説明

パイロット式流量調節弁装置

【課題】パイロット弁とパイロット弁座との間を水密にシールするためのシール部材が、パイロット弁の移動に伴って環状の保持溝内で軸方向に相対移動することで流調特性が悪化する問題を解決することのできるパイロット式流量調節弁装置を提供する。
【解決手段】 主弁38と、背圧室48と、パイロット流路52と、パイロット弁座142と、パイロット弁60と、を有し、パイロット弁60が閉弁状態でパイロット弁座142に対して、保持溝130の内部に保持したシール部材144を介して水密に嵌合し、パイロット流路52を閉鎖する流量調節弁装置において、保持溝130の内部には、溝側面130A,130Bの少なくとも一方からシール部材144に向けて突出しシール部材144を押圧する凸形状のシール押え132を設けておく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はパイロット弁の進退移動に追従して主弁を同方向に移動させ、主弁を開閉及び開度変化させて流量調節するパイロット式流量調節弁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、(a)主流路上に設けられた主弁と、(b)主弁に対して内部の圧力を閉弁方向の押圧力として作用させる背圧室と、(c)主流路における主弁の1次側流路の水を背圧室に導入して圧力上昇させる導入小孔と、(d)主弁をその進退方向に貫通した貫通孔と、(e)貫通孔の内周に沿って形成された、上記背圧室の水を主流路における主弁の2次側流路に抜いて背圧室の圧力を減少させるパイロット流路と、(f)主弁の上記貫通孔周りに設けられたパイロット弁座と、(g)パイロット弁座に対してパイロット流路の開度を増減させる方向に進退移動して、主弁を追従して同方向に移動させるパイロット弁と、を有し、パイロット弁が閉弁状態でパイロット弁座に対して、パイロット弁座の内周に沿って形成した環状の保持溝の内部に保持した、弾性を有するリング状のシール部材を介して水密に嵌合してパイロット流路を閉鎖するパイロット式の流量調節弁装置(以下単に流調弁装置とすることがある)が公知である。
例えば下記特許文献1にこの種の流調弁装置が開示されている。
【0003】
図12はその具体例を示している。
同図において、200は主流路202上に設けられた主弁で、204は背圧室である。背圧室204は、内部の圧力を主弁200に対し閉弁方向の押圧力として作用させる。
206は主弁200を貫通して設けられた導入小孔で、この導入小孔206は、主流路202における主弁200の1次側流路の水を背圧室204に導入して背圧室204の圧力を上昇させる。
【0004】
208は、主弁200の中心部の貫通孔の内周に沿って形成された水抜路としてのパイロット流路で、このパイロット流路208は、背圧室204の水を主弁200の2次側流路に抜いて背圧室204の圧力を減少させる。
【0005】
210は主弁200の貫通孔周りに設けられたパイロット弁座で、そこに弾性を有するリング状のシール部材(ここではOリング)212が保持されている。
ここでシール部材212は、パイロット弁座210の内周に沿って形成された環状の保持溝214内部に保持されている。
【0006】
216は、操作軸218の上端側に一体に構成されたパイロット弁で軸状をなしている。
パイロット弁216は、パイロット弁座210に対してパイロット流路208の開度を増減させる方向に図中上下方向に進退移動し、主弁200を追従して同方向に移動させる。
この流調弁装置にあっては、パイロット弁216が閉弁状態でパイロット弁座210に対しシール部材212を介し水密に弾性嵌合してパイロット流路208を閉鎖する。
【0007】
この種のパイロット式流調弁装置では、主弁200がパイロット弁216との間に一定の微小な追従間隙を保ちながら、パイロット弁216の移動に追従して同方向に進退移動する。
【0008】
図13はこれを模式的に表したもので、図13(III)のdはその一定の追従間隙を示している。
この流調弁装置では、(III)に示す状態からパイロット弁216が上向きに後退移動すると、主弁200が背圧室204と1次側流路の圧力とをバランスさせるようにして、一定の追従間隙dを保持しつつパイロット弁216の移動に追従して移動し、主流路202を開いてそこに水を流通させ、またパイロット弁216の移動量に応じてその開度を変化させて、主流路202を流通する水の流量を変化させる。
【0009】
但し図13(I)に示しているように主弁200が閉弁し、またパイロット弁216が閉弁した状態からパイロット弁216が開弁したとき、パイロット弁216と主弁200との間、詳しくはパイロット弁座210に保持されたシール部材212との間の間隙が上記の一定の追従間隙dに達するまでの間は、パイロット弁216が開弁しても主弁200は開弁せず、このとき背圧室204の水がパイロット流路208を通じて2次側流路にブリード流として流れる。
