説明

パイプホルダー

【課題】2本のパイプの固定および固定の解除をそれぞれ別個に行うことができると共に、パイプ固定時における接続ケーブルの損傷を防止できるパイプホルダーを提供すること。
【解決手段】
第1パイプ保持部11と第2パイプ保持部112とを連結する連結部113を備えているので、第1パイプ保持部11への直立パイプ2の固定および固定の解除、又は、第2パイプ保持部112への収容パイプ3aの固定および固定の解除をそれぞれ別個に行うことができる。また、案内室113aは連結部113に形成されているので、接続ケーブル5が案内室113aに収容された状態で直立パイプ2又は収容パイプ3aの連結位置を調整することができる。よって、直立パイプ2又は収容パイプ3aの位置を調整するたびに接続ケーブル5の位置決めを行う必要がないので、作業効率を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パイプホルダーに関し、特に、2本のパイプの固定および固定の解除をそれぞれ別個に行うことができると共に、パイプ固定時における接続ケーブルの損傷を防止できるパイプホルダーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
演奏者により演奏されるドラムやシンバル等の楽器は、楽器用スタンドに取り付けられることで、演奏者の好みに応じた位置に配置される。この楽器用スタンドは、複数のパイプを連結することにより構成されており、それら複数のパイプを連結するパイプホルダーの位置を変更することで、楽器が配置される高さ、角度、演奏者との距離を調整することができる。
【0003】
また、パイプホルダーには、2本のパイプを連結すると共に、パイプの内部に収容され少なくとも一端が電子楽器に接続可能な接続ケーブルを外部へ案内する案内部を備えるものがある。例えば、特表2007−525627号公報には、2つの圧縮要素27,28を互いに対向させて圧縮することにより、2つの部材31,32(第1パイプ、第2パイプ)を保持すると共にケーブル(接続ケーブル)を外部の環境へ案内するケーブルポート38(案内部)が形成される連結器装置(パイプホルダー)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2007−525627(段落[0027],[0028]、第10図など)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した連結器装置は、2つの圧縮要素27,28で2つの部材31,32及びケーブルを同時に固定する構造であるため、一の部材31の固定を解除すると、他の部材32及びケーブルの固定も解除される。そのため、一の部材31のみの連結位置を変更する場合には、一の部材31の連結位置の調整だけでなく、他の部材32の連結位置の調整およびケーブルのケーブルポート38への位置決めも再度行う必要があり、作業が繁雑であるという問題点があった。さらに、2つの部材31,32を固定する際に、ケーブルがケーブルポート38に確実に位置決めされていないと、2つの圧縮要素27,28にケーブルが挟まれて損傷するという問題点があった。
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、2本のパイプの固定および固定の解除をそれぞれ別個に行うことができると共に、パイプ固定時における接続ケーブルの損傷を防止できるパイプホルダーを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、請求項1記載のパイプホルダーは、第1パイプを着脱自在に挟持固定する第1保持部と、第2パイプを着脱自在に挟持固定する第2保持部と、その第2保持部の内周面に包囲される第2保持室を外部へ連通させる案内部とを備え、前記第1保持部、前記第2保持部および前記案内部が金属で構成されると共に、前記第2パイプに収納され少なくとも一端が電子楽器に接続される接続ケーブルが前記第2保持室から案内部を介して外部へ案内されるものであって、前記第1保持部と前記第2保持部とを連結する連結部を備え、前記案内部は前記連結部に形成されている。
【0008】
請求項2記載のパイプホルダーは、請求項1記載のパイプホルダーにおいて、前記案内部は、前記第1保持部に挟持固定される前記第1パイプの長手方向と交差する方向に向けて開口している。
【0009】
請求項3記載のパイプホルダーは、請求項1又は2に記載のパイプホルダーにおいて、前記案内部の開口は、第1保持部と第2保持部とを結ぶ線に沿った方向を短辺とする正面視略矩形状である。
【0010】
請求項4記載のパイプホルダーは、請求項1から3のいずれかに記載のパイプホルダーにおいて、弾性部材から構成され一側および他側に向けて開口すると共に互いに連通する第1開口部および第2開口部を有するケーブル用スリーブを備え、前記ケーブル用スリーブは、前記案内部に内嵌可能な筒状に形成されると共に一端側に前記第1開口部が開口される第1筒部を備えている。
【0011】
請求項5記載のパイプホルダーは、請求項4記載のパイプホルダーにおいて、前記ケーブル用スリーブは、前記第1開口部から前記第2開口部にかけて切り込まれたスリットを備えている。
【0012】
請求項6記載のパイプホルダーは、請求項5記載のパイプホルダーにおいて、前記ケーブル用スリーブは、前記スリットの切り込み幅が前記接続ケーブルの外径よりも小さい。
【0013】
請求項7記載のパイプホルダーは、請求項4から6のいずれかに記載のパイプホルダーにおいて、前記ケーブル用スリーブは、前記第2パイプに内嵌可能な円筒状に形成されると共に一端に前記第2開口部が開口される第2筒部を備えている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載のパイプホルダーによれば、第1保持部と第2保持部とを連結する連結部を備えているので、第1保持部への第1パイプの固定および固定の解除、又は、第2保持部への第2パイプの固定および固定の解除をそれぞれ別個に行うことができる。よって、第1パイプ又は第2パイプのうち一方の連結位置のみを変更する場合、第1パイプ又は第2パイプの他方を第1保持部または第2保持部に固定したまま、第1保持部または第2保持部による第1パイプ又は第2パイプの一方の固定を解除して第1パイプ又は第2パイプの一方の連結位置を変更できるので、従来技術と比べ、パイプの位置を調整する際の作業効率を向上させることができるという効果がある。
【0015】
また、案内部が連結部に形成されているので、接続ケーブルが案内部に収容された状態で第1パイプ又は第2パイプの連結位置を調整することができる。よって、従来技術のように、パイプの位置を調整するたびに接続ケーブルの位置決めを行う必要がないので、作業効率を向上させることができるという効果がある。さらに、第1保持部および第2保持部による第1パイプ及び第2パイプの固定または固定の解除と関係なく、案内部が占める体積を一定に保つことができるので、従来技術のように、第1保持部または第2保持部に第1パイプ又は第2パイプを挟持固定する際に、接続ケーブルが第1保持部または第2保持部に挟まれて損傷することを回避できるという効果がある。
【0016】
請求項2記載のパイプホルダーによれば、請求項1記載のパイプホルダーの奏する効果に加え、案内部が第1保持部に挟持固定される第1パイプの長手方向と交差する方向に向けて開口しているので、第1パイプに2つのパイプホルダーを近接させて装着した状態で第1パイプを軸としてパイプホルダーを回転移動させた場合に、接続ケーブルが2つのパイプホルダーの間で挟まれて剪断されることを防止できるという効果がある。
【0017】
即ち、第1パイプに2つのパイプホルダーを近接させて装着する場合、案内部が第1保持部に挟持固定される第1パイプの長手方向に沿った方向に向けて開口していると、近接して装着される2つのパイプホルダーの間に接続ケーブルが案内されるので、第1パイプを軸としてパイプホルダーを回転移動させた際に、接続ケーブルが2つのパイプホルダーの間で挟まれて剪断される危険性がある。これに対し、本発明は、案内部が第1保持部に挟持固定される第1パイプの長手方向と交差する方向に向けて開口しているので、近接して第1パイプに装着される2つのパイプホルダーの間に接続ケーブルが案内されることを防止して、上述した危険性を回避することができる。
【0018】
請求項3記載のパイプホルダーによれば、請求項2記載のパイプホルダーの奏する効果に加え、前記案内部の開口は、第1保持部と第2保持部とを結ぶ線に沿った方向を短辺とする正面視略矩形状であるので、例えば、案内部の開口の形状が、正面視において略円形状または第1保持部と第2保持部とを結ぶ線に沿った方向を長辺とする略矩形状である場合と比べ、第1保持部と第2保持部との間の距離を短くすることができる。よって、連結部を小さくすることでパイプホルダー全体の小型化を図ることができ、その分、パイプホルダーの軽量化を図ることができるという効果がある。
【0019】
請求項4記載のパイプホルダーによれば、請求項1から3のいずれかに記載のパイプホルダーの奏する効果に加え、弾性部材から構成され一側および他側に向けて開口すると共に互いに連通する第1開口部および第2開口部を有するケーブル用スリーブが、案内部に内嵌可能な筒状に形成されると共に一端側に第1開口部が開口される第1筒部を備えているので、パイプホルダーに収容される接続ケーブルの一端を、第2開口部から案内部に内嵌されている第1開口部へ挿通させることで、外部へ案内することができる。よって、接続ケーブルが案内部と直に接触することを防止できるので、第1パイプ又は第2パイプの連結位置を変更する際に、接続ケーブルが案内部の開口部分と接触しつつ引っ張られることにより、案内部の開口部分と接触する接続ケーブルの一部分が損傷することを防止できるという効果がある。
【0020】
