説明

パイロット伝送機構を用いた通信システム、通信装置及び方法

パイロットにより支援されるデータ通信の方法であって、複合信号の送信を含む。前記複合信号は、一つ以上のタイムスロットの、指定の又は所定の時間領域の中で、前記複合信号が周期的なプレフィックスが付される時間領域の構造を示すような、データ、周期的でない特性を有する第一パイロットシーケンス、及び第二パイロットシーケンスを有する。前記第一パイロットシーケンス及び第二パイロットシーケンスは、一つ以上のタイムスロット内の実質的にこれと同一の指定の又は所定の時間領域の中で送信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システムにおけるパイロット伝送機構を用いることに関する。特に、3GPP(3rd Generation Partnership Project)セルラー方式におけるパイロット伝送機構を用いることに関するが、他の方式を除外するものではない。
【背景技術】
【0002】
現在、第三世代セルラー方式は、携帯電話ユーザへ提供される通信サービスをさらに拡張するために本格展開されている。最も広く採用された第三世代通信システムは、CDMA(Code Division Multiple Access/符号分割多元接続)及びFDD(Frequency Division Duplex/周波数分割複信)又はTDD(Time Division Duplex/時分割複信)技術に基づく。CDMAシステムにおいてユーザ分離は、同じキャリア周波数で、かつ、同じ時間間隔で、異なるユーザへ異なる拡散及び/又はスクランブルコードを割り当てることにより行われる。CDMAシステムにおいて、TDMA(Time Division Multiple Access)要素(component)もまた存在する。ユーザ分離は、異なるタイムスロットを異なるユーザに割り当てることにより、達成される。
【0003】
FDDのシステムにおいて、アップリンク及びダウンリンクの通信は、分離したキャリア上で生じる。アップリンク伝送は、モバイル無線通信装置(よく無線加入者通信装置と呼ばれる)から、無線供給基地局を経由して、通信インフラへと行われる。ダウンリンク伝送は、通信インフラから、供給基地局を経由して、モバイル無線通信装置へと行われる。FDDシステムに対し、TDDシステムは、アップリンク及びダウンリンク伝送のために同じキャリア周波数を用いる。FDD及びTDDシステム両方において、キャリア周波数は、TDMA要素を提供するため、時間領域を一連のタイムスロットへ細分することができる。TDDでは、単一のキャリア周波数が、いくつかのタイムスロットにおけるアップリンク伝送及び他のタイムスロットにおけるダウンリンク伝送に割り当てられる。FDDでは、アップリンクかダウンリンクかいずれかのモードで操作可能なキャリア周波数により、一つ以上のタイムスロットを含むことができる異なる時間領域において、異なるユーザにサービスを提供することができる。この方式を用いる通信システムの例は、UMTS(Universal Mobile Telecommunication System)である。CDMAに関するさらなる詳細、及びUMTSのWCDMA(Wideband CDMA)の具体例は、2001年にWiley&Sonsから出版されたHarri Holma(編集者)、Antti Toskala(編集者)による‘WCDMA for UMTS’(ISBN 0471486875)に記載されている。
【0004】
従来のセルラー方式において、互いに近接するセルは、重複しない伝送資源が割り当てられる。例えばCDMAネットワークにおいて、互いに近接するセルは、(アップリンク方向及びダウンリンク方向の両方において用いられるべき)異なる拡散符号が割り当てられる。このことは、例えば、それぞれのセルにおいて、同一のチャネライゼーション拡散コードを用いるが、異なるセルでは固有のスクランブルコードを用いることによって達成される。それらの組み合わせは、それぞれのセルにおいて効率的に異なる拡散符号をもたらす。
【0005】
マルチメディアサービスの提供において、典型的で最もコスト効率の良いアプローチは、ユニキャスト(すなわち、二地点間)でマルチメディア信号を送信することとは反対に、マルチメディア信号を‘ブロードキャスト(一対多伝送)’することである。一対多伝送をブロードキャストするために、単一のキャリア周波数は、ブロードキャスト情報を一つの無線通信提供装置、すなわち一つのセルから複数の無線加入者装置に伝える。典型的には、発言、ニュース、映画、スポーツ等の何十ものチャネルが、そのような通信ネットワークを通じて、同時にブロードキャストされることができる。反対に、ユニキャストの操作のために、通信は、無線加入者装置と無線通信提供装置との間で一対一で行われる。すなわち伝えられる情報は、一つの無線加入者装置に一意となる。
【0006】
場合によっては、全キャリアが、ブロードキャスト又は一対多の情報の送信のために設けられることができる。ブロードキャストのキャリアは、一以上の別個のキャリア周波数を通じて使用できる、一以上のユニキャスト通信チャネルと関連付けられることができる。さらに、ユニキャスト及び一対多のブロードキャストのトラフィック両方において、一般に異なる時間において、同一のキャリア周波数を通じて伝送されることが可能である。一般に、ユニキャスト通信は、無線加入者装置と通信ネットワークとの間のブロードキャスト情報の通信に関連するセキュリティ及び認証を可能とし、さらに無線加入者装置へのブロードキャストサービス情報の転送を容易にすることができる。他のユーザ固有の通信は、ユニキャストのキャリアを通じて行われ得る。前記キャリアは、同一又は別のキャリア周波数におけるブロードキャストサービスの操作に関係することができ、あるいは関係しないこともできる。
【0007】
デジタル通信システムは、いわゆる非コヒーレント又はコヒーレント信号方式を用いることができる。いずれかの方式にとって、送信エンティティは、伝送のための所望のビットシーケンスを一連の変調シンボルにマップし、シンボル又は波形の有限のアルファベットの一つをそれぞれ選択する。信号が送信器から受信器へ伝播するとき、送信された信号の位相は、空間及び時間において変化する。一般に、受信機において、受信された信号の位相は任意である。
【0008】
非コヒーレント方式において、受信器は、信号を復調し、送信されたデータを復元するために、受信された信号の位相を知る必要はない。すなわち、非コヒーレント変調方式の送信されたシンボルアルファベットの要素は、受信器によって絶対位相情報の必要なく、お互いに区別することができる。
【0009】
逆に、コヒーレント変調方式においては、送信されたシンボルアルファベットは、異なる位相において互いに似て現われることがある。したがって、この方式において、受信器は、正しくデータを復元するため、受信されたシンボル間での区別をするために、受信された信号の位相を決定することができる必要がある。多くの場合、コヒーレント変調方式は、スペクトル効率の利点を伝えることができる。従って、コヒーレント変調方式は、大容量デジタル通信及び放送システムのために、通常用いられている。
【0010】
コヒーレント方式において、送信器は、送信されたデータとともに基準信号(reference signal)をよく送信する。受信器は、この基準信号の構造の事前情報を有している。したがって、受信器は、受信された信号内の基準信号の存在を探索することができる。基準信号を探索するとき、受信器は、その振幅及び位相を決定することができる。そして、送信器と受信器との間の同一の伝播チャネルを通じて、基準信号及び通信データの両方が渡されたとみなせるので、さらに受信された通信データシンボルの位相もまた既知であり、変調シンボルが復元されることができる。受信器における電波伝播チャネルの振幅及び位相を見積もる過程は、‘チャネル推定’として知られている。
【0011】
基準信号は、よく‘パイロット’と称される。送信器において、信号が受信器に到達するまでに、データとパイロットの両方が、同一又は類似の位相調整を受けることを保証する意図をもって、その両方が受信器への通信リンクを通じて伝送されることができるよう、いくつかの方法で、パイロットがデータと多重化されなければならない。CDM(Code−Division Multiplexing/符号分割多重化)、FDM(Frequency−Division Multiplexing/周波数分割多重化)及びTDM(Time−Division Multiplexing/時分割多重化)方式が、パイロット信号及びデータを送信するために、様々な通信システムにおいてそれぞれ用いられている。
【0012】
図1は、それらのパイロット/データの多重化の可能性の例を表す。例えば一つ目のグラフ100は、CDM技術を表しており、時間に対して符号の値115がプロットされる。ここで、データ420は一つめの符号のセットを用いて送信され、パイロット信号は二つ目の符号又は二つ目の符号のセットを用いて送信されることが示されている。二つ目のグラフ150は、TDM技術を表しており、時間に対して符号又は周波数155がプロットされる。ここで、データ165は、二つ目の期間において送信されるパイロット信号170とともに、一つ目の期間において送信される。
【0013】
現在のUMTS WCDMA FDDシステムは、パイロット信号とデータとの間でCDMを利用している。パイロットは、CPICH(Common Pilot Channel/共通パイロットチャネル)と呼ばれる。CPICHは、データへの符号領域において直交であるように設計される。これにより、データとパイロット信号との間の干渉が低減され、受信器のパフォーマンスの観点から有益である。パイロット信号とデータの間の符号領域の直交性の存在により、データ信号がパイロットと干渉する可能性を回避することを支援する。そうでなければ、前記干渉により、パイロットの振幅及び位相の推定の質が低減されるだろう。このことは、電波伝播チャネルの特性は、受信器によって、よりよく解明されることができ、さらに、(例えば、通信エラー数の低減を通じて、システムの地域的範囲が改善される、通信データレートが改善される、等のように)復調のパフォーマンスが改善されることを意味する。
【0014】
パイロットとデータとの間の符号領域の直交性は、送信側において存在する。しかし、信号が受信器に到達する時までに、時には劣化され、又は失われる可能性がある。この劣化は、しばしば電波伝播チャネルの干渉動作に起因する。特に、大きな信号分散を有する無線チャネルは、CDM技術を用いるパイロットとデータとの間の直交性の度合いを著しく劣化させることがある。この信号分散(多重反射及び個々の伝播線(propagation rays)の経路長の差異による信号エネルギーの時間における分散)の例は、図2の時間分散の視覚的な表現200において示される。したがって、説明されるように、いくつかの電波環境において符号領域のパイロットは、時間215を通じて、電波伝播チャネルの影響を受けやすく、変化しやすいチャネル振幅(及び明示されない位相)の応答210を示す。そのように、CDMパイロット信号は、望ましい効果が得られない可能性がある。
【0015】
そのようなシナリオにおいて、パイロット信号及びデータのための時分割多重化を別の方法で利用することは有益であり得る。パイロット信号とデータとの間の直交性は、電波伝播チャネルでの遅延拡散により引き起こされる、それらの間のエネルギーの重複による劣化の影響をさらに受けやすい。図1に戻り、無線チャネルにおけるデータ175の時間分散は、データとパイロット信号との間のエネルギーの時間領域の重複をもたらす可能性がある。後続の領域180においては、強制分散(imposed dispersion)の時間的制限により、分散がある場合でさえ、パイロット信号はデータにより影響されない。従って、パイロット信号のこの部分がチャネル予測に用いられるとき、チャネル予測の質は劣化しない。
【0016】
したがって、パイロット信号とデータとの間の時間領域においていくつかのガード分離を可能とすることにより、あるいはTDMパイロットシーケンスの入念な設計により、データ(及びその逆)による影響を受けないTDMパイロットの部分を受信することがさらに可能である。そのような入念な設計は、TDMパイロットを用いる無線チャネルの振幅及び位相の正確な推定を保証することができ、同様に改善された復調のパフォーマンスを実現することができる。既に述べたように、復調のパフォーマンスにおけるそれらの改善は、地域的範囲の改善又はデータレートの増加のようなシステムゲインに結びつくことができる。
【0017】
大きな信号分散は、無線チャネルの多重反射の存在に起因して発生し得る。多重反射が要素(より多くの経路)の増加をもたらすと同時に、より大きな差のある経路遅延は、分散に際してより大きな広がりをもたらす。そのようなチャネルは、多数の反射を示す‘複雑な’無線チャネルとしてここでは参照される。
【0018】
複雑な無線チャネルが観察されることのできる一つの特定のシナリオは、ブロードキャストのためのSFN(Single Frequency Network)伝送方式である。この伝送方式において、同期される方法で、複数の送信サイト(すなわち、複数の通信装置)から同一の信号波形を用いて、同一のデータが送信される。その波形は、(可能性としては、携帯)受信器(すなわち、無線加入者装置)へ向かって伝播し、さらに異なる遅延並びに振幅及び位相の調整を経る。信号は、空間内で、時には建設的に、時には破壊的に結合する。異なる信号遅延の存在は、受信器により解決され建設的に結合されるべき、経路遅延の差を含む信号を考慮することができる。この過程は、よく等化と呼ばれる。正確なチャネル推定は、したがって、複数の送信サイトからの信号の建設的な結合を可能にするために、そのようなシステム及び環境において本質的要素である。等化処理を行わない場合、複数経路の反射の存在は、大幅に無線リンクの質を劣化させる可能性がある。
【0019】
したがって、(先に述べたSFNブロードキャストシステムのような)システムのためのCDMパイロットの使用が、複雑な伝播チャネルにおいて過度に適切ではない可能性があることが発見されている。TDMパイロットの使用は、チャネル推定及び受信器のパフォーマンスの観点から、有利であり得る。しかしながら、多数の3GPP受信器は、CDMパイロットを用いて運用するよう設計されている(そして、受信器におけるチャネル推定より別の目的のためにもパイロットは用いられ得る)。
【0020】
それゆえ、現在の技術は次善の解である。したがって、パイロット伝送方式の問題に対処するための改善された方式が、例えばブロードキャストセルラーネットワークを通じて、有利となるだろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は、上で述べた一つ以上の不利益を、単独で、又はいかなる組み合わせにおいて、軽減し、緩和し又は除去しようとするものである。
【0022】
本発明の態様により、説明される概念に従ってパイロット伝送方式を利用する方法を実行するためのセルラー方式、集積回路及び通信ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の一つの態様において、パイロットにより支援されるデータ通信方法が説明される。本方法は、データ送信のために一つ以上のタイムスロット内で生成される、パイロットにより支援されるデータ通信に適用される。
【0024】
