説明

パワー半導体装置

【課題】軽量、高放熱効率、高剛性のパワー半導体装置を提供する。
【解決手段】ベース1と、ベース1に配設される半導体回路2と、半導体回路2を冷却する冷却フィン3と、を備えるパワー半導体装置であって、ベース1には1つ以上の凸部1a,1bが形成され、凸部1a,1bにおける、ベース1表面に平行な方向の幅が、ベース1の厚さよりも長くなっていることにより、軽量、高放熱効率、高剛性のパワー半導体装置100,200,300,400を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワー半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体回路を有する半導体装置が広く用いられている。中でも、パワー半導体回路を有するパワー半導体装置は、大出力のモータや発電機等の電気機器の制御や電力変換の用途に用いられている。このようなパワー半導体装置としては、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)が挙げられる。
【0003】
近年、船舶や鉄道、さらには電気自動車やハイブリッド電気自動車等の自動車等に搭載される電力制御装置として、パワー半導体装置の需要が拡大してきている。そのため、パワー半導体装置は、電気機器としての高効率化や大容量化のみならず、車載用部材として軽量化等の要求も高まっている。このような要求に応えるべく、軽量なパワー半導体装置を提供する技術として、特許文献1〜4に記載の技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−026957号公報
【特許文献2】特開平11−214612号公報
【特許文献3】特開2010−027735号公報
【特許文献4】特開平09−121018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
軽量なパワー半導体装置を得るためには、パワー半導体装置を構成するベース(基材)の厚さを薄くすることが考えられる。しかしながら、ベースを単に薄くした場合、ベースの強度に課題が生じることがある。
【0006】
また、パワー半導体装置は、使用中に通常高温になるため、放熱が重要である。特に、半導体装置に通流する電流が大きければ大きいほど、発生する熱量も大きい。そのため、大電流を扱う半導体装置において、発生する熱を効率よく外部へ放出することがとりわけ重要である。
【0007】
ベースの材料として、通常は金属材料が用いられる。そのため、半導体装置から発生する熱によって金属が膨張することがある。これにより、ベースと各部材とを固着させるはんだ等の接続部が、ベースの膨張によって疲労することがある。従って、接続部が破損しやすくなり、長期間の使用が困難になることがある。即ち、パワー半導体装置の寿命が短くなる。
【0008】
本発明は前記課題に鑑みて為されたものである。本発明の目的は、軽量、高放熱効率、高剛性のパワー半導体装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは前記課題を解決するべく鋭意検討した結果、ベース上に凸部を形成することにより前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、軽量、高放熱効率、高剛性のパワー半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1実施形態に係るパワー半導体装置100の断面図である。
【図2】パワー半導体装置100におけるベース1のみの断面図(a)及び斜視図(b)である。
【図3】熱抵抗及び寿命を評価するためのモデル部材150である。
【図4】ベースの厚さと熱抵抗比との関係を示すグラフである。
【図5】モデル部材150を加熱したときの反りの様子を示す図である。
【図6】ベースの厚さと寿命比との関係を示すグラフである。
【図7】ベースの反り量を評価するためのモデル部材160である。
【図8】ベースの厚さと反り量比との関係を示すグラフである。
【図9】パワー半導体装置100の製造方法を示す図である。
【図10】第2実施形態に係るパワー半導体装置200の断面図である。
【図11】第3実施形態に係るパワー半導体装置300の断面図である。
【図12】第4実施形態に係るパワー半導体装置400の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を適宜参照しながら、本発明を実施するための形態(本実施形態)を説明する。
【0013】
[1.第1実施形態]
<構成>
第1実施形態に係るパワー半導体装置100は、図1に示すように、ベース1と、ベース1に配設される半導体回路2と、半導体回路2を冷却する冷却フィン3とを備える。そして、ベース1は、その周辺を囲う縁部1aと、縁部1aによって囲んで形成される空間内部に前記縁部1aを架橋して形成される凸部1bと、凸部1bが形成される底部1cとを備える。なお、縁部1aは、特許請求の範囲で規定する「凸部」の一形態である。従って、本実施形態においては、特許請求の範囲で規定する「凸部」が2つ以上設けられていることになる。
