説明

ヒドロキサム酸誘導体及びその製造方法

本発明は、化学式1で表示されるヒドロキサム酸(Hydroxamic acid)誘導体及びその製造方法に関する。


[上記式中、R1及びR2は、C1〜10のアルキルであり;R3は、−(CH)n−であり、n=0又は1であり;R4は、水素またはメチルである]。また、本発明は、抗酸化、コラーゲン生合成増進及び毛穴縮小効果を有する化学式1のヒドロキサム酸誘導体を有効成分として含有する皮膚外用剤組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下記化学式1で表示されるヒドロキサム酸(Hydroxamic acid)誘導体及びその製造方法に関する:
【化1】

[上記式中、R1及びR2は、C1〜10のアルキルであり;
3は、−(CH)n−であり、n=0又は1であり;
4は水素またはメチルである]。
【背景技術】
【0002】
活性酸素種は、皮膚老化の原因物質として作用する。皮膚では、紫外線に露出されて活性酸素種を作る光化学的反応が続いて起こっている。これらの活性酸素種は、皮膚細胞及び組織に損傷を与えることもある。これらは、抗酸化酵素及び非酵素的な抗酸化剤で構成された抗酸化防御網を破壊することによって、酸化剤/抗酸化剤の均衡を酸化状態側に傾ける。結果的に、継続された酸化的ストレスは、脂質過酸化、蛋白質酸化、皮膚構成成分を破壊させる蛋白質分解酵素の活性化、弾力繊維であるコラーゲンエラスチンの鎖切断及び非正常的な交差結合、ヒアルロン酸鎖の切断、メラニン生成反応促進、DNA酸化のような生体構成成分の損傷を引き起こす。また、このような生体構成成分の損傷に起因して、様々な老化現象が現れるが、シワ生成、弾力減少のようによく知られた老化現象以外に毛穴広がりも老化現象として現れるようになる。シワ減少、弾力減少のような老化現象については多くの研究が進行されたが、毛穴と関連しては多くの研究が進行されていない。しかしながら、毛穴広がりの最も重要な原因もやはり酸化的ストレスである。
【0003】
酸化的ストレスによる皮膚の構造的変化を考察すれば、皮膚の構成成分である表皮、真皮及び皮下組織の厚さが薄くなる。また、皮膚の弾力と引っ張りを担当する真皮組織の細胞外基質(ECM;extracelluar matrix)成分が変化するようになる。細胞外基質は、大きく2つの成分で構成されている。1つは、細胞外基質全体の約2〜4%を占める弾力繊維であるエラステック繊維(elastic fiber)であり、他の1つは、細胞外基質全体の約70〜80%を占めているコラーゲンである。コラーゲンは、酸化的ストレスの影響により分解され、結果的に、皮膚内のコラーゲンが減少する現象が現れるようになる。このように年を取るにつれて、毛穴周辺の細胞外基質が減少するようになり、結果的に、毛穴が広くなるようになる。
【0004】
したがって、毛穴が広くなることを防止する最も良い方法は、酸化的ストレスを抑制することであり、広くなった毛穴を低減することができる最も良い方法は、毛穴周辺のコラーゲンの生成量を増加させることである。
【0005】
毛穴の広がりと直接的に関連してはいないが、酸化的ストレスを抑制することができる抗酸化物質については多くの研究が進行されており、実際に多くの抗酸化剤が開発されて使用されているが、全ての抗酸化剤がコラーゲン生合成を増進したり毛穴縮小に効果があるわけではない。
【0006】
一方、ビタミンCとビタミンEは、一般的に使われている抗酸化剤である。ビタミンCは、水溶性抗酸化剤であり、ビタミンEは、脂溶性抗酸化剤である。しかしながら、これらの抗酸化剤は、強力な抗酸化効果を示すのに対し、不安定性に起因して空気中に露出されれば、容易に酸化変質されるため、使用に多くの制約がある。また、他に考慮できる抗酸化剤は、ポリフェノールの抗酸化剤である。しかしながら、このようなポリフェノールもやはり不安定性を示すという短所を有している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これより、本発明者らは、今まで開発された抗酸化剤の問題点である不安定性を示さず、抗酸化効果を示す新しい化合物を開発するために研究を重ねた。以前の抗酸化剤の問題点である不安定性を解決できる方法を研究した結果、新しい形態の抗酸化剤であるヒドロキサム酸誘導体を合成するようになり、ひいては、このようなヒドロキサム酸の誘導体が従来に使用されてきたビタミン類の抗酸化剤が示すことと同様に、抗酸化効果を示すことを知見し、本発明を完成するようになった。
【0008】
したがって、本発明の目的は、抗酸化剤としてラジカル消去能を有しながらコラーゲン生成能を示し、また、酸化的ストレスの結果として現れる毛穴広がりを抑制する効果を有するヒドロキサム酸誘導体及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ヒドロキサム酸(Hydroxamic acid)は、金属イオンキレート剤(chelator)として広く知られた物質である。ヒドロキサム酸の構造的な特徴は、カルボニル基と隣り合うヒドロキシルアミンのヒドロキシ基が金属イオンとキレーションを形成することである。
【0010】
他の1つの特徴は、ヒドロキシルアミンのヒドロキシ基が容易に陰イオンを形成して、抗酸化剤が示すフェノール(phenol)と類似の形態として使われることができるという点である。このようなヒドロキサム酸の構造的な特性を用いて新しい抗酸化剤を合成し、実際にラジカル消去能を有することを確認した。また、ヒドロキサム酸(Hydroxamic acid)が毛穴縮小効果を示すことを確認した。
【0011】
本発明は、下記化学式1で表示されるヒドロキサム酸誘導体に関する:
【化2】

