説明

パルス幅選択回路、パルス信号出力回路、及び表示装置

【課題】配線数の少ないパルス幅選択回路を提供する。
【解決手段】M(Mは自然数。例えばM=15。)本の信号配線W1と、M本の信号配線W1によって供給されるM種類のパルス信号を用いてN(NはMより大きい自然数。例えばN=64。)種類の制御データそれぞれに応じたN通りの論理演算を行い、前記N通りの論理演算の個々の論理演算においては前記M種類のパルス信号の一部のみを用いることによってN種類のそれぞれパルス幅が異なるパルス信号を作成することができる論理回路L1とを備え、論理回路L1が前記N種類の制御データのうちの一つの制御データ(画像データ1)を入力したときに、その一つの制御データに応じて論理回路L1が作成したパルス信号のパルス幅を選択するパルス幅選択回路。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パルス信号のパルス幅を選択するパルス幅選択回路並びにこれを備えるパルス信号出力回路及び表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のパルス幅選択回路は、2K種類のそれぞれパルス幅が異なるパルス信号の中から1種類のパルス信号を選択する回路であって、2K本の信号配線と、前記信号配線によって入力端子に供給される2K種類のパルス信号から制御端子に供給されるKビットの符号データに応じたパルス幅のパルス信号を選択するセレクタとを備える。ただし、Kは自然数である。
【特許文献1】特開平5−35218号公報(第5図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した従来のパルス幅選択回路は、例えばパルス幅変調階調のLCD用セグメントドライバにおいて使用される。396セグメント64階調のパルス幅変調階調のLCD用セグメントドライバにおいて使用される場合、従来のパルス幅選択回路が396個必要となるので、図12に示すように、セレクタを396個配置し、各セレクタS1〜S396に64種類のそれぞれパルス幅が異なるパルス信号を供給するために64本の信号配線W2が必要となる。
【0004】
従来のパルス幅選択回路では、パルス幅の選択肢数分の信号配線が必要であるため、配線領域の面積が大きくなっており、小型化や低コスト化の妨げになっていた。また、従来のパルス幅選択回路では、パルス幅の選択肢数が多くなるとセレクタの回路規模が大きくなるため、セレクタが配置されるゲート領域の面積が大きくなってしまっていた。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑み、信号配線数の少ないパルス幅選択回路並びにこれを備えるパルス信号出力回路及び表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るパルス幅選択回路は、M(Mは自然数)本の信号配線と、前記M本の信号配線によって供給されるM種類のパルス信号を用いてN(NはMより大きい自然数)種類の制御データそれぞれに応じたN通りの論理演算を行い、前記N通りの論理演算の個々の論理演算においては前記M種類のパルス信号の一部のみを用いることによってN種類のそれぞれパルス幅が異なるパルス信号を作成することができる論理回路とを備え、前記論理回路が前記N種類の制御データのうちの一つの制御データを入力したときに、その一つの制御データに応じて前記論理回路が作成したパルス信号のパルス幅を選択する構成(第一の構成)とする。
【0007】
このような構成によると、M種類のパルス信号を用いてN種類のそれぞれパルス幅が異なるパルス信号を作成することができるので、従来N本必要であった信号配線の本数をM本に減らすことができる。これにより、小型化や低コスト化を図ることができる。また、M種類のパルス信号を用いてN種類のそれぞれパルス幅が異なるパルス信号を作成することができる論理回路は、ANDゲート、ORゲート、NOTゲートなどの小規模ゲートによって構成されるので、パルス幅の選択肢数が多くなってもパルス幅の選択肢数に対応するセレクタほど回路規模が大きくならない。
【0008】
また、上記目的を達成するために、本発明に係るパルス信号出力回路は、M種類のパルス信号を生成するパルス信号生成回路と、前記パルス信号生成回路から前記M種類のパルス信号が供給される上記第一の構成のパルス幅選択回路とを備え、前記パルス幅選択回路によって選択されたパルス幅のパルス信号を出力する構成(第二の構成)とする。
【0009】
