説明

パネル装置

【課題】極力大型化させることなく、筐体の前面にてパネルユニットを前方に傾かせた前傾姿勢とさせることのできる「パネル装置」を提供することである。
【解決手段】先端部がパネルユニット10の両側部のそれぞれの下端部に設けられた第1支点部61aに回動自在に係合するスライド部材20と、第1端部がパネルユニット10の側部の第1支点部61aより上方所定位置に設けられた第2支点部62aに係合するアーム部材40aと、スライド部材20の進出及び戻り摺動に伴ってアーム部材40aを動かすアーム駆動機構とを有し、アーム駆動機構は、スライド部材20の進出摺動に伴って、アーム部材40aを進出させつつ、第1支点部61aを中心にして回動させて筐体110に対して前方に傾斜した前傾姿勢となるようにアーム部材40aの第2端部63aを動かすパネル前傾姿勢駆動部201、301を有する構成となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されるオーディオ装置やナビゲーション装置等に適用され、複数の姿勢をとり得る表示パネルユニットや操作パネルユニット等のパネルユニットが筐体の前面に配置されたパネル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載されるオーディオ装置やナビゲーション装置には、筐体の前面に複数の傾斜姿勢をとり得る表示パネルユニットが配置された構造のものがある。そして、例えば、表示パネルユニットが車室内に露出するように前記筐体が前記インストルメントパネル内に設置される。このようなオーディオ装置やナビゲーション装置では、表示パネルユニットが乗員の見やすい角度に傾斜されるが、通常、乗員の目線が表示パネルより高い位置にあるので、前記表示パネルユニットは、後方に傾斜させた後傾姿勢にされる。
【0003】
近年、車室内のデザインの関係上、インストルメントパネルの倒れ角度を大きくした車両がある。このような車両のインストルメントパネル内に筐体を設置することになるオーディオ装置やナビゲーション装置では、表示パネルユニットを、その上方からの乗員の目線に合わせるために、後傾姿勢ではなく、筐体に対して前方に傾斜させた前傾姿勢にさせなければならない場合がある。このようにして車両に設置しなければならないパネル装置では、筐体の前面に配置される表示パネルユニットを前傾姿勢にさせる機構が必要となる。
【0004】
このように表示パネルユニットを前傾姿勢にさせる機構を有するパネル装置が提案されている(特許文献1参照)。この従来のパネル装置では、両側面の所定位置にて回動自在に支持された表示パネルユニットの前記支持された所定位置より下方部を本体(筐体)に引き込むことにより、前記表示パネルユニットを前傾姿勢にするようにしている。
【特許文献1】特許第3657038号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来のパネル装置では、表示パネルユニットの下方部を引き込むための部材(摺動台)が筐体(本体)の奥方まで移動しなければならず、その筐体の奥行きが長くなって装置が大型化してしまう。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、極力大型化させることなく、筐体の前面にてパネルユニットを前方に傾かせた前傾姿勢とさせることのできるパネル装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るパネル装置は、筐体と、該筐体の前面に配置されたパネルユニットと、該パネルユニットの両側部のそれぞれの下端部に設けられた第1支点部と、前記パネルユニットの両側部のそれぞれの前記第1支点部より上方所定位置に設けられた第2支点部と、先端部が前記第1支点部に回動自在に係合し、前記筐体における初期位置からの進出摺動及び前記初期位置への戻り摺動が可能となるスライド部材と、第1端部が前記第2支点部に係合するアーム部材と、前記スライド部材の進出摺動及び戻り摺動に伴って前記アーム部材を動かすアーム駆動機構とを有し、前記アーム駆動機構は、前記スライド部材の前記初期位置から第1位置までの進出摺動に伴って、前記アーム部材を進出させつつ、前記パネルユニットを前記筐体の前面を覆う起立姿勢から前記第1支点部を中心にして回動させて前記筐体に対して前方に傾斜した前傾姿勢となるように前記アーム部材の前記第1端部と逆側の第2端部を動かすパネル前傾姿勢駆動部を有する構成となる。
【0008】
このような構成により、スライド部材が初期位置から第1位置まで進出摺動する際に、アーム部材も進出するので、パネルユニットの第1支点部及び第2支点部の双方が押出されることにより当該パネルユニット全体が筐体の前面から前方に押出される。その過程で、前記スライド部材の進出摺動に伴ってアーム部材の第2端部が動かされ、その第2端部の動きに伴った第2支点部に回動自在に係合する当該アーム部材の第1端部の動きによって前記パネルユニットが前記第1支点部を中心にして回動して前方に傾斜した前傾姿勢となる。
【0009】
また、本発明に係るパネル装置において、前記アーム駆動機構は、前記スライド部材の前記第1位置から第2位置までの進出摺動に伴って、前記アーム部材を進出させつつ、前記パネルユニットを前記前傾姿勢から前記第1支点部を中心にして回動させて前記筐体に対して後方に傾斜させた後傾姿勢となるように前記アーム部材の前記第2端部を動かすパネル後傾駆動部を有する構成とすることができる。
【0010】
