説明

バナナの熟成の調節

工業的バナナ加工においてバナナの熟成を調節するために、収穫を終えたバナナ房が入手される。このバナナ房は、共有クラウンに付いた複数のバナナを有している。この房の第一のバナナ部分がエチレン透過性入れ物の内に配置される。この房の第二のバナナ部分が該入れ物の外に保たれる。バナナ房がエチレンガスに曝露される。ここでは第一および第二のバナナ部分はエチレンガスにほぼ同時に曝露されて第一および第二のバナナ部分の熟成がほぼ同時に開始される。第一および第二のバナナ部分が熟成を開始させられる。バナナが熟成するとともに、該入れ物が、入れ物への酸素の流れおよび入れ物からの二酸化炭素の流れを、入れ物の内にある第一のバナナ部分が該入れ物の外にある第二のバナナ部分よりもより低い酸素濃度およびより高い二酸化炭素濃度に曝露されて第一のバナナ部分の熟成速度が第二のバナナ部分に比較して減速されるように調節する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は全体としてはバナナの熟成に関し、より詳細には、工業的バナナ加工においてバナナの収穫から販売までの熟成を調節することに関する。
【背景技術】
【0002】
バナナの工業的な栽培は、一般に、熱帯地方に見受けられる。最適なバナナ生産は、一般に、高温、高湿条件と同時に肥沃な土壌を必要とする。バナナは開花の時からおよそ三ヶ月で成熟する。緑色をした未熟な状態のグリーンバナナは、典型的には、デンプンをおよそ20%、糖をおよそ1%含んでいる。バナナは、収穫されると同時に、熟成加工を始めることができる。熟したバナナは黄色をしており、典型的にはスクロース(ショ糖)を66%、フルクトース(果糖)を14%、グルコース(ブドウ糖)を20%含んでいる。
【0003】
バナナは、およそ13〜14本の「果手(hands)」(つまりバナナ列)を有する全房(bunch)として生育する。典型的な果手は、共有クラウン(common crown)に付いたおよそ14本からおよそ24本の「果指(fingers)」(すなわち個々のバナナ)を有している。バナナ梱包工場で、果手は、典型的には、果房(clusters)と呼ばれるより小さい単位に分離される。各果房は、典型的には、共有クラウンに付いたおよそ3〜10本の個々のバナナを有している。これらの果房が、米国の市場における小売店や販売店で見られる典型的なサイズである。
【0004】
工業的バナナ加工では、バナナはグリーン(緑色をした未熟な状態)で収穫される。工業的バナナ熟成では、通常、仕向け先市場の近くに所在する密閉室の中でバナナをエチレンガスに曝露することが行われる。大半のケースでは、小売市場への最終出荷の前に、バナナは「熟成室」に配置されて上記熟成加工が開始される。熟成室では、典型的には58°F(14.4℃)〜64°F(17.8℃)の範囲の温度でバナナをエチレンガスに曝露して均一な熟成が促進される。熟成室については、例えば特許文献1、2、3、4および5に記載されている[これら文献のそれぞれは、引用により、その全体が本明細書に組み込まれる]。
【特許文献1】米国特許第5,658,607号明細書
【特許文献2】米国特許第5,041,298号明細書
【特許文献3】米国特許第4,845,958号明細書
【特許文献4】米国特許第4,824,685号明細書
【特許文献5】米国特許第4,764,389号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、通常のバナナ熟成方法では、果手または果房のすべての個々のバナナの均一な熟成が提供される。これは、多数のバナナが一室に配置されて同じようなまたは同じ条件下でエチレンガスにさらされる工業的熟成加工にとっては、特に真実である。消費者は、このように、ただひとつの熟成の段階にあるバナナ房(典型的には果房)を購入することを強いられ、またバナナが過成熟となる前にそれらを消費しなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
