説明

ピリジン誘導体およびその使用方法

【解決手段】 本明細書において、ピリジン誘導体、またはその薬学的に許容される塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグ、これを含む医薬組成物、および開示した化合物を使用し、被検体においてHIFのレベルもしくは活性を調節する方法、被検体においてHIFαの水酸化を阻害する方法、被検体におけるHIF調節遺伝子の発現を調節する方法、被検体のHIF関連障害を処置する方法、被検体において内因性EPOのレベルを増大させる方法、または被検体の障害を処置する方法を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2007年8月10日に出願された米国特許仮出願第60/955,193号の優先権を主張するものであり、その開示内容は、引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、製薬化学の分野のもの、特に、低酸素誘導因子−α(HIF−α)の安定性およびHIF調節遺伝子の発現に影響を及ぼす化合物、ならびに疾患の処置のためのその使用方法の分野のものである。
【背景技術】
【0003】
転写因子の低酸素誘導因子(HIF)ファミリーは、全身において、低酸素に対する細胞内応答の制御に中心的な調節性の役割を果たしている。HIFそれ自体は、主に、プロリルヒドロキシラーゼ(PHD)、ならびにアスパラギニルヒドロキシラーゼによって調節される。正常酸素圧条件下では、このPHDは、HIFのαサブユニットを部位特異的に水酸化し、それにより最終的にこれを分解させる。したがって、充分な酸素負荷レベルでは、身体は、HIFαタンパク質の発現および分解を継続的に行なう。
【0004】
本明細書に開示した化合物によるPHDのモジュレーションにより、細胞内酸素の恒常性の調節が改変される。これは、虚血、低酸素、および/または貧血が一因である任意の疾患状態において有用性を有する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書において、式I、式II、式III、式IVおよび式V:
【0006】
【化1】

【0007】
からなる群より選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグを開示し、
式中、
nは、0または1であり;
は、−ORまたはハロであり;
は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、ハロ、およびシアノからなる群から選択され、
は、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、選択的に置換されたヘテロアリール、−CR1011、および−CR10−C(=O)OR12からなる群から選択され、
は、水素または−ORであり;
は、酸素、硫黄、および炭素からなる群から選択され、
は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、および選択的に置換されたヘテロアリールからなる群より選択されるが、
が酸素または硫黄のとき、Rは存在しないものとし;
およびXは、各々独立して、窒素または炭素であるが、
、XおよびXの少なくとも1つは炭素であるものとし;
は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、選択的に置換されたヘテロアリール、および−ORからなる群から選択され、
は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、選択的に置換されたヘテロアリール、および−SO−Arからなる群より選択され、ここで、Arは、選択的に置換されたアリールであるか;または
およびXがともに炭素であり、RとRが一緒になって、これらが結合している炭素原子とともに式
【0008】
【化2】