縁部1a、凸部1b及び底部1cの詳細は、図2(a)を参照しながら後記する。
【0014】
さらに、パワー半導体装置100は、図1に示すように、冷却ジャケット4と、シール部材5と、ブロック6と、電極7と、配線2fと、を備える。そして、ベース1内は、シリコンゲル9によって満たされ、半導体回路2が封止されている。さらに、ベース1と冷却ジャケット4との間に形成される空間には冷媒(図示しない)が通流している。
【0015】
ベース1は、アルミニウムにより構成される部材である。なお、図示はしていないが、ベース1の表面には、ニッケル等のメッキが施されている。これにより、後記する半導体回路2の接続性(固定強度)が向上するほか、耐腐蝕性を向上させることもできる。
【0016】
ベース1は、前記した図1並びに図2に示すように、縁部1aと凸部1bと底部1cとを備える。縁部1a及び凸部1bは、それぞれ独立して所定の高さ及び幅を有するものである。即ち、パワー半導体装置100においては、底部1cの上面1Aに、縁部1a及び凸部1bが形成される形態になっている。なお、「高さ」とは、ベース1の底部1cに垂直な方向の長さである。また、「幅」とは、ベース1の底部1cに平行な方向の長さである。
【0017】
ここで、パワー半導体装置100における、ベース1と凸部1bと冷却フィン3を構成するピンフィン3aとの関係について説明する。
【0018】
はじめに、ベース1と凸部1bとの関係について説明する。図2(a)に示すように、凸部1bの幅をWとする。また、ベース1の底部1cの厚さをTとする。さらに、隣接するピンフィン3a同士の間隔(ピンフィン3aのベース1への接合部分を起点とする)をLとする。
【0019】
そして、このように、幅W及び厚さTを規定する場合、パワー半導体装置100においては、幅Wは厚さTよりも長くなっている。このように、パワー半導体装置100が凸部1bをベース1(具体的には底部1c)表面に備え、しかも前記関係を満たすことで、ベース1の底部1cを薄肉化しつつもベース1の剛性を高めることができる。しかも、底部1cが薄肉化されているので、パワー半導体装置100を軽量化することもできる。
【0020】
冷媒等によって冷却される機構を備える従来のパワー半導体装置のベースは、通常、銅により構成されている。それは、例えばアルミニウム等を用いると、熱抵抗が増加して半導体回路が冷却されにくくなるという課題があるからである。即ち、半導体回路から冷却手段(冷却フィン等)への伝熱が行われにくくなるため、放熱効率が低下するからである。
【0021】
また、例えばアルミニウム等を用いると、アルミニウムの熱膨張率が大きいため、ベース自体の熱膨張が大きくなる。そのため、ベースが熱膨張して変形することがある。そのため、ベース上に設けられるはんだの寿命が短くなるという課題がある。
【0022】
しかしながら、本実施形態に係るパワー半導体装置100においては、ベース1を構成する材料としてアルミニウムを用いている。ただ、単にアルミニウムをベース1の材料として用いただけでは、前記のような課題が存在する。そこで、パワー半導体装置100においては、凸部1bを設けている。そして、この凸部1bの幅Wとベース1の底部1cの厚さTとの関係を前記のようなものにすることにより、従来の銅を用いて為し得なかった厚さのベース1を形成することができる。そして、これにより、ベース1を薄肉化することができ、半導体回路2から冷却フィン3への熱抵抗の増加を抑制することができる。そのため、ベース1の材料としてアルミニウムを用いた場合でも、高い放熱効率を維持することができる。
【0023】
しかも、ベース1を薄肉化しても、高い剛性を維持することができる。さらには、ベース1は薄肉化されているため、パワー半導体装置100全体の軽量化を図ることができる。また、ベース1は薄肉化されているため、熱による膨張量を抑制することができ、ベース1の反りを抑制することができる。その結果、はんだの接合部分の劣化を防止でき、しかも、冷媒の漏れを防止することができる。
【0024】
前記した幅Wと厚さTとの具体的な数値範囲に特に制限はない。例えば、ベース1の紙面横方向の寸法が150mm、紙面に垂直な方向の寸法(奥行き)が60mmである場合、幅Wは2mmより大きく10mm以下、厚さTは2mm以下とすることができる。また、他の部位の長さとしては、例えば、縁部1aの高さ(底部1cの厚さを含む)は15mmとすることができる。
【0025】
次に、凸部1bとピンフィン3aとの関係について説明する。本実施形態に係るパワー半導体装置100においては、ピンフィン3a同士の距離のうちの最短距離Lが、凸部1bの幅Wよりも短くなっている。パワー半導体装置100がこのように構成されている理由を説明する。
