説明

パターン形成装置、およびパターン形成方法

【課題】この発明は、高精細なパターンを高い品質で形成できるパターン形成装置、およびパターン形成方法を提供することを課題とする。
【解決手段】パターン形成装置は、現像剤粒子によるパターンを表面に保持した原版1、パターンを保持した原版1の表面を、転写液を介して被転写媒体61の表面に密着させる加圧ローラ66、および密着によって原版1と被転写媒体61の間から押し出された余剰の転写液63aを吸収する吸収ローラ68を有する。押し出された余剰の転写液63aを除去することで、パターン転写後、原版1と被転写媒体61を剥離する際に、両者の間に生じる液流を抑制でき、パターンを安定させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、平面型画像表示装置、配線基板、ICタグ、LED照明デバイスなどの製造に用いるパターン形成装置、およびパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基材の表面に微細なパターンを形成する技術として、フォトリソグラフィー技術が中心的な役割を果たしている。しかし、このフォトリソグラフィー技術は、その解像度やパフォーマンスを高めつつある反面、巨大で高額な製造設備を必要とするとともに、パターン以外に塗布した材料の再利用が難しく、パターン形成に要するコストを低く抑えることが難しい。
【0003】
これに対し、例えば、インクジェット技術は、装置の簡便さや非接触パターニングといった特徴を生かした比較的安価なパターニング技術として実用化され始めている。しかし、このインクジェット技術も、例えば近年の平面型画像表示装置の蛍光体スクリーンのパターニングに要求される程度の高解像度化や高生産性には限界があることが露呈されつつある。
【0004】
これらの点において、電子写真技術、とりわけ液体トナーを用いた電子写真技術は、優れた可能性を有している。
【0005】
従来、このような電子写真技術を用いて、フラットパネルディスプレイ用の前面基板の蛍光体層やブラックマトリックス、カラーフィルターなどを形成するパターン形成方法が提案されている。例えば、平面型画像表示装置の前面基板に蛍光体スクリーンを形成する装置として、感光体ドラムの表面にパターン状の静電潜像を形成し、この静電潜像に帯電した現像剤を供給して現像し、このように現像した各色の現像剤像を転写ドラムへ順次転写し、転写ドラム上で重ねられた各色の現像剤像を基板に一括転写して定着させるパターン形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
しかし、この種の複数のドラムを用いた装置では、感光体ドラムの湾曲した周面に形成したパターン状の現像剤像を転写ドラムの湾曲した周面に転写し、且つこの転写ドラム周面のパターンを平らな基板上へ転写するため、感光体ドラムと転写ドラムとの間の位置精度、および転写ドラムと基板との間の位置精度を高精度に維持することが極めて困難であり、微細なパターンを要求される程度に高い位置制度で基板に形成することが極めて難しく、品質の高いパターンを形成することは難しい。
【特許文献1】特開2004−30980号公報(図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明の目的は、高精細なパターンを高い品質で形成できるパターン形成装置、およびパターン形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、この発明のパターン形成装置は、像保持体の表面に帯電した現像剤粒子によるパターンを形成する現像装置と、上記パターンが形成された上記像保持体の表面と被転写媒体の表面をその間に絶縁性の転写液を満たした状態で密着させる密着機構と、上記表面同士の密着により表面の間から押し出された余剰の転写液を取り除く除去装置と、上記密着機構にて密着せしめた上記像保持体の表面にパターンを形成している現像剤粒子に電界を作用せしめて該パターンを上記像保持体の表面から上記被転写媒体の表面に転写する転写機構と、を有する。
【0009】
また、この発明のパターン形成方法は、像保持体の表面に帯電した現像剤粒子によるパターンを形成する現像工程と、上記パターンが形成された上記像保持体の表面と被転写媒体の表面をその間に絶縁性の転写液を満たした状態で密着させる密着工程と、上記表面同士の密着により表面の間から押し出された余剰の転写液を取り除く除去工程と、上記密着工程にて密着せしめた上記像保持体の表面にパターンを形成している現像剤粒子に電界を作用せしめて該パターンを上記像保持体の表面から上記被転写媒体の表面に転写する転写工程と、この転写工程で上記パターンを転写した後、上記像保持体の表面と上記被転写媒体の表面を徐々に剥離する剥離工程と、を有する。
【0010】
上記発明によると、表面に現像剤粒子によるパターンを形成した像保持体に被転写媒体を密着させる際に、両者の間に転写液を満たした真空状態で密着させ、このとき、密着した表面の間から押し出される余剰の転写液を取り除くようにしたため、パターンに電界を作用させて転写した後、像保持体と被転写媒体を剥離するとき、押し出された余剰の転写液が表面の間の負圧によって戻ることがなく、表面間に不所望な液流の発生を防止できる。これにより、剥離時に、被転写媒体の表面に転写済みの現像剤粒子が乱されることを防止でき、安定した形状を有する高い品質の高精細なパターンを形成できる。
