ビット変化低減符号化装置及び方法、ビット変化低減復号化装置及び方法、データ送信装置及び方法、並びに、データ受信装置及び方法
【課題】 画像データの転送速度を維持しながら、シリアル伝送路における高周波成分を低減可能なシリアル伝送装置を提供する。
【解決手段】 画像データ送信装置10において、送信対象画素データPBD1と送信対象画素データと隣接する隣接画素データPBD2に対して2回の排他的論理和処理を行って隣接するビット間の変化を低減させる等ビット長変換を行うビット変化低減符号化装置11と、等ビット長変換された画素データPBD7をシリアルデータSBD7に変換するパラレルシリアル変換装置12を備え、画像データ受信装置15側において、受信したシリアルデータSBD7を画素データPBD7に変換するシリアルパラレル変換装置17と、隣接画素データPBD2を用いて画素データPBD7に対して等ビット長変換の逆変換を行うビット変化低減復号化装置18を備える。
【解決手段】 画像データ送信装置10において、送信対象画素データPBD1と送信対象画素データと隣接する隣接画素データPBD2に対して2回の排他的論理和処理を行って隣接するビット間の変化を低減させる等ビット長変換を行うビット変化低減符号化装置11と、等ビット長変換された画素データPBD7をシリアルデータSBD7に変換するパラレルシリアル変換装置12を備え、画像データ受信装置15側において、受信したシリアルデータSBD7を画素データPBD7に変換するシリアルパラレル変換装置17と、隣接画素データPBD2を用いて画素データPBD7に対して等ビット長変換の逆変換を行うビット変化低減復号化装置18を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声データ、画像データ、或いは、音声を含む画像データ等のシリアル伝送装置及び方法に関し、特に、画像データ等のシリアル伝送における不要輻射による電磁妨害(EMI)の低減技術に関する。また、本発明は、シリアル伝送における不要輻射低減化のために、画像データ等の被処理データ内の隣接するビット間におけるビット変化を低減するための等ビット長でのデータ変換処理に関する。
【背景技術】
【0002】
シリアルデータ伝送においては、シリアル伝送路からの不要輻射による電磁妨害(EMI)が問題となる。EMIの主原因である不要輻射の輻射エネルギーは、伝送データに含まれる高周波成分に起因する。近年、データ量の大きい音声データや画像データ等のシリアルデータ伝送において、伝送レートが高くなってきているが、伝送レートが高くなるとシリアルデータの個々のビットに与えられる時間幅、即ち信号のパルス幅が短くなり、隣接するビット間でバイナリ値(0,1)が変化する変化点において信号が鋭利化し、伝送データに含まれる高周波成分が増加するので、EMI問題はより顕著となる。
【0003】
このようなEMIの原因となる伝送データの高周波成分を抑制するために、シリアルデータの隣接ビット間でのバイナリ値の変化(ビット変化)を少なくしてデータ転送を行う手法が、幾つか提案されている(例えば、下記の特許文献1、2参照)。
【0004】
特許文献1では、低EMI化を図るため、シリアルデータのビット変化をより少なくして転送データの高周波成分を抑制するシリアルデータ転送装置が開示されている。図14 に示すように、8ビットの入力データbit[7:0]をシリアルデータに変換してデータ送信装置40からシリアル伝送路20に転送し、データ受信装置45で復号化されたパラレルデータbit[7:0]を出力する。特許文献1では、変化点数計数装置41により入力データbit[7:0]のビット変化の変化点数が所定値より低い場合は、入力データと変換しないことを表す1ビットの信号値0(bit8)を加え、計9ビットのbit[8:0]を出力する。もし、変化点数計数装置41により入力データbit[7:0]の変化点数が所定値以上ならば、入力データを変化点数が少なくなるように符号装置42で符号化し、これに入力データが変換されたことを表す1ビットの信号値1(bit8)を加え、計9ビットのbit[8:0]を出力し、パラレルシリアル変換装置43で符号化された9ビットのパラレルデータをシリアルデータに変換し、シリアル出力装置44でシリアル伝送路20にシリアルデータを送信する。次に、データ受信装置45側では、次の処理を行う。シリアル入力装置46でシリアルデータを受信し、シリアルパラレル変換装置47で9ビットのパラレルデータbit[8:0]に変換し、復号装置48で8ビットの出力データbit[7:0]を得る。符号化されたシリアルデータをシリアル伝送路に送ることにより、シリアル伝送路の高周波成分を減少させ、低EMI化を図る。その反面、符号化において1ビットの追加が必要なため、元データが8ビットであるが、シリアル伝送路に送られるデータは9ビット必要になる。
【0005】
特許文献2では、画像データのシリアル転送において、ビット変化をより少なくして転送データの高周波成分を抑制するシリアルデータ転送装置が開示されている。図15に示すように、画像データ送信装置50において、入力画素データbit[7:0]と送信側画像記憶装置54からの隣接画素データ(1ライン上側の画素データ)との差分を減算器51で計算し、その結果をパラレルシリアル変換装置52でシリアル変換し、シリアル出力装置53からシリアル伝送路20に転送し、画像データ受信装置55において、シリアル入力装置56で受信し、シリアルパラレル変換装置57でパラレルデータに変換して、受信した9ビットのパラレルデータbit[8:0]と受信側画像記憶装置59で保存された隣接画素データ(1ライン上側の画素データ)を加算器58で加算して復号化する。差分データの各ビットは0が多くなるので、シリアル伝送路20上の高周波成分が減少し、低EMI化を実現できる。但し、8ビットデータに対する差分データは、符号化前の8ビットに、減算処理後の正負の極性を示す1ビットを加えた計9ビットとなり、シリアル伝送路で送受信されるシリアルデータとして1ビット増えた9ビットが必要になる。
【0006】
【特許文献1】特開2004‐172971号公報
【特許文献2】特開2004‐177743号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の特許文献1及び2で開示されている従来のシリアル伝送方法では、高周波成分を減らすために、シリアル伝送路で伝送されるシリアルデータのビット長が元のパラレルデータより拡張されている。シリアル伝送路で送受信するビット長を拡張すると、シリアルデータの転送速度が低下してしまうという問題が発生する。
【0008】
本発明は、上記従来のシリアル伝送方法における問題点に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、パラレルバイナリデータ内の隣接するビット間におけるビット変化を等ビット長で低減可能なビット変化低減符号化装置及び方法、更にその復号化装置及び方法を提供する点にあり、第2の目的は、音声データや画像データ等の転送速度を維持しながら、シリアル伝送路における高周波成分を低減可能なシリアル伝送装置及び方法を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記第1の目的を達成するための本発明に係るビット変化低減符号化装置または方法は、Nを2以上の自然数とする2Nビット以上のパラレルバイナリデータ内の隣接するビット間におけるビット変化を低減するための等ビット長変換を行うビット変化低減符号化装置または方法であって、前記等ビット長変換の対象となる2Nビット以上の第1データと、前記第1データと等ビット長で空間的または時間的に隣接する第2データに対して、少なくとも2Nビットの対応するビット位置のビット同士の排他的論理和処理を行って等ビット長の第3データを出力する第1排他的論理和処理と、前記第3データの上位Nビットの第4データと、前記第3データの内の前記第4データを除くNビットの第5データに対して、前記第4データの各ビットと前記第5データの各ビットを任意の順番で対応させたビット同士の排他的論理和処理を行ってNビットの第6データを出力する第2排他的論理和処理と、を行い、前記第6データと前記第5データの各ビットを対応するビット同士が隣接するように所定の順番で配列して、前記等ビット長変換後のパラレルバイナリデータを生成することを特徴とする。
【0010】
更に、上記第1の目的を達成するための本発明に係るビット変化低減復号化装置または方法は、上記特徴のビット変化低減符号化装置または方法によって前記等ビット長変換された2Nビット以上のパラレルバイナリデータを等ビット長逆変換して前記等ビット長変換前の原データに戻すビット変化低減復号化装置または方法であって、前記等ビット長逆変換の対象となる2Nビット以上の第7データからNビットの前記第5データとNビットの前記第6データを抽出して対応するビット同士の排他的論理和処理を行ってNビットの第8データを出力する第3排他的論理和処理と、前記第8データを上位Nビットに配列し、前記第5データを前記第3データ内でのビット位置と同じビット位置に配列して生成される2Nビット以上の第9データと、前記原データと等ビット長で空間的または時間的に隣接する前記第2データに対して、少なくとも2Nビットの対応するビット位置のビット同士の排他的論理和処理を行って前記原データを出力する第4排他的論理和処理を備えていることを特徴とする。
【0011】
更に、上記第2の目的を達成するための本発明に係るデータ送信装置または方法は、画像データ及び音声データの少なくとも何れか一方を含むパラレルバイナリデータの被処理データを等ビット長のシリアルバイナリデータに変換してシリアル伝送路に送信するデータ送信装置または方法であって、上記特徴のビット変化低減符号化装置または方法の各処理と、前記ビット変化低減符号化装置または方法によって前記等ビット長変換されたパラレルバイナリデータをシリアルバイナリデータに変換するパラレルシリアル変換処理とを行い、前記ビット変化低減符号化装置または方法において、前記被処理データ中の所定のデータ単位における所定のデータ形式の要素データを前記第1データとして、前記第1データの前記データ単位と空間的または時間的に隣接する前記データ単位の同じ要素データを前記第2データとして、前記等ビット長変換を実行することを第1の特徴とする。
【0012】
更に、本発明に係るデータ送信装置または方法は、複数フレームの画像データからなる動画像データを構成するパラレルバイナリデータを等ビット長のシリアルバイナリデータに変換してシリアル伝送路に送信するデータ送信装置または方法であって、上記特徴のビット変化低減符号化装置または方法の各処理と、前記ビット変化低減符号化装置または方法によって時間的に前後して前記等ビット長変換されたパラレルバイナリデータの第1及び第2画像データに対して、対応するビット位置のビット同士の排他的論理和処理を行って等ビット長の第3画像データを生成し、前記排他的論理和処理によって前記等ビット長変換されたパラレルバイナリデータの前記第3画像データをシリアルバイナリデータに変換し、前記ビット変化低減符号化装置または方法において、1フレームの前記画像データ中の1画素における所定のデータ形式の要素データを前記第1データとして、前記第1データの画素と空間的または時間的に隣接する画素の同じ要素データを前記第2データとして、前記等ビット長変換が実行され、前記ビット変化低減符号化装置または方法による前記等ビット長変換を実行して生成した2つの連続するフレームの前記画像データ中の同じ画素における2つの前記要素データを前記第1及び第2画像データとして、前記排他的論理和処理が実行されることを第2の特徴とする。
【0013】
更に、上記第2の目的を達成するための本発明に係るデータ受信装置または方法は、シリアル伝送路に送信された画像データ及び音声データの少なくとも何れか一方を含むシリアルバイナリデータの被処理データを受信して等ビット長のパラレルバイナリデータに変換するデータ受信装置または方法であって、前記シリアル伝送路から受信したシリアルバイナリデータをパラレルバイナリデータに変換するシリアルパラレル変換処理と、上記特徴のビット変化低減復号化装置または方法の各処理とを行い、前記ビット変化低減復号化装置または方法において、前記シリアルパラレル変換装置で変換されたパラレルバイナリデータを前記第7データとして、前記第7データの所定のデータ単位と空間的または時間的に隣接する前記データ単位における同じ所定のデータ形式の要素データであって既に前記ビット変化低減復号化装置によって前記等ビット長逆変換された原データを前記第2データとして、前記等ビット長逆変換を実行することを第1の特徴とする。
【0014】
更に、本発明に係るデータ受信装置または方法は、複数フレームの画像データからなる動画像データを構成するパラレルバイナリデータを等ビット長でパラレルシリアル変換した後にシリアル伝送路に送信されたシリアルバイナリデータを受信して等ビット長のパラレルバイナリデータに変換するデータ受信装置または方法であって、前記シリアル伝送路から受信したシリアルバイナリデータをパラレルバイナリデータに変換するシリアルパラレル変換処理と、前記シリアルパラレル変換装置または方法によって変換されたパラレルバイナリデータと、等ビット長の第1中間画像データに対して、対応するビット位置のビット同士の排他的論理和処理を行って等ビット長の第2中間画像データを生成する処理と、上記特徴のビット変化低減復号化装置または方法の各処理とを行い、前記排他的論理和処理が、前記シリアルパラレル変換処理で変換された2つの連続するフレームの同じ画素における2つの所定のデータ形式の要素データを前記第1及び第2画像データとして、実行され、前記ビット変化低減復号化装置または方法において、前記排他的論理和処理されたパラレルバイナリデータを前記第7データとして、前記第7データの画素と空間的または時間的に隣接する画素の同じ前記要素データであって既に前記ビット変化低減復号化装置によって前記等ビット長逆変換された原データを前記第2データとして、前記等ビット長逆変換が実行されることを第2の特徴とする。
【0015】
尚、上記データ送信装置または方法、或いは、データ受信装置または方法におけるパラレルバイナリデータ中の所定の「データ単位」とは、パラレルバイナリデータが画像データの場合は「画素」に相当し、音声データの場合には量子化のサンプリング単位に相当する。
【0016】
上記特徴のビット変化低減符号化装置または方法では、第1排他的論理和処理において、第1データと第2データが相互に等ビット長で空間的または時間的に隣接するため、当該パラレルバイナリデータが画像データの画素データや音声データの量子化データの場合に、隣接するデータ間でデータ値が近似するため、量子化されたデータの上位のビットが共通する可能性が高く、両者の排他的論理和である第3データはその上位の数ビットにおいて“0”となる可能性が高い。そして、第2排他的論理和処理において、第3データの上位ビット側の“0”を多く含む第4データと、第3データの内の第4データを除く第4データと同じビット数の第5データとの排他的論理和である第6データは、第4データの各ビットの内ビット値は“0”の位置において、第5データと同じビット値となるため、第6データと第5データの各ビットを対応するビット同士が隣接するように所定の順番で配列して生成された等ビット長変換後のパラレルバイナリデータは、原データと比較して隣接するビット間におけるビット変化が減少する。
【0017】
また、上記特徴のデータ送信装置または方法によれば、本発明に係るビット変化低減符号化装置または方法によって等ビット長変換したパラレルバイナリデータをパラレルシリアル変換してシリアル伝送路に送信するため、原データをそのままパラレルシリアル変換してシリアル伝送路に送信する場合と比較して、高周波成分が低減しているので、シリアル伝送路における不要輻射が抑制される。また、上記従来のシリアルデータ転送方法と比較して、隣接ビット間のビット変化低減が等ビット長変換によって実現されるため、シリアルデータの転送速度が低下することがない。この結果、被処理データの転送速度を維持しながら、シリアル伝送路における高周波成分を低減可能なシリアル伝送装置及び方法を提供することが可能となる。
【0018】
上記特徴のビット変化低減復号化装置または方法では、本発明に係るビット変化低減符号化装置または方法によって等ビット長変換されたパラレルバイナリデータを、等ビット長変換前のパラレルバイナリデータに逆変換することができる。
【0019】
また、上記特徴のデータ受信装置または方法によれば、本発明に係るデータ送信装置または方法によって、隣接するビット間におけるビット変化を等ビット長で低減されてシリアル伝送路に送信されたデータを、原データに復元することができるため、データ転送速度を維持しながら、シリアル伝送路における高周波成分を低減可能なシリアル伝送装置及び方法を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係るビット変化低減符号化装置及び方法とビット変化低減復号化装置及び方法、並びに、本発明に係るデータ送信装置及び方法とデータ受信装置及び方法を、図面に基づいて説明する。
【0021】
〈第1実施形態〉
先ず、本発明に係るデータ送信装置とデータ受信装置の送受信対象となる被処理データが、静止画像データ(動画像データの1フレーム分の画像データも含まれる)または音声データの場合について説明する。以下の第1実施形態では、被処理データが静止画像データである場合を想定して説明するが、被処理データは音声データ、或いは、動画像データの1フレーム分の画像データであってもよい。また、被処理データが音声データ或いは動画像データである場合において、静止画像データと異なる点については、都度説明を加える。
【0022】