【0026】
本実施形態に係るパワー半導体装置100においては、幅Wと最短距離Lとが前記の関係を満たしている。そして、このような関係を満たすことで、ピンフィン3aの間隔を密なものとすることができる。その結果、ピンフィン3aと冷媒との接触面積を十分なものにすることができ、ピンフィン3a(即ち冷却フィン3)による十分な冷却を行うことができる。
【0027】
冷却フィン3に関する具体的な数値に特に制限は無い。例えば、前記と同様に、ベース1の紙面横方向の寸法が150mm、紙面に垂直な方向の寸法(奥行き)が60mmである場合、ピンフィン3aの高さは6mm、最短距離Lは1mmとすることができる。ただし、ピンフィン3aの間隔が広すぎる場合、ピンフィン3aの本数が少なすぎるため、放熱効率が低下することがある。また、間隔が過度に狭すぎる場合、ピンフィン3aの間にごみ等が詰まって、やはり放熱効率が低下することがある。そのため、前記の最短距離Lは、1mm程度以上とすることが好ましい。
【0028】
図1に戻り、パワー半導体装置100の全体構成を説明する。
【0029】
半導体回路2は、パワー半導体装置100としての機能を発揮させるための回路群である。具体的には、半導体回路2は、IGBT素子2aと、ダイオード素子2bと、素子下はんだ2cと、基板上面導体層2dと、絶縁基板2eと、を備えてなる。そして、半導体回路2は、配線2fを介して電極7に電気的に接続されている。さらに、IGBT素子2aとダイオード素子2bとは、配線2fにより電気的に接続されている。そして、ダイオード素子2bは基板上面導体層2dとも、配線2fにより電気的に接続されている。
【0030】
半導体回路2は、縁部1aと凸部1bとの間であり、ベース1の底部1cの上面(回路接続面)1Aに固定される。このとき、半導体回路2は、基板下面導体層10及び基板下はんだ11を介して底面1A(即ちベース1)に固定される。
【0031】
IGBT素子2aが発生する熱を効率よく外部(具体的には冷媒)に放出するために、絶縁基板2eは熱伝導性の優れたものを用いる。具体的には、絶縁基板2eを構成する材料としては、例えば窒化ケイ素、窒化アルミニウム、アルミナ等のセラミックスが用いられる。絶縁基板2eがこのような材料により構成されることで、IGBT素子2aからの熱を効率よく外部へ放出することができる。
【0032】
ちなみに、半導体回路2からの熱は、基板下面導体層10、基板下はんだ11、ベース1及び冷却フィン3をこの順で伝達されて、冷却フィン3に接する冷媒に伝達される。従って、冷却フィン3が、半導体回路2を冷却する部材となる。
【0033】
また、パワー半導体装置100においては、IGBT素子2aはスイッチング用途として用いられる。さらに、ダイオード素子2bは整流用途として用いられる。
【0034】
パワー半導体装置100における、半導体回路2を構成する各部材の大きさは以下のようになっている。即ち、絶縁基板2eの紙面横方向の寸法は50mm、紙面に垂直な方向の寸法は30mmであり、厚さは0.3mmである。また、基板上面導体層2d及び基板下面導体層10の寸法はいずれも等しく、紙面横方向の寸法は48mm、紙面に垂直な方向の寸法は28mm、厚さは0.5mmである。なお、基板上面導体層2dは、紙面では別部材として示しているが、前記の寸法は一体物と看做した時の寸法である。即ち、基板上面導体層2dの紙面左端部から紙面右端部までの長さが48mmとなる。
【0035】
さらに、IGBT素子2aの紙面横方向の寸法は10mm、ダイオード素子2bの紙面横方向の寸法は6mmである。これらにおいて、紙面に垂直な方向の寸法と厚さは両者に共通であり、紙面に垂直な方向の寸法は10mm、厚さは0.1mmである。
【0036】
このように、絶縁基板2eの紙面横方向の長さは、基板上面導体層2d及び基板下面導体層10の紙面横方向の長さよりも長くなっている。そのため、半導体回路2の側面が縁部1a又は凸部1bに接触した場合でも、絶縁基板2eが縁部1a又は凸部1bと接触するようになっている。このため、ベース1と半導体回路2との間で、電気的な絶縁が維持できる。
【0037】
冷却フィン3は、図1に示すように、半導体回路2が配設される面とは逆側のベース1に配設されている。なお、本実施形態においては、冷却フィン3はベース1と一体的に成形されている。これらは別体として成形されてその後接合されるようにしてもよいが、この点についての詳細は後記する。
【0038】
冷却フィン3は、前記のように、複数のピンフィン3aにより構成される。冷却フィン3を構成する材料は、ベース1と同様の材料を用いる。即ち、本実施形態における冷却フィン3を構成する材料はアルミニウムとなる。そして、前記したように、ベース1と冷却ジャケット4(後記する)との間に形成される空間には冷媒が通流し、この冷媒と冷却フィン3とが接触する。これにより、冷却フィン3から熱が冷媒に伝達され、半導体回路2が冷却される。