【発明の効果】
【0011】
この発明のパターン形成装置は、上記のような構成および作用を有しているので、高精細なパターンを高い品質で形成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、この発明の実施の形態に係るパターン形成装置10について説明する。
【0013】
図1に示すように、パターン形成装置10は、矩形平板状の原版1(像保持体)、およびこの原版1を保持し図中左右方向に移動する原版保持機構2を有する。また、パターン形成装置10は、原版1の移動経路に沿って、原版1の表面1aが対向する図中下側に、原版1の表面1aを除電する除電器3、原版1の表面1aを帯電する帯電器4、原版1に各色(r:赤、g:緑、b:青)の液体現像剤を供給して現像する複数の現像装置5r、5g、5b(以下、総称して現像装置5と称する場合もある)、および後述する転写工程後に原版1に残留した現像剤粒子を除去するクリーナー6を備えている。
【0014】
各色の現像装置5に収納される液体現像剤は、炭化水素系やシリコーン系などの絶縁性溶媒中に帯電した微粒子(現像剤粒子)を分散したもので、この微粒子が電界で電気泳動することによって現像が行われる。微粒子としては、例えば平均粒径4[μm]の蛍光体粒子をこれよりも平均粒径が小さい樹脂粒子が取り囲み、樹脂粒子がイオン性帯電サイトを有していて電界中でイオン解離することで電荷を帯びる構成や、樹脂粒子の内部に顔料微粒子を内包する構成、もしくは樹脂粒子の表面に顔料微粒子を担持する構成などが実施可能である。
【0015】
図2に部分的に拡大して示すように、ここでは、原版1として、その表面1aに多数の矩形の凹部を整列配置した凹版を用いた。この原版1は、厚さ0.05[mm]ないし0.4[mm]、より好ましくは厚さ0.1[mm]ないし0.2[mm]の矩形の金属板21の表面に高抵抗層22を形成して構成されている。金属板21は可撓性を有し、アルミニウム、ステンレス、チタン、アンバーなどの素材で構成可能であるほかに、ポリイミドやPETなどの表面に金属蒸着を施したものなどでも良いが、転写パターンを高い位置精度で形成するためには、熱膨張や応力による伸びなどが生じにくい素材で構成することが望ましい。高抵抗層22は、例えば、ポリイミド、アクリル、ポリエステル、ウレタン、エポキシ、テフロン(登録商標)、ナイロンなどの体積抵抗率が1010[Ωcm]以上の材料(絶縁体を含む)により形成され、その膜厚は、10[μm]〜40[μm]、より好ましくは20[μm]±5[μm]に形成されている。また、この高抵抗層22の表面、すなわち原版1の表面1aには、矩形の凹部24が多数整列配置されたパターンが形成されている。凹部24の底には、金属板21の表面が露出しており、その深さは高抵抗層22の層厚に概ね相当する。凹部24の底の金属板21の表面21a、もしくは高抵抗層22を含む原版の表面全体に、厚さ0.5ないし3μm程度の表面離型層をコーティングすれば、転写特性が向上しより好ましい特性が得られる。
【0016】
原版保持機構2は、例えば原版1の裏面1bに対向する面に開口した図示しない多数の孔を有し、これら多数の孔を介して原版1の裏面1bに負圧を作用させることにより、原版1を吸着して保持するよう機能する。つまり、原版保持機構2は、上述した原版1のパターン状の凹部24を有する表面1aが下方を向く姿勢で原版1を保持して水平面に沿って原版1を図中左右方向に移動させる。
【0017】
除電器3は、周知のコロナ帯電器であり、例えば図示しないコロナワイヤーとグリッド電極からなるスコロトロン型の帯電器等が使用可能である。コロナワイヤーに例えば実効電圧6[kV]、周波数50[Hz]の交流電圧を印加し、グリッドを接地すると、帯電に先立って原版1の高抵抗層22の表面が略0Vとなるよう除電することができる。即ち、原版1が図中の矢印に従って移動すると、除電器3を通過した部分は、表面電位が略0Vとなる。このように原版1を除電することで、高抵抗層22の表面1aを繰り返し帯電させる際の特性を安定化できる。
【0018】
帯電器4も、周知のコロナ帯電器であり、同様にコロナワイヤーとグリッド電極からなるスコロトロン型の帯電器等が使用可能である。コロナワイヤーに+5.5[kV]の電圧を印加、グリッドに+500[V]の電圧を印加して原版1を図中の矢印方向に移動させると、高抵抗層22の表面1aは略+500[V]に均一に帯電される。
【0019】
図3には、上記のように帯電した原版1に対して液体現像剤を供給してパターンを現像するための現像装置5の概略構成を示してある。
現像ローラ51は、搬送される原版1の高抵抗層22の表面1aに対して100〜150[μm]程度のギャップを介してその周面が対向する位置に配置され、原版1の搬送方向と同じ方向(図中反時計回り方向)に1.5倍ないし4倍程度の速度で回転する。現像剤供給部53から現像ローラ51に供給された液体現像剤は、現像ローラ51の回転に伴って搬送され、原版1の表面1aに供給される。このとき、現像ローラ51に例えば+250[V]の電圧が印加されていると、正に帯電している現像剤粒子は、接地電位の金属板21に向かって溶媒中を泳動し、原版1の凹部24に付着する。高抵抗層22は+500[V]に帯電されているので正に帯電した現像剤粒子は反発されて付着しない。