[上記式中、R1及びR2は、C1〜10のアルキルであり;
3は、−(CH)n−であり、n=0又は1であり;
4は、水素またはメチルである]。
【0012】
また、本発明は、前記化学式1のヒドロキサム酸誘導体の製造方法に関する。
【0013】
本発明のヒドロキサム酸誘導体は、下記段階を含む製造方法により収得されることができる:
1)3,4−ジアルコキシベンゾイン酸とメチル4−アミノベンゾエートまたは4−アミノフェニル酢酸メチルエステルとを反応させてベンズアミド化合物を製造する段階;
2)前記段階で生成されたベンズアミド化合物が有しているメチルエステルを加水分解して酸を製造する段階;及び
3)前記段階で生成された酸とヒドロキシルアミン塩酸塩またはN−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩とを反応させてヒドロキサム酸誘導体を製造する段階。
【0014】
特に、最後の段階のヒドロキサム酸誘導体製造過程で保護/脱保護反応を経ることなく、一段階で反応させることによって効率性を高めることができる。
【0015】
本発明のヒドロキサム酸誘導体は、さらに具体的に下記段階を含む製造方法により収得されることができる:
a)3,4−ジアルコキシベンゾイン酸にエチルクロロホルム酸塩を滴加してこれを無水化合物の形態に変形し、前記無水化合物とメチル4−アミノベンゾエートまたは4−アミノフェニル酢酸メチルエステルとを反応させてベンズアミド化合物を製造する段階;
b)前記段階で生成されたベンズアミド化合物が有しているメチルエステルを加水分解して酸を製造する段階;及び
c)前記段階で生成された酸にエチルクロロホルム酸塩を滴加してこれを無水化合物の形態に変形し、前記無水化合物とヒドロキシルアミン塩酸塩またはN−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩とを反応させてヒドロキサム酸誘導体を製造する段階。
【0016】
本発明に係る製造方法を、下記反応式を用いてさらに具体的に説明する。まず、前記製造工程は、下記反応式1で表すことができる。
【化3】