図1は、本発明に係るデータ送信装置10とデータ受信装置15を備えたデータ送受信装置の概略構成を示すブロック図である。本発明に係るデータ送受信装置は、パラレルバイナリデータの静止画像データ(以下、適宜「画像データ」と称す。)を入力して符号化しシリアル伝送路20に転送するデータ送信装置10と、データ送信装置10で使用する画像データを一時的に記憶する送信側データ記憶装置14と、符号化されたシリアルバイナリデータをシリアル伝送路20から受信して復号化し原画像データを再現するデータ受信装置15と、データ受信装置15で使用する原画像データを一時的に記憶する受信側データ記憶装置19とを備えて構成される。尚、以下において、データ送信装置10におけるパラレルバイナリデータと、データ受信装置15で復号化されたパラレルバイナリデータの対応するデータ同士は、同じデータ番号を付して説明する。
【0023】
図1に示すように、データ送信装置10は、本発明に係るビット変化低減符号化装置11と、ビット変化低減符号化装置11で符号化されたパラレルバイナリデータをシリアルバイナリデータに変換するパラレルシリアル変換装置12と、シリアルバイナリデータをシリアル伝送路20に送信するシリアル出力装置13とを備えて構成される。また、データ受信装置15は、シリアル伝送路20からシリアルバイナリデータを受信するシリアル入力装置16と、シリアル入力装置16が受信したシリアルバイナリデータをパラレルバイナリデータに変換するシリアルパラレル変換装置17と、本発明に係るビット変化低減復号化装置18とを備えて構成される。
【0024】
ビット変化低減符号化装置11は、入力された画像データPBD1(第1データ)を、隣接するビット間におけるビット変化(バイナリ値の変化)を低減した等ビット長符号に変換(符号化)する等ビット長変換を、第1データPBD1より先に送信側データ記憶装置14に入力され記憶されている画像データであって、等ビット長変換の対象となる第1データPBD1と空間的または時間的に隣接する画像データPBD2(第2データ)を用いて実行する。
【0025】
ビット変化低減復号化装置18は、シリアルパラレル変換装置17でシリアルパラレル変換されたパラレルバイナリデータPBD7(第7データ)に対して、ビット変化低減符号化装置11による等ビット長変換の逆変換を実行して原データ(第1データPBD1)に復号化する等ビット長逆変換を、第7データPBD7より先にビット変化低減復号化装置18で復号化され受信側データ記憶装置19に入力され記憶されている画像データであって、第7データPBD7の原データ(第1データPBD1)と空間的または時間的に隣接する画像データPBD2(第2データ)を用いて実行する。従って、ビット変化低減復号化装置18で使用する第2データPBD2は、一旦、等ビット長変換された後に等ビット長逆変換されたパラレルバイナリデータである。
【0026】
次に、本発明に係るデータ送受信装置での処理対象となる画像データ、及び、その送信順序について説明する。図2(A)の画像表示に示すように、1フレーム分の画像データは、マトリクス状に2次元配置された画素(データ単位に相当)毎の画素データの集合として表される。各画素データがシリアル伝送路20上をシリアル伝送される場合は、各画素データを左上の画素から右下の画素へと、右方向へのスキャンを優先して下方へとジグザグ状にスキャンしてスキャンされた順に、データ送信装置10からデータ受信装置15へ送信される。尚、被処理データが音声データの場合は、図3に示すように、一定のサンプリング間隔でアナログ音声データが量子化されたパラレルバイナリデータ(要素データに相当)が時系列に連続してなるサンプリングデータが、時系列の順に、データ送信装置10からデータ受信装置15へ送信される。
【0027】
また、各画素データは、カラー画像の場合には、RGB(赤、緑、青)やYCbCr(輝度、b色差、r色差)やYUV等のカラー画素表示形式の3つの要素データの集合として表現される。本実施形態では、図2(B)に示すように、各8ビットのRGBデータ(要素データ)を送受信し、各要素データ(画素データの一部)は、MSB→LSBの順序で送受信される場合を想定する。ここで、MSB(Most Significant bit)は最上位のbit7を表し、LSB(Least Significant bit)は最下位のbit0を表す。本実施形態では、RGBの要素データ毎に分けて夫々同じ等ビット長変換を実施する場合を説明する。つまり、1回の処理対象となる第1データPBD1と第2データPBD2は、3つのRGBデータ(要素データ)の何れか1つで、第1データPBD1と第2データPBD2は、相互に同じ種類(R、GまたはB)の要素データである。
【0028】
次に、ビット変化低減符号化装置11に入力する2つの画素データ(第1データPBD1と第2データPBD2)について説明する。本実施形態では、第2データPBD2は第1データPBD1に隣接する画素データを使用し、具体的には、一例として左隣の画素データを用いる。図2(B)に示すように、第2データPBD2は第1データPBD1より先にスキャンされるため、送信側データ記憶装置14に先に入力されて記憶されるとともに、ビット変化低減符号化装置11によって先に等ビット長変換され、データ受信装置15側へ送信される。第2データPBD2は、第1データPBD1の直前に処理されるため、送信側データ記憶装置14には、処理対象の第1データPBD1の1画素前の第2データPBD2だけを記憶すれば十分である。つまり、送信側データ記憶装置14は、長さ1のFIFOメモリ(バッファ、キュー)等で実現できる。但し、データ転送開始時には、FIFOメモリが空であるので第2データPBD2は記憶されていないので、データ転送開始時に送信側データ記憶装置14のデータ値を0にリセットする。同様に、静止画像データの場合には、1フレームの左上隅の画素データの1つ前の画素は存在しないので、送信側データ記憶装置14のデータ値を0にリセットする。尚、音声データの場合には、最初のサンプリング単位での量子化データも1つ前の要素データが存在しないので、送信側データ記憶装置14のデータ値を0にリセットする。更に、動画像データの場合には、1フレームの左上隅の画素データの1つ前の画素は、1フレーム前の右下隅の画素になり、空間的に大きく離間するため採用せずに、送信側データ記憶装置14のデータ値を0にリセットするか、或いは、1フレーム前の左上隅の画素データを使用する。後者の場合は、次フレームの左上隅の画素データの第2データ用に、左上隅の画素データを送信側データ記憶装置14に記憶するようにしても構わない。
【0029】
次に、本発明に係るビット変化低減符号化方法による等ビット長変換の処理手順を説明する。尚、本実施形態では、ビット変化低減符号化方法は、ビット変化低減符号化装置11を用いて実行される。
【0030】
図4に示すように、先ず、8ビットの排他的論理和演算を並列的に実行する第1排他的論理和回路21により、第1データPBD1と第2データPBD2の対応するビット位置のビット同士の排他的論理和演算を行い、等ビット長、つまり、8ビットの第3データPBD3を生成する(第1排他的論理和処理工程)。ここで、第1データPBD1が、バイナリ表示で[10110101](左端がMSB、右端がLSB)であるとすると、隣接するビット間におけるビット変化の変化点は、bit7とbit6間(1→0)、bit6とbit5間(0→1)、bit4とbit3間(1→0)、bit3とbit2間(0→1)、bit2とbit1間(1→0)、bit1とbit0間(0→1)の6箇所ある。
【0031】
本実施形態では、第2データPBD2として、第1データPBD1と隣接する画素データを用いるのは、隣接する画素データの各要素データ間ではデータ値が近似するためである。上記特許文献2では、この特性を利用して両画素データの差分データを生成して、上位ビットを0にしてビット変化の少ない送信データに変換している。本発明は、上記特許文献2と同様に、隣接する画素データの各要素データ間ではデータ値が近似するという特性を利用するものの、上記特許文献2とは異なり、両データの差分ではなく、排他的論理和を算出することで、減算処理における正負の極性を示す符号ビットの追加が不要になる。これにより送信データビット長を増加させない符号化が可能になる。第2データPBD2が、[10101110]である場合、両データの排他的論理和(第3データPBD3)の値は[00011011]となる。この時点で、ビット変化の変化点は、bit5とbit4間(0→1)、bit3とbit2間(1→0)、bit2とbit1間(0→1)の3箇所に減少している。ところが、単純な排他的論理和演算だけでは、処理対象の第1データPBD1のビット変化が元々少ない場合には、逆にビット変化が増加する可能性がある。
【0032】
そこで、本実施形態では、更に第2の排他的論理和演算処理を以下の要領で実行する(第2排他的論理和処理工程)。第2排他的論理和処理工程では、第1排他的論理和処理工程で生成された第3データPBD3(8ビット)を上位4ビットの第4データPBD4(bit[7:4])と下位4ビットの第5データPBD5(bit[3:0])に分割して、4ビットの排他的論理和演算を並列的に実行する第2排他的論理和回路22により、第4データPBD4と第5データPBD5の予め対応付けられたビット位置同士で第2の排他的論理和演算を行う。本実施形態では、一例として、bit7とbit0間、bit6とbit1間、bit5とbit2間、bit4とbit3間で、夫々排他的論理和演算を行い、4ビットの第6データPBD6(bit[3:0])を生成する。ここで注目すべき点は、第1排他的論理和処理工程で生成された第3データPBD3(8ビット)を上位4ビットの第4データPBD4(bit[7:4])は、第1データPBD1と第2データPBD2間のデータ値の近似性より、下位4ビットの第5データPBD5より、4ビットのデータ中にビット値として“0”が多く含まれる点である。
【0033】
従って、上記第2の排他的論理和演算における第4データPBD4と第5データPBD5のビット対応では、第6データPBD6(bit[3:0])と第5データPBD5(bit[3:0])のビット順が反転しているため、第6データPBD6のbit3〜0と第5データPBD5のbit0〜3は夫々ビット値が一致する確率が高いので、それらを夫々隣接するように第5データPBD5と第6データPBD6のビット配列を入れ替えて8ビットの第7データPBD7を生成する(第1ビット配列変換工程)。この結果、第7データPBD7においてビット変化をより確実に低減することができる。
【0034】
図6に示す例では、第1の排他的論理和演算後の第3データPBD3が[00011011]であるのに対して、最終的な等ビット長変換後の第7データPBD7は、[11110001]となり、ビット変化の変化点は、bit4とbit3間(1→0)、bit1とbit0間(0→1)の2箇所に抑制されていることが分かる。
【0035】
図5に、本発明に係るビット変化低減符号化方法に使用可能なビット変化低減符号化装置11の一回路構成例を示す。図5に示すように、第1排他的論理和回路21は8個の2入力排他的論理和(Exclusive OR)ゲートで構成され、第2排他的論理和回路22は4個の2入力排他的論理和ゲートで構成され、合計12個の2入力排他的論理和ゲートで構成される。
【0036】
データ送信装置10では、ビット変化低減符号化装置11で等ビット長変換された8ビットの第7データPBD7は、パラレルシリアル変換装置12によりシリアルバイナリデータSBD7にパラレルシリアル変換され、LVDS(Low Volatage Differential Signaling)方式等のシリアル出力装置13により、シリアル伝送路20に送信される。
【0037】
データ受信装置15では、シリアル伝送路20に送信されたシリアルバイナリデータSBD7がシリアル入力装置16により受信され、シリアルパラレル変換装置17により、8ビットのパラレルバイナリデータPBD7(第7データ)にシリアルパラレル変換される。更に、シリアルパラレル変換装置17で変換された第7データPBD7に対して、ビット変化低減復号化装置18を用いて等ビット長逆変換を実行して、原データ(第1データPBD1)に復号化する。
【0038】
次に、本発明に係るビット変化低減復号化方法による等ビット長逆変換の処理手順を説明する。尚、本実施形態では、ビット変化低減復号化方法は、ビット変化低減復号化装置18を用いて実行される。
【0039】
図6に示すように、先ず、8ビットの第7データPBD7(bit[7:0])の奇数ビット(bit7、bit5、bit3、bit1)から4ビットの第6データPBD6(bit[3:0])を抽出し、偶数ビット(bit6、bit4、bit2、bit0)から4ビットの第5データPBD5(bit[3:0])を、ビット順を反転して抽出し、等ビット長変換処理時の第2の排他的論理和演算におけるビット対応関係で、4ビットの排他的論理和演算を並列的に実行する第3排他的論理和回路23により、第6データPBD6と第5データPBD5の各ビットに対して第3の排他的論理和演算を並列的に実行して4ビットの第8データPBD8(bit[3:0])を生成する(第3排他的論理和処理工程)。尚、第8データPBD8は、第4データPBD4に対応している。
【0040】
次に、第8データPBD8(bit[3:0])を上位4ビット(bit[7:4])に配列し、第7データPBD7から抽出されビット順を反転した第5データPBD5(bit[3:0])を下位4ビット(bit[3:0])に配列して8ビットの第9データPBD9(bit[7:0])を生成する(第2ビット配列変換工程)。
【0041】
更に、第9データPBD9と、原データ(第1データPBD1)の左隣の画素データの同じ要素データであって、1画素前においてビット変化低減復号化装置18によって等ビット長逆変換された第2データPBD2に対して、8ビットの排他的論理和演算を並列的に実行する第4排他的論理和回路24により、対応するビット位置のビット同士の第4の排他的論理和演算を並列的に行う(第4排他的論理和処理工程)。この結果、第4の排他的論理和演算によって、原データ(第1データPBD1)が生成される。
【0042】
ここで、第4の排他的論理和演算に使用する第2データPBD2は、1画素前の等ビット長逆変換処理で生成されて受信側データ記憶装置19に入力され記憶されているデータを使用する。従って、受信側データ記憶装置19としては、等ビット長逆変換された1画素前の第2データPBD2だけを記憶すれば十分であり、長さ1のFIFOメモリ(バッファ、キュー)等で実現できる。但し、データ転送開始時には、FIFOメモリが空であるので第2データPBD2は記憶されていないので、データ転送開始時に受信側データ記憶装置19のデータ値を0にリセットする。同様に、静止画像データの場合には、1フレームの左上隅の画素データの1つ前の画素は存在しないので、受信側データ記憶装置19のデータ値を0にリセットする。尚、音声データの場合には、最初のサンプリング単位での量子化データも1つ前の要素データが存在しないので、受信側データ記憶装置19のデータ値を0にリセットする。更に、動画像データの場合には、1フレームの左上隅の画素データの1つ前の画素は、1フレーム前の右下隅の画素になり、空間的に大きく離間するため採用せずに、受信側データ記憶装置19のデータ値を0にリセットするか、或いは、1フレーム前の左上隅の画素データを使用する。後者の場合は、次フレームの左上隅の画素データの第2データ用に、左上隅の画素データを受信側データ記憶装置19に記憶するようにしても構わない。
【0043】
図7に、本発明に係るビット変化低減復号化方法に使用可能なビット変化低減復号化装置18の一回路構成例を示す。図7に示すように、第3排他的論理和回路23は4個の2入力排他的論理和ゲートで構成され、第4排他的論理和回路24は4個の2入力排他的論理和ゲートで構成され、合計12個の2入力排他的論理和ゲートで構成される。
【0044】
次に、本発明に係るデータ送信装置及び方法によるEMIの低減効果について説明する。図8(A)は、ある1フレームの画像の8ビットRGBデータのビット変化数を、RGBの各要素データ別に測定した結果を纏めた表である。表の左から2〜4列目のRGB別の数字は0〜7の各ビット変化数の画素数を示す。左から5列目のRGB合計の数字は、2〜4列目のRGB別の画素数の合計を示す。右端の(変化数×RGB)はビット変化数とRGB合計の画素数の積、ビット変化数別の総要素データ数を示す。従って、右下隅の(変化数×RGB)の合計は、本フレームの画像のビット変化の総数を表しており、その数は5018875である。1要素データ当たりの平均のビット変化数は4.29である。但し、この集計には、8ビットのRGBデータ間のビット変化は考慮していない。図8(B)は、図8(A)に示すRGB別のビット変化数毎の画素数をグラフ表示したものである。図8(B)より、画素数の分布はビット変化数3〜5付近に集中していることが分かる。
【0045】
図9(A)は、図8(A)に示すビット変化の1フレームの画像データの各要素データに、本発明に係るビット変化低減符号化方法の等ビット長変換を施した後の1フレームの画像データのビット変化数を、図8(A)と同じ要領で集計した表である。また、図9(B)は、図9(A)に示すRGB別のビット変化数毎の画素数をグラフ表示したものである。図9(A)の右下隅の(変化数×RGB)の合計が示す等ビット長変換後のビット変化の総数は2998572、1要素データ当たりの平均のビット変化数は2.56であり、等ビット長変換前の5018875の約60%に減少している。また、図9(B)より、画素数の分布はビット変化数1〜3付近に集中していることが分かり、8ビットのRGBデータ当たりのビット変化が平均で約1.73少なくなっている。これより、本発明に係るビット変化低減符号化方法の等ビット長変換の結果、1フレームの画像データのビット変化数が全体的に減少し、低EMI化が実現できていることが分かる。
【0046】
〈第2実施形態〉
次に、本発明に係るデータ送信装置とデータ受信装置の送受信対象となる被処理データが、動画像データの場合について説明する。
【0047】
