ヒートシンクおよび電子部品の放熱方法
【課題】金属ブロックと放熱フィンとの間における接触熱抵抗を低減し、製品間に冷却性能のばらつきのない、更に不用輻射の少ない、冷却性能に優れた、電子部品等を冷却するためのヒートシンクおよび放熱方法を提供する
【解決手段】発熱電子部品と熱的に接続される受熱面を形成する底部を少なくとも有する複数の放熱フィンと、並列配置された複数の放熱フィンのそれぞれを貫通して、底部が受熱面を形成するように、複数の放熱フィンを連結する熱伝導性連結部材とを備えたヒートシンク。
【解決手段】発熱電子部品と熱的に接続される受熱面を形成する底部を少なくとも有する複数の放熱フィンと、並列配置された複数の放熱フィンのそれぞれを貫通して、底部が受熱面を形成するように、複数の放熱フィンを連結する熱伝導性連結部材とを備えたヒートシンク。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発熱電子部品の冷却、特に、半導体素子等の各種電子部品を冷却するためのヒートシンク、および、冷却方法に関する。
【0002】
【従来の技術】パソコン等の各種機器や電子設備等の電気・電子機器に搭載されている半導体素子等の電子部品は、その使用によってある程度の発熱が避けがたく、近年はその冷却が重要な技術課題となりつつある。冷却を要する電気・電子素子を冷却する方法として、例えば機器にファンを取り付け、機器筐体内の空気の温度を下げる方法や、発熱素子、例えば、発熱電子部品に冷却体を取り付けることによって、その被冷却素子を冷却する方法等が代表的に知られている。
【0003】上述した冷却体としては、熱伝性の金属材、例えば板、ブロック等があり、発熱素子からの熱を金属ブロックで受け、更に、金属ブロックに取付けれた放熱フィンによって、放熱する。限られた包絡体積によって、軽量かつ、放熱面積を増やすためには、コルゲートフィン(山型)カシメフィン等が有効な場合であり、広く利用されている。熱伝導性を高めるために発熱素子と、金属材との間には、熱伝導性ラバー等が用いられる。更に、上述した金属ブロックに放熱フィンを取付ける方法として、ろう付け、半田付け、カシメ、または、接着材、両面テープによる接着、更に、ビス止め等が用いられている。
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】上述した、発熱素子からの熱を先ず熱伝性の金属ブロック等によって受け、そして、金属ブロック等に取付けられた放熱フィンによって、所定の場所または大気中に放熱する方法によると、熱源である発熱素子と放熱フィンとの間の熱経路に、金属板、ブロック等が介在し、且つ、金属板、ブロック等と放熱フィン都の間に接触熱抵抗が生じるので、ヒートシンク全体の放熱性能が劣化するという問題点がある。更に、放熱フィン以外の他部材の準備、および、放熱フィンと他部材との組み付けのためのコストが高くなる。更に、放熱フィン以外の他部材および放熱フィンと他部材の組み付け時に接触抵抗が生じるが、製品間において接触抵抗値にばらつきが生じるという問題がある。更に、ヒートシンクが原因の不用輻射が生じて、熱冷却効率が低下するという問題点がある。
【0005】従って、この発明の目的は、上述した従来の問題点を解決して、金属ブロックと放熱フィンとの間における接触熱抵抗を低減し、製品間に冷却性能のばらつきのない、更に不用輻射の少ない、冷却性能に優れた、電子部品等を冷却するためのヒートシンクおよび放熱方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述した従来の問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、発熱電子部品等の熱を受熱する金属ブロックを用いることなく、発熱電子部品等に直接特定の形状の放熱フィンを取り付けることによって、金属ブロックと放熱フィンとの間における接触熱抵抗を低減し、製品間に冷却性能のばらつきのない、更に不用輻射の少ない、冷却性能に優れた、電子部品等を冷却するためのヒートシンクおよび放熱方法を得ることができることを知見した。
【0007】この発明は、上記知見に基づいてなされたものであって、この発明のヒートシンクの第1の態様は、発熱電子部品と熱的に接続される受熱面を形成する底部を少なくとも有する複数の放熱フィンと、並列配置された複数の前記放熱フィンのそれぞれを貫通して、前記底部が前記受熱面を形成するように、前記複数の放熱フィンを連結する熱伝導性連結部材とを備えたヒートシンクである。
【0008】この発明のヒートシンクの第2の態様は、前記放熱フィンの一部がスプリング性を備えていることを特徴とする、ヒートシンクである。
【0009】この発明のヒートシンクの第3の態様は、複数の前記放熱フィンを貫通する前記連結部材が、前記放熱フィンを介して前記発熱電子部品を押圧するように配置されて、前記受熱面を前記発熱電子部品に熱的に接続された状態で、前記複数の放熱フィンを固定することを特徴とする、ヒートシンクである。
【0010】この発明のヒートシンクの第4の態様は、前記連結部材がヒートパイプからなっていることを特徴とする、ヒートシンクである。
【0011】この発明のヒートシンクの第5の態様は、プリント基板上に実装された高さの異なる複数の発熱電子部品と熱的に接続される、複数の受熱面を形成する底部を少なくとも有する複数の放熱フィンと、並列配置された複数の前記放熱フィンのそれぞれを貫通して、前記底部が前記受熱面を形成するように、前記複数の放熱フィンを連結する連結部材とを備えたヒートシンクである。
【0012】この発明のヒートシンクの第6の態様は、前記ヒートシンクが、前記受熱面を前記発熱電子部品に熱的に接続された状態で、前記連結部材によって連結された前記複数の放熱フィンを前記発熱電子部品側へ押圧する固定部材を、備えていることを特徴とする、ヒートシンクである。
【0013】この発明のヒートシンクの第7の態様は、前記放熱フィンが、上側部および底部を有する略コの字形の放熱フィンからなっており、前記上側部に、所定のフィンピッチを維持するストッパー機能を有する部位を備えていることを特徴とする、ヒートシンクである。この発明のヒートシンクのその他の態様は、前記放熱フィンは、前記底部を有する略L字形放熱フィンまたは略コの字形放熱フィンからなっていることを特徴とする、ヒートシンクである。
【0014】この発明のヒートシンクのその他の態様は、前記ヒートパイプの放熱フィンと連結された端部と反対側の端部に、更に別の放熱部または別の受熱部が熱的に接続されていることを特徴とする、ヒートシンクである。
【0015】この発明のヒートシンクのその他の態様は、前記放熱フィンは、前記底部を有する略L字形放熱フィンまたは略コの字形放熱フィンからなっており、複数の前記放熱フィンは、高さの異なる前記少なくとも2個の発熱電子部品に対応して、異なる高さを有する少なくとも2つの群からなっていることを特徴とする、ヒートシンクである。
【0016】この発明の電子部品の放熱方法の第1の態様は、複数の放熱フィンの底部が受熱面を形成するように並列配置し、並列配置された複数の前記放熱フィンのそれぞれを、連結部材によって貫通して連結し、複数の前記放熱フィンの底部によって形成された前記受熱面を、発熱電子部品と熱的に接続する電子部品の放熱方法である。
【0017】この発明の電子部品の放熱方法の第2の態様は、複数の放熱フィンの底部が複数の受熱面を形成するように並列配置し、並列配置された複数の前記放熱フィンのそれぞれを、連結部材によって貫通して連結し、複数の前記放熱フィンの底部によって形成された複数の前記受熱面を、プリント基板上に実装された高さの異なる複数の発熱電子部品と熱的に接続する電子部品の放熱方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】この発明のヒートシンクおよび放熱方法の態様について図面を参照しながら詳細に説明する。この発明のヒートシンクは、発熱電子部品と熱的に接続される受熱面を形成する底部を少なくとも有する複数の放熱フィンと、並列配置された複数の前記放熱フィンのそれぞれを貫通して、底部が受熱面を形成するように、複数の放熱フィンを連結する連結部材とを備えたヒートシンクである。上述した放熱フィンは、底部を有する略L字形放熱フィンまたは略コの字形放熱フィンからなっていてもよい。
【0019】複数の放熱フィンのそれぞれは、上述したように少なくとも低部を備えており、複数の放熱フィンが並列に配置されると、底部が、プリント基板上に実装された発熱電子部品と熱的に接続される受熱面を形成することが重要である。即ち、底部によって形成された受熱面が直接発熱電子部品と接続される。更に、底部によって形成された受熱面が、熱伝導性介在物を介して、直接発熱電子部品と熱的に接続されてもよい。
【0020】図1は、この発明の放熱フィンの1つの態様を示す図である。図1に示すように、この放熱フィン1は、底部30および垂直部31からなる略L字形放熱フィンからなっており、垂直部の中央部には、連結部材が取付けられる孔部32が設けられている。複数の放熱フィン1が並列配置されると、並列配置された底部30が例えば平らな受熱面を形成する。図2は、この発明の放熱フィンの他の1つの態様を示す図である。図2に示すように、この放熱フィン2は、上側部33、垂直部31および底部30からなる、略コの字形放熱フィンからなっており、垂直部の中央部には、連結部材が取付けられる孔部32が設けられている。
【0021】図3は、この発明のヒートシンクの1つの態様を示す図である。即ち、複数の略L字形放熱フィンが並列配置され、並列配置された複数の放熱フィンのそれぞれを貫通して、底部が受熱面を形成するように、複数の放熱フィンを連結する連結部材が備えられたこの発明のヒートシンクである。図3に示すように、底部30および垂直部31からなる略L字形放熱フィン1が並列配置され、そして、複数の略L字形放熱フィン1を連結する連結部材3が備えられている。このように形成されたヒートシンクにおいては、放熱フィン1の底部が受熱面を形成している。