このような構成により、スライド部材が前記第1位置から更に第2位置まで進出摺動する際に、アーム部材も更に進出するので、パネルユニットの第1支点部及び第2支点部の双方が押出されることにより当該パネルユニット全体が筐体の前面から更に前方に押出される。その過程で、前記スライド部材の進出摺動に伴ったアーム部材の第2端部が動かされ、その第2端部の動きに伴った第2支点部に回動自在に係合する当該アームの第1端部の動きによって前記パネルユニットが前記第1支点部を中心して回動して後方に傾斜した後傾姿勢となる。即ち、スライド部材が初期位置から第1位置を通って第2位置に進出摺動する際に、前記パネルユニットが前記前傾姿勢から引き続いて後傾姿勢となる。
【0011】
また、本発明に係るパネル装置において、前記アーム駆動機構は、前記スライド部材の第2位置から更に前方への進出摺動に際して、前記アーム部材の進出を規制しつつ、前記アーム部材の前記第1端部が回動自在に係合する前記第2支点部が前記第1支点部の進出に対して従動するように前記アーム部材の前記第2端部をガイドして、前記パネルユニットが前記後傾姿勢から後方に倒れて前記筐体の前面を開放する開放姿勢となるようにしたパネル開放駆動部を有する構成とすることができる。
【0012】
このような構成により、スライド部材が前記第2位置から更に前方に進出摺動する際に、アーム部材の進出が規制されるので、そのアーム部材の第1端部に回動自在に係合するパネルユニットの第2支点部の前方への移動が規制される。この状態で、スライド部材の更なる進出摺動により第1支点部が前方に押出される過程で、前方への移動が規制された状態の第2支点部が前記第1支点部の進出に対して従動するようにアーム部材の前記第2支点部に回動自在に係合した第1端部と逆側の第2端部がガイドされ、これにより、パネルユニットが前記後傾姿勢から更に後方に倒れて筐体の前面を開放する開放姿勢となる。
【0013】
更に、本発明に係るパネル装置において、前記アーム駆動機構は、前記スライド部材に形成され、前記アーム部材の前記第2端部に設けられたピンを摺動自在にガイドするスライド部材ガイド部と、前記筐体に固定されたブラケット部材に形成され、前記ピンを摺動自在にガイドするブラケットガイド部とを有する構成とすることができる。
【0014】
このような構成により、アーム部材の第2端部に設けられたピンが、進出摺動及び戻り摺動を行なうスライド部材に形成されたスライド部材ガイド部と、筐体に固定されたブラケット部材に形成されたブラケットガイド部との双方にてガイドされるようになっているので、スライド部材の進出摺動及び戻り摺動に伴って前記パネルユニットが前傾姿勢、後傾姿勢及び開放姿勢のいずれかとなるように前記アーム部材を動かすことができるようになる。
【0015】
また、本発明に係るパネル装置において、前記スライド部材ガイド部は、前記ピンを前記スライド部材に対する前後方向の相対動を規制しつつ上下方向に摺動自在にガイドする上下ガイド部を有し、前記ブラケットガイド部は、前記スライド部材の前記初期位置から前記第1位置への進出摺動とともに進出する前記上下ガイド部にガイドされた前記ピンを上方にガイドする第1傾斜移動ガイド部を有し、前記スライド部材ガイド部の前記上下ガイド部及び前記ブラケットガイド部の前記第1傾斜移動ガイド部が前記アーム駆動機構の前記パネル前傾姿勢駆動部として機能する構成とすることができる。
【0016】
このような構成により、アーム部材の第2端部に設けられたピンがスライド部材ガイド部の上下ガイド部によってスライド部材に対する前後方向の相対動が規制されるので、スライド部材の進出摺動ともに前記アーム部材が進出するようになる。そして、そのようにアーム部材が進出する過程で、前記アーム部材のピンが、進出摺動するスライド部材に形成されたスライド部材ガイド部の上下ガイド部及びブラケットに形成されたブラケットガイド部の第1傾斜移動ガイド部の双方にて上方にガイドされるようになる。これにより、アーム部材は進出しつつ第2端部が上方に向けて移動するようになり、その第2端部の動きに応じたアーム部材の逆側の第1端部(第1支点部に回動自在に係合)の動きによって、パネルユニットが第1支点部を中心にして回動して筐体に対して前方に傾斜した前傾姿勢となり得る。
【0017】
また、本発明に係るパネル装置において、前記ブラケットガイド部は、前記スライド部材の前記第1位置から前記第2位置への進出摺動とともに進出する前記上下ガイド部にガイドされた前記ピンを下方にガイドする第2傾斜移動ガイド部を有し、前記スライド部材ガイド部の前記上下ガイド部及び前記ブラケットガイド部の前記第2傾斜移動ガイド部が前記アーム駆動機構の前記パネル後傾姿勢駆動部として機能する構成とすることができる。
【0018】
このような構成により、アーム部材の第2端部に設けられたピンがスライド部材ガイド部の上下ガイド部によってスライド部材に対する前後方向の相対動が規制されるので、スライド部材の前記第1位置から第2位置への進出摺動とともに前記アーム部材は更に進出する。そして、そのようにアーム部材が進出する過程で、前記アーム部材のピンが、進出摺動するスライド部材に形成されたスライド部材ガイド部の上下ガイド部及びブラケットに形成されたブラケットガイド部の第2傾斜移動ガイド部の双方にて下方にガイドされるようになる。これにより、アーム部材は進出しつつ第2端部が下方に向けて移動するようになり、その第2端部の動きに応じたアーム部材の逆側の第1端部(第1支点部に回動自在に係合)の動きによって、パネルユニットが第1支点部を中心にして回動して筐体に対して後方に傾斜した後傾姿勢となり得る。
【0019】
また、本発明に係るパネル装置において、前記ブラケットガイド部は、前記ピンの前後方向の移動を規制する前後規制部を有し、前記スライド部材ガイド部は、前記前後方向の移動を規制されたピンが前記スライド部材の進出摺動を妨げないように摺動ガイドする前後ガイド部を有し、前記スライド部材ガイド部の前記前後ガイド部及び前記ブラケットガイド部の前記前後規制部が前記アーム駆動機構の前記パネル開放駆動部として機能する構成とすることができる。