【0020】
凹部24への現像に寄与しなかった現像剤粒子は、現像ローラ51の回転によって再び現像装置内に回収され、スクイーズローラ52によって掻き取られる。すなわち、原版1に付着した液体現像剤は続いてスクイーズローラ52と原版1が対向するギャップに進入する。ここでは、ギャップ(高抵抗層22の表面1aとスクイーズローラ52表面の間の距離)が30ないし50[μm]に設定されており、スクイーズローラ52の電位が+100[V]乃至+250[V]に設定されており、スクイーズローラ52は原版1とは逆向きに原版1の速度の3から5倍程度の速度で移動するように設定されているため、現像をさらに促進しつつ、同時に原版1に付着している溶媒の一部を絞り取る効果を奏する。このようにして、原版1の凹部24に現像剤粒子によるパターンが形成される。
【0021】
パターン形成装置10は、図1に示す構成の他に、後述する転写機構および剥離機構を有する。転写機構は、上記のようにパターンを現像した原板1の表面1aに絶縁性の転写液を介して被転写媒体の表面を密着させた状態で、原版1と被転写媒体との間に電位差を与えてパターン状の凹部24内に集められている現像剤粒子に電界を作用させ、この現像剤粒子によるパターンを被転写媒体の表面に転写するよう機能する。剥離機構は、上記のように転写液を介して密着した原版1と被転写媒体を、パターンを転写した後、徐々に剥離するよう機能する。
【0022】
次に、図4に示すフローチャートとともに図5乃至図21を参照して、上述したパターン形成装置10の動作を説明する。なお、ここでは、主に、パターンを現像した後の転写工程および剥離工程について詳細に説明する。
【0023】
まず、主に図1を参照して説明したように、原版保持機構2によって裏面1bを吸着保持された原版1の表面1aに、現像装置5を介して液体現像剤が供給され、現像ローラ51にバイアス電圧が印加されて、原版1の凹部24に現像剤粒子が集められてパターンが現像される(図4;ステップ1)。このとき、例えば、赤色パターンを現像するため、現像装置5rが作動されて赤色のパターンが原版1に形成される。
【0024】
この後、現像剤粒子によるパターンを保持した原版1は、図5に示すように、原版保持機構2を移動することで被転写媒体61の上方まで搬送される。転写機構および剥離機構は、この位置で動作する。なお、原版1が被転写媒体61の上方に搬送される前に、被転写媒体61の表面61aには絶縁性の転写液63が塗布される(ステップ2)。ステップ2の転写液63の塗布工程では、転写液63の厚みを10〜100[μm]程度にした。
【0025】
このとき、被転写媒体61は、パターン形成装置10の媒体保持機構62によってその裏面61b側が固定されている。媒体保持機構62は、例えば、被転写媒体61と対向する面に多数の通気孔を有し、これら通気孔を介して真空引きすることで被転写媒体61を吸着せしめて固定するよう機能する。本実施の形態の被転写媒体61は、例えば、図6に示すように、ガラス基板等の基材61cの表面に光透過性を有する導電層61dを形成して構成されている。また、転写液63としては、液体現像剤の分散媒であるアイソパーが使用可能であり、金属石鹸等の帯電制御剤を分散させても良い。
【0026】
ステップ2で被転写媒体61の表面61aに転写液63が塗布されて、図7に示すように原版1が被転写媒体61の上方まで移動されると、原版1の図中左右の端辺が原版支持部材64、65(密着機構、剥離機構)によって把持固定され、原版保持機構2の負圧が解除されて原版1の裏面1bから離間される。
【0027】
そして、図8に示すように、図中右側の一方の原版支持部材65が被転写媒体61に向けて降下されて、原版1の図中右端近くが被転写媒体61の表面61aに部分的に接触される。この時点から、原版1を被転写媒体61に密着する動作が開始される(ステップ3)。なお、ここで言う“接触”および“密着”とは、原版1の表面1aと被転写媒体61の表面61aとが物理的に接触した状態を含むとともに、転写液63で満たされた微小ギャップを介して原版1の表面1aと被転写媒体61の表面61aが密着した状態をも含む。
【0028】
原版1の表面1aと被転写媒体61の表面61aとの密着動作を開始したとき、原版1の図中右端辺近くが被転写媒体61の表面61aに塗布されている転写液63に接触することで、転写液63の一部が原版1の端辺によって押さえ付けられて両者の間から僅かに押し出される。この押し出された転写液は余剰の転写液となる。すなわち、ステップ3の密着工程が開始されるときには、図9に示すように、本発明の除去装置として機能するスポンジなどの多孔質部材71が、原版1と被転写媒体61が接触を開始する部位に配置され、両者の間から押し出される余剰の転写液63が多孔質部材71によって吸収されて取り除かれる(ステップ4)。
【0029】