上記第二の構成のパルス信号出力回路において、前記パルス信号生成回路が、前記パルス幅選択回路に設けられる論理回路によって生成可能な信号と同一のN種類のそれぞれパルス幅が異なるパルス信号を生成し、前記N種類のそれぞれパルス幅が異なるパルス信号から前記M種類のパルス信号を生成するようにしてもよい。
【0010】
また、上記目的を達成するために、本発明に係るパルス幅選択回路は、2A-B(Aは2以上の自然数、BはAより小さい自然数)種類のパルス波形信号と(2B−1)種類の制御信号とを用いて、2A種類の制御データそれぞれに応じた2A通りの論理演算を行い、2A種類のそれぞれパルス幅が異なるパルス信号を作成することができる論理回路と、前記2A-B種類のパルス波形信号及び前記(2B−1)種類の制御信号を前記論理回路に供給する(2A-B+2B−1)本の信号配線とを備え、前記制御信号それぞれが前記2A種類のそれぞれパルス幅が異なるパルス信号のいずれかと同一波形の信号であり、前記論理回路が前記2A種類の制御データのうちの一つの制御データを入力したときに、その一つの制御データに応じて前記論理回路が作成したパルス信号のパルス幅を選択する構成(第三の構成)とする。
【0011】
このような構成によると、2A-B種類のパルス波形信号と(2B−1)種類の制御信号とを用いて2A種類のそれぞれパルス幅が異なるパルス信号を作成することができるので、従来2A本必要であった信号配線の本数を(2A-B+2B−1)本に減らすことができる。これにより、小型化や低コスト化を図ることができる。また、2A-B種類のパルス波形信号と(2B−1)種類の制御信号とを用いて2A種類のそれぞれパルス幅が異なるパルス信号を作成することができる論理回路は、ANDゲート、ORゲート、NOTゲートなどの小規模ゲートによって構成されるので、パルス幅の選択肢数が多くなってもパルス幅の選択肢数に対応するセレクタほど回路規模が大きくならない。
【0012】
また、上記目的を達成するために、本発明に係るパルス信号出力回路は、2A-B種類のパルス波形信号及び(2B−1)種類の制御信号を生成するパルス信号生成回路と、前記パルス信号生成回路から前記2A-B種類のパルス波形信号及び前記(2B−1)種類の制御信号が供給される上記第三の構成のパルス幅選択回路とを備え、前記パルス幅選択回路によって選択されたパルス幅のパルス信号を出力する構成(第四の構成)とする。
【0013】
上記第四の構成のパルス信号出力回路において、前記パルス信号生成回路が、前記パルス幅選択回路に設けられる論理回路によって生成可能な信号と同一の2A種類のそれぞれパルス幅が異なるパルス信号を生成し、前記2A種類のそれぞれパルス幅が異なるパルス信号から前記2A-B種類のパルス波形信号及び前記(2B−1)種類の制御信号を生成するようにしてもよい。
【0014】
また、上記目的を達成するために、本発明に係る表示装置は、上記各構成のパルス信号出力回路を備え、パルス幅変調方式による階調表示を行う構成とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、M(Mは自然数)種類のパルス信号を用いてN(NはMより大きい自然数)種類のそれぞれパルス幅が異なるパルス信号を作成することができるので、従来N本必要であった信号配線の本数をM本に減らすことができる。これにより、小型化や低コスト化を図ることができる。
【0016】
また、本発明によると、2A-B(Aは2以上の自然数、BはAより小さい自然数)種類のパルス波形信号と(2B−1)種類の制御信号とを用いて2A種類のそれぞれパルス幅が異なるパルス信号を作成することができるので、従来2A本必要であった信号配線の本数を(2A-B+2B−1)本に減らすことができる。これにより、小型化や低コスト化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の実施形態について図面を参照して以下に説明する。本発明に係るパルス幅選択回路の例として、パルス幅選択肢数が4個の場合、16個の場合、64個の場合について順に説明する。
【0018】
まず、パルス幅選択肢数が4個である本発明に係るパルス幅選択回路の一例(以下、第一実施形態のパルス幅選択回路と称す)について説明する。第一実施形態のパルス幅選択回路は、3本の信号配線と、論理回路とを備えている。前記3本の信号配線によって3種類のパルス信号(図1に示す制御信号SIG_0、パルス波形信号SEG_WAV(0) 、SEG_WAV(1))が前記論理回路に供給され、前記論理回路は、図2に示す2ビットの入力データに応じた論理式に基づいて論理演算を行い、図1に示す4種類のパルス信号P0〜P4のうちのいずれかを作成する。例えば、入力データが「00」で有る場合、前記論理回路はパルス信号P0を作成する。前記論理回路が2ビットの入力データに応じて作成したパルス信号のパルス幅が、第一実施形態のパルス幅選択回路の選択するパルス幅となる。
