説明

パネル用アンカー金具

【課題】ボルトの首下長さの影響を受けることがなく、従来品に比べて軽量・小型にできて経済的であり、さらに、ボルト螺合時にALC粉が雌ネジに噛み込まず作業性に優れたパネル用アンカー金具を提供する。
【解決手段】壁パネルP内に埋設される棒状部材20と、その直径方向に設けられた貫通孔に棒状部材20を貫通する筒状の係止金具30と、この係止金具30の一端側軸方向に設けられたボルト挿入孔32に螺合されるボルト40とからなるパネル用アンカー金具10であって、係止金具30は板厚が2.0〜3.5mmの範囲である単一厚さの筒状本体31の一端側にボルト挿入孔32を備えたボルト挿入部34を、また他端側に棒状部材20が貫通する貫通孔を備えた棒状部材貫通部35を、それぞれ備え、係止金具30を絞り成型することで、棒状部材貫通部35の外径寸法をボルト挿入部34の外径寸法よりも大きくした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の躯体に取付ける壁パネルの取付構造を構成するために使用されるパネル用アンカー金具の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
軽量気泡コンクリートパネル(ALCパネル)などの壁パネルの建物躯体への取付構造としては、建物躯体のフランジ部に固着した上部アングルと下部アングルにフックボルトを用いて、外部から壁パネルを支持する構造が一般的であった。
しかし、この取付構造では、溶接やモルタル補修などの手間を要し、さらに、壁パネルに形成したフックボルトを貫通させる貫通孔により外観が著しく阻害される。
このため、近年では、壁パネルの内部に埋設したアンカー金具と取付金具とを連結固定し、この取付金具を建物躯体に固定する取付構造(例えば、特許文献1参照)が主として採用されている。
【0003】
この従来の取付構造は図5に示したように構成される。
すなわち、ALC壁パネルPは、その内部に埋設されたパネル用アンカー金具100に外部金物41(イナズマプレート)が係合されることにより、建物躯体(図示略)に取付けられる。
パネル用アンカー金具100は、壁パネルP内に埋設される棒状部材20と、パネルP内に埋設されてその直径方向に設けられた貫通孔133に棒状部材20を貫通する筒状の係止金具130と、さらに、この係止金具130の一端側軸方向に設けられたボルト挿入孔132に螺合されるボルト40とから構成されている。
【0004】
壁パネルPは通常フランジを備えたH型の断面形状をしている建物躯体に取付けられる。壁パネルPは、パネル室内側壁面P1と外部金物41との間にフランジ上に設置された定規アングル(図示せず)が狭持されることにより、建物躯体へ取付け固定される。
外部金物41(イナズマプレート)は、図5に示すように、ボルト挿通孔42を備えた段付きの板状金属部材であって、そのボルト通孔42を挿通させたボルト40を係止金具130のボルト挿入孔132に螺合することにより、壁パネルPの室内側壁面P1に取付けられる。
【0005】
壁パネルPは起立した長方形板状のパネルであって、図5に示すように、係止金具130を埋設するパネル室内側壁面孔12と、棒状部材20を挿通する小口面孔17とを備えている。
パネル室内側壁面孔12は、パネル室内側壁面P1に開口したパネル厚さ方向に延びる断面円形の孔であり、また、小口面孔17は、小口面P2に開口したパネル室内側壁面P1に沿って延びる断面円形の孔である。
そして、これらパネル室内側壁面孔12と小口面孔17とは、壁パネルPの内部で連通している。
【0006】
図6に示すに、パネル用アンカー金具100における係止金具130は、パネル室内側壁面孔12内に挿入される金属部材であり、ボルト挿入孔132を備えたボルト挿通部134と、貫通孔133を備えた棒状部材貫通部135とからなる円筒形状の金具である。
そして、ボルト挿入孔132の内周面には、ボルト40を螺合するための雌ネジが螺刻されている。また、棒状部材貫通部135はやや楕円形気味に押し潰されて、その短軸径方向に貫通孔133を貫通させた形状となっている。