[上記式中、R1及びR2は、C1〜10のアルキルであり;
3は、−(CH)n−であり、n=0又は1であり;
4は、水素またはメチルである]。
【0017】
まず、エチルクロロホルム酸塩を3,4−ジアルコキシベンゾイン酸に対して1.2当量使用してベンゾイン酸を無水化合物に転換する。この時、使用することができる溶媒としては、ピリジン、N−メチルモルフォリンなどが挙げられる。この段階で合成した無水化合物とメチル4−アミノベンゾエートまたは4−アミノフェニル酢酸メチルエステルとを反応してベンズアミド化合物を生成する。この反応に使用することができる溶媒としては、ピリジン、N−メチルモルフォリンなどを挙げることができる。また、N,N−ジメチルホルムアミド、メチレンクロライド、クロロホルムなどの溶媒では、トリエチルアミンをメチル4−アミノベンゾエートまたは4−アミノフェニル酢酸メチルエステルの1.2当量分だけ共に使用して反応を進行させることができる。最も好ましくは、溶媒としてピリジンを使用することが良い。反応温度は、10〜20℃が最も好ましく、10℃未満の温度では、反応物であるメチル4−アミノベンゾエートまたは4−アミノフェニル酢酸メチルエステルが残って反応生成物から除去が容易でなく、反面、20℃超過の温度では、無水化合物が加水分解されて反応生成物の収得率が減少するようになる。
【0018】
その後、前記段階で生成されたベンズアミド化合物が有しているメチルエステルを加水分解して酸に転換する。
【0019】
その後、前記段階で生成された酸にエチルクロロホルム酸塩を滴加して無水化合物に転換し、この時、エチルクロロホルム酸塩の量は、酸に対して1.2当量で使用する。この時に、溶媒としては、ピリジン、N−メチルモルフォリンなどを使用することができる。前記段階で合成した無水化合物とヒドロキシルアミン塩酸塩とを反応させてヒドロキサム酸化合物を生成する。この反応で、溶媒としては、ピリジン、N−メチルモルフォリンなどを使用することができ、または、N,N−ジメチルホルムアミド、メチレンクロライド、クロロホルムなどの溶媒では、トリエチルアミンをヒドロキシルアミン塩酸塩またはN−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩の1.2当量分だけ共に使用して反応を進行させることができる。最も好ましくは、溶媒としてピリジンを使用することが良い。反応温度は、0〜10℃が最も好ましく、0℃未満の温度では、反応物であるヒドロキシルアミン塩酸塩が残って反応生成物の収得率が減少するようになり、10℃超過の温度では、ヒドロキシルアミンのヒドロキシ基と反応する副生成物が得られて反応生成物から除去が容易でない。
【0020】
前述のような製造方法により得られる化学式1のヒドロキサム酸誘導体の具体的な例としては、
1)N−[4−(N−ヒドロキシカルバモイル)フェニル][3,4−ジメトキシフェニル]カルボキシアミド、
2)N−[4−(N−ヒドロキシカルバモイル)フェニル][3,4−ジエトキシフェニル]カルボキシアミド、
3)N−[4−(N−ヒドロキシカルバモイル)フェニル][3,4−ジイソプロポキシフェニル]カルボキシアミド、
4)N−[4−(N−ヒドロキシカルバモイル)フェニル][3,4−ジプロポキシフェニル]カルボキシアミド、
5)N−[4−(N−ヒドロキシカルバモイル)フェニル][3,4−ジブトキシフェニル]カルボキシアミド、
6)N−[4−(N−ヒドロキシカルバモイル)フェニル][3,4−ジターシャリーブトキシフェニル]カルボキシアミド、
7)[4−((3,4−ジメトキシフェニル)カルボニルアミノ)]フェニル]−N−ヒドロキシ−N−メチルカルボキシアミド、
8)[4−((3,4−ジエトキシフェニル)カルボニルアミノ)]フェニル]−N−ヒドロキシ−N−メチルカルボキシアミド、
9)[4−((3,4−ジイソプロポキシフェニル)カルボニルアミノ)]フェニル]−N−ヒドロキシ−N−メチルカルボキシアミド、
10)[4−((3,4−ジプロポキシフェニル)カルボニルアミノ)]フェニル]−N−ヒドロキシ−N−メチルカルボキシアミド、
11)[4−((3,4−ジブトキシフェニル)カルボニルアミノ)]フェニル]−N−ヒドロキシ−N−メチルカルボキシアミド、
12)[4−((3,4−ジターシャリーブトキシフェニル)カルボニルアミノ)]フェニル]−N−ヒドロキシ−N−メチルカルボキシアミド、
13)N−(4−((ヒドロキシカルバモイル)メチル)フェニル)−3,4−ジメトキシベンズアミド、
14)N−(4−((ヒドロキシカルバモイル)メチル)フェニル)−3,4−ジエトキシベンズアミド、
15)N−(4−((ヒドロキシカルバモイル)メチル)フェニル)−3,4−ジイソプロポキシベンズアミド、
16)N−(4−((ヒドロキシカルバモイル)メチル)フェニル)−3,4−ジプロポキシベンズアミド、
17)N−(4−((ヒドロキシカルバモイル)メチル)フェニル)−3,4−ジブトキシベンズアミド、
18)N−(4−((ヒドロキシカルバモイル)メチル)フェニル)−3,4−ジターシャリーブトキシベンズアミド、
19)N−(4−(N−ヒドロキシ−N−メチルカルボニル)メチル)フェニル)−3,4−ジメトキシベンズアミド、
20)N−(4−(N−ヒドロキシ−N−メチルカルボニル)メチル)フェニル)−3,4−ジエトキシベンズアミド、
21)N−(4−(N−ヒドロキシ−N−メチルカルボニル)メチル)フェニル)−3,4−ジイソプロポキシベンズアミド、
22)N−(4−(N−ヒドロキシ−N−メチルカルボニル)メチル)フェニル)−3,4−ジプロポキシベンズアミド、
23)N−(4−(N−ヒドロキシ−N−メチルカルボニル)メチル)フェニル)−3,4−ジブトキシベンズアミド、
24)N−(4−(N−ヒドロキシ−N−メチルカルボニル)メチル)フェニル)−3,4−ジターシャリーブトキシベンズアミドを挙げることができる。
【0021】
前述の工程により製造した化学式1のヒドロキサム酸誘導体は、抗酸化剤としてラジカルを消去する効果を有し、同時にコラーゲン生成を促進する効果がある。また、2つの効果以外に毛穴を縮小する効果がある。したがって、本発明で製造した化学式1のヒドロキサム酸誘導体は、抗酸化、シワ改善以外に毛穴の広がりを抑制する医薬品及び皮膚外用剤の有効成分として使用することができる。前記組成物においてヒドロキサム酸誘導体は、組成物の全体重量に対して0.0001〜20重量%で含有されることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、実施例により本発明に係るヒドロキサム酸化合物の製造方法をさらに具体的に説明する。しかし、これらの実施例は、本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲がこれらの実施例に限定されないことは、当分野における通常の知識を有する者にとって自明であろう。
【実施例1】
【0023】
[実施例1]N−[4−(N−ヒドロキシカルバモイル)フェニル][3,4−ジメトキシフェニル]カルボキシアミドの製造
20.0gの3,4−ジメトキシベンゾイン酸(0.16mol)をピリジン250mlに溶解し、10℃氷水浴で冷却してエチルクロロホルム酸塩23.1g(0.21mol)を30分間滴加した。常温で2時間攪拌し、反応液を濾過して塩を除去した後、無水化合物(30.2g、0.15mol)を得た。メチルアミノベンゾエート2.41g(0.16mol)をピリジン250mlに溶解し、10℃氷水浴で冷却して前段階で得た無水化合物を30分間滴加した。追加に2時間攪拌した後、溶媒を蒸留し、残渣を酢酸エチル300mlに溶かした後、酢酸エチル溶液を5%塩酸と蒸溜水で洗浄し、硫酸マグネシウムと活性炭を加えて乾燥、脱色した。不溶物を濾過し、濾液を減圧下で蒸発させて反応生成物であるメチル(3,4−ジメトキシカルボニルアミノ)ベンゾエート(34.7g、85%収率)を米色固体として得た。
【0024】
次に、メチル(3,4−ジメトキシカルボニルアミノ)ベンゾエート(34.7g)をメタノール500mlに入れて溶かした後、KOH10%溶液50mlを入れて3時間攪拌した。攪拌後、塩酸溶液で中和して生成された固体を濾過して、酸化合物である(3,4−ジメトキシカルボニルアミノ)ベンゾイン酸(26.2g、80%収率)を得た。
【0025】
生成された(3,4−ジメトキシカルボニルアミノ)ベンゾイン酸(24.1g、0.10mol)をピリジン200mlに溶解し、10℃氷水浴で冷却してエチルクロロホルム酸塩22.9g(0.13mol)を30分間滴加した。常温で2時間攪拌した後、反応液を濾過し、塩を除去して生成された無水化合物(38.7g、0.12mol)を得た。
【0026】
6.9gのヒドロキシルアミン塩酸塩(0.10mol)をピリジン100mlに溶解し、10℃氷水浴で冷却して前段階で得た無水化合物を30分間滴加した。追加に2時間攪拌した後、溶媒を蒸留して残渣を酢酸エチル300mlに溶かした後、酢酸エチル溶液を5%塩酸と蒸溜水で洗浄し、硫酸マグネシウムと活性炭を加えて乾燥、脱色した。不溶物を濾過して、濾液を減圧下で蒸発させて最終生成物であるN−[4−(N−ヒドロキシカルバモイル)フェニル][3,4−ジメトキシフェニル]カルボキシアミド(16.6g、65%収率)を米色固体として得た。