【0020】
このような構成により、ブラケットに形成されたブラケットガイド部の規制部によってアーム部材の第2端部に設けられたピンの前後方向の移動が規制されるので、アーム部材の進出が規制され、その結果、そのアーム部材の第1端部に回動自在に係合するパネルユニットの第2支点部の前方への移動が規制される。この状態で、スライド部材の更なる進出摺動により第1支点部が前方に押出される過程で、前後方向の移動を規制されたピンが前記スライド部材の進出摺動を妨げないように摺動ガイドされるので、前方への移動が規制された状態の第2支点部が前記第1支点部の進出に対して従動し得るようになり、これによって、パネルユニットが更に倒れて筐体の前面を開放する開放姿勢となり得る。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係るパネル装置によれば、スライド部材が進出摺動する際に、その進出摺動に伴うアーム部材の動きによってパネルユニットが進出しつつ前傾姿勢となるので、従来のように筐体内にパネルユニットの下端部を引き込むための機構を必要としない。そのため、パネルユニットの下端部を引き込むための部材(機構)を筐体の奥方まで移動させる必要がなく、その部材(機構)のために筐体の奥行きの長さを延ばす必要もない。従って、極力大型化させることなく、筐体の前面にてパネルユニットを前方に傾かせた前傾姿勢とさせることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0023】
本発明の実施の一形態に係るパネル装置の外観は、図1乃至図4に示される。図1は、表示パネルユニットが起立姿勢となるパネル装置を示す図であり、図2は、表示パネルユニットが前傾姿勢となるパネル装置を示す図であり、図3は、表示パネルユニットが後傾姿勢となるパネル装置を示す図であり、図4は、表示パネルユニットが開放姿勢となるパネル装置を示す図である。なお、この実施の形態に係るパネル装置は、車両に搭載されるオーディオ装置に適用されたものである。
【0024】
図1乃至図4において、このパネル装置100は、筐体110の前面に表示パネルユニット10が配置されている。この表示パネルユニット10は、LCD等の表示装置を内蔵し、その表示画面10a(LCD等の表示面)に必要な情報の表示がなされる。また、表示画面10aの枠部分には開閉ボタン11が設けられている。筐体110の前面にはディスク挿入口112の形成されたエスカッション111が設けられている。例えば、パネル装置100が使用されていない状態で、図1に示すように、表示パネルユニット10は、表示画面10aを前方に向けてエスカッション111を完全に覆った起立姿勢となる。表示パネルユニット10は、エスカッション111の両側部に形成された通孔113a、113bを通して進出摺動及び戻り摺動可能なスライド部材30(なお、図2〜図4では、スライド部材30のスライドサイド起立板33aが表れている)及びスライド部材30に伴って動くアーム部材40a(40b:図示略)によって、図2に示すような前方に傾斜した前傾姿勢、図3に示すような後方に傾斜した後傾姿勢、及び図4に示すようなエスカッション111を開放してディスク挿入口112を露出させる開放姿勢となり得る。
【0025】
更に、図5乃至図8を参照して、パネル装置100において前述したような複数の姿勢をとり得る表示パネルユニット10の駆動機構を説明する。図5は、表示パネルユニット10が起立姿勢(図1参照)となるパネル装置100内部を側方から見た透視図であり、図6は、表示パネルユニット10が起立姿勢となるパネル装置100内部の平面図であり、図7は、表示パネルユニット10が開放姿勢(図4参照)となるパネル装置100内部を側方から見た透視図であり、図8は表示パネルユニット10が開放姿勢となるパネル装置100内部の平面図である。なお、図5及び図7では、重なり合う各部材を明確にするために各部材を表す線種を、実線、破線、細破線のように分けている。また、図6及び図8では、重なり合う各部材を全て実線で表している。
【0026】
図5乃至図8において、筐体100の底板114にその側辺に沿って延びるブラケット20a、20bが固定されている。各ブラケット20a、20bは、底板114に固定される固定板21a、21bと固定板21a、21bの外側縁にて立ち上がるブラケットサイド起立板22a、22bとから構成されている。両ブラケット20a、20bのブラケットサイド起立板22a、22bの間にスライド部材30が配置されている。このスライド部材30は、略コ字状の平面形状を有し(図8参照)、その前方辺31の両端部から後方(図8における下方向)に延びるようにサイド摺動板32a、32bが形成されている。また、各サイド摺動板32a、32bの外側縁から立ち上がるようにスライドサイド起立板33a、33bが形成されている。
【0027】
スライド部材30は、各サイド摺動板32a、32bが対応するブラケット20a、20bの固定板21a、21bの表面を、また、各スライドサイド起立板33a、33bが対応するブラケット20a、20bのブラケットサイド起立板22a、22bの表面をそれぞれ摺動するようになっている。スライド部材30の各サイド摺動板32a、32bには、所定長のガイド溝35a、35bが形成され、対応するブラケット20a、20bの固定板21a、21bに設けられたガイドピン23a、23bがガイド溝35a、35bに摺動自在に嵌り込んでいる。また、スライド部材30の各スライドサイド起立板33a、33bの所定位置にはガイドピン64a、64bが外方に向けて突出するように設けられており、各ガイドピン64a、64bが対応するブラケット20a、20bのブラケットサイド起立板22a、22bに前後方向に延びるように形成されたガイド溝210(図5及び図7参照)に摺動自在に嵌り込んでいる。このように、ガイドピン23a、23bがガイド溝35a、35bにガイドされつつ、また、ガイドピン64a、64bがガイド溝210にガイドされつつ、スライド部材30は、両ブラケット部材20a、20bに挟まれた状態で進出摺動及び戻り摺動可能となる。