【0010】
そしてパイロット弁216とパイロット弁座210のシール部材212との間の間隙が上記の追従間隙dに達し、更にパイロット弁216が図中上向きに後退移動するに到って、そこで初めて主弁200がパイロット弁216に追従して図中上向きに開弁動作する。
そしてこの主弁200の開弁によって、そこで初めて主流路202に水の流れが生じる。即ち本流が生じる。
【0011】
図14はそれらの関係を模式的に表している。
図中横軸はパイロット弁216の移動量を、縦軸は流量を表し、またXはブリード流を、Yは本流をそれぞれ表している。
更にPはパイロット弁216が開弁開始する位置、詳しくはシール部材212から離れ始める位置を表し、Pはブリード流Xから本流Yに切り替るときのパイロット弁216の位置、即ち上記の追従間隙dを生ずるに到ったときのパイロット弁216の位置を表している。
【0012】
ところで、上記の環状の保持溝214の内部にシール部材212を収容し、保持するに際して、保持溝214の内部空間に占めるシール部材212の体積比率(充填率)には定めがあり、これを一定以下に抑えることが求められている。
その理由は、シール部材212は温度上昇や膨潤等によって体積膨張することがあり、その体積膨張によって保持溝214の空間が埋められると、シール部材212に過度の歪みが加わり、耐久性低下、シール性能の低下に繋がるからである。
【0013】
従って保持溝214の内部には余剰空間が生じており、またシール部材212はパイロット弁216と保持溝214の溝底面とによって径方向に弾性圧縮されていることから、パイロット弁216が図13において軸方向に移動したときに、シール部材212がパイロット弁216との間の摩擦力等によって、パイロット弁216の移動に連れて保持溝214の内部を相対移動してしまい(パイロット弁216に対する滑りを伴い或いは伴わずに)、このことが流調弁装置における流調特性に影響を与える問題のあることが判明した。
【0014】
例えばパイロット弁216が、図13(I)に示す閉弁状態から図中上向き(開弁方向)に移動したとき、シール部材212がパイロット弁216の移動に連いて来て、保持溝214の内部を図中上向きに相対移動してしまう。
【0015】
パイロット弁216の移動に連れて保持溝214の内部を相対移動したシール部材212は、図13(II)に示しているように図中上側の溝側面に当るとそこで移動阻止されるため、そこから更にパイロット弁216が図中上向きに後退移動することで、そこで初めてパイロット弁216とシール部材212との間に間隙が生じる。
そしてその間隙が上記の一定の追従間隙dに達し、そこから更にパイロット弁216が上向きに移動した時点で、図14のブリードXから本流Yへと流れが切り替る。
【0016】
シール部材212がこのような動きを生じた場合、主弁200が開弁開始して本流Yに切り替るまでのパイロット弁216の移動量(リフト量)が、シール部材212の移動量Δx分余剰となり、その結果本流Yに切り替るまでの時間、即ち実質的に吐水開始するまでの時間が長くなってしまい、使用感を悪化させてしまう。
【0017】
更にパイロット弁216の移動に連れて保持溝214の内部を相対移動するシール部材212の移動の程度(度合い)にばらつきが生じ、そのことによって吐水開始までの時間にばらつきが生じる等流調特性を不安定化してしまう。
【0018】
以上はパイロット弁座の側に保持溝を設けて、そこにシール部材を保持するようになした場合であるが、パイロット弁の側に環状の保持溝を設けて、そこにシール部材を保持した場合においても同様の問題が生じ得る。
【0019】
尚、下記特許文献2にはパイロット式の流調弁装置において、段落[0080],図11に、パイロット弁座に保持されたシール部材が軸部に形成された凹部に入り込むと、そのシール部材に対して軸部の段付部が当ることによって、そこで抵抗を発生させるため、これを防止するためにその凹部に軸方向に延びるリブを周方向に所定間隔で複数設け、それらリブによって凹部にシール部材が入り込むのを防止するようになした点が開示されている。
但しこの特許文献2におけるリブは、シール部材が保持溝に沿って相対移動するのを防ぐ働きを有するものではなく、本発明の上記の課題を解決することのできないものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】特開2007−333192号公報
【特許文献2】特開2007−24062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は以上のような事情を背景とし、パイロット弁とパイロット弁座との間を水密にシールするためのシール部材が、パイロット弁の移動に伴って環状の保持溝内で軸方向に相対移動することで流調特性が悪化する問題を解決することのできるパイロット式流量調節弁装置を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