図10は、動画像データ用の本発明に係るデータ送信装置30とデータ受信装置35を備えたデータ送受信装置の概略構成を示すブロック図である。図1に示す第1実施形態のデータ送信装置10とデータ受信装置15の構成要素と共通する部分には共通の符号を付して説明する。
【0048】
本発明に係るデータ送受信装置は、パラレルバイナリデータの動画像データ(以下、適宜「画像データ」と称す。)を入力して符号化しシリアル伝送路20に転送するデータ送信装置30と、データ送信装置30で使用する画像データ及び中間画像データを一時的に記憶する2つの送信側データ記憶装置14、34と、符号化されたシリアルバイナリデータをシリアル伝送路20から受信して復号化し原画像データを再現するデータ受信装置35と、データ受信装置35で使用する中間画像データ及び原画像データを一時的に記憶する2つの受信側データ記憶装置39、19とを備えて構成される。尚、以下において、データ送信装置30におけるパラレルバイナリデータと、データ受信装置35で復号化されたパラレルバイナリデータの対応するデータ同士は、同じデータ番号を付して説明する。
【0049】
図10に示すように、データ送信装置30は、本発明に係る2段に縦列接続したビット変化低減符号化装置11、31と、後段のビット変化低減符号化装置31で符号化されたパラレルバイナリデータをシリアルバイナリデータに変換するパラレルシリアル変換装置12と、シリアルバイナリデータをシリアル伝送路20に送信するシリアル出力装置13とを備えて構成される。また、データ受信装置35は、シリアル伝送路20からシリアルバイナリデータを受信するシリアル入力装置16と、シリアル入力装置16が受信したシリアルバイナリデータをパラレルバイナリデータに変換するシリアルパラレル変換装置17と、本発明に係る2段に縦列接続したビット変化低減復号化装置38、18とを備えて構成される。
【0050】
前段のビット変化低減符号化装置11は、入力された画像データPBD1(第1データ)を、隣接するビット間におけるビット変化(バイナリ値の変化)を低減した等ビット長符号に変換(符号化)する等ビット長変換を、第1データPBD1より先に送信側データ記憶装置14に入力され記憶されている画像データであって、等ビット長変換の対象となる第1データPBD1と同一フレーム内で空間的に隣接する画像データPBD2(第2データ)を用いて実行し、中間画像データPBD7’(第7データ)を生成する。尚、前段のビット変化低減符号化装置11の回路構成及び等ビット長変換処理は、第1実施形態のビット変化低減符号化装置11の回路構成及び等ビット長変換処理と全く同じである。
【0051】
後段のビット変化低減符号化装置31は、前段のビット変化低減符号化装置11で生成された中間画像データPBD7’(第7データ)を、隣接するビット間におけるビット変化(バイナリ値の変化)を低減した等ビット長符号に変換(符号化)する等ビット長変換を、第7データPBD7’(中間画像データ)より先に送信側データ記憶装置34に入力され記憶されている同じ中間画像データであって、等ビット長変換の対象となる第7データPBD7’より1フレーム前の同じ画素位置の画像データPBD11(第11データ)を用いて実行し、等ビット長のパラレルバイナリデータPBD10(第10データ)を生成する。尚、後段のビット変化低減符号化装置31による等ビット長変換処理は、前段のビット変化低減符号化装置11による等ビット長変換処理より簡素化された等ビット長変換処理を行う。具体的には、後段のビット変化低減符号化装置31は、図11に示すように、入力された2つのパラレルバイナリデータの対応するビット同士の排他的論理和演算を行う排他的論理和回路で構成される。
【0052】
前段のビット変化低減復号化装置38は、シリアルパラレル変換装置17でシリアルパラレル変換されたパラレルバイナリデータPBD10(第10データ)に対して、後段のビット変化低減符号化装置31による等ビット長変換の逆変換を実行して中間画像データ(第7データPBD7’)に復号化する等ビット長逆変換を、第7データPBD7’より先にビット変化低減復号化装置18で復号化され受信側データ記憶装置39に入力され記憶されている同じ中間画像データであって、等ビット長逆変換の対象となる第10データPBD10より1フレーム前の同じ画素位置の中間画像データPBD11(第11データ)を用いて実行する。前段のビット変化低減復号化装置38は、後段のビット変化低減符号化装置31と同様に、図11に示すような、入力された2つのパラレルバイナリデータの対応するビット同士の排他的論理和演算を行う排他的論理和回路で構成される。
【0053】
後段のビット変化低減復号化装置18は、前段のビット変化低減復号化装置38で復号化されたパラレルバイナリデータPBD7’(第7データ、中間画像データ)に対して、前段のビット変化低減符号化装置11による等ビット長変換の逆変換を実行して原データ(第1データPBD1)に復号化する等ビット長逆変換を、第7データPBD7’より先にビット変化低減復号化装置18で復号化され受信側データ記憶装置19に入力され記憶されている画像データであって、第7データPBD7’の原データ(第1データPBD1)と同一フレーム内で空間的に隣接する画像データPBD2(第2データ)を用いて実行する。従って、後段のビット変化低減復号化装置18で使用する第2データPBD2は、等ビット長変換を2回実行された後に等ビット長逆変換を2回実行されたパラレルバイナリデータである。尚、後段のビット変化低減復号化装置18の回路構成及び等ビット長逆変換処理は、第1実施形態のビット変化低減復号化装置18の回路構成及び等ビット長逆変換処理と全く同じである。
【0054】
次に、本発明に係る画像データ送受信装置での処理対象となる動画像データ、及び、その送信順序について説明する。図12(A)の画像表示に示すように、動画像データは、1フレーム分の画像データが、時間的に連続して複数フレーム存在する。従って、図12(B)に示すように、各フレームの画像データは、フレーム毎の時間的な前後関係に応じて画像データ送信装置10から画像データ受信装置15へ送信される。尚、1フレーム分の画像データは、マトリクス状に2次元配置された画素毎の画素データの集合として表される。各画素データがシリアル伝送路20上をシリアル伝送される場合は、各画素データを左上の画素から右下の画素へと、右方向へのスキャンを優先して下方へとジグザグ状にスキャンしてスキャンされた順に、画像データ送信装置10から画像データ受信装置15へ送信される。また、各画素データがカラー画像の場合については、第1実施形態の静止画像データの場合と同様であるので、重複する説明は省略する。
【0055】
次に、後段のビット変化低減符号化装置31に入力する2つの中間画像データ(第7データPBD7’と第11データPBD11)について説明する。前段のビット変化低減符号化装置11に入力する2つの画素データ(第1データPBD1と第2データPBD2)については、第1実施形態におけるビット変化低減符号化装置11に入力する2つの画素データ(第1データPBD1と第2データPBD2)と同じであるので、重複する説明は省略する。
【0056】
本実施形態では、第11データPBD11は第7データPBD7’より1フレーム前の同一画素の画素データを使用する。第11データPBD11は第7データPBD7’より先に前段のビット変化低減符号化装置11で符号化処理されるため、送信側データ記憶装置34に先に入力されて記憶されるとともに、後段のビット変化低減符号化装置31によって先に等ビット長変換され、データ受信装置35側へ送信される。第11データPBD11は、第7データPBD7’の1フレーム前に処理されるため、送信側データ記憶装置34には、処理対象の第7データPBD7’の1フレーム分を記憶する必要がある。つまり、送信側データ記憶装置34は、長さが1フレームの画素数のFIFOメモリ等で実現できる。但し、データ転送開始時には、FIFOメモリが空であるので第11データPBD11は記憶されていないので、データ転送開始時に送信側データ記憶装置34のデータ値を0にリセットする。
【0057】
尚、前段のビット変化低減符号化装置11を用いて実行される等ビット長変換の処理手順は、生成されたパラレルバイナリデータPBD7’に対する後処理に違いはあるが、第1実施形態において説明したビット変化低減符号化装置11を用いて実行される本発明に係るビット変化低減符号化方法による等ビット長変換の処理手順と同じであるので、重複する説明は省略する。
【0058】
次に、後段のビット変化低減符号化装置31を用いて実行される等ビット長変換の処理手順について説明する。後段のビット変化低減符号化装置31の等ビット長変換処理は、図11に示す排他的論理和回路による排他的論理和演算で実行できる。前段のビット変化低減符号化装置11による等ビット長変換処理によって、パラレルバイナリデータのビット変化にビット位置による偏りがなくなっているため、前段のビット変化低減符号化装置11のようなビットの並び替え処理は不要である。尚、後段のビット変化低減符号化装置31は、パラレルバイナリデータが8ビットの場合には、8個の2入力排他的論理和ゲートで構成される。
【0059】
図12に示す例の如く、前段のビット変化低減符号化装置11の出力データである中間画像データPBD7’が[11110001]で、1フレーム前の中間画像データPBD11が[11110000]となっている場合、後段のビット変化低減符号化装置31の出力データPBD10のビット変化の変化点は、bit1とbit0間(0→1)の1箇所に抑制されていることが分かる。
【0060】
データ送信装置30では、2段のビット変化低減符号化装置11、31で順番に等ビット長変換された後の8ビットの第10データPBD10は、パラレルシリアル変換装置12によりシリアルバイナリデータSBD10にパラレルシリアル変換され、LVDS方式等のシリアル出力装置13により、シリアル伝送路20に送信される。
【0061】
データ受信装置35では、シリアル伝送路20に送信されたシリアルバイナリデータSBD10がシリアル入力装置16により受信され、シリアルパラレル変換装置17により、8ビットのパラレルバイナリデータPBD10(第10データ)にシリアルパラレル変換される。更に、シリアルパラレル変換装置17で変換された第10データPBD10に対して、2段のビット変化低減復号化装置38、18を用いて順番に等ビット長逆変換を実行して、原データ(第1データPBD1)に復号化する。
【0062】
次に、前段のビット変化低減復号化装置38に入力する2つの画像データ(第10データPBD10と第11データPBD11)について説明する。一方の入力画像データは、シリアルパラレル変換装置17で変換された第10データPBD10である。他方の入力画像データPBD11(第11データ)は、ビット変化低減復号化装置38による1フレーム前の等ビット長逆変換処理で生成されて受信側データ記憶装置39に入力され記憶されているデータを使用する。従って、受信側データ記憶装置39としては、等ビット長逆変換された1フレーム前の第11データPBD11を記憶する必要がある。受信側データ記憶装置39は、長さが1フレームの画素数のFIFOメモリ等で実現できる。但し、データ転送開始時には、FIFOメモリが空であるので第11データPBD11は記憶されていないので、データ転送開始時に受信側データ記憶装置39のデータ値を0にリセットする。
【0063】
次に、後段のビット変化低減復号化装置18に入力する中間画像データ(第7データPBD7’)と原画像データ(第2データPBD2)について説明する。中間画像データ(第7データPBD7’)は、前段のビット変化低減復号化装置38で復号化された中間画像データである。原画像データ(第2データPBD2)は、ビット変化低減復号化装置18による1画素前の等ビット長逆変換処理で生成され、第7データPBD7’より先に受信側データ記憶装置19に入力され記憶されている画像データを使用する。従って、受信側データ記憶装置19としては、等ビット長逆変換された1画素前の第2データPBD2だけを記憶すれば十分であり、長さ1のFIFOメモリ(バッファ、キュー)等で実現できる。但し、データ転送開始時には、FIFOメモリが空であるので第2データPBD2は記憶されていないので、データ転送開始時に受信側データ記憶装置19のデータ値を0にリセットする。同様に、1フレームの左上隅の画素データの1つ前の画素は、1フレーム前の右下隅の画素になり、空間的に大きく離間するため採用せずに、受信側データ記憶装置19のデータ値を0にリセットするか、或いは、1フレーム前の左上隅の画素データを使用する。後者の場合は、次フレームの左上隅の画素データの第2データ用に、左上隅の画素データを受信側データ記憶装置19に記憶するようにしても構わない。
【0064】
前段のビット変化低減復号化装置38を用いて実行される等ビット長逆変換の処理手順は、後段のビット変化低減符号化装置31を用いて実行される等ビット長変換処理の逆変換処理であり、図11に示すような排他的論理和回路による排他的論理和演算で実行できる。
【0065】
尚、後段のビット変化低減復号化装置18を用いて実行される等ビット長逆変換の処理手順は、第1実施形態において説明したビット変化低減復号化装置18を用いて実行される本発明に係るビット変化低減復号化方法による等ビット長逆変換の処理手順と同じであるので、重複する説明は省略する。
【0066】
次に、本発明の別実施形態について説明する。
〈1〉上記各実施形態では、処理対象として、画像データを想定し、画素データとして最も一般的な8bit×3のRGBデータの場合について説明したが、画素データは、RGB方式に限られるものではなく、YCbCrまたはYUV等であってもよい。また、本発明に係るビット変化低減符号化装置及び方法の処理対象は、画像データに限定されるものではなく、例えば、音声データであっても構わない。
【0067】
〈2〉また、上記各実施形態では、処理対象のパラレルバイナリデータのビット長として8ビットの場合を説明したが、ビット長は8ビットに限られるものではなく、例えば、RGBを纏めて1つの要素データとして24ビット長で等ビット長変換してもよい。
【0068】
また、ビット長は奇数であってもよい。奇数ビット長のパラレルバイナリデータに対して等ビット長変換を施す場合は、その内の1ビットを処理から外して、残りの偶数ビット分に対して等ビット長変換を施すか、或いは、第1排他的論理和処理工程は、全ビットに対して行い、第2排他的論理和処理工程において、1回目の排他的論理和演算処理で得られた第3データPBD3の内の1ビットを処理から外して、残りの偶数ビット分に対して分割処理を行って、第2の排他的論理和演算を行うようにしてもよい。図13に、後者の場合の等ビット長変換の処理手順を、ビット長が7ビットの場合を例に示す。
【0069】
図13に示す例では、第1データPBD1が[0110101]、第2データPBD2が[0101110]と、図4に示した8ビット長のデータ例のMSB(bit7)を省いたデータを使用している。この場合、第1データPBD1のビット変化数は5であるが、等ビット長変換後の第7データPBD7は[1110001]となり、ビット変化数は2に抑制されている。以上より、本発明に係るビット変化低減符号化装置及び方法は、処理対象データのビット長の隅数奇数を問わないことが分かる。
【0070】
〈3〉上記各実施形態では、被処理データが画像データの場合に、ビット変化低減符号化装置11で使用する処理対象の画素データ(第1データ)に隣接する画素データ(第2データ)として、スキャンの順番で1画素前となる左隣の画素データを用いる場合を想定したが、1ライン上に隣接する画素データを用いても構わない。この場合、送信側データ記憶装置14及び受信側データ記憶装置19に記憶すべき画素数は1ライン(水平画素数)分であり、水平画素数の深さのFIFOメモリで送信側データ記憶装置14及び受信側データ記憶装置19を実現できる。また、第2データとして1フレーム前の同じ画素の画素データを用いることもできる。但し、送信側データ記憶装置14及び受信側データ記憶装置19に記憶すべき画素数は1フレーム分となる。
【0071】
〈4〉上記第1実施形態において、被処理データが音声データの場合には、ビット変化低減符号化装置11で使用する処理対象の量子化データ(第1データ)に時間的に隣接する量子化データ(第2データ)として、1サンプリング前の量子化データを使用することを想定していたが、2サンプリング以上前の量子化データを使用することも可能である。
【0072】
〈5〉上記各実施形態では、各要素データの送信順序をMSBからLSBに向けて順番に送信することとしたが、送信順序を反転して、LSBからMSBに向けて順番に送信するようにしても構わない。
【0073】
〈6〉上記各実施形態では、本発明に係るビット変化低減符号化装置11とビット変化低減復号化装置18として、図5及び図7に示すように、2入力排他的論理和ゲートで構成される場合を説明したが、実質的に同じ論理演算結果を、例えば、2入力否定排他的論理和(Exclusive NOR)ゲート等の他の論理ゲートを用いて構成しても構わない。
【0074】
〈7〉上記各実施形態では、本発明に係るビット変化低減符号化方法による等ビット長変換の第2排他的論理和処理工程において、第4データPBD4と第5データPBD5間のビット対応関係として、図4に示すように、bit7とbit0、bit6とbit1、bit5とbit2、bit4とbit3を、夫々対応付けたが、当該ビット対応関係としては、上記実施形態の対応関係に限定されるものではなく、例えば、上位ビットから順番に、bit7とbit3、bit6とbit2、bit5とbit1、bit4とbit0を、夫々対応付けても構わない。但し、第2排他的論理和処理工程における第4データPBD4と第5データPBD5間のビット対応関係は、本発明に係るビット変化低減復号化方法による等ビット長逆変換の第3排他的論理和処理工程において、同じビット対応関係が使用される必要がある。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、画像データや音声データのシリアル伝送装置及び方法に利用可能であり、特に、画像データ等のシリアル伝送における不要輻射による電磁妨害(EMI)を効果的に低減するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明に係るデータ送受信装置の第1実施形態における概略のブロック構成を示すブロック図
