説明

バケット型ジョークラッシャ

【課題】油圧モータの破損や破砕能力の変更等による油圧モータの交換、サイズの変更及び継手軸の交換が容易にでき、トッグルプレート部品を迅速容易に交換して破砕サイズ調整が短時間にでき、偏心主軸とジョー動歯まわりの部品を一体的にバケット内に組み込んで迅速に取替えでき、破砕物のつまり除去が迅速簡単にできるようにしたバケット型ジョークラッシャを提供する。
【解決手段】ジョー動歯30を駆動する油圧モーター70と偏心主軸40の連結にスプライン係合のカップリングと継手軸を設け、偏心主軸部品、トッグルプレート部品及びジョー動歯部品をバケット開口部から取り出せるように構成し、ジョー動歯30及びジョー固定歯20を逆八字状に形成できるようにしてなるバケット型ジョークラッシャ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、廃コンクリート、廃建材、廃舗装材等の廃材処理に使用されるバケット型ジョークラッシャの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来は、図8−2に示すように、偏心主軸40と駆動の油圧モータ60軸との連結は、偏心主軸の軸端のスプライン部413に、油圧モータのスプライン穴を直接連結していたが、スプライン部が破損すると偏心主軸全体を取り換えねばならない、また、油圧モータを大型のものに取り換える場合も、スプライン部のサイズが合わない場合、偏心主軸全体を取り換えねばならないため、分解組立の手間や休止時間が長くなる欠点があった。
また、従来のテンションロッド551は、図8−1に示すように、テンションロッド551とバネ56の受座にかまぼこ型の座金571、581を設け、テンションロッドの傾斜の増減に追従できるようにしていたが、荷重が線接触のため、かまぼこ型座金の耐久性が低い欠点があった。
また、従来の破砕サイズの調整板54は、積層された複数枚の調整板の両端のボルト穴にボルトを通し、固定板を介しバケット上板16にボルト止めされていたが、サイズ調整の際に、長いボルトと多数の調整板を扱うため、ボルトの取り外し、取付け、調整板の抜き差しに時間が掛かる欠点があった。
また、従来のトッグルプレート51の固定側荷重受け53は、トッグルプレートに当接してテンションロッド551とバネ56で支持されていたが、バケットの方向や姿勢の変動や作業の衝撃で、トッグルプレートが移動すると、荷重受けが脱落する欠点があった。
また、従来の偏心主軸40の組込みは、偏心主軸40、ジョー動歯30、ジョー動歯フレーム32、偏心軸受411、カウンタウェイト42を大組し、ブラケット13をボルト締め構造とし、バケット10の天板16部から装入したり、取り外しを行っていたが、ブラケット13をボルト締めにすると重量が増加し、また、組み付けに時間が掛かる欠点があった。
そこで本発明者は、図2−2及び図2−3に示すように、偏心主軸40の軸端にスプライン穴4141又は4141B、4142Bを備えたカップリング414又は414Bを嵌合し、カップリングと油圧モータのスプライン穴にそれぞれ係合するスプラインを両側に持つ継手軸415又は415Bを係合し、油圧モータのスプライン穴の変更に伴う継手軸の交換、継手軸の破損による継手軸の交換ができるようにした。
また本発明者は、図2−4及び図2−5に示すように、油圧モータ70のスプライン軸712C又は712Dに係合するスプライン穴4141C又は4142Dを備えたカップリング414C又は414Dを嵌合し、油圧モータのスプライン軸の変更に伴うカップリングの交換ができるようにした。
また、図3に示すように、テンションロッド61とバネ66の受座は、テンションロッドのジョー動歯側に直角方向の回動軸受64を設け、ピン63及びピン631を介して、ジョー動歯フレーム32の軸受台632に回動可能に支持し、バネ側は、固定座68に回動可能に軸支されたバネ箱67内のバネ66に当接するパイプナット62にねじ込み、開口部17を介して調整すれば、調整板の増減にともなうテンションロッドの伸縮量分を吸収できると共に、傾斜の増減に追従できることに成功した。
また、図4−1乃至図4−4に示すように、破砕サイズの調整板54と固定板56に、外側へ開口が向いたU字形のボルト穴541、561を設け、また、固定板56のボルト穴561に、一方向に向いたU字形のボルト穴571を備えた揺動する揺動コマ57を嵌入して取付ボルト55を貫入して調整板を固定し、破砕サイズの調整時に、揺動コマのU字形のボルト穴の開口を固定板のU字形穴に一致させて、取付ボルトの取り外し、取付を容易にし、開口部18を介して、調整板の抜き差しを短時間でできることに成功した。