なお、この多孔質部材71は、原版1の右端辺が被転写媒体61に密着される前に密着部位に配置されることは好ましくなく、両者が密着した直後のタイミングで密着部位に配置することが望ましい。つまり、原版1の端辺が被転写媒体61の表面に密着する前に多孔質部材71を転写液63に接触させてしまうと、多孔質部材71がその毛管作用によって転写液63を必要以上に多く吸収してしまうことになるため、あくまでも原版1と被転写媒体61の間から押し出された余剰の転写液63だけを吸収するよう、多孔質部材71を適切なタイミングで接触させる必要がある。
【0030】
図9に示すように、原版1の図中右端辺を被転写媒体61に密着させて多孔質部材71を機能させた後、原版1の背面1b側に配置した加圧ローラ66(密着機構)及び吸収ローラ68(除去装置)を図中矢印の方向に回転させながら図中矢印方向に動作させて、図10に示すように、原版1を撓ませながらその表面1aと被転写媒体61の表面61aとの間の密着領域を徐々に広げていく(ステップ3)。この動作により、原版1が被転写媒体61に対して徐々に密着され、被転写媒体61の表面61aに塗布されている転写液63が押さえ付けられて図中左方向へ押し出されていく。
【0031】
図11には、加圧ローラ66と吸収ローラ68を原版1の背面1b側から見た平面図を示してある。加圧ローラ66は、SUS、アルミ等のリジッドな材料からなり、圧力の均一性を確保すべく表面に弾性層を設けてもよい。
【0032】
吸収ローラ68は、図12に示すように多孔質弾性体81(多孔質部材)で金属コア82の周面を覆った構造を有する。多孔質弾性体81は、平滑で且つ30[μm]程度の極めて微細な径の連通孔を均一に分散した構造を有するものが用いられ、具体的な材料としてポリウレタンスポンジなどのゴム系材料やゴアテックス等に代表される微細多孔シート等が使用可能である。金属コア82は、通気性を確保するように、焼結金属や金属メッシュを積層し焼結した中空軸、もしくは単に中空金属軸に多数の貫通孔を設けた構成を有する。
【0033】
また、吸収ローラ68は、金属コア82の中空部を介して余剰転写液回収装置83に接続されている。余剰転写液回収装置83は、金属コア82の中空軸内部に負圧を発生させるポンプ(図示省略)と、回収された転写液を溜める容器(図示省略)を備えており、吸収ローラ68の多孔質弾性体81によって吸収された転写液を吸引し、保管する機能を有している。
【0034】
図11に示すように、原版1は、加圧ローラ66の進行方向(図中矢印方向)に沿って、被転写媒体61よりも長く、加圧ローラ66の軸方向においては被転写媒体61よりも幅が狭く設計されている。また、加圧ローラ66の軸方向の長さは、原版1の幅と同じかあるいは僅かに狭く設計されており、吸収ローラ68の軸方向長さは、原版1の幅よりも広く設計されている。このため、加圧ローラ66による圧力の影響で転写液63の余剰分63aは原版1の両端からも押し出されることとなる。そして、押し出された余剰の転写液63aは、後続の吸収ローラ68によって吸収される(ステップ4)。
【0035】
つまり、ステップ3の密着工程で加圧ローラ66を原版1の背面1bに押し付けながら原版1の図中左端辺に向けて移動させると、上述したように、原版1の表面1aと被転写媒体61の表面61aとの間に介在されている転写液63は、左端辺に向けて押し流されるとともに、図11に示すように、加圧ローラ66の軸方向両端からも押し出される。このため、本実施の形態では、加圧ローラ66に追従させるように吸収ローラ68を原版1の背面1bに接触させて移動させることで、加圧ローラ66の軸方向端部から押し出される転写液63aを吸収して除去するようにした(ステップ4)。
【0036】
例えば、図13に示すように、軸方向に2つに分割した吸収ローラ74(多孔質部材)を用いることでも端部から押し出された転写液63aを取り除くことができる。この場合、原版1または被転写媒体61のサイズが変わっても、サイズに合わせて吸収ローラ74を用意する必要がなく、1組の吸収ローラ74を兼用でき、その分、装置コストを低減できる。
【0037】
図14に示すように、ステップ3の密着工程が完了する直前には、原版1と被転写媒体61が最後に密着する部位(図中左端)に本発明の除去装置として機能する多孔質部材72が配置され、原版1と被転写媒体61の間から押し出される余剰の転写液63が吸収される(ステップ4)。この多孔質部材72を機能させるタイミングは、あまり早すぎても必要な転写液63まで除去してしまうため、密着が完了する直前のタイミングにすることが望ましい。多孔質部材72が動作されて原版1と被転写媒体61との密着が完了すると(ステップ5;YES)、加圧ローラ66と吸収ローラ68が原版1の裏面1bから退避され、ステップ6の転写工程に移行する。
【0038】
以上のように、本実施の形態によると、原版1と被転写媒体61の密着工程において、被転写媒体61の右端辺および左端辺に適切なタイミングで多孔質部材71、72を配置し、且つ原版1の背面1bを扱く加圧ローラ66に追従させて吸収ローラ68を動作させるようにしたため、原版1と被転写媒体61の密着によって両者の間から押し出される余剰の転写液を略完全に取り除くことができる。このため、本実施の形態によると、密着工程を終了した時点で(ステップ5;YES)、原版1と被転写媒体61との間のわずかな間隙にのみ転写液63が存在する状態となり、原版1の周縁部には押し出された余剰の転写液が殆ど付着していない状態となる。