【図2】本発明に係るデータ送受信装置での処理対象となる静止画像データ、及び、その送信順序を示す説明図
【図3】本発明に係るデータ送受信装置での処理対象となる音声データ、及び、その送信順序を示す説明図
【図4】本発明に係るビット変化低減符号化方法による等ビット長変換の処理手順を説明する図
【図5】本発明に係るビット変化低減符号化装置の一回路構成例を示す論理回路図
【図6】本発明に係るビット変化低減復号化方法による等ビット長逆変換の処理手順を説明する図
【図7】本発明に係るビット変化低減復号化装置の一回路構成例を示す論理回路図
【図8】1フレーム中の8ビットRGBデータのビット変化数をRGBの各要素データ別に測定した結果を示す表及びグラフ
【図9】本発明に係るビット変化低減符号化方法による等ビット長変換後の1フレーム中の8ビットRGBデータのビット変化数をRGBの各要素データ別に測定した結果を示す表及びグラフ
【図10】本発明に係るデータ送受信装置の第2実施形態における概略のブロック構成を示すブロック図
【図11】本発明に係るデータ送受信装置の第2実施形態で使用する後段のビット変化低減符号化装置の一回路構成例を示す論理回路図
【図12】本発明に係るデータ送受信装置での処理対象となる動画像データ、及び、その送信順序を示す説明図
【図13】本発明に係る遅延回路の別実施形態におけるインバータ回路の回路構成例(第4の回路構成例)を示す回路図
【図14】従来のシリアルデータ転送装置の一構成例を示すブロック図
【図15】従来のシリアルデータ転送装置の他の構成例を示すブロック図
【符号の説明】
【0077】
10、30: 本発明に係るデータ送信装置
11: 本発明に係るビット変化低減符号化装置
12: パラレルシリアル変換装置
13: シリアル出力装置
14、34: 送信側データ記憶装置
15、35: 本発明に係るデータ受信装置
16: シリアル入力装置
17: シリアルパラレル変換装置
18: 本発明に係るビット変化低減復号化装置
19、39: 受信側データ記憶装置
20: シリアル伝送路
21: 第1排他的論理和回路
22: 第2排他的論理和回路
23: 第3排他的論理和回路
24: 第4排他的論理和回路
31: ビット変化低減符号化装置(排他的論理和回路)
38: ビット変化低減復号化装置(排他的論理和回路)
40: データ送信装置
41: 変化点数計数装置
42: 符号装置
43: パラレルシリアル変換装置
44: シリアル出力装置
45: データ受信装置
46: シリアル入力装置
47: シリアルパラレル変換装置
48: 復号装置
50: 画像データ送信装置
51: 減算器
52: パラレルシリアル変換装置
53: シリアル出力装置
54: 送信側画像記憶装置
55: 画像データ受信装置
56: シリアル入力装置
57: シリアルパラレル変換装置
58: 加算器
59: 受信側画像記憶装置
PBD1: 第1データ(等ビット長変換の処理対象)
PBD2: 第2データ(隣接画素データ)
PBD3: 第3データ
PBD4: 第4データ
PBD5: 第5データ
PBD6: 第6データ
PBD7: 第7データ(ビット変化低減データ)
PBD7’: 第7データ(中間画像データ)
PBD8: 第8データ
PBD9: 第9データ
PBD10: 第10データ(ビット変化低減データ)
PBD11: 第11データ(1フレーム前の中間画像データ)
SBD7: シリアルバイナリデータ(パラレルシリアル変換後の第7データ)
SBD10: シリアルバイナリデータ(パラレルシリアル変換後の第10データ)
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声データ、画像データ、或いは、音声を含む画像データ等のシリアル伝送装置及び方法に関し、特に、画像データ等のシリアル伝送における不要輻射による電磁妨害(EMI)の低減技術に関する。また、本発明は、シリアル伝送における不要輻射低減化のために、画像データ等の被処理データ内の隣接するビット間におけるビット変化を低減するための等ビット長でのデータ変換処理に関する。
【背景技術】
【0002】
シリアルデータ伝送においては、シリアル伝送路からの不要輻射による電磁妨害(EMI)が問題となる。EMIの主原因である不要輻射の輻射エネルギーは、伝送データに含まれる高周波成分に起因する。近年、データ量の大きい音声データや画像データ等のシリアルデータ伝送において、伝送レートが高くなってきているが、伝送レートが高くなるとシリアルデータの個々のビットに与えられる時間幅、即ち信号のパルス幅が短くなり、隣接するビット間でバイナリ値(0,1)が変化する変化点において信号が鋭利化し、伝送データに含まれる高周波成分が増加するので、EMI問題はより顕著となる。
【0003】
このようなEMIの原因となる伝送データの高周波成分を抑制するために、シリアルデータの隣接ビット間でのバイナリ値の変化(ビット変化)を少なくしてデータ転送を行う手法が、幾つか提案されている(例えば、下記の特許文献1、2参照)。
【0004】
特許文献1では、低EMI化を図るため、シリアルデータのビット変化をより少なくして転送データの高周波成分を抑制するシリアルデータ転送装置が開示されている。図14 に示すように、8ビットの入力データbit[7:0]をシリアルデータに変換してデータ送信装置40からシリアル伝送路20に転送し、データ受信装置45で復号化されたパラレルデータbit[7:0]を出力する。特許文献1では、変化点数計数装置41により入力データbit[7:0]のビット変化の変化点数が所定値より低い場合は、入力データと変換しないことを表す1ビットの信号値0(bit8)を加え、計9ビットのbit[8:0]を出力する。もし、変化点数計数装置41により入力データbit[7:0]の変化点数が所定値以上ならば、入力データを変化点数が少なくなるように符号装置42で符号化し、これに入力データが変換されたことを表す1ビットの信号値1(bit8)を加え、計9ビットのbit[8:0]を出力し、パラレルシリアル変換装置43で符号化された9ビットのパラレルデータをシリアルデータに変換し、シリアル出力装置44でシリアル伝送路20にシリアルデータを送信する。次に、データ受信装置45側では、次の処理を行う。シリアル入力装置46でシリアルデータを受信し、シリアルパラレル変換装置47で9ビットのパラレルデータbit[8:0]に変換し、復号装置48で8ビットの出力データbit[7:0]を得る。符号化されたシリアルデータをシリアル伝送路に送ることにより、シリアル伝送路の高周波成分を減少させ、低EMI化を図る。その反面、符号化において1ビットの追加が必要なため、元データが8ビットであるが、シリアル伝送路に送られるデータは9ビット必要になる。
【0005】
特許文献2では、画像データのシリアル転送において、ビット変化をより少なくして転送データの高周波成分を抑制するシリアルデータ転送装置が開示されている。図15に示すように、画像データ送信装置50において、入力画素データbit[7:0]と送信側画像記憶装置54からの隣接画素データ(1ライン上側の画素データ)との差分を減算器51で計算し、その結果をパラレルシリアル変換装置52でシリアル変換し、シリアル出力装置53からシリアル伝送路20に転送し、画像データ受信装置55において、シリアル入力装置56で受信し、シリアルパラレル変換装置57でパラレルデータに変換して、受信した9ビットのパラレルデータbit[8:0]と受信側画像記憶装置59で保存された隣接画素データ(1ライン上側の画素データ)を加算器58で加算して復号化する。差分データの各ビットは0が多くなるので、シリアル伝送路20上の高周波成分が減少し、低EMI化を実現できる。但し、8ビットデータに対する差分データは、符号化前の8ビットに、減算処理後の正負の極性を示す1ビットを加えた計9ビットとなり、シリアル伝送路で送受信されるシリアルデータとして1ビット増えた9ビットが必要になる。
【0006】
【特許文献1】特開2004‐172971号公報
【特許文献2】特開2004‐177743号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の特許文献1及び2で開示されている従来のシリアル伝送方法では、高周波成分を減らすために、シリアル伝送路で伝送されるシリアルデータのビット長が元のパラレルデータより拡張されている。シリアル伝送路で送受信するビット長を拡張すると、シリアルデータの転送速度が低下してしまうという問題が発生する。
【0008】
本発明は、上記従来のシリアル伝送方法における問題点に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、パラレルバイナリデータ内の隣接するビット間におけるビット変化を等ビット長で低減可能なビット変化低減符号化装置及び方法、更にその復号化装置及び方法を提供する点にあり、第2の目的は、音声データや画像データ等の転送速度を維持しながら、シリアル伝送路における高周波成分を低減可能なシリアル伝送装置及び方法を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記第1の目的を達成するための本発明に係るビット変化低減符号化装置または方法は、Nを2以上の自然数とする2Nビット以上のパラレルバイナリデータ内の隣接するビット間におけるビット変化を低減するための等ビット長変換を行うビット変化低減符号化装置または方法であって、前記等ビット長変換の対象となる2Nビット以上の第1データと、前記第1データと等ビット長で空間的または時間的に隣接する第2データに対して、少なくとも2Nビットの対応するビット位置のビット同士の排他的論理和処理を行って等ビット長の第3データを出力する第1排他的論理和処理と、前記第3データの上位Nビットの第4データと、前記第3データの内の前記第4データを除くNビットの第5データに対して、前記第4データの各ビットと前記第5データの各ビットを任意の順番で対応させたビット同士の排他的論理和処理を行ってNビットの第6データを出力する第2排他的論理和処理と、を行い、前記第6データと前記第5データの各ビットを対応するビット同士が隣接するように所定の順番で配列して、前記等ビット長変換後のパラレルバイナリデータを生成することを特徴とする。
【0010】
更に、上記第1の目的を達成するための本発明に係るビット変化低減復号化装置または方法は、上記特徴のビット変化低減符号化装置または方法によって前記等ビット長変換された2Nビット以上のパラレルバイナリデータを等ビット長逆変換して前記等ビット長変換前の原データに戻すビット変化低減復号化装置または方法であって、前記等ビット長逆変換の対象となる2Nビット以上の第7データからNビットの前記第5データとNビットの前記第6データを抽出して対応するビット同士の排他的論理和処理を行ってNビットの第8データを出力する第3排他的論理和処理と、前記第8データを上位Nビットに配列し、前記第5データを前記第3データ内でのビット位置と同じビット位置に配列して生成される2Nビット以上の第9データと、前記原データと等ビット長で空間的または時間的に隣接する前記第2データに対して、少なくとも2Nビットの対応するビット位置のビット同士の排他的論理和処理を行って前記原データを出力する第4排他的論理和処理を備えていることを特徴とする。
【0011】
更に、上記第2の目的を達成するための本発明に係るデータ送信装置または方法は、画像データ及び音声データの少なくとも何れか一方を含むパラレルバイナリデータの被処理データを等ビット長のシリアルバイナリデータに変換してシリアル伝送路に送信するデータ送信装置または方法であって、上記特徴のビット変化低減符号化装置または方法の各処理と、前記ビット変化低減符号化装置または方法によって前記等ビット長変換されたパラレルバイナリデータをシリアルバイナリデータに変換するパラレルシリアル変換処理とを行い、前記ビット変化低減符号化装置または方法において、前記被処理データ中の所定のデータ単位における所定のデータ形式の要素データを前記第1データとして、前記第1データの前記データ単位と空間的または時間的に隣接する前記データ単位の同じ要素データを前記第2データとして、前記等ビット長変換を実行することを第1の特徴とする。
【0012】
更に、本発明に係るデータ送信装置または方法は、複数フレームの画像データからなる動画像データを構成するパラレルバイナリデータを等ビット長のシリアルバイナリデータに変換してシリアル伝送路に送信するデータ送信装置または方法であって、上記特徴のビット変化低減符号化装置または方法の各処理と、前記ビット変化低減符号化装置または方法によって時間的に前後して前記等ビット長変換されたパラレルバイナリデータの第1及び第2画像データに対して、対応するビット位置のビット同士の排他的論理和処理を行って等ビット長の第3画像データを生成し、前記排他的論理和処理によって前記等ビット長変換されたパラレルバイナリデータの前記第3画像データをシリアルバイナリデータに変換し、前記ビット変化低減符号化装置または方法において、1フレームの前記画像データ中の1画素における所定のデータ形式の要素データを前記第1データとして、前記第1データの画素と空間的または時間的に隣接する画素の同じ要素データを前記第2データとして、前記等ビット長変換が実行され、前記ビット変化低減符号化装置または方法による前記等ビット長変換を実行して生成した2つの連続するフレームの前記画像データ中の同じ画素における2つの前記要素データを前記第1及び第2画像データとして、前記排他的論理和処理が実行されることを第2の特徴とする。
【0013】
更に、上記第2の目的を達成するための本発明に係るデータ受信装置または方法は、シリアル伝送路に送信された画像データ及び音声データの少なくとも何れか一方を含むシリアルバイナリデータの被処理データを受信して等ビット長のパラレルバイナリデータに変換するデータ受信装置または方法であって、前記シリアル伝送路から受信したシリアルバイナリデータをパラレルバイナリデータに変換するシリアルパラレル変換処理と、上記特徴のビット変化低減復号化装置または方法の各処理とを行い、前記ビット変化低減復号化装置または方法において、前記シリアルパラレル変換装置で変換されたパラレルバイナリデータを前記第7データとして、前記第7データの所定のデータ単位と空間的または時間的に隣接する前記データ単位における同じ所定のデータ形式の要素データであって既に前記ビット変化低減復号化装置によって前記等ビット長逆変換された原データを前記第2データとして、前記等ビット長逆変換を実行することを第1の特徴とする。
【0014】
更に、本発明に係るデータ受信装置または方法は、複数フレームの画像データからなる動画像データを構成するパラレルバイナリデータを等ビット長でパラレルシリアル変換した後にシリアル伝送路に送信されたシリアルバイナリデータを受信して等ビット長のパラレルバイナリデータに変換するデータ受信装置または方法であって、前記シリアル伝送路から受信したシリアルバイナリデータをパラレルバイナリデータに変換するシリアルパラレル変換処理と、前記シリアルパラレル変換装置または方法によって変換されたパラレルバイナリデータと、等ビット長の第1中間画像データに対して、対応するビット位置のビット同士の排他的論理和処理を行って等ビット長の第2中間画像データを生成する処理と、上記特徴のビット変化低減復号化装置または方法の各処理とを行い、前記排他的論理和処理が、前記シリアルパラレル変換処理で変換された2つの連続するフレームの同じ画素における2つの所定のデータ形式の要素データを前記第1及び第2画像データとして、実行され、前記ビット変化低減復号化装置または方法において、前記排他的論理和処理されたパラレルバイナリデータを前記第7データとして、前記第7データの画素と空間的または時間的に隣接する画素の同じ前記要素データであって既に前記ビット変化低減復号化装置によって前記等ビット長逆変換された原データを前記第2データとして、前記等ビット長逆変換が実行されることを第2の特徴とする。
【0015】
尚、上記データ送信装置または方法、或いは、データ受信装置または方法におけるパラレルバイナリデータ中の所定の「データ単位」とは、パラレルバイナリデータが画像データの場合は「画素」に相当し、音声データの場合には量子化のサンプリング単位に相当する。
【0016】
上記特徴のビット変化低減符号化装置または方法では、第1排他的論理和処理において、第1データと第2データが相互に等ビット長で空間的または時間的に隣接するため、当該パラレルバイナリデータが画像データの画素データや音声データの量子化データの場合に、隣接するデータ間でデータ値が近似するため、量子化されたデータの上位のビットが共通する可能性が高く、両者の排他的論理和である第3データはその上位の数ビットにおいて“0”となる可能性が高い。そして、第2排他的論理和処理において、第3データの上位ビット側の“0”を多く含む第4データと、第3データの内の第4データを除く第4データと同じビット数の第5データとの排他的論理和である第6データは、第4データの各ビットの内ビット値は“0”の位置において、第5データと同じビット値となるため、第6データと第5データの各ビットを対応するビット同士が隣接するように所定の順番で配列して生成された等ビット長変換後のパラレルバイナリデータは、原データと比較して隣接するビット間におけるビット変化が減少する。
【0017】
