順:5gの乾燥ユーカリリーフ(ユーカリプタスグロブラス、フランス由来、販売者マウンテン・ローズ・ハーブス(Mountain Rose Herbs)、OR)を生物PDO/脱イオン水混合物(50%:50%)に浸漬し24時間浸軟させた。材料を0.2μmGHPメンブランを通じて濾過し濾液をLC/MSによって分析した。LC/MSスペクトルは活性構成要素の効果的な抽出を示した。
【0139】
実施例16
(生物PDO/脱イオン水混合物を用いた白檀レッドパウダー抽出)
手順:5gの乾燥白檀レッドパウダー(プテロカープスサンタリナス、アフリカ由来、販売者マウンテン・ローズ・ハーブス(Mountain Rose Herbs)、OR)を生物PDO/脱イオン水混合物(50%:50%)に浸漬し24時間浸軟させた。材料を0.2μmGHPメンブランを通じて濾過し濾液をLC/MSによって分析した。LC/MSスペクトルは活性構成要素の効果的な抽出を示した。
【0140】
比較例1
(植物材料抽出における生物学的に誘導された1,3−プロパンジオールとプロピレングリコールとの比較)
生物1,3−プロパンジオールおよびプロピレングリコールを用いて、ジャスミンフラワー、カモミールフラワーパウダー(マトリカリアレクチタ)、ミルラゴム片、ベンゾインゴム片、および蜜蝋から構成要素を抽出した。LC−MSおよびGC−MSを用いて抽出した構成要素を分析した。定性分析は1,3−プロパンジオールを用いて抽出された構成要素はプロピレングリコールを用いて抽出された構成要素と同じであることを確認した。さらに、生物1,3−プロパンジオールおよび生物1,3−プロパンジオールとメタノールとの混合物を用いて抽出された構成要素は同じであった。
【0141】
カモミール抽出の主な構成要素はビサボロールオキサイド、エン−イン−ジシクロエーテル、およびアピゲニングルコシドである。1,3−プロパンジオールおよびプロピレングリコール(1,2−プロパンジオール、アルドリッチ)を用いたこれらの活性構成要素の収率の比較を以下の表6に示す。
【表6】

【0142】
a:GC−MS分析、b:LC−MS分析
【0143】
表は1,3−プロパンジオールおよびプロピレングリコールを用いて抽出された構成要素のGC−MS/LC−MSピーク面積を示す。生物1,3−プロパンジオールを用いた抽出法は、プロピレングリコールを用いた抽出に比べて、エン−イン−シクロエーテルを29.4重量%高く、アピゲニングルコシドを11.2重量%高く、およびビサボロールオキサイドを5.2重量%高く抽出した。
【0144】
比較例2
カモミールフラワー粉末(5g)を50gの溶剤混合物(生物PDO/脱イオン水、比1:1、および1,2−プロパンジオール(プロピレングリコール、アルドリッチ)/脱イオン水、比1:1)と混合した。混合物を24時間攪拌し続けた。抽出物を濾過し分析した。
【表7】

【0145】
表7のデータは、生物PDO/水およびプロピレングリコール/水混合物を用いて抽出された構成要素のGC−MS/LC−MSピーク面積を示す。生物PDO/水混合物を使用することで、プロピレングリコールを用いて抽出された場合に比べて、ビサボロールオキサイドを75重量%高く、アピゲニンを326重量%高く、エン−イン−シクロエーテルを113重量%高く、およびアピゲニングルコシドを57重量%高く抽出した。
【0146】
比較例3
カモミールフラワー粉末(マウンテン・ローズ・ハーブス(Mountain Rose Herbs)、OR)(5g)を50gの生物PDOと混合し、5gのカモミールフラワー粉末を脱イオン水とも混合した。混合物を24時間浸軟した。抽出物を濾過しLC/MSによって分析した。
【表8】