【0022】図4は、この発明のヒートシンクの他の1つの態様を示す図である。即ち、複数の略コの字形放熱フィンが並列配置され、並列配置された複数の放熱フィンのそれぞれを貫通して、底部が受熱面を形成するように、複数の放熱フィンを連結する連結部材が備えられたこの発明のヒートシンクである。図4に示すように、上側部33、垂直部31および底部30からなる、略コの字形放熱フィン2が並列配置され、そして、複数の略コの字形放熱フィン2を連結する連結部材3が備えられている。このように形成されたヒートシンクにおいては、放熱フィン2の底部が受熱面を形成している。更に、並列配置された上側部は、底部と同様に、平らな面を形成している。なお、図4に示すように、連結部材3は1個の限ることなく、2個または複数個であってもよい。
【0023】更に、この発明のヒートシンクは、上述したヒートシンクが、受熱面を発熱電子部品に熱的に接続された状態で、連結部材によって連結された複数の放熱フィンをプリント基板に固定する固定部材を、更に備えていてもよい。
【0024】図5は、固定部材を備えたこの発明のヒートシンクの1つの態様を示す図である。図5に示すように、プリント基板5の上に発熱電子部品6が搭載されている。発熱電子部品の上には、熱伝導性シート、金属板、両面テープ、サーマルラバー等の熱伝導性部材7を介して、例えば、図4に示す略コの字形の放熱フィン2が複数個並列配置され、連結部材3によって連結されたヒートシンクが取り付けられている。このようにプリント基板上に配置されたヒートシンクを、固定部材4によってプリント基板方向に圧迫した状態で、固定部材4をビス8によって、プリント基板に取付けてもよい。これによって、発熱電子部品、熱伝導性シート、放熱フィン間の熱抵抗を更に小さくすることができる。
【0025】この発明のヒートシンクにおいて、上述した連結部材がヒートパイプからなっていてもよい。更に、上述したヒートパイプの放熱フィンと連結された端部と反対側の端部に、更に別の放熱部または別の受熱部が熱的に接続されていてもよい。
【0026】ヒートパイプは、密封された空洞部を備えており、その空洞部に収容された作動流体の相変態と移動により熱の輸送が行われる。熱の一部は、ヒートパイプを構成する容器(コンテナ)を直接伝わって運ばれるが、大部分の熱は、作動流体による相変態と移動によって移動される。
【0027】ヒートパイプの吸熱側において、発熱電子部品から放熱フィンに伝わった熱は、ヒートパイプを構成する容器(コンテナ)の材質中を熱伝導して伝わってきた熱により、作動流体が蒸発し、その蒸気がヒートパイプの放熱側に移動する。放熱側では、作動流体の蒸気は冷却され再び液相状態に戻る。そして、液相に戻った作動流体は再び吸熱側に移動(還流)する。このような作動流体の相変態や移動によって、熱の移動がなされる。
【0028】ヒートパイプ内の作動流体としては通常、水や水溶液、アルコール、その他有機溶剤等が使用される。特殊な用途としては水銀を作動流体に用いる場合もある。前述したようにヒートパイプは内部の作動流体の相変態等の作用を利用するものであるので、密封された内部への作動流体以外のガス等の混入をなるべく避けるように製造されることになる。このような混入物は、通常、製造途中に混入する大気(空気)や作動流体中に溶在している炭酸ガス等である。ヒートパイプの形状は、代表的な丸パイプ形状の他、平面型も広く用いられている。更に、ヒートパイプで移動した熱をファン等を使用して強制的に冷却してもよい。
【0029】図6は、連結部材がヒートパイプからなっているこの発明のヒートシンクの1つの態様を示す図である。図6に示すように、プリント基板5の上に発熱電子部品6が搭載されている。発熱電子部品6の上には、熱伝導性シート等の熱伝導性部材7を介して、例えば、図4に示す略コの字形の放熱フィン2が複数個並列配置され、ヒートパイプ9によって連結されたヒートシンクが取り付けられている。更に、このようにプリント基板上に配置されたヒートシンクを、固定部材4によってプリント基板方向に圧迫した状態で、固定部材4をビス8によって、プリント基板に取付けている。ヒートシンクの放熱フィン2の上側部と固定部材4との間には、磁気を遮蔽するための電気伝導性シート20を配置してもよい。このように電気伝導性シート20を配置することによって、固定部材と放熱フィンとの間の電位差をなくすることができる。
【0030】上述したヒートパイプの他の端部は、更に延伸して、例えば、プリント基板上に取付けられた別の発熱電子部品6'の上に取付けられている。即ち、別の発熱電子部品6'の上には熱伝導性シート7を介して金属製の受熱ブロック11が設けられており、ヒートパイプの他の端部が受熱ブロックに設けられた孔部に装入されて、受熱ブロックと密着されて熱的に接続されている。このようにヒートパイプを配置することによって、別の発熱電子部品6'の熱を放熱フィンの位置まで移動し、放熱フィンによって、放熱することができる。
【0031】上述した別の発熱電子部品6'と接続しないで、ヒートパイプを別の放熱フィンに接続すると、発熱電子部品の熱を、別の放熱フィンに移動することができるので、集積度の高い発熱量の多い発熱電子部品を効率的に冷却することができる。
【0032】この発明のヒートパイプのコンテナの材質は、銅またはアルミニウム等の熱伝導の良好な金属を使用することができる。偏平状に加工するため、加工性に優れたアルミニウム材が好ましい。ウイックは偏平状ヒートパイプのコンテナと同一材質の部材を使用することができる。作動液は、ヒートパイプのコンテナの材質との適合性に応じて、水、代替フロン、フロリナートを使用する。
【0033】更に、この発明のヒートシンクにおいて、複数の前記放熱フィンを貫通する上述した連結部材が、放熱フィンを介して発熱電子部品を押圧するように配置されて、受熱面を発熱電子部品に熱的に接続された状態で、複数の放熱フィンを固定してもよい。即ち、上述した別の固定部材を用いることなく、連結部材の一方の端部をビス等によって、プリント基板に固定することによって、ヒートシンクをプリント基板に固定してもよい。
【0034】図7は、連結部材の一方の端部をビス等によって、プリント基板に固定したヒートシンクの1つの態様を示す図である。図7に示すように、プリント基板5の上に発熱電子部品6が搭載されている。発熱電子部品の上には、熱伝導性シート等の熱伝導性部材7を介して、略コの字形の放熱フィン2が複数個並列配置され、連結部材3によって連結されたヒートシンクが取り付けられている。この態様においては、連結部材3の一方端は、更に延伸され、下方に湾曲されてプリント基板上まで延伸し、ビス8によって、プリント基板上に固定されている。この態様によると、別の固定部材を準備する必要がなく、部品数を少なくすることが出来る。
【0035】更に、この発明のヒートシンクは、プリント基板上に実装された高さの異なる複数の発熱電子部品と熱的に接続される、複数の受熱面を形成する底部を少なくとも有する複数の放熱フィンと、並列配置された複数の前記放熱フィンのそれぞれを貫通して、前記底部が前記受熱面を形成するように、前記複数の放熱フィンを連結する連結部材とを備えたヒートシンクである。上述した放熱フィンは、底部を有する略L字形放熱フィンまたは略コの字形放熱フィンからなっており、複数の放熱フィンは、高さの異なる少なくとも2個の発熱電子部品に対応して、異なる高さを有する少なくとも2つの群からなっていてもよい。
【0036】図8は、高さの異なる2個の発熱電子部品を冷却するためのこの発明のヒートシンクの1つの態様を示す図である。図8に示すように、この態様においては、放熱フィン41は、プリント基板上に実装された高さの異なる2個の発熱電子部品に熱的に接続される2個の受熱面C、Dを形成する底部を有している。即ち、放熱フィン41は、高さAを有する部分と、高さBを有する部分からなっている。上述した高さA、Bは、プリント基板上に実装された発熱電子部品の高さに応じた高さになっている。即ち、プリント基板の下端部から放熱フィンの上端部までの距離が一定になるように、発熱部品の高さに応じて放熱フィンの高さA、Bが設定される。この発明のヒートシンクの態様は、上述した、高さの異なる2個の発熱電子部品と、熱伝導性シート等の熱伝導性部材を介して、熱的に接続される、複数個並列配置された略コの字形の放熱フィン41と、これらが連結される連結部材3からなっている。
【0037】図9は、高さの異なる2個の発熱電子部品を冷却するためのこの発明のヒートシンクの放熱フィンの他の態様を示す図である。この態様においては、放熱フィンは、高さの異なる2個の発熱電子部品にそれぞれ対応する2組の並列配置された複数の放熱フィン42、43からなっている。放熱フィン42のそれぞれは、高さAを有しており、受熱面Cを形成する底部を有している。放熱フィンは、連結部材3によって連結されている。更に、放熱フィン43のそれぞれは、高さBを有しており、受熱面Dを形成する底部を有している。放熱フィンは、連結部材3によって連結されている。なお、1組の複数の放熱フィン42と1組の複数の放熱フィン43は、発熱電子部品の配置に対応して、並列に配置してもよいし、直列に配置してもよい。連結部材は、上述した配置に対応して位置および長さを設定することができる。
【0038】図10は、高さの異なる発熱電子部品を冷却する、この発明のヒートシンクの1つの態様を示す図である。即ち、図には、上述した2組の並列配置した複数の放熱フィンを直列に配置した場合の1つの態様が示されている。図10に示すように、プリント基板5の上に、高さの異なる2個の発熱電子部品6、6'が搭載されている。発熱電子部品6の上には、熱伝導性シート等の熱伝導性部材7を介して、高さAを有する略コの字形の放熱フィン42が複数個並列配置されている。更に、別の発熱電子部品6'の上には、熱伝導性シート等の熱伝導性部材7を介して、高さBを有する略コの字形の放熱フィン43が複数個並列配置されている。放熱フィン42および放熱フィン43は、同一の連結部材3によって連結されている。連結部材の一方の端部は延伸され、下方に彎曲されて、プリント基板5上にビス8で固定されている。この態様によると、プリント基板上に実装された高さの異なる発熱電子部品に対応する、並列配置された2組の放熱フィンの受熱面がそれぞれ熱伝導性シートを介して接続され、連結部材によって固定されている。