工業的バナナ加工においてバナナの熟成を調節するひとつの例示的な実施形態では、収穫を終えたバナナ房が入手される。このバナナ房は、共有クラウンに付いた複数のバナナを有している。この房の第一のバナナ部分がエチレン透過性入れ物の内に配置される。この房の第二のバナナ部分が該入れ物の外に保たれる。バナナ房はエチレンガスに曝露される。ここでは該第一および第二のバナナ部分の熟成がほぼ同時に開始されるように該第一および第二のバナナ部分はエチレンガスにほぼ同時に曝露される。該第一および第二のバナナ部分は熟成を開始させられる。バナナが熟成するとともに、該入れ物は、該入れ物への酸素の流れおよび入れ物からの二酸化炭素の流れを、該入れ物の内にある該第一のバナナ部分が、該入れ物の外にある該第二のバナナ部分よりもより低い酸素濃度およびより高い二酸化炭素濃度に曝露されるように調節して、該第一のバナナ部分の熟成速度を該第二のバナナ部分に比較して減速させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本出願をより完全に理解してもらうために、以下の説明では、多くの具体的な詳細、例えば具体的な配置、パラメーター等が開陳される。しかしながら、そのような説明は、本開示の範囲を限定しようとするものではなく、例示的な実施形態をより上手く説明しようとするものであることは、当然、認識されるべきである。
【0008】
図1にあるひとつの例示的な実施形態では、収穫から販売までのバナナの熟成を調節する例示的な方法100が図示されている。ステップ102では、ひとつ以上のバナナ房が収穫される。本明細書で使用される用語「バナナ房」とは、共有クラウンに付いた任意の数のバナナを意味する。例えば、上述したように、バナナの全房は果手に分離でき、各果手は、共有クラウンに付いた約14〜約24本のバナナを有している。果手はさらに果房に分離でき、各果房は、共有クラウンに付いた約3〜約10本のバナナを有している。
【0009】
ステップ104では、各バナナ房において、第一のバナナ部分が入れ物の内に配置され、第二のバナナ部分が該入れ物の外に保たれる。例えば、図2には、バナナ房200が図示されており、第一のバナナ部分202がバッグ204の内に配置されており、第二のバナナ部分206がバッグ204の外に保たれている。図3には、ふたつのバナナ房200が図示されており、それぞれのバナナ房200の第一のバナナ部分がバッグの内に配置されており、それぞれのバナナ房200の第二のバナナ部分が該バッグの外に保たれている。この例では、バナナ房200は、バナナ果手であるとして図示されている。しかしながら、上述したように、バナナ房200は、共有クラウンに付いた任意の数のバナナを有していてもよい。
【0010】
再度図2を参照すると、バッグ204の内に配置されたバナナ房200の部分(すなわち第一のバナナ部分202)は、バナナ房200の任意の数のバナナを有していてもよい。但し、少なくとも1本のバナナはバッグ204の外に保たれる。ひとつの例示的な実施形態では、第一のバナナ部分202にあるバナナのパーセントは、バナナ房200の全バナナ数の約25%〜約75%の範囲内にあってよい。もうひとつの例示的な実施形態では、第一のバナナ部分202には少なくとも1本のバナナが含まれている。なおもうひとつの例示的な実施形態では、第一のバナナ部分202には、バナナ房200の全バナナ数の少なくとも約25%が含まれている。なおもうひとつの例示的な実施形態では、第一のバナナ部分202には、バナナ房200の全バナナ数のおよそ半分が含まれている。
【0011】
バッグ204は、エチレンに対して透過性のある当技術分野で知られているどの材料からも作製することができる。ひとつの例示的な実施形態では、バッグ204はプラスチック材料から形成される。該プラスチック材料は、ただひとつの樹脂、または複数の樹脂の組み合せからできていてもよい。例示的な樹脂としては、限定するものではないが、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ブタジエン、ポリスチレン、ポリエステル、あるいはこれらの材料の組み合せが挙げられる。もうひとつの例示的な実施形態では、バッグ204は、バッグ204の酸素および二酸化炭素に対する透過性を加減するポリマーからできていてもよいし、あるいはそのような材料が加えられていてもよい。
【0012】
当然、バッグ204の様々な部分が、エチレン、酸素および/または二酸化炭素に対して透過性をもつように形成されていてもよいことは認識されるべきである。例えば、バッグ204は、ひとつの部分がエチレンガスに対して透過性であり他の部分が酸素および二酸化炭素に対して透過性であるように形成されていてもよい。酸素および二酸化炭素に対して透過性である部分のパーセントに比較してのエチレンに対して透過性である部分のパーセントによってバッグ204の総合的な透過特性は決定され得る。
【0013】
ひとつの例示的な実施形態では、バッグ204は、ひとつ以上の穴を有していてもよい。穴は、どのようなサイズや形状であってもよい。例えば、約20ミクロン〜約12.5mmの直径を有する穴を用いることができる。この穴は、裸眼に見えるものであってもよいし、あるいは顕微鏡視野下で初めて見えるものであってもよい。
【0014】