【0039】
ベース1及び冷却フィン3は、前記のようにアルミニウムにより構成されている。アルミニウムは銅と比較して成形性や加工性に優れている。従って、ベース1及び冷却フィン3をアルミニウムにより構成することで、本実施形態のように一体的に成形することができる。そして、一体成形可能なことで、製造工程の簡略化及び製造コストの削減を図ることができる。このような一体成形は、例えば鍛造等により行うことができる。
【0040】
また、冷却フィン3のみをはじめに鍛造した後に、機械加工によりベース1の部分を削り出すようにしてもよい。このような方法を採ることで、鍛造時に成形の必要な面が冷却フィン3側の面のみとなるので、鍛造が容易になるという利点がある。なお、もちろん、ベース1と冷却フィン3とを別体として鍛造した後、それらをロウ付けしてもよい。このようにすることで、鍛造時に冷却フィン3側の面の成形が不要となるため、鍛造が容易になるという利点がある。
【0041】
冷却ジャケット4は、図示しないボルト締結によってベース1に対して固定される。そして、冷却ジャケット4とベース1とにより形成される空間に、水等の冷媒が通流する。また、ベース1と冷却ジャケット4との接続面間には、Oリング等のシール部材5が設けられる。これにより、冷媒の漏出が防止される。
【0042】
ブロック6は、ベース1と後記する電極7とを電気的に絶縁するものである。即ち、ブロック6は、ベース1と電極7との間に配設される絶縁部材である。このようなブロック6を構成する材料として、本実施形態においては、樹脂を含む部材が用いられている。樹脂の具体例としては、PBT(PolyButylene Terephtalate)、PPS(PolyPhenylene Sulfide)等が挙げられる。
【0043】
また、電極7は、半導体回路2と配線(電気信号線)2fを介して接続される接続端子であって、図示しない外部装置と接続される。
【0044】
シリコンゲル9は、ベース1の縁部1aにより囲まれて形成される空間に充填されるものである。図1に示すように、縁部1aの高さはシリコンゲル9の高さよりも高い。そのため、シリコンゲル9の漏出が防止される。一方で、シリコンゲル9の高さは、半導体回路2の高さよりも高い。従って、半導体回路2は、シリコンゲル9によって封止された状態になっている。これにより、半導体回路2が、湿気や埃等の外雰囲気から保護される。さらに、図示はしていないが、シリコンゲル9の上面全体を覆うように樹脂製の蓋部材が配設されている。この蓋部材により、パワー半導体装置100内部が外雰囲気から保護される。
【0045】
<効果>
パワー半導体装置100の動作時、IGBT素子2a及びダイオード素子2bが特に大きなジュール熱を発する。そこで、パワー半導体装置100を冷却するうえで、IGBT素子2a及びダイオード素子2bで発生するジュール熱をベース1の下面に可能な限り小さなロスで伝達し、冷媒に逃がすことが重要である。この点を考慮し、パワー半導体装置100におけるベース1の底部1cは、縁部1aの厚み(高さ)よりも薄肉化している。そのため、パワー半導体装置100では熱伝導のロスが小さく、放熱効率が高い。
【0046】
また、縁部1aや凸部1bと比較して底部1cを薄肉化することは、半導体回路2を固定する基板下はんだ11の疲労寿命低下の抑制にもつながる。パワー半導体装置100は、前記のように動作時に高温になる。そのため、熱膨張係数の異なる部材間には、大きな熱応力が作用する。例えば、絶縁基板2dの熱膨張係数は、窒化ケイ素により構成した場合で約2.5ppm/K、アルミナにより構成した場合には約7.1ppm/Kである。一方で、ベース1の熱膨張係数は、アルミニウムにより構成した場合は約24.0ppm/Kである。このように、絶縁基板2dの熱膨張係数とベース1の熱膨張係数とは、大きく異なる。
【0047】
そのため、パワー半導体装置100のオン/オフにより温度変化が繰り返されると、特に、絶縁基板2dとベース1とを接続する部材である、基板下はんだ11の熱疲労が生じ易い。従って、基板下はんだ11の熱疲労寿命の確保が大きな課題となる。この点を鑑み、本発明が想起された。即ち、前記したように、パワー半導体装置100においては、ベース1の底部1cの厚さが薄肉化されているため、基板下はんだ11が固定されるベース1の部分での熱膨張が低減される。そのため、基板下はんだ11の疲労寿命低下を抑制することができる。
【0048】
さらに、ベース1の下部(冷却ジャケット4が固定される側)には、冷媒が通流している。そのため、ベース1の下部には、冷媒の圧力が印加される。そして、この圧力によってベース1の反り変形が大きい場合には、通流する冷媒が外部へ漏出することがある。従って、薄肉化しつつも、ベース1を高剛性に維持することも重要な課題である。そこで、この点に鑑み、ベース1には、凸部1bが形成されている。これにより、ベース1の底部を薄肉化しつつも、ベース1全体としての剛性を向上させることができる。さらには、縁部1aにより、よりいっそうの高剛性化を図っている。