また、上記特徴のデータ送信装置または方法によれば、本発明に係るビット変化低減符号化装置または方法によって等ビット長変換したパラレルバイナリデータをパラレルシリアル変換してシリアル伝送路に送信するため、原データをそのままパラレルシリアル変換してシリアル伝送路に送信する場合と比較して、高周波成分が低減しているので、シリアル伝送路における不要輻射が抑制される。また、上記従来のシリアルデータ転送方法と比較して、隣接ビット間のビット変化低減が等ビット長変換によって実現されるため、シリアルデータの転送速度が低下することがない。この結果、被処理データの転送速度を維持しながら、シリアル伝送路における高周波成分を低減可能なシリアル伝送装置及び方法を提供することが可能となる。
【0018】
上記特徴のビット変化低減復号化装置または方法では、本発明に係るビット変化低減符号化装置または方法によって等ビット長変換されたパラレルバイナリデータを、等ビット長変換前のパラレルバイナリデータに逆変換することができる。
【0019】
また、上記特徴のデータ受信装置または方法によれば、本発明に係るデータ送信装置または方法によって、隣接するビット間におけるビット変化を等ビット長で低減されてシリアル伝送路に送信されたデータを、原データに復元することができるため、データ転送速度を維持しながら、シリアル伝送路における高周波成分を低減可能なシリアル伝送装置及び方法を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係るビット変化低減符号化装置及び方法とビット変化低減復号化装置及び方法、並びに、本発明に係るデータ送信装置及び方法とデータ受信装置及び方法を、図面に基づいて説明する。
【0021】
〈第1実施形態〉
先ず、本発明に係るデータ送信装置とデータ受信装置の送受信対象となる被処理データが、静止画像データ(動画像データの1フレーム分の画像データも含まれる)または音声データの場合について説明する。以下の第1実施形態では、被処理データが静止画像データである場合を想定して説明するが、被処理データは音声データ、或いは、動画像データの1フレーム分の画像データであってもよい。また、被処理データが音声データ或いは動画像データである場合において、静止画像データと異なる点については、都度説明を加える。
【0022】
図1は、本発明に係るデータ送信装置10とデータ受信装置15を備えたデータ送受信装置の概略構成を示すブロック図である。本発明に係るデータ送受信装置は、パラレルバイナリデータの静止画像データ(以下、適宜「画像データ」と称す。)を入力して符号化しシリアル伝送路20に転送するデータ送信装置10と、データ送信装置10で使用する画像データを一時的に記憶する送信側データ記憶装置14と、符号化されたシリアルバイナリデータをシリアル伝送路20から受信して復号化し原画像データを再現するデータ受信装置15と、データ受信装置15で使用する原画像データを一時的に記憶する受信側データ記憶装置19とを備えて構成される。尚、以下において、データ送信装置10におけるパラレルバイナリデータと、データ受信装置15で復号化されたパラレルバイナリデータの対応するデータ同士は、同じデータ番号を付して説明する。
【0023】
図1に示すように、データ送信装置10は、本発明に係るビット変化低減符号化装置11と、ビット変化低減符号化装置11で符号化されたパラレルバイナリデータをシリアルバイナリデータに変換するパラレルシリアル変換装置12と、シリアルバイナリデータをシリアル伝送路20に送信するシリアル出力装置13とを備えて構成される。また、データ受信装置15は、シリアル伝送路20からシリアルバイナリデータを受信するシリアル入力装置16と、シリアル入力装置16が受信したシリアルバイナリデータをパラレルバイナリデータに変換するシリアルパラレル変換装置17と、本発明に係るビット変化低減復号化装置18とを備えて構成される。
【0024】
ビット変化低減符号化装置11は、入力された画像データPBD1(第1データ)を、隣接するビット間におけるビット変化(バイナリ値の変化)を低減した等ビット長符号に変換(符号化)する等ビット長変換を、第1データPBD1より先に送信側データ記憶装置14に入力され記憶されている画像データであって、等ビット長変換の対象となる第1データPBD1と空間的または時間的に隣接する画像データPBD2(第2データ)を用いて実行する。
【0025】
ビット変化低減復号化装置18は、シリアルパラレル変換装置17でシリアルパラレル変換されたパラレルバイナリデータPBD7(第7データ)に対して、ビット変化低減符号化装置11による等ビット長変換の逆変換を実行して原データ(第1データPBD1)に復号化する等ビット長逆変換を、第7データPBD7より先にビット変化低減復号化装置18で復号化され受信側データ記憶装置19に入力され記憶されている画像データであって、第7データPBD7の原データ(第1データPBD1)と空間的または時間的に隣接する画像データPBD2(第2データ)を用いて実行する。従って、ビット変化低減復号化装置18で使用する第2データPBD2は、一旦、等ビット長変換された後に等ビット長逆変換されたパラレルバイナリデータである。
【0026】
次に、本発明に係るデータ送受信装置での処理対象となる画像データ、及び、その送信順序について説明する。図2(A)の画像表示に示すように、1フレーム分の画像データは、マトリクス状に2次元配置された画素(データ単位に相当)毎の画素データの集合として表される。各画素データがシリアル伝送路20上をシリアル伝送される場合は、各画素データを左上の画素から右下の画素へと、右方向へのスキャンを優先して下方へとジグザグ状にスキャンしてスキャンされた順に、データ送信装置10からデータ受信装置15へ送信される。尚、被処理データが音声データの場合は、図3に示すように、一定のサンプリング間隔でアナログ音声データが量子化されたパラレルバイナリデータ(要素データに相当)が時系列に連続してなるサンプリングデータが、時系列の順に、データ送信装置10からデータ受信装置15へ送信される。
【0027】
また、各画素データは、カラー画像の場合には、RGB(赤、緑、青)やYCbCr(輝度、b色差、r色差)やYUV等のカラー画素表示形式の3つの要素データの集合として表現される。本実施形態では、図2(B)に示すように、各8ビットのRGBデータ(要素データ)を送受信し、各要素データ(画素データの一部)は、MSB→LSBの順序で送受信される場合を想定する。ここで、MSB(Most Significant bit)は最上位のbit7を表し、LSB(Least Significant bit)は最下位のbit0を表す。本実施形態では、RGBの要素データ毎に分けて夫々同じ等ビット長変換を実施する場合を説明する。つまり、1回の処理対象となる第1データPBD1と第2データPBD2は、3つのRGBデータ(要素データ)の何れか1つで、第1データPBD1と第2データPBD2は、相互に同じ種類(R、GまたはB)の要素データである。
【0028】
次に、ビット変化低減符号化装置11に入力する2つの画素データ(第1データPBD1と第2データPBD2)について説明する。本実施形態では、第2データPBD2は第1データPBD1に隣接する画素データを使用し、具体的には、一例として左隣の画素データを用いる。図2(B)に示すように、第2データPBD2は第1データPBD1より先にスキャンされるため、送信側データ記憶装置14に先に入力されて記憶されるとともに、ビット変化低減符号化装置11によって先に等ビット長変換され、データ受信装置15側へ送信される。第2データPBD2は、第1データPBD1の直前に処理されるため、送信側データ記憶装置14には、処理対象の第1データPBD1の1画素前の第2データPBD2だけを記憶すれば十分である。つまり、送信側データ記憶装置14は、長さ1のFIFOメモリ(バッファ、キュー)等で実現できる。但し、データ転送開始時には、FIFOメモリが空であるので第2データPBD2は記憶されていないので、データ転送開始時に送信側データ記憶装置14のデータ値を0にリセットする。同様に、静止画像データの場合には、1フレームの左上隅の画素データの1つ前の画素は存在しないので、送信側データ記憶装置14のデータ値を0にリセットする。尚、音声データの場合には、最初のサンプリング単位での量子化データも1つ前の要素データが存在しないので、送信側データ記憶装置14のデータ値を0にリセットする。更に、動画像データの場合には、1フレームの左上隅の画素データの1つ前の画素は、1フレーム前の右下隅の画素になり、空間的に大きく離間するため採用せずに、送信側データ記憶装置14のデータ値を0にリセットするか、或いは、1フレーム前の左上隅の画素データを使用する。後者の場合は、次フレームの左上隅の画素データの第2データ用に、左上隅の画素データを送信側データ記憶装置14に記憶するようにしても構わない。
【0029】
次に、本発明に係るビット変化低減符号化方法による等ビット長変換の処理手順を説明する。尚、本実施形態では、ビット変化低減符号化方法は、ビット変化低減符号化装置11を用いて実行される。
【0030】
図4に示すように、先ず、8ビットの排他的論理和演算を並列的に実行する第1排他的論理和回路21により、第1データPBD1と第2データPBD2の対応するビット位置のビット同士の排他的論理和演算を行い、等ビット長、つまり、8ビットの第3データPBD3を生成する(第1排他的論理和処理工程)。ここで、第1データPBD1が、バイナリ表示で[10110101](左端がMSB、右端がLSB)であるとすると、隣接するビット間におけるビット変化の変化点は、bit7とbit6間(1→0)、bit6とbit5間(0→1)、bit4とbit3間(1→0)、bit3とbit2間(0→1)、bit2とbit1間(1→0)、bit1とbit0間(0→1)の6箇所ある。
【0031】
本実施形態では、第2データPBD2として、第1データPBD1と隣接する画素データを用いるのは、隣接する画素データの各要素データ間ではデータ値が近似するためである。上記特許文献2では、この特性を利用して両画素データの差分データを生成して、上位ビットを0にしてビット変化の少ない送信データに変換している。本発明は、上記特許文献2と同様に、隣接する画素データの各要素データ間ではデータ値が近似するという特性を利用するものの、上記特許文献2とは異なり、両データの差分ではなく、排他的論理和を算出することで、減算処理における正負の極性を示す符号ビットの追加が不要になる。これにより送信データビット長を増加させない符号化が可能になる。第2データPBD2が、[10101110]である場合、両データの排他的論理和(第3データPBD3)の値は[00011011]となる。この時点で、ビット変化の変化点は、bit5とbit4間(0→1)、bit3とbit2間(1→0)、bit2とbit1間(0→1)の3箇所に減少している。ところが、単純な排他的論理和演算だけでは、処理対象の第1データPBD1のビット変化が元々少ない場合には、逆にビット変化が増加する可能性がある。
【0032】
そこで、本実施形態では、更に第2の排他的論理和演算処理を以下の要領で実行する(第2排他的論理和処理工程)。第2排他的論理和処理工程では、第1排他的論理和処理工程で生成された第3データPBD3(8ビット)を上位4ビットの第4データPBD4(bit[7:4])と下位4ビットの第5データPBD5(bit[3:0])に分割して、4ビットの排他的論理和演算を並列的に実行する第2排他的論理和回路22により、第4データPBD4と第5データPBD5の予め対応付けられたビット位置同士で第2の排他的論理和演算を行う。本実施形態では、一例として、bit7とbit0間、bit6とbit1間、bit5とbit2間、bit4とbit3間で、夫々排他的論理和演算を行い、4ビットの第6データPBD6(bit[3:0])を生成する。ここで注目すべき点は、第1排他的論理和処理工程で生成された第3データPBD3(8ビット)を上位4ビットの第4データPBD4(bit[7:4])は、第1データPBD1と第2データPBD2間のデータ値の近似性より、下位4ビットの第5データPBD5より、4ビットのデータ中にビット値として“0”が多く含まれる点である。
【0033】
従って、上記第2の排他的論理和演算における第4データPBD4と第5データPBD5のビット対応では、第6データPBD6(bit[3:0])と第5データPBD5(bit[3:0])のビット順が反転しているため、第6データPBD6のbit3〜0と第5データPBD5のbit0〜3は夫々ビット値が一致する確率が高いので、それらを夫々隣接するように第5データPBD5と第6データPBD6のビット配列を入れ替えて8ビットの第7データPBD7を生成する(第1ビット配列変換工程)。この結果、第7データPBD7においてビット変化をより確実に低減することができる。
【0034】
図6に示す例では、第1の排他的論理和演算後の第3データPBD3が[00011011]であるのに対して、最終的な等ビット長変換後の第7データPBD7は、[11110001]となり、ビット変化の変化点は、bit4とbit3間(1→0)、bit1とbit0間(0→1)の2箇所に抑制されていることが分かる。
【0035】
図5に、本発明に係るビット変化低減符号化方法に使用可能なビット変化低減符号化装置11の一回路構成例を示す。図5に示すように、第1排他的論理和回路21は8個の2入力排他的論理和(Exclusive OR)ゲートで構成され、第2排他的論理和回路22は4個の2入力排他的論理和ゲートで構成され、合計12個の2入力排他的論理和ゲートで構成される。
【0036】
データ送信装置10では、ビット変化低減符号化装置11で等ビット長変換された8ビットの第7データPBD7は、パラレルシリアル変換装置12によりシリアルバイナリデータSBD7にパラレルシリアル変換され、LVDS(Low Volatage Differential Signaling)方式等のシリアル出力装置13により、シリアル伝送路20に送信される。
【0037】
データ受信装置15では、シリアル伝送路20に送信されたシリアルバイナリデータSBD7がシリアル入力装置16により受信され、シリアルパラレル変換装置17により、8ビットのパラレルバイナリデータPBD7(第7データ)にシリアルパラレル変換される。更に、シリアルパラレル変換装置17で変換された第7データPBD7に対して、ビット変化低減復号化装置18を用いて等ビット長逆変換を実行して、原データ(第1データPBD1)に復号化する。
【0038】
次に、本発明に係るビット変化低減復号化方法による等ビット長逆変換の処理手順を説明する。尚、本実施形態では、ビット変化低減復号化方法は、ビット変化低減復号化装置18を用いて実行される。
【0039】
図6に示すように、先ず、8ビットの第7データPBD7(bit[7:0])の奇数ビット(bit7、bit5、bit3、bit1)から4ビットの第6データPBD6(bit[3:0])を抽出し、偶数ビット(bit6、bit4、bit2、bit0)から4ビットの第5データPBD5(bit[3:0])を、ビット順を反転して抽出し、等ビット長変換処理時の第2の排他的論理和演算におけるビット対応関係で、4ビットの排他的論理和演算を並列的に実行する第3排他的論理和回路23により、第6データPBD6と第5データPBD5の各ビットに対して第3の排他的論理和演算を並列的に実行して4ビットの第8データPBD8(bit[3:0])を生成する(第3排他的論理和処理工程)。尚、第8データPBD8は、第4データPBD4に対応している。
【0040】
次に、第8データPBD8(bit[3:0])を上位4ビット(bit[7:4])に配列し、第7データPBD7から抽出されビット順を反転した第5データPBD5(bit[3:0])を下位4ビット(bit[3:0])に配列して8ビットの第9データPBD9(bit[7:0])を生成する(第2ビット配列変換工程)。
【0041】
更に、第9データPBD9と、原データ(第1データPBD1)の左隣の画素データの同じ要素データであって、1画素前においてビット変化低減復号化装置18によって等ビット長逆変換された第2データPBD2に対して、8ビットの排他的論理和演算を並列的に実行する第4排他的論理和回路24により、対応するビット位置のビット同士の第4の排他的論理和演算を並列的に行う(第4排他的論理和処理工程)。この結果、第4の排他的論理和演算によって、原データ(第1データPBD1)が生成される。
【0042】
ここで、第4の排他的論理和演算に使用する第2データPBD2は、1画素前の等ビット長逆変換処理で生成されて受信側データ記憶装置19に入力され記憶されているデータを使用する。従って、受信側データ記憶装置19としては、等ビット長逆変換された1画素前の第2データPBD2だけを記憶すれば十分であり、長さ1のFIFOメモリ(バッファ、キュー)等で実現できる。但し、データ転送開始時には、FIFOメモリが空であるので第2データPBD2は記憶されていないので、データ転送開始時に受信側データ記憶装置19のデータ値を0にリセットする。同様に、静止画像データの場合には、1フレームの左上隅の画素データの1つ前の画素は存在しないので、受信側データ記憶装置19のデータ値を0にリセットする。尚、音声データの場合には、最初のサンプリング単位での量子化データも1つ前の要素データが存在しないので、受信側データ記憶装置19のデータ値を0にリセットする。更に、動画像データの場合には、1フレームの左上隅の画素データの1つ前の画素は、1フレーム前の右下隅の画素になり、空間的に大きく離間するため採用せずに、受信側データ記憶装置19のデータ値を0にリセットするか、或いは、1フレーム前の左上隅の画素データを使用する。後者の場合は、次フレームの左上隅の画素データの第2データ用に、左上隅の画素データを受信側データ記憶装置19に記憶するようにしても構わない。
【0043】
図7に、本発明に係るビット変化低減復号化方法に使用可能なビット変化低減復号化装置18の一回路構成例を示す。図7に示すように、第3排他的論理和回路23は4個の2入力排他的論理和ゲートで構成され、第4排他的論理和回路24は4個の2入力排他的論理和ゲートで構成され、合計12個の2入力排他的論理和ゲートで構成される。
【0044】