【0009】
の環を形成しており、
式中、
13およびR14は、各々独立して、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、ハロ、−OR、およびシアノからなる群から選択されるものであり、
15およびR16は、各々独立して、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、ハロ、ペルハロアルキル、−OR、−NO、−N(R、−NHC(=O)R、−NH(SO)Ar、−(CR10−S(=O)−(CR10−R、−(CR10−S(=O)−(CR10−R、およびシアノからなる群より選択され、ここで、Arは、選択的に置換されたアリールであり、mおよびpは、各々独立して、0〜10(両端を含む)であり(すなわち、mまたはpは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10からなる群より選択され);
は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、および選択的に置換されたアリールからなる群から選択されるものであり、
およびR10は、各々独立して、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、および選択的に置換されたアリールからなる群から選択されるものであり、
11は、選択的に置換されたアリール、および選択的に置換されたヘテロアリールからなる群から選択されるものであり、
12は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、および選択的に置換されたヘテロアリールからなる群から選択されるものであり、
結合aおよび結合bは、X、XおよびXがR〜Rとともにオクテット則を満たすように単結合または二重結合である。
【0010】
また、式I、式II、式III、式IVもしくは式Vの化合物またはその薬学的に許容される塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグ少なくとも1種類の治療有効量と、生理学的に許容され得る担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬組成物も開示する。
【0011】
また、被検体のHIFレベルを制御する、被検体においてHIFαの水酸化を阻害する、被検体においてプロリルヒドロキシラーゼを阻害する、被検体においてHIF制御遺伝子の発現を調節する、被検体のHIF関連障害を処置する、虚血、低酸素および/または貧血と関連する疾患を処置する、血管新生および/またはエリトロポイエチンレベルと関連する被検体の病状を処置する、または被検体の障害を処置する方法であって、それを必要とする被検体を特定すること、および式I、式II、式III、式IVおよび式Vの化合物またはその薬学的に許容される塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグの少なくとも1種類を前記被検体に投与すること、または前記被検体と接触させることを含む方法を開示する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
用語「薬学的に許容される塩」は、被検体における使用に安全で有効であり、かつ所望の生物学的活性を有する本発明の化合物の塩を意味する。薬学的に許容される塩としては、本発明の化合物内に存在する酸性基または塩基性基の塩が挙げられる。薬学的に許容され得る酸付加塩としては、限定されないが、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩(gentisinate)、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルカロン酸塩(glucaronate)、サッカリン酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩およびパモ酸塩(すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸))が挙げられる。本発明の一部の特定の化合物は、種々のアミノ酸と薬学的に許容される塩を形成したものであり得る。好適な塩基の塩としては、限定されないが、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、亜鉛、およびジエタノールアミンの塩が挙げられる。薬学的に許容される塩に関する概説については、BERGE ET AL.,66 J.PHARM.SCI.1−19(1977)(引用により本明細書に組み込まれる)を参照のこと。
【0013】
用語「エステル」は、式−(R)−COOR’を有する化学物質部分をいい、式中、RおよびR’は、独立して、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール(環内炭素によって結合)およびヘテロ脂環式(環内炭素によって結合)からなる群より選択され、nは0または1である。
【0014】
「アミド」は、式−(R)−C(O)NHR’または−(R)−NHC(O)R’を有する化学物質部分であり、式中、RおよびR’は、独立して、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール(環内炭素によって結合)およびヘテロ脂環式(環内炭素によって結合)からなる群より選択され、nは0または1である。アミドは、本発明の分子に結合され、それによりプロドラッグを形成するアミノ酸またはペプチド分子であってもよい。
【0015】
本発明の化合物上のアミン、ヒドロキシまたはカルボキシル側鎖はいずれも、エステル化またはアミド化されていてもよい。この目的を達成するために使用される手順および具体的な基は、当業者に周知であり、GreeneおよびWuts,Protective Groups in Organic Synthesis,第3版,John Wiley & Sons,New York,N.Y.,1999(これは、その全体が本明細書に組み込まれる)などの参考文献情報源から容易に見い出され得る。
【0016】
「プロドラッグ」は、インビボで親薬物に変換される薬剤をいう。プロドラッグは、多くの場合、状況によっては、親薬物よりも投与が容易であり得るため、有用である。例えば、プロドラッグは経口投与によってバイオアベイラブルであり得るが、親はそうではない。また、プロドラッグは、医薬組成物において親薬物よりも改善された可溶性を有するものであり得る。プロドラッグの一例は、限定されないが、水溶性が可動性に不利益な細胞膜の通過を助長するためにエステル(「プロドラッグ」)として投与される本発明の化合物であり得、次いで、これは、水溶性が有益な細胞内部に入ると、代謝によって活性な存在体カルボン酸に加水分解される。プロドラッグのさらなる例は、酸基に結合された短鎖ペプチド(ポリアミノ酸)であり得、この場合、該ペプチドは代謝されて活性部分が露出される。
【0017】
本発明の基が「選択的に置換」されていると記載されている場合は、該基は、非置換であってもよく、該基に関して記載された置換基の1つ以上で置換されたものであってもよい。同様に、ある基が「非置換または置換された」と記載されている場合、置換されたものである場合は、その置換基は、同じ置換基群から選択され得る。特に記載のない限り、置換基が「選択的に置換」または「置換」されているとみなされる場合、置換基は、個々に独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリシクリル(alicyclyl)、アラルキル、ヘテロアラルキル、(ヘテロ(hetereo)アリシクリル)アルキル、ヒドロキシ、保護ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、アシル、エステル、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、ハロゲン、カルボニル、チオカルボニル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、C−アミド、N−アミド、S−スルホンアミド、N−スルホンアミド、C−カルボキシ、保護C−カルボキシ、O−カルボキシ、イソシアナート、チオシアナート、イソチオシアナート、ニトロ、シリル、スルフェニル、スルフィニル、スルホニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、トリハロメタンスルホニル、トリハロメタンスルホンアミド、ならびにアミノ(例えば、一置換および二置換アミノ基)、ならびにその保護誘導体から選択される1つ以上の基で置換されていてもよい基であることを意味する。上記の置換基の保護誘導体が形成され得る保護基は当業者に周知であり、参考文献GreeneおよびWuts,Protective Groups in Organic Synthesis,第3版,John Wiley & Sons,New York,NY,1999(これは、引用によりその全体が本明細書に組み込まれる)を見るとよい。
【0018】
本明細書で用いる場合、「C〜C」の「m」および「n」の整数は、アルキル、アルケニルもしくはアルキニル基内の炭素原子の数、またはシクロアルキル、シクロアルケニルもしくはアリール基の環内の炭素原子の数をいう。すなわち、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルの環、シクロアルケニルの環、またはアリールの環は、「m」〜「n」(両端を含む)個の炭素原子を含み得る。したがって、例えば、「C〜Cアルキル」基は、1〜4個の炭素を有するすべてのアルキル基、すなわち、CH−、CHCH−、CHCHCH−、CHCH(CH)−、CHCHCHCH−、CHCHCH(CH)−、および(CHCH−をいう。アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルまたはシクロアルケニル基に関して「m」および「n」が指定されていない場合、該定義に示される最大範囲を想定する。
【0019】
本明細書で用いる場合、「アルキル」は、直鎖または分枝鎖の完全飽和(二重結合または三重結合がない)炭化水素(すべて炭素の)基をいう。本発明のアルキル基は、1〜20個の炭素原子を含むもの、すなわち、「m」=1および「n」=20であり、「C〜C20アルキル」と指定されるものであり得る。本発明では、「m」=1および「n」:=12(C〜C12アルキル)であることが好ましい。本発明では、「m」=1および「n」=6(C〜Cアルキル)であることがより好ましい。アルキル基の例としては、限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、アミル、tert−アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシルおよびドデシルが挙げられる。
【0020】
本発明のアルキル基は、置換されているか、または非置換であり得る。置換されている場合、置換基(1つまたは複数)は、独立して、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリシクリル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、ハロ、オキソ、カルボニル、チオカルボニル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、C−アミド、N−アミド、S−スルホンアミド、N−スルホンアミド、C−カルボキシ、O−カルボキシ、イソシアナート、チオシアナート、イソチオシアナート、ニトロ、シリル、トリハロメタンスルホニル、−NR、保護ヒドロキシル、保護アミノ、保護カルボキシおよび保護アミド基から選択される1つ以上の基であり得る。
【0021】
置換アルキル基の例としては、限定されないが、2−オキソ−プロプ−1−イル、3−オキソ−ブト−1−イル、シアノメチル、ニトロメチル、クロロメチル、ヒドロキシメチル、テトラヒドロピラニルオキシメチル、m−トリチルオキシメチル、プロピオニルオキシメチル、アミノメチル、カルボキシメチル、アリルオキシカルボニルメチル、アリルオキシカルボニルアミノメチル、メトキシメチル、エトキシメチル、t−ブトキシメチル、アセトキシメチル、クロロメチル、ブロモメチル、ヨードメチル、トリフルオロメチル、6−ヒドロキシヘキシル、2,4−ジクロロブチル、2−アミノプロピル、1−クロロエチル、2−クロロエチル、1−ブロモエチル、2−クロロエチル、1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、1−ヨードエチル、2−ヨードエチル、1−クロロプロピル、2−クロロプロピル、3−クロロプロピル、1−ブロモプロピル、2−ブロモプロピル、3−ブロモプロピル、1−フルオロプロピル、2−フルオロプロピル、3−フルオロプロピル、1−ヨードプロピル、2−ヨードプロピル、3−ヨードプロピル、2−アミノエチル、1−アミノエチル、N−ベンゾイル−2−アミノエチル、N−アセチル−2−アミノエチル、N−ベンゾイル−1−アミノエチルおよびN−アセチル−1−アミノエチルが挙げられる。
【0022】
本明細書で用いる場合、「アルケニル」は、直鎖または分枝鎖の炭化水素鎖内に1つ以上の二重結合を含むアルキル基をいう。アルケニル基の例としては、限定されないが、ビニル(CH=CH−)、アリル(CHCH=CH−)、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル;1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、3−メチル−1−ブテニル、ならびにヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニルおよびドデセニルの種々の異性体が挙げられる。
【0023】
本発明のアルケニル基は、非置換または置換されたものであり得る。置換されている場合、置換基(1つまたは複数)は、アルキル基の置換に関して上記に開示したものと同じ群から選択され得る。置換アルケニル基の例としては、限定されないが、スチレニル、3−クロロ−プロペン−1−イル、3−クロロ−ブテン−1−イル、3−メトキシ−プロペン−2−イル、3−フェニル−ブテン−2−イルおよび1−シアノ−ブテン−3−イルが挙げられる。
【0024】
本明細書で用いる場合、「アルキニル」は、直鎖または分枝鎖の炭化水素鎖内に1つ以上の三重結合アルキル基をいう。
【0025】
本発明のアルキニル基は、非置換または置換されたものであり得る。置換されている場合、置換基(1つまたは複数)は、アルキル基の置換に関して上記に開示したものと同じ群から選択され得る。
【0026】
本明細書で用いる場合、「シクロアルキル」は、完全飽和(二重結合がない)炭化水素環をいう。本発明のシクロアルキル基は、C〜Cの範囲であり得る。シクロアルキル基は、非置換または置換されたものであり得る。置換されている場合、置換基(1つまたは複数)は、アルキル基の置換に関して上記に示したものと同じ群から選択され得る。「シクロアルキル」基は、2つ以上の縮合環(隣接する2つの炭素原子が共有されている環)で構成されたものであってもよい。シクロアルキルが縮合環系である場合、分子の残部に連結された環が、上記に定義したシクロアルキルである。縮合環系のその他の環(1つまたは複数)は、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロ脂環式であり得る。
【0027】
本明細書で用いる場合、「シクロアルケニル」は、環内に1つ以上の二重結合を含むシクロアルキル基をいうが、1つより多く存在する場合、環内で完全に非局在化したπ電子系が形成され得ない(すなわち、その基は、本明細書において定義した「アリール」であり得る)。本発明のシクロアルケニル基は、非置換または置換されたものであり得る。置換されている場合、置換基(1つまたは複数)は、アルキル基の置換に関して上記に開示したものと同じ群から選択され得る。「シクロアルケニル」基は、2つ以上の縮合環(隣接する2つの炭素原子が共有されている環)で構成されたものであってもよい。シクロアルケニルが縮合環系である場合、分子の残部に連結された環が、上記に定義したシクロアルケニルである。縮合環系のその他の環(1つまたは複数)は、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロ脂環式であり得る。
【0028】
用語「アルキレン」は、本明細書において定義したアルキル基であって、ビラジカルであり、2つの他の部分に連結されるものをいう。したがって、メチレン(−CH−)、エチレン(−CHCH−)、プロピレン(proylene)(−CHCHCH−)、イソプロピレン(−CH−CH(CH)−)、およびイソブチレン(−CH−CH(CH)−CH−)は、限定されないが、アルキレン基の例である。同様に、用語「シクロアルキレン」は、本明細書において定義したシクロアルキル基であって、同様に2つの他の部分に結合されるものをいう。アルキルおよびシクロアルキル基が不飽和炭素を含む場合、用語「アルケニレン」および「シクロアルケニレン」が使用される。
【0029】
本明細書で用いる場合、「アシル」は「RC(=O)O−」をいう。アシル基の例としては、限定されないが、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ペンタノイル、ピバロイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、ノナノイル、デカノイル、ウンデカノイル、ドデカノイルおよびベンゾイルが挙げられる。本発明において好ましいアシル基はアセチルとベンゾイルである。
【0030】
本発明のアシル基は、非置換または置換されたものであり得る。置換されている場合、置換基(1つまたは複数)は、アルキル基の置換に関して上記に開示したものと同じ群から選択され得る。置換アシル基の例としては、限定されないが、4−フェニルブチロイル、3−フェニルブチロイル、3−フェニルプロパノイル、2−シクロヘキサニルアセチル、シクロヘキサンカルボニル、2−フラノイルおよび3−ジメチルアミノベンゾイルが挙げられる。
【0031】
本明細書で用いる場合、「アリール」は、完全に非局在化したπ電子系を有する炭素環式(すべて炭素の)環をいう。「アリール」基は、2つ以上の縮合環(隣接する2つの炭素原子が共有されている環)で構成されたものであってもよい。アリールが縮合環系である場合、分子の残部に連結された環が、完全に非局在化したπ電子系を有する。縮合環系のその他の環(1つまたは複数)は、完全に非局在化したπ電子系を有するものであってもよく、そうでなくてもよい。アリール基の例としては、限定されないが、ベンゼン、ナフタレンおよびアズレンが挙げられる。
【0032】
本明細書で用いる場合、「ヘテロアリール」は、窒素、酸素および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を環内に含み、かつ完全に非局在化したπ電子系を有する環をいう。「ヘテロアリール」基は、2つ以上の縮合環(隣接する2つの炭素原子が共有されている環)で構成されたものであってもよい。ヘテロアリールが縮合環系である場合、分子の残部に連結された環が、完全に非局在化したπ電子系を有する。縮合環系のその他の環(1つまたは複数)は、完全に非局在化したπ電子系を有するものであってもよく、そうでなくてもよい。ヘテロアリール環の例としては、限定されないが、フラン、チオフェン、フタラジノン、ピロール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ピラン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジンおよびトリアジンが挙げられる。
【0033】
本明細書で用いる場合、「ヘテロシクロアルキル」、「ヘテロ脂環式」または「ヘテロアリシクリル」は、環系内に、独立して窒素、酸素および硫黄から選択される1個以上のヘテロ原子を有する環をいう。また、環は1つ以上の二重結合を含むものであってもよいが、該環内で、完全に非局在化したπ電子系を形成していないものとする。本発明のヘテロアリシクリル基は、非置換または置換されたものであり得る。置換されている場合、置換基(1つまたは複数)は、独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アルキル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、カルボキシ、保護カルボキシ、アミノ、保護アミノ、カルボキサミド、保護カルボキサミド、アルキルスルホンアミドおよびトリフルオロメタンスルホンアミドからなる群より選択される1つ以上の基であり得る。「ヘテロシクロアルキル」基は、2つ以上の縮合環(隣接する2つの炭素原子が共有されている環)で構成されたものであってもよい。ヘテロシクロアルキルが縮合環系である場合、分子の残部に連結された環が、上記に定義したヘテロシクロアルキルである。縮合環系のその他の環(1つまたは複数)は、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロ脂環式であり得る。
【0034】
本明細書で用いる場合、「フェニルアルキル」は、本明細書において定義したアルキル基に共有結合されたフェニル環をいう。限定されないが、フェニルアルキル基の例としては、限定されないが、ベンジル、2−フェニルエチル、1−フェニルプロピル、4−フェニルヘキシル、3−フェニルアミルおよび3−フェニル−2−メチルプロピルが挙げられる。本発明において好ましいフェニルアルキル基は、フェニル基が本発明において好ましいアルキル基の1つに共有結合されたものである。本発明のフェニルアルキル基は、非置換または置換されたものであり得る。置換フェニルアルキル基の例としては、限定されないが、2−フェニル−1−クロロエチル、2−(4−メトキシフェニル)エチル、4−(2,6−ジヒドロキシフェニル)ヘキシル、2−(5−シアノ−3−メトキシフェニル)ペンチル、3−(2,6−ジメチルフェニル)プロピル、4−クロロ−3−アミノベンジル、6−(4−メトキシフェニル)−3−カルボキシ(n−ヘキシル)、5−(4−アミノメチルフェニル)−3−(アミノメチル)ペンチルおよび5−フェニル−3−オキソ−ペント−1−イルが挙げられる。
【0035】
本明細書で用いる場合、「ヘテロアリールアルキル」および「ヘテロアリシクリルアルキル」は、本明細書において定義したアルキル基に共有結合されたヘテロアリールまたはヘテロアリシクリル基をいう。かかる基の例としては、限定されないが、2−ピリジルエチル、3−ピリジルプロピル、4−フリルヘキシル、3−ピペラジルアミルおよび3−モルホリニルブチルが挙げられる。本発明において好ましいヘテロアリールアルキルおよびヘテロアリシクリルアルキル基は、本発明において好ましいヘテロアリールまたはヘテロアリシクリル基が、本明細書に開示した本発明において好ましいアルキル基に共有結合されたものである。
【0036】
本明細書で用いる場合、「フェニル」は、6員のアリール基をいう。フェニル基は、非置換または置換されたものであり得る。置換されている場合、置換基(1つまたは複数)は、独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アルキル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、カルボキシ、保護カルボキシ、カルボキシメチル、保護カルボキシメチル、ヒドロキシメチル、保護ヒドロキシメチル、−NR(式中、RおよびRは上記に定義したとおりであるが、Rはまた、本明細書において定義したアミノ保護基であってもよい)、カルボキサミド、保護カルボキサミド、N−アルキルカルボキサミド、保護N−アルキルカルボキサミド、N,N−ジアルキルカルボキサミド、トリフルオロメチル、N−アルキルスルホニルアミノ、N−(フェニルスルホニル)アミノおよびフェニル(ビフェニル基の形成をもたらす)からなる群より選択される1つ以上、好ましくは1つまたは2つの基である。
【0037】
置換フェニル基の例としては、限定されないが、2、3もしくは4−クロロフェニル、2,6−ジクロロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、2、3もしくは4−ブロモフェニル、3,4−ジブロモフェニル、3−クロロ−4−フルオロフェニル、2、3および4−フルオロフェニル、2、3もしくは4−ヒドロキシフェニル、2,4−ジヒドロキシフェニル、その保護ヒドロキシ誘導体、2、3もしくは4−ニトロフェニル;2、3もしくは4−シアノフェニル;2、3もしくは4−メチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2、3もしくは4−(iso−プロピル)フェニル、2、3もしくは4−エチルフェニル、2、3もしくは4−(n−プロピル)フェニル、2,6−ジメトキシフェニル、2、3もしくは4−メトキシフェニル、2、3もしくは4−エトキシフェニル、2、3もしくは4−(イソプロポキシ)フェニル、2、3もしくは4−(t−ブトキシ)フェニル、3−エトキシ−4−メトキシフェニル;2、3もしくは4−トリフルオロメチルフェニル;2、3もしくは4−カルボキシフェニルまたは2,4−ジ(保護カルボキシ)フェニル;2、3、もしくは4−(保護ヒドロキシメチル)フェニルまたは3,4−ジ(ヒドロキシメチル)フェニル;2、3もしくは4−(アミノメチル)フェニルまたは2,4−(保護アミノメチル)フェニル;ならびに2、3もしくは4−(N−(メチルスルホニルアミノ))フェニルが挙げられる。
【0038】
本明細書で用いる場合、「フェニルアルコキシ」は「フェニルアルキル−O−」基をいい、「フェニル」および「アルキル」は、本明細書において定義したものである。本発明のフェニルアルコキシ基は、フェニル環、アルキル基または両方が置換されたもの、または非置換であり得る。フェニルアルコキシ基の例としては、限定されないが、2−(4−ヒドロキシフェニル)エトキシ、4−(4−メトキシフェニル)ブトキシ、(2R)−3−フェニル−2−アミノ−プロポキシ、(2S)−3−フェニル−2−アミノ−プロポキシ、2−インダノキシ、6−フェニル−1−ヘキサノキシ、シンナミルオキシ、2−フェニル−1−プロポキシおよび2,2−ジメチル−3−フェニル−1−プロポキシが挙げられる。
【0039】
本明細書で用いる場合、「ハロ」および「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード原子をいう。好ましいハロゲンはクロロおよびフルオロである。
【0040】
本明細書で用いる場合、「アミノ保護基」は、分子の意図される目的の官能基とは反応するが、アミノ基を、試薬との反応させないため(すなわち、「ブロック」または「保護」するため)に一般的に使用される基をいう。
【0041】
本明細書で用いる場合、「保護カルボキサミド」は、窒素がアミノ保護基で置換されたカルボキサミドをいう。
【0042】
アミノ保護基の例としては、限定されないが、ホルミル(「For」)、トリチル、フタルイミド、トリクロロアセチル、クロロアセチル、ブロモアセチル、ヨードアセチル基、t−ブトキシカルボニル(「Boc」)、2−(4−ビフェニリル)プロピル−2−オキシカルボニル(「Bpoc」)、2−フェニルプロピル−2−オキシカルボニル(「Poc」)、2−(4−キセニル)イソプロポキシカルボニル、1,1−ジフェニルエチル−1−オキシカルボニル、1,1−ジフェニルプロピル−1−オキシカルボニル、2−(3,5−ジメトキシフェニル)プロピル−2−オキシカルボニル(「Ddz」)、2−(p−トルイル)プロピル−2−オキシカルボニル、シクロペンタニルオキシカルボニル、1−メチルシクロペンタニルオキシカルボニル、シクロヘキサニルオキシ−カルボニル、1−メチルシクロヘキサニルオキシカルボニル、2−メチルシクロヘキサニルオキシカルボニル、2−(4−トルイルスルホニル)−エトキシカルボニル、2−(メチルスルホニル)エトキシカルボニル、2−(トリフェニルホスフィノ)−エトキシカルボニル、9−フルオレニルメトキシカルボニル(「Fmoc」)、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、1−(トリメチルシリルメチル)プロプ−1−エニルオキシカルボニル、5−ベンズイソオキサリルメトキシカルボニル、4−アセトキシベンジル−オキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、2−エチニル−2−プロポキシカルボニル、シクロプロピル−メトキシカルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、1−ピペリジルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル(「Cbz」)、4−フェニルベンジルオキシカルボニル、2−メチルベンジルオキシ−カルボニル、−2,4,5,−テトラメチルベンジルオキシカルボニル(「Tmz」)、4−メトキシベンジルオキシ−カルボニル、4−フルオロベンジルオキシカルボニル、4−クロロベンジルオキシカルボニル、3−クロロベンジルオキシカルボニル、2−クロロベンジルオキシカルボニル、2,4−ジクロロベンジル−オキシカルボニル、4−ブロモベンジルオキシカルボニル、3−ブロモベンジルオキシカルボニル、4−ニトロベンジルオキシ−カルボニル、4−シアノベンジルオキシカルボニル、4−(デシルオキシ)ベンジルオキシカルボニル、ベンゾイルメチルスルホニル、ジチアスクシノイル(「Dts」)、2−(ニトロ)フェニルスルフェニル(「Nps」)、およびジフェニルホスフィンオキシドが挙げられる。使用されるアミノ保護基の種は、誘導体化されたアミノ基が後続の反応(1つまたは複数)の条件に対して安定であり、分子の残部を崩壊させることなく適切な点で除去され得るものである限り、重要ではない。本発明において好ましいアミノ保護基はBoc、CbzおよびFmocである。これらおよび他のアミノ保護基の説明は、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts,"Protective Groups in Organic Synthesis,"第2版,John Wiley and Sons,New York,N.Y.,1991,第7章,M.Bodanzsky,"Principles of Peptide Synthesis,"改訂第1版および第2版,Springer−Verlag,New York,N.Y.,1984年版および1993年版ならびにStewartおよびYoung,"Solid Phase Peptide Synthesis,"第2版,Pierce Chemical Co.,Rockford,Ill.,1984を見るとよい。
【0043】
本明細書で用いる場合、用語「カルボキシ保護基」は、カルボン酸をブロックまたは保護するために一般的に使用される不安定なエステルであって、化合物上の他の官能基とは反応するものをいう。カルボキシ保護基の例としては、限定されないが、t−ブチル、4−ニトロベンジル、4−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、2,4−ジメトキシベンジル、2,4,6−トリメトキシベンジル、2,4,6−トリメチルベンジル、ペンタメチルベンジル、3,4−メチレンジオキシベンジル、ベンズヒドリル、4,4’−ジメトキシトリチル、4,4’,4"−トリメトキシトリチル、2−フェニルプロピル、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェナシル、2,2,2−トリクロロエチル、−(トリメチルシリル)エチル、−(ジ(n−ブチル)メチルシリル)エチル、p−トルエンスルホニルエチル、4−ニトロベンジルスルホニルエチル、アリル、シンナミル、および1−(トリメチルシリルメチル)−プロペニルが挙げられる。使用されるエステルは、後続の反応(1つまたは複数)の条件に対して安定であり、分子の残部を崩壊させることなく適切な点で除去され得るものである限り、重要ではない。カルボキシ保護基のさらなる例は、E.Haslam,"Protective Groups in Organic Chemistry,"J.G.W.McOmie編,Plenum Press,New York,N.Y.,1973,第5章、ならびにT.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts,"Protective Groups in Organic Synthesis,"第2版,John Wiley and Sons,New York,N.Y.,1991,第5章に見られる。
【0044】
本明細書で用いる場合、「ヒドロキシル保護基」は、ヒドロキシル基の水素と置き換えられる容易に切断可能な基をいい、限定されないが、テトラヒドロピラニル、2−メトキシプロピル、1−エトキシエチル、メトキシメチル、2−メトキシエトキシメチル、メチルチオメチル、t−ブチル、t−アミル、トリチル、4−メトキシトリチル、4,4’−ジメトキシトリチル、4,4’,4"−トリメトキシトリチル、ベンジル、アリル、トリメチルシリル、(t−ブチル)ジメチルシリル、および2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルなどである。ヒドロキシル保護基の種は、誘導体化されたヒドロキシル基が後続の反応(1つまたは複数)の条件に対して安定であり、分子の残部を崩壊させることなく適切な点で除去され得るものである限り、重要ではない。ヒドロキシ保護基のさらなる例は、C.B.ReeseおよびE.Haslam,"Protective Groups in Organic Chemistry,"J.G.W.McOmie編,Plenum Press,New York,N.Y.,1973,それぞれ第3章および第4章、ならびにT.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts,"Protective Groups in Organic Synthesis,"第2版,John Wiley and Sons,New York,N.Y.,1991,第2章および第3章に示されている。
【0045】
本明細書で用いる場合、「アルキルチオ」は「アルキル−S−」基をいい、アルキルは上記に定義したとおりである。アルキルチオ基の例としては、限定されないが、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオおよびt−ブチルチオが挙げられる。
【0046】
本明細書で用いる場合、「アルキルスルフィニル」は「アルキル−SO−」基をいい、アルキルは上記に定義したとおりである。アルキルスルフィニル基の例としては、限定されないが、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、n−プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル、n−ブチルスルフィニルおよびsec−ブチルスルフィニルが挙げられる。
【0047】
本明細書で用いる場合、「アルキルスルホニル」は「アルキル−SO−」基をいう。アルキルスルホニル基の例としては、限定されないが、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n−プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、n−ブチルスルホニル、およびt−ブチルスルホニルが挙げられる。
【0048】
本明細書で用いる場合、「フェニルチオ」、「フェニルスルフィニル」および「フェニルスルホニル」は「フェニル−S−」、「フェニル−SO−」および「フェニル−SO−」基をいい、フェニルは本明細書において定義したとおりである。
【0049】
本明細書で用いる場合、「アルキルアミノカルボニル」は「アルキルNHC(=O)−」基をいい、アルキルは本明細書において定義したとおりである。アルキルアミノカルボニル基の例としては、限定されないが、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、プロピルアミノカルボニルおよびブチルアミノカルボニルが挙げられる。置換アルキルアミノカルボニルの例としては、限定されないが、メトキシメチル−アミノカルボニル、2−クロロエチルアミノカルボニル、2−オキソプロピルアミノカルボニルおよび4−フェニルブチルアミノカルボニルが挙げられる。
【0050】
本明細書で用いる場合、「アルコキシカルボニル」は「アルキル−OC(=O)−」基をいい、アルキルは上記に定義したとおりである。
【0051】
本明細書で用いる場合、「フェニルアミノカルボニル」は「フェニル−NHC(=O)−」基をいい、フェニルは上記に定義したとおりである。置換フェニルアミノカルボニル基の例としては、限定されないが、2−クロロフェニル−アミノカルボニル、3−クロロフェニルアミノカルボニル、2−ニトロ(nitor)フェニルアミノカルボニル、4−ビフェニルアミノカルボニル、および4−メトキシフェニルアミノカルボニルが挙げられる。
【0052】
本明細書で用いる場合、「アルキルアミノチオカルボニル」は「アルキル−NHC(=O)−」基をいい、アルキルは上記に定義したとおりである。アルキルアミノチオ−カルボニル基の例としては、限定されないが、メチルアミノチオカルボニル、エチルアミノチオカルボニル、プロピルアミノチオカルボニルおよびブチルアミノチオカルボニルが挙げられる。
【0053】
アルキル置換アルキルアミノチオカルボニル基の例としては、限定されないが、メトキシメチルアミノチオカルボニル、2−クロロエチルアミノチオカルボニル、2−オキソプロピルアミノチオカルボニルおよび4−フェニルブチルアミノチオカルボニルが挙げられる。
【0054】
本明細書で用いる場合、「フェニルアミノチオカルボニル」は「フェニル−NHC(=S)−」基をいい、フェニルは上記に定義したとおりである。フェニルアミノチオカルボニル基の例としては、限定されないが、2−クロロフェニルアミノチオカルボニル、3−クロロフェニル−アミノチオカルボニル、2−ニトロフェニルアミノチオカルボニル、4−ビフェニルアミノチオカルボニルおよび4−メトキシフェニルアミノチオカルボニルが挙げられる。
【0055】
本明細書で用いる場合、「カルバモイル」は「−NCO−」基をいう。
【0056】
本明細書で用いる場合、「ヒドロキシル」は「−OH」基をいう。
【0057】
本明細書で用いる場合、「シアノ」は「−C≡N」基をいう。
【0058】
本明細書で用いる場合、「ニトロ」は「−NO」基をいう。
【0059】
「O−カルボキシ」基は「RC(=O)O−」基をいい、Rは上記に定義したとおりである。
【0060】
「C−カルボキシ」基は「−C(=O)OR」基をいい、Rは上記に定義したとおりである。
【0061】
「アセチル」基はCHC(=O)−基をいう。
【0062】
「トリハロメタンスルホニル」基は「XCSO−」基をいい、式中、Xはハロゲンである。
【0063】
「イソシアナート」基は「−NCO」基をいう。
【0064】
「チオシアナート」基は「−CNS」基をいう。
【0065】
「イソチオシアナート」基は「−NCS」基をいう。
【0066】
「スルフィニル」基は「−S(=O)−R」基をいい、Rは上記に定義したとおりである。
【0067】
「S−スルホンアミド」基は「−SONR」基をいい、Rは上記に定義したとおりである。
【0068】
「N−スルホンアミド」基は「RSONH−」基をいい、Rは上記に定義したとおりである。
【0069】
「トリハロメタンスルホンアミド」基は「XCSONR−」基をいい、XはハロゲンおよびRは上記に定義したとおりである。
【0070】
「O−カルバミル」基は「−OC(=O)−NR」基をいい、Rは上記に定義したとおりである。
【0071】
「N−カルバミル」基は「ROC(=O)NH−」基をいい、Rは上記に定義したとおりである。
【0072】
「O−チオカルバミル」基は「−OC(=S)−NR」基をいい、Rは上記に定義したとおりである。
【0073】
「N−チオカルバミル」基は「ROC(=S)NH−」基をいい、Rは上記に定義したとおりである。
【0074】
「C−アミド」基は「−C(=O)−NR基をいい、RおよびRは上記に定義したとおりである。
【0075】
「N−アミド」基はRC(=O)NH−基をいい、Rは上記に定義したとおりである。
【0076】
用語「ペルハロアルキル」は、すべての水素原子がハロゲン原子で置き換えられたアルキル基をいう。
【0077】
本明細書で用いる場合、「エステル」は「−C(O)OR」基をいい、Rは本明細書において定義したとおりである。
【0078】
本明細書で用いる場合、「アミド」は「−C(O)NR」基をいい、RおよびRは本明細書において定義したとおりである。
【0079】
本明細書における化合物上の任意の非置換または一置換アミン基はアミドに、任意のヒドロキシル基はエステルに、および任意のカルボキシル基はアミドまたはエステルのいずれかに、当業者にはよく知られた手法を用いて変換され得る(例えば、GreeneおよびWuts,Protective Groups in Organic Synthesis,第3版,John Wiley & Sons,New York,NY,1999を参照のこと)。かかる変換されたヒドロキシル、アミノおよび/またはカルボン酸基を含む化合物はいずれも、本発明の範囲に含まれる。
【0080】
本明細書で用いる場合、「エーテル」は「−C−O−C−」基をいい、式中、いずれかまたは両方の炭素が、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロアリシクリル基の一部であり得る。
【0081】
本明細書で用いる場合、「ハロゲン化エーテル」は、酸素の両側の基がともに、ハロゲンで置換されたアルキルであるエーテルをいう。
【0082】
本明細書で用いる場合、「アミノ酸」は、20種類の天然に存在するL−アミノ酸のいずれか1つ、その非天然D−エナンチオマー、天然に存在しないアミノ酸(限定されないが、ノルロイシン(「Nle」)、ノルバリン(「Nva」)、L−またはD−ナフトアラニン(naphthalanine)、オルニチン(「Orn」)、ホモアルギニン(homoArg)など)、およびペプチドの技術分野でよく知られた他のアミノ酸(M.Bodanzsky,"Principles of Peptide Synthesis,"改訂第1版および第2版,Springer−Verlag,New York,N.Y.,1984年版および1993年版、ならびにStewartおよびYoung,"Solid Phase Peptide Synthesis,"第2版,Pierce Chemical Co.,Rockford,Illに記載のものなど)をいう。
【0083】
アミノ酸は、本明細書において、その完全な化学名、3文字コード、または1文字コードで示し、これらは当業者には周知である。アミノ酸のキラリティーが特に指定されていない限り、またはアミノ酸が天然に存在する(すなわち、L−)アミノ酸であると明示されていない限り、そのアミノ酸は、D体またはL体またはこの2つのラセミ混合物であり得る。
【0084】
本明細書で用いる場合、「官能性付与樹脂」は、官能基が付加された任意の樹脂をいう。かかる官能性付与樹脂は当業者には周知であり、限定されないが、アミノ、アルキルハロ、ホルミルまたはヒドロキシ基で官能性付与された樹脂が挙げられる。固定化固相合成のための固相支持体として供され得る官能性付与樹脂の例は当該技術分野でよく知られており、限定されないが、4−メチルベンズヒドリルアミン−コポリ(スチレン−1%ジビニルベンゼン)(MBHA)、4−ヒドロキシメチルフェノキシメチル−コポリ(スチレン−1%ジビニルベンゼン)、4−オキシメチル−フェニル−アセトアミド−コポリ(スチレン(stryene)−1%ジビニルベンゼン)(Wang)、4−(オキシメチル)−フェニルアセトアミドメチル(Pam)、およびTentagel(商標)(Rapp Polymere Gmbh製)、トリアルコキシ−ジフェニル−メチルエステル−コポリ(スチレン−1%ジビニルベンゼン)(RINK)(これらはすべて市販されている)が挙げられる。本発明の化合物の合成に有用な他の官能性付与樹脂は、本明細書の開示内容に基づき、当業者に自明となろう。かかるすべての樹脂は本発明の範囲に含まれる。
【0085】
2つの置換基が一緒になって、これらが結合している炭素原子とともに5員もしくは6員の選択的に置換された炭素環または選択的に置換された複素環を形成しているか、あるいは6員の選択的に置換されたアリール、選択的に置換されたヘテロアリールを形成している場合、これは、下記の構造:
【0086】
【化3】