而して請求項1のものは、(a)主流路上に設けられた主弁と、(b)該主弁に対して内部の圧力を閉弁方向の押圧力として作用させる背圧室と、(c)前記主流路における前記主弁の1次側流路の水を該背圧室に導入して圧力上昇させる導入小孔と、(d)該主弁を進退方向に貫通した貫通孔と、(e)該貫通孔の内周に沿って形成された、前記背圧室の水を前記主流路における該主弁の2次側流路に抜いて該背圧室の圧力を減少させるパイロット流路と、(f)前記主弁の前記貫通孔周りに設けられたパイロット弁座と、(g)該パイロット弁座に対して前記パイロット流路の開度を増減させる方向に進退移動して、前記主弁を追従して同方向に移動させる軸状のパイロット弁と、を有し、前記パイロット弁が閉弁状態で前記パイロット弁座に対して、該パイロット弁座の内周に沿って又は該パイロット弁の外周に沿って形成した環状の保持溝の内部に保持した、弾性を有するリング状のシール部材を介して水密に嵌合して前記パイロット流路を閉鎖するパイロット式流量調節弁装置であって、前記保持溝の内部には、該保持溝の前記パイロット弁における軸方向に対向した一対の溝側面の少なくとも一方から前記シール部材に向けて突出し該シール部材を押圧する凸形状のシール押えが設けてあることを特徴とする。
【0023】
請求項2のものは、請求項1において、前記シール押えが、前記保持溝に沿って周方向に連続した環状に設けてあることを特徴とする。
【0024】
請求項3のものは、請求項1において、前記シール押えが、前記保持溝に沿って周方向に均等に分散配置してあることを特徴とする。
【0025】
請求項4のものは、請求項1において、前記シール押えが、前記パイロット弁の径方向に放射状に延びる形態で設けてあることを特徴とする。
【0026】
請求項5のものは、請求項1〜4の何れかにおいて、前記シール押えが、前記背圧室側の前記溝側面に設けてあることを特徴とする。
【発明の作用・効果】
【0027】
以上のように本発明は、保持溝の内部に、軸方向に対向した一対の溝側面(溝構成面)の少なくとも一方からシール部材に向けて突出しシール部材を押圧する凸形状のシール押えを設けたものである。
ここでシール押えは、保持溝の周方向に及び/溝の深さ方向に部分的に設けておくことができる。
本発明によれば保持溝の内部空間に占めるシール部材及びシール押えの比率(充填率)を所定以下に抑制しつつ、パイロット弁の移動に伴ってシール部材が保持溝の内部を軸方向に相対移動するのを防止することができる。
【0028】
従って例えばパイロット弁が閉弁状態から開弁方向に移動して本流を生ぜしめる際に、シール部材の相対移動によりパイロット弁の余剰の動き(移動)が生じてしまう問題を解決でき、実質的な吐水開始までの時間を設定通りの短い時間に維持することができ、使用者に対し良好な使用感を与えることができる。
また保持溝内でのシール部材の相対移動量のばらつきによって、吐水開始までの時間がばらつくなど流調特性が不安定化する問題を解決し得、流調特性を安定化することができる。
【0029】
本発明では、上記シール押えを保持溝に沿って周方向に連続した環状に設けておくことができる(請求項2)。
このようにすれば、シール部材を周方向に連続して均等に押圧することができ、従ってその押圧によるシール部材の変形を周方向に連続的且つ均等化し得て、シール部材の変形が周方向に局部的,部分的に偏ることによって局部歪が大となり、その劣化が進んでしまうのを防止することができる。
【0030】
一方で本発明では、シール押えを保持溝に沿って周方向に均等に分散配置しておくことができる(請求項3)。
この場合には、シール押えが保持溝内部で占める体積比率を少なく維持しつつ、即ち保持溝内部の充填率の上昇を抑えつつ、シール部材に対する押圧を周方向において均等化することができる。
【0031】
本発明ではまた、シール押えをパイロット弁の径方向に放射状に延びる形態で設けておくことができる(請求項4)。
このようにすれば、シール部材に対する押圧を径方向に均等化することができる。
またシール部材を点状に押圧する場合に比べて、この請求項4ではシール部材を径方向全体に亘って押圧できるため、シール部材が径方向の内外に逃げ変形する量を少なく抑制でき、その逃げ変形した部分がパイロット弁の移動の妨げとなってしまうといったことを防ぐことができる。
【0032】
本発明では、上記シール押えを背圧室側の溝側面に設けておくことが望ましい(請求項5)。
シール押えを背圧室とは反対側の溝側面に設けた場合、パイロット弁の閉弁状態の下では背圧室の圧力が主流路の1次側流路の1次側圧力と同じ高い圧力となって、その高い圧力をシール部材に対してシール押えに押し付ける向きに及ぼし続けることとなる。即ちシール部材がシール押えに強く押し続けられることとなる。そしてそのことがシール部材の劣化の原因となってしまう。