バッグ204の壁はどのような厚みであってもよい。ひとつの例示的な実施形態では、バッグ204の壁は、約0.00025〜0.05インチのいずれかの厚みを有している。他の例示的な実施形態では、バッグ204の壁の厚みは、約0.00025、0.0005、0.00075、0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、0.01、0.02、0.025、0.03、0.04、または0.05インチか、それ以上であってよい。さらなる例示的な実施形態では、バッグ204の壁の厚みは、約0.05、0.04、0.03、0.025、0.02、0.01、0.009、0.008、0.007、0.006、0.005、0.004、0.003、0.002、0.001、0.00075、0.0005、または0.00025インチか、それ以下であってよい。
【0015】
バッグ204は、当技術分野で知られている何れの手段によってもバナナ房200のその共有クラウンの周りに留めておくことができる。ひとつの例示的な実施形態では、バッグ204の開口部は、単純に共有クラウンの周りに巻かれていてもよい。もうひとつの例示的な実施形態では、バッグ204の開口部は、針金、コード、ゴムバンドなどの留め具によって共有クラウンの周りに保たれていてもよい。別の形態としては、バッグ204は、当技術分野で知られている接着剤によって共有クラウンの周りに留められていることでもよい。当然、バッグ204は、共有クラウン全体の周りではなく、共有クラウンの一部の周り例えば共有クラウンの半分の周りに留められていてもよいことは認識されるべきである。
【0016】
当然、バッグ204以外にいろいろなタイプの入れ物を用いることができることは認識されるべきである。入れ物は、硬質でも軟質でもよい。入れ物は、第一のバナナ部分202の周りを包む一枚以上の材料シートであってもよい。入れ物は、第一のバナナ部分202の周りにきつく、つまり第一のバナナ部分202にぴったりくっついて配置されていてもよい。別の形態としては、入れ物は、第一のバナナ部分202の周りにゆるく配置されていてもよい。
【0017】
図1にあるステップ106では、バナナ房は、ひとつ以上の仕向け先市場に出荷される。図3にある本例示的な実施形態では、各バナナ房200は、各房の第一のバナナ部分202がバッグ204の内に配置され且つ各房の第二のバナナ部分206がバッグ204の外に保持されて出荷される。
【0018】
再度図1を参照すると、ステップ108では、バナナ房は、エチレンガスに曝露されて熟成が開始される。図3にある本例示的な実施形態では、バッグ204の内に配置された第一のバナナ部分202およびバッグ204の外に保たれた第二のバナナ部分206がエチレンガスに同時に曝露されて熟成が開始されるよう、バナナ房200がエチレンガスに曝露される。
【0019】
バナナは自然にエチレンガスを産生して熟成を開始させる。ひとつのバナナによって産生されたエチレンガスは近隣のバナナの熟成の引き金となる。工業的バナナ生産では、バナナが一様に熟成するのが望ましく、ここではバナナは、バナナが自然にエチレンガスの産生を始める前にエチレンガスに曝露され、これによってバナナがほぼ同時に熟成を始めることが確実なものとなる。熟成を開始させるのにはごく少量のエチレンガスが必要とされる。典型的には、約10〜約100ppm(parts per million:百万部あたりの部数)ほどの少ない量のエチレンガスでも熟成を開始させることができる。
【0020】
図3にある本例示的実施形態では、第一のバナナ部分202および第二のバナナ部分206をエチレンに同時に曝露することにより、バナナ房202の全てのバナナが同時に熟成を始める。
【0021】
バナナ房200は、当技術分野で知られている何れの方法によってもエチレンガスに曝露することができる。ひとつの例示的な実施形態では、バナナ房200は、「熟成室」でエチレンガスに曝露されてもよい。熟成室は、気密状態下でエチレンを適用して、エチレンガスをバナナの周りに十分長く留まらせ、それによってその熟成の引き金を引く効果を発揮させることを確実なものにしている。
【0022】
商業用熟成室には、一般に、ふたつのタイプがある:(1)従来型室と(2)加圧または強制空気型室である。従来型室は、エチレンガスを幾分受動的にバナナの周りおよびその間を移動させるための適当な空気循環がある冷室である。加圧型室では、バナナの列と列の間に圧力勾配がつくられている。そのような配置で、エチレンガスが、バナナの列の中を強制的に通される。
【0023】