【0028】
一方のブラケット20aの固定板21aの前端部には、ブラケットサイド起立板22aに対向するように取付け板25が形成されており、その取付け板25にモータ50が取り付け固定されている。また、スライド部材30の前記一方のブラケット20aに対応したサイド摺動板32aの内側縁にはラックギア34が形成されている。前記ブラケット20a(固定板21a)にはギア列52、53、54、55が設けられており、そのギア列の一方端に位置するギア52がモータ50の回転軸に装着されたウォームギア51に噛合い、前記ギア列の他方端に位置するギア55がラックギア34に噛合っている。これにより、モータ50が正回転及び逆回転すると、その回転がウォームギア51からギア列52〜55を介してラックギア34に伝達され、そのラックギア34の形成されたスライド部材30が進出摺動及び戻り摺動するようになる。
【0029】
また、図6及び図8に示すように、ブラケット20bの固定板21bの後端部に形成された引掛け部とスライド部材30のスライドサイド起立板33bから突出する引掛け部との間に引張りコイルバネ65が設けられている。この引張りコイルバネ65により、スライド部材30が筐体110の奥方に向けて常時付勢された状態となっている。このようにスライド部材30が常時付勢されることにより、スライド部材30を筐体110の奥方へ戻り摺動させる際に(表示パネルユニット10を引き起こす際に)、その駆動源となるモータ50にかかる付加が軽減されるようになる。また、起立及び傾斜姿勢となる表示パネルユニット10を、いずれの位置においても筐体110の内外方向に対してガタツキ少なく支持することができるようになる。
【0030】
筐体110の底板114の前方部分には制御回路基板70が固定されている(図6、図8参照)。制御回路基板70には、端子71、72、第1位置検出スイッチ73(プッシュ型スイッチ)及び第2位置検出スイッチ74(プッシュ型スイッチ)が設けられると共に、モータ50の駆動制御を行なう電子部品(図示略)が搭載されている。また、モータ50の回転とともに回転するギア列52〜55のうちのギア54に噛合うギア部を有し、その回転量を検出する回転センサ56が底板114の所定部位に固定されている。モータ50のリード線が制御回路基板70の端子71に接続され、回転センサ56の出力リード線が端子72に接続されている。また、第1位置検出スイッチ73は、スライド部材30が筐体110の最奥位置となるときに前方片31の内側端部311にて押動(ON動作)される位置(図6参照)に設けられており、第2位置検出スイッチ74は、スライド部材30が筐体110から進出して最進出位置となるときにスライド部材30の一方のサイド摺動板32bに一体成形された突出部321にて押動(ON動作)される位置(図8参照)に設けられている。
【0031】
制御回路基板70に搭載された電子部品にて構成される制御回路は、開閉ボタン11(図1乃至図4参照)の操作に基づいて、表示パネルユニット10を開放、閉鎖させる、即ち、スライド部材30を進出、後退させるために、モータ50への通電制御を行なう。そして、その制御回路は、第1位置検出スイッチ73が押動されてON動作したときに、また、第2位置検出スイッチ74が押動されてON動作したときに、モータ50への通電を遮断する。また、前記制御回路は、回転センサ56からの回転量信号に基づいてスライド部材30の進出位置、即ち、そのスライド部材30の進出位置に応じた表示パネルユニット10の傾斜姿勢を判定する。
【0032】
なお、ブラケット20bの固定板21bにはガイドローラ24、27(図8参照)が設けられており、スライド部材30が進出摺動及び戻り摺動する際に、サイド摺動板32bの内側縁が前記ガイドローラ24、27によってガイドされる。また、ブラケット20aの固定板21aの後端部には規制ローラ26が設けられており(図8参照)、スライド部材30が初期位置に戻った際に、スライド部材30のサイド摺動板32aの後端内縁が規制ローラ26に当接して、スライド部材30のそれ以上の筐体110奥方への移動が規制される。
【0033】
特に図5及び図7を参照するに、各ブラケット20a、20bのブラケットサイド起立板22a、22b及び、スライド部材30の各スライドサイド起立板33a、33bには種々のガイド溝が形成されている。なお、図5及び図7では、一方のブラケットサイド起立板22a及びスライドサイド起立板33aについて示されているが、他方のブラケットサイド起立板22b及びスライドサイド起立板33bについても同様にガイド溝が形成されている。
【0034】
図5及び図7において、ブラケットサイド起立板22aには、その前方所定部位に山形形状のブラケットガイド溝200が形成されている。このブラケットガイド溝200は、後方から前方に向かって立ち上がるように傾斜した第1傾斜移動ガイド溝部201と、それに続いて筐体110の底板114と平行に僅かな長さだけ延びる頂点ガイド溝部202と、それに続いて後方から前方に向かって立ち下がるように傾斜した第2傾斜移動ガイド溝部203と、それに続いて筐体110の底板114に対して垂直に延びる移動規制ガイド溝部204とから構成されている。また、スライドサイド起立板33aには、スライド部材ガイド溝300が形成されている。このスライド部材ガイド溝300は、筐体110の底板114に対して垂直に延びる上下ガイド溝部301と、それに続いて筐体110の底板114と平行となるように後方に向けて延びる水平ガイド溝部302と、それに続いて後方に向かって僅かに立ち下がるように傾斜した傾斜ガイド溝部303と、それに続いて筐体110の底板114と平行に僅かな長さだけ延びる終端ガイド溝部304とから構成されている。