TLC(酢酸エチル:ヘキサン=1:1);Rf=0.51
1H NMR(DMSO−d6):δ10.84(s、1H)、10.01(s、1H)、8.84(s、1H)、7.10−7.63(m、7H)、3.80(s、6H)。
【実施例2】
【0027】
[実施例2]N−[4−(N−ヒドロキシカルバモイル)フェニル][3,4−ジエトキシフェニル]カルボキシアミドの製造
3,4−ジメトキシベンゾイン酸の代わりに、3,4−ジエトキシベンゾイン酸を使用することを除いて、実施例1と同じ方法を使用して目的物(11.9g、44%)を米色の固体として得た。
TLC(酢酸エチル:ヘキサン=1:1);Rf=0.53
1H NMR(DMSO−d6):δ10.83(s、1H)、10.11(s、1H)、8.87(s、1H)、7.11−7.60(m、7H)、4.20(m、4H)、1.27(t、6H、J=5.4Hz)。
【実施例3】
【0028】
[実施例3]N−[4−(N−ヒドロキシカルバモイル)フェニル][3,4−ジイソプロポキシフェニル]カルボキシアミドの製造
3,4−ジメトキシベンゾイン酸の代わりに、3,4−ジイソプロポキシベンゾイン酸を使用することを除いて、実施例1と同じ方法を使用して目的物(11.2g、43%)を米色の固体として得た。
TLC(酢酸エチル:ヘキサン=1:1);Rf=0.50
1H NMR(DMSO−d6):δ10.82(s、1H)、10.12(s、1H)、8.86(s、1H)、7.10−7.64(m、7H)、3.41(m、2H)、1.24(d、12H、J=6.9Hz)。
【実施例4】
【0029】
[実施例4]N−[4−(N−ヒドロキシカルバモイル)フェニル][3,4−ジプロポキシフェニル]カルボキシアミドの製造
3,4−ジメトキシベンゾイン酸の代わりに、3,4−ジプロポキシベンゾイン酸を使用することを除いて、実施例1と同じ方法を使用して目的物(11.4g、39%)を米色の固体として得た。
TLC(酢酸エチル:ヘキサン=1:4);Rf=0.52
1H NMR(DMSO−d6):δ10.82(s、1H)、10.13(s、1H)、8.86(s、1H)、7.10−7.63(m、7H)、4.02(m、4H)、1.90(m、4H)、1.06(m、6H)。
【実施例5】
【0030】
[実施例5]N−[4−(N−ヒドロキシカルバモイル)フェニル][3,4−ジブトキシフェニル]カルボキシアミドの製造
3,4−ジメトキシベンゾイン酸の代わりに、3,4−ジブトキシベンゾイン酸を使用することを除いて、実施例1と同じ方法を使用して目的物(12.5g、42%)を米色の固体として得た。
TLC(酢酸エチル:ヘキサン=1:1);Rf=0.55
1H NMR(DMSO−d6):δ10.80(s、1H)、10.13(s、1H)、8.84(s、1H)、7.11−7.63(m、7H)、4.05(m、4H)、1.80(m、4H)、1.48(m、4H)、0.97(m、6H)。
【実施例6】
【0031】
[実施例6]N−[4−(N−ヒドロキシカルバモイル)フェニル][3,4−ジターシャリーブトキシフェニル]カルボキシアミドの製造
3,4−ジメトキシベンゾイン酸の代わりに、3,4−ジターシャリーブトキシベンゾイン酸を使用することを除いて、実施例1と同じ方法を使用して目的物(14.3g、48%)を米色の固体として得た。
TLC(酢酸エチル:ヘキサン=1:1);Rf=0.53
1H NMR(DMSO−d6):δ10.83(s、1H)、10.11(s、1H)、8.87(s、1H)、7.11−7.60(m、7H)、1.32(s、24H)。
【実施例7】
【0032】
[実施例7][4−((3,4−ジメトキシフェニル)カルボニルアミノ)]フェニル]−N−ヒドロキシ−N−メチルカルボキシアミドの製造
ヒドロキシルアミン塩酸塩の代わりに、N−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩を使用することを除いて、実施例1と同じ方法を使用して目的物(12.8g、41%)を米色の固体として得た。
TLC(酢酸エチル:ヘキサン=1:1);Rf=0.52
1H NMR(DMSO−d6):δ10.84(s、1H)、10.01(s、1H)、7.10−7.63(m、7H)、3.80(s、6H)、3.20(s、3H)。
【実施例8】
【0033】
[実施例8][4−((3,4−ジエトキシフェニル)カルボニルアミノ)]フェニル]−N−ヒドロキシ−N−メチルカルボキシアミドの製造
ヒドロキシルアミン塩酸塩の代わりに、N−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩を使用することを除いて、実施例2と同じ方法を使用して目的物(11.8g、46%)を米色の固体として得た。
TLC(酢酸エチル:ヘキサン=1:1);Rf=0.53
1H NMR(DMSO−d6):δ10.83(s、1H)、10.11(s、1H)、7.11−7.60(m、7H)、4.20(m、4H)、3.21(s、3H)、1.27(t、6H、J=5.4Hz)。
【実施例9】
【0034】
[実施例9][4−((3,4−ジイソプロポキシフェニル)カルボニルアミノ)]フェニル]−N−ヒドロキシ−N−メチルカルボキシアミドの製造
ヒドロキシルアミン塩酸塩の代わりに、N−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩を使用することを除いて、実施例3と同じ方法を使用して目的物(11.9g、44%)を米色の固体として得た。
TLC(酢酸エチル:ヘキサン=1:1);Rf=0.50
1H NMR(DMSO−d6):δ10.82(s、1H)、10.12(s、1H)、7.10−7.64(m、7H)、3.41(m、2H)、3.21(s、3H)、1.24(d、12H、J=6.9Hz)。
【実施例10】
【0035】
[実施例10][4−((3,4−ジプロポキシフェニル)カルボニルアミノ)]フェニル]−N−ヒドロキシ−N−メチルカルボキシアミドの製造
ヒドロキシルアミン塩酸塩の代わりに、N−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩を使用することを除いて、実施例4と同じ方法を使用して目的物(11.9g、44%)を米色の固体として得た。
TLC(酢酸エチル:ヘキサン=1:4);Rf=0.53
1H NMR(DMSO−d6):δ10.82(s、1H)、10.13(s、1H)、7.10−7.63(m、7H)、4.02(m、4H)、3.21(s、3H)、1.90(m、4H)、1.06(m、6H)。
【実施例11】
【0036】
[実施例11][4−((3,4−ジブトキシフェニル)カルボニルアミノ)]フェニル]−N−ヒドロキシ−N−メチルカルボキシアミドの製造
ヒドロキシルアミン塩酸塩の代わりに、N−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩を使用することを除いて、実施例5と同じ方法を使用して目的物(11.9g、44%)を米色の固体として得た。
TLC(酢酸エチル:ヘキサン=1:1);Rf=0.54
1H NMR(DMSO−d6):δ10.80(s、1H)、10.13(s、1H)、7.11−7.63(m、7H)、4.05(m、4H)、3.21(s、3H)、1.80(m、4H)、1.48(m、4H)、0.97(m、6H)。
【実施例12】
【0037】
[実施例12][4−((3,4−ジターシャリーブトキシフェニル)カルボニルアミノ)]フェニル]−N−ヒドロキシ−N−メチルカルボキシアミドの製造
ヒドロキシルアミン塩酸塩の代わりに、N−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩を使用することを除いて、実施例6と同じ方法を使用して目的物(11.9g、44%)を米色の固体として得た。
TLC(酢酸エチル:ヘキサン=1:1);Rf=0.53
1H NMR(DMSO−d6):δ10.83(s、1H)、10.11(s、1H)、7.11−7.60(m、7H)、3.20(s、3H)、1.32(s、24H)。
【実施例13】
【0038】
[実施例13]N−(4−((ヒドロキシカルバモイル)メチル)フェニル)−3,4−ジメトキシベンズアミドの製造
メチルアミノベンゾエートの代わりに、4−アミノフェニル酢酸メチルエステルを使用することを除いて、実施例1と同じ方法を使用して目的物(10.4g、42%)を米色の固体として得た。
TLC(酢酸エチル:ヘキサン=1:1);Rf=0.51
1H NMR(DMSO−d6):δ10.84(s、1H)、10.01(s、1H)、8.84(s、1H)、7.10−7.63(m、7H)、3.80(s、6H)、3.12(s、2H)。
【実施例14】
【0039】
[実施例14]N−(4−((ヒドロキシカルバモイル)メチル)フェニル)−3,4−ジエトキシベンズアミドの製造
メチルアミノベンゾエートの代わりに、4−アミノフェニル酢酸メチルエステルを使用することを除いて、実施例2と同じ方法を使用して目的物(10.4g、42%)を米色の固体として得た。
TLC(酢酸エチル:ヘキサン=1:1);Rf=0.53
