説明

パケット伝送制御装置及びパケット伝送制御方法

【課題】現用系伝送径路と予備系伝送径路とによりパケットを伝送するパケット伝送制御装置及びパケット伝送制御方法に関し、コストアップすることなく信頼性向上を図る。
【解決手段】
パケット送信機能ブロックは、1伝送径路を現用系伝送径路、他の単一又は複数の伝送径路を予備系伝送径路として設定し、宛先対応のシーケンス番号を付加したパケットを、現用系伝送径路及び予備系伝送径路対応にコピーして送信するパケット送信部を含み、パケット受信機能ブロック20は、現用系伝送径路及び予備系伝送径路を介して受信したパケットのシーケンス番号が期待するシーケンス番号で、且つ現用系伝送径路を介して受信した場合は、受信処理して、他の予備系伝送径路を介して受信したパケットを廃棄し、現用系伝送径路を介して期待するシーケンス番号のパケットを受信できない時は、予備系伝送径路を介して受信した期待するシーケンス番号のパケットを受信処理するシーケンス番号チェック部22を含む構成を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の伝送径路の中の1伝送径路を現用系とし、他の伝送径路を予備系としてパケットを送受信処理するパケット伝送制御装置及びパケット伝送制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
データをパケット化して伝送するシステムは、既に各種の構成が提案され、且つ実用化されている。例えば、図11に示すように、複数の伝送装置A,B,C,Dをリング状の2系統の伝送径路により接続した構成が知られている。各伝送装置A〜Dは、図示を省略した単一又は複数の端末装置を接続し、例えば、伝送装置Bから伝送装置Dへ送信する場合、送信元を伝送装置B、送信先を伝送装置Dとした同一内容のパケット(1)を右回りと左回りとの両方向に送信する。伝送装置Dは、伝送径路が正常な場合、先着パケットを選択して受信処理する。このような二重リング構成の伝送径路の場合、何れか一方に障害が発生しても、他方が健全であれば、パケットの送受信が可能であり、信頼性の向上を図ることができる。
【0003】
図12の(A),(B)は、従来例のパケット受信処理の説明図であり、図11に示す伝送装置A〜Dのそれぞれのパケット受信機能ブロックの要部を示し、同一符号は同一部分を示す。又方路1,2は、例えば、図11の右回りと左回りとの伝送径路に対応し、送信順を括弧内のシーケンス番号により示すパケット(1)〜(4)を順次受信する場合、同一のパケットを同時に方路1,2に送信しても、伝送距離や他の伝送装置を介して転送されることにより、図12の(A)に示すように、方路1の白パケット(1)〜(4)と、方路2の斜線パケット(1)〜(4)とは、それぞれ対応する同一パケットであっても、パケット受信機能ブロック101には、それぞれ異なる受信タイミングで到着することになる。
【0004】
伝送装置のパケット受信機能ブロック101はパケット選択部102を備え、このパケット選択部102は、各方路1,2からのパケットについて、それぞれシーケンス番号により、所定の順序でパケットが到着したか否かを判定する機能を含むと共に、同一シーケンス番号のパケットに対しては、先に到着したパケットを優先処理する。従って、図12の(A)に示す方路1,2対応の到着順のパケットは、図12の(B)に示すように、パケット選択部102により、方路1からの白パケット(1)、方路2からの斜線パケット(2),(3)、方路1からの白パケット(4)として示す順に受信選択処理することになる。
【0005】
又送信パケットをコピーして、それぞれ同一のシーケンス番号を付与すると共に、複数の送信径路を識別可能とする為の識別子をそれぞれ付加し、それらの識別子対応の送信径路に送信し、複数の伝送径路を介して伝送されたパケットを受信した受信側は、シーケンス番号から同一情報を含むパケットであるか否かを判定し、同一情報を含むパケットの場合は、そのパケットを中継送出するパケット転送手段が提案されている(例えば、特許文献1参照)。又パケットの送信側は、送信元情報とパケット転送順序情報とを付加した同一内容のパケットを複数の伝送径路に送出し、受信側は、送信元情報とパケット転送順序情報とを参照して、送信元毎に、同一情報のパケットか否かを識別し、同一情報の複数のパケットの中の一つを、パケットの転送順序に従って下流側へ転送する手段が提案されている(例えば、特許文献2参照)。又複数の伝送径路により同一のパケットを同一のシーケンス番号を付与して送信装置から送信し、受信装置は、複数の伝送径路により受信したパケットのシーケンス番号を基に受信処理する手段が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許4074268号公報
【特許文献2】特許4074304号公報
【特許文献3】特開2008−22337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
信頼性向上の為に、複数の伝送径路により同一内容のパケットを伝送するシステムは、既に各種の構成が提案されている。しかし、複数の伝送径路のそれぞれを同一の伝送品質を維持できる構成とする場合が一般的であり、従って、伝送径路数を増加するに伴って信頼性は向上するが、伝送システムコストが著しく増加する問題がある。又複数の伝送径路からの同一パケットについては先着優先で受信処理するものであるから、先着パケットとなる伝送径路に障害が発生すると、次の到着順の伝送径路を選択するように切替えることになるから、その切替前後間のパケット遅延時間が大きくなり、アプリケーションによっては不都合が発生する場合がある。又パケット伝送サービスの提供を受ける顧客が、保守管理等の為に、伝送径路を特定することを要望しても、それを受け入れるシステム構成を備えていないものであった。このような問題点については、前述の特許文献1〜3にも提起されておらず、解決手段についての示唆も示されていない。