しかるにシール押えを背圧室側の溝側面に設けておいた場合、シール部材は背圧室の圧力によってシール押えとは反対側の溝側面に押されることとなり、従ってシール押えがシール部材の劣化を促進してしまうといったことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態の流量調節弁装置を有する水栓を示した図である。
【図2】同実施形態の流量調節弁装置の断面図である。
【図3】図2の弁部とその要部を拡大して示した図である。
【図4】同弁部におけるシール押え及び保持溝を分離した状態で示した図である。
【図5】同弁部におけるシール押え及び保持溝を組付状態で示した図である。
【図6】同弁部の動作説明図である。
【図7】同実施形態の流調弁装置の流調特性を従来の流調弁装置の流調特性と比較して示した図である。
【図8】本発明の他の実施形態を示した図である。
【図9】本発明の更に他の実施形態を示した図である。
【図10】本発明の更に他の実施形態の図である。
【図11】本発明の更に他の実施形態の図である。
【図12】従来の流量調節弁装置の図である。
【図13】従来の流量調節弁装置の動作説明図である。
【図14】従来の流調弁装置の流調特性を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において、10は水栓で、カウンタ12上に設けられた操作部14と、カウンタ12から起立する吐水管15とを有している。
吐水管15はグースネック形状をなしており、先端に吐水口16を備えている。
また操作部14には、吐水口16からの吐水と止水とを行うための吐止水操作部,吐水の流量を調節する流調操作部及び吐水の温度を調節する温調操作部等が設けられている。
【0035】
カウンタ12の下方には、給水路18と給湯路20とのそれぞれに本実施形態のパイロット式の流量調節弁装置(以下単に流調弁装置とする)22C,22Hが設けられている。
給水路18上の水側の流調弁装置22C及び給湯路20上の湯側の流調弁装置22Hは、それぞれ水の流量,湯の流量を調節し、そしてそれらによって水と湯との混合比を変化させて、吐水口16からの混合水の温度を変化させる。
また給水路18上の水側の流調弁装置22Cからの水の流量、及び給湯路20上の湯側の流調弁装置22Hからの湯の流量を合せた総流量によって、吐水口16からの吐水の流量を決定する。
【0036】
これら水側の流調弁装置22C,湯側の流調弁装置22Hは、それぞれ操作部14における流調操作部,温調操作部の操作に基づいて水,湯の流出流量を調節する。
これら流調弁装置22C,22Hから流出した水と湯とは合流部24で合流して混合水となり、混合水路26を通じて吐水管15へと送られ、吐水口16から外部に吐水される。
尚28は止水栓であり、また30は水栓10に備えられた制御部である。
【0037】
この制御部30には、流調弁装置22C,22Hのそれぞれの駆動部としてのモータ(ここではステッピングモータ)32が電気的に接続されている。流調弁装置22C,22Hの各モータ32は制御部30にて動作制御される。
この制御部30にはまた、操作部14が電気的に接続され、そこから制御部30に信号入力される。
【0038】
上記水側の流調弁装置22C,湯側の流調弁装置22Hは同じ構成のもので、その構成が図2に具体的に示してある。ここで水側の流調弁装置22C,湯側の流調弁装置22Hは同一の構成のものであるので、図2では単に流調弁装置22として示してある。
【0039】
図2において、34は流調弁装置22のボデーで、内部に流路36が形成されており、その流路36上に主弁38が設けられている。
36Aは流路36における主弁38の上流側の1次側流路を、36Bは下流側の2次側流路を表している。
主弁38はダイヤフラム式の弁で、図3にも示しているように硬質の主弁本体40と、これに保持された、シール部材を兼ねたゴム製のダイヤフラム膜42及び後述のパイロット弁ケース54を有している。
主弁38は主弁座44に向けて進退移動して流路36を開閉し、また開度を変化させる。
詳しくは、主弁38は主弁座44への着座によって流路36を遮断し、また主弁座44から図中上向きに離間することによって流路36を開放する。
また主弁座44からの離間量に応じて流路36の開度を大小変化させ、流路36を流れる水の流量を調節する。
尚、主弁座44はボデー34に形成された円筒部46の上端部にて構成されている。
【0040】
この主弁38の図中上側、即ち主弁38に対し2次側流路36Bと反対側に背圧室48が設けられている。
背圧室48は、内部の圧力を主弁38に対し図中下向きの閉弁方向の押圧力として作用させる。
図3に示しているように主弁38には、これを貫通して1次側流路36Aと背圧室48とを連通させる導入小孔50が設けられている。
導入小孔50は、1次側流路36Aからの水を背圧室48に導いて背圧室48の圧力を増大させる。
【0041】
主弁38にはまた、これを貫通して背圧室48と2次側流路36Bとを連通させる、水抜路としてのパイロット流路52が設けられている。