本方法は、複合信号の送信を含む。ここで、前記複合信号は、データと、例えばCDMパイロットシーケンスのような、一つ以上のタイムスロットの所望の時間領域又は所定の時間領域を通じて送信される、周期的でない特性を有する第一パイロットシーケンスと、例えばTDMパイロットシーケンスのような、第二パイロットシーケンスとを有する。ここで、前記第一パイロットシーケンス及び前記第二パイロットシーケンスは、一つ以上のタイムスロットの実質的に同一の所定の時間領域における複合信号内で形成される。前記第二パイロットシーケンスは、前記複合信号が周期的なプレフィックスが付される構造を示すよう配列される。
【0025】
一つの選択的な実施形態において、前記第一パイロットシーケンス及び前記第二パイロットシーケンスの実質的に同時の転送は、前記所定の時間領域内の重複する時間領域を有する。
【0026】
一つの選択的な実施形態において、前記所定の時間領域の第一プレフィックスセグメントの間に送信されることができる前記複合信号は、前記所定の時間領域の第二基本セグメントの間に送信される前記複合信号と実質的に同一であることができる。例えば、一つの選択的な実施形態において、前記第一プレフィックスセグメントは、前記第二基本セグメントからコピーされることができる。
【0027】
一つの選択的な実施形態において、前記第一パイロットシーケンスは、前記第二パイロットシーケンスに対して符号領域で直交することができる。
【0028】
一つの選択的な実施形態において、周期的でないスクランブル演算は、前記所定の時間領域の間の前記第一パイロットシーケンス及び/又は前記第二パイロットシーケンスに関して行われることができる。
【0029】
一つの選択的な実施形態において、前記第二パイロットシーケンスは、多重化ロジック装置内で、パイロットシーケンスの断片の組み合わせを含むことができる。
【0030】
一つの選択的な実施形態において、前記多重化ロジック装置は、CDMA拡散及び/又は符号多重化の操作を含むことができる。

一つの選択的な実施形態において、前記多重化ロジック装置は、周波数領域の多重化操作を有する。
【0031】
一つの選択的な実施形態において、前記第二パイロットシーケンスは、QPSK、16−QAM、64−QAMのような、有限のシンボルアルファベットを用いて構成されることができる。
【0032】
一つの選択的な実施形態において、前記第二パイロットシーケンスは、一定の振幅シンボルを用いて構成されることができる。
【0033】
一つの選択的な実施形態において、前記第一パイロットシーケンスは、3GPP WCDMA UMTSシステムの共通のパイロットチャネルの一部であることができる。
【0034】
一つの選択的な実施形態において、前記第二パイロットシーケンスは、前記複合信号の前記所定の時間領域の前記第二‘基本’時間セグメントの、実質的に平坦な周波数領域の合成をもたらすために配列されることができる。
【0035】
本発明のこれら及び他の態様、機能及び利点は、以下に説明される実施形態から明らかであり、かつ、それらへの言及とともに明瞭になる。
【0036】
本発明の実施形態は、例示する目的のみのために添付される図面への言及とともに説明される。
【発明の効果】
【0037】
本発明の態様により、説明される概念に従ってパイロット伝送方式を利用する方法を実行するためのセルラー方式、集積回路及び通信ユニットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】CDM及びTDMパイロット多重化方式の時間分散の影響を示す。
【図2】電波伝播チャネルでの信号の時間分散の影響を示す。
【図3】本発明のいくつかの実施形態に従い適合されるブロードキャスト通信システムを示す。
【図4】本発明のいくつかの実施形態に従い適合される通信装置を示す。
【図5】本発明のいくつかの実施形態に従ってCDM及びTDMパイロットの組み合わせを用いるデータ伝送を示す。
【図6】本発明のいくつかの実施形態に従って拡散、符号多重化及びスクランブルを用いるCDMA信号構成を示す。
【図7】本発明の一つの実施形態に従ってTDMパイロットの時間領域における複合信号の周期的な構成の例を示す。
【図8】本発明の一つの実施形態に従って、周期的でないCDMパイロットシーケンス及び周期的でないTDMパイロットシーケンスを用いて周期的なパイロット信号領域を作成する例を示す。
【図9】本発明の一つの実施形態に従うCDM及びTDMパイロット構成方法の例を示す。
【図10】本発明の一つの実施形態に従って組み合わされたCDM及びTDMパイロット信号を用いた受信器処理操作(ステップ)の例を示す。
【図11】適応等化器アーキテクチャに適応される場合の本発明の実施形態の例を示す。
【図12】本発明のいくつかの実施形態において採用されるシーケンス探索プロセスの例を示す。
【図13】本発明の実施形態における信号処理機能を実装するために採用され得る一般的な演算システムを表す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下の説明は、UMTS(Universal Mobile Telecommunication System)セルラー方式、特に、3GPP(3rd generation partnership project)システム内で、対になっていないあらゆるスペクトルで運用するUTRAN(UMTS Terrestrial Radio Access Network)に適用できる本発明の実施形態に着目する。しかし、当然のことながら、本発明の実施形態は、この特定のセルラー方式に限定されず、パイロット伝送機構を利用し、あるいはサポートするために適応されることのできるいかなる通信方式に対しても適用することができる。
【0040】
本発明の実施形態は、CDMパイロット要素及びTDMパイロット要素の両方の使用による利益を得るために設計されるシステムとともに、CDMパイロット及びTDMパイロットの両方を有するパイロット伝送機構を提案する。したがって、いくつかのレガシーなCDMA通信システムにおいて、既存のCDMパイロット構造は、無線加入者装置又は端末内の部品に対する外乱を最小化するために保持されることができる。さらに、レガシーなCDMパイロット信号を用いる機能により、CDMチャネル推定を管理する、受信器の部品を再設計する必要性は低下する。
【0041】
図3を参照すると、本発明の一つの実施形態に従うセルラー方式300の概要が示されている。この実施形態において、セルラー方式300は、UMTS(universal mobile telecommunication system)のエアインターフェースに準拠し、さらにUMTSのエアインターフェースを通じて運用できるネットワーク構成要素を含む。特に、いくつかの実施形態は、(3GPP TS 25.xxxシリーズの仕様書に記載されている)UTRAN電波インターフェースに関連する、WCDMA(wide−band code−division multiple access)、TD−CDMA(time−division code−division multiple access)及びTD−SCDMA(time−division synchronous code−division multiple access)規格のための3GPP(Third Generation Partnership Project)に関連している。
【0042】
特に、3GPPシステム300は、一つ以上のセルからのブロードキャスト及びユニキャストのUTRA通信両方をサポートするよう構成される。
【0043】
複数の無線加入者通信装置/端末(又はUMTSの命名法におけるユーザ装置(UE))314、316は、無線リンク319、320を通じて、UMTS用語のもとではノードBs324、326として呼ばれる、複数の送受信基地局と通信を行う。システムは、明確さのために図示されない、多数の他のUE及びノードBsを有する。
【0044】
ネットワークオペレータのネットワークドメインと時に呼ばれる無線通信システムは、外部ネットワーク334、例えばインターネットへ接続される。ネットワークオペレータのネットワークドメインは、
(i)コアネットワーク、すなわち、少なくとも一つのGGSN(Gateway GPRS(General Packet Radio System) Support Node)(図示されない)及び少なくとも一つのSGSN(Serving GPRS Support Nodes)342、344、並びに
(ii)アクセスネットワーク、すなわち:
(i)UMTS RNC(Radio network controller)336、340;及び
(ii)UMTSノードB324、362
を含む。GGSN(図示されない)又はSGSN342、344は、例えば(インターネットのような)PSDN(Public Switched Data Network)334又はPSTN(Public Switched Telephone Network)のような、公衆ネットワークと接続するUMTSに対して関与している。SGSN342、344は、GGSNが外部のパケットネットワークと接続されている間、通信のルーティング及びトンネリングを行う。
【0045】
ノードBs324、326は、RNC336、340及びSGSN344のようなMSC(mobile switching centres)を含む、RNC局(Radio Network Controller)を通じて、外部ネットワークへと接続されている。セルラー方式は、一般に、そのようなインフラ要素を多数有するが、ここでは明確さのため、限られた数のみが図3に示されている。
【0046】
各ノードB324、326は、一つ以上の送受信装置を有し、UMTS仕様において定義されるように、lubインターフェースを経由し、セルに基づくシステムインフラの残りとの通信を行う。
【0047】
本発明の実施形態に従って、一つ目の無線通信提供装置(例えば、ノードB326)は、図4で示され、かつ、図4への参照とともに説明されるように、論理モジュールを有するよう構成されている。本発明の実施形態に従って、UE314のような加入者通信装置もまた、図4で示され、かつ、図4への参照とともに説明されるように、論理モジュールを有するよう構成されている。
【0048】
RNC336、340のそれぞれは、一つ以上のノードBs324、326を制御することができることに注意する。SGSN342、344のそれぞれは、外部ネットワーク334へのゲートウェイを提供する。OMC(Operations and Management Centre)346は、RNC336、340及びノードBs324、326へと操作可能なように接続されている。OMC346は、当業者によって理解されるように、セルラー方式300のセクション(section)を運営し管理するために、処理機能(図示されない)及び論理機能352を有する。
【0049】
管理ロジック346は、一つ以上のRNC336、340と通信する。RNCは、無線ベアラのセットアップに関して、すなわちブロードキャスト及びユニキャスト送信のために用いられるべき、それらの物理的な通信リソースに関して、順に、シグナリング358、360をノードBs及びUEへ提供する。
【0050】
管理ロジック346は、ブロードキャストモードロジック350と操作可能なように接続されている。ブロードキャストモードロジック350は、複数の無線加入者通信装置へシグナリングするためのシグナリングロジックを有し、あるいはシグナリングロジックへ操作可能なように接続されている。セルラー方式300内の伝送リソースの一部又は全ては、ブロードキャストモードの操作のために構成される、あるいは再構成される。
【0051】
ブロードキャストモードロジック350は、RNC及びノードBsへ信号が送られる、物理的なリソースを管理するよう構成される。この方式において、ブロードキャストモードロジック350は、ブロードキャストのためのタイムスロット又はキャリア周波数を割り当て、運搬電力を設定し、さらに、ブロードキャスト伝送を運ぶための全てのタイムスロット又はキャリア周波数のためのセルIDを割り当てる。
【0052】
図4を参照すると、本発明のいくつかの実施形態に従って構成される無線通信装置400のブロック図が示されている。実際には、純粋に本発明の実施形態を説明するため、無線通信装置は、同様の機能的要素を有する、ノードBの実装かユーザー装置(UE)の実装か、いずれか一方に関して説明される。無線通信装置400は、無線通信装置400内の受信チェーンと送信チェーンとの間のアイソレーションを提供するアンテナスイッチ404に接続されたアンテナ402を有する。
【0053】
当技術分野で周知のように、受信器チェーンは、受信器のフロントエンド回路406(受信、フィルタリング及び中間又はベースバンド周波数変換を効率的に提供する)を含む。フロントエンド回路406は、信号処理機能408へと直列に接続される。信号処理機能408からの出力は、適切な出力デバイス410へと提供される。コントローラ414は、加入者装置の全体の制御を保持する。コントローラ414は、受信器フロントエンド回路406及び(一般に、DSP(digital signal processor)として実現される)信号処理機能408とも接続される。コントローラは、例えば、復号化/符号化機能、同期パターン、符号シーケンス、受信信号の到着の方向などの、動作状況を選択的に保管するメモリデバイス416とも接続される。
【0054】
本発明の実施形態に従って、タイマー418は、無線通信装置400内で操作(時間に依存する信号の送信又は受信)のタイミングを制御するため、コントローラ414と操作可能なように接続されている。送信チェーンに関しては、これは基本的に、送信/変調回路422及びアンテナ402に対する電力増幅器424を通して、直列に接続される、キーパッドのような入力デバイス420を有する。送信/変調回路422及び電力増幅器424は、コントローラ424に運用上対応する。
【0055】
送信チェーンにおける信号プロセッサ408は、受信チェーンにおける信号プロセッサと明確に区別されて実装されることができる。さらに、単一のプロセッサ408が、図4に示されるように、送信及び受信信号の両方の処理を実装するために用いられることができる。明らかに、無線通信装置400内の様々な要素は、アプリケーション固有又は設計の選択による最終的な構造により、別々又は統合された要素の形式により実現されることができる。
【0056】
本発明の実施形態に従って、信号プロセッサ408は、無線通信装置400がノードBの形式の基地局か、UEの形式の無線加入者通信装置か、どちらであるかに依存して、組み合わされるパイロット伝送方式をサポートするための(ハードウェア、ファームウェア又はソフトウェアを含む)ロジックを有するよう構成されている。
【0057】
例えば、第一の実施形態において、無線通信装置400はノードBであるとみなす。
この場合において、信号プロセッサ408は、TDMパイロット及びCDMパイロットの組み合わせを生成するよう構成されることができる。前記TDMパイロット及びCDMパイロットの組み合わせは、CDMパイロットシーケンスを含む複合信号内のTDMパイロットを組み合わせるあらゆる方法に依存する。この例の実施形態において、信号プロセッサ408は、例えばTDMパイロットが構成されるとき、OVSF構成方法を用いる(例えば、図9Dに関して後述される)、変調器ロジック436を有することができる。この例の実施形態において、TDMパイロットは、変調されたシンボルの新しいセット(以下、時にパイロットシーケンスの‘断片’と呼ぶ)とともに、既存の変調器を用いて生成され、送信ストリームに挿入される。変調されたシンボルの新しいセットは、後に説明される実施形態において明らかになるように、一つ以上のタイムスロットのTDMパイロットの時間領域の間、変調器ロジック436の入力に挿入されることができる。本発明の実施形態において、複合信号が、単一のタイムスロット内に適用される。しかしながら、別の実施形態において、複合信号は、複数のタイムスロットにわたって適用されることが想定される。さらなる別の実施形態において、一つのタイムスロットが様々な長さであることも想定される。