【0039】
ステップ6の転写工程では、転写機構を介して、原版1の凹部24に集められている帯電した現像剤粒子に電界が作用されて被転写媒体61の表面61aにパターン状の現像剤粒子が転写される。
図15に原版1と被転写媒体61の密着部位を拡大して示すように、密着工程を終了した時点では、原版1の表面1aと被転写媒体61の表面61aの間には微小ギャップが形成されており、この微小ギャップが転写液63で満たされた状態となっている。より詳細には、被転写媒体表面の導電層61dと原版1の高抵抗層22との間のギャップは数[μm]程度であり、導電層61dと凹部24の底との間のギャップは数[μm]〜10[μm]程度となっている。そして、このときには被転写媒体61の導電層61dと原版1の金属板21との間には電位差が形成されていないため、現像剤粒子は、原版1のパターン状の凹部24内に集められた状態のままとなっている。
【0040】
この状態から、図16に示すように、原版1の金属板21と被転写基板61の導電層61dとの間に電圧を印加すると、凹部24内に集められた現像剤粒子に電界が作用されて、凹部24から剥離された現像剤粒子が転写液63中を泳動されて被転写基板61の表面61a上に転写される(ステップ6)。
【0041】
ステップ6の転写工程が終了すると、図17および図18に示すように、原版1の背面1b側に配置された背面ローラ91が図示矢印方向に回転されつつ図示矢印方向に移動され、原版1の図中右端辺を保持している原版保持部材65が図中上方に引き離されて、原版1が被転写媒体61から徐々に剥離される(ステップ7)。このとき、原版1の背面1b側に配置された背面ローラ91を可動基点にして原版1が湾曲され、原版1と被転写媒体61の剥離部位に楔形の空間92を形成しつつ原版1が徐々に剥離される。
【0042】
そして、図19に示すように、楔形の空間92が被転写媒体61の図中左端辺まで移動して原版1と被転写媒体61が完全に剥離された後、背面ローラ91が退避され、図20に示すように他方の原版保持部材64も被転写媒体61から離間する方向に上昇され、原版1が被転写媒体61の上方に水平な姿勢で離間されて、再び、原版保持機構2によって吸着されて保持される。この後、ステップ3の密着工程において使用していた2つの多孔質部材71がその動作位置から図中矢印方向に退避され、剥離工程が完了する。
【0043】
剥離工程の後、図21に示すように、原版1を保持した原版保持機構2が図1で説明したプロセスユニットの上方へ戻されて、クリーナー6の上方を通過され、クリーナー6によって原版1の凹部34に残留した現像剤粒子やゴミ等が除去される。そして、次の色のパターンを形成する場合(ステップ8;YES)には、上述したステップ1の処理に戻って、除電、帯電の工程を経て、2色目の現像装置5gによって2色目の液体現像剤が原板1に供給されてパターンが現像される。さらに、原版1のパターンを被転写媒体61の表面61a上に転写して2色目のパターンを形成する。このとき、パターンの形成位置を1画素分ずらすことは言うまでもない。同様にして、3色目のパターンも被転写媒体61の表面61a上に形成し、3色分のパターン形成を完了する。なお、必要に応じてステップ7の後に、被転写媒体61上のパターンを乾燥させる工程を入れても良い。
【0044】
ここで、上述したステップ7の剥離工程における転写液63の挙動について、図22乃至図27を参照して考察する。
本実施の形態では、上述したステップ4の処理で、原版1と被転写媒体61を密着させた際に両者の間から押し出された余剰の転写液63を取り除くようにしたが、押し出された余剰の転写液をそのままにしておくと、例えば、図22に示すように、転写工程が終了した時点で、原版1の端辺の外側に余剰の転写液63による比較的大きなメニスカス101が形成された状態となる。つまり、上述したステップ2の転写液の塗布工程では被転写媒体61の表面61aに予め10〜100[μm]程度の厚さで転写液63が塗布されているため、原版1と被転写媒体61を密着させると、余剰の転写液63が原版1の端辺から外へ押し出されて大きなメニスカス101が形成される。
【0045】
このように比較的大きなメニスカス101を端辺に形成した状態のまま原版1を被転写媒体61から剥離すると、図23に示すように、一旦原版1の外に押し出されていた余剰転写液63が再び原版1と被転写媒体61との間に吸引され、原版1と被転写媒体61との間のギャップにおいて転写液63の速い流れ(図示矢印)が発生する。これにより、被転写媒体61の表面61aに転写された現像剤粒子によるパターンが破壊される不具合が生じる。
【0046】
これに対し、本実施の形態のように、原版1と被転写媒体61を密着させたときに両者の間から押し出された余剰の転写液63を取り除くと、図24に示すように、原版1の端辺の外側に転写液63が殆ど無い状態となる。つまり、原版1の端辺近くにおいても、転写液63が存在するのは原版1と被転写媒体61との間だけとなる。
【0047】