【0087】
が、例えば、下記の構造:
【0088】
【化4】

【0089】
(式中、Xはヘテロ原子である)
を代表するものであり得ることを意図する。
【0090】
本開示全体を通して、ある特定の化合物がキラル中心を含む場合、本開示の範囲は、2つのエナンチオマーのラセミ混合物を含む組成物、ならびに各エナンチオマーを個々に含み、他方のエナンチオマーを実質的に含まない組成物もまた含む。したがって、例えば、本明細書では、S体エナンチオマーを含み、R体エナンチオマーを実質的に含まない組成物、またはR体エナンチオマーを含み、S体エナンチオマーを実質的に含まない組成物が想定される。「実質的に含まない」により、組成物に含まれる少ない方のエナンチオマーが10%未満、8%未満、5%未満、3%未満、または1%未満であることを意図する。ある特定の化合物が1つより多くのキラル中心を含む場合、本開示の範囲は、種々のジアステレオマーの混合物を含む組成物、ならびに各ジアステレオマーを含み、他方のジアステレオマーを実質的に含まない組成物もまた含む。特定のジアステレオマーになんら言及していない化合物の記載には、4種類すべてのジアステレオマーを含む組成物、R,RおよびS,Sの異性体のラセミ混合物を含む組成物、R,SおよびS,Rの異性体のラセミ混合物を含む組成物、R,R体エナンチオマーを含み、その他のジアステレオマーを実質的に含まない組成物、S,S体エナンチオマーを含み、その他のジアステレオマーを実質的に含まない組成物、R,S体エナンチオマーを含み、その他のジアステレオマーを実質的に含まない組成物、ならびにS,R体エナンチオマーを含み、その他のジアステレオマーを実質的に含まない組成物が包含される。
【0091】
式Iの化合物に互変異性体が存在する場合、本発明は、特に図示または記載のない限り、任意の可能な互変異性体およびその薬学的に許容される塩、ならびにその混合物を含む。本発明の開示内容および特許請求の範囲は、化学結合の既知の一般原則に基づく。特許請求の範囲には、不安定であることがわかっている構造、または文献に基づいて存在し得ない構造は包含されないことを理解されよう。
化合物
一態様において、本明細書において、式I:
【0092】
【化5】

【0093】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグを開示し、
式中、
nは、0または1であり;
は、−ORまたはハロであり;
は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、ハロ、およびシアノからなる群から選択されるものであり、
は、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、選択的に置換されたヘテロアリール、R11、および−CR10−CR10−C(=O)OR12からなる群から選択されるものであり、
は、水素または−ORであり;
は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、および選択的に置換されたアリールからなる群から選択されるものであり、
およびR10は、各々独立して、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、および選択的に置換されたアリールからなる群から選択されるものであり、
11は、選択的に置換されたアリール、および選択的に置換されたヘテロアリールからなる群から選択されるものであり、
12は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、および選択的に置換されたヘテロアリールからなる群から選択されるものであり、
i)Xは、硫黄であり;
は存在せず;
およびXはともに炭素であり;
とRが一緒になって、これらが結合している炭素原子とともに、式
【0094】
【化6】

【0095】
の環を形成しており、
13およびR14は、各々独立して、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、ハロ、−OR、およびシアノからなる群から選択されるものであり、
15およびR16は、各々独立して、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、ハロ、ペルハロアルキル、−OR、−NO、−N(R、−NHC(=O)R、−NH(SO)Ar、−(CR10−S(=O)−(CR10−R、−(CR10−S(=O)−(CR10−R、およびシアノからなる群より選択され、ここで、Arは、選択的に置換されたアリールであり、mおよびpは、各々独立して、0〜10(両端を含む)であり;
結合aは単結合であり、結合bは二重結合である;あるいは
ii)Xは、酸素であり;
は存在せず;
およびXはともに炭素であり;
は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、選択的に置換されたヘテロアリール、および−ORからなる群から選択されるものであり、
は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、選択的に置換されたヘテロアリール、および−SO−Arからなる群より選択され、ここで、Arは、選択的に置換されたアリールであるか;または
とRが一緒になって、これらが結合している炭素原子とともに、選択的に置換されたフェニルを形成しており;
結合aは単結合であり、結合bは二重結合である;あるいは
iii)Xは炭素であり、XおよびXはともに窒素であり;
は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、および選択的に置換されたヘテロアリールからなる群から選択されるものであり、
R6は存在せず;
は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、選択的に置換されたヘテロアリール、および−SO−Arからなる群より選択され、ここで、Arは、選択的に置換されたアリールであり;
結合aは単結合であり、結合bは二重結合である。
【0096】
別の態様において、本明細書に、式I:
【0097】
【化7】

【0098】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグを開示し、
式中、
nは、0または1であり;
は、−ORまたはハロであり;
は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、ハロ、およびシアノからなる群から選択されるものであり、
は、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、選択的に置換されたヘテロアリール、−CR1011、および−CR10−C(=O)OR12からなる群から選択されるものであり、
は、水素または−ORであり;
は、酸素、硫黄および炭素からなる群から選択されるものであり、
は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、および選択的に置換されたヘテロアリールからなる群より選択されるが、
が酸素または硫黄のとき、Rは存在しないものとし;
およびXは、各々独立して、窒素または炭素であるが、
、XおよびXの少なくとも1つは炭素であるものとし;
は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、選択的に置換されたヘテロアリール、および−ORからなる群から選択されるものであり、
は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、選択的に置換されたヘテロアリール、および−SO−Arからなる群より選択され、ここで、Arは、選択的に置換されたアリールであるか;または
およびXがともに炭素であり、RとRが一緒になって、これらが結合している炭素原子とともに式
【0099】
【化8】

【0100】
の環を形成しており、
式中、
13およびR14は、各々独立して、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、ハロ、−OR、およびシアノからなる群から選択されるものであり、
15およびR16は、各々独立して、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、ハロ、ペルハロアルキル、−OR、−NO、−N(R、−NHC(=O)R、−NH(SO)Ar、−(CR10−S(=O)−(CR10−R、−(CR10−S(=O)−(CR10−R、およびシアノからなる群より選択され、ここで、Arは、選択的に置換されたアリールであり、mおよびpは、各々独立して、0〜10(両端を含む);
は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、および選択的に置換されたアリールからなる群から選択されるものであり、
およびR10は、各々独立して、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、および選択的に置換されたアリールからなる群から選択されるものであり、
11は、選択的に置換されたアリール、および選択的に置換されたヘテロアリールからなる群から選択されるものであり、
12は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、および選択的に置換されたヘテロアリールからなる群から選択されるものであり、
結合aおよび結合bは、X、XおよびXがR〜Rとともにオクテット則を満たすように単結合または二重結合である。
【0101】
一部の実施形態において、Rは、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードからなる群より選択される。このような実施形態の一部において、Rはクロロである。
【0102】
一部の特定の実施形態において、Rは−ORであり、Rが、水素、および選択的に置換されたアルキルからなる群より選択される。このような実施形態の一部において、Rは、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、およびtert−ブチルからなる群より選択される。
【0103】
一部の実施形態において、Rは、水素、選択的に置換されたアルキル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、およびシアノからなる群より選択される。該アルキル基は、このような実施形態の一部において、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、およびtert−ブチルからなる群より選択される。一部の実施形態において、Rは、水素、メチル、クロロ、ブロモ、およびシアノからなる群より選択される.
一部の実施形態において、Rは、選択的に置換されたアリールであり、これは、選択的に置換されたフェニルであり得る。一部の実施形態において、Rはフェニルである。他の実施形態において、Rは、選択的に置換されたヘテロアリールであり、これは、選択的に置換されたピリジルであり得る。一部の実施形態において、Rはピリジルである。
【0104】
他の実施形態において、Rは−CR1011である。このような実施形態の一部において、Rは、水素、選択的に置換されたアルキル、および選択的に置換されたアリールからなる群より選択される。一部の実施形態において、Rは水素である。一部の実施形態において、R10は、水素、選択的に置換されたアルキル、および選択的に置換されたアリールからなる群より選択される。一部の実施形態において、R10は水素またはメチルである。上記の実施形態におけるアルキル基は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、およびtert−ブチルからなる群より選択され得る。
【0105】
一部の実施形態において、R11は、選択的に置換されたアリールであり、これは、選択的に置換されたフェニルであり得る。一部の実施形態において、R11はフェニルである。他の実施形態において、R11は、選択的に置換されたヘテロアリールであり、これは、選択的に置換されたピリジルまたは選択的に置換されたテトラゾリルであり得る。一部の実施形態において、R11はピリジルであるが、他の実施形態では、R11は1H−テトラゾル−5−イルである。このような実施形態の一部の特定のものにおいて、R11は[2−(4−メトキシ−ベンジル)−2H−テトラゾル−5−イルである。
【0106】
他の実施形態において、Rは−CR10−C(=O)OR12である。一部の実施形態において、RおよびR10は上記のとおりである。一部の実施形態において、R12は、水素または選択的に置換されたアルキルであり、該アルキルは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、およびtert−ブチルからなる群より選択され得る。一部の実施形態において、R12は水素またはメチルである。
【0107】
一部の実施形態において、Rは−ORであり、Rが、水素、および選択的に置換されたアルキルからなる群より選択され得る。このような実施形態の一部の特定のものにおいて、Rは、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、およびtert−ブチルからなる群より選択される。一部の実施形態において、Rは水素またはヒドロキシルである。
【0108】
一部の実施形態において、Xは酸素であり、Rは存在しないが、他の実施形態では、Xが炭素であり、Rが、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、および選択的に置換されたアリールからなる群より選択される。このような実施形態におけるアルキルは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、およびtert−ブチルからなる群より選択され得る。
【0109】
他の実施形態において、Xは炭素であり、Rは水素である。
【0110】
一部の実施形態において、Xは窒素であり、Rは、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、および選択的に置換されたアリールからなる群より選択され、該アルキルは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、およびtert−ブチルからなる群より選択され得る。このような実施形態の一部において、Xは窒素であり、Rは水素である。
【0111】
他の実施形態において、Xは炭素であり、Rは、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、および選択的に置換されたアリールからなる群より選択され、該アルキルは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、およびtert−ブチルからなる群より選択され得る。このような実施形態の一部において、Xは炭素であり、Rは水素またはフェニルである。
【0112】
一部の実施形態において、Xは窒素であり、Rは、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたアリール、選択的に置換されたヘテロアリール、および−SO−Arからなる群より選択され、該アルキルは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、およびtert−ブチルからなる群より選択され得る。このような実施形態の一部において、アリールはフェニルである。他の実施形態において、該ヘテロアリールはピリジルである。さらなる実施形態において、Arはフェニルである。一部の実施形態において、Rは、水素、フェニル、ピリジル、および−SO−Cからなる群より選択される。他の実施形態において、Xは炭素であり、Rは上記のとおりである。このような実施形態の一部において、Xは炭素であり、Rは水素またはフェニルである。
【0113】
一部の実施形態は、上記の式Iの化合物に関し、ここで、
【0114】
【化9】

【0115】
は、
【0116】
【化10】

【0117】
からなる群より選択される。
【0118】
式Iの化合物の一部の実施形態において、Xは、酸素であり;Rは存在せず;XおよびXはともに炭素であり;RとRが一緒になって、これらが結合している炭素原子とともに、選択的に置換されたフェニルを形成している。
【0119】
式Iの化合物の他の実施形態において、Xは、硫黄であり;Rは存在せず;XおよびXはともに炭素であり;RとRが一緒になって、これらが結合している炭素原子とともに、式
【0120】
【化11】

【0121】
(式中、R13〜R16は、本明細書に記載のとおりである)
の環を形成している。
【0122】
一部の実施形態において、R13は、水素、ハロゲン、選択的に置換されたアルキル、および選択的に置換されたアリールからなる群より選択される。このような実施形態の一部において、R13は水素である。他の実施形態では、R13が、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードからなる群より選択される。一部の実施形態において、R14は、水素、ハロゲン、選択的に置換されたアルキル、および選択的に置換されたアリールからなる群より選択される。このような実施形態の一部において、R14は水素である。他の実施形態では、R14が、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードからなる群より選択される。
【0123】
一部の実施形態において、R16は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたアリール、および−(CR10−S(=O)−(CR10−Rからなる群より選択される。このような実施形態の一部において、mは0である。他の実施形態ではmが1である。一部の実施形態においてpは0であるが、他の実施形態ではpが1である。このような実施形態の一部において、各Rは、独立して、水素、選択的に置換されたアルキル、および選択的に置換されたアリールからなる群より選択される。一部の実施形態において、各Rは独立して水素である。一部の実施形態において、各R10は、独立して、水素、選択的に置換されたアルキル、および選択的に置換されたアリールからなる群より選択される。一部の実施形態において、各R10は独立して水素である。他の実施形態において、Rは、選択的に置換されたアルキルであり、該アルキルは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、およびtert−ブチルからなる群より選択され得る。一部の実施形態において、R16は水素である。他の実施形態において、R16は−S(=O)−CHCHである。
【0124】
一部の実施形態において、R15は、水素、ハロ、ペルハロアルキル、−OR、−NO、−N(R、−NHC(=O)R、および−NH(SO)Arからなる群より選択される。
【0125】
このような実施形態の一部において、ハロは、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードからなる群より選択される。一部の特定の実施形態において、R15はフルオロ(fluroro)である。一部の実施形態において、該ペルハロアルキルは、ペルフルオロアルキル、ペルクロロアルキル、ペルブロモアルキル、およびペルヨードアルキルからなる群より選択される。「ペルハロアルキル」により、アルキル上に通常存在するすべての水素原子がハロゲンで置き換えられたアルキル部分を意図する。したがって、例えば、ペルクロロアルキルは、分子の残部に連結されていない炭素原子がすべて塩素原子に連結されたアルキル部分である。このような実施形態の一部において、ペルハロアルキル置換基のアルキル部分は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、およびtert−ブチルからなる群より選択される。一部の特定の実施形態において、R15はトリフルオロメチルである。
【0126】
他の実施形態において、R15は−ORである。このような実施形態の一部において、Rは、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、およびtert−ブチルからなる群より選択される。一部の特定の実施形態において、R15は−OHである。
【0127】
一部の実施形態において、R15は−N(Rであり、式中、各Rは、独立して、水素、選択的に置換されたメチル、選択的に置換されたエチル、選択的に置換されたn−プロピル、選択的に置換されたイソプロピル、選択的に置換されたn−ブチル、選択的に置換されたsec−ブチル、および選択的に置換されたtert−ブチルからなる群より選択される。このような実施形態の一部において、R15は、−NH、−NH(CH)、−NH(CHCH)、−NH(CH−C)、−N(CH、−N(CHCH、および−NPr(−N(CH(CH)からなる群より選択される。
【0128】
一部の実施形態において、R15は−NH(SO)Arであり、式中、Arは、選択的に置換されたフェニルである。このような実施形態の一部において、R15は−NH(SO)−Cである。
【0129】
一部の実施形態において、R15は−NHC(=O)Rである。このような実施形態の一部において、Rは、選択的に置換されたアルキルであり、該アルキルは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、およびtert−ブチルからなる群より選択され得る。一部の実施形態において、R15は−NHC(=O)CHである。
【0130】
一部の実施形態において、R15は−(CR10−S(=O)−(CR10−Rである。このような実施形態の一部において、mは0である。他の実施形態では、mが1である。一部の実施形態においてpは0であるが、他の実施形態ではpが1である。このような実施形態の一部において、各Rは、独立して、水素、選択的に置換されたアルキル、および選択的に置換されたアリールからなる群より選択される。一部の実施形態において、各Rは独立して水素である。一部の実施形態において、各R10は、独立して、水素、選択的に置換されたアルキル、および選択的に置換されたアリールからなる群より選択される。一部の実施形態において、各R10は独立して水素である。一部の実施形態において、Rは、選択的に置換されたアリールである。このような実施形態の一部において、アリールはフェニルである。一部の実施形態において、R15は−S(=O)−Phである。
【0131】
一部の実施形態において、R15は−(CR10−S(=O)−(CR10−Rである。このような実施形態の一部において、mは0である。他の実施形態では、mが1である。一部の実施形態においてpは0であるが、他の実施形態ではpが1である。このような実施形態の一部において、各Rは、独立して、水素、選択的に置換されたアルキル、および選択的に置換されたアリールからなる群より選択される。一部の実施形態において、各Rは独立して水素である。一部の実施形態において、各R10は、独立して、水素、選択的に置換されたアルキル、および選択的に置換されたアリールからなる群より選択される。一部の実施形態において、各R10は独立して水素である。一部の実施形態において、Rは、選択的に置換されたアリールである。このような実施形態の一部において、アリールはフェニルである。一部の実施形態において、Rは、選択的に置換されたアルキルであり、該アルキルは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、およびtert−ブチルからなる群より選択され得る。一部の実施形態において、R15は、−S(=O)−CHCH、−S(=O)−Ph、および−S(=O)−CHPhからなる群より選択される。
【0132】
式Iの化合物の一部の実施形態において、R15は、水素、フルオロ、トリフルオロメチル、−OH、−NH、−NH(CHCH)、−NH(CH−C)、−N(CH、−N(CHCH、−NH(SO)−C、および−NHC(=O)CH、−S(=O)−Ph、−S(=O)−CHCH、−S(=O)−Ph、および−S(=O)−CHPhからなる群より選択される。
【0133】
式Iの化合物の一部の実施形態において、式
【0134】
【化12】

【0135】
の環は、
【0136】
【化13】

【化14】

【0137】
からなる群より選択される。
【0138】
別の態様において、本明細書に、式II
【0139】
【化15】

【0140】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグを開示し、
式中、
nは、0または1であり;
は、−ORまたはハロであり;
は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、ハロ、およびシアノからなる群から選択されるものであり、
は、水素または−ORであり;
は、酸素、硫黄および炭素からなる群から選択されるものであり、
は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、および選択的に置換されたヘテロアリールからなる群より選択されるが、
が酸素または硫黄のとき、Rは存在しないものとし;
およびR10は、各々独立して、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、および選択的に置換されたアリールからなる群から選択されるものであり、
R12は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、および選択的に置換されたヘテロアリールからなる群から選択されるものであり、
13およびR14は、各々独立して、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、ハロ、−OR、およびシアノからなる群から選択されるものであり、
15およびR16は、各々独立して、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、ハロ、ペルハロアルキル、−OR、−NO、−N(R、−NHC(=O)R、−NH(SO)Ar、−(CR10−S(=O)−(CR10−R、−(CR10−S(=O)−(CR10−R、およびシアノからなる群より選択され、ここで、Arは、選択的に置換されたアリールであり、mおよびpは、各々独立して、0〜10(両端を含む)である。
【0141】
別の態様において、本明細書に、式III
【0142】
【化16】

【0143】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグを開示し、
式中、
nは、0または1であり;
は、−ORまたはハロであり;
は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、ハロ、およびシアノからなる群から選択されるものであり、
is 水素または−OR
は、酸素、硫黄および炭素からなる群から選択されるものであり、
は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、および選択的に置換されたヘテロアリールからなる群より選択されるが、
が酸素または硫黄のとき、Rは存在しないものとし;
は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、選択的に置換されたヘテロアリール、および−ORからなる群から選択されるものであり、
は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、選択的に置換されたヘテロアリール、および−SO−Arからなる群より選択され、ここで、Arは、選択的に置換されたアリールであり;
およびR10は、各々独立して、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、および選択的に置換されたアリールからなる群から選択されるものであり、
12は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、および選択的に置換されたヘテロアリールからなる群より選択される。
【0144】
別の態様において、本明細書に、式IV
【0145】
【化17】