【0008】
本発明は、前述の問題点を解決することを目的とし、複数の伝送径路の中の一つを現用系とし、他の伝送径路を予備系として、現用系の多少の伝送遅延を許容して優先処理し、この現用系の障害発生検出時には予備系に切替えて、パケットの送受信処理を行う手段を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のパケット伝送制御装置は、複数の伝送径路に同一のシーケンス番号を付加した同一のパケットを送信するパケット送信機能ブロックと、複数の伝送径路からのパケットがそれぞれ期待するシーケンス番号のパケットか否かを判定して受信処理するパケット受信機能ブロックとを含むパケット伝送制御装置であって、パケット送信機能ブロックは、複数の伝送径路の中の1伝送径路を現用系伝送径路、他の単一又は複数の伝送径路を予備系伝送径路にそれぞれ設定し、宛先対応のシーケンス番号を付加したパケットを、現用系伝送径路及び予備系伝送径路対応にコピーして送信するパケット送信部を含む構成を有し、パケット受信機能ブロックは、現用系伝送径路及び予備系伝送径路を介して受信したパケットのシーケンス番号が期待するシーケンス番号で、且つ現用系伝送径路を介して受信したパケットを受信処理し、他の予備系伝送径路を介して受信したパケットを廃棄し、現用系伝送径路を介して期待するシーケンス番号のパケットを受信できない時に、予備系伝送径路を介して受信した期待するシーケンス番号のパケットを受信処理するシーケンス番号チェック部を含む構成を備えている。
【0010】
又前記パケット受信機能ブロックは、現用系伝送径路及び予備系伝送径路対応の受信パケットの格納領域を有するパケット格納メモリと、パケット受信待ちタイマとを含む構成を有し、シーケンス番号チェック部は、パケット格納メモリに対するパケットの格納及び読出しを制御し、且つパケット受信待ちタイマの起動及びリセットの制御を行う構成を有するものである。
【0011】
又前記シーケンス番号チェック部は、現用系伝送径路を介して期待するシーケンス番号のパケットを受信処理して、予備系伝送径路を介して受信した期待するシーケンス番号の受信パケットを廃棄し、現用系伝送径路を介して期待するシーケンス番号のパケットの受信前に受信した予備系伝送径路を介した期待するシーケンス番号のパケットをパケット格納メモリに格納して、パケット受信待ちタイマを起動し、このパケット受信待ちタイマのタイムアウト前に、現用系伝送径路を介して期待するシーケンス番号のパケットを受信した時に、この現用系伝送径路を介して受信したパケットを受信処理し、パケット格納メモリに格納した予備系伝送径路を経由して受信したパケットを廃棄し、且つパケット受信待ちタイマをリセットし、又パケット受信待ちタイマのタイムアウト時に、パケット格納メモリに格納した予備系伝送径路を介して受信したパケットを読出して受信パケットとして処理する制御構成を有する。
【0012】
又シーケンス番号チェック部は、現用系伝送径路と予備系伝送径路とをそれぞれ介して同一の期待するシーケンス番号のパケットを受信するまで、何れか一方の伝送径路を介して先に受信したパケットをパケット格納メモリに格納して、パケット受信待ちタイマを起動し、このパケット受信待ちタイマのタイムアウト前に、現用系伝送径路と予備系伝送径路との両方の同一シーケンス番号のパケットを受信した時に、パケット受信待ちタイマをリセットし、且つ現用系伝送径路を介して受信したパケットを受信パケットとして処理し、パケット受信待ちタイマのタイムアウト時は、パケット格納メモリに格納された期待するシーケンス番号のパケットを受信パケットとして処理する制御構成を有する。
【0013】
又シーケンス番号チェック部は、パケット受信待ちタイマのタイムアウトにより、パケット格納メモリに格納されたパケットの中の最小のシーケンス番号のパケットを受信パケットとして処理し、この最小のシーケンス番号を基に加算した値を次の期待するシーケンス番号とする制御構成を有する。
【0014】
又本発明のパケット伝送制御方法は、複数のパケット伝送制御装置をそれぞれ複数の伝送径路を介して接続し、複数の伝径路により同一のシーケンス番号を付加したパケットを送信し、複数の伝送径路を介して受信したパケットが期待するシーケンス番号か否を判定して受信処理するパケット伝送制御方法であって、複数の伝送径路の中の1伝送径路を現用系伝送径路、他の伝送径路を予備系伝送径路にそれぞれ設定し、宛先対応のシーケンス番号を付加したパケットを、現用系伝送径路及び予備系伝送径路対応にコピーして、パケット伝送制御装置のパケット送信機能ブロックから送信する過程と、パケット伝送制御装置のパケット受信機能ブロックにより、現用系伝送径路及び予備系伝送径路を介して受信したパケットが期待するシーケンス番号のパケットか否かを判定し、期待するシーケンス番号のパケットの中の現用系伝送径路を介して受信したパケットを受信パケットとして処理し、この現用系伝送径路を介してパケットを受信できない時に、予備系伝送径路を介して受信したパケットを受信パケットとして処理する過程とを含むものである。
【0015】