【0058】
シーケンスが既存の変調アルファベットに従うとき、一つの例の実施形態において、レガシーなノードBにおけるいかなる既存の変調器ロジックも適応を必要としない。しかしながら、一つの例において、TDMパイロットが、データによって用いられる変調アルファベットと一貫性がない変調アルファベットを用いるとき、変調器ロジック436は、シンボル量子化ロジック437により置換され得る。シンボル量子化ロジック437は、(例えば、異なるシンボル量子化を用いて)新たな変調アルファベットを処理するよう構成され、分離するCDMA変調器(図9Dにおいて示される)の手前に、又は多重化ロジック(図9Cにおいて示される)の手前に配置されることができる。シンボル量子化ロジック437は、TDMパイロット信号経路(適用可能であればプリスクランブルする。図9A及び図9Bにおいて示される)内にも挿入されることができる。
【0059】
さらに、ノードB信号プロセッサは、適合したパイロット生成ロジック438を有することができる。パイロット生成ロジック438は、(例えば、既存の変調ロジックを用いない)パイロット波形の生成を処理する、分離された論理エンティティであるよう構成されることができる。例えば、一つの実施形態において、パイロット生成ロジック438は、レガシーなノードBにおけるCDMパイロット(例えば、3GPPシステムにおけるCPICH)の生成を処理するよう構成されていることができる。適合したノードBにおいて、TDMパイロットは、別個のCDMパイロット生成ロジックと並列に操作するよう構成され、さらに、データ送信のTDMパイロット部分を生成するよう構成される、分離されたパイロット生成ロジック(図示されない)を用いて、第一の例の実施形態において取り入れられることができる。この実施形態において、二つのパイロット生成ロジック装置の出力は、加算される。さらに、第二の例の実施形態において、既存のパイロット生成ロジック/装置は、単一の組み合わされたCDM/TDMパイロット波形を生成するよう変更されることができる。
【0060】
第二の実施形態において、無線通信装置400はUEであるとみなす。この場合において、信号プロセッサ408は、TDMパイロットとCDMパイロットとの組み合わせを生成するよう構成されることができる。前記パイロットの組み合わせは、TDMパイロットを生成する多数の方法に依存する。一つの例の実施形態において、信号プロセッサ408は、チャネル推定ロジック430を有することができる。レガシーなUEを用いるアプリケーションにおいて、CDMパイロットを用いる推定を基本とする既存のチャネル推定器が一般に存在するであろう。第二のUEに基づく実施形態において、TDMパイロット要素は、もう一つの方法として、新しいTDMパイロットチャネル推定装置を用いて例示され得る。さらに、TDMパイロット要素は、図11への参照によりさらに説明されように、組み合わされたチャネル推定を改善するため、TDMパイロット及びCDMパイロット出力を、任意で組み合わせることができる。
【0061】
さらに、第二のUEに基づく実施形態において、既存のCDMパイロットチャネル推定は、入力において受信された信号の全ての関連のある部分を操作する、新たな単一のチャネル推定ロジック/装置432を生成するよう変更されることができる。生成されたチャネル推定は、例えば図11への参照によりさらに示されるように、等化及びデータ復元ブロックに適用されることができる。
【0062】
本発明の実施形態は、ノードB送信器が組み合わされたCDMパイロットとTDMパイロットを用いて送信信号を送信するよう構成され、さらにUE受信器が組み合わされたCDMパイロットとTDMパイロットを用いる送信信号を受信し処理するよう構成される、ブロードキャストシステムに関して記述されているものの、ここで記載される実施形態は、ユニキャスト(二地点間)システムにも等しく適用できることが想定される。ここで、UEから送信される組み合わされたCDMパイロットとTDMパイロットを用いる送信信号を受信し処理するよう構成されるノードB受信器とともに、UEは、組み合わされたCDMパイロットとTDMパイロットを用いる送信信号をサポートするようさらに構成されることができる。
【0063】
上記の直接チャネル推定のアプローチに対する別の実施形態において、TDMパイロットとCDMパイロットは、適応的に学習される(adaptively−trained)等化器ロジック434への入力として提供されることができることが想定される。
【0064】
図11においてさらに説明されるこの別の実施形態において、適応的に学習される等化器ロジック434は、入力としてCDMパイロットの既知であるローカルの複製を前もって取得している。前記複製は、適応的に学習される等化器の等化されたパイロット出力が、係数適応(coefficient adaptation)ロジック(図示されない)を経由したフィードバックを促進する、エラー信号を形成するために比較される。TDMパイロットが追加されたとき、一つの例の実施形態において、一つの適応ロジック装置が(ただ一つの等化器ロジック装置が存在するように)保持することができることが想定される。しかしながら、適応ロジック装置は、単一のエラー信号又は二つの別個のエラー信号によって駆動されることができることも想定される。
【0065】
別個のエラー信号が存在するとき、ある実施形態において、一つのエラー信号はTDMパイロットのローカルの複製を用いて形成され、一つはCDMパイロットのローカルの複製を用いて形成されることができる。パイロット逆多重化ロジック(図示されない)は、複合の等化された信号から受信され、等化されたパイロットを分離するために用いられることができる。パイロット逆多重化ロジックは、一般に、例えば(パイロットに整合させた)整合フィルタで構成され、あるいは、受信された出力の特定のパイロット領域を抽出するロジックで構成される。
【0066】
個別のエラー信号を用いる、ある実施形態において、パイロット逆多重化ロジックは、個別のエラー信号それぞれからCDM部分とTDM部分を分離するよう構成されることができる。それらの分離した出力のそれぞれは、二つのエラー信号を形成するそれぞれのローカルの複製に対して比較されることができる。この例において、それら二つのエラー信号は、(単一の)適応ロジックへ入力されることができる。適応ロジックは、次に、新たな係数を計算し、等化器ロジックへそれらを適用するよう構成される。
【0067】
単一のエラー信号が存在する、ある実施形態において、パイロット逆多重化ロジックは、複合(TDMとCDM)の等化されたパイロット信号へ整合させた、単一の複合出力を生成するよう構成されることができる。これは、複合(TDMとCDM)のローカルの複製と比較されることができ、結果として得られる単一のエラー信号は、等化器の適応過程を駆動するために用いられることができる。
【0068】
本発明のさらなる実施形態において、既に述べたチャネル推定技術は、適応等化器技術と組み合わされることができる。例えば、適応等化器技術は、CDMパイロットのために用いられることができ、さらに、係数適応過程は、TDMパイロットを用いて形成される補助的なチャネル推定を考慮することができる。
【0069】
図5において示されるように、本発明の実施形態は、時間において重複する、CDMパイロット波形535とTDMパイロット波形530とを組み合わせたデータ送信信号500を提供する。データ送信信号500は、時間515に対するチャネライゼーションコード510の表現として示される。ここで、データ525及びTDMパイロットシーケンス530は、同一のチャネライゼーションコードを共有する。同時に、CDMパイロット535は、(例えば、CPICHに関する)異なるチャネライゼーションコードのセットを利用する。全体で、データ525、TDMパイロットシーケンス530及びCDMパイロット535は、一つの複合シーケンス信号を形成する。
【0070】
本発明のいくつかの実施形態において、いくつかのアプリケーションにおいては直交性の特性に関する何らかの利点が存在するものの、TDMパイロット530は、CDMパイロット535に対して符号が直交であってもよく、あるいは直交でなくてもよい。データ525は、CDMパイロット535及びTDMパイロット530の実体が含まれるタイムスロット520の単位で送信される。一般に、CDMパイロット波形535及びTDMパイロット波形530の構造は、タイムスロット520によって異なることができる。
【0071】
本発明のいくつかの実施形態において、CDMパイロット波形535の構造は、所定のシーケンスであることができ、レガシーなチャネル推定の設定の操作に関連付けられても良い。そのような実施形態において、TDMパイロット波形530は、チャネル推定及び受信器のパフォーマンスを拡張する、結果として得られる組み合わされた波形の、特別な特性を提供するために構成される新たなシーケンスであることができる。さらに、いくつかの実施形態において、結果として得られる組み合わされた波形は、レガシーなCDMパイロットチャネルが存在しても、受信器において効率的なチャネル推定アルゴリズムの仕様を可能にすることができる。
【0072】
例えば、いくつかの実施形態において、TDMパイロット送信期間中、結果として得られた組み合わされた波形の特別な特性は:
(i)信号構造の周期的な性質により、計算上効率のよいFFTに基づくチャネル推定アルゴリズムの仕様を可能にする;あるいは、
(ii)結果として得られる組み合わされた信号の低いNDF(noise degradation factor)により、(後述されるように)実行されるべき電波伝播チャネルの高品質な推定を可能にする;
ことを含むことができる。
【0073】
上で述べられた特性は、パイロット信号の望ましい属性であることが知られている。しかしながら、(TDMパイロットを含む)複合信号に適用される、同時に送信されるCDMパイロット及びいかなるスクランブルの存在は、上に述べた望ましい特性を損なう可能性を有し得ることを、発明者は認識している。(同一の最適化とともに設計されていない可能性がある)共存するCDMパイロットのあらゆる可能性のある動作を妨害している間に、上記の特性を保存するTDMパイロットシーケンスを構成する方法を教示する既知のメカニズムは存在しない。
【0074】
さらに、古い要因のために、結果として得られる(TDMパイロット530を含む)複合信号は、データ及びCDMパイロット535に同様に適用される、スクランブルシーケンスの影響を受け得る。スクランブルは、一般に、異なる送信器又はセルと信号とを区別するために適用される。そのようなスクランブルシーケンスは、TDMパイロット530の送信信号の時間領域に適用されるとき、周期的な特性を含む、望ましいTDMパイロット特性を損なう可能性を有している。
【0075】
したがって、発明者は、そのような複合信号のスクランブルが存在しても、上で述べた望ましいTDMパイロット特性が保存されることができるような、既知の技術がないことも認識している。したがって、複合信号に適用されるスクランブル信号が存在しても、TDMパイロットシーケンスの望ましい特性が保存されることができるような新しい方法を提供するため、本発明のさらなる実施形態が開発されている。したがって、本発明の実施形態は、TDMパイロットが、デジタル伝送方式のために、CDMパイロットとともに送信される場合において、目下の技術に関する一つ以上のデメリットを回避することができる。
【0076】
図5におけるTDMパイロットシーケンス530の長さは、いくつかの実施形態において、‘2’の累乗、例えば64、128、256、512であることが理解されるだろう。より長い長さは、アプリケーションによっては望ましい可能性がある。そのような長さのようなシーケンスの選択は、離散フーリエ変換(DFT)又は高速フーリエ変換(FFT)の使用(ただしこれらに限定されない)を通して、効率的なチャネル推定を可能にする。
【0077】
本発明のいくつかの実施形態は、図5の一般的な信号パターンの記述及び構造に従う。さらに、いくつかの実施形態は、CDMパイロットが、3GPPのWCDMA(wideband code division multiple access) UMTS(universal mobile telecommunication system) FDD(frequency division duplex)システムにおいて用いられるような、擬似乱数の二値(binary)又は四値(quaternary)の乱数シーケンスであることができる。そのような波形は、TDMパイロット領域の持続期間を超えて、周期的性質を示すよう設計されておらず、したがって、この望ましい周期的性質を保持するための障害が存在することがある。
【0078】
3GPP WCDMA UMTS FDDシステムにおけるCPICHは、既知のシーケンスと、直交するチャネライゼーション拡散コードのセットから一つの符号を変調することによって構成される。変調される拡散符号及び用いられるシーケンスはともに、受信器へ前もって知らされている。データ及び/又は(例えば、TDMパイロットの符号部分のような)信号は、符号領域で共に多重化され、結果として得られた複合信号は、図6に示されるように、スクランブル演算を受ける。
【0079】
図6を参照すると、拡散、符号多重化及びスクランブルを用いるCDMA信号構造600が、本発明のいくつかの実施形態に従って示されている。ここで、例えばCPICH信号の形式のようなCDMパイロット信号610は、乗算器ロジック620内でチャネライゼーションコード615と掛け合わされる。同様に、複数のTDMパイロット信号又はデータ630は、乗算器ロジック装置645、647、649、651のそれぞれにおいて、チャネライゼーションコード635、637、639、641のそれぞれと掛け合わされる。乗算器ロジック装置620、645、647、649、651のそれぞれからの出力は、拡散及び符号多重化660により構成されるCDMA信号を生成するために、加算器ロジック625において結合される。拡散及び符号多重化660により構成されるCDMA信号は、図示されるように、複合信号675を生成するため、乗算器ロジック670でスクランブルコード665と掛け合わされる。
【0080】
いくつかの実施形態において、このスクランブルコード/シーケンス665は、3GPP WCDMA UMTSシステムにおいて用いられるセル固有のスクランブルコードに一致することができる。そのような固有のスクランブル波形は、TDMパイロット領域の持続時間を越えて、周期的な性質を示すよう設計されていない。したがって、この望ましい周期的な性質を保持するための障害が存在することがある。
【0081】
したがって、本発明のいくつかの実施形態において、TDMパイロット信号の符号部分は、CDMパイロットを伴うスクランブルされた全体のTDMパイロットの符号部分の組み合わせが周期的な特性を示すよう、用いられることができる。TDMパイロット及びCDMパイロットの符号部分のスクランブルされた全体の組み合わせが周期的な特性を示すように構成することにより、計算上効率のよいFFTに基づくチャネル推定アルゴリズムが採用されることができる。