このパイロット流路52は、背圧室48内の水を2次側流路36Bに抜いて背圧室48の圧力を減少させる。
【0042】
54は、主弁38に備えられたパイロット弁ケースで、ボデー34に形成されたガイド孔56に摺動可能に嵌合され、ガイド孔56によって図中上下方向に移動ガイドされる。
パイロット弁ケース54は中心部にパイロット弁60のためのガイド孔58を有しており、そこにパイロット弁60が摺動可能に嵌合されている。
パイロット弁60は、このガイド孔58によって図中上下方向の移動時に移動ガイドされる。
尚、パイロット弁ケース54には切欠部(図示せず)が設けられており、この切欠部によって、背圧室48と上記のガイド孔56及び58とが互いに連通状態とされている。
【0043】
パイロット弁ケース54は、図3中下端部にL字状に折れ曲がった形態の係合突部64を有しており、この係合突部64を、主弁本体40の係合孔66に係合させることによって、主弁本体40と一体移動する状態に主弁本体40に固定されている。
主弁38は、パイロット弁ケース54とガイド孔56とによるガイド作用によって、図中上下方向に移動案内される。
【0044】
図2において、76はパイロット弁60を移動操作する操作軸で、くびれ部140を除いてその全体が断面円形且つ外径が軸方向の一端から他端に到るまで一様な棒状をなしている。
上記パイロット弁60は、操作軸76の、くびれ部140よりも図中上側の先端側の一部にて構成されている。
ここでパイロット弁60には、図4に示しているようにくびれ部140側の図中下側の端部に全周に亘って傾斜面146が形成されている。
操作軸76の、くびれ部140より図中下側且つくびれ部140側の端部においても同様に傾斜面146が全周に亘り形成されている。
【0045】
ここで操作軸76とボデー34との間は、リング状のシール部材(ここではOリング)78によって水密にシールされている。
またシール部材78は、支持部材80によって図中下側から上向きに押えられ、支持されている。
この支持部材80は中心部に挿通孔を有しており、操作軸76はこの挿通孔を挿通して、下端側がボデー34の凹所82内に突き出している。
【0046】
主弁38には、その中心部に貫通孔が形成されており、この貫通孔の内周面と上記のくびれ部140との間に、上記のパイロット流路52が狭小幅で環状に形成されている。
この例において、主弁38には中心の貫通孔の内周面に沿って軸心周りに環状をなすパイロット弁座142が設けられている。
このパイロット弁座142には、円形の環状の保持溝130の内部に弾性を有するリング状のシール部材(ここではOリング)144が保持されている。
【0047】
尚、図中130Aと130Bとは、パイロット弁60における軸方向に対向した一対の溝側面を示しており、また130Cは溝底面を示している。
また130Aは上側の溝側面を、130Bは下側の溝側面を示している。
ここで下側の溝側面130Bと溝底面130Cとは、主弁38における上記の主弁本体40にて形成されており、また上側の溝側面130Aは、主弁38に備えられたパイロット弁ケース54にて形成されている。
即ちこの実施形態において、パイロット弁ケース54は主弁38の移動案内をなす主弁ガイドとしての働きに加えて、シール部材144に対するキャップとしての働きを有している。
上記パイロット弁60は、閉弁状態でこのシール部材144を介してパイロット弁座142に水密に弾性嵌合し、パイロット流路52を閉鎖する。
【0048】
図2に示す流調弁装置22において、ボデー34の外面(図中下面)には、駆動部としての上記のモータ32が取り付けられている。
またボデー34の内部の収容室84には、雌ねじ部材86,雄ねじ部材88が収容されている。
この収容室84にはまた、雌ねじ部材86の回転角度位置を検出するセンサ92、及び小径のギヤ96が併せて収容されている。
【0049】
ここでセンサ92は、投光部116と受光部118とを有し、それらの間に雌ねじ部材86の外周面のリブ状の検知部122が到ると、そこで光路が遮られることによって、検知部122を検知し、雌ねじ部材86の回転角度位置を検出する。つまりパイロット弁60の軸方向位置を検出する。
尚、センサ92は保持部材94にて保持されており、その保持部材94が小径のギヤ96の回転により回転させられることで、回転方向位置が調節される。
【0050】
雌ねじ部材86は有底円筒状をなしていて、その底部にモータ32からの出力軸である回転軸98が結合され、雌ねじ部材86がモータ32によって回転軸98と一体に回転するようになっている。
雌ねじ部材86の円筒状の筒壁100には、内周面に雌ねじ部が設けられている。
一方雄ねじ部材88には円形の外周面に雄ねじ部が設けられ、この雄ねじ部が雌ねじ部に螺合されている。
この雄ねじ部材88は、中心部に挿込孔106を有しており、そこに操作軸76の図中下端部が圧入状態に差し込まれ、雄ねじ部材88に結合されている。