この状態から原版1を被転写媒体61から引き剥がすと、図25に示すように、原版1と被転写媒体61との間で転写液63の大きな流れが発生することがなく、被転写媒体61の表面61a上に転写された現像剤粒子によるパターンが破壊されることもなく、凹部24の形をそのまま残した所望する形状のパターンを形成できる。つまり、本実施の形態のように原版1と被転写媒体61を密着させたときに余剰の転写液63を取り除くことで、図22に示したようなメニスカス101を形成することを防止でき、原版1と被転写媒体61を剥離した後に、厚さが1乃至数[μm]程度の転写液が被転写媒体61の表面61a上に残留するだけとなる。
【0048】
以上のような転写液63の挙動は、原版1の端辺付近に限らず、原版1と被転写媒体61を剥離するときに両者の間に形成される楔形の空間92における転写液63の挙動についても同じことが言える。
【0049】
つまり、本実施の形態のように、原版1と被転写媒体61との間から押し出された余剰の転写液63を剥離工程の前に除去しておくことで、図26に示すように原版1の表面1aと被転写媒体61の表面61aを引き離した際に両者の間に戻る転写液が殆ど無くなるため、両者を剥離した部位においては、転写液63の薄い層が原版1の表面1aと被転写媒体61の表面61aに僅かに付着しただけの状態となり、引き剥がしの基点付近に形成されるメニスカス102は極めて小さくなる。これにより、原版1と被転写媒体61の剥離を容易にでき、転写液63の液流による現像剤粒子の破壊を防止でき、高精細なパターンを被転写媒体61aの表面61aに安定して形成できる。また、剥離後の被転写媒体61の表面61aに付着する転写液63の量を極めて少なくできるため、転写されたパターンが短時間で乾燥し若しくは短時間で乾燥され、次工程に移行する時間を短縮できるので、その分プロセス速度を速めることができる。
【0050】
これに対し、密着により原版1の端辺から押し出された余剰の転写液63を除去しない場合には、図27に示すように、原版1の剥離によって、その端部に押し出されていた余剰の転写液が再び原版1と被転写媒体61との間に吸引されてしまい、楔形の空間92において転写液63による比較的大きなメニスカス103が形成されてしまう。そして、この比較的大きなメニスカス103は、原版1を剥離するにつれて移動するため、楔形の空間92に速い液流を生じ、現像剤粒子によるパターンが破壊されてしまう。
【0051】
また、この場合、原版1を剥離した後、被転写媒体61の表面61aに残留する転写液63の膜厚も大きくなるため、転写した現像剤粒子によるパターンが転写液63中に長く浸されることになり、現像剤粒子がふやけて拡散しやすくなり、形状が安定しなくなってしまう。また、剥離後の転写液63の膜厚が大きくなると、その分、乾燥に時間を要し、プロセス速度が遅くなる要因になる。
【0052】
以上のように、本実施の形態によると、パターン転写のため原版1と被転写媒体61を密着させたときに両者の間から押し出される余剰の転写液63を剥離工程の前に除去するようにしたため、原版1と被転写媒体61を剥離する部位で発生する負圧によって、押し出されていた余剰の転写液が再び両者間のギャップに進入することを防止でき、原版1と被転写媒体61との間で生じる液流を小さくでき、被転写媒体61に転写した現像剤粒子によるパターンの破壊を防止できる。これにより、原版1のパターン形状に依存した高精細なパターンを高い品質で形成できる。
【0053】
また、本実施の形態のように余剰の転写液63を取り除くことにより、パターンを転写して原版1を剥離した後、被転写媒体61の表面61aに付着している転写液63の量を少なくでき、1色目のパターンを転写した後、次の色のパターン形成に移る前に、被転写媒体61の表面61aを短時間で乾燥させることができ、被転写媒体61の表面61aにパターンを短時間で定着させることができ、その分、プロセス速度を速くでき、コストを低減できる。
【0054】
なお、この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、上述した実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。
【0055】
例えば、上述した実施の形態では、原版1と被転写媒体61を密着させるとき、および両者を剥離するときに、原版1を湾曲させる場合について説明したが、これに限らず、被転写媒体61を湾曲させるようにしても良い。
【0056】
また、上述した実施の形態では、密着工程において原版1と被転写媒体61との間から押し出された転写液63を取り除く除去装置として、多孔質部材71、72、および吸収ローラ68を用いた場合について説明したが、これに限らず、エアーを用いて余剰の転写液を吸引する吸引装置を用いても良い。
【0057】
また、上述した実施の形態では、例えば、図11に示すように、加圧ローラ66に吸収ローラ68を追従させて余剰の転写液を取り除くようにしたが、これに限らず、図28に示すように、吸収ローラ68の後にさらに別の加圧ローラ110を追従させて移動させても良い。この場合、吸収ローラ68が通過する領域において原版1と被転写媒体61をより密着させることができ、より多くの余剰の転写液を除去でき、液流によるパターンの破壊をより無くすことができる。
【0058】