バナナ房200は、熟成室で、様々な異なる温度および相対湿度の条件で熟成させることができる。バナナ房200の熟成は、店に出荷されるための準備ができているバナナを、熟成業者がいつ必要とするのかに基づいて、その全周期の間、一定温度に保って行ってもよいし、あるいはその周期の間、温度を変えながら行ってもよい。例えば、ひとつの例示的な実施形態では、熟成周期の間に用いられる温度の典型的な運転範囲は約58°F(14.4℃)〜約64°F(17.8℃)であるが、より高い温度例えば68°F(20.0℃)を、場合によっては用いることもできる。
【0024】
ステップ110では、バナナ房が熟成させられる。バナナが熟成するとともに、バナナは酸素を取り込み二酸化炭素を放出する。図2にあるバッグ204は、酸素および二酸化炭素のバッグ204内外への流れを調節する。バッグ204内の酸素濃度が低下するとおよび/または二酸化炭素濃度が増大すると(バッグ204の外の周囲空気中の濃度に比較して)、バナナの呼吸速度および代謝が減速する。代謝が低下すると、熟成中に起こる全ての生理的および生化学的変化、例えば葉緑素の喪失(緑色の喪失および黄色の出現として現れる)、デンプンの糖への転換、バナナの軟化、バナナの香味および芳香の醸成などの速度が低下する。つまり、バッグ204の内に配置された第一のバナナ部分202は、バッグ204の外に保たれた第二のバナナ部分206よりも遅い速度で熟成し、その結果第一のバナナ部分202の店頭寿命が延長される。
【0025】
例えば、ひとつの例示的な実施形態では、バッグ204の内の酸素濃度は、バッグ204の外の周囲空気中の濃度より約1〜約10%低減され、二酸化炭素濃度は、バッグ204の外の周囲空気中の濃度より約1〜約30%増大される。つまり、図2に図示されているように、第一のバナナ部分202はグリーンに留まることができ、第二の部分206はおなじみの完熟の黄色まで熟成することができるのである。
【0026】
ひとつの例示的な実施形態では、バナナ房200は、温度および相対湿度が調節されている熟成室で、所定の時間(すなわち熟成周期)熟成させられる。典型的には、熟成周期は3日〜10日まで様々である。当然、バナナ房200は任意の時間で熟成させることができることは認識されるべきである。
【0027】
当然、図1にあるステップ108は、ステップ106の前に行うことができることは認識されるべきである。つまり、バナナ房は、仕向け先市場へ出荷される前にエチレンガスに曝露して熟成を開始することができる。さらには、バナナ房は、出荷中(輸送中)熟成することもできる。ひとつの例示的な実施形態では、バナナ房は、出荷中に移動型熟成室で熟成することができる。バナナ熟成で用いることができるコンテナおよび方法は、例えば米国特許第5,460,841号明細書に記載されている。
【0028】
ステップ112では、バナナ房は小売店や他の販売箇所に出荷される。図3にある本例示的な実施形態では、異なる熟成速度を維持するために、バナナ房200は、第一の部分202をバッグ204の内に配置し且つ第二の部分206をバッグ204の外に保って出荷される。
【0029】
ステップ114では、バナナ房は、消費者が購入するために陳列される。図3にある本例示的な実施形態では、バナナ房200は、第一の部分202をバッグ204の内に配置し且つ第二の部分206をバッグ204の外に保って陳列される。つまり消費者は、ふたつの異なる熟成段階にあるバナナ房を提供されることになる。消費者は、このあと第一の部分202からバッグ204を取り除いて第一の部分202のバナナの熟成過程を完了させるための適切な時を決定することができる。
【0030】
本明細書で引用したすべての刊行物、特許、および特許出願は、ここであたかも個々の刊行物、特許、または特許出願が参照により組み込まれると具体的且つ個別的に書かれているのと同じ程度に、参照によりその全体が、あらゆる目的のために組み込まれる。明確に理解されることを目的に、図および例によりここまで上記実施形態を述べてきたが、当然、当業者には、本出願の開示に照らしてある程度の変更および改変ができることは容易に明らかなことである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】バナナの熟成を調節する例示的な方法を示すものである。
【図2】第一の部分がバッグの内にあり、第二の部分がバッグの外にある、共有クラウンに付いたバナナ房を示すものである。
【図3】ふたつのバナナ房を示すものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工業的バナナ加工においてバナナの収穫から販売までの熟成を調節する方法であって、該方法が:
各房が共有クラウンに付いた複数のバナナを有している、ひとつ以上のバナナ房を収穫するステップ;
各房の第一のバナナ部分をエチレン透過性バッグの内に配置し、各房の第二のバナナ部分を該バッグの外に保っておくステップ;