次に、本発明に係るデータ送信装置及び方法によるEMIの低減効果について説明する。図8(A)は、ある1フレームの画像の8ビットRGBデータのビット変化数を、RGBの各要素データ別に測定した結果を纏めた表である。表の左から2〜4列目のRGB別の数字は0〜7の各ビット変化数の画素数を示す。左から5列目のRGB合計の数字は、2〜4列目のRGB別の画素数の合計を示す。右端の(変化数×RGB)はビット変化数とRGB合計の画素数の積、ビット変化数別の総要素データ数を示す。従って、右下隅の(変化数×RGB)の合計は、本フレームの画像のビット変化の総数を表しており、その数は5018875である。1要素データ当たりの平均のビット変化数は4.29である。但し、この集計には、8ビットのRGBデータ間のビット変化は考慮していない。図8(B)は、図8(A)に示すRGB別のビット変化数毎の画素数をグラフ表示したものである。図8(B)より、画素数の分布はビット変化数3〜5付近に集中していることが分かる。
【0045】
図9(A)は、図8(A)に示すビット変化の1フレームの画像データの各要素データに、本発明に係るビット変化低減符号化方法の等ビット長変換を施した後の1フレームの画像データのビット変化数を、図8(A)と同じ要領で集計した表である。また、図9(B)は、図9(A)に示すRGB別のビット変化数毎の画素数をグラフ表示したものである。図9(A)の右下隅の(変化数×RGB)の合計が示す等ビット長変換後のビット変化の総数は2998572、1要素データ当たりの平均のビット変化数は2.56であり、等ビット長変換前の5018875の約60%に減少している。また、図9(B)より、画素数の分布はビット変化数1〜3付近に集中していることが分かり、8ビットのRGBデータ当たりのビット変化が平均で約1.73少なくなっている。これより、本発明に係るビット変化低減符号化方法の等ビット長変換の結果、1フレームの画像データのビット変化数が全体的に減少し、低EMI化が実現できていることが分かる。
【0046】
〈第2実施形態〉
次に、本発明に係るデータ送信装置とデータ受信装置の送受信対象となる被処理データが、動画像データの場合について説明する。
【0047】
図10は、動画像データ用の本発明に係るデータ送信装置30とデータ受信装置35を備えたデータ送受信装置の概略構成を示すブロック図である。図1に示す第1実施形態のデータ送信装置10とデータ受信装置15の構成要素と共通する部分には共通の符号を付して説明する。
【0048】
本発明に係るデータ送受信装置は、パラレルバイナリデータの動画像データ(以下、適宜「画像データ」と称す。)を入力して符号化しシリアル伝送路20に転送するデータ送信装置30と、データ送信装置30で使用する画像データ及び中間画像データを一時的に記憶する2つの送信側データ記憶装置14、34と、符号化されたシリアルバイナリデータをシリアル伝送路20から受信して復号化し原画像データを再現するデータ受信装置35と、データ受信装置35で使用する中間画像データ及び原画像データを一時的に記憶する2つの受信側データ記憶装置39、19とを備えて構成される。尚、以下において、データ送信装置30におけるパラレルバイナリデータと、データ受信装置35で復号化されたパラレルバイナリデータの対応するデータ同士は、同じデータ番号を付して説明する。
【0049】
図10に示すように、データ送信装置30は、本発明に係る2段に縦列接続したビット変化低減符号化装置11、31と、後段のビット変化低減符号化装置31で符号化されたパラレルバイナリデータをシリアルバイナリデータに変換するパラレルシリアル変換装置12と、シリアルバイナリデータをシリアル伝送路20に送信するシリアル出力装置13とを備えて構成される。また、データ受信装置35は、シリアル伝送路20からシリアルバイナリデータを受信するシリアル入力装置16と、シリアル入力装置16が受信したシリアルバイナリデータをパラレルバイナリデータに変換するシリアルパラレル変換装置17と、本発明に係る2段に縦列接続したビット変化低減復号化装置38、18とを備えて構成される。
【0050】
前段のビット変化低減符号化装置11は、入力された画像データPBD1(第1データ)を、隣接するビット間におけるビット変化(バイナリ値の変化)を低減した等ビット長符号に変換(符号化)する等ビット長変換を、第1データPBD1より先に送信側データ記憶装置14に入力され記憶されている画像データであって、等ビット長変換の対象となる第1データPBD1と同一フレーム内で空間的に隣接する画像データPBD2(第2データ)を用いて実行し、中間画像データPBD7’(第7データ)を生成する。尚、前段のビット変化低減符号化装置11の回路構成及び等ビット長変換処理は、第1実施形態のビット変化低減符号化装置11の回路構成及び等ビット長変換処理と全く同じである。
【0051】
後段のビット変化低減符号化装置31は、前段のビット変化低減符号化装置11で生成された中間画像データPBD7’(第7データ)を、隣接するビット間におけるビット変化(バイナリ値の変化)を低減した等ビット長符号に変換(符号化)する等ビット長変換を、第7データPBD7’(中間画像データ)より先に送信側データ記憶装置34に入力され記憶されている同じ中間画像データであって、等ビット長変換の対象となる第7データPBD7’より1フレーム前の同じ画素位置の画像データPBD11(第11データ)を用いて実行し、等ビット長のパラレルバイナリデータPBD10(第10データ)を生成する。尚、後段のビット変化低減符号化装置31による等ビット長変換処理は、前段のビット変化低減符号化装置11による等ビット長変換処理より簡素化された等ビット長変換処理を行う。具体的には、後段のビット変化低減符号化装置31は、図11に示すように、入力された2つのパラレルバイナリデータの対応するビット同士の排他的論理和演算を行う排他的論理和回路で構成される。
【0052】
前段のビット変化低減復号化装置38は、シリアルパラレル変換装置17でシリアルパラレル変換されたパラレルバイナリデータPBD10(第10データ)に対して、後段のビット変化低減符号化装置31による等ビット長変換の逆変換を実行して中間画像データ(第7データPBD7’)に復号化する等ビット長逆変換を、第7データPBD7’より先にビット変化低減復号化装置18で復号化され受信側データ記憶装置39に入力され記憶されている同じ中間画像データであって、等ビット長逆変換の対象となる第10データPBD10より1フレーム前の同じ画素位置の中間画像データPBD11(第11データ)を用いて実行する。前段のビット変化低減復号化装置38は、後段のビット変化低減符号化装置31と同様に、図11に示すような、入力された2つのパラレルバイナリデータの対応するビット同士の排他的論理和演算を行う排他的論理和回路で構成される。
【0053】
後段のビット変化低減復号化装置18は、前段のビット変化低減復号化装置38で復号化されたパラレルバイナリデータPBD7’(第7データ、中間画像データ)に対して、前段のビット変化低減符号化装置11による等ビット長変換の逆変換を実行して原データ(第1データPBD1)に復号化する等ビット長逆変換を、第7データPBD7’より先にビット変化低減復号化装置18で復号化され受信側データ記憶装置19に入力され記憶されている画像データであって、第7データPBD7’の原データ(第1データPBD1)と同一フレーム内で空間的に隣接する画像データPBD2(第2データ)を用いて実行する。従って、後段のビット変化低減復号化装置18で使用する第2データPBD2は、等ビット長変換を2回実行された後に等ビット長逆変換を2回実行されたパラレルバイナリデータである。尚、後段のビット変化低減復号化装置18の回路構成及び等ビット長逆変換処理は、第1実施形態のビット変化低減復号化装置18の回路構成及び等ビット長逆変換処理と全く同じである。
【0054】
次に、本発明に係る画像データ送受信装置での処理対象となる動画像データ、及び、その送信順序について説明する。図12(A)の画像表示に示すように、動画像データは、1フレーム分の画像データが、時間的に連続して複数フレーム存在する。従って、図12(B)に示すように、各フレームの画像データは、フレーム毎の時間的な前後関係に応じて画像データ送信装置10から画像データ受信装置15へ送信される。尚、1フレーム分の画像データは、マトリクス状に2次元配置された画素毎の画素データの集合として表される。各画素データがシリアル伝送路20上をシリアル伝送される場合は、各画素データを左上の画素から右下の画素へと、右方向へのスキャンを優先して下方へとジグザグ状にスキャンしてスキャンされた順に、画像データ送信装置10から画像データ受信装置15へ送信される。また、各画素データがカラー画像の場合については、第1実施形態の静止画像データの場合と同様であるので、重複する説明は省略する。
【0055】
次に、後段のビット変化低減符号化装置31に入力する2つの中間画像データ(第7データPBD7’と第11データPBD11)について説明する。前段のビット変化低減符号化装置11に入力する2つの画素データ(第1データPBD1と第2データPBD2)については、第1実施形態におけるビット変化低減符号化装置11に入力する2つの画素データ(第1データPBD1と第2データPBD2)と同じであるので、重複する説明は省略する。
【0056】
本実施形態では、第11データPBD11は第7データPBD7’より1フレーム前の同一画素の画素データを使用する。第11データPBD11は第7データPBD7’より先に前段のビット変化低減符号化装置11で符号化処理されるため、送信側データ記憶装置34に先に入力されて記憶されるとともに、後段のビット変化低減符号化装置31によって先に等ビット長変換され、データ受信装置35側へ送信される。第11データPBD11は、第7データPBD7’の1フレーム前に処理されるため、送信側データ記憶装置34には、処理対象の第7データPBD7’の1フレーム分を記憶する必要がある。つまり、送信側データ記憶装置34は、長さが1フレームの画素数のFIFOメモリ等で実現できる。但し、データ転送開始時には、FIFOメモリが空であるので第11データPBD11は記憶されていないので、データ転送開始時に送信側データ記憶装置34のデータ値を0にリセットする。
【0057】
尚、前段のビット変化低減符号化装置11を用いて実行される等ビット長変換の処理手順は、生成されたパラレルバイナリデータPBD7’に対する後処理に違いはあるが、第1実施形態において説明したビット変化低減符号化装置11を用いて実行される本発明に係るビット変化低減符号化方法による等ビット長変換の処理手順と同じであるので、重複する説明は省略する。
【0058】
次に、後段のビット変化低減符号化装置31を用いて実行される等ビット長変換の処理手順について説明する。後段のビット変化低減符号化装置31の等ビット長変換処理は、図11に示す排他的論理和回路による排他的論理和演算で実行できる。前段のビット変化低減符号化装置11による等ビット長変換処理によって、パラレルバイナリデータのビット変化にビット位置による偏りがなくなっているため、前段のビット変化低減符号化装置11のようなビットの並び替え処理は不要である。尚、後段のビット変化低減符号化装置31は、パラレルバイナリデータが8ビットの場合には、8個の2入力排他的論理和ゲートで構成される。
【0059】
図12に示す例の如く、前段のビット変化低減符号化装置11の出力データである中間画像データPBD7’が[11110001]で、1フレーム前の中間画像データPBD11が[11110000]となっている場合、後段のビット変化低減符号化装置31の出力データPBD10のビット変化の変化点は、bit1とbit0間(0→1)の1箇所に抑制されていることが分かる。
【0060】
データ送信装置30では、2段のビット変化低減符号化装置11、31で順番に等ビット長変換された後の8ビットの第10データPBD10は、パラレルシリアル変換装置12によりシリアルバイナリデータSBD10にパラレルシリアル変換され、LVDS方式等のシリアル出力装置13により、シリアル伝送路20に送信される。
【0061】
データ受信装置35では、シリアル伝送路20に送信されたシリアルバイナリデータSBD10がシリアル入力装置16により受信され、シリアルパラレル変換装置17により、8ビットのパラレルバイナリデータPBD10(第10データ)にシリアルパラレル変換される。更に、シリアルパラレル変換装置17で変換された第10データPBD10に対して、2段のビット変化低減復号化装置38、18を用いて順番に等ビット長逆変換を実行して、原データ(第1データPBD1)に復号化する。
【0062】
次に、前段のビット変化低減復号化装置38に入力する2つの画像データ(第10データPBD10と第11データPBD11)について説明する。一方の入力画像データは、シリアルパラレル変換装置17で変換された第10データPBD10である。他方の入力画像データPBD11(第11データ)は、ビット変化低減復号化装置38による1フレーム前の等ビット長逆変換処理で生成されて受信側データ記憶装置39に入力され記憶されているデータを使用する。従って、受信側データ記憶装置39としては、等ビット長逆変換された1フレーム前の第11データPBD11を記憶する必要がある。受信側データ記憶装置39は、長さが1フレームの画素数のFIFOメモリ等で実現できる。但し、データ転送開始時には、FIFOメモリが空であるので第11データPBD11は記憶されていないので、データ転送開始時に受信側データ記憶装置39のデータ値を0にリセットする。
【0063】
次に、後段のビット変化低減復号化装置18に入力する中間画像データ(第7データPBD7’)と原画像データ(第2データPBD2)について説明する。中間画像データ(第7データPBD7’)は、前段のビット変化低減復号化装置38で復号化された中間画像データである。原画像データ(第2データPBD2)は、ビット変化低減復号化装置18による1画素前の等ビット長逆変換処理で生成され、第7データPBD7’より先に受信側データ記憶装置19に入力され記憶されている画像データを使用する。従って、受信側データ記憶装置19としては、等ビット長逆変換された1画素前の第2データPBD2だけを記憶すれば十分であり、長さ1のFIFOメモリ(バッファ、キュー)等で実現できる。但し、データ転送開始時には、FIFOメモリが空であるので第2データPBD2は記憶されていないので、データ転送開始時に受信側データ記憶装置19のデータ値を0にリセットする。同様に、1フレームの左上隅の画素データの1つ前の画素は、1フレーム前の右下隅の画素になり、空間的に大きく離間するため採用せずに、受信側データ記憶装置19のデータ値を0にリセットするか、或いは、1フレーム前の左上隅の画素データを使用する。後者の場合は、次フレームの左上隅の画素データの第2データ用に、左上隅の画素データを受信側データ記憶装置19に記憶するようにしても構わない。
【0064】
前段のビット変化低減復号化装置38を用いて実行される等ビット長逆変換の処理手順は、後段のビット変化低減符号化装置31を用いて実行される等ビット長変換処理の逆変換処理であり、図11に示すような排他的論理和回路による排他的論理和演算で実行できる。
【0065】
尚、後段のビット変化低減復号化装置18を用いて実行される等ビット長逆変換の処理手順は、第1実施形態において説明したビット変化低減復号化装置18を用いて実行される本発明に係るビット変化低減復号化方法による等ビット長逆変換の処理手順と同じであるので、重複する説明は省略する。
【0066】
次に、本発明の別実施形態について説明する。
〈1〉上記各実施形態では、処理対象として、画像データを想定し、画素データとして最も一般的な8bit×3のRGBデータの場合について説明したが、画素データは、RGB方式に限られるものではなく、YCbCrまたはYUV等であってもよい。また、本発明に係るビット変化低減符号化装置及び方法の処理対象は、画像データに限定されるものではなく、例えば、音声データであっても構わない。
【0067】
〈2〉また、上記各実施形態では、処理対象のパラレルバイナリデータのビット長として8ビットの場合を説明したが、ビット長は8ビットに限られるものではなく、例えば、RGBを纏めて1つの要素データとして24ビット長で等ビット長変換してもよい。
【0068】
また、ビット長は奇数であってもよい。奇数ビット長のパラレルバイナリデータに対して等ビット長変換を施す場合は、その内の1ビットを処理から外して、残りの偶数ビット分に対して等ビット長変換を施すか、或いは、第1排他的論理和処理工程は、全ビットに対して行い、第2排他的論理和処理工程において、1回目の排他的論理和演算処理で得られた第3データPBD3の内の1ビットを処理から外して、残りの偶数ビット分に対して分割処理を行って、第2の排他的論理和演算を行うようにしてもよい。図13に、後者の場合の等ビット長変換の処理手順を、ビット長が7ビットの場合を例に示す。
【0069】
図13に示す例では、第1データPBD1が[0110101]、第2データPBD2が[0101110]と、図4に示した8ビット長のデータ例のMSB(bit7)を省いたデータを使用している。この場合、第1データPBD1のビット変化数は5であるが、等ビット長変換後の第7データPBD7は[1110001]となり、ビット変化数は2に抑制されている。以上より、本発明に係るビット変化低減符号化装置及び方法は、処理対象データのビット長の隅数奇数を問わないことが分かる。
【0070】
〈3〉上記各実施形態では、被処理データが画像データの場合に、ビット変化低減符号化装置11で使用する処理対象の画素データ(第1データ)に隣接する画素データ(第2データ)として、スキャンの順番で1画素前となる左隣の画素データを用いる場合を想定したが、1ライン上に隣接する画素データを用いても構わない。この場合、送信側データ記憶装置14及び受信側データ記憶装置19に記憶すべき画素数は1ライン(水平画素数)分であり、水平画素数の深さのFIFOメモリで送信側データ記憶装置14及び受信側データ記憶装置19を実現できる。また、第2データとして1フレーム前の同じ画素の画素データを用いることもできる。但し、送信側データ記憶装置14及び受信側データ記憶装置19に記憶すべき画素数は1フレーム分となる。