棒状部材20は、パネル室内側壁面孔12内に埋設された係止金具130が壁パネルPから外へ脱落しないように、係止金具130の貫通孔133へ挿通される棒状の部材である。
【0007】
このパネル用アンカー金具100を用いて壁パネルPを建物躯体に取付ける場合、先ず、係止金具130を壁パネルPのパネル室内側壁面孔12に挿入し、次に、小口面孔17から棒状部材20を挿入し、係止金具130の貫通孔133に挿通して壁パネルPの内部でそれぞれを結合させる。
さらに、外部金物41を介して係止金具130のボルト挿入孔132にボルト40を螺合仮止めさせた状態で、壁パネルPを建物躯体の所定の取付位置へ移動させる。
そして、外部金物41とパネル室内側壁面P1との間に建物駆体(例えばL型アングル)を挟持させた状態で、ボルト40を本締めすることにより、パネルPを建物駆体に強固に取付固定する。
【0008】
しかし、この係止金具130で構成されたパネル用アンカー金具100では、以下の問題点があった。
この係止金具130は、ボルト挿通部134が円形であるに対して、棒状部材貫通部135は、やや楕円形気味に押し潰されている。これは、棒状部材貫通部135の貫通孔133に棒状部材20が容易に挿通できるように、係止金具130の製造過程において、棒状部材貫通部135をやや楕円形気味に押し潰したのちに、棒状部材20の直径に遊び寸法を加算した大きめの貫通孔133を穿設するためである。
そのため、施工現場においてボルトの共通化を図ろうとして、通常使用されるより首下長さが長いボルト40を係止金具130に螺合させようとしても、図6に示すように、棒状部材貫通部135がやや楕円気味に押し潰されて内部の空間が狭くなっているため、ボルト40が所定の深さ以上奥へ螺進することができない。
その結果、少しでも所定の首下長さを超えた長めのボルト40は、係止金具130に対して全く使用することができなかった。
【0009】
これに対して、図7に示すような係止金具230は、外径寸法および板厚が一定の円筒形状物であり、その内周面に雌ネジが螺刻されているとともに棒状部材20が挿通される貫通孔233が形成されている。
さらに、この係止金具230は、その構造から内周面の全域もしくは奥深くまで雌ネジを螺刻することにより、通常使用されるより首下長さの長いボルト40であっても共通して使用することが可能となる。
しかし、この場合、通常使用されるボルト40の首下長さに比べて、それ以上の首下長さに対応できる深さまで雌ネジを予め螺刻しておくことが必要となり、これは、その加工コストが余分にかかるようになる。
さらに、ボルト40の外径43と同じ直径の棒状部材20を挿通させる(あるいは、挿通し易くするために少し大きめの)貫通孔233を穿設しようとすると、外径寸法および板厚が一定の円筒形状物であるため、係止金具230の内周(板厚)部分を削って穿設することになってしまい、係止金具としての強度を著しく低下させることになる。
【0010】
そこで、係止金具230の内周(板厚)部分が削られて穿設されて強度を低下させないために、係止金具130の板厚を単に厚くする方法が考えられる。しかし、そうすると、係止金具30の外径がさらに大きくとともに、軽量化が図れないという問題を生じる。
【0011】
以上のように、棒状部材貫通部135がやや楕円気味に押し潰された係止金具130や、外径寸法および板厚が一定の円筒形状物を加工した係止金具230は、首下長さの異なるボルト40の共通使用ができなかったり、挿入されるボルト40の外径43より小さな外径の棒状部材20を使用しなければならないという問題点があった。
また、外径寸法および板厚が同一の円筒形状物を加工した係止金具230の場合は、内周面の全域に渡って雌ネジを螺刻することによりボルト40が奥深くまで螺進できるようにしても、かえって、深くなった雌ネジ部にALCパネルの母材粉(ALC粉末)が噛み込むようになり、ボルト40の螺合の作業性が著しく阻害されるという問題も包含していた。
【0012】
【特許文献1】特開2007−9659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。
【0014】