1H NMR(DMSO−d6):δ10.83(s、1H)、10.10(s、1H)、8.87(s、1H)、7.11−7.60(m、7H)、4.20(m、4H)、3.10(s、2H)、1.27(t、6H、J=5.4Hz)。
【実施例15】
【0040】
[実施例15]N−(4−((ヒドロキシカルバモイル)メチル)フェニル)−3,4−ジイソプロポキシベンズアミドの製造
メチルアミノベンゾエートの代わりに、4−アミノフェニル酢酸メチルエステルを使用することを除いて、実施例3と同じ方法を使用して目的物(10.4g、42%)を米色の固体として得た。
TLC(酢酸エチル:ヘキサン=1:1);Rf=0.50
1H NMR(DMSO−d6):δ10.82(s、1H)、10.12(s、1H)、8.86(s、1H)、7.10−7.64(m、7H)、3.41(m、2H)、3.12(s、2H)、1.24(d、12H、J=6.9Hz)。
【実施例16】
【0041】
[実施例16]N−(4−((ヒドロキシカルバモイル)メチル)フェニル)−3,4−ジプロポキシベンズアミドの製造
メチルアミノベンゾエートの代わりに、4−アミノフェニル酢酸メチルエステルを使用することを除いて、実施例4と同じ方法を使用して目的物(10.4g、42%)を米色の固体として得た。
TLC(酢酸エチル:ヘキサン=1:4);Rf=0.52
1H NMR(DMSO−d6):δ10.82(s、1H)、10.13(s、1H)、8.86(s、1H)、7.10−7.63(m、7H)、4.02(m、4H)、3.12(s、2H)、1.90(m、4H)、1.06(m、6H)。
【実施例17】
【0042】
[実施例17]N−(4−((ヒドロキシカルバモイル)メチル)フェニル)−3,4−ジブトキシベンズアミドの製造
メチルアミノベンゾエートの代わりに、4−アミノフェニル酢酸メチルエステルを使用することを除いて、実施例5と同じ方法を使用して目的物(10.4g、42%)を米色の固体として得た。
TLC(酢酸エチル:ヘキサン=1:1);Rf=0.55
1H NMR(DMSO−d6):δ10.80(s、1H)、10.13(s、1H)、8.84(s、1H)、7.11−7.63(m、7H)、4.05(m、4H)、3.12(s、2H)、1.80(m、4H)、1.48(m、4H)、0.97(m、6H)。
【実施例18】
【0043】
[実施例18]N−(4−((ヒドロキシカルバモイル)メチル)フェニル)−3,4−ジターシャリーブトキシベンズアミドの製造
メチルアミノベンゾエートの代わりに、4−アミノフェニル酢酸メチルエステルを使用することを除いて、実施例6と同じ方法を使用して目的物(10.4g、42%)を米色の固体として得た。
TLC(酢酸エチル:ヘキサン=1:1);Rf=0.53
1H NMR(DMSO−d6):δ10.83(s、1H)、10.11(s、1H)、8.87(s、1H)、7.11−7.60(m、7H)、3.13(s、2H)、1.32(s、24H)。
【実施例19】
【0044】
[実施例19]N−(4−(N−ヒドロキシ−N−メチルカルボニル)メチル)フェニル)−3,4−ジメトキシベンズアミドの製造
ヒドロキシルアミン塩酸塩の代わりに、N−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩を使用することを除いて、実施例13と同じ方法を使用して目的物(12.8g、41%)を米色の固体として得た。
TLC(酢酸エチル:ヘキサン=1:1);Rf=0.51
1H NMR(DMSO−d6):δ10.84(s、1H)、10.01(s、1H)、7.10−7.63(m、7H)、3.80(s、6H)、3.24(s、3H)、3.12(s、2H)。
【実施例20】
【0045】
[実施例20]N−(4−(N−ヒドロキシ−N−メチルカルボニル)メチル)フェニル)−3,4−ジエトキシベンズアミド製造
ヒドロキシルアミン塩酸塩の代わりに、N−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩を使用することを除いて、実施例14と同じ方法を使用して目的物(12.8g、41%)を米色の固体として得た。
TLC(酢酸エチル:ヘキサン=1:1);Rf=0.53
1H NMR(DMSO−d6):δ10.83(s、1H)、10.10(s、1H)、7.11−7.60(m、7H)、4.20(m、4H)、3.25(s、3H)、3.10(s、2H)、1.27(t、6H、J=5.4Hz)。
【実施例21】
【0046】
[実施例21]N−(4−(N−ヒドロキシ−N−メチルカルボニル)メチル)フェニル)−3,4−ジイソプロポキシベンズアミドの製造
ヒドロキシルアミン塩酸塩の代わりに、N−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩を使用することを除いて、実施例15と同じ方法を使用して目的物(12.8g、41%)を米色の固体として得た。
TLC(酢酸エチル:ヘキサン=1:1);Rf=0.50
1H NMR(DMSO−d6):δ10.82(s、1H)、10.12(s、1H)、7.10−7.64(m、7H)、3.41(m、2H)、3.24(s、3H)、3.12(s、2H)、1.24(d、12H、J=6.9Hz)。
【実施例22】
【0047】
[実施例22]N−(4−(N−ヒドロキシ−N−メチルカルボニル)メチル)フェニル)−3,4−ジプロポキシベンズアミドの製造
ヒドロキシルアミン塩酸塩の代わりに、N−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩を使用することを除いて、実施例16と同じ方法を使用して目的物(12.8g、41%)を米色の固体として得た。
TLC(酢酸エチル:ヘキサン=1:4);Rf=0.52
1H NMR(DMSO−d6):δ10.82(s、1H)、10.13(s、1H)、7.10−7.63(m、7H)、4.02(m、4H)、3.21(s、3H)、3.12(s、2H)、1.90(m、4H)、1.06(m、6H)。
【実施例23】
【0048】
[実施例23]N−(4−(N−ヒドロキシ−N−メチルカルボニル)メチル)フェニル)−3,4−ジブトキシベンズアミドの製造
ヒドロキシルアミン塩酸塩の代わりに、N−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩を使用することを除いて、実施例17と同じ方法を使用して目的物(12.8g、41%)を米色の固体として得た。
TLC(酢酸エチル:ヘキサン=1:1);Rf=0.55
1H NMR(DMSO−d6):δ10.80(s、1H)、10.13(s、1H)、7.11−7.63(m、7H)、4.05(m、4H)、3.26(s、3H)、3.12(s、2H)、1.80(m、4H)、1.48(m、4H)、0.97(m、6H)。
【実施例24】
【0049】
[実施例24]N−(4−(N−ヒドロキシ−N−メチルカルボニル)メチル)フェニル)−3,4−ジターシャリーブトキシベンズアミドの製造
ヒドロキシルアミン塩酸塩の代わりに、N−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩を使用することを除いて、実施例18と同じ方法を使用して目的物(12.8g、41%)を米色の固体として得た。
TLC(酢酸エチル:ヘキサン=1:1);Rf=0.53
1H NMR(DMSO−d6):δ10.83(s、1H)、10.11(s、1H)、7.11−7.60(m、7H)、3.24(s、3H)、3.13(s、2H)、1.32(s、24H)。
【0050】
[試験例1]抗酸化効果測定
前記実施例1〜24から得たヒドロキサム酸誘導体の抗酸化効果をトコフェロール及びEGCG(EpiGalloCatechin Gallate、エピガロカテキンガレート)と比較して測定した。人間の角質細胞(HaCaT)細胞株を60mmディッシュ当たり1.0×106個に分株し、ペニシリン/ストレプトマイシンが添加されたDMEM(FBS10%)培地を使用して37℃、5%CO2条件で1日間培養した後、ヒドロキサム酸誘導体を10-4モル濃度で処理し、陽性対照群として使用したトコフェロール及びEGCGも同じ濃度で24時間処理した。翌日、上記組成物と同時に4mMのBHP(t-butylhydroperoxide)を処理した後、37℃、5%CO2条件で4時間培養した後、細胞を収得した。前記細胞は、冷凍/解凍工程を反復する方法(freeze/thawing)で溶解(lysis)し、以下の試験は、分析キット(assaykit)に開示された方法に準して施行した。
【0051】
すなわち、本発明では、カルバイオケム脂質過酸化分析キット(Calbiochem Lipid peroxidation assaykit;Cat.No.437634)を試薬として使用し、マロンジアルデヒド(malondialdehyde、MDA)及び 4−ヒドロキシアルケナル(hydoxyalkenals;すなわち、4−hydroxy−2(E)- nonenal、4−HNE)のような長鎖不飽和脂肪酸と関連されたエステルの過酸化物が前記試薬と反応して586nmで安定した化合物を形成する原理を用いて脂質過酸化(lipid peroxidation)を測定した。その結果は、下記表1に示す。
【0052】
【表1】