即ち、パイプホルダーを回転移動させる際に、接続ケーブルが引っ張られると、案内部の開口部分と接触する接続ケーブルの一部分には、接続ケーブルが引っ張られる方向と異なる方向への応力がかかる。また、案内部の開口部分は金属で構成されているので、案内部の開口部分と接触する接続ケーブルの一部分に集中する応力により、接続ケーブルが損傷しやすくなる。これに対し、本発明では、金属で構成される案内部に弾性部材で構成されるケーブル用スリーブが内嵌されると共に、接続ケーブルがケーブル用スリーブの内部に収容されているので、上述のように、接続ケーブルの一部分に集中する応力を低減させることで接続ケーブルが損傷することを回避できる。
【0021】
請求項5記載のパイプホルダーによれば、請求項4記載のパイプホルダーの奏する効果に加え、ケーブル用スリーブには第1開口部から第2開口部にかけて切り込まれたスリットが形成されているので、接続ケーブルをスリットからケーブル用スリーブの内部へ収容させることができる。よって、ケーブル用スリーブの内部に接続ケーブルを収容する作業の効率を向上させることができるという効果がある。
【0022】
即ち、ケーブル用スリーブに切り込みが設けられていない場合、接続ケーブルをケーブル用スリーブの内部に収容する際、接続ケーブルの一端を第1開口部または第2開口部の一方から第1開口部または第2開口部の他方へ挿通させる必要がある。さらに、ケーブル用スリーブの内部に収容された接続ケーブルを必要な長さ分だけ、ケーブル用スリーブの内部に挿通された接続ケーブルの一端側から手繰り寄せる必要があるので、特に、外部へ案内すべき接続ケーブルが長い場合には作業効率が低下する。これに対し、本発明は、弾性部材で構成されるケーブル用スリーブに切り込みが設けられているので、スリットの幅を広げつつ、接続ケーブルの中途部分をスリットからケーブル用スリーブの内部へ収容することができるので、案内すべき接続ケーブルの長さに関係なく、効率よく作業を行うことができる。
【0023】
請求項6記載のパイプホルダーによれば、請求項5記載のパイプホルダーの奏する効果に加え、前記ケーブル用スリーブに形成されたスリットの切り込み幅が接続ケーブルの外径よりも小さいので、ケーブル用スリーブの内部に収容された接続ケーブルがスリットから外部へ抜け出ることを防止できる。よって、ケーブル用スリーブが案内部に内嵌されている際に、ケーブル用スリーブの中に収容されている接続ケーブルがスリットから抜け出ることにより、案内部の開口部分と接続ケーブルとが接触して接続ケーブルを損傷させることを防止できるという効果がある。
【0024】
請求項7記載のパイプホルダーは、請求項4から6のいずれかに記載のパイプホルダーの奏する効果に加え、ケーブル用スリーブが第2パイプに内嵌可能な円筒状に形成されると共に一端に第2開口部が開口される第2筒部を備えているので、第2パイプに収容されている接続ケーブルを、第2パイプに内嵌された第2筒部の一端に開口される第2開口部から第1開口部へ案内することができる。よって、接続ケーブルが案内部を介して外部へ案内される際に、接続ケーブルが第2パイプの端部と直に接触することを防止できるので、第2パイプの端部にバリ等がある場合であっても、接続ケーブルが損傷することを防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1実施の形態におけるクランプ及び第2実施の形態におけるパイプホルダーを使用した楽器用スタンドの斜視図である。
【図2】湾曲パイプ及び支持パイプを保持した状態におけるクランプの斜視図である。
【図3】図2の矢印III方向から見たクランプの側面図である。
【図4】(a)は、図3の矢印IV(a)方向におけるクランプの背面図であり、(b)は、第1部品を開いた状態におけるクランプの背面図である。
【図5】(a)は、パイプ用スリーブの側面図であり、(b)は、図5(a)の矢印Vb方向から視たパイプ用スリーブの正面図である。
【図6】(a)は、第1部品の背面図であり、(b)は、図6(a)のVIb−VIb線における第1部品の断面図であり、(c)は、パイプ用スリーブを装着した状態における第1部品の背面図であり、(d)は、図6(c)のVId−VId線における第1部品の断面図である。
【図7】図3のVII−VII線における湾曲パイプを保持した状態のクランプの断面図である。
【図8】第2実施の形態におけるパイプホルダーの斜視図である。
【図9】(a)は、パイプホルダーの上面図であり、(b)は、直立パイプを保持した状態の図9(a)のIXb−IXb線におけるパイプホルダーの断面図である。
【図10】(a)は、図9(a)のXa−Xa線におけるパイプホルダーの断面図であり、(b)は、第2部品を開いた状態におけるパイプホルダーの側面図である。
【図11】(a)は,ケーブル用スリーブの正面図であり、(b)は、図11(a)のXIb−XIb線におけるケーブル用スリーブの断面図であり、(c)は、図11(a)のXIc−XIc線におけるケーブル用スリーブの断面図であり、(d)は、スリットの切り込み幅を広げた状態におけるケーブル用スリーブの正面図である。
【図12】(a)は、直立パイプを保持した状態におけるパイプホルダー及び収容パイプの分解斜視図であり、(b)は、第2部品を開いた状態における収容パイプ及びパイプホルダーの正面図である。
【図13】(a)は、第3実施の形態における第1固定部の背面図であり、(b)は、図13(a)のXIIIb−XIIIb線における第1固定部の断面図であり、(c)は、パイプ用スリーブを装着した際における第1固定部の断面図であり、図13(b)に対応した図である。
【図14】(a)は、第4実施の形態におけるパイプ用スリーブの背面図であり、(b)は、図14(a)のXIVb−XIVb線におけるパイプ用スリーブの断面図であり、(c)は、パイプ用スリーブを装着した状態における第1部品の背面図であり、(d)は、図14(c)のXIVd−XIVd線における第1部品の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施の形態におけるクランプ10及び第2実施の形態におけるパイプホルダー100を使用した楽器用スタンド1の斜視図である。まず、図1を参照して、楽器用スタンド1の概略構成について説明する。
【0027】
図1に示すように、楽器用スタンド1は、演奏者により演奏される電子ドラムや電子シンバル等の楽器を取り付けるための器材であり、地面に直立する複数の直立パイプ2と、地面に対して略平行に配設される複数の湾曲パイプ3と、楽器を支持する複数の支持パイプ4と、湾曲パイプ3及び支持パイプ4を連結するクランプ10と、直立パイプ2及び湾曲パイプ3を連結するパイプホルダー100とを主に備えている。
【0028】
湾曲パイプ3は、中空であると共に円弧状に湾曲する管状の部材である。複数の湾曲パイプ3の中には、少なくとも一端が電子楽器に接続可能な接続ケーブル5が内部に収容される収容パイプ3aとして使用されているものがある。
【0029】
次に、図2から図4を参照して、クランプ10の構成について説明する。図2は、湾曲パイプ3及び支持パイプ4を保持した状態におけるクランプ10の斜視図である。図3は、図2の矢印III方向から見たクランプ10の側面図である。図4(a)は、図3の矢印IV(a)方向におけるクランプ10の背面図であり、図4(b)は、第1部品30を開放した状態におけるクランプ10の背面図である。なお、図3では、湾曲パイプ3及び支持パイプ4の図示を省略している。
【0030】
図2に示すように、クランプ10は、支持パイプ4に支持される楽器を演奏者の好みに応じて配置する際に支持パイプ4を湾曲パイプ3に連結させる部材であり、湾曲パイプ3を着脱可能に挟持固定する第1パイプ保持部11と、支持パイプ4を着脱可能に挟持固定する第2パイプ保持部12とを主に備えている。
【0031】
図3に示すように、第1パイプ保持部11は、湾曲パイプ3を挟持固定する部位であり、略円筒状に形成されている。第1パイプ保持部11は、クランプ10の一部品である基部20の一側(図3左側)に形成される半円筒形状の第1固定部21と、クランプ10の一部品であると共に第1固定部21の一端側(図3上側)で回転可能に軸支される半円筒形状の第1部品30と、第1固定部21の他端側(図3下側)で回転可能に軸支される締付部材51とを主に備えている。
【0032】
第1固定部21は、第1パイプ保持部11の一側を構成する部位であり、第1パイプ保持部11の軸心である軸O1方向(第1パイプ保持部11の一端側の開口中心と他端側の開口中心とを結ぶ線の方向)から視て円弧状に形成される第1当て面23と、他端側(図3下側)の外周面から突出する一対のボルト固定部24とを主に備えている。
【0033】
第1当て面23は、第1パイプ保持部11の内周面の一側を構成すると共に湾曲パイプ3の一側を保持する部分であり、樹脂材料で構成される半円筒形状のパイプ用スリーブ61が内接されている。
【0034】
第1部品30は、第1パイプ保持部11の他側を構成する半円筒形状の部品であり、軸O1方向から視て円弧状に形成される第1締付面31と、第1部品30の他端側(図3下側)の外周面から突出する第1ボルト挿入部32とを主に備えており、第1締付面31を第1固定部21の第1当て面23に対向させつつ、第1固定部21の一端側(図3上側)で回転可能に軸支されている。
【0035】
第1締付面31は、第1パイプ保持部11の内周面の他側を構成すると共に湾曲パイプ3の他側を保持する部分であり、樹脂材料で構成される半円筒形状のパイプ用スリーブ62が内接されている(図4(b)参照)。
【0036】
図4(a)又は図4(b)に示すように、一対の第1ボルト固定部24は、軸O1方向に沿って所定の間隔を隔てて並設されており、一対の第1ボルト固定部24の間には後述するボルト軸部51bが挿設されている。また、一対の第1ボルト固定部24及びボルト軸部51bには、軸O1に沿って回転軸が軸通されており、ボルト軸部51bが一対のボルト固定部24により回転可能に軸支されている。
【0037】
第1ボルト挿入部32は、側面方向(図4(a)左右方向)から視て略U字状に形成されており、中央部分には、外側(図4(a)手前側)に向けて開口すると共に後述するおねじ部51aが挿入可能な溝が形成されている。
【0038】