【0039】図11は、この発明の放熱フィンにおけるフィン固定用の孔部の別の態様を示す図である。図11(a)に示すように、略コの字形の放熱フィンには、楕円形状の孔部が設けられている。図11(b)に示すように、略コの字形の放熱フィンには、斜めに配置された楕円形状の孔部が設けられている。図11(c)に示すように、略コの字形の放熱フィンには、四角形状の孔部が設けられている。上述した形状の孔部を放熱フィンに設けることによって、放熱フィンの風の流れを良くし、圧力損失を小さくすることができる。
【0040】図12は、この発明の放熱フィンの、フィン固定用の孔部の配列を示す1つの態様を示す図である。図12に示すように、丸型形状の孔部が概ね上下2段に配列されている。このように、孔部の配列を変えることによって、放熱フィンの風の流れを良くし、圧力損失を小さくすることができ、放熱効果を高めることができる。図13は、放熱フィンの他の形状を示す図である。図13に示すように、放熱フィンの下部を上部よりも小さく設定している。放熱フィンの形状をこのように設定することによって、風の流れを下部に逃がすことによって、圧力損失を小さくすることができる。
【0041】図14は、放熱フィンの他の態様を示す図である。図14に示すように、連結棒状態を使用することなく、複数の放熱フィン1を並列に固定するために、フィンをバーリング内に挿入する。この態様によると、連結部材を使用する必要がなくなるので、部品数を少なくすることができる。図15は、放熱フィンの他の態様を示す図である。図15に示すように、連結棒状態を使用することなく、略コの字形放熱フィン2のコの字部を別のコの字部に押し付けて固定する。この態様によると、連結部材を使用する必要がなくなるので、部品数を少なくすることができる。
【0042】更に、この発明の放熱フィンの一部がスプリング性を備えている。図16は、スプリング性を備えた放熱フィンの1つの態様を示す図である。図16に示すように、略コの字形放熱フィン2の中央部に彎曲部20を設ける。このように中央部に彎曲部を設けることによって、縦方向にスプリング性を備えることができる。図17は、スプリング性を備えた放熱フィンの1つの態様を示す図である。図17(a)に示すように、固定部材4と接する略コの字形放熱フィンの上側部に傾斜を持たせ、図17(b)に示すように、固定部材4で押さえて、略コの字形放熱フィンの上側部を水平にし、フィンにスプリング性(バネ機能)をもたせる。上述した放熱フィンのスプリング性によって、固定部材4と放熱フィンとが相互に押圧するため、部材間の密着性が高まり、部材間の熱伝導効率を高めることができる。
【0043】図18は、放熱フィンの1つの態様を示す図である。図18に示すように、放熱フィンの例えば上側部および底部の概ね中央部に窪みを形成する。このように窪みを形成することによって、風を乱流にして、放熱性を高めることができる。なお、窪みの他にスリット、突起を設けてもよい。図19は、フィンにダクト機能を備えた態様を示す図である。図19に示すように、放熱フィンの最初と最後に遮蔽板がついたフィン形状にして、隙間から風が逃げないようにする。この態様によると、更に放熱性を高めることができる。
【0044】図20は、この発明のヒートシンクの1つの態様を示す図である。図20(a)は、この発明のヒートシンクを構成する部品を示す図である。図20(b)は、図20(a)に示す部品が組合わされたこの発明のヒートシンクを示す図である。この態様のヒートシンクは、図20(a)に示すように、プリント基板上に実装された高さの異なる2個の発熱電子部品にそれぞれ対応して、熱伝導性介在物を介して熱的に接続される受熱面を形成する底部を有する2個の放熱フィン群52、62と、受熱面を発熱電子部品に熱的に接続された状態で、2個の放熱フィン群52、62をプリント基板に固定する固定部材44を備えている。放熱フィン群52、62は、それぞれ並列配置された複数の放熱フィンのそれぞれを貫通して、底部が受熱面を形成するように連結部材3によって連結されている。
【0045】放熱フィン群52、62を形成する個々の放熱フィンは、図20(a)に示すように、中央部が高く、両肩部が低くなった形状を有している。更に、中央部および両肩部の各上面は、底面と平行であり、コの字形を変形した形状を有している。固定部材44には、上述した中央部が収容される大きさの矩形の開口部が形成されており、図20(b)に示すように、放熱フィン群52、62の肩部を固定部材44で押さえて、受熱面である放熱フィン群の底部を(図示しない)発熱電子部品に密接して熱的に接続する。
【0046】図21は、この発明の放熱フィンの他の態様を示す図である。図21に示すように、この態様の放熱フィンは、プリント基板上に実装された高さの異なる2個の発熱電子部品と熱伝導性介在物を介して熱的に接続される、一体型の2個の受熱面C、Dを形成する底部を少なくとも有する複数の放熱フィンと、並列配置された複数の放熱フィンのそれぞれを貫通して、底部が受熱面を形成するように、複数の放熱フィンを連結する連結部材とを備えたヒートシンクである。即ち、個々の放熱フィンは、略コの字形からなっており、第1の部分71第2の部分82および第3の部分92からなっている。受熱面CおよびDの上には、プリント基板の上面からの距離が等しくなるように、高さの異なる第1の部分が形成され、受熱面CおよびDに対応して、高さの等しい第2および第3部分が一体的に形成されている。第2の部分82および第3の部分の間には所定の間隔で空間が設定されており、所望の空気の流れを形成する。
【0047】図22は、放熱フィンの他の態様を示す図である。図22に示すように、個々の放熱フィンには絞り加工が施されており、絞り加工が施された部分を圧入することによって、連結棒状態を使用することなく、複数の放熱フィン1を並列に固定することができる。この態様によると、連結部材を使用する必要がなくなるので、部品数を少なくすることができる。
【0048】図23は、連結部材の一方の端部およびプリント基板をビス等によって、筐体に固定したヒートシンクの1つの態様を示す図である。図7に示す態様においては、連結部材の一方の端部をビス等によって、プリント基板に固定しているけれども、図23に示すように、プリント基板をビス等によって筐体に固定し、更に、連結棒材の一方の端部をビス等によって、筐体に固定してもよい。
【0049】更に、この発明において、上述した放熱フィンが、上側部および底部を有する略コの字形の放熱フィンからなっており、上側部に、所定のフィンピッチを維持するストッパー機能を有する部位を備えていてもよい。図24は、この発明の放熱フィンの他の1つの態様のを示す部分拡大図である。即ち、図24に示すように、並列配置された複数の放熱フィンのそれぞれの略コの字形放熱フィンの上側部83の前面が底部の方に向かって折れ曲がった曲部を備えている。折れ曲がった曲部がストッパー機能を備えている。この態様の放熱フィンを用いることによって、放熱フィンに斜め方向の力が加わったときに、放熱フィンの上側部が外側に押出されて変形し、フィンピッチがずれることがない。即ち、例えば、図25に矢印で示すように、放熱フィンに、所定以上の力が加わると、放熱フィンの上側部33の先端部が、隣接する放熱フィンの外表面に沿って斜め方向に移動して、変形し、フィンピッチがずれる。これに対して、図24に示すように、略コの字形放熱フィンの上側部83の前面が底部の方に向かって折れ曲がった曲部を備えていると、所定以上の力が加わっても、折れ曲がった先端部がストッパーとして機能して、放熱フィンは変形せず、隣接する放熱フィンとの間のフィンピッチがずれることはない。
【0050】図26は、ストッパー機能を備えた上側部の各種態様を示す部分拡大図である。図26(a)に示す態様においては、放熱フィンの上側部に開口部95およびそれに対応する延伸部93がそれぞれ設けられている。延伸部93は隣接する放熱フィンの開口部に装入固定される。このようにして、並列配置される放熱フィンが相互に固定される。従って、この態様においても、所定以上の力が加わっても、相互に固定されているので、放熱フィンは変形せず、隣接する放熱フィンとの間のフィンピッチがずれることはない。
【0051】図26(b)に示す態様においては、放熱フィンの上側部に底部方向に彎曲した彎曲部103を備えている。彎曲部103は、隣接する放熱フィンに対して、ストッパーとして機能して、放熱フィンは変形せず、隣接する放熱フィンとの間のフィンピッチがずれることはない。図26(c)に示す態様においては、上側部の中央部に独立した曲部113が設けられている。曲部は底部方向に折り曲げられて、上側部の両側の部分よりも、底部方向に近く位置している。曲部113は、隣接する放熱フィンに対して、ストッパーとして機能して、放熱フィンは変形せず、隣接する放熱フィンとの間のフィンピッチがずれることはない。
【0052】図26(d)に示す態様においては、上側部の中央部に独立した傾斜部123が設けられている。傾斜部123は、底部方向に傾斜している。傾斜部123は、隣接する放熱フィンに対して、ストッパーとして機能して、放熱フィンは変形せず、隣接する放熱フィンとの間のフィンピッチがずれることはない。図26(e)に示す態様においては、上側部の中央部に円錐形状の窪み部124が設けられている。窪み部124は、底部方向に円錐形状が広がっており、上側部の面よりも、底部方向に近く位置している。窪み部124は、隣接する放熱フィンに対して、ストッパーとして機能して、放熱フィンは変形せず、隣接する放熱フィンとの間のフィンピッチがずれることはない。なお、上述した以外の実質的にストッパーとして機能する形状の部分を放熱フィンの上側部に設けてもよい。
【0053】この発明の電子部品の発熱方法は、複数の放熱フィンの底部が受熱面を形成するように並列配置し、並列配置された複数の前記放熱フィンのそれぞれを、連結部材によって貫通して連結し、複数の前記放熱フィンの底部によって形成された前記受熱面を、発熱電子部品と熱的に接続する、電子部品の放熱方法である。