【0053】
前記表1から分かるように、実施例1〜24から得たヒドロキサム酸誘導体は、抗酸化化合物として見なされることが分かる。
【0054】
[試験例2]コラーゲン生合成促進効果の測定
前記実施例1〜24から得たヒドロキサム酸誘導体等のコラーゲン生合成促進効果をトコフェロール及びEGCGと比較して測定した。
【0055】
繊維芽細胞(fibroblast)を24孔(well)に1孔当たり105個ずつ播種(seeding)して90%程度成長するまで培養した。これを24時間無血清DMEM培地で培養した後、無血清培地に溶解された前記実施例1〜24のヒドロキサム酸誘導体、トコフェロール及びEGCGを10-4モル濃度で処理し、24時間CO2培養器で培養した。これらの上層液を取ってプロコラーゲン型(I)ELISAキット(procollagen type(I))を用いてプロコラーゲン(procollagen)の増減可否を調べた。その結果は、表2に示し、ここで、合成能は、非処理群を100として対比したものである。
【0056】
【表2】

【0057】
上記表2から分かるように、実施例1〜24から得たヒドロキサム酸誘導体は、コラーゲン生合成促進効果を有する。
【0058】
[試験例3]毛穴縮小効果測定
前記実施例1〜24から得たヒドロキサム酸誘導体の毛穴縮小効果をトコフェロール及びEGCGと比較して測定した。リノマウス46匹を用いて実施例1〜24の化合物1%溶液(溶媒としては、1、3−ブチレングリコール:エタノール=7:3使用)を0.5mlずつ塗布した。1週間物質を処理し、最後の処理24時間後、背中部分を生検する。表皮を分離して0.5%の酢酸に浸漬した後、10%ホルマリンに固定した後、6mMで垂直で切った。ヘマトキシリンとエオシンで染色した後、機械接眼マイクロメーター(Mechanical eyepiece micrometer)を用いて毛穴の大きさを測定する。
【0059】
【表3】

