説明

ピリミジン−4(3H)−オン誘導体

本発明は、式(I):


[式中、Rは低級アルキル基等を示し、Rはフェニル基等を示し、Rはハロゲン原子等を示し、Xは酸素原子等を示し、Y、Y、Y及びYは、CH等を示し、lは0乃至3の整数を示し、m及びnは、ぞれぞれ1又は2の整数を示し、pは0乃至2の整数を示し、qは、1乃至3の整数を示す]で表される化合物又はその薬学的に許容される塩に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬の分野において有用なピリミジン−4(3H)−オン誘導体に関する。この化合物は、Monoacylglycerol acyltransferase type 2(以下、「MGAT2」ともいう)阻害作用を有し、高脂血症、糖尿病、肥満症の治療剤及び/又は予防剤として有用である。
【背景技術】
【0002】
肥満は、運動不足や過剰なエネルギー摂取、加齢などの背景により、体内のエネルギーバランスがくずれ、余剰となったエネルギーが主に中性脂肪(トリアシルグリセロール、TG)として脂肪組織に蓄積され、その結果、体重、体脂肪量が増加した状態である。近年、内臓性脂肪の蓄積を伴う肥満を上流として、糖尿病、脂質代謝異常、高血圧など複数の危険因子が集積する、メタボリックシンドロームの概念が確立し、その診断基準、治療のガイドラインが策定された(日本肥満学会誌、第12巻、臨時増刊号、2006年)。メタボリックシンドロームは動脈硬化、心血管障害、脳血管障害のリスクを上昇させることから、これらの疾患を予防する上で、肥満症治療の重要性が認識されている。
しかしながら、肥満症治療の必要性が重要視される一方で、現在の肥満症の薬剤治療は非常に限られており、薬効面、副作用面ともに十分満足できる薬剤はない。そのため、作用がより明確で、副作用の少ない、新たな抗肥満薬の開発が望まれている。
食事中に存在する脂質の90%以上はTGである。食事由来のTGは腸管内で、膵臓、胃から分泌される、消化液中のリパーゼにより1位と3位にある脂肪酸のエステル結合が切断され、2−モノアシルグリセロール(2−MG)と遊離脂肪酸(FFA)とに分解される。これらは胆汁酸とともにミセル化を受け、小腸上皮細胞に吸収される。吸収された2−MGとFFAは、小腸細胞において再びTGを合成され、カイロミクロン(CM)というリポタンパク質として、リンパに放出され、全身に供給される。小腸細胞でのTG再合成には2−MG経路とαグリセロリン酸経路の二つの経路がある。通常、TGの80%は2−MG経路で再合成され、残りの20%はαグリセロリン酸経路で再合成される。2−MG経路で生成されたTGは早いターンオーバーでCMの生成に利用され、合成されたCMは腸管リンパへと分泌され、血中に入り、抹消組織に運搬される(臨床医薬、第21巻、第2号、216頁、2005年)。
2−MG経路におけるTGの合成には、MGAT(Acyl−CoA:monoacylglycerol acyltransferase)やDGAT(Acyl−CoA:dinoacylglycerol acyltransferase)といった酵素が特異的に関与する。MGATは、リパーゼによって生成された2−MGとfatty acyl−CoAとの結合によってジアシルグリセロールを生成する反応を触媒し、DGATは、MGATの触媒反応によって生成されたジアシルグリセロールとfatty acyl−CoAとの結合によってTGを生成する反応を触媒する。
このようなMGATが肝臓や白色脂肪組織に存在することは以前より示唆されていたが(J.Biol.Chem、第259巻、8934頁、1984年)、そのファミリーの一つであるMGAT1の遺伝子がクローニングされたのは近年のことであり、腎臓、胃、白色脂肪細胞及び褐色脂肪細胞に高発現する分子としてマウスより単離された(Proc.Natl.Acad.Sci.USA、第99巻、8512頁、2002年)。しかし、MGATの活性は小腸で顕著に観察されるにもかかわらず、MGAT1は小腸には発現しておらず、MGATファミリーに属する別の分子が存在すると考えられた。
その後、Caoらは、MGAT1のcDNA配列をもとに相同性検索によりMGAT2をクローニングし、マウス小腸由来のcDNAライブラリーより全長cDNAを単離した(J.Biol.Chem、第278巻、13611頁、2003年)。またヒトにおいては、MGAT3の存在が報告されているが(J.Biol.Chem、第278巻、13611頁、2003年)、げっ歯類ではMGAT3は報告されていない。マウスMGAT2は334アミノ酸からなる38.6kDaのタンパク質であり、N末端に40アミノ酸のシグナルペプチドを有し、少なくとも一つの膜貫通領域を持ち、小腸上皮細胞で強い発現が見られる(J.Biol.Chem、第278巻、13860頁、2003年)。また、Yenらは、ヒト及びマウスMGAT2をクローニングし、いずれも334アミノ酸からなり、ヒトとマウスのアミノ酸配列において81%の相同性を有することを報告した(J.Biol.Chem、第278巻、18532頁、2003年)。MGAT2の小腸における発現パターンは、脂質の吸収部位と類似していることが示されている(J.Biol.Chem、第279巻、18878頁、2004年)。さらに、MGAT2の小腸における発現や活性は、高脂肪食負荷誘発肥満マウスや(J.Biol.Chem、第279巻、18878頁、2004年)、肥満、高TG血症を呈するOLETFラットで上昇することが示されており(Diabetes Res.Clin.Pract、第57巻、75頁、2002年)、MGAT2が脂質の吸収に重要であること、肥満、高TG血症に関与していることが示唆されている。
【0003】
これらのことから、MGAT2の阻害剤は、脂質の吸収を抑制することにより、肥満や、肥満に伴う、2型糖尿病、脂質代謝異常、高血圧症、脂肪肝、動脈硬化症、脳血管障害、冠動脈疾患などの治療薬、もしくは予防薬として有用であると期待される。
これまでに、MGAT2阻害作用を有する化合物としては、例えば、下記構造
【0004】
【化1】