【0054】更に、この発明の電子部品の発熱方法は、複数の放熱フィンの底部が複数の受熱面を形成するように並列配置し、並列配置された複数の前記放熱フィンのそれぞれを、連結部材によって貫通して連結し、複数の前記放熱フィンの底部によって形成された複数の前記受熱面を、プリント基板上に実装された高さの異なる複数の発熱電子部品と熱的に接続する、電子部品の放熱方法である。
【0055】この発明のヒートシンクによると、放熱フィンと一体構造の受熱面を形成することができるので、熱源から熱伝導性ラバー等を介して直接放熱フィンに熱伝導することができる。更に、1mm以下のフィンピッチの小型軽量のヒートシンクを提供することができる。更に、上述したように、受熱部材である金属ブロック等を使う必要が無いので、部品数を少なくすることができる。
【0056】
【実施例】以下に、この発明のヒートシンクを実施例により、更に詳細に説明する。
実施例1電子装置の基板(縦150mm×横70mm×厚さ1.2mm)に実装された発熱素子(縦34mm×横34mm×高さ2mm、発熱10W)の冷却を下記に示す本発明のヒートシンクを用いて、換気ファンによる強制冷却によって行った。即ち、この発明の放熱フィンは、縦20mm×奥行34mm×厚さ0.4mmで上下が2mmの長さでコの字形状に成形されたものが心棒Φ2.5mm、長さ35mm1本にピッチ2mmで17枚が連続的に圧入され形成されている。発熱素子の上には熱伝導ゴム(縦34mm×横34mm×厚さ1mm、熱伝導率2.5W/mk)を張り付けた。基板とヒートシンクを熱伝導ゴムが0.8mmの厚さになる位置に固定部品を用いて、ネジ止めして取付けた。換気ファンによってコルゲートフィン部には風速1.5m/sの風が流れていた。
【0057】装置稼動2時間経過後、発熱素子表面の温度を測定した結果、外気温からの上昇温度が20℃であり、熱伝導ゴムを含めた熱抵抗値が2℃/Wで良好な結果が認められた。
【0058】実施例2電子装置の基板(縦150mm×横70mm×厚さ1.2mm)に実装された2個の異なる発熱素子(C:縦28mm×横28mm×高さ mm、発熱25WおよびD:縦45mm×横39mm×高さ mm、発熱20W)の冷却を下記に示す本発明のヒートシンクを用いて、換気ファンによる強制冷却によって行った。即ち、図20に示すように、発熱素子Cに対応する位置に、厚さ0.3mm、ピッチ4mmの7枚のコの字形放熱フィンを並列し、連結棒によって固定された、高さ22mm長さ20mmの中央部、および、中央部の両側に形成された高さ18mm長さ4mmの肩部からなる放熱フィン52が配置されている。更に、発熱素子Dに対応する位置に、厚さ0.3mm、ピッチ3mmの13枚のコの字形放熱フィンを並列し、連結棒によって固定された、高さ22mm長さ30mmの中央部、および、中央部の両側に形成された高さ18mm長さ9mmの肩部、高さ18mm長さ6mmの肩部からなる、別の放熱フィン62が配置されている。それぞれの中央部が収容される開口部を備えた固定部材44によって、放熱フィン52、および、62を基板上の発熱素子C、Dに押しつけて固定した。発熱素子の上にはそれぞれ熱伝導ゴム(縦34mm×横34mm×厚さ1mm、熱伝導率2.5W/mk)を張り付けた。基板とヒートシンクを熱伝導ゴムが0.8mmの厚さになる位置に固定部品を用いて、ネジ止めして取付けた。換気ファンによってコルゲートフィン部には風速1.2m/sの風が流れていた。
【0059】装置稼動2時間経過後、発熱素子表面の温度を測定した結果、外気温からの上昇温度が20℃であり、熱伝導ゴムを含めた熱抵抗値が2℃/Wで良好な結果が認められた。
【0060】
【発明の効果】上述したように、この発明によると、金属ブロックと放熱フィンとの間における接触熱抵抗を低減し、製品間に冷却性能のばらつきのない、更に不用輻射の少ない、冷却性能に優れた、電子部品等を冷却するためのヒートシンクおよび放熱方法を提供することができ、産業上利用価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の放熱フィンの1つの態様を示す図である。
【図2】図2は、この発明の放熱フィンの他の1つの態様を示す図である。
【図3】図3は、この発明のヒートシンクの1つの態様を示す図である。
【図4】図4は、この発明のヒートシンクの他の1つの態様を示す図である。
【図5】図5は、固定部材を備えたこの発明のヒートシンクの1つの態様を示す図である。
【図6】図6は、連結部材がヒートパイプからなっているこの発明のヒートシンクの1つの態様を示す図である。
【図7】図7は、連結部材の一方の端部をビス等によって、プリント基板に固定したヒートシンクの1つの態様を示す図である。
【図8】図8は、高さの異なる2個の発熱電子部品を冷却するためのこの発明のヒートシンクの1つの態様を示す図である。
【図9】図9は、高さの異なる2個の発熱電子部品を冷却するためのこの発明のヒートシンクの放熱フィンの他の態様を示す図である。
【図10】図10は、高さの異なる発熱電子部品を冷却する、この発明のヒートシンクの1つの態様を示す図である。
【図11】図11は、この発明の放熱フィンにおけるフィン固定用の孔部の別の態様を示す図である。
【図12】図12は、この発明の放熱フィンの、フィン固定用の孔部の配列を示す1つの態様を示す図である。
【図13】図13は、放熱フィンの他の形状を示す図である。
【図14】図14は、放熱フィンの他の態様を示す図である。
【図15】図15は、放熱フィンの他の態様を示す図である。
【図16】図16は、スプリング性を備えた放熱フィンの1つの態様を示す図である。
【図17】図17は、スプリング性を備えた放熱フィンの1つの態様を示す図である。
【図18】図18は、放熱フィンの1つの態様を示す図である。
【図19】図19は、フィンにダクト機能を備えた態様を示す図である。
【図20】図20は、この発明のヒートシンクの1つの態様を示す図である。
【図21】図21は、この発明の放熱フィンの他の態様を示す図である。
【図22】図22は、放熱フィンの他の態様を示す図である。
【図23】図23は、連結部材の一方の端部およびプリント基板をビス等によって、筐体に固定したヒートシンクの1つの態様を示す図である。
【図24】図24は、この発明の放熱フィンの他の1つの態様のを示す部分拡大図である。
【図25】図25は、フィンピッチがずれた状態を説明する図である。
【図26】図26は、ストッパー機能を備えた上側部の各種態様を示す部分拡大図である。
【符号の説明】
1.放熱フィン
2.放熱フィン
3.連結部材
4.固定部材
5.プリント基板
6.発熱電子部品
7.熱伝導性部材
8.ビス
9.ヒートパイプ
11.金属ブロック
41.放熱フィン
42.放熱フィン
43.放熱フィン
44.固定部材
52.放熱フィン群
62.放熱フィン群
71.第1の部分
82.第2の部分
83.放熱フィンの上側部
92.第3の部分
103.彎曲部
113.曲部
123.傾斜部
124.窪み部
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発熱電子部品の冷却、特に、半導体素子等の各種電子部品を冷却するためのヒートシンク、および、冷却方法に関する。
【0002】
【従来の技術】パソコン等の各種機器や電子設備等の電気・電子機器に搭載されている半導体素子等の電子部品は、その使用によってある程度の発熱が避けがたく、近年はその冷却が重要な技術課題となりつつある。冷却を要する電気・電子素子を冷却する方法として、例えば機器にファンを取り付け、機器筐体内の空気の温度を下げる方法や、発熱素子、例えば、発熱電子部品に冷却体を取り付けることによって、その被冷却素子を冷却する方法等が代表的に知られている。
【0003】上述した冷却体としては、熱伝性の金属材、例えば板、ブロック等があり、発熱素子からの熱を金属ブロックで受け、更に、金属ブロックに取付けれた放熱フィンによって、放熱する。限られた包絡体積によって、軽量かつ、放熱面積を増やすためには、コルゲートフィン(山型)カシメフィン等が有効な場合であり、広く利用されている。熱伝導性を高めるために発熱素子と、金属材との間には、熱伝導性ラバー等が用いられる。更に、上述した金属ブロックに放熱フィンを取付ける方法として、ろう付け、半田付け、カシメ、または、接着材、両面テープによる接着、更に、ビス止め等が用いられている。
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】上述した、発熱素子からの熱を先ず熱伝性の金属ブロック等によって受け、そして、金属ブロック等に取付けられた放熱フィンによって、所定の場所または大気中に放熱する方法によると、熱源である発熱素子と放熱フィンとの間の熱経路に、金属板、ブロック等が介在し、且つ、金属板、ブロック等と放熱フィン都の間に接触熱抵抗が生じるので、ヒートシンク全体の放熱性能が劣化するという問題点がある。更に、放熱フィン以外の他部材の準備、および、放熱フィンと他部材との組み付けのためのコストが高くなる。更に、放熱フィン以外の他部材および放熱フィンと他部材の組み付け時に接触抵抗が生じるが、製品間において接触抵抗値にばらつきが生じるという問題がある。更に、ヒートシンクが原因の不用輻射が生じて、熱冷却効率が低下するという問題点がある。
【0005】従って、この発明の目的は、上述した従来の問題点を解決して、金属ブロックと放熱フィンとの間における接触熱抵抗を低減し、製品間に冷却性能のばらつきのない、更に不用輻射の少ない、冷却性能に優れた、電子部品等を冷却するためのヒートシンクおよび放熱方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述した従来の問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、発熱電子部品等の熱を受熱する金属ブロックを用いることなく、発熱電子部品等に直接特定の形状の放熱フィンを取り付けることによって、金属ブロックと放熱フィンとの間における接触熱抵抗を低減し、製品間に冷却性能のばらつきのない、更に不用輻射の少ない、冷却性能に優れた、電子部品等を冷却するためのヒートシンクおよび放熱方法を得ることができることを知見した。