締付部材51は、第1当て面23と第1締付面31との間に挟まれた湾曲パイプ3を挟持固定するために第1部品30を第1固定部21側へ押圧するための部材であり、外周面におねじが螺刻された棒状のおねじ部51aと、おねじ部51aの一端側に固着されると共に第1ボルト固定部24に回転可能に軸支されるボルト軸部51bと、内周面におねじ部51aに螺合可能なめねじが螺刻されためねじ孔51c1が貫通形成されるハンドルナット51cと、ボルト軸部51b及びハンドルナット51cの間に配設されると共におねじ部51aに緩装される円環状の座金51dとを主に備えている。また、ボルト軸部51bと座金51dとの間には、コイルスプリング(図示せず)がおねじ部51aに外装されており、座金51dは、コイルスプリングによりハンドルナット51c側に付勢されている。
【0039】
ここで、第1パイプ保持部11による湾曲パイプ3の固定方法について説明する。図4(a)に示すように、湾曲パイプ3を第1パイプ保持部11で挟持固定するには、まず、めねじ孔51c1におねじ部51aを螺合させつつ、おねじ部51aを軸としてハンドルナット51cを回転させる。コイルスプリング(図示せず)によりハンドルナット51c側へ付勢される座金51dは、ハンドルナット51cによって、おねじ部51aの他端側から一端側(図4(a)左側から右側)へ押圧される。ハンドルナット51cを回転させ続けると、ハンドルナット51cに押圧される座金51dが第1ボルト挿入部32と当接する。さらにハンドルナット51cを回転させることで、第1ボルト挿入部32は、座金51dを介して押圧するハンドルナット51cの押圧力により、おねじ部51aの一端側(第1ボルト固定部24側)へ押圧される。
【0040】
このように、ハンドルナット51cをおねじ部51aに螺入させる際の押圧力を利用して第1部品30を第1固定部21側へ押圧することにより、湾曲パイプ3を第1固定部21と第1部品30の間で挟持固定することができる。
【0041】
図4(a)に示すように、第2パイプ保持部12は、支持パイプ4を保持する部位であり、略円筒状に形成されている。第2パイプ保持部12は、クランプ10の一部品である基部20の他側(図4(a)右側)に形成される半円筒形状の第2固定部22と、クランプ10の一部品であると共に第2固定部22の一端側(図4(a)下側)で回転可能に軸支される半円筒形状の第2部品40と、第2固定部22の他端側(図4(a)上側)で回転可能に軸支される締付部材52とを主に備えている。
【0042】
第2固定部22は、基部20の他側に形成されると共に第2パイプ保持部12の一側を構成する半円筒形状の部位であり、第2パイプ保持部12の軸心である軸O2方向(第2パイプ保持部12の一端側の開口中心と他端側の開口中心とを結ぶ線の方向)から視て円弧状に形成される第2当て面25と、他端側(図4(a)上側)の外周面から第2固定部22の内周面まで連通すると共に第2締付面41方向(図4(a)右方向)に開口すると共にボルト軸部52bが挿入可能な溝状の第2ボルト固定部26(図3参照)とを主に備えている。第2当て面25は、第2パイプ保持部12の内周面の一側を構成すると共に支持パイプ4の一側を保持する部分である。
【0043】
第2部品40は、第2パイプ保持部12の他側を構成する半円筒形状の部材であり、軸O2方向から視て円弧状に形成される第2締付面41と、他端側(図4(a)上側)の外周面から突出する第2ボルト挿入部42とを主に備えており、第2締付面41を第2固定部22の第2当て面25に対向させた状態で、第2固定部22の一端側で回転可能に軸支されている。第2締付面41は、第2パイプ保持部12の内周面の他側(図4(a)右側)を構成すると共に支持パイプ4の他側を保持する部分である。
【0044】
図3に示すように、第2ボルト固定部26は、軸O2方向に沿った断面視(図3のA−A線における断面視)において略コ字状に凹設される溝状の部分であり、ボルト軸部52bが挿設されている。また、第2ボルト固定部26及びボルト軸部52bには、軸O2方向に沿って回転軸が軸通されており、ボルト軸部52bが第2ボルト固定部26に回転可能に軸支されている。
【0045】
第2ボルト挿入部42は、正面方向(図3左右方向)から視て略U字状に形成されており(図2参照)、中央部分には、外側(図3手前側)に向けて開口すると共におねじ部52aが挿入可能な溝が形成されている。
【0046】
締付部材52は、第2当て面25と第2締付面41との間に挟まれた支持パイプ4を挟持固定するために第2部品40を第2固定部22側へ押圧するための部材であり、外周面におねじが螺刻された棒状のおねじ部52aと、おねじ部52aの一端側に固着されると共に第2ボルト固定部26に回転可能に軸支されるボルト軸部52bと、内周面におねじ部52aが螺合可能なめねじが螺刻されためねじ孔52c1が貫通形成されるハンドルナット52cと、ボルト軸部52b及びハンドルナット52cの間に配設されると共におねじ部52aに緩装される円環状の座金52dとを備えている。また、ボルト軸部52bと座金52dとの間には、コイルスプリング(図示せず)がおねじ部52aに外装されており、座金52dは、コイルスプリングによりハンドルナット52c側に付勢されている。なお、第2パイプ保持部12による支持パイプ4の固定方法は、上記した締付部材51と同様である。
【0047】
なお、基部20、第1部品30及び第2部品40は、アルミダイキャスト等の金属で構成されている。これにより、樹脂材料で構成される場合と比べて耐久性を向上させることができると共に、湾曲パイプ3及び支持パイプ4を保持する際の圧力を確保することができる。
【0048】
次に、図5を参照して、パイプ用スリーブ62の構成について説明する。図5(a)は、パイプ用スリーブ62の側面図であり、図5(b)は、図5(a)の矢印Vb方向から視たパイプ用スリーブ62の背面図である。なお、パイプ用スリーブ61とパイプ用スリーブ62とは同一形状であるため、パイプ用スリーブ62についてのみ説明する。
【0049】
図5(a)又は図5(b)に示すように、パイプ用スリーブ62は、ガラス繊維を含有する樹脂材料で構成される半円筒形状の部材であり、第1当て面23及び第1締付面31の形状に適合するように形成されている(図6(c)参照)。
【0050】
また、パイプ用スリーブ62は、外周面(図5(a)右側)の略中央部分から突出する圧入凸部62aを備え、圧入凸部62aは、外壁面に複数の山部が凸設されている。第1締付面31に形成される圧入孔部31c(図6(a)参照)に圧入凸部62aを圧入することにより、圧入された圧入凸部62aに形成される複数の山部が圧入孔部31cの内壁面を押圧するので、圧入凸部62aを圧入孔部31cへより確実に嵌合させることができ、パイプ用スリーブ62を第1締付面31に確実に装着することができる。
【0051】
なお、パイプ用スリーブに使用される樹脂材料は、ヤング率が0.5GPa以上10GPa未満であることが望ましい。ヤング率を10GPa未満に設定することで、クランプ10に湾曲パイプ3を挟持固定する際に、パイプ用スリーブ61,62によって湾曲パイプ3が損傷することを防止できる。また、湾曲形状の湾曲パイプ3の形状に合わせてパイプ用スリーブ61,62を変形させやすくすることができるので、その分、パイプ用スリーブ61,62の内周面と湾曲パイプ3との接触面積を大きく確保することができる。
【0052】
さらに、ヤング率を0.5GPa以上に設定することで、湾曲パイプ3を挟持固定する際の圧力がパイプ用スリーブ61,62に吸収されることを抑制して、湾曲パイプ3に圧力を確実に伝達することができる。また、ヤング率が小さいゴム等に比べ、圧縮に対する耐歪性を高くすることができるので、クランプ10により湾曲パイプ3を固定する際に、湾曲パイプ3と第1当て面23又は第1締付面31との間でパイプ用スリーブ61,62が反復継続して圧縮されても、パイプ用スリーブ61,62の永久圧縮歪を抑制することができると共に、パイプ用スリーブ61,62の耐久性を向上させることができる。
【0053】
ここで、パイプ用スリーブ61,62に使用される樹脂材料としては、例えば、ポリアミド、ポリプロピレン、ABS樹脂、ポリカーボネート等が挙げられる。なお、本実施の形態におけるパイプ用スリーブ61,62はガラス繊維を複合させたポリアミドを使用している。ガラス繊維を複合させることで、船等による輸送時においてパイプ用スリーブ61,62が高温下に置かれる場合であっても、パイプ用スリーブ61,62が高温により熱変形することを抑制できる。
【0054】
次に、図6を参照して、第1締付面31の詳細構成について説明する。図6(a)は、第1部品30の裏面図であり、図6(b)は、図6(a)のVIb−VIb線における第1部品30の断面図であり、図6(c)は、第1締付面31にパイプ用スリーブ62を装着した状態における第1部品30の裏面図であり、図6(d)は、図6(c)のVId−VId線における第1部品30の断面図である。
【0055】
図6(a)又は図6(b)に示すように、第1締付面31は、軸O1方向(図6(a)左右方向)の両端に、周方向へ連設して凸設される一対の凸設壁31aを備えている。
【0056】
また、第1締付面31は、第1締付面31の略中央部分に、第1締付面31からの凹設深さ(第1締付面31から第1部品30の外周面側への深さ)が一定に形成され、軸O1方向に沿った断面視(図6(a)及び図6(b)のB−B線における断面視)が略コ字状である凹部31bを備えている。さらに、凹部31bの略中央部分には、第1部品30の外周面側まで貫通すると共に、パイプ用スリーブ62の圧入凸部62aが嵌合可能な圧入孔部31cが形成されている。
【0057】
ここで、本実施の形態では、凹部31bが、図6(a)における正面視において略矩形状に形成されているが、これに限られるものではなく、例えば、略菱形状または楕円形状に形成されていてもよい。
【0058】
図6(c)又は図6(d)に示すように、パイプ用スリーブ62の外周面と第1当て面23とを対向させ、圧入凸部62aを圧入孔部31cに圧入することにより、パイプ用スリーブ62は、第1締付面31に装着される。また、圧入凸部62aが圧入孔部31cに圧入されることにより、パイプ用スリーブ62が軸O1方向(図6(c)左右方向)、及び、第1締付面31の周方向(図6(d)参照)へ移動することを規制できる。
【0059】