【0051】
この実施形態では、モータ32の駆動力によって回転軸98が回転すると、これと一体に雌ねじ部材86が回転運動し、そしてその回転運動が、雌ねじ部と雄ねじ部との螺合に基づいて雄ねじ部材88及び操作軸76の直進運動に変換されて、それらが図中上下方向にねじ送りで進退移動せしめられる。
そして操作軸76が図中上下方向に進退移動することで、パイロット弁60が一体に移動し、これによって主弁38が開閉方向に動作せしめられる。
【0052】
尚、雄ねじ部材88は図中上部にフランジ部を有していて、そのフランジ部に一対の切欠部が、周方向に180°隔たった2個所に設けられており、それら切欠部が、図2に示すようにボデー34の係合突部114に係合していて、それらの係合作用によって雄ねじ部材88が回転阻止されている。
【0053】
上記雄ねじ部材88には、挿込孔106周りに円環状の溝108が設けられていて、そこにスプリング110の図中下部が挿入されている。
スプリング110は、この雄ねじ部材88と上記の支持部材80との間に介在して、軸方向の各端を雄ねじ部材88の溝108の底面と、支持部材80の下面とに当接させ、それらを互いに逆方向に弾発している。
【0054】
この実施形態において、上記の保持溝130の内部には、図3に示すようにパイロット弁ケース54にて形成される上側の溝側面130Aからシール部材144に向けて突出する凸形状のシール押え132が設けられている。
ここでシール押え132は、図3及び図4に示しているようにパイロット弁60における径方向に放射状に延びる形態で設けられている。
具体的には、ここでは4つの突条形態をなすシール押え132が、全体として十字状をなすように周方向に90°ごと隔たった4個所に設けられている。
即ちこれらシール押え132は、保持溝130の周方向に沿って90°ごとに部分的に設けられている。
これら各シール押え132は、保持溝130の全溝深さに亘って、つまり上側の溝側面130Aの全幅に亘って設けられている。
【0055】
ここで各シール押え132は、図5にも示しているように下側の溝側面130Bとの間でシール部材144を僅かに圧縮弾性変形させる状態に、即ち溝側面130Bとの間にシール部材144を挟み込み、これを図中下向きに押圧する状態に設けられている。
尚これらシール押え132は、図4(A)(ア)に示しているようにシール部材144に対する押え面となる図中下面が平坦な断面矩形状となしておくこともできるし、或いは(イ)に示しているように押え面となる下面が湾曲した凸曲面となる断面略半円形状、或いはその他の形状となしておくことができる。
【0056】
この実施形態においては、操作軸76が図中上下方向に移動すると、パイロット弁60がこれと一体に上下方向に進退移動する。
そしてこのパイロット弁60の上下方向の進退移動に伴って、主弁38がこれに追従して同方向に移動する。
【0057】
図6はその際の弁部の作用を表している。
図6(I)は、パイロット弁60が閉弁した状態(止水状態)を表しており、このときパイロット弁60はシール部材144を介してパイロット弁座142に全周に亘り弾性嵌合しており、パイロット流路52は閉鎖された状態にある。
【0058】
この状態から、操作軸76の図中上向きの移動に伴ってパイロット弁60がこれと一体に上向きに移動したとき、従来の流調弁装置にあっては図13に示しているようにシール部材212がパイロット弁60の移動に連れて保持溝130内部を図中上向きに相対移動してしまうが、この実施形態ではシール押え132によってシール部材144が保持溝130内部において移動阻止されているため、パイロット弁60だけが単独で上向きに移動し、そして図6(II)に示しているようにパイロット弁座142との間に、詳しくはシール部材144との間に一定の追従間隙dを生ずるに到る。
【0059】
この図6(II)に示す位置は、それまで生じていたブリード流から本流に切り替る位置であり、パイロット弁60が図6(II)に示す状態から更に上向きに後退移動すると、図6(III)に示すように主弁38がパイロット弁60との間に一定の微小な追従間隙dを維持しつつ、パイロット弁60に追従して図中上向きに後退移動して開弁する。
ここにおいて主流路36が開かれてそこに水の流れが生じる。即ち本流が生じる。
【0060】
主弁38は、パイロット弁60の更なる上向きの後退移動とともに弁開度を拡げ、主流路36を流れる水の流量を増大変化させる。
また逆にパイロット弁60が図中下向きに前進移動すると、パイロット弁60に追従して下向きに前進移動し、弁開度を小さくして主流路36を流れる水の流量を減少変化させる。
そしてパイロット弁60が再び図6(I)に示す閉弁状態となったところで、主弁38もまた閉弁状態となり、主流路36を閉鎖して水の流れを停止させる。
【0061】
図7は、図6に示した本実施形態の流調弁装置の流調特性を、図13に示した従来の流調弁装置の流調特性と比較して示している。