【0035】
スライド部材30の両スライドサイド起立板33a、33bの先端部が表示パネルユニット10の両側部の下端部に第1支持ピン61a、61bによって回動自在に結合されている。また、略へ字状に屈曲した形状のアーム部材40a、40bがスライド部材30の両スライドサイド起立板33a、33bの内側に配置され、両アーム部材40a、40bの第1端部が、表示パネルユニット10の両側部の前記スライドサイド起立板33a、33bの先端部との結合位置より上方所定位置に第2支持ピン62a、62bによって回動自在に結合されている。第1支持ピン61a、61bが第1支点部となり、第2支持ピン62a、62bが第2支点部となって、表示パネルユニット10が、スライド部材30の両スライドサイド起立板33a、33b及び両アーム部材40a、40bによって揺動可能に支えられている。各アーム部材40a、40bの前記第1端部と逆側の第2端部には端末ピン63a、63bが設けられている。各端末ピン63a、63bは、ブラケット20a、20bのブラケットサイド起立板22a、22bに形成されたブラケットガイド溝200と、スライドサイド起立板33a、33bに形成されたスライド部材ガイド溝300とに摺動自在に嵌り込んでいる(図5、図7参照)。
【0036】
前述したような構造のパネル装置100における表示パネルユニット10の動きについて説明する。
【0037】
表示パネルユニット10が、起立姿勢となって、筐体110の前面に設けられたエスカッション111を覆う状態(図1参照)では、図5及び図6に示すように、スライド部材30(図5における細破線参照)が筐体110の最も奥方に引き込まれた状態(最奥方位置)となる。この状態で、アーム部材40a、40b(図5における破線参照)の第2端部に設けられた端末ピン63a、63bは、ブラケット20a、20b(図5における実線参照)のブラケットサイド起立板22a、22bに形成されたブラケットガイド溝200における第1傾斜移動ガイド溝部201の端部に位置するとともに、スライド部材30のスライドサイド起立板33a、33bに形成されたスライド部材ガイド溝300における上下ガイド溝部301の水平ガイド溝部302との隣接部位に位置している。なお、このとき、第1位置検出スイッチ73は、スライド部材30の前方片31の内側端部311にて押動されて、ON状態となっている。制御回路基板70に構成される制御回路(以下、この制御回路についても参照番号70にて指示する)は、第1検出スイッチ73のON状態に基づいてスライド部材30が最奥方位置にあること、即ち、表示パネルユニット10が起立状態となることを認識している。
【0038】
このような状態から、表示パネルユニット10に設けられた開閉ボタン11の操作がなされると、制御回路70はモータ50に対して正回転するように給電する。モータ50が正回転すると、その回転力がウォームギア51からギア列52〜55を介してラックギア34に伝達し、スライド部材30が最奥方位置(図5、図6に示す位置)から進出摺動する。このとき、図9に示すように、アーム部材40a、40bの端末ピン63a、63bがスライド部材ガイド溝300の上下ガイド溝部301によってスライド部材30に対する前後方向の相対動が規制されるので、スライド部材30の進出摺動とともにアーム部材40a、40bが進出するようになる。そして、そのようにアーム部材40a、40bが進出する過程で、アーム部材40a、40bの端末ピン63a、63bが、スライド部材30(スライドサイド起立板33a、33b)に形成されたスライド部材ガイド溝300の上下ガイド溝部301及びブラケット20a、20b(ブラケットサイド起立板22a、22b)に形成されたブラケットガイド溝200の第1傾斜移動ガイド溝部201の双方にて上方に向けてガイドされる。
【0039】
これにより、アーム部材40a、40bは進出しつつ端末ピン63a、63bの設けられた第2端部が上方に向けて移動するようになり、その第2端部の動きに応じたアーム部材40a、40bの逆側の第1端部の動きによってその第1端部に設けられた第2支持ピン62a、62bを介して表示パネルユニット10が押出されるようになる。その結果、スライド部材30のスライドサイド起立板33a、33bの先端部を表示パネルユニット10の側部に回動自在に結合させる第1支持ピン61a、61b(第1支点部)を中心にして表示パネルユニット10が前方に傾斜するように回動していく。
【0040】
そして、スライド部材30が所定位置(第1位置)まで進出摺動して、端末ピン63a、63bが、図10に示すように、スライド部材ガイド溝300の上下ガイド溝部301の上端部に達するとともに、ブラケットガイド溝200の第1傾斜移動ガイド溝部201から頂点ガイド溝部202に達すると、表示パネルユニット10は筐体110に対して前方に所定角度傾斜した前傾姿勢となる(図2参照)。なお、制御回路70は、スライド部材30が最奥位置からの進出によって第1位置検出センサ73がOFFしてから回転センサ56から出力される回転量信号に基づいてスライド部材30の進出位置(第1位置)、即ち、表示パネルユニット10の前傾姿勢を認識している。そして、表示パネルユニット10の前傾姿勢を維持する場合には、制御回路70は、スライド部材30が第1位置にあることを認識した際に、モータ50に対する給電を遮断する。