また、図29に示すように、被転写媒体61’の幅が原版1の幅と略同じ幅であるような場合には、2つの吸収ローラ121、122を幅方向両端に接触せしめて加圧ローラ66と直交する方向に延設することが効果的である。つまり、原版1と被転写媒体61’の幅が略同じ場合、両者の幅方向端辺から押し出された余剰の転写液は被転写媒体61’の幅方向端辺に溜まり易いため、この部位の転写液を吸収させるためには図29のように縦方向に延設した吸収ローラ121、122を使用することが有効である。
【0059】
また、図13で説明した例では、2分割した吸収ローラ74を加圧ローラ66に追従させて動作させる場合について説明したが、これに限らず、図30に示すように、加圧ローラ66の軸方向両端に吸収ローラ74’を同軸に取り付けても良い。この場合、加圧ローラ66で加圧している部位で余剰の転写液を吸収できるため、転写液の吸収効率を高めることができる。また、この場合、加圧ローラ66と吸収ローラ74’の進行方向に沿った幅を狭くできるため、タクト時間の短縮に寄与できる。さらに、この例では、ローラを駆動するモータを1つにでき、装置構成を簡略化でき、装置コストを低減できる。
【0060】
さらに、上述した実施の形態では、媒体保持機構62が被転写媒体61の背面に負圧を作用させて吸着保持する構成としたが、これに加えて、図31に示すように、媒体保持機構62’が複数列の電磁石アレイ131を備えるようにしても良い。この場合、各電磁石アレイ131は、吸収ローラ68(74)の移動方向と直交する幅方向に延設され、吸収ローラ68(74)の移動方向に沿って互いに隣接して並べられている。
【0061】
これら複数列の電磁石アレイ131は、図31に示すように、原版1を被転写媒体61に密着する際に、吸収ローラ68(74)と同期させてON/OFFされる。つまり、吸収ローラ68(74)が通過する部位で原版1を磁力によって被転写媒体61に密着させるように、吸収ローラ68(74)が対向する位置にある電磁石アレイ131が次々とONされてその密着状態が維持される。これにより、原版1と被転写媒体61が磁力によって密着された部位で吸収ローラ68(74)を作用させることができ、余剰の転写液の吸収効率を高めることができる。
【0062】
また、この構成を採用すると、加圧ローラ66が不要となるため、その分の構成を簡略化でき、制御を容易にでき、装置コストを低減できる。なお、電磁石アレイ131は、吸収ローラ68(74)に少し先行させてONさせることが有効である。つまり、この例では、磁界を生じた電磁石アレイ131のON状態を維持するようにしているため、吸着ローラ68(74)が通過する少し前に原版1と被転写媒体61を密着させてその状態を維持することで、余剰の転写液の吸収をより確実にできる。
【0063】
図32には、上述した全ての実施の形態に共通して、被転写媒体61に与える好適な電圧について説明するためのタイミングチャートを示してある。
この例では、原版1と被転写媒体61を密着させる密着プロセスにおいては、接地電位(0[V])の原版1に対して被転写媒体61に+300[V]の電圧を与え、原板1に保持されている現像剤粒子によるパターンを原版1に押し付ける方向の電界を形成するようにしている。これにより、原版1と被転写媒体61を密着させる際の両者間の密着部位および原版1と吸収ローラの接触部位における比較的速い液流によってパターンが破壊されることを防止できる。
【0064】
また、転写・剥離プロセスにおいては、被転写媒体61に逆極性の−500[V]の電圧を与え、パターンを被転写媒体61に押し付ける方向の電界を形成するようにしている。これにより、転写および剥離プロセスを通して、被転写媒体61に転写された現像剤粒子によるパターンが破壊されることを防止でき、高精細なパターンを高い品質で形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】この発明の実施の形態に係るパターン形成装置の要部の構成を示す概略図。
【図2】図1のパターン形成装置の原版を部分的に拡大した部分拡大斜視図。
【図3】図1のパターン形成装置の現像装置による動作を説明するための概略図。
【図4】図1のパターン形成装置の動作を説明するためのフローチャート。
【図5】原版を転写位置へ搬送する状態を示す図。
【図6】被転写媒体の構造を説明するための部分拡大断面図。
【図7】原版を被転写媒体の上方に配置した状態を示す図。
【図8】原版を被転写媒体に対して密着させる密着工程を開始した状態を示す図。
【図9】原版の背面側に配置した加圧ローラおよび吸収ローラを示す図。
【図10】図9の加圧ローラおよび吸収ローラを移動させた状態を示す図。
【図11】図10の状態を原版の背面側から見た平面図。
【図12】吸収ローラの構造を説明するための図。
【図13】吸収ローラを軸方向に2つに分割した例を説明するための平面図。
【図14】密着工程を終了する直前の状態を示す図。
【図15】原版と被転写媒体を密着した状態を部分的に拡大して示す部分拡大断面図。
【図16】図15の状態から現像剤粒子によるパターンを転写した状態を示す部分拡大断面図。
【図17】パターンを転写した後、原版の剥離動作を開始する状態を示す図。
【図18】背面ローラを基点にして原版を剥離する状態を示す図。
【図19】原版を剥離した状態を示す図。
【図20】剥離した原版を被転写媒体と平行にした状態を示す図。
【図21】被転写媒体から剥離した原版をクリーニングする状態を示す図。