【0007】この発明は、上記知見に基づいてなされたものであって、この発明のヒートシンクの第1の態様は、発熱電子部品と熱的に接続される受熱面を形成する底部を少なくとも有する複数の放熱フィンと、並列配置された複数の前記放熱フィンのそれぞれを貫通して、前記底部が前記受熱面を形成するように、前記複数の放熱フィンを連結する熱伝導性連結部材とを備えたヒートシンクである。
【0008】この発明のヒートシンクの第2の態様は、前記放熱フィンの一部がスプリング性を備えていることを特徴とする、ヒートシンクである。
【0009】この発明のヒートシンクの第3の態様は、複数の前記放熱フィンを貫通する前記連結部材が、前記放熱フィンを介して前記発熱電子部品を押圧するように配置されて、前記受熱面を前記発熱電子部品に熱的に接続された状態で、前記複数の放熱フィンを固定することを特徴とする、ヒートシンクである。
【0010】この発明のヒートシンクの第4の態様は、前記連結部材がヒートパイプからなっていることを特徴とする、ヒートシンクである。
【0011】この発明のヒートシンクの第5の態様は、プリント基板上に実装された高さの異なる複数の発熱電子部品と熱的に接続される、複数の受熱面を形成する底部を少なくとも有する複数の放熱フィンと、並列配置された複数の前記放熱フィンのそれぞれを貫通して、前記底部が前記受熱面を形成するように、前記複数の放熱フィンを連結する連結部材とを備えたヒートシンクである。
【0012】この発明のヒートシンクの第6の態様は、前記ヒートシンクが、前記受熱面を前記発熱電子部品に熱的に接続された状態で、前記連結部材によって連結された前記複数の放熱フィンを前記発熱電子部品側へ押圧する固定部材を、備えていることを特徴とする、ヒートシンクである。
【0013】この発明のヒートシンクの第7の態様は、前記放熱フィンが、上側部および底部を有する略コの字形の放熱フィンからなっており、前記上側部に、所定のフィンピッチを維持するストッパー機能を有する部位を備えていることを特徴とする、ヒートシンクである。この発明のヒートシンクのその他の態様は、前記放熱フィンは、前記底部を有する略L字形放熱フィンまたは略コの字形放熱フィンからなっていることを特徴とする、ヒートシンクである。
【0014】この発明のヒートシンクのその他の態様は、前記ヒートパイプの放熱フィンと連結された端部と反対側の端部に、更に別の放熱部または別の受熱部が熱的に接続されていることを特徴とする、ヒートシンクである。
【0015】この発明のヒートシンクのその他の態様は、前記放熱フィンは、前記底部を有する略L字形放熱フィンまたは略コの字形放熱フィンからなっており、複数の前記放熱フィンは、高さの異なる前記少なくとも2個の発熱電子部品に対応して、異なる高さを有する少なくとも2つの群からなっていることを特徴とする、ヒートシンクである。
【0016】この発明の電子部品の放熱方法の第1の態様は、複数の放熱フィンの底部が受熱面を形成するように並列配置し、並列配置された複数の前記放熱フィンのそれぞれを、連結部材によって貫通して連結し、複数の前記放熱フィンの底部によって形成された前記受熱面を、発熱電子部品と熱的に接続する電子部品の放熱方法である。
【0017】この発明の電子部品の放熱方法の第2の態様は、複数の放熱フィンの底部が複数の受熱面を形成するように並列配置し、並列配置された複数の前記放熱フィンのそれぞれを、連結部材によって貫通して連結し、複数の前記放熱フィンの底部によって形成された複数の前記受熱面を、プリント基板上に実装された高さの異なる複数の発熱電子部品と熱的に接続する電子部品の放熱方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】この発明のヒートシンクおよび放熱方法の態様について図面を参照しながら詳細に説明する。この発明のヒートシンクは、発熱電子部品と熱的に接続される受熱面を形成する底部を少なくとも有する複数の放熱フィンと、並列配置された複数の前記放熱フィンのそれぞれを貫通して、底部が受熱面を形成するように、複数の放熱フィンを連結する連結部材とを備えたヒートシンクである。上述した放熱フィンは、底部を有する略L字形放熱フィンまたは略コの字形放熱フィンからなっていてもよい。
【0019】複数の放熱フィンのそれぞれは、上述したように少なくとも低部を備えており、複数の放熱フィンが並列に配置されると、底部が、プリント基板上に実装された発熱電子部品と熱的に接続される受熱面を形成することが重要である。即ち、底部によって形成された受熱面が直接発熱電子部品と接続される。更に、底部によって形成された受熱面が、熱伝導性介在物を介して、直接発熱電子部品と熱的に接続されてもよい。
【0020】図1は、この発明の放熱フィンの1つの態様を示す図である。図1に示すように、この放熱フィン1は、底部30および垂直部31からなる略L字形放熱フィンからなっており、垂直部の中央部には、連結部材が取付けられる孔部32が設けられている。複数の放熱フィン1が並列配置されると、並列配置された底部30が例えば平らな受熱面を形成する。図2は、この発明の放熱フィンの他の1つの態様を示す図である。図2に示すように、この放熱フィン2は、上側部33、垂直部31および底部30からなる、略コの字形放熱フィンからなっており、垂直部の中央部には、連結部材が取付けられる孔部32が設けられている。
【0021】図3は、この発明のヒートシンクの1つの態様を示す図である。即ち、複数の略L字形放熱フィンが並列配置され、並列配置された複数の放熱フィンのそれぞれを貫通して、底部が受熱面を形成するように、複数の放熱フィンを連結する連結部材が備えられたこの発明のヒートシンクである。図3に示すように、底部30および垂直部31からなる略L字形放熱フィン1が並列配置され、そして、複数の略L字形放熱フィン1を連結する連結部材3が備えられている。このように形成されたヒートシンクにおいては、放熱フィン1の底部が受熱面を形成している。
【0022】図4は、この発明のヒートシンクの他の1つの態様を示す図である。即ち、複数の略コの字形放熱フィンが並列配置され、並列配置された複数の放熱フィンのそれぞれを貫通して、底部が受熱面を形成するように、複数の放熱フィンを連結する連結部材が備えられたこの発明のヒートシンクである。図4に示すように、上側部33、垂直部31および底部30からなる、略コの字形放熱フィン2が並列配置され、そして、複数の略コの字形放熱フィン2を連結する連結部材3が備えられている。このように形成されたヒートシンクにおいては、放熱フィン2の底部が受熱面を形成している。更に、並列配置された上側部は、底部と同様に、平らな面を形成している。なお、図4に示すように、連結部材3は1個の限ることなく、2個または複数個であってもよい。
【0023】更に、この発明のヒートシンクは、上述したヒートシンクが、受熱面を発熱電子部品に熱的に接続された状態で、連結部材によって連結された複数の放熱フィンをプリント基板に固定する固定部材を、更に備えていてもよい。
【0024】図5は、固定部材を備えたこの発明のヒートシンクの1つの態様を示す図である。図5に示すように、プリント基板5の上に発熱電子部品6が搭載されている。発熱電子部品の上には、熱伝導性シート、金属板、両面テープ、サーマルラバー等の熱伝導性部材7を介して、例えば、図4に示す略コの字形の放熱フィン2が複数個並列配置され、連結部材3によって連結されたヒートシンクが取り付けられている。このようにプリント基板上に配置されたヒートシンクを、固定部材4によってプリント基板方向に圧迫した状態で、固定部材4をビス8によって、プリント基板に取付けてもよい。これによって、発熱電子部品、熱伝導性シート、放熱フィン間の熱抵抗を更に小さくすることができる。
【0025】この発明のヒートシンクにおいて、上述した連結部材がヒートパイプからなっていてもよい。更に、上述したヒートパイプの放熱フィンと連結された端部と反対側の端部に、更に別の放熱部または別の受熱部が熱的に接続されていてもよい。
【0026】ヒートパイプは、密封された空洞部を備えており、その空洞部に収容された作動流体の相変態と移動により熱の輸送が行われる。熱の一部は、ヒートパイプを構成する容器(コンテナ)を直接伝わって運ばれるが、大部分の熱は、作動流体による相変態と移動によって移動される。
【0027】ヒートパイプの吸熱側において、発熱電子部品から放熱フィンに伝わった熱は、ヒートパイプを構成する容器(コンテナ)の材質中を熱伝導して伝わってきた熱により、作動流体が蒸発し、その蒸気がヒートパイプの放熱側に移動する。放熱側では、作動流体の蒸気は冷却され再び液相状態に戻る。そして、液相に戻った作動流体は再び吸熱側に移動(還流)する。このような作動流体の相変態や移動によって、熱の移動がなされる。
【0028】ヒートパイプ内の作動流体としては通常、水や水溶液、アルコール、その他有機溶剤等が使用される。特殊な用途としては水銀を作動流体に用いる場合もある。前述したようにヒートパイプは内部の作動流体の相変態等の作用を利用するものであるので、密封された内部への作動流体以外のガス等の混入をなるべく避けるように製造されることになる。このような混入物は、通常、製造途中に混入する大気(空気)や作動流体中に溶在している炭酸ガス等である。ヒートパイプの形状は、代表的な丸パイプ形状の他、平面型も広く用いられている。更に、ヒートパイプで移動した熱をファン等を使用して強制的に冷却してもよい。
【0029】図6は、連結部材がヒートパイプからなっているこの発明のヒートシンクの1つの態様を示す図である。図6に示すように、プリント基板5の上に発熱電子部品6が搭載されている。発熱電子部品6の上には、熱伝導性シート等の熱伝導性部材7を介して、例えば、図4に示す略コの字形の放熱フィン2が複数個並列配置され、ヒートパイプ9によって連結されたヒートシンクが取り付けられている。更に、このようにプリント基板上に配置されたヒートシンクを、固定部材4によってプリント基板方向に圧迫した状態で、固定部材4をビス8によって、プリント基板に取付けている。ヒートシンクの放熱フィン2の上側部と固定部材4との間には、磁気を遮蔽するための電気伝導性シート20を配置してもよい。このように電気伝導性シート20を配置することによって、固定部材と放熱フィンとの間の電位差をなくすることができる。