で表される化合物等が開示されている(例えば、WO2008/038768号公報参照)。WO2008/038768号で開示された化合物は、3,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−4−オキソピリド[4,3−d]ピリミジン環の6位に置換フェニルアミノカルボニル基を有しているが、本発明に係る化合物は置換ベンズイミダゾリル基を有する点において異なる。さらに、WO2008/038768号には、置換フェニルアミノカルボニル基を置換ベンズイミダゾリル基に置き換えることについて開示はなく、またこれを示唆する記載もない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、MGAT2阻害作用を有するピリミジン−4(3H)−オン誘導体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、MGAT2阻害作用を有する化合物を開発すべく鋭意検討を行い、本発明に係る化合物がMGAT2阻害作用を有する化合物として有効であることを見いだし、かかる知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
式(I):
【0007】
【化2】

【0008】
(式中、
は、それぞれ独立して、低級アルキル基(該低級アルキル基は、同一又は異なる1乃至3のハロゲン原子で置換されていてもよい)、低級アルコキシ基(該低級アルコキシ基は、同一又は異なる1乃至3のハロゲン原子で置換されていてもよい)、及びハロゲン原子からなる群より選択される基又は原子を示し;
は、
フェニル基、
窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群より選択されるヘテロ原子を環内に1乃至3有する5又は6員のヘテロアリール基、
3−7シクロアルキル基(該シクロアルキル基を構成する炭素原子の1つが、窒素原子で置き換わっていてもよい)、及び
シアノ基又は低級アルコキシカルボニル基、
からなる群より選択される基を示し;
該フェニル基、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群より選択されるヘテロ原子を環内に1乃至3有する5又は6員のヘテロアリール基、及びC3−7シクロアルキル基(該シクロアルキル基を構成する炭素原子の1つが、窒素原子で置き換わっていてもよい)は、低級アルキル基(該低級アルキル基は、同一若しくは異なる1乃至3のハロゲン原子、又はヒドロキシ基で置換されていてもよい)、低級アルコキシ基(該低級アルコキシ基は、同一又は異なる1乃至3のハロゲン原子で置換されていてもよい)、低級アルコキシカルボニル基、シアノ基、カルバモイル基、モノ−若しくはジ−低級アルキルカルバモイル基、ヒドロキシル基及びハロゲン原子、
からなる群より選択される基で、同一又は異なって1乃至3置換されていてもよく;
Rは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、低級アルキル基又は低級アルコキシ基(該低級アルキル基及び低級アルコキシ基は、同一又は異なる1乃至3のハロゲン原子で置換されていてもよい)を示し;
Xは、NR’、酸素原子及び硫黄原子から群より選択される原子を示し;R’は、低級アルキルであり;
、Y、Y及びYは、全てCHを示すか、或いは、Y乃至Yのうち1又は2は、窒素原子であり、残りがCHを示し;
lは、0乃至3の整数を示し;
m及びnは、それぞれ1又は2の整数を示し;
pは0又は2の整数を示し;そして
qは1乃至3の整数を示す]で表される化合物又はその薬学的に許容される塩に関する。
【0009】
また、本発明は、前記式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分とする高脂血症、糖尿病、肥満症の治療剤及び/又は予防剤に関する。
【0010】
また、本発明は、前記式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有するMGAT2阻害剤に関する。
【0011】
さらに、本発明は、前記式(I)で表される化合物と薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物に関する。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る化合物(I)又はその薬学的に許容される塩は、強力なMGAT2阻害作用を有しており、高脂血症、糖尿病、肥満症の治療及び/又は予防に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に本明細書において用いられる用語の意味について説明し、本発明に係る化合物について更に詳細に説明する。
【0014】
「ハロゲン原子」としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0015】
「低級アルキル基」とは、炭素数1乃至6の直鎖又は分岐を有するアルキル基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基等が挙げられる。
【0016】
「低級アルコキシ基」とは、ヒドロキシ基の水素原子が前記低級アルキル基で置換された基を意味し、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基等が挙げられる。
【0017】
「C3−7シクロアルキル基」とは、具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基が挙げられる。
【0018】
本発明に係る式(I):
【0019】
【化3】