【0060】
上記実施例1〜24で製造したヒドロキサム酸誘導体は、トコフェロール及びEGCGと比較して、毛穴の大きさを減少させる効果に優れていることが分かる。
【0061】
本発明に係るヒドロキサム酸誘導体を皮膚外用剤組成物に使用することができるが、その剤型において特別に限定されるものではない。例えば、柔軟化粧水、 收斂化粧水、栄養化粧水、栄養クリーム、マッサージクリーム、エッセンス、アイクリーム、アイエッセンス、クレンジングクリーム、クレンジングフォーム、クレンジングウォーター、パック、パウダー、ボディーローション、ボディークリーム、ボディーオイル、ボディーエッセンス、メイカップベース、ファウンデーション、毛染め剤、シャンプー、リンスまたはボディー洗浄剤などの化粧料組成物、または軟膏、ゲル、クリーム、パッチまたは噴霧剤などの医薬用組成物で剤型化することができる。これらの各剤型は、その剤型の製剤化に必要であり、適切な各種の基剤と添加物を含有することができ、これらの成分の種類と量は、発明者により容易に選定されることができる。
【0062】
[剤型例1]栄養化粧水(乳液)の製造
前記実施例1〜24で製造したヒドロキサム酸誘導体を含有する栄養化粧水を製造した。
【0063】
【表4】