図中(A)は本実施形態の流調特性を、(B)は従来の流調弁装置の流調特性を示している。
図7(B)に示す従来の流調弁装置における流調特性では、パイロット弁216が閉弁状態から開く方向に後退移動したとき、シール部材212が保持溝214内部で相対移動してしまうために、本流Yに切り替るまでのパイロット弁216の移動距離Lが長く、従って吐水開始までに長い時間を要してしまうのに対し、図7(A)の本実施形態の流調弁装置における流調特性では、パイロット弁60が閉弁状態から開方向に移動する際にシール部材144が保持溝130の内部で相対移動しないため、本流Yに切り替るまでのパイロット弁60の移動距離Lが短く、従って吐水開始までの所要時間が短いことが見て取れる。
【0062】
また図13に示す従来の流調弁装置における流調特性の場合、パイロット弁216の移動に連れてシール部材212が保持溝214内で相対移動する程度にばらつきを生じるために、本流Yに切り替るまでの時間、即ち吐水開始するまでの時間にばらつきが生じ、流調特性が不安定化する恐れがあるが、本実施形態ではシール部材144が保持溝130内で移動しないために流調特性が安定化する。
【0063】
以上のような本実施形態によれば、保持溝130の内部空間に占めるシール部材144及びシール押え132の比率(充填率)を所定以下に抑制しつつ、パイロット弁60の移動に伴ってシール部材144が保持溝130の内部を軸方向に相対移動するのを防止することができ、従って例えばパイロット弁60が閉弁状態から開弁方向に移動して本流を生ぜしめる際に、シール部材144の相対移動によりパイロット弁60の余剰の動き(移動)が生じてしまう問題を解決でき、実質的な吐水開始までの時間を設定通りの短い時間に維持することができ、使用者に対し良好な使用感を与えることができる。
【0064】
本実施形態ではまた、シール押え132をパイロット弁60の径方向に放射状に延びる形態で設けてあるので、シール部材144に対する押圧を径方向に均等化することができる。
またシール部材144を点状に押圧する場合に比べて、この実施形態ではシール部材144を径方向全体に亘って押圧できるため、シール部材144が径方向の内外に逃げ変形する量を少なく抑制でき、その逃げ変形した部分がパイロット弁60の移動の妨げとなってしまうといったことを防ぐことができる。
【0065】
図8はシール押えの他の形態例を示している。
この例はシール押え134を、保持溝130の内部において上側の溝側面130Aの側に、全周に亘り連続した形態で設けた例である。
尚このシール押え134は、その断面形状を図8(B)(ア)に示すような略半円形状とすること、或いは(B)(イ)に示すようにシール部材144に対する押え面となる下面が平坦な断面矩形状となしておくこと、或いはその他形状となしておくことができる。
この例によれば、シール部材144を周方向に連続して均等に押圧することができ、従ってその押圧によるシール部材144の変形を周方向に連続的且つ均等化し得て、シール部材144の変形が周方向に局部的,部分的に偏ることによって局部歪が大となり、その劣化が進んでしまうのを防止することができる。
【0066】
図9はシール押えの更に他の形態例を示している。
この例は、保持溝130の内部において、上側の溝側面130Aの側からシール部材144に向けて突出する突起形状の複数(ここでは6個)のシール押え138を、周方向に一定間隔ごとに均等に分散配置した例である。
ここで突起形状の各シール押え138は略部分球状、即ち図9(B)に示しているように断面形状が略半円形状とされている。
但し他の断面形状でこれらを形成することも可能である。
【0067】
この例の場合、突起形状の各シール押え138がシール部材144を図中上側から下向きに点状に押圧するため、シール部材144の、シール押え138にて押された部分の周辺が周囲に比較的大きく逃げ変形し易い。
但しシール押え138の分散配置の数を多くすることで、その逃げ変形の程度を小さくすることができる。
分散配置するシール押え138の数を多くすると、1つ1つのシール押え138による押圧量を少なくすることができる。
【0068】
この例では、シール押え138が保持溝130内部で占める体積比率を少なく維持しつつ、即ち保持溝130内部の充填率の上昇を抑えつつ、シール部材144に対する押圧を周方向において均等化することができる。
【0069】
以上は何れもシール押えを上側の溝側面130Aの側に設けた例であるが、本発明ではシール押えを下側の溝側面130Bの側に、シール部材144に向け突出する凸形状で設けておくことができる。
図10はその例を示している。
図10において、138は下側の溝側面130Bに設けたシール押えで、シール部材144は、このシール押え138と上側の溝側面130Aとの間に挟まれる状態に、保持溝130の内部に保持される。
尚、シール押え138は保持溝130に沿って周方向に連続した環状に設けても良いし、或いは周方向に所定間隔ごとに部分的に設けておくこともできる。