【0041】
制御回路70から継続的にモータ50への給電がなされると、表示パネルユニット10が前傾姿勢となる状態から、モータ50が更に正回転し、スライド部材30が更に進出摺動する。すると、図11に示すように、アーム部材40a、40bの端末ピン63a、63bがスライド材30に形成されたスライドガイド溝300の上下ガイド溝301によって依然スライド部材30に対する前後方向の相対動が規制された状態にあるので、スライド部材30の進出摺動とともにアーム部材40a、40bも更に進出する。そして、そのようにアーム部材40a、40bが進出する過程で、アーム部材40a、40bの端末ピン63a、63bがスライド部材ガイド溝300の上下ガイド溝301及びブラケットガイド溝200の頂点ガイド溝部202から移った第2傾斜移動ガイド溝部203の双方にて下方に向けてガイドされる。
【0042】
これにより、アーム部材40a、40bは進出しつつ端末ピン63a、63bの設けられた第2端部が下方に向けて移動するようになり、その第2端部の動きに応じたアーム部材40a、40bの逆側の第2端部の動きによってその第1端部に設けられた第2支持ピン62a、62bを介して表示パネルユニット10が引き戻されるようになる。その結果、スライド部材30のスライドサイド起立版33a、33bの先端部を表示パネルユニット10の側部に回動自在に結合させる第1支持ピン61a、61b(第1支点部)を中心にして表示パネルユニット10が、前述した場合(図9参照)とは逆に、後方に傾斜するように回動していく。
【0043】
そして、スライド部材30が所定位置(第2位置)まで進出摺動して、端末ピン63a、63bが図12に示すように、スライド部材ガイド溝300の上下ガイド溝部301と水平ガイド溝部302との境界部に達するとともに、ブラケットガイド溝200の第2傾斜移動ガイド溝部203と移動規制ガイド溝部204との境界部に達すると、表示パネルユニット10は筐体110に対して後方に所定角度傾斜した後傾斜姿勢となる(図3参照)。なお、制御回路70は、更に回転センサ56から出力される回転量信号に基づいてスライド部材30の進出位置(第2位置)、即ち、表示パネルユニット10の後傾姿勢を認識している。そして、表示パネルユニット10の後傾姿勢を維持する場合には、制御回路70は、スライド部材30が第2位置にあることを認識した際に、モータ50に対する給電を遮断する。
【0044】
制御回路70から継続的にモータ50への給電がなされると、表示パネルユニット10が後傾姿勢となる状態から、モータ50が更に正回転し、スライド部材30が更に進出摺動する。すると、図13に示すように、ブラケット20a、20b(ブラケットサイド起立板22a、22b)に形成されたブラケットガイド溝200の規制部204によってアーム部材40a、40bの第2端部に設けられた端末ピン63a、63bの前後方向の移動が規制されるので、アーム部材40a、40bの移動(進出)が規制される。その結果、アーム部材40a、40bの第1端部を表示パネルユニット10の側部に回動自在に結合させる第2支持ピン62a、62bの前方への移動が規制される。この状態で、スライド部材30の更なる進出摺動により第1支持ピン61a、62が押出される過程で、図13及び図14に示すように、スライド部材30の進出摺動を妨げることなく前方への移動が規制された第2支持ピン62a、62bが第1支持ピン61a、61に対して従動するように、アーム部材40a、40bの第2端部に設けられた端末ピン63a、63bがスライド部材30(スライドガイドサイド起立板33a、33b)に形成されたスライド部材ガイド溝300の水平ガイド溝部302に摺動ガイドされる。これにより、スライド部材30の進出摺動に伴って、アーム部材40a、40bが端末ピン63a、63bの設けられた第2端部を中心に、第2支持ピン62a、62bの設けられた第1端部が下方に移動するように回動し、それによって、表示パネルユニット10が更に倒れていく。
【0045】
そして、スライド部材30の更なる進出摺動によって第1支持ピン61a、61bが更に押出される過程で、図15及び図16に示すように、スライド部材30の進出摺動を妨げることなく第2支持ピン62a、62bが第1支持ピン61a、61bに対して従動すするように、アーム部材40a、40bの第2端部に設けられた端末ピン63a、63bが更にスライド部材30に形成されたスライド部材ガイド溝部300の傾斜ガイド部302に摺動ガイドされる。これにより、スライド部材30の進出摺動に伴って、アーム部材40a、40bが端末ピン63a、63bの設けられた第2端部を中心に、更に第2支持ピン62a、62bの設けられた第1端部が下方に移動するように回動し、それによって、表示パネルユニット10が更に倒れていく。
【0046】
そして、図7及び図8に示すように、スライド部材30が最進出位置まで進出摺動して、アーム部材40a、40bの第2端部に設けられた端末ピン63a、63bがスライド部材ガイド溝部300の終端ガイド溝部304までガイドされると、アーム部材40a、40bの第1端部に設けられた第2支持ピン62a、62の第1支持ピン61a、61bに対する従動の限界に達する。このとき、スライド部材30(サイド摺動板32b)に形成された突出部321が第2位置検出スイッチ74を押動し、この第2位置検出スイッチ74がON動作する。これにより、制御回路基板70はモータ50への給電を遮断し、モータ50が停止する。この状態で、表示パネルユニット10は、筐体110のエスカッション111を開放する開放姿勢となる(図4参照)。なお、第2位置検出スイッチ74のON動作によってモータ50への給電を遮断した制御回路70は、第2位置検出スイッチ74のON動作に基づいて表示パネルユニット10が開放姿勢となることを認識している。