又パケット伝送制御装置のパケット受信機能ブロックは、シーケンス番号チェック部とパケット格納メモリとパケット受信待ちタイマとを有し、シーケンス番号チェック部により、現用系伝送径路を介して期待するシーケンス番号のパケットを受信した時は、このパケットを直ちに受信処理して、予備系伝送径路を介して受信した期待するシーケンス番号の受信パケットは廃棄処理する。又期待するシーケンス番号のパケットを、現用系伝送径路を介して受信する前に、予備系伝送径路を介して受信した時は、パケット格納メモリに格納して、パケット受信待ちタイマを起動し、このパケット受信待ちタイマのタイムアウト前に、現用系伝送径路を介して期待するシーケンス番号のパケットを受信した時は、この現用系伝送径路を介して受信したパケットを受信処理し、パケット格納メモリに格納した予備系伝送径路を経由して受信したパケットを廃棄し、且つパケット受信待ちタイマをリセットする。又パケット受信待ちタイマのタイムアウト時には、パケット格納メモリに格納した予備系伝送径路を介して受信したパケットを読出して受信パケットとして処理する過程を含むものである。
【0016】
又シーケンス番号チェック部により、現用系伝送径路と予備系伝送径路とをそれぞれ介して受信したパケットが、同一の期待するシーケンス番号のパケットであるか否かを判定し、現用系伝送径路と予備系伝送径路とをそれぞれ介して同一の期待するシーケンス番号のパケットを受信するまで、何れか一方の伝送径路を介して先に受信したパケットをパケット格納メモリに格納して、パケット受信待ちタイマを起動し、このパケット受信待ちタイマのタイムアウト前に、現用系伝送径路と予備系伝送径路との両方の同一シーケンス番号のパケットを受信した時は、パケット受信待ちタイマをリセットし、且つ現用系伝送径路を介して受信したパケットを受信パケットとして処理する。又パケット受信待ちタイマのタイムアウト時は、パケット格納メモリに格納された期待するシーケンス番号のパケットを受信パケットとして処理する。
【0017】
又シーケンス番号チェック部は、現用系伝送径路及び予備系伝送径路を介して期待するシーケンス番号のパケットを、パケット受信待ちタイマのタイムアウトまで受信できない時、パケット格納メモリに格納されているパケットの中の最小シーケンス番号のパケットを読出して受信パケットとして処理し、且つこの最小シーケンス番号を基に加算した値を次の期待するシーケンス番号とする処理過程を含むことができる。
【発明の効果】
【0018】
複数の伝送径路の中の1伝送径路を現用系とし、他の伝送径路を予備系とすることにより、伝送システムを利用する顧客の利便性を向上することが可能となると共に、予備系伝送路に比較して現用系伝送径路を特に信頼性向上の構成とし、システムコストを上昇させることなく、パケット伝送の信頼性を確保できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例1のパケット伝送制御装置の送信機能ブロックの要部説明図である。
【図2】本発明の実施例1のパケット伝送制御装置の受信機能ブロックの要部説明図及びパケット格納メモリの説明図である。
【図3】パケットのフォーマットの説明図である。
【図4】本発明の実施例1のパケット正常受信時の説明図である。
【図5】本発明の実施例1のパケット異常受信時の説明図である。
【図6】本発明の実施例1の制御処理のフローチャートである。
【図7】本発明の実施例1の制御処理のフローチャートである。
【図8】本発明の実施例2の制御処理のフローチャートである。
【図9】本発明の実施例2の制御処理のフローチャートである。
【図10】本発明の実施例1及び2のタイムアウト処理のフローチャートである。
【図11】パケット伝送制御システムの説明図である。
【図12】従来例のパケット受信処理説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明のパケット伝送制御装置は、図1及び図2を参照して説明すると、複数の伝送径路に同一のシーケンス番号を付加した同一のパケットを送信するパケット送信機能ブロック10と、複数の伝送径路からのパケットがそれぞれ期待するシーケンス番号のパケットか否かを判定して受信処理するパケット受信機能ブロック20とを含むパケット伝送制御装置であって、パケット送信機能ブロック10は、複数の伝送径路の中の1伝送径路を現用系伝送径路、他の単一又は複数の伝送径路を予備系伝送径路にそれぞれ設定し、宛先対応のシーケンス番号を、シーケンス番号付加部12に於いて付加したパケットを、現用系伝送径路及び予備系伝送径路対応に、パケットコピー部13によりコピーして、パケットを送信するパケット送信部14を含む構成を有し、パケット受信機能ブロック20は、現用系伝送径路及び予備系伝送径路を介してパケット受信部21により受信したパケットのシーケンス番号が期待するシーケンス番号で、且つ現用系伝送径路を介して受信したパケットを受信処理し、他の予備系伝送径路を介して受信したパケットを廃棄し、現用系伝送径路を介して期待するシーケンス番号のパケットを受信できない時に、予備系伝送径路を介して受信した期待するシーケンス番号のパケットを受信処理するシーケンス番号チェック部22を含む構成を備えている。
【0021】
本発明のパケット伝送制御方法は、複数のパケット伝送制御装置をそれぞれ複数の伝送径路を介して接続し、複数の伝径路により同一のシーケンス番号を付加したパケットを送信し、複数の伝送径路を介して受信したパケットが期待するシーケンス番号か否を判定して受信処理するパケット伝送制御方法であって、複数の伝送径路の中の1伝送径路を現用系伝送径路、他の伝送径路を予備系伝送径路にそれぞれ設定し、宛先対応のシーケンス番号を付加したパケットを、現用系伝送径路及び予備系伝送径路対応にコピーして、パケット伝送制御装置のパケット送信機能ブロック10から送信する過程と、パケット伝送制御装置のパケット受信機能ブロック20により、現用系伝送径路及び予備系伝送径路を介して受信したパケットが期待するシーケンス番号のパケットか否かを判定し、期待するシーケンス番号のパケットの中の現用系伝送径路を介して受信したパケットを受信パケットとして処理し、この現用系伝送径路を介してパケットを受信できない時に、予備系伝送径路を介して受信したパケットを受信パケットとして処理する過程とを含むものである。