該ひとつ以上のバナナ房をひとつ以上の仕向け先市場に出荷するステップ;
該ひとつ以上のバナナ房をエチレンガスに曝露するステップであって、各房の該第一および第二のバナナ部分はエチレンガスにほぼ同時に曝露されてほぼ同時に熟成が開始されるステップ;
該ひとつ以上のバナナ房を熟成させるステップであって、バナナが熟成するとともに、該バッグの内に配置された各房の該第一のバナナ部分は該バッグの外に保たれた各房の該第二のバナナ部分よりもより低い酸素濃度およびより高い二酸化炭素濃度に曝露され、その結果該第一のバナナ部分の熟成速度が該第二のバナナ部分に比較してより遅くなるステップ;
該ひとつ以上のバナナ房を、各房の該第一のバナナ部分を該バッグの内に配置し且つ各房の該第二のバナナ部分を該バッグの外に保って出荷するステップ;および
消費者が購入することになる該ひとつ以上のバナナ房を、各房の該第一のバナナ部分を該バッグの内に配置し且つ各房の該第二のバナナ部分を該バッグの外に保って陳列して、購入者が、少なくともふたつのバナナ部分がふたつの異なる熟成段階にあるバナナ房を購入することを可能にするステップ;
を含む方法。
【請求項2】
該バッグが、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ブタジエン、ポリスチレン、ポリエステルからなる群から選択される材料、またはこれらの材料の組み合せを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該バッグが、ひとつ以上の穴を有している、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
それぞれの該穴の直径が、約20ミクロン以上且つ約12.5mm以下である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
該バッグが留め具によって閉じられる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
該留め具が、タイ、テープ、ゴムバンド、およびコードからなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
該バッグが、該第一のバナナ部分の周りにゆるく配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
該バッグが、該第一のバナナ部分の周りにきつく配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
工業的バナナ加工においてバナナの熟成を調節する方法であって、該方法が:
共有クラウンに付いた複数のバナナを有している、収穫を終えたバナナ房を入手するステップ;
該房の第一のバナナ部分をエチレン透過性入れ物の内に配置し、該房の第二のバナナ部分を該入れ物の外に保つステップ;
該バナナ房をエチレンガスに曝露するステップであって、該第一および第二のバナナ部分はエチレンガスにほぼ同時に曝露されて該第一および第二のバナナ部分の熟成がほぼ同時に開始されるステップ;および
該第一および第二のバナナ部分の熟成を始めさせるステップであって、該入れ物が、入れ物への酸素の流れおよび入れ物からの二酸化炭素の流れを、該入れ物の内にある該第一のバナナ部分が該入れ物の外にある該第二のバナナ部分よりもより低い酸素濃度およびより高い二酸化炭素濃度に曝露されて該第一のバナナ部分の熟成速度が該第二のバナナ部分に比較して減速されるように調節するステップ;
を含む方法。
【請求項10】
該入れ物が、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ブタジエン、ポリスチレン、ポリエステルからなる群から選択される材料、またはこれらの材料の組み合せを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
該入れ物の少なくとも一部分が、酸素および二酸化炭素に対する入れ物の透過性を加減するポリマーからなっている、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
該入れ物が、ひとつ以上の穴を有している、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
それぞれの該穴の直径が、約20ミクロン以上且つ約12.5mm以下である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
該入れ物がバッグである、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