また、トッグルプレート51の固定側荷重受け53は、図5に示すように、調整板54にブラケット5401を設け、ブラケットにネジジャッキ542、543を設けて固定側荷重受けの両端を支持して脱落を防止することに成功した。
さらに、偏心主軸40の組込は、図6−1乃至図6−3に示すように、ジョー動歯30、ジョー動歯フレーム32、偏心主軸40、偏心軸受411、カウンタウェイト42等を、予め、バケットの外で組み付け一体とし、バケットの両側板14と両主軸受座141に偏心主軸の軸端部が通過できるように、バケット10の入口15側に開口したU字形の切欠溝1401を設け、一体的に組み付けた偏心主軸を、切欠溝を介してバケット内に装入(取り外し)し、迅速、確実な組込ができることに成功した。
【特許文献1】特願2007−227404号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、油圧モータの破損や破砕能力の変更等による油圧モータの交換、サイズの変更及び継手軸の交換が容易にできるようにしたバケット型ジョークラッシャを提供するものである。
また、本発明は、トッグルプレート部品を迅速容易に交換して、破砕サイズの調整が、短時間でできるようにしたバケット型ジョークラッシャを提供するものである。
また、本発明は、偏心主軸とジョー動歯まわりの部品を、一体的に、バケット内に組み込んで迅速に取替えできるようにしたバケット型ジョークラッシャを提供するものである。
さらに、本発明は、被破砕物がジョー動歯とジョー固定歯との間に詰まったとき、迅速に除去できるようにしたバケット型ジョークラッシャを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明バケット型ジョークラッシャの請求項1の発明は、上記課題を達成するため、図示するように、バケット10の底11内面に、ジョー固定歯20を設け、それに対向して、上部を油圧モーター70により駆動する偏心主軸40に軸支し、下部をトッグルプレート51で支持して、ジョー固定歯20と逆八字形の配置で設けたジョー動歯30により、被破砕物100を破砕できるようにした油圧ショベル1のアーム2に取り付けたバケット型ジョークラッシャにおいて、油圧モーター70と連結する偏心主軸40を、スプライン係合した継手軸415、415B又は駆動軸71C、71Dを介して、連結したものである。
また、本発明のバケット型ジョークラッシャの請求項2の発明は、上記課題を達成するため、請求項1の発明において、図示するように、スプライン係合した継手軸415が、偏心主軸40の軸端413に嵌合したスプライン穴4141付きのカップリング414と、片方にそのスプライン穴4141に係合するスプライン4151を有し、他方に油圧モータ70のスプライン穴711に係合するスプライン4152を有するものとからなり、油圧モータのスプライン穴の変更に伴う継手軸の交換、また、継手軸の破損による継手軸の交換が容易にできるようにしたものである。
また、本発明のバケット型ジョークラッシャの請求項3の発明は、上記課題を達成するため、請求項1の発明において、図示するように、スプライン係合した継手軸415Bが、偏心主軸40Bの軸端413Bに係合した2つのスプライン穴4141B、4142Bを備えたカップリング414Bと、片方にスプライン穴4142Bに係合するスプライン4151Bを有し、他方に油圧モータ70のスプライン穴711Bに係合するスプライン4152Bを有するものとからなり、油圧モータのスプライン穴の変更に伴う継手軸の交換、また、継手軸又はカップリングの破損による継手軸又はカップリングの交換が容易にできるようにしたものである。
また、本発明のバケット型ジョークラッシャの請求項4の発明は、上記課題を達成するため、請求項1の発明において、図示するように、スプライン係合した駆動軸71Cが、油圧モータ70のスプライン軸712Cと、スプライン軸712Cに係合するスプライン穴4141C付きのカップリング414Cを、偏心主軸40Cの軸端413Cに嵌合したものからなり、油圧モータの交換が容易にできるようにしたものである。