【0082】
図7を参照すると、複合シーケンス信号775の周期的な構造700の例が、TDMパイロット時間領域のために、本発明の一つの実施形態に従って示されている。複合シーケンス信号775は、最初に、時間に対するチャネライゼーション拡散コード710を表すように示されている。ここで、データ725及びTDMパイロットシーケンス730は、同一のチャネライゼーション拡散コードを共有する。同時に、CDMパイロット735は、(例えばCPICHに関する)異なるチャネライゼーション拡散コードのセットを利用する。全体で、データ725、TDMパイロットシーケンス730及びCDMパイロット735は、複合シーケンス信号775を形成する。
【0083】
次に、複合シーケンス信号775は、基本シーケンス要素745及び周期的プレフィックス要素740を有する、時間領域の表現として示される。周期的なプレフィックス要素740は、基本シーケンス要素745の複製された755部分750を構成する。一つの実施形態において、周期的なプレフィックス要素740の持続時間は、電波伝播チャネルに関連する遅延拡散(分散)と、意図的に揃えることができる。一つの実施形態において、周期的なプレフィックス要素740の持続時間は、基本シーケンス要素745と同一の持続時間を有するよう、発生させることもできる。
【0084】
特に、パイロット信号の周期的な構造の使用は、効率的で高いパフォーマンスを有する、相関を失わせる(decorrelating)チャネル推定過程の使用を可能にすることができる。そのような方式は、振幅及び電波伝播チャネルの位相特性の最大尤度推定に対応することができる。
【0085】
例えば、受信器において、無線チャネルのインパルス応答h(t)を推定するための好ましいフィルタは、パイロット時間領域シーケンスp(t)の逆を処理する信号に対応するフィルタであり得る。ここで、tは時間の指標を表す。p(t)が(基本シーケンス要素と連結された周期的なプレフィックス要素を含む)周期的な構造を有するとき、チャネル推定過程の中の望ましい逆フィルタの応用は、単純なベクトル除算演算を経て、周波数領域で実行されることができる。計算上効率のよい方法における逆フィルタの実装のため、受信された信号の一部は、R(f)で示される、受信された信号の部分の周波数領域のベクトル表現を生成するために、離散フーリエ変換(DFT)又は高速フーリエ変換(FFT)を用いて周波数領域へ最初に変換されることができる。ここで、fは周波数の指標を表す。逆フィルタは、R(f)に関する単純な要素同士(element−by−element)の除算演算を実行することにより適用されることができる。この要素同士の除算演算に関与する除数は、時間領域パイロット基本シーケンスb(t)に関してDFT又はFFT演算を実行することにより形成され得るベクトルBinv(f)であり得る。高品質なチャネル推定を生成するための、このような計算上効率のよい逆フィルタリング過程は、パイロットシーケンスp(t)が、b(t)の一部から形成される、先頭に付加された周期的なプレフィックス要素と、基本シーケンスb(t)の連結を含み、周期的であるときにのみ可能である。
【0086】
チャネル推定のために最適化されるシーケンスは、しばしば低いNDF(noise degradation factor)を示す。前記シーケンスは、効率的に、(フーリエ解析又は同様により形成される)シーケンスのパワースペクトル密度(PSD)が振幅において平坦であるような一つの状態(condition)に変わる。したがって、受信器においてチャネル推定を支援するために逆フィルタ構造が適用される一つの実施形態において、シーケンスが振幅に関して平坦でないパワースペクトル密度を示す場合と比較すると、信号に存在するあらゆるノイズの増加はほとんどなく、パフォーマンスが改善される。
【0087】
したがって、‘スペクトルが平坦である’パイロットシーケンスの使用は、良いチャネル推定及び受信器のパフォーマンスを達成するために望ましい属性であることが知られている。
【0088】
パイロットの周期的なプレフィックス要素740は、一般的に、この部分が先行するデータによる時間分散による干渉を受ける事実により、通常、チャネル推定過程において直接的には用いられない。代わりに、基本シーケンス要素領域745の間の信号の受信された部分が、チャネル推定過程に対する入力として通常用いられる。周期的なプレフィックス要素740の存在により、基本シーケンス要素745の間、受信される信号部分750は周期的な構造であり、したがって、FFTに基づく処理技術を利用する複雑度の低いチャネル推定アルゴリズムによく適している。
【0089】
TDMパイロット領域の間の複合信号は、構造上周期的ではないCDMパイロットの存在によって品質が落ちることがある。さらに、TDMパイロット領域の間の複合信号は、周期的でないスクランブルシーケンスによってスクランブルされることがある。
【0090】
したがって、組み合わされた信号の望ましい周期的なシーケンスの特性を保持するために、TDMパイロットシーケンスは、周期的でないCDMパイロット及びあらゆる周期的でないスクランブルの効果を特に無効にするよう設計される。さらに、このことは、CDMパイロットと組み合わされるとき、結果として得られる複合信号のために、低いNDFを示す信号を用いることで達成される。
【0091】
周期的でないCDMパイロット及び周期的でないスクランブルとは、有限の時間の範囲を超えて周期的でないということが理解されるだろう。一つの実施形態において、10msecの無線フレームは、10msec/15msecの長さのスロットへさらに分割される。この実施形態において、それぞれのスロットはTDMパイロットを含む。CDMパイロット及びスクランブルシーケンスの持続時間は、一つの無線フレームと等しくすることができ、したがって、10msecの無線フレーム長と等しい一つの期間において周期的である。CDMパイロット及びスクランブルシーケンスは、無線フレーム持続時間より短い時間の期間を通して、必ずしも周期的ではない。したがって、TDMパイロットもまた、10msecの無線フレーム長と等しい期間において周期的である場合があり得る。しかし、組み合わされた信号の望ましい特性を保存するために、それぞれのスロットにおいて、一意のTDMパイロットが必要とされるので、10msec/15msecのスロット長においては周期的ではない場合もあり得る。
【0092】
図8を参照すると、周期的でないCDMパイロットシーケンス805及び周期的でないTDMパイロットシーケンス810を用いて、周期的なTDMパイロット領域を生成する例800が、本発明の実施形態に従って示されている。周期的でないCDMパイロットシーケンス805及び周期的でないTDMパイロットシーケンス810は、周期的な複合シーケンス820を生成するために、加算ロジック815において組み合わせられる。したがって、複合信号775は、任意のシーケンス825に包まれる周期的な複合シーケンス820から生成される。周期的な複合シーケンス信号820は、基本シーケンス要素745及び周期的なプレフィックス要素740を有する。周期的なプレフィックス要素740は、基本シーケンス要素745の複製された755部分750を構成する。
【0093】
図9を参照すると、CDM及びTDMパイロット構成方法の例が、本発明のいくつかの実施形態によって示されている。熟練者は、CDM及びTDMパイロットシーケンスの確実な生成は、図9において明確に示される、一つ以上の信号処理ステップを含むことができることを理解し、したがって図9は、実際に実装されることができるものに関して潜在的な単純化されたバージョンを提供することを理解するだろう。
【0094】
図9Aに示される第一の実施形態910への参照によって、所定の、一般に周期的でないCDMパイロットシーケンス915は、加算ロジック925に適用されることができる。CDMパイロットシーケンス915は、送信器若しくはセル又はいくつかの他のスクランブルシーケンスに割り当てられるスクランブルシーケンスに対応する。そのスクランブルシーケンスは、一般に、事実上周期的ではなく、レガシーな局の設計で用いられるチャネル推定方法と互換性がある。CDMパイロットシーケンス925は、チャネル推定の改善及び(例えば、高速フーリエ変換(FFT)に基づくアルゴリズムを用いる)計算上効率のよい実装に適する、周期的な特性を示す複合シーケンス928を生成するために、加算ロジック925において、TDMパイロットシーケンス920と加算される。
【0095】
図9Bにおいて示される第二の実施形態930において、スクランブルコードが、ノードB送信器(又は、通信セル内の同様のネットワーク要素)により送信される全ての信号と関連づけられる場合には、例えばスクランブルロジック936を用いて、スクランブル機能が実装される。CDMパイロットシーケンス932は、スクランブルロジック936への入力である。同様のスクランブル機能は、TDMパイロットシーケンス934にも適用される。(スクランブルされたCDMパイロット及びスクランブルされたTDMパイロットにそれぞれ対応する)スクランブルロジック936からの二つの出力は、チャネル推定の改善及び(例えばFFTに基づくアルゴリズムを用いる)計算上効率のよい実装に適する周期的な特性を示す、複合シーケンス940を生成するために、加算ロジック938において加算される。
【0096】
図9Cに示される第三の実施形態950は、TDMパイロットシーケンスが、いくつかの成分のシーケンス断片954の組み合わせを用いて構成される点を除き、図9Bと同様である。断片954は、多重化ロジック956により単一の信号ストリームへと符号化され、多重化される。様々な多重化ロジックモジュール956が適用され、特定の環境に適するように用いられることができる。例えば、多重化ロジック956は、離散フーリエ変換(DFT)又は高速フーリエ変換(FFT)のような、周波数マルチプレクサで構成されることができる。さらに、多重化ロジック956は、図6において示されるのと同様に、チャネライゼーションコード拡散装置及びコードマルチプレクサで構成されることができる。一般に、TDMシーケンス断片954は、例えば複素指数(DFT/FFT実装の場合)又はチャネライゼーションコード(拡散及びコードマルチプレクサ実装の場合)のような、直交基底関数のセットの一つを変調するためにそれぞれ用いられることができる。従って、直交関数のあらゆるセットは、多重化ロジック956内で採用されることができる。(スクランブルされたCDMパイロット及びスクランブルされたTDMパイロットにそれぞれ対応する)スクランブルロジック952からの二つの出力は、チャネル推定の改善及び(例えばFFTに基づくアルゴリズムを用いる)計算上効率のよい実装に適する周期的な特性を示す、複合シーケンス962を生成するために、加算ロジック960において加算される。別の実施形態において、非直交関数の使用もまた可能であることも想定される。
【0097】
図9Dに示される第四の実施形態において、TDMパイロットシーケンス断片を組み合わせるために用いられる多重化ロジックが、一般に3GPP WCDMAでデータ伝送のために用いられるように、拡散及び符号多重化ロジック976を有する点を除いて、図9Cと同様である。したがって、TDMパイロットシンボルシーケンス断片974のセットを使用してTDMパイロットシーケンスを構成することにより、既存のCDMAデータ伝送のために用いられるのと同一の信号処理ステップを用いて、TDMパイロットシーケンスの生成が可能となる。この方法により、レガシーなCDMベースのハードウェア及びソフトウェア実装及びアーキテクチャにおけるTDMパイロットの導入の影響を減らすことができる。
【0098】
データ信号送信のステップは、図9において明確に示されていない。3GPP WCDMAにおいて知られる技術によると、信号のデータ部分は、図6に示されるように、OVSF(orthogonal variable spreading factor)を用いて、CDMパイロットとともに符号分割多重化されるよう、構成されることができる。データビットは、有限のシンボルのアルファベットの形をとることができる、データシンボルへと変調される。そのような変調方式はよく知られており、例えばBPSK、QPSK、8−PSK、16−QAM又は64−QAMを含む。信号のデータ部分は、図7から明らかなように、タイムスロットのTDMパイロット領域と重複しないタイムスロットの時間に、一般的に送信される。
【0099】
一般的に、別の実施形態において、TDMパイロットシーケンスは、OVSF(又は別の所定の)拡散符号を用いる構造に適合する必要はなく、変調シンボルの特定の有限のアルファベットに適合する必要もないことが予想される。
【0100】
しかしながら、いくつかの実施形態において、送信器のハードウェアに関して同一のデータ送信変調アーキテクチャと互換性を保てるよう、OVSF符号及び/又は有限のアルファベットからのシンボルを用いてTDMパイロットシーケンスを構成することが望ましい可能性がある。シンボルの有限のアルファベットの使用及びTDMパイロットシーケンスのための特定の構成方法の使用は、共通して量子化として知られる、様々な信号又はシーケンスの制約を意味する。
【0101】
当然のことながら、他の量子化方法が、TDMパイロットシーケンス又はそれに関連するシーケンス断片にも適用されることができる。それらは、例えば、任意(制約されない位相(unconstrained phase))の一定の振幅の信号構成、位相偏移変調(8−PSK、16−PSK、32−PSK)及び64−QAM又は256−QAMのような任意の直交振幅変調を含むことができることが想定される。
【0102】
受信器において、様々なチャネル推定及びデータ復元技術が採用されることができる。いくつかの実施形態において、CDMチャネル推定器要素かTDMチャネル推定器要素かいずれかが存在することができる。いくつかの実施形態において、CDM及びTDMチャネル推定器要素の両方が、チャネル推定の正確性及び品質を改善するため、組み合わせて用いられることができる。
【0103】
したがって、一つの実施形態において、CDMチャネル推定器要素は、(例えば、3GPP WCDMAシステムにおけるCPICHのような)CDMパイロットシーケンスの存在を探索するため、タイムスロットの間に受信された複合信号の構造を解析するよう構成されることができる。CDMチャネル推定器要素は、無線チャネルパラメータの最初の推定を生成することができる。
【0104】
TDMチャネル推定器要素は、TDMパイロットシーケンスのみの存在を探索するため、タイムスロットのTDMパイロット領域の間の受信された複合信号の構造を解析する。さらに、一つの実施形態において、TDMチャネル推定器要素は、同一の時間領域の間、複合シーケンスの存在を探索することができる。複合信号が周期的にプレフィックスが付される構造(cyclically−prefixed structure)を示すとき、図9において示されるように、計算上効率の良い構造が、有利に、無線チャネルパラメータの二つ目の推定を返すために採用されることができる。そのような計算上効率の良い方法は、例えば、TDMパイロット領域の間、受信された信号の周期的な構造に依存するDFT又はFFTの使用を含むことができる。
【0105】