【0019】
なお、図面においてパルス波形信号のエッジ部に付された数字は、どのパルス信号のエッジ部に同期しているかを示している。例えばパルス波形信号SEG_WAV(0)の立ち上がりエッジ部に付された0は、パルス信号SEG_WAV(0)の立ち上がりエッジ部がパルス信号P0のエッジ部に同期していることを示している。パルス信号のパルス幅とは、パルス信号のHighレベル区間の幅を意味している。パルス信号のHighレベル区間は零(オンデューティ0%)であっても構わない。またパルス信号のLowレベル区間は零(オンデューティ100%)であっても構わない。これらのことは、後述する第二実施形態〜第五実施形態においても同様である。
【0020】
第一実施形態のパルス幅選択回路は、4本の信号配線と、前記信号配線によって入力端子に供給される4種類のパルス信号から制御端子に供給される2ビットの符号データに応じたパルス幅のパルス信号を選択するセレクタとを備える従来のパルス幅選択回路と比べて、信号配線を1本削減することができる。しかしながら、4本の入力端子を有するセレクタの方が上記論理回路よりも回路規模が小さいため、第一実施形態のパルス幅選択回路では、パルス幅選択回路全体としての小型化及び低コスト化の効果が小さい。
【0021】
次に、パルス幅選択肢数が16個である本発明に係るパルス幅選択回路の一例(以下、第二実施形態のパルス幅選択回路と称す)を説明する。第二実施形態のパルス幅選択回路は、9本の信号配線と、論理回路とを備えている。前記9本の信号配線によって9種類のパルス信号(図3に示す制御信号SIG_0、パルス波形信号SEG_WAV(0) 、SEG_WAV(1) 、SEG_WAV(2) 、SEG_WAV(3) 、SEG_WAV(4) 、SEG_WAV(5) 、SEG_WAV(6) 、SEG_WAV(7))が前記論理回路に供給され、前記論理回路は、図4に示す4ビットの入力データに応じた論理式に基づいて論理演算を行い、図3に示す16種類のパルス信号P0〜P15のうちのいずれかを作成する。例えば、入力データが「0000」で有る場合、前記論理回路はパルス信号P0を作成する。前記論理回路が4ビットの入力データに応じて作成したパルス信号のパルス幅が、第二実施形態のパルス幅選択回路の選択するパルス幅となる。
【0022】
第二実施形態のパルス幅選択回路は、16本の信号配線と、前記信号配線によって入力端子に供給される16種類のパルス信号から制御端子に供給される4ビットの符号データに応じたパルス幅のパルス信号を選択するセレクタとを備える従来のパルス幅選択回路と比べて、信号配線を7本削減することができる。また、上記論理回路は、ANDゲート、ORゲート、NOTゲートなどの小規模ゲートによって構成されるので、16本の入力端子を有するセレクタほど回路規模が大きくならない。したがって、第二実施形態のパルス幅選択回路では、パルス幅選択回路全体としての小型化及び低コスト化の効果が大きい。
【0023】
次に、パルス幅選択肢数が16個である本発明に係るパルス幅選択回路の他の例(以下、第三実施形態のパルス幅選択回路と称す)を説明する。第三実施形態のパルス幅選択回路は、7本の信号配線と、論理回路とを備えている。前記7本の信号配線によって7種類のパルス信号(図5に示す制御信号SIG_0、SIG_1、SIG_1'、パルス波形信号SEG_WAV(0) 、SEG_WAV(1) 、SEG_WAV(2) 、SEG_WAV(3))が前記論理回路に供給され、前記論理回路は、図6に示す4ビットの入力データに応じた論理式に基づいて論理演算を行い、図5に示す16種類のパルス信号P0〜P15のうちのいずれかを作成する。例えば、入力データが「0000」で有る場合、前記論理回路はパルス信号P0を作成する。前記論理回路が4ビットの入力データに応じて作成したパルス信号のパルス幅が、第三実施形態のパルス幅選択回路の選択するパルス幅となる。
【0024】
第三実施形態のパルス幅選択回路は、16本の信号配線と、前記信号配線によって入力端子に供給される16種類のパルス信号から制御端子に供給される4ビットの符号データに応じたパルス幅のパルス信号を選択するセレクタとを備える従来のパルス幅選択回路と比べて、信号配線を9本削減することができる。また、上記論理回路は、ANDゲート、ORゲート、NOTゲートなどの小規模ゲートによって構成されるので、16本の入力端子を有するセレクタほど回路規模が大きくならない。したがって、第三実施形態のパルス幅選択回路では、パルス幅選択回路全体としての小型化及び低コスト化の効果が大きい。