また、本発明のバケット型ジョークラッシャの請求項5の発明は、上記課題を達成するため、請求項1の発明において、図示するように、スプライン係合した駆動軸71Dが、油圧モータ70のスプライン軸712Dと、スプライン軸712Dに係合するスプライン穴4142Dと、偏心主軸40Dの軸端413Dのスプライン軸4131Dに係合するスプライン穴4141Dとを備えたカップリング414Dを偏心主軸40Dの軸端413Dに係合したものからなり、油圧モータのスプライン軸の変更に伴うカップリングの交換、また、カップリングの破損によるカップリングの交換が容易にできるようにしたものである。
また、本発明のバケット型ジョークラッシャの請求項6の発明は、上記課題を達成するため、請求項1、2、3、4又は5の発明において、図示するように、トッグルプレート51の動歯側荷重受け52及び固定側荷重受け53が、トッグルプレート51の荷重面511、512に常に密着できるように、テンションロッド61とバネ66を形成した緊張装置60を設けると共に、テンションロッド61のジョー動歯側に軸受641を設けた回動軸受64を設け、ピン63及びピン631を介して、ジョー動歯フレーム32の軸受台632に回動可能に支持し、反対側を固定座68に回動可能に軸支するバネ箱67のバネ66に当接するパイプ状の1部にめねじ621を設けたパイプナット62にねじ込むようにして荷重受けの耐久性を向上させると共に、テンションロッドの傾斜の増減に追従できるようにしたものである。
また、本発明のバケット型ジョークラッシャの請求項7の発明は、上記課題を達成するため、請求項1、2、3、4、5又は6の発明において、図示するように、破砕サイズの調整板54の両端に端面側に先端を開放したU字形のボルト穴541を設け、取付ボルト55の固定板56に、調整板54のU字形のボルト穴541と同じ方向に先端を開放したU字形のボルト穴561を設け、そのボルト穴561にU字形の切欠溝571を備えた揺動コマ57を設けてなり、取付ボルト55をゆるめて揺動コマ57の切欠溝571を固定板56のU字形穴561に一致させて取付ボルト55の取外し、取付けを容易にし、調整板の抜き差しを迅速にできるようにしたものである。
また、本発明のバケット型ジョークラッシャの請求項8の発明は、上記課題を達成するため、請求項1、2、3,4、5、6又は7の発明において、図示するように、破砕サイズの調整板54に固定側荷重受け53の両端を支持するブラケット5401を設け、ブラケット5401に設けた先端丸棒のネジジャッキ542、543で、固定側荷重受けの脱落を防止できるようにしたものである。
さらにまた、本発明のバケット型ジョークラッシャの請求項9の発明は、上記課題を達成するため、請求項1、2、3、4、5、6、7又は8の発明において、図示するように、バケット10の両側板14と両主軸受座141に、偏心主軸40の軸部413が通過できるU字形の切欠溝1401をバケット入口15側に開口するように設け、ジョー動歯30、ジョー動歯フレーム32、偏心主軸40、偏心軸受411、カウンタウェイト42を組み付けて一体として、切欠溝1401を介してバケット10内に装入、取り外しし、主軸受箱412の取付部4121に設けたはまり込み部4122を、主軸受座141に設けたはまり込み部1411にはめ、迅速確実に組立と位置決めができるようにしたものである。
本発明において、偏心主軸、継手軸のスプラインは、キーとキー溝の結合、角軸と角穴の結合を用いたものでもよい。
【発明の効果】
【0005】
本発明のバケット型ジョークラッシャは、偏心主軸端にスプライン穴を備えたカップリングを嵌合し、カップリングと油圧モータのスプライン穴にそれぞれ係合するスプラインを両側に持つ継手軸を係合して、油圧モータのスプライン穴の変更に伴うサイズの異なるスプラインの継手軸の交換や、継手軸の破損による継手軸の交換が迅速に行えるようにした。
また、本発明のバケット型ジョークラッシャは、偏心主軸端に油圧モータのスプライン軸に係合するスプライン穴を備えたカップリングを嵌合し、油圧モータのスプライン軸の変更に伴うカップリングの交換ができるようにした。
また、本発明のバケット型ジョークラッシャは、従来のテンションロッドは、かまぼこ型の受座による線接触の荷重受けを用いていたが、面接触の回動軸受にしたので、耐久性を向上させた。
また、破砕サイズの調整板は、U字形のボルト穴とU字形溝付きの揺動コマの組合せを設け、ナットをゆるめるだけで、取付ボルトの取り外し、取付けを容易にし、調整板の抜き差しが短時間でできる。
また、バケットの方向や姿勢の変動、作業の衝撃に対して、トッグルプレートの固定側荷重受けの両端をネジジャッキを設けて、支持するようにしたため、固定側荷重受けの脱落が防止できる。