【実施例1】
【0022】
図1は、本発明の実施例1のパケット伝送制御装置のパケット送信機能ブロックの要部説明図であり、パケット送信機能ブロック10は、パケット受信部11と、シーケンス番号付加部12と、パケットコピー部13と、パケット送信部14と、複数のシーケンス番号管理メモリ15−1〜15−nとを含む構成を有し、シーケンス番号管理メモリ15−1〜15−nは、パケットの宛先対応のパケットの送信順を示すシーケンス番号を管理する為のメモリであり、シーケンス番号付加部12は、パケットの宛先対応のシーケンス番号管理メモリから順次歩進するシーケンス番号を取得してパケットに付加し、そのシーケンス番号管理メモリのシーケンス番号を歩進させる。又パケット送信部14は、パケットコピー部13によりコピーしたそれぞれ同一パケットを複数の伝送径路に送信する。この複数の伝送径路の中の予め設定した一つの伝送径路を現用系とし、他の伝送径路を予備系とする。この現用系伝送径路と予備系伝送径路とは、パケット伝送制御装置に対するコマンドにより設定可能とし、且つ変更設定も可能とすることができる。
【0023】
図2の(A)は、本発明の実施例1のパケット伝送制御装置のパケット受信機能ブロックの要部説明図であり、図2の(B)はパケット格納メモリの説明図である。パケット受信機能ブロック20は、パケット受信部21と、シーケンス番号チェック部22と、パケット送信部23と、現用方路管理メモリ24と、パケット格納メモリ25と、パケット受信待ちタイマ26と、シーケンス番号管理メモリ27−1〜27−nとを含む構成を有し、シーケンス番号管理メモリ27−1〜27−nは、パケット送信機能ブロックのシーケンス番号管理メモリ15−1〜15−nと同様のパケット対応のシーケンス番号を順次歩進して管理するものであり、パケット受信部21は、複数の伝送径路を介して伝送されたパケットを受信し、シーケンス番号チェック部22により、受信パケットのシーケンス番号とシーケンス番号管理メモリ27−1〜27−nにより管理しているシーケンス番号とを比較し、その比較結果に応じて、パケット送信部23へ転送するか、又は廃棄するか、又はパケット格納メモリ25に格納して、パケット受信待ちタイマ26を起動するかを決定する。
【0024】
このパケット格納メモリ25は、図2の(B)に示すように、階層的にパケットを格納管理する領域を有し、例えば、現用系の伝送径路を介したパケットが遅延し、予備系の伝送径路を介したパケットが先に到着した場合、予備系の伝送径路を介して到着したパケットを格納して、パケット受信待ちタイマ26を起動する。このパケット受信待ちタイマ26のタイムアウト前に、現用系の伝送径路を介してパケットが到着したことをシーケンス番号チェック部22で確認した時は、そのパケットをパケット送信部23へ転送し、パケット受信待ちタイマ26をリセットし、パケット格納メモリ25に格納した予備系のパケットを削除する。又パケット受信待ちタイマ26のタイムアウト時には、パケット格納メモリ25に格納した予備系のパケットを、現用系の伝送径路を介して到着する予定のパケットの代わりにパケット送信部23から送出する。即ち、現用系の伝送径路により受信したパケットを優先処理し、予備系の伝送径路により受信したパケットは、現用系の伝送径路の障害等により現用系の伝送径路を介して受信できなかったパケットの代わりとして処理する。
【0025】
図3は、パケットのフォーマットの説明図であり、イーサ(登録商標)パケットは、MAC−DA(Media Access Control−Destination Address)、MAC−SA(Media Access Control−Source Address)、タグ、シーケンス番号、データを含み、又MPLS(Multiprotocol Label Switching)パケットは、L2ヘッダ、トンネルラベル、PW、CW(Control Word)、データを含み、CWはシーケンス番号の領域を含む。又CEP(Circuit Emulation over Packet)パケットは、PTR無しの場合は、CEPヘッダにシーケンス番号を含み、PTR有りの場合は、PTRヘッダにシーケンス番号を含むものである。
【0026】
図4の(A),(B)は、現用系と予備系との伝送径路が正常の場合に於けるパケット受信機能ブロックの制御処理の一例を示すもので、(A)に示すように、パケット受信機能ブロック20のパケット選択部28に、括弧内をシーケンス番号として示す現用系の伝送径路による白パケット(1),(2),(3),(4)が順次到着し、これらのパケットと異なるタイミングで、予備系の伝送径路による斜線パケット(1),(2),(3),(4)が順次到着した場合、予備系の伝送径路によるパケットの到着タイミングが先で、一時的にパケット格納メモリ25(図2参照)に格納しても、現用系の伝送径路によるパケットを優先処理し、一時的に保持した予備系の伝送径路によるパケットは削除する。従って、(B)に示すように、パケット選択部28により、現用系の伝送径路による白パケット(1),(2),(3),(4)を選択して送出する。
【0027】
図5の(A),(B)は、現用系の障害発生時の説明図であり、図4の場合と同様に、括弧内をシーケンス番号として示し、図5の(A)に示すように、パケット受信機能ブロック20のパケット選択部28に、現用系の伝送径路による白パケット(3)が何らかの原因により未到着の場合、予備系の伝送径路による斜線パケット(3)が到着すると、前述のように、パケット格納メモリ25(図2参照)に格納し、パケット受信待ちタイマ26を起動する。その後、現用系の伝送径路による白パケット(4)が到着した時、白パケット(3)が未到着であることを判定できるから、パケット格納メモリ25に格納した予備系の斜線パケット(3)を、白パケット(2)の次に送出する。それにより、連続したシーケンス番号に従ったパケットを選択して転送することができる。