【図22】密着工程の後、余剰の転写液を取り除かない場合の、原版の端辺近くを部分的に拡大して示す部分拡大断面図。
【図23】図22の状態から原版を剥離した状態を示す部分拡大断面図。
【図24】密着工程の後、余剰の転写液を除去した場合の、原版の端辺近くを部分的に拡大して示す部分拡大断面図。
【図25】図24の状態から原版を剥離した状態を示す部分拡大断面図。
【図26】余剰の転写液を除去した場合における、原版を被転写媒体から剥離するとき両者の間に形成される楔形の空間における転写液の挙動を説明するための図。
【図27】余剰の転写液を除去しなかった場合における、楔形の空間における転写液の挙動を説明するための図。
【図28】吸収ローラの後ろに別の加圧ローラを追加した例を示す平面図。
【図29】吸収ローラを原版の端辺に縦に接触させた例を示す平面図。
【図30】2つに分割した吸収ローラを加圧ローラと同軸に配置した例を示す平面図。
【図31】媒体保持機構に電磁石アレイを配置した例を示す概略図。
【図32】被転写媒体に印加する電圧の変化について説明するためのタイミングチャート。
【符号の説明】
【0066】
1…原版、2…原版保持機構、5…現像装置、10…パターン形成装置、24…凹部、61…被転写媒体、63…転写液、66…加圧ローラ、68…吸収ローラ、71、71…多孔質部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像保持体の表面に帯電した現像剤粒子によるパターンを形成する現像装置と、
上記パターンが形成された上記像保持体の表面と被転写媒体の表面をその間に絶縁性の転写液を満たした状態で密着させる密着機構と、
上記表面同士の密着により表面の間から押し出された余剰の転写液を取り除く除去装置と、
上記密着機構にて密着せしめた上記像保持体の表面にパターンを形成している現像剤粒子に電界を作用せしめて該パターンを上記像保持体の表面から上記被転写媒体の表面に転写する転写機構と、
を有することを特徴とするパターン形成装置。
【請求項2】
上記密着機構は、上記像保持体の表面と上記被転写媒体の表面を部分的に密着させて徐々に密着させる領域を広げるように上記表面同士を密着させることを特徴とする請求項1に記載のパターン形成装置。
【請求項3】
上記除去装置は、上記余剰の転写液を吸収する多孔質部材を有することを特徴とする請求項2に記載のパターン形成装置。
【請求項4】
上記多孔質部材は、上記表面同士が密着を開始する部位に配置されることを特徴とする請求項3に記載のパターン形成装置。
【請求項5】
上記多孔質部材は、上記表面同士が最後に密着する部位に配置されることを特徴とする請求項3に記載のパターン形成装置。
【請求項6】
上記多孔質部材は、上記像保持体の端辺に配置されることを特徴とする請求項3に記載のパターン形成装置。
【請求項7】
上記除去装置は、上記余剰の転写液をエアーにより吸引する吸引装置を有することを特徴とする請求項2に記載のパターン形成装置。
【請求項8】
上記パターンを転写した後、上記像保持体の表面と上記被転写媒体の表面を徐々に剥離する剥離機構をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のパターン形成装置。
【請求項9】
像保持体の表面に帯電した現像剤粒子によるパターンを形成する現像工程と、
上記パターンが形成された上記像保持体の表面と被転写媒体の表面をその間に絶縁性の転写液を満たした状態で密着させる密着工程と、
上記表面同士の密着により表面の間から押し出された余剰の転写液を取り除く除去工程と、
上記密着工程にて密着せしめた上記像保持体の表面にパターンを形成している現像剤粒子に電界を作用せしめて該パターンを上記像保持体の表面から上記被転写媒体の表面に転写する転写工程と、
この転写工程で上記パターンを転写した後、上記像保持体の表面と上記被転写媒体の表面を徐々に剥離する剥離工程と、
を有することを特徴とするパターン形成方法。
【請求項10】
上記密着工程では、上記像保持体の表面と上記被転写媒体の表面を部分的に密着させて徐々に密着させる領域を広げるように上記表面同士を密着させることを特徴とする請求項9に記載のパターン形成方法。
【請求項11】
上記除去工程では、上記密着工程において上記表面同士が密着を開始した直後にその部位から押し出される上記余剰の転写液を取り除くことを特徴とする請求項10に記載のパターン形成方法。
【請求項12】
上記除去工程では、上記密着工程における上記表面同士の密着を終了するときにその部位から押し出される上記余剰の転写液を取り除くことを特徴とする請求項10に記載のパターン形成方法。
【請求項13】
上記除去工程では、上記密着工程中に上記像保持体の端辺から押し出される上記余剰の転写液を取り除くことを特徴とする請求項10に記載のパターン形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2008−197572(P2008−197572A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−35355(P2007−35355)
【出願日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】