パイプ用スリーブ62は、外周面の曲面形状が第1締付面31の曲面形状と一致するように形成されているので、パイプ用スリーブ62を第1締付面31に装着することにより、パイプ用スリーブ62の外周面と第1締付面31とを当接させることができる。また、第1締付面31とパイプ用スリーブ62との間には、第1締付面31に形成される凹部31b及び凹部31bと対向するパイプ用スリーブ62の外周面によって包囲される一定の空間Sが形成される。
【0060】
なお、第1締付面31のうち、凹部31bが占める割合が大きいほど、パイプ用スリーブ62の外周面と第1締付面31との接触面積が小さくなる。そのため、例えば、凹部31bが、第1締付面31の周方向(図6(a)上下方向、図6(d)参照)の全体に形成されている場合、その分、パイプ用スリーブ62の外周面と第1締付面31との接触面積が小さくなる。従って、第1パイプ保持部11により湾曲パイプ3を挟持固定する際の圧力(締付部材51の螺入により、第1部品30を第1固定部21側へ押圧する力)を湾曲パイプ3へ十分に伝達させることができない。
【0061】
これに対し、本実施の形態では、凹部31bが第1締付面31の略中央部分に形成され、軸O1方向(図6(a)左右方向)における凹部31bを挟んだ両側、および、第1締付面31の周方向における凹部31bを挟んだ両側で、パイプ用スリーブ62の外周面と第1締付面31とを互いに当接させることができる。よって、パイプ用スリーブ62の外周面と第1締付面31との接触面積を広く確保することができるので、第1パイプ保持部11により湾曲パイプ3を挟持固定する際の圧力を、パイプ用スリーブ62を介して湾曲パイプ3へ確実に伝達させることができる。
【0062】
さらに、パイプ用スリーブ62が第1締付面31に装着される際、パイプ用スリーブ62は、一対の凸設壁31aの間に配設される。このとき、凸設壁31aの先端がパイプ用スリーブ62の内周面よりも低く形成されているので、第1パイプ保持部11に湾曲パイプ3を固定する際に、パイプ用スリーブ62の内周面を湾曲パイプ3の外周面に当接させることで、凸設壁31aの先端と湾曲パイプ3とが当接することを防止できる。よって、第1パイプ保持部11により湾曲パイプ3を挟持固定する際の圧力により、湾曲パイプ3が凸設壁31aの先端に押圧されることで、湾曲パイプ3が変形、損傷することを回避できる。
【0063】
また、パイプ用スリーブ62が装着されていない場合、クランプ10に湾曲パイプ3を緩挿させた状態でクランプ10を湾曲パイプ3に沿って摺動させると、金属製の湾曲パイプ3と金属製の第1締付面31との接触面に大きな摩擦力が生じる。即ち、湾曲パイプ3及び第1締付面31が金属で構成されているので、湾曲パイプ3及び第1締付面31が互いに接触することにより、湾曲パイプ3及び第1締付面31の表面に傷がつく。これにより、湾曲パイプ3及び第1締付面31の表面が互いに噛みこみやすくなり、湾曲パイプ3を摺動させる際の摩擦力が増加するため、湾曲パイプ3を摺動させる際に強い力を加える必要があるだけでなく、摺動させることに伴って騒音が発生する。
【0064】
これに対し、本実施の形態では、樹脂材料で構成されるパイプ用スリーブ62が湾曲パイプ3と第1締付面31との間に介在されているので、クランプ10に湾曲パイプ3を緩挿させた状態で湾曲パイプ3に沿ってクランプ10を摺動させる際に、湾曲パイプ3及び第1締付面31の表面に傷がつくことを防止できる。よって、湾曲パイプ3を摺動させる際の摩擦力を低減させることができるので、クランプ10を円滑に摺動させることができると共に、クランプ10の摺動による騒音の発生および湾曲パイプ3の損傷を抑制することができる。
【0065】
ここで、本実施の形態では、パイプ用スリーブ62の外周面に形成される圧入凸部62aを圧入孔部31cに圧入することにより、パイプ用スリーブ62を第1締付面31に装着する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、外周面が平坦面状に形成されたパイプ用スリーブの外周面を第1締付面31に接着させてもよい。
【0066】
このとき、第1締付面31には、凸設壁31aが凸設されており、凸設壁31aの先端は、第1締付面31に当接されているパイプ用スリーブの外周面よりも高い位置にあるので、第1締付面31とパイプ用スリーブの外周面との接着が解除された場合であっても、第1パイプ保持部11の開口に位置する凸設壁31aにより、パイプ用スリーブが第1パイプ保持部11の開口部分から脱落することを防止できる。
【0067】
なお、第1当て面23は、凸設壁23aと、凹部23bと、圧入孔部23cとを備えており、それらの作用は上記した第1締付面31と同様なので、それらの説明を省略する。また、第2当て面25及び第2締付面41は、凹部25b,41bを備えており、凹部25b,41bは、第1締付面31に形成される凹部31bと同様に構成されている。
【0068】
次に、図7を参照して、クランプ10による湾曲パイプ3の固定方法について説明する。図7は、図3のVII−VII線における湾曲パイプ3を保持した状態のクランプ10の断面図である。
【0069】
クランプ10により湾曲パイプ3を保持する際、まず、第1当て面23に形成される凹部23b又は第1締付面31に形成される凹部31bのいずれか一方へ湾曲パイプ3の凸曲部分を向けた状態で、湾曲パイプ3を第1固定部21と第1部品30との間に配置する。なお、本実施の形態では、第1締付面31に形成される凹部31bへ湾曲パイプ3の凸曲部分を向けて配置する場合について説明する。
【0070】
次に、第1固定部21の第1当て面23と第1部品30の第1締付面31とにより、湾曲パイプ3を挟持しつつ、第1固定部21のボルト固定部24に回転可能に軸支される締付部材51を回転させて、おねじ部51aをボルト挿入部32に挿入させる(図4(a)及び図4(b)参照)。
【0071】
続いて、上記のように、ハンドルナット51cのめねじ孔51c1におねじ部51aを螺合させて、ハンドルナット51c及び座金51dを螺入方向(図7右方向)へ移動させる。これにより、第1部品30に形成される第1ボルト挿入部32が、座金51dを介してハンドルナット51cに押圧されることで、第1部品30が第1固定部21側へ押圧される。
【0072】
第1部品30が第1固定部21側へ押圧されると、第1当て面23及び第1締付面31に装着される一対のパイプ用スリーブ61,62が湾曲パイプ3の外周面と当接する。このとき、湾曲パイプ3の凸曲側の外周面は、第1締付面31に装着されるパイプ用スリーブ62の湾曲パイプ3の長手方向における中央部分でパイプ用スリーブ62の内周面側(図7右側)に当接され、湾曲パイプ3の凹曲側の外周面は、第1当て面23に装着されるパイプ用スリーブ61の湾曲パイプ3の長手方向における両端側(図7上下方向側)部分でパイプ用スリーブ61の内周面側(図7左側)に当接されている。
【0073】
湾曲パイプ3の凹曲側の外周面と当接するパイプ用スリーブ61の一部分(湾曲パイプ3の長手方向における両端側部分の内周面)は、湾曲パイプ3の外周面側が第1当て面23と当接しているので、第1部品30を第1固定部21に押圧するほど、その分、第1当て面23からの押圧力がパイプ用スリーブ61を介して湾曲パイプ3に伝達される。よって、湾曲パイプ3を第1締付面31側(図7左側)へ押圧しようとする力を強く付与することができる。
【0074】
これに対し、第1締付面31には凹部31bが形成されているので、湾曲パイプ3の凸曲側の外周面と当接するパイプ用スリーブ62の一部分(湾曲パイプ3の長手方向における中央部分)は、第1締付面31に当接させることができないので、第1締付面31からの押圧力を伝達することができない。
【0075】
よって、第1部品30を第1固定部21に押圧させることにより、パイプ用スリーブ62のうち、外周面が凹部31bと対向する部分は、湾曲パイプ3の凸曲部分に押圧され、空間Sの内部へ押しこまれる。これにより、パイプ用スリーブ62が、変形させにくいガラス繊維を含有する樹脂材料により構成されている場合でも、湾曲パイプ3の凸曲形状に合わせてパイプ用スリーブ62を変形させやすくすることができるので、パイプ用スリーブ62と湾曲パイプ3との接触面積を広く確保することができる。
【0076】
また、パイプ用スリーブ62が湾曲パイプ3の凸曲部分の形状に合わせて湾曲する際、パイプ用スリーブ62の外周面は、軸O1方向(図3参照)における凹部31bの両側(図7上側および下側)で第1締付面31と当接している。よって、パイプ用スリーブ62の外周面と第1締付面31との当接面(軸O1方向における凹部31bの両側)から、第1部品30を第1固定部21に押圧させることによる押圧力が伝達されるので、湾曲パイプ3を第1固定部21側(図7右側)へ押圧することができる。
【0077】
このようにして、第1部品30を第1固定部21側へ押圧する押圧力が、パイプ用スリーブ61,62を介して湾曲パイプ3へ伝達されるので、湾曲パイプ3を第1パイプ保持部11に挟持固定することができる。また、樹脂材料で構成されるパイプ用スリーブ61,62を介して湾曲パイプ3を保持するので、湾曲パイプ3に第1当て面23及び第1締付面31を直に当接させて保持するよりも、湾曲パイプ3との接触面積を大きく確保することができるので、その分、湾曲パイプ3を挟持固定するための圧力を湾曲パイプ3へ効率よく伝達することができ、確実に湾曲パイプ3を固定することができる。
【0078】
ここで、締付部材51は、ハンドルナット51cがおねじ部51aに螺入されることにより、座金51dを介して第1ボルト挿入部32を押圧することで、第1部品30が第1固定部21側へ押圧され、湾曲パイプ3を挟持固定する構成なので、湾曲パイプ3を挟持固定するための押圧力は、おねじ部51aの軸方向(図7左右方向)に沿った方向に付与される。
【0079】
これに対し、凹部23b,31bは、おねじ部51aの軸方向に沿った方向に向けて開口しているので、湾曲形状である湾曲パイプ3の凸曲部分を凹部23b,31bのいずれか一方に向けて配置することにより、ハンドルナット51cの螺入による押圧力を、湾曲パイプ3の凸曲部分がパイプ用スリーブ61,62を空間Sへ押しこむ押圧力として効率的に利用することができる。よって、パイプ用スリーブ61,62を変形させやすくすることができるので、その分、パイプ用スリーブ61,62と湾曲パイプ3との接触面積を広く確保して、湾曲パイプ3をより確実に挟持固定することができる。