さらなる実施形態において、データは、無線チャネルの最初又は二つ目の推定のみを用いて復元することができることも想定される。任意で、最初の推定は、組み合わされた推定を形成するために、二つ目の推定と組み合わされることができる。組み合わされた推定は、チャネル推定の質を改善することができ、無線リンクのパフォーマンスを改善することができる。
【0106】
図10を参照すると、組み合わされたパイロット信号伝送方式を採用するよう構成される、受信器アーキテクチャ1000の例が示されている。前記受信器アーキテクチャ1000の例は、複合受信信号1005を受信するよう構成されるロジックを含む。複合受信信号1005は、既に述べたように、少なくともTDMパイロット部分1010を有する。第一の複合受信信号1005は、CDMチャネル推定器1015への入力である。CDMチャネル推定器1015は、第一のチャネルパラメータの推定値1020を出力する。第二の複合受信信号1005は、別個のTDMチャネル推定器1025への入力である。TDMチャネル推定器1025は、第二のチャネルパラメータの推定値1030を出力する。受信器アーキテクチャ1000の例において示されるように,CDMに基づくチャネル推定値1020及び/又はTDM由来のチャネル推定値1030は、受信器内において、後続の信号処理において用いられることができる。
【0107】
例えば、図示されるように、CDM由来のチャネル推定値1020及び/又はTDM由来のチャネル推定値1030は、組み合わせロジック1035において組み合わされることができ、等化器及びデータ復元ロジック1045への入力となる。等化及びデータ復元ロジック1045は、受信されたタイムスロット1040のデータ部分から信号を受信し、復元された通信データ1050を出力する。このように、CDM由来のチャネル推定値1020及び/又はTDM由来のチャネル推定値1030は、当技術分野において知られておりここでさらなる説明はなされないが、等化及びデータ復元ロジック1045において配列される適切な等化構造を用いて、電波伝播チャネル内の時間分散のあらゆる効果に対抗するよう用いられることができる。
【0108】
さらなる例の実施形態において、CDMパイロットシーケンス及び/又はTDMパイロットシーケンスは、特に明確なチャネル推定段階を含むことなく、無線チャネル内の時間分散の効果に対抗する等化器構造を学習させるために用いられることができる。図11において、そのような適応等化器アーキテクチャ1100の例が示される。
【0109】
図11の適応等化器アーキテクチャ1100において示されるように、既知の送信されるパイロットシーケンス1105のローカルの複製は、適応等化器1120からの等化されたパイロット信号1140出力と比較される。適応等化器1120は、複合受信信号1125を受信する。受信されたパイロットは、パイロット逆多重化ロジック1115を用いて、複合の等化された出力から抽出される。ローカルの複製1105と等化されたパイロット1140との間で結果として得られるエラー1135は、後続の時間領域において使用するため、等化器構造内で用いられる係数1130を知的に調整するために用いられる。したがって、そのような適応等化器構造は、適応過程への入力として、TDMパイロット要素又はCDMパイロット要素(又はTDMパイロット及びCDMパイロットの両方の組み合わせ)もまた用いることができる。
【0110】
上で述べた本発明の実施形態は、望ましい周期的な特性を有する複合シーケンスを生成するために、どのように特別に設計されたTDMパイロットシーケンスが、CDMパイロット信号の周期的でない部分へ重ね合わせられることができるか示すものである。
【0111】
多くのTDMパイロットシーケンスが、この目標を達成するために用いられ得ることが想定される。しかしながら、とても短いシーケンス長以外のあらゆる場合において、探索するために可能性の有るシーケンスの数は、すぐに管理不能になる。例えば、可能性の有るTDMパイロットシーケンスの数が、たとえ最も単純であり得る(すなわち、バイナリ)シンボルアルファベットに抑制されても、探索するために可能性の有るシーケンスは2128=3.4x1038となる。バイナリでないシンボルアルファベットについては、可能性のあるシーケンスのセットの数が急激に増加する。
【0112】
既に述べたように、チャネル推定が相関を失わせるチャネル推定器を用いて行なわれるとき、低いNDFを保持するため、TDMパイロットの基本シーケンスは、相対的に平坦な周波数を有することも重要である。したがって、知的なシーケンス探索過程は、低いNDFの基準も満たす、可能性の有るシーケンスの潜在的にとても大きなセットからシーケンスを発見するために、有利に採用されることができる。
【0113】
図12を参照すると、本発明のいくつかの実施形態において採用されることのできる、シーケンス探索過程1200の例が示されている。例えば、シーケンス探索過程1200は、組み合わされるパイロット信号の周期的なプレフィックスの持続時間が、基本シーケンスの持続時間と等しくなるシナリオのために説明される。基本シーケンスの長さは、‘L’として示される(したがって、周期的なプレフィックスの持続時間の長さも‘L’と等しい)。
【0114】
探索過程1200は、反復プロセスである。図12を参照すると、Iiは、ランダムに望ましい平坦な周波数領域部分X(f)を構成することによって開始される。ここで、fは周波数の指標1…Lである(この値は低いNDFの要求を満たす)。‘平坦’の語は、周波数レンジのそれぞれのサブバンド内の信号の電力が近似的に等しいことを意味していることに留意する。逆フーリエ変換(例えば、IFFT)は、X(f)の平坦な周波数領域部分をもたらす、(長さLの)時間領域シーケンスx(t)を得るために、この望ましい出力X(f)に関して実行される。
【0115】
長さLの基本シーケンス及び長さLの周期的なプレフィックスを有する全体のパイロットシーケンスが周期的であるとき、全体のパイロット信号のための望ましい時間領域の信号は、x(t)のそれ自身との連結となる。
【0116】
これは、長さ2Lのスクランブルされた周期的でないCDMパイロット要素c(t)のため、二つの異なるスクランブルされた、長さがそれぞれLのCDMパイロットシーケンスc1(t)及びc2(t)の連結とみなされることができる。
【0117】
長さLの信号x(t)は、周期的でないスクランブルされたCDMパイロットシーケンスの最初の半分c(t)と、スクランブルされたTDMパイロットシーケンスの理想的な最初の半分z(t)の加算を含む。あるいは、周期的でないスクランブルされたCDMパイロットシーケンスの二つ目の半分c2(t)と、スクランブルされたTDMパイロットシーケンスの理想的な二つ目の半分z2(t)の同等の加算を含む。したがって、z(t)はx(t)-c(t)として得られ、z2(t)はx(t)-c2(t)として得られることができる。
【0118】
この例において、z1(t)及びz2(t)を二分するTDMパイロットシーケンスは、図9Dに示されるように、OVSFチャネライゼーションコードの変調され、スクランブルされたセットを用いてそれぞれ構成されるものと考える。図9Dに示されるように、それぞれのチャネライゼーションコードは、TDMシーケンス‘断片’を用いて変調される。TDMパイロットシーケンス断片を得るために、信号z1(t)及びz2(t)は、まず、それぞれの半分s1(t)及びs2(t)の送信器固有のスクランブルシーケンスによりスクランブルが解かれ、次に任意で、逆多重化ロジック装置を用いて、それらの成分の直交関数要素へと逆多重化される。二つの逆多重化ロジック装置の出力は、u番目の直交基底関数(u=1...U)のための、かつ、(信号の周期的なプレフィックス及び基本シーケンスの半分に対応する)それぞれ一つ目及び二つ目の信号の半分のための、wu,1及びwu,2を示す。それぞれ二つの分岐のために、u個の出力のセットは、次に、Qu,1及びQu,2を形成する、特定のシンボルアルファベットへと量子化される。
【0119】
一般に、逆多重化ロジック装置は、u個の直交関数のセットの個別の要素へそれぞれ整合されるフィルタの層として構成されることができる。図9Dに対応する例との関連において、逆多重化ロジック装置は、CDMAチャネライゼーションコード整合フィルタのセットを構成することができる。TDMパイロットシーケンスが、直交基底関数の組み合わせで構成されないとき、逆多重化段階は除外されることができる。
【0120】
後続のシンボル量子化段階は、反復による信号の破壊された(deconstruction)部分が完成する。二つの分岐のそれぞれのための信号は、それぞれ長さがLの、二つの再構成された時間領域の信号y1(t)及びy2(t)を得るため、同様の(ただし、逆数の)信号処理ステップにしたがって再構成されることができる。y1(t)及びy2(t)のDFTまたはFFTは、Y1(t)及びY2(t)を生成する、得られた信号の周波数領域部分を評価するために、取得される。例えば、偶数回の反復において、信号の(振幅を1にセットするとともに)角度Y1(t)が取得されることができ、次の反復のため、シードX(f)として用いられることができる。奇数回の反復において、例えば、信号の角度Y2(t)が取得されることができ、次の反復のため、シードX(f)として用いられることができる。
【0121】
この過程は、y1(t)及びy2(t)が同一(又は同様の)シーケンスに収束するまで繰り返されることができる。これが達成されたとき、長さが2Lの、y1(t)とy2(t)との連結により形成された全体の複合パイロットシーケンスは、近似的に周期的である(したがって、基本シーケンス要素及び周期的なプレフィックス要素は、共通のシーケンスで構成される)。この複合シーケンスは、周期的なプレフィックス要素及び基本シーケンス要素それぞれのために取得されたTDMパイロットシーケンス断片Qu,1(t)及びQu,2(t)を用いて形成される。Qu,1(t)及びQu,2(t)は一般に同一ではないが、それぞれのスクランブルシーケンス部分(s1(t)及びs2(t))でスクランブルされ、かつ、それぞれCDMパイロット部分c1(t)及びc2(t)とともに続いて組み合わされるとき、同様のシーケンスを形成する。信号y1(t)及びy2(t)は、名目上同一であることができ、その両方は、望ましい低いノイズ劣化特性(すなわち、相対的に‘平坦な’周波数領域部分を有する)を示すべきである。
【0122】
図13を参照すると、本発明の実施形態における信号処理機能を実装するために採用される一般的なコンピュータシステム1300が示されている。この種類のコンピュータシステムは、アクセスポイント及び無線通信装置において用いられることができる。関連する技術における当業者は、別のコンピュータシステム又はアーキテクチャを用いた本発明の実装方法も認識するだろう。コンピュータシステム1300は、例えば,デスクトップ、ラップトップ若しくはノートブックコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ(PDA、携帯電話、パームトップ等)、メインフレーム、サーバー、クライアント又は与えられたアプリケーション若しくは環境に望ましく、若しくは適切な、あらゆる他の種類の特別若しくは一般の目的のコンピュータ装置を表すことができる。コンピュータシステム1300は、プロセッサ1304のような一つ以上のプロセッサを有してもよい。プロセッサ1304は、例えばマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ又は他の制御ロジックのような一般又は特別な目的の処理エンジンを用いて実装されることができる。この例において、プロセッサ1304は、バス1302又は他の通信媒体へと接続されている。
【0123】
コンピュータシステム1300は、プロセッサ1304により実行されるべき情報又は命令を保管するための、RAM(random access memory)又は他の動的なメモリのようなメインメモリ1308も含んでもよい。メインメモリ1308は、プロセッサ1304により実行されるべき命令の実行中、一時的な変数又は他の中間情報を保管するためにも用いられることができる。コンピュータシステム1300は、同様に、プロセッサ1304のための静的な情報及び命令を保管するための、バス1302に連結されるROM(read only memory)又は他の静的記憶装置を有してもよい。
【0124】
コンピュータシステム1300は、例えば媒体ドライブ1312及びリムーバブル記憶インターフェース1320を含むことができる、情報記憶システム1310も有してもよい。媒体ドライブ1312は、ハードディスクドライブ、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、磁気テープドライブ、光学ディスクドライブ、CD(compact disc)若しくはDVD(digital video drive) R(recordable)若しくはRW(rewritable)又は他の取り外し可能若しくは固定の媒体ドライブのような、固定又は取り外し可能な記憶媒体をサポートするドライブ又は他のメカニズムを含んでもよい。記憶媒体1318は、媒体ドライブ1312によって読み書きされる、例えば、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気テープ、光学ディスク、CD若しくはDVD、又は他の固定若しくは取り外し可能な媒体を含んでも良い。それらの例が示されるように、記憶媒体1318は、特定のコンピュータソフトウェア又はデータを保管するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含むことができる。
【0125】
別の実施形態において、情報記憶システム1310は、コンピュータプログラム若しくは他の命令又はデータがコンピュータシステム1300へ読み込むことを可能にするため、別の同様の部品を含んでも良い。そのような部品は、ソフトウェア及びデータが取り外し可能な記憶装置1318からコンピュータシステム1300へ転送されることを可能とする、例えば、プログラムカートリッジ及びカートリッジインターフェース、取り外し可能なメモリ(例えば、フラッシュメモリ又は他の取り外し可能なメモリモジュール)及びメモリスロット、並びに他の取り外し可能な記憶装置1322及びインターフェース1320のような、取り外し可能な記憶装置1322及びインターフェース1320を含んでも良い。
【0126】
コンピュータシステム1300は、通信インターフェース1324も含むことができる。通信インターフェース1324は、ソフトウェア及びデータが、コンピュータシステム1300と外部デバイスとの間で転送されることを可能にするために用いられることができる。通信インターフェース1324の例は,モデム、(イーサネット(登録商標)又は他のNICカードのような)ネットワークインターフェース、(例えば、USB(universal serial bus)ポートのような)通信ポート、PCMCIAスロット及びカード等を含むことができる。通信インターフェース1324を通じて転送されるソフトウェア及びデータは、通信インターフェース1324によって受信される能力を有する、電気的、電磁気的及び光学的信号又は他の信号の方式である。それらの信号は、チャネル1328を通じて,通信インターフェース1324へ提供される。このチャネル1328は、信号を運ぶことができ、無線媒体、有線若しくはケーブル、光ファイバー又は他の通信媒体を用いて実装されることができる。チャネルのいくつかの例は、電話線、携帯電話リンク、RFリンク、ネットワークインターフェース、ローカル又はワイドエリアネットワーク、及び他の通信チャネルを含む。