【0030】上述したヒートパイプの他の端部は、更に延伸して、例えば、プリント基板上に取付けられた別の発熱電子部品6'の上に取付けられている。即ち、別の発熱電子部品6'の上には熱伝導性シート7を介して金属製の受熱ブロック11が設けられており、ヒートパイプの他の端部が受熱ブロックに設けられた孔部に装入されて、受熱ブロックと密着されて熱的に接続されている。このようにヒートパイプを配置することによって、別の発熱電子部品6'の熱を放熱フィンの位置まで移動し、放熱フィンによって、放熱することができる。
【0031】上述した別の発熱電子部品6'と接続しないで、ヒートパイプを別の放熱フィンに接続すると、発熱電子部品の熱を、別の放熱フィンに移動することができるので、集積度の高い発熱量の多い発熱電子部品を効率的に冷却することができる。
【0032】この発明のヒートパイプのコンテナの材質は、銅またはアルミニウム等の熱伝導の良好な金属を使用することができる。偏平状に加工するため、加工性に優れたアルミニウム材が好ましい。ウイックは偏平状ヒートパイプのコンテナと同一材質の部材を使用することができる。作動液は、ヒートパイプのコンテナの材質との適合性に応じて、水、代替フロン、フロリナートを使用する。
【0033】更に、この発明のヒートシンクにおいて、複数の前記放熱フィンを貫通する上述した連結部材が、放熱フィンを介して発熱電子部品を押圧するように配置されて、受熱面を発熱電子部品に熱的に接続された状態で、複数の放熱フィンを固定してもよい。即ち、上述した別の固定部材を用いることなく、連結部材の一方の端部をビス等によって、プリント基板に固定することによって、ヒートシンクをプリント基板に固定してもよい。
【0034】図7は、連結部材の一方の端部をビス等によって、プリント基板に固定したヒートシンクの1つの態様を示す図である。図7に示すように、プリント基板5の上に発熱電子部品6が搭載されている。発熱電子部品の上には、熱伝導性シート等の熱伝導性部材7を介して、略コの字形の放熱フィン2が複数個並列配置され、連結部材3によって連結されたヒートシンクが取り付けられている。この態様においては、連結部材3の一方端は、更に延伸され、下方に湾曲されてプリント基板上まで延伸し、ビス8によって、プリント基板上に固定されている。この態様によると、別の固定部材を準備する必要がなく、部品数を少なくすることが出来る。
【0035】更に、この発明のヒートシンクは、プリント基板上に実装された高さの異なる複数の発熱電子部品と熱的に接続される、複数の受熱面を形成する底部を少なくとも有する複数の放熱フィンと、並列配置された複数の前記放熱フィンのそれぞれを貫通して、前記底部が前記受熱面を形成するように、前記複数の放熱フィンを連結する連結部材とを備えたヒートシンクである。上述した放熱フィンは、底部を有する略L字形放熱フィンまたは略コの字形放熱フィンからなっており、複数の放熱フィンは、高さの異なる少なくとも2個の発熱電子部品に対応して、異なる高さを有する少なくとも2つの群からなっていてもよい。
【0036】図8は、高さの異なる2個の発熱電子部品を冷却するためのこの発明のヒートシンクの1つの態様を示す図である。図8に示すように、この態様においては、放熱フィン41は、プリント基板上に実装された高さの異なる2個の発熱電子部品に熱的に接続される2個の受熱面C、Dを形成する底部を有している。即ち、放熱フィン41は、高さAを有する部分と、高さBを有する部分からなっている。上述した高さA、Bは、プリント基板上に実装された発熱電子部品の高さに応じた高さになっている。即ち、プリント基板の下端部から放熱フィンの上端部までの距離が一定になるように、発熱部品の高さに応じて放熱フィンの高さA、Bが設定される。この発明のヒートシンクの態様は、上述した、高さの異なる2個の発熱電子部品と、熱伝導性シート等の熱伝導性部材を介して、熱的に接続される、複数個並列配置された略コの字形の放熱フィン41と、これらが連結される連結部材3からなっている。
【0037】図9は、高さの異なる2個の発熱電子部品を冷却するためのこの発明のヒートシンクの放熱フィンの他の態様を示す図である。この態様においては、放熱フィンは、高さの異なる2個の発熱電子部品にそれぞれ対応する2組の並列配置された複数の放熱フィン42、43からなっている。放熱フィン42のそれぞれは、高さAを有しており、受熱面Cを形成する底部を有している。放熱フィンは、連結部材3によって連結されている。更に、放熱フィン43のそれぞれは、高さBを有しており、受熱面Dを形成する底部を有している。放熱フィンは、連結部材3によって連結されている。なお、1組の複数の放熱フィン42と1組の複数の放熱フィン43は、発熱電子部品の配置に対応して、並列に配置してもよいし、直列に配置してもよい。連結部材は、上述した配置に対応して位置および長さを設定することができる。
【0038】図10は、高さの異なる発熱電子部品を冷却する、この発明のヒートシンクの1つの態様を示す図である。即ち、図には、上述した2組の並列配置した複数の放熱フィンを直列に配置した場合の1つの態様が示されている。図10に示すように、プリント基板5の上に、高さの異なる2個の発熱電子部品6、6'が搭載されている。発熱電子部品6の上には、熱伝導性シート等の熱伝導性部材7を介して、高さAを有する略コの字形の放熱フィン42が複数個並列配置されている。更に、別の発熱電子部品6'の上には、熱伝導性シート等の熱伝導性部材7を介して、高さBを有する略コの字形の放熱フィン43が複数個並列配置されている。放熱フィン42および放熱フィン43は、同一の連結部材3によって連結されている。連結部材の一方の端部は延伸され、下方に彎曲されて、プリント基板5上にビス8で固定されている。この態様によると、プリント基板上に実装された高さの異なる発熱電子部品に対応する、並列配置された2組の放熱フィンの受熱面がそれぞれ熱伝導性シートを介して接続され、連結部材によって固定されている。
【0039】図11は、この発明の放熱フィンにおけるフィン固定用の孔部の別の態様を示す図である。図11(a)に示すように、略コの字形の放熱フィンには、楕円形状の孔部が設けられている。図11(b)に示すように、略コの字形の放熱フィンには、斜めに配置された楕円形状の孔部が設けられている。図11(c)に示すように、略コの字形の放熱フィンには、四角形状の孔部が設けられている。上述した形状の孔部を放熱フィンに設けることによって、放熱フィンの風の流れを良くし、圧力損失を小さくすることができる。
【0040】図12は、この発明の放熱フィンの、フィン固定用の孔部の配列を示す1つの態様を示す図である。図12に示すように、丸型形状の孔部が概ね上下2段に配列されている。このように、孔部の配列を変えることによって、放熱フィンの風の流れを良くし、圧力損失を小さくすることができ、放熱効果を高めることができる。図13は、放熱フィンの他の形状を示す図である。図13に示すように、放熱フィンの下部を上部よりも小さく設定している。放熱フィンの形状をこのように設定することによって、風の流れを下部に逃がすことによって、圧力損失を小さくすることができる。
【0041】図14は、放熱フィンの他の態様を示す図である。図14に示すように、連結棒状態を使用することなく、複数の放熱フィン1を並列に固定するために、フィンをバーリング内に挿入する。この態様によると、連結部材を使用する必要がなくなるので、部品数を少なくすることができる。図15は、放熱フィンの他の態様を示す図である。図15に示すように、連結棒状態を使用することなく、略コの字形放熱フィン2のコの字部を別のコの字部に押し付けて固定する。この態様によると、連結部材を使用する必要がなくなるので、部品数を少なくすることができる。
【0042】更に、この発明の放熱フィンの一部がスプリング性を備えている。図16は、スプリング性を備えた放熱フィンの1つの態様を示す図である。図16に示すように、略コの字形放熱フィン2の中央部に彎曲部20を設ける。このように中央部に彎曲部を設けることによって、縦方向にスプリング性を備えることができる。図17は、スプリング性を備えた放熱フィンの1つの態様を示す図である。図17(a)に示すように、固定部材4と接する略コの字形放熱フィンの上側部に傾斜を持たせ、図17(b)に示すように、固定部材4で押さえて、略コの字形放熱フィンの上側部を水平にし、フィンにスプリング性(バネ機能)をもたせる。上述した放熱フィンのスプリング性によって、固定部材4と放熱フィンとが相互に押圧するため、部材間の密着性が高まり、部材間の熱伝導効率を高めることができる。
【0043】図18は、放熱フィンの1つの態様を示す図である。図18に示すように、放熱フィンの例えば上側部および底部の概ね中央部に窪みを形成する。このように窪みを形成することによって、風を乱流にして、放熱性を高めることができる。なお、窪みの他にスリット、突起を設けてもよい。図19は、フィンにダクト機能を備えた態様を示す図である。図19に示すように、放熱フィンの最初と最後に遮蔽板がついたフィン形状にして、隙間から風が逃げないようにする。この態様によると、更に放熱性を高めることができる。
【0044】図20は、この発明のヒートシンクの1つの態様を示す図である。図20(a)は、この発明のヒートシンクを構成する部品を示す図である。図20(b)は、図20(a)に示す部品が組合わされたこの発明のヒートシンクを示す図である。この態様のヒートシンクは、図20(a)に示すように、プリント基板上に実装された高さの異なる2個の発熱電子部品にそれぞれ対応して、熱伝導性介在物を介して熱的に接続される受熱面を形成する底部を有する2個の放熱フィン群52、62と、受熱面を発熱電子部品に熱的に接続された状態で、2個の放熱フィン群52、62をプリント基板に固定する固定部材44を備えている。放熱フィン群52、62は、それぞれ並列配置された複数の放熱フィンのそれぞれを貫通して、底部が受熱面を形成するように連結部材3によって連結されている。