【0080】
さらに、圧入孔部23c,31cは、おねじ部51aの軸方向に沿った方向に向けて貫通形成されているので、湾曲形状である湾曲パイプ3の凸曲部分を凹部23b,31bのいずれか一方に向けて配置することにより、湾曲パイプ3を挟持固定するための押圧力を、湾曲パイプ3の凸曲部分が圧入凸部61a,62aを圧入孔部23c,31cへ押しこむ押圧力として効率的に利用できる。よって、パイプ用スリーブ61,62の第1当て面23及び第1締付面31への圧入固定が解除されることを防止できる。
【0081】
また、凹部23b,31bが、軸O1方向において、第1当て面23又は第1締付面31の一端(例えば、図7上側)または両端(図7上側および下側)に形成される場合では、パイプ用スリーブ61,62の外周面と第1当て面23又は第1締付面31との当接面は1面のみである。
【0082】
これに対し、本実施の形態では、凹部23b,31bが第1当て面23及び第1締付面31の略中央部分に形成されているので、軸O1方向において、パイプ用スリーブ61,62の外周面と第1当て面23又は第1締付面31とを、凹部23b,31bを挟んだ一側と両側(図7上側と下側)の2面で当接させることができる。よって、湾曲パイプ3を挟持固定するための押圧力をより確実に湾曲パイプ3へ伝達することができる。
【0083】
また、第1当て面23又は第1締付面31のうちいずれか一方にのみ凹部23b,31bを備えているとすると、湾曲パイプ3の凸曲部分を凹部23b,31bに向けて挟持固定されているクランプ10を、湾曲パイプ3を軸として180度回転させようとする場合に、湾曲パイプ3の凸曲部分を凹部23b,31bに向けて配置することができなくなる。そのため、湾曲パイプ3の保持力を確保するには、使用しているクランプを凹部23b,31bの配置が異なるクランプと交換する必要がある。
【0084】
これに対し、本実施の形態におけるクランプ10は、第1当て面23と第1締付面31との双方に凹部23b,31bが形成されているので、湾曲パイプ3の凸曲部分を凹部23b,31bに向けて挟持固定されているクランプ10を湾曲パイプ3を軸として半回転させようとする場合であっても、湾曲パイプ3の凸曲部分を凹部23b,31bに向けて配置することができるので、作業効率の向上を図ることができる。
【0085】
即ち、湾曲パイプ3の凸曲部分を凹部23bへ向けて配置する方法と、凹部31bが位置する方向へ向けて配置する方法との2つを選択することができる。よって、パイプを保持する際におけるクランプ10の向きに自由度をもたせることができる。
【0086】
さらに、凹部23b,31bが、軸O1方向に沿った断面視(図6(a)及び図6(b)のB−B線における断面視)において円弧状に凹設されている場合、円弧状に形成される凹部23b,31bのRと保持すべき湾曲パイプ3のRとが一致しない場合には、パイプ用スリーブ61,62と湾曲パイプ3との接触面積を十分に確保できない。
【0087】
これに対し、本実施の形態では、凹部23b,31bが、第1当て面23又は第1締付面31からの凹設深さが一定であり、軸O1方向に沿った断面視が略コ字状に凹設されているので、空間Sの体積を大きく確保できるので、Rが一定の範囲内に設定される湾曲状の湾曲パイプ3を確実に保持することができる。
【0088】
また、上記のように、凸設壁23aの先端がパイプ用スリーブ61の内周面よりも低い位置にあるので、湾曲形状の湾曲パイプ3の凹曲側(図7右側)を保持する場合であっても、凸設壁23aの先端と湾曲パイプ3とが当接することを防止できる。よって、湾曲パイプ3を挟持固定する際にかかる圧力により湾曲パイプ3が凸設壁23aの先端に押圧されることで、湾曲パイプ3が変形、損傷することを抑制できる。特に、本実施の形態では、パイプ用スリーブ61,62が、ゴム等の樹脂と比べてヤング率の高いガラス繊維が複合された強化プラスチックで構成されており、湾曲パイプ3を挟持固定する際の圧力による耐歪性が高く確保されているので、パイプ用スリーブ61の内周面と凸設壁23aの先端との高さの差が小さくても、凸設壁23aの先端と湾曲パイプ3とが当接することを効果的に抑制できる。
【0089】
次に、図8から図10を参照して、第2実施の形態であるパイプホルダー100の構成について説明する。第1実施の形態では、第1固定部21と第1部品30とで湾曲形状の湾曲パイプ3を保持すると共に、第2固定部22と第2部品40とで楽器を支持する支持パイプ4を保持する場合を説明したが、第2実施の形態では、第1固定部21と第1部品30とで地面に直立する直線形状の直立パイプ2を保持すると共に、第2固定部122と第2部品140とで接続ケーブル5が収容される収容パイプ3aを保持する。なお、上記した第1実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0090】
図8は、第2実施の形態におけるパイプホルダー100の斜視図である。図9(a)は、パイプホルダー100の上面図であり、図9(b)は、直立パイプ2を保持した状態の図9(a)のIXb−IXb線におけるパイプホルダー100の断面図である。図10(a)は、図9(a)のXa−Xa線におけるパイプホルダー100の断面図であり、図10(b)は、第2部品140を開いた状態におけるパイプホルダー100の側面図である。なお、図10(b)では、締付部材152の図示を省略している。
【0091】
図8に示すように、パイプホルダー100は、直立パイプ2及び収容パイプ3aを連結しつつ収容パイプ3aに収容される接続ケーブル5を外部へ案内させる部材であり、直立パイプ2を保持する第1パイプ保持部11と、接続ケーブル5を収容する収容パイプ3aを保持する第2パイプ保持部112と、第1パイプ保持部11と第2パイプ保持部112とを連結する連結部113とを備えており、連結部113には、弾性部材で構成されるケーブル用スリーブ180が内嵌されている。
【0092】
収容パイプ3aは、楽器用スタンド1(図1参照)に複数使用される湾曲パイプ3のうち、内部に接続ケーブル5が収容される管状の部材である。また、接続ケーブル5は、電子ドラム又は電子シンバル等の電子楽器と音源等の機材とを電気的に接続するための部材である。
【0093】
図9(a)に示すように、第1パイプ保持部11により直立パイプ2を保持する際は、第1部品30を第1固定部21へ押圧する押圧力をパイプ用スリーブ61,62を介して直立パイプ2へ伝達することにより、直立パイプ2を挟持固定する。ここで、上記のように、凹部23b,31bが略中央部分、即ち、第1当て面23,第1締付面31の周方向における一部分に形成されている(図6(a)参照)。よって、例えば、凹部23b,31bが第1当て面23,第1締付面31の周方向全体に形成されている場合と比べて、パイプ用スリーブ62の外周面と第1締付面31との当接面積を広く確保することができる。また、パイプ用スリーブ61,62が半円筒形状に形成されているので(図5(a)参照)、第1パイプ保持部11により挟持固定する際の圧力を、パイプ用スリーブ61,62を介して直線形状の直立パイプ2へ確実に伝達させることができる。
【0094】
図8及び図10に示すように、第2パイプ保持部112は、収容パイプ3aを保持する部位であり、パイプホルダー100の一部品である基部120の他側(図10(a)手前側)に形成される第2固定部122と、パイプホルダー100の一部品であると共に第2固定部122の一端側(図10(a)上側)で回転可能に軸支される第2部品140と、第2部品140を第2固定部122に締付固定する締付部材152と、第2固定部122及び第2部品140に包囲される第2保持室112a(図9(b)参照)とを主に備えている。
【0095】
図9(b)又は図10に示すように、第2固定部122は、基部120の他側(図9(b)左側)に形成されると共に第2パイプ保持部112の一側(図10(a)左側)を構成する部位であり、第2パイプ保持部112の軸心である軸O3方向(第1パイプ保持部11と第2パイプ保持部112とを結ぶ線に沿った方向、図9(b)左右方向)から視て円弧状に形成される第2当て面125と、第2固定部122の他端側(図9(b)下側)に形成され後述する締付部材152の軸部152a1が挿通可能な孔が貫通形成されるナット係止部126とを主に備えている。
【0096】
第2当て面125は、第2パイプ保持部112の内周面の一側(図10(a)左側)を構成すると共に収容パイプ3aの一側を保持する部分であり、凹部125bが形成されると共に、凹部125bの略中央部分には、収容パイプ3aに貫通形成される孔(図示せず)に嵌合可能な突起125aが突出形成されている。
【0097】
第2部品140は、第2パイプ保持部112の他側(図10(a)右側)を構成する部品であり、軸O3方向から視て円弧状に形成される第2締付面141と、第2固定部122の他端側(図10(a)下側)に形成され後述する締付部材152の軸部152a1が挿通可能な孔が貫通形成されるボルト係止部142を備えており、第2締付面141を第2固定部122の第2当て面125に対向させつつ、第2固定部122の一端側(図10(b)上側)で回転可能に軸支されている。第2締付面141は、第2パイプ保持部112の内周面の他側(図10(a)右側)を構成すると共に収容パイプ3aの他側を保持する部分である。
【0098】
締付部材152は、第2当て面25と第2締付面141との間に挟持された収容パイプ3aを挟持固定する際に、第2部品140を第2固定部122側へ押圧するための部材であり、外周面におねじが螺刻される軸部152a1及びボルト係止部142に係合可能な頭部152a2を有するボルト部152aと、軸部152a1に螺合可能なナット部152bとを備えている。
【0099】