【0146】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグを開示し、
式中、
nは、0または1であり;
は、−ORまたはハロであり;
は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、ハロ、およびシアノからなる群から選択されるものであり、
is 水素または−OR
は、酸素、硫黄および炭素からなる群から選択されるものであり、
は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、および選択的に置換されたヘテロアリールからなる群より選択されるが、
が酸素または硫黄のとき、Rは存在しないものとし;
およびXは、各々独立して、窒素または炭素であるが、
、XおよびXの少なくとも1つは炭素であるものとし;
は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、選択的に置換されたヘテロアリール、および−ORからなる群から選択されるものであり、
は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、選択的に置換されたヘテロアリール、および−SO−Ar、式中、Arは選択的に置換されたアリールからなる群から選択されるものであり、
およびR10は、各々独立して、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、および選択的に置換されたアリールからなる群から選択されるものであり、
12は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、および選択的に置換されたヘテロアリールからなる群から選択されるものであり、
結合aおよび結合bは、X、XおよびXがR〜Rとともにオクテット則を満たすように単結合または二重結合である。
【0147】
別の態様において、本明細書に、式V
【0148】
【化18】

【0149】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグを開示し、
式中、
nは、0または1であり;
は、−ORまたはハロであり;
は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、ハロ、およびシアノからなる群から選択されるものであり、
は、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、選択的に置換されたヘテロアリール、および−CR1011からなる群から選択されるものであり、
は、水素または−ORであり;
は、酸素、硫黄および炭素からなる群から選択されるものであり、
は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、および選択的に置換されたヘテロアリールからなる群より選択されるが、
が酸素または硫黄のとき、Rは存在しないものとし;
13およびR14は、各々独立して、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、ハロ、−OR、およびシアノからなる群から選択されるものであり、
15およびR16は、各々独立して、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、ハロ、ペルハロアルキル、−OR、−NO、−N(R、−NHC(=O)R、−NH(SO)Ar、−(CR10−S(=O)−(CR10−R、−(CR10−S(=O)−(CR10−R、およびシアノからなる群より選択され、ここで、Arは、選択的に置換されたアリールであり、mおよびpは、各々独立して、0〜10(両端を含む)である。
【0150】
別の態様において、本明細書に、
[(4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]フロ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(1−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(7−ヒドロキシ−フロ[3,2−c]ピリジン−6−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(7−ヒドロキシ−2−フェニル−フロ[3,2−c]ピリジン−6−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
(S)−2−[(7−ヒドロキシ−フロ[3,2−c]ピリジン−6−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸、
[(4−ヒドロキシ−1−フェニル−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(7−クロロ−4−ヒドロキシ−1−フェニル−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(1−クロロ−4−ヒドロキシ−8−ニトロ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
3−(カルボキシメチル−カルバモイル)−1−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−8−イル−アンモニウム、
[(1−ブロモ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
(S)−2−[(1−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸、
(S)−2−[(1−ブロモ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸、
[(1−クロロ−8−フルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(1−シアノ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(1−ベンゼンスルホニル−7−クロロ−4−ヒドロキシ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−5−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(1−ベンゼンスルホニル−7−クロロ−4−ヒドロキシ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−5−カルボニル)−アミノ]−酢酸メチルエステル、
[(7−クロロ−4−ヒドロキシ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−5−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(4−アミノ−1−ブロモ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
1−ブロモ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボン酸(ピリジン−3−イルメチル)−アミド、
[(1−ブロモ−4−フルオロ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
1−ブロモ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボン酸[2−(4−メトキシ−ベンジル)−2H−テトラゾル−5−イルメチル]−アミド、
1−ブロモ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボン酸[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−テトラゾル−5−イルメチル]−アミド、
1−ブロモ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボン酸(ピリジン−2−イルメチル)−アミド、
1−ブロモ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボン酸(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−アミド、
1−ブロモ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボン酸ピリジン−2−イルアミド、
1−ブロモ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボン酸ピリジン−3−イルアミド、
1−ブロモ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボン酸フェニルアミド、
1−ブロモ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボン酸ベンジルアミド、
[(1−クロロ−8−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(1−クロロ−8−ジエチルアミノ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(8−アセチルアミノ−1−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(4−クロロ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−ヒドロキシ−アミノ]−酢酸、
[(1−クロロ−6−フルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(1−クロロ−7−フルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(1−クロロ−9−フルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(4−ヒドロキシ−1−ピリジン−2−イル−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(4−ヒドロキシ−1−メチル−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[ヒドロキシ−(4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(1−クロロ−4,8−ジヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(1−クロロ−4−ヒドロキシ−7−メトキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(1−クロロ−8−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(1−クロロ−8−ヒドロキシ−4−イソプロポキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(1−クロロ−4.7−ジヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(1−クロロ−4−ヒドロキシ−7−イソプロポキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(7−フルオロ−4−ヒドロキシ−1−メチル−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(1−クロロ−8−エチルアミノ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(8−ベンゼンスルホニルアミノ−1−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(8−ベンジルアミノ−1−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(1−クロロ−4−ヒドロキシ−8−トリフルオロメチル−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(1−クロロ−7−フルオロ−4−ヒドロキシ−2−オキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(1−クロロ−4−ヒドロキシ−8−フェニルメタンスルホニル−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(1−クロロ−8−エタンスルホニル−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(8−ベンゼンスルホニル−1−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(8−ベンゼンスルフィニル−1−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
からなる群より選択される化合物およびまたはその薬学的に許容される塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグを開示する。
【0151】
別の態様において、本明細書に開示した化合物は、他のHIFプロリルヒドロキシラーゼモジュレータと比べて、HIFプロリルヒドロキシラーゼに対して増大もしくは低下した効力を有する、HIFプロリル(pyrolyl)ヒドロキシラーゼの開もしくは閉コンホメーションに結合する、より至適な薬物動態、改善された投与スケジュール、低い毒性を有する、HIF PH2に対してより高い選択性(より低いオフターゲット活性)を有する、HIF調節遺伝子の発現をより高い程度もしくは低い程度まで増大もしくは低減させる、または前述の組合せをもたらすものである。
【0152】
合成
別の態様において、本明細書に式Iの化合物の合成方法を開示する。本明細書に開示した一部の化合物は、一般に認められた有機合成法、例えば、以下のスキーム1に示した方法論を用いることにより合成され得る。当業者には、一部の官能基が、一部の特定の反応を行なう前に種々の保護基を用いて保護/脱保護され得ることが認識されよう。このような保護基の使用は、当該技術分野でよく知られており、例えば、GreeneおよびWuts,Protective Groups in Organic Synthesis,第3版,John Wiley & Sons,New York,N.Y.,1999(これは、その全体が本明細書に組み込まれる)に示されている。
【0153】
種々の出発物質(例えば、アリールカルボン酸誘導体)は、さまざまな既知の合成方法に従って調製され得る。また、一部のこのような化合物は、試薬の製造業者および供給業者、例えば、Aldrich,Sigma、TCI、Wako、Kanto、Fluorchem、Acros、Abocado、Alfa、Flukaなどから市販されている。
スキーム1
式Iの化合物の一般的な合成スキーム
【0154】
【化19】

【0155】
式Iの化合物は、o−メチル置換アリールカルボン酸から、スキーム1に示した合成スキームに従って合成され得る。カルボン酸基は、一般的なエステル化プロセスによってエステルに変化する。o−メチル基を臭素化し、次いで、DMB保護基を有するグリシンエステルと縮合させる。環化および酸化反応後、種々のアミンとのカップリング反応により、式Iの化合物の合成がもたらされる。次いで、ラジカルハロゲン化工程後、R基が種々の置換反応によって導入され得る。
【0156】
本明細書に開示した一部の化合物を合成するのに使用され得る別の合成経路を以下のスキーム2に示す。当業者には、本明細書に開示したその他の化合物を合成するために、スキーム2に示した合成方法論をどのようにして使用するかが認識されよう。
スキーム2
【0157】
【化20】

【0158】
スキーム2の中間体(I)は、スキーム3に示すように、本明細書に開示した一部の化合物を合成するための出発点として使用され得る。
スキーム3
式Iの化合物の一般的な合成スキーム
【0159】
【化21】

【0160】
一般化され、本明細書に開示した一部の化合物を合成するために使用され得る別の合成スキームをスキーム4に示す。
スキーム4
式Iの化合物の一般的な合成スキーム
【0161】
【化22】