また、偏心主軸とジョー動歯まわりの部品を予め一体的に組み付けて、バケット側板と主軸受座に設けたU字形切欠溝を介して、バケット内に装入し、迅速な組立ができる。
さらに、ジョー動歯とジョー固定歯との間に、破砕物が詰まったとき、八字状に倒立させてジョー動歯を逆回転させるだけで、簡単迅速に除去できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明実施例は、図1乃至図7−3に示されている。
【実施例】
【0007】
本発明の実施例が図1乃至図7−3に示されている。
本発明実施例のバケット型ジョークラッシャは、ジョー固定歯20と、ジョー動歯30と、偏心主軸40と、トッグルプレート部50と、緊張装置60とを備えている。
ジョー固定歯20は、表側に複数の山谷の波状歯21を形成し、バケット10の底11の内面に固定されている。
ジョー動歯30は、表側にジョー固定歯20の波状歯21に噛み合う山谷の波状歯31を形成し、上部を1対の偏心軸受411を介して偏心主軸40に軸支し、下部を動歯側荷重受け52を介してトッグルプレート51に支持され、ジョー固定歯20に対向して逆八字形に配置されている。
偏心主軸40は、図2−1に示すように、バケット10の左右側板14、14を貫通し、一方の側板14外側に設けた油圧モーター70により直接駆動されると共に、他方の側板14外側にフライホイール80が設けられ、中間部に偏心部のバランス調整のためのカウンタウェイト42が設けられている。
偏心主軸40は、図2−2に示すように、軸端413にスプライン穴4141を備えたカップリング414を嵌合し、カップリング414に係合するスプライン4151と、油圧モータ70のスプライン穴711に係合するスプライン4152を有する継手軸415を係合し、油圧モータ70で駆動される。
また、偏心主軸40Bは、図2−3に示すように、軸端413Bにスプライン穴4141B、4142Bを備えたカップリング414Bをスプライン軸4131B係合し、カップリング414Bに係合するスプライン4151Bと、油圧モータ70のスプライン穴711Bに係合するスプライン4152Bを有する継手軸415Bを係合したものでもよい。
また、偏心主軸40Cは、図2−4に示すように、軸端413Cに油圧モータのスプライン軸712Cに係合するスプライン穴4141Cを備えたカップリング414Cを嵌合し、油圧モータのスプライン軸712Cを係合したものでもよい。
また、偏心主軸40Dは、図2−5に示すように、軸端413Dに軸端のスプライン4131Dに係合するスプライン穴4141Dと、油圧モータ70のスプライン軸712Dに係合するスプライン穴4142Dを備えたカップリング414Dを、スプライン軸4131D係合し、油圧モータ70のスプライン軸712Dを係合したものでもよい。
トッグルプレート部50は、トッグルプレート51と、動歯側荷重受け52と、固定側荷重受け53と、調整板54とを備えている。
トッグルプレート51は、図1に示すように、上下端部に断面が凸型円弧状の荷重面511、512を設け、各荷重面511、512には、動歯側荷重受け52と、固定側荷重受け53が当接している。
動歯側荷重受け52は、下面が凹型円弧状に形成されており、トッグルプレート51の上端の荷重面511に当接し、上面はジョー動歯30の下端に受け固定具521を介して固定されている。
固定側荷重受け53は、上面が凹型円弧状に形成されており、トッグルプレート51の下端の荷重面512に当接し、下面は調整板54をはさんでバケット10の上板16に受け固定具531を介して固定されている。
トッグルプレート51は、上端の荷重面511を動歯側荷重受け52に当接し、下端の荷重面512を固定側荷重受け53に当接し、後述の緊張装置60により、当接部が離脱しないよう密着状態に保たれると共に、トッグルプレート51の上端511がジョー動歯フレーム32の直交面より偏心主軸40側へ上り傾斜に取りつけることにより、偏心主軸40の回転により上下に往復動するジョー動歯30を、被破砕物100をはさんで押し下げつつジョー固定歯20に押しつけるように動作させることになる。
調整板54は、図4−1乃至図4−3及び図5に示すように、両端に外側へ開口が向いたU字形のボルト穴541を設け、また、一方向に開口したU字形のボルト穴571を設けた揺動コマ57をはさんだ固定板56に、取付ボルト55で固定されている。
固定板56にも外側へ開口が向いたU字形のボルト穴561が設けられており、揺動コマ57を回動してボルト穴571の開口先を固定板56のボルト穴561の開口先と合致させることにより、取付ボルト55が容易に取り外し、取付けできるように形成されている。