なお、収容パイプ3aを第2パイプ保持部112で挟持固定するには、まず、ボルト係止部142側から第2固定部122及び第2部品140に形成される孔に軸部152a1を挿通させる。ボルト係止部142側からナット係止部126側へ挿通された軸部152a1の端部にナット部152bを螺合させることにより、頭部152a2がボルト係止部142に係止されると共にナット部152bがナット係止部126に係止されるので、第2部品140が第2固定部122に締付固定される。これにより、第2部品40が第2固定部122側へ押圧されるので、収容パイプ3aを第2固定部122と第2部品140との間で挟持固定することができる。
【0100】
図9(b)及び図10(b)に示すように、連結部113は、第1パイプ保持部11及び第2パイプ保持部112を連結する部位であり、案内溝部171と、一対の案内延設部172と、案内室113aとを備えている。
【0101】
案内溝部171は、第2固定部122から軸O3方向へ延設されると共に第1固定部21に連設される部位であり、第2当て面125と同一面上に形成される円筒内周面状の案内溝壁171aを備えている。
【0102】
一対の案内延設部172は、案内溝壁171aと同方向(図10(a)右方向)を向く案内溝部171の両端から、後述するケーブル用スリーブ180の第1筒部181が挿設可能な間隔を隔てて延設されている。また、一対の案内延設部172は、案内溝壁171aと同一面上に形成される一対の案内延設壁172aを備えており、案内溝壁171a及び一対の案内延設壁172aは、側面視略U字状に形成されている。
【0103】
案内室113aは、案内溝壁171a及び案内延設壁172aに包囲される空間であり、軸O3方向の一端側(図9(b)右側)が案内溝壁171a及び案内延設壁172aに対して垂直に形成される平面状の第1閉口壁121aにより閉口されている。また、案内室113aは、軸O3方向の他端側(図9(b)左側)が第2保持室112aに連通されると共に、第2部品140の外側面を構成し第1閉口壁121aに対向する第2閉口壁140a(図8参照)により一部分が閉口されている。
【0104】
第1閉口壁121aは、第1固定部21に形成される第1当て面23の反対方向に向けて形成される平面状の部分である。なお、第1当て面23に形成される圧入孔部23cは、第1閉口壁121aにまで貫通形成されているので、第1当て面23に装着されているパイプ用スリーブ61の圧入凸部61aの先端が第1閉口壁121aから案内室113aへ突出している。
【0105】
図8に示すように、ケーブル用スリーブ180は、弾性部材で構成される部材であり、案内延設壁172a、第1閉口壁121a及び第2閉口壁140aにより形成され案内室113aから外部へ開口する略矩形状の案内開口部113bに内嵌されている。
【0106】
次に、図11を参照して、ケーブル用スリーブ180の詳細構成について説明する。図11(a)は,ケーブル用スリーブ180の正面図であり、図11(b)は、図11(a)のXIb−XIb線におけるケーブル用スリーブ180の断面図であり、図11(c)は、図11(a)のXIc−XIc線におけるケーブル用スリーブ180の断面図であり、図11(d)は、スリット183の切り込み幅W1を広げた状態におけるケーブル用スリーブ180の正面図である。
【0107】
図11(a)に示すように、ケーブル用スリーブ180は、案内開口部113bに内嵌可能な矩形筒状の第1筒部181と、第1筒部181の一側の側面に連設され収容パイプ3aに内嵌可能な円筒状の第2筒部182とを備えている。
【0108】
図11(b)及び図11(c)に示すように、第1筒部181は、矩形筒状に形成され、一端で開口する第1開口部181aと、一側(図11(c)右側)の側面に穿設され第2筒部182の内周面の内径と同等または径大に形成される円形の第1孔部181bと、他側(図11(c)左側)の側面に穿設され圧入凸部61aが嵌合可能に形成される矩形状の第2孔部181cとを備えている。
【0109】
第2筒部182は、一端(図11(c)右側)で第1開口部181aの垂直方向に向けて開口する第2開口部182aを備え、他端(図11(c)左側)が第1孔部181bに対応する位置で第1筒部181の一側の側面に連設されている。よって、第1開口部181a及び第2開口部182aが連通しているので、接続ケーブル5を第1開口部181a又は第2開口部182aのいずれか一方から他方へ挿通させることができる。
【0110】
また、図11(a)に示すように、ケーブル用スリーブ180は、第1開口部181aから第1筒部181の一側の側面を通って第2開口部182aにかけて切り込まれたスリット183を備え、切り込み幅W1が接続ケーブル5の外径よりも小さくなるように形成されている。
【0111】
また、図11(d)に示すように、ケーブル用スリーブ180は、弾性部材で構成されているので、スリット183の切り込み方向に対して垂直方向両側(図11(d)上下方向)から力を加えることにより、スリット183の切り込み幅W1を広げることができる。また、スリット183の切り込み幅W1を広げた状態から、ケーブル用スリーブ180に加えている力を除去することで、ケーブル用スリーブ180の弾性力により切り込み幅W1を元の状態に復元することができる。
【0112】
なお、スリット183は、第1開口部181aから第1筒部181の一側の側面を通って第2開口部182aにかけて切り込まれていればよく、切り込み幅W1が必ずしも所定の長さを有する必要はない。
【0113】
次に、図12を参照して、収容パイプ3aを第2パイプ保持部112へ挟持固定する方法について説明する。図12(a)は、直立パイプ2を保持した状態におけるパイプホルダー100及び収容パイプ3aの分解斜視図であり、図12(b)は、第2部品140を開いた状態における収容パイプ3a及びパイプホルダー100の正面図である。
【0114】
図12(a)に示すように、収容パイプ3aを第2パイプ保持部112へ挟持固定する際、まず、収容パイプ3aに収容されている接続ケーブル5をケーブル用スリーブ180の内部に収容させつつ、第2筒部182を収容パイプ3aの一端側に内嵌させる。
【0115】
ここで、ケーブル用スリーブ180がスリット183を備えていない場合、接続ケーブル5をケーブル用スリーブ180の内部へ収容する際、接続ケーブル5の一端を第2開口部182aから第1開口部181aへ挿通させる必要がある。さらに、ケーブル用スリーブ180の内部に収容された接続ケーブル5を必要な長さ分だけ、ケーブル用スリーブ180の内部に挿通された接続ケーブル5の一端側から手繰り寄せる必要があるので、特に、外部へ案内すべき接続ケーブル5が長い場合には作業効率が低下する。
【0116】
これに対して、本実施の形態では、上記のように、ケーブル用スリーブ180のスリット183の切り込み幅W1を広げつつ(図11(d)参照)、接続ケーブル5の中途部分をスリット183からケーブル用スリーブ180の内部へ収容することができるので、収容パイプ3aから外部へ案内すべき接続ケーブル5の長さに関係なく、効率的に作業を行うことができる。
【0117】
さらに、図12(b)に示すように、スリット183の切り込み幅W1は、接続ケーブル5の外径よりも小さいので、ケーブル用スリーブ180の内部に収容された接続ケーブル5がスリット183から外部へ抜け出ることを防止できる。よって、ケーブル用スリーブ180が案内開口部113bに内嵌されている際に、ケーブル用スリーブ180の中に収容されている接続ケーブル5がスリット183から抜け出ることにより、案内開口部113b部分と接続ケーブル5とが接触して接続ケーブル5が損傷することを防止できる。
【0118】
また、ケーブル用スリーブ180は、収容パイプ3aに内嵌可能な第2筒部182を備えているので、収容パイプ3aの端部に第2筒部182を内嵌させることで、接続ケーブル5が収容パイプ3aの端部と直に接触することを防止できる。よって、収容パイプ3aの端部にバリ等がある場合であっても、接続ケーブル5が損傷することを防止できる。
【0119】
さらに、直立パイプ2又は収容パイプ3aの連結位置を変更するためにパイプホルダー100の位置調整を行う際、接続ケーブル5が引っ張られると、案内開口部113bと接触する接続ケーブル5の一部分には、接続ケーブル5が引っ張られる方向と異なる方向への応力がかかる。また、案内開口部113bは金属で構成されているので、案内開口部113bと接触する接続ケーブル5の一部分に集中する応力により、接続ケーブル5が損傷しやすくなる。
【0120】
これに対し、本実施の形態では、接続ケーブル5を第2筒部182の一端に開口される第2開口部182aからケーブル用スリーブ180の内部を挿通させて第1開口部181aへ案内することができる。よって、金属で構成される案内開口部113bと接続ケーブル5とが直に接触することを防止できるので、接続ケーブル5の一部分に集中する応力を低減させることで接続ケーブル5が損傷することを回避できる。
【0121】
次に、ケーブル用スリーブ180を嵌合された収容パイプ3aを、第2当て面125に凸設された突起125aに嵌合させる。これにより、収容パイプ3aを適切な位置に配設することができる。さらに、突起125aに収容パイプ3aを嵌合させることで、収容パイプ3aを突起125aに保持させることができるので、収容パイプ3aを第2パイプ保持部112に挟持固定させる際の作業効率を向上させることができる。
【0122】
また、収容パイプ3aを突起125aに嵌合させると同時に、収容パイプ3aに嵌合されたケーブル用スリーブ180の第1筒部181を案内室113aに挿設させることができる。よって、収容パイプ3aを突起125aに嵌合させる作業と、ケーブル用スリーブ180を案内室113aへ適切に挿設する作業とを同時に行うことができるので、その分、作業効率を向上させることができる。
【0123】
さらに、第1筒部181を案内室113aに挿設させる際、第1閉口壁121aから突出する圧入凸部61aの先端部分がケーブル用スリーブ180の他側面に穿設される第2孔部181cに嵌合される(図9(b)参照)。よって、ケーブル用スリーブ180を案内室113aの適切な位置に配置することができると共に、より安定的に収容パイプ3aを突起125aに保持させることができる。
【0124】
最後に、締付部材152により第2部品140を第2固定部122に締付固定することにより、収容パイプ3aを第2パイプ保持部112に挟持固定することができる。また、第2部品140を第2固定部122に締付固定することにより、第2閉口壁140aが第1閉口壁121aと対向する位置に配置され、正面視略矩形状の案内開口部113bが形成される。