本発明の目的は、ALCパネルに埋設されるパネル用アンカー金具であって、棒状部材の外径寸法やボルトの首下長さの影響を係止金具が受けることがなく、従来品に比べて軽量かつ小型にすることができて経済的であり、さらに、ボルトの螺合時にALC粉が雌ネジに噛み込むことがなく作業性に優れたパネル用アンカー金具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を達成するために、パネル内に埋設される棒状部材と、同じくパネル内に埋設されてその直径方向に設けられた貫通孔に前記棒状部材を貫通する筒状の係止金具と、この係止金具の一端側軸方向に設けられたボルト挿入孔に螺合されるボルトとからなるパネル用アンカー金具であって、
前記係止金具は、板厚が2.0〜3.5mmの範囲である単一厚さの筒状本体の一端側に、内周面に雌ネジが螺刻されたボルト挿入孔を備えたボルト挿入部を、また同じく他端側に、前記棒状部材が貫通する貫通孔を備えた棒状部材貫通部を、それぞれ備えると共に、前記筒状本体を絞り成型することで、前記棒状部材貫通部の外径寸法を、前記ボルト挿入部の外径寸法よりも大きく構成してなるパネル用アンカー金具を採用した。
【0016】
なお、本発明のパネル用アンカー金具において、
(1)前記棒状部材貫通部の外径寸法が、前記ボルト挿入孔に螺合されるボルトの外径よりも3.0〜7.0mm大きいこと、
(2)前記ボルト挿入部の外径が14〜19mmであり、前記棒状部材貫通部の外径寸法が16〜28mmであること、
(3)前記ボルト挿入部の長さが2mm以上で、かつ前記ボルトの外径以下であり、前記棒状部材貫通部の長さが25〜60mmであること、
これら(1)〜(3)を好ましい条件とした。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、以下に説明するとおり、壁パネルを建物躯体に取付ける際のALCパネルに埋設するパネル用アンカー金具において、棒状部材の外径寸法やボルトの首下長さの影響を係止金具が受けることがなく、従来品に比べて軽量かつ小型にすることができて経済的であり、さらに、ボルトの螺合時にALC粉が雌ネジに噛み込むことがなく作業性に優れたパネル用アンカー金具を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を用いて本発明を具体的に説明する。
【0019】
まず、図1および図2にしたがって、本発明のパネル用アンカー金具の基本構造について説明する。
【0020】
図1に示したように、本発明のパネル用アンカー金具は、壁パネルP内に埋設される棒状部材20と、同じく壁パネルP内に埋設されてその直径方向に設けられた貫通孔33に棒状部材20を貫通する筒状の係止金具30と、この係止金具30の一端側軸方向に設けられたボルト挿入孔32に螺合されるボルト40とから構成されており、基本的には図5に示した従来例と同様にパネルP内に配置されて、壁パネルPを建物躯体Hに取付けるために使用される。
【0021】
ここで、本発明のアンカー金具における係止金具30は、図3に示したように、板厚が2.0〜3.5mmの範囲である単一厚さの筒状本体31であり、その一端側は内周面に雌ネジが螺刻されたボルト挿入孔32を備えたボルト挿入部34となっている。
また、その他端側は棒状部材20が貫通する貫通孔33を備えた棒状部材貫通部35となっている。
さらに、この係止金具30は、パイプ状の筒状体を絞り成型(加工)することにより加工後の筒状本体31において、ボルト挿入部34と棒状部材貫通部35とを軸方向になめらかに連続させるとともに、棒状部材貫通部35の外径寸法がボルト挿入部34の外径寸法よりも大きくなるように一体的に成型されている。
このように、絞り成型(加工)を採用することにより、ボルト挿入部34と棒状部材貫通部35との間で外形寸法が異なった筒状本体31であっても、安価にしかも容易に製造することが可能となる。
【0022】
本発明のパネル用アンカー金具における係止金具30の棒状部材貫通部35の外径寸法をボルト挿入部34の外径寸法よりも大きくしたことにより、次のような効果が得られる。
(1)係止金具30の内周面(板厚)を削ることなく、ボルト外径と同径の棒状部材20 が挿通できる貫通孔33を、さらに遊び寸法を設けて棒状部材貫通部35に棒状部 材貫通部35に穿設することが可能になる。