またその断面形状も様々な断面形状となすことができる。
【0070】
但しこのようにシール押え138を下側の溝側面130Bの側に設けると、パイロット弁60閉弁状態の下で1次圧と同じ圧力となった背圧室の高い圧力が、シール部材144に対して下向きに働き、その強い圧力によってシール部材144がシール押え138に対して強く押し付けられ続けることになる。
この場合、シール部材144が強く変形した状態に放置されることとなり、そのことがシール部材144の劣化の原因となる。
【0071】
しかるに図3〜図5,図8,図9に示す上記実施形態ではシール押え132,134,136が何れも背圧室48の側の上側の溝側面130Aに設けられているため、背圧室48の圧力によってシール部材144がシール押え132,134,136に対して押し付けられるといったことがなく、背圧室48の圧力による押付力がシール部材144の劣化に繋がるといった問題を生じない利点を有している。
【0072】
上記実施形態では、何れもパイロット弁座142の側に保持溝130を設けて、その保持溝130内にシール部材144を保持するようにしているが、図11に示しているように保持溝130をパイロット弁60の側に設けて、そこにシール部材144を収容保持し、パイロット弁60を閉弁状態でこのシール部材144を介してパイロット弁座142に水密に弾性嵌合させるようになすことも可能である。
そしてこの場合において、保持溝130の内部にシール押え139を設けておくことができる。
尚このシール押え139は、シール部材144に対して背圧室側の上側の溝側面130Aに設けておくことが望ましいが、場合によって下側の溝側面130Bに設けておくこと、或いはその形態を様々な形態となしておくことが可能である。
【0073】
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【符号の説明】
【0074】
22,22C,22H 流量調節弁装置
36 流路
36A 1次側流路
36B 2次側流路
38 主弁
48 背圧室
50 導入小孔
52 パイロット流路
60 パイロット弁
130 保持溝
130A,130B 溝側面
132,134,136,138,139 シール押え

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)主流路上に設けられた主弁と、
(b)該主弁に対して内部の圧力を閉弁方向の押圧力として作用させる背圧室と、
(c)前記主流路における前記主弁の1次側流路の水を該背圧室に導入して圧力上昇させる導入小孔と、
(d)該主弁を進退方向に貫通した貫通孔と、
(e)該貫通孔の内周に沿って形成された、前記背圧室の水を前記主流路における該主弁の2次側流路に抜いて該背圧室の圧力を減少させるパイロット流路と、
(f)前記主弁の前記貫通孔周りに設けられたパイロット弁座と、
(g)該パイロット弁座に対して前記パイロット流路の開度を増減させる方向に進退移動して、前記主弁を追従して同方向に移動させる軸状のパイロット弁と、
を有し、前記パイロット弁が閉弁状態で前記パイロット弁座に対して、該パイロット弁座の内周に沿って又は該パイロット弁の外周に沿って形成した環状の保持溝の内部に保持した、弾性を有するリング状のシール部材を介して水密に嵌合して前記パイロット流路を閉鎖するパイロット式流量調節弁装置であって、
前記保持溝の内部には、該保持溝の前記パイロット弁における軸方向に対向した一対の溝側面の少なくとも一方から前記シール部材に向けて突出し該シール部材を押圧する凸形状のシール押えが設けてあることを特徴とするパイロット式流量調節弁装置。
【請求項2】
請求項1において、前記シール押えが、前記保持溝に沿って周方向に連続した環状に設けてあることを特徴とするパイロット式流量調節弁装置。
【請求項3】
請求項1において、前記シール押えが、前記保持溝に沿って周方向に均等に分散配置してあることを特徴とするパイロット式流量調節弁装置。
【請求項4】
請求項1において、前記シール押えが、前記パイロット弁の径方向に放射状に延びる形態で設けてあることを特徴とするパイロット式流量調節弁装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかにおいて、前記シール押えが、前記背圧室側の前記溝側面に設けてあることを特徴とするパイロット式流量調節弁装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2012−241771(P2012−241771A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−111170(P2011−111170)
【出願日】平成23年5月18日(2011.5.18)
【出願人】(302045705)株式会社LIXIL (949)
【Fターム(参考)】