【0047】
前述したような実施の形態に係るパネル装置によれば、スライド部材30が進出摺動する際に、その進出摺動に伴うアーム部材40a、40bの動きによって表示パネルユニッと10が進出しつつ前傾姿勢となるので(図5、図6、図9、図10参照)、従来のように筐体110内に表示パネルユニット10の下端部を引き込むための機構を必要としない。そのため、表示パネルユニッと10の下端部を引き込むための部材(機構)を筐体110の奥方まで移動させる必要がなく、その部材のために筐体110の奥行きの長さを延ばす必要もない。従って、装置(筐体110)を大型化させることなく、筐体110の前面に表示パネルユニット10を前方に傾かせた前傾姿勢にさせることができるようになる。
【0048】
更に、そのスライド部材30の進出摺動を継続させることにより、表示パネルユニット10は、順次、後方に傾いた後傾姿勢(図12参照)、筐体110の前面を開放する開放姿勢(図7、図8参照)となる。
【0049】
なお、スライド部材30が筐体110内に戻り摺動すると、各部が前述したのと逆方向に駆動し、その結果、表示パネルユニット10は、開放姿勢から、後傾姿勢、前傾姿勢、起立姿勢の順にその姿勢を変化させる。
【0050】
前述したようなパネル装置100は、例えば、図17乃至図19に示すように、車両のインストルメントパネル500内に設置される。即ち、図17に示すように、倒れ角度の比較的大きいインストルメントパネル500内に起立姿勢(図1参照)となる表示パネルユニット10の表示画面10aがインストルメントパネル500の表面と揃うように筐体110が設置される。そして、乗員が表示パネルユニット10を利用する場合、図18に示すように、上方からの乗員の目線(破線ブロック矢印参照)に合わせるために当該表示パネルユニット10が筐体10に対して前方に傾斜させた前傾姿勢にされる。これにより、乗員は、上方からの目線によって表示画面10aに表示された情報を容易に視認することができるようになる。なお、筐体110内に設けられたディスク装置(図示略)にディスクDを挿入する場合、あるいは、ディスクDを排出する場合、図19に示すように、表示パネルユニット10が開放姿勢にされる。これにより、筐体110のエスカッション111に形成されたディスク挿入口112が露出するようになり(図4参照)、その状態で、ディスクDが上方から斜めにディスク挿入口112に挿入され、あるいは、斜め上方に向けて排出される。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明に係るパネル装置は、極力大型化させることなく、筐体の前面にてパネルユニットを前方に傾かせた前傾姿勢とさせることのできるという効果を有し、車両に搭載されるオーディオ装置やナビゲーション装置等に適用され、複数の姿勢をとり得る表示パネルユニットや操作パネルユニット等のパネルユニットが筐体の前面に配置されたパネル装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施の形態に係るパネル装置の表示パネルユニットが起立姿勢となる状態を示す外観斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るパネル装置の表示パネルユニットが前傾姿勢となる状態を示す外観斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るパネル装置の表示パネルユニットが後傾姿勢となる状態を示す外観斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るパネル装置の表示パネルユニットが開放姿勢となる状態を示す外観斜視図である。
【図5】表示パネルユニットが起立姿勢となるパネル装置内部を側方から見た透視図である。
【図6】表示パネルユニットが起立姿勢となるパネル装置内部の平面図である。
【図7】表示パネルユニットが開放姿勢となるパネル装置内部を側方から見た透視図である。
【図8】表示パネルユニットが開放姿勢となるパネル装置内の平面図である。
【図9】表示パネルユニットが起立姿勢から前傾姿勢に至る途中の姿勢となるパネル装置内部を側方から見た透視図である。
【図10】表示パネルユニットが前傾姿勢となるパネル装置内部を側方から見た透視図である。
【図11】表示パネルユニットが前傾姿勢から後傾姿勢に至る途中の姿勢となるパネル装置内部を側方から見た透視図である。
【図12】表示パネルユニットが後傾姿勢となるパネル装置内部を側方から見た透視図である。
【図13】表示パネルユニットが後傾姿勢から開放姿勢に至る途中の姿勢(その1)となるパネル装置内部を側方から見た透視図である。
【図14】表示パネルユニットが後傾姿勢から開放姿勢に至る途中の姿勢(その2)となるパネル装置内部を側方から見た透視図である。
【図15】表示パネルユニットが後傾姿勢から開放姿勢に至る途中の姿勢(その3)となるパネル装置内部を側方から見た透視図である。
【図16】表示パネルユニットが後傾姿勢から開放姿勢に至る途中の姿勢(その4)となるパネル装置内部を側方から見た透視図である。
【図17】傾斜したインストルメントパネル内に設置されたパネル装置の表示パネルユニットが起立姿勢となる状態を示す図である。
【図18】傾斜したインストルメントパネル内に設置されたパネル装置の表示パネルユニットが前傾姿勢となる状態を示す図である。
【図19】傾斜したインストルメントパネル内に設置されたパネル装置の表示パネルユニットが開放姿勢となる状態を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
10 表示パネルユニット