【0045】放熱フィン群52、62を形成する個々の放熱フィンは、図20(a)に示すように、中央部が高く、両肩部が低くなった形状を有している。更に、中央部および両肩部の各上面は、底面と平行であり、コの字形を変形した形状を有している。固定部材44には、上述した中央部が収容される大きさの矩形の開口部が形成されており、図20(b)に示すように、放熱フィン群52、62の肩部を固定部材44で押さえて、受熱面である放熱フィン群の底部を(図示しない)発熱電子部品に密接して熱的に接続する。
【0046】図21は、この発明の放熱フィンの他の態様を示す図である。図21に示すように、この態様の放熱フィンは、プリント基板上に実装された高さの異なる2個の発熱電子部品と熱伝導性介在物を介して熱的に接続される、一体型の2個の受熱面C、Dを形成する底部を少なくとも有する複数の放熱フィンと、並列配置された複数の放熱フィンのそれぞれを貫通して、底部が受熱面を形成するように、複数の放熱フィンを連結する連結部材とを備えたヒートシンクである。即ち、個々の放熱フィンは、略コの字形からなっており、第1の部分71第2の部分82および第3の部分92からなっている。受熱面CおよびDの上には、プリント基板の上面からの距離が等しくなるように、高さの異なる第1の部分が形成され、受熱面CおよびDに対応して、高さの等しい第2および第3部分が一体的に形成されている。第2の部分82および第3の部分の間には所定の間隔で空間が設定されており、所望の空気の流れを形成する。
【0047】図22は、放熱フィンの他の態様を示す図である。図22に示すように、個々の放熱フィンには絞り加工が施されており、絞り加工が施された部分を圧入することによって、連結棒状態を使用することなく、複数の放熱フィン1を並列に固定することができる。この態様によると、連結部材を使用する必要がなくなるので、部品数を少なくすることができる。
【0048】図23は、連結部材の一方の端部およびプリント基板をビス等によって、筐体に固定したヒートシンクの1つの態様を示す図である。図7に示す態様においては、連結部材の一方の端部をビス等によって、プリント基板に固定しているけれども、図23に示すように、プリント基板をビス等によって筐体に固定し、更に、連結棒材の一方の端部をビス等によって、筐体に固定してもよい。
【0049】更に、この発明において、上述した放熱フィンが、上側部および底部を有する略コの字形の放熱フィンからなっており、上側部に、所定のフィンピッチを維持するストッパー機能を有する部位を備えていてもよい。図24は、この発明の放熱フィンの他の1つの態様のを示す部分拡大図である。即ち、図24に示すように、並列配置された複数の放熱フィンのそれぞれの略コの字形放熱フィンの上側部83の前面が底部の方に向かって折れ曲がった曲部を備えている。折れ曲がった曲部がストッパー機能を備えている。この態様の放熱フィンを用いることによって、放熱フィンに斜め方向の力が加わったときに、放熱フィンの上側部が外側に押出されて変形し、フィンピッチがずれることがない。即ち、例えば、図25に矢印で示すように、放熱フィンに、所定以上の力が加わると、放熱フィンの上側部33の先端部が、隣接する放熱フィンの外表面に沿って斜め方向に移動して、変形し、フィンピッチがずれる。これに対して、図24に示すように、略コの字形放熱フィンの上側部83の前面が底部の方に向かって折れ曲がった曲部を備えていると、所定以上の力が加わっても、折れ曲がった先端部がストッパーとして機能して、放熱フィンは変形せず、隣接する放熱フィンとの間のフィンピッチがずれることはない。
【0050】図26は、ストッパー機能を備えた上側部の各種態様を示す部分拡大図である。図26(a)に示す態様においては、放熱フィンの上側部に開口部95およびそれに対応する延伸部93がそれぞれ設けられている。延伸部93は隣接する放熱フィンの開口部に装入固定される。このようにして、並列配置される放熱フィンが相互に固定される。従って、この態様においても、所定以上の力が加わっても、相互に固定されているので、放熱フィンは変形せず、隣接する放熱フィンとの間のフィンピッチがずれることはない。
【0051】図26(b)に示す態様においては、放熱フィンの上側部に底部方向に彎曲した彎曲部103を備えている。彎曲部103は、隣接する放熱フィンに対して、ストッパーとして機能して、放熱フィンは変形せず、隣接する放熱フィンとの間のフィンピッチがずれることはない。図26(c)に示す態様においては、上側部の中央部に独立した曲部113が設けられている。曲部は底部方向に折り曲げられて、上側部の両側の部分よりも、底部方向に近く位置している。曲部113は、隣接する放熱フィンに対して、ストッパーとして機能して、放熱フィンは変形せず、隣接する放熱フィンとの間のフィンピッチがずれることはない。
【0052】図26(d)に示す態様においては、上側部の中央部に独立した傾斜部123が設けられている。傾斜部123は、底部方向に傾斜している。傾斜部123は、隣接する放熱フィンに対して、ストッパーとして機能して、放熱フィンは変形せず、隣接する放熱フィンとの間のフィンピッチがずれることはない。図26(e)に示す態様においては、上側部の中央部に円錐形状の窪み部124が設けられている。窪み部124は、底部方向に円錐形状が広がっており、上側部の面よりも、底部方向に近く位置している。窪み部124は、隣接する放熱フィンに対して、ストッパーとして機能して、放熱フィンは変形せず、隣接する放熱フィンとの間のフィンピッチがずれることはない。なお、上述した以外の実質的にストッパーとして機能する形状の部分を放熱フィンの上側部に設けてもよい。
【0053】この発明の電子部品の発熱方法は、複数の放熱フィンの底部が受熱面を形成するように並列配置し、並列配置された複数の前記放熱フィンのそれぞれを、連結部材によって貫通して連結し、複数の前記放熱フィンの底部によって形成された前記受熱面を、発熱電子部品と熱的に接続する、電子部品の放熱方法である。
【0054】更に、この発明の電子部品の発熱方法は、複数の放熱フィンの底部が複数の受熱面を形成するように並列配置し、並列配置された複数の前記放熱フィンのそれぞれを、連結部材によって貫通して連結し、複数の前記放熱フィンの底部によって形成された複数の前記受熱面を、プリント基板上に実装された高さの異なる複数の発熱電子部品と熱的に接続する、電子部品の放熱方法である。
【0055】この発明のヒートシンクによると、放熱フィンと一体構造の受熱面を形成することができるので、熱源から熱伝導性ラバー等を介して直接放熱フィンに熱伝導することができる。更に、1mm以下のフィンピッチの小型軽量のヒートシンクを提供することができる。更に、上述したように、受熱部材である金属ブロック等を使う必要が無いので、部品数を少なくすることができる。
【0056】
【実施例】以下に、この発明のヒートシンクを実施例により、更に詳細に説明する。
実施例1電子装置の基板(縦150mm×横70mm×厚さ1.2mm)に実装された発熱素子(縦34mm×横34mm×高さ2mm、発熱10W)の冷却を下記に示す本発明のヒートシンクを用いて、換気ファンによる強制冷却によって行った。即ち、この発明の放熱フィンは、縦20mm×奥行34mm×厚さ0.4mmで上下が2mmの長さでコの字形状に成形されたものが心棒Φ2.5mm、長さ35mm1本にピッチ2mmで17枚が連続的に圧入され形成されている。発熱素子の上には熱伝導ゴム(縦34mm×横34mm×厚さ1mm、熱伝導率2.5W/mk)を張り付けた。基板とヒートシンクを熱伝導ゴムが0.8mmの厚さになる位置に固定部品を用いて、ネジ止めして取付けた。換気ファンによってコルゲートフィン部には風速1.5m/sの風が流れていた。
【0057】装置稼動2時間経過後、発熱素子表面の温度を測定した結果、外気温からの上昇温度が20℃であり、熱伝導ゴムを含めた熱抵抗値が2℃/Wで良好な結果が認められた。
【0058】実施例2電子装置の基板(縦150mm×横70mm×厚さ1.2mm)に実装された2個の異なる発熱素子(C:縦28mm×横28mm×高さ mm、発熱25WおよびD:縦45mm×横39mm×高さ mm、発熱20W)の冷却を下記に示す本発明のヒートシンクを用いて、換気ファンによる強制冷却によって行った。即ち、図20に示すように、発熱素子Cに対応する位置に、厚さ0.3mm、ピッチ4mmの7枚のコの字形放熱フィンを並列し、連結棒によって固定された、高さ22mm長さ20mmの中央部、および、中央部の両側に形成された高さ18mm長さ4mmの肩部からなる放熱フィン52が配置されている。更に、発熱素子Dに対応する位置に、厚さ0.3mm、ピッチ3mmの13枚のコの字形放熱フィンを並列し、連結棒によって固定された、高さ22mm長さ30mmの中央部、および、中央部の両側に形成された高さ18mm長さ9mmの肩部、高さ18mm長さ6mmの肩部からなる、別の放熱フィン62が配置されている。それぞれの中央部が収容される開口部を備えた固定部材44によって、放熱フィン52、および、62を基板上の発熱素子C、Dに押しつけて固定した。発熱素子の上にはそれぞれ熱伝導ゴム(縦34mm×横34mm×厚さ1mm、熱伝導率2.5W/mk)を張り付けた。基板とヒートシンクを熱伝導ゴムが0.8mmの厚さになる位置に固定部品を用いて、ネジ止めして取付けた。換気ファンによってコルゲートフィン部には風速1.2m/sの風が流れていた。
【0059】装置稼動2時間経過後、発熱素子表面の温度を測定した結果、外気温からの上昇温度が20℃であり、熱伝導ゴムを含めた熱抵抗値が2℃/Wで良好な結果が認められた。
【0060】
【発明の効果】上述したように、この発明によると、金属ブロックと放熱フィンとの間における接触熱抵抗を低減し、製品間に冷却性能のばらつきのない、更に不用輻射の少ない、冷却性能に優れた、電子部品等を冷却するためのヒートシンクおよび放熱方法を提供することができ、産業上利用価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の放熱フィンの1つの態様を示す図である。