[式中、各記号は前記に同じ]で表される化合物について、更に開示するために、式(I)において用いられる各種記号について、具体例を挙げて説明する。
【0020】
は、それぞれ独立して、低級アルキル基(該低級アルキル基は、同一又は異なる1乃至3のハロゲン原子で置換されていてもよい)、低級アルコキシ基(該低級アルコキシ基は、同一又は異なる1乃至3のハロゲン原子で置換されていてもよい)、及びハロゲン原子からなる群より選択される基又は原子を示す。
【0021】
が示す「低級アルキル基」とは、前記定義の低級アルキル基と同様の基が挙げられ、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられる。
該低級アルキル基は、同一又は異なる1乃至3のハロゲン原子で置換されていてもよい。
該置換基のハロゲン原子とは、前記定義のハロゲン原子と同様の原子が挙げられ、具体的には、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられる。
が示す「同一又は異なるハロゲン原子で1乃至3置換されていてもよい低級アルキル基」としては、具体的には、フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
【0022】
が示す「低級アルコキシ基」とは、前記定義の低級アルコキシ基と同様の基が挙げられ、具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられる。
該低級アルコキシ基は、同一又は異なる1乃至3のハロゲン原子で置換されていてもよい。
該置換基のハロゲン原子とは、前記定義のハロゲン原子と同様の原子が挙げられ、具体的には、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられる。
が示す「同一又は異なるハロゲン原子で1乃至3置換されていてもよい低級アルコキシ基」としては、具体的には、フルオロメトキシ基、クロロメトキシ基、ブロモメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
【0023】
が示す「ハロゲン原子」とは、前記定義のハロゲン原子と同様の原子が挙げられ、具体的には、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられる。
【0024】
は、
フェニル基、
窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群より選択されるヘテロ原子を環内に1乃至3有する5又は6員のヘテロアリール基、
3−7シクロアルキル基(該シクロアルキル基を構成する炭素原子の1つが、窒素原子で置き換わっていてもよい)、及び
シアノ基又は低級アルコキシカルボニル基
からなる群より選択される基を示す。
【0025】
が示す「窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群より選択されるヘテロ原子を環内に1乃至3有する5又は6員のヘテロアリール基」としては、具体的には、例えば、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピロリル基、イミダゾリル基又はピラゾリル基等が挙げられる。
【0026】
が示す「C3−7シクロアルキル基(該シクロアルキル基を構成する炭素原子の1つが、窒素原子で置き換わっていてもよい)」としては、具体的には、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、ピペリジニル基、ピロリジニル基等が挙げられる。
【0027】
が示す「フェニル基、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群より選択されるヘテロ原子を環内に1乃至3有する5又は6員のヘテロアリール基及びC3−7シクロアルキル基(該シクロアルキル基を構成する炭素原子の1つが、窒素原子で置き換わっていてもよい)」は、低級アルキル基(該低級アルキル基は、同一若しくは異なる1乃至3のハロゲン原子、又はヒドロキシ基で置換されていてもよい)、低級アルコキシ基(該低級アルコキシ基は、同一又は異なる1乃至3のハロゲン原子で置換されていてもよい)、低級アルコキシカルボニル基、シアノ基、カルバモイル基、モノ−若しくはジ−低級アルキルカルバモイル基、ヒドロキシル基及びハロゲン原子からなる群より選択される基で同一又は異なって1乃至3置換されていてもよい。
該置換基の「低級アルキル基」とは、前記定義の低級アルキル基と同様の基を意味し、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
該低級アルキル基は、同一又は異なる1乃至3のハロゲン原子又はヒドロキシ基で置換されていてもよい。
該置換基の「同一又は異なる1乃至3のハロゲン原子で置換された低級アルキル基」としては、具体的には、例えば、フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
該置換基の「ヒドロキシ基で置換された低級アルキル基」としては、具体的には、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
該置換基の「低級アルコキシ基」とは、前記定義の低級アルコキシ基と同様の基を意味し、具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられる。
該低級アルコキシ基は、同一又は異なる1乃至3のハロゲン原子で置換されていてもよい。
該置換基の「ハロゲン原子」とは、前記定義のハロゲン原子と同様の原子を意味し、具体的には、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられる。
該置換基の「同一又は異なる1乃至3のハロゲン原子で置換された低級アルコキシ基」としては、具体的には、例えば、フルオロメトキシ基、クロロメトキシ基、ブロモメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
該置換基の「低級アルコキシカルボニル基」とは、前記定義の低級アルコキシ基とカルボニル基とが結合した基を意味し、具体的には、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基等が挙げられる。
該置換基の「モノ−低級アルキルカルバモイル基」とは、前記定義の低級アルキル基でモノ置換されたカルバモイル基を意味し、具体的には、例えば、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、イソプロピルカルバモイル基等が挙げられる。
該置換基の「ジ−低級アルキルカルバモイル基」とは、前記定義の同一又は異なる低級アルキル基でジ置換されたカルバモイル基を意味し、具体的には、例えば、ジメチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、ジプロピルカルバモイルき、ジイソプロピルカルバモイル基、エチルメチルカルバモイル基等が挙げられる。
該置換基の「ハロゲン原子」とは、前記定義のハロゲン原子と同様の原子を意味し、具体的には、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられる。
【0028】
が示す「低級アルコキシカルボニル基」とは、前記定義の低級アルコキシ基とカルボニル基とが結合した基を意味し、具体的には、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基等が挙げられる。
【0029】
Rは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、低級アルキル基又は低級アルコキシ基(該低級アルキル基及び低級アルコキシ基は、同一又は異なる1乃至3のハロゲン原子で置換されていてもよい)を示す。
Rが示す「ハロゲン原子」とは、前記定義のハロゲン原子と同様の原子を意味し、具体的には、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられる。
Rが示す「低級アルキル基」とは、前記定義の低級アルキル基と同様の基を意味し、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
該低級アルキル基は、同一又は異なる1乃至3のハロゲン原子で置換されていてもよい。
Rが示す「同一又は異なる1乃至3のハロゲン原子で置換された低級アルキル基」とは、前記定義のハロゲン原子で同一又は異なって1乃至3置換された低級アルキル基を意味し、具体的には、例えば、フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
Rが示す「低級アルコキシ基」とは、前記定義の低級アルコキシ基と同様の基を意味し、具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられる。
該低級アルコキシ基は、同一又は異なる1乃至3のハロゲン原子で置換されていてもよい。
Rが示す「同一又は異なる1乃至3のハロゲン原子で置換された低級アルコキシ基」とは、前記定義のハロゲン原子で同一又は異なって1乃至3置換された低級アルコキシ基を意味し、具体的には、例えば、フルオロメトキシ基、クロロメトキシ基、ブロモメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
Rとしては、トリフルオロメチル基又はフッ素原子が好ましい。
【0030】
Xは、NR’、酸素原子及び硫黄原子からなる群より選択される基を示し、ここで、R’は、低級アルキル基を意味する。
R’が示す「低級アルキル基」とは、前記定義の低級アルキル基と同様の基が挙げられ、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
Xとしては、酸素原子又は硫黄原子が好ましい。
【0031】
、Y、Y及びYは、全てCHを示すか、或いは、Y乃至Yのうち1又は2は、窒素原子であり、残りがCHを示す。
、Y、Y及びYとしては、これらの全てがCHであることが好ましい。
【0032】
lは、0乃至3の整数を示し、lとしては、lが好ましい。
【0033】
m及びnは、それぞれ独立して1又は2の整数を示す。
mが1であり、かつ、nが2である場合、又は、mが2であり、かつ、nが1である場合が好ましい。
【0034】
pは0乃至2の整数を示し、pとしては、0又は1が好ましい。
【0035】
qは1乃至3の整数を示す。
【0036】
以上で説明した、R、R、R、X、Y、Y、Y、Y、p、q、l、m及びnの好ましい態様は、いずれを組み合わせてもよい。
【0037】
本発明に係る化合物としては、例えば、実施例に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0038】
次に本発明に係る化合物の製造方法について説明する。
【0039】
本発明に係る化合物(I)は、例えば、以下の方法によって製造することができる。
【0040】
【化4】