【0025】
次に、パルス幅選択肢数が16個である本発明に係るパルス幅選択回路の更に他の例(以下、第四実施形態のパルス幅選択回路と称す)について説明する。第四実施形態のパルス幅選択回路は、9本の信号配線と、論理回路とを備えている。前記9本の信号配線によって9種類のパルス信号(図7に示す制御信号SIG_0、SIG_1、SIG_2、SIG_3、SIG_1' 、SIG_2' 、SIG_3'、パルス波形信号SEG_WAV(0) 、SEG_WAV(1))が前記論理回路に供給され、前記論理回路は、図8に示す4ビットの入力データに応じた論理式に基づいて論理演算を行い、図7に示す16種類のパルス信号P0〜P15のうちのいずれかを作成する。例えば、入力データが「0000」で有る場合、前記論理回路はパルス信号P0を作成する。前記論理回路が4ビットの入力データに応じて作成したパルス信号のパルス幅が、第四実施形態のパルス幅選択回路の選択するパルス幅となる。
【0026】
第四実施形態のパルス幅選択回路は、16本の信号配線と、前記信号配線によって入力端子に供給される16種類のパルス信号から制御端子に供給される4ビットの符号データに応じたパルス幅のパルス信号を選択するセレクタとを備える従来のパルス幅選択回路と比べて、信号配線を7本削減することができる。また、上記論理回路は、ANDゲート、ORゲート、NOTゲートなどの小規模ゲートによって構成されるので、16本の入力端子を有するセレクタほど回路規模が大きくならない。したがって、第四実施形態のパルス幅選択回路では、パルス幅選択回路全体としての小型化及び低コスト化の効果が大きい。
【0027】
ここで、第二実施形態〜第四実施形態における制御信号、パルス波形信号、及びパルス信号の関係について説明する。制御信号SIG_0は、入力データの最上位ビットの切り替わりに対応するパルス信号P8と同一である。第二実施形態では、入力データの最上位ビットの切り替わり直前に対応するパルス信号P7迄の各パルス信号P0〜P7のエッジ情報を各パルス波形信号に順に一つずつ含ませるために、パルス波形信号を8個用意している。そして、入力データの最上位ビットの切り替わりで折り返して、入力データの最上位ビットの切り替わりに対応するパルス信号P8以降の各パルス信号P8〜P15のエッジ情報も各パルス波形信号に順に一つずつ含ませている。同様に、第三実施形態では、入力データの第二位ビットの切り替わりで折り返して、各パルス信号のエッジ情報を各パルス波形信号に順に一つずつ含ませており、第四実施形態では、入力データの第三位ビットの切り替わりで折り返して、各パルス信号のエッジ情報を各パルス波形信号に順に一つずつ含ませている。このため、パルス信号の数を2A個とし、制御信号の数を(2B−1)個とすると、入力データの第B位ビットの切り替わり迄のパルス信号の数が2A/2B個になるので、必要なパルス波形信号の数は2A-B個になる。ただし、Aは2以上の自然数であり、BはAより小さい自然数である。なお、この関係は第二〜第四実施形態のみならず、上述した第一実施形態や後述する第五実施形態についても当てはまる。
【0028】
次に、パルス幅選択肢数が64個である本発明に係るパルス幅選択回路の一例(以下、第五実施形態のパルス幅選択回路と称す)を説明する。第五実施形態のパルス幅選択回路は、15本の信号配線と、論理回路とを備えている。前記15本の信号配線によって15種類のパルス信号(図9A〜図9Dに示す制御信号SIG_0、SIG_1、SIG_2、SIG_3、SIG_1'、SIG_2'、SIG_3'、パルス波形信号SEG_WAV(0) 、SEG_WAV(1) 、SEG_WAV(2) 、SEG_WAV(3) 、SEG_WAV(4) 、SEG_WAV(5) 、SEG_WAV(6) 、SEG_WAV(7))が前記論理回路に供給され、前記論理回路は、図10A及び図10Bに示す6ビットの入力データに応じた論理式に基づいて論理演算を行い、図9A〜図9Dに示す64種類のパルス信号P0〜P63のうちのいずれかを作成する。例えば、入力データが「000000」で有る場合、前記論理回路はパルス信号P0を作成する。前記論理回路が6ビットの入力データに応じて作成したパルス信号のパルス幅が、第五実施形態のパルス幅選択回路の選択するパルス幅となる。
【0029】