【0162】
本明細書に開示した一部の化合物は、スキーム5に示した手順に従って合成され得る。
スキーム5
【0163】
【化23】

【0164】
医薬組成物
別の態様において、本明細書に、治療有効量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物および生理学的に許容され得る担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬組成物を開示する。
【0165】
用語「医薬組成物」は、本明細書に開示した化合物と、希釈剤または担体などの他の化学物質成分との混合物をいう。医薬組成物は、被検体への該化合物の投与を容易にするものである。当該技術分野には、化合物投与の多様な手法が存在し、限定されないが、経口、注射、エーロゾル、非経口、および局所投与が挙げられる。また、医薬組成物は、該化合物を無機または有機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などと反応させることにより得られるものであってもよい。
【0166】
用語「担体」は、細胞または組織内への化合物の組込みを助長する化学物質の化合物と定義する。例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)は、被検体の細胞または組織内への多くの有機化合物の取込みを助長するため、一般的に使用されている担体である。
【0167】
用語「希釈剤」は、対象化合物を溶解するとともに該化合物の生物学的に活性な形態を安定化させる化学物質の化合物を水に希釈させたものと定義する。当該技術分野では、塩を緩衝溶液中に溶解させたものが希釈剤として使用される。リン酸緩衝生理食塩水は、ヒトの血液中の塩条件を模倣したものであるため、一般的に使用されている緩衝溶液の一例である。緩衝塩は低濃度の溶液のpHを制御し得るものであるため、緩衝希釈剤によって化合物の生物学的活性が変更されることは稀である。
【0168】
用語「生理学的に許容され得る」は、担体または希釈剤が、該化合物の生物学的活性および性質を消去しないこと、および/または投与対象の被検体に対して有害でないことと定義する。
【0169】
本明細書に記載の医薬組成物は被検体に、それ自体を投与してもよく、併用療法剤の場合のように他の活性成分と、または適当な担体もしくは賦形剤(1種類または複数種)と混合した医薬組成物で投与してもよい。本発明出願における化合物の製剤化および投与のための手法は、"Remington’s Pharmaceutical Sciences,"Mack Publishing Co.,Easton,PA,第18版,1990を見るとよい。
【0170】
好適な投与経路としては、例えば、経口、経直腸、経粘膜、もしくは腸内投与;非経口送達、例えば、筋肉内、皮下、静脈内、髄内注射、ならびに髄腔内、直接脳室内、腹腔内、鼻腔内、または眼球内注射が挙げられ得る。
【0171】
あるいはまた、該化合物を、全身様式ではなく局所投与してもよい(例えば、該化合物を直接痛みの領域内に注射することによって(多くの場合、デポーまたは徐放製剤にて))。さらに、該薬物を標的化薬物送達系にて、例えば、組織特異的抗体でコートしたリポソームにて投与してもよい。リポソームは、対象標的器官に選択的に標的化され、取り込まれる。
【0172】
本明細書に開示した医薬組成物は、それ自体公知の様式で、例えば、慣用的な混合、溶解、造粒、糖衣作製、研和、乳化、カプセル化、封入または打錠プロセスによって製造され得る。
【0173】
したがって、本開示に従う使用のための医薬組成物は、慣用的な様式で、調製物への活性化合物の加工処理を容易にし、かつ製薬に使用され得る1種類以上の生理学的に許容され得る担体(賦形剤および助剤を含む)を用いて製剤化され得る。適正な製剤は、選択される投与経路に依存する。任意のよく知られた手法、担体および賦形剤が、適宜、当該技術分野(例えば、上記のRemington’s Pharmaceutical Sciences)で理解されているようにして使用され得る。
【0174】
注射用の場合、本明細書に開示した薬剤は、水溶液中、好ましくは生理学的適合性バッファー中(ハンクス液、リンゲル液、または生理生理食塩水バッファーなど)にて製剤化され得る。経粘膜投与の場合では、透過すべき関門に適切な浸透剤が製剤において使用される。かかる浸透剤は当該技術分野で一般に知られている。
【0175】
経口投与の場合では、該化合物は、活性化合物を、当該技術分野でよく知られた薬学的に許容され得る担体と合わせることにより製剤化され得る。かかる担体により、本明細書に開示した化合物を、処置対象の患者による経口摂取のための錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤などとして製剤化することが可能になる。経口使用のための医薬調製物は、1種類以上の固形賦形剤を、本明細書に開示した併用医薬と混合し、選択で、得られた混合物を磨砕し、所望により適当な助剤を添加した後、顆粒混合物を加工処理して錠剤または糖衣錠の芯剤を得ることにより得られ得る。好適な賦形剤は、特に、充填剤(糖類など、例えば、ラクトース、スクロース、マンニトール、もしくはソルビトール);セルロース調製物(例えば、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、イモデンプン、ゼラチン、ガムトラガカント、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなど)、および/またはポリビニルピロリドン(PVP)である。所望により、崩壊剤(架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはその塩(アルギン酸ナトリウムなど)など)が添加され得る。
【0176】
糖衣錠の芯剤には、適当なコーティングが施される。この目的のためには濃縮糖溶液が使用され得、これには、選択で、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ラッカー液、ならびに適当な有機溶媒または溶媒混合物を含めてもよい。錠剤または糖衣錠のコーティングには、識別のため、または異なる組合せの活性化合物用量を特徴的に表示するために染料または顔料を添加してもよい。
【0177】
経口使用され得る医薬調製物としては、ゼラチン製のプッシュフィット型カプセル剤、ならびにゼラチンと可塑剤(グリセロールまたはソルビトールなど)で作製された密閉型軟カプセル剤が挙げられる。プッシュフィット型カプセル剤には、活性成分が、充填剤(ラクトースなど)、結合剤(デンプンなど)および/または滑沢剤(タルクもしくはステアリン酸マグネシウムなど)ならびに選択で安定剤と混合した状態で含まれ得る。軟カプセル剤では、活性化合物を適当な液体、例えば、脂肪油、液状パラフィンまたは液状ポリエチレングリコールなどに溶解または懸濁させ得る。また、安定剤を添加してもよい。経口投与のための製剤はすべて、かかる投与に適した投薬量であるのがよい。
【0178】
口腔内投与の場合では、該組成物には、慣用的な様式で製剤化される錠剤またはロゼンジ剤の形態が採用され得る。
【0179】
吸入による投与の場合では、本開示に従う使用のための化合物は、エーロゾルスプレー剤調製物の形態で加圧パックまたはネブライザーから、適当な噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の適当なガスの使用を伴って簡便に送達される。加圧エーロゾル剤の場合、単位投薬量は、定量を送達するための弁を設けることにより決定され得る。吸入器または吹送器における使用のためには、該化合物と適当な粉末基剤(ラクトースまたはデンプンなど)との粉末ミックスを含有するカプセル剤およびカートリッジ剤(例えば、ゼラチン製)が製剤化され得る。
【0180】
該化合物は、注射、例えば、ボーラス注射または連続注入による非経口投与のために製剤化され得る。注射用製剤は、保存料を添加し、単位投薬形態、例えば、アンプルまたは反復用量容器にて提示され得る。該組成物には、油性または水性ビヒクル中の懸濁剤、液剤または乳剤などの形態が採用され得、製剤化剤、例えば、懸濁化剤、安定化剤および/または分散剤などが含有され得る。
【0181】
非経口投与のための医薬製剤としては、水溶性形態の活性化合物水性液剤が挙げられる。また、活性化合物の懸濁剤は、適切な油性注射用懸濁剤として調製され得る。好適な親油性の溶媒またはビヒクルとしては、脂肪油(ゴマ油など)、または合成脂肪酸エステル(オレイン酸エチルもしくはトリグリセリドなど)、またはリポソームが挙げられる。水性注射用懸濁剤には、該懸濁剤の粘度を増大させる物質、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランなどを含めてもよい。選択で、該懸濁剤にはまた、適当な安定剤、または高度に濃縮された液剤の調製を可能にする該化合物の可溶性を増大させる薬剤を含めてもよい。
【0182】
あるいはまた、活性成分は、使用前に適当なビヒクル(例えば、滅菌パイロジェンフリー水)を用いて構成するための粉末形態であり得る。
【0183】
また、該化合物は、例えば、慣用的な坐剤用基剤(ココアバターまたは他のグリセリドなど)を含有する坐剤または停留注腸剤などの経直腸用組成物に製剤化され得る。
【0184】
前述の製剤に加え、該化合物はまた、デポー調製物として製剤化され得る。かかる長時間作用性製剤は、埋入(例えば、皮下もしくは筋肉内)または筋肉内注射によって投与され得る。したがって、例えば、該化合物は、適当な高分子物質もしくは疎水性物質を用いて(例えば、許容され得る油中の乳剤として)またはイオン交換樹脂を用いて製剤化され得るか、あるいは難溶性の誘導体(例えば、難溶性の塩)として製剤化され得る。
【0185】
本明細書に開示した疎水性化合物のための医薬用担体は、ベンジルアルコール、無極性界面活性剤、水混和性有機ポリマー、および水相を含む共溶媒系である。使用される一般的な共溶媒系はVPD共溶媒系であり、これは、3%w/vのベンジルアルコール、8%w/vの無極性界面活性剤Polysorbate 80(商標)、および65%w/vのポリエチレングリコール300の、全量までが無水エタノールで構成された溶液である。当然、共溶媒系の比率は、その可溶性と毒性の特性を破壊することなく、かなり異なり得る。さらに、共溶媒の成分の具体物は種々であり得、例えば、POLYSORBATE 80(商標)の代わりに他の低毒性無極性界面活性剤が使用され得、ポリエチレングリコールの画分サイズは種々であり得、ポリエチレングリコールの代わりに他の生体適合性ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン)が使用され得、他の糖類または多糖類が使用され得る。
【0186】
あるいはまた、疎水性医薬用化合物のための他の送達系が使用され得る。リポソームおよびエマルジョンは、疎水性薬物用の送達ビヒクルまたは担体のよく知られた例である。また、ジメチルスルホキシドなどの一部の特定の有機溶媒も使用され得るが、通常、毒性が大きいという犠牲を伴う。また、該化合物は、徐放系を用いて、例えば、治療用薬剤を含有する疎水性固形ポリマーの半透過性マトリックスなど送達され得る。種々の徐放材料が確立されており、当業者には周知である。徐放カプセル剤は、その化学的性質に応じて、該化合物を数週間から100日を超えるまで放出するものであり得る。治療用試薬の化学的性質および生物学的安定性に応じて、安定化のためのさらなるストラテジーが使用され得る。
【0187】
本明細書に開示した併用医薬に使用される化合物の多くは、医薬適合性の対イオンとの塩として提供され得る。医薬適合性の塩は、多くの酸、例えば、限定されないが、塩酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸などと形成され得る。塩は、対応する遊離の酸形態または塩基形態よりも水性または他のプロトン性溶媒に可溶性である傾向がある。
【0188】
本明細書に開示した方法における使用に適した医薬組成物としては、活性成分が、意図される目的が達成されるのに有効な量で含まれた組成物が挙げられる。より具体的には、治療有効量は、疾患を予防、その症状を緩和もしくは改善するのに有効な、または処置対象の被検体の生存期間を延ばすのに有効な該化合物の量を意味する。治療有効量の決定は、特に、本明細書に示した詳細な開示内容に鑑みると、充分当業者の能力の範囲内である。
【0189】
本明細書に開示した医薬組成物の厳密な製剤、投与経路および投薬量は、患者の状態を考慮して個々の医師によって選択され得る(例えば、Finglら 1975の"The Pharmacological Basis of Therapeutics",第1章第1頁を参照のこと)。典型的には、患者に投与される組成物に関する用量は、約0.5〜1000mg/kg患者体重、または1〜500mg/kg、または10〜500mg/kg、または50〜100mg/kg患者体重であり得る。投薬量は、単回投薬量であってもよく、患者に必要とされる場合は、1日以上の間で2回以上で連続して投与される投薬量であってもよい。本開示において挙げた具体的な化合物は、ほぼすべてについて、少なくともいくつかの病状の処置のためのヒトへの投薬量が確立されていることに注意のこと。したがって、ほとんどの場合、本明細書に開示した方法では、該投薬量と同じ投薬量、または該確立されたヒトへの投薬量の約0.1%〜500%、もしくは約25%〜250%、もしくは50%〜100%である投薬量が使用される。新たに見い出された医薬用化合物の場合のように、ヒトへの投薬量が確立されていない場合、適当なヒトへの投薬量は、ED50もしくはID50の値、またはインビトロもしくはインビボ試験から誘導される他の適切な値(動物での毒性試験および有効性試験によって適確であるとする)から推断され得る。
【0190】
厳密な投薬量は、薬物ごとに決定されるが、ほとんどの場合、投薬量に関してある程度一般化が行なわれ得る。成人ヒト患者に対する日投薬量レジメンは、本明細書に開示した医薬組成物またはその薬学的に許容される塩(遊離塩基として計算)の各成分が、例えば、経口用量で0.1mg〜500mg、好ましくは1mg〜250mg、例えば5〜200mg、または各成分の静脈内、皮下もしくは筋肉内用量が0.01mg〜100mg、好ましくは0.1mg〜60mg、例えば1〜40mgであり得、該組成物は1日1〜4回投与される。あるいはまた、本明細書に開示した組成物は、連続的な静脈内注入によって、好ましくは各成分400mg/日までの用量で投与され得る。したがって、経口投与による各成分の総日投薬量は、典型的には1〜2000mgの範囲であり、非経口投与による総日投薬量は、典型的には0.1〜400mgの範囲である。好適には、該化合物は、連続的な治療期間、例えば、1週間以上、または数ヶ月間もしくは数年間投与される。
【0191】
投薬の量および期間は、調節効果または最小有効濃度(MEC)が維持されるのに充分な血漿レベルの該活性部分が提供されるように個々に調整され得る。MECは各化合物ごとに異なるが、インビトロデータから推定され得る。MECが達成されるのに必要な投薬量は、個体の特徴および投与経路に依存する。しかしながら、HPLCアッセイまたはバイオアッセイを用いて血漿濃度を測定することもできる。
【0192】
投薬期間もまた、MEC値を用いて決定され得る。該組成物は、血漿レベルが該期間の10〜90%、好ましくは30〜90%、最も好ましくは50〜90%の間、MECより上に維持されるレジメンを用いて投与されるのがよい。
【0193】
局所投与または選択的取込みの場合、薬物の有効局所濃度は、血漿濃度と関連していないことがあり得る。
【0194】
投与される組成物の量は、もちろん、処置対象の被検体、被検体の体重、苦痛の重症度、投与様式および処方する医師の判断に依存する。
【0195】
該組成物は、所望により、活性成分を含む単位投薬形態が1つ以上含まれ得るパックまたはディスペンサーデバイスにて提示され得る。パックは、例えば、金属またはプラスチックホイルで構成されたもの、例えば、ブリスターパックなどであり得る。パックまたはディスペンサーデバイスに、投与のための使用説明書が添付されていてもよい。また、パックまたはディスペンサーには、医薬品の製造、使用または販売を規制する政府機関によって規定された形態の容器に関するに関する通知書が添付されていてもよく、該通知書は、該形態の薬物のヒトまたは獣医科用投与に対する該機関の承認を反映する。かかる通知書は、例えば、処方薬物、または承認された製品の添付文書が米国食品医薬品局によって承認されているというラベル表示であり得る。また、適合性の医薬用担体にて製剤化された本明細書に開示した化合物を含む組成物は、調製され、適切な容器内に入れられ、適応症の病状の処置に関してラベル表示され得る。
【0196】
使用方法
本開示全体、続く特許請求の範囲を通して、「式Iの化合物」、「式IIの化合物」、「式IIIの化合物」、「式IVの化合物」、「式Vの化合物」または「式I〜Vの化合物」という用語の記載は、その範囲に、本明細書に記載の化合物を包含し、その任意の薬学的に許容される塩、エステル、アミドまたはプロドラッグも包含する。
【0197】
別の態様において、本明細書に、細胞に、細胞内のHIFの発現レベルが調節されるのに充分な量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物を投与することを含む、細胞内のHIFの発現レベルの制御方法を開示する。同様に、本明細書において、細胞を、細胞内のHIFの発現レベルが調節されるのに充分な量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物と接触させることを含む、細胞内のHIFの発現レベルの制御方法を開示する。
【0198】
化合物の投与に関連する用語「投与すること」は、投与する化合物を含有する本明細書に記載の製剤を調製し、該製剤を任意の既知の方法によって被検体または細胞に投与することをいう。例えば、該化合物を含有する液剤が、被検体に注射され得るか、または細胞を含有する培地に添加され得、あるいは被検体が、該化合物を含有する製剤を経口摂取してもよい。用語「接触させること」は、被検体または細胞を該化合物との接触に至らせることをいう。したがって、プロドラッグの製剤を被検体に投与すると、該プロドラッグが代謝され得る。次いで、この代謝産物は、全身循環中または細胞質内のいずれかに存在する。この状況において、プロドラッグは被検体に「投与」され、被検体および細胞はともに、代謝産物と「接触」している。
【0199】
別の態様において、本明細書に、被検体におけるHIFの発現レベルを制御する方法であって、それを必要とする被検体を特定すること、および前記被検体に、前記被検体におけるHIFの発現レベルが調節されるのに充分な量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物を投与することを含む方法を開示する。同様に、本明細書において、被検体におけるHIFの発現レベルを制御する方法であって、それを必要とする被検体を特定すること、および前記被検体を、前記被検体におけるHIFの発現レベルが調節されるのに充分な量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物と接触させることを含む方法を開示する。
【0200】
別の態様において、本明細書に、細胞内のHIFの量が調節されるのに充分な量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物を細胞に投与すること、または細胞と接触させることを含む、細胞内のHIFの量を調節するための方法を開示する。同様に、本明細書において、細胞内のHIFの量が調節されるのに充分な量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物を細胞に投与すること、または細胞と接触させることを含む、細胞内のHIFの量を調節するための方法を開示する。用語「調節する」または「調節すること」は、化合物がHIFのレベルまたは濃度を改変することができる能力をいう。一部の実施形態において、モジュレータは、細胞内のHIFのレベルを増大させるもので、または濃度を増大させるものである。他の実施形態において、モジュレータは、細胞内のHIFのレベルまたは濃度を低下させるものである。好ましくは、モジュレータは、細胞内のHIFのレベルまたは濃度を増大させるものである。
【0201】
別の態様において、本明細書に、細胞に、該細胞内でのHIFαの水酸化が阻害されるのに充分な量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物を投与することを含む、細胞内でのHIFαの水酸化を阻害する方法を開示する。同様に、本明細書において、細胞を、該細胞内でのHIFαの水酸化が阻害されるのに充分な量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物と接触させることを含む、細胞内でのHIFαの水酸化を阻害する方法を開示する。
【0202】
別の態様において、本明細書に、被検体においてHIFαの水酸化を阻害する方法であって、それを必要とする被検体を特定すること、および前記被検体に、被検体においてHIFαの水酸化が阻害されるのに充分な量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物を投与することを含む方法を開示する。同様に、本明細書において、細胞内でのHIFαの水酸化を阻害する方法であって、それを必要とする被検体を特定すること、および前記被検体を、被検体においてHIFαの水酸化が阻害されるのに充分な量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物と接触させることを含む方法を開示する。
【0203】
別の態様において、本明細書に、細胞に、細胞内でのHIF調節遺伝子の発現が調節されるのに充分な量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物を投与することを含む、細胞内でのHIF調節遺伝子の発現を調節する(増大または低減させる)方法を開示する。同様に、本明細書において、細胞を、細胞内でのHIF調節遺伝子の発現が調節されるのに充分な量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物と接触させることを含む、細胞内でのHIF調節遺伝子の発現を調節する方法を開示する。
【0204】
別の態様において、本明細書に、被検体におけるHIF調節遺伝子の発現を調節する方法であって、それを必要とする被検体を特定すること、および前記被検体に、被検体におけるHIF調節遺伝子の発現が調節されるのに充分な量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物を投与することを含む方法を開示する。同様に、本明細書において、被検体におけるHIF調節遺伝子の発現を調節する方法であって、それを必要とする被検体を特定すること、および前記被検体を、被検体におけるHIF調節遺伝子の発現が調節されるのに充分な量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物と接触させることを含む方法を開示する。
【0205】
別の態様において、本明細書に、細胞に、細胞内のHIFのレベルまたはHIFの活性が増大するのに充分な量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物を投与することを含む、細胞内のHIFのレベルまたはHIFの活性を増大させるための方法を開示する。同様に、本明細書において、細胞を、細胞内のHIFのレベルまたはHIFの活性が増大するのに充分な量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物と接触させることを含む、細胞内のHIFのレベルまたはHIFの活性を増大させるための方法を開示する。
【0206】
別の態様において、本明細書に、被検体においてHIFのレベルまたはHIFの活性を増大させるための方法であって、それを必要とする被検体を特定すること、および前記被検体に、前記被検体においてHIFのレベルまたはHIFの活性が増大するのに充分な量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物を投与することを含む方法を開示する。同様に、本明細書に、被検体においてHIFのレベルまたはHIFの活性を増大させるための方法であって、それを必要とする被検体を特定すること、および前記被検体を、前記被検体においてHIFのレベルまたはHIFの活性が増大するのに充分な量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物と接触させることを含む方法を開示する。
【0207】
別の態様において、本明細書に、被検体において、HIFのレベルまたは活性を調節することが望ましい障害を処置する方法であって、それを必要とする被検体を特定すること、および前記被検体に治療有効量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物を投与することを含む方法を開示する。同様に、本明細書において、被検体のHIF関連障害を処置する方法であって、それを必要とする被検体を特定すること、および前記被検体を治療有効量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物と接触させることを含む方法を開示する。HIF関連障害により、HIFのレベルまたは活性のモジュレーションにより治療効果がもたらされる障害を意図する。
【0208】
一部の実施形態において、HIF関連障害は、虚血性障害、低酸素性障害、貧血性障害(例えば、限定されないが、自己免疫疾患と関連する貧血、関節リウマチ、全身性狼瘡、限定されないがHCVおよびHIVなどの慢性感染症、炎症性腸疾患、化学療法誘発性の慢性心臓疾患、慢性腎臓疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、末期の腎疾患、未熟、甲状腺機能低下症、栄養不良、血液障害、例えば限定されないが鎌状赤血球貧血およびβ−サラセミア、悪性腫瘍)、狭心症、神経系の障害、脳卒中、癲癇、神経変性疾患、心筋梗塞、肝虚血、腎虚血、慢性腎臓疾患、末梢血管障害、潰瘍、火傷、慢性創傷、肺塞栓症、虚血性再灌流障害、手術および臓器移植と関連する虚血性再灌流障害、呼吸窮迫症候群、未熟児の気管支肺形成異常の予防、肺高血圧症、自己免疫疾患、糖尿病の副作用、糖尿病性網膜症、黄斑変性、サルコイド、梅毒、弾性線維性仮性黄色腫、パジェット病、静脈閉塞、動脈閉塞、頚動脈閉塞性疾患、慢性ブドウ膜炎/ガラス体炎(vitritis)、ミコバクテリア感染症、ライム病、全身性エリテマトーデス(erythematosis)、未熟児網膜症、イールズ病、ベーチェット病、網膜炎または脈絡膜炎を引き起こす感染症、推定眼ヒストプラスマ症、ベスト病、近視、視神経ピット、シュタルガルト病、毛様体扁平部炎、慢性網膜剥離、過粘稠度症候群、トキソプラスマ症、外傷およびレーザー照射後の合併症、ルベオーシスと関連する疾患、代謝障害、例えば、糖尿病、ならびに増殖性硝子体網膜症からなる群より選択される。
【0209】
用語「処置すること」または「処置」は、必ずしも完全な治癒を意味するのではない。疾患の任意の望ましくない徴候もしくは症状の任意の程度までの任意の緩和、または疾患の進行速度の低下が処置とみなされ得る。さらに、処置には、患者の全般的な幸福感または外観を悪化させることがあり得る作用が包含され得る。また、処置には、たとえ症状が緩和されなくても、疾患状態が改善されなくても、または患者の全般的な幸福感が改善されなくても、患者の寿命の延長が包含され得る。
【0210】
別の態様において、本明細書に、被検体の障害を処置する方法であって、それを必要とする被検体を特定すること、および前記被検体に治療有効量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物を投与することを含み、該障害が、虚血性障害、低酸素性障害、貧血性障害(例えば、限定されないが、自己免疫疾患と関連する貧血、関節リウマチ、全身性狼瘡、限定されないがHCVおよびHIVなどの慢性感染症、炎症性腸疾患、化学療法誘発性の慢性心臓疾患、慢性腎臓疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、末期の腎疾患、未熟、甲状腺機能低下症、栄養不良、血液障害、例えば限定されないが鎌状赤血球貧血およびβ−サラセミア、悪性腫瘍)、狭心症、神経系の障害、脳卒中、癲癇、神経変性疾患、心筋梗塞、肝虚血、腎虚血、慢性腎臓疾患、末梢血管障害、潰瘍、火傷、慢性創傷、肺塞栓症、虚血性再灌流障害、手術および臓器移植と関連する虚血性再灌流障害、呼吸窮迫症候群、未熟児の気管支肺形成異常の予防、肺高血圧症、自己免疫疾患、糖尿病の副作用、糖尿病性網膜症、黄斑変性、サルコイド、梅毒、弾性線維性仮性黄色腫、パジェット病、静脈閉塞、動脈閉塞、頚動脈閉塞性疾患、慢性ブドウ膜炎/ガラス体炎、ミコバクテリア感染症、ライム病、全身性エリテマトーデス、未熟児網膜症、イールズ病、ベーチェット病、網膜炎または脈絡膜炎を引き起こす感染症、推定眼ヒストプラスマ症、ベスト病、近視、視神経ピット、シュタルガルト病、毛様体扁平部炎、慢性網膜剥離、過粘稠度症候群、トキソプラスマ症、外傷およびレーザー照射後の合併症、ルベオーシスと関連する疾患、代謝障害、例えば、糖尿病、ならびに増殖性硝子体網膜症からなる群より選択される方法を開示する。同様に、本明細書において、被検体の障害を処置する方法であって、それを必要とする被検体を特定すること、および前記被検体を治療有効量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物と接触させることを含み、該障害が、貧血性障害、神経系の障害、脳卒中、外傷、癲癇、神経変性疾患、心筋梗塞、肝虚血、腎虚血、末梢血管障害、潰瘍、火傷、慢性創傷、肺塞栓症、および虚血性再灌流障害からなる群より選択される方法を開示する。