[式中、Proはアミノ基の保護基を示し、Rは低級アルキル基を示し、Lは脱離基を示し、他の記号は前記定義、実施例又は当該技術分野において公知のプロセスのものと同じである]
【0041】
(工程1)
本工程は、化合物(1)とCDI(カルボニルジイミダゾール)とを反応させることにより、化合物(2)を製造する方法である。
本工程において用いられるCDIの量は、化合物(1)1当量に対して、通常1乃至10当量、好ましくは1乃至2当量である。
反応温度は、通常0乃至100度、好ましくは0乃至室温である。
反応時間は、通常5分乃至24時間、好ましくは0.5乃至2時間である。
反応溶媒は、本反応に支障をきたすものでなければいかなるものを用いてもよいが、例えば、THF(テトラヒドロフラン)、DMF(ジメチルホルムアミド)、クロロホルム等が挙げられる。
このようにして得られる化合物(2)は、公知の分離精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、再沈殿、溶媒抽出、結晶化、クロマトグラフィー等により、単離精製するか又は単離精製することなく次工程に付すことができる。
【0042】
(工程2)
本工程は、化合物(2)とオキシ塩化リンとを反応させることにより化合物(3)を製造する方法である。
本工程において用いられるオキシ塩化リンの量は、化合物(2)1当量に対して、通常1乃至100当量、好ましくは、1至3当量である。
反応温度は、通常0乃至150度、好ましくは、0乃至80度である。
反応時間は、通常0.5乃至24時間、好ましくは0.5乃至2時間である。
反応溶媒は、本反応に支障をきたすものでなければいかなるものを用いてもよいが、例えば、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。また、溶媒を用いることなく本反応を行うこともできる。
このようにして得られる化合物(3)は、公知の分離精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、再沈殿、溶媒抽出、結晶化、クロマトグラフィー等により、単離精製するか又は単離精製することなく次工程に付すことができる。
【0043】
(工程3)
本工程は、化合物(4)とアンモニアとを反応させることにより、化合物(5)を製造する方法である。
は、低級アルキル基を示し、例えば、メチル基、エチル基等が挙げられる。
本工程において用いられるアンモニアの量は、化合物(4)1当量に対して、通常1乃至100当量、好ましくは1乃至10当量である。
反応温度は、通常0乃至100度、好ましくは20乃至80度である。
反応時間は、通常0.5乃至24時間、好ましくは0.5乃至2時間である。
反応溶媒は、本反応に支障をきたすものでなければいかなるものを用いてもよいが、例えば、メタノール、エタノール等が挙げられる。
このようにして得られる化合物(5)は、公知の分離精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、再沈殿、溶媒抽出、結晶化、クロマトグラフィー等により、単離精製するか又は単離精製することなく次工程に付すことができる。
【0044】
(工程4)
本工程は、化合物(5)と化合物(6)とを反応させることにより化合物(7)を製造する方法である。
用いられる化合物(6)の量は、化合物(5)1当量に対して通常1乃至10当量、好ましくは1乃至2当量である。
反応温度は、通常0乃至120度、好ましくは室温乃至80度である。
反応時間は、通常0.5乃至24時間、好ましくは0.5乃至2時間である。
反応溶媒は、本反応に支障をきたすものでなければいかなるものを用いてもよいが、例えば、DMF(ジメチルホルムアミド)、ピリジン、トルエン、THF等が挙げられる。
このようにして得られる化合物(7)は、公知の分離精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、再沈殿、溶媒抽出、結晶化、クロマトグラフィー等により、単離精製するか又は単離精製することなく次工程に付すことができる。
【0045】
(工程5)
本工程は、塩基の存在下、化合物(7)と化合物(8)とを反応させることにより、化合物(9)を製造する方法である。
用いられる化合物(8)の量は、化合物(7)1当量に対して通常1乃至10当量、好ましくは1乃至2当量である。
化合物(8)中のLが示す脱離基としては、例えば、塩素、臭素等のハロゲン原子等が挙げられる。
反応温度は、通常0乃至150度、好ましくは0乃至80度である。
反応時間は、通常0.5乃至24時間、好ましくは0.5乃至2時間である。
反応溶媒は、本反応に支障をきたさないものであればいかなるものを用いてもよいが、例えば、DMF、THF、ジオキサン等が挙げられる。
このようにして得られる化合物(9)は、公知の分離精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、再沈殿、溶媒抽出、結晶化、クロマトグラフィー等により、単離精製するか又は単離精製することなく次工程に付すことができる。
【0046】
(工程6)
本工程は、化合物(9)の有するアミノ基の保護基Proを除去することにより、化合物(10)を製造する方法である。
アミノ基の保護基Proの除去は、文献記載(例えば、プロテクティブ グループス イン オーガニックシンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)、T.W.Green 著、第2版、John Wiley&Sons社、1991年等)の方法、これに準じた方法又はこれらと常法とを組み合わせることにより行うことができる。具体的には、例えばアミノ基の保護基としてBoc基を用いている場合には、TFA(トリフルオロ酢酸)によって当該保護基を除去することができる。
このようにして得られる化合物(10)は、公知の分離精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、再沈殿、溶媒抽出、結晶化、クロマトグラフィー等により、単離精製するか又は単離精製することなく次工程に付すことができる。
【0047】
(工程7)
本工程は、塩基の存在下、化合物(3)と化合物(10)とを反応させることにより本発明に係る化合物(I)を製造する方法である。
用いられる塩基としては、例えば、DIEA(ジイソプロピルエチルアミン)、TEA(トリエチルアミン)、DBU等が挙げられる。
反応系をマイクロウェーブにかけて本反応を行ってもよい。
反応温度は、通常0乃至200度、好ましくは室温乃至180度である。
反応時間は、通常10分乃至8時間、好ましくは10分乃至0.5時間である。
反応溶媒は、本反応に支障のないものであればいかなるものを用いてもよいが、例えば、ジオキサン、トルエン、DMF、THF、アセトニトリル等が挙げられる。
このようにして得られる本発明に係る化合物(I)は、公知の分離精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、再沈殿、溶媒抽出、結晶化、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。
【0048】
本発明に係るピリミジン−4(3H)−オン誘導体は、薬学的に許容される塩として存在することができ、当該塩は、前記(I)で表される化合物を用いて、常法に従って製造することができる。