第五実施形態のパルス幅選択回路は、64本の信号配線と、前記信号配線によって入力端子に供給される64種類のパルス信号から制御端子に供給される6ビットの符号データに応じたパルス幅のパルス信号を選択するセレクタとを備える従来のパルス幅選択回路と比べて、パルス信号配線を49本削減することができる。また、上記論理回路は、ANDゲート、ORゲート、NOTゲートなどの小規模ゲートによって構成されるので、64本の入力端子を有するセレクタよりも回路規模が小さく、およそ1/3の回路規模になる。したがって、第五実施形態のパルス幅選択回路では、パルス幅選択回路全体としての小型化及び低コスト化の効果が非常に大きい。
【0030】
上述した第五実施形態のパルス幅選択回路は、例えば396セグメント64階調のパルス幅変調階調のLCD用セグメントドライバにおいて使用される。第五実施形態のパルス幅選択回路を用いた396セグメント64階調のパルス幅変調階調のLCD用セグメントドライバを備えたLCDは、前記LCD用セグメントドライバから出力されるセグメント信号に基づいてパルス幅変調方式による階調表示を行う。
【0031】
ここで、第五実施形態のパルス幅選択回路を用いた396セグメント64階調のパルス幅変調階調のLCD用セグメントドライバの要部構成例を図11に示す。
【0032】
図11に示すセグメントドライバは、15種類のパルス信号(図9A〜図9Dに示す制御信号SIG_0、SIG_1、SIG_2、SIG_3、SIG_1'、SIG_2'、SIG_3'、パルス波形信号SEG_WAV(0) 、SEG_WAV(1) 、SEG_WAV(2) 、SEG_WAV(3) 、SEG_WAV(4) 、SEG_WAV(5) 、SEG_WAV(6) 、SEG_WAV(7))を生成するパルス信号生成回路100を備える。
【0033】
また、図11に示すセグメントドライバは、論理回路L1〜L396と、パルス信号生成回路100によって生成された15種類のパルス信号を論理回路L1〜L396に供給する15本の信号配線W1とからなる396個の第五実施形態のパルス幅選択回路を備える。なお、図11に示すセグメントドライバがRGB用である場合には、396個の第五実施形態のパルス幅選択回路が3組必要になる。
【0034】
パルス信号生成回路100では、パルス信号生成部100Aがクロック信号に基づいて図9A〜図9Dに示すパルス信号P0〜P63を生成し、論理部100Bがそのパルス信号P0〜P63を用いて論理演算を行って15種類のパルス信号(図9A〜図9Dに示す制御信号SIG_0、SIG_1、SIG_2、SIG_3、SIG_1'、SIG_2'、SIG_3'、パルス波形信号SEG_WAV(0) 、SEG_WAV(1) 、SEG_WAV(2) 、SEG_WAV(3) 、SEG_WAV(4) 、SEG_WAV(5) 、SEG_WAV(6) 、SEG_WAV(7))を生成する。なお、図9A〜図9Dに示した信号波形は、LCDの1ライン分の波形を表しており、実際には図9A〜図9Dに示した信号波形が繰り返される。また、図9A〜図9Dに示した信号波形の繰り返し周期は、前記クロック信号の所定のサイクル数(例えば、256サイクルや512サイクル)に一致している。したがって、前記クロック信号の所定のサイクル数の設定を変えることで、図9A〜図9Dに示した信号波形の繰り返し周期の設定を変えることができる。
【0035】
また、図9A〜図9Dに示すパルス信号P0〜P63では、パルス信号Pn(nは0以上62以下の整数)からパルス信号P(n+1)へのパルス幅の増加量が一定であるが、本発明はこれに限定されることはなく、例えばγ補正に対応するパルス幅の増加量にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】は、第一実施形態のパルス幅選択回路の入出力信号波形を示す図である。
【図2】は、第一実施形態のパルス幅選択回路に設けられる論理回路の論理演算内容を示す図である。
【図3】は、第二実施形態のパルス幅選択回路の入出力信号波形を示す図である。
【図4】は、第二実施形態のパルス幅選択回路に設けられる論理回路の論理演算内容を示す図である。
【図5】は、第三実施形態のパルス幅選択回路の入出力信号波形を示す図である。
【図6】は、第三実施形態のパルス幅選択回路に設けられる論理回路の論理演算内容を示す図である。
【図7】は、第四実施形態のパルス幅選択回路の入出力信号波形を示す図である。
【図8】は、第四実施形態のパルス幅選択回路に設けられる論理回路の論理演算内容を示す図である。
【図9A】は、第五実施形態のパルス幅選択回路の入出力信号波形を示す図である。