【0049】
また、パワー半導体装置100においては、凸部1bがベース1の中央付近に形成されている(図1及び図2参照)。そのため、凸部1bと対向する2つの縁部1aとの間に形成される領域は、ほぼ同じ面積となる。そのため、半導体回路2をこの面積程度の大きさとすることで、これら2つの領域に半導体回路2をそれぞれ固定することができる。
【0050】
即ち、パワー半導体装置100の製造時、縁部1aと凸部1bとにより形成される領域(凹み)に、半導体回路2をはめ込むことができる。このようにすることで、半導体回路2の複雑な位置決めを行う必要が無い。そのため、はんだ付け時に別途の位置決め冶具等の用意や取付けが不要となり、製造コストや製造時間を削減できる。
【0051】
以上の効果を、図3〜図8を参照しながらより詳細に説明する。
【0052】
パワー半導体回路100による効果を確認するために、図3に示すモデル部材150を作製した。図3(b)には、図3(a)のA−A線断面図を示している。モデル部材150は、素子用基板20と、素子下はんだ21と、基板上面導体層22と、絶縁基板23と、基板下面導体層24と、基板下面はんだ25と、ベース26を備える。
【0053】
なお、素子用基板20は図1に示すIGBT素子2a及びダイオード素子2bに、素子下はんだ21は素子下はんだ2cに、基板上面導体層23は基板上面導体層2dに、絶縁基板23は絶縁基板2eに、基板下面導体層24は基板下面導体層10に、基板下はんだ25は基板下はんだ11に、ベース26はベース1の底部1cに相当する。
【0054】
そして、モデル部材150を用い、パワー半導体装置100の熱抵抗低減効果を評価した。その結果を図4に示す。図4の横軸は、ベース26の厚さ(紙面上下方向の厚さ)である。また、縦軸は、厚さ3mmの銅製ベース(従来のベース)を用いた場合の熱抵抗を1(プロットR)として正規化した値(熱抵抗比)としている。
【0055】
モデル部材150における熱抵抗の測定は、素子用基板20の上面を150℃に加熱し、ベース26の下面から放熱する条件での熱伝導解析を実施することで行った。即ち、素子用基板20とベース26下面との間の熱抵抗を測定した。なお、アルミニウムの熱伝導率は約240W/mKである。また、銅の熱伝導率は390W/mKである。従って、銅の熱伝導率は、アルミニウムの熱伝導率と比較して1.6倍の大きさである。
【0056】
図4に示すように、銅製ベースと同じ厚さ3mmのアルミニウム製ベース26を用いると、熱抵抗は11%増加した(プロットR)。しかし、ベース26の厚さを薄肉化することで熱抵抗は減少した。具体的には、厚さを2mmまで薄肉化すれば、厚さ3mmの銅製ベースと比較して、熱抵抗が4%減少した(プロットR)。さらに、厚さを1mmまで減らせば、熱抵抗は21%減少した(プロットR)。ちなみに、銅製ベースと同程度の熱抵抗となるのは、厚さが2.3mmの時であった。このように、従来の銅製ベースと比較して薄肉化することで、良好な熱抵抗値とすることが可能であった。これにより、従来のパワー半導体装置と比較して軽量にしつつ、良好な放熱効率とすることができることがわかった。
【0057】
次に、半導体回路2をベース1に固定するはんだ(基板下はんだ11,25に相当)の寿命を評価した。図5は、モデル部材150全体の温度を125℃から−40℃まで変化させた場合の変形を有限要素法による熱応力解析により計算し、−40℃での変形形状を、変形量を10倍に拡大して示したものである。
【0058】
図1に示すパワー半導体装置100は動作時に高温になる。そのため、パワー半導体装置100も、図5に示すモデル部材150と同様に変形する。従って、前記のように、半導体回路2をベース1に固定するはんだの疲労寿命低下を抑制することが重要である。図6に、ベース26の厚さと基板下はんだ25の疲労寿命との関係を示す。
【0059】
図6は、図5の熱応力解析結果から、基板下はんだ25の塑性ひずみを取得して寿命に換算し、ベース厚さ3mmの場合のはんだ寿命を1として正規化したもの(寿命比)である。なお、このベースは、アルミニウム製のものである。
【0060】
図6に示すように、ベース26の厚さが2mmのとき、3mmの場合と比較して、寿命が18%向上していた。また、厚さが1mmのとき、3mmの場合と比較して、寿命が61%向上していた。このように、ベース26を薄肉化すればするほど、はんだ寿命が向上することがわかった。
【0061】
次に、パワー半導体装置100におけるベース1と冷却ジャケット4との間を通流する冷媒の漏出防止効果を評価した。図7に、ベース27の縁に凸部28が形成された、即ち、矩形板の4縁近傍に凸部28を設けたモデル部材160(図7(a))と、凸部を形成しないモデル部材161(図7(b))とを示す。なお、モデル部材160及びモデル部材161のいずれにおいても、冷却フィンを固定するボルト孔29を併せて示している。