【0049】
当該酸付加塩としては、例えば塩酸塩、フッ化水素酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩等のハロゲン化水素酸塩;硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、燐酸塩、炭酸塩等の無機酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩等の低級アルキルスルホン酸塩;ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等のアリ−ルスルホン酸塩;フマル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩等の有機酸塩;及びグルタミン酸塩、アスパラギン酸塩等のアミノ酸等の有機酸である酸付加塩を挙げることができる。
【0050】
また、本発明の化合物が酸性基を当該基内に有している場合、例えばカルボキシル基等を有している場合には、当該化合物を塩基で処理することによっても、相当する薬学的に許容される塩に変換することができる。当該塩基付加塩としては、例えば例えばナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、グアニジン、トリエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等の有機塩基による塩が挙げられる。
【0051】
さらに本発明の化合物は、遊離化合物又はその塩の任意の水和物又は溶媒和物として存在してもよい。
【0052】
また逆に塩又はエステルから遊離化合物への変換も常法に従って行うことができる。
また、本発明に係る化合物は、その置換基の態様によって、光学異性体、ジアステレオ異性体、幾何異性体等の立体異性体又は互変異性体が存在する場合がある。これらの異性体は、すべて本発明に係る化合物に包含されることは言うまでもない。更にこれらの異性体の任意の混合物も本発明に係る化合物に包含されることは言うまでもない。
【0053】
2型糖尿病或いはそれに関連する疾患若しくは症状の予防又は治療のための薬剤を製造するにあたり、本発明に係る式(I)の化合物は、式(I)の化合物と担体とを組み合わせて用いることができる。
【0054】
本発明に係る式(I)の化合物の予防又は治療のための投与量は、もちろん、治療する症状の性質、選択する特定の化合物及び投与経路により変動する。
【0055】
また、年齢、体重及び各患者の感受性によっても変動する。一般的に、1日の投与量は、単回又は複数回の量として、体重1kgあたり、約0.001mgから約100mgであり、好ましくは、体重1kgあたり、約0.01mgから約50mgであり、より好ましくは約0.1mgから10mgである。これらの制限を越えた範囲での投与量の使用が必要な場合もありうる。
【0056】
適切な経口投与量の例としては、単回又は1日あたり、2乃至4回の複数回投与としては、少なくとも約0.01mgから多くとも2.0gである。好ましくは、投与量の範囲は、1日に1回又は2回の投与で、約1.0mgから約200mgである。より好ましくは、投与量の範囲は、1日1回の投与で約10mgから100mgである。
【0057】
静脈内投与又は経口投与を用いた場合には、代表的な投与範囲は、1日あたり、体重1kgあたり、式(I)の化合物を約0.001mgから約100mg、好ましくは0.01mgから約10mg、であり、より好ましくは1日あたり、体重1kgあたり、式(I)の化合物を約0.1mgから10mgである。
【0058】
上述したように、医薬組成物は、式(I)の化合物と薬学的に許容される担体を含む。「組成物」という用語は、直接又は間接的に、2又はそれ以上のいかなる成分を組み合わせ、複合させ又は凝集させてできたもの、1又はそれ以上の成分を解離させた結果できたもの、或いは、成分間の他のタイプの作用又は相互作用の結果によりできたものだけでなく、担体を構成する活性及び不活性成分(薬学的に許容される賦形剤)も含む。
【0059】
医薬上許容される担体と組み合わせて、2型糖尿病又は高脂血症の治療、予防或いその発症を遅らせるのに有効な量の式(I)の化合物が含まれる組成物が好ましい。
【0060】
本発明に係る化合物の効果的な量を哺乳類、とりわけヒトに投与するためには、いかなる適切な投与経路でも用いることができる。例えば、経口、直腸、局所、静脈、眼、肺、鼻などを用いることができる。投与形態の例としては、錠剤、トローチ、散剤、懸濁液、溶液、カプセル剤、クリーム、エアロゾールなどがあり、経口用の錠剤が好ましい。
【0061】
経口用の組成物を調製するに際しては、通常の医薬用媒体であれば、いかなるものも用いることができ、そのような例としては、例えば、水、グリコール、オイル、アルコール、香料添加剤、保存料、着色料などであり、経口用の液体組成物を調製する場合には、例えば、懸濁液、エリキシル剤及び溶液が挙げられ、担体としては、例えば、澱粉、砂糖、微結晶性セルロース、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などが挙げられ、経口用の固体組成物を調製する場合には、例えば、パウダー、カプセル剤、錠剤などが挙げられ、中でも経口用の固体組成物が好ましい。
【0062】
投与のしやすさから、錠剤やカプセル剤が最も有利な経口投与形態である。必要ならば、錠剤は、標準の水性又は非水性の技術でコーティングすることができる。
上記の通常の投与形態に加えて、式(I)に係る化合物は、例えば、U.S.特許番号3,845,770、3,916,899、3,536,809、3,598,123、3,630,200及び4,008,719に記載の放出制御手段及び/又はデリバリー装置によっても、投与することができる。
【0063】
経口投与に適した本発明に係る医薬組成物は、パウダー又は顆粒として、或いは水溶性の液体、非水溶性の液体、水中油型のエマルジョン又は油中水型のエマルジョンとして、それぞれがあらかじめ決められた量の活性成分を含むカプセル剤、カシュー剤又は錠剤を挙げることができる。そのような組成物は、薬剤学上いかなる方法を用いて調製することができるが、すべての方法は、活性成分と1又は2以上の必要な成分からなる担体とを一緒にする方法も含まれる。
【0064】
一般に、活性成分と液体の担体又はよく分離された固体の担体或いは両方とを均一かつ充分に混合し、次いで、必要ならば、生産物を適当な形にすることにより、組成物は調製される。例えば、錠剤は、圧縮と成形により、必要に応じて、1又は2以上の副成分と共に調製される。圧縮錠剤は、適当な機械で、必要に応じて、結合剤、潤滑剤、不活性な賦形剤、界面活性剤又は分散剤と混合して、活性成分をパウダーや顆粒などの形に自由自在に圧縮することにより調製される。
【0065】
成形された錠剤は、パウダー状の湿った化合物と不活性な液体の希釈剤との混合物を適当な機械で成形することにより調製される。
【0066】
好ましくは、各錠剤は、活性成分を約1mg乃至1g含み、各カシュー剤又はカプセル剤は、活性成分を約1mg乃至500mg含む。
式(I)の化合物についての医薬上の投与形態の例は、次の通りである。
【0067】
【表1】