【0071】
〈4〉上記第1実施形態において、被処理データが音声データの場合には、ビット変化低減符号化装置11で使用する処理対象の量子化データ(第1データ)に時間的に隣接する量子化データ(第2データ)として、1サンプリング前の量子化データを使用することを想定していたが、2サンプリング以上前の量子化データを使用することも可能である。
【0072】
〈5〉上記各実施形態では、各要素データの送信順序をMSBからLSBに向けて順番に送信することとしたが、送信順序を反転して、LSBからMSBに向けて順番に送信するようにしても構わない。
【0073】
〈6〉上記各実施形態では、本発明に係るビット変化低減符号化装置11とビット変化低減復号化装置18として、図5及び図7に示すように、2入力排他的論理和ゲートで構成される場合を説明したが、実質的に同じ論理演算結果を、例えば、2入力否定排他的論理和(Exclusive NOR)ゲート等の他の論理ゲートを用いて構成しても構わない。
【0074】
〈7〉上記各実施形態では、本発明に係るビット変化低減符号化方法による等ビット長変換の第2排他的論理和処理工程において、第4データPBD4と第5データPBD5間のビット対応関係として、図4に示すように、bit7とbit0、bit6とbit1、bit5とbit2、bit4とbit3を、夫々対応付けたが、当該ビット対応関係としては、上記実施形態の対応関係に限定されるものではなく、例えば、上位ビットから順番に、bit7とbit3、bit6とbit2、bit5とbit1、bit4とbit0を、夫々対応付けても構わない。但し、第2排他的論理和処理工程における第4データPBD4と第5データPBD5間のビット対応関係は、本発明に係るビット変化低減復号化方法による等ビット長逆変換の第3排他的論理和処理工程において、同じビット対応関係が使用される必要がある。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、画像データや音声データのシリアル伝送装置及び方法に利用可能であり、特に、画像データ等のシリアル伝送における不要輻射による電磁妨害(EMI)を効果的に低減するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明に係るデータ送受信装置の第1実施形態における概略のブロック構成を示すブロック図
【図2】本発明に係るデータ送受信装置での処理対象となる静止画像データ、及び、その送信順序を示す説明図
【図3】本発明に係るデータ送受信装置での処理対象となる音声データ、及び、その送信順序を示す説明図
【図4】本発明に係るビット変化低減符号化方法による等ビット長変換の処理手順を説明する図
【図5】本発明に係るビット変化低減符号化装置の一回路構成例を示す論理回路図
【図6】本発明に係るビット変化低減復号化方法による等ビット長逆変換の処理手順を説明する図
【図7】本発明に係るビット変化低減復号化装置の一回路構成例を示す論理回路図
【図8】1フレーム中の8ビットRGBデータのビット変化数をRGBの各要素データ別に測定した結果を示す表及びグラフ
【図9】本発明に係るビット変化低減符号化方法による等ビット長変換後の1フレーム中の8ビットRGBデータのビット変化数をRGBの各要素データ別に測定した結果を示す表及びグラフ
【図10】本発明に係るデータ送受信装置の第2実施形態における概略のブロック構成を示すブロック図
【図11】本発明に係るデータ送受信装置の第2実施形態で使用する後段のビット変化低減符号化装置の一回路構成例を示す論理回路図
【図12】本発明に係るデータ送受信装置での処理対象となる動画像データ、及び、その送信順序を示す説明図
【図13】本発明に係る遅延回路の別実施形態におけるインバータ回路の回路構成例(第4の回路構成例)を示す回路図
【図14】従来のシリアルデータ転送装置の一構成例を示すブロック図
【図15】従来のシリアルデータ転送装置の他の構成例を示すブロック図
【符号の説明】
【0077】
10、30: 本発明に係るデータ送信装置
11: 本発明に係るビット変化低減符号化装置
12: パラレルシリアル変換装置
13: シリアル出力装置
14、34: 送信側データ記憶装置
15、35: 本発明に係るデータ受信装置
16: シリアル入力装置
17: シリアルパラレル変換装置
18: 本発明に係るビット変化低減復号化装置
19、39: 受信側データ記憶装置
20: シリアル伝送路
21: 第1排他的論理和回路
22: 第2排他的論理和回路
23: 第3排他的論理和回路
24: 第4排他的論理和回路
31: ビット変化低減符号化装置(排他的論理和回路)
38: ビット変化低減復号化装置(排他的論理和回路)
40: データ送信装置
41: 変化点数計数装置
42: 符号装置
43: パラレルシリアル変換装置
44: シリアル出力装置
45: データ受信装置
46: シリアル入力装置
47: シリアルパラレル変換装置
48: 復号装置
50: 画像データ送信装置
51: 減算器
52: パラレルシリアル変換装置
53: シリアル出力装置
54: 送信側画像記憶装置
55: 画像データ受信装置
56: シリアル入力装置
57: シリアルパラレル変換装置
58: 加算器
59: 受信側画像記憶装置
PBD1: 第1データ(等ビット長変換の処理対象)
PBD2: 第2データ(隣接画素データ)
PBD3: 第3データ
PBD4: 第4データ
PBD5: 第5データ
PBD6: 第6データ
PBD7: 第7データ(ビット変化低減データ)
PBD7’: 第7データ(中間画像データ)
PBD8: 第8データ
PBD9: 第9データ
PBD10: 第10データ(ビット変化低減データ)
PBD11: 第11データ(1フレーム前の中間画像データ)
SBD7: シリアルバイナリデータ(パラレルシリアル変換後の第7データ)
SBD10: シリアルバイナリデータ(パラレルシリアル変換後の第10データ)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Nを2以上の自然数とする2Nビット以上のパラレルバイナリデータ内の隣接するビット間におけるビット変化を低減するための等ビット長変換を行うビット変化低減符号化装置であって、
前記等ビット長変換の対象となる2Nビット以上の第1データと、前記第1データと等ビット長で空間的または時間的に隣接する第2データに対して、少なくとも2Nビットの対応するビット位置のビット同士の排他的論理和処理を行って等ビット長の第3データを出力する第1排他的論理和回路と、
前記第3データの上位Nビットの第4データと、前記第3データの内の前記第4データを除くNビットの第5データに対して、前記第4データの各ビットと前記第5データの各ビットを任意の順番で対応させたビット同士の排他的論理和処理を行ってNビットの第6データを出力する第2排他的論理和回路と、を備え、
前記第6データと前記第5データの各ビットを対応するビット同士が隣接するように所定の順番で配列して、前記等ビット長変換後のパラレルバイナリデータを生成することを特徴とするビット変化低減符号化装置。
【請求項2】
画像データ及び音声データの少なくとも何れか一方を含むパラレルバイナリデータの被処理データを等ビット長のシリアルバイナリデータに変換してシリアル伝送路に送信するデータ送信装置であって、
請求項1に記載のビット変化低減符号化装置と、
前記ビット変化低減符号化装置によって前記等ビット長変換されたパラレルバイナリデータをシリアルバイナリデータに変換するパラレルシリアル変換装置と、を備え、
前記ビット変化低減符号化装置が、前記被処理データ中の所定のデータ単位における所定のデータ形式の要素データを前記第1データとして、前記第1データの前記データ単位と空間的または時間的に隣接する前記データ単位の同じ要素データを前記第2データとして、前記等ビット長変換を実行することを特徴とするデータ送信装置。
【請求項3】
複数フレームの画像データからなる動画像データを構成するパラレルバイナリデータを等ビット長のシリアルバイナリデータに変換してシリアル伝送路に送信するデータ送信装置であって、
請求項1に記載のビット変化低減符号化装置と、
前記ビット変化低減符号化装置によって時間的に前後して前記等ビット長変換されたパラレルバイナリデータの第1及び第2画像データに対して、対応するビット位置のビット同士の排他的論理和処理を行って等ビット長の第3画像データを生成する排他的論理和回路と、
前記排他的論理和回路によって前記等ビット長変換されたパラレルバイナリデータの前記第3画像データをシリアルバイナリデータに変換するパラレルシリアル変換装置と、を備え、
前記ビット変化低減符号化装置が、1フレームの前記画像データ中の1画素における所定のデータ形式の要素データを前記第1データとして、前記第1データの画素と空間的または時間的に隣接する画素の同じ要素データを前記第2データとして、前記等ビット長変換を実行し、
前記排他的論理和回路が、前記ビット変化低減符号化装置が前記等ビット長変換を実行して生成した2つの連続するフレームの前記画像データ中の同じ画素における2つの前記要素データを、前記第1及び第2画像データとして、前記排他的論理和処理を実行することを特徴とするデータ送信装置。
【請求項4】
請求項1に記載のビット変化低減符号化装置によって前記等ビット長変換された2Nビット以上のパラレルバイナリデータを等ビット長逆変換して前記等ビット長変換前の原データに戻すビット変化低減復号化装置であって、
前記等ビット長逆変換の対象となる2Nビット以上の第7データからNビットの前記第5データとNビットの前記第6データを抽出して対応するビット同士の排他的論理和処理を行ってNビットの第8データを出力する第3排他的論理和回路と、
前記第8データを上位Nビットに配列し、前記第5データを前記第3データ内でのビット位置と同じビット位置に配列して生成される2Nビット以上の第9データと、前記原データと等ビット長で空間的または時間的に隣接する前記第2データに対して、少なくとも2Nビットの対応するビット位置のビット同士の排他的論理和処理を行って前記原データを出力する第4排他的論理和回路を備えていることを特徴とするビット変化低減復号化装置。
【請求項5】
シリアル伝送路に送信された画像データ及び音声データの少なくとも何れか一方を含むシリアルバイナリデータの被処理データを受信して等ビット長のパラレルバイナリデータに変換するデータ受信装置であって、
前記シリアル伝送路から受信したシリアルバイナリデータをパラレルバイナリデータに変換するシリアルパラレル変換装置と、
請求項4に記載のビット変化低減復号化装置と、を備え、
前記ビット変化低減復号化装置が、前記シリアルパラレル変換装置で変換されたパラレルバイナリデータを前記第7データとして、前記第7データの所定のデータ単位と空間的または時間的に隣接する前記データ単位における同じ所定のデータ形式の要素データであって既に前記ビット変化低減復号化装置によって前記等ビット長逆変換された原データを前記第2データとして、前記等ビット長逆変換を実行することを特徴とするデータ受信装置。
【請求項6】
複数フレームの画像データからなる動画像データを構成するパラレルバイナリデータを等ビット長でパラレルシリアル変換した後にシリアル伝送路に送信されたシリアルバイナリデータを受信して等ビット長のパラレルバイナリデータに変換するデータ受信装置であって、
前記シリアル伝送路から受信したシリアルバイナリデータをパラレルバイナリデータに変換するシリアルパラレル変換装置と、
前記シリアルパラレル変換装置によって変換されたパラレルバイナリデータと、等ビット長の第1中間画像データに対して、対応するビット位置のビット同士の排他的論理和処理を行って等ビット長の第2中間画像データを生成する排他的論理和回路と、
請求項4に記載のビット変化低減復号化装置と、を備え、
前記排他的論理和回路が、前記シリアルパラレル変換装置で変換された2つの連続するフレームの同じ画素における2つの所定のデータ形式の要素データを、前記第1及び第2画像データとして、前記排他的論理和処理を実行し、
前記ビット変化低減復号化装置が、前記排他的論理和回路で排他的論理和処理されたパラレルバイナリデータを前記第7データとして、前記第7データの画素と空間的または時間的に隣接する画素の同じ前記要素データであって既に前記ビット変化低減復号化装置によって前記等ビット長逆変換された原データを前記第2データとして、前記等ビット長逆変換を実行することを特徴とするデータ受信装置。
【請求項7】
画像データ及び音声データの少なくとも何れか一方を含むデータを、シリアル伝送路を介して送受信するデータ送受信装置であって、
請求項2に記載のデータ送信装置と、
請求項5に記載のデータ受信装置と、を備えてなることを特徴とするデータ送受信装置。
【請求項8】
動画像データを、シリアル伝送路を介して送受信するデータ送受信装置であって、
請求項3に記載のデータ送信装置と、
請求項6に記載のデータ受信装置と、を備えてなることを特徴とするデータ送受信装置。
【請求項9】
Nを2以上の自然数とする2Nビット以上のパラレルバイナリデータ内の隣接するビット間におけるビット変化を低減するための等ビット長変換を行うビット変化低減符号化方法であって、
前記等ビット長変換の対象となる2Nビット以上の第1データと、前記第1データと等ビット長で空間的または時間的に隣接する第2データに対して、少なくとも2Nビットの対応するビット位置のビット同士の排他的論理和処理を行って等ビット長の第3データを出力する第1排他的論理和処理工程と、
前記第3データの上位Nビットの第4データと、前記第3データの内の前記第4データを除くNビットの第5データに対して、前記第4データの各ビットと前記第5データの各ビットを任意の順番で対応させたビット同士の排他的論理和処理を行ってNビットの第6データを出力する第2排他的論理和処理工程と、
前記第6データと前記第5データの各ビットを対応するビット同士が隣接するように所定の順番で配列して、前記等ビット長変換後のパラレルバイナリデータを生成する第1ビット配列変換工程と、
を有することを特徴とするビット変化低減符号化方法。
【請求項10】
画像データ及び音声データの少なくとも何れか一方を含むパラレルバイナリデータの被処理データを等ビット長のシリアルバイナリデータに変換してシリアル伝送路に送信するデータ送信方法であって、
請求項9に記載のビット変化低減符号化方法の各工程と、
前記ビット変化低減符号化方法によって前記等ビット長変換されたパラレルバイナリデータをシリアルバイナリデータに変換するパラレルシリアル変換処理工程と、を有し、
前記被処理データ中の所定のデータ単位における所定のデータ形式の要素データを前記第1データとして、前記第1データの前記データ単位と空間的または時間的に隣接する前記データ単位の同じ要素データを前記第2データとして、前記ビット変化低減符号化方法の前記等ビット長変換を実行することを特徴とするデータ送信方法。
【請求項11】
複数フレームの画像データからなる動画像データを構成するパラレルバイナリデータを等ビット長のシリアルバイナリデータに変換してシリアル伝送路に送信するデータ送信方法であって、
請求項9に記載のビット変化低減符号化方法の各工程と、
前記ビット変化低減符号化方法によって時間的に前後して前記等ビット長変換されたパラレルバイナリデータの第1及び第2画像データに対して、対応するビット位置のビット同士の排他的論理和処理を行って等ビット長の第3画像データを生成する排他的論理和処理工程と、
前記排他的論理和処理工程によって前記等ビット長変換されたパラレルバイナリデータの前記第3画像データをシリアルバイナリデータに変換するパラレルシリアル変換工程と、を有し、
1フレームの前記画像データ中の1画素における所定のデータ形式の要素データを前記第1データとして、前記第1データの画素と空間的または時間的に隣接する画素の同じ要素データを前記第2データとして、前記ビット変化低減符号化方法の前記等ビット長変換を実行し、
前記ビット変化低減符号化方法の前記等ビット長変換によって生成した2つの連続するフレームの前記画像データ中の同じ画素における2つの前記要素データを、前記第1及び第2画像データとして、前記排他的論理和処理工程を実行することを特徴とするデータ送信方法。
【請求項12】
請求項9に記載のビット変化低減符号化方法によって前記等ビット長変換された2Nビット以上のパラレルバイナリデータを等ビット長逆変換して前記等ビット長変換前の原データに戻すビット変化低減復号化方法であって、
前記等ビット長逆変換の対象となる2Nビット以上の第7データからNビットの前記第5データとNビットの前記第6データを抽出して対応するビット同士の排他的論理和処理を行ってNビットの第8データを出力する第3排他的論理和処理工程と、
前記第8データを上位Nビットに配列し、前記第5データを前記第3データ内でのビット位置と同じビット位置に配列して2Nビット以上の第9データを生成する第2ビット配列変換工程と、
前記第9データと、前記原データと等ビット長で空間的または時間的に隣接する前記第2データに対して、少なくとも2Nビットの対応するビット位置のビット同士の排他的論理和処理を行って前記原データを出力する第4排他的論理和処理工程と、
を備えていることを特徴とするビット変化低減復号化方法。
【請求項13】
シリアル伝送路に送信された画像データ及び音声データの少なくとも何れか一方を含むシリアルバイナリデータの被処理データを受信して等ビット長のパラレルバイナリデータに変換するデータ受信方法であって、
前記シリアル伝送路から受信したシリアルバイナリデータをパラレルバイナリデータに変換するシリアルパラレル変換処理工程と、
請求項12に記載のビット変化低減復号化方法の各工程と、を有し、