【0062】
前記したように、ベースを薄肉化することで、アルミニウム製ベースを用いた場合でも熱抵抗増加を抑制し、はんだ寿命の低下を抑制することができる。しかし、図7(b)に示すモデル部材161のような、凸部が無いベース30のみの構成であると、単に薄肉化するとベース30の剛性が低下する。特に、前記したように、パワー半導体装置100においては、ベース1の下面から冷媒の圧力が負荷されるので、十分なベース1の剛性を確保することが重要となる。そのため、図1や図7(a)に示す凸部1b,28を設けることで、冷媒圧力に対するベース1,27の反りを抑制し、冷媒の漏出を防止することができる。
【0063】
図8は、図7に示すモデル部材160,161のベース27,30下面から水圧を負荷する有限要素解析を実施し、ベース27の縁部28での最大の反り量を比較したものである。縦軸は、モデル部材161での厚さ3mmの銅製ベースの反り量を1とし、正規化したもの(反り量比)を示している。なお、図8には、従来の厚さ3mmの銅製ベースを用い、モデル部材161の結果も併せて示している(プロットW)。
【0064】
さらに、図7(a)に示す構造(アルミニウム製のモデル部材160)について、ベース27の厚さが2mm、凸部28の厚さが4mmのときの反り量比(1.1)を一点鎖線Aで示している。同様に、ベース27の厚さが2mm、凸部28の厚さが5mmのときの反り量比(0.67)を一点鎖線Bで示している。
【0065】
図8に示すように、凸部を備えず、厚さ3mmのアルミニウム製のベースを用いた場合(アルミニウム製のモデル部材161)、銅製のベースを用いた場合と比較して、反り量比が1.8倍に増加した(プロットW)。さらに、凸部を備えず、厚さ2mmのアルミニウム製のベースを用いた場合(アルミニウム製のモデル部材161)、銅製のベースを用いた場合と比較して、反り量比が4.2倍に増加した(プロットW)。このように、従来の銅製ベースを単にアルミニウム製ベースに変更すると、反り量が極めて大きくなることが分かった。
【0066】
一方、凸部28の厚さを4mm、ベース27の厚さを2mmとしたアルミニウム製のモデル部材160の場合(一点鎖線A)、反り量比の増加は10%に抑制された。即ち、従来の銅製ベースでは3mmの肉厚を、アルミニウム製ベースで2mmにしても、過度に反り量が増加することがなかった。さらに、凸部28の厚さを5mmに設定すれば、反り量は33%減少した。即ち、凸部28を形成することにより、従来の銅製ベースよりも薄肉化できるとともに、反り量を従来と同程度に維持できるか、或いは従来よりも大幅に低減できることがわかった。
【0067】
<製造方法>
次に、図9を参照しながら、図1に示すパワー半導体装置100の製造方法を説明する。
【0068】
はじめに、前記したように、鍛造等によって、冷却フィン3を備えるベース1を製造する。そして、製造したベース1の縁部1aに、ベース1内壁に密着するように樹脂製のブロック6が嵌め込まれる(図9(a))。ブロック6の縁部1aへの固定は、ボルトや接着剤等によって行われる。なお、電極7は、ブロック6の成形時に埋め込まれ、ブロック6に電極7が固定される。
【0069】
次に、半導体回路2と基板下面導体層10とが一体に構成された部材を、基板下はんだ11を介してベース1の底面1Aに固定する(図9(b))。固定方法は、以下のように行われる。即ち、ベース1の底面1A上に基板下はんだ11を載せた後、その上に半導体回路2と基板下面導体層10とが一体に構成された部材を載せる。そして、これら全体を高温炉で加熱することで、半導体回路2及び基板下面導体層10が、基板下はんだ11によって、ベース1に固定(接続)される。
【0070】
なお、高温炉で加熱する際、基板下はんだ11は融解する。しかしながら、ベース1には縁部1aが形成されているので、融解したはんだが外部へ漏出することがない。また、前記したように、縁部1a及び凸部1bによって、半導体回路2の配設場所が予め定められているため、載置時の位置決めが不要となる。そのため、位置決めのための別途の冶具等が不要となる。
【0071】
基板下はんだ11によって半導体回路2がベース1に固定された後、半導体回路2と電極7とを配線2fによって電気的に接続する(図9(c)参照)。
【0072】
次に、縁部1aにより囲まれて形成された空間内にシリコンゲル9を注入する(図9(c))。これにより、半導体回路2がシリコンゲル9で封入される。なお、前記した基板下はんだ11と同様、ベース1には縁部1aが形成されているため、シリコンゲルが外部へ漏出することが無い。この後、図示しないが、シリコンゲル9の状面を覆うように、樹脂製の蓋部材が装着される。
【0073】
そして、ベース1と冷却ジャケット4との間にシール部材5を介在させ、この状態で、冷却ジャケット4をボルト(図示しない)にてベース1に固定する(図9(d))。そして、ベース1と冷却ジャケット4との間の空間に冷媒を通流することで、パワー半導体装置100が製造される。