【0127】
このドキュメントにおいて、‘コンピュータプログラム製品’、‘コンピュータ読み取り可能な媒体’及び同様の語は、一般に、例えばメモリ1308、記憶デバイス1318又は記憶装置1322のような媒体を参照するために用いられることがある。これら及び他のコンピュータ読み取り可能な媒体の形態は、プロセッサに特定の演算を実行させるため、プロセッサ1304により用いられる、一つ以上の命令を保管することができる。そのような命令は、一般に(コンピュータプログラムの形式において分類され得るか、あるいは別の分類がなされ得る)‘コンピュータプログラムコード’と呼ばれ、実行されるとき、コンピュータシステム1300が本発明の実施形態の機能を実行可能にする。ここで留意すべきは、そのコードは、直接プロセッサに特定の演算を実行させ、そのためにコンパイルがなされ、かつ/又は、そのために別のソフトウェア、ハードウェア及び/若しくはファームウェア要素(例えば、標準的な関数を実行するためのライブラリ)と組み合わせられることである。
【0128】
要素がソフトウェアを用いて実装されているとき、一つの実施形態において、ソフトウェアは、例えば、取り外し可能な記憶デバイス1322、ドライブ1312又は通信インターフェース1324を用いて,コンピュータ読み取り可能な媒体に保管されることができ、コンピュータシステム1300に読み込まれることができる。(この例においては、ソフトウェア命令又はコンピュータプログラムコード)制御ロジックは、プロセッサ1304により実行されるとき、プロセッサ1304にここで述べたような本発明の機能を実行させる。
【0129】
当然のことながら、明確にする目的のため、上の説明は、機能的に異なる装置及びプロセッサへの参照と共に、本発明の実施形態を説明している。しかしながら、例えばブロードキャストモードロジック又は管理ロジックに関して、機能的に異なる装置又はプロセッサの間の機能性のあらゆる適切な分配が、本発明を損なうことなく用いられることができることは明らかである。例えば、個別のプロセッサ又はコントローラにより実行されるべきであると示される機能は、同一のプロセッサ又はコントローラにより実行されても良い。したがって、特定の機能装置への参照は、厳密な論理的又は物理的な構造又は組織への示唆というよりむしろ、説明される機能性を提供するために適切な手段への参照として、みなされるに過ぎない。
【0130】
本発明の態様は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はそれらのあらゆる組み合わせを含む、あらゆる適切な形式により実装されることができる。本発明は、少なくとも部分的に、一つ以上のデータプロセッサ及び/又はデジタル信号プロセッサ上で実行されるコンピュータソフトウェアとして、任意に実装されることができる。したがって、本発明の実施形態の要素又は部品は、物理的、機能的及び論理的に、あらゆる敵綱方法において実装されることができる。実際に、機能性は、単一の装置、複数の装置、又は他の機能装置の一部として、実装されることができる。
【0131】
本発明は、いくつかの実施形態に関連して記載されているが、ここで説明する特定の形式に限定されることを意図しているものではない。より正確には、本発明の範囲は、添付されるクレームによってのみ制限される。さらに、機能が、特定の実施形態に関連して説明されるようにみえるが、当業者は、説明された実施形態の様々な機能が、本発明に従って組み合わせられることを理解するだろう。クレームにおいて、‘〜からなる’の語は、他の要素又はステップの存在を除くものではない。
【0132】
さらに、個々にリストされているものの、複数の手段、要素又は方法ステップは、例えば単一の装置又はプロセッサにより実装されることができる。さらに、個々の機能は、異なるクレームに含まれることがあるが、それらは有利に組み合わせることができる。さらに、異なるクレームの包含は、機能の組み合わせがふさわしいものではなく、かつ/又は有利でないことを意味するものではない。また、クレームの一つのカテゴリ内の機能の包含は、このカテゴリに対する制限を意味するものではなく、むしろ、機能は、適切に他のクレームカテゴリへ等しく適用できることを示している。
【0133】
さらに、クレーム内の機能の順序は、機能が実行されなければならない、いかなる特定の順序を意味するものではない。特に、方法クレームにおける個別のステップの順序は、ステップがこの順序で実行されなければならないことを示すものではない。より正確には、ステップは、いかなる適切な順序においても実行されることができる。さらに、単数の参照は、複数を除外するものではない。したがって、“一つの(a)”“一つの(an)”“第一の”“第二の”等への参照は、複数を除外するものではない。
【符号の説明】
【0134】
710 チャネライゼーション拡散コード
725 データ
730 TDMパイロット
735 CDMパイロット
740 周期的なプレフィックス要素
745 基本シーケンス要素
750 基本シーケンス要素の複製された部分
775 複合信号
1302 バス
1304 プロセッサ
1308 メモリ
1310 記憶デバイス
1312 媒体デバイス
1318 媒体
1320 記憶装置インタフェース
1322 記憶装置
1324 通信インターフェース
1328 チャネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイロットにより支援されるデータ通信の方法であって、前記方法は、無線ネットワーク要素において、:
通信の少なくとも一つのタイムスロット内の、指定の又は所定の時間領域の中で複合信号を生成する段階であって、
前記指定の又は所定の時間領域の中の前記複合信号は、周期的なプレフィックスが付される時間領域の構造を示すように、
前記指定の又は所定の時間領域にわたって周期的でない特性を示す第一パイロットシーケンス;及び
第二パイロットシーケンス;を有する、段階;並びに
前記少なくとも一つのタイムスロット内の、実質的に同一の指定の又は所定の時間領域の中で、前記第一パイロットシーケンス及び第二パイロットシーケンスの両方を送信する段階;
を有する方法。
【請求項2】
前記第一パイロットシーケンスは、符号分割多重化(CDM)によるパイロットシーケンスである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第一パイロットシーケンス及び第二パイロットシーケンスを送信する段階は、前記第二パイロットシーケンスに対して符号領域で直交するように、前記第一パイロットシーケンスを送信する段階を含む、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第一パイロットシーケンス及び第二パイロットシーケンスを送信する段階は、前記指定の又は所定の時間領域の中で重複する時間内に前記第一パイロットシーケンス及び前記第二パイロットシーケンスを送信する段階を含む、
請求項1ないし3いずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記複合信号を生成する段階は、前記指定の又は所定の時間領域の間に:
(i)前記第一パイロットシーケンス
(ii)前記第二パイロットシーケンス
(iii)前記複合信号
の少なくとも一つに関して周期的でないスクランブル演算を実行する段階を含む、
請求項1ないし4いずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記複合信号を生成する段階は、前記指定の又は所定の時間領域の第一プレフィックスセグメントの間、前記複合信号を生成する段階を有し、
前記第一パイロットシーケンス及び第二パイロットシーケンスの両方を送信する段階は、前記指定の又は所定の時間領域の第二基本セグメントの間、実質的に同一の複合信号を送信する段階を有する、
請求項1ないし5いずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第一プレフィックスセグメントを、前記第二基本セグメントからコピーする段階;
をさらに有する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記複合信号を生成する段階は、多重化される信号内で複数のパイロットシーケンス断片を用いて前記第二パイロットシーケンスを生成する段階を有する、
請求項1ないし7いずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記複数のパイロットシーケンス断片のそれぞれは、符号分割多重化される信号の少なくとも一つの符号を有する、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記複合信号は:
符号分割多元接続(CDMA)拡散;及び
符号多重化;
のグループのうち、少なくとも一つの演算を有する、
請求項1ないし9いずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記複合信号を生成する段階は:
有限のシンボルアルファベット;及び
一定の振幅シンボル;
のグループのうち、少なくとも一つを用いる変調段階を用いる段階を有する、
請求項1ないし10いずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第一及び第二パイロットシーケンスは、前記第一及び第二パイロットシーケンスを有する前記複合信号の離散周波数変換された表現が、それぞれ離散周波数において一定の振幅に近接するよう示される、
請求項1ないし11いずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記第一パイロットシーケンスは、3GPP(3rd generation partnership project) WCDMA(wideband code division multiple access) UMTS(universal mobile telecommunication standard)システムの共通のパイロットチャネルの一部である
請求項1ないし12いずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記指定の又は所定の時間領域の中で前記複合信号を送信する段階は、前記指定の又は所定の時間領域の第一プレフィックス時間セグメント及び第二基本時間セグメントの両方の間、実質的に同一の複合信号を送信する段階を含む、
請求項1ないし13いずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記複合信号を生成する段階は、
前記第一パイロットシーケンス又は前記第二パイロットシーケンスの一つのみを用いて共通のユーザーデータを復調することのできる無線通信装置が、前記少なくとも一つのタイムスロット内の前記他のパイロットシーケンスの存在によって不利な影響を受けないよう、
該タイムスロット内の、同一の前記指定の又は所定の時間領域の中で、前記第一パイロットシーケンス及び前記第二パイロットシーケンスを配列する段階を含む、
請求項1ないし14いずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記第二パイロットシーケンスとデータを時間多重する段階
をさらに有する、請求項1ないし15いずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
パイロットにより支援されるデータ通信のための実行可能なプログラムコードを有するコンピュータプログラムであって、前記実行可能なプログラムコードは、無線ネットワーク要素において:
通信の少なくとも一つのタイムスロットの、指定の又は所定の時間領域の間に複合信号を送信する段階であって、前記複合信号は:
前記指定の又は所定の時間領域にわたって周期的でない特性を示す第一パイロットシーケンス;及び
前記指定の又は所定の時間領域の中で、前記複合信号は、周期的なプレフィックスが付される時間領域の構造を示すような、第二パイロットシーケンス;
を有する、段階を動作可能であり、
前記第一パイロットシーケンス及び第二パイロットシーケンスは、前記少なくとも一つの中の、同一の前記指定の又は所定の時間領域において送信される
ことを特徴とする、コンピュータプログラム。
【請求項18】
パイロットにより支援されるデータ通信のための無線ネットワーク要素であって、前記無線ネットワーク要素は:
通信の少なくとも一つのタイムスロットの中の、指定の又は所定の時間領域の中で複合信号を生成するための信号処理モジュールであって、前記複合信号は:
前記指定の又は所定の時間領域にわたって周期的でない特性を示す第一パイロットシーケンス;及び
前記指定の又は所定の時間領域の中の前記複合信号は、周期的なプレフィックスが付された時間領域構造を示すような、第二パイロットシーケンス;
を有する、信号処理モジュール;並びに
前記信号処理モジュールに操作可能なように結合され、前記少なくとも一つのタイムスロットの中の、実質的に同一の指定の又は所定の時間領域の中の、前記第一パイロットシーケンス及び第二パイロットシーケンスを有する前記複合信号を送信するよう構成される送信器;
を有する、無線ネットワーク要素。
【請求項19】
パイロットにより支援されるデータ通信のための無線ネットワーク要素の集積回路であって、前記集積回路は:
通信の少なくとも一つのタイムスロットの、指定の又は所定の時間領域の中で複合信号を生成するための信号処理モジュールであって、前記複合信号は:
前記指定の又は所定の時間領域にわたって周期的でない特性を示す第一パイロットシーケンス;及び
前記指定の又は所定の時間領域の中の前記複合信号は、周期的なプレフィックスが付される時間領域の構造を示すような、第二パイロットシーケンス;
を有し、
前記第一パイロットシーケンス及び第二パイロットシーケンスは、一つ以上のタイムスロット内の、実質的に同一の指定の又は所定の時間領域の中で送信されることができる、信号処理モジュール
を有する、集積回路。
【請求項20】
無線通信装置であって、前記無線通信装置は:
無線ネットワーク要素から送信される信号を受信するよう構成される受信器であって、前記送信される信号は:
データ;
前記無線ネットワーク要素から送信されるとき、少なくとも一つのタイムスロット内の前記指定又は所定の領域にわたって周期的でない特性を示した第一パイロットシーケンス;及び
前記無線ネットワーク要素から送信されるとき、前記送信される信号は、指定の又は所定の時間領域の中で周期的なプレフィックスが付される時間領域の構造を示したような、第二パイロットシーケンス;
を有し、
前記第一パイロットシーケンス及び第二パイロットシーケンスは、前記タイムスロットの少なくとも一つの中の実質的に同一の指定の又は所定の時間領域の中に配置される、受信器;並びに
受信される前記第一パイロットシーケンス及び受信される前記第二パイロットシーケンスの少なくとも一つを用いて、前記送信されるデータを復元するよう構成される信号処理モジュール;
を有する、無線通信装置。
【請求項21】
前記信号処理モジュールは、前記受信された複合信号の周波数領域の処理により、前記送信されるデータを復元するよう構成される、
請求項20に記載の無線通信装置。
【請求項22】
パイロットにより支援されるデータ通信のための無線通信装置の集積回路であって、前記集積回路は:
無線ネットワーク要素から送信される信号を受信するよう構成される受信器であって、前記送信される信号は:
データ;