【0028】
図6及び図7は、本発明の実施例1のフローチャートを示し、現用系の伝送径路を介して受信したパケットのシーケンス番号が、期待するシーケンス番号の場合、その受信したパケットを選択して送出する場合についての制御処理のシーケンスを、ステップ(a1)〜(a24)により示し、図2のパケット受信機能ブロック20を参照して説明する。なお、パケット格納メモリ25のパケットを格納する現用系と予備系との対応領域を、現用系メモリと予備系メモリとして説明する。先ず、到着したパケットのシーケンス番号は期待値より小さいか否かを、シーケンス番号管理メモリ27−1〜27−nにより管理するパケットの伝送径路対応のシーケンス番号を基に、シーケンス番号チェック部22によりチェックし(a1)、小さい場合は、受信パケットを廃棄する(a2)。又期待値と等しいか、又は大きい場合、現用系か否かを判定し(a3)、現用系の場合は、そのパケットのシーケンス番号は期待値より大きいか否かを判定し(a4)、期待値より大きくない場合は、受信したパケットを、シーケンス番号チェック部22からパケット送信部23へ透過し(a5)、予備系メモリに同一シーケンス番号のパケットが保持されているか否かを判定し(a6)、同一シーケンス番号のパケットが保持されている場合は、予備系のメモリに保持されている同一シーケンス番号のパケットを廃棄し(a7)、次に期待するシーケンス番号に1を加算する(a8)。又ステップ(a6)に於いて、予備系メモリに同一シーケンス番号のパケットがない場合も、次に期待するシーケンス番号に1を加算する。
【0029】
又ステップ(a3)による判定結果、パケット受信方路が現用系ではなく、又ステップ(a4)による判定結果、パケットのシーケンス番号が期待値より大きい場合、パケット受信待ちタイマ26が未起動状態か否かを判定し(a9)、未起動状態の場合は、パケット受信待ちタイマ26を起動し(a10)、受信したパケットを、受信方路対応のパケット格納メモリ25の領域に、パケット受信待ちタイマ26のタイムアウトまでの残値と共に格納する(a11)。そして、他方路対応のメモリにパケットが保持されているか否かを判定する(a12)。保持されていない場合は、ステップ(a20)に移行し、保持されている場合は、ステップ(a13)に移行する。受信した方路と他の方路とに対応したパケット格納メモリ25の領域に保持されている最小シーケンス番号を有するパケットを比較する(a13)。その比較結果が等しいか否かを判定する(a14)。等しい場合は、現用系メモリ内の最小シーケンス番号のパケットを透過させ(a15)、予備系メモリ内の最小シーケンス番号のパケットを廃棄し(a17)、期待するシーケンス番号に更新、即ち、透過させたパケットのシーケンス番号に1を加算する(a18)。又ステップ(a14)に於いて、比較結果が等しくない場合、パケット格納メモリ25内の最小シーケンス番号のパケットを透過させて(a16)、ステップ(a18)に移行する。期待するシーケンス番号に更新して、現用系メモリと予備系メモリとにパケットがあるか否かを判定する(a19)。現用系メモリと予備系メモリとの両方にパケットが存在する場合、ステップ(a13)に移行し、前述のステップ(a14)〜(a19)の処理を繰り返す。
【0030】
ステップ(a19)に於いて、現用系メモリと予備系メモリとの両方にパケットが存在しない場合、及び前述のステップ(a8)による期待するシーケンス番号とする加算処理後又はステップ(a12)に於いてメモリにパケットが存在しない場合、タイマを起動するトリガとなったパケットがメモリに存在するか否かを判定し、存在する場合は処理を終了とし、存在しない場合は、パケット受信待ちタイマ26の残値を退避し(a21)、パケット受信待ちタイマ26を解除し(a22)、現用系メモリと予備系メモリとの両方にパケットが存在するか否かを判定し(a23)、パケット有りの場合は、処理を終了とし、無しの場合は、パケット受信待ちタイマ26の最大値から、メモリ内の最大の受信タイマ値を減算した値に、ステップ(a21)に於いて退避したパケット受信待ちタイマ26の残値を加算した時間で、パケット受信待ちタイマ26を起動する(a24)。
【0031】
前述のフローチャートによる処理を、前述の図5に示す現用系と予備系とのパケットの受信処理に適用し、最初のパケットのシーケンス番号の期待値を(1)とすると、現用系からのシーケンス番号(1)の白パケットを受信することにより、パケット選択部28は、このシーケンス番号(1)の白パケットを、シーケンス番号チェック部22からパケット送信部23側へ透過し、期待するシーケンス番号を+1して(2)とする。次に、予備系のシーケンス番号(1)の斜線パケットを受信すると、その時点では期待するシーケンス番号は(2)となっており、予備系の斜線パケットは、期待するシーケンス番号ではないから廃棄する。次に予備系のシーケンス番号(2)の斜線パケットを受信すると、期待するシーケンス番号ではあるが、予備系のパケットであるからパケット格納メモリ25に保持し、パケット受信待ちタイマ26を起動する。次にシーケンス番号(2)の現用系の白パケットを受信すると、期待するシーケンス番号(2)であるから、パケット送信部23側へ透過し、パケット受信待ちタイマ26を停止し、パケット格納メモリ25に保持した予備系パケットを廃棄し、期待するシーケンス番号を+1して(3)とする。
【0032】