緊張装置60は、テンションロッド61と、受け座69と、バネ箱67とを備えている。
テンションロッド61は、図3に示すように、ジョー動歯側に回動軸受64をテンションロッド61に直交するように設け、嵌入するピン63を介して、ジョー動歯フレーム32の受け座69に、また、ピン631を介して軸受台632に回動可能に支持し、バネ側は後述するバネ箱67内のバネ66にパイプ状の一部にめねじ621をもうけたパイプナット62を介して当接している。
受け座69は、テンションロッド61の回動軸受64の荷重をピン63で受け、さらに、ピン631で軸受台632で受け、ジョー動歯フレーム32で支持されている。
バネ箱67は、両外側にピン671を設け、回動可能に固定座68に軸着し、固定座68はバケット10の上板16から張り出したブラケット161に固定され、バネ箱67に内蔵するバネ66に座板65とパイプナット62が当接すると共に、パイプナット62がテンションロッド61と螺着している。
従って、ジョー動歯30の往復動によるテンションロッド61の傾きの増減及びサイズ調整板54の抜き差しによるテンションロッド61の傾きの増減には、回動軸受64のピン63の回動と、バネ箱67のピン671の回動により、さらに、ピン631の回動とバネ66の撓みにより追従できるように形成されている。
偏心主軸40及びジョー動歯30をバケット10に組み込む時は、図6−2に示すように、偏心主軸40の中間部にカウンタウェイト42を取付け、その左右に取り付けた偏心軸受411、411を介してジョー動歯フレーム32及びジョー動歯30等を組み付け、図6−1及び図6−3に示すように、バケット10の両側板14と両主軸受座141に設けたバケット入口15側に開口するU字形の切欠溝1401に、一体的に組み付けた偏心主軸40の両軸端413を主軸受座141に装入し、主軸受箱412のはまり込み部4122と主軸受座のはまり込み部1411が合致するように、取り付けると迅速に組込み、位置決めができる。 従って、バケット型ジョークラッシャを油圧ショベル1に取りつけて使用するときは、図7−1に示すように、バケット10のブラケット13の軸穴131を、油圧ショベル1のアーム2先端のピン穴7に軸着し、他方の軸穴132を、バケットシリンダ3のロッド4にH型リンク6を介して軸着し、まず、バケット10の入口15を被破砕物100に向けて被破砕物100をすくい込み、ついで、図7−2に示すように、バケット10を上向きに動かし、細砕した被破砕物100を集積する場所へ移動し、油圧モーター70を駆動して、ジョー動歯30を作動させて、被破砕物100を細砕101して、バケット10の下端の排出口12から排出する。
ジョー動歯30と固定歯20との間に被破砕物100がつまった時は、図7−3に示すように、バケットの入口15を下に向けると共に、油圧モーター70を逆回転させてジョー動歯30と固定歯20との間を開けば、つまりを除去することができる。
【産業上の利用可能性】
【0008】
本発明のバケット型ジョークラッシャは、小型、軽量で量産でき、また、油圧ショベルに簡単に取り付けできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明実施例の断面を示す説明図である。
【図2−1】図1の開口部から見た説明図である。
【図2−2】図2−1の軸端の別の使用状態を示す説明図である。
【図2−3】図2−1の軸端のさらに別の使用状態を示す説明図である。
【図2−4】図2−1の軸端のさらにまた別の使用状態を示す説明図である。
【図2−5】図2−1の軸端のさらにまた別の使用状態を示す説明図である。
【図3】図1のテンションロッドの断面を示す説明図である。
【図4−1】図1の調整板の正面図である。
【図4−2】図4−1の固定板を下方から見た説明図である。
【図4−3】図4−1の揺動コマを下方から見た説明図である。
【図5】図4−1の固定側荷重受けの斜視図である。
【図6−1】図1の組立状態を示す説明図である。
【図6−2】図6−1の偏心主軸の組立状態を示す説明図である。
【図6−3】図6−1の主軸受座のA−A線断面を示す説明図である。
【図7−1】図1の使用状態を示す説明図である。
【図7−2】図1の別の使用状態を示す説明図である。
【図7−3】図1のさらに別の使用状態を示す説明図である。
【図8−1】従来のバケット型ジョークラッシャの断面を示す説明図である。
【図8−2】図8−1の開口部から見た説明図である。