【0068】
【表2】

【0069】
【表3】

【0070】
【表4】

【0071】
式(I)の化合物は、2型糖尿病に関連する疾患又は症状にだけでなく、2型糖尿病の発症の治療/予防/遅延に用いられる他の薬剤と組み合わせて用いることができる。該他の薬剤は、通常用いられる投与経路又は投与量で、式(I)の化合物と同時に又は別々に投与することができる。
式(I)の化合物は、1又は2以上の薬剤と同時に使用する場合には、式(I)の化合物とこれらの他の薬剤とを含んだ医薬組成物が好ましい。従って、本発明に係る医薬組成物は、式(I)の化合物に加えて、1又は2以上の他の活性成分も含む。式(I)の化合物と組み合わせて用いられる活性成分の例としては、以下が例示できる。これらを別々に投与するか、又は同じ医薬組成物で投与してもよいが、以下のものに限定されることはない。
(a)他のDGAT1阻害剤
(b)グルコキナーゼ活性化剤
(c)ビグアニド(例、ブホルミン、メトホルミン、フェンホルミン)
(d)PPARアゴニスト(例、トログリタゾン、ピオグリタゾン、ノシグリタゾン)
(e)インスリン
(f)ソマトスタチン
(g)α−グルコシダーゼ阻害剤(例、ボグリボース、ミグリトール、アカルボース)、
(h)インスリン分泌促進剤(例、アセトヘキサミド、カルブタミド、クロルプロパミド、グリボムリド、グリクラジド、グリメルピリド、グリピジド、グリキジン、グリソキセピド、グリブリド、グリへキサミド、グリピナミド、フェンブタミド、トラザミド、トルブタミド、トルシクラミド、ナテグリニド、レパグリニド)、
(i)DPP−IV阻害剤(ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤、例、シタグリプチン)
【0072】
2番目の活性成分に対する式(I)の化合物の重量比は、幅広い制限の範囲内で変動し、さらに、各活性成分の有効量に依存する。従って、例えば、式(I)の化合物をPPARアゴニストと組み合わせて用いる場合には、式(I)の化合物のPPARアゴニストに対する重量比は、一般的に、約1000:1乃至1:1000であり、好ましくは、約200:1乃至1:200である。式(I)の化合物と他の活性成分との組み合わせは、前述の範囲内であるが、いずれの場合にも、各活性成分の有効量が用いられるべきである。
【0073】
本発明に係る化合物又は薬学的に許容されるその塩は、強力なMGAT2阻害作用を有しており、高脂血症、糖尿病、肥満症の治療及び/又は予防に有用である。
【0074】
当業者は、種々の修正、組み合わせ、副組み合わせ及び変更が、それらが本発明のクレーム及びその等価のものの範囲内にある限り、必要な計画及びその他の要因に依存して起こりうることを認識するであろう。
【実施例】
【0075】
以下に製剤例、実施例及び参考例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
製剤例1
実施例1の化合物10部、重質酸化マグネシウム15部及び乳糖75部を均一に混合して、350μm以下の粉末状又は細粒状の散剤とする。この散剤をカプセル容器に入れてカプセル剤とする。
製剤例2
実施例1の化合物45部、澱粉15部、乳糖16部、結晶性セルロース21部、ポリビニルアルコール3部及び蒸留水30部を均一に混合した後、破砕造粒して乾燥し、次いで篩別して直径177乃至1410μmの大きさの顆粒剤とする。
製剤例3
製剤例2と同様の方法で顆粒剤を作製した後、この顆粒剤96部に対してステアリン酸カルシウム3部を加えて圧縮成形し直径10mmの錠剤を作製する。
製剤例4
製剤例2の方法で得られた顆粒剤90部に対して結晶性セルロース10部及びステアリン酸カルシウム3部を加えて圧縮成形し、直径8mmの錠剤とした後、これにシロップゼラチン、沈降性炭酸カルシウム混合懸濁液を加えて糖衣錠を作製する。
【0076】
実施例のシリカゲルカラムクロマトグラフィーには、和光純薬社Wakogel(登録商標)C−300またはバイオタージ社製KP−Sil(登録商標)Silicaプレパックドカラムを用いた。分取用薄層クロマトグラフィーはメルク社製KieselgelTM60F254,Art.5744を用いた。塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィーは富士シリシア化学社製Chromatorex(登録商標)NH(100−250meshまたは200−350mesh)を用いた。
1H−NMRは、JEOL AL400(400MHz)、Mercury(400MHz)、Inova(400MHz)Varian社製、を使用し、テトラメチルシランを標準物質として用いて測定した。またマススペクトルはWaters社製micromassZQを使用しエレクトロスプレイイオン化法(ESI)又は大気圧化学イオン化法(APCI)で測定した。
【0077】
下記の実施例における略号の意味を以下に示す。
i−Bu:イソブチル基
n−Bu:n−ブチル基
t−Bu:tert−ブチル基
Boc:tert−ブトキシカルボニル基
Me:メチル基
Et:エチル基
Ph:フェニル基
i−Pr:イソプロピル基
n−Pr:n−プロピル基
CDCl:重クロロホルム
CDOD:重メタノール
DMSO−d:重ジメチルスルホキシド
下記に核磁気共鳴スペクトルにおける略号の意味を示す。
s:シングレット
d:ダブレット
dd:ダブルダブレット
dt:ダブルトリプレット
ddd:ダブルダブルダブレット
Sept:セプテット
t:トリプレット
m:マルチプレット
br:ブロード
brs:ブロードシングレット
q:カルテット
J:カップリング定数
Hz:ヘルツ
【0078】
実施例1
6−(5,6−ジフルオロ−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)−3−フェニル−2−[(フェニルメチル)チオ]−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−4(3H)−オンの製造
【0079】
【化5】

3−フェニル−2−[(フェニルメチル)チオ]−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−4(3H)−オンの塩酸塩、2−クロロ−5,6−ジフルオロベンズイミダゾール及びジイソプロピルエチルアミン(95mg,0.73mmol)をアセトニトリル3mlに懸濁し、マイクロウェーブ装置にて180℃で2時間反応を行った。その後、反応溶液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製することにより上記表題化合物を茶色固体にて得た。
H−NMR(DMSO−D)δ:11.79(1H,s),7.51−7.45(3H,m),7.34−7.27(4H,m),7.25−7.08(5H,m),4.29(2H,brs),4.23(2H,brs),3.85−3.81(2H,brm),2.82−2.76(2H,brm).
ESI−MS Found:m/z 502[M+H]+
【0080】
実施例2
6−(5−トリフルオロメチル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)−3−フェニル−2−[(フェニルメチル)チオ]−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−4(3H)−オンの製造
【0081】
【化6】