前記無線ネットワーク要素から送信されるとき、少なくとも一つのタイムスロット内の指定の又は所定の時間領域にわたって周期的でない特性を示した第一パイロットシーケンス;及び
無線ネットワーク要素から送信されるとき、前記送信される信号は、時間領域の中で周期的なプレフィックスが付される時間領域の構造を示したような、第二パイロットシーケンス;
を有し、
前記第一パイロットシーケンス及び第二パイロットシーケンスは、前記少なくとも一つのタイムスロットの少なくとも一つの中の実質的に同一の指定の又は所定の時間領域の中に配置される、受信器;並びに
受信される前記第一パイロットシーケンス及び受信される前記第二パイロットシーケンスの少なくとも一つを用いて、前記送信されるデータを復元するよう構成される信号処理モジュール;
を有する、集積回路。
【請求項23】
パイロットにより支援されるデータ通信の方法であって、前記方法は、無線通信装置において:
無線ネットワーク要素から送信される信号を受信する段階であって、前記送信される信号は:
データ;
無線ネットワーク要素から送信されるとき、一つ以上のタイムスロットの指定又は所定の領域にわたって周期的でない特性を示した第一パイロットシーケンス;及び
無線ネットワーク要素から送信されるとき、前記送信される信号は、前記指定の又は所定の時間領域の中の周期的なプレフィックスが付される時間領域の構造を示したような、第二パイロットシーケンス;
を有し、
前記第一パイロットシーケンス及び第二パイロットシーケンスは、前記少なくとも一つのタイムスロットの中の、実質的に同一の指定の又は所定の時間領域の中に配置される、段階;並びに
受信される前記第一パイロットシーケンス及び受信される前記第二パイロットシーケンスの少なくとも一つを用いて、前記送信されるデータを復元する段階;
を有する方法。
【請求項24】
パイロットにより支援されるデータ通信のための実行可能なプログラムコードを有するコンピュータプログラムであって、前記実行可能なプログラムコードは、無線ネットワーク装置において:
無線ネットワーク要素から送信される信号を受信する段階であって、前記送信される信号は:
データ;
前記無線ネットワーク要素から送信されるとき、一つ以上のタイムスロットの、指定又は所定の領域にわたって周期的でない特性を示した第一パイロットシーケンス;及び
前記無線ネットワーク要素から送信されるとき、前記送信される信号は、指定の又は所定の時間領域の中で周期的なプレフィックスが付される時間領域の構造を示したような、第二パイロットシーケンス;
を有し、
前記第一パイロットシーケンス及び第二パイロットシーケンスは、前記少なくとも一つのタイムスロットの中の実質的に同一の指定の又は所定の時間領域の中に配置される、段階;並びに
受信される前記第一パイロットシーケンス及び受信される前記第二パイロットシーケンスの少なくとも一つを用いて、前記送信されるデータを復元する段階;
を動作可能である、コンピュータプログラム。
【請求項25】
一対多のデータ通信システムにおいてパイロットにより支援されるデータ通信の方法であって、前記方法は、ネットワーク要素において:
無線通信装置への送信のための信号を生成する段階であって、前記信号のタイムスロットは:
共通するユーザーデータを伝達するデータの時間符号(time−code)リソース部分;
第一基準信号を伝達する第一パイロットの時間符号リソース部分;及び
第二基準信号を伝達する第二パイロットの時間符号リソース部分;
を有する、段階;
前記タイムスロット内の互いに排他的な時間領域の間に送信されるべき前記データの時間符号リソース部分及び前記第二パイロットの時間符号リソース部分を配列する段階;
前記データの時間符号リソース部分及び前記第二パイロットの時間符号リソース部分の両方と重複する時間領域にわたって送信されるべき前記第一パイロットの時間符号リソース部分を配列する段階;並びに
前記無線通信装置へ前記信号を送信する段階;
を有する、方法。
【請求項26】
前記データの時間符号リソース部分及び前記第一パイロットの時間符号リソース部分に対して、符号領域で直交するよう、前記第二パイロットの時間符号リソース部分を配列する段階;
をさらに有する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第一パイロットの時間符号リソース部分は、符号分割多重化(CDM)によるパイロットの時間符号リソース部分である、
請求項25又は請求項26に記載の方法。
【請求項28】
(i)前記第一パイロットの時間符号リソース部分
(ii)前記第二パイロットの時間符号リソース部分
(iii)前記複合信号
のうち少なくとも一つに関する前記タイムスロット内で、周期的でないスクランブル演算を実行する段階;
をさらに有する、請求項25ないし27いずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記信号を生成する段階は、指定の又は所定の時間領域の、第一プレフィックスセグメント及び第二基本セグメントの両方の間に、前記信号を生成する段階を有する、
請求項25ないし28いずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記第二基本セグメントから前記第一プレフィックスセグメントをコピーする段階;
をさらに有する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記信号を生成する段階は、多重化される信号の中の複数のパイロットの時間符号リソース部分を用いて、前記第二パイロットの時間符号リソース部分を生成する段階を有する、
請求項25ないし30いずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記のパイロットの時間符号リソース部分の断片のそれぞれは、符号分割多重化による信号の少なくとも一つの符号を含む、
請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記信号を生成する段階は:
符号分割多元接続(CDMA)拡散;及び
符号多重化;
のグループのうち、少なくとも一つの操作を有する、
請求項25ないし32いずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記信号を生成する段階は:
有限のシンボルアルファベット;及び
一定の振幅のシンボル;
のグループのうち、少なくとも一つを用いる変調段階を用いる段階を有する、
請求項25ないし33いずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記第一及び第二パイロットシーケンスは、前記第一及び第二パイロットシーケンスを有する前記複合信号の離散周波数変換された表現が、それぞれ離散周波数において一定の振幅に近接するよう示される、
請求項25ないし34いずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記第一パイロットの時間符号リソース部分は、3GPP(3rd generation partnership project) WCDMA(wideband code division multiple access) UMTS(universal mobile telecommunication standard)システムの、共通のパイロットチャネルの一部である
請求項25ないし35いずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記信号を送信する段階は、指定の又は所定の時間領域の第一プレフィックス時間セグメント及び第二基本時間セグメントの両方の間、実質的に同一の信号を送信する段階を含む、
請求項25ないし36いずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記信号を生成する段階は、
前記第一パイロットシーケンス又は前記第二パイロットシーケンスの一つのみを用いて、共通のユーザーデータを復調することのできる無線通信装置が、前記タイムスロット内の前記他のパイロットシーケンスの存在によって不利な影響を受けないよう、
前記の少なくとも一つのタイムスロット内の、同一の指定の又は所定の時間領域の中で、前記第一パイロットの時間符号リソース部分及び前記第二パイロットの時間符号リソース部分を配列する段階を含む、
請求項25ないし37いずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
一対多のデータ通信システムにおいてパイロットにより支援されるデータ通信のためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムであって、
前記プログラムコードを有するコンピュータプログラムは、ネットワーク要素において:
無線通信装置への送信のための信号を生成する段階であって、前記信号のタイムスロットは:
共通するユーザーデータを伝達するデータの時間符号(time−code)リソース部分;
第一基準信号を伝達する第一パイロットの時間符号リソース部分;及び
第二基準信号を伝達する第二パイロットの時間符号リソース部分;
を有する、段階;
前記タイムスロット内の互いに排他的な時間領域の間に送信されるべき前記データの時間符号リソース部分及び前記第二パイロットの時間符号リソース部分を配列する段階;
前記データの時間符号リソース部分及び前記第二パイロットの時間符号リソース部分の両方と重複する時間領域にわたって送信されるべき前記第一パイロットの時間符号リソース部分を配列する段階;並びに
前記無線通信装置へ前記信号を送信する段階;
を実行可能であるコンピュータプログラム。
【請求項40】
一対多のデータ通信システムにおいてパイロットにより支援されるデータ通信のための無線ネットワーク要素であって、前記無線ネットワーク要素は、
無線通信装置への送信のための信号を生成するための信号処理モジュールであって、前記信号のタイムスロットは:
共通するユーザーデータを伝達するデータの時間符号(time−code)リソース部分;
第一基準信号を伝達する第一パイロットの時間符号リソース部分;及び
第二基準信号を伝達する第二パイロットの時間符号リソース部分;
を有する、信号処理モジュール
を有し、
前記信号処理モジュールは、前記タイムスロット内の相互に排他的な時間領域の間に送信されるべき、前記データの時間符号リソース部分及び前記第二パイロットの時間符号リソース部分を予約するようさらに構成され、さらに、前記データの時間符号リソース部分及び前記第二パイロットの時間符号リソース部分の両方と重複する時間領域にわたって送信されるべき、前記第一パイロットの時間領域リソース部分を予約するようさらに構成され、
前記ネットワーク要素は、前記信号処理モジュールと操作可能なように結合され、さらに前記無線通信装置へ前記信号を送信するよう構成される送信器をさらに有する
ことを特徴とする、無線ネットワーク要素。
【請求項41】
一対多のデータ通信システムにおいてパイロットにより支援されるデータ通信のための無線ネットワーク要素の集積回路であって、前記集積回路は:
無線通信装置への送信のための信号を生成するための信号処理モジュールであって、前記信号のタイムスロットは:
共通するユーザーデータを伝達するデータの時間符号(time−code)リソース部分;
第一基準信号を伝達する第一パイロットの時間符号リソース部分;及び
第二基準信号を伝達する第二パイロットの時間符号リソース部分;
を有する、信号処理モジュール
を有し、
前記信号処理モジュールは、前記タイムスロット内の相互に排他的な時間領域の間に送信されるべき、前記データの時間符号リソース部分及び前記第二パイロットの時間符号リソース部分を予約するようさらに構成され、さらに、前記データの時間符号リソース部分及び前記第二パイロットの時間符号リソース部分の両方と重複する時間領域にわたって送信されるべき、前記第一パイロットの時間領域リソース部分を予約するようさらに構成される
ことを特徴とする、集積回路。
【請求項42】
一対多のデータ通信システムにおいてパイロットにより支援されるデータ通信の方法であって、前記方法は、無線通信装置において:
無線ネットワーク要素から信号を受信する段階;並びに
共通するユーザーデータを伝達するデータの時間符号(time−code)リソース部分;
第一基準信号を伝達する第一パイロットの時間符号リソース部分;及び
第二基準信号を伝達する第二パイロットの時間符号リソース部分;
を識別するために前記信号のタイムスロットを処理する段階;
を有し、
前記データの時間符号リソース部分及び前記第二パイロットの時間符号リソース部分は、前記タイムスロット内の相互に排他的な時間領域の間に受信され、さらに前記第一パイロットの時間符号リソース部分は、前記データの時間符号リソース部分及び前記第二パイロットの時間符号リソース部分の両方と重複する時間領域にわたって受信される
ことを特徴とする、方法。
【請求項43】
前記タイムスロットを処理する段階は、受信された前記第一基準信号の処理又は受信された第二基準信号の処理の少なくとも部分を用いて、前記共通するユーザーデータを復調する段階を有する、
請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記データの時間符号リソース部分に関し、前記第一パイロットは、符号分割多重(CDM)によるパイロットであり、かつ、前記第二パイロットは、時分割多重(TDM)によるパイロットである、
請求項42又は43に記載の方法。
【請求項45】
前記TDMによるパイロットを、前記CDMによるパイロットに対して符号が直交するよう配列する段階;
をさらに有する、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
一対多のデータ通信システムにおいてパイロットにより支援されるデータ通信のためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムであって、
前記プログラムコードを有するコンピュータプログラムは、無線通信装置において:
無線ネットワーク要素から信号を受信する段階;並びに
共通するユーザーデータを伝達するデータの時間符号(time−code)リソース部分;
第一基準信号を伝達する第一パイロットの時間符号リソース部分;及び
第二基準信号を伝達する第二パイロットの時間符号リソース部分;
を識別するために前記信号のタイムスロットを処理する段階;
を実行可能であり、
前記データの時間符号リソース部分及び前記第二パイロットの時間符号リソース部分は、前記タイムスロット内の相互に排他的な時間領域の間に受信され、さらに前記第一パイロットの時間符号リソース部分は、前記データの時間符号リソース部分及び前記第二パイロットの時間符号リソース部分の両方と重複する時間領域にわたって受信される
ことを特徴とする、コンピュータプログラム。
【請求項47】
一対多のデータ通信システムにおいてパイロットにより支援されるデータ通信のための無線通信装置であって、前記無線通信装置は:
無線ネットワーク要素から信号を受信する受信器;並びに
前記受信器に操作可能なように結合され、
共通するユーザーデータを伝達するデータの時間符号(time−code)リソース部分;
第一基準信号を伝達する第一パイロットの時間符号リソース部分;及び
第二基準信号を伝達する第二パイロットの時間符号リソース部分;
を識別するために前記信号のタイムスロットを処理する信号処理モジュール;
を有し、