【符号の説明】
【0010】
10 バケット
11 バケットの底
14 バケットの側板
141 主軸受座
1401 U字形の切欠溝
1411、4122 はまり込み部
15 入口
17、18 開口部
20 ジョー固定歯
30 ジョー動歯
40、41B、41C、41D 偏心主軸
411 偏心軸受
412 主軸受箱
4121 取付部
413、413B、413C、413D 軸端
4131B、4131D スプライン軸
414、414B、414C、414D カップリング
4141、4141B、4142B、4141C、4141D、4142D スプライン穴
415、415B 継手軸
4151、4151B、4152、4152B スプライン軸
42 カウンタウェイト
51 トッグルプレート
511、512 トッグルプレートの荷重面
52、53 荷重受け
521、531 受け固定具
54 調整板
541、561 U字形ボルト穴
5401 ブラケット
542、543 ネジジャッキ
55 取付ボルト
56 固定板
57 揺動コマ
571 U字形切欠溝
60 緊張装置
61 テンションロッド
62 パイプナット
621 めねじ
63、631 ピン
632 軸受台
64 回動軸受
641 軸受
66 バネ
67 バネ箱
68 固定座
70 油圧モータ
71C、71D 駆動軸
711、711B 油圧モータのスプライン穴
712C、712D 油圧モータのスプライン軸
80 フライホイール
100 被破砕物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バケット10の底11内面に、ジョー固定歯20を設け、それに対向して、上部を油圧モーター70により駆動する偏心主軸40に軸支し、下部をトッグルプレート51で支持して、ジョー固定歯20と逆八字形の配置で設けたジョー動歯30により、被破砕物100を破砕できるようにした油圧ショベル1のアーム2に取り付けたバケット型ジョークラッシャにおいて、油圧モーター70と連結する偏心主軸40を、スプライン係合した継手軸415、415B又は駆動軸71C、71Dを介して、連結したことを特徴とするバケット型ジョークラッシャ。
【請求項2】
前記スプライン係合した継手軸415が、偏心主軸40の軸端413に嵌合したスプライン穴4141付きのカップリング414と、片方にそのスプライン穴4141に係合するスプライン4151を有し、他方に油圧モータ70のスプライン穴711に係合するスプライン4152を有するものとからなり、油圧モータのスプライン穴の変更に伴う継手軸の交換、また、継手軸の破損による継手軸の交換が容易にできるようにしたことを特徴とする請求項1記載のバケット型ジョークラッシャ。
【請求項3】
前記スプライン係合した継手軸415Bが、偏心主軸40Bの軸端413Bに係合した2つのスプライン穴4141B、4142Bを備えたカップリング414Bと、片方にスプライン穴4142Bに係合するスプライン4151Bを有し、他方に油圧モータ70のスプライン穴711Bに係合するスプライン4152Bを有するものとからなり、油圧モータのスプライン穴の変更に伴う継手軸の交換、また、継手軸又はカップリングの破損による継手軸又はカップリングの交換が容易にできるようにしたことを特徴とする請求項1記載のバケット型ジョークラッシャ。
【請求項4】
前記スプライン係合した駆動軸71Cが、油圧モータ70のスプライン軸712Cと、スプライン軸712Cに係合するスプライン穴4141C付きのカップリング414Cを、偏心主軸40Cの軸端413Cに嵌合したものとからなり、油圧モータの交換が容易にできるようにしたことを特徴とする請求項1記載のバケット型ジョークラッシャ。
【請求項5】
前記スプライン係合した駆動軸71Dが、油圧モータ70のスプライン軸712Dと、スプライン軸712Dに係合するスプライン穴4142Dと、偏心主軸40Dの軸端413Dのスプライン軸4131Dに係合するスプライン穴4141Dとを備えたカップリング414Dを偏心主軸40Dの軸端413Dに係合したものとからなり、油圧モータのスプライン軸の変更に伴うカップリングの交換、また、カップリングの破損によるカップリングの交換が容易にできるようにしたことを特徴とする請求項1記載のバケット型ジョークラッシャ。
【請求項6】