実施例1と同様の手法により、2−クロロ−6−トリフルオロメチル−1H−ベンズイミダゾールから上記表題化合物を無色固体にて得た。
H−NMR(DMSO−D)δ:12.04−11.97(1H,m),7.53−7.48(3H,m),7.38−7.18(10H,m),4.39(2H,s),4.27(2H,s),3.93−3.88(2H,brm),2.86−2.81(2H,brm).
ESI−MS Found:m/z 534[M+H]+
【0082】
実施例3
3−フェニル−2−[(ピリジン−3−イルメチル)チオ]−6−[5−(トリフルオロメチル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−4(3H)−オンの製造
【0083】
【化7】

実施例1と同様の手法により、2−クロロ−6−トリフルオロメチル−1H−ベンズイミダゾール及び参考例4の化合物より上記表題化合物を無色固体にて得た。
H−NMR (CDCl)δ:2.92(2H,t,J=5.9Hz),4.01(2H,t,J=5.9Hz),4.21(2H,s),4.42(2H,s),7.11−7.14(2H,m),7.17(1H,dd,J=7.8,4.7Hz),7.24−7.32(6H,m),7.57−7.61(1H,m),7.57(1H,s),8.44(1H,dd,J=4.7,1.6Hz),8.56(1H,d,J=2.0Hz).
ESI−MS Found:m/z 535.4[M+H]+
【0084】
実施例4
3−フェニル−2−[(ピリダジン−4−イルメチル)チオ]−6−[5−(トリフルオロメチル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−4(3H)−オンの製造
【0085】
【化8】

実施例1と同様の手法により、2−クロロ−6−トリフルオロメチル−1H−ベンズイミダゾールと参考例6の化合物より上記表題化合物を無色固体にて得た。
H−NMR (CDCl) δ:2.88(2H,t,J=5.7Hz),3.99(2H,t,J=5.7Hz),4.15(2H,s),4.41(2H,s),7.13−7.16(2H,m),7.24−7.35(6H,m),7.39(1H,dd,J=5.3,2.3Hz),9.08(1H,dd,J=5.3,1.0Hz),9.17−9.19(1H,m).
ESI−MS Found:m/z 536.4[M+H]+
【0086】
以下の化合物は、前記記載の一般的製造方法、実施例1−4に記載の方法、これらに準じた方法又はこれらと常法とを組み合わせることにより製造することができる。
【0087】
【表5】

【0088】
【表6】

【0089】
【表7】

【0090】
【表8】

【0091】
【表9】

【0092】
【表10】

【0093】
【表11】

【0094】
【表12】

【0095】
【表13】

【0096】
【表14】

【0097】
【表15】

【0098】
【表16】

【0099】
【表17】

【0100】
【表18】

【0101】
【表19】

【0102】
また、本発明に係る化合物を製造するのに用いた化合物の製造方法を参考例として以下に示す。
【0103】
参考例1
Tert−ブチル−4−オキソ−3−フェニル−2−ベンジルチオ−3,5,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−6(4H)−カルボキシレートの製造
【0104】
【化9】

Tert−ブチル−4−オキソ−3−フェニル−2−チオキソ−1,3,4,5,7,8−ヘキサヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−6(2H)−カルボキシレートのN,N−ジメチルホルムアミド(5ml)溶液に氷冷下、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンを加えたのち、ベンジルブロミド0.3mlを加え、反応混合物を室温に戻し終夜攪拌した。
反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し表題化合物を得た。
H−NMR(DMSO−D)δ:1.44(s,9H),2.70(t,J=5.6Hz,2H),3.62(t,J=5.6Hz,2H),4.18(s,2H),4.31(s,2H),7.21−7.35(m,7H),7.49−7.56(m,3H)
ESI−MS Found:m/z 450[M+H]+
【0105】
参考例2
2−ベンジルチオ−3−フェニル−3,5,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン塩酸塩の製造
【0106】
【化10】

参考例1で得られたTert−ブチル−4−オキソ−3−フェニル−2−ベンジルチオ−3,5,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−6(4H)−カルボキシレートのジオキサン溶液に4M塩酸−ジオキサンを室温して加えた。1時間後、溶媒を減圧留去し、表題化合物を得た。
ESI−MS Found:m/z 350[M+H]+
【0107】
参考例3
Tert−ブチル−4−オキソ−3−フェニル−2−((ピリジン−3−イルメチル)チオ)−3,5,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−6(4H)−カルボキシレートの製造
【0108】
【化11】

Tert−ブチル−4−オキソ−3−フェニル−2−チオキソ−1,3,4,5,7,8−ヘキサヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−6(2H)−カルボキシレートと3−ピリジルメチルブロミド臭化水素塩を用い参考例1と同様の方法で、表題化合物を得た。
H−NMR(CDCl3)δ:1.61(s,9H),2.76(t,J=5.6Hz,2H),3.71(t,J=5.6Hz,2H),4.25(s,2H),4.34(s,2H),7.20−7.29(m,4H),7.51−7.66(m,3H),8.47−8.49(m,1H),8.60(d,J=1.6Hz,3H)
ESI−MS Found:m/z 451[M+H]+
【0109】
参考例4
2−((ピリジン−3−イルメチル)チオ)−3−フェニル−3,5,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン2塩酸塩の製造
【0110】
【化12】

参考例3で得られたTert−ブチル−4−オキソ−3−フェニル−2−((ピリジン−3−イルメチル)チオ)−3,5,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−6(4H)−カルボキシレートを参考例2と同様の方法で表題化合物を得た。
ESI−MS Found:m/z 351[M+H]+
【0111】
参考例5
Tert−ブチル−4−オキソ−3−フェニル−2−((ピリダジン−4−イルメチル)チオ)−3,5,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−6(4H)−カルボキシレートの製造
【0112】
【化13】

Tert−ブチル−4−オキソ−3−フェニル−2−チオキソ−1,3,4,5,7,8−ヘキサヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−6(2H)−カルボキシレートと4−ピリダジンメチルクロリド塩酸塩を用い参考例1と同様の方法で、表題化合物を得た。
H−NMR(CDCl3)δ:1.56(s,9H),2.71(t,J=6.0Hz,2H),3.68(t,J=6.0Hz,2H),4.20(s,2H),4.33(s,2H),7.21−7.24(m,2H),7.44−7.55(m,4H),9.11(d,J=5.6Hz,1H),9.22(s、1H)
ESI−MS Found:m/z 452[M+H]+
【0113】
参考例6
2−((ピリダジン−4−イルメチル)チオ)−3−フェニル−3,5,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン2塩酸塩の製造
【0114】
【化14】