前記データの時間符号リソース部分及び前記第二パイロットの時間符号リソース部分は、前記タイムスロット内の相互に排他的な時間領域の間に受信され、さらに前記第一パイロットの時間符号リソース部分は、前記データの時間符号リソース部分及び前記第二パイロットの時間符号リソース部分の両方と重複する時間領域にわたって受信される
ことを特徴とする、無線通信装置。
【請求項48】
一対多のデータ通信システムにおいてパイロットにより支援されるデータ通信のための無線通信装置の集積回路であって、前記集積回路は:
無線ネットワーク要素から信号を受信する受信器;並びに
前記受信器に操作可能なように結合され、
共通するユーザーデータを伝達するデータの時間符号(time−code)リソース部分;
第一基準信号を伝達する第一パイロットの時間符号リソース部分;及び
第二基準信号を伝達する第二パイロットの時間符号リソース部分;
を識別するために前記信号のタイムスロットを処理する信号処理モジュール;
を有し、
前記データの時間符号リソース部分及び前記第二パイロットの時間符号リソース部分は、前記タイムスロット内の相互に排他的な時間領域の間に受信され、さらに前記第一パイロットの時間符号リソース部分は、前記データの時間符号リソース部分及び前記第二パイロットの時間符号リソース部分の両方と重複する時間領域にわたって受信される
ことを特徴とする、集積回路。
【請求項49】
通信システムの無線フレームの中でパイロットにより支援されるデータ通信の方法であって、前記方法は、無線ネットワーク要素において:
前記無線フレームの複数のタイムスロットにわたる送信のための第一パイロット信号及び第二パイロット信号を生成する段階であって、前記第一パイロット信号は、前記無線フレームの複数のタイムスロット期間内で実質的に同一である、段階;
前記無線フレームの少なくとも一つのタイムスロットのタイムスロット番号に従って、該タイムスロット内で前記第二パイロット信号を変える段階;
前記第一パイロット信号及び第二パイロット信号の重ねあわせを通じて形成される前記無線フレームのための複合パイロット信号を生成する段階;及び
前記複合パイロット信号を無線フレーム長と等しい時間のスクランブルコードによりスクランブルする段階;
を有する方法。
【請求項50】
前記第二パイロット信号を変える段階は、前記少なくとも一つのタイムスロットのタイムスロット番号並びに
通信セル識別;及び
スクランブルコード
のグループのうち少なくとも一つに従って前記第二パイロット信号を変える段階を有する、
請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記複合パイロット信号を生成する段階は、通信セル識別に従って複数の無線フレーム長で予めスクランブルされる複合信号を多重化する段階を有する、
請求項49又は50に記載の方法。
【請求項52】
前記第一パイロット信号及び第二パイロット信号を生成する段階は、第一拡散パイロット信号及び第二拡散パイロット信号を生成するために、少なくとも一つの符号分割多元接続(CDMA)の符号を用いて拡散の演算を実行する段階を含む、
請求項49ないし51いずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
データ信号及び前記第一パイロット信号の両方に対して符号領域で直交であるよう前記第二パイロット信号を配列する段階;
をさらに有する、請求項49ないし52いずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記第一パイロット信号は、符号分割多重化(CDM)によるパイロットの時間符号リソース部分である、
請求項49ないし53いずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
重複する時間領域内に前記第一パイロット信号及び前記第二パイロット信号を送信する段階;
をさらに有する、請求項49ないし54いずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記第一パイロット信号及び/又は前記第二パイロット信号に関する前記無線フレームの少なくとも一つのスロット内で周期的でないスクランブル演算を実行する段階;
をさらに有する、請求項49ないし55いずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記複合信号を生成する段階は、指定の又は所定の時間領域の第一プレフィックスセグメント及び第二基本セグメントの両方の間に前記複合信号を生成する段階を有する、
請求項49ないし56いずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記第二基本セグメントから前記第一プレフィックスセグメントをコピーする段階;
をさらに含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記複合信号を生成する段階は、多重化される信号の中の多数の拡散パイロット信号の断片を用いて前記第二パイロット信号を生成する段階を有する、
請求項49ないし58いずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記複数の拡散パイロット信号の断片のそれぞれは、符号分割多重化による信号の少なくとも一つの符号を含む、
請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記複合信号は:
符号分割多元接続(CDMA)拡散;及び
符号多重化;
のグループのうち、少なくとも一つの演算を含む、
請求項49ないし60いずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
前記複合信号を生成する段階は:
有限のシンボルアルファベット;及び
一定の振幅のシンボル;
のグループのうち、少なくとも一つを用いて変調する段階を有する、
請求項49ないし61いずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
前記第一パイロット信号は、3GPP(3rd generation partnership project) WCDMA(wideband code division multiple access) UMTS(universal mobile telecommunication standard)システムの共通のパイロットチャネルの一部である
請求項49ないし62いずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
指定の又は所定の時間領域の第一プレフィックス時間セグメント及び第二基本時間セグメントの両方の間、前記複合信号を送信する段階;
をさらに含む、請求項49ないし63いずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記複合信号を生成する段階は、
前記第一パイロット信号又は前記第二パイロット信号の一つのみを用いて共通するユーザーデータを復調することのできる無線通信装置が、前記タイムスロット内の前記他のパイロット信号の存在によって不利な影響を受けないよう、
少なくとも一つのタイムスロット内の、同一の指定の又は所定の時間領域の中で、前記第一パイロット信号及び前記第二パイロットシーケンスを配列する段階を含む、
請求項49ないし64いずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
パイロットにより支援されるデータ通信のためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムであって、
前記プログラムコードを有するコンピュータプログラムは、無線ネットワーク要素において:
前記無線フレームの複数のタイムスロットにわたる送信のための第一パイロット信号及び第二パイロット信号を生成する段階であって、前記第一パイロット信号は、前記無線フレームの複数のタイムスロット期間内で実質的に同一である、段階;
前記無線フレームの少なくとも一つのタイムスロットのタイムスロット番号に従って、該タイムスロット内で前記第二パイロット信号を変える段階;
前記第一パイロット信号及び第二パイロット信号の重ねあわせを通じて形成される前記無線フレームのための複合パイロット信号を生成する段階;及び
前記複合パイロット信号を無線フレーム長と等しい時間のスクランブルコードによりスクランブルする段階;
を実行可能であるコンピュータプログラム。
【請求項67】
パイロットにより支援されるデータ通信のための無線ネットワーク要素であって、
前記無線フレームの複数のタイムスロットにわたる送信のための第一パイロット信号及び第二パイロット信号を生成し、前記第一パイロット信号は、前記無線フレームの複数のタイムスロット期間内で実質的に同一であり;
前記無線フレームの少なくとも一つのタイムスロットのタイムスロット番号に従って、該タイムスロット内で前記第二パイロット信号を変え;
前記第一パイロット信号及び第二パイロット信号の重ねあわせを通じて形成される前記無線フレームのための複合パイロット信号を生成し;さらに
前記複合パイロット信号を無線フレーム長と等しい時間のスクランブルコードによりスクランブルする;
よう構成される、信号処理モジュール
を有する、無線ネットワーク要素。
【請求項68】
パイロットにより支援されるデータ通信のための無線ネットワーク要素の集積回路であって、前記集積回路は:
前記無線フレームの複数のタイムスロットにわたる送信のための第一パイロット信号及び第二パイロット信号を生成し、前記第一パイロット信号は、前記無線フレームの複数のタイムスロット期間内で実質的に同一であり;
前記無線フレームの少なくとも一つのタイムスロットのタイムスロット番号に従って、該タイムスロット内で前記第二パイロット信号を変え;
前記第一パイロット信号及び第二パイロット信号の重ねあわせを通じて形成される前記無線フレームのための複合パイロット信号を生成し;さらに
前記複合パイロット信号を無線フレーム長と等しい時間のスクランブルコードによりスクランブルする;
よう構成される、信号処理モジュール
を有する、集積回路。
【請求項69】
無線通信装置であって、前記無線通信装置は:
無線ネットワーク要素から無線フレームを有する複合信号を受信するよう構成される受信器であって、前記無線フレームのための前記複合パイロット信号は、第一パイロット信号及び第二パイロット信号の重ね合わせを通じて形成される、受信器;並びに
前記受信器に操作可能なように結合される信号処理モジュールであって、
無線フレーム長と等しい時間のスクランブルコードにより前記複合パイロット信号のスクランブルを解き;
前記のスクランブルが解かれた複合信号を処理し、前記処理されたスクランブルが解かれた無線フレームから:
ユーザーデータを伝達するデータシンボルシーケンス;
前記第一パイロット信号;及び
前記第二パイロット信号;
を識別するよう構成される、信号処理モジュール;
を有し、
前記第一パイロット信号は、前記無線フレームの複数のタイムスロットの期間内で実質的に同一であり;さらに
前記第二パイロット信号は、前記無線フレームの少なくとも一つのタイムスロットのタイムスロット番号に従って、該タイムスロットの中で変えられる
ことを特徴とする、無線通信装置。
【請求項70】
無線通信装置の集積回路であって、前記集積回路は:
無線ネットワーク要素から無線フレームを有する複合信号を受信するよう構成される受信器であって、前記無線フレームのための前記複合パイロット信号は、第一パイロット信号及び第二パイロット信号の重ね合わせを通じて形成される、受信器;並びに
前記受信器に操作可能なように結合される信号処理モジュールであって、
無線フレーム長と等しい時間のスクランブルコードにより前記複合パイロット信号のスクランブルを解き;
前記のスクランブルが解かれた複合信号を処理し、前記処理されたスクランブルが解かれた無線フレームから:
ユーザーデータを伝達するデータシンボルシーケンス;
前記第一パイロット信号;及び
前記第二パイロット信号;
を識別するよう構成される、信号処理モジュール
を有し、
前記第一パイロット信号は、前記無線フレームの複数のタイムスロットの期間内で実質的に同一であり;さらに
前記第二パイロット信号は、前記無線フレームの少なくとも一つのタイムスロットのタイムスロット番号に従って、該タイムスロットの中で変えられる
ことを特徴とする、集積回路。
【請求項71】
パイロットにより支援されるデータ通信のための方法であって、前記方法は、無線通信装置において:
無線ネットワーク要素から無線フレームを有する複合信号を受信する段階であって、前記無線フレームのための前記複合パイロット信号は、第一パイロット信号及び第二パイロット信号の重ね合わせを通じて形成される、段階;
無線フレーム長と等しい時間のスクランブルコードにより前記複合パイロット信号のスクランブルを解く段階;並びに
前記のスクランブルが解かれた複合信号を処理し、前記処理されたスクランブルが解かれた無線フレームから:
ユーザーデータを伝達するデータシンボルシーケンス;
前記第一パイロット信号;及び
前記第二パイロット信号;
を識別する段階;
を有し、
前記第一パイロット信号は、前記無線フレームの複数のタイムスロットの期間内で実質的に同一であり;さらに
前記第二パイロット信号は、前記無線フレームの少なくとも一つのタイムスロットのタイムスロット番号に従って、該タイムスロットの中で変えられる
ことを特徴とする、方法。
【請求項72】
パイロットにより支援されるデータ通信のためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムであって、
前記プログラムコードを有するコンピュータプログラムは、無線通信装置において:
無線ネットワーク要素から無線フレームを有する複合信号を受信する段階であって、前記無線フレームのための前記複合パイロット信号は、第一パイロット信号及び第二パイロット信号の重ね合わせを通じて形成される、段階;
無線フレーム長と等しい時間のスクランブルコードにより前記複合パイロット信号のスクランブルを解く段階;並びに
前記のスクランブルが解かれた複合信号を処理し、前記処理されたスクランブルが解かれた無線フレームから:
ユーザーデータを伝達するデータシンボルシーケンス;
前記第一パイロット信号;及び
前記第二パイロット信号;
を識別する段階;
を実行可能であり、
前記第一パイロット信号は、前記無線フレームの複数のタイムスロットの期間内で実質的に同一であり;さらに
前記第二パイロット信号は、前記無線フレームの少なくとも一つのタイムスロットのタイムスロット番号に従って、該タイムスロットの中で変えられる
ことを特徴とする、コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2012−510224(P2012−510224A)
【公表日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−537894(P2011−537894)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【国際出願番号】PCT/EP2009/008474
【国際公開番号】WO2010/060640
【国際公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(502106716)アイピーワイヤレス,インコーポレイテッド (73)
【Fターム(参考)】