そして、これは削られること考慮してボルト挿入部34および棒状部材貫通部の板 厚を予め厚く設定する必要がなくなるため、あわせて軽量・小型化が図られる。
(2)棒状部材貫通部35の内部がボルト40先端の逃がし空間として作用する。
すなわち、図4に示すように、螺進するボルト40に押されたALC粉が逃がし空 間36に落ちるため、ALC粉が雌ネジ部に噛み込むことを防止できる。
(3)ボルト40の先端が棒状部材貫通部35の内部を十分深くまで螺進できるため、首 下長さが通常使用されるボルト40より長めであっても共通使用が可能となる。ま た、ボルト挿入部32にのみ雌ネジを螺刻しておけばボルトは十分に螺合がなされ るため、内周面の全域に渡って螺刻をする場合と比べて加工コストを大幅に低減す ることができる。
【0023】
以上のことより、ALCパネルに埋設されるパネル用アンカー金具において、棒状部材の外径寸法やボルトの首下長さの影響を係止金具が受けることがなく、従来品に比べて軽量かつ小型にすることができて経済的であり、さらに、ボルトの螺合時にALC粉が雌ネジに噛み込むことがなく作業性に優れたパネル用アンカー金具となる。
【0024】
ここで、棒状部材貫通部35の外径寸法は、ボルト挿入孔32に螺合されるボルト40の外径43よりも3.0〜7.0mm大きいことが好ましい。
すなわち、この寸法であれば、例えば、筒状本体31の板厚を2mm、ボルト40の外径43を12mm、棒状部材20の外径を9mm、棒状部材20を貫通孔33に挿通させる際の遊び寸法を3mmとした場合は、筒状本体31の内周面(板厚)を削ることがなく直径12mmの貫通孔33を穿設することが可能となる。
【0025】
また、ボルト挿入部34の外径寸法は14〜19mmであり、棒状部材貫通部35の外径寸法は16〜28mmであることが好ましい。
すなわち、図4に示すように、ボルト挿入部34の外径寸法は、ボルト40の外径43が通常10〜12mmであり、筒状本体31の板厚が通常2.0〜3.5mmであることから、「ボルトの外径10mm+(筒状本体31の板厚2mm×2)」〜「ボルトの外径12mm+(筒状本体31の板厚3.5mm×2)」で導かれた値となる。
一方、棒状部材貫通部35の外径寸法は、棒状部材20の外径寸法が通常9〜18mm、遊び寸法が通常3mm、筒状本体31の板厚が通常2.0〜3.5mmであることから、「棒状部材の外径寸法9mm+遊び3mm+(筒状本体31の板厚2mm×2)」〜「棒状部材の外径18mm+遊び3mm+(筒状本体31の板厚3.5mm×2)」で導かれた値となる。
【0026】
ボルト挿入部34の長さは2mm以上でボルト40の外径43の寸法以下の範囲とし、さらに、棒状部材貫通部35の長さは25〜60mmであることが好ましい。
すなわち、係止金具におけるボルト40の雌ネジ部への掛かり代(長さ)は、このボルト40の外径43の寸法以下で十分である。そのため、この外径43をボルト挿入部34の上限の長さとして、それ以外の係止金具の長さ部分を外形寸法の大きな棒状部材貫通部35とすることで、ボルト40先端が進む空間を最大限大きく(長く)することができるようになり、ALC粉が雌ネジに噛み込む不具合を防止することができるようになる。
【0027】
なお、ボルト挿入孔32は断面形状が円形の孔であって、その孔の内周にはボルト40を螺合するための雌ネジが螺刻されている。
また、貫通孔33は断面形状が円形の孔であって、その直径は棒状部材20の直径より大きくさらに遊び寸法(通常は3mm)も含めて穿設されている。さらに棒状部材20を安定に把持させるために、貫通孔33の内部に上記従来例(特許文献1)で使用されているような弾性部材が必要に応じて装着される。
【0028】
弾性部材を使用する目的は、係止金具30の貫通孔33内において棒状部材20を少なくとも二方向から弾性的に掴持することで、係止金具30と棒状部材20とが相対移動することを防止する。
この弾性部材の使用によって、棒状部材20が貫通孔33を挿通している状態で、例えば、壁パネルPを移動させたり、壁パネルPをフランジに取付けようとして壁パネルPの小口面P2を下に向けたりすることで、棒状部材20がその自重でずれたり脱落したりする問題を回避する。