【0064】
[剤型例2]栄養クリームの製造
前記実施例1〜24で製造したヒドロキサム酸誘導体を含有する栄養クリームを製造した。
【0065】
【表5】

【0066】
[剤型例3]マッサージクリームの製造
前記実施例1〜24で製造したヒドロキサム酸誘導体を含有するマッサージクリームを製造した。
【0067】
【表6】

【0068】
[剤型例4]軟膏の製造
前記実施例1〜24で製造したヒドロキサム酸誘導体を含有する軟膏を製造した。
【0069】
【表7】

【産業上の利用可能性】
【0070】
以上説明したように、本発明に係るヒドロキサム酸誘導体は、抗酸化効果とコラーゲン生合成増進効果を示し、このような効果以外にも、リノマウスで毛穴縮小効果を示すことを確認した。このような結果により、本発明に係るヒドロキサム酸誘導体は、老化現象である毛穴広がり改善を目的とする医薬品及び皮膚外用剤として有用に使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表示されるヒドロキサム酸誘導体:
【化1】

[上記式中、R1及びR2は、C1〜10のアルキルであり;
3は、−(CH)n−であり、n=0又は1であり;
4は、水素またはメチルである]。
【請求項2】
ヒドロキサム酸誘導体が下記化合物のうちいずれか1つであることを特徴とする請求項1に記載のヒドロキサム酸誘導体:
1)N−[4−(N−ヒドロキシカルバモイル)フェニル][3,4−ジメトキシフェニル]カルボキシアミド、
2)N−[4−(N−ヒドロキシカルバモイル)フェニル][3,4−ジエトキシフェニル]カルボキシアミド、
3)N−[4−(N−ヒドロキシカルバモイル)フェニル][3,4−ジイソプロポキシフェニル]カルボキシアミド、
4)N−[4−(N−ヒドロキシカルバモイル)フェニル][3,4−ジプロポキシフェニル]カルボキシアミド、
5)N−[4−(N−ヒドロキシカルバモイル)フェニル][3,4−ジブトキシフェニル]カルボキシアミド、
6)N−[4−(N−ヒドロキシカルバモイル)フェニル][3,4−ジターシャリーブトキシフェニル]カルボキシアミド、
7)[4−((3,4−ジメトキシフェニル)カルボニルアミノ)]フェニル]−N−ヒドロキシ−N−メチルカルボキシアミド、
8)[4−((3,4−ジエトキシフェニル)カルボニルアミノ)]フェニル]−N−ヒドロキシ−N−メチルカルボキシアミド、
9)[4−((3,4−ジイソプロポキシフェニル)カルボニルアミノ)]フェニル]−N−ヒドロキシ−N−メチルカルボキシアミド、
10)[4−((3,4−ジプロポキシフェニル)カルボニルアミノ)]フェニル]−N−ヒドロキシ−N−メチルカルボキシアミド、
11)[4−((3,4−ジブトキシフェニル)カルボニルアミノ)]フェニル]−N−ヒドロキシ−N−メチルカルボキシアミド、
12)[4−((3,4−ジターシャリーブトキシフェニル)カルボニルアミノ)]フェニル]−N−ヒドロキシ−N−メチルカルボキシアミド、
13)N−(4−((ヒドロキシカルバモイル)メチル)フェニル)−3,4−ジメトキシベンズアミド、
14)N−(4−((ヒドロキシカルバモイル)メチル)フェニル)−3,4−ジエトキシベンズアミド、
15)N−(4−((ヒドロキシカルバモイル)メチル)フェニル)−3,4−ジイソプロポキシベンズアミド、
16)N−(4−((ヒドロキシカルバモイル)メチル)フェニル)−3,4−ジプロポキシベンズアミド、
17)N−(4−((ヒドロキシカルバモイル)メチル)フェニル)−3,4−ジブトキシベンズアミド、
18)N−(4−((ヒドロキシカルバモイル)メチル)フェニル)−3,4−ジターシャリーブトキシベンズアミド、
19)N−(4−(N−ヒドロキシ−N−メチルカルボニル)メチル)フェニル)−3,4−ジメトキシベンズアミド、
20)N−(4−(N−ヒドロキシ−N−メチルカルボニル)メチル)フェニル)−3,4−ジエトキシベンズアミド、
21)N−(4−(N−ヒドロキシ−N−メチルカルボニル)メチル)フェニル)−3,4−ジイソプロポキシベンズアミド、
22)N−(4−(N−ヒドロキシ−N−メチルカルボニル)メチル)フェニル)−3,4−ジプロポキシベンズアミド、
23)N−(4−(N−ヒドロキシ−N−メチルカルボニル)メチル)フェニル)−3,4−ジブトキシベンズアミド、
24)N−(4−(N−ヒドロキシ−N−メチルカルボニル)メチル)フェニル)−3,4−ジターシャリーブトキシベンズアミド。
【請求項3】
下記段階を含む請求項1に記載のヒドロキサム酸誘導体の製造方法:
1)3,4−ジアルコキシベンゾイン酸とメチル4−アミノベンゾエートまたは4−アミノフェニル酢酸メチルエステルとを反応させてベンズアミド化合物を製造する段階;
2)前記段階で生成されたベンズアミド化合物が有しているメチルエステルを加水分解して酸を製造する段階;及び
3)前記段階で生成された酸とヒドロキシルアミン塩酸塩またはN−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩とを反応させてヒドロキサム酸誘導体を製造する段階。
【請求項4】
請求項1に記載のヒドロキサム酸誘導体を有効成分として含有する皮膚外用剤組成物。
【請求項5】
前記組成物は、抗酸化用、コラーゲン生合成増進用または毛穴縮小用であることを特徴とする請求項4に記載の皮膚外用剤組成物。
【請求項6】
前記組成物は、化粧料組成物であることを特徴とする請求項4又は5に記載の皮膚外用剤組成物。

【公表番号】特表2008−539227(P2008−539227A)
【公表日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−508738(P2008−508738)
【出願日】平成18年3月21日(2006.3.21)
【国際出願番号】PCT/KR2006/001019
【国際公開番号】WO2006/118380
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(503327691)株式會社アモーレパシフィック (73)
【住所又は居所原語表記】181, Hankang−ro 2−ka, Yongsan−ku, Seoul 140−777 Republic of Korea
【Fターム(参考)】