次に、シーケンス番号(3)の予備系の斜線パケットを受信すると、期待するシーケンス番号ではあるが、予備系のパケットであるからパケット格納メモリ25に保持し、パケット受信待ちタイマ26を起動する。次にシーケンス番号(4)の予備系の斜線パケットを受信すると、期待するシーケンス番号(3)より大きいシーケンス番号であり、この予備系の斜線パケットもパケット格納メモリ25に保持する。次に、現用系のシーケンス番号(4)の白パケットを受信すると、期待するシーケンス番号(3)より大きいシーケンス番号であるから、パケット格納メモリ25を検索すると、期待するシーケンス番号(3)の予備系の斜線パケットが保持されているから、その予備系の斜線パケット(3)をパケット送信部23側へ送出し、期待するシーケンス番号を+1して(4)とする。そして、現用系のシーケンス番号(4)の白パケットを受信すると、期待するシーケンス番号であるからパケット送信部23側へ透過し、格納メモリ25を検索すると、シーケンス番号(4)の予備系パケットが保持されているから、その予備系パケットを廃棄し、期待するシーケンス番号を+1して(5)とし、パケット受信待ちタイマ26をリセットする。それによって、図5の(A)に示す現用系と予備系とのパケットの受信タイミング及びパケット欠落の場合に、図5の(B)に示すように、現用系の欠落したパケットを予備系のパケットにより補完して、正しい順序でパケットの転送送出処理を行うことができる。
【実施例2】
【0033】
図8及び図9は、本発明の実施例2のフローチャートを示し、現用系と予備系との伝送径路を介して受信した両方のパケットのシーケンス番号が期待するシーケンス番号の場合に、現用系伝送径路を介して受信したパケットを送出し、現用系伝送路を介して受信するパケットが伝送障害等により欠落した時に、予備系伝送路を介して受信したパケットを送出する場合についての制御処理シーケンスを、ステップ(b1)〜(b18)により示し、図2のパケット受信機能ブロック20を参照して説明する。なお、パケット格納メモリ25のパケットを格納する現用系と予備系との対応領域を、現用系メモリと予備系メモリとして説明する。先ず、到着したパケットのシーケンス番号は期待値より小さいか否かを、シーケンス番号管理メモリ27−1〜27−nにより管理するパケットの伝送径路対応のシーケンス番号を基に、シーケンス番号チェック部22によりチェックし(b1)、小さい場合は、受信パケットを廃棄し(b2)、期待値と等しいか、又は大きい場合、パケット受信待ちタイマ26が未起動状態か否かを判定し(b3)、未起動の場合は、パケット受信待ちタイマ26を起動し(b4)、このパケット受信待ちタイマ26を起動状態として、パケットをその受信経路対応の現用系又は予備系メモリに、パケット受信待ちタイマの残値と共に格納する(b5)。
【0034】
そして、現用系では予備系の、予備系では現用系のメモリにパケットが格納されているか否かを判定し(b6)、パケット有りの場合、受信した径路と他方の径路とのそれぞれ対応するメモリに最小シーケンス番号のパケットがあるか否かを比較する(b7)。現用系か否かを判定し(b3)、現用系の場合は、そのパケットのシーケンス番号は期待値より大きいか否かを判定し(a4)、比較結果等しいシーケンス番号があるか否かを判定し(b8)、等しいシーケンス番号があれば、現用系メモリ内の最小シーケンス番号のパケットを、パケット送信部23側へ透過し(b9)、予備系メモリ内の最小シーケンス番号のパケットを廃棄する(b10)。又ステップ(b8)に於ける比較結果、等しいパケットが存在しない場合は、メモリ内の最小シーケンス番号のパケットをパケット送信部23側へ透過する(b11)。
【0035】
ステップ(b10)又はステップ(b11)の後で、期待するシーケンス番号を更新する(b12)。そして、現用系メモリと予備系メモリとにパケットが保持されているか否かを判定し(b13)、保持されている場合は、ステップ(b7)へ移行し、保持されていない場合は、パケット受信待ちタイマ26を起動した時のトリガとなったパケットがパケット格納メモリに保持されているか否かを判定し(b14)、保持されていない場合は処理を終了し、保持されている場合は、パケット受信待ちタイマ26の残値を退避させ(b15)、パケット受信待ちタイマ26を解除し(b16)、現用系メモリと予備系メモリとの両方にパケットが保持されているか否かを判定し(b17)、残存している場合は処理を終了し、残存していない場合は、パケット受信待ちタイマ26の最大値からメモリ内の最大受信タイマ値を差し引いた値に、ステップ(b15)で退避した値を加算した時間でタイマを起動する(b18)。
【0036】
前述の図8及び図9に示すフローチャートによる図5に示す現用系と予備系とのパケット受信処理について説明すると、最初に期待するシーケンス番号は(1)とし、現用系の白パケット(1)を受信した時、期待するシーケンス番号の受信パケットであるが、予備系の斜線パケット(1)は未受信の場合、現用系の受信白パケット(1)をパケット格納メモリ25に保持し、パケット受信待ちタイマ26を起動する。次に予備系の斜線パケット(1)を受信すると、現用系の白パケット(1)は既に受信しているから、その現用系の白パケット(1)をパケット送信部23へ透過し、予備系の斜線パケット(1)を廃棄し、パケット受信待ちタイマ26を停止し、期待するシーケンス番号を(2)とする。次に予備系斜線パケット(2)を受信すると、期待するシーケンス番号(2)であるが、現用系白パケット(2)を受信していないので、予備系メモリに格納し、パケット受信待ちタイマ26を起動する。次に現用系白パケット(2)を受信すると、シーケンス番号(2)のパケットが予備系メモリに格納されているから、この現用系白パケット(2)をパケット送信部23へ透過し、予備系メモリの予備系斜線メモリ(2)を廃棄し、パケット受信待ちタイマ26を停止し、期待するシーケンス番号を(3)とする。
【0037】