【0147】
脱イオン水を用いて、アピゲニングルコシドおよびエン−イン−ジシクロエーテルは抽出されなかったが、アピゲニン抽出は生物PDOを用いた場合に比べて高かった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1,3−プロパンジオールのエステルと抽出生成物を含有する組成物。
【請求項2】
エステルは少なくとも3%の生物由来炭素を有する請求項1の組成物。
【請求項3】
エステルは少なくとも6%の生物由来炭素を有する請求項1の組成物。
【請求項4】
エステルは少なくとも10%の生物由来炭素を有する請求項1の組成物。
【請求項5】
エステルは少なくとも25%の生物由来炭素を有する請求項1の組成物。
【請求項6】
エステルは少なくとも50%の生物由来炭素を有する請求項1の組成物。
【請求項7】
エステルは少なくとも75%の生物由来炭素を有する請求項1の組成物。
【請求項8】
エステルは100%生物由来炭素を有する請求項1の組成物。
【請求項9】
エステルは式R−C(=O)−O−CH−CH−CH−OH(ここで、Rは約1〜約40個の炭素鎖長の線状または分岐炭素鎖である)を有する請求項1の組成物。
【請求項10】
はアルケン、アミド、アミン、カルボニル、カルボン酸、ハライド、ヒドロキシル基、エーテル、アルキルエーテル、スルフェートおよびエーテルスルフェートからなる群から選択される1以上の官能基を有する請求項9の組成物。
【請求項11】
エステルは式R−C(=O)−O−CH−CH−CH−O−C(=O)−R(ここで、RおよびRは約1〜約40個の炭素鎖長の線状または分岐炭素鎖である)を有する請求項1の組成物。
【請求項12】
およびRはアルケン、アミド、アミン、カルボニル、カルボン酸、ハライド、ヒドロキシル基、エーテル、アルキルエーテル、スルフェートおよびエーテルスルフェートからなる群から選択される1以上の官能基を有する請求項11の組成物。
【請求項13】
およびRは同じ炭素鎖である請求項11の組成物。
【請求項14】
エステルは
i.プロパンジオールジステアレート、モノステアレートおよびその混合物;
ii.プロパンジオールジラウレート、モノラウレートおよびその混合物;
iii.プロパンジオールジオレエート、モノオレエートおよびその混合物;
iv.プロパンジオールジバレレート、モノバレレートおよびその混合物;
v.プロパンジオールジカプリレート、モノカプリレートおよびその混合物;
vi.プロパンジオールジミリステート、モノミリステートおよびその混合物;
vii.プロパンジオールジパルミテート、モノパルミテートおよびその混合物;
viii.プロパンジオールジベヘネート、モノベヘネートおよびその混合物;
ix.プロパンジオールアジペート;
x.プロパンジオールマレエート;
xi.プロパンジオールジベンゾエート;
xii.プロパンジオールジアセテート;および
xiii.その混合物
からなる群から選択される請求項1の組成物。
【請求項15】
エステルは
a.プロパンジオールジステアレート、モノステアレートおよびその混合物;
b.プロパンジオールジオレエート、モノオレエートおよびその混合物;
c.プロパンジオールジカプリレート、モノカプリレートおよびその混合物;
d.プロパンジオールジミリステート、モノミリステートおよびその混合物;および
e.その混合物
からなる群から選択される請求項14の組成物。
【請求項16】
抽出生成物は天然抽出物である請求項1の組成物。
【請求項17】
天然抽出物は植物抽出物である請求項16の組成物。
【請求項18】
抽出物は植物抽出物、野菜抽出物、たんぱく質抽出物、脂質抽出物、海洋性抽出物、藻類抽出物、牛乳抽出物からなる群から選択される請求項1の組成物。
【請求項19】
さらに、1,3−プロパンジオールを含有する請求項1の組成物。
【請求項20】
1,3−プロパンジオールは少なくとも95%の生物由来炭素を有する請求項19の組成物。
【請求項21】
1,3−プロパンジオールは100%生物由来炭素を有する請求項20の組成物。
【請求項22】
(a)1,3−プロパンジオールのエステルを提供し;
(b)1,3−プロパンジオールとソースを混合し、ソースからエステルへと抽出物を抽出し;
(c)エステルと抽出物からソースを分離する
ことを包含するソースから抽出物を抽出する方法。
【請求項23】
さらに、エステルを有する1,3−プロパンジオールとソースを混合することを包含する請求項22の方法。
【請求項24】
1,3−プロパンジオールは少なくとも95%の生物由来炭素を有する請求項23の組成物。
【請求項25】
エステルは式R−C(=O)−O−CH−CH−CH−OH(ここで、Rは約1〜約40個の炭素鎖長の線状または分岐炭素鎖である)を有する請求項22の方法。
【請求項26】
エステルは式R−C(=O)−O−CH−CH−CH−O−C(=O)−R(ここで、RおよびRは約1〜約40個の炭素鎖長の線状または分岐炭素鎖である)を有する請求項22の方法。
【請求項27】
およびRは同じ炭素鎖である請求項26の方法。
【請求項28】
エステルは
i.プロパンジオールジステアレート、モノステアレートおよびその混合物;
ii.プロパンジオールジラウレート、モノラウレートおよびその混合物;
iii.プロパンジオールジオレエート、モノオレエートおよびその混合物;
iv.プロパンジオールジバレレート、モノバレレートおよびその混合物;
v.プロパンジオールジカプリレート、モノカプリレートおよびその混合物;
vi.プロパンジオールジミリステート、モノミリステートおよびその混合物;
vii.プロパンジオールジパルミテート、モノパルミテートおよびその混合物;
viii.プロパンジオールジベヘネート、モノベヘネートおよびその混合物;
ix.プロパンジオールアジペート;
x.プロパンジオールマレエート;
xi.プロパンジオールジベンゾエート;
xii.プロパンジオールジアセテート;および
xiii.その混合物
からなる群の1以上の要素から選択される請求項22の方法。
【請求項29】
抽出物はエッセンシャルオイルである請求項22の方法。
【請求項30】
抽出物はハーバル抽出物である請求項22の方法。
【請求項31】
1,3−プロパンジオールと抽出生成物を含有する組成物であって、1,3−プロパンジオールは生物学的に誘導される組成物。
【請求項32】
1,3−プロパンジオールは少なくとも85%の生物由来炭素を有する請求項31の組成物。
【請求項33】
1,3−プロパンジオールは少なくとも95%の生物由来炭素を有する請求項31の組成物。
【請求項34】
1,3−プロパンジオールは100%生物由来炭素を有する請求項31の組成物組成物。
【請求項35】
抽出生成物は天然抽出物である請求項31の組成物。
【請求項36】
天然抽出物は植物抽出物である請求項35の組成物。
【請求項37】
抽出物は植物抽出物、野菜抽出物、たんぱく質抽出物、海洋性抽出物、藻類抽出物、牛乳抽出物からなる群から選択される請求項31の組成物。

【公表番号】特表2009−527469(P2009−527469A)
【公表日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−554434(P2008−554434)
【出願日】平成19年2月12日(2007.2.12)
【国際出願番号】PCT/US2007/003850
【国際公開番号】WO2007/095262
【国際公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(507150884)デユポン・テイト・アンド・ライル・バイオ・プロダクツ・カンパニー・エルエルシー (4)
【Fターム(参考)】