参考例3で得られたTert−ブチル−4−オキソ−3−フェニル−2−((ピリダジン−4−イルメチル)チオ)−3,5,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−6(4H)−カルボキシレートを参考例2と同様の方法で表題化合物を得た。
ESI−MS Found:m/z 352[M+H]+
【0115】
式(I)で表される化合物が示す医薬としての有用性は、例えば下記の試験例において証明される。
<ヒトMGAT2遺伝子のクローニングと酵母での発現>
ヒトMGAT2遺伝子はヒトcDNA library (Clontech)より、以下のプライマーを用いて、PCR法にて増幅した。
MGAT1F:5’−TTGAATTCATAATGGTAGAGTTCGCGCCCTTGT−3’
MGAT2R:5’−ACCGGTGCAGAACTCCAAGTGCTGGT−3’
増幅したヒトMGAT2遺伝子を、酵母発現ベクター、pPICZA (Invitrogen)に導入した。得られた発現プラスミドを、酵母(Pichia pastris)に電気穿孔法にて導入し、組み換え酵母を作製した。組み換え酵母を0.5% methanol存在下で72時間培養し、細胞を10mM Tris pH 7.5、250mM sucrose、1mM EDTA中でガラスビーズを用いて破砕した後、遠心分離にて、膜画分を調整し、酵素源として用いた。
【0116】
<MGAT2阻害活性試験>
以下の組成の反応液(100mM Tris pH7.0、5mM MgCl、200mM Sucrose、100μM Monooelin、500μM Phosphatidylcholine、15μM [14C]−oleoyl−CoA)に試験物質、MGAT2を発現した酵母膜画分0.1μgを加え、100μlの容量で、37℃、30分間インキュベートした。反応液に2−propanol/heptan(80/20) 100μlを加え、よく攪拌した後、200μlのheptanを加えさらに攪拌した。遠心分離後、heptan層をとり、ethanol/0.1N NaOH/HO(50:5:45)80μlを加えて攪拌した後、再度遠心し、heptan層を回収した。得られたheptan層を乾固した後、Microscint 0 (PerkinElmer)100μlを加え、液体シンチレーションカウンターで、放射活性を測定した。阻害活性は以下の式により算出した。なお、膜画分非添加の放射活性をバックグラウンドとした。
阻害率=100−(試験化合物添加時の放射活性―バックグラウンド)/(試験化合物非添加時の放射活性―バックグラウンド)X100
上記記載の方法によって測定した本発明に係る化合物のMGAT2阻害活性を以下に示す。
【0117】
【表20】

【0118】
上記結果から、本発明に係る化合物(I)は、強力なMGAT2阻害作用を有している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(式中、
は、それぞれ独立して、低級アルキル基(該低級アルキル基は、同一又は異なる1乃至3のハロゲン原子で置換されていてもよい)、低級アルコキシ基(該低級アルコキシ基は、同一又は異なる1乃至3のハロゲン原子で置換されていてもよい)、及びハロゲン原子からなる群より選択される基又は原子を示し;
は、
フェニル基、
窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群より選択されるヘテロ原子を環内に1乃至3有する5又は6員のヘテロアリール基、
3−7シクロアルキル基(該シクロアルキル基を構成する炭素原子の1つが、窒素原子で置き換わっていてもよい)、及び
シアノ基又は低級アルコキシカルボニル基、
からなる群より選択される基を示し;
該フェニル基、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群より選択されるヘテロ原子を環内に1乃至3有する5又は6員のヘテロアリール基、及びC3−7シクロアルキル基(該シクロアルキル基を構成する炭素原子の1つが、窒素原子で置き換わっていてもよい)は、低級アルキル基(該低級アルキル基は、同一若しくは異なる1乃至3のハロゲン原子、又はヒドロキシ基で置換されていてもよい)、低級アルコキシ基(該低級アルコキシ基は、同一又は異なる1乃至3のハロゲン原子で置換されていてもよい)、低級アルコキシカルボニル基、シアノ基、カルバモイル基、モノ−若しくはジ−低級アルキルカルバモイル基、ヒドロキシル基及びハロゲン原子、からなる群より選択される基で同一又は異なって1乃至3置換されていてもよく;
Rは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、低級アルキル基又は低級アルコキシ基(該低級アルキル基及び低級アルコキシ基は、同一又は異なる1乃至3のハロゲン原子で置換されていてもよい)を示し;
Xは、NR’、酸素原子及び硫黄原子から群より選択される原子を示し;
R’は、低級アルキル基を示し;
、Y、Y及びYは、全てCHを示すか、或いは、Y乃至Yのうち1又は2は、窒素原子であり、残りがCHを示し;
lは、0乃至3の整数を示し;
m及びnは、それぞれ1又は2の整数を示し;
pは0乃至2の整数を示し;そして
qは1乃至3の整数を示す]で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
、Y、Y及びYが全てCHである請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
Xが酸素原子又は硫黄原子である請求項2記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
lが0である請求項3記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
m及びnがそれぞれ異なって、1又は2である請求項4記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
Rがトリフルオロメチル基又はフッ素原子である請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
pが0又は1である請求項3記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
式(I)で表される化合物が、
6−(5,6−ジフルオロ−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)−3−フェニル−2−[(フェニルメチル)チオ]−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、
6−(5−トリフルオロメチル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)−3−フェニル−2−[(フェニルメチル)チオ]−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、
3−フェニル−2−[(ピリジン−3−イルメチル)チオ]−6−[5−(トリフルオロメチル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、又は
3−フェニル−2−[(ピリダジン−4−イルメチル)チオ]−6−[5−(トリフルオロメチル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン
である請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、MGAT2阻害剤。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、高脂血症、糖尿病又は肥満症の治療剤及び/又は予防剤。
【請求項11】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の化合物と薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。

【公表番号】特表2012−518597(P2012−518597A)
【公表日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−534955(P2011−534955)
【出願日】平成22年2月22日(2010.2.22)
【国際出願番号】PCT/JP2010/053179
【国際公開番号】WO2010/095767
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(595152759)MSD株式会社 (22)
【Fターム(参考)】