【0125】
なお、案内開口部113bは、軸O3方向(第1パイプ保持部11と第2パイプ保持部112とを結ぶ線に沿った方向、図9(b)参照)を短辺とする正面視略矩形状に形成されている。これにより、例えば、案内開口部113bの形状が、正面視略円形状または軸O3方向を長辺とする正面視略矩形状である場合と比べ、第1保持部11と第2保持部112との間の距離を短くすることができる。従って、連結部113を小さくすることができるので、パイプホルダー100全体の小型化を図ることができ、その分、パイプホルダー100の軽量化を図ることができる。
【0126】
また、直立パイプ2に2つのパイプホルダー100を近接させて装着する場合、案内開口部113bが軸O1方向(第1パイプの長手方向、図12(b)上下方向、図9(b)参照)に沿った方向に向けて開口していると、近接して装着される2つのパイプホルダー100の間に接続ケーブル5が案内されるので、直立パイプ2を軸としてパイプホルダー100を回転移動させた際に、接続ケーブル5が2つのパイプホルダー100の間で挟まれて剪断される危険性がある。
【0127】
これに対し、本実施の形態では、案内開口部113bがパイプホルダー100の正面側(図12(b)手前側)に向けて開口しているので、上記した危険性を回避することができる。
【0128】
以上のように、第1パイプ保持部11と第2パイプ保持部112とを連結する連結部113を備えているので、第1パイプ保持部11への直立パイプ2の固定および固定の解除、又は、第2パイプ保持部112への収容パイプ3aの固定および固定の解除をそれぞれ別個に行うことができる。
【0129】
よって、直立パイプ2又は収容パイプ3aのうち一方の連結位置のみを変更する場合、直立パイプ2又は収容パイプ3aの他方を第1パイプ保持部11または第2パイプ保持部112に固定したまま、第1パイプ保持部11または第2パイプ保持部112による直立パイプ2又は収容パイプ3aの一方の固定を解除して直立パイプ2又は収容パイプ3aの一方の連結位置を変更できるので、直立パイプ2及び収容パイプ3aの位置を調整する際の作業効率を向上させることができる。
【0130】
案内室113aは連結部113に形成されているので、接続ケーブル5が案内室113aに収容された状態で直立パイプ2又は収容パイプ3aの連結位置を調整することができる。よって、直立パイプ2又は収容パイプ3aの位置を調整するたびに接続ケーブル5の位置決めを行う必要がないので、作業効率を向上させることができる。
【0131】
さらに、第1パイプ保持部11による直立パイプ2の固定または固定の解除、及び、第2パイプ保持部112による収容パイプ3aの固定または固定の解除と関係なく、案内室113aが占める体積を一定に保つことができる。従って、第1パイプ保持部11又は第2パイプ保持部112に直立パイプ2又は収容パイプ3aを挟持固定する際に、接続ケーブル5が第1パイプ保持部11又は第2パイプ保持部112に挟まれて損傷することを回避できる。
【0132】
次に、図13を参照して、第3実施の形態であるクランプ210について説明する。第1実施の形態では、凹部23bが第1当て面23の略中央部分に形成される場合を説明したが、第3実施の形態では、凹部223bが第1当て面223の軸O1方向における両側に形成されている。なお、上記した第1実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0133】
図13(a)は、第3実施の形態における第1固定部221の背面図であり、図13(b)は、図13(a)のXIIIb−XIIIb線における第1固定部221の断面図であり、図13(c)は、パイプ用スリーブ61を装着した際における第1固定部221の断面図であり、図13(b)に対応した図である。
【0134】
図13(a)及び図13(b)に示すように、第1当て面223は、第1当て面223からの凹設深さが一定に形成され、軸O1方向に沿った断面視(図13(a)及び図13(b)のC−C線における断面視)が略コ字状である凹部223bを備えており、凹部223bは第1当て面223の軸O1方向の両端側に形成されている。
【0135】
図13(c)に示すように、パイプ用スリーブ61は、パイプ用スリーブ61の外周面と第1当て面223とを対向させ、パイプ用スリーブ61の外周面から凸設される圧入凸部61aを第1当て面223に形成される圧入孔部223cに圧入する。これにより、パイプ用スリーブ61は、第1当て面223に装着される。
【0136】
パイプ用スリーブ61は、外周面の曲面形状が第1当て面223の曲面形状と一致するように形成されているので、パイプ用スリーブ61を第1当て面223に装着することにより、パイプ用スリーブ61の外周面と第1当て面223とを当接させることができる。また、第1当て面223とパイプ用スリーブ61との間には、第1当て面223に形成される2つ凹部223b及びその2つ凹部223bと対向するパイプ用スリーブ61の外周面によって包囲される一定の空間Sが2つ形成される。
【0137】
第1締付面31に形成される凹部31bへ湾曲パイプ3の凸曲部分を向けて配置する場合(図7参照)、湾曲パイプ3の凹曲側の外周面は、第1当て面223に装着されるパイプ用スリーブ61の湾曲パイプ3の長手方向における両端側部分でパイプ用スリーブ61の内周面側に当接されている。
【0138】
ここで、第1当て面223には、凹部223bが軸O1方向(図13(a)左右方向、図4参照)の両端側に形成されているので、湾曲パイプ3の凹曲側の外周面と内周面側が当接するパイプ用スリーブ61の一部分(湾曲パイプ3の長手方向における両端部分)は、第1当て面223に当接させることができないので、第1当て面223からの押圧力を伝達することができない。
【0139】
よって、第1部品30(図7参照)を第1固定部221に押圧させることにより、パイプ用スリーブ61のうち、外周面が凹部223bと対向する部分は、湾曲パイプ3の凹曲部分に押圧され、空間Sの内部へ押しこまれる。これにより、パイプ用スリーブ61が変形させにくいガラス繊維を含有する樹脂材料により構成されている場合でも、湾曲パイプ3の凹曲形状に合わせて変形させやすくすることができるので、パイプ用スリーブ61と湾曲パイプ3との接触面積を広く確保することができる。
【0140】
また、パイプ用スリーブ61が湾曲パイプ3の凹曲部分に形状に合わせて湾曲する際、第1当て面223は、第1当て面223のうち、一対の凹部223bの間に位置する部分の軸O1方向における両端側(図13(a)左側および右側)でパイプ用スリーブ61の外周面と当接している。
【0141】
よって、パイプ用スリーブ61の外周面と第1当て面223との当接面(第1当て面223のうち一対の凹部223bの間に位置する部分の軸O1方向における両端側)から、第1部品30を第1固定部221に押圧させることによる押圧力が伝達されるので、湾曲パイプ3を第1固定部221側へ押圧することができる。
【0142】
次に、図14を参照して、第4実施の形態であるクランプ310について説明する。第1実施の形態では、第1当て面23及び第1締付面31に凹部23b,31bが形成される場合を説明したが、第4実施の形態では、パイプ用スリーブ361,362の外周面に凹部323b,331bが形成されている。なお、上記した第1実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0143】
図14(a)は、第4実施の形態におけるパイプ用スリーブ362の背面図であり、図14(b)は、図14(a)のXIVb−XIVb線におけるパイプ用スリーブ362の断面図であり、図14(c)は、パイプ用スリーブ362を装着した状態における第1部品330の背面図であり、図14(d)は、図14(c)のXIVd−XIVd線における第1部品330の断面図である。なお、第1当て面323は、第1締付面331と同形状のため、その説明を省略する。
【0144】
図14(a)及び図14(b)に示すように、パイプ用スリーブ362は、外周面の略中央部分に、外周面からの凹設深さが一定に形成され、側断面視(図14(a)及び図14(b)のD−D線における断面視)が略コ字状である凹部331bを備えている。
【0145】
図14(c)及び図14(d)に示すように、第1締付面331は、平坦な凹面円弧状に形成され、凸設壁331aと、圧入孔部331cとを備えている。
【0146】
パイプ用スリーブ362は、外周面の曲面形状が第1締付面331の曲面形状と一致するように形成されているので、パイプ用スリーブ362を第1締付面331に装着することにより、パイプ用スリーブ362の外周面と第1締付面331とを当接させることができる。また、第1締付面331とパイプ用スリーブ362との間には、パイプ用スリーブ362の外周面に形成される凹部331b及びその凹部331bと対向する第1締付面331によって包囲される一定の空間Sが形成される。
【0147】
第1締付面331には凹部331bが形成されているので、第1締付面331に形成される凹部331bへ湾曲パイプ3の凸曲部分を向けて配置して湾曲パイプ3を保持する際に(図7参照)、湾曲パイプ3の凸曲側の外周面と当接するパイプ用スリーブ362の一部分(湾曲パイプ3の長手方向における中央部分)は、第1締付面331に当接させることができないので、第1締付面331からの押圧力を伝達することができない。
【0148】
よって、第1部品330を第1固定部321に押圧させることにより、パイプ用スリーブ362のうち、外周面に凹部331bが形成される部分は、湾曲パイプ3の凸曲部分に押圧され、空間Sの内部へ押しこまれる。これにより、パイプ用スリーブ362が、変形させにくいガラス繊維を含有する樹脂材料により構成されている場合でも、湾曲パイプ3の凸曲形状に合わせて変形させやすくすることができるので、パイプ用スリーブ362と湾曲パイプ3との接触面積を広く確保することができる。
【0149】