前記トッグルプレート51の動歯側荷重受け52及び固定側荷重受け53が、トッグルプレート51の荷重面511、512に常に密着できるように、テンションロッド61とバネ66を形成した緊張装置60を設けると共に、テンションロッド61のジョー動歯側に軸受641を設けた回動軸受64を設け、ピン63及びピン631を介して、ジョー動歯フレーム32の軸受台632に回動可能に支持し、反対側を固定座68に回動可能に軸支するバネ箱67のバネ66に当接するパイプ状の1部にめねじ621を設けたパイプナット62にねじ込むようにして荷重受けの耐久性を向上させると共に、開口部17を介して調整すれば、調整板の増減にともなうテンションロッドの傾斜の増減に追従できるようにしたことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のバケット型ジョークラッシャ。
【請求項7】
破砕サイズの調整板54の両端に端面側に先端を開放したU字形のボルト穴541を設け、取付ボルト55の固定板56に、調整板54のU字形のボルト穴541と同じ方向に先端を開放したU字形のボルト穴561を設け、そのボルト穴561にU字形の切欠溝571を備えた揺動コマ57を設けてなり、取付ボルト55をゆるめて揺動コマ57の切欠溝571を固定板56のU字形穴561に一致させて、開口部18を介して、取付ボルト55の取外し、取付けを容易にし、調整板の抜き差しを迅速にできるようにしたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載のバケット型ジョークラッシャ。
【請求項8】
破砕サイズの調整板54に固定側荷重受け53の両端を支持するブラケット5401を設け、ブラケット5401に設けた先端丸棒のネジジャッキ542、543で、固定側荷重受けの脱落を防止できるようにしたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載のバケット型ジョークラッシャ。
【請求項9】
バケット10の両側板14と両主軸受座141に、偏心主軸40の軸部413が通過できるU字形の切欠溝1401をバケット入口15側に開口するように設け、ジョー動歯30、ジョー動歯フレーム32、偏心主軸40、偏心軸受411、カウンタウェイト42を組み付けて一体として、切欠溝1401を介してバケット10内に装入、取り外しし、主軸受箱412の取付部4121に設けたはまり込み部4122を、主軸受座141に設けたはまり込み部1411にはめ、迅速確実に組立と位置決めができるようにしたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載のバケット型ジョークラッシャ。

【図1】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図2−3】
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【図2−4】
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【図2−5】
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【図3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図4−3】
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【図5】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図6−3】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図7−3】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【公開番号】特開2010−64008(P2010−64008A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−232908(P2008−232908)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(593003949)ウエダ産業株式会社 (14)
【復代理人】
【識別番号】100080724
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 久喜
【復代理人】
【識別番号】100092749
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 得二
【Fターム(参考)】