【0211】
別の態様において、本明細書に、HIFのαサブユニットを修飾するヒドロキシラーゼ酵素の活性を阻害する方法であって、該酵素を少なくとも1種類の式I〜Vの化合物と接触させることを含む方法を開示する。
【0212】
別の態様において、本明細書に、HIFαの水酸化を阻害し、それによりHIFを安定化させること、および/またはHIF調節遺伝子の発現を調節することにより、HIFおよび/またはEPOの発現レベルを調節する方法を開示する。該方法は、HIFおよび/またはEPOと関連する病状、例えば、貧血、虚血および低酸素を予防、治療および処置するために有用であり得る。
【0213】
虚血、貧血、および低酸素は、HIFと関連する3つの病状であり、限定されないが、虚血性障害、低酸素性障害、貧血性障害(例えば、限定されないが、自己免疫疾患と関連する貧血、関節リウマチ、全身性狼瘡、限定されないがHCVおよびHIVなどの慢性感染症、炎症性腸疾患、化学療法誘発性の慢性心臓疾患、慢性腎臓疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、末期の腎疾患、未熟、甲状腺機能低下症、栄養不良、血液障害、例えば限定されないが鎌状赤血球貧血およびβ−サラセミア、悪性腫瘍)、狭心症、神経系の障害、脳卒中、癲癇、神経変性疾患、心筋梗塞、肝虚血、腎虚血、慢性腎臓疾患、末梢血管障害、潰瘍、火傷、慢性創傷、肺塞栓症、虚血性再灌流障害、手術および臓器移植と関連する虚血性再灌流障害、呼吸窮迫症候群、未熟児の気管支肺形成異常の予防、肺高血圧症、自己免疫疾患、糖尿病の副作用、糖尿病性網膜症、黄斑変性、サルコイド、梅毒、弾性線維性仮性黄色腫、パジェット病、静脈閉塞、動脈閉塞、頚動脈閉塞性疾患、慢性ブドウ膜炎/ガラス体炎、ミコバクテリア感染症、ライム病、全身性エリテマトーデス、未熟児網膜症、イールズ病、ベーチェット病、網膜炎または脈絡膜炎を引き起こす感染症、推定眼ヒストプラスマ症、ベスト病、近視、視神経ピット、シュタルガルト病、毛様体扁平部炎、慢性網膜剥離、過粘稠度症候群、トキソプラスマ症、外傷およびレーザー照射後の合併症、ルベオーシスと関連する疾患、代謝障害、例えば、糖尿病、ならびに増殖性硝子体網膜症が挙げられる。一部の実施形態において、本明細書に開示した方法は、虚血または低酸素が心筋梗塞、脳卒中、または腎虚血再灌流障害と関連している場合、虚血もしくは低酸素の発生の前/後または虚血もしくは低酸素時にHIFαの安定化をもたらすものである。
【0214】
別の態様において、本明細書に、式I〜Vの化合物を用いて、さまざまな虚血性および/または低酸素関連障害を処置するための方法を開示する。一部の特定の実施形態において、本明細書に開示した方法は、該化合物が虚血または低酸素の発生の前または後に投与される場合、処置に好都合である。例えば、本明細書に開示した方法により、死亡率の低下、ならびに心筋梗塞発生後の心臓の構造および動作の改善がもたらされ得る。
【0215】
さらに、本明細書において、肝臓疾患(diesease)と関連する条件および/または因子への曝露の前または後に、式I〜Vの化合物を投与することを含む、肝臓障害の処置方法を開示する。例えば、低酸素は、エタノールなどの肝臓に対して毒性の化合物と関連している肝臓疾患、特に慢性肝臓疾患と関連している。また、HIFα、例えば、一酸化窒素シンターゼおよびグルコーストランスポーター−1によって調節されることがわかっている遺伝子の発現は、アルコール性肝臓疾患において増大している。
【0216】
したがって、本明細書において、虚血または低酸素と関連している病状を処置するための方法であって、被検体に治療有効量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物を投与すること(administrate)を含む方法を開示する。
【0217】
一部の実施形態において、式I〜Vの化合物は患者に、急性虚血、例えば、心筋梗塞、肺塞栓症、腸梗塞、虚血性脳卒中、および腎虚血再灌流障害などの病状の発病後に投与される。他の実施形態において、式I〜Vの化合物は患者に、患者が慢性虚血と関連する病状、例えば、限定されないが、心臓性肝障害(cardiac肝障害)、黄斑変性、肺塞栓症、急性呼吸機能障害、新生児呼吸窮迫症候群、および鬱血性心不全であると診断された後に投与される。他の実施形態において、式I〜Vの化合物は患者に、外傷または負傷後に投与される。
【0218】
別の態様において、本明細書に、本明細書に開示した化合物により、虚血性または低酸素性病状を発現するリスクのある患者を処置するための方法を開示する。ハイリスクの個体としては、例えば限定されないが、アテローム性動脈硬化の患者が挙げられる。アテローム性動脈硬化のリスクファクターとしては、例えば限定されないが、高脂血症、喫煙、高血圧、糖尿病、高インスリン血症、および内臓肥満が挙げられる。したがって、本明細書において、虚血性組織損傷を予防または緩和するための方法であって、それを必要とする被検体に、治療有効量の式I〜Vの化合物を投与することを含む方法を開示する。一部の実施形態において、本明細書に開示した化合物は、高血圧、糖尿病、閉塞性動脈疾患、慢性静脈不全、レーノー病、皮膚の慢性潰瘍、肝障害、鬱血性心不全、および全身性硬化症などの病状を処置するために投与され得る。
【0219】
一部の実施形態において、本明細書に開示した方法は、損傷組織および潰瘍において血管新生(angiogensis)および/または肉芽組織形成を刺激するために使用される。例えば、本明細書に開示した化合物は、創傷治癒過程における肉芽組織形成の刺激に有効である。炎症細胞、血小板および活性化内皮からの増殖因子の分泌により、線維芽細胞および内皮細胞のトランスロケーションならびに肉芽組織の増殖が刺激される。本明細書に開示した方法は、肉芽組織形成の刺激に有効である。したがって、本明細書において、例えば、梗塞による組織損傷に苦しむ患者、外傷によって誘導された損傷に苦しむ患者、または糖尿病などの障害によって引き起こされた慢性損傷もしくは潰瘍に苦しむ患者を処置するための方法を開示する。本明細書に開示した方法は、治療有効量の式I〜Vの化合物を、それを必要とする被検体に投与することを含む。
【0220】
別の態様において、本明細書に、本明細書に開示した化合物を用いることにより、虚血または低酸素と関連する組織損傷の発生を低減または予防するために被検体を予備処置するための方法を開示する。本明細書に開示した方法は、該化合物を虚血または低酸素の発生前に投与した場合、処置に関して利点を有する。例えば、本明細書に開示した化合物を心筋梗塞が誘導される前に投与した場合、本明細書に開示した方法により死亡率が低下し、心臓の構造および動作が有意に改善される。また、本明細書に開示した化合物を虚血再灌流障害の発生前および/または発生中に投与した場合、本明細書に開示した方法により、腎不全に関して治療効果がもたらされる。
【0221】
したがって、本明細書において、虚血または低酸素と関連する組織損傷の発生を低減または予防するために被検体を予備処置するための方法であって、治療有効量の本明細書に開示した化合物を、虚血性障害に苦しむ患者、例えば、心筋梗塞の病歴を有する患者、または重篤な虚血の症状、例えば狭心症に苦しむ患者に投与することを含む方法を開示する。一部の実施形態において、本明細書に開示した化合物は、虚血が起こる可能性と関連している条件下(例えば、全身麻酔下)にあるヒト、または一時的に高地で作業しているヒトに投与され得る。他の実施形態において、本明細書に開示した化合物は、臓器移植処置において、臓器をレシピエントに移植する前に、ドナーから取り出された臓器を維持するために臓器ドナーを本明細書に開示した化合物で事前に処置することにより使用され得る。
【0222】
別の態様において、本明細書に、被検体において血管新生を調節するための方法であって、それを必要とする被検体を特定すること、および前記被検体に治療有効量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物を投与することを含む方法を開示する。同様に、本明細書において、被検体において血管新生を調節するための方法であって、それを必要とする被検体を特定すること、および前記被検体を治療有効量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物と接触させることを含む方法を開示する。
【0223】
別の態様において、本明細書に、被検体の虚血性組織の血管を新生させる方法であって、それを必要とする被検体を特定すること、および前記被検体に治療有効量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物を投与することを含む方法を開示する。同様に、本明細書において、被検体の虚血性組織の血管を新生させる方法であって、それを必要とする被検体を特定すること、および前記被検体を治療有効量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物と接触させることを含む方法を開示する。
【0224】
別の態様において、本明細書に、置換皮膚移植片の増殖を促進させるための方法であって、それを必要とする被検体を特定すること、および前記被検体に治療有効量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物を投与することを含む方法を開示する。同様に、本明細書において、置換皮膚移植片の増殖を促進させるための方法であって、それを必要とする被検体を特定すること、および前記被検体を治療有効量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物と接触させることを含む方法を開示する。
【0225】
別の態様において、本明細書に、組織再生誘導(GTR)処置の状況において組織修復を促進させるための方法であって、それを必要とする被検体を特定すること、および前記被検体に治療有効量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物を投与することを含む方法を開示する。同様に、本明細書において、組織再生誘導(GTR)処置の状況において組織修復を促進させるための方法であって、それを必要とする被検体を特定すること、および前記被検体を治療有効量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物と接触させることを含む方法を開示する。
【0226】
別の態様において、本明細書に、被検体の貧血を処置するための方法であって、それを必要とする被検体を特定すること、および 治療有効量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物を前記被検体に投与すること、または前記被検体と接触させることを含む方法を開示する。同様に、本明細書において、被検体の貧血を処置するための方法であって、それを必要とする被検体を特定すること、および治療有効量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物を前記被検体に投与すること、または前記被検体と接触させることを含む方法を開示する。
【0227】
別の態様において、本明細書に、被検体の貧血を調節するための方法であって、それを必要とする被検体を特定すること、および前記被検体に治療有効量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物を投与することを含む方法を開示する。同様に、本明細書において、被検体の貧血を調節するための方法であって、それを必要とする被検体を特定すること、および前記被検体を治療有効量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物と接触させることを含む方法を開示する。
【0228】
別の態様において、本明細書に、被検体の貧血を予防するための方法であって、それを必要とする被検体を特定すること、および前記被検体に治療有効量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物を投与することを含む方法を開示する。同様に、本明細書において、被検体の貧血を予防するための方法であって、それを必要とする被検体を特定すること、および前記被検体を治療有効量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物と接触させることを含む方法を開示する。
【0229】
本明細書において、内因性エリトロポイエチン(EPO)のレベルを増大させるための方法を開示する。この方法は、インビボまたはインビトロで、例えば、細胞培養制御培地において使用され得る。また、本明細書において、不充分なEPOレベルと関連している病状、またはEPOの増加が有益であり得る病状(脳卒中患者の場合など)、貧血と関連している病状、および神経系の障害(例えば、パーキンソン病)を予防、治療または処置するために内因性EPOのレベルを増大させるための方法を開示する。EPOレベルの低下と関連している病状としては、貧血、急性または慢性腎疾患などの障害、糖尿病、癌、潰瘍、急性または慢性の感染症、例えば、ウイルス感染(HIVなど)、細菌感染、または寄生虫感染;炎症性障害、自己免疫疾患、悪性腫瘍、重症の外傷(例えば、熱傷)などが挙げられる。これらの病状は、一般的に被検体に貧血をもたらす。さらに、本明細書に開示した方法は、放射線療法、化学療法、透析または手術などの治療処置と関連する貧血を処置するために使用される。貧血と関連する障害の他の例としては、小球性貧血、低色素性貧血、再生不良性貧血などの障害に見られる異常なヘモグロビンおよび/または血液細胞レベルなどが挙げられる。
【0230】
本明細書に開示した方法は、予防処置またはある種の治療処置を受けている被検体において内因性EPOのレベルを増大させるために使用され得る。例としては、アジドチミジン(ジドブジン)または他の逆転写酵素阻害薬で処置されているHIVに感染した貧血性被検体、定期的なシスプラチン含有もしくはシスプラチン無含有化学療法剤を受けている患者、または外科手術が予定されている貧血患者もしくは非貧血患者が挙げられる。内因性EPOのレベルを増大させる方法は、神経の損傷または神経組織の変性と関連しているEPOに関連する病状、例えば限定されないが、脳卒中、外傷、癲癇、脊髄損傷、および神経変性障害を予防、予備処置または処置するために使用され得る。
【0231】
また、本明細書に開示した方法は、内因性EPOのレベルを増大させることにより、関節置換術などの手術が予定されている貧血患者もしくは非貧血患者の同種血輸血の必要性を低減させるため、または手術前の自己血採血を容易にするために使用され得る。このような方法により、限定されないが感染性疾患の伝染などの非自己血輸血と関連するリスクが低減され得る。
【0232】
本明細書に開示した方法はまた、身体能力を向上させるため、運動能力を改善するため、および有酸素コンディショニングを助長および強化するためにも使用され得る。このような方法は、例えば、アスリートがトレーニングを容易にするため、および軍事要員がエネルギーとスタミナを向上させるために使用され得る。
【0233】
本明細書に開示した方法は、培地中で処理した動物血清中およびインビトロで培養した細胞由来のインビボでの内因性エリトロポイエチンのレベル増大させるために使用され得る。腎臓はエリトロポイエチンの主なインビボ供給源であるが、他の器官(例えば、脳、肝臓および骨髄)も、エリトロポイエチンを産生するように刺激すると産生するようになり得る。本明細書に開示した方法は、種々の器官(例えば、脳、腎臓および肝臓)での内因性エリトロポイエチンの発現を増大させるために使用され得る。
【0234】
本明細書に開示した方法は、本明細書に開示した化合物によりインビボで処置された動物において細胞容積およびヘモグロビンレベルを増大させるために使用され得る。本明細書に開示した化合物の作用による血漿EPO、細胞容積および血中ヘモグロビンレベルの増大は、投与された化合物の量に対して感受性である。したがって、本明細書に開示した化合物の均一で制御されたレベルの効果がもたらされるように治療レジメンを確立することが可能である。
【0235】
本明細書に開示した化合物で処置された動物において細胞容積および血中ヘモグロビンが増大すると、血液中を循環する未熟な血液細胞(網状赤血球)の増大がもたらされる。したがって、本明細書において、血液中網状赤血球レベルを増大させるための本明細書に開示した化合物の使用を開示する。
【0236】
実施例
【実施例1】
【0237】
[(1−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸の合成
a) 3−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル
塩化チオニル(15g、26mmol)をメタノール(100ml)に添加し、3−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(5g、26.0mmol)を溶解させ、4時間還流し、次いでエバポレートし、目的化合物3−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(5.10g、24.7mmol)を得た。
【0238】
b) 3−ブロモメチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル
3−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(0.200g、0.969mmol)をベンゼンに溶解させ、NBS(0.173g、0.972mmol)および触媒量の過酸化ベンゾイルを添加し、3時間還流し、室温まで冷却させ、減圧下でエバポレートして溶媒を除去し、次いで、カラムクロマトグラフィーにより精製し、目的化合物3−ブロモメチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(0.248g、0.870mmol)を得た。
【0239】
c) 3−{[(2,4−ジメトキシ−ベンジル)−エトキシカルボニルメチル−アミノ]−メチル}−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル
3−ブロモメチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(1.60g、5.61mmol)をベンゼンに溶解させ、(2,4−ジメトキシ−ベンジルアミノ)−酢酸メチルエステル(1.56g、6.16mmol)および炭酸カリウム(0.853g、61.6mmol)を添加し、12時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、NHCl水溶液で洗浄し、乾燥させ、次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し(溶離液:n−ヘキサン/EtOAC/DCM)、目的化合物(2.30g、5.19mmol)を得た。
【0240】
d) 2−(2,4−ジメトキシ−ベンジル)−4−オキソ−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボン酸エチルエステル
3−{[(2,4−ジメトキシ−ベンジル)−エトキシカルボニルメチル−アミノ]−メチル}−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(2.29g、5.16mmol)を無水THFに溶解させ、ドライアイス/アセトン浴内で冷却し、1Mのカリウムtert−ブトキシドのTHF溶液(10.3ml)を窒素の存在下で30分間滴下し、次いで室温で2時間撹拌した。得られた反応液に1N HClを添加し、EtOAcで抽出し、MgSOで乾燥させ、次いでエバポレートし、目的化合物(1.12g、2.72mmol)を得た。
【0241】
e) 4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボン酸エチルエステル
2−(2,4−ジメトキシ−ベンジル)−4−オキソ−1,2,3,4,4a,9b−ヘキサヒドロ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボン酸エチルエステル(0.917g、2.23mmol)を無水ジクロロメタン(16ml)に溶解させ、塩化チオニル(0.25ml)を添加し、室温で4時間撹拌し、重炭酸ナトリウム水溶液で中和し、次いでジクロロメタンで抽出した。得られた抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し(溶離液:ヘキサン/EtOAc)、目的化合物(0.974g、3.56mmol)を得た。
【0242】
f) 1−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボン酸エチルエステル
4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボン酸エチルエステル(0.380g、1.47mmol)をベンゼンに溶解させ、NCS(0.196g、1.47mmol)および過酸化ベンゾイル(35.5mg、0.147mmol)を添加し、12時間還流し、減圧下でエバポレートして溶媒を除去し、次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し(溶離液:ヘキサン/EtOAc)、目的化合物(0.730g、2.49mmol)を得た。
【0243】
g) [(1−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
1−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボン酸エチルエステル(95.0mg、0.324mmol)を、0.5Mのナトリウムメトキシドのメタノール溶液(36.5ml)に溶解させ、マイクロ波反応器内で120℃で10分間反応させ、1M HClで酸性化し、次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し(溶離液:DCM/MeOH)、目的化合物(31.4mg、0.104mmol)を得た。
【実施例2】
【0244】
[(7−ヒドロキシ−3−フェニル−フロ[3,2−c]ピリジン−6−カルボニル)−アミノ]−酢酸
a) 4−ブロモ−3−メチル−フラン−2−カルボン酸メチルエステル
3−メチル−フラン−2−カルボン酸メチルエステル(2.24g、16.0mmol)をアセトニトリル(48ml)に溶解させ、NBS(2.84g、16.0mmol)を添加し、室温で14時間撹拌し、次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し(溶離液:ヘキサン/EtOAc)、目的化合物および生成物の混合物(1.53g)を得た。
【0245】
b) 4−ブロモ−3−ブロモメチル−フラン−2−カルボン酸メチルエステル
先で調製した4−ブロモ−3−メチル−フラン−2−カルボン酸メチルエステル(1.53g)をベンゼン(21ml)に溶解させ、NBS(1.51g、8.50mmol)および過酸化ベンゾイル(0.206g、0.850mmol)を添加し、15時間還流し、室温まで冷却させ、減圧下でエバポレートして溶媒を除去し、次いで、カラムクロマトグラフィーにより精製し、4−ブロモ−3−ブロモメチル−フラン−2−カルボン酸メチルエステルの混合物(1.96g)を得た。
【0246】
c) 4−ブロモ−3−{[(2,4−ジメトキシ−ベンジル)−メトキシカルボニルメチル−アミノ]−メチル}−フラン−2−カルボン酸メチルエステル
4−ブロモ−3−ブロモメチル−フラン−2−カルボン酸メチルエステルの混合物(1.96g)をベンゼン(22ml)に溶解させ、(2,4−ジメトキシ−ベンジルアミノ)−酢酸メチルエステル(2.13g、10.2mmol)および炭酸カリウム(1.45g、10.2mmol)を添加し、12時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、NHCl水溶液で洗浄し、乾燥させ、次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し(溶離液:n−ヘキサン/EtOAC)、目的化合物4−ブロモ−3−{[(2,4−ジメトキシ−ベンジル)−メトキシカルボニルメチル−アミノ]−メチル}−フラン−2−カルボン酸メチルエステル(0.238g、0.522mmol)および3−{[(2,4−ジメトキシ−ベンジル)−メトキシカルボニルメチル−アミノ]−メチル}−フラン−2−カルボン酸メチルエステル(1.25g、3.32mmol)を得た。
【0247】
d) 3−{[(2,4−ジメトキシ−ベンジル)−メトキシカルボニルメチル−アミノ]−メチル}−4−フェニル−フラン−2−カルボン酸メチルエステル
4−ブロモ−3−{[(2,4−ジメトキシ−ベンジル)−メトキシカルボニルメチル−アミノ]−メチル}−フラン−2−カルボン酸メチルエステル(0.160g、0.350mmol)、フェニルボロン酸(85.2mg、0.699mmol)、Pd(dppf)Cl2(17.1mg、21.0umol)、DPPF(11.6mg、21.0umol)、およびリン酸カリウム(81.6mg、0.385mmol)をDMF(2ml)に溶解させ、100℃で15時間反応させ、酢酸エチルで希釈し、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し(溶離液:ヘキサン/EtOAc)、3−{[(2,4−ジメトキシ−ベンジル)−メトキシカルボニルメチル−アミノ]−メチル}−4−フェニル−フラン−2−カルボン酸メチルエステル(0.103g、0.226mmol)を淡黄色油状物として得た。
【0248】
e) 5−(2,4−ジメトキシ−ベンジル)−7−オキソ−3−フェニル−4,5,6,7−テトラヒドロ−フロ[3,2−c]ピリジン−6−カルボン酸メチルエステル
3−{[(2,4−ジメトキシ−ベンジル)−メトキシカルボニルメチル−アミノ]−メチル}−4−フェニル−フラン−2−カルボン酸メチルエステル(0.103g、0.226mmol)を無水THF(5ml)に溶解させ、ドライアイス/アセトン浴内で冷却し、1Mのカリウムtert−ブトキシドのTHF溶液(0.452ml)を窒素の存在下で30分間滴下し、次いで室温で2時間撹拌した。得られた反応液に1N HClを添加し、得られた混合物をEtOAcで抽出し、MgSOで乾燥させ、エバポレートし、目的化合物(71.0mg、0.169mmol)を得た。
【0249】
f) 7−ヒドロキシ−3−フェニル−フロ[3,2−c]ピリジン−6−カルボン酸メチルエステル
5−(2,4−ジメトキシ−ベンジル)−7−オキソ−3−フェニル−4,5,6,7−テトラヒドロ−フロ[3,2−c]ピリジン−6−カルボン酸メチルエステル(71.0mg、0.169mmol)を無水ジクロロメタンに溶解させ、塩化チオニルを添加し、室温で3時間撹拌し、重炭酸ナトリウム水溶液で中和し、次いでジクロロメタンで抽出した。得られた抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し(溶離液:ヘキサン/EtOAc)、目的化合物(27.6mg、0.103mmol)を得た。
【0250】
g) [(7−ヒドロキシ−3−フェニル−フロ[3,2−c]ピリジン−6−カルボニル)−アミノ]−酢酸
7−ヒドロキシ−3−フェニル−フロ[3,2−c]ピリジン−6−カルボン酸メチルエステル(10.9mg、40.5umol)とグリシン(30.4mg、0.405mmol)を、0.5Mのナトリウムメトキシドのメタノール溶液に溶解させ、CEMマイクロ波反応器内で120℃で10分間反応させ、1M HClでオキシド化(oxidify)し、次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し(溶離液:DCM/MeOH)、目的化合物(1.27mg、4.07umol)を得た。
【実施例3】
【0251】
分析データ
上記の方法を用いて合成した最終目的化合物の分析データを以下に示す。
【0252】
[(4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]フロ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 9.41(s,1H),8.96(s,1H),8.27(bs,1H),7.82(bs,1H),7.62(d,1H,J=6.9 Hz),7.49(bs,1H),4.00(s,2H).m/z=286.9(M+H)