【図2】図2は、この発明の放熱フィンの他の1つの態様を示す図である。
【図3】図3は、この発明のヒートシンクの1つの態様を示す図である。
【図4】図4は、この発明のヒートシンクの他の1つの態様を示す図である。
【図5】図5は、固定部材を備えたこの発明のヒートシンクの1つの態様を示す図である。
【図6】図6は、連結部材がヒートパイプからなっているこの発明のヒートシンクの1つの態様を示す図である。
【図7】図7は、連結部材の一方の端部をビス等によって、プリント基板に固定したヒートシンクの1つの態様を示す図である。
【図8】図8は、高さの異なる2個の発熱電子部品を冷却するためのこの発明のヒートシンクの1つの態様を示す図である。
【図9】図9は、高さの異なる2個の発熱電子部品を冷却するためのこの発明のヒートシンクの放熱フィンの他の態様を示す図である。
【図10】図10は、高さの異なる発熱電子部品を冷却する、この発明のヒートシンクの1つの態様を示す図である。
【図11】図11は、この発明の放熱フィンにおけるフィン固定用の孔部の別の態様を示す図である。
【図12】図12は、この発明の放熱フィンの、フィン固定用の孔部の配列を示す1つの態様を示す図である。
【図13】図13は、放熱フィンの他の形状を示す図である。
【図14】図14は、放熱フィンの他の態様を示す図である。
【図15】図15は、放熱フィンの他の態様を示す図である。
【図16】図16は、スプリング性を備えた放熱フィンの1つの態様を示す図である。
【図17】図17は、スプリング性を備えた放熱フィンの1つの態様を示す図である。
【図18】図18は、放熱フィンの1つの態様を示す図である。
【図19】図19は、フィンにダクト機能を備えた態様を示す図である。
【図20】図20は、この発明のヒートシンクの1つの態様を示す図である。
【図21】図21は、この発明の放熱フィンの他の態様を示す図である。
【図22】図22は、放熱フィンの他の態様を示す図である。
【図23】図23は、連結部材の一方の端部およびプリント基板をビス等によって、筐体に固定したヒートシンクの1つの態様を示す図である。
【図24】図24は、この発明の放熱フィンの他の1つの態様のを示す部分拡大図である。
【図25】図25は、フィンピッチがずれた状態を説明する図である。
【図26】図26は、ストッパー機能を備えた上側部の各種態様を示す部分拡大図である。
【符号の説明】
1.放熱フィン
2.放熱フィン
3.連結部材
4.固定部材
5.プリント基板
6.発熱電子部品
7.熱伝導性部材
8.ビス
9.ヒートパイプ
11.金属ブロック
41.放熱フィン
42.放熱フィン
43.放熱フィン
44.固定部材
52.放熱フィン群
62.放熱フィン群
71.第1の部分
82.第2の部分
83.放熱フィンの上側部
92.第3の部分
103.彎曲部
113.曲部
123.傾斜部
124.窪み部
【特許請求の範囲】
【請求項1】発熱電子部品と熱的に接続される受熱面を形成する底部を少なくとも有する複数の放熱フィンと、並列配置された複数の前記放熱フィンのそれぞれを貫通して、前記底部が前記受熱面を形成するように、前記複数の放熱フィンを連結する熱伝導性連結部材とを備えたヒートシンク。
【請求項2】前記放熱フィンの一部がスプリング性を備えていることを特徴とする、請求項1に記載のヒートシンク。
【請求項3】複数の前記放熱フィンを貫通する前記連結部材が、前記放熱フィンを介して前記発熱電子部品を押圧するように配置されて、前記受熱面を前記発熱電子部品に熱的に接続された状態で、前記複数の放熱フィンを固定することを特徴とする、請求項1または2の何れか1項に記載のヒートシンク。
【請求項4】前記連結部材がヒートパイプからなっていることを特徴とする、請求項1から3の何れか1項に記載のヒートシンク。
【請求項5】プリント基板上に実装された高さの異なる複数の発熱電子部品と熱的に接続される、複数の受熱面を形成する底部を少なくとも有する複数の放熱フィンと、並列配置された複数の前記放熱フィンのそれぞれを貫通して、前記底部が前記受熱面を形成するように、前記複数の放熱フィンを連結する連結部材とを備えたヒートシンク。
【請求項6】前記ヒートシンクが、前記受熱面を前記発熱電子部品に熱的に接続された状態で、前記連結部材によって連結された前記複数の放熱フィンを前記発熱電子部品側へ押圧配置する固定部材を、備えていることを特徴とする、請求項1、2または5に記載のヒートシンク。
【請求項7】前記放熱フィンが、上側部および底部を有する略コの字形の放熱フィンからなっており、前記上側部に、所定のフィンピッチを維持するストッパー機能を有する部位を備えていることを特徴とする、請求項1から6の何れか1項に記載のヒートシンク。
【請求項8】複数の放熱フィンの底部が受熱面を形成するように並列配置し、並列配置された複数の前記放熱フィンのそれぞれを、連結部材によって貫通して連結し、複数の前記放熱フィンの底部によって形成された前記受熱面を、発熱電子部品と熱的に接続する電子部品の放熱方法。
【請求項9】複数の放熱フィンの底部が複数の受熱面を形成するように並列配置し、並列配置された複数の前記放熱フィンのそれぞれを、連結部材によって貫通して連結し、複数の前記放熱フィンの底部によって形成された複数の前記受熱面を、プリント基板上に実装された高さの異なる複数の発熱電子部品と熱的に接続する電子部品の放熱方法。
【請求項10】前記放熱フィンが、上側部および底部を有する略コの字形の放熱フィンからなっており、前記上側部に、所定のフィンピッチを維持するストッパー機能を有する部位を備えていることを特徴とする、請求項8または9に記載の電子部品の放熱方法。
【請求項1】発熱電子部品と熱的に接続される受熱面を形成する底部を少なくとも有する複数の放熱フィンと、並列配置された複数の前記放熱フィンのそれぞれを貫通して、前記底部が前記受熱面を形成するように、前記複数の放熱フィンを連結する熱伝導性連結部材とを備えたヒートシンク。
【請求項2】前記放熱フィンの一部がスプリング性を備えていることを特徴とする、請求項1に記載のヒートシンク。
【請求項3】複数の前記放熱フィンを貫通する前記連結部材が、前記放熱フィンを介して前記発熱電子部品を押圧するように配置されて、前記受熱面を前記発熱電子部品に熱的に接続された状態で、前記複数の放熱フィンを固定することを特徴とする、請求項1または2の何れか1項に記載のヒートシンク。
【請求項4】前記連結部材がヒートパイプからなっていることを特徴とする、請求項1から3の何れか1項に記載のヒートシンク。
【請求項5】プリント基板上に実装された高さの異なる複数の発熱電子部品と熱的に接続される、複数の受熱面を形成する底部を少なくとも有する複数の放熱フィンと、並列配置された複数の前記放熱フィンのそれぞれを貫通して、前記底部が前記受熱面を形成するように、前記複数の放熱フィンを連結する連結部材とを備えたヒートシンク。
【請求項6】前記ヒートシンクが、前記受熱面を前記発熱電子部品に熱的に接続された状態で、前記連結部材によって連結された前記複数の放熱フィンを前記発熱電子部品側へ押圧配置する固定部材を、備えていることを特徴とする、請求項1、2または5に記載のヒートシンク。
【請求項7】前記放熱フィンが、上側部および底部を有する略コの字形の放熱フィンからなっており、前記上側部に、所定のフィンピッチを維持するストッパー機能を有する部位を備えていることを特徴とする、請求項1から6の何れか1項に記載のヒートシンク。
【請求項8】複数の放熱フィンの底部が受熱面を形成するように並列配置し、並列配置された複数の前記放熱フィンのそれぞれを、連結部材によって貫通して連結し、複数の前記放熱フィンの底部によって形成された前記受熱面を、発熱電子部品と熱的に接続する電子部品の放熱方法。
【請求項9】複数の放熱フィンの底部が複数の受熱面を形成するように並列配置し、並列配置された複数の前記放熱フィンのそれぞれを、連結部材によって貫通して連結し、複数の前記放熱フィンの底部によって形成された複数の前記受熱面を、プリント基板上に実装された高さの異なる複数の発熱電子部品と熱的に接続する電子部品の放熱方法。
【請求項10】前記放熱フィンが、上側部および底部を有する略コの字形の放熱フィンからなっており、前記上側部に、所定のフィンピッチを維持するストッパー機能を有する部位を備えていることを特徴とする、請求項8または9に記載の電子部品の放熱方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図12】
【図14】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図13】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図20】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図12】
【図14】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図13】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図20】
【図26】
【公開番号】特開2002−305272(P2002−305272A)
【公開日】平成14年10月18日(2002.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−231944(P2001−231944)
【出願日】平成13年7月31日(2001.7.31)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成14年10月18日(2002.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成13年7月31日(2001.7.31)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]