【0029】
なお、本発明のパネル用アンカー金具を使用したパネルの取付構造は、図5に示すような、従来の取付構造と同様の施工手順により形成することができる。
また、本発明に係るパネル用アンカー金具を使用する取付構造において、あえて、首下長さの非常に長いボルト40を用いて、そのボルト先端が棒状部材20に到達するまで螺進させて棒状部材20を拘束することで、棒状部材20と係止金具30とを強固に結合させてパネル内におけるそれぞれの遊動を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明によれば、施工現場におけるボルトの共通化、係止金具の軽量・小型化、施工作業の効率化が図られる。このため、壁パネルを用いる建築分野へ貢献するところが大である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明におけるパネル用アンカー金具の一実施形態を示す斜視説明図。
【図2】本発明におけるパネル用アンカー金具の一実施形態を示す斜視説明図。
【図3】本発明における係止金具の一実施形態を示す拡大斜視図。
【図4】係止金具へボルトを螺入させた状態を示す拡大断面図。
【図5】従来例におけるパネル用アンカー金具の取付構造を示す斜視説明図。
【図6】従来例における棒状部材貫通部がやや楕円気味に押し潰されている係止金具の拡大斜視図。
【図7】従来例における長ナット状係止金具のボルト挿入孔と貫通孔との寸法の関係を示す説明図。
【符号の説明】
【0032】
10 パネル用アンカー金具
12 パネル室内側壁面孔
17 小口面孔
20 棒状部材(埋設アンカー棒)
30 係止金具
31 筒状本体
32 ボルト挿入孔
33 貫通孔
34 ボルト挿入部
35 棒状部材貫通部
36 逃がし空間
40 ボルト
41 外部金物(イナズマプレート)
42 ボルト通孔
43 ボルトの外径
100 パネル用アンカー金具
130 係止金具
132 ボルト挿入孔
133 貫通孔
134 ボルト挿入部
135 棒状部材貫通部
230 係止金具
233 貫通孔
P 壁パネル
P1 パネル室内側壁面
P2 小口面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル内に埋設される棒状部材と、同じくパネル内に埋設されてその直径方向に設けられた貫通孔に前記棒状部材を貫通する筒状の係止金具と、この係止金具の一端側軸方向に設けられたボルト挿入孔に螺合されるボルトとからなるパネル用アンカー金具であって、
前記係止金具は、板厚が2.0〜3.5mmの範囲である単一厚さの筒状本体における一端側に、内周面に雌ネジが螺刻されたボルト挿入孔を備えたボルト挿入部を、また同じく筒状本体の他端側に、前記棒状部材が貫通する貫通孔を備えた棒状部材貫通部を、それぞれ備えると共に、前記筒状本体を絞り成型することで、前記棒状部材貫通部の外径寸法を、前記ボルト挿入部の外径寸法よりも大きく構成してなることを特徴とするパネル用アンカー金具。
【請求項2】
前記棒状部材貫通部の外径寸法が、前記ボルト挿入孔に螺合されるボルトの呼び直径よりも3.0〜7.0mm大きいことを特徴とする請求項1に記載のパネル用アンカー金具。
【請求項3】
前記ボルト挿入部の外径が14〜19mmであり、前記棒状部材貫通部の外径寸法が16〜28mmであることを特徴とする請求項1または2に記載のパネル用アンカー金具。
【請求項4】
前記ボルト挿入部の長さが2mm以上で、かつ前記ボルトの外径以下であり、前記棒状部材貫通部の長さが25〜60mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のパネル用アンカー金具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−38267(P2011−38267A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−184324(P2009−184324)
【出願日】平成21年8月7日(2009.8.7)
【出願人】(000185949)クリオン株式会社 (105)
【Fターム(参考)】