次に、予備系斜線パケット(3)を受信すると、現用系白パケット(3)は未受信状態であるから、予備系メモリに格納し、パケット受信待ちタイマ26を起動する。次に予備系斜線パケット(4)を受信すると、期待するシーケンス番号(3)より大きいシーケンス番号で且つ予備系斜線パケットであるから、予備系メモリに格納する。次に現用系白パケット(4)を受信すると、期待するシーケンス番号(3)より大きいシーケンス番号であるから、現用系メモリに格納し、予備系メモリを検索すると、期待するシーケンス番号(3)の斜線パケットが保持されているから、その斜線パケット(3)をパケット送信部23へ透過し、期待するシーケンス番号を(4)とする。そして、この期待するシーケンス番号(4)のパケットが格納されているか否かをチェックすると、予備系メモリと現用系メモリとに格納されており、現用系メモリの白パケット(4)をパケット送信部23へ透過する。前述のように、現用系と予備系との同一のシーケンス番号のパケットの受信確認の場合、現用系のパケットを優先処理し、現用系パケットが未到着の場合、それと同一シーケンス番号の予備系パケットを現用系パケットとして処理し、信頼性の向上を図ることができる。
【0038】
図10は、前述の実施例1及び実施例2に於けるパケット受信待ちタイマ26のタイムアウト時の処理フローチャートを(c1)〜(c10)として示し、タイムアウトにより、現用系と予備系とのメモリの中に格納されたパケットの中の最小シーケンス番号を有するパケットを比較し(c1)、比較結果等しいか否かを判定し(c2)、等しい場合は、現用系メモリの最小シーケンス番号のパケットをパケット送信部23へ透過し(c3)、予備系メモリ内の最小シーケンス番号のパケットを廃棄する(c4)。又ステップ(c2)に於いて比較結果が等しくない場合、現用系メモリと予備系メモリとの最小シーケンス番号のパケットをパケット送信部23へ透過する(c5)。ステップ(c4)又はステップ(c5)の次に、期待するシーケンス番号を更新、即ち、最小シーケンス番号に+1の加算処理をし(c6)、現用系メモリと予備系メモリとにパケットが格納されているか否かを判定し(c7)、パケットが格納されている場合は、ステップ(c1)へ移行し、パケットが格納されていない場合は、パケット受信待ちタイマ26を起動した時のトリガとなったパケットが現用系又は予備系のメモリに残存しているか否かを判定し(c8)、残存している場合は処理を終了し、残存していない場合は、現用系メモリと予備系メモリとにパケットが残存しているか否かを判定し(c9)、残存していない場合は処理を終了し、残存している場合は、パケット受信待ちタイマの最大値からメモリ内の最大受信タイマ値を減算した値に、退避した値を加算した時間で、パケット受信待ちタイマを起動し(c19)、タイムアウトの処理を終了する。
【符号の説明】
【0039】
10 パケット送信機能ブロック
11 パケット受信部
12 シーケンス番号付加部
13 パケットコピー部
14 パケット送信部
15−1〜15−n シーケンス番号管理メモリ
20 パケット受信機能ブロック
21 パケット受信部
22 シーケンス番号チェック部
23 パケット送信部
24 現用方路管理メモリ
25 パケット格納メモリ
26 パケット受信待ちタイマ
27−1〜27−n シーケンス番号管理メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の伝送径路に同一のシーケンス番号を付加した同一のパケットを送信するパケット送信機能ブロックと、複数の伝送径路からのパケットがそれぞれ期待するシーケンス番号のパケットか否かを判定して受信処理するパケット受信機能ブロックとを含むパケット伝送制御装置に於いて、
前記パケット送信機能ブロックは、前記複数の伝送径路の中の1伝送径路を現用系伝送径路、他の伝送径路を予備系伝送径路にそれぞれ設定し、宛先対応のシーケンス番号を付加したパケットを、前記現用系伝送径路及び前記予備系伝送径路対応にコピーして送信するパケット送信部を含む構成を有し、
前記パケット受信機能ブロックは、前記現用系伝送径路及び前記予備系伝送径路を介して受信したパケットのシーケンス番号が期待するシーケンス番号で、且つ前記現用系伝送径路を介して受信したパケットを受信処理し、他の前記予備系伝送径路を介して受信したパケットを廃棄し、前記現用系伝送径路を介して期待するシーケンス番号のパケットを受信できない時に、前記予備系伝送径路を介して受信した前記期待するシーケンス番号のパケットを受信処理するシーケンス番号チェック部を含む構成を有する
ことを特徴とするパケット伝送制御装置。
【請求項2】
前記パケット受信機能ブロックは、前記現用系伝送径路及び前記予備系伝送径路対応の受信パケットの格納領域を有するパケット格納メモリと、パケット受信待ちタイマとを含む構成を有し、前記シーケンス番号チェック部は、前記パケット格納メモリに対するパケットの格納及び読出しを制御し、且つ前記パケット受信待ちタイマの起動及びリセットの制御を行う構成を有することを特徴とする請求項1記載のパケット伝送制御装置。
【請求項3】
前記シーケンス番号チェック部は、前記現用系伝送径路を介して期待するシーケンス番号のパケットを受信処理して、前記予備系伝送径路を介して受信した前記期待するシーケンス番号の受信パケットを廃棄し、前記現用系伝送径路を介して前記期待するシーケンス番号のパケットの受信前に受信した前記予備系伝送径路を介した前記期待するシーケンス番号のパケットを前記パケット格納メモリに格納して、前記パケット受信待ちタイマを起動し、該パケット受信待ちタイマのタイムアウト前に前記現用系伝送径路を介して前記期待するシーケンス番号のパケットを受信した時に、該現用系伝送径路を介して受信したパケットを受信処理し、前記パケット格納メモリに格納した前記予備系伝送径路を経由して受信したパケットを廃棄し、且つ前記パケット受信待ちタイマをリセットし、前記パケット受信待ちタイマのタイムアウト時に、前記パケット格納メモリに格納した前記予備系伝送径路を介して受信したパケットを読出して受信パケットとして処理する制御構成を有することを特徴とする請求項1記載のパケット伝送制御装置。