前記シリアルパラレル変換処理工程で変換されたパラレルバイナリデータを前記第7データとして、前記第7データの所定のデータ単位と空間的または時間的に隣接する前記データ単位における同じ所定のデータ形式の要素データであって既に前記ビット変化低減復号化方法によって前記等ビット長逆変換された原データを前記第2データとして、前記ビット変化低減復号化方法の前記等ビット長逆変換を実行することを特徴とするデータ受信方法。
【請求項14】
複数フレームの画像データからなる動画像データを構成するパラレルバイナリデータを等ビット長で変換した後にシリアル伝送路に送信されたシリアルバイナリデータを受信して等ビット長のパラレルバイナリデータに変換するデータ受信方法であって、
前記シリアル伝送路から受信したシリアルバイナリデータをパラレルバイナリデータに変換するシリアルパラレル変換工程と、
前記シリアルパラレル変換工程で変換されたパラレルバイナリデータと、等ビット長の第1中間画像データに対して、対応するビット位置のビット同士の排他的論理和処理を行って等ビット長の第2中間画像データを生成する排他的論理和処理工程と、
請求項12に記載のビット変化低減復号化方法の各工程と、を有し、
前記シリアルパラレル変換工程で変換された2つの連続するフレームの同じ画素における2つの所定のデータ形式の要素データを、前記第1及び第2画像データとして、前記排他的論理和処理を実行し、
前記排他的論理和処理工程で排他的論理和処理されたパラレルバイナリデータを前記第7データとして、前記第7データの画素と空間的または時間的に隣接する画素の同じ前記要素データであって既に前記ビット変化低減復号化方法によって前記等ビット長逆変換された原データを前記第2データとして、前記ビット変化低減復号化方法による前記等ビット長逆変換を実行することを特徴とするデータ受信方法。
【請求項15】
画像データ及び音声データの少なくとも何れか一方を含むデータを、シリアル伝送路を介して送受信するデータ送受信方法であって、
請求項10に記載のデータ送信方法によって、パラレルバイナリデータの原データを等ビット長のシリアルバイナリデータに変換して前記シリアル伝送路に送信し、
請求項13に記載のデータ受信方法によって、前記シリアル伝送路に送信された前記シリアルバイナリデータを受信して等ビット長のパラレルバイナリデータの前記原データに変換することを特徴とするデータ送受信方法。
【請求項16】
動画像データを、シリアル伝送路を介して送受信するデータ送受信方法であって、
請求項11に記載のデータ送信方法によって、パラレルバイナリデータの原データを等ビット長のシリアルバイナリデータに変換して前記シリアル伝送路に送信し、
請求項14に記載のデータ受信方法によって、前記シリアル伝送路に送信された前記シリアルバイナリデータを受信して等ビット長のパラレルバイナリデータの前記原データに変換することを特徴とするデータ送受信方法。
【請求項1】
Nを2以上の自然数とする2Nビット以上のパラレルバイナリデータ内の隣接するビット間におけるビット変化を低減するための等ビット長変換を行うビット変化低減符号化装置であって、
前記等ビット長変換の対象となる2Nビット以上の第1データと、前記第1データと等ビット長で空間的または時間的に隣接する第2データに対して、少なくとも2Nビットの対応するビット位置のビット同士の排他的論理和処理を行って等ビット長の第3データを出力する第1排他的論理和回路と、
前記第3データの上位Nビットの第4データと、前記第3データの内の前記第4データを除くNビットの第5データに対して、前記第4データの各ビットと前記第5データの各ビットを任意の順番で対応させたビット同士の排他的論理和処理を行ってNビットの第6データを出力する第2排他的論理和回路と、を備え、
前記第6データと前記第5データの各ビットを対応するビット同士が隣接するように所定の順番で配列して、前記等ビット長変換後のパラレルバイナリデータを生成することを特徴とするビット変化低減符号化装置。
【請求項2】
画像データ及び音声データの少なくとも何れか一方を含むパラレルバイナリデータの被処理データを等ビット長のシリアルバイナリデータに変換してシリアル伝送路に送信するデータ送信装置であって、
請求項1に記載のビット変化低減符号化装置と、
前記ビット変化低減符号化装置によって前記等ビット長変換されたパラレルバイナリデータをシリアルバイナリデータに変換するパラレルシリアル変換装置と、を備え、
前記ビット変化低減符号化装置が、前記被処理データ中の所定のデータ単位における所定のデータ形式の要素データを前記第1データとして、前記第1データの前記データ単位と空間的または時間的に隣接する前記データ単位の同じ要素データを前記第2データとして、前記等ビット長変換を実行することを特徴とするデータ送信装置。
【請求項3】
複数フレームの画像データからなる動画像データを構成するパラレルバイナリデータを等ビット長のシリアルバイナリデータに変換してシリアル伝送路に送信するデータ送信装置であって、
請求項1に記載のビット変化低減符号化装置と、
前記ビット変化低減符号化装置によって時間的に前後して前記等ビット長変換されたパラレルバイナリデータの第1及び第2画像データに対して、対応するビット位置のビット同士の排他的論理和処理を行って等ビット長の第3画像データを生成する排他的論理和回路と、
前記排他的論理和回路によって前記等ビット長変換されたパラレルバイナリデータの前記第3画像データをシリアルバイナリデータに変換するパラレルシリアル変換装置と、を備え、
前記ビット変化低減符号化装置が、1フレームの前記画像データ中の1画素における所定のデータ形式の要素データを前記第1データとして、前記第1データの画素と空間的または時間的に隣接する画素の同じ要素データを前記第2データとして、前記等ビット長変換を実行し、
前記排他的論理和回路が、前記ビット変化低減符号化装置が前記等ビット長変換を実行して生成した2つの連続するフレームの前記画像データ中の同じ画素における2つの前記要素データを、前記第1及び第2画像データとして、前記排他的論理和処理を実行することを特徴とするデータ送信装置。
【請求項4】
請求項1に記載のビット変化低減符号化装置によって前記等ビット長変換された2Nビット以上のパラレルバイナリデータを等ビット長逆変換して前記等ビット長変換前の原データに戻すビット変化低減復号化装置であって、
前記等ビット長逆変換の対象となる2Nビット以上の第7データからNビットの前記第5データとNビットの前記第6データを抽出して対応するビット同士の排他的論理和処理を行ってNビットの第8データを出力する第3排他的論理和回路と、
前記第8データを上位Nビットに配列し、前記第5データを前記第3データ内でのビット位置と同じビット位置に配列して生成される2Nビット以上の第9データと、前記原データと等ビット長で空間的または時間的に隣接する前記第2データに対して、少なくとも2Nビットの対応するビット位置のビット同士の排他的論理和処理を行って前記原データを出力する第4排他的論理和回路を備えていることを特徴とするビット変化低減復号化装置。
【請求項5】
シリアル伝送路に送信された画像データ及び音声データの少なくとも何れか一方を含むシリアルバイナリデータの被処理データを受信して等ビット長のパラレルバイナリデータに変換するデータ受信装置であって、
前記シリアル伝送路から受信したシリアルバイナリデータをパラレルバイナリデータに変換するシリアルパラレル変換装置と、
請求項4に記載のビット変化低減復号化装置と、を備え、
前記ビット変化低減復号化装置が、前記シリアルパラレル変換装置で変換されたパラレルバイナリデータを前記第7データとして、前記第7データの所定のデータ単位と空間的または時間的に隣接する前記データ単位における同じ所定のデータ形式の要素データであって既に前記ビット変化低減復号化装置によって前記等ビット長逆変換された原データを前記第2データとして、前記等ビット長逆変換を実行することを特徴とするデータ受信装置。
【請求項6】
複数フレームの画像データからなる動画像データを構成するパラレルバイナリデータを等ビット長でパラレルシリアル変換した後にシリアル伝送路に送信されたシリアルバイナリデータを受信して等ビット長のパラレルバイナリデータに変換するデータ受信装置であって、
前記シリアル伝送路から受信したシリアルバイナリデータをパラレルバイナリデータに変換するシリアルパラレル変換装置と、
前記シリアルパラレル変換装置によって変換されたパラレルバイナリデータと、等ビット長の第1中間画像データに対して、対応するビット位置のビット同士の排他的論理和処理を行って等ビット長の第2中間画像データを生成する排他的論理和回路と、
請求項4に記載のビット変化低減復号化装置と、を備え、
前記排他的論理和回路が、前記シリアルパラレル変換装置で変換された2つの連続するフレームの同じ画素における2つの所定のデータ形式の要素データを、前記第1及び第2画像データとして、前記排他的論理和処理を実行し、
前記ビット変化低減復号化装置が、前記排他的論理和回路で排他的論理和処理されたパラレルバイナリデータを前記第7データとして、前記第7データの画素と空間的または時間的に隣接する画素の同じ前記要素データであって既に前記ビット変化低減復号化装置によって前記等ビット長逆変換された原データを前記第2データとして、前記等ビット長逆変換を実行することを特徴とするデータ受信装置。
【請求項7】
画像データ及び音声データの少なくとも何れか一方を含むデータを、シリアル伝送路を介して送受信するデータ送受信装置であって、
請求項2に記載のデータ送信装置と、
請求項5に記載のデータ受信装置と、を備えてなることを特徴とするデータ送受信装置。
【請求項8】
動画像データを、シリアル伝送路を介して送受信するデータ送受信装置であって、
請求項3に記載のデータ送信装置と、
請求項6に記載のデータ受信装置と、を備えてなることを特徴とするデータ送受信装置。
【請求項9】
Nを2以上の自然数とする2Nビット以上のパラレルバイナリデータ内の隣接するビット間におけるビット変化を低減するための等ビット長変換を行うビット変化低減符号化方法であって、
前記等ビット長変換の対象となる2Nビット以上の第1データと、前記第1データと等ビット長で空間的または時間的に隣接する第2データに対して、少なくとも2Nビットの対応するビット位置のビット同士の排他的論理和処理を行って等ビット長の第3データを出力する第1排他的論理和処理工程と、
前記第3データの上位Nビットの第4データと、前記第3データの内の前記第4データを除くNビットの第5データに対して、前記第4データの各ビットと前記第5データの各ビットを任意の順番で対応させたビット同士の排他的論理和処理を行ってNビットの第6データを出力する第2排他的論理和処理工程と、
前記第6データと前記第5データの各ビットを対応するビット同士が隣接するように所定の順番で配列して、前記等ビット長変換後のパラレルバイナリデータを生成する第1ビット配列変換工程と、
を有することを特徴とするビット変化低減符号化方法。
【請求項10】
画像データ及び音声データの少なくとも何れか一方を含むパラレルバイナリデータの被処理データを等ビット長のシリアルバイナリデータに変換してシリアル伝送路に送信するデータ送信方法であって、
請求項9に記載のビット変化低減符号化方法の各工程と、
前記ビット変化低減符号化方法によって前記等ビット長変換されたパラレルバイナリデータをシリアルバイナリデータに変換するパラレルシリアル変換処理工程と、を有し、
前記被処理データ中の所定のデータ単位における所定のデータ形式の要素データを前記第1データとして、前記第1データの前記データ単位と空間的または時間的に隣接する前記データ単位の同じ要素データを前記第2データとして、前記ビット変化低減符号化方法の前記等ビット長変換を実行することを特徴とするデータ送信方法。
【請求項11】
複数フレームの画像データからなる動画像データを構成するパラレルバイナリデータを等ビット長のシリアルバイナリデータに変換してシリアル伝送路に送信するデータ送信方法であって、
請求項9に記載のビット変化低減符号化方法の各工程と、
前記ビット変化低減符号化方法によって時間的に前後して前記等ビット長変換されたパラレルバイナリデータの第1及び第2画像データに対して、対応するビット位置のビット同士の排他的論理和処理を行って等ビット長の第3画像データを生成する排他的論理和処理工程と、
前記排他的論理和処理工程によって前記等ビット長変換されたパラレルバイナリデータの前記第3画像データをシリアルバイナリデータに変換するパラレルシリアル変換工程と、を有し、
1フレームの前記画像データ中の1画素における所定のデータ形式の要素データを前記第1データとして、前記第1データの画素と空間的または時間的に隣接する画素の同じ要素データを前記第2データとして、前記ビット変化低減符号化方法の前記等ビット長変換を実行し、
前記ビット変化低減符号化方法の前記等ビット長変換によって生成した2つの連続するフレームの前記画像データ中の同じ画素における2つの前記要素データを、前記第1及び第2画像データとして、前記排他的論理和処理工程を実行することを特徴とするデータ送信方法。
【請求項12】
請求項9に記載のビット変化低減符号化方法によって前記等ビット長変換された2Nビット以上のパラレルバイナリデータを等ビット長逆変換して前記等ビット長変換前の原データに戻すビット変化低減復号化方法であって、
前記等ビット長逆変換の対象となる2Nビット以上の第7データからNビットの前記第5データとNビットの前記第6データを抽出して対応するビット同士の排他的論理和処理を行ってNビットの第8データを出力する第3排他的論理和処理工程と、
前記第8データを上位Nビットに配列し、前記第5データを前記第3データ内でのビット位置と同じビット位置に配列して2Nビット以上の第9データを生成する第2ビット配列変換工程と、
前記第9データと、前記原データと等ビット長で空間的または時間的に隣接する前記第2データに対して、少なくとも2Nビットの対応するビット位置のビット同士の排他的論理和処理を行って前記原データを出力する第4排他的論理和処理工程と、
を備えていることを特徴とするビット変化低減復号化方法。
【請求項13】
シリアル伝送路に送信された画像データ及び音声データの少なくとも何れか一方を含むシリアルバイナリデータの被処理データを受信して等ビット長のパラレルバイナリデータに変換するデータ受信方法であって、
前記シリアル伝送路から受信したシリアルバイナリデータをパラレルバイナリデータに変換するシリアルパラレル変換処理工程と、
請求項12に記載のビット変化低減復号化方法の各工程と、を有し、
前記シリアルパラレル変換処理工程で変換されたパラレルバイナリデータを前記第7データとして、前記第7データの所定のデータ単位と空間的または時間的に隣接する前記データ単位における同じ所定のデータ形式の要素データであって既に前記ビット変化低減復号化方法によって前記等ビット長逆変換された原データを前記第2データとして、前記ビット変化低減復号化方法の前記等ビット長逆変換を実行することを特徴とするデータ受信方法。
【請求項14】
複数フレームの画像データからなる動画像データを構成するパラレルバイナリデータを等ビット長で変換した後にシリアル伝送路に送信されたシリアルバイナリデータを受信して等ビット長のパラレルバイナリデータに変換するデータ受信方法であって、
前記シリアル伝送路から受信したシリアルバイナリデータをパラレルバイナリデータに変換するシリアルパラレル変換工程と、
前記シリアルパラレル変換工程で変換されたパラレルバイナリデータと、等ビット長の第1中間画像データに対して、対応するビット位置のビット同士の排他的論理和処理を行って等ビット長の第2中間画像データを生成する排他的論理和処理工程と、
請求項12に記載のビット変化低減復号化方法の各工程と、を有し、
前記シリアルパラレル変換工程で変換された2つの連続するフレームの同じ画素における2つの所定のデータ形式の要素データを、前記第1及び第2画像データとして、前記排他的論理和処理を実行し、
前記排他的論理和処理工程で排他的論理和処理されたパラレルバイナリデータを前記第7データとして、前記第7データの画素と空間的または時間的に隣接する画素の同じ前記要素データであって既に前記ビット変化低減復号化方法によって前記等ビット長逆変換された原データを前記第2データとして、前記ビット変化低減復号化方法による前記等ビット長逆変換を実行することを特徴とするデータ受信方法。
【請求項15】
画像データ及び音声データの少なくとも何れか一方を含むデータを、シリアル伝送路を介して送受信するデータ送受信方法であって、
請求項10に記載のデータ送信方法によって、パラレルバイナリデータの原データを等ビット長のシリアルバイナリデータに変換して前記シリアル伝送路に送信し、
請求項13に記載のデータ受信方法によって、前記シリアル伝送路に送信された前記シリアルバイナリデータを受信して等ビット長のパラレルバイナリデータの前記原データに変換することを特徴とするデータ送受信方法。
【請求項16】
動画像データを、シリアル伝送路を介して送受信するデータ送受信方法であって、
請求項11に記載のデータ送信方法によって、パラレルバイナリデータの原データを等ビット長のシリアルバイナリデータに変換して前記シリアル伝送路に送信し、
請求項14に記載のデータ受信方法によって、前記シリアル伝送路に送信された前記シリアルバイナリデータを受信して等ビット長のパラレルバイナリデータの前記原データに変換することを特徴とするデータ送受信方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−243921(P2007−243921A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−322382(P2006−322382)
【出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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