【図9B】は、第五実施形態のパルス幅選択回路の入出力信号波形を示す図である。
【図9C】は、第五実施形態のパルス幅選択回路の入出力信号波形を示す図である。
【図9D】は、第五実施形態のパルス幅選択回路の入出力信号波形を示す図である。
【図10A】は、第五実施形態のパルス幅選択回路に設けられる論理回路の論理演算内容を示す図である。
【図10B】は、第五実施形態のパルス幅選択回路に設けられる論理回路の論理演算内容を示す図である。
【図11】は、第五実施形態のパルス幅選択回路を用いたLCD用セグメントドライバの要部構成例を示す図である。
【図12】は、従来のパルス幅選択回路を用いたLCD用セグメントドライバの要部構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
100 パルス信号生成回路
100A パルス信号生成部
100B 論理部
L1〜L396 論理回路
W1 信号配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
M(Mは自然数)本の信号配線と、
前記M本の信号配線によって供給されるM種類のパルス信号を用いてN(NはMより大きい自然数)種類の制御データそれぞれに応じたN通りの論理演算を行い、前記N通りの論理演算の個々の論理演算においては前記M種類のパルス信号の一部のみを用いることによってN種類のそれぞれパルス幅が異なるパルス信号を作成することができる論理回路とを備え、
前記論理回路が前記N種類の制御データのうちの一つの制御データを入力したときに、その一つの制御データに応じて前記論理回路が作成したパルス信号のパルス幅を選択することを特徴とするパルス幅選択回路。
【請求項2】
M種類のパルス信号を生成するパルス信号生成回路と、
前記パルス信号生成回路から前記M種類のパルス信号が供給される請求項1に記載のパルス幅選択回路とを備え、
前記パルス幅選択回路によって選択されたパルス幅のパルス信号を出力することを特徴とするパルス信号出力回路。
【請求項3】
前記パルス信号生成回路が、前記パルス幅選択回路に設けられる論理回路によって生成可能な信号と同一のN種類のそれぞれパルス幅が異なるパルス信号を生成し、前記N種類のそれぞれパルス幅が異なるパルス信号から前記M種類のパルス信号を生成する請求項3に記載のパルス信号出力回路。
【請求項4】
A-B(Aは2以上の自然数、BはAより小さい自然数)種類のパルス波形信号と(2B−1)種類の制御信号とを用いて、2A種類の制御データそれぞれに応じた2A通りの論理演算を行い、2A種類のそれぞれパルス幅が異なるパルス信号を作成することができる論理回路と、
前記2A-B種類のパルス波形信号及び前記(2B−1)種類の制御信号を前記論理回路に供給する(2A-B+2B−1)本の信号配線とを備え、
前記制御信号それぞれが前記2A種類のそれぞれパルス幅が異なるパルス信号のいずれかと同一波形の信号であり、
前記論理回路が前記2A種類の制御データのうちの一つの制御データを入力したときに、その一つの制御データに応じて前記論理回路が作成したパルス信号のパルス幅を選択することを特徴とするパルス幅選択回路。
【請求項5】
A-B種類のパルス波形信号及び(2B−1)種類の制御信号を生成するパルス信号生成回路と、
前記パルス信号生成回路から前記2A-B種類のパルス波形信号及び前記(2B−1)種類の制御信号が供給される請求項4に記載のパルス幅選択回路とを備え、
前記パルス幅選択回路によって選択されたパルス幅のパルス信号を出力することを特徴とするパルス信号出力回路。
【請求項6】
前記パルス信号生成回路が、前記パルス幅選択回路に設けられる論理回路によって生成可能な信号と同一の2A種類のそれぞれパルス幅が異なるパルス信号を生成し、前記2A種類のそれぞれパルス幅が異なるパルス信号から前記2A-B種類のパルス波形信号及び前記(2B−1)種類の制御信号を生成する請求項5に記載のパルス信号出力回路。
【請求項7】
請求項2、3、5、及び6のいずれか一つに記載のパルス信号出力回路を備え、パルス幅変調方式による階調表示を行うことを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−145822(P2008−145822A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−334214(P2006−334214)
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】