[(4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−C]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 9.43(s,1H),9.22(s,1H),8.59(bs,1H),8.192(bs,1H),7.63(bs,2H),4.03(s,2H).m/z=303.0(M+H)
[(1−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−C]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
1H NMR(300 MHz,CDOD)δ 8.96(m,1H),8.09(m,1H),7.65(m,2H),4.12(s,2H)
[(7−ヒドロキシ−3−フェニル−フロ[3,2−c]ピリジン−6−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 9.34(s,1H),8.97(s,1H),8.71(bs,1H),8.46(bs,1H),7.95(bs,2H),7.59−7.54(m,3H),3.77(s,2H).m/z=313.1(M+H)
[(4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]フロ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 9.41(s,1H),8.96(s,1H),,8.27(bs,1H),7.82(bs,1H),7.62(d,1H,J=6.9 Hz),7.49(bs,1H),4.00(s,2H).m/z=287(M+H)
[(4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 9.43(s,1H),9.22(s,1H),,8.59(bs,1H),8.192(bs,1H),7.63(bs,2H),4.03(s,2H).m/z=303(M+H)
[(1−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 8.96(m,1H),8.09(m,1H),7.65(m,2H),4.12(s,2H).m/z=338(M+H)
[(7−ヒドロキシ−フロ[3,2−c]ピリジン−6−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,CDOD)δ 8.37(s,1H),8.02(s,1H),7.05(s,1H),4.14(s,1H).m/z=237(M+H)
[(7−ヒドロキシ−2−フェニル−フロ[3,2−c]ピリジン−6−カルボニル)−アミノ]−酢酸添付
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 9.34(s,1H),8.97(s,1H),,8.71(bs,1H),8.46(bs,1H),7.95(bs,2H),7.59−7.54(m,3H),3.77(s,2H).m/z=313(M+H)
(S)−2−[(7−ヒドロキシ−フロ[3,2−c]ピリジン−6−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 9.19(broad,1H),8.54(m,1H),8.25(m,1H),7.20(m,1H),4.46(m,1H),1.45(d,3H).m/z=251(M+H)
[(4−ヒドロキシ−1−フェニル−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,CDOD)δ 8.66(s,1H),8.46(s,1H),7.79(d,J=6.9 Hz,2H),7.63(t,J=6.9 Hz,2H),7.49(t,J=6.9 Hz,1H),4.16(s,2H).m/z=313(M+H)
[(7−クロロ−4−ヒドロキシ−1−フェニル−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,CDOD)δ 8.50(s,1H),7.61−7.48(m,5H),4.14(s,2H).m/z=348(M+H)
[(1−クロロ−4−ヒドロキシ−8−ニトロ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 9.55(s,1H),9.40(s,1H),8.52(m,2H),4.03(d,2H,J=6.0).m/z=383(M+H)
3−(カルボキシメチル−カルバモイル)−1−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−8−イル−アンモニウム
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 9.41(br s,2H),8.33(s,1H),8.00(d,1H,J=8.7)、7.21(q,1H),4.11(d,2H,J=5.7).m/z=353(M+H)
[(1−ブロモ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 9.36(s,1H),9.12−9.09(m,1H),8.30−8.27(m,1H),7.77−7.69(m,2H),4.03(d,J=6.0 Hz,2H).m/z=382(M+H)
(S)−2−[(1−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸
H NMR(300 MHz,CDOD)δ 8.97(m,1H),8.10(m,1H),7.69〜7.65(m,2H),4.66(q,1H),1.59(d,3H).m/z=352(M+H)
(S)−2−[(1−ブロモ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸
H NMR(300 MHz,CDOD)δ 9.12(d,1H),8.05(d,1H),7.67〜7.62(m,2H)、4.67(q,1H),1.60(d,3H).m/z=396(M+H)
[(1−クロロ−8−フルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 9.76(s,1H),8.53(d,1H,J=9.3),8.26(m,1H),7.60(m,1H),3.97(d,2H,J=4.5).m/z=356(M+H)
[(1−シアノ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 9.65(s,1H),8.80(s,1H),8.396(s,1H),7.83(m,2H),4.07(s,2H).m/z=328(M+H)
[(1−ベンゼンスルホニル−7−クロロ−4−ヒドロキシ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−5−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 9.24(broad,1H),8.16(m,1H),7.92(d,2H,J=7.5),7.77(m,1H),7.64(m,2H),7.09(d,1H,J=3.6),3.83(d,2H,J=4.8).m/z=411(M+H)
[(1−ベンゼンスルホニル−7−クロロ−4−ヒドロキシ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−5−カルボニル)−アミノ]−酢酸メチルエステル
H NMR(300 MHz,CDCl)δ 12.22(s,1H),8.04(d,2H,J=3.9),7.83(d,2H,J=5.7),7.64(m,1H),7.52(m,2H),7.01(d,1H,J=3.9),4.21(d,2H,J=5.7),3.77(s,3H).m/z=425(M+H)
[(7−クロロ−4−ヒドロキシ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−5−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 8.52(s,1H),7.59(m,1H),7.25(m,2H),2.90(d,2H).m/z=271(M+H)
[(4−アミノ−1−ブロモ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 9.16(d,J=7.8 Hz,1H),8.06(d,J=7.8 Hz,1H),7.65−7.63(m,2H),4.14(s,2H).m/z=381(M+H)
1−ブロモ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボン酸(ピリジン−3−イルメチル)−アミド
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 9.88(s,1H),9.10−9.07(m,1H),8.60(s,1H),8.46(s,1H),8.27−8.24(m,1H),7.79−7.67(m,3H),7.38−7.34(m,1H),4.57(d,J=6.3 Hz,2H).m/z=415(M+H)
[(1−ブロモ−4−フルオロ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 9.07(d,1H,J=8.7),8.88(s,1H),8.24(d,1H,J=8.4),7.72(m,2H),3.96(d,2H,J=6.0).m/z=384(M+H)
1−ブロモ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボン酸[2−(4−メトキシ−ベンジル)−2H−テトラゾル−5−イルメチル]−アミド
H NMR(300 MHz,CDCl)δ 12.40(s,1H),8.41(s,1H),7.95(s,1H),7.65−7.56(m,2H0,7.36(d,J=8.7 Hz,2H),6.89(d,J=8.7 Hz,2H),5.70(s,2H),4.94(d,J=6Hz,2H),3.79(s,3H).m/z=526(M+H)
1−ブロモ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボン酸[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−テトラゾル−5−イルメチル]−アミド
H NMR(300 MHz,CDCl)δ 12.04(s,1H),9.19−9.15(m,1H),8.26(s,1H),8.01−7.98(m,1H),7.67−7.63(m,2H),7.15(d,J=8.7 Hz,2H),6.76(d,J=8.7 Hz,2H),5.68(s,2H),4.91(d,J=6.3 Hz,2H),3.58(s,3H).m/z=526(M+H)
1−ブロモ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボン酸(ピリジン−2−イルメチル)−アミド
H NMR(300 MHz,CDCl)δ 9.20−9.17(m,1H),8.85(s,1H),8.66(s,1H),8.00−7.96(m,1H),7.90(s,1H),7.41(s,1H),4.95(s,2H).m/z=415(M+H)
1−ブロモ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボン酸(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−アミド
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 9.84(s,1H),9.11(d,J=7.2 Hz,1H),8.29(d,J=7.2 Hz,1H),7.77−7.71(m,2H),4.85(d,J=5.7 Hz,2H).m/z=406(M+H)
1−ブロモ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボン酸ピリジン−2−イルアミド
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 9.12(d,J=8.7 Hz,1H),8.44(d,J=4.2 Hz,1H),8.30(d,J=6.6 Hz,1H),8.18(d,J=7.8 Hz,1H),7.94(t,J=7.5 Hz,1H),7.77−7.74(m,2H),7.28−7.24(m,1H).m/z=401(M+H)
1−ブロモ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボン酸ピリジン−3−イルアミド
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 9.09(m,1H),8.92(s,1H),8.32(s,1H),8.23−8.20(m,2H),7.69−7.66(m,2H),7.43−7.38(m,1H).m/z=401(M+H)
1−ブロモ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボン酸フェニルアミド
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 10.85(s,1H),9.14(d,J=8.7 Hz,1H),8.30(d,J=8.7 Hz,1H),7.83(d,J=7.8 Hz,2H),7.76−7.74(m,2H),7.42(t,J=7.5 Hz,2H),7.21(t,J=7.2 Hz,1H).m/z=400(M+H)
1−ブロモ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボン酸ベンジルアミド
H NMR(300 MHz,CDCl)δ 9.18−9.15(m,1H),8.21(s,1H),8.00−7.97(m,1H),7.66−7.61(m,2H),7.41−7.33(m,5H),4.70(d,J=6.3 Hz,2H).m/z=414(M+H)
[(1−クロロ−8−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 8.31(s,1H),8.18(s,1H),8.00(d,1H),7.28(d,1H),3.99(s,2H),3.04(s,6H).m/z=381(M+H)
[(1−クロロ−8−ジエチルアミノ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 8.31(s,1H),8.15(s,1H),7.75(d,1H),7.11(m,1H),4.08(s,2H),3.60〜3.42(m,4H)、1.26〜1.17(m,6H).m/z=409(M+H)
[(8−アセチルアミノ−1−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 12.98(br,1H),10.33(s,1H),9.37(s,2H),8.18(d,1H),7.90(d,1H),4.04(d、2H),2.13(s,3H).m/z=395(M+H)
[(4−クロロ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−ヒドロキシ−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 11.80(s,1H),9.26(m,1H),8.98(m,2H),8.40(m,2H),8.28(m,1H),3.80(m,2H).m/z=338(M+H)
[(1−クロロ−6−フルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,CDOD)δ 8.78(d,1H),7.64(m,1H),7.44(t,1H),4.12(s,2H).m/z=356(M+H)
[(1−クロロ−7−フルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,CDCl)δ 13.09(s,1H),9.33(t,1H,J=6.,3Hz),8.39(dd,1H,J=2.4Hz,9.0Hz),8.25(dd,1H,J=2.1Hz,9.3Hz),7.59(m,1H)4.01(s,2H).m/z=356(M+H)
[(1−クロロ−9−フルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 12.91(s,1H),9.33(t,J=6.0 Hz,1H),8.10(d,J=8.1 Hz,1H),7.78−7.71(m,1H),7.51−7.44(m,1H),4.02(d,J=6Hz,2H).m/z=356(M+H)
[(4−ヒドロキシ−1−ピリジン−2−イル−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 9.55(s,1H),9.27(s,1H),8.73(s,1H),8.64(d,J=4.8 Hz,1H),8.11−8.04(m,2H),7.46−7.42(m,1H),4.01(d,J=5.7 Hz,2H).m/z=314(M+H)
[(4−ヒドロキシ−1−メチル−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 9.30(s,1H),8.48(s,1H),8.23(s,1H),7.66(s,2H),4.01(d,J=4.8 Hz,2H),3.04(s,3H).m/z=317(M+H)
[ヒドロキシ−(4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 13.42(s,1H),8.73(s,1H),8.51(d,J=6.9 Hz,1H),7.90(d,J=6.9 Hz,1H),7.56−7.47(m,2H),4.49(s,2H).m/z=319(M+H)
[(1−クロロ−4,8−ジヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 10.03(s,1H),9.38(s,1H),8.28(d,J=1.8 Hz,1H),8.03(d,J=8.7 Hz,1H),7.19(dd,J=8.7 Hz and 2.4 Hz,1H),4.01(d,J=6.3 Hz,2H).m/z=354(M+H)
[(1−クロロ−4−ヒドロキシ−7−メトキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 13.03(s,1H),12.78(s,1H),9.24(s,1H),8.75(d,J=9 Hz,1H),7.87(d,J=2.1Hz,1H),7.28(dd,J=9.3 Hz and 2.1 Hz,1H),4.02(d,J=5.7 Hz,2H)3.90(s,3H).m/z=368(M+H)
[(1−クロロ−8−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,CDOD)δ 8.35(d,J=2.1 Hz,1H),7.86(d,J=8.7 Hz,1H),7.18(dd,J=2.1 Hz and 0.9 Hz,1H),4.17(s,2H),4.11(s,3H).m/z=368(M+H)
[(1−クロロ−8−ヒドロキシ−4−イソプロポキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,CDOD)δ 8.36(d,J=2.4 Hz,1H),7.85(d,J=8.7 Hz,1H),7.18(dd,J=8.4 Hz and 2.4 Hz,1H),4.12(s,2 H),1.38(s,3H),1.36(s,3H).m/z=396(M+H)
[(1−クロロ−4.7−ジヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 12.9−12.6(br s,1H),10.42(s,1H),9.31(s,1H),8.68(d,J=9.0 Hz,1H),7.54(s,1H),7.14(dd,J=8.7Hz and 2.4 Hz,1H),4.00(d,J=6.3 Hz,1H).m/z=354(M+H)
[(1−クロロ−4−ヒドロキシ−7−イソプロポキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 13.2−12.8(br s,2H),9.40(s,1H),8.72(d,J=9 Hz,1H),7.86(s,1H),7.25(dd,J=9.3 Hz and 2.1 Hz,1H),4.82−4.78(m,1H),4.00(d,J=6 Hz,2H),1.34(s,3H),1.32(s,3H).m/z=396(M+H)
[(7−フルオロ−4−ヒドロキシ−1−メチル−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 9.26(s,1 H)、8.49(s,1H),8.19(d,J=7.5 Hz,1H),7.53(m,1H),3.96(s,1H),3.02(s,3H).m/z=335(M+H)
[(1−クロロ−8−エチルアミノ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 13.01(s,1H),9.25(t,J=6.0 Hz,1H),7.99(d,J=2.1 Hz,1H),7.90(d,J=9.0 Hz,1H),7.06(m,1H),4.02(d,J=6.3 Hz,2H),3.15(q,J=7.2 Hz,2H),1.23(t,J=7.2 Hz,3H).m/z=381(M+H)
[(8−ベンゼンスルホニルアミノ−1−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 9.43−9.26(m,1H),8.70(s,1H),8.14(d,J=8.7,1H),7.83(d,J=8.2,2H),7.55(d,J=7.3,3H),7.43(d,J=8.7,1H),4.02(d,J=6.1,2H).m/z=493(M+H)
[(8−ベンジルアミノ−1−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 9.42−9.25(m,1H),8.01−7.80(m,3H),7.49−7.17(m,5H),7.09(d,J=8.7,1H),4.39(d,J=5.6,2H),3.99(d,J=6.0,2H).m/z=443(M+H)
[(1−クロロ−4−ヒドロキシ−8−トリフルオロメチル−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ 9.54(brs,1H),9.11(s,1H),8.56(d,J=8.4 Hz,1H),8.07(d,J=8.4 Hz,1H),4.02(d,J=6 Hz,2H).m/z=406(M+H)
[(1−クロロ−7−フルオロ−4−ヒドロキシ−2−オキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
1H NMR(300 MHz,DMSO−d6):12.96(s,1H),9.58(s,1H),8.70(dd,1H,J=4.2Hz,4.5Hz),8.26(d,1H,J=4.8Hz),7.77(m,1H),4.99(d,2H,J=6Hz).m/z=371(M+H)
[(1−クロロ−4−ヒドロキシ−8−フェニルメタンスルホニル−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,DMSO−d6)δ 13.00(brs,1H),9.44(s,1H),8.99(s,1H),8.54(d,J=8.4 Hz,1H),8.01(d,J=8.4 Hz,1H),7.30−7.16(m,5H),4.79(s,2H),4.03(d,J=6.3 Hz,2H)
[(1−クロロ−8−エタンスルホニル−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,DMSO−d6)δ 13.01(brs,1H),9.58(s,1H),9.31(s,1H),8.59(d,J=8.4 Hz,1H),8.18(d,J=8.4 Hz,1H),4.03(d,J=5.4 Hz,2H),3.42(m,2H),1.16(t,J=6.9 Hz,3H)
[(8−ベンゼンスルホニル−1−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,DMSO−d6)δ 9.36(s,1H),8.50(d,J=9Hz,1H),8.19(d,J=9 Hz,1H),8.03(d,J=7.2 Hz,2H),7.70−7.61(m,3H),4.01(d,J=5.7 Hz,2H)
[(8−ベンゼンスルフィニル−1−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
H NMR(300 MHz,DMSO−d6)δ 9.13(s,1H),8.32(d,J=8.4 Hz,1H),7.86(d,J=8.4 Hz,1H),7.78(d,J=6.6 Hz,2H),7.57−7.50(m,3H),3.99(brs,2H)
【実施例4】
【0253】
試験および投与
生物学的試験
本発明による化合物の生物学的活性は、任意の慣用的な既知の方法を用いて評価され得る。適当なアッセイは当該技術分野で広く知られている。以下のアッセイは例示の目的で示しており、なんら本発明の範囲を限定することを意図しない。本発明の化合物は、以下のアッセイの少なくとも1つにおいて活性を示す。
【0254】
HIFα安定化の細胞系アッセイ
種々の組織由来のヒト細胞を、それぞれ35mmの培養皿に播種し、標準的な培養培地(例えば、10%FBSを補給したDMEM)中、37℃、20%Oおよび5%COの条件下で培養した。その細胞層をクラスター状に増殖させ、培地をOPTI−MEM培地(Invitrogen Life Technologies,Carlsbad CA)と交換し、細胞層を20%Oおよび5%COの条件下、37℃で24時間培養した。該化合物または0.013%DMSOを現状の培地に添加し、次いで一晩培養した。
【0255】
培養後、培地を除去し、遠心分離し、後の解析(下記のVEGFおよびEPOのアッセイを参照)のために保存した。細胞を冷リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で2回洗浄し、次いで、氷内に維持したまま、1mlの10mM tris(pH7.4)、1mM EDTA、150mM NaCl、0.5%IGEPAL(Sigma−Aldrich,St.Louis MO)およびプロテアーゼインヒビターミックス(Roche Molecular Biochemicals)の溶液に15分間溶解させた。細胞可溶化物を4℃で5分間、3,000×gの回転速度で遠心分離し、細胞質ゾル画分(上清み)を収集した。核(ペレット)を、100μlの20mM HEPES(pH7.2)、400mM NaCl、1mM EDTA、1mMジチオトレイトールおよびプロテアーゼミックス(Roche Molecular Biochemicals)の溶液に再懸濁させて溶解させ、4℃で5分間、13,000×gの回転速度で遠心分離し、次いで、核タンパク質画分(上清み)を収集した。
【0256】
核画分をHIF−1αについて、QUANTIKINEイムノアッセイ(R&D Systems,Inc.,Minneapolis MN)を製造業者の使用説明書に従って用いて解析した。
【0257】
HIF−PH2(PHD2)アッセイ
材料
HIF−PH2(EGLN1)を大腸菌細胞から発現させ、2つのプロセス:Ni−アフィニティークロマトグラフィーカラムとサイズ排除クロマトグラフィーカラムを用いて精製した。
【0258】
HIF−PH2(PHD2)解析(蛍光偏光法)
HIF PH2インヒビターの活性を評価するため、まず遺伝子組換えによって過剰発現させ、次いで精製したHIF PH2酵素を用いて酵素反応を行なった。最初に、200nMのHIF PH2酵素を、50nMのペプチド基質(FITC−ACA−DLDLEALAPYIPADDDFQLR;配列番号:1)と、反応バッファー(20mM Tris−Cl(pH8.0)、100mM NaCl、0.5%Nonidet P40)中で反応させた。このとき、2mMのアスコルビン酸と、5mMのケトグルタル酸を100μMのFeClとともに、またはFeClなしで粗製酵素とともに使用した。試験対象濃度のHIF PH2インヒビターを30℃で1時間処理および反応させた。反応後、得られた反応生成物を95℃で1分間で煮沸し、酵素反応を抑制した。
【0259】
基質においてプロリル水酸化が二次反応として起こるかどうかを調べるため、500nMのGST−VBC(GST−VHL−Elongin B−Elongin C)タンパク質を、反応バッファー(50mM Tris−Cl(pH8.0)、120mM NaCl、0.5%Nonidet P40)に添加し、GST−VBC結合反応を室温で30分間行なった。反応終了後、蛍光偏光を485nm/535nm(励起/発光)の波長で、Fusion−FP(Packard)システムを用いることにより測定した。
【0260】
HIF PH2インヒビターで処理されていない試料の蛍光偏光の値を100%対照として使用し、HIF PH2インヒビターの活性を、試験対象濃度のHIF PH2インヒビターで処理された試料中に残留しているHIF PH2酵素活性の割合として測定した。漸増濃度のHIF PH2インヒビターで処理した後の残留HIF PH2酵素活性を測定し、HIF PH2インヒビターのIC50を計算し、次いで、対照と比べてHIF PH2酵素活性の50%が阻害される該インヒビターの濃度をIC50と決定した。IC50のデータを表1に示す。
【0261】
【表1】