以上、各実施の形態に基づき、本発明を説明したが、本発明は上記各実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0150】
例えば、上記各実施の形態では、凹部23b,31b,223b,323b,331bが第1当て面23,223,323及び第1締付面31,331の双方に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1当て面23,223,323及び第1締付面31,331のいずれか一方にのみ形成されていてもよい。これにより、クランプ10,210,310又はパイプホルダー100の製造コストの削減を図ることができる。
【0151】
また、上記第1実施の形態から第3実施の形態では、凹部23b,31b,223bが、第1当て面23,223又は第1締付面31からの凹設深さが一定に形成され、軸O1方向に沿った断面視が略コ字状である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、凹部23b,31b,223bが軸O1方向に沿った断面視において略円弧状またはテーパ状に形成されていてもよい。凹部23b,31b,223bが軸O1方向に沿った断面視において略円弧形状に凹設されることにより、凹部23b,31b,223bに保持すべき湾曲パイプ3のRが一定に設定される場合には、湾曲パイプ3のRと凹部23b,31b,223bとを一致させることで湾曲パイプ3とパイプ用スリーブ61,62の内周面との接触面積をより広く確保することができる。
【0152】
さらに、上記各実施の形態では、第1当て面23,223,323及び第1締付面31,331は、軸O1方向の両端に、周方向へ連設して凸設される一対の凸設壁23a,31a,223a,323a,331aを備えている場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1当て面23,223,323及び第1締付面31,331の軸O1方向の両端が、平坦面状に形成されていてもよい。これにより、クランプ10,210,310又はパイプホルダー100の製造コストの削減を図ることができる。
【0153】
また、上記各実施の形態では、凹部23b,31b,223b,323b,331bが軸O1方向から視て、第1当て面23,223,323及び第1締付面31,331の周方向における凹部23b,31b,223b,323b,331bを挟んだ両側で、パイプ用スリーブ61,62,361,362の外周面と第1締付面31,331とを互いに当接させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、凹部23b,31b,223b,323b,331bが軸O1方向から視て、第1当て面23,223,323及び第1締付面31,331の周方向全体に形成されていてもよい。これにより、楽器を演奏者の好みに応じて配置変更する際に、クランプ10,210,310を湾曲パイプ3を軸として回転移動させた場合であっても、湾曲パイプ3の凸曲部分を凹部23b,31b,223b,323b,331bに向けて配置することができる。よって、湾曲パイプ3をクランプ10,210,310に確実に固定できる状態を確保しつつ楽器の配置位置をより自由に変更することができる。
【0154】
上記第2実施の形態では、収容パイプ3aに収容される接続ケーブル5をケーブル用スリーブ180の内部に収容させつつ、第2筒部182を収容パイプ3aの一端側に内嵌させた状態で、収容パイプ3aを第2パイプ保持部112に挟持固定することにより、接続ケーブル5及びケーブル用スリーブ180が案内室113aに挿設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、収容パイプ3aをそのまま第2パイプ保持部112に挟持固定し、接続ケーブル5を案内室113aの内部に収容させつつ、案内開口部113bから外部へ案内させてもよい。これにより、ケーブル用スリーブ180を不要とすることができるので、製造コストを削減することができると共に、ケーブル用スリーブ180を挿設する作業を不要とすることができるので、作業効率を向上させることができる。
【0155】
また、上記第2実施の形態では、ケーブル用スリーブ180が第1筒部181と第2筒部182とを備え、接続ケーブル5を、第1開口部181a又は第2筒部182の一端で開口する第2開口部182aのいずれか一方から他方へ挿通させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ケーブル用スリーブ180が第1筒部181を備え、接続ケーブル5を、第1開口部181a又は第1筒部181の一側の側面に形成される第1孔部181bのいずれか一方から他方へ挿通させてもよい。これにより、第2筒部182を不要とすることができるので、ケーブル用スリーブ180の製造コストを削減することができる。
【0156】
上記第2実施の形態では、ケーブル用スリーブ180は、第1開口部181aから第1筒部181の一側の側面を通って第2開口部182aにかけて切り込まれたスリット183を備えている場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、スリット183は、第1開口部181aから第2開口部182aにかけて切り込まれていればよいので、例えば、第1開口部181aから第1筒部181の他側の側面を通って第2開口部182aにかけて切り込まれていてもよい。
【0157】
また、上記第2実施の形態では、ケーブル用スリーブ180がスリット183を備えている場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、スリット183を備えていなくてもよい。これにより、ケーブル用スリーブ180の製造コストを削減することができる。
【0158】
さらに、上記第2実施の形態では、案内開口部113bが軸O3方向を短辺とする正面視略矩形状である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、案内開口部113bが、正面視略円形状または軸O3方向を長辺とする正面視略矩形状であってもよい。これにより、案内開口部113bの開口面積を確保することができるので、収容パイプ3aに収容される接続ケーブル5をより多く案内することができると共に、複数の接続ケーブル5を案内開口部113bに挿通させる際に、接続ケーブル5が圧迫されることによる損傷を防止できる。
【符号の説明】
【0159】
2 直立パイプ(第1パイプ)
3 湾曲パイプ(第2パイプ)
3a 収容パイプ(第2パイプ)
5 接続ケーブル
10,210,310 クランプ(パイプホルダー)
100 パイプホルダー
11,211,311 第1パイプ保持部(第1保持部)
12,112 第2パイプ保持部(第2保持部)
112a 第2保持室
113 連結部
113a 案内室(案内部)
20 基部
23,223,323 第1当て面
30,330 第1部品
31,331, 第1締付面
23a,31a,223a,323a,331a 凸設壁
23b,31b,223b,323b,331b 凹部
51,52,152 締付部材
61,62,361,362 パイプ用スリーブ
180 ケーブル用スリーブ
181 第1筒部
181a 第1開口部
182 第2筒部
182a 第2開口部
183 スリット
S 空間
W1 切り込み幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1パイプを着脱自在に挟持固定する第1保持部と、第2パイプを着脱自在に挟持固定する第2保持部と、その第2保持部の内周面に包囲される第2保持室を外部へ連通させる案内部とを備え、前記第1保持部、前記第2保持部および前記案内部が金属で構成されると共に、前記第2パイプに収納され少なくとも一端が電子楽器に接続される接続ケーブルが前記第2保持室から前記案内部を介して外部へ案内されるパイプホルダーにおいて、
前記第1保持部と前記第2保持部とを連結する連結部を備え、
前記案内部は、前記連結部に形成されていることを特徴とするパイプホルダー。
【請求項2】
前記案内部は、前記第1保持部に挟持固定される前記第1パイプの長手方向と交差する方向に向けて開口していることを特徴とする請求項1記載のパイプホルダー。
【請求項3】
前記案内部の開口は、第1保持部と第2保持部とを結ぶ線に沿った方向を短辺とする正面視略矩形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載のパイプホルダー。
【請求項4】
弾性部材から構成され一側および他側に向けて開口すると共に互いに連通する第1開口部および第2開口部を有するケーブル用スリーブを備え、
前記ケーブル用スリーブは、前記案内部に内嵌可能な筒状に形成されると共に一端側に前記第1開口部が開口される第1筒部を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のパイプホルダー。
【請求項5】
前記ケーブル用スリーブは、前記第1開口部から前記第2開口部にかけて切り込まれたスリットを備えていることを特徴とする請求項4記載のパイプホルダー。
【請求項6】
前記ケーブル用スリーブは、前記スリットの切り込み幅が前記接続ケーブルの外径よりも小さいことを特徴とする請求項5記載のパイプホルダー。
【請求項7】
前記ケーブル用スリーブは、前記第2パイプに内嵌可能な円筒状に形成されると共に
一端に前記第2開口部が開口される第2筒部を備えていることを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載のパイプホルダー。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−55609(P2011−55609A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−200976(P2009−200976)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(000116068)ローランド株式会社 (175)
【Fターム(参考)】