該バッグが留め具によって閉じられる、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
該留め具が、タイ、テープ、ゴムバンド、およびコードからなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
該入れ物が、該第一のバナナ部分の周りにゆるく配置される、請求項9に記載の方法。
【請求項18】
該入れ物が、該第一のバナナ部分の周りにきつく配置される、請求項9に記載の方法。
【請求項19】
工業的バナナ加工においてひとつ以上のバナナ房を提供する方法であって、該方法が:
共有クラウンに付いた複数のバナナを有しているバナナ房を供給者から入手するステップ
(ここで、該房の第一のバナナ部分は該房の第二のバナナ部分よりも熟成しておらず、
収穫が終わったあと該第一のバナナ部分はエチレン透過性入れ物の内に配置されており、該第二のバナナ部分は該入れ物の外に保たれており、
該第一および第二のバナナ部分はエチレンガスにほぼ同時に曝露されて該第一および第二のバナナ部分の熟成加工がほぼ同時に開始されており、且つ
該入れ物の内にある該第一のバナナ部分は該入れ物の外にある該第二のバナナ部分よりもより低い酸素濃度およびより高い二酸化炭素濃度に曝露されて、該第一のバナナ部分が該第二のバナナ部分よりもより遅い速度で成熟されている);および
消費者が購入することになる該バナナ房を陳列するステップ(ここで、該入れ物は該第一のバナナ部分を覆って維持される);
を含む方法。
【請求項20】
該入れ物がバッグである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
該バッグが、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ブタジエン、ポリスチレン、ポリエステルからなる群から選択される材料、またはこれらの材料の組み合せを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
該バッグが、ひとつ以上の穴を有している、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
それぞれの該穴の直径が、約20ミクロン以上且つ約12.5mm以下である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
該バッグが、留め具によって閉じられる、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
該留め具が、タイ、テープ、コード、およびゴムバンドからなる群から選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
該バッグが、該第一のバナナ部分の周りにゆるく配置される、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
該バッグが、該第一のバナナ部分の周りにきつく配置される、請求項20に記載の方法。
【請求項28】
バナナを熟成させるためのシステムであって、該システムが:
共有クラウンに付いたバナナ房の第一のバナナ部分を覆うように配置されたエチレン透過性バッグを含み、
該房の第二のバナナ部分が該バッグの外に保たれており、
該バッグが、該第一および第二のバナナ部分がエチレンガスにほぼ同時に曝露されて該第一および第二のバナナ部分の熟成加工がほぼ同時に開始されることを可能にするものであり、且つ
該バッグが、該バッグの内にある該第一のバナナ部分を該バッグの外にある該第二のバナナ部分よりもより低い酸素濃度およびより高い二酸化炭素濃度に曝露して該第一のバナナ部分を該第二のバナナ部分よりもより遅い速度で熟成させるように酸素および二酸化炭素の流れを調節するものである、システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−521433(P2008−521433A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−544388(P2007−544388)
【出願日】平成17年11月18日(2005.11.18)
【国際出願番号】PCT/US2005/042238
【国際公開番号】WO2006/060227
【国際公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(507181822)ドール フード カンパニー,インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】