【0262】
ヒトEPOイムノアッセイ
肝細胞癌(Hep3B)組織(例えば、American Type Culture Collection(Manassas VA)参照)由来のヒト細胞を、37℃、20%O2、5%CO2で、DMEM(GIBCO)+10%FBS、4.5g/L D−グルコース;L−グルタミン酸および110mg/Lピルビン酸ナトリウム中で培養した。96ウェルプレートに4×10 HEP3B細胞/ウェルを播種した。培地を除去し、DMEM+10%FBSと交換した。該化合物をウェルに1μM〜100μM濃度の濃度で添加し、24時間インキュベーションした。細胞培養培地を回収し、EPOの濃度を、Human Erythropoietin Quantikine IVD ELISA Kit(R&D Systems(登録商標)、Minneapolis,MN)をベンチトップアッセイに関する製造業者の使用説明書に従って用いて測定した。未加工データおよび対照(100μM)との比較の両方を含む結果を表2に示す。
【0263】
【表2】

【0264】
VEGFおよびEPOレポーターの細胞系アッセイ
ルシフェラーゼアッセイを使用し、細胞内のEPO遺伝子およびVEGF遺伝子の転写量の変化を調べた。ルシフェラーゼアッセイでは、まず、ヒトHIF1α遺伝子を動物細胞発現ベクターpFlag−CMV内にクローニングしてpFlag−HIF1αベクターを作製し、次いで、EPO遺伝子の3’−エンハンサードメインの低酸素応答性エレメント(HRE)配列をルシフェラーゼ遺伝子とTKプロモーター遺伝子の上流にクローニングし、pEPO HRE−Luc発現ベクターを作製した。また、VEGF遺伝子のプロモーターとルシフェラーゼドメインをpGL3基本ベクター内にクローニングし、pVEGF−Luc発現ベクターを作製した。HeLa細胞を培地皿内で種培養し、約70〜80%の密度まで1日培養した後、HeLa細胞を使用した。HeLa細胞を、作製した各pEPO HRE−LucおよびpVEGF−Luc発現ベクターで、pFlag−HIF1αおよびRenillaルシフェラーゼ発現ベクター(Promega,Madison,WI,USA)とともに、LipofectAMINE PLUS(商標)(Invitrogen Life Technologies,Carlsbad CA)を用いることによりトランスフェクトした。トランスフェクションの3時間後、培地をDMEM、1%ペニシリン/ストレプトマイシン含有10%FBS(血清を補給)と交換した。このとき、培養細胞を、表示した濃度の各化合物で処理した。次いで、37℃、20%Oおよび5%COの条件下に維持したインキュベータ内で細胞を24時間培養した。培養後、細胞を冷リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で2回洗浄した。細胞のルシフェラーゼ活性を、デュアルルシフェラーゼアッセイ系(Promega,Madison,WI,USA)を用いて測定した。この解析の結果を表3に示す。
【0265】
【表3】



【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩、エステル、アミド、若しくはプロドラッグであって、
【化24】

式中、
nは、0または1であり、
は、−ORまたはハロであり、
は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、ハロ、およびシアノからなる群から選択されるものであり、
は、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、選択的に置換されたヘテロアリール、−CR1011、および−CR10−C(=O)OR12からなる群から選択されるものであり、
は、水素または−ORであり、
は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、および選択的に置換されたアリールからなる群から選択されるものであり、
およびR10は、各々独立して、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、および選択的に置換されたアリールからなる群から選択されるものであり、
11は、選択的に置換されたアリール、および選択的に置換されたヘテロアリールからなる群から選択されるものであり、
12は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、および選択的に置換されたヘテロアリールからなる群から選択されるものであり、
i)Xは、硫黄であり、
は存在せず、
およびXはともに炭素であり、
とRは、一緒になって、これらが結合している炭素原子とともに以下の式の環を形成するものであり、
【化25】

13およびR14は、各々独立して、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、ハロ、−OR、およびシアノからなる群から選択されるものであり、
15およびR16は、各々独立して、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、ハロ、ペルハロアルキル、−OR、−NO、−N(R、−NHC(=O)R、−NH(SO)Ar、および−(CR10−S(=O)−(CR10−R、−(CR10−S(=O)−(CR10−R、シアノからなる群から選択されるものであり、ここで、Arは、選択的に置換されたアリールであり、mおよびpは、各々独立して、0〜10(両端を含む)であり、
結合aは単結合であり、結合bは二重結合であり、あるいは
ii)Xは、酸素であり、
は存在せず、
およびXはともに炭素であり、
は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、選択的に置換されたヘテロアリール、および−ORからなる群から選択されるものであり、
は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、選択的に置換されたヘテロアリール、および−SO−Arからなる群から選択されるものであり、ここで、Arは、選択的に置換されたアリールであり、または
とRは、一緒になって、これらが結合している炭素原子とともに、選択的に置換されたフェニルを形成するものであり、
結合aは単結合であり、結合bは二重結合であり、あるいは
iii)Xは炭素であり、XおよびXはともに窒素であり、
は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、および選択的に置換されたヘテロアリールからなる群から選択されるものであり、
R6は存在せず、
は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたシクロアルキル、選択的に置換されたアリール、選択的に置換されたヘテロアリール、および−SO−Arからなる群より選択されるものであり、ここで、Arは、選択的に置換されたアリールであり、
結合aは単結合であり、結合bは二重結合である、
式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩、エステル、アミド、若しくはプロドラッグ。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物において、Rは、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードからなる群から選択されるものである、化合物。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物において、Rは−ORであり、Rは、水素、および選択的に置換されたアルキルからなる群から選択されるものである、化合物。
【請求項4】
請求項1に記載の化合物において、Rは、水素、選択的に置換されたアルキル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、およびシアノからなる群から選択されるものである、化合物。
【請求項5】
請求項1に記載の化合物において、Rは、水素、メチル、クロロ、ブロモ、およびシアノからなる群から選択されるものである、化合物。
【請求項6】
請求項1に記載の化合物において、Rは、選択的に置換されたアリール、選択的に置換されたヘテロアリール、−CR1011、および−CR10−C(=O)OR12からなる群から選択されるものである、化合物。
【請求項7】
請求項6に記載の化合物において、Rは、選択的に置換されたフェニル、または選択的に置換されたピリジルである、化合物。
【請求項8】
請求項6に記載の化合物において、RおよびR10は、各々独立して、水素、選択的に置換されたアルキル、および選択的に置換されたアリールからなる群から選択されるものである、化合物。
【請求項9】
請求項6に記載の化合物において、Rは水素であり、R10は水素またはメチルである、化合物。
【請求項10】
請求項6に記載の化合物において、R11は、選択的に置換されたフェニル、選択的に置換されたピリジル、および選択的に置換されたテトラゾリルからなる群から選択されるものである、化合物。
【請求項11】
請求項6に記載の化合物において、R11は、フェニル、ピリジル、1H−テトラゾル−5−イル、および[2−(4−メトキシ−ベンジル)−2H−テトラゾル−5−イルからなる群から選択されるものである、化合物。
【請求項12】
請求項6に記載の化合物において、R12は、水素または選択的に置換されたアルキルである、化合物。
【請求項13】
請求項6に記載の化合物において、R12は水素またはメチルである、化合物。
【請求項14】
請求項1に記載の化合物において、Rは−ORであり、Rは、水素、および選択的に置換されたアルキルからなる群から選択されるものである、化合物。
【請求項15】
請求項14に記載の化合物において、Rは水素またはヒドロキシルである、化合物。
【請求項16】
請求項1に記載の化合物において、Rは、水素、フェニル、ピリジル、および−SO−Cからなる群から選択されるものである、化合物。
【請求項17】
請求項1に記載の化合物において、
【化26】

は、
【化27】

からなる群から選択されるものである、化合物。
【請求項18】
請求項1に記載の化合物において、R13およびR14は、各々独立して、水素、ハロゲン、選択的に置換されたアルキル、および選択的に置換されたアリールからなる群から選択されるものである、化合物。
【請求項19】
請求項1に記載の化合物において、R13およびR14は、各々独立して、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードからなる群から選択されるものである、化合物。
【請求項20】
請求項1に記載の化合物において、R15は、水素、ハロ、ペルハロアルキル、−OR、−NO、−N(R、−NHC(=O)R、−NH(SO)Ar、−(CR10−S(=O)−(CR10−R、および−(CR10−S(=O)−(CR10−Rからなる群から選択されるものである、化合物。
【請求項21】
請求項1に記載の化合物において、R15は、水素、フルオロ、トリフルオロメチル、−OH、−NH、−NH(CHCH)、−NH(CH−C)、−N(CH、−N(CHCH、−NH(SO)−C、−NHC(=O)CH、および−S(=O)−Ph、−S(=O)−CHCH、−S(=O)−Ph、および−S(=O)−CHPhからなる群から選択されるものである、化合物。
【請求項22】
請求項1に記載の化合物において、R16は、水素、選択的に置換されたアルキル、選択的に置換されたアリール、および−(CR10−S(=O)−(CR10−Rからなる群から選択されるものである、化合物。
【請求項23】
請求項1に記載の化合物において、R16は水素または−S(=O)−CHCHである、化合物。
【請求項24】
請求項1に記載の化合物において、式
【化28】

の環は、
【化29】

【化30】

からなる群から選択されるものである、化合物。
【請求項25】
請求項1に記載の化合物において、nは0である、化合物。
【請求項26】
[(4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]フロ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(1−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(7−ヒドロキシ−フロ[3,2−c]ピリジン−6−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(7−ヒドロキシ−2−フェニル−フロ[3,2−c]ピリジン−6−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
(S)−2−[(7−ヒドロキシ−フロ[3,2−c]ピリジン−6−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸、
[(4−ヒドロキシ−1−フェニル−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(7−クロロ−4−ヒドロキシ−1−フェニル−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(1−クロロ−4−ヒドロキシ−8−ニトロ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
3−(カルボキシメチル−カルバモイル)−1−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−8−イル−アンモニウム、
[(1−ブロモ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
(S)−2−[(1−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸、
(S)−2−[(1−ブロモ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸、
[(1−クロロ−8−フルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(1−シアノ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(4−アミノ−1−ブロモ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
1−ブロモ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボン酸(ピリジン−3−イルメチル)−アミド、
[(1−ブロモ−4−フルオロ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
1−ブロモ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボン酸[2−(4−メトキシ−ベンジル)−2H−テトラゾル−5−イルメチル]−アミド、
1−ブロモ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボン酸[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−テトラゾル−5−イルメチル]−アミド、
1−ブロモ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボン酸(ピリジン−2−イルメチル)−アミド、
1−ブロモ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボン酸(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−アミド、
1−ブロモ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボン酸ピリジン−2−イルアミド、
1−ブロモ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボン酸ピリジン−3−イルアミド、
1−ブロモ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボン酸フェニルアミド、
1−ブロモ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボン酸ベンジルアミド、
[(1−クロロ−8−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(1−クロロ−8−ジエチルアミノ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(8−アセチルアミノ−1−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(4−クロロ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−ヒドロキシ−アミノ]−酢酸、
[(1−クロロ−6−フルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(1−クロロ−7−フルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(1−クロロ−9−フルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(4−ヒドロキシ−1−ピリジン−2−イル−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−5−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(4−ヒドロキシ−1−メチル−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[ヒドロキシ−(4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(1−クロロ−4,8−ジヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(1−クロロ−4−ヒドロキシ−7−メトキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(1−クロロ−8−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(1−クロロ−8−ヒドロキシ−4−イソプロポキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(1−クロロ−4,7−ジヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(1−クロロ−4−ヒドロキシ−7−イソプロポキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(7−フルオロ−4−ヒドロキシ−1−メチル−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(1−クロロ−8−エチルアミノ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(8−ベンゼンスルホニルアミノ−1−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(8−ベンジルアミノ−1−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(1−クロロ−4−ヒドロキシ−8−トリフルオロメチル−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(1−クロロ−7−フルオロ−4−ヒドロキシ−2−オキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(1−クロロ−4−ヒドロキシ−8−フェニルメタンスルホニル−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(1−クロロ−8−エタンスルホニル−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(8−ベンゼンスルホニル−1−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸、
[(8−ベンゼンスルフィニル−1−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピリジン−3−カルボニル)−アミノ]−酢酸
からなる群から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、アミド、若しくはプロドラッグ。
【請求項27】
治療有効量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、アミド、若しくはプロドラッグと、生理学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤とを有する医薬組成物。
【請求項28】
被検体においてHIFのレベルを調節する方法であって、それを必要とする被検体を特定する工程と、前記被検体のHIFのレベルが調節されるのに充分な量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、アミド、若しくはプロドラッグを前記被検体に投与する工程、または前記被検体に接触させる工程とを有する方法。
【請求項29】
細胞内のHIFの量を調節する方法であって、前記細胞内のHIFの量が調節されるのに充分な量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、アミド、若しくはプロドラッグを前記細胞に投与する工程、または前記細胞に接触させる工程を有する方法。
【請求項30】
請求項29に記載の方法において、前記細胞内のHIFの量は増加するものである、方法。
【請求項31】
被検体においてHIFαの水酸化を阻害する方法であって、それを必要とする被検体を特定する工程と、前記被検体においてHIFαの水酸化が阻害されるのに充分な量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、アミド若しくはプロドラッグを前記被検体に投与する工程、または前記被検体に接触させる工程とを有する方法。
【請求項32】
被検体におけるHIF調節遺伝子の発現を調節する方法であって、それを必要とする被検体を特定する工程と、前記被検体におけるHIF調節遺伝子の発現が調節されるのに充分な量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、アミド、若しくはプロドラッグを前記被検体に投与する工程、または前記被検体に接触させる工程とを有する方法。
【請求項33】
被検体においてHIFのレベルまたはHIFの活性を調節する方法であって、それを必要とする被検体を特定する工程と、前記被検体においてHIFのレベルまたはHIFの活性が調節されるのに充分な量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、アミド、若しくはプロドラッグを前記被検体に投与する工程、または前記被検体に接触させる工程とを有する方法。
【請求項34】
被検体において、HIFの活性またはレベルを調節することが望ましい障害を治療する方法であって、それを必要とする被検体を特定する工程と、治療有効量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、アミド、若しくはプロドラッグを前記被検体に投与する工程、または前記被検体に接触させる工程とを有する方法。
【請求項35】
被検体の障害を治療する方法であって、それを必要とする被検体を特定する工程と、治療有効量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、アミド、若しくはプロドラッグを前記被検体に投与する工程、または前記被検体に接触させる工程とを有し、前記障害は、虚血性障害、低酸素性障害、貧血性障害(例えば、限定されないが、自己免疫疾患と関連する貧血、関節リウマチ、全身性狼瘡、限定されないが例えばHCVおよびHIV等の慢性感染症、炎症性腸疾患、化学療法誘発性の慢性心臓疾患、慢性腎臓疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、末期の腎疾患、未熟、甲状腺機能低下症、栄養不良、血液障害、例えば限定されないが鎌状赤血球貧血およびβ−サラセミア、悪性腫瘍)、狭心症、神経系の障害、脳卒中、癲癇、神経変性疾患、心筋梗塞、肝虚血、腎虚血、慢性腎臓疾患、末梢血管障害、潰瘍、火傷、慢性創傷、肺塞栓症、虚血性再灌流障害、手術および臓器移植と関連する虚血性再灌流障害、呼吸窮迫症候群、未熟児の気管支肺形成異常の予防、肺高血圧症、自己免疫疾患、糖尿病の副作用、糖尿病性網膜症、黄斑変性、サルコイド、梅毒、弾性線維性仮性黄色腫、パジェット病、静脈閉塞、動脈閉塞、頚動脈閉塞性疾患、慢性ブドウ膜炎/ガラス体炎、ミコバクテリア感染症、ライム病、全身性エリテマトーデス、未熟児網膜症、イールズ病、ベーチェット病、網膜炎または脈絡膜炎を引き起こす感染症、推定眼ヒストプラスマ症、ベスト病、近視、視神経ピット、シュタルガルト病、毛様体扁平部炎、慢性網膜剥離、過粘稠度症候群、トキソプラスマ症、外傷およびレーザー照射後の合併症、ルベオーシスと関連する疾患、代謝障害、ならびに増殖性硝子体網膜症からなる群から選択されるものである、方法。
【請求項36】
請求項32に記載の方法において、前記貧血性障害は、自己免疫障害、慢性感染症、炎症性腸疾患、慢性心臓疾患、慢性腎臓疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、末期の腎疾患、血液障害、化学療法誘発性の未熟、甲状腺機能低下症、栄養不良、および悪性腫瘍からなる群から選択されるものである、方法。
【請求項37】
請求項36に記載の方法において、前記血液障害は鎌状赤血球貧血またはβ−サラセミアである、方法。
【請求項38】
請求項36に記載の方法において、前記慢性感染症はHCVまたはHIVである、方法。
【請求項39】
請求項36に記載の方法において、前記自己免疫障害は関節リウマチまたは全身性狼瘡である、方法。
【請求項40】
低酸素誘導因子のαサブユニットを修飾するヒドロキシラーゼ酵素の活性を調節する方法であって、前記酵素を、少なくとも1種類の式I〜Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、アミド、若しくはプロドラッグに接触させる工程を有する方法。
【請求項41】
被検体の内因性EPOのレベルを調節する方法であって、それを必要とする被検体を特定する工程と、治療有効量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、アミド、若しくはプロドラッグを前記被検体に投与する工程、または前記被検体に接触させる工程とを有する方法。
【請求項42】
被検体において血管新生を制御または調節する方法であって、それを必要とする被検体を特定する工程と、治療有効量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、アミド、若しくはプロドラッグを前記被検体に投与する工程、または前記被検体に接触させる工程とを有する方法。
【請求項43】
被検体の虚血性組織の血管を新生させる方法であって、それを必要とする被検体を特定する工程と、治療有効量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、アミド、若しくはプロドラッグを前記被検体に投与する工程、または前記被検体に接触させる工程とを有する方法。
【請求項44】
置換皮膚移植片の増殖を促進させる方法であって、それを必要とする被検体を特定する工程と、治療有効量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、アミド、若しくはプロドラッグを前記被検体に投与する工程、または前記被検体に接触させる工程とを有する方法。
【請求項45】
組織再生誘導(GTR)処置の状況において組織修復を促進させる方法であって、それを必要とする被検体を特定する工程と、治療有効量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、アミド、若しくはプロドラッグを前記被検体に投与する工程、または前記被検体に接触させる工程とを有する方法。
【請求項46】
被検体の貧血を治療する方法であって、それを必要とする被検体を特定する工程と、治療有効量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、アミド、若しくはプロドラッグを前記被検体に投与する工程、または前記被検体に接触させる工程と有する方法。
【請求項47】
被検体の貧血を調節する方法であって、それを必要とする被検体を特定する工程と、治療有効量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、アミド、若しくはプロドラッグを前記被検体に投与する工程、または前記被検体に接触させる工程とを有する方法。
【請求項48】
被検体において貧血を予防する方法であって、それを必要とする被検体を特定する工程と、治療有効量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、アミド、若しくはプロドラッグを前記被検体に投与する工程、または前記被検体に接触させる工程とを有する方法。
【請求項49】
被検体の虚血を治療する方法であって、それを必要とする被検体を特定する工程と、治療有効量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、アミド、若しくはプロドラッグを前記被検体に投与する工程、または前記被検体に接触させる工程とを有する方法。
【請求項50】
被検体の低酸素関連障害を治療する方法であって、それを必要とする被検体を特定する工程と、治療有効量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、アミド、若しくはプロドラッグを前記被検体に投与する工程、または前記被検体に接触させる工程とを有する方法。
【請求項51】
被検体の炎症性障害を治療する方法であって、それを必要とする被検体を特定する工程と、治療有効量の少なくとも1種類の式I〜Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、アミド、若しくはプロドラッグを前記被検体に投与する工程、または前記被検体に接触させる工程とを有する方法。

【公表番号】特表2010−535855(P2010−535855A)
【公表日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−520647(P2010−520647)
【出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【国際出願番号】PCT/IB2008/003144
【国際公開番号】WO2009/037570
【国際公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(510038577)クリスタルゲノミクス、インク. (1)
【Fターム(参考)】