【0074】
なお、パワー半導体装置100の製造方法は、前記の内容になんら限定されない。従って、適宜変更して製造すればよい。
【0075】
[2.第2実施形態]
次に、図10を参照しながら、第2実施形態に係るパワー半導体装置200を説明する。なお、図1に示すパワー半導体装置100と同様の部材については同様の符号を付すものとし、その詳細な説明は省略する。
【0076】
パワー半導体装置200においては、パワー半導体装置100における凸部1bの高さが縁部1aの高さと同程度になっている。即ち、パワー半導体装置100においては、縁部1aによってのみ囲まれて1つの空間が形成されていた。しかしながら、パワー半導体装置200においては、縁部1aによって囲まれて形成される1つの空間が凸部1bによって区画され、2つの空間が形成されている。
【0077】
このように凸部1bを形成することで、縁部1a及び凸部1bの両方の高さを、シリコンゲル9の高さよりも高くすることができる。そして、このようにパワー半導体装置200を構成することでも、前記したパワー半導体装置100と同様のパワー半導体装置とすることができる。
【0078】
また、凸部1bに隣接して、ブロック6及び電極7が新たに設けられている。そのため、パワー半導体装置100と比較して、電極7の本数を増加させることができる。
【0079】
[3.第3実施形態]
次に、図11を参照しながら、第3実施形態に係るパワー半導体装置300を説明する。なお、図1に示すパワー半導体装置100と同様の部材については同様の符号を付すものとし、その詳細な説明は省略する。
【0080】
パワー半導体装置300においては、冷却フィン3の形状が、パワー半導体装置100の冷却フィン3の形状とは異なっている。即ち、パワー半導体装置300における冷却フィン3は、隙間3cを有する矩形(板状)フィン3bにより構成されている。このように冷却フィン3を構成することで、隙間3cの中も冷媒が通流することができる。そのため、矩形フィン3bに対する冷媒の接触面積が広くなり、冷却フィン3による放熱効率をよりいっそう向上させることができる。
【0081】
[4.第4実施形態]
次に、図12を参照しながら、第4実施形態に係るパワー半導体装置400を説明する。なお、図1に示すパワー半導体装置100と同様の部材については同様の符号を付すものとし、その詳細な説明は省略する。
【0082】
パワー半導体装置400においては、パワー半導体装置100において設けられていた基板下面導体層10及び基板下はんだ11が除去されている。即ち、絶縁基板2eとベース1の底面1Aとが、はんだを介さずに直接固定されている。
【0083】
絶縁基板2eのベース1への固定は、溶湯接合法によって行われる。即ち、ベース1を鍛造によって成形し、鍛造後の冷却途中(アルミニウムが完全に固化する前)にベース1と絶縁基板2eとを接触させることで、絶縁基板2eを固定することができる。この際、ベース1と絶縁基板2eとの界面には合金層が形成され、絶縁基板2eが直接固定されることになる。
【0084】
このようにすることで、基板下面導体層10及び基板下はんだ11を設けなくてもよい。そのため、熱抵抗がパワー半導体装置100よりも小さくなるため、半導体回路2の熱をより効率よく冷却フィン3に伝達することができる。また、基板下はんだ11を設けていないため、前記したはんだの疲労が課題にならないという利点もある。
【0085】
[5.変更例]
前記した4つの実施形態の他にも、本発明の要旨を損なわない範囲で前記実施形態を適宜変更して実施可能である。
【0086】
例えば、前記した各実施形態においては縁部1a及び凸部1bを設けているが、縁部1aを設けずに凸部1bのみを設けてもよい。また、凸部1bを設けず、縁部1aのみを設けてもよい。この場合、縁部1aが、特許請求の範囲で特定する「凸部」に相当する。
【0087】
凸部1bの場所は特に制限されず、どこであってもよい。ただし、本発明の効果を最大限発揮させるという観点から、対向するベースの縁同士を架橋するように設けることが好ましい。例えば矩形状のベースの場合、4隅のうちの対向する隅同士を架橋するように設けることができる。
【0088】
さらに、凸部1bの高さが、縁部1aの高さよりも高くなっていてもよい。そして、凸部1bの数も1つに限定されず、複数形成されていてもよい。これらのようにしても、本発明の効果を奏することができる。
【0089】
また、ベース1を構成する材料についても、アルミニウムの単体に限定されず、アルミニウム合金、アルミニウムで被覆された絶縁体等、アルミニウムを含む材料であればどのようなものであってもよい。
【0090】
また、冷却フィン3の構成も前記の実施形態に何ら限定されず、放熱を効率よく行える限り、任意の形状にすることができる。
【0091】
冷却フィン3としてピンフィンを用いる場合(第1実施形態等)、ピンフィン3aの配置は特に制限されない。前記した好適な最短距離Lを考慮して、適宜設計して配置すればよい。