【請求項4】
前記シーケンス番号チェック部は、前記現用系伝送径路と前記予備系伝送径路とをそれぞれ介して同一の前記期待するシーケンス番号のパケットを受信するまで、何れか一方の伝送径路を介して先に受信したパケットを前記パケット格納メモリに格納して前記パケット受信待ちタイマを起動し、該パケット受信待ちタイマのタイムアウト前に前記現用系伝送径路と前記予備系伝送径路との両方の同一シーケンス番号のパケットを受信した時に、前記パケット受信待ちタイマをリセットし、且つ前記現用系伝送径路を介して受信したパケットを受信パケットとして処理し、前記パケット受信待ちタイマのタイムアウト時は、前記パケット格納メモリに格納された前記期待するシーケンス番号のパケットを受信パケットとして処理する制御構成を有することを特徴とする請求項1記載のパケット伝送制御装置。
【請求項5】
前記シーケンス番号チェック部は、前記パケット受信待ちタイマのタイムアウトにより前記パケット格納メモリに格納されたパケットの中の最小のシーケンス番号のパケットを受信パケットとして処理し、該最小のシーケンス番号を基に加算した値を次の期待するシーケンス番号とする制御構成を有することを特徴とする請求項4記載のパケット伝送制御装置。
【請求項6】
複数のパケット伝送制御装置をそれぞれ複数の伝送径路を介して接続し、該複数の伝径路により同一のシーケンス番号を付加したパケットを送信し、前記複数の伝送径路を介して受信したパケットが期待するシーケンス番号か否を判定して受信処理するパケット伝送制御方法に於いて、
前記複数の伝送径路の中の1伝送径路を現用系伝送径路、他の伝送径路を予備系伝送径路にそれぞれ設定し、宛先対応のシーケンス番号を付加したパケットを、前記現用系伝送径路及び前記予備系伝送径路対応にコピーして前記パケット伝送制御装置のパケット送信機能ブロックから送信する過程と、
前記パケット伝送制御装置のパケット受信機能ブロックにより、前記現用系伝送径路及び前記予備系伝送径路を介して受信したパケットが期待するシーケンス番号のパケットか否かを判定し、前記期待するシーケンス番号のパケットの中の現用系伝送径路を介して受信したパケットを受信パケットとして処理し、該現用系伝送径路を介して前記パケットを受信できない時に、前記予備系伝送径路を介して受信したパケットを受信パケットとして処理する過程とを含む
ことを特徴とするパケット伝送制御方法。
【請求項7】
前記パケット伝送制御装置の前記パケット受信機能ブロックは、シーケンス番号チェック部とパケット格納メモリとパケット受信待ちタイマとを有し、前記シーケンス番号チェック部により、前記現用系伝送径路を介して期待するシーケンス番号のパケットを受信した時は、該パケットを直ちに受信処理して、前記予備系伝送径路を介して受信した前記期待するシーケンス番号の受信パケットは廃棄処理し、前記期待するシーケンス番号のパケットを前記現用系伝送径路を介して受信する前に、前記予備系伝送径路を介して受信した時は、前記パケット格納メモリに格納して、前記パケット受信待ちタイマを起動し、該パケット受信待ちタイマのタイムアウト前に前記現用系伝送径路を介して前記期待するシーケンス番号のパケットを受信した時は、該現用系伝送径路を介して受信したパケットを受信処理し、前記パケット格納メモリに格納した前記予備系伝送径路を経由して受信したパケットを廃棄し、且つ前記パケット受信待ちタイマをリセットし、前記パケット受信待ちタイマのタイムアウト時に、前記パケット格納メモリに格納した前記予備系伝送径路を介して受信したパケットを読出して受信パケットとして処理する過程を含むことを特徴とする請求項6記載のパケット伝送制御方法。
【請求項8】
前記シーケンス番号チェック部により、前記現用系伝送径路と前記予備系伝送径路とをそれぞれ介して受信したパケットが、同一の前記期待するシーケンス番号のパケットであるか否かを判定し、前記現用系伝送径路と前記予備系伝送径路とをそれぞれ介して同一の前記期待するシーケンス番号のパケットを受信するまで、何れか一方の伝送径路を介して先に受信したパケットを前記パケット格納メモリに格納して前記パケット受信待ちタイマを起動し、該パケット受信待ちタイマのタイムアウト前に前記現用系伝送径路と前記予備系伝送径路との両方の同一シーケンス番号のパケットを受信した時は、前記パケット受信待ちタイマをリセットし、且つ前記現用系伝送径路を介して受信したパケットを受信パケットとして処理し、前記パケット受信待ちタイマのタイムアウト時は、前記パケット格納メモリに格納された前記期待するシーケンス番号のパケットを受信パケットとして処理する過程を含むことを特徴とする請求項6記載のパケット伝送制御方法。
【請求項9】
前記シーケンス番号チェック部は、前記現用系伝送径路及び予備系伝送径路を介して前記期待するシーケンス番号のパケットを、前記パケット受信待ちタイマのタイムアウトまで受信できない時、前記パケット格納メモリに格納されているパケットの中の最小シーケンス番号のパケットを読出して受信パケットとして処理し、且つ該最小シーケンス番号を基に加算した値を次の期待するシーケンス番号とする処理過程を含むことを特徴とする請求項7又は請求項8記載のパケット伝送制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−273252(P2010−273252A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−125140(P2009−125140)
【出願日】平成21年5月25日(2009.5.25)
【出願人】(000237662)富士通テレコムネットワークス株式会社 (682)
【Fターム(参考)】