10a 表示画面
20a、20b ブラケット
21a、21b 固定板
22a、22b ブラケットサイド起立板
23a、23b ガイドピン
24、27 ガイドローラ
25 取付け板
26 規制ローラ
30 スライド部材
31 前方辺
32a、32b サイド摺動版
33a、33b スライドサイド起立板
34 ラックギア
35a、35b ガイド溝
40a、40b アーム部材
50 駆動モータ
51 ウォームギア
52、53、54、55 ギア
56 回転センサ
61a、61b 第1支持ピン
62a、62b 第2支持ピン
63a、63b 端末ピン
64a、64b ガイドピン
65 引張りコイルバネ
70 モータ制御回路基板(制御回路)
71、72 端子
73 第1位置検出スイッチ
74 第2位置検出スイッチ
100 パネル装置
110 筐体
111 エスカッション
112 ディスク挿入口
113a、113b 通孔
200 ブラケットガイド溝
201 第1傾斜移動ガイド溝部
202 頂点ガイド溝部
203 第2傾斜移動ガイド溝部
204 移動規制ガイド溝部
210 ガイド溝
300 スライド部材ガイド溝
301 上下ガイド溝部
302 水平ガイド溝部
303 傾斜ガイド溝部
304 終端ガイド溝部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
該筐体の前面に配置されたパネルユニットと、
該パネルユニットの両側部のそれぞれの下端部に設けられた第1支点部と、
前記パネルユニットの両側部のそれぞれの前記第1支点部より上方所定位置に設けられた第2支点部と、
先端部が前記第1支点部に回動自在に係合し、前記筐体における初期位置からの進出摺動及び前記初期位置への戻り摺動が可能となるスライド部材と、
第1端部が前記第2支点部に係合するアーム部材と、
前記スライド部材の進出摺動及び戻り摺動に伴って前記アーム部材を動かすアーム駆動機構とを有し、
前記アーム駆動機構は、
前記スライド部材の前記初期位置から第1位置までの進出摺動に伴って、前記アーム部材を進出させつつ、前記パネルユニットを前記筐体の前面を覆う起立姿勢から前記第1支点部を中心にして回動させて前記筐体に対して前方に傾斜した前傾姿勢となるように前記アーム部材の前記第1端部と逆側の第2端部を動かすパネル前傾姿勢駆動部を有することを特徴とするパネル装置。
【請求項2】
前記アーム駆動機構は、
前記スライド部材の前記第1位置から第2位置までの進出摺動に伴って、前記アーム部材を進出させつつ、前記パネルユニットを前記前傾姿勢から前記第1支点部を中心にして回動させて前記筐体に対して後方に傾斜させた後傾姿勢となるように前記アーム部材の前記第2端部を動かすパネル後傾駆動部を有することを特徴とする請求項1記載のパネル装置。
【請求項3】
前記アーム駆動機構は、
前記スライド部材の第2位置から更に前方への進出摺動に際して、前記アーム部材の進出を規制しつつ、前記アーム部材の前記第1端部が回動自在に係合する前記第2支点部が前記第1支点部の進出に対して従動するように前記アーム部材の前記第2端部をガイドして、前記パネルユニットが前記後傾姿勢から後方に倒れて前記筐体の前面を開放する開放姿勢となるようにしたパネル開放駆動部を有することを特徴とする請求項2記載のパネル装置。
【請求項4】
前記アーム駆動機構は、前記スライド部材に形成され、前記アーム部材の前記第2端部に設けられたピンを摺動自在にガイドするスライド部材ガイド部と、
前記筐体に固定されたブラケット部材に形成され、前記ピンを摺動自在にガイドするブラケットガイド部とを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のパネル装置。
【請求項5】
前記スライド部材ガイド部は、前記ピンを前記スライド部材に対する前後方向の相対動を規制しつつ上下方向に摺動自在にガイドする上下ガイド部を有し、
前記ブラケットガイド部は、前記スライド部材の前記初期位置から前記第1位置への進出摺動とともに進出する前記上下ガイド部にガイドされた前記ピンを上方にガイドする第1傾斜移動ガイド部を有し、
前記スライド部材ガイド部の前記上下ガイド部及び前記ブラケットガイド部の前記第1傾斜移動ガイド部が前記アーム駆動機構の前記パネル前傾姿勢駆動部として機能することを特徴とする請求項4記載のパネル装置。
【請求項6】
前記ブラケットガイド部は、前記スライド部材の前記第1位置から前記第2位置への進出摺動とともに進出する前記上下ガイド部にガイドされた前記ピンを下方にガイドする第2傾斜移動ガイド部を有し、
前記スライド部材ガイド部の前記上下ガイド部及び前記ブラケットガイド部の前記第2傾斜移動ガイド部が前記アーム駆動機構の前記パネル後傾姿勢駆動部として機能することを特徴とする請求項5記載のパネル装置。
【請求項7】
前記ブラケットガイド部は、前記ピンの前後方向の移動を規制する前後規制部を有し、
前記スライド部材ガイド部は、前記前後方向の移動を規制されたピンが前記スライド部材の進出摺動を妨げないように摺動ガイドする前後ガイド部を有し、
前記スライド部材ガイド部の前記前後ガイド部及び前記ブラケットガイド部の前記前後規制部が前記アーム駆動機構の前記パネル開放駆動部として機能することを特徴とする請求項6記載のパネル装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−62809(P2008−62809A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−243207(P2006−243207)
【出願日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】