【0092】
また、半導体回路2の構成も前記の実施形態に何ら限定されず、任意の半導体回路を同様に適用可能である。また、電極7の数も同様に任意に設定すればよい。
【0093】
また、シール部材5の種類もOリングに何ら限定されず、パッキン等適宜変更可能である。
【0094】
また、半導体回路2を封止するゲルもシリコンゲル9に限定されず、絶縁可能なゲルであれば任意のゲルを用いることができる。
【符号の説明】
【0095】
1 ベース
1a 縁部(凸部)
1b 凸部
2 半導体回路
2a IGBT素子
2b ダイオード素子
2c 素子下はんだ
2d 基板上面導体層
2e 絶縁基板
2f 配線(電気信号線)
3 冷却フィン
3a ピンフィン
4 冷却ジャケット
5 シール部材
6 ブロック(絶縁部材)
7 電極(接続端子)
9 シリコンゲル(ゲル)
10 基板下面導体層
11 基板下はんだ
100 パワー半導体装置
200 パワー半導体装置
300 パワー半導体装置
400 パワー半導体装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、前記ベースに配設される半導体回路と、前記半導体回路を冷却する冷却フィンと、を備えるパワー半導体装置であって、
前記ベースには1つ以上の凸部が形成され、
前記凸部における前記ベース表面に平行な方向の幅が、前記ベースの厚さよりも長くなっている
ことを特徴とする、パワー半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載のパワー半導体装置であって、
前記冷却フィンは複数のピンフィンにより構成され、
前記冷却フィンを構成する複数のピンフィンのうち、ピンフィン同士の最短距離が、前記凸部の幅よりも短くなっている
ことを特徴とする、パワー半導体装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のパワー半導体装置であって、
前記ベースの底部の厚さが、2mm以下である
ことを特徴とする、パワー半導体装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載のパワー半導体装置であって、
前記冷却フィンが、前記ベースの前記半導体回路が配設される面とは逆側の面に配設されている
ことを特徴とする、パワー半導体装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項に記載のパワー半導体装置であって、
前記凸部が少なくとも1つの領域を形成して設けられ、
前記空間にゲルが充填されている
ことを特徴とする、パワー半導体装置。
【請求項6】
請求項5に記載のパワー半導体装置であって、
前記凸部の高さが、前記ゲルの高さよりも高くなっている
ことを特徴とする、パワー半導体装置。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか1項に記載のパワー半導体装置であって、
前記凸部は少なくとも2つ以上形成され、
前記半導体回路が、2つの前記凸部の間に配設されている
ことを特徴とする、パワー半導体装置。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか1項に記載のパワー半導体装置であって、
前記半導体回路と電気信号線を通じて接続される接続端子を備え、
前記凸部と前記接続端子との間には絶縁部材が配設されている
ことを特徴とする、パワー半導体装置。
【請求項9】
請求項8に記載のパワー半導体装置であって、
前記絶縁部材は、樹脂を含む部材である
ことを特徴とする、パワー半導体装置。
【請求項10】
請求項1〜9の何れか1項に記載のパワー半導体装置であって、
前記半導体回路が、前記ベースに対し、はんだを介して固定されている
ことを特徴とする、パワー半導体装置。
【請求項11】
請求項1〜9の何れか1項に記載のパワー半導体装置であって、
前記半導体回路が、前記ベースに対し、界面に合金層を形成して直接固定されている
ことを特徴とする、パワー半導体装置。
【請求項12】
請求項1〜11の何れか1項に記載のパワー半導体装置であって、
前記ベースが、アルミニウムを含む部材である
ことを特徴とする、パワー半導体装置。
【請求項13】
請求項1〜12の何れか1項に記載のパワー半導体装置であって、
前記冷却フィンに対して冷媒が接触している
ことを特徴とする、パワー半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−115297(P2013−